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2018/05/10 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第5号
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2018/05/10 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第5号

#1
第196回国会 経済産業委員会 第5号
平成三十年五月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員長の異動
 五月九日斎藤嘉隆君委員長辞任につき、その補
 欠として浜野喜史君を議院において委員長に選
 任した。
    ─────────────
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     古川 俊治君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     古川 俊治君     宮本 周司君
     斎藤 嘉隆君     真山 勇一君
     伊藤 孝恵君     鉢呂 吉雄君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     今井絵理子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜野 喜史君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                今井絵理子君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                石上 俊雄君
                鉢呂 吉雄君
                真山 勇一君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣官房情報通
       信技術(IT)
       総合戦略室内閣
       参事官      山路 栄作君
       個人情報保護委
       員会事務局次長  福浦 裕介君
       総務大臣官房審
       議官       横山  均君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房審議官     中石 斉孝君
       経済産業大臣官
       房審議官     前田 泰宏君
       経済産業大臣官
       房調査統計グル
       ープ長      渡邊 厚夫君
       経済産業省経済
       産業政策局長   糟谷 敏秀君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       渡辺 哲也君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇生産性向上特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
〇産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(浜野喜史君) ただいまから経済産業委員会を開会をいたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
 昨日の本会議におきまして経済産業委員長に選任をされました浜野喜史でございます。
 理事及び委員の皆様方の御支援、御協力を賜りまして、公正円満な委員会運営に努めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(浜野喜史君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、伊藤孝恵君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として鉢呂吉雄君及び真山勇一君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(浜野喜史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(浜野喜史君) 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○吉川ゆうみ君 おはようございます。自由民主党、吉川ゆうみでございます。
 本日は、先般、参議院本会議において世耕経済産業大臣に御質問させていただきました生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案につきまして、再度御質問させていただきたいと思います。
 まず、生産性向上特別措置法案は、生産性革命の実現がその狙いであると思っております。実際に現場の生産性を上げようと思えば、設備投資といったハード面だけではなく、人材育成といったソフト面にも大きく生産性革命、生産性向上は依存するものであると私は考えております。
 次々と目まぐるしいスピードで起こる技術革新やパラダイムシフトにしっかりと付いていくことができ、そして柔軟な発想でそれらの技術革新を活用、そして発展させていくことができる人材を育てていくことがこの生産性革命には何よりも重要であり、本来の意味での生産性革命の実現には、まさにこのハード面に加えてソフト面の対応も重要であるというふうに思っております。私は、こうした観点も含めて、今回の生産性向上特別措置法案に基づく施策を着実に実施することにより生産性の向上を実現していくことが必要であると考えております。
 そして、生産性向上を実現していく中で、日本企業は古くから長期的視点や社会への貢献などを意識したビジネスを行ってきたことを強みとして生かしていくという視点も忘れてはならないというふうに思っております。
 本会議でも御質問の中で入れさせていただきましたけれども、昨今の世界的なESGの流れの中で、我が国の企業は必ずしも効果的な情報発信を行っていることが残念ながらできていないというところもあるかと思っております。投資家からの確実な評価につなげていくためには、ESGに関する企業の取組について政府などがサポートしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 自民党経済構造改革に関する特命委員会の最終報告、経済構造改革戦略ターゲット4においてもESG投資の推進について言及をしておりますし、現在、党の一億総活躍推進本部におきまして資本市場・ESG投資プロジェクトチームを立ち上げ、一億総活躍のためにもこのESG投資の活用を推進すべく、私も座長として取りまとめをさせていただいておる最中でございますけれども、こうした観点から、経済産業省といたしまして、日本企業のESG投資を推進しやすい仕組みをつくり、そしてESGに関する取組を資本市場に効果的に発信していくためのサポートをどのようにお考えか、経済産業省さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
#8
○政府参考人(糟谷敏秀君) 日本企業は、社会貢献などESGに通じる経営を行ってきたとされるわけでございますけれども、そのような取組が市場や投資家から十分に評価されてきたとは言えないというのも事実であろうかと思います。この背景には、ESGの取組が、自社の長期的な成長につながっているというストーリーを示して投資家と経営者との間で建設的な対話を積み重ねていく、こうした取組が十分でなかったということが大きな要因としてあるのではないかというふうに考えております。
 経済産業省では、こうした観点から、このような投資家と経営者との間の対話に必要な枠組みをまとめました価値協創ガイダンスを去年の五月に公表をいたしております。このガイダンスは、東京証券取引所の企業価値向上表彰にも活用されるなど、経営者と投資家の対話に必要な手引として浸透しつつあるというふうに考えております。
 加えまして、この価値協創ガイダンスを踏まえた企業と投資家の対話の場として、昨年、統合報告・ESG対話フォーラムを立ち上げました。関西でもこの動きを受けて同様の対話の場が立ち上がるなど進展が見られるところでありますが、価値協創ガイダンスの活用を表明できる仕組みと場を更に広げるなど、日本企業によるESGの取組の発信を経済産業省としても引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#9
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 我が国の強みを生かすことができる、あるいは過去からの取組を生かすことができるチャンスだと思っております。是非とも、経産省さんにおかれましては、引き続きの後押し、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に参ります。
 海外ではサンドボックス制度を導入する国も増え、革新的な技術やビジネスモデルを自国内に引き込む競争が起きている中において、我が国も後れを取ってはなりません。規制のサンドボックスは革新的技術やビジネスモデルを我が国に早期に実装するための重要な手法であり、是非とも早期に制度化、そして実現し、スピード感ある規制改革につなげていくことが重要であると考えております。
 他方、本会議でも申し上げましたとおり、ユーザーの安全、安心など、これらの点は日本企業が従来より大切にしてきた重要な価値であると考えております。特に、タクシーなど自動車による旅客運送においては、安全、安心の確保が最重要の課題であると考えております。いわゆるライドシェアなどについては、世界各国でも様々な議論が起きており、国によっては、禁止をしたりあるいは何らかの規制を行っているということが現状でございます。
 私、今回の規制のサンドボックス制度を利用することで、新技術の実証とはいえ、ライドシェアなどを事実上解禁するようなことがあれば、安全の確保、そして利用者の保護などの観点からは大変問題があるのではないかというふうに危惧をしておりますけれども、経済産業省さん、そして国交省さんに政府としての見解をお伺いできればと思います。
#10
○政府参考人(糟谷敏秀君) 新技術等実証制度、いわゆる規制のサンドボックス制度でございますけれども、これは、対象となる事業分野をあらかじめ限定しているわけではございませんので、御質問のライドシェアについても事業者からの申請はできる仕組みとなっております。
 他方で、実証に当たりまして、生命や身体の安全が重要であることは言うまでもございません。新技術等実証制度におきましては、事業者に対して、期間、場所、方法を限定して参加者の同意を得ること、実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に措置するために必要となる措置を講ずることを求めております。
 仮に御質問のライドシェアについて申請があった場合、規制を所管する主務大臣が、こうした措置が適切に講じられていることなどにより当該規制法令が保護しようとする権利利益が損なわれないことなどを厳格に確認の上、計画を認定するかどうか判断することとなるわけでございます。このため、規制法令に違反する実証計画が安全性などが確保できないままに認定されるようなことはないというふうに考えております。
#11
○政府参考人(早川治君) 国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保が最重要の課題と認識をいたしております。
 自家用車を用いたいわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。
 国土交通省といたしましては、仮にこのような形態の旅客運送を有償で行うことを前提といたしました実証計画の申請がありました場合には、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
#12
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、私、このサンドボックス制度、本当に重要であると思っております。しかし、先ほどの旅客運送の点など、安全、安心の確保、そういった点もくれぐれもお考えをいただきながら、しっかりと守るべきものは守った上で進めていただけるということをお願いできればというふうに思います。
 そして、新規産業、ビジネスの創出に関しましては、新しい技術に基づくビジネスだけではなく、地域に密着したビジネスの創出も重要であろうと考えております。地域課題に密着したビジネスといたしましては、例えばヘルスケア産業がございます。特に、経済活性化とあるべき医療費、介護費の実現の両方を達成するためには、公的医療保険、介護保険内サービスだけではなく、フレイル、認知症の予防といった新しい社会課題に、地域によっての現状や課題あるいは取組方法が異なると認識をしておりまして、画一的に国の施策を展開するだけではなく、地方自治体や民間と連携したその地域に合った取組、そしてその周辺の保険外のサービスの活用などが重要であり、これまで経済産業省、厚生労働省さんにおかれましても、ヘルスケアサービス、ヘルスケア産業を活用した様々なお取組を行ってきていただいたと承知をいたしております。
 このような官民連携によって社会的課題を解決する枠組みといたしまして、例えば現在、ソーシャル・インパクト・ボンドというような仕組みが有効と私考えておりますけれども、政府におかれましては、このソーシャル・インパクト・ボンドのような官民が連携した社会的課題を解決する方策につきましてどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 また、このソーシャル・インパクト・ボンドを推進するに当たっての施策についてお伺いをさせていただきますとともに、投資家や市民あるいは事業者が合意できるようなスキームにするためには成果指標の設定方法が重要であると考えております。
 このソーシャル・インパクト・ボンドを推進するに当たっての成果指標設定におきまして、経済産業省さんにおかれましては、これまでの取組の中で見えてきた課題などについてどのようなものがあるのか、お教えいただければと思います。
#13
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 御指摘のソーシャル・インパクト・ボンドは、地域の社会的な課題を民間の創意工夫を活用しながら解決するという手法でありまして、大変有効な手法であるというふうに思っております。事業の開始前に成果指標を設定して、その達成状況に応じて自治体等から事業者に対して支払を行うという仕組みでありまして、経産省としても意欲ある自治体の案件形成の支援に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、昨年度から、神戸市で糖尿病の重症化予防、それから八王子市で大腸がん検診の受診勧奨といった、この分野でのソーシャル・インパクト・ボンドとしては我が国で初となる案件が開始されております。また、今年度も広島におきまして、県とそれから県内の基礎自治体が連携して案件を組成するという動きが出ているというふうに聞いております。現在行っております糖尿病、大腸がん検診ということに加えまして、御指摘のように、フレイルあるいは認知症予防といった分野においてもこうしたソーシャル・インパクト・ボンドという手法が活用されることが期待されるところでございます。
 もちろん、こうしたソーシャル・インパクト・ボンドをやる中におきまして、成果指標の設定が重要だというのは御指摘のとおりであります。先行の事例を踏まえますと、幾つかポイントがあると思っております。一つは客観的に検証可能であること、それから短中期的に明らかになる指標であること、それから達成したい成果との関係が明確であること、それからその指標を用いることによってかえってゆがんだインセンティブを生じないことといったようなところがポイントであるというふうに考えております。これまで、最終的な医療費、介護費ということではなくて、例えばがん検診の受診率とか糖尿病のステージの移行率といったようなものが採用されているわけであります。
 経産省といたしましては、こうしたモデル事業の形成支援、それから自治体や事業者向けのノウハウ集の作成、セミナー等の開催に取り組んでいるところでございますが、厚生労働省を始めとする関係省庁や自治体、それから何よりも金融機関、こういったようなところのノウハウともよく連携しまして、ソーシャル・インパクト・ボンドの普及に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#14
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 これから新規ビジネスあるいは技術革新といったものを進めていくためには、やはりこういった地域の取組あるいは地域独自の取組をより後押ししていく仕組みが非常に重要かつ有効であるというふうに思っております。是非とも、より多くの方々が取り組みやすいように、その成果指標も明確な設定をしていただきながら、経済産業省さんといたしましても、この新しい仕組みづくり、そして革新の後押しというところに力を注いでいただけましたら有り難いなと思う次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 そして最後に、地域を支える中小企業・小規模事業者についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 本会議でもお伺いをさせていただきましたが、現在、事業承継が非常に大きな問題となっております。すばらしい技術やノウハウを持つ企業が後継者不足を理由に廃業になってしまうことは大変大きな問題であります。
 私も、これまで地元の企業の方々から、事業承継に関わる課題や切実な御要望をたくさんお伺いをさせていただいてまいりました。事業は順調なのに、優れた技術や技能を後継したくても後継者がいない、あるいは、せっかく後継しようと決断したにもかかわらず税負担が大きいなどの理由で事業を畳む、これは本当にあってはならないことであるというふうに思っております。
 昨年末の税制改正によって事業承継税制の抜本的拡充されましたので、その辺りは解決されていくことだと思いますけれども、今回の法案の中でも、中小企業の生産性向上あるいは事業承継に関する措置が講じられていることとなっておりますが、同時に、地方の実情に即した施策の実施が不可欠であるというふうに思っております。
 三重県でも、非常に今、国の機関や商工団体、金融機関と一体となった取組、事業承継が手付かずになっているところを手遅れになる前にということで、今しっかりと取組をさせていただいておるところでございまして、事業引継ぎ支援センターでよろず支援拠点と連携して取組をしている、中にはもう途絶えようとしていた名店の味をしっかりとそれによって残すことができた、そのような事例もございます。
 このような地域一体となった取組が極めて重要だと考えますし、地域ごとの現状に合った形での事業承継の実現、必要であると思っておりますけれども、このような地域独自の、あるいは地域の事情に合った取組、今後、国もしっかりと後押しをしていただきたいというふうに思っております。
 こういった地域の事業承継の支援につきまして、最後に、世耕経済産業大臣に中小企業へのエールも含めてお話をお伺いできればと思います。
#15
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、中小企業というのはなかなか後継者が見付からないというのが大きな問題になっています。
 最近では、やはり、廃業している中小企業の約半分は黒字なのに廃業をしていると、本当に深刻な事態になってきていますし、これを放置するとGDPとか雇用にも影響が出ますし、そもそも、すばらしい技術が承継されないということで、日本のやはり産業の競争力もそいでいくことになるんではないかというふうに思っておりまして、しっかりとこの中小企業の事業承継を強力に支援するということは非常に重要だと思います。
 ただ、携わっている機関がやたら多くて、もちろん国の出先機関もあれば、当然都道府県、市町村もありますし、あるいは独法もあります。いろんな組織が公的機関含めてあります。信用保証協会もありますし、さらに当然各金融機関、この中には商工中金のような公的金融もあれば地銀もある、さらに商工会、商工会議所、中小企業中央会もありますし、あと、いろんな士業の、税理士会とか、あるいは士業の専門家の個人の先生方も事業承継に携わっておられますし、これ過去、渡邉委員から窓口多過ぎると何度も御指摘を受けているんですが、いろんな窓口があって、事業引継ぎ支援センターからミラサポ、よろず支援拠点、再生支援協議会、これがいろいろあって、これがばらばらにやっていたのでは全く効果が上がりませんので、我々は、これを事業承継ネットワークという形で都道府県単位で、事業承継に関する窓口機能を担っている、ノウハウを持っている人たちが一堂に会して、きちっと連携して対応していくということをしっかりとやっていきたいというふうに思っています。
 今御指摘の三重県の事例についても、これは事業引継ぎ支援センターとよろず支援拠点と県の産業支援センターが連携した結果うまくいったわけでありまして、こういった好事例の水平展開をしっかりと図ってまいりたいというふうに思います。
#16
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。またよろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
#17
○矢倉克夫君 おはようございます。公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 法案に入る前に、先ほど吉川先生が質問されたソーシャル・インパクト・ボンド、私も前回質問させていただいたんですが、大変重要な取組であるかというふうに思っております。是非、経済産業省が有力な動力の一つとなって、政府全体の取組として更に進めていただくことをまず大臣に御要望を申し上げたいというふうに思っております。
 その上で、本日、法案の審議でございます。生産性向上特別措置法と産業競争力強化法でありますが、私からは、特に生産性向上特別措置法上のまた規制のサンドボックスについて、また議論をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、大臣の規制一般についての御認識をお伺いしたいなと。といいますのも、主に経済発展という文脈で規制を語るときには、いろんな規制の捉え方、様々あるわけですけど、極端な見方をすれば、規制というのは存在そのものが悪だと、これがなくなればなくなるほどいいんだというような御意見も一部はやはりあるかなというふうに思っております。ただ、私は、やはり時代の変化に応じて更に規制が必要になる部分もあり、残さなきゃいけない規制も当然ある、そのバランスの上でどういうふうに規制を変えていくのかというバランス感覚も必要かというふうに思っております。
 先ほどのような規制は悪だという感覚は私は間違えていると思っているんですが、その辺りについて、大臣の規制一般についての御認識、お伺いしたいというふうにまず思います。
#18
○国務大臣(世耕弘成君) 私も、規制がもうそのものがすなわち悪だという立場には立たないわけであります。これは、経済の発展の歴史の中で、やはり市場原理に任せていただけでは世の中大変なことになるということが起こってきたわけですね。古くは独禁法なんかもそういう考え方から出てきている。あるいは、資本家と労働者の関係においても、これ市場原理に任せていると労働者はどんどんどんどん搾取をされていく、資本を持っていない労働者は搾取をされていくということでいろんな労働の規制というのが掛かってきた、そういう歴史があるわけでありまして、規制というものについては、基本的には国民の安全ですとか健康の確保ですとか、あるいは現代的なテーマでいけば環境の保全、こういった目的のために整備をされるものであって、こういったものを達成するためには、規制というものは一定程度必要だというふうに思っています。
 ただ一方で、この規制というものも時とともに移り変わっていく、場合によってはやはり古くなってしまうということもあるんだろうというふうに思っています。特に、もう長い間余り見直されることなくずっと続いてきた規制の中には、もしかすると、従来の手法ではなくて、規制が成立した時点で想定されなかったような革新的な技術を利用することで、その規制が本来目的としていた国民の安全とか健康の確保といったことを別の方法でより一層適切に達成することができるものもあるというふうに思っています。
 特に今、今ある規制の中にはインターネットを前提にしていないものなんというのはたくさんあるわけでありますし、この第四次産業革命という中で、国内外の技術ですとか情勢変化のスピードが物すごい勢いで増している中で、この日本が豊かで活力ある国であり続けるためには、規制の見直しとか規制の改革というのはやはり不断に続けていかなければいけない、時代に適合した規制の在り方というものを常に模索をしていかなければならないというふうに考えております。
 特に、この新しい技術と規制の関係が今の時代に適合しているかどうかを検証していくためには実社会において実証することが有効だというふうに考えておりまして、この第四次産業革命に対応して、実証データを活用して、規制の緩和だけではなくて、きちっとした、時代に合った制度整備につなげる仕組みであります今回のサンドボックス制度というのも役割があるんではないかというふうに思っています。
#19
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 大臣に規制一般についてお伺いした後、では、今回の制度の理由はいかんということをちょっと次にお問いをしようと思っておりましたが、大臣が今多く答弁をいただいたので、事務方の方に、今の、私、大臣の御認識を前提にした上で、ちょっと更問い的にまたお伺いしたいというふうに思うんですが。
 大臣が今おっしゃっていただいた中で、規制は、古くなった中で、新しい手法によって更にその規制の目的をより一層適切に実現し得る場合があるというお言葉がありました。すごい重要な視点だというふうに私思います。規制が当初できていた、やはり文言ですから、その文言からいろんな解釈が生まれるわけですけど、いろんな時代の変化で当然限定解釈し得るような場合も出てくる。
 しかし、それが役所の中で解釈ではグレーとして結局は認められないものだというような運用がある中、一切、そのグレーのところでもちょっと実証をしてみて研究してみようというような余地も今後は出てくるわけであります。そのための制度としての実証であるという、それを繰り広げることで本来目的達成し得るような規制に新たに変わっていくことになるんじゃないかというような趣旨だというふうに私、大臣のお言葉、今お伺いしたところでありますが。
 お伺いしたいのは、実証である、それは規制の目的を達成するための実証であって、規制を即撤廃するであるとか、そういうようなことに直につながるようなものではないということ。そういう趣旨で、例えば法律の方も、この十一条の四項なんですけど、主務大臣が最後認定するに当たってですが、その認定要件では、あくまで十一条の四項の三号で「新技術等関係規定に違反するものでないこと。」という、既存の法規定に違反するかどうかということが認定するに当たっての基準になっているわけであります。
 この規定を設けている趣旨というのは、あくまで実証イコール即規制の撤廃になるということを想定していない。むしろ、規制の目的を、別途適切に達成できるものであればそういう余地もあるかもしれないけど、そうでなければこれは本来の制度の趣旨には合わないものなんだということを私は前提にしているという理解でおりますが、更問いで恐縮ですが、事務方から答弁いただければと。
#20
○政府参考人(中石斉孝君) お答えいたします。
 今大臣の御答弁でもありましたように、私どもの基本的な認識としましては、新しい技術が出てきたと、その技術について、これが規制との関係がどうなんであるかということにつきましては、まず実社会で実証を行って、新しい技術と規制の関係を検証することがやっぱり大事じゃないかと。それが、規制といったものがアプリオリにこれが駄目というわけではありませんが、新しい時代に即応した規制や制度の整備につながっていくんではないかというふうに思っています。
 今回のこの制度をつくりました背景としましては、今委員からも御指摘がありましたように、新しい技術でありますので、なかなか既存の規制との関係が明確でないということがございました。
 例えば、事業者からの声を聞いておりますと、事業者が提案いたしましても、規制所管官庁は新しい技術が必ずしも詳しくない、理解が十分ではない。そして、そのこともあって、担当レベルでは新しい技術と規制の関係がはっきりしないままになってしまっているということでありました。そのために、事業者は、実社会で実証を行おうとしても、なかなか規制官庁の方からこれはオーケーだと、可能だということも言っていただけずに、結果として、これは法令違反になってしまうのではないかということを懸念してしまいまして、国内での事業活動、実証を諦めてしまうと、こういうことが多々あったわけでございます。そして、この実証データというのが国内で得られないということが更に悪循環としまして、規制官庁の方でも、国内で実績がない、実証データがないということで、規制が新しい時代に即応したものなのかということも検証、検討ができなかったということで考えております。
 そうした中で、委員御指摘のとおり、今回の十一条の四項三号で規制の法令に違反するものでないことという規定もありますけれども、今回、新しい新技術の実証制度においては、私どもの考えとしましては、期間や参加者等を限定することなどによって規制対象、本来は永続的といいますか通常の事業であるものを対象としているものを、今回、実証というもので一つのくくりをつくって、既存の規制との適用関係では少し考え方を変えて、まずは実証ができる余地がないものかということを探っていきたいというふうに考えているところであります。
 そういった中で、今回のさらに制度の趣旨としましては、規制はあらかじめこれはなくすものだとか廃止するものだということでありませんので、やはり適切な措置をきちっと講じた上で、まずは実証を取って、エビデンスを取ってみて、そして議論を始めていこうということでありまして、私どもとしては御理解いただけると思います。
#21
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 エビデンスを取って、そのことに進む目的、ただ、先ほど大臣がおっしゃったように、目的を更に適切に実行できるようなものであるかというところの検証だというふうに私は思っております、改めて。
 その上で申し上げたいのは、世間では、やっぱりこの制度が濫用されて、とにかく規制を何でもかんでも撤廃する道具になるんじゃないかというような御懸念があるわけであります。私は、そうではないということを明らかにする上で、改めて安全に対する規制に対するこの関係性というのをちょっと確認したいなというふうに思っております。なぜならば、安全を守るという目的そのものはいつの時代であっても変わらないわけであります。
 その上でのことでお伺いしたいのが、やはり先ほども吉川先生がお話があったライドシェアの話、私からも質問をしたいなというふうに思います。
 国交省さん、今日来ていただいているわけでありますが、いわゆる白タクの行為というもの、それについて規制をする上で、例えば許可制にしたり、また、タクシー事業者、運行管理や車両整備管理や保険加入を義務付けたりとか、ドライバーを、そのようなことについての規制があるわけでありますが、こういった規制を取っていらっしゃる背景とともに、その中でこのライドシェアというものがどういうふうに評価され得るのか、それについての国土交通省の見解をお伺いをしたいというふうに思います。
#22
○政府参考人(早川治君) お答えをいたします。
 我が国の道路運送法におきましては、輸送の安全を確保し、道路運送の利用者の利益の保護及びその利便の増進を図るということを目的といたしておりまして、自家用自動車を用いた有償運送については、道路運送法の目的である輸送の安全の確保、利用者の保護等の点で問題があることから、原則として禁止をいたしております。
 自動車を使用して有償で旅客運送を行うということに当たりましては、委員御指摘もありましたけれども、運行管理や車両整備管理等について責任を有する者を選任し、運行管理及び車両の整備管理についての措置を的確に実施するといったようなことが義務付けられております。また、運送事業者は、自動車損害賠償保障法の下で、運行供用者として自らの管理下にあるドライバーの起こした事故に関して厳格な民事上の責任を負うということとされているところでございます。
 その意味で、自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、今申し上げましたような運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。
 したがいまして、国土交通省といたしましては、このような形態の旅客運送を有償で行うということは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えているところでございます。
#23
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 特に安全の部分というもの、特に車両の運行というものについては非常に影響が甚大であり、生命、安全についての影響、仮に一旦発生した場合は非常に大きな影響が起き得る場合であるかなというふうに思っております。
 仮にこの法案の前提で関係する人の同意を得た上で実証しても、外に出て運転をすればその同意外の人にも損害が及ぶ場合もあり得る。その中で、一般の比率に基づいた損害だけで済むかというような話もある。例えば、生命保険とか損害保険等では金銭的な保障は得られても、それはあくまでも損害の一部にとどまっているものであって、事故によってはもう精神的な打撃とか生命的な損失についての保障はしようがないというような、そういうリスクは幾ら実証であったとしても仮に起きた場合は起こり得るものではあるというふうに思います。
 そういう中で、仮に実証であったとしても、規制を緩和するという形であったとしても、このような生命、安全の分野について安易に規制を緩和するというような方向でこの実証が運用されてしまうのは非常によくないなというふうに私も思っておりますし、その部分をしっかりと担保する形での制度の運用をこれから考えていかなければいけないし、そうあるべきだという今理解で改めて思っております。
 その上で、先ほどの話の質問にも戻りますが、私の意見としましては、このような、元々本制度は、規制の目的が更に適切に運用されるためには新たなチャレンジが必要だと、そのための実証としてはいいかもしれませんが、安易な実証によって規制の目的そのものが没却されるような運用であってはいけない。とりわけ、安全性やそういうものを配慮をするための規制というものは、しっかりと守られるべきことを慎重に守った上で運用しなきゃいけないという前提に立った上で考えなければいけないなというふうに思っております。
 そういう観点から、特にこういう安全の部分に関しては、主務大臣が事業者の申請内容が規制法令に違反していると例えば判断した場合は革新的な事業活動評価委員会の意見を聴く前提にはなっておりますが、その意見を聴く形は取った上で、さらにはやはり認定しないと決めた場合はこれが最終判断になるという理解でおりますが、この辺りについての経産省の御意見をいただきたいというふうに思います。
#24
○政府参考人(中石斉孝君) 実証に当たりまして生命や身体の安全が重要というのは確かにおっしゃるとおりでございます。また、その実証に当たりましては、委員御指摘のとおり、事業者に対し、参加者の同意を得ること、実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を求めております。
 それで、主務大臣が新事業等実証計画の認定を判断する際、法律では革新的事業活動評価委員会の意見を聴くとなっておりまして、委員会は経済全般に及ぼす効果に関する評価を行って、主務大臣はこの評価委員会の意見を聴いて判断するとなっております。
 主務大臣は、この評価委員会の意見を聴き、そしてそれを尊重する義務はありますけれども、申請内容が規制法令に違反しているかという判断する場合においては、第十一条四項の認定要件を満たしていないものとして当該計画を認定しない旨最終決定を行う権限を持っておりまして、最終的には主務大臣の御判断ということになります。
#25
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 今お話がありましたとおり、最終的にはこの十一条四項、先ほど、冒頭申し上げました十一条四項、「新技術等関係規定に違反するものでないこと。」という認定要件に基づいて主務大臣が決定をし、そしてそれが最終判断となるということであります。そういう部分での主務大臣の権限というのは侵されない制度であるということを今確認をさせていただきました。ライドシェアの問題についても、その制度の前提で適切に是非運用をいただきたいことを改めて御要望を申し上げたいというふうに思います。
 質問はこれで終わりにしたいというふうに思いますが、残りの時間を使って一つだけ。
 他方で、やはりこの制度の有用性というのは非常に重要でありまして、私、この前まで中国に少し行かせていただきましたが、改めて向こうのモバイル決済の進展の早さというのは実感もいたしました。いろいろお話を聞いている限りでは、一年間であのような形で進展をしたという話も聞きました。
 大使館の職員の方にもいろいろ聞いたんですが、二〇一六年段階ではこういうモバイル決済に対応するような形を取っていたのが百人中三人ぐらいだったのが、その後の一年間でもうこれ対応するような形での動きをしない限り社会で生きていけないような形になり、結局、大使館の方の百人中百人がみんなモバイル決済で対応するような仕組みを自分としてもつくらなければいけないというようなことになった、それぐらい社会が動いていくと。
 こういう社会のすごいスピードの中で、中国とは法体系がやはり違う我が国としては、社会への実装をどうやって安全にやっていってこの経済競争を勝っていくかという悩みはやはりあるかなというふうに思います。そういった悩みの中でこの制度が是非しっかりと運用されて、経済発展にもしっかりつながることをまずは御期待を申し上げたいというふうに思います。
 最後、あともう一点だけなんですが、固定資産税ゼロの特例についてでありますが、御案内のとおり、これ市町村が議会で条例を作らなければいけないものであります。私が把握した限りですと、議会が、地方自治体のうち大体半数以上はもう六月一日から六月八日までが開会日となっている。すぐに開会をしてその六月議会の間に条例を作らなければいけないというようなスケジュール感で、それが運用されて初めてこの法律がしっかり津々浦々に、日本全国に広がっていくものになっていき、中小企業の事業者の利便性にもつながっていくということであります。
 こういうスケジュール感もにらみながら、是非しっかりと、その後の運用の在り方等も経済産業省にしっかり御検討いただくことをお願いを申し上げまして、この点についてはまた次回、必要であれば御質問することも改めて申し上げまして、私からの質問にしたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#26
○大野元裕君 国民民主党・新緑風会の大野元裕でございます。
 国民民主党として本委員会で最初の質問をさせていただくに当たり、改革中道政党、そして解決提案型の政党としてしっかりと現実的な議論をさせていただくことをまず冒頭述べさせていただきたいと思っております。
 その上で、前回に引き続きまして、生産性向上特措法及び産業競争力強化法改正案について引き続き質問させていただきたいんですが、その前に、冒頭、大臣に、前回のときにも少し議論になりましたけれども、日米の経済関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 総理の訪米という件もございました。新たな日米の経済対話の枠組みが設定されたという、そういう報道もなされております。そのような中で、大臣はこの委員会におきまして、例の鉄鋼、アルミニウムに関するアメリカの通商拡大法二百三十二条適用、この問題については明確に、安全保障を理由としている措置で日本を対象とすることは適切ではなく遺憾であるというふうに述べていただきました。また、アメリカに対してもきちっと遺憾の意を伝えるとともに、適用除外されるべきであるということも明言をされました。そしてさらには、WTOのルールに従って対応すると、求めていくということもこの委員会で御発言をいただきました。
 ところが、気になりますのは、この委員会での発言にもかかわらず、その後の総理の訪米等も含めて、これまでの麻生副総理それからペンス米副大統領との間での日米経済対話に加えて、貿易協定についても、これまで閣僚レベルで責任者となってきたUSTRのライトハイザーさん、あるいは茂木経済再生担当大臣との間で新たな日米経済協議の枠組みが立ち上げられたということでございます。
 まさかとは思うんですけれども、これ大臣、前回、前々回ですか、のときの議論でも、他国については、様々な二国間の貿易関係についてそれらをてことして、例えば韓国なんかの場合にも二国間の貿易協定が進められたのではないかというような御指摘も大臣御自身がされておられましたけれども、まさかとは思いますけれども、鉄鋼、アルミニウムの除外をてことするか、あるいは、もちろんそれはてことするか否かにもかかわらずですけれども、日米自由貿易協定締結に向けての協議に我が国が入るようなことはないというふうに断言をできますでしょうか。
#27
○国務大臣(世耕弘成君) まず、二百三十二条に関する我が国の対応というのは、これはもう全く変わっておりません。安全保障上の懸念というのは我々の製品には全くないわけでありますから、そのことについては除外するように引き続き強くアメリカに求めていきたいと思いますし、我々は、あくまでもWTOの枠組みの中でこの問題には対応していきたいというふうに思っております。
 今御指摘の総理訪米の際に立ち上がった協議、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、これ今、略称でFFRというふうに言われておりますけれども、これは二百三十二条とは関係なく、また今御指摘の日米FTA交渉と位置付けられるものでもなければFTAの予備協議でもないという枠組みということになるわけであります。
 日本としては、TPPが日米両国にとって最善であるというふうに考えておりまして、その立場で引き続きアメリカに対して議論をしていきたいというふうに思っております。
#28
○大野元裕君 日本の立場については共同記者会見でも総理が述べておられましたが、その一方で、それにもかかわらずトランプ米大統領は二国間貿易の方がいいと、そういう発言もされておられました。
 そんな中で、少しそうすると分からないんですけれども、そうすると、なぜ、これまでのペンス副大統領と麻生副総理の間の、これ非常に高いレベルの経済対話であります。それに加えて、新しい日米協議の枠組みがなぜ、理由ですね、必要となったのか、教えていただけますでしょうか。
#29
○国務大臣(世耕弘成君) いわゆる麻生副総理とペンス副大統領の間で行われている日米経済対話というのは、貿易、投資はもちろん入っているわけですが、それだけではなくて、インフラですとかあるいはエネルギーといった幅広いテーマ、もう日米経済全体に関わるテーマを日米経済対話という形でやっていこうということになっているわけであります。
 今回のFFRについては、これはあくまでも貿易、投資に焦点を当てて、そして公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現すると、そのための協議だということになるんだろうと思います。
#30
○大野元裕君 そこがよく分からないんです。というのは、これまでに二回、日米経済対話行われています。実際に、そのときの結果について、これは外務省のホームページから取ってきたものですけれども、そこにも書かれておりますけれども、まず一点目は、先ほどおっしゃった自由で公正なルールに基づく貿易と投資、これについてきちんとやりますと、あるいはこれからもやりますと、そういうふうに麻生さん御自身がおっしゃっておられます。さらには、日米のみならず世界経済の成長と繁栄を実現するためのものであり、なおかつG7で確認された三本の矢の枠組みを推進をしていく、ローエンフォースメントもやっていく、こういったことを明確に述べられていて、なおかつ、これ非常に高いレベルですから全部カバーできないかもしれませんが、その下にはいわゆる具体的な成果を得るための双方の部会を設けてこれまでも議論が進んできたんです。ということは、今回の大臣がおっしゃったFFRの分野は、少なくともこの二回の会合で確認をされている、カバーをされている分野だと思っています。
 だからこそお伺いをしているんですけれども、なぜ、高いレベルでできている、事務レベルでも具体的な議論が進んでいる、日米のみではなく貿易や投資についてカバーをし、そして世界における貿易や投資を、自由貿易をリードしていく、こういった枠組みがあるにもかかわらず、なぜ改めてお二人の協議が必要なんでしょうか。
 私も、実はゴールデンウイーク中、アメリカに行って、ワシントンでいろいろ話をして、USTRも行ってきました。そこでもいろんな話も出てきました。副大統領と副総理の間のケミカルな話まで伺ってきました。
 それ以上突っ込みませんけれども、要するに、なぜこれがもう一度必要だったのか、何が欠けていたから必要なのかということをもう一度明確に御答弁ください。
#31
○国務大臣(世耕弘成君) なかなかちょっと私の立場で答えにくい部分もあるんですが、確かに日米経済対話、麻生副総理、ペンス副大統領の下にワーキンググループがあって、その中で貿易、投資について議論をするワーキンググループもあったわけでありますが、今回はその貿易、投資の部分について焦点を当てて閣僚級でやると。焦点を当てて閣僚級というところが一番ポイントではないかというふうに思っています。
 やはり副総理、副大統領というのはいろんなほかの業務もある、その下にあるワーキンググループはあくまでも事務方の組織であった、その中で貿易、投資に関して閣僚級で焦点を当てて取り組むということで今回の新たなFFRが立ち上がったということになろうかというふうに思います。
 今回のこの日本側は茂木大臣が務められる閣僚級によるFFRというのは、あくまでも日米経済対話に対しては報告をするという立場だというふうに理解をしております。
#32
○大野元裕君 報告を受けるというのは、私も報道で拝見をいたしました。
 実は、大臣、この委員会で大臣おっしゃったのは、麻生副総理とペンス副大統領の下、経済対話という形で建設的に議論が行われているということを、実は今年に入ってからもおっしゃっておられるんです。そして、実際のその二回目の日米経済対話においても、それまでの進展について双方が評価をし、具体的な貿易分野や投資ルールについて議論をされています。
 だからこそ、是非大臣にお願いをしたいのは、TPPが我が国にとっては日米自由貿易協定よりも好ましいのは私も同じ意見であります。なぜならば、大きな国とやはり経済協議をするときにはどうしても我が国の方が不利に置かれてしまう。ガットやWTOのときにも、私、当時外務省にいましたけれども、実はヨーロッパというてこがあるからアメリカと協議ができたという、そういった経緯もあります。
 だからこそ、経済を所管される大臣として是非お願いをしたいのは、日米自由貿易協定にこの会合が向かうための第一歩にはならないということを御明言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#33
○国務大臣(世耕弘成君) やはり我々は、TPPが最善という立場に常に立っている、そしてTPPの方が日米にとってもベストだという立場に立っているわけであります。だからこそ、今回、このFFRの担当大臣はTPP担当である茂木大臣がなられたんだろうというふうに思います。
 委員御指摘のような考え方で、我々はあくまでもTPPが最善という立場で交渉をしていくことになるんだろうと思います。
#34
○大野元裕君 TPPが最善ということで二国間協議はそこはもうやらないと、一歩にはならないというところまでを踏み込んで御発言をいただけなかったというのは大変残念でございますけれども、これについてはまた引き続き議論をさせていただきたいと思います。
 時間も限られておりますので、法案の質疑に入らさせていただきます。
 まず、規制のサンドボックスについて伺いますが、前回のこの議論において、我々、いろんな様々な議論をさせていただきました。その中で、私も若干政府側の答弁がよく分からないので、いま一度整理して伺っていきたいと思っているんですが、今回の規制のサンドボックスは、他国の制度と比べて、フィンテックとかそういった分野だけではなく、本当に広い分野を規制緩和の対象にしています。
 そういった中では、例えば先ほど矢倉先生の御質問でもありましたけれども、ライドシェアの問題だとかあるいは雇用の問題、つまり安全や雇用に関わる規制について安易に拡大されるのではないか、しかも、それがサンドボックスだけではなくて、それが更に一般に広がってしまうのではないか、こういった懸念を国民に与えるようなものであってはならないという立場から前回質問をさせていただいたのは、他国ではこういったサンドボックスに入っている中では、例えば報告だとかあるいは監視、さらにはモニター、そして様々な所管の省庁や大臣による権限、これが定められているということを明らかにした上で、我が国の制度の中にモニター制度が含まれていない、それから法律上明文化されていませんねという、そういった議論をさせていただいたのを大臣も覚えておられると思います。
 そこで御質問をさせていただきますが、二点あります。
 一つ目は、もう一度確認ですが、法律にモニター制度は書かれていないということがまず一点。そして二点目、そうだとすると、これは少し議論を進めたいと思うんですけれども、そうだとすると、その際には、規制緩和の範囲を拡大する我が国の本法案の趣旨に対応するための措置としてどういったことを今後講じていくべきなのかということについて、改めて、この間宿題としてお渡ししたと思いますので、整理して御答弁をいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(世耕弘成君) まず、このモニタリングそのものが法律の中に入っているのかどうか。これはちょっと法律論になってしまうかもしれませんけれども、今回の法案の五十条には「実施状況について報告を求めることができる。」となっていて、我々は、これがモニターに当たるんではないかというふうに我々としては解釈をし、そういう気持ちでここへ入れているわけでありますけれども、前回の大野委員の御質問は非常に建設的で、非常に示唆に富んだ御質疑だったというふうに思っておりまして、我々はこれをもう少し報告を求めることができるということがまさにモニタリングをやろうとしているんだということをしっかり明確にしたいというふうに思っていまして、この法案を成立させていただいた後には当然省令を規定するわけでありますが、その省令の中でこの五十条の規定を活用して、事業者が主務大臣に対して実証中の定期的な報告、そして実証終了後の報告、そして実証中にトラブルが生じた場合の速やかな報告を行うことをこの主務省令の中にしっかり規定をして、定期的にモニタリングをすることをしっかり担保をしてまいりたいというふうに考えております。
#36
○大野元裕君 省令でのレベルというのは、私もそれは理解します。というのは、たしか香港もそうだったと思いますし、イギリスの最初のフィンテックでも省令レベルでのモニターの規定だったと思います。それは確かに私も同意をいたしますし、そういった方向で進めていただきたい。
 ただ、モニターが、モニタリングが法律に書いてあるかどうかという解釈の部分については、これもう、また堂々巡りになってしまうので今日はやりませんけれども、ただ、やはりそこは国民に対して分かりやすい形で法律を出し、そして事業の参加者、あるいはこれそのリスクを負う人たちも中には入ってくるわけです、同意をしたとしても。その人たちにも分かりやすくするためには、やはりそこは、きちんと書いていないんだ、でも省令でやるんだと、こういう整理をしていただいた方が、私は、国民や事業の参加者、特に先ほど申し上げたように労働や安全に対する懸念が残っていますから、そこについては認めた上で省令でやりますという方が、私は、はるかに国民に優しいというか丁寧だし、各省庁としてもあるべき態度ですし、なおかつ、これ経産省だけじゃないですからね、主務大臣はいろんなところにわたりますから、そこは共通の統一した措置が実施される上でも担保されることだと思いますので、そこは改めてお願いですけど、大臣、一言だけ御答弁いただけますか。
#37
○国務大臣(世耕弘成君) 私も大野委員の質問に対してこれだけ明確に答えて、少し報告かモニタリングかどうかというところの擦れ違いはありますけれども、こういう答弁でしっかり補足をして省令でやっていくということで、他省庁にもしっかりこの情報は共有をしてまいりたいというふうに思います。
#38
○大野元裕君 この話は先ほどお約束したとおりもう突っ込みませんけれども、少し別な観点から質問をさせていただきます。
 生産性向上特措法の定める革新的データ産業の活用指針については、データの安全管理の方法を求めるものとされています。その一方で、認定革新的データ産業活用事業者という、これ長い名称ですけど、この事業者については、第二十六条において安全管理に係る基準に適合することについて主務大臣の確認を受け、二十八条で、その後でIPAが事業者の依頼に応じて必要な協力業務を行い、かつ主務大臣がデータの安全確保に係る重大な事態が生じた場合において必要と認めるときにはIPAに原因究明のための調査を行わせるということができるという規定になっています。どちらかというと、これ、起きてしまってから起こってくることです。
 この後者の場合、つまり、IPAに原因究明のための調査を行わせる場合では、失礼しました、このデータ産業活用事業者がデータを活用する場合は、その中にはインフラだとかエネルギーだとか交通だとか財政、こういった関連情報、つまり政府や独法が保有する情報が提供されるということになっています。これが事業者の下で共有化される、そして加工をする。そうすると、私は悪意のサイバー攻撃の対象になりやすくなる可能性もあるのではないかと思っています。
 これ、大臣、非常に得意な分野でございますけれども、このIPAが事業者の依頼に応じて必要な協力を行い、必要な場合にIPAに調査をさせる。これ、必要というのは、事業者がまず依頼に応じて求めるわけですけれども、その規定で本当にいいんでしょうか。現在では、政府だけではなくて、独法も御存じのとおりNISCによる対応の下にあります。政府の情報を提供する以上、私は、これらの事業者についても政府と同じレベルの対応を求められてしかるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(世耕弘成君) 基本的には、今回、公にすることによって国の安全が脅かされる懸念があるデータなどはそもそもこの制度の対象外になるということになっていまして、認定革新的データ産業活用事業者が政府と完全に同一のセキュリティー対策を講じる必要があるかというと、それは少し、やや違うところがあるのではないかと思っていますが、一方で、このデータ産業活用事業というのは、御指摘のように、公的データも含めて多様な事業者からのデータ集約を行うということでありますから、その観点から十分なセキュリティー対策の確保が重要だと思っています。
 これ、二段になっていまして、まず一つは、これ必須の義務としてこの産業活用事業計画を認定するに当たっては独法などのセキュリティー監査も実施しているIPAがそのセキュリティー確認を行うということになっています。その上で、先ほど御指摘の仮に情報漏えいなどが発生した場合はIPAなどを通じて原因究明などのための調査を実施ということになっていますから、ほぼ政府に準じたセキュリティー対策が行われることになるのではないか。
 今独法というお話がありましたけれども、今政府、独法の中ではNISCとIPA分担していまして、政府機関についてはNISCがチェックをして、そして独法についてはIPAがチェックをしているわけでありますから、少なくとも独法並みの政府に準ずるチェック体制はあるんだろうというふうに思っております。
#40
○大野元裕君 独法並みという話がございましたけれども、実はこういった、確かに直接非常に日本の安全保障に関わるようなものでないとしても、例えばさっき申し上げたインフラ情報だとかそういったものについては、御存じのとおり、例のイランのスタックスネットのときがまさにそうでしたけれども、あれ、事態が起きる前にもう本当長年にわたってオペレーションが行われて、実はどこに何があるかといった情報を抜いてくるというのは数年掛かって行われたというふうに今報道等でも言われています。
 そうすると、何が起きるかというと、IPAというのは一般論で言うと商業ベンダーとの協力というのは非常に深くやっていらっしゃるんだと私は理解をしています。他方で、パケット流量等について、例えばGSOCがやっているようなものだとか、あるいは警察、何か起こったときですね、警察がそのアトリビューションやアービトレーションというのは、これ普通の一般事業者はできませんから、そこができるのはまさに司法権限を持ったところとかあるいは警察だとか、こういったところが主にできるわけであります。
 あるいは、商業ベンダーというのは起こってから大体発見するわけですけれども、ゼロデイウイルスのようなものについては、これ、政府間の情報の取引の中では分かっていて、そして、いわゆる中に侵入、イントルージョンする、そこでとどまると、そういったタイプのものについては、実は対応がなかなか難しいのではないか。
 しかし、政府の場合には何をやっているかといえば、各国との情報提供等に基づいて、そのゼロデイについてもある程度の情報があるとか、あるいは先ほど申し上げたパケット流量を見るとか、そういったことができるわけですから、やはり私は一歩踏み込んで最低限の対策として、NISCと分担しているところがあるというふうにおっしゃいましたけれども、NISCや警察と協力をできる余地というのは残しておく必要があるのではないでしょうか。
#41
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、これIPAというのは独法でありますから、NISCともよく連携をしておりますし、サイバーセキュリティーということに関しては警察当局とも当然連携をしている、IPAがIPAに閉じて対応するわけではありませんから、本当に何かの事態が起こったとき、あるいは事前に何かが情報が逆にIPAの側に入ってくるような場合、その辺は円滑な連携ができる体制にはしておかなければいけないというふうに思っています。
#42
○大野元裕君 IPAに情報が入ってきた場合は確かにそのとおりであると思います。
 他方で、事態が起こった場合、これなんです。事態が起こるって何だろうかという議論だと思いますけれども、かつて、防衛省と契約をしている企業については、事態が起こってから全体を取りまとめて報告するまでに時間が相当掛かって被害が深刻化したという事例もございました。
 あるいは、事態が起こるということなんですが、いわゆる何が起こったか分からない状況が起こる、何というか、何が起こったかその事業者には分からない、だけど不思議な状況になっているというのが事態が起こるもとかもしれないし、あるいは、先ほど申し上げたイントルージョンや、中でピボッティングするような場合は分からない、何も起こっていませんから。しかしながら、情報が抜かれるベースだけはもう長年できてしまっていて、ある日突然全部引っ張ってこられる、こういう事態がたくさんこれまでも起こってきています。
 そうだとすると、先ほどちょっと申し上げたんですが、情報の流出やいわゆる被害に遭う前であっても、悪意のあるいわゆる攻撃者のコントロール下に置かれてしまうような状況だけども事業者は気が付かないということは、私は大いにあり得ると思います。そうすると、商業ベンダーでは対応ができないけれども、しかし情報は政府には入ってきている、こういう事態が想定されるときにIPAだけで本当にいいのかどうか。閉じていないという話はありましたけれども、IPAに情報が入ってきていればいいです。しかしながら、ある程度政府に準じたような能力というものを与える必要があるのではないかというふうに思いますので、この立て付けでは、事業者の方から報告があり、問題が起こった場合にという立て付けになっていますけれども、事業者の能力にかかわらず情報の管理を行えるような制度設計というのはやはり必要ではないかと思うんですが、ここについていま一度教えてください。
#43
○国務大臣(世耕弘成君) まず、きちっとしたセキュリティー体制が取れているかどうかというのを、これが必ずIPAが見ます。IPAに関しては、これはもうほぼNISCと双子関係と見てもらってもいいと思うんです。政府における独法の方をIPAが担当しているわけですから、NISCが得た情報は間髪置かずIPAも共有されますし、IPAはそれを知った場合に、独法にだけしかやらないのではなくて、当然自分がある程度見ているこのデータ共有事業者に対しても情報提供は積極的に行っていくことになるんだろうというふうに考えております。
 ただ一方で、このデータ共有事業者というのはあくまでも民間であります。民間でありますので、何か全部報告させる義務まで持たせるかどうかというところは少し検討しなければならないのではないかというふうに思っています。
#44
○大野元裕君 若干、私はNISCとIPAの関係については大臣と理解が違っています。というのは、情報の提供レベルが違っていますから、そこについては必ずしもイコールではないし、それをもしやったとすれば、いわゆるセキュリティークリアランスは、私はIPAの人たち、取っているとは理解していません。そこでは若干違うと私は理解をしていますので、そのレベルというのは当然違うところはあるという前提でお話をさせていただいていますので、そこは大臣、違うんじゃないですか。
#45
○国務大臣(世耕弘成君) それは、違いがあるとしたらまさに安全保障とかそういうところの違いはあると思いますが、少なくとも、例えばNISCにしても、これ直接法律上の何かがあるわけではありませんが、重要インフラ事業者などにも情報提供をしている、そういうレベルの情報をNISCが取った場合はIPAと共有される、それはすなわち、事実上このデータ共有事業者とも共有されることになるんだろうというふうに思っています。
#46
○大野元裕君 この議論については是非また御検討いただきたいと思っていますけれども、ただ、大臣、最低限というか、この法律の中の権限にはありませんけれども、重要インフラ事業者などに関しては、例えばそういった深刻な事態があったときには、主務大臣にそれらの事業を停止する権限はないものの、しかし協力を求めることはできるはずです。
 だとすると、こういった政府の状況が一定程度提供された事業者については、これは当然、パッチを当てても全部のエントリーポイントとかファウンデーションを全部消すことはなかなか難しいですから、本当は一番いいのは、全部一回止めてそしてチェックすることが根本的には一番いいはずなんですけれども、それが必要な場合には、これらの事業者に対して、例えば事業の停止や関連システムの停止を、命令とまではいきませんけれども、協力を求められるような立て付けにするべきではないでしょうか。いかがですか。
#47
○国務大臣(世耕弘成君) 御提案でありますからよく検討したいと思いますが、このデータ共有事業者というのは、ある意味中小企業、物づくりの人たちも含めて考えていますので、そういった対応を本当に求めることができるのかどうかといったところまで含めてよく検討をさせていただきたい。共有しているデータのまたレベルにもよると思うんですね。それによって対応を変えていく必要もあるんではないかというふうに思っています。
 いずれにしても、少し検討はしてみたいと思います。
#48
○大野元裕君 セキュリティーの話だけしていると後ろ向きなので、今度はデータ活用の促進について、時間が余りないので一問で終わってしまうと思うんですけど、お伺いをしたいと思うんです。
 セキュリティーをきちんとするというのは当然データ活用をきちんと皆さんにしていただこうと、これが目的であるんだと私は理解をしています。他方で、経済産業省さんから教えていただいたのは、我が国企業によるデータ活用というのは他国と比較してもまだまだレベルが低いと、こういう御説明をいただきました。データ活用に関する周知等のほかにデータサイエンティストの不足も深刻だというふうにも伺いました。
 その一方、我が国の場合には、いわゆる統計法上の個社データ、これを商用目的で利用することが原則できないという規則があります。これについてデータサイエンティストに私も聞いてみたんですけれども、こういった制約があるのでグレーと思われるデータには手を出したくない、ほかにもたくさん仕事がありますからという、そういった意見もいただきました。
 我が国企業によるデータ活用を進める、これは今後の経済活性化にもとても大事なことだと思っています。しかしながら、その一方で、統計法上の特にミクロデータ、個別データの活用制約、これ改める必要があるのではないかと思っています。特に、他国における個別データの制約レベルに少なくとも我が国は合わせるぐらいには引き上げていく必要があるのかと思いますけれども、大臣と総務省、それぞれお伺いをさせていただきたいと思います。
#49
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、統計調査の目的以外の目的に利用又は提供することは、統計法上、この統計法上のミクロデータについては制限をされているわけであります。一方で、やはりデータ利活用の観点から、行政データのオープン化の範囲を広げていくということは、これは極めて重要だというふうに思っています。
 今後、利活用のニーズを踏まえながら、このミクロデータの活用に関しても、統計法の主管は総務省でありますので、総務省ともよく連携して検討してまいりたいと思います。
#50
○政府参考人(横山均君) 統計法では、統計調査の調査票情報について、その有効活用を図る観点から、二次的利用として三種類の制度を設けています。三種類の制度とは、調査票情報の提供、委託による統計の作成等、匿名データの作成、提供でございます。これらの制度によりまして、公的機関以外の者が独自の関心に応じた統計の作成等を行い得るようにしております。
 これらの制度の利用者については、現在のところ、調査対象者の秘密の保護や国民の公的統計に対する信頼を確保するために、調査票情報の提供の場合は公的機関又は公的機関から委託を受けた者に限定しております。また、委託による統計の作成等や匿名データの作成、提供の場合は学術研究を目的とした者等に限定しているところであります。
 しかしながら、委員御指摘がありましたように、近年、統計データの利活用ニーズの増加に対応するとともに諸外国の状況も踏まえて、現在国会に提出している統計法改正案を念頭に置いて、今後、委託による統計の作成等及び匿名データの作成、提供の利用者の範囲を学術研究を目的とした者等以外の者へ拡大することを検討しております。
 なお、これらの制度につきましては、具体的には総務省令で規定することを想定しております。総務省令で規定するに当たりましては、今後、連携を深める各府省の統計責任者が幹事として統計委員会を支える、そうした統計委員会に意見を聴いた上で、意見公募手続を経て策定したいと考えております。
#51
○大野元裕君 終わります。ありがとうございました。
#52
○真山勇一君 立憲民主党・民友会の真山勇一です。統一会派として出席をさせていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 私、この経済産業委員会は四年前、一時所属しておりました。茂木大臣のときだというふうに思うんですけれども、久しぶりに戻ってまいりました。世耕大臣とは初めてになります。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 四年ぶりに経済産業委員会に戻ってきて感じたことがあるんですけれども、やっぱり世の中は大きく変わっているなという感じで、ビッグデータですとか、AIですとか、IoTですとか、それから、いきなりサンドボックスというのが出てきて本当に私びっくりして、まあカルチャーショックを受けるような、四年間にやっぱり社会の進歩というか革新、技術がどんどんどんどん進化しているということを本当に思い知る思いがしております。本当に日進月歩だし、それからスピード感が必要だということが本当によく分かるんです。
 そういう意味で、これからまた私も質問してまいりますけれども、前に出た方の委員の質問とかなり重複したりダブるところがあると思いますけれども、それを是非お許しをいただきたいというふうに思っております。
 今回、この生産性向上特別措置法案とそれから産業競争強化法改正案、その中の目玉というのはこのサンドボックスが目玉になるのかなという感じもしておるんですけれども、私も、今申し上げたように、サンドボックスって聞いた途端に何じゃこれというようなちょっと印象を受けました。
 私、実は大学で英語の教職取っておりますので、まず、こういう英語の単語が出てくると意味とかそういうことの方が気になっちゃって、サンドボックスって砂場だよな、砂場とこれだけ革新的な最新技術とどういう関係があるのかなと自分の頭の中ではつながらなかったんですね。やっと、いろいろ御説明を受けて、事前にレクチャーを受けて、それで、イギリスで規制緩和とか新しい技術革新をするための、何でしょうね、やっぱり砂場で、砂で何でも作れますよね、で、すぐ壊せますよね。多分そういうイメージがあってサンドボックスというのかなというような思いをしているわけですけれども。
 世耕大臣、これは質問にないので通告ないんですけれども、お伺いしたいのは、やっぱりこういう今革新的な技術とかITの関係というのはもう本当に一分一秒で進んでいくような、そんなスピード感があるんですけれども、業界の人、多分、世耕大臣の周りにいらっしゃる方は分かると思うんですよね。それから、この委員会の人も、やっぱりこういう問題を審議するわけですからそれは理解をしていると思うんですが、一般の人ってどのぐらい理解しているのかなという気がするんです。
 最近は、もちろん子供たち、子供たちはもう生まれた途端にスマホがあって、スマートフォンを指で動かしたりなんかするから自分でできるし、そういう知識というのをどんどん吸収するでしょうけれども、問題はやっぱり年配の方たちだと思うんですね。やっぱり一番問題なのは、そこにこういう新しい技術を使ってもらいたいということが今回のこの法案の趣旨でもあるわけですよね。
 例えば、事業者なんかでもやっぱり高齢の方がいらっしゃって、私はITは苦手だよと、多分多いと思うんですけれども、大臣の感覚として、どのぐらい一般の人というのはこういう、例えば経済産業省みたいな時代の最先端を行くような言葉、いろんなこと出てくる人たち、そういうもの、言葉を一般の人たちどのぐらい理解しているというような感覚をお持ちですか。
#53
○国務大臣(世耕弘成君) いや、なかなか難しいと思いますね。特に、この第四次産業革命もそうですし、IT化もそうですし、我々どうしても海外の事例とかを導入してやるというケースが多いものですから、どうしても片仮名になってしまって、余計物事を分かりにくくしている。恐らく、サンドボックスなんと言ってちゃんと分かっている人って世の中にはほとんど、もうこの永田町、霞が関かいわいぐらいしか余りいないんだろうというふうに思っています。
 そういう意味でも、この制度をやっていくに当たっては、やはり一般の方にも分かりやすい説明はしっかりとしていかなければいけない。あえて、ですから我々も新技術実証制度という頑張って日本語の名前も付けてやらせていただいておりますので、しっかりと周知に取り組んでまいりたいと思います。
#54
○真山勇一君 確かに、本当にどのぐらい理解しているのかなという思いというのはあると思うんですね。
 私はやっぱり、だから、年齢によるIT格差みたいなものが今の日本の中にあると思うんですね。だから、私はまだ実際に自分で行ったことないので、行かれたことあるかもしれませんけど、北欧の国なんかですと、全ての人がもうタブレット一つで全部日常の生活済ませるような、そういう生活、暮らしぶりになっているという話を聞きました。やっぱりこれからの目指す社会というのはある程度そうしたもの、特にIoTなんか使っていたりAIを使うと、やはり簡単にどうやって日常生活の中でいろいろ便利になっていくかということだと思うんですね。
 私、やっぱり最近感じるのは、新築の住宅なんかで、家の設備が本当にいろんなことが入ってきて、いや、こんなことができちゃうんだなということが今はどんどん出てきますけれども、そのIT格差をなくすために、経済産業省として、あるいはこういうIT通の世耕大臣として、どんなふうにして一般の人たちのその辺のレベルアップをしたらいいと思いますか。
#55
○国務大臣(世耕弘成君) そういう意味では、余りITの知識を教える必要なんというのはないと思っているんです。逆に、使ってもらうということが重要だと思っています。
 特に、これから高齢化がもっともっと進んでいく中で、例えば見守りサービスですとか、あるいは配車、タクシー配車のアプリですとか、あるいは将来的には自動運転とかですね、いろんなサービスがこれから出てくるわけでありますから、まず民間事業者が、もう要するにITのことを分かっていなくても、今、うちの母親なんかLINEでちゃんと絵文字とか送ってきますから、そういう何か楽しく使えるようなサービスをしっかりと民間事業者がつくっていく、つくり込んでいくということが重要じゃないかなと。
 その点、日本は弱いですね、はっきり言って。技術はすごいんだけれども、ヒューマンインターフェースというか、人間が使うときに、かなり取説しっかり読んで、いろいろ機能を覚えて使わないと駄目。これが今、例えばアイフォンだってそうですし、ほとんど説明書読まなくても使っていけばどんどんどんどん分かっちゃうというような商品とかサービスというのが出ているわけでありますから、日本も少し民間で努力をして、そういったサービスをもっともっとつくっていってもらわなければいけないんだろうというふうに思っています。
#56
○真山勇一君 やっぱりこういう新しい技術ですとか製品というのは、今おっしゃったように、習うより慣れろというのが大事だと思いますし、それから何よりも、使って楽しい、見て楽しい、何かこれがあると生活がとても楽しくなるというような、やっぱりそういう思いがないとなかなか難しいんじゃないかなというふうに思いますし、そういう意味で見ますと、これからまだまだこういう革新的な技術を広げていく部分というのはまだたくさんあると思うんですね。
 そういう意味で、これから質問に入りたいと思うんですが、やっぱり今回のこの生産性向上特別措置法案のこのサンドボックスって目玉だと思うんですね。やっぱり目玉だと思いますので、これからちょっとお伺いをしていきたいというふうに思うんです。
 この法案の中で出てきておりますこの規制のサンドボックス制度というのを、これを利用すると、利用者側、事業者側ですね、どういうメリット、どんなことが具体的にそのメリットとしてあるのかどうか、その辺のちょっと説明をお願いしたいと思います。
#57
○国務大臣(世耕弘成君) 新しい技術が出てきた、で、既存の規制の中でその技術がどういう位置付けになるのかなかなか分からないというようなときに、大体これ、規制を所管している官庁というのはこの革新的な技術とかサービスというのをよく理解していませんので、何が規制の対象内で何が外であるかという整理が不十分、不明確な法令というのも今現在多く存在しているわけであります。
 ですから、事業者が提案をしても、これが規制の対象か否かを規制所管省庁が直ちに判断できないと。また、事業者は、これやってみて、法令違反で後でコンプライアンス上の問題になったら大変だということで実証をちゅうちょすると。そして、結果としてその必要なデータが得られない。これをやっても大丈夫ですよというようなデータが得られれば規制官庁も判断ができるわけですが、結局事業者が怖くてやりませんから、なかなかそういったデータも集まらないということで規制の見直しも進まないと、こういう悪循環が起こってくることが想定をされるし、現在、現に起こっている部分もあるんだろうというふうに思っています。
 こうした課題を解決するために、今回、規制のサンドボックス制度においては、これ、サンドボックスのもう一つの意味は、やっぱり箱でエリアが限定されているというところが大きいんだというふうに思いますけれども、期間や参加者を限定することによって、この規制の対象となる通常の事業では、事業ではなくて実証だというふうに整理をすることによって、今ある規制の適用を少なくともそのサンドボックスの枠の中では受けることなく社会実証を行って、そしてその中から得られたデータによってこの規制を見直すかどうかというようなことが議論をされていくということになるんだろうと思います。
#58
○真山勇一君 非常によく分かりました、説明で。
 そういうことですと、やはり今、担当のところでもよく分かっていない場合があるというふうにおっしゃったんですけれども、ちょっと分かりやすくお伺いするためにお配りした私の資料を見ていただきたいんですが、これ経済産業省からいただいたサンドボックスのスキームのところですよね。これ左側が事業者ということになって、いろんな手続を経て、担当の官庁あるいは主務大臣が真ん中にあって、そして右側に意見を聴く評価委員会というのがありますけれども、これ大きな左側の赤い印から始まって、主務大臣という黄色のところを通って、右側の評価委員会を通ってまた左へと矢印のとおり戻っていくということですね。
 これ見ていると、かなりいろんな段階、手続があるんですけれども、やっぱりこれからはスピードが必要だと思いますね。それから、あと、この法案が時限立法、三年ということですから、こういう申請があったら速やかにやっぱりそれが認定、許可されていくということが大事だと思うんですが、これどのぐらい、左から右へ行ってまた右から左へ戻るまでどのぐらい掛かるというふうに見ておられるんですか。
#59
○政府参考人(糟谷敏秀君) これは、評価委員会に、主務大臣が判断をするに当たりまして評価委員会の意見を聴かねばなりませんので、その時間を加味する必要はございますけれども、主務大臣は、その意見を聴いた後、その事業者に認定の判断をするのを原則一か月程度で行うというようなことに省令等で具体化をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#60
○真山勇一君 一か月というのは、評価委員会に意見を聴かなくちゃいけないこともありますけれども、事業者が申請してから戻ってくるまでで一か月ということですか。
#61
○政府参考人(糟谷敏秀君) 事業者が申請をいたします。その後、主務大臣が評価委員会の意見を聴くわけでありますけれども、主務大臣が評価委員会の意見を聴いた後、一か月以内に判断をすると。もちろん、事情によってそれを延長するという余地は残すということになると思いますけれども、原則、意見を聴いた後、一か月を目安にして認定するかどうかの判断をする、そんなことにいたしたいと。
 だから、一か月は、評価委員会の意見を聴くプロセスはその外側にありますので、申請から認定をするかどうかの判断までには一か月プラスアルファということになろうかと思います。
#62
○真山勇一君 ちょっと私はそのプラスアルファの部分が大変気になるので、その辺、もう少し具体的にお答え願えますか。
#63
○政府参考人(糟谷敏秀君) 評価委員会、やっぱりこの申請というのは評価委員会の都合に合わせて出てくるわけじゃありませんので、やはり少なくとも月に一回程度は評価委員会は開くということが必要だろうというふうに考えております。したがって、毎月開く評価委員会にかけて、その意見を聴いた上で主務大臣が一か月程度の間に認定するかどうかの判断を行うと、そういうことでありまして、プラスアルファというのは、毎月開かれる評価委員会というのを前提として、一番期近な評価委員会にかけるというぐらいの時間ということだと考えております。
#64
○真山勇一君 やっぱりこの申請した事業者が一番気にするのは、申請して、そして今どうなっているのかなとやきもきしながら待っていて、それで認定しましたというところが来るまでだと思うんですよね。一般的に言うと、よくお役所仕事と言われていて、書類出したら出したまんまでなしのつぶてだと、どうなっているんだろう、どこまで行っているんだろう、いつになったら出てくるんだろうという、そういう心配をしていて、それでようやく出てくるということもありますけれども、やっぱり何でこんなに時間が掛かるんだろうというのが多分今までのそういう手続のルートというか流れだと思うんですね。
 私は、新しい制度だけに、やはりスピードを持ってやっていかないと、新しい技術だから、いろんなものがどんどんどんどん考えられてしまうわけですよね。考えていたものよりもっと先行ったものがまた出てきちゃうとか、そういうことがあるわけなので、例えばその評価委員会が一か月に一回ぐらいと。非常に難しいとは思うんですが、やっぱりこのスピード感というのは是非これ必要じゃないかということを感じますので、是非この辺りの工夫をしていただきたいということと、それからあともう一つ、こういう申請、認定となると、必ず書類の問題が言われるんですね。
 細かい問題ですが、やっぱり申請する事業者にとっては、一番これ、いつ認可が下りるのかとかどのぐらい書類出すのかというのは大変気になるところで、例えば、町づくりのときに私はある地元の商工会議所から言われたんですが、もうとにかく、広辞苑ってありますよね、辞書の、あれよりももっと厚いぐらいの書類を出さなくちゃいけないんですよ。書き方がまず分からない。結局、専門のコンサルタントを雇わないとなかなか先に進まないみたいな、そういうこともあるんですけれども、その手続なんかも、今回のこの制度で多少工夫とか、あるいはインターネットもまさにそうでしょう、IT技術使うんですから、インターネットでぱっぱっぱっと申請できるような、そういうシステムも考えたらいいんじゃないかと思うんですけど、それはいかがですか。
#65
○国務大臣(世耕弘成君) 大体これ、申請してくる方というのはかなり先進的事業者の方が多いと思いますから、そういう人から何だこれと言われるようではちょっと役所としても恥ずかしいと思いますから、その辺は今我々、行政手続のIT化というのを一生懸命進めております。今回も、新たにつくる手続ということになるわけでありますから、できる限りIT化をしっかり進めて、こういった先端的事業を進めている方からもちゃんと経産省もやっているなと言われるような申請の仕組みは少し検討していきたいというふうに思います。
#66
○真山勇一君 私も、経産省にまずサンドボックス使ってほしいなという、そういう気がしているんですね。やはり今、パソコン使えば、インターネット使えばもう何でも申請できる、まさにそれがタブレット一つあれば何でも生活の暮らしのことができるということじゃないかと思いますので、もうとにかく辞書を二冊も三冊も積み重ねたような厚い書類を申請するんじゃなくて、そういう形で、是非これを進めるに当たってはそういうことをしっかり一緒にやっぱりやっていっていただきたいという気がしておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 時間がなくなってしまったので、あといろいろお伺いしたいことはありますが、また時間もあると思いますので、改めてお伺いしたいと思います。今日は用意した質問ができずに申し訳ありませんでした。
 ありがとうございました。
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#67
○委員長(浜野喜史君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君が選任されました。
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#68
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 生産性向上特別措置法案の革新的データ産業活用について質問をしていきます。
 二〇一五年に成立をした改正個人情報保護法で新産業の創出が法律の目的に追加をされて、官民データ活用推進基本法、行政機関等個人情報保護法などによって公的なデータを新たに産業に活用しようという仕組みがつくられてきました。公的なデータでも非識別加工すれば民間ビジネスに提供することができるようになりましたけれども、こうした制度は日本にしかないんだということがこれまでの審議を通じて明らかになっています。また、改正個人情報保護法では、匿名加工されていれば本人の同意なく第三者に個人情報を提供できることになっています。
 EUでは今月から一般データ保護規則が施行をされますけれども、それに比べて日本の個人情報保護は非常に脆弱だと言わなくてはなりません。こうした中で個人情報が守られるのか、そういう懸念を私は持っております。
 本法案は、革新的な事業を行うために収集した情報を産業活動において活用できるように、データ連携、高度利活用を行って新たな付加価値の創出を図る取組を革新的データ産業活用として、革新的データ産業活用を実施しようとする事業者は、主務大臣から認定、確認を受ければ国や独立行政法人等に対してデータ提供を要請できる手続が創設されるということになっております。
 大臣にお伺いするんですが、これまでの議論の中で、提供を要請できるデータは、主には産業データなんだけれども、個人情報を法律上排除するものではないというふうに大臣も答弁をしています。改めて、これでいいかどうかを確認したいと思います。
#69
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の特措法に基づく公的データ提供制度に基づいて提供されるデータとしては、先ほどおっしゃっていただいたように、主に地図データ、衛星データなど、個人データではない産業データを想定しているわけでありますが、法律上個人データの提供は排除していないというところであります。
 ただし、先ほどもお話ありましたが、個人データを提供する場合には、個人の権利利益が保護されることが前提となります。具体的には、個人データの提供が求められた場合には、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする行政機関等個人情報保護法の規律に基づくことを前提としてデータを提供することとなります。
 こういった扱いによって個人の権利利益は保護されるものと考えているところでありますから、今回の法案においては、個人データの提供自体を排除するということはしておりません。
#70
○岩渕友君 個人情報については法律上排除するものではないということでした。
 それで、お配りしている資料の一を見ていただきたいんですけれども、これは、今年の四月二日に開催をされた知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会で経済産業省商務情報政策局が配付をした、データ利活用、保護に関連する取組に関わる資料です。この資料でも、産業データと非個人情報というのはニアリーイコールでここでは示されています。つまりは、産業データの中に個人情報が含まれているというものです。
 資料で本法案に該当するのはこの二の部分、新法による産業データ共有事業の認定制度の創設、この部分になるわけなんですけれども、この二の四角の上のところに基本方針で示す重要分野の協調領域ということで枠が囲ってあるわけなんですけれども、この協調領域の部分も個人情報の部分に掛かっている、こういう今状況になっています。
 第二十二条の六項、本法案の二十二条六項では、革新的データ産業活用計画の認定に当たって、個人情報が含まれていた場合、あらかじめ個人情報保護委員会に協議をするというふうになっています。協議の結果、個人情報保護法の規律に反するとか逸脱をするということがあったときに、個人情報保護委員会は認定には問題があるんだといって拒否することができるのか、これを経産省と個人情報保護委員会にお聞きします。
#71
○政府参考人(前田泰宏君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、革新的データ産業活用計画の認定に当たりましては、主務大臣が特に必要と認める場合に、政令で定める場合に、あらかじめ個人情報保護委員会に協議をするということになっております。
 その場合、税制の優遇や公的データ提供の支援措置を講じるに当たり、その事業において万が一にも個人情報保護法の規律から逸脱することがないように事前に確認をすると。さらには、民間事業者の方にしても、個人情報保護法上問題がないんだなということを確認をして安心してできるということでございますので、ここに、個人情報保護法制に違反するということが明確になってまいりましたら、それは問題として主務大臣が判断するということになろうかと思います。
#72
○政府参考人(福浦裕介君) お答えいたします。
 個人情報保護委員会としましては、申請された革新的データ産業活用計画の内容について、個人情報保護法に基づいて個人情報の適正な取扱いが確保されているかという観点から確認を行ってまいる所存でございます。
 万が一、申請された革新的データ産業活用計画における個人情報の取扱いにつきまして個人情報保護法違反が疑われる内容が含まれている場合においては、その旨を主務大臣に回答し、しかるべき対応を御検討いただくことになろうかというふうに考えております。
#73
○岩渕友君 二十六条で、革新的データ活用を行う認定事業者は、国の機関又は公共機関等の保有するデータの提供を求めることができるというふうにあります。本法案にある国の機関又は公共機関等の対象というのは、行政機関等個人情報保護法の対象である全ての行政機関及び独立行政法人、国立大学法人や日本年金機構なども含まれるということでいいのかを確認したいということと、高速道路株式会社、NEXCO東日本とか西日本といった公益法人も対象となるのか、お聞きします。
#74
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。
 データの提供の求めを行うことができる対象である公共機関等は、御指摘のとおり、独立行政法人に加えてその他これに準ずる者で政令で定めるものとなっておりまして、現在、その範囲につきましては政令事項になっておりますものですから、協議をし、検討しているところでございます。
 ただ、その政令を定めるに当たりまして、その範囲についてでございますけれども、政府活動の一環としてみなされ、独立行政法人等個人情報保護法により政府と同等の規律の対象となっているということでございますので、現在のこの独立行政法人等個人情報保護法、この対象を参考にしながら、現在、政令の中で具体的に範囲を決めようということで検討しているところでございます。
#75
○岩渕友君 今の答弁でいうと、私が例示したようなところが入ってくる、入る可能性があるということだというふうに思います。
 国や独立行政法人等の保有するデータの提供を受けて事業者がこれをどういうふうに活用しようとしているのかということで、衆議院の議論では、データ提供制度に関わって、データを幅広くオープンにしていろいろな人からのアイデアを発掘することは重要だということで、まだオープン化されていない行政データについても、事業者のこういうデータが欲しいという声を集めながら更に行政データのオープン化を進めるために、オープンデータ官民ラウンドテーブルが紹介をされています。
 資料二を見ていただきたいんですけれども、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が今年の一月の二十五日に第一回目となる官民ラウンドテーブルを開催しています。ここでいろんな事業者が提案しているんですけれども、ウイングアーク1stという企業が、訪日外国人の観光行動、どんなふうに移動して、どこで飲食をしているのか、オープンデータを使ってうまく分析、活用できないかということで、具体的にどんなデータがあればより利用価値が上がるか、幾つかの提案が行われています。議事要旨も公開されているんですけれども、議事要旨を見ると、ウイングアーク1stの要望に対して省庁の担当者が次のような回答を行っています。
 ウイングアーク1stは、観光庁が公開をしている訪日外国人の消費動向調査データに民泊を加えてほしい、どんなSNSを利用しているのか、また、どの空港、海港から入国をしているのか。国税庁には免税品の購買データの開示、法務省には外国人入出記録紙のデータの公開などを求めています。これに対して国土交通省の担当者は、ソーシャルデータとかビッグデータを活用して旅行者の行動分析や購買分析をするのはホットなテーマだ、できる限り御協力させていただきたいというふうに回答しています。法務省の担当者は、今回提案のあったものについて統計として作成できるのではないかと考えている、もっと活用できる統計の作成について検討をしたいというふうに答えています。
 では、その免税品の購買データの開示について国税庁は何と回答をしたのか。
 議事要旨を見ると、免税店では、購入をする旅行者に関する情報、購入物品に関する情報を基に購入記録票を作成していて、この購入記録票は二〇二〇年四月以降に行われる免税販売については紙ベースから電子化されるということを紹介しながら、電子化後の対応について述べています。未確定な部分はあるんだけれどもと言いながら、免税販売のデータは、外国人旅行者の個人情報、免税店を経営する営業上の秘密などが含まれているので、外部に漏らさない、税務以外の目的で利用されないことが前提となっている、免税店から送信されたデータをそのまま外部に提供することは許されないのではないか、守秘義務に抵触するのではないかというふうに考えているというふうに述べた後に何と言っているのかなんですけれども、議事要旨の二十一ページの二十五行目に仮に免税販売データを提供する場合にはというくだりがあるんですけれども、今日内閣官房に来てもらっているので、この仮に免税販売のというところからその段落の最後のところまで読み上げて紹介してください。
#76
○政府参考人(山路栄作君) お答えさせていただきます。
 仮に免税販売データを提供する場合には、特定の個人や事業者が識別されないような集計加工、匿名化をする等の措置が必要であると考えております。また、その場合におきましても、税務以外の目的で利用することについて納税者の皆様等の理解をいただくためには、法令等において制度的な手当てがされることが必要ではないかと考えております。
 以上でございます。
#77
○岩渕友君 最初私が紹介したところでは、守秘義務に抵触するとか許されないのではないかと考えていると言いながら、今読み上げてもらったところには、仮に提供する場合にはというふうに言って、じゃ、どうすれば提供できるのかという立場で回答を行っているわけなんですよね。
 この答弁含めて、先ほど紹介した国土交通省や法務省の担当者の回答というのも、いずれも前向きな回答をしています。
 資料三を御覧ください。これはウイングアーク1stがラウンドテーブルで提出をした資料を抜き出したものなんですけれども、驚くべきことに、上のAのところを見ていただきたいんですけれども、今後実現したいサービスということで、ソーシャルデータ、ツイッターとかインスタグラムとかこうしたソーシャルデータ、オープンデータ、リアルデータを組み合わせて、その下の緑の枠に囲われているところにあるように、このデータを組み合わせることによって訪日外国人の観光行動を分析したいんだというふうにあります。さらには、下のBの現在公開されているデータの現状というところの七のところにデータ形式に関する変更要望ということで、赤字で書かれている部分には生データの開示が要望として上がっています。
 個人情報は非識別加工されている、してあるといっても、SNS、ソーシャルデータで名前や顔写真も明らかになっているわけですよね。そのデータを組み合わせることで、これ個人情報が結局明らかになるおそれがあるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。
#78
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の公的データ提供に当たっては、既存の法令に違反しないことが法律上求められているわけであります。このため、行政機関等が保有する個人情報に関しては、行政機関等個人情報保護法に基づいて、個人の権利利益を保護するための規律に服することになるわけであります。
 具体的には、行政機関などが保有する個人情報について、特定の個人が識別することができないよう匿名加工を行う非識別加工情報制度が設けられておりまして、その加工とは、個人情報保護委員会規則が定める個人識別符号の削除や特異な記述の削除などの基準に従うこととなっているわけでありまして、非識別加工情報の提供を受けた事業者が他の情報と組み合わせ個人を特定する識別行為が禁止をされているわけでありまして、個人情報保護のための十分な規律が設けられているというふうに認識をしております。
#79
○岩渕友君 今大臣はそういうふうにおっしゃったわけですけれども、内閣官房のIT総合戦略室が二〇一六年九月十六日に行っているIT総合戦略本部データ流通環境整備検討会で配られた資料には、個人に係らないデータであってもほかのデータと組み合わせることによって個人の特定につながる可能性があることに留意が必要だというふうに書かれているんですよね。非識別加工情報だから大丈夫だと、禁止されているから大丈夫だと言うけれども、一回流出しちゃったら、それどこまでも広がっていくわけですよね。
 先ほど、革新的データ産業活用計画に個人情報が入っている場合は個人情報保護委員会と協議して、協議の結果、規律に反することがあった場合、個人情報保護委員会は認定に問題があると拒否できるのかと聞いたときに、個人情報保護委員会は主務大臣に意見言うと、で、最終的には主務大臣が判断するということになったわけですよね、そういう答弁でしたよね。こういうことになっちゃうと、もう最終的には主務大臣が判断すればということになるということだと思うんです。
 ウイングアーク1stが組み合わせようというふうに考えているデータには、先ほども言ったように、もう名前も顔も出ているソーシャルデータが含まれているわけですよね。既に個人情報は明らかになっている、匿名加工されていても組合せによって個人が特定されかねないと、こういう申請について協議になったときに、個人情報保護委員会は認定には問題があると拒否できるのかどうか、もう一回お聞きします。
#80
○政府参考人(福浦裕介君) 具体的なケースを見て判断させていただくということになろうかと思いますが、私どもの基本的なスタンスは、先ほど申し上げたとおり、個人情報保護法違反が疑われる内容があれば、主務大臣にその旨をしっかりと伝えるということでございます。
#81
○岩渕友君 しっかり伝えると言うんだけれども、最後は主務大臣が判断すると。
 二十二条の七項には、この法案の目的というのはそもそもデータの活用促進だというふうになっているわけですよね。しかも、迅速かつ的確な実施を図るためには相互に密接に連絡取ると書かれているわけです。個人情報保護委員会は独立した組織だけれども、独立性を脅かすことになるんじゃないかと思うんですね。
 大臣に聞きたいんですけれども、ウイングアーク1stの例では、観光庁、国土交通省ですよね、国税庁、法務省が非識別加工した情報を提供して、そのデータとほかのデータを組み合わせることで個人が特定されてプライバシーが侵害をされると、そんなことがあったときに、じゃ、これ一体誰が責任取るんでしょうか。
#82
○国務大臣(世耕弘成君) 我々は、これあくまでも公的データについて個人情報保護法では議論しているわけでありますから、非識別加工をしっかりやっていく。公的データの中には別にフェイスブックとかツイッターの情報は、我々は持っていない、政府は持っていないわけでありますから、あくまでも我々は公的データをしっかり非識別加工していくということが極めて重要だと考えています。
#83
○岩渕友君 事業者はそういうソーシャルデータを使って、公的なデータと組み合わせて使いたいと言っているわけですよね。個人データが一回漏れたらやっぱり取り返しが付かないということなんですよ。プライバシーが侵害されるという懸念がいよいよ重大なものになっているということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。
#84
○石井章君 日本維新の会、石井章、生産性向上特措法、産業競争力強化法の改正案について、通告に従いまして質問したいと思います。
 ますます激化する国際競争の中で日本経済がその地位を保っていくためには、将来を先取りする大きな変革が不可欠であります。その変革のためのイノベーション力が非常に重要な課題となっております。そして、その長期的なビジョンとそれに沿った技術開発など、ますます政府の役割は大きくなっています。その重要性を認識されている政府、安倍総理も日本再興戦略の中で、二〇一七年までにイノベーションランキングを世界第一位にすると、その目標を打ち出されておりましたけれども、なかなか現実は厳しく、現在ではその順位を逆に、一位ですから、下がっているのが実態であります。その要因などについて先日の委員会でも質問させていただきました。
 また、このイノベーション、新しい知を生み出すためのプロセスについて、イノベーションの父と言われておりますジョセフ・シュンペーターが提唱しております世界標準の経営学ではこれはセオリーとなっております。それは、既存の知と、あるいは別の既存の知を新しく組み合わせる新結合と表現されております。
 また、イノベーションの源泉はダイバーシティーの推進であるとも言われております。組織では、多様な考え方や知識や経験を持った人々を組織に取り込み、知と知の新しい組合せを起こすために組織をダイバーシティー化することが肝要であり、それがイノベーションを起こすための近道だとされております。
 しかし、現状では、私などの地元でもほとんどが中小零細企業でありますから、そのダイバーシティー化など、もうこれは絵空事というか、現実的なものではないというような認識でおるのも事実であります。
 経産省は二〇一五年より新・ダイバーシティ経営企業百選を選定するなどその推進に尽力されており、商工会議所などでもダイバーシティ推進ガイドブックを刊行するなど様々な取組をしていただいておりますけれども、投資余力に余り幅がないところ、あるいは労働力に余裕がない中小零細企業などをエンロールしていくにはちょっと乏しい感がいたしております。
 そこで、今後どのようにして中小零細企業のダイバーシティー化を推進していくかについてお伺いします。
 また、隗より始めよではありませんけれども、政府、各省庁内において率先垂範していく、ダイバーシティー化に取り組んでいくことが肝要であると思いますが、経産省内におけるその取組状況についてまずお伺いしたいと思います。
#85
○政府参考人(糟谷敏秀君) 中小企業にとりましても、ダイバーシティー経営を通じたイノベーションの創出というのは非常に大事なわけでございます。他方で、中小企業、人手不足の状況がより一層厳しくなっております。働き方改革や職場環境の整備を進めることで企業の魅力を高めて多様な人材の確保をすること、これが人手不足対策にもつながるということで、御質問にありましたダイバーシティ経営百選による表彰又は好事例をまとめたガイドラインの公表、それから多様な人材の受入れに関するノウハウを整理した事例集、「適材適所のススメ」というものでございますけれども、こういうものを作成して普及啓発を進めるなど、中小企業のダイバーシティー経営、多様な人材の確保のための取組を促しているところでございます。
 また、隗より始めよということでございますけれども、経産省内におきまして、女性の採用、登用の状況でございますが、例えば今年度の女性の採用比率、政府目標の三〇%に対して三九%を達成しております。また、幹部についても新たなポストに女性の登用が進んでおります。
 また、育児、介護等の事情を抱える職員も最大限能力を発揮していただけるように、自宅等で業務を行うテレワーク推進のためのシステム環境や制度の整備を行いましたり、管理職に対する育児、介護中職員等へのマネジメントの在り方に関する研修の実施をいたしましたり、そういうことによりまして、仕事と家庭の両立支援や働き方改革の取組を進めているところでございます。
#86
○石井章君 次に、起業の活性化についてお伺いしたいと思います。
 政府の長期戦略の中に、開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率、廃業率が米国、英国レベルになることを目指すと、いわゆる一〇%台にするということを目指しておるというものがあります。開業率、廃業率は、企業の新陳代謝や経済の活性化の状況を示す指標として強く意識されているわけであります。
 そこで、他国と比較する方法について、既存の企業関連統計などを利用して行うことも可能とのことでありますが、起業の定義や集約する規模や業種などが各国で様々であり厳密に比較することは難しいと言われている中で、GEM調査という、米国バブソン大学と英国ロンドン大学ビジネススクールにおいて起業研究者たちが集い、正確な起業活動の実態把握、各国比較の追求、起業の国家経済に及ぼす影響把握を目指した調査の中に、各国の起業活動率が公表されております。これは、起業活動率は、起業の準備を始めている人、そして創業後三・五年未満の企業を経営している人の合計が十八歳から六十四歳の人口の中で百人当たり何人いるかという定義がされていることでありますが、その結果を見ますと、非常に残念ながら、日本は六十九か国中六十八位という驚くべき結果が出ております。日本の起業活動の、先進国の中でも最低水準となっているのが実態であります。
 諸外国と比べて日本の起業活動が低水準にとどまっている要因は一体何なのか。これまでの政策を踏まえて、政府の考えをお伺いいたします。また、その要因に対して具体的にどういう政策で今後臨んでいくのか、お伺いします。
#87
○政府参考人(高島竜祐君) お答えいたします。
 今委員からお話がございましたとおり、我が国の開業率は平成二十八年度現在で五・六%となっておりまして、依然として欧米諸国の水準には達していないものというふうに認識をいたしております。
 この原因ということでございますけれども、まず第一点といたしましては、資金調達面で銀行融資が伝統的に中心でありまして、出資などリスクマネーが不足していることが挙げられるかと思います。また、融資の際に経営者保証が付けられるなど再チャレンジを妨げるような慣行が存在するということもございます。さらに、我が国は社会全体として新しいことに挑戦する起業家精神といったものが比較的低調なのではないかといった社会風土に関する課題も存在するものというふうに考えております。
 特に今委員から御紹介のありましたデータに即して申し上げますと、日本におきましては創業ということに対して無関心である者の割合が欧米諸国に比べて著しく高い状況にございますので、ここを高めたいというふうに考えております。このため、今回の法改正によりまして、市町村や民間事業者が行う創業に関する普及啓発の取組、これに対する支援を強化をすることで開業率のアップにつなげてまいりたいと考えております。
#88
○石井章君 もう時間がないので、最後に大臣にお伺いいたしますけれども、通告してありますのでそのとおりなんですけれども、日本にできなくて中国にできるのはなぜなのかということで、ユニコーンの数では現在中国が米国に迫っているのは周知でありますけれども、ベンチャーキャピタルのコンサルティングが手掛けるCBインサイツが発表したレポートでは、中国と米国の二か国が世界の十大ユニコーンランキングを独占しているということでありますけれども、それらを踏まえて、世耕大臣、今後我が国がユニコーン企業を創出していくためのどのようなものが必要と思われるか、その方策について最後にお伺いいたします。
#89
○国務大臣(世耕弘成君) いろいろ役所はこういう政策やっていますという答弁を作ってくれているんですけれども、私は、やっぱりマインドチェンジが一番重要だというふうに思っています。
 私自身もそうでしたけれども、大学を出て、リクルート活動をして、大企業に勤めて、そして定年までというこのマインドをやはり切り替えて、もうアメリカ、中国は、大学出て、大学もそれも博士号ぐらいまでしっかり取った上で、そして自分で企業を立ち上げてチャレンジをするという、そういうマインドに日本全体を切り替えていくことが非常に重要。我々もいろいろ支援のための政策は打っていきますが、そういった視点が極めて、特にユニコーンベンチャーをつくるという上では重要ではないかなというふうに思っております。
#90
○石井章君 ありがとうございました。
 中国の若い人たちがそういう感じの方が多いのは事実なんですけれども、そういったものを啓蒙していただいて、世耕大臣中心に経産省がしっかりリーダーシップを取っていただきたいと思います。
 終わりにいたします。ありがとうございました。
#91
○委員長(浜野喜史君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#92
○委員長(浜野喜史君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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