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2018/05/29 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第9号
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2018/05/29 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第9号

#1
第196回国会 経済産業委員会 第9号
平成三十年五月二十九日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     中川 雅治君
     渡辺 猛之君     佐藤 信秋君
     渡邉 美樹君     関口 昌一君
     石上 俊雄君     増子 輝彦君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     松川 るい君
     佐藤 信秋君     渡辺 猛之君
     関口 昌一君     渡邉 美樹君
     増子 輝彦君     石上 俊雄君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     青山 繁晴君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     松村 祥史君     二之湯武史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜野 喜史君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                二之湯武史君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                矢倉 克夫君
                石上 俊雄君
                鉢呂 吉雄君
                真山 勇一君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        山本 哲也君
       総務大臣官房審
       議官       稲岡 伸哉君
       消防庁審議官   猿渡 知之君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局研究総務官  菱沼 義久君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房審議官     中川  勉君
       経済産業大臣官
       房審議官     前田 泰宏君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   石川 正樹君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       中小企業庁長官  安藤 久佳君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  山田 知穂君
   参考人
       株式会社商工組
       合中央金庫代表
       取締役社長    関根 正裕君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (よろず支援拠点における伴走型支援の成果と
 課題に関する件)
 (駅ナカ商業施設に対する大規模小売店舗立地
 法等の適用に関する件)
 (第五次エネルギー基本計画案の検討に関する
 件)
 (原子力発電所の再稼働と周辺自治体の同意に
 関する件)
 (商工中金の業務改善への取組に関する件)
〇エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(浜野喜史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として中川雅治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(浜野喜史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官山本哲也君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(浜野喜史君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長関根正裕君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(浜野喜史君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 質問の機会をいただきまして、委員長、また滝波、大野筆頭理事始め、皆様の御理解に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。また、大臣、大変お忙しい中ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 もう既に報道にもありますが、まず、米国の自動車の関税引上げについてお伺いをいたします。
 五月二十三日、米国商務省が、安全保障を理由に自動車関連の輸入関税を引き上げる検討に入ったというふうに入っております。WTOルール上は、この安全保障を理由とした輸入制限、容認する条項はございますが、客観的事情から見ても、この自動車の輸入に安全保障の脅威というのはどういう部分があるのか。これが恣意的に使われると、ルールそのものが壊れかねないような危険もはらんでいるかなというふうに思っております。
 地元でも、中小企業、昨日もいろんなところでお話もしたんですが、景気は良くなってはいるが、アメリカの動きが見えないというところを不安に思われている方も多くいらっしゃいました。
 今回のこの動きにつきまして、世耕大臣から、この受け止めと対応についてお伺いをしたいというふうに思います。
#9
○国務大臣(世耕弘成君) 自動車及び自動車部品の輸入に関する通商拡大法二百三十二条に基づく調査については、これまだ、調査に入るということでありまして、具体的な措置が決定されたわけではありません。一部、税率が二五%というようにも報道されていますが、これ、税率も含めてまだ何ら決まっていないという状況でありますので、その影響等については予断を持ってお答えすることは控えたいというふうに思いますが、仮に非常に広範な貿易制限措置が発動されるとすれば、これはもう世界のマーケットを混乱をさせて、WTOに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないものでありまして、極めて遺憾であります。
 ルールに基づく多角的貿易体制を重視する日本としては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきだというふうに考えております。
 また、日本の自動車メーカーは、米国内でも極めて良質な雇用をたくさん生んでいるわけであります。直接雇用で九万人、波及効果で百五十万人と言われていますが、そういったことも、やはり米国の経済に多大な貢献をしているということも非常に重要だというふうに思っております。
 あしたから、私、パリに出張しましてOECD閣僚会合に行ってまいりますが、そのマージンで日米EU三極貿易大臣会合もセットをされております。そういった場も使いながら、またEUとも連携をしながら、今私が申し上げたような考え方をしっかりアメリカ側に伝えていきたいというふうに思っております。
#10
○矢倉克夫君 調査に入った段階であり、いたずらに不安をあおることは我々も慎まなければいけないなというところをまず思いました。
 パリの方にも行かれる、その場でも、そういう場を使って是非いろいろ発信していただきたいと、改めて大臣にも御期待を申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、次の問いに行きたいと思うんですが、農業、まず今、経済産業委員会ではコネクテッドインダストリーズという文脈をずっと議論をしておりました。それも視野に入れながら、農業について、今日は農林水産省も来ていただいております。
 私も政務官やらせていただいたんですが、働き手がいなくなっているこの農業、これを起爆剤を、なるものはやはりICTでありIoTであるなというところをすごく実感もいたしました。その辺りの、農業におけるICT、IoTの必要性、重要性について、農林水産省から御意見をいただきたいというふうに思います。
#11
○政府参考人(菱沼義久君) 農業者の減少、高齢化等、人手不足が深刻化する中で誰もが取り組みやすい農業を実現するためには、ICTやIoTを導入した、積極的に活用していくことが重要と認識しております。
 このため、農林水産省では、ICTの活用により熟練農業者のノウハウを見える化して新規就農者などが学習できるシステムや、スマートフォンで遠隔操作できる低コストの水田の水管理技術、こういったものを開発して実証導入しているところでございます。
 今後も引き続き、ICTやIoTの活用により、産学官の連携を密にして、新たな農業を創出するよう積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#12
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 今日、資料をお配りしております。これは、NTTグループの農業ソリューション。私も、いろんなところの展示など、幕張メッセなどでやられている農業展示などでもこの取組なども見させていただいたんですが、あらゆるところで情報技術の活用が重要になってくるし、農業分野は、今までこういうところの活用がなかった部分だけ、イノベーションを起こし得る起爆剤として、今後のICT、IoTの使い方というのは非常に重要になってくるかなというふうに思っております。
 例えば、各種センシングシステムなども書かれておりますが、これ以外では自動トラクターなどですね。私も運転させていただいたんですけど、農業の場合は圃場をこうやって移動するわけですけど、数センチでもずれるともう駄目になっていくわけなんですよね。そういう数センチのずれもないようなICTの中での自動運転であったりとか、まさに今後の最先端技術を使うべきは農業であるかなと。
 例えば、ドローンを飛ばして、ドローンから各圃場の窒素含量なども全部把握をして、そのデータが飛ばされて、上で、IoT、ネットの関係を通じて、最後はそのデータに基づいて肥料の適切な散布なども全部できる、こういう自動化なども今後研究される農業の分野というのは非常に広範な可能性があるところかなというふうに思っております。
 こういうNTTの取組も含めて、これまで労働集約産業であった農業の生産性向上や働き方改革、さらには、ある意味では、今まで農業はとにかく、今までのベテランの人の勘だったり、そういうものが受け継がれないまま来ていたものですけど、そういうものをデータ化して、これから農業を志していく若い人にも見えるようにする。これが担い手育成にも非常に重要であります。
 こういう技術、技能のデータ化による伝承など、高齢化の波にさらされている農業の発展に大いに貢献するものであり、リアルデータをつなげるというコネクテッドインダストリーズの理念にも通じるかなというふうに思っております。
 コネクテッドインダストリーズの理念、重点五分野以外、とりわけ農業にも影響を与え得るものとも考えておりますが、改めて経済産業省の見解をいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。
 コネクテッドインダストリーズは、スピード感を持って、具体論に着手しながら成功事例を生み出すということで重点五分野を設定しておりますが、御指摘のとおり、それに限定するものではございません。したがいまして、農業もその対象となり得ると。
 これまで、特にデータ活用を促進する観点から三点申し上げます。
 一つは、五月二十三日に成立した生産性向上特別措置法に基づく産業データ活用事業の認定制度及びIoT投資に対する減税措置、二つ目は、データの利用権限に関する契約ガイドラインの抜本的な改正、三点目は、先進的なAI技術を有するベンチャー企業とリアルデータを豊富に有する大企業とのマッチング及び共同開発の支援、これらは全て農業にも裨益するものだというふうに考えております。
 具体例を申し上げれば、経済産業省におきまして、IoTビジネスの創出を推進する地域の取組を認定する地方版IoT推進ラボという取組がございますが、例えばですけれども、北海道の士幌町におきましては、高校を中心に農業IoTデバイスを活用したデータを使って栽培技術とか栽培方法というものを開発して、それを技能伝承とか地域全体の生産性向上につなげていくという例がございます。
 また、農水省におかれましても、農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会というのを設置されておられますが、我々もそこに参画をして、連携をしながら契約に関するガイドラインの明確なものを作っていこうと、こういう取組もございます。
 いずれにいたしましても、農業分野における更なるデータ利活用事例が創出されることを期待をしておりまして、積極的に推進していきたいというふうに考えております。
#14
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 是非、イノベーションを起こし得る分野は様々あると思います。しっかりと取組をしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、国際仲裁についてちょっとお伺いをしたいかなというふうに思います。
 大臣、先日ロシアへも行かれましたが、ロシアも割と仲裁というのが非常に充実をしております。仲裁は、当然和解とは違って、裁判官が担う和解とは違って、仲裁は、仲裁人は誰かというところも含めて契約で決めて、その判断を尊重するというところはまた違いがあるわけでありますが、今後、国際的なビジネス紛争の解決手段としては、今、グローバルにも仲裁というのが注目されておりますし、日本としても注目をしていかなければいけないかなと。裁判に比べて、当然非公開であります。
 また、ニューヨーク条約というのがありますが、裁判の場合は、海外の財産の執行力というのもなかなか限定されているところもあるんですけど、仲裁の場合は、そのニューヨーク条約の下で、百五十、六十か国それに加盟しております。その加盟国の中での仲裁であれば、海外に対しての財産の執行力というものも確保し得るという、いろんな面でも実は利点があり、今後はしっかりと、特に中小企業ですね。
 今、中小企業にとってみたら、この仲裁をしっかりと活用するためには、日本で国際仲裁というのができ得る環境整備、人的、物的インフラも含めて非常に重要であるかなというふうに思っております。また、日本の中小企業だけに限らず、将来的に、例えばA国とB国、その紛争を日本の仲裁機関で解決しようというその機運が盛り上がれば、そういう法的な基盤があるということになれば、その信頼感の下で外国からの投資なども促進し得るというような様々な効果もあるかなというふうに思っております。
 ただ、残念なことに、まだ企業の中で仲裁というものの有用性がなかなか周知はされておりません。ここ辺りの周知徹底をまずしっかりしていかなければいけないかなと思います。そしてまた、仲裁に関する人材育成というところでも、日本の中でこの国際仲裁センターというものを設置することで、人材育成の場も含めて、非常に仲裁に対する機運を盛り上げていくというところは重要であるかなというふうに思います。
 世耕大臣に、国際仲裁の重要性並びに国際仲裁センターの国内設置ということも含めて御所見をいただきたいというふうに思います。
#15
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、国際仲裁は、一審で終了するという迅速性、あるいは紛争処理の中身が公開されないという非公開性といったメリットがあるわけであります。こういったメリットをより多くの日本企業に周知をするために、ジェトロや日本商事仲裁協会など関係機関と連携をして、意識啓発、広報を積極的に進めていくことがまず重要だというふうに思っています。
 また、国際仲裁センターの国内設置については、今年五月から大阪で、一般社団法人日本国際紛争解決センターというのによりまして、人材育成などの拠点づくりに向けたパイロットプロジェクトが実施をされているところであります。
 内閣官房の取りまとめでは、その実施状況及びその検証結果を踏まえて今後の在り方について検討していくこととされておりまして、経産省としても、関係省庁と連携して積極的に検討に参加してまいりたいと思います。
#16
○矢倉克夫君 仲裁というもののまず周知を是非引き続き。
 いろんな企業の方から聞いても、まず、仲裁というものが何なのかということも分かっていない、メリットもやはり分かっていない方もおります。ただ、先ほど申し上げたようなメリットもありますし、あとは、企業内でも紛争の解決というものに対してのやはり意識がなかなか薄いなというところもあるかなというふうに思います。そういったものも含めた企業戦略をしっかり取れるようなことがグローバルで日本企業が勝っていく上でも非常に重要だと思いますので、その点、引き続き是非よろしくお願い申し上げます。
 最後、中小企業、また小規模事業者への支援につきましてでありますが、よろず支援拠点、こちらは、平成二十六年から全国各地でワンストップの相談窓口として設置もされているところであります。
 通常の中小企業支援というのは、やはり事業計画書の作成や補助金申請など実務的な支援が多いかというふうに思っておりますが、今後の中小企業にとって必要なのは、やはり企業や事業者の元々持っている強みや長所を自ら気付かせて伸ばすコーチング、これに徹して、またさらに、販路拡大や新商品開発など、あらゆる選択肢を提示して最良の方法を一緒になって考えていく、結果が出るまで、売上げが上向くまで何度でも寄り添っていく伴走型の支援であるかなというふうに思っております。
 私も、いろいろお話も聞いた、これ、平成二十年八月に開設された富士市の産業支援センター、エフビズというところでありますが、こちらはこの伴走支援で大いに成果を出しておりまして、今、全国各地でも、開設予定も含めて、北海道から九州まで二十自治体まで広がっているというふうに思っております。
 こういった伴走型を更によろず支援拠点でやっていただくこの期待感というのは大きいと思うんですが、経済産業省が進めているこのよろず支援拠点のこれまでの成果の総括をまずいただいて、経産省からいただいた後に、今後の課題について、最後、大臣からいただければというふうに思います。
#17
○政府参考人(高島竜祐君) お答え申し上げます。
 まず、よろず支援拠点のこれまでの成果についてでございます。
 販路拡大や商品開発など、専門性の高い高度な提案を行う支援機関の役割を担うべく、委員がおっしゃられましたとおり、平成二十六年の六月に、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題に対応するワンストップの相談窓口として、全国四十七都道府県によろず支援拠点を整備したところでございます。
 これまでのよろず支援拠点の相談対応件数でございますけれども、平成二十七年度約十三万件、平成二十八年度約十九万件、平成二十九年度約二十万件となっておりまして、年々増加傾向にございまして、多くの方の御相談に利用していただいているものと思っております。
 また、平成二十九年度の相談者満足度調査というものを行いました。それの結果によりますと、相談者の約六割の方が満足である、約三割の方がやや満足であるというような御回答をいただいておりまして、これまでは比較的高い評価をいただいているものと認識しております。
#18
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のとおり、よろず支援拠点というのはまさに伴走型の支援をやるために設置した支援機関でありまして、販路開拓、商品開発など幅広い専門家を配置することで、伴走型で専門性の高い高度な提案を行っていくことが求められているわけであります。
 こういった機能を充実させるために、例えばタブレット端末などを利用して、その町にはいないんだけど遠隔で専門家がしっかり相談に乗るなど、よろず支援拠点の相談体制の更なる整備を進めるとともに、地域の支援機関との連携強化も図って、よりきめ細かな相談体制を構築していきたいと考えております。
#19
○矢倉克夫君 伴走型支援の拠点としてのよろず支援拠点に御期待申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございます。
#20
○大野元裕君 国民民主党・新緑風会、大野元裕でございます。
 今日は一般質疑ということでございまして、今国会初めてであります。与党からは、これまでほぼ前例がないというふうにおっしゃられておられましたけれども、実は、遡ること今の与党が野党であった民主党政権時代には、例えば平成二十四年は三回もやらせていただいておりまして、与党と野党、立場が変わると言うことも変わるものだなというふうに思っておりますが、これからは、政府がやりたいことだけではなくて国民が聞きたいこと、一般質疑においてもやらせていただけるよう積極的に要求をさせていただきたいと思っておりますので、与党の皆様にもよろしくお願いを申し上げます。
 その上で、もう一つ変わったことがあります。随分認識が変わったなと思ったのは麻生副総理の御発言でございました。公文書の改ざん問題について麻生副総理は、どの組織だってあり得る、個人の問題だと発言をされました。私も、行政の長たる方がこのような発言を官僚の方にされるのは正直驚かされました。
 世耕大臣の認識をお伺いいたします。
 安倍政権の組織では、経済産業省も含め、どの組織でもあり得るようなことなんでしょうか、教えてください。
#21
○国務大臣(世耕弘成君) 文書の改ざんというのは、もう当然あってはならないことだというふうに思っています。
 今回、財務省で改ざんが発生をして、この行政の仕事というのは国民の信頼で成り立っているわけでありますが、その文書の書換え問題が信頼を大きく傷つけたことについて真摯に受け止めなければいけないというふうに思っています。
 公文書は国民が共有する知的財産でありまして、当然改ざんなどということが絶対行われないという前提でやっていかなければいけないと思っていますが、一方で、改ざんされないような仕組みづくりも重要だというふうに考えております。
 経産省において万が一にもこういった改ざんといった事案が発生しないように、私自ら先頭に立って職員の意識改革を図って、経産省における適切な公文書管理を徹底してまいりたいというふうに考えています。
#22
○大野元裕君 是非そこはお願いをさせていただきます。
 他方で、もしもそういった国民の信頼を裏切るようなことがどの組織だってあり得るようなことであって個人の問題だとすると、副総理のおっしゃるように、だとすると、先週、愛媛県が提出した文書で虚偽を述べているのではないかとも疑われる個人がお二人、経済産業省の中には幹部としておられるということになってしまいます。もしそれが本当だとすると、信頼ができる省庁なのか、国民から信頼が置けると思っていただけるのか、甚だ疑問になってしまいます。
 したがって、この委員会においては、野党側より、まさに今日もそうでしたけれども、元総理秘書官の柳瀬審議官及び内閣府に出向されておられました藤原審議官の出席を求めてまいりました。法案や我が国にとって重要な問題を審議する前提としては、当然、その組織や文書やあるいは発言、これは信頼するという、これをベースにしなければ議論にならないことは事実であります。
 そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、与党は、残念ながら今日もまとまらなかったわけですけれども、柳瀬審議官も藤原審議官も国会に招致すること、この委員会に出ていただくことについて御同意がいただけず、結局調わないという状況になりました。
 そこで、このような、改ざんだってあり得る、どの組織だってあり得るという安倍政権において、疑問を付される個人が幹部におられる組織の長たる世耕大臣にお伺いしたいと思うんですけど、こういった国会内の与党の対応はともかくとして、大臣としては、経産省の信頼を得るためには、お二人には是非国会に来ていただいて疑念に答える、そういった責務があるとはお考えにならないでしょうか。
#23
○国務大臣(世耕弘成君) これはあくまでも国会でお決めいただいて、それに誠実に答えるというのが公務員としての立場なんだろうというふうに思っております。
 柳瀬審議官も、予算委員会では求められて、国会として、予算委員会として求められたことにはしっかりと応じて、彼も記憶の限り誠実に対応させていただいたんではないかと思います。
 いずれにしても、この委員会の運営については、委員長、理事でお決めいただく話だというふうに思っております。
#24
○大野元裕君 そういうお答えになるんだろうと思っておりましたけれども、少なくともこの委員会においては、経済産業省が、もちろん幹部としての責任を持っている、しかも、今こういった状況の中で出てくる閣法も審議をさせていただき、その文書や発言については重きを置いた上で、我々はそれを信頼をして議論をするということが必要でありますので、やはりここで疑問を解いていくということは、私は必要だと思っております。
 さて、少しここからは提案型というか、建設的な議論をしっかりさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、大臣にお伺いをさせていただきたいと思っていることがあります。それは、駅ナカの商業施設であります。大臣ももしかするとトイレットペーパーなどをお買い求めに行かれることがあるのかもしれませんけれども、商店街のシャッター街化が懸念をされております。そういった中で、地域の商店街や、特に駅前商店街に対する駅ナカ商業施設の影響というものが指摘をされております。
 配付をさせていただきました資料を御覧いただきたいんですが、これ、一番上は東京都の赤羽駅、JRですね、この影響について書いてありますが、この赤羽にはエキュートという施設があり、二千百平米という大きなスーパーマーケットのような大きさの大規模商業施設が入っています。これは駅の中ですから、改札の中ですね。周辺の商業施設と実は業種や取り扱っている商品というのは非常に大きく重複しているんです。要するに、中と外で重複をしている。
 その上に、駅ナカ立地というのはもう特等的な利便性がありますから、そこで商業施設ができて以降、周辺店舗を利用しなくなったという顧客が多くなったと。これ、顧客側から見ると二割ぐらい利用しなくなったと言っています。利用しない理由というのは、これは要するに利便性なんですね。利便性がいいから、そこで地元商店街は利用しなくなったという話であります。
 そこで、赤羽駅という話ではありませんけど、大臣にお伺いしたいのは、一般論で結構なんですけど、駅ナカ施設が駅前の商店街等に与える影響をどのように評価、認識しておられるでしょうか。
#25
○国務大臣(世耕弘成君) まず、駅ナカ商業施設というのは、駅を利用する、交通で利用している消費者にとっての利便性の高さなども相まって、近年増加傾向にあるというふうに承知をしています。
 これが駅周辺の商店街にどういう影響を与えているか。今この資料で示していただいたのも一つの影響の分析だというふうに思いますけれども、一方で、また別の民間の調査では、駅ナカができたことによって周辺が少しプラスがあったというような民間の調査もあるわけであります。
 これ、なかなか今定量的に我々の方でも分析はし切れておりませんけれども、やっぱり商店街というのは郊外のショッピングセンターとまたお客を取り合っているという面があって、やはり駅というのはその駅に付随する商店街もあるわけですから、そういう意味でプラスの方向性もあるんじゃないか。でも一方で、御指摘のように、本来であれば駅を降りてお店で買うものを駅の中で買って、そのままバスとかタクシーに乗ってしまうという面もあろうかというふうに思っています。
 経産省としては、あくまでも自由な経済活動を前提とした上で、駅ナカ商業施設と駅前商店街が連携をして、消費者に対して利便性の高いサービスを提供していくことで共存共栄を図っていくことが望ましいのではないかというふうに考えております。
#26
○大野元裕君 私も共存共栄が望ましいというふうに思っています。
 他方で、この資料のグラフ三というところを見ていただくと、これ、先ほど利用客側からの話をしましたけれども、事業者側、つまり商店の方から見ると、売上げが減少したというのは五四%、それからお客さんが減ったというのは六二%。三分の二近くの商店の方は駅ナカの影響があって、三分の二近くの人たちはもうお客さんがいなくなっちゃったと、こういうふうに言っているんです。
 もちろん、基本、商売は競争です。その競争というものは、ただし、時にゼロサムではなくて、お互いに共存共栄、ウイン・ウインということももちろんあり得ると思っています。したがって、大臣がおっしゃったとおり、経産省としては共存共栄というか、これが望ましい、そこは私も全くそのとおりだと思います。
 ただ、その一方で、そうだとすると、駅ナカのお店、大規模商業施設と、それから駅の外にある地元商店街との共存共栄の方途を考えたり、あるいは、少なくともお互いが平等、イコールフッティングに立った競争というものができなければならないのではないかと私は思いますけれども、これも大臣に印象で結構ですけどお伺いしますけど、駅ナカの大規模商業施設と駅前の商店街、あるいは駅前の大規模商業施設でも結構です、これはイコールフッティングに置かれているというふうにお考えですか。
#27
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと役所の用意した答弁とは違う形になるかもしれませんけれども、まあはっきり言って、イコールフッティングではないと思います。
 いろんな私も商業関係の雑誌とかもざっと読んでみましたけれども、駅の中というのは、やっぱり一等地というよりはもう特等地であります。単位面積当たりの売上げも一般の小売店に比べて大体八倍ぐらいあるというふうに言われています。しかも、駅は基本的には鉄道会社が仕切っている世界で、幾ら小売店が自分で駅を造ろうと思ってもそれはできないわけでありまして、ある種特権的に与えられている面もあろうかというふうに思っていますから、これをイコールフッティングだと答えてくれとなっていますが、感覚としては、少しイコールフッティングとははっきり言い切れない面があろうかというふうに思っています。
#28
○大野元裕君 経済産業委員会に来てよかったなと思います。大臣の答弁、感謝をいたします。
 私もそう思っています。ただ、もちろん規制しろというんじゃないんです。商売はもちろん自由にやってほしい。でも、規制はする必要はないけれども、ただ、イコールフッティングじゃなきゃいけないというふうに私も強く感じています。
 そこで、これ総務省の自治税務局資産評価室になるんでしょうか、にお伺いをさせていただきたいと思うんですけど、駅ナカの商業施設に対する固定資産税等の基準となる評価額算定は、駅前商店街の店舗の評価額算定と平等であるというふうにお考えでしょうか。
#29
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答え申し上げます。
 鉄軌道用地のうち、運送の用に供する部分と、委員御指摘のような駅ナカ商業施設と呼ばれる施設のように運送以外の用に供する部分とを有する建物等の敷地に利用されている土地、これを複合利用鉄軌道用地と呼んでおりますが、この複合利用鉄軌道用地につきましては、固定資産評価基準では、当該土地の面積を運送の用に供する部分と運送以外の用に供する部分の面積で案分をし、運送の用に供する部分は沿接する土地の価額の三分の一、それから運送以外の用に供する部分は付近の土地の価額に比準して評価を行い、その両者を合算して当該土地の評価額を求めております。
 これは、駅ナカ商業施設と呼ばれる駅構内の高度利用が進む中、駅周辺の事業者からの、駅敷地の評価額が安く、固定資産税の負担が不公平ではないかといった指摘などを踏まえ、鉄軌道用地全体として整合性の取れた評価方法が検討された結果、平成十九年度の固定資産評価基準の改正において見直しがなされ、現行の取扱いとされているものでございます。
#30
○大野元裕君 ちょっと済みません、確認しますが、要するに、付近の用地の価額を参考にして鉄軌道用地は三分の一になっていると、評価額が。しかしながら、この三分の一を取りやめたというか、さっき言った付近のところと同じ額、それを参考とした額になっているということでよろしいですね。
#31
○政府参考人(稲岡伸哉君) この複合利用鉄軌道用地については、まず、運送の用に供する部分と運送以外の用に供する部分、これにまず案分をいたします。運送の用に供する部分につきましては、資料でお配りいただいておりますこの二枚目の評価額の算定方法、沿接する土地の価額の三分の一で評価をすると。運送以外の用に供する部分は付近の土地の価額に比準して評価を行って、それを足し合わせると。こういう取扱いになっているということでございます。
#32
○大野元裕君 つまり、沿接する土地の三分の一と、沿接する土地ですね、付近というのは。確認させてください。
#33
○政府参考人(稲岡伸哉君) 運送以外の用に供する部分については付近の土地の価額に比準をするということでございますので、この三分の一というものが乗じられているものではないということでございます。
#34
○大野元裕君 そうなんです。そうだとすると、これ、大臣、ちょっと見ていただきたいんですが、二枚目のところですね。
 沿接する土地、これ、総務省の評価の概要というところから持ってきたんですけど、これ、いろんなパターンがあると思いますが、駅の周りに、いろんな評価もあるし、利用目的もあると思います。これを足し上げて三分の一にすると。
 ところが、これ、三分の一をなくしたのが、今の私の理解だと、案分をしたいわゆる複合の用途のところだと思いますが、ところが、そうすると、随分これ安くなっちゃうと私は理解しています。
 駅前の宅地の例えば四百メートルと書いてある超一等地と点で比較するのではなくて、付近の長い用地で評価をしてしまうと、例えば右のずっと下の方にある山林とか、こういったものも足し上げた上でそれを割る、そして三分の一は適用されないということだとすると、これ、公平ではないんじゃないでしょうか。
 というのは、先ほど大臣もおっしゃいました、特等的なというふうにおっしゃいました。多分、駅前よりも特等地ですよね。にもかかわらず、この辺の長いものを全部足し込んだものの鉄軌道用地は三分の一、しかし、それ以外のところは三分の一ではないという状況は、私は不公平にしか思えないんですけれども、そもそも、これ、勉強させていただいたんですが、鉄軌道用地の評価額が低いのは、帯状に細長い形状だと、したがって利用価値が低い、あるいは土地の利用が鉄軌道用地に限定されていて他の用途へは実質的に変換が不可能若しくは難しい、こういった理由から下げられているというのがこの算定のまずそもそもの議論の始まりなんです。ところが、駅ナカ商業施設はどっちの理由にも当てはまることはありません。それどころか、特等的なものです。
 これ、一枚目のところへ戻っていただくと分かるんですが、ちょっと古い資料ですけれども、例えば大宮のエキュートの場合、坪効率四百万円なんです。周りの商業施設、どれを取っても半分以下なんですよ。四百万円というと、当時ですけど、一番日本で売り上げていた新宿の伊勢丹とほぼ匹敵しますから、実は大宮だけど、ここだけ新宿の価額が、それだけ取り上げればですよ、それだけ取り上げれば評価されてもおかしくもないのに、しかし、随分これ優遇されていないでしょうか。
 駅前商店街と同等若しくはそれよりも特等の立地であるということから考えると、全体を足し上げたものではなくて、その地点、駅の例えば真ん前とか別な評価方法に評価方法そのものを変える必要があると、総務省、お思いになりませんでしょうか。
#35
○政府参考人(稲岡伸哉君) 鉄軌道用地一般につきましては、委員御指摘のとおりの理由から、資料でもお配りいただいておりますように、沿接する土地の三分の一という形で評価をしておりますが、先ほど来申し上げておりますように、複合利用鉄軌道用地については、まず、運送の用に供する部分と運送の用に供しない部分、運送以外の用に供する部分とに分けて、運送の用に供する部分は鉄軌道用地一般の評価と同様の評価でございますが、運送以外の用に供する部分につきましては付近の土地の価額に比準して評価を行うということになっておりますので、私どもといたしましては、駅周辺の土地との均衡が取れた評価額になっているものと受け止めているところでございます。
#36
○大野元裕君 だから先ほど確認したじゃないですか。鉄軌道用地の周りのところを含めたものですかというふうに聞いたところ、三分の一を乗じていないものでありますという話であれば、元々の基準が安く定められているんだから、その基準の計算方法自体を変えた方がいいんじゃないですかと申し上げているんですけれども、そうではないんでしょうか。
#37
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答え申し上げます。
 いわゆる運送以外の用に供する部分は、通常、宅地に相当する、利用されるのが一般的でございますが、実際の評価の運用に当たりましては、複合利用鉄軌道用地は宅地評価における市街地宅地評価法適用地域に存することが多いと思われるので、近接の路線価を基準に評価が行われているものと承知をいたしております。
#38
○大野元裕君 つまり、そうすると、さっきの三分の一を乗じていないという話ではないんですね。そもそも評価の基準自体が違うということですね。
#39
○政府参考人(稲岡伸哉君) 運送の用に供する部分とそれ以外の部分では違うということでございます。
#40
○大野元裕君 そうすると、大臣、少しちょっとまた別な話をさせていただきたい。というのは、もしも目の前の、駅前の特等地と比較するんであれば、それはそれでまだ納得ができる話だろうと思います。
 実はこれ、もう大臣御存じかもしれませんけれども、駅ナカの事業は今や、流通業でいうとセブン&アイとかイオンとかユニクロ、これに並ぶ、もう、隠れていますけれども、実は日本の有数の、片手の五本指に入る大商業事業体になります。
 そうすると、普通に考えると、地元商店街との間での議論もそうだし、それからその店舗、商業施設としての周りの環境やあるいは交通、こういったものについても配慮をする必要が出てくるのではないかというふうに我々印象としては受けるわけですけれども、そこで経産省に伺いますけれども、駅ナカ商業施設は大規模小売店立地法の適用対象になるかを議論したいんですが、その前に、この大規模小売店舗立地法の適用対象に仮になるという場合、どんな配慮、あるいはどんな義務、どんな規定が適用されるか、主な事項で結構ですので教えてください。
#41
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 大規模小売店舗立地法は、いわゆる商業上の利害調整ということではなくて、今御紹介ございました大規模小売店舗の周辺の地域の生活環境を保持するために必要な配慮を求めるということになってございます。
 それで、この中で具体的にということでございますが、一つは交通の問題ということでございまして、周辺地域において渋滞等が発生しないよう必要な駐車場の確保を求めるといったような配慮、それから二番目に騒音の抑制ということで、例えば深夜、早朝における荷さばきの作業等の面での配慮を求めるといったこと、それから三番目に廃棄物ということでございまして、例えば必要な保管スペースを確保する、あるいは運搬、処理といった作業において必要な配慮を求めるといったようなことをこの法律で求めているというところでございます。
#42
○大野元裕君 ならば、駅ナカ商業施設は一般に大規模小売店舗立地法の適用対象となっていますか。
#43
○政府参考人(藤木俊光君) 大規模小売店舗立地法におきまして基準面積が決まっておりまして、店舗面積が一千平米を超える商業施設がこの大規模小売店舗の立地法の対象でございまして、この要件を満たすものについては駅ナカ商業施設も対象になるということでございます。
#44
○大野元裕君 ならば、もし違っていたら教えていただきたいんですが、ところが、実際には立地法の適用になっていないところが多いと理解をしています。
 それは、駅ナカ商業施設の運営事業体がたとえ単一であるとしても、コンコースごとに区切った、そのワンブロックずつが一つの店舗、別々の商業施設になっているということの考えから、先ほどの赤羽の二千百平米とか三千平米とかあっても、全体ではなくて、これを区切ってそれぞれに適用されるので、駅ナカ商業施設がどんなに大規模になっても適用されない場合もあるというふうに理解をしている。もし違っていたら教えてほしいと思いますけれども、それでよろしいですか。
#45
○政府参考人(藤木俊光君) 先ほど御説明申し上げました大規模小売店舗法の対象施設でございますが、法律第二条第二項の規定によりまして、一の建物ということで一千平米を超えるものというふうに書いてございますが、この面積の算出に当たりましては政令で細かい規定がございまして、括弧書きの中に書いてあるんでございますけれども、「建物が公共の用に供される道路その他の施設によって二以上の部分に隔てられているときは、その隔てられたそれぞれの部分」というふうに規定されております。これ、周辺への交通の影響等を勘案する中で、間に公道が入っている場合等はそれぞれ別のものとして考えるという考え方でございます。
 駅のコンコースについては、通路部分については上記の公共の用に供される道路、誰でも通ることができるということに該当しておりますので、隔てられた部分についてはそれぞれ別の店舗面積ということになっているところでございます。
#46
○大野元裕君 ところが、これ、コンコースがあるからといって、これだけ大規模な商業施設になると、専ら運行の用に供するとか、あるいは公道と同じとは言えないのではないでしょうか。逆に、商業施設でも、例えばこの近辺だと新小岩の西友とかあるいは浦和の伊勢丹とか、普通にみんなが真ん中通っている、ほぼ公道であります。ところが、そこは分けて考えられておりません。普通に、お店で買うよりも、みんなが通っているところであります。
 そうだとすると、床面積の計算の際には、これ一つの事業体ですから、しかも、これだけ大きく商業用に、コンコースだけではなくて相当奥まった部分のところに入る、つまり、普通に電車に乗るだけではなくて、お店に行くためのコンコースもこれは含まれていると私は理解をしていますけれども、そういったものについてコンコースが、例えば三〇%でもいいです、四〇%でもいいです、ある程度案分されるべきではないのか、そしてそれが総体として考えられるべきではないのかと思いますけれども、そこについてはいかがですか。
#47
○政府参考人(藤木俊光君) 現行の大店立地法の法令上、店舗面積という考え方の中で、先ほど申し上げましたように、道路その他の施設によって、公共の用に供される施設によって二以上の部分に隔てられているときは、その隔てられたそれぞれの部分と規定されておりますので、隔てているその公共の用に供されている施設そのものを案分するということにはなっていないということでございます。
#48
○大野元裕君 政令ではそうなっていないということでお答えでございましたが、べきかどうかという話にはお答えをいただかなかったと思います。
 ならば伺いますけれども、これは消防庁に伺いたいと思います。
 ちょっと時間がなくなったので、質問を少し飛ばしますけど、消防法上、大規模な駅ナカ商業施設は、駅舎内部に必然的に存在する売店、キオスクみたいなものですね、あるいはちっちゃいおそば屋さん、こういったものは機能従属用途、要するに、駅に必然的に付いているものだから、それはもう駅と同じに扱いますという理解です。あるいは、複合用途防火対象物、そうではなくて、例えばそれは駅ビルみたいなものがそうかもしれません。そうだとすると、これ、駅ナカの商業施設について伺いますけれども、例えば複合用防火対象物に指定される場合、後者の場合です、先ほどの、スプリンクラーを設置等の義務が課されると私は理解をしておりますけれども、こういったコンコース、先ほどの公道の部分ですね、立地法でいえば、そこについてはスプリンクラーの設置は義務付けられておりますか。
#49
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 まず、スプリンクラーにつきましては、四項施設と申しておりますが、百貨店、店舗、展示場等につきましては義務がございます。もう一つ、十項施設と申しておりますが、車両の停車場等については義務がございません、一般的には、十一階建て以上は別ですが。
 それで、複合施設の場合は、その店舗等のところに着目いたしまして、三千平米以上であればスプリンクラーの設置義務があるということでございまして、そういう意味では、コンコースも含めて全体の態様を見て適用を考えるということになっております。
#50
○大野元裕君 そうなんです。ここで重要なのは二つのポイントで、消防法では、コンコースも含めて、商業施設が大きな場合にはこれを全体として見ています。ところが、立地法では、コンコース部分は除いて、一つ一つ分けているから大規模な商業施設には捉えられていない、これがポイント一つです。
 そしてもう一つは、これは伺いたいんですけど、先ほど、コンコース、複合施設の場合ですね、店舗に注目しているという話がありました。ところが、駅は一般論で言うと非常に多くの人が利用をされる。コンコースは通路ですから、もちろん退避も含めて、万が一の場合の退避も含めて安全を確保しなければいけないということになっています。ところが、このコンコースには、そういった普通のコンコースにはスプリンクラーの設置は義務付けられていないんですね。
 ところが、これ写真見ていただきたいんです。三枚目になりますけれども、これ東京駅と川口駅で撮ってきました。これ、いわゆる移動式仮設店舗です。東京駅のところなんかは皆さん御存じかもしれませんが、新幹線を降りたところに仮設店舗があって、これコンコースのところなんですが、ほぼ一年中あそこにあるんです、移動式仮設店舗だけど。川口も実はそうなんですよ。そうすると、これ、上も見てきたんですけど、スプリンクラー、私には見付からなかったんですね。
 そうすると、これ消防庁にお伺いをさせていただきたいんですけど、万が一の場合も想定をして、このように可燃物がコンコース上に置かれることは適切か、特にそれが移動用仮設店舗であるにもかかわらずほぼ恒常的に置かれているようなものについては、これ消防法上適切あるいは運用上適切とお考えでしょうか。
#51
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 実は、移動式の仮設店舗だけに着目しての規制ということになってございませんで、当然ながら、それが設置されている場所が駅の一部という扱いになっている、小規模の場合ですね。あとは、複合用防火施設の対象物ということであるということになりますと、当然ながら、管理者の方で可燃物の管理や避難経路の確保等を適切に行うということであるとか、火災発生時には従業員等による消火器や屋内消火栓設備を用いた迅速な初期消火等の計画、訓練等を重ねるということが義務付けられておりますので、当然ながら、そういう場所に置かれる移動式仮設店舗は、そういう避難経路の確保等々について支障がないものかどうかというものについては指導を行うし、また訓練もしていただくということになります。
#52
○大野元裕君 先ほど来、イコールフッティングという話をしています。デパートやスーパーなんかもお客さんたくさん来ます。コンコースはスプリンクラー付いているわけですよね、そこについては、先ほどおっしゃった百貨店とかスーパーについては。だから、もちろん移動経路に物があることは望ましくはないけれども、それでもスプリンクラーという設備がある。ところが、駅の場合にはほぼ一年間そこに仮設用店舗があっても、そこについては、今指導とおっしゃいましたけれども、現実にはスプリンクラーは付いていないという状況になっています。
 これ、指導を是非していただきたいし、そこは現実に従ってしっかりとした措置をしていただきたいんですが、これ経産省も一緒だと思います。立地法も一緒で、そこがまさに公道として扱われるのであれば、公道であるという理由をきちんと明確にしなければいけないし、現実の問題としてそれが与える影響、駅前に大きな商業施設がある場合には駐車場が必要になる、あるいは騒音の問題もある。ところが、駅ナカでは、そこに今、駅前の商店街、シャッター街になっちゃうと、そこに買物に実は入場券買って入っている人がいるんです。あるいは、おじいさん、おばあさん、高齢者の方々にとっては駅前の商店街なくなると逆に不便なんですよ。我々、駅を利用する、あるいはサラリーマンの方は毎日駅を利用しているから中にあるととても便利なんですけど、ただ、周りの方々にとっては不便になる場合もある。
 そういったことを考えると、私はイコールフッティングというものは極めて重要だと思っています。先ほど税法の話は若干御説明をいただきましたけれども、立地法の問題あるいは消防法の問題、さらには、先ほどちょっと申し上げましたけれども、駅ナカ立地ということで優遇されているようなもので、イコールではないんだという、大臣もおっしゃいましたけれども、これ、特に消防法なんかは、このまま放っておいて万が一のことがあると政府の不作為とすら言われかねない問題になっていきます。
 私も、先ほど申し上げたとおり、規制しろとは言いません。そうじゃなくて、周りとイコールフッティングを持って、健全な共生とウイン・ウインの関係をつくるということ、それから安心、安全に責任を持つということはとても大事だと思っているので、現状に目を向けて、大臣、立地法の適用の運用の範囲はこれ政令でできますから、こういったところについては検討を加えていくべきではないかと思いますけど、いかがでございましょうか。
#53
○国務大臣(世耕弘成君) 今回答弁するに当たって、私もいろいろ勉強いたしました。大野委員も非常に広範にわたって勉強されているわけであります。
 私は、当然、これルミネと比べても坪売上げ倍、一般の小売店に比べて八倍と、圧倒的に有利な特等地にあるということで、いろんなクレームとか要望が来ているんじゃないかというふうに思って省内確認したんですが、商店街連合会とかそういったところから全く、ほぼ全然来ていない。平成十九年より前は固定資産税は不公平だということで来ていたんですが、平成十九年の固定資産税の計算法改定以来はもうほぼぴたっと要望とか不満は余り来ていないという状況です。
 ただ一方で、今お話を伺っていて、小売業者の方も実態詳しく分かっていないのかも分からない。大店法上の扱いとか消防法上の扱いとか、固定資産税の細かい計算の仕方まで理解していないのかも分かりませんので、そういったことはちょっとよく業界とも情報を共有しながら、そして駅ナカ商店街というものが本当に実態どうなっているのかということもよく把握をして、必要があれば関係省庁と連携をして対応を考えてまいりたいというふうに思います。
#54
○大野元裕君 今日は時間がないのでこれで質問はやめておきますけれども、実はたばこ税とかそういった事業税の問題とかもありますし、まさにおっしゃるように分からないところが多いんです。
 昨日も実は私の地元の商店街の方々と話していて、いや、実はあしたこんな質問をするんだけどって話をしたら、そうなんだよという話が実は出てくるんですね。だけど、何が平等か平等じゃないかすら分からない。
 大店法の場合、建蔽率の問題もありますけれども、いろんな制限が掛かる。これ規制ではないんですけれども、そういった中で彼らは長年掛けて共存共栄を図ってきたというのが現実の問題なので、一朝一夕に駅ナカの問題が解決するとは思いませんが、駅ナカの人たちにとってもいい、それだけ地代を払っても入りたい、それが逆に地域にも還元されて駅前のシャッター街、残念ながら少子高齢化でいろいろ消費意欲も下がってきますけれども、それでもお互いにウイン・ウインとなるような方向性を実は見付けていくのが、町中三法もそうでしたけれども、政府の私は役割だというふうに強く思っておりますので、そのことを最後に指摘をさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#55
○真山勇一君 立憲民主党・民友会の真山勇一です。
 今日は、エネルギー政策についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 現在、エネルギー政策の見直しが進められていると、これをまとめた第五次エネルギー基本計画というのが近く決まると伺っています。この第五次エネルギー基本計画の中身について、何点か伺っていきたいというふうに思っております。
 この中で、私、一番ちょっと注目をしたのは、やはりこの言葉です。再生可能エネルギーを主力電源化するというその内容がこの第五次エネルギー基本計画の中に盛り込まれると伺っています。再生可能エネルギーが主力電源化というのは、これは初めて打ち出したものというふうに伺っております。これまでも、やっぱり再生可能エネルギーの進み具合というのは非常に注目をしていたわけですけれども、このエネルギー計画の中でもこれを新しく注目させたということで、大変今回の第五次エネルギー基本計画というのを私、決まるのを楽しみにしているんですけれども、ただ、その一方で、これまでどおり原発というのを重要なベースロード電源というふうに位置付けております。
 せっかく、いろいろ今世の中大きく動いてきて、新しい状況が出てきていると思うんですが、従来の目標が維持されたままということになっている。特に電源構成ですね、これについては第四次のところで書かれているのと全く同じ数字になっているということ。第五次エネルギー基本計画の素案、これ、新しい時代を目指したものなのだから、やっぱり新しい目標を設定してもよかったんじゃないか、そういう声も聞こえてきます。
 そんなことから、なぜ、今回再生可能エネルギーについての新しい指摘がある一方で、これまでの四次エネルギー基本計画の中身の例えば電源構成だと同じ数字をそのまま踏襲したということ、その辺の理由をまず聞かせていただきたいと思うんです。
#56
○政府参考人(小澤典明君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のいわゆるエネルギーミックスでございます。これは二〇三〇年を目標とするエネルギー政策の方針としまして3EプラスS、安全性の確保を大前提に、経済性、そして気候変動の問題に配慮しながらエネルギー供給の安定性、こういった政策目標をバランス良く同時に達成する姿としてお示ししているものでございます。
 その上で、昨年八月から経済産業省の審議会におきまして、エネルギー基本計画の見直しについて委員の皆様に予断なく議論していただきました。その中で、エネルギーミックスにつきましてはまだ道半ばの状況でございまして、まずはエネルギー源ごとの施策の深掘り、あるいはその対応の強化により課題を克服して、現在お示ししている電源比率など、その確実な実現へ向けて取り組んでいくことが重要というようにされたものでございます。
 例えば、委員御指摘の再生可能エネルギーにつきましては、エネルギーミックスの二二から二四%の水準に対しまして一五%の実績、水力を除けば七%の実績ということでございます。太陽光を中心に伸長してございますけれども、コストの低減あるいは系統制約の克服、調整力の確保などが課題でございます。原子力につきましては、二二から二〇%の水準に対しまして二%の実績でございますが、直近におきましては、これまで再稼働を果たした炉が八基まで来ております。順調に進めば玄海四号機の再稼働というのが近々にございまして、九基になる見込みでございます。引き続き、安全最優先の再稼働が課題などとされてございます。
 こうした議論を踏まえまして、先日お示ししたエネルギー基本計画の案では、3EプラスSの原則の下、エネルギー政策とそれに基づく対応を着実に進め、二〇三〇年のエネルギーミックスの確実な実現を目指すというようにしてございます。
#57
○真山勇一君 まだ道半ばであるという、そう言われれば確かにそういう面もあるというふうに思っておりますけれども、その二〇三〇年のエネルギー比率、今答弁いただいたように、原発の比率が二〇から二二%ということなわけですね。
 ここで、今、再稼働が現在八基で、これ間もなく九基になるだろうということだったんですが、今現在の原発、東日本大震災と福島第一原発事故が起きたときは原発は五十四基というふうに伺っているんですが、現状は、今この原発というのはどんな状況になっているんでしょうか。
#58
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 現在稼働中のものは、先ほど委員からも御指摘をいただきましたように、八基となってございます。原子炉設置変更許可済みのものが六基、新規制基準への適合性審査中のものが十二基、未申請のものが十二基ということでございます。
#59
○真山勇一君 廃炉は何基になりますか。
#60
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 廃炉決定済みのものは十八基ということになってございます。
#61
○真山勇一君 ありがとうございました。
 あの東日本大震災、福島第一原発のときは全部が一回止まったわけで、それから見ると、再稼働が八基、間もなく九基というようなことですし、大きな動きはまたやはり原発の再稼働に向かって進んでいるのかなというふうなちょっと印象も受けるんですけれども。
 これは世耕大臣にお伺いしたいと思うんですが、原発の比率を二〇から二二%を維持するというためには三十基の原発を動かさなくちゃ駄目だというようなことが言われております。私、いただいた資料によりますと、去年の十二月の衆議院の経済産業委員会でも大臣が、この三十基動かすことが可能でそれは達成できるという答弁行っているんですが、これはこういう認識でお変わりございませんか。
#62
○国務大臣(世耕弘成君) まず、このエネルギーミックスの数字というのは、何もこの原発を動かしますとか何基動かしますとか、それは原発だけじゃなくて火力発電とか風力発電とか、そういうのを積み上げて作った数字ではないんですね。
 逆に、きちっと政策的な目標を作って、まず自給率、今多分七%とか八%だと思いますが、これを二五%ぐらいまで持っていく。電力コスト、電気代がやはり震災前に比べて非常に今高くなっているわけですかから、これを少なくとも今よりは下げていくということ。そして、今パリ協定での我々目標も、二〇三〇年の目標を掲げているわけでありますけれども、欧米に遜色のない温暖化ガス、CO2の削減目標をしっかり実現していく。
 この大きな三つの目標に、さらに省エネをしっかり進めるということ、そして原発依存度を可能な限り下げていく、こういうことをぐっと混ぜていろんなパラメーターでバランスを取った上で、例えば、風力を入れればCO2は減るわけですが、電気代は上がっちゃいます。あるいは火力を入れると今度コストは下がりますけれども、自給率も下がるしCO2は増えると。そういったものをいろいろバランスをしながら二〇から二二という数字を、原発に関しては二〇から二二だという形で作っていったわけです。
 ただ、その二〇から二二という数字が全く実現不可能なものでは駄目ですから、じゃ、これ本当にどうなんだろうかということを、これ後になって検証をしたのが今お話しの原発を何基という話でありますけれども、これも二〇三〇年時点、エネルギーミックスというのは二〇三〇年が目標ですから、二〇三〇年時点でまだ運転から四十年たっていない原発が二十三基あります。これが全部稼働すると一七%になります。一方で、四十年経過している原発十九基がありますが、これを全て運転延長をすると二八%、稼働率も八〇%に高めるという前提になりますが、そうすれば大体一七から二八ということで、今申し上げた二〇から二二というのはその間にはまっているということで、一応達成可能という説明をさせていただいているわけであります。
 繰り返しになりますが、二〇から二二は、何も原発これとこれとこれを再稼働させる、何基再稼働させるということを前提にしている数字ではないということは御理解いただきたいと思います。
#63
○真山勇一君 よく分かりました。ただ、その目標としては数字が出ていると。
 それで、大臣の答弁の中でもその三十基、いろいろ動かし方はあると思うんですが、三十基という数字は出ていますけれども、ちょっと現実を見てみると、かなりやっぱり今原発再稼働をするということは難しい。つまり、やはり東日本大震災以前と以降では原発に対する考え方というのももう大きく変わってきているのではないかというふうに思うんですね。例えば、新安全基準でなければやっぱり認められないとか、それから、やっぱり東日本の教訓として、地方の地元の特に自治体は避難計画というものをとても重要視していますね。新潟なんかもやっぱりそういうことで、今問題が続いているということになっています。
 それからあとは、やはり日本の自然的な立地条件として、幾つかの原発は活断層の上にあるというふうにも言われておりますし、また大きな地震がいつあるかも分からないというような状況の中で、本当に安全に原発が再稼働していけるんだろうかという不安というのはやはりあると思うんですね。
 そうした現実のことを考えると、やっぱり今大臣おっしゃった三十基というのは結構ハードルが高いと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#64
○国務大臣(世耕弘成君) ですから、その三十基を積み上げてエネルギーミックスを作ったわけではなくて、コストを下げる、自給率を上げる、CO2を下げるという計算の中で、結果としてその他の電源も含めて比率が出てきて、原発については二〇から二二になっているというわけであります。
 再稼働については、この二〇から二二を達成するために、いついつまでにどれを再稼働するという立場には我々は立っていません。これは、あくまでも新規制基準をクリアして地元の御理解をいただきながら再稼働をしていくということでありますので、このアプローチとエネルギーミックスというのは少し分けて考えておく必要があるんだろうというふうに思っています。
#65
○真山勇一君 やっぱり震災以降、現状を見ていると、原発が現状では八基動いているということで、特に大きな、例えば産業界用としても、それから民生用にしても、電力が不足しているという、そういう声はもちろん聞こえてきませんけれども、もちろんそのために電力会社が努力をしているということは分かりますが、やはりそれは、その中でいろんなやっぱり新しいエネルギーについての傾向が出てきているんじゃないかなというふうに私は思うんですね。
 まず、私がお配りした一枚目のブルーとオレンジの棒グラフが書いてある資料を見ていただきたいんですが、これ、資源エネルギー庁からいただいたものです。実は左上に書いてある数字をこれグラフ化したんで、どちらが見やすいかというと、ちょっと左上の数字を見ていただきたいんですが、これは電力総需要、二〇一〇年から一六年まで、それから電力十社の販売電力量、それから今注目され始めてきている新電力というものの販売電力量がどのぐらいの量になってきているのかなというようなことを、資源エネルギー庁の資料を作っていただいて、いただいたものです。
 この数字をグラフ化したものが下のグラフなんですが、これ、見ていただけるとお分かりのように、電力総需要ってやっぱり減ってきているわけですね。それから、その一方で、ですから当然電力十社の販売電力量も減っている。だけれども、見ていただきたいのは、右側のその新電力の販売量ですね。これ、劇的にここへ来て増えてきている。
 やっぱり、最近テレビなんかのコマーシャルとかいろんなところで見ていても、新電力のそういうコマーシャルも何かあるようですし、新電力、本当にどこまでやれるのかなという、そういう懸念もありましたけれども、こうやって見ていると、新電力捨てたもんじゃない、侮れないなというくらい大幅に増えてきているということですね。
 これ、十社と新電力の電力量を足すと総需要に足りなくなっていますけれども、これは資源エネルギー庁に説明を求めたら、これは自家発電とかそういうのがあるのでそういう分でカバーしているんであって、ですから、取りあえず必要な量はこうやって何とかカバーできてきているというようなことを言っています。
 これだけやっぱり新電力というのが伸びてきているというのは、意外といえば意外な感じもしないではないというふうに思うんですね。だけれども、このままでいけば、これ、かなり新電力というのはこれからも増加していくという可能性は十分にあると思うんですね。いわゆるエネルギーの地産地消ですとか、それから比較的既成の電力会社より電気料金が少し安いとか、それから人によっては自然に優しい再生可能エネルギーを使っているからとか、そういうことで新電力に変える方が増えているというふうに言えると思うんですね。
 こういう状況を見ると、やっぱり新しい一つのエネルギーの動きが出てきているということがあれば、今回の第五次エネルギー基本計画でやはりこの辺りを是非組み入れて、原発、先ほどから御説明は聞いていますけれども、この辺り本当に、原発このままというよりも、こうした自然エネルギーの方をこれから重視していくというような考えというものは今回持っておられるんでしょうか。
#66
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘のとおり、全面自由化を二年前に実施いたしまして、それに先立つ二〇〇〇年からは部分自由化も開始いたしまして、そのような中で新電力の比率が上がってきている、着実に増加しているというのは事実でございます。
 他方、この新電力というものの電源でございますけれども、新電力は、自ら電源を持っているような比較的大きめの新電力もありますけれども、旧一般電気事業者、いわゆる大きな電力会社の電力を調達して、その電気を売っているという新電力も多くございます。実際に、常時バックアップという形でバックアップ電源としての電力を大手の電力会社から供給をされて新電力が販売しているという実態もございます。
 したがいまして、電力十社の販売部門の販売量がトレンドとしては下がっているわけでございますけれども、だからといって、一般電気事業者が持っている発電力が要らなくなると、こういうことではないということは御理解をいただければと思います。
 新電力の中にも、今御指摘のあったような再エネの電気を売っている会社もありますけれども、マーケットから調達をしてその電気を売っている、若しくは相対で再エネ以外の火力電気を売っている新電力もいると。先ほど申し上げたように、一般電気事業者、大手から調達している新電力もいるというようなことの中で新電力が更に伸びていけるような取組を、市場整備を国としてもしっかりやりたいということで考えているところでございます。
 もちろん、再エネにつきましても、先ほど御指摘いただいたように、エネルギー基本計画の中で主力電源化を目指していくというようなことで今御議論をいただいているわけでございますけれども、しっかりと再エネ自体の導入促進ということで様々な取組を進めさせていただきたいと、このように考えてございます。
#67
○真山勇一君 その一方で、もう一つ現実の問題をちょっと指摘させていただきたいのは、再生可能エネルギー、やっぱりこれは本当に原発に比べるとなかなか効率というのが悪くて、なかなかこの辺がネックになっているということもあります。安定供給をどうやってやっていくか、これが大きな問題だというふうには思うんですけれども、ただ、今現実を見ていると、再生可能エネルギーの方も飛躍的にいろいろ進歩というか、革新的な技術開発が進んでいるということがあるわけですね。
 二枚目の太陽電池の変換効率の推移というのと風力発電の大型化と発電コストの推移という表を見ていただきたいんですが、やっぱり太陽電池の場合は、現在使っている太陽光パネルというのは大体熱効率が二〇%ぐらい、良くてももう二一、二ぐらいと言われていますけれども、最近これ見ていますと、二〇一七年ではもう二六・七まで上がってきているということで、このシリコン系太陽電池のパネルも飛躍的にやっぱり熱効率が良くなってきているということがよく分かります。
 これが良くなればなるだけやはり太陽光発電の不安定さも多少は解消されてくるというふうに言えると思いますし、下の風力発電を見ていただけると、これはプロペラ、ローターを大きくすれば当然発電量を大きくするということで、技術革新で大分大きなこのローターの風力発電の設備が出てきているということが言われています。
 ただ、大きなローターというのはいろいろ逆に問題もあるかもしれませんね。それだけ音、例えば低周波の音が大きくなるとか、それからローターが大きくなる、プロペラが大きくなるんだからやっぱり場所をきちっと確保しないと駄目だとか、立地条件がいろいろあると思いますけど、でも、確実にこういうふうに自然エネルギーのいわゆる設備というのがどんどんどんどん進化をしてきているというふうに言われるわけです。
 それからもう一枚、最後の写真を見ていただきたいんですが、これが、私もちょっと今回、エネルギー、今どのくらい、どういう技術革新が行われているのかなということでネットで拾ってみましたら、上の写真見てください。これが実は風力発電の設備なんですね。羽根のない風力発電機、これはスペインの会社が開発したものらしいです。
 仕組みは、新しいものなので、多分、世耕大臣はこういうものお好きだからよく御存じかもしれませんけど、何か空気の流れを利用して、ローターを回すんじゃなくて、何かこの柱の根元にある磁石で電気を起こすという、そういう画期的な仕組みですね。高さがこれ三メートルぐらいでいいんだそうです。
 ただ、この写真みたいにこういうものが、三メートルのただ柱がいっぱい立っているとちょっと異様な雰囲気もしますけれども、例えばこの下の土地を公園にするとか、いろいろ利用で風景変えれば、これもまた一つの何かモニュメントになるような気もいたします。
 それから、下を見てください。これは、オランダといえば風車で有名なところなんですが、オランダで今実験をしている風車がない風力発電装置ということで、これ大きなアーチの二つのドーナツみたいなのがありますけれども、その間が空洞になっていて、そこを通る風によって電気が起こるような、そういう仕組みになっているというふうに言っております。
 この周りの大きなアーチは利用価値があって、例えばジェットコースター造るとか、それからホテルとかレストラン街、ショッピング街を造ることもできるんだよということを言っております。これ、高さは百七十四メートルというから、かなり大きなものですから、遠くからでも見える。横にあるビルなんかと比べると大きさは分かると思うんですけれども、そういう形のものも今オランダで考えられているということですね。
 これらはまだ今実証実験の段階あるいは実験の段階ということなので、まだ実用化にはこれから先があると思うんですが、こういうものもいろいろあるわけですよね。きっと、世耕大臣、これ以外にも、いや、実はこんなのあるんだというのは御存じかもしれませんが、私はこんなのを探して、こうしたもの、やはり新しい風力とか太陽光発電のシステムの何かものを日本も積極的に考えるということ、必要じゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#68
○国務大臣(世耕弘成君) おっしゃるように、再生可能エネルギーについては、まず、その発電技術そのものを高効率、低コスト化していくということが重要です。
 もう一つは、やはりどんな風が吹くところでも、どんな太陽がかんかん照りのときでも、風がやんだり曇ったりということがあるわけですから、これ必ず調整力というのが必要ですね。今のところ、これ残念ながら再生可能エネルギー導入の先進国であるドイツでも、ここは石炭火力に頼っている。日本でも調整力はやはり石炭火力になってしまうという面があるわけでありますが、これをどういう調整力を開発していくか。
 発電自体の効率を上げていくということと調整力をしっかりつくっていくことが重要だと思っていまして、例えば、その発電の高効率、低コスト化という意味では、太陽光については、日本発の技術として低コスト化やパネルの軽量化が期待されるペロブスカイト太陽電池というそうですが、こういった技術開発が行われているところであります。これは、高効率化だけではなくて軽量化が実現すると、例えば、メガソーラーだけではなくて、これまで建物の強度の関係から建物の上に設置できなかったようなところにも太陽光パネルが設置できるというようなことも起こってまいります。
 一方で、調整力という意味では、やはり蓄電ということになるわけでありますが、現段階では非常にコストが高いため、大型蓄電池については、二〇二〇年までに、今、揚水発電という形で水力を上に持っていって、それでいざ風とか太陽が止まったとき下ろすというやり方をやっていますが、この揚水発電と同等の設置コストに低減するための技術開発を行っております。
 あと、家庭や工場に置かれる蓄電池については、二〇二〇年からの自立的普及を図るべく、年度ごとの目標価格を設定をして、その目標価格を下回った場合に限定して導入を支援するというようなこともやっています。さらに、将来はやはり太陽光や風力で発電した電力を水素に置き換えるパワー・ツー・ガスの技術も有効だというふうに思っておりまして、水素製造の高効率化の研究ですとか、あるいは福島県の浪江町で再生可能エネルギーから水素を製造する世界最大級のCO2フリー水素製造プロジェクトを進めているところであります。
 こういったところから、国産の技術でも再生可能エネルギー、しっかりと前へ進めてまいりたいというふうに考えております。
#69
○真山勇一君 ありがとうございました。時間になりましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#70
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 まず、五月十六日に取りまとめられました第五次エネルギー基本計画案について質問をいたします。
 計画案では、原発依存度について可能な限り低減させるとする一方で、原発を長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると位置付け、二〇三〇年のエネルギーミックスにおける電源構成比率である原子力二〇%から二二%の実現を目指し、必要な対応を着実に進めると明記をいたしました。
 世耕大臣は、先週の衆議院の経済産業委員会で我が党の笠井議員の質問に対して、機械的な試算としながら稼働率を八〇%とし、運転開始から四十年未満の炉、全てが稼働すると原発比率は一七%、四十年超の炉を全て運転延長すると二八%となる、安全最優先の再稼働と一部の炉の運転期間延長により達成は可能と答弁をいたしました。
 今日、資料にお付けいたしましたけれども、過去四十年間の原発の設備利用率、つまり稼働率の推移をまとめたものでありますが、これを見ると、これまでの稼働率の総合平均というのは六七・五%であります。大臣おっしゃるように、二八%のうち一一%、これは四十年超の炉を運転延長するという計算になって、これ実に四割ということになります。四割もの炉が四十年超の老朽原発ですよ、老朽原発。しかも、これまで平均六七・五%しか稼働できていないのに、これ八割の稼働といって大丈夫なんでしょうか。
#71
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 まず、大前提といたしまして、先ほど大臣が御答弁いただいたとおり、このミックスは、安全性の確保を大前提に三つの具体的な目標を同時に達成するということで導き出したものでございます。したがいまして、具体的な稼働率を設定したりしたものではなく、個別の原発の再稼働の状況を積み上げて策定したものではございません。
 稼働率八〇%につきましては、例えばでございますけれども、アメリカで、一九七九年のスリーマイルアイランドの原発事故の反省を踏まえて、事業者が集まって安全性、信頼性の向上を目的とした組織を設立し、こういった枠組みの中で、現場における良好な取組事例の共有や改善点を相互に指摘するといったような活動を続けることによりまして、大きなトラブルの発生件数が十分の一に減少し、一九八〇年代には五五%であった稼働率が二〇〇〇年代には九〇%まで向上したといった事実もございます。
 こういった認識の中で、我が国におきましても、産業界におきましては、こういったアメリカの取組なども参考にいたしまして、原発の安全性、信頼性を向上させていくために、現場やマネジメントの取組につきまして原子力事業者間で相互のレビューと指導を行う原子力安全推進協会、いわゆるJANSIを創設し、また、先進的なリスク評価手法の研究開発と原子力事業者への導入の支援を行う原子力リスク研究センター、いわゆるNRRCを創設するなど、産業大で信頼性向上につながる共通の課題を設定いたしまして、効果的な対策を検討、普及させていく新たな組織づくりを進めるなど、自主的な取組も進められている状況でございます。
 こういった安全性、信頼性の向上を目指す取組を続けていくことによりまして稼働率を八〇%に向上させていくことは可能だと、このように考えてございます。
#72
○辰巳孝太郎君 いや、私は、可能かどうかというよりも、これ要するに、より危険な原発を動かしていくということなんですよ。
 アメリカの例をおっしゃいましたけれども、二〇〇〇年代という話ですが、これ世界的に、もちろん電力会社からすれば稼働率は高い方がもうけが出るわけですよね。日本だってそれはやってきたわけでしょう。だけど、二〇〇〇年代、これ日本で見てもやっぱり七割なんですよ、せいぜい、平均してみると。ですから、これ八割目指すと政府が言うってことは、より危険な原発を動かしていくという宣言に私はほかならないと思います。これはとんでもない話だと思うんですね。
 大臣、計画案では、これ二〇五〇年のシナリオについて、再生可能エネルギーや水素、CCS、原子力など、あらゆる選択肢を追求する、エネルギー転換、脱炭素化を目指した全方位での野心的な複線シナリオを採用するなどとしております。これは、要するに、三十年後も原発を維持するという可能性を残したということではないですか。
#73
○国務大臣(世耕弘成君) 新たなエネルギー基本計画の素案においては、二〇五〇年に向けた原子力については、経済的に自立し脱炭素化した再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原子力依存度を低減するとお示しをしております。
 まず、再エネについては、FIT制度による補助からの早期自立、送配電ネットワークの再構築、水素、蓄電、デジタル技術による調整力の脱火力依存といった本質的な課題に対応することによって、経済的に自立し脱炭素化した主力電源を目指すことにしています。
 一方で、原子力については、福島事故を経験した我が国としては、安全を最優先して、再エネの拡大を図る中で可能な限り依存度を低減するとの方針は維持しながら、実用段階にある脱炭素化の選択肢として、社会的信頼の回復に向けて人材、技術、産業基盤の強化に直ちに着手をして、安全性、経済性、機動性に優れた炉の追求、そしてバックエンドの問題の解決に向けた技術開発を進めるべきとなっているわけであります。
 このように、再エネ、原子力を含むあらゆる選択肢について技術、イノベーションの可能性を追求していく必要がありますけれども、その帰趨、結果がどうなるかというのは、現段階では、二〇五〇年、まだ不明確なわけであります。よって、こうした各選択肢の開発目標や相対的重点度合いについては科学的レビューをしっかりと行って、見極めた上で判断していくということにしています。
 いずれにしても、この素案の方向性について、五月十六日の審議会ではおおむね認識が共有されて取りまとめが行われ、現在、パブコメに付しているところでございます。
#74
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、可能性は残したということだと思うんですね。
 可能な限り低減というんだったら、もうゼロにすべきですよ。政治がやっぱり原発ゼロをこれもう決めていくと、これがやっぱり求められているわけで、これは可能性を残しているからこそ、例えば本年三月三十日の第八回エネルギー情勢懇において日立会長の中西宏明委員、中西さんは次期の経団連会長に内定をされている方でありますけれども、以下のように述べておられます。福島は大変に重い現実であるということを否定は一切しませんけれども、もうそろそろ好きだ嫌いだというような観点で議論するのから脱したい、原子力は可能な限り低減するという制限は、私はやっぱりちょっと非常に抵抗感感じますと、これ委員が言っているんですよ。だから、可能な限り低減どころか、福島事故の被害とか賠償とかを事実上脇に置いて、福島事故の原因究明もまだ途上な中で原発推進を加速、継続しようという意図があからさまに表れた重大発言だと思うんですよね。
 政府が後押しするイギリスへの原発輸出プロジェクトを進めているのも、これ中西さんが会長を務める日立であります。今日の報道では、このプロジェクトに対して、資源エネルギー庁が日本政策投資銀行に七百五十億円の出資を要請したということも報道されているわけですね。
 こうした中で、政府は二〇三〇年の位置付けも変えずに、さらに二〇五〇年も事実上原発維持という計画案を示したわけであります。これ、私は、こういう二〇五〇年の、二〇三〇年、五〇年も含めたエネルギー基本計画はこれ絶対決定すべきでないということをきちっと言っておきたいというふうに思います。
 この政府の原発固執、再稼働推進のメッセージに呼応して、特に最近再稼働をどんどん進めているのが関西電力であります。関電は、今年に入ってから、三月に大飯原発三号機を、今月四号機を再稼働させました。昨年再稼働した高浜三、四号機と合わせて、福井県内で隣接する四基が同時に運転することになります。新規制基準の下で再稼働した五原発八基のうち、関電の原発が半数を占めるということになります。
 私は、昨年十二月に福井県に行きまして、大飯、高浜原発の立地自治体、周辺自治体であるおおい町、高浜町、小浜市、若狭町の住民の方々から直接話を伺ってまいりました。口々に語られたのが、立地自治体ではないが原発に近接をしており、事故が起きたら直接被害を被る周辺自治体住民の皆さんからの再稼働反対の声であります。
 小浜市の内外海地区は、おおい町にある大飯原発から半径五キロ圏内にあり、若狭湾の対岸挟んで原子炉の屋根がくっきりと見えるほどの近さにあります。東京新聞が今月の大飯原発四号機再稼働前に小浜市で原発から半径五キロ圏、PAZ内にある全戸を対象に実施した意識調査、今日、二枚目の資料に付けましたけれども、ほぼ半数が再稼働に反対をされております。八割以上が廃炉を求めているということも分かりました。反対理由は、やっぱり避難計画に不安があると挙げた人が最も多かったわけなんですね。こういう小浜市のような立地自治体ではないんだが原発に最も近い住民の声というのは、これ反映させる、再稼働駄目だといってもそれを反映させる仕組みそのものがないということなんですね。
 三月の二十九日に、日本原子力発電、原電は、東海第二原発の再稼働や運転延長に関し、東海村のほか半径三十キロ圏内の五市から事前同意を得るとする新たな安全協定をこれ締結をいたしました。立地自治体だけではなくて、五市の一つでもこれは反対すれば、これ再稼働が事実上できないということになるんですね。
 大臣にお聞きしたいと思うんですけど、先ほど触れた東京新聞の意識調査に対して、これ小浜市の七割近くの住民がこの同意権が必要だというふうにも答えているんですね。東海第二原発の例のように、これ少なくとも、緊急時の避難計画の策定が義務付けられるような、半径三十キロ圏の住民に再稼働の同意権を与えるのは私は当然だというふうに思いますけど、いかがお考えでしょうか。
#75
○国務大臣(世耕弘成君) 先日の東海第二原発に係る安全協定は、電力会社と自治体が任意に締結したものであると認識をしております。
 安全協定の考え方としては、立地自治体の立場が尊重されることが基本と理解をしていますけれども、各原子力発電所ごとに各地域の経緯や事情は様々でありまして、地域によっては以前から実質的な事前了解の対象に三十キロ圏内の周辺自治体も含むケースがあるなど、その内容や範囲は必ずしも一律に定まっているものではないというふうに認識をしています。
 したがって、今回の東海第二原発のケースが特別というわけではなくて、電力会社と自治体の信頼関係の下、その地域の実情に応じて新たに安全協定等を締結したものと認識をしています。なお、地元自治体の同意は、法令上、再稼働の要件とはなっておりません。
 いずれにせよ、各電力会社においては、自治体との信頼関係を大切にしながら必要な対応を誠実に行うことが重要だと考えております。
#76
○辰巳孝太郎君 いや、少なくともこれ本当に必要だと思いますよ。
 今、関電は、建設から四十年を過ぎて原子力規制委員会が二十年の運転延長を適合とした高浜一、二号機についても、来年秋の再稼働を目指して対策工事を進めております。
 二〇一六年の八月の二十七日に実施をされた大量の放射性物質が放出される過酷事故を想定した広域避難訓練、これが行われたんですけれども、ここでとんでもないことが起こっちゃったわけですね。ヘリコプター二機による訓練を予定していたんですが、これ悪天候によりまして、このうち一機がこれは出動できないということになっちゃったわけですね。陸上自衛隊のヘリが飛ばなかった、船も動かなかったと。道路を使うということになりましたけれども、結局、これ原発に向かって避難すると。半島の付け根部分に高浜原発がありますから、これ道路一本しかないというとんでもない事態が起こってしまったわけであります。
 その二か月後の十二月の十八日にこの音海地区の自治会は、一自治会ですよ、一、二号機の運転延長に反対する意見書を採択をして、関電と町、県に提出をしたわけであります。これ、避難訓練そのものがもう成り立っていないわけですよ。これは不安だと、当然の話だと思うんですね。
 政府に聞きますけれども、避難訓練を受けて、二〇一七年の十月の二十五日に、この高浜地域の避難計画を取りまとめた緊急時対応というのが改定をされました。今日、三枚目の資料にも付けておりますけれども、まあ大失敗だった、機能しなかった音海地区に関係する部分でどのような改定が行われたのか、紹介してください。
#77
○政府参考人(山本哲也君) まず、訓練でございますが、平成二十八年八月に実施した訓練、これは三十キロ圏が三つの府県にまたがりますので、福井、滋賀、京都、それから私ども内閣府が共同して高浜発電所を対象に実施したものでございます。
 先生御指摘のとおり、当日の天候悪化によりまして、特に音海地区につきましてはヘリ二機による避難訓練を予定していたわけでございますが、そのうち一機はもちろん飛んだわけでありますけれども、もう一機は飛ばずに、あらかじめ用意をしておりました代替手段で実施をしたものでございます。
 先生御指摘のように、いろいろ、避難手段というのは一つに頼るんではなくて、あらかじめ代替手段を用意をして、その状況に応じて選択をしていくということが極めて大事でございます。そういう観点から、この訓練においても、あらかじめ用意した代替手段で訓練を実施をさせていただいたものでございます。
 それで、今御指摘の、その訓練の結果を踏まえてどう改善をしたかといったところでございます。これの訓練の成果報告書については、平成の二十九年の二月に取りまとめております。それを踏まえる形で、今御指摘ありましたように、平成二十九年の十月に高浜地域の緊急時対応の改定を行ったところでございます。
 それで、特に先生御指摘ありましたヘリコプターの点でございます。当然、訓練の成果報告書の中では、ヘリの運用改善とか、さらには、それらが難しい場合の屋内退避施設の充実などが課題として挙げられました。
 そのために、この音海地区については、こういう実動組織の方々のヘリが早期にこの地域に近づくことができるように、必要に応じて警戒事態の早期の段階から原子力施設近傍のヘリポート適地、これは実際には若狭ヘリポートと呼びますけれども、こういったところにあらかじめ待機させることによって、天候が回復しましたら直ちにヘリポート、ヘリに飛来ができるという対応、体制を取ってまいります。
 それからもう一つは孤立化対策ということで、先ほど言いましたような天候悪化のためにヘリが来ない場合については、屋内退避施設を充実させるということでございます。これまでも、既に音海小中学校を対象に放射線防護対策施設を用意をしてございます。これは町民の方が全員入れるぐらいの容量を持っておりますけれども、新たに一定の遮蔽効果のあるコンクリート建ての建物も追加をして、屋内退避施設の充実を取り組んでいるところでございます。こういった改定内容をいたしました。
 さらに、このほかにも、先ほど御指摘があったこの音海から避難をするために、小黒飯というところに、発電所に向かって避難をする経路になるわけでありますけれども、そこで新たにトンネルを開通させる工事をして、今年度内にその開通を目指すというふうに承知しているところでございます。これによりまして、音海地区の住民の特に陸路による避難経路の充実強化が図られるということになるかと思っております。
 それで、いずれにしても、この避難計画には完璧な終わりはございません。それで、今年の夏頃には大飯と高浜を対象とした国の訓練を実施することも予定してございますので、こういう訓練を通じて課題を抽出して、継続的な改善に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#78
○辰巳孝太郎君 何か天候が回復したらとか、もうやっぱりこれ天候に左右されちゃうわけですよね、どうしても。
 音海地区に屋内退避施設が一つ加わったと言いますけど、これ別に放射線防護施設でも何でもないですから、普通の小学校ですから、それ一つ加えただけでしょう。トンネルの話もありましたけれど、これトンネルの出口は原発近くですから、これ何も解決もない、対策にもならないと。自治会の皆さんの不安は全く払拭されないというのが実態なんです。
 私は、避難計画改定から二か月後の二〇一七年の十二月に音海地区にも伺いました。直接住民の皆さんからお話も聞きました。皆さんは、高浜原発のすぐ真ん前の道路をバスで逃げなさいなんて、音海の人たちの気持ちを全く考えていない、あり得ない、船で逃げるにしても自衛隊の船が接岸できる岸壁がない、机上の空論などと、およそ現実的な計画ではないということで悲鳴の声が上がりました。意見書を提出した後、地区内には高浜原発運転延長反対と大きく書かれた看板が計四か所設置されておりますけれども、うち一か所は、つい先日ですよ、五月の十日に地区北部の釣り場に至る県道沿いに建てられたばかりであります。
 大臣、このような、不安ばかりだと、避難計画があっても不安ばかりですよ、結局。実効性もないと。これでは自分たちの命が守れないとして、立地自治体の中の原発の一番近くの地区の住民が自治会ぐるみで反対をされています。このまま運転延長、再稼働なんて私はとんでもないと思うんです。
 大臣、関電に対して、住民の同意のないまま再稼働しないように指導すべきじゃないですか。
#79
○国務大臣(世耕弘成君) 避難計画の実効性あるいは技術的な面については、これは内閣府防災あるいは規制委員会で判断されるものだと思いますけれども、その上で申し上げれば、原発の再稼働を含めて、原子力エネルギー政策についてはいろんな御意見があると承知をしております。
 政府としては、様々な御意見にしっかりと耳を傾けながら、原発の重要性やその安全対策、原子力災害対策などについて皆さんの理解が深まるよう、様々な機会を利用して国民や地域の皆さんに対して丁寧に説明することが重要だというふうに考えております。
#80
○辰巳孝太郎君 全く理解されないというのが実態だというふうに思います。
 今日は、東京電力の小早川社長にもお越しいただきました。
 昨年五月に東電が申請をし大臣が認定をした新々総合特別事業計画には、福島原子力事故への対応こそが東電の原点であり、福島への責任を果たすために東電が存続を許されたということは今後も不変である、東電はこの使命を肝に銘じ、福島始め被災者の方々が安心し、社会の理解得られるよう万全を期すとともに、廃炉も含めた事故の責任を全うしなければならないとあります。
 ところが、本年三月三十日に、日本原電が有する東海第二原発の再稼働に当たっての新規制基準対応工事費用一千七百四十億円について、原電の筆頭株主である東電が資金支援を行う意向があると表明をいたしました。資料四と五に依頼とその回答を付けさせていただきました。
 社長にお聞きしますけれども、これ結局、何で原電は支援が必要だということになっているんですか。これ結局、つまり東電の支援がなければ原電は東海第二原発を再稼働できないと、こういうことなんですか。
#81
○参考人(小早川智明君) 御回答申し上げます。
 日本原電さんが当社の支援がなければ再稼働できないかどうかは私がお答えするべき立場にございませんが、経緯御説明申し上げますと、当社は、日本原電から東海第二発電所の新規制基準対応工事を実施するための資金調達を行う際に資金支援をする意向を有している旨を書面で表明するように依頼を受けました。これに対しまして、当社は、お客様に低廉で安定的かつCO2の少ない電気をお届けすることが電気事業者としての大きな責務であると考えており、その責務を全うするための電源調達手段として東海第二発電所からの受電は有望であると執行側で判断し、取締役会への報告を経て、会社として東海第二発電所に対する資金支援の意向を文書で提出したものでございます。
#82
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、東京電力が原電を支援しなければ、これ、原発は動かないですよ。つまり、駄目なんですよ。規制委員会が、資金の援助ないと無理ですよと。つまり、これ、東電が原発を動かすことと同意なんですよ。同じことでしょう。東北電力と東京電力、東京電力は八割ですから、受電比率は。東電が支援しなければ動かないということは、東電が再稼働することと同じことじゃないですか。どうですか。
#83
○参考人(小早川智明君) 繰り返しになりますが、当社は、お客様に低廉で安定的かつCO2の少ない電気をお届けすることが電気事業者として重要と考えており、その事業を全うするための電源調達手段先として東海第二発電所からの受電は有望と考えております。その趣旨から、電源を調達する手段として意向を表明したものであり、引き続き総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
#84
○辰巳孝太郎君 いや、そういう、安くなるとか、そういう話じゃないんじゃないですか。これ、新々総特にあるとおり、国が東電の存続を許したのは、賠償と廃炉作業を進めて福島の賠償の責任を果たすためですよね。福島事故を起こした東電に他社の原発再稼働を支援する資格は私はないと思いますよ。これ、絶対許したらあきませんよ。
 大臣、これ、私は、新々総特にも示されたとおり、やっぱり最優先されるべきは福島の賠償だと思うんですよ。事実上の国有化されていますからね。これ、やっぱり被災された方々の心の痛みにしっかり向き合って、東電に対して原電の支援など許されないというメッセージ発するべきじゃないですか。
#85
○国務大臣(世耕弘成君) 東海第二原発への資金的な協力については、東電などの受電会社が自らの経営責任において判断すべきものと考えています。
 今御指摘の新々総特においても、東京電力は、賠償や廃炉の責任を貫徹するためにも更なる経営の健全化を進めていくということが求められているわけであります。今回の資金的な協力についても、小早川社長を始め東電経営陣が経営健全化に取り組む立場から、経営上のメリット等を総合的に勘案し判断したものというふうに考えております。
#86
○辰巳孝太郎君 そういう言い方は、納得、絶対福島の方はされないと思いますね。
 私は、再稼働に反対する多数の国民世論に応えて、今こそ原発ゼロにかじを切るべきだということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#87
○委員長(浜野喜史君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松村祥史君が委員を辞任され、その補欠として二之湯武史君が選任されました。
    ─────────────
#88
○石井章君 日本維新の会、石井章、通告に従いまして質問したいと思います。
 商工中金の問題で質問したいんですが、先日の二十四日に商工中金が発表しました二〇一八年三月期の連結決算では、純利益が前期比で一五%増の三百七十三億、度重なる不祥事があったにもかかわらず、八十五億差っ引きましても二期続けて最高益を更新したということであります。しかし、実質業務純益は四百十三億円と、これは二六%減っております。低金利という厳しい環境により予断を許せない状況にあります。そして、今、貸付けの残高は八兆六千億ということでありますけれども、この二十二日には、昨年の十月の業務改善命令を受けまして、業務改善計画を政府に提出されております。
 その中身は、国内外の百店舗のうち三割を閉めると。そして、大都市圏内においてはいろんな業務を本部の方に一括移管したり、あるいは店舗の運営効率化を進めるということで、社外取締役を過半数として取締役会などへの監視機能を強化するとしております。昨年は一兆円程度だったリスクが高い企業向けの貸出残高を二一年度までに三兆円と伸ばすことになっておりまして、今後の四年間で真に中小企業への貢献するための金融機関を目指すということであります。
 そこで、商工中金の業務改善計画に関して、中身についてまず質問いたしますけれども、取締役七人のうち四人を社外取締役にし、監査役も四人中三人を社外にすることで、外部人材による経営監視の強化を図るとともに、副社長二人を二人から一人にすると、そして生え抜きの常務執行役員を起用するということになっております。その結果、財務省出身の稲垣副社長ら二人が退任すると。正副社長の座から天下りが排除されているのもこれ一つの効果であるかと思います。
 しかし、取締役専務執行役員には元経産省審議官の鍜治氏が就いて、常務執行役員には財務省出身の河野氏が就任されるということであります。これは、報道によりますと、関根社長から両省庁にお願いされて、この二人の起用に社長自らが関わって、どうしても入ってくれというような内容というように我々の方には伝え聞いておりますけれども、その辺についてお伺いしたいんですけれども、世間では、所管省庁の出身者の役員登用については批判的な意見も多数存在します。
 関根社長は、役人の登用によってどのような効果を期待されているのか、具体的にお聞かせください。よろしくお願いします。
#89
○参考人(関根正裕君) お答え申し上げます。
 今回の商工中金の取締役候補につきましては、新たなビジネスモデルを実現していく上で最適な体制を構想し、それにふさわしい人材を適材適所の観点から選任いたしております。
 今回、経済産業省及び財務省からの出向者を選びましたが、これは、新たなビジネスモデルの構築に全面注力するために、政府にも同じ船に乗っていただき責任の一端を担っていただく、改革を仕上げていくため、私の方から政府に対して取締役の派遣をお願いしたものでございます。
 以上です。
#90
○石井章君 関根社長の危機管理のプロとしての手腕には私も大きな期待を寄せていただいておりますけれども、その手腕をもってでも、四年後という非常に限られた時間の中で改革の再生実現には大きな困難が伴うんじゃないかと私は思っております。
 特に、有識者委員会が示しているミドルリスク融資に特化したビジネスモデルへの転換は大きな課題でもあると思われますけれども、その実現に向けた今後の取組についてお伺いいたします。
#91
○参考人(関根正裕君) まずビジネスモデルの実現に向けての取組ですけれども、まず役職員の行動規範となるクレジットポリシーを策定いたしました。その中で、顧客との信頼関係構築と深化を図り、事業性評価を通じて顧客との課題共有を図った上で、顧客へのソリューション提供を行う。この三つのステップで取り組むこととしております。
 そして、縦割り組織を排除し、風通しを良くし、営業店が必要としている機能別に関係部を統括する本部制を導入いたします。また、重点分野のソリューション提供を強化するため、本部専門部署の人員を増強し、営業店をサポートすると同時に、営業店の職員の教育、研修体制も強化してまいります。
 また、外部人材や外部機関の専門的な能力と機能を活用するとともに、地域金融機関との信頼関係に基づき、連携、協業をいたします。
 以上の取組によりまして、あるべきビジネスモデルを実現してまいる所存でございます。
#92
○石井章君 ありがとうございます。
 私は、経営の振るわないミドルリスク先への貸付けについては、本来、地域の産業振興を担う地銀も大きな責任を担うべきだと考えております。しかし、現実は、景況感の良いときには地銀などは融資をどんどんします。しかし、一旦景気が終われば、たちまち民間金融機関は、いわゆるプラザ合意じゃありませんけれども、蛇口を絞って融資が閉ざされてしまうということが今までもありました。
 その中で、これまで商工中金が景気に左右されることなくミドルリスク融資に地道に取り組み、本当に困っている中小企業を助けてきたという実績と経験をこれ有しておるのも事実であります。経験豊富な職員もたくさんいると思います。
 今まで、これは戦前ですけれども、昭和十一年当時の昭和恐慌の余波により、財源確保に逼迫した中小零細企業に民間が貸付けしないのを、中小企業を実際に助けなければならないということで商工中金などが立ち上げられまして、今日までその役目はしっかりしてきたものがあると思います。さきの質疑でも私申し上げましたが、民間金融には救えなかった中小企業とその従業員の暮らしを守ってきたということも今までの成果として私は評価します。
 そこで、社長にお伺いしますけれども、商工中金の中小企業のセーフティーネットに関する役割について、今後の事業改革における位置付けについてお伺いいたします。
#93
○参考人(関根正裕君) ありがとうございます。
 今委員から御指摘ございましたように、商工中金は中小企業金融の円滑化を目的とする金融機関でありまして、業績の良いときも悪いときも支えてくれる雨の日の傘であるというお客様の信頼の上に成り立っているというふうに理解しております。この信頼を裏切るつもりは毛頭なく、引き続き中小企業のセーフティーネットとしての役割を果たしてまいりたいと存じております。
 また、今回、ビジネスモデルを経営支援総合金融サービス事業に転換いたします。これは、借入返済の負担が重く、営業キャッシュフローと返済のミスマッチを解消したい層、赤字など財務収支上の課題を有しており、金融正常化を図りたい、収支を改善したいというお客様等に、信用リスク管理を高度化しつつ重点的にソリューションを提供することで、中小企業が経営上の課題に直面して困難なときに、これまで以上に有益な知恵と生きた資金を提供してまいります。
 加えて、リーマン・ショックや大規模災害等の真の危機時には、引き続き指定金融機関として危機対応業務を実施してまいります。
#94
○石井章君 大変期待します。
 民間の金融機関ですと、よく、例えば商工中金さんのこととかあるいは国民生活金融公庫さんのことを民営圧迫だとか言っていますけれども、いざとなったら彼らはお金貸しませんので、やっぱりたとえ財務諸表上赤字であっても、これは何とか貸してあげようという気持ちを忘れないでいただきたい。
 民間は赤字ではもう貸しませんから、税理士さんの力を借りて、多少黒字にしながら何とか貸してもらいやすいようにしているところもありますけれども、合法的にですよ。まあそういうことも含めて、やっぱり、多少いろんな問題はあったにしても、使命は民間と違うということを、是非社長の卓越した手腕の下で組織としての意識改革を推し進めていただいて、民間金融機関にできない、商工中金だからここはできるんだということを、セーフティーネットとなることを含めて、再生を期待しておきたいと思います。これは私の希望であります。
 時間もないので、最後に、世耕大臣に御質問したいと思います。
 危機対応融資は、外部要因で一時的に経営が危機的状況に陥った際に、無担保でも融資が受けやすく、国が金利の一部を負担することにより低利で融資が受けられる制度融資として、これまで財務基盤が脆弱な中小企業には欠かせないセーフティーネットとなってきたわけであります。実際には、東日本大震災関連でも約三万八千件の融資が行われ、融資総額が二兆二千億円を超えているのは皆様も御存じのとおりであります。
 しかし、商工中金の一連の不祥事に伴い、危機対応融資については災害対応に限り存続が認められたわけでありますけれども、必要かどうかを検証すべきだともされ、今後、不要との判断がなされる可能性もあるわけであります。さきに述べたとおり、危機対応融資の制度自体は大変有用であり、多くの中小企業を助けてきたことは紛れもない事実であります。その精神的な支柱ともなってきたわけでもあります。
 このような不測の事態に対応する公的な仕組みは私は存続すべきだと考えますけれども、世耕大臣のお考えをお聞きします。
#95
○国務大臣(世耕弘成君) 危機対応業務については、今年一月にまとめられました有識者による商工中金の在り方検討会、ここで提言をいただいているわけであります。その提言の中では、現行の危機対応業務から災害対応を除いてまず全面撤退をして、いわゆる危機事象でデフレ脱却というのがあったんですが、こういったものはもう廃止をするということであります。
 それともう一つは、やはり武器として、ノルマ達成のために使っていた、弊害が大きかった利子補給については、災害時など極めて限定的に運用することとなりました。そして、この提言に沿って、抜本的な見直しを今年三月末に行ったところであります。
 ただ一方で、委員御指摘のように、リーマン・ショックのような大規模な景気変動ですとか、あるいは東日本大震災といった大きな自然災害、まさにこの真の危機が生じた場合には、多くの中小企業に対して十分で迅速な資金供給を全国的に行うことが非常に重要だというふうに思っています。現に、リーマン・ショックでは七・三万件、四・八兆円、東日本大震災では三・八万件、二・二兆円の危機対応融資が商工中金により実行をされて、これによって窮地を救われた中小企業の経営者が数多くいるということは、これは厳然たる事実として認識しなければいけないというふうに思っています。
 検討会の提言では、この危機対応業務の発動をリーマン・ショックや大規模災害時の真の危機に限定するべきだというふうにされておりまして、こうした真の危機のときには、しっかりその実施状況をモニタリングしながらこの危機対応融資制度を運用していきたいというふうに思っています。
 これに加えて、昨年、信用保険法が改正をされまして、今年四月から、大規模な危機が起こったときには全国一律で一〇〇%保証である危機関連保証制度が施行をされています。これによって、大規模な危機が生じた際には一〇〇%の信用保証が、一つ一つの業種指定を経ることなく、全業種で素早く発動されるようになっています。
 こういった制度を使いながら、先ほどから御指摘の地銀を始めとする民間金融機関がどういう貸付姿勢で危機のときに臨むのか、そのパフォーマンスがどの程度向上するのかをしっかり今後検証をすることによって、この真の危機のときに商工中金が危機対応業務を実施する責務が今後も引き続き必要かどうかを検証していくことが重要だと考えております。
#96
○石井章君 大臣がおっしゃいました今政策に関しては期待を申し上げまして、私の質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
#97
○委員長(浜野喜史君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#98
○委員長(浜野喜史君) エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
#99
○国務大臣(世耕弘成君) エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 エネルギー資源の大部分を海外に頼る我が国は、限られた燃料資源の有効な利用を図ることが必要です。平成二十七年に策定した長期エネルギー需給見通し、いわゆるエネルギーミックスでは、石油危機後に実現した省エネと同程度のエネルギー消費効率の改善を必要とする、極めて野心的な省エネ対策を掲げています。
 エネルギーミックスの実現に向け、あらゆる施策を総動員し、徹底した省エネ対策を進める必要があります。産業部門、業務部門については、更なるエネルギー消費効率の改善に向けて、事業者単位の取組に加えて、複数の事業者が連携する省エネ取組を促進する必要があります。また、貨物輸送については、特に近年のネット通販市場の成長に伴い、小口輸送や再配達によるエネルギー消費の増加が懸念される点に対応する必要があります。
 本法律案は、こうした課題への対応に必要な措置を講ずるものです。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、産業部門、業務部門の更なる省エネを促進するため、複数事業者が連携する省エネ取組を認定し、省エネ量を事業者間で分配して報告することを認めることで、各事業者が適切に評価される制度を創設します。また、一定の資本関係のある複数の事業者が一体的に省エネ取組を推進する場合、その管理を統括する事業者を認定し、当該事業者が定期報告等を一体的に行うことを可能とします。
 これらと同様の措置を、運輸部門についても講じます。
 第二に、貨物輸送の更なる省エネを促進するため、現行法の荷主の定義を見直し、貨物の所有権を問わず契約等で輸送の方法を決定する事業者を荷主とすることで、ネット小売事業者を法規制の対象に確実に位置付け、省エネ取組を促します。さらに、貨物の到着地点における荷待ちの課題に対応するため、到着日時等を適切に指示できる貨物の荷受け側を準荷主と位置付け、荷主の省エネ取組への協力を求めます。
 以上が、本法律案の提案理由及び要旨です。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#100
○委員長(浜野喜史君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#101
○委員長(浜野喜史君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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