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2018/04/03 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第6号
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2018/04/03 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第6号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第6号
平成三十年四月三日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     今井絵理子君
     三浦 信祐君     宮崎  勝君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     松川 るい君
     宮崎  勝君     三浦 信祐君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
                松川 るい君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                足立 信也君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                浜口  誠君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                宮崎  勝君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       厚生労働副大臣  高木美智代君
       厚生労働副大臣  牧原 秀樹君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田畑 裕明君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       国税庁課税部長  山名 規雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   坂口  卓君
       厚生労働省医政
       局長       武田 俊彦君
       厚生労働省健康
       局長       福田 祐典君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省職業
       安定局長     小川  誠君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    宮嵜 雅則君
       厚生労働省老健
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 俊彦君
       国土交通大臣官
       房審議官     鈴木英二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (創薬支援に係る薬価の在り方に関する件)
 (安全な無痛分娩の提供体制の構築に関する件
 )
 (介護予防・日常生活支援総合事業の検証の必
 要性に関する件)
 (持続可能な介護保険制度の構築に向けた取組
 に関する件)
 (東京労働局による特別指導の経緯に関する件
 )
 (保健所長の確保に関する件)
 (読み書き障害に対する支援に関する件)
〇駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
 締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、三浦信祐君及び石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として宮崎勝君及び今井絵理子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長武田俊彦君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○櫻井充君 おはようございます。民進党・新緑風会の櫻井充です。どうも御声援いただきまして、ありがとうございます。
 まず最初に、余り取り上げられてきていない労災保険制度のメリット制度について議論させていただきたいと思っています。
 この間も労災の問題について随分議論されていますが、保険制度について余り議論されておりません。このメリット制度というのは、事故を起こさないと保険料が引き下げられる代わりに、事故を起こした場合には今度は保険料が上がるというシステムになっているんですが、問題点は何かというと、中小零細企業が入っていないんですよ。そのために、今度は中小零細企業で一生懸命努力しても保険料が引き下げることができないと。
 これ、十年近く前に私は宮城県の建設業協会からお願いされて厚生労働省と議論して、少しは範囲は拡大されてきているんですが、多分、全体の二割ぐらいにまでこのメリット制度が使えるかどうかという程度だと思っているんです。
 そういう意味合いで、なぜ中小零細企業にこのメリット制度が適用されないのか、その点について御説明いただきたいと思います。
#7
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 労災保険におきましては、災害防止の努力を促進するために、個々の事業の収支率、すなわち、保険料に対する保険給付の割合に応じまして保険料を増減させるメリット制を設けております。
 メリット制は一定規模以上の事業に適用されておりますけれども、これは、仮に規模によらないで全ての事業にメリット制を適用した場合、中小企業など保険料が少額の事業につきまして、同じ一件の事故で収支率が変動いたしまして支払う必要のある保険料も大きく変動することが考えられることがございます。こうしたことから、保険料負担の増大が中小零細企業の経営に与える影響を考慮して、一定規模以上の事業についてのみメリット制を適用しているものでございます。
#8
○櫻井充君 済みませんが、それってデメリットの点だけですよね。つまり、事故を起こすことを前提にそういうふうにおっしゃっていて、事故を起こすから今度は保険料率が上がるんだという話ですが、事故を起こさなければ保険料率下がるんですよ。なぜそのメリットについては説明がなくて、デメリットだけ言って、だからできませんという、そういう説明になるんでしょうか。
#9
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたように、メリット制、災害防止の努力を促進するために設けられているものでございまして、御指摘ございましたように、災害が少ない場合は、これは当然保険料については減少させるという効果もあるわけでございますけれども、小規模の事業場の場合は上がり下がりの変動率が大きくなるということがございますので、メリット制の適用対象から、一定規模以下の事業場については対象から外しているということでございます。
#10
○櫻井充君 どうしてそういうことになるんですか。関係ないじゃないですか。例えば、自動車に、我々損害保険入っていますね。そのときに、事故を起こしたからといって計算が面倒くさくなるとか個人の負担が重くなるとか、そんなの全然関係ないんですよ。
 こういう制度は民間でそうしたらやらせた方がよくないですか。国がやっているから、そういう計算が面倒くさいとか。元々ですよ、元々どうして大企業だけだったのかというと、あの当時はパソコンとかなくて計算上面倒くさいから大企業しかできないという、これ、僕説明受けたのはそうですからね。
 ですから、現状はもう全部計算ができるわけですから、これは中小零細企業入れるべきなんですよ。なぜかというと、先ほど局長から説明があったとおり、この保険制度でちゃんと努力した人たちは報われるから事故を起こさないでくださいねというインセンティブになっているわけですよ。だけど、中小零細はどれだけ努力をしてもそういう恩恵を受けることができないんです。
 大臣、ちょっとここを、何でこんな中小零細企業と大企業と差が出るんでしょう。私はそれおかしいと思うんですけど、大臣、どう思われますか。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 労災事故をどう減らしていくのかということに関して、様々な取組があると思います。当然、我々は様々な形で監督指導等もしっかりやっていくということ、それから、委員御指摘のように、企業がこうした労災防止に積極的に、より積極的に取り組むインセンティブをどういう形で付与していくのか。
 また、ちょっと今手元に資料ありませんけれども、労災事故は別に大企業が多いわけではなくて、中小企業の現場においても、むしろ下請等々において生じているということでもございますので、ちょっとメリット制について、今ちょっと急なある意味で質問だったのであれですけれども、私も今やり取りを聞いておりながら、確かに個々にあったときどのぐらい上がるのか、例えば自動車保険のように、たしかあれ無事故だとだんだんだんだん保険料率が下がって、また、事故が起こるとがんと上がるという仕組みになっているわけでありますけれども、実際そういった、もし仮にそういう運用をしたときにどのぐらい上がってしまうのかしまわないのかというところもよく検証しないと、なかなか難しいのではないかというふうに思いますけれども。
 ただ、いろんな保険制度の中で保険者がそうした努力をしている。今、実際、労災だけじゃなくて、例えば健康保険なんかについても市町村ではそういう取組をしているところも出てきているわけでありますから、ちょっといずれにしても、できるということを前提ではなくて、いずれにしても、今御指摘を踏まえて、どんなことになるのかならないのか、ちょっとその辺は勉強させていただきたいと思います。
#12
○櫻井充君 ありがとうございます。御検討をよろしくお願いします。
 というのは、もう一つ、今度はちょっと法定福利費のことについて質問させていただきたいんですが、下請業者の方が例えば仕事で幾らというふうに見積もってくる際に、社会保険料は別建てにして請求することができるはずなのに、残念ながら下請企業はそういう数字をなかなか出せない現状があります。これを出してしまうと何かというと、おたく使わないからいいですよと、完全に優越的地位の濫用になっていて、僕は独禁法違反だと思っているんですが、現場の方々からやっぱりここを是正してほしいという声が上がってきています。
 この点について、これは国交省になるんでしょうか、御答弁いただきたいと思います。
#13
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、建設業の持続的な発展に必要な人材の確保と公平な競争環境の構築のために、建設業における社会保険の加入促進に取り組んでまいりました。その際、社会保険の加入を進めるためには、議員御指摘のとおり、必要な法定福利費が元請企業から下請企業に適切に支払われると、こういうことが重要なんじゃないかなというふうに考えてございます。
 一方、実際を見ますと、法定福利費が下請企業まで行き渡っていないという声もお聞きしておることを踏まえまして、これは昨年でございますけれども、法定福利費の支払状況について実態を把握するための調査を行いました。この調査結果によりますと、直近の工事で下請企業が法定福利費を全額受け取れたかどうかということをお聞きしておりますけれども、全額受け取れたとお答えされた企業さんは、割合は五割を下回るという状況でございました。
 こういったことから、国土交通省におきましては、従来より建設業団体に対しまして適切な法定福利費の確保を繰り返し要請してきております。また、法定福利費を内訳明示いたしました見積書を作成いたしまして、これの活用を促進してまいりました。
 これに加えまして、昨年七月には更に一歩進めまして、法定福利費が見積り段階だけではなく契約段階でも確保されるよう、公共工事、民間工事、下請契約の標準約款というものがございますけれども、これを改正しまして、請負代金内訳書に法定福利費を明示させるという取組も開始したところでございます。
 こういった取組を通じまして、必要な法定福利費が確保されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
#14
○櫻井充君 中小零細企業にとって、今、税金を納めるよりも社会保険料の負担の方がはるかに重いわけですよ。それはなぜかというと、法人税は御案内のとおり利益を出さなければ支払う必要性がないわけであって、固定資産税と完全に同じで、社会保険料というのは、まずざくっと申し上げれば、企業負担と個人負担で三〇%ぐらい負担しなきゃいけないということになっています。
 先ほどのメリット制度もそうなんですが、努力しても保険料は下がらない、しかも、今度は元請企業から社会保険料分まで支払ってもらえないと、こういうことになってくると、一生懸命頑張ってやっている中小零細企業、本当に苦しくなるだけだと思っていて、この辺のところを全体としてきちんと制度化していかなきゃいけないと思っているんです。
 業界団体から言われているのは、消費税の外税と同じような形で、結局は、事業費は事業費、そして、それからそれの外に社会保険料を加えたと、そういう形にしてもらわないとなかなか弱い立場の下請からすると元請にお願いできないと、そう言われているんですが、この点についていかがでしょうか。
#15
○政府参考人(鈴木英二郎君) 先ほどの繰り返しになりますけれども、そういった形で法定福利費を、これをその部分だけ明示した格好の見積書、それから請負代金内訳書というものを普及させようというふうに努力しているところでございまして、これが普及いたしますと、その部分は法定福利費、それ以外は当然それ以外の請負代金ということが明確になりますので、しっかりと確保できるようになっていくものと考えてございます。
#16
○櫻井充君 これ、現場の作業員って相当人手不足になっているのを御存じですか。大臣、この建設業界の人手不足というのはどの程度認識されていますか。
#17
○国務大臣(加藤勝信君) どの程度といって、済みません、今、例えばのあれですけれども、有効求人倍率等の数字が今幾つかというのはちょっとにわかに数字を具体的には言えませんが、一般の業種、今一・五八とかたしかそのぐらいだったと思いますが、それよりはるかに高い水準だというふうに認識をしております。
#18
○櫻井充君 そういうことなんですよ。特にあの東日本大震災で東北地区は、特に沿岸部はやっぱり人手不足でなかなか進まないということもございます。
 そういう意味合いで、企業に対しての負担をいかに軽減するかというのは大事なことだと思っていて、今の法定福利費の問題もそう、それから労災保険のメリット制度なども導入していただいて、なるべく負荷が掛からないようにしていただかないと建設作業員が集まってきません。そうすると、幾ら公共事業費を積んだとしても実際はなかなか仕事が進まないということになっているので、是非この点について御検討いただきたいと、これは要望でございますので、よろしくお願いいたします。
 それからちょっと、今度は全然違っていて、かかりつけ薬剤師について質問させていただきたいと思いますが、薬学部も六年制になりましたし、僕はもう少し権限を広げていっていいんじゃないのかと思っています。そういう意味でかかりつけ薬剤師という制度を設けていただいているのはいいことだと思っているんですが、かかりつけ薬剤師、これは国民の皆さんについてどういうメリットがあるのか、その全体像について御説明いただきたいと思います。
#19
○政府参考人(武田俊彦君) 今御指摘のありましたかかりつけ薬剤師でございますけれども、厚生労働省といたしましては、平成二十七年に患者のための薬局ビジョンというものを公表しております。その中で、かかりつけ薬剤師につきましては、服薬情報の一元的、継続的な把握とそれに基づく薬学的管理、指導が行える、また二十四時間対応、在宅対応も行える、こういう形で国民にとって、かかりつけ薬剤師が今後の医療にとって重要な役割を果たすものというふうにお示しをしているところでございます。
#20
○櫻井充君 大事な役割を担っていただいているんです。だけど、大事なことが僕は欠けていると思っていて、それは何かというと、実は薬剤師の先生方は病名知らないんですよ。病名知らないまんま服薬指導など、それからこうやって国民の皆さんの指導を行ってくるんです。
 大臣、僕はこれずっと前から申し上げているんです。これは藤井先生ともいろいろ相談させていただいているんですが、薬剤師の先生方が病名を知らないで服薬指導をしているような現状について、おかしいと思いませんか。大臣に聞いています、大臣に。
#21
○国務大臣(加藤勝信君) 処方箋の絶対的記載事項に患者の疾患名を追加するということについては、告知を望まない患者自身の疾患名をどこまで明らかにするのかという課題があるということでこうした対応が取られているんだろうというふうに思います。
 ただ他方で、今委員御指摘のように、疾患が分からなくてどうやって処方箋というか、その処方をしていくのかという問題というのは確かにそのとおりだなというふうにも思うところでございますので、今申し上げたことについては慎重に検討していかなきゃなりませんけれども、そうした患者さん御自身についても理解を求めながら、こうした形での疾患名の記載、こういったことが推進していけるように考えていきたいなと思っております。
#22
○櫻井充君 ありがとうございます。初めて前向きな御答弁いただけました。
 それで、例えばの例を一例だけ申し上げておきたいと思いますが、ACEの阻害剤という血圧の薬がございます。高血圧の治療薬です。これの副作用はせきです。何でせきが出るのかというと、咽頭部を刺激するからせきが出るので、多分、薬剤師の先生方はこの薬を処方されてきたときにはどう説明するかというと、これは高血圧の治療薬ですと、しかも、副作用はせきですと、そういうふうに説明するんです。
 ところが、我々、今、呼吸器科の人間は、これをせき止めとして出しています。これはなぜかというと、誤嚥性の肺炎を防ぐというデータがもう出ていまして、ここの、咽頭部の刺激になるというのは、これサブスタンスPという物質を介しているというふうに言われているんですが、いずれにしても嚥下反射が改善するんです。高齢者の方々の肺炎の原因の九割以上が誤嚥性の肺炎でして、この誤嚥を防ぐ効果があるということが明らかになってまいりました。そうすると、御案内のとおり肺炎で亡くなる方もすごく多く今いらっしゃいますので、その治療薬として使ってきているわけです。そうすると、これは高血圧の治療薬ですが、我々どう説明しているかというと、誤嚥を防ぐので、せきが止まります、ですから飲んでくださいと。私も実際四例しか処方していませんが、そのうち二例は著効しています。
 ですから、こういう薬に関して言うと、我々は、せき止めですよと、簡単に言えばそういうふうに、せきが止まりますからねと言って処方しているんだけど、薬局に行くと今度はどうなるかというと、副作用でせきですからねって、そういう説明になっちゃうんですよ。そうすると、医者側が、治療者側が説明したのと調剤薬局で患者さんが説明されるのは全く違うことになってしまって、混乱を生じるんですよ。
 ですから、そういう意味合いでいうと、病名を知った上で、病名を、ある程度、がんとかいろんな問題はあるかもしれません、別にこれは伏せて、こちら側から、これは病名告知していませんからと言って送ればいいだけの話であって、元々、医者と患者さんとの間でも病名告知するかしないかという議論はずうっと続いてきているんです。それの延長線だと思えば、別に、ここのところで病名を告知すること自体、そこに知る知らないの話で抵抗感みたいなものが出てくるようなことは僕はないんだと思っていて、是非この点についてこういう観点からも進めていただきたいと、これは御要望申し上げておきたいと、そう思います。
 それから次に、医薬品業界のことについて質問させていただきたいと思いますが。
 今、診療報酬の改定のたびに結局は薬価が引き下げられてきています。薬価が引き下げられた結果、製薬業界どういう努力をしているかというと、生産拠点を海外にどんどん移してきているんですね。この結果、雇用を失うことになっていくわけであって、生産拠点を海外に移すようなことになるともう一つデメリットがあって、研究開発拠点も一緒になって海外に移っていってしまうわけですよ。
 こういう現状を止めるためには、ある程度真っ当な診療報酬で薬価付けてあげないとなかなかうまくいかないんじゃないかと思うんですが、この点は、済みません、大臣、どう思われますか。
#23
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の抜本的な薬価制度の見直しにおいてもそういう観点からも議論をさせていただき、また加えて、済みません、ちょっと今手元に、正確な名前は忘れましたけれども、開発等に対する、別途それを支援する予算というものを計上させていただいておりまして、そういった総合的な対応をする中で我が国国内においてより先端的な医薬品等が開発できる、こういう支援を、こういう体制を、あるいはそうした状況をしっかりつくり上げていきたいと、こういうふうに思っております。
#24
○櫻井充君 僕は、財務省が結局のところは診療報酬改定のたびに引下げ、引下げ、引下げとやってきているんですけど、正直申し上げて、財務省そのものが劣化しているような気がするんですよ。財務官僚の方々は努力されていますけど、全体像が見えているんだろうかと。全体像が見えていないからこそこういうような薬価を付けてきてしまうんじゃないかと、私はそう思っているんですが、先輩として、大臣、どうお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(加藤勝信君) 今の財務省の考え方についてちょっと私がどうのこうのと言うことは差し控えたいと思いますが、ただ、やっぱり薬価制度そのものにおいて、薬価を決める、そうすると、それが結果としてそれぞれの実際のレートを下げていってしまっている、そしてそれがまた次の薬価改定に反映をしていくという、二年ごとの診療報酬改定においてですね。そういった背景に一体何があるのか、やはりその辺もしっかり含めてこれから毎年調査をしていく、そしてそれに基づいて必要な改定もしていくということが、見据えてきているわけでありますから、単にそれだけをするのではなくて、そこに含めて、一体我々はどういったことをしていけばいいのかといった点からもしっかり議論をさせていただきたいというふうに思っております。
#26
○櫻井充君 財務省からすれば、財政再建上とにかく公的給付を抑制したいという気持ちはよく分かるんです。それから、経済財政諮問会議で竹中さんとかがここの公的給付を抑制しろという数字を出してまいりました。だけど、問題は、公的給付を抑制しろと言っておきながら、竹中さんの言い分は、総医療費は変わらないと言っているんですよ。総医療費変わらないということは何をやろうとしているのかというと、民間の保険会社の出番をつくろうとしているだけですよね。結局、外資から言われて、まあ、あの人はとてもじゃないけれど日本のために働いている人だとは思えませんが、そういう人の意見がまかり通ってきているからおかしな薬価制度というか、おかしな診療報酬改定になるんですよ。
 これは大臣、考えていただきたいのは、納税している人たち、団体はどこかということです。これは自動車業界、それから電機業界、もう一つは化学だと思うんですよ。こういった、その化学のところが生産拠点をどんどん海外に移さざるを得ないような状況になり、今度は雇用も失うようなことになっていって納税額も減っていったら、公的給付を抑制したとしても納税額が減っていったら何の意味もないんですよ。金回らなくなりますよ。海外に行くだけですよ。そういう目先のことしか今財務省は見えてきていないから、だからこういう改定がしょっちゅう行われるわけですよ。
 だから、僕は去年、大臣に質問させていただいたときに、財務省の立場ですか厚生労働省の立場ですかということをお伺いいたしました。やはり厚生労働大臣ですから、もう少し財務省に強く言っていただいて真っ当な薬価を付けていただかないと、これ製薬業界、本当潰れていきますよ。
 御案内かもしれませんが、例えば家電業界で薄型テレビがありますが、国内で見ている薄型テレビは、国内で作っているのは僅か二%です。九八%はもう海外なんです、生産拠点が。これはもうスマホもそうですよ。スマホはここまで数字は大きくありませんが、スマホもそう、タブレットもそう。みんな海外で作って、それで国内に入ってくるような。地元で富士通、富士通じゃないな、今名前変わりましたが、そこも結局は工場を閉めることになりました。閉めました。地元で六百人の雇用が失われているんです。それと同じような形で、製薬メーカーが生産拠点を海外に移せば移すだけ国内の雇用も今度失っていくことになるんですよ。
 そういう問題もあるので、全体像を見て、財政再建だけを見るのではなくてサイクル全体を見た上で考えていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
#27
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、もちろん雇用等々もありますけれども、やはり日本が創薬をしていく力をしっかりと堅持をしていくということは大変大事なことでありますし、それが、より先端的な医薬品等をいち早く日本の国民の皆さん、あるいは患者の方々が受けることができていくということにもつながっていくわけでありますし、それから、それがひいては、先ほどお話があった雇用の確保であり、あるいはこの国における経済を支え、そしてそれが税収を賄っていくと、こういう全体を当然見ていかなきゃならないというふうに思っておりますので、我々も議論するときに、別にそこのミクロだけではなくて、やはりこうした影響がどれだけ製薬業界全体に及んでいくのか、そして先ほど申し上げた、診療報酬だけではなくてほかの支援措置はないのか、そういったことを総合的に勘案しながら検討させていただいているつもりでございますけれども、引き続きそうした観点に立って、厚生労働省は厚生労働省としての主張をしっかりと展開していきたいと思っております。
#28
○櫻井充君 今、創薬というお話がありまして、本当に大事な観点なんだと思うんですよ。これ、日本の製薬メーカーが創薬しなくなって販売会社になってしまったら、また医療関係の貿易収支の赤字幅は広がっていくだけです。今、公的給付のところから、多分海外メーカーに対して三兆円ぐらいでしょうか、それから医療機械で一兆円ぐらい。要するに、公的皆保険制度は維持されていますが、そこから毎年毎年四兆円ぐらいずつ海外に流れていくことになってくると、そこは絶対的な問題なんだと思うんですよ。
 今、大臣から創薬というお話がありました。現場でまだ診療している側の医者からすると、お願いがあります。なぜ我々は先発薬品を使うときだけサインさせられるのでしょうか。患者さんに説明して、そして先発薬を使いたいと思っているときは全部サインすることになっているんです。ジェネリック使うときはサインの必要性がないんです。つまり、これ一つ取ったって、ジェネリックを優遇しているということですよね。本来であれば、先発薬を優遇してくれるのであれば、先発薬を処方する際にはサインがなくて、ジェネリックを使うときに全部サインしてくると。このサインする手間って相当ありますからね。
 ですから、そういう点から考えても僕は先発薬メーカーを優遇しているとはとても思えないんですけど、この点も考えていただけないですか。
#29
○国務大臣(加藤勝信君) 今、先発品というのは、長期収載ということとジェネリックとの比較だと思います。
 たしかこれはいろんな過程があって、昔はちょっとやり方が違い、ジェネリックをしっかり利用促進をしていこうということで今おっしゃるようなやり方になっているというふうに認識をしているわけでありまして、一方で、世界の様子を見てもかなりジェネリック広範に利用されている。
 それがそういった意味での保険医療費そのものの抑制にもつながるわけでありますから、ジェネリックというものをしっかり利用していただきながら、しかし、やはりどうしても長期収載品でなければならない、こういった場合においてはそれを利用してもらう、そういった制度で今のような仕組みができ上がっているというふうに認識をしてございます。
#30
○櫻井充君 大臣、ある部分は海外の事例を今引かれました。じゃ、海外は特許期間中の薬価って下がっていくんですか。日本だけですよ、下がっていって。そして足立さん、政務官の時代に頑張ってくださって、特例加算にして先発薬の特許期間中の価格を下げないようにしたんです。だけど、これまた下がるようになったでしょう。つまり、そういうところは海外に倣っていなくて、都合のいいところだけ海外のを持ってきて比較するというのは、私はアンフェアだと思いますよ。
 ですから、そういう点でいったら、これも同じことなんですが、薬ができ上がってから最終的に特許が切れてそれからまた長期収載品になっていった、ここのところまで全体を通じて議論していただかないと、なかなか創薬進まないんじゃないかと思いますので、是非御検討いただきたいと思います。
 それから、今、私、済みません、話題また変わりますが、障害者施設の仙台にあるアート・インクルージョン・ファクトリーというところを支援させていただいているんです。今日、本当は資料を付けるはずだったのに、資料を付けるの忘れました。是非、委員の方々、御興味があれば、妄想エンジン全開娘という雅号で描いていて、そこに一番最初に多分こけしガールズと出るので、それ引いていただくといかにかわいいこけしかというのが分かっていただけるんですが。
 ここはアートを通じて障害者を支援しましょうということをやっています。私たまたまある会でこの妄想エンジン全開娘さんを御紹介したところ、とある労働組合が三十周年記念だといって彼女に原画を描いてほしいと依頼して、幾らだったのかというと、百五十万でした。だけど、私は彼女の能力ってすごいと思っていて、例えば有名な画家の山下清さんも自閉症だったと私はお伺いしていますが、彼女もそういう障害を持っている子です。だけど、障害を持っているかもしれない、障害というのは一般社会で障害かもしれないけれど、それを、我々を超えるはるかに高い能力を持ち合わせているものもあるんですよ。
 そうすると、今までの障害者政策というと、言葉は悪いんですが、割と単純作業で、このぐらいのレベルは誰でもできるでしょうというところに主眼が置かれている。だけど、僕はこのアート・インクルージョンの取組を見てもう頭殴られた思いでして、こういうところを何とか支援していくような、そういう体制をつくっていくべきだと思いますが、この点についていかがでしょうか。
#31
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 我々も委員と全く同じような考え方、思いを持っておりまして、障害のある方の芸術文化活動というのはその自立と社会参加の促進にとって大変重要であると考えておりますし、それが社会的に評価されるとか経済的に評価されるというのも更にいいこと、いいことというか、重要なことであると考えております。
 このことから、平成二十六年度からは障害のある方の芸術文化活動を支援するモデル事業を行ってきましたが、それをバージョンアップして、二十九年度からは一般化しまして、障害者芸術文化活動普及支援事業というのを新しくスタートさせまして、各地に支援センターを設置して、地域でより多くの障害のある方々が芸術文化活動に触れ、表現や創作活動を行える環境づくりを進めているところではございます。
 また、この事業におきまして、障害のある方々の芸術文化活動を支援する人材の育成とか発表の機会を創出するとかとともに、障害のある方や事業所に対しまして作品の権利保護とかあるいは販売などに係る専門的知見によるアドバイスや専門家の紹介なども行っておりまして、作品が多くの人の目に留まる環境づくりを進めているところでございます。
 また、あわせまして、委員から御紹介がありました例が就労継続支援B型事業所ですので、一般的に、就労継続B型支援事業所につきましても、ちょっと答弁長くなっちゃいますので簡単に言いますと、障害報酬の関係で支援したり、あるいは予算事業で商品開発とか販売戦略などの専門家が助言を行う事業というのを三十年度予算にも盛り込んでございますので、そういう取組を通じて引き続き支援を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
#32
○櫻井充君 いろいろ支援策いただきましたが、僕はやっぱり販売促進するのが一番だと思うんですよ。だけど、残念ながら、その販売促進のところで何か、まあ私のところでもやらせていただいていて、鳴子温泉のところに喫茶店つくりまして、その喫茶店の半分のコーナーはアート・インクルージョンのコーナーにしてあって、販売促進しようと思って、何か補助金ないですかと聞いたら、ないと言われたんですよ。今はあるのかどうか分かりません。
 だけど、大事な点は何かというと、こういうものをいかに広めていくのか、いかに販売促進するのかと。これ、クッキー売っていくのとかパン売るのと同じことですよ、私からすれば。芸術作品だから違うような言い方をするけれど、そうじゃないです。障害者の方々が作られた作品であったとすれば、僕は全く同じことなので、そういうような政策を進めていただきたいなと思うんですが、もう時間なくなりました。
 最後に、大臣、見ていただけたと思うんですけど、彼女の作品を、見ていただけたかどうか。お願いしていたんですが、あのこけし五センチですから、見ていただけていなければ後でまた見ていただきたいと思うんですけど、この点について、最後、御決意いただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
#33
○国務大臣(加藤勝信君) 写真ですよね。
#34
○櫻井充君 はい。
#35
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、写真は見させていただきましたけれども、是非一回そのもの自体も見させていただきたいと思っておりますけれども。
 こうした様々な形での取組、もちろんクッキーを作る、いろんなことを、作業をするというのもあると思いますけれども、それぞれ持たれているこうした能力というものを十二分に発揮をしていただく。そして、もはやでき上がった作品というのは、誰がというんじゃなくて、作品そのものとして評価されていくものもたくさんあるというふうに思います。
 昨日、実は発達障害の、特に自閉症の、世界自閉症啓発デーで東京タワーでライトアップもさせていただいたんですけれども、そこには僅かな発達障害者の方の作品しかありませんけれども、やはりその中見ても、これはすごいなと、もう本当に、小学生の作品だったんですが、思うものたくさんあります。やはりそういったものをどう発信して、そして中には売買につなげていく、これをしっかり考えていかなきゃいけないと思います。
#36
○櫻井充君 今日、大臣、本当に前向きな答弁ずっといただいて、感謝申し上げます。
 どうもありがとうございました。
#37
○足立信也君 足立信也です。まだ民進党・新緑風会でございます。よろしくお願いします。
 今、櫻井さん、最後の方に触れられましたけど、今、国民文化祭と障害者芸術・文化祭、これセットでやっております。今年の秋は大分で開催ですので、お時間のある方は是非よろしくお願いします。また、厚労省としてもよろしくお願いします。
 今年度、もう新年度になりましたが、もちろん言われているように、診療報酬改定、介護報酬改定、それから生活保護の見直し、医療計画、介護保険事業計画等々、三十年に一回ですね、セットで変わるのは。そんな大きな節目でございまして、その診療報酬改定と介護報酬改定の一丁目一番地の項目に書いてあるのが、いずれも地域包括ケアシステムですね。
 でも、この言葉を初めて出したのが二〇一一年の介護保険法改正で、一〇年のこれを検討する段階で私は関わっていましたけれども、介護という印象が強過ぎて、本来この地域包括ケアシステムが目指している予防とか医療とか生活支援の統合というのが実は未熟だと私は思っています。もう何度もこの委員会でも言いましたが、この地域包括ケアシステムというのは二十一世紀のコミュニティーの再生なんですね。だから、介護だけに少し矮小化されて思われている方が多いし、当事者の方々、例えば医療や障害、それから保健の方々も余り我が事として受け止めていない方がまだいらっしゃるような気が私はしているんです。
 一つ例を挙げますが、ボストンを拠点とするアイオラヘルスというのがあるんですが、これアメリカの十一州に二十九拠点を持っていて四万人の患者さんがいる。ここは患者集団の医療費を一定額で引き受けていて、疾病の発症抑制や重症化予防によって医療費を削減しようと、そういう取組で、ふだんは何をしているかというと、ドクターはヘルスコーチになる。健康管理、生活指導、生活支援、そこまでやると。肝は、情報の管理、共有なんですよ。情報を共有するということなんですね。患者さんのリアルタイムなモニタリングが極めて重要なんです。
 そこで、例えばこの介護保険法の改正のとき、厚労省も和光市の取組というのをモデル事業としてよくおっしゃいました。これは、十一平方キロの狭い範囲で八万人が住んでいる。情報の共有というのは極めて楽なんですね。それを全国に展開しようというところに無理があったわけですが、現在、地域包括ケアシステムでの、今様々申し上げました保健から医療、介護、福祉、住まい、こういったところの情報共有というのはどうなっているんでしょう。
#38
○国務大臣(加藤勝信君) 地域包括ケアシステムということにおいて、まず基本は介護サービスがどうしても中心ということになりますけれども、介護についてはケアマネが一連のアセスメントをし、またケアプランを作成し、またそれをモニタリングしていくということでありますけれども、そうしたことについて更に必要があれば、地域包括支援センター、そこに設置されております地域ケア会議、そこにおいて、医師やリハビリ専門職等、多職種から構成されているそうした会議において個別事案を検討し、それを通じてまた地域における課題を抽出し、そしてそれへの対応をまた考えていくと、こういう仕組みになっているというふうに認識をしております。
#39
○足立信也君 今朝、実は我が党の部会で生活困窮者自立支援法の改正の議論があったわけですけれども、その中で今私が必要だと申し上げたことは、情報の共有、管理、モニタリングということなんですね。これがなぜ重要かというと、それは、一つは医療費の削減につながるわけです。先ほど申し上げたボストンのアイオラヘルスというのも、医療費は一二%削減できている。それから、医療の質の改善、例えば救急病院の受診率、ふだんからケアしていますから受診率が二〇%削減している。こういうふうに質の改善にもつながっていっているわけです。
 なので、地域包括ケアシステムを医療も介護のところも一丁目一番地に据えたのであれば、今ケアマネジャーが持っているとか主治医が持っているとかありましたが、それを何よりも共有することが大事なんですよ、保健から福祉に関わるところまでですね。この取組は、日本は過去に個人データ等々については非常に厳しい見方をされる時期もありましたけれども、もうコミュニティーを再生し直すと腹に決めたからには、これはしっかり共有しなきゃ、私は、これから先まさに取り組むべきところだと思います。
 かかりつけ医さんも、ふだんは臨床はもちろんですが、公衆衛生も担う。それから、生活への介入ももう当然に必要になるんです。そこで、今朝の部会で私が申し上げたのは、これ、生活保護、今四兆円ぐらいですか、半分が医療費、医療扶助ということの中で、これを何とか抑制しようとしているわけですけれども、今の考え方、もう生活保護受給者というのは役所の方で分かっていて、市町村と国が四分の三、四分の一出すわけですから、その情報を共有して、これしっかり健康管理もできるし、重症化も予防もできるというはずなんですよ。一番、何というか、やらなきゃいけない分野なんですね。ここでこそ私は、生活保護の方々にこういうトータルなアプローチ、情報共有というのが必要だと思うんですが、その点について今朝の答弁では、全くこれからですということだったので、いかがでしょうか、進めるべきだと思いますが。
#40
○国務大臣(加藤勝信君) まさに今、今国会に提出させていただいております生活保護法の改正、これを通じて医療保険におけるデータヘルス、これも参考にしつつ、福祉事業所がかかりつけの医師との連携の下、生活習慣病の予防、重症化予防を推進する健康管理支援事業、これを生活保護受給者に対する対応として創設をするということでございまして、具体的なことについてはもう委員御承知のとおりですので説明は省略させていただいておりますが、まさにこれからつくっていくということでありますから、そういった意味では今検討ということの説明になっていたんだろうというふうに思いますけれども、これを進めるにおいても、今おっしゃるように、情報というものをしっかり連携していく等々必要になってくるというふうに思っておりますし、先ほど、アイオラですか、そこでのお話もいただいたところでもございます。
 全く仕組みがちょっと違いますから、そのまま対比をするということにはならないわけでありますけれども、相通じる部分もあるというふうに思いますので、この健康管理支援事業そのものは三十三年一月からの導入ということでございますので、それに向けてしっかりと検討させていただきたいと思います。
#41
○足立信也君 この時代、情報を持つこと、利用することを怖がらない、逃げない、それを活用するということがやっぱり極めて大事だと思いますので、是非その方向で検討をお願いします。
 次は、先々週ですか、山本理事が質問をされた無痛分娩のことについてちょっと深掘りしていきたいと思います。
 私は、無痛分娩を望むか望まないかは妊産婦さん自身が決めることであって、それが決められる社会であるべきだという考えです。ところが、昨年春から秋にかけて、メディアスクラムと言えるような、一人医師産科診療所をあたかも閉院に追い込むような報道が連日連日なされました。この医療システムが破壊されたら困るのは国民全体なんですね。
 そこでお聞きしたいんですが、今、出産のうち診療所で何割、そのうち一人産科医師だというものの割合、それがこの十年間でどれぐらい減少してきているのかというデータをまず教えてほしいと思います。
#42
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 診療所での出産割合ということでお答えをさせていただきたいと思いますけれども、我が国における全出産のうち診療所で取り扱った出産の割合でございますが、平成二十八年度、一番新しい数字が平成二十八年度の人口動態調査になりますけれども、出生数が九十七万六千九百七十八人、うち診療所で取り扱った出産につきましては約四五%の四十三万九千三百七十一人となっております。
 また、出産を取り扱う診療所の数の推移でございますけれども、こちらは医療施設静態調査になりますけれども、平成十七年度の一千六百十二施設から平成二十六年度の一千二百四十三施設へと、三百六十九施設、約二三%の減少となっているところでございます。
#43
○足立信也君 二三%の減少ということです。
 山本理事は、虚偽又は誇大広告、これがいけないんじゃないかという趣旨でおっしゃっていたと思います。それは私は納得できますけれども、私は、もっと別の意味で捉えると、この出産の痛み、これが少子化あるいは未婚率の高さの一つの要因じゃないかと思っているんですよ。
 もちろん私は男性ですから出産の痛みというものは分かりませんけど、あるいは女性に優しい委員長も知らないと思いますけど、どんな痛みなのかと。よくテレビでドラマをやっていて、痛がるところしか映されないんですね。大変な思いだと。それから、もう二度と出産したくないということをおっしゃる方もいるし、もう激痛であるということはあるわけですよ。
 じゃ、まず無痛分娩とは何か、分娩中の痛みとはどんなものかということから行きたいと思います。
 日本で無痛分娩は、無痛分娩といいますけど無痛じゃないですね、痛みはありますが、どれぐらいの頻度で行われているか。例えば欧米の先進国ではどれぐらいの頻度なのか、これをまず答えてください。
#44
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 日本における無痛分娩の実施頻度につきましては、日本産婦人科医会が昨年六月に実施した分娩に関する調査によりますと、調査対象となった分娩取扱施設二千三百九十一施設のうち、回答のあった千四百二十三施設で平成二十八年度に行われた無痛分娩の数は、その年度の全分娩数の六・一%であったと承知をしております。
 一方、欧米諸国でございますけれども、全分娩数に占める無痛分娩の割合につきましては、イギリスでは二〇一二年で二〇・八%、アメリカでは二〇〇八年になりますけれども四一・三%、フランスにおきましては二〇一六年の数字になりますけれども六五・四%、それぞれそういう数字と承知をしております。
#45
○足立信也君 大体十分の一なんですよ、日本は、六・一%。
 これ、分娩の痛みってどういうことかというと、今日傍聴席に若い方多くいらっしゃいますが、俗に言われるのは、皆さん御存じかもしれません、鼻からスイカを出すような痛みだと。今、大臣、あっと言ったでしょう。実は私、この表現を知っているかどうかというのを地元でもいろいろ聞いたんですよ。若い方の方がよく知っています、そう言われていると。でも、六十代、五十代の方々って余り知らないんですよ。
 実際に普通の出産と無痛分娩を経験した、この前私、電話で聞いたんですが、河北総合病院の麻酔科長の吉田千寿先生、彼女が言うには、ニューメリカル・レーティング・スケールというんですが、全く痛くないのをゼロ、考えられる最大の痛みを十、つまり十一段階でどれぐらいかというと、二十五だというんです。想像できない痛みだと。それでもまだ分かりにくいので例えを言うと、麻酔なしで虫垂炎の手術をするようなものだということなんですよ。
 この話が、まあ鼻からスイカというのはすごく難しいですけれども、伝わる、あるいは直近に経験した人から聞く、これはとてもとても怖いという思いがやっぱり生じてくると思いますよ、私は。
 ですから、望めば、望めば無痛分娩ができるように私はすべきだと思っているんですが、よく言われるのは、みんながやっていることなんだから平気だろうとか、おなかを痛めてこそ愛情ができるんだとかよく言うわけですよ。でも、無痛分娩でも、先ほどの吉田先生の話だと、やっぱり出産中の痛みは最大で、さっきゼロから十のスケールで、九まではあったと。痛くてこれ以上はちょっと耐えられないというときに麻酔を追加するわけですから。だから、全く無痛ではないし、産後の痛みは変わらずあるわけです、普通の出産と同じようにですね。
 やり方ですが、これ、背中から細いチューブを入れて局所麻酔剤を投与するわけですが、私、消化器外科医でしたけれども、今はおなかを開く手術とか胸を開く手術のほとんどの患者さんはこの手技を使っています。手術の後痛くないようにです。手術の後痛くないようにこれを、この局所麻酔剤やあるいは麻薬成分を投与することによって、早くベッドから起き上がることができて動くことができる、術後の合併症がはるかに減るというようなこともありますし、虫垂炎のような短い手術じゃなくてもうちょっと時間の掛かるやつはこの方法だけで手術をしているわけですよ。だから、当たり前に使われていることです。
 そこで、ただ、局所麻酔を使うわけですから、陣痛が弱まる可能性はある。だから、陣痛促進剤を使うことは多い。しかも、吸引分娩とかあるいは鉗子分娩とか、補助をして分娩する率も上がってくるわけです。それでは、報道でもう度々やられて、診療所から老健施設に変わったところもありますよ、もう継続できなくて。
 直近の妊産婦死亡、日本の、妊産婦死亡の頻度と無痛分娩中の妊産婦死亡の頻度に違いはありますか。分かりますか、データ。
#46
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 まず、我が国の全出産に占める妊産婦死亡でございますが、これは平成二十八年度の人口動態調査の数字になります。定義としては、妊娠中又は妊娠終了後満四十二日未満の女性の死亡ということでございますが、これは出産十万人当たり三・四人と、こういう数字になっております。
 一方、無痛分娩を行った場合の妊産婦死亡の頻度につきましては、国としては把握をしておりませんけれども、二〇一〇年から二〇一六年までの間に日本産婦人科医会の方で把握をした数字がございます。これは産婦人科医会で会員から報告をされた妊産婦死亡症例検討評価委員会において分析をされた数ということになりますけれども、二百七十一例の妊産婦死亡の報告がなされております。この定義は、妊娠中から妊娠終了後一年以内の女性の死亡というような定義と聞いておりますけれども、この二百七十一例の妊産婦死亡のうち無痛分娩を行っていた妊産婦の割合は五・二%の十四例であったと承知をしております。
#47
○足立信也君 皆さん御存じだと思います。周産期死亡というのは二・六で世界最少です。今、妊産婦死亡、十万当たり三・四とおっしゃいました。これも、私は、正確じゃないですが、世界で三番目か四番目ぐらいに少ないと思います。それと、先ほどのデータとまとめて言いますよ。妊産婦死亡のうち無痛分娩だったのが五・二%と言いました。先ほどのお答えで、全体の出産の中で無痛分娩は六・一%とありました。ということは、有意差はないかもしれないけれども、頻度からいくと、無痛分娩の方が死亡頻度低いじゃないですか。六・一全体あって、死亡の中での五・二ですから、はっきり言うと変わらないんですよ。変わらないのに、報道によって、これは危険だ、誤っているというような感じになってきてしまったんですね。
 そこに大きな問題があるんですが、この前、山本理事の質問であったかもしれないけど、じゃ、無痛分娩で産科の医師が硬膜外麻酔をやっている割合と麻酔科医がやっている割合って分かりますか。そこまで分からない。
#48
○政府参考人(武田俊彦君) 無痛分娩の麻酔管理を実施している麻酔科医と産科医の割合につきましては、日本産婦人科医会が昨年六月に実施した分娩に関する調査において調査をされております。
 具体的には、分娩取扱施設二千三百九十一施設のうち、回答のあった病院五百九十施設、診療所八百三十三施設のそれぞれについてのデータでございますけれども、これ重複回答若干ございますけれども、病院におきましては、麻酔科医が実施する施設は四七・〇%、産科医が実施する施設は六二・七%、麻酔科標榜医の資格を持つ産科医が実施する施設は七・四%となっておりまして、診療所におきましては、麻酔科医が実施する施設は九・一%、産科医が実施する施設は八四・九%、麻酔科標榜医の資格を持つ産科医が実施する施設は一二・九%、このような実態であったというふうに承知をしております。
#49
○足立信也君 実際は、産科医が行うことの方が診療所も病院も多いんですね。だから、全部麻酔科医がやるべきだ、しかも複数の麻酔科医がというようなことは現実的に無理な話ということがまず言えます。
 そこで、日本産婦人科協会は安全管理対策で去年八月提言をしました。厚労省は年度内にこの提言を取りまとめて、今後、関係学会、団体でワーキンググループを設置するというようなことを私は聞いておりますが、やっぱり現実、今現在のデータ上はこれはこうなんだという判断がないと、今後ワーキンググループを設置してやりますよとか、ずるずるずるずると延ばしているような感じがしてならないんですね。
 私は、冒頭申し上げましたように、妊産婦さん自身がその無痛分娩というものの内容をしっかりお聞きをしてどう選択するか、その選択肢の一つにはあるべきですよ。欧米に比べて十分の一の頻度しかないというのは、これはやはり何かのバイアスが掛かっている。そこを私は除くべきだと思いますが、当然、妊産婦さんが決定して選ぶんだという前提の下に、日本でも少なくとも欧米並みに無痛分娩の頻度は上がってしかるべきだと思われるかどうか、その点についてどうですか。
#50
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの足立委員から痛さの表現で、必ずしもリアルで受け止めていないところはありますけれども、しかし、改めて、うちも四人の子供がおりますので、妻に対して改めて敬意を表さなければいけないということを認識をさせていただきました。
 今のどうあるべきかというのは、ちょっとこれ私どもが言及すべきなのかと思いますけれども、ただ、委員御指摘のように、きちんとした情報、しかも、今お話がありましたけど、無痛というけど実は無痛ではないというお話もありました、等様々な情報をしっかりと提供している、そしてまた、そのそれぞれの分娩施設がどういう状況にあるかということによって判断できる、そうしたこと、そうした環境をしっかり整えていくということが非常に大事だろうというふうに思います。
 そして、その上でどういう分娩を選択するかというのはそれぞれの妊産婦の方が選択をされるということだというふうに思いますし、また私どもとしては、同時に、どういう形であろうと分娩が安全に行い得る体制を構築するといったことも大変重要だというふうに思っております。
 無痛分娩については、昨年七月末に研究班を設置をいたしまして、先月、無痛分娩取扱施設関係学会、団体及び国に対する提言等も公表されたところでございますので、こうした提言を踏まえてしっかりと対応すべきことは対応していく。そしてさらに、これ、ワーキンググループは関係学会と団体においてワーキンググループをつくっていただくことになっておりますけれども、提言の中身を具体的に行う場としてのワーキンググループが設置も盛り込まれておりますので、厚労省としても、それにオブザーバーとして参加をするとともに、提言内容が適切に医療界において取り組んでいただけるようにしっかりと対応もしていきたいと考えております。
#51
○足立信也君 分かりました。
 是非期待したいと思いますし、女性共通の問題なのに、欧米に比べると十分の一だというのは余りに不自然。
 私は、先ほど言いましたが、やっぱりこれ、少子化への影響はゼロではないと思いますよ。やっぱりそういう、痛いんだと、大変なんだということをずっと知っている人が多いということの中で取り組んでいただきたいと思いますが、去年の報道を見ていますと、無痛分娩がいけないんだと、そこを、あたかも実施する診療所を閉鎖に追い込むような報道。これは、ある意味、私はもう残りの時間で触れたいのは、WHOが推奨する子宮頸がん、HPVワクチンの副反応だという報道の中で、これが今ほとんど一%程度しか接種されないという事態に私は似ていると思いますよ、やり方がですね。
 そこで、去年の、村中璃子さんですけど、ジョン・マドックス賞を受賞された。これ、医療科学関係者の方はほとんど御存じのネイチャーの編集長をずっと務めていた方の、ジョン・マドックスの賞です。国際的評価は、公共の利益に関わる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために障害や敵意にさらされながらも貢献した個人という評価です。これは日本人で初めてですよ。しかし、ほとんど報道されなかったですね。これがまた異常ですよ。私は、彼女も、まあ皆さん、新幹線乗られる方はウェッジにずっと連載されていましたから御覧になったと思いますけど、やっぱり勇気を持って、科学的に根拠があるのかどうか、厚生労働省の疫学調査も、科学的にこれは関係性があるかないかの調査じゃないですよ、そこは突っ込んでやっていただく必要があるし、今日も毎日新聞に出ていたんですか、積極的勧奨をやめてもう六月で五年ですよ。しかし、国民には接種する努力義務が掛かっている。これは極めて異常な事態が続いているということです、もう五年。
 そして、二年前の五月二十二日、塩崎大臣は、ワクチン接種後の様々な症状の疫学調査を行っており、この結果などを踏まえ、総合的、合理的に判断すると答弁しました、私の質問に対して。それからもう二年です。どうするんですかという話です。
 最後にお聞きしたいのは、何をもって、これから先、まだその疫学調査の結果が出ても前に行くか後ろに行くかは全然判断されない、今後、何をもってそのHPVワクチンの接種を前進させようとするのか、まあ係争中ということもありますけど、後退させようとするのか、そのためには何が必要でどこで判断しようとしているのか、ここだけ聞かせてください。
#52
○国務大臣(加藤勝信君) HPVワクチンについては、今御指摘のあるように、平成二十五年六月より積極的勧奨を差し控えている状況でございまして、この接種の在り方について子宮頸がん等の予防対策をどう進めていくのか、他方で、接種後に多様な症状が生じている方に寄り添った支援をどう進めていくのか、こうした両方の観点から議論を進めていくことが必要ということで、これまでも審議会においてこのような観点から議論を進めてきていただいているところでございます。
 昨年の十二月二十二日の審議会においては議論の整理が行われ、HPVワクチンについて、リスクとベネフィットの両方をよく理解していただくことが必要であり、そのために国民に対する情報提供を充実すべきとされたことから、HPVワクチンに関するリーフレットを更新する、あるいは、それを、今年の一月でありますが、ホームページに公表するとともに、自治体にも周知を図ったところでございます。
 厚生労働省としては、このようにリスクとベネフィット双方の情報提供を行いながら、国民の皆さんが接種について判断されるために十分な情報が届いているのかなどの評価を行うこととしております。こうした評価を行いながら、この接種の在り方については引き続き審議会の御意見を踏まえながら検討を続けていきたいというふうに思っているところでございます。
#53
○足立信也君 これで終わりにしますけれども、よく子宮頸がんの予防には役立っていないんじゃないかという話もありました。ただ、昨年十二月、フィンランドの研究、八年間に及ぶ登録の調査で、ワクチン接種の方の子宮頸がん発症ゼロと、接種されていない方は十人というような結果も出ております。これは日本が逡巡している場合じゃないと、少なくとも必要な調査を直ちに行って方向性を決めると、このことをお願いして、私の質問を終わります。
#54
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 質問に入ります前に一言申し上げたいと思います。
 東京労働局長が、記者会見でマスコミに対して、是正勧告してあげてもいいんだけどと。とんでもない発言だと思うんですね。撤回したということだけれども、是正勧告の公表を局長の一存でできるかというような発言であって、これ、報道機関に対する恫喝なんですよね。私は、言語道断だと、猛省を促したいと思います。引き続き、これについても議論は改めてやりたいと思います。
 そこで、今日の質問ですけれども、雇用保険のマイナンバーについて聞きたいと思います。
 個人情報の流出に今国民の不安が広がっているわけです。報道でも、昨年公表された流出したおそれがある個人情報、これ三百八万件で、被害額も過去最高で百七十六億円と、前年の二倍になっているという記事ございました。マイナンバーについて、雇用保険ではこれまで記載がなくても受理されてまいりました。これが、記載は義務だということで受理されないというケースが相次いでいるという報告、上がってきております。
 そこで資料一を付けておりますけれども、これ、ハローワークで当初配布されていたチラシで、黄色いアンダーラインはうちで引いたものですけれども、これ、真ん中の辺りですね、赤字で線が引いてあるところですけれども、マイナンバーがない限り届出の受理はしないというふうに受け取れる書きぶりだと思うんですね。その下のところも線引いておきましたが、これ、マイナンバーの不記載っていうものがどんな法令違反に当たるのか、そしてまた、社会保険その他の制度の運用上どんな支障を来すのか、御説明ください。簡潔にお願いします。
#55
○政府参考人(小川誠君) お答え申し上げます。
 事業主等は、雇用保険法第七条及び第八十二条、さらに雇用保険法施行規則等の各規定に基づき、被保険者資格取得届・資格喪失届、雇用継続給付の申請等の手続を公共職業安定所に対して行うこととされております。また、その際の様式についても雇用保険法施行規則で定められており、これらの様式にマイナンバーが届出項目と定められております。雇用保険手続のマイナンバーの不記載は、これらの手続ごとの条文を根拠として届出等の書類の記載の不備として取り扱うものでございます。
 また、雇用保険手続で必要なマイナンバーが不記載である場合には、例えば、失業給付等の受給状況について他の行政機関からマイナンバーを介した情報照会がなされてもハローワークが対応できず、他の行政機関に本人に対する確認など追加的な事務を発生させることになります。さらに、本人に対してもマイナンバーによる情報連携が行われていれば不要であったはずの添付書類を求めることになり、処理が遅延することが想定されるところでございます。
 以上でございます。
#56
○倉林明子君 これは、マイナンバーの記載がない限り届出を受理しないという規定ではないですよね。
 つまり、これ、抗議や申入れも相当ありまして、変更しているんですね、チラシも。この変更された後のチラシというのが資料の二枚目ということになっています。提出の根拠は省令だというふうに明記してありますし、社会保障制度等の運用上の支障については記載が消えております。そのとおりなんですよ。利便性だけの問題なんですね。連携によって生まれる利便性が受けられないということなんですよ。そういうこともあって消したと思うんですね。
 しかし、この二枚目のチラシを見ていただきますと、このアンダーライン引いています上の赤い字ですが、これ返戻しますのでということで明記、強調されている表現になっているんです。これ、一枚目のところから見ても、返戻する場合がありますという記載が、返戻しますというふうに強調されているんですね。これ、記載がないと全て返戻するという扱いにしているんでしょうか、大臣。
#57
○国務大臣(加藤勝信君) 今、ちょっと済みません、どっちが一枚目で二枚目かちょっと確認をしておりましたので、十分ちょっと質問を取れなかったんですが、この一枚目が前のやつ、二枚目が現在使わせていただているやつと、こういうことであるというふうに思います。
 これについては、マイナンバーが記載事項となっている届出等であるにもかかわらずマイナンバーの記載がないまま提出された場合には、原則届出等の内容に不備があるものとして返戻するということをここで述べさせていただいておりますが、しかしながら、本人がマイナンバーを届けていないなどの場合については当該届出等を受理することとして差し支えないという、そうした取扱いにしているところでございます。
#58
○倉林明子君 いや、そもそも、マイナンバーを集めるために返戻をし続けるなんということがありますと、本来の資格の取得とか喪失とか必要な届けができなくなるということですから、これは極めて本末転倒だと思うわけです。
 マイナンバー制度の導入に向けて、これ事業主に既に従前から周知しているという中身はどうかということで改めて確認してみますと、QアンドAで明確に答えているんですね。従業員から個人番号の提供を拒否された場合の取扱いについて、回答はこうです。個人番号の記載がない場合でも受理しますと、こうはっきり書いているんですよ。マイナンバーの記載がないことだけを理由にして届けは受理しないと、こんなことないように現場でしっかり周知徹底が必要だと思いますが、大臣、いかがでしょう。
#59
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどのような取扱いということで、改めて周知もさせていただいているところでございます。
 ただ、いずれにしても、マイナンバー、記載があれば、その記載をされた、これでいえば雇用保険の被保険者の方にとっては様々な利便ということも出てくるわけでありますから、できるだけこれをお書きをいただいておくということは御本人にとっても必要だというふうにも思います。
 しかし、その上において、マイナンバーの届出を本人が行わないんだという場合については、これは事業主の方から強制的にどうのということはできるわけでもありません。したがって、そしてまた、それによって資格取得が今委員のあった御指摘のように遅れるということになっても、それは必ずしもいいことではないというふうに思いますので、先ほど申し上げたような対応をさせていただいているということを追加的に指示をしているところでもございますし、また、ホームページ等の改定を通じて幅広く事業主等に対しても周知をしていきたいというふうに思っております。
#60
○倉林明子君 現時点でも機械的な返戻ということは起こっております。周知徹底ということで御答弁いただきましたので、本当に本末転倒なような事態にならないように、現場際での周知徹底ということをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 国民は、利便性、今御説明あったような利便性についての期待や利用したいということよりも、情報流出に対する懸念や不安というのがすごく広がっているわけですね。そもそも、国民のプライバシーを危険にさらすと我々マイナンバーについては反対をしてまいりましたけれども、こういう更に情報連携で利用を拡大していくというようなやり方についてはやめるべきだということを重ねて指摘をしておきたいというふうに思います。
 そこで、次に介護保険の総合事業について質問したいと思います。
 介護保険の総合事業では最大大手のニチイ学館などが各地で撤退することを決めておりまして、引継ぎ先を探すというようなことで大変市町村も苦労しているという話を伺っております。
 総合事業の全面実施から三末で一年ということになるわけですが、総合事業を担う事業所、このみなし指定を三月末で期限というふうになったわけで、更新されないと利用者のサービスが確保できないというおそれが生じてくるわけです。もちろん、義務掛けていますけれども。
 そこで、厚労省は今年の一月にこの更新事務の状況について都道府県に報告を求めております。そこで確認したいと思うんですけれども、二月二十日時点で一旦中間的な報告をいただいておりますけれども、現時点でどんな状況になっているのか、具体的に御説明を求めたい。
#61
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、一部の大手事業者等が総合事業のサービス事業を廃止するという動きがありますので、事業者の動向等につきまして、関係市町村に対しまして照会を行っております。
 この照会に対する回答でございますけれども、直近の状況について今調べておりまして、回答が遅れている市町村もありますことから、現在、引き続き回収、集計中でございまして、できる限り早期に取りまとめたいと考えております。
 厚生労働省といたしましては、市町村に対しまして事業者が適切な対応を取るよう指導を徹底いたしますとともに、都道府県に対しまして総合事業が円滑に実施されるよう市町村に対する支援を依頼したところでございます。
 引き続き、利用者が必要とするサービスを継続的に受けられるよう必要な対応を講じてまいりたいというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
#62
○倉林明子君 これは、うちの事務所からも再三この結果についての報告求めてまいりました。大体、締切り一月十五日だったんじゃないですか。いまだまとまっていないというのは、まとめる気がないんと違うかと言わんとあかんと思うんですよ。結果について、二月二十日時点ではまとめているんですよ。三月末がこれ、みなし指定業者が期限になっているんでしょう。本気でつかむ気あるんやったら、とうに出さなあかん数やと思いますよ。
 改めて、現時点での数をしっかり提出求めたいと思う。
#63
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のとおり、できる限り早期に事実関係、現状を把握する必要があると考えておりまして、関係市町村に対しまして日々回答を求めているところでございます。できる限り早期に取りまとめ、集計したいというふうに考えております。
#64
○倉林明子君 調査の目的からいっても、三月末時点で一定の集約をするというのは当然のことだと思うんですよ。
 現時点でも出していないところもあるというようなことでしたけれども、現時点でまとめたものとして直ちに提出を求めたいと思います。お諮りください。
#65
○理事(石田昌宏君) 後刻理事会で協議します。
#66
○倉林明子君 私、問題は、この利用者が継続したサービスが受けられているのかどうかということなんですよね。介護保険をつくった責任者として、国はそこをしっかりつかむ必要があるというふうに思うわけです。
 引き継ぐ事業者が見付からないで難民になったとか、引き継いだことで利用を停止したとか、こういう影響というのは実際把握しているんですか。
#67
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のような、引継ぎが受けられず利用が停止した方がいらっしゃるかどうかも含めて現在調査をいたしております。できる限り早期に取りまとめたいというふうに考えておりますし、都道府県、市町村を通じまして事業者に対する指導を引き続き徹底してまいりたいというふうに考えております。
#68
○倉林明子君 そういう人が出たらえらいことやというふうに思いを寄せるのが厚労の担当やということを言うておきたいと思うんですね。
 代わりが確保できたらいいというだけでも済まない問題なんです。信頼関係築いてきたヘルパーが替わる、サービスの内容が変わる、こういうことになると、高齢者にとって大変な打撃になるわけです。利用抑制、重度化にもつながるという危険があるんですよ。そういうことを本当に真剣に心配しないと駄目だと思います。
 総合事業への移行がこれ順調に進んでいるところもあるというふうにお考えだと思う。私、地元の京都市でも、京都市は言うんですよ、順調やと。ところが、現場では深刻な事態、進行しております。
 ボランティア団体にこれお話お聞きしますと、総合事業開始以来、ケアマネジャーからボランティア団体にもう依頼が相当数増えてきていると言うんです。結局、そういう中には介護保険で使えるという人も増えてきていると。なぜかというと、訪問介護を頼んでも、どこ頼んでも断られる、こういう事例があって、ボランティア団体にもう至急頼むというようなことになってきていると言うんですね。
 私、総合事業というのはこれ報酬が低いんですよね。新規受入れの拒否というのは、もう移行直後からこれ起こってきていたんですね。加えて深刻になっているのが、ヘルパーが確保できないという事態が私の地元である京都市でも相当広がってきております。
 私、みなし指定にとどまらずに、利用者が必要なサービスを本当に利用できているのかどうか、この総合事業全体の検証が必要だと考えております。どうでしょう。
#69
○国務大臣(加藤勝信君) 総合事業については、昨年四月から全ての市町村で実施をされるということになっております。
 その実施状況について今調査を行い、具体的には総合事業を実施する事業所の数やサービス単価などの実施体制に関する状況、総合事業の利用者の状況、総合事業等に関する市町村の取組状況等について調査を進めているところでございます。
 先ほどの件も一緒なんだろうと思いますが、早く結果をというお話もあるんだろうと思っております。できるだけ早期に取りまとめて発表させていただきたいというふうに思っております。
 また、こうした調査や市町村等の御意見も踏まえながら、引き続き、市町村の実情に応じて支援策等を講じるよう、必要な検討も併せて行っていきたいと考えております。
#70
○倉林明子君 みなし事業者のところは直ちに出すというのは当たり前で、それは求めたところなんです。
 一年たつということで、お願いしたいと思ったのは、総合事業全体が本当に必要なサービスを確保し提供できるということになっているのかどうかと。もう市町村格差すごく出てきていると。そういう意味でも、ばらつき、住んでいるところで受けられるサービス変わっているという状況もあるわけですよ。だから、全体の検証が必要じゃないかという質問だったんですけれど、そこはどうだったんでしょうか。
#71
○国務大臣(加藤勝信君) ということで今調査を進めておりますので、それをできるだけ早くに取りまとめ、公表するようにしていきたいと考えております。
#72
○倉林明子君 要支援で始めたこの総合事業への移行ということですけれども、引き続き要介護の一、二にも対象を拡大していこうということは明確に打ち出されているわけですよね。私、介護難民が出るんじゃないかというような現場からの指摘というのは非常に重いと思っているんです。このままやったら保険あって介護なしというのが現実のものになっていくんじゃないかという御懸念ですね。
 市町村は、これ総合事業で低い報酬を設定せざるを得ないという仕組みになっているわけで、ここに最大の問題があると私は思っているんですけれども、その認識をお聞かせください。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#73
○国務大臣(加藤勝信君) 総合事業は、市町村が地域の実情に応じて多様なサービスを行うということでありまして、運営基準の緩和、多様な主体の活用など、市町村による柔軟なサービス実施を可能にしようということで取り組んでいるところでございます。
 今、サービス単価の話がございました。サービスの内容を踏まえて市町村がそれぞれ設定することが可能とされておりまして、厚労省としても、市町村に対してサービス事業者と十分に協議していただくよう周知を図っているところでございます。
 また、認知機能の低下等により日常生活に支障があるような場合など、専門的なサービスを必要とする方には従前の予防給付に相当するサービスを提供できることとしており、その単価は従来の予防給付と同様の単価で設定がなされているところでございます。
 いずれにしても、市町村に対して、適切なサービス単価の設定、また、利用者の状況を適切に分析し、利用者の予防、自立支援にとって必要なサービスを組み合わせること、また、地域資源を更に発掘して活用していくこと、こういったことをお願いをしておりまして、市町村の抱える中で、課題それぞれについて私どもとしても検討を行い、引き続き必要な、また適切な支援策を講じていきたいと考えております。
#74
○倉林明子君 本当に十分な検証が必要だというふうに思います。保険あって介護が使えないと、そういう事態が広がっているんじゃないかということについてもしっかり目を向けて、検証作業について早急に進めていただきたい、そのことを強く求めまして、今日は終わります。
#75
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 前回、日本年金機構の問題を審議しておりましたので、ちょっと順番を変えさせていただいて、ちょっと年金のことについて先に質問させていただきたいと思います。国税庁の課税部長も来ていただいていますので、先に質問させていただきたいと思います。
 前回、日本年金機構のデータ入力を委託していた業者が入力ミスがあったとか、また中国に再委託をしていたと、そういった問題がありましたけれども、その中でマイナンバーの話も出たかと思うんですね。
 日本年金機構の年金過少支給について問題となっている申告書なんですけれども、マイナンバーの欄があるわけですけれども、これマイナンバーの記載については所得税法上義務になるのかどうか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
#76
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 公的年金等の受給者が年金の支払者、日本年金機構でございますけれども、へ提出する扶養親族等申告書には、受給者本人のマイナンバーや控除対象となる配偶者又は扶養親族のマイナンバーを記載する必要がございます。
 この扶養親族等申告書へのマイナンバーの記載につきましては、所得税法等に基づく義務とされております。
#77
○東徹君 マイナンバーを記載するということは所得税法上の義務ということなんですね。とすると、所得税法上の義務なわけですから、マイナンバーの記載がこれは求められることになるわけですけれども、このことによって行政の事務作業は増えて効率を妨げるとかいうふうな話も聞いたりするわけですけれども、この申告書にマイナンバーの記載を求めることが行政事務のこれは効率化にはつながるのかつながらないのか、この点についてお聞きしたいと思います。
#78
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 マイナンバー制度を導入した趣旨には、各種の所得情報や扶養情報等をより正確かつ効率的に突合し、適正、公平な課税を実現することが含まれているものと承知しております。
 先ほど申し上げましたとおり、公的年金等の受給者が扶養親族等申告書を提出するに当たっては、扶養親族等の氏名等と合わせてマイナンバーを記載することになっております。これにより、例えば扶養親族として申告された方の所得が三十八万円を超えていないかどうか、ある年金受給者の扶養親族が別の納税者の扶養親族になっていないかどうか等の確認をより正確かつ効率的に行うことが可能となるものと考えております。
 いずれにいたしましても、国税庁としては、マイナンバーの効果的な利活用を通じて納税者の利便性の向上を進めるとともに、適正かつ公平な課税の実現が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#79
○東徹君 マイナンバー記載することによって効率的になるというお答えだったと思うんですけれども、私もマイナンバーは賛成なんですね。それはもうやっぱり、より税金を正確に支払う、また控除を受けるにおいてもやっぱり正確にやっていただかないといけないわけですから大事だと思っていますし、総務省の方でこういった制度をつくったからには、これはやっぱり普及していかなかったら何のためにつくったのか意味がないというふうに思っているわけですけれども、ただ、今回のように、記載する人たちに負担をさせてどうするのかと、こういう問題は確かにあるんだろうというふうに思っております。
 今回の過少支給問題を受けて、厚労省、これマイナンバーの欄をなくして備考欄にマイナンバーの記載を求めるとなると、今度申告書に、簡単なものにこれ変更することになるわけですけれども、この備考欄だとこれマイナンバー書かない人も出てくるというふうに思われるんですけれども、このときには、記載がないとき、これは有効なのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#80
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 仮に扶養親族等申告書に扶養親族等のマイナンバーの記載がない場合であっても、扶養控除等の適用の可否を判断するために必要な事項が記載されていれば扶養親族等申告書が提出されたものとして税額計算を行って差し支えないものとして取り扱っております。これは、扶養親族等申告書に扶養親族等のマイナンバーが記載されていないことをもって直ちに扶養控除等を適用しないことは年金受給者にとって酷と考えられることから、このような取扱いとしているものでございます。
 他方、扶養親族等申告書へのマイナンバーの記載は所得税法等で定められた義務であることから、マイナンバーの記載がない場合には年金の支払者から受給者へマイナンバーの記載を求めるよう周知しているところでございます。
#81
○東徹君 確かにこれ無効にはならない、有効にするということになるんですけれども、これだと今度事実上の義務付けにはならないような気がするんですけれども、そこはどういうふうな整理を考えてあるんですか。
#82
○政府参考人(山名規雄君) 先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、仮に扶養親族等申告書にマイナンバーの記載がなかった場合であっても、扶養控除等の適用の可否を判断するために必要な事項が記載されていれば扶養親族等申告書が提出されたものとして税額計算を行って差し支えないものとして取り扱っておりますけれども、マイナンバーの記載は所得税法等で定められた義務であることから、年金の支払者から受給者の方へマイナンバーの記載を求めるように周知しているところでございます。
 国税庁といたしましては、扶養親族等申告書を含め、法令に定められた税務関係書類へのマイナンバーの記載について周知、広報に努めているところでございまして、国税当局へのマイナンバーの提供状況について申し上げれば、例えば、所得税の確定申告書につきましては昨年からマイナンバーの記載が必要となっておりますけれども、導入初年度の平成二十八年分につきましては約八三%の申告書にマイナンバーを記載していただいたところでございます。
 なお、扶養親族等申告書につきましては、事務負担にも配慮し、扶養親族等のマイナンバーを一度記載していただければ翌年以降の扶養親族等申告書における記載は不要とする仕組みとされております。
 いずれにいたしましても、国税庁としては、扶養親族等申告書についてマイナンバーを正確に記載した上で提出していただけるよう、引き続き適切に周知を行ってまいりたいと考えております。
#83
○東徹君 義務付けなんですけれども、そこは何か臨機応変、何か柔軟な対応をやっていくということの理解なのかなというふうに思っておるわけですが、もう余りこのことばっかり質問していても終わってしまいますので、この辺にさせていただきたいと思います。
 委員長、別に席外していただいて結構でございますが。
#84
○委員長(島村大君) 山名部長、結構ですので退出してください。
#85
○東徹君 では、次に、終末期医療についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 これは報道で見たんですけれども、終末期医療に携わる医師の約三割が、患者が自らの意思で飲食せずに、そして死を早めようとする行為、VSEDというらしいんですが、これ、ボランタリリー・ストッピング・イーティング・アンド・ドリンキングということらしいんですけれども、に直面した経験があるというふうにされておるわけですけれども。
 アメリカの看護協会では、患者にはVSEDの権利があって、その意思を尊重するべきだという声明を出したということなんですけれども、我が国ではこの点の議論はどのように進んでいるのか、お伺いしたいと思います。
#86
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 二〇一七年に発表された論文では、我が国の緩和医療学会専門医、在宅医学会専門医の九百十四名を対象に調査が行われまして、調査対象となった、人生の最終段階の医療、ケアに関わる医師のうち回答した医師の約三割が、VSED、今御指摘のありました自発的に飲食を停止する行為、こういったものに直面した経験があると報告をされた、報道されたとおりであるというふうに承知をしております。
 このVSEDにつきましては、日本では比較的最近取り上げられた事象でございますので、学会などでも定義はいまだなく、十分な議論が行われているとは言い難い状況かと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、人生の最終段階における医療、ケアに関わる問題でございますので、こういった問題につきましては、生命観、倫理観に関連する問題ということで、やはり国民的な議論が行われることが必要なものだというふうに考えております。
#87
○東徹君 実態をしっかりと把握していくということが私は大事だというふうに思うんですけれども、この終末期医療についての明確な定義はないみたいですけれども、ただ、延命目的で治療を施すような場合というふうに考えられると思うんですけれども。
 厚労省、過去に死亡一か月前の医療費、約九千億円ということで推計されましたけれども、現在、この医療費をベースに計算し直した場合、この九千億円が幾らなのか、お伺いしたいと思います。
#88
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 御指摘の推計でございますけれども、これは財団法人の医療経済研究機構が平成十二年三月に行いました終末期におけるケアに係わる制度及び政策に関する研究、これを基にいたしまして、平成十四年度の一年間の医療機関での死亡者数に死亡前一か月の平均医療費を乗ずる、こういった形で当時推計したものでございます。
 しかしながら、その後、御案内のように医療などの状況に相当変化が生じております。そうしたことも考え合わせますと、御指摘のような現在の医療費ベースに置き換える、こういったことはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
#89
○東徹君 終末期医療については、一九八〇年代から厚労省の方でもいろいろこれ検討してきているわけですよね。確かに機械的に数字を置き換えられないのかもしれませんけれども、実際にこの終末期医療の在り方、死亡前一か月に掛かる医療費、これ一体実態としてどうなっているのかというところは、是非これ私は今後の終末期医療を考える上において大事なことだと思うんです。是非、加藤大臣にその点はお答えをいただきたいと思うんですけれども。
#90
○国務大臣(加藤勝信君) 今出していない理由を事務当局から申し上げさせていただきましたけれども、こうした議論、大変いろんな意味で慎重にやらなきゃいけない部分もあると思います。また、マクロの医療費だけで見えない医療の内容、結果が重要であること、また国民的議論や合意形成が必要といった指摘もこれまでなされているわけでありまして、死亡前一か月の医療費では人生の最終段階の医療、ケアの状況を評価することは難しいということがあり、その後新しい推計は行っていないところでありますが、ただ、厚生労働省としては、人生の最終段階の医療、ケアについては、全ての国民が自分らしい暮らしを送りながら希望する医療、ケアを自ら選択し、本人と家族等が納得した上で人生の最終段階を迎えることのできる社会、その実現を図っていくということを目的として必要な取組も行っているところでありますし、今後ともそうした環境の一層の整備にも努めていきたいと考えております。
#91
○東徹君 厚生労働大臣、是非そこは、過去にこれ推計したことがあるわけですから、当然今できないということはありませんので、是非実態をやっぱりしっかりと把握していくべきだというふうに思いますので、是非やっぱりその推計ぐらいしていただきたいなというふうに思います。
 続いて、介護保険についてお伺いしますけれども、介護保険の給付額ですけれども、今約十兆円ですけれども、二〇二五年には十九・八兆円に膨らむ、約二倍近くになるわけですけれども、というふうに試算をされておりますが、介護保険を払う四十歳以上の人数、二〇二一年をピークに減っていくというふうに言われて、財源はこれ限られておるわけですけれども、介護保険制度、これ持続させるためにはどんなことを行っていくのか、まず加藤大臣の方からお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(加藤勝信君) 高齢化が進展する中で介護保険制度についてもいろいろ対応していく必要があると思いますが、その際には、必要な方に確実なサービスが提供されるようにしていくということ、それからもう一つは、保険料負担、公費負担、利用者負担の適切な組合せにより財源をしっかりと確保する、こうしたことによって制度を持続可能なものにして、そして次の世代にしっかりと引き渡していく必要があると考えております。
 昨年、介護保険法改正が行われましたけれども、そこにおいても、高齢者の自立支援、重度化防止等のための保険者の取組を制度化していくということ、また現役並みの所得を有する者の負担割合を二割から三割にするとしたところでもあり、今後とも、制度の持続可能性の確保といった観点から不断の取組を行っていきたいと考えております。
#93
○東徹君 介護ロボットのことについてお伺いをしたいと思いますけど、私、この介護ロボットというのは名前からしてふさわしくないというふうに思っていまして、なぜかというと、何かロボットが介護してくれるようなイメージなんですけれども、実際にはそんなものは存在しないわけですよね。本来、例えば入浴とか食事とか排せつ、この三つの介護なんてなかなかそんなできるロボットってないわけですから、何か非常に過大なイメージがあるような気がするんですけれども。
 介護に携わる方々の負担の軽減によるためにこれ導入が進められてきたんですけれども、厚労省の方で平成二十七年度補正予算で五十二億円、これ導入を支援してきましたけれども、実際どの程度進んだのか、お示しをいただきたいと思います。
#94
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 介護施設等におけます利用者の生活の維持向上、あるいはその介護従事者の負担軽減、これは極めて重要であるというふうに考えております。
 御指摘のとおり、平成二十七年度補正予算におきまして、介護ロボットの導入費用を助成する事業を実施したところでございますけれども、本事業におきましては、日常生活における移乗支援、移動支援、排せつ支援、見守りなどで利用される介護ロボットを助成の対象としておりまして、約五千の介護施設等に約一万の介護ロボットが導入されております。
#95
○東徹君 これ、五十二億円の予算が付いていたにもかかわらず、二年もたつのに今月に入るまで、恐らくこっちから聞くまで把握していなかったと思うんですけれども、これ、しっかりと把握をしていくことを是非やっていただきたいと思います。
 続きまして、国民健康保険の保険料についてお伺いしたいと思います。
 今年二月十七日の日経新聞で、東京都の各市町村における国民健康保険の保険料が平成二十八年から三十年の二年間で平均二六%も上がったということが報じられていたんですね。国民健康保険料が、東京都では二六%も保険料が上がるって、これはすごいなと思ったんですけれども、この記事の比較は、決算ベースとそうでないものとの違いがあって単純には比較できないわけですけれども、決算ベースで発表されているものを見ると、大阪府では平成二十七年度の保険料が、平成二十六年度は低くなっているんですけれども、二十三年よりは高くなっているということで、また、三月三十日の朝日新聞ですけれども、国の財政支援の増加などによって、全国の五四%の市町村で新年度、平成三十年度の保険料が平成二十八年度より減りそうであるという報道もありました。
 これ、一体保険料全国的にどのような傾向になっているのか、是非お示しいただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 国民健康保険の保険料でございますけれども、まず、御指摘の二十三年度から二十六年度の決算ベースで全国一人当たりの調定額を見てまいりますと、これ具体的には、所得の増減の影響を受けたり、あるいは高齢化の進展、医療の高度化で医療費が増加している、諸点に留意が必要でございますが、二十三年度から二十六年度、趨勢としては増加傾向でございます。
 ただ一方で、ただいま御指摘ございましたように、直近の決算ベースでございます平成二十七年度を見ますと、これ今般の国保改革で千七百億円の財政支援の拡充を行いましたので、全国平均の一人当たりの調定額というのは前年度比で減少しているという状況にございます。
 また、これ、この四月に施行されました国保改革の前後で市町村ごとの保険料等のいわゆる理論値ベースでの伸び率がどうなったかというものを各都道府県が算出いたしておりますので、これを取りまとめて、三月三十日に私ども厚労省として公表させていただきました。
 その結果でございますが、先ほど御指摘ございましたような報道にありますように、国保改革前後におきまして市町村ごとの保険料あるいは納付金の理論値の伸び率は、保険料ベース、納付金ベースでそれぞれ五九%あるいは五五%の市町村が維持又は減少というような結果になっているところでございます。
#97
○東徹君 ちょっと時間がなくなりましたので最後にしたいと思いますが、保険料収入の不足分を一般会計から補填している市町村も多く存在しているわけでありまして、保険料の上昇を抑えていくための対策として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。
#98
○政府参考人(鈴木俊彦君) 保険料の上昇を抑制するための施策ということで、一つは、ただいま申し上げましたように、国保改革の中で公費を重点的に投入をするということで、財政支援を行うことによって財政基盤を強化していく、これが第一点でございます。
 それから、あわせて、自治体の予防、健康づくりを始めといたします医療費適正化対策、これにインセンティブを持って強力に推進をしていただく、こういった取組も併せて講ずることといたしておりまして、具体的には、保険者努力支援制度につきまして今年度から本格実施をするということで、例えば糖尿病の重症化予防でございますとか後発医薬品の使用促進、こういった取組を推進するというものを国としても後押しをする、こういったような様々な取組によりまして保険料の上昇を抑えていく施策を講じているところでございます。
#99
○東徹君 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#100
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 厚労省東京労働局の勝田局長は、三月三十日の定例記者会見において記者団に対し、何なら皆さんのところに行って是正勧告してもいいんだけどなどと述べました。何でこんな発言が出たんですか。
#101
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 三月三十日の定例の会見、これは雇用失業情勢等も含めた定例の会見であったということでございますが、その際に、野村不動産の関係の特別指導の関連のやり取りの質問が記者の方々から相次いで、その流れの過程で労働局長の方から、不適切な発言でございましたけど、このような御質問がありました発言をしたということでございます。
#102
○福島みずほ君 彼は続けて、皆さんの会社も労働条件に関して真っ白ではないでしょうと言及、テレビ局を例に、長時間労働という問題で指導をやっています、逐一公表していませんけどと。脅しですよね、あなたのところに入っているんですよといって。
 すさまじい権限を持っている労働行政の中で、警察と同じ、いろいろな立入り権限もあるわけですし、この発言、大臣、どう受け止めますか。
#103
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、監督指導する立場であります東京労働局長が、その発言について、今のようなこと等の発言があったということは甚だ不適切だというふうに考えております。我々としても誠に遺憾であります。発言当日、事務次官から注意をするとともに、本人もおわびと発言を撤回したというふうに承知をしているところでございます。
 なお、東京労働局長本人への処分ということを当然考えていかなければならないというふうに思っておりますが、今後、こうした事態を踏まえ、もちろん過去等のいろんな事例も参考にしながら厳正に対処していきたいと考えております。
#104
○福島みずほ君 こんな発言が出ると労働行政の中立性が本当に疑われる。入れますよと言うと中立性が疑われる。現場で真面目に頑張っている労働基準監督官や労働行政やっている人が差別的に入ると思われたら、もう信用なくすじゃないですか。厳正なというか、今後どうするつもりですか。
#105
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、これに対してしっかり先ほど申し上げたような対応をするとともに、引き続き、そうした誤解というんでしょうか、そうしたことに対して我々の監督指導のありようというものをしっかりと説明するというか示しながら、着実に監督指導を進めていきたいと思っております。
#106
○福島みずほ君 御本人はこれで仕事を続けることができるんでしょうか。
#107
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、処分については、先ほど申し上げた、今後厳正に対処していきたいと考えております。
#108
○福島みずほ君 大臣に三回にわたって書面で説明がされております。お配りした配付資料、十一月十七日、一番初めのものは十一月十七日です。
 大臣、これ黒塗りで、本当に黒塗りなんですが、この十一月十七日に説明を受けた、経緯、調査結果、調査方針、公表、実施時期、これについてどういう説明を受けられましたか。
#109
○国務大臣(加藤勝信君) そうした事情について申し上げることは今後の様々な監督指導にも影響するということで差し控えさせていただきたい、個々の具体的な話については差し控えさせていただきたいと思います。
#110
○福島みずほ君 いや、駄目ですよ。だって、これが論点になっているんですから、言ってください。何を、だって、大臣、これで何を聞いたんですか、どんな説明を受けたんですか。
#111
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、それは、結果的にこうした一連のプロセスにおいてはどういうことが議論されたかということを示すということになるわけでありますから、それをお示しするということはまた今後の様々な指導等にも影響いたしますので、控えさせていただきたいと思います。
#112
○福島みずほ君 問題になっているので、今の大臣の答弁は理解ができません。
 ここに調査結果とあるし、そして、ここに指導実施の公表、東京労働局長から社長に対して全社的改善を求める特別指導を行い、その旨を公表するとあり、実施時期も書いてあります。つまり、これは、特別指導、今まで一度もやったことがなかった特別指導をやるんだということなんですが、こういう説明は受けたということでよろしいですね、書いてありますから。
#113
○国務大臣(加藤勝信君) そこに書いてあるという方針について報告を受けたということでありますが、その後、最終的に東京局長が特別指導の実施については決定をしたと、こういうことでございます。
#114
○福島みずほ君 いや、決定したもへったくれもなくて、ここにちゃんと書いてあるじゃないですか。特別指導を行い、その旨を公表する。公表すると書いてあって、こういう説明があったんでしょう。特別指導について説明があったんでしょう。
#115
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げた野村不動産に対して特別指導を行うというその方針、それについての報告があったということでございます。
#116
○福島みずほ君 昨日、勝田局長に、ここにおります石橋さんも含め超党派で行ってきました。
 勝田局長は、これ知らない、あずかり知らないと言っていて、特別指導については、実際やった十二月二十五日の一週間ほど前、だから十九日になるんですか、そのときに決めたと言ったんです。全く矛盾しているんです。だって、ここの、十一月十七日、大臣に対して説明した文書は、特別指導を行い、その旨を公表するとまで言っているんですよ。この矛盾は何なんでしょうか。
#117
○国務大臣(加藤勝信君) そういった方針、姿勢において取り組むということでありますから、最終的な判断は東京局長がなされたということであります。
#118
○福島みずほ君 理解できません。だって、これ大臣に、特別指導を行い、その旨を公表するといって説明しているんですよ。特別指導を行うことと公表することは決まっているじゃないですか。決まっていないことを大臣に説明するんですか。
 でも、昨日、勝田局長は、いや、二十六日の一週間ほど前に私が決めましたと。一体どうなっているんですか。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そういう姿勢ということを言われているわけであって、最終的な判断は東京局長がなされたということであります。
#120
○福島みずほ君 違いますよ、検討と書いていないじゃないですか。特別指導を行い、その旨を公表するとあるのに、決めていないにもかかわらずこれを大臣に言うんですか。理解できませんよ、行政として。決まっていないことを大臣に、これやりますと、公表すると書いてあるじゃないですか。
 私は、昨日聞いて、また大臣の答弁がずれるので、何でこんなことが起きているんだろうと全く理解できないんです。どうですか。
#121
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっとその理解できていない部分をちょっと私が理解できていないのであれですが、同じ答弁の繰り返しになってしまいますけれども、いずれにしても、その段階においてそうした方針、姿勢について私の方に報告があり、そしてその上で最終的には東京局長が特別指導の実施を決定したと、こういうことであります。(発言する者あり)
#122
○委員長(島村大君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(島村大君) 速記を起こしてください。
#124
○福島みずほ君 勝田局長は、この書面あずかり知らない、この時点で何も決めていないと昨日語りました。ところが、これには、特別指導を行い、その旨を公表するとあり、しかも実施時期って書いてあるんですよ。特別指導の実施時期、これ黒塗りを本当に白地にしていただきたいですが、おかしいでしょう。だって、本人は一週間前、十二月二十六日の一週間前に決めましたとあるのに、決めてもいないことがなぜ大臣に報告があるんですか、公表するって。しかも、実施時期は何て書いてあったんですか。
#125
○国務大臣(加藤勝信君) 今のその勝田局長のお話を言われているんですけれども、一つは、これは本省の中でのペーパーですから、当然このペーパーそのものを、これは労働局長から上げてきたわけではなくて、労働局長から聞いた話を本省がまとめて作ったのがこのペーパーということでありますから、当然それを、そのペーパーそのものを見ている見ていないという意味においてはそういったこともあり得るのではないかなというふうに思います。
 その上で、局長からは、最終的に決定したのはもっと後だということであって、それはさっき私が申し上げたように、こうした方針、姿勢で取り組んでいるけれども、最終的にはそのタイミング、公表の多分直前なんだと思いますが、そうしたタイミングで局長が決定したと、こういうことであります。
#126
○福島みずほ君 あり得ないですよ。特別指導を決めるのは局長じゃないですか。局長が決めるのに本人が知らなくてこの文書が出回って、大臣にまで、特別指導をやるとあって、特別指導をやるこの権限持っているのは局長じゃないですか。本人知らないって言っていて、そして公表の時期まで書いてあって、実施時期まで書いてあるんですよ。おかしいですよ。
#127
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、申し上げているのは、この紙は知っているかということに対してこの紙は知らないということを言われているのであって……(発言する者あり)いや、もちろん、ですから、先ほども申し上げた、これは、最初から御説明しているように、東京労働局から直接私に物が上がってくると、これは各局からもありません。基本的には本省で作った、各局から私にそれを、本省の各局がそれぞれから聞いて、それを取りまとめた紙が私のところに上がってくるわけでありますから、本省の中の紙について労働局長が知らないということは、そういうこともあり得るんだろうというふうに思います。
#128
○福島みずほ君 全く理解ができないんですね。つまり、決裁権者が知らない、この紙を知らないんじゃない、あずかり知らない、中身を知らないって言ったんですよ。実施時期も、だから、局長が決定をしていないのに、何で特別指導を行い、その旨を公表すると書き、大臣に説明し、実施時期まで書けるんですか。もう謎ですよ。厚労省の中の巨大なる謎ですよ。
 これは局長を呼ばない限り分からないので、局長を呼んでください。
#129
○国務大臣(加藤勝信君) まあ、局長云々の話はちょっと私の話じゃないので、院で、委員会でお決めする話ですが、少なくとも私が承知しているのは、このペーパーは初めて見たと局長はおっしゃっているので、この内容について言及しているわけではありません。それから、最終的な判断は、自分がもっと後だったと、こういうふうに言っているということであります。
#130
○福島みずほ君 ペーパー見ていないというだけでの、あずかり知らない、関与していないというふうにもおっしゃっていました。少なくとも、見る、見ていないも、まあ一万歩譲っても、決裁権者である最終責任者である局長が、特別指導についてまだ決断していないにもかかわらず、だって、ここは特別指導を行い、その旨を公表する。実施時期まで書いてあるじゃないですか。あり得ないですよ。どこかにうそがあるんですよ。すさまじいうそがあるんですよ。これをきちっとやっぱり晴らさなければならないというふうに思います。そのためにも、局長を呼んでください。委員長、お願いします。
#131
○委員長(島村大君) 後刻理事会において協議いたします。
#132
○福島みずほ君 それで、十二月一日と十二月二十六日と三月三十日の勝田局長の記者会見の議事録を出してくださるよう理事会に要求します。
#133
○委員長(島村大君) 後刻理事会において協議いたします。
#134
○福島みずほ君 昨日、勝田局長も肯定しましたが、十二月一日の記者会見で勝田局長は、二十六日にプレゼントがあると言っていました。今度、二十六日に記者会見やるけれども、そのときにプレゼントがある。要するに、記者の人たちに来てくれという意味でプレゼントがあると言ったということなんですね。
 十二月二十六日は、まさに野村不動産について労災が認定され、特別指導についても発表があった日です。プレゼントというのはこのことなんでしょうか。
#135
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘の東京労働局長の発言でございますけれども、本人に確認いたしました結果、特定のことを念頭に置いた発言ではないと聞いております。
#136
○福島みずほ君 じゃ、何なんですか。ほかに何もプレゼントはないんですよ。
#137
○政府参考人(山越敬一君) この会見でボクシングデーについての発言をされていますけれども、これにつきましては特定のことを念頭に置いた発言ではないというふうに聞いております。
#138
○福島みずほ君 十二月一日にもう労災認定がされるだろうという見込みがあったのか、あるいは、もう特別指導をすると勝田局長自身は、そのとき決めていないと言っているんですが、記者の皆さんに次の記者会見に来てもらいたいからプレゼントがあると言っているんですよ。これに関して、遺族会の、過労死遺族の皆さんたちが、皆さん本当に怒っています。
 特別指導であれ労災認定であれ、切実な命の問題じゃないですか。それをプレゼントと言う感覚が分からないんです。どうですか。
#139
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘のボクシングデーについてでございますけれども、いずれにいたしましても特定のことを念頭に置いて発言をしたものではないと聞いているところでございます。
#140
○福島みずほ君 何かを念頭に置いて、特定のものを念頭に置いて、十二月一日、記者会見で言ったんですよ。十二月二十六日の記者会見では、まさにこの是正指導、特別指導の是正勧告と、それからまさにこの特別指導のことを言っているわけですよね。だとしたら、このことじゃないですか。もしかしたら労災認定かもしれない。ほかのことは何も言っていないんです。プレゼントがありますと十二月一日に言ったことそのものもおかしいし、本当にひどい発言だと思います。
 大臣、野村不動産に対する是正勧告はされたんですよね。
#141
○国務大臣(加藤勝信君) 個別企業に対する是正勧告の有無については、これまで発言を控えさせていただいているところでございます。
#142
○福島みずほ君 これもまた巨大な謎なんです。大きく、野村不動産に是正勧告、裁量労働、営業に違法適用と十二月二十七日付けで出ております。これは野村不動産側が是正勧告受けたとホームページをやっているので、勝田局長は是正勧告があったことを認めているんですね。何で大臣は認めないんですか。これも巨大なる謎なんです。
#143
○国務大臣(加藤勝信君) いや、御本人も認めていないというふうに私は聞いております。
#144
○福島みずほ君 じゃ、これ何で是正勧告という、こういうふうに、厚生労働省東京労働局はこのことに関して是正勧告をしたと発表したとなっているんですか。
#145
○国務大臣(加藤勝信君) それは書いた方に聞いていただく以外にございません。
#146
○福島みずほ君 だから議事録を出してほしいんですが。
 昨日、局長と私たちが話したときには、それは野村不動産側が是正勧告をホームページで上げているので、だからそれを認める意味でもこっちも言ったと言いました。
 だから、局長は是正勧告があることを認め、実はこういう記事になっているというのは、記者はこういうのが、発表がプレゼントなわけですから、プレゼントで、まさに記者会見で言ったからこそ大きな記事になったわけでしょう。裏が取れなければ書かないですよ、各紙。
 私の謎は、何で大臣はここで是正勧告そのものを認めないのかというのがこれまた分からないんです。
#147
○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、本件だけではなくて全ての事案について、是正勧告をしているということについて私どもの方から積極的に発言をしたことはないということでございまして、そういった姿勢で本件にも当たっている。
 ただ、委員御指摘のように、その相手方の企業が、自分がこういうことされましたとかいうことが発表されるということは、それは当然あり得ることなんだろうと思います。
#148
○福島みずほ君 だったら局長が是正勧告を発表したことは間違いなんでしょうか。
 それから、是正勧告より強烈なある意味手段、つまり、トップを呼んで全社的に改善せよという特別指導ですよね、これは初めて行ったんですよ。しかも、それは、特別指導を行ったって、あらかじめ日時も決めてばあんとやるわけじゃないですか。是正勧告の企業名言えないと言いながら、特別指導についてはばあんと出すというのは矛盾していないですか。
#149
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと今の質問の中にいろんな要素があったので、ちょっと私も、まず局長が何をしゃべっておられるのかというのをやっぱり整理をしておく必要があるんだろうというふうに思います。
 今、局長がおっしゃったという中には、私どもが承知しているものとしてはそう言われていないというふうに聞いている部分もございますので、そういうところがまずあるということでございます。
 それから、是正指導については、先ほど申し上げたように、個々の事案、特に是正指導ということになれば、一体どういうことをしたのかということも当然入ってくるわけでありますから、そういったことについてはこれまでも一貫して公表しないということで対応させていただいているところでございます。
#150
○福島みずほ君 何か非常に、どこかにすさまじいうそがあるか、何でこんなに矛盾するのか分からないんです。是正勧告したというのが大きな記事になり、それは言ったと言いながら、局長は、一方で大臣はそんなことは言わないと言う。そして、特別指導という強烈なことはやることは決めておきながら、何で是正勧告について大臣がいまだに否定するかも分からない。そして、この黒塗りのこれも何でこんなに黒塗りかも分からないし、発言が矛盾しているのも実は分からないんです。
 これは、十二月二十六日、まさに労災、過労死に関して労災認定が野村不動産で働いていた人でありました。企画型裁量労働制についてです。これを隠したかったんじゃないかとすら思うんです。これを隠したかったんじゃないか。裁量労働制の拡充が議論になっているときに企画型裁量労働制で過労死が出たということを隠したかったからこっちを出したのかとも思うし、裁量労働制拡充に関して厚労省が頑張っていると言うためにこっちを非常にフィーチャーし、一度もやったことがない本邦初の特別指導も大きく取り上げさせたのか、とにかく謎です。
 裁量労働制の拡充は削除されましたけれども、この問題は続きます。また、この発言はとんでもないというふうに思いますし、何を撤回したかも実はよく局長分かっていないんですよ、何を撤回したのか。それから……
#151
○委員長(島村大君) 終了時刻となりました。質疑をまとめてください。
#152
○福島みずほ君 はい、分かりました。
 ホワイトカラーエグゼンプションも含めこの法案に盛り込ませてはならないということを申し上げ、私の質問を終わります。
#153
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日は保健所長の件を二十分やりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、お尋ねをさせていただきます。全国の保健所のうち、保健所長自身が他の職と兼務になっている保健所長の人数というのは何人いらっしゃいますか。局長、お願いいたします。
#154
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 平成二十九年十月一日現在におきまして、全国の保健所長のうち四十九名が他の保健所長の職務を兼務しており、割合では全国の約一割となってございます。
#155
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この一割という数、私はかなり多いんではないかというふうに認識をしておりますけれども、この保健所長が他の職と兼務していることをどういうふうに問題点、捉えていらっしゃいますか、お願いいたします。
#156
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 保健所長は幅広い公衆衛生業務の統括、医療関係団体等との調整や感染症対策などの緊急的な対応を要する際の包括的な調整、判断などの役割が求められております。保健所長が他の保健所長を兼務している場合、こうした役割への対応が十分にできなくなることが課題として挙げられるかと思います。
#157
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 行事が重なってしまったり、若しくは一人の方が幾つもの保健所を一日置きに回ったりというようなこと、大変努力はなさっていらっしゃるのはこれ私も理解はできますけれども、しかし、果たしてそれで災害、そして緊急時に対応できるかというと、かなり不安が広がっているということも伺っております。
 やはり、なり手というものが不足していることも一つこれ大きな原因でございます。このなり手が不足している理由について、厚労省はどのように分析していらっしゃいますか、お願いいたします。
#158
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 兼務が発生している保健所は、大都市以外の周辺の地域となっている傾向にまずございます。
 また、保健所長の確保が難しい背景には、医学生や医師の多くに臨床医志向があるということ、また保健所長の重要性ややりがい、またキャリアパスなどが十分に理解されていないことなどが理由としてあると考えてございます。
#159
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 医師不足の時代ですよね。どうするんですかという話です。
 これから我々も様々な議論をしていく中で、保健所の重要性というものもまた議論していかなければなりませんよね。保健所に様々な役割というものも国として担ってもらわなければならない。でも、現状足りないし、それを司令塔としてまさにマネジメントしていくための保健所長もこれだけ不足している。さあどうするんだということです。
 保健所長は医師というものを原則としておりますけれども、医師以外も保健所長になれる要件ってございますよね。そちらについて教えていただけますか。
#160
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 保健所長の資格要件につきましては、地域保健法施行令第四条におきまして、医師を原則とするものでございますけれども、地方公共団体の長が医師をもって保健所の所長に充てることが著しく困難であると認める場合には、原則二年以内の期間に限りまして、一つとして厚生労働大臣が公衆衛生行政に必要な医学に関する専門的知識に関し医師と同等以上の知識を有することを認めた者であって、五年以上公衆衛生の実務に従事した経験がある者、かつ養成訓練課程を経た者、この三つの要件のいずれにも該当する医師でない職員をもって保健所の所長に充てることができるとしてございます。
#161
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方にも、それを資料一としてお配りをいたしております。
 医師でなくても保健所長に、もちろん期間限定ではございますけれども、なれるということが分かっております。これは、保健所長の職務の在り方に関する検討会というものが平成十六年三月に行われて、その後に、このようにだんだん緩和をされてきたというところでございます。
 これを出して状況は変わったんでしょうか。現在、医師以外の資格要件において保健所長に就いていらっしゃる方の人数も併せて教えていただけますか。よろしくお願いいたします。
#162
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 医師以外の資格要件によります保健所長の状況について、地域保健法施行令が改正された平成十六年以降の推移につきまして、包括的に把握をしているというわけではございませんけれども、直近の状況を地方公共団体に確認をいたしましたところ、歯科医師三名が保健所長として配属されていることを承知をしてございます。
#163
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 三名の方が今就いていらっしゃる。この要件を緩和して、更に多くの方が就いていらっしゃったんですか、それとも、もうこの三名という方以上の人数というのが増えていないんですか。お願いいたします。
#164
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 把握している範囲でちょっとお答えいたしますと、平成二十四年の時点で、二人ですけれども、歯科医師の方が保健所長に採用されたという形になってございます。
 その後、そのお二人の方は現在は退職をされているということでございまして、この平成二十九年に新たに三名の歯科医師の方々が保健所長として配属されたと、そういうふうに確認をしてございます。
#165
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ人数が増えていない、でも、まだ本当に、兼務している数というのも全く変わっていない。
 では、保健所長の役割のうち、必ず医師でなければならない、そういう役割ってあるんでしょう、教えてください。
#166
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 保健所は、地域保健に関して、広域的、専門的かつ技術的な拠点としての機能を有しており、保健所長は平時から、医療機関の管理者、また専門分野の医師、地域医師会などの関係団体などと医学的知識に基づく情報交換や調整を行う役割を担っております。
 さらに、保健所は地域における健康危機管理の拠点でもあり、平時から健康危機を未然に防止するための情報収集を行うとともに、感染症等の健康危機発生時には情報を迅速に収集し、集約し、対応をしなければならないという状況でございます。このため、保健所長につきましては、危機管理発生時におきまして、医学的及び公衆衛生学的知識に基づき的確な判断と対応方針を迅速に決定する役割を担っているというふうに考えております。
#167
○薬師寺みちよ君 じゃ、保健所長に求められる資質というものはどのようなものなんですか。
#168
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 保健所は、多様化する地域保健に係る住民ニーズに対しまして、管内市町村が適切な保健衛生上のサービスを提供できるよう、広域的、専門的な立場で後方支援を行う技術的拠点として位置付けられてございます。
 その具体的な業務内容につきましては地域保健法第六条に規定されており、医事及び薬事に関する事項、精神保健に関する事項といったものから、栄養の改善及び食品衛生に関する事項、さらには、感染症対策や大規模自然災害等の健康危機管理事案への保健衛生上の対応など、広範な領域にわたるものでございます。
 このように、保健医療行政に係る広範な業務内容につきまして権限を行使することになることから、幅広い公衆衛生業務を統括する包括的な知識や統率力、医療関係団体等との調整能力や感染症対策などの緊急的な対応を要する際に医学的かつ行政的な判断を下すための専門的な知識などが保健所長の資質として求められるものと考えてございます。
#169
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それが医師でなければならないんでしょうかというところです。保健所です。まさに、地域保健の拠点となるべき人物が医師のみというふうに限定されていることが、いかに今後首を絞めていくのかということも考えていかなければならないと思います。
 資料三にお配りしておりますように、公衆衛生医師確保推進登録事業というものも進めていただいておりますが、これ、うまくいっているんですか。
#170
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 厚生労働省では、平成十六年度より公衆衛生医師確保推進登録事業を行ってございます。この事業は、保健所等において公衆衛生に従事することを希望する医師の情報と保健所等において公衆衛生に従事する医師を必要とする自治体の情報、これをそれぞれ登録し、希望条件に合致する登録自治体及び登録医師について情報提供を行うものでございます。
 この事業を通して、平成十六年度の事業開始から平成二十九年度末までの間に八十二名の医師が登録をし、マッチングをした結果、十八名の医師の地方自治体への就職が成立をしているところでございます。
#171
○薬師寺みちよ君 余り成功率も高くないですよね。
 この保健所長の高齢化もまさに問題になっているかと思いますけれども、厚労省としてどのような問題意識を持っていらっしゃいますか。
#172
○政府参考人(福田祐典君) 平成二十九年十月一日現在で配置されております保健所長の年齢構成を見ますと、六十代以上が四割を占めておりまして、この三か年の変化を見ても高齢化が進んできているという、そういう状況にございます。
 保健所長に期待される職責を考慮いたしますと、調整能力や人事政策上、経験を積まれた方が着任されることが多いとは考えてございますが、一方で、今後の保健所長を育成するために若手医師を確保する努力が必要であるというふうに考えてございます。
#173
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 若手医師が確保できないんですよね。マッチングもうまくいかないじゃないですか。厚労省としてどうしてここをもう少し真剣に考えていただけないんでしょうか。地域保健の要だという割には、全く、兼務で何とかやり過ごしている、こういう状況がこの何年続いてきているかというんです。最後に検討会が開かれたのは平成十六年じゃないですか。十四年間放置のままなんですよ。こんな状態で、一体これからどうやって保健所に対して我々も法律的に、保健所の役割ですということを担ってもらえるかどうか。
 ということで、実はいろいろ、放置しているわけではないということも一つ御紹介させていただきたいんですけれども、統括的な役割を担っていく統括保健師という方も今度しっかりと厚労省としても考えてくださっていますよね。保健の専門家はやっぱり保健師なんですよ、医師ではないんです、残念ながら。
 保健所長というものにこの統括保健師の皆様方というものを活用していただく、もっとステップアップをするために準備をしていただくというお考えもございませんか。局長、お願いいたします。申し訳ございません、大臣でございました。お願いいたします。
#174
○国務大臣(加藤勝信君) 今事務当局からお答えをさせていただいたように、保健所長の資格要件については原則は医師ということでありますけれども、地方公共団体の長が医師をもって保健所の所長に充てることが著しく困難と認めるときは、一定の期間に限り、これは同一保健所において最大四年と承知しておりますが、医師と同等以上の知識を有する等の要件を満たす者を保健所長に充てることを可能としております。
 この要件については、特定の何か専門職種ということを限定しているわけではありません。必要な知識等を有する者であれば、地方公共団体の長が保健所長として任命することは可能となっております。現在においても、地域の課題や実情に応じて、地方公共団体の長の判断の結果、今御指摘があった統括保健師を含む保健師を保健所長に充てるということも制度的には可能となっているわけであります。
#175
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 制度的にというよりも、積極的にステップアップするような形で私は制度的にも確立をしていただかないと、なかなか、医師というものが適格であり、その四年という年限が付いた中、それも二年を一回更新することができるというだけですよね。これではなかなか手を挙げにくい。もう医療界のヒエラルキーの中で、医師がトップでなければならないというような、こういった雰囲気の中で皆様方がもっとより良く仕事をしていただくために、そして、自分でもそういうふうに保健所長になれるというような希望を抱いていただくためにも積極的に私は厚労省が働きかけていっていただきたいと思っております。
 さらに、ちょっとここは議論させていただきたいので、まず、そういう適格性があったとしても、実は勉強もしてもらわなければなりません。もちろん、厚生労働省の方でも研修のシステムというものを準備していただいておりますけれども、今、医療政策そして公衆衛生に関する専門人材を養成する専門職大学院というものがたくさん全国にできております。皆様方のお手元にも資料をお配りいたしておりますけれども、この資料二というようなところで、十二単位の受講項目でしたり試験の出題範囲というものが書いてありますけれども、実はこういうものも網羅して行われているような大学院もございます。
 文科省の方では、今、この専門職大学院、全国に幾つあって、一学年大体定員が何名ぐらいなのかということをお示しいただけますですか。
#176
○政府参考人(信濃正範君) 専門職大学院は、大学院の中でもその目的を高度専門職業人の養成に特化した、そういうものとして平成十五年度に創設された制度でございます。
 このうち、公衆衛生学、社会健康医学、医療経営・管理学分野の専門職大学院といいますのは、国立大学で三校、私立の大学で二校の合わせて五校設置されておりまして、平成三十年度の入学定員は合わせて百二十九名となっております。
#177
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣、お聞きになっていただいても分かるように、こういった医療政策、地域政策、医療の、保健の政策に自分たちは勉強してもっともっと介入していきたいと思っていらっしゃる方々がまさに一年で百二十九人、約百三十人の方が卒業してこられるわけですよね。それも専門職大学院ですから、研究するというのが目的ではありません。そういったところで学んでいただいた専門職の皆様方を更に活用し、そして利用し、そしてお互いにウイン・ウインの関係を築いていくということが私は大切かと思います。
 国立保健医療科学院というものが養成課程をしっかりと構築していただいておりますけれども、もっと研修課程も多様化しながら、そして人材も多様化して考えていく中で、保健所長、少なくとも兼務はやめていただきたいと思っておりますけれども、大臣のお考えはどのようでしょうか、お示しいただけますか。
#178
○国務大臣(加藤勝信君) 今、保健所長の兼務のお話がありました。
 平成二十八年の十月の数字、ちょっと手元にある数字を見れば、約一割ぐらいが兼務をされている保健所長さんだというふうに認識をしております。やっぱり、専任の保健所長を確保するということが保健所の機能というもの、そして地域の保健を向上していくというその役割を担うためにも大変重要な課題だというふうに認識をしております。
 保健所長が兼任となっている地方公共団体に対しては更にヒアリング等を実施し、詳しい事情をお聞かせいただくとともに、どうやったら保健所長を確保できるのかということに対する、他における成功事例等をお知らせをする、あるいは国立保健医療科学院で行う養成訓練課程を受講していただく等々、先ほど申し上げた医師ではない形でのそうした保健所長になり得る資格、それをどうやったら取り得るのかといったことに対する周知など、そういった取組にしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#179
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 十四年間やっても、だから成果が上がってこなかったんですよ。だからどうするかということを私は今お願いをしているわけです。どうするんですか。私は大変危機的な状況だと思います。
 これからますますこのような形で、臨床以外の学問を修めようと思う医師は少なくなってくる可能性が高いです。臨床研修の必修化が行われ、みんな臨床の方に目が向いております。社会学はどうなっていくんだ。これから我々は議論していかなければならない中で、こういう人材をいかに確保していくかということをきっちり考えてやっていかなければならないんじゃないですか。
 もちろん、やっていらっしゃることは分かります。もう一声しっかりと、検討会を開くなり、大臣として号令を掛けていくぞということもお示しいただけますか、お願いします。
#180
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘のように、兼任化あるいは高年齢化という状況の中でこの保健所長を取り巻く状況は大変厳しくなっておりますし、また今お話がありました、これから医師を目指す方々がどういう方向を志向されているのかということもあるのかもしません。
 いずれにしても、私どもとして、この保健所というのは、地域の皆さん方の健康をしっかり維持をしていくためにも、そして向上を図っていくためにも大変重要な機能でありますから、そこにおける保健所長をどうやって、今申し上げた様々な状況の中にある、あるいはこれから展望される、そういう中でどうやって確保していくのか。
 先ほどお話をさせていただきましたけれども、要するに医師でない保健所長さんって、たしか歯科医師の三名という状況もございます。そういったことも踏まえながら、より幅広く、そうした保健所長になっていただける層を開発すべく努力をさせていただきたいと思います。
#181
○薬師寺みちよ君 大臣、検討会開きませんか。これ、十四年間開かれていないんですよ。保健所というのはどういう機能を持たせなきゃならないのか、じゃ、そこには誰が必要なのか、どんどんどんどん新しくなっていっているんですけれども、全くそれが考え直されていないという現状がございますので、いかがですか、最後に一言お願いいたします。
#182
○国務大臣(加藤勝信君) 今すぐ検討会をとは申し上げませんけれども、検討会を開いてでも検討すべき課題であるというふうには認識をしております。
#183
○薬師寺みちよ君 信じてお任せしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#184
○委員長(島村大君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#185
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮崎勝君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君及び松川るい君が選任されました。
    ─────────────
#186
○委員長(島村大君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#187
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 まず、就労継続支援A型事業所についてお伺いしたいと思いますが、今回の障害福祉サービスの報酬改定におきまして、利用者の平均労働時間に応じて報酬を支払う仕組みに見直されましたが、単純に平均労働時間で線引きすることによりまして、短時間や、また週例えば三日程度から仕事を始めたいという方の受入れ拒否が起きるのではないかということが懸念をされております。
 厚生労働省として、こうした懸念をどう認識して、どう対応されていくお考えでしょうか。
#188
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 就労継続支援A型事業所につきましては、この四月からの障害福祉サービス等報酬改定におきまして、賃金や就労の質の向上を図るため、委員から今御紹介ありましたが、利用者の平均労働時間に応じて事業所への報酬を支払う仕組みに見直すこととしたところでございます。
 就労継続支援A型事業を始めといたしまして、一般的に、障害福祉サービスの利用に当たりましては、障害者本人の意向を確認するとともに、このサービスを利用することが本人にとって適切かどうかの客観的な判断を行った上で市町村が支給決定を行うものでございます。このようなプロセスを経て支給決定が行われている以上、あるサービスの支給決定を受けた障害者が事業所に対してそのサービスの利用を希望した場合には、その事業所は、当該事業所の定員を超えているために利用申込みに応じ切れない場合などを除き、原則としてサービスを提供しなければならない仕組みとなっているところでございます。
 また、この旨の更なる徹底を図るために、就労継続支援A型事業につきましては、本年の三月三十日に発出いたしました通知におきまして、事業所の平均労働時間を増やすために利用者を選別することは認められない旨を改めてお示ししたところでございます。
 これに加えまして、同通知におきましては、市町村が就労継続支援A型事業の支給決定を行う際には、障害者に対しまして事業所がサービスの提供を拒否できない仕組みであることを周知いたしますとともに、サービスの提供を拒否された場合の連絡先を伝えるなど、事業所による違反があったことを把握できるように取り組むことも依頼しております。
 また、サービスの利用開始時には予見できなかった事由によりまして短時間労働となった場合につきましては平均労働時間の算出から除外できるというような配慮もしているところでございます。
 こうした運用を徹底することで短時間の利用者が受入れ拒否をされる事態が生じないように努めてまいりたいと考えております。
#189
○山本香苗君 今回のその報酬改定によってそうした事態が起きないようにしたいということではあるんですが、通知出しただけでは担保ができませんので、しっかりその点もよく認識していただきたいと思いますし、また、今回の報酬改定によりましてA型からB型へと転換する、そういった動きが加速化していると伺っております。
 本来、先ほどのお話ありましたとおり、A型で働ける能力と意思がある方がA型じゃなくて受皿がないからB型に行かざるを得ないと、そういうことが起きてはならないわけでありまして、この点も含めて、先ほどの懸念も含めて、この報酬改定の後の状況を、ちょっと実態を把握していただきたいと、調査をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#190
○国務大臣(加藤勝信君) 就労A型事業所については、今事務局からお話を申し上げたように、平均労働時間に応じた基本報酬の設定をさせていただく、あるいは賃金控除のための指導員を設置し、利用者のキャリアアップの仕組みを設ける場合の加算の創設、あるいは一般企業へ移行者を出した場合の加算の拡充など、一連の対応を取らせていただいたところでございます。
 委員御指摘のように、利用者の受入れ拒否、あるいはA型からB型事業所に変更する場合、これは利用者のサービス利用意向の確認を確実に行うよう各地方自治体には依頼はしているわけでありますけれども、そういった対応はしっかり取っていくと同時に、この検証についての御指摘がありました。今後、実施予定、これは報酬改定をした後には検証調査をすることにしておりますので、そうしたことを通じて今回の報酬改定の影響をしっかりと把握していきたいと考えております。
#191
○山本香苗君 是非、検証をしっかりしていただいて、しわ寄せが行かないようにしていただきたいと思います。
 今日は、読み書きに困難を抱えている子供たちの学びにつきまして議論させていただきたいということで、丹羽文科副大臣にお越しをいただいておりますが、その前提として、教育の根幹に関わる問題について一点確認をさせていただきたいと思います。
 文部科学省が名古屋市教育委員会に送付した質問状を拝見しました。我が党の井上幹事長も繰り返し述べておりますけれども、私も大変強い違和感を感じました。といいますのも、従来、国は個別の教育内容だとか授業内容にまで口を出すようなことはめったになかった。あったとしても、極めて慎重かつ丁寧な対応をしていたはずなんです。録音テープを出せなんてあり得ない。やり過ぎです。
 教育の中立性の確保という原理原則につきましては、今までも国会で何度も議論してまいりましたし、丹羽副大臣もよく御存じだと思います。今回の事案によりまして、こうした原理原則が根底から覆されるのではないかと、また国と地方教育行政との関わり方が変わるんじゃないか、こういうことが懸念されております。
 まず冒頭に、是非、丹羽副大臣から、この今回の事案によって文部科学省と教育委員会とこの学校現場との関係における原理原則、これは一切変更しないとしっかりと明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 山本委員御指摘のとおり、教育に対する中立性の原理原則は、我々も矜持としてしっかりと持ちながら、この日本の国の教育を前へ進められるように頑張っていきたいと考えております。
#193
○山本香苗君 一切変更しないということを明言していただきたいんですが。
#194
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 これまでの文部科学省と教育委員会や学校現場との関係の原理原則につきましては、何ら変更はございません。
#195
○山本香苗君 しっかりその原理原則を堅持していただきたいと思います。
 その上で、読み書き困難、障害というのか、困難を抱えていらっしゃる方々のことについてお伺いしたいと思いますが、厚生労働省は、こうした読み書き困難、障害とも言えるような状況もありますけれども、実態をどの程度把握されておられますでしょうか。
#196
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今お尋ねのございました読み書き障害につきましては、努力しても文字の習得が困難な障害であり、行を飛ばして読んだり、似た文字を書き間違えたりするなどの特性がございますが、この障害は発達障害者支援法で定義されております発達障害の一つである学習障害に含まれ、早期に発見し、早期に支援をつなげることが重要というふうにされております。
 一方、この読み書きの障害は、他の障害に比べましてなかなか周囲が気付きにくいとか発見が遅れるとか顕在化しにくいというようなことも言われておりまして、国内にどのくらいあるのか、実態はどうなのかというお尋ねいただきましたが、具体的な数字は把握できていないという状況ではございますが、御参考までに一つの数字を申し上げますと、平成二十八年度には、都道府県、指定都市が設置しております発達障害者支援センターにおきまして、学習障害の特性のある方に対して約五百件の相談や支援を行っているという数字がございます。
#197
○山本香苗君 要するに、実態というのは全くと言っていいほど把握されていないわけなんです。
 ただ、文部科学省が二〇一二年に全国の小中学校に対して実施した調査では、学習面に著しい困難を示す子供が全体の四・五%と、読むとかまた書くに著しい困難を示すが二・四%程度在籍していることが推計されております。一生懸命やったとしてもみんなと同じように字が読めない、通常の教科書が読めない、でも授業はどんどんどんどん進んでいく、自分はみんなより劣っているということを感じて不登校につながるケースもあると伺っております。
 しかし、こうした子供たちも、紙の教科書は読めなくても、教科書をデジタル化することによって読めるようになる場合がございます。現在、例えばパソコンだとかタブレット端末等を使うデジタル教材の中で最も多く利用されているのがマルチメディアDAISY教科書でございますが、二〇〇八年当初はたった八十名しか利用していなかったんです。ですが、平成二十九年この一月末現在で六千名を超えました。
 大阪市では、平成二十八年度から全ての小中学校四百二十校でマルチメディアDAISY教科書を使用しております。ある小学校二年生のお子さんは、初めてこれで人の助けをなくして教科書が読めたと、物すごくうれしくなって校長室に、先生、聞いて聞いてというふうな形で駆け込んでいったと、それを聞いた教育委員会の先生たちがもう泣いたというような話も伺いました。
 要するに、読み書きが困難な子供たちにとって、このマルチメディアDAISY教科書は眼鏡みたいなもの、眼鏡と同じなんです。これがあれば人の助けがなくても読むことができるわけであります。しかし、現行制度においては紙の教科書しか認められておりません。無償供与の対象でもありません。学校によっては、教室に持ち込んで使いたいと言っても、先生がその存在自体を知らない、また、おたくのお子さんだけ特別扱いするわけにはいかないからということで断られているという話は多々あります。
 マルチメディアDAISY教科書というのは、日本障害者リハビリテーション協会がボランティア団体の方々等と協力して作成をして、必要とする子供たちに無料で提供してくださっているわけなんですが、ボランティアの皆さん方ももう寝る間を惜しんで一生懸命作ってくださっているんですけれども、小中学校の主要な教科書をカバーするのでもう精いっぱい、高校のところまでもう手が回らないんですね。でも、ニーズは物すごくあるわけなんです。
 ボランティアの方々も、これは親御さんたちが多いわけで、高齢化してきているんですね。かつ、後継者の確保ということも難しいと、今まで一生懸命頑張ってきたんだけどもう限界だと、そのような切実な声も全国のボランティア団体の方々から寄せられております。
 今国会、デジタル教科書を紙の教科書と同等とみなして使用可能とする学校教育法改正案、これが提出されておりますが、この法案によって読み書き障害を持つ子供たちの学びはどう変わるんでしょう。
#198
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 今御指摘のございました学校教育法等の一部を改正する法律案におきましては、障害のある児童生徒等につきまして、必要がある場合には教育課程の全部において紙の教科書に代えてデジタル教科書を使用できると、このように規定をしておるところでございます。
 これによりまして、読み書きに障害のある児童生徒等につきまして、個々の障害等の状況に応じて、デジタル教科書の例えば文字の大きさを変えたり、あるいは色を変更したり、また音声を読み上げたりすることができると、こういった機能を活用したりすることで学習上の困難が低減をさせることができると、このように期待されると考えているところでございます。
#199
○山本香苗君 この法律案で初めてデジタル教科書というものが定義付けられるんですね。どういうものを、じゃ、デジタル教科書というのかと、どういう機能でどういう規格のものになるのか、ここが物すごく重要なんです。見た目が教科書と同じというだけじゃ全く意味を成しません。読み書きに困難を抱えている子供たちに対応できるように、デジタル教科書の規格や機能を決めるに当たっては、そういうお子さんたちのニーズ、また、そういうニーズを把握すると同時に、そのDAISY教科書等を作っていらっしゃる団体の方々等から必ず声を聞いていただいて、そして十分支障なく使用できるようにしていただきたいと思いますが、丹羽副大臣、お約束いただけますでしょうか。
#200
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 先ほど白間審議官の方からもお話がございましたこのデジタル教科書につきまして、教科書用図書の内容を文部科学大臣の定めるところにより記録した電磁的記録である教材でございます。そういった規定の中でこのデジタル教科書をタブレット端末等で使用しますことで、文字の拡大や色の変更等により個々の障害等の状況に応じた見やすい紙面にすることや、音声読み上げの使用が可能となっております。
 文部科学省といたしまして、より良いデジタル教科書が作成されるように、教科書発行者と先ほど委員のお話がございましたDAISY教材等を作成するボランティア団体との意見交換の場を設けることにより、引き続き教科書の発行者に対して取組を促していきたいと考えております。
#201
○山本香苗君 要するに、ちゃんと聞いてくださるということでいいんですね。
 規格や機能というものが教科書会社ごとにばらばらだったら子供の学びに支障が生じます。是非とも標準化を目指してガイドライン策定していただきたいと思いますが、どうですか。
#202
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 この今御指摘のございますデジタル教科書を今後作成するに当たって、発行者にその発行、作成を促していくわけでございますけれども、それに当たりまして、今ございましたようなDAISY教科書を作成しているボランティア団体なども、よく御意見も聞きながら、一定のガイドラインというものを示させていただきたいと思っております。
#203
○山本香苗君 デジタル教科書の使用、先ほど、必要がある場合というような答弁がございました。「児童の学習上の困難の程度を低減させる必要があると認められるとき」と。しかし、読み書きに困難を抱えている子供は一見すると分かりません。また、そもそも判断する学校や先生方がその存在自体を、先ほども知らないと申し上げましたけれども、知らないがゆえに必要なしと判断しかねないというような懸念もあります。
 デジタル教科書の必要性については、医学的な診断だとか手帳の有無などで決めるのではなくて、子供が読み書きに困難抱えているかどうか実態を把握した上で判断するなど、判断の仕方を国がしっかり示して、あっちでできている、こっちできないみたいなことにはならないようにしていただきたいと思いますが、この点もどうでしょうか。
#204
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 この法律案に規定しております先生御引用の「児童の学習上の困難の程度を低減させる必要があると認められるとき」ということの判断でございますけれども、これは医師の診断書等を必要とするというものではございません。これは、学校や教育委員会において、個々の児童生徒の状況に応じて適切に判断をしていただくということを考えております。
 このためには、障害のある児童生徒等に対しまして、まずデジタル教科書の効果、これを教師がきちんと認識をするというのがまず大前提になります。また、そのデジタル教科書の使用によりまして、この学習上の困難の程度を低減させる必要がある児童生徒が、その目の前の児童生徒がそういう生徒なのかどうかということを教師がしっかり把握するということも必要になってくるわけでございます。
 今申しましたような点につきまして、デジタル教科書の効果的な活用の在り方あるいは導入に当たっての留意点などについて今後ガイドラインを策定していきたいと思いますので、そういった中でよくその趣旨を周知徹底してまいりたいと考えております。
#205
○山本香苗君 そうしたデジタル教科書を教室で使いたいといった場合に、各学校におけるICTの環境、パソコンだとかタブレット端末、ハード面での整備は不可欠であります。
 現在、特別支援学校の高校生にはタブレット端末の購入費補助というのがありますけど、小中学生ありません。経済的な家庭の事情で、デジタル教科書をせっかく使える環境になったのに使えないというんでは意味がありません。是非、ここ、その利用者負担のところ、軽減策についても御検討いただきたいと思いますが、丹羽副大臣、いかがでしょうか。
#206
○副大臣(丹羽秀樹君) 公立学校におけるタブレット端末等の整備につきましては、教科書のICT化に向けた環境整備五か年計画に基づきまして、三クラスに一クラス分程度の学習用コンピューターの整備等に必要な経費として単年度一千八百五億円の地方財政措置を講じることとされております。
 そのような中で、読み書きに障害のある児童生徒等につきましては、合理的配慮の一つといたしまして、学校の判断によりまして学校所有のタブレット端末等を優先的に使用できるということも考えられます。
 文部科学省といたしましても、読み書きに障害のある児童生徒等が必要に応じてこのデジタル教科書を使用できるように、その効果的な活用の在り方や導入に当たっての留意点等に関するガイドラインの策定に当たりまして、このような工夫も含めて周知するとともに、委員のおっしゃったとおり、実際の使用状況も踏まえてどのような対応ができるか、引き続き検討していきたいと考えております。
#207
○山本香苗君 引き続きって、今検討していないんですよ。ですから、検討していただきたいということなんです。
 この法案が成立したとしても、教科書会社がこのデジタル教科書の導入、製作に取り組まなかったら現状は全く変わらないんですね。教科書会社がデジタル教科書導入にしっかり取り組むように、文部科学省として、もう積極的に働きかけをしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#208
○副大臣(丹羽秀樹君) 障害のある児童生徒の学習上の困難の低減に資することがこのデジタル教科書の前提だというふうに考えております。学校教育法等の一部を改正する法律案の趣旨でもございますが、これにつきましては、教科書の発行者にも、対してしっかりと説明を行ってまいります。
 また、文部科学省といたしまして、このデジタル教科書が円滑に作成、供給されるように、本法案につきまして、著作権法の一部を改正し著作権者の権利を制限する規定等を設けるとともに、教科書発行会社とこのDAISY教材等を作成するボランティア団体との意見交換の場を設けるなど、障害のある児童生徒の学習上の困難の低減に資するようなデジタル教科書を教科書発行会社が、発行者が作成するように促していきたいと考えておりますし、今後、デジタル教科書の実際の作成状況も見ながら、どのような対応ができるか検討していきたいと考えております。
#209
○山本香苗君 教科書会社の私、責務ってあると思うんですよ。障害者差別解消法に基づいて、事業者である教科書会社に対して、紙の教科書読めないからアクセシブルなものが欲しいんですという形で社会的障壁の除去の表明がなされた場合に、努力義務ではありますけども、教科書会社も対応を求められるわけです。ですよね。でも、教科書というのは子供の学びの基盤じゃないですか。普通のいわゆる一般事業者と同じように、努力義務だから、難しいからできないよみたいな話を軽々に私、許しちゃいけないと思うんです。
 教科書会社の責務についてもしっかりと周知をしていただいて、促すじゃ弱いんです、しっかり働きかけをしていただきたいと思いますが、もう一回お願いします。
#210
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の教科書の発行につきまして、先ほど権利制限の規定あるいは意見交換の場というふうなことを申し上げましたが、そういった場を通じまして、しっかりとデジタル教科書が安定的、継続的に使用されるよう、またそのために発行されるように、その対応については前向きに検討して対応してまいりたいと考えております。
#211
○山本香苗君 何で副大臣よりも審議官の方が前向きな答弁されるんですか。しっかりよろしくお願いしたいと思いますが。
 今回の法案で定義されるデジタル教科書というのは、今後定められる、先ほど御答弁いただいたように、機能や規格によって必ずしも全ての障害のあるお子さんに対応できるものにはならないことが想定されます。要するに、一部のデジタル教材というのは、デジタル教科書にならずにそのまま残るわけなんです。
 しかし、先ほども申し上げたとおり、教科書というのは全ての子供の学びの基盤であります。デジタル教科書にならないデジタル教材についても、国が責任を持って安定的かつ継続的に提供する体制を私は速やかに整えるべきだと思うんです。いつまでもボランティア頼みというのはやっぱりおかしいと。
 現在は、製作費に対する補助がこれ調査研究の中で出されているわけなんです。本来は、拡大教科書のように国の責任で委託をしていただいて、ボランティア団体の方々に作っていただくとしてもちゃんと対価払うと、こういう仕組みにすべきだと思うんですが、丹羽副大臣、どうでしょうか。前向きな御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
#212
○副大臣(丹羽秀樹君) 委員の御指摘のDAISY教材というのはいろいろと種類があると私も認識いたしております。例えば、白い紙に普通の教科書は黒い字で文字が書いてあるんですが、青い画面に白抜きの字で書いてある。それによって障害の子供たちが教科書を、文字を読めたりすることができたり、様々な障害がある子供たちに対して個別に全て行き渡るような教材があるというのは、これはベストなことだと考えておりますが、現在、このボランティア団体等の御協力もいただきながら、調査研究の成果としてこのDAISY教材等の無償提供を、文部科学省といたしましても、読み書きに障害のある児童に対して行っているところでございますが、今回の、先ほども言いました、学教法等の一部を改正する法律案によってより制度化されることによって、このデジタル教科書の使用によって障害のある児童生徒等の学習上の困難の低減に資することが期待されるものと、少なくとも現時点ではデジタル教科書のみによって様々な障害のある児童生徒の全ての需要を満たすことは難しく、というふうに認識いたしております。
 引き続き、DAISY教材が果たす役割というのはまさに全ての子供たちに対して学びの基盤というふうに我々も意識を持ちながら、前向きに今後ともこのデジタル教材やDAISY教材等を安定的、継続的に供給できるように検討していきたいと考えております。前向きに検討していきたいと思います。
#213
○山本香苗君 お約束いただいたということで、また詰めますから、よろしくお願いしたいと思います。
 でも、今一点だけちょっと気を付けていただきたいなと思ったんです。国が、文科省が無償提供していますということをおっしゃいましたけど、違いますから。ボランティアの方々の犠牲の上に無償提供していただいているわけであって、国が全部出しているわけじゃありません。ここはしっかりと、御協力があって無償提供ができているわけでありますので、その点はよく御認識をいただきたいと思います。
 読み書き困難に力点を置いて伺ってまいりましたけれども、誰もが学びやすい環境を広げる可能性があるこのデジタル教科書というものに皆さん大きく期待をされておりますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、また、文部科学省においては、今、ソサエティー五・〇社会の実現という中で教育の在り方を検討されていらっしゃると思いますが、私、プログラミング教育とかそれを否定するわけではありませんけど、こういう中であるからこそ、読み書きに困難を抱えている子供たち始め障害のある子供たちの学びの環境、そこの充実に是非この新しい技術を使って、力を注いでいただきたいと思うわけなんです。そうしなければ、どんどんどんどんまたできる子できない子の格差が広がるだけです。しっかりとそうした新しい様々な技術を使って、今までできなかったことが一つでも多くできるような環境整備に、文部科学省として、丹羽副大臣、よろしくお願いしたいと思います。
 学校の対応について伺ってきたんですが、実は学校より、学校よりもというか、社会に出てからの方がもっと大変なんです。文字が読めない、書けないイコール仕事ができないと。ちょっと普通じゃないんじゃないかというふうに見られてしまうと。そのためにいろんな場面で読み書きに困難抱えている方々というのがおられます。
 例えば、様々な手続の際に書類を書いてくださいという形がよくあると思いますが、窓口のところでここの枠の中に名前書いてくださいというふうに言われて、でも、そういう方々はどこに枠があるかが分からないと。そこに例えば書こうと思って書いている間に誤字になって、何度も何度も書き直すと。
 子供だったらまだ何かと思うんですけど、大人でそういう状況の中で、なかなか周りの方々の理解が得られなくて苦労しておられる、窓口に行くことすらそういうことが怖くて行けなくなるというような話も伺いました。ちょっとした、記入欄のところにポストイット付けてもらうとか丸付けてもらうとか、ちょっとここですよって指し示していただくだけでそこの障壁は越えられるはずなんですけど、こうした実態というのが見えていません。全国的にも網羅的な調査もありません。
 是非、加藤大臣、なかなか、部長に言ったら、難しいんですと言われたんですけれども、実態を見える化していただきたいなとお願いしたいんですが、最後によろしくお願いいたします。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) 今、実態の見える化というのがありましたけど、正直言って、先ほど事務方からも答弁させていただいておりますけれども、読み書き障害を持っている方がどれだけいるかということも正直言ってまだ把握できていないと、こういう状況でありますし、やはり実態が把握され、どういう障害があり、どういうお困り点があるか、これがあって初めて様々な支援にもつながっていくというふうに考えております。
 厚労省の研究班では、これまで幼児や高校生に対象として読み書き障害のある人の発見に関する研究をし、そして、今、保育士や教員が現場で活用できるチェックシート、手引を作成いたしました。平成三十年度の研究では、こうしたチェックシートの有効性をまず保育所や幼稚園など小さい子供さんにおいて現場で検証し、それがどれだけ早期発見につながっていけるか、早期支援につながっていくのか、また、そのためにどういうマニュアルを作ればいいのかと、こういったことの取組を進めることにしております。
 今後、今回作りましたチェックシートをそういう形で検証しながら、更に全体の、大人も含めた読み書き障害の実態の把握をしていきたい。そして、その中において、どれだけいるかという、そうしたことに加えて、どういう困難を持っているのか、またどんな支援が必要なのか、そういったこともしっかりと把握をし、必要な支援につなげていきたいと考えております。
#215
○山本香苗君 ありがとうございました。終わります。
#216
○委員長(島村大君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#217
○委員長(島村大君) 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。
#218
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法については本年五月十六日限りで、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法については本年六月三十日限りで失効することとなっております。
 しかしながら、駐留軍関係離職者及び漁業離職者につきましては、今後も、国際情勢の変化等に伴い、なおその発生が予想されることから、これらの法の有効期限を延長することとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、駐留軍関係離職者等臨時措置法について、法の有効期限を五年間延長し、平成三十五年五月十六日までとすることとしております。
 第二に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法について、法の有効期限を五年間延長し、平成三十五年六月三十日までとすることとしております。
 最後に、この法律案の施行期日については、公布の日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願い申し上げます。
#219
○委員長(島村大君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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