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2018/04/19 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第11号
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2018/04/19 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第11号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第11号
平成三十年四月十九日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     森 まさこ君
     伊藤 孝恵君     櫻井  充君
     浜野 喜史君     小林 正夫君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                森 まさこ君
                足立 信也君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                浜口  誠君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  高木美智代君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       新妻 秀規君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       文部科学大臣官
       房審議官     千原 由幸君
       厚生労働省医政
       局長       武田 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省老健
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇医療法及び医師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜野喜史君及び伊藤孝恵君が委員を辞任され、その補欠として小林正夫君及び櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法及び医師法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長武田俊彦君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 医療法及び医師法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○櫻井充君 おはようございます。民進党・新緑風会の櫻井でございます。
 でき得れば委員長や理事の皆さんにお願いしたいのは、十時から委員会は開会されるということになっていますので、度々遅れております、でき得れば十時から開会できるように努力をしていただきたいと。駄目なら九時五十分じゃなくて四十五分とか、これは我々だけではなくて大臣の拘束時間にもなりますので、その点については御配慮いただきたいと、そう思います。
 それでは、本題に入りたいと思いますが、まず、医師の充足状況について、厚生労働省として一体どのようにお考えでしょうか。
#7
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医療法におきましては、病院等がその使命に沿って十分科学的かつ適正な医療を行い得るために有すべき人員の一つとして、医師の人員標準を定めているところでございます。
 医師の人員標準を充足している病院につきましては、平成二十五年度における医療法二十五条第一項に基づく立入検査結果の集計によりますと、立入検査を実施した全国の病院のうち九四・五%が充足病院ということになっているわけでございます。この医師の充足率は年々改善されてきておりまして、平成十六年度との比較では一一%の改善が図られていると、このように承知をしております。
#8
○櫻井充君 表向きの数字はそういうふうになっているんですよ。
 これ、資料を今日はお配りさせていただいています。今、十六年度というお話がありましたが、これ、十六年度をうちと厚生労働省とでいろいろ議論させていただいて作った資料です。この資料を見ていただきたいんですが、適合率そのものが、こちらは八三・五%で、確かに九四・五%になりましたから、改善しているかのように思われますが、でも、実はこれ、非常勤医を全部常勤換算にしているんです。例えば、一週間ずつ働く医者が一人ずついて、この人たちが四人いたら常勤医一人だという換算をしているものはこうやって九十何%まで改善しています。
 一方で、常勤医だけで満たしている病院の割合を調べてみると一体どうなっているでしょうか。
#9
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 常勤医のみで人員標準を充足している病院ということでございますので、こういうことで立入検査の実施状況から私ども把握している数字といたしましては、充足している病院は四六・四%となっております。
 なお、この常勤医のみの充足率も年々改善されてきておりまして、平成十六年度との比較では一〇・九%の改善が図られていると、このように承知をしております。
#10
○櫻井充君 十年間で一〇%改善したということについては評価したいと思いますが、是非、医者が足りているか足りていないかということについて、この非常勤医の常勤換算で出すことではなくて、常勤医によってどのぐらい満たされているのかということを出すべきなんだと思うんですよ。
 それはなぜかというと、私も非常勤で働いたこともありますし、それから常勤で働いたこともあります。非常勤医で一週間の地方にトランクに出かけていきます。だけど、ほとんど病棟を見ることはありません。なぜならば、一週間交代でずっと継続している患者さんの診療に当たるなんてことは基本的にできないからです。そうすると、こういう業務はほとんど全てが常勤医が担うことになるので、非常勤医が幾らいたって、常勤換算で満たしているといっても、十分でないことは明らかなんですよ。
 そういう意味では、なぜこうやって常勤医が不足しているのか、常勤の数がなかなか増えていかないのか、この点については厚生労働省としてどうお考えでしょうか。
#11
○政府参考人(武田俊彦君) 医師の勤務形態につきましては、常勤と非常勤があるということは委員御指摘のとおりでございます。
 医師が非常勤として勤務する理由というのは一概に申し上げるのは難しいと考えておりますけれども、例えば、その当該医師が主として勤務する医療機関というのがある場合でございますと、主として勤務している医療機関だけではその処遇が低いために、ほかの医療機関において非常勤として勤務して収入を得る場合、又は仕事と家庭を両立する観点から比較的柔軟な働き方が可能な非常勤を選択する場合などの様々な事情があるものというふうに承知をしております。
#12
○櫻井充君 確かに後者の方は、これは個人の考え方に基づいてそうやっているんだと思います。例えば、うちの家内も医者ですが、彼女は妊娠、出産中は週に何回かのパートで働き続けたと、それで、子育てが終わった段階でもう一回常勤に戻るということになりました。ですから、働き方改革で、まさしくそういうことで常勤を外れざるを得ないということについては、これは仕方がないことだと思っているんですよ。
 一方で、問題は何かというと、大学病院で働いている医者の処遇が余りに悪過ぎるんです。
 私は五年半無給でした。結局、今はこういう無給制度というのは良くないといって大学院の制度になっていますが、もっとひどくなりました。なぜならば、年間の授業料を五十万程度払って置いてもらうということになるんですが、恐らく、臨床研修制度が終わってからになると、二十六歳から四年間無給なんですよ。無給じゃないんです、五十万払わなきゃいけないんです。五十万払って、じゃ、これで結婚できますかといったら、結婚なんかとてもできないので、大学側から例えば一週間なら一週間バイトに行ってきてくれと。そういうことで生計を立てることになるから、だから問題なんですよ。
 例えば、今はうちの医局は変わったかもしれませんが、昔はどうだったかというと、四人の医師が一週間交代でバイトに行くんですよ、一週間交代で。それで常勤医一人になっているんです。これはなぜかというと、まあ医員の人だと十五万ぐらいで、僕のような大学院生や大学院研究生という制度のときには一円も大学からもらっていませんでした。大学院研究生、大学院の場合には月二万だったかな、何か払って置いてもらっていた記憶がありますが、そうすると、大学から収入が一円もないものですから、勢いどこかでバイトをしなきゃいけない。地方の病院に行くと大体月三十万から五十万ぐらいの幅で、一週間働くとそれだけだからいいでしょうと思われるかもしれないけど、三週間はただ働きなわけですよ。
 こういうシステムよりも、ここをやると、地方の病院には医者が一応基本的には一人行っていることになる。大学には三人残ることになるんですが、例えば半年トランクにしてもらうと全然違うんですよ。半年間そこの病院に行きます、三人は大学に残って研究するということにしてもらえば構わないんだけど、三人の医者は半年間ずうっとただ働きなんです。ですから、生活を立てていくためにはそういうことになっているので、これは大学病院で働いている医者の処遇を変えてもらわない限り、ここの問題は全く改善しないんですよ。
 そこで、今日は文部科学省に来ていただいていますが、大学病院で勤務している医者の実態を踏まえた上で、どのように処遇改善していかなきゃいけないとお考えでしょうか。
#13
○大臣政務官(新妻秀規君) 答弁申し上げます。
 国立大学の職員の給与の基準については、各国立大学法人が自主性又は自律性に基づき自ら決定をしておりまして、俸給月額については、教員に適用される教員職の俸給表を各大学で定めて、病院で臨床行為を行う医学部の教員についても、他の教員と同じようにこれらが適用されているものと承知をしております。
 しかしながら、医学部の教員については、医師の人材確保が困難であることに着目して初任給調整手当が支給されているほか、その勤務実態に応じ各大学が独自の手当を支給することなどにより処遇改善に努めていると承知をしております。
 文部科学省といたしましては、各大学において臨床行為を行う教員の処遇について、病院での勤務実態も考慮した工夫がなされることが望ましいと考えております。
 さらに、大学院生が研究を行う上で病院診療医等の身分が必要となる場合は、大学は、雇用契約を締結した上で診療に従事させ、診療による対価を給与として支給していると承知をしております。
 大学院生も含め、大学職員の給与等の処遇は各法人が決定しているものであり、自主的な給与体系を設定することが可能であることから、病院に勤務する若手医師等の処遇改善のため、勤務実態に応じ独自の手当を支給している例もあると認識をしております。
 文部科学省としても、各大学において、これら若手医師等の処遇について、病院での勤務実態に合わせ、創意工夫によって大学病院の常勤者が不足にならないよう配慮することが望ましいと考えております。
#14
○櫻井充君 まあ、いろいろありがとうございます。
 文部科学省がそういう姿勢だから困るんですよ。病院、医学部や歯学部があるところは、最初、学校法人になったときに、この学部を抱えているところだけ一兆円の借金を背負ってスタートしているんですよね。それでよろしいですね。
#15
○大臣政務官(新妻秀規君) はい、そのとおりでございます。
#16
○櫻井充君 なぜ一兆円の借金を背負わされたのかというと、病院で稼げということです。病院で稼がなきゃいけないから、だから今どうなっているかというと、ベッドの稼働率から何から問われることになっていますが、政務官、大学病院というのは特定機能病院ですよね。特定機能病院としての役割果たしているんでしょうか。
 数年前の話になりますが、東大が、一日外来千四百人診ているんです、地域医療に貢献していますと言っていますが、東大の本来の仕事ではありません。東北大学は、ショートステイサージャリーといって、盲腸とか胆石とかの手術を始めました。それでベッドの稼働率を上げているんですよ。こんなことを大学にやらせるべきですか。資源の無駄遣いですよ。そして、しかも運営交付金が年々年々ずうっと減額されてきて、ここしばらくはやっと止まりましたよ。借金を抱えていて、運営交付金まで減額させられていて、どうやって大学が自らやれというんですか。この姿勢そのものが問題じゃないですか。
 今日は財務省に来てくれと言ったんですが、残念ながら財務省は来てくれませんでした。諸悪の根源は財務省ですよ。財務省に戦って負けている文部科学省がもっと情けないんですよ。その点で言えば、文部科学省が今みたいな答弁されたら困るんですね。財務省が問題だと、私はそう思っていますが、いかがですか。
#17
○大臣政務官(新妻秀規君) 今おっしゃったように、文部科学省といたしましては、意欲と能力のある研究者がしっかりと研究に打ち込める環境を整備することが必要と考えております。
 そのため、大きく四点。まず一つ目に、民間資金を含めた収入の多様化などを通じた研究補助者の確保、また二つ目、大学改革を通じた若手研究者のポストの確保、三点目、運営費交付金等の基盤的経費の確保、四点目、科研費、科学研究費助成事業による若手支援の充実、このような取組を通じまして、研究人材が活躍できるよう、大学の研究力の向上を図っていきたいと思っております。
#18
○櫻井充君 私はそんなこと聞いていませんから、申し訳ないけど。
 財務省と折衝して負け続けているんでしょう。財務省が社会を理解していないからこういうことになると私は思っているんだけど、そう思いませんか。
#19
○大臣政務官(新妻秀規君) 委員の御指摘を重たく受け止めて、必要な予算確保に尽力をしていきたいと思っております。
#20
○櫻井充君 いや、済みません、僕ら応援隊なんですから。応援隊なんだから。味方ですから、別に。こうやって厳しく言って敵のように思われるかもしれないけど、そうではなくて、やはりここを増やしてもらわないと何ともならないんですよ。
 だって、今政務官、研究の話されましたが、この十年間で、ネーチャーの掲載論文数、どのぐらい減少しているか御存じですか。
#21
○政府参考人(千原由幸君) 恐れ入ります。
 お答え申し上げます。
 今、ネーチャーという御指摘がございましたが、いわゆるトップ論文数、例えばトップ一〇%補正論文数でございますけれども、日本、世界と比較いたしまして、二〇〇三年から二〇〇五年の平均と二〇一三年から二〇一五年の平均、この十年間で比較いたしますと、トップ一〇%論文数が四位から九位に減少していると承知しております。
#22
○櫻井充君 ネーチャーはたしか八%ぐらい落ちているはずなんですよ。それはなぜかというと、大学で、大学だけではありません、理化学研究所も含めて研究費が減額されていること、それから研究者が減ってきていることと、それからもう一つ大きなことは、研究補助員が非正規雇用になっちゃったんですよ。これはなぜそうなったのかというと、運営交付金が減額されて弱い人たちのところにしわ寄せが行くわけです。
 日本は、研究者の数はある程度増えてはいるんですが、研究補助員の数はむしろ減ってきているんです。今回は、大学法人になって五年間の雇い止めの期間が研究補助員だけは十年になっているので五年先送りに、これ問題はまた来ることになっているんですけどね、この非効率性を改善しない限りは何ともならないんですよ。本来、医者じゃなくてもできる仕事を医者が全部やらされていると。その結果、研究も十分にできない、教育機関としてもきちんとやれない、給料は安いから今度はバイトに行かざるを得ない。研究なんかとてもできるような環境にないんです。
 そこで、改めてですが、これは大臣、この問題は、医師不足、医師の偏在とかも含めて、実は厚生労働省だけで解決できる問題じゃないんですよ。ここの構造的なことを全部変えていかない限り、医師不足は私は解消しないんだと、そう思っていますが、大臣の御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
#23
○国務大臣(加藤勝信君) 医師不足、我々も需給見込み等まだ最終的なものではありませんけど出させていただいておりますけれども、これ議論するときには、今委員からありましたように、現状を単に機械的に延ばすということだけではなくて、これから先どういうことになっていくのか、例えば働き方はどうなっていくのか、あるいは今言ったいろんなワークシフトみたいな話がどうなっていくのか、そういった様々な観点を含めて当然見ていかなきゃならないんだろうというふうに思いますので、そういった意味で、今委員いろいろ御指摘をいただいた中には、私も地元で、余り固有名詞は言わない方がいいと思いますが、大学の先生方から、かなり上の先生方ですら、実はそういった事情で地方で診療所に行かれていると。地方から見れば、大変有り難いことなんですね、そういった先生が来てくれるということは有り難いことではありますけれども、それが今言った給与を確保するとかそういった観点でなされているということではなくて、一つのローテーションとしてそうやって行くのなら、それは一つの在り方なんだろうと思いますので、その辺を含めて当然議論をしていかなきゃならない、それも含めて議論していかなきゃならない、そういうふうに認識をしております。
#24
○櫻井充君 大臣、教授でも地域の病院に行ってバイトしないと生活ができない程度の給料だということを御存じですか。
#25
○国務大臣(加藤勝信君) 個々幾らだということは余り聞いたことはありませんが、そういう実情にあるという話を聞かせていただいていることはよくあります。
#26
○櫻井充君 ですから、文部科学省、大学の教授ですらバイトをせざるを得ないような環境が本当に適切だと思いますか。
#27
○政府参考人(信濃正範君) 今先生から御指摘がありました、研究者の方がしっかり研究できるようにする環境を整えるという中には、研究環境もあればそういう俸給の問題もあると思いますので、これは今後もしっかり取り組んでいきたいと考えております。
#28
○櫻井充君 私はそんなこと聞いていませんよ。教授ですらバイトをせざるを得ないような環境が適切なのかということをお伺いしているんです。
#29
○政府参考人(信濃正範君) 個々の事例については申し訳ありませんが承知しておりませんけれども、そういう方がいらっしゃるという話は聞いたことはございます。
 ただ、それはそれぞれの先生方のやり方なのではないかと、こう思っております。
#30
○櫻井充君 そういう答弁が来ましたから、それでは実態を調査していただきたいと思います。つまり、大学病院の教授がどのぐらいの人がバイトに行っているのか、それについて調査してこの委員会で報告していただきたいと思います。
#31
○政府参考人(信濃正範君) 検討させていただきます。
#32
○櫻井充君 これは委員長にお願いしていることです。ここで、この当委員会にその資料を提出していただきたいと思います。
#33
○委員長(島村大君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#34
○櫻井充君 文部科学省がその程度の認識なんだろうなと今日は驚きました、はっきり申し上げて。今のようなところにずっと目をつぶって、現場にずっとやらせ続けてきていると。
 私は、まず、元々一兆円の借金を抱えさせたところに問題があると思っているんですよ。この点についていかがですか。
#35
○大臣政務官(新妻秀規君) 今の御指摘は、先ほど委員から御指摘がありました国立大学病院に特定機能病院としての役割を果たさせるべきという、その論点だと思います。
 国立大学病院、委員御指摘のとおり、法人化の平成十六年度の際に借入金約一兆円を承継をしております。法人化後の借金を含めた債務の償還については各附属病院の病院収入を充てておりまして、平成二十八年度末において約七千六百億円の債務を有しております。
 こうした状況の下で、施設整備等の投資を行うことは、国立大学附属病院が特定機能病院として機能を果たす上でも必要なものと考えております。そのため、文科省としても、債務償還経費が病院収入の一〇%を超える法人に対しては、これを一〇%まで低減させるための運営費交付金において支援を行っているところであります。
 一方、この支援の額と支援が必要な大学の数は一貫して減り続けておりまして、財務状況の改善も見られております。
 今後とも、国立大学附属病院が、地域の医療機関との連携強化や役割分担を図りながら、本来の医療人材の養成、また研究、高度医療、地域医療の拠点としての役割を十分に果たせるような支援を行っていきたいと考えております。
#36
○櫻井充君 いろいろ御説明いただきましたが、私はそんなこと聞いていませんから。
 私は、元々、医学部や歯学部を抱えているところだけ一兆円の借金を背負わされていると。これ、医学部とか歯学部のないところは借金背負っていないでしょう。だから、そこが問題だと言っているんですよ。その点についてどう考えるかです。一兆円のその払い方なんかどうでもいいんですよ。それよりも、何で一兆円の借金背負わされているんですか。ここに問題があるとは思いませんか。
#37
○政府参考人(信濃正範君) 病院は、病院の診療収入ですとか先進医療等の収入がございますので、その分で一兆円の借金を返していくということで、それが経営にきちんと影響を与えないということは、中期目標、中期計画で確認をして進めているところでございます。
#38
○櫻井充君 そうすると、文部科学省としては、当初一兆円の借金を背負わされたと、これは当然のことだと思っているという認識でよろしいんですね。
#39
○政府参考人(信濃正範君) 結果として今一兆円の借金がありますので、これをしっかり返済していくことは必要だと考えております。
#40
○櫻井充君 済みませんが、質問の趣旨理解していますか。私が言っているのはそういうことじゃないんですよ。医学部や歯学部を抱えている大学だけ借金を背負うのはおかしくないですかと。おかしいかおかしくないか答えてくださいよ。
#41
○政府参考人(信濃正範君) 先ほど御説明しましたとおりに、医学部の附属病院は、診療報酬その他の収入、自己収入を得る手段がございますので、それも考慮してこのような形になっていると承知しております。(発言する者あり)
#42
○委員長(島村大君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(島村大君) 速記を起こしてください。
#44
○政府参考人(信濃正範君) 法人化当時、確かに約一兆円の借金を承継しておりますが、併せていろいろな建物ですとかそういう資源も承継をしておりまして、そういう全体のバランスで今の形になっていると承知しております。
#45
○櫻井充君 だから、答弁になっていないと言っているんですよ。私はおかしいと思っているんです。そういうことをやっているから、特定機能病院としての役割以上のことをやらされていて、だから苦しんでいるんですよ。
 現場の国立大学の先生方と話をしたときに何と言われたかというと、診療報酬引き上げてくれと言われました。診療報酬引き上げないと、この借金を返すことができないからだと。だから、私の方から申し上げたのは、先生方、この借金まず全部ゼロにして、本来の特定機能病院として機能できるようなそういうシステムをつくった方がよくないですかと申し上げたら、ちゃんと聞いておいてください、そういうふうに言ったら、それは理想ですと、それは理想だけど、現実的にそんなことができるんですかと、そう言われました。
 大学の先生方は、皆そうやって特定機能病院としてやっていきたい、これは臨床の分についてはですよ。そして、本来は研究と教育の機関なんですよ。研究と教育の機関でありながら、借金の返済のためにきゅうきゅうとしていると。病院の会議なんてほとんどそんなものだけですよ。
 そういう現状を文部科学省としてどう見ているかということですよ。せめて、いや、本当に大変で、こういうことにしたくなかったんだけど、してしまったと、いろんなことがあったかもしれないからと。それから、現場でどれだけ苦労しているのかはよく分かっていますとか、せめてそのぐらいの答弁ってできないものですか。
 今の言い方は、借金背負っているのは当たり前で、我々はちゃんと手当てしているからそれで当然でしょうみたいな言い方ですよ。こんなの、国立大学の先生方聞いたら相当怒ると思いますよ、文部科学省。我々は、今のがおかしいんじゃないですかと文部科学省を応援しているんですよ、何回も申し上げるけど。敵は財務省なんだから。財務省が一番の問題なんですよ、現状を知らない、諸悪の根源は。たった一兆円ですよ、たった一兆円。こんなの最初からチャラにしてもらったら、もう何の問題もないじゃないですか。どう思いますか、本当に。
#46
○大臣政務官(新妻秀規君) 委員の御指摘は大変に重たく受け止めさせていただこうと思っております。
 その上で、今御指摘がありました、大学が持っている借金をゼロにしようか、ゼロにできないかという御提言につきましては、国がどう負担をするのか様々な議論があるところでありまして、今後課題として認識を重たく受け止めさせていただいております。
#47
○櫻井充君 ありがとうございます。
 最初からそう言ってもらえば済んだ話なんだよ、本当に。これは一回、問題提起してもらいたいんです。
 これは、加藤大臣、さっきも申し上げたとおり、まずここを解決していかないと、大学の医者の給与をちゃんと確保してもらわないと、大学で抱えている医者を長期間その地方の病院に派遣するということはできないんですよ。ですから、今のような勤務体系を変えていかなきゃいけないし、もう一つは、僕らのときには医員待ちという制度があって、大学院研究生というはっきりしない身分が問題なんだと言われました。それで結局大学院生になりましたよ。だけど、大学院生になったら、より負担を強いられるようになってきたら、とてもじゃないけれど、結局のところは自分たちの生活費を稼ぐだけにきゅうきゅうとしていって、その医局からこうしてくれと言われたってできない現状なんですよ。
 大臣、改めてお願いです。ここのことについては厚生労働省の領域を超えていますが、内閣全体の問題として一度議論していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(加藤勝信君) これまでのいろんな議論の中で今の形になっているんだろうというふうに思いますけれども、今、私ども、地域医療構想を進めていくわけであります。その中で、特に大学病院等特定機能病院の位置付け、役割というものも今議論をさせていただいておるわけでありますから、そうすると、特定機能病院としての役割を果たしていくという中において、そういった問題も含めてどうなっていくのか、そういった視点も含めて、これは基本は、ベースは文科省でおやりになることでありますが、ただ、我々として、今申し上げた視点等々関係する部分もありますので、そこはよく連携させていただきたいと思います。
#49
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今回の、でもこれ医師不足対策としてやっているわけですよ。医師不足対策としての本来の、要するに、表面上のと言ったら怒られるかもしれませんが、厚生労働省だけでやろうとしてもできない問題なんですよ。この全体の構造を変えない限り何ともならないので検討していただきたいということを申し上げているんです。
 その上で、じゃ、常勤医が仮に一〇〇%という、常勤医だけで一〇〇%の病院になったとして、本当にこれで大丈夫なのかというと、僕はそれはそうと思っていないんですよ。なぜならば、医師定数の定め方がおかしいんですよ。今の医師定数の定め方は、ベッド何床に対して医者一人、外来の患者何人に医者一人ということで割り当てられています。
 じゃ、大臣、当直する医者はカウントされていますか、そして、手術する医者はカウントされていますか、検査する医者はカウントされていますか。実は、こういう医者はカウントされておりません。ですから、ベッド何床について医者一人、それから、外来の人数、患者さんの数に応じての医師定数の定め方だけでは実は十分ではないと思っているんです。この現状についてどう思われますか。
#50
○国務大臣(加藤勝信君) 今の定数の定め、ちょっと私も正直言ってその詳細について承知をしているわけではありませんが、いろんなことを勘案しながらそういった数字はつくられているんだろうと思いますけれども、ただ、今言った、医療技術、いろいろ変わってきているわけであります。そういったことはどこまで反映されているのかというところを含めて、それから、先ほど申し上げておりますように、もう機能ごとにそれぞれいろんな形態も出てくるわけでありますから、そうしたことも含めて考えていくべき視点もあるのかなというふうに思っておりますので、ちょっと済みません、今の段階で明確なことは申し上げられませんが、少し勉強はさせていただきたいと思います。
#51
○櫻井充君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃった、本当にそのとおりなんです。医療の技術の進歩によって、検査する内容、それから量が全然違ってきています。例えば、循環器の領域でいえば、心臓のカテーテル検査を行うというのがもう当たり前になりました。胸が苦しい、心電図に若干異常があったときに検査するのは当たり前になりました。これ、相当大変な検査でした。それがごく当たり前になってきています。今ここにいらっしゃる方々で胃カメラの検査を受けたことのない人は何人いらっしゃるでしょうか。恐らく大概の方々は胃カメラの検査を受けているかと思いますが、昔だってこういう検査、そんなにあったわけではありません。これは全て機械がやるのではなくて、医師の手でやらなければいけないということです。
 ですから、そういう意味合いでいうと、こういうことをやる人たちが物すごく増えてきていて、これがまた医者の業務そのもの自体を膨らませているということを是非理解していただきたいと思うんです。
 これは次回議論させていただきたいと思いますが、もう一つは当直の問題です。この当直の問題について次回きちんと議論させていただきたいと思いますが、昔のように夜八時に見回りをしておしまいだと、後はそこでほとんど寝れて、あとは次の日また勤務してくださいという当直とは今はもう根本的に変わってきています。ほとんどの病院、大きな病院の当直医は寝れないわけです。それで、今度はまた次の日ずうっと勤務してきている。もう働き方改革からいったら絶対的におかしなわけですよ。だけど、いまだにそこは全部スルーされてきています。これ、だけど、これを厳格に守れと言ったら、恐らく地域の病院は全部破綻すると思います。そのぐらい医者の過重労働によって何とかもっているんだということをまず認識していただきたい。
 その上で、ですから、私が申し上げているのは、非常勤も入れて適合率は九十何%ですと、そういう字面だけで言うのはやめていただきたいということです。むしろ、実態をちゃんと見ていただいた上で、医者の数が足りているのか足りていないのか、そこら辺の議論をしていただきたいと、そう思っています。
 これは要望ですし、それから、次回も多分、いつ頃になるのか分かりません、もう来月になるか再来月になるか分かりませんが、そのときにまた議論させていただける時間はたっぷり取っていただけるんだと思っていますので、そのときにそこは議論をしていきたいと、そう思います。
 さて、今回の構想の中で、最初説明があった際に、地域の外来機能の偏在、不足へ対応するのでまた新しい協議会をつくるんだと、そういう提案がございました。地域医療のために一体何でこんなに次から次に新しい会議体をつくらなきゃいけないんでしょうか。私はおかしいと思いますが、いかがでしょうか。
#52
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 人口減少や高齢化による医療ニーズの変化を踏まえ、地域ごとに質が高く効率的な医療提供体制を構築していくためには、地域医療連携推進法人の活用も含め、地域における医療機関間の連携が重要でございます。このような観点も含め、入院医療機能の分化、連携を進めるため、現在、各都道府県が地域医療構想を策定し、その達成に向けて、各地域の医療関係者、医療保険者などが参画する地域医療構想調整会議、ここで今、具体的な議論が進められております。
 このような医療機能の分化、連携を進めていく上では、入院医療だけではなくて外来医療の提供体制も一体的に捉え、可能な限り効率的な形で地域の関係者の合意を得ていくことが必要であると考えております。
 今回、法律におきましては、外来医療に関して地域で協議会をつくるということが盛り込まれておりますけれども、委員今御指摘もございました同じような会議が並列で行われることが非効率だという御指摘もございますので、地域医療構想調整会議と設置主体とか設置単位、構成員を基本的に同じにいたしまして、地域医療構想調整会議も活用し、一体的な協議体とすることができるよう制度設計をしているところでございまして、こういった運用を都道府県にも促してまいりたいと考えております。
#53
○櫻井充君 いや、この点は相当部屋で議論させてもらったんですよ、相当議論いたしました。やっと譲歩していただいてここまで来ましたが、それでも私は、元々、地域医療構想調整会議というのがあれば、別にそこの中で外来とそれから病院のところを調整するということでやってしまえば、何もこんな、新しい会議つくるってこの資料を渡されたんですよ。だから、こんなことをやる必要性、僕はないと思うんですよね。違いますか。
#54
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほどお答えいたしましたとおり、この地域医療構想調整会議というのが今既に動いてございますけれども、実質的にここで様々な議論が行われているとは承知しておりますけれども、この地域医療構想自体が病床機能の分化、連携ということでできた会議でございますので、今回、外来という新しい視点で地域での協議体をつくるということをまず法律上定めた上で、実態としては一体的な運用ができないか、そういうふうに考えているところでございます。
#55
○櫻井充君 済みませんが、そうであれば、別にその地域医療構想調整会議というのは必ずしもそれのためだけにやらなきゃいけないなんということを決めたわけでは、決めている、そういうふうに決めているんであれば、別にそこの運用のところを広げればおしまいなんじゃないですか。
 地域は、厚生労働省から、この会議つくれ、あの会議つくれ、何の会議つくれと言われて、次々会議つくらなきゃいけないんですよ。だけど、やっている人たちはほとんど一緒です。であったとすると、もう少し整理してくださいよ、整理。だから、この調整会議がまず親会議として存在して、そこの中の分科会みたいにさせればいいだけの話であって、一々協議体をつくるということ自体、僕はおかしいと思いますよ。
 もう少し、繰り返しになります、全体を見て、そしてもう一点申し上げておきたいのは、縦割りで、厚生労働省の中も縦割りだから、この会議はこの会議、この会議はこの会議みたいな形になって、全体像を見てやっていないところに問題があると思っているんですよ。
 そういう意味合いでは、繰り返しになりますが、調整会議そのもので、基本的にはですよ、逆ですからね、言っていることが、基本的には調整会議でやれるようにすることだと私は思いますけど、違いますか。
#56
○政府参考人(武田俊彦君) 地域で同じような会議体が増えていくということにつきましては様々な御意見もいただいているところでございます。
 今回の法律の中では、都道府県に設置されている様々な会議体を地域医療対策協議会に統合していくことで考えてございますけれども、この地域の場ということにつきましても、この地域医療構想調整会議と今回新たに設置をいたします外来に関する協議の場、一体的に運用されていくように、私どもとしても努めてまいりたいと思います。
#57
○櫻井充君 是非そうしていただきたいと思います。
 そしておまけに、これ昨年、一昨年かな、地域医療連携推進法人なる法人もでき上がっているんですよ。私はこれすごくいい案だと思っていて、個人的には大賛成だったんですけど、党として反対せざるを得なくなって反対票投じました。だけど、これはすごくいい内容なんです。残念ながら、このいい内容がなかなか地域で進んでいっていないんですよ。こういういいものをつくっておきながら、また別なものをつくるんですよ。これ実は、別に、ここの名前から分かるように、地域医療連携推進法人なので、外来も何も関係ないんです。ここの場でやればいいんですよ。何でこういうことを、今度はこの法人は使えないんでしょうか。そして、今この法人を使って、どの程度、地域医療全体の連携が進んできているんでしょうか。
#58
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘のございました地域医療連携推進法人でございますけれども、この地域医療連携推進法人につきましては、基本的に任意で、こういう連携を進めるという合意ができたところで設立ができるという形でございますが、今回の地域医療構想調整会議と一体的な運用を行うことも考えている外来の協議の場につきましては、これは全てのところで設置をお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
 その地域医療連携推進法人でございますけれども、昨年度から制度としてはスタートしておりまして、四つの法人が設立をされましたが、今年度新たに二つの法人で設立が認められておりまして、御指摘のとおり、地域医療の連携を推進するという形で普及が進んでございますけれども、私どもとしても、この制度をもっと活用していただけるように普及に努めてまいりたいというふうに思います。
#59
○櫻井充君 今のこの地域医療連携推進法人の中には、これ開業医の方々も入っていますよね。
#60
○政府参考人(武田俊彦君) 例えば、今年の四月一日に設立が認定をされました日本海ヘルスケアネット、これ山形県庄内地方で連携推進法人として設立をされておりますけれども、ここには地区医師会、地区歯科医師会、地区薬剤師会も構成員として入っておりまして、非常に幅広に議論が行われているというふうに承知をしております。
#61
○櫻井充君 そうなんですよ。要するに何かというと、外来も全部入っているんです。そうすると、また新しい外来のためだけのこんな組織つくる必要性ないんですよ。自分たちでこれ法案通してくださいといってお願いに来て、これは繰り返しになりますが、これは非常に僕はいい法人だと思っているんです。
 特に、県南中核病院の内藤院長なども意見言わせていただいて、元々彼なんかと話をしていたときに、この法案できる前から内藤院長、こういう構想を持っておられまして、それはなぜかというと、一つの病院単独で医師確保するというのはなかなか難しいと。しかも、中核病院のように、救急病院、救急をずっとやっているとなると医者も疲れてくるので、たまにローテーションで少しこう勤務形態の、楽なと言ったら怒られるかもしれないけど、そういうところでローテーションしたりした方がいいでしょうと。そういう法人でき上がってくると、今度は地域の連携もきちんとできるわけです。
 細かい話になるかもしれませんが、大臣、今までの当直というのは、A病院はA病院、B病院はB病院で勝手に当直医決めているわけです。もちろん誰ですということは一応地域の中で共有されているところもあるかもしれませんが、でも、そうすると、外科系の医者だけが当直に回ったり内科系の医者だけが当直に回ったりするときがあるんですよ。だけど、こういう連携していったときに、例えば、最初にこの連携している何とか会議のところで、構想会議でもどこでもいいんですが、月曜日はA病院は外科系にしてくださいと、B病院は内科系にしてくださいと言ってくると、救急車の搬送も非常に楽になるんですよね。あとはカルテの共有とか必要になってくるのでそこをITで結んでくるとか、こういうことをちゃんとやっていけば、もっともっと効率的な医療ができると思っているんです。
 これまで、残念ながら各個人の病院に任せてきたと、各地域に任せてきた。それをネットワーク化していきましょうという方向は決して悪くないし、僕は正しい方向だと思っています。だけど、残念ながらそこの現場のところをきちんと理解していない人たちが、ただ会議体だけつくれば何となく問題が解決するような形になって、こうやって外来の問題があるから、だから、じゃ、外来についてこういう協議体つくってやってくださいの話になるんですよ。
 だから、繰り返しになりますが、絵としてどういう絵を描いているのか、僕は厚生労働省の絵が見えなくなってきているんです。この地域医療構想調整会議ですか、これがまず親会議としてあるんだと思うんですよ。そして、その親会議のところでいろんな話をしていって、あとは連携していった方がいいですよねと。ここは、人のやり取りだけではなくてお金のやり取りもできるし、薬の共同購入もできるし、いろんなメリットがあるんですよ。だから、そうであったとしたら、もう少しその会議体をうまく使えるような、そういう工夫を最初から制度をつくるときにやるべきなんです。
 今回、ここは相当議論しましたが、私は無駄なことをやり過ぎだと、そう思っているんですよ。大臣、その点いかがだと思いますか。
#62
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員お話あった地域医療連携推進、これ私もしっかり推進すべきだというふうに思いますし、いろんな意味で、地域地域でいろんな、何というか、具体的な目標は違うと思いますけれども、こうした連携をするメリットというのは大変大きなものがあるというふうに思います。
 その中で、今委員からも御指摘ありましたけれども、実は俯瞰的に見ると、まず基本的には、都道府県の医療審議会というのがまずあります。それ以外に、今回の地域医療対策協議会というのと地域医療構想調整会議というのがあって、それ以外にもこれは予算措置等々で、へき地医療支援機構とか地域医療支援センター運営協議会とか等々いろんなものがありましたので、今回ある程度整理をさせていただいたということは委員も御認識いただいているんだと思いますが、ただ、その上において、こうしてそれぞれ看板を別々に持たなきゃいけないのかという御指摘なんだろうというふうに思います。
 ですから、そこは一応それぞれ役割が違うところもありますから、法律においてはそれぞれ看板を別にというふうにつくってはおりますけれども、まさにこれこそ地域の実情においてそこは弾力的に運用していただけるような仕組みにはさせていただいているつもりでありますから、その辺も含めてこの実施においてはよく都道府県等々ともお話をさせていただきたいというふうに思いますし、また、この地域医療連携推進協議会そのもの自体、今、都道府県を一つのカバレッジにしておりますから、今のはもうちょっと小さい二次医療圏単位でありますので、ただそことどう連携を図っていくかということは大変大事なポイントなんだろうというふうにも思います。
#63
○櫻井充君 ピラミッド型になるのかネットワーク型になるのか分からないけれど、やっぱり組織化していかなきゃいけないと思うんです。それをどう機能させていくのかということがすごく大事で、ある種やはりお金が必要になります。
 これ通告していませんが、消費税を基金とした昔の地域医療再生基金がありますね、それの消費税版のやつが。あれをもう少し有効活用して、例えば今申し上げたような地域医療連携推進法人をつくったところに、もっとここにそのお金を使いますよとか、その予算措置とそれから制度と一体化させていくともっと進んでいくと思うんですよね。だけど、残念ながら今のところはそういうふうになってきていないと。今年から変わったやに聞いてきていますが、いいですか、変わってきているというふうに聞いていますが、むしろそこを積極的に推進していくことによって、今厚生労働省が進めていこうとしている政策が僕は進んでいくんだと思うんです。
 今の基金そのものは県の方に預けています、県の方に任せています。県は県の考え方があるでしょう。県と国の考え方、一致させなきゃいけないですよね、まず、そういうふうな意味合いでいうと。そこで一致させていくのであれば、国としてこういう方向性でやっていきたい、だからこの予算についてはこういう形で使っていくんだと、そこをもう少し明確にすべきではないのかなと、そう思いますが、いかがでしょうか。大臣にお願いします、これは大臣にお願いします。
#64
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員がおっしゃった基金は地域医療介護総合確保基金、これだと思います。今お話があった地域医療連携を進めることについて使えるかどうかといえば、排除しているわけではありませんけれども、じゃ、必ずしも今のメニューの中に具体的に載っているのかということですよね、というふうに聞いておりまして、その辺含めてこの確保基金、これをどう使っていくのか、こういったことも含めてよく中で議論をさせていただきたいというふうに思います。
#65
○櫻井充君 これ、連携するために今回こういう提案してきているわけですよ。であったとすれば、やっぱり連携したところというのは、厚生労働省の方針はこのことなんでしょう。このことが連携していることの形の一つであったとすれば、そこに予算措置するのは当たり前の話だと思うんです。
 これ、予算措置してもらったら全然この進み方が違うと思っていて、予算は予算、制度は制度でばらばらにしてきているから思っているように進んでいかないわけです。そしてまた、新たな会議体をつくろうとするすごく無駄な行政が行われてきているので、是非そこを、もう一回繰り返しになりますが、一体でお考えいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#66
○足立信也君 民進党の足立信也です。
 今、櫻井さんの質問を聞いていて、ちょっと具体的に私が説明したい部分があったので、それを先にやりますね。
 最初の借金、それから運営費交付金の減額、私学助成金の減額、これ、この構図は、医療崩壊と言われた構図と同じなんですよ。そして、やっぱり弱い立場のところからどんどん辞めざるを得なくなって、業務量は、上といいますか、専門職の方々にどんどんどんどん重なっていくんですよね。で、立ち去り型サボタージュとかそういう形になってきて、医療崩壊の構図と同じ。医療崩壊には、これに加えて訴訟の問題があったわけですよ。ですから、そこの何か原資といいますか、元を断たれていくと、これは、これから先、イノベーションや労働生産性も含めてやっていこうというときに、その原資を断っている方向というのはやっぱり間違いだと思います。
 それから、国立大学の教員の給料の話がありましたけど、私、レジデント六年のうち五年弱が大学でして、その後、ちょっと間隔空けて、講師、助教授で十年弱大学にいましたね。最後のときの給料は、私、配偶者特別控除、該当しましたから、それで大体どんなものか分かると思いますよ。四十五歳ですよ。そんなものですよ、国立大学って。まあ、うちの科は伝統的に平日の関連施設への研修は禁止という科でしたから、そうなんでしょう。実際はそういうところです。
 それから、さっき、文科省はもういらっしゃらないのであれなんですが、以前、私、この委員会で話ししましたが、非正規雇用の大量雇い止め、これ現場の人間はびっくりしているんです。事務方から辞めさせてくれと言ってきているというんですよ。これが実態ですよ。この事務方というのは文科省が直に関連しているわけですからね。この大量雇い止めの件も、大学あるいは医学部に関してはそういうことだったということを最初に伝えておきたいと思います。
 それから、ちょっと法案の質疑に入る前に、大臣の意見というか感想をお聞きしたいんですけど、月曜日の夜九時、統合幕僚監部の三等空佐ですかね、三佐ですね、うちの小西議員に対して、おまえは国民の敵だと、おまえの議員活動は気持ち悪い等々、十五分間にわたってということがありますね。
 これは、統合幕僚というとエリートですよね、陸海空から集まったエリートの方。イラクの日報の問題も、去年報告が幕僚長に上がっていて、一年以上、上に言わなかったわけですよ。これ、情報の問題が今大きくなっていますが、それ以前に、実力組織である自衛隊のしかも幹部が、選挙で選ばれた国民の代表である国会議員に対して、おまえは国民の敵だと言うことは、国民を敵に回しているのと同じですよ。しかも、実力組織の幹部ですよ。これは、シビリアンコントロールの問題というのが本当に大きな問題ですが、私は民主主義の成り立ちそのものを彼らは理解していないんじゃないかと思うんですよ。この問題は極めて大きい。
 あしたから国会は不正常になるかもしれませんけど、これはとんでもない事態ですよ。戦前の話がよく出てきます。あのときの中佐が罵倒をしたというのもありました。黙れということですね、国会議員に対して。
 このこと、民主主義の根幹に関わること。実力組織である統合幕僚部の幹部が、国会議員に対しておまえは国民の敵だと、こう言うことに対して、大臣、どう捉えていますか。民主主義の成り立ちの危機だと思いませんか。
#67
○国務大臣(加藤勝信君) これは防衛大臣からも発言があったというふうに認識をしておりますけれども、今御指摘のように、実力組織である、そして一定の地位にある方、そうした方がそうした発言をすること、これは全く適切ではないということでありますし、これに対して、今厳正に対応も含めて防衛省内において議論されているというふうに承知をしております。
#68
○足立信也君 これはやっぱり幕僚、責任者、これは責任を取って辞めるしかない話だと思いますよ。それだけで足りるのかという話になってくると私は思います。
 さて、法案についていきますが、やっぱりよく言われている医師の偏在、要するに地域偏在と診療科の偏在、これをどう解消するかということが今回の法律案の趣旨だと、そう捉えていますが、インターネットでこういうアンケートがあるんですよ。
 日本人医師千五百八十二人、アメリカ人医師千百五十人にアンケート。これ、両親又は一方の親に医師はいるかというと、日本は七三%、アメリカは八〇%いないでほぼ変わらない、そういうアンケートなんですが、自分の子や友人に医師という職業を勧めるかというアンケートなんです。日本人は勧めるが四二%、アメリカは五七%、物すごい差があるんです。実際に医師として働いている人は自分の子供や友人に勧めない。その理由は、もうお分かりだと思いますが、勤務時間が長くて、責任が重くて、ストレスが多くて、自分の命を削っていると。これが日本とアメリカの違いなんですね。
 そこで、じゃ、これを解決する最も重要なものは何かという質問については、厚労省でも検討されているタスクシフティングなんですよ。医師以外ができることを医師以外の業種の方々がやることが重要なんだと、これがアンケートなんですが、ところが、厚労省のあの十万人アンケート、勤務実態調査。実際、回答者は一万五千人ちょっとでしょうか。これ、でも大掛かりな調査ですね。これでは、他職種との分担可能な業務として、患者さんへの説明や合意形成、これに一日八十二分使っている。分担できると答えた人は八%しかいないんですよ。もう一つ、医療記録の作成、これ一日九十三分、一時間半使っている、毎日毎日。これは、分担できると答えた人は一四%しかいないんですよ。
 さっきのアンケート、タスクシフティングが一番重要だと。でも、厚労省の調査では僅かそれぐらいしかできると思っていないんですよ。これをどう捉えますか。これから緊急に講じる事態ということで、医師の労働時間に関する検討会で出ていますね。この中の一つの項目ですよ。それぐらい、一〇%前後しかできると思っていない。これを厚労省はどう捉えて、どう対処しますか。
#69
○政府参考人(武田俊彦君) まず私の方から答弁をさせていただきます。
 医師に関しましては、長時間労働の実態がある一方で、応招義務など特殊性を踏まえた対応が必要であるということから、昨年三月に取りまとめられた働き方改革実行計画において、二年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得るというふうにされているところでございます。
 これを受けて、現在、医師の働き方改革に関する検討会を立ち上げまして、時間外労働規制の在り方や具体的な勤務環境改善策の検討を行っておりまして、本年二月には中間的な論点整理、医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組、今御指摘ありました、こういったことを取りまとめたところでございます。
 御指摘があった患者への説明、合意形成、それから医療記録につきましては、確かに御指摘があったようなパーセンテージが他の職種に分担可能ということでございますけれども、医師でなければできない部分がある一方で、他の職種に分担可能なものに関しましてはでき得る限りタスクシフトを進めるべきであるということを考えてございます。
 先ほど触れさせていただいた緊急的な取組におきましても、例えば検査手順の説明や入院の説明、診断書の代行入力などについて、原則医師以外の職種により分担して実施することで医師の負担を軽減することとしておりますけれども、これらに加えてどのような業務がタスクシフトできるか更に検討を行ってまいりたいと考えております。
 したがいまして、今御指摘のあったところに限らず、可能な限り、医師について他職種でできるものについて検討を行ってまいりたいという趣旨でございます。また、今般の診療報酬改定におきましても、こういった観点から様々な改定が行われたというふうに承知をしております。
#70
○足立信也君 いや、タスクシフティングが重要だといって検討会の方でも緊急に講ずるべきだといって、でも、厚労省のアンケートですよ、一〇%前後しかそれはできないと。これに対してどういう対応を取りますかということなんですよ、質問はね。大臣の方で追加があれば。
#71
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの委員からの日米のアンケート調査ですか、アメリカでもタスクシフティングということに重点、重点というか、やるべき課題に挙がっているということを聞いて、あっ、そうなのかなと改めて思ったところをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、今の数字はあくまでも医師の方にお聞きをして、医師が判断してどうですかという数字なんですね。ですから、その範囲ではまずやる、まずやってくださいと。しかし、加えて、じゃ、それだけなのかという部分については、今厚労省においてタイムスタディー調査を行い、医師の詳細な勤務実態について把握して分析する作業を進めておりますから、そういうのも見ながら、それをベースとしていろんな専門家から聞いて、さらにどういうものができるかできないか、こういった議論をしっかり進めていきたいと、こういうふうに思います。
#72
○足立信也君 ところが、全国自治体病院協議会のアンケートというのもありまして、これによると、さっき六項目挙げましたね、緊急に取り組むべきこと。この中で実施できないという割合があるんですが、タスクシフティングは一三%しか実施できないがなくて、これはできる。だから、厚労省のアンケートと自治体病院協議会と大分違うんですね。これは私は、結構人が多いんではなかろうかと、自治体病院は、思っています。
 それは置いておいて、実施できない割合が高いのが労働時間管理の適正化に向けた取組、つまり労働時間を把握すること、七二%ができないと。それから、医療機関の状況に応じた労働時間短縮に向けた取組、できないと、四八%。この二つが極めて高いんですね。
 この労働時間管理の適正化、つまり労働時間の把握ができないということなんです。これはどういう対応を考えられますか。
#73
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま委員御指摘のありましたこの全国自治体病院協議会のアンケート調査でございますけれども、例えば今御指摘のありました医師の労働時間管理の適正化に関しては、できないという理由の中で、ICカードなどによって出退時間を把握しても、勤務時間と自己研さんの区別を客観的に把握することが難しいとか、日々チェックし判断することは困難であることなどの理由が挙げられているようでございます。また、労働時間短縮に向けた取組につきましても、実施できないという病院では、医師不足により宿直明けの勤務負担の緩和が難しいとか、応招義務、勤務時間内での病状説明など、患者を始めとする社会全体の理解が不可欠であることなどが挙げられているところでございまして、これらの論点につきましては、医師の働き方改革の検討会でも議論がされているところでございます。
 私ども、この間、中間論点をまとめさせていただきましたが、それぞれの論点につきまして、やはり、関係団体と国と協力をしてどのようなことができるか、総合的に検討していく必要があると考えております。
#74
○足立信也君 ちょっと飛んで、その具体論に行きます。
 なぜ労働時間が適正に把握できないのか、ここで条件をやっぱり決める必要があると思いますが、先ほどの全国自治体病院協議会のアンケートでは、なぜできないか、病院にいても労働時間かそうじゃないか、よく言われる自己研さん、これが区別できないからできないんだという理由がやっぱり大きいわけですよ。先ほどの厚労省の調査の中には、病院にいて実際に診療に携わっている時間も、それから自己研さんのための時間も両方入っていますね。
 そこで、診療のために当然我々は、一生勉強しろって僕は医学部入ったとき言われましたけれども、診療のために勉強しなきゃいけない、また、その結果について多くの人に知ってもらうためにそれをまとめなきゃいけないというのは当然あるわけです。この時間というのは、今の厚生労働省の考え方としては、それは労働時間に入る、そういう前提でいいんでしょうか、六番に行きました。
#75
○政府参考人(山越敬一君) 厚生労働省におきましては、労働時間の正確な把握のためのガイドラインを策定しております。このガイドラインにおきましては、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいうものとされておりまして、使用者の明示又は黙示の指示により働く方が業務に従事する時間は労働時間に当たるということを示しているところでございます。
 御指摘をいただきました医師の方が診療のために勉強する時間あるいは症例を取りまとめる時間につきましても、こうしたことに照らしまして個別具体的に判断をする必要があると思いますけれども、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれている場合は労働時間に該当するということと考えております。
#76
○足立信也君 そんなことを言うと、使用者が命令したかどうか全部調べなきゃいけなくなるじゃないですか。当たり前にこれが診療のために必要なことだと、そういう前提に立っていると思いますよ。
 先ほどの厚労省の勤務実態調査は、これ、オンコール、まあ待機ですよね、オンコールの時間は、これは労働時間と別になっているんですよ。先ほどの調査は、具体的に言いますと週六十時間以上、つまり月に換算すると八十時間の時間外ということになるわけですが、これは男性の二八%、女性は一七%です。それに加え、二十代の医師のオンコール、待機時間は男が十六時間、女性は十二時間となっているわけです。
 このオンコール、呼ばれて診療に携わったら当然労働時間になると思いますが、この束縛されている時間、待機の時間、これは労働時間に含めると考えているんですか。これは命令ですよ、オンコールは。
#77
○政府参考人(山越敬一君) この労働時間は、いわゆる手待ち時間、指示があったときはその仕事に即応するということで待機している時間、こういったものも労働時間に含めるというのが労働基準法上の考え方でございます。
#78
○足立信也君 含めるということをはっきりおっしゃられたので、となると、先ほどの厚労省のアンケート、分けて質問されていますが、セットで合計時間を換算するとかなり長いですね。これは言っておきたいと思います。
 ところで、これは共同通信だったですかね、特定機能病院に労働基準監督署が指導に入ったり、勧告したり。これは記事で、実際は持っていないかもしれませんが、八十五の特定機能病院のうち六十四の病院で労働基準法違反という報道があります。これは以前から議論ここでされているんですが、パンドラの箱を開けたということになっていて、労働時間をきっちり議論し始めると大変なことになってくる。
 この前、いらっしゃいませんけど、木村さんが質問されていましたが、現行の労働時間法制下で、特定機能病院や、あるいは医師や医療従事者、基準法の労働時間、三六協定の限度基準あるいは特別条項、これはほかの職業の方と同様に掛かっていますよね、その確認です。
#79
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 医師でありますことや特定機能病院であることを理由に労働基準法第三十六条を含みます労働時間に関する規定でございますとか限度基準告示あるいは特別条項が適用除外となっているということではございません。
#80
○足立信也君 全部適用なので、基準監督署が入るということは当然といえば当然。
 それでは、応招義務を、先ほど答弁ありましたけど、始めとして、医師というのは違うだろうと、それだけでは縛れないだろうということで、働き方改革の検討会、医師の部門ですね、これ、やられていると思うんですが、この今の報道にあった中で、例えば、今具体的に山越さんおっしゃいましたが、三六協定の未締結とか労働基準監督署への未届けとか、あるいは三六協定で百時間を超えるような協定数というものは特定機能病院の中で把握は数はできていませんよね。できていないですよね。
#81
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 特定機能病院のその三六協定につきまして、例えば、届けられていないものの件数でございますとか、その時間というものについての数というものについては把握できておりません。
 これは、三六協定がその企業によって有効期間がそれぞれ違うものでございますので、なかなかそういったことが難しい側面があるので数としては把握できておりませんけれども、いずれにいたしましても、過去において、御指摘のあった労働基準監督署に三六協定が届けられていないとか、百時間を超えるような延長時間が定められている協定があったと、そういう事例があるということは承知をしております。
#82
○足立信也君 これは実態はもちろん把握してほしいんだけれども、現状はできていない。
 そんな中で、これ、高プロのことをちょっと。この原型ができた、出たというのは二〇一四年の四月二十二日、経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議、ここで個人と企業の成長のための新たな働き方としてこの原型が提案されたと思います。そのときに、当時の田村厚生労働大臣は、医師は、年収一千万円以上もらっているが、時給換算では最低賃金に近い人もいる、医師のような、このような働き方を助長するのではないかという懸念をその会議で表明している。
 そこで、さっき私、年収の話を冒頭しましたが、年収の把握はできているんですよね、厚生労働省として。でも、問題の、今時間給ですよ、時間給、最低の時間給で働いているんだと。時間給の把握はできていますか。
#83
○政府参考人(武田俊彦君) 勤務医の時間給の御質問がございました。
 勤務医の時間給につきましては、平成二十九年賃金構造基本統計調査における平成二十九年六月分の所定内給与額及び所定内実労働時間数から所定内の時間給を推計いたしますと、約五千二百円という数字で把握しております。
#84
○足立信也君 これは、年代あるいは男女の性別、あるいは役職、すごく差がありますので、その資料は後でまたいただきたいと思います。
 ここで、先ほどパンドラの箱を開けたと言いましたが、この基準監督署が指導あるいは勧告、入ってくるというのは、私は、奈良県立病院の最高裁の判例があって、当直とか日直は実際には労働時間だと、労働していると、これは割増し賃金を払わなきゃいけないと、こういうことが起きて、これ全国に、当然皆さんがそれに反応する、あるいは訴訟がどんどん起きてくるかもしれない、実態はそうです、先ほど櫻井さんの質問の中でもありましたように。ここで監督署がどんどん入っていくということは、まず働かせ過ぎ、あるいは時間を、これ以上は働いては駄目ですよということを今言わないと、これが割増し賃金を払わなきゃいけないんだとなってきたら大変なことになる。
 これ、以前私指摘しましたけど、じゃ、多分答えるのは難しいと思いますが、今、日直や当直と言われているけれども、これが時間外労働なんだと、そうなった場合に割増し賃金等はどれぐらい払う必要性が生じてくると思いますか。
#85
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 個々の事例については、いろいろ様々な例があると思いますので一概に申し上げることは難しいと思います。
 その当直の場合の時間外労働時間数とか賃金の状況、そういった考慮要素がありますので一概に申し上げることは難しいと思っておりますけれども、今御指摘をいただきました奈良県立病院の裁判例でございますと、宿直の時間外労働、認定されている金額としては、一人の方については九百八十二万円余りとなっているところでございます。この額が宿直を時間外労働として割増し賃金を計算した金額としてこの裁判例の中では認定をされているところでございます。
#86
○足立信也君 あのね、これ民間のシンクタンクが試算したんですけど、去年の臨床外科学会で、これシンポジウムで公にされたんですが、時間外労働分の賃金、年間で約一兆円。今、一人当たり九百八十二万と言いました。医学部、歯学部が一兆円の借金からスタートして、時間外の割増し賃金が一兆円だということですよ。まあ奇妙な符合ですけどね。これをどうやって賄うかということが大変な問題なんだろうと私は思いますよ。これ、民間のシンクタンクの試算ですからね、そのままうのみというわけにはいきませんけれども、それだけの実は隠れたこれからの負債というのが待っているということです。
 そこで、これが実態なので、ここまで実態の説明に費やさせていただきました。この法律案の審議はかなり時間が必要だと私思っていますし、次がいつになるか分からないということもありますので、まずは実態からスタートしました。
 そこで、地域間格差と診療科間格差、これを解消するためにというのが趣旨だと思いますが、やっぱり分析があって、その解釈がないと対策は取れない、まあ当たり前のことだと思いますが、では、勤務医の地域偏在、地域間格差といいますか、これ、なぜ起きたというふうに捉えているんでしょうか。原因ですね。どうでしょう。
#87
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医師偏在の要因につきましては、これまでの経過の中で様々な要因が合わさって現状に至っていると考えられますけれども、地域偏在に関しましては、例えば、本人や家族の志向や子供の教育などの生活環境の問題により本人が地方に赴任したがらない、又は、勤務地により経験できる症例数や手術の経験などが異なり、キャリアアップや専門医の維持を考慮して地方などを避ける、こういったものが、例えばということでありますけれども、要因としてあると考えているところでございます。
 医師の地域偏在の現状につきましては、併せてちょっと御説明をさせていただきますと、平成二十八年の医師・歯科医師・薬剤師調査によって数字を見ますと、都道府県ごとの人口十万対医師数については、最大の徳島県三百十五・九人と最小の埼玉県百六十・一人では二倍程度の開きがございますし、二次医療圏ごとに人口十万対医師数を見た場合には、三十四の都道府県において最大と最小の医師数が二倍以上に開いている現状にある、こういったことでございまして、こういった様々な要因、様々な実態を踏まえて、今回の法案を提出させていただいたところでございます。
#88
○足立信也君 様々な実態ということですけれども、ここで偏在を解消だけをやろうやろうとすると、それは強制になってしまうということを懸念する人がかなりいます。
 先ほどの厚生労働省の勤務実態調査で、医師の四四%ですか、地方で勤務する意思がある、四四%ある。でも、なぜそうできないか、というか意思がないという理由は、もう皆さん想像付くと思いますが、二十代では労働環境です。一人でやらされたらたまらないということですね。三十代、四十代では子供の教育環境ですよ。これを無視して、偏在解消という形だけで半ば強制的に行かせるということは、社会全体が今中央と地方の関係も含めてそう動いているときに、これは物すごく、何というか、小さな範囲の、小さなコップの中での議論ではないわけですね。そういうことも考えると、今、行きたい意思はあるのに行けない理由は労働環境と子供の教育環境だと、これが地域偏在を生んだ私は大きな理由じゃないかと思うんですが、その点についてはどうでしょう。
#89
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま委員からも御指摘がございました、私どもの医師に関する大規模な調査で挙げられている主な障壁といたしましては、御指摘のとおり、労働環境に不安がある、子供の教育環境が整っていない、三割近い医師からこういう回答ございましたし、家族の理解が得られない、専門医等の資格の取得が困難である、希望する内容の仕事ができない、こういう御意見が出されております。
 私ども、何よりこういった方々が医師の少ない地域で勤務できるような環境整備を進めるということは非常に大事だというふうに思っておりまして、今回の法案に併せまして、様々な予算措置におきましてもこの環境整備を図ることとしているところでございます。
 例えば、労働環境に不安があるということでは、定期的に休暇取得や中核病院での研さんが行えるような、交代で勤務する医師の派遣に対する支援、これ三十年度予算で計上しておりますし、ある程度その医師が家族とともに都市部に住みながら、グループ診療などを通じて、医師の少ない地域に週に数回診療行ったりできるような体制の確保、こういった点についても予算措置を講じるところでございまして、あくまで、やはりこういう環境整備を通じて、医師の方々、希望される医師が少なくともこの障壁を感じないで地方勤務ができるような環境整備を行いつつ、併せてインセンティブについても重視をしていきたいと、こういうことで取り組んでいきたいと思っております。
#90
○足立信也君 今の武田さんの答弁になると、結局、先ほど櫻井さんからあったように、非常勤の医師で何とかするという話ですよ、結局はね。労働環境やあるいは子供の教育環境ということを重視すると、都市部に皆さん住んで、でも、派遣の機能と、週に何回かと、結局そういうびほう策といいますかね、それに偏っていっているんですよ。
 だから、この問題の全体に通底することは、やっぱりこの国の将来の人口分布であり、ここから医療機関へのアクセスがどうなるかという問題であり、そこのシミュレーションがきちっとできていないと、多分心だけの問題では解決しない、そこだけで解決しようとするとまた新たなひずみを生んでしまう、私はそう思います。ただ、勤務実態調査で分析されて、解釈もできているわけですから、ここは、もうさっきの話と通ずることですが、厚労省の内部だけの話ではないということが極めて大事です。
 そこで、法案にも書かれておりますが、地域医療支援センター、これ二〇一一年度予算から入って、当初十五か所だったかと思うんですが、一〇年のときに、概算要求の段階で私はこれをやるべきだということで、当時政務官でこれを導入しました。行政と大学と医療界、これが同じテーブルに着いて、何科の医師がどの程度どの地域に足りないのかというようなことを共有すべきであると、まあそうなんですが、この地域医療支援センターの評価が結構分かれていると思うんです。櫻井さんの資料の一番後ろにありましたけれども、評価が分かれているということは、うまくいっているところとうまくいっていないところがあるんですね。で、うまくいっているところのノウハウをやっぱり広げるというのが政策をうまく成功させるための手段ですね。
 これ、うまくいっているところは何がうまくいっているからセンター機能が果たせているんでしょうか。
#91
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 各都道府県におきまして、この地域医療支援センターの運営でございますけれども、それぞれ地域の特性を踏まえて、独自に工夫しながら運営を行っていると承知をしておりますが、非常に私どもから見ても効果を上げているところも確かにございます。こういったところを横展開をしていくということは是非考えてまいりたいというふうに思います。
 例えば、秋田県の例でございますけれども、ここでは、地域医療支援センターが秋田大学の医学部に委託をされておりますけれども、必ず毎週一回は県職員がこの委託先の秋田大学の医学部に行きまして、ミーティングを行い、修学資金を貸与した医師がキャリアや勤務先での問題を抱えていないかなどの情報共有をし、何らかの課題があった場合には、すぐにその課題を抱える医師やその指導医等に相談する体制を整え、こういったことで医学部卒業後の県内定着率を高めているということと聞いております。秋田県におきましては、ちなみに、平成二十五年以降卒業した医師は、二十九年時点では六十二人全員が県内に定着をしているという効果を上げているということだと承知をしております。
 また、新潟県におきましても、県が修学資金を貸与した医師だけではなくて、自治医大の卒業医師の方々全員がこのキャリア形成プログラムに参加する形で運用されておりまして、プログラムの内容につきましても、自治医科大学卒業生にも相談して策定することで、修学資金を貸与した医師だけでなく、自治医科大学卒業生も含めて定着率の向上を図っているというふうに承知をしております。
 さらに、都道府県が当該都道府県内で勤務を希望する医師と医療機関とを調整して勤務先をあっせんするドクターバンク事業につきましては、長野県では、事業への登録の希望が確認できた医師には欠かさず登録を促すメールを送信し、少しでも反応があれば派遣先医療機関の派遣調整を行うコーディネーターが直接、医師の下に出向いて登録を促すことや、県外の信州大学卒業生に対し登録を促す手紙を送付するといった取組も行われております。
 また、ちょっと長くなって恐縮ですが、宮城県では、二年間県の職員として勤務した場合には一年間有給で研修期間を与える取組などを行っているところでございまして、非常にそういう意味では各地域の特性を踏まえたいい事例が出てきておりますので、是非これをほかの都道府県にも広げていきたいと考えております。
#92
○足立信也君 私が聞いたのは、事例ではなくて、どういうこと、どういう取組があればうまくいっているのかというまとめ、その分析、それが大事ですねということを言っているんです。
 今の話を聞いていて、やっぱり大事なことは大学の関与ですね、大学の関与がしっかりあるところ。それからもう一つ、私が感じているのは、いろいろ見て、事務局をどこがやっているかという関与がまた大きいと思います。これは、やっぱり行政と医師会を始めとする医療界と大学ですから、その大学の関与の度合い、それから事務局はどこがやっているかと、ちょっと分析していただいて、このやり方を横に広げると。是非やってもらいたいと思います。
 法案に関連して、先ほど医療構想の調整会議のことありましたけど、この地域医療対策協議会という、今回それがほぼそのままやってもいいということになりましたが、この会とこのセンターの役割の違いは何なんですか。
#93
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 これまで、この地域医療対策協議会は、各都道府県において医療計画に定める五事業に係る医療従事者の確保などの協議を行う場として設置をされておりますけれども、都道府県によっては過去五年間開催実績がないなど、その実効性が不十分でございました。
 一方、地域医療支援センターは、今るるお話出ておりますように、地域枠医師の派遣調整などを都道府県の事務として行っておりますけれども、地域医療対策協議会との業務内容との関係は明確ではないという問題がございました。
 このため、今回の法案におきましては、この地域医療対策協議会は、都道府県、大学、医師会、医療機関などを構成員として、医師確保計画に定められる医師確保対策の具体的な実施やその役割分担に関する関係者間の調整を一元的に行う場として位置付け、その役割や機能を明確化したものでございます。
 一方、地域医療支援センターにつきましては、地域医療対策協議会において協議が調った事項に基づき、医師派遣事務、キャリア形成プログラムの策定など、医師確保対策に関する言わば事務の実施拠点として改めて整理をしたものでございます。
 これによりまして、先ほど委員御指摘ありましたように、大学に委託するケースで非常にうまくいっているケースが多いというのは事実でございますけれども、必ずしもその大学に委託しなくても、こういう形で関係及び役割、機能を明確化することで、大学を含めた関係者と合意を調え、それに伴って実施拠点が動くと、こういうことで実効性が高まるのではないかと考えているところでございます。
#94
○足立信也君 役割の違いは理解しました。今実際動いているものをより有効に使うという姿勢で臨んでいただきたいと、そのように思います。
 ちょっと飛ばして、私、気になっていることをちょっと申し上げます。これ地域枠です。定員を増やして今九千四百二十人ですか、地域枠の人がもう一八%、千六百七十四人。これ、ちょっとまとめて答えてほしいのは、奨学金の額がおよそどれぐらいで、そして卒業後はどういう義務を負って、これ、返済ができない、延滞した場合の利息等はどうなるんでしょうか。
#95
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘の地域枠の学生に対する奨学金でございますけれども、これ、現実には各地域、各都道府県で違いがございますけれども、一般的に申し上げれば、奨学金につきましては、医学部六年間、総額でおおむね約一千二百万前後の金額であるというふうに承知をしております。
 また、その後、卒業後に課される義務年限につきましては、奨学資金の貸与期間の一・五倍の九年間ということが、地域によって差はございますけれども、一般的にはこの一・五倍の九年間ということが定められていることが多いというふうに認識をしております。
 一方、この義務年限の地方勤務九年間、地域の勤務の五年間を免除される、その奨学金を返済した場合につきましては、各都道府県につきましては貸付金利を設定をしておりまして、おおむね多くの都道府県におきまして年一〇%前後の貸付金利を設定しているものというふうに私どもとしては認識をしております。
#96
○足立信也君 これ、奨学金には先ほど出ました医療介護確保基金も使われていますけれども、この延滞利息が一〇%と、これはやっぱりすごい率だなと思います。
 九年間県内の医療機関に義務といいますか、ありますね。これ、私気になるのは、じゃ、臨床研修制度、臨床研修病院の選択にこれ相当な制限が掛かっているということなんでしょうか。
 加えて、これも私気になっているのは新専門医制度です。これ、研修の病院決めますね。九年間というのは、二十五、六で卒業した場合に極めて重要な九年間。自分の意思で選べないんでしょうか。あるいは、制限が掛かって、研修先でも、それから専門医になるための病院の選択も彼らは制限が掛かっているんでしょうか。
#97
○政府参考人(武田俊彦君) この地域枠の医師の義務年限の扱いでございますけれども、各都道府県が、就業義務年限のうち、どの地域や診療科で何年間勤務するか、こういった医師のローテーションについての方針を定めた上で策定するキャリア形成プログラムにこの地域枠の医師は参加することとされているところでございます。
 大学所在地都道府県における臨床研修修了者は、臨床研修修了後、大学所在都道府県に定着する割合が高いことから、地域枠医師については原則として大学所在都道府県において臨床研修を受けることとするようキャリア形成プログラムに位置付けることとしておりますけれども、それぞれの地域で若手医師の養成、具体的には国内外の留学ということも希望としてあった場合にそれをかなえるかどうか、これはまた都道府県でそれぞれ判断をされてキャリア形成プログラムが定められている現状にあるのではないかと思いますし、今後、各都道府県で若手医師の専門医取得などのキャリアアップを十分考慮したキャリア形成プログラムになるよう、私どもとしても促してまいりたいというふうには考えております。
#98
○足立信也君 今おっしゃいましたけど、実は去年の七月三十日に通知を出されていますね。これは、事実上同じ大学所在地の都道府県に囲い込みですよ。これが若い年代の医師に本当にいいことなのか。
 もう一つ言いますと、これは次回の質問になりますけれども、今大学医学部って入試が難しいじゃないですか、偏差値高いじゃないですか。有名高校やあるいは大手の予備校は海外進学コースがどんどん増えていますよ。こんな強制があるとか義務を負わされるとか、それよりも海外の進学コースを選ぶ人が増えてきていますよ。これ、日本だけの問題じゃないんですよ。若くて、もちろん学問に対する意欲があり、あるいは臨床経験も積みたいと思った人は海外に出ていってしまいますよ。そこも考えながら対処していかなきゃいけないということを指摘して、今日の質問は終わりたいと思います。
#99
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 本法案で実現を目指す地域医療構想、これについてまず質問したいと思います。
 これは、策定段階から機械的な病床削減との批判に対しまして、当時、塩崎大臣は、地域の実情を踏まえて地域医療構想を策定することになっているんだと答弁されておりました。医療構想の結果はどうなったかと見ますと、厚労省の推計どおり、二〇二五年の病床数は、機能分化しないまま高齢化を織り込んだ病床数よりも三十三万床少ないというものになったわけです。
 これ、結果を見て、地域の実情がこの構想に反映された数字なのかどうか、その認識をお聞かせいただきたいと思います。これ、大臣にお願いしたい。
#100
○国務大臣(加藤勝信君) 今、地域医療構想については、二〇二五年の病床数の必要量の推計、これ、平成二十七年四月に厚生労働省から都道府県に対しガイドラインをお示しをし、地域の実情に応じて対応していただきました。
 全国の病床数の必要量の推計は、平成二十七年六月に内閣官房社会保障改革担当室、これが行っておりますが、推計に当たっては患者の移動等の地域の実情が反映されるべき点について機械的な仮定を置きつつ、全国合計で百十五万床から百十九万床程度という形で結果を出しております。
 それに対して、平成二十九年三月までに都道府県が策定した地域医療構想、これは患者の移動や入院受療率といった地域の実情を踏まえるべき点について地域の医療関係者や保険者等関係者でよく議論をしていただいて、その議論の結果を踏まえて推計が行われたということであります。
 都道府県が行った推計値の全国合計をいたしますと百十九・一万床ということでありまして、内閣官房の推計結果の幅の中に入っているわけでありますけれども、こうしたそれぞれの各都道府県においては、基本的に地域の実情、こういったことを踏まえて、そして関係者がそこに、議論に参加をして、そして作られた、こういった結果だというふうに認識をしております。
#101
○倉林明子君 丁寧に御説明いただいたんだけれども、全体としては厚労省のガイドラインの枠内の病床数ということになっているんですよね。数字は一千床しか違わないという数字ですよ。
 これ、国の慢性期病床の推計ということで見てみますと、療養病床に入院する医療区分の一の人、このうち七割が在宅可能だというふうに見込んでいるわけですね。
 これに疑問を抱いたのが京都府で、独自の調査をやったというんですね。この結果を見ますと、実際に療養病床に入院している医療区分一の患者さんで、在宅での対応が不可能と、こういう回答をした病院というのは七割を超えているんですよ。つまり、現状では在宅可能な人は三割下回ると、そういう数字が出たんですね。
 そもそも、医療区分が低い入院患者の七割は退院できると、こういう推計が実態に合っているんだろうかというふうに率直に思うんだけれども、どうですか。
#102
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 この地域医療構想における慢性期機能及び在宅医療などの需要の将来推計では、平成二十五年に日本慢性期医療協会が会員である二百四十病院に実施した調査において、入院している患者ごとに同会が設定した重症度評価に当てはめると、医療区分一の患者の約三割が医療区分二の方に相当する、残りの七〇%につきましては重症度が低い、こういう結果があることなどを参考にしながら、医療関係者、それから自治体関係者などを構成員とする有識者検討会で議論した結果として、医療区分一の患者の七〇%は介護施設や在宅医療等で対応可能な患者数として見込むこととしたわけでございます。
 一方、京都府で実施をされた調査では、療養病床を有する京都府内の六十三病院の管理者等に対し、入院中の医療区分一の患者を一まとめにして在宅等に移行できるかを病院単位で回答してもらったものであり、個々の患者の心身の状態や家族の支援等を踏まえて個別の患者ごとに在宅等での対応の要否を聞き取ったものではないというふうにお聞きをしております。
 また、在宅等に移行できない理由として、医療ケアの必要性や生活上の自立度が低いといった医学的理由だけではなく、家族の受入れ体制や地域における医療、介護の提供体制の不備など、社会的なサポート不足などの理由も踏まえて、在宅等では対応不可能と回答した病院が七〇%であったという結果であるとのことでありますので、この調査のみをもって国が示した推計が現状と乖離しているとまでは言えないのではないかと考えております。
#103
○倉林明子君 国の数値を当てはめたらすごく違和感があったから、ちゃんとやってみたということなんですよね。
 レセプトデータでやっぱりそれを基本にしてやっているということで、私、本当に正確な、全国で見てですね、地域別で見てもらってもいい、京都には京都の特徴、確かにあるんです。そういう実態が反映したものにはなっていないんじゃないかという疑問を抱いているわけです。
 京都の構想会議で、現場の病院長からこんな発言があったんですよ。それはどういうものかというと、臨床の場で実感することは、住民の経済力がじわじわと下がってきていて、これが医療需要に影響する段階まで来ていると、こういう認識ですね。で、自己負担が賄えない、貧困が進んで医療機関にかかれない人が増えていると、こういう現場の声が上がっているんですね。
 いわゆるレセプトデータを基にするということになりますと、こういう、医療にかかっていない、必要でも、こういう人たちというのは医療需要に推計としては反映されないと、そういうことになるんじゃないですか。
#104
○政府参考人(武田俊彦君) この地域医療構想における二〇二五年の病床数の必要量でありますけれども、これは二〇二五年の性・年齢階級別の推計人口と二〇一三年の性・年齢階級別、医療機能別の入院の受療率を掛け合わせ、二〇二五年の医療機能別の医療需要を算出いたしまして、その数値を医療機能別の病床稼働率で除すということで算出をしております。
 御指摘のようなケースを含めまして、現在医療機関を受診していない潜在的な患者につきましてはこの医療需要の推計には反映をされておりませんけれども、推計は二次医療圏を基本とする構想区域における一定の入院規模で推計をしておりますので、地域医療構想調整会議において地域の実情も考慮して協議した上で決定されていることから、現時点では御指摘の視点から推計上大きく実態と乖離しているといった意見は聞いていないところでございます。
#105
○倉林明子君 レセプトデータの実績を基にしていろいろ言うんだけど、ここが大本になって出ている推計なんですよね。
 医療が必要なのに病院にかかれないという人は、基本的には推計値では入れているというんだけれども、含まれない実感というのは現場からも出ているということ、重要なんですよ。さらに、これ医師不足とか診療科の偏在、これ各地で起こっているわけですが、そういうことを理由にして稼働できない病床、さらに、閉鎖したままの外来、こういうものも発生しています。それがそのまま実績として将来推計に持ってくるというのが基本の仕組みになっていたと思うんですね、推計の。
 地域医療構想ではじき出された病床数そのものが、これ私、必要な本当に病床数と言えるんだろうかというふうに思います。いかがですか。
#106
○政府参考人(武田俊彦君) この地域医療構想における二〇二五年の病床数の必要量の推計に当たりましては、医師不足や診療科の偏在等に起因するものを始め、現に生じている地域間の患者の流出入につきましては、将来に向けてこれを解消していくことを前提として医療需要を調整することが可能でございます。例えば京都府の地域医療構想におきましても、地域ごとの医療資源の多寡や患者の流出入の状況を踏まえた医療需要の地域間調整を行った上で病床数の必要量を推計していると承知をしております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 地域医療構想は、病床数の必要量の推計から医療機関ごとの具体的対応方針の策定に至るまで、このような地域での関係者の協議プロセスを経て、地域ごとの将来の医療ニーズに応じた病床の機能分化、連携を進めていくものでございます。
 地域医療構想の達成に向けた取組を着実に進め、質が高く効率的な医療提供体制を地域ごとに構築していくことが診療科の偏在や医師不足の解消にも資することになる、こういう面もあるというふうに考えております。
#107
○倉林明子君 いや、京都府の名誉のために言っておきますけれども、京都府は、こういう実態調査も含めて、推計だったら、国の数値当てはめたらマイナス全体で九百になるところだったんですよ。ところが、実態踏まえて推計を自らし直してみたら、プラスで出ているんです。で、区分ごとに何床になるかというのも出していないんですよ。かなり独自の医療構想になったのは、独自の実態を踏まえた結果なんですよ。
 じゃ、何で足し算したら全国百十九万というその推計にぴたっと合うたんかといったら、推計どおりに機械的にやっているところがほとんどやったと、私は改めて指摘をしておきたいと思うんです。
 その上で、今御紹介あったけれども、今閉鎖している病床については、その期間が一年以上だったと思いますけれども、今回これ削減迫っていく対象になってくるということだと思うんです。一層の医療過疎を加速すると、こういうことがあってはならないということを改めて指摘をしておきたいと思います。
 そこで、本法案には、この地域医療構想実現のために、都道府県知事の権限を追加しております。二〇一四年成立いたしました医療・介護総合確保推進法、ここでは、地域医療構想の達成に向けて都道府県知事が新たな病床増設、開設、これに対してどんな措置がとれるようにしたのか、その当時で。
#108
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 病床の整備に関して、二〇一四年の改正以前の医療法では、病床の地域的偏在を是正し全国に一定水準以上の医療を確保する観点から、都道府県知事は、既存病床数が基準病床数を上回る病床過剰地域において病院の新規開設や増床の許可申請があった場合に許可を与えないことなどが可能でございました。
 これに加えまして、二〇一四年に成立した医療・介護総合確保推進法におきましては、地域医療構想を進めるための権限として、病院の新規開設などの許可申請があった場合に地域で不足している医療機能を担うよう開設などの許可に条件を付与すること、既存の医療機関が地域で既に過剰となっている医療機能に転換しようとした場合に転換の中止の命令や要請、勧告を行うこと、地域医療構想調整会議での協議が調わない場合に既存の医療機関に対し地域で不足している医療機能を担うよう指示や要請、勧告を行うこと、稼働していない病床がある場合にそれを削減するよう要請、勧告すること、こういった権限を創設したところでございます。
 なお、地域医療構想の達成に向けては、地域医療構想調整会議において各医療機関が二〇二五年に担うべき役割について協議を行い、その協議の結果に沿って取組を進めていただくことが重要でございますので、こうした都道府県知事の権限は、あくまで自主的な協議だけでは病床の機能分化、連携が進まない場合に適切に行使していただくこととなると考えております。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#109
○倉林明子君 今回のところまでちょっと踏み込まれたのかどうかよく分からなかったんですけれども、今回の改定、これまではどうだったか、今回どうなるのかということで、資料を付けております。
 現行制度では、左手、基準病床数までの増床の場合、これ可能だったものですよね、基本的に。ところが、今回の改定では、じゃ、どうなるのか。どうですか。
#110
○政府参考人(武田俊彦君) 現行の基準病床数の制度の下では、基準病床数が、基準病床数を下回る場合につきましては追加的な病床の整備を行うことが可能となっておりますけれども、一部の地域においては、二〇二五年の病床数の必要量が既存病床数を下回り、将来的には追加的な病床の整備がこれ以上必要ないにもかかわらず病床を整備することができる、こういう制度上の状況にございます。
 こうした地域におきましては、追加的な病床整備の申請があった場合に、その必要性について地域医療構想調整会議等で協議をし、基本的にはその協議の結果に沿って自主的に申請内容が調整されるものと考えておりますけれども、こうした協議を経ても必要な調整がなされない場合に、都道府県知事が医療審議会の意見を聞くなどの必要な手続を経た上で、公的医療機関に対しては許可を与えないこと、民間医療機関に対しては申請の中止等の勧告を行うことが可能となるような権限を新たに追加する、こういう趣旨の改正をお願いしているところでございます。
#111
○倉林明子君 つまり、資料で見ていただいたらお分かりのように、これまでだったら増床が可能だったところのラインがぐっと下がって、赤いところでライン取っています病床数の必要量、ここが増床可能なラインになっていくんだということだと思うんですよ。
 いろいろ手続取るとおっしゃったんだけれども、やっぱりこの地域でこれだけの病床を確保してやりたいという民間病院が手を挙げた場合、これが将来の必要量を上回るということになっていると、とことんやりたい意思が変わらない場合は、これ前回からも入っている分ですけれども、保険医療機関の指定をしないという権限あるわけですよね。だから、事実上、その必要量が定まったその数よりも上回る開業、増設というのはこれできないという、極めて強い権限行使がより少ない病床数のところにまで掛かってくるということで、これは、地域医療構想の範囲でなければ実質増床は認めないよと、そしてそれは知事にその権限を与えるよと、こういう仕組みになったんだという理解なんですよ。
 今年二月七日に出されました通知を見て、私、大変びっくりしたんですね。地域医療構想調整会議の進め方についてということで事細かに書いてあるんです。個別の医療機関ごとの具体的対応方針をこの地域医療構想調整会議で決めなさいと、公立病院は公立病院でなければ担えない部分に重点化しろと。で、日赤等を含む公立病院以外の公的医療機関についても同様に重点化、でなければ担えない部分に重点化しろと。
 さらに、民間病院も例外でないということになっていると思うんです。現状の病床数を削減しろと、こういう指示になっているんじゃないでしょうか。
#112
○政府参考人(武田俊彦君) この地域医療構想の達成に向けては、国から示されたデータを活用することなどにより、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、地域医療構想調整会議において平成二十九年度、三十年度の二年間程度で集中的な検討を促進することが求められております。
 御指摘の本年二月七日に都道府県に発出された通知でございますけれども、これはその各都道府県が地域の医療関係者と連携しながら円滑かつ速やかに議論を進めていただくことができるよう、開設主体に応じた協議の進め方やスケジュール、非稼働病棟を有する医療機関や病床の追加整備の計画を有する医療機関に関する協議の進め方、協議に当たって地域医療構想調整会議に提示すべき診療実績等の情報等の地域における協議のプロセスをお示ししたものでありまして、現状の病床を地域医療構想の将来の病床数の必要量に合わせて機械的に削減するよう求めたものではございません。
 厚生労働省としては、お示ししたプロセスに沿って地域で議論が行われ、地域ごとの将来のニーズに応じた病床の機能分化、連携が進むよう、議論の進捗状況を定期的に把握しながら適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
#113
○倉林明子君 もう繰り返し協議しろ、決まるまでと、そういう強力な中身になっていますよ。
 でね、公私を問わず、どの病院、そしてどの病床、これ削減させるか、決まるまで協議しろと、こういう指示になっているんですよ。これ、医師会の中からも、民間病院が公立・公的医療機関等より先に淘汰される事態が起きてはならないと心配しているわけですね。さらに、公私の競合があれば公の方を撤退させることになると、こんな声が出ているんです。
 私、地域で連携して医療を担ってきたんですよ、公立、公的、民間。ここがとんでもない対立を持ち込むことになりかねないというふうに思っています。
 これ、医療費削減、この責任を、医療費適正化計画、国保運営、これを一体でやることになるのが、二〇一八年度から都道府県に担わせるということになるわけです。地域間格差縮小と、この目標で競わせるということになるんですね、結果として。
 医療費削減競争に私、都道府県を追い立てるようなことになるんじゃないかと懸念しているんですけれど、いかがでしょう。
#114
○国務大臣(加藤勝信君) 医療費については、今後人口の高齢化等が進む中で増加が見込まれていくわけでありますけれども、そうした中で、国民が安心して医療にかかることができるこうした制度をどう堅持をしていくのか。この課題は、国だけではなくて、都道府県、市町村、また保険者、それぞれの共通の認識というふうに思います。
 そういう中で、国民の予防、健康づくりや医療費の適正化に取り組んでいく必要があります。医療費適正化計画、また国保の財政運営についてはもうそれぞれちょっと具体的に申し上げませんけれども、こうしたことをすることによって、国民が安心して医療にかかることができる制度を引き続き堅持する観点から、国、都道府県、市町村、保険者、それぞれの役割を果たしていこうと、こういうもの、また果たしやすい形にしていこうということでありますので、医療費削減競争ということではなくて、それぞれがその役割を果たす中で、安心して、そして継続的に制度が維持できる、こういった形で実施をしていくものであると、こういうことであります。
#115
○倉林明子君 私は、仕組みとして大掛かりに都道府県の知事の権限を強化して、どうやって全体としての医療費を抑制させていくのか、そこで知事が本当に大変な責任を負う仕組みになっているということを重ねて指摘をしておきたいと思うんですね。
 さらに、ここに都道府県別の診療報酬導入と、こういう動きが起こっているわけですね。この場合、診療報酬を引き上げるという選択肢はないんですよ。引き下げるという選択しかない。
 これ、どんな場合を想定しているのか、御説明ください。
#116
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のありました医療費適正化計画でございますけれども、これは、御案内のように、医療費に影響を与える要素は様々ございます。その中で、科学的な裏付けがあるものにつきまして、保険者、医療関係者などの協力を得て実施することが可能な取組、これについて目標を設定する枠組みでございます。
 そこで、これの進め方でございますけれども、まず、国が計画に盛り込む目標を告示で示しまして、都道府県において適正化の目標を計画に定め、保険者、医療関係者などの協力も得ながら実施するということでございます。そうして、都道府県は、計画期間が終了後に目標の達成状況を評価いたしまして、目標が達成できなかった場合、達成に必要な施策、取組などを様々検討していただき、それでもなお必要があると認めるときに、国に対しまして都道府県内の区域内に全国とは別の診療報酬を設定することを求めるといったような意見を提出することができるということでございます。
 国では、あらかじめ都道府県と協議をした上で、地域の実情を踏まえながら、適切な医療を都道府県間で公平に提供する、こういう観点から見て合理的であると認められる範囲内で都道府県の区域内に全国とは別の診療報酬を定めることができる、こういった枠組みを想定しているところでございます。
#117
○倉林明子君 ちょっと全然具体的に見える説明ではなかったのが残念です。
 全国知事会など地方三団体は、この医療費適正化に向けた実効性には疑問があるというふうに声が上がっております。慎重な対応を求めているということですよね。そもそも都道府県別の診療報酬には、どの地域に住んでいても同じ診療が同じ値段で受けられると、これ国民皆保険制度、基本なんですよ。これをばらばらに導入できるというようなことをやってしもうたら、私は大変なことになると思う。
 国民皆保険制度の下で全国一律の診療報酬、堅持すべきだと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。
#118
○国務大臣(加藤勝信君) まず、我が国においては、国民皆保険の下、誰もがどこでも一定の自己負担で適切な医療を受けられる、これ基本的な理念でありまして、診療報酬については、被保険者の公平を期す観点から、どの保険に入っていようが全国一律の点数が設定されているということであります。
 一方で、高齢者医療確保法、もう委員が御承知のように、というのがございまして、そこには、いろいろ書いてあるんですけれども、端的に言えば厚生労働大臣がそうしたことが設定できると、こういうふうに規定になっております。
 その上において、社会保障審議会医療保険部会等でも様々な意見等々を踏まえて、都道府県からもいろいろ分析したり何やかんやした結果として、意見の提出があった場合にはそれも踏まえて対応しろと、こういうふうに運用上させていただいていると、こういうことでございます。
#119
○倉林明子君 いや、私、すべきじゃないと言ったんですよ。何が何でも医療費削減というベクトルがもう本当に激しいし、余りにも財務省の言いなりが過ぎると言いたいと思う。
 国民が安心して医療を受けられる医療提供体制、これをしっかり保障する、厚労省には重い責任があると指摘をして、終わります。
#120
○委員長(島村大君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#121
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、医療法及び医師法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#122
○自見はなこ君 ありがとうございます。自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。
 医療法及び医師法の一部を改正する改正案について質問をさせていただきます。
 私は、一年と九か月前に参議院比例区で国会に送っていただきましたが、元々は勤務医でありまして、平成十六年度に初期臨床研修医になった者であります。その私ですけれども、まだまだ医師養成課程には制度上改善すべき点が多くあるというふうに思っております。
 その一つが、医学部の学生が病棟で行う臨床の実習と、あとは、国家試験に合格した後、医師免許証を取得してから臨む臨床研修の二年間、私はこれを2プラス2の四年間と呼んでおりますが、この四年間の過ごし方については改善すべき点があるというふうに思っております。
 具体的には、医学部教育での臨床実習がなかなか実質的になれず見学型のままであり、また、国家試験の前一年間は、自分の学校を卒業するための卒業試験の対策ですとかあるいは国家試験を受けるための試験対策ということで、大学でも講座を設けたり、あるいは過去問を解く時間ということで座学が中心となることが多いことから、臨床実習はここで随分と長い間中断されているのが実情であります。
 そして、研修医としてローテートする際にも、病院によっては一つの科をローテートする時間も一か月と非常に短く、通常、一か月ですと、初めの一週間で、病棟の独特のルールがそれぞれにありますので、そういったものを覚えて、そして病棟で受持ちをさせていただきます患者様との関係を築き始め、そして慣れた頃には実はもうすぐに次の研修医への申し送りを始めるという、そういう日々でございます。初期研修の二年間は、様々な医療機関がございまして、それごとによって内容は随分違うということもありますが、いつまでたってもどちらかというとお客様のような時間を過ごすということが多いという側面があるように感じております。
 このように、一般診療能力を十分に備えた医師養成課程が進むに当たっては、改善すべきことがあると思っております。そのような思いから、去年から、医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟を、河村建夫先生を会長とし、私は事務局長として結成させていただき、活動をさせていただいております。
 医学部の教育とそして初期研修を真にシームレスに結ぶこと、そのためには、文科省とそして厚労省とが密接に連携し合い、医師養成に一貫性を持つこと、また、そのことにより、医師の養成課程の特に初期の部分の、重複的な部分ですとか実質的でない部分がありますので、これを改善し、そしてこの無駄を省いた上で、地域医療に資する期間というものも医師養成課程の早い段階から盛り込んでいくということは、我々ができる取組として非常に大切なことだということを主張しています。
 今回は、議員連盟でも指摘をされました医学部生の養成課程で非常に重要な箇所でございます臨床実習について、一問目の質問をさせていただきたいと思います。
 医学部でのシームレスな医師養成を進める観点から、今回の法案の附則におきまして、医学部生の臨床実習に関する三年間の検討規定というものが置かれております。厚生労働省においては、医学部生の臨床実習に関する法的な位置付けを整理し、その内容をより充実させるためのいわゆる門田レポートの作成が進められているというふうに認識していますが、今後更にどのような対応を取っていくのかをお教えください。
#123
○政府参考人(武田俊彦君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘をいただきましたように、医師の知識及び技能の更なる向上に向け、卒前の臨床実習を充実させ、卒後の臨床研修にシームレスに接続していくことが非常に重要であるというふうに考えております。
 今回の法案におきましては、附則第二条第一項に医学生の臨床実習に関する検討規定を設け、「この法律の公布後三年以内に法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。」としているところでございます。
 具体的な対応につきましては、今、門田レポートの御指摘もございましたけれども、卒前の臨床実習について、平成二十九年度の厚生労働科学特別研究事業におきまして医学部の臨床実習において実施可能な医行為の研究を行っており、法的な解釈を含め一定の整理を行ったところであります。今後、医道審議会医師分科会において、医療界や法曹界等の有識者の意見を聞きながら更に議論を進めていく予定としております。
 また、臨床実習の更なる充実に向けて、主に医学部の四年次に行われている共用試験、いわゆるCBTの公的位置付けについても、その教育内容の検討や医師国家試験の出題基準との整合性の確保などについて必要な整理を行っていく予定としております。
 厚生労働省といたしましては、これらの研究報告や共用試験の位置付けの整理等を踏まえまして、医学生が臨床実習で行える医行為や求められる医学生の要件を明らかにし、周知するとともに、共用試験の医師法上の位置付けについても必要な整理を行い、臨床実習が更に充実するよう、御指摘ございましたように一貫性のあるシームレスな医師の養成を関係省庁である文部科学省と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
#124
○政府参考人(信濃正範君) 文部科学省では、各大学においてカリキュラムを策定する際に参考としていただいております医学教育モデル・コア・カリキュラム、これを昨年三月に改訂しております。その際には、厚生労働省と連携をいたしまして卒後臨床研修との整合を図ったということとともに、その臨床実習につきましても診療参加型の推進を強調するといった見直しを行っております。
 また、このモデル・コア・カリキュラムで強調いたしました診療参加型臨床実習、これを具体化するためには、医学生が臨床実習で行うことができる医行為の範囲、これを明確化する必要があるということから、厚生労働省で実施されました先ほどの門田レポート、この検討過程に文部科学省もオブザーバーとして参加をしているということでございます。
 文部科学省としましては、今後も厚生労働省と連携協力をしまして、医師養成課程全体を俯瞰しながら臨床実習、共用試験を含めました卒前教育の充実を図りまして、卒前、卒後の一貫した医師養成を推進してまいりたいと考えております。
#125
○自見はなこ君 誠にありがとうございます。両省庁そろってお答えいただきまして、大変感慨深いものがございます。
 現在スチューデントドクターという取組も幅広く行われておりますが、今回の法改正によりまして、医学部の後半、特に共用試験に合格した後に参加することが許される臨床実習が、ただの参加型ではない実習となるように法的な位置付けにまで踏み込んだということは、非常に議員連盟での議論も有効であったと思いますし、これからますます皆様とともに一緒に頑張っていきたいと思っております。
 そして、先ほども言及をされておられましたけれども、今後は共用試験の更なる公的な位置付けの確立と、あわせて、国家試験の在り方の再検討というものが必要であるというふうにも思っております。
 現在は、繰り返しますが、医学部六年生が受験生のような日々を送っております。卒業試験もある中で国家試験対策に追われている、非常にある意味ではもったいない時期を過ごしています。医学部教育の質自体を担保し、そして卒業をもって医師免許を付与している、そういった国もございます。すなわち医師の日本型の医師国家試験がない国もございます。今は共用試験と国家試験、それぞれが文科省と厚労省ということで、これも分断されていた歴史がございますけれども、二度知識を問う試験をしているのが実情であります。是非、両省庁しっかりと連携を行っていただき、国家試験の在り方、そして共用試験の在り方は連動して見直していただきますように心からお願いを申し上げます。
 そういったことを行いまして、初めて医学部生が安心して臨床実習に集中できる体制というのが確保できると思っております。これらが確保できるということで、私は2プラス2の四年間と言っておりますが、この四年間の時期をしっかりと研さんを積み、そして地域医療の枠を更に充実させていくことがこれからの地方社会にとっても必要になってくると思っております。是非よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。医療系全般の職種にも関わる教育の話になります。フランスでは、医療系の職種は全体で大きなマスとしてまず入学をいたします。そして、一年目には基礎の医学の一部やあるいは医療倫理等を中心に学びます。そして、その後にさらに試験がありまして、医師になる方ですとか薬剤師になる方、コメディカルになる方等々が専門職種ごとに枝分かれをしていくという仕組みであります。
 フランスと同じようなことをしてくださいとは言いませんが、概念として、そのような全ての医療系職種の根本とも言える医療倫理を学ぶためのコアカリキュラムの改訂というものを私は考えていく必要があるのかなというふうに思っておりますが、文部科学省の意見をお聞かせください。
#126
○政府参考人(信濃正範君) 今議員が御指摘いただきましたように、医療分野を目指す学生には、その職種に関わりなく、とりわけ高い倫理観ですとか人権意識が求められるというふうに認識をしております。このため、医学教育におきましては、学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示しております。これは、モデル・コア・カリキュラムの中にそういうものを位置付けております。
 そして、その中で、医の倫理や生命倫理に関する項目というものが、これは従来から盛り込まれているところでございます。これに基づきまして、多くの大学では、一般社会倫理から医の倫理まで広く学び、これらを深く学んで理解することですとか、倫理、心理、社会的問題に対応できる能力を養うことといった、医師として求められる倫理観や人権意識を涵養するための教育、これが一年時から既に実施されてきたというふうに承知をしております。
 加えまして、医療安全等の社会的要請を踏まえまして、先ほども申し上げましたけれども、昨年三月にモデル・コア・カリキュラムを改訂いたしまして、その中で、学生が臨床倫理や職業倫理に関する理解を深めることができるように、医師として求められる基本的な資質、能力に関する学修目標というのを充実したところでございます。
 そして、今申し上げましたような職責ですとか倫理に関する教育の充実というのは、これ、医療職種全体に共通することであります。文部科学省では、医学教育ですとか看護学教育、それぞれのモデル・コア・カリキュラムにおきましても、同様の考え方に沿って医療倫理に関する内容を充実させる取組を進めているところでございます。
#127
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 多くの学生さんは、大変使命感、燃えに燃えております。公の役に立ちたいという非常に高貴な気持ちでもってこの四月の入学式を迎えているところでありまして、この時期の学生さんの目は本当にきらきらとしております。
 医療系の職種にとり私たちが最も大切にしていることは、こういった公益性と、また高い倫理観の下で職業人生を歩むことだというふうに思っております。今は特に時代の変化が激しいというふうに思います。医療がどんどん高度化しているということもある。又は、その一方で、終末期医療の話では、どうやって寄り添っていくのかという話がある。はたまた別の視点から見ると、医療のICTが進化をしているということで、患者様の非常に機微な情報をどう取り扱っていくのか。そういったところまで、私たちは倫理観というもの、価値観というものを求められていると思います。
 個々の事例についてどうしたらよいのかということは、その判断をガイドラインのようなもので示すことももちろん大切ですが、そのひな形にある倫理観を、特に生死に関わるもの、機微な情報に関わるものに関しては医療人として養っていく必要があるというふうに思っています。そして、繰り返しますけれども、それは医師のみならず医療職種全般でもありますし、そして、社会保障を担う医療、介護、福祉、我々全てにとって共通のベースの価値観を是非持っていきたいというふうに思っておりますので、引き続き更なる取組をよろしくお願いいたします。
 続いて、今し方、少し触れましたが、医学部での教育内容であります。
 現在、医学部の教育において、我々は、医学は学びますが、実は医療についての時間が少ないなという印象があります。チーム医療の大切さというものは学ぶと思いますが、その一方で、診療報酬の仕組みですとか公的医療保険や支払基金ですとか、その歴史や決定のプロセス、あるいは地域医療提供体制がどうなっているのか、医療経営などについて学ぶ時間がほとんどないというのが現実であります。加えて、医療ICTを促進している中では、患者様の情報をいかに安全に管理させていただくか、どのように運用していくかなども、カリキュラムには一切ないのではないかというふうに思っております。
 先ほど、前段の質問で医療倫理についてお話をさせていただきましたが、それ以外にも、今申し上げたような点も含めて、カリキュラムに加え、医学生が自ら考える、あるいは自分たちの領域として触れるべき環境を構築すべきではないかと思いますが、これに関しては文科省、いかがお考えでしょうか。
#128
○政府参考人(信濃正範君) 今先生が御指摘いただきましたように、医療をめぐる環境は大分変わってきております。そういうことも踏まえまして、先ほども申し上げたモデル・コア・カリキュラム、これを昨年三月に改訂をいたしましたが、その際に、診療報酬制度、それから電子カルテを含む電子化された診療情報の管理運用ですとか地域包括ケアシステム、こういったことに係ります学修目標を新たに追記をいたしております。
 ただ、一方で、こういうように学修すべき内容が増えますと、学生の学修時間の確保というのは非常に難しくなってまいりますので、学修すべき内容が明確になるように、それぞれの項目の再検討とか整理、こういうことも行いまして、学ぶべきこと全体のその総量のスリム化というのも図っているところでございます。
 それから、もう一点御指摘がありました医療経営についてですけれども、これは、新たな教育プログラムの構築ですとか、その成果の普及、展開に向けて、文部科学省におきまして、例えば地域の実情に応じた病院経営戦略の企画立案等の能力を兼ね備えた医療人材を養成する優れた取組、こういったもの、こういったことに取り組んでいる大学に対して支援を行うという形で進めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、社会のニーズを踏まえまして、医学生がこれからの医療に係る諸課題についてしっかりと学修できる環境が構築されるように、引き続き各大学における取組を促してまいりたいと考えております。
#129
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 現在、外国人観光客が大変増えているということで、医療機関にも受診しているという問題を私も党のPTで担当させていただいておりますけれども、この価格ということについては、未払とは別に、時折話が出てきます。これはコメントでございます。
 今の仕組みでは、私たちの診療の場面というのは出来高払でございますので、後で会計をする仕組みということで、患者様に、幾らですか、これ値段幾らですかと聞かれても、大体答えられないというのが通常であります。私も夜中に内科の救急診療をしていたときに、CT撮りましょうといったときに、手持ちが幾らだけど、幾らですかというようなことを聞かれて答えられなくて、医事課に一緒に聞きに行ったというのを思い出しております。
 このことを申し上げると、年配の経験を積んだ先生方は、そこまで医者が言うもんじゃないと怒られることもありますけれども、診療報酬のエンドユーザーは私は医師であると思っておりますので、私たちが価格に対する概念を持つということは、特に我々の世代は次世代へ社会保障制度を引き渡していきたいと真剣に思っておりますので、こういったことに関しても意識を高く持っていくのは非常に重要なことであろうかと思っております。
 是非、文科省の教育の中でももちろんでありますが、初期研修の中でも、こういった概念も含めましてしっかりと教育の場を持つような、そういった取組を今後進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、薬剤師の養成課程についてお尋ねをしたいと思います。ちょうど三月の下旬に藤井先生も御質問されておりまして、全く同じ問題意識での質問となります。
 医師については厚生労働省において従来より需給、偏在の両面で議論が進んでおり、今回のような法改正が提出されているところまで物事が進んでおります。一方、薬剤師に関してですが、入学しても卒業できなかったり、あるいは国家試験においても合格率が低く、最終的に資格が得られない学生さんも非常に多いと伺っています。その一方で、薬剤師の数といたしましては、OECDでも絶対数としては最多とも言われている現状もございます。勉学に励み、国家資格を取るために養成校に入学した将来ある若者の立場から考えますと、入学ができた以上は、ある程度卒業や国家資格の取得につながる必要があるのではないかと考えています。
 薬学部の学生さんの個人の人生のためにも必要だと思いますし、あるいは養成そのものにも社会的資源というものが投入されているということを併せて考えますと、私は薬剤師にも需給推計を行うべきではないかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#130
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 御指摘の薬剤師の需給につきましては、厚生労働科学研究費補助金におきまして、平成二十四年度に需給動向の予測を行ったところでございます。しかしながら、既に五年が経過をしております。その間、少子高齢社会が進展する中で地域包括ケアシステムの構築が進められ、そうしたことも踏まえて、平成二十七年に患者のための薬局ビジョンを公表しまして、地域包括ケアシステムにおいてかかりつけ薬剤師・薬局に期待される役割などを明らかにいたしました。そこで、薬剤師に求められる役割は変化し多様化してきているというのは、委員御指摘のとおりでございます。
 こうした変化を踏まえまして、薬剤師の需給について改めて検討していくということは重要と考えておりまして、今年度、平成三十年度、薬剤師の動向を把握するための調査を行うことにさせていただいております。また、その調査結果につきましても、薬学教育を担当する文部科学省とも共有をいたしまして、地域包括ケアシステムにおいて薬剤師のお一人お一人がその能力を発揮し、求められる役割を果たすことができるよう、医薬品医療機器制度部会におきます薬局、薬剤師の在り方に関する議論に生かしてまいりたいと考えております。
#131
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 薬剤師になった後も、キャリア形成について申し上げれば、調剤薬局で初めて勤務した方が待遇が良いから先にそっちに行ってしまうとかいうそんな現状もございまして、病院薬剤師のなり手が少ないという声も聞いているところであります。本来は、薬剤師のキャリア形成というものを考えますと、やはりまず病院など患者様が入院しているところから研修といいますか勤務をスタートをしていただき、じかにいろいろな病気を診ながら、医師や看護師あるいは患者様、御家族との日々の濃厚なやり取りの中で研さんを積み、薬剤師として成長していってほしい、そういう初めの時期が必要ではないのかなとも思っております。
 需給についてもキャリアデザインについてもようやくこれから取組が進んでいくのかなという今タイミングだと思いますが、現状は非常に深刻な状態であるというふうに認識しておりますので、早急に取り組んでいっていただきたいと思います。
 実はこのことは、私が全国区で引き続き医療機関の先生方と意見交換する機会が多い中で、非常に分かりやすい言葉で言いますと、医師会の先生方からも、大変気の毒だと、何とかしてあげてくれないかと、多くの学生が卒業できずに苦しんでいるんだという切実なお声も受けております。私は同じ医療人として非常に悲しい思いでありますので、是非取組を進めていっていただきたいと思います。
 また、これは質問ではなく、加えてのコメントでありますけれども、先ほど触れました倫理の話であります。
 薬剤師は、大体多くが現在分かれて存在していると思っております。病院で働く薬剤師の方、あるいは薬局で働く方々、チェーンのこともそうですし、あるいは長年続いてきた薬局で働いている方もそうであります。あるいは行政で働く薬剤師、様々な立場の薬剤師の方が現在存在しております。ただ、これらは皆様同じ薬剤師であります。理念そして使命感の下で、私は是非、共通の職業人としての倫理観を組織としても共有していただければ有り難いというふうに思っております。
 そうした職業人としての一体感の下で、大変言いにくいですけれども、薬価改定などの難しい問題ですとか、あるいは新薬開発の場面でも、プロフェッショナルとして自分たちがどうあるべきか、どう相互に連携していくべきか、是非団結をしてほしいというふうに思っております。医薬局の皆様も、是非、同じ職業を選んでくれる自分たちの後輩になる人たちの話ですから、大切にしていっていただきたいと思います。
 そういったことが、将来の社会保障の制度設計に関しましても、そして個人の薬剤師の方の職業人生の質の向上のためにも必要なことだと思いますので、藤井先生と同じ問題意識ではございましたけれども、改めて私からも質問をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、また法改正の方に戻っていきたいと思います。
 今年の四月からであります、専門医制度が開始をされました。開始に至るまでの過程で様々な議論があったこと、経過があったことは承知をしております。
 その専門医制度ですが、医療法、医師法の改正では、日本専門医機構等に厚生労働大臣から意見を申し述べる権限の創設というものをうたっています。専門学会の先生などから、専門医制度は学術としてのプロフェッショナルオートノミーの下で運営されている組織であることから、国の関与は最低限にすべきだという意見もございます。これは一体どういう場合を想定して厚生労働大臣から意見を申し述べる権限の創設をうたっているのか、教えてください。
#132
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 専門研修におけるプロフェッショナルオートノミーとは、専門医認定に必要な実技や教育内容などの研修の質に直結する部分につきまして医師が自ら制度設計や運営を行うことと認識をしておりまして、これはあくまで尊重されるべきものであるというふうに考えております。
 本法案におきましては、専門医制度において研修計画を定める際、医療提供体制の確保に重大な影響を与える場合には、あらかじめ厚生労働大臣の意見を聴き、その意見を反映させるよう努めなければならないこととされております。
 具体的に申し上げますと、例えば特定の領域において、一部の都道府県の定員が極端に少ないケース、また研修プログラムそのものがないケースなど、全国的なバランスが損なわれるようなケースなどが考えられるところでございます。
 また、都道府県からは、基幹施設の基準を満たしており、かつ基幹施設になることを希望しているにもかかわらず、基幹施設となれない医療機関があったとの意見も聞いておりまして、こうしたケースにつきましても、都道府県からの意見を集約し、意見を述べることも考えられるところでございます。
 さらに、研修を受ける機会の確保に必要な措置の実施についても意見を述べる仕組みを盛り込んでおりまして、例えば女性医師等が妊娠、出産等の理由により専門研修を受ける機会が損なわれるような場合に、厚生労働大臣が研修機会確保のための措置の実施を要請することも想定をしているところでございます。
 これまでに申し上げた場合におきまして、プロフェッショナルオートノミーによる研修の質の確保については当然配慮すべきものと考えており、あくまで地域医療への配慮、こういった観点から意見を申し上げることとしてまいりたいと考えております。
#133
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 実際に、この新しい専門医制度が始まりまして、どういった影響を地域医療に及ぼすかというものに関しては数年単位で見ていかないと分からないところもあるかと思いますが、基本的には学術団体の話でありまして、このことは研究ですとか医学という学問の領域の話でございます。
 厚労省は、元々権限を持っている上に規制監督官庁でございまして、自分たちで思っているよりも周りの医療機関は大変大きな権限を持っているという目でも見ております。是非、日頃からの円滑なやり取り、一方的でないやり取り、かつ、意見を申し述べる際には限定的で、そして先ほど述べていただきましたように抑制的な運用というものを是非お願いしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 地域枠、地元出身者枠の創設、増加について、今回の法案にも含まれておりますが、例えば県内の地域枠や県またぎ地域枠など、地域枠にも様々な形態がございます。これらの地域枠の対応について、今回の法改正における具体的な内容というものはどのようになっているでしょうか。
#134
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 ただいま御指摘がありました地元枠、地域枠といったものでございますけれども、私どもこれまでの調査で把握しているところによりますと、地元出身者、県内の地域枠及び他県に設置された地域枠について、臨床研修修了後いずれも八割前後の高い定着率を示しているというふうに把握をしております。
 このため、本法案におきましては、医師養成段階における定着策を図るために、各都道府県におきまして、具体的な医師確保対策の実施を担う大学、医師会、主要医療機関等を構成員とする地域医療対策協議会の協議を経て、都道府県知事が管内の大学に対する地元出身者枠の設定、増員の要請でありますとか都道府県内外の大学に対する地域枠の設定、増員の要請、こういったことができる仕組みを盛り込んでいるところでございます。
 今回の法案では、こうした地域枠等の医師が大学病院等における専門研修等も組み合わせるなど、本人の希望に応じて、多様なキャリア形成を図りながら各都道府県が指定する区域等での勤務を行うこととなるよう、各都道府県に地域医療対策協議会の協議を経てキャリア形成プログラムを策定するよう求めているところでございます。
#135
○自見はなこ君 地元の都道府県知事がその都道府県に要請する場合で、かつ一つの県に一つの医学部あるいは二つまでの医学部であれば実際は調整もしやすいのかなと思いますが、医学部が複数ある場合ですとか、あるいは、やはり医師不足が深刻で県を頻回にまたぐ場合など、いろんな場合が考えられ、実際にはかなり緻密な大学間や県を越えての調整が必要になるということが予想されます。
 地域枠に関しては、また必ずしも定員を満たしていないところもある現状もあるというふうに聞いております。これ自体も一つの問題になってくるかと思いますが、地域医療を支える良医を育てる仕組みなんだということを医学部側にも認識していただく必要があるのかなと思っておりますし、この辺りは非常に丁寧な運用をしていただく必要があるのかな、あるいはアドバイスもしていただく必要があるのかなと思っておりますので、きめ細やかな対応をしてくださいますようにお願いを申し上げます。
 次の質問です。厚生労働大臣にお尋ねをしたいと思っております。
 今回の医療法の改正におきまして、地域医療対策協議会の機能強化が地域枠の医師の勤務先などを検討する協議の場としてうたわれております。
 私は全国を回らせていただいておりますが、都道府県知事とそして地元の医療界との信頼関係が構築されている地域が多い一方で、様々な地域の事情というものもあり、どういうわけか、なかなか自治体とそして医療界とのコミュニケーションにいろいろな課題があるんではないのかなと思わせるような自治体もございます。
 地域医療提供体制におきまして、その最終の責任者というものは知事でございますが、その決定の過程においては、一方通行のやり取りでは残念ながらこの本来の地対協の目的というものは機能を発揮しないのではないかと思っています。地元の医師会、大学、民間病院、そして自治体関係者など、全てのステークホルダーを入れる必要があると強く感じます。先ほどの話、櫻井先生の話ですと、外来についても同様であると思います。
 また、根底から我々も行政も政治も考えをしっかりと見直していかなければいけないのは、医療職の、特に医師における女性の比率の急激なそして圧倒的な上昇であります。女性医師の妊娠や出産などのライフイベントの配慮や、先ほど来からも御指摘ありました、二十代では動けるんだけど、三十代になると子供の教育がといった問題もございます。こういった家庭人としての医師という側面もあることから様々な配慮が必要だということから、私は、地対協へは、ある一定数の女性の構成要員というものについても十分な配慮が必要であるというふうにも考えております。
 是非、厚生労働大臣に、この地対協の構成要員と、そしてその仕組みの御説明をよろしくお願いいたします。
#136
○国務大臣(加藤勝信君) 地域医療対策協議会においては、今回の改正によりまして、医師確保計画に定められた医師派遣などの医師確保対策について、都道府県内の主な関係者が協議をする場として位置付けられているところでございます。
 この地域医療対策協議会の構成員については、法律上これまで明示されていたものに加えて、民間医療機関を新たに加えているところでございますし、また、客観データとして示される医師偏在指標に基づいて、こうした幅広い方々が参加する場で医師偏在対策を協議、実施することにしております。医師派遣の方針を始めとした医師確保対策の政策決定の透明化、これは現在よりも大きく進んでいく、そのことによってこうした問題に対する対応というものも一層積極的に取り組まれることを期待をしているところでございます。
 また、地域医療対策協議会の運営について、民間の方からも様々な意見を求めていくべきでありますので、先ほど申し上げましたように、法律上、構成員に民間病院を明確に規定をするとともに、施行をするに当たり、予定の地域医療対策協議会の運営方針においては、議長は都道府県以外の者を互選により選定するという、こういう仕組みにもさせていただいております。
 またさらに、地域医療対策協議会においては、女性を含めた医師のキャリアについても議論を行う場でありますから、構成員の女性比率についても配慮するよう、これは運営方針でお示しをしていきたいというふうに考えております。
 それから、地域医療対策協議会以外も、外来に係る協議会等々、先ほどからもいろいろ御指摘がありました。本当に屋上屋を重ねるような、あるいは手間の上に手間を重ねるような、こういうことを求めているわけではなくて、それぞれの議論が実質的に進むような仕組みということで今回考えているわけでありますから、地域においてもう重複して一本化して運営する、一体化するということであれば、それはもう一体化して運営をしていただくということで、弾力的な運用についてもよく都道府県にも周知を図っていきたいというふうに思っております。
#137
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 事務局についての御指摘も午前中にございましたし、予算についての御指摘もございました。そういったことももちろんでありますが、民間病院というのは、時には公立病院よりも経済的にはシビアな状態で同じように地域医療を支えているという境遇に置かれております。民間病院にとっても不利益のないような調整を是非お願いをいたします。
 また、加えまして、市町村と都道府県の関係もそれぞれの地域地域でいろいろとあると思います。県とは別に、市町村議会で決定し、独自に大学に寄附講座をつくっているような自治体ももちろん多数ございます。これからの調整の場面で、今は明らかになっていない思わぬことが明らかになってくる場面もあると思いますので、是非密に目を配り、都道府県横断的に、また時には都道府県内横断的な事例などの調整をお願いすることにもなるかと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 ありがとうございました。
 続きまして、認定医についての質問になります。
 医療法の改正で、医師少数地域等における医療の提供に関する一定の勤務経験を通じた地域医療への知見を有する医師を厚生労働大臣が認定できることとするというふうにあります。その範囲については今後検討ということで記載をされていますが、何をもって医師少数区域とするのか、そしてそのスケジュール、どうやって定めていくのかについてお答えいただければと思います。
#138
○政府参考人(武田俊彦君) この医師少数区域でございますけれども、医療ニーズや人口構成、患者の流出入等を踏まえまして、二次医療圏ごとに設定した医師偏在指標を基に、医師が少ないと認められる二次医療圏を厚生労働省令で定める基準に従い各都道府県が設定をする、こういう仕組みを考えております。
 この医師偏在指標や医師少数区域の設定などの詳細な制度設計につきましては、法案成立後、速やかに公開の場で議論を開始をいたしまして、スケジュールといたしましては、平成三十年度中を目途に結論を得、医師確保計画の策定方法を都道府県にお示しする中で明らかにしていく予定としております。その後、平成三十一年度中に都道府県が医師少数区域を設定することとする予定でございます。
 制度設計に関する検討過程におきましては、客観的な議論に資する適切なデータを用いまして、医療関係者や有識者等の方々とも十分に議論を尽くしてまいりたいと考えております。
#139
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 その医師少数区域でございますけれども、これから、これもですけれども、外国人の観光客が突然その地域に増えてしまうですとか、在留の外国人が増えてしまいますと、診療時間に三倍から五倍の手間が掛かりますので、こういった側面も相対的な評価として必要かと思いますし、また、沖縄県医師会でヒアリングでお伺いをいたしましたけれども、離島に今までは一人の診療所の先生で何とか対応できたんだけれども、今はあふれんばかりの外国人観光客でとても足りないという悲鳴が聞こえますかというようなコメントも書いてあったわけでありまして、是非、この少数区域の定義ですけれども、場合によっては、今考えておられる数年単位の見直しということに通常は行政上なるんでしょうけど、もしかしたらもう少し柔軟なスピード感のある見直しというのが必要になってくるのかなというふうにも思っております。いずれにいたしましても、十分に客観的なデータを用いて見える化をしていただく過程で、医療界とも調整し、決めていっていただきたいなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続いての質問に移ります。
 地域医療支援病院の一定の管理者要件として認定医であることとしていますが、今後、ここについてはどのような方向性で考えているのか、お聞かせをください。
#140
○政府参考人(武田俊彦君) 今回の法律によりまして、この大臣認定を受けた認定医が一定の医療機関の管理者として評価する仕組みということを考えているところでございますけれども、この認定医を管理者として評価する医療機関の範囲につきましては、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会における議論を踏まえ、まずは地域医療機関と連携しながら地域医療を支える地域医療支援病院のうち、医師派遣・環境整備機能を有する病院を対象とする方向で検討することとしております。
 ただし、個別に見た場合に、施行直後の認定医師が十分に存在しない場合で管理者の変更が必要になる場合、医療機関の管理者が急に不在となって後継者が認定を取得していない場合、当該病院内で認定医師以外に管理者としてふさわしい医師がいる場合など、個別の事情を抱えるケースも想定をされますので、このような場合も含めて、地域における医療の確保に影響が生ずる場合などには認定を受けていない医師も管理者になることができるよう条文上ただし書を設け、必要な配慮を行うこととしているところでございます。
#141
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 ついこの間の週末ですけれども、関西のとある大都会を含む都道府県の一つに伺わせていただきましたけれども、そこの地域は三十近い地域医療支援病院が一つの都道府県の中にあると。とはいえ、一つもいわゆる地方にはない、全部都会の中にあると。もし管理者要件が非常に厳しいものになってしまうのであれば、後継者指名で誰も認定医が満たせないだろうから、地域医療支援病院すら返上することも考えているというお声もいただいております。
 また、今局長が触れていただきましたけれども、ごく近隣の病院で、医療機関で長年勤めていたけれども指定区域ではなかったがゆえに管理者になれなかったということなどがないように、くれぐれも実態に合った規定というものを定めていただきますよう御配慮をお願い申し上げます。
 続いての質問です。
 認定医につきましては、早期から地域医療に触れるということを奨励するということが非常に私は大事だというふうに思っております。そういった観点から、学生時代のカリキュラムの選択科目等も含めて考えるべきではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#142
○政府参考人(武田俊彦君) この新たな認定制度でございますが、この認定医師につきましては、あらゆる世代の全ての医師を対象とすることとしておりますので、それぞれの医師のキャリアの中で様々な段階、若い段階でも、それから一定年齢に達した後の段階であっても、そのいずれの段階にありましても、この医師の少ない地域での勤務経験、こういったことを評価をすることを考えているところでございます。
 一方で、お尋ねの医師国家試験に合格する前の学部学生の段階での臨床実習等の期間をこの認定医師となるために必要な医師少数区域等での勤務期間に含めることとするかどうかにつきましては、まずは医学教育における臨床実習の位置付けについて、今後、医師養成の在り方を検討する中で別途検討することが必要と考えております。その上で、認定に必要な勤務期間について今後検討する中での検討課題として考えさせていただきたいというふうに思います。
#143
○自見はなこ君 是非、検討課題としてお考えいただければ大変に有り難いというふうに思っております。
 この認定医ということに関しましては、もう堅い運営をした場合には、先ほど申し述べたような問題とは別に、二十代は三割を超えて占める、特に周産期医療では小児科、産婦人科は両方合わせますと六割以上が女性医師で支えているという現状がありますので、私が懸念をしているのは逆ぶれをするという可能性であります。
 二十代後半から、女性のですね、三十代の女性の勤務する地域を決めると、そしてそれが明確でないということであれば、じゃ、いいやと、自分は人にも迷惑も掛けたくないし、そして将来の選択肢に地方で管理者になるということは、いいやと、必要ないだろうということで、初めから認定医の道は選ばないという感覚を持つ若い医学生、女医さんあるいは若い医師が多いのではないかなというふうに私自身は感じております。
 どうしても、大変恐縮ではございますけれども、男性目線で計画を立てるとこういうふうなことをおっしゃるのかなとも考えているわけでありますが、是非医学部のときから地域医療に入れて、それも単位に入れる、そういうことで、まずは地域医療の喜びを知る、そして自分はここで単位を消化したから、もうちょっと頑張れば認定医も取りたいなと、わくわくするというような、そういうような制度設計に是非していただけたら有り難いと思いますので、大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
 そして最後に、今更なんですけれども、医師確保という言葉は私自身は大変好きにはなれません。女性活躍という言葉をしばらく女性活用というふうに表現していた時代が行政もあったと思いますけれども、それはやめてほしいということで女性活躍という言葉を使っていると思いますが、なかなか、医局同士で話しているときも、医局員同士で話すときも、医師確保というような話はやはり行政の上から目線という感覚が非常にいたします。確保される存在なんでしょうか。非常に疑問を持ってこの言葉遣いを感じておりますので、もし今後歩み寄れるところがございましたら、今まで行政用語として積み重ねて使ってきて他意はないということなんでしょうけれども、やはり確保される存在なのかということで非常に疑問を感じますので、こういう用語について検討するようなタイミングがありましたら是非御検討いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、次の質問に移ります。
 私は、女性医師の増加や医師偏在、あるいは診療科の偏在、そしてこれを解消するためのタスクシェアの奨励といった様々な観点が今打ち出されていますが、患者様の安全に資する形の適切なテレワークというものはこれを解消する一つの手だてであるというふうに思っております。そういった意味から、このオンライン診療について指針と診療報酬の観点から現状をお聞かせください。
#144
○政府参考人(武田俊彦君) ただいまオンライン診療についての御質問がございました。
 医療の質や医療のアクセスの向上を図るだけではなく、医師の少ない地域での医療提供ツールや医師の働き方の改善方策としてもこの御指摘のオンライン診療は非常に有用と考えておりまして、今後その普及を一層進めていくためには、医療上の必要性、安全性及び有効性等が担保された適切な診療が普及するようなルールが必要というふうに認識をしております。
 このため、本年二月から情報通信機器を用いた診療に関する検討会という検討会を開催いたしまして、オンライン診療の適用やセキュリティーに関するルール等を定めたオンライン診療の適切な実施に関する指針を三月に取りまとめられたところでございます。この指針におきましては、例えば、初診は原則として直接の対面による診療を行うことでありますとか、HPKIカード等を活用し患者が医師の免許確認を行える環境を整えることですとか、患者の医療情報の漏えい等がないよう十分な情報セキュリティー対策が講じられていることを確認することなどから成るルールを定めたところでございます。
 また、今般行われました平成三十年度の診療報酬改定におきましても、この指針と整合的な形で、対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせることにより効果的、効率的な医療の提供に資するものについて、新たにオンライン診療料等として評価をしたところでございます。
 今後とも、このオンライン診療の普及状況や技術革新の状況等を踏まえ、指針の定期的な見直し等を通じオンライン診療の更なる普及推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#145
○自見はなこ君 今回は初年度ということで限定的な取組というところからスタートをしていると思いますが、厚労省全体のデータヘルス計画というものもございます。そして、先ほど触れていただきましたけれども、本人確認という非常に重要な要素がICT上ではございますので、この医師資格証の普及を例えば学会とセットでやっていただく、あるいはレセプト請求とも絡んでいくというような前向きな検討が今後されていくことになるかもしれませんので、是非御協力をお願いいたしたいと思います。
 続いての質問ですが、櫻井先生より内容については非常に的確な御質問が午前中にございましたが、今回の法改正においては従来の入院だけでなく外来についても地域ごとに機能について見える化を行う方向性だと聞いておりますが、スケジュールの感覚について教えてください。
#146
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 御指摘のその外来に関する機能の見える化でございますけれども、今回の法案におきましては、限られた医療資源の中で地域における外来医療の質を確保しながら効率的に医療を提供していくために、地域ごとの診療所の開設の状況などを含めた外来医療機能の可視化を行い、新規開業者の開設に当たっての参考情報とするとともに、可視化された外来医療機能の不足、偏在等に対応するための外来医療の確保に関する方針を地域ごとに策定すること、又はこうした内容を地域で議論する場として地域の医療関係者等が参画する協議の場を設置すること、こういった内容を盛り込んでいるところでございます。
 ただいまスケジュールの点について御質問ございましたけれども、このような外来医療機能の不足、偏在等に対応する仕組みにつきましては平成三十二年度に施行を予定しているところでございまして、国としては、法案成立後、平成三十年度中を目安といたしましてどのような指標や情報を用いて可視化を行っていくかなどについて検討会で議論を行う予定としており、この結果を踏まえて、都道府県において平成三十一年度中に外来医療に関する事項を医療計画に追加していただく、このようなスケジュールを予定しているということでございます。
#147
○自見はなこ君 大変急速に進んでいくという印象を今改めて受けたところでありますが、その先に何がしたいのかということについてまだ明確に見えてこない部分があると思います。これは、医師少数地域と同じような感覚を私は抱いております。もう少し詳しく医療界と事前すり合わせや、あるいは我々にも説明をいただきながら、それぞれの政党の中の部会でももんでいくということがこれは必要なんではないかと今強く感じたところでございますので、お伝えをさせていただきます。
 次に、医師の働き方についてであります。
 現在の勤務環境改善支援センターの取組というものはいかがでしょうか。
#148
○政府参考人(武田俊彦君) 今御質問いただきました医療勤務環境改善支援センターでございますけれども、この支援センターにつきましては、医療法に基づきまして、平成二十六年の十月一日より、勤務環境の改善に取り組む医療機関を支援するための機関といたしまして都道府県ごとに設置が進められ、平成二十九年三月までに全ての都道府県において設置をされたところでございます。
 しかしながら、同センターの活動内容につきましては病院等にいまだ十分浸透しておりませんで、医師の働き方改革に関する検討会の議論の中におきましても、医療関係者への周知不足ですとか他の関係機関との連携が不十分ということから十分な機能が発揮できていないケースも多い、そのため更なる機能の強化や業務の見直しが求められる、このような御意見があったところでございます。
 このため、私どもこうした御意見も踏まえつつ、平成三十年度においては、センターに医療労務管理アドバイザーなどを手厚く配置するなどの支援を実施することによりセンターによる訪問支援を充実するなど、同センターの機能の強化を図ってまいりたいというふうに思います。
 また、今回の法案におきましては、医師少数区域等の医療機関に派遣される医師の労働環境への不安等を解消するために、地域医療支援センターと連携して派遣先の医療機関の勤務環境の改善に取り組むよう規定を新設することとしたところでございます。
 いずれにいたしましても、医師の労働環境の改善、勤務環境の改善、非常に大きなテーマでございますので、この医療勤務環境改善支援センターが更に機能を発揮できるように努めてまいりたいというふうに思います。
#149
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 このセンターの制度を世に先に送り出していただいていたということは大変に有り難いことだと思っておりますが、おっしゃったように、まだまだこれから取組が必要であると思います。
 それから、医師が少ない地域で勤務する方々、先生方への勤務環境についてということですが、往々にしてあるのが、平日九時から五時だけやります、相談があったら来てくださいという窓口では全く何の意味もないと思いますので、是非、その辺りの現実的な運用はこれからも課題として感じておいていただければ有り難いと思いますし、また、それは、ただ単に労務、労基ということの表面をさらった話だけではなく、本質的なタスクシェアリングですとかそういったこと、あるいは地対協での議論にも絡んでくるんだと思いますので、その勤務環境改善支援センターが孤立しないように、各種の施策と連携して進めるようなブリッジを出すような機能も是非内包していただいていると有り難いというふうに思いますので、よろしく御検討ください。
 最後に、加藤厚労大臣にお尋ねをしたいと思います。
 医師の働き方改革についてでございますが、諸外国でも、EUなどは労働時間の上限にオプトアウトという制度をつくっていたり、あるいはアメリカでも通常の労働者とは別の扱いを行うなど、様々な対応を行っております。
 日本でも、この四月から、日本医師会が中心となって、病院団体や大学病院、若手医師など様々な医療界のステークホルダーの皆様の意見の集約を図っていこうとまさにしているところでございます。是非、これらを重く受け止めて、今後の議論に参考にしていっていただきたいというふうに思っております。特に、応招義務とそれから自己研さんという二つの特殊性は、かなり医師特有のものであるというふうにも思っております。
 加藤厚労大臣に、現在の医師の働き方改革の進捗状況と論点、どのようなものかということをお尋ねしたいと同時に、海外のこのような、もうお示ししたような事例も含めて、今後幅広く検討が必要だというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(加藤勝信君) 医師の働き方改革については医師の働き方改革に関する検討会において議論を進めておりまして、本年二月には中間的な論点整理及び医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組を取りまとめたところでございます。
 これまでも、勤務医の時間外労働規制の在り方や勤務環境の改善策などについて、医師の健康確保の観点のみならず、地域医療提供体制の確保や医療の質や安全を確保する観点など様々な観点から議論がなされ、今後も多角的に検討を進め、来年の三月を目途に取りまとめをすることにしております。
 検討会においても、今委員から御指摘がありました、諸外国における医師の労働時間規制の内容も参考にしつつ検討する必要性があるのではないかといった意見が挙げられております。各国の勤務医の労働時間規制と併せて、各国における医療提供体制等についても整理をした上で検討を深めていく必要があるというふうに考えているところであります。
 また、医療界においても、この医師の働き方改革に関して自主的な検討の場を設けるというお話も聞かせていただいています。そういった場での検討内容、これもいただきながら、今後、先ほど申し上げた三月末に向けて検討を更に進めさせていただきたいというふうに思います。
#151
○自見はなこ君 是非、共に議論を進めていけたら有り難いというふうに思っております。
 私は、今回の医療法そして医師法の一部を改正する法律案に質問に立たせていただいたことを本当に感慨深く感じております。
 私自身は、何度も申し上げているとおり、平成十六年に医師になった人間で、初期臨床研修医の初年度の人間であります。繰り返しいろいろな機会で同じことを発言しておりますけれども、初年度というものは、この臨床研修の導入に当たり厚生労働省からなかなかマッチングという制度が発表されない、そんな中、四月から最後の病棟実習もみっちりある、夏には卒業試験もある、でも一方で、早い段階で就職したい病院見学や、就職試験も受けないといけないようだ、国家試験の対策もしなきゃいけないということで、医学部生の当事者として、現場は大変に混乱をしておりました。ストレスで体の病気を発症した学生さんももちろんおりました。また、その後も、研修医になりましたが、一月ごとに研修する科が変わるというような時期も続きまして、本当に身に付いているんだろうかというような不安な時期を送ったことも度々ございました。
 私は認定内科医の資格を取るために初期研修の二年プラス一年を内科で過ごした後に小児科に入局しておりますが、我々を迎えてくれた指導医の先生は、非常に深いため息をつきながら、今回の、平成十六年ですけれども、制度の変更に伴って後輩の医局員が二年間入ってこなくて、そして大学病院で重症の患者さんを抱えひたすら下働きを頑張りましたと、その間、大学病院に余りにも人手がなくなったので、泣く泣く関連病院から医師を引き揚げざるを得なかったということも話してくれました。研究にも空白ができたということをおっしゃっていました。
 是非、医師法そして医療法の改正というのは非常に大きな影響を一人一人の医師にも与えますし、地域医療提供体制にも与えていくわけであります。我々も一緒になって頑張りたいというふうに思っておりますので、厚生労働省の皆様におかれましては、その責任を十分に胸に置いていただきまして、共に制度改正に向けて尽力していただけたらと思います。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
#152
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文でございます。
 今日は、医療法及び医師法の一部改正する法律について、地域間の医師の偏在の解消等を通じ、地域における医療提供体制を確保するため、都道府県の医療計画における医師の確保に関する事項の策定、臨床研修病院の指定権限及び研修医の定員の決定権限の都道府県への移譲等の措置を講じると、こういう趣旨で提出されております。
 これは、改正するという決意に至ったということはそれなりの理由があろうかと思いますが、今日はこれについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、医師不足に対する厚労省の認識というものについてお伺いしたいんですが、この医師不足でございますが、戦後、我が国は復興し、高度成長、経済成長、そしてバブル期と、こう向かう中で、特に地方においては医師不足が社会的な問題となって久しいと私は思っております。この医師不足がいつ、どのように始まり、そして国はどのような対策を講じ、どんな効果があったか、過去の経緯とこれまでの国の政策についてお考えをお聞きしたいと思います。
#153
○政府参考人(武田俊彦君) この医師不足問題についてのこれまでの過去の経緯というのは大変長い経緯がございます。
 簡潔に申し上げたいと思いますけれども、まず、戦後でございますが、我が国の医療は、戦災による医療施設の閉鎖、医療従事者や医薬品の不足などが相まって戦後の我が国の医療は大変悲惨な状況にあったわけでございますけれども、平成二十年代後半に入ると各地で病院等の整備がだんだん進んでまいりました。しかし、医学部定員は国民皆保険制度が確立した昭和三十六年の時点では二千八百四十人となっておりまして、医療需要の増大に応じるには必ずしも十分とは言えなかった状況でございます。
 こうしたことも背景に、昭和四十八年には無医大県を解消するいわゆる一県一医大構想が閣議決定をされまして、昭和五十六年には全ての都道府県で医学部、医科大学が設置をされ、医学部の定員は八千二百八十人まで増加をしたという経緯をたどりました。
 一方、昭和五十年代に入りますと、将来の医師の数の過剰が危惧をされるようになりまして、昭和五十七年には、医師については全体として過剰を招かないように配慮することということが閣議決定をされ、昭和六十一年以降医学部定員が削減をされたという経過をたどりました。
 しかし、平成二十年代に入りますと一部の地域における医師の不足が深刻であることが問題となりまして、それらの地域の医師確保のための臨時的な医学部定員増が図られ、平成三十年度、今年度は過去最大規模の九千四百十九人の定員となったということでございます。
 このような経過をたどっているというふうに承知をしております。
#154
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 そういうふうに考えますと、社会環境の変化とかそういうこともございますし、人口の問題もあります。また医療技術の問題もあるわけですが、医師を増やす時代があった、抑制する時代があった、さらにまた増やさなきゃいけないと、こういう時代を経由してきたというふうに認識してよろしいかと思います。
 そんな中で、じゃ、今どのような考え方と申しますか、どのようなことが大きな問題となっているかということになるわけでございますが、今日の地域間の医師の偏在の現状でございます。やはりこれは、医師が都市部に集中して地方の医師不足が深刻化しているということ、これは地域間ということで見れば、大都市と地方都市という見方もございます。例えば県単位で見れば、県の中において、隣の医療圏であっても二倍三倍と医師の数の違いがあるというところがあるわけでございます。
 平成二十年度から医学部の定員を増員して、一定期間地域で勤務を義務付けた地域枠ですか、これを導入するなど対策は講じられているということではございますけれども、この医師の地域偏在は解消していないということでございますから、このままでいくとまだまだ地域医療が崩壊していくんじゃないかというおそれを持っている人もいっぱいいるわけでございます。
 そのような状況をどのように認識しているのかということについてお伺いしたいと思います。
#155
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほどは、医師不足に関するこれまでの歴史的経緯も含めて御説明申し上げましたけれども、この医師不足問題につきましても、地域地域でやはり大きく異なっているのが現状でございますし、この医師数全体が増加をする中におきましても、なお地域では医師不足が解消していないという声も強く寄せられているところでございます。
 現在、全国の医師の配置状況を数値として見た場合、平成二十八年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりまして、都道府県ごとの人口十万対医師数、こういう指標で見た場合につきましては、徳島県が最大で人口十万対三百十五・九人、一番少ないのが埼玉県でありまして、百六十・一人ということで、約二倍の開きがあるというのが都道府県間の状況でございます。さらに、その都道府県の中で二次医療圏ごとに見た場合につきましても、この偏在問題ということは認識をされておりまして、同じように人口十万対医師数で見た場合におきましては、全国四十七の都道府県のうち三十四の都道府県におきまして、最大の圏域と最小の圏域ではこの人口十万対の医師数が二倍以上差が開いている、こういう状況にございます。
 また、医学部定員を増加した平成二十年から平成二十六年にかけての推移を見てみますと、我が国全体の人口十万人対医療施設従事医師数は約一〇%増加をしているということでございますけれども、特に過疎地域にある医療圏におきましては、二十四の圏域で減少しているということでございますけれども、全国平均以上に増加している圏域は二一%となっているところでございます。
 このように、医学部定員の増加、そして全体的な医師数の増加という効果が及んでいない地域がなお見られるというようなことが数字からも明らかになっておりまして、こういう点から見ますと医師の地域偏在は解消していないというふうに認識しておりますし、それが今回のこの法案提出の一つの理由になっているということでございます。
#156
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 私も、実は長野県で三倍の格差があるような地域、へき地中核病院に十年ぐらい勤めておりましたけれども、隣がなぜ大学があるから医師が多くて、隣で一時間動くだけで医師が全くいないという、こういう地域が現れているということでございます。これを何とかしなきゃいけないということで、大きな問題があろうかと思って認識しているところでございます。
 この地域間のいわゆる医師の偏在の解消策ということになるわけでございますが、はっきり申しまして、もう団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年ということを言われておりますが、地方ではもうその段階は達しているわけでございまして、今まさにその状態ではございます。ただ、全国的に見ればこれからというところもございますから、やはりこの地域医療構想をきちんと実現していくということにおいても、当然、解決すべき課題というふうに思うわけでございます。午前中に櫻井委員の方からもお話があったようなふうに思いますけれども、地域偏在対策、これを進めなきゃいけないんですが、偏在となっている要因を解消するというところまでは十分できてこなかったからこういうことになっているかと思います。
 今回、医療法改正においては、医師の少数区域で勤務した医師を評価する制度の創設や都道府県による医師確保対策の実施体制の強化などの様々な対策や計画が織り込まれているわけでございますが、この対策の内容が最善の偏在解消対策となっているのかということについて御認識をお伺いします。
#157
○国務大臣(加藤勝信君) 今、医師の偏在対策待ったなしということでありますし、実は、今一時間とありましたけど、結構一時間って一つのバリアになっておりまして、私の地元でも県庁から、岡山大学の医学部というのがあるんですが、そこからやっぱり四十分ぐらいならまだお医者さん来てくれるけど、一時間超えるとちょっときついねという実感で持っていたものですから、そのお話聞きながら一層納得をさせていただいたところでございます。
 その上で、この法案では、今御指摘いただきました点も含めて、医師養成過程を通じた医師確保対策の充実、地域の外来医療機能の偏在、不足等への対応、地域医療構想の達成を図るための都道府県知事等の権限の追加なども含めた、柱とした対策を講じることにしておりまして、こうやって法案の取組を一つパッケージにしたというのは、ある意味では一つのこれまでにない取組だというふうに思います。
 いずれにしても、これをしっかり、まずここで御審議いただいた上、成立を図っていただいた上で、これを着実に進めるとともに、これに当然必要な予算もございますから、それをしっかりと確保し、医師の地域偏在、診療科の偏在の是正を図っていきたいというふうに考えておりますが、じゃ、これで十分なのかということの御指摘だというふうに思います。
 今回は、いろんな議論がある中で一定の合意が得られた範囲で取りまとめたものでありますけれども、例えば医療需給分科会第二次中間取りまとめにおいては、専門研修における診療科ごとの都道府県別定員の設定、あるいは認定医師に対する一定の医療機関の管理者としての評価、無床診療所の開設に対する新たな制度上の枠組みの導入など、将来に向けた課題というのは様々問題提起をされているところでございます。
 医師の偏在対策、実効性を持たせて進めることが重要でありますことから、まずは今般のこの法律に基づく医師偏在対策等についてしっかりと施行させていただき、実行していき、そしてその効果についてきめ細やかな検証を行い、またそれについて継続的に、また更なる対策についても検討を加えていきたいというふうに思っております。
#158
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 最善の策であるかということになると、やってみなきゃ分からない、どこまでできるか分からないという、そういうことも実際上はあろうかと思います。
 一歩を踏み出したということに関しましては評価したいとは思うわけでございますが、大臣のお話にございましたように、将来に向けての課題も今までの論議の中で幾つか出ているような気がいたします。これらの問題をどうやって組み立てていくかということと、またその効果をきちんと検証するということも必要だろうというふうに思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 ここを進めるに当たってやはり大切なことは、医師の少数区域の設定ということだと思います。先ほど自見委員の方からもお話がありましたけれども、この医師の偏在を解消するためには、やはり医師多数区域からいわゆる医師の少数区域に医師を配置するという取組という流れが必要なわけでございます。そのために、この医師の少数区域というのはどのような指標で本当に定義されていくのかということで、これが大事だというふうに考えるわけでございます。
 幾つかの指標が当然出てくるわけでございますが、今ここで議論になって、議論というか、今までの検討会等でも議論になったと思うんですが、医師の偏在の算出については、この地域ごとの医師数の比較には人口十万人当たりに対する医師の数が一般的に設けられております。これは、それ自体が悪いというわけではございませんが、二次医療圏においてももう既に五万人を切ってきているというところもあります。しかし、地域医療圏として設定しなきゃいけないという、そういうことも現実には起こってきております。
 ですから、この数という問題だけではございませんが、今後もこの算出する要素として考えるのは何が大切なのかということになるわけでございますが、医療の需要や将来の人口とか人口構成も当然なるわけでございます。また、医師の偏在というものに関しましても、診療科の問題もありますし、入院や外来という病院の特徴も当然出てくるんではないかと思っているところでございます。
 こういう中で、この指標をどのように用いて設定していくのかということについてもう少し深くお聞きしたいので、よろしくお願いいたします。
#159
○政府参考人(武田俊彦君) 医師少数区域、医師多数区域ということを今後都道府県に指定をしていただくわけですけれども、これに当たりまして国として指標をお示しをすることになっております。この指標についてのお尋ねでございます。
 その前に、済みません、先ほどの答弁の中で一部ちょっと不正確なことを申し上げましたので、訂正をさせていただきたいと思います。
 医学部定員を増加した平成二十年から二十六年にかけて、医師数は増加をしておりますけれども、過疎地域では減少している医療圏域の方が多いということを申し上げましたが、二十四の圏域で減少と申し上げましたが、二四%の圏域で減少し、増加している圏域は二一%ということでございますので、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
 その上で、医師少数区域、医師多数区域を定めるときの医師の偏在指標でございます。
 御指摘のとおり、現在は人口十万人対医師数ということが一般的に用いられておりますけれども、この指標では、医療ニーズや人口構成、患者の流出入などの要素が加味をされておりません。先ほど人口五万人を切るような医療圏という御指摘もございましたが、こういった医療圏はおおむね高齢化が非常に進んでおりまして、こういった地域を人口で考えるときに医療ニーズを正確に反映しているかという御議論はございます。したがいまして、このような医療ニーズ、人口構成、患者流出入などの要素も踏まえて地域ごとの医師の偏在状況をより正確に把握、比較し、各都道府県がPDCAサイクルに基づきまして目標設定、取組、取組の評価、改善、こういったことを行っていくことができる、言わば物差しとなる指標を導入していく必要があるわけでございます。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 このため、今回の法改正に併せまして、医療ニーズ等の要素も踏まえ、地域ごと、更に申し上げますと、診療科偏在の問題もございますので、産科、小児科などの診療科ごとに医師の多寡を示し可視化していく指標を導入していきたいと考えているところでございます。
 この医師偏在指標を基に都道府県におきまして多数区域、少数区域ということを設定をしていくわけでございますけれども、この基準につきまして、今後、医師偏在指標の設計に関する検討を行ってまいりたいと思いますけれども、この検討過程におきましては、客観的な議論に資する適切なデータを用いて医療関係者や有識者等の方々とも十分に議論を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#160
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 今お話聞いた中で、私はひとつ、この面積というか、地理的な要件とか交通の便とかこういうことも、実際、社会的な要因は一緒に考えていかないと難しいんではないかというふうなことも思っておりますので、是非その辺も将来御検討いただきたいと思うわけでございます。
 では、次に、診療科の偏在でございますが、厚生労働省の資料によりますと、医師数は年々増えていると先ほどもお話がございました。そんな中、診療科別の医師数で平成六年から平成二十八年の推移を見てみますと、麻酔科の場合は一・九六倍の増加ということでございましたが、産科や産婦人科はこれ〇・九九ということで微減という形になっているわけでございます。
 そういうふうに考えますと、この原因は何かというのは、それはいろんな理由があろうと思いますけれども、訴訟のリスクが高いとか、外来、外来というか時間外の対応ですね、こういうことが、突発的な診療行為などに関わることが多いからということで過重労働も当然敬遠されるんではないかというふうに思っているわけでございまして、これが減少しているのかなというふうに思うわけでございます。一方、放射線科とか精神科の場合は増加の傾向にあるということでございます。
 これを考える場合、やはり我が国が人口減少という時代に入ってきているわけでございますし、その中で、少子化そして高齢化も進んでいる、ただ一方では、やはり医療技術の進歩も進んでいる、様々な要因あるわけでございますが、将来の需要と供給というこの視点から見て、今後一体どのように対策を講じていくのかということに関して、厚生労働省の考えをお聞きしたいと思います。
#161
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘ございましたように、この医師の診療科の偏在につきましては、近年、例えば麻酔科や放射線科等の診療科が大きく増加をしている一方で、医師の働き方改革の中でも取り上げられることが多いわけですけれども、長時間労働が常態化している産科、産婦人科、また外科といったところが、平成六年以降、医師数が横ばい傾向ということでございまして、医師数全体が増えている中でこういったところが、地域では必要という声がある一方で、なかなか希望される医師が多くなっていないと、こういう状況もございます。
 こういった診療科偏在の対策につきましては、人口動態でありますとか疾病構造の変化を考慮した診療科ごとに将来必要な医師数の見通しを国が情報提供することとしておりまして、医師が将来の診療科別の医師必要数を見据え適切に診療科を選択することで、結果的に診療科偏在の是正につながるものではないかと考えているところでございます。
 ただいま御指摘がありましたように、今後の人口動態の変化、我が国大変急激なものもございますし、これに対応して、医療の在り方、また必要な医療従事者も変わっていくわけでございますので、こういったことを適切に情報提供していくということが大事だろうというふうに思います。
 また、地域医療対策協議会での協議を踏まえまして、外科、産科などの地域で不足する診療科に対して、大学医局等との連携の下、効果的に医師を派遣することや、産科に多い女性医師を始めとした若手医師の希望に配慮したキャリア形成プログラムを策定、活用する、こういう都道府県単位の取組によりましても一定の診療科偏在の是正に資するものになるのではないかと考えているところでございます。
 さらに、国といたしましては、平成三十二年度から開始される臨床研修の必修科目の見直しを行いまして、従前の内科、救急、地域医療の三科目から、外科、小児科、産婦人科、精神科を追加し、七科目必修とすることとしておりまして、研修医が将来の診療科を選択する際の適切な判断に資するものではないかと考えているところでもございます。
 厚生労働省といたしましては、これらの施策を総合的に活用することで診療科偏在の是正を進めてまいりたいというふうに考えております。
#162
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 次に、都道府県知事の臨床研修病院の指定、定員の設定についてちょっとお伺いしたいと思います。
 医師の研修制度、平成十二年に卒後研修が必修となる医師法改正が行われて、平成十六年から新たな臨床研修制度がスタートして医師の臨床研修が義務化されたわけでございますが、その後、医師の研修制度についてはいろんな問題があったわけでございまして、何度か改正を経て現在に至っているというところだと思います。
 今回の医師法の改正で都道府県ごとの医師の研修の定員は厚生労働省、厚生労働大臣が定めるということになっていますが、都道府県内での病院の定数については厚生労働大臣から都道府県知事にその業務が移管されるという形になって、都道府県の権限が非常に強化されるという形になっているわけでございます。
 この強化されるということがどのように医師の偏在の解消につながるかということについて、お考えをお聞きしたいと思います。
#163
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 今回の法案におきましては、臨床研修病院の指定及び定員設定の権限について国から都道府県へ権限移譲をするという内容が盛り込まれているところでございます。これは、地域の医療提供体制や臨床研修病院の実情を的確に把握している都道府県が病院の定員設定等に当たることができることから、これにより、よりきめ細かな対応が可能となるものと考えております。
 この医師偏在との関係で申し上げますと、例えば、これまで研修医の応募が定員を上回っていた医師少数区域の臨床研修病院、こういった病院がある場合につきまして、適切な定員を設定することにより、より希望に沿ったマッチングの実現や地域医療への貢献を同時に達成することが可能になると考えております。一方で、全国的な研修体制の確保や都道府県間の研修医数の調整の観点から、臨床研修病院の指定の基準や都道府県ごとの定員数については今後も国が定めることとしております。
 また、臨床研修病院の指定に当たりましては、厚生労働大臣への協議を経ることなどの仕組みも盛り込むこととしておりまして、指定や定員設定に当たって地域医療対策協議会の意見を聴くことによりまして地域医療関係者の意見を踏まえる仕組みを設けるなど、適切な運用が行われるように対応しているところでございます。
 厚生労働省としては、これらの対策を実施することによりまして、医師の地域偏在の解消にもつながっていくものと考えております。
#164
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 医師の少数区域で勤務したこの医師の評価をどうするかという形の話になりますけれども、医師の少ない地域に勤務を促すために、都道府県、大学の医局や地域の医療機関等の関係者の連携により医師の少ない地域で医師が疲弊しないように持続的な環境を整備するとともに、一定期間勤務を通じて地域医療に経験をしていただいた医者を厚生労働大臣が評価、認定する制度を創設すると。さらに、認定を受けた医師が、将来でございますが、当然病院の管理者として評価されるという仕組みをつくろうとしているわけでございます。
 一方、医師の少ない地域で勤務するのに対する主な障壁ということを厚生労働省が調査しておりますけれども、そこではやっぱり労働環境への不安というのが三二・七%、子供の教育環境、家族の理解などが挙げられているところでございます。私はまず、いわゆるこの主な障壁となっているものを解消することがまず第一の仕事じゃないかと思うわけでございまして、その後に制度が生きてくればいいかと思うわけでございます。
 このように、医師が疲弊しない、医師の少ない地域で働いている医師が疲弊しないような持続的な環境を整備する、これ、具体的に予算措置してやるものと法律を変えるもの、法律を変えるよりも今でもできることがいっぱいあって、それもやっているとは思うんですが、この辺のところを重点的に、どこに力を置いてやっていくかということについてお聞きしたいと思います。
#165
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 ただいま御指摘をいただきましたように、今回の法案では、認定制度ということで、医師少数区域で勤務した医師を評価する仕組みを創設をしようとしているところでございますけれども、やはりその前提条件といたしまして、地方で勤務をする、そういう意思を持っている医師が適切にそういう選択ができるような環境整備、これは非常に大事なことだと思っておりますし、この環境整備とそれから認定制度による評価、これを同時に進めなければこれは施策の効果はなかなか上がってこないというふうに思っております。また、これも御指摘いただきましたように、今でも制度としてあるもの、それから、これから私ども予算措置をするもの、こういったことで、今でもできることについては早急に取り組むということも非常に大事なことだと思っております。
 私どもの実施した調査によりましても、医師の約半数、四四%の医師が今後医師の少ない地域で勤務する意思があるにもかかわらず、それができない理由ということも多々挙げられております。このために、御指摘ございましたように、この医師の少ない地域での勤務を促すためには、これまでのように医師個人の自己犠牲や負担のみに委ねるのではなく、医師が不安と感じる原因となる障壁を除去する、こういうことで、全ての希望する医師がちゅうちょなく医師の少ない地域で勤務できるような様々な角度からの環境整備、これ非常に大事であるというふうに思っております。
 具体的に、環境整備の具体例でありますけれども、労働環境の不安といった懸念が示されておりますので、こういった点に関しては、定期的に休暇取得ができるように交代で勤務する医師の派遣、こういったことに対する支援でございますとか、医師の勤務環境改善策についての検討を行うこと。それから、専門医の取得等キャリア形成に関する不安に対しましては、医師の少ない地域で勤務を行った後でも専門的な研さんが受けられるように、都道府県、大学病院、医学部、地域の医療機関が協力して中長期的なキャリア形成プログラムを策定すること。子育てや育児に対する負担に対しましては、子育て中又は子育て後の医師の勤務が円滑に行われるよう、育児休業明けの復職支援の実施や院内保育所の整備等に対する支援を行う、こういったことを予算措置も通じて進めていきたいと考えております。
 さらに、追加的な環境整備、それからインセンティブにつきましても適切に予算を確保しながら進めていきたいと思いますので、関係者の御意見も是非聞きながら検討していきたいと考えております。
#166
○宮島喜文君 ありがとうございました。環境整備を進めるとともに、制度として動かしていかなきゃいけないわけでございます。
 認定医師が管理者に登用されるということは、私は非常にいいことだと思うんですが、今の現状から見れば、そのような医師が少ない病院では院長とか副院長先生なんかが診療しながら管理職の仕事もするということで、かえってそういう、いや、もう院長職をやるのが大変だという声の方が多いわけでございますから、やはりきちんと整備する中でやっていかなければこれも実効性が高くないんだろうと思うわけでございます。
 それでは次に、外来医療機能の不足又は偏在についてでございますが、これは、外来医療については無床診療所の開設者が都市部に非常に偏っているということが言われておりますし、入院医療と異なり、外来医療の場合は、無床診療所の開業の規制をするような仕組みはございませんから、自由開業制が認められていることでございます。そういうことでいえば、新たな参入もあるわけでございますから、医療の質や改善もそういう意味では図られているとは思います。
 ただ、地方においては、外来機能の不足、偏在も非常に大きな問題となっているわけでございます。ここの病院では眼科の先生がいなくなってしまったとか、婦人科の先生がいなくなったら分娩もお断りだというようなことが実際上起きてきているわけでございますから、そういう意味でいいますとこの問題というのは非常に大きいわけでございまして、救急医療体制の構築やグループ診療の推進とか放射線装置の共同利用など、これから更に医療機関の連携の取組も進めていかなきゃいけない。現在は個々の病院が対応している形の方が多いかと思います。
 そんなことを考えますと、二次医療圏ごとの無床診療所の上位の一位は東京都の中央部、その辺でございますが、また一番少ない方でいきますと北海道の根室ということを聞いておりますが、その格差が九倍ぐらいあるということになっております。こういうふうに考えますと、人口の密度の差というものも当然ここにはあるわけでございますから単純に比較するのはできないとは思うんですが、ただ、地方部で人口が減少することが著明になってくる中では自由開業制の下でも当然都市部の方の開業が増えてしまうということになろうかと思いますし、そうなりますと、当然地方部では減少していってしまうということにもなるわけでございます。
 国が進めるかかりつけ医と言っている政策がございますが、こんな状態が続いていきますと、地方では、自宅からそれこそ十キロも離れたところ、そんなところに、診療所に通わなきゃいかぬということも現実として起きてきているわけでございます。
 今回、この医師の偏在の度合い、これを客観的な指標の導入を行うということになって、そして関係者の協議する場もつくるということを聞いておりますが、具体的にはこれ余り拘束力がないように思うわけでございますが、この辺について、どのように外来機能不足解消、偏在解消につながるかということについてお伺いしたいと思います。
#167
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま外来医療に関する地域偏在の問題の御指摘をいただいたわけでございます。
 この外来診療につきましては、都市部におきましては、都市部においての診療所の増加の問題、過疎地においてはそういった過疎地の診療所の確保の問題、こういった問題がそれぞれございます。そして、御指摘がございましたように、外来医療の提供体制につきましては個々の医療機関の自主的な取組ということに委ねられている状況にございますので、これをどのように偏在の解消を図っていくのか、非常に難しいかつ重要な課題というふうに認識をしております。
 今回の法案におきましては、限られた医療資源の中で地域における外来医療の質を確保しながら効率的に医療を提供していくために、地域ごとの診療所の開設の状況等を含めた外来医療機能の可視化を行い、新規開業者への参考情報とすることとしたいと思っております。
 これにより、開業するに当たりまして、適切な情報を把握した上での開業の判断をしていただきたい、それから、可視化された外来医療機能の不足、偏在等に対応するための方針を地域ごとに策定をする、こうした内容について地域の医療関係者等が参画し議論する協議の場を設置する、こういうことを考えているところでございまして、こういった取組につきまして、新規開業者が事前に地域の情報を把握した上で開業を判断することができれば、外来医療機能のニーズがより見込まれる地域での診療、開業を促すことができるでありますとか、明らかになった不足、偏在等の状況を踏まえて、地域の医療機関間の連携などについての協議をするといったことなどに一定の効果があるものと考えております。
 また、今回の法案では、この過疎地の問題につきましては、へき地を含めて医師の少ない地域での医師確保対策を進めるために、当該都道府県において医師少数区域を設定することとしているほか、医師少数区域に設定されていないものの医師が少ないと判断される地域についても、これまでの医療計画に基づくへき地保健医療対策のような形で、医師少数区域に準じて必要な医師確保対策を実施していくことを考えているところでございます。
 これらの取組を推進しながら、その政策効果を検証し、そして必要に応じて更なる医師偏在対策ということを考えていきたいと思っております。
 それから、先ほど、済みません、一点訂正でございますけれども、冒頭、戦後から現在に至るまでの医師不足の経緯の中で、戦後のことを平成二十年代と発言してしまいましたが、もちろん戦後、昭和二十年代後半、こういったところから病院の整備が進んで今に至っているということで、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
#168
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 時間もございませんので、最後に一つ、大臣にお伺いしたいと思います。
 都道府県が主体的に、これ実効的に医師の偏在対策の講じる対策として、地域医療対策協議会の話が先ほどから出てまいりました。これが肝腎だと私は思うわけでございますが、ただ、これが、地域医療対策がまだ十七県で未策定であるということ、そして、この会議が過去五年に一回も開催されていない県が七県もあるという現状も聞いておるところでございます。この機能強化、それを進めるに当たっての大臣のお考えと決意をお聞きして、終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。
#169
○国務大臣(加藤勝信君) 医療計画における五事業に係る医療従事者の確保等を協議する場として、現在は地域医療対策協議会が設けられているわけでありますけれども、医師に関する類似の会議体が複数ある中で役割分担が必ずしも明確ではないということ、また、協議の上定められることとしております地域医療対策についてもどのような内容を定めるべきか不明確であったため、実効性や開催実績、これが、そういった意味から見て、都道府県によっては十分機能していない、こういった協議会もあったわけであります。
 そこで、今回の改正では、都道府県内の主要な関係者が集まり、法律上、医師確保計画に定められる医師派遣等の医師確保対策について協議をする場であることを明確化するとともに、客観データとして示される医師偏在指標に基づいて医師偏在対策を協議、実施すること、都道府県が実施する医師派遣等の対策は地域医療対策協議会において協議が調った事項に基づいて行うことを明記すること、また、地域医療センター運営協議会等、類似の協議会等をこの際廃止をして、地域医療対策協議会に一本化することなどとしておりまして、こうしたことによって地域医療対策協議会のその役割が明確化され、そしてその実効性が高まるということ、そして定期的に開催につながっていくと、こういうふうに考えておりますが、厚労省においても、改正後の都道府県の取組状況についてはしっかりとフォローアップをさせていただいて、この地域医療対策協議会がその機能を十分果たし、そしていくように、施策の横展開、あるいは必要な助言、こういったことを行っていきたいと思います。
#170
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 今回の法改正は、私から考えますと、今までの医師不足をどうするかという問題から一歩踏み込んだ形であろうと。法律を、医師法まで手を付けてというか、改正が含まれておりますし、元々その医療法もそうでございますが、そういう意味では高く評価していきたいと思います。
 しかし、全体的から、全体というか、今までの経緯から考えると必ずしも早くはなかった、遅かったんじゃないかというのは私の率直な感想でございます。いずれにしましても、これをどのようにこれから展開していくか、更なる対策の進め方に期待してまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
    ─────────────
#171
○委員長(島村大君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
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#172
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 本日、質問の機会をいただき、委員長、そして与野党の理事の皆様、委員の皆様に感謝をいたします。
 本日は、福島県の医師不足、看護師不足について質問をさせていただきたいと思います。
 この質問は、一年半前に、平成二十六年十一月十七日に東日本大震災復興特別委員会で同様の質問をさせていただいたわけですが、本日、資料一をお配りをさせていただいておりますけれども、二十六年に質問をさせていただいてから、二十八年末の時点で、福島県の人口十万人当たりの医師の数は全国平均の二百四十・一人を大きく下回る百九十五・七人でありました。これは全国では四十二位に当たる数です。
 そして、福島県内の医師は、震災や原発事故の影響で震災前と比べてマイナスの状態が続いてきたわけでございますが、平成二十六年以降は、特に太平洋沿岸の相双地域で依然として震災前の水準を大きく割り込んでいて、現在も震災直後の激減状態から抜け出せない地域があるということです。また、いわき市では、震災前に比べると、データ上は微増して見えますが、実際は避難者の方が約二万人入っておりまして、データ上であっても人口当たり病院勤務医の数は全国平均の七割にも満たないわけでございますが、現実はもっと厳しい状況にあるということです。
 診療科別では、産婦人科医の不足が深刻であります。原発事故により十三名もの産婦人科医師が県外に流出をいたしました。その後、補填されず、非常に苦しい状況が続いていたわけでございますが、平成二十四年に私が少子化担当大臣となったときに大臣も官房副長官でおられたわけでございますけれども、産婦人科学会に交渉して、学会の御尽力により、全国の病院や医師の皆様方から四名の方々に今もなお福島県に派遣をしていただいております。いわきと郡山と、そして白河、会津に一名ずつ入っていただいているわけでございますが、先ほど来、先生方から御指摘あるように、全国的にも厳しい勤務状況の中で福島県の方に来ていただいているということです。
 当時伺った話では、例えば、会津の竹田病院に長崎県から来ていただいている産婦人科の医師、四十代の方ですけれども、会津に来て年間担当したお産が三百件、年間三百件です。私、聞いたお話ですと、首都圏では百五十件ぐらいが年間の平均のお産の取り上げる数であるということですから、何とその二倍や三倍の数を被災地に来ていただいた医師の方がやるということで、当時、四人の医師の皆様、激励して回ったときには、もう全員が疲弊し切った状態でございました。
 それが、七年たちました。震災と原発事故から七年たった現在でも、福島県における産婦人科医の確保は追い付いていないわけです。福島県の人口当たりの産婦人科医の数は全国で最下位から二番目ですが、首都圏を除くと文字どおり最下位です。特に相双地域は現在も震災前の三分の一以下にとどまっております。このように、被災地の医療提供体制が整わないようでは、復興にはまだまだ時間が掛かると思われます。
 政府全体で帰還を進めている中で、実は私は先々週、復興特別委員会でも指摘をさせていただきましたが、帰還アンケートというのを取っております。帰還しますという方、非常に少ないですけれど、その方の帰還するんだけれども欲しいもの一位は医療体制なんです。そして、帰還しません、帰還できませんという方、その帰還できない理由のトップも医療機関がないからなんです。
 ということで、この帰還を進めるに当たって、復興庁だけではなく厚労省も本気になって取り組んでいただきたい。特に総理が、全大臣が復興大臣であるというふうにおっしゃっている中で、厚生労働大臣がこの被災地の医師確保にどのように取り組まれるのか、その御決意と、今般のこの法改正によって、被災地やそういった医師不足の地域がこの法改正によってどのように改善されていくのかということをお考えをいただきたいと思います。お願いいたします。
#173
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がある中で、私も先日、ふたば医療センターの開所式、委員も同席をされておられましたけれども、まさにあのときにも、まさにこれは地域の緊急医療の拠点という機能も兼ねていくわけでありますけれども、こうした医療施設ができるということは、今既におられる方のみならず、これから帰還されたいと思っている方、あるいは帰還に、今お話がありました、帰還することに対して迷っている方、そういった方に対しても、帰還に向けての条件を、環境をつくっていく、そういった意味で大きく寄与していくんだ、こういうお話もそこで聞かせていただいたところであります。厚労省としても、こうした、先ほどありましたけど、我々も、そのときも申し上げましたけれども、復興大臣と、こういう思いも持って、この地域における医療あるいは介護の面もありますけれども、等についてしっかり支援をさせていただきたいというふうに思っております。
 そういう中で、今回の法案でありますけれども、医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度を創設する、あるいは都道府県における医師確保対策の実施体制の強化、あるいは医師養成過程を通じた医師確保対策の充実、こういったことを柱とする法案となっておりまして、こういった中で、それぞれの都道府県がより主体的に取り組んでいただける、こういった仕組みを用意をしていこうと、こういうことでもありますし、また、今特にありました産婦人科医ということでありますけれども、この確保に関しても、医師偏在対策ということでありますけれども、キャリア形成プログラムということを、これ、地域によってはそうしたプログラムが策定されていなかったり、あるいは策定はされているんだけど診療科別にはなっていなかった、こういったものもあります。
 こういったものが、今回明示することによって、診療科別ということで、キャリア形成プログラムがそれぞれにおいて適切に策定されていくということ。また、将来の医療需要に基づく診療科ごとの必要医師数を都道府県ごとに明確化していくということで、それらを踏まえて、勤務負担の大きい産婦人科等に配慮した、都道府県における政策が具体的に実施されていく、こういった効果も期待できるところでございますので、私どもとしては、今回の法案として、この総合的な医師偏在対策を盛り込ませていただいておりますけれども、この法案の取組も通じて、それから、先ほど申し上げました、今回の東日本、特に原発において大きな被害を引き続き受けておられる福島県を中心に、医療、介護、こういった面に対する支援にもしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#174
○森まさこ君 よろしくお願いいたします。
 今、産婦人科の話が出ましたけれど、調査室から配られたこの分厚い参考資料を読んでおりましたら、二百五十三ページに平成二十八年臨床研修者アンケート調査というのがあって、産婦人科と小児科だけ、きついところだけ、研修前と研修後で激減しているんですよね。研修したら産婦人科になりたい人と小児科になりたい人が激減していまして、四百九十八人から小児科の場合は四百十一人に八十七名も減少し、女性は五十一名も減少し、女性の場合、四分の一も減少している。小児科というのは女性の方が半分ぐらいなりますからね。産婦人科は六〇%が女性の医師なんですが、二百八十九名希望していたのが研修したら二百六十九名に減っちゃって、女性の場合は百七十五名から百四十六名まで三十名も減って、約六分の一減っているということで、きついところが減るということでございますが、今大臣が御答弁していただいたような診療科別の工夫をしっかりしていただいて、医師を増やすといっても、診療科別で、元々希望する方が少なかったり、その方を更に被災地や地方に持ってこようと思っても無理があると思いますので、是非効果の出るような工夫をしていただきたいとお願いしたいと思います。
 次の質問に行きますけれども、このような厳しい状況の中に、地方に来る、被災地に来るといっても様々な不安があるんだと思います。自分のキャリアに対する不安、それから子供の教育、それから家族の理解、こういったことも厚生労働省のアンケートでも出てきているわけでございます。ですので、私は経済的なインセンティブを与えていったらどうかと思っています。例えば、実際、チェルノブイリ原発事故の被災地のベラルーシ共和国という国では、被災したゴメリ州の病院に勤務する医師に経済的なインセンティブを与えて医師の増嵩に成功しているわけでございます。
 このような経済的なインセンティブについて、認定制度が施行される二年後に向けて厚生労働省はどのようなことを考えていらっしゃるのか、御答弁ください。
#175
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今、私どもで地域の医療体制の確保のためには様々な予算措置を講じておりますが、例えば地域医療介護総合確保基金というのがございます。こういったことについて、地域医療の確保、人材の確保といった措置が講じられておりますし、医療提供体制推進事業費補助金というのもございまして、こういった中で、救命救急センター、周産期母子医療センター、小児初期救急センターの運営事業の補助などもございます。
 一方で、今問題になっておりますこの医師少数区域で勤務した医師の認定制度の関係につきましては、様々な経済的インセンティブが必要ではないか、今そういう直接的なインセンティブがないのではないかという御指摘を受けているところでございます。
 私ども、この予算措置につきましては、今後の予算の中で具体的に要求をし、必要な予算を確保していく必要もございますので、関係者の御意見もいただきながら、認定医師個人に対するインセンティブにはどのようなものがあるか、認定医師を支援する医療機関に対するインセンティブとしてはどのようなものが適当なのか、こういったことを考えていかなければならないと思っておりまして、法案の成立後速やかに制度の施行の検討を進めつつ、具体的な経済的インセンティブの在り方について、医療関係団体を始めとする関係者の御意見を聞きながら、是非、効果的な形で予算が使えますように、平成三十二年四月に予定されている制度の施行までにしっかりと関係者と調整した上で検討してまいりたいと考えております。
#176
○森まさこ君 経済的なインセンティブについて前向きな御答弁をいただき、ありがとうございます。
 次に、看護師の不足について質問します。
 近年、男性の看護師も増えてきておりますが、大多数は女性です。そして、原発事故のときは、お子さんをお持ちの女性の看護師さんが数多く避難したことから、震災後、福島県では看護師が減少しました。中でも、資料二にお示ししておりますけれども、相双地域での落ち込みは激しく、この地域で稼働している病院に勤務する看護職員の推移を見ると、震災直前の平成二十三年三月一日時点で七百八十八人であったところが、一年後には五百五十六人にまで、落ち込みの幅は実に二百三十二名、三割の看護師がいなくなったことになります。その後、昨年の十二月時点でも六百八十九人にとどまっておりまして、震災前の水準を回復するには九十九名足りていないという状況にございます。
 実際の医療の現場では、医師を一人確保できたとしてもこれだけで医療を行うことは不可能です。医師に加えて、看護師を始めとした医療スタッフを複数名確保できて初めて医療が機能し始めます。これは、つまり医療スタッフの確保にめどが付かなければ医師も来ないということです。したがって、医師の確保とともに、看護師を始めとした医療スタッフの確保を同時に進めなければ意味がないと考えます。この点、看護協会など関係の皆様には力を尽くしていただいているところでありますけれども、政府としてもなお一層の支援をお願いしたいと思います。
 そこで、厚生労働省にお尋ねをいたしますけれども、資料三にお示ししてあるとおり、福島県における看護師確保、様々な施策をしていただいて少しずつ増加をしていることは評価をいたします。しかし、七年たってなお百名足りない。八百名いたところが、七年たってもまだ百名足りない。これはどういうことを示しているか、何を意味するかといったら、足りない分を今現在いる看護師さんたちが体を張ってカバーしているということです。
 この資料三の資料を見ますと、そこには何の支援も講じられていません。つまり、今から来てください、新しく来てくれる方には幾ら幾ら出しますよ、新しく来てくれる方にはアパート貸しますよ、そういったこと、それから看護学生には学費出しますよ、そういうことをしていても、今現在、震災後から頑張ってきた看護師さんたちは、若い方が避難し、若い方が来ないから、年齢の高い看護師さんたちが無理をして働いているわけです。実際に、定年を超えても、通常は定年を超えたら今までのお給料の六割ぐらいということでお勤めになりますけれども、相双地域の場合には無理をして来ていただいているので、定年を超えても十割払っているんです。ですから、人件費が総コストの八割ぐらいに上っているんです。
 こういったことに対する、現場を見た実際的な、効果的な御支援をどうしていただくかということについて、厚生労働省の答弁をいただきたいと思います。
#177
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 住民の方々が必要な医療を適切に受けられるようにするには、医師とともに看護職員などのスタッフの確保をしっかり行うことが必要と考えております。
 厚生労働省といたしましては、地域医療介護総合確保基金を活用しまして、新規養成のための看護師等養成所の整備や運営に対する補助を行うことや、また、定着促進のための、設置される医療勤務環境改善支援センターにおきまして、総合的、専門的な助言等を実施することにより勤務環境を改善をすること、またさらには、復職支援のためのナースセンターの活用、ナースセンターでは既に看護師等免許保持者の届出制度を創設するとともに、機能の強化を行ったところでございます。こうした取組によりまして、引き続き看護職員の確保を図ってまいりたいと考えております。
 また、福島県におきましては、震災からの復興のための看護職員確保対策として、地域医療介護総合確保基金や地域医療再生基金を活用しまして、県外から看護職員が帰還し復職する際の旅費や住居費の支給、相双地域の看護の現状等について情報発信するウエブサイト、福島看護職ナビの運営、また、先ほど来お話あります双葉准看護学院の再開などの取組を行っているところでございます。
 しかしながら、先ほど来御指摘のとおり、福島県内の病院の看護職員数は、県全体では震災前を上回っておりますが、避難指示区域のある相双地域におきましては震災前を下回っているのが現状でございます。そこで、平成三十年度からは、南相馬市及び双葉郡の医療機関に就職を希望する看護学生を対象とした修学資金の貸付額の増額、五・六万円に更に三万円を加算をする、また、南相馬市及び双葉郡の医療機関が看護職員確保のために行う連携会議や就職相談会の費用補助などの更なる支援の拡充を図っているところでございます。
 先ほど来、森委員から、この震災の中頑張ってこられた看護職員の方たちへの支援がないではないかという御指摘がございました。こうした総合的な看護職員の確保を図ることによりまして少しでも負担が軽減できますように、さらに現地の声をお伺いしながら、福島県における看護職員の確保に対する支援を行ってまいりたいと思っております。
 私も御一緒に福島に通い続けさせていただいておりまして、これからもしっかりと取り組ませていただくことを申し上げさせていただきます。
#178
○森まさこ君 よろしくお願いします。
 終わります。
#179
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 今日は医療法及び医師法の一部を改正する法律案についてということで、早速質問に入らせていただきます。
 この法律案は、医師偏在を解消していくということをしていきながら、医療の提供を適切に全国でしていくということを目指しているものだというふうに考えております。
 この中で、具体的な医師の確保の対策に結び付けるためにということで、これまでの質疑の中にも出てきておりましたけれども、医師偏在指標に基づき都道府県が医師少数区域と医師多数区域を定めて具体的な施策に結び付けるということ、また、医師少数区域で勤務した医師を評価する制度ができるというふうに定められております。
 これらの議論の出発点となります医師偏在指標について、まず確認をさせていただきたいと思います。
 都道府県内で医師が多い地域と医師が少ない地域を可視化するための医師偏在指標ということですけれども、この医師偏在指標は、地域的な範囲や診療科、指数の表し方など、具体的にどのように示されることになるのでしょうか。また、どのような根拠や計算でこの指標が算出されるのかについて教えていただきたく思います。
#180
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今御質問のございました医師偏在指標でございますけれども、国としてこの偏在指標の基準を定めまして各都道府県に策定をしていただく、こういうことを考えているところでございますけれども、ただいま御指摘がありましたように、二次医療圏ごとの医療ニーズ、これを的確に把握をし、それに対応する医師がどれくらい必要であるかということを計算をしていくということになります。
 したがいまして、この二次医療圏ごとの医療ニーズを的確に把握するということで申し上げますと、その人口の数のみならず年齢構成といったことが影響いたしますので、この人口構成を勘案する。また、患者の流出入という問題がございまして、医療機関が整備をされていない場合、その近隣の二次医療圏に患者が医療圏を超えて受診をしている場合、本来必要なその地域の医療ニーズということを計算する上ではこの流出入の調整を行う必要がある。
 こういったことなどの要素を勘案いたしまして、医師の多寡を示して可視化していくということになりますし、もう一つ必要な観点といたしましては、これも御指摘をいただきました診療科という観点がございます。診療科ということの中でも、特に地域医療の確保の観点から必要と言われております産科、小児科などの指標の作成ということから取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 この医師偏在指標の詳細な設計につきましては、法案成立後速やかに公開の場で議論を開始をいたしまして、客観的な議論に資する適切なデータを用いて、医療関係者や有識者等の方々とも十分に議論を尽くしてまいりたいと考えております。
#181
○伊藤孝江君 これまででしたら、医師がどの程度各地域に供給をされているかということについて、一つの指標としまして、都道府県ごと、また二次医療圏ごとに人口十万対医師数というのが示されていたかと思います。
 元々は、どのような理由でこの十万人という人数を一つの基準として、人口十万人対医師数という考え方が取られているのでしょうか。また、この今回の医師偏在指標が、この人口十万対医師数と何が異なっていて、どう有意義なものになるのかということを御説明ください。
#182
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘いただきましたように、私ども、従来、人口十万人対医師数ということで医師の数につきまして表示をし、またお示しをさせていただいております。
 少し歴史を遡ってみますと、少なくとも昭和三十年頃より統計情報がありまして、客観的な医師数の指標として、過去との比較の観点から、継続的にこの人口十万人対医師数ということがこの医師数の議論においては使用をされてきたというような経緯でございます。
 国際的に見ますと、OECDなどにおいては同じように人口対比で医師数の多寡が比較をされておりまして、国際的には、このOECDでいいますと、これもかなり前から人口千人当たりという形で臨床医の数が用いられ、比較をされているというふうに承知をしております。
 このように、国際的にも国内的にも人口対比での医師数ということで議論が生じてまいりましたけれども、単純な人口対医師数では、医療ニーズ、人口構成、患者の流出入などの先ほど申し上げた要素が加味をされていないという問題がございます。
 そして、まさに我が国で今後問題になっております高齢化でございますとか、地域によっては人口減少といったことで、医療需要が非常に変化をしております。こういった変化を反映できるような指標に改善をしていく必要があるということで認識をしております。
 新たな医師偏在指標では、これらの要素、そしてこういった変化を踏まえまして、地域ごとの医師の偏在状況をより正確に把握し、比較すること、そしてそれに応じた対策を講じること、そして診療科の中でも、まずは産科、小児科といった診療科の別について数字を示すこと、こういうことで地域の実態をよく表した指標にしていく、それが今後の医師確保策にとって非常に重要なことであるというふうに認識をしているところでございます。
#183
○伊藤孝江君 その指標を基に医師少数区域、医師多数区域を定めるということになるかと思うんですけれども、端的に、医師少数区域、医師多数区域の定義を御説明いただけますでしょうか。
#184
○政府参考人(武田俊彦君) この医師多数区域及び医師少数区域ということを設定することにしておりますけれども、先ほど申し上げました医師偏在指標ということを策定をいたしまして、この医師偏在指標を基に、医師が多い又は少ないと認められる二次医療圏に対して、厚生労働省令で定める基準に従い、当該都道府県が設定するものでございます。
 具体的な医師偏在指標の設計については、今後、先ほど申し上げましたが、有識者の方々と十分に議論を尽くして、この医師多数区域、少数区域が正確に実態を表せるようなものになるように議論をしてまいりたいと思います。
#185
○伊藤孝江君 済みません、通告をしていない分ですが、ちょっと今の御答弁で確認をさせていただければと思うんですが、指標があって、多いところはもう全て医師多数区域、少ないところは全て医師少数区域というくくりになると、要するにもう全都道府県がどちらかに入りますということになるんですか。それか、一定の幅があって、超えるところ、少ないところという形で考えることになるんでしょうか。
#186
○政府参考人(武田俊彦君) その点も含めまして、今後よく検討をさせていただきたいというように思います。
#187
○伊藤孝江君 先ほどの御答弁の中でも、医師の需要についてもいろんな形で変わってきているというようなお話もありました。医師が不足しているのかどうかというところについては、当然、その数だけの問題ではなく、需要の程度、また内容が大きく影響することになるかと思うんですけれども、そもそもというところで、この需要の程度というのを測ることができるのかということをお聞きさせていただきたいと思っております。
 実際に医師の人数が同じでも、日中のみの業務を行う方か、又は深夜帯、準夜帯まで働いてくださる方なのか、又は人口変動、患者の行動、病院以外で働く産業医であるとか学校医とか、いろんな形態の医師の方もいらっしゃいます。また、どのような年代がいるのかと。本当に考え出せば切りがないぐらいの需要を考える要素があるかと思うんですけれども、これらの需要の程度を踏まえた医師の偏在指標というものが、実際にどの程度使える、正確なものになるのかということについて、お教えいただければと思います。
#188
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のとおり、医療需要といいますものは地域の人口構成の違いにより影響を受けるものでございまして、同じ人口規模の地域でありましても、子供の割合の高い地域では小児科の需要が高くなりますし、高齢者の割合の高い地域では医療需要全般が高くなるというような傾向はあるわけでございます。
 このため、今回の法改正に併せまして、人口構成の違いによる医療需要等の要素も踏まえて、地域ごと、産科、小児科などの診療科ごとに医師の多寡を示し可視化していく指標を導入していくことを考えているところでございます。
 また、御指摘のとおり、医療機関以外で働く医師の確保も重要でございまして、全国レベルの医師需給推計におきましてはそうした要素も勘案することとしておりますけれども、地域の医師偏在の解消の観点からは、まず医療機関に従事する医師の地域偏在を是正することを目的として、医師の偏在指標を設計する必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、医師偏在指標の詳細な設計につきましては、法案成立後速やかに公開の場で議論を開始をいたしまして、客観的な議論に資する適切なデータを用いて、医療関係者、有識者等の方々とも十分に議論を尽くし、可能な限り地域の実情を表すことができる指標となるよう検討してまいりたいと思います。
#189
○伊藤孝江君 どういう地域が医師が少ない地域になるのかということすらさっぱり分からないというのが現状だということが、もしそうであれば、本当に、じゃ、そこに派遣をするお医者さんをどうしていくのかというようなことを、今ここで議論をしていることがどこまで具体的な話として議論を進めていけるのかというのが少し心配になるところではありますので、しっかりと進めていっていただきたいと思っております。
 そもそも医師が少数であるとか多数であるというのは、基準となる医師の人数、あるいは今回であれば指標ということになるのかと思いますが、それと比べての評価になると思います。厚労省としては、その基準とするものをどういうふうに考えていらっしゃるのか教えていただきたいと。
 人数ということではなく、例えば、医師偏在指標の数値がこの範囲内であればということであるとか、また、二次医療圏内において二十四時間どんな病気でも対応できる医療機関がそろっているのを基準とするというようなものなのか、国が一体その各地域で医師の偏在を解消するというその目標をどういうふうに設定をされているのかというのがなかなか分からないところでもありますので、厚労省の考え方をお教えいただければと思います。
#190
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほど来議論させていただいております医師偏在指標でございますけれども、この医師偏在の是正を目的といたしまして、全国ベースで客観的に比較可能な共通の指標として、医療ニーズや人口構成、患者の流出入等を踏まえて二次医療圏ごとに設定をされるものでありまして、医師少数区域及び医師多数区域は各都道府県がこの指標を基に厚生労働省令で定める基準に従い設定することとなります。
 また、今御指摘がありましたような、例えばその地域で必要な医療の確保ということにつきましては、この医師偏在指標のみにとどまらず、医療計画の中で様々な機能ごとに地域の医療提供体制が設計をされてまいります。こういうことをそれぞれの都道府県が一元的に今後計画を作ってまいりますので、こういう医療計画、そして医師確保計画が相まって地域医療の確保につながっていくものと考えます。
 そして、具体的に、医師少数区域、医師多数区域の設定の基準、そして医師偏在指標につきましてはかなり詳細な議論が必要になりますので、法案成立後、速やかに公開の場で議論を開始し、客観的な議論に資する適切なデータで十分に議論を尽くしていきたいというふうに考えているところでございます。
#191
○伊藤孝江君 結局は、今から議論を始めて、そして最終的に各都道府県にお任せをするというような、まとめるとそうなってしまうのかなというのが今の御答弁かと思います。
 そういう意味では、厚労省として、どのような医師の配置を本当に考えていくのかというところの具体的な目標をしっかりと明示をしていただきたいですし、それがあるからこそ都道府県としても様々な取組を進めることができると思います。そういう意味では、今の御答弁をそのままこれからも続けていくということではなく、しっかりと対応いただきたいというふうに思います。
 次に、医師少数区域で勤務した医師を評価する制度の創設についてということでお伺いをいたします。
 この医師については地域で一定の役割を果たす病院の管理者になることができると、将来的にということですね、その求められる資質の一つとして認定医師であることを位置付けるというふうにされております。
 ただ、この地域で一定の役割を果たす病院の管理者になるというその地位、立場が今の若手の医師の皆様にとって魅力的なものなのかというと、なかなか考え難いのではないかと思うんですけれども、厚労省として、このインセンティブがどの程度有効だというふうにお考えになるのかということをお教えいただければと思います。
#192
○政府参考人(武田俊彦君) この医師偏在対策を実効性がある形で進めるためには、医師の少ない地域で診療に従事する医師が疲弊することなく、持続可能な仕組みを構築することが重要でございます。
 こうした仕組みの構築のためには、医師の少ない地域での勤務を不安と感じる原因となる障壁を取り除く環境整備を進めることに加えて、医師の少ない地域での勤務を希望する医師を後押しする施策も効果的であるというふうに考えておりまして、今回このような新たな認定の仕組みを設けることとしたところでございます。
 この本法案の中におきましては、医師少数区域等において一定期間以上の勤務経験を有する医師を厚生労働省が認定することとしておりまして、認定医師は地域医療支援病院等の一定の病院の管理者として評価することを検討しております。
 今御指摘ございました、管理者としての評価だけで必ずしも十分かどうかということにつきましては、私どもといたしまして、例えば制度上のことでいいますと、認定医師であることを広告可能にすることに加えまして、予算措置を講じまして経済的インセンティブの対象にすることも併せて検討しているところでございまして、いずれにしても、全ての希望する医師がちゅうちょなく医師の少ない地域で勤務できるよう、様々な角度から支援する措置を検討してまいりたいというふうに思っております。
#193
○伊藤孝江君 また、別の制度としましても、専門医を目指す医師にも医師少数区域で勤務してもらえるように、認定を取得した後、当該認定医師の専門医の取得、更新に係る費用を支援することなどを検討するというふうにもされております。
 ただ、この医師の少ない地域、定義はっきりしないということではありますけれども、特に過疎地などに対して多くの医師を派遣できるものではありませんし、需要の程度を考えても、各地域の医療機関に各診療科の専門家をそろえるというふうな派遣の仕方には当然ならないと思います。医師の少ない地域で求められるのは、外科とか内科とかいろいろな病気に対応できる医師ではないかと。また、そういうような医師が要求されるのではないかと思われるところ、若いときからいろんな専門分野にもう特化をしてそれだけをしてきたという医師の方について、医師の少ない地域からの需要が相対的に少ないのではないかというふうにも思われます。
 専門医を目指して専門分野に特化した医師が医師少数区域に派遣されるというのが、まず医師の少ない地域のニーズと合うのかどうかということについてお聞きしたいと思います。
 他方、医師の方の側からすれば、専門志向が強く、真面目に専門分野を研さんして知見、経験を積んできた医師が、医師少数区域に行くことが期間が少なかったということで一定の病院の管理者にはなれないということにもつながってしまいます。この点はもうこれでやむなしというふうにお考えということなんでしょうか。
#194
○政府参考人(武田俊彦君) 今、様々な専門領域の医師について、この地域での医師偏在という問題にどういうふうに対応できるのかというような御質問でございます。
 まず、この地域における医師の確保について、本法案の中では、大学、医師会、地域の主要な医療関係者で構成される地域医療対策協議会における協議に基づき、派遣される地域のニーズも踏まえながら、派遣する地域枠の医師等と派遣する地域を決定することとしておりまして、具体的にその地域地域でどのような診療科、どのような専門医が必要とされているかという点につきましても、個々の地域医療対策協議会の中で十分議論をしていただき、必要に応じて専門家、専門医も含めて適正な医師の派遣ということを地域で協議をしていただくことが必要だというふうに思います。
 また、地域への医師の派遣、特に専門分野に特化した医師に関しましては、非常に人口の小さなところでどこまで専門医を配置できるだけの医療ニーズがあるのかという問題が往々にしてございます。それに関しましては、この医師少数区域といいますのは基本的に二次医療圏単位で設定をいたしますので、二次医療圏の中の医療機能の分化、連携というのが一方で地域医療構想調整会議で議論されております。
 このような機能分化の議論、そして地域医療対策協議会における医師の適正な配置に関する議論、こういったことを都道府県中心に一元的に議論していく中で、様々な専門分野を持つ医師の方であっても、地域地域で適切に研修の機会も与えられながら、地域医療ニーズにも対応できるように、こういったことを地域医療対策協議会、地域医療構想調整会議、こういった様々な協議体の中の議論を通じて、地域の特性に応じて判断をし、議論を進めていただければというふうに思っておりますし、私どもとしてもそういう取組を促していきたいというふうに考えております。
#195
○伊藤孝江君 医師偏在指標に関連する質問はこれで終わらせていただきたいと思いますけれども、少し予定と一問変更しまして、大臣にお伺いをいたします。
 今回、この医師偏在指標というのがこれからの対策の出発点となる一つというふうなものでもあるというふうに考えております。その中で、全てがこれからというところではありますけれども、しっかりと、厚労省としてはどこを見てどんなふうに進めていきたいと考えておられるのかというところについてお話しいただければと思います。
#196
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、ややちょっと今後の検討という言葉ばかりの答弁だったというところでございますけれども、これまでは、どちらかというとこの十万人ということで、都道府県ごとの、等々でやってきたわけでありますけれども、それに加えて二次医療圏ごとの医療ニーズ、人口構成、患者の流出入など、こういった要素も勘案して医師の多寡を示していこうと、ややチャレンジングな話であることはそのとおりだということだと思いますので、厚労省だけじゃなくて、関係者の皆さん方の声もよく聞きながらこれをつくり上げていかなきゃいけないと、こういうふうに思っておりますけれども。
 ただ、いずれにしても、何を基準に考えていくのか、そして多い少ないをどう判断していくのか、その場合にいろいろ勘案すべき要素もあると思いますので、その辺はしっかりとこれからも議論させていただきたいというふうに思いますし、ちょっと今の答弁の中でもいささか、全てこれからばっかりだったので、もう少し詰めながら答弁、もうちょっと、どこまで詰められるかという問題はもちろんありますが、区分も二つかどうか分からないというのでは、これはちょっといささか心もとないということもございますので、その辺は早速中で議論させていただいて、まだ引き続き御審議いただけるということでございますので、そういった場合においてもしっかりと答えさせていただきたいというふうに思っております。
#197
○伊藤孝江君 本当に期待をさせていただきますし、信頼をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移りたいと思います。
 この医師偏在の解消を目指すに当たりましては、当該地域の事情を根底にしなければ当然実効性を伴うものにはなりません。医療需給の状況はもちろん、あわせて、地域ごとにこれまで実践してきた医師供給の取組やその効果、現状を細かく調査分析をすることが大前提で、その分析結果を基にしなければ解決策を考えることはできないと思います。
 私の地元の兵庫で、医師会の先生方からも今回お話をお伺いをさせていただきました。兵庫では、県も以前から熱心に医師偏在対策に取り組んできており、その中で、大学を卒業した地元の出身者は地元で勤務をする割合も高くなってきているということもお伺いしましたけれども、なかなかこれが都道府県ごとにかなりの差がある、その他の取組についても地域ごとの違いがかなり大きいということをお聞きしております。
 新たな制度をいろいろ考えることも大切ではあるけれども、まず、これまでの各都道府県の取組や効果を検証するのが先だというふうなお声をいただきました。それを踏まえた上でないと新しい制度をつくっても意味がないんじゃないかということですけれども、厚労省として、この各地の取組について調査分析をするなど、現状についての検証をされているのかどうか、お教えいただきたいと思います。
#198
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 地域の特性を踏まえて医師偏在の解消を図るためには、地域ごとの適切な現状分析を行いまして、その地域に応じた取組を進めていくことが重要であるというのが基本であると思います。
 厚生労働省といたしましても、平成二十九年の七月に各都道府県に対し医師確保に関する調査を行っております。地域医療対策の策定状況や地域医療対策協議会の開催状況、地域医療支援センターとへき地医療支援機構、大学医局の連携状況、修学資金貸与者の派遣調整の実績やキャリア形成プログラムの策定状況、こういったことに関して各都道府県に調査を行わせていただきまして、地域ごとの取組の違いなどを分析し、全国的な制度改善案の検討に活用してきたところでございます。
 今後とも、このような調査を継続的に行うとともに、今回創設することとなる医師偏在指標を通じて全国の実態を把握しつつ、都道府県等の医師確保の取組状況についてもフォローアップを行うなど、今後とも実態把握、制度の効果の検証、そしてこれらを踏まえた制度改善の議論、こういったことを一体として行ってまいりたいと思っております。
#199
○伊藤孝江君 今後、分析をされたということですけれども、その結果と、またいろんな現状の変更なども捉えていきながら、これからも更なる医療連携とか取組が必要になってくるかと思います。
 今の質問にも関連するところでもありますけれども、この地元の医師会の先生方からお話をお聞きさせていただいたときに、国や自治体がもっときめ細やかに現状をしっかりと、その課題と取組を把握すべきという中で、医師会の話も、全国くまなく活動していて何よりも一番の当事者の一人であるという中で、もっと声を聞いてほしいという声を強くいただきました。
 今までいろんな会議体がもちろんできてきていまして、その中に当然、医師会の先生方、各地で入られていると思います。私たちからすると、医師の先生方の声はしっかりと聞いていただいているものなのかなと思っていた中で、会議体のメンバーにはなっている存在ではあっても、もっとちゃんと聞いてほしいんだというような声をいただいたということです。この声について、まずどのように厚労省として受け止められますでしょうか。
#200
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 私ども、今回、この地域医療対策協議会ということを中心に、都道府県における医師確保対策又は地域医療の確保の方針について議論していただくことにしておりまして、ここには必ず医師会も入って議論をしていただくように考えておりますし、そのように都道府県に対して技術的な助言をしております。
 その中で、医師会との連携ということでございますけれども、現在の外来医療につきましては、夜間救急連携でありますとかグループ診療など医療機関の間の連携の取組が個々の医療機関の自主的取組に委ねられている等の状況にございますので、地域ごとに一層の医療連携を促すなどによって、外来医療機能の不足、偏在等の解消を図っていく必要があるということが現在の課題でございます。
 今回の法案では、外来医療機能の不足、偏在等の情報の可視化を行うことによりまして、外来医療機能が不足、偏在等をしていると明らかになっている地域では、その地域の医療機関が連携すること等を含めまして、地域ごとに外来医療の確保に関する方針を策定することとしております。こういったことを地域医療構想調整会議の場も活用しながら議論をしていただきたいというふうに思います。
 こういった地域の外来医療の提供体制ということになりますと、医師会を始めとした関係団体との必要な議論というのは必要不可欠になってまいりますので、こういう地域における外来機能の在り方の議論を通じまして、医師会に関しても積極的にこの都道府県単位の議論に参画をしていただきたいというふうに思います。
 そしてまた、先ほど都道府県を通じて進捗状況とか好事例の調査を行っているということを申し上げましたが、やはり地域において医師確保対策その他の地域医療政策がうまく進んでいるところは、大学の医局でございますとか医師会でありますとか地域の医療機関でありますとか、こういった地域の関係者との関係が良好なところの方がやはり進んでいるというような実態がございますので、私どもといたしましても、今後とも地域の医療関係者と密接に議論をしていただくように都道府県に促してまいりたいというふうに考えます。
#201
○伊藤孝江君 念のため申し上げますと、私、兵庫でお聞きしたと言いましたけれども、兵庫で不満があるというお話ではなく、兵庫では積極的にこれまで取組を進めていて、いい結果が出ているというのをお話しさせていただきましたので、全国的にというところでの話だというふうに御理解をいただければと思います。
 この外来医療の提供体制の協議の場として、二次医療圏ごとにということですね、地域医療構想調整会議を活用するというのを今回の法改正でなされております。
 これからの外来医療の提供体制の中で、医療の需要の問題とか地域性の問題、今までも様々に御答弁いただいたところではありますけれども、そもそもその二次医療圏という単位でこれからの医療をこれまでと変わらず検討するというその範囲というか、それは妥当だというふうにお考えなんでしょうか。
#202
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医療法の現在の体系といたしましては、昭和六十年に医療計画が導入されましたけれども、この昭和六十年の医療計画の導入以来、考え方といたしましては、地理的条件などの自然的条件や日常生活の需要の充足状況、交通事情等の社会的条件を考慮して、一体の区域として一般的な医療提供体制を確保すべき単位として二次医療圏を設定をいたしまして、この二次医療圏の中で医療機関の連携による医療提供体制の構築でありますとか患者の医療アクセスの確保、こういったことを議論をしてきております。したがって、この社会的条件、それから日常生活の状況その他を踏まえて、長期にわたって定着をしてきた圏域というふうに考えております。
 このため、入院医療につきましても、基準病床数制度又は地域医療構想につきましても、主に二次医療圏単位で提供体制の確保ということを図ってきたわけでございますけれども、外来につきましても、入院の機能と併せて議論をするべき点につきましてはこの二次医療圏単位ということで、外来に関する協議会を入院医療と同じ圏域で併せて議論するというのは一つ効果的な方法であるだろうというふうに考えております。
 しかし一方で、入院の機能につきましても、この二次医療圏単位よりもより細かな圏域で議論した方が効果的だというような声もございます。これは、二次医療圏といいますのが人口規模で非常に大きな圏域から小さな圏域まで分かれて設定をされている背景もございます。そういう地域では、この二次医療圏よりも小さな区域ごとに例えばワーキンググループを設置をする、逆に、もっと大きな圏域で議論した方がいい問題につきましては複数の二次医療圏が合同で協議会を開催すると、こういったことが行われております。
 特に、今後私どもとして議論していただきたいと思っております外来の医療機能につきましては、二次医療圏では大き過ぎる、より小さい区域の議論が必要だという声が出てくることも予想されますので、私どもといたしましても、こういった、従来も柔軟な対応をしていただいておりますけれども、今後とも、この柔軟な対応が行うことをお示しをするとともに、先進事例について情報提供を行うなど、適切な地域における協議が行われるように努めてまいりたいというふうに思います。
#203
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 本当に実態をしっかりと把握をしていただきながら、これまでの考え方、もちろんいろんな理由があって制度としてできてきたもので、また続けてきたものであると思いますけれども、しっかりと実態を踏まえた検討をこれからも進めていっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間がかなり過ぎてきましたので、順番を入れ替えさせていただきたいと思いますけれども、少し観点を変えまして、医師の先生方を支える住民の方々、国民の皆さんというか、私たちも含めてですけれども、の意識改革ということについて少し質問させていただきたいと思います。
 私の地元の兵庫県の中に丹波市というところがあるんですが、そこで小児科医の先生が激務のために減少して一時閉鎖の危機に直面したけれども、その際に地域のお母さんたちが小児医療を守る会を結成したという取組をかなり以前から続けてきておられるところがあります。そこを少し御紹介をさせていただきたいと思います。
 この守る会のお母さん方が、いわゆるコンビニ受診を控えよう、かかりつけ医を持とう、お医者さんに感謝の気持ちを伝えようという三つをスローガンにして、様々な活動を展開されました。その結果、県立柏原病院というところなんですけれども、実際に時間外受診者が半減をしたと、また、小児科の先生も残ることを決意されて、新たな小児科勤務医も増えて、順調にこれまで推移をしてきたということがあります。また、この活動を行政も支援をされ、当時の舛添厚労大臣がこの病院を訪問をして、懇談もされながら、活動をしっかりと支えてくださったというようなことがありました。
 それ以外にも、この丹波市では、この県立柏原病院や日赤病院の方で病院のボランティア、これも市民の方ですが、施設の案内とか手続を補助したり、タクシーを手配したり車への通院の方の乗降を補助する、また、柏原病院には別のグループが手作りの夜食を週一回差し入れるなどというような形で、医師を支えていこうというのを皆さんで取組をされてきております。
 その中で、この守る会のお母さん方の話として、活動を進める中で、医師と住民は医療を施す者と受ける者という相対するものではなく、共に力を合わせて地域の医療をつくり上げていくパートナーのようなものだということに気付いたと、今いる医師が働きやすい環境、医療に理解のある地域づくりを進めることが大切であるというふうなことをホームページの方にも掲載をされております。
 医師に過酷な労働を強いてしまっている現状というのは、決して小児科医だけの問題ではなく、ほかの診療科においても同じことが起きていると思います。病院の側で、病院に来られる患者さんの数、また時間外に来院される患者さんの数を調整することは当然なかなかできないというような中で、病院に、特に地方での病院や診療所で働くという点において医師にとっては労働時間、労働環境に関しての不安が大きいというのも再三指摘されているところでもあります。
 住民の側で病院を賢く利用すると、それが医師の仕事を守ることにもつながり、住民の信頼、安心にもつながっていく。いわゆるコンビニ受診を控えるだけでも医師の負担が軽減をすると。病院やお医者さんを守るために病院を利用する者の意識改革という視点を欠かすことができないのではないかというふうに考えますけれども、この点いかがでしょうか。
 また、この活動を丹波市の方でも支援をされて、守る会の方が作成をされた冊子を市の事業である新生児訪問時に配付するなど、自治体としても支援をされております。当然、この活動は、決して受診抑制というようなことではなく、適正に受診をすると、また重症化を防止するためにしっかりと啓蒙活動していくというようなことをされているということですけれども、厚労省としてこのような活動を何か後押しをすることができないのかということも併せて御答弁いただければ有り難いです。
#204
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御紹介がございました兵庫県の県立柏原病院の事例につきましては、大変、地域における住民側の活動が地域医療の確保にもつながり、医療従事者の側の評価にもつながる非常にいい事例といたしまして私どもも承知をしているところでございます。
 今、医師の働き方が全般的に問題になっておりますけれども、この医師の働き方を考えていく上で、国民の医療ニーズに応ずるものということでございますので、その改革には社会全体としてこれをどう考えるかという観点が不可欠でございまして、私どもの医師の働き方改革検討会の中でも、医療に関する又は医師の働き方に関する国民の理解の促進というのが一つ大きなテーマになって議論をされている状況にございます。こういったことから、私どもといたしましても、国民の理解を適切に求めていくための具体的な枠組みということを早急に検討が必要というふうに受け止めているところでございます。
 御指摘の事例につきましても医師の働き方改革に関する検討会でも紹介をさせていただいたところでありまして、こういう好事例についてどのように今後周知、また横展開を図っていくかについて、御指摘の点も含めて十分検討させていただきたいというふうに思います。
#205
○伊藤孝江君 すごくシンプルなことではあるんですけれども、本当に、受診をして、また話を聞いていただいて、お医者さんに感謝の気持ちを伝えるというのもすごく大切なのかなと思うんです。私も議員になる前、弁護士をしていまして、はたから思うと、きっと感謝をされ続けて、ありがとうございますと言われ続けているに違いないと思われるところもあるかも分かりませんけれども、なかなか厳しい状況の中でありがとうございますと本当に喜んでいただけると、もうその一言で半年、一年頑張れるというぐらい、なかなかそういうような、やって良かったと思える機会というのが少なかったというのが実際のところでもあります。
 このお母さん方の活動を見せていただいたときに、それぞれのお母さんが、もう本当にお医者さんへのもうありがとうございますという自分の気持ち、思いとか、どれだけ助かったかということを紙に書いてお渡しをしたりであるとか、本当にそれだけでもまた、この医師としての仕事を頑張っていこうとか、医師の少ない地域での活動を頑張ろうとかというような先生方のモチベーションにもつながっていくんじゃないかなというふうに思いますので、是非、そういうような私たち国民一人一人の意識をしっかりとお医者さんを守る方向にも向けていくということも含めて考えていただけると有り難いかなと思います。
 これからまた、コンビニ受診とか、また高齢者の重複受診を防ぐなど、患者さんの適切な受診行動を促すというのがますます重要になってくるかと思います。医療資源の効率化を目指すためにも、継続的、一元的な診療や服薬の管理指導であるとか、そのようなことができる制度を考えていくべきではないかと考えますけれども、厚労省としてはどのようにお考えでしょうか。
#206
○政府参考人(武田俊彦君) 今後、高齢化が進む中で、高齢者の医療の在り方というのは非常に重要になってまいります。その高齢者の心身の特性ということを考えますと、高齢者、特に後期高齢者の方につきましては、加齢に伴う心身機能の低下によりまして、治療の長期化、それから複数の疾病を持つ、そして高血圧等の慢性疾患を持っている、こういう方が多くなる傾向にございます。そして、こういう傾向を踏まえまして、特に後期高齢者の方に多くの薬が投薬をされ、重複投与もされている実態も指摘をされているところでございます。
 こういう中にありまして、この高齢者にふさわしい医療ということを考えますと、地域で日常的に医療を提供し、健康相談を受けられるかかりつけ医機能というのが、まずは地域包括ケアを推進するに当たりまして非常に重要な役割を果たすものというふうに考えております。また、薬局、薬剤師に関しましても、かかりつけ薬剤師・薬局ということを今後推進していくという方針が出されているところでございます。
 このため、診療報酬におきましても、平成三十年度診療報酬改定において、診療所の医師が複数の慢性疾患を有する患者に対して継続的かつ全人的な医療を提供することを評価する地域包括診療料などにつきまして要件の緩和をするでございますとか、かかりつけ医機能を有する医療機関における初診について加算を新設する、また、かかりつけ薬剤師による一元的、継続的な服薬管理指導を評価したかかりつけ薬剤師指導料の評価の充実を行う、こういった診療報酬改定でも対応が行われておりまして、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師・薬局の評価、それから充実ということが進められているところでございます。
 私ども、こういうことで、今後の高齢化を見据えたかかりつけ医機能、かかりつけ薬剤師・薬局の普及、定着に関して引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#207
○伊藤孝江君 続きまして、公的病院と民間病院の機能分担についてお伺いしたいと思います。
 これからの地域医療構想の中でも、公的病院と民間病院の役割分担をしっかりとしていく必要があるというふうに考えます。午前、櫻井委員の方からも御質問があったところでもありますけれども、ただ、現状としましては、公的病院の方も、包括医療とかリハビリ医療、介護など、民間病院と同じ業態に近づいて公的病院に本来的に求められている役割を現状としては果たせていないのではないかというふうになっております。救急も無理だから断るといったことも多く、意識が薄いというようなことも民間病院の方からは多く聞かせていただきました。しかもというところで言いますと、公的病院の方は税金面で優遇をされ、赤字であれば補填をされるという状況にある中で、ただ補填をしても、一旦赤字になるとなかなか黒字には戻ることができないと。
 この公的病院をどのようにして活用していくのがいいのか、また活用しなければならないのではないかということも、公的病院又は民間病院のどちらにおいてもそこを考えていかなければならないのではないかというふうに思います。
 民間病院と公的病院の機能分担、連携ができれば、医療の供給という観点で医師偏在対策にもつながるのではないかとも考えられますけれども、この機能分担の現状を検証をして、きちんと機能分担、検討していくべきではないかと考えますが、厚労省はいかがお考えでしょうか。
#208
○政府参考人(武田俊彦君) 公的医療機関と民間医療機関の適切な役割分担、こういうことが地域の医療提供体制を構築していく上では非常に重要になってきております。こうした観点から、特に公的医療機関につきましては、必要な医療機能ということをそれぞれの医療機関において公的医療機関等二〇二五プランとして作成をいたしまして、地域医療構想調整会議においてその役割について議論をするように今要請しているところでございます。
 具体的には、昨年八月に公立病院や公的病院等について、地域で求められる役割やその在り方を平成二十九年度中に議論していただくように要請するとともに、本年二月にも、民間医療機関に係る協議のスケジュール等、開設主体に応じた協議の進め方をお示しをしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、地域の議論の進捗状況を把握するとともに、きめ細かな助言を行い、また地域医療介護総合確保基金による施設設備整備等への財政支援などにより、公的医療機関と民間医療機関の適切な役割分担の下、地域医療構想の達成に向けた取組が進むよう支援をしてまいりたいというふうに思います。
 地域医療調整構想会議では、特に機能分担、機能分化、機能連携ということで議論をしていただいておりますけれども、その地域地域におきまして、公的医療機関がどのような役割を果たすのか、民間医療機関がどのような役割を果たすのか、一律に議論するのは非常に難しい問題ではないかというふうに思いますが、それぞれの地域で今現在どのような役割を果たしているのか、それから、それぞれの地域で今後必要とされる医療がどれくらいあって、それをどこの病院が主に機能を果たしていくのか、こういった点を議論していただくのがまさにこの地域医療構想調整会議でございますし、今御指摘がありましたように、公的病院につきましては、税金の免除それから補助金による支援が行われているということもあり、また公的な責任というのもございますので、まずは公的病院からこういうプランを立てて、今後の果たすべき役割をその議論の場に提示をしていただくということを求めているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、民間病院の側においても今後の役割を適切に考えていただいて、公、民で率直な議論が行われることを私どもとしても期待をしているところでございます。
#209
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 大変丁寧に御説明をいただいたところですけれども、最後に大臣の方にお伺いをいたします。
 今回、私自身、医療機関で勤めた経験とかがあるわけではないということもありまして、先ほどお話ししたような形で、地元でもお医者さんで、またいろんな医療関係の方からも、この改正についてどんなふうに考えますかということも含めていろいろ教えていただきました。その中で、本当に、医療機関、医師の方を始め勤めておられる方々が使命感というか責任感を持って地域の医療をしっかりと守っていくと、これからどういうふうにしていったらいいのかということを本当に考えてくださっているということを改めて感じて本当に心強く思ったことでもあります。
 ただ、その一方で、そういう方々の犠牲というのか、本当にその方たちの献身的な姿を当たり前と考えずに、私たちとしては、法律を改正して、また制度をしっかりとつくっていきながら、医師の偏在、また働き方改革も含めて取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
 この医師偏在対策に向けての大臣の御決意を最後によろしくお願いいたします。
#210
○国務大臣(加藤勝信君) これは、医師が偏在するということによって、地域によって、また診療科目によって、そのそれぞれの地域において求められている医療が提供されないということはもちろんありますし、同時に、偏在をしているということは医療者が少ないわけですから、逆に、少ない人数でやっている方々に更に負担を掛けて、そこにおける医療サービスの継続性という意味においても様々な課題を持っているということを強く認識をしていく必要があると思いますし、さらに、今ここでも御議論がありましたように、医師における長時間労働という課題をどうこれからクリアしていくのか、こういったことを考えるときにおいてやはり必要な医師をどう確保していくのかということ、これ全体においてもそうですし、地域地域においても、また診療科目ごとによってもこれはしっかりやっていかなければ、我が国の医療を継続的に維持していくということにもこれつながらない。そういった我々強い危機感を持っているところでありまして、実際、医師の数自体は答弁させていただいたように増えてきているわけですけれども、逆に格差、診療科目、地域間の格差、これは拡大していると。
 こういう状況でもありますから、これに対する対応として、今回この法案にも様々なことを盛り込ませていただいておりますし、またそういった地域で働きたいと思っている医師の方がおられるけれども、その壁をどう壊していくのか、あるいはどう後ろから押していくのかという意味において、インセンティブをどう付けていくのか等々のことについても、我々、この法案はこの法案としながら、さらにこれからその具体的な中身も検討するとともに、予算等においてもこれもしっかり確保していくという必要があると思っておりまして、そういった意味も含めて、この法案で終わりということではなくて、この法案がある意味ではスタートというぐらいのつもりで、この医師の偏在解消、あるいは医師の確保、これにしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
#211
○伊藤孝江君 ありがとうございました。私もしっかりと取組をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
    ─────────────
#212
○委員長(島村大君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
#213
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は、医療法及び医師法の一部を改正する法律案の審議ということになりましたけれども、先ほどからいろいろと課題のことについてお話がありました。一つは地域間の医師の格差、それから診療科目の格差、そしてまた、先ほど別の委員からもありましたけれども、開業医とそしてまた勤務医との、この医師不足であったり処遇というか待遇の格差であったり、そういったことがいろいろ問題に挙がっているというふうに思っています。
 今日の法案の中身を見させていただいても、大臣、先ほどこれがスタートですというようなお話でありましたが、スタートにしてはちょっと遅かったんじゃないのかなという気もいたしますし、本当にこれでもってこの格差解消ができるのかなというふうに思います。
 ただ、評価できるなと思うところは、やはり都道府県にその医師不足対策をかなり担っていただくということで、これは、国の方でやっぱり全て把握するというのはなかなか難しいと思いますし、やはり地域の事情は都道府県の方が把握していると思いますので、都道府県知事が責任を持ってやっていくということは大変大事だろうというふうに思います。
 ただ、都道府県といいましても、都道府県の中でも大きな格差がありまして、東京都みたいな、一千三百七十万人の人口を持つ東京都もあれば、六十万人規模の人口の都道府県もあるというふうな中で、これ、この格差もかなり大きな問題だというふうに思っていまして、一都道府県だけで解決できる課題ではなかなかないところもあるだろうなと。そのときにどうすればいいのか。隣の都道府県と協力してやっていくとか、そういったことも今後検討していかなければならないのかなというふうに思います。
 ただ、今後の医師数の在り方についてまず質問をさせていただきたいと思うんですけれども、全体的な話から入らせていただきたいと思うんですが、厚生労働省の方では、働く医者の総数、二〇二八年頃に約三十五万人となって、必要とされる医師の数と均衡して医師不足が解消されるという推計の発表をされました。これから我が国の人口、減少していく、しかし、高齢化が進んでいっても全体の需要は減っていきますよという需給推計を出されておられるわけですけれども、今後の医師数の在り方について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘のあった数字、これはまだ確定的な数字じゃなくて、議論の場に出させていただいたという、検討していただくそのたたき台と言ったらあれかもしれませんけど、そういった数字でありまして、これから検討会における議論を踏まえながらそれはしっかり固めていかなければならないと思いますけれども、医師の供給そのものは、今まで御答弁させていただいたように、平成二十年度より逐次医学部定員を増加をしてまいりましたので、平成三十年度には九千四百十九人と過去最大規模になっているところでございますし、こうした取組もあって、現在、全国レベルの医師数は毎年四千人程度で増加をしていると、こういう基調にあります。
 他方で、医師の需要についてでありますけれども、これからの医療の変化等々いろんな要因があると思いますが、機械的に物を見れば、トータルとして人口が減少していく、高齢者も二〇四〇年頃からだんだん増加率もスピードも下がっていって、増加のスピードも下がっていく、そういったことも含めて減少も見込まれるということでありますので、どこかでこの差、何というんでしょうか、供給と需要のところが交差していくという時期もあるんだろうというふうに思いますけれども、ただ、その辺も含めて、これからの医師偏在対策、あるいは地域ごとの医師偏在の状況、あるいは先ほど申し上げた働き方改革の中でそこをどう、必要な医師というものをどう考えていくのか。他方で、業務の効率化ということ、あるいはワークシェアみたいな、ワークシフトといった話もあると思います。そういったことを含めて医師需給というのを見込んでいく必要があるだろうと、こういうふうに思います。
#215
○東徹君 これからのたたき台だというふうな御説明でありますけれども、恐らく人口減少していって、それから高齢者の数も減っていく過程においては医師数が過剰になってくるということもあり得るだろうという御認識だろうというふうに思います。
 将来推計を私やっぱり検討していくというのは非常に大事なことだと思うんですね。やはり、十年後、二十年後、三十年後、我が国がどうなっていくのかという将来推計を見越してやっぱり検討していくというのは非常に大事だと思っています。医師の需給体制もこうやって二〇四〇年ぐらいまで検討されているわけでありますし、人口の減少とかこういったことも将来の推計を出されているわけでありますね。
 その中で、やはり医療費についても将来推計をやっぱり出すべきだということをかねがね言わせていただいているんですけれども、つい最近ですけれども、公益財団法人NIRA、総合研究開発機構が将来推計を出しておりました。その見通しによると、給付費ベースでありますが、二〇四一年度の医療費というのは六十六・三兆円というふうに試算されているわけですね。二〇一六年度が三十七・六兆円であったことからすると、二十五年で一・七六倍に膨らんでいくというふうな推計を出しておるわけですね。同じ期間に人口は約一千七百万人減って、それで推計されるということを考えれば、数字以上のインパクトが一人一人の負担としてこれもうのしかかってくるんだろうというふうに考えます。
 政府としても医療費をやっぱり推計して国民に示していくべきというふうに考えますので、是非、これ厚労省もやるというふうに前も大臣もおっしゃっていただいたんで、いつ頃までにやっぱりこういった数字を出されるのか。民間はもうこうやって数字を出しておられるわけですから、厚労省として本来やるべきことだと思いますので、是非、いつ頃までにやるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#216
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、今の段階で具体的な時期というものを申し上げる状況にはありませんが、ただ、経済財政諮問会議において議論がスタートしているわけでありまして、そこにおいても、そうした一体改革後の社会保障の姿を検討するに当たっては、やはり将来推計等の検討材料が必要だということを求められているところでございますので、我々としてもその議論の素材になる将来推計はしっかりと提示できるよう今準備を進めさせていただいておりますけれども、ただ単に機械的に計算すればいいというものでもございませんので、前提をどうしていくのか等々については少し中でしっかり議論をしていく必要がありますので、それも踏まえた上で議論の素材になるものを提供させていただきたいというふうに思っております。
#217
○東徹君 是非、早くやっぱり出していかないと、その数字をベースに、現状はどうなのかと、将来推計どうなのかと、日本の将来どうなのかということをやっぱり考えて、そこからやっぱり議論をしていかなければならないというふうに思います。
 今回の法改正の前提についてお伺いしたいんですけれども、医師の地域と診療科という大きく二つの偏在解消というのがこれは目的となっておりますが、地域によって多いところ少ないところがある、診療科では、例えば眼科とか皮膚科は多かったり、産婦人科とか外科は少なかったりとか、こういったことがあるわけですけれども。
 地域偏在のことについてお伺いしたいんですが、よく都道府県別で人口十万人当たりの医師数というのが根拠としてこれ挙げられているわけですけれども、平成二十八年度の資料で、最小の埼玉県、百六十・一人になっておりまして、最大の徳島県、これは三百十五・九人になっているんですね、十万人当たりが。これ、言ってみれば埼玉県は徳島県の半分ぐらいの医師数になるわけですけれども、二倍も開くってかなりこれ大きいなというふうに思ったわけですが、実際に、じゃ、埼玉県でどのような問題が生じているのか、医師不足でもう大変なことになっているとか、また、徳島県では医者が余っているという状況になっているのか、そんなことについて、現状どうなのか、まずはお伺いをしたいと思います。
#218
○政府参考人(武田俊彦君) 人口十万対の医師数ということで都道府県別に見た場合につきましては、今御指摘ありましたように、最小が埼玉県の百六十・一人、最大が徳島県の三百十五・九人ということでございますけれども、この地域における状況がどうなっているかにつきましては、私どもも、やはりその地域地域の特性というのがございますので、この埼玉県及び徳島県に伺ってみたところでございます。
 埼玉県に問合せをしたところ、確かに東京都に近い県境からは患者が東京都に流出をしているということですので、人口十万対医師数で示されているほどの不足感は実態としてはないということではありますが、一方で、その埼玉の中でも利根医療圏、秩父医療圏、北部医療圏といった地域的な医師不足感、救急や小児、周産期医療といった診療科別の医師不足等は存在をしているということでございました。したがいまして、やはりこの地域地域の医師不足という問題、医師偏在というものを見る場合につきましては、この流入、流出といった問題でありますとか、救急、小児、周産期といった診療科別の問題を併せてきめ細かく見ていく必要があるということではないかと思います。
 また、徳島県にも同様に問合せをしたところでございます。非常に医師数は多いというような数字になっておりますけれども、そもそも県の面積に対する医師数というふうに見ると全国的には決して高くないということでありますとか、さらに、医師の年齢階級が、全国的には四十歳代の医師が多くなっておりますけれども、徳島県では六十歳代の医師の方が多いので、今後医師を引退する方が多くなるということが見込まれるので、将来的には大きく医師数が減少することが見込まれるなど、将来の医療提供体制については不安もあると、こういうことが地元の徳島県の御意見でございました。
 医師偏在の実情を把握する上では、このようなこともございますので、都道府県別の人口十万対医師数のような従来使われていた指標ではなくて、様々な視点からの要素を踏まえて医師偏在の傾向を把握していくことが必要だと、こういうことだろうというふうに思っております。
#219
○東徹君 隣でも何かこう意見が聞こえてくるんですけれども、そういうふうに聞くと、この人口十万人当たりの医師数がどうかとか、医師の地域偏在はどうかとか、こういった都道府県別のデータがこれは本当に適切なのかなというふうに思うんですね。私は、何か見方として、やっぱりもうちょっときめ細やかなデータの取り方というか、そういう形で検討していかないと、ただ単に人口十万人当たりの医師の偏在がどうこうというのは余り当てにならないと思うんですけれども、いかがですかね。
#220
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほど申し上げました医師の数についての人口十万対医師数をどのように補正していくのかということでございまして、一つは、その人口構成による補正ということでありますけれども、流出、流入の補正というのがもう一つ大きな要素でございます。今申し上げた埼玉でいいますと、各二次医療圏ごとの流入、流出ということは県の方で把握をされておりまして、例えば、東京都に近い南部、南西部、西部というところについては流出をする患者さんの割合が三〇%から四〇%というような数字も把握をされております。このような流出、流入を適正に補正をすることによりまして、より実態に近い医師不足という問題が把握できてくるのだというふうに思いますので、こういった点を踏まえて、十分また適切な医師の偏在指標を検討していきたいというふうに考えております。
#221
○東徹君 確かに流入、流出もあると思いますし、恐らく埼玉県だけじゃなくて神奈川県とかでもあるんだろうと思いますし、じゃ、今度徳島県はこれ医者が余っているんですかというふうな話になってくると思うんですけれどもね。なかなかこれ厚労省としても余り把握されていないなということが大変よく分かったなというふうに思います。
 我が国以外の先進国でも、このような都市と地方の関係を中心に、医師の地域偏在というのはやっぱり問題としてあるというふうに聞いておりまして、ドイツでは二〇一二年に医療供給構造法という法律が制定されて、続いて二〇一五年に医療供給強化法という法律が制定されて地域偏在の解消に取り組んでいるということなんですけれども、その中で、当初はドイツ全土で日本の二次医療圏と同程度の広さに分けて医師配置を計画していったということですけれども、区域の中でもやはり市街地に医師が集中するという区域内偏在が発生してしまったということで、これはやっぱり我が国でも、二次医療圏を中心に医師の偏在が議論されておりますけれども、二次医療圏を一つの単位として考えることがこれも妥当なのかどうか、見解をお伺いしたいと思います。
#222
○政府参考人(武田俊彦君) この二次医療圏という考え方でございますけれども、医療法の中では、昭和六十年の医療計画の導入以来、地理的状況等の自然的条件、日常生活の需要の充足状況、交通事情などの社会的条件を考慮いたしまして、一体の区域として一般的な医療提供体制を確保すべき単位として二次医療圏が設定をされておりまして、医療機関の連携により限られた医療資源を効率的に提供する体制の構築と患者の医療アクセスの確保の両立を図るための区域として長期にわたり定着してきている圏域であるというふうに考えております。
 これまでも、例えば医療計画の中で、五疾病五事業というような仕組みでございますとか、基準病床数制度、地域医療構想、こういった地域医療の確保に関する政策は主としてこの二次医療圏単位で制度設計をされてきているところでございます。
 医師の偏在対策についても、例えばその中核病院というのをどういうふうに考えるのか、また、その地域医療連携というのをどう考えるのか、その二次医療圏の中で救急をどの病院でどのように分担して担当するのか、こういう医療政策そのものと一体として検討されていくことが適当であるということを考えますと、二次医療圏単位でこの政策を検討できる仕組みを導入することは、基本的にはこういうことが必要なんだろうというふうに考えているところでございまして、その一方で、この二次医療圏単位にした場合の適切な医師偏在指標について、地域の特性が適切に反映されるような医療ニーズ、人口構成、患者流出入、こういうことを踏まえて医師偏在指標についても設定をしてまいりますので、こういったことを併せて考えますと、都道府県内の医師偏在是正の基礎としてこの二次医療圏というのは基本的に活用できるものだというふうに考えているところでございます。
 ただし一方で、その地域の医療ニーズがこの二次医療圏よりも小さい区域で議論するのが有効であるという地域もございますので、こういったことが可能になるような柔軟な対応ということを都道府県にもお示しをし、また先進事例、好事例については情報提供を行うなど、地域におけるこういう柔軟な対応についても十分私どもとしても配慮をしてまいりたいというふうに思います。
#223
○東徹君 やはり二次医療圏という単位だけでは医師の偏在というものがどうなのかというところはなかなか分かりにくいと思いますよね。やはり地域事情にきめ細かく見ていかないと、本質的なところは分かりにくいというふうに思います。
 そんな中で、オーストラリアを一つ事例に挙げさせていただきたいと思うんですが、オーストラリアというのは非常に、面積でいうと日本の二十倍の面積があって、人口でいうと日本の六分の一しかないんですよね。そのオーストラリアで、RG、ルーラルゼネラリストと呼ばれる専門のプログラムを受けた医師がへき地医療を支えて一定の地位を確立したというふうに言われております。
 広大な国土に多くの医療困難地域を抱えているオーストラリアは、専門の医師がへき地医療を支えておって、診療所で働きながらも、必要があれば全身麻酔を掛けたり、外科手術をしたり、緊急の分娩に対応したり、あるいはフライングドクターとして患者搬送を行ったり、へき地でこの医師不足と戦っているということなんですね。
 総合診療医、救急医、麻酔科医、外科医、産婦人科医など様々な出身のお医者さんが、RG、このルーラルゼネラリストなんですけれども、なるべく専門の研修プログラムを受けて、非常に競争率が高くて、オーストラリアでも一定の地位を確立したという、こういった事例があります。
 日本でも、ちょっと私もホームページで見たんですが、齋藤学さんという方がこのオーストラリアに学んで、日本でもこういったことをやっていこうということで努力をされておられる方がいます。
 是非、こういったルーラルゼネラリスト、オーストラリアのこのRGという制度でありますけれども、日本でも、離島とかへき地とか、医療を支えるためにこういった仕組みをやっぱり考えてみてはどうかというふうに思いますが、いかがか、お聞かせいただきたいと思います。
#224
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御紹介をいただきましたこのオーストラリアにおけるルーラルゼネラリストということでございますけれども、この要件といたしましては、個人、家族、コミュニティーへの包括的なプライマリーケアでありますとか、緊急ケアでありますとか、個人の入院患者ケアとか、多様な役割を果たすことが期待をされているというふうに承知をしておりますけれども、我が国の類似の仕組みといたしましては、地域包括ケアを担い、医療、介護等の多職種と連携しながら、臓器別ではなく幅広い領域の疾患等を総合的に診ることができる、総合診療専門医の育成がこれに相当するのではないかというふうに考えられます。
 厚生労働省といたしましては、この総合診療専門医の養成の支援に努めておりまして、平成三十年度予算におきましても、日本専門医機構に対し、総合診療専門医プログラム責任者養成のための経費や、へき地、離島等において研修を行う医療機関に対する旅費などの財政支援を行うこととしておりまして、我が国といたしましては、このような総合診療専門医を是非今後力を入れて養成をしてまいりたいというふうに思います。
#225
○東徹君 是非、オーストラリアみたいな、面積二十倍、日本の二十倍あって、そして人口が六分の一のオーストラリアでも、こういった仕組みを、制度をつくって医者の派遣をやっているわけですから、日本だって、離島が、これ島がたくさんあるわけでして、日本こそ、こういった制度、仕組みをつくってやっていくべきだと思いますので、是非この取組を進めていっていただきたいと思います。
 医師の地域偏在についてお伺いしたいと思いますけれども、医師数が医療費に大きな影響を与えるという指摘もある中で、医学部の定員を増やすことで地域偏在の解消につなげようというふうにしておりますけれども、実効的なコントロール手段がないために、単に地域格差の広がりと医療費の増加につながっているのではないかというふうに考えられるわけですが、医師数の増加が地域偏在の解消につながっていない理由について厚生労働省としてどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
#226
○政府参考人(武田俊彦君) 地域偏在の要因につきましては、これまでの経過の中で様々な要因が合わさって現状に至っていると考えられますけれども、例えば、本人や家族の志向や子供の教育などの生活環境の問題により本人が地方に赴任したがらない、又は勤務地により経験できる症例数や手術の経験などが異なりキャリアアップや専門医の維持を考慮して地方を避ける、こういった問題があると考えております。
 御指摘のとおり、平成二十年度以降、医学部の暫定定員を増加してきておりますけれども、全体的な医師数は増加しているにもかかわらず、必要な地域に医師が行くような実効的な方策を講じなければ、医師数を幾ら増やしても真に医師を必要とする地域に及ぶ効果が限定的となってしまうのではないかというふうにも考えられます。
 このため、平成二十年以降の医学部の臨時定員増等による地域枠での入学者が順次卒業し、臨床研修を終え、地域医療に従事し始めているこの時期に、本法案を提出し、効果的な配置を進めることができる体制を早急に整えることが非常に大事なことであるということが今回の法案提出の背景となっているということでございます。
#227
○東徹君 医学部の定員をこれ増やしてきているわけでして、ただ、それで医師の地域偏在を解消しようとしているけれども、なかなか実質的なコントロールの手段がないために地域格差が広がってきたということですよね。それを解消するために今回の法案を出したということでありますが、今日もう時間がありませんので、続きは次回させていただきたいと思いますので、続けてこのことについて質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#228
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、法案の審議に入る前にちょっとお聞きをいたします。
 今年の三月五日、加藤大臣は、野村不動産の過労死の認定の支給について初めて、初めてというか、聞いたというふうにおっしゃっているんですが、いつ、どんな形で報告を受けられましたか。
#229
○国務大臣(加藤勝信君) 支給決定について聞いたと申し上げたんですけれども、たしかそれは、ちょっと明確ではないんですけれども、そのときに、たしか石橋委員からの御質問をその日にいただいておりました。それに関する答弁というんでしょうか、そういった流れの中であったというふうに記憶をしておりますけれども。
#230
○福島みずほ君 大臣は、大臣になれば、朝、答弁のレクを受けるわけですが、そのとき、要するに石橋さんがまさに野村不動産の問題について質問するという通告があったわけですから、朝、レクのときに聞いたという理解でよろしいでしょうか。
#231
○国務大臣(加藤勝信君) 詳しくはもう一回ちょっとチェックしなきゃなりませんが、今、私の場合は、朝、想定問答だけ、答弁部分だけファクスで送ってきてもらっていて、それを朝、自分でばあっと読んで、それから役所に行って分からないところだけ聞いて、そして実際この答弁に当たらせていただいているというやり方を取っておりますので、その報告と言うかどうかは別ですけれども、多分、その答弁の中の資料の中にそういった記述があった上で、また答弁レクの中で具体的な、具体的なというか、説明があったんではないかなというふうに記憶をしておりますが、ちょっと一個一個確認していませんので、もし必要なら確認させていただきたいと思います。
#232
○福島みずほ君 野村不動産の過労死の問題というのは極めて重要で、三月五日に支給されたというのを初めて知ったということなので、それは報告、是非、柳瀬さんじゃないんですが、是非記憶を戻していただきたいんですが、どういう形でいつ受けたか、教えてください。
#233
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げたようなプロセスの中で私は承知したということであります。ですから、基本的に、紙で見て、そして多分レクの中で口頭であったと、多分そういうことだろうというふうに認識をしています。
#234
○福島みずほ君 だとすると、石橋さんの質問の前に過労死の支給については理解していたということでよろしいですね。
#235
○国務大臣(加藤勝信君) 過労死の何についてですか。
#236
○福島みずほ君 支給。
#237
○国務大臣(加藤勝信君) 支給。ですから、支給決定は聞いておりましたが、ただ、この問題は、当時はまだ御遺族等からも発表があったわけではありませんから、それは私どもとして申し上げられるという状況にはなかったと、こういうことであります。
#238
○福島みずほ君 総理にもこれはメールで報告が行っているんですが、大臣、もし御存じでしたら、総理にいつメールを送ったのか、どういう報告をしたのか、教えてください。
#239
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、メールで行っているかどうかもちょっと承知をしておりませんが、総理は総理の方で多分想定問答等々の対応をされておりますので、そういった際ではないかなというふうに思いますが、今のは推測でございます。
#240
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 では、法案について質問をいたします。
 医師の偏在には、主として地域偏在と診療科偏在があります。このうち、診療科偏在を表している診療科別医師数の推移を見ますと、全体の伸びに比べて産婦人科や外科、小児科、内科の伸びが低くなっております。とりわけ産婦人科と外科は、減少から増加に転じたとはいえ、十年以上前の水準とほとんど変わっておりません。政府としても、この法案の趣旨説明で、診療科間の偏在は解消に至っていないとされているところです。
 ところが、今回の法案の内容を見ると、地域偏在対策がほとんどであり、診療科偏在対策が弱いのではないかと思われます。この法案の中で診療科偏在の是正に資する部分があれば、どの部分なんでしょうか。また、厚生労働省として診療科偏在対策を今後どのように進めていこうとされているのか、教えてください。
#241
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今回の法案の中におきましては、地域医療対策協議会での協議を踏まえて、外科、産科等の地域で不足する診療科に対して大学医局等との連携の下で効果的に医師を派遣することや、産科に多い女性医師を始めとした若手医師の希望に配慮したキャリア形成プログラムを策定、活用することになりますので、診療科偏在の是正に一定程度資するものとなるというふうに考えております。
 また、診療科偏在の対策といたしましては、今回の法案による対策以外にも、今後、人口動態や疾病構造の変化を考慮して、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年度できるだけ早期に検討を始め、平成三十二年には国が情報提供をすることを予定しておりますので、将来の診療科別の必要医師数を見通した上で適切に診療科を選択することで、結果的に診療科偏在の是正にもつながるものと考えております。
 さらに、平成三十二年度からは、臨床研修の必修科目について、従前の内科、救急、地域医療の三科目から、外科、小児科、産婦人科、精神科を追加をいたしまして七科目とすることとしており、これにより、研修医がより多面的な経験を踏まえた上で将来の診療科を選択することが期待されるものと考えております。
 厚生労働省としては、これらの施策を総合的に活用することで診療科偏在の是正を進めてまいりたいと考えております。
#242
○福島みずほ君 診療科目の偏在は本当に深刻な問題で、地域の偏在もありますが、配付資料の二番目をちょっと見てください。二次医療圏ごとの十五歳―四十九歳女性人口十万対産婦人科医師の医師数です。これを見ていただくと、北の方というか、地域によって産婦人科の医師数が非常に少ないところがあることがよく分かっていただけると思います。とりわけ北海道と東北、それから九州の一部ですよね、極めて深刻だと思います。
 社民党はかつて、少し前なんですが、産声の聞こえる街づくりプロジェクトというのをつくって、全国の医療現場を訪ね歩くというのをやりました。とりわけ、やはり東北が深刻で、遠野市に行ったときは、産婦人科がもうずっといないと。産婦人科やってこいとやっても、やってきてくれない。だから、公設助産院をつくって、助産師さんを公務員にしてきちっと雇って、モバイル健診で、大船渡病院の産婦人科とモバイル健診やり、出産は大船渡病院、岩手で、県立病院でやるんですが、一時間以上掛けてがたがたがたがたっという道を通って健診に通うことが母体にも良くないので、モバイル健診などをやって、これは御存じ、経済産業省など非常にその後応援して、何とか地域でお産ができるように。ですから、当時よく言われたのは、お里帰りの出産お断りと。つまり、もう帰ってもお産のアポが取れないというようなことも広がっております。
 つまり、地域偏在もとても重要、深刻なんですが、産婦人科がいない。ですから、実は首長選挙や自治体議員の選挙に行くと、何とか産婦人科医をこの地元に連れてきますとか、何とか内科医をこの地域に連れてきますとかいうのが、実は首長さんや自治体議員の公約、叫びというか、それをやっているわけで、もうこれは本当に深刻で、みんな真面目に来てほしいんだけれども、なかなか来てもらえない。ですから、本当にこれは深刻で、これは本当に早急に解消していただきたい。いかがでしょうか。
#243
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘ございましたように、どの地域においても安心して子供を産み育てられる地域ということが強く求められている中で、この産婦人科医の確保につきましても非常に各地で課題となっているというふうには承知をしております。
 今回の法案、そして、それと併せて講じる対策につきましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、それに加えまして、この産科のない地域における産科医療機関の確保につきまして予算措置も講じているところでございますけれども、引き続き、この働き方改革の問題、長時間労働の問題、様々な問題がこの問題と関係している点もございますので、是非総合的に私どもとしてもそういった点に取り組んでまいりたいというふうに思います。
#244
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 外科医の方だと手術でもう何時間も立ちっ放しとか重労働であるというのは知り合いからもたくさん聞きますので、是非よろしくお願いします。
 では、ある時点における医師の地域偏在を示すデータは現在のところ人口当たりの医師数しかなく、都道府県間と県内の二次医療圏間のバランスが分かるにすぎません。この点について医師需給分科会の構成員から、今日も出ておりましたが、実際にどの地域が医師不足地域であるのか資料として示してほしいとの要望が度々出されております。しかし、にもかかわらず、厚生労働省は最後までそれを示すことはできませんでした。結果として、この法案に基づいて国が医師偏在指標を定め、それに沿って都道府県が医師の少数区域と多数区域を設定することでようやく医師の地域偏在が可視化されることになります。法案を議論するには前提となるデータが乏しいのではないでしょうか。医師の地域偏在の現状についての厚労省の認識をお聞きします。
 それで、今までは都道府県の医師数、というか十万人対とかしかなかったんですが、配付資料の三枚目で、今回、県庁所在地、二次医療圏名、人口十万人対医師数で都道府県別でないデータも出していただきました。でも、やはり偏在もあるし、これだけではまた県庁所在地とそれ以外というのもちょっと分からないんですね。
 私は地方に行くと思うんですが、県庁所在地は割と大学があったり医学部があったり、あるいは子供の小中、附属小学校、中学校と子供の教育環境まあまあ整っているので、県庁所在地にはお医者さんいるんだけれども、北、南とか離島とか、要するに子供の教育環境とか考えると、やっぱり県下の名門高校に行かせたいとか親が思うと附属とかそういうところに行かせたいと思うので、県庁所在地は実はまだいいんです。ところが、県庁所在地以外と県庁所在地の格差というのが、偏在があると思います。という意味では、やっぱりこういう実感を基にちゃんと議論するためには現状についての厚生労働省のもっとデータを出すことが必要ではないか、いかがでしょうか。今回ちょっと出していただいたんですが、いかがでしょうか。
#245
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘いただきましたように、この医師偏在対策の議論を進める上では客観的なデータというのが必要不可欠になっております。人口十万対医師数にとどまらず、地域の医療ニーズを踏まえた客観的なデータ、特に人口構成とか流入、流出を踏まえて補正をしたデータを私どもとして研究をしているところでございますけれども、補正をいたしましても、やはり御指摘のありました県庁所在地といいますか、医学部の所在地というような方が正確かもしれませんが、そこが比較的医師数が多く、そしてそのほかの地域が特に東日本では少ないというのが現状と認識をしております。
 そういう意味におきまして、私ども地域枠ということで地域に定着する医師を今後増やしていくということでございますが、この方々がその医大所在地ではなく適切にやはり医師の少数地域に行っていただくということを対策を併せて講じていかなければ、このせっかくの増員地域枠も効果を発揮できない、これが今回の法改正の背景にもなっておりますので、しっかり取り組んでまいりたいというように思います。
#246
○福島みずほ君 厚労省にはデータあるんですよね。
#247
○政府参考人(武田俊彦君) 二次医療圏ごとのデータというのは様々ございます。それをどのように使ったら一番正確かということについては様々また御議論があるということでございます。
#248
○福島みずほ君 いや、厚労省は少なくとも各県の医師の数を把握しているだろうし、それがどこにいらっしゃるかというのも分かるわけだから、それはそのデータを出せばいいわけじゃないですか。どうですか。
#249
○政府参考人(武田俊彦君) 私ども、今回の法案の検討をするに際しまして、様々なデータ、人口十万対医師数のみならず、例えばそれぞれの地域での医師の年齢階級別の構成でありますとか、これを補正するとどのように数字が変わるかとか様々検討しているところでございますし、一部につきましては提供させていただいているということでございます。
#250
○福島みずほ君 ところが、やっぱり分からないんですよ。もう一つデータの、医療従事者の需給に関する検討会のところでいろんな方の意見が出ていて、例えば、ある構成員が、私も医師が本当に足りているかどうかの実数が全然出てこない、十万人対何人というのは出てきますが、実際何人いるのかという数を必ず出していただかないと、イメージだけで話をしているような気がしますので、これは是非厚労の皆さんにお願いしたいのですけれども、実数を出していただきたい、これは日本精神科病院協会常務理事が言っているんですよ。だから、十万人対でとか言われてもよく分からないんですよ。
 というか、ちょっと素朴にお聞きします。厚生労働省は、各県各市のお医者さんの数、診療科目、これは分かるわけですよね。
#251
○政府参考人(武田俊彦君) 私ども、医師・歯科医師・薬剤師調査という調査を行っております。このデータにつきましては、基本的には二次医療圏単位で集計をしておりますので、二次医療圏単位の数ということで必要に応じ集計、そして公開も考えていきたいというふうには考えております。
#252
○福島みずほ君 元々のデータがあるんだったらそれを出せばいいじゃないですか。各都道府県、各市町村、お医者さんが何人いて、診療科目、ダブるところもあると思うんですが、診療科目が何でどうなのかとかですね、年齢までというとあれかもしれませんが、その地域の十年後の医療がどうなるかも分かるじゃないですか。つまり、今集計しているとおっしゃったんだったら、元のデータをたどればデータが出ると。
 私がどうしてこういうことを言っているかというと、医師不足、偏在というのをやっても、実際のデータがないと分からない。ましてや、医療従事者の需給に関する検討会で、実際その構成員の方が、日本精神科病院協会常務理事の方が分からないと、十万人対何人というのは出てくるけど、結局イメージだけで話ししていてよく分からないと言っているんですよ。だから、この厚生労働委員会でもそういうデータを出していただければ、本当に、偏在がどうとか、どうしたらいいのか、もっときめ細かい議論ができると思うんですが、いかがでしょうか。
#253
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のデータについては、基礎的なデータということでは適宜把握をしているところでございますけれども、これをどのように集計するのかとなりますと、一定のお時間が必要になってまいります。いずれにいたしましても、まず現状がどうなのかということと、それをどのように補正するとより適切に現状が把握できるのか、そしてそれが今後どうなっていくのか、こういった点について、私ども必要なデータを出すことは非常に必要だと思っていますので、検討させていただきたいと思います。
#254
○福島みずほ君 検討させていただきますという答弁だったので、非常に心強くそれを待っております。でも、実はこの法案が審議される前に出すべきではないですか。
#255
○政府参考人(武田俊彦君) そのような御指摘も検討会でいただいたことは事実でございます。したがいまして、私ども、有識者から成る研究班をつくりまして議論をし、一定の研究結果もいただいているんですけれども、御指摘のようなところまでは、集計ということは相当お時間が必要かなというふうには考えます。
#256
○福島みずほ君 相当時間が掛かるということなんですが、是非お願いします。
 自殺対策も、実は県や市によっても自殺の理由やいろんなものが違うと。この地域は例えば割かし女性の主婦の方が亡くなりやすい、いや、東北のこの県は多重債務で実は自殺になる人が多いから、逆に多重債務についての破産やいろんなリーガルサービスを重視すればいいとか、傾向と対策ではないけれど、やっぱり実態を知るところから始まると思うんですね。時間が掛かるとおっしゃいましたが、是非、今後の議論のためにも、日本の医療をどうするかという大事なテーマなので、先ほど検討してまいりたいとおっしゃったので、是非これは、また細かいデータというか実態を出してくださるように、本当によろしくお願いを申し上げます。じゃ、そのデータを心待ちにしておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、ちょっとダブるかもしれないんですが、配付資料の一と二をもう一回見てください。二次医療圏ごとの人口十万対医師数で、明らかに西高東低であると。大学医学部の所在地に医師が多く、西高東低の傾向にあって、青、ピンクと、こう分かれております。だから、改めて、これどのような解消策を講ずるか、とりわけ西高東低の東が低いというところをどうしていくのか、二次医療圏全てについて人口十万人当たりに全医師数、診療科ごとの医師数を公表し、医師の不足や偏在への対応策を打ち出すべきではないでしょうか。
#257
○政府参考人(武田俊彦君) この医師の偏在対策というふうに申し上げるときには、都道府県内の医師の偏在、それから都道府県間の医師の偏在もございます。それで、今御指摘ありましたように、全体的に東日本の方が医師数が足りないのではないかという御指摘も多くの方からいただいているところでございます。
 これにつきましてどのような対策を講じていくのかということでございますけれども、やはり医師養成の段階において、どこでその大学に入るのか、どこで研修を受けるのか、又は専門医の研修がどういうプログラムが行われるかということがその後の医師の定着に非常に大きな影響を与えるという、こういう御指摘もございまして、今回、医師養成の段階において、各都道府県の医学部定員、医師数を調整し、その上で各都道府県内で医師を養成し、定着してもらう対策を取る、こういう観点から幾つかの仕組みが法律に盛り込まれておりまして、一つは、医師が少ない都道府県の知事が管内の大学に対して入学枠に地元出身者枠の設定、増員を要請できる仕組みでありますとか、医師の多寡に応じて臨床研修の定員を都道府県が調整できる仕組みでありますとか、都道府県の意見を踏まえて国が地域医療の観点から日本専門医機構に対し意見を述べる仕組みでございますとか、こういったことが今回の法律に盛り込まれているところでございますので、法案成立後にはこれらの仕組みが適切に運営されるよう、私どもも施行に向けた検討を進めてまいりたいというふうに思います。
#258
○福島みずほ君 先ほど産婦人科の話をしましたが、産婦人科不在の二次医療圏が全国で六つあります。日高、留萌、南会津、市川三郷町、五條、須崎です。配付資料の二ですが、まずはこの六地域への産婦人科配置努力を行うべきではないですか。
#259
○政府参考人(武田俊彦君) 地域において安心して子供を産み育てることができるようにするために、地域の実情に即し、周産期医療体制の整備充実を図ることは重要であるということは申すまでもないところでございます。
 一方で、分娩取扱病院の重点化や分娩取扱診療所の医師の高齢化等によりまして分娩取扱施設数が年々減少している現状にございまして、産婦人科医が不在の二次医療圏や分娩取扱施設のない二次医療圏が存在するということは私どもとしても承知をしているところでございます。
 私ども厚生労働省といたしましては、分娩施設が少ない地域において、新規に分娩施設を開設する場合や新規に分娩を取り扱う場合などについて、その施設整備や設備整備に必要な費用の支援を平成二十八年度補正予算から計上しているところでございますし、さらに平成二十九年度予算からは、産科医の不足する地域の医療機関に都市部から産科医を派遣する際の派遣手当などの費用についても支援しているところでございます。
 私ども、こういう必要な予算を確保いたしまして産科医確保のための努力をしているところでございますけれども、あわせて、今回の医師偏在対策の法改正によりまして、引き続き産科医の確保を図ってまいりたいというふうに思います。
#260
○福島みずほ君 今日もお医者さんの働き方改革の質問がずっと出ておりました。医師の働き方の議論の行方です。
 働き方改革実行計画、平成二十九年三月二十八日会議決定では、医師を時間外労働規制の対象とするとしつつ、適用を五年間猶予し、医療界の参加の下で検討の場を設けて検討するということをされました。だから、適用、五年間猶予になったわけですよね。これを受け、現在、厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会を中心に議論が進められております。
 医療の現場では長時間労働が横行していて、労働基準監督署から是正勧告を受ける病院が後を絶ちません。医師の世界では勤務医が労働者であるとの意識が薄い面もかいま見え、過労死をするお医者さんもいらっしゃいます。非常に職業に対して敬意を表しますが、やはり働き方に関して、厚生労働省はもっと医師の長時間労働の現状に関して認識し改善すべきだと考えますが、いかがですか。
#261
○政府参考人(武田俊彦君) 医師の働き方に関する御質問ございました。
 医師の長時間労働の現状を見ますと、正規雇用の医師の一週間の労働時間の分布を見ると、約四割強の正規雇用の医師が週六十時間を超える労働の現状にある、さらに約二割弱は週七十五時間を超えている現状にあるということで、ほかの職種と比較しても、やはりこの医師という労働形態はぬきんでて長時間労働の実態にあるというのが現状でございます。
 このうち、特に長時間勤務となっているのが病院勤務医で、二十代、三十代の男女、四十代の男性医師、産婦人科、外科、救急科、臨床研修医、こういうような特徴も出ているところでございます。
 こういった時間外労働の要因としては、急変した患者への緊急対応ですとか、手術、外来対応、これが延長する、また勉強会への参加といった自己研さんなど、こういったほかに、患者側の都合により診療時間外での患者説明に対応せざるを得ないといった、こういう様々な要因が指摘をされております。
 医師の健康確保の観点のみならず、医療の質、安全確保の観点からも医師の働き方改革をしっかりと進めていく必要があると考えておりますので、引き続き医師の働き方改革に関する検討会で丁寧に議論を進めてまいりたいと考えます。
#262
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。ありがとうございます。
#263
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 まず、局長、教えてください。先ほどから何度も出てきております医師の偏在指標もそうでございますが、様々、人口割りというものがこの医師数につきましても統計的に計算をされておりますけれども、この人口というのはどういう、何を用いて人口となさっていらっしゃいますか。お願いいたします。
#264
○政府参考人(武田俊彦君) 様々な場合にこの人口を用いておりますが、この人口十万対医師数の場合の基礎数字としての人口につきましては、総務省統計局がまとめております住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査、毎年一月一日時点の数字を使ってございます。
#265
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方にも資料をお配りをさせていただいております。これも総務省の資料でございますけれども、例えばこれ、一番昼と夜の人口が違うのは東京都千代田区です。夜を一〇〇とすると、昼は何と一四六〇。同じ人口といってもこれだけ違うんですね。
 東京というのは、これ、なべて見ますと、夜を一〇〇とすると昼間は一一七というような統計もございますけれども、やはり昼間のいる場所で受診をしたいとおっしゃる方も大変多いです。逆に、土日、おうちの近くで受診をしたいとおっしゃる方もいらっしゃいます。特に、一極集中と言われますけれども、やはり昼間これだけ東京に人口が集中している、この現実も私は見逃せないと思うんですけれども、武田局長、今後どのように人口を考えていったらいいんでしょう。
#266
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほど申し上げたとおり、人口十万対医師数の場合につきましては、この住民基本台帳に基づく人口、人口動態、世帯数調査の人口を用いているところでございますけれども、御指摘のとおり、一部の地域におきましては、昼間の人口、夜間人口というのが非常に大きな差があるというのは御指摘のとおりだというふうに思います。また、それによって医療ニーズが変わるというのも御指摘のとおりかというふうに思います。
 ただ、この昼間人口、夜間人口につきましては国勢調査のデータによることになりますけれども、この国勢調査の調査周期が五年ということもございまして、最新の地域の状況を把握する上では課題があるというふうにも認識をしております。したがって、調査周期が一年である住民基本台帳に基づく人口というのが基本的には用いられてきたという経緯ではございます。
 ただ、いずれにいたしましても、その医師偏在指標の詳細な設計を行う上では、こういった問題についてどういうふうに考えていくのかというのは必要な論点でございます。現実にその住民の方がどこで医療を受けているのかということは別途、医療の流出入でも把握をしておりますので、こういったデータがどこまで使えるか、きちんと丁寧に議論をしてまいりたいと思います。
#267
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非丁寧に議論していただきたいと思います。
 私も、この周辺の病院、クリニック紹介しますよね。皆さん、一時間、二時間待ちなんです。一極集中と言われているこの辺りでさえも、やはりそういうことが現実的に昼間起こっている。これは、私はしっかり議論をしていかなければ、じゃ、夜の人口だけで、いわゆる住民台帳だけで考えてしまうと、これはまた皆様方が使い勝手が悪い医療提供体制を提供するだけに終わってしまいます。是非、そこは丁寧に議論をお願いいたします。
 それから、過去にちょっと振り返ってみたいと思います。
 資料二をお配りいたしております。先ほど自見先生も教育体制というものを取り上げていただきましたけれども、平成十六年から新医師臨床研修の制度、必修化されました。この必修化した目的というものは、局長、何だったんでしょう、教えてください。
#268
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 平成十六年度から、御指摘のように臨床研修制度が必修化をされたわけでございますけれども、この必修化前の医師の臨床研修について様々な課題が御指摘をされておりました。例えば、専門的な研修が中心で基本的な診療能力の修得に対応していないのではないか、また限られた範囲での研修になっているのではないか、こういった課題が指摘されていたところでもあり、当時の必要性といたしまして、高齢社会の到来を控え、全ての医師が全人的な診療能力を修得できる研修を修了し、患者とより良い信頼関係を築ける十分な診療能力を有する医師として診療に従事する、こういったことが当時求められておりまして、それにふさわしい臨床研修になっているのかというようなことが言われていたということでございます。
 こういうことを背景といたしまして、将来専門とする分野にかかわらず、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう基本的な診療能力を身に付けることを目的として、幅広い研修施設を確保する観点から、研修病院の指定基準を見直すなどの環境整備を行った上で、平成十六年度に義務化を行ったものと承知をしております。
#269
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まさに、ゼネラリストを育てるということが主だったと思います。これによって医局が崩壊しまして、なかなか過疎の地域に行っていただけなくなったということも、これは現実的に私は厚労省として捉えていただかなければならないかと思います。
 私どももやはり様々な地域、過疎と言われている地域のクリニックにも診療に参りました。そういうときに、何年かすれば必ずまた戻してもらえる、そういう保証があるので、そこに行って地域医療を勉強してこよう、そういういい循環が働いていたのも確かでございます。
 じゃ、このようなことを目的として必修化された、その目的というものが今厚労省として果たせたのかどうか、どのような評価になっていますか、お願いいたします。
#270
○政府参考人(武田俊彦君) 平成十六年度から必修化されました臨床研修の評価でございますけれども、先ほども申し上げましたが、このそもそもの理念といいますのは、医師が医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう基本的な診療能力を身に付けること、これが基本的な理念でございましたので、この基本的な診療能力を身に付けることという理念がどの程度達成されたかという観点で申し上げれば、例えば、私ども、研修修了者に対してアンケート調査を行っておりますけれども、基本的な臨床知識、技術等について自信を持ってできる、そして、できると回答した研修医の割合は年々上昇をしているところでございまして、一定の効果は上がっているのではないかと考えております。
#271
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 でも、ゼネラリストって生まれてきていないんですよね、それほど。先ほど、東先生もおっしゃいました、オーストラリアでいうRGでしたり、イギリスのGPのような形でファミリードクターのような方々がもっとたくさん生まれていれば、地域医療に様々な面で貢献できるのではないかと思って、私も期待しておりました。
 医師の偏在とこの必修化というものはどのように関係しているというふうに厚生労働省では分析していらっしゃいますか。
#272
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 必修化前の医師の臨床研修につきましては専門的な研修が中心でございまして、基本的な診療能力の修得に対応していないなどの課題があったことから、基本的な診療能力の修得などを目的として平成十六年度に義務化を行ったところでございます。
 この臨床研修の義務化以降、研修医の基本的な診療能力の向上が見られたという効果は先ほど申し上げましたが、一方で、大学病院で臨床研修を受ける医師が減少したということも発生をいたしまして、大学病院における研修修了後の医師派遣機能が低下したために地域の医師不足問題が顕在化したきっかけの一つ、全てではないということではあると思いますけれども、きっかけの一つにはなったという側面もあるのではないかと考えております。
#273
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、しっかりとしたキャリアラダーを厚生労働省の方でも見せてさしあげないと、なかなか地域には行っていただけないということですよね。保証がないと、それは不安でたまらない。だからこそ、多分、今回の医師少数区域で勤務した医師を評価する様々な制度というものを組み立てていただいたんだろうと私は予測をしております。
 では、この医師少数区域というのは何を指すのか、局長、教えてください。
#274
○政府参考人(武田俊彦君) 今回の法案におきましては、医師少数区域等において一定期間以上の勤務経験を有する医師を厚生労働省が、厚生労働大臣が認定をするという仕組みを導入することを考えているところでございますけれども、ここでいう医師少数区域につきましては、今回の法案で新たに設ける圏域のことでありまして、医療ニーズや人口構成、患者の流出入等を踏まえて二次医療圏ごとに設定した医師偏在指標を基に、医師が少ないと認められる二次医療圏に対して、厚生労働省令で定める基準に従い、各都道府県が設定するものでございます。
 また、この認定の仕組みにおきましては、医師少数区域に限らず、医師が少ない地域のうち、都道府県知事が指定する一定の医療機関における勤務経験も評価の対象として認定を行うことができるようにすることも想定をしているところでございます。
 今後、法案成立後に医師偏在指標、医師少数区域の設定その他につきまして検討を開始することになりますけれども、この議論において、客観的な議論に資する適切なデータを用いて十分丁寧な議論をしてまいりたいというふうに思います。
#275
○薬師寺みちよ君 では、教えてください。
 今のところ、その区域というのは市町村でしょうか、それともその二次医療圏ごとなんでしょうか。どのようなことを想定していらっしゃいますか。
#276
○政府参考人(武田俊彦君) ここでいう区域につきましては、二次医療圏を単位といたしまして医師少数区域を設定していくということを想定しているものでございます。
#277
○薬師寺みちよ君 では、どのくらいの医師少数区域というものが全国で設定されるというふうに今のところは想定していらっしゃいますか。
#278
○政府参考人(武田俊彦君) この医師少数区域がどのくらいの圏域になるかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今後の医師偏在指標に基づきまして厚生労働省令で定める基準に従って設定ということでございますので、現時点で幾つかというのはなかなかお答えができないところでございますけれども、基本的には全国指標で考えて医師が少ない地域を適切に設定をしてまいりたいというふうに思います。
#279
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 例えば、二次医療圏内では満たしている、しかし、そこに島があったらどうでしょう。いろいろなパターンが、やっぱりきっちり考えていかないといけないんですよ。
 私も愛知県におりました。島が三つございます。波が荒いと、そこからボートも出ないんですね。ということは、どんなに救急があったって、お産があったって、そこから運べない。じゃ、そこにもしゼネラリストがいて、しっかりとした診断をしていただければというところで、やっぱりここは医師少数区域としてしっかりそこに勤務していただいたドクターというものを評価していただかないと私はいけないと思うんですね。
 ですから、二次医療圏という大きいものだけを考えるのではなく、その地域地域でもう少し細部にわたってその状況を見極めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#280
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほどの答弁、ちょっと訂正をさせていただきたいと思いますが、医師少数区域に限らず、医師が多い地域であっても都道府県知事が指定する一定の医療機関、こういう勤務経験も評価していきたいということでございまして、先ほど医師が少ない地域のうちというふうに申し上げたのは、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
 その趣旨は、今まさに先生おっしゃったとおりでございまして、二次医療圏単位で医師少数区域を設定してまいりますと、医師過剰地域の二次医療圏、医師多数地域の二次医療圏であっても、地域によっては離島でありますとか山間地域が含まれる可能性がございます。こういったところは、現状、無医地区、準無医地区といった形でへき地医療対策の対象になってございますけれども、今後、その医師偏在対策を進めるに当たりましては、基本的には二次医療圏単位で医師少数区域を設定しながら、それに加えまして、きめ細かな地域も都道府県知事がこの医師確保対策の対象に加え、又は大臣認定の際の勤務経験に加えられるように運用を図ってまいりたいというふうに思います。
#281
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほど福島先生がおっしゃったように、産科もそうなんですよね、あれだけ大きい二次医療圏に一人しかいないとなると、これは大変ですよ。ですから、やっぱりその地域の特性にしっかり合わせてそこは設定してください、お願いをしておきます。
 では、ここで勤務していただいた方々を認定ということをしていかなければならないんですけれども、地域医療への知見を有する医師ということになっていますが、知見とはどういうことなんでしょう。地域医療を行うその診療科も問わないんでしょうか。局長、お願いいたします。
#282
○政府参考人(武田俊彦君) この大臣認定については、単なる医師少数区域の勤務経験ということではなく、この勤務経験によって地域医療への知見を有する医師ということで法文上規定をしておりますけれども、この医師少数区域における経験によって培われる知見にどういうものがあるのかということでございますけれども、まず、日常行う診療において、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導等を行い、自己の専門性を超えて指導が行えない場合には、地域の医師、医療機関と協力して解決策を提供すること、こういったかかりつけ医と言われている方々に考えられているこの要件でございます。
 それから、医療福祉関係職種との総合調整を行い、当該職種と連携して介護も含めた包括的な医療を提供すること、医療資源が乏しい地域において、症状の程度に応じた適切な医療機関間の連携を行うこと、地域全体の住民の健康状態の向上に寄与すること、こういったことが一般的にはかかりつけ医、地域におけるかかりつけ医の役割として議論されております。
 これが全て要件とするかどうかはともかくといたしまして、私ども、この地域における医療への知見という意味では、こういうその患者の生活背景でございますとか地域全体の住民の健康状態への関与でございますとか、こういう様々な活動が評価できるように、今後議論をしていきたいというふうに思います。
#283
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、大臣が認定していただくのは、ただ勤務をしたというだけではなく、その今説明いただきましたようなヘルスプロモーションの考えをしっかり身に付けたドクターということで、認識でよろしいですか。イエスかノーか、教えてください。
#284
○政府参考人(武田俊彦君) この点に関しましては、やはり一定の勤務経験を通じた地域医療への知見ということでございますので、私ども、それに沿った運用を考えていかなければならないのではないかと考えております。
#285
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどからも出てきておりました、管理者に将来なれる。その管理者というのはどのような病院を想定していらっしゃいますか、また、病院の数は幾つぐらい想定していらっしゃいますか。
#286
○政府参考人(武田俊彦君) この認定医を管理者として評価をする医療機関の範囲でございますけれども、この法案に至るまでの間、議論をいただきました医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会における議論を踏まえ、まずは、地域医療機関と連携しながら地域医療を支える地域医療支援病院というのがございますけれども、この地域医療支援病院のうち、医師派遣・環境整備機能を有する病院を対象とする方向で今後具体的な検討をすることとしているところでございます。
 対象となる病院数につきましては、現在、地域医療支援病院の承認を得ている病院は約五百五十の病院がございますけれども、このうちの一定数が対象となるというふうに考えているところでございます。
#287
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では局長、その病院管理者に、これは一般的で結構でございます、求められる能力、資質とは何なんでしょうか。
#288
○政府参考人(武田俊彦君) 病院管理者に求められる能力といたしましては、医療法上は適切な医療の提供の体制ということが求められ、それに関してはこのそれぞれの医療機関における管理者が責任を負うということになります。診療所の場合は比較的小規模でございますが、大規模な病院ということになりますと、それに加えてやはりマネジメントの能力というものが必要になってくるだろうと思います。それに加えて、そこの病院がそれぞれの機能を有しますので、病院の機能を十分理解できるというようなこともまた管理者の要件になってくるというふうに考えられます。
 私ども、今回この地域医療支援病院のうちの一定の医療機関というふうに申し上げているのは、この地域への医師の派遣ということを医療機関にも役割として担っていただきたい、そこの管理者として考えた場合には、そういう経験を有するということは非常に大きな意味があるのではないか、こういうことも考えてこういう御提案をさせていただいております。
#289
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 済みません、私には分かりません。医師少数区域で勤務したその経験というものがどうやったらマネジメント能力につながっていくのか。これ、今、地域医療支援病院、病床数でも四百ぐらい持っている病院が中心ですよね。公立が多いじゃないですか。その病院の問題点って何なのかというと、赤字を出しているという点でもございますよね。自治体にも大きな負担をお願いしている、これが現実でございます。
 ですから、インセンティブとしてこれを付けていただく、そのために、私、しっかりとしたこれ制度設計が必要だと思います。単に地域で病院を回ってきました、その経験だけで、それだけ大きながたいを持って、それも多機能の病院をまさに管理して、マネジメントして、その地域に責任を持たなければならない、その能力とちょっとこれは違うんではないでしょうか。
 大臣、私からこれはお願いでございますけれども、しっかりお答えいただきたいと思います。
 国立保健医療科学院というものを持っていらっしゃいますですよね。それで、その中でも様々、例えば保健所の所長の研修なども行ってくださっております。そういうコースの中に病院管理学のコースなんかもつくっていただきまして、キャリアラダーとして、しっかりその一つとして私は機能していただきたいと思うんです。ただ地域を回りました、それだけで病院の管理者になる、それだけ大きながたいを管理していかなければならない、私不可能だと思います。
 これだとか、私ども、いわゆる医業の中でも病院管理を学べるような専門職を出た者もございます。しかし、それなりの費用が掛かります。そういう費用を補助してもらう等々の様々な方法がございます。地域を守り、そしてしっかり病院も管理ができる、そういったものが積み重なって初めて管理者として私は勤務していただけると思いますけれども、いかがですか。御意見ください。
#290
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話があった保健所長については、その実務経験のほか、国立保健医療科学院が行う養成訓練課程を経た者と、こういうふうに規定をされているわけであります。
 病院の管理について、組織マネジメントの能力とか向上とか、そういったものが当然必要であります。ですから、そういった意味において、今年度、これは今回の認定者ということを限定しているわけではありませんが、病院長や事務長を対象とした病院管理に関する研修プログラム、これを開発をしていきたいと思っておりまして、厚生労働科学研究においてそれを実施をしたいと思っております。
 研修プログラムの開発に当たっては、病院の幹部職員を対象としたニーズ調査を行い、今年度中には研修プログラムを試行的に実施をして、その評価を行っていきたいと思っておりますので、そういったプログラムを用意しながら、医師少数区域での勤務経験というのは、やっぱり医師としての、何といいますかね、その力というか、それを養う意味において一つの経験だと思いますし、それに加えてこうした管理職としての能力を持っていただく、そういったことは当然必要になってくるというふうに思います。
 今の段階で義務付けるということになると、これ、これだけじゃなくて全部についてそういうことになっていきますから、そこまで今考えているわけではありませんけれども、ただ、そうした仕組みがうまくいくために、せっかく認定者になっていただいて管理者になったんだけど、全然パフォーマンスが良くなかったというと、もう続かなくなってしまうわけですから、やっぱり制度として継続していくためにも、そういった方々にこうした研修、これからまだプログラムとか、少し、完全に動き出すまでに若干時間が掛かりますけれども、いずれにしても、そういったことをきちんと研修をしていただいて、力を付けていただいて、そして管理者としてもその機能を十分発揮していただくということは大変重要だというふうに思っておりますので、そこをどういう形で受けてもらえるように支援をしていくのかということも並行して考えていきたいと思います。
#291
○薬師寺みちよ君 是非、強くそこは進めていただきたいと思っております。
 最後に、武田局長、これも一問、お願いと質問でございます。
 こういうふうに地域の方に出るということで、専門医制度のこれ邪魔になってはまた足かせになってしまいますけれども、しっかりと専門医制度の中で乗っていく制度であるということを明言いただけますか。お願いいたします。
#292
○政府参考人(武田俊彦君) この認定制度といいますのは、専門医の取得を始めとした医師のキャリアに関する希望やニーズをかなえつつ、医師の少ない地域での勤務を希望する医師等を後押しする施策として進めていきたいと考えておりますので、これはもちろん両立できるように制度設計を考えてまいりたいというふうに思います。
#293
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 これからしっかり、まだまだこれ議論の第一回目でございます。これから深まってまいりますので、大変楽しみにいたしております。これから我々としても真摯に議論を続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わらせていただきます。
#294
○委員長(島村大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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