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2018/05/15 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第12号
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2018/05/15 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第12号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第12号
平成三十年五月十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     鶴保 庸介君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     小川 克巳君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     田名部匡代君
     小林 正夫君     神本美恵子君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     小林 正夫君
     神本美恵子君     難波 奨二君
     田名部匡代君     石橋 通宏君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     徳茂 雅之君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     松川 るい君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                鶴保 庸介君
                徳茂 雅之君
                藤井 基之君
                松川 るい君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  高木美智代君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       厚生労働省医政
       局長       武田 俊彦君
       厚生労働省健康
       局長       福田 祐典君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 俊彦君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
   参考人
       公益社団法人日
       本医師会副会長  今村  聡君
       産業医科大学医
       学部教授     松田 晋哉君
       相馬市長
       全国市長会副会
       長        立谷 秀清君
       全国医師ユニオ
       ン代表      植山 直人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
〇医療法及び医師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、森まさこ君、小野田紀美君、櫻井充君及び大沼みずほ君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君、小川克巳君、難波奨二君及び徳茂雅之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小林正夫君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法及び医師法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として公益社団法人日本医師会副会長今村聡君、産業医科大学医学部教授松田晋哉君、相馬市長・全国市長会副会長立谷秀清君及び全国医師ユニオン代表植山直人君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(島村大君) 医療法及び医師法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず今村参考人にお願いいたします。今村参考人。
#8
○参考人(今村聡君) おはようございます。日本医師会の副会長を務めております今村聡と申します。
 本日は、大変貴重な場にお招きをいただきまして意見を述べさせていただくことを感謝申し上げたいと思います。
 それでは、早速、日本医師会のこの資料に基づいてお話を申し上げたいと思います。医療法、医師法改正案に対する日本医師会の見解ということで、資料をおめくりいただければと思います。右下にページ番号がございます。
 まず、改正法案に対する基本的な考え方ということでございますけれども、今国会に上程されている医師確保、医師偏在対策に係る医療法及び医師法改正案は、厚生労働省の医療従事者需給に関する検討会医師需給分科会、これ私も委員として参加させていただいておりますけれども、一年余に及ぶ議論の結果をまとめた第二次中間取りまとめ等を基としております。
 今回の対策の特徴は、一つは数値化、これは可視化、見える化をして、エビデンスに基づいて一歩踏み込んだ対策を打ち出していること、また強制的な対策を回避していること、三番目に、日本医師会・全国医学部長病院長会議の医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言というものを二〇一五年十二月に出させていただいておりますけれども、これを踏まえた対策が盛り込まれていることなど、一定の基本的な評価ができるものというふうに考えております。
 ページをめくっていただきまして、医師確保対策、もうこれは数から偏在対策へと移っているというふうに考えております。我が国の医学部入学定員、二〇〇七年度は七千六百二十五人でございましたけれども、二〇一八年度には九千四百十九人。千七百九十四人、二三・五%に達しております。二〇〇八年から実施された緊急医師確保対策や臨時定員増によって臨床研修を修了した医師が既に臨床の現場に輩出されて、今後も続々と地域医療の確保に貢献することが予想されております。
 このような状況に加えて、人口減少社会に突入した我が国の社会環境を考慮すれば、医師確保対策はマクロ的にその数の手当てを終了しておると。偏在対策に移行すべきであり、その意味からも、今回の法改正が速やかに承認されることが望まれております。
 ページをめくっていただきまして、改正法案の主な対策についてということで、一つ、医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設ということに関しまして、日本医師会・全国医学部長病院長会議緊急提言においても同様の仕組みを実は提案した経緯がございます。それは、医師のまずキャリア形成というものが非常に重要で、この支援を行うということで、キャリア支援センターの創設を前提としておりました。
 厚生労働省令で定める上記の病院の管理者については、医師需給分科会の第二次中間取りまとめのとおり、まずは地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院とすべきであると考えます。また、医師少数区域の設定などは一律に指標を当てはめるということではなくて、地域の実情が十分に反映される仕組みとする必要があると考えております。
 ページをおめくりいただきまして、二番目が、都道府県における医師確保対策の実施体制の整備ということであります。
 医療勤務環境改善支援センター、それから地域医療支援センター、これ従来から各県で設置されることになっておりますけれども、なかなか十分に機能していなかったという実態があるということも事実でございます。その連携とともに、医師のキャリア形成支援が今回の偏在対策に盛り込まれたということは極めて重要であると考えております。
 様々な検討の場が地域医療対策協議会に集約されると、これは各県で医療に関わる者について本当にいろんな種類の会がありまして、自分がどの会に参加しているかということもだんだん分からなくなるような状態があって、こういった形で一つの地域医療対策協議会に集約されて、大学、そして医師会、関係医療機関等の参画の下に実効ある合議体として運営されることが必要であると、国の適切な情報提供というものが求められるというふうに考えています。その上で、医師が自身の健康を守りながら誇りを持って働いていくことを支援していくということが必要であると考えます。
 ページをめくっていただいて、医師養成過程を通じた医師確保対策の充実ということです。
 全ての医師養成過程を通じた医師確保対策が講じられることは有用であると考えます。特に地域枠、それから、もう本当に地元の県から出身した地元枠医師の活用というのは、これはデータからも定着率が非常に高いということが示されておりまして、こういった定着率の高さをエビデンスとしてその効果が期待されると思います。
 今後、将来人口推計等に鑑みて医学部入学定員がマクロで縮小されることがあっても、恒久定員枠の中で地域枠や地元枠医師が確保できる仕組みを検討することが必要だと考えます。専門医養成に係る厚生労働大臣の意見聴取、要請については謙抑的に運用されるべきだと考えています。
 次のページをおめくりいただきまして、地域での外来医療機能の偏在、不足等への対応です。
 地域の医療需要、医師需要の見える化について、医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言では、さらに、地域ごとの需給予測に関するデータを、医学生、そして若い医師に提供すべきであるとしております。患者数など医療需要のデータを基に、あるべき医師配置に自主的に収れんされていくべきであると考えます。また、地域医療構想と同様に、不足する外来機能が自主的に次第に充足されるようにするという視点で進めるべきであると考えております。
 七ページを御覧ください。都道府県知事への権限移譲です。
 改正法案の成立、施行によって、各都道府県において、医師少数区域における偏在対策等を内容とする医師確保計画の立案、あるいは臨床研修病院の指定、定員の設定などが実行されることとなります。その際に、地域の特性や実情が十分に反映される必要があると。そのためには、地域医療対策協議会について、その活性化を図るとともに、地域医療構想調整会議における協議の内容や結果を重視する仕組みも不可欠であると考えております。
 次のページです。臨床実習における医師法の規定の検討。
 日本医師会と全国医学部長病院長会議は、卒前卒後の医学教育改革のためのワーキンググループというのを設置をしております。その中で、卒前卒後のシームレスな医学教育を達成するために以下の骨子を取りまとめました。
 一つは、共用試験、CBT、OSCEを公的なものとする。二番目に、診療参加型臨床実習の実質化を図り、スチューデントドクターとして学生が行う医行為を法的にきちんと担保をする。国家試験を抜本的に見直す。すなわち、国家試験への出題は診療参加型臨床実習に即したものに限定して、いわゆる知識を問うことについては差別化をCBTと明確にすると。
 上記の一から三が確実に実施されれば必然的に臨床研修の在り方も大きく変革しなければならず、臨床研修を卒前教育、そして専門医研修と有機的に連動させるべく、その内容を見直す必要があると考えます。
 上記の二に示すように、臨床実習における医行為が安全性に配慮しつつ適切に実行される、違法性の阻却を法令で担保することが望まれるというふうに考えます。
 その他の事項といたしまして、厚生労働省には医師養成過程から専門研修に至るまで様々な審議会、検討会が設置をされています。私もその幾つかに参加をさせていただいておりますが、しかし、そうした会議間の整合性、それから議論内容の相互反映が必ずしも十分に図られているとは言えないと思っております。各会議体の所掌の明確化、会議間の連携、情報共有を図ることが必要だというふうに思われます。
 これからの医療には、地域で密着しながら地域包括ケアに携わる人材が求められます。さらに、医学、医療の発展には、ICT、AI、バイオテクノロジーなど様々な高度技術が不可欠である、それらを担う人材も不足している、それらの人材の育成も必要であるというふうに考えます。
 少子化で人口が減少し、働き手が減っていく中で、優秀な人材が医学だけではなく様々な分野で活躍していくように国としてのバランスを考えていただきたいというふうに考えます。
 働き方改革については、一つの仕組みを急激に変えることで全体に大変大きな影響を与えかねないと考えております。医師の偏在に悪影響が出ないような配慮が必要であるというふうに思います。
 結びとなりますが、改正法案と今後の対応について申し上げたいと思います。
 今回の制度改正、医師偏在の解消に向けたこれ第一歩であるというふうに思っております。これで完結するものではない。まずは、法案成立後の実施、そして運用が大変重要になると思います。まずは本法案等に規定する諸種の対策を進め、その効果を速やかかつ定期的に検証した上で、更なる必要な対策の有無を検討することが肝要であるというふうに考えます。
 また、対策の実行に当たっては、国から地域に対して丁寧な説明と的確な情報提供を徹底するということが重要だというふうに考えます。
 日本医師会としては、地域医療を守っていく立場から積極的に関わっていくということを改めて申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#9
○委員長(島村大君) ありがとうございました。
 次に、松田参考人にお願いいたします。松田参考人。
#10
○参考人(松田晋哉君) 産業医科大学の松田でございます。今日は、このような機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
 今日は、研究者の立場から、今までやったことを基にしまして御説明をさせていただきたいと思います。
 一ページをおめくりください。
 二というところですけど、これは我が国における医師の偏在問題ですけれども、皆様御存じのとおり、日本は西日本が非常に医者が多くて東日本が非常に少ないという、こういう現状があります。じゃ、こういう医師の偏在問題に対して、例えばほかの国は何をやってきたのか、それからあと、日本で今何が進んでいるのかということを少しお話をしたいと思います。
 四ページをお開きください。
 これは、医師の偏在に関するフランスのデータです。これは、それぞれ産婦人科と一般医の一名当たりの人口を書いてありますけれども、真ん中のパリが非常に医者がたくさんいて、その周辺の、ドーナツ型になっていますけれども、パリ周辺の地域が非常に医者が少ないという、こういう偏在問題がかつてから大きな問題となっていました。この問題を解決するためにフランスでは、医師の養成課程、それから医師になっていく医師国家試験の改革をやっております。
 五ページを御覧ください。
 これがフランスの現在の医師の養成課程なんですけれども、日本と同じように、高校を卒業して、日本のセンター試験に相当するバカロレアというのを受けまして医学部に入ってくるわけですけれども、一番のポイントは、第二サイクルというのがあるんですが、これは日本でいう学生のベッドサイドティーチングに相当するものですが、フランスの場合は、実はここで日本のいわゆる初期臨床研修に近い研修を行います。いわゆるスチューデントドクターというものに近いと思うんですけれども、かなり臨床的に踏み込んだことまでやります。そういう意味で、全科の臨床を、ある程度実務を踏まえた上で、勉強した上で、卒業時に全国クラス分け試験という、これは日本の医師国家試験に相当するんですが、これによって自分の行く専門科をそこで選択することになります。
 六ページを御覧ください。
 この専門科なんですけれども、フランスの場合には、地域ごと、それから診療科ごとに実は毎年の募集定員が決まっております。これを超えてそれぞれの地域で医師を確保することはできません。
 ここで、この数がどういうふうに決まるのかというと、これはデータに基づいて決まっております。それぞれの地域の医療の提供状況、医療需要の状況に基づいて、それぞれでその各科の専門医が何人必要なのかということを決めて、それに基づいてやるということになっております。
 七ページ目を御覧ください。
 これは実際の、イル・ド・フランスというパリがある地域のそれぞれの診療科別の医師数、研修に入ってくる人間を数を示したものですけれども、実は、その右側のコラムのところが、これが席次になります。例えば、二〇一三年のところで一般医のところを見ていただきますと、六百五十三人というのが、これは六百五十三人採るということなんですけれども、その七千九百九十五というのは、七千九百九十五番目であればその科を選定することができるという形で、ある程度席次によって進路が決まると、こんな仕組みになっております。
 八ページ目を御覧ください。
 こういう改革をやってきて何が起こっているかといいますと、地方別に医師数の変化のデータがあります。一番右がノール・パ・ド・カレといってフランスでも一番医師が少ない地域なんですけれども、そこでは一三・二%医師数が伸びております。左側の、ちょっとコルスを除いて、左の二番目のところがイル・ド・フランスといってパリ、それからPACAというのはコートダジュールとかあるところですけれども、そういうところは医師の伸び率が低く抑えられている。こういう形で、国がある程度、卒前の教育と卒後どこに行くかということを、ある程度関与することによって医師の適正配置をやっているということであります。
 このように、地域間、ただし、この地域間の配分はできるんですけれども、同じ地域の中での都市部と中山間地域ではやはり偏在問題が残っているという、これは実はフランスでも大きな問題として残っております。
 九ページ目を御覧ください。
 フランスでは、ベルランド報告という非常に有名な報告があるんです。これは何かというと、なぜ若い医師が地方に行ってくれないかということを調べた非常に包括的な調査なんですが、やはりいろいろと、上の世代と若い世代は医療に対する意識が変わってきています。一番大事なことは、やはり医師は、非常に医師といっても自分のプライベートな生活をかなり重視するようになってきている。それから、やはりいろいろな技術を学ぶことができる都市部を志向している。それから、ソロプラクティスよりはグループプラクティスを希望しているということで、最近やはり病院医師を希望する者が増えているという、そういう特徴があります。
 十ページ目を御覧ください。
 じゃ、我が国は何をやっているのかということですが、今、これは私たちが厚生労働省の研究班の中でもやらせていただいているものですけれども、実は日本では今地域医療構想というのが走っております。この地域医療構想って何かといいますと、そこに書いてありますように、医療機関から収集されているレセプト情報を国がデータベース化したナショナルデータベースというのがございます。これを基に地域別に傷病別、年齢別、病床の機能別の入院受療率が計算できます。これを用いますと、それぞれの年度でどのくらいの患者数が機能別にいるのかということが計算できます。これを病床利用率で割ることで病床数が推計できるという、現状追認型ですけれども、こういう推計ができるようになっております。これを用いましていろんなことができるわけです。
 次を少し具体的に御説明したいと思います。
 十一ページを御覧ください。
 これ、ある地方の医療圏、かなり人口が減少していく医療圏ですけれども、二〇一〇年、二〇三〇年、こういう人口構成になっていきます。その一方で、これを前提としまして現在の入院受療率を考えますと、入院患者の推計はこの右下のようになります。全体としてはもう減少傾向にあります。特に分娩が非常に減っていて、増えるものとしては肺炎ですとか骨折とか、いわゆる急性期というよりも急性期以後の患者が増えてくると、こういう現状があるわけです。
 十二ページを御覧ください。
 じゃ、この医療圏どうなるかというと、そうしますと、やはりこういう人口動態ですので、例えば二〇二五年でいいますと、やはり高度急性期、急性期という病態の患者数は少し減ってくる。ただ一方で、その後のポストアキュートのところの回復期が増えてくる。慢性期も実は、慢性期としては増えるんですけれども、仮にその病床を適正化するとすればこのくらいの数になる。こういう形で実は今、全国のいわゆる構想区域ごとにこういう機能別の病床数の推計というのが二〇二五年、二〇四〇年という形で各地域に示されているところでございます。
 十三ページを御覧ください。
 そうしますと、これ非常にざくっとした考え方になるんですけれども、この地域医療構想で必要病床数が大体推計できますので、例えば病床当たりの医師数がどのくらい必要なのか、適切なのかということを、ここ掛け合わせますと、それぞれの地域で将来の医師の需要がどのくらいになるのか、こういう推計ができます。恐らく地域単位での大まかな医師数というのはこういう形で推計できると思うんですが、専門診療科別の医師数をどういうふうにするかということについてはまだもう少し研究が必要だろうと考えております。
 じゃ、続きまして、十四ページ御覧ください。
 高齢化に伴う医療ニーズの変化への対応ということです。
 十五ページを御覧ください。
 これは、私どもの研究班でやりました、いわゆる二〇二五年にどのくらいの病床数が必要なのかということを推計したものですけれども、これ実は、右側も大事なんですけれども、左側のものが非常に重要になります。これ、現状の分析なんですが、二〇一三年医療施設調査では、この国は療養病床と一般病床が合わせて百三十四・七万床ございます。右の方に今度はその翌年に行った病床機能報告、各病院がどのくらいの病床を持っているのかということを報告したものですが、まず見ていただきますと、合計で百二十三・四万床。療養病床のところと慢性期見ますとほぼ一緒ですので、すると、このデータは何を意味しているかというと、届出漏れを加味しても、この国は現時点で全国でいうと六万床から八万床の一般病床が動いていないということを意味します。実際これ、非常に高齢化が進んでしまったところでは既にもう高度急性期、急性期というフェーズの患者さんが減ってきておりますので、そういうものをどういうふうに、これが全国に広がっていきますので、こういうデータに基づいて将来のことを考えていただくということが重要だろうと思います。
 ただし、今度右の上の方を見ていただきたいんですが、仮に今現在入院している人たちがそのまま入院するとしますと、実はこの国は百五十二万床必要になります。これは何かといいますと、いわゆる、少し専門的用語になるんですけれども、医療区分一相当という、少し慢性期の中では軽い入院患者さんがこれから激増します。この人たちをどこで見るのか。療養病床で見るのか、介護で見るのか、在宅で見るのかということがこれから問題になるわけです。実は、この問題というのは地域によって大きな差があります。
 十六ページを御覧ください。
 これは東京都内二地域の人口推移ですけれども、江東区と多摩市です。全く違った様相になります。江東区は相変わらず建設ラッシュが進んでいますので、人口が増えております。多摩市はもう、いわゆる郊外型のところですので、二〇二〇年以降人口が急速に減少していきます。
 十七ページを御覧ください。
 これは入院の推計なんですけれども、有明地区の開発によって、江東区は分娩以外はこれから急性期も含めて入院需要が非常に増加していきます。片方で、多摩市の方は、高齢化に伴って分娩を除くほとんどの傷病で入院需要が増加するんですが、これは急性期よりは急性期以後の需要が増加することを意味しています。要するに、それぞれの地域でどのフェーズの患者が増えてくるかということが違うわけであります。
 十八ページを御覧ください。
 これは、東京都の中でもう実は実際に起こっていることです。東京都は、人口の高齢化率は若干低く見えるんですけれども、そもそもボリュームがすごく大きいので、いわゆる高齢者の数としては物すごい数がいます。これは、DPCというものをやっている急性期病院に肺炎で入院している患者さんの中身を見たものです。
 見ていただくと分かりますように、まず肺炎がどの地域でも増えています。なおかつ、この緑色のは何かといいますと、これ実は誤嚥性肺炎です。要するに、もう既に要支援、要介護状態になってきている人たちからの肺炎が非常に増えてきていると、こういう問題にどういうふうに応えていくのか。
 これは十九ページを御覧ください。
 実際、これは都内のある急性期病院の三十分診療圏の肺炎入院患者数の推計というのをやってみました。そうすると、二〇一〇年から二〇四〇年にかけて非常に、一・五倍ぐらいに肺炎患者さんが増えるんですけれども、見ていただいたら分かりますように、増えるのは六十五歳以上の高齢者だけです。
 二十ページを御覧ください。
 研究班の方ではこのSCRという指標を作っているんですが、これは年齢を調整してその医療行為がどのくらい行われているかということを考えるための指標です。これ一〇〇より大きいということは、年齢の階級を補正してもそれが多く行われていることを意味します。
 二十一ページを御覧ください。
 区東部、南多摩。江東区がある区東部とそれから多摩市がある南多摩を比較しておりますけれども、両方とも現時点では診療所機能は維持されていますが、いずれも、ただ、一〇〇を切っていることは見て分かると思います。
 それから、一般病棟の方でいいますと、南多摩の場合には急性期はもう少し不足ぎみなんですけれども、それ以上に大きな問題は、区東部のところの療養病床が三三・七、非常に慢性期の入院機能が少ないということです。
 訪問診療につきましては現時点である程度できているんですけれども、例えば都心部においてこれから慢性期になったらどうするのか、療養病床を増やすことは非常に難しいと思いますので、在宅医療を増やさなければいけないわけですけれども、その在宅医療をやりやすいような町づくりをどういうふうにしていくのかということを考えなければいけない、そういうデータが分かるわけであります。
 それから、二十二ページを御覧ください。
 これは医療と介護の複合化を示したものです。これ、ある自治体において在宅患者さんがどういう病気を持っているかということを調べたものです。見ていただいて分かりますように、例えば糖尿病ですともう三〇%ぐらいの方が、介護を受けている方の三割ぐらいの方が糖尿病を持っている、あるいは認知症を持っている、あるいはCOPDや慢性心不全を持っているということで、いろんな病気で、もう介護の現場の方は病気を持っているわけです。
 こういうものにどういうふうに対応していくのかということを考えたときに、本当に今の医師のつくり方でいいのだろうかと。これからこういう複数の疾患を持ってくる患者さんが非常に増えてくる、しかも慢性期の患者さんが増えてくる、そういう方たちを診てくれる医者をどのようにして育てていったらいいかということにつきまして、やはり、私は今大学にいるわけですけれども、考えなければいけない時期に来ていると思います。
 二十三ページを御覧ください。
 これは脳梗塞で急性期に入院した患者さん、ゼロというところは入院した月ですけれども、その半年前の状況を見ていただいたらいいんですが、例えば脳梗塞ですと二五%の方が既に介護保険を使っています。それから、股関節の骨折で入院された方は、半年前に四八%の方が既に介護保険を使っています。
 要するに、介護保険の現場から急性期の問題が起こっている。そうすると、この急性期と回復期をばらばらに考えるということ自体がもう少し無理が来ているんだろうと思います。そうすると、このような構造変化に適した医師をどういうふうに育てていくかということをやはり考えていかなければいけない時期に来ていると思います。
 二十四ページは、そういうものをどういうふうに体系化していくかということの一つのポンチ絵ですけれども、それぞれの地域でこのような、いわゆる日常生活圏域で地域包括ケアを支えるような医療をどういうふうにつくっていくのか。それを関係者が、やはり医療の関係者、介護の関係者がまず合わさっていろいろなことを考えていく、それに基づいて、それを医学教育やその他の医療職、介護職の教育研修に反映させていくということが今求められているんじゃないかなというふうに思います。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
#11
○委員長(島村大君) ありがとうございました。
 次に、立谷参考人にお願いいたします。立谷参考人。
#12
○参考人(立谷秀清君) 私は福島県の相馬市長ですが、御案内のように、東日本大震災の被災地でございます。あわせて、四十キロ離れた福島第一原発からのセシウムの飛散という、そういう状況に見舞われまして、地域医療を維持するのに大変苦労した。私は、市長であり医師でありますので、その辺の指揮を執った立場なんですが、いろんな方々にお世話になりながら、また我々も汗をかきながら今日まで何とか生き延びてきた。そういう経験を踏まえて、いろいろと話をさせていただきたいと思うんですね。
 震災の後、これ全国からボランティアの先生方が集まってくれたんですが、特に学生さんの中で、この相馬地方の悲惨な状況に対して、例えば南相馬市立病院ですとか公立相馬病院ですとか、これは両方とも研修指定病院です。研修医としておいでになって、そこで何がしかの手伝いをしながら被災地医療のために、相馬地方のために頑張ろうという、そういう志のある先生が出てきたんですね。全部ではないんですが、そのうちの何割かは、何人かは地元に残ってくれたんです。地元に後期研修医として残ってくれまして、救急医療ですとかそういうことに従事してくれた先生方がたくさんいました。まあ、たくさんというか、数名ですが、いました。
 その方々の将来のことも我々は考えなきゃいけないなと。勉強の体制をどうするか。ですから、研究機関とタイアップしながら、あるいはその研究に精通していた人を我々のところに招聘して論文の指導をする等々、いろいろやってきながら、そういう若い志のある人たちを支えてきたんですね。
 そんなことをしながら、私はどちらかというと被災地の対応に夢中だったんですが、そんなときに、この日本専門医機構という組織が新しくできる、その組織が専門医の在り方についていろいろ協議している、どうもそういう方向になりそうだというような話が入ってきまして、最初、私が話を聞いたときは、これはもうとてもじゃないけど話にならぬと思った。例えば、女医さんがその専門医研修を受けているときに御結婚なさって妊娠して半年休んだら、今までの実績がふいになる。これは話にならぬなと思いました。そういうことを、若い研修医たちがこんなことでいいのかという声を上げたんですね。これは相当不備があるから、しばらく、一年遅らせて考えようということになったんですが、そもそもの考え方が国民不在、地域医療不在の考え方だったんですね。
 プロフェッショナルオートノミーという発想から出発しているんです。プロフェッショナルオートノミーって何なのかというと、まあ聞き慣れない言葉だったんですね、医者の私がそう思ったんですから。専門職自律、つまり、研究者ですとかあるいは大学の教授ですとか、あるいは医師会の団体もそうですが、そういう医療に関する専門家たちが、外野の話を聞かないで、あくまでも純粋に医学という見地で専門医の資格認定を決めていこうという考え方なんですね。
 このことに対して、我々、全国市長会として非常に問題にいたしました。というのは、医療は何のためにあるか、もっと言えば医学教育も全てそうです、学術教育もそうだし、学会もそうだし、国民医療のためにあるんですね。国民医療にとって学会というのは、まあ言っちゃ悪いが、方法論にすぎないわけです。医学教育も方法論なんですね。最終目的は国民医療なんです。それもほとんどは、国民医療の、まあ全部ではないんですが、相当の部分が地域医療なんですね。その地域医療の、それに対する悪影響、あるいはプラスの影響もそうだけれども、そういうことを無視した中で専門家たちが決めていく。
 決めていこうとした内容はとんでもないものでした。何がとんでもないかというと、全ての初期研修修了した若い医者が、全ての医者が専門医の資格を取らないといけない、全ての医者が。それも最低三年掛かる。ということになりますと、医学部六年行って、初期研修二年やって、それから三年やって、十一年たたないと社会に出られないんですよ。日本の医師国家試験って何なの、医師免許って資格は何なの。私は、後で言いますが、初期研修も相当問題だと思っているんですが、三年乗っけて、それが医療の質の向上のためである、まあそういう側面はあると思いますよ、医療の質の向上向上ばっかり言って、国民生活が、特に国民医療が置いていかれるんでは、私これ本末転倒だと思いました。
 それから、その研修機関も、研修する場所も大学病院という、まあ大学病院とか基幹病院、ほとんど大学病院なんですけどね、そこで専門医研修しないといけない。さらに、論文出しなさいとか倫理教育もう一回受けなさいとか学会で発表しなさいとか、そういうことが条件付けられたんです。やめろと言ったんですけど、今でもあるかもしれませんけどね。そうなると、南相馬市立病院に志を持って初期研修修了して終わった医者たちは専門医になれない。全て専門医というのであれば、彼らは将来働けない。それは南相馬市立病院だけじゃなくて、地域医療で頑張っている若い医者たちがみんなそのコースから外れてしまうんですね。こんな理不尽なことあるかと。私が全国市長会の皆さんと話をしながら、あの反論の、ここに資料あります、後でお読みになってください、出したのはそういうことです。
 これでは地域医療が崩壊してしまうというか、地方の小規模病院の医者たちが、全部が全部、専門医そろえてやれるところなんてないわけですよ、医師免許持ったら一般の診療できるんですから。それをもうちょっと精度を高くしようと、もうちょっとできるようにしようというのがこの初期研修だったはずなんですね。
 ところが、初期研修終わった人に三年間の専門医研修義務付けてどうなるかというと、その先生、多分、自分の専門のことしかやらないですよ。これは病院の名前は言いませんが、相馬地方のある公的病院なんですが、循環器の医者が三人いるんですね。そのうちの二人は患者三、四人しか診ていないんです。外来もやらない。俺は専門家だから、循環器の専門だから一般患者診ない、そういう傾向はどこにでもあります。ですから、私は、この専門医取る、皆さん専門医教育を受けるのは本当にいいことだと思うし、そうやってスキルアップしていかなきゃいけないと思うんだけれども、それが前のめりになる反面、地域医療が成り立たなくなるのではこれはもう何にもならない、本末転倒だと。
 いろんなことを専門医機構も考えるようになりまして、まず義務付けというのを外そうと。それから、基幹病院というのもできるだけ地方の病院にしようと。ところが、私が南相馬市立病院の後期研修医のことで申し上げたのはこういうことなんですね。専門医取るためにはこれこれこれだけのことしなさい、学会発表もしなさい、論文発表もしなさい、こういうことを、プログラム研修というんですが、そういうことをやらぬで、地方にいて症例を積み上げて経験積んだ医者はそれで専門医の受験資格を取れるようにしようと。これはカリキュラム方式といいます。カリキュラム研修という言い方をするんですが、症例の積み上げですね。
 ところが、専門医機構ではそれを管理するだけのノウハウもなければ金もなければ人もいない。私申し上げたのは、そういうことだったら厚生省が何でも支援してくれればいいと、クラウド上で管理できるように人もお金も支援しないと駄目だと、そうしないと地方で頑張っている医者たちが浮かばれないでないかというようなことをずっと申し上げてきたんですね。それ機構はやりますと言いながら、いまだにその方法論が明確に示されていないんで、地方の医者たちが不安になっていると思いますね。ここのところをしっかり詰めていかないといけない。
 というか、何よりも根底にある考え方として、地方で頑張った医者が専門医を取りづらくなるなんてことじゃなくて、むしろその逆に、これは評価されないといけない。地方で地域医療に従事した医者たちが評価されて報われるような医療でないと、みんな東京に集まって、私は専門家です、私は専門のことしか診られなくていいんですと。そう言えるのはごく少数の大病院だけ。和歌山県の病院で何軒ありましょうかね、そういう状況です。福島県には大体、福島医大病院とあと二つ三つしかないですね。
 そんなことをしているうちに見切り発車みたいにしてこの専門医機構は始まったんですが、いろいろ修正していかなくちゃいけないところが今後出てきます。それは厚労省に頑張ってもらうしかないと思うんですね、国民医療ですから。我々も委員としていろいろお話をさせていただきたいと思いますけれども、これ、しっかりと目配りをしながら、国民医療のマイナスにならないようにやっていかなきゃいけない。とにかく国民医療を守るためにはみんなで頑張っていこうやというのが全国市長会の共通認識です。
 というのは、何回も言いますけど、必要なのは国民医療なんですね。国民医療の大部分は地域医療なんですよ。その地域医療の責任持っているのは、学会の教授たちではないんです。我々市長たちなんです。我々市長たちからすると深刻な問題なんですね。市民から訴えられるのも我々、頼られるのも我々。医者がいないじゃないか、産婦人科の医者がいないじゃないか、お産できないじゃないか、全部我々が受ける。ですから、市長会としては極めて深刻な問題というふうに思っていますので、今まで余り私この厚生労働委員会に呼んでいただかなかったんですが、今日初めて呼ばれたのでこの際思いざらい申し上げますけど、一番の責任者は我々市長なんです、市町村長なんです。我々が責任持ってやっているということなんですね。そういうことで、地域医療のマイナスにならないような後期研修をしてもらわないと困る。
 それから、ちょっと書きましたけれど、総合臨床専門医という制度があるんですよ。そうすると、その総合臨床専門医を取らない普通の医者たちは一般診療できなくなるんじゃないかという心配があるんですね。ここのところが、医師国家試験というのをもう一回見直して考えないといけないと思っています。医師国家試験合格した段階でちゃんと総合診療できるはずなんですね。それに初期研修なんかやったらもっとできるはずなんですが、現実はそうでないんですね。
 これは、ちょっと話飛びますけど、研修制度に問題があるというか、そうですね、今回の専門医制度もそうなんですが、さっき私、プロフェッショナルオートノミーというのが、これはふざけた話だと申し上げましたけど、ふざけたと言っちゃ失礼だけれども、国民不在の議論になったらふざけた話。国民の立場をしっかり踏まえてやるんだったらいいんだけど、まあプロフェッショナルだけでするような話ではないです、国民医療ですから。
 そこで出てくる話なんですが、この初期研修制度が始まって十三年、十三年ですね。最初は、医学部卒業しただけではやっぱり弱いんじゃないか、もうちょっと現場踏ませてやった方がいいんじゃないかということで始まったんですけれども、私が管理している公立相馬総合病院で初期研修指定を取ったんですけれども、指導医が大変ですね。それから、書類いっぱい作らなくちゃいけないから事務方が大変。何よりも、黙って見ているだけの研修医はもっとかわいそう。つまり、余り役に立っていないということなんですね。その挙げ句の果てに、何で公立相馬総合病院で研修指定を取ったかというと、やっぱり残ってほしいから取ったんですよ。だけど、残ったやつは誰もいない。みんな東京へ帰っちゃう。東京から来て東京へ帰っちゃう。これが一つの大きな問題だろうと思っています。
 それから、そういった意味では初期研修の在り方についてもう一回考え直していかないといけない。ですから、初期研修が保険診療ができないというところに大きな問題が出てきているということなんですね。
 ああ、ごめんなさい、余り時間がなくなって。話まとめに入りますけど。
 それからもう一つ、東京一極集中の問題が起きましたね。これは真剣に考えないといけない問題。八千六百二十二人の初期研修対象者のうち一千八百二十五人が東京に集まっています、二一%です。東京の人口比でいくと倍ですね。それから、他県で研修した人たちが東京に集まるという傾向も起きている。つまり、福島県とか宮城県で研修した人が専攻医として専門医研修のために東京に集まる。集まって増えた人が五%になるんですね。ですから、これ一つの問題。ただ、東京の医学部の先生たちは何をおっしゃるかというと、東京に集まれば東京から地方に医者派遣できるんだと。ここに大きな間違いがあります。医師派遣するときの旅費も医療費ですから。その先生のところに、学生というか研修医いっぱい持っているところに病院長たちが日参して頼みに行くわけですよ。その旅費も医療費に掛かってくるんですね。ですから、東京に集まれば分配できるという考え方は私は詭弁だと思っています。
 市長会の中でもう一つ出てきた、今村さんに大変失礼な話になるんですけど、現実に出てきた話ですから申し上げますけど、市長会の中で、地域別診療単価あるいは診療科別診療単価、そういう話が地方の市長たちから出てきています。要するに、岩手県の産婦人科の少ないところで産婦人科の医者を開業するとか始める人の診療単価高くしたらいいんではないかと、そういう話ですね、産婦人科、まあ少ない科では。ただ、財務省は反対するでしょうね、その財源どうするのと。私、ジェネリックを普及させればいいだろうと思うんです。医者が多いところはじゃ下げるのかと。下げる必要はないですよね、少ないところを上げればいいんであって。患者負担はどうするのかと。患者負担は三割を二割八分にするとか、そういう調整が知恵があったらできるんでないかと私思っています。
 それから、地域医療協議会の話ちょっと出ましたが、これ、明確に申し上げますと、私は福島県のことしか知りませんが、地域医療協議会が医者を派遣する、分配するような能力を持てるとはとても思えないんです。現実的には無理です。ですから、地域医療協議会は全国組織として考えていく必要がある。
 ただ、地域医療協議会で地元枠とか地元枠の入学とか、そういうことで地域医療協議会がいろいろイニシアチブを取っていくという方法はあろうかと思います。時間ないので言いませんけれども、地元・地域枠というのは非常に必要。それも、ローカルな、例えば相馬市みたいなところから入学しようとする人にはいっぱいげた履かせないといけないというふうに思いますね。
 私からは以上です。長くなって失礼しました。
#13
○委員長(島村大君) ありがとうございました。
 次に、植山参考人にお願いいたします。植山参考人。
#14
○参考人(植山直人君) 全国医師ユニオン代表の植山です。
 本日、参議院厚生労働委員会でこのように発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。心からお礼を申し上げます。
 私は、医師の労働組合の代表でありますから、働き方改革を中心に意見を述べさせていただきます。
 まず初めにですが、ちょっとこれはお願いになりますけど、現在、厚労省の医師の働き方改革に関する検討会が開かれて議論がされていますが、残念ながら医者の労働組合の代表は一人も入っておりません。労働側から三名の方が入っているかもしれないんですけど、医師の労働組合の代表はいないということで、医師の働き方改革なんで、医師の労働実態とか労働現場を知っている労働組合側の人がいないというのは非常に納得がちょっといかないところがあります。簡単に終わるものではないし、今後このような検討会が引き続き行われていくというふうに私は考えていますので、人選等に対してはそういう面もしっかりと検討していただきたいということをちょっとお願いしたいと思います。
 本日は初めてこういう場で発言させていただけるということで、これに関しては本当に心からお礼を申し上げます。
 私の基本的認識ですけど、医療法、医師法改正においては、医者の働き方改革、また少子化対策、これを推進するような内容であるべきであるというふうに考えています。
 働き方改革においては、ILOですね、こういう条約である、要するに、働き方のグローバルスタンダードが非常に重要であると。非常に日本の医師の働き方というのは特殊なんですね。EUの医師の労働に、働き方に学ぶ必要があるというふうに考えています。例えばILOは八時間労働制、これ工業労働者ですけど、今から約九十九年前にこれを条約として第一号議案として採択しています。この頃からワーク・ライフ・バランスを考えているんですね。そういう意味では、ヨーロッパの医師の働き方に関して非常に重要な参考にすべきものであるというふうに考えています。
 それから、私が最近感じるのは、将来日本の人口が減るので医師を早く減らすべきだというような主張があります。ただ、これは少子化対策が失敗することを前提にしたような話だと私は考えます。よく将来八千万人に人口が減るというふうな資料が出てくるんですけど、じゃ、その先には六千万人に減って、四千万人に減って、要するに、日本はなくなってしまうというようなことを後押しするような議論ではないかというふうに、つまり日本の亡国の理論というふうに私は考えるんですけど、本来やるべきは、医療は少子化対策として何ができるのか、どういうことが医療が行うべきなのか、これを考えて政策化することであるというふうに思います。
 それから、必要医師数というのが非常に問題になってきますけど、文明が発展すれば医者は必要になってくると。第二次産業から第三次産業、そしてITとかバイオ、こういうものが発展する中で国民の健康に対する意識も非常に高まるし、人権も発展していくと、こういう中では世界的にも医者は増え続けているという現状を踏まえる必要があるというふうに考えます。
 日本の医療が抱える問題についてちょっと若干考えてみたいと思います。絶対的な医師不足というところで、三ページの資料、図の一と二を見ていただきたいというふうに思います。
 日本の医師数とOECDの医師数の比較ということで、明らかに日本は伸び率も低くて、OECDの三割方少ないと。図二を見ていただくと、赤い線が日本の医者の労働時間です。過労死ラインをはるかに超えている、これ男性と女性と分けていますけど。ヨーロッパでは、五十時間ちょっと超える国はありますけど、多くの国が五十時間以下ということで、これだけ労働時間に開きがあるということですね。これはやっぱり医師数の問題とリンクしていると捉えないと説明が付かないのではないかというふうに考えています。
 それで、私たち、昨年、勤務医労働実態調査二〇一七というものを行いました。その中から特徴的なものをちょっと御紹介したいと思います。
 当直問題ですね。日本では、通常勤務を行った後、夕方五時から次の朝八時まで当直を行って、明くる日も通常勤務という非常にあしき伝統があります。この点に対して調査をしましたが、交代制勤務があるかと答えると、なしが八三・八%ですね。二交代というのが五%、これは若干五年前の調査より増えたかもしれませんけど、三交代が一・一%。当直明けの勤務、通常勤務が七八・七%と、相変わらず非常に多い。半日でいいというところが若干増えて一五・四%ということで、三十時間を超える長時間労働が相変わらず続いていると。過労死の元凶だと私は思っています。
 それから、当直明け後の休みについて、休日問題で調査しました。先月の休みがゼロ回というのが一〇・二%いました。労働基準法には四週間で四日以上の休息というのが明確に述べられていますが、それを満たしていない医者は三割を超えていると。
 次に、安全性の問題ですが、医療の安全性で、当直明けの勤務では八割の医師が集中力、判断力が低下すると回答しています。約七割の医師が医療ミスが増えると。これは当然のことでありますが、実態としてこういう数値が出ているということですね。
 それから、健康。医師の健康について聞きますと、健康と答えたのは五八・二%で、健康に不安が三三・四%、大変不安が三・八%、病気がちが二・九%ということで、非常に医者の健康状態は悪いと。この健康に不安に思っている方々はまず当直には入れないと思うし、将来的には常勤医として働くことを諦めざるを得ない、そういう医師が増えてくると。非常に悪循環になりやすいというふうに感じます。
 それから、医師の労働条件で何を一番改善してほしいかというと、断トツで完全な休日を増やしてほしいというものが出ました。それから、改善に有効な方法はと、これも一位は断トツですが、医師数の増員であるということです。
 それから、次の問題が法案とは非常に関わってくると思うんですけど、診療科の偏在ですね。これが労働条件と関わるかという問いをしたところ、九割の人が診療科の偏在と労働環境は関係しているというふうに答えました。ここまで高いのかというふうに思います。
 七ページにある図の十ですね、これも非常に大事なデータだと思います。自分が診療科を選択したときに労働環境関係したかという調査です。五十代、六十代の医師は、八割の人は労働条件なんて関係なかったよという答えをしていますが、若い世代になるとだんだん増えていって、特に二十代になると極端に、もう五〇%以上の人が労働環境を考えて自分の診療科を選んだというふうに、世代間格差が大きくなっていると。
 図十一を見ていただくと分かるように、医師の労働といいましても診療科によって大きく違うと。これちょっと母数が少ないので、診療科になると必ずしもこれが正しいデータだとは思いませんけど、傾向は非常によく出ていると。救急、産婦人科はとっても大変だと。眼科、リハビリは、当然、リハビリ深夜にやることはありませんし、緊急で呼び出されることもない、そういうことを考えると、非常に労働時間、時間外労働は少ないと。
 これを今の若い医学生が見たときに、これを見てどの科に行こうかというときに、労働環境を重視する医師は決して救急や産婦人科に行けないと、なおさら、こういう非常に厳しい中で働いている診療科は偏在が進んで悪化してしまうと、そういう事態になりかねないということですね。
 それから、図十二については、先ほど厚労省の検討会に医療からも入るようにということをちょっとお願いしましたけど、検討会の医療界の方々の発言は、医者は労働者ではないであるとか上限規制は医者にはなじまないという発言が多かったんですが、実際聞いてみると、労働時間規制に賛成する医師が五一・六%、過半数を超えています。反対している人は一三・九%と。今の状態では、厚労省の検討会に入っている医師の方々はこの反対する一三・九%の人に偏っているのではないかということがちょっと感じます。
 それから、そうですね、働き方と地域医療、ちょっとお話ししたいと思います。
 先ほど見たように、日本は非常な過重労働によって現場の医療を支えていますので、医師数を増やさずに働き方改革が進めば当然医療崩壊が起きてしまうと。どういうことが起きるかというと、一番に救急からの撤退ですね、当直体制回せません。外来の縮小。それから産科、小児科からの撤退、周産期医療も守れません。それから医療機関の経営破綻、これは救急とか外来縮小すれば当然収入減ります。それから五、当然医療の質の低下に結び付くと。六番、集約化が進んでいくとアクセスの低下や利便性の低下、こういうことが起きると。地域によっては、これがもう医療崩壊に直結する地域がいっぱい出てくるんではないか。特に、私は、東北、北海道は非常に厳しいんではないかというふうに思っていますが、ここを医師の働き方改革とどう整合性を持ってやっていくかということは労働組合にとっても大きな課題だというふうに感じています。
 それから、法案の問題点として私はちょっと気になった言葉がありまして、最初に提案理由が説明してあるんですね。そこに、医師数については、戦後一貫して増加しているというふうに書いてあって、偏在に対してはまだ解消されていないと。まるで医師数問題が解消されているような記載になっています。戦後一貫して医者は増加しているというけど、増加していない国はあるんでしょうか。多分、戦後一貫して医者が増加していない国は一つもないというふうに私は思っています。だから、この認識は非常に問題があるんではないかと。特に、日本は医師数抑制の閣議決定二回、八〇年代と九〇年代にやって、その後、過労死が非常に多く出たということをやっぱり踏まえる必要があるんではないかと。
 偏在対策で、医師確保の体制を都道府県に強化するということは重要な点だというふうに思います。ただ、医者が非常に少ない中でこれが非常に強化されると、都道府県間での医者の取り合いが起きかねないと。本当に必要なところに行くんじゃなくて、力を持っている都道府県に行ってしまうんではないかということが危惧されますので、この点に対してはそういうことが起こらないような法案にしていただきたいと。基本的には、都市部から医者の少ない過疎地、地域に医者を流すというような、そういうイメージを私は感じるんですが、都市部の医師不足をどうするのか、大学の医師不足をどうするのか。厚労省の調査でも、地方より都市部の医者の方が労働時間長いんですね。で、一番労働条件が悪いのは大学です。これはもう断トツで大学の労働条件は悪いと。
 先週、読売新聞の論点スペシャルに聖路加病院の福井院長がコメントをしていました。日本でベッド数当たり一番医者が多いだろう病院の一つなんですが、その福井先生が医者が足りなくて困っていると。特に救急、これはもうずっと今も募集しているけど全く来ないと。あれだけ医者が多い病院でさえ医師が足りないと言っていると、このことを真摯に受け止めて考えていく必要があると。
 偏在対策というのはしきりに書いてあるんですが、診療科の偏在に対しては全く触れられていないです。さっきも言ったように、今のままでいくと診療科の偏在はどんどんどんどん広がっていくと。これに対する対策をきちっと入れていく必要があると。
 求められる対策として私が考えたのは、当然、働き方改革を進めるんであれば、長時間労働をなくす、三十数時間なんてばかなことは起きないようにするとなると、EUのような交代制勤務を取る必要があります。これを取った場合の必要医師数が全く分からないと。だから、現状で、先ほども言いました、医師が少ないために地域によっては医療崩壊が本当に起きかねない。かといって、大学も非常に悲惨な労働条件になっている。これをどうしていくかという、本当に必要な医師数ですね、働き方改革をやった上での。これを地域別と診療科別とセットにしてやる必要があると。で、必要な医師数を動員すると。
 さっきフランスの話が出ましたが、やっぱりどの地域に何科の医者が何人必要かという数字が出ない限り、対策は打てないです。ただの医師数、合計で何人という話では、少子化対策でいうと、地域で子供を産み育てるということが一番大事だと思うんですが、小児科、産婦人科がどの程度要るかと、そういうものも含めて出す必要があると。
 医療の安全面ですね。安全に対して私たち厚労省に要求してきましたけど、担当する部署もありません。トラック業界では、一日十三時間、例外でも十六時間以上拘束してはいけないというようなルールがあります。パイロットはもっと厳しいです。四、六、十一、一日のフライトは四回まで、飛行時間六時間まで、労働時間十一時間まで、これ全部守ります。飛行機落ちると会社自体の存続が危ぶまれると。
 あと、大学の再生ですね。大学は補助金等を非常に減らされる中で、研究、臨床、教育を十分にやる人材がいません。これをやっぱり手当てしないと、大学は医師養成の要ですから、診療科の偏在に対してもうまく機能しないと。
 それから、応招義務ですね。これに関しては、個人で対応できるものではないです。行政の責任、医療機関の責任、医師個人の責任をきちっと分けて、これは明確にするべきだと。
 最後に、自由開業医制の見直しということを私はちょっと書いてみました。要するに、勤務医の労働条件は守られなくて、自由開業医制だけは守ってきたというのが日本の現状だと思います。その点はフランスと非常に大きく違うと。医師にとっても国民にとっても納得できるようなやっぱりルールが必要で、ただの自由という言葉だけが独り歩きするのは非常に良くないと。だから、どの診療科を選ぶか、またどの地域に開業できるのか、こういうのも含めたルール作りのコンセンサスが必要ではないかというふうに思っております。
 御清聴ありがとうございました。失礼いたします。
#15
○委員長(島村大君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○石田昌宏君 自由民主党の石田と申します。
 冒頭、参考人の皆様には、先月、一度招致のお話をさせていただいたにもかかわらず、こちらの調整の都合でキャンセルをさせていただき、にもかかわらず再びお願いに快くお応えいただきまして、深く感謝を申し上げます。皆様のこの思いを考えるときに、この時間はとても重要な時間だというふうに思っています。法案の審議にしっかり生かせるように大切に使わせていただきたいと思います。
 私は、立谷参考人のお話にありましたように、新専門医制度についてお話をお伺いしたいと思います。実は、午後に質問しようと思っていまして、それに生かせればと思っております。
 今回の法改正は、地域偏在や診療科の偏在の解消がテーマになっていますけれども、その中で、この新専門医制度が逆行しているのではないかという意見が非常に多いことが気になっています。
 いろいろと調べてみると、新専門医制度の基本理念の第一が、先ほど立谷参考人がおっしゃっていましたが、プロフェッショナルオートノミーに基づいた専門医の質を保証、維持できる制度というふうに書いております。オートノミーというのは、世界医師会のマドリッド宣言というのがあるんですけど、そこを読んでみると、患者、診療に関して自らの職業的判断を自由に行使できるという保証と書いています。
 これは、ある意味、質を上げていくという点では大切なことだとは思いますが、しかし、それだけでは済まないというのが、お話がありましたように、どうしてもそのオートノミーを発揮して質を上げていくためには、研修病院が大都市に多いということがあって、大都市へ医師が集中して地域偏在が促されて、結果としては、目の前にいる患者さんに対してしっかりと確かに質の高い診療をできるというふうに思うんですが、一方で、目の前にいない患者さんが存在してしまってそこには診療が届かないという、言ってみたらミクロな考えとマクロな考えの合成の誤謬というか、そういった状況が起きるのではないかというたくさんの指摘もあります。
 そこで、やっぱり医療というのは、そもそも医師の専門職としての視点だけではなくて、患者さんあっての医療であって、また、ほかの職種、私も看護師ですけれども、今日もいろんな職種の議員がいますが、いろんな職種の協働して行う医療であって、また、何よりも医療制度において展開されるべき医療であると思います。ですから、様々な視点で総合的に捉えてベストミックスを探すということがあらゆる仕組みに必要だと思います。
 そういう観点から専門医制度についてお考えをお聞きしたいんですが、ちょっと時間がほとんどないので、今村参考人からは、先ほど資料の中で厚生労働大臣は謙抑的な運用というふうにおっしゃっていましたので、その点中心に。それから、松田参考人は、フランスの事例がありましたが、日本での考え方をできれば御紹介いただきたいと思います。そして、植山参考人には働き方の観点でお願いしたいと思います。そして、時間が余ったら立谷参考人に補足でお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
#17
○参考人(今村聡君) まず、日本の専門医の仕組みというのは、御存じのとおり、各学会が本当に自分たちのルールでどんどんどんどん専門医を養成してきたという、こういう経緯があって、国民からも非常に理解が得られにくい仕組みだということで、医療の質、専門医の質を上げるということと同時に、専門医全体を一つの第三者機関が担って国民に理解していただきやすい仕組みをつくろうということでこれ導入されたという理解をしています。
 何分、今まで長い間続いていた仕組みを大きく転換することになると非常に大きな混乱が起こるということで、当初から地域医療のことを無視していたということでは全くないのですけれども、そのように広く日本の中で受け止められたとすると、これ専門医機構の情報発信が不十分であったのではないかというふうに思っております。
 プロフェッショナルオートノミーというのは、あくまで医療の中身、どういった専門科であればどのような医療が標準的に行えるようになるのかということをルールを決めることを自ら決めるという話であって、それが国民に提供されるときの地域医療に関わることは、これはプロフェッショナルオートノミーで勝手に決めるということを言っているわけでは決してありません。だから、そこのところがちょっと混乱を招いているのかなというふうに思っております。
 若い先生方は今専門医志向が非常に強くて、必ずしも全員が取る必要がないということにはなりましたけれども、やはり大部分の九割を超える人たちが専門医を取ろうという中で、そういう人たちが次に、どういう自分たちは専門医になれるんだろうということが見えないままに来るというのは非常にこれはよくないということで、一年間、地域医療への影響ということを勘案してこの専門医の仕組みを延期をしたわけですけれども、ようやくこの四月から第一歩が始まるということになりました。
 貴重な御意見をいろんなところからいただきながらより良い仕組みにしていくということが重要で、まずは始めていくということが、若い医師、そして国民にとっても重要なことだと。欠点は多分あるんだと思います。だから、これを欠点があるからけしからぬと、止めろという話ではなくて、それを速やかに直していくということが専門医機構の役割だというふうに認識をしております。
#18
○参考人(松田晋哉君) ありがとうございます。
 フランスのことをお話ししますと、まずフランスの場合には、医師の半分が一般医になります。元々は、専門医の数が大体半分ぐらいで、それに受からなかった者が一般医になるということだったんですけれども、そうすると医者の間にヒエラルキーができてしまうということで、前回の改革から一般医も専門医であるという形で、ただ、大事なことは、プライマリーケアを重視していますので、配分については国がデータに基づいて決めている。その専門医のことで言いますと、専門医の質を上げるということについては各専門医のボードが決めているという。
 日本の場合には、恐らく新専門医制度の中でそれぞれの学会の先生方が御自分たちの専門医、専門の診療科の先生たちのクオリティーを高めるためにはどうしたらいいのかということでいろいろ議論されていると思うんですが、国全体として専門科医別にどのくらいの医師が必要なのかということは恐らく議論されていない。多分、それは恐らく専門医機構でやれるような問題ではないんだろうと思います。やはり、厚生労働省なり国の方がデータに基づいて、あるいはこれは医師会かもしれませんけれども、どの地域でどの専門医がどのくらい必要なのか、あるいは一般医がどのくらい必要なのかということをやっぱりデータとして示して、それに基づいて僕は医学教育も変わるべきだと思っています。
 今の医学教育の中では、実はやっぱり専門医の教育をやるのであって、一般的な医療、これから必要になってくるような総合診療的な医療がやはり余り教えられていません。そういう意味では、このデータに基づいて医学教育自体もあるいは初期研修自体も変えていかないと、この問題は解消しないのではないかなと思います。僕は、アメリカやフランスがそうですけれども、卒前の医学教育の中で、やっぱり五年生、六年生のベッドサイドティーチングはかなり臨床的にもうある程度いろんなことができるような、今初期研修でやっているようなことにやっぱりやっていかないと、この問題なかなか解決しないんじゃないかなというふうに思います。
 以上でございます。
#19
○参考人(植山直人君) 私が一番後期研修で気になるところは、新潟の市民病院で起きた過労死事件ですね。これは外科系の後期研修医ですけど、病院側は二十時間から三十時間、月の時間外労働があったと、弁護士側は二百五十一時間だったと、こういう開きがあったんですね。要するに、労働時間じゃない時間がたくさんあるはずだということで病院は見て、また自己申告ですね、客観的に管理されていないと。こういうことが起きると後期研修医の過労死は後を絶たないということになると。
 例えば、もし労働時間じゃない研修があるとしても、病院側には安全配慮義務があります。これは大学院生の過労死裁判で、亡くなった方で、判決として、安全配慮義務に大学病院は欠けていたという判決がありますので、しっかりと研修医の健康を守ると、たとえ研修の部分、労働時間じゃないところであっても健康管理をしっかりやって、長時間働かせない、勉強もやり過ぎさせない、きちっと睡眠を取らすと、そういう健康管理をきちっとやることが大事だなというふうに感じています。
 簡潔に、これで。
#20
○参考人(立谷秀清君) 時間ないんで一言だけ。
 私は、日本医師会が、今村先生、日本医師会がかかりつけ医なんて言わないで、日本医師会認定の総合医というのをつくれば相当改善すると思います。
#21
○石田昌宏君 ありがとうございます。
#22
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 先生方には大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
 まず最初に、松田参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 今回の法改正というのは医師不足対策の入口という部分ではあると思うんですけれども、まず、医師を目指そうとする学生さんに対しての選択権を与えると。また、それが地域に、将来的に医師としてその地元に残っていただきたいということで、医学部定員の中での地域枠と地元枠というものが今つくられて運用されていると思いますけれども、先ほどフランスの例もたくさん挙げていただきましたけれども、この地域枠と地元枠、本来ならもう少し成功していかなければいけないと思うんですけれども、課題があるということも承知をいたしております。特に日本では、金銭的なフォローアップができてしまうと、その目的を達成する前に、どちらかというと東京から地方に行ったとしてもまた戻ってきてしまうという課題があると思います。
 その上で、地域枠とまた地元枠のメリットとデメリット、今後の医師定員のことを考えた上での大学の設置という、人材、枠ということを考えた上で、今後の参考のために是非教えていただきたいと思います。
#23
○参考人(松田晋哉君) まだ全体のことを評価する時期ではないと思いますが、ただ、今までいろいろと聞いている分析の結果によりますと、やはり地域枠、地元枠というのはかなりその地域に定着するということで、それなりに一定の効果を上げていると思います。
 ただ、成功している事例を実際に見に行きますと、実は卒前の教育のところからかなり地域の先生方がやはりちゃんとコミットをして教育をしております。やはりその地域に対する愛情を持っていた、愛着を持っていたと。やはり学生のうちからその地域についてしっかりと知っていくという、そういう大学だけでなくて地域の医療界の方々の協力の上でやっているところでは成功しているようでございますので、そういう意味では、地域枠、地元枠につきましても、今後、医学教育の中でやはり見直しも含めて考えていくべき問題じゃないかというふうに考えております。
#24
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 そういう意味では、大学の設置をしていく各大学と地元の連携、また、その成功例をきちっと横展開をしていくということがこれの実効性を高めていくことなんではないかなと思いますので、今後の審議に生かさせていただきたいと思います。
 次に、立谷参考人、また今村参考人にお伺いしたいと思いますけれども、プライマリーケアというところをまず重視をしていかなければいけないというのは、将来の町づくりを見た上で極めて重要なんではないかなと。そうしますと、当然、医師偏在があることによって町づくり自体がうまくいかなくなってしまうという課題というのが、少子高齢化が進む日本において、特に地方部で顕在化をしてくるんではないかなというふうに思います。
 今回の法改正の中では、都道府県知事が増床であったりとか新たな設置を認めないということのバランスを取るということはあると思いますけれども、それ以上に、やはりコンパクトシティー化が図られるような時代にあって、都道府県だけではなく、むしろ小さな自治体にそういうコマンドをする能力というのも求められてくる時代ではないかなと思いますけれども、この町づくりと医師偏在解消との関係について、是非御意見をいただければと思います。
#25
○参考人(立谷秀清君) まず、医療というのは生活のインフラなんですね。これは震災でつくづく思いましたけれども、あれは水道とか電気と一緒でインフラなんですね。ですから、医療機関のないところに人は住めないんですね。今、そういう問題に直面している自治体がたくさんあります。地方創生どころではないんですね。
 そういうことを考えて、そういう自治体の医療の体制をどうするか。いろんな方法論があるんです。例えば、しっかりした道路造って、高速道路で患者運んじゃえという方法もあります。ですけど、プライマリーケアとして、最初に診るドクターがいないといけないと。これを県知事が県単位でコントロールできるかといったら、かなり難しいですね。自治体も難しいですね。
 ですから、先ほど話に出た地域枠とか推薦枠とか地元枠とか、これもちょっと甘い夢を見過ぎたんですよ。東京のサラリーマンの娘さんが弘前大学の医学部の地域枠で入って、卒業したら親は戻しますよ。借金しても何しても戻しますよ。そんな遠くに一人で置くよりも、娘さん戻しますよ。そういう現象がいっぱい起きたということなんですね。ですから、最初から地域の人入れればよかった、東京の人入れたのが間違いだったと、そこら辺甘く考えたんでしょうね。ここはしっかりやらなきゃいけないけれども、そういうところでもって長期的に医師の育成を考えていく以外ないと思いますね。
 あとは、さっき言った地域別診療単価のようなことを考えていくしかないと思いますね。ただ、難しいです。本当に難しいです、これは。知事に権限与えたぐらいでどうにもならぬと思いますね。
#26
○参考人(今村聡君) 今、医療と町づくりのお話をいただきましたけれども、日本医師会も今、大きな柱に町づくりということを申し上げているところです。やはり地域で頑張っておられる先生方、開業医はたくさんいらっしゃって、その方たちが本当に町の住民に対して、単に医療だけではなくて、介護だとか福祉だとか様々な分野で参加をされて貢献されていると。日本医師会は赤ひげ大賞ということで本当に地域に貢献している先生方を顕彰する仕組みというのを設けておりますけれども、推薦に上がってこられる方たちを見ると本当に地域で立派な活動をされているなというのは、つくづくそう思います。
 ただ、それが本当に全国全ての開業医がそういう町づくりという視点で関わっているかどうか、これはまた別の問題だと思っておりますけれども、医師会としては、先ほど立谷先生からお話あったように、医療のないところにはもうこれ人住めないというのは全くそのとおりだと思いますので、医療だけで町をつくれるということではないわけですから、全体の市町村行政と地域の医師会が連携をしながら、医療として何ができるかということを改めてしっかりと検討していかなければならないと。そのためには、地域で貢献していただく医師をどうやって養成していくのかという、先ほどの地元枠、地域枠、立谷先生ちょっと極論で、東京の先生が弘前にというお話ですけれども、大部分は地元の県や近隣の県から来られている地域枠というのが多いと思いますが、あえて地元枠と言っているのは、自分の県から地元の大学に行く方たちの定着率はより高いと、やっぱり地元愛が高い学生さんたちに参加をしていただこうということですので、日本医師会も積極的にこの地元枠の活用ということを申し上げています。
 以上です。
#27
○三浦信祐君 最後に端的に伺いたいと思うんですけれども、町づくりという部分で今お話しいただきましたけれども、今度は地域医療構想と病院経営の安定性との関係性が成立をしませんと、所詮机上の空論になってしまうんじゃないかなという心配があります。その中で、地域医療対策協議会であったり地域医療構想調整会議で様々な議論をされて、実行に移される段階に入っていると思いますけれども、万が一の経営不安があった場合には公的資金を投入して公設病院に替えるというような、出口が明快に逆になってしまっているところに若干の不安を感じておりますけれども、その経営の安定性という部分に我々が貢献できることは何なのかということは考えていかなきゃいけないと思いますけれども、今村参考人にお答えいただければと思います。
#28
○参考人(今村聡君) まずは、どうやってしっかりと医療機関が経営を続けていくかというのは、診療報酬という問題、それから税制という問題、補助金の問題、様々にあろうかと思います。
 昨今、やはり社会保障の抑制ということで、今、骨太の方針でもまた医療費の抑制ということがかなり厳しく議論されているようですけれども、やはり地域の住民にとって適切な医療が提供されるためには医療機関の経営がしっかりとしていなければこれはどうしようもないことでありまして、先生方には是非ともその点の御理解をいただきたいと。特に、働き方改革をするに当たっても当然のごとくこの財源が必要なわけで、それを無視して医療現場に働き方改革をしろということを求められるのは非常に困ると。
 それから、まあちょっと話は違いますけれども、例えば、医療機関の経営を良くするために、海外に行って医療を提供してそこから利益を得てくればいいんじゃないか、あるいは海外からの患者さんを受け入れて、そういう方を利益にすればいいんじゃないかということがありますけれども、そういったことをするにも、やはり医療機関の経営がしっかりと健全に安定的に行われていることが前提でそういうことに取り組めるのであって、もう医療現場は非常に今疲弊をしてきているということをよく御理解いただいた上での改革ということをお考えいただければ大変有り難いと思っております。
#29
○三浦信祐君 ありがとうございました。終わります。
#30
○足立信也君 四名の先生方、常日頃からいろいろ御指導賜りまして、ありがとうございます。国民民主党という名前になりました。足立信也です。
 ふだんから先生方の発言等々はチェックしておりますので、先ほどおっしゃらなかったことを一人ずつお聞きしたいと思います。私の立場で質問しなかったという人出ると余り良くないと思いますので、簡潔に御答弁いただければと思います。
 まず、今村先生ですけれども、医師数はもうほぼ足りたんではないか。先ほど労働時間の件で、これは週六十時間だと三十五万人が二〇二八年とか、データ出ていますね、労働時間によって出ています。ただ、ここで必要なのは、今労働時間を長くしているのは事務作業であり、患者さんへの説明時間だと。これを解決するためには、例えばPAですね、フィジカルアシスタント、アメリカでは人気ナンバーワンの職業の一つですよ、十一万人います。これはやっぱり私は広げるべきだと思いますし、今まで認定看護師、専門看護師、特定看護師と来ましたが、PAの役割を果たす職業の方々というのは私は患者さんの満足度からいっても必要だと思いますが、この点についていかがでしょうか。
#31
○参考人(今村聡君) ありがとうございます。
 PAだとかナースプラクティショナーとかNPとか、いろいろな新しい職種をつくるかどうかということは、これはそんなに一朝一夕に新しい職種がどんどん出てくるということはないわけですから、まあ議論はした方がいいというふうに思っています。
 医師の働き方改革の中では、タスクシフト、タスクシェアというのは、これはもう当然のことであります。したがって、本来医師がやるべきことに専念できるような体制をどうやってつくるかということだと思いますけれども、例えば、特定行為を行える看護師を養成したけれども、実際にそういう看護師がそういう医療行為、医師のやるべきことがどれだけ実施されているかというと、これは、大きな病院では意外とそういうことは活用されていないということがあります。したがって、まずはそういった今既存の仕組みをしっかりと、そういったできることをやっていただくと。それから、事務作業についてはやっぱりクラークをもっともっと積極的に活用していくべきだと思いますし、その点につきましても先ほどのような財源確保の問題があろうかと思いますので、是非ともそこはよろしくお願いします。
 PAとNPについては、これはこれからの議論だということだと思います。
#32
○足立信也君 松田先生には、これは日本の医療、介護をマクロ的な視野でずっと捉えておられる。以前から検討されているように、総合機能を持つ病院にどれぐらいの通院時間が掛かるのかと全国マッピングされていましたですよね。
 お聞きしたいのは、二次医療圏という考え方なんです。この後、立谷市長にもお聞きしますが、県境を挟んだ問題で二次医療圏が分断されているときにどう解決できるのか。今偏っていますね。それから、フランスでも地域内での偏在、日本でも医療構想の二次医療圏内での偏在、これは明らかに起きています。先生としては、今後、この二次医療圏の範囲そのものを見直す必要性についてどう考えられておられるか、お聞きしたいと思います。
#33
○参考人(松田晋哉君) 先生が御指摘いただいた資料ってどういうものかといいますと、基本的には、もう僕自身は、二次医療圏みたいなもので将来的には考えるんじゃなくて、患者さんが住んでいる地域から何分で医療に行けるのかということで、全ての地域において三十分以内に例えば救急医療にかかれるようにするとか、多分そういうような地理的配置を考えるべきだろうと思います。
 実は、フランスではそういう圏域というのが今概念としてはかなりなくなりました。むしろ、どこに住んでいても三十分以内に救急にかかれる、三十分以内に何か必要な場合には産科をやっている医療機関にかかれるという形での地理的な配置というふうに動いていますので、ただ、日本のように民間病院が多いところでそれをどういうふうにやっていくかということは、今後は医師会や病院会とも協議しないといけませんけれども、多分そういう患者さんがどこに住んでいるかということでこれから圏域をまたいで配置を考えていくということが必要じゃないかというふうに考えます。
#34
○足立信也君 立谷市長には、先ほどちらっと触れられておりましたが、ほとんど医師会の推薦から当選されている知事さんが多い中で、特に県境ですね、医師会の意向とそれを逆らうような形の偏在対策とかあるいは臨床研修の指定とか、この都道府県知事の権限が強まりますが、本当にこれができるのかというのを、医師であり市長であって、もう主導権を、リーダーシップを発揮されてきた市長の立場として、佐藤知事、内堀知事と一緒にやられたと思いますが、本当に都道府県知事が可能なのかというのが質問の内容です。
 私も、地域別の診療単価、つまり一点を幾らにするかというのが非常に大事だと捉えているんですが、私は結論が逆で、過疎地域とか人が減っているところほど診療単価の点数を下げるべきで、まず人が集まって、そして医療、教育が成り立つんじゃないかと私は逆に捉えているところがあります。これはまあ意見ですけど、都道府県知事の権限を強くするということに対して、現場の市長さんとしてそれが可能だと思われますか。
#35
○参考人(立谷秀清君) 私、知事でないので、だろうということしか言えませんけれども、現実的に、相馬市って宮城県の仙台市に非常に近いですね。ですが、福島県の相馬市なんですよ。患者の判断はどうかというと、診療科によっては宮城県に行きます。例えば、宮城県に仙台厚生病院ってあるんですが、非常に有名な、心臓に関して優秀な病院ですね。心臓の患者はみんなそこに行きます。ですが、一方、五十キロ離れたところに福島医大があるんですが、疾患によっては福島医大に行きます。
 ですから、これは知事がどうこう言っても、現実はそれ以上に命の問題ですから、これを私は明確に縄張を付けるということは不可能だと思いますね。ですから、柔軟に考えるべき問題、原則はそうであっても運用面では柔軟に考えていただかないと、私、知事ではないからそうしてくださいと言うわけにはいかないんですが、現実的にはそういうことだと思います。
#36
○足立信也君 植山先生には、これユニオンとして医師の働き方のことをおっしゃいましたが、恐らく資料で今までも先生手に入れられていると思いますので、コメディカルのことをお聞きしたいと思います。
 今の法案で、医師は五年間の猶予の後に、今検討会やっているわけですが、現状、二交代、まあ三交代よりもむしろ二交代の多い現場、医療機関あるいは介護施設で一般則の適用をした場合に、現場の医療機関、介護施設がコメディカルの人数の関係上、労働条件の関係上、もちますでしょうか。そこをお伺いしたいと思います。
#37
○参考人(植山直人君) コメディカルの方は私は得意ではないんですけど、基本的には交代制勤務きちっと取っています。私がいる医療機関も老人保健施設等を持っていますが、やっぱりそこでは安全衛生委員会きちっと開いて、長時間労働になった人をチェックしたりしています。そこにはメンバーとしては管理者と労組の代表も出て、うつ病とかそういうものが出てこないように、あと腰痛対策ですね、そのようなものをやっていますけど、一応三六協定は遵守、ほとんど、よっぽどのことがない限りはできているということなので、ちょっとほかの施設は分かりませんけど、基本的にはコメディカルの方々はクリアできるんではないかというふうに感じています。
#38
○足立信也君 終わります。以上です。
#39
○難波奨二君 立憲民主党の難波奨二でございます。
 それぞれ四名の参考人の方、革新的なお話をいただいたというふうに印象を持っておるんですけれども、今回の改正というのは医師の偏在とか専門医等々のありようについての中身なわけですけど、これが結局実効性のあるものでないと全く意味がないわけでありまして、本当にこういうやり方で、つまりインセンティブですよね、こういう今回のようなインセンティブだけで本当に医師の偏在等々の問題が解消できるのかという問題意識がございまして、例えば認定医師のみを地域医療支援病院等の管理者にするというのは一つのインセンティブだというふうに思いますけど、これで十分かどうか、そのほかに考えられる手法、知恵ですよね、これはどのようなものが考えられるかということを今村参考人と松田参考人にまずお聞きしたいと思います。
#40
○参考人(今村聡君) ありがとうございます。
 物事を進めていくのに当然インセンティブも必要だということで、地域医療支援病院の中でも医師の派遣機能を持つ、調整機能を持つ病院の管理者になるための要件と、こういうことでございますけれども、正直申し上げて、日本医師会と学部長病院長会議は、全ての医療機関の管理者にそういうことを最初は、医師不足地域で働いていただくことが必要なんじゃないかという程度の、かなり踏み込んだ提言も実は出させていただいています。
 しかしながら、需給分科会の議論の中で、それ全ての人がやったらこれインセンティブでも何でもなくて、ただのある意味捉え方によってはペナルティーになってしまうということで、まずは、先生から御指摘いただいたように、どの程度の効果があるかというのはこれ正直やってみないと分からないものが多いと思います。
 はっきりしていることは、地域枠、地元枠というのはこれ確実に、もう毎年毎年今どんどん出てこられていて定着が進んでいますので、マクロ的な偏在ということには一定の効果があるというのは予測をしているところですけれども、それ以外の仕組みについては、冒頭申し上げましたように、まずは始めてみるということで、その成果を見ながら改めてどんどん見直しをしていく必要があるということを我々は提言をさせていただいています。
 これ、これで終わりなんていうことは全く思っていなくて、今回の取組がどのような効果があるかということを早急に検証しながら進めていただきたいというふうに思っております。まず第一歩だということで御理解いただければ。
#41
○参考人(松田晋哉君) まずやらなければいけないことは、やはりその需給のギャップがどのくらい起こっているかということをデータで明らかにしちゃうことだろうと思います。これを基にして、例えばドイツみたいにすごく強制的に、保険医としては医師の配置はこのくらいしか認めないというようなことが日本もできるのかというと、日本の今までの歴史的な経過を考えるとなかなか難しかろうと思います。
 でも、まずはやはりデータを出して需給のギャップを明らかにして、それをどういうふうに解決するのかということに関して、これは医師だけじゃなくて看護職も同じことが起こってきますけれども、それに対して医師会なり看護協会なりプロフェッショナルの団体がどのようなことをやるのかということをまずやっぱり考えなければいけないだろうと思います。
 その上で、やはり問題がすごく大きくなるようであれば、例えば保険診療の枠である程度ドイツのようにコントロールするとか、あるいは初期研修の段階でフランスのようにコントロールするとか、そういうことはやはり、もし自主的な対応でうまくいかないのであれば、次の段階のステップとして考えざるを得ない時期はやはり来るだろうと思います。
#42
○難波奨二君 日本医師会として、地域枠、地元枠、当然評価されているんだろうと思いますけれども、現場に医師として派遣、勤務されていらっしゃる先生方ですよね、その地元枠、地域枠の中で今勤務なされておられるドクターの実態ですよね、そして課題等あれば、動向含めて教えていただければと思うんですが。
#43
○参考人(今村聡君) 今、地域枠でその地域に残られて医療をされている方たちの生のお声を聞くという機会を設けていないので、これからいろいろ伺っていく必要があろうかと思いますけど、我々が一番重要視していることは、やはり都道府県の中で、地域医療支援センターから、じゃ、この地域に是非行ってくださいという地域枠の先生がいらっしゃったときに、その方の一生の医師としてのキャリアパスをきちんと構築するということが私は大事だと思っていますし、先ほど立谷先生からもお話あったように、専門医を取れないなんということがないように、一人一人の方はやっぱり自分の人生という中で医師としての人生を歩んでいこうとされているわけですから、単にそこに配置すればいいという話ではなくて、その方が一生医師として誇りを持って働けるようなキャリアパスをどう構築していくかということをやはりそれぞれの地域で考えていただくということが必要なのではないかと思っています。
 そういうお声をやはり我々も拾っていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、ありがとうございます。
#44
○難波奨二君 立谷市長にお伺いしたいと思いますけれども、少子高齢化、人口減少、ますます東京一極集中というのは変わらないと思うんですよね。そういう中で、市長おっしゃるように、医療はインフラだと、全く同感なわけですけれども、この後の少子高齢化、人口減少の中で、地域医療、あるべき望む姿といいますか、理想的な地域医療というのはどのようなものなのか。首長選挙になると必ずこういう医療の問題なんかも公約にそれぞれ候補者が立てられて、そして選挙を戦われて首長になられるわけなんですけれども、実際御経験された中で、今後の地域医療の在り方、理想的な地域医療の在り方、お考えあればお聞きしたいと思います。
#45
○参考人(立谷秀清君) テーマがちょっと大き過ぎるので何答えていいか分からないんですが、まず医療資源の確保ということなんですね。
 医療資源の確保の方法あるいは在り方、これはもう多岐にわたるのでとても一言二言で申し上げることはできないんですが、先ほどの今村先生の話とちょっと連携する、連動する一つの話を申し上げますが、地域枠、まあ地元枠ですね、福島医大の。相馬高校の卒業生が合格しまして、地域枠で、それで、六年たって卒業して、福島医大で初期研修やりまして、二年たったんですが、今年の春、公立相馬総合病院に後期研修医として来ました。彼はずっと相馬でやってくれると思いますね。私の友人の息子なんですけれども、ずっとやってくれると思います。
 ですから、地元枠、地域枠というのはそういうメリットがあるんですね。相馬の小学、中学、相馬高校を卒業して、相馬に友達もいる、親戚もいる、地域社会の中で育った子供ですね。そういう子供は、子供というか高校生は、入学の際、優遇してあげたっていいんじゃないか。
 もう一つあるのは、今、医学部の偏差値が高過ぎるんですよ。これ、どう考えたって問題ですね。私、今の時代だったらとても入れないですね。どう考えても問題。ですから、そんなにそんなに、あのパズルみたいな問題ができるような子供たちばっかりが医者になりゃいいってもんじゃないような気がするんですね。彼は剣道をやっていましたね。そういう子供が生き生き働いていますよ。そういうことも一つの私は目標だと思いますね。済みませんが。
#46
○難波奨二君 終わります。ありがとうございました。
#47
○倉林明子君 今日は、四人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 植山参考人にまず質問させていただきたいと思うんですけれども、医師の労働組合をつくられたというところは、極めて、つくられた当時見れば画期的なことだったんじゃないかと思うんですね。医師はまだ日本の中では聖職者だという考え方があると思うんですね。そういう中で勤務医の労働組合を結成されたという動機といいますかきっかけになったようなこと、御紹介いただきたいなと思います。
#48
○参考人(植山直人君) 私、二〇〇九年に全国医師ユニオンを立ち上げました。その一番の理由となったのは、やっぱり医師の過労死事件ですね。特に有名なのは、小児科医の中原利郎さんが飛び降り自死されたということで、これは小児科の先生たちが署名運動をするとか裁判所にいろんな要請文を出すとか、いろんな形で社会的に運動になりました。
 一番最初と言われるのは昭和四十年代にもあったみたいですけど、一九九八年に関西医大の研修医の方が亡くなって、これが九〇年代初めての過労死裁判となったんですけど、このときはお父様が社労士で、なぜ愛する自分の息子が死んだのか、徹底的に調べたと。やっぱり過労死裁判って難しいんですよね。証人になってくれる人、ほとんど大学にはいないです。だから、自分の息子の同級生とか知り合いとか百数十人に当たって、いろんなアンケートを取ったり、証人になってくれと、そういうことを過酷な中で頑張られて、あの裁判を勝ち取ったと。
 そういう話もありまして、ネットでもかなりそういう議論が出てきました。よく見ると、ヨーロッパ、アメリカじゃ当たり前のように医者は労働組合やっていますし、ドイツでは、二〇〇六年、サッカーのワールドカップがあった年に大規模なストライキをやっています。断続的に三か月あったと。そのときにはドイツでは医者はストライキやると五年間の停職と免許取上げという法律があったみたいですけど、三万人とかが参加しちゃうと五年間ストが続いているのと全く同じになるので、そういうものはなくなって、結局、国民が支持していたというふうに聞きます。なぜかというと、ドイツの医師の労働条件が悪くて、例えばイタリアであるとかスウェーデンに医者が流れていたと。国民はそれを快く思っていなかったので医師に協力したという話を聞きました。
 医者の労働組合ができるかどうかというところでいうと、例えばパイロットは労働組合を持っていますし、プロ野球選手がストやりましたね、プロ野球労組のスト。それから、管理職だから医者はなれないとみんな思い込んでおりました、私も。でも、管理職ユニオンというのがその頃活動をしていて、会社の役員レベルでも労働組合がつくれると。そういうこともありまして、医者の労働組合をつくったと。
 まあ一番の動機は、過労死です。
#49
○倉林明子君 様々な過労死案件でも、とりわけ勤務時間、実労働時間を認定させていくというのが裁判等でも非常に論点になるかと思うんですね。働き方改革でも大事な論点になってくるんだろうと思っているんですけれども、この労働時間の管理で、医師のところで、とりわけ残業代の扱いについて少しお考えになっていることを補充的にお話しいただければと思うのと、あと、やっぱり自己研さんをどう見るかと。特に研修医の場合のところ触れられたかと思うんですけれども、その評価についてもお考え御紹介いただきたい。植山参考人にお願いします。
#50
○参考人(植山直人君) 自己研さんについて私もちょっと考えてみたんですけど、辞典で引くと、研さんとは学問などを深く研究するということなんですね。これに自己が付くというのは、任意でこれを行うということで、研修医がやるのは必要な標準的な医療を学ぶというところなので、これは研さんには当たらないです。もし適切な医療が行われなかったら患者さんに迷惑掛かるんで、これは病院側の責任です。
 じゃ、研修は労働と分けて好きなときにやっていいかというと、患者さんの診療を行う上では必ず病院の管理監督下で行わないと、入院患者さんに対して病院が知らないところで勝手にやりました、こういうことはあってはならないんで、結局、研修の大半は管理監督下における労働時間というふうに思います。
 これは、座学で自分がいろんなものを勉強したりするのは別ですけど、少なくとも患者さんに対しては、もし全くの治療とは関係ない自分の研さんのためであれば患者さんに承諾を得る必要があります。当然、私はこういうことを学びたいのでやらせてくださいと、これはリスクは伴わないということで、そこで患者さんが承諾してくれたらそれはあるかもしれないけど、そういう手順をきちっと患者の権利も守りながらやっていく必要があるというふうに考えています。
 研修医の場合はそうなんですけど、じゃ、高度医療についてはどうかということで、私が思いますには、群馬大で、ある医師が行った手術後に多くの患者さんが亡くなっていると。腹腔鏡の場合は一例目と三例目が亡くなっていると。あれは自己研さんが十分でなかったというかというとそんなことは言えなくて、これは病院側に責任があると思います。高度な医療がちゃんとその医者ができるかどうか、これを把握して、もしできないとなったら病院側はやらせるべきではないし、そういった意味では、高度医療機関においては、高度な医療を勉強することも簡単に自己研さん、任意の研究というふうには言えないと思います、ここには患者さんの安全に対する義務というのが当然生じますから。
 だから、この辺についての議論がまだ非常に弱いんで、どこまでが労働でどこまでが労働でないか、どうやったら患者さんの権利が守れるのか、たとえ勉強でも、体を壊すような、そういうものを強制するようなテーマを出すべきではないし、こういうものをきちっとした議論を行う必要があるというふうに考えています。
#51
○倉林明子君 ありがとうございます。
 労働時間としての評価ということの線引きって非常に大事だということになろうかと思います。正当に評価されていくべきものだというふうに思います。
 そこで、松田参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、フランスの医師の働き方ということで御紹介ありました。若手が今、その中で病院志向になっているというお話なんですけれども、ちょっと日本では考えにくいといいますか、随分違いがあるんだなって思ったわけですけれども、その背景、端的に御説明いただけたら。
#52
○参考人(松田晋哉君) 一番原因だったのは、あの三十五時間労働法です。フランスでは三十五時間労働法というのが設定されて、それは医師にも当然適用されたわけですけれども、そういう過程の中で、当初はやはりいろんな混乱が起こりました。ただ、ずっとやっていきますと、やはりそういう働き方をしていく、それ、その後少し緩和されていますけれども、働きやすさというものをやっぱり若い医師が望むようになってきた。
 その結果、今何が起こっているかというと、これは二月に調査へ行ってきたんですけれども、三十五時間労働法というか、いわゆる働き方に関する法律が適用されるのは病院なんですね。個人の開業医の先生たちは、実はそれが適用されません。その結果、今何が起こっているかというと、フランスではいわゆる個人で開業している先生方の長い労働時間というのが問題になってきていて、そういうプライマリーケアを担う診療所に勤める先生が少なくなってきているという問題がパリでも起こっています。それに対応するために、パリ市が、あるいはいろんな保険組合が自分たちでいわゆる多機能の外来診療所をつくって、そこにパートタイムやいろんな形で医師が勤めるということが起こっています。
 そういう意味で、フランスの場合には、かなり医療職に関しても労働時間をきちんと守るということに対する関心が高まっている。それがそういう現状になっていると思います。
#53
○倉林明子君 ありがとうございます。
 最後、立谷参考人に伺いたいと思うんですけれども、新専門医制度についてはやっぱり偏在を加速するという声があるということを私も質問で、委員会でも取り上げた経緯があるんですけれども、一年間延長された、そして見直しもされたということですけれども、依然としてやっぱりその危険は高いというお話だったかと思うんですけれども、具体的に、南相馬でお一人の方は、親友の息子さんですか、(発言する者あり)あっ、相馬。ごめんなさい、ごめんなさい。
 お聞きしたいのは、新専門医制度がいよいよ始まるということで、その問題意識について改めて、これで、懸念は先ほど御紹介もいただいたんだけれども、今一番懸念していることということで、追加的に御発言あればお願いしたいと思います。
#54
○参考人(立谷秀清君) 先ほど申し上げましたけど、結果的に東京一極集中が進んだということですね。この医師不足の問題と東京一極集中の問題はまた別なところがあるんです。東京一極集中というのは医師不足の根本的な、全体的な問題になっていますが、医師不足というのは本当に必要なところに必要な医者がいないことを言うんですね。ですから、同じ県の中でも医師不足という現象があるんです。県庁所在地、医学部所在地は医者がたくさんいるけど、へんぴなところは全然いないというような問題もありますから。
 ですから、専門医制度がそれ全部解決するとか、そのことによってどうこうなるということでは必ずしもないんですが、ただ、宮城県や福島県の後期研修医の絶対数が東京に集中している。四百七十五人増えていますから、東京は。研修医から専攻医、つまり後期研修医になった、初期研修医から、人数だけで見ても四百七十五人増えているんですね。こういう現象が起きているというところに一体何が問題があるのかと。
 それは働き方の問題でも何でもなくて、いろんな背景的な問題があるんですが、やっぱり一つは子供の教育の問題があるんですね。東京にいた方が教育しやすい。医者はみんな自分の子供を医者にしたがりますから、そうすると、ますます東京に住みたくなるんですね。だから、これは逆転の発想でいかないといけない。地方にいた方が医者にしやすくなるような環境をつくらないといけない。東京にいるとお医者さんにするのが大変だという環境をつくらないといけない。
 だから、さっき言った相馬高校の地元枠みたいなのをどんどん広げて、やっぱり自分のふるさとで医者やるのが適切だと私思いますから、そういうことも考えないといけないと思います。
 以上。
#55
○倉林明子君 ありがとうございます。
#56
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 私も、今回の法案について、これで本当に医師不足が解消されるのか、医師の偏在がこれで解消されるのか、本当に疑問に思っておりましたが、今日の四人の参考人の先生方に来ていただいて、更にそのことが、やはり余り大きく期待できないものなんだなということが改めて確認できたのかなというふうに思っております。
 立谷参考人に是非お聞きしたいと思うんですけれども、私も地方議会出身でございまして、特に地方議会、特に市町村なんかはやはり医療とか教育とか福祉というのはもう本当に一番住民にとって身近な大切な課題でありますから、その課題を解消していくに当たって、やはり市長として地域住民に対していろんな思いでやっていくんだというふうなことを、恐らく選挙でも争点になることも多いだろうと思いますし、市長になればなったで、やはりそういったことの問題を解消していくということで、非常に難しい立場におられるんだろうというふうに思っております。
 先ほどから、地域枠を入れればいいんだというふうな、それも私も今回の法案の中で大事な一つかなというふうには思うんですが、もう一度お伺いしたいと思いますが、やはりそれ以外のところで、もっともっとそういう医師不足を解消していくためには、今度の、次回の改正に向けて、どういったところを改正していくべきというふうにお思いなのか、立谷参考人にお伺いをしたいと思います。
#57
○参考人(立谷秀清君) まず、今回の法案ですけど、私はこれで全部解決するなんてとても思えないことです。ですが、今までよりはちょっと突っ込んだ、特に厚生省の委員会で私たちが申し上げてきたことがいささか盛り込まれているということなんで、ちょっと近づいたというか一歩前進であることは間違いない、そういった意味では私は評価します。
 ですが、これで全部解決できるなんてとてもとてもの話であって、特に県の地域医療協議会が何ができるんだろうということを考えると、私はとっても無理だろうなと思いながら。例えば、県知事は医者を抱えているわけでもないし、地域医療協議会が医者の人事権を持っているわけでもないし、実際はそう簡単なものではないと思います。ですが、専門医機構の弊害についても私随分申し上げたんですが、歩きながら考えようやということなので、まあ渋々了解というか、反対し切れなかったみたいなところもあるんですが。
 ただ、現実としてこういう事態が起きていますから、ですから、それをどうやって、どういうふうに直していくのかということに対して、専門医機構だけの議論ではない形になってきていますから、今後更に踏み込んだ各論の議論が必要になってくるんでないかと思います。ですが、現段階としては、私は私なりにちょっと進んだかなと思って評価しているところもございます。
 以上です。
#58
○東徹君 確かに我々も進んだというふうに評価はある程度評価しておる中での、やはりこれで五年後、十年後、本当に、ああ、これで解消できたというふうなことになるのかなと思うと、そうではないだろうなというふうに思っております。
 その中で、先ほど立谷参考人の方からもありましたが、都道府県の地域医療対策協議会、これが本当に機能するのかなというふうに思ったりもするんですが、ここは今村参考人の方から、どのように見ておられるのか、お聞きしたいと思います。
#59
○参考人(今村聡君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、県の中には医療に関して議論する会というのがもう本当に今はいっぱいあると。それをきちんとこういう地域医療対策協議会というもの、一つ芯をつくって、そこには、医師会もそうですし、地域の医療関係者、病院団体、大学等の関係者がみんな集まって議論をするという、その場があるということで、立谷先生がおっしゃったように、これが本当に機能するのかというのは、これは大きな課題だと思いますけど、機能させなければもうこれ進んでいかないというふうに思っています。
 私のお話の中でも申し上げた地域医療支援センターという、いわゆる派遣の機能、キャリアパスをつくる仕組みもあります。これ医療法の中にあると。それから、医師を始めとした医療機関で働く人たちの勤務環境を守っていくための勤務環境改善支援センターというものもありますと。そうやって箱物のようなものがつくられているけど機能してこなかったということも事実であって、それを今回は医療法の中で勤務環境改善支援センターと地域医療支援センターをしっかりと連携をさせて動かすと、それから地対協が中心になって議論を進めていくという、こういう枠組み自体は一歩進んだわけですから、あとはそれがちゃんと動いているかどうかをきちんと国が確認をしながらやっていくことが大事で、つくりっ放しになって、あとどういうふうに、そこで何が行われているか分からないというままではいけないというふうに私は思っているので、是非そのことも国にはお願いをしたいと。そういうものがちゃんと機能しているかどうかの確認を折々にしていただくということが大事だと思っています。期待をしています、だから、地対協に。
#60
○東徹君 ありがとうございます。
 あと、立谷参考人が先ほどおっしゃいましたけれども、地域の偏在を解消していくためには、やっぱりここは診療報酬を変えていかないといけないとかいうふうなお話もありました。あと、また、これだけ医師不足対策に対して、都道府県の方ではたしか地域医療介護総合確保基金という基金も今積んでおると思うんですね。そういった基金の活用とか、そういったことでもって診療報酬を変えるとか、こういったことの検討というのはどうなのかなというふうに思うんですが、立谷参考人にちょっとお聞きしたいなと思うんですけれども。
#61
○参考人(立谷秀清君) いろんな御提言だと思うんですね。基金でドクターを集めるというのは本当に難しいです。これは震災で、原発地帯ですからさんざん私経験しましたけど、極めて難しいですね。ですから、診療単価の話はこれもう市長会の中で出てきた話なので、一つの試案というふうに考えていただきたいと思うんですけど。
 一つ、今すぐ効果のあることではないんですが、さっき私ちょっと申し上げた、地域で育った高校生は医学部の地域枠に、地元枠に入れるときにげた履かせろと。このげたの履かせ方を地域医療協議会で決めたら力出るでしょうね。そういうことも、ただ、時間掛かります。少なくても八年掛かるんですね。ですが、そういうことを地道に始めていかないと、今から二十年後、三十年後、地域が生き残れるのかということを考えたときに、やっぱり今からやらないといけないこともあるし、ただ、今すぐ医師不足に対して抜本的なことができるかというと、なかなか難しい。
 それと、地域医療協議会が、県単位の、やっぱり県単位だとなかなか力を持ち得ないですね。だから、私はこれ全国的な連合をつくってもいいんじゃないかと思う、県だけじゃなくてね。問題点持ち寄って、そこから厚労省にもっと物を申し上げたりするような、そういうふうになっていかないと。もちろん我々も入れていただかないといけないと思いますけれども、県単位だけだと、私は現実的には、もちろんそれではいけないからしっかりやっていこうというのは日本医師会の考え方、それはそれでいいと思いますが、なかなか難しいと思いますね。だから、全国連合みたいな格好にして、もっと大きな力を持たないとという感じはします。
#62
○東徹君 もう一点だけ、松田参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、そういった地域の偏在の原因とかそういったものを解消するときに、何かドイツでは強制的な例があるというふうなことをお聞きしましたけれども、その点についてはどのような状況になっているのか、教えていただければと思います。
#63
○参考人(松田晋哉君) ドイツの場合は、人口当たりの眼科医の数とか人口当たりの整形外科医の数が決まっています。それを超えてその地域で保険医として開業することはできません。保険医でなければ、自由診療をやるのであればそういう形で開業できるという形で、これはどっちかというと、ドイツの医師会がそういう形で規定を作ってやっています。
 ただ、その前提となるのは、やはりそれぞれの地域でどういう医療需要があるかということに関してきちんとしたデータが作られて透明化している。このことに対しては、今厚生労働省も内閣府も非常に努力されていますので、そういう意味では、日本の場合、やはりようやくその緒に就いたという、そういう認識であります。
#64
○東徹君 時間ですので。ありがとうございました。
#65
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、もう様々な有益な御意見、本当にありがとうございます。
 地域偏在、診療科目の偏在ということも大きいわけですが、先ほど植山参考人が表で示されたとおり、全国回っても産婦人科や小児科、とりわけ産婦人科が少ないという現実などをとても痛感をしております。この診療科目の偏在をどうやって解消するのかという点について、植山参考人、立谷参考人、御意見をお聞かせください。
#66
○参考人(植山直人君) 診療科の偏在に関しては、これまでほとんど何もデータがないし、取組も行われていないと。
 私は、最初にも言いましたように、地域の偏在化と診療科の偏在化は別々に考えるべきではなくて、これは一緒にやらないといけないと。この地域のレベルをどうするか。三十分で救急車で行ける範囲にするのかどうかというのは別ですけど、その地域でやっぱり子供を産み育てられるというような、このためにはどのくらいの産婦人科医が要るのか、小児科医が要るのか、また、内科、外科が要るのか、そういう一定の基準みたいなものを明らかにしないと、例えば診療科の偏在は、大学卒業、また初期研修の間に自分の専門科決めますから、ここの教育の中でしっかりやらないといけないと。
 指導する側も、大学は医学知識を教えるだけじゃなくて、普通の学校だったら進路指導って必ずありますよね。君はどういう適性があるからどういうことに向いていると、そういうところまでの細かい医学教育をやって、その地域に応じた、必要な、今こういう医者がこれだけ求められていると。ただ、もう労働時間、今は非常に差がありますけど、これに対しては、私たちはこういう手段で守るから何とか頑張ってくれと、そういう形で教育をやっていけば、応えてくれる医学生、研修医も増えてくると思いますけど、今は全くそういうものがなくて、勝手にやってくださいと。
 自由開業医制についても、一定のルールはやっぱり必要だと思います。
 取りあえず、必要な地域の診療科別のデータをきちっと出して、それを各大学で議論していって、教育者として何をすべきかと、ここが一番大事だというふうに考えています。
#67
○参考人(立谷秀清君) いい質問をありがとうございました。誰か聞いてくれないかと思っていました。
 実は、この診療科の偏在で一番問題なのは、産婦人科と小児科なんだと思うんですね。
 私の相馬市の隣の南相馬市は、かつて小児科の開業医の先生がいたんですが、原発で皆さん、まああそこは必ずしも避難しなきゃいけないところではなかったんですけど、やっぱり心理的に避難した人が多いわけです。子供を持つ親たちは随分心理的に避難して、その結果、子供が少なくて小児科が成り立たない。これは日本全体に言えることで、小児科医が不足しているのは子供の不足と並行しているんですね。
 同様に、産婦人科の先生の不足も、出産が減っていますから、その現実を見逃すわけにはいかないとは思います。ですが、一番の問題は、お産も二千例やると一例ぐらい低酸素脳症に当たります。どうしても、幾ら頑張っても、患者さんはというか、目の前の症例は自分の思ったとおりではないわけですから、そうすると、どうしても当たるんですね。そうすると、低酸素脳症、残念ながらそういうふうな結果になった場合、二億円とか三億円のやっぱり補償が要求されるわけです。保険入ってもなかなか届かないという現実があるんです。ですから、やっぱりそういうリスクの多いところはどうしても避ける部分が出てきますね。
 ですから、私は、これは国として保険制度のようなものをつくってあげないと、産科については、小児科までどうか分かりませんけれども、産科については必要だろうなと。それで、そういうお子さんができてしまったときの親に対する補償の制度はあるんですよ。だけど、ドクターについては明確でないですね。ですから、安心して産婦人科のドクターになりたくないというのもベースに存在するんです。
 ですから、これ国として考えなくちゃいけない問題、それだけではないと思うんですけど、いろいろ対応策もあろうかと思いますけど、私から御提案として、ひとつお考えいただきたいなと思います。
#68
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 今日のお話の中で、需給データ、本当に将来も見据えて、その地域がどういうふうになるのかというのをきちっとデータも出してもらってやるのが大事だということを松田参考人が教えていただきましたし、それから割と、都道府県単位でやるのがいかがかというのも、ある意味、立谷参考人始め、言っていただいたというふうに思っています。
 私は弁護士なんですが、弁護士の数が増えたという問題ももちろんあるんですが、一方で、パブリック法律事務所を全国につくり、いわゆる弁護士がいないところに派遣をすると、そこでその土地を愛して実は定着していっているという、弁護士偏在が結構解決をしているという問題もあります。
 ですから、今日、参考人のお話を聞きながら、もちろん都道府県でも頑張ってもらうんだけれど、全国的な目でどういうふうに、もちろん本人の居住選択の自由はあるわけですが、インセンティブも含めてどうやって全国で考えるか、地域に合わせて、という視点も今日とてもいただいたというふうに思っております。
 そうだとすると、全国的な展開として、例えば医師会がイニシアチブを取るのか、厚労省がイニシアチブを取るのか、もう少し本人の意思を尊重しながら、次の第二ラウンドの医師法の改正のときはそれもやるべきではないかというふうに思っているんですが、今村参考人、そして松田参考人、その点についてはいかがでしょうか。
#69
○参考人(今村聡君) 日本医師会は、日本の地域医療に責任を持つ団体としての、今先生の御指摘のように、当然、医師会だけでできるわけではありませんけれども、積極的にいろんなことを考えてまいりたいというふうには思っています。
 今回の議論の中でも、自由開業制については相当に国の委員会の中でも議論になりました。日本医師会は昔、いわゆる適正配置というようなことを地域の医師会がやっていたと。当時は、自分たちの既得権益を守るために外部から人を入れないというような、そういう趣旨が結構あったようで、独禁法の違反に関わるということで今そういうことできません。勤務医も、私も元々長い間勤務医をしていて、開業するときも、全く地域の事情というのが見える化されていない中で、自分の判断で、いろんな誘導をされて、じゃここで開業しようかというようなことがもうほとんどな先生だと思うんですね。
 今回の法改正の中では、それを、データをきちんと作って地域の中で議論をして、まずはそういった先生たちに見える化をして、まずは自主的な判断に委ねましょうと。それを踏まえた上で、まだまだ地域の診療科の開業の偏在が起こるようであればまた次の手を考えるということだというふうに思っています。
 これも繰り返しになりますけど、まず第一歩を、今までやっていなかったことを見える化してやろうということなので、そこに意味があるんだろうというふうに思っています。議論するのに根拠のない議論をしても、何か理念だけで言っていてもこれはしようがないので、松田先生がきちんとこういうデータ出していただいているので、やはりこういうことを国としてもしっかりと出していただいて我々が積極的に議論をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#70
○参考人(松田晋哉君) ありがとうございます。
 データは大体できてきました。この後、また非常に進んでいくだろうと思います。それに向けて、今の厚生労働省、またその厚生労働省からお金をいただいて研究している私たちも頑張っておりますので、多分いろんなものが出てくると思います。
 ただ、問題は、恐らく、それを地域で誰が使うのか、作用点をやっぱりかなり考えていかないといけない。そうすると、そういうデータを使う人材の育成というものを少しやっていかないといけないだろうと思います。医療とかこういうものがすごく大きくなってきたのに、それをマネジメントするいわゆる人材の教育というのがやはり日本の高等教育の中では余りやられていない。要するに、医学部の外にやはりそういう人材をつくるものをやっていくということが大事だろうと。そうすると、やはり文科省も含めて人づくりのところからそれを話し合うような場というものをつくっていくことが必要ではないかなというふうに思います。
#71
○福島みずほ君 どうも本当にありがとうございました。
#72
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日は、本当にいろいろ勉強になりまして、ありがとうございます。
 まずは、立谷参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 私ども、いろいろ議論をしていても、患者目線であったり、若しくは専門医、専門家としての視点から医療はどうあるべきだというようなことは様々な議論してくるんですけれども、やはり地方自治体として医療はどうあるべきなのかということを大変今日は面白く聞かせていただきました。
 それで、立谷参考人は、これはゼロベースで考えていただきまして、これからの医療提供体制どうあるべきだというふうに、今何かアイデア若しくはお考えをお持ちでございましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#73
○参考人(立谷秀清君) 大変難しい御質問だと思います。
 財源の問題もありますし、医療に、私は、ざっくりこれからということを言った場合、体制の問題も当然だと思いますけれども、やっぱり受益と負担の関係をもうちょっとしっかりしてもいいんじゃないかと、私自身はそう思っています。
 それから、それをしっかりした上で、ボランティアの方々の活力をもうちょっと生かせるように、私は市長ですから市民との協働ということを訴えるんですけれども、相馬市独自に開発した体操なんかがありまして、骨太体操というんですけど、それを高齢者の方々に普及させるというようなことをやりながら、ですから、この医療の問題については、専門家たちだけでの考え方だけではなくて、地方自治体の立場からすれば、皆さんと一緒になって、ボランティアの方々も使いながらそのことに対応していくと。
 専門的にはどうするかという、例えば、相馬で心臓病の人が発生したら、隣ですけど宮城県の方に送るんですが、そういうときスムーズにできるようにとか、そういうことを考えながら現場としてやっていく問題もあるし、あるいは、こういうところで財源論も含めて全体で考えなくちゃいけない問題もあるし、そういった意味では地方自治体の長というのは誠に忙しいものであります。
#74
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まさにヘルスプロモーションの要となるのが私は自治体だと思っておりますので、これからもいろいろアイデアいただきたいと思います。
 今、松田参考人にもお伺いしたいと思うんですけれども、そういったヘルスプロモーションも併せまして、先ほど様々いただいたデータの中で、これから必要とされるであろう分野というものはまさに老年医学、高齢者の皆様方の医療費をいかに削減し、そして、そのために、地方自治体もそうでございます、それの専門医ですよね、老年医学の専門医なども育てていきながら、しっかりと三者三様で協力体制を取っていかなければならないかというのが多分この最後のポンチ絵だというふうに私は理解しておりますけれども、これからやはり医学教育もつくり替えていかなければならない、再編していかなければならないというふうに私は考えております。
 今ちょうど息子が臨床研修を受けておりますけれども、私の時代と何も変わっていないじゃないかというような感覚をいつも話して持つんですね。でも、これだけ医療が変わり、かつ様々な社会情勢も変わっていく中で、もっと教育自体が私は変容していかなければ、でき上がる医師像というものも変わらないですし、医師不足、医師偏在というものもこれは変わっていかないなという考えを持っているんですけれども、松田参考人のお考えをお聞かせいただいてもよろしゅうございますか。
#75
○参考人(松田晋哉君) ありがとうございます。
 医療と介護が複合化する時代が来ると、いろんな職種の仕事も複合化していきます。ところが、やはり今の卒前教育、それから卒後の研修でも、チームでの教育、チームでの研修というのができていないんですね。しかも、それを地域でやるということが余りできていない。やはりこれから、そういう多職種が地域の中で卒前の教育を受け、そして卒後の研修も受けるというような、そういう形にやっていかないと、多分これからの高齢社会にふさわしい医療職というのはつくれないんだろうと思っています。
 そういう意味で、先ほど全国的な組織をどうするかという話がありましたけれども、こういうデータに基づいて、実際どういう医療が望まれているのか、どういうサービスが望まれているのかということを踏まえて、やはり医学教育なり看護教育なり、いろんな医療職の方のいわゆる教育、研修を変えていくということを併せてやっていかないと望ましい医療提供体制というのはつくれないというふうに認識しています。
#76
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 トップダウンとボトムアップということで、自治体、国としてもということで、いろいろ考えていかなければならないと思うんですけれども、そこで、今村参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 昨年度のコアカリキュラムの改正に当たりまして、卒前卒後、そして生涯教育まで、一気通貫のような形で大分柱を通していただいたと思っております。それによって必要な知識というものも様々な皆様が持っていただけるような仕組みもでき上がってきつつあるのかなというのが私の実感でございますけれども、これからもっともっと、今開業していらっしゃる先生方にも新しい知識でもっと地域に貢献していただけるような仕組みというものを医師会にもお願いしていきたいと思うんですけれども、いかがでいらっしゃいますか。
#77
○参考人(今村聡君) ありがとうございます。
 今、厚生労働省に医師の養成の在り方の検討会が設けられて、医学部教育、今、松田先生からお話あったような、本当にチーム医療も含めた臨床研修の在り方、そしてCBT、OSCEの在り方、国家試験の在り方、そして、それが変わることによって臨床研修の在り方も変わり、専門医制度の在り方も変わり、そして生涯教育も変わるという、この一気通貫の、医師というものをどのように育てていくのかということが、ようやく文科省と厚労省、省を超えて議論されるようになってきたので、やはりここでしっかりとした、医師の養成とはいかなるものなのかということを議論していかなきゃいけないと思っています。
 そうはいいつつも、現状既に十万人の開業医がもう世の中の中にいると。日本の開業の仕組みというのは外国と違って、元々、一般医と専門医というような分かれ方をしていなくて、病院の中でかなり専門性を持って、そして地域で今度一般医として活躍するという、極めていい点もあるし、そうでない点もあります。また、極めて専門性を高めた人たちが開業されているので、優秀な方で学問的にも優れた先生たちが多いと。その方たちが地域で患者さんを通して学ぶことで初めてその幅が広がっていって、総合的な診療能力を持っている先生もたくさんいらっしゃると思います。
 ただ、これは個人の能力、個人の努力に任されていて、全ての開業医がそのようになるかというものではないので、日本医師会としては、今、かかりつけ医機能研修制度ということで、かかりつけ医の機能を高めるためのいわゆる研修制度というのを新たに三年ぐらい前から始めておりまして、数千人単位で毎年受講されているということで。一方で、専門医の仕組みの中で総合的な診療能力を持つ総合診療医という専門医としての総合診療能力と、そして、今はかかりつけ医として地域で診療されている人たちの機能を高めると。しばらくの間はそれが併存する形で進んでいくというふうに思っております。
 先生の御指摘のとおり、本当に、地域で今医療をされている先生方の診療能力をどのように高めていくかというのは、我々の大きな課題だと思っています。
 それから、これからの医師の方たち、なっていく方、あるいは医学部に入ってくる方たちが偏差値だけで高校で進路指導を受けるような間違ったやり方というのは改めて、医師になるというのはどういうことかということをよく理解していただく、これ高校レベルでの教育というのも是非変えていかなければいけないのではないかと思っています。
 それから、せっかくの機会なので最後に是非お願いしたいことは、医療提供者だけの議論ではないというお話を先ほどからいただいていますけれども、残念ながら、国も保険者も、医療を利用する方たちに、日本の医療の現状は今こうなっているんだ、だからこういう利用の仕方をしてくださいということをしっかりと国民に理解をしていただいた上で医療提供どうあるかという我々の議論になるというふうに思っておりますので、議員の先生方も是非その点御理解いただいて御支援をいただければと思っております。
#78
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 だから、根が深いんですよね。小手先のような今回の法案改正というのは、少しは続くかもしれませんけれども、しかし、根本的なものというもの、抜本的なものを見直していかなければこれからの医師というものを確保できないというふうに思います。
 植山参考人にはいつも私も勉強させていただいているんですけれども、様々なデータの中で、やはり医師の労働環境というものは一刻も早く改善すべき私も問題だと、課題だと思っております。今後、近々の課題として持っているこの課題を少しでも前進させることができる何か策を持っていらっしゃるようでしたら教えていただけますか。
#79
○参考人(植山直人君) 今、働き方改革が言われていますけど、現行の労基法が全然守られていないと。大学病院に三六協定もないという、誰が見てもこれ違法だと分かることが戦後ずっと放置されてきたと。やっと公的な議会でも議論がされるようになったということで、簡単に結論は出ないと思いますけど、まずは過労死が出ないようにする。
 さっき、一か月で一日も休みがない人が一〇%以上いたという、これも僕もびっくりしたんですけど、まずは休息をきちっと取れると。それから、三十時間を超えるような労働というのは先進国はやっていないですよ、どんな業種もやっていないです。だから、最低でもやっぱり二十四時間働いたら次の日は休むと。
 勤務間インターバル、アメリカは研修医はかなり長時間働いていいようになっていますけど、それでも二十四時間が上限で、その後は十時間か十一時間の勤務間インターバルと、一週間に必ず二十四時間以上の休息を取ると。これやると、結局週八十時間まで認められているんですけど、データ的には六十時間を切ってしまうと。よっぽど特別なことがない限りはその上限に近づかないと。
 だから、まず健康を守れる、休みをしっかり取って睡眠時間がちゃんと取れるような、ここの部分の労基法だけでも早急に守ると。それが一番大事で、あとは時間掛けて議論しないと、本当に医療崩壊が僕は起きるんではないかなという、医療崩壊が起きるともう働き方の話は吹っ飛んでしまうという、そういう危機感がありますので、現行労基法で本当に健康に問題になる点をしっかりと解決していくということだと思います。
#80
○委員長(島村大君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#81
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君が選任されました。
    ─────────────
#82
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法及び医師法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長武田俊彦君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#84
○委員長(島村大君) 休憩前に引き続き、医療法及び医師法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#85
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。
 今回の医療法、医師法の改正は地域の医師不足への対応がメーンテーマでありまして、確かに重要な喫緊の課題だというふうに考えております。
 私も全国の医療現場歩いておりますけれども、看護師も不足しているんですけれども、医師も不足しているともう久しく言われておりまして、例えば、医師がいなくなって病棟を閉鎖しましたというのもよく聞きます。診療科がなくなって何時間も掛けて遠くの病院に行かなければならなくなったですとか、お見舞いに行こうと思っても病院が遠くなってしまったのでつい縁遠くなってしまったですとか、本当に様々な声を聞いている中で、何とかこの状況を打開していきたいと強く思っています。
 ところが、せっかくの法改正でも、医師不足の解消を何とかしようというのに足下で逆方向を向いているかもしれないというのが、今日、午前中も参考人に質問させてもらいましたけれども、新しい新専門医制度だというふうに考えています。
 この新専門医制度の運用が始まりました。いろいろな経緯がありまして、一年間延びました。昨年六月には、様々な意見を受けて専門医機構の方で専門医制度新整備指針というのがまとまりました。これを見てみると、制度の確立の基本理念が四つ挙げられています。一つ目が、プロフェッショナルオートノミーに基づいた専門医の質を保証、維持できる制度であること。これは午前中にも触れました。二つ目が、国民に信頼され、受診に当たり良い指標となる制度であること。三つ目が、専門医の資格が国民に広く認知される制度であること。ここまではプロフェッショナルとしての課題であるかと思いますが、もう一つ、四番目に、医師の地域偏在等を助長することがないよう、地域医療に十分配慮した制度であることと、こういった項目が加わってきています。
 この理念からすると、やはり地域偏在を助長しないというのは極めて重要な課題であって、周りからも強く求められていると思いますが、実際スタートしてみて、最初の結果となった資料があります。これを見るとどうも疑問が出てしまいます。資料を御覧いただきたいと思います。これは厚生労働省がまとめた資料ではなくて、専門医機構が三月十五日現在の採用・登録者数を都道府県別、診療科別にまとめた資料になります。
 この資料を見ると、まず地域偏在については、全体、右下にありますけれども、八千三百九十四人が採用、登録していまして、うち三千八百五十人が五都府県、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡にまとまっています。四六%が五都府県にということになっています。もう二人に一人が大都市圏に集中しているという結果になっています。これはもう午前中も様々な指摘がありました。
 一方、例えば山梨と島根と宮崎は三十七人、福井が三十九人です。例えば山梨は三十七人ですけれども、山梨の医学部の定員は百二十五あります。でも、いわゆる昔の後期研修に当たるんでしょうけど、この専門医制度は三十七人しかありません。島根も百十二が三十七、宮崎も百十人が三十七と。福井県も百十五人定員ありますが、三十九人しかいません。大学の養成数に比べて専門医の研修をその県で選ぶ医師がいかに少ないかということが分かります。
 診療科別に見ると、もう突っ込みどころ満載なんですけど、もうゼロだらけという感じになっておりまして、ゼロがいいか悪いかっていろんな議論あります、規模もありますが、県民がこれを見たときに、ゼロと言われてどう感じるかというか、まあ明らかに不安に思うと思うんですね。マイナーな科だったらまだしも、メジャーな、一番左の内科を見ると、さすがにゼロはないんですけど、高知八、宮崎九とか、こんな数字が出ていて、本当にこれで、内科の医師これだけしか専攻していないで大丈夫かと思うのも当然だと思います。
 外科が左から五番目にありますけれども、高知一とか、山梨も一ですね。あと、群馬一とかあって、あの外科医が県に一人しか専攻しないのかという、これ感覚的にびっくりです。小児科とかを見ると、これ、佐賀ゼロとかあるんですね。もう一も随分あります。
 地域医療を担うというふうに言われた総合診療医が一番左から二番目のところにありますけど、これも全国ベースでいくと百八十四人とか、この数字見るだけでやはり、いろんな言い訳はあるんでしょうけれども、不安がいっぱいあります。
 私は精神科の看護師を以前やっていましたけど、精神科は今でも関心あるんですけど、やはり山口と香川がゼロで、精神科大丈夫かという思いがあります。少なくとも精神科の医者は、それぞれの県、少なく見積もっても百人はいるはずですから、一学年ゼロというのはちょっとびっくりするわけですね。
 確かにこの機構の目的である専門性の向上、それをプロフェッショナルオートノミーに基づくというのはいいんですけれども、この地域偏在等についての基本理念もあるわけであって、ここについて本当に大丈夫かと思うような結果になっていると思います。
 これについて、これは専門医機構の話ですから、ちょっとまず聞きたいんですけど、専門医機構はどのようなふうにこの結果を評価しているんでしょうか。
#86
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御質問のありました専門医制度でございますけれども、経緯も含めて申し上げますと、平成三十年度から開始されたこの専門医制度でございますけれども、地域医療に大変大きな影響が与え得るということで、厚生労働省におきましても、地域医療に責任を負うという私どもの立場から、平成二十九年四月に今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会という検討会を立ち上げまして、その中で、日本専門医機構に対して、先ほど御紹介もありました、地域医療の観点では、都市部における診療科ごとの専攻医の定員について過去五年間における専攻医の採用実績の平均人数を超えないようにすることなど、地域医療への配慮を求めてきたという経緯がございます。
 その結果といたしまして、これもお配りいただきました資料にございますように、日本専門医機構におきましては、この都市部ということを東京、神奈川、愛知、大阪、福岡のこの五都府県ということで整理をいたしまして、整備指針を改正し、この東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の専攻医総数の上限について、原則として過去五年間における専攻医採用実績の平均人数を超えないものとすると、こういう規定が設けられたということでございます。
 今年の三月二十七日に開催をされた、先ほど申し上げた検討会におきまして日本専門医機構から御説明がございましたが、専攻医の採用定数は指針等に定められた上限を超えていない、こういう報告を私どもとしても受けたところでございます。
#87
○石田昌宏君 指針超えていないというんですけど、そもそも、過去五年間ですか、の実績そのものが地域偏在を促しているわけであって、その平均超えていないから地域偏在等に対して大丈夫ですとは言えないと思います。そもそも指標の考え方自体が甘いものだというふうに思います。やっぱり人の気持ちとか感情というのはとても重要で、県民の方がどう考えるかということも含めて、その観点も含めて、やっぱりこの指標も含めて在り方を見直すべきだというふうに私は考えています。
 もうちょっと行きたいと思うんですけれども、この原因はやはり、片方でプロフェッショナルオートノミーの世界をベースにしながら高い質を保証、維持しようとするわけですけれども、そう思えば、研修をよりレベルの高いところで受けたいという気持ちは当然であって、それが今の医療の現状では大都会に偏ってしまうというのがありますから、ここを変えなければならないと思います。
 この専門医制度は、やはりプロフェッショナルオートノミーに基づく質の維持、保証というところと、それから、片方で地域偏在を助長するということを同時に専門医機構がやるというところにやはり課題があるんじゃないかなというふうに考えています。ある意味、矛盾した理念をやらなければならないというところの限界だと思います。
 結局、現実的に見ると、今のような医師法、医療法の改正というのは、もうプロの世界で任せるというところじゃ無理で、制度的にやっていかなければならないという議論をこの現場でやっているわけですから、行政の立場からはもうちょっと強く偏在対策を行っていかないといけない。これは、この法案に限らず、専門医の養成のプロセスにおいても必要ではないかというふうに考えます。
 午前中の参考人の質疑の中でも、地域偏在はもう少し国や自治体の意見を聞くといったことも考え示されていましたけれども、その点で厚生労働省に、この専門医制度の推進と地域若しくは診療科の偏在対策、どう両立させていくのか、求めたいと思います。
#88
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、この新専門医制度につきましては、地域医療関係者から医師偏在が助長されるなど地域医療への影響を強く懸念する声が示されたため、その開始が一年延期されまして、平成三十年度から開始されることとなりました。
 厚労省といたしましては、平成三十年度からの開始に向けまして、地域医療に責任を負う立場から、平成二十九年四月に、先ほど局長から答弁申し上げましたとおり検討会を立ち上げまして、日本専門医機構に対して、都市部における診療科ごとの定員上限、また研修の中心は大学病院に限られるものではなく地域の中核病院なども含まれることなど、地域医療への配慮を求めてきた経緯がございます。
 一方で、専門研修におけるプロフェッショナルオートノミーとは、専門医認定に必要な実技や教育内容などの研修の質に直結する部分につきまして医師が自ら制度設計や運営を行うことと認識をしておりまして、これは尊重されるべきものと考えております。
 本法案におきましては、御指摘のとおり、都市部に専攻医が集中しているのではないかという懸念であるとか、またプロフェッショナルオートノミーの両方に配慮するという、こうした観点から、医療提供体制に重大な影響がある場合、厚生労働大臣が研修の基幹施設ごとに策定する研修プログラムなどに意見を述べる仕組みを盛り込んでいるものでございます。
 厚労省といたしましては、日本専門医機構及び関係学会と議論を尽くした上で、地域医療に責任を有する立場から、専門医制度の推進と地域・診療科偏在対策の両立を図ってまいりたいと考えております。
#89
○石田昌宏君 しっかりと、まあ両立を図るって簡単なことじゃないんですけれども、やっぱり地域医療を守るという視点を、厚生労働省、大事にしてほしいと思います。
 今日、午前中の参考人の話にもありましたけれども、プロフェッショナルオートノミーというのはまたいろんな概念がありますから、それとは何かとか、どこまでの範囲なのかとか、場合によっては、自由開業医制の話も出ていましたけれども、そういったものについてもしっかりと議論を深めて、確実に地域偏在等をなくしていくような強い思いを持っていっていただきたいというふうに思います。
 次に、同じく医師不足解消の方策として、タスクシフティングとかタスクシェアリングを進めるという方向も出ていて、これはまた重要なことだというふうに思っています。
 そのための有効な方法が、特定行為の研修を終えた看護師の活用だというふうに言われています。厚生労働省は、この研修を終えた看護師を二〇二五年に向けて十万人を目指しているというふうに聞いております。
 この特定行為の研修制度の趣旨を考えると、少数の特別な看護師が受講していくものというものではなくて、より多くの看護師が受講すべきと。特に、医師の少ない地域であればあるほどより活用が必要ですから、そういった地域でしっかりと研修が受けれるような、そんなイメージかというふうに思います。
 厚生労働省が配付しているチラシを見ると、新たな研修制度は、看護師が手順書により行う特定行為を標準化することで今後の急性期医療から在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成することを目的としており、多くの看護師に受講していただきたいと考えていますとありまして、十万人目標とか標準化とか急性期から在宅とか計画的とか、どう見ても、言葉を見ると、特別なというよりも普遍的なと、そんな研修であるといったことが分かります。
 何でこれくどくど言っているかというと、ところが、看護の現場で話を聞くと、特定行為の研修が何か特別な看護師になっていく研修だというような考え方が随分あるような気がします。
 そこで、ちょっと確認したいんですけれども、そもそも特定行為の研修というのはどのような看護師を対象にした研修なんでしょうか。
#90
○政府参考人(武田俊彦君) この特定行為研修制度でございますけれども、ただいま御紹介がありましたように、二〇二五年に向けて効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するために、急性期医療から在宅医療、こういった幅広い医療を支えていく看護師を計画的に養成することを目的として創設をされたものでございます。この点、御指摘のとおりでございます。
 どのような看護師を対象にしているかということでございますけれども、特定行為研修の受講者につきましては、所属する職場において日常的に行う看護実践を、根拠に基づく知識と実践的経験を応用し、自律的に行うことができる者であり、チーム医療のキーパーソンとして機能することができる者として、具体的にはおおむね三年から五年以上の実務経験を有する看護師を想定しているものでございます。具体的には、病院の病棟を例に挙げますと、看護の基礎知識や技術を既に習得し、自立して日常のケア等の看護業務を実践でき、その勤務帯のリーダーとしての役割が果たせる看護師や、チーム医療において他職種との連携を行える看護師などが考えられるものと思います。
 厚生労働省といたしましては、この特定行為研修修了者が、病院、診療所、訪問看護ステーション、老人保健施設など、様々な医療現場や地域で幅広く活躍いただきたいと考えているため、一人でも多くの看護師に受講いただきたいと考えております。
#91
○石田昌宏君 ですよね。そういった意味では、やっぱり特別なという感じよりも、より普遍的なものを目指しているというふうに考えられます。
 でも、現場へ行ったらやっぱり混乱があります。よく一緒に語られるのが、特定行為の研修制度を終わった看護師と、例えばナースプラクティショナー、それから診療看護師、あとは認定看護師、そういった言葉がよく使われているんですけど、確認の意味でお伺いしますが、それぞれどういう定義なんでしょうか。
#92
○政府参考人(武田俊彦君) 今御質問のありました特定行為研修修了看護師とナースプラクティショナー、診療看護師、認定看護師の違いでございます。
 まず、特定行為研修を修了した看護師でありますけれども、厚生労働大臣の指定する指定研修機関において研修を修了した者をいうものでございまして、この研修を修了いたしますと、医師の定める手順書、この手順書の範囲内におきまして、医師の直接の指示を待たずに、例えば脱水症状に対する点滴の実施やインスリンの投与量の調整などの特定行為を行うことができる、こういうことになっております。
 一方、ナースプラクティショナーという言葉でありますけれども、これはアメリカにおける看護師の資格の一つでございまして、医師の指示がなくとも独自の判断で、軽症例、安定した症例などに対して薬の処方など医療の提供を行うことができ、州によっては開業も可能であると、こういう制度としてアメリカで存在するものと承知をしております。
 診療看護師ということにつきましては、一般社団法人日本NP教育大学院協議会が認める民間資格でありまして、この大学院でNP教育課程を修了し、同協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者が診療看護師と呼ばれていると、こういうふうに承知をしております。
 一方、認定看護師でございますが、これは公益社団法人日本看護協会が認定する民間資格でありまして、糖尿病看護や感染看護など二十一領域の特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践により看護ケアの広がりと質の向上を図るという目的で創設をされたものと承知をしております。
 今御説明しましたように、制度の創設の背景、目的、役割が異なっており、単純に比較することはできませんけれども、例えばアメリカのナースプラクティショナーといいますものは、医師の指示がなくとも独自の判断で検査、治療、処方などを行うことができる仕組みになっておりますけれども、日本におきましては、特定行為研修修了者、診療看護師、認定看護師はいずれも現行法の下では医師の指示なくして診療の補助行為を行うことはできないという整理でございまして、ただし、この特定行為研修修了者でありますと、医師の指示である手順書の範囲内において、医師の直接指示を待たずに、患者の状態を見極めながらこの特定行為を行うことができる、こういう違いがあるということでございます。
#93
○石田昌宏君 よく聞いたら分かるんですけれども、まだ若干分かりにくさが一般的にはあると思いますから、この辺、整理をきちんとして制度運営を進めていただきたいというふうに思います。
 少なくとも、特定行為の研修制度を修了した看護師はより多く、また普遍的になっていくといった方向だと思いますけれども、調べてみると、修了者の数が平成二十九年の十二月現在で七百三十八人しかいません。十万人を二〇二五年と言いながらも、これで大丈夫なのかというふうに思っていますから、この研修制度の在り方含めて、やはり大きくもう前進させなければいけないと思うんですけれども、その原因を見ると、求められる研修の時間が長いとか、研修機関が少ないとか、そういった点が進められています。
 特に、やっぱり医師の不足している地域でこそより広がっていくようなものではないかなと思うと、現実的には、研修会場まで行って勉強を受けるということが、そもそも医師不足地域で看護師も時間がありませんし、研修は都会部分が多いので地方の人は来れませんので、やはりe―ラーニングの活用をもっと積極的にやっていくということが必要だというふうに思います。
 そういった点で、もう一遍、研修の内容の見直しですとか、それから方法の見直しについて、厚生労働省はどのように進めていきたいと考えていますか。
#94
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のとおり、なるべく多くの看護師に特定行為の研修を受講していただきたいと思っておりますけれども、なかなか受講しにくいという声もございますので、この研修を受講しやすい環境の整備を進める必要があるというふうに考えております。
 指定研修機関の数は現在六十九ということですが、これも増やしていく必要があると思いますし、指定研修機関におけるe―ラーニングも一つの有効なツールでありますけれども、活用状況としては、活用施設五十八ということで、七二・五%の活用率にとどまっているということであります。
 私ども、こういったことも踏まえながら、より多くの方に特定行為研修を受講していただくための見直しも行っていきたいと思っておりまして、この特定行為研修制度は、法律の公布後五年をめどに、この施行状況を勘案して、必要があると認めるときは所要の見直しを行うというふうな規定もございますので、平成二十九年度に看護師の特定行為研修の効果及び評価に関する研究を実施をしたり、また、今年度、平成三十年度におきましては、特定行為研修の実態調査とか分析事業において、指定研修機関や協力施設になるための準備の実態などの調査を行う予定としておりますので、こういった調査結果も踏まえまして、コンテンツの拡充によるe―ラーニング活用の推進など、研究内容などを検討することとしているところでございます。
#95
○石田昌宏君 五年後の見直しもありますので、是非しっかりと見直して推進していってほしいんですが、厚生省も現状においてももっともっと支援が必要だというふうに思います。国の予算もまだまだだと思いますし、例えば、都道府県に関しても、医療計画において特定行為を受講する看護師の確保に計画的に取り組むといった方針も厚生省から示したというふうに聞いています。
 そのために、例えば地域医療介護総合確保基金を特定行為の研修に使うとか、そういったことはできるんでしょうか。
#96
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 在宅医療などにおきまして質の高い医療を提供していくためには、都道府県におきましても、特定行為研修を修了した看護師の確保、活用のための支援を行っていくことが重要と考えております。そのために、ただいま御指摘いただきましたとおり、平成二十九年度の医療計画作成指針に指定研修機関及び受講者の確保に係る計画の策定を行うよう、都道府県に対しお示ししたところでございます。参考までに申し上げますと、平成三十年度からの医療計画に特定行為研修制度に関する内容が記載されている都道府県数は、現在四十三道府県となっております。
 また、こうした計画が実行されるよう、地域医療介護総合確保基金を活用した特定行為研修受講の支援は既に可能となっております。平成二十九年度は十八県で受講料やまた研修期間中の代替職員雇用の費用を支援するなどの事業が計画されていたと承知をしております。
 厚労省といたしましては、引き続き地域医療介護総合確保基金を活用して支援が行われるよう、都道府県の取組の好事例紹介などを通じまして都道府県を支援してまいりたいと考えております。
#97
○石田昌宏君 制度の見直しだけじゃなくて予算的な裏付けもしっかりと進めて、所期の目的をしっかり達成していっていただきたいと思います。
 では、あと二つ小さな提案をしていきたいと思いますが、一つは、今回の法改正で医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設がありますけれども、地域での一定の勤務経験を通じて地域医療の知見を持つ医師を厚生労働大臣が認定していくといった仕組みで、病院の管理者要件の一つにするという話ですが、逆に見れば、医師少数区域に暮らす住民の立場から見たら、ただでさえ医療資源がないところに医者が研修みたいな形で経験を積みに来るというよりも、むしろ経験豊かなベテランの医者が来てほしいと思うんじゃないでしょうか。
 医師は今本当に長く働いていて、もう七十歳とか八十歳とか、元気に頑張っていらっしゃる方も多いんですけれども、マネジメントもしっかり経験してもう何でもできるぐらいのベテランの医者がプライマリーの医者として医師少数区域でもう一肌脱いでもらうぐらいのことを支援する対応があった方がいいんじゃないかというふうに思います。
 実際に私聞いた話ですけれども、北海道の都市部の病院の院長さんが、医師を派遣してほしいとお願いしたんですけど、若手の医者は自分のことだけじゃなくて家族の教育のこととかあってなかなか行けないときに、だったら自分が行くかと言って院長を辞めて、そして北海道の地方の方に夫婦二人で行ったところ、医師としてだけじゃなくて地域のリーダーとして本当に求められて活躍しているし、御自身もある意味田舎暮らしを楽しんでいるといったこともあります。
 こういった考え方をもっともっと入れていってもいいと思うんですが、厚生労働省の見解をいただきたいと思います。
#98
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘をいただきましたような、ベテランの医師が地方に行って、経験を生かした形で地域医療に取り組むというのも、非常に重要かつ意義のある取組ではないかというふうに考えます。
 本法案で創設をする認定制度につきましても、医師少数区域等において一定期間以上の勤務経験を有する医師、その方からの申請により厚生労働大臣が審査の上認定をするということで、医師少数区域での勤務の社会的評価を高め、そうした地域での勤務を後押ししようと、こういうことで認定制度を創設をしたいということでございますけれども、この認定に際しましては、特に若いお医者さんだけに地方に行っていただくということではなくて、御提案のようなベテラン医師も含めて、あらゆる世代の全ての医師を対象としてこの認定制度を創設をしたいというふうに考えているところでございます。
 それぞれの医師のキャリアの様々な段階における医師少数区域での勤務経験をそういう形で評価をすることができるのではないか、これによって、若手のみならずベテラン医師につきましても医師少数区域での勤務を後押しできるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
 また、この認定制度にとどまらず、医師の少数区域での勤務を促すためには、その障壁となっているもの、その原因の除去ということも指摘をされておりますので、私ども厚生労働省といたしましても、世代にかかわらず全ての希望する医師が医師の少ない地域で勤務できるよう、様々な角度からの環境整備にも併せて取り組んでまいりたいと考えております。
#99
○石田昌宏君 どうぞ、厚労省の医官の先生方も、引退なさった後、是非地方で働いていただいたらと思います。国会議員もそうかもしれません。
 もう一つ提案なんですけど、遠隔医療です。なかなか医師不足の解消が進まない中で、思い切ってもう遠隔医療を進めていくという方向のかじ切りも必要ではないかなと思っています。確かに、モニターを通じて十分な観察ができないと言われた時代もありましたけれども、今4Kとか、特に8Kまで行くともう何か人間の目の走査線と同じレベルだそうで、もうこれ以上見えるものは人間の力を超えてしまうと言われているようなものです。今後、それが普及されたときには全然違う世界が見えてくると思います。
 むしろ、テレビを使った方が人間の目で見るよりも利点があると思います。例えばズームアップとか、そういった機能がもちろんできますから、遠くにいてもより拡大ができます。近くのものをより拡大して見るということが例えばできるようになりますし、別に可視光線で見る必要はなくて、赤外線とか紫外線を使ってものを見る、人を見るということも可能になります。
 当然、一つの画面で一対一の関係ではなくて、患者さん一人に対してたくさんの医師や医療スタッフが直接見ることもできますし、同じぱっとした視野の中に、患者さんの顔とか姿だけじゃなくて、いろんなデータも同時に並べて、一度に人間の頭に入ってくるようなこともできます。
 録画するとそれだけで記録の保全が完璧にできるようになりますし、どこだっていいわけです。患者さんの家でもいいし、患者さんのニーズに合わせた場所でもできますし、実は様々なむしろプラスのメリットがあります。こういったメリットを積極的に活用することが必要だと思いますが、最後に厚生労働省の見解を聞いて、終わりにしたいと思います。
#100
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医療の質や医療アクセスの向上を図るだけでなく、今問題になっております医師の少ない地域での医療提供ツールや医師の働き方の改善方策としてもこのオンライン診療は非常に有用であるというふうに考えておりまして、今後その普及を一層進めていくためには、医療上の必要性、安全性及び有効性などが担保された適切な診療が普及するようなルールが必要と認識をしております。
 このため、本年二月から情報通信機器を用いた診療に関する検討会を開催し、オンライン診療の適用ですとかセキュリティーに関するルールなどを定めたオンライン診療の適切な実施に関する指針を三月に取りまとめたところでございます。
 また、平成三十年度の診療報酬改定におきましては、この指針と整合的な形で、対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせることにより効果的、効率的な医療の提供に資するものとして、新たにオンライン診療料として評価をしたということでございます。
 さらに、新たな医療機器の有効性に関する研究という意味では、睡眠時無呼吸症候群の治療におけるCPAPのモニタリングに関する研究などを行っておりまして、これが平成三十年度診療報酬改定で評価をされるといったことも取り組んでまいりました。
 今後とも、御指摘のとおり、技術の進歩が非常に目覚ましいということで、いろいろな形でこれが役に立つのではないかという御指摘がございますので、オンライン診療の普及状況や技術革新の状況等を踏まえた指針の定期的な見直しなどを通じまして、このオンライン診療の更なる普及推進に私どもとしても努めてまいりたいと思います。
#101
○石田昌宏君 終わります。
#102
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 初めに、町づくりと医療体制の整備について伺います。
 不動産業界において、住居物件や地域の評価に際しては医療機関の体制は欠かせないと伺っております。万が一のときの医療体制が整備されていることは、居住地及び居住物件選択には欠かすことができないのが消費者の感覚であります。生活圏と医療機関は町の位置付け、価値を決めると言ってもよいと思います。今後、町づくりと医療機関とのリンクは今後の政策判断として重要になると思いますが、これらについて議論、検討及び推進する体制はあるのでしょうか。
 少子高齢化が進む中で、プライマリーケア体制の整備、偏在解消、二次医療圏の体制保持等マネジメントがこれまで以上に必要となってまいります。医療提供体制の構築と町づくりとの観点でこれらが整理されているのでしょうか。関係者が連携して議論、検討していくべきであると考えますが、加藤大臣、対応はいかがでしょうか。
#103
○国務大臣(加藤勝信君) 三浦委員御指摘のように、医療は、地域住民にとって、生活をし、暮らしを続けていくためにも大変重要な、不可欠な基盤であったと言っていいと思います。そういった意味で、都市計画と医療提供体制をその中でどう確保していくのか、これは大変大事な視点であります。
 特に、急速な少子高齢化の進展で、地方都市では人口がむしろ減少していくことによって医療・福祉サービスを始めとする生活サービス機能そのものがだんだん維持しにくくなってきている。他方で、三大都市圏の都市では、高齢者が増加している中で、そうした増加に対して十分な医療提供サービスの確保ということに対する見通しがなかなか付きにくくなっている。そんな問題がいろいろ指摘をされているわけでありまして、こうしたことを踏まえて、政府としても、生活サービス機能や居住の集約、誘導を目的として、立地適正化計画に基づくコンパクトシティーの形成に向けた取組を進めておりまして、これは、国土交通省が策定をいたしております都市計画運用指針において、市町村が定める立地適正化計画とまた都道府県の医療計画との連携をしっかり図るということが規定をされているところであります。
 厚労省としても、地域における都市計画施策と地域医療施策の連携を推進するという観点から、都道府県に対して、コンパクトシティーの形成に際し医療施設の立地が重要であるということに鑑み、また、市町村の都市計画主管部局が医療施設の適切な立地について地域の医療関係者や都道府県の地域医療主管部局と円滑に調整を進める環境を整備することを内容とする国土交通省との連名通知を発出するなど、連携した取組を進めております。
 また、今回の法案においても、外来医療提供体制の確保や医師偏在対策も都道府県が医療計画に位置付け、計画的に実施していくということでありますから、地域の都市計画とも整合性が取れて進んでいくように、関係省庁とも連携しながらしっかりと進めさせていただきたいというふうに思います。
#104
○三浦信祐君 是非取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、外来医療を中心としたプライマリーケアの充実があったとしても、二次医療圏、要は入院をベースとしたところの医療体制が整っていなければ、治療、診療、また診察から入院の流れが確立をできず、地域の安心とはなってまいりません。今後、過疎地域が増えてくる予測がある中で、地域によって二次医療圏での医療が受けにくくなるようではいけません。一次医療から二次医療体制へのつなぎ、連携を考慮すべきです。
 これらについて議論、検討や、体制についての具体的取組はできているのでしょうか。
#105
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 まず、入院医療につきましては、全ての患者が状態に応じて必要な医療を適切な場所で受けられるよう、病床の機能分化、連携を進め、質が高く効率的な医療提供体制を構築することが課題となっておりまして、これらにつきましては、二次医療圏を基本として構築をするということで、各都道府県において地域医療構想を策定していただいているところであります。そして、この地域医療構想の達成に向けた方策を推進するために、協議の場として地域医療構想調整会議が設置をされ、議論が進んでいる状況にございます。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 一方、外来医療を中心とした一次医療につきましては、地域における外来医療提供体制の状況を関係者が共有し、医療機関同士の機能分化、連携の方針を協議することが必要であることから、今回の改正案におきまして、新たに外来医療の在り方に関する協議の場を設置をするということを内容として盛り込んだところでございます。
 この外来医療の提供体制の在り方は、さきに申し上げました二次医療圏単位の入院医療の提供体制の在り方と極めて密接に関連するものでございますし、この入院医療の在り方と整合的に議論されるべきものである、こういうことを考えますと、外来における協議の場につきましても、この地域医療構想調整会議、入院医療の在り方の議論の場とこれを兼ねるということが大事ではないかということで、私ども、この議論の場につきまして兼ねることが可能であるというふうにしたところでございます。
 御指摘のように、一次医療と二次医療の間の切れ目のない医療提供体制を構築するためには、入院医療と外来医療、この提供体制の連携が今後更に重要となっていくというふうに考えておりますので、今後とも、この入院医療の議論と外来医療の議論が一体的に議論が行われ、この議論が活性化するように、私どもとしても支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#106
○三浦信祐君 その上で、医療圏の設定は、人口や経済圏ベースで考えるべきだと私は思います。
 具体的には、都道府県内の複数の市町村単位で設定をされている二次医療圏について、例えば県庁所在地が近接をしている地域、あるいは片方の県庁所在地が県境に、県の境目に近い場合ではマネージしづらいのではないかなというふうに思います。また、同一都道府県内で人口集中地域が県の面積の中央部でない場合など、地域バランスの課題も生じると思います。
 ましてや、医師多数区域、少数区域の設定について、医師偏在指数の入れ込み方は自治体ベースだと整理できないケースが想定されるゆえ、整理方法を細部にわたって検討すべきだと思います。医師偏在指数の設定には、偏在指数をそのまま活用できない可能性への対応が必要だと思います。いかがでしょうか。
#107
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のとおり、医療におきましては、地域の実情というものが全国で異なるわけでございますし、こういった地域の実情に配慮してきめ細かな対策が行われていくべきだというふうに考えております。
 まずは、その医療圏の設定につきましては、医療法上、昭和六十年の医療計画の導入以来、地理的条件等の自然的条件や日常生活の需要の充足状況、交通事情などの社会的状況を考慮して、一体の区域として一般的な医療提供体制を確保すべき単位としていわゆる二次医療圏というのが設定をされているところでございまして、これにつきましては、医療機関の連携による限られた医療資源を効率的に提供する体制の構築と患者の医療アクセスの確保の両立を図るための区域として長期にわたり定着をしてきている圏域であるというふうに考えております。
 このため、今回の法案におきましても医師偏在指標というのを導入することになっておりますけれども、医療ニーズや人口構成に加えまして、患者の流出入を踏まえ、医師の偏在の状況を全国ベースで客観的に示す指標として、この二次医療圏を単位として基本は設定をするということにしておりますけれども、これを都道府県内の医師偏在対策の基礎として活用していただきたいというふうに思っているところでございます。
 一方で、この二次医療圏単位の医師偏在指標を基本としつつも、実際の対策の実施に当たりましては地域様々な事情がございます。これに対応してきめ細かい対応を図ることが必要になってまいりますので、二次医療圏よりも小さい区域、又は複数の二次医療圏を超えた区域で医師確保を一体的に行うことが適当な場合もあるわけでございますので、施行に当たりましては、こうした柔軟な対策を行うことが可能であることを都道府県にお示しをし、また、先進的な事例について情報提供を行うことなどについて私どもとしても十分検討してまいりたいというふうに思います。
#108
○三浦信祐君 是非、厚生労働省が司令塔にならなければなかなかうまくいかないケースもありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 一つ飛ばさせていただきます。
 タクシー会社では、人手不足、ドライバーの高齢化で車両稼働率の低下に拍車が掛かっていると、地方の現場で直接訪問をさせていただいて伺いました。一方で、都市部においても、インバウンドの増加による需要増加に伴う人手不足、生活タクシーとリムジンタクシーとのドライバーの給料形態の違い等によるドライバー充当の不均衡が生じているのも実態であります。
 全国各地で今後更なる高齢化が進む中で、ドア・ツー・ドアのサービスを提供できるタクシーは、ふだんの通院や、救急車を呼ぶほどではないものの救急医療に受診する場合の大切な足として欠かすことはできません。生活実態に即した公共交通として役割がますます重要となるタクシーのドライバー確保がこの地域医療の中でも極めて重要になっているというのは御案内のとおりだと思います。
 乗り合いタクシー、デマンドタクシー等を実施している自治体があることも承知をしております。しかし、国交省として様々取り組んできたとは思いますが、従来どおりでは問題解消していないのが実態でもあります。
 実態に即した課題整理の上、全体としてのドライバー確保、生活圏でのタクシードライバー確保、経営安定化等について新たな取組をすべきだと思います。国交省に伺います。
#109
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 委員からも御指摘ございましたけれども、タクシー事業は国民生活や地域の足を支える重要な公共交通機関としての役割を担っており、その担い手の確保は非常に重要であると認識をいたしております。
 しかしながら、トラックなどを含む自動車運送事業の運転者の有効求人倍率は平成二十九年度は二・八一と全職業平均と比べ二倍以上となっておりまして、他の産業よりも更に人手不足が深刻な状況にございます。
 タクシー事業の労働環境の実態を見ますと、長時間労働、低い賃金水準、運転者の高齢化や女性の担い手の少なさといったことが課題であると認識をいたしております。具体的には、タクシー運転者の平均年間労働時間は二千二百六十八時間でございまして、全業種と比較して長い一方、平均年間所得は全業種と比べると約三割低くなっております。また、運転者の平均年齢は平成二十九年で約五十九歳と、運転者の高齢化が進んでおりまして、他方、女性の割合は二・五%と、全産業の平均と比べて極端に低い数字となっております。
 このような現状において必要な運転者を確保していくためには、タクシー事業における労働生産性を向上させるとともに、労働条件や職場環境を改善するなどいたしまして、職業としてのタクシー運転者の魅力を向上させるということが重要であると考えております。
 このため、国土交通省といたしましては、タクシーの生産性向上を目指して、配車アプリを活用した実証実験などを実施いたしますとともに、女性が働きやすい職場環境の整備、二種免許の取得の支援などに関係省庁と連携をして取り組んでいるところでございます。
 また、全国タクシー・ハイヤー連合会におきましては、本年三月、働き方改革の実現に向けたアクションプランを策定をし、タクシー事業における働き方改革の実現に向けて業界として取り組む事項や時間外労働の削減に関する数値目標などを定め、積極的に取り組んでいくことといたしております。
 政府といたしましても、今後、自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議におきまして、労働生産性の向上や多様な人材の確保、育成などの長時間労働を是正するための関連制度の見直しや支援措置等を取りまとめた行動計画を早期に策定、公表することといたしておりまして、働き方改革の実現、そして運転者不足の解消に向けて、国土交通省といたしましても、関係省庁や事業者団体とも連携を図りながら、引き続きしっかり取り組んでまいることといたしております。
#110
○三浦信祐君 今、国交省からも御答弁いただきましたけれども、タクシー業界は生活圏の安定と医療サービス享受をつなぐ重要な役割を担っております。地域医療の担い手の一つであると言っても過言ではないケースもたくさんあると思います。厚生労働省として、まずこういうことに関する認識はいかがということを伺いたいと思います。
 その上で、地域医療体制の観点から、医療と公共交通、特にタクシーとの関係を整理し、国交省と厚生労働省がしっかりと連携をして、タクシーが医療上の重要インフラと明確化し、支援拡充に取り組むことを強くお願いをしたいと思います。将来的には自動運転がこれらを担う時代が来たとしても、タクシー業界のノウハウが関与することは明白であります。患者のアクセス確保の視点が重要であり、各省庁が連携して対策を進めるべきであると考えますけれども、高木副大臣、いかがでしょうか。
#111
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 都道府県が策定する医療計画におきましては、病床の整備を図るべき地域の単位である二次医療圏を設定する際に、地理的条件などの自然的条件、また日常生活の需要の充足状況、また交通事情などの社会的条件を考慮することとしております。
 一方で、医療機関への移動を含めた地域の足の確保につきましては、ただいま御答弁ありましたとおり、国土交通省におきまして、地域の実情に応じ、バスなどの運行費や人材育成、ノウハウ面などの支援が行われております。
 厚生労働省といたしましては、先ほど委員からコミュニティーバス、またデマンドタクシー、乗り合いタクシーなどというお話がございました。こうした交通手段なども含めまして、地域の実情に即した医療提供体制が構築されるよう助言を行うなど、関係省庁ともしっかりと連携をしながら地域の取組を支援してまいりたいと考えております。
#112
○三浦信祐君 次に、ドクターヘリについて伺います。
 主として都道府県単位が活動単位となるドクターヘリと医療圏との関係はどのようになっているのでしょうか。本法改正において医師偏在地域の明確化が図られていく中で、医療圏内での議論の俎上にドクターヘリの受入れの問題提起、体制整備の議論があることも想定ができます。都道府県同士の連携は欠かせないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#113
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 ドクターヘリでございますけれども、このドクターヘリにつきましては、都道府県が策定する医療計画等に基づき都道府県の要請を受けた救命救急センターに配備をされておりまして、その出動範囲につきましては、救急医療対策事業実施要綱におきまして原則として県内全域を対象とするものとし、必要に応じて他都道府県に及ぶものについても対象とするというふうになっております。
 現在、都道府県を越えた運用を行っているものといたしましては、ドクターヘリを保有している近隣都道府県があらかじめ互いの都道府県をまたいで運航する相互応援の協定を結んでいるのが二十八府県ございます。ドクターヘリが未配備の都道府県や自都道府県のドクターヘリでカバーできない地域のある都道府県があらかじめ他都道府県に応援してもらう共同運用という協定を結んでいるのは七府県ございます。
 ドクターヘリ、現時点では四十二の道府県で五十二機が導入をされておりますけれども、それで全てカバーされない場合もありますので、こういった同一都道府県を越えた運用がされてきておりまして、私どもといたしましても、今後もドクターヘリの運用に関しまして、都道府県間でちゅうちょなく柔軟な運用を進めることができるよう、助言などに努めてまいりたいと考えております。
#114
○三浦信祐君 まさに今回の法改正に関連して、厚生労働省として様々アドバイスをしていただきながら都道府県がしっかり協定を結ぶということに指導していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 先日、神奈川県立こども医療センター並びにその近傍にてNPO法人が事業を行っているファミリーハウス、リラのいえを伺い、病気のお子さんを支える体制と親御さんの御苦労、経営上の大変さをお聞きいたしました。親御さんの経済的健康、体力的健康がお子さんの治療に欠かせないこと、また病院との連携が大事なこと、そして、このような親御さんが安価で継続的に滞在できる施設がより充実することが不可欠であることを教えていただきました。経営上は多くの企業や関係者が涙ぐましい寄附や物品提供をしていただくことで支えていただいている、これによって安価な利用料を何とか維持しているとお話をされておりました。しかし、絶対にこの事業は継続をしていくんだとの強い決意も伺いました。極めて大切な取組であり、血の通った支援だと私は痛感をいたしました。
 小児が、手術、治療あるいは難病等で総合病院、子供医療センターに中長期にわたる入院が必要となった場合、親御さんのケアが欠かせません。親御さんが滞在しながらお子さんのケアが必要となる場合が大半ですけれども、その際の滞在費はとてつもない経済的負担となります。宿泊施設が近傍になければ更に御苦労が重なります。このような、医療機関の近傍に低額で安心して滞在、あるいは生活の軸ができるような宿泊施設が整備されることが治療にも効果があると考えます。厚生労働省として、まずは子供医療センターの周辺に体制が整っているのか、現状調査をしていただきたいと思います。その上で、自治体と連携をして支援を実施をしていただきたいと思います。
 加藤大臣、是非行っていただけませんでしょうか。
#115
○国務大臣(加藤勝信君) 私も子供が病気でちょっと入院をする、まあ家のそばでしたからそれほどではありませんが、それでも結構大変でありますけれども、難病等ということになれば専門の病院が必要になってくると。そうなるとなかなか家の近くというわけにはいかずに、かなり距離が離れたところで入院をし、子供の看護の補助をし、そして御自身もそれなりにやっていかなきゃいけない。そういった意味において、難病等で中長期に入院をする子供さんを抱えるそうした御両親の負担を軽減していく、そして、そうした形で親御さんがその子供さんを支援をしていくということをしっかり支えていくということが大変大事だと思います。
 厚労省では、小児がん等の治療を要する子供に付き添う家族の経済的負担を軽減するため、家族用の宿泊機関を医療機関等に整備する入院児童等家族宿泊施設整備事業を平成二十七年度補正予算において全国八か所を対象に実施をしております。また、小児がん拠点病院での療養生活を円滑に送れるよう、二か所の小児がん拠点病院に対しては小児がん患者に付き添う家族の宿泊施設等の整備等の補助も実施をしているところであります。また、がん等の小児慢性特定疾患を抱える子供の御両親の負担を軽減するため、地方自治体が実情に応じて児童の一時預かりや通院等の付添い、また家族の付添い宿泊支援等の各種支援を実施する場合にはその経費の一部を負担するとして、平成二十七年度では延べ九自治体、平成二十八年度は延べ十二自治体、平成二十九年度は延べ十六自治体を通じて支援を行っているところでございます。
 今後も、先ほど申し上げた御両親の負担の軽減、また病気の子供をしっかり支援をしていく、またそうした支援をしている団体の皆さんもいらっしゃいますから、そういった方との協力等の事例等もしっかり把握をし、また取組の実施状況、これを調査をしたその結果も踏まえて、可能な限りの支援を行わせていただきたいと思います。
#116
○三浦信祐君 是非、今調査をしていただいてということで多くの方が希望を持ったと思いますので、是非抜かりなくやっていただきたいと思います。
 次に、医師養成過程における教育について伺います。
 医療者育成過程で、生命倫理、医師としての倫理をしっかりと教育、行動規範となるべき指導が必要であるということは論をまちません。カリキュラムの必須化と内容の整理が重要であると思いますけれども、文科省としてこれまでどのように取り組まれてきましたでしょうか。
#117
○政府参考人(信濃正範君) 医学を学びます学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の学修目標を提示しております医学教育モデルカリキュラム、ここにおきましては、医の倫理と生命倫理に関する項目が従来から盛り込まれているところでございます。これを踏まえまして、各医学部におきましては医師として求められる倫理観等を涵養するための教育が実施されてきたところでございます。
 また、国民から求められる倫理観、医療安全、チーム医療、地域包括ケアシステムなどの多様なニーズ、これらに対応できる医師を養成するために、平成二十九年三月にモデル・コア・カリキュラムを改訂いたしました。そして、臨床倫理や職業倫理に関する理解をより深めることができるように、医師として求められる基本的な資質、能力に関する学修目標を充実させるとともに、新たに医学研究と倫理に関する学修目標も追記したところでございます。
 こういった動きを通じまして、引き続き、医の倫理に関する教育の充実に向けて各大学における取組を促していきたいと考えております。
#118
○三浦信祐君 時間がないので次飛ばさせていただきますけれども、是非、文科省の中ではこの地域医療の位置付けというものもしっかりと教育の中に入れていただいて、一人の命を守っていくという医師の育成に是非全力を傾けていただきたいと思います。
 さて、平成二十八年、全ての都道府県で地域医療構想が策定され、現在、これに基づいて施策が進められていると承知をしております。本年度からは国民健康保険の財政運営が都道府県単位化されました。地域医療政策について都道府県の責任はこれまで以上に重要であり、役割が増大をしております。
 一方で、都道府県職員は、保健医療から税財政、産業、教育、公共事業等、広範に部署異動が行われるために、専門性が高い医療関連の人材育成が難しいとの指摘があります。今後、都道府県において、医療に精通し、地域の医療関係者や大学医学部などと協力して政策を進めることができる人材育成が課題と考えます。
 厚生労働省としてどう対策をしていくのか。また、場合によっては都道府県へ人材派遣、人事交流も視野に入れるべきだと考えますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) 地域医療構想を含めて地域の医療提供体制改革を、あるいは具体的にその構想を前に進めていくためには、都道府県、大学医学部、また関係団体と円滑な協働体制を構築してマネージしていくということが大変大事でありますし、そのためには、保健医療政策、病院経営等にも精通した人材が都道府県庁の中において育成され、そして確保していくことが大変大事だというふうに思います。
 また、都道府県、今回の法律も含めて様々な権限を付与させていただいておりますから、その権限を十二分に活用していただく。そして、地域に根差した医療政策がその実情を踏まえながら展開をしていただく。そのためにも、各都道府県担当者に加えて、大学医学部や都道府県医師会等の関係者も対象にした医療政策研修会を定期的に開催して、そうした言わばネットワークをつくっていただく。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 また、地域ごとのデータ分析の支援や先行事例の提供、あるいは関係省庁や関係団体と医療政策、人材養成等を進めるための協議会の立ち上げ、こういったことで都道府県を支援をしていきたいと思っておりますし、また、地方自治体からは厚労省に対しても医系技官を是非派遣をしてほしいという要望もございます。現在二十名程度出向しているところでありますけれども、今後とも、もちろん限られた人数の中ではありますけれども、できるだけ地方自治体の要望にお応えをさせていただきたいと思います。
#120
○三浦信祐君 大臣、是非、都道府県だけではなくて、都道府県と今度は地元の市町村との連携が取れる人材を交流をしていただいて、そういう人材育成、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 少し飛ばさせていただきます。
 先日、世界トップレベルのAI開発集団である9DWさんを訪問をさせていただき、医療現場へのAI導入について将来ビジョンの議論をさせていただきました。AI活用により、動作をしながら声を出して記録、整理可能なシステム構築が可能であり、医師や看護師が手術、医療に専念できること、労働環境の改善や人員配置の最適化を図ることができるようになると伺いました。
 今後、医師等医療従事者からの観点、医療業務経営からの観点、診療、治療を受ける側からの観点、それぞれを踏まえ、保健医療分野においてより効率的かつ経済的な環境を整えるためにも、AI活用のシステム設計、活用、発展を国がバックアップしていくべきであると思います。
 なお、このメーカーの、手術室での話をしながら全て記録が残っていくというプロトタイプがあと二か月後に神奈川県内の横須賀の病院に導入をしてやってみるということもありますので、是非大臣も見に行っていただければと思いますけれども、この取組、大臣に是非お願いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(加藤勝信君) 今、AIやICTの活用、これは医療分野のみならず様々な分野で、もう入れる入れないじゃなくて入れていかなきゃならない、こういう状況だというふうに思いますし、保健医療分野でも、今委員御指摘のように、医療従事者の負担の軽減、医療の均てん化、新たな診断法や治療方法の創出、あるいは様々な意味で、経営的な意味でもプラスになってくること、様々な効果が期待をできるところでありまして、厚生労働省としては、平成二十九年の六月に保健医療分野におけるAI活用推進懇談会の報告書を取りまとめまして、ゲノム医療を始め六分野をAI開発を進める重点領域と位置付けて、今保健医療分野のAI研究開発を進めておりまして、今年度は、単にAI研究者だけではなくて医療従事者、医療機関、業界団体、AI開発企業など様々な関係者で構成される保健医療分野AI開発加速コンソーシアムを立ち上げて、AI開発を更に加速するための提言を取りまとめていただこうというふうにも思っているところでありまして、世界でいろんな形でAIの活用が図られておりますけれども、日本もそれに負けずにしっかりと、またほかの国で進んだものはどんどん取り入れていくということで進めさせていただきたいと思いますし、今、委員、横須賀でのお話がございました。またそうした先駆的な取組も、やはり百聞は一見にしかずということでもございますので、機会を見て私も現場に行かせていただきたいというふうに思います。
#122
○三浦信祐君 是非、この法改正を通して、国民が日本で医療を受けやすくなった、将来的に安心だということの入口をつくっていただきたいということをお願いして、終わります。
 ありがとうございました。
#123
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 午前中、四人の参考人の方からいろいろ御意見を伺いました、テレビで御覧になったかもしれませんが。やっぱり皆さんも共通認識だと思いますが、四人の先生方も、今回の改正で地域間の医師の偏在、診療科間の偏在が解決されるわけではない、もう当然皆さんそう思っておられて、問題は運用ですよね。これからどうやっていくかに懸かっていますので、その運用の参考になればと思って質問をしたいと思っています。
 ということは、反対しづらいということになってくるわけで、これは駄目だと、もっとこれがいいよという、なかなか言えないというところはあるんですね。恐らく、いろいろ今まで検討してきたけれども、いい案はなくて、これでやってみるかみたいな感じしかないんじゃないかと、私はそう捉えていますので、参考になればと思ってやりたいと思います。
 前回の質問、私の質問のときに明らかになったことの確認から行きたいと思います。
 一つは、使用者の明示又は黙示の指示による、今日、倉林さんが質問されていましたが、自己研さんやオンコール、待機時間は、これは使用者の明示又は暗示の指示と捉えられれば労働時間だということが一つございました、前回の質問で。これはそのとおりだと思うんですけれども、使用者と言われるとどの範囲なのかなと。実際、大きな、一千床もあるような病院で考えた場合に、院長なのか部長なのか科長なのか、そこら辺の指示が、実際はそこから指示が出るわけで、まずその点について確認したいと思います。院長に限定されるのか、介護施設だと施設長に限定されるのかどうか。使用者というのはどういう範囲なんでしょうか。
#124
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 まず、先日、四月十九日に私の答弁で、いわゆる手待ち時間の一般的な考え方について申し上げさせていただきましたけれども、これは、オンコールでの待機時間が全て労働時間に該当するという意味で申し上げたものではございませんで、労働基準法における労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいいまして、使用者の指示があった場合に即時に業務に従事することが求められていて、労働から離れることを保障されていない状態で待機などをしている時間、これはいわゆる手待ち時間と呼ばれておりますけれども、これが労働時間に該当するものでございます。こういった考え方について、四月十九日に御答弁させていただいたものでございます。
 オンコールでの待機時間が労働時間に該当するか否かというのは、こういった考え方に基づいて個別具体的に、即時に、即時というのはすぐに対応しなければいけないということでございますし、労働から離れることが保障されていない状態なのか、そういったことを踏まえて労働時間に当たるかというふうに、これについても個別具体的に判断されるものでございます。
 ただ、この点については、もう少しその考え方が明らかになるべきではないかという御意見もいただいているところでございまして、このオンコールにつきまして、その実態もよく伺いながら、そういった考え方をより明らかにすることができるかということについて検討してまいりたいと思っております。
 それから、使用者性についてでございますけれども、労働基準法における使用者でございますけれども、これは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をする全ての者をいうとされておりまして、部長とか科長などの形式にとらわれることなく、各事業におきまして、労働基準法各条の義務につきまして実質的に一定の権限を与えられているか否かによって判断されるものでございます。
 病院とかあるいは介護施設における使用者の範囲につきましても事業運営の実態に即しまして個別具体的に判断する必要がございますけれども、一般的に病院における院長あるいは介護施設における施設の長につきましては当該事業の労務管理について一定の権限を有していると思われますので、その権限を有する範囲において労働基準法の使用者に該当するというふうに考えております。
#125
○足立信也君 前回、山越さんが随分思い切ったことを言うなと僕は思ったんですよ、待機時間についてですね。皆さん、でも、それで、ああ、そうなんだと前回納得したのに、やっぱり帰ってみたら修正に入ったということですね。止めてもいいんですよ、僕、ここで、がんがんやって。
 ということは、院内で待機していたら全部労働時間でいいんですね。
#126
○政府参考人(山越敬一君) それも今と同じ考え方で判断されるというふうに思っておりまして、労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいうものでございまして、使用者の指示があった場合に即時に業務に従事することが求められていて、その労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間、これが労働時間に当たるということに解釈されるものでございます。
#127
○足立信也君 だから、具体的に言っているんですよ。院内待機は全部労働ですね。
 それから、使用者は、さっき院長と施設長と言いましたね。それ以外は駄目なんですか。就業規則で科長の指示に従うとか部長の指示に従うとかなっていて、それでも駄目なんですか。
#128
○政府参考人(山越敬一君) 院内における待機につきましても、使用者の指示があった場合に即時に業務に従事することを求められている、それから、労働から離れることを保障されていない、休憩時間は離れることが許されるわけでございますけれども、そういった状態で待機している時間であれば、これは手待ち時間になりますので労働時間に該当するということになります。
 それから、使用者につきましては、これは今申しましたように、労働者に関する事項について、事業主のために行為をする全ての者をいうということでございます。したがいまして、労働基準法のそれぞれの規定がございますけれども、その義務について実質的に権限を与えられているかどうか、与えられている人については使用者ということになるということでございます。
 したがいまして、例えば今申しました院長に限らず、そういった権限のある人はその範囲において使用者になるということでございます。
#129
○足立信也君 二点聞いたんですが、一点、後半の方の、権限を施設長あるいは院長から与えられている人の指示であれば、これは労働時間になるんだと、これはもう明確になりましたから。また次回覆されると大変なことになりますけど、でも、今そう言いましたからね。
 それから、二点目は、これ、だから、僕は具体的に、院内で、業務命令で、今日はこの患者さんが危ないかもしれないから院内で待機しなさいと、そうなった場合はこれは労働時間ですねと具体的に言っているわけです。今申し上げたように、労働から離れることを保障されていない状態で待機等をしている場合は労働だって言ったわけですから、病院内で待機するのは当然労働じゃないですか。それをはっきりしてくださいと言っているんです。
 あるいは、例えば、もう一点言いますよ。我々は、禁足といって、十五分以内に到着できるところでずっと足止めをすることがあります。皆さんも当然そうだと思います。病院から十分、十五分以内に必ず来れるところにいなさい、これはどうなるんですか。
#130
○政府参考人(山越敬一君) 今の待機、院内、院外でございますけれども、これは今、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、即時に業務に従事するということでございます。そして、その際に労働から離れることを保障されているか、自由利用ができるかどうかと、そういったことで判断をするということでございまして、そういった自由利用ができない、それから即時に、十五分とかということでなくて、即時に業務に従事するということが求められている場合は労働時間に当たるということになるのではないかというふうに解されるというふうに思います。
 それから、使用者性につきましては、労働基準法に、例えば三十二条であれば労働時間についての規定があるわけでございますけれども、労働基準法の労働時間についての、労務管理についての権限、例えば業務命令、残業命令を発するということであれば、そのことについて使用者としてその人は義務を負うということでございまして、何か、ある人が全てについて必ず労働基準法の全体に使用者上の義務を負うということには解されないわけでございます。あくまでも、労働基準法各条の義務についてその権限が与えられている、そういった方については使用者になり得るというふうに考えているところでございます。
#131
○足立信也君 国会の審議で議事録を残すことの大事なところは、今まで全体どこでも、曖昧だとなっているところを一つ一つクリアにしていって、今は、働き方改革も当然なんですが、労働時間ということについて、この医師法、医療法もそうですが、そこが一番の問題になっているわけですよ。だから、これはどう捉えるんですかという質問を前提に、法案に入る前に僕はこの前聞いたわけですよ。そこを確認したらどうもむにゃむにゃむにゃむにゃと変化してきているので、困るわけですよ、それだと。
 なので、もう一回、一個一個行きますよ、じゃ。実は、今日の質問にまだ一つも入れていないんですが、一個一個行きますよ。
 当然、診療の科長であるとか部長が業務命令で自分の科員あるいは部員に指示をします。これは待機しておかなきゃいけないということを言います。それは、使用者の範囲からの指示だというふうに捉えて、当然のことながらそこは労働時間と考えられるんですね。まだ命令系統の話ですよ。ここがまず一点。いいんですねということをさっきから聞いているわけです。それはいいんですね。
#132
○政府参考人(山越敬一君) 一つは、明示又は黙示の使用者からの業務の指示があれば、それは労働時間に該当するものです。
 それからもう一つは、使用者かどうかということでございますけれども、そういった業務命令を発する実質的な権限を持っているかどうか、そういった方は労働基準法の労働時間、その義務の規定がございますので、その義務に関するそういった権限を持っている方は、実質的に持っている方は労働基準法上の使用者に当たると思います。
 他方で、上司の命令を単に伝達しているにすぎない、そういった方については使用者には当たらないということになろうかというふうに思います。
#133
○足立信也君 この点はちょっとクリアになりました。権限がある人が指示した場合は、これはもう労働だと。
 次は、先ほどの、院内待機と僕は表現しました。これ難しいのかもしれません、即時性で答えられたのでね。
 実は、大きな病院は、例えば十五階とかにいて、それで外来に急遽呼ばれて行って、十分掛かったと。即時性がないと言われたら、それはアウトですよ。一生懸命急いで行っている。少なくとも同じ医療施設内で待機していたら当然労働なんじゃないですか。時間の問題じゃないと思いますよ。あるいは、レジデントといって、もう宿舎をすぐ脇に備えていて、呼んだら十分以内に来ると、待機で。これは即時性があるとかないとかの話ではなくて、その業務命令に応じて待機しているんだと、いつでも即応できるようにしているんだと、これは労働でしょう。そこまでははっきりしてもらわないと時間規制ができないですよ。どうです。
#134
○政府参考人(山越敬一君) この労働時間についての考え方でございますけれども、大変恐縮でございますけれども、今考え方として示されているものは先ほど来申しているものでございまして、いずれにいたしましても、具体的な個々の事案が労働時間に該当するかどうかというのは先ほどの基準に照らして判断するということでございますが、他方で、こういったことにつきまして、必ずしも考え方が明らかになっていなくてその基準が明らかでないという御意見もいただいているところでございますので、この点については実態もよく伺いながら検討をしていきたいというふうに思います。
#135
○足立信也君 これ、訴訟事案で、個別の判決によってということを言われないだけまだいいんですが、今の話からいくと、一定の基準がなくて全部個別個別に判断するしかないという話になりつつあるので、それじゃ全体の働き方改革の話にならないですよ。
 だから、少なくとも、さっき即応、即時性という話がありましたけれども、命令の下にそれに対応するために待機しているというのは少なくとも労働時間だと当然認めてもらわなければ、この後、議論難しいんじゃないですか、今検討会、医師の働き方等をやっていますけれども。私はそう思いますよ。
 先ほどもう答弁、これ以上はもう話はできないと言いましたから、命令、権限を持った方の指示で即時性がある対応で待機している場合は労働時間、これでいいですね。もうそれしか解釈のしようがないと思います、今の答弁からいくと。
#136
○政府参考人(山越敬一君) 使用者の指示があった場合に即時に従事する、そして、その労働から離れることを保障されていない状態だということで、使用者の指示があったということであれば、業務に従事するという使用者からの明示、黙示の指示があったということであれば、それは労働時間だということになると思います。
#137
○足立信也君 やっと一つクリアしました。
 まだ前回の、二点あると申し上げたので、これ武田局長なんですけれども、前回、高度プロフェッショナル制度の原型が出た二〇一四年の話をしました。田村元大臣が、医師の給与は確かに高い、収入は高いけれども、時間給に直したら最低レベルだと、こういう働き方の人を増やしてしまうという懸念を示されました。それに関連して、じゃ、医師の労働時間というのはきちんと把握できているんですね、年収は把握できているけれども、その労働時間で割った時間給というものはきちんとできているんですねという質問に対して、武田さんの方から、所定内実労働時間を利用して五千二百円だという話が出ましたが、私が聞きたいのは、当然のことながら、休日労働、時間外労働、これの実態でどれぐらいの労働時間があるから田村元大臣の発言のように最低限の時間給になっているんだということで、それの時間給というものについて、実際の労働時間を、所定内実労働時間じゃなくてですよ、実際の労働時間を把握できているんですか、できていませんねという僕は質問だったわけですよ。その点についてはどうですか。
#138
○政府参考人(武田俊彦君) 前回の質疑のときにお答えを申し上げたのは、平成二十九年の賃金構造基本統計調査に基づきまして、この所定内実労働時間数とその賃金との関係におきまして計算をして数字を申し上げたわけでございますけれども、今委員から御指摘のありましたように、実際の労働時間、これの把握は、様々、調査の限界もありますし、実際にどこまで把握できているのかという議論もございます。例えば、働き方検討会の中におきましても自己研さんの議論というのがございますし、また、宿日直につきましても、これを労働時間に含めるのか含めないのか、これ労働基準法上の労働時間に入るのかどうか、こういう議論もございまして、正確な形で実労働時間に即した給与というのはなかなか明確な形でお示しするのは難しい面もあろうかというふうに思います。
 そういうこともございましたので、前回は所定内給与と所定内労働時間で計算をして五千二百円というふうに御答弁を差し上げたということでございました。
#139
○足立信也君 お二人に再確認した意味は、これから実際の労働時間であるとか時間給に、最終的には直せると思います、収入の問題。これ高プロに関連して絶対に調査しなきゃいけないはずです、もう既にあると思いますが。そのときに、調査するための基準が、定義がしっかりしていないから、今確認してやりたかったんです。
 先ほど山越さんは最後に検討ということをおっしゃいましたが、検討は私の方の質問で打ち切ったつもりです。この定義でいいんですねということで了解されたからいいと思いますし、それに基づいて医政局としては調査すべきですよ。実際にどうなっている、それは、時間外労働、休日労働がこれからもし変わっていくならば、前年度収入じゃなくなりますし、どれぐらいの変化が起きるということも反映させなきゃいけないですから、今調査をするにおいての定義をやっとそこで確定したというふうに捉えてもらいたいと実は思います。
 やっと今日の内容に、僕は法案に沿って質問したいと思うんですが、その前に、今回は地域間の格差、そして診療科間の格差、これが今の医師の偏在ということになっているわけで、これを解消する一助にするためなんですが、前回も、要はなぜ偏在が起きたのかということでお聞きしたんです。これは、家庭環境、教育環境等々の話が武田さんとの間でありましたけどね。
 でも、これ日本病院会のアンケートでは、なぜ偏在が起きたかということの三つ上位から挙げていくと、一番が大病院の都市部集中であると。これは先ほどの教育環境、住居の環境等々に関連すると思います。二番目が新医師臨床研修制度の影響であると。三番目が大学医局制度の崩壊である。これ、二番目と三番目は非常にリンクした話なんですよ。今日の参考人の方の一部から発言がありましたけれども、今までの議論の中で、私聞いていて、臨床研修制度が医師偏在を生んだということで、これを見直さなきゃいけないという指摘がほとんどなかったような気がするんですよ。
 この臨床研修制度、一旦見直しがありましたけれども、これは医師偏在にどの程度関わって、関与していて、関係していて、ここはどう見直すべきだという議論はされているのでしょうか。
#140
○政府参考人(武田俊彦君) 今御指摘のございました日本病院会のアンケート、私どもも拝見をさせていただいておりまして、この中で新医師臨床研修制度の影響ということが御指摘されていることも御指摘のとおりでございます。
 私どもの認識といたしましても、この臨床研修の義務化以降につきまして、研修医の基本的な診療能力の向上が見られた一方で、大学病院で臨床研修を受ける医師が減少したというのも事実でございますので、大学病院における医師派遣機能が結果として低下をして、医師不足問題が顕在化したきっかけの一つになったのではないかということも私どもの認識として申し上げているところでございます。
 今回の法案の中におきましては様々な医師偏在対策を取り上げているところでございますけれども、医師養成過程の在り方がこの医師偏在にも影響があるだろうということが御指摘をされているところでございまして、都道府県知事への権限の付与という観点から幾つかの項目が盛り込まれているところでございます。
 一方で、今臨床研修自体につきましての見直しの議論はどうなっているのかというお尋ねでございますけれども、この臨床研修につきましては、大学教育、初期臨床研修、それから後期研修としての専門医研修、これを一体のものとして見直す議論を今行っているところでございますので、そういった議論の中で必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。
#141
○足立信也君 一体的な見直しの中でということなので、見直しをするということは言われているわけですから、それには私の意見も申し上げたいと、そのように思います。
 医療法、医師法の法案の趣旨に沿ってなんですが、でも、大前提はやっぱりこの前から議論がありました医師偏在の度合いを示す指標ですね。これはずっと言われていますが、私、前回聞き漏らしたのかもしれませんが、どの会議体でいつまでにこの指標というのを出されるんですか。そこだけ明確にしてください。
#142
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 この医師偏在指標の詳細な制度設計につきましては、法案成立後速やかに、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会という分科会ございますが、ここで議論を積み重ねてまいりましたので、この場で議論をしていただきまして、この分科会での結論を得た上で、いつという意味におきましては平成三十年度中、今年度中に医師確保計画の策定方法を都道府県にお示しする中で明らかにしていきたいと、このようなことで考えております。
#143
○足立信也君 分かりました。
 先ほど三浦さんからも質問があったんですが、今日の参考人の中で、やっぱり私が以前から申し上げている県境、この問題が非常に実際に合っていない。都道府県の知事の権限が強くなり、協議会でほとんど決めていくことになるわけですが、例えば相馬市長の立谷さんは、ある例を取ると、循環器疾患になったら相馬なんだけど仙台に行きますということですね。
 これもう県境を越えて、そこで専門医の配置やら構想を作っても、それは、福島県から宮城県に行きますという構想を作ってもまたしようがないわけで、その県境問題こそ、都道府県にお任せするのではなくて、やっぱり厚生労働省がリーダーシップを示さなきゃいけないと思います。
 例えばちょっと例を挙げますと、これ、JCHOの佐賀県伊万里市にある伊万里松浦病院が長崎県松浦市に移転する、松浦中央病院になる。伊万里市内での建て替えを考えていたんだけれども、言っていいのかどうか、地元医師会が反対したと。松浦市は、救急患者さんの七割が市外へ出ていたので、住民の方から誘致活動をされていたと。でも、市の医師会が反対で紛糾していたということです。これ、県をまたいでの話ですよ、移転の話なんですけどね。
 やっぱり地域医療構想区域というのは、二次医療圏で三百四十か、もうちょっとあるんでしょうか、その中で、今日も参考人のときに申し上げたんですけれど、知事さんというのはほとんどが県の医師会のやっぱり支援を受けていると思うんですよ。それは、その県内のことはしっかり対応する。となると、県境問題で今の移転のような話は県同士の利害関係じゃないですか。これを協議会であるとか知事さんにお任せするというのは、私は無理な話だと思いますよ。
 松田先生は、やっぱり以前から私との話の中で、二次医療圏という考え方自体がもう無理があると。フランスでも地域内での偏在が激しいし、日本では二次医療圏内の偏在が激しいわけですよね。だから、自宅から何分以内にどこにあるかと、どれだけの医療施設を用意するかということの方が大事だという、彼はそう言っていましたし、立谷市長は、だから、都道府県単独ではできない話なので、県をまたぐ話なので、これは連合会等を早急につくった方がいいのかもしれないという提案もされていました。
 だから、協議会、それに基づく都道府県知事の権限が強くなった場合の、特に県境に関すること、県をまたぐ話について、これは是非厚生労働省としては関与を強く、それからリーダーシップを発揮すべきだと思いますが、それはいかがでしょうか。
#144
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘ございましたように、二次医療圏を基本として、地域医療構想でございますとか基準病床とか都道府県に策定をしていただいているわけでございますけれども、地域によりまして、又は特定の高度医療につきましては、二次医療圏単位で考えるよりは近くの医療圏と一体的に考える必要がある、こういうケースが出てきているのも御指摘のとおりだというふうに思います。
 ただ、都道府県知事に権限を移譲していくとなりますと、都道府県の中での権限となりますと、その県域の中での権限の行使ということになります。したがいまして、隣接している県の場合につきましては、その県と県の間で調整をしていただく必要が出てくるということでございまして、例えば、ちょっと今御指摘をいただいた伊万里松浦の辺りではないんですけれども、岐阜県とそれからお隣の長野県で、岐阜県の東側の東濃圏域では長野県からの流入患者が多いということで、地域医療構想、又はその基準病床を作るときにここの扱いが議論になっておりまして、ここでは、岐阜県では、隣接する長野県、それからさらに愛知県との間でも県間調整協議というのを適宜実施をしており、その結果を地域医療構想とか医療計画の中に反映をしているというふうな事例もございます。
 例えば、道路整備とか様々な状況によりまして、交通アクセスの問題などによって、また基幹病院の設置によって、二次医療圏単位で考えられないケースは今後も出てくるというふうに思いますので、厚生労働省といたしましても、まずは一義的には都道府県で考えていただくということが基本になるとは思いますけれども、広域間調整については、私どもとしても、厚生労働省として間に立って助言をするようなことを含めて、適正な形の地域医療の確保ができるように考えていきたいというふうに思います。
#145
○足立信也君 どっちかしかないと思いますね。そういう問題が生じた場合に、そのあっせんするために厚生労働省を利用するのか、それともあらかじめ想定して、その地域ごとに連合会みたいなものを、立谷市長の発想のように、どっちかしかないと思います、これ必ず問題になりますから。そこは問題意識はあるということで、検討をお願いしたいと思います。
 次に、地方への勤務が、武田さんの前までは、将来の地域医療支援病院のある一部の病院長の要件だったのが認定制に変わったと。でも、それが一つの条件であることは変わらないわけですよね。
 私は、今の若い医師の方々がその地域医療支援病院のある一部の病院長になることが、若い方だけではない、もうちょっと行った方もそうですけど、インセンティブになるとは僕はとても思えないんですよ。私なんかないですね、そんなの。
 そこで、もう一つ言われているのが、じゃ、経済的支援してくれって結構出てくるんですよね、例として専門医の取得とか更新に掛かる費用支援とかありましたけれども。ちょっと前を思い出してください。三重県尾鷲市は五千万円で医師を雇ったじゃないですか。でも、次の年はもう辞めましたよね。経済的支援を求めているわけじゃないんですよ。今日の参考人の植山先生も、若い方ほど労働環境で診療科すら選ぶ、働く場所も労働環境で選ぶというふうな、当然そうなってきているわけですよ。
 なので、経済的支援と言われていますが、この認定を取るためにどういうインセンティブを考えておられるんですか。そこをお聞きしたいと思います。
#146
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘のありましたこのインセンティブの考え方につきましては、検討会でも長い間、様々な御議論がございました。今さっき、ちょっとお話の中で触れられておりましたように、なるべく広い病院の管理者というような管理者要件という御議論もございましたけれども、最終的に検討会の中では、地域医療支援病院の中の一定の病院の管理者要件、管理者としての評価ということで合意を得たところでございますけれども、それ以外にも様々な御指摘がございました。
 一つ重要な御指摘は、そもそも地方勤務に対する意欲は多くの医師が持っているにもかかわらず、行けない阻害要因があると。この阻害要因を解消するのが急務ではないか、優先事項ではないかという御指摘もありましたし、インセンティブという意味での経済的インセンティブもあるだろうという御指摘もありましたし、何らかの形で評価をするというような御指摘もあったところでございます。
 今回の法案に盛り込んだ事項といたしましては病院の管理者としての評価ということでございますし、法案以外のものとしては様々な予算措置で経済的インセンティブも講じてまいりたいというふうに思っております。これについて十分なのかということは多くの方からも御指摘をいただいておりますけれども、私どもとしても、なるべく多くの方々からの御意見を踏まえて、今後の予算要求その他の要求につなげて、少しでも多くの方に実感を持っていただけるようなことを工夫してまいりたいというふうに思います。
#147
○足立信也君 ポストはインセンティブにならないんですよ。インセンティブになるのはやりがいなんですよ。だから、そこを履き違えると大変だと思いますし、先ほど五千万の例を出しましたが、並大抵の経済的支援ではインセンティブになりません。
 それから、地域医療支援病院、これ五百以上あるんでしょうか。公立が多いですよ。公立の病院長ポストというのは、皆さん御存じのように、ほとんど大学人事ですよ。しかも、違う県のところまで当然そうなるわけですよ。大学人事であればあるほど安定的に医師が送り込まれて、その地域の人たちは喜ぶわけですよ。安定するんです、人の確保がですね。
 これが、今現状は、これを変えなきゃいけないという問題意識は私はあってもいいとは思いますけれども、県外からの影響強い。私は大分ですけど、当然福岡からの影響は極めて大ですよね。そんなときに、これから先、都道府県知事の権限強くなって、病院長の、地方に行った人に認定してその資格を付与するみたいな形、条件になるのかな。といっても、それより以上に安定的に供給してくれる人事を持っているというところの方がはるかに大きい。そこに、都道府県主体で安定的に保てるのかというと、やっぱり物すごく疑問ですよね。
 これは、今の大学医局の崩壊というのが先ほど偏在の原因としても挙げられているというのがありましたけれども、やはり安定的に人がそこに行くんだということは、これは完全にそれをやめるべきだという考えではないですよね。その折衷を図ろうとしているんでしょうか。あるいは、その大学間と、違う県にある大学についてもそこの知事ともまた話しなきゃいけないし、本県の知事はどうやって主体性を示すのかと僕は物すごく疑問なんですが、今のやられている主に大きな公立病院の人事のところはどう変わると思われますか、この仕組みで。
#148
○政府参考人(武田俊彦君) 大変難しい御質問でございますが、どう変わるということを我々が期待しているかというふうにお答えをさせていただきますと、やはり現実問題といたしまして、公立病院の病院長人事に大学の医局の影響が大きいというのは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、今回、地域医療支援病院のうち、医師派遣の機能を持つ病院についてはこのような管理者としての評価を考えたらどうかという議論になった理由といたしましては、やはり地域医療支援病院のそもそもの目的自体が地域医療の支援ということでございます。そして、その地域医療支援病院に、その所在する地域の地域医療の支援だけではなくて、医師少数区域の地域医療も支援していただきたい、こういうことを考えていかなければならない、そういう議論になったときに、一定の地域医療経験、地域での勤務経験ということがこの地域医療支援病院には望ましいのではないかという議論がございましてこのような案を提案をさせていただいているところでございまして、そういう意味におきましては、大学などの関係者に対しましてもよく今回の趣旨を御説明をし、御理解をいただきまして、大学の医局においても非常に地域医療についての理解をやはりいただくことを我々として期待していきたいというふうに思いますし、一方で、初期臨床研修制度、それから後期の臨床研修制度の中で、大学の医局ではなく地域の病院に勤務する道を選ぶ医師も増えているところでございますので、そういう意味におきましては、大学の医局と地域の医療機関が一体となって少数区域を支えるということもあっていいのではないか。
 こういう様々な観点があって今回の案になっているということでございまして、御質問にきちんとお答えできているかどうかは若干自信もございませんけれども、私たちの期待するところといたしましては、そういう形で様々な関係者に、より医師少数区域での勤務を理解をしていただき、国の方向性についても是非協力をしていただきたい、そしてそれを、地域地域でいいますと地域医療対策協議会の中で関係者がそろって一体として取り組んでいただきたい、こういう希望を持って今回の法案を出させていただいているということでございます。
#149
○足立信也君 今日の予定はもう半分も行っていませんが、これぐらいにしておきたいと思うんですが、私も大学人というか、十年以上勤めていたわけで、大事な点は、医学を学ぶということは全員が全員臨床医になろうと思っているわけじゃないということです。この国に必要なのは公衆衛生の分野であったり基礎研究の分野で、東大だって昔に比べれば基礎研究に進む人はほとんどいなくなりましたよ。こんなことでいいのかと。ノーベル賞を取った人たちは、昔の時代の、研究に没頭していた人たちですよ。
 今の、櫻井さんもこの前言っていましたが、大学が追い求めていくべきことが本当にそこにあるのか。人の少ない地域のことも大学に理解してほしい、それは分かりますよ。分かりますけど、大学の使命というのはまた別にあることであって、このことは、次回もあるでしょうから、私もまた質問したいと思います。
 今日は以上で終わります。ありがとうございます。
#150
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 ゴールデンウイーク後に立場が変わりましたけれども、引き続き厚生労働委員会の一員としてしっかり議論に参加をしてまいりたいと思います。
 また、先週金曜日の参議院沖縄及び北方問題特別委員会で、新たに委員長の職を拝命いたしました。今回、委員長並びに両筆頭理事、また理事会メンバーの皆さんの御承諾をいただいて、引き続き厚生労働委員会で質問に立たせていただけるということで確認をいただきました。感謝を申し上げて、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
 それではまず、私は、今日は国民の側といいますか、利用者の側の視点でいろいろと本法案に関わる様々な懸案事項、課題についてお聞きをしてまいりたいと思います。今、足立委員からいろいろ取り上げていただいた課題、私も同じ問題意識で、ただ、逆にユーザーの視点での、観点での質問をしていきたいと思います。
 まず、大臣に基本的なことを確認をしていきたいと思いますが、今回、医師の偏在ということですが、ということは、国民の皆さんの側から見れば、要は御自身がお住まいになっている地域、住み慣れた地域において受けることができる医療に大きな格差が生じている。それによって、例えば遠方までお金を掛けて行かなければ必要な医療サービスが必要なときに受けられないとか、こういったことが生じているということを考えれば、やはりこれ、国民の皆様に保障された基本的な権利、そこにも関わる、移動の権利、住み慣れたところに住む権利、そういったところに関わる大変根本的な問題である、だからこそ解決しなければいけないんだというふうに捉えておりますが、大臣の見解をまずお聞きしたいと思います。
#151
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど、地域をどうしていくのかということに関して、医療大変大事だということを申し上げました。まさに今、石橋委員御指摘のように、医療機関に、いつでもどこでも安心して医療を受けられる体制をつくっていくということで私どもこうした体制をつくり、そしてそれを支える基盤として皆保険制度があるわけでありますから、そういった意味においても、今この状況の中で、過疎地域においては人が減ってきてなかなかそのニーズを維持することが難しくなってきて、そして基盤が崩壊をしていく、あるいは都会においては高齢化のニーズがぐっと増えていくことによって結果的に、相対的に診療にかかりにくくなっている、そういった状況に対して、最初に申し上げた、いつでもどこでも安心して医療を受けられると、こういった体制の構築に向けて引き続き努力をしていくことは不可欠だというふうに思います。
#152
○石橋通宏君 今大臣も触れていただいた国民皆保険制度、本当に世界に誇るべきこの制度をこれからもやっぱり維持していかなければいけないという観点からも、この医師の偏在、これしっかりと解決に向けて努力をしていかなければいけないということだと思います。
 そこで、この問題議論するときにやはりどうしても衝突をするというか、ぶつかってしまうのは、じゃ、医師の皆さんに対して何らか強制ができるのか。医師の皆さんの職業選択の自由、どこで医療を提供するのか、それを選ぶ権利、これはやっぱりもう一方であるんだと思います。しかし、今申し上げたような、大臣も確認をいただいたような国民の皆さんの権利も考えたときに、じゃ、国民の皆さんの権利と、その医師の皆さんに対して強制をしていいのかということがどうしてもぶつかってしまうのではないかと。
 今回、医師の偏在、この法案検討いただくときに大臣としてこの部分の権利の衝突についてどういう整理をされたのか、お考えがあればお聞かせください。
#153
○国務大臣(加藤勝信君) むしろ、そうした検討の場においても、今、石橋委員からお話があった、一方で、もう割り振っていくべき、言わば、端的に言えば強制的に物をしていくべきだという意見があり、また他方で、職業選択の自由であり、どこで開業する自由があって、そういったものをやっぱり尊重していくべきだと、こういった意見がそれぞれあるわけでありまして、その間においてどうそれを調整していくのかという中において、先ほどから説明させていただいている例えばインセンティブを付けて、元々、例えば地方と都会の話をさせていただければ、地方で医療をしたいという方がほとんどいないということであればまた別ですけれども、いろいろアンケート調査をすれば一定程度おられる。そして、おられるに当たって、しかしそれを実現するために壁があるんであれば、その壁をまずどう壊していくのかということで、今回、十分なインセンティブかどうかという話は今議論がありましたけれども、そういったことをトライをしていくことによってこの偏在というものを解消していきたいと、こういうふうに考えているところであります。
#154
○石橋通宏君 私、個人的には、やはり国民の皆さんの本当に安心、安全を守る、皆保険制度を守るという観点からいけば、やはり医師の皆さんに公共の福祉の観点から一定程度の譲歩をお願いできないか、お願いすべきではないか、堂々と議論すべきではないかという立場に立っていろいろとこの法案も考えていきたいというふうに思っております。
 今日午前中に、参考人の中で松田参考人がフランスの事例を御紹介をいただきました。私、大変興味深く拝聴いたしまして、大臣、フランスの事例は御存じなのかどうか分かりませんが、地域別そして診療科別にもう募集数を決めていると。どういった地域地域でニーズがあるのか、診療科でニーズがあるのか、それによってもう募集数決めてしまうと。それが、医師を希望される方がその募集数で、枠で決めていくということで、これを、もう診療科偏在を解消していく、そういう道を選ばれて実践をされていると。
 こういったことも我が国でも考えられるのではないか、考え得るのではないかということも午前中に思ったりもしましたが、大臣、もしこのフランスの事例御存じでしたら、少し見解を伺えればと思いますが。
#155
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、私、必ずしもこのフランスの事例を承知しているわけではありません。ただ、フランスでそういった、医師の中にそういう形のものを入れるという場合において、多分、一般の職業の選択等々においてもやっぱり違う文化があって、その文化の上に乗っている部分もあるのではないかなというふうに思います。
#156
○石橋通宏君 これ、医政局長おいでですが、医政局長、このフランスの事例、今法案を検討されたときに、こういった海外の実情、事例というのもいろいろ検討課題の中であったのではないかと思いますが、こういったフランスの事例、枠をはめてそこで偏在を解消していく、こういうことも検討されたんでしょうか。
#157
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 海外の事例につきましても、検討会の中でも御議論がございましたし、私どもとしても可能な範囲でいろいろ調査を掛けましたが、どこの国もやはり医師の偏在問題というのはあり、非常に悩みながらその国ごとの対策を取っているということだろうというふうに思います。
 例えば、ドイツのように保険医というものを使っている国もあれば、専門医の指定枠の中でいろいろやっていらっしゃる国もあるということかと思いますが、私もフランスそのものについて詳細に存じているわけではありませんけれども、我が国の議論の中では、強制的なものにつきましてはやはり様々な御批判もあり、自由開業医制との関係もあるというような御指摘もございましたので、なるべく、先ほど大臣から答弁ありましたように、望む方を支援するようなインセンティブ、それからそれを妨げる障害の除去、環境整備、こういったものを中心に今回の対策を取りまとめたということでございます。
#158
○石橋通宏君 なぜ私たちがこれ、フランスの事例、大変興味深く拝聴したか。これまさに、先ほど足立委員が質問されたこと私も同感で、この後聞くんですが、本当に今回のこの認定制度そしてインセンティブで、じゃ、医師の偏在解消できるのかと大きなクエスチョンマークを感じざるを得なかったので、今日午前中の参考人の皆様方も、まあ取りあえずやってみようというぐらいで、これで確実にという話は全然なかったわけです。ですので、本当に偏在解消しようというふうに考えれば、これやっぱりこういう制度を本気で考える、検討すべき、もうそういう状況ではないかと強く思いますので、これ、私個人的にも、今後、このフランスの事例始め海外でどういう取組をされているか、また改めて勉強してまいりたいというふうに思います。
 そこで、この今回の認定制度、それからインセンティブです。ちょっとこれ、大臣か、お答えいただきたい。先ほど足立委員は、結局ポストじゃないんだと、しかも処遇でもないんだというふうに言われた。これ、大臣どういうふうに受け止められていますか。ポストでもないんだ、処遇でもないんだと言われたら、この制度駄目ですよね。役に立たないということを暗に、暗にというか、指摘をされてしまっているような感じがしますが、先ほどの医政局長の答弁、ちょっといまいち分かりません。大臣、これどうなんでしょう、ポストでもない、賃金でもない。それ同意されるんですか、大臣。
#159
○国務大臣(加藤勝信君) 確かに、医師が物を判断するときに、経済的なことでどこまで決めているのか、やはり一番はやりがいとか、そういったものであることは間違いないというふうに思います。ただ、それに加えて、やはりそれを、やりがいというのはそれぞれあると思いますけれども、それを、やりがいを、先ほどもありましたように、じゃ地域で、地方で勤務したくないのかといえば、勤務をしていきたいという思いがあり、逆にそうした地域医療における役割を果たしていきたいという方もいらっしゃるわけでありますから、じゃ、そこは後ろから押してあげる、あるいは壁を壊すためにどうするかという中においては、やはりこうした経済的なインセンティブ等々といったものもそれなりに効果があるのではないかというふうに思います。
 ただ、委員がおっしゃるように、じゃどれだけの数が出てくるかと言われても、数量的にお示しするのはなかなか正直言って難しいところでありますけれども、まずはこうしたことを進めながら、また地域においてやっぱり実態をよく見ていただいて、またその上に立ってそれぞれがやっていただく、そういった機運を、ある意味では機運を醸成しながらこれを進めていくことがまずは大事ではないかというふうに思います。
#160
○石橋通宏君 医政局長で結構です、確認させてください。
 地域医療支援病院の管理者、これつまり病院長ということだと思いますが、これがどれぐらいの本当にインセンティブになるんですか。足立委員が言われたとおり、いや、これじゃ全然駄目だという、若い方ですらならないということなのか、いや、これやっぱり魅力があるんだと、それだけ期待を持って活躍をいただいて、この管理者、病院長になる、これが大きなインセンティブになるんだということなんですか、違うんですか。
#161
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 インセンティブとしての効果の大きさについて御指摘をいただいておりますけれども、医師少数区域における勤務につきまして大臣認定制度を入れるということ、そして、大臣認定を条件にして一定の病院の管理者ということを考えていくこと、そして、それ以外にも経済的なインセンティブを可能な限り、予算面、税制面も含めて考えていくということ、こういったことはいずれも初めての試みでありますので、私どもとして地方勤務を可能な限り支援したいということを制度的に明らかにするものであり、一定程度の効果はあるのではないかというふうに思いますが、先ほど大臣からも申し上げたとおり、実態をよく把握をしまして、さらに追加的なものが必要かどうかは、よく施行後の状況も踏まえて議論を続けていきたいというふうに思います。
#162
○石橋通宏君 確認ですが、一定の効果があるのではないかというふうに言われましたが、これ当然、今回この法案出すに当たってマーケティングされたんでしょうね。全国の対象になり得る、そういった、先ほど大臣、大体四割ぐらいの方々は地方で働いてもいい、働きたいと言っていただいている、でもそういう方々にとって、じゃ、これが本当にインセンティブになるのか、これを提供すれば、よっしゃ、じゃ、その四割の方々が喜んでということになるのかどうか、確認されたんですか。
#163
○政府参考人(武田俊彦君) 実際にどういうことが若い医師の方々に魅力あるものとして受け止めていただくのかというのはなかなか確認は難しいかとは思いますけれども、医師によっては、医師のキャリアを考えた場合に、一つは病院の勤務医から病院長というものもございますし、人によっては開業の道を選ばれるという方もいらっしゃいます。私ども、今回はその病院長要件とともに、個人に対するインセンティブの中では、例えば開業を選ばれる場合についても開業支援ということを考えていけないかどうか、これを検討課題の一つに挙げております。
 そういった様々な個別の医師のインセンティブにつながるよう、実効性をもってインセンティブを考えていきたいというふうに考えております。
#164
○石橋通宏君 局長、ストレートにお答えいただいていないんですが、調査はされたんですか、ヒアリングはされたんですか、確認はされたんですかと聞いているので、されていないならされていないと答えてください。
#165
○政府参考人(武田俊彦君) 私ども、どのような調査があるかということでいいますと、地方勤務の希望があるかどうか、これ四四%の医師が希望があると。そして、では行けない理由は何なのか、それについて、労働環境に不安がある、子供の教育環境が整っていない、家族の理解が得られないなどなど、そういったことについては調査を行っております。
 一方で、具体的なインセンティブについてどういうものが望ましいかにつきましては具体的な調査そのものは行っていないわけですけれども、審議会の中で、若手医師も含めて様々な議論を受け止めた上でのこういう制度設計になっているということでございます。
#166
○石橋通宏君 そこが心配なんです。結局、こうやって、やってみようということで出されて、でもインセンティブについて、これが本当にインセンティブになるのか、まさに調査されていない。これから、じゃ、どうしよう、中身具体的にどう考えようという話なので、重ねて、これ本当にこれでインセンティブになるのか、ちょっとクエスチョンマークがむしろ大きくなっているような気がします。
 これ仮に、じゃ、これがインセンティブになって、皆さん希望いただいたとして、じゃ、それ十分なポストはつくられるんですか。この対象となる病院の管理者、病院長、先ほど対象となる支援病院が大体五百と聞きましたけれども、その一部、一体どれぐらいのポストがこれつくられて、希望された、そして認定を受けていただいた、クオリファイされた方がみんな病院長になれるという環境が保障されるということでよろしいんでしょうか。
#167
○政府参考人(武田俊彦君) 今回の提案につきましては、地域医療支援病院の一定の要件を満たすものということでございまして、地域医療支援病院そのものが現在としては約五百五十の病院ということで、全体の八千四百三十五の病院のうちの五百五十ということですから、数として必ずしも多くないというような御指摘もあろうかと思いますけれども、先ほどの効果につきましては、この需給に関する検討会医師需給分科会の取りまとめの中でも、今回の医師偏在対策については、できるだけ速やかに施行し、施行後も速やかに、かつ定期的にその効果の検証を行うべきというような御指摘もいただいておりますので、私どもとして、まず今回の対策を講じた上で、引き続き検証を行っていきたいというふうに考えております。
#168
○石橋通宏君 いまいちよく分かりませんが、仮にそういうインセンティブしっかり検討いただいて、そして皆さんに本当に、じゃ、それで頑張って地域で活躍していこうという選択をいただいた、認定をされる、でも蓋開けてみたら約束されたはずのインセンティブがなかったというような話には、これ決してしてはいけないというふうに私は思います。
 ですので、そこはしっかりとやっていただかなきゃいけないというふうにも思いますし、あと、重ねて、これ病院の管理者に当然、じゃ、全員がなれるわけではないかもしれない、認定受けても。でも、認定を受けたことによって一定の経済的なインセンティブなのかは当然あるんだということで、これも理解をしますが、どうなんでしょう、じゃ、管理者になれば一番財政的なインセンティブが大きくて、管理者になれなくても段階的にいろんなインセンティブがつくられると。それは経験に応じてなのか年数に応じてなのか、どこで勤務して、応じてなのか、分かりませんが、そういう認定の中身の在り方、その評価の在り方、具体的な報酬付け、こういうものもちゃんと考慮されて評価をされる制度になるということでよろしいんでしょうか。
#169
○政府参考人(武田俊彦君) 管理者要件ということで、その五百五十ある地域医療支援病院の中の一定の要件を満たすものについて管理者になっていただくということでありますけれども、必ずしもそれだけではなくて、様々この大臣認定を受けた上での経済的インセンティブを考えていきたいということで、具体的には、認定医師の専門医の取得でありますとか更新についても支援をしていきたい。それから、医師少数区域に医師を派遣する機能を有する医療機関、そういう医療機関に対する財政支援というものも検討していきたい。その財政支援をする前提として一定の認定医が雇われていることといったことも、今後要件についても議論をしていきたいというふうに考えておりますが、個々の報酬につきましては、これは個々の病院で具体的な勤務条件決められますので、なかなかそこまで具体的に国の方でお示しをするというのは非常に難しいだろうと思いますけれども、いずれにいたしましても様々なインセンティブを私どもとしても考えていきたいということでございます。
#170
○石橋通宏君 余りはっきりしませんが、これから考えるということなんでしょうが、これお聞きしているのは、当然、さっきも話出ました、都道府県内でも医師の偏在はあるわけです。二次医療圏内でも医師の偏在があるわけです。やっぱり、先ほどやりがいという話もあったり、お医者さんの皆さんの就労環境ですとか、経験とか実績を積む環境ですとか、いろんな要素があるんだということを考えたときに、やっぱりその中でもとりわけ過疎地ですとか離島だったり、お医者さんが本当に一人で全部やらなければいけないところに就労いただいたりという、様々な、恐らく医師偏在指標を用いた医師少数区域ということを設定されるわけですが、その中でも特に医師不足で悩んでおられる地域、そこでやっぱり活躍をいただきたいというニーズというのはすごくあるはず。
 であれば、それをちゃんと評価する、この認定制度の下でですよ、そういった評価制度にしなければ、結局、二次医療圏の中でも、例えば少数区域を定めても、その中で環境のいいところにしか医者が集まっていただけないとか、選択をいただけないとかいうことになってしまいますから、認定制度をつくるのであれば、やっぱりそういう本当に困難な地域、お医者さん行っていただかなきゃ困る地域、そういったところに行っていただいて活躍いただく。それも一年じゃない、二年、三年頑張っていただければ、それをちゃんと評価をしていただく。そうじゃなきゃ意味がないと思うから確認しているんです。
 局長、そういったことをしっかりと考慮する評価制度にするんだ、そういう検討をするんだ、それでよろしいですね。
#171
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今回の制度に関しましては、医師少数区域というものを都道府県に設定していただいた上で、そこでの勤務経験というものを大臣認定していきたいということでございますけれども、今御指摘がありましたように、やはり医師少数区域というのも非常に大きな区域でございますし、医師の勤務形態も様々でございますので、本当に地域医療に従事をし、地域医療に貢献をしたということを認定できる制度になるよう、今後要件については議論をいたしますけれども、よく、十分その点も踏まえて議論していきたいと思いますし、本当に医師不足で困っている無医地区ですとか準無医地区につきましては、これまでもへき地対策として重点的な支援を行ってまいりましたので、これからも、この大臣認定制度が入ったといたしましても、やはり重点的なサポートが必要な地域がございますので、それについても引き続き重点的な支援を行ってまいりたいというふうに思います。
#172
○石橋通宏君 これ、大臣にも是非そこはリーダーシップ取ってそういう議論をしていただきたいということは強くお願いしておきたいと思います。
 その上で、一点ちょっと、医師の、先ほど来、処遇ではないんだという意見もありながら、やっぱり処遇も当然関わるだろうなと思って、今回改めて、じゃ、都道府県でどれぐらいお医者さん、医師の賃金で格差なり偏があるのかと思って厚生労働省に聞いてみたら、資料の一、これも先ほどちょっと話がありました賃金構造基本統計調査の資料を出していただきました。私も改めてびっくりしたんですが、単純にこの統計調査を見ると、物すごい格差があるんですよ。例えば、この富山、石川、北陸の数字と青森、岩手の数字からいったら、約三倍の開きがあります。
 これ、大臣というよりは局長なんでしょう。これ、どうしてこんなに差があるんですか。これはちょっと余りに差としてはでか過ぎませんか。局長、ちょっと説明していただけませんか。
#173
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘をいただきました賃金構造基本統計調査、こちらは私どもから提出をさせていただいたものでありますけれども、この賃金構造基本統計調査というものは医師に限って行われた調査ではないため、ちょっとサンプルが必ずしも多くないという問題はあろうかと思います。
 私ども、この調査を個別に見てみますと、都道府県によりまして、平均年齢、この対象になった方の年齢も大分、県によって違うようでございますし、勤続年数も違うようでございますので、なかなか単純な比較は難しいのではないかというふうに考えております。
 御指摘のありました例えば石川県と岩手県では、よくデータに当たってみますと、平均年齢が石川県の場合は三十三歳で岩手の場合は六十歳、六十・八歳とか、若干かなり前提となるデータは違うようでございますけれども、ただ、医師の賃金に地域差があるのもまた事実であろうというふうに思いますし、医師不足の地域におきましては、なかなか医師の確保が難しくてかなり高額な賃金を提示しないといけない地域もある、そういう声も聞くところでございますので、私どもとして、引き続きちょっと実態をちゃんと把握できるようにしていきたいというふうに考えます。
#174
○石橋通宏君 今、局長、最後のところで言っていた、大臣、私が、そういうちゃんと実態を把握されているんですか、厚生労働省はと聞いて、この数字をいただくわけです。今、局長、医師じゃない人が含まれている云々と言われたけど、これ、上のところに、医師、男女、抜粋と書いてあるんですね。そのデータを私いただいたのに、いや、医師と違う人が入っていますから。じゃ、これ何のために私にくれたんですか。全然根拠また薄弱な数字をこの大切な委員会の審議に出されたということだと困ってしまいますが、ちゃんとした数字がない、大臣、厚生労働省として把握をされていない、いや、調査しなきゃいけませんねと今更言われている、これこそが問題ではないかと思いますが、大臣、どうでしょう。
#175
○政府参考人(武田俊彦君) 済みません、先ほどの答弁で、まず岩手につきましては六十・八歳、先ほど六十八と言ったかもしれません、六十・八歳でございます。
 それから、賃金構造基本統計調査といいますのは全ての職種にわたる調査だということでございまして、その中の医師を抜き出したのがこの数字でありまして、その点につきましては、医師、ここにある表題のとおりでございます。
 ただし、そうやって全体の調査の中で医師だけを取り上げるとサンプル数がおのずと少なくなりますので、都道府県別と見た場合に少しばらつきが大きくなってしまうと、その数字のばらつきが大きくなる傾向があるので一定の限界があるだろうということを申し上げたのでございまして、ちょっと誤解を与えましたなら訂正をさせていただきたいと思います。
#176
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から、都道府県ごとのということであります。今確認しても、これ以外にも医療経済実態調査というのがありまして、これ後ろに付いておりますが、これも正直言って都道府県ごとに出すほどそうした数字にはなっていないということでございますので、これ見てもかなり、何といいますか、ばらつきがあって、これで隣の都道府県でこういう状態でというのは普通余り考えられないというようなこともありますので、その辺少し我々も勉強しなければいけないというふうに思います。
#177
○石橋通宏君 重ねて、この間、厚生労働省のいわゆるデータに関わる諸問題、本当に大問題引き起こしておられますので、是非、こういう大切な大切な法案の審議ですから、そういう意味で、しっかりとしたデータ、実態の調査、こういったものに基づいてこの我々立法府、国会で議論できるように、これはちゃんとやってください。これは強くお願いしておきたいと思います。
 最後になるかもしれませんが、もう一つ、今日もこれ議論になっておりますけれども、医師の偏在考えたときに、先ほどの認定制度、インセンティブ、とりわけ若いお医者さんに、地域で頑張っておられる、特に私も各地の離島とか中山間地とか行きますと、本当に若い世代の方々が一人で頑張っていただいております。でも、一部専門家の皆さんは、むしろ若い世代のときには経験積まなきゃいけない、スキル向上しないといけない、だから、一人でそういうところに若いお医者さんをむしろ行かせるのではなくて、逆に、やっぱりベテランで経験積まれた方が、一人でも様々な幅広い対応をされる、できる、そういった方の方が地域で貢献いただくべきではないかという意見もあったりします。
 この点について、今回のスキーム含めて、先ほども少し議論になりましたけど、改めて、大臣、若い皆さんは今後しっかりとそういういろんな経験が積めるところで、むしろベテランの経験された方こそ地方で一年、二年、三年頑張っていただく、そのためのインセンティブを付けていく、そのための環境を整えていく、そういったことを検討すべきではないかという意見に対して、大臣、見解があればお聞きしたいと思います。
#178
○国務大臣(加藤勝信君) 今回のやつもいわゆるキャリア形成プログラムというのを作って、学部から臨床、専門医、そしてその都度、間、間において御勤務いただいて、そうした場合には、専門を履修するためにおいてはまた必要なところで研修していただいてまた戻っていただく、こういう全体の流れの中なんだろうというふうに思います。
 私のイメージ的には、地域でということになると、やっぱり一定の年齢で様々な経験をした方でないと、オールマイティーに対応するということと、それから地域においていろんな方、特に年配の方とのコミュニケーション等を考えて、そういう方をイメージする部分もあります。
 しかし他方で、相当やりがいを持って、私の地元でも若い方が来ていただいているというところもあるので、こうでなければならないというよりも、今言ったこういったパスの中でそうしたところを研修し、しかし、やはり医療ということであれば時にはスキルアップをしていくことも当然必要でありますから、そういう機会を提供し、また、その後の御本人等の意向も踏まえてまたそれぞれの地域で勤務をし、そして、一定になれば先ほどの管理者等になっていただいて、その力も発揮をしていただく、そういう流れを描いていくということが大事なのではないかと思います。
#179
○石橋通宏君 終わります。
#180
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 質問に入ります前に、データの問題で、平成二十五年労働時間等総合実態調査については、裁量労働制の部分についての撤回に併せて、本日、一般労働者の部分についても一部の撤回をされたと新聞報道等で確認されました。データの信憑性が崩れたと、これ明らかだと思うんですね。改めて調査をし直す、労政審に差し戻すということが必要だというふうに思います。働き方改革関連法案については撤回を強く求めておきたいと思います。
 それでは、法案の質問に入ります。
 新たに都道府県が行うことになる医師偏在対策について私も質問したいと思います。
 国が定める医師偏在の度合い、これを示す医師偏在指標、これに基づいて都道府県が医師少数区域と医師多数区域、これ二次医療圏ごとに定めると。それぞれの医師確保目標を達成しようと目指すことになると思うわけですけれども、医師少数区域では不足する医師の増員が目標となるわけですけれども、それでは、医師多数区域、ここではどんな目標になるんでしょうか。
#181
○政府参考人(武田俊彦君) この医師多数区域につきましては、医師の偏在の是正を目的として、医療ニーズや人口構成、患者の流出入等を踏まえて二次医療圏ごとに設定した医師偏在指標を基に、医師が多いと認められる二次医療圏に対して、厚生労働省令で定める基準に従い都道府県が設定するものとなります。
 毎年度、各都道府県へ希望に応じた医学部定員の臨時増員が図られているとはいえ、各都道府県全体の医師数が限られている中では、医師少数区域を中心に重点的な医師確保対策を講じる必要がある。したがって、結果的に医師多数区域から医師少数区域へと医師が促されるような対策が取られることもあると思います。
 ただし、いずれにしても、各都道府県がどのような医師配置の方針を取るかにつきましては、都道府県、大学、医師会、主要医療機関など地域の医師確保に責任を有する関係者が参加する地域医療対策協議会における協議により決定されるものでございますので、都道府県には十分に地域の実情を踏まえた議論を尽くした上で取組を進めていただきたいと、このように考えております。
#182
○倉林明子君 はっきりおっしゃらないんだけれども、少数区域を定めたら多数区域からは回すという流れになるんで、多数区域の目標というのは減らすということあり、ありの指定になることははっきりしていると思うんですよ。医師不足でこれ診療科がない地域とか医療過疎と、こういう実態解決しなければならないという点では言うまでもないことだと思っております。
 一方、人口比で見れば医師数の多い地域、こういう地域でさえも勤務医のところを見ますと過労死が発生するようなもう長時間労働が蔓延しているという状況あるわけです。医師が果たして過剰だと言えるような地域が日本に存在するんだろうかと、これ極めて率直な疑問であります。
 医師偏在指標、これは全国一律の指標となると、運用は実情に応じてというお話ありました。しかし、この指標をどう決めるかという場合、厚労省のさじ加減で、少数区域、多数区域、これ線引き可能になってくるんじゃないかというふうに思います。具体的な指標、これ様々検討していくと先ほどお話あったけれども、どうやって決めていくのか。いかがですか。
#183
○政府参考人(武田俊彦君) 今御指摘をいただいております医師少数区域、医師多数区域でございますが、医師偏在対策ということで、この偏在是正を目的といたしまして、医療ニーズ、人口構成、患者の流出入などを踏まえて二次医療圏ごとに設定した医師偏在の指標を基に、医師が少ない又は多いと認められる二次医療圏に対して、厚生労働省令で定める基準に従い都道府県が設定をするもの、こういうことでございます。
 この医師偏在指標に基づきと、厚生労働省令で定める基準に従いということですので、こういうことをどういうふうに定めていくのかということでありますが、この医師偏在指標を始め、医師少数区域及び医師多数区域の設定の在り方などの詳細な制度設計につきましては、法案成立後速やかに医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会の場で議論をしていただきまして、その結論を得て、平成三十年度中に医師確保計画の策定方法を都道府県にお示しする中で明らかにしていく予定としているところでございます。
 この検討に当たりましては、客観的な議論に資する適切なデータ、こういったことを用いて、しかも医療関係者、有識者にも参加をいただき、この場で十分議論を尽くすということでございますので、可能な限り現場からも納得感の得られるものとなるよう十分検討してまいりたいと思っております。
#184
○倉林明子君 いや、どういう方向に向かっていくのかというところが本当に問われると思うんですよ。
 これは、骨太二〇一五でどういう提起していたかというと、都道府県別の一人当たりの医療費の差を半減させると、これを目指すんだというふうに掲げていたんですね。既に、厚生労働大臣、塩崎大臣でしたけれども、当時、二〇一六年の段階で経済財政諮問会議に資料を提出しています。その一部をこれ資料一枚目に入れました。
 これ見ますと、医療費の増加要因は何かというと、はっきり書いてあるんです、赤い棒、右のところです。つまり、入院では病床数と医師数が医療費を引き上げる要因になっているし、外来では医師数だとはっきり出しているんですね。つまり、医療費の地域差縮減のために、医師多数区域、こうなりますと、医師数減らすという対策を都道府県迫られることになるんじゃないかと、私はこういう方向にならざるを得ないと思うんですね、この方針上。
 多数区域になったら医師減らすというようなことは、機械的にはもちろんだけれども、絶対やるべきじゃないというふうに思うんだけれども、どうでしょうか。
#185
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今の医師の多数区域また少数区域、この医師偏在指標、これはこれから具体的に検討させていただくわけでありますけれども、いずれにしても、医師が偏在をしているという中において、少数区域と多数区域やっぱりそれぞれあるわけでありますから、その地域差を縮減していくということは、縮減をすることを通じて少数区域というものを解消していくということが非常に大事だろうというふうに思います。
 ただ、都道府県ごとにそれぞれ医療ニーズが違うわけであります。年齢構成も違いますし、流出入等もいろいろあります。そういったことを踏まえて一定の客観性を持って適切に講じていくことができるよう、管内の医師偏在を是正し、患者の医療アクセスの改善を図るということが大事でありますから、それに資するように取り組ませていただきたいと思います。
#186
○倉林明子君 医師数が本当に足りているのかどうかということで、参考人の質疑でもあったように、やっぱり絶対的な医師数の不足があるんじゃないかと、ここが観点として全く抜けていると私は思うんですね。医療費削減ありきということで進められているというこの中身については、やっぱり医師の抜本的な増員こそ必要だということを改めてこれ次回にも議論したいと思います。
 そこで、確認したいのは、今回の法改正で、医療計画に新たに外来医療に係る医療提供体制の確保に関する事項、これ記載するとしておりますけれども、その目的というのは何か、端的にお願いします。
#187
○政府参考人(武田俊彦君) 外来医療に関する、その確保に関する事項の記載の目的ということでございます。
 現在、外来医療につきましては、無床診療所の開設状況が都市部に偏っている、また夜間救急連携等の医療機関間の連携の取組が個々の医療機関の自主的な取組に委ねられているなどの課題があったところでございます。入院については、医療計画において、地域医療構想、基準病床数制度など医師資源の不足、偏在を解消する制度が存在をしましたが、外来についてはこのような仕組みがございませんでした。
 そのため、今回の法案では、地域ごとの診療所の開設の状況等を含めた外来医療機能の可視化を行い、新規開業者への参考情報とするとともに、可視化された外来医療機能の不足、偏在等に対応するための方針を地域ごとに策定する、こうした内容について地域の医療関係者が参画し議論する協議の場を設置する、こういう取組を通じて外来医療に係る医療提供体制の確保を進めていく、こういうことが目的でございます。
#188
○倉林明子君 都市部で過剰だというお話あったとおり、その無床診療所の偏在を解消しようということになると、無床診療所の開業規制に、いや、現段階がじゃないですよ、次には無床診療所の開業規制につながっていくんじゃないかというのが現場から上がっている懸念の声でもあります。医師免許ということになりますと開業免許と同じということになりますから、医師の開業の自由、これやっぱり憲法上の権利だという指摘は、私は重たいというふうに思います。大臣、認識どうでしょう。
#189
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘のように、この無床診療所の開業規制の是非についても医師需給分科会において議論が行われたわけでありまして、実際、その中においては、無床診療所の開設に対する新たな制度上の枠組みを設けるべきとの意見がある一方で、今委員お話がありました憲法上の営業の自由との関係の整理、あるいは駆け込み開設の懸念など、法的、施策的な課題を全てクリアしなければそのような枠組みの実現は困難だと意見があり、賛否が分かれ、そして今回の法案改正でもその導入ということは見送っているわけでありまして、御指摘のように、今回のものは別に開業規制というものでは全くないわけであります。
 いずれにしても、そうした中で、今回のこうした対応を通じて、この外来医療の偏在の解消、これにまずは努力をしていきたいというふうに思います。
#190
○倉林明子君 四月二十五日の財政審の分科会で、これ更なる医療提供体制の改革だということで、高額医療機器の配置等と併せて外来医療のコントロールもこれ新規項目に上がっているんですよね。医師の開業の自由も侵害するような対応については慎重の上にも慎重であるべきだということは重ねて指摘をしておきたいと思います。
 びっくりしたのは、この四月二十五日の財政審で、財政制度分科会ですけれども、財務省の提案、後期高齢者の窓口の負担を二割に引き上げるということは従来からも言われていた。さらに、介護保険の利用者負担は原則二割だと。入院医療費負担に金融資産等も考慮し、介護保険の補足給付と同様の仕組みを適用する。大幅な高齢者の負担増、引上げと、全く容認できないということは表明しておきたい。
 後期高齢者の窓口負担二割の引上げに対して、全国老人クラブ連合会の理事から、経済的に苦しい人ほど医療にかかるのが遅くなる実態がある、患者の孤立化、重症化につながると、こういう懸念の声が上がっております。こういう声というのは本当にしっかり受け止めるべきだと思います。大臣、いかがでしょうか。
#191
○国務大臣(加藤勝信君) 後期高齢者の窓口負担の在り方については、もう委員御承知のように、経済・財政計画の改革工程表において、平成三十年度末までに結論を得るということにされておるところでありまして、昨年の十一月八日にも社会保障審議会の医療保険部会において議論を行っているところであります。
 これは、高齢者の負担に係る大変重要なテーマであります。高齢者を取り巻く環境、あるいは高齢者医療費の動向、特性、そうしたことを踏まえてしっかりと議論することが不可欠であるというふうに考えております。
#192
○倉林明子君 厚労大臣だという答弁をしてほしいなと思うんですね。年金は減って、介護保険料って今年度も上がるんですよ。高齢者の負担というのは本当に限界だということをしっかり現実見るべきだと思います。これ以上の負担増というのは、医療、介護を受ける権利、これ低所得者から取り上げることにもつながると、余りにも私は高齢者いじめだと思います。負担増計画については、強く撤回を求めておきたい。
 さらに、財務省というのはすごいなと思ったのが、医療保険の給付率をこれ自動調整する仕組みを導入しようという提案があったと。本当に驚きました。これ資料二を入れておきました。これ考え方、イメージとして財政制度等審議会分科会に配られたものになっています。これ見ますと、医療費が伸びた場合、保険料と公費は抑制する、そうなると何が増えるか、専ら患者負担増ということで賄っていこうという考え方、イメージですよ。つまり、こんなことやったらどうなるかと。患者負担の上限撤廃ということになるんじゃないかと思うんです。厚労省、見解いかがですか。
#193
○政府参考人(鈴木俊彦君) 御指摘の四月二十五日の財政制度等審議会の資料でございますけれども、これ読んでみますと、支え手の負担能力を超えるような医療費の増加があった場合に、ルールに基づき給付率を自動的に調整する仕組みということで、そう書かれているだけでございます。
 したがいまして、どのような形でこれを調整するのかというのは必ずしも明らかに示されておりませんので、上限撤廃ということに本当につながるような制度設計を考えておられるのかどうかというのは今の段階では一概にお答えできないかなと思っております。
#194
○倉林明子君 いや、少なくとも三割上限と、健康保険法の附則第二条一項で将来にわたって百分の七十を維持すると、これは法律で定めたことですよ。医療保険の給付率を自動調整する、こういう仕組みの導入というのは健康保険法と明確に矛盾すると、そういうことになりませんか。
#195
○政府参考人(鈴木俊彦君) 財政制度等審議会で示された制度設計がどういうものかというのは、ただいま申し上げましたように一概に申し上げられませんけれども、その上で、仮に例えば、今御指摘ありましたように、現在法定されております給付割合を自動的に調整するというものであれば、これは、御指摘の平成十四年改正法附則の第二条に抵触する問題が生じ得るものと考えております。
 いずれにしましても、この平成十四年の改正法附則第二条の趣旨、これ踏まえまして、公的な医療保険制度がしっかりと保障機能を維持していけるように必要な取組をしていくというのが最も大事じゃないかというふうに思っております。
#196
○倉林明子君 検討中の骨太二〇一八、間もなく出されることになろうかと思うんですけれども、今後三年間の社会保障費の伸び、これまで以上の抑制を盛り込もうと、こんな動きさえ伝わってきております。
 今回の給付率の自動調整、この狙いは何なのかと。やり方を変えた総額管理につながっていくものじゃないかと私は思うんですね。医療は必要に応じた現物給付、負担は能力に応じて支払う、これ原則ですよ。既に高齢者の負担というのは限界を超えているんですよ。給付率の自動調整、これは優しく見守っている場合ではありません。断固阻止すべきですよ。私は、大臣、その立場で大いに頑張っていただきたいと思う。認識いかがでしょうか。
#197
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも、医療保険制度の持続可能性を確保していくという観点で、その時々の医療保険制度の課題、また社会経済情勢を踏まえて、診療報酬、保険料、患者負担、公費、こういった見直し方策を適切に組み合わせて総合的に対応してきたということでありますから、そうした中で、今回の財政制度等審議会での提案されている中身、まだ詳細は必ずしもよく分からないというところではありますけれども、患者の受診行動や家計といった医療や生活の実態が考慮されないまま患者負担が過大になるおそれがあるということ、また、医療費というのは、インフルエンザ等様々な流行、あるいはこの間いろいろ新薬が導入されてどんと上がるといったこともあります。そうした変動がある。そうしたことが、医療費の変動、そして景気の変動等に応じて頻繁に患者負担が変わるということになりますと、将来の医療に対する国民の安心をどう保っていくのかという懸念もあるわけでありまして、この財政制度審議会の議論にはこういった課題があるというふうに考えております。
#198
○倉林明子君 国民の医療を受ける権利を保障してきた、保障する、これが国民皆保険制度に対する国民の信頼だと思うんですよ。本当にこれを崩壊させるような総額管理、自動調整などという考え方は本当に撤回してもらうように、頑張れ厚労省と申し上げて、終わります。
#199
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日、午前中に参考人質疑ということで、四人の参考人の方からいろいろと御意見を聞かせていただきました。やはり共通して、先ほどからのほかの委員の先生方からも話がありましたが、やはり今回の医療法及び医師法の一部を改正する法律案、これは、医師不足、医師の地域偏在是正、これについては一歩前進はするものの、そう大きな期待が持てるものではないなというふうな実感をいたしました。恐らくこの法案が通ったとしても、五年後、やっぱり医師不足は余り変わっていないんじゃないだろうかというふうな結果になっているのではないのかなというふうに思ったりいたしております。
 そんな中で、まず医師の地域偏在についてお伺いをしていきたいと思いますが、今日は文科省の方にも来ていただいておりますので、まずそこからお伺いをさせていただきたいと思います。
 これまでも医師の地域偏在、これをなくしていくために様々な取組が行われてきておりまして、医師不足とか地域偏在、こういったことも本当に四十年近く言われてきているのではないのかなというふうに思っておりますが、一つとして医学部の定員を増やしていくとか、それから医師の数を増やしていくこと、こういったことで医師不足地域をなくしていく、偏在を解消しようとしてきたわけでありますけれども、まず国立大学についてなんですけれども、国立大学の医学部とか医科大学に対してどれだけの交付金を出されて、それで一人のお医者さんを養成するのにどれだけの税金が使われているのか、まずはお伺いしたいと思います。
#200
○政府参考人(信濃正範君) 大学におきましては、教育と研究が一体的に行われているために、その教育に係る経費のみを特定するということは困難でございます。また、医学部におきましては、医学科と看護学科が一体的に運営されていることもございます。こういった状況ですので、医師の養成のためにどれだけ使われているかというのを正確に算出するということはなかなか難しい状況でございます。
 さはさりながら、こういう条件でありますけれども、例えばある国立の医科系単科大学、ここに対する運営費交付金の予算額、それから学生収容定員を基に一定の条件を仮定して試算をいたしますと、学生一人当たりの運営費交付金というのは単年度で約五百万円、したがいまして、六年間いると約三千万円要するということになっております。
#201
○東徹君 なかなか難しいとはいえども、医科系の単科大学、こういったところで算定していくと、一人当たり五百万円で、六年間ですから三千万円の費用が掛かっているということで、これを税金でもって出していっているというわけであります。
 国立大学は、一つの都道府県に一つ以上の医学部とか医科大学を設置したのは、そもそもそこで学んだ医学生が将来その都道府県で医者として働いてもらう、地域の医師を確保することも目的にあるんだろうと思うんですけれども、そこは間違いないですか。
#202
○政府参考人(信濃正範君) そういう趣旨をもって大学は設置されたということでございます。
#203
○東徹君 各都道府県にそういう医学部、医科大学を設置したのは、やっぱり将来その都道府県で医者として働いてもらうために、地域の医師を確保する目的であったということなんですけれども、それで国立大学については大体一人五百万円、六年間で三千万円支払われているということですね。
 そのために、他の学部よりも多額のこれ税金が費やされていても、やはりお医者さんというのはやっぱり人の命を救う大事な社会的使命を持った役割があるのでやっぱりこれだけの税金を費やしているんだというふうに思うんですけれども、私立の大学についてなんですけれども、これは医学部とか医科大学ではどんな状況になっているのか、これについても分かれば教えていただきたいと思うんですが。
#204
○政府参考人(信濃正範君) 大学におけるお金の問題は、先ほどの国立大学と同様になかなか算定が難しいという事情がございますけれども、ある私立の、医学部医学科のみを設置します私立大学におきまして、私立大学等経常費補助金、この交付額と学生収容定員を基に試算をいたしますと、学生一人当たりは単年度で約四百万円、したがいまして、六年間では二千四百万円となっております。
#205
○東徹君 私立の大学であっても私学助成とかそういったところで一人四百万円の、六年間にしたら二千四百万円、こういった金額が支払われていますよということであります。
 これ、文科省から今お示しいただきましたけれども、相当な金額が、医師の養成を国家施策として取り組んでいるんだろうというふうに思えるわけでありますけれども、この文科省が所管する運営交付金で医師の養成に多額の税金がこれ使われているわけですが、これ以外に、今度、厚生労働省としてなんですけれども、厚生労働省の方の所管として医師確保のために様々な事業というふうなものが行われて、相当な金額が税金を使って用いられているというふうに思うんですが、医師の確保のためにどれだけの予算が組まれているのか、お示しをいただきたいと思います。
#206
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 平成二十九年度予算で申し上げますと、総額で約二百七十億の予算措置が講じられているところでございます。
 具体的には、各都道府県が実施する医療従事者の確保に関する事業に活用できる地域医療介護総合確保基金の中から、この医師確保に関して、地域医療支援センターの運営、看護職員に対する研修、医療勤務環境改善支援センターの運営などの事業に対して補助を行っておりまして、これが総額二百四十億程度となっております。
 また、地域医療介護総合確保基金以外にも、平成二十九年度予算で申し上げますと、産科医不足の医療圏を抱える医療機関に対し産科医の派遣に必要な経費を支援する事業、へき地診療所へ医師派遣を行うための必要な経費を支援する事業などが医師確保対策として予算化されておりまして、これが総額三十億程度ということになってございます。
#207
○東徹君 先ほどお示しいただいたように、全体的には二百七十億円ということですよね。基金ですね、地域医療介護総合確保基金、その分の中の医療部分、そこで二百四十億円ありますよと。お示しいただいた産科医療の補償制度運営費とか、地域の産科医療を担う産科医の確保事業とか、これいろいろ、へき地医療支援機構運営事業等、たくさんありますけれども、こういったものを合わせると大体三十億円ぐらい、トータルして二百七十億円ということでありますが、直近の五年間を見ても同様の税金がこれ使われておるんですけれども、これだけお金を入れて導入してもなかなか地域の偏在がこれ解消されない。これ一体、このお金が本当に有効に効いているのかというふうに思うんですけれども、これ、まず、これだけのお金を出しているんですけれども、これ通告していませんけれども、これの検証ってできているんですかね。
#208
○政府参考人(武田俊彦君) お示しをいたしました二百七十億の予算措置につきましては、いずれも都道府県を通じて実施している事業でございますので、都道府県から実績は報告をいただき、実際の医師確保のために使われているというふうに承知をしております。
#209
○東徹君 だから、都道府県にお金を積んで、二百四十億円、これ積んでいるわけですよね。でも、これ使われているけれども、これがどれだけの効果があるのかとかいうのは具体的には把握はされていないんだろうというふうに思います。
 つい先日でありますけれども、NHKで、青森県の深浦町で年収二千二百万円で医師を募集しても三年間、三年間も採用できなかったと、とうとうこれは公募を断念してしまったということで、こういった地域の医師不足の解消というのはこれ本当に難しいんだなという一例だと思うんですが、これ決して青森県の深浦町だけではないと思うんですね。
 全国でこういったことが事例としてあると思うんですけれども、こういったことについて厚労省として把握をしているのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#210
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘がございましたように、地方の公立病院が医師の募集を行うに当たり、こういう実例はあるわけでございますが、厚生労働省といたしまして、どの程度の年間給与を設定して募集を行っているか、その募集で実際に採用がなされたかについては、つぶさに把握しているわけではございません。
 ただ、医師不足する都道府県や地域におきましては、医師確保に大変苦労されているものというふうに認識をしております。
#211
○東徹君 だから、もう本当にデータというか情報がないんですよね。医師不足医師不足とか地域偏在とか言われているんだけれども、結局、各都道府県、各市町村、どういった状況にあるのかとか、どういったことを事業としてこの医師確保のためにやっているのかとか、これ全然余り把握ができていないんだなということが本当によく分かるんですね。それでもって今回こういった法案を出してきているのかというふうにつくづくこれ思うわけでありますけれども、医師の地域偏在を解消するために、実際に自治体の状況というのはやっぱりきちっとまずこれ把握していくべきだというふうに思いますが、先ほどからの医師不足の、年収二千二百万円で医師を募集しても三年間採用できなくて公募を断念したという、まずはこういったことからしっかりと把握していくべきというふうに思うんですけれども。
 自治体は医師確保のために医学部に地域枠というのを設けてもらって、その学生に多額の奨学金を出すなど、こういったこともしております。例えば、順天堂大学の医学部には新潟県それから静岡県それから千葉県なども地域枠というのを設定して地域医療の担い手を確保しようとしていますけれども、新潟県の場合だと、毎月三十万円、六年間で総額二千百六十万円を貸し付けた上で、卒業後九年間新潟県の指定する医療機関で勤務するなどの条件を満たせば二千百六十万円が返済免除となりますよという仕組みをつくっておるわけですね。この奨学金に掛ける費用、先ほどの私が言いました地域医療介護総合確保基金、こういった基金を使って出している自治体もあるようです。
 費用対効果を考える意味で、実際に全国でどの程度今現在地域枠が設定されて、その地域枠の設定にどれぐらいの費用が掛かっているのか、これについてどうなっているのか、現状をお示しいただきたいと思います。
#212
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 まず、地域枠の設定に関してでございます。平成二十八年度の数字になりますけれども、地域枠の設定につきましては千六百十七名の地域枠が設定されているというふうに承知しております。ここでいう地域枠につきましては、将来地域医療に従事しようとする意思を持つ学生を選抜するための様々な枠について全て集めたものという、これ文部科学省の方で調査をされたものと承知をしております。
 また、地域医療確保を目的とした医学生に対する都道府県修学資金の貸付けでございますけれども、平成二十八年度入学生のうち一千四十三名に貸与されておりまして、その総額は年間約二十三億円というふうに承知をしております。これは私ども厚生労働省の方の調査でございまして、卒後一定期間の県内医療機関などでの勤務を要件に貸与する修学資金の実施状況を調査したものでございまして、それ以外の修学資金の貸与事業については含まないものというふうになっております。
 実際の状況としてはこういうふうに把握をしております。
#213
○東徹君 二十三億円のお金を掛けて一千四十三名ですかね、の地域枠の医師を確保している。それでもまだまだまだまだ足らないから今回こういう地域枠を更に設けていこうということだろうというふうに思うんですけれども、医科大学等への運営交付金、それから医師の確保のための様々な施策について、これ毎年相当な税金を掛けてこれやっているわけですけれども、予算や奨学金などいろんな形で医師の確保、地域偏在の解消、これ取り組んでおりますけれども、じゃ、こういった形でやるのを、いつまでにどの程度解消しようというふうに考えてこういった事業をやっておられるのか、まずその目標とかあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) まず、平成二十年度以降、医学部の暫定定員をずっと増やしてきたわけであります。そして、実際、今九千四百ぐらいまでになってきているという認識をしておりますけれども、しかし、残念ながら、地域偏在、診療科の偏在の是正、なかなか進んでいないというのが今の状況でありまして、今回の法案では、地域ごとの医師数について客観的で全国統一的な数字で表される医師偏在指標、これ、具体的には今年度中にこの在り方を検討して、具体的には三十一年度から導入をしていくわけでありまして、また、それに基づいて各都道府県で医師確保計画を策定をしていただくということでありますので、それを踏まえてPDCAのサイクルを回して、取組の評価、改善を行っていくということであります。
 都道府県は地域ごとの医師確保の目標を立ててその達成のための取組を行うことになるということでございまして、具体的にそれぞれがどう目標を設定するかというのはそれぞれの都道府県の方にお任せをしているということでありますけれども、我々としては、そうしたことをしっかりと定期的にまたその効果の検証を行うことで、医師の地域偏在、診療科の偏在の是正が一つ一つ進むように取り組みたいと思います。
#215
○東徹君 そこが、もう本当にこれだけのお金を掛けて、各都道府県ごとに、じゃ、任せっ放しではなくて、やはりお金を、これだけ国が費用を負担しているんであれば任せっ放しではなくて、やはりそれだけの費用がどれだけ医師不足に、解消できたかどうかということをきちっとやっぱり検証してやっていくべきだというふうに思うんですね。
 先日も武田参考人の方からは、医師本人が地方に赴任したがらない、地方を避けている、そういった御答弁もあったように思います。医師の地域偏在というのは、もう指摘されてからこれ四十年ぐらいたっているわけですけれども、これだけ税金掛けてやっていてもなかなか解消できていない。こんなことをやっていたら、また同じようなことを繰り返すのではないのかなというふうに思うわけであります。
 やっぱりここは、先ほども言いましたように、国立大学の医学部生に対しては六年間で三千万円、それから私立の大学に対しても二千四百万円ですかね、ぐらいのお金を掛けて、これはもうやはり医療に携わっていただく大事な人材であるから、それだけの国としてお金を掛けてやって、社会的な使命をやっぱり果たしていただこうというふうなことだと思うんですね。
 また、それだけでは医師の偏在がどうしても、今日の午前中の話でもありましたけれども、東京一極集中で、かなりどんどんどんどん東京に偏ってしまうというふうなことで、なかなかこれが解消できないということでありますけれども、やはりこういったことについてはいつまでも同じようなことをやっていてもなかなか解消できないと。であるならば、やはり公共性の強いこういった医療ですから、ここはある程度強制的に対策を何かやっぱり考えていかないと、この医師不足というのは解消できないのではないのか、偏在是正できないのではないのかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#216
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほども御議論があったわけでありますけれども、医師需給分科会においても、強制力のある対策を求めるべきではないかという意見がある一方で、医師個人の自己犠牲、努力によってのみ解決されるものではない、言うなれば開業の自由等々あって、医師の意向や希望を尊重した取組を進めるべきではないか、まさにこういう両論があるわけでありまして、そして、結果的に、今回の私どもの法案においても、やはり自主性を尊重しながらいかに医師偏在対策をどう進めていくのかということでありまして、先ほどお話がありますように、医師の労働環境あるいは研修環境の整備、医学教育を通じて医師がそうした地域においても働いていきたいと、その思いをより持っていただく、あるいは実現をしていただく、あるいは関係者の連携で持続的かつ実効性のある取組を進めていく、そういったことでこの分科会においても方針が取りまとめられ、本法案もそれを前提にこうした対策を盛り込ませていただいているわけでありまして、いずれにしても、今委員からお話がありましたように、対策を進めながらいかに結果を出していくということが大事だというふうに思っておりますので、今後、施行に当たっても、それぞれデータ等も集めれるものはしっかり集めながら、それにのっとった対策、そして、それを継続的に実施し、そして先ほど申し上げたPDCAを回しながら、それぞれにおいてどういう効果が現れたのか検証しながら、この医師偏在対策の、解消に努めていきたいと思います。
#217
○東徹君 もう時間ですので終わらせていただきますけれども、検証しながらとか言っていたのでは五年たっても同じ結果が生まれるというふうに思いますので、是非政治的な判断が大事だと思いますので、どうぞ御検討いただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#218
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も、冒頭、裁量労働制のデータ問題に関しては、一般労働者と裁量労働制でデータが間違っていたということで撤回をされて、裁量労働制の拡充は法案から落ちました。しかし、高度プロフェッショナル法案はまだ働き方一括法案の中に入っていて、衆議院で議論中です。でも、報道で、今日も少し説明がありましたが、一般労働者の部分に関してやはり間違いがあったということで、それを除外するということが報道でもありました。実際、データが不完全だったり間違っているという状況で、高度プロフェッショナル法案、働き方改革一括法案、議論できない状況だと思っています。
 元々、厚生労働省は、田村大臣のときなど、この高度プロフェッショナル、ホワイトカラーエグゼンプションに関して抵抗して、やっぱり入れないと頑張ったんですが、ある段階で厚労省が刀尽き矢折れというか、仕方ないというので受け入れて、しかし、三回このホワイトカラーエグゼンプションは廃案になっております。
 私は、厚生労働省は、労働省、本来を取り戻して労働者を守ると、少なくとも三者協議の中でやっていくと。労働省は、今まで戦後一貫して三者協議の中で、使用者、労働者、そして官の部分、三者協議で、少なくともその調整でそれぞれが了解できるような範囲で労働行政やってきた。とりわけ、厚生労働省が各地の労働行政の中で労働者の権利を守ってきたということは大変敬意を表する次第です。原点に戻って、働き方改悪一括法案、これはもうやめるということを是非考えていただきたい。私は、厚生労働省が原点に戻るいい機会だと思っております。大臣、いかがでしょうか。
#219
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からお話がありました平成二十五年度労働時間等総合実態調査に関しては、裁量労働制に関してはこのデータを撤回をするとともに、その関係する部分を全面的に削除をさせていただきました。また加えて、精査をさせていただく中で、異常値である蓋然性が高いもの、こういったものを母数から除外して再集計を行ったものをお示しをさせていただこうとしているところでございます。
 いずれにしても、最終結果を見てもデータそのものに大きな変化があるというふうには認識をしておりませんが、ただ、いずれにしても、こうした裁量労働制の部分もしかりでありますけれども、一般の労働者のデータについても千近いデータについて削除しなければならないと、こういった事態については我々深く反省をして、今後においてもこうした反省にのっとって対応していかなければならないというふうに思っております。
 その上で、今高度プロフェッショナル制度の話もありましたが、基本的に、高度プロフェッショナル制度そのものについては今回の総合実態調査そのもので議論をしているわけではなくて、労政審においては様々な観点から御議論をいただいたということでもございますし、また、労働時間の罰則付きの長時間労働の規制、あるいは中小企業における割増し賃金を、今適用除外になっておりますけれども、その除外の撤廃、これについては是非必要な措置であるということで今審議をお願いをさせていただいているところでもございます。
#220
○福島みずほ君 少なくとも高度プロフェッショナル法案の部分は削除すべきであると。裁量労働制の拡充も高度プロフェッショナル法案も労働者側が求めたものでは一切ありません。現場から出てきて是非やってくれというものでも一切ありません。これは、私はもう一括法案は一括してもう廃案にすべきであるという立場で、改めて申し上げます。
 本日、法案に関して、午前中、参考人質疑がありました。大変有意義で、様々な視点からアドバイスというか示唆していただいたと思っております。
 それで、そのことを踏まえて、質問通告の前でちょっと申し訳ないんですが、前回、データを出すべきだという質問を私はいたしました。御存じ、医師需給分科会の構成員からもまさにデータを出してほしいというのがあって、出てきておりません。少しずつ、今日も石田委員の質問の中でもデータが少しは出てきておりますが、いまだ県庁所在地とそれ以外に関するものというのは出てきておりません。
 今日参考人の中で、松田参考人は、その需給のデータをしっかり見て、そしてその町が十年後、二十年後、三十年後どうなっているかも踏まえて医師について考えるべきだとおっしゃって、それはもう本当にそのとおりだと思います。なかなかお医者さん、難しいのかもしれませんが、各市町村における、どんな医者がどれだけいるのか、こういうデータはなぜ取れないんでしょうか、教えてください。
#221
○政府参考人(武田俊彦君) 午前中の参考人質疑の中で、松田先生から非常にデータに基づく議論が必要であるというふうにお話があったというふうに今も御指摘をいただきました。人口減少に伴い今後医療需要が変化して、それに伴ってデータに基づいて医療政策を考えていくというのは、私どもとしても全く同様の立場に立つものでございます。
 今、地域医療構想につきましては、二次医療圏ごとの人口構造の変化を踏まえた医療ニーズの変化、これに対応して病院、病床の機能分化を考えていただく。それに、今回は、外来医療機能につきましても議論をしていただくとともに、医師の必要数についても、今後の人口変化を踏まえて、人口構成を今まで医師不足といった点で考慮に入れておりませんでしたので、この人口構成の変化を踏まえて医師の必要性を全国統一の基準で考えていくということでございまして、御指摘のとおり、データを踏まえた議論を行ってまいりたい。そして、医師偏在指標の考え方につきましては、先ほど御答弁申し上げましたが、平成三十年度中に数字を検討会で御議論していただいた上で都道府県にお示しできるようにしていきたいということでございます。
#222
○福島みずほ君 三十年度中にということなんですが、本当はこの医師法の議論の前にそういうデータが出て、そしてどうなのかという議論をするのが本当に一番やるべきことだというふうに思います。できるだけ早く、そしてまたこの委員会にも早く提出していただけるよう、よろしくお願いします。
 午前中議論になったのは、地域ごとの偏在ともう一つ、さっき大臣もおっしゃった診療科目の偏在の問題です。これは御存じ、やはり外科、産婦人科、その次は小児科かもしれないんですが、どんどん希望者が減っていると。この点は厚生労働省としてはどのように解決していこうと思っていらっしゃるでしょうか。
#223
○政府参考人(武田俊彦君) 医師の偏在対策というときに、やはり地域の偏在とともに診療科の偏在の問題がございます。そういう中で御指摘のございますのが産婦人科でありますとか小児科、そして最近、外科の志望者も減っているという話がございます。
 これにつきましては、私どもといたしましても、例えば文部科学省のコアカリキュラムの中でもこういった重要な医療分野についての教育をしっかり行っていただく、また私どもの初期臨床研修の中でも必修科目の中でこういったことを経験をしていただく、そして、専門医機構の専門医の研修に当たりましても、偏在の是正ということで御意見を申し上げてきているところでございまして、今回の法案との関係で申し上げれば、都道府県の医師確保計画の中で、特定の診療科につきましては必要数も明示をしていただいた上で診療科ごとの対策にも取り組んでいただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#224
○福島みずほ君 取り組んでいくということなんですが、ちょっと正直言って心もとない。幾ら医学部の教育で頑張るといっても、産婦人科、外科、小児科が減っている理由というのはやっぱり理由があるわけで、ここでみんないなくて本当に首長さんや自治体は困っていると。東北、北海道はまさにそうです。ちょっと、もう少し踏み込んでこういう対策をやるという、何かインセンティブとか制度を考えるとしなければ、診療科目の偏在は解決しないと思いますが、いかがでしょうか。
#225
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 私どもといたしましても、例えば産婦人科の問題につきましては、産科医療補償制度を導入いたしましたり診療報酬で手当てをいたしましたり、また、今後、今回の医療法改正の中でも偏在対策に取り組んでいく。是非こういった様々な取組が行われているということを鋭意関係各位に御理解をいただくとともに、私どもとしても、様々な関係者の御意見を伺いながらまた施策の充実強化に努めてまいりたいというふうに思います。
#226
○福島みずほ君 今回の法律改正はまず第一歩だとは思うんですが、これで必要十分条件にはならないというふうに思います。更にもっとやっていかなくちゃいけない。
 都道府県知事にかなり強い権限を置いたとしても、今日、足立委員からも質問がありましたが、県境はどうなるとか、実際、都道府県だけで完結しない問題があると。ですから、今回は法律を変えて、都道府県知事に強い権限と、まあ頑張れというのを委ねるわけですが、実は厚生労働省が全国的な視野から、どういうふうにその配置、采配をやっていくのか、プロデュースをしていくのか、都道府県知事のバックに厚生労働省の意思とプロデュース能力がなければ結局うまくいかないというふうに思います。
 その点についてはいかがでしょうか。
#227
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、都道府県知事の権限強化だけで問題が解決するわけでもございませんし、私ども様々な関係者のお力を借りて医師偏在対策に取り組んでいく必要があると思います。
 一つは、都道府県知事の権限ではありますけれども、実際には地域医療対策協議会の中に様々関係者入っていただきまして、この協議の場を活性化させて、その関係者の合意の下に都道府県知事が権限を行使する、こういう形を是非つくってまいりたいと思いますし、県によりましては、地元の医大のみならず隣県の医大からも医師を受けている場合もございますので、そういった場合につきましては、都道府県知事の下に置く医療対策協議会にそういった大学の関係者にも参加をいただく、また声を反映する、こういったことも都道府県には今後考えていただきたいというふうに思います。
 また、その都道府県の職員の能力アップということにつきましても、やはり、私どもこれまでも研修制度その他やっておりますけれども、引き続き能力向上に対して私どもとしても取り組んでいきたいと思います。
 そして、その上で、都道府県だけでは解決できない都道府県間の格差につきましては、例えば、臨床研修指定病院の定員について全国的な観点からの調整を行うなど、私どもとしても必要な対策に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#228
○福島みずほ君 キャリア形成プログラムは、都道府県の医療審議会がそれぞれ自主的に取り組む事項である反面、医師、診療科の不足、偏在の一因ともなっているキャリア形成上の不安解消という意味では全国的に取り組むべきテーマとも言えます。
 キャリア形成プログラム未策定が五県、宮城、神奈川、富山、高知、福岡、あるということについて、厚生労働省はどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
#229
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘のありましたキャリア形成プログラムですけれども、これは主に地域枠の医師を対象といたしまして、地域医療に従事する医師のキャリア形成上の不安解消、医師不足地域・診療科の解消を目的として都道府県が主体となって作成する医師の就業プログラムでありまして、医師偏在対策のツールといたしましては非常に重要な役割を果たすものでございます。
 現在、都道府県が地域医療介護総合確保基金を活用して修学資金を貸与している医師につきましては、私どもの通知におきまして、キャリア形成プログラムに参加することを修学資金の返還免除要件としておりますので、こういったことを通じて各都道府県に対してキャリア形成プログラムの策定を求めているところでございます。
 しかしながら、今御指摘ありましたように、私どもが昨年の七月に各都道府県一斉に行った調査の中では、十三の都道府県ではキャリア形成プログラムが未策定、そのうちの五つの都道府県につきましては今後の策定見込みも未定、こういったことでありまして、都道府県によって取組のかなり差があるというようなことが把握をされたわけでございます。
 これを受けまして、今回の法案では、都道府県に確実にキャリア形成プログラムを策定していただくよう、キャリア形成プログラムを法律に位置付けるとともに、地域医療対策協議会においてこのキャリア形成プログラムの内容を協議し、協議結果を公表することを義務付けた上で、協議結果に基づくキャリア形成プログラムの作成を都道府県の地域医療支援事務に追加するなど、取組の強化を図ったところでございます。
 私どもとして、全ての都道府県で取り組まれるよう、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
#230
○福島みずほ君 厚生労働省の医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査、二〇一七年四月六日によりますと、地方で勤務する意思がない理由の第一位は、二十代の医師が労働環境、三十代、四十代が子供の教育、五十代以上が仕事内容をそれぞれ挙げています。理由はとてもよく分かるというふうにも思います。県庁所在地、医学部があるところとそれ以外の医師の偏在、格差も、三十代、四十代、子供の教育ということがやはりあるだろうというふうにも思っています。
 年代別や個別のニーズに対応したきめ細かな地方勤務誘導策や医師偏在解消策をつくり上げるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#231
○副大臣(高木美智代君) 御指摘のとおり、平成二十八年度に実施しました医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査によりますと、医師が地方で勤務する意思がない理由につきましては、年代別で見れば御指摘の理由が第一位となっております。ただ、年代別に内容を見ますと、二十代では専門医の取得に不安がある、三十代、四十代では子供の教育環境が整っていないこと、また家族の理解が得られないこと、また五十代以降では家族の理解が得られないことが特に高いという特色があります。全世代を共通して、労働環境への不安、希望する内容の仕事ができないことが比較的多く挙げられております。
 御指摘のとおり、医師の少ない地域での勤務を促すためには、医師が不安と感じる原因となる障壁を除去することを基本としまして、全ての医師の少ない地域での勤務を希望する医師が医師の少ない地域で勤務できるよう、様々な角度から環境整備に取り組むことが必要であると思っております。
 例えば、具体的には、労働環境への不安に対しましては、交代で勤務する医師の派遣に対する支援、また医師の勤務環境改善策について検討を行うこと、また、専門医の取得などキャリアに関する不安につきましては、都道府県や大学病院、医学部、また地域の医療機関などが協力して中長期的なキャリア形成プログラムを策定をしていく、また、子育てや育児に対する不安に対しましては、育児休業明けの復職支援の実施や院内保育所の整備などに対する支援を行う、こうしたことを進めていきたいと思っております。
 このように、直面する障壁に対応する取組を進めていくことによりまして、それぞれの医師のライフプランの中で医師が希望するタイミングに応じて地方での勤務が可能となるよう、医師が地域で働く際の環境整備を更に進めてまいりたいと考えております。
#232
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 離島などに行きますと、単身赴任で来ていらっしゃると。石垣島に行ったときに、県立病院の院長先生は内科医だったと思うのですが、単身赴任で来ていらっしゃいました。ですから、瀬戸内海やいろんなところの島々に行ったりしますと、やはり単身赴任で働いていらっしゃるとか、それはもうやっぱり家族や子供と離れていろいろ御苦労もあるだろうし、大変だろうなとか、家族も大変だろうなと、でもやっぱり頑張っていらっしゃるんだなということを思います。今きめ細かなということを高木副大臣がおっしゃっていただいたので、是非今後も進めていただけるよう、よろしくお願いします。
 女性医療職におけるエンパワーメントの議員連盟があり、自見はなこさんなどとても事務局長で熱心にやっていらっしゃるんですが、女性医療職の問題で、例えば非常勤の女性医師が未就学児を育児する場合、四分の一が休職、離職となっております。厚労省の先ほどの調査結果です。早急かつ抜本的な対応を図るべきではないでしょうか。是非、男性の育児もそうですが、医療職に従事する女性たち、それはもう言えば医者、看護師、薬剤師、臨床検査技師、全て入りますが、一言お願いいたします。
#233
○国務大臣(加藤勝信君) 今の医師の約五分の一、医学生では三分の一が女性という現状でありまして、また、女性医師については妊娠、出産等によりキャリアを中断せざるを得ないという事情もあります。こうした点にも配慮しながら、女性医師が働き続けやすい環境を整備するという必要、これは本人のキャリアということももちろんでありますけれども、我が国の医師確保を図っていく上においても大変重要だと認識をしておりまして、就職を希望する女性医師に対する女性医師バンク事業の実施、あるいは女性医師の復職に関する都道府県における相談窓口の設置、あるいは復職研修指導に対する財政支援、あるいは医療機関において復職支援から継続をした勤務までのパッケージとして、女性医師支援を行うためのモデル事業などを行っているところでありますし、また、子供を持つ女性医師が、離職防止をする、あるいは再就業を促進するということで、病院内保育所の設置、運営に対する、都道府県に対する財政支援、これは地域医療介護総合確保基金を活用して実施もさせていただいておるところであります。
 それ以外にも女性を含む医療従事者の勤務環境改善を図るための施策も進めておりますが、こうした取組を通じて女性の医師の皆さん方が働き続けていただける、こういった環境の整備に更に努力をしていきたいと思います。
#234
○福島みずほ君 終わります。ありがとうございます。
#235
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 様々出ておりますけれども、今回の法案がどのくらい有効なものなのかということは懐疑的だと思っております。
 五年前、私どもは医療・介護総合確保法、議論をいたしました。あのときにうなされたように言っていたのがプロフェッショナルオートノミー。同じことをまた今回もやろうとしていますけれども、これ本当に成功するのか。成功しないまま、これからどのような形で医師を確保していけばいいのか。これ真剣に、このもちろんメーンストリームもそうですけれども、裏の策として幾つも私は布石を打っておくべきだと思っております。
 先日も櫻井先生御議論いただきました地域医療連携推進法人制度、これも私どもしっかり議論をして、法案として通したものでございます。しかし、残念ながら、平成二十九年度四件、平成三十年度二件の応募しかございません。予想以上に少ないというふうに思っておりますし、我々が法案を議論をする際に、手を挙げるんじゃないかということで好事例として様々御紹介いただいた、そこの地域は手を挙げておりません。なぜなんでしょう。
 そして、やはりこういういわゆる地域の医療で人、物、金をしっかりと動かしていくための仕組みというものを推進するために、更なるインセンティブというものを考えなければならないと思いますけれども、局長、いかがでいらっしゃいますか。
#236
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 御指摘をいただきました地域医療連携推進法人制度、今御指摘がありましたとおり、昨年度に四法人、今年度に二法人、合わせて六法人が設立されている段階にあります。昨年四月施行でありますので、一年少々が経過をした時点でございます。
 この地域医療連携推進法人の設立がまだ進んでいない理由といたしましては、例えば当事者間において合意形成に時間や手間、費用を要することなどが考えられるのではないかというふうに考えております。
 この制度は、医療機関相互間の機能分担及び業務の連携を推進し、地域医療構想を達成するための一つの選択肢ということでございます。こうした機能分担や連携に対する取組につきましては、これまでも地域医療介護総合確保基金によって支援をしてきているところでございます。
 また、地域医療連携推進法人制度の普及に向けた取組といたしまして、昨年度に引き続き、民間事業者を活用したセミナーの開催のほか、今年度は設立六法人が一堂に会する意見交換会を開催したいというふうに考えております。
 私ども厚生労働省といたしましては、地域医療連携推進法人の設立に向けたそれぞれの地域における取組について都道府県からの情報収集や周知を図るとともに、地域医療連携推進法人の設立を検討している医療法人などからの相談対応など、地域の医療関係者等に対して地域医療連携推進法人制度の普及啓発を図ってまいりたいというふうに考えます。
#237
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、もうほとんどの病院、医療機関というものが今プライベートじゃないですか。公的なものであれば強制的に動かせるんですけど、やはりこのような形で自主性に任せるしかない。やはり自主性に任せているだけではなかなか手をうまくつないでくれない。だからこそ、私は、もう少し厚生労働省としてもしっかりとした意見を地方自治体の皆様方にもお伝えいただきたいと思っておりますし、このような形で結べないのであれば、今回のこの法案様々出ておりますけれども、これさえもやはり無理なんじゃないかなというふうに私自身、専門性をもって考えております。
 社会医学をどんなに推進したいと思っても、自治体にいらっしゃらないんですよね。実際にドクターもいなければ、社会医学を修めているような、公衆衛生を専門としていらっしゃるドクターもいらっしゃらない。だからこそ、推進する旗振りする役がいないんですよ。ですから、しっかりとこれは皆様方にも御協力をいただきたいと思っておるところでございます。
 ところで、資料二に今日お配りしておりますように、オンライン診療についても取り上げていきたいと思っております。
 先ほども申しました、しっかり人が診るということには変わりはない、しかし、ツールを使うことによって医師不足というものが解消できる。現在、どのくらいの病院、診療所が行っていらっしゃいますか。局長、教えてください。
#238
○政府参考人(武田俊彦君) 遠隔在宅診療につきましては、直近の医療施設調査、これ二〇一四年の調査になりますけれども、病院では十八か所、診療所では五百四十四か所というふうに把握をしております。
 今後とも、本調査を通じまして、遠隔在宅診療を含めた遠隔診療の実施状況につきましては私どもとしてきちんと把握をしてまいりたいというふうに思います。
#239
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、かなり今回増えているというふうに私も推測をいたしております。様々なアプリも出ておりまして、様々な先生方がオンライン診療に興味を持ってくださっております。今回の診療報酬でもしっかりとした点数が付いておりますので、更なる発展があるかと思います。
 このオンライン診療の導入、今回の法案にも、もしこれがしっかりと通っていく、その先にあるものというものは大変影響があるかと思いますけれども、局長、どのような影響を及ぼすと思っていらっしゃいますか。
#240
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 このオンライン診療の導入によりまして、例えば、へき地におきましても、医師がその場にいなくてもオンラインによる診療ができる、こういう効果も期待できます。また、医師の負担が軽減する、直接その患者の家に行かなくてもいいということで、医師の負担が軽減するなどによる医療提供体制の効率化というような効果もあると思います。効率化が図られれば地域における医療の提供量、多くの患者さんを診ることができるという意味での効果もあると思います。
 こういった様々な効果があるということを考えますと、特に医師少数区域又はへき地などにおきましては、このオンライン診療は医療提供ツールとして今後非常に効果がある有望なものというふうに考えられるわけでございます。
 私どもといたしましても、へき地などでこのオンライン診療を活用している事例を収集し、好事例を共有するなど、普及に向けた取組も是非考えてまいりたいというふうに思います。
#241
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、へき地だけではないですよね。都市部でも、これは皆様方、もう待ちに待った制度でございました。しっかりと効率化をしたいという中で、じゃ、わざわざ仕事を休んで、傷病休暇のようなものを取ってそれで病院に行くという必要もなくなるわけですよね。手元で、スマホさえあれば、そこの仕事をしながらでも、ちょっとした時間の合間で診療を受けることができる、そして有効な処方も手に入れることができる。
 ですから、これからの医師確保計画においても地域医療計画においても、私はこれはすごく大きな影響を与えるものだと思っておりますけれども、更に推進策というものを考えていらっしゃいますか。局長、お願いいたします。
#242
○政府参考人(武田俊彦君) このオンライン診療の普及策でありますけれども、私どももこのオンライン診療を今後一層進めていく必要があるというふうに考えておりますけれども、非常に新しい技術の活用ということもありますので、医療上の必要性、安全性及び有効性が担保された適切な診療が普及する、こういう一定のルール作りが必要だろうというふうに考えております。
 このため、本年二月から情報通信機器を用いた診療に関する検討会を開催をいたしまして、オンライン診療の適用やセキュリティーに関するルール等を定めたオンライン診療の適切な実施に関する指針、これを三月に取りまとめたところでございます。また、これも御承知とは思いますが、平成三十年度の診療報酬改定において、この指針と整合的な形で対面診療とオンライン診療を適切に組み合わせることにより、効果的、効率的な医療の提供に資するものとして、新たにオンライン診療料等として評価が行われたということでございます。
 まずはこうした取組によりオンライン診療が普及していくものと考えておりますけれども、更なる推進ということを考えますと、引き続き、エビデンスの収集、オンライン診療の質の評価、有効な事例の普及、技術革新の状況などを踏まえた指針の見直しなどについても取り組んでまいりたいというふうに考えます。
#243
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 このオンライン診療、規制改革会議から様々要請があって無理やりやったんではなく、これから前向きに厚労省も私は取り組んでいただきたい方策の一つだと思っております。
 医師以外の職種というものもやはりこのオンラインで様々やり取りを私はしていただきたいと思っておりますけれども、指導、診療の補助行為というものは認められておりますか。局長、お願いいたします。
#244
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医師以外の職種におけるオンラインでの保健指導、栄養指導というテーマがございまして、本年三月に取りまとめられたオンライン診療の適切な実施に関する指針、この指針におきましては、相談者との間において情報通信機器を活用して得られた情報のやり取りを行うが、一般的な医学的な情報の提供や一般的な受診勧奨にとどまり、診断等の医学的判断を伴わない行為、こういった行為につきましては、今回新たに遠隔健康医療相談として整理を行いまして、医師以外の者が行うことも可能であるというふうに示しているところでございます。そのため、保健師や栄養士が保健指導や栄養指導を行うに当たって、情報通信機器を活用していただくことは可能だということでございます。
#245
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もっと使いやすいシステムにしていかないといけないですよね。実際に現場に行ってわざわざ指導を受けるのではなく、オンラインで指導を受けられることができれば、リアルタイムで様々なものが相談できるようになります。次の受診日まで待たなくてもそれはできることということで、私はもっと遠隔健康医療相談というものにつきましても多様化していただきたいなと思っております。
 そこで、医師はオンライン診療を行い、その診療現場自体には医療専門職を配置する等々、様々な工夫によって更にオンライン診療の質が私は向上するんではないかと思っております。
 私の選挙区も愛知県でございますけれども、愛知県には三つの離島がございます。そのうちの一つの島にはなかなかドクターが居着いていただけないということで、週に一回ぐらい船で受診をしていただけるようにドクターが回っていく。そうするときに、そこの島の診療所にはオンライン診療ができるようにもうシステムで全部組んであるんです。でも、そこになかなか人がいないのでそれを操作できないですし、実際に、じゃ、そこに看護師さん、特定看護師、特定の行為ができるような看護師さん、よりスキルがある看護師さんがいらしていただければ、そこで様々オンラインで向こうにいるドクターと相談をしながら診療もできますし、かつさらに、自分で申告するよりも詳細な情報というものをドクターの方に受渡しすることもできます。
 ですから、そのような形でもっと他職種とも連携をしながら私は質の向上を図っていくべきだというふうに考えております。そこについて、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#246
○国務大臣(加藤勝信君) この医師のオンライン診療に当たって、もちろん患者さんと医師だけでやり取りするということもあると思いますけれども、特に高齢な方とか、余りそうしたものに、ICTの活用にたけていない方、過疎地等を考えるとそういう事案も多いと思いますから、そういう場合に今お話があった、看護師さんが診療所で、医師がいないところでやるとか、あるいは訪問看護をする中で遠隔診療をうまく活用していただく、こういったことで、提供する医師の質の向上にもこれは資するというふうに思います。
 何か厚労省で事例をいただいたら、これは死亡診断を遠隔で行うというやつが出てきたので、これも一つのガイドラインでありますけれども、それ以前に、まず診療そのものに役立てるというためにも、看護師など多職種が連携したオンライン診療の実態、これしっかり把握をしていくことが必要であろうというふうに思いますので、先ほど、かなりオンラインで進める診療所も増えてまいりましたから、そうした実態をしっかり踏まえて、その結果を踏まえて、更なるオンライン診療の推進という観点から、今のオンライン診療の適切な実施に関する指針がありますけれども、これにおける中において、今おっしゃった看護師等の医療従事者等についてもそこに盛り込んでいくとか、そういった見直し等も考えていきたいと思います。
#247
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこの島にもそういう話を私いたしましたら、やはり前例がないとなかなか怖くてできない。ですから、しっかりとそれはモデルケースのようなものをつくって、厚労省としてそれお示しいただきたいと私は思っておりますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。そのようなケースを、更に厚労省の中でも知見を蓄積するために、モデルというものもつくっていくお考えをお示しいただけますか。
#248
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げましたように、オンライン診療の適切な実施に関する指針ということで具体的にお示しをすれば、その指針に沿ってやればという安心感にもつながっていくんだろうと思いますので、その辺も念頭に置きながら、まずは実態をよく把握をして検証させていただきたいと思います。
#249
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これだけ、オンライン診療ということで、医療提供体制の中にも更に新しい技術によって様々なメリットがあるということが分かっているんですけれども、私は疑問に思っております。厚労省として、そのオンライン診療をどのように医療提供体制の中に生かすべきなのかというその地図がないように思うんですね。ですから、しっかりと私は地図を描いてもいただきたいと思いますけれども、局長、まずは御意見いただけますか。
#250
○政府参考人(武田俊彦君) このオンライン診療を医療提供体制の中にどういうふうに位置付けていくのかということにつきましては、今後の医療提供体制をどう考えていくかという中にありまして非常に大きな論点だというふうに思います。
 今回は、指針の作成を三月中に行うということで非常にちょっと作業的に急いだところもありますので、その中には、この指針の中において基本理念書いてございまして、患者の日常生活の情報を得ることによって医療の質の更なる向上に結び付けていくことですとか、医療を必要とする患者に対してアクセシビリティー、アクセスの容易性を確保するといったことでありますとか、患者が治療に能動的に参画することによって治療の効果を最大化することでありますとか、こういったオンライン診療の目的を、目的といいますか理念を掲げておりますけれども、これは非常に医療の在り方そのものにも関わる論点でもありますし、今後、このオンライン診療の普及を図るとともに、医療提供体制の中にきちんと位置付けていくというのも非常に大事な御指摘かと思って、受け止めたいというふうに思います。
#251
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もいろいろ調べておりました。様々な省庁もこれに大変興味を持って、経産省なども前向きに取り組んでくださっております。
 あるアプリには、経産省公認の何々ドクターみたいな感じで書いてあるんですね。ちょっと待ってくれと、これ医療なのに何で経産省公認なんだというぐらいに、やっぱり前のめりになっていらっしゃるようなところもございます。更にやはり各省庁ともこれは連携をして進めていただくべき案件だと私は思っております。これ、厚労省だけの問題ではなく、しっかりと、これから産業化していくに当たっても、新たな医療産業としての芽を含んでおりますし、かつ、厚労省としても、今回のような法案で人を動かすのではなく、技術を生かして、更に質の高い医療を瞬時のうちに提供できるかというような、ちょっと視点は違いますけれども、すごく重要な課題だと思っております。
 この他省庁と更に連携すべきだという、もちろん厚労省もそうお思いだと思いますけれども、局長、御意見いただけますか。
#252
○政府参考人(武田俊彦君) 非常に大事な御指摘だというふうに思います。
 このオンライン診療の更なる推進に向けて、エビデンスの収集、オンライン診療の質の評価、技術革新の状況等を踏まえて、指針の定期的な見直しなど継続的な対応が必要と考えておりますし、また、今御指摘ありました経済産業省の取組は、中小企業・小規模事業者向けのIT導入に関する補助事業、こういったことの中で、オンライン診療に必要な機器の導入も事例として取り組まれているところで、是非、私どもとしても、経済産業省と協力をし、具体的な機器やアプリケーションなどにつきましても情報を共有しながら取り組んでいきたいというふうに思います。
 また、私どもとしては、何より安全性、有効性が担保された中でのオンライン診療の普及ということでございますので、技術革新の動向、他府省の取組などに関しては漏れのないように注視いたしまして、適切に対応するということを心掛けてまいりたいと思います。
#253
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、最後に大臣にお願いでございます。
 これだけ、本当にいわゆる人、物、金が動く中で、技術革新で新たな産業としての医療というものが生まれつつございます。これが今回の法案のように医師不足というものにも大変効果的なものというふうに私は考えております。しかし、厚労省として、付け焼き刃的にガイドラインを出すというような感じで、まだまだ私は再考の余地ありだと思っております。
 今回、規制改革会議によっても、また服薬指導などもオンラインでできるようにという要求もありますけれども、まず厚労省として、こういう技術をどう使いこなすのかということをしっかり議論していくためにも、しっかりとその母体がなければならないですよね。その母体として、例えばオンライン診療推進室のようなものでしっかりと私はその地図を描き、それで推進していただきたいというふうに願っておりますが、大臣のお考えをお示しいただけますか。お願いいたします。
#254
○国務大臣(加藤勝信君) 厚生省においても、先ほど、オンライン診療の適切な実施に関する指針、これは医政局で整備をし、またその整備に当たっては情報セキュリティー担当部局とも一緒にやらせていただく、また、それを踏まえて、これは保険局になりますけれども、オンライン診療料の新設等を行ったということで、それぞれ連携を深めさせていただいておりますし、また、指針の策定に当たりましては、情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会、これは総務省、経済産業省にも参画をいただいておりまして、これはまだ、指針をいたしましたけど、その後のフォローアップ等を含めてまだこれは生きている、生きているというか動いているわけであります。
 いずれにしても、それぞれ厚労省の中において、あるいは他省庁ともしっかりと連携を図りながらオンライン診療の推進を図っていく必要があるというふうに思っておりまして、そういった意味では、医政局医事課、これが中核になってこの問題に取り組んでいくということで考えていきたいと思っております。
#255
○委員長(島村大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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