くにさくロゴ
2018/05/17 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第13号
姉妹サイト
 
2018/05/17 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第13号
平成三十年五月十七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     中川 雅治君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君    渡辺美知太郎君
     中川 雅治君     自見はなこ君
     松川 るい君     大沼みずほ君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                自見はなこ君
                進藤金日子君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
               渡辺美知太郎君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  高木美智代君
       厚生労働副大臣  牧原 秀樹君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       新妻 秀規君
       厚生労働大臣政
       務官       田畑 裕明君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  邦彰君
       総務大臣官房審
       議官       横山  均君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宇都宮 啓君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高橋 俊之君
       厚生労働省医政
       局長       武田 俊彦君
       厚生労働省健康
       局長       福田 祐典君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  宮川  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    宮嵜 雅則君
       厚生労働省老健
       局長       浜谷 浩樹君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 俊彦君
       厚生労働省人材
       開発統括官    安藤よし子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇医療法及び医師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (臓器移植に関する件)
 (戦没者の遺骨収集事業に関する件)
 (感染症対策の推進に関する件)
 (健康サポート薬局の周知方策に関する件)
 (小児がん対策の推進に関する件)
 (訪日外国人患者の医療費未払問題に関する件
 )
 (裁量労働制及び高度プロフェッショナル制度
 の問題性に関する件)
 (残骨灰の取扱方策に関する件)
 (障害者の就労継続支援事業の在り方に関する
 件)
 (過労死遺族からの面談要望の取扱いに関する
 件)
 (チャイルド・ライフ・スペシャリストの国家
 資格化の必要性に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、松川るい君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療法及び医師法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長武田俊彦君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 医療法及び医師法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 おはようございます。国民民主党の足立信也です。
 医療法、医師法の法案審議でございますけれども、昨日来報道されておりますので、若干最初は質問通告の意味合いで申し上げたいと思います。
 テレビ朝日の方が、三年前、二〇一五年の二月に亡くなって、二〇一五年の七月に労災認定されたと。過労死ということでございます。この方は専門業務型の裁量労働制であると。皆さん覚えておられるかもしれませんが、ちょうど一か月前に、私は厚生労働省からの労災認定の経年的な数の変化を資料として出しました。そして、二十七年、二〇一五年の三月までの分はデータベース化したと、これ予算もしっかり付けてやったと。で、その後はどうですかと聞いたら、その後はデータ入力していないという話なんです。この方は三年前ですから一五年の二月に亡くなって七月に認定、ちょうどその入力されていないところなんですね。
 やっぱり、データの信頼性というのが今非常に話題になっている中で、この私の質問時間の最後までに、あのときの答弁は、鋭意これから二十七年度からもデータ入力をしていくと、それが過労死で労災認定の実態を把握する上で非常に大事だと思いますので、その後の二十七年度からの労災案件についてのデータ入力についてどうなっているかということは最後にお聞きしたいと思います。
 それでは、法案についてお伺いしますが、法案の内容に沿って前回から質問をしてきました。前回は、医療偏在の度合いの指標の件とそれから認定の件、これをやりました。今日はそれ以降で、まず地域枠ということについて申し上げたいんですが、この法律全体の中で私が極めて違和感を持っているのは、この公布日に施行になる一条の二です。国や都道府県、関係団体その他の規定がありますね。
 医師法というのは、ここにも私以外にも医師の方はいらっしゃいますけれども、医師法の規定というのは、免許であり、そして試験、臨床研修、業務内容、そして医師試験の委員、罰則というように医師に関してずっと書いてあるわけです。ところが、この一条の二で、突然、医師以外の方の規定が入ってきている。これが医師法の立て付けとして非常に違和感があるんです。
 例を挙げますと、私の個人的な意見ですけど、薬事法改正のときに、危険ドラッグの話で、薬事法というのは物質を規定するものであって、だから依存症対策もできる、しかし、包装の内容で、パッケージの内容で規定するというのは私は薬事法には違和感があるということを申し上げたんですが、似たようなところだと思うんです。
 医師というものはどういう形で認定され、業務がどうだ、研修がどうだと書かれている中で、ほかの団体の責務というかを書かれていると、これについては非常に違和感があるんですが、その整理はどうなっていますか。
#7
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 まず、医師法の目的でございますけれども、この第一条では、医師は、医療及び保健指導をつかさどることによって公衆衛生の向上及び推進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする、こういうふうに書いてございます。今御指摘がありましたように、医師はという書き方になってございますけれども、その後、国家試験でございますとか免許でありますとか臨床研修でありますとか、全体的には、医師の資質を確保する、それによって公衆衛生の向上、増進に寄与し、健康な生活を確保する、こういうことが医師法全体の目的になっているというふうに考えております。
 昭和二十三年に医師法が制定されておりますけれども、その後、医療の高度化の速度が増しておりますので、医師が免許を取得した後も研さんを積み、その資質の向上を図る必要性がますます高まっているというふうに理解をしております。医師が継続的に研さんを積むためには、医師のみに負担を課すのではなく、医師が研修を受けやすい体制の構築などについて、国、都道府県その他の関係者が連携して協力することが非常に重要でございます。このため、今回の法案で新設する医師法第一条の二におきましてこのような努力義務規定を規定したものでございますので、本条は、医師の資質の確保を目的としている医師法全体の趣旨にかなうものではないかと考えております。
 また、今回新たにこの一条の二を規定させていただきましたのは、今回の法案によりまして、医師法上、都道府県の権限として、臨床研修病院の指定、研修医定員の設定、また、新専門医制度における研修計画についての厚生労働大臣への意見の提出、こういった都道府県の権限を新たに規定をしておりますので、今回新設する努力義務の主体として規定することが必要ではないかと考えたものでございます。
#8
○足立信也君 趣旨にかなうのではないかと、ちょっと弱いと思うんですね。やっぱり医師法は医師はというのが主語ですから、私の解釈は、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない、この主語は当然、国、都道府県、病院又は診療所の管理者なんですが、相互にとあるから、医師もこれを連携してやらなきゃいけないという意味合いで、医師のやるべきことということで整理した方が私は医師法の趣旨としては合うと思いますので、次回からはそういう説明の方がいいと思います。それだと、ある意味納得はできると思います。
 次に、地域枠とか地元の出身者に対する臨床研修や専門医の制度、これの兼ね合いについてちょっと疑問が私はかなりありますのでお聞きしたいと思いますが、その中で、県が臨床研修病院を指定するということに今回なっているわけですが、これは、本来、臨床研修制度というのは、これをやれば全国、均てん化という表現がいいのかどうか分かりませんが、一定レベルまで臨床能力達することができて、それが、何というか、普遍的なレベルを上げるというのがあったと思います。言えば、均てん化なんです。
 その重要な役割を担う臨床研修病院を都道府県が指定するということは、全国的な観点から見ると、私はかなり都道府県の差が生じてくるんじゃないかということを思いますが、この点について、全国の標準化あるいは一定レベルを維持するという意味合いから考えてどうなんでしょうか。
#9
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今回御審議をいただいているこの法案におきましては、臨床研修病院の指定、それから病院ごとの定員設定権限について、現行は国となっておりますけれども、これを都道府県に移管するという内容を含んでおりまして、今御指摘をいただいたとおりでございます。
 これに関しましては、国として、医師の均てん化又は標準化という今お話もございました。一定水準を保つ必要性ということは引き続き変わらないとは思いますけれども、一方で、この医師の偏在ということを考えますと、地域の実情を反映をした定員の設定というのも一方で必要になってきているものというふうに考えております。
 したがいまして、今回の趣旨といたしましては、この地域の実情を詳細に把握している都道府県が、都道府県内における指定の妥当性、地域医療に配慮した病院群の構築についてより的確に御判断をいただけるということでこういう規定にしているところでございますけれども、一方で、全体的な質の確保、一定の水準を担保するという必要性ももちろんございますので、具体的な指定基準につきましては引き続き国の方でお示しをしたいと思っておりますし、医師の偏在という面も影響ございますので、都道府県ごとの定員設定については引き続き厚生労働省が行う、こういうことで国と都道府県が協力をしながら、臨床研修の質の向上と均てん化を図っていくというような制度としているところでございます。
#10
○足立信也君 説明の内容はよく分かりました。
 前回質問したことで、地域偏在を生んだ要因として病院会は、やっぱり臨床研修制度が大きいとアンケートで答えている、だからそれも見直す必要があるのではないかという質問をしました。臨床研修の趣旨、目的が、今回、偏在解消に余りにシフトしてはいけないという意味合いで私は申し上げたわけで、今の答弁ですと十分だと思いますが、そこはしっかり図ってほしいんです。レベルアップが目的であるわけですから、偏在の解消に余りに偏り過ぎないようにということが厚労省としての私は職責だと思いますので、よろしくお願いします。
 今回質問しておりますのは、地域間の偏在、それから診療科間の偏在、これを解消する、解消に資するということだろうと思いますが、御案内のように、当然、小児科医や産科や外科医はずっと減っているわけですね。
 今回の改正が診療科間の偏在、格差解消に資すると、それは一体何なんでしょうか。
#11
○政府参考人(武田俊彦君) 今御指摘ございましたように、この診療科間、医師の地域の偏在とともに、診療科の偏在についても地域から大変声をいただいているところでございます。
 今回の法案の関係で申しますと、今回の法案におきまして、都道府県は地域医療対策協議会での協議を踏まえてキャリア形成プログラムを策定し、活用していくということになります。このキャリア形成プログラムの中におきましては、外科、産科など、地域で不足する診療科に対して、大学医局などとの連携の下で効果的に医師を派遣することでありますとか、特に産科に多い女性医師を始めとした若手医師の希望を踏まえて、卒後一定期間のキャリアを形成できるように作成することなどを都道府県に促すこととしております。
 また、このキャリア形成プログラムの中におきましては、キャリア形成プログラムの前提となるこの地域枠の設定に関しましては、例えばこの診療科を限定した地域枠の設定につきましても、地域医療対策協議会での協議を踏まえて都道府県知事が要請できる仕組みを設けることとしておりますので、都道府県の実情に応じた診療科ごとの医師確保策についてもこの法案において実施が図られていくこともあるというふうに考えております。
 また、今回の法案による対策以外につきましても診療科偏在対策に取り組んでいるところでございまして、まず、今後の人口動態、疾病構造の変化を考慮した上で、診療科ごとの将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年、今年、できるだけ早期に検討を始めまして、平成三十二年には国が情報提供することを予定をしております。こういった情報提供の下で適切に診療科を選択をしていただく、こういうことが結果的に診療科偏在の是正にもつながるものと考えておりますし、平成三十二年度からになりますが、臨床研修での必修科目も見直しをすることとしております。
 こういった多面的な取組を通じまして、診療科偏在の是正に我々としても努めてまいりたいと考えているところでございます。
#12
○足立信也君 私、何年も前から申し上げているように、この地域でこの科の人たちの過不足、これを見える化するだけでも当然医学生や研修医はそれに対して自分の意思で選ぶことは十分考えられるのだと。今回そういうことも盛り込まれていますから、第一歩で大事なことだと思います。ただ、この前、参考人で植山先生がおっしゃっていたように、若ければ若いほど労働環境で勤務先や専攻科を選ぶと、これが現実ですから、その労働環境の整備というのが何より大事。
 ですから、厚労省のアンケートで四四%の方が地方に行ってもいいと答えながらも行けないという現状ですから、これはまさに労働環境にあると、そのように思いますので、こちらの方はやっぱり厚生労働省が考えていかなきゃいけない、働き方も含めてですね、まさにそこだと思いますから、しっかり取り組んでもらいたいと、私も意見を申し上げたいと思います。
 そこで、今のキャリア形成プログラムについて、これは臨床研修も当然ありますが、この地域枠のことでお聞きしたいと思うんです。
 今、地域枠の医学部の定員というのは全国の都道府県にあると思いますが、この地域枠というものがない大学、医学部というのはあるんですか。
#13
○政府参考人(武田俊彦君) 地域枠の導入状況でございますけれども、文部科学省の方で調査を行っておりまして、地域医療に従事しようとする意思を持つ学生を選抜するための様々な枠の総称としてあるものについて調べた結果というふうに承知をしておりますけれども、七十一大学というふうに承知をしております。
#14
○足立信也君 七十一大学あるということは、九つないということですかね。ないのは、それ、あるんだと。
 私、前回の質問の最後に申し上げたように、大学の機能というのは必ずしも臨床医を育てるだけではない。当然、地域性ばかりを考えるわけでもない。基礎研究、それから公衆衛生あるいは施策、行政、いろんなところに必要だということはありますので、多分九つですね、きっと、地域枠のないところがあると。
 そこで、前回の答弁では、地域枠の医師のその後の義務年限といいますか、これを質問しました。そして、その中で、先ほどありましたキャリア形成プログラムに地域枠の医師は参加すると、こういう答弁もありました。そこで、気になるのが、この前、三浦委員がおっしゃっていた専門医に関することなんですね。
 今回の法案あるいはこの専門医制度、新しくなりましたが、これのアンケートが実はありまして、インターネットなんですが、これによると、多い意見、上から三つが、この専門医制度だとマイナー科、つまり外科とか内科とかメジャーな科じゃなくてマイナー科志向が強まる、これがトップです。それから、次が大学病院志向が強まる、これは実際そう表れていますが、それから都市部志向が強まる、これがいずれも七割なんです。
 これは、今回提出した法案の地域間偏在あるいは診療科間偏在を解消するのと真逆なんですよ。この新専門医制度の評価がですよ、アンケートによる。全て事実とは言いませんが、七割方がそう思っておられる、逆のことを考えているというのがこの前の三浦委員の指摘だったと私は思います。
 そこで、この地域枠の医師、地域枠というのは、先ほど申し上げましたように義務が掛かる。そうすると、臨床研修選ぶのも、専門医を選ぶその研修先というか専攻先を選ぶのも、やっぱり相当、何といいますか、規制が掛かっていると私は思うんですけれども、今回、専攻医登録されましたね、八千何人。この中で、地域枠の医師というのはどれぐらい、地域枠の医師が専攻医の登録というのはほとんど全部がされているんでしょうか、研修二年目の。
#15
○政府参考人(武田俊彦君) 済みません、私どもの把握しているデータといたしまして、臨床研修修了時に研修医に対して行ったアンケート結果というのがございます。
 そこで、その地域枠の医師、地域枠以外の医師も含めた全研修医が専門研修をどのくらい希望するかというデータを持っておりまして、これによりますと、全研修医のうち専門研修を希望すると回答したのが九二・三%、地域枠医師の中で専門研修を希望するのが九四%ということでございますので、地域枠医師をその全研修医で見た場合の数字もほぼ同じというふうに考えております。
#16
○足立信也君 そうなんですね、九割以上、当然だと私は思いますが。
 そこで、じゃ、専門医制度で基幹病院を決めるときに、地域枠の学生というのは制限があるんですか。
 臨床研修では義務年限が、地方勤務が九年間、地域勤務五年間とありますね。じゃ、専門医は九四%が希望しているけれども、彼らはある地域限定でしか選べないんですか。どうなっているんでしょう。
#17
○政府参考人(武田俊彦君) 現在、各都道府県で作成されているキャリア形成プログラムの中身につきましては、都道府県によって様々な対応がなされているのが実態でございまして、一定の制約が課されている場合もあれば、都道府県による制約がなく、大学や本人が就業先を決定している場合もございますので、これは様々な対応だというふうに思っております。
 このため、今回の法案の施行と併せまして、全ての都道府県で地域枠医師にキャリア形成プログラムを適用とすることを基本とした上で、このキャリア形成プログラムの内容につきましても、私ども、そのガイドラインを作成して公表したいと思っておりますが、その中におきまして、医師が少ない地域での医療機関での勤務とキャリア上必要な基幹的病院での勤務、この双方を経験可能にするですとか、可能な限り適用される医師本人の希望に配慮して丁寧に調整を行うことといった内容のガイドラインを今後作成を考えているところでございまして、やはり、医師の御希望でございますとか、医師の今後のキャリア形成、こういったものにある程度寄り添った形のキャリア形成プログラムであることが医師の地域定着の面でも必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#18
○足立信也君 この前、立谷市長もおっしゃっていましたが、専攻医で東京に二一・六%集まる。今の話ですと、キャリア形成プログラムで当然地域枠の方は同一都道府県内にとどまってもらいたいようなことを優先的に考えられるわけですが、専門医を目指して専攻の基幹病院を選ぶときに、その県内でしかできないとなると、あるいは同一県内の地域協議会で決めていく、キャリア形成プログラムも中に入りますけど、協議会で決めていく中で、専門医を目指す人間というのはとどまっていないですよ。やっぱり、より高い専門性を得たいというわけですから、都道府県を越えていきたいというのは私は当然多いと思うんですが、ここは私、相当矛盾があると思うんですね。
 今、キャリア形成プログラムというのは、もちろん臨床研修の段階でもそうですが、これはずっと、キャリア形成がその後の専門医を選ぶとか専攻するとか、それもずっと関わってくるという話なんですね。そのときに、地域枠の人はやっぱり地方勤務であるとか地域勤務を、義務がある中で、どうやって自分が望む、学会が認定するところ、専門医機構、学会に登録するわけですね。その仕組み、これって矛盾じゃないですか。
 そこで、なぜこんなことが生じているのかというと、非常に無理だと感じるのは、皆さん御存じのように、臨床研修というのは法的に位置付けられてマッチングしますね、マッチング協議会というところでやりますね。でも、専門医は、専門医機構が統括して各学会に、いいプログラムを選んでそこに登録するという仕組みじゃないですか。これというのは、臨床研修と専門医の在り方、数の問題もありますけど、相当無理がある中で、地域枠をこれからどんどん増やしていきましょう、都道府県知事の要請があったらそれを増やしていきましょうとなると、場所は限定されている人をどんどん増やすのに、専門医の選びようがなくなるじゃないですか。
 これは大きな矛盾だと思うんですが、その原因の一つは、やっぱり法的に位置付けられているのと、そうじゃない、かつ、機構は、統括しているのは一般社団法人ですよ、ここに大きな無理があるんじゃないかと私は思いますが、いかがでしょう。
#19
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘がございましたように、卒後二年間の初期臨床研修、いわゆる初期臨床研修は国の定めた制度でございますけれども、その後、専門医の養成に関しましては各学会が取り組むということになっておりまして、ここを一貫したものとしてどうやって考えていけるか、また、プロフェッショナルオートノミーとの関係におきまして国、地方公共団体の意見をどこまで反映できるかというのが大変大きな悩みでもございました。
 今回の法案の整理につきましては、地域医療の観点から、国が都道府県の意見を集めまして、これを専門医機構に伝えるというような条文になっているところでございますけれども、今御指摘ございましたように、例えば専門医の資格を取ろうといったときにその特定の分野の基幹病院がその都道府県内にあるかどうかというのは、都道府県の地域医療の確保の観点から非常に重大な関心事ということになります。
 こういう地域医療確保の観点の地域の声を私どもとして専門医機構にお伝えをし、できれば、可能な限りそれぞれの地域で様々な専門医の資格取得に向けた専攻ができるようにするということが将来的には望ましいことだというふうに思いますが、そういう意味におきまして、本法案において、都道府県の声を国が受け止め、それを専門医機構に伝えるという仕組みが入ることによって、少しでもそういうふうな望ましい方向に進むように私どもとしても考えて運用をしっかりしてまいりたいというふうに思います。
#20
○足立信也君 何か遠大な希望を語られたような感じがして。
 やっぱり、法的位置付けが全然違うということも大きな問題ですし、十六条の二のところで臨床研修をかなり書き換えたじゃないですか。そうなると、同じようにそこにある一定の方向性を持たせようとするならば、いずれは専門医もやっぱりこの医師法の中で書き込むのかなという疑問が一つ。
 それから、今、各都道府県、地域でもできるだけ専門医がいいバランスで配置されて、そこで専門研修ができるようにという希望を今、武田さんはおっしゃいましたけど、そうであるならば、地域医療構想の中に専門医の数というのを、理想的なあるべき専門医の数というのをきちんと入れるべきじゃないですか。私が以前申し上げたのは、医療構想を先に作らせておいて専門医のことはこれから考えますじゃ、地域、地方は困りますよ。どれぐらい専門医が必要だからこそ、そこに入院施設はどれぐらい必要だという話になってくるわけで、順番がそこはえらく狂ったと思うんです。
 質問は、医師法に将来専門医のことを書き込む可能性が、私は臨床研修との整合性からいくとそうせざるを得ないと思うんですが、それが一点と、二点目、医療構想に専門医の数というのをこれから書き込む必要性があると思いますが、どうなんでしょう。
#21
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま二点御質問をいただきました。
 まず一点目の将来の医師法における専門医の位置付けにつきましては、これは非常に様々な御意見もございますので、今後よく関係者間の御意見も伺いながら私どもとしても議論を進めていく必要がある問題ではないかというふうに考えます。
 二点目、地域医療構想と専門医の数との関係でございますけれども、地域医療構想は、御案内のとおり、全国の二次医療圏ごとに、どういう入院、医療、病院、病床の機能を今後持っていくべきか、こういう将来医療需要の動向を踏まえた医療提供の在り方につきまして地域医療構想の中で策定をいただくということでございますけれども、それを担保するための医師の数につきましては、今回、国の一定の基準に基づきまして医師少数区域を定め、それを基に都道府県で医師確保計画を立てていただくということになります。そして、御指摘のとおり、この地域医療構想とそれから医師確保計画というのは密接に関連する部分がございますので、都道府県におきましてこの地域医療構想の推進と専門医の確保を整合的に進めていく、そのための体制を確保するということは必要ではないかというふうに考えるところでございます。
 今回の法案との関係ということになりますけれども、今回の法案におきましては、都道府県が大学、医師会などの地域の関係者と地域医療対策協議会において専門研修の施設、定員等について協議する仕組みを法定化する。そして、都道府県が地域医療構想と整合的に都道府県内の専門研修体制の在り方を検討することができることとしたところでございますので、なかなかその地域の実情で様々だとは思いますけれども、まずは今回の法案によって導入する仕組みを効果的に活用しつつ、地域医療構想と新専門医制度が都道府県で整合的に進むよう、国としても助言などにより促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#22
○足立信也君 位置付けが明確じゃないと非常に難しいと思いますよ。各学会にお任せしているような状況ではかなり難しいと思います。
 そこで、いろんな意見がありますが、地域枠と同じように地元にとどまる確率が約八割と非常に高い地元出身者枠、これについても知事からも相当増やしてくれという話があると思うんですが、ここでも同じ問題です。やっぱり専門医を専攻したいというふうになると、先ほどの話ですと都道府県の枠を越えていくわけですから、これ専門医制度でこの仕組みをずっとやれば、今まで地元にとどまっていた人たちもとどまらなくなると私は思います。それが学問の自由ですよ。私はそう思いますね。
 なので、ここは、一つの案としては専門医というものの位置付けを明確にすることが一つだし、もう一つは、知事がそのような要請を出してきた場合に、地元にとどまれるような人の体制、先ほど専門医のことを言いましたけど、これ、大学に対する経済的支援も含め、専門医を確保するための経済的な支援というようなことがやっぱり都道府県にないととどまれないですよ、と思うんですが、その点については今の段階で考えがあるんでしょうか。
#23
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘をいただきましたように、この地元出身者枠それから地域枠の設定で地元定着を図っていただく、こういうことを進めていきたいと思っておりますけれども、専門医との関係につきましては、やはり一定の専門医資格、それから専門医制度というのが、この医師確保計画でありますとか医師の偏在対策と整合的なものであるようにしていくことは必要だろうというふうに思います。
 専門医の制度的位置付けについても御指摘ございましたけれども、この専門医機構による新専門医制度は今年度からスタートしたということもございますので、まずはこの新しい制度の実情を把握しながら、新しい制度に基づきまして、都道府県の意見を踏まえて、国としても専門医機構とよく話合いをしていかなければならないと思います。
 その上で、今回の法案の中におきましては、厚生労働大臣が日本専門医機構に対して医師が研修を受ける機会を確保できるようにするための必要な措置の実施を要請する仕組みも盛り込んでおりますので、この仕組みも活用して、地元出身者枠の医師が新専門医制度における基幹病院を希望に応じて適切に選択できるよう、日本専門医機構等と連携をしつつ取組を進めてまいりたいと思っております。
 その際に、支援というのはあるのかというような御質問でもございます。こういう取組に加えまして、地元の大学において専門医を養成できる体制を確保するため、例えば臨床研修医向けの専門研修募集説明会の開催ですとか、専門医を指導する指導医の人件費の補助などの取組を行う大学などに対しまして地域医療介護総合確保基金を活用して、都道府県ともよく相談をしながら、引き続き必要な支援が行えるように私どもとしても努めてまいりたいというふうに思います。
#24
○足立信也君 これ、最後の十六番の質問に行きますが、結局、臨床研修にしても専門医にしても、大学生の間、医学部にいる間から一貫性を持ってキャリア形成をしていかなきゃ駄目なんですね。それで、法的位置付けも異なっているし、その一貫性がなかなか保てないということだと思います。
 全国医学部長病院長会議と日本医師会、合同会議で、医師キャリア支援センター、そこに登録して、その人のキャリアをずっとフォローするとなっていますが、そういった取組が臨床研修、それから専門医のところもずっと一貫して必要だと私は思いますね。
 これ、以前から申し上げているんですけれども、マイナンバーのところにひも付いて、国家資格のあるなし、何の国家資格があるというようなこともひも付いていると僕は非常にいいと思いますし、そこでキャリアフォローアップもできると思うし、ある診療所や病院で無資格の人が働いているなんというのはこのマイナンバーで就業の雇用者のところを調べれば一発で分かるわけですから、毎年毎年無資格診療とかいろいろ出てきますけど、それをやっていればいいことであって、このナンバーを利用すればいい。
 要は、言いたいことは、卒前から卒後、しかも卒後というと臨床研修から専門医、この段階までやっぱり一貫性を持って、もうこれ、人間が減っていく予想の日本の中において無尽蔵にこの分野だけ人を増やすということはできないわけで、しっかり日本の現状、それから世界を見詰めた中でどう育てていくかということですから、必ず必要だと思います。
 これが質問の内容で、そこをどう考えるかということなんですが、もう時間が最後で、大臣との約束ですから、先ほどのデータベースの件です。
 二十六年度まではやっていると。その後、いろんな裁量労働制を含めて問題になってきた。私が思うのは、裁量労働制の方が労災の頻度は高いですよ。しかも、専門業務型が高いです。私は、高プロ、高度プロフェッショナルというのは、極めて高い裁量性があって専門性があって収入が高い、この専門業務型の中の一分類じゃないかと想定するんです、私はですよ。
 であるならば、このやっぱり裁量労働制の中でのデータベースを構築したわけですから、そこにしっかり入れて分析するということが大事だと思います。テレ朝の件は、このデータベースの構築の中でデータベースとして構築されているかどうか、その後、二十七年度からのこの入力に関してはどの程度進んでいるか、そこを最後にお聞きしたいと思います。
#25
○政府参考人(武田俊彦君) まず、前半部分の医師養成、一貫した医師養成という御質問について私の方からお答えをしたいと思います。
 医師のキャリア形成につきましては、医療における国民需要が高度化、多様化している状況に鑑みれば、医学部教育、卒後臨床研修、専門研修などの一連の医師養成過程におきまして、この教育内容、医師として目指す姿が整合的であることは非常に重要であるというふうに考えております。
 医学部教育につきましては、大学教育ということでありますので文部科学省所管、そして卒後臨床研修は私ども厚生労働省、そして専門研修につきましては学会中心の専門医ということになっているわけでございますけれども、これをいかに整合的かつ一貫したものにできるかというのが今問われているのだというふうに考えております。
 したがいまして、厚生労働省としては、文部科学省と連携して、医学教育のモデル・コア・カリキュラム、臨床研修の到達目標について共有化を図っておりますし、今後とも一貫した養成になるように是非努めていきたいというふうに考えております。
#26
○国務大臣(加藤勝信君) まず、テレビ朝日との関係ですけれども、私も報道で承知はしておりますけれども、本件については、遺族あるいは遺族の代理人の方が発表されたということではないということでございますので、個人情報の保護という観点から、個別の案件ということでは回答を差し控えさせていただきたいと思いますが。
 委員からは、前回も過労死等データベースのお話をいただいております。現在、過労死データベースは、この間説明したように、二十二年度から二十八年度までは入力をされているということでありますが、今年度の予算も確保してデータベースを更に構築をしていくということ、それから、過労死の職域別疫学研究等を行うという事業を計上し、これを今委託、委託事業でありますから、委託先を確定し、委託をしているところでございます。
 具体的な作業状況をつまびらかに承知をしておりませんが、現時点では、入力すべく今資料を精査し、作業に入っているということであります。これは二十七年度、二十八年度分について作業をしております。ちょっといつできるかは明確ではありませんが、できるだけデータの方を早く構築すべく作業をするよう委託先ともよく連携をしていきたいと思います。
#27
○足立信也君 終わりますが、二十六年度のところを二十八年度と言い間違えたような気がしますので、冒頭のところ。
 以上で終わります。
#28
○国務大臣(加藤勝信君) ごめんなさい。
 二十二年度から二十六年度までが入力をしておりまして、今二十七と二十八年度の入力作業に入っていると、こういうことでございます。済みません。
#29
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 私も質問に入ります前に、今、足立委員がテレビ朝日の件、触れられました。実は、今朝の朝刊各紙、皆さんも御覧になったと思いますが、本当に残念で悔しくてなりませんけれども、二つの過労死事案が報道されております。もう一つ、二十八歳の若いIT企業に勤める、これ裁量労働制の適用労働者です。結局また百時間超、最大で百八十時間云々という報道もありますが、とんでもない残業時間というか長時間労働を強いられ、そして二十八歳という尊い若い命が奪われてしまっております。
 この件、私、一般質問、午後また質問に立ちますのでそこで改めて触れますが、こういう裁量労働制で過労死、様々な健康被害が現に発生している、止まらないにもかかわらず、ああいったデータの偽造問題、改ざん問題、撤回、そして現行制度の強化策までセットで撤回しちゃう、とんでもない話ですよ。そのことは午後しっかり、大臣、議論させていただきたいと思いますので、通告として受け止めていただきたいというふうに思います。
 法案審議に入ります。
 私も、おとといの議論を受けて、続けて更に深掘りを幾つかの点でしてまいりたいと思いますが、大臣、私、おとといの質疑の中で、一つは、医師少数区域、地方、へき地、若いお医者さんというよりは、むしろベテランの方に行っていただくべきなのではないかという意見も述べさせていただきましたし、重ねて、そういうとりわけ困難な医師少数区域に行っていただく皆さんには手厚い認定制度の下でのインセンティブを考慮すべきではないかと、前向きな答弁もいただいたところです。
 一つ確認をさせていただいて、これ先ほどの足立委員も触れられておりましたが、厚生労働省、今回も、アンケートを見ると四割もの皆さんが、四四%、地方で勤務してもいいと言っていただいている。二十代でいくとそれがもっと高くて六〇%がとおっしゃる。しかし、それって、じゃ、一人で全部やらなければいけないようなへき地病院、離島だとか中山間地だとか、そういった非常に環境が厳しいところ、そういったところでも喜んで働くということなんでしょうか、そうではないんでしょうか。この点、大臣、まずはっきりと、どういう意味なのか、明確に答えてください。
#30
○国務大臣(加藤勝信君) まず、希望を取ればそういうことになるわけでありますけれども、前からお話ありましたように、ただし、その障壁としては、労働環境が不安があるということであります。それが一番多いわけでありますから、そういったこの労働環境の中には、今委員御指摘のように、まだ余り経験を積んでいないという中において、地域において様々な症状等に対応していくという、そういったことに対する不安というものがあるんだろうというふうに思います。
#31
○石橋通宏君 いや、ちょっと、事実として教えてください。
 じゃ、例えば、二十代の医師でへき地に、一人で全てをやらなければいけないようなそういう環境のところでも喜んで行きますと言っていただいている人はどれぐらいいるか、把握はされているんですか。
#32
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の、そこまで絞り込んだ条件の中で希望を聞いているというデータは持っておりません。
#33
○石橋通宏君 いや、ないって聞いたんですよ。ないんですよ。このアンケートも、要は県庁所在地以外でとか、そういった非常にばくっと幅広い中でそれだけの方が行ってもいいと言っていただいている、有り難いことですけれども、でも、じゃ、一人でそういう環境でもいいのか、二十代の方が、そこまでは実は把握されていないんですね。だから、分からないんです。
 じゃ、二十代の方で本当にそういうところにも行っていただけるのか、じゃ、そのための条件は何なのか。だから、できればそこまで掘り下げた、一体何がやっぱり必要なのか、どういうニーズがあるのか、きちんと把握をいただいて、ピンポイントで、何でもかんでも、医政局長、できるわけじゃないでしょう、一斉に。だったら、じゃ、そのための環境整備、どこから手を着けて何を優先順位付けてやっていくのかということは、ちゃんと把握をいただかないと結局何も進まない。おとといの議論にもありましたが、制度つくっても何も進まないということになりかねないということは改めて指摘をしておきたいと思いますので、是非そういった現状、状況、意向確認、是非していただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思います。
 それから、今、へき地とかいう話もさせていただきました。今回、じゃ、へき地で勤務をしていただいた、とりわけ医師少数、医師不足が厳しい地域ですが、是非そういった地域で働いていただく方には手厚い制度をつくっていただきたいというのはおとといお願いしたとおりであります。
 確認ですけれども、こういったへき地とか、とりわけ医師が不足して困っておられる地域というのは、逆に今回の定義でいうと、医師多数区域にも当然存在し得ると思いますが、医師多数区域でそういったへき地に勤務しておられる方にも、今回の認定制度、認定の対象にもなるし、インセンティブの対象にもなるということでよろしいんですか、大臣。
#34
○政府参考人(武田俊彦君) 今回の法案の内容に関わりますので、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 医師少数区域につきましては、二次医療圏を単位として設定をしていく、これを国として基準をお示しをするということになってございますけれども、今御指摘のありました、例えば認定医師の要件といたしましては、医師少数区域以外の地域におきましても、全体としては医師少数ではないけれども、へき地、無医地区というのがございます。こういった地域における勤務の経験もやはり医師少数区域における勤務の経験と同様に扱うべきであろう、こういう御指摘がありますので、認定の対象となる地方勤務経験の中にはそういう地域を含めて考えたいと思いますし、私どもとして、環境整備につきましても、こういったへき地と言われるような地域につきましては、やはり引き続き重点的な支援が必要であろうというふうに考えております。
#35
○石橋通宏君 私たちも、医師多数区域とか言われちゃうと、二次医療圏で、どうも何かあたかもそこは全体としてもう医師は多数なんだ、足り過ぎているんだ、だからほかに回っていただいてもいいんだみたいな発想になる、何か僕らもイメージとして持ってしまうんだけれども、そうじゃない。医師多数区域、二次医療圏がそうでも、その中でも偏在があって、その中でも大変困難な状況に置かれている自治体があるんだということは、今局長の答弁、大臣も聞いていただいて、今回の制度の中でもそこはちゃんと認定をして、そういう認定制度をインセンティブの中で考慮されるんだ、していくんだということだったと思いますので、是非そういう観点で、自治体の皆さんにも安心していただける制度をしっかり構築をしていただきたいということはお願いをしておきたいと思います。
 もう一つ、今の若手の医師等々関連する、足立委員も言われた医師の勤務環境改善支援です。
 おとといの質疑でも何名かの委員の皆さんが、ICT、情報通信を活用して遠隔医療ですとか今様々、遠隔の病理診断だとか様々なスキームを構築、実証実験を含めて、厚生労働省としても総務省などなどと連携しながら取組をいただいていると。是非これは大臣、強力に、これから御存じのとおり移動体、モバイルが第五世代、5Gの世代に入っていきます。第五世代に入ると、モバイルで全部IoTで、私も実証実験見させていただきましたけれども、物すごい鮮明な画像が遅延ほとんどない形で遠隔で、距離もう関係なくなります。鮮明なものを遠くの病院で専門医に見ていただきながらいろんなアドバイスをいただけるというすごく大きな可能性があると思いますので、これ是非厚労省としても積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、今日お願いをしたいのは、重ねて、この遠隔医療とか遠隔病理診断だけではなくて、むしろ若い世代のお医者さんたち、さっきも申し上げた、一人で全部診なければいけない、でも専門性なかなかまだない、そういったお医者さんたちの教育や訓練や指導にICTを是非活用いただきたいと。もう既に全国の中ではそういった取組を自治体ベースでしていただいているところもあると思います。
 これ、どうでしょう。是非、大臣、これも積極的にそういう若い医師の皆さんの研さん、教育訓練制度、そういったもののスキームの中にこういったICTを活用した遠隔での教育、そういった訓練、積極的にこれもやっていただきたいと思いますが、大臣、答弁いただけますか。
#36
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの医師多数区域の話、私も全く同じような感想を持っておりまして、特に広域であればあるほど中における状況が違うので、まさに少数区域はもちろんでありますけれども、先ほどあったへき地とか医師不足地域と認定できるものにおいては、まさにこの医師確保対策を同じように適用していくということが大事だということはそのとおりだというふうに認識をしております。
 それから、ICTの関係でありますけれども、まさに、先ほどから委員御指摘のような、医師が不安なくそうした地域で働くために、その障壁を乗り越えていくための手段としてICTの活用というのがあるというふうに思います。
 地域の診療所と地域の中核病院とを医療情報ネットワークでつないで、患者のレントゲンやCT画像を共有しながら治療方針の検討を中核病院が支援しながらやっていくということ。先ほど5Gのお話がありました。私も直接見ておりませんが、野田総務大臣が見て、これすごかったよという感想を聞いております。また、私も一回それを是非直接視察をしたいと思っておりますが、加えて、ウエブ会議というのが今いろいろ使われておりますから、会議として使う、それからウエブを使った様々な研修、こういったことに対する支援、こういったことも考えていきたいというふうに思います。
#37
○石橋通宏君 そこのところは、大臣、是非御自身でも見ていただきながら、いろんな可能性があると思いますので、これは、是非、厚労省、積極的に対応いただきたいと思いますが、もちろん、大臣、そのために一番のネックはやっぱりお金です、財政措置。
 特にそういう医師が厳しいところは財政的にも厳しいところが多数ですので、そういう積極的にICTの環境を整えたいと思っても、まず先立つものがなかなか地方では準備できない、用意できないということになると思いますので、こここそ国の方で、厚生労働省、音頭を取っていただいて、積極的な地域のそういった環境支援、環境整備、やっていただかなきゃいけないと思います。大臣、是非、財務省とここはしっかりと戦って勝ち取っていただきたいと思いますが、決意をお願いします。
#38
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、今、この医師の偏在含めて、こうした、今、当面、我々、様々な課題があります。それを乗り越えるためにこうした財政的な意味での基盤をつくっていくというのは大変重要な部分でありますから、そうした基盤確保に向けてしっかりと取り組ませていただきたいと思いますので、応援のほどもよろしくお願いいたします。
#39
○石橋通宏君 ここは珍しく意見が一致するところだと思いますので、しっかりと応援をしておきたいというふうに思います。
 それで、続いて、働き方改革に絡んで、これもこの間各委員の皆さんからも取り上げられておりますが、今、衆議院の方で働き方改革法案、議論されておりますが、やっぱり一つの大きな課題は上限規制の導入ということで、医師については五年の適用猶予、その水準は今年度中にということで今議論が様々されているということですが、一方で、医師以外の従事者、とりわけ看護師の皆さんはこれ適用猶予ではありませんので、当然、もしこの法案が、このまま上限規制が導入されれば即適用ということになります。
 これ、局長でも結構です。確認ですが、これまでいろいろ医師の定数の問題、養成数の問題、御議論をいただいた。じゃ、需要がどうなのか、どこにどれだけ診療科も含めて配置をいただくのか。これは、少なくとも、現行、今私たちの目の前にあるそういった定数の決め方、基準、需要数、当然ですが、今回、今議論されている労働時間の上限規制、これは考慮されずに今水準があるということだと思いますが、確認までに答弁をお願いします。
#40
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 病院の医師の配置数につきまして、医療法上の標準数というのがございますが、また、診療報酬でも様々な基準を設けているところでございます。
 これにつきましては、現在の働き方改革という以前の平成二十三年の頃からこの新しい医療法が制定をされまして、その当時、必要最低限の数として設定をされたものでございますので、これについて、働き方改革の影響があるのかどうかという御質問かと思いますけれども、全体の数としては、この需給検討会の中でマクロの数の議論はしておりますけれども、医療法の標準数という意味でいきますと、これは必要最低数ということでございますので、基本的にはこれが維持されるものではないかと考えております。
#41
○石橋通宏君 これ、今、局長、最後のところは、これ維持されるというふうに、今後も見直すつもりもないし変えないし、上限規制が導入されても今のままだという答弁ですか。
#42
○政府参考人(武田俊彦君) 医療法上の配置標準につきましては、様々御意見もございますし、この在り方についても御意見をいただきながら議論していただかなければいけないものと考えますけれども、今の働き方改革と関連するかどうかという関係につきましては、マクロの数としてどれくらい日本の医師が必要かということの議論は今実際議論を行っておりますけれども、具体的に病院にどれくらいの医師が必要かということにつきましては、働き方改革の影響があるかどうかも含めてきちんと議論をしていきたいというふうに思います。
#43
○石橋通宏君 いま一つ分かりませんが、大臣、もう大臣は重々御存じですね。今現状、本当に現場のお医者さん、看護師さんたちも含めて、物すごい現場の御努力で医療サービス、今の水準を維持していただいている。過酷な状況の中で、本当に連続勤務の連続、これもこの間議論もありましたが、当直していただいて当直明けで引き続き勤務をする、何十時間連続。こういう現場の状況の中で、残念ながら医師の過労死、過労自死、こういった問題も発生しているわけです。今の現状の中でもこんなこと放置しちゃいけないという思いだと思いますし、さらに、この働き方改革の議論、上限規制がこれ導入されれば、今まで議論していた土俵が変わるわけです。さらに、医師の皆さんも安心して医療に従事をいただくんだと。
 おとといの参考人、重ねて申し上げます、フランスなんかは週三十五時間というのが、ちょっと若干その後変更があったようですが、最初は医師にもそのまま当てはめられたと。三十五時間ですよ、週。分け隔てなく、お医者さんもそうなんだ、安心して医療に従事をいただくんだ、それで医師の配置基準やら定数やら全部やられたわけです。
 とすれば、大臣、是非問題意識として、今回のこの上限規制の導入、お医者さんの水準がどうなるかはこれから出口決めていくわけですが、いずれにしても、今のような、これまでのような現場のお医者さんに無理強いして頑張ってよという話じゃないんだ、見直しは必要なんだということは同意をいただけると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(加藤勝信君) その委員のおっしゃっている見直しの対象が何かということがあるんだろうと思いますけれども、ただ当然、これから働き方改革、来年の三月に向けて御議論をいただきます。そうすると、それが実際の現場において適用されることが当然前提になるわけでありますから、じゃ、その場合にはどういった配置になっていくのか、そして、その場合にはどれほど全体として必要になっていくのか、これは当然そういう議論をしていかなければならないというふうに思います。
#45
○石橋通宏君 これも参考人で、先ほど名前出ました植山さんの、今のまま行ったらもう崩壊するというような発言もございました。それぐらい現場は深刻な状況で本当に頑張っていただいている。何としてもこの状況を変えていくためにも、今回しっかりとした必要数、需要数の見直し、各地域でやっていただく。その中で、ちゃんと上限規制、医師の本当に安心して働いていただける環境も併せて、じゃ、必要数、需要数がどうなのか、こういった議論をしていただかなきゃいけないというふうに思いますので、そこは、大臣、その議論の中で、当然のことだと我々は思いますが、しっかりその要素を含めた議論を指導していっていただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思います。
 その上で、じゃ、今現場で、一体、病院、これ医師だけじゃない、看護師の皆さんもそうです、看護師の中でも残念ながら過労死、過労自死、そういった問題が発生をしています。現場も本当に大変な状況だと思いますが、大臣に、じゃ、病院での現状の労働法令違反の実態、とりわけ労働時間法制の違反の実態、これどこまで把握をされているのか。
 今回、資料を出していただいたんですが、病院に限ったデータはないというふうにお示しをいただきましたが、大臣、病院のお医者さんの、看護師さんの労働時間法令の違反の実態、これちゃんと把握をされているんでしょうか。
#46
○国務大臣(加藤勝信君) もう今委員御指摘のとおりでありますけれども、病院を含む医療保健業というくくりにおいては数字は把握をしているわけでありますけれども、例えば病院という形に限って取っているものはないということでございますので、その辺を含めてもう少し細かく見ていく必要があるのではないかというふうには思います。
#47
○石橋通宏君 細かく見ていく必要があるという、大臣、認識をいただければ、当然細かい実態を見ていただかなければいけない。そのためには、僕は、もうこの機会に集中的に、大臣の指導で特別な集中臨検入っていただくとかいう、そういう状況をつくっていただいてもいいんじゃないかと思います。
 というのは、単に違反者をどうのこうのせよというよりは、まさに大臣言ったように、実態をまずつかんでいただいて、どうもこれまでの状況でいけば三六協定すら結ばれていない、でも、もう当たり前のように残業が行われている、そういう病院の実態があるということは、これ大臣も聞いておられると思います。五年の、お医者さんでいけば、適用猶予になります。でも、だからといって五年間今の状態を放置していればいいということではないというのも、これも大臣も同意していただけると思います。
 であれば、五年の猶予期間も、少なくとも現行法令においてのちゃんとした法令遵守というのは、これは病院の皆さんにも御努力をいただいて、国全体としても、今後議論される協議会でも、その辺を含めたしっかりとした対応をいただく。そのためにも、実態調査、臨検含めて対応いただきたいと思いますが、この点も、やり方は工夫いただくことも含めて、大臣、是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#48
○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、実際やった監督指導をどう分析するかということに関しては、今の中では多分そういうくくりしか取っていないと思いますから、実際もう少し細かくくくりをすることによって整理ができる。
 それから、やっぱりもう一つ、いろいろ議論いただくんですが、最大の問題は、残念ながら電子化されていないということなんですね。そうすると、御指摘いただくごとに監督署にあるやつ全部集めてという、これではなかなかお答えもできませんし、監督指導そのものを考えてもこれは余りいいことではないと思っていますので、これはできるだけ早くに電子化をして分析をし、そしてそれがまた監督指導につながっていける。そして、その中においてお示しできるものはお示しをしていく。これはしっかりやらせていただきたいというふうに思います。
 それから、その上で、今度、監督指導をどうするかというお話がありました。今お話があるように、確かに病院においてもいろいろな事案が出てきております。ただ、それ以外もあるわけでありますから、病院だけをこの期間に集中してやるかどうかということについては、これはちょっと少し慎重に考えなきゃいけないと思いますが、ただ、当然、問題があるところに対してはしっかりやると、これは監督指導の基本でありますから、そういった姿勢では取り組ませていただきたいと思います。
#49
○石橋通宏君 今大臣がいみじくも、具体的に入ってどうかと。これ、現場のお医者の中には、いや、今、一斉に入られたら困ると。そうしたら、やっぱり現場の実態としては、なかなか厳しい状況の中で、労働時間法令なかなか守れないという実態の中で頑張っていただいているという、それで罰せられたらもう医療サービス回らないんじゃないかという懸念も現場にはあるということも分かっておりますが、だからといって、大臣も言っていただいた、今のまま放置をしていていいというわけではないということはそのとおりだと思いますので、これ是非、本当に国民の皆さんの大切な医療サービス、それには医療従事者の皆さんに、とりわけお医者さんに安心して従事をいただかなければいけないという観点で、しっかりとした法令遵守の対応を是非いただきたいと思います。
 最後に、今日、資料で改めてお配りをさせていただきました。今回の、これまでの、地域で医師偏在対策、様々協議をいただく環境がどうなっているのか。もういろんな協議体があって、いろんなセンターがあって、いろんな枠組みがあってというのはこれまでも議論がありました。今回どう整理をされるのか、どういう位置付けが新たに生まれてくるのか、それをちょっと整理してくれと言って作ってもらったやつで、こういう感じで整理をされるわけですが。
 しかし、結局、これもおとといやりましたが、じゃ、こういう整理をいただいた上で運用が本当にうまくいくのか。これまで地域医療対策協議会つくっていても、もうほとんど議論がなされていなかった県があると。例えば、地域医療センターでも、本来、地元の医科大学と協議をいただかなきゃいけないのに、全く協議が行われていないところが幾つもあった。こういう実態があるわけです。
 今回の法案でこういう枠組みを整理をいただいた。義務化もしていただく。でも、やっぱり現場で動かないということになったら意味がないわけですが、これ、大臣でも局長でも結構ですけれども、これまで残念ながら協議会がほとんど全く動いていなかった、若しくは現場で都道府県、自治体と大学の医局との話合いが全く行われていなかった。だから、全然問題が前に進まなかった。これは、この法案によって、この新しい枠組みによって必ず解決されるんだ、解決していくんだ、そういうことでよろしいでしょうか。
#50
○政府参考人(武田俊彦君) お答えをいたします。
 その前に、先ほどのちょっと一点訂正がございまして、医療法につきまして、昭和二十三年と言うべきところを平成二十三年と言ってしまったようで、医療法が制定されたのは昭和二十三年ということで、訂正をさせていただきたいと思います。
 その上で、今の地域医療対策協議会についてでございます。各都道府県におきましては、現行の医療法においても、医師確保対策について、医育大学を含む地域の医療関係者と地域医療対策協議会を置いて議論することとされておりますけれども、御指摘のとおり、開催頻度が低いですとか、複数の会議体があってこうした運用がされていない、そしてそれを私どもとしても必ずしも十分フォローできていなかった、様々な問題があるというふうに思います。
 このため、今回の改正案におきましては、医育大学や医師会、主要医療機関等を構成員とする地域医療対策協議会を医療確保計画に定められる医師確保対策の具体的な実施のための協議を行う場として法律上位置付けまして、地域枠を中心とした医師の派遣調整などなど関係者間で協議すべきこと、そして協議結果に基づいて医師確保対策を実施すること、こういったことを法律に明記をさせていただいたところでございます。
 また、地域医療センター運営協議会など類似の協議会などにつきましては廃止をし、一本化をするということもさせていただきたいと思っておりますし、今後はこの地域医療対策協議会において協議が調った事項につきまして都道府県が対策を実施をしていく、そして公開もしていく、こういうことでございますので、今後は、地域医療対策協議会の実効性が高まり、定期的に開催をされていくべきものと考えているところでございます。
 私どもも、地域医療対策協議会はこれ今後の医師確保対策その他の要になりますので、この協議の進め方、都道府県による医師派遣と大学による医師派遣の整合性を確保することなど、注意事項につきましては指針としてはっきりお示しをしたいと思っておりますし、指針を示すだけではなく、都道府県における地域医療対策協議会の運営状況を私どもとしてしっかりフォローアップをいたしまして、適切な運営を確保してまいりたいと考えております。
#51
○石橋通宏君 しっかりやってください。
 終わります。ありがとうございました。
#52
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 日本の医師数は、国際的に見るとどんな水準なのかということをまず確認させていただきたいと思うんですね。
 資料をお付けいたしました。これ、医師の需給分科会に示された資料となっております。これ、人口千人当たりの臨床医数ということで、OECDで平均が真ん中辺りの二・八、日本はということで見ますと下から四番目ということになっております。さらに、資料の二枚目見ていただきますと、これ病床百床当たりの医師数ということで、イギリスが日本の七・五倍、フランス、ドイツは三・七倍ということになっておりますので、圧倒的なこれ違いがあるんですね。
 国際的に見まして、日本の医師数というのは、人口比で見ましても病床数に対しても余りにも少ないと。客観的な事実だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#53
○政府参考人(武田俊彦君) 今、人口当たりの医師数、それから病床当たりの臨床医師数についての御質問がございました。
 我が国の人口十万人当たりの医師数でございますが、平成二十八年時点では二百五十一・七人となっておりまして、現在の医学部定員数が平成三十一年頃まで維持されると仮定をしますと、平成三十七年頃には現在のOECD加重平均値二百九十人くらいに達する見込みでございます。これは、近年、医学部定員を増員をしております一方で日本の人口は減少に入っておりますので、そういった意味におきまして、ほかの国と比べて今後この人口当たりの医師数は伸びていく、そして現在のOECD加重平均値に達する見込みが示されております。
 また、病床百床当たりの臨床医師の数につきましては、平成二十八年時点で十八・五人と私ども把握をしておりますけれども、諸外国との比較が可能な平成二十六年、二十七年時点においては、御指摘のとおり、諸外国より少ないということでございます。ただし、これは人口当たりの病床数が我が国が非常に多いと、こういったことと併せて解釈が必要だと考えております。
#54
○倉林明子君 先々の見通しまで御説明ありがとうございます。
 ただし、OECD加盟国の中でも現状では極めて医師数少ない、これ事実なんですよ。医師の長時間過重労働、これで支えられているのが日本の医療だということをしっかり認めるべきだと思います。
 そこで、病床当たりの医師数が日本の三・七倍ありますフランスの医師の働き方ってどうなっているかということで、参考人の松田晋哉教授が紹介されているし、二月の時点で、今年、フランスにも行かれたということで、報告の論文も読ませていただきました。これ、驚いたことに、フランスでは若手医師は病院志向が強いというんですね。それは背景に三十五時間労働法導入があったと。先ほど紹介あったとおりです。勤務医が対象、開業医は対象になっていないんですけれども、勤務医は対象になったと。
 そこで、松田参考人の報告見ますと、医療安全の観点から、これ当直を行った医師には二十四時間の休息も義務付けられたということなんですね。現在、さすがに現実的な見直しをせざるを得なくなった下で、週の労働時間は上限四十八時間、連続十二週の平均労働時間は四十八時間以内、いずれの週も上限で六十時間以内と、ここまでですよということにしたというんですよ。私、さすがに三十五時間労働というのは夢のような話だけれども、目指すべき医師の働き方ということでいうと、医療の安全を担保するという観点からも、このフランスの働き方というのは目指すべき方向じゃないかと、医師の働き方として。
 大臣、いかがでしょう、感想をお聞かせください。
#55
○国務大臣(加藤勝信君) 働き方改革については来年の三月に向けて検討を進めさせていただいておりますし、その中においては、諸外国における医師の労働時間規制の内容なども調査をし、また議論を反映していくということが必要だと思いますし、そういう中には当然、フランスの事例、今の、含めていくべきだと思っておりますから、私どもも文献等の調査をするとともに、別途それぞれの地域に対して、これは外務省経由ということになりますけれども、実態の調査についても行わせていただいていると、こういうことでございます。
 今のお話、この医師の働き方、今病院のお話があって、多分、松田先生のお話では、その結果として、診療所との関係等々ということがあったと、等々いろんな事情があると思いますので、その辺も総合的にはもちろん検討していかなきゃいけないというふうに思いますけれども、海外の調査結果もしっかりと踏まえて議論したいと思います。
#56
○倉林明子君 そのとおりで、世界のスタンダードはどうなっているかということを是非研究もしていただきたいと思います。
 二〇〇〇年の三十五時間の労働法の導入以降、この医師不足、先ほどちょっと紹介されかかったけれども、大問題になったんです、さすがに。医師不足、病院機能の低下、社会問題になった。それで、改めてどうするのかというときにフランス政府がやったのが、医学生や若手医師の意識調査だったというんですね。彼らが労働時間の制限を望んでいると。こういうことを踏まえて一定の規制緩和、つまり四十八時間というところに医師はちょっと延びるんだけれども、そういうことで対応しようということになったわけです。
 これからの医療を担う医学生、若手医師、この意識という点でいいますと、今の働き方改革の検討会でもお呼びしてお聞きしているんですよね。提言をいただいています。その表題が「「壊れない医師・壊さない医療」を目指して」という、若手医師と医学生からの提言書がまとまって提案されているということです。
 そこで、膨大なもので量も多いものでもありますので、この提言の一のところだけで結構ですので、読み上げて紹介いただきたい。
#57
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御紹介がありました「「壊れない医師・壊さない医療」を目指して」と題するこの若手医師と医学生からの提言書、私どもの医師の働き方改革の検討会において資料として提出をされております。
 御指摘でございますので、提言の一を読み上げさせていただきますが、「私たちは、医師が原則として国の定める労働時間の上限規制と労使協定を遵守する必要があると考えている。それは患者の医療安全と医師の安寧を保ち、医療の持続可能性を高めることにつながる。」。こういうことと承知をしております。
#58
○倉林明子君 その提言の最後のところで、「決してこれまでのように医師にとって労働基準法があってないようなものになってはいけない。そして、私たちも無関心を装ってはいけない。」というふうにしているんですね。
 大臣、医師の働き方、これ改革を進めるに当たって、こういう若手の医師や医学生の提言って極めて重要だと、そう受け止めるべきだと思うんだけれども、いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(加藤勝信君) まさにこれからの医療を担っていただく若手の医師の皆さん、そしてさらに医師になろうとされている医学生の皆さん、そういった方々がまさに医師の働き方改革、ここに関心を持ってこのアンケート調査をし、こうして提言をまとめていただいたと、これは大変有り難いことでありますし、こういった期待に我々しっかり応えていかなきゃいけないというふうに思います。
 もう中身については申し上げませんけれども、今の働き方改革検討会議の中にも若手の医師にも入っていただいておりますし、この話もそこに出させていただいておりますので、こういったことを含めて更に議論を深めさせていただきたいと思います。
#60
○倉林明子君 期待に応えたいという答弁はしっかり記憶しておきたいと思います。是非応えていただきたいと思います。
 こうした実態も示され、提言もされるという中で、四月十七日に医師需給分科会が開催されております。そこで出された中身はどうだったかというと、現行医学部の定員は維持したまま、そこで二〇二八年マクロの医師需要は均衡すると、こういう予想が出ております。二〇二八年、医師数は需要と均衡するんだと、この根拠は何でしょうか。
#61
○政府参考人(武田俊彦君) 今御紹介いただきましたように、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会という場におきまして、この医師の養成数の議論をしているところでございます。
 本年四月のこの分科会におきまして、医師の働き方改革に関する検討会の結論はまだ出ておりませんけれども、ここで行われている議論の中身も踏まえまして、労働時間、タスクシフティングが達成できる程度などにつきまして、一定の仮定、前提の下、幅を持って三つのケースについて推計を行った需給推計案をたたき台としてお示しをしたということでございます。
 その三つのケースといいますのは、労働時間について週六十時間に制限した場合など、一定の前提を置いて三つのケースについて試算がされております。
#62
○倉林明子君 だから、二〇二八年で均衡するというのは、月八十時間を前提としているんじゃないでしょうか。三つの中のうち、八十時間を想定したのが需要と均衡バランスが取れる二〇二八年だという理解なんですよね。いいです、後で。
 医師の労働時間ということでいいますと、参考人からもいろいろ出ていました。当直、待機、研さん、これを労働時間とするのかどうか、これからの検討だということを聞いておりますけれども、物すごく大きな違いがここで生じてくるわけですね。植山参考人からも、当直問題と、月一回も休みが取れていない医師が結構いるんだというアンケート調査、実態の告発もありました。時間外・休日労働、これをしっかり含めての推計になっているのかどうか、これはいかがでしょう。
#63
○政府参考人(武田俊彦君) 三つの推計でございますけれども、具体的なケース一、ケース二、ケース三といたしまして、月平均六十時間の時間外労働、月平均八十時間の時間外労働、月平均八十時間の時間外・休日労働、こういう三つのケースについて試算を行いまして、今御指摘のありました二〇二八年需給均衡ケースといいますのはケース二でございますので、労働時間を週六十時間に制限をした場合、すなわち月平均八十時間の時間外・休日労働に相当するものでございまして、こういう前提の中で、もちろん休日勤務につきましても是正が図られるケースではないかというふうに考えておりますが、いずれにしても、引き続き検討会で詳しく議論していきたいと考えております。
#64
○倉林明子君 答弁短くする努力もお願いしておきたいと思います。
 現在も多くの医師が労働時間は申告制となっているわけです。実労働時間の把握、これさえも正確にはできていないという医師、少なくありません。どこまでが医師の労働時間も明らかでない、これが現状なんですよ。そういう時点なのに、二〇二八年には医師数は均衡する、充足すると。こういう結論というのは私はあり得ないと思うんですよ。
 医師の増員なしで現場の働き方が改善するなんということは到底考えられません。少なくとも、三十六時間連続勤務と、この異常を解消するために一体どれだけ医師数が必要になるのか。私は、最低こういう数値を盛り込んで需給見通しの推計というのはやり直すべきだと思います。いかがでしょうか。
#65
○政府参考人(武田俊彦君) 簡潔に答弁をさせていただきます。
 先ほどお話しいたしましたように、分科会での検討、その場でのたたき台として出されたものでございますけれども、一定の前提の下で幅を持った需給推計ということでございますので、御指摘の点も含めて、引き続き検討会で十分議論をさせていただきたいと思います。
#66
○倉林明子君 大臣、いかがですか。私、しっかり見直すべきだと思う。
#67
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、今後の医師の養成数をどうするかということについては、委員から御指摘ありますように、時間外労働規制の在り方あるいは連続勤務時間等について、今議論を行っていただいております医師の働き方改革に関する検討会、そこでは、どこまでを労働時間とするかといったことも当然含めていかなきゃいけないと思っておりますけれども、そういったことを踏まえて見込んでいく必要があると思います。
#68
○倉林明子君 医師にも労働法は適用される、これは一致していると思うんですね。
 昨年十月に、世界医師会が医師の倫理規範であるジュネーブ宣言を改訂しております。その中では、医療職は最高水準の治療を提供するため、自身の健康、安寧、そして能力に配慮しますと、こういう一文が入ったんですね。世界の流れというのは医師の労働環境改善に向かっている。
 医師の増員を保障する、私、診療報酬の引上げと併せた増員へのかじを切るべきなんだということを最後申し上げまして、終わります。
#69
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今週、参考人質疑がありまして、参考人の四人の方からもいろいろと意見を聞かせていただきました。今回の法案は一歩前進だけれども、これでなかなか解消するのは難しいんじゃないかというのが共通した意見ではないのかなというふうにも思いました。
 それで、前回もちょっと申し上げましたが、青森県の深浦町のニュースが五月八日のNHKのニュースでありましたので、今日はちょっとその資料を付けさせていただいております。
 私、青森県深浦町知りませんが、日本海に面した地域だそうなんですけれども、町内に常駐する医師が一人しかいなかったということで、四年前に新たな町営の診療所を開設する計画を打ち立てて、年収二千二百万円や、家賃や光熱費、これは無料の住宅を提供するという条件で医師を募集したけれども、結局、二人の医師が応募しましたけれども、家庭の事情などを理由に辞退して、結局、去年十二月まで三年余り掛けても一人も採用できなくて公募をやめてしまったという状況があるわけですね。
 こういった状況、全国にもたくさんあるんじゃないのかというふうに思ってお聞きしましたが、なかなか全国のことは厚生労働省では把握されていないと。
 先日、福島県の立谷市長からも話がありました。なかなか都道府県単位でできないんだと、そういう意見もありました。私は、今回の法案の中で、都道府県に権限、責任を持ってもらってやっていただく、それは一定評価できることなのかなというふうに思っておりましたが、やはり都道府県によって小さいところもあって、なかなかできないんだろうというふうにも思いました。
 前回ちょっと聞かせていただいたときに、医者一人育てるのに、国立大学だと六年間で三千万円の補助をやっていると、私立の大学だと六年間で二千四百万円の補助をやっていると。これだけ国としてやっぱり医者を育てるのにお金を掛けて育ててきているということ。
 今回も、都道府県に基金を積んで、二百四十億のお金でもって医師の確保をやっているということ。そしてまた、へき地対策とかそういったことも三十億掛けてやっている。今、地域枠については二十三億円のお金を掛けて、一千百人ぐらいでしたかね、の医者を確保しているというような実態があるということも分かりました。それでもなかなか、こういった青森県の深浦町の実態、こういった問題がやっぱり各地ではあって、なかなか問題の解決ができないんだろうというふうに思います。
 前回、大臣からも答弁があって、医師需給分科会において、強制力のある対策を求めるべきではないかという意見がある一方で、医師個人の自己犠牲、努力によってのみ解決されるものではないと、開業の自由などがあって、医師の意思や希望を尊重した取組を進めるべきではないのかと、こういう両論がある中で、結果的に自主性を尊重しながらいかに医師偏在対策を進めていくのかということだということで答弁もありました。
 やはり、なかなかこの医師不足、医師対策、市町村にとってはやっぱりこれ大変なことだと思うんですね。自分の町にお医者さんがいない、じゃ、どうやってこれ、病気があったりけががあったときは誰が診るのという、本当に深刻な状況があるわけであって、これ三年後解決しようかという問題ではやっぱりないと思うんですね。
 今すぐにでもやっぱり解決していかないといけない問題であるにもかかわらず、これだけ、二千二百万円もお金出して公募しても医者が集まってこないという状況がやっぱり今現実としてある中で、ここはやっぱり政治的な判断で強制的にある程度はやっていくところも必要ではないのかというふうに思うんですけれども、加藤大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(加藤勝信君) 私の選挙区においても、なかなか医師が来てもらえない。それから、これまでどちらかというと市町村単位でその市長さんや町長さんが奔走すると、特に公立病院の場合ですね。そこを、今度は都道府県単位でこうしたものを見ていこうということでありますから、そういったところは一歩進めさせていただいているというふうに思います。
 その中で、どこまで実効性があるのかという観点なんだろうと思いますが、そういった地域からは、もう本当に強制的にでも送ってほしいと、そういう声があることはもう十分に承知をしているわけでありますけれども、しかし、そこで働く医師の方にもやはり自主性を持って、そして、その地域というものに自ら選んで来ていただくという中で働いていただくということも非常に重要だろうというふうに思っておりますから、我々としてはそういった環境、先ほどから御議論がある中で、医師の中で四割以上の方が地方勤務を望んでいる、地方といってもいろんな地方あるよという御指摘もいただきましたけれども、そういった思いを実現できるまず環境をつくっていこうということで、今回こうした法律の法案を、そしてまた施策をこうして出させていただいているということでありますから、まずはこれをしっかりと実行に移し、そして成果を上げるべく努力をしていきたいと思います。
#71
○東徹君 例は全く違うかもしれませんけれども、例えば、国家公務員になっても海外赴任とかあったりとか、会社でもいろんなところに転勤とか赴任していくとか、そういったことがあるんだから、ある一定の期間、ずっとじゃないとは思うんですけれども、そういったことも人生の中であるということも大事な、またいろんな経験にもなるのかなというふうにも思ったりとかするわけでありますけれども。
 今回、医師の認定制度というのがあります。医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度でありますけれども、医師の地域偏在対策としてこれ考えられたわけでありますが、どの程度の期間勤務した場合にこれ認定が受けられるのか、制度の概要について、ちょっとまずお示しをいただきたいと思うんですけれども。
#72
○政府参考人(武田俊彦君) 制度の概要ということで簡潔に申し上げたいと思いますけれども、この認定制度につきましては、医師少数区域等において一定期間以上の勤務経験を有する医師を、その方からの申請により厚生労働大臣が審査の上認定をすることで、医師の少ない地域等での勤務に対する社会的評価を高め、そうした地域での勤務を後押ししようとするものでございます。あわせて、認定医師について、認定医師であることを広告可能としたり、経済的インセンティブを設けたり、一定の役割を担う地域医療支援病院の管理者として評価したりすることでこの仕組みを後押しすることとしているわけでございます。
 今お尋ねのありました、その認定を受けるために必要な医師少数区域等で勤務する期間の在り方につきましては、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会、この議論をいただいた分科会におきましては、偏在の客観的な指標が現在ない前提で、一年あるいは二年ですとか、丸々一年でなくても十分ではないかなどの意見があったところでございます。
 いずれにいたしましても、医師の確保を必要とする医師少数区域等の設定の見通しや医師を受け入れる地域のニーズ、医師少数区域等で勤務する医師本人にとって適切な期間の在り方などを考慮する必要があることから、今後、関係者の御意見を聞きながらよく検討してまいりたいと考えております。
#73
○東徹君 一年とか二年とか、僕はやっぱり三年とか五年かなと思っているんですけれども、結構短いんだなというふうに思いましたが。
 やはり認定制度として設けて評価する制度というものをつくるのであれば、やはり最低でも二年とかおってくれないと、そこの地域の人たちとのコミュニケーションとかそういったものもあるだろうというふうに思いますし、また、インセンティブがこれ本当に働くのかなという思いもするわけですね。インセンティブが働いて、個々に本当に評価してもらえて、この認定を受けようという制度になるのかなというふうな思いもあります。やっぱりこのインセンティブの在り方というのは、もうちょっと診療報酬上の加算とか、それから大都市で開業医になれるとか、何か必要ではないのかなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(加藤勝信君) 経済的なインセンティブということでの御質問だと思います。
 これまでも申し上げておりますように、認定医師の専門医の取得、更新に関する支援、さらに、開業しようとする場合の支援、そういったことも今、これはまだ案でありますからこれから検討をしていくところでございますので、この法案の成立をいただければ、医療関係団体始め関係者の意見をお聞きして、これ施行時期が三十二年の四月でありますから、それに向けて中身を更に詰めていきたいと思いますし、当然、今委員も御指摘のように、何が本当にインセンティブになるのか、あるいは、どういう障害があって、それを乗り越えるために何をすればいいのか、しっかり議論をさせていただきたいと思います。
#75
○東徹君 続いて、診療科の偏在についてちょっとお伺いしたいんですけれども。
 これは、眼科とか皮膚科がこれ増加しているというところ、それから小児、周産期、ここも非常に大事なところだというふうに思うんですが、この小児、周産期の確保を行っていくことが非常に大事だと思うんですけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。
#76
○政府参考人(武田俊彦君) 診療科偏在の問題につきましては、診療科別の医師の増加率を見ますと、近年、麻酔科、放射線科、眼科、皮膚科などの診療科が増加している一方、長時間労働が常態化している産科、産婦人科や外科は、平成六年以降、医師数が横ばい傾向にある、こういう状況でございます。こういった偏在の理由については様々な要因が考えられますけれども、例えば、この診療科選択に関する情報が不足していたことなどが一因とも考えられるところでございます。
 それから、小児・周産期医療という意味で申しますと、やはりなかなか医師の確保が重要な課題であると各方面から認識をされておりますので、先ほど来申し上げておりますようなその地域枠の拡大でありますとかキャリア形成プログラム、地域医療支援センターによる支援その他を通じて確保に取り組んでいる現状でございます。
#77
○東徹君 小児、周産期なんかは非常に大事だと思いますので、やっぱり何か、この間、立谷市長なんかもおっしゃっていましたけれども、損害賠償を受けたときの保険制度とか、そういったことをやっぱり考えていってあげないといけないのかなというふうにも思います。
 あと、最後に、勤務医のことについてお伺いをしたいと思いますが、先ほどからも話が出ておりますけれども、勤務医の勤務実態を見ますと、当直まで含めた週当たりの平均勤務時間が、週当たりですね、男性が五十七時間五十九分、まあ言うたら五十八時間ですけれども、女性が五十一時間三十二分と、長時間労働がこれは常態化しておるということです。
 今回、診療報酬の改定がありましたけれども、病院の経営が厳しい中でも勤務医の賃金を引き上げて処遇を改善するためにプラス改定が行われたというふうに承知しておりますが、その結果、実際に賃金引上げの動きになっているのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
#78
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまの診療報酬改定、御案内のように、今回、本体を〇・五%プラスといたしました。賃金の引上げ状況の調査でございますけれども、診療報酬の改定に関しまして、医療機関の経営状況、それから物価、賃金の動向を把握いたしますために、御案内のように、医療経済実態調査を実施しております。あるいは、毎月勤労統計調査等の各種統計も参考にしているところでございます。
 そうした中で、調査統計につきましては、御案内のように、調査月から結果が出るまでまだ若干間隔がございます。具体的に申しますと、毎月勤労調査統計にいたしましても調査月の三か月後に公表ということになっておりますので、私ども、こうした関係調査につきましてしっかり注視をして、賃上げの状況がどうなっているかについて把握をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#79
○東徹君 処遇を改善していくということで、今回の予算編成過程における財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝で、病院の経営が厳しく、勤務医の処遇を改善する必要があるためプラス改定をということがあったというふうに聞いておりますので、しっかりその確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#80
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 医師法の改正法案の前に、緊急にちょっと質問をさせていただきます。
 全国過労死を考える家族の会の代表世話人寺西笑子さんから、安倍総理に対して面談の御依頼が出されております。配付資料にありますので、是非見てください。「過労死防止のために私たちは人生を賭けて活動をしております。」と。今日も全国過労死を考える家族の会の皆さんたちが傍聴してくださっていますが、過労死をなくすために、本当に人生懸けて熱心に活動されていらっしゃいます。
 昨日、家族の会から安倍総理、安倍晋三衆議院議員事務所に対してファクスが、これが送達されるとともに、私の事務所からも内閣総務官室の佐藤さんを通じてファクスを通知をいたしました。今どういう状況になっているでしょうか。
#81
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 御指摘の面談の御依頼につきましては、昨日の夜二十一時過ぎに初めていただいたところでございます。私どもの方には、事務所の方から二十一時過ぎにファクスで頂戴し、併せてお電話をいただいたというふうに承知しております。何分、夜のそのような時間のことでございまして、事務的に受理をしたと、こういうことでございます。
#82
○福島みずほ君 事務所というのは私の事務所からということでしょうか。
#83
○政府参考人(原邦彰君) 委員の事務所の方からと承知してございます。
#84
○福島みずほ君 これは安倍総理大臣の方に伝わっているということでしょうか。どういう状況でしょうか。
#85
○政府参考人(原邦彰君) 先ほど申し上げましたけれども、夜のそのような時間でございますので、事務的に受理をしたということでございます。
#86
○福島みずほ君 この間、安倍総理に対してこういう面会の要請があるということはお伝えしていただいたんでしょうか。
#87
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、夜のそういう時間でございましたので、事務的に受理をしたというのが現状でございます。
#88
○福島みずほ君 今ちょっと昼近くなっておりますが、そうしたら、また午後、改めてこの点について進捗状況をお聞きをいたしますので、よろしくお願いいたします。
 お願いなのは、是非会っていただきたいということなんです。安倍総理は、昨年二月二十一日、過労自殺した元電通社員高橋まつりさんのお母さん、幸美さんと官邸で面会をしております。また、昨年一月の施政方針演説でまつりさんの自殺に言及し、二度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で長時間労働の是正に取り組むとおっしゃっています。
 ただ、去年と今年は違うんですね。施政方針演説は、今年は働き方改革については成長戦略としか言われておりません。何が変わったのか。裁量労働制の拡充と高度プロフェッショナル法案が入ったために、長時間労働を規制するという言葉が抜けたんじゃないかというふうにも思っております。でも、それは、高橋まつりさんのお母さんに対して、強い決意で長時間労働の是正に取り組むということはうそだったのか、それはほごにされたのかというふうにも大変思っております。
 高橋幸美さんが五月十五日にツイッターで書いていらっしゃいます。高度プロフェッショナル制度には過労死遺族として断固反対します、罰則付き時間外労働の規制、これはしてほしい、百時間は過労死ラインであることは誰でも分かります、遺族として絶対に反対ですと、本当に叫びのようなツイッターを流していらっしゃいます。
 大臣、この幸美さんのツイッターや全国過労死を考える家族の会のこの言葉をどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
#89
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ツイッターそのものはちょっとあれしていないんですけれども、私も、家族の会の皆さんともお会いをさせていただきました。あるいは、この過労死のたしかシンポジウムにおいても、それぞれ皆さんからもそうした主張があったとお伺いをしたところでありまして、本当に家族の方がある日突然お亡くなりになる等々、それをなかなか現実として受け入れられないという思い、そしてまた、それに対する家族としてもっと何かできたのではないかという様々な悩み、そうした中で大変苦悩されている様子、私も受け止めさせていただき、そういった意味においても過労死というものを二度と起こしてはならない、そういう思いで取り組んでいきたいということも、そう皆さんにも申し上げさせていただき、今もそういった思いで対応させていただいているところでございます。
#90
○福島みずほ君 また午後やりますが、この後に、声明文を配付資料としてお配りいたしました。「労働時間規制を破壊し働かせ放題の「高プロ」導入に反対する緊急共同声明」、過労死を考える家族の会、過労死弁護団、日本労働弁護団幹事長、昨日付けです。
 大臣、この過労死を生むのではないかというこの声明文、間違っているところありますか、ここ違うぞというのありますか。
#91
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと今いただいてぱっと斜め読みしているので、これは主張としてこういう御主張なんだろうと思います。ただ他方で、私どもとして高プロの必要性についても、これまで家族会の方にも私から少しお話をさせていただきましたし、国会でもそうしたこの法案の中に入っている部分についてはしっかり説明をさせていただきたいと思っております。
#92
○福島みずほ君 本日朝、報道がありましたし、午後また質問いたしますが、二十八歳、裁量労働制で働いていた若い男性がくも膜下出血で亡くなっております。
 大臣、これは御存じでしょうか。報道で知られたんでしょうか。
#93
○国務大臣(加藤勝信君) 今の話はITの関係の方ですか。
#94
○福島みずほ君 そうです。
#95
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと今日、二つの事案があったものですから、ちょっと整理しなきゃいけないんですが、ITの方は、昨日だったと思いますけれども、代理人の方がお話をされていたということでありますから、その中身を踏まえてお話をさせていただけるということでございます。
 本件については、こうした事案があるということ、これは承知をしておりました。
#96
○福島みずほ君 これは、やっぱり裁量労働制との関係で、午後また質問しますが、三十八時間連続で働くというような問題などあります。
 裁量労働制、そしてスーパー裁量労働制たる高度プロフェッショナル法案が過労死を生むということに関して、やはりこれは問題であるということを、私は遺族の皆さんたちと一緒に、やっぱりこれは駄目なんだということを是非大臣にこそ分かっていただきたい、総理大臣にこそ分かっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、先日、五月十五日の参考人質疑で植山参考人から、医師の地域偏在と診療科偏在を切り離して考えることはできないとの指摘があったところです。
 四月十九日の委員会で、診療科偏在対策を今後どのように進めていくのかを質問をいたしました。今後、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年度、できるだけ早期に検討を始め、平成三十二年度には国が情報提供することを予定しているとの答弁がありました。
 厚労省の資料においても、将来の診療科ごとに必要な医師数を都道府県ごとに明確化し、国が情報提供することで、臨床研修修了後の適切な診療科選択に寄与し、診療科偏在の是正につながるとされています。これは、参考人質疑で松田参考人が紹介をしたフランスの例のように、地域別と診療科別の二つの軸で必要医師数を示すようなものと考えてよろしいでしょうか。
#97
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 診療科偏在への対策といたしましては、今後、都道府県ごとの人口動態、疾病構造の変化を考慮して、診療科ごとに地域の特性に応じた将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年のできるだけ早期に検討を始め、平成三十二年には国が情報提供することを予定をしております。
 将来必要な医師数の見通しを策定するに当たりましては、都道府県ごとに必要な診療科ごとの医師数として、その目安を情報提供する予定としておりますので、医師が将来の診療科別の必要医師数を見通した上で適切に診療科を選択することで、結果的に診療科偏在の是正につながるものと考えております。
#98
○福島みずほ君 ほかの同僚委員からもありましたが、インセンティブや誘導策はセットでなければ効果が出ないんではないか、単に診療科ごとの必要医師数を情報提供するだけでは、前回の委員会で石田理事が配付資料で示した新専門医制度における専攻医採用・登録者数の表のように、診療科偏在の是正には道のりが大変遠い結果になってしまうのではないでしょうか。
#99
○政府参考人(武田俊彦君) 情報提供を行うこととしているわけでございますけれども、あわせて、若手医師のキャリアに配慮しながら、外科、産科など地域で不足する診療科などに効果的に医師を派遣するキャリア形成プログラムの策定、活用を都道府県にお願いをしてまいります。
 また、都道府県ごとに必要な診療科ごとの医師数を各都道府県が勘案することで、このキャリア形成プログラムの策定を通じて、より効果的な診療科偏在の是正にもつながることが期待をされるものでございます。
 また、臨床研修における必修科目についても見直しを行うこととしておりますので、こういった各種施策を総合的に活用し、診療科偏在の是正に努めてまいりたいと考えております。
#100
○福島みずほ君 診療科ごとに必要な医師数は診療科のニーズを測らなければ得られないと思いますが、どのように測るんでしょうか。参考人質疑で立谷参考人が述べたこととも関係しますが、地域において子供や若い女性の数が少ないと、小児科や産婦人科のニーズが低いと測定されてしまい、小児科や産婦人科の医師が集まらず、その結果、少子化が加速してしまうことにはならないでしょうか。
 東北地方を回ったときに、やっぱりお里帰り出産お断りと。つまり、かつてだったら実家に帰ってお産ができていたけれど、もうそんなの受け付ける余裕がないということで、実は需要があるんだけれども、それを需要と見ない、むしろ病院側は残念ながら断らざるを得ないみたいな状況をたくさん見ましたけれども、いかがでしょうか。
#101
○政府参考人(武田俊彦君) 将来必要な医師数の見通しを策定するに当たりましては、まず、その診療科の今後のニーズを測るということが必要になってまいりますし、その場合、都道府県ごとの人口動態、疾病構造の変化に加え、将来の医師などの働き方の変化などについても順次考慮しているところでございますけれども、一方で、今御指摘がありました、安心して子供を産み育てられるように地域ごとの特性に応じた必要数になると、こういう観点も御指摘されておりますので、こういった視点も含め、客観的な議論に資する適切なデータを用いて、医療関係者、有識者などの方々と十分に議論を尽くしてまいりたいと考えております。
#102
○福島みずほ君 医師少数区域、医師多数区域の設定のことについてお聞きをいたします。
 国が定める医師偏在指標を基に、全ての二次医療圏が医師少数区域と多数区域の二つに分けられるようになるんでしょうか。あるいは、少数区域でも多数地域でもない区域を定めて、三つに分けられるようになるんでしょうか。少数区域や多数区域が設定されない都道府県も生じ得るのでしょうか。いかがでしょうか。
#103
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医師偏在指標でありますとかこの医師多数区域、医師少数区域の具体的な設定方法、こういった詳細な制度設計につきましては、法案成立後速やかに医師需給分科会の場で議論を開始する予定としておりますけれども、今の御質問で、現時点で確定的なことを申し上げることはできませんけれども、現時点の考え方といたしましては、例えば医師少数区域の設定方法としては、医師偏在指標に基づきまして全ての二次医療圏を比較した上で、全国ベースで一定の割合を下回る二次医療圏を医師少数区域と設定をする、医師多数区域も同様に、全国ベースで一定の割合を上回る二次医療圏を医師多数区域で設定する、このような方式を取れば、結果的に医師少数区域、医師多数区域、その他一般区域のいずれかに三つに分類をされることとなると考えられますけれども、いずれにいたしましても、客観的な議論に資する適切なデータで十分議論を尽くし、可能な限り現場から納得感の得られるものとなるようにしてまいりたいと思います。
#104
○福島みずほ君 医師少数区域と多数区域は、条文上、国が定める医師偏在指標に関して厚生労働省で定める基準に従い、都道府県が定めることができるとされています。これを踏まえると、都道府県が医師少数区域と多数区域を定める際に都道府県の裁量が認められることになるのか。また、都道府県は例えば医師多数区域を定めないということも可能なんでしょうか。
#105
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 今回の御審議をお願いしております改正後の医療法によりますと、御指摘のとおり区域を定めることができるという規定にはなっておりますけれども、これ、今回の法改正の趣旨が、医師少数区域及び医師多数区域を設定する際の判断基準は都道府県に委ねることなく国が省令で定めると、これも法律上明確化されているところでありますので、原則として、国が定める基準に従って都道府県にこの医師少数区域、多数区域の設定を行っていただきたいと考えているところでございます。
 ただし、地域の事情というのはございますので、国が定める基準で医師多数区域に該当する場合であっても、近隣からの患者の流出入という点もございます。こういう場合に、地域医療対策協議会でよく協議をしていただいた上で、一定の裁量については都道府県としてあるだろうということでこういう規定になっているところでございます。
 いずれにいたしましても、全国的な統一基準による偏在を踏まえた対策を講じるという趣旨から、都道府県が恣意的に設定するということのないように、そういったことによって今回の法案による医師偏在対策の実効性が損なわれることのないように適切な助言を行ってまいりたいと考えております。
#106
○福島みずほ君 医師多数区域というのが本当にあるのかというふうに思いますが、質問を終わります。
#107
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 様々議論してまいりましたけれども、まず大切なのは大臣の指針でございます。
 大臣は今、医療提供体制についてどのようなグランドデザインを描いていらっしゃるのか、まずそこをしっかりとお示しいただきたいと思います。答弁書を読むのではなく、大臣の御意見でお願い申し上げます。
#108
○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、これからの人口構造をよく見極めていくということで、ちょっと中身もう御存じなので申し上げませんが、それを踏まえる中で、当面、やはり医療や介護の必要性が高まる後期高齢者人口が急速に増加する二〇二〇年初頭から二〇二五年、これ一つの目安になるわけでありますが、今、病床の機能分化や連携を図っていくということ、それから在宅医療の推進などや地域包括ケアの構築をしていくということ、そして、それらを通じて、良質で効率的な医療・介護サービスを保障するための言わば医療、介護の提供体制、これをしっかり改革をしていくということ、そして疾病・介護予防、また重症化・重度化予防と、この取組を強化していくということ、そしてそれらを進めるに当たって、やはり現実をしっかり理解をしていくということも含めてデータヘルスの活用促進をしていくということをしっかり進めていきたいと思っておりますし、そしてそれ以降、さらにまた、高齢化は進んでいくわけでありますから、それに向けての土台づくりにしていきたいというふうに思っております。
#109
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今お示しいただきましたけど、それに現場が付いていっていないということが今回の制度改正では小手先の改革じゃないかと言われているゆえんではないんでしょうか。しっかりと、そのような政府の意思に沿ってやはり医療界というものも動かしていくためには何を考えていくべきなのかということを私は抜本的に考えていただきたいと思っております。それが先日の参考人の皆様方の御意見にもあったとおりだと思います。
 理想論は理想論として、やっぱり現場の意見、そして現実的にどういう形で新たに生まれてくる医師が選択をしていくのかというようなこともしっかりと調査をしていただきたいですし、それに沿った制度でなければ絵に描いた餅に終わってしまいますので、お願いを申し上げます。
 ここまで様々議論の中で、皆様方がおっしゃっているのは医師の働き方ですよね。これを無視して今回の制度、どんなに成功したといっても、結局は医師にひずみが、医師の過重労働によって成り立つ今までの日本医療というものは変わらないではないかと。
 皆様方にも今日はお示しをさせていただきました、資料一で提出させていただいておりますけれども、これ、中日新聞の記事でございます。
 今回の働き方改革によって、中部の六県、調査をいたしましたところ、病院の半数が、診療時間の短縮、サービスの低下というものを懸念する、これは実は山間部であったり都市部、差はないということなんですね。
 じゃ、一体厚労省は今まで何をやってきたんだということなんです。月百時間以上の残業というものがもう込み込みで医師数もカウントされてきたのではないか、それだけの過重労働を強いながら、医師そして医療関係者の皆様方の善意によって成り立ってきたこの医療というもので今までも施策が計画されてきたのではないか、そういう懸念もございます。
 今まで必要医師数というものを割り出すときに、この医師の労働というものはどのように考えていらっしゃったんでしょうか。局長、まず教えてください。
#110
○政府参考人(武田俊彦君) 御指摘のように、医師の働き方に関しましては非常に大きな議論になっておりまして、医師の働き方改革に関する検討会で引き続き議論が進んでおります。
 需給という観点におきましては、この医師の働き方が需給の試算、推計にも影響を及ぼすことが当然考えられるわけでございます。しかし、働き方改革検討会の結論につきましては、来年の三月までの検討ということで結論はまだ出ておりません。しかし、こういった働き方の見直しの議論を踏まえずに需給推計はできないということから、一定の仮定、前提の下で、幅を持って三つのケースで需給推計をたたき台として医師需給分科会にお示しをしたところでございます。
 どういうケースでやったかといいますと、この働き方改革検討会では、単に時間規制を入れるだけではなくて、やはり医師の負担軽減という観点から、タスクシフト、タスクシェアなどを含めて様々な取組を行わなければならない、こういう議論でございますので、医師需給推計のケースでも、労働時間を週五十五時間に制限した上で二〇四〇年までに七%の業務削減を見込むなどの仮定を置いたケース一、労働時間週六十時間に制限し二〇三七年半ばまでに七%業務削減を見込むケース二、労働時間週八十時間に制限し二〇三五年までに七%の業務削減を見込むなどの仮定を置いたケース三、こういった仮定を置いて推計を行ったところでございますけれども、引き続き、この医師の働き方の議論を進めるとともに、医師の需給についても適切に反映をしていきたいというふうに考えております。
#111
○薬師寺みちよ君 済みません、先ほどからそれ繰り返されていらっしゃるんですけど、しかし、都道府県で必要医師数を割り出すに当たって、じゃ、どういう指導を今回なさるんですか。短めにお願いいたします。
#112
○政府参考人(武田俊彦君) これにつきましては、今の医師の働き方改革の動向も踏まえつつ、よく検討してまいりたいと考えております。
#113
○薬師寺みちよ君 しかし、今回、都道府県、それじゃ困りますよね。しっかりと皆様方が姿勢を示していただかないと。普通の従業員ではあり得ません。残業時間が百時間以上を想定しながら、医師数を、その従業員数を、じゃ、その会社が雇用しますかということですよね。
 このようなことで考えましても、やっぱり病床数というものは無視できません。現在の日本の病床数について、大臣はどのような御意見をお持ちですか。
#114
○国務大臣(加藤勝信君) 何しろ、基本的に大事なことは、全ての患者がその状態において必要な医療を適切な場所で受けられていくということでありまして、地域ごとに将来の医療ニーズを踏まえ医療提供体制を構築していこうということで地域医療構想を策定して、二〇二五年における地域ごとの医療需要を踏まえた病床の必要量を推計し、そしてそれに向けて今地域地域で御議論をいただいております。
 そういう中では、量だけで申し上げれば、都市部を除く多くの地域で現在の病床数は減少するという形に、それぞれの地域医療構想を見るとそういうことになるわけでありますけれども、そうした要因の中においては、やはりこの間、高齢化ということの中において求められる医療もそこは変わってきているわけでありますので、そうすると、リハビリや在宅医療の需要が高まる一方、高度急性期、急性期の病床、そういったものからいわゆる回復期の病床への転換、在宅医療等の充実、そういった意味での医療の分化、連携を進めていくことが必要だというふうに思っております。
#115
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、前回もお話しさせていただいたような地域連携推進法人のような形で、様々、皆様方手を組んでいただければいいんですけれども、まだまだそういう段階にはないというところで、多くの声が上がっておりますのが、じゃ、今あるベッドを何としてでもということで囲い込まれてしまうと新規参入ができない、新たな医療というものがそこに持ち込むことができないだろうというようなことも危惧されております。
 局長、そこにつきまして御意見いただけますでしょうか。お願いを申し上げます。
#116
○政府参考人(武田俊彦君) 今、それぞれの地域で地域医療構想が作られ、それに基づき協議が行われている状況にございます。
 現行制度の下では、二〇二五年の病床数の必要量が既存の病床数を下回る地域であっても、既存病床数が基準病床に達していなければ、その分の追加的な病床整備の申請があった場合に増床を認めざるを得ない状況にあり、このため、今回の法案で、一定の場合に都道府県知事が増床許可を与えない権限を設ける規定が盛り込まれております。
 ただし、今の基準病床の制度におきましても、その必要な病床については追加的整備も可能でございますし、今回法案で手当てされたところにつきましても、地域医療構想調整会議で協議を経て自主的な調整がなされる場合につきましてはこの増床許可を認めないという形にいかない場合もございますし、そこはあくまで地域の必要な医療提供の確保という観点に立って、地域の自主的な協議を踏まえて整備がされていくべきものと考えております。
#117
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 だから、A病院がそこでもうベッドを持っているとそこを削減しなくてもいい。じゃ、B先生が新しくこういう医療をこの地域に持ち込みたいと思っても、なかなかベッドがそこで持つことができない。だから、もっとそこを流動的にお互いに配慮いただけるような形でも厚労省の方からも御指導いただきたいと思っております。
 様々ここまで議論してまいりまして、やっぱり医学教育からしっかり見直していかないと将来あるべき姿というものは、これは私は根本から見直すことができないと思っています。そこにつきまして、大臣、そして文科省の御見解をいただきたいと思います。お願い申し上げます。
#118
○大臣政務官(新妻秀規君) 医学生が卒業の時点までに基本的な手技ができるような教育を行うためには、卒業前の臨床実習について学生が診療チームに参加する診療参加型で実施することが重要であると考えております。
 文部科学省では、各大学においてカリキュラムを策定する際の参考となる医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきまして、従来から医学生が身に付けるべき基本的な臨床手技を示してきたところです。また、昨年の三月にモデル・コア・カリキュラムを改訂いたしまして、医学生がそれらを実際の診療業務において経験できるよう、診療参加型臨床実習の推進を強調するなどの見直しを行いました。また、実習の内容が見学や一部の介助にとどまることがないようにするためには、医師法との関係で医学生が臨床実習で行うことができる医行為の範囲を明確化する必要があります。
 このため、平成二十九年度に厚生労働省の下で行われました研究に文部科学省もオブザーバーとして参加をいたしました。この研究の報告書案については、厚生労働省の医道審議会の医師分科会におきまして議論されまして、現在パブコメ中という段階です。文科省としましては、医師分科会における議論が取りまとめられた後に、各大学に対してその内容を周知し、診療参加型の臨床実習の更なる充実を図っていきたいと考えております。
 これらを通じまして、引き続き、厚生労働省と連携協力して大学における医学教育の充実を図っていきたいと考えております。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、学部教育だけで、もう御存じのとおり、済むわけではありません。臨床研修、専門研修、そして一連の医師の養成過程、そこにおいて、教育内容や、そして医師としてどういうものを目指していくのか、そういったことが整合的になっていくことが大変重要だと思っておりまして、今、文科省からお話がありましたけれども、連携して医学教育のモデル・コア・カリキュラムと臨床研修の到達目標についての共有化を図るとか、あるいは医師国家試験において、医学部四年次における共用試験と出題内容の重複を精査することを通じて、臨床的な応用力を問うことに重点を置く方向で改善するなどなどの施策を取っているところでありますので、いずれにしても、このシームレスに養成をしていくという意味において、よく文科省の、特に大学における医学教育、よく連携を取らせていただきたいと思います。
#120
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その見直しをする中で一番負担を感じているのが大学だと思います、大学病院だと思います。そのような形で、学生も、そして初期研修も、後期研修も、そして手術もしろ、研究もしろ。しかし、大学というのは、全部引き受けたとしても、そこで何もメリットがないですよね。多くの研究費なども削られ、そしてしっかりと診療を、一番重い患者さんを最後に引き受けなければならない。もう少し大学病院の在り方、そして医学部の在り方というものも厚生省そして文科省共に見直していただきたいと思っております。
 これから大切な人材を輩出するに当たりましても、もう旧式の教育システムも通用はしないだろうというところで新しく見直していただく、これは大変有り難いことなんですけれども、これから先の二十年後、三十年後の医療を見据えてどういう人材を育成していったらやはりこのような問題というものが解決していくのか。今回の医師法、医療法に含まれているような問題の解決にもつながっていくと思いますけれども、それに当たって、私、もうちょっとしっかり厚労省、文科省、ほかの省庁も併せてビジョンを打ち立てていただきたいと思うんですけれども、大臣、しっかりその辺りのことを考えていくための何かテーブル、準備していただきたいと思いますが、いかがですか。
#121
○国務大臣(加藤勝信君) これまでもそれぞれ課題があれば、文科省あるいは関係省庁とも、政務のレベル、あるいは役所レベル、あるいはそこに有識者が入っていただく、そうした検討会等もやらせていただいております。
 今の委員の御指摘も踏まえながら、ただ漠然とやっていてもしようがありませんから、具体的な目標設定として設定をし、そしてそれをどことやればいいのか、そういったことも含めてしっかりやらせていただきたいと思います。
#122
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、すごく重要な問題なんです。それをきっちり見える化して、大きく広報もしていただかなければ、国民もこれには参画していただかなければならないですよね。どのような受診をするべきなのかということ、やっぱり救急でも大きな問題がございます。ですから、そのようなことまで全て包含したような形で、これから厚生労働省、ほかの省庁とも手をつないでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。
#123
○委員長(島村大君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#124
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、医療法及び医師法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、地域医療構想の達成のために、病床削減のより強固な権限を都道府県に与えることです。
 法案は、既存病床数が基準病床数を下回っていても、将来の必要病床数に達している場合には都道府県知事が医療機関の新設、増床を許可しないことができるとしています。民間病院であっても、勧告に従わなければ保険医療機関の指定をしないことが可能という強力な権限です。地域医療の受皿も不十分なまま入院患者の押し出しにつながる病床削減を強権的に進めることは、患者、家族をますます窮地に追い込むものであり、容認できません。
 第二に、絶対的な医師不足という現状認識を抜きにした偏在対策では、地域医療の危機と過労死を生み出す過酷な勤務環境を解決することはできません。偏在対策は必要ですが、医師養成数の抑制を前提とする限り、効果は限定的と言わざるを得ません。
 本法案は、都道府県が、医師少数区域だけでなく、多数区域を定め、確保すべき医師数を定め、目標達成を図るとしています。医療費の地域差半減を求める厚労省が示す偏在指標を基に、多数区域とそこで確保すべき医師数を定めれば、医師を減らす方向に進むことは否定できません。勤務医の命と健康が脅かされることなく、医療の質と安全を確保するために、長時間労働の是正を始め、労働基準法に基づく労働環境を確保することは、一刻の猶予もない課題です。その解決のためには、医師の抜本的増員が不可欠です。
 都道府県には、地域医療構想に加え、医療費適正化計画、地域医療計画と医療費抑制の責任と権限が集中する体制がつくられてまいりました。本法案は、病床数と医師数をコントロールする新たな仕組みを都道府県に与え、医療費抑制に一層駆り立てるものにつながります。地域の実情を無視し、機械的な地域差縮減に向けて病床、医師数を管理、抑制すれば、地域医療の一層の疲弊を招き、医療難民を増やすことは避けられません。
 住民の命と福祉を守る地方自治体を医療切捨ての司令塔とする改悪は許されないことを指摘し、討論といたします。
#125
○委員長(島村大君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 医療法及び医師法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(島村大君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小林君から発言を求められておりますので、これを許します。小林正夫君。
#127
○小林正夫君 私は、ただいま可決されました医療法及び医師法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    医療法及び医師法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、医師偏在対策を進めるに当たっては、医療の高度化と専門分化、医療安全対策、医師の働き方改革、新たな専門医制度など、今後の医療の供給に影響を与え得る事項を総合的に勘案した上で、関係者の意見を尊重しながら、実効性ある対策を継続的に講ずること。
 二、地域における医療提供体制の確保については、居住する地域によって受けることができる医療に格差が生じないよう配慮し、医療従事者の過度の負担に依存するのではなく、限りある医療資源を有効に活用するとともに、その課題認識が社会において共有されるよう必要な対策を講ずること。
 三、病院勤務医の夜間・休日勤務や待機時間の実態を調査した上で、医師等の過労死・過労自殺等を防止する観点から、医師の地域偏在解消に向けた対策を強力に推進するとともに、「医師の働き方改革に関する検討会」において取りまとめられた「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の周知・徹底を図ること。
 四、大学病院の大半が高度の医療の提供等を目的とする特定機能病院であることに鑑み、勤務する医師が経営上の観点から本来担うべき役割に専念できないような事態が生じないよう、大学病院に対する財政上の措置を含む適切な支援を行うこと。
 五、医師が不足している地域においては看護師等の医療従事者も不足していることが多いと考えられることから、当該地域においては医師以外の医療従事者の実効性ある確保策も同時に講ずること。
 六、医師少数区域等で勤務した医師に対する認定の創設に当たっては、認定を受けた医師や医師派遣の要請に応じて医師を派遣する病院に対する効果的な経済的インセンティブの付与について検討すること。
 七、都道府県が医師少数区域等を設定するための医師偏在指標を定めるに当たっては、地域住民の年齢構成の推移、患者の流出入の状況、昼夜人口の変化など、地域の実情やニーズを適切に反映する客観的なデータを用いて検討を行うこと。
 八、都道府県の地域医療対策協議会の機能強化及び外来医療の提供体制を協議する場の新設に当たっては、地域医療構想調整会議等の既存の会議と並立して非効率に陥ることのないよう配慮し、都道府県に対して既存の会議との一体的な運用を促すこと。
 九、医師偏在対策は大学医学部における医師養成段階から実施すべきものであることから、厚生労働省と文部科学省が連携して具体的施策を検討し、実施すること。
 十、医師偏在対策に携わる都道府県職員が医療政策に精通し、医師養成を行う大学や地域の医療機関等と協力・連携しながら地域の実情に即した対策を進めることができるよう、都道府県に対し適切な支援を行うこと。
 十一、地域における外来医療の需要は短期間で大きく変化し得ることから、外来医療に係る医療提供体制の確保に関する事項について行う調査、分析及び評価は、地域の実情に即し、六年を待たず都道府県が主体的に実施できるようにすること。
 十二、離島や山間部等の、医師が不足している地域や病院へのアクセスに困難を伴う地域の医療においては、遠隔医療が大きな役割を果たすことから、遠隔医療に係る規制や仕組みの在り方について、安全・安心の確保を前提に検討を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#128
○委員長(島村大君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(島村大君) 多数と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、加藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤厚生労働大臣。
#130
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
#131
○委員長(島村大君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#133
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺美知太郎君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────
#134
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長福田祐典君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#136
○委員長(島村大君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 臓器移植に関する件及び戦没者の遺骨収集事業に関する件につきまして、加藤厚生労働大臣から報告を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。
#137
○国務大臣(加藤勝信君) 最初に、臓器の移植に関する法律に関する附帯決議に基づき、臓器移植の実施状況等について報告します。
 臓器の移植に関する法律は、平成九年に施行されてから今年で二十一年を迎えます。また、臓器提供における本人同意の扱いについて、平成二十二年に改正法に基づく新制度が施行されてから八年が経過します。この間、善意により臓器を提供された多くの方々、また、様々な立場から移植医療の普及に取り組んでこられた関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
 まず、臓器移植の実施状況について報告します。
 本年三月末現在の移植希望登録者数及び平成二十九年度の移植実施数は、配付の報告書のとおりであります。
 平成九年の法施行から本年三月末までの間に、法に基づき五百十八名の方が脳死と判定され、臓器を提供されています。このうち、改正法が全面施行された平成二十二年七月十七日から本年三月末までの間に臓器を提供された方は四百三十二名です。また、このうち、改正法により可能となった、本人の書面による意思表示がなく、家族の書面による承諾に基づいて行われる臓器提供は三百三十二名であり、さらに、このうち十五歳未満の小児からの臓器提供は十七名となっています。
 脳死下での臓器提供を実施することができる施設や移植を実施することができる施設についても、報告書に記載したとおり、いずれも着実に整備が進められています。
 次に、移植結果について申し上げます。
 平成九年の法施行後に実施された移植に関する生存率と生着率は配付の報告書のとおりですが、国際的に見ても良好な結果を残すことができていると考えております。
 厚生労働省では、今後とも、公益社団法人日本臓器移植ネットワークとともに、臓器移植に関する知識の普及や、臓器提供に関する意思表示を行っていただくための啓発を進めます。また、臓器提供施設の体制整備等のための支援や、脳死判定等が適切に行われたかどうかの検証作業も継続してまいります。
 今後とも、臓器移植が法令等に基づき適正に行われるよう努めてまいりますので、委員の皆様には御理解を賜りますようお願いいたします。
 続いて、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に関する附帯決議に基づき、戦没者の遺骨収集事業の実施状況等について報告します。
 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律が平成二十八年四月に施行され、厚生労働省では、同法に基づき、国の責務として、可能な限り多くの御遺骨を収容し、御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くしております。
 まず、戦没者の遺骨収集に関する活動を実施する法人の指定及び指導監督等について報告します。
 厚生労働省は、戦没者の遺骨収集に関する活動を適正かつ確実に実施できる法人として、平成二十八年八月十九日に一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会を指定しました。指定に至る経緯や指定法人の活動開始までの手続、厚生労働省による指導監督の状況等については、配付の報告書のとおりです。
 次に、戦没者の遺骨収集に必要な情報の収集及び遺骨収集の実績について報告します。
 厚生労働省及び指定法人は、各国の国立公文書館等において資料調査を実施し、平成二十八年度に四万三千四百三十四枚、平成二十九年度に八万五千八百八枚の資料を取得しました。
 これらの資料調査や現地調査により取得した情報に基づき、厚生労働省及び指定法人が戦没者の遺骨収集を実施し、平成二十八年度に八百八十一柱、平成二十九年度に九百四十一柱の御遺骨を収容いたしました。御遺骨については、可能な限りDNA鑑定を実施しており、平成二十八年度に四十一柱、平成二十九年度に二十柱を御遺族へ引き渡しました。また、平成二十九年度から、DNA鑑定の対象となる御遺骨の範囲を拡大しております。
 次に、関係国の政府との協議等について報告します。
 平成二十八年度及び平成二十九年度は、外務省と連携し、フィリピン、インドネシア、中国及びウズベキスタンの政府との協議等を実施いたしました。なお、フィリピンとの間では、遺骨収集を再開するため、平成三十年五月八日に覚書の署名を行ったところです。
 最後に、関係行政機関との連携及び協力について報告します。
 遺骨収集を円滑に実施するため、現地政府との協議や硫黄島からの御遺骨の輸送支援等において、外務省及び防衛省に協力をいただいております。
 今後とも、法に基づき戦没者の遺骨収集事業を推進してまいりますので、委員の皆様におかれましては御理解を賜りますようお願い申し上げます。
 以上です。
#138
○委員長(島村大君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 なお、本日、厚生労働省から提出されております両報告書につきましては、これを会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#140
○委員長(島村大君) 先ほどの訂正をさせていただきたいと思います。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、先ほど厚生労働省保険局長とお話ししましたが、健康局長福田祐典君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#142
○委員長(島村大君) それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#143
○藤井基之君 午前中は医療法等の改正法案の審議でお疲れのところ、午後、一般質問ということなので、今日はちょっと違った角度の質問をさせていただきたいと思っておりますが、誰かさんのまねをするわけじゃありませんが、その前に一つということで。
 私、この四月に改正されました診療報酬改定につきまして、三月の二十二日に開催された当委員会におきまして幾つか質問をさせていただきました。
 その中で、調剤報酬に関しまして、いわゆる大型門前薬局の評価の適正化とか、あるいは敷地内薬局に対する調剤基本料の問題等々について御質問をさせていただきました。このような質問に対しまして政府参考人の方から、これらの問題については、調剤報酬の見直しだけではなくて、薬機法その他について総合的な取組が必要と承知していますと、こういう御答弁がございました。そして、保険医療機関との一体的な構造あるいは一体的な建物、そういったものであってはならないという、薬局の健全な経営、運営の確保を図りますと、そういう御答弁がございました。これについて、少し御質問を追加させていただきたいと思います。
 これらの対応というものが、三年前に厚生労働省で発出されました患者のための薬局ビジョンにおいて示された、全国の約五万八千と言われている多くの薬局に対する今後の在り方という、言葉としては、門前からかかりつけへ、そして地域へと、そういう方向性に沿ったものとして今回の対応が取られたものと思っております。
 ただ、この問題を、やはりいろいろと質問もさせていただきましたし、考えさせてもらいますと、例えて申し上げますと、医療法におきまして、医療機関というものは病院と診療所というふうに明確にその機能分化がなされているわけでございます。私は、薬局につきましても、いわゆる大型門前薬局と称せられるものとか、あるいはセルフメディケーションの拠点としての地域にある薬局等々、この薬局という一つの言葉で表して、そしてその評価をするというのは、ある種限界に近づいているのではないかという感じがしてなりません。それで、これからの薬局ビジョンの将来のビジョン設定という意味で、薬局の機能分化というものの検討が必要なのではないかと思っております。
 そういったことを考えまして、今回の対応と薬局の機能というものについてそういうふうな分けて考えるような考え方というのはどうなのか、そういったものについての御検討が可能かどうか、具体的にどのような取組が可能なのか、これについての厚生労働省のお考えを聞きたいと思います。
#144
○国務大臣(加藤勝信君) 委員のおっしゃっておられる機能強化とこのビジョンとをどう並行して進めていくのかというお話なんだろうというふうに思いますけれども、平成二十七年十月に取りまとめました患者のための薬局ビジョンにおいて、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能として、服薬情報の一元的、継続的な把握と、それに基づく薬学的管理、指導、二十四時間対応、在宅対応、医療機関等との連携等が求められておりまして、立地場所に関わらず薬局がこれらの機能を果たしていくということが重要であるとされておりまして、厚生労働省としても、地域包括ケアシステムを担う一員としてかかりつけ薬剤師・薬局を推進するため、平成二十八年度より患者のための薬局ビジョン推進事業を実施し、他の専門職種と連携しながら在宅医療サービスに関する取組等を進めているところであります。
 さらに、今委員からお話がありました、これから更にそうしたものを進めながら、これからの薬局あるいは薬剤師の在り方、これをどうするかということについては、今後、厚生科学審議会の医薬医療機器制度部会において御議論をしていただくことになっておりまして、委員御指摘のように、様々な機能が薬局には期待をされているわけでありまして、それが一元的に一つの薬局で対応できる場合もあると思いますし、そうでない場合もあるんだろうと思います。その点も含めて議論をしっかり進めさせていただきたいというふうに思います。
#145
○藤井基之君 ありがとうございました。
 昨年でした、日本で初めてだと思いますが、正規の流通業者の中で偽医薬品といいましょうか偽造医薬品の流通が明らかになりました。それに加えまして、例えば診療報酬におきまして、正確に言うと調剤報酬ですが、これに対する不正請求事案の発生等が見られました。ある種の、我々として、少し制度に甘えがあって、その制度で生活をしているあるいは事業をしている人間が少し緊張感を失った結果ではないかと思えるような事件が実はたくさん出てまいりました。
 これらの全てとは申しませんが、これらに共通するものの一つとして、非常に多くの店舗展開をする、多くの薬局を展開する法人の在り方といいましょうか、このガバナンスの問題というのが一つ指摘されているのではないかと思っております。
 御案内のとおり、法令によりまして、薬局の開設者は本来、薬剤師がそれに当たり、全ての薬局を管理することできないけど個々の薬局について現地で監督をしなければいけないという、ですから複数の監督ができない形になっているわけですね。ですから、複数の薬局を開設するとなったら、各々の薬局に対してその必要とされる管理薬剤師を置かなければいけないという規定になっていまして、これは現在の薬機法の第七条に法定されております。そして、この管理薬剤師は薬局開設者に対して必要な意見を述べなければならない、これは薬機法の第八条第二項に規定されております。
 ただ、今回、幾つかの事案の細かい経緯を調べてみますと、どうも雇用主であるところの薬局の法人、特に法人の場合なんですが、開設者に対しまして、その管理者、いわゆる従業員ですね、従業員たる人間が、法律で言われるようなちゃんと意見を述べて、そしてその改善の実効を担保するだけの、それだけの行動を起こしたのかどうか。私は、昨年起こった幾つかの事例から見て、それについてかなり疑いをというか疑問を持たざるを得ません。
 こういった中で、私、やはりこの薬局というものの開設者は、かつてこの法律、前身の法律は薬事法ですが、この法律ができた当時、薬局の開設に値するその権利を持つであろう薬剤師という者の数が非常に少なかった。だからこそ、薬剤師でない場合には、それに代わる人間が開設してもいいし、その実地に管理する者として薬剤師を雇用しなさいという法体系になっています。でも、建前としては薬局の開設者は薬剤師であると、こう法律は法定しているわけです。
 現在、届出されている薬剤師数だけで三十万人を超えております。そういった中で、今まで旧態依然としているこの法体系のままで、開設者は法人でいいと、そこに資格は何も、要件としても必要ない、倫理観も何も問わないと。そのことがこういった薬に関係する不祥事が発生した一つの要因ではないかと思っております。
 私は、例えば薬局の開設者を薬剤師に限定するという法の基本理念をもう少し強く出す、あるいは、同一の法人が複数の都道府県で多数の薬局を展開している場合のそのガバナンスの在り方についてもう少し厳格化を図ると、そのガバナンスの在り方の検討というものが必要になってくるのではないかと考えますが、これについてどのようにお考えでしょうか。
#146
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の点について、昨年十二月、医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会の最終取りまとめが行われておりますが、そこでは、薬局開設者及び管理薬剤師の責任、責務等に関しては、薬局開設者である企業のガバナンスの在り方、薬局、薬剤師の業務の在り方等の様々な論点と密接に関連するものであることから、薬局開設者への罰則の在り方を含め、制度全体の課題として更に検討を進めるべきと指摘をされているわけでありますので、委員御指摘のように、大変重要な課題であると認識をしております。
 厚生労働省においては、薬局において適切な業務が行われていくように、今後、医薬品医療機器制度部会において、薬局のガバナンスを強化する方策を含めて、先ほど申し上げましたが、薬剤師、薬局の在り方についての検討の中で議論を深めさせていただきたいと思います。
#147
○藤井基之君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 昨日、厚生省は一本の通知を発出されたそうでございます。何に関するものかというと、はしかです。私もこのような年齢になっておりますので、はしかというものは我が国でどのような状況であったかということも存じている人間でございます。
 御案内のとおり、はしかというものは、我が国においては、どうも物の本によりますと、江戸時代には十三回のはしかの大流行があったそうでございまして、一八六二年、かなり古い年、この年には江戸の町だけで二十四万人もの人がはしかで亡くなったという記録も残っております。そんな大昔の話をしないまでも、かなり近い時点まで述べますと、我が国におきましては、いわゆるはしかのようなものだよねと、こういうような言い方をしていました。つまり、はしかなんというのは日本人、多くのみんながかかって、そしてそれをクリアして、そして成長していくんだという、ある種の通過儀式のように捉えられていたことがございました。
 ただ、そのような時代から最近はやはり変わってまいりました。この変わった根拠は、いわゆる医療の進歩といいますか、特になかんずくワクチンの接種、これの普及によったものと考えております。そうした中、日本においては、はしかが大変だと言われていたわけでございますけれども、二〇一五年にはWHOの西太平洋地域事務局より、我が国はもう土着のはしかはないと、いわゆるはしかの排除状況になったともう認定されているわけでございまして、患者数も非常に少なくなっておりました。
 ところが、今年の、これは三月のたしか二十日だったと思いますが、実は沖縄県にいらっしゃいました台湾の旅行者の方が感染源とされておりますが、その方がはしかを発病いたしまして、そのはしかが沖縄県だけではなくて現在では愛知県とか東京などなどにも広がっておりまして、厚労省の数字によりますと、五月十五日現在、沖縄県では九十七名、全国では百五十名を超える患者が発症しているというふうに言われております。
 この発症についていろいろな対策を検討されたと伺っておりまして、それが昨日付けの通達になっていると思いますが、私は、例えば幾つかの報道によりますと、今回、予防接種の対象になる前のゼロ歳児の方も不幸にして感染をしたという、そういった報道もございました。何とか、もう排除状態になっているはしかで二度と患わせる、そんな時代はとっくに終わっていると考えておりますが、厚生労働省の対応策についてお尋ねしたいと存じます。
#148
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 先ほど委員から御指摘ございましたように、今般の沖縄県に端を発しました三月以降の麻疹の発生状況につきましては、五月十六日公表時点で沖縄県におきまして九十九名の患者が報告をされており、沖縄県以外の自治体におきましても患者の発生が報告されております。また、今年に入って報告されている患者数は、国立感染症研究所の感染症発生動向調査報告によれば、五月六日までの累積報告数、これはこういう形で公表値がまとめられておるんですが、これが百二十五名であり、その後、各自治体の公表データも踏まえますと、先ほどお話ありました百五十名以上の患者が確認をされているところでございます。
 厚生労働省としては、これまで感染拡大の防止に努めてきており、具体的には、四月十一日に、感染者数の増加を受けまして、各自治体と医療機関に対し、感染拡大の注意喚起のため、早期発見そして院内感染防止等の通知を発出をいたしました。また、ゴールデンウイーク前の四月二十六日にも改めて注意喚起をするとともに、海外渡航者に向けましたリーフレットを作成し、自治体や関係省庁等に対し周知依頼を行っております。あわせて、五月十一日の麻しん・風しんに関する小委員会、こちらの方で御議論もいただきまして、先ほどお話ございました、昨日、医療機関等の職員への接種の必要性につきまして関係機関に対しまして改めて周知を行ったところでございます。
 引き続き、状況を注視させていただき、接触者に対しまして健康観察を実施するなど、各自治体や各医療機関等と連携をし、早期発見及び感染拡大防止等の対応に努めてまいりたいと考えております。
#149
○藤井基之君 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと存じます。
 今、はしかのケースを申し上げましたけれど、現在、我が国を訪問する海外からのお客様といいましょうか、旅行者の方が急増しているのは御案内のとおりでございまして、それに伴いましていろいろな対応策を用意しなければいけないと言われております。その一つにこの感染症の問題があると私は考えております。特に、来年はラグビーのワールドカップが日本国において開催されますし、再来年には東京オリンピック・パラリンピックを控えております。今後、海外からの渡航者は一層増加することが予想されております。
 この今回問題になっております麻疹を始めとする感染症の流入防止対策についてどのような対応を取られるのか、それについてお伺いをしたいと存じます。
#150
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、お話ございました様々な国から多くの訪日客が見込まれ、感染症が持ち込まれる危険性やバイオテロが行われるリスクも高まるため、厚生労働省といたしましては、例えば感染症の検疫体制や発生動向調査、サーベイランス、そして検査・治療体制などの強化に取り組んでいくことといたしてございます。
 個別の感染症対策としては、例えば結核につきましては、我が国は二〇二〇年までの低蔓延国家を目指しており、対策を強化しているところでございます。具体的には、結核の高蔓延国の出生者が日本滞在中に結核を発症する事例が増加をしていることを踏まえまして、この対策といたしまして、訪日前に結核検査を求める入国前のスクリーニングを導入すべく、現在具体的な内容を関係省庁と調整をしているところでございます。
 また、新規結核登録者の六割が八十歳以上の高齢者であることを踏まえ、八十歳以上の者に対します定期健康診断の実施につきまして、関係機関を通じた周知徹底や、患者が確実に服薬し治療を完了するよう全国保健所の職員等によります直接服薬指導、いわゆるDOTSというものがございますが、この推進なども行っているところでございます。
 今回は麻疹の感染拡大が見られたところでございますが、今回のこうした教訓も踏まえつつ、個別の感染症に応じた対策及び検疫体制、発生動向調査、検査・治療体制の充実を図り、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据えた感染症対策の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。
#151
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今お話がございましたように、感染症対策、力を入れてやっていただきたいと思っておりますが、やはりこれについて私ども記憶に新しいのは、もう少し古くなりましたが、二〇〇八年でしたか、当時言われたのが、新型インフルエンザと言われましたメキシコ・ウイルスと言うんですか、そういったものが世界的な大流行をいたしまして、我が国におきましても、当時、大変だという、これは病原性が強い、しかも感染力が強いということで、非常に強い、いわゆるまず水際作戦を政府は取りました。そして、一定の効果が私はあったと思っております。国内への流入というものがかなりの時間防げていたと思っております。
 ただし、こういった水際作戦なんていうのは、後で総括されているとおり、限界があるのは事実でございまして、結果として、このインフルエンザは国内に上陸をいたしました。そして、国内で、ある意味でてんやわんやの大騒ぎをしたということが正しいんだろうと思っております。
 そういった事例が直近にありますので、このはしかは一つの例だと思っておりますが、そして数からいいましても、先ほどからお話ありますように、患者さんの数が百名少しということでございます。数年前のはしかの再流行のときよりもうんと少ない数字なんです。だからこそ、こういった、我々としては十分注意をして、対策に万全を期す必要があろうと思っております。インフルエンザのようなケースが起こったときのことも十分想定の上、対応を取っていただきたいと存じます。
 今話をいたしましたが、そのインフルエンザにつきましてひとつお伺いをしたいと思います。
 今期のインフルエンザ、もう実は流行は終わったということで理解していいんだろうと思っておりますが、御案内のとおり、昨年から今年にかけてのインフルエンザの感染というのは実は多かったんですね。
 これについて、どうして我が国の、それこそ環境要素が良くなってきているにもかかわらず、我が国のインフルエンザがここ十年来で最多になっている、患者さんの発生が。先ほど申し上げましたメキシコの新型インフルエンザがはやった年よりも、このシーズンの方が発生患者数は多かったんですね。これについて厚生労働省としてどのように総括をなさっているか、お尋ねをしたいと存じますが。
#152
○政府参考人(福田祐典君) 委員御指摘のように、今回の流行につきましては、現在の統計が取られるようになりましてから最大の数値になってございます。世界的にも流行が大きかった部分と、それから流行でA型とB型が同時にはやったといったようなところが、結果として状況をそのような形にしているというふうにも理解してございます。
 具体的なその総括につきましては、今後、関係の委員会や検討会におきまして検討し、それを踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#153
○藤井基之君 ありがとうございます。
 今おっしゃられたとおり、A型とB型、特に今回の場合はB型が早く流行が発生したこと、いわゆるはやったことが一つの根拠だというふうに言われておりますし、世界の流行もあったということも理由だと、今局長のおっしゃられたとおりだと思っております。
 ただ、私は、是非総括のときにはっきりしていただきたいと思うんですが、B型の感染が早く起こって、A型と同時に起こったことがどうして患者さんの数を増やすことにつながるのかということについても解析をしていただきたいと思っておりますし、私は、今回、一つ気になる、懸念すべき点があったと思っております。それは何かというと、インフルエンザ対策のキーとなりますワクチンを製造する、こういう型がはやるだろうという、その型にフィットするワクチンを作っていくわけですね。それは、そのはやるシーズンの春頃決まって、そしてそれをワクチンメーカーが作って、それを国家検定をして、そして秋から患者さんが、あるいは消費者の方々、国民の方々が予防接種を打たれて、そしてワクチンシーズンを迎えると、こうなるわけでございますが、昨年のケースでいいますと、この製造株の決定が極端に遅かったというふうに私は理解をしております。
 その製造株の遅かったということ、これは途中で、検討の内容で、四種類ある株のうちの一つが変更されたんだというようなことも理由だったというふうに言われておりまして、それに対して、対応として、新たに厚生労働省においては科学技術審議会に検討のための委員会を設置されて、それによって、今回、今年、来年に向けてのワクチン対策はその準備をされたということで、もう既に来年のワクチン、そのための対応すべき製造株はもう決定されているわけですね。ですから、昨年と比べて、これかなり早い状況で準備がされているというふうに思っております。
 このワクチンにつきましては、やはり国民にとって、インフルエンザが秋になるとはやるんだというと、毎シーズンなんですよ、ワクチンは十分かどうかということを皆さん危惧されるんです。医療機関の方もそうなんです。まさに、厚生労働省の方も当然そうだと思うんですね。
 今回のように、どちらかというとワクチンの製造された本数もニーズに対してぎりぎりの本数だったというふうにも伺っておりまして、それは取りも直さずそういった製造株の決定が遅れたためであったというふうにも私は思っておりますので、それについても併せて総括をしていただきたいと存じます。
 もう一つお尋ねをしたいと存じておりますが、今年の四月の二十三日、そろそろ一月になりますが、健保組合というのがございますが、多くの企業が加盟しているわけで、健保組合を用意するわけですね。この加盟組合が今千三百八十九組合あるんだそうです。だんだん減ってきているそうでございますが。四月二十三日、その健保の全体の団体が、今年度の予算の推計を公表しております。これによりますと、いわゆる保険料率というのが十一年連続で上がっているよと。そして、健保組合の六割以上が、数字でいうと八百六十六組合というふうに言われておりますが、これが赤字になるんだと。こういう見通しであるということを公表いたしました。
 御案内のとおり、健保組合というのはどちらかというと大手の企業を中心にして組まれておりまして、ある意味で健全な経営がなされている組織であろうと思っておりますが、この今年度の健保組合の保険料収入が、被保険者の保険料、組合員の社員の保険料を引き上げて、初めて八兆円を超えて八兆一千十億円になったと言われている。一方で、その組合の支出は、予定されている額が八兆三千五百七十五億円、赤字です。その加入者の保険給付、加入者のためにフィードバックされる保険給付は約半分の四兆千四百三億円だと。じゃ、なぜ赤字になるかというと、これは高齢者医療費への拠出金なんですね。それが非常に大きくなってくるために、したがって、実は組合が赤字になってきていると。この高齢者医療費の拠出金が保険給付を上回る組合が二百八十三にもなっていると、こういうことなんです。
 こうした状況から解散を検討しているような組合もあるやに伺っておりまして、我々としては、日本の皆保険制度の一つのキープレーヤーであるこの健保組合が、いたずらにそういうふうに損耗といいましょうか、数も減っていく、構成員も減るということというのは非常に残念だし、ゆゆしき問題であろうと思っております。
 これについて改めてお伺いをしたいと思いますが、この拠出金が増えていっている、高齢者医療費の拠出金が増えていると。これは、取りも直さず我が国少子高齢化が進んでいるために高齢者の医療費が増えていっている、そのために健保組合においても負担が増えていっているということだと思います。
 したがいまして、この問題というのは簡単に解決できるとは思いませんが、健保組合というものは例えば保健事業も多々やっておりますし、健康寿命の増進に向けても一生懸命頑張っているところです。こういったところが、自分たちの組合が自分たちの構成員以外の要素によって赤字になっていって、そしてあるとき解散せざるを得なくなる。これは何としてもやはり避ける手当てを用意すべきだと思っております。
 例えて申し上げますと、来年予定されております消費税の増税等を一緒にやって、そして、それをいわゆる公費として例えば高齢者医療費に対する財政的な支援策を講じる、そういったことも必要になると思うし、それらに加えて、健保組合の拠出金の負担に対して一定の歯止めを掛けるような政策の検討も必要かと存じますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
#154
○国務大臣(加藤勝信君) まず、健保組合の意義でありますけれども、労使協調の枠組みの中で、保険料率の設定や付加給付を実施するなど自主自立の運営を行っているほか、最近では、保険者と事業主の距離が近いことを生かして、事業主とも連携して保健事業を実施するなど、公的医療保険制度の重要な担い手だというふうに認識をしておりますし、国民皆保険を維持するためにも組合財政の健全化、これは重要な課題だというふうに思います。
 六割超の健保組合が赤字だ等々、様々な御指摘がございますけれども、予算で見るのか、あるいは決算結果で見るのか。また、予算の段階ではかなり堅めというか、支出が多いことを前提に保険料率を少し上げて設定して、実際は支出が少ないがために収支差が出てくると、そういう実態もありますので、その辺はよく見ていかなければならないんだろうというふうに思います。
 また、その時々の景気状況を背景とした母体企業の経営状況、企業収益の動向に伴う保険料収入の変動などいろんな要因があるわけでありますけれども、我々としては、そうした要因をよく検証、分析をして、必要に応じて適切な取組、これまでも様々な支援措置があることも委員御承知のとおりでありますから触れませんが、そういった措置も含めて、健保組合がその役割をしっかり担っていただけるように対応させていただきたいと思います。
#155
○藤井基之君 ありがとうございました。終わります。
#156
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 今日は、健康サポート薬局についてということでお聞きをさせていただきます。
 資料の方を配付させていただいております。一枚目がこの健康サポート薬局の概要になっております。かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を有し、地域住民による主体的な健康の維持増進を積極的に支援する薬局、この積極的に支援する薬局というのが、この一枚目の右下の健康サポート機能というところにまとめられているものですけれども、ここに書かれているような役割を果たしていく薬局ということで、これから地域包括のその医療の関係、また地域医療にしっかりと役立てていただきたいというための制度かと思っております。
 平成二十八年十月から届出が開始されている制度でありますけれども、今回、私の地元の兵庫県の方で、この健康サポート薬局に地域医療に貢献をしたいという思いで届出をされて活動されている方からいただいた御要望、また現状等を含めて質問させていただきます。
 まず、この健康サポート薬局の届出手続の関係ですけれども、この届出に関してですが、なかなか難しかったというところを聞いております。
 具体的には、すぐ、平成二十八年の十月に届出をするということで、まず申請をして、でも、その後、結果的には一年二か月後の平成二十九年十二月まで認めてもらうのに掛かったと。その間、届出をした市の県民局の方に行くと、県の薬務課の方にしかるべき人と行ってほしいとか、また書類が、ここの部分はどうですかというのが一度返ってくるまでに三、四か月掛かる。で、すぐ出してもまた三、四か月掛かるという形で、結局一年二か月ほど掛かったというふうに聞いております。また、個人でされている中で大量の資料を準備しなければならないなど、かなりその負担が大きかったというふうに聞いております。
 県の担当課の方からは厳格に審査をするというふうにまず一言を言われたということでありますけれども、その中でも薬剤師が医師の領域に手を出してきているのではないかというふうなことも言われたということもありまして、結局、こういう考え方が根底にあるんじゃないかなというふうにも思っております。
 まず、厚労省として、この健康サポート薬局の届出の手続に関しまして、こういう長期にわたる厳格な手続を想定されているのかどうか。また、この健康サポート薬局という制度と医師の業務との関係についての御見解をお伺いいたします。
#157
○政府参考人(宮本真司君) お答えいたします。
 薬局開設者が健康サポート薬局である旨の表示をする際には、先生今御指摘のように、あらかじめ、その薬局の所在地の都道府県知事等に健康サポート薬局の基準に適合するものであることを明らかにする書類等を添付して届出を行うことを求めております。
 先ほど、一年数か月にわたるという御指摘いただきまして、ちょっと私ども、個別の事例の状況につきましては、申し訳ございませんが承知をしておりませんけれども、一般論として、薬局開設者が届出を行う際に、届出先の自治体との間で基準を満たすための取組等に関する相談であるとか、届出に必要な書類の整理等が行われるため、一定の期間を要する場合ということも想定はしております。
 このため、こういったその手続が余りにも長期にわたらないように、届出手続を円滑にするため、厚生労働省といたしましては、届出の受理や相談対応等の業務の参考として、健康サポート薬局の要件等の考え方をQアンドAとして示すことなどの対応を行ってきております。
 引き続き、地方自治体や関係団体と連携して適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
 また、もう一つ、健康サポート薬局と医師との業務の関係につきましてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、健康サポート薬局におきましては当然医行為を行うことは認められておりませんが、かかりつけ医を始め適切な専門職種や関係機関とあらかじめ連携体制を構築し、患者さんからの健康維持増進に関する相談に応じて、必要な場合には円滑にかかりつけ医等に紹介できるようにしておくことは求めておりまして、このような関係の中で健康サポート薬局の役割を発揮していただきたいと考えているところでございます。
#158
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 兵庫県の方では、実際に、まだ現在、資料の二枚目で配らせていただいておりますけれども、この届出をした薬局が三件しかないという非常に寂しい状況でもあります。薬局にとってこの制度がメリットがあるものであるというふうに思っていただかないといけないかと思うんですが、その点、簡潔にメリットの方を御説明いただけますでしょうか。
#159
○副大臣(高木美智代君) 御指摘の健康サポート薬局につきましては、平成二十八年十月に自治体への届出が開始されまして、平成三十年四月末時点におきましては全国で九百二十三件の届出がなされております。
 届出を行った薬局は、健康サポート薬局である旨を薬局の内外に表示することになっております。また、各都道府県の薬局機能情報提供制度におきまして健康サポート薬局である薬局が公表されておりまして、地域住民がどの薬局が健康サポート機能を有する薬局であるか把握できるようになっております。こうした仕組みによりまして、健康サポート薬局が地域住民に対して明らかとなることで、より積極的に地域住民の健康を支援する役割を担い、地域住民や地域の関係機関と顔の見える関係を構築することが可能となりまして、ひいては地域包括ケアシステムを担う一員として、薬剤師、薬局がその役割を発揮していくことが可能となると考えております。
 先ほど御指摘ありました、届出のためにという、大変手続が面倒であるとか、そうした御指摘を踏まえまして、届出手続の簡素化であるとか、また、取得のメリットは更に何ができるか、検討してまいりたいと考えております。
#160
○伊藤孝江君 是非よろしくお願いいたします。
 質問を一つ飛ばさせていただきます。
 今回、私が相談を受けるきっかけになった事情なんですけれども、この健康サポート薬局の活動としましては、資料の一ページ目にありますように、F番ですね、健康サポート機能のF番、健康相談、健康サポートなどを行うということで、厚労省の方から、月一回程度、単に相談に対応するだけではなく、地域住民への健康講座や薬の相談会などの開催が求められております。ただ、実際に自治会館や公民館などを借りようとすると、民間業者の営業活動には貸せないというふうにして断られてしまったと。健康サポート薬局の活動自体は営業活動ではないというふうに説明しても、なかなか公民館を使うことができない。また、県の方にも相談をしたところ、地域の公の会場でやってほしいと言われるだけで、なかなか難しい。近隣の適切な貸し会議室や貸しスペースでも駄目だというふうな形のアドバイスもいただいた中で、やむなく店舗内で講座を開かれております。
 健康サポート薬局としての活動が営業活動ではないことはもう明確だというふうに厚労省としては見解を示されております。ただ、これから健康サポート薬局が増えていったとしても、地域の自治会館や公民館が使えなければ、なかなか適切な会場がない、また費用も掛かるということで、活動が難しくなると。
 地域の公民館などを利用できるように、しっかりと国から指導をしていただくなり何かしらの対応をいただきたいという御要望をいただいておりますが、この点、いかがでしょうか。
#161
○政府参考人(宮本真司君) 先生御指摘のように、健康サポート薬局につきましては、単に住民からの相談に対応するだけではなく、薬の相談会の開催、禁煙相談の実施など、積極的な健康サポートの取組を実施していただきたいと考えております。
 御指摘ありましたような健康講座などの開催につきましても、その一環として対応しているものと考えておりますが、やはり御指摘のように、このような取組は薬局内だけではなく薬局以外の場所における取組も考えられるものでもあり、具体的な場、実施場所につきましては、事業内容であるとか地域の実情に応じて対応していただくものと考えております。
 私ども厚生労働省におきましては、健康サポート薬局の届出の受理や相談等の業務の参考として、必要に応じて健康サポート薬局の要件等の考え方をQアンドAとして示しておりますけれども、今先生から御指摘ありましたように、各自治体の薬務の主管部局と他部局との連携を促すなど、今後とも、現場の状況を踏まえながら、QアンドAの充実などにより円滑な運用が実施できるように努めてまいりたいと思っております。
#162
○伊藤孝江君 今いただいたように、県ないしまた市の担当の部局の方でこの健康サポート薬局の制度に関してきちんと理解をしていただいているのかどうかというのが、なかなか難しいんじゃないかなと思われる面があるのが実際のところだと思っております。地元におきましても、この健康サポート薬局に関しまして、県の担当課、また市の職員の方の方でも十分に理解をし切れていないのではないかと思うところもありました。
 実際に、薬局行政に関しては、都道府県から市町村にいろんな通知なりが伝わりにくい面があるのではないかというふうにも思っております。
 先ほど、高木副大臣の方からもメリットを説明をいただきまして、実際に健康サポート薬局に関しましては、健康サポート薬局であるということを薬局の外側の見やすいところに掲示をすると。また、県のホームページなどでも健康サポート薬局を検索できるようにして、当該薬局が行っている健康サポートの内容を紹介することが望ましいというふうにまで厚労省の方からは出していただいているところでありますけれども、そういう面でも、県また市の職員の方々に御理解をいただくことが大事なのかなと。
 何よりも、それを見て利用していただくためには、地域住民の方に健康サポート薬局の存在、またその趣旨を理解していただくことが必要かと考えております。そういう健康サポート薬局の存在、また趣旨を自治体そして国民の皆様に周知徹底をしていくという点についていかがお考えでしょうか。高木副大臣、よろしくお願いいたします。
#163
○副大臣(高木美智代君) 御指摘のとおり、健康サポート薬局につきましては、制度の趣旨や考え方などを国民や自治体などに幅広く周知していくことが重要と考えております。周知徹底につきましては、先ほど局長から答弁させていただいたとおり、QアンドAのほか、都道府県や市町村の職員を対象とした会議などで健康サポート薬局の制度の趣旨や考え方などの周知を行っております。
 また、平成三十年度予算におきましては、健康サポート薬局における取組の好事例を取りまとめまして、横展開を実施をすることとしております。
 なお、健康サポート薬局の活用につきましては、先ほど来、委員の御指摘ございますとおり、地域包括ケアなどを担当する市町村への周知と理解が重要と考えておりまして、この点についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
#164
○伊藤孝江君 是非よろしくお願いいたします。
 本当に、地域医療また地域の住民の皆様の健康のために貢献をしていきたいという思いで健康サポート薬局としての届出をされて活動されていると。本当に貴重な有り難い存在だと思っておりますし、これからはもっともっとそういう薬局の皆様が増えていただきたいというふうにも思っております。
 大臣に一言、健康サポート薬局として活動をされている薬局の皆様への、是非御期待、一言よろしくお願いいたします。
#165
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員お話ありました健康サポート薬局、平成二十七年十月に公表した患者のための薬局ビジョンにおいて、地域包括ケアシステムを担う一員として、かかりつけ薬剤師・薬局が患者等のニーズにおいて強化、充実すべき機能として、健康相談や健康サポートなど、薬剤師としての専門性を生かして地域住民による主体的な健康の維持増進を支援することを求めたものであります。
 まさに、そうしたところがどこまでまず皆さんに、地域住民を始め、今お話ありました市町村等に理解がいただいているのか、これについて高木副大臣からもお話がありましたけれども、我々は更にそうした周知あるいは役割の理解、これを深めていく必要があるというふうに思いますし、また、今、政府としても健康寿命をいかに延伸をしていくのか、また、そのためには健康意識をどう高めていただくのか、これは大変大事なものでありまして、そういった意味でも、この健康サポート薬局のその役割、大変大きなものがありますし、また、薬局ですから身近な存在ということにもなります。
 そうした意味で、他の専門職種、そして、先ほど、関係機関、市町村と連携してそうした公民館等を活用して様々なことを活動を展開をしていく、そういったことも含めて、地域住民の本当に頼りになる相談役、こういう意味でその役割を果たしていただきたいというふうに思いますし、また、我々としてもその役割を果たしていただける環境の整備に、これにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#166
○伊藤孝江君 私自身も、しっかり活動を後押ししていけるような形の取組、させていただきたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。
#167
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 小児がん対策について質問をいたします。
 小児のうち、五から九歳、また十から十四歳の死因の第一位は小児がんであり、これは成人と同様であります。二〇一三年のデータでは、がん発症者推計数は八十六万二千四百五十二人で、うち二十歳未満は二千五百七十一人、約〇・三%であり、このことから小児がんは希少疾患に分類されることになっております。それゆえに、実数としてのデータ、経験が不足していることにも起因して、治療法や薬の開発が遅れているのが実態であります。
 政府として小児がん対策に何としても取り組んでもらいたいと強くお願いをしたいのですけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
#168
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から数字も挙げてお話がございましたけれども、小児がんはまだまだ希少であります。しかし、同時に、その多様ながん種を多く含んでいるということでありまして、したがって、また小児という患者さんの特性を踏まえた対策が求められております。
 平成三十年三月に閣議決定した第三期がん対策推進基本計画でも、この小児がん対策に重点的に取り組むというふうになっております。また、先ほど委員がお話しになりました、がん全体でいえば〇・三%というお話がありましたけれども、更に言えば、成人の希少がんともまた異なる対策が求められておりまして、小児がん拠点病院等を整備をして、診療の一部集約化とネットワークによる診療体制の構築、これを進めてきているところでありますけれども、さらに、こうした拠点病院において、多様なニーズに対応するため、がんゲノム医療の活用などを含む診断、治療の研究の推進、あるいは十分な臨床研究等を行うことのできる体制の整備、また新規の治療法や新薬の開発等につながる研究の推進、そういった意味で、患者さんあるいは御家族、そういった皆さんの期待にしっかりと応えていけるように、小児がん医療の更なる質の向上を目指して、基本計画も踏まえながら小児がん対策を強化していきたいと思います。
#169
○三浦信祐君 大臣の今のお言葉を聞いて、がんで闘っているお子さんや御家族は本当にもう期待をしていると思いますので、強力によろしくお願いいたします。
 抗がん剤について、七から八割は子供にも使えるものであるとも伺いました。大人で使えるものを子供にも使えることで治療に効果があるのであれば、使用を促進すべきだと考えます。
 成長過程にあるお子さんのがんは病状の進行が早いため、猶予がない場合も多いと思います。その上で、治験データがないことが抗がん剤の使用を推奨、促進できない理由であるならば、承認の前から医薬品を使えるようにすべきであり、早期の承認が取れるようにも取り組むべきだと考えます。いかがでしょうか。
#170
○政府参考人(宮本真司君) 御指摘のように、抗がん剤の小児に対する使用も含め、小児に対する医薬品を開発するに当たりましては、治療効果の有無のみならず、小児特有の用法、用量の設定の必要性などを含めまして、有効性、安全性の確認が必要となりますことから、世界的に困難さが指摘されているところでもございます。
 我が国におきましても、医療機関や文献からの情報収集や海外規制情報の取得など、多面的な情報収集活動を通じて、小児に対する医薬品の開発や小児へ医薬品を投与する際の情報提供が進むよう取り組んでいくことが重要と考えております。
 また、我が国の医療保険制度におきましては、原則、有効性、安全性が確認された薬事承認のある医薬品を保険適用をしておりますけれども、薬事承認のない医薬品であっても保険外併用療養費制度の下で、治験や先進医療等の形で、将来の薬事承認と保険適用に向けた評価を行うものとして、保険診療との併用を可能としているところでもございます。
 さらに、厚生労働省におきましては、学会、患者団体等からの未承認、適応外薬に係る要望に対して、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、諸外国での承認状況や科学的な根拠に基づき検討を行った上で、必要に応じて製造販売業者に対する開発要請等を行っております。その中には、小児のがんに対する要望も含まれており、医薬品の承認事項の変更につながった例などもございます。
 厚生労働省では、引き続きこのような仕組みを活用するとともに、昨年制度化いたしました条件付き早期承認制度の活用などにつきましても、今後、厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会における御議論も踏まえまして、必要とされる医薬品については早期に承認できるよう努めてまいりたいと考えております。
#171
○三浦信祐君 是非よろしくお願いします。
 小児がんに精通した専門家が少ないため、適切な診断ができず、治療が遅れる可能性があることが小児がん対策の問題点の一つとして挙げられます。ましてや、小児対応の外科医が少なく、手術できる医師が極めて少ないのが実態であります。小児がん治療は志の高い医療人の善意によって支えられていると言っても過言ではないのが現状だと思います。
 小児がんに取り組む外科医について、門をたたく医師が増えること、今後も確実に確保ができ、養成することが大事であり、厚生労働省として強力に推進すべきであると思いますが、取組はいかがでしょうか。また、診療報酬等を含めた財政的支援の現状はどのようになっており、今後、効果を生むためにどのように取り組むのか、高木副大臣に伺います。
#172
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 小児がんの治療におきましては、他のがん治療と同様に、化学療法とか、また放射線療法を含めまして、各種治療法を組み合わせた集学的治療が重要でございます。
 委員御指摘の手術療法につきましては、これまで小児がん拠点病院などを中心に、外科医の育成プログラムなどの人材育成のための支援を行ってまいりました。さらに、本年三月に閣議決定した第三期がん対策推進基本計画におきましては、人材育成を対策の柱の一つに位置付けまして、関係省庁における取組との連携も含めて、幅広い人材の育成について取り組むこととしております。
 また、診療報酬におきましては、これまでも小児がん拠点病院加算を設けるなど、小児がんに係る診療の評価を行ってきておりますが、平成三十年度診療報酬改定におきましては、小児入院医療管理料の包括範囲の見直しであるとか、また、小児特定集中治療管理料の対象年齢を十五歳未満から二十歳未満に拡大するなど、小児医療の充実を行っているところでございます。
 また、医療従事者の負担軽減や働き方改革を推進する観点から、医師事務作業補助体制加算、いわゆる医療クラークでございますが、その評価の引上げ、また小児科などの医師の常勤要件や専従要件の緩和などの見直しを行ったところです。
 厚生労働省としては、このような取組を通じて、引き続き小児がんの診療に従事する医師の育成確保の支援に努めてまいりたいと考えております。
#173
○三浦信祐君 不断の取組をお願いしたいと思います。
 小児がん患者が生きる希望を持っていくことができる体制整備の中に、長期入院による学習環境整備が挙げられます。義務教育課程までのフォローは辛うじてあるように聞こえてきますが、中学生から中長期入院治療となったケースや高校生からの場合も含め、高校生の世代に対しての教育支援体制は極めて厳しいものがあります。仮に支援環境が良い場合だったとしても、学校の事情で週二、三回の支援が限界なのが実情だと医療現場で伺いました。現状は未整備の状況だと言えます。高校生の世代にある入院中の小児がん患者の学習環境をしっかりと整備をすべきです。是非的確に対応していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 これに加えまして、学業復帰や就職の際の相談支援体制が不十分だと思います。神奈川では神奈川県立こども医療センターが窓口となっていますが、より体系的な支援体制にすべきではないでしょうか。
 文部科学省と厚生労働省に対策を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
#174
○政府参考人(下間康行君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、小児がん患者を含む長期入院中の高校生に対し教育の機会を保障することは大変重要であると認識しております。このため、文部科学省におきましては、平成二十五年三月に、各都道府県教育委員会等に対し、高校生を含む病気療養児に対する教育の充実を求める通知を発出するとともに、平成二十七年四月から、高等学校や特別支援学校高等部における遠隔教育を制度化いたしました。また、平成二十八年度より、長期間入院する児童生徒等の教育について、在籍校や病院等の関係機関が連携して支援する体制の構築方法に関する調査研究を行う入院児童生徒等への教育保障体制整備事業を実施しておりまして、その中には長期入院中の高校生を対象とした学習環境の整備に係る取組を行っているものもございます。
 本年三月のがん対策推進基本計画におきましては、国及び地方公共団体は、医療従事者と教育関係者との連携を強化するとともに、情報技術を活用した高等学校段階における遠隔教育など、療養中においても適切な教育を受けることのできる環境の整備や、復学・就学支援など、療養中の生徒等に対する特別支援教育をより一層充実させるというふうにございまして、文部科学省といたしましては、引き続きこうした取組を行っていくことによりまして、各地方公共団体などにおいて、地域の実情等に応じ、入院中の高校生に対する教育の充実に取り組むよう促してまいりたいと存じます。
#175
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 厚生労働省では、小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられる環境を整備するため、全国十五か所の小児がん拠点病院を指定してございます。その指定要件の中では、病弱の特別支援学校又は小中学校の病弱、身体虚弱によります教育支援が行われていること、相談支援センターを設置し、小児がん患者の発育、教育及び療養上の相談支援を行うことを求めておりまして、全国十五か所全てで入院している小中学生の学習環境や相談体制の整備が進められているところでございます。
 一方で、委員御指摘のございましたとおり、入院している高校生の学習環境の整備につきましては、現在の小児がん拠点病院の指定要件としては求めていないところでございますが、現在開催をしております小児・AYA世代、このAYA世代というのは思春期、若年成人のことでございますが、この小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会におきまして、高校の教育につきましても学習環境の整備を進めるべきではないかといった御指摘を有識者からいただいているところでございます。
 また、同検討会では、これまでの相談支援体制に加えまして、教育機関や、それから就労支援に関する成人のがん診療連携拠点病院などとの連携も強化をしていく必要性が指摘されてございます。
 現在、小児がん拠点病院の指定要件の見直しに向けまして、意見の取りまとめを行っているところでございます。入院中の小児がん患者の学習環境や相談支援体制の充実につながるよう、今後の検討を進めてまいりたいと考えております。
#176
○三浦信祐君 是非、一人も漏れないような体制整備をしていただきたいと思います。
 一つ飛ばさせていただきます。
 最後になりますけれども、がんゲノム医療推進の具体的取組について質問をいたします。
 来月にも稼働するがんゲノム情報管理センターにおいて、センターへのゲノム情報などの登録が開始されると承知をいたしております。国民皆保険制度である日本は、的確な整備を行うことによって、将来的にゲノム解析情報等を集約して世界のどこよりも多様な情報が得られる環境に基づいて、治療技術の発展、創薬などに活用できる無限の可能性を有しております。今回はその入口となります。センターの成功を心から願い、支援していきたいと私は思っております。
 その上で、まずもって先端情報をしっかりと整理、管理し、診療の提供と治療方法の確立、創薬等に生かすために、国として研究と情報収集体制の整備、人材育成を強力に進めていくべきであり、強くお願いをしたいと思います。
 その上で、がんゲノム研究の成果を国益に結び付けるためには、知財の確保、管理体制の確立が絶対不可欠です。具体的には、研究成果の知財に関わる人材育成、企業連携、弁理士等との強固な連携を取るべきだと私は考えます。
 これらについて、是非行っていただきたいと思いますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
#177
○国務大臣(加藤勝信君) 個人に最適化されたがん治療を実現するためにも、がんゲノム医療、これをしっかりと推進をしていく必要がありますし、そのためにも、ゲノム情報等を適切に集約、管理、そして利活用する体制が必要であります。
 本年二月に、ゲノム情報等を適切に収集、登録し、がんゲノム医療を適切に提供するための医療機関として、がんゲノム医療中核拠点病院、これ十一か所指定をいたしました。それから三月には、がんゲノム医療連携病院、これを百か所公表もしたところであります。また、今年度は、質の高いデータベースを有し、がんゲノム医療中核拠点病院等で得られたゲノム情報等の集約、管理、利活用を行うがんゲノム情報管理センターの構築を進めているところでございます。また、がんゲノム情報を扱う人材育成に関しても、第三期がん対策推進基本計画に基づいて遺伝カウンセリングに関わる者の育成を含めて進めていきたいと思っております。
 さらに、知的財産のお話がありました。
 研究成果や知的財産の蓄積に伴う知的財産の保護の在り方については、有識者や患者等で構成するがんゲノム医療推進コンソーシアム運営協議会、これを早期に設置をしたいと思いますし、また、他の分野におけるいろんな事例なども参考に必要な施策を検討させていただきたいと思います。
 いずれにしても、こうした施策を進めることによって、個々のがん患者に最適ながんゲノム医療がいち早くそれぞれ提供できるように努力をしてまいりたいと思います。
#178
○三浦信祐君 是非強力に進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#179
○小林正夫君 国民民主党の小林正夫です。
 今日は一般質疑です。最近の社会問題と高齢社会に関わる課題、そして労働災害の防止などについて質問をいたします。
 はしかが流行している、この件についてまずお聞きをいたします。
 大臣は、はしかにかかったことはありますか。
#180
○国務大臣(加藤勝信君) 明確に記憶はありませんけれども、かかったと言われたことがあるように思います。
#181
○小林正夫君 今、はしかが流行しているということで、五月の連休明けには全国十一都道府県で患者数は百三十四人と、このような報道もありました。はしかの感染力は極めて強いと報道されておりまして、ニュースを見ていても多くの国民の方が不安を感じていると、こういう状況に今あると思います。
 それで、はしかはどういう病気なのかということと、現在のはしかの広がりはどういうことになっているのか、予防はどうしたらいいのか、多くの国民、不安を抱いていますので、できる限り分かりやすい答弁をお願いいたします。
#182
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 麻疹は、高熱と赤い発疹を特徴とし、感染力が非常に強く、空気感染をする感染症でございます。治療法は基本的には対症療法のみではございますけれども、感染予防策といたしましては予防接種が極めて重要であり、予防接種法上の定期の予防接種の対象となっております。接種費用につきましては、公費負担が行われているというものでございます。
 今般の沖縄県に端を発しました三月以降の麻疹の発生事例につきましては、五月十六日公表時点での沖縄県におきまして九十九名の患者が報告されており、沖縄県以外の自治体におきましても患者の発生が報告されております。
 今年に入っての報告されている患者数は、国立感染症研究所の感染症発生動向調査報告によれば、五月六日までの累積報告数で百二十五名であり、その後の各自治体の公表データも踏まえますと、百五十名以上の患者が確認されているというところでございます。
#183
○小林正夫君 はしかで死ぬということはあるんですか。
#184
○政府参考人(福田祐典君) ございます。
#185
○小林正夫君 もう少し詳しく、どの程度の方が亡くなる確率があるんでしょうか。
#186
○政府参考人(福田祐典君) はしかにつきましては、やはり合併症が非常に課題でございまして、肺炎とか中耳炎、そして、やはり怖いのは脳炎でございます。脳炎は、千例に一例くらい脳炎を発症するというふうに今言われておりまして、そういった方々が重篤化をすると、先ほど申し上げましたけれども、死に至ることがあるということでございます。
#187
○小林正夫君 そしてもう一つ、自分がはしかにかかったかなと、こう思ったときにどういうふうに行動を取ったらいいのか。前回、インフルエンザのときには、足立先生が、自宅でしっかり様子を見て、それから病院に行くことが望ましいんじゃないかと、こういうお話があって、厚労省のホームページもそのように直ったと、このように私承知していますけれども、今回のはしかについては、もしかしたら自分がそうかなと思ったときにはどういう行動を取ったらいいんでしょうか。
#188
○政府参考人(福田祐典君) 先ほど申し上げましたように、はしかというのは非常に感染力が強いということがございます。そういう意味におきまして、自分で疑った場合には保健所若しくは医療機関に電話等でまず御相談をいただいて、そこで御指示をしていただいて、例えば受診をするにしても受診のタイミングとか、それから、そういったことについて指導、指示を受けた上で、ほかの方にうつさないような方策をなるべく取っていただくと。
 特に、公共交通機関とかそういったところを使うと拡散させてしまうような場合もございますので、そういった点も含めて、その地域の実情に応じた形になると思いますけれども、なるべく他人にうつさないことも含めて、一方ではその病状を回復させるということも含めて、併せての御相談をしていただくということが適切であるというふうに考えておりますし、厚生労働省の通知の方でもそのような形でお願いをしているというところでございます。
#189
○小林正夫君 分かりました。
 そして、今から十年前、二〇〇七年から二〇〇八年にかけてはしかが流行して一万人超えの方が罹患したと、こういうことがあったと思います。
 今回、このはしかを終息させていくという、こういう処置の仕方で、十年前と何か違った新しい処置方法というのは考えられるんでしょうか。
#190
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 先ほど、十年前のときには十代から二十代を中心に麻疹が大流行いたしまして、これを受けまして、いわゆる一回接種でとどまっている方々につきまして、二回接種目というものを集中的に五年間をかけて行ったという形がございます。
 私どもの方での検討会での評価なんでございますが、こういった取組も踏まえて、その成果の一つとして、このような取組によりまして麻疹の患者さんの数は今順調に年間減っているわけなんですけれども、さらに、その抗体保有率、抵抗力の保有率ですね、こういったものにつきましても毎年調査をいたしてございまして、例えば二〇一六年の流行調査予測によりますと、二歳以降の全ての年代につきまして九五%以上の抗体保有率を達成しているという状況でございます。
 そういったことで、現時点では、やはりそういった患者さんが、かかったかなというような方については早期にまず発見をし、その部分で医療機関や保健所に御相談をいただいて、そこで広がらないように封じ込める的な形での対策を取るということをまず第一義的に進めつつ、まだ不安な方で一回接種とか二回接種をしていないような方につきましては、環境の状況に応じましてその追加の接種を考えていただくというようなことをお願いをしているという状況でございます。
#191
○小林正夫君 もう一つだけ教えてください。
 このはしかは一回かかったらもうかからないというふうに思っていていいのか。先ほど大臣は、かかったような話を聞いていると、このようにお話がありました。私は、もう両親が他界しましたので、自分がかかったかどうかは正直言って分からないんです。あわせて、自分がはしかにかかったのかどうか、これを知るすべはあるんでしょうか。併せて質問します。
#192
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 基本的には一度かかると終生免疫というふうには言われておりますけれども、それ自体はやはり個人差もありますので、基本はそうだということでございます。
 その上で、今御質問ございました過去どうなのかという部分につきましては、これにつきましては抗体検査をしていただくという方法がございます。抗体検査を行うことによりまして、麻疹に対する免疫の有無ということを確認をすることができます。抗体検査は血液の採取で行うことができまして、通常の医療機関で実施をすることができるということでございます。
#193
○小林正夫君 大臣、はしかを終息させていかなきゃいけないと、このように思います。この問題の取組の決意について、大臣からお聞きをいたします。
#194
○国務大臣(加藤勝信君) 今るる担当からもお話をさせていただきました。御承知のように、麻疹対策、予防接種、一歳児と就学前の二回接種をするということになっているわけでありますけれども、一つは、実際、先ほど調査では九五%ということですが、各市町村ごとに実施がどうなっているかを見ると、九五%に至っていない、一期、二期見てですね、ところもかなりあるんですね。
 ですから、そういったことも含めて、よりこの予防接種というものをしっかりやってほしいということを徹底していくということがまず一つ必要だということで、私の方からも関係機関に対して改めて周知をさせていただくとともに、麻しんに関する特定感染症予防指針というのがございますので、それもそうしたことを踏まえた改正をさせていただきたいというふうに思っております。
 それからもう一つは、やはり、特に日本はこれまで国内で感染者がいた時代から、今海外から、今回のも来るという時代でありますから、まさに水際でどう対応していくのか、そしてまた、実際感染者が今度病院に行ったときにどう対応するのかといった、空港勤務者や医療関係者について予防接種の推奨、これしっかり行っていきたいということを考えておりまして、そういった点についても関係機関、医療機関等含めてしっかり周知を図り、そうした接種等が行われるよう我々も取り組んでいきたいと思います。
#195
○小林正夫君 是非その方向で取り組んでいただき、国民の不安が一つでも和らげるように取り組んでいただきたいことをお願いします。
 次の社会的課題ですけれども、今大臣おっしゃったように、日本に外国のお客さんが相当増えてきた。しかし、訪日客の医療費の未払が増えてきたという、これまた報道があります。
 政府は、観光先進国の新たな国づくりに向けて、二〇一六年に、内閣総理大臣を議長とする明日の日本を支える観光ビジョン構想会議、こういうことにおいて観光ビジョンを策定して、世界が訪れたくなる日本を目指して、観光ビジョンの施策の実行に対して政府一丸、官民一体となって取り組んでいると、こういう状況にあります。
 そしてまた、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて四千万人の人が来ていただけるように日本としては努力していると、こういうことになっていますけれども、先ほど言ったように、最近、外国人の方が、外国旅行者の方が日本に来て病気になられて医者にかかった、その費用を未払で帰国してしまうという人たちも出てきたと、こういうことで、大変病院の維持も一部大変になってきているという報道もございます。経営が圧迫されているということもあるんです。
 この患者を受け入れた医療機関、要は、外国の人が病気になって受け入れた医療機関がどのぐらいあって、その中で未払はどのぐらいあったのか、この実態を、厚労省、つかんでいれば教えてもらいたいと思います。
#196
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 訪日外国人の診療により発生した医療機関の未収金の件数でありますとか金額につきましては、平成二十一年度以降把握しておりませんでしたので、実態把握のため、昨年度、委託調査を実施したところでございます。
 この調査におきましては、病院へのアンケートによりまして、訪日外国人の診療により発生した未収金の件数、それから金額、これらを調査をしておりまして、現在その結果を精査しているところでございます。多少ちょっと時間が掛かって恐縮でございますが、今月中を目途に公表予定ということで精査をしているところでございます。
#197
○小林正夫君 病気になったら病院にかかっていただいて健康にしていくと、もうこのことは日本人だろうが外国のことであろうが、これは大変大事なことだと思いますから、この治療はしっかりやっていただきたい。
 ただ、治療で使って未払になると、私たちの税金もそこに一部使われているということにも多分なっているのだと思います。そういう意味で、今日の午前中の法案審議で、医療法並びに医師法の改正の審議の中でも、病院は大変貴重なんだと、もう大変な重要な役割を果たしていると、こういうような審議もしてきたわけですけれども、是非、この未払になっている原因だとか、今後厚労省として未払をどうやって防いでいくのか、この施策についてお聞きをいたします。
#198
○国務大臣(加藤勝信君) 訪日外国人、これを増やすということで今様々な施策をしている中において、日本に来られた方が日本の医療機関を安心、安全に受診できる体制をつくっていくということが必要である一方で、今委員御指摘のように、未収金の発生等様々な問題も指摘をされております。
 医療費未払となる要因、これいろいろあると思いますが、例えば言葉の壁により受診した外国人と十分な意思疎通ができず、医療費について説明してもなかなか理解してもらえなかったり、あるいは最初に必要な費用を、日本の場合は、例えば医療かかるとき幾ら掛かりますと普通言わずに診療して最後お金払うと、これが我々の常識ですが、国によってはそうでない、幾ら掛かるから診療するかしないかというところも中にはあると思います。そういった文化の違いというんでしょうか、そういったものもあるんだろうと思います。更に言えば、いわゆる急な疾病でかなり金額が掛かって、手持ちの金額がない、残念ながらクレジットカードも使えないと、こういったような事例があるというふうに思います。
 したがって、言語や文化等の違い、この問題に対しては、医薬・医療通訳者等の医療機関への配置、あるいは多言語資料を作成するといったことによって対応する、また、医療機関だけじゃなくて地域全体でも体制を整備するという形で平成三十年度からはモデル事業も進めているところでありますが、確実な支払を確保するためには、やはり我々も海外行くとき旅行保険に入りますけれども、旅行保険への加入を促進をしていく、あるいは、病気やけがをした外国人から、普通、最初にどこ行ったらいいでしょうかと相談を受けるのは宿泊事業者とかツーリストということになりますから、そうした方とも意見交換を行って、どういう医療機関があるのか、その場合に大体どういう費用負担になるのか等をあらかじめ説明をしてもらう、そういった試みを、そういった連携をしっかり図っていくということが必要だと思います。
 また、政府全体では、本年三月に、政府の健康・医療戦略推進本部の下に訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループ、これを設けて、未収金の問題を含めて訪日外国人に対する医療提供に関する多様な問題に関係府省庁が連携して取り組むということになっておりまして、厚生労働省としてもその議論にもしっかりと対応していきたいと思っております。
#199
○小林正夫君 このテーマの最後の質問ですけれども、先ほど言った明日の日本を支える観光ビジョン構想会議、これは外国の人に日本に来てくださいと、こういうふうにお招きをする、こういうことを決める会議だというふうに私思いますけど、こういう会議で、今言った医療費の未払などのリスクについてやはり検討した上でいろいろ日本としての施策をやっていくべきだと私思うんですけれども、この構想会議というのは、ただ外国人の人に来てくれ来てくれと言うだけを決める会議なんでしょうか。
#200
○国務大臣(加藤勝信君) 構想会議そのものが私どもが直接所掌しているわけではありませんけれども、明日の日本を支える観光ビジョンにおいては未収金の問題については議論されていないというふうに聞いております。
#201
○小林正夫君 本来ならばそういうリスクも考えた上で全体的な施策をつくっていくということが私妥当じゃないかと思うんですが、最後にもう一回だけ。
 じゃ、先ほど言ったこの構想会議ではそういうことを検討していないということになれば、この問題はどこの部署で検討し、あるいはこういう委員会などがあるんでしょうか、検討する委員会が。
#202
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと先ほども触れさせていただいたんですけれども、健康・医療戦略推進本部というのがございますので、そこで今、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に対するワーキンググループは設けて議論をさせていただいているところでございます。
#203
○小林正夫君 次のテーマに移ります。
 高齢社会の課題、捉え方と、高齢者の就業についてお聞きをいたします。
 まず、日本の健康寿命、これ延びていると思うんですが、直近の数字を男女別に教えていただきたい。
#204
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 健康寿命は、厚生労働科学研究班におきまして三年ごとに算出をいたしております。最新値でございます平成二十八年の値は、平成三十年三月に公表いたしておりますが、男性で七十二・一四年、女性が七十四・七九年でありまして、前回値の平成二十五年と比較し、延伸をしているところでございます。
#205
○小林正夫君 そして、健康寿命が延びている要因、それと、多分、都道府県別に細かく見ていくと健康寿命が低い地域もあるんじゃないかと思うんですけれども、その低い地域に対する健康寿命を上げていく施策、こういうのはどういうふうな取組をしているんでしょうか。
#206
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 今委員御指摘の点につきまして、特に地域別に健康寿命の非常に長い県とそうでないところがございます。そういったことを踏まえまして、健康寿命につきましてのそういった地域的な差というものの要因につきましては、現在、厚生労働科学研究班におきまして、その要因分析を含めて研究、検討を行っているところでございます。
#207
○小林正夫君 大臣の所見をお聞きをしたいんですが、寿命が大変延びて、これは大変喜ばしいことだと思うんですけれども、私も古希を過ぎて一定の年齢に来ました。私たちの仲間から聞くと、高齢社会になって、例えば社会保障費が負担大変なんだ、あるいは医療関係のお金が掛かって大変なんだ、日本は高齢社会になって何か大変だ大変だ、こういうような発信が非常に多くて、何か年を取ることが悪いようで、年を取ったことが社会に迷惑を掛けているんじゃないかと思う仲間もいるんですよ。
 私は、現実的には、私たちの税金をどう使っていくかということになれば、今言ったような社会保障に使っていくと当然なるんですけれども、要は、国全体の発信がどうもそちらに偏っていて、高齢化社会の良さとか、そういうものの発信が私は希薄になっているんじゃないかというふうに思うんです。そういう意味で、私も七十を超えた高齢者の一人なんですが、ふとそう思うときあるんですよ。
 だから、これから高齢者が増えていく日本ですから、その人たちが余り精神的に参らないようにいい発信してもらえませんか。
#208
○国務大臣(加藤勝信君) まさに委員御指摘のところ、私も感じるところでありまして、特に、我々、常套句のように、我が国の課題は少子高齢化と、こういうふうに言うんですが、高齢化が課題では私はないと思います。高齢化というのは言い方を変えると長寿化ですから、長寿化というのは、これはまさに目指してきた政策目標の一つが、こうして様々な方の御努力によって一つ一つ実現をしている、それが平均寿命の延伸であり、また今御指摘あった健康寿命の延伸だと思います。
 課題は、それに応じた社会構造になっているのか、あるいは社会保障の仕組みがそうしたものに対応し、国民の皆さんが安心できる形になっているかというところがまさに問われ、そして、それに向けて私たちは改革をしていかなきゃいけないというのがまず一つあります。
 それから同時に、よく言われるように、高齢者といってもどこで線を引くのか、六十五で線を引いたり、七十五で線を引いたり、いろんな線の引き方がありますけれども、これはもう人によって千差万別であります。もう八十、九十でも、私の地元でももう地域の責任者として頑張っていただいている方もおられるわけでありますから、そういった意味で、年齢にかかわらず、その方の希望あるいは状況に応じて活躍できる、こういう状況をつくっていく。
 そういうためにも、昨日もちょっと議論がありましたけれども、高齢者の就労という問題、より促進していくようにどうやっていったらいいのか等々、あるいは健康寿命を延伸するためにその前提としてどうすればいいのか、こういったことをしっかりすることによって、もうこの国は年がどうのこうのではなくて、それぞれの方がそれぞれの思いの中で活躍できる社会、それを目指していきたいと思います。
#209
○小林正夫君 人生経験豊かな人が増えていくということは成熟した国になっていくんだと、私はこのように捉えているんです。それと、今大臣がおっしゃったように、やっぱり働くということは非常に人生の喜びであると、こういうふうに思っている方も非常に多く、私もそのように思います。
 そこで、高齢者の就業促進、これについて厚労省は今どのように取り組んでいるんでしょうか、教えてください。
#210
○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。
 今委員からもお話ございましたとおり、我が国の社会が高齢化する中で、働く意欲をお持ちの高齢者がその年齢に関わりなく活躍できることが重要だというふうに考えているところでございます。
 近年、高齢者の就業率は上昇傾向にございますが、これを年齢階層ごとに見てみますと、六十歳から六十四歳までの方では、就業希望をお持ちの方のほとんどの方が実際に就業されているという状況でございます。一方で、六十五歳から六十九歳までの方を見てみますと、就業希望をお持ちの方が約六五%おられるのに対しまして、実際に就業されている方は約四四%と、約二〇%の開きがあるところでございます。
 そうしたことから、厚生労働省といたしましては、特に六十五歳を超えても働きやすい環境の整備を進めているところでございます。具体的に申し上げますと、六十五歳を超える継続雇用延長や定年引上げに取り組む企業などへの支援を行うとともに、高齢者の方を重点的に支援する生涯現役支援窓口の全国の主要なハローワークへの設置による再就職支援の強化を進めております。また、シルバー人材センターにおける会員拡大や会員と企業等とのマッチング機能の強化による高齢者の多様な就業機会の確保などに努めております。
 こうした取組を進めながら、年齢に関わりなく働き続けられる生涯現役社会の実現に努めていきたいと考えております。
#211
○小林正夫君 高齢社会でもう一つですけれども、介護施設の関係です。これについてお聞きします。
 これは、前回のこの厚労委員会で保育所についていろいろ質問をさせてもらいましたけど、要は介護のために待機されている、介護老人と言っていいのかどうか分かりませんが、こういう人は今何人いるんでしょうか。
#212
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 いわゆる特別養護老人ホームの入所申込者、待機者の状況でございますけれども、厚労省におきまして実施した調査におきましては、平成二十八年四月現在で、要介護三、四、五の入所申込者数は約二十九・五万人、うち在宅で待機されている方が約十二・三万人となっております。
#213
○小林正夫君 先ほど介護老人と私言ってしまいましたけれども、待機老人は何人いるんでしょうかという質問にちょっと変えさせておいていただきます。
 そして、五月三日の報道によりますと、市区町村の介護保険事業計画をまとめている四十七都道府県に、介護の受皿が二〇二〇年度末までにどの程度整う見込みなのかと、このように新聞社が尋ねたら、二〇二〇年度末までに自治体が進める介護施設の受皿整備が約二十九万人分にとどまり、国が二〇一五年に見込んだ計画を九万人下回る見通しと分かったと、このような報道がありました。国は、二〇一五年に介護離職ゼロを掲げて、二〇二〇年代初頭までに特別養護老人ホームなどの介護の受皿を約三十八万人分整備すると、こういう方針を示しておりますけれども、このマスコミの報道でいくと、政府の見込みの七五%程度しか整備ができないんじゃないか、こういうことになっているんです。
 そこで、介護の受皿整備は計画どおり進むと考えていいのかどうか、そして、二〇二〇年代初頭介護離職ゼロが達成できるのかどうか、ここについてお聞きいたします。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) 今各市町村において、地域の実情や課題を踏まえて、これ、二〇一八年度から始まる第七期の介護保険事業計画を新たに作成していただいた、そしてその結果、今私どもの方で集計をさせていただいているところでありますけれども、御指摘の報道は多分その新聞社が独自に各都道府県に当たって集約をされたのではないかと、こういうふうに思うところでございます。
 いずれにしても、それはサービスをそれぞれが見込んだ数字です。どれだけのものが、あるいは逆にどれだけが必要と考えているのか、それを前提に介護保険料等々も議論をしていくその土台になっているわけであります。これについては近々に集計してまた公表させていただきたいと思っております。
 いずれにしても、介護離職ゼロに向けては、先ほどありました特養等待機をされている方の解消、それから介護離職、年間今十万人と言われておりますけれども、そうした介護離職が生じない、こういったことに向けて、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿を整備するということで進めているところでございまして、やはり一番大事なこと、そうした施設を造ったりサービスを提供するということにおいては幾つか要点がありますが、やはり当面、大きな課題は、介護人材をどう確保するかということでございますので、それに向けて他の産業との賃金格差をなくしていくようにということで介護人材の更なる処遇改善を進めるということにもしているところでございまして、それに、御承知のように、八%から一〇%に消費税を上げる、その税収の使い道を当初から変更して、その財源もそこに充てるというふうにしているところでございます。
 いずれにしても、住み慣れた地域で自分らしく老後を暮らしていきたいと、こうした国民の皆さんのニーズに対応していくためにもそうしたサービスがきちんと提供される、そしてそのためにもそれを担う介護人材がしっかり確保をしていけるように更に努力をしていきたいと思います。
#215
○小林正夫君 私は、自分の母の介護の関係で在宅介護の限界ということを感じたことがあったんです。毎日もう自己嫌悪に陥って、自分の親なんだけど思ってみちゃいけないことを思ったり、いろんな経験をしました。そして、今でもやっぱり待機をしている方たち、その家族から見れば、一日も早くもうやっぱりプロの人に見てもらわないと介護できないという、こういう状況に置かれている人も非常に私多いんだと思うんですね。ですから、介護の人を抱える家庭ではもう待ったなしの状態が続いているということなんです。
 それで、先ほど言ったように、二〇二〇年代初頭に介護離職ゼロが達成できると、ここに非常に私も期待をしているんですが、ちょっと大臣の答弁では、このとおりできるというふうに私たち思っていていいのか。今の段階でマスコミの方の報道では、ちょっと調査の仕方が違うのかもしれないんですけれども、調査によっては、先ほど言ったように、この政府が求めている数字まで到達できないんじゃないかという報道があるわけですよね。
 だから、そういう意味で、できるというんだったらいいんだけれども、できないということになれば、どういう今後は施策を展開をして、なるべく早く待機している人たちが、その人たちに受け入れられることができるようにしていくのかどうか、この辺についてもう一度お聞きします。
#216
○国務大臣(加藤勝信君) まず、私ども介護離職ゼロを目指して様々な施策を展開をしていくということ、この姿勢には何ら変わるところがございませんし、また、それの実態として、やはり今回の第七期介護保険事業計画、これ都道府県でお作りいただいていますから、こうしたことも踏まえながら、その数字をまたベースに、そして介護離職ゼロに向けて何をしていくのかということ、当然それをベースにそれでまた新たに考えていかなければならないというふうに思いますが、ただ、いずれにしても、今においては、先ほど申し上げた処遇改善等を進めることにもしております。
 こういった施策を踏まえて、そしてまた更なる施策が必要であれば、それをしっかりやらせていただきたいと思います。
#217
○小林正夫君 これまた安心して介護を受けられる、こういうような環境を早くつくっていくということが必要だと思います。
 そこで、有料の老人ホームでの事故が多発していると、こういうようなことも言われております。いろいろ調べてみますと、こういう事故が厚生労働省の方に報告するという、この義務化がされていないんじゃないかと、そのようなことを言われております。この実態はどうなんでしょうか。
 私は、もしそういうことが義務化されていないということならば、きちんと義務化して、どういう老人ホームでどういう事故があったのかということは国全体として把握をしていって次なる対策に生かしていかなきゃいけないと私思うんですけれども、この辺について、要は報告の義務化について考えていく必要があるんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
#218
○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、現状でございますけれども、有料老人ホームの事故報告につきましては、有料老人ホームの設置運営標準指導指針というのがありまして、これに基づきまして、入居者に対するサービスの提供により事故が発生した場合には、有料老人ホームの設置者が、まず、指導監督権限を有する都道府県、指定都市又は中核市に対しまして速やかに連絡を行う、それから必要な措置を講ずる、こういうことになっております。また、連絡を受けた自治体に対しましては、こうした連絡があった事例のうちでございますけれども、入居者の生命、財産等が脅かされた場合に関しましては速やかに厚労省に情報を提供するよう要請しているということでございます。そういう意味では、要請ということでございまして、義務ということではございません。
 しかしながら、例えば社会保障審議会の介護給付費分科会の平成三十年度介護報酬改定に関する審議報告におきましては、介護保険施設におけますリスクマネジメントにつきましてどのような対応を図ることが適当なのか検討するべきということも指摘をされております。自治体から厚労省に報告することも義務付けるという御提案でございますけれども、こうした審議会の審議報告の指摘も踏まえまして、有料老人ホームにおける事故報告の方法の在り方を含めまして今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#219
○小林正夫君 前向きな答弁をいただいたんですが、大臣、いろいろ聞いていますと、事故の定義だとかあるいは報告内容、これを統一していく、こういうことをした上で、やはり国に対してきちんと義務付けして、事故の概要を国が把握できるようにしていくと、このことが私必要だと思うんですね。是非、今そういうような方向の答弁はありましたけれども、大臣としての取組についてお聞きをいたします。
#220
○国務大臣(加藤勝信君) そうした有料老人ホームに入っておられる方が事故に遭う、そういうことがないようにしていくと、そういった意味においても、そうした事故報告、これしっかり把握をして、分析をして、そしてそれに対して対応していくということが大変大事だというふうにも思います。
 そういった意味において、今局長からも答弁させていただきましたけれども、自治体から厚生労働省に報告することを義務付けるという提案について、審議会の報告においても介護保険施設におけるリスクマネジメントについてどのような対応を図ることが適当なのか検討するべきだというふうにもされておりますから、是非、今後、有料老人ホームにおける事故報告方法の在り方を含めて検討させていただきたいというふうに思いますし、その中においては、今お話があった事故の定義、あるいは報告書の様式、当然そういったことも必要になってくるというふうに思います。
#221
○小林正夫君 持ち時間の関係で、労働災害などの質問は今回できませんでした。通告をしてこちらに来ていただいている方もいらっしゃるんですけれども、大変申し訳なく思います。
 一つだけ最後に、訪日客の医療費の未払の関係で、今集約中という先ほどお話がありました。その集約結果が出ましたら、私、その報告書をもらいたいと思っているんです。これは病院の経営自体にも関係してくるということも考えられますので、できれば委員長の方でこの報告を提出するように取り計らっていただければ有り難いと思いますけど、いかがでしょうか。
#222
○委員長(島村大君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
#223
○小林正夫君 以上で終わります。ありがとうございました。
#224
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋です。午前中に続きまして、今度は一般質疑ということで質問させていただきたいと思います。
 まず、裁量労働制、データ偽造問題、様々な議論がありました。今回、平成二十五年度労働時間等総合実態調査、再調査の結果ということで出されましたが、大臣、実は我々参議院にはおととい机の上に配られただけです。何のちゃんとした説明もいまだに我々に対して行われておりません。報道ベースです。大臣、一体どうなっているんですか。三年間もこういった間違ったデータ使い続けて議論してきた、データ取り除いた再調査結果、参議院に対して我々に説明がないって、これ一体どういうことですか。
#225
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれ委員にお示しをする際、これ理事会にお諮りをしながら出させていただいております。衆議院においても理事会で御議論があり、そしてそれを理事会に御説明をし、その後委員に御説明をさせていただきました。
 今、参議院の方でもそうした議論がなされているというふうに承知をしていますけれども、ただ、いずれにしても、衆議院においてお配りをさせていただきましたので、まずは皆さん方にということでその資料をお配りさせていただいたと、こういうふうに承知をしております。
#226
○石橋通宏君 一言。おととい説明に来ていただけると聞いて、アポを取られたのが今日です。一体どうなっているのかということは、この委員会で是非記録に残しておきたいと思います。
 その上で、ちょっと、だから僕ら報道ベースでしか聞いていないので分からないんですが、報道で、厚生労働省のどなたか分かりませんが、これ、今回、二千五百ものデータ、事業場が取り除かれたにもかかわらず、堂々と、九千を超えるサンプル数が確保されているから統計上有意だと発言をされている。
 大臣、これ、大臣もそういう見解なんですか。
#227
○国務大臣(加藤勝信君) 今のお話は、この労働時間等総合実態調査のデータ精査の結果について、記者に対する説明の際に担当部局の者が、サンプル数が九千以上あり、統計的に有意なものと認識していると説明したというふうに聞いております。
 今回の精査は、統計調査の実施のノウハウを有する統計部局に行わせました。まず、既に撤回した裁量労働制に係る千五百二十六事業所のデータ、これは全面削除、そして、残ったデータについて、プログラム等による論理チェック、またこれに基づくエラーデータの精査を行い、異常値である蓋然性が高い項目が一つでもある場合には調査票全体を無効とするということで、九百六十六事業所のデータを除外し、その結果、サンプルサイズは九千をちょっと超えるということになったわけでありますけれども、結果としての信頼性は確保していると、こういうふうに認識をしております。
#228
○石橋通宏君 大臣、参考までに。大臣、統計学学ばれましたか。
#229
○国務大臣(加藤勝信君) 大学のときの講義ではありましたけれども、正直言ってそのときの記憶は余りございません。
#230
○石橋通宏君 恐らくこの場には、統計学しっかりやられて、回帰分析から何からやられる人おられると思います。そういう人が聞いたら、今の大臣の答弁、笑っちゃうと思いますが。
 今日、総務省から審議官お見えいただいています。そもそも、この総合実態調査、統計上有意なものとして考えられるのかどうか、見解お願いします。
#231
○政府参考人(横山均君) お答えします。
 労働時間等総合実態調査につきましては、調査時における調査内容の理解不足や集計時におけるデータ確認が不十分であったとすれば、公的統計に対する信頼性を確保するには不十分な調査手法であったと考えます。
 一方で、労働時間等総合実態調査は、統計法に基づく統計調査として設計されたものではなく、総務省の承認を受けて実施されたものではありません。さらに、その具体的な設計や調査方法等は承知していないため、修正前と修正後の調査結果の有意性について判断することは差し控えたいと考えております。
#232
○石橋通宏君 判断はできないながらも、これ、我々も、今回の問題が発覚して、改めて調査手法とかいろいろ精査させていただきました。びっくりです。あっ、こんなものだったのか、ごめんなさいね、大臣、こんな代物だったのかというのを改めて痛感したというか、愕然としたというか。
 にもかかわらず、だから、サンプル数が九千あるかないかじゃないんですよ、大臣。そもそも、そのサンプルがどうやって抽出をされたのか、統計上しっかりとした有意な方法でサンプルが取られているのか、そして、そのサンプルに基づいて適正、適切な、統計学上、統計上適切な調査が行われたのかどうなのか、いろんなプロセスを経て統計上有意であるかどうか、これがちゃんとした政府の公的な、国民に対して大切な法律を作る上での根拠となり得るものなのか、それが決まるんですよ。
 今回、二千五百の事業場が機械的に取り除かれた。じゃ、残った九千は絶対に適切なんですか。残った九千が国民の全体をちゃんと反映するサンプルなんですか。大臣、そんなこと到底言えないでしょう。これ、調査そのものをやっぱり撤回すべきだと思います、大臣。
#233
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘は二つあるんだと思います。これ、調査の結果自体、今回精査させて出させていただいたものに間違いがないのかと、こういう指摘と、それからこのサンプル数で全体が表示できるのかと、二つあると思います。
 まず、前者の方は、これは統計について、基本的には、異常なデータ等を削除するというのは、これは通常行われているわけでありますが、これが必ずしも十分でなかったということで、もう一度エラーチェックをさせていただいて出させていただいたという意味においてこの信頼性を上げさせていただいたというふうに思っております。
 それから、データのサンプル数のお話がありましたけれども、そもそも最初の調査設計時において、これ業種別等を見ていくわけでありますから、それにおいて、これちょっと統計的な言葉であれですけど、母比率というので、二分の一の比推定という、要するにイエスかノーかという判断をする前提で標準誤差が五・五%以下になるような標本設計を行ったところでありまして、この再集計結果においても標準誤差が五・五%に収まる、こうしたサンプル数は確保されていると、こういうことで、先ほど申し上げた、データ精査の担当者が統計的に有意なものと認識しているというふうに発言したと、こういうふうに聞いております。
#234
○石橋通宏君 いや、それはすごく誤認。二千五百の事業場を抜かしてから、さらに九千があるから大丈夫ですという発言をされている。それ自体がとんでもない発言です。これ撤回された方がいいと思います。そんないいかげんなことを言っていたら、とてもじゃないけど厚生労働行政任せられないということになってしまいます。なので、これは重ねて問題ある発言だったというふうに言います。
 それから、これ、じゃ九千のこのサンプル数で再調査出された、データ出していただけませんかね。データ要求しているんですが、データが出てこない。もうデータ取り除いて、以前一回全数出していただいているから、もう九千のデータはあるはずなんです。是非これ、この参議院の方にもデータ出していただきたいと思いますが、大臣、すぐ出していただけますか。
#235
○国務大臣(加藤勝信君) 前回もデータ全てお出ししたのではなくて、要するに、守秘義務等の関係でマスキングすべきところはマスキングして出させていただいたということでございますので、今回も同じ作業をさせていただいた上で出すということになろうかと思います。
#236
○石橋通宏君 いや、前回マスキングしているんですから、それを取り除いたやつ、二千五百取り除いたやつをまた出していただければいいので、そんなに難しい話ではないはずです。いつ出していただけますか。
#237
○国務大臣(加藤勝信君) 新たなデータにこれやり直しておりますから、それをまた一個一個消して、消すというかマスキングしていかなきゃならないので、言うほど簡単な作業ではないと思います。しかし、そんなに時間が掛かる作業でもないと思います。
#238
○石橋通宏君 じゃ、これ是非理事会に提出をいただきたいと思います。
 委員長、お取り計らいをお願いします。
#239
○委員長(島村大君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#240
○石橋通宏君 その上で重ねて、これ、この調査そのものがこの何年もの間、議論に使われたわけですね。労政審の様々な議論、その他の様々な場、国会審議の場、これさんざん使われたんでしょう。その根拠、根底が崩れたわけですよ。だから、もうこの法案自体、中身自体、この何年間かの議論の積み上げ自体もう成り立たないということを申し上げているわけです。それを、潰せないから無理くりつくり上げて、いや、統計上有意だから大丈夫です、二千五百抜きましたけどまだ大丈夫ですって言い張っているわけです。こんなの、国民に対する責任として、働く者のための働き方改革をやると口では言いながら、中身ではとんでもないことをまたつくり上げようとしている。
 これ、大臣、全部やり直すべきですよ。労政審に戻してもう一回調査やり直して、調査やり直すんでしょう、裁量労働制の部分含めて。全体をちゃんともう一回設計して、やり直してください。大臣、いかがですか。
#241
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制については、総理からもお話をさせていただいたように、データを撤回をし、また全面削除をした上で、新たに調査の設計等をして調査をし、また御議論をいただくと、こういうことでございます。
 ただ、それ以外の部分については、先ほど申し上げたことの重複になりますけれども、今回精査をさせていただき、そして、異常である蓋然性が高い項目、これを取り除かせていただいた。そして、まだサンプル数も九千を超えているということでございますし、また、それの再精査した結果を見ると、前回お出しさせていただいた数字の傾向について大きな変化があるわけではございませんし、また、それらを踏まえて私ども時間外労働時間の罰則付きの上限規定、あるいは中小企業における割増しの猶予の廃止、こういったことを決めているわけでございまして、そこの結論には大きな影響がないということで、引き続きの御審議をお願いしたいと思っております。
#242
○石橋通宏君 いや、物すごい無理やりの答弁ですよ、大臣。
 じゃ、そのためだけの議論に使ったんですか、この材料を。違うでしょう。労政審でこの何年もの間、全体の議論をするときに常にこの材料として使ってきたじゃないですか。今大臣が言われたことだけの議論じゃないですよ。そのことをごまかしてそういうふうに言う。だから国民の皆さんが信頼できないということになるわけです。
 裁量労働制、午前中少し触れましたけれども、今日の新聞で、二十八歳の男性社員の方、裁量労働制適用労働者、本当に残念なことですが、最長で月百八十四時間三十分。みなしの残業時間は八時間です。それが月百八十時間以上。
 大臣、一体何でこんなことが起こるんですか。現状、機能していないからこういうことが起こるんじゃないんですか。大臣、いかがですか。
#243
○国務大臣(加藤勝信君) まさに今の件も含めて、過労死された方に対して改めて御冥福をお祈りし、また御家族に対してお悔やみを申し上げるとともに、こうした過労死事案がないように対応させていただきたいというふうに思っております。
 その上で、個々の中身について、その状況については、今のケースは多分システム会社の件だと思いますので、それについては遺族の代理の方が昨日記者会見をされておりますから、その内容の範囲については申し上げさせていただくわけでありますけれども、それ以上、ここについてどういう問題点があったかどうか、また監督指導を行っているかどうか、これについて、またその中身については差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、我々これまでも申し上げておりますように、こうした過労死事案があった場合、これに対してはそこに対する監督指導をしっかり行い、是正すべきものは是正すべく対応させていただいているということでございます。
#244
○石橋通宏君 いや、何度も申し上げているように、結局こういう最悪の事態を招いて、労災申請を御家族、御遺族がされて、こうやって問題が発覚してようやくこうして我々も分かる。現場の監督で対応できていないじゃないですか。現行制度でこんな最悪の事態を止められないからこういうことが繰り返されるんじゃないんですか、大臣。
 一般論でいいです。局長でもいいです。これ、三十六時間連続勤務というのが報道されています。裁量労働制適用労働者、三十六時間連続勤務、休みなし、これ、違法ですか。
#245
○政府参考人(山越敬一君) 裁量労働制適用労働者につきましては、現行法におきましてはみなし労働時間ということでございますので、その範囲で労働者の裁量で労働時間を裁量して働いていただくということでございます。他方で、様々な措置を事業者が講じていただく。例えば、健康福祉措置を講じていただくとか、長時間時間外労働になった場合は労働安全衛生法の面接指導をしていただく、そういった措置を講じていただくというのが裁量労働制の仕組みだと思います。
 いずれにいたしましても、裁量労働制につきましては、日々の始業時間、終業時間、それは御本人の選択で選ぶことができる制度だと思っております。ただ、その中でみなしの時間をどうするかということにつきましては、これはその実態に合わせたみなし時間ということにしなければいけませんので、そういったことは労使で決めていただくということが必要になる、そういった制度だというふうに思います。
#246
○石橋通宏君 局長、はっきり答えてください。
 じゃ、みなしが五十時間だ、五十時間連続勤務、可能ですか。
#247
○政府参考人(山越敬一君) 裁量労働制のみなし労働時間でございますけれども、一日のその労働時間についてみなしていく制度でございます。
 そうした中で、実際の労働時間、その労働時間の状況が、何と申しますか、その実態とそれからみなし労働時間の状況が乖離があるような場合につきましては、これは実態に合わせていただくとかしていただくということが必要だと思いますので、それは労使で決めていただくということでございまして、またその点については労働基準監督署といたしましても必要な指導をしているということでございます。
#248
○石橋通宏君 局長、質問に答えてくださいよ。
 だから、みなし労働時間が設定してあったその範囲であれば、それを連続労働時間、何十時間やっても、みなし労働時間の範囲に収まるのであれば違法ではないと、それでいいんでしょう。
#249
○政府参考人(山越敬一君) 今おっしゃっておられるのが、事業者がそういった時間働くように指示するということであれば、裁量労働制というのは自ら労働時間を選ぶ制度でございますので、そういった指示をしているということであればその方は裁量労働制の対象にならなくなりますので、そういった意味で、何と申しますか、裁量労働制でない普通の労働時間として適用しなければいかぬということになると思います。
#250
○石橋通宏君 指示がなくて、本人の希望で何十時間連続で働く、それは可能なんでしょう。
#251
○政府参考人(山越敬一君) 繰り返しになりますけれども、裁量労働制におきましては、その始業、終業の時刻、あるいはその……(発言する者あり)はい。時間配分というのは本人の裁量によって行われるものでございます。それがどうなるか、それはいずれにいたしましても御本人の裁量だということでございます。
#252
○石橋通宏君 何で局長はちゃんとストレートに答えてくれない。
 だから、業務命令じゃない、でも本人が、目の前に課題がある、それを終わらなきゃいけない、だから本人が、命令はないけれどもそれを終えるために一生懸命徹夜で働いた、次の日も働いた、連続で働いた、三十六時間働いた。でも、違法じゃないんでしょう。
#253
○政府参考人(山越敬一君) 今おっしゃっているのは、実労働時間、実際に働いた時間が、例えばある程度長時間になったということについて直接の規制があるかといえば、そういう仕組みには裁量労働制は、何というんでしょうか、今申しましたように、自分で、労働する、始業、終業時間を決めるということでございますので、そういうふうにはなっていないということかと思います。
#254
○石橋通宏君 なっていないんでしょう、そういうふうに。
 大臣、ここを僕らはずっと問題にしているわけです、裁量労働制にしても、高プロにしても。裁量があれば労働時間が短くなります、そんなことないでしょう。むしろ、誰が成果を決めるんですか、誰がパフォーマンスを決めるんですか。そこは、業務量、さらには成果を、どういう成果を出すのか、これは使用者が決めるわけです。
 じゃ、いつまでにそれをやるのか。何時から何時まで働け、それは言わない。でも、じゃ、その業務を、この成果をいつまでに出せ、それは言ってもいいわけでしょう、局長。それはそうだよね。成果をいつまでに出せ、期日、納期、それは言っても大丈夫でしょう。
#255
○政府参考人(山越敬一君) その裁量労働制の適用対象者につきまして、出している業務量が多くて、通常の場合、みなし労働時間を超えて相当程度長い間働くということであれば、それはその業務量の出し方の問題だと思いますので、それはよく、そういう業務量の出し方がいいのかというのは労使で話していただくとか、事業者にも考えていただく必要があるというふうに思います。
#256
○石橋通宏君 何で局長ってストレートに答えていただけないんですかね、聞いていることに。
 これ、ストレートに答えていただかなかったら、議論が進まないんですよ、前に。ちゃんと、法律上どうなっているか、制度上どうなっているか、それをここでみんなにしゃべってください、説明してくださいよ。それで議論が前に進むんだから。
 業務量、じゃ、決めちゃいけないんですか。成果の中身をいつまでに出せと言ったらいけないんですか。いけないとどこかにちゃんと書いてあるんですか。
 繰り返します。最悪の結果が生まれてから初めて、業務量が適切でありませんでした、そういうことになるんでしょう。じゃ、業務量が適切かどうかチェックするスキームがあるんですか。局長、答えてください。業務量が、それが適切なのかどうか、それをやっている段階でチェックするスキームになっているんですか。
#257
○政府参考人(山越敬一君) これ、業務でございますけれども、これを行っている段階ではその遂行方法というのはその当該労働者に委ねる、(発言する者あり)はい。いや、その業務を遂行している過程ではその業務の遂行方法につきましてはその労働者に委ねられますので、おっしゃるように、その時点でリアルタイムにその労働時間ということとの関係でということにはならないと思いますけれども、結果として非常にその業務量が過大でありまして、労働時間がみなし時間について長くなっているという場合につきましては、労使あるいは事業者において、どのように業務を出していくかとか、適正なみなし時間に合わせた業務量とかになるように検討していただく必要があると、そういうスキームかというふうに思います。
#258
○石橋通宏君 結局、答弁いただけていませんが、成果、そして裁量労働制でいけば業務量、これは使用者の裁量で使用者が決めるんです。それをいつまでに終えるのか、それも決めるんです。
 じゃ、その間にどうやって仕事をするか、それは裁量があるのかもしれません。でも、三日間でこれだけの業務量こなせと、結果出せと言われたら、それは三十六時間連続勤務しなかったらそのパフォーマンスできなかったら、やらざるを得ないじゃないですか。それを禁止する制度にはなっていないでしょうということが高プロでも同じなんですよ、大臣、結局。
 大臣、もっとひどい、確かにそのとおり。大臣、衆議院の議論で、業務命令を出すということは要件を満たさなくなるので高プロの適用はされませんという答弁をされましたが、一体そんなことどこに、法律に書いてあるんですか。
#259
○国務大臣(加藤勝信君) その前提として議論をしていたわけでありまして、今回の法案の中において、高プロの対象は、専門的な知識を有し、そして成果と時間と通常高い相関関係にない業務で省令に定めるものと、こういうふうに書いてあるわけでありまして、そして、その省令において今申し上げた指示等がないということを我々書くことを検討していきたいと、その上においての話をさせていただいたということであります。
#260
○石橋通宏君 いや、衆議院の答弁で大臣は、業務命令を出す、こうなればもう要件を満たさないということなので高プロの適用はなされないというふうに書いてある。この場合の業務命令って何ですか。あらゆる業務命令ということ、働く場所、時間、始業、終業、休日労働、深夜労働、全部含めて業務命令は一切出してはいけないという、そういう制度にさせるということを、大臣、ちゃんと国会で答弁されたということですか。
#261
○国務大臣(加藤勝信君) それは、この時間こういうふうに働け、その労働時間に対する具体的な指示と、そういう意味で業務命令ということを申し上げているということであります。
#262
○石橋通宏君 そこに、成果の量、それからその成果を出すべき期日も含まれますか。
#263
○国務大臣(加藤勝信君) それはケース・バイ・ケース。例えば、あしたまでとか、あるいはこういうことをすることによってこうしろという、こういうことがまさにその時間を制約するということになればおっしゃることになると思いますし、やっぱり、かなり一か月先とかある程度余裕があって対応できるということになれば、それは必ずしも時間を制約した業務命令ということにはならない。もう、だから具体的にその中身を見ないと一概には言えないんだろうと思います。
#264
○石橋通宏君 時間が来たので、済みません、今日、ほかに幾つかお願いをしておりましたが、時間がなくなりましたのでまた次回に回させていただきたいと思いますが。
 今、大臣、最後に非常に重要なことを言われた、中身次第で。これ、じゃ、それがどう規定をされるのかで物すごい大きく違ってくるというふうに思います。ここのところをはっきりさせなかったら、こんなもの到底、我々、審議先に進めないと思いますので、その辺をはっきりさせていくことも含めて今後引き続きこれ追及していきたいと思いますので、そのことを申し上げて、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#265
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 ゴールデンウイーク中の新聞記事を見てちょっと驚きましたので、今日はそのことを一般質問に入れさせていただきました。
 五月五日の今日資料でお配りさせていただいております読売新聞の記事ですけれども、「遺灰処理「一円落札」」ということで、どういうことかということで中身を見ますと、斎場で火葬した後に拾骨されずに残った残骨灰の処理業者を決める自治体の入札で、参加する全業者が一円で応札すると、全業者が一円で応札するので、くじ引で落札者が決まるケースが全国で相次いでいるという内容なんですね。採算を度外視したような受注競争が起こる訳は、残骨灰に含まれる貴金属があって、その貴金属を売却して換金して利益を得ているからこういう状況になるということだそうなんですが。
 これ、このような業者委託の実態について、まず厚生労働省として把握されているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
#266
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 地方自治体における残骨灰の処理の実態につきましては、以前も国会で同様の御指摘があったことから、現在、調査の準備を進めているところでございまして、準備ができ次第速やかに地方自治体に調査の依頼を行って、実態を把握したいと考えているところでございます。
#267
○東徹君 その実態の調査というのはどのような調査内容で、いつまでに調査を終えるのか、是非お聞きしたいと思うんですけれども。
#268
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 まだ固まったものではございませんけれども、業者の処理につきまして、例えば残骨灰と有価物の分離、あるいは処理の内容、入札などについて聞きたいというふうに思っているところでございまして、準備が整い次第速やかに調査を掛けたいというふうに思っているところでございます。
#269
○東徹君 これ、墓地埋葬法というのはあるんですよね。墓地埋葬法では遺骨の墓地への埋葬を義務付けておるけれども、厚生労働省の解釈では対象になるのは遺族が持ち帰った骨のみということで、残った灰は同法の適用外とされて、取扱いを各自治体に任されているということなんですね。
 恐らく、これ報道を見てびっくりされた方がたくさんおられるとは思うんですけれども、遺骨を恐らく骨つぼの中に入れた後は、大体はきちんと、あとの残りの部分はその自治体の方できちんと納骨どこかにされているんだなと、そう信頼されている方が多いと思うんですが、まさかそれを売却して換金して、それで業者がこれをビジネスにしているというふうには思っていないと思うんですね。
 この新聞記事を見て驚いたんですけれども、その残骨灰を全然違う都道府県の方へ言ってみれば納めているというような記事も出ているわけですね。これ、兵庫県とか東京などの六業者でつくる組合は石川県の方へ持っていっているというふうな報道も出ているわけでありますけれども、恐らく遺族に本来これは伝えられるべき情報が伝えられないままである現状について、これどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#270
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 現行の墓地、埋葬等に関する法律では、火葬や土葬についての取扱いや火葬後の遺骨の納骨についての取扱いについての規定はございますが、火葬後に残された残骨灰についての規定はございません。また、拾骨後に残った残骨灰や有価物の所有権につきましては、過去の判例におきまして、火葬場を運営する地方自治体にあるとの判断が示されているところでございます。さらに、どの範囲のものを遺骨として骨つぼに納めるべきか、拾骨後に残った残骨灰をどのように取り扱うかなどにつきましては、地域の慣習や住民の宗教的感情などによって異なっている実情にあるところでございます。
 このようなことから、残骨灰の取扱いにつきましては、地域の慣習や住民の宗教的感情を踏まえまして地方自治体において一義的に判断するものと認識しているところでございます。
#271
○東徹君 兵庫県の宝塚市というところ、宝塚で有名な宝塚市でありますけれども、これ毎年処理をする、委託する業者の入札を実施して、記録が残るだけでも、二〇一三年度以降、これ五年連続だと思うんですが、全業者がこれ一円で応札していると。くじ引で決まっておって、昨年度も約三トン、三トンの処理ですから相当な量だと思うんですね。三トンの処理を一円で委託しているということがこれ記事に書かれておるわけですね。言ってみれば、大事な大事な亡くなった後の遺骨がそうやって一円で落札されて業者が処理をしてお金に換えて、どこかの都道府県の過疎地のようなところのお寺にそれを納めているというような状況は、やっぱりちょっとこれはとんでもないなと思うんですね。
 今、実態調査これからするということなんですけれども、是非これ実態調査をやっぱりしていただいて、やはりきちんとしたルール化というのが必要だと思うんですが、そのルール化することについて加藤大臣のお考えをお聞きさせていただきたいと思います。
#272
○国務大臣(加藤勝信君) この残骨灰の処理、その前に、どのぐらいの残骨灰が残るかというのも、これ各地域によって随分違っているというふうに思うんですね。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 言わば、例えば骨つぼの大きさも地域地域で随分違って、関東の方が大きかったり、地域によって小さかったりする。様々なこと、私も経験上、私、こっちにいたことが多かったので割と大きいのを使っていたんですが、たまたま行ったところで割と小さくて、で、関東の方が行ったものですから、何でそれだけの骨は残さなきゃいけないのかということ自体がその場でトラブルになったことを非常に鮮明に覚えております。
 そのように、それぞれの地域において様々な慣習とかあるいは習慣、あるいは宗教的な感情等々いろんなものがこの問題には入っているというふうに思いますので、それを総合的に考えていく必要があるんだろうと思いますが、ただ、いずれにしても、実態がどうなっているか分からないことには議論ができませんので、今御答弁させていただいた、まずしっかり実態を調査をして、基本的には、政令市を含めてまず百自治体ぐらいに対してアンケート調査をして、それをまず集約をして、そこからというふうに思っておりますけれども、そういった実態を踏まえた上で検討させていただきたいと思います。
#273
○東徹君 恐らく遺族としてはちゃんときちんと処理していただきたいなというふうに思いますよね、恐らく。まさか売却してビジネスに使われているというふうには思っていなかったと思いますし、やはりその全然違う都道府県にまで持っていって何か処理されているというのも、恐らく多くの方は、知らない方も多いと思います。やっぱりそこの市町村が責任持ってやっているんだったら、やっぱりその市町村の中できちんと処理をしていただきたいなというふうに思いますので、是非実態調査をしていただいて、それできちんとしたルール化を図っていただきたいなというふうに思います。
 次に、受動喫煙対策についてお伺いさせていただきたいと思います。
 我が党としては、二月の二十八日、加藤大臣に受動喫煙対策の提言書を、これ提出させていただきました。そこでは、規制による影響の大きい飲食店について、三十平米以下の小規模なものは喫煙可能とするとともに、喫煙店への未成年者の入店禁止と、それから喫煙店であるということを知らせるための警告ポスターを設置を義務付けるというふうな内容のことを二月二十八日に加藤大臣に提出をさせていただきました。その後、政府として受動喫煙対策の法案をこれ提出されましたけれども、その後、やはり東京都が従業員のいる飲食店は禁煙とする案を出して、政府が出した案よりもかなり厳しい内容になっているというふうに思います。
 元々、受動喫煙対策も東京オリンピックがあるからということで動き出したというふうに我々も記憶をいたしておるわけです。大阪府も二〇二五年、まだ万博誘致は決まっておりませんが、是非、万博誘致を決めたいという思いで、国際社会に後れを取らないような案でなければならないだろうということで、政府案よりも厳しい案を検討し始めたというところでありますけれども。
 このように、各自治体が独自の規制案、しかも政府案よりも厳しい案を検討しているということについて、受動喫煙防止という目的に対して、やはり政府案が不十分だというふうに思っているからこういった案が出てくるんだというふうに思いますが、各自治体の動きをどのように受け止めておられるのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#274
○国務大臣(加藤勝信君) 受動喫煙対策については、望まない受動喫煙をなくすということで、健康増進法の一部を改正する法律案を国会に提出をさせていただいております。
 我が国の受動喫煙対策、これまでは努力義務による自主的な対応ということでありましたけれども、今回、法律上新たに設ける義務の下で段階的かつ着実に進めていきたいと思っております。
 既存の小規模飲食店については、事業継続に影響を与えることへの配慮の観点などから経過措置を設けておりますが、新たに開設する店舗については原則屋内禁煙とする、また喫煙可能な場所については二十歳未満の方の立入りを禁止する、こういった内容を盛り込んでいるところでございます。
 言わば、この法案は、これ当然全国に掛かるわけでありますから、全国での言わば必ず守っていただく規制の水準ということになるわけでありますが、まあ一般論として申し上げれば、各自治体が条例においてその地域の実情等を踏まえて法律に上乗せをするということ、これは制度としてあるわけであります。東京や大阪など、各自治体が条例の制定を検討されているということはニュース等でも承知をしているところでありますが、その内容についてはそれぞれの自治体において地域の実情等を踏まえて御議論をいただきたいというふうに思います。
 私どもとしても、受動喫煙対策を進めていくという観点から、これらの関係自治体とはよく連携を図っていきたいなと思っております。
#275
○東徹君 時間になりましたので、もう今日はちょっとこれで終わらせていただきますけれども、やはり政府案が、出したものが国際基準にも合ってないし、やっぱりそれでは不十分だということでこういう案が出てきたんだと思うんですね。是非、そのことを踏まえて検討していただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#276
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 報道でもありましたとおり、また二十八歳の若い労働者が裁量労働制の下で、過重な労働の中で過労死された。本当に私たちはこの死を重く受け止める必要があるというふうに思っております。
 そこで、議論は改めてしたいと思うんですけれども、先ほどの石橋委員と総務省の審議官のやり取りの中で、統計データについてのやり取りございました。統計データとしてはこの労働時間等総合調査というのは扱うことができないという、また確認しますけれども、扱うことはできないという趣旨での御発言だったというふうに私は聞きました。
 本来、統計データとして扱う場合は総務省に申請をしてもらうことになっている、この一点だけ確認したいと思う。この労働時間等の総合調査については、統計データとして扱うという申請は総務省にされたのかどうか、この事実確認できますか。
#277
○国務大臣(加藤勝信君) おっしゃる意味は、先ほど総務省でしたか……
#278
○倉林明子君 さっきのやり取り。
#279
○国務大臣(加藤勝信君) 総務省、総務省の方の答弁、これはいわゆる承認統計制度ということでありまして、そういった意味で承認を取っていないというのが答弁の中身でありますし、今確認したら、承認の申請もしていないということであります。
#280
○倉林明子君 要は、統計データとして扱うのに値するのかどうかというところが問題だと思うんですよ。二割もデータをカットして、傾向に変わりがないから扱うと、この姿勢が問題だと思うんですね。でたらめな集め方、でたらめな処理が明らかになった下で、データ全体を撤回して、労政審に差し戻して、やり直したデータをお示しして、議論はやり直すべきだということを重ねて指摘をしておきたいと思います。
 今日は、障害者の就労継続支援事業がちょっと大変な状況になっておりますので、この問題に限ってお聞きしたいと思います。
 一般の事業所に雇用されることが困難な人に対して雇用契約による就労の機会を提供する、最低賃金を支払うというのがA型事業所ということになっております。二〇〇六年、百一件だったこの事業所数が昨年度三千六百件、急増をしてまいりました。このA型事業所が昨年から全国各地で突然の閉鎖、大量解雇と、社会問題になりました。
 厚生労働省は、昨年四月、制度の見直しを行いまして、原則として自立支援給付費を障害者の賃金に充ててはならないとして、事業収入から最低賃金を払えない場合、指定の取消しも検討する、こういう規制強化を行ったわけです。
 制度見直しの理由を簡潔に御説明ください。
#281
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 障害福祉サービスについて支給される自立支援給付費は、当該施設の運営のために設備費や支援員の人件費を賄うためのものでございます。このうち、就労継続支援A型につきましても、事業収入から経費を控除した額から利用者の賃金を支払うべきことを制度創設の当初からお示ししてきたところでございます。
 しかしながら、自立支援給付費を障害者の賃金に充当しているとか、就労機会の提供に当たって収益の上がらない仕事しか提供していないなど、就労継続支援A型の基本方針や運営に関する基準の趣旨に反する事業所が存在していました。
 このことから、厚労省では、従来より事業所を指定する地方公共団体に対しまして、こうした不適切な事業運営に対して厳正な指導を実施するように求めてきたところでございますが、依然として不適切な事業運営が認められたことから、社会保障審議会障害者部会の御議論も踏まえて、二十九年の四月の基準改正に至ったところでございます。
#282
○倉林明子君 元々、二〇〇六年の自立支援法、ここで、それまでは非営利法人しか運営できなかった社会福祉事業に営利企業も参入できるようにした。これが発端になってここまで増えたんですよ。規制を取り払ったことで、福祉を食い物にすると、そんなとんでもない悪質業者の参入が増えたということが背景なんですよね。私は、その責任というのは極めて重大だというふうに思っているわけです。
 事業収入だけで賃金が払えるA型事業所というのは全体の三割弱しかないというふうに伺っております。部品製造の下請、この事業者の話も聞いていますけれども、福祉単価というのがまかり通ると言うんですね。一般の相場の半値で下請に出されると。悪質な事業者だけじゃないんですよね。真面目な事業者でさえも、就労を支える、この事業収入だけでは賃金払えないという構造があるんですよ。
 制度の見直しが一律に実施される。つまり、この最低賃金を事業収入で支払えということになりますと、多くの事業所が淘汰されかねないという危険があるんです。これ、更なる障害者の大量解雇の可能性も否定できないという状況で、障害者の居場所、生活の糧、仲間、この働く誇りさえ奪うことになるんですよね。
 これ、障害者を路頭に迷わすようなことになってはならないと思いますが、大臣、どうでしょう。
#283
○国務大臣(加藤勝信君) これ、そもそも就労継続A型事業所、いわゆる障害のある方が雇用契約に基づいて、最低賃金などの各種労働法制の下、就労に必要な知識、能力の向上のための支援を受けながら就労の機会を得られる重要なサービスであります。
 したがって、A型事業所は、十分な仕事量を確保して、そして健全経営を図っていただくということが重要でありまして、そういった趣旨から、今部長から答弁をいたしましたような指定基準の見直しを行い、そして、基準に満たない場合には経営改善計画を提出して事業を継続できるようにしているわけでありますし、また、単に我々そういう規制をしただけではなくて、予算事業によってA型事業所の経営の改善を支援をしていく。あるいは、平成三十年度の報酬改定では、販路の拡大、商品開発等の賃金向上に取り組むための人員配置への加算の創設といった支援策も講じておりまして、こうした取組によって就労継続支援A型事業の健全な運営を図っていくということ、そして、それが要するに持続をしっかりやっていただくということでありますし、また、その中で働く方々の就労を確保していくということが大事だというふうに考えます。
#284
○倉林明子君 いや、構造変わらないので、このままこれ一律に適用するということになれば路頭に迷わすようなことにつながりかねないから、そんなことがあったら駄目だよということで、頑張ってほしいから言っているんですよね。
 今や、A型事業所の半数以上というのが営利法人ということになっております。私は、このA型の制度設計そのものに問題があったという反省が要るというふうに思っているんですね。その上で、この見直しの必要があるというふうに思います。非営利性、公益性、これ原則としているのが社会福祉事業ですよ。営利を目的とする企業を参入させてきた、この在り方も含めて見直すときに来ているんじゃないかというふうに思います。さらに、自治体による実効性ある監査体制を整備するということも現場際では不可欠になっております。
 財源措置も含めて、私は早急な対応を求めたいと思います。いかがでしょう。
#285
○政府参考人(宮嵜雅則君) 就労継続支援A型事業所におきましては、その利用者に最低賃金を支払うだけのやっぱり収益を上げられる生産活動を行うことが、利用者の能力に相応し、就労機会の提供や事業所の健全運営などにつながるというふうに考えているところでございます。
 先ほど来御答弁させていただいておりますが、その指定基準の見直しとか、これもちゃんと計画を出していただく、経過措置とか設けておりますが、そういうものとか、報酬上の賃金向上の取組の評価などにも取り組んでいるところでございます。
 A型事業所につきましては、社会福祉法人だけではなくて、営利法人やNPO法人などによって運営されておりますけれども、一定程度のA型事業所は、運営努力により収益を上げ、生産活動により利用者の賃金を支払うことができているところでございます。
 引き続き、A型事業所の健全な運営のための取組を通じて、利用者の賃金の向上に向けて経営改善に努めていきたいというふうに考えております。
#286
○倉林明子君 障害者福祉サービス、今度の報酬改定でA型も含めて非常に影響が出てきております。事業所収入が大きく減収になる、これが障害者団体きょうされんの調査で判明しております。特に影響が大きいというのがB型になっています。
 これは、報酬改定の中身は一枚目、そして実際の事業所で四月一か月どうだったかという試算をした中身、概要が二枚目のペーパーに付けております。これ、月額ですからね、影響。年間で見ると、三百万円から七百万円超えるという事業所あるんですよ。人件費で一人分、二人分、下手したら数人分という額になるんです。
 私、利用日数が少ない、そういうところ、そういう利用者が多いところや、工賃が低い利用者、就労以外の活動にも重点を置いている、こういうところが減収は大きいんですよ。つまり、精神障害者、障害重度、こういう方を頑張って受け入れているところが減収の憂き目に遭っているんですよ。
 こういう実態というのを把握しているかどうか、一言で。
#287
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今回の改定を行うに当たりましては、まず、その基となる二十九年度の経営実態調査を行っております。障害福祉サービス全体で見ますと平均収支差率は五・九%ですが、B型事業所の平均収支差率につきましてはプラス一二・八%ということになっておりまして、一事業所当たりの平均しての年間収入も三千八百万円、収支差もプラスで四百八十六万円というような形になってございます。
 いずれにしても、その後報酬改定を行っておりますので、今回の報酬改定の影響に関しましては、今後実施する予定としております改定の検証調査を通じてしっかり把握していきたいというふうに考えているところでございます。
#288
○倉林明子君 次の改定の話していたら間に合わへんさかいにしているんですよ。
 大体、人件費分が吹っ飛ぶような改定になっているんです、何にもプラスになんかなっていませんよ。実際に一か月試算して出したやつを、団体出しているんですね、調べて出してくれているんですよ。これ見たら、このままやったら事業継続できへんというのは分かりますやんか、そこを見なあかんのです。
 このままいったら何が起こるかというと、重度の人、利用日数の少ない人、排除しないと経営できないんですよ。それか人件費を下げるか、どっちかですわ。そんなことを続けさせたらあかんということです。だから、次の報酬改定の調査なんていうことではらちが明きません。いち早く現場の状況をつかんで、必要な激変緩和措置も含めてやらなあかんと思う。どうですか。
#289
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 私、先ほどの答弁で次の改定の調査とは申し上げていなくて、今回の報酬改定の影響について今年度調査する予定というふうに申し上げておりますので、その中でいろいろ把握できるところは把握して対応していくということが必要ではないかと考えております。
 先ほども委員からも御指摘がありましたが、やはり工賃に応じてとか、時間、A型は時間に応じてですけれども、ある程度成果の指標を入れますと成果が上がらない人が排除されるという御指摘は検討チームでもありまして、例えば、今回のB型の利用者のその平均工賃を計算するときにも、他のサービスと併給していてフルには働けない人とか、当然月の途中で症状が悪くなって入院とか、仕事できなくなる人とか、そういう方は計算から除くような排除措置は設けているところですけれども、いずれにしても、今後実施予定の検証調査などを通じてしっかりそういう状況も見ていきたいと思っております。
#290
○倉林明子君 一年掛かるわけでしょう、調査、あなたがおっしゃっているやつは。一年の間に対応できないから出ていかざるを得ないなんということがB型でも起こっていいのかと、そういうことなんですよ。
 要は、利用できない精神障害者がAのところで大量に生まれたと。じゃ、Bのところで、より重度な人、精神障害の人、この方々も利用できないというような状況をつくってはいけないと思うから聞いている。大臣、どうですか。
#291
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、A型、B型を含めて、それぞれの方がその状況に合わせて就労の機会を得ていく、そういう場所として大変大事なものである、それはもう委員御指摘のとおりであります。
 また、他方で、報酬改定するときには、やはりそういった方々が、その能力は高めていただきながら、やっぱり賃金が上がっていくということをつくっていく、これも大変大事だという意味において、それぞれ今回そういった基準の見直しをしたり、あるいは今回の報酬改定で、賃金が上がればそれに、上げる努力に対して報いるような報酬改定をさせていただいたということであります。
 ただ、そういった中で、委員の御指摘のように、やはり障害の状況に応じてなかなかそれに対応できない方もおられる、これは御指摘のとおりだというふうに思います。それについてそれなりな配慮はさせていただいたところではありますけれども、その点も含めて今年度中、ただ、今回の報酬改定の結果というのは今年度中の成果を見ないと出てこないものですから、そういった意味で、ある程度の成果、成果というか結果が、やっぱり把握していくという意味においては今年度中にやっていかなければならないんだろうというふうに思います。
#292
○倉林明子君 それはそれで、調査やってもらったらいいと思う。しかし、毎月毎月の報酬で運営していくということから、一年待っていたら就労継続できないという事態が懸念されているわけですよ。障害者の就労の場所というのは、A型にしろB型にしろ、親亡き後の希望なんですよ。
 絶対働く場を失うようなことはあってはならない。早急な実態調査、絶対雇用を取り上げないという対策、必要だ。強く求めて、終わります。
#293
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 昨日の夜、私の事務所から内閣総務官室にファクスを送り、内閣総務官室から昨日の夜の間、つまり十六日の間に総理のところにファクスを送ったというふうに聞いておりますが、それでよろしいですか。
#294
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 昨日の二十一時過ぎに事務所の方からファクスをいただき、併せてお電話をいただきました。午前中にも御答弁させていただきましたが、事務的に受理をさせていただいたということでございます。
#295
○福島みずほ君 私は秘書から、その後、総務官室の佐藤さんからちゃんと送りましたというふうに聞いたというふうに聞いておるんです。
 では、午前中と変わらないんですが、じゃ、私の事務所から、まあちょっと事実認定が違うんですが、例えば私の事務所からファクスを受け取ってくださった、その後、官邸にちゃんと送ってくださいましたか。
#296
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 繰り返しで大変恐縮でございますが、事務的に受理をさせていただいたということでございます。
#297
○福島みずほ君 その後どうなったんですか。
#298
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 午前中に御指摘をいただきまして、お時間もありまして、私の方でも関係省にもお伺いをいたしました。この全国過労死を考える家族の会からの御意見につきましては、これまで厚生労働大臣や厚生労働大臣政務官に御意見を伺う機会があったものと承知してございます。
 さらにということでございますれば、基本的には所管である厚生労働省において御対応いただくものというふうに、このように承知してございます。
#299
○福島みずほ君 何で官邸に送ってくれないんですか。
 それから、原さん、うそつかないでください。昨日の夜、確かに佐藤さんの方から官邸に送ったというふうに連絡を受けているんですよ。つまり、ブロックしたいんですか。ブロックしたいんですか。官邸は受け付けたくないんですか。
#300
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますが、事務的に受理をさせていただいているということでございます。
#301
○福島みずほ君 受理をしたんだったら、それを官邸に送ってくださいよ。官邸がそれをどう判断するかは別ですが、何で総理大臣に知らせないんですか。私は送ったというふうに昨日の夜聞いているので、どうしてそんな虚偽答弁なされるのかというふうに思いますが、受理はしました、じゃ、その後総理に送ってくださいよ。何で過労死遺族の声を総理に送らないんですか。勝手にそれを事務方が判断するんですか。全く納得いきません。
#302
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しでございますが、事務的に受理をさせていただいているということでございます。
 なお、再三の御指摘もございましたので、御指摘は御指摘として受け止めさせていただきたいと存じます。
#303
○福島みずほ君 いや、ふざけないでくださいよ。ふざけないでくださいよ。
 愛媛県知事は、職員は子供の使いじゃないと言ったけれど、私たち国会議員も国民の声を受け止めて、じゃ、それをブロックするのは間違っているでしょう。官邸がどう判断するかは官邸に委ねられます。でも、何でそれをあなたがブロックするんですか。
#304
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、事務的に受理をさせていただいているということでございます。
#305
○福島みずほ君 あり得ないですよ。あり得ないですよ。
 今、別の同僚委員から郵便局に送った方がいいんじゃないかですが、あり得ないですよ。つまり、内閣総務官室は総理との間の連携を取るのであって、なぜそれが総理のところに行かないんですか。それ、どうして判断できるんですか。それ、余りにひどいですよ。何でブロックするんですか。
 しかも、まあこれ一つは、昨日の夜の間に官邸に送りましたという連絡を受け取っています。送信歴調べてください、送信歴調べてください、送っているか送っていないのか。うちの事務所ははっきり送りましたというふうに連絡受け取っているんですよ。それを、今うそつくんですか。そして、今何で止めているんですか。もう一日たっていますよ。午前中質問して、午後も。総理にそれほど伝えたくないんですか。
#306
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しでございますが、受理をさせていただいているということでございます。
 それから、これも繰り返しでございますが、お時間がございましたので関係省に伺いましたところ、全国過労死を考える家族の会からの御意見については、厚生労働大臣や厚生労働大臣政務官が御意見を伺う機会があったというふうに承知しております。基本的には所管であります厚生労働省において御対応いただくものと承知してございます。
#307
○福島みずほ君 いや、全くおかしいですよ。官邸がどう判断するかは別です。でも、それをブロックするのは間違っているでしょう。
 去年の二月二十一日、安倍総理は、高橋まつりさんのお母さん、高橋幸美さんと会っています。大臣、会っているじゃないですか。遺族と会っているじゃないですか。何でブロックするんですか。
#308
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、受理をさせていただいているということでございます。
#309
○福島みずほ君 受理したんだったら、それを相手方に渡してくださいよ。
#310
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、受理をさせていただいております。
 それから、テーマが、所管省は厚生労働省でございますので、厚生労働省において基本的に御対応いただくものと思ってございます。
#311
○福島みずほ君 そんなの、あなたたちが判断する力はないでしょう。あなたたちが勝手に決めないでくださいよ。働き方改革は元々官邸から下りてきたんじゃないですか。総理の施政方針演説でも、去年も今年も言っています。高橋まつりさんのお母さんと総理から連絡して会っているじゃないですか。
 今日も、過労死遺族の人たち、佐戸未和さんのお母さんを始め、皆さん来ていますよ。何であなたたちが止めるんですか。受理したんだったら、そこで勝手に止める権限ないですよ。権限濫用じゃないですか。
#312
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、昨日夜いただきまして、受理をさせていただいているということでございます。
#313
○福島みずほ君 受理した後、じゃ、どうするんですか。
#314
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮ですが、昨日の夜、二十一時過ぎにファクスをいただきました。事務的に現状では受理をさせていただいているということでございます。
#315
○福島みずほ君 厚労省に送ったんじゃなくて、官邸の総理大臣に会ってほしいという面会の申立てなので、まさに内閣総務官室に送り、昨日の夜のうちに佐藤さんから、はい、受理して、それを送りましたという連絡を受けているんです。でも、今日の答弁で、突然、受理はしたけれども留め置いているという話じゃないですか。
 別に、厚労省だったら厚労省に送っていますよ。これは、その家族の会の皆さんが総理大臣に会いたいということだから、で、もちろん総理の事務所にも送っているんですよ。でも、うまく連絡が取れないので内閣総務官室経由で頼んでいるわけです。
 あなたたちが止めることないじゃないですか。言ってくださいよ。国会議員から言っているのになぜ聞かない。
#316
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、昨日の夜二十一時にファクスをいただき、しっかりと受理をさせていただいているということでございます。
#317
○福島みずほ君 しっかり受理した後、官邸に渡してくださいよ。
 昨日の段階でファクスを送ったということなんですが、そんな態度をしていたら、じゃ、官邸は遺族と、家族と会いたくないということなんですか。でも、それは全部官邸に任せるべきじゃないですか。官邸がどういう判断をされるかは官邸の話です。
 受理して止めろと逆に言われたんですか。
#318
○政府参考人(原邦彰君) その点も含めまして、現在受理をさせていただいているということでございます。
#319
○福島みずほ君 その点も含めてってどういうことですか。
#320
○政府参考人(原邦彰君) 昨日の夜、ファクスをいただきまして、事務的に受理をさせていただいております。
 繰り返し申し上げますが、この家族会の皆様の御意見につきましては、厚生労働大臣や厚生労働大臣政務官が御意見を伺う機会があったものと承知しております。基本的には所管である厚生労働省において御対応いただくものと承知しています。このようなことも含めまして、受理をさせていただいているということでございます。
#321
○福島みずほ君 質問がこの件で時間を費やすのはとても、本当に残念です。働き方改革は総理の肝煎りじゃないですか。働き方国会と言ってきたんでしょう。去年も今年も施政方針演説で働き方改革について言っていますよ。何で総理大臣に会うか会わないかをあなたたちがブロックするんですか。言われているんですか。
 実は、昨日の夜、もう官邸に行っていますよ。でも、それをあなたたちがブロックしているんですか。受理しただけで、このままずるずるずるずるやって会わせないんですか。おかしいじゃないですか。もちろん厚生労働大臣にも会っていただいたし、会っていただきたいし、話をしていただきたいと思います。
 でも、去年、二月二十一日、高橋まつりさんのお母さんとまさに総理は会って、長時間労働の是正をしますと言っているわけですよ。同じように会って、家族を亡くしたんですよ、何で会うのをあなたが止めるんですか。
#322
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、しっかりと受理をさせていただいているということでございます。
#323
○福島みずほ君 しっかり受理して、昨日の夜ね、で、一日たって午前中質問し、受理して握り締めているだけじゃないですか。握り締めているだけじゃないですか。何か進展しているんですか。
 これは逆に、このことを委員会で質問していますから、官邸が家族の会と会わないのを、拒否しているというふうになりますよ。それしか考えられない。拒否していると、役人が阻んでいると。官邸は家族に会いたくない、過労死の遺族に会いたくないということなんですか。
#324
○政府参考人(原邦彰君) 官邸としては事務的にしっかりと受理しているということでございます。
 また、いろいろ御家族の会の御意見がございますれば、所管である厚生労働省においてしっかりと御対応していただきたいと、このように考えております。
#325
○福島みずほ君 官邸は受理をしている。じゃ、組織としては、官邸は受理しているから総理大臣に届いているわけですね。郵便だったら到達主義で、郵便屋さんがポストに入れた、到達している、官邸に到達して受理されている。官邸には申入れは届いております。
 そうすると、ここから先は、じゃ、官邸が会うか会わないかの判断をされるというふうなことですよね。だって到達している、官邸としては受理をしたということですから、受理はしていただいた。だったら、会ってくださいよ。会って話をしてくださいよ。厚生労働大臣だけではなくて、総理大臣がきっちり会って話聞くべきじゃないですか。官邸が受理したんだったら、その先、会ってくださいよ。心からお願いをします。
 こんな重要な法案、遺族の話を聞かないで強行採決なんてあり得ないですよ。受理した受理したとおっしゃるんだったら、もう官邸に届いたというふうに理解をします、到達主義ですからね。官邸に届いている。そうすると、会ってくださいよ、この後は。どうですか。
#326
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますが、基本的には所管である厚生労働省においてしっかりと御対応をいただくものと承知してございます。
#327
○福島みずほ君 官邸は受理をした、しかし自分たちの話ではない、これは所管である厚生労働省が話を聞けということは、官邸としては会わない、つまり拒否をするということですね。
#328
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、事務的にもしっかりと受理をさせていただいております。また、所管である厚生労働省においてしっかりと御対応をいただくものと、このように承知してございます。
#329
○福島みずほ君 受理をした、しかし厚生労働省が対応すべきだということは、官邸は受け取ったけれども会わないということなんですか。
#330
○政府参考人(原邦彰君) 繰り返しで恐縮でございますが、基本的には所管である厚生労働省において御対応いただくものと承知してございます。
 官邸としては事務的に受理をさせていただいているということでございます。
#331
○福島みずほ君 基本的にはとおっしゃったので一縷の望みを持ちますが、これほど重要なことで、そして本当に家族を失った遺族の人たちとの話合いを、受理しながら官邸が拒否するっておかしいですよ。原さん、おかしいでしょう。受け取っているじゃないですか。受理をしました、官邸は受け取りました、分かりました。官邸は受け取った、しかし会わない、自分たちの仕事じゃない。
 これ、官邸の仕事じゃないんですか。働き方改革は官邸のことではないんですか。
#332
○政府参考人(原邦彰君) 働き方改革は大変重要な課題であると、政府全体としてもそのように思ってございます。
 ただ、基本的には、所管である厚生労働省においていろいろな御意見についてはしっかりと御対応をいただくべきものと、このように承知してございます。
#333
○福島みずほ君 官邸が働き方改革を推進するんだけれども、過労死遺族の話は聞きたくないと、拒否するという、今日、答弁ですよ、それって。それでいいんですか。それで本当にいいんですか。過労死遺族をなくすということはとても重要なことじゃないですか。長時間労働の規制に背を向けるから会いたくないということなんですか。本当におかしいですよ。
 今日は、裁量労働制のITのことや高度プロフェッショナル法案の根拠、データ、いろんなことを聞きたかったんですが、ちょっとこの件で、でもこれも極めて重要で、官邸、会ってくださいよ。原さん、下向いているけれども、受理はした、しかしこれは厚生労働省の仕事で、官邸じゃない、おかしいですよ。働き方改革は官邸発じゃないですか。真面目に聞いてくださいよ。
 このことを申し上げ、私の質問を終わります。
#334
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 一般質疑ということで、実はこの五月十二日、筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群の世界啓発デーであったことから、まず質問させていただきたいと思います。
 もう皆様方も御存じのように、日本では十万人から三十万人ぐらいの患者様方がいらっしゃいまして、怠け病である、詐病であるということで病院をたらい回しに遭ったり、様々悩んでいらっしゃる方々が多いというふうに私も聞き及んでおりますし、私の友人にもそういう者がおります。
 また、AMEDにおきましては、国立精神・神経医療研究センターの山村先生の下、新たに診療・研究ネットワークの構築の研究が進められることになったとも聞き及んでおります。さらに、科学的な分析も進みまして、原因不明とされていたようなこのような疾患に新たな光が当たるのではないかと思って、私もその研究、注視させていただいております。
 この記念日に当たりまして、多く悩んでいらっしゃる皆様方に大臣からメッセージをいただきたいと思いますけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
#335
○国務大臣(加藤勝信君) この筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群ということ、全身の神経系や免疫系、内分泌系などの異常に基づく複雑な病気であるというふうに言われておりますし、いまだ明確な病因、原因や病態が解明できていない症候群だということも聞いております。そういった意味で、こうした疾患にかかっておられる方、本当に症状はあるけれどもどこに行ってもよく何が原因か分からないと、大変つらい私は状況だというふうに思います。
 そういった意味では、まずその病因や病態の解明を行って客観的な診断基準を確立をしていく、そして診断をし、治療につなげていく、こういうことが必要だと思います。
 今お話がありましたけれども、いわゆるAMEDにおいて障害者対策総合研究開発事業を行っておりまして、客観的な方法により診断する研究、治療法の評価を行う研究、この病気を正しく診断するための診療ネットワークモデルを開発する研究が進められているところでありますので、我々厚生労働省としても、こうした研究を支援をすることを通じて、まずは病態の解明あるいは客観的な診断基準の確立、これを推進し、こうした病気で苦しんでいる患者の皆さん方がまずは少なくともそうした診断を受けられていく、そしてその先には適切な治療法を開発していく、そういった道筋がしっかり見えていけるように努力をしていきたいと思います。
#336
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 置いていかれる、忘れていかれるということで、本当に悲しい思いをしていらっしゃる方々が多いこの疾患でございますので、一日も早く研究におきまして、原因もそうでございます、治療法も解明していただきたい。我々も応援をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ところで、医療提供体制、今まで医師法、医療法でも様々議論をしてまいりました。私はいつも疑問に思うんですけれども、時代が流れております。必要になってくる医療、そして必要になってくる専門職もこれからは変わりつつあるんではないかと思っております。
 大臣として、この医療専門職、時代の流れに合っているものであるのか、それとももう少しこういうふうに変えた方がいいんではないか、思っていらっしゃることございましたら御披露いただきたいと思います。
#337
○国務大臣(加藤勝信君) 高齢化が進展する中で、やっぱりこれまででない対応が求められていく。あるいは、今医師の偏在等もある中で、どういう対応、この間からICTの議論等もありました。様々なこれまでにないような対応が求められていく中で、それを誰が担っていくのか、これは大変大きなポイントだというふうに思います。
 そういった意味において、例えば在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成することを目的とした看護師の特定行為に係る研修制度、これは平成二十七年から開始をし、その養成に努めているわけでありますし、また、高齢化の進展を踏まえた質の高い医療提供体制の構築に向けては、既存の医療専門職についてその役割を見直す等、柔軟な対応が必要になっているんではないかというふうに思います。
 新たな医療専門職についてということであります。ちょっと私も今、じゃ、具体的に何かということは想定をさせていただいておりませんけれども、私は、例の心理師について、公認心理師制度については、これ議員立法でいろいろとその成立に向けて努力をさせていただいた一人でもあります。したがって、その状況状況の中で必要なものはやっぱり考えていく必要がある。そして、そういう位置付けをすることによって、これいろんな位置付けがあると思いますけれども、位置付けをすることによってその方々がその能力を発揮をしていただいて、そして現状における様々な課題の解決につなげていくと、こういうのは大事だと思います。
 ただ一方で、規制改革会議等で、こういった資格について整理をするとか、こういった政府に対する縛りもあります。その辺もよく見極めながら対応していくことが大事だろうと思います。
#338
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私はとても大事な問題だと思っております。結局、その専門職として、例えば国家資格が得られなければ診療報酬上でカウントされないということになってしまっては、なかなかその育成というものもできてまいりません。
 局長にお伺いさせていただきたいと思います。このように、医療専門職というものを新たに抑制しなければならないというような法律、閣議決定、省令、政令等ございますでしょうか、教えてください。
#339
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 医療関係の医療専門職ということではございませんが、公的資格制度一般につきまして閣議決定がございます。平成十一年に閣議決定された規制緩和推進三か年計画におきまして、公的資格制度は、国民の安全や衛生の確保、資格者の資質の向上等のため、厳格な法的規律に服する資格者が国民に安心できるサービスを提供することを目的として設けられてきた一方で、個人の特定の市場への参入規制の側面を有しており、サービスの提供に係る競争が排除されることになるのであれば弊害が大きいと指摘をされ、その上で、類似資格が民間資格において存在するもの等の資格については、廃止を含めて見直しを検討することとされております。
 さらに、平成十六年の閣議決定もございまして、平成十六年の規制改革・民間開放推進三か年計画についてにおきまして、業務独占資格等については、廃止等を含め、業務独占規定、資格要件、業務範囲等の資格制度の在り方を見直すこととされております。
 新たな公的資格を創設するに当たりましては、これらの閣議決定の趣旨を踏まえ、慎重に検討する必要があるものと認識をしております。
#340
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 閣議決定なので、閣議決定を変えればいいだけの話ですよね。それをしっかりと大臣が音頭を取っていただきたいなということです。
 平成十一年、十六年からは考えられないぐらい医療は進歩し、そしてしっかりとこれからの医療を構築していくに当たって必要な人材がございます。それも、もう疾病構造も変わってきているわけです。その中で、必要とされているもの、職種の今日一つとして御紹介するだけで、また今後一般質疑がございましたらいろいろ質疑させていただきたいんですけれども、チャイルド・ライフ・スペシャリストという資格がございます。これからやっぱり、小児科の先ほど医療の議論もございましたけれども、小児科医療の中で、アメリカでは外せない資格としてしっかりとした地位を確立しております。この必要性について、福田局長の方、どのようにお考えになっていらっしゃるか、お示しいただけますか。
#341
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 チャイルド・ライフ・スペシャリスト、これ米国のチャイルド・ライフ・プロフェッショナル協会が認定する資格で、医療環境にある子供や家族に真に社会的支援を提供する専門職ということで、ホームページ、スペシャリスト協会のホームページから書かれてございます。
 小児がん等のお話ございましたが、そういった中の医療で、医療が必要な子供やその家族が安心して医療を受けられる、そういう環境を整備することは大変重要なことと考えております。
 厚生労働省としては、小児がん拠点病院の指定要件の中で、議員御指摘のチャイルド・ライフ・スペシャリストなどの療養を支援する者の配置が望ましいとしてございまして、平成二十九年度には、これ全国十五ございます、小児がん拠点病院があるんですが、そのうちの九病院で十八名のチャイルド・ライフ・スペシャリストが活躍をしているところでございます。
#342
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も確認させていただきました。今後、見直しが行われると思われる小児がん拠点病院の指定要件の中にも、もう少し詳しくその性質をというふうに要望がございます。この中にもチャイルド・ライフ・スペシャリストって入っているんですが、じゃ、どのような養成課程で、今皆様方が活躍していらっしゃいますが、養成課程について短く、福田局長、教えてください。
#343
○政府参考人(福田祐典君) これはホームページからによりますが、資格取得に当たりましては、これは、まずはいわゆる学士、大卒若しくは修士の資格があった上でということでございますが、その上で必要なプログラムの単位を取っているということと、さらには最低四百八十時間、今まではですね、の指定された内容のインターンシップを受けるという形で必要な知識、技能を取得するものというふうに理解をしてございます。
#344
○薬師寺みちよ君 だから、それをどこで受けているのかというのが問題なんですよ。アメリカで皆さん受けているんですよ。おかしいと思いませんか。指定要件にも入っているにもかかわらず、アメリカで皆様方は受けていらっしゃって、帰ってきて、勤めます。しかし、国家資格ではないからポジションがないんですよ。看護師の皆様方が、小児医療を充実させよう、子供たちの恐怖感なく医療を受けられるためにと思って、善意で皆様方は自費で留学なさって資格を取ってくる。こういう資格が日本にないというのがまず私はおかしいと思います。
 これは、前から私主張しておりますけれども、このような形で、大人と子供の医療は違います。なれば、子供の医療の中で子供が必要な専門職というものも私は今後しっかりと確保していくべきだと考えておりますし、その足かせとなっているのが先ほどの閣議決定なのであれば、それも見直すべきであるし、それが、世界の中で、チャイルド・ライフ・スペシャリストだけではないです、様々な呼び方で、イギリスでもこのような子供たちに対して安全、安心に、子供たちにとって安全、安心に医療が受けていただけるための様々な制度が準備されています。日本は少な過ぎるんです。だからこそ、ここはしっかり、公認心理師も積極的に関わっていただきました加藤大臣でございますので、この国家資格化について、若しくはもう少しこの専門職についても、しっかり国として、この指針に入れるのであったら見直していただきたいと思いますけど、御意見いただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
#345
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、小児がん等で長期の入院が必要な子供さん、そしてその家族を心理的な支援も含めてサポートしていく、そうした者というものをどういうふうに養成をしていくのかと。そういう中で、今お話があるこのチャイルド・ライフ・スペシャリスト、済みません、初めて聞かせていただいたことではありますけれども、こうした方々が国内でもその専門病院で活躍をしておられる。しかし、養成は海外だということであります。
 このチャイルド・ライフ・スペシャリストでなきゃいけないかどうかという議論は多分あるんだと思います。国内でも、先ほどの臨床心理士さんとか社会福祉士さんとか、そういった方々が養成を受けてそういったことを対応するとか、いろんなやり方があるんだろうと思いますので、国家資格をと言われるとなかなかちょっと今にわかにお答えすることはできませんけれども、そういった今申し上げた小児がん等で長期の入院が必要な子供さんや御家族を心理的な面も含めてサポートしていく、そういった言わば相談に乗っていく人たちを専門的に研修していく、こういったことにはしっかりまずは取り組ませていただきたいと思います。
#346
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、医療の中でも余り、小児科の領域の先生よく御存じなんですけれども、ほかの領域の先生は余り御存じないんですよ。だから、この間もいろいろ総会に出て、私の横に座っていらっしゃった外科の先生が、子供たちを手術室に運ぶだけでもやはり大変心配で不安そうな顔をしている、そういうときにこういうチャイルド・ライフ・スペシャリストの方がしっかり支援してくださって、術後の処置というものもすんなりとやっぱり受け入れてもらった。ああ、こんな資格があるんだ、こんなことがあるんだということで、麻酔科の先生であったり外科の先生であったり、ほかの診療科の先生方からもすごくやっぱり喜ばれている声というのを私は聞いてまいりました。
 これ毎年毎年行われているんですけれども、そのたびに留学の相談をしているんですね、その最後に。日本では養成課程がないんです。しっかりここを、養成課程を、国家資格、もちろん最終ゴールはそこでしょうけれども、そこを目指して、私はまず養成も考えていただきたいんですけれども、大臣の御意見いただけますか。
#347
○国務大臣(加藤勝信君) 養成ということになると、何か資格があってそれを養成するということになるんだろうと思いますけれども、ただ、いずれにしても、先ほどと同じことになりますけれども、そうした役割を担える人たちをしっかりつくっていくということ、これは大事なことだというふうに思いますし、そのためには専門的な研修というものも当然必要になってくると思いますので、そういった点については、今もやらせていただいている部分もあるんだろうと思いますけれども、さらにそうしたチャイルド・ライフ・スペシャリストの、なるための養成講座がどういったものなのか、そういったこともよく我々は勉強させていただいて、まずはそうした専門的な研修、その実施等に努めていきたいと思います。
#348
○薬師寺みちよ君 もう一言でいいです。御視察いただきたいと思います。小児がん拠点病院ではもうそういう方々がいらっしゃいますので、一度話を聞いてその現場を見ていただきたいんですけれども、いかがでいらっしゃいますか。
#349
○国務大臣(加藤勝信君) 是非そういう機会をつくらせていただきたいと思います。
#350
○薬師寺みちよ君 じゃ、私も御紹介させていただきますので、是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#351
○委員長(島村大君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト