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2018/05/22 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第14号
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2018/05/22 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第14号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第14号
平成三十年五月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     木村 義雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       厚生労働副大臣  牧原 秀樹君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      福田 正信君
       総務大臣官房審
       議官       泉  宏哉君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  宮川  晃君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       国土交通大臣官
       房審議官     山口 敏彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮
 者自立支援法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長定塚由美子君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。
 こうした状況を踏まえ、生活保護に至る前の段階における支援を含め、生活に困窮する方等の一層の自立の促進を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、生活困窮者自立支援制度における自立支援を強化します。
 具体的には、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化を図るため、福祉事務所設置自治体による就労準備支援事業や家計改善支援事業の実施を努力義務とするとともに、福祉事務所設置自治体の各部局が生活困窮者を把握したときは、自立相談支援事業等の利用勧奨を行うよう努めることとします。また、生活困窮世帯の子供の学習支援事業において、生活習慣や育成環境の改善に関する助言等を行うとともに、一時生活支援事業において、その事業を利用していた方や居住に困難を抱える方であって地域社会から孤立している方に対し、訪問等による日常生活支援を行うことにより、これらの事業の強化を図ります。
 第二に、生活保護制度における自立支援の強化と制度の適正な運営の確保を図ります。
 具体的には、生活保護世帯の子供の貧困の連鎖を断ち切るため、大学等への進学の際に進学準備給付金を支給するとともに、健康管理支援事業を創設し、データに基づいた生活習慣病の予防など、生活保護受給者の健康管理支援の取組を推進します。また、医療扶助について、医師等が医学的知見から後発医薬品の使用を問題ないと判断する場合、その使用を原則化します。
 加えて、一定の要件に該当する無料低額宿泊所等において、単独での居住が困難な生活保護受給者に対する日常生活支援を行う仕組みを創設するとともに、無料低額宿泊所の最低基準を設けること等により、貧困ビジネス対策を強化します。
 第三に、一人親家庭の生活の安定と自立の促進を図るため、児童扶養手当の支払回数を年三回から年六回に増加します。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年十月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#7
○委員長(島村大君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○小林正夫君 国民民主党の小林正夫です。
 法案審議に入る前に、大臣にただしたいと思います。
 加計学園の建設をめぐる問題で、愛媛県知事が、二〇一五年二月二十五日には知っていたことを裏付ける記録を昨日、参議院の予算委員会に提出されました。安倍総理が知っていたはずだと、こういう記録であります。これ事実なら、安倍総理の今までの答弁は信憑性がなく、うそになります。安倍内閣の閣僚の一人としてどう受け止めているか、ただしたいと思います。
#9
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、これまで総理も、そうした疑念、疑問に対しては一つ一つ丁寧に対応していくとおっしゃっておられましたので、そういう姿勢で臨まれるものと承知をしております。
#10
○小林正夫君 この問題は大変大きな問題ですので、また別途の機会に追及していきたいと思います。
 ただ、働き方改革ですけれども、先ほど理事会でデータの件について厚労省から報告がありました。おおよそ二割のデータが使えなかったと、こういう報告です。したがって、厚労省から出されている働き方改革関連法案の検討されたベースのデータが二割も使えないものだったと、その上でこの法律が成案されて提案されているということが誠に私は遺憾で、それこそ信憑性がない、そういう法案になっているんじゃないかというふうに私は思います。したがって、この法案は撤回すべきだと、そのように申し上げておきたいと思います。
 それでは、法案審議に入ります。
 まず、支援対象者の拡大に関して質問をいたします。
 今回の改正案で基本理念が新設をされました。また、二〇一五年の法制を作るとき、法定時には基本理念が盛り込めなかった、このように私承知しております。今回、法律に魂が入ったことの意義は大きいと、このように私思っておりますが、内容は制度設計時から掲げてきたものと重なると思いますけれども、法文として明記された意義は大きいと、このように思います。
 特に、基本理念で地域社会からの孤立、定義で地域社会との関係性という、社会的孤立に関する文言を盛り込んだことについて、どのような思いでこれを盛り込んだのか、どういう思いだったのか、大臣の所見を伺いたい。また、その趣旨を関係者にどう徹底させていくのか、お伺いいたします。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から、社会的孤立ということがありました。家族や友人、地域などとのつながりをなくし、孤立化をするといういわゆる社会的孤立、これは、本人にとって、自立への意欲をなくし、自己有用感を持てずに生活困窮を深めていくことになるとともに、地域や社会にとっても、活力を失い、地域社会の基盤を脆弱にすることにもつながるものと考えております。
 社会保障審議会の報告書においても、社会的に孤立しているために、失業や病気、家族の変化等生活に何らかの影響を与える出来事をきっかけに困窮状態に陥ってしまう危険性をはらんでいる人等について、早期に、かつ予防的な対応を行うことが重要であることを認識する必要があるということで言及をされ、困窮状態の背景に孤立の問題が存在することを十分に認識した上で支援のありようを考えていく必要があるというふうに思っております。これを踏まえて、今委員からお話がありましたように、本法案において、基本理念また定義について、もう重ねて申し上げませんが、そうした改正を盛り込ませていただいたところであります。
 この趣旨は、まさにこれまでもそうしたものでのっとってやっていたわけでありますが、よりそこを明確化する、こういった意味で盛り込ませていただいたところではありますけれども、その見直しの趣旨については、この法案を成立していただいた後に全国会議等において関係者にしっかりと周知をしていく、また生活困窮者の支援を行う相談員を対象とした研修会においてもその旨を伝達をする等々、様々な機会を通じて周知の徹底に図っていきたいと思っております。
#12
○小林正夫君 基本理念だとか定義の明確化、これを生かしていくためには、いまだ支援につながっていない方を相談につなげるアウトリーチなどの促進とともに、利用対象者の要件についても可能な限り広げていくことが必要だと、このように私思います。例えば、就労準備支援事業においては六十五歳未満とするという年齢要件があるけれども、高齢者でも就労を求めるニーズが非常に高い、また、支援を受けるには一定の収入・資産要件を満たす必要があるが、対象者を必要以上に限定すべきではないと私は考えます。
 見直しを行った社会保障審議会の部会報告書でも、年齢要件の撤廃や収入・資産要件の緩和が提言されておりますけれども、厚生労働省としてはどのように対応していくんでしょうか。
#13
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 就労準備支援事業につきましては、ただいま御指摘ありましたとおり、省令で規定されている六十五歳という年齢がございます。この年齢要件を撤廃をいたしまして、六十五歳以降の方であっても必要があると認められる場合には就労準備支援事業の利用を可能とするということといたしております。
 また、資産・収入要件でございますが、現在は世帯全体の資産、収入により要件に該当するか否かを判断しているところでございますが、世帯全体で見ると収入があっても、本人が引きこもりなどにより収入がないという場合、こうしたケースでは、家族の失業などのきっかけで困窮に陥りやすいという状況にございます。また、家族の意思が確認できないことなどにより世帯全体の収入を把握できないというようなケースも想定されます。こうした場合においても、予防的かつ早期に就労準備支援事業の利用可能であることを明確化し、支援者の範囲、御指摘のように、必要以上に限定しないようにするための見直しを行ってまいります。
#14
○小林正夫君 私は、支援対象を広げるには要件の見直しが必要だと、このように思います。そして、厚労省の今までの資料を見ますと、十月に政省令改正で対応していく方向性が私は読み取れるんですが、そういう方向で進めるということでよろしいでしょうか。
#15
○政府参考人(定塚由美子君) 今の就労準備支援事業については、年齢要件等について省令改正を今後、先ほど御説明した内容で行っていくということを予定をしております。
#16
○小林正夫君 次に、支援事業の改善に関する質問をいたします。
 就労準備支援事業など任意事業の実施自治体の割合は二八%から五六%、このパーセンテージにとどまっていると、このような報告が厚労省から出ております。これ、全国的に事業が広がっていない要因は何なのか。併せて質問しますけれども、就労準備支援事業、家計改善支援事業が努力義務とされたことは一歩前進と私も考えますけれども、必須事業化してほしいとの要望だとか期待も非常に強いものがあります。
 全ての自治体での完全実施を早期に達成するために国としてどのような取組を行っていくのか。就労準備支援事業、家計改善支援事業に加えて、一時生活支援事業、子供の学習支援、生活支援事業も含め、各事業の実施率を高め、次期改定、これは施行後五年ということになっておりますけれども、この施行後五年の見直しにおいて必須化やそれに伴う補助率の引上げを目指すべきである、このように私考えますけれども、大臣の見解をお聞きをしたいと思います。
#17
○国務大臣(加藤勝信君) 今、任意事業の実施率についてお話がありましたけれども、例えば、人口規模の小さい自治体ほど低い傾向にある、また、その要因として、社会保障審議会の部会では、地域によっては需要が少なかったり、マンパワーや委託事業者の不足といった事情もあるといった指摘があるわけであります。
 このため、この法案では、自治体の実情にも留意しながら、各事業の実施率を高める方策として就労準備支援事業と家計改善支援事業の両事業の実施を努力義務化するとともに、適切な実施を図るための指針の策定、そしてさらに、自立相談支援事業に加え両事業が一体的に行われている一定の場合には、家計改善支援事業の補助率を、現行二分の一を三分の二に引き上げるなどの措置を講ずることによって、三年間において集中的に、そして計画的に進めていただいて、全ての福祉事務所設置自治体、九百二ありますけれども、そこにおいて実施されることを目標に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 また、比較的実施率が高い子供の学習支援、これは五六%ぐらいでありますけれども、従来の学習支援に比べて今回は生活支援等々に幅を広げているところでございますので、まずは事業の効果的な実施を目指していきたいというふうに思っておりますし、また、一時生活支援事業についても、今回こうした対象の中で、家庭の事情により自宅にいられなかった方なども含めて、都市部に限らず事業の対象になり得る方が存在をしている、こうした意味からも、この趣旨をしっかり周知をして、現在二五%程度でありますけれども、事業のまた広域的な実施なども推進しながら実施の促進を図っていきたいと思っておりまして、こういった各自治体において任意事業に取り組みやすくなる、あるいは取り組んでいただくよう、都道府県が市町村に対し事業実施体制の構築の支援等を行う事業も創設することとしておりますので、まずはこの今回の改正法案を踏まえて任意事業の全国的な実施の促進を図っていきたいというふうに思います。
#18
○小林正夫君 今大臣の答弁を要約すると、三年間に集中的な取組を行っていく、そして、二〇二二年度に両事業の完全実施を目指していく、そして、次期改定に向けて、これは五年後ですけれども、に向けて課題に取り組んでいくと、このように私受け止めましたけど、それでよろしいでしょうか。
#19
○国務大臣(加藤勝信君) そういう姿勢で取り組ませていただきたいと思います。
#20
○小林正夫君 次に、生活支援の充実に関して質問をいたします。
 大臣、六か月から一年にわたる就労準備支援期間の生活支援給付がない、そのために、生活困窮状態にある対象者にとっては講習とか企業の実習等への参加が非常に厳しい状況にあります。
 次期改定に向けて求職者支援制度に倣った給付型支援も検討すべきじゃないか、このように思いますけど、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました求職者支援制度、これでは、就労の意欲と基礎的な能力のある方に対して、職業能力の開発、向上のための職業訓練の実施やその際の給付金の支給等により、実践的な就職支援を実施するということが政策の大きな目的であります。そして、この給付金を受給するためには、一定の資産要件、また収入要件、訓練の出席要件などを満たすことが必要とされております。
 他方、この生活困窮者自立支援制度において対象になる方々については、まずは求職者支援制度の対象には達していないという、こういう状況があります。そして、そのために、まずは生活習慣の獲得、社会参加能力の形成、就労意欲の醸成を図るなどの支援を実施するものでありまして、柔軟な形で参画が求められるということでありますので、様々な要件が課せられる求職者支援制度と同じように給付金をつくるということはなじまないのではないかというふうに考えたところでありますが、ただ、いずれにしても、この就労準備支援制度についてしっかりと活用していただけるように取り組ませていただきたいと思います。
#22
○小林正夫君 是非、給付型という、そういうような方式もありますから、今大臣の答弁だと少し否定的なお話でしたけれども、是非いろんな角度から検討していただきたいと、このことも要望しておきます。
 そして、大臣に引き続きお伺いいたします。
 生活費のみならず、講習や企業実習に通う交通費も本人の負担となっていて、就労準備支援事業が広がらない一因となっています。就労支援の参加を促すために、事業者が持ち出して負担して交通費の支援を行っているところもあります。また、学習支援事業における食事の提供や子供の学力に合わせた教材の提供なども、学習支援を効果的に進める上で必要な支援だと考えます。
 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会で論議もされておりますけれども、交通費等の実費支給や食費、教材の提供の要望が非常に強くこの会議では出されておりました。これらについて早急に検討して何らかの支援を考えるべきだと、このように思いますけど、大臣の見解をお聞きをいたします。
#23
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、この部会の報告書においても、交通費を支給できるようにすべきであるという意見、また、子供の学習支援に関しても、食事や教材の提供そのものを事業の対象とすべきという意見があったということであります。
 交通費や食事、教材の提供、これはある意味では個別給付に近いことになるわけでありますので、事業費として支出するというためには制度全体の考え方をしっかりと整理していく必要があるということでありまして、なかなかそれをストレートに対象とするのは難しいと考えたところであります。
 ただ、こうした課題があるということは認識をしておりまして、今回も、事業者による送迎に必要な費用を事業費として支出することはそもそも認められているわけでありますけれども、就労準備支援事業等三事業を一体的に実施している一定の自治体に対しては、そうした費用などを対象に補助基準額の加算を行うという形でお応えをしたいというふうに考えております。
 また、子供の学習支援事業においても、子供食堂等の取組と連携することで、子供食堂の負担による食事の提供と、学習支援事業による学習や居場所の提供を併せて実施すること、また、一人親家庭の子供に対する生活・学習支援事業、これと連携をしてやっていくというやり方、こういったことも可能でもありますし、実際そうした取組もありますので、そうした連携事例を周知をすることによって、そうした形での取組等についても促していきたいというふうに思います。
#24
○小林正夫君 今のお話は引き続きの検討課題であると、こういうことは大臣と共有化できたと、もうこのように受け止めますけど、それでいいですか。
#25
○国務大臣(加藤勝信君) 幅広い問題としてそういう課題があるとまさにこの部会報告書においても指摘をされたということでありますから、そうした課題にどう応えていくのか。先ほど申し上げた、個別給付という形を取ること自体はなかなか難しいのではないかと思いますけれども、そういう中で、どういうやりようがあるのか、今回も先ほど申し上げたような対応を考えさせていただきましたし、引き続き、もちろんそうした課題を念頭に、更にこうした対応が取り得るというものがあれば検討させていただきたいと思います。
#26
○小林正夫君 次の質問に行きます。
 二〇一八年度予算では、就労準備支援事業の利用促進のインセンティブが計上されました。その予算額と、具体的にはどのような内容を想定しているのか、質問いたします。
#27
○政府参考人(定塚由美子君) 平成三十年度予算では、就労準備支援事業につきまして、その利用促進につながる取組に係る費用を対象に補助基準額の加算を行うこととしております。
 この加算措置でございますが、自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業を一体的に実施している一定の自治体に適用することとしておりまして、加算対象となる具体的な費用としては、就労に向けた外出を支援する費用として例えば送迎や移動に使う車のリース代など、また、就労体験先の受入れ促進に要する費用ということで就労体験先への謝金など、さらに、就職後の定着支援を行うための費用を想定しているものでございます。
 こうした費用については、一般の補助基準額を超える場合でも一定程度まで基準額に加算することができるようにするということを想定しておりまして、現在用意しております三十年度予算の大枠の中で実行してまいりたいと考えております。
#28
○小林正夫君 次に、事業、雇用の安定に関する質問をいたします。厚労省にお伺いします。
 制度を担う相談員、支援員の多くが一年契約で、先行き不安を持っている、こういう状態に置かれております。就労の実態はどういう状況に今なっているのか。情熱を持って取り組んでいく若者が、将来に展望を持てずに辞めていく例も多いと私承知しておりますけれども、そして、相談員も大変疲弊している、相談員のメンタルケアも必要ではないか、これも課題ではないか、このように思いますけど、厚労省はどのように受け止めているんでしょうか。
#29
○政府参考人(定塚由美子君) この制度、事業を支援している支援員の方でございますけれども、この雇用契約については、社会保障審議会におきましても、自立相談支援事業の受託機関で働く職員の中には一年単位の契約により不安定な労働環境で働く職員もいるという趣旨の御発言があるなど、御指摘いただいたような実態もあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 また、これも御指摘いただいたとおり、生活困窮者自立支援制度において、質の高い包括的な支援を提供していくためには、その支援員、相談員という方が大変重要でございまして、困難なケースに直面した際の相談員に対しての心理的な負担に配慮した取組が必要になると考えております。
 このため、本法案におきましては、都道府県による市町村に対する支援事業を創設しておりまして、この中で、市町村の相談員に対する研修を実施して相談員の育成を図る、また、支援が困難な事例に関しては、市を越えて、経験豊富な相談員へ支援手法の相談を行ったり、ケース検討を行う場や相談員のネットワークをつくることなどをメニューとして位置付けておりまして、こうしたことに対して補助を行うこととしております。
 こうした支援を通じて、支援員の質の向上を図るのみならず、困難な事例等については支援員同士で悩みを分かち合ったり、スーパーバイザーに不安を語るというような機会をつくるなど、支援員の心理的な負担を軽減するための取組も併せて進めていきたいと考えてございます。
#30
○小林正夫君 大臣にお伺いいたします。
 相談員が辞めて一番困るのは利用者です。相談員の安定的な雇用と待遇改善は、利用者のためにも相談員のためにも社会のためにもなると、このように私強く思います。
 この制度を支えるのは、要は人なんです。また、相談や支援の質を確保するためには長年の経験も必要であり、相談支援に携わるスタッフが一生の仕事として誇りを持って活動できる、働けるよう、雇用の安定と処遇の改善を図ることが私は最も重要じゃないか、このように思いますけれども、大臣の認識と具体的な対応策について答弁を求めます。
#31
○国務大臣(加藤勝信君) この生活困窮者自立支援制度、これは給付を主体とする制度とは異なるわけでありまして、まさに相談を包括的に受け止め、また行い、寄り添い、個別的に対応していくということが基本で、委員御指摘のように、人が人を支えると、これが制度の根幹であります。
 この制度がしっかり機能していくためには、適切な支援を行うことのできる人材をどう確保し、そして育成をしていくか、そして、さらにはその人材にその能力を発揮できるような場をどうつくっていくのかということが重要で、委員御指摘のように、積み重ねてきた経験を発揮をしていただき、また、誇りを持ってこの仕事に取り組んでいただくということは大変大事だと思っております。
 この法案では、自治体に対する人員配置の努力義務を創設していることに加えて、支援実績の高い自治体を補助するに当たって適切に評価をする、言わば加算をしていくということでありますし、また、人員配置の状況を全国との比較で客観的に把握できる仕組みを設ける、言わば見える化を通じて人員配置の手薄い自治体の底上げも促していきたいと思っておりまして、こうしたことを進めながら、自治体において必要な予算をしっかり確保していただく、これは国においてもそういうことでありますが、そうしたことを通じて雇用の安定と処遇の改善を図っていきたいと、こう思います。
#32
○小林正夫君 委託契約の在り方について、引き続き大臣に質問をいたします。
 事業の委託契約も多くが一年契約になっています。公募入札等による価格競争や、不安定な事業を強いられている実態があります。事業の安定的運営やサービスの質の向上、利用者の信頼関係に立った継続的な支援、人材の確保やノウハウの蓄積と継承を図る観点から、委託契約の在り方について見直しを求める要望が非常に強くなっていると、このように私は受け止めております。
 このような現場の声を踏まえて、価格競争や単年度実績で評価するのではなく、一定期間事業を委託し、支援の質や実績を総合的に判断するよう改善すべきと考えますけれども、大臣の見解はいかがか。また、自治体関係者への周知徹底をどのように行っていくのか、大臣に問います。
#33
○国務大臣(加藤勝信君) 今、生活困窮者自立支援制度における事業の委託についてお話がございました。
 社会保障審議会の報告書では、施行後三年と間もない状況において、その着実な実施、浸透を図っていくためには、事業における支援の質、積み上げてきた信頼関係の継続性の確保、また質の高い支援が行うことができる従事者の育成、確保等が重要であるということ、また、事業における支援の質や継続性の確保等の観点から、マニュアルの改正などにより自治体に対し委託に当たっての留意点などを示すべきであるということが指摘をされておりまして、厚労省においては、この報告書の内容も踏まえ、本年三月に開催いたしました全国主管課長会議の場においても、委託先の選定に当たっての留意点としては、事業の質の維持の観点から、これまでの事業の評価結果を踏まえたものにするということ、あるいは、自治体の契約のルールも踏まえつつ、事業の継続性の観点にも留意をするということ、事業の内容を中心とした総合的な評価を行うことが事業の質の維持等の観点から適切であり、価格のみの評価を行うことはその観点から必ずしも適切ではないと、こういったことを自治体に対してお示しをさせていただきました。
 国の予算の場合は単年度で編成し交付するということになりますが、自治体においては一年を超えて複数年契約を行っている事例もあると承知をしております。
 今後、先ほど申し上げた留意点を徹底することによって、生活困窮者自立支援制度の各事業において、支援の質の維持と継続性、委託事業における質の高い支援が行うことのできる職員の安定的確保をしっかりと図っていきたいと思います。
#34
○小林正夫君 是非、先ほど私がお話ししたような方向で進めていく必要があると、私はこのように強く思いますけれども、通知を含めて、自治体に一定の拘束力のある形で周知徹底することが必要ではないかと思いますけど、いかがですか。
#35
○政府参考人(定塚由美子君) 今し方大臣から答弁させていただいたように、この問題については、生活困窮者自立支援制度を検討した審議会でも議論になったところでございます。その上で、全国会議の場を通じて自治体に周知をしているということでございますので、まずはこのような形で自治体にこの事業の委託先の選定に当たっての留意すべき事項をしっかりお伝えをしていくということにしたいと思っております。なかなか拘束というのは、自治体それぞれの契約の自由ということもありますので困難かと思いますけれども、趣旨の方をしっかりお伝えをしてまいりたいと考えております。
#36
○小林正夫君 そのぐらい強く自治体の方に要請していくことが私は必要だと思いますので、是非拘束力を持ったような指導を厚労省はしていくべきだと、このように私は訴えておきます。
 支援対象者の拡大について、ちょっと質問戻りたいと思います。大臣にお伺いします。
 断らない相談支援、あるいはアウトリーチを含めて支援が必要な方々を相談支援につなげていくためには、相談員、支援員等の体制整備がこれは必要であることは言うまでもありません。総合的な課題を抱えた方々が多いので支援も長期化するし、困難なケースを抱え込むと相談員のメンタルのケアも必要となってきます。その上で、アウトリーチを含め、新規の様々な相談支援に対応していかなければなりません。こうしたニーズに対応できるような十分な体制をつくらないと、現場の負担が増すばかりで疲弊してしまいます。
 このため、ニーズに応じた相談員、支援員の増員も含めた体制の整備だとか、そのための国としての財政支援もしっかりと確実に行っていくことが必要と考えますけれども、大臣の見解と決意のほどをお聞きをいたします。
#37
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど、この生活困窮者自立支援制度、まさに人が人を支える仕組みということを申し上げさせていただきました。
 相談支援がしっかりと機能するためには、様々な課題に関する相談に対し包括的に対応できる相談員を育成し、配置していくということが重要であります。都道府県による市町村の相談員に対する研修の実施等に関する事業をまずは法定化をし、その上で、その費用に対する補助の仕組みも設けたところでございます。
 また、相談員の配置を含む相談支援の体制づくりについては、本法案において、自治体に対する人員配置の努力義務を創設していることに加えて、支援実績の高い自治体を補助に当たって適切に評価をしていくということ、また、人員配置の状況、先ほど申し上げましたけれども、全国との比較で客観的に把握できる仕組み、言わば見える化を通じて人員配置の手薄い自治体の底上げを促していきたいというふうに考えておりまして、こういった施策によって、しっかりと相談員の方、支援員の方々がその力を十分に発揮できるように努めていきたいと思いますし、当然、やはりこれを進めるためには財源を確保していくということが必要でございますので、これからも、今回の法律によっては施行時期がずれずれになっているものもあります。今年度に実施するもの、来年度、再来年度に実施するものがございますので、そういったことについてはその年度年度の中でしっかりと予算要求をさせていただきたいと思います。
#38
○小林正夫君 中長期的に高まっていく相談のニーズだとか支援対象者の増加に対応できるように人的体制を整備していく、こういう方向を今大臣も述べられました。
 大事なことは、財政的な裏付けもないとこの事業進んでいきませんので、大臣おっしゃっていただきましたけれども、しっかり財政的な支援を確実に行っていくと、そのことを要望しておきます。
 もう一つ、支援事業の改善の質問に戻りたいと思います。
 今回の改正によって、自立相談支援事業と就労準備支援事業、家計改善支援事業が一体的に実施される場合、家計改善支援事業の補助率が二分の一から三分の二に引き上げられます。
 一体的実施の要件は政令で定めることになっておりますけれども、どのような内容を今想定しているんでしょうか、お聞きいたします。
#39
○政府参考人(定塚由美子君) 御質問いただきました家計改善支援事業の補助率を引き上げる要件、今後政令において定めることとしておりますが、就労準備支援事業及び家計改善支援事業が効果的、効率的に行われている場合というものにつきましては、具体的には、まず自立相談支援事業と併せて就労準備支援事業、家計改善支援事業の両方を実施している、つまり一体的実施を行っているということでございますが、これに加えまして、生活困窮者に対する個別支援計画の協議に、両事業、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施者も参画をすることということなどを想定しているところでございます。
#40
○小林正夫君 局長、もう一点質問しますけれども、今の答弁で、三事業の委託先が同一であることを求めないと、こういう理解でよろしいでしょうか。
#41
○政府参考人(定塚由美子君) 御質問いただいたとおり、三事業の委託先が一つであるという必要はございませんで、ただ、この個別支援計画を協議する場合には、それぞれの事業者が加わっていただいてしっかりと連携をしながら事業を進めていく、こういったことを要件としたいと考えております。
#42
○小林正夫君 家計改善支援事業などの専門的な対応が必要となる支援については、都道府県がリーダーシップを発揮して全県的、広域的な実施体制をつくることが効果的であると考えますけれども、国としてどうサポートしていくのか、お聞きをいたします。
#43
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘いただきましたとおり、家計改善支援事業など特に専門的な対応が必要となる支援については、都道府県がリーダーシップを発揮して全県的、広域的な実施体制をつくっていくこと、効果的であると考えております。
 現在におきましても、都道府県には、市町村に対する必要な助言、情報提供その他の援助を行うという責務規定設けられているところでございますが、家計相談支援事業の広域的実施など、都道府県が中心となって取組を進めている地域も既に見られているところでございます。
 本法案においては、市などの事業実施体制の支援を都道府県支援事業のメニューの一つとして法律上に位置付けを置いておりまして、都道府県の指導による複数の自治体の広域的な事業実施について、これにより、より一層推進していくことといたしております。
 加えて、本法案では、就労準備支援事業と家計改善支援事業の適切な推進を図るため、必要な指針を策定することとしております。厚生労働省としては、この指針を策定をして周知を図るとともに、全国の都道府県における取組事例の収集、共有を行う都道府県との意見交換の場を設けるなど、都道府県がリーダーシップを発揮をして市町村の効果的な支援を行うことができるように、必要な支援を国としても行ってまいりたいと考えております。
#44
○小林正夫君 生活支援の充実について一問質問します。
 就労訓練の認定事業数は依然として低い水準にとどまっています。地域において受皿を広げていくためには、就労訓練認定事業への優先発注や税制優遇などのインセンティブの活用が必要だと、このように私考えます。
 改正法案で就労訓練の認定事業者への受注機会の増大を努力義務にした趣旨、あるいは実際に自治体で優先発注などの取組の促進につなげるための具体的な手だてについてどう考えているか、お聞きをいたします。
#45
○政府参考人(定塚由美子君) 認定就労訓練事業で行っているいわゆる中間的就労でございますが、様々な課題を抱える困窮者支援の出口として期待が寄せられているところでございます。
 しかしながら、その認定数が伸び悩んでいるということ、また、事業所が生活困窮者の生活圏内にないという場合もありまして、こうしたところが身近にあることも継続的な訓練を行う際には重要であるということから、全国的な認定数の増加に向けて取り組む必要があると考えているところでございます。
 こうしたことを理由といたしまして、本法案では、国と地方公共団体に対して、御指摘のように、認定就労訓練事業を行う事業所の受注機会の増大を図る努力義務を創設をすることとしておりまして、これによって当該事業所の安定経営に資することになり、認定を受けるインセンティブになるということを期待しているところでございます。
 こうした優先発注の取組事例として把握しているもの、現時点では一部の自治体にとどまっているところでございますけれども、こうした一部の自治体の中では、生活困窮者自立支援の担当課が庁内の関係部局に対しまして認定就労訓練事業を行う事業所への優先発注について積極的な働きかけを行ったり、あるいは生活困窮者の就労を阻害する要因や訓練の経過、効果などについての具体的な事例を示すということで、庁内の関係部局が調達に当たってイメージを持てるというような支援を行っているところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、まずは今回努力義務としたということをきっかけとして、このような取組事例をお示しをするということと併せて、認定就労訓練事業を行う事業所に関しての優先発注を自治体に対して促してまいりたいと思っておりますし、また、ほかの先進的な取組事例の収集も図るなどして、優先発注の効果的な活用方策、更に研究促進してまいりたいと考えてございます。
#46
○小林正夫君 以上で終わります。
#47
○浜口誠君 皆さん、おはようございます。国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。
 まず、冒頭、小林理事の方からもありましたけれども、愛媛県の方から示されました加計学園の獣医学部新設に伴う新たな文書に関連をして私の方からも幾つか御質問させていただきたいというふうに思います。
 この文書の中にはいろんな事実が新しく出てまいりました。加藤大臣も当時内閣官房副長官というお立場で、その資料を見ますと二〇一五年の二月に加計学園関係者と面会をされているというふうに記載をされておりますが、まず事実関係として、二〇一五年二月、加計学園の関係者とお会いになられたのかどうか、まずそこをお伺いしたいと思います。
#48
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話のあった文書を示されたこともあって、ちょっと私の事務所の過去の日程を確認をさせていただきました。その結果、平成二十七年二月十四日の土曜日の夕刻に私の地元の事務所において、加計学園の、これ実は予定なんで、来られた方がちょっと私記憶にないんでありますけれども、予定表では加計学園の事務局長が来られるという予定が入っておりまして、私も会った記憶がありますので、その日に会ったということなんだろうというふうに思います。
#49
○浜口誠君 岡山の地元の事務所でお会いになられたという、予定が残っているということなんですね。記憶上はないということなんですか、大臣自身には。
#50
○国務大臣(加藤勝信君) 記憶がないというのは、その日かどうかという、このピンポイントという意味ではありませんが、お会いした記憶はあります。
#51
○浜口誠君 事務局長が来られたということですが、そもそも、あれですか、加計学園の方から面会をしたいというようなアプローチがあったということでよろしいですか。
#52
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、事務局長が来られると日程表に書いてあって、来られた方が事務局長であったかどうかというのは、済みません、ちょっと記憶にないんですけれども、事務局の、少なくとも、事務局の方が来られた、お会いしたということは記憶に残っております。それから、地元の方に、地元のうちの事務所に対して加計学園側から私と会う時間を調整してくれということで日程が設定されたものというふうに思います。
#53
○浜口誠君 実際、会われた時間というのはどれぐらいなんですか、十五分とか三十分とか、その記録が残っているかどうかも含めてですけれども、会った時間の長さについてお伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、記録は一切残っていないというか、大体地元であった話というのは何にも残していないので確認はできませんが、ちょっとその後の多分予定もあったと思いますから、そんなに長い時間ではなかったというふうに思います。
#55
○浜口誠君 記録によると、これは愛媛県側が出してきた文書の面会記録によると、加藤大臣からのコメントということで記載されています。大きく三つこの文書の中には記載されています。獣医学部の新設については、獣医師会の方から強力な反対運動があるという点ですとか、あるいは既存大学からの反発も大きいと、文科大臣の対応にも影響があるかもしれないと。三点目としては、県や今治市の構造改革特区に対する取組は評価していると、ただ、関係団体からの反発が極めて大きいと。
 こういった中身が、当時の加藤大臣の方から官房副長官のお立場でコメントがあったというふうに記載されていますけれども、この内容については事実関係、どうでしょうか。
#56
○国務大臣(加藤勝信君) まず、官房副長官というよりも地元の衆議院議員ということでおいでになったというふうに私は認識をしておりますし、そういうつもりでお会いをさせていただきました。したがって、地元の事務所で会ったということでもあります。
 その上で、済みません、本当にやり取りが、逐一、誰がどっちでしゃべったかということは余り記憶にありませんが、正直余りこの問題について私自身熟知していたわけではありませんから、かなりの部分が先方から、これだけ努力をしてきたとか、こんな状況だったというお話があって、それを踏まえた上でのやり取りだったというふうに思います。
#57
○浜口誠君 実際に会われたとき、加計学園側が、事務局長の方だったのか、関係者の方来られてということですけれども、当時、加藤大臣とそのほかにも秘書さんの方も同席されて同じ話をお伺いになっているのかどうか。
 通常、我々だと秘書も同席して、秘書なんかメモを取ってどんな話があったかというのは記録したりすることも結構あるかなというふうに思うんですけれども、そういった記録自体は大臣の地元の事務所には残っていないのかどうか、その辺りはどうでしょうか。
#58
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、うちの事務所はそこまでしっかりしていないということもありますが、基本的に私が単独で、本件だけではなくて、基本的に単独で話を受けるということが多いことでございます。
 したがって、ちょっと中身について一つ一つ残していないので記憶の中ではありますが、ただ、先ほど申し上げたように、かなりの部分は御先方からの御説明を踏まえた上でのやり取りだったというふうに思います。
#59
○浜口誠君 先方からの説明ということでしたけれども、どんな説明なり、どんな話が加計学園側からそのときにあったのか。そもそも何の目的で、いや、加藤大臣の顔が見たいからということで来られたわけじゃないと思うので、何か目的が先方側には、加計学園側にはあったんではないかなというふうに思いますけれども、そこはどのような内容だったんでしょうか。
#60
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた、一つ一つ覚えておりませんけれども、かなり何回にもわたって、たしか構造改革特区でのチャレンジをされていたということだったというふうに思いますけれども、かなり回数を重ねてやってきたけれどもなかなか実現できない、それから、ちょっとそこから先どこまで具体的に言われたか覚えておりませんが、この取り巻く関係者の理解もなかなか得ることができないという難しい状況にある、こういう現状の認識が示され、加計側からいえば、これをどうにか実現したいんだなという思いを持ちながらおいでになられたんだろうというふうには思います。
#61
○浜口誠君 その構造改革特区に何回もチャレンジしているけれども全てうまくいかなかったというのは、これまでの経緯の中でもいろいろ話としては出てきていますけれども、その中で具体的に、要は、愛媛の今治に獣医学部をつくりたいんだけれどもという固有名詞はその会話の中にはあったかどうかというのは御記憶ありますか。
#62
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、そこは記憶がなくて、記憶があるのは岡山ではないということだけははっきりそこでは覚えてはいるんですけれども。
 ただ、これはその後から私の知り得た話でありますけれども、当初からどこでやるかということに対しては一貫されているんじゃないかというふうに思います。
#63
○浜口誠君 岡山で会われた、加計学園関係者の方と会われたと。そのことについて、その後、この出された文書によると、二月二十五日には加計学園の理事長と安倍総理がお会いになっているというような中身も記されていますけれども、二月の十四日、まさにバレンタインデーに、土曜日、会われたというその事実は、ほかの、例えば菅官房長官あるいは安倍総理、さらには当時の今井秘書官、柳瀬当時の秘書官等々、周りの官邸の方には、会ったんだわと、加計学園の方が地元の事務所に来られて、そして構造改革の特区のことについて、獣医学部のことについていろいろ話を持ってきた、説明しにきたというような趣旨のことは周りの方にはお話はされておりますか。
#64
○国務大臣(加藤勝信君) 本件は、私に会って話をしたいということでありますし、事務局の方がおいでになったということでありますので、私限りで聞かせていただいたということで、私以外の者に対してこういうことがあったということは特段申し上げておりません。
#65
○浜口誠君 最後にしますけれども、二月二十五日、安倍総理が加計学園理事長とお会いになったということは、当時、その前後で大臣としては知っておられましたか、そういう、お二人がお会いになったということについては。
#66
○国務大臣(加藤勝信君) いや、全く承知をしておりません。
#67
○浜口誠君 じゃ、そのことについては当時も知らなかったと。知らなかったということでよろしいですね。
#68
○国務大臣(加藤勝信君) 知らなかったというと、何か、事実があったけど知らなかったというふうに誤解を受けられるので、そういうその事実があることも含めて承知をしておりません。
#69
○浜口誠君 最後の最後にしますけれども、実際その岡山の事務所で加計学園の方にお渡しされた名刺というのは、衆議院議員の名刺なのかあるいは官房副長官の名刺なのか。そこまで覚えておられるかどうかあれですけれども、どちらの名刺を渡されていますか、相手方の側には。
#70
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、名刺を交換したかどうかもちょっと正直言って覚えておりませんが、私、通常は、今は、例えば今でいえば厚生労働大臣、働き方改革そして拉致問題担当大臣という名刺をどんな場合でも活用しておりますし、当時であれば官房副長官加藤勝信という名刺を、これはどなたに対してもどういう状況においても交換をしておりますが、ただ、そのときにおいて名刺を交換したかどうかについてはちょっと定かではございません。
#71
○浜口誠君 もう一点だけ、済みません。
 そのとき初めて加計学園の関係者の方とお会いしたんですか。その前から面識はあったのかどうかだけ確認したいと思います。
#72
○国務大臣(加藤勝信君) 加計学園の方と、いや、本件についてお会いしたのはこのときが初めてで最後であります。本件に関して、この獣医学部については。
 ただ、加計学園は岡山に本拠を置いているところでありますから、私も例えば卒業式とかあるいは様々なイベントに呼ばれ、またそういった中で関係者の方とも交流を持つということはこれまでもあったところであります。
#73
○浜口誠君 ありがとうございました。これからもいろいろ事実関係についていろんなところでお伺いする機会もあると思いますけれども、またそのときにはよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、法案の方に入らせていただきます。
 まず最初に、生活保護費の推移について直近の状況を確認したいんですけれども、平成二十六年から二十八年にかけての生活保護費、予算と実績、どのような推移をしているのかどうか。実際、その予算と実績の差があるとするならば、その要因はどこにあるという、そういう分析をされているのか。まずその点をお伺いしたいと思います。
#74
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護費負担金の直近三か年の予算額と実績額でございますが、自治体負担分も含めた事業費ベースで申し上げますと、二十六年度は、当初予算額が三兆八千四百三十一億円、補正後予算額が三兆七千五百九十二億円、実績額が三兆六千七百四十六億円、当初予算と実績額との差額は千六百八十五億円でございました。二十七年度は、当初予算額が三兆八千百八十億円、補正後予算額が三兆七千七百八十六億円、実績額が三兆六千九百七十七億円、当初予算額と実績額との差額は千二百三億円。平成二十八年度は、当初予算額が三兆八千二百八十一億円、補正後予算額が三兆七千八百四十九億円、実績額が三兆六千七百二十億円、当初予算額と実績額との差額は千五百六十一億円でございます。
 生活保護費負担金の予算額は、生活保護人員の伸び率など足下の保護動向を勘案をして計上をしております。一方で、生活保護人員の実績でございますけれども、人数について、雇用環境の改善などを背景として、平成二十七年三月をピークに約五万人減少してきているなど、予算積算時に想定したよりも生活保護人員の伸び率が鈍化しておりまして、これが予算額と実績額に乖離が生じた主な要因と考えております。
#75
○浜口誠君 ありがとうございます。
 引き続き予算と実績のフォローはしていただけると思いますけれども、その乖離の分析もしっかりと毎年度やっていただくことを求めておきたいと思います。
 続きまして、先回、平成二十五年のときの見直しによって、生活扶助基準というのは約六百七十億円削減ということになりました。実際、その生活扶助基準額への影響ということを確認しますと、高齢者世帯については約四割の世帯でマイナス一%以上二%未満と、更にもっと言うと、母子世帯、母子世帯の方がもっと影響が大きくて、四割の世帯でマイナス六%以上七%未満というような状況になっています。更に言うと、障害者あるいは傷病の世帯等についても約三割の世帯においてはマイナス一%から二%未満というような、そういう影響が出ているということです。
 これは基準額に対する影響の割合ということですけれども、じゃ、実際に、生活保護を受けておられる世帯の家計に対してどういった本当影響が出ているのかどうか、この辺の実態把握とか検証について、今どのような取組、対応をしておられるのか、ここを具体的にお伺いをしたいというふうに思います。
#76
○政府参考人(定塚由美子君) 今お話しいただきましたように、前回改正におきましては平成二十五年八月から二十七年度にかけて実施をしておりまして、審議会における検証結果を踏まえたゆがみの調整や当時のデフレ傾向を踏まえた見直しなどを行っているところでございます。
 今回、検証の過程の中で、毎年度実施している生活保護受給世帯の家計の状況に関する調査というものがございます。この調査結果を活用しまして、この前回の生活扶助基準の見直しが家計に与える影響について審議会において検証を行ったところでございます。
 審議会においては、生活保護世帯の家計消費行動に与えた影響に関する資料、データを提出しておりまして御審議いただいておりますが、その中で、平成二十四年、二十五年、二十六年の費目別の支出額とその家計消費に占める割合をお示しをしているところですが、明確な変化が見受けられなかったところであるという状況でございました。
 報告書におきましては、支出割合が生活保護受給世帯と一般世帯との間では異なるものの、経年の支出割合の推移は大きな差が見られず、生活扶助基準の見直しによる家計への影響を評価するまでには至らなかったとされているところでございます。
#77
○浜口誠君 その報告書は、基準部会の報告書は私も読んでおりますし、そういう内容が記載されているのは理解はしているんですけれども、でも、実際に生活保護受給世帯の方の家計の実態を確認しているわけではないですよね。今局長が言われたのは、一般世帯と生活保護世帯の中の違いはあるかもしれないけれども。
 私が今日確認したいのは、実際の生活保護を受けておられる、そういった家庭の消費実態まで踏み込んで確認をしていく必要があるのではないかと。そういう統計値ではなくて、実際に下がった、影響を受けた家庭に対して、どうですかと、実際の基準額が下がったことに対して皆さんの家庭ではどんな影響があったんでしょうかというのを、これをアンケート調査なりヒアリングなり、実際の家計への影響というのはこれはダイレクトにあるはずですので、そこを私は確認していく必要があるのではないかなというふうに思っております。
 その点に関して、厚労省としてどのような見解を持たれているのか、確認をしたいと思います。
#78
○政府参考人(定塚由美子君) 私の先ほどの答弁が不十分だったのかもしれませんけれども、実際に生活保護受給世帯の方に調査をしておりまして、その家計の状況、例えば外出着の購入頻度はどうなのかと、毎月衣服を購入しているのか、季節の変わり目に衣服を購入しているのか、ほとんど購入していないのかとか、入浴、シャワーの頻度がどうであるとか、そういったことをかなり細かく生活保護受給世帯にお聞きをする調査というのをしておりまして、その実態をまとめたデータ、これ、二十二年のものと二十八年のものというのがございますので、この比較したデータというのを生活保護基準部会の方にお示しをしております。
 また、家計、消費行動に与えた影響ということで、これも生活保護受給世帯のところの家計の生計についての調査をしておりまして、実際に生活保護受給世帯で、食費、食料とか住居とか、どのような費目にどのような金額を支出をしているかという調査をした上で、そのデータも基準部会にお示しをして御議論いただいているというところでございます。
#79
○浜口誠君 では、n数、具体的にどれぐらいなんですかね。何世帯ぐらい、n数ですね、実際にヒアリングを掛けておられたり、あるいは調査をされておられる世帯の数、n数を補足で説明いただけますか。
#80
○政府参考人(定塚由美子君) 今申し上げました、まず家庭の生活実態及び生活意識調査というものでございますけれども、こちらの方は、生活保護については千百十世帯を対象としております。また、社会保障生計調査という家計の状況を調査する調査においても千百十世帯を確認をしております。
#81
○浜口誠君 それは、両方の調査、ヒアリングは別の世帯ですか。世帯数は一緒ですけれども、全く違う世帯に対して調査されているという理解でよろしいでしょうか。
#82
○政府参考人(定塚由美子君) これは同じ世帯について行ってございます。
#83
○浜口誠君 それ、同じ世帯にしている理由は何かあるんですか。もっと幅広くいろんな世帯の方、住んでおられる場所も違いますし、家族構成も違いますし、いろいろ幅広く生活保護を受けておられる世帯の方というのはあると思うんですけれども、なぜ同じ世帯に対して同じような調査を二重で掛けているのか。その目的なりその理由なりを教えてください。
#84
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護世帯への調査ということで、回答を確保するということをしっかり行っていくという意味で千百十世帯、その世帯に対して、同じ世帯に対して二つの調査をするということで、同じ世帯に対して調査をするということでまたその両方の調査の関係というのもしっかり見ていくことができるというふうに考えてございます。
#85
○浜口誠君 是非、これまでもやっていただいているというのは今日の議論で分かりましたけれども、どれだけ幅を広げるかというのもいろいろ考え方はあると思いますけれども、もう一度、実際の生活保護を受けておられる世帯への調査のやり方ということについては厚労省の中でいろいろ御検討いただいて、あるいは有識者の方の御意見もいただきながら、実態把握って物すごく大事だというふうに思っておりますので、表面的なものではなくて、実際の受給者の方の声を聞くということを基本スタンスに置いて取り組んでいただくことを要望しておきたいというふうに思います。
 続きまして、今回、生活保護基準の見直しによっていろんな国の制度に影響があります。直接影響を受ける国の制度としては、先週金曜日の難波委員の本会議の質問の中でも御答弁がありましたけれども、四十七項目について影響があると。極力影響出ないように国の基本スタンスとしてはやっていくということも御答弁ありましたけれども。
 では、平成二十五年の見直しのときに、具体的に国の、直接、生活保護基準の見直しによって影響が出た制度はあるのかどうか、平成二十五年の実績値として教えていただけますか。ないんならないでいいんですけれども、あるのであれば、どんな制度に平成二十五年の見直しのときにあったのかという事実を教えてください。
#86
○政府参考人(定塚由美子君) 御質問いただきましたのは、直接影響が生じる可能性がある国の制度四十七項目ということについてかと思いますけれども、このような制度については、前回の見直しのときに、平成二十五年二月五日の閣僚懇談会において、できる限り影響が及ばないよう対応するとの政府としての対応方針を確認をしておりまして、このうち、直接影響を受ける国の制度については、生活保護と同様の給付を行っているような制度を除き、影響を受ける制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的な考え方とすることとの対応方針とされていたところでございます。
 この方針に従いまして、当時、それぞれの制度の趣旨、目的、実態を考慮した上で、できる限り影響が及ばないように、影響が及ぶ可能性を確認した上で必要な制度上の手当てを行うよう、これは各制度ごとに国の方でよく内容を確認した上で地方自治体等に通知を行っておりまして、地方自治体においては適切に対応が行われたものと考えております。
#87
○浜口誠君 いやいや、局長、国の制度で、地方自治体のことは後で聞きますので、今、国の制度で平成二十五年度の改定において影響があった制度はあったのかなかったのか。これ事実ですからね、これからのことじゃなくて。二十五年当時のときにも多分同じスタンスで国としては対応されたと思うんですけれども、結果として、いや、影響出たんです、この制度はというのがあったんですか、なかったんですかというのを聞きたいと思います。過去のことですから、事実だけ教えてください。
#88
○政府参考人(定塚由美子君) 先ほど申したように、生活保護と同様の給付を行っているような制度を除きということでございますので、生活保護と同様の給付として、中国残留邦人等に対する支援給付、また、国立ハンセン病療養所等入所者家族生活援護費、ハンセン病療養所非入所者給与金、これらについては生活保護と同様の給付ということで、生活保護の基準の例により給付を行う、つまり影響をさせたというものでございます。
 一方、それ以外のものについては適切に対応がなされたものと考えております。
#89
○浜口誠君 じゃ、当時、二十五年のときは二つ影響があったということですが、全体の、国の影響を受ける、今回でいう四十七と同じ位置付けのものというのは当時は何個あったんですかね。四十七と同じということでいくと、幾つの制度が当時直接影響が受ける可能性があるという整理をされていたのか、聞きたいと思います。
#90
○政府参考人(定塚由美子君) できる限り影響が及ばないように対応した国の制度については三十一ございます。
 一方で、先ほど申し上げた制度については三つですね、中国残留とハンセン関係二つということで、三つがございます。
#91
○浜口誠君 ありがとうございました。
 平成二十五年当時はそういう状況だということですが、今回四十七ということで、先回よりも影響を及ぼす可能性のある国の制度としては増えておりますので、基本方針に従って影響が出ないような対応を極力政府としてもお願いを申し上げたいというふうに思います。
 もう一つあるのが、間接的に、個人住民税のように、非課税限度額みたいなのが、参照して税金等の個人負担軽減を図っていくみたいな、間接的に生活保護基準を参照するような制度については、国の方から約四十項目ぐらい影響があるかもしれないと。ただ、平成三十年については税制面では影響ないけれども、平成三十一年以降については税制改正の中で影響のないようにということで基本スタンスは示されておりますけれども、じゃ平成二十五年のときには、同じような位置付けの間接的に影響が出るものについて、影響があった項目はどの程度あったのかという実績について、先ほどと同じ位置付けでお伺いしたいと思います。
#92
○政府参考人(定塚由美子君) 今御質問いただきましたとおり、間接的に影響を受けるものというのは、個人住民税の課税、非課税の別を活用している制度のことを指してございます。
 こちらの対応方針については、これも今御指摘ありましたけれども、平成二十五年度の影響はなく、二十六年度以降の税制改正の議論を踏まえて対応することということを対応方針とされていたところでございましたが、その後、平成二十六年度の税制改正におきましては個人住民税の非課税限度額については引下げが行われず、その後も生活扶助基準の見直しに伴う改正というのは行われていないところでございます。
 したがいまして、個人住民税の非課税限度額を参照している制度、つまり間接的に影響する可能性のある制度については、二十五年の生活保護基準の見直しによる影響は生じていないものと考えております。
#93
○浜口誠君 ありがとうございます。
 じゃ、是非、今回の見直しにおいても間接的に影響を受ける医療保険等々四十種類ということで言われていますので、今回も先回同様影響のないように、税制改正の対応等でしっかりと対応していただくことを改めてお願い申し上げておきたいというふうに思います。
 次に地方、先ほど局長も触れていただきましたけれども、地方においても独自の制度をいろいろ展開されております。今、国の方からは、その制度の趣旨をしっかりと理解していただいて、地方においても独自制度、独自事業で影響出ないようにということは通達をしていくということを言われていますけれども、実際、先回のときは、地方において独自制度、単独制度で影響があったのかどうか、その辺の把握はされているのかということをまず伺いたいと思います。
#94
○政府参考人(定塚由美子君) 前回の見直しにおきまして、地方自治体で独自に実施している事業への影響につきましては、これは、地方自治体に対して国の取組を説明の上、その趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう依頼することとの対応方針とされていたところでございます。その後、平成二十五年度から数次にわたりまして自治体には国の取組を御説明をして、その趣旨を理解した上で各自治体で判断していただくようにという依頼をしてきてございます。
 こうしたことから、地方自治体が独自に実施する事業については、国の取組の趣旨を理解していただいた上で適切に判断し、対応いただいたものだと考えておりますけれども、このような事業、様々なものがあると考えているところでございまして、こうしたものについての生じた影響、前回の見直しによってどのように生じたかということについて網羅的に把握するということはいたしていないところでございます。
 なお、文部科学省においては就学援助についての影響を一定程度把握をしているというふうにお伺いをしております。
#95
○浜口誠君 先回は、平成二十五年のとき、把握していないということですけれども、これ是非、大臣、やっていただきたいですね。本当にいろいろ、地方は地方で独自制度、単独の制度をやっていますけれども、全体としてどんな影響があったのかというのは、やはりその生活保護の管轄されている厚労省の役割として、是非いろんな省庁も巻き込みながら地方の方に確認を、今回からでもいいんで、是非その把握をお願いをしたいというふうに思います。
 ちょっと最後その点だけ加藤大臣にお伺いをして、終わりたいと思います。
#96
○国務大臣(加藤勝信君) 前回のということになるとなかなか、もう正直言ってまず時期的に難しいということがあると思います。
 それからまた、対象が地方単独事業ということで、国が実施を促している事業ではないという性格がございますので、それを踏まえながら、網羅的な調査でそれぞれ単独事業をやっている地方自治体に負担を掛けるというのはなかなか大変だというふうに思いますが、しかし、網羅的でないやり方というのも当然あるんだろうと思います。
 例えば、サンプル的なやり方を任意で、特に対応していただける、御協力いただける例えば自治体にお願いをしてやっていくとか、何かそういった方法があるのではないかということで、地方自治体の皆さんともちょっと相談をしながら、何がしかの方法によって、今委員御懸念の点がどうなっているのかということを把握できるように、少し検討していきたいというふうに思います。
#97
○浜口誠君 前向きなスタンスを示していただいたというふうに思っておりますので、是非、次の検討につなげていくためにも、今回の影響というのを地方においても把握していただくことをお願い申し上げ、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#98
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 私も冒頭、加計学園の問題について加藤大臣に確認をしてまいりたいと思います。
 是非、これ与党の皆さんも、これ昨日の、愛媛県が開示をいただいた、参議院の予算委員会の要請に基づいて報告をいただいた文書です。中身の確認次第では、これまでの安倍総理、そして官邸、内閣、国会、立法府、国民に対する説明が根底から覆ると、それぐらいの重たい話です。
 加藤大臣の、当時官房副長官として出てきたわけです、名前が。関係していたのではないか、そういったことも含めて、大臣、現在の安倍内閣の一員として、総理が重ねて真摯に丁寧に説明責任を果たすと言われておられるわけですから、これは大臣も是非その前提で事実を明らかに是非していただきたいという観点でお願いしたいと思います。
 先ほど浜口委員からの質問で、何点か事実関係について確認をいただきましたけれども、大臣、重ねて、二月の十四日の土曜日に地元で、加計学園の事務局長だったのではないかというふうに言われた、お会いになったと。加計学園側からの面会要請だったと思われるという御答弁だったと思いますが、確認しますけど、大臣、加計学園とは面会要請があればいつも喜んでお会いする関係だったということでよろしいですね。
#99
○国務大臣(加藤勝信君) 喜ぶとか、そういうちょっと主観的なところはこちらに置かせていただいて、先ほど申し上げた、加計学園とは、卒業式等々に招待を、案内をいただいたり、あるいは加計学園のキャンパスで、例えば留学生含めたいろんなイベントがある、そういったところがあればお呼びをいただいて、そういった方々との交流もさせていただいている、そういう関係にありますから、全く知らない方ではなく一定の交流がある方でありますから、それを前提に事務所においてこうした日程を調整したものというふうに思います。
#100
○石橋通宏君 いや、その種の要請があって面会したのは初めてではなかったという理解でよろしいですよね。
#101
○国務大臣(加藤勝信君) 本件については、先ほど申し上げた、初めてでありますけれども、学園の関係者、学園としてだったり関係者であったり、これちょっといろんなステータスがあったと思いますけれども、ほかにも相談があったように記憶をしております。
#102
○石橋通宏君 ほかにも相談があった。つまり、加計学園とそういう様々な話がある関係だということで、この日も要請に基づいてお会いになった、要請を受けたということだと思います。
 先ほど、構造改革特区、加計学園が今治市で獣医系大学・学部の新設を目指していたことについて、大臣がそのときどこまで認識をされていたのか否かについて少しやり取りがありましたが、大臣、構造改革特区に何度も何度もチャレンジしたこと、これは地元のそれだけの関係がある加計学園がチャレンジして構造改革特区で駄目だったこと、それは御存じでしたよね。
#103
○国務大臣(加藤勝信君) どこまで認識をしていたかということ、ちょっと今記憶にはありませんけれども、少なくとも、ちょっと私の記憶の中においてはやっぱりそのときに説明をいただいたということがしっかり残っているものですから、その前にどの程度認識をしていたか。ただ、この獣医学部の問題というのは、いろいろあってなかなか実現をしていなかったということは承知をしていたというふうに思います。
#104
○石橋通宏君 いや、先ほど記憶が少し曖昧だと言われたと思ったら、今そこだけ鮮明に覚えているみたいな話で、よく分かりませんが。
 それまで構造改革特区にチャレンジをしてなかなか認められなかったということはこの面会以前に知っていた、認識をしていた、何らかの形で認知をしていた、それでよろしいですよね。
#105
○国務大臣(加藤勝信君) 何回もとか、そういう数、どこまで承知していたかというのはありますけれども、加計学園においてそういう希望を持って活動されていたということは承知をしておりました。
#106
○石橋通宏君 認知をされていたんだと思います。
 このとき何を要請されたんですか。当然、具体的な要請があって、チャレンジしているんですよ、駄目なんですよ、何とかしていただけない。具体的に、加藤大臣、要請されたんですね。応援してくれ、サポートしてくれ、何らかの形で支援をしてくれ、そういう要請だったということでよろしいですか。
#107
○国務大臣(加藤勝信君) 具体的な要請事実、何をしてくれというアクション、具体的なアクションについてはございませんでした。ただ、こういう状況で大変、なかなか実現ができずに困っているんだよと、こういうような話だったというふうに記憶をしております。
#108
○石橋通宏君 そういうのがなかったということだけはなぜか皆さん記憶が鮮明になるんですね。具体的な中身は覚えていないと言いながら、いや、そういうことはなかったということだけは皆さん断定されるのが不思議でしようがありませんが。
 わざわざ加計学園がこの件について加藤大臣のところに来られた。当時、官房副長官という立場であられたわけです。これは事実です。何もない、話聞いてくれというだけで来るわけがない。具体的に何らかの支援を、安倍総理につないでくれ、官邸につないでくれ、サポートしてくれ、あったんじゃないんですか。
#109
○国務大臣(加藤勝信君) 今の委員の、例えば官邸につないでくれ、それから安倍総理に伝えてくれと、そういう具体的な話はありませんでした。
 ただ、これまでいろいろやってきたけれどもなかなか現状前に進まないんだと、こういうような苦労というか悩みというか、そういったもののお話は聞いた記憶がございます。
#110
○石橋通宏君 では、その具体的な支援が何らか言葉の中ではあっただろうと推測をしますが、それについて、加藤大臣、その後何らかのアクションを取られなかったんでしょうか。先ほど、浜口委員に対しては、その後、安倍総理にも報告をしていない、誰にも言っていないというような話でしたが、本当に誰にも何にも言っていないんですか。何らかのアクションを、加計学園に対して、わざわざ会いに来てくれた、わざわざ相談を受けた、何らか困っておられるようだ、当然加計学園に対して何らかサポートされたんじゃないんですか。
#111
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、先ほど具体的な要請はなかったと明確に申し上げております。要するに、そうした悩みというかそういった思いが示されたと、なかなか難しいですねと、そういったところで終わったというふうに思っておりますから、私としては、それ以上のものでもないわけでありますから、具体的に何か動くということにもなっていない。
 当然、また本件は、私に対する、言わば地元でそれぞれつながりがあるという中で加計学園の事務局、多分事務局長だというふうに思いますけれども、方がおいでになられたということでありますから、その限りで、私限りで当然受け止めたということであります。
#112
○石橋通宏君 先ほど確認した、それだけの地元の大切な加計学園ですね、要請を受けたりいろんな活動に参加をしたりという御関係がある。にもかかわらず、困っておられる加計学園に何もしなかった、誰にも話さなかった。相当冷たい感じがします。なかなかそう言われても、全く何もしなかったということの方が政治家加藤勝信さんとしての対応として信じられないところなんですが。
 加藤大臣、そのとき以前に、その時点ででもいいです、その以前でもいいです、加計理事長と安倍総理がいわゆる腹心の友であったことは御存じでしたね。
#113
○国務大臣(加藤勝信君) つながりがあることは、つながりってそういう、その腹心の友かどうか分かりませんけれども、そうした言わば友人関係というんでしょうか、そういった関係であることは承知をしておりました。
#114
○石橋通宏君 加藤さんも当時、そして今、加計理事長とお友達ですか。
#115
○国務大臣(加藤勝信君) 友達という定義の問題でありますが、私ももちろん知っておりますし、何回かお会いをしたことはございます。
#116
○石橋通宏君 であれば、加計学園がこういう状況である、加藤当時官房副長官のところにわざわざ困っていると言いに来た。それを安倍総理に官房副長官として報告もしない、つなぎもしない、何にもない。重ねて、その方が大変不自然なように感じます。
 重ねて、加藤大臣、全くこの件について、加計学園のこの獣医学部新設、そういう問題について、安倍総理ないしは官邸の中で一言も誰とも、この件について報告もない、この件について相談もない、全くその後も働きかけはしなかった、断言されてよろしいですか。
#117
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたように、具体的な御要請があったわけでもございません。状況について、こういう話だよねというところで終わったわけでありますから、当然、その後、何らかのアクションといいますか行動、こういったものはございません。
#118
○石橋通宏君 ここは、国会のこの委員会、大切な場です。今の大臣の発言、全くなかった。要請が具体的にあったかどうか、それはそれとして、困っている加計学園の対応として、加藤当時官房副長官、何らかの対応、その後フォローされたのか、報告も本当にされなかったのか。今大臣、全く何もしなかった、誰にも言わなかった、誰にも報告しなかった、そういう御答弁だったということでありますので、今後また何らかの記録なり出てきたときにどういう対応されるのか。そのときには、大臣、責任を取られるということでよろしいですね。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) そうした証拠をもって御指摘いただきたいと思います。
#120
○石橋通宏君 そういうところになると言葉濁されるわけですが、ここまで立法府に対して断言されたわけですから、そうではない事実が出てきた暁には、それはきちんと大臣としての責任は果たしていただきたいということはお願いをしておきたいと思います。
 済みません、ちょっと一つ聞き忘れたので、最後にもう一件だけ。加計学園と様々な関係があるとおっしゃいましたが、大臣、これまで加計学園から政治献金、パーティー券の購入、どれぐらい受けていただいているでしょうか。
#121
○国務大臣(加藤勝信君) 様々なということじゃなくて、先ほど申し上げたようなつながりがあるということを申し上げております。
 それから、ちょっと全部を確認しているわけではありませんけれども、少なくとも私の政治資金報告書等々を確認した限り、そうしたものはございません。
#122
○石橋通宏君 ないということで、これも答弁いただきましたので、その辺も今後また事実関係確認をしてまいりたいと思います。
 これ、今日もほかの委員会でも様々取り上げられていると思いますが、重ねて、冒頭申し上げましたように、今我々、閣法もこうやって審議をさせていただいておりますが、閣法審議の前提は、やはり今の内閣、政府に対して、国民、信頼が置いていいのかと。これまでの立法府に対する答弁やら提出した資料やらが全部ひっくり返る、そんな話になれば、当然、閣法の審議なんて前提条件が崩れます、根底から。だから、我々はこの問題、深刻な問題だということで取り上げさせていただいておりますので、これ安倍総理の責任、説明責任も含めてしっかりと我々追及をさせていただきたいということを申し上げたいと思いますし、こんな状況でまさか働き方改革関連法案が衆議院で強行採決なんて絶対にないというふうに、あってはならないというふうに思っております。大臣も重々、担当所管大臣として、それは与党の皆さんとじっくり、そんな国会運営をやるなということも含めて対応いただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。
 それでは、以上を申し上げまして法案の審議に入ってまいりたいと思いますが、今日、この生活困窮者支援法等改正案の具体的な中身の審議に入ります前に一点だけ、先週の一般質疑で積み残した課題なんですが、これ間接的には生活困窮者云々に関わる話なので、ちょっとこの機会に改めて取り上げさせていただきたいと思います。
 それは、大臣、パワーハラスメントの根絶の問題です。なぜ関連するかというと、もうこれ大臣ちょっと認識を改めて確認したいんですが、現在、残念ながら、パワハラの被害で仕事が続けられなくなる、健康被害があったり、様々な事情でもう働けなくなる、そういった現場の状況がますます悪化しているのではないだろうか、そういう我々懸念、心配を持っております。つまりは、これまで元気に働いていたのにパワハラ原因で働けなくなって、一気に生活困窮者、貧困状態に陥ってしまうという事例が現にあるということを考えれば、このパワハラの今の現状の認識、そういった問題があるんだ、増えているかもしれない、これはしっかりと政府、厚生労働省としても認識をしなければいけないと思いますが、大臣、まずこの辺の御認識、問題の大きさ、深刻さ、程度、こういったことについてどういう御認識をお持ちか、確認をさせてください。
#123
○国務大臣(加藤勝信君) まず、セクハラ等々を含めてこういったハラスメント、パワハラもそうでありますけれども、そうしたことによって、今委員御指摘のような、働く方々が働く意欲を喪失したり、また働けない状況になっていく、言わば働く環境が悪化をしていくと、こういったことはあってはならないという、こういうまず基本的な認識でございます。
 その上で、状況の方ありましたけれども、例えば相談件数等々を見てもこれは増加をしているということ、これははっきりとしているというふうに思いますので、そういった意味において、特にパワハラについては、現在それを、パワハラそのものを規定する法律等はございませんから、これについて検討会を設置をいたしまして、検討会で議論いただいたこと、そこでは具体な収集、分析も行った上で、労働政策審議会において、これは事業所の、何といいますか、事業所の中だけではなくて対外との問題も含めて御議論をいただくことにしているようなところであります。
#124
○石橋通宏君 大臣、例えば今、過労死の問題、それから過労自殺の問題、引き続き残念ながら深刻です。様々な対策を、対策防止法を含めて打っていただいていますが、残念ながら過労死、過労自殺、なかなか減少していきません。
 特に、二十代の若い世代で過労自殺が多いという状況、大臣、これ御認識でしょうか。その原因、二十代で過労自殺が多い、これ、多分にそういったパワハラ、ハラスメント、こういったものが精神的な、特に若い世代の精神的な部分に大きな影響を与え、残念なそういう状況を招いているのではないかと。ここの点なんか特に大きな深刻な問題だと思いますが、大臣、御認識どうですか。
#125
○国務大臣(加藤勝信君) 過労自死の中において、そうしたパワハラ含めて、職場環境における様々なストレスと言ってもいいかもしれません、そうした影響が大きくその要因として挙げられているという事例、これはあるというふうに思いますし、また若い方の事例の中においてもそういった事例もあるということも承知をさせていただいているところでございますので、いずれにしても、そういった意味からも、この職場環境という、もちろん長時間労働の問題、これは別途いろいろありますけれども、それのみならず、特に精神的な場合においてより顕著なのかもしれませんが、職場環境を良好な環境に維持をしていくというためにおいても、このパワハラの問題、これにはしっかり取り組んでいく必要があると、こういうふうに思っております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
#126
○石橋通宏君 今、大臣、長時間労働だけではなくということを言及いただきました。
 今回、働き方改革がこれだけやっぱり国民的な要請になった一つの要因は、やはり電通の高橋まつりさんの過労自殺の件。これも、その後の様々な調査で、長時間労働だけじゃなかった、パワハラもあった、こういった事実も発覚をしています。むしろ、我々は、パワハラの方が深刻な影響を与えたのではないだろうかと、そういう問題意識も持っています。
 だから、大臣、先ほど、検討会でこの間まとめていただいた、今後また議論を進めていく、そういう発言はありましたけれども、遅過ぎるんじゃないかと。もう既に二年も三年も前から、二〇一二年に円卓会議をやって、円卓会議で既にパワハラ防止をやっていかなきゃいけないということが出ているわけです。それからもう六年です。この間も様々パワハラによる健康被害、命の問題、発生してきたにもかかわらず、今ようやく検討会で、今後議論していきましょうと。大臣、遅過ぎる。今この時点でも現場でパワハラで苦しんでおられる方がいる、命を失うかもしれない、そんな瀬戸際におられる方がいるかもしれない。であれば即刻法的な措置を講じる必要があると思うんです。
 連休前に、当時の連休前の民進党、希望の党として、パワハラ規制法案を参議院に提出をさせていただいております。私ども、これはもうとにかく喫緊の課題で、これなくして本当の働き方改革はない、実現し得ない、大事なピースが閣法には含まれていないという、そういう思いでこの対案も出させていただいております。この点を是非与党の皆さんにも問題意識共有をいただいて、一刻も早くパワハラの規制、これしっかりと国民的課題としてやっていくんだということを大臣にもこの場をお借りして改めて訴えておきたいと思いますので、是非大臣としてのリーダーシップも含めてよろしくサポートのほどお願いを申し上げたいというふうに思いますので、今後、大臣の方での取組も重ねてお願いしたいと思います。
 それでは、閣法の議論ですけれども、今日は最初に生活困窮者支援法の改正案の関係でいろいろと議論を進めてまいりたいと思います。もう冒頭、小林理事から様々な論点について取上げをいただきまして、重なる部分もありますが、更問いで少し深掘りをしていくことも含めて進めていきたいと思います。
 大臣、私も昨年の十一月に高知で開催をされました生活困窮者自立支援全国研究交流大会、出席を初めてさせていただきました。後ほど山本理事も恐らく、山本理事はもう毎年のように参加をされて、毎回のように参加をされて、様々問題共有をいただいておりますが、私も改めて、全国で本当に多くの団体の皆さん、NGOの皆さん、NPOの皆さん、本当に真摯に御努力をいただいて、問題意識を共有し、課題を共有し、それをどう改善していくのかという議論をあれだけの規模で本当に本当に真摯にやっていただいていることに感銘を受けましたし、現場の御努力に敬意を心から表したいというふうに思います。だからこそ、今回の改正の中身もそれが具体的にどう実効性ある形で担保できるのか、現場の皆さんの御努力に報いることができるのか、本当に皆さんすごく期待をされております。
 ですから、法案の条文の意味もそうですが、今後具体的にどう運用していくのか、そこがすごく大事な肝だと思いますので、そういったことも、現場の皆さんに希望を持って安心して頑張っていただけるように、この参議院でもしっかりとした質疑、やり取りを、お願いを重ねてしておきたいというふうに思います。
 その意味で、まず基本的なことですが、二年余り運用をいただいて、今、じゃ、この生活困窮者支援法、支援制度の対象となるいわゆる困窮者というのが我が国において一体どれだけの規模、どれだけの人数存在をしていると。つまり、この法案の現行の第二条に当てはまる対象者が一体どれだけ潜在的におられると厚生労働省としてこの二年間の営みを通じて理解をされ、その中で四十五万人という規模がどういうことなのかということを考えておられるのか、まずそこをしっかり共有したいと思いますので、御答弁をお願いします。
#127
○政府参考人(定塚由美子君) この法律で対象となり得る生活困窮者の方ということでございますが、この方々の状態像、非常に多様な状態像でございます。また、支援についても、断らない支援ということを標語として行っておりますので、必ずしも一定の状態像を示すことができるものではないため、その数や地理的な分布、理由などについて一概にお示しするということはなかなか難しい状況でございます。
 したがいまして、主なものということで審議会でも議論した方々を御紹介をいたしますと、福祉事務所来訪者のうち生活保護に至らない方、これ約三十万人でございます。また、ホームレスが約〇・六万人、離職期間一年以上の長期失業者の方が約六十七万人、引きこもり状態にある方が内閣府の推計によれば約十八万人という状況でございます。このほかにも、税や各種料金の滞納者、多重債務者、そのほか多様な困窮を抱えた方がいらっしゃるというふうに考えてございます。
#128
○石橋通宏君 今、厚生労働省作成、今日お配りはしておりませんが、資料でその数字は出していただいておりますが、その根拠がいまいちよく分からない、福祉事務所に来訪者のうち生活保護に至らないもの云々。私が確認しているのは、この第二条、「現に経済的に困窮し、」と、「最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」ということで第二条に定義を置いていただいているわけです。ということは、全国に設置をいただいている自立相談窓口、じゃ、そこにおいて相談に来られた方がこの定義に当てはまるのか、制度の対象となるのか。それが統一的にちゃんと、さっき局長、一概には言えない。でも、ちゃんとした基準を置いていただかないと、いや、あなたはこの二条当てはまらないから対象ではありませんというような対応をされていないのか。断らないと言われたけれども、それは、対象になると判断をされれば断らないんだろう。でも、いや、あなたは困窮されていないですよね、今というような対応がされていないのだろうか。
 だから、現行制度の下でこれがどう解釈をされ、現場で運用され、それが統一的に、こっちでは認められるけれどもあっちでは認められないというような格差が生じていないのかということを確認するためにお聞きしているんです。
#129
○政府参考人(定塚由美子君) この支援の対象としてどういう人を対象としているか、あるいは、御指摘いただいたように、相談に来られたけれども断っていないかということなどについて、数として、データとして把握するということはいたしておりません。
 ただ、先ほど申したように、全国の支援者の中では、この制度の発足当初から、困窮あるいは課題を抱えた方にできるだけ寄り添って、断らない相談支援をしていこう、こうしたことはかなり浸透しておりますし、我々としても、研修で常に常に申し上げさせていただいているところでございます。
 そうした中でも、やはり自治体間格差あるいは支援団体の格差というものはあろうかというような声もあったものですから、今回、定義や基本理念というものも明確化いたしまして、こういう方々については生活困窮者自立支援法の支援対象になるよということを明確にして、もう一度、いま一度全国の支援者の方々にお示しをしていきたい、このように考えているところでございます。
#130
○石橋通宏君 いや、ということは、局長、いや、大臣でもいいですが、今回定義を変えられた、変えるというか、明確にされたと言われるのかもしれないけれども、やはり現行の「現に経済的に困窮し、」、これだけでは、結局これだけが判断基準にされてしまいかねない。そこで線を引かれてしまうと、経済的ではない理由、今回の調査でも、経済的では直接ない方々も相談に来られているというふうになっている。であれば、先ほど私が懸念を示したように、これだけが定義だと、今、現時点においては窓口でひょっとすると、いや、あなたは対象ではないと蹴られている人がいるかもしれない。
 いや、そうじゃないんだと。この制度が対象とするのは、経済的な理由だけじゃない様々な幅広い理由で生活が困窮している、そういった方々にきちんと対応し、断らない、むしろ広く窓口を開いて、そしてできるだけ早めに、早い段階で相談に来ていただいて、そして対応いただいて、いろんなサポートをしていくんだと、そういう趣旨で今回定義を変えられるということだということなんでしょうか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#131
○政府参考人(定塚由美子君) 今まさに石橋委員から言われたとおりと考えておりまして、審議会でもそのような議論があった上で、定義、基本理念についてしっかりと明記していきたい、このような議論がされたところでございます。
#132
○石橋通宏君 ということは、四十五万人これまで二年間で、これ今日資料一でお付けしておりますが、これ、大臣、当初、目標値、KPI作っていただいていますね。それからいくと、残念ながら相当低いです。相談件数もそれからプランの作成件数も、目標の半分ないしは三分の一しか残念ながら現時点で達成されておりません。
 大臣、この点についてどのような課題認識をお持ちなのか。現場で多くの皆さん頑張っていただいているんだけれども、相談件数が目標値に至っていないということは、今申し上げたような定義上の問題があったのではないか。若しくは、先ほど来話があった、相談に来れる人は来ていただけるんだけれども、来れない多くの方々が窓口に来れていない、つまりは制度の手が差し伸べられていないという問題があるということで、課題として大きいということは認識をされているんでしょうか、大臣。
#133
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどのまず定義のことでありますけれども、この定義によって対象者が拡大するというよりは、そうした状況に陥った背景を具体的に書くことによってその理解を共有していこうと、こういう趣旨でございますので、それは委員の御主張と軌を一にしているものというふうに思います。
 それから、目安の関係でありますけれども、国の目安に対する率というのは、例えば平成二十七年が三六、二十八が三九、二十九が三八と、こういう状況でありますが、他方で実績値は、二十七年が五万六千、二十八年度が六万七千、二十九年度が七万一千と、これ上がってきております。
 なぜ、じゃ、国の目安の率が低いかというと、国の目安に対して十万人当たり一か月の値に換算したもの、二十七年は十件といったもの、一つを一年ごと引き上げていきまして、最終的には平成三十年度まで十三件とさせていただいているところでありますから、そういった意味で、目安を引き上げるに比べて実績がある意味では付いてきていないということは、これは真摯に受け止める必要があると思います。
 その上で、この支援実績の高い自治体に対する補助に当たって、これを適正に評価をしていく、あるいは、プラン作成件数などの全国の状況を言わば見える化して、他地区においてもそうした対応を促していく。こういったことをしっかり進めていくことによって、こうした目標値に向けてその相談件数等が上がっていく、失礼、これ今プラン作成件数でありますが、プラン作成件数が上がっていけるように取り組んでいきたいと思っております。
#134
○石橋通宏君 これ平均値なので、人口十万人当たりにならした。恐らく、これ自治体間で、例えば九百一設置自治体で、福祉事務所を置いているところ、それは全部九百一で分類していただければ相当、今大臣も言っていただいた格差が現場で生じているのではないかと。順調にやっていただいているところ、体制整えていただいているところは相談件数も、アウトリーチも含めてやっているかもしれない。でも、なかなか整っていないところは恐らく実績が相当低いままで、現場の御努力があるのではないかというふうにも思います。
 であれば、どうでしょう、局長でも結構です、これどこまで、じゃ、四十五万人相談者、プロファイルがはっきりちゃんと記録をされ、厚生労働省にも報告があり、それを国として分析をされているのか、ちゃんと。自治体ごとの分類がどうなのか、理由がどうなのか、年齢、性別がどうなのか、どういう理由でそういう状況になっているのか、そういったことをちゃんと、四十五万人もの方が相談に来られているわけです。十二万件のプラン策定していただいているわけです。それをしっかりとプロファイリングして、データベース化して、どういう傾向があるのか。特に、苦しんでおられる、頑張っておられるんだけれどもなかなか大変だという自治体にこそ支援を差し伸べていただかなきゃいけないわけで、そういったところがどこでどういう状況にあるのかというのを厚生労働省でちゃんと把握をいただきたいわけです。局長、それができているんでしょうか。
#135
○政府参考人(定塚由美子君) 今御質問いただきましたような、四十五万人、例えばこれまでの四十五万人について、どのような地域で、どのような理由で、状況でといったようなプロファイリングは残念ながらできていないところでございます。
 現在、個々の相談者に対してのいろいろな情報を自治体とともにデータベースとして管理するためのシステム化、順次図っているところでございまして、こうしたデータも活用しながら、また、先ほど大臣から答弁申し上げましたけれども、プラン作成件数や支援実績などについて、自治体それぞれが全国の比較で客観的に把握できる仕組みもつくるということとしておりますので、御指摘いただいたような観点から、どのようなデータが蓄積、分析できるかということを考えてまいりたいと思っております。
#136
○石橋通宏君 今後検討いただけるということだったので、ここ、大臣、是非、大事なことだと思います。今後の更なる改善なり、次なるステップに向けて具体的に分析をちゃんといただくこと、データを常に把握していただいて、これ大変現場にも御負担お掛けしますけれども、でも、制度の目的から鑑みても大事なことだと思いますので、ここは是非、大臣、リーダーシップ取っていただいて対応いただき、今現状できていないということですので、しっかりとやっていただきたいと思います。
 その上で、これ先ほど小林理事が取り上げていただきましたので確認をしたいと思いますが、やはり担い手の皆さん、本当に頑張っていただいている皆さん、スキルアップも必要ですし、体制の強化も必要だと思いますが、まさに自治体によってはなかなか人手が足りない、人材が確保できないという問題で相当苦しんでおられます。
 そういった方々への支援やっていかなきゃいけないわけですが、やっぱり一番大きいのは、小林理事が取り上げていただいた、委託事業の契約が多くは一年で切れてしまう。一年ごとの更新で、ひょっとすると契約が受けられない、切られてしまうかもしれない。当然、雇用の契約も一年、ぶつ切りでということになれば、せっかく現場で頑張っていただいて、スキルも身に付けよう、研修も行きたい、訓練も行きたい、もっといい形で提供したいと思っておられるのに、一年でどうなるか分からないということでは安心して安定的に御活躍をいただける環境にないと。本当に現場の強い強い声です。
 先ほどの答弁、ちょっと分からなかったんですが、これ、契約の見直しも含めて、現場で頑張っていただいている方が継続的に安心して安定的に御活躍をいただける環境をつくっていくんだということでよろしいんでしょうか。
#137
○政府参考人(定塚由美子君) この点につきましては、生活困窮者自立支援制度の改正について議論をした審議会においても論点となりまして、議論された点でございます。
 報告書におきましては、施行後三年と間もない状況において、その着実な実施、浸透を図っていくためには、事業における支援の質や、積み上げてきた信頼関係の継続性の確保や、質の高い支援が行うことができる従事者の養成、確保等が重要であるということ、また、事業における支援の質や継続性の確保等の観点から、マニュアルの改正などにより自治体に対してその委託に当たっての留意点などを示すべきであるとされているところでございまして、こうした点を踏まえまして、本年三月一日に開催をした全国主管課長会議の場で、委託先の選定に当たっての留意点ということで、今審議会で御指摘いただいたような点、具体的には、事業の質の維持の観点から、これまでの事業の評価結果を踏まえたものとすること、また、自治体の契約のルールも踏まえつつ、事業の継続性の観点にも留意をすること、事業の内容を中心とした総合的な評価を行うことが事業の質の維持等の観点から適切であって、価格のみの評価を行うことはその観点から必ずしも適切でないことなどを自治体にお示しをしたところでございます。
#138
○石橋通宏君 それは、事業者、委託をする先の事業者の観点で今いろいろ対策言われたのかもしれない。一人一人の担い手の観点で何をしていただけるのかということを我々確認しているんです。事業者はそれはいろいろあるかもしれない。でも、一人一人の担い手が、まさにスキルも経験も積んでいただいた担い手が突然、契約切れたから放り出される、それじゃいかぬでしょうというふうに申し上げている。じゃ、一人一人の担い手にフォーカスをした何らかの策を講じるということになっているんですかというふうに聞いているんです。局長、それは何らか手当てがあるんでしょうか。
#139
○政府参考人(定塚由美子君) 今委員から御指摘いただいたような、まさに一年契約だと一年で使用者の雇用が切られてしまうといったような観点も含めて審議会の方で議論をされておりまして、やはりこれ、継続的に支援者が支援をしていただくためにはそもそもその支援者の属するNPOなり支援団体が継続的に事業を続けていくということが必要であるという観点から、先ほどのような指示を課長会議でしたというところでございます。
#140
○石橋通宏君 いや、先ほどと答弁変わらないので。
 だから、事業者に対する云々は分かりましたと申し上げている。それでも事業者が何らかの理由で変更したり替わったり、若しくは事業自体が立ち行かなくなったり、いろんなケースがあり得るでしょう。でも、そういうときに、一年、二年、三年、四年、ずっと積み上げていただいた貴重な人材がどうその後も活躍をいただける環境を担い手の観点で担保できるのかということをどう支援をしていくのかということでお聞きしているので、答弁ありませんので余り考えておられないのではないかというふうに思いますが、これも是非、ちゃんとそこに焦点を当てて、今後のその議論の中で、担い手の安定的、安心して活躍をいただける環境の整備という観点でしっかりと併せて議論をいただきたい、そのことは要望しておきたいというふうに思います。
 相談事業についてもうちょっと何点か確認をしておきたいと思います。
 資料の三、これは厚生労働省の提出をいただいた資料で、相談があって様々なプランがあって、先ほど、相談四十五万人、でも、プランの策定に至った方は約十二万人ということです。
 これ、大臣、十二万人、四十五万人と十二万人のギャップ、三十三万人あるわけですが、これ、プラン作成が必要なのにプランの作成に至っていない、そういうことはもちろん当然だけどないと、基本的には、皆さんプランを作って、必要な自立に向けた支援、応援を、サポートしていくんだという前提でやっている。でも、まあ十二万人だと。これも先ほどのギャップでいけば、目標値、KPIからいったら三分の一なわけですが、とすると低い水準にとどまってしまっているということですが、どうなんでしょう、現状、プラン作成の人については、全員、全ての事業者においてちゃんとプランは策定しているんだという断言ができるんでしょうか。
#141
○政府参考人(定塚由美子君) そうですね、断言ができるか言われると、なかなかもう、全員パーフェクトにやっていますという答弁までなかなかする自信というものはないわけでございますけれども。
 ただ、前提といたしまして、相談に来られた方とプラン作成の人、四十五万人と十二万人という差がございますけれども、この間には、当然、委員も御承知かと思いますけれども、相談、情報提供をしたらそれで対応できたという方、あるいは、そもそもこの方は生活保護の適用がふさわしいということで生活保護の窓口につないだであるとか、ほかの適当な機関につないだと。まあつなぐということも大変重要なことでございまして、こうした対応をしているという方も多くおられます。
 我々、自治体から聞いている限りでは、相談があって、そのままいわれなくプラン作成をせずに放っておいたというのはほとんど見られず、必要な支援、情報提供、つなぎの方はしっかりしているというふうに考えているところでございます。
#142
○石橋通宏君 この辺も是非、先ほどお願いをした四十五万人のプロファイリングも含めて精査をしていただく中で、自治体間で格差が生じていないだろうか、困っておられるところはないだろうか、そういったことのサポートをやっていただきたいと思いますが。
 もう一つ確認なんです。プランを作られるということは当然目標を設定されるはずです。どういう状況、どういう形になれば、もうこの制度は必要ない、支援から卒業いただける、安心して今後継続的、持続的に生活を営んでいただける、そういう判断が必ずあるはずです。ここの表でいうとそれがよく分からないんですが、一体これまで、じゃ何人、プラン作られた十二万人のうちの何人がある意味その制度から卒業していただくことができたのか、自立していただくことができたのか。制度の効果として、これ六万人が就労、増収した。でも、これをもって卒業なんですか。そういう判断なのか、そうではないのか、そこを確認させてください。
#143
○政府参考人(定塚由美子君) 生活困窮者自立支援制度におきましては、自治体や自立相談支援機関が開催する支援調整会議の結果を踏まえまして、目標としていた自立達成のめどが立った場合、あるいは、生活困窮状態の脱却までには至っていないが大きな課題が解決するなどした場合などに個別の支援プランに基づく支援を終結するということとしているところでございます。
 このプランの終結ということについて全国的なデータまでは集約できておりませんが、平成二十八年度に百十九自治体を対象に実施したアンケート調査によりますと、プラン評価の結果、終結した方の割合六八・六%となっているところでございます。
#144
○石橋通宏君 これ、是非集約してください。
 これもまさに、この制度で具体的にどのような運用実績、運用状況、運用実態になっているのか、どこにどれだけ課題があるのか。例えば終結まで至っていただいた方がどういう、これもまた自治体間格差がひょっとすると生じているかもしれない、そういった分析に、まさにこの制度の目的は、脱却、自立をしていただくことがアウトプットですから、それに至った方が一体どうなのかということは、これはやっぱりちゃんと把握をしていただかないと、この表に盛り込んでいただかないといけないと思いますので、これは是非今後の対応の中でしっかり把握をしていただきたいというふうに思いますが、これ、大臣、それでよろしいですかね。
#145
○国務大臣(加藤勝信君) 今まさに、こうした自立支援の事業がどういう効果を収めているかということも評価ということにもつながるわけでありますから、そうした形のもの。ただ、どういう形でやれるかというのはいろいろあると思います。先ほど委員がおっしゃったプロファイルだけで全部が分析できるわけではないというふうに思いますし、それから更に言えば、一回離脱した方がその後どうされたかというのもやっぱりある程度はフォローしていく必要も、今委員の御質問を聞きながら、あります。
 ただ、それもどこまでやれるかという、ただ、やりようについてはいろいろ検討しなければいけないと思いますが、そうした部分も含めて対応していくことの認識というのはしっかり持たせていただきたいと思います。
#146
○石橋通宏君 今大臣に大事な点、触れていただきました。まさに次それを聞こうとして、大臣、答弁いただきましたので。
 就職できたから終わりだというんじゃないはずなんです。まさに、やっぱり定着がどうなのか、本当にそれをもって安定的に収入を得ていただいて、そして自立していっていただけるのか。やはり、なかなか困難な状況に置かれていた方々だからこそ、じゃ就労したから終わりではなくて、その後継続的にモニターサポートもしていただいて、本当に大丈夫だと言っていただけてそこで初めてということなんだと思うんです。なので、ひょっとしたら三か月したらまた窓口に戻ってこられているかもしれないと。昨日担当の方に聞いたら、いや、実際にそういうケースがあるかもしれませんというのは認めておられた。そういうことも含めて、局長、これ是非しっかりとしたウオッチを、就労その後の状況のフォローも含めて対応いただいて今後につなげていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 もう一つ、先ほどこれ局長に生活保護の件、触れていただきました。この法律の議論、最初にさせていただいたときに、我々重ねて、この困窮者支援制度が新たな水際作戦になってはいけないと、絶対に。要は、生活保護を受けさせないために全部こっちに持ってきて、本来は生活保護まず受けていただくべき方々が、そうじゃないんだといって窓口で蹴られてこっちの方に持ってこられる、そんなことあっちゃいけないよねと。むしろ、困窮者支援制度の窓口に来ていただいた、そこで、いや、まずとにかく生活保護受けていただくべきだと、生活保護受けていただいて安定をまず確立していただくべきだという判断したときには是非そうしてくれという議論をさせていただいて、そういう対応をいただいたと思いますが。
 資料によると五万人が生活保護の窓口につないでいただいたというふうにありますが、確認をしたら、窓口にはつなぎましたが、その後どうなったか分かりませんという説明を受けました。大臣、こりゃいかぬでしょう。窓口につないだ、でも、だから、そういう方だからこそ、じゃ窓口につないでその後どうなったのか、受給に至ったのかそうではないのか、そうではなかったら、じゃ、どう支援していくのか、それ分からなかったら、たらい回ししちゃいけないですよね。ところが、実態は、つないだけどその後はフォローしていませんというお話でした。
 大臣、これ事実でしたらゆゆしき事態だと思いますが、どうですか。
#147
○国務大臣(加藤勝信君) 多分、事務局から事前の御説明の中でそういうお話があったんだろうというふうに思います。
 この推計で五万人の方が福祉事務所の生活保護窓口につないでいっているわけでありますけれども、その後、結果として生活保護の受給に至ったかどうかという具体の数字、今把握しているところではございません。ただ、保護の申請をしたが、要件が満たず却下となった場合は福祉事務所が生活困窮者自立支援の窓口である自立支援機関へつなぐということにされているわけでありますから、仕組みとしてはそうなっているところでございます。
 また、生活保護につないだ後の状況を把握するための調査ということがございます。これまた個人情報ということにもなりますから、その受給の有無についての情報提供を受けるには、Aさん、Bさんということになれば本人の有無が必要になると思いますが、ただ、その本人、Aさん、Bさんでなくてもう少しマクロ的な数字の取り方もあるのかもしれません。
 その辺を含めて、どういう形でやっていって、まさにこれも効果の把握の一つの手段でありポイントだというふうに思いますので、そうした方法がどういう方法があるのか、実際、対象、実践おやりになる自治体の事務負担という問題もありますから、自治体ともよく御相談しながら今委員の御指摘の点については検討させていただきたいと思います。
#148
○石橋通宏君 今回の改正案でも、いろんな部署の連携強化というのがうたわれているわけです。まさに生活保護の受給が必要なのではないかと窓口で判断されたその方がその後どう、行政側としての対応としてしっかりとそのサポート、フォローができているのかいないのか、そこは現場でちゃんとやっていただかなきゃいけない。それをさっき大臣も言われたマクロとしてちゃんと把握をしていただければいいわけで、Aさん、Bさんを全部厚労省本省で把握しなくてもいいわけです。でも、それをきっちりやっていただくためにはどういう連携、協力があるのか、そこはちゃんと確認をいただいて必要に応じた御指導もいただきたいということなので、そこは是非、またこれも局長、是非やってくださいね。お願いします。
 最後に、就労準備支援事業について、これも小林理事からもお話がありました。我々も、今回残念なのは、我々かねてからずっと必須事業化すべきだというお願いをしてきました。議論もしてきました。なぜ今回必須事業化されなかったのか、ここもう本当に残念でなりません。やっぱり自立に向けて安定的に働いていただくことがこれもう最大限重要です。基礎、基本です。であれば、様々な自治体の状況があるのは重々理解をしますが、むしろ必須事業化をしていただいて、そして、必ずこれやってくださいと、大事なんですと、そういう取組を現場に促す、そして、その支援を都道府県そして国でもしていただく、こういう形をやっぱりつくっていただくべきだったんだというふうに思います。
 特に一つ、認定就労訓練事業について、事業者が増えている、自治体が増えているって宣伝されますが、実際にその利用者五百人ちょっとです。なぜ、じゃ、事業者が千以上もできてきているのに実際に使っていただいている方が五百人なのか、なぜそこにとどまってしまっているのか、これ課題認識があろうかと思いますし、今回どう改善されるのか、そこだけ少し最後確認をしておきたいと思いますが、これどう具体的に、利用者を増やしていく意味も含めて、今回の法案で措置がされるんでしょうか。
#149
○政府参考人(定塚由美子君) 認定就労訓練事業でございますけれども、平成二十九年十二月末時点で千二百三十八事業所となっております。利用者の方は定員合計三千二百六十一人でございますけれども、利用者はまだまだ低いという状況でございます。
 その理由でございますけれども、都道府県において民間事業所への認定就労訓練事業の認定を受けてもらうべく働きかけをしているものの、現場の事業所からは、就労支援担当者を置く人的余裕がない、また、認定を取得することについて直接的なメリットがない、申請の手続が面倒である等の理由が示されております。一方、利用者が利用できない理由でありますけれども、近くにこのような事業所がないという点が最も多い理由として示されているところでございます。
 このため、本法案におきましては、認定訓練事業所のインセンティブとして、国と地方公共団体が優先発注を行うことの努力義務規定を創設することとしております。あわせて、申請手続が面倒であるという声もありますので、この点の運用面の見直しも検討しているところでございます。
#150
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 積み残し、済みません、いろいろありましたが、また次回にさせていただくこととして、質問終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#151
○委員長(島村大君) 午後零時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ─────・─────
   午後零時五十分開会
#152
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#153
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 予算委員会に提出されました愛媛県の資料に関連いたしまして、先ほどの質疑を聞いておりましてどうも腑に落ちないというところを確認したいと思うんですね。
 提出された資料によりますと、二月十二日、県、今治市との間で加計学園関係者と意見交換会を行ったと。この記載はどうだったかというと、安倍首相と同学園理事長との面会が実現していないと、だから、官邸へ働きかけを進めるために、二月中旬、加藤内閣官房副長官との面会を予定している。
 先ほど、大臣は、ぼやきみたいなことで、ぼやきのような話を聞いたという印象を受けたんです。せやけど、目的はっきりしていて、安倍首相と加計学園理事長と面会が実現しないから官邸への働きかけを強めたんだと、その相手があなただったんだということだと思うんですよね。そして、それが二月十四日に実現して、あなたはお話を聞いたという経過だったと思うんです。
 その際、お話を聞いただけだということだったんだけれども、この流れからいえば、安倍首相と同学園理事長の面会を頼まれたことはなかったのか。どうですか。
#154
○国務大臣(加藤勝信君) その場において、今のお話も含めて具体的な要請はなかったというふうに記憶をしております。
#155
○倉林明子君 二月十四日、お会いになって、このときにぼやいたのは加計学園と違うんですよね。加藤内閣官房副長官が大変困難な事態だということで、四つ、はっきり言えば三つですけれども、述べているんですよ。困難だということで述べたのはあなただったというふうにこの愛媛県の文書を見るとよく分かります。
 その上で、その後、二月二十五日、間を置かず首相と理事長の面談が成立した。困難な、なかなか忙しいという総理に結果として会えているんですよ。総理に面会の要望があったと、これ伝えたとしか思えない。事実もう一回確認したいと思いますが、どうでしょう。
#156
○国務大臣(加藤勝信君) まず、このやり取りで、済みません、私の方でメモを残していないんで、当時の記憶、どういうやり取りがあったかというのをつまびらかにすることはできませんが、今委員御指摘のは、まさに伝聞の話ですよね。加計学園からこう聞いたということが書かれていたということをもって言っておられると思いますけれども、基本的には、加計学園の方から、これまでやってきたけれどもこれが大変厳しかったと、そういったお話があって、それに対して、それをベースに話をさせていただいたということでありますので、あと、細かいちょっとやり取りまでは正直記憶にはございません。
 それから、今、総理への、それは先ほど答弁したような気がしますけれども、それに対して、加計学園の方から具体的な要請、今お話があった総理と加計理事長との面会等々含めて一切ありません。
#157
○倉林明子君 あとは本当に総理の質疑の中で真実を明らかにしていく必要があると思います。
 メモ、記録を見れば、経過は、あなたがきっかけとなって安倍総理の面談が、理事長との面談が成立したと、これ見れば自然にそう受け止められる記録になっているということは重ねて指摘をしておきたいと思います。
 それでは、法案の質疑に入りたいと思います。
 私、本法案を審議するに当たって、忘れることができない事件があります。それは京都で起こりました事件で、二〇〇六年、認知症の母親殺害、心中未遂事件であります。母親を殺害した息子さんというのは、京友禅ののり置き職人さん。もう不況で、やっぱり仕事を、失業するということになりまして、派遣会社で勤めながら認知症のお母さん見ておられたということです。ところが、認知症進むということで、介護と仕事の両立が困難となりまして保護申請ということになったんだけれども、この保護利用が結局断られてできなかった、挙げ句の果てにこういう事件を起こしたというものだったんです。
 これに対して京都地裁は、判決文で、結果は重大だが、行政からの援助を受けられず、愛する母親をあやめた被告の苦しみ、絶望感は言葉で尽くせないというふうに言いまして、日本の生活保護行政の在り方が問われていると言っても過言ではないと言ったんですね。私、政治家の一人として、市会議員しておりました、この当時。二度とこんな事件、あってはならないと強く思いました。
 ところが、この事件の八年後です。社会復帰された彼が、事件から失業を契機として再び生活困窮に陥って、そして自殺ということになったんですね。行政や親族にも相談することなく亡くなっていたということが分かりました。余りにも悲しい人生の結末だと、言葉を失いました。
 生活保護行政を所管する大臣として、この事件についてはどんなふうにお思いでしょうか。
#158
○国務大臣(加藤勝信君) そもそも、そうした生活保護申請を受給できない等々があって、愛するお母さんを自らの手で殺すというか、心中、殺害をするということ、そして、御本人も心中をしようと思ってもそこまでは至らなかったという、そこでも、それだけでも大変な痛ましい事件だというふうに思いますけれども、今委員からお話がありました、それから八年、復帰をした、しかし、残念ながらそれがうまくいかずに、そしてまた最終的には御本人も自殺をされてしまうということ、これ本当に二重、三重の意味で痛ましい事件だというふうに思います。亡くなられたお母様、そして御本人の方のお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
 生活保護に携わる者、これは制度が適切に運営していくというためにも、常に保護を受ける方の立場や心情、あるいは状況、そうしたことをしっかりと理解をし、把握をし、そして支援が必要な人に確実に保護を実施をしていくんだと、こういった姿勢が大切であるというふうに思いますし、また、そうした皆さん方は自ら申請をし得るという状況にない場合もあるわけでありますから、民生委員等と関係機関との連携によって、生活に困窮する者の情報が福祉事務所につながるよう、要保護者の発見、早期の発見、これに努めていくことが必要だというふうに思います。
 平成二十五年に、まさに今御審議もいただいております、断らない支援を目標に生活困窮者自立支援法が成立をして、これは生活保護と、そしてこの生活困窮者自立支援制度、この重層的なセーフティーネットという形で構築をされたところでございますし、今回の改正でも、生活保護の実施機関と、また生活困窮者自立支援の実施機関、この連携をということが規定をされ、そしてその連携をしっかり図り、情報の適切な共有を図っていくということにもされているところでありますので、こうした取組を通じて、保護や支援を必要としている方に確実に支援の手が届くように、また、先ほど御指摘があった、そうした事件が二度と起きないようにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#159
○倉林明子君 二度と起きないように、そういう取組にしていく必要があると私も思います。
 二〇一三年の生活保護法の改正では、親族の扶養義務の強化が盛り込まれると同時に、不正受給に対するペナルティーの強化ということで、最大不正額の四割の加算が可能になったわけです。保護費からの天引きができるようになりました。取扱いは国税徴収法によるということになりまして、これ自己破産しても免責されない。不正受給に対しては厳しく対応するということが強まったわけです。
 これ現場にどういうことをもたらしたかというと、不正受給者の発見、さらには不正額の徴収努力と、こういうことが求められるようになったわけですね。職員と利用者、この対立関係が起きやすくなっているんじゃないかと、こういう指摘もあるんですけれども、この実態つかんでいるでしょうか。どうぞ短く端的にお願いいたします。
#160
○政府参考人(定塚由美子君) 今御指摘いただいたように、二十五年の法改正においては、不正受給対策の強化という形で、生活保護法七十八条一項に基づき不正受給分を費用徴収する場合に徴収額の上乗せを可能とするとともに、保護費と調整、相殺できるという規定を設けたところでございます。
 この改正について、改正を機に職員と利用者の対立関係が起きやすくなっているというような声、当方で聞いたことはないところでございます。
#161
○倉林明子君 よくつかむ必要あるなと思うんですね。
 さらに、今回の変更というのが、現場のケースワーカーと利用者との関係ということでいうとかなり影響も出るんじゃないかということ懸念しているんです。
 現在の返還規定に加えまして、不正受給と同等に、払い過ぎた保護費が判明した場合、これについても、本人同意は前提とするということになっていますが、強制的な徴収、これ可能とする規定になっております。
 確認したいと思います。法第六十三条に基づく返還で免除が認められているものは現在何か。そして、これ、なぜ認めているのか。
#162
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護法第六条の費用返還でございますけれども、急迫の場合や、資力はあるものの直ちに活用できない場合に保護を開始して、その後、資力が換金されるなどして最低生活に充当できるようになった場合に、当該資力を限度として支給した保護金品の返還を求めるという規定でございます。
 この費用の返還額でございますけれども、原則として支給した保護金品の全額を返還額とすべきでありますが、こうした取扱いを行うことが当該世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については、本来の要返還額から自立のためのやむを得ない経費を控除して返還額を決定する取扱いとして差し支えないこととしておりまして、具体的には、家屋の補修など申請があれば保護費の支給対象となるもの、また、当該世帯の自立更生のためのやむを得ない用途に充てられたものであって社会通念上容認される程度のものなどを示しておりまして、保護の実施機関において各被保護世帯の状況に応じ適切に対応されているものと考えてございます。
#163
○倉林明子君 つまり、不正受給とは異なる対応が可能ということになっているんですね。資力がある、あるいは調査が間に合わない、そういう場合でも急迫な事態には保護を掛けるということをそういう意味では担保するという機能もあると思うんですよ。自立更生のためにそういう柔軟な対応を可能とすることができているということだと思うんです。
 この六十三条の適用をめぐって、保護の実施機関の間違いによって過払いされた保護費の返還、これの根拠にしているという場合が大変問題になっております。生活保護費の過誤払について、資力の確認、免除の検討がないまま全額返還の決定、これ六十三条を根拠にしているという実態はどれだけつかんでいるんでしょうか。
#164
○政府参考人(定塚由美子君) 現在、福祉事務所の算定誤りにより過誤払があったという場合、生活保護費が多く支給されたという場合も、基本的には法六十三条に基づく返還を求めているところでございます。
 この場合も、先ほどお答えしたとおり、原則として支給した保護金品の全額を返還額とすべきでございますが、こうした取扱いを行うことが世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については、当該世帯の自立更生に充てる費用を控除して返還額とするという取扱いとしているところでございまして、この点、事務監査も行っておりまして、算定誤りなど福祉事務所の瑕疵と想定される理由により返還金の徴収を行っている場合には、この自立更生に充てる費用の免除の状況を含めて確認を監査においてしているところでございます。
#165
○倉林明子君 実は、機械的に、六十三条を根拠にしているんだけれども、機械的に全額返還、この一番最初の対応をしているということが問題になりまして、裁判で負けるというケースが相次いでおりますね。
 保護の二〇一六年の和歌山市の事例ですけれども、障害児四人を含む五人の子供を持つ母子家庭、ここが、児童手当、特別児童扶養手当ということで、本人は正しく申請していたんですよ。ところが、役所の方が五年間これ見落として収入認定していなかったと、時効が成立した分除いて三百六十八万円超える過誤払額、これ全額の返還決定処分やったんです。これ二回にわたって処分の取消し裁決という判断が下っております。
 保護実施機関の過誤払について、不正受給と同等の徴収処分がされることはあってはならないと思いますけれども、参考人、短く、あってはならないかどうかだけお願いします。
#166
○政府参考人(定塚由美子君) 今回の改正におきまして、生活保護費の返還債権がいわゆる破産管財人によるへんぱ行為の否認権の行使の対象となって、他の債権に優先して福祉事務所が回収することができない事例が生じているとされたことを踏まえまして、法七十七条の二を新設をして、六十三条の返還金を国税徴収の例により徴収することができることを規定することとしたところでございます。
 しかしながら、審議会の報告書も踏まえまして、厚生労働省令において、今申し上げました七十七条の二により国税徴収の例により徴収できる場合から福祉事務所の算定誤りによる返還は除外する方向で検討しているところでございます。
#167
○倉林明子君 いや、できる規定、今のその債権については、国税徴収法に基づくような強制的な返還をできる規定を法律で作るわけですよね。ところが、省令で変更も可能。要は、除く規定は省令だということになるわけですよ。
 確認したい。そもそも生活保護法第五十八条では、生活保護費は差押禁止となっているはずであります。生活保護費からの天引き、これやることになるわけですけれども、禁じられた差押えに当たるんじゃないですか。
#168
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護法については、御指摘いただいたように、既に給与を受けた保護金品やこれを受ける権利を差し押さえることがないという規定が置かれているところでございます。
 一方、生活保護費の給付は全額公費で賄われており、公費を負担する国民の制度に対する信頼を確保するためにも、生活保護費に係る返還金債権について確実に徴収するということは必要でございまして、今回の改正案により、資力等がある場合に受けた生活保護費に係る返還金については、被保護者の申出に基づき、保護の実施機関が生活の維持に支障がないと認めた場合に限り、保護費との調整を可能としたものでございます。
 この差押規定との関係という御質問でございましたけれども、この今回の効果が及ぶ範囲はあくまで資力等がある場合に受けた保護費の返還金であって、かつ自ら申出をした生活保護受給者であるということ、また、こうした方から確実に費用を徴収することは全額公費で賄われている生活保護の適正な運用の一環として必要不可欠であること、保護費から差し引く金額についても保護の実施機関が最低生活の保障に支障がないと個別に判断した範囲にとどめること、また行政争訟の道もあること等の理由から、差押禁止規定との関係においては問題がないと考えているところでございます。
#169
○倉林明子君 いろいろ言うんだけれども、要は、生活保護費から前もって天引きするということは、最低生活基準という、また最低生活の基準というのは何なのかという議論を改めてしたいと思うんだけれども、その最低生活基準さえ下回る給付でよいということになるんですよね。それは、私、憲法二十五条、これにも触れるようなことになりかねないと。今でさえ六十三条を機械的に運用して裁判で負けるというような運用がまかり通っているからこそ懸念しているんだということをしっかり受け止めていただきたいと思います。
 更に確認したいのは、生活保護を利用している者に対して、この保護で認められた居住用の不動産、あるいは通院、通勤のための自動車に対してもこれ差押えということでやるのかどうか。更に懸念されているのは、保護廃止された者に対しても差押えの対象ということあり得るのか。簡潔にお願いします。
#170
○政府参考人(定塚由美子君) 現行の不正受給に係る費用徴収、第七十八条関係でございますが、これにつきましても、被保護世帯の保護金品及び最低生活を維持するに当たって必要な程度の財産の徴収は行わないということとしております。
 今回の法第六十三条の返還金の費用徴収に当たっても、これと同様の対応とするということを考えております。このため、御質問いただいたような生活保護受給者が保有を認められている動産であるとか不動産については、これは最低生活の維持に必要なものであることから、滞納処分を行う対応とすることは考えていないところでございます。
 また、生活保護を脱却した方についてどうかということでございます。これ滞納処分の対象となり得るわけでございますけれども、滞納処分の執行などをすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるときには、国税徴収法により、滞納処分の執行停止を行う対象となり得るということでございます。
 こうしたことについては、これからしっかり保護の実施機関に対して必要な周知徹底図ってまいりたいと考えてございます。
#171
○倉林明子君 大事なところなんですね。国税徴収法では生活困窮に陥るような差押えやってはならないと、これ議論もした経過もありますけれども、生活保護の払い過ぎた分を取り返すというときに、これ徴収するとき一番現場には徹底してほしいのは、国税徴収法の例によればきちんと生活困窮に陥ることがないような取扱いが必要なんだと、この考え方についてはくれぐれも現場に徹底をしていただきたいと思う。
 法律でできるという、差押えもできるというような規定を拡大するということに結果としてはなるんですね。私、いろいろ慎重に運用するとしても極めて危険が大きいということで問題だということは指摘しておきたいと思います。
 次に、生活保護行政をめぐって昨年一月発覚した小田原市のジャンパー事件、社会問題にもなりました。小田原市では、有識者と市職員から成る生活保護行政のあり方検討会、これ立ち上げられまして、昨年四月に報告書を提出されております。この検討会の目的を、生活保護利用者の権利を守ることにある、これ前提として確認されて議論が重ねられました。そして、具体的な五つの改善策と、その先も見据えた報告になっております。
 報告書では、ジャンパーこそ作らなくとも、同種の問題が全国のあちこちで起きているかもしれない、この指摘はそのとおりだなと思って読ませていただきました。今後の生活保護行政の在り方としても、厚労省も大いに私参考にすべきじゃないかと思います。大臣、どうでしょう。
#172
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の小田原市の検討会の報告では、ケースワーカーについて援助の専門性を高める研修、利用者の視点に立った業務の見直し、ケースワーカーが職務に専念できる体制づくり、自立支援の取組の強化など改善策が述べられ、示唆に富む内容になっているというふうに思います。
 特に、支援が必要な人に対して確実に保護を実施し、生活保護制度を国民の信頼に応えるものにするには、福祉事務所において中心的役割を担うケースワーカーの資質の向上と、またケースワーカーを支える組織的な体制の確保が課題であるというふうに思います。
 厚生労働省においても、全国的規模でケースワーカー、あるいはケースワーカーを指導する立場にある者への研修を実施していく、また必要なケースワーカーが適切に配置されるよう地方交付税上の算定人員の増員を図っているところでありますけれども、今後とも、ケースワーカーの皆さん方が意欲と誇りを持って職務に当たっていただけるよう、適正な実施体制の確保、そして資質の向上、取り組んでいきたいと思います。
#173
○倉林明子君 取組は強化しているということですけれども、このケースワーカーの問題で確認したいと思うんです。
 検討会の中でも、生活保護担当職員の置かれた環境に焦点を当てて、不正受給の摘発が目的していた、こういう指摘していること重いと思うんです。加えて、ケースワーカーの標準数が充足していないということについても言及している。全国に通ずるんですよね、この課題は。だからこそ取組もしているということで、今お話あったと思います。
 総務省がこの問題についても調査を、行政評価局が行っているということです。生活保護に関する実態調査、二〇一四年にされていますが、標準数を満たさない福祉事務所、全体で何か所で、充足率の状況というのはどういう結果だったんでしょうか。
#174
○政府参考人(泉宏哉君) お答えいたします。
 総務省が平成二十六年八月に公表いたしました生活保護に関する実態調査の結果では、平成二十四年において現業員数が配置標準数を満たしていない福祉事務所は、調査対象としました百二事務所中六十七事務所あり、全体の充足率は八〇・九%でございました。
 なお、六か所の福祉事務所におきましては現業員の充足率が五〇%以下でありました。
#175
○倉林明子君 そうなんですね。全体八〇ということだけれども、五〇パー以下のところもあった、こういう実態があると思うんです。
 そこで、厚生労働省は二〇一六年、福祉事務所人員体制調査というのをやっているわけですが、ここで充足率九〇・四%というのが出ているんです。そういうふうにトータルで見れば高いんだけれども、今の総務省の調査のように、半分を下回っている、五〇パーだ、六〇パーだと、こういう福祉事務所がどのぐらいあるのかというのは厚生労働省はつかんでいますか。
#176
○政府参考人(定塚由美子君) 私どもの方で二十八年十月現在での調査を行っております。その内容、その中では、今御紹介いただいたように、充足率は全国平均で約九〇%ということでございますが、福祉事務所ごとの充足率の分布などの集計はしておりませんので、標準数の五、六割の福祉事務所がどのぐらいあるかという点においては把握していないところでございます。
 配置標準数に満たない福祉事務所の割合、これは約三割となっているところでございます。
#177
○倉林明子君 全国で、先ほど裁判で負けているというふうに紹介もしたけど、過誤払が問題になって、その要因として指摘されているのは、やっぱりケースワーカー足りないということ。日野市や多摩市、この報告書でも指摘がされております。
 ケースワーカーの増員が自治体で確保されるよう努力をしているんだという大臣の答弁ありました。私、国の責任、極めて重いと思います。生活保護行政をしっかり必要な人が必要に応じて受けられると、孤立しない、そういう支援をする要となるものですから、その責任を十分に果たしていただきたいと思います。
 そこで、小田原市の検討会が改善策の一つとして提言したのが保護のしおりの見直しなんです。これ一枚物でそのページだけ付けましたけど、全体では八ページ立ての簡単なパンフレットになっているわけです。これ見ていただきますと、利用者の義務の前に利用者の権利、これが記されているんです。私、様々なところでしおり見ていますけど、こういう権利が明記されたというしおりは、不服審査のことまで書いてあるんですね、こういうことも含めて書かれているって画期的なものだなというふうに受け止めました。
 改めて、これ全国のスタンダードモデル、参照とすべきじゃないかと思うんです。いかがでしょう、大臣。
#178
○国務大臣(加藤勝信君) こうした保護のしおりのお話がありましたけれども、生活保護の相談時に丁寧な説明をするということは大変大事だというふうに思います。
 窓口対応の適切な実施については、これまでも毎年開催される全国都道府県会議等を通じて周知をしていく、あるいは国や都道府県等の監査においても適時確認し、適切な対応がなされていない事例があった場合には是正改善指導を行う、こういったことで引き続き保護が適正に実施されるよう努めていきたいと思います。
 保護のしおりについては、これは各自治体、まさに小田原がそうであるように、独自の工夫でいろいろしていただいておりますから、全国一律で見直すということ、これは慎重な検討が必要だと思いますが、ただ、こうした適切な事例を必要に応じて共有していくということ、そして保護の確実な実施が図られるようにしていくということ、これは大変大事だと思っておりますので、こうした事例も含めて周知等に努めていきたいと思います。
#179
○倉林明子君 生活保護は恥だという、これが保護利用の大きな抑制、自殺に行ってしまった最初の京都の息子さんの話もそういうところあるんですよ。そういう生活保護は恥だという国民感情を助長することにつながるんじゃないかと思ったのが、今度の薬剤の、後発薬の使用原則化というやつなんです。私は、こういう観点からも、選択する機会を奪ってしまうようなことにつながるし、やっぱり差別にほかならないと思っております。この点は、時間なくなりました、撤回を求めて、終わります。
#180
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は、生活困窮者等の自立を促進するため、生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案についての質問ということでありますが、先日も本会議で言わせていただきましたとおり、やっぱり生活保護、特に生活保護というものは本当に支援を必要とする人をしっかりと支えていく、そういったものにしていかなければなりませんと、そのためにも、やはり国民の制度への信頼を守っていくために厳格な運用を行っていかなくてはなりませんということを申し上げさせていただきました。
 私は今も大阪府大阪市というところに住んでおりまして、大臣も御存じかと思いますけれども、大阪府は全国で一番生活保護の多い地域でもありますし、もちろん大阪市も全国で生活保護の最も多い地域であります。
 先日、衆議院の厚生労働委員会では、参考人招致ということで吉村市長も参考人としてこちらの方へ来させていただきました。大阪の現状というのは、生活保護の受給世帯が、現在十一万五千世帯が生活保護ということです。保護率ですけれども、全国では大体一・六七%とかと言われておりますけれども、大阪市の保護率というのは五・二%というふうなことで、大阪市の当初予算ですけれども、二千八百二十三億円ということで、大阪市の一般会計に占める割合でいうと一五・九%、約一六%を占めるわけですね。それだけ生活保護の方が多くて、それに対する市の財政負担もかなり大きいというのが現状であります。大阪市では、大体生活保護率は、これ平成二十七年度でも五・五%なんですけれども、大阪市の中の西成区というところがありまして、ここへ行きますと二四・四%ということで、四人に一人ぐらいが、生活保護を受けておられる方が多いというような現状になっております。
 それだけ、私としましても、この生活保護の問題、大阪は特に多かったと、大分改善はされてきておりますけれども、非常に多くて、不正受給の問題だとか、それから貧困ビジネスの問題だとか、そういったことを多くの方から問題を指摘をされてまいりました。それだけ関心も高いわけでありますし、そしてまた、市民にとっては不公平感、こういったものも結構あるというふうなことで、ただ、今は改善されつつあるわけですけれども、まだまだこういった状況にあるということであります。
 そんな中で、生活保護費もどんどんと、これから高齢者が増えていくことによって生活保護費も増えていくんだろうというふうに思っておりますが、まず、社会保障費全体について伺いたいと思いますけれども、政府としては、新たな財政健全化計画をめぐって、二〇一九年度から二〇二一年度の三年間の社会保障費の伸びについて具体的な数値を示さない方針であるというふうなことで報道がありました。
 現行の二〇一六年度から二〇一八年度の三年間については、骨太二〇一五に基づいて社会保障費の伸びを高齢化の伸びに抑えるという方針が取られて、三年間で一・五兆円に抑えるという数値目標が置かれたわけですけれども、今回報道でありましたように、二〇一九年から二〇二一年度については数値目標を示さないというふうなことでありますけれども、これはなぜ数値目標を示さない方針なのか、まず加藤大臣にお伺いをしたいと思います。
#181
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました骨太二〇一八において今後の社会保障関係費の伸びの在り方についても議論が行われているわけでありますけれども、現時点において具体的な内容が固まっているものではないというふうに承知をしているところでございます。
 数値を示すか示さないかにかかわらず、社会保障の持続可能性を確保するためには、必要な給付やサービスを維持向上しながら不断の努力、改革努力を行っていくということが必要でもありますし、国民のQOLの向上とともに、中長期的な視点からは医療、介護需要の増加の抑制が図られるよう、予防、重症化・重度化防止、あるいは医療、介護の提供体制の改革などに取り組んでいるところであります。
 ただ、これまでも申し上げておりますけれども、かつて社会保障費の伸びを抑制するため機械的なキャップを掛けて抑制するという手法が取られ、国民生活に様々な副作用をもたらしたという面があったということはしっかり認識していく必要があるというふうに思います。
 いずれにしても、そうした点を踏まえながら、今後しっかりとこの議論をさせていただきたいと、我々としては議論に参加していきたいと、こう思っております。
#182
○東徹君 二〇一六年からの三か年で年間五千億円、三年で一・五兆円伸びを抑えるという方針でこれまでやってこられたわけですから、少子高齢化が進む中で国民が将来的な不安、そういったこともやっぱりある中で、社会保障費の増加というのは非常に関心の高いところだというふうに思うんですね。社会保障費が伸びていくと当然国民の負担もそれに伴って増していくわけでありますから、じゃ、どういう状況にあるのか、来年、再来年、そのまた次の年というふうなことで、やはりどういう目標でやっていくのかという、まず目標を作るという、目標数値を作るというふうなことは私は大事だというふうに考えるんですが、大臣、是非、数値目標をこれは示すべきというふうに思っておりますけれども、先ほどの答弁にもありましたけれども、私は是非目標を決めるべきだと思いますので、是非目標を決めて公表していただきたいなというふうに思います。
 続きまして、生活保護費のことについてでありますけれども、先ほども申し上げましたように、高齢化の影響を受けてこれから恐らく生活保護全体も伸びていくだろうと。その中で、一定程度医療扶助費もこれ増えていくことになるというふうに思っております。
 今、雇用環境が改善しておりますので、就労が進んでいけば受給者自体も多少減少していく部分もあるんではないのかなというふうには思っておりますが、医療扶助については、これは自己負担がない分、必要以上の頻回受診の問題、それからモラルハザードも起きやすいということから、医療費以上にどのように抑制していくのかということを検討し、対策を行っていく必要というのは非常にあると思うんですね。
 先週金曜日の十八日の本会議でも、大臣は、生活保護費の将来推計については正確に見通すことは難しいという答弁をされましたが、昨日、二十一日の経済財政諮問会議においては、生活保護費を含めた二〇四〇年度までの将来推計というものが厚生労働省の方からこれ示されました、報道でもかなり大きく出ておりましたけれども。昨日の経済財政諮問会議で示された推計というのは単に機械的に算出したもので、正確な見通しではなくて大臣の答弁とは矛盾しないということかもしれませんけれども、総理が議長である経済財政諮問会議に示すものがそれでいいのかなというふうに思うわけですが、昨日示された将来推計の位置付けや答弁との整合性についてお伺いをしたいと思います。
#183
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護費も含めて、あるいは医療扶助費もそういうことになりますけれども、この生活保護受給者数あるいは世帯構成の変化、また、先ほど委員からお話がありました、就労がどうなっていくかという経済情勢、あるいは個人の資産の状況、扶養関係など、様々な要素の影響を受けるということで、将来の負担金の状況をそうしたことを踏まえて見通すことはなかなか難しいということを申し上げさせていただきました。
 他方で、昨日公表した社会保障費の見通しにおける生活扶助費等については、これはもうまさに機械的な試算ということで、GDPに対する比率が将来にわたって変わらない、また、医療扶助費及び介護扶助費については国民医療費、介護給付費全体に対する生活保護分の比率が将来にわたって変わらない、こういう仮定を置いた中で試算をさせていただいたということでございますので、それぞれの、何といいますか、様々な状況を反映したという形においては非常に難しいと。しかし、機械的な試算としてはこういうやり方があるという、機械的試算をした結果としてはこういう数字があるということをお示しをさせていただいたということであります。
#184
○東徹君 当然、正確な数字というのはそれはなかなか出にくいのはやっぱりよく分かります。それは経済の状況だとかそういったもので左右される部分もあると思いますので。
 ただ、やはりある一定の仮定に基づいて将来推計をやっていくというのは大変大事だというふうに思っておりまして、私はかねがねから、やっぱり将来推計出すべきだというふうなことをいろんな場面で言わせていただいておりました。やはり今の現状に基づいて将来どうなっていくのかということを示すことによって、じゃ、これから何をやっていくべきなのかということを考えて手を打っていくということがやっぱり大事だと思うんですね。
 よくゆでガエルという言葉を使う人もおりますし、そしてまた私なんかはよくタイタニック号を思い出したりとかするんですけれども、船が徐々に徐々に沈んでいくんですけれども、船が沈んでいるかどうか分からない。分からない中で、音楽を聴きながら、そしてまたワインで乾杯しながらやっている。でも、徐々に徐々に徐々に沈んでいっていて、気が付いたときには手遅れだったと、こういう状況はやっぱり駄目だというふうに思っていまして、やはり今の現状をしっかりと見据えて、将来どうなっていくのかという予測を立てて今からその対策を打っていくというふうなことが大事だというふうに思います。
 医療扶助費についてですけれども、医療費同様に推計ができるというふうに思いますし、今後どのように推移すると考えているのか、どのように適正化していこうと考えているのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#185
○国務大臣(加藤勝信君) 医療扶助費、これは御承知のように、平成二十八年度の実績では事業費ベースで一兆七千六百二十二億円と、生活保護費全体の約四〇%、半分を占めているということであります。あっ、失礼、四八ですね、ごめんなさい。約四八%を占めているということであります。
 医療扶助費の推計については、先ほどの生活保護費全体と同じように、様々な要因を踏まえながら、そして将来を見通す、これがなかなか難しいということでありますけれども、昨日公表いたしました社会保障給付費の見通しにおいては、医療扶助費については国民医療費に対する医療扶助分の比率が将来にわたって変わらない、こういう仮定で機械的に推計をいたしました。足下、二〇一八年度は一・九兆円、二〇二五年度は二・三兆円、二〇四〇年度には三・二兆円から三・三兆円になるというふうに推計をしているところであります。
#186
○東徹君 そうやってある一定の数字を置けばこうやって出てくると思いますので、是非そうした形で今後も将来推計をやっぱり示していっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、ジェネリック医薬品の原則化についてお伺いしたいと思いますけれども、五月十八日の本会議でこの点について質問した際、大臣からは、患者の希望のみを理由として先発医薬品を給付されることはないというふうな答弁がありました。ジェネリック医薬品については、私もお医者さんから聞かれたときも、ジェネリックでいいですよとか、また調剤薬局行ったときも是非ジェネリックでというふうなことをいつも言わせていただいておるんですけれども、それはやっぱり少しでも医療費を抑えたいという、国民感情としてやっぱりそういった方というのはたくさんおられるんだろうというふうに思っています。
 実際に、医療機関で受診する際ですけれども、医師との間でどのような薬を処方するかなどの会話になることもあって、その際に患者が先発医薬品を希望することもこれできるわけであります。今回の原則化というのは、医師の出した処方箋が先発医薬品としていないことを前提に薬局等において薬剤師が原則としてジェネリックを給付するというものであって、医師と患者との間で、患者の希望に基づいて医師が処方箋を出せばこれ先発医薬品の給付、先発医薬品が給付されるということになると思うんですが、まずここ確認したいんですが、それでよろしいんでしょうかね。
#187
○政府参考人(定塚由美子君) 今回、後発医薬品の使用原則化ということについては、医師、歯科医師が医学的知見から後発薬の使用が可能と判断する場合は、原則として後発医薬品により医療の給付が行われるということにしております。
 なお、その際、薬局に在庫がない場合というのは、これは先発を給付するということになると考えております。
#188
○東徹君 ちょっと通告していなかったかもしれませんけれども、医師との話合いの中で、私どうしても先発医薬品でないともう嫌なんですと、嫌なんですというふうに言った場合は、これはどうなるんですか。
#189
○政府参考人(定塚由美子君) これまさにケース・バイ・ケースで、医師の方が判断するということになろうかと思います。そこのところで医師の処方権というものは認めているという制度でございまして、特に生活保護の場合、お聞きすると、心身の御不調があってどうしてもやはりこの薬でないと不安があるという精神疾患の患者さん、そうでない場合も含めて、不安感を感じているという方も多いというふうに聞いておりますので、そういう不安感を持つ患者さんが医師のところでどうしてもこれじゃないと不安ですということを言った場合には、恐らく医師の方はそれを処方されるのであろうと思いますし、そこのところは医師と患者の関係ということになるのかなと考えております。
#190
○東徹君 そうすれば、医学的見地であればいいんですけれども、医学的見地じゃなくて、もう私は先発医薬品でないと駄目だという場合には、いや、もうジェネリックにしてくださいねということになるんでしょうかね。
#191
○政府参考人(定塚由美子君) もちろんあくまでも医学的知見から後発薬の使用が可能と判断する場合にはということでございますので、医師が先ほど申し上げた不安というようなことなども含めて医学的知見から考えるということでございます。(発言する者あり)
#192
○東徹君 もう一回答弁してもらっていいですか。済みません。
#193
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘いただいたとおり、医師が医学的知見から判断する場合はということなので、あくまでも医学的知見から患者さんと会話した上で医師が判断される場合ということで、何にも理由がなく患者がいろいろ言われても医学的知見からの判断というのは出ないというふうに考えております。
#194
○東徹君 ということは、医学的な知見でなくて、ただ単に本人の、何というんですかね、都合というか、何かよく分かりませんけれども、とにかく先発医薬品でないと駄目だという場合は、いや、この場合は駄目よと、ジェネリックにしますよということになるということでよろしいんでしょうかね。
#195
○政府参考人(定塚由美子君) 何度も同じことを申し上げるようでございますけれども、あくまでも医学的知見に基づいて判断した場合ということに限られていると考えております。
#196
○東徹君 何となく分かりました。
 医学的な知見であればジェネリックじゃなくて先発医薬品になるけれども、医学的な知見でないならばジェネリックになりますよと、そういうことだろうというふうに思うんですが、私は、そういった医師と患者さんとのやり取りがそういったところであるのかなというふうに思っておりまして、先日、大臣にも質問させていただいたということでございます。
 続きまして、生活保護者等の就労について伺いたいと思いますけれども、総務省の労働力調査によりますと、今年三月の完全失業率ですけれども、二・五%ということで、これは完全雇用に近い状態にあるわけでありますが、過去と比べるとかなり就労しやすいこれ環境に今なってきているということが言えるわけですけれども、そんな環境の中で、生活保護受給者の就労の現状がどうなっているのか、年代等によってこれは違うと思うんですが、違いが生じているのか、伺いたいと思います。
#197
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者全体に占める就労している方の割合につきましては、平成二十七年は一二・七%となっておりまして、世界金融危機などの影響が顕著になる前の平成二十年の九・七%から上昇してきているところでございます。
 一方、この中で、その他の世帯に属する生活保護受給者のその他の世帯というのは、当時の失業者等を含むと言われる分類でございますけれども、この分類の生活保護受給者に占める就労者の割合でございますが、平成二十七年は二五・三%となっておりまして、世界金融危機等の影響により二〇・四%までに落ち込んでいた平成二十二年よりは回復はしておりますが、一方で、その前の平成二十年の二八・〇%までには回復をしていないという状況でございます。
 また、このその他の世帯に属する生活保護受給者に占める就労者の割合、年代別に見ますと、二十代は平成二十七年で三五・二%となっておりまして、平成二十二年の二七・五%から上昇して、平成二十年の数値、三五・〇%近くまで回復をしておりますけれども、三十代、四十代、五十代についてはそれぞれ二十七年では三〇・四、三二・三、三二・四ということで、平成二十二年よりは上昇しているんですが、その前の平成二十年の数値までには回復はしていないという、このような状況でございます。
#198
○東徹君 障害とか病気などの事情がないのがその他の世帯ですよね。その他の世帯の数を見ると、リーマン・ショック以前と比べても多く、六十五歳以上の高齢者のみならず、現役世代についても雇用環境の改善ほど就労が伸びていないという状況だということだと思うんですけれども、これはどういった原因が考えられるんでしょうかね。
#199
○政府参考人(定塚由美子君) いろいろな原因が考えられると思いまして、正確に分析しているわけではございませんけれども、その他の世帯の中で、単身者、お独り暮らしの方の就労率だけ見ますと、かなり二十年に近い水準まで回復をしておりまして、特に回復をしていないのが親一人子一人世帯の二人世帯の三十代から五十代のところのお子さんでございます。こうしたお子さんは、実は半数が障害や傷病を有しているということで、親御さんが高齢者でお子さんが障害というような方もその他世帯に分類されておりますので、こうしたところの就労率というのが十分回復していない、あるいは数が増えているということかなと考えております。
#200
○東徹君 特に若年層を中心にできるだけ多くの働くことができる生活保護受給者が就労して、生活保護を受けなくてもいいように支援をしていくというのは非常に大事だと思うんですが、就労意欲を高めていくために就労自立給付金などの制度がこれ導入されておりますけれども、この給付金について、支給率が四割を下回るというふうなことで、就労支援事業の対象者三十四万人のうち、九万人はまだ参加の余地があるのかなというふうに見ておるわけですけれども、ただ、今後、厚労省として、これ、新たな対策を考えているようですけれども、その効果というものをどのように見込んでいるのか、お伺いをしたいと思います。
#201
○政府参考人(定塚由美子君) 今御紹介ありましたように、二十五年の生活保護法の改正によりまして、保護受給中の就労収入を仮想的に積み立てて生活保護を脱却した場合に一定額を支給するという就労自立給付金、創設をしているところでございます。
 今回、実施状況を把握したところ、実際に受給した方へのアンケート調査では、制度を知って就労意欲に変化があったという回答、約六二%となるなど、一定程度の効果が認められる。ただ一方で、御指摘ありましたとおり、就労自立給付金の支給を受けなかった世帯、これが就労による保護廃止世帯のうち約六割に上るなどの課題もございます。こうした中には、就労後すぐに保護廃止となったために仮想的積立期間がなかったなどの理由も含まれているところでございます。
 このため、この就労自立給付金につきまして、仮想的積立期間がない場合にも受給することができる最低給付額というのを新たに設定をして、就職後すぐに保護脱却となった方も給付対象とした上で、現在の制度ですと、積立期間が長くなるほど積立率が逓減する仕組みということで分かりにくいと言われておりますが、積立率を一律として受給者にとって分かりやすい制度に見直すということとしておりまして、これにより、より分かりやすく効果的なインセンティブとなり得るのではないかと考えているところでございます。
#202
○東徹君 生活保護を受けている人が働いてもらって、自立した方向へ向いていってもらうというのは非常にいいことだと思っているし、そういう方向に向けていかないといけないというふうに思うんですけれども、この就労自立給付金ですけれども、六割が、先ほども話があったように、支給を受けていないということなんですよね。今回、新たな対策の例ということで、最低給付額、単身世帯だったら二万円、複数世帯だったら三万円というのを設定して、積立金の有無によらない、そういった給付をしていくということでいいかと思うんですけれども、そうですよね、やっぱりこの効果が一体どうなのかなと思うんですね。
 本当にこれ、インセンティブ効果というか、その二万円、単身世帯二万円、複数世帯で三万円、これでそういうふうな効果が上がるのかなと思うんですが、その効果についてどのように考えていますかというふうなことをお伺いしたいんですけどね。
#203
○政府参考人(定塚由美子君) 先ほども答弁で申しましたけれども、今現在の制度で受給した方へのアンケート調査では、制度を知って就労意欲に変化があったという方が約六二%であるというような効果も出ているところでございます。
 一方、先ほど、就職後すぐに保護廃止となったという場合、申し上げましたけれども、よく制度の内容を知らないということで活用していないという例もあると聞いておりまして、今回のような分かりやすい制度にする、かつ、すぐ就職してすぐ脱却しても使いやすいという制度にするということで、先ほど申し上げました六割というアンケート調査結果も考え合わせると、一定の効果があるものと考えているところでございます。
#204
○東徹君 私は、この金額がこれちょっと二万円とか三万円で本当どうなのかなと思っているんですけど、この点についてはどうですか。
#205
○政府参考人(定塚由美子君) 我々も、二十五年の法改正で導入するときに、金額少ないのでどうなのかなという懸念は持っていたわけなんですけれども、先ほど申し上げたようなアンケート調査では一定の効果があったということもお聞きをしておりますので、引き続き、よく効果は検証しながら、この制度を運用してまいりたいと考えております。
#206
○東徹君 これは大事な政策だと思っていまして、やはり効果を上げてほしいんですけれども、なかなか周知不足というか制度が分かられていないというところもあると思うんですよね。どうやって周知していくのかというところも踏まえて、是非しっかりとこういった効果を上げていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#207
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 昨日、愛媛文書が発表になりました。私は、本当にこの文書、大変貴重だというふうに思います。
 安倍総理に去年三月十三日、加計学園問題について質問し、いつ知ったかという質問に、六月も、質問主意書でも、構造改革特区のときから知っていましたと答弁を総理はしていました。しかし、去年七月、突然、二〇一七年一月二十日に初めてこの計画を知ったと総理が答弁を変えてしまいました。そのことについて国会で質問し続け、予算委員会でも質問しておりましたので、昨日発表された、予算委員会に提出された愛媛文書で、まさに、二〇一五年の二月二十五に加計孝太郎理事長とそれから総理がこの問題について話をしていたというのは、総理の答弁が明確に虚偽答弁だったということを裏付ける貴重な公文書だというふうに思っております。
 そして、この発表された愛媛文書の中に加藤大臣の発言や中身が出ておりますので、今日、他の同僚委員も質問をされましたけれど、改めて質問させていただきます。
 二月十二日、加計学園関係者と県、今治市との間で意見交換を行った際に、加計学園側から、イスラム国問題等で多忙を極める安倍首相と同学園理事長との面会が実現しない中で、官邸への働きかけを進めるために二月中旬に加藤内閣官房副長官との面会を予定していると。
 これは、先ほど倉林委員からも質問がありました。官房副長官に会う、しかも、これ、二月十二日の打合せで、即、二月十四日土曜日に加藤官房副長官との面会がすぐ実現をしているわけです。官邸への働きかけの一環として会ったということではないんですか。
#208
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、まず、私、先ほど答弁で申し上げましたように、平成二十七年の二月十四日の土曜日の夕刻に加計学園の事務局、日程表では事務局長と書いてありますが、お会いをしたということは日程表で確認をしておりますが、その日程がいつの段階でこうして向こうから要請があったかということまではちょっと承知をしていないということでございますし、また、先ほど答弁をさせていただいたように、働きかけの話ございましたけれども、そういったものは一切ございません。
#209
○福島みずほ君 しかし、先ほどの倉林委員の質問にもありましたが、二月十四日に官房副長官と会って、総理は二月二十五日に会って、三月二十四日、二十五日に柳瀬さんと、秘書官と会い、そして、四月二日に今治、愛媛、まさに加計学園が官邸に行き、そして国家戦略特区に申請し、次の日にヒアリングを加計学園が受けるという超スピードで行くんですね。きっかけ、官房副長官じゃないんですか。官房副長官の実力じゃないんですか。
#210
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、加計学園の方からは具体的な要請事項はそのとき特になかったというふうに記憶をさせていただいておりますので、私の方にそうした、現行、これまでの取組等々の状況についてお話があり、私はそのお話を承ったということでございますから、それ以上何らの要請もございませんし、当然私の方から、今お話があった総理と加計理事長との面会の予約等々を含めて具体的な動きをしていることはございません。
#211
○福島みずほ君 官房副長官は官邸にいて、まさに官房長官と一体となって、また総理を支えると。ずっと官邸にいらっしゃいますよね。この話、総理とされたことはありますか。
#212
○国務大臣(加藤勝信君) このお話については総理とはしておりません。
#213
○福島みずほ君 昨日出た愛媛文書の中で、先ほどもありますが、加藤内閣官房副長官のコメント、官房副長官ということでコメントが出ているわけです。
 その中に、やはり、例えば獣医師養成系大学・学部の新設については日本獣医師会の強力な反対運動がある、加えて、既存大学のとか、コメントが四つあるんですが、中身を知らないと答えられないんですよね。あらかじめ予習をされた、あるいはこの点について調べたということがあるんじゃないですか。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたけれども、こうした加計学園が獣医学部についていろいろ動いていたということは承知をしておりますけれども、詳しい中身についてはむしろ先方の方からいろいろ御説明があり、それについて、なかなか、こういう状況ですよというお話があったので、そこら辺について話をさせていただいたということでございます。
 詳細について、正直言ってメモを残しているわけではありませんから、つまびらかに申し上げることはできませんが、少なくとも私の記憶では、大半の部分は先方からの経緯あるいは状況の説明だったというふうに思います。
#215
○福島みずほ君 しかし、文書では加藤副官房長官のコメントになっているんですよ。つまり、加計学園の側から大変だ大変だ、何とかしてくれ、今まで成功していないというのはもちろんあったと思います。しかし、加藤官房副長官は、四点にわたってこうですよということを言っているわけですね。新潟市の国家戦略特区については詳細を承知していないんだけれども、新潟市の取組についても承知しているわけじゃないですか。つまり、このことについて全く白紙じゃないんですよ。調査をされた、ヒアリングをされた、誰かから聞いた。どうしてこういうコメントが、というか、何にも知らなかったらコメントすらできないじゃないですか。事前に調べたんじゃないですか。
#216
○国務大臣(加藤勝信君) これ、今治市の人はその場におられませんから、加計学園、誰からお聞きになったか分かりませんけど、少なくとも私は加計学園とお話をさせていただいた。
 それから、先ほど申し上げた、具体的なやり取りについては残っておりませんから、一つ一つ申し上げるわけではありませんけれども、こういう話というのは、やや、どちらがしゃべってどちらがやったかということがいろいろぐちゃぐちゃになるということは間々あるということを経験的には承知をしているところであります。
#217
○福島みずほ君 ただ、こういう重要なプロジェクトをやるときの企業や役人がぐちゃぐちゃにするという経験は私はないと思いますが、これ、その点では加藤副官房長官の役割というのはこれからも本当に問題になると思います。
 先ほども、加計孝太郎さんとは何度もお会いをしたことがあるというふうにおっしゃいました。卒業式に出ていると。たしか私の記憶では、入学式、卒業式に安倍総理が出席したことはないんですよね。
#218
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。私も全部承知をしておりませんから、ちょっとそこは分かりません。
#219
○福島みずほ君 大臣が出席されたときに安倍総理が出席しているということはありましたか。
#220
○国務大臣(加藤勝信君) 入学式、卒業式等において、余り記憶、ちょっと済みません、そこまで細かく記憶ありませんけれども、大体総理が来られる、あるいは総理のときに来られたのか、総理をちょうどやられる前の話なので、でも大体そういうときというのはSPの方等々おられますから何となく雰囲気が分かる。済みません、ちょっとそういう雰囲気を感じてはいなかったということしか申し上げられませんので、確実におられたかおられていないかということはちょっと定かではありません。
#221
○福島みずほ君 総理と加計理事長が腹心の友であるということは御存じでしたか。どういう関係であると、大変親しいということは御存じでしたか。
#222
○国務大臣(加藤勝信君) 親しい関係にあられるということは存じ上げております。
#223
○福島みずほ君 なぜ知っていたんですか。
#224
○国務大臣(加藤勝信君) なぜと言われても、非常にちょっと、どういう、どこから聞いたかというのは覚えておりませんけれども、そういう認識は持っておりました。
#225
○福島みずほ君 報道によれば、これはちょっと確認させていただきたいんですが、岡山の自民党の総支部の事務所を加計学園側が負担をしていて、報道等あったのでそれは撤去したやにも聞いているんですが、そういうことはあったんでしょうか。御存じですか。
#226
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、県連は事務所を持っております。そして、過去あったところを建て替えて、そして建て替える間に移転をし、そして今の場所に、元あった場所に戻ってきたという経緯は承知をしておりますが、そこの中において、加計学園との関係は存じておりません。
#227
○福島みずほ君 先ほど政治資金パーティーで寄附をもらったことはないと御答弁されたんですが、加計理事長、加計学園の人が後援会のメンバーになっているということはありましたか。
#228
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどは政治資金報告書を見た限りということでございますけれども、ないということを承知をしております。
 それから、後援会というよりも、私を囲む経済界の集まりがございますので、そこの、名前、呼び方はちょっと忘れましたけれども、幹事とか理事の中に入っていただいているという記憶はございます。
#229
○福島みずほ君 これは、総理はこの間の参議院の予算委員会でも二〇一七年一月二十日に初めて知ったと答弁をしていて、それを全く覆す文書が出てきて、国家戦略特区で議長である総理が知っていた、しかも、なぜそれを一月二十日と虚偽答弁しなければならないのかという、政治の本当に信頼に関する大問題がさらに別の局面を迎えたというふうに思っております。
 是非これは、何党に関係なく、政治の信頼を私たちが国会で持ち得るのかという極めて重要な問題なので、今後もまた加藤大臣にもいろいろ教えていただくことがあると思います。
 衆議院で働き方改革一括法案が強行採決されるのではないかという緊迫した今週を迎えております。平成二十五年度労働時間等総合実態調査に係る精査結果なんですが、極めてずさんなデータであり、そもそも調査なのか、臨検調査のついでにやったのか、一環なのか、そして、どうしてここまで調査結果のずさんさが放置されて使われてきたのか、大問題だと思います。こんなにもうけちが付きまくっているわけですから、この際、全て撤回すべきではないですか。
#230
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十五年の労働時間等総合実態調査に関しては、まずは、裁量労働制についていろいろ御指摘があり、その部分のデータを撤回し、またさらに、お示しをしているデータの中において整合性が付かない等々の御指摘もいただきまして、私どもの方として、統計としてより精度を高める観点から論理チェックの条件などを明確に設定し、異常値である蓋然性が高いもの、これは無効だということで、データを削除した上で再集計したものをお出しをさせていただいているところでございます。
 こうした事態になったこと、これに対しては、遺憾であり、今後これ大いに反省をして、統計の取り方あるいは利用の仕方においてもしっかりと反映をしていかなければならないというふうに思っております。
 なお、こうした精査を行った後においても九千を超えるサンプルがあり、精査前と比べると集計結果の傾向については大きな変化が見られないということでございますので、また、そういった意味で、今回お出しさせていただいておりますのは、中小企業における割増し賃金等の猶予の廃止、あるいは時間外労働の上限規制、こういったことが必要だというこの結論は変わるものではないというふうに考えております。
#231
○福島みずほ君 もうこれ撤回をすべきだと、基礎のデータが駄目なので、撤回をすべきだということを再度申し上げます。
 高プロの対象労働者には、条文上、裁量権の規定はないですよね。
#232
○国務大臣(加藤勝信君) 法案では、高度プロフェッショナル制度については、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省で定める業務についてのみ認めるということでございますので、この制度趣旨を踏まえてこの法律の要件に沿った具体の対象業務を省令で定めていくことになるわけでありますが、その際には働く時間帯の選択や時間配分は労働者自らが決定するものであるということを明記する方向で検討していきたいというふうに思っております。
#233
○福島みずほ君 これは、国会で議論になったので省令で書くと厚生労働省は言い出したんですね。
 裁量労働制の場合は裁量ってありますが、高プロの場合は裁量という言葉はないんですよ。成果に関する規定もないんですよ。裁量で働くことはない労働者なんですよ。条文上はそれは担保をされておりません。
 そして、高プロにおいて使用者は労働者に対して指揮命令権があるということでよろしいですね。
#234
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたこととの関連でありますから、そうした方向で省令に明記をする、そうした意味において、省令も含めてそう書かれたということを前提にすれば、ああ、済みません、それに加えて、高プロの対象労働者の職務については制度の適用に当たって書面で合意をすることになっておりまして、職務内容はその範囲にまた限定をされるわけでありますけれども、高度プロフェッショナル制度の適用を受けていて、そうした労働者について、働く時間帯の選択、時間配分等々について業務命令を受けるということになりますと、この法令の適用要件を満たさないということになるわけであります。
#235
○福島みずほ君 いや、労働者なんだから指揮命令受けるでしょう。労働者は指揮命令を受けるから労働者で、指揮命令を受けない労働者というのは労働者じゃないですよね。仕事の内容とその量、納期などを決めて命令するのは使用者ですよね。
#236
○国務大臣(加藤勝信君) 働く時間帯の選択、時間配分等の指揮命令については今申し上げたとおりであります。
 それ以外の包括的な業務命令ということ、例えば成果目標とか期限の設定、これ期限の設定もいろいろありますけれども、そういったことは受けることになるわけでありまして、したがって、業務の進捗報告を求め、あるいは服務規律の適用を受けるということもあり得るというふうに考えます。
#237
○福島みずほ君 つまり、労働時間規制はないけれども、二百時間残業しても違法ではない、二十四時間二十四日間働き続けても違法ではない、三十六時間働いても、四十八時間働き続けても全く違法ではない。そして、裁量という言葉は条文にはない。そして、納期やそれから仕事の内容、量については使用者は指揮命令を持つ。そうしたら、死ぬほど働きますよ。過労死を考える家族の会がこの法案に断固反対しているのはそのとおりですよ。過労死を生んではならない。だから、この過労死促進法案は撤回すべきなんですよ。そのことはこの厚生労働委員会のとても大事なことなので、今日もまた言わせていただきます。
 子供食堂については、私の周りでもたくさん取り組んでいたり、とてもこれは応援しなければならないんですが、この国会で取り上げていることに公立の小中学校の給食の無償化の問題があります。これは四千四百四十六億円の予算で実現できるということでよろしいですね。
 文科省、このことについて今調査をされていらして、五月末にでも結果が出るやにも聞いておりますが、給食の無償化の取組への決意について教えてください。
#238
○政府参考人(下間康行君) お答えを申し上げます。
 学校給食に要する経費につきましては、給食施設整備費や人件費は学校の設置者が負担し、残りの食材費を保護者が負担することとなってございます。
 この保護者負担分の学校給食費につきまして、平成二十六年度の調査に基づき、学校給食費の平均額に完全給食を実施する公立小中学校の児童生徒数を乗じて計算いたしますと、御指摘のとおり年間四千四百四十六億円の経費が必要とされます。
 一方、生活に困窮している要保護、準要保護等の児童生徒につきましては、生活保護による教育扶助や就学援助により学校給食費の援助が実施されているところでございます。
 文部科学省といたしましては、学校給食費の一律無償化については財源確保の必要性などの観点から慎重に検討すべき必要があると考えており、まずは小中学校における学校給食の実施率の向上など、学校給食の普及、充実に努めてまいります。
 なお、一部の自治体において保護者が負担する学校給食費を無償とする取組が独自に行われていると承知しております。そのことにつきまして、現在実施状況について把握を進めておりまして、その集計作業を進めているところでございます。
 以上です。
#239
○福島みずほ君 学校給食を無償化にしている自治体を訪ね歩くと、随分やっぱり改善をされる。子供食堂もいいけれど、もちろん大事なんですが、NGOの活動に期待するのだけではなくて、子供の給食の無償化は是非政府としてもやるべきではないか。もちろん金額は掛かりますが、四千四百四十六億円であれば、それは工夫してできるんではないか。給食で栄養を取っている子供もたくさんいますし、是非、給食について、文科省そして政府挙げて無償化に向かって取り組んでいただくということを心からお願いをいたします。
 次に、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給については福祉事業所設置自治体が必ず実施しなければならない必須事業として位置付けられている一方、その他の事業、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業については地域の実情に応じて実施する任意事業とされております。必須事業を増やして、最終的には全ての事業を必須化すべきではないでしょうか。そのための財政的試算というのは行っているんでしょうか。
#240
○政府参考人(定塚由美子君) 今回の改正におきましては、自立支援事業と同時に、任意事業のうち就労準備支援事業及び家計改善支援事業については、法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治体で実施されるようにすべきとされているところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、また一方で、両事業の実施率が約四割にとどまっている、また地域によっては需要が少なかったり、その事業を担うマンパワーや委託事業者が不足しているという実情もあるということを踏まえまして、今回の改正案においては、単なる任意事業ではなくて努力義務化をして、まずはその適切な実施を図るために必要な指針を策定をして、自治体の実情にも留意しながら全国的な実施促進を図ると、三年間で集中的に取組を進めていくということにしているわけでございます。
 また、このほかの任意事業であります一時生活支援事業、これにつきましては、この事業の性質上、自治体によって必要性がまちまちであるということがございます。また、子供の学習支援事業については、自治体によって子供の学習支援事業以外の事業も、類似事業も実施しているというような実情もございますので、こうした実情に応じた創意工夫の下で柔軟な実施がなされているということで、今回の改正案では努力義務とはせずに、それぞれの自治体の積極的な取組を促していくというところでございます。
 今回の措置について必要な財源は、今回、今年度の予算案でも増額はしておりますし、必要な部分は確保していると考えておりますけれども、今後、任意事業の実施割合が高くなった際の制度あるいは国庫負担の在り方については、その時点で改めて試算をしたり検討したりすることとしたいと考えてございます。
#241
○福島みずほ君 自立支援相談事業における総人員数並びに主任相談支援員、相談支援員、就労支援員など業務別の人員数は何人でしょうか。専任と兼務の実態はどのようになっているでしょうか。
#242
○政府参考人(定塚由美子君) 自立相談支援事業の従事者の実員、人員でございますけれども、平成二十九年四月一日現在で四千七百人となっております。また、自立相談支援事業に従事する職種別の従事者の人数でございますが、主任相談員が千二百四十八人、相談支援員が二千七百三十四人、就労支援員が千八百五十九人となっておりまして、そのほかの事務員等四百四十九人を加えると、合計数は六千二百九十人となります。
 ただ、例えば、一人の職員が相談支援員と就労支援員を兼ねるなど、複数の職種を兼務しているケースもあるので、合計数は実員とは必ずしも一致しないという数字でございます。
 この専任と兼務の実態でございますけれども、主任相談員については専任が四一%、兼務が五九%、相談支援員は専任が三九%、兼務が六一%、就労支援員は専任が一六%、兼務が八四%となってございます。
#243
○福島みずほ君 今直ちに専任化推進というのは今の数字からいっても難しいのかもしれませんが、やはり兼務が多いと。ですから、実人数というのはもっと、今答弁でありましたように少なくなっているので、是非専任化を進めていただきたいというふうに思います。
 生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の連携について、実態把握とそれから推進策はどのようになるんでしょうか。
#244
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護を必要とする方に保護を確実に行うということ、大変重要でございまして、これまでも、生活困窮者支援の相談窓口に来られた方の中で要保護状態と見込まれる方については福祉事務所に適切につなぐようにということを周知、指導しているところでございます。
 生活困窮者の支援実績を見ますと、平成二十七年度と二十八年度の二年間において、生活困窮者自立支援制度の相談窓口に新規に相談に来られた方、約四十五万人となっておりますが、そのうち推計で約五万人の方が生活保護の窓口につながっているところでございます。
 こうした中で、本法案においては、生活困窮者の自立支援機関が支援対象者について要保護者となるおそれが高いと判断した段階で生活保護制度に関する情報提供等の措置を講ずることという規定を置いております。また同時に、保護の実施機関が、生活保護受給者が保護から脱却する際に生活困窮者に該当する場合には、生活困窮者自立支援制度についての情報提供、助言等を講ずるよう努めていること、これは双方を規定を置いておりまして、こうした規定を基として両制度間の一層の連携強化を図って、適切な支援の強化に努めてまいりたいと考えております。
#245
○福島みずほ君 この委員会の中でも何度か質問してきましたが、また本会議でも質問がありましたが、生活保護受給世帯の子供が世帯分離することなしに大学進学できるようにもうすべきときではないでしょうか。
 確かに、大学進学率と高校の進学率は違います。しかし、今回設けているのは、一時金を大学に入学するときに払うということだけでは大学に行けません。今やっぱり大学に行く子供も増えていますし、これ世帯分離すると本当に支給金額が少なくなると。今の大学生が本当に大学にやっぱり行くことを応援してほしいと。
 常に、ほかの生活保護の、今回の基準もそうなんですが、貧困な子がいる、生活保護を受けていない世帯の子供がいるとか、大学に行かない子供もいるという、ほかに困っている子がいるということを理由に、生活保護受給の子供に関して世帯分離をするかという選択を迫るんですね。このアプローチは完全に間違っているんじゃないでしょうか。
 やっぱり、もう大学に合格して大学に行きたいってなったときに、世帯分離をなぜしてしまうのか。世帯分離することなしに大学進学することを応援すべきではないでしょうか。
#246
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護費を受給しながら大学等に就学することについて、今、高卒後就職する人もいる、あるいはアルバイトで学費や生活費を賄うということとの比較というお話がありましたけれども、やはりそうした意味での一般世帯におけるそうしたありようとのバランス、これは考慮していく必要があるんだというふうに思いますし、また、社会保障審議会の部会の報告書では、大学等進学後の教育費、生活費は生活保護制度に限らず、国全体として支えていくべき課題であるとの意見もあったということでございますので、生活保護費を受給しながらということについては慎重な検討が必要だと思いますが、しかし、生活保護を受けている世帯の子供さんが大学に進学をしていく、それを支援するという意味においても、今回、進学準備のための一時金の給付制度、また自宅から大学等に進学する場合の住宅扶助費の減額、これは本年の四月からでありますけれども、こうした取組を進め、さらに、新しい経済パッケージにおいて、生活保護を含めた所得が低い家庭の子供たち、真に支援の必要な子供たちの高等教育の無償化を実現するとされているわけであります。
 この点については、文科省と連携をしながら、生活保護世帯の子供の大学等の進学支援にも取り組んでいきたいというふうには考えております。
#247
○福島みずほ君 いや、それもう間違っていると思うんですね。つまり、ほかに苦労している子供もいるから生活保護の子供には世帯分離をするというのは間違っていますよ。しかも今、大学の授業料が、御存じ、とても高くなっていて、国立大学だって授業料が約五十四万円、私立はもっと高くなるという状況があって、生活費だって掛かるし、大変なわけです。
 しかも、今は大学は、かつてと違ってやっぱり進学率が高くなっている。生活保護を受けている子供は世帯分離して生活保護費をがっと下げない限りは大学に行かせないぞって、私はやっぱりある種のいじめのようなものだと思っているんです。生活保護を受けながら大学に簡単に行けると思うなよというのは、もうそれは違うと思っているんです。
 もちろん、私は大学の授業料や給付型奨学金の見直しは、もちろん全体としての底上げは必要だと思います。でも、生活保護を受けていたら大学進学は実際困難になっていくというのは、やっぱりこれはもう見直すときが来ていると思います。これはこの委員会でも何度か質問しておりますが、是非、大臣、英断をしてくださるようお願いをして、質問を終わります。
#248
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。
 私、今日注目させていただきたいと思っておりますのが医療扶助費の関係でございます。生活保護費負担金が増加傾向にある、その半分を医療扶助が占めているというこの現状に鑑み、今回も様々な改正が行われておりますけれども、それが果たして十分なものなのかどうなのかということを議論させていただきます。
 まず、教えてください。生活保護に陥ってしまう原因というもの、しっかり分析していただけていますか。局長、お願い申し上げます。
#249
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者の状況でございます。特に高齢の生活保護受給者が増加傾向にあるという状況でございますけれども、この要因としては、社会全体の高齢化の進展と単身世帯の増加を背景として、単身高齢の生活保護受給者が増加していると考えられます。また、単身高齢者の保護率が大きく上昇しており、様々なリスクに対して脆弱な単身の高齢者が生活保護を受給する場合が増加していると考えられます。
 私どもの方で生活保護受給世帯が生活保護を受ける転機、ターニングポイントとなったことについて調査を行っておりますけれども、これによりますと、疾病や傷害など避けることが難しい事情を経験した世帯が多くございましたが、それ以外にも、失職、失業や住まいの喪失のように条件が整えば異なる結果となる可能性がある事情を経験した世帯というのも少なくなかったという状況にあります。
 また、高齢になる前に生活保護の受給に至る者も多いということも分かっておりまして、高齢に至る前からの就労支援や住まいの確保に取り組むことが必要と考えているところでございます。
#250
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今局長おっしゃっていただきましたように、生活保護と一口で言ってもその原因が様々でございまして、多岐にわたる政策が必要になってくるということです。
 一つ一つ見てまいりますと、私どももこれ本当に生活保護と十把一からげでぽんと大きく構えていていいのか。様々、じゃ疾病で、若しくは低年金若しくは無年金で、もう全く問題が違う中でそれを混合してこのように議論をすること自体がもう既に手遅れなのではないか。一つ一つきめ細やかに、私は、しっかり支援をしていただくためにももうちょっとこの生活保護というものも今後分けていかなければならないんではないのかなということを最後に大臣には問わさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 ところで、今回の改正におきましても医療扶助の適正化というものを図ることになっておりますけれども、前回でもやはりこの医療扶助の適正化を図る施策というものを私ども議論させていただきました。充実させたはずでございます。生活習慣病の予防等の取組の強化、そして、医療扶助の適正化でも様々なことが行われている、今いわゆるアイ・エヌ・ジーの現状でございますけど、その成果について厚労省としてはしっかり把握をしていただいているかどうか、まずは教えていただけますか。
#251
○政府参考人(定塚由美子君) 医療扶助費の適正化、大変重要な課題でございます。
 前回、二十五年の生活保護法改正におきましては、医師等が後発医薬品の使用を認めている場合には受給者に対して後発品の使用を促すということを法律に明記をするということ、また、指定医療機関の指定や取消し要件の明確化など、指定医療機関制度を見直すこと、こういった改正を行っているところでございます。
 この医療扶助費の動向、効果でございますが、高齢化などの年齢構成の変化であるとか診療報酬改定とか医療の高度化などのいろいろなほかの要因もございますので、改正の効果をデータで明示するということ、なかなか難しい状況にございます。
 後発医薬品の使用割合については、例示として申し上げれば、平成二十五年の四八・二%から平成二十九年七二・二%に取組が進むなどの一定の効果があったと考えているところでございます。
#252
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 更に強化していくために、今回は健康管理支援事業というものが創設されることになっております。その制度について、まずは説明してください。お願い申し上げます。
#253
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者の多くは医療保険制度の被保険者ではございませんので、高齢者の医療の確保等に関する法律に基づいて医療保険者に実施義務がある特定健康診査や特定保健指導の対象者となっていないという状況にございます。
 生活保護受給者等については健康増進法に基づいて市町村が健康診査を実施するということが努力義務とされておりますけれども、健康増進法による健康診査における内臓脂肪症候群、メタボリックシンドロームとその予備軍の割合というのは特定健康診査に比べて高くなっておりますし、また、生活保護受給者の約八割以上が何らかの疾病により医療機関を受診しているなど、健康上の課題を抱える方が多くなっているという状況にあります。
 このため、医療保険におけるデータヘルスを参考として、福祉事務所がかかりつけの医師との連携の下で、生活習慣病の予防、重症化予防を推進する健康管理支援事業を創設することとしておりまして、この事業では、医療扶助のレセプトデータや都道府県などの障害施策担当部局から入手した受給者に係る自立支援医療のレセプトデータ、健診結果などのデータに基づいて受給者の健康状態などを把握をして、医療機関を受診していない生活習慣病の患者や治療を途中でやめた方などに治療のための受診を促したり、健康な生活習慣に向けた支援を行うということを事業として想定をしております。
 なお、国でもこの被保護者の年齢別、地域別の疾病の動向などに関する情報を地方自治体から収集して集約をした上で、地域の特性に応じたこの健康管理支援事業の実施につなげるために、こうした情報を自治体に提供することとしていることでございまして、こうしたことを通じて、生活保護受給者の健康の保持増進、ひいては医療扶助の適正化につながることを期待しているところでございます。
#254
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども局長おっしゃっていただいたんですけれども、健康診査はどのような法的根拠によって提供されているか、もう一度明確にしていただけますか。お願いいたします。
#255
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者が受診する健康診査については、健康増進法第十九条の二において市町村における努力義務としてその実施が定められているものでございます。
#256
○薬師寺みちよ君 努力義務になっております。
 ですから、じゃ、どのくらいの自治体が実施しているというふうに把握していらっしゃいますか。
#257
○政府参考人(定塚由美子君) 平成二十七年度に九百一の福祉事務所を設置する地方自治体に対してアンケートを行いましたところ、この健康増進法による健康診査を実施している自治体は八百十一、九〇%でございました。
#258
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今日は資料一、二もお配りいたしておりますけれども、「健康診査について」の(2)のところを御覧いただくと、実施しているのが九〇%ですが、実施していないのが一割ですよね。私はここが大変大きな問題を抱えているんではないのかと思っております。
 何%の方がこの生活保護を受けている人対象の健康診査を受けているというふうに厚労省は把握していらっしゃいますか。お願いいたします。
#259
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護受給者のうち、健康増進法に基づく健康診査を受けている割合そのものについては把握をしておりませんが、この健康診査の受診率、健康増進法に基づく健康診査の受診率は平成二十七年度において八・四%でありまして、その対象者の多くは生活保護受給者ではないかと考えているところでございます。
#260
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、受診していらっしゃる方が一〇%に満たない状況でデータだけ集めても、私は正確なことというのはそこから導き出せないのではないかと思っております。
 健康増進法に基づきます生活保護者の健康診査の費用負担というものも、私これ厚労省にお尋ねをいたしました。公費分については国が三分の一、県が三分の一、市町村が三分の一ということで、自己負担分についてはというふうなところについては調査もしていらっしゃらないということです。事前に審査をして、審査の上で免除するという自治体が多いようですけれども、実際にどのような形で、誰がどのような費用負担をもってこの健康診査というものに臨んでくださっているか、そこがデータもなければ努力義務のまま市町村に任されているという、まず私はこの現状から変えていかなければ、今回、法案改正をいたします様々な生活習慣病等の予防の取組の強化といったとしても、それは絵に描いた餅に終わってしまうと思います。
 まず、その健康診査を提供するところを努力義務から義務化し、そしてしっかりとデータを収集するその体制を整備することを大臣はお考えになっていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。
#261
○国務大臣(加藤勝信君) 一連の経緯については先ほど局長から答弁がありましたので省略をさせていただきますけれども、いずれにしても、生活保護受給者においては、内臓脂肪、要するにメタボリックシンドロームの該当者、あるいは予備群の割合、これが非常に高い。また、生活保護受給者の約八割以上は何らかの疾病により医療機関を受診していると、こういう状況があるわけでありますので、今度新たに創設をいたします健康管理支援事業においても、そうした医療扶助のレセプトデータなどを可能な範囲で収集をしていく、そして、ケースワーカーで把握する生活情報なども合わせて考慮し、受給者等の健康状態を把握していくということにしておりますし、また、この健康管理支援事業の対象者の選定などにおいても、こうした様々な情報を組み合わせて考慮してそれを選定をしていくということを考えておりますので、直ちに今、健診の実施をそこだけ取り出して義務化するというところまでは考えていないところであります。
 しかし、先ほど委員からお話がありましたけれども、生活保護受給者の健診受診率は一割に満たないという数字もあったわけであります。そうしたことを引き上げていくということは大変大事だと思っておりますので、福祉事務所が市町村の保健部局と連携して健診の受診促進等の取組を、これはしっかり進めていきたいと思います。
#262
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 受診率を上げようと思っても、実際に提供していない自治体もあるではないですか。実施していないのが一割ですよね、じゃそこはどうしたらいいんだろうということですよ。そこをしっかり考えていただかなくては、もう自分は健診を受けたいんだ、でも市町村が提供していないから、じゃどうしたらいいんだ。症状が出てから病院に行って、そこでレセプトを分析することによってデータを提供する、それは私は本末転倒だと思っておりますけど、大臣、どのようにお考えになられますか。
#263
○国務大臣(加藤勝信君) そうしたまだ取組をしていないところに対しては、これ努力義務でありますから、これを更に進めるべく我々としてもアプローチをしていくということと同時に、また、九割はやっていながら実際に受診をしている人の割合は一割ということでありますから、そうした受診を、そうした体制はあるけれども率が低いところにおいては周知等、あるいはそうした生活保護受給者の方々にそうした受診を促していくと、こういったことにしっかりと取り組みたいと思います。
#264
○薬師寺みちよ君 私は是非、これは努力義務ではなく義務化していかなければ、生活保護を受けているからこそ、義務化されていないということで、更に悪化してから病院に足を運ぶということになってしまって、そこでようやくレセプトで指導を受けられる。医療扶助費でこれだけ困っているのであれば、それを削減したいと思っているのであれば、もちろん予防の段階から入っていくべきですよね。ですから、そこはもう少し厚生労働省として私は強く出るべきだと思っております。
 今、企業でもそうです。コラボヘルスとして健康経営をするのであれば、レセプトのような保険者機能と、それから企業の皆様方にもいろいろお願いをしているわけではないですか。ちょっとここは、私は、そういった観点から、厚生労働省が今やっていらっしゃるような健康施策から大きな穴になっている部分だというふうに考えます。
 ですから、義務化しなくても本当は一〇〇%私はやっていただきたい事業だと思っておりますし、それに対して厳しく厚生労働省としても指導をしていただきたいと思っておりますので、大臣、もう一言いただけますか。
#265
○国務大臣(加藤勝信君) 今回は健康管理支援事業というのを創設をさせていただきました。それに対する仕組みも先ほど申し上げたところでありますので、こうした事業が適切に実施をしていくと。また、それを通じて、今申し上げたこの生活保護受給者に対するこうした健康指導等々がどう展開していくのか、そして受給者等の健康状態がどうなっていくのか、こういったこともしっかりとまずは把握をさせていただきたいというふうに思います。
#266
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非、無料で受診できるという体制を取って、いち早く悪い方には予防的な措置というものをとっていただく、指導していただく、支援策を打っていただく、これを連続してやっていくしか私は方法がないと思っております。
 それも、次に、皆様方に資料をお配りしておりますように、福祉事務所における健康診査の結果の入手率というものも大変低うございます。局長にもうお尋ねするまでもないんですけれども、入手していないとおっしゃるところが八三%です。連携が全くできていないわけですよね。
 このような状況下で、その入手率が少ない理由というものを厚生労働省はどのように分析していらっしゃいますか。局長、教えてください。
#267
○政府参考人(定塚由美子君) 現行の仕組みでは、健康管理支援の事業、予算上の補助事業として行っておりまして、法律上、福祉事務所が健康管理のような事業を行うというふうには位置付けられておりません。このため、福祉事務所が健康診査の結果を入手してもそれを活用する機会がないと考えている場合には健診結果を入手する動機が生じないということが入手率が低い要因の一つではないかと思います。
 したがいまして、今回法律に明記をして健康管理支援事業を開始するわけでございますので、これを機会にしっかり入手についてもPRをしてまいりたいと考えております。
#268
○薬師寺みちよ君 でも、局長、おかしいと思いませんか。私、一番最初にお尋ねしました。どういう転機をたどって生活保護に陥ったのか。疾病だったり障害だったり、そういう転機がというふうにお答えいただいたばかりじゃないですか。ということは、そこをどのような形でサポートするかというのがやはり福祉事務所としても本来やらなければならないところですよね。切り離されないんですよ、生活の一部でございますので。だから、どうもやっていることというものがうまく回っていないということがここからも分かってくるわけです。
 生活習慣病の重症化予防等の健康管理支援事業というものも平成二十七年度から提供されております。それは資料四に、皆様方、付けておりますけれども、この課題について手短に、局長、教えていただけますか。
#269
○政府参考人(定塚由美子君) 御紹介いただきましたとおり、平成二十七年度から、自治体における取組を支援するために、モデル事業を実施しております。二十七年度には九十五自治体でモデル事業を実施をしております。二十八年度には検討会を開催しまして、こうした自治体における取組も参考としながら、生活保護受給者の健康管理について検討を行ったところでございます。
 こうした中で、二十七年度のモデル事業実施自治体に対するアンケート結果出しておりますけれども、自治体によっては、主たる担当者などの実施体制や取組内容、効果測定の方法など、事業の内容が様々であるという状況となっております。
 検討会の議論のまとめとしては、生活保護受給者は医療保険の加入者等と比較をして生活習慣病の割合が高いが、健診データ等が集約されておらず、生活習慣病の予防、重症化予防が十分に実施できていないということ、また、このため、医療保険におけるデータヘルスを参考に、データに基づいた生活習慣病の予防、重症化予防の推進、それによる医療扶助費の適正化を進めること、また、事業の基本的な考え方を示しつつも、地方自治体で円滑に実施するために、今後、事業のマニュアルを作成する必要があることという方向性が示されているところでございます。
 こうした検討、また社会保障審議会の検討も踏まえ、今回の改正法で健康管理支援事業を創設ということを考えているところでございます。
#270
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 生活習慣病の重症化予防等ということであれば、やはり特定健診に当たる健康診査というものを私はしっかり提供していただかなければならないと思っております。
 その上でお尋ねさせていただきます。この事業では、四分の三、保健師等の配置をするに当たりまして、国が補助をしておりました。今後もこの補助は続いていくんでしょうか。こういう補助がなければやはりなかなか続けていけないよというふうな自治体さんもあるかと思いますが、いかがでいらっしゃいますか、局長、教えてください。
#271
○政府参考人(定塚由美子君) 現在、生活習慣病の重症化予防等の健康管理支援に予算補助として取り組んでいる自治体に対しては、保健師等の配置に要する費用の四分の三を助成する事業を実施しているところでございます。
 今回、法律で全ての福祉事務所に健康管理支援事業の実施、義務付けることとしており、その費用は生活保護負担金としてやはり国が四分の三を負担するということとしているところでございます。
#272
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、先ほど、全く今まで連携をしていなかった福祉事務所としっかり連携をしていくためにもそれなりに人が必要だということになってまいりますので、予算も付けていただきたいと思っております。
 しかし、その予算を付けたとしても、元々、生活保護受給者の健康意識が大変、一般世帯と比較して高くないということも調査の結果からも分かっております。彼らをどうやって動機付けしていくのかということにつきましても、局長、このような事業ではっきりとしてまいりましたか、教えてください。
#273
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘いただいた点も大変難しい課題でありまして、検討会においても、やはり受給者の中には生活上の困難さ抱えていて健康に無関心な者が少なからずいるために、健康的な生活習慣に向けて自らの行動を変えることが難しいと想定されるというような分析もございます。他方で、生活習慣に課題のある受給者に対しては既に様々な支援サービス提供されているということも想定されることから、検討会では、個人への具体的な支援は、関係者が協力をして本人の日常生活に密着した支援を行うということが適当であるという指摘もされたところでございます。
 具体的な支援の方法については、今後、福祉事務所が活用できるマニュアルを作成することにしておりまして、このような健康意識が高くない人に対する効果的な支援方法についても関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
#274
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それともう一つ、私、問題として捉えておりますのが、資料三にお配りいたしております、医療扶助費の約六割が入院使っておられる。その中の三五・五%が精神、行動の障害であるというふうにデータが出ております。
 これは精神科の長期入院とも大きく連携している結果ではないのかなと思っておりますけれども、局長はどのようにお考えになられますか。お願いいたします。
#275
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘のとおり、医療扶助費の約六割を入院が占めておりまして、御提供いただきました資料にありますとおり、入院患者の約三五・五%、精神、行動の障害によるものとなっております。こうした障害があるということを理由として生活保護受給者になっているという側面もあるのかなと考えております。
 この受給者の精神科の入院医療費については、医療扶助により全額負担することとなっております。条件が整えば退院可能な精神科病院の入院患者の方々について地域生活への移行を進めていくということもまた大変重要なことでございますし、医療扶助の適正化の観点からも、入院医療の適正化重要であることから、長期入院患者の退院促進などに取り組んでいるところでございます。
#276
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかり、退院できる方については退院させ、そしてそれ以外の様々な生活支援、そして就職支援というものにつなげていただきたいと思っております。
 これは、かなり医療界、今変わってまいりまして、昔ならばもう二十年、二十五年、三十年という長い間病院に入院をさせられていたというような方々が社会に出てだんだん社会性を取り戻し、そして就職にも結び付いている、そういうふうな事例もございますので、是非、取り組むべき重要な課題として厚生労働省でも私は積極的に関わっていただきたいと思っております。
 このような中で、先ほど御紹介いたしました健康管理支援事業の中でも、生活習慣病だけではなく、精神疾患をお持ちの患者様方へも健康管理支援を行っていくということも取り組まれていることが分かってまいりました。ですから、今回も生活習慣病等とはなっておりますけれども、精神疾患患者の皆様方へも私は支援事業を展開していただきたいと思いますけれども、今回の改正では実施することになっておりますか。明確にお答えいただけますか。
#277
○政府参考人(定塚由美子君) 精神疾患患者に対しての通院医療の提供は障害者総合支援法に基づく自立支援医療として障害担当部局によって行われておるため、現状では福祉事務所において生活保護受給者の精神科外来の通院医療の状況、把握できないという課題があります。
 このため、今回の法案によりまして、福祉事務所が障害施策担当部局から受給者で自立支援医療を受けている方のレセプトデータ入手しまして、受給者の治療状態の全体像を把握できるようにしているところでございます。
 また、精神科に入院している受給者の退院促進については、保健師等を雇用して、退院までの課題分析や、家族、患者との相談などを行って、精神障害者などの長期入院患者の退院、地域移行を進める市町村に対する補助事業を実施しているところでございます。
 本法案において新たに設ける健康管理支援事業は、主として生活習慣病の予防、重症化予防を念頭に置いて実施をするというものではございますけれども、精神疾患を有する方も対象に、その自治体の判断により生活習慣病対策としてだけではなく精神疾患への対応ともなるような生活習慣の確立を支援することも可能とするということを想定しているところでございます。
 障害保健、福祉担当部局とも連携をしながら、精神障害を持つ生活保護受給者の健康状態の全体像を把握をして、健康管理支援を行えるように具体的に取組内容を検討してまいりたいと考えております。
#278
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 ここまで医療扶助費について議論をしてまいりましたけれども、どうも医療扶助費ばかりが焦点に当たって、介護扶助費というものがなかなか取り上げられることがございません。その割合ってもう大変少なく推移していますけれども、その理由について厚労省はどのように分析していらっしゃいますか。局長、お願いいたします。
#279
○政府参考人(定塚由美子君) 介護扶助費の伸び率を見ますと、平成二十三年度から二十七年度まで約一八%の伸び率となっております。一方、医療扶助費の伸び率でございますが、二十三年度から二十七年度まで約九%となっておりますので、医療扶助費と比較して介護扶助費の増加、伸び率、少ないというわけではないというふうに考えております。
#280
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 急速に高齢者の生活保護受給者が増えている。でも、やっぱりちょっとこの数字というものは余りにも少な過ぎるんではないのかなというふうに私は考えております。
 昨日も報道がなされましたように、介護保険料などもかなり高額になっていらっしゃる皆様方もいらっしゃいます。そういうことも考え、医療扶助費だけではなく、やっぱり介護をどういうふうに組み立てていくのかということも私この生活保護の中で重要な課題になってくるかと思いますけれども、局長、社会的入院等々の問題も含めて、お考えございましたら短くお願いできますか。
#281
○政府参考人(定塚由美子君) 医療機関に百八十日を超えて入院しているような患者さんについては、福祉事務所において六か月ごとに嘱託医による入院継続の必要性の確認や主治医の意見聴取などを行いまして、入院継続を必要としないことが明らかになった場合には介護保険サービスの利用も含めて退院に向けた調整支援を行っているところでございます。
 二十七年度に入院継続の必要性を検討した約五・八万件のうち約四千六百件が入院の必要がないと判断されておりまして、退院支援などによってその四分の三、約三千人がその年度中に退院につなげているところでございます。
 今後ともこのような取組進めてまいりたいと思います。
#282
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 最後に、大臣、伺わせてください。
 やはり、このような形で様々問題が山積しておりますけれども、分野分野によって解決していかなければならない、もう世代世代によっても全然違ったものが十把一からげに生活保護だということで同じ法律の中で語られること自体が私は問題があるかと思いますけど、大臣のお考えを最後にお示しいただけますか。
#283
○国務大臣(加藤勝信君) 現行制度は、御承知のように、生活保護は高齢者を含む全ての国民に対して最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットと、こういうふうに位置付けられております。
 今委員、例えば高齢者とそうでない方の区分けということの御提案だというふうに思いますけれども、まず低所得者の高齢者については、これまでも年金受給資格期間を短縮したり、医療、介護の保険料負担軽減を既に実施し、また、これから年最大六万円の年金生活者支援給付金の創設、介護保険料の更なる負担軽減等、社会保障全体で総合的に講じるとともに、生活困窮者自立支援制度、これもしっかり活用していくということが求められ、またさらには、将来に向けての老後の所得を厚くするという意味においても意欲のある高齢者の就労機会を確保していくという観点、また公的年金においても厚生年金の更なる適用拡大等を進めて働き方に応じた所得保障の充実を図る、こういったことに取り組むことが必要だと思っております。
 その上で、高齢者向けの生活保護とは異なる制度を新設するということでありますけれども、生活保護についてはケースワーカーが様々な支援をしているということもございますので、そういった支援というものをどう考えていくのかなどなど、いろいろと考えていかなければいけない課題があるというふうに思いますので慎重な検討が必要だと思いますが、ただ、そのケースワーカーの対応の仕方、しぶりが、やはり高齢者、まあ高齢者とくくっていいかどうか分かりませんが、就労がなかなか難しい方と就労が可能な方とか、それぞれに応じて対応の仕方は変わってくるという意味において、そういった点については関係者からも意見を聞かせていただきながら今後検討させていただきたいと思います。
#284
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文です。
 生活困窮者等自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まずは基本的なことから進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 最初は、生活困窮者自立支援制度に関する評価でございますが、我が国の貧困、低所得者対策ですが、昭和二十五年制定されました生活保護法による生活保護制度は、日本国憲法に基づく国の責務として、国民の最低限度の生活を保障するとともにその自立を助長することを目的とした、第三の、最後のセーフティーネットとして長年役割を果たしてきました。そして、第一のセーフネットである社会保険制度や労働保険制度では十分対応できない生活困窮者の増大を背景に、平成二十七年四月に、生活保護に至るまでの段階で自立を支援するという第二のセーフネットとしてこの生活困窮者自立支援制度がスタートしたんだと承知しているところでございます。
 さて、生活困窮者の自立支援制度の創設から三年を経過し、自立相談支援事業など各種事業を進めてまいりました。この支援につながっていない方々、また支援の在り方、地域におけるサービスのばらつきなどの解消など、問題も課題も明らかになってきたことから今回の法改正に至ったものと考えているところでございます。
 そこで、社会保障審議会の生活困窮者自立支援及び生活保護部会の報告書によれば、制度創設から二年間で新規の相談者が約四十五万人、自立支援の計画の作成による継続的な支援を受けた方が約十二万人となっているとのことでございます。また、継続的な支援を受けた方のうち、多くの方々が意欲や他人との関係性の面でステップアップが図られているほか、約六万人が就労や増収につながっているということでございます。
 ここで厚労省にお伺いしたいんですが、この生活困窮者自立支援制度、これらの成果について厚生労働省はどう評価しているかであります。特に評価できる点はどういう点があるか、また十分ではない点はどういう点であるか、お伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
#285
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からお話がありましたように、生活困窮者自立支援法、平成二十七年四月に施行されたわけですから、ちょうど満三年がたったということで、全国九百二の福祉事務所設置自治体において生活困窮者への相談窓口が設置をされるとともに、各種の事業と相まって包括的な支援が行われ、そして、この施行後二年間の数字は今委員からお話がありましたけれども、確実に制度が浸透して一定の効果は上げているというふうに思うところでございます。
 しかし一方で、委員お話がありましたように、地域間でのばらつき、あるいはまだまだそこの支援に至っていない方々がおられるということ、またさらに、近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、高齢者の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性がこれからも高まっていくことが予想されている、そうしたことを踏まえて、今回、全国的に包括的な支援体制の強化を図って、そして支援が必要な方を早期に支援につなげていく、こういう必要があるということで、今回の法律の改正をお示しをさせていただいているところでございます。
#286
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 問題があるということでございますから、やはりその辺を進めるということになるわけでございますが、今回の法改正で、生活困窮者自立支援法の基本理念、この生活困窮者の定義というものが明確化を図っているところです。この法律における生活困窮者とは、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者と今までしてきたわけでございます。今回、そこに、就労の状況、心身の状況、地域社会との関連性その他の事情により現に経済的困窮とする者、具体化したわけでございます。これまでの実践を踏まえて自治体の関係者に共通の意識を持っていただくと、そして支援してもらうということに関しましては、法律上生活困窮者が、定義が明確になったということは評価できると考えているところでございます。
 そもそも、その生活困窮者の実態でございます。数の把握、午前中に石橋委員の質問もございましたけれども、これが分かっている範囲でもう一度確認させていただきたいということと、高齢化が進む、大臣から先ほどお話がございましたが、単身世帯の高齢者も増加していくと言われているわけでございます。
 今後、この生活困窮者の数がどのように推移していくのかということについてどう考えているか、お伺いしたいと思います。
#287
○政府参考人(定塚由美子君) 生活困窮者となり得る者としては、先ほども答弁で申し上げましたけれども、例えば、福祉事務所来訪者のうち生活保護に至らない方約三十万人、またホームレスの方約〇・六万人、離職期間一年以上の長期失業者の方約六十七万人、引きこもり状態にある方約十八万人、そのほか税や各種料金の滞納者、多重債務者、多重債務状態にある方、そのほか多岐にわたっているところでございます。
 また、困窮状態に陥る背景も、心身の不調や社会的孤立、家族の問題、家計の破綻、将来展望の喪失といったもの、あるいはこれらが複合しているものもあるなど、これも多様な状況でございます。
 このため、この生活困窮者の数を正確に把握する、あるいは見通すということ、困難ではございますが、御指摘いただいたように、単身世帯増加している、あるいは高齢化が進展している等々の中で、生活困窮者に対する支援の必要性、これは高まっていくものと考えているところでございます。
 また、御指摘のいただいたとおり、法案では、生活困窮者の定義について、経済的困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情というのを新たに明記をしておりますので、この見直しについては、支援対象者自体を変更するものではありませんが、生活困窮者自立支援の全国の実践者に対しましてこうした背景事情を明示をしまして、関係者間で一層の共有を図って、早期的、予防的な観点からの支援を含め、適切、効果的な支援につなげてまいりたいと考えているところでございます。
#288
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この具体的な生活困窮者の定義というのが明確になることによって対象が増える、対象枠が増えてくるんであろうというような気がするわけでございますが、今のお話ですと、別にそれは増えるわけではないということでございますね、御確認させていただきますが。そうなりますけれども、様々な要因でもって増えていくということは、高齢者とかそういうこと、状況によってというふうに受け止めさせていただきました。
 では、この生活困窮者の自治体での把握方法、又は支援体制の強化、これに関して考えてみますと、この法案で経済的に困窮する生活困窮者が具体化されたわけでございますが、心身の状況、身体の状況、地域社会との関連性その他の事情と、こういうものに関して見れば、自治体の同一部署でなかなか判明するものではないのではないかと思います。
 このような情報というのは、地方税だとか国保だとか介護保険の保険料だとか、公営住宅とか水道とか学校とか生活保護だという様々な情報、こういうのを基に自治体においてはいろいろな関連部署の連携によってこれがまとめられ、初めて判断できるものだろうと思うわけでございます。
 また、福祉事務所を設置していない町村、これは特に小さな町村が多いと思いますけれども、都道府県が実質的にその業務を担うことになっているわけでございますが、詳細な情報というのは当然市町村の役場の窓口などが把握しているというふうに思うわけでございます。そうなりますと、町村間の連携も当然出てくるでしょうし、もちろん県とは情報の共有、大切なことになってくると思うわけでございます。
 一口に情報交換と申しましても、個人情報の保護という観点から考えますと非常に難しい面もあります。でも、早期に、しかも慎重に、かつ正確な情報の共有が必要かと思いますが、具体的にどのような関係部署がどのような情報をどのような形で連携していくのか、お伺いしたいと思います。
#289
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘いただきましたとおり、生活困窮者に関する情報、庁内の様々な部署にあるわけでございまして、こうした情報共有の必要性については社会保障審議会の報告書においても取り上げられております。本人の同意が得られずに他部局、機関と情報共有をできないケース、あるいは同じ世帯の様々な人が別々の部局、機関に相談に来ているが世帯全体の課題としては共有されていないようなケース、こうしたケースの中には世帯全体としての状況を把握して初めて困窮の程度が理解される場合があるという指摘がされているところでございます。このため、本法案においては、生活困窮者の支援に関わる関係者により構成される支援会議を創設することといたしております。
 一方で、御指摘にもありましたけれども、個人情報保護や関係者の守秘義務という観点から、情報共有を行う際の運用については慎重に行う必要がございますので、この支援会議におきましては、安心して生活困窮者に関する情報共有等を行えるようにするため、構成員の範囲を定め、この構成員に対して守秘義務を掛けることとしております。
 例えば、具体的に申し上げると、介護費用の相談に訪れた八十歳代の親の生活状況を把握している地域包括支援センターと、就労の相談に訪れた五十歳の子供の生活状況を把握している自立相談支援機関がこの支援会議に集まってきて情報共有を図るということによって、世帯全体の経済状況も含めた状態を把握した上で関係機関が早期的な支援を図る、このようなことが可能になると考えているところでございます。
#290
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 やはりこの支援会議が非常に鍵を握っているという御答弁だったというふうにお伺いいたしました。
 支援体制の強化に次に入ってまいりますけれども、生活困窮者自立支援及び生活保護部会の報告書によりますと、新規相談者の抱える問題というのは、経済的な困窮を始め、就職活動が困難であるとか、病気とか、住まいの不安定であるとか家族の問題、そしてメンタルヘルス、家計管理の問題、又は就職の、就職して定着困難であるとか、また債務負担の問題とか、多岐にわたっているということでございますが、このような課題を複数抱える人がやはり半数を超えているとしているところです。また、そのうち経済的困窮が課題という方が約五割となっているということで、こういうことになりますと、やはり自立支援相談事業等の在り方としては、断らずに広く受け止めていく必要があるということが言われているわけでございまして、それ自体の基本的な姿勢は大変重要だろうというふうに考えているところでございます。
 一方、この制度を具現化し、充実していくということになると、相談支援など、この支援側の業務も複雑化、多様化してくることが予想されます。早期に生活困窮者を発見して積極的な支援を行っていくというためには、支援する側のマンパワーの強化も急務だろうかなと思うわけでございます。
 そこで伺うわけでございますが、本改正案によって業務量が増加するものとは思うわけでございます。支援員の増員など業務負担策についてどのように考えられているか、お伺いしたいと思います。
 また、生活困窮者自立支援及び先ほど申しました生活保護部会の報告書、これでは、相談支援員も、やはり高度な倫理観や相談支援の知識、技術を備えた人材の養成というのは不可欠として、国や都道府県や自治体で協働して人材育成に取り組むことを求めるという意見があると聞いております。断らない相談というのを継続していくという中になりますと、相談支援員がバーンアウトしないようにフォローアップ研修なども必要という意見があったようでございます。今後実施されます都道府県や市等の研修においてはこの相談支援員等に対して心のケアも必要かと思いますが、そのような支援は用意されているかということ。
 さらに、生活困窮者を早期に発見するため、これは福祉や労働や教育や税務や住宅、様々自治体では部署があるわけでございます。窓口職員となる方、これも重要な役割を果たしていると思うわけでございます。したがって、研修の対象というのは福祉部局だけの職員を対象でよいのかという思いがするわけでございます。これについても併せてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#291
○大臣政務官(大沼みずほ君) お答えいたします。
 生活困窮者自立支援制度は人が人を支援する制度でありまして、支援員が安心して相談業務に従事できる体制を整えることが大変重要であると考えております。
 本法案では、自治体に対する必要な人員配置の努力義務を創設いたしまして人員体制の設備を促すこととしているのに加えまして、支援実績の高い自治体を補助に当たって適切に評価するとともに、人員配置の状況を全国との比較で客観的に把握できる仕組みを設けることによりまして、人員配置の手薄い自治体の底上げを促すこととしております。
 また、都道府県による市町村の職員に対する研修等の事業を創設いたしまして明確に法律に位置付けるとともに、その中で、従事者の研修のほか、市域を越えた支援員のネットワークづくりを事業のメニューとして補助を行うこととしております。これらの仕組みにより提供体制の強化を図ることで業務量の負担軽減を図ってまいりたいと思います。
 委員御指摘のこの相談支援員のバーンアウトを防ぐための心理面でのケアも行っていくことも大変重要であると考えております。支援員が抱える困難な事例に関しまして、経験豊富な支援員によるスーパービジョンの実施や支援員同士のケース検討会を実施することによって支援員の心理的な負担軽減を行って、支援員のバーンアウトを防ぐ取組を推進していくこととしております。
 また、福祉部局以外の職員にも本制度について理解を促すことが必要との御指摘でございますが、委員御指摘のように、生活困窮者自立支援制度による支援がしっかりと機能していくためには、複合的な課題を抱える相談者に対して包括的な支援が必要であると、そうした人材育成が必要でありますので、研修を実施している都道府県におきましても、福祉部局以外に、労働であったり教育、税務、住宅などの分野の職員を対象にした研修を実施していかなければならないと思いますが、現時点でその研修状態について把握はしておらない状況ではございます。
 研修の必要性という御指摘の視点は重要であると考えておりまして、都道府県ともよく相談してまいりたいというふうに思っております。
#292
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 更に国の方でも支援を強化していただきたいと思うわけでございます。
 生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化について御質問させていただきたいと思います。
 自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業を効率的に、効果的に、一体的に実施する場合、家計改善事業の国の補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとしているところでございます。この引上げは、地方自治体にとっては事業の実施に当たっては大きなインセンティブにつながるというふうに期待があるのではないかと思います。
 また、ほかにも、任意事業でございますが、補助になっているわけですが、これは就労準備支援事業、家計改善支援事業の努力義務化をし、また、国庫補助率引上げは一体的に実施した場合との条件付きで家計改善支援事業のみとしてありますけれども、この事業を優先した理由というのは何なのかということ、それについてお教え願いたいと思います。
#293
○政府参考人(定塚由美子君) 家計改善支援事業及び就労準備支援事業でございますが、社会保障審議会におきましても、直ちに一般就労することが難しい人、あるいは家計の状況を把握することが難しい人など、それぞれの事業の対象となる人が規模の小さい自治体も含めてどの自治体にも存在をするということが指摘されておりまして、また、審議会の報告書では、就労準備支援事業及び家計相談支援事業については、自立相談支援機関における相談の出口、相談を対応して自立支援までつなげるような出口のことでございますが、このツールとしていずれの自治体においても求められるものであると指摘されているところでございます。
 こうした報告書の内容も踏まえまして、今回の法案では、自立相談支援と併せて任意事業である就労準備支援事業、家計改善支援事業、この三つの一体的実施を促進するということとし、これによりまして全国どの地域でも相談者来られた場合に効果的な支援を提供することができる包括的な相談支援体制をつくるということを目指しているところでございます。
#294
○宮島喜文君 家計改善支援事業をこういうふうに取り上げているということはそれなりに意味はあるんだろうかなとは思うんですが、厚生労働省が作成した法案の説明資料の中にあったと思うんですが、自立相談事業を含め、先ほども答弁がございました、三事業を一体的に実施でございますが、これを自治体の実情に留意しながら三年間の集中実施期間で完全実施を目指すということが書かれておりました。
 就労準備支援事業、家計改善支援事業をこれは一〇〇%、もういわゆる完全実施という意味でしょうか。これもしも完全実施となればもはや任意事業ではなくなっていくのではないかと思うわけでございまして、義務的というか必須事業となって、国庫の負担率も引上げになるというふうに考えてよろしいものでしょうか。
#295
○政府参考人(定塚由美子君) 御紹介いただきましたとおり、就労準備支援事業、家計改善支援事業につきましては、自治体の実情に留意しながら今後三年間を集中実施期間として計画的に進めて、全ての福祉事務所設置自治体で実施する、すなわち実施率を一〇〇%にするということを目指すということでございます。
 また、一〇〇%にするということで必須事業化ではということにつきましては、審議会の報告書の中でも、法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治体で実施されるようにすべきとされているという議論の経緯はございますが、実際にはこの二つの事業の実施率、約四割にとどまっており、また、地域によっては需要として顕在化しているものが少なかったり、担い手となるような委託事業者が不足しているというふうな状況もありますので、まずは任意事業のままで必須事業とはせずに、自治体の状況に留意しながら両事業の全国的な実施促進を図って一〇〇%を目指すということとしたものでございます。
 これら事業の実施割合が高くなった際どのような制度にするか、あるいは国庫負担の割合についてはその時点で改めて検討させていただきたいと考えてございます。
#296
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 これからの課題として残すというふうに受け止めました。
 最後に、本改正案でございますが、これまでの法律上の支援策の強化拡充につながる、生活困窮者やまた生活保護の受給者、一人親家庭の方々に対しての支援をますます強化していくというものとして考えますと、大変評価できるというふうに考えているところでございます。
 特に、生活困窮者は、それぞれの地域において就労や定住され生活が安定するということは、本人だけでなくて地方自治体にとっても、地方の住民にとっても安心できることであるわけでございますし、また地方の活性化にもつながるのではないかと思いますし、地域社会のプラスにつながるというふうに考えているところでございます。
 この新たな制度を必要な方にきちんと届くように政府は積極的に広報していただきたいと思いますが、最後に厚生労働大臣の決意を一言お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#297
○国務大臣(加藤勝信君) この生活困窮者自立支援制度、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まる中で、地域のセーフティーネットとして、また、これから私どもが目指す地域共生社会の実現における大変大事な制度だというふうに考えております。
 今回の改正で本制度の包括的な支援体制をこれ強化することになりますけれども、今回の法案で実際の施行時期は幾つかに分かれておりますから、それぞれの施行時期を踏まえながら、必要な財源は確保しつつ、生活保護制度とも相まって生活に困窮する方の多様なニーズに対応した支援を進め、生活に困窮する方の一層の自立の促進をしっかりと図らせていただきたい、こう思っております。
#298
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 少々時間があるようでございますが、これで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#299
○小川克巳君 自民党の小川克巳でございます。
 少し風邪を引いておりまして、薬を飲んだら眠たくてしようがないというところで、目と鼻、喉が少し調子が悪いんですけれども、少しお聞き苦しい点がありましたらおわび申し上げます。
 ということで、社会保険制度や労働保険制度という第一義的なセーフティーネット、そして、最後のとりでとも言うべき生活保護制度という最終的なセーフティーネットを発動せずに済むよう、その間に第二のセーフティーネットとして平成二十七年四月に生活困窮者自立支援法が施行されたわけですが、平成二十七年三月時点でおよそ二百十六万人であった生活保護受給者が平成二十九年九月時点では二百十三万人まで減少、また、緩やかな上昇傾向にあった相対的貧困率や子供の貧困率、いずれも低下しており、本法施行による貢献もそれなりに得られているものと理解しております。
 ただ、その一方で、単身世帯が多い高齢生活保護受給者の増加を主因として生活保護受給者は継続して増加し、平成二十九年九月時点で約百六十四万世帯となっていることや、生活困窮に陥る背景には様々な要因が複雑に絡み合っていることが多く、成果とともに課題も明らかになってきたと捉えています。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 今回、そうした状況を踏まえつつ、その附則に置かれた施行後三年をめどとした検討規定等に基づいた改正案が提出されたわけですが、それぞれに課題も多く、それらの手当てに日夜努力されておられる政府及び厚生労働省諸兄姉には心より敬意を表する次第です。
 ただ、せっかくの仕組みや制度がその効果を十分に発揮できていない側面があることも事実であり、つくる側からの目線のみならず、その制度や仕組みを利活用する人たちの視点が忘れ去られないことが必要であると考えています。ぬくもりのある利活用しやすい制度や仕組みをどうつくり上げるのか、そうした観点から質問をさせていただきます。これまでの質問と重なる部分も多くありますけれども、確認という意味で答弁をお願いいたします。
 まず、今回、生活困窮者の自立支援の基本理念が明確化され、さらに、生活困窮者の定義規定の条文に、困窮に陥る要因にまで踏み込んで改められました。
 まず一点ですが、本来、いずれも初期のバージョンで明記されるべきものであったと思いますが、今回、殊更基本理念が明確化された背景についてお願いをいたします。
#300
○政府参考人(定塚由美子君) 生活困窮者自立支援制度の目指すべき理念については、制度発足以来、従来から、運用の中で生活困窮者の自立と尊厳の確保や生活困窮者支援を通じた地域づくりといったような観点を関係者で共有しながら、包括的な支援を進めてきたところでございます。
 こうした運用による対応の中で、生活困窮者自立支援法については、多数かつ多分野の関係者が関わっているということから、社会保障審議会の議論、報告書の中で、多様な関係者の中でこうした理念、定義というものの共有を一層図るために、法令において生活困窮者の定義や目指すべき理念を明確化すべきとされたところでございます。
 これを受けて、本法案では、基本理念として、生活困窮者の尊厳の保持や生活困窮者の状況に応じた包括的、早期的な支援、地域における関係機関との緊密な連携を明記することとしたところでございます。
 生活困窮者の定義規定の明確化と相まって、今回の法改正をきっかけとして、生活困窮者支援に関わる関係者間でこの目指すべき理念、一層共有をしっかりと図りまして、適切、効果的な支援の展開につなげてまいりたいと考えているところでございます。
#301
○小川克巳君 分かりました。
 ただ、自立支援の基本理念の明確化の中に、今おっしゃいました生活困窮者の尊厳の保持であるとか、二つ三つほどあるんですけれども、こういうのというのは、逆にお尋ねの仕方を、なぜ今の現行法の中に盛り込まなかったのかということをお聞きした方がよかったかもしれないなと、今お話を伺いながら思っておりました。
 では、三条の定義ですけれども、この条文に、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情によりということで、困窮に陥る要因が追加されているわけですけれども、このほかに想定される要因があったのか、もしなければなぜここにわざわざ盛り込む必要があるのかといったこと、それから、もしあった場合についてはなぜ明記されなかったのかという点について、ありましたら、お答えをお願いいたします。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#302
○政府参考人(定塚由美子君) 第三条の定義規定につきましては、現に経済的に困窮し、最低限度の生活の維持することができなくなるおそれのある者という部分に加えまして、今回の法案で、経済的困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を明示することとしたところでございます。
 この明確化につきましては、これまでの生活困窮者自立支援の場面でも、この経済的に困窮をしているということだけを捉えるのではなくて、ここの背景事情に書き込んだようなもの、また、特に地域社会との関係性、孤立といったような側面も考えられますけれども、こういう背景事情も踏まえて支援をするということ、関係者間では共有をして進めてきたところでございますけれども、やはりこれをきちんと入念的に明示をして、関係者多くなる中で共有を進めていくということで支援を効果的に行っていきたいと考えられたものでございます。
 また、背景事情として今回明記しているもの以外に考えられるものとしては、例えば、住まいの状況、何らかの事情で住まいを失いかねないような状況にあるとか、家計の状況、家計管理がうまくいかない状況にあることなどを想定しておりますけれども、明記したものとしては代表的なものを明記をしたというところでございます。
#303
○小川克巳君 ありがとうございます。
 とすると、これは、私の理解では要するに困窮に陥る原因というふうに捉えましたけれども、そういった側面もあるぞということの意味の方が強いわけでしょうか。
#304
○政府参考人(定塚由美子君) 今回明記をしましたのは、元々ありました、現に経済的に困窮しというところの背景的な事情というのを書いておりまして、経済的に困窮に至るときに、就労あるいは心身、地域社会の関係等で様々な問題が起こってきて、それが経済的困窮につながっていくということで、今現在非常に経済的困窮しているというふうに捉えられなくても、こうした関係性も見ながら判断をしていくという趣旨でございます。
#305
○小川克巳君 ありがとうございました。理解しました。
 続いて、支援事業についてお伺いをいたします。
 現行法では必須事業と任意事業という二つのくくりになっているわけですけれども、改正案では任意事業に努力義務が加えられました。
 この実施状況を平成二十七年度から二十九年度までの推移で見ると、就労準備支援事業、二百五十三自治体二八%が三百九十三自治体四四%、それから一時生活支援事業、百七十二自治体一九%が二百五十六自治体二八%、それから家計相談支援事業、二百五自治体二三%が三百六十二自治体四〇%、子供の学習支援事業、三百自治体三三%が五百四自治体五六%というふうに報告されています。
 一定の成果が得られていると思われますが、一方で、自治体ごと、事業ごとを見ると、実施状況に相当のばらつきがあるという事実もあります。これらを改善するための取組が必要であると考えますが、本来全ての事業が一体的に提供されることが必要としながら、今回努力義務にとどめた理由についてお伺いします。
#306
○政府参考人(定塚由美子君) 就労準備支援事業及び家計相談支援事業の在り方については、審議会において全国的実施を図るための方策について議論がされたところでございます。
 その議論の中では、全国的な実施の必要性がある一方で、地域によっては需要として顕在化しているものが少なかったり、マンパワーや委託事業者が不足しているという実情があるという指摘もありまして、まとめられた報告書では、法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治体で実施されるようにすべきとされているところでございます。
 こうした中、先ほど御紹介いただいたように、両事業の実施率、約四割にとどまっているということ、また、先ほど申し上げたような審議会における指摘があるということも踏まえまして、今回の見直しではすぐに必須事業をするということではなくて、現状からそれを促進していって両事業の更なる促進を図る、これが最も適切な方法であると考えたところでございます。
 今後の制度の在り方については、これからの推進の状況も踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。
#307
○小川克巳君 ありがとうございます。
 ただ、アンケート結果、厚労省が出していますアンケート結果なんかを見ますと、そのニードの、ニードがあること自体がはっきりしないとか、ニードがありつつも事業化するほどのボリュームがないというふうなことがあるというふうなことなんですけれども、それらを見ましたときに、やっぱり今後どんどん、市町村に行けば行くほど、へき地に行けば当然人が少なくなってくるということで、どんどんどんどん状況が良くなくなるといいますか、好転する兆しは難しいんだろうなというふうに思います。そういった点で、そこら辺も含めて、今後、五年後の見直しということになるのかもしれませんけれども、是非、血の通った手当てをしていただきたいなというふうに思います。ありがとうございました。
 今お答えいただきました理由なんですけれども、それらを踏まえて、今後更に検討すべき事項、あるいは、今後自治体等が取り組みやすくするための制度的あるいは財政的な工夫など、お考えがありましたらよろしくお願いします。
#308
○政府参考人(定塚由美子君) 自立相談支援事業と併せて就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的な実施の促進を図るというための具体的な方策といたしましては、まず制度面については、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施の努力義務化、これに加えまして、両事業の適切な実施を図るために必要な指針を策定することにより、この二つの事業に自治体が取り組みやすくなるような事業実施上の工夫を図りたいと考えております。
 事業実施上の工夫としては、例えば複数の自治体で広域的な実施をするということであるとか、障害福祉サービスとのタイアップによる事業実施であるとか、そういった工夫を集中してまいりたいと考えております。
 また、財政的な支援としては、自立相談支援事業と併せて両事業が効果的、効率的に行われている場合には、今回の見直しで家計改善支援事業の補助率の引上げ、また就労準備支援事業における利用促進や定着支援に要する費用などに関しての基準額の加算措置をつくることとしております。またあわせて、都道府県が市町村における両事業の実施体制の支援を進めていくということとしておりまして、国はそうした支援に対する費用の一部を補助することにしております。
 こうした方策によりまして、自治体の実情に留意しながら、今後三年間、集中実施期間として就労準備支援事業、家計改善支援事業を全ての福祉事務所設置自治体で実施できるようにするということを目標に取り組んでまいりたいと思っております。
#309
○小川克巳君 その一環として、両事業、就労準備支援事業並びに家計改善支援事業ですけれども、効果的、効率的に実施した場合のという記載がございます。この効果的、効率的に実施ということを具体的にどう図っていくのかということについて簡単に御説明願います。
#310
○政府参考人(定塚由美子君) 家計改善支援事業の補助率を引き上げる効果的、効率的に実施ということ、具体的な要件については今後政令において定めることになりますけれども、自立相談支援事業と併せて就労準備支援事業と家計改善支援事業の両方を実施しているということに加えまして、生活困窮者に対する個別の支援計画の協議に両事業、この就労準備、家計改善の事業の実施者も一緒に参画をすることなどを要件とすることを想定しているところでございます。
#311
○小川克巳君 ありがとうございます。
 自立相談支援事業の利用勧奨の努力義務化が盛り込まれました。いわゆる単純待ち受けだけでは十分にその成果を上げることはできません。厚労省や自治体側からの情報発信に加えて、関係諸機関からの情報収集や、対象となり得る可能性のある世帯に足を運んでの対象者の掘り起こしが必要であることが指摘されております。仮称ですが、支援調整会議の設置なども提案されていますが、それらの具体的方策について厚労省の見解をお伺いします。
#312
○大臣政務官(大沼みずほ君) 生活困窮者自立支援制度における支援の対象者につきましては、社会保障審議会の報告書の中でも、施行後二年を経過し、支援の効果が現れてきている一方で、適切な支援を受けることができていない生活困窮者が数多くいるとの言及がなされております。
 また、生活に困窮する方の心理状態を見ても、日々の生活に追われ気力を失い、また自尊感情の低下等により自ら相談や申請を行うことが難しい方も少なくないため、相談に来るのを待つのみではなく、その方を積極的に支援につなげていくことが重要であると考えております。
 本法案におきましては、自治体の福祉、就労、教育、税務、住宅等の関連部局において生活困窮者を把握した場合に生活困窮者自立支援制度の利用勧奨を行う努力義務の創設のほか、生活困窮者支援に関わる関係者間で支援を必要とする方について情報共有を行うための支援会議の創設を行っており、これらの取組を通じて生活困窮者に対する支援の強化を図ってまいりたいと思います。
 また、委員御指摘のように、対象となり得る可能性のある世帯に対しましては、支援会議でその端緒が共有されましたならば、窓口に来た際に支援制度の利用勧奨を行うとともに、福祉担当者が民生委員等と連携をし、本人の尊厳に十分配慮しながら、対象となり得る可能性のある世帯へのアウトリーチを図ってまいりたいと考えております。
#313
○小川克巳君 ありがとうございます。
 アクセスが悪いとやっぱり、もうこれがなかなか必要な支援が実現しないという大きな理由でもありますので、物理的なアクセスもそうですけれども、手段としてのアクセスも是非考えていただけると有り難いなというふうに思います。
 それから、これはまた先ほど、たった今質問があったところですけれども、人材育成につきまして、特に家計改善支援事業など、支援の内容によっては専門的な知識や技能が求められることになります。中途半端な支援に終わらないためにはそれぞれの支援に関わる人材が必要になるわけですけれども、それらの人材の確保と育成について対応をお伺いします。
#314
○政府参考人(定塚由美子君) 現場において質の高い支援を実施するためには、支援に関わる人材の質的、量的な確保と育成、大変重要と考えておるところでございます。
 このため、本法案では、自治体に対する必要な人員配置の努力義務を創設をして人員体制の整備を促すとともに、支援実績の高い自治体への補助の実施などを通じて人員配置の促進を図っていくこととしております。
 また、研修ということでございますけれども、厚生労働省では、自立相談支援機関の支援員向け研修を六日間のコース、また、家計相談支援員と就労準備支援担当者向けの研修をそれぞれ三日間のコースで実施をしております。これらの研修では、具体的な支援手法を学ぶために実践的な取組方法とか先駆的な事例の紹介という点に力を入れておりますが、それだけではなくて、学んだ知見を応用するために、グループワーク、事例検討などを充実させて、支援技術の向上に結び付くような研修としているところでございます。
 厚労省が実施しておりますこれらの研修は、平成三十二年度を目途として基本的には都道府県に実施主体を移管するということとしておりまして、都道府県において研修がしっかりと実施されていく必要があることから、改正法案において、都道府県事業の一つとして支援員の研修、位置付けているところでございます。
 現時点でも既に四十の都道府県で研修実施していただいておりまして、この中には、支援員とともにプロジェクトチームを立ち上げて研修内容の企画立案、実施を行うなど、効果的、効率的な研修を実施している自治体もありますので、こうした効果的な研修の開催方法などについても広く周知をしてまいり、都道府県での研修の実施に向けて厚労省としても支援をし、支援員の質の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#315
○小川克巳君 この研修の内容についての見直しということについては、一定の期間か何かを置いて見直していくというような計画となっているんでしょうか。
#316
○政府参考人(定塚由美子君) 現在、先ほど申したように、国で直接研修を行うということを中心として、また自治体でも実施をしていただいておりますが、三十二年を目途に基本的に都道府県にその実施を移すということにしております。したがいまして、三十二年度を目指して更にこの研修内容をレベルアップしまして、どのような研修内容にするか、毎年内容を向上させておりますので、更にしっかり検討を進めてまいりたいと考えております。
#317
○小川克巳君 ありがとうございました。
 子どもの学習・生活支援事業についてお尋ねをいたします。
 今回の改定により、子供の学習支援事業に加えて生活支援事業が追加されました。学習支援を効果的に実施するには生活習慣や育成環境を改善することが必須であることは論をまたないところと承知しますが、では、それらの助言を誰に対して行うのでしょうか。当然、保護者ということになろうかと思いますが、保護者の中には、単に助言だけでは耳を貸してくれないということもあろうかと思います。せめて、助言又は指導というところまで踏み込んだ方がよかったのではないかなというふうに思ったりもしますが、その点について所見をお伺いします。また、そういうケースがあった場合に、具体的にどのように展開するのでしょうか。
 あわせて、これ少し話が変わりますが、世帯分離ということがいろんな意見が出ておりますけれども、これが設けられている、又は廃止されない理由、それと、自宅通学十万円、自宅外通学三十万円という根拠についても併せてお答えをお願いいたします。
#318
○政府参考人(定塚由美子君) 子供の学習支援事業でございますが、今回の法案では、従来の学習支援に加えまして、子供の生活習慣や育成環境の改善に向けた子供やその保護者への支援、また、高校中退の子供などの進路選択に当たっての相談支援などの拡充を行いまして、子どもの学習・生活支援事業として強化をしているところでございます。
 今回強化するもののうち、生活習慣の改善等に関する助言については、子供の学習支援事業による支援を受けている子供を対象として行いまして、また、育成環境の改善に関する助言についてはその保護者を対象として行うということを主な対象者として想定しているところでございます。
 助言にとどまらず、指導まで踏み込んだ方がよかったのではないかという御指摘でございますけれども、今回追加しております助言とは、例えば規則正しい就寝時間とか食生活など、子供に基本的な生活習慣を身に付けるためのアドバイスであるとか、子供との関わりが少ないとか子育てに関心が持てないといったような親御さんの悩みや不安感に対するアドバイスといった、学習支援事業を利用しているお子さんから見えてくる家庭問題とか養育事情に応じた必要な支援を親とともに考えていくというような支援を想定しております。
 また、この事業への参加というのは基本的に任意でございますので、強制的と取られかねない指導という形態では、親との関係性が難しいという側面もあろうかと思います。
 一方で、議員御指摘のとおり、ケースによっては踏み込んだことが必要という場面も想定されるところでございますけれども、そうした場合には、自治体の子育て関係部署など子育てに関する個別の機関等と連携をしてつないでいくということで、必要な支援あるいは指導を行ってまいりたいと考えております。
 それから、世帯分離のことについて続けて答弁をさせていただきます。
 生活保護でございますけれども、資産や能力その他あらゆるものを活用するということを要件としておりまして、この原則により、生活保護世帯の高校卒業生については、高校への就学によって得られた技能や知識を活用して就労できる方には就労していただくということにされているところでございます。
 しかしながら、大学等への就学は、御本人や世帯の自立助長に効果的であると考えられることから、保護世帯全体の廃止ではなくて、世帯分離を行って、大学等への進学者分の保護費を支給しないということによって、同居をしながらも就労を求められずに大学等に就学することができるようにしている、これが世帯分離と言われるものでございます。
 さらに、生活保護世帯の子供の大学への進学支援については、本法案では、生活保護制度において大学進学後の費用を貯蓄することが認められていないということを踏まえまして、大学等への進学準備のための一時金の給付を創設することとしたところでございます。この給付額、自宅から通学の方は十万円、自宅外から三十万円ということでございますが、これは民間団体、具体的には全国大学生活協同組合連合会でございますけれども、が実施した調査などを参考に、高校卒業後働く方や生活保護世帯以外の子供とのバランスも考慮しながら総合的に勘案して決定をした額でございます。
#319
○小川克巳君 ありがとうございます。
 この辺り、とってもいろんな課題がまだまだあると承知をしておりますけれども、一つこういった形で支給ができるということに関しては歓迎すべきことだなというふうに思っております。
 続きまして、一時生活支援事業の実施期間、これは一時生活支援事業のみに限らないんですけれども、この事業については、今回、対象がシェルター等の利用者、それから居住に困難を抱える人であって地域社会から孤立している人にまで拡充されました。生活拠点たる住居については、社会参加を本格的に進めていくための前提でもあり、極めて大切な、しかも第一番に満足させられるべき要件であると承知をしております。この支援については、一定の期間、三か月、それから最大六か月というふうに承知をしておりますが、にわたり訪問等による日常生活支援を行う事業が追加されました。
 ただ、こういった事業に関しましては、期間ということが定められていますが、むしろ到達目標達成によるとする方が合理的ではないかと考えます。
 費用対効果を長期的なスパンで考えたときに、一定のその事業目的を達成したか否かという時点での対応の在り方ということが考えられてもいいのかなというふうにも思ったりするのですが、その辺りの見解をお願いいたします。
#320
○政府参考人(定塚由美子君) 一時生活支援事業でございますが、元々規定してあります一時生活支援事業については原則三か月、最大で六か月という期間を設けております。
 今回の法案で拡充する事業についても厚生労働省令で定める期間として期間を設けているわけでございますけれども、この考え方としては、一定の期間を設けてその間で計画的に支援を行うということが事業の実施者にとっても、また利用者の自立を促すためにも有効と考えられるということから、一定の期間を設けているところでございます。
 具体的には、事業利用者の状況に応じた個別の支援計画において利用者の自立に向けた目標決定を行いまして、その目標に向けて一定期間支援を行っているということをしているわけでございます。
 今回追加する事業につきましては、障害者総合支援法に基づく自立生活援助の実施期間が原則一年間を想定していることなどを勘案して、原則最長一年間と規定することを想定をしております。この一年間の中で地域住民との間で互助などの関係性を醸成するということにも寄与をして、支援員による支援を前提としなくても地域において安定的に暮らしていけるような状態を目指すということとしてまいりたいと考えております。
#321
○小川克巳君 ありがとうございました。
 生活保護制度についてお伺いいたします。
 生活保護の被保護者人員は、平成三十年二月分の概数で約二百十一万五千人、被保護世帯数は約百六十四万世帯であり、前年よりそれぞれ若干減少しているものの、近年、生活保護負担金は増加傾向にあり、平成三十年度予算では三兆八千百八十二億円となっています。今後、高齢化の進展に伴って更に単身高齢者世帯の増加が予想されますが、財政面から見て生活保護の現状についてどのように認識しておられるのか、今後、生活保護負担金はどう推移し、それに対してどのように対応していくのか、厚生労働省の見解をお伺いします。
#322
○政府参考人(定塚由美子君) 御紹介いただきましたとおり、生活保護受給者数、減少傾向ではございますが、受給者に占める高齢者の割合は今後とも高まっていくと見込まれるわけでございます。
 このような中で、生活保護費負担金については、生活保護受給者数の減少を踏まえて生活扶助費の部分は横ばい又は微減となっておりますが、医療扶助費の方は、直近、平成二十八年度まで増加傾向続いておりまして、二十八年度の実績では事業費ベースで一兆七千六百二十二億円と、生活保護費全体の約四八%という状況となっております。
 生活保護負担金の今後の推移というお尋ねでございましたが、これについては、生活保護受給者数の推移、世帯構成の変化、就業の状況など、経済状況など、様々な要素の影響を受けるため、将来どの程度になるか正確に見通すことは困難と考えております。
 一方で、昨日公表された社会保障給付費の見通しにおいては、生活扶助費等について、GDPに対する給付規模が将来にわたって変わらない、また、医療扶助費及び介護扶助費においては、医療、介護全体の伸びと同様に推移するという仮定を置いて機械的な試算、機械的な推計を行っておりまして、これによると、生活保護費全体で二〇一八年度の三・八兆円が二〇二五年度に四・五兆円、二〇四〇年度に六兆円から六・一兆円になると推計しているところでございます。
 いずれにしましても、本法案によりまして、生活困窮者に対する包括支援体制、強化するということを目指しているところでございますので、現在困窮状態にある方への対応を図るとともに、将来困窮状態に陥らないような早期的、予防的な対応を深めてまいりたいと考えております。
#323
○小川克巳君 ありがとうございました。終わります。
#324
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 牧原副大臣におかれましては、本日は担務外であるにもかかわらず御対応賜りまして、ありがとうございます。
 牧原副大臣は子供の貧困対策など取り組んでおられまして、同じ問題意識をお持ちいただいているのではないかと思っております。今日は、質疑を通じまして更に問題意識を共有していただきまして、いい答弁をしていただきたいと思ってお呼びさせていただきましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 加藤大臣も質疑の中でおっしゃっておられましたが、改めて副大臣のお言葉でいただきたいんですが、生活困窮者自立支援制度がスタートして三年たちました。三年間の評価、また三年間で見えてきたもの、どのようにお考えでしょうか。
#325
○副大臣(牧原秀樹君) ありがとうございます。
 この生活困窮者自立支援法が平成二十七年四月に施行されて以来、全国九百二の福祉事務所設置自治体に生活困窮者への相談窓口が設置されるとともに、各種任意事業と相まって包括的な支援が進められております。施行後二年間で、新規相談者は約四十五万人、個別の支援プラン作成により継続的に支援した人は約十二万人、就労そして増収した人は約六万人に達するなど、確実に制度が浸透し、一定の効果を上げていると考えております。
 一方、近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。各地域における事業実施の取組状況を見てもばらつきがありまして、全国的に包括的な支援体制の強化を図り、支援が必要な方を早期に支援につなげていく必要があると考えております。
 本法案は、こうした状況を踏まえ、包括的な支援体制の強化を行うために提出をさせていただいたところです。
#326
○山本香苗君 もうちょっと御自身の言葉でお話ししていただきたかったなと思うところもあるんですが、とにかく、取組が進む中で、私改めて社会的孤立というものへの対応が極めて重要だということを実感しております。
 といいますのも、単身高齢者、引きこもり、無業者、一人親家庭など、社会的孤立リスクの高い人ほど、先ほど御紹介いただいたように、支援につながりにくいと、支援が必要なのに支援につながりにくい。しかし、こうした方々を放置したままでは私たちが目指しております地域共生社会の実現はできないわけでありまして、こうした社会的孤立への対応が急がれると考えますが、副大臣、いかがでしょうか。
#327
○副大臣(牧原秀樹君) まさに議員御指摘のとおりでございまして、この社会的な孤立というのは、本人の自立への意欲もなくしたり、あるいは自己有用感を持てずに生活困窮をより深めていくということにつながっていきますし、地域や社会にとっても、活力を失って地域社会の基盤を脆弱にするということになりかねない大変重要な問題だと思っております。
 本法案におきましても、そうしたことを考え、生活困窮者自立支援法の中で、生活困窮者が置かれている状況の例として、こうした地域社会からの孤立の状況というのを明確に位置付けるとともに、その定義につきましても、経済的困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を明示する改正を行って、関係者間でこうした事情を踏まえた適切かつ効果的な支援の展開を目指すことというふうにしております。
 また、一時的な宿泊場所を提供する一時生活支援事業についても、シェルター等を利用していた生活困窮者のほか、居住に困難を抱えた、地域社会からの孤立の状態にある生活困窮者に対して訪問等による見守りや生活支援を行う事業を位置付けておりまして、こうした取組を複合的に進めることによって、孤立した皆様によりきめ細やかな対応を図ってまいりたいと考えております。
#328
○山本香苗君 具体的にいろいろお話ししていただきまして、ありがとうございます。
 それ、後で一つ一つ詰めていきたいと思いますが、今回、社会的孤立ということが生活困窮者の定義の中に盛り込まれたわけであります。これによって、最低限度の生活が維持できなくなるおそれが生じるのは現に経済的に困窮していることだけではないんだと、社会的孤立など様々な要因が絡み合っているんだということが明確になって、ようやくこの実態に即した定義規定になったと思っております。支援の現場で懸命に頑張っておられる方々の思いを受けて、今回、社会的孤立という文言が入るように最後まで粘り強く頑張ってくださった厚生労働省の皆さんには心から感謝を申し上げたいと思います。
 しかし、社会的孤立というものに対して、理解は残念ながら十分ではないと思っております。これを契機に、社会的孤立というものの考え方というものをしっかりと示して、社会全体で共有していくということが必要だと思います。
 そこで、改めてお伺いするんですが、先ほどもおっしゃったんですけど、社会的孤立とは一体何なんだと、そして社会的孤立しているかどうかというのはどう判断するんだと、お答えいただきたいと思います。
#329
○政府参考人(定塚由美子君) 社会的孤立でございますが、一般的には家族や地域社会との交流が著しく乏しい状態をいうと考えております。
 このような社会的孤立につながる状況は個人によって様々でございまして、客観的な状態としては高齢者等の単身世帯、引きこもり、長期離職の状況などが考えられ、また主観的な状況としては頼れる人の有無や会話の頻度などといったことから測られるものであると考えております。
 こうした孤立という状況に至っている場合には、失業や疾病などの生活課題に直面した際に本人の自立への意欲もそがれて、こうした生活課題を解決することが一層困難ともなる、先ほど委員からも御紹介ありましたけれども、こうした声は生活困窮者支援の実践の現場からもしばしばお聞きをしているところでございまして、このために、就労とか住まいとか、目に見える課題に対応するだけでは根本的な解決とはならないと考えておりまして、生活困窮者の社会的孤立の状況にも目を配っていく必要があると考えております。
 このため、本法案における基本理念や定義の明確化の趣旨について、委員からも御指摘ありましたような、孤立というものがどういうものかということについても含めて、自治体の方や支援関係者に対してできるだけ分かりやすい形でお示しをし、共有を図ってまいりたいと考えております。
#330
○山本香苗君 最初、社会的孤立というものを定義付けるのは難しいかなと思ったんですが、ただ、定義付けない限り、埋もれている人たちが見えないんです。定義付けることによって社会的孤立というものの、社会的に孤立している人たちの姿が浮かび上がってくるはずですので、是非しっかりそうしたものにトライしていただいて、本当に社会的孤立、社会的に孤立している人たちの姿を浮かび上がらせていただきたいと思います。
 そうした中で、社会的孤立というものをこの定義規定に明確に位置付けることによって、私、支援の概念も変わってくると思うんです。といいますのも、問題解決をするというだけではなくて、一緒に悩んで、伴走して、つながり続けると、こうした支援が求められるんじゃないかと。何か解決するというんじゃなくて、つながり続けると。それを、そうしたことを評価する仕組みが同時に必要になってくるんじゃないかと。
 支援の効果を把握、見える化するための評価指標というものがあります。そこに是非、伴走型でつながり続けるということを盛り込んでいただきたいと思います。石橋先生の質問の中にもありましたけれども、就労して終わり、つながって終わりじゃないと、つながり続けるという選択肢もしっかり評価すると、そういう仕組みを是非副大臣、つくっていただきたいんですが、どうでしょうか。
#331
○副大臣(牧原秀樹君) この先生の御指摘のような伴走型でつながり続けるということを評価するということについては、厚生労働省としても、この生活困窮者自立支援制度を通じた生活困窮者への自立支援の効果を把握、見える化するために新たな評価指標による調査を実施しており、この指標においては個別支援計画を作成し、継続的な支援の対象となった方について経済状況や就労状況に加えて、自己肯定感の高まり、社会や家族との関わりに関する状態の変化についても調査をしているところでございます。
 しかし、先生がおっしゃるような伴走型でつながり続けるということや、世帯全体として地域から孤立している状態、生活困窮者を取り巻く地域の環境などは調査の対象外となっていることから、このつながりの程度を把握する方法についてはよく研究し、考えていきたい、こういうふうに思っております。
#332
○山本香苗君 ありがとうございます。
 そもそもなんですが、厚生労働省は社会的孤立、我が国における社会的孤立の実態というものをどの程度把握されているんでしょうか。
#333
○政府参考人(定塚由美子君) 社会的孤立に関する状況でございますけれども、様々、多面的に捉えていくことが重要であると考えております。
 社会的孤立をめぐる状況として様々な統計調査ございますけれども、例えば高齢者等の単身世帯、一人親世帯の割合といった世帯構成の推移であるとか、五十歳時点での未婚割合の推移、日常生活における人との会話頻度や頼れる人の有無といった人と人とのつながり、支え合いの状況に関する調査結果、あるいは生活困窮者自立支援の実践から把握された新規相談者の抱える課題、ニートや引きこもりとか社会的孤立といった課題が一定程度存在しているところでございます。こうしたことなどを通じて、状況を把握しているところでございます。
#334
○山本香苗君 海外においては、社会的孤立が健康や経済に対して様々な影響を与えるということが知られております。例えば、アメリカでは、孤独のリスクは一日たばこを十五本吸うことに匹敵すると、アルコール依存症に匹敵すると、運動しないことよりもリスクが高いとか、また肥満の二倍リスクが高いといった研究成果もあります。また、今年一月に孤独担当大臣を置いたイギリスにおいては、孤独による経済的損失は約五兆円というふうな試算もございます。
 こうした研究成果等、海外における、こうしたものをどう厚生労働省は受け止めておられるんでしょうか。我が国において、こうした社会的孤立が個人や社会に与える影響といったもの、リスクについての研究というものはなされているんでしょうか。
#335
○政府参考人(定塚由美子君) 今御紹介いただいたような海外の調査、あるいは、イギリスでしばしば又は常に孤独を感じている大人が九百万人以上いて、孤立により年間約四・九兆円の経済的損失が発生しているなどの推計結果がありまして、孤独担当大臣を設置して対策を講じていくということ、これは承知をしているところでございます。
 我が国において、今回の制度見直し御議論いただいた審議会の報告書においても、社会的に孤立しているために失業その他の出来事をきっかけに困窮状態に至ってしまう危険性をはらんでいる状態にある人については早期に予防的な対応を行うことが重要であることを認識する必要があるとの指摘をいただいているところであり、困窮状態の背景には社会的孤立の問題が存在し得るということを十分に認識をした上で支援を考えていく必要があるということは、日本でも、イギリス、諸外国においても共通のことなのであろうと受け止めているところでございます。
 それから、調査研究でございますけれども、先ほど申し上げたような実態に加えまして、例えば、内閣府で高齢者の生活実態や若者の生活実態の調査、また、民間では、政府の支援を受けて全国四十の市町村と共同して三十万人の高齢者を対象とした調査を行っている日本老年学的評価研究、JAGESプロジェクトというようなものがあると承知しておりまして、こうした調査研究などについても参考としてまいりたいと考えております。
#336
○山本香苗君 副大臣、今聞いていただいていたと思うんですが、我が国においては社会的孤立に関する統計ってほとんどないんですよ。社会や個人に与える影響というものについての調査研究もほとんどなされておりません。今御紹介いただいたのをいろいろ調べてこられたんだなと思いながら聞いていたんですが、これでは効果的な対応を取るといっても十分な対応が取れないと思うんですね。
 ですから、これを契機に、是非、厚生労働省としても、この社会的孤立の実態を把握するための統計、そうしたものを整備していただいて、そして、社会的孤立の社会等に与える影響調査というか影響の研究というものを是非実施していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#337
○副大臣(牧原秀樹君) まさに委員が御指摘になりました社会的孤立を実態を把握するということは極めて重要であるというふうに考えておりますので、多面的な面があるということを先ほど局長からも答弁させていただきましたけれども、内閣府など関係省庁やあるいは民間団体等が実施しているものも含めて、先ほどありましたが、そういうことを含めて統計的なもの等できるかどうか、検討してまいりたいと思います。
 なお、平成三十年度の社会福祉推進事業として、地域共生社会の実現に向けた効果の検証及び今後の政策のあり方等に関する調査研究事業というのがございます。この中で、孤立というものが広く社会保障制度で対応すべき国民に普遍的なリスクと考えられるか、あるいは社会保障制度においてどのように孤立に対応していくことができるかというようなことを御議論をいただくということを検討しておりまして、先生が御指摘になりました二点目の点、社会的孤立の与える影響について幅広く議論をし、前向きに検討してまいりたいと思います。
#338
○山本香苗君 もう一つお願いなんですが、社会的孤立といったときに、今、様々な多面的な影響もあるという話がありましたけれども、社会全体に大きな影響を及ぼすものだと思うんです。そうした中、社会・援護局だけで対応できるものじゃないと思うんですね。
 厚生労働省として、是非省を挙げてこの社会的孤立の解消というものに具体的に取り組んでいただきたいと。我が事・丸ごとという話だけじゃなくて、具体的に孤立ゼロにするとか、そういった取組を打ち上げていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#339
○副大臣(牧原秀樹君) 先ほど議員がおっしゃったように、人口減少や地域社会の脆弱化等の変化があって、この孤立というものが非常に、地域社会を壊さないためにも、あるいはそうした個々の皆様の生活上の困難が生じた場合にちゃんとサポートできるようにしていくという個々の皆様の問題としても、大変重要であるというふうに考えております。そして、先ほど、イギリスではその担当相ができたというように、幅広く検討していくことが重要であるというのが世界の中でも認識され始めているというところでございます。
 こういう意味で、厚生労働省としても、全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共につくり、高め合うことができる地域共生社会の実現を目指しておりますが、これには議員御指摘の社会的孤立の解消という方向性を今、一にするものでございまして、省全体で取り組んでいきたい、こう思っているところでございます。
#340
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 引きこもりの問題についてお伺いしたいと思いますが、田中副大臣、ありがとうございます。
 まずはちょっと事務方に一点聞きますが、今年度、内閣府において四十歳から六十四歳の引きこもりの実態調査をすると伺っているんですが、どういうふうに実施されるんでしょうか。また、何で四十から六十四という年齢に限定されているのか、理由をお伺いします。
#341
○政府参考人(福田正信君) お答えいたします。
 今年度実施いたします満四十歳以上の方を対象とした引きこもりに関する調査におきましては、全国各地から各地区の人口規模別に五千名の調査対象者を年齢層別に無作為に抽出した上で訪問留置、訪問回収の方法で実施する予定です。これは、調査対象となった方の御自宅に調査員が直接訪問して調査票をお渡しし、その後再び調査員が訪問して調査票を回収するという調査方法でございます。
 平成二十七年度に満三十九歳以下の方を対象とした調査を実施していることと、その調査の結果、引きこもりの長期化傾向が見られたことから、その実態を把握するために満四十歳以上の方に対して調査を行うこととしたものでございます。
#342
○山本香苗君 四十から六十四の設定について聞いたんですが。
#343
○政府参考人(福田正信君) 平成二十七年度に三十九歳以下の方を対象として調査を実施してございます。そこで、引きこもりの長期化傾向が見られたことから、従来は調査の対象ではなかった満四十歳以上の方を対象に引きこもりの実情を明らかにしようとする趣旨で行われたものであること、あと、限られた予算で効率的に引きこもりの方の実態を把握する必要があることから、満四十歳以上の方を調査の対象とし、満三十九歳以下の方は調査の対象としなかったものでございます。
#344
○山本香苗君 何で六十四なのって聞いているんです。
#345
○政府参考人(福田正信君) 済みません、ちょっと繰り返しになって恐縮でございますが、本年度の調査は若者の引きこもりの長期化の傾向を把握するということを目的とするものでございまして、予算も限られていることから、満六十四歳以下の方まで調査すれば十分であると認識しております。
 なお、満六十五歳以上の方につきましては、介護保険制度の対象となりましたり、地域包括支援センターによる支援の対象となるなど、支援の在り方が満六十四歳以下の方とはちょっと大きな違いがあると認識しているところでございます。
#346
○山本香苗君 ちょっとよく分からないなという感じなんですけれども、副大臣にちょっと預かっていただきまして、実態調査を実施するに当たって二点ほどお願いしたいことがあります。
 まず一つは、専業主婦、家事手伝いを引きこもりのカウントに入れてもらいたいということなんです。過去二回、繰り返し今おっしゃった実態調査、そこは家事手伝い等というのは抜かれていたんです。それのために、せっかく調査したのに、家事手伝い等という名の下に引きこもっている女性の実態が見えなかった。今年一月、札幌で八十代のお母さんと引きこもっていた五十代の娘さんが遺体で見付かりました。栄養失調による衰弱死でした。まさしく典型的な事例です。是非、引きこもりの女性の方々の生きづらさ、実態も見えるような調査にしていただきたい、これが一点目。
 二点目は、今この調査、内閣府の青少年担当が担当しているんですよね、やっているんですよね。ということで、過去二回の調査は十五歳から三十九歳だったわけです。そのため、引きこもりというのは若者の問題だという誤ったイメージが広がっていて、自治体によっては支援を三十九歳までと区切っちゃっているところもあるんです。引きこもりは年齢を区切ったものではありません。若者の問題ではないんだということを改めて周知徹底していただきたい。
 この以上二点、よろしくお願いします。
#347
○副大臣(田中良生君) 平成二十七年度に引きこもりに関する調査を実施した際は、今委員御指摘があったとおり、専業主婦や家事手伝いの方、これを引きこもり状態にある方の数から除外をしておりました。しかし、その後、この専業主婦や家事手伝いの女性の引きこもりについても調査が必要であるという意見が多く寄せられました。このため、本年度調査では、この専業主婦や家事手伝いであるというだけで引きこもり状態にある方の数から一律に除外しない方向で有識者に検討していただく、そういう状況にあります。
 そしてまた、本年度は四十歳以上を対象に調査を実施する予定でもあります。若者以外を対象にしたこの調査結果を公表、周知することによって、若者以外の引きこもりの状況が明らかになって、また広く世の中にその実態が周知をされていく、そういうものと考えております。
#348
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいんですが、内閣府の引きこもり、この実態調査というのは定期的に行われるものではないと伺っています。かつ、年齢を今おっしゃったように区切っているという状況で、これでは引きこもりの方々の全体像が見えないんですね。深刻な実態が浮き彫りにならないと。有効な手段がこれじゃ打てないと思います。
 是非、副大臣には、この年齢を区切らない実態調査というものの在り方、これ、来年度以降どうやってやっていくのかということを含め、しっかり実施していく方向で御検討いただけないでしょうか。
#349
○副大臣(田中良生君) この引きこもり対策を実施していく上では、この引きこもりの実態を把握すること、これはもう大変重要なことであると、これはもう委員の御指摘のとおりであると思っております。
 年齢を区切らない調査という委員の今御指摘、これを十分に踏まえて、今後の調査の在り方等についても本年度の調査結果も踏まえて検討してまいりたいと、そのように考えております。
#350
○山本香苗君 引きこもりの当事者の方々の全国組織というのも立ち上がったそうです。是非、当事者を含めた関係者の方々の御意見も伺いながら、実態だとか生きづらさというものの詳細を見えるような、そういう調査を是非お願いしたいと思っております。
 丹羽副大臣にお伺いします。
 不登校から引きこもっている方というのは依然多いんですね。不登校など学校段階でのつまずきに早期に対応するためには、教育と福祉というものが連携することが極めて重要だと思うんですが、現状どうなっていますでしょうか。
#351
○政府参考人(下間康行君) 事実関係でございますので、私の方からお答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、不登校児童生徒への支援は、児童生徒の社会的自立を目指しつつ、学校や教育支援センター等が福祉等の関係機関と連携協力をしながら、組織的、計画的に実施することが重要だと考えております。
 このため、文部科学省といたしましては、不登校やその予兆段階の児童生徒について、学校、保護者のみならず、児童相談所など福祉等の関係機関と情報を共有するために、児童生徒理解・支援シートを作成し、不登校となったきっかけや不登校の継続理由を的確に把握した上で適切な支援策を策定することを促しております。例えば、学校現場では当該シートを活用して福祉部局と連携してケース会議を開き、具体的な支援策を協議し、実行するなどの取組もございます。
 また、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置を拡充いたしまして、児童生徒の抱える様々な状況に応じた福祉、医療等の関係機関との連携による支援が行われるよう努めているところでございまして、例えば、家庭環境の問題に起因する不登校のケースでは、スクールソーシャルワーカーが児童相談センターや福祉事務所等の福祉関係機関と連携して対処しているものもあるというふうに承知してございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、厚生労働省とも連携しながら、先進事例を各種会議などで周知していくことなどを通じまして、学校現場と福祉関係機関との連携が一層推進されるよう努めてまいりたいと考えております。
#352
○山本香苗君 今現状をお話ししていただいたんですが、ただ、そんなに進んでいないんですよね。
 今回の法案の中で、関係機関による支援会議というものが法定化されます。この会議は守秘義務が掛かります。ここに教育関係者が参画することによって、今までは個人情報だ何だといってなかなか学校現場が情報を出してくれなかった、ここがクリアになるわけなので、教育と福祉の連携が進んで学校現場の負担も軽減できるんじゃないかという声が上がっているんです。
 そこで、丹羽副大臣に明確に御答弁いただきたいんですが、厚生労働省と連携して、この支援会議に教育委員会と教育関係者の方々が積極的に参画するように文部科学省としてしっかりお取り組みいただきたいと。大丈夫でしょうか。
#353
○副大臣(丹羽秀樹君) 御質問ありがとうございます。
 委員おっしゃるように、最近の個人情報等によって、児童生徒の連絡先が、まあ学校の先生は分かるんですが、周りの方々が分からないとか、そういったことがございます。
 特に、今回法定化される支援会議におきましても、今後、厚生労働省からこの会議の構成員の選定方法や運営方法等についてガイドラインが示されるというふうに考えております。その中で、教育委員会、また職員等の教育関係者もこの構成員になれることを文部科学省といたしても想定いたしておりますし、先ほどまた委員のお話がございました、文部科学省として、このガイドラインに基づきまして、教育と福祉がしっかりと連携して生活困窮者等への早期また適切な支援が行われるように、教育委員会関係者の会議等の様々な機会を捉えて、積極的なこの支援会議への参加を働きかけていきたいというふうに思っております。
#354
○山本香苗君 ありがとうございます。
 是非、その際には、連携することによって学校現場の負担が軽減されるんだと、決して上から入れと言っているわけじゃなくて、実際連携すれば、よりその子供の支援について、同じ方向を向いてやることによって現場の負担が軽減できるんだというところをしっかりと周知をしていただきながら、積極的に参画を促していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 田中副大臣と丹羽副大臣におかれましてはここまででございますので、御退席いただいて、委員長、お取り計らいお願いいたします。
#355
○委員長(島村大君) 両副大臣、どうぞ御退席ください。
#356
○山本香苗君 ありがとうございました。
 長い間引きこもっていた方というのは、決して働く意欲がないわけではございません。いきなり一般就労に就くのが難しいと。そこで重要なのが、今日ずっと出ていますけれども、就労準備支援事業なんです。しかし、利用が進んでいません。この理由の一つが資産・収入要件です。
 社会に出たいが出られない方々に、柔らかなアウトリーチから始め、丁寧に関係つないでいく中で、出たいが上手に行動化できていくことが多々ありました、それは喜びでした、そんなときに収入要件の壁、本当に残念でした。こういうお手紙を就労準備支援事業を実施している団体の方々からいただきました。
 現行の制度においては、収入要件に引っかかったとしても都道府県等が支援が必要と認めれば準ずる者として支援を受けることができるようになっているんですが、具体的にどういう方がその準ずる者に当たるのか、明確な文言がないために、支援が必要であるにもかかわらず準ずる者と判断されず支援につながらなかった悔しいケースが多々あったと伺いました。
 自立相談支援機関に通帳を見せているときに、何か取調べを受けているようでした、引きこもりの子を持つ私は、自分がいなくなったときのために一生懸命働いてお金を残そうと思っていました、でも、そのやり取りの中で、そんな子を持つ親は働いてはいけないのかとさえ思ってしまいましたと。これは、この言葉は、心を病んでいる青年を支えてこられたお母さんの言葉だそうです。
 今回、就労準備支援事業の対象者の要件を見直すと、収入要件も必要以上に限定しないようにすると繰り返し御答弁がありましたけれども、今回、今御紹介したような、支援を必要としているにもかかわらず支援を受けられないという事態が起きないように、見直しに当たりましては、どういう人が具体的に該当するのかと具体的に例示するなど解釈を明確化していただきたいと、具体化していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#357
○政府参考人(定塚由美子君) 今御質問いただきましたように、就労準備支援事業の資産・収入要件についてはこれを緩和をするということで、御指摘のような、世帯全体で見ると収入があっても御本人が引きこもり状態であると、収入がないと、家族の失職などのきっかけで困窮に陥りやすいというようなケース、これ対象とできるようにしたいと考えております。
 こうした場合においても支援者の範囲を必要以上に限定しないようにということで考えておりますが、委員の御指摘もございましたので、こうしたことについてしっかり、具体的にどういう者が対象となり得るかということ、まあ例示になるかと思いますけれども、をお示しできるかどうか検討して、お示しする方向で考えてまいりたいと思います。
#358
○山本香苗君 ありがとうございます。
 もう一つ、就労準備支援事業について、ちょっと質問飛ばさせていただいて、先ほど、午前中に、一番最初に小林理事の御質問の中であった件でお伺いさせていただきたいと思うんですけれども、支援の現場から訓練実施場所まで行く交通費がないと、そういったことによって支援を断念しているケースがあります。移動手段の確保をお願いしたいという声が大変強くありました。
 先ほどの大臣の答弁では、事業者が送迎を行った場合、補助基準額の加算を行いたいというふうに答弁されておりましたけれども、ちょっとここで確認なんですが、送迎をこの就労準備支援事業の中で見ていいということになっているんでしょうかと、その送迎の費用というのは具体的にどういうもの、どこまでが含まれるんでしょうか。
#359
○政府参考人(定塚由美子君) 就労準備支援事業におきましては、就労に向けた外出を支援する費用ということで、送迎であるとか移動に使う車のリース代なども含めることとしております。これ現行でも補助の対象となっているところでございますけれども、今回、本法案によりまして、自立相談、就労準備、家計改善支援事業の一体的実施を行う一定の自治体について、就労準備支援事業における利用促進や定着支援に要する費用を対象として加算を行う措置を講ずるということとしておりまして、この加算対象に今申しましたような費用も含まれるということにしたいと考えております。
 一方で、個別に個人の方が交通費を使うということ、それに対して支援をするということについては個別給付ということになりますので、想定されているものとしては、事業者が車を用意して送迎をするというようなケース、こうしたケースを対象としているものでございます。
#360
○山本香苗君 ということは、三事業一体に実施しているところに限定されるということですか。
#361
○政府参考人(定塚由美子君) 一体で実施しているところでなくても、現行で補助の対象となっているところでございます。
 しかしながら、今回の改正で、三事業一体で行うことによって一般の補助基準額を超える場合でも一定程度まで基準額に加算することができるようにする、このように考えているところでございます。
#362
○山本香苗君 要するに、一体的にやっていなかったところでもできるんだけれども、一体的にやれば加算が付くよと、そういうことですね。分かりました。
 次に、国土交通省に来ていただいているので、今度、居住支援、ちょっとお伺いしたいと思っておりますが、まず最初に、良質な日常生活支援を行う無料低額宿泊施設等に対して生活保護受給者への支援を福祉事務所が新たに委託できる仕組みが創設されることになっておりますが、どういう場合に委託されるんでしょうか。
 生活保護法改正案三十条には、保護の目的が達し難いとき又は被保護者が希望したときとなっておりますけれども、保護の目的が達し難いときというのはどういうときで、また、被保護者が希望すれば必ず委託されるんでしょうか。
#363
○政府参考人(定塚由美子君) 新しく設けます日常生活上の支援を行う無料低額宿泊施設等に対する委託でございますけれども、これは、対象となる生活保護受給者については、福祉事務所が単独での居住が困難であるかどうかということを判断することになります。また、この単独での居住が困難かどうか福祉事務所において判断する際の基準においては、国において、具体的な内容を事業者や地方自治体等の関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
 また、生活保護法三十条の保護の目的が達し難いときというところの解釈でございますけれども、この点につきましては、一応居宅はあるけれども、被保護者が単独での居住が困難でありその世話をする者がいない場合、また、精神上の理由により又は特殊な家庭の事情によって、特にその被保護者をその家庭とは別に保護を行う必要がある場合などが想定をされるところでございます。
 なお、被保護者が希望したときというのは、福祉事務所としては一義的には施設に入所させて保護を行う必要を認めない場合でも、被保護者に強い希望がある場合は福祉事務所の判断に基づき施設入所を認めることが可能であるということを規定したものでございまして、被保護者が希望した場合に必ず施設への入所の委託が行われて委託費用が支払われるようになるわけではございません。
#364
○山本香苗君 とにかく、委託基準が自治体によってばらばらになってしまうということはやめていただきたいと思いますので、しっかりと国において委託基準を示していただきたいと思います。
 衆議院の厚生労働委員会で、我が党の中野委員の質問に対して定塚局長が、日常生活の委託費が今度新たに交付されると、その範囲において、無料低額宿泊所等における住宅扶助費を減額しないという例外措置は必要なくなるのではないかと答弁されておられました。
 でも、良質な日常生活支援が提供されていたとしても、福祉事務所が必ず委託する保証はないんですよね。そうなると、委託もされずに住宅扶助費だけが減額されるということにもなりかねません。また、地域によっては、特に都市部ではどうしても面積基準というものがクリアできないところも物理的にあるわけですよ。また、面積満たしていても、悪質な事業者っているんですよ。地域の実情だとか支援内容も考慮することなく床面積で一律に住宅扶助を減額したら、良質な日常生活支援をする事業者であればあるほど私は立ち行かなくなってしまうと思うんです。今回、新たにこの委託の仕組みをつくるのに、これじゃ本末転倒になってしまうと。
 住宅扶助の減額適用除外の取扱いについては、委託の運用状況、また委託費の水準、そして地域の実情など、現場の実態を丁寧に見ていただいた上で、良質な事業者が決して排除されることがないように慎重に検討していただきたいと、面積だけで一律に例外措置をなくすということは絶対しないでいただきたいと、副大臣、お約束いただけますか。
#365
○副大臣(牧原秀樹君) まさに委員が御指摘のような、良質な日常生活の支援を今行っていただいている事業者の中で、例えば、今御指摘のあったうちの一つとして、福祉事務所が支援の委託を行わず面積減額の適用のみが行われるような場合が典型例だと思いますけれども、その運営の安定を損なうおそれがあるという課題があるということについては、先生御指摘のとおり、認識をしているところでございます。
 この新しい日常生活支援の委託の仕組みと住宅扶助費の面積減額の組合せにつきましては、現場の実情等を丁寧に把握した上で、きめ細やかな検討が必要であると考えております。
 このため、委託基準や委託費の水準、住宅扶助の減額の取扱い、今先生から委託の運用状況という話もございました、こうしたことについては、今後検討の場を設けて、地方自治体、現場をよく知る地方自治体や事業者等の意見も丁寧に伺いながら、法施行までにしっかりと検討してまいりたいと思います。
#366
○山本香苗君 聞くだけじゃなくて、検討会を設置していただけるんですか。
#367
○副大臣(牧原秀樹君) はい、設置してまいります。
#368
○山本香苗君 ありがとうございます。
 生活保護受給者以外の居住支援については、今回、地域居住支援事業というものが新設されることになっております。この事業の対象者は、シェルターなどを利用していた方、居住に困難を抱えている方であって地域社会から孤立をしている方といった方だということですが、具体的にどういう人ですか。対象かどうかを誰がどう判断するんでしょうか。また、この事業の対象者はどの程度いらっしゃると見込んでいらっしゃるんでしょうか。
#369
○政府参考人(定塚由美子君) 新たに設けます地域居住支援事業の対象者である、現在の住居を失うおそれのある生活困窮者であって地域社会から孤立しているものと規定しているわけですけれども、これは、例えば地域とのつながりが弱くなっている独り暮らしの高齢者や一人親世帯、過去にホームレス状態にあった方など、現在の住まいを失う状態には至っていないが、安定的な居住の確保に一定のサポートが必要な方々を想定しております。
 この対象者については、各自治体の自立相談支援機関において、困窮者の方から住まいや生活の状況や希望を伺った上で、支援の必要性について判断することになると考えております。
 また、対象者数ということでございましたが、なかなか一概に申し上げること難しいところでございます。現在の一時生活支援事業のシェルター等を就労により退所する人は年間約二千人でございますので、これにさらに現在の住居を失うおそれのある生活困窮者であって地域社会から孤立している方が加わった数が対象範囲の大枠となると考えているところでございます。
#370
○山本香苗君 この地域居住支援事業というのがソフト事業なわけですね。ハード事業が国交省の住宅セーフティーネット制度なんですが、この住宅セーフティーネット、これ、だから二つが暮らしと住まいの安心をセットで実現しなくちゃいけないわけなんですが、この住まいの方、セーフティーネット登録が進んでいないと。どう分析されているんでしょうか。
#371
○政府参考人(山口敏彦君) お答えいたします。
 昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づく住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅につきましては、五月十七日現在で七百七戸が登録されたほか、千四百戸が受付審査中となってございます。
 セーフティーネット住宅が現時点で少ない原因といたしましては、制度が創設されて約半年であり賃貸住宅の所有者に制度がまだ十分に知らされていないこと、地方公共団体が地域の実情に応じて要配慮者の追加等を行うことができる賃貸住宅供給促進計画の策定に時間を要していることが考えられますほか、事業者団体からは、登録戸数を増やすためには登録の際の申請書の記載事項や添付書類の削減が必要であるとの御指摘もいただいているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、国土交通省といたしましては、地方公共団体、事業者団体等と協力して説明会やセミナー等による制度の周知を進めること、地方公共団体に対して賃貸住宅供給促進計画の策定や補助制度の創設を働きかけることなどを引き続き積極的に行ってまいります。また、七月上旬をめどに、登録の際の登録申請書につきまして、現在求めております最寄り駅からの所要時間等の記載を任意の記載事項としたり、あるいは付近見取図や各階平面図等の添付図書を不要とするような登録手続の簡素化を行う予定にしてございます。さらに、事業者等が有する既存の物件データを活用することで、登録申請に係るデータ入力の手間を縮減するため、現在の登録システムの改修も進めているところでございます。
 今後とも、事業者団体と連携して、セーフティーネット住宅の登録促進に全力を挙げて努めてまいりたいと考えてございます。
#372
○山本香苗君 今おっしゃったとおりなんですが、とおりなんですがというか、空き家等既存住宅を活用したセーフティーネット住宅の登録に当たっては、これ家主さんに協力を求める制度ですよね、なんですけど、にもかかわらず、協力してくれといいながら、あれ出せこれ出せと結構手間が掛かるという声、以前から上がっていたんです。ですから、今、七月上旬にという話ですが、もう速やかに手続の簡素化を図っていただきたいんですけど、私は、本質的にそこじゃないと思うんです、進まない理由というのは。
 家主に協力してもらう制度であるにもかかわらず、今日配付させていただいております資料にもありますように、多くの自治体が登録手数料を取っているんですね。一番高い自治体だと一件登録するのに二万六千円も掛かるんです。他方で、一番登録件数が多い大阪府では、登録料取っていないんです、ただなんです。この差は一体何なのかと。どういう考えに基づいて登録料を取るのかと、国として統一した考え方を是非示していただきたいと思うんです。そして、自治体が過度な手数料を設定しないように、しっかり国交省からも、自治事務だとか言っている場合じゃなくて、働きかけていただきたいと思います。
 また、もう一つ、登録には国が二十五平米以上と面積基準を示しているんですよね。二十五平米以上で低家賃で借りるのは難しいじゃないですか。地方自治体の判断でこれを引き下げることができるようになっていて、どういうふうにしたら下げていいのかと、その考え方については去年の十二月に通知を出していただきましたけれども、実際、引き下げているところは大阪府と東京都と横浜市しかないと。このままでは生活困窮者用に向けての住宅を確保できないわけなんです。
 是非、登録面積につきましても自治体の取組状況を検証していただいて、公表すると。まだこれ公表もされていないんですよね。公表もしていただいて、もう一段の取組というものを早急に取っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#373
○政府参考人(山口敏彦君) お答え申し上げます。
 セーフティーネット住宅の登録を促進するに当たりまして、地方公共団体におきまして、制度趣旨を踏まえた、適切に登録手数料を設定すること、あるいは特に住宅需要が大きく異なります都市部におきましては床面積の基準を一定程度緩和することは重要であると考えてございます。
 まず、登録手数料の設定につきましては、全国的にばらつきが見られるところでございますけれども、全国の登録を受け付ける地方公共団体の約六割が手数料を取らないこととしていること、セーフティーネット住宅は要配慮者向けの住宅であるため大家さんの利益が生じにくいことなどにつきまして、全国の地方公共団体に情報提供を行ってまいりたいというように考えてございます。
 また、現在準備中の申請書類等の合理化が適用される際には、地方公共団体の審査に要する負担が軽減され、手数料を免除又は軽減することが可能であることにつきまして通知するなど、適切な手数料設定を促してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、セーフティーネット住宅の一戸当たりの床面積の基準につきましては、御指摘ございましたとおり、賃貸住宅供給促進計画に定めることにより緩和できることとしてございます。昨年十月に基準を緩和する際の考え方や緩和事例などにつきまして地方公共団体に通知いたしますとともに、その後、説明会や個別訪問などを通じまして情報提供を行ってきたところでございます。
 現在、供給促進計画を定めた地方公共団体が十六ということでございますけれども、そのうち、御指摘のように、東京都、大阪府、横浜市におきまして床面積を原則十八平米以上とするなど、登録基準の緩和を行っているところでございます。
 さらに、御指摘を踏まえまして、今後につきましては、登録基準の緩和を行った事例、面積の、そうした事例につきましてホームページで情報提供を行うなど、セーフティーネット住宅の更なる登録促進に努めてまいりたいと考えてございます。
#374
○山本香苗君 あともう一つ、総務省が一月に公表した行政評価におきまして、居住支援協議会において居住支援ニーズを把握していないという指摘がなされています。居住支援ニーズが把握されていないということは、つまり困っている人が見えていないということなんです。だから自治体の取組も進まないと。
 総務省の勧告では、国土交通省に対して都道府県等がそのニーズを的確に把握できるように支援を行うこととあったんですけれども、ニーズを把握できるのは、住宅部局ではなかなか難しいんですね。そこで、厚生労働省にちょっと頑張ってもらいたいんです。各自治体で居住支援ニーズを把握するために、ニーズを日常の業務から把握し得る自治体の福祉部局の役割というのは極めて重要で、厚生労働省として、各自治体の福祉部局で的確にニーズを把握できるようにちょっと知恵を絞っていただけないでしょうか。工夫していただけないでしょうか。
 あわせて、今、住宅部局から福祉部局に一生懸命働きかけているんですけど、福祉部局で把握した居住支援ニーズを住宅部局に確実に伝えるといった取組をやっているところがあります。そういった取組を進めていただきたいんですが、局長、いかがでしょうか。
#375
○政府参考人(定塚由美子君) 御指摘いただいた点、全くそのとおりと考えております。
 これまでも各自治体で、住宅部局のみならず、福祉事務所、福祉部局においてもそうしたニーズを持つ方をよく把握をして、それを部局間で情報共有を進めていっていただきたいと考えておりまして、福祉部局が把握したニーズを関係機関で共有するなど自治体間での住宅部局と福祉部局における連携を促進すること、これ、私どもの方から既に説明会等で自治体にも働きかけをしてきているところではございますが、今後、国交省と連携をしまして、自治体への働きかけ、更に進めるにはどうしたらいいか考えてまいりたいと思っております。
#376
○山本香苗君 この登録住宅が進まないと、家賃補助にも行かないんですよ。まずここをしっかりやっていただきたいと思います。
 現行の制度では、高齢者は介護施設、そして障害者は障害者施設、生活保護受給者は保護施設、こうして利用者を制度に当てはめて受け入れているわけですね。
 しかしながら、今年一月、札幌で起きたそしあるハイムの火災で犠牲となった方々というのは、元ホームレスであったり、自力でアパートに住めない方々であったり、施設に入るほどではないんだけれども一人で生活することができない方々など、既存の制度に当てはまらない、制度のはざまに置かれた行き場のない方々でした。今回の法改正で、新たに、先ほど来議論させていただいております日常生活支援住居施設というものができますけれども、これも生活保護対象者に限定されているわけです。そしあるハイムのような火災は繰り返し繰り返し起きています。二度とこうした悲劇を繰り返さないためには、こうした制度の間で行き場のない方々の受皿をどうするのかと、これを真正面から議論していくことが必要ではないかと思うんですが、副大臣、いかがでしょう。
#377
○副大臣(牧原秀樹君) まさにおっしゃるとおりでございまして、私もかつて派遣村があったときに自民党のプロジェクトチームの事務局長を拝命し、各地回りましたけれども、その住居の確保というのが一番つらいという話を皆様おっしゃっておりました。こうした制度のはざまである皆様が、現在は無料低額宿泊所というところで受皿になっているという現状認識でございます。
 今回の法案では、今御指摘がありましたように、委託できる仕組みを創設することとし、日常生活の支援が必要な生活保護受給者が安心、安全に暮らせる環境づくりをまずは進めるということにさせていただきますとともに、無料低額宿泊事業は従来は一時的な宿泊事業として取り扱ってきたところでございますけれども、実態として自治体にばらつきがありましたり、あるいはもう既に入居期間が長期化しているような実態もございますので、今回の改正法案におきましては、こうした実態を踏まえ、規制の強化と併せて、無料低額宿泊事業としての届出対象の明確化を行う必要があると考えております。そうした具体的な最低基準や判断基準等について、自治体や事業者等の関係者の意見も聞きながら、改正法施行までの間に検討し、改正案を適切に施行するということをまずはしていきたいと考えております。
#378
○山本香苗君 最初と最後がちょっと話が違うんですよね。最初おっしゃっていただいたところの答弁で終わっておけばよかったんですよね。
 行き場のない方々を受け入れている、いわゆる無届け施設というものは全国に一千か所以上あると言われているわけです。こうした実態を直視しなければ同じようなことが起きるんです。
 今回作っていただくものをきちっとやっていくのも大事だけれども、その先の議論をしませんかと言っているんですが、もう一回お願いします。
#379
○副大臣(牧原秀樹君) まさにおっしゃるとおりであると思っておりまして、この無料低額宿泊所、そして、既に保護施設等々、他の施設もございますけれども、そうした施設との関係もしっかりと整理をしながら、関係者にしっかりとヒアリングをした上で先生御指摘の点考えていきたい、こういうふうに思っております。
#380
○山本香苗君 よろしくお願いいたします。
 最後に、もう皆さん方おっしゃっていただいたので、私の思いだけちょっと述べさせていただくと、年に一回、先ほど石橋委員も御紹介いただきましたけれども、支援者の方々が一堂に会する生活困窮者自立支援全国研究交流大会、毎年開催されているんですが、そこに参加させていただく中で、多くの支援者の方々が、困難事例たくさん抱えている支援員とか相談員をサポートする仕組みとバーンアウトさせない仕組みをつくっていただきたいと、もう涙ながらに語られているわけなんです。生活困窮者自立支援制度が円滑に実施できるようにするためには、現場で支援に当たる方々が一人で抱え込まないようにしなくちゃいけないと。
 先日、うちの伊藤孝江さんの質問に対して、基本的に支援員に対する研修は都道府県に移管するんだという話がありましたけれども、国の役割は厳然と残っています。しっかり支援員に対するスーパーバイズの人材だとかネットワークづくりのところに対してしっかりと支援すると、そういうことは国の役割としてこれからもしっかりやっていただきたいということを申し上げさせていただきまして、終わります。
#381
○委員長(島村大君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#382
○委員長(島村大君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#383
○委員長(島村大君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#384
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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