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2018/06/05 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第18号
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2018/06/05 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第18号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第18号
平成三十年六月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     こやり隆史君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     今井絵理子君
     倉林 明子君     吉良よし子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                石井みどり君
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                こやり隆史君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                吉良よし子君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   衆議院議員
       修正案提出者   橋本  岳君
       修正案提出者   桝屋 敬悟君
       修正案提出者   浦野 靖人君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  高木美智代君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田畑 裕明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       安定局長     小川  誠君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       坂根 工博君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  宮川  晃君
       厚生労働省人材
       開発統括官    安藤よし子君
       厚生労働省政策
       統括官      藤澤 勝博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇働き方改革を推進するための関係法律の整備に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長山越敬一君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 急速に少子高齢化が進展する中において、働く方の働き方に関するニーズはますます多様化しており、非正規雇用で働く方の待遇を改善するなど、働く方がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現することが重要です。このことは、働く方の就業機会の拡大、職業生活の充実や労働生産性の向上を促進し、働く方の意欲や能力を最大限に発揮できるようにし、ひいては日本経済における成長と分配の好循環につながるものであります。また、過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です。
 このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、働き方改革を総合的かつ継続的に進めていくため、その基本的な考え方を法律上明らかにするとともに、国が労働に関する施策の基本的な方針を策定することとしています。
 第二に、働く方がその健康を確保しつつ、ワーク・ライフ・バランスを図り、能力を有効に発揮できる労働時間制度等を構築します。
 具体的には、長時間労働を抑制するため、時間外労働に上限を設け、これに違反した場合には罰則を設けるほか、月六十時間を超える法定時間外労働に係る五割以上の割増し賃金率の中小事業主への適用猶予の廃止や、年五日の年次有給休暇の時季指定の事業主への義務付け等を行うこととしています。
 また、高度な専門的知識等を要する対象業務に就き、かつ、一定額以上の年収を有するとともに職務が明確に定められている方を対象として、法令に定める手続を経た上で、労働時間等に関する規定を適用除外とする一方、年間百四日の休日確保等の健康確保措置を義務付ける新たな制度の創設を行うとともに、フレックスタイム制の清算期間の上限について一か月から三か月に延長することとしています。
 さらに、勤務間インターバルの努力義務の創設や、産業医、産業保健機能の強化等を行うこととしています。
 第三に、雇用形態に関わらない均等・均衡待遇を確保し、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指します。
 具体的には、短時間労働者、有期雇用労働者及び派遣労働者について、不合理な待遇や差別的取扱い等を禁止するとともに、通常の労働者との間の待遇の相違の内容、理由等を説明することを事業主に義務付けるほか、行政による裁判外紛争解決手続の整備等を行うこととしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十一年四月一日としています。
 以上がこの法律案の趣旨でございますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 御審議の上、速やかに可決していただきますことをお願いいたします。
#7
○委員長(島村大君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員浦野靖人君から説明を聴取いたします。浦野靖人君。
#8
○衆議院議員(浦野靖人君) ただいま議題となりました働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、高度プロフェッショナル制度の対象労働者の同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とすること。
 第二に、国は、労働時間の短縮その他の労働条件の改善等の基本方針において定められた施策の実施に関し、中小企業における取組が円滑に進むよう、地方公共団体、中小事業主団体、労働者団体等により構成される協議会の設置その他のこれらの者の間の連携体制の整備に必要な施策を講ずるように努めることとすること。
 第三に、事業主が他の事業主との取引を行う場合において配慮をするよう努めなければならないこととして、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないことを追加すること。
 第四に、政府が改正後の各法律の規定について検討を行う際の観点として、労働者と使用者の協議の促進等を通じて、仕事と生活の調和、労働条件の改善、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡の取れた待遇の確保その他の労働者の職業生活の充実を図ることを明記すること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○委員長(島村大君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文です。
 今日は、この厚生労働委員会で働き方関連法案が初めて審議されるわけでございます。最初のバッターにしていただきまして、本当にありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 我が国の経済は穏やかながらも回復基調が続いているとされ、雇用情勢についても有効求人倍率の高水準、完全失業率の低水準を維持しており、着実な改善が進んでいると思っているところでございます。
 一方におきましては、我が国においては少子高齢化という人口問題を抱えているということがございます。この人口減少下においても持続的な成長を実現していくためには、女性、若者、そして高齢者など、誰もが生きがいを持ってその能力を発揮できる一億総活躍社会の実現が不可欠と考えているところです。
 急速な少子高齢化が進展する中におきまして、働き方に関するニーズもますます多様化してきております。労働者それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択でき、実現する社会の構築が急がれていると考えております。長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方改革の実現、非正規雇用で働く方の処遇の改善など、雇用形態にかかわらず公正な待遇の確保など措置を講じることが、働く者が働く意欲を持って希望を見出せるものだと思っております。
 今回の働き方改革を推進するための関係法律整備に関する法律案につきまして、幾つか御質問させていただきます。
 まず最初でございますが、法律案の提出の背景と経緯並びにその実効性についてお伺いしたいと思います。
 先ほど申しましたけれども、急速に進展化する少子高齢化の社会において、日本経済というものは生産性の向上について様々な改革や施策が必要かと考えています。人口構造が大幅に変化しても、社会として持続可能な労働力を確保するということも必要でございます。
 政府は、誰もが活躍できる全員参加型の一億総活躍社会の実現を目指すとしているわけでございますが、今回提出されています働き方改革を推進するための関係法律の提案について、厚生労働省が主管ではございますが、この法案は国を挙げて今国会の目玉法案となっているところでございます。
 そこでお伺いいたしますが、この法案の背景、経緯について、そして日本の経済発展と持続可能な労働力の確保にこれが結び付くか、さらには労働者の待遇改善につながるのかという点について、この法案の実効性について大臣にお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から、この法案の提出背景、経緯、そして実効性等について御質問をいただきました。
 まず、今私ども日本が直面している少子高齢化、人口減少、特に生産年齢人口の急激な減少、こういう情勢の中で我が国の活力を維持をしていく、これは大変大事なことだというふうに思います。また、それぞれの個人にとっても、様々な事情がある中で働きたいという希望を持っている方がたくさんおられる、しかし、残念ながらその希望が実現に至っていない。こういったことを踏まえると、長時間労働の是正通じてワーク・ライフ・バランスを改善をしていく、あるいは正規、非正規間の不合理な待遇差の解消等を図っていく、そうした様々な施策を展開することによって、お一人お一人がそれぞれの事情に応じた、自分に合った働き方が選択できる、別の言い方をすれば多様な働き方が提供されていく、こういう社会を実現していくということが大事だというふうに考えております。
 そういった意味において、それと同時に、そうした方々がその就業の希望を実現をしていくということは、働く方が増えていくということにもつながってまいります。また、意欲、能力をより発揮できるようにすることによって、労働生産性の向上ということも期待がされ、そしてそのことが成長と分配の好循環につながっていくというふうにも考えているところであります。
 具体的には、時間外労働の上限規制については、これまで三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設けることにしておりまして、これは再三再四申し上げておりますが、なかなかこれまでやろうとしてできなかった、戦後の労働基準法制定以来七十年ぶりの大改革と言ってもいいんだろうと思います。
 これによって、まず過労死を防止をしていくということ、そして、働く方がその健康を確保しつつワーク・ライフ・バランスが図っていくということは、いろんな意味において社会においてプラスの影響が出てくるというふうに思います。
 また、先ほど申し上げた、長時間労働も含めてでないと正規で働けないということだとなかなか正規で働くことは難しい、しかし、一定の時間できちんと帰れるということになれば、またそうした場合であれば正規として働くこともできるという意味において、選択肢が広がっていくということにもつながります。
 また一方で、これからの時代を考えると、付加価値の高い財・サービスを生み出す革新的な分野を広げていくということが必要でありまして、そういった意味において、イノベーションや高付加価値を担う高度専門職の方、これはもちろん希望する方でありますけれども、健康確保がなされた上で仕事の進め方や働く時間帯等を自ら決定し、その意欲や能力が有効に発揮をしていける、こういう仕組みを入れることによって、日本の産業の発展あるいは日本全体の成長、また生産性向上にも資するものと考えているところであります。
 また、同一労働同一賃金に関して申し上げれば、正規と非正規の二つの働き方の間の不合理な処遇の差ということが問題になるわけでありますので、理由のない待遇差を埋めていくということによって、いろんな制約条件でいわゆる非正規で働く、しかし、これまでなかなか、処遇の問題について様々な御意見、御要請もありました。そういった意味において、その待遇差を、不合理な待遇差を解消していくことによって、自分の能力がしっかりと評価されている、そういった納得感、またそのことがモチベーションを高めていくということ、そして、それが労働生産性、より付加価値の高い仕事に取り組んでいただける、こういったことにもつながっていくと。
 こういった意味において、今回の働き方を通じて、まずは働き手の方の希望が実現をしていけるということ、そしてその上において、先ほど申し上げたように、働き手の確保、労働力の確保、また労働生産性の改善にもつながり、経済にも発展につながっていく、そういうことも我々念頭に置きながらこれを進めさせていただいているところでございます。
 実効性というお話がありました。それらについては、長時間労働是正等々それぞれを法案に明記し、さらには実行に向けて省令等もきちんと精査する中で、こうした所期の目的が達成できるようにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#12
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この法案はいろいろ幾つも入っておりますので、各論に入ってまいりたいと思います。
 先ほど大臣からのお話の中にもございましたが、長時間労働の是正という問題でございます。
 これは、我が国の、先ほど申しましたけれども、我が国の人口減少社会、こういう中においても、その人その人が生きがいを持って能力を発揮できる、最大限に発揮できる一億総活躍社会を実現することということの中で進んでいるわけでございますが、この長時間労働というものに関しては現在どのような状況にあるかということになります。
 報告書にもございますが、我が国の労働時間の状況を見ますと、この二十年間で一般労働者の年間の総実労働時間が二千時間を上回っており、雇用者のうち週の労働時間、これ六十時間以上の方の割合が、多くの業種で減ってきてはいるんですが、低下しておりますが、一部の業種ではやっぱり増加しているということでございます。
 このような状況にあるわけでございますが、長時間労働は、当然健康の阻害ということもございますし、また家庭と仕事の両立、これが困難になるということもございます。また、地域社会の活動についてもできないとかいうことにもなるわけでございまして、長時間労働の改善は喫緊な問題だろうというふうに思っているところでございます。
 この時間外労働時間の上限でございますが、月四十五時間、年間三百六十時間を原則とされ、臨時的な特別な事情がある場合でも年七百二十時間、単月では百時間未満、複数月平均八十時間を限度ということを設定されたところです。
 今まで、労働基準法制定以来、この時間外労働の限度については規定されていなかったということで、この時間外労働の限度については強制力のない大臣告示に基づく行政指導をしていたということになっていたと思います。これまで、ある意味で青天井と言われていたこの時間外労働の上限が法律できちんと規定されるということは、一歩前進であると評価したいと思うわけでございます。
 今回新たな規制の対象となりました建設業、運送業、これまで時間外労働に関しましては大臣告示も対象外ではなかったかと思うんですが、時間外労働のこの問題というのは非常に大変な問題なんです。今回、自動車運転業務については年九百六十時間とし、改正法施行五年後に一般適用について引き続き検討する旨が附則に規定されます。また、建設業については改正法施行五年後に一般則が適用されるとし、ただし、災害復旧については除き、引き続き検討されるとされております。
 これらについて、いずれも五年間の猶予期間が設けられていますが、この二つの業種につきましては、それぞれ働き手が少ないということが問題となっているわけでございます。
 このような中、日本経済団体連合会などでは、平成二十九年の九月の二十二日に、長時間労働につながる商慣行の是正に向けた共同宣言というのが出されております。五年後のいわゆる猶予期間後に完全に実施するために、国の政策としても取り組む必要があると考えているところです。
 事業主に対して法律のこの改正の周知又は労働基準行政の体制の整備も必要ではないかというふうに考えますが、厚生労働省はどうお考えか、お聞かせください。
#13
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘をいただきました自動車の運転業務、それから建設事業につきましては、現在、大臣告示では、この大臣告示の適用除外となっているところでございます。
 一般と異なる取扱いをしているわけでございますけれども、今回の法案では長年にわたるこの取扱いを改めまして、この自動車の運転業務、建設事業につきましても罰則付きの上限規制を適用することとしているところでございます。
 一方で、自動車運転の業務については、現に他の産業に比べまして労働時間が長い実態がございます。その背景には、取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題もあるところでございます。また、建設事業につきましては、施主から工期を厳格に守る、そういうことを求められるということとともに、天候不順などの自然的条件によりまして作業日程が圧迫されるなど、業務の特性でございますとか取引慣行上の課題もあるところでございます。
 こうした中で、これら二つの業務、事業につきまして実態に即した形で上限規制を適用していくためには、今申し上げましたような取引慣行上の課題なども含めて解決していきます一定の期間が必要でございますので、今回の法律案におきましては、自動車の運転業務につきましては、施行期日の五年後に年九百六十時間の上限規制を適用し、将来的には一般則の適用を目指すと、それから、建設事業につきましては、施行期日の五年後に一般則を原則として適用するとしているところでございます。
 時間外労働の上限規制を実効あるものとしていくために、また長時間労働を是正していくためには、荷主あるいは発注者を含めた業界ごとの取組が必要であると考えております。
 こうしたことから、自動車運転業務につきましては、関係省庁連絡会議が設けられまして、本年五月に自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画を策定したところでございます。この行動計画に沿いまして、自動車運送事業者ができるだけ早期にこの年九百六十時間の上限に対応できるように取り組んでいくことにしております。
 また、建設事業につきましては、これも関係省庁連絡会議におきまして、昨年八月に建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインを策定しております。これを国や民間発注団体に対して内容を周知をいたしまして、理解と協力を求めていくこととしているところでございます。これによりまして、長時間労働を前提とした不当に短い工期設定をなくし、長時間労働の是正等を図っていくこととしております。
 また、五年後のこの適用に向けまして、今回の法改正の趣旨、内容の理解を促進していくために、全国に働き方改革推進支援センターを設けたところでございます。この働き方改革推進支援センターを中心に好事例あるいは支援策を事業主の方に提示いたしまして、きめ細やかな相談あるいは支援を行ってまいる所存でございます。
 さらに、今年度から、全ての労働基準監督署におきましても特別チームを新たに編成をいたしまして、専門の労働時間相談・支援班におきまして、法令に関する知識あるいは労務管理体制が必ずしも十分でない中小企業に対する相談への対応、支援を行っていくこととしているところでございます。
#14
○宮島喜文君 時間もないので、すぐに次に進みます。
 割増し賃金率について御質問しますけれども、平成二十年の労働基準法の改正で、六十時間以上を超える時間外労働について割増し賃金を、五割以上の賃金を課すことになっておりましたけど、中小企業については経営に影響を与えるということからその適用が猶予されておりました。三年後に見直してみるんだということになっておりまして、今回、法改正で猶予が廃止されることになりました。
 これから考えますと、八年間が経過しているわけでございます。猶予のこの見直しについて、現在、適用を猶予しても中小企業の経営に影響がないと判断されたのか。それと、廃止に至った現状についてお伺いしたいと思います。中小企業に対する適用の猶予措置、この廃止による見込まれる効果についても併せて簡潔に御回答を願います。
#15
○政府参考人(山越敬一君) 現在提出をしております改正法案では、中小企業におけますその割増し賃金率でございますけれども、六十時間を超える場合に五〇%引き上げることにしておりますけれども、この案におきましては、中小企業における厳しい経営状況も踏まえまして他の改正事項の施行よりも遅らせまして、三十五年の四月施行としているところでございます。施行までの間に長時間労働の抑制を段階的に進めていただくことが肝要だと考えております。
 こうしたことから、中小企業、割増し賃金の引上げに御対応いただくためには、業務プロセスを見直していただいたりとか業務分担を変えていただくということも必要だというふうに考えます。このようなことから、こういった中小企業・小規模事業者にきめ細やかな支援を行うために、先ほど申し上げました働き方改革支援センターにおきまして、商工団体とも連携をいたしまして労務管理のノウハウの提供などを進めて、これに対応できるように進めてまいりたいというふうに思います。
#16
○宮島喜文君 これを進めるに当たって中小企業庁との連携も必要になるだろうなと思うわけでございますが、平成三十五年に法律が施行されるなど、考えていかなきゃいけない中で、やはり中小企業というのは経営の体力に不安を感じている経営者がいる、少なからずいるということは事実でございます。また、割増し賃金率を踏まえた賃金の算出など、労務管理の手法も変わってくるということになります。
 中小企業の体制整備については主に中小企業庁が対応するのではないかと思うわけでございますが、この間、施行するまでの間に、中小企業庁との連携も含め、厚生労働省は具体的な取組をどう考えているかということについてお聞きしたいと思います。
#17
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 厚生労働省としまして、中小企業庁とともに昨年立ち上げました中小企業・小規模事業者の働き方改革・人手不足対応に関する検討会がございます。こちらでの検討を踏まえまして、今も労働基準局長から申し上げましたが、全ての都道府県に働き方改革推進支援センターを設置をし、中小企業・小規模事業者の個別相談などに当たるとともに、労働基準監督署にも中小企業・小規模事業者の相談に対応する特別チームを編成するなど、その中小企業・小規模事業者の相談の体制を充実をさせるということとしているところでございます。
 さらに、長時間労働の是正や同一労働同一賃金といった働き方改革や、あるいは企業内の雇用管理の改善に中小企業等が取り組むに当たっての支援策といたしまして、時間外労働を縮減するための生産性向上に資する機器の導入などを行う中小企業に対する助成でありますとか、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を実施をした中小企業に対する助成などを行うこととしております。
 引き続き、中小企業などの皆様に働き方改革に前向きに取り組んでいただけるように、こうした支援にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
#18
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 力強いお話でございました。大変重要なことだと考えておりますので、今後とも取組を強化していただけたらと思うわけでございます。
 時間もございませんので飛ばしまして、申し訳ございませんが、高度プロフェッショナル制度の創設について御質問させていただきます。
 これは、勤務時間ではなくて成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応えるということになっているわけでございますが、その具体的な職種については、法案成立後、労働政策審議会で検討し、厚生労働省で定めるとされております。現在、その職種の候補として、金融商品の開発業務や金融商品のディーリング業務、またコンサルタントなどが想定されているということでございますし、これには本人の同意等、使用者は労働者の健康確保を講じることとされておるわけでございます。
 この制度は、やはり将来の日本や経済を考えますと、これからの環境変化を考えると、一人一人が希望とそして能力、またライフスタイルなど多様な選択肢がある働き方ということが可能にする社会を実現するためには必要なことかと考えます。そうはいっても、制度導入に対して不安を感じている労働者も多いかと思います。
 高度プロフェッショナル制度の適用については、本人の同意、労使委員会の決議などを要件としているわけでございます。この労使委員会では、対象業務をどうするか、また対象の労働者の範囲の決定、また健康確保や対象労働者からの苦情処理などもここで行うことになっているということですから、大変重要な役割を果たすものだと思います。
 この労使委員会の権限がきちんと機能するように厚生労働省令などで適切に規定すること、そして、そうしなければやはり働く者にとって実効性のある制度にならないのではないかと思うわけでございまして、これをきちんと進めることを望むわけでございますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(加藤勝信君) 高度プロフェッショナル制度では、労使委員会において対象業務等々を決議によって定めなければならない、そして、これが定められていない場合には制度を導入できないということになります。
 この労使委員会は、半数以上を労働者で構成する労使委員会の五分の四以上の多数による議決が求められるという、こういう合議体でありまして、通常の労使協定よりも厳しい手続要件になっております。加えて、制度導入に当たっては行政官庁に届け出る必要があります。加えて、この決議事項については、対象となる方の適正な労働条件の確保を図るために、指針、これは大臣告示で定めさせていただきますが、それを定めることになっており、労使はこの決議事項がこの指針に適合したものになるようにしなければならない。そういう意味において、事業所における労働の実態を熟知した労使関係者が話し合って、当該企業の実情に即して対象労働者の範囲や健康確保措置などを議決することが求められておりまして、労使委員会の果たすべき役割、機能は大変重たいものがあります。したがって、労使委員会が適切に運用されていくということが大変大事であります。
 二十九年の六月五日の建議において、例えば、使用者の意向による選出は手続違反に当たるなど通達の内容を労働基準法施行規則に規定すること等々の指摘をいただいております。そうした指摘をしっかり踏まえ、労使委員会が適切に運用され、制度のチェック機関としてその実効性が確保されるよう、法律を、そして指針はこれから労政審に諮って決めていくわけでありますけれども、それに基づいて助言、指導がしっかり行われるように取り組んでいきたいというふうに思います。
#20
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 労使委員会、是非、キーポイントだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、時間もございませんが、産業医の機能の強化でございますが、今回の法律改正で産業医の独立性や中立性の確保というものができ、またその職務を行う責任が法律に明記されたわけでございます。
 この産業医は現在どのような数があるかということ、十分なのかということに関してお聞きしたいのと、少なければこれをこれから増やしていくために政府はどう考えるかということをお聞きしたいと思います。
#21
○政府参考人(田中誠二君) 産業医は労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修等を修了している医師であることが要件でございますが、現在、平成三十年三月末時点でこの要件を満たしている医師は約十万人ということになっておりますが、そのうち実際に産業医として活動している医師は約三万人と推計しております。
 その差があるわけですけれども、日本医師会の産業医に対するアンケートによりますと、産業医として働く場がないとか、あるいは経験がなくやり方が分からないといった理由を挙げる方々も多いという状況です。
 こうしたことを踏まえまして、厚生労働省としては、独立行政法人労働者健康安全機構に属します全国の産業保健総合支援センター及びその地域窓口を通じまして、要件を満たしているにもかかわらず産業医として活動していない医師の実践力の強化、充実を図るための研修の実施であるとか、あるいは産業医とニーズのある事業所のマッチングを促進するための取組などを通じまして産業医の担い手の確保を図ってまいりたいと考えております。
#22
○宮島喜文君 産業医の先生というのは、私も病院に長く勤めておりましたが、誰かなっていただけないかというふうにお願いしなきゃなかなか手を挙げてやってくれる人がいないのが現実です。そういう意味でいえば、本当にこれから着実に確保していくことが大切だろうと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#23
○小川克巳君 自民党の小川克巳でございます。
 時間が限られております。早速質問させていただきます。
 本法案は、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するためとして、長時間労働の是正、それから多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保等の措置を講ずることを目的に提出をされております。一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであると位置付けられ、これら三本の柱に様々な改革が提案されているわけですが、それぞれの質疑に入る前に、まず大臣にお伺いします。
 そもそも、目的や方法論はこれまでの厚労省の資料に挙げられているとおりですが、なぜこれらの改革が必要なのか、どういう改革を生むと考えているのか、その立法意義について、大臣の生の声、生の言葉で、国民に対するメッセージとしてお答えいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の働き方改革、まずその前段階として一億総活躍社会の実現ということを申し上げてきたわけでありますけれども、やはり今、日本社会、デフレからの脱却、経済の再生等に取り組んでおりますけれども、やはりそこには少子高齢化という、あるいは人口減少、あるいは生産年齢の減少というこの構造的な課題が目の前にあるわけでありますので、それを乗り越えて次の時代をどう切り開いていくのか。
 そういった意味において、まずは、今ここにおられる一人一人の方々が、まだ働いていきたい、自分の力を発揮をされたい、そういう希望を持っている方が多くいらっしゃるわけでありますが、残念ながらその希望が実現できない幾つかの壁があります。その壁を一つ一つ除去することによってその力を十二分に発揮をしていただく、そのことは個人の人生というものをより豊かにすると同時に、日本の社会というものを発展を導き出していく、こういったことにつながっていく。
 そういう観点から、今回の働き方改革法案において、まずは長時間労働等、要するに、過労死を生み出さないということ、あるいは正規と非正規の間の不合理な待遇格差を解消していくということを実行していく中と、あるいは多様な働き方を、柔軟な働き方を選択肢として提供するということを通じて、今申し上げたそれぞれの方々がそれぞれの事情に応じて働くことのできる社会、これをつくっていく、そういった思いで今回の法案を提出をさせていただいていると、こういうことであります。
#25
○小川克巳君 本当に生の声というんですか、答弁書を見ないで大臣の思いを率直にお話しをしていただきまして、本当にありがとうございます。
 ともすれば働くことがなかなか是として捉えられないような風潮がありますけれども、やはり自己実現の場であり、なりわいを得る場でありというふうなことで、非常に大事なものであると思います。その中で、いろんなハザードがあったり障壁があったりというふうなことで、これを少しでも解決していく、解消していくということは非常に大事なことだというふうに思います。寛容の社会をできればつくっていきたいというふうに心掛けております。どうもありがとうございました。
 では、個別の課題についてお尋ねをいたします。
 まず、時間外労働の上限規制につきましてですが、この度、長時間労働の温床となっている時間外労働に歯止めを掛けるため、現在大臣告示として規定されている月四十五時間、年三百六十時間という限度時間が法律レベルに格上げされます。また、臨時的にかつ特別な事情がある場合に労使が合意しても超えることのできない限度時間として、年七百二十時間、単月百時間未満、複数月平均八十時間以内といった上限が罰則付きで規制されています。
 そこで、月四十五時間及び年三百六十時間の限度時間の数値の根拠について、また、臨時的な事情がある場合の年七百二十時間、単月百時間未満及び複数月平均八十時間のそれぞれの限度時間の数値の根拠についてお答えをいただきたいと思います。
 特に、月百時間、八十時間という時間外労働がいわゆる過労死ラインとして指摘されているにもかかわらず、同一の数字を上限値として提示した意味を理解できるようお答えいただきたいと思います。常識的には、それらの指摘を勘案しつつ、その数字を下回る時間を提示するのが自然ではないかというふうに思っておりますが、その点についてよろしくお願いいたします。
#26
○大臣政務官(田畑裕明君) お答え申し上げます。
 今回、史上初めて、労働界と産業界のトップの合意の下に、三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の規制を設けることとしたわけであります。
 先生今お話ございましたとおり、具体的には、時間外労働の上限につきまして、月四十五時間かつ年三百六十時間と法律に明記をするところでございます。その上で、労使が合意した場合でも上回ることができない上限を年七百二十時間とし、その範囲内におきまして、複数月の平均では八十時間以内、単月では百時間未満と定めるところでございます。これは、実効性があり、かつ、ぎりぎり実現可能な水準として労使が合意に達した内容でありまして、それに沿って法定化するものでございます。
 昨年三月の労使合意では、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要であることが合意をされております。上限水準までの協定を安易に締結することを認める趣旨ではございません。可能な限り労働時間の延長を短くするため、労働基準法に根拠規定を設け、新たに定める指針に関し、使用者及び労働組合等に対して必要な助言、指導を行うこととし、長時間労働の削減に向けまして労使の取組をしっかり促してまいりたいと思います。
#27
○小川克巳君 労使合意によるということで理解をしましたが、ただ、問題は、その労の方の代表者の意見がどれほど反映されているのかという、本当に、現場の声がですね。ですから、今後、その施行後の経緯を、経過といいますか、を注意深くやっぱり追っていく必要があるのかなというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 健康確保の観点から、労働時間の正確な把握が本制度の成否を決めると言ってよいと思いますが、厚労省資料では、労働時間の状況の把握の実効性確保としつつ、省令で定める方法によりと説明されています。
 具体的にどういう方法を想定されているのか、この点についてお伺いいたします。
#28
○政府参考人(山越敬一君) 昨年六月五日の労政審の建議におきましては、医師の面接指導の適切な実施を図るために、労働時間の把握につきまして、客観的な方法その他適切な方法に、労働時間の把握について、よらなければならない旨を省令で規定することが適当とされたところでございます。
 さらに、この点につきましては、与党審査の過程におきまして、労働者の健康確保の観点から、労働時間の状況の把握の実効性確保のために、省令ではなく法律で明確に義務付けることとされたところでございます。
 具体的な把握方法でございますけれども、現行、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインがございます。このガイドラインでは、この把握の方法につきまして、使用者による現認、あるいは客観的な記録を基礎とすることを原則とし、やむを得ない場合には自己申告制によるとされているところでございますので、こういったガイドラインの規定を参考にしながらこの省令を定めていきたいというふうに考えております。これによって労働時間の状況の把握を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#29
○小川克巳君 方法論としては分かりましたけれども、その実効性についてはちょっと疑問が残るなと。しかも、その自己申告制ということが最後に控えているということになるとこれまた少し弱いなという感じがするんですが、いずれにしても、ここを経過を追ってやっぱり補強していく、内容の注視が必要だろうというふうに思っております。
 働き方改革実行計画では、多様な働き方の一環として副業、兼業を原則認める方向でその普及促進を図ることが明記され、本年一月には副業、兼業について企業や労働者が留意すべき事項をまとめたガイドラインが公表されております。
 副業、兼業に従事する労働者は複数の事業所で働くことが想定されますが、こうした場合、ついつい長時間労働をしてしまいがちであり、これを防ぐために労働時間等が適切に管理されることが重要であると考えています。
 そこで、複数の事業所において副業、兼業に従事する労働者の時間外労働の上限規制はどのような形で適用されることになるのか、また、そうした複数の事業所において副業、兼業に従事する労働者の健康確保措置をどのように担保されるのかについてお伺いします。
#30
○政府参考人(山越敬一君) 労働者の方が本業、副業、兼業の両方で雇用されている場合におきましては、労働基準法第三十八条で、労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算するという規定がございますので、この規定が適用されまして、このことは事業主が異なる場合も含むものと解されているところでございます。
 このため、上限規制が適用された場合、複数の事業場で働く労働者につきましては、各事業場における労働時間数を通算して上限規制の範囲内にしていただくようにする必要があるところでございます。
 また、健康確保措置につきましては、今年一月に策定をされました副業・兼業の促進に関するガイドラインにおきまして、使用者が労働者に副業、兼業を推奨している場合には、労使の話合いなどを通じ、副業、兼業の状況も踏まえて健康診断等の健康確保措置を実施することが適当であるとされているところでございます。
 なお、こうした副業、兼業を通じたキャリア形成を促進するための実効性ある労働時間管理等の在り方につきましては、この働く方の健康確保等にも配慮しつつ、今後、有識者の検討会において御議論いただくことを考えているところでございます。
#31
○小川克巳君 ありがとうございました。
 続いて、勤務間インターバル制度についてお尋ねをいたします。
 労働時間等設定改善法では事業主の責務が規定されていますが、今般、その中に、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間の一定時間の休息の確保が盛り込まれることになりました。このいわゆる勤務間インターバル制度は過労死を防ぐ効果的な制度であるというふうに思いますが、具体的に何時間ぐらいを想定しているのか、また、接待や待機の場合の翌日就業までの勤務間インターバルについての考え方をお伺いいたします。
#32
○政府参考人(山越敬一君) 今回の法案におきましては、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正いたしまして、事業主に対して、勤務間インターバル、この制度の導入を努力義務として課すことといたしております。
 このインターバルの長さについてでございますけれども、企業ごとに事情が異なりますことから、法律で一律に時間を定めるのではなく、労使の自主的な取決め、これによって定めていただくことが適当であると考えているところでございます。
 それから、今、例えば接待とか待機、そういった時間が労働時間に該当するかということでございますけれども、こうしたものが業務として指揮命令されたものである場合、業務命令に基づいて労働者が拒否できないようなケースなどにつきましては労働時間に該当するものでございますので、その終業時刻から翌日までの始業間がインターバルの期間として算定されるものというふうに考えるところでございます。
#33
○小川克巳君 ありがとうございました。
 最低限のライン、それごとに決めるというふうなお答えでしたけれども、最低限のライン、インターバルの時間をきちんと法的に決めるということもありなのではないかというふうに思いますが、その点については今後の課題ということでさせていただきたいと思います。
 続きまして、高度プロフェッショナル制度についてお尋ねをいたします。
 率直に、この制度はどういう人にとってメリットがあるのか、誰のための制度かについてお答えをお願いします。
#34
○大臣政務官(田畑裕明君) お答え申し上げます。
 付加価値の高い財やサービスを生み出す革新的な分野では、イノベーションや高付加価値化を担う高度専門職の方であって、希望する方が、健康をしっかり確保した上で仕事の進め方や働く時間帯等を自ら決定をし、その意欲や能力を有効発揮することが求められるというふうに考えているところであります。
 こうした創造性の高い仕事に従事する方の中には、深夜の時間帯の方が能率が良いという方であったり、時間帯によって働く制約を設けてもらいたくないというような方もいらっしゃると認識しているところであります。
 この点、高度プロフェッショナル制度は、対象となる方の健康確保を前提に、現行制度の制約を取り払い、時間と賃金の関係を切り離すことによって仕事の成果に見合った処遇をすることを可能とする制度であり、時間や場所にとらわれない、自律的で創造的な自由な働き方の選択肢として働く方に希望していただくメリットがあるというふうに考えているところでございます。
#35
○小川克巳君 従来のたがを外した働き方ということで、私自身は性格からいって、私もそちらの方がいいなというふうな感じはするんですけれども、ただ逆に、その自律性を非常に強く求められるというふうな別の側面もありますので、これの導入に関してはかなり慎重にやる必要があるのかなというふうに思います。
 引き続き、高度プロフェッショナル制度についてお尋ねをいたします。
 働く場所については触れられておりませんが、社外であるとした場合の就労時間、あるいは年間百四日の休日取得はどのように把握するのか、この点についてお答えをお願いいたします。
#36
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度で働く場合のその働く場所等についての御質問かと思いますけれども、この制度でございますけれども……(発言する者あり)年間百四日の把握でございますけれども、これは、休日に関しては、いつ働きいつ休むかといった点は労働者が自律的に決定することが原則であるというふうに考えているところでございます。
 休日の取得を確実なものとするためには、できるだけ日を特定することが望ましいことから、労働者から事前に使用者に予定する休日を伝えていただくことが必要であるというふうに考えておりまして、この旨、指針に明記することを検討したいと思います。
#37
○小川克巳君 基本的に自己管理ということでよろしいですか。
#38
○政府参考人(山越敬一君) 休日に関しては、いつ働きいつ休むかといった点は労働者が自律的に決定することが原則であるというふうに考えます。
#39
○小川克巳君 ありがとうございました。
 雇用条件として本制度適用を前提とした求人は是か非か。また、一旦雇用後、雇用条件の変更として本制度による雇用を提示され、それに応じない場合に不利な取扱いを受けないという保証はあるのでしょうか。
#40
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度、この制度の適用を前提とした求人は認められるものでございますけれども、その場合には求人票においてこの制度の適用対象となる旨を明示することが必要である、そうしたことを職業安定法に基づく指針において明確にすることを検討しているところでございます。
#41
○小川克巳君 続いて、対象業務が、高度の専門的知識等を必要とする、あるいは時間と成果との関連性が高くないと認められるという性質の範囲内で省令で規定する業務というふうにされているわけですけれども、施行後に拡大運用される可能性を否定できないというふうに考えております。その点について、どう防ぐのかについてお答えをお願いいたします。
#42
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度の対象業務につきましては、法律におきまして、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないものとして認められるものを厚生労働省令で定めるということにしております。
 こういった業務の性格については、法改正をしなければ、この対象業務、拡大することができないものでございます。また、具体的な対象業務を定める省令の検討に当たりましては、この今申しました法律の要件の範囲で公労使の三者から成ります労政審でしっかりと議論をした上で定めていきたいというふうに考えております。
#43
○小川克巳君 高度プロフェッショナル制度の適用には本人の同意が必須条件となっています。しかし、個々の事情により、同意後に制度適用から外れることを希望する労働者が生ずることも想定されているわけでして、そのため、衆議院において、先頃、本法案に関する修正案が可決され、制度適用労働者の同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とする規定が盛り込まれました。
 他方で、本法案には、使用者からの制度適用解除に関しては規定されていません。そのため、本制度適用後、使用者が望むような成果が出ない労働者が出た場合、使用者が本制度からその労働者を外す意向を示すケースも想定されることになります。
 労使間の契約の話であり、最終的には労使自治に委ねられるものとは思いますが、労使双方に混乱を招くことがないよう、政府においては丁寧な説明が求められるのではないかと考えております。政府としての見解を伺うとともに、講ずる対策についてお伺いいたします。
#44
○大臣政務官(田畑裕明君) 高プロ制度においては、対象労働者の同意の下に制度の適用がなされておりまして、使用者側が一方的にその適用を解除ができる仕組みとはなっていないところであります。
 一方で、労使委員会で話し合った結果として、健康確保措置として、健康管理時間が長時間に及んでいる場合など、一定の条件の下で労働者を制度の対象から外すといった措置を決議することは考えられるところであろうかと思っております。
 これらの点につきましては指針等に明記することも検討し、制度の運用につきましては労使が混乱を招くことのないようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#45
○小川克巳君 ありがとうございます。是非そうしていただきたいと思います。
 続きまして、健康確保措置の実施の担保についてお伺いをいたします。
 高度プロフェッショナル制度の導入に当たっては、使用者による健康確保措置の実施が規定されております。労働者にとって、自分の健康は自分で把握する、このことが働く上での基本であるとは考えます。ただ、本制度については長時間労働をもたらすという意見も多くあり、そのため使用者による健康確保措置が肝要であり、確実な履行が求められると思っています。しかしながら、新たな制度の創設ということもあり、使用者として、健康確保措置の実施手順や実施状況の取りまとめ方等、判断に迷うことも想定をされます。
 そこで、健康確保措置の確実な実施を担保する意味でも、分かりやすい事例を記載した資料を作成するなど、周知徹底を図る手段も考えられるところであるかと思いますが、政府として具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
#46
○大臣政務官(田畑裕明君) お答え申し上げます。
 高プロ制度の対象となる方が健康をしっかり確保した上でその意欲や能力を有効発揮するためには、健康確保措置をきちっと講じていただくことが当然必要でございます。健康確保措置については決議事項になっているところ、具体例につきましては指針に明記するとともに、御指摘のような方法も含めまして、健康確保措置がきちっと講じられるよう労使に周知するよう、方法をしっかり検討してまいりたいと考えております。
#47
○小川克巳君 是非よろしくその点お願いいたします。
 健康管理に関する産業医から労働者へのフィードバックの在り方についてお尋ねします。
 労働者の健康の確保は働き方改革を実施する上で大前提とされますが、労働者が自身の健康状態を的確に把握することも大変重要です。働くにつれ徐々に蓄積されていく疲労に気付かず、結果として心身に支障を来してしまうというようなケースもあり得るというふうに思っています。こうした事態は絶対に避けなければなりません。
 この認識は誰もが共有できるものと思っていますが、今般の改正においては、事業者から産業医への情報提供や産業医から労働者への面接指導が実施されることとなっています。労働者の健康維持という点において産業医は大きな役割を担っており、労働者の健康状況について産業医が労働者本人に対し専門的観点からフィードバックを行うことが大切であると思っています。
 このフィードバックを行うという考え方が本法案にはどのように盛り込まれているのかについてお伺いをいたします。
#48
○政府参考人(田中誠二君) 労働安全衛生法では、事業者が労働者の健康確保を適切に行うために、健康診断や長時間労働者に対する医師による面接指導などを行うことを義務付けております。
 一方で、労働者が自らの心身の状況を適切に把握しつつ就業するためには、こうした措置の結果について適時にフィードバックを受け、自らの健康管理に活用していくことも重要であると考えております。
 このため、現在、健康診断につきましては、事業者に対し、その結果を労働者に遅滞なく通知することを義務付けるとともに、面接指導につきましては、問診等により医師が直接労働者と面接するわけですけれども、その段階で心身の状況を把握するということとされております。その際に、必要に応じて労働者に対して生活習慣やセルフケアに関する指導も行うことをマニュアルにより示しているところでございます。
 今回の改正法案については、さらに、労働者が安心して産業医や医師等に健康相談等がしやすくなるように、事業者に対しまして、健康相談の窓口の設置等の健康相談等をしやすい体制の整備に努めることや労働者の健康情報の適切な取扱いの確保等を求めることとしておりまして、先ほど申し上げた仕組みやこうした相談の機会等を通じまして、労働者に健康診断等の結果の適切なフィードバックが行われるようにしてまいりたいと考えております。
#49
○小川克巳君 続きまして、労働者数五十人未満の事業場における産業保健の在り方についてお尋ねします。
 労働者数五十人未満の事業場には産業医の選任義務が課されておりません。しかしながら、労働者の健康確保の重要性については事業場規模により差がないことは言うまでもなく、小規模な事業場における産業保健機能がないがしろにされるような事態はあってはならないというふうに考えています。
 小規模な事業場における労働者の健康管理について、政府としてその実態をしっかりと把握しているのでしょうか、また、こうした事業場における産業保健機能について今後どのように充実を図っていくのか、その見解をお伺いいたします。
#50
○政府参考人(田中誠二君) 労働者数五十人未満の小規模事業場につきましてですけれども、労働安全衛生法に基づく労働者の健康確保対策として、一つには、五十人以上の事業場と同様に健康診断や長時間労働者に対する医師の面接指導の実施を義務付けております。また、産業医の選任義務はありませんけれども、産業医学に関する知識を有する医師等の選任に係る努力義務等、事業場の規模に応じた衛生管理体制の整備を事業者にお願いをしておるところでございます。
 このうち、健康診断の実施の現状につきましては、平成二十四年の労働者健康状況調査によれば、労働者数三十人から四十九人の事業場で約九七%、十人から二十九人の事業場でも約八九%が健康診断、実施をしていただいている状況。また、医師の選任につきましても、平成二十三年の労働災害防止対策等重点調査報告に基づく推計によりますと、労働者数三十から四十九人の事業場で約四二%、十から二十九人の事業場で約三〇%が選任を行い、健康診断の事後措置の相談等に活用をしておられる状況を把握しております。
 しかしながら、こうした小規模事業場では産業保健活動に取り組む十分な体制やノウハウ等が不足していることも多いわけですので、独立行政法人労働者健康安全機構の産業保健総合支援センターの下に設置されております全国三百五十か所の地域窓口を通じまして、事業者の求めに応じて医師の面接指導や健康相談等を行っているほか、努力義務とされている医師等の選任とか、あるいはストレスチェック等を行った場合にはその費用の一部助成等を行っております。
 こうした全国の産保センターを中心とした取組を通じて、きめ細かい小規模事業場の産業保健の充実に対する支援を行ってまいりたいと考えております。
#51
○小川克巳君 ありがとうございます。
 続いて、同一労働同一賃金についてお尋ねをいたしますが、時間の関係で一つ飛ばさせていただきたいと思います。
 非正規雇用労働者に対する制度の周知についてお伺いをいたします。
 正規雇用と非正規雇用の間における不合理な待遇差を実効的に是正していくためには、事業主の理解だけでなく、労働者側の理解も不可欠であると考えています。
 本法案では、不合理な待遇差を解消するための規定が整備され、待遇に関する労働者への説明義務が設けられ、労働問題に発展した場合に速やかに解決が図られるよう行政ADRなどが整備されるとしており、しっかりした制度構築がなされることは理解できますが、一方で、こうした制度を用いる側への周知やその理解を深める努力をしていかねばなりません。
 そこで、非正規雇用の方々に対する制度の理解を深めるための政府の取組についてお伺いします。また、労働者に対する待遇に関する説明義務が強化されましたが、労働者側からの説明に対する同意といった考え方についての見解をお尋ねします。
#52
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正におきましては、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正するために、不合理な待遇差を禁止するだけではなく、待遇差に関して企業側しか持っていない情報を非正規雇用労働者も知ることができ、訴訟において不利にならないようにする必要があると。このために、一つは、非正規雇用労働者が事業主に求めた場合、正規雇用労働者との待遇差の内容、理由等の説明義務を事業主に課すと、それから、説明を求めたことを理由とする不利益取扱いを禁止することといたしております。
 これは非常に重要な内容でございまして、こういうことにつきまして、まずは、非正規雇用労働者の方々がこういうことを、事実を知らなければならないということは先生御指摘のとおりでございます。そのためにも、労働局での相談のほか、厚生労働省におけるホームページ、あるいはパンフレット、リーフレット等、様々なツールを使いましてこの周知を図っていきたいと考えております。
 また、この説明義務でございますけれども、説明義務としておりますので、その内容につきまして、その方法、待遇差の内容、理由等に関する説明義務の具体的内容につきましては、今言った趣旨を生かしつつ、どこまで果たせば義務を果たしたかという点につきましては、労働政策審議会の建議におきましても、実効ある労働者の保護の観点と実務上現実に対応できるようにする観点の双方から施行段階において検討を深めることが適当であるとされていたところでございますので、改正法成立後に同審議会において議論をいただきまして説明義務の具体的内容を明らかにしていくこととしておりますが、その内容につきましては、事業主に対して十分に理解されるよう、しっかり周知してまいりたいと考えております。
#53
○小川克巳君 せっかくの制度もやっぱり誤解があってはその実効性は図られませんので、是非啓発等について力を入れていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。質問を終わります。
#54
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 働き方改革を推進するために具体的取組が行われるように、質問を一つ一つさせていただきたいと思います。
 まず初めに、正社員と正社員以外の労働者との格差是正について質問をさせていただきます。
 データブック国際労働比較二〇一八によれば、諸外国のフルタイム労働者に対する短時間労働者の賃金水準について、フルタイム労働者の賃金を一〇〇とした場合、日本ではこれと比較すると短時間労働者の賃金水準、五九・四となっております。約六割と大きな格差です。同一労働同一賃金が浸透している欧州諸国では、正社員と短時間労働者との賃金差は七から八割が中心であります。
 また、厚労省による平成二十九年の賃金構造基本統計調査において、雇用形態別の賃金カーブは、正規社員が年齢とともに上昇しピークが五十から五十四歳、一方で、非正規雇用では年齢上昇でも賃金上昇はなくフラットのままとなっております。すなわち、正社員職員では年齢で賃金が上昇していくのに対して、正社員職員以外では企業の規模を問わず上昇していかないのが現状であります。
 将来設計できる、将来に安心をもたらすことができる社会構造をつくるためには、この賃金格差を解消することが絶対不可欠だと私は思います。今後、この本法改正を含めて、雇用形態による賃金格差、年齢上昇による賃金格差が拡大していくことを解消する具体的対策と取組について、加藤大臣に伺います。
#55
○国務大臣(加藤勝信君) 賃金等の待遇、これは労使によって決定されるということが基本ではあります。しかし、今委員御指摘のように、諸外国、もちろんいろんな意味で単純な比較はできませんけれども、やはりフルタイムで働く方とパートタイムで働く方の時間給当たりで見たこの格差、これはやはり日本はかなり大きいというふうに私どもも認識をしているところであります。
 このため、今回の改正法案では、個々の待遇の、ですから正規、非正規というこの相対ではなくて、そこで払われている一つ一つの処遇ごとに見て、それがその処遇の性質あるいはそういう処遇を行うことの目的、それに見て実態に違いがなければ同一、違いがあれば違いに応じた支給を求めるということにしています。
 今、勤続年数のお話がありましたけれども、正規と非正規の間で勤続年数に基づき賃金を決定する場合には、勤続年数が同一であれば、これは当然同一になっていくわけであります。ですから、また違いがあれば違いに応じた支給と、これが原則になります。したがって、勤続年数に基づき賃金を決定している範囲においては、勤続年数が違っていればどのような差でも許容されるということにはならないということになり、そこの部分に関してはということですね。
 今回の法案は、勤続年数に基づき賃金を決定する場合を含めて、今申し上げた現在の賃金格差を追認するというものではありません。個々の待遇ごとに不合理な待遇差の是正を図る、そして不合理に低くなっている方の待遇の改善、これを図っていこうというものであります。
 今回の法案を通じて理由のない待遇差を埋めて、それぞれの皆さんの能力がきちんと評価される、そしてそれに基づいた賃金が支払われる、こういった納得感、そしてそれによるモチベーションの向上、そして更に労働生産性が上がっていく、こういったことをしっかりと図っていきたいというふうに思っております。
#56
○三浦信祐君 待遇を改善していく、大変重要なことですので、進めていかなければいけないと思います。
 その上で、正社員と正社員以外の労働者では賃金格差があるだけではありません。正社員以外の労働者の退職金制度適用者は僅か九・六%です。賞与支給適用者も三一%です。これに対し、正社員は八割がいずれも適用となっております。労働者には支えるべき家庭もあります。また、御自身の老後の生活もあります。ライフプランにとって重要な住宅購入など、また将来設計、退職後の生活設計に多大な影響を及ぼすこれらの待遇差の解消も欠かすことはできません。
 例えば、銀行でローンを借りるといっても、様々な背景によってその瞬間に大きな未来の展望絵図が変わるというのも今の日本社会の実態であると思います。これについて具体的な取組が必要だと思います。これについていかがでしょうか。
#57
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 退職金制度は労働者にとって大変重要な待遇の一つでございますが、その支給の実態は今先生が御指摘のとおりでございます。ただ、その内容、性格が様々なものであるところから、今回お示ししておりますガイドライン案においても記載されていないところでございます。
 一方、今回の改正法案でございますが、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に待遇差がある場合、個々の待遇ごとに、職務の内容、あるいは職務の内容、配置の変更範囲、職務の成果、能力、経験などのその他の事情のうち、当該待遇の性質及び目的に照らして適切と認めるものを考慮して不合理なものであってはならないとされているところでございまして、御指摘の退職金につきましてもこの不合理な待遇差の禁止の対象となり得るものと考えているところでございます。
#58
○三浦信祐君 今大切な答弁をいただいたと思います。一方で、その退職金がないという働き方というのも当然あるかもしれません。であるならば、当然、年齢で退職をしなければいけないというこの社会が、さらに、元気な高齢者になっても働けるような日本に変えていくということも併せて今後検討していかなければいけないんじゃないかなというふうに、私も今の答弁を聞いて思いました。
 残念なことに、まだ待遇差異というのはあります。正社員以外の労働者に対する公的な保険制度の適用率は、健康保険で五四・七%、厚生年金五二%となっており、半分の方が事実上適用をされておりません。正社員との福利厚生上での差異も顕著なのが実態であります。ふだんの生活の安心や将来の生活保障へ欠かせない保険制度、年金制度における格差解消も、この本法案を提出をしていただいたこのきっかけに是非取組を急ぐべきだと私は考えます。具体的施策はどのようになっていくのでしょうか。
#59
○大臣政務官(田畑裕明君) お答えを申し上げます。
 働きたい方が働きやすい環境を整えるとともに、年金などの保障を厚くする観点から、平成二十八年十月から大企業で働く短時間労働者を対象とした被用者保険の適用拡大が施行されているところであります。平成二十九年四月からは中小企業等で働く短時間労働者についても労使合意を前提に企業単位での適用拡大が道が開かれているところであります。社会保険の適用に関しては、今後とも、個人の多様な働き方に合わせまして、適用の基準を引き下げることで短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大を着実に進めていくことが重要だというふうに考えているところであります。
 法律の規定におきましては、平成三十一年九月までに被用者保険の適用範囲について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じることとされているところであり、適用拡大が事業主や短時間労働者に及ぼす影響などを踏まえつつ、更なる適用拡大につきましてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
#60
○三浦信祐君 是非実効ある拡大にしていっていただきたいと思います。
 就職氷河期と言われる時期が日本にはありました。また、長く続いたデフレの影響が雇用情勢に影を落としてきた時期もあります。
 総務省の労働力調査によれば、平成二十九年平均でいわゆる不本意非正規の割合が一四・三%との結果になっております。そのうち二十五から三十四歳は二二・四%と、他の世代に比べ最も高くなっております。
 将来の日本を支える若手世代の不本意非正規の解消は、国を挙げて取り組むべき課題だと考えます。いかがでしょうか。
#61
○政府参考人(宮川晃君) いわゆる不本意非正規の方々の現状は先生から御指摘のとおりでございますが、今回の改正法案によりまして、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を解消することによりまして、若者も含めてどのような雇用形態を選択しても納得の得られる待遇が受けられるようにしていくこととしております。
 また、若者を含めまして正社員を希望する方々について正社員転換を推進することは大変重要でございまして、非正規から正規への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金、それから非正規雇用労働者に人材育成を行う事業主に対する人材開発支援助成金などを通じまして正社員転換を進めていくこととしております。
 また、いわゆる就職氷河期世代を含めたフリーターなどの若者の正社員の就職支援の拠点といたしまして、わかものハローワークなどを設置いたしまして、担当者制による職業相談あるいは就職プランの作成など、きめ細かな支援を実施しているところでございます。
 こうした取組によりまして、非正規雇用で働く方の正社員転換、待遇改善を進めまして、不本意ながら非正規雇用で働く方を減らしていきたいと考えているところでございます。
#62
○三浦信祐君 将来、日本の若者が今後高齢化社会を支えていく時代でもありますので、是非いろいろなところでアドバイス機能を強化をしていただきたいというふうに思います。
 次に、同一労働同一賃金の実現へ向けての取組について質問をいたします。
 政府は、一億総活躍プランの中で、非正規雇用労働者の待遇改善は待ったなしの重要課題との認識の下、労働契約法、パートタイム労働法、労働派遣法の的確運用を図るために、同一労働同一賃金ガイドライン案を平成二十八年十二月に示しています。
 その内容を拝見させていただきました。率直な感想として、もう少し具体的かつ現場に即した内容へと充実した方がよいのではないかなというふうに思います。業種、業態、資本によって考え方に差異があり、当然取組も異なります。同一会社内でも業種によって具体的対策は違います。生産業、サービス業、営業、開発等、個別具体に作成しなければ解釈をしづらいと思います。
 加藤大臣、是非、改善かつ充実に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の同一労働同一賃金のガイドライン、これは案として出させていただいたということで、最終的にはこの国会での御審議、あるいは先日最高裁の判例もありました、そういったもの、あるいは関係者の御意見、それらを踏まえながら、法案の成立後、労働政策審議会で御議論いただいた上で最終的に確定をしたいというふうに思っております。
 また、並行して、今年度の事業として、非正規雇用労働者の数や割合が高い業界を中心に、各企業が賃金制度も含めて待遇全般の点検等を円滑に行えるよう、業界ごとに非正規雇用労働者が担っている業務や責任の程度などの特性を踏まえた同一労働同一賃金導入マニュアルを作成し、それの周知啓発を図ることとしておりますが、そういう作業を通じて、先ほど申し上げた非正規雇用の労働者の方々が担っている業務や責任、それがどういったものなのか、こういった実態の把握もしていくわけでありますので、そうしたことも踏まえながら、先ほど申し上げた、最終的には労政審の審議でより実態に即したガイドラインを作っていくべく努力をしていきたいと思います。
#64
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 本法案では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解決を目指すこととしております。不合理な待遇や差別的取扱い等を禁止し、また待遇の相違の内容と理由等を説明する義務を事業者に課すこととなります。
 そもそも、パートタイマー労働者、有期労働者が正社員との不合理格差の環境で働いていると知り得るのは、結局のところ、企業の情報開示による情報に頼るしかありません。情報開示は、不合理格差を生み出さないための入口です。この重要性を企業側、経営者や人事担当者に理解していただくための具体的取組はどのようになっているんでしょうか。
 また一方で、労働者側も大切です。その前提に立った上で、使用者側に立った不合理と合理的判断等の基準などを記したガイドラインを作ることも働き方改革には不可欠だと考えます。具体的にこれはやっちゃいけないよということが明示をされているかいないかによって、この経営者側にとっての心理的ストレスも解消できるのではないかなというふうに思います。
 加藤大臣、是非、使用者側に立ったようなイメージでも是非このガイドラインを作ることも検討をしていただけませんでしょうか。
#65
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘ありますように、今回の改正案では、やはり正規と非正規の間の待遇差を改善していくというためには、非正規で働く方々に対して、現状そしてその理由、そういったことがしっかりと説明されていかなければ是正が図られていかないと、こういうことになるわけで、その説明義務を事業主に課し、また説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止するということにしております。
 待遇差に関する説明、これについては、委員御指摘のように、その内容、理由等に関してどう具体的にそれを行っていくのかと。労政審の建議でも、実効ある労働者保護の観点、実務上現実に対応できるようにする観点の双方から施行段階において検討を深めることが適当であるということでありますので、この成立後、労政審において説明義務の具体的な内容などを明らかにしていきたいというふうに思っておりますけれども、現行、今パートについては、事業主が講ずる雇用管理の改善等の措置の内容等の説明については局長通達というのが出されているわけでありますけれども、そうしたものも踏まえながら、今委員御指摘の点をしっかりと議論をしていきたいと思っておりますし、また、その内容について、これはその決まった後でありますけれども、事業主に対して十分理解するよう周知を図り、また個々の労働者の方々にもその旨をしっかりと周知していきたいと思います。
#66
○三浦信祐君 是非、中小企業がこれ実効性を担保してもらうためには、中小企業の経営者の方がやっぱり不合理であるということをなくしていくという努力をすると同時に、仮にその差があることに対しては合理的に説明ができるということがこの法を実際に社会の中に生かしていくことにつながっていきますので、より具体的に現場がどうなっているかということをきちっと政府でも掌握をしていただいて、ガイドライン的な、ようなものを是非作っていただきたいというふうに思います。
 次に、労働者の均等待遇、均衡待遇への取組について伺います。
 本法案では、これまで短時間労働者にのみ規定をされていた均等待遇規定を有期雇用労働者へも適用することとしております。労働者に対する均等・均衡待遇とするに当たり、事業主、雇用主にとってみれば、非正規社員への給与上昇を図る必要があります。人件費の原資は急に生まれるわけではなく、経営改善や収益増加等が必要であることから、本法改正では経営上での人件費捻出圧力となります。
 そのような中で、正社員の従来給与を引き下げることで有期雇用者等への財源を捻出して格差解消を図ることも決して想像には難くありません。昨日の本会議でも、小林理事からも正規雇用労働者の待遇の低下で実現するようなことがあってはならないと明確に質問をされました。この考え方についての見解はいかがでしょうか。
#67
○政府参考人(宮川晃君) 均等・均衡待遇の取組の目的は非正規雇用労働者の待遇改善であり、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものと考えております。
 今回の均等待遇、均衡待遇の取組への対応として、正規雇用労働者の待遇を引き下げようとするなど労働条件を不利益に変更する場合、労働契約法上、原則として労使双方の合意が必要となるわけでございます。また、労使が合意することなく就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合は、労働契約法の規定に照らして合理的な変更でなければならないこととなります。
 このように、正社員の待遇を一方的に不利益に変更することについては既に法的な整備がなされているところでございますが、基本的には、この均等・均衡待遇に対応するために各社の労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とは言えないと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消に向け、まずは各企業において処遇体系全体を労使の話合いによって確認し、非正規雇用労働者を含む労使で共有することが肝要であると考えております。
#68
○三浦信祐君 これ是非しっかりモニターしていただかないと、極めて重要な問題であると思いますので、厚生労働省がきちっと社会にこの法律を生かしていくんだという決意、覚悟が必要だと思います。是非、今後しっかりと我々も質問していきたいと思います。
 同一待遇とする際に、大学卒業か高等学校卒業であるか、いわゆる学歴差によって給与差が決められる場合があります。例えば、非正規雇用の社員が、今般の働き方改革、人材確保策として全員が正規雇用に変わったケースがあります。その中で、高校卒業であることを理由に給与が下がったケースがあると伺いました。非正規での経験年数によって昇給していた中で生活をしていたため、瞬間的には正社員になっていいなと思ったんですけれども、同額の給料ではなくて下がってしまったがゆえに、その給料に戻るまで数年掛かった、大変苦労したとの話でありました。若年層にとってみれば、ただでさえ決して給料は高い状態じゃない中での変動というのは極めて大きな課題であると思います。これらの対策を明確にしておかないと、長期的ビジョンなしに目下の待遇を気にせざるを得ない場合には、瞬間的に非正規を選ぶケースがあると思います。これは解消しておくべき課題だと思いますけれども、これについて御見解をいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(宮川晃君) 今回の均等・均衡待遇の取組の目的は非正規雇用労働者の待遇改善でありまして、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものと考えております。
 正規雇用に転換する際の待遇の在り方につきましては、その対象となる方の納得感ですとかモチベーション、あるいは安定感などの観点も含めまして、まずは各企業におきまして処遇体系全体を労使の話合いによって確認いただき、非正規雇用労働者を含む労使でそれを共有することが肝要であると考えております。
 また、今回の法案、御指摘のように、自ら非正規雇用を選択される方も含め、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇が受けられ、多様な働き方の選択肢を待遇の差を気にすることなく選べる社会を実現することを目的としているというところでございます。
 以上でございます。
#70
○三浦信祐君 多分若い世代は、そういうことを交渉できるようなこと、それが不合理かどうかと分からないケースがいっぱいあると思いますから、是非門戸を広げて、きちっと、そういうことがあってはいけないよということの周知というのが極めて重要になると思いますので、今後ともしっかりよろしくお願いします。
 情報化社会の現代にあって、企業の雇用状況に関する情報があらゆる手段で入手できます。一方で、その情報が余りにも実態と乖離している場合の対抗力は多くの企業で持ち合わせていないのが実態であると思います。特に中小企業ならばなおさらであります。本法案で合理的な待遇差の説明義務を課している中で、その内容自体が正しくなく社会に広められてしまえば、その企業は人材確保等に多大な影響を受けることが容易に予測ができます。これらのケアについて厚生労働省としてどのような見解を持っているのでしょうか。
 また、その上で、厚生労働省として、積極的に働き方改革を実践している企業を紹介をして、的確な情報、正しい認識に基づいた判断ができる、労働者が職業選択をする、正しい認識に基づいて判断ができる環境整備をすべきだと私は考えます。是非取り組んでいただきたいと思いますけれども、高木副大臣、いかがでしょうか。
#71
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 働き方改革を推進するためには、長時間労働是正などの働き方改革に積極的な企業ほど労働市場で選ばれ、それが企業の自主的な働き方改革の取組を更に促進するという好循環を生み出すことが重要でございます。
 これまで、若者雇用促進法やまた女性活躍推進法など関係法令に基づきまして、若者や女性といった対象者ごとに残業時間や各種認定の状況などの職場情報を厚生労働省のウエブサイトで提供することを企業に促してきたところでございます。現在、こうした既存の、言わば縦割りになっているウエブサイトの職場情報を集約しまして、求職者などがワンストップで閲覧できる職場情報総合サイトにつきまして、平成三十年、今年の九月末の一般公開に向けた作業を行っているところでございます。
 職場情報総合サイトをSNSなどを活用した広報を通じてより多くの求職者などに御活用いただくとともに、働き方改革を実践する企業への支援に資するよう努めてまいりたいと考えております。
#72
○三浦信祐君 是非そのサイトを充実をして、そして社会に広めていただきたいと思います。
 その観点で、働き方改革についての特設サイト等を立ち上げて、充実に取り組み、理解促進を図るべきだと考えます。いつも言ってしまって大変恐縮なんですけれども、従前の厚生労働省のホームページに少し加工しただけではなく、年金機構の教えて年金のような、平易に制度が理解が進む内容を参考にして、労働の現場のみならず、教育の現場の平易な教材として活用できるような内容としてはいかがでしょうか。御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 働き方改革を進めていくに当たっては、改革の目的であったりあるいは内容などについて、使用者、労働者双方の理解を図ることが重要だと考えております。今御指摘をいただきましたけれども、厚生労働省のホームページにも働き方改革の特集のページを設けまして、その改革の意義でありますとかあるいは内容、中小企業・小規模事業者の支援策などの紹介を行っているところでございます。
 加えまして、ウエブ上で労働基準法等の内容や相談先の紹介などを行うサイト、これは「確かめよう労働条件」と言っておりますけれども、であったり、あるいは自社の労務管理などの問題点を診断をできるサイト、これは「スタートアップ労働条件」というサイトと称しておりますけれども、などを通じまして、働いている方や事業主、労務管理の担当者が、法令の理解あるいはその適切な労務管理を行うに当たって必要な情報を積極的に発信をしているところでございます。
 こうしたサイトにつきまして、新たなコンテンツの掲載を行うなど随時充実を図っていくことにより、働き方改革についての理解の促進を図っていきたいと考えております。
#74
○三浦信祐君 よろしくお願いします。
 公明党として、若い世代の方から声を聞くユース・トーク・ミーティングの取組を全国で行っております。その中で、正社員になりたくないとの声を伺いました。また、正社員の方からは、正規社員よりも非正規の方がいいとの話もありました。驚いてよくよく聞いてみますと、正社員の場合、責任分担が大きい、また、契約社員の労働状態によって労働量や人員の穴埋めで明らかに負担が多い、それに見合うような給料をもらえていない。これに対して、非正規、契約社員の場合は、時間で区切って働き、定時で帰宅する。時間が取れる生活であり、考え方によっては労働対価としての給料も高いと思うと、率直な若者の声をいただきました。これらの事実から、均等待遇、均衡雇用の重要性を示していると言えます。
 一方で、働き方そのものについての課題を突き付けているとも思います。労働条件の差を付ける必要性があると捉えるべきなのか、待遇差の解決が必要なのか、正社員になることで、実は時間外労働が確定してしまう、休暇取得もままならない環境になる場合がある状態を解消する施策が必要と捉えるべきなのか、いろいろな考えがよぎってまいります。働き方を選べる、また個人に合わせ多様な働き方を実現するための本法改正であるならば、この関係性、この実態を含めて、総じて加藤大臣の見解、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘のような、現行下において、それは企業ってそれぞれいろいろまちまちではあると思いますけれども、正規で働くということは、長時間残業すると、休みもなかなか取れない、そういう認識あるいは実態の中で、むしろそういう形じゃなく、雇用の安定からすれば正社員がいいんだけれども、非正規という、やむを得ないといいますか、消極的な選択をされている方もおられるんだろうというふうに思います。
 そういった意味で、今の非正規と正規、正規といったときに、今申し上げた残業等々がどうしても行わなきゃならないと、この格差がすごく大きいから、中には選択の範囲に正規ということが入らないということもあるわけでありますから、今回は正規という中において残業時間を減らすことによって正規で働くことも自分の選択肢の中に入っていくということは、逆にその方にとっては選択肢の幅が広がっていくと、こういったことにもつながるというふうに考えております。
 そういった意味においても、今回は三六協定で超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設ける、こういうことを基本として、全体として長時間労働を是正をしていくということが、それぞれの企業において取り組んでいただく、その結果として、働く方が健康の確保はもとよりワーク・ライフ・バランスをし、そして、そうしたことが結果においては働く方にとっても企業にとっても非常にメリットがあるんだということをしっかりと実感していただくという形で推進していく必要があると思いますし、また、休日についても、必ずしも有給休暇は十分に取得されていない現状にあります。今回は、年次有給休暇の年五日間については、企業が働く方との相談の上、時季を指定して与えなければならないという、そういうところまで踏み込んでいるわけでありますので、こうした施策をすることによって、正規か非正規かということ、自分の事情に応じてより選択ができる、こういった状況にしていくということ、またそのことがそれぞれ皆さん方の意欲であり思いを発揮していただくことにもつながっていくと、こういうふうに考えております。
#76
○三浦信祐君 あらゆる施策を動員しつつ、現場の実相に合ったような形で法が執行していくということが大事だと思います。
 一方で、基本的には、働き手がきちっと、正社員だ非正規雇用だということを乗り越えて環境を整備していくという、事業主の責任も実はこれから重要になってくるんではないかなというふうに私も思いますので、是非、若い世代がいろんな選択をしても格差が固定されないというこの法律の趣旨がきちっと社会に実装できるように取り組んでいただきたいと思います。
 四十から六十代の働く世代にとって、御家庭に高等教育を受けているお子さんを養育している場合が多いと思います。ここで転職をしようと考えても、転職先企業で給与が減少するため、生活設計上の不安から転職しない判断が往々にして多いのが実情です。冒頭伺ったように、入口が非正規ならば給与の心配があり、とても決断できないと思います。
 働き方改革の実現に必要なことの一つに人材確保の容易性が挙げられます。待遇不安の解消が雇用のアンバランスを解消することにも直結し、雇用の流動性が確保できるきっかけになるとも考えられます。今後の社会のありようと転職に伴う賃金減少への対策について、厚生労働省としての見解はいかがでしょうか。
#77
○政府参考人(小川誠君) お答えを申し上げます。
 近年、職業キャリアが長期化し、働き方のニーズが多様化するとともに、急速な技術革新や産業、事業構造の変化によって、企業、労働者双方において中途採用、転職、再就職のニーズが高まっております。こうした中で、厚生労働省としては、年齢に関わりなく転職、再就職しやすい環境を整備し、労働者が自分に合った働き方を選択して自らキャリアを設計できるようになることが重要だと考えております。
 このため、本年三月に、転職、再就職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行の確立に向け、転職市場に関する情報発信、職場情報の見える化の促進、労働者の専門性や職務遂行能力等の見える化、中高年齢者等の中途採用拡大に取り組む企業への助成等を内容とする、年齢に関わりなく転職、再就職者の受入れを促進するための指針を作成したところでございます。本指針につきましては経済界に要請を行ったところであり、今後とも、誰もが幾つになっても新たなチャレンジができる環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
#78
○三浦信祐君 地方にとっても大事な課題ですし、また労働者不足に悩んでいる業界もありますから、しっかり下支えしていくということが今後も大事だと思いますので、私たちも取り組んでいきたいと思います。
 次に、無期転換ルールについて質問させていただきます。
 無期転換ルールは平成二十五年に施行され、本年、平成三十年四月一日に初めて適用され、有期から無期転換の申込みができる労働者が誕生してまいります。該当する労働者は、平成二十五年を起点として毎年契約更新をされて、五年以上継続的に勤務をされてきた方と承知をしております。
 その上で、無期転換ルールについて、雇用されている労働者がこのルールについて知識がない場合があってはいけません。現場に伝えるためにどのような広報に取り組んでいるのでしょうか。また、使用者の理解も不可欠です。使用者、労働者両者に対して本ルールの現場への徹底をしっかりすべきだと考えます。
 ルールを宣言することで不当な扱い、不利益となることも絶対に阻止しなければいけません。加えて、無期転換ルールにおいては、中小企業の実効性確保には商工会議所、商工会の果たす役割は大きいと思います。関連省庁、また地方自治体との連携も含めて、厚生労働省としてしっかりこれ取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#79
○政府参考人(山越敬一君) 無期転換ルールにつきましては、労働者や企業に対しまして、これまで、無期転換のポータルサイトの開設でございますとかインターネット広告の配信、SNSを活用した情報発信、またセミナーの開催でございますとかハンドブック等による周知を行ってきたところでございます。
 昨年の九月、十月にはこの無期転換ルールの取組促進のキャンペーンを実施いたしまして、商工会議所でございますとか商工会などの使用者団体、関係省庁への要請など、集中的な取組も行ったところでございます。また、都道府県労働局に無期転換ルールの特別相談窓口を設置いたしまして相談にも当たってまいりました。
 そしてまた、本年の二月からは、さらに、四月から本格施行ということでございますので、これに向けまして、全国統一の電話番号によります無期転換ルールの緊急相談ダイヤルを開設いたしまして、労働者、事業者の双方に対して相談を実施しているところでございます。また、この時期に再度、関係団体等について要請行っているところでございます。
 今後とも、中小企業も含めまして無期転換ルールへの対応が円滑に行われますよう、あらゆる機会を捉えてしっかりと周知を図っていきたいと思います。
#80
○三浦信祐君 私も保育士から相談を受けました。十年間ずっと毎年契約を更新してきたんです、ずうっとこのままなんでしょうかと。いやいや、これはルールとして変わりますよと説明して、ちゃんと窓口を教えさせていただくということも我々の仕事と思ってやらせていただきました。現場に、その電話番号を知らない、また、そのことを得る情報ツールが意外と広まっていないという実態も表していると思いますので、若い世代に是非声を聞いていただいて、この霞が関で行っている知見のみならず、一歩踏み出した情報を得るということに取り組んでいただくことがこのルールをきちっと運用できることになると思います。是非取り組んでいただきたいというふうに思います。
 自由な働き方、職業選択の自由が確保される社会にあって若い世代がライフプランを考えるに当たり、雇用形態の選択に関する知見があるか否かが判断結果に差異を生んでまいります。雇用と将来設計等を併せて相談できる体制はあるのでしょうか。なければ、若い世代が容易に相談できる体制を創設すべきだと思います。もしあるならば、それはどこで、どのような内容でしょうか。
#81
○政府参考人(安藤よし子君) 議員御指摘のとおり、若者が職業選択の段階において十分かつ正確な情報を提供され、その下で的確な判断を行う環境を整備することは大変重要なことだと考えております。このため、適職選択や職業生活設計に関する相談体制確保の基盤として、こうした相談の専門家でありますキャリアコンサルタントを国家資格化し、その育成、普及を図っているところでございます。
 キャリアコンサルタントは、大学のキャリアセンターなどにおいても御指摘のような専門的な相談に応じる中心的な役割を担っております。また、大学生などの就職支援の専門窓口として、新卒応援ハローワークを全都道府県五十七か所に設置しております。ここには、キャリアコンサルタントなどの資格を有しますジョブサポーターを配置いたしておりまして、担当者制によるきめ細やかな就職支援に加えて、大学などへ定期的に訪問いたしまして出張相談をする、あるいは職業意識形成に関するセミナーを行うというような活動をしております。その際、御指摘の雇用形態によるメリット、デメリットといった観点も含めまして、労働市場の実態について理解を促すことを重点に置きまして、正社員求人とのマッチングに結び付けているところでございます。
 今後とも、こうした若者の適切な就職選択に結び付くように、大学などとの連携の下で専門的な相談体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
#82
○三浦信祐君 そうなりますと、労働教育を受ける機会は今後の働き方改革を実現するために極めて重要だと私は思います。労働に関する常識、ルールを知っていることは、雇用者である場合でも使用者である場合でも必要だと思います。中学校、高校、大学と、それぞれのステージにて的確な知見を得られる社会とすべきです。相談窓口でも、こういうところでしっかりとお伝えしていくことが大事なのではないかなと思います。
 これらの教育の部分での取組を含め、見解を伺います。
#83
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 労働法令に関する教育や啓発活動は、こうした知識を知らないために発生する様々な問題の防止に役立つものでありますとともに、今委員が御指摘のように、働き方が多様化をしていく中で、どのような働き方を選ぶか、適職選択のために大変重要なことだろうというふうに思っております。
 厚生労働省では、文部科学省と連携をしまして、労働法制についての分かりやすいハンドブックの作成や周知、中学、高校、大学等における講義やセミナーの実施等による労働法の基礎的な知識の周知、それから高校、大学等の指導者用の資料の作成や全国の高校、大学への配付、また高校生や大学生を始めとする就職予定の方などを対象とした労働法に関するe―ラーニングの教材の公開や周知などを進めてきたところでございます。
 引き続き、文部科学省とも連携をしながら、中学、高校、大学と各段階に応じた労働法教育に取り組んでいきたいと考えております。
#84
○三浦信祐君 労働教育は、自分も社会も、そして家族も地域も守ることだということ、それを若い段階からしっかり伝えていくということが大事だと思いますので、是非文科省との連携をしていただきたいと思います。
 次に、高度プロフェッショナル制度について質問いたします。
 国民の皆様から高度プロフェッショナル制度の導入について不安があることを加藤大臣はどのように捉えられているのでしょうか。不安だとされている具体的な内容として、健康確保どころか際限なく働かせ続けられる、過労死抑制どころか過労死促進だ、際限なく対象労働者の適用範囲が拡大する、厚生労働省の胸先三寸で制度はいかようにでも解釈変更されるとの懸念があらゆるところで言われています。
 本法律での高度プロフェッショナル制度は、もしそうではないならばきちっとそういう制度ではないということも説明をしていただかなきゃなりませんし、法体系、省令としてそういうふうなことはないよというふうに、明確に国民の皆様に理解、納得できるようにしていかなければならないと思います。加藤大臣、是非御答弁いただきたいと思います。
#85
○国務大臣(加藤勝信君) まず、高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価されるという働き方、これを自ら選択することができる、高い交渉力を有する高度専門職に限って、しかもその本人の同意をベースに自律的な働き方を可能としようとする制度であります。
 そのために、高度の専門的知識などを必要とし、その性質上、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないものと認められる業務ということで業務を決め、また書面等による合意に基づき職務が明確に定められているという労働者、そして年収の要件、こういったことを法律上の要件としているわけでありまして、そしてその上で、先ほど申し上げた、本人の同意がなければこの制度は運用できないと、こういう仕組みになっております。
 また、対象となる業務、年収要件については法律で規定をしているところでありまして、また、その法律の規定にのっとって業務については省令においてその範囲を定めようと。そこでは、時間等の、使用者側から時間の配分等々についての指示が行われない、そういうことを規定をしようということであります。
 また、法律を改正しない限り、対象業務の拡大、年収要件の引下げはできないわけでありますし、元々年収要件をなぜそういうように決めているのかということを踏まえれば、当然その事態を変えていくということにはつながらないというふうに考えているわけであります。
#86
○三浦信祐君 一つ飛ばさせていただきます。
 労基法四十一条の二、四にて、四週で四日以上の休日確保が明文化されております。加えて、年間百四日以上の休日付与が指定をされています。高度プロフェッショナル制度で働く労働者に対して、休日を百四日以上、四週で四日以上とした根拠は何でしょうか。また、休暇の取り方についてシミュレーションできているのでしょうか。
#87
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、働く時間の長短あるいは時間帯にかかわらず高い収入を保証いたしますとともに、働き過ぎを防止する措置を講ずることで、めり張りある効率的な働き方を可能とする新たな制度であるわけでございます。
 働き過ぎを防止する措置といたしましては、健康管理時間を客観的に把握することを制度導入のための前提といたしますとともに、これを基に使用者が健康を確保するための措置を講ずる、していただくこととしております。具体的には、昨年七月に連合から総理宛てに要請いただきました内容を踏まえまして、法律上の要件として年百四日かつ四週当たり四日以上の休日を義務付けております。このほか、インターバル規制及び深夜業の回数制限など、選択的な健康管理措置も設けているところでございます。
 この年百四日かつ四週当たり四日以上の休日取得の義務付けでございますけれども、年間の総日数として週休二日に相当する、すなわち年百四日を確保した上で、働く方が働く時期を柔軟に決められるよう配慮した基準としているものでございます。このルールは働く方の健康を確保するための最低限のルールとして設定しているものでございますので、実際には制度を利用される方によりましてその百四日の取り方は様々であると考えますけれども、例えばある月は週休一日で集中して働き、その後まとめて休暇を取るといった働き方も考えられるところでございます。
#88
○三浦信祐君 若干明快じゃないような気がするんですけれども、基本的には、今までこういう対象になる予定だと言われる労働者の皆さんは、今の労働基準法にのっとって仕事をしてきた。高プロ制度を導入することによってむしろ自由に働ける、自由に自分で決められるから効率良くなって、より休日が取れる、今までよりも仕事ができて、対価を給料としてもらえるぐらいの、企業に対するフィーが出る可能性もあるという意味でこれは多分作られたんじゃないかなと思うんですね。
 その上で、百四日とした根拠というのを明快にもう一度答弁していただけませんか。
#89
○政府参考人(山越敬一君) この年間百四日でございますけれども、年間の総日数として週休二日相当、これを最低限確保するということでございます。また、この休日の取り方でございますけれども、いつ働きいつ休むかというのはその労働者が自律的に決定することが原則であるというのがこの高度プロフェッショナル制度の考え方であるというふうに思っております。
#90
○三浦信祐君 是非、交渉能力が高い人だという前提でもあると思いますので、この休暇のことに関してもこれからいろんな議論があるかもしれませんけれども、明確にこれから答えられるようにしておいていただきたいと思います。
 労基法四十一条の二、五では、イ、ロ、ハ、ニの項目を設けて、これらのいずれかに該当する措置を使用者が講じなければならないこととしております。これらを設定した意義について伺いたいと思います。
 その上で、健康確保措置に関して多くの対象部分で厚生労働省令で定める要件としています。この内容が極めて重要です。検討はどこまで行っても労働者の健康を第一義にして行い、これが反映した省令でなければなりません。今後、省令の検討を行う上で、意見聴取、検討プロセス等、国民の皆様が理解しやすいようにすべきだと考えます。
 加藤大臣、これらについて確約をしていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の点については、年百四日かつ四週当たり四日以上の休日取得、これはもう全員に適用される。それに加えて、選択的な措置として四つ規定されております。一つだけ申し上げれば、終業時刻から始業時刻までの間に一定時間以上の休息を確保させるインターバル規制と深夜業の回数制限ということでありますが、このどれか、その四つのうちどれを取るかということを労使委員会の五分の四以上の多数の決議の上、そして実施していただかなければ制度導入の要件を満たさない、そういう立て付けになっているわけであります。
 この選択的措置について、例えば今インターバルの時間数を申し上げましたけれども、そうした具体的な時間数等々については、平成二十七年二月の労政審の建議においても、法案成立後、審議会での検討の上、省令で規定することが適当である、また、その審議に当たっては、各企業における現在の健康確保措置の取組実態も十分踏まえつつ対象労働者の健康確保に十分留意すること、これが適当だというふうに指摘をされているわけでありますから、この法案の成立をしていただいた後、この審議に当たっては、今申し上げた建議の趣旨をしっかり踏まえて御議論をいただき、具体的な内容を固めていきたいと、こういうふうに考えております。
#92
○三浦信祐君 是非的確な省令を出していただきたいと思います。
 さて、高プロ制度を労使で決定し適用されている労働者が同意撤回した場合、撤回事実を確実に受け入れること、さらには、不利益を被らないようにする対策が講じられていなければならないと考えます。法令上、どのような措置がなされているのでしょうか。確認させてください。
#93
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これにつきましては、衆議院における修正におきまして、労使委員会の決議におきまして同意の撤回手続も定めなければ制度は導入できないということにされたところでございます。
 その上で、今後、この対象労働者の適正な労働条件を確保するために労使委員会の決議事項に関する指針を策定することとしておりますので、御指摘の同意の撤回によって不利益に取り扱われるようなことがあってはならないことということにつきましては、指針に明確化する方向で検討していきたいというふうに思います。
#94
○三浦信祐君 そのとおりにお願いします。
 厚生労働省の毎月勤労統計による給与平均額に基づき、基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準であることが高プロ制度適用同意可能な根拠法文としております。この給与金額を設定した根拠について伺います。
 また、給与について、千七十五万円という要件について、成果が仮に上がらなかった場合、これが支払われないということが許されるのか。法文上で支払われると見込まれる賃金の額としていることに対し、支払われることが決定していない、決定したものの全て支払われていない状況下でも高プロ適用可能と解釈されているケースがあるようですけれども、これは正しいのでしょうか。
 いずれにせよ、制度運用上、労働者にとって不利益が生じないようにする対策はどのようになっているのでしょうか。
#95
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度の年収要件についてでございますけれども、これは閣議決定をされました日本再興戦略改訂二〇一四におきまして、「一定の年収要件(例えば少なくとも年収一千万円以上)を満たし、」と明記されたこと、それから、平成十五年に労働基準法の改正がございまして、そのときの附帯決議におきまして、高度な知識、技術及び経験を有しており、自らの労働条件を決めるに当たり、交渉上、劣位に立つことのない労働者として、労働政策審議会で検討の上、大臣告示で一千七十五万円の年収要件が設定されているというようなことを踏まえまして、今回の公労使によります労働政策審議会におきます議論におきまして、建議の形で、この一千七十五万円ということが建議されているところでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、年収要件につきましては、労働契約により確実に支払われることが見込まれる賃金の額が省令で定める額でなければならないということとしているわけでございまして、さらに、法案におきましては、このことを担保するという意味で、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であるというふうに規定したところでございます。
 この高度プロフェッショナル制度での年収要件でございますけれども、これは、対象となるのは確実に支払われることが見込まれる賃金でございます。したがって、例えば業績によってその金額が変動してしまうような、そういった賃金はこの算定に入れることができないものでございます。
 高度プロフェッショナル制度の適用者には労働契約に基づき使用者から年収要件を満たす賃金が支払われることになりますので、仮にこれが支払われなければ、賃金不払ということで労働基準監督署の指導監督の対象にもなる、そういった形で担保もされていくものだというふうに考えております。
#96
○三浦信祐君 要は、きちっと払いますと、そういう条件でなければできない。給与が変動するようなときにはそもそもそのプロフェッショナル制度を導入できないという理解というふうに受け止めさせていただきました。
 いずれにせよ、高度プロフェッショナル制度について、広報の充実、具体例を今後ともお示しいただきながら、国民の皆様に理解が進むように、これからも厚生労働省が不断の努力を是非していただきたいと思います。
 続いて、時間外労働の上限規制について質問をさせていただきます。
 時間外労働の上限規制について、これに違反した場合の罰則として、労働基準法第百十九条第一号を改正して、六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処することとしております。
 この罰則規定の根拠はどこにあるのでしょうか。また、この罰則は他のどのような違反と同等なのか。また、罰則を受ける対象者は、使用主の責任者なのか、現場の上司なのか、それとも法人としているのでしょうか。明確にしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#97
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準法の刑罰の量刑でございますけれども、他の法律における罰金額との均衡から定められているものでございます。
 今回の法案に盛り込みました時間外労働の上限規制に違反した場合の罰則でございますけれども、これは現行の労働時間、休日に関する三十二条、これに対する違反と同等ということで、同じ六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金として定めたものでございます。
 この罰則の対象者でございますけれども、法第百十九条におきましては、改正後の法第三十六条の第六項の規定に違反した者とされておりますので、時間外労働の上限の要件を満たさないで労働者を労働させた行為者、すなわち使用者がこの対象者となるものでございます。
 具体的には、どのような者がこの使用者に当たるかどうかというのは個別事案ごとに具体的な状況を見て判断されることになるわけでございますけれども、労働基準法上の定義といたしましては、使用者とは事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をする全ての者をいうとされておりますので、そういった者で具体的に行為をした者ということが使用者となってくるということだと思います。
 それから、労働基準法におきましては両罰規定が設けられておりますので、事業主、これは法人の場合は法人になりますけれども、この事業主に対しても罰金刑が科されることになるものでございます。
#98
○三浦信祐君 時間もありませんので、最後一つ、大臣に質問させていただきたいと思います。
 時間外労働の上限規制を超えた場合の指導についてですけれども、今ありましたように、その罰則規定が適用されるようなことがない、これが大前提でありますけれども、万が一その上限規制を超えた場合の指導について、どのような体制でどう対応していくのでしょうか。実効性確保のために明確でなければならないと考えます。具体的なプロセスも含めて、加藤大臣、御答弁をいただければと思います。
#99
○国務大臣(加藤勝信君) 現行でも当然あるわけであります。従来より、三六協定の窓口指導、違法な時間外労働が認められる事業場に対する厳正な指導監督に取り組んできているところでございまして、例えば、平成二十八年においても、労基法三十二条、これは労働時間の規定でありますけれども、等に違反する事業所数として、約二万八千件ということで、監督等の実施を行っているところであります。
 また、平成三十年度より、働き方改革を通じて働く方々の労働条件をしっかり守っていくという観点から、全ての労働基準監督署に特別のチームを新たに編成をして長時間労働是正のための監督指導を徹底していくと。一方で、法令に関する知識や労務管理体制が必ずしも十分でない中小企業等に対しては、きめ細やかな支援ということを効果的に推進していきたいというふうに考えております。
 法改正後においても、適法な三六協定の届出、また新たな上限規制の遵守のため、現行の取組も含めてしっかりと監督指導に取り組んでいきたいと考えております。
#100
○三浦信祐君 通告したことが全てできなくて大変申し訳ないんですけれども、是非、働き方改革で日本の未来がつくられる、そういう法律をしっかり議論させていただいて、将来に皆さんに希望が持てるような社会をつくるように頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#101
○委員長(島村大君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#102
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、こやり隆史君及び倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君及び吉良よし子君が選任されました。
    ─────────────
#103
○委員長(島村大君) 休憩前に引き続き、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#104
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。今日は午後からのトップバッターということで、よろしくお願いします。七十分間ありますので、皆さん、よろしくお願いします。
 ただ、七十分間あるので、まず最初は、私が出るといつもお伺いしているテーマで二、三お伺いしたいと思います。
 昨日、財務省の方から公文書改ざんに関する調査報告が出されました。いろんな処分も出されたということでありますが、これ、加藤大臣にお伺いしたいんですけれども、本当、今回の公文書改ざん、あってはならない、憲政史上まれに見る大きな不祥事だというふうに思っております。そんな中で、いろんな処分は出されておりますけれども、財務大臣への処分が今回の内容で本当に十分なのかどうか、これは多くの国民の皆さんもいろんな御意見があるのではないかなというふうに思いますが、まず、閣僚のお一人として、加藤大臣、今回の一連の不祥事、そして昨日出された報告書を踏まえて、財務大臣の処分が適当なのかどうか、その点についての御意見があったらお伺いしたいと思います。
#105
○国務大臣(加藤勝信君) 財務省における公文書の書換え、まあ公文書の書換えそのもの、残念ながら我が省でもありましたけれども、本来あってはならないということでありますので、そのことは大変遺憾だというふうに思います。
 また、今の財務省の件でありますけれども、昨日、これまで調査した結果を踏まえてその報告とそれに基づく内部処分が発表されたというふうに承知をしております。
 ちょっと詳細の、あれですけれども、麻生副総理大臣に関して、御自身での対応というのをおっしゃったというふうに、これは済みません、報道でしか私は承知をしていないんですが、その処分として言われたのか、自らそれを科されたというのか、ちょっとその辺のニュアンスは私はちょっと承知をしていないんですけれども、いずれにしても、それぞれの省庁の大臣であれば、それぞれの事案を踏まえてどういう対応を取ることが責任の取り方として適切なのか、そこを判断された中で、御自身への処分なのか、あるいは自らそういう形に対応されたのか、ちょっとそこは詳細承知をしておりませんけれども、いずれにしても、そういった御判断をなされた、その結果だったろうというふうに思います。
#106
○浜口誠君 今、加藤大臣としての御所見を伺いました。世の中、国民の皆さんがどう受け止められるのか、これも非常に重要な要素だというふうに思っておりますが、私自身は、やはり組織の長として、財務省の長として、今回の事案を受けたときにはもっと違う自らの身の処し方があるんではないかなというふうに感じております。
 もう一点。
 今回、調査結果が出ました。この森友学園の一連の問題、今回の調査結果の報告をもって幕切れとする、そういうことは私は許されないと、まだまだ国民の皆さんの今回の森友学園問題についての疑念は晴れておりませんし、しっかりと政府としても国民の皆さんに説明をしていくまだ義務は、責務は残っておるというふうに感じておりますけれども、加藤大臣として、今回の報告書をもって今回の森友学園問題幕引きと考えているのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の調査報告というのは、これまでのいろんな議論も踏まえて財務省として自ら調査をし、それに基づき報告をされ、内部処分をした、そういうものだというふうに思います。
 その上に立って、まだ様々な御疑念、御質問に対しては財務省であり内閣として丁寧にお答えをしていく、これは当然なんだろうというふうに思います。
#108
○浜口誠君 是非、その認識を政府全体として持っていただいて、国民の皆さんが納得いく説明責任を果たして、今回の真相究明、まだまだ解明されていない点も多々あるというふうに思っておりますので、引き続きの御対応をお願い申し上げたいというふうに思っております。
 それでは、法案の関係について質問をさせていただきたいと思います。
 昨日も本会議で、我が会派の小林理事の方からも質問をさせていただきました。先ほども三浦委員の方からもありましたけれども、まず、同一労働同一賃金、この観点についてお伺いしたいと思います。
 先ほども議論ありましたけれども、今回の同一労働同一賃金、やはり法の趣旨は、非正規の方の処遇改善、これを図ることによって同一労働同一賃金をやっぱり達成すべきだと、正社員の方の処遇、労働条件を引き下げて達成するというものではないと、これが本来の法の趣旨だというふうに思っております。先ほどの三浦委員の質問の中でも政府の方から答弁ありましたけれども、やはりそれが本来の法の趣旨であれば、やはりその観点を、非正規の方の労働条件の、待遇の改善によって同一労働同一賃金を達成するんだと、その法の趣旨をやはり法律に書き込む、あるいは省令等にしっかりと規定をしていく、そのことが重要ではないかなというふうに思っておりますが、その点について、まず加藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的には、それぞれ労使で処遇の体系、賃金体系、それぞれをお決めをいただくということでありますけれども、しかし、同一労働同一賃金に対応するために労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げる、そういった対応は決して望ましいものではまずないというふうに考えております。その上で、今回は不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るということですから、低くなっている方の待遇の改善を図るというところにポイントはあるわけであります。
 ただ他方で、現行の法制度の中でも、正規で働く方の待遇の引下げをしようとするという場合には、労働条件を不利益変更ということになるわけでありますから、労働契約法上、原則として労使双方の合意が必要になるということ、また、労使で合意することなく就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合は、労働契約法の規定に照らして合理的な変更でなければならない、こういうふうにされているわけでありますから、不利益変更そのものについては既に法的には一定の整備がなされているというふうに思います。
 その上に立って、先ほど申し上げたように、同一労働同一賃金に対応するために各社の労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げること、これは望ましい対応とは言えないというふうに考えているところでございます。
 いずれにしても、この不合理な待遇の格差の解消に向けて、各企業において処遇体系全体を労使の話合いによって確認をし、あるいは調整をし、非正規雇用労働者を含む労使でそのことを共有していくことが非常に大事だというふうに思います。
#110
○浜口誠君 今大臣の方から説明いただきましたけれども、労使でしっかり話し合った上でということですけれども、なかなか、労働組合の組織率も一八%という状況にもありますし、従業員組合で対応しているところもあると。会社とやっぱり働く皆さんとの関係を考えると、やはりどちらが強い力を持っているかというと、これはもう一般的には会社の方がいろんな面で力があるというのが、これもう世の中の皆さんが普通に感じている労使の基本的な力関係だというふうに思っております。
 そう考えたときには、やはり法の趣旨はこうなんだということを経営者の皆さんにしっかりと伝えていく意味でも、法律の中あるいは省令の中に、こういうことなんですよと、今回の同一労働同一賃金というのは、非正規の方、不合理に低い処遇の方の水準を底上げをして実現すべきものなんだというところをちゃんと書き込んでいくことに私はすごく意味があると思うんですよ。そこをもう一回、厚労省の中でも考えていただく必要があると思いますが、いかがですか。
#111
○国務大臣(加藤勝信君) まず、法律上明記するか云々ということについては、先ほどお話し申し上げましたように、不利益変更等々については一定の法的な整備がなされているということであります。また、基本的には労使の話合いによって全体としてのそうした処遇体系、そういったものもしっかりと議論をしていただくということでありまして、一律にこうだと、処遇、労使でお決めになる話について法律等で一律にお決めすることがいかがなものなのかという観点はまずあるんだろうというふうに思います。
 ただ、その上で、先ほど申し上げた、今回の措置は不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものだということは我々も常に申し上げているわけでありますから、そういった観点からなされるべきものなんだということは様々な場所においてしっかりと周知あるいは啓発に取り組んでいきたいと思います。
#112
○浜口誠君 非常にやっぱり言葉だけだと伝わらないというのは正直あると思いますね。実際に経営者の方に、そういう大臣の思いだとかこの法の趣旨が本当もう幅広く一人一人の経営者の方に伝わるのかというところは、やはり大きな疑問があります。したがって、この場では決着付かないかもしれませんけれども、やはりそういう疑念があるというのは重く受け止めていただいて、しっかり同一労働同一賃金の趣旨が広く経営者の方も含めて行き渡っているのかどうか、これをちゃんとフォローアップしていただきたいと思います。
 もし、やっぱり駄目なんだと、なかなかそれは伝わり切らないということであれば、やはりしっかりと法律なり省令なりに書き込んでいくということをやっぱりちゃんと視野に入れておく必要があると思います。もうそんなの必要ないんだということが議論の出発点では僕はいけないというふうに思いますので、是非その点はお願い申し上げておきたいというふうに思います。よろしいですか、大臣、その点は。
#113
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた点、これは総理の答弁の中でも、同一労働同一賃金の目的は非正規雇用労働者の待遇改善であり、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものと考えているということは、総理が国会でも答弁をされているわけであります。そのことをどういう形で示していくのかという意味での御指摘なんだろうと思います。
 そこら辺の御指摘も踏まえながら、そして、先ほど申し上げた、法律として書くのはなかなか難しいという状況の中でどういう対応があるのか、その辺をしっかり我々も議論したいと思います。
#114
○浜口誠君 是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思っております。納得はしていませんけれども、次の議論にも行かないといけないので。
 参議院はやっぱり良識の府ですし、いろいろしっかりとした法的な意味合いも確認をしていく必要があるので、次はその点に関して幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、有期契約労働に関して、今回、均衡待遇規定、これは労働契約法にこれまで規定されていたんですけれども、今回の改正でパート法の方にその規定が移るということになります。
 この労働契約法は、法の性格として私法上の効力を有しているというのは、これ一般的にそう受け止められております。その一方で、このパート法の方は、どちらかというと、事業主に対して一定の行為だとかを要求したり禁止をしたりして、行政が指導監督していろんな紛争を解決するという行政取締法的な色彩の強い法律だというふうに言われております。したがって、今までは労働契約法だったのが今回から均衡待遇規定がパート法に移動することによって私法上のこの効果というのが曖昧になるのではないかと、こんな指摘もあります。
 具体的に言うと、例えば、行政の取締りの対象とはなるんですけれども、差額の賃金請求権、こういったものは発生しないと、こういった私法上の効果を否定するような使用者側の主張というのをこれ誘発する危険性があるんじゃないかと。
 こういう指摘に対して、政府としての所見、見解があれば伺いたいなというふうに思います。
#115
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正法案では、現行の労働契約法第二十条をパート・有期労働法第八条に統合することといたしております。
 今月一日の最高裁判決におきまして、労働契約法第二十条の規定につきまして、「私法上の効力を有するものと解するのが相当であり、有期労働契約のうち同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるものと解される。」と判示されたと承知しております。
 私ども、この現行パートタイム労働法第八条を作るに当たりましては、これは、第八条は労働契約法第二十条に倣った規定であるということを明確に考え、かつその旨を施行通達で明示してございます。
 今回の法案による改正後のパート・有期労働法第八条の規定は、現行の労働契約法第二十条と同様の効果があるものと認識しております。
#116
○浜口誠君 じゃ、私が申し上げたような疑念、そういった問題点の指摘は当たらないと、今の労働契約法と同じ位置付けの効力がパート法でもあるという理解でよろしいですね。確認です。
#117
○政府参考人(宮川晃君) 同じものだと認識しております。
#118
○浜口誠君 一点確認が取れました。
 じゃ、続きまして、使用者が、非正規労働者の方に説明義務が今回課される、これは本当非常に重要なことだと思います。非正規労働者の方が正規労働者の方と比べてどういう処遇差があるのか、あるいは自らの処遇の内容がどうなっているのか、これがしっかりと使用者の方から説明がある、その義務が使用者の方に課されるというのは大きな前進だというふうに受け止めております。
 ただ、その一方で、法律の中には説明の方法が全く規定されていないんですね。口頭での説明でもいいんじゃないか、あるいは資料が不十分な中でも説明ができると。こういった説明の方法が規定されていないため説明方法に対して懸念が指摘されておりますが、この点について政府としてどのようなお考えを持たれているでしょうか。
#119
○政府参考人(宮川晃君) 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を是正するためには、不合理な待遇差を禁止するだけでなく、待遇差に関して企業側しか持っていない情報を非正規雇用労働者も知ることができ、労使間の話合いや訴訟において不利にならないようにする必要がございます。
 このため、今回の改正法案におきましては、非正規雇用労働者が事業主に求めた場合、正規雇用労働者との待遇差の内容、理由等の説明義務を事業主に課すと。あわせて、説明を求めたことを理由とする不利益取扱いを禁止することとしております。
 非正規雇用労働者が求めた場合の正規雇用労働者との待遇差の内容、理由等の説明方法につきましては、例えば、書面では理解しにくい内容を口頭で補足しながら説明した方がより理解あるいは納得感が増す場合もあることが考えられるなど、一律に説明方法を定めるのではなく、非正規雇用労働者が求める説明内容や説明方法など、個別の事情に応じた対応を可能とすることが適切であると考えられております。
 なお、現行法における説明方法につきましては、現在、通達において、口頭により行うことが原則とされつつ、説明すべき事項を記載した文書を交付すること等によっても義務の履行と言える、口頭による説明の際に説明する内容を記した文書を併せて交付することは望ましい措置としているところでございます。
 待遇差の内容、理由等の説明方法に関しては、改正法成立後に具体的内容について詰めていきたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、都道府県労働局において指導等を行い、待遇差に関する説明が確実に受けられるようにしていきたいと思っております。
#120
○浜口誠君 確実に受けられるようにということでしたけれども、えっ、現行は口頭による説明というのは認めていないんですか。ちょっと聞きづらかったので、そこをもう一回お願いします。
#121
○政府参考人(宮川晃君) 失礼いたしました。
 通達におきまして、口頭によることは、行うことは可能となっております。可能となっております。
#122
○浜口誠君 やっぱりその口頭での説明が可能と、説明してもいいですよという範囲が残っていると、やはり十分な説明に至らないというその懸念はこれ払拭できないと思います。やはりしっかりと書面による説明をもう義務化させるとか、あるいは正社員の方のいろんな処遇の説明資料があるのであれば、その資料をしっかりと示しながら、この正社員とあなたの違いはここなんですよということをちゃんとそういった資料に基づいて説明していくというようなことをやっていく必要があると思うんですね。今がこうなっているからその延長線上で考えるのではなくて、今回一歩踏み出して説明の義務化というのをやろうとしているわけですから、もっとそれがしっかりと実効性が担保できるようにいろんな面で見直しを図っていくべきだというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
#123
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたとおり、待遇差の内容、理由等の説明の方法につきましては、一律に説明の方法を定めるのではなく、個別の事情に応じた対応を可能とすることが適切であると考えられます。
 また、正規雇用労働者の労働条件の説明に用いた資料をそのまま非正規雇用労働者への説明に用いること、これを例えば義務付けるという点につきましては、個人情報保護の観点など様々な懸念、論点があると考えられておりますが、いずれにいたしましても、この待遇差の内容、理由等の説明方法に関しては改正法成立後に具体的な内容について詰めていきたいと考えております。
#124
○浜口誠君 いや、それ一律にならないんじゃないですか。要は、口頭じゃなくて、ちゃんと書面を使って、書面で説明してくださいと。どういう書面を使うかというのは、それぞれ企業によって説明の仕方があるというふうに思いますので、そこの幅はあってもいいと思うんですが、ちゃんと書面で説明しなさいということは、もうやっぱり使用者、事業主の方にちゃんと義務化するぐらいの踏み込んだ対応をしないと、せっかくいいことをやろうとしているのが、それが曖昧になっちゃって、本来の説明義務がしっかりと果たされない。やったやった、どんなことをやったんですか、いや、口頭でちらっと伝えておいたわということじゃいけないんですよ、今回の場合は、ちゃんと伝えるということに意味があるわけですから。
 これまでのような対応を延長しないで、もう一回、働いている皆さん、非正規の方の立場に立って有効な説明のやり方は何なのかということをこれ考えていただきたいと思います。どうですか、その点。
#125
○政府参考人(宮川晃君) 形式的に、説明の方法として、ペーパー、書類によって行うという形だけのものを義務付けるという形のものによって、内容的なものが必ずしも適切ではない場合もあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、個別事情に応じた対応を可能とすることが適切である方法につきましては、改正法成立後に具体的な内容について詰めていきたいと考えております。
#126
○浜口誠君 いやいや、説明の中身が、それはやっぱり、逆に、使用者は紙を使ってやろうと思ったらしっかりやろうとしますよ、普通は。紙を作るんだったら、ちゃんとその中にしっかりとした情報を書き込んで伝えようとしますよ。それを何か、紙は作ったけれどもその中身がいいかげんだったらやる意味がないからやらないんだというのは、何の説明にも僕はならないと思います。
 逆に、その中身も、ちゃんとこういう中身を書いてくださいねというところまで指導するのが厚労省の役割じゃないですか。何かそれが、最初からその紙自体が意味がないからやらない方がいいんだというのは、僕は説明になっていないと思いますけれども、いかがですか。
#127
○政府参考人(宮川晃君) 繰り返しになりますが、まずはこの説明義務をきちっと果たしていただくということが我々としては重要だと思っております。そのための手法として何が適切かについては様々な議論を踏まえた上で考えたいと思いますが、いずれにいたしましても、一律の説明方法を定めるのではなく、個別の事情に応じた対応が可能とするような方向の中で適切な方法について具体的に考えてまいりたいと思います。
#128
○浜口誠君 いや、大臣、いろんな議論を聞いていただいて、いや、僕が間違ったことを言っているんだったら、おまえ間違っていると言ってください。本当、言ってください、本当に。
#129
○国務大臣(加藤勝信君) 浜口委員のおっしゃっているのは、要するに、実効性のある形で行われなければ意味がないということだというふうに思います。じゃ、具体的にどういう形が実効性があるのか。例えば、紙使って、紙ぽんと渡して勝手にといっても、これはやっぱり意味がないんだろうというふうに思います。
 ですから、どういう形がいいのか、やっぱりその辺我々もしっかり議論はさせていただきたいというふうに思いますが、ただ、それぞれの業況とか規模とか、やっぱり態様によってそれはまちまちになってこざるを得ないと思うんですね。ですから、一律にというのはなかなか難しい面があるんではないのかなというふうに思いますが、その辺も含めて、いずれにしてもこれ労政審で議論をさせていただくことになっておりますので、こういった御議論がこの委員会審議においてあったということも踏まえて議論をしていただこうというふうに思います。
#130
○浜口誠君 是非、ここは大臣の御判断で方向を示すことができるこれ項目だと思いますので、是非、大臣として、やっぱりこういうことで行こうと、一歩踏み込もうと、今までの延長線上ではなくて、それがやっぱり今回の、説明義務まで課すわけですから、課す以上はしっかりと事業主の方、使用者の方にやってもらおうというこれ意思表示にもなると思うんですよ。やっぱり政府は本気だなと、じゃ、俺たちもちゃんと非正規の方に、その差が何なのか、どういう理由で発生しているのか伝えなきゃいけないなと、これ大きなメッセージになると思いますので、そこは踏み込んでいただきたいと思いますけれども、もう一度お願いします。
#131
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにいたしましても、どういう形でやるのが非常に実効性があるのか、そして、先ほどから申し上げましたけれども、企業の規模によってもそれはいろいろあるんだろうというふうに思います。その辺を踏まえて、また、今委員から一歩踏み込んだ対応と。
 今、パートタイムの場合は自分の分だけの説明ということになっていますから、今度は自分ではなくて、比較される正規、正規というか、正社員を含む正規労働者の方の働き方がどうなっているかということをお示しをいただくという新たな分野になるわけですから、それについて、実効性が上がるような形でその説明がなされるように、しっかりと労政審での議論を当たっていきたい。その際には、今委員、踏み込んでという御意見もあったということをしっかりその場においても御説明させていただきたいと思います。
#132
○浜口誠君 是非、もう今日はここでやめておきますけど、あと時間がないので、あともう聞かないといけないこといろいろあるので。(発言する者あり)難波委員からももっとやれという激励いただきましたけれども、ちょっとほかにもやらないといけないことがあるので。
 でも、本当、労政審の中でしっかりと議論していただいて、ここ大事だと思うんですよ、本当大事だと思います。やっぱり非正規の方の立場に立って、厚労省としてはここまでやる必要があると思っていますと、そういう説明を逆に書面でちゃんとやる、それを義務化するぐらいのことをやらないといけないという、その方針を労政審の中でも厚労省として言っていただくぐらいの心積もりで、決意で、是非今後の議論につなげていただきたいなというふうに思います。
 今の話がかみ合わないと次の質問を聞かざるを得なくなっちゃうんです、これ。そもそも、その使用者の方が説明をしてくれない、あるいは説明はあったんだけど不十分といったときに、これ、待遇の説明義務が十分なされていない場合の法的効果、これを確認しておかないといけないですね。いや、今やりますと、確実にやらせますというんだったらこんなこと聞かなくていいんですけれども、そうじゃないということであれば、今言ったような説明がされていない場合の法的効果、これどう考えるんですか。
#133
○政府参考人(宮川晃君) 待遇の説明義務の法的効果でございますが、待遇差について事業主が説明しない、あるいは十分な説明をしない場合に、一つは都道府県労働局における指導、勧告というラインがあるわけですけれども、それを待たずに非正規雇用労働者が裁判に訴えることもあり得ると考えております。待遇差に関する説明は、説明を求めた非正規雇用労働者と事業主との間における待遇に関する話合いの前提となるものでございまして、事業主が十分な説明をしなかったと認められる場合は、当該非正規雇用労働者との間での真摯な話合いがなされているとは言い難いと考えられるところでございます。
 したがって、最終的には司法判断ではございますが、現在でも、この不合理な待遇差か否かの判断に当たっての考慮要素の一つであるその他の事情には労使交渉の経緯等が含まれると解されていることを考えると、この待遇差について十分な説明をしなかったと認められる場合には、その事実もその他の事情に含まれ、不合理性を基礎付ける事情として考慮されるものと考えております。
 いずれにいたしましても、非正規雇用労働者が待遇差に関する十分な説明が受けられるようにすることが何よりも重要でございますので、都道府県労働局においてしっかりと履行確保に取り組んでまいりたいと考えております。
#134
○浜口誠君 今、重要な御発言ありました。要は、十分な説明がなされていない場合については非合理性を基礎付ける要素として認めるということになると、そうおっしゃいましたよね、趣旨は。
 これ、大臣もその考え方でよろしいですか。裁判等でそうなったときには、不合理性を基礎付ける、そういう要素になるんだと、説明がしっかりなされていない場合は。そういう考え方、認識でよろしいですか。
#135
○国務大臣(加藤勝信君) これ、労政審の建議でも、労使交渉の経緯等が個別事案の事情に応じて含まれ得るということを明確にするようにという御指示もいただいております。もちろん、最終的には司法判断でありますから、司法がどう判断するかということはありますけれども、待遇差について十分な説明をしなかったと認められる場合には、その事実がその他の事情に含まれ得るといったことについて、それを明確化する必要があると労政審からも指摘を受けていますから、それを、これは通知という形になるんでしょうか、そういった中においてお示しをするという方向で検討していきたいと思っております。
#136
○浜口誠君 だから、こういった裁判にならないようにするためにも、その入口の段階でしっかりとした説明責任を事業主の方にも果たしていただいて、お互いがしっかり理解、納得した上でその処遇を非正規の方にも受け入れていただく、そのプロセスが極めて重要だと思います。だからこそ、先ほどの議論にまた戻りますけれども、書面を義務付ける、あるいは丁寧な丁寧な説明を事業主の方から非正規の方に、処遇差はこういうことなんだと、納得してくださいねと、いいですかということをしっかりとやっていただくというのが物すごく重要になってくるというふうに思っておりますので。いや、どちらも不幸ですよ、裁判なんかになったら、時間も取られますし、お互いいいこと何もないと思います。そうならないためにも、事前の対応として説明責任が果たせるような、あるいは非正規の方が納得できる説明になるように書面の説明を義務付ける、こういったところをしっかり考えていただきたいなというふうに思います。
 じゃ、続きまして、次の質問に行きます。
 昨年六月の労政審の建議におきまして、説明義務に関連してですけれども、比較対象となる正規雇用労働者、これについては、事業主の方が、職務内容ですとかあるいは配置の変更の範囲、これが最も非正規の方に近い、こういう無期雇用のフルタイム労働者を比較対象にするというふうになっています。ただ一方で、労働者の側からすると、いや、その人は私の比較対象じゃないです、納得できませんと、こういうことも現実起こってくる可能性があるというふうに思うんですけれども、このような場合どういった措置がとることができるのか、この辺詳しく教えていただきたいと思います。
#137
○政府参考人(宮川晃君) 御説明申し上げます。
 正規雇用労働者との待遇差の説明につきましては、説明すべき内容が多岐にわたるため、全ての正規雇用労働者との待遇差を説明することとすると事業主の負担かなり大きくなるということがある、事業主の負担を考慮する必要があると考えております。
 その一方で、比較対象とする正規雇用労働者を事業主の全くの自由とする場合、業務内容の懸け離れた者との比較でもよいこととなり、パートタイム労働者、有期雇用労働者にとって意味のある説明にならないおそれがあります。また、パートタイム労働者や有期雇用労働者の指定する者との待遇差の説明を一律に求めますとした場合、正規雇用労働者の個人情報保護等の点で問題が出てくる可能性もあると。
 このため、パート・有期労働法に関しては、労働政策審議会の建議において例示されているように、事業主が業務の内容等が最も近いと判断する者を説明時の比較対象とし、この最も近いと判断した理由を併せて説明するということが考えられると思っております。
 非正規雇用労働者としては、事業主の待遇差に関する説明に納得できない場合には、その理由や説明が不十分であり、説明義務が履行されていないと考える場合には、都道府県労働局に対して事業主への指導等を求めることのほか、事業主に対して特定の者との待遇差について任意で説明をすることを求めることなどが考えられます。事業主は、非正規雇用労働者から特定の者との待遇差について説明を求められた場合であっても、必ずその特定の者との待遇差について説明しなければならないわけではないとは思いますが、事業主が比較対象として選定した者が最も近いと判断した理由を説明することは求められると考えられます。
 いずれにいたしましても、説明義務における比較対象となる正規雇用労働者につきましては、労働政策審議会の建議におきまして、個別事案に応じた対応を含め、施行に向けて考え方を整理していくということとされておりまして、今申し上げましたような点を考慮しながら、改正法成立後に労働政策審議会において議論いただいた上で、通達等で明らかにしたいと考えております。
#138
○浜口誠君 いろいろ御説明いただきましたけれども、例えば労働者の方が、事業主の方はこの人と比較をするんです、最も業務内容も近いし、あるいは配置転換の範囲なんかもあなたと極めて近いんでと、そういう提示があったとします。でも、一方で、労働者の方からすると、いや、その人は私の比較対象じゃなくて、違うこの方と比較するのが適当ではないですかというようなことは、労働者の側から事業主の方にはそういうような意見は言えるというふうに思っていてよろしいんですかね。
#139
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、義務としての説明をまずした上で、それが、特定の者との待遇差について任意で説明を求めたいと、説明をしてくださいということを求めることは可能だと考えております。
#140
○浜口誠君 分かりました。そこは労働者側からもこの人でということは提案できる、説明を求めることができるということですね。
 それに対して、事業主側は、その求められた者に対し説明をしなきゃいけない義務はあるんですか。
#141
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申し上げましたように、特定の者との説明をする場合に、場合によっては個人情報との関係の問題も出てくるなど、様々な問題が考えられます。あるいは、その方が考えられているほど近いとは思えないという考え方もあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この特定の者との待遇差について説明が求められた場合であっても必ずその説明をしなければならないわけではないわけですが、説明した者が近い人のことを説明しているんですということを、近さの理由を説明するということは求められると思われます。
#142
○浜口誠君 あと、考えられるケースとして、その申出、説明があったときには、この人はちょっと比較対象としてふさわしくないということを何も言わなかったと、その最初に説明受けたときは。ただ、そこから話がこじれて裁判になったときに、その労働者の方が、比較すべきはこの人ですと、この人ではないですかということで別の人を選定をして裁判上訴えるようなことは、これ可能なんでしょうか。
#143
○政府参考人(宮川晃君) 改正後のパート・有期労働法におきましては、非正規雇用労働者と待遇を比較することとなる通常の労働者とは、いわゆる正社員を含む無期雇用フルタイムの労働者でございます。また、非正規雇用労働者は、不合理な待遇差の是正を求める際、通常の労働者の中でどの労働者との待遇差について争うかを選ぶことはできます。
 したがいまして、お尋ねのように、非正規雇用労働者が通常の労働者との待遇差の内容や理由等について説明を受けたときに、別の通常の労働者との待遇差の説明を求めなかったとしても、裁判においては通常の労働者の中でどの労働者との待遇差について争うかは選ぶことができると考えております。
#144
○浜口誠君 分かりました。じゃ、裁判になったときは、その非正規の方は選ぶことができると、その説明時点と違う人でも争うことはできるということが確認できました。ありがとうございます。
 では、続きまして、またちょっと観点変わりますけれども、同じ非正規の方の労使協定に関して少しお伺いしたいと思います。
 労使協定もいろんな中身をこれ決めていかなきゃいけないということになろうかと思いますが、派遣労働者の労使協定ということで、これ派遣法の三十の四の改正に当たっては、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額、これを厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額を労使協定で定めると。ちょっと長くて、本当、僕もこれ読んでいてもう、要はあれなんですよね、非正規の方と、非正規の方の業務と同じような業務をやっている一般の労働者の方の平均的な賃金の額、これと同等以上の額を労使協定には明記をしなきゃいけないということになっています。
 確認したいのは、この一般の労働者の平均的な額、これは何をもってその額を算出するのか。これは当然、公式的な統計を基に僕はやるべきだと。例えば賃金センサスですとかあるいは職業安定業務統計、こういった公式なもので当然やるべきだというふうに思っているんですけれども、そういう認識でいいのかどうか。よもや、派遣業界が出しているような統計数値を使うとか、そんなことは考えていないんでしょうねというのを確認したいと思います。
#145
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正法案におきましては、改正後の派遣法の規定に基づきまして、労使協定の要件、今先生がおっしゃられましたようなものと同等以上の賃金の額となるものであることを定めることとしております。
 これに関して、職種ごとにある程度詳細な賃金水準を把握できる統計としては、今先生が御指摘になられました賃金構造基本統計調査等が、あるいは職業安定業務統計等がございますが、しかし、例えば賃金構造基本統計調査では全ての職種ごとの賃金を把握していないとか、調査によって職種等の定義が異なるといった事情も踏まえ、利用するデータを検討する必要があろうかと思います。
 このため、業界独自のデータなど公的統計以外の活用を認めるか、認める場合に当該データはどのようなものでなければならないかも含めて議論が必要だと考えております。
 こうしたことから、建議におきましても、一般の労働者の賃金水準につきまして、実効ある労働者保護の観点、実務上現実に対応できるようにする観点の双方から施行段階において検討を深めることが適当とされておりまして、改正法成立後に労働政策審議会における議論を経て定めることとしております。
#146
○浜口誠君 今後の議論を経てということで言われましたけど、やっぱり公式統計を用いるということを基本にしていかないとこれいかぬと思いますけど。
 先ほど、全てが賃金センサスの中に載っていない可能性もあるから業界団体が出している統計なんかもというお話がありましたけれども、これ、今後の議論の中で、それらはもう使わないと、もう公式な統計をベースに一般の平均的な賃金というのは考えていくんだというところをやっぱりベースにしていただきたいなというふうに思いますけど、もう一回そこのスタンスについて確認したいと思います。
#147
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しました統計ですと、例えば、賃金構造基本統計調査は業務内容の区分が製造工程を中心とした百二十九職種に限られていること、それから、職業安定業務統計は、業務内容の区分はいわゆる職業分類の中分類で行っておりますけれども、勤続ゼロ年、求人時点の数字しかないことなど、かなり制約的なものもあります。そういう意味で、どのようなものがデータとして使うべきなのか、認める場合にはどのようなものでなければならないのか、この点について実効ある労働者保護の観点と実務上現実に対応できるようにする観点の双方から検討を深めるという形で労働政策審議会で御議論をいただきたいと考えております。
#148
○浜口誠君 労政審の議論に今後委ねられるという御説明ですけれども、やはり私は、もう一度繰り返しますけれども、公的統計をベースに、一般の労働者の平均的な賃金というのはそこから引いてくる、そこをベースに考えるということを是非お願いをしたいというふうに思っております。
 続きまして、もう一点、同じ労使協定についてですけれども、これ、労使協定、ひな形についてはやっぱり示されていないんですね。どういう中身をその労使協定の中に入れていくのか、どんな書きぶりで入れていくのかというのが示されておりません。これをしっかりと示していく必要があるんではないかなというふうに思っております。
 例えば、賃金の水準なんかについても、先ほど言ったような長い言葉で表現するのではなくて、具体的な、こういう業務で、勤続年数何年だったら○○円以上とか、こういう中身をちゃんと労使協定の中には具体的な金額水準として書き込んでいくことが非常に重要ではないかなというふうに思っていますけれども、この点に関して政府の、厚労省の見解があればお伺いしたいと思います。
#149
○政府参考人(宮川晃君) 労使協定に盛り込む事項につきましては、改正後の労働者派遣法三十条の四第一項に規定されておりますとおり、協定の対象となる派遣労働者の範囲、待遇の決定の方法、その他の厚生労働省令で定める事項となっておるところでございます。
 労使協定におきましては、例えば賃金の決定方法につきまして、一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上といった記載ですとか、本人の職務内容、技能等を考慮して各人別に決定するといった抽象的な記載では十分ではないと考えておりまして、第一に、派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準と同等以上の賃金となるものであること、それから第二に、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等の向上に対応して賃金を改善する仕組みになっていることといった要件を満たす具体的な賃金の決定方法を記載することを想定しておりますが、いずれにいたしましても、この労使協定の具体的な内容につきましては、改正法成立後に労働政策審議会における議論を経て定めることとしたいと考えております。
#150
○浜口誠君 じゃ、もう一回聞きますけれども、具体的な水準を書き込むということ、それがベースになるということでよろしいんですね。今いろいろ御説明されましたけど、その点に関して明確にお答えいただきたいと思います。
#151
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど答弁させていただいたとおり、抽象的な記載では十分ではないということと、ではどこまで書くかということにつきましては、労政審において議論させていただきたいということでございます。
#152
○浜口誠君 抽象的な表現では駄目だということなんで、抽象的でない以上はしっかりと水準を、金額を、あるいは勤続年数や職務内容をちゃんと書き込んでいただくことをお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 じゃ、もう一点、これも労使協定の関係で、昨年六月の労政審の建議にも書かれておることなんですけれども、労使協定の状況等を行政が把握できる仕組みを規定するなど、政省令において労使協定の適正性を確保するための措置を講ずることとされております。具体的に、この建議の中に書かれておる労使協定の適正性を確保するための措置、これはどのようなものを考えているのか、お伺いしたいと思います。
#153
○政府参考人(宮川晃君) 私どもも、御指摘のとおり、労使協定が適正に運用されているかについては、行政としても把握する必要があると考えております。これに関しまして、労働政策審議会の建議におきましても、労使協定の状況等を行政が把握できる仕組みを規定するなど、省令等において労使協定の適正性を確保するための措置を講ずることが適当であるとされたところでございます。これを踏まえ、派遣元事業主に対しては、労働者派遣法二十三条に基づく事業報告により労使協定の状況等を行政に報告させるということが考えられるところではございますが、具体的な取扱いにつきましては、労働政策審議会における議論を経て定めていきたいと考えております。
#154
○浜口誠君 じゃ、まだ今は何も厚労省としても腹案みたいなのはないということですか。具体的にこういうことをやろうというのはないということでよろしいですか。
#155
○政府参考人(宮川晃君) ただいま申し上げましたとおり、これでという案ではないんですが、一つは、労働者派遣法二十三条で事業報告というものがございます。その際、事業報告に併せてというか、事業報告でというのが正しい言い方かもしれませんが、その労使協定の状況等を行政に報告させるということが一つのアイデアとして考えられるところでございますが、これに決めたというわけではございませんので、労働政策審議会における議論を経て定めていきたいと考えております。
#156
○浜口誠君 ありがとうございます。
 事業報告も一つのやり方だと思いますけれども、しっかりと適正性が確保すると、これ大事な観点だというふうに思いますので、そこが担保されるような仕組みづくりを是非しっかりと労政審の中でも議論いただきたいなというふうに思っております。
 もう一点ですけれども、その労使協定によって定めた事項の実効性、これをどう高めていくかというのもこれ非常に重要な観点だというふうに思っております。これ実際、労使協定で結ばれた事項が労働契約として履行されないと、こういった場合の救済をしていくという観点ももちろん大事ですし、また、そういった、しっかりとした実行に移させるという意味でも労使協定の内容を就業規則の記載事項にしていくということが非常に重要ではないかなというふうに思っておりますけれども、この点に関して厚労省の見解があればお伺いしたいと思います。
#157
○政府参考人(宮川晃君) 今御指摘いただきましたように、労働基準法第八十九条におきましては、その第二号で、賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項、これは就業規則を作成して行政官庁に届け出なければならないとされているわけでございます。
 労使協定により定められましたこの賃金の決定方法、これは就業規則に記載されることが必要だと考えておりまして、記載されていない場合にはこの労働基準法第八十九条違反になると考えております。
#158
○浜口誠君 しっかりと就業規則の方に記載をしていただけるような指導も徹底をお願いしたいというふうに思います。
 では続いて、ちょっと話変わります。時間外労働の上限規制に関してお伺いしたいと思います。
 昨年九月に労政審の諮問とか答申が行われた後、見直しも行われております。その代表的なものが、行政官庁において、当分の間ですけれども、中小企業主に対して、これ時間外労働の上限規制の助言及び指導を行う場合ですけれども、中小企業における労働時間の動向ですとかあるいは人材確保の状況、さらには取引の実態その他の事情を踏まえて配慮すると、指導における配慮というものが附則の方に新たに加わりました。この配慮するという意味合いをどのように厚労省として考えておるのか。
 もうこれ実際、上限規制については大企業であろうが中小企業であろうが同じ法律の中身が適用される、そして違反があれば同様の罰則が適用されるというのがこれ基本だというふうに思いますけれども、今回、附則に記された、今私が申し上げた、内容を配慮して行うということについてどのような対応を考えておられるのか、この点について確認したいと思います。
#159
○政府参考人(山越敬一君) 法案において新たに設けることとしております労働基準法の三十六条の九項でございますけれども、これは、可能な限り時間外労働を短くするといった内容を盛り込んだ指針について行政官庁、これは労働基準監督署でございますけれども、が助言や指導を行う旨を規定しているものでございます。
 今御指摘がございました改正法案の附則第三条第四項は、この指針について助言、指導をするに当たりましての規定でございまして、中小企業の場合、労務管理体制が弱い、人材確保に困難がある、取引関係において弱い立場になりやすい、そういった事情を抱える中小企業に対する助言、指導につきましては、これは大企業と当然に異なりますので、そういった中小企業に対して、そうした背景にある事情を踏まえて、この指針について助言、指導をするときに丁寧な対応をする必要がある、そういったことを規定しているものでございます。
 もとより、この労基法の三十六条九項に基づく助言、指導は、法違反に係る監督指導ではなくて、先ほど申しましたように、指針、可能な限り時間外労働を短くすると、そういった内容を盛り込む指針に関するものでございます。その際には具体的な改善方法を提示して丁寧に助言していくということを示したものでございまして、今御指摘がございましたような上限規制に違反した場合は、その罰則の規定をこの今申しました附則の規定をもって甘くするということではないものでございます。
#160
○浜口誠君 じゃ、整理しますと、中小企業の方が労働時間短縮を進めるに当たって、いろいろな事情が、中小企業特有の事情があるかもしれないので、より労基署なり行政官庁として中小企業の皆さんの総労働時間、残業時間の低減に向けてのアドバイスだったりサポートをしていくと、そういう意味合いでの配慮ということでよろしいんですね。
 だから、違反があったときには、中小だから甘く見るだとか、何か本来適用しなきゃいけない罰則を、その適用を配慮するだとか、そういう意味で今回の附則に書かれている新たに加わった部分が追記されたわけではないと、そういう理解でよろしいですか。もう一回、これは確認です。
#161
○政府参考人(山越敬一君) 今回の附則の規定でございますけれども、これは今申しましたように、新たに新設をいたします指針について行政官庁が助言、指導する際の規定でございますので、それについて配慮を求めるものにとどまるものでございます。
#162
○浜口誠君 ちょっと指針というのが、新しい言葉をまた、先ほど来指針というのも出ていますけれども、今、山越局長が言われた指針というのはどういう意味合いで言われたんですか。
#163
○政府参考人(山越敬一君) これにつきましては、今回の法案におきましては、労基法の三十六条第九項におきまして、三六協定を締結する際に労使に考慮していただくべき指針を定めるという規定が新たに設けられるわけでございます。この指針に関しまして、行政官庁が助言、指導を行う旨を規定するということを申し上げているものでございます。
#164
○浜口誠君 その指針の中身がどうなるかというのは、今後いろんな議論を経て決まっていくという理解でよろしいですか。
#165
○政府参考人(山越敬一君) この指針におきましては、例えば、可能な限り時間外労働を短くするといった内容を盛り込むことにしております。そういったことを今後法律が成立した後で労政審で検討して、そういった指針の内容を決めていくわけでございますけれども、そういうことについて助言、指導をする際の配慮の規定、これが附則で定められたということでございます。
#166
○浜口誠君 罰則云々に係る配慮ではないというのは今日の議論で確認できたかなというふうに思っております。指針の中身は今後の議論ということですけれども、またその辺も、我々、この委員会の中で共有できるタイミングがあればしっかりと共有させていただきたいというふうに思っております。
 ここでいう、当分の間というのが付いているんですね。新たな附則の中に当分の間というのが付いていますけれども、この当分の間というのはどれぐらいの期間を想定されているのか。現時点でこれぐらいだというのがあれば教えてください。
#167
○政府参考人(山越敬一君) 当分の間については現時点で具体的な期間を想定しているものではございませんけれども、法案の附則に施行後五年を目途とした検討規定も設けられておりますので、そうした中で、中小企業における状況なども踏まえまして判断をしていくものと考えているところでございます。
#168
○浜口誠君 あともう一点です。
 年休の取得の時季指定の件について、今回、これも非常に働く皆さんからすると年休取得促進という意味では大きな前進だと思います。企業によってはなかなか年休が労働者の方は取れないと、年に一日か二日しか取れないという働いている皆さんの声も聞いたことはあります。そうしたことからすると、年休が十日以上ある場合については、会社の方が、事業主が五日間、時季指定をして必ず労働者の方に年休を取得をさせなければいけないということですから、これはまあ一歩前進した改定だというふうに思っております。
 ただ、これが本当、実効性をどう高めていくのかというのも非常に重要な要素だというふうに思っております。具体的に、じゃ、実効性を高めるために厚労省としてどのような取組をしていくのか。現時点でこういったことをやっていきますという内容があれば教えていただきたいと思います。
#169
○政府参考人(山越敬一君) 今回の法案では、年次有給休暇について、十日のうち五日分については使用者が時季を指定して与えるということにするわけでございますけれども、この見直しによりまして使用者はその一定の年次有給休暇を確実に付与することが求められることになるわけでございますので、その管理をしていただく必要があると思います。
 したがいまして、働く方ごとに年次有給休暇の付与日数でございますとか一年の起算点となる基準日、取得された年休、そういったものを記載した書類を、そういった書類を作成することを省令で義務付ける方向で検討しておりまして、これによってしっかりその年休の状況を把握できるような仕組みを省令で設けていくことを検討していきたいというふうに思っているところでございます。
#170
○浜口誠君 是非、年休の付与状況、さらには取得状況、これが各企業においてどうなっているのかというのを的確にきめ細かく把握できる、その仕組みづくりをつくっていただきたいなというふうに思っております。
 もう一点、これ大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、いろいろな時間外労働の上限規制を実施することによって労働者の方の長時間労働が削減されて、その波が日本全体に広がっていくというのがやっぱり望ましい姿だというふうに思っております。その一方で、これは企業にとってみれば、今まで残業代として払っていた労務費が、結果として、労働時間、残業が減ってくれば、その分の労務費は掛からなくなるということになってくると思います。じゃ、その低減された労務費をどのように今後使っていくのかというのも、これしっかりとした議論が必要ではないかなというふうに思っております。
 私なんかは、企業が削減をできる労務費については、やはり労働者の方にしっかり還元していくということを基本スタンスに考えていただく必要があるんではないかなと。その分、基本賃金の底上げを図るとか、あるいは労働者の方のいわゆる能力向上の研修なんかの原資を厚くして、企業から教育の機会を労働者の方に与えていくだとか、やっぱり働く皆さんに還元していくというのが基本であるべきだというふうに思っておりますが、加藤大臣として、労務費が減った、その原資をどう活用していくのかについてお考えがあればお伺いしたいと思います。
#171
○国務大臣(加藤勝信君) 本件は、まずは給与体系そのものは労使でお決めになる、これが大前提でありますけれども、その上に立って申し上げれば、今委員御指摘の点、あるいは、実際今、残業代自体が一種もう一定の固定的給与として受け取る側は観念し、例えば定期的に払う住宅ローンの返済に充てるとか、そういったもので組んでおられる方もいらっしゃる。そういう中で、残業時間が減って手取りが減ったら困るよという声、これも我々のところに直接間接お話があるわけであります。そういったことも踏まえると、この長時間労働を是正するということと同時に、やっぱり時間当たりのいかに生産性を高めていくのか、そしてその生産性が高まった分をどう働く方に成果として賃金に反映していくのかと、このことが大変大事だというふうに思います。
 そういう意味においても、一人一人が公正な評価と処遇を受けて、ニーズに合った多様な働き方を選択でき、やる気を発揮して、生産性の向上、競争力の向上、そして賃金アップという形での成長、分配の好循環を実現したいと我々は申し上げているわけでありますから、その一つのエンジンとして今申し上げた長時間労働を是正をし、そして時間当たりの生産性を高めて、そしてその生産性が労働者に還元されていくと、このことは非常に大事なことだろうというふうに思います。
 実際、企業においては、長時間労働を抑制した分を働く方の賃金アップ、あるいは様々な手当のアップ、あるいは今委員御指摘のような教育研修の充実、こういったことに充てておられるという、言わば好事例と言っていいと思いますけれども、そういう事例も出てきておりますから、そういった事例を我々としても周知することを通じて、そういった取組をそれぞれの企業においてしていただけるよう、それは何といいますか、啓蒙していくといいますか、周知していくというんでしょうかね、そういったことに取り組ませていただきたいと思います。
#172
○浜口誠君 いろいろな考え方あるかと思いますけれども、やはり働く皆さんの処遇改善、これを底上げしていくというのはこれ日本全体にとってもまだまだ必要なことだというふうに思っておりますので、是非、そういった考え方、広く経営者の方にも伝わるように、大臣の立場でも御努力いただきたいというふうに思っております。
 では、続きまして、高プロに移りたいと思います。
 昨日の本会議でもこの高プロが一番議論になりました。我々の立場は、もう高プロ要らないと思います。長時間労働につながるこの高度プロフェッショナル制度はもうこの法案から削除していただくというのが基本的な我々のスタンスで、これはもう本当は譲れない部分だとは思っているんですが、ただ、そうはいっても、政府としてどういう理由で今回の高プロをこの法案の中に入れてきているのかというのもこの国会の場では議論が必要だというふうに思っておりますので、高プロについての議論もさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に聞きたいのは、この高度プロフェッショナル制度、本当に必要なのか、誰が望んでいるのか、立法事実として何があるのかというのが、そもそもの疑問に感じておられる方はたくさんいらっしゃると思います。昨日も石橋委員は、十二名の方から聞いただけで高プロつくったのかという御指摘ありましたけれども、まさにその辺りが腹に落ちていない国民の皆さんもたくさんいらっしゃると思いますので、この立法事実について、まず大臣から、丁寧に分かりやすく、どういう立法事実に基づいて今回の高プロを提案されているのか、お伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(加藤勝信君) 少し、何というか、時系列的な話になりますけれども、高度プロフェッショナル制度の創設というのは、経済人や学識経験者で構成する産業競争力会議における制度創設の意見を踏まえて、日本再興戦略改訂二〇一四、これは平成二十六年六月二十四日に閣議決定されたんですが、そこで取りまとめられているわけであります。
 その再興戦略においては、時間ではなく成果で評価される働き方を希望する働き手のニーズに応えるため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、健康確保や仕事と生活の調和を図りつつ、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した新たな労働時間制度を創設することとし、労働政策審議会で検討し、結論を得るとされたわけであります。
 その後、これを受けて労政審において御議論いただき、建議として取りまとめられたわけでありますが、また、総理が議長となり労働界と産業界のトップ、有識者にお集まりをいただいた働き方改革実現会議において、昨年三月二十八日に働き方改革実行計画が決定されておりますが、その中でも、創造性の高い仕事で自律的に働く個人が、意欲と能力を最大限に発揮をし、自己実現をすることを支援する労働法制が必要であるというふうにされているところでございます。
 そういった経緯を踏まえて、私ども、最終的に法案要綱を労政審におかけし、おおむね妥当という答申をいただき、それにのっとって今法案を提出させていただいたと、こういう経緯でございます。
#174
○浜口誠君 今、加藤大臣の方から御説明いただきましたけれども、そもそもの、これ高プロ、元々は、歴史を遡ってみると、経団連が提唱しているホワイトカラーエグゼンプションが衣替えして高プロになっているんじゃないかなというのが正直な受け止めなんですけれども、じゃ、実際、経団連が提唱していたホワイトカラーエグゼンプションと今回の高度プロフェッショナル制度、違いは何なんですか。この二つの制度を比較したときに、こういったところがホワイトカラーエグゼンプションと高プロの違いがあるんだというところを説明していただきたいと思います。
#175
○政府参考人(山越敬一君) 平成十九年に労政審の答申を得て法律案要綱に盛り込まれましたいわゆる自己管理型労働制でございますけれども、これは一定の要件を満たすホワイトカラーの労働者につきまして労働時間の規定の適用を除外するものでございますけれども、これ対象労働者として管理監督者の一歩手前に位置する者が想定されたものでございます。
 具体的には、労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者とされていたところでございますけれども、それ以上に詳細な業務の内容は示されておりませんでした。また、年収が相当程度高い者とされておりましたけれども、具体的な金額の水準は示されていなかったものでございます。
 これに対しまして、今回の高度プロフェッショナル制度でございますけれども、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる業務に従事していること、そして、書面等による合意に基づきまして職務が明確に定められている労働者、それから、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額が、これは毎月決まって支給する給与の平均額を基礎として算定した額の三倍を相当程度上回る、そういった水準であるということを法律上の要件としておりまして、その上で、本人の同意をもってこの制度を適用するということにしているものでございます。
 このように、この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、時間ではなく成果で評価される働き方を希望される、交渉力の高い高度専門職に限って対象とするものでありまして、先ほど申しました自己管理型労働制とは対象業務とか対象労働者が異なるものでございます。
#176
○浜口誠君 今、山越局長からホワイトカラーエグゼンプションと高プロの違いということで説明いただきましたけれども、言っていることは、求めている働き方は一緒じゃないかなというふうに感じますし、なおかつ処遇面でも、今、高プロは一千七十五万と言われておりますけれども、ホワイトカラーエグゼンプションが提唱されたときは年収四百万でも適用可能になるようにというような議論もあったかなというふうに思っております。
 ただ、その年収の違いはあるんですけれども、両制度というのは根っこの部分は一緒じゃないかなと。成果、時間ではなく成果で働けるようにしていこうと、この部分は同じではないかなというふうに思っております。
 今の働き方の制度を見ても、専門型の裁量労働制あるいは企画業務型の裁量労働制という働き方もあります。とりわけ、専門業務型の裁量労働制というのはもう本当に時間にとらわれず、自らが時間、タイムマネジメントをして、それで成果を出していく柔軟な働き方と。いろいろ運用面で課題もあるし、もっと厳格な運用を図っていかなきゃいけないという問題点は多々ありますけれども、あえて今、そういう専門業務型裁量労働がある中で高プロを入れなきゃいけない理由がどこにあるのか、これは是非、大臣、明確に説明していただきたいと思います。
#177
○国務大臣(加藤勝信君) 専門業務型裁量労働制、これは業務の遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難な業務を対象とし、労使で定めた時間を労働したものとみなす制度ということでありますが、この制度の下でも、みなし労働時間と実労働時間の乖離が生じないようにするということ、あるいは深夜時間帯や休日労働であれば割増し賃金の支払が必要になるわけであります。したがって、この仕組みの下で労働時間の長さや時間帯が割増し賃金とひも付けられているわけでありますので、当然、企業の労務管理は働く時間の長短、時間帯の在り方を意識した管理、これにならざるを得ないことになります。
 しかし他方で、創造性の高い仕事を従事する人の中においては、時間帯等による制約を設けてもらいたくない、あるいはそういった管理の下におりたくないという方もおられるわけでありますので、そういった意味において、この高度プロフェッショナル制度においては、もちろん健康確保が大前提でありますけれども、時間と賃金の関係を切り離すことによって仕事の成果に見合った処遇がすることが可能とされる、そして時間や場所にとらわれずに自分のペースで、あるいは自分のやり方で創造的な働き方、ある意味では自由な働き方と言ってもいいのかもしれませんが、そうした選択肢を整備しようということであります。
 ただ、あくまでもこれは本人が同意をしたということが前提で、あるいは様々な要件も課しているわけでありますから、誰でも彼でもということでは全くないということであります。
#178
○浜口誠君 今の大臣の御説明聞いていても、本当にそういう裁量労働制、専門業務型の裁量労働制よりも更に時間の縛り、いろんな制約を受けたくない、そういう中で働きたいという方が本当に今の日本の中に多くいらっしゃるのかなと正直感じます。やっぱり一定程度、働く皆さんというのは弱い立場ですし、労働基準法を始めとする法律で守られてきていると。そのことが結果として健康の維持管理にもつながっていますし、安心して働ける日本の労働社会をつくってきたんじゃないかなというふうに思いますので、本当にそこまで全ての時間的な制約を外す働き方を望まれている方が本当にこの日本社会に多くいらっしゃるのかどうかというのが、正直私は、その点はまだ納得できません。
 実際、そういう働き方を望んでいる方が、十二名の方の資料なんかもこの前紹介ありましたけれども、もっともっとこの高プロについては本質的な議論も必要だと思いますし、今、法律で提示されているような問題点について時間を掛けて政府の方とも議論させていただきたいなというふうに思っております。
 今日はもう時間が来ましたのでこれ以上の議論はできませんけれども、今日できなかった部分については、次回以降、是非議論させていただきたいなということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
#179
○難波奨二君 立憲民主党の難波奨二でございます。
 労働法制の改正、働き方改革を、国民の皆さんはいまだ六割以上の方が、この働き方改革、この国会で成立すべきでないという、こういう御意見がある中、審議が参議院に移ってきたわけでございますが、今日はもう時間もございません。総論的に私はお話をしてまいりたいと思いますし、自戒も込めてお話をしたいというふうに思います。
 これ見て驚いたんですけど、働き方の未来二〇三五というのを二〇一六年の八月に厚労省が出されておるわけですけれども、一言で私申し上げまして、これ中身読んで、驚愕でございます。これからの社会や労働環境が変わってくるということは、私は十分その認識というのは変わらないけれども、しかし、働く者のこの方向付け、働き方含めてでございますが、今回の裁量労働制の拡大、裁量制の拡大というのはこれは撤回されましたけど、高プロを併せて、全てこの報告書のその流れによって作られているものなんですよ。大臣の御答弁も、そして官僚、役所の皆さんの御答弁も全てこの中身に沿った答弁なんですよ。
 私は三十三歳から五十一歳まで労働運動をなりわいにして生きてきた人間でございますけれども、労働行政がこういう方向でこの後進められることは、断固として私は許しませんよ。言いたいことがいっぱいある。この中にも、揚げ足を取るようなことは言いたくないけれども、伝統的な労働法なんという文字もあるんですよ、何か所か。こんなこと何で認めるんですか、労働省の皆さんが。
 ずっとお話ございました、今日も。各委員の方からお話がございました。働く者は立場が弱いんですよ。どこを見てこれからの労働行政を進めていこうとしているのか、本当にここに書かれている方向で我が国の働く労働者をこういう形に、立場に置こうとしているのかというのは私は全く理解できないし、こんなことを私は許しちゃならないし、労働行政を改めるべきですよ。誰のための労働行政なのか、ここは明確にやっぱりしないと。経営者の方に向いた、そんな労働行政やっていってもしようがないじゃないですか。
 私の経験でいうと、巡り合ってきた労働省、厚労省、携わってきた役人の皆さんは、私よりも働く者に対して本当に強い強い思いを持っていたし、社会の不条理に対しても本当に徹底的に闘ってこられたのが、私は旧労働省、そして今の厚労省の役人の皆さんだったというふうに、印象的にもそうだし、実体験からもそのように思っているんですよ。ところが、全く働く者というもの、働く側に立った行政をやることなく、今回のように経済界の要求によって大きく我が国の労働法制を変えようなんていうようなことは、私はやっぱり許されるものじゃないというふうに思いますよ。
 最高裁の判決が出ました。非正規労働者が何でこんなに生まれてきたか。自戒あります、私も自戒がある。
 しかし、導入当時と今の非正規労働者の現状というのは大きく変わってきたんですよ。正社員と非正規労働者というのはきちっと役割分担があって、そして法的にも、その根拠となるように、経営の側は、あるいは企業というのはその導入を進めてきた。しかし、今は正社員も非正規労働者も全く同様の仕事をさせ、そしてその結果、成果も同じものを求め、それが今の企業じゃないですか。何でこんなに我が国に非正規労働者が増えてきたのか。四割、二千万人、賃金は六割、雇用の調整弁、労働力の調整弁。企業優先で全てこの非正規労働者の問題というのは、今の現状が生まれてきたんですよ。
 そういう中で最高裁の判決が出たわけですけれども、私は重ねて申し上げたいというふうに思いますけれども、労働行政というのは、働く者の側に立ったやっぱり行政というものをきちっとやるべきだと。そして、企業の側にも求めるものは求めなくちゃならないですよ。フィフティー・フィフティーの関係でなくちゃ、制度上は。
 しかし、戦後作られた労働三法、ずっとお話があるように、働く者というのは弱い立場だから、法律によって働く者を守っていくんだというのが私は労働三法だというふうに理解をしておりますけれども、それを伝統的な労働法だなんて言うようなことを、厚労省自らそんな報告書を認めて、そして今回の裁量労働制の拡大、そして高プロの導入に一瀉千里進んでいるというふうに私は指摘をせざるを得ないというふうに思います。
 正社員という概念がなくなるんですよ、この報告書でいくと。正社員という概念は全くなくなる。雇用労働という形態も、当事者間の自由な契約によって成り立つという、成立するという、そういう中身なんです。正社員という概念なくして、そして個人の請負、そういう制度を我が国に導入しようとしていることに対しては、重ねて私は強い憤りを持って訴えてまいりたいというふうに思います。
 そして、今回の法改正は、先ほど来からも議論が出ているんですけれども、基本的にはこうなんですよ、不合理な待遇差の是正を求める労働者が裁判で争える根拠となる法律を作ろうというふうにこれ言われているんです。これ分かっていただけると思いますけれども、私労働組合で飯食ってきましたけれども、もう労働組合無用論なんですよ、これ。集団的労使関係というものを形骸化して、個別的労使関係というものを重要視する、こういう考え方なんです。
 実は、近年の裁判の判例というのは、集団的労使関係で起きた問題というのはほとんど裁判所は認めてくれないんですよ、実は。ほとんど認めてくれないんです。だけど、難波奨二が訴えた不合理な事案については、これ裁判所はもうこの間随分認めてきているんです。だから、今回の最高裁の判例というのは大体予測されたとおりなんですね。
 本当に、判例主義、こうしたものを、我が国のこの労働の中にそういう概念というものを持ち込んで、労使の議論というものを、あるいは労使の約束事というものを重要視しないような、そういう社会をつくっていいのかどうなのか。
 自戒を込めて言うと、労働組合の組織率ももう一七%なんですよ。御案内のとおりでございます。つまり、組織された労働者をいかに守っていくかというのは、ある意味、どちらかというと、もう……(発言する者あり)そこまでは私は申しませんけれども、これはなかなかやっぱり、これは労働界にも大きな問題があるとは思いますけれども、私は、限界がそろそろ出てきている。だから、個人の組織されない労働者が増えてきたものだから、労働組合にそこは組織できないのならばこれはいわゆる司法に様々な問題を、解決を委ねようという考え方がそこに生まれてくるというのは、それは正直なところしようがないかなというふうに思っているんです。これは労働組合のまさに弱さであるわけですけれども。
 しかし、そういう現状の中にあっても、申し上げておりますように、経営者に何も求めることなくて働く側ばかりに様々な制度の改正というものを、私は、それも、働く者にとってウインの問題ならいいけれども、決してそうじゃないものを、労働行政を進めていくというのは大きな間違いだというふうに思うんですね。
 質問する時間が全くないわけですけれども、大臣、今まで申し上げたことに対してどういうお受け止めをされておられますか。感想をお聞きしたいと思います。
#180
○国務大臣(加藤勝信君) まさに日本の労働あるいは労働問題に対してどう対峙すべきか、対応していくべきか、本質的な議論をお聞かせいただいた。まさに労働組合側としてこの問題にいろいろと関与をされてきた、携わってこられた難波委員ならではのお話と、ある意味では自戒という話もされておりましたけれども、そういうお話なんだろうと思います。
 ただ、労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権、いわゆる労働三権、これは、法律、もちろん憲法によって保障されているわけでありまして、労働組合は大変重要な役割を担っておりますし、実際、労使自治という中で、労働側としてやっぱりそこに積極的に関与していくという意味において、労働組合の果たす役割というのは大変大きいものがあるんだろうというふうに思っておりまして、私どもとしても、そうした良好な労使関係を通じて労働者が安心して働ける社会の実現を図っていくということは大変重要だというふうに思います。
 しかし一方で、今委員御指摘のように、全ての企業に組合があるわけでもありませんし、全ての方が組合に入っているわけでもありません。それから、元々、労働契約そのものは、使側と労働者個人の契約、これがベースになっているわけでありますから、その契約においてそれが適正になされていく、そういった意味において正規と非正規との間に不合理な格差を是正をしていく、そういった意味でこの法律を出させていただいたということでありますから、別にこの法律が今言った労働組合の役割を否定しているわけでもありませんし、また、労働契約法を始めとした労働関係、様々な法律は、やっぱり労使等、特に労使協定等、労働組合をベースとした、そういったものの上に成り立っているわけでありまして、その上において今回のような形のものを是正をしていくという形で提案を、あくまでも提案をさせていただいている、こういうのが私どもの認識であります。
#181
○難波奨二君 時間がなくなりましたので、一点だけ。
 もう是非、大臣、答弁、前向きな答弁お願いをしたいんですけど、申し上げておりますように、働く者は立場が弱い。そして、今回のこの法改正というのは、やっぱり同一労働同一賃金というのは我々も望むところなんですよね。先ほど来ありますように、今回の最高裁判決を踏まえて、やはり非正規労働者の処遇を正社員に合わせるということは、企業にとってはやっぱりこれは人件費の高騰につながるわけでありまして、できればそうしたくないんですよ、だから非正規で雇ってきたわけですから。だから、この正規労働者の処遇を引き下げて非正規労働者の処遇に合わせるという下方平準化あるいは低位標準化、そうした方式というのは私は許されないというふうに思っています。是非、やっぱり高いレベルに合わせていくんだという、そういうことでないと、この同一労働同一賃金というのはもう全く意味のないことなんですよ。是非、先ほど来からも御発言ございますけれども、明文化してくださいよ、明文化を。上位に合わせると、下位に合わせるんじゃないんだと。正規に非正規を合わせるんだと、正規に非正規を合わせるんだと、引上げなんだということを是非私は明文化していただきたい。
 重ねて答弁を求めたいというふうに思いますが、前向きな答弁を、大臣、お願いします。
#182
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど法律上の明記ということに対してはなかなか難しい点があるということは申し上げさせていただきましたが、また、再三再四でありますけれども、今回の同一労働同一賃金の目的は非正規雇用労働者の待遇の改善ということでありますから、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものだということ、これは総理を始め我々も幾度となく申し上げております。したがって、それにのっとった形で今回の同一労働同一賃金というものが対応されていくということは当然必要でありますので、それをどういう形で具現化していくのかというお話だというふうに思います。
 我々も、先ほど申し上げた様々な事例等々をお示しをしながら、そういった前向きな対応をしていただいている、そして、そういうところでは非常にうまく経営上もプラスに行っている、そういったことも含めて大いに周知をしていくとか、様々な対応も図っていく必要があるんだろうというふうに思いますし、また今回の、特にこの同一労働同一賃金における目的が何なのかということ、そういったものをどういう形で明らかにしていくことができるのか、その辺は少し考えていきたいと思います。
#183
○難波奨二君 今回の最高裁の判決、出ました。この判決によって恐らく想定されるのは、企業業績のいい企業というのは、この不合理なものを一定程度正社員に分配しようという話になるでしょう。しかし、経営が非常に厳しい企業というのは、この訴訟リスクというものに対応することに労使が腐心するんですよ。裁判に訴えられたら負けるから、だから裁判に負けないようにどういう制度にしようかということを考えるんです。はっきり申し上げますが、私の出身の企業はそういう選択をしつつあるわけですよ。
 本当にそれが大臣がおっしゃられているような今回の改正の大きな目的であるのかというと、全く違って、本来の目的とは違う方向性になろうとしているわけですよね。訴訟リスクにどう対応していくか、ならば、裁判に負けない制度をつくっていこう、これが労使が考えることなんですよ。でも、そんなことがあっちゃならないから、そして、私が申し上げたそういう事例も実際出てきているから、何らかのやっぱり明文化をして、正社員の処遇に非正規労働者というものを引き上げていくんだという、この立て付けを是非つくっていただきたい。
 これはもう大臣、重要なところでございますので、私ももう何回も質問に立てませんから、延長してずうっとまたこの論議やってくれるんなら私も大臣にしつこく問うけれども、大臣、是非明確な御答弁くださいよ。お願いします、もう一度。
#184
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から御自身の出身云々というお話がありますので、ちょっと個別の事例について私の方からコメントするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、今委員の御指摘の部分の中で、あるいは最初からお話があった労使、あるいはその場合でいえば組合がどう対応しているのかという話と個別の話が、ややもすると今の話は矛盾するようなお話なのかなというふうに私、聞かせていただきました。結果的にそうせざるを得ないということなのかもしれません、結果においてはですね。ですから、その辺はよく見ていく必要があると思いますけれども、いずれにしても、私どもとして、先ほど何度も申し上げていますけれども、今回の趣旨がどこにあるのか、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るというところにあるんだということ。
 ただ一方で、そうした処遇を含めた賃金体系全体は基本的には労使によってお決めされているという、こういう実態もあるわけでありますから、その上に乗りつつも、今申し上げた今回の趣旨、それをどう徹底していけるのか、経営側、あるいはまた働く方々に対しても、こういう趣旨なんだということを、どういう形でそこをお示ししていけるのか、そういったことをしっかり検討させていただきたいと思います。
#185
○難波奨二君 これで終わりますけれども、経営者というのはやっぱり労働法制に対して無頓着で、理解をしていない経営者がいっぱいいるわけですよ。是非そういう経営者がいるんだということを念頭に様々なやっぱり労働法制見直し、やっていただきたいということを申し上げて、あとは石橋委員にバトンタッチいたします。
 ありがとうございました。
#186
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 難波委員に続きまして質問させていただきますが、大臣も言っていただきましたが、難波委員から、本当に長年の現場、働く者のために、本当に多くは自分の時間も投げ出して闘ってこられた大変重たい発言があったというふうに思います。残念だったのは、これ厚労省の皆さんに対するメッセージですよ、でも、局長二人ずっと下向いていました。ちゃんと聞いてくださいよ、難波委員の叫びを。我々の叫びです。こんな大事な法案を審議しているわけですから、厚生労働省頑張っていただきたいわけです。だからこそのメッセージですから、我々の質疑、しっかり対応してください。
 今日、私、前回に続いてと、昨日、本会議で代表質問させていただきましたので、その更問いも兼ねて質問させていただきます。同一労働同一賃金絡み、宮川さん、済みません、かなり浜口委員と難波委員も触れていただきましたので、最後時間があれば更問い掛けたいというふうに思いますが、まずは残業時間の上限規制について大臣に確認をしてまいりたいと思います。
 大臣、昨日、私質問しました。これ今回、残業上限規制、二階建てですねと。まず原則は、全ての対象事業主が原則水準の枠内でこれ労使しっかりと協定を結んでいただくんだということだと思います。総理もそういう答弁をいただきました。
 じゃ、大臣、確認ですが、法案の中で、全ての事業主がまずは原則水準で、その枠内でこれ三六協定結ぶんだと。どう担保されているんですか、教えてください。
#187
○国務大臣(加藤勝信君) まず、その前に、基本は、一日八時間、週四十時間ということでありますから、それがまずベースになった上で、そして、御承知のように、三六協定結ぶことによってそれを超える水準ということにこれ相なるわけでありまして、その中において、まず原則論として、月四十五時間、年間が三百六十ということの原則を示した上で、そして特別な状況、状態があれば、特別条項ということで年間六か月、しかし、それであっても年七百二十時間、月百時間未満、複数月平均八十時間、この二つについては休日を含む、こういう立て付けになっているわけでありますので、そういった意味においては、原則としては月四十五時間、年三百六十時間ということを明示をしていると、こういうことであります。
#188
○石橋通宏君 いや、大臣、是非ちゃんと御答弁ください。
 いかにこの法案が、じゃ、原則水準、まずは全ての事業主が、原則水準が原則なんだと、基本はそこで、その枠内で、いや、四十五時間以内でいいんですよ、十時間、二十時間、限りなく、さっき言っていただいた一日八時間、週四十時間なんです。例外的に残業時間を認める、でも、それは、原則はその上限までですよと。それを、じゃ、どうこの法制上担保しているんですか、それを聞いているんです。
#189
○国務大臣(加藤勝信君) したがって、条文において、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に、第三項ですね、等の規定を、限度枠を超えて労働させる必要がある場合においてはということで、今申し上げた、こっちが原則なんだけど、そういった場合においては、先ほど申し上げたような特別な条項といいますか、年七百二十時間等々の対応ができると、こういう法律上の建前になっているわけでありますから、当然、その場合には、そうした必要な場合ということが求められているということになるわけであります。
#190
○石橋通宏君 大臣、じゃ、それが原則水準を担保するための要件の一つなんですね。
 ということは、じゃ、特例水準が許容される要件、条件、これ厳しく見ると。これあくまで例外的だから、何でもかんでもオッケーは出さないんだ。法律上は、通常予見できない業務量の大幅な増加に伴い臨時的な必要な場合と書いてあります。これを、特例水準を届け出ようとする、労使協議、労使合意を結ぼうとする企業は、必ずそれを明確に証明しなければならないし、労基署はそれを確実に客観的に判断をする、駄目なものは却下をする、そういうことでいいですね。
#191
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げたことについて、その企業においてどういう場合が当てはまり、そして、その場合にはこの特別条項が発動されるかということを協定上は書くと、こういうことになっているわけです。
#192
○石橋通宏君 いや、だから、それを労基署も届出があるときに何でもかんでもオッケーしない、通常予見できない業務量の大幅な増加だということをちゃんと判断して、いや、これは駄目だというのは蹴るということでいいんですね。
#193
○国務大臣(加藤勝信君) 出された、これ三六協定でありますから、委員御承知のように、使用者側が勝手に出してくるわけではなくて労使合意に基づく、さっき労使の合意についてはお話がありましたけれども、それに基づくということになるわけでありますから、基本的には労使の合意が適正に行われていれば基本的にはそれを尊重していくということになるわけでありますけれども、ただ、いずれにしても、出していただいた三六協定等にはそういった事情、それぞれの企業におけるそうした事情を抱えているわけですから、そういったものも当然見ていくということにはなるわけであります。
#194
○石橋通宏君 当然見ていく。だから、駄目だと判断すれば労基署は蹴るんですね。
#195
○国務大臣(加藤勝信君) ただ、その前提として、先ほど申し上げたように、労使がその法に基づいてこの協定を結んでいれば、基本的にはそれを尊重すると、こういうことになるわけであります。
#196
○石橋通宏君 全然違うじゃないですか。基本的に尊重するなら蹴らないということですよ。そういうことなんですか。
 先ほど難波委員が言われたことをしっかり聞いておられたでしょう。これ、大臣知っているはずです。残念ながら、今労働組合の組織率一七・一%、多くの過半数労働組合がない職場でいかにして三六協定が締結されているのか、大臣御存じでしょう。御存じですか。
 じゃ、労働組合、過半数労働組合があるのと同じ、同等以上の労使協議を丁寧にやって、三六協定が合意されて、結ばれて、労基署届けられているんですか。厚労省、それチェックしているんですか。
#197
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん全てに労働組合があるわけではなくて、労働組合がない場合には労働者の代表とそういった形で結ばれていくと、こういうこと、これは書いてあるわけでありまして、それにのっとって出されているということでありますから、そこが適法になされているかどうかと、そのことは当然問われるところでありますけれども、それが適法になされているのであれば、基本的にはそれはそこで議論されたものとして我々としては受け止めさせていただいている、こういうことであります。
#198
○石橋通宏君 それ簡単に受け止めちゃ駄目でしょう。大臣、いかに、今の現状の問題点を把握してこの法案出しているんですか。全然現状の問題を認識していないって白状しているものですよ。
 だから、我々は、野党の対案、衆議院で出したときにも、労使委員会、過半数労働組合がない事業場における、民主的な手続にのっとった従業員代表の選出方法をちゃんと決めなきゃ駄目だという内容の対案出しているんですよ。閣法全然それを言っていないじゃないですか、ちゃんと。
 それを、ちゃんと穴塞がないままに、いや、ちゃんとやっているはずですと。だから現状いろんな問題が起きているんでしょう。青天井で特別条項を結んでしまう。労基署全然チェックなんかしないでしょう。要件さえ見れば受け付けるわけですよ。だから過労死がなくならないんです。それをほったらかしにしてこんなもの出してきても、結局は実効性がないんですよ、大臣。今の答弁聞いて甚だ、これでは実効性がないのではないか、疑わざるを得ません。
 大臣、衆議院でも、これ特例水準を認めてしまった場合に、やりようによっては四週間で百六十時間もの連続勤務が合法的に可能になる、これはお認めになりますね。
#199
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の上限規制においては単月百時間未満等となっているわけでありますけれども、これ要するに、起算日を決めてそこから区切られた月単位ということでありますから、今委員おっしゃるように、どちらかというと、後ろと前の方に固めればそこだけ、本当は一か月、一か月でありますけれども、そういう見方をすれば、そこの部分においておっしゃるような状況というのはあり得ると思います。
#200
○石橋通宏君 いや、いいですか、皆さん、四週間で百六十時間可能なんです、合法的に。大臣、そんなもの認めるんですか。合法的に、じゃ、うちはここが繁忙期だと、通常予見できない業務が一月の末と二月の頭に集中するんだと、だから登録します、百六十時間四週間で可能です。大臣、それ認めるんですか、労基署は。
#201
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的にどこから区切るかということは、この起算の問題というのはあると思いますけれども、それがきちんとなされているんであれば、その下で三六協定があり、今も、今度新たな三六協定があり、そうしたことというのは、先ほど申し上げた、あり得るということであります。
#202
○石橋通宏君 大臣、それでいいと思っていらっしゃるんですか、そんなもので。可能です、あり得ます、大臣認めちゃった。じゃ、企業さん喜んでいますよ、今。ああ、認めちゃったんだ、大臣がここでって。それを防ぐのが今回の法案なんじゃないんですか。過労死を許さないって大臣繰り返し言っているじゃないですか。長時間労働許さない、過労死絶対起こさない。四週間百六十時間、過労死になるでしょう。意味ないじゃないですか。大臣、それ認めちゃってどうするんですか。
 だから、我々は、一日当たり若しくは一週間当たり、一日当たりであれば勤務間インターバル、休息規制、これを法的に義務化しないと駄目だ、連続時間勤務可能にしちゃったら、結局、過労死水準オッケーになっちゃう、それ言っているじゃないですか。
 大臣、勤務間インターバル規制、義務化すべきだと思いませんか。一週間当たりの上限、ちゃんとはめるべきだと思いませんか。
#203
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘はありますけど、ただ、現行がどうなっているかということと比較をしていかなければ制度の改正は成らないわけでありますから、現行ではむしろ青天井、まさに月ごとに決めた単位だって上限がないという状況でありますから、そこにいかに上限を掛けていくのか。
 そして、もう委員御承知のように、これはさんざん労政審でやって答えが出なかったわけですから、ここに来て、ぎりぎり労使がそれぞれここに来て合意ができたということでありますので、我々はまずその労使の合意をされた内容、これに沿ってまず法定化する必要があるということで今回の案を提案させていただいているということであります。
 それから、インターバル規制については先日も申し上げましたけれども、現在、このインターバル規制、勤務間インターバルそのものは、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために重要であるというふうに我々も認識をしておりますから、今回努力義務という形で課しておりますが、ただ、制度の普及状況を見ると、直近の数字の平成二十九年度の就労条件総合調査では一・四%にとどまっているわけでありますから、その状況の中でこの制度を入れることができるのか。まずは周知をし、導入促進を図っていってその普及の状況を高めていく、このことをまず取り組むべきではないかということで、努力義務としながら、また一方で予算措置等、それを促進する措置を盛り込ませていただいていると、こういうことであります。
#204
○石橋通宏君 残念ながら、今の御答弁聞いて、多くの皆さんが、本当にあの大臣やる気あるのかというふうに思っておられると思いますよ。
 勤務間インターバル、ちゃんとこれ義務化しなければ、今のように四週百六十時間もの過労死水準の連続勤務が可能になってしまうわけです。結局、合法化されたままなんです。であれば、大臣、これで過労死が撲滅するんだ、もうお題目だけじゃないですか。こんなんじゃ本当に現場で苦しんでおられる皆さんが救われませんよ、大臣。
 これ、我々は重ねて、法的な保護措置が絶対に必要だと思います。一日当たり、一週間当たりの上限、これはめないと駄目なんです。だからヨーロッパはもう当たり前のように原則義務化しているわけです。大臣、安倍総理は、いつかヨーロッパ水準を目指すんだと言っていたはずです。全然違うじゃないですか。看板を下ろすなら下ろしてください。このことはこれから質疑で重ねて要求していきたいと思います。
 高プロについて確認しますが、これ前回の、大臣とやり取りさせていただきました。改めて、ちょっと今日、時間の限りで更なる確認をしておきたいと思いますが、大臣、改めて、大臣は、労働時間に関する業務命令、これを使用者が高プロの対象労働者に出してはいけないんだ、出してはいけないようにするんだ。法律の条文にはどこにも書いていない。これ省令でやるんだ、そういうふうにおっしゃっている。第四十一条の二第一項第一号に基づいてやるんだと、そういう御答弁だったと思いますが、ちょっと確認です。第四十一条の二第一項第一号、ここではまず省令で対象業務が決められますが、これ、限定列挙ですか。
#205
○国務大臣(加藤勝信君) 業務の中身、業務の種類ということですね。種類については限定列挙するということであります。
#206
○石橋通宏君 じゃ、限定列挙、今、挙げるもの、少し挙げてください、ここで。
#207
○国務大臣(加藤勝信君) まさにこれから議論することでありますけれども、平成二十七年二月の労政審の建議では、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務、これは企業、市場等の高度な分析業務、コンサルタントの業務、これは事業、業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務、研究開発業務などを念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当であるとされているわけでありますので、それにのっとって議論をしていくということであります。
#208
○石橋通宏君 例えばコンサルタントであれば、今大臣、少し説明がありましたが、単なるコンサルタントではなく、より具体的、詳細に、これこれこういう要件、こういう条件、こういう判断、こういうコンサルタントだということが非常に詳細に具体的に決定されると、そういう限定列挙だと、それ以外のコンサルタントは対象としては許さないと、そういう形だということなんですね。
#209
○国務大臣(加藤勝信君) まさにどういうコンサルタントにするのか、アナリストにするのか、あるいはどういう書きぶりをするのか、それはまさにこれからの議論だということであります。
#210
○石橋通宏君 いや、詳細はこれからの議論だけれども、それだけ明確に具体的に、コンサルタントならコンサルタント、アナリストならアナリスト、どういうものかということはきちんと詳細に省令で規定をするということなんですねと聞いているんです。
#211
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、それも含めてこれから議論するということでありますが、建議においてはそういう形を念頭にということで示されているということで申し上げたということであります。
#212
○石橋通宏君 大臣、法案審議しているんですから、より明確に、昨年の建議がどうのこうのじゃない、法案出してここで審議しているんですから、もう少しちゃんと考え方出してくださいよ。法案審議できませんよ、それじゃ。
 なぜこれにこだわるか。これに基づいて各企業は、じゃ、対象企業はこの第一号に基づいて業務を決めるんでしょう。じゃ、省令で決めた業務であれば、イコール自動的に各企業は、あっ、うちのコンサルタントはこれに当てはまるからコンサルタント対象だ、一号だって、それでできるんですか。
#213
○国務大臣(加藤勝信君) それは、もう委員御承知のように、それぞれで決議を出していただかなきゃなりませんけれども、その決議の中においてどうそれをお書きになるかということでありますので、この我々が示したそうしたものを、省令をベースに、自分の企業においてどういうものを対象にするのか、それを決議でお決めいただく。そして、その決議にのっとって対応していただければ、様々なこと、ちょっとはしょりますけれども、この高プロが適用されていくと、こういうことにつながるわけです。
#214
○石橋通宏君 決議の要件は業務と書いてあるわけです、対象業務と、法律には明確に、対象業務、業務を決議すると、それしか書いていないんです。だから確認しているんです。
 厚労省が省令で決めた業務であれば、当該企業は、じゃ、この業務、うちは第一号はこの業務、業務を指定すればいいのか。そうではなくて、そのいろんな様々な要件、じゃ、うちの企業のコンサルタントは必ず全ての完全な裁量権があって、業務命令は一切しません、何にもしません、それがうちのコンサルタントですから一号の要件に当てはまるという証明を併せてしなければならないのか、それを教えてくださいと言っているんです。
#215
○国務大臣(加藤勝信君) その証明という意味がちょっとよく分かりませんけれども、まずはそれぞれの企業においてどういうものを対象にするのか。もちろん、その省令をそのまま持ってくるところもあるかもしれません。あるいは、更にもう少し絞り込むところもあるかもしれません。それはそれぞれの企業ごとにお決めになるということなんだろうと思います。
 そして、その証明という意味においては、実際そういうことによってその決議に基づいて対象とされた方、これは同意が要りますけれども、その方が実際にやっている仕事がどうなのかという、それはもちろん別途チェックをしていくことは当然であります。
#216
○石橋通宏君 大臣、ここをちゃんとしてくださいね。これは、第一号は業務です、対象業務。対象業務を決議するんです、ここは。そう法律に書いてあります。だから重ねて聞いているんです。この当該企業のこの業務は完全なる裁量権のある業務だということで決議するんですねと確認しているんです。
#217
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そういったものとして省令で決めるわけですね、省令で。そして、その省令の中の出てきた業務、業務として具体的なものがありますから、それからどうやってその範囲の中で、あとは企業がそれぞれお決めになるということになるわけです。
#218
○石橋通宏君 大臣、ここ重ねて言います、大事なところです。省令で、じゃ、それを決めた。じゃ、全ての企業においてコンサルタントが完全なる裁量権のあるコンサルタントかなんて、それは分からないんですよ、そんなことは。それぞれの企業が本来それを証明しなきゃいけないはずなんです。
 大臣、重ねて聞きますが、この高プロの対象になるには、対象者に出退勤の自由、先ほど、午前中、小川委員の質問にもありました、休憩、休日を自由に取る権利、つまりは、働き方について完全な裁量権があるんだということでいいんですよね。
#219
○国務大臣(加藤勝信君) その完全なとおっしゃっている意味があれですけれども、基本的に時間配分とか、あるいはどこの時間帯で働くか、そういった裁量はこの高プロで働く方にあるということであります。
#220
○石橋通宏君 いや、だから、私が言ったのは、出退勤の自由、何時に出て何時に出る、今日は行かない、今日は帰る、全ての働き方に関する完全な裁量権がある、そこに対して使用者は業務命令なり命令なり指導なり指令なり一切出せない、それがこの一号の対象業務だということでいいんですねと聞いているんです。
#221
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そこについては省令において、今申し上げた時間……(発言する者あり)いやいや、ですから、それをこれから定めさせていただくことによって、企業側が、例えばこの時間に残業しなさいとか、そういったことがないようにしていくと、こういうことをさんざん説明しているわけであります。
#222
○石橋通宏君 いや、だから、それ省令で決めて、企業がそれ決めたら、それは対象となった業務の労働者は完全なる裁量権がある労働者なんですねと聞いているんです。
#223
○国務大臣(加藤勝信君) その完全なる裁量権とおっしゃっている意味が、だから、あれなんです、その完全という意味がどういう意味でお使いになっているか分かりませんけれども、この高度プロフェッショナル制度においては、先ほど申し上げた省令で規定する業務、そして、その省令においては、業務のみならず時間帯とか時間配分も労働者自らが決定すること、これを省令に位置付けると考えているわけでありますから、それを踏まえた形で実際それぞれが運用されていくということが必要になっていると、こういうことであります。
#224
○石橋通宏君 いや、これなぜ聞いているか、大臣がそういう答弁しているから聞いているんですよ。労働時間に関する業務命令は出してはいけない、出したら高プロの対象外だから普通の労働者に戻るんだと言われているから、じゃ、それが、どういう法律上の立て付け、要件でそれがそうなるんですかと。法律にはどこにもそんなこと書いていないわけです。それを、大臣がこれを引っ張ってきてここですと言うから、それを重ねて聞いているわけです。
 じゃ、大臣、労働時間に関して、働き方に関して、使用者がその当該業務に従事している労働者について業務命令を出しました。つまり、それはイコールその業務はその企業においては高プロの対象となるべきではなかった、決議違反だということで、その業務自体が全体高プロから外れるということでよろしいですよね、当たり前ですが。
#225
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと話を少し絞って議論した方がいいと思うんです。
 まず、委員御指摘の、何で省令に委任できるかということがずっと御質問のポイントなんだろうというふうに思います。
 今回の法律には、二つ要素が書いてあります。高度の専門的知識を必要とすることということ、また、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないということであります。
 最初の高度な専門的知識を必要とすることということにおいて、先ほど申し上げた金融商品の開発業務等々等々、こういった個別の業務が規定をされるということが想定されるわけでありますけれども、この二つ目の、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないことということでありまして、それにおいて、その希薄さを述べている条文の文言、それに加えて、労基法が定める厳格な労働時間等の規制が適用除外となる業務ということになるわけでありますから、そこを鑑みれば、当然に使用者が労働者に対して労働時間の配分を指示しないということが含意されているわけでありますから、それを厚生労働省令という形で定めるということは十分法律の委任範囲の中に入っているというふうに我々は解釈をしているわけでありまして、それをこれから検討するわけでありますけれども、そうした形で盛り込まれることによって、時間帯の選択や時間配分について使用者側が指示をするということになれば当該その指示された労働者については適用がなくなると、こういうことを説明をさせていただいているわけであります。
#226
○石橋通宏君 だから、最後のところが違うでしょうと申し上げているんです。
 この第一号に当てはまるこの要件は、業務です。業務の指定なんです。労働者の指定じゃないんです。それは二号です。業務の指定だから、その企業がこの業務はと言って一号の要件を満たそうとするわけです。それが、使用者が労働時間に関する業務命令したら、その業務は実はリンクがあったということになるわけですから、当該業務が欠格要件に当てはまらなきゃおかしいわけです。
 だから、大臣、それはそこまでは合っているんですけど、そこから先が違うんです。もし特定の業務に就いた、この対象となった業務に就いた労働者に対して、たまたま今日はAさんだったかもしれない、でもあしたはBさんかもしれないわけです。当然、その業務の労働者に対して、使用者が業務命令を出す、出せる業務だったんです。時間とのリンク、完全な裁量ない業務だったんです。だから外れなきゃおかしいんです。全体が外れるべきだと思いますが、違いますか。
#227
○国務大臣(加藤勝信君) それは、かつで読むからそういうことになるんだと思います。AかつBとお読みになっておられるから。
 だから、それは業務であり、そしてまた別途要件として労働時間と成果との関連性の希薄さということから、使用者が労働者に対して労働時間の配分を指示しない、そういったことが含まれているわけでありますから、それを含めて、そうした、まさにそうした業務についてまず決議でお決めいただく、そういうものであるということをお決めいただくということ。その上において、各それぞれにおいて具体的な指示をしていたとするならば、個別において、それは適用、その人についてはですよ、具体的に指示を、例えば何時から何時まで仕事をしなさい、何時以降仕事をしなさい、そういうことになれば、その言われた人に関してはこの適用の対象にならないと、こういう取扱いになるわけであります。
#228
○石橋通宏君 これ、第一号は、かつなんじゃないんですか。オアなんですか。いや、これはまたびっくりな説明ですが。
 これ、オアだとまた全然、専門知識は専門知識、時間とのリンクが違うなら時間、それどちらでもいいという要件だと、これまでの説明、ぶっ飛びませんか。これ、かつでしょう。ずっとかつで僕らは理解してきたはずですよ。今、大臣はオアと言われました。とすると、話違わないですか、大臣。これ、いいんですか、そんな答弁で。
#229
○国務大臣(加藤勝信君) いや、オアとは申し上げておりません。
 一体で、ですから、業務そのもので見られているとおっしゃるから、その業務ということに加えて、今申し上げたような労働時間等々の、通常は関連していないということもそこに加味されているんだということを申し上げているんであって、そのAという業務、例えば金融商品の開発業務ということだけで今委員御指摘になっておられるから、そうじゃなくて、それと加えて、今申し上げたその労働時間等との、配分を指示しないということがそこに、先ほど申し上げた、性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないことということですから、それに加えて、まさに使用者が労働者に対して労働時間の配分を指示しないということがそこに含意をされておりますよということを申し上げたということで、委員は、だから、この業務だから、金融ディーリング業務だからということをおっしゃったんで、そうじゃなくて、それにまさにそういったものを付加されてとして読むものなんですと、そういうことを申し上げているわけです。
#230
○石橋通宏君 いや、私、まさにそれを申し上げているつもりですよ。コンサルタントなら何でもいいわけじゃないんでしょう。コンサルタントで、かつ、その性質上、従事した時間と従事したということなんでしょう。だから、かつですよね。単独じゃないんでしょう。かつじゃなきゃおかしいですよ。かつだから、この従事した時間と従事して得た成果が外れた、そうではない業務だった、この企業ではということが実証されたら、もうその企業のコンサルタントは完全なる裁量性じゃなかったんですよ。だから、その業務は外れなきゃおかしいんです。属人性の問題じゃないはずだ。業務全体が欠格要件に当てはまらなきゃおかしいんです、立て付けとして。
 これは絶対、ここ、変な話したらおかしくなりますよ、大臣。先ほど、オアなんていう話にしたり、ごちゃごちゃにされていますけれども、かつで私は言っているんです。だから、一方が外れれば当然その業務は当該企業において対象にならないはずなんです。大臣、これ答弁ミスだと思いますので、ちゃんとそこ整理していただかないとこれひっくり返りますので、重ねて今後この部分はしっかり追及していきたいと思いますので、大臣、最後ちょっと、言い訳があれば言い訳だけ聞いて、質問を終わりにしたいと思います。
#231
○国務大臣(加藤勝信君) いや、言い訳ではなくて、先ほど申し上げたように、その業務の中にまさに金融商品の開発業務というふうに、先ほど申し上げた高度の専門的知識等を必要とするということ、観点から決めるわけでありますけれども、しかし同時に、その従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないという要件が加わっていますから、それはまさにおっしゃるように、かつでありますから、そういった意味において、使用者が労働者に対して労働時間の配分を指示しないという、そうしたことが含意されておりますし、それを具体的に省令で作るんですよということをさっきから申し上げている。そして、その結果として、その業務として実行されてそれぞれの実態を見たときに、Aさんに対しては何もそういった指示がないまま実行されている、Bさんに対してはそういう形で指示が実行されていれば、Aさんは適用上問題ないけれどもBさんにおいては適用上問題がある、こういう取扱いになるということをさっきから申し上げているわけであります。
#232
○石橋通宏君 時間来ましたので終わりますが、大臣、第四十一条の二の第一項一号と二号と、これ、ちゃんと整理しないとおかしなことになりますよ。個人の云々は二号の方ですからね。これ、一号は業務ですから、重ねて、それをしっかり判断していただかないと大変なことになります。そのことを申し上げて、これまた次回やりたいと思いますので。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#233
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今日、この厚労委員会で質問する機会をいただきまして、感謝を申し上げます。
 昨日、本会議で審議入りした本法案ですが、この法案はそもそも審議する前提が崩れていると思います。
 例えば、データ問題があるわけです。裁量労働制のデータにとどまらず、一般の労働時間のデータについても二割削除、さらに、衆議院の強行採決当日にダブルカウントの誤りも発覚したと。これらのデータ削除によって、年間千時間超えの残業が、修正前は三・九%だったのが、修正後に四八・五%に跳ね上がっている。公的な統計としての信頼性が失墜していると、先日、倉林議員が本委員会で指摘しましたけれども、こんなでたらめなデータを前提にした法案審議などはあり得ないと強く申し上げたいと思います。
 そして、問題はデータ問題だけではないわけです。この間、加藤大臣は、高プロ制度にはニーズがあると繰り返されていて、三業種十二人の方のヒアリングを行ったということを明らかにしました。このヒアリングが高プロニーズについての唯一の調査だとおっしゃっていますけれども、その十二人の方々は企業側が選んだ労働者であり、調査の席には企業側の経営者もいたとか、企業丸抱えの調査だったということも言われておりますし、また、本当に十二人なのか、延べ十二人なのではないかという疑念もあるわけですし、そういった様々な問題があると思うんですけれども、ただ、私が今日問題にしたいのは、このヒアリングの中身の話です。
 これ読みますと、チャレンジしたい人にはチャレンジできる環境をつくってほしいとか、労働時間の制約があると仕事のチャンスを失うとかあります。また、現在、労働時間に裁量があるなどの意見もあったということは書いてありますが、じゃ、この発言をした方々が実際には今どういう働き方をされているのか。その点については聞いたのでしょうか、大臣、いかがですか。
#234
○政府参考人(山越敬一君) この高度専門職に対しますヒアリングでございますけれども、高度専門職に就かれている方のニーズについて聞いたものでございまして、今おっしゃられましたような、今どういう、現在ということであれば、どういうことに就いているということについては承知をしていないところでございます。
 なお、このヒアリングにつきましては、これ先方との関係で、この範囲において開示をするということになっておりまして、このお示しした範囲以上のことについてお話をさせていただくのは差し控えさせていただきたいと思います。
#235
○吉良よし子君 いや、ニーズについて伺っただけって、与党の側からもあきれた声が上がったと思いますけれども。
 じゃ、何でこの方々は労働時間の制約があると仕事のチャンスを失うのか。分からないじゃないですか、今具体的にどういう働き方をしているのかを聞かないと。現在既に裁量があるとおっしゃっていますけど、じゃ、一体今どういう働き方をしていて、なぜ新たに高プロの制度が必要なのかということも全くこの声を読むだけでは分からないわけですよ。そういう方々の働き方の実態を聞き取りもしないで、その発言だけで制度の必要性があるなんて何で言えるのかと。根拠がないじゃないですか。
 先ほどこの範囲でしか公開できないとおっしゃいましたけど、公表した以上の資料は全くないということなんでしょうか。
#236
○政府参考人(山越敬一君) まず、このヒアリングの概要でございますけれども、その内容につきましては、これは、民間の働く方、労働者の方からのヒアリングでございますので、その同意を得られた範囲でお示しさせていただくということで、了解が得られている範囲がこの範囲でございますので、この範囲にさせていただきたいと思います。
 また、このヒアリングでございますけれども、こういった高度専門職の方がどういった、働き方についてのどういったニーズを持っているかということを把握するため行ったものでございまして、そうした観点でお答えをいただいているものでございます。
#237
○吉良よし子君 いや、だから、なぜこれ以上公開できないのかということが分からないんです。公開できないということはもうほかにもあるということだと思うんですけれども、やはりこの発言をした方々がどういう働き方をしたのかやっぱり分からないと、ニーズだとは言い切れないと思うんです。
 というのも、実は私もある金融アナリストの方にその働き方の実態を伺いました。その結果、この法案に書かれているような従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないとか、大臣がおっしゃっているような自律的な働き方とは言えない働き方だということが分かったんです。
 その方は、現在は個人経営で仕事をしているんですけれども、新人当時、企業に勤めていたときには、朝七時に出勤して夜中の一時まで、十八時間会社にい続けていたとおっしゃっていました。というのは、毎朝七時半に朝会、レポート報告の朝会があったためで、その準備も含めて七時には出勤しなければならなかった。夜は夜で、取引が終わった三時以降に各企業の説明会がひっきりなしであると。遅い場合は七時半から説明会と。それを聞いてから会社に帰るともう九時過ぎで、そこからレポートを作成して、終わるのが十二時を回って、そのレポートを次の日の朝会で提出しなきゃいけないからまた七時に出勤と。これが基本的なルーチンだっておっしゃっていたんです。今、この方は経験積んでいって裁量の利く働き方だともおっしゃっているんですけれども、それでも繁忙期はやっぱり朝会は毎朝出なきゃいけないし、説明会も毎晩聞かなきゃいけないから、同じようなルーチンで繁忙期は働いていると。これが時間と成果との関連性が高くないとか自律的な仕事だと言えるのかと。
 先ほど石橋議員からもありましたけど、こういう業務、アナリスト、やっぱりこの対象とすべきではないのじゃありませんか。大臣、いかがでしょう。
#238
○国務大臣(加藤勝信君) その方の個別の話というのはちょっと私もよく承知をしておりませんからあれですけれども、基本的に、一定、例えばこの時間のミーティングに出なさいとか、この時間にあれをしなさいということになれば、これはもう時間配分等の制約を受けているということになるわけでありますから、これは先ほど議論させていただきましたけれども、今回の中で我々省令を作った段階をベースにすれば、当然該当しないということになるわけであります。
#239
○吉良よし子君 いや、個別じゃなくて、やっぱりそういう働き方をしているわけですから、その業務自体がやっぱり対象にならないという話になると思うんですね。そういう話だったと思うんです。
 私がお話聞いた金融アナリストの方は、やはり時間と成果の関連性が高くないという表現には違和感が多少あるとおっしゃっていたわけです。
 また、私、コンサル業の方にもお話聞いたんですけど、その方も、自分の仕事の七割は時間と成果は比例するとおっしゃっていた。残りの三割は、発想や切り口といった部分で比例しない部分もあるかもしれないけど、その三割も新人のうちは大変時間が掛かる部分だともおっしゃっていたと。
 結局、このコンサル業についても時間と成果の関連性がある業務だとしか言いようがないわけですよ。なのに、それらを業務を指定して時間の規制を外していくということはやっぱりとんでもない話で、もしこれが制約を受けているんだとしたら、この業務を対象から外すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#240
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、先ほどの、物の規定の仕方として、省令の中においてそうした業務を規定すると同時に、時間配分等々について制約を受けない、そういった旨をその省令の中に規定をしていくということを考えているわけであります。
#241
○吉良よし子君 いろいろおっしゃったんですけど、結局、先ほどの大臣の答弁を聞いていても、私はこうやって個別にお話聞いて、実際の働き方聞いたわけですけれども、どう考えても、その十二人のヒアリングにしても、この法案の出てきた中身を見ても、何で金融アナリストやコンサル業、研究開発、そういった皆さんが時間と成果の関連性が高くないと言えるのか。本当に精査したのかどうかというのが全く分からないわけですよ。やっぱりこれじゃ、この法案の正当性が疑われる重大な問題だと思うんです。
 改めて、やはりせめて先ほどのヒアリングがあった十二人の皆さん、その働き方の実態が分かる資料、これを本委員会への提出求めたいと思います。委員長、お願いします。
#242
○委員長(島村大君) 後刻理事会において協議をさせていただきます。
#243
○吉良よし子君 是非よろしくお願いいたします。
 ところで、私がお話聞いた方々というのは外資に長く勤めていたそうなんです。その経験上、確かに成果を出したら高額のペイがもらえる、けれども、出せなければ例えば解雇といったようなリスクを背負いながらチャレンジをしていくということはあり得るし、万一解雇されたとしても転職するということはできるということもおっしゃっていたんです。
 しかし、この続きが重要なんですけど、そういうリスクを背負ってもいいと、リスクを背負ってでもチャレンジできると思える年収条件については、一千万では安過ぎるとおっしゃっていたんですよ。これは、国際的にそうやって渡り歩くものとしては、一千万というのはアナリストとかコンサル業では低いんだ、この一千万だというのは保護されて働く労働者の年収だということもおっしゃっていた。これ私、重要な指摘だと思うんです。
 政府は一千万の年収がある人は交渉力があるとおっしゃっていましたけど、それだって、こういう現場の声を聞いたら怪しいと言わざるを得ないということを強く今日は指摘しておきたいと思います。
 ところで、この年収も、まあ一千万が高いか低いかというのもあるんですけれども、年収についても私聞きたいんですけれども、大臣は衆議院の審議の中で度々、この年収要件、基準年間平均給与額の三倍額を相当以上ということで、一千七十五万は確実にお支払いいただける金額だと、少なくとも支払っていただかなくてはならないなどと答弁されているわけですけど、しかし、法案を読むと、四十一条の二の二号ロでは、労働契約に使用者から支払われると見込まれる賃金の額と書いてあるわけですね。これ、見込みとしてしか法案に書いていないのに、本当に確実に支払われるのかどうか疑問が出てくるわけですけど、本当に、高プロ労働者となった場合には一千七十五万円、確実に支払われるのか、これは下回ることないということでよろしいのか、大臣、お答えください。
#244
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、労働契約に支払われると見込まれる賃金が一定の額ということになっておりまして、そういうことでございますので、労働契約におきまして、その賃金額が使用者と労働者の間で定められるということでございます。その契約上の義務として、使用者は労働者に賃金を払っていただく義務があるということでございます。
#245
○吉良よし子君 義務義務とおっしゃっていましたけど、一千七十五万円を下回ることはないということでよろしいんですか、これ聞いているんです。大臣、お答えください。
#246
○政府参考人(山越敬一君) この額でございますけれども、労働契約により支払われると見込まれる賃金の額でございますので、労働契約で定められている額の最低がその一定の額だということでございます。
#247
○吉良よし子君 最低の額ということだったと思います。
 取りあえず、それを踏まえて聞いていきたいと思うんですけれども、この、じゃ仮に一千七十五万としますが、その支払方法ですけど、例えば、一年間高プロとして働く合意をしましたとしたときに、毎月支払うのは二十万程度にして、残りの八百万というのはプールしておいて最後の月に成果を含めてまとめて支払うと、そういうやり方は許されるんでしょうか。
#248
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度におきましては、今申しましたように、労働契約で一定の年収要件を満たすことは前提にしておりますけれども、その配分については法律上は特段の規定をしていないものでございます。
 賃金の額については個々の労使の取決めによって設定されるものでございますので、支払方法も基本的には労使の取決めによって定められていくものでございますけれども、ただ他方で、例えば法律では最低賃金の規定がございますので、そういった所要の規定は当然遵守をしていただく必要があるところでございます。
#249
○吉良よし子君 いや、最低賃金を上回るのは当然ですけれども、今は一千七十五万が最低ラインだというお話をしているわけですよね。それを払うときに、何か大臣、手を振っていますけど、そうじゃないんですか。最低支払われる、確実に支払われるとこの間答弁していますよね。そうじゃないんですか、違うんですか。
#250
○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、毎月支払われる賃金が幾らだとおっしゃるので、そういった意味においては、毎月支払う賃金については最低賃金を超えていかなければならないということを局長が申し上げたという意味でそういうジェスチャーをさせていただいたわけでございます。
#251
○吉良よし子君 紛らわしいことをしないでいただきたいと思いますね。
 私が言っているのは年収の問題ですよね。一千七十五万、最低払うと。それが、毎月は二十万ずつでよくて、最後、八百万プールしておくことができるということになるわけです。これ、とんでもない話だと思うんですよ。
 衆議院の修正では、一応この契約解除ができると、同意の撤回ができるようになったというけれども、そういう支払方法を認めたら、労働者は満額支払が終わるまで契約解除できないということになるじゃないですか。これでは権利がないに等しいわけですよ。そんな不合理な契約が認められるなんということは絶対にあってはならないと思うんです。
 この給与の支払方法についてもちゃんと明記すべきじゃないんですか、法律で。少なくとも、この一千七十五万円を均等に毎月割った給料を支払わせるようにすると、そうすべきではないですか。大臣、いかがでしょう。
#252
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、それは個々の労使の取決めによって設定されるということでなるわけでありますし、その上で申し上げれば、元々働き手側の、合意に基づいてこれ成り立っているわけでありますから、先ほど一千万の話もありました、これは最低限として申し上げているので、いや、とてもそれじゃ私はやらぬと言えば、それは高度プロフェッショナルとしての働き方はそこでは成立をしないということに当然なるわけであります。
#253
○吉良よし子君 とてもそれではできないとおっしゃいましたけど、いや、年収で一千七十五万もらえるというはずで始めたのに月二十万しかもらえないというのはやっぱりおかしいですし、最終的にもらえるかどうかというのが分からないというのはおかしいと思うんですけど。
 先ほど一千七十五万下回らないとおっしゃいましたけど、それだって法律にはやっぱり書かれていないと思うんですよね。これ、ちゃんと法文に書かなきゃいけないと思うんですけど、その点いかがですか。
#254
○政府参考人(山越敬一君) これは、法律上は労働者の平均的な賃金の三倍程度を相当程度上回る額という算式が書いてあるわけでございまして、それを踏まえまして具体的には省令で定めるということでございますので、法律を定める以上は一定の額が担保されるという仕組みになっているところでございます。
#255
○吉良よし子君 いや、でも、見込みとしか書いていないんですよ、法律上は。だから、確実に支払われるかどうかが分からないわけですよ。
 ちゃんと書くべきじゃないんですか、確実に支払えって、下回ってはならないって。
#256
○政府参考人(山越敬一君) これは労働契約により支払われると見込まれる額が一定額ということでございますので、これ労働契約上の権利義務関係としてその使用者は労働者にその額を払わなければいけないということになるわけでございます。
#257
○吉良よし子君 じゃ、聞きますけど、先ほどの支払の方だった場合、二十万ずつ払って、最後八百万プールしていると、その場合に、一年間高プロで働きました、一年後、成果を査定したら思っていた成果が出なかったのでその八百万は払えませんと、そういうことができるんじゃないですか。いかがですか。
#258
○政府参考人(山越敬一君) これは、この省令で定めることとなっている最低額をその業績とかにかかわらず確実に払っていただく必要がございますので、そういった業績が下がったからということでそれを割り込むという契約は結べないということでございます。
#259
○吉良よし子君 じゃ、それを明記するべきじゃないですか。
 つまり、使用者側が成果を評価したときに、一千七十五万円を下回るような労働者は高プロの対象とはならないと、確実に一千七十五万円分の成果を出せる労働者でなければ高プロの対象としないと書くべきではありませんか。
#260
○政府参考人(山越敬一君) 労働契約で支払われると見込まれる額が一定額以上、省令で定める額以上でございますので、それはその額を確実に払うという契約を結ばないとこの高プロの対象にはできないところでございます。
#261
○吉良よし子君 高プロの対象にできないということだったら、それ法案に書かなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。
 大体、幾ら大臣が確実に上回ると言ったって、悪意を持った経営者はいるんですよ、残念ながら、この国には。ブラック企業、ブラック経営者、そういう人たちがこの法を悪用して使う、違法、脱法をする、それを許さないルールの作り方が必要なんじゃないかと言っているんです。それを防ぐ手だてがない下でこのまま進んでしまうわけにはいかないと言っているんですよ。
 じゃ、ここでもう一つ聞きたいんですけど、今度は解除の問題です。
 午前中もちらりとあったように聞いていますけれども、今度は労働者側が解除できる規定はあるわけですけど、じゃ使用者の側が、今度は、先ほど言ったような、一年後、あなたは約束した成果を出さなかったから高プロに値しませんでしたと一方的に高プロを解除するということはできるんですか。いかがでしょう。
#262
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度につきましては、対象労働者のこれは同意の下に制度の適用がなされることとされておりますので、使用者が特段の事情なく一方的にその適用を解除することは認められないというふうに考えます。
#263
○吉良よし子君 一方的に解除することは認められないということでしたけど、それって法文に書いてあるんでしょうか。労働者側の解除の手続については書いてあると思うんですけど、使用者側の解除、一方的な解除してはならないと書いていないんじゃないですか。いかがでしょう。
#264
○政府参考人(山越敬一君) これは、労使間で契約、同意をもってしてこういう制度を適用するということでございますので、そういったことから、その同意というのは、一方的に適用を使用者の方から解除するということは通常はできないというふうに考えます。
#265
○吉良よし子君 通常はっていっても、そこが書かれていないと分からないじゃないですか。
 例えば、だから先ほどのような、毎月二十万十二か月払って、残りの八百万支払う段階で、いや、成果が出せなかったということで一方的に解除をして、そして、その解除を理由にしてプールしていた八百万支払わないとか、そういうことが可能になるんじゃないですか。いかがですか。それを防ぐ手だて、あるんですか。
#266
○政府参考人(山越敬一君) そういった形での、何と申しますか、契約というものは通常一方的に解除したりすることはできないでしょうから、元の契約に従って賃金支払義務が存続しているものだというふうに考えます。
#267
○吉良よし子君 通常できないと言うけれども、絶対あり得ないとは言わないわけですよね。合意を、先ほど労働者の同意を必要とすべきって、一般的にはそうだ、通常はそうだと言うけれども、通常はって言うだけで、じゃ、そのことは書いていないじゃないですか、高プロの要件の中には。使用者側が一方的に解除して給与を払わないなんてことをしちゃいけないってどこに書いてあるんですか。
#268
○政府参考人(山越敬一君) それは、労使間で契約を結んでいることでございますので、そういった、使用者が一方的にその適用を解除することは認められないということでございます。契約が解除されない以上、元の契約に従いまして賃金支払義務が残っている、そういうふうに考えます。
#269
○吉良よし子君 具体的に、高プロに関わって、高プロ制度の解除に関わって、使用者側が一方的に解除してはならない、解除する場合は労働者の合意が必要であると、そういった規定があるんですか。
#270
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、対象労働者の同意ということが要件になっていると、そういうことで規定がされているというふうに考えます。
#271
○吉良よし子君 それは導入時ですよね。契約するときに、あなたは高プロですねって契約するときに同意をしましたということでしょう。でも、私が言っているのは解除の段階の話なんですよ。だって、それ認めちゃったら、書かなかったら、使用者の側は、それこそ一千七十五万払いますよというニンジンをぶら下げて、あなた高プロですと言って過大なノルマを押し付けて、それこそ馬車馬のように酷使して働かせた挙げ句、成果が出なかった、だからやっぱりあなたは高プロではなかったですって、ぶら下げたニンジン取り上げられる、そういうことが許されるということになるわけでしょう。
 あなた高プロだって言いながら使用者側の判断一つでそれを撤回して、低賃金、長時間過密労働を強いることができるようになるなんということになったら、もうこれ高プロでも何でもないじゃないですか。そんな抜け穴、絶対に作っちゃいけないでしょう。そういうことをちゃんと法律に書かなきゃいけないんじゃないですか。
#272
○政府参考人(山越敬一君) これは労働契約で、一定の成果を上げるということを労働契約、職務記述書などで定めていくわけでございまして、そういった成果が上がらないからといって一方的に使用者がこの契約を解除するということはできないものだというふうに思います。
#273
○吉良よし子君 できないと思いますだと困るんですね。幾らここで答弁されても、最終的には法文の中で確認される作業なんですよ。そこにちゃんと書かれていない限り、悪用する使用者が出てきたら困るでしょう。そのときに労働者は泣き寝入りするしかなくなったら困るじゃないですか。
 そういう一方的な解除はないとおっしゃるんだったら、そうやって法文に書くべきじゃないですか。大臣、どうですか。
#274
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、ベースは労働契約があります。労働契約については、これ契約、両方間の合意に基づいて成り立っているわけで、それぞれが債権債務を持つわけでありますから、一方的に廃棄することは基本的にないということで作られているわけです、契約そのものが。
 ただし、本件については、労働者側が合意の解除ができる、元々合意をするという前提になって合意ができると、こういう仕組みになっているわけですから、その前提になっている労働契約については、これは別に本件だけではなくて通常の労働者についても同じでありますので、そこにおいては、労働契約を結べば、その労働契約にのっとって、お互いがですが、それぞれ債務と、債務を履行するというそれぞれの義務を負うということでありまして、それは何らほかと変わりがない。そして、それが前提になった上で、先ほど申し上げているように、本件については労働側が合意を解除することができるという規定をまた改めて設けたと、こういうことであります。
#275
○吉良よし子君 それって読んだだけじゃ分からないじゃないですか。いや、契約だっておっしゃいますけどそれ全体の話で、雇用契約の話でしょう。それは雇用契約を解除するかどうかという話にもつながると思うんですけど、私言っているのはそうじゃなくて、高プロ制度なんですね。高プロ制度解除したからといってすぐ解雇になるって、そういうことではないと思うんですよね。
 やっぱり、高プロ制度にのっとって、それに特化して一方的な解除はしてはならないとちゃんと明記しなきゃいけないんじゃないですか。法律じゃなければ、省令にでもちゃんと書かなきゃいけないんじゃないですかと言っているんです。
#276
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、基本契約があって、そして、その上においてこの高プロに基づく契約というのが概念的に申し上げれば乗っているというわけで、そして、トータルとして労働契約として存在をし、それを、基本的にはそれぞれが履行の義務があるわけであります。こちら働いて、そして働いたらちゃんと賃金を支払う、こういうことになっているわけであります。それは、でも、ベースになっているんですね。
 ですから、これ、ここについて改めて書かなくても、元々この制度そのものが、あるいは労働契約そのものがそういうベースになっているので、それをむしろ逆に、働く側から解除できますよ、合意を撤回できますよという規定を改めて出しているということ、これがこの法律の作りになっているということでありまして、その委員おっしゃっている、改めてここに書くんじゃなくて、もうそれが前提になっているということであります。
#277
○吉良よし子君 じゃ、一方的な解除はできないとして、解除を理由にして給与を差し引くとか、そういった不利益な取扱いをしてはならないと、そういったことは書いていますか。
#278
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げたように、解除ができないわけですから、できないことを前提にそれ以上条件を書くことは通常ないんじゃないんでしょうか。
#279
○吉良よし子君 何かやっぱり、これだと使用者側のやりたい放題になってしまうわけですよ。だって、何の歯止めもないんですもの。歯止めがないんですよ。書いていないんですよ。書いていなければ、それを脱法的に使って、悪用して、労働者を酷使して、そういう経営者がいるんですよ。そういう中で過労死、過労自殺が生まれているんです。そういう下で働けないような労働者が出てきている、そういうひどい働かせ方をやめましょうよと私は何度も国会で申し上げてきたと思うんですけれども、そういう、労働者を法で保護するんじゃなくて、むしろ法の抜け穴をどんどん大きくしていくのが今回のこの高プロを始めとした働き方改悪じゃないですか。
 こんな法案、絶対に私は認めるわけにはいきません。絶対に撤回せよということを申し上げて、質問を終わります。
#280
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 昨日も本会議で質問させていただきました。
 我が国は、少子高齢化が更に加速していく、まさしくこれからが本番というような事態でありまして、人口減少はもちろんのこと、生産年齢人口も減少していくわけであります。経済成長や社会保障制度の持続可能性を考えた場合に、より多くの人たちが働きやすい環境を整えていくということは非常に大事だというふうに考えています。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 今回非常に問題となりました高度プロフェッショナル制度の創設についてでありますけれども、これについては、五月二十一日、与党との法案の修正の協議を行わさせていただいて、労働者がした同意の撤回に関する手続を定めるということにいたしました。これによって、一旦高プロを同意した労働者も実施後に高プロから外れるということを、労働者にとって出入りが可能な新しい働き方の選択肢を用意することができたというふうに思っております。
 しかし、こういったことを設けたとしても、中にはやっぱり撤回しにくいというような状況もあるかもしれないと。その中で、加藤労働大臣からは、今後、対象労働者の適正な労働条件を確保するために、労使委員会の決議事項に関する指針を策定することとしており、御指摘の同意の撤回によって不利益に取り扱われないことを指針に明確化する方向で検討してまいりますというふうな御答弁をいただきましたけれども、是非そのことについてしっかりと検討をしていっていただきたいと思います。
 まず最初に、社会保障制度についてお伺いをしていきたいと思うんですけれども、先日、厚生労働省の方から推計を出されました。社会保障給付費でありますけれども、二〇一八年が百二十一・三兆円ということですが、これが二〇四〇年度には百九十兆円になって、二〇一八年と比べると一・五七倍にもこれ膨らんでいくという、我が国の社会保障の給付費がどんどんとこれから膨らんでいくということなわけですけれども、そこで一番心配なのはやっぱり保険料負担だと思うんですね。大企業の会社員が負担する医療、介護の保険料率が合計で年収の一三・九%と、現状より三・二ポイント上昇するということがこれは見込まれていっているわけでして、これから医療保険も、それから介護保険料も、それからまた年金もどんどんと高くなっていくんだろうというふうなことが予測されるということだと思います。
 少子高齢化によって現役世代の負担がますますこれ増えていくという中で、給付の在り方とか社会保障制度を維持していくための対策、ここについてどのように考えているのか、まずそこを大臣にお伺いしたいと思います。
#281
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘がありました、二〇四〇年にかけてこの社会保障費あるいは対GDPがどうなるかということをお示しをさせていただきました。
 実は、二つの試算を出させていただいております。現状そのまま、いろんな要件を出して延ばしたのと、それから、今、例えば地域医療構想等々、様々な計画を持っておりますから、その計画にのっとってその計画の満年度まで、これ二〇二五とは限らないんですけど、そこまではそれにのっとって行く、そこから先は一定の仮定を置いて延ばすというのが、二種類出させていただきましたが、結果において、GDP比で見るとそんなに中身は変わっていないということであります。
 いずれにしても、このGDP比が上昇し、保険料の負担も増大をしていくということでありますから、引き続き、給付と負担の見直し等社会保障制度の持続可能性の確保、これはしっかりやっていかなければならないというふうに思います。
 それから、やはりもう一つ、今回、二〇四〇年までの試算をする中で、やはり我が国の人口構造の変化の仕方が随分変わっているということ。二〇二五年度までは高齢者人口は非常に急増するんですけれども、二〇二五年から二〇四〇にかけてはそのスピードが相当減額する。端的に言えば、二〇〇〇年から二〇二五年までについては、七十五歳以上についてはたしか約一・五、六倍ぐらい増えているんですが、それがもう数%の、残りの十五年です、二〇二五から二〇四〇、ということで、その辺が変化すると。他方で、生産年齢人口というのは、二〇〇〇年から二十五年で一七%減ったものが、二十五年でですね、次の十五年でやはり一七%ぐらい減るということになります。
 そうなってくると、医療や介護等々の需要は一定程度ある中で、それを支える人たちをどう維持していくのか。要するに、トータルとして減りますから、同じ人数を確保するだけでも大変ですけれども、それ以上の人数の確保が医療・介護分野で必要になってまいりますから、そこをどう考えるのかという、そういった課題があるわけでありまして、そういった問題に対して、やはり私たちとしては、健康寿命を延伸することにつながる様々な施策を展開することによって医療や介護に対するそうしたニーズというものをできる限り抑制をしていくということと、他方で、いかに生産性を上げて限られた人数の中でそうしたサービスが提供していけるか、そういったことも併せて議論をしていく必要があるのではないかと。
 したがって、給付と負担の関係というのもありますけれども、同時に、そうした二〇四〇年を見据えた中で、私たちのこの今まで維持してきた医療や介護、あるいは年金の場合は人間は余り関係ありませんけど、医療や特に介護、こういったものについてどうそれをサステーナブルなものとして、物理的な意味でです、人的な面からも含めて、どう維持していくのかということも含めてこれは対策を考えていかなければならないと、こういうふうに考えております。
#282
○東徹君 二〇四〇年ですね、「未来の年表」という河合雅司さんという方が書かれた本の中にもありましたけれども、二〇四〇年はたしか高齢者世帯が一番多いというふうなことも言われていて、その時代が一番厳しいんではないかというふうなことも言われているわけでありまして、どうやってここを乗り切っていくのかということを考えていくというのは非常に大事なことだというふうに思っているわけですけれども、今回の法案などとか働き方改革を進めていくことがこの社会保障制度にどのような影響を与えていくというふうに考えているのか、この点についても大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
#283
○国務大臣(加藤勝信君) やはり社会保障制度を持続可能なものにしていくという意味において、やはり経済が成長していくということが必要だと思いますし、また、経済の成長が実現されていくということが社会保障制度を、逆かな、社会保障制度がしっかりしていることが経済の成長ということもまたもたらすと、相互の関係があるというふうに思います。そういった意味においても、日本がしっかり成長していく、そのために、やはり働き手をどう確保していくのか、あるいは生産性をどう向上していくのか、これトータルとしての話ですね、ことに対して私たちは取り組んでいく。
 そういった意味において、やはり高齢者、若い方、あるいは女性も男性も、あるいは障害があっても、働きたいという希望を持ち、そうした人たちがその夢の実現ができる状況をつくっていく。そのためにも、様々な働き方というものが提供され、そして、そういう方たちが実際働くことができる、働き手として活躍できる、そういったことをつくり上げていくということ。
 それからもう一つは、やはり今回の働き方改革通じて長時間労働の是正をしていく中で、本当に時間当たりどうマネジメントしたらいいのかという、経営側も考えます。それから、当然、働き手としても、うまくその時間の中でどうやりくりをしていくのか。それは、結果的に生産性の向上にもつながってまいります。あるいは同一労働同一賃金においても、そうした処遇に合わせてきちっと満たされるということになれば、また働き手の対応というものも変わってくる。
 そういった意味において、今回の働き方改革、もちろん一義的には長時間労働を是正し過労死を防いでいくと、あるいは正規と非正規の間の不合理な待遇を改善していくということももちろんありますけれども、そういったことを通じて、今申し上げたような働き手の確保、あるいは生産性、その向上、そういったことを通じて日本の経済の成長、あるいは成長と分配の好循環、これをしっかり実現していきたいと、こう考えております。
#284
○東徹君 社会保障制度をしっかりと維持していかないといけないというのはもちろんのこと、それをするためにも経済成長をやっぱり遂げていかないといけないと、そういうことだと思うんですが。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 ただ、やっぱりこれからの我が国の社会保障を考えると、高齢者人口がどんどんどんどんと増えていくという中で、高齢者の方に、支えられる側から支える側へ、また高齢者の人たちもやっぱり働きたいという意欲のある人、そういった人が働くことができて、そして生きがいのある人生を最後まで送っていくことができる、そういった社会をつくっていくことというのが非常に大事だというふうに思うわけですけれども。
 安倍政権が発足した平成二十四年から平成二十九年の五年間でなんですけれども、就業者数が百八十五万人実は増加しているんですね。その百八十五万人の内訳を見ると、その八割以上が高齢者なんですね。これちょっと驚いたんですけれども、八割以上が六十五歳以上の高齢者ということで、これだけの方々が今働く、働き側に回ってきているということは、これはいいことだと思うんですね。
 少子高齢化が進む我が国では、高齢者人材の活用を進めていくこと、これは必要ということは当然なことでありますけれども、一般的な、我が国では一般的に言われている定年制についてなんですけれども、この定年制というのがその高齢者人材の活用を妨げているのではないかという指摘もあるわけですが、この定年制についてどのように評価しているのか、お考えをお聞きしたいと思います。
#285
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員おっしゃったように、見方なんですけれども、よく十五歳から六十四歳未満の人間が六十五歳以上の人間をどう支えるかという中で、かつてはみこし型、騎馬戦型、肩車型と、よくこういう比喩をされるわけでありますけれども、見方を変えると、就業している人と就業していない者として見れば、これ随分数字が変わってくるわけであります。もちろん就業している人はどのぐらい就業しているかとか、そういった程度の問題はもちろんありますけれども、したがって、今委員御指摘のように、高齢者、希望する高齢者、あるいは女性の皆さん、希望しているけどまだ働く状況になっていない、そういった皆さん方が働ける環境をつくっていくということが大変重要だと思います。特に高齢者の方については、六十歳ぐらいの方にお聞きをすると、七十、七十五、いやいや元気な限り働きたいという強い希望を持っている方が大勢おられるんですね。ですから、そういった皆さん方をどう働いていただける社会をつくっていくかということが重要だと思います。
 定年制についてでありますけれども、我が国では、定年制、基本はたしか定年制が六十というふうになっていたというふうに記憶をしておりますけれども、それに対して、我々としては六十五歳までの雇用確保措置ということを進めているわけでありまして、その中には定年制を廃止する、定年制を延長する、あるいは別途雇用継続措置を設ける、こういうことでやらさせていただいているところでございます。
 現状、定年制を廃止したりというところの数字は決してまだまだ高くないわけでありますけれども、これからそういった措置をしっかり進めていく中によって定年の延長、あるいは六十五歳と言わず、六十五歳から更なる雇用継続、そういったことに取り組む企業を我々もしっかり応援をしていって、まずそういった環境をつくっていきたいというふうに考えております。
#286
○東徹君 まあ確かに定年を迎える方を見ますと、えっ、まだそんなに若いのにって見える方がやっぱり非常にいっぱい、多くなってきたんじゃないのかなというふうに思うわけですね。
 欧米では、定年制については年齢による差別というふうなことで禁じられている国もあるというふうなこともお聞きしますし、正社員の解雇が難しい日本では、年齢で一律に退職を求められる平等な制度として労働者の納得感も一定程度得られておって、必要な制度であるというふうな指摘も一方ではあるということですけれども、やはり働ける人はいつまでも働いていてもらうという社会が一番ふさわしいのかなというふうに思うわけです。定年の延長や、定年後の六十五歳までの継続雇用を例えば七十歳まで延ばしていくこともこれ必要ではないのかなというふうに思います。
 定年後の継続雇用については、我が国では、一般的に同じ仕事をしていても賃金がこれ大幅に下がる傾向があるんですね。今回の法案では同一労働同一賃金というのが、これは含まれているわけですけれども、よく聞くのは、定年になって再雇用になって、仕事は全く同じなのに給料下がったんですよという話ってよく聞くんですよね。これって、同一労働同一賃金が導入されると同じ金額になるのかなというふうに思ったりするわけですけれども、これはどういうふうなことになるのか、お伺いしたいと思います。
#287
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、先ほど、定年制は、定年年齢は六十歳以上としなければならないというのが今の日本の法律でありますので、ちょっと訂正させていただきたいと思います。
 その上で、継続雇用後の賃金について、JILPTの企業調査、これ二〇一六年五月でありますけれども、六十歳直前の賃金を一〇〇とした場合に六〇から七〇未満になる企業が一八・三%と最も多く、次いで七〇以上八〇未満の企業が一六・四ということでありますから、この二つを加えても三分の一以上においてそういった低下した状況になっているということが言えるわけであります。
 今回政府が導入しようとしております同一賃金は、同一企業・団体におけるいわゆる正規と非正規の方の間の不合理な待遇差の解消を目指して、非正規雇用労働者の待遇の改善を図っていくということでありますから、当然、定年延長されていればもうその方というのは基本的には正規の社員ということになって、定年をされていれば別ですが、継続雇用という形で有期雇用の労働者という形になれば、当然それが、その方も保護の対象になっていくわけであります。
 具体的に、このガイドラインにおいては、定年後の継続雇用において、退職一時金及び企業年金、公的年金の支給等を勘案することが許容されるか否かについて今後検討を行うものとしているわけであります。今回、最高裁の判決も出たところでありますから、そういったことも踏まえつつ、法案成立後、ガイドライン案、これ全体を作っていくことになりますけれど、作り直していくことに、今のガイドライン案をガイドラインという形にしていく必要があるわけでありますけれども、今回の最高裁での判決も踏まえて、法案成立後に労政審においてその点も含めてしっかり議論をさせていただきたいと思います。
#288
○東徹君 大臣が言われたように、六十歳を過ぎると給料というのはやっぱり下がっているんですよね。これは統計的に見てもそういうことだということでありますけれども。六十歳過ぎたからといって何か急に仕事ができなくなるわけでもないですし、急に老いを感じるわけでもないと思いますので、その方が継続雇用というふうな形でなれば、それは同一労働同一賃金の方向性でいけば、やっぱり同じ給料をもらって当然なんだろうなというふうに思うんですね。是非、これからガイドラインを示していかれるというふうに聞いておりますが、その点についてもしっかりと検討していっていただきたいと思います。
 続いて、長時間労働の是正についてでありますけれども、今回の法案では、長時間労働を是正するための罰則付きの上限規制が設けられて、原則として時間外労働の上限を月四十五時間、年三百六十時間ということになっておるわけですけれども、これ、時間外労働を一日平均二時間程度に限ることになるわけですけれども、これに対応するために人を増やしたりとか業務量を抑えていくということなどの対策を講じるのは、これなかなか大変なことだというふうに思いますが、そこで、どの程度の事業所が現在この原則を上回る長時間労働を行っているのか、お伺いしたいと思います。
#289
○政府参考人(山越敬一君) 時間外労働の実績につきましては、平成二十五年度の労働時間等総合実態調査において調査、集計を行っているところでございます。
 この調査でございますけれども、国会での御指摘を受けまして精査したところでございます。その数値によりますれば、三六協定を締結している事業場の割合は五一%でございます。他方で、調査対象月の一般の者の時間外労働が最長の者の実績が、今御指摘がありましたように、一か月四十五時間を超えているような事業場は全体の八・八%、一年三百六十時間を超えている事業場は全体の九・六%となっております。
#290
○東徹君 月四十五時間を超える事業所の割合が八・八%、それから年三百六十時間を超える事業所の割合が九・六%ということでありますが、まあ意外と、もうちょっと多いのかなというふうに思っていたんですけれども、ただ、事業所の数にすれば相当な事業所数になるんだろうというふうに思います。
 失業率なんですが、我が国では失業率が今二%台半ばでありますけれども、これ今完全雇用に近い状態になっているわけで、新たに人を雇うというのはなかなか難しいというのが今の、人手不足とよく言われていますけれども、どこでも言われていますが、そういったことが深刻になっているときに、なかなか簡単ではないと思うんですね。
 今後、生産年齢人口が減っていく中で、労働者の確保に掛かるコストを減らすために今結構外国人労働者の方をどんどんと受け入れているところもありますが、この外国人労働者の在り方も含めてどのような対策を講じていくのか、ここは大臣のお考えをお聞きしておきたいと思いますけれども。
#291
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話ありますように、我が国、現在、完全失業率、三十年四月で申し上げれば完全失業率二・五%、有効求人倍率一・五九倍ということでありますから、雇用情勢は着実に改善が進んでいるということになりますが、しかし他方で、企業における人手不足というのは大変大きな課題になっておりますし、さらに、労働力人口は中長期的に減少することが見込まれているわけであります。
 そういう意味において、まずは女性、高齢者を始め誰もが活躍できる社会をつくっていこうということで我々チャレンジをしているわけでありますが、その上において、外国人労働者の受入れについては経済財政諮問会議において総理から御指示をいただいております。その指示を受け、内閣官房及び総務省を中心に、一定の専門性、技能を有する外国人について適切な受入れを可能とする新たな枠組みをつくるためタスクフォースを設置をし、本年夏の骨太の方針において基本的な方向性を示すべく、現在検討が行われているところであります。
 日本人と同等以上の報酬の確保など、的確な在留、あっ、ごめんなさい、今、総務省と言いましたけど、法務省ですね、失礼しました、内閣官房と法務省を中心にということでありますが、政府としては、日本人との同等以上の報酬の確保など、的確な在留管理、雇用管理が実施されるべきと考えておりますので、そういった面では私どもの対応、所掌ということにもなります。厚生労働省としても、政府内の検討に積極的に今参加をさせていただいているところであります。
#292
○東徹君 当然、子育て世代の女性の方とか高齢者とか、そしてまた病気を持ちながらでも何とかして働きたいとか、そういった方たちがどんどんどんどんと働けるようになる社会をつくっていくこと、非常に大事ですけれども、なかなか今の現状、いろんな企業から聞いていると、やはり人手不足でなかなか新しい事業をやろうと思ってもできないというような中で、外国人労働者というのも受け入れていくのも今後はやっぱり考えていかざるを得ないという状況にあるんだろうというふうに思います。
 次に、長時間労働との関係についてでありますけれども、三六協定のことについてでありますが、三六協定の特別条項が長時間労働の原因になっているという意見もあれば、現実にはこれがないと業務が回っていかないんですよという意見も中にはあります。働き方改革を行っていく中で、三六協定についてでありますけれども、今どのように評価しているのか、お聞きしたいと思います。
#293
○政府参考人(山越敬一君) 現行の三六協定でございますけれども、これは厚生労働大臣告示、限度基準告示の下で、それぞれの事業場の現場に合った時間外の労働時間数の設定を労使、その調整に委ねる仕組みとなっておりまして、運用状況といたしましては、特別条項を締結する理由として、例えば取引先の都合による納期の逼迫があるとか、予算とか、そういった臨時的な特別の事由に限るという運用がなされている状況にあると思います。
 ただ、他方で、一部ではございますけれども、特別条項がある場合の延長時間が例えば月百時間を超えているようなものも存在しているわけでございまして、長時間労働の歯止めとして機能していない面もあるわけでございます。こうしたことから、今般の法改正におきまして、時間外労働についてこの特別条項の場合についても上限規制を設けることとしたところでございます。
 また、その範囲で幾らでも長くてもいいということではございませんで、可能な限り労働時間の延長を短くするため、労働基準法に根拠規定を設けまして新たに指針を定めることといたしておりまして、これに基づきまして必要な助言、指導を行ってまいりたいというふうに思います。
#294
○東徹君 一番大変なのはやっぱり中小企業だというふうに思っておりまして、今回の長時間労働の是正、当然大切なことだし、中小企業だってこれからどんどんと人材を確保しようと思えば長時間労働を是正していくというのはやっぱり当然必要なわけですけれども、なかなか人手不足で、業務を分ける余地が限られている中小企業では非常に影響も大きいわけですが、中小企業でもこの上限を守っていく体制を取るために、補助金等の、先ほども話が出ておりましたけれども、補助金等の支援を行っていきますというような話もありました。
 中小企業の対策としてこの補助金を出して、本当にこれが効果出るのかなと我々は見ていて思うわけですが、この点についてはどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#295
○政府参考人(山越敬一君) 中小企業あるいは小規模事業者の方が長時間労働の見直しを図っていくためには、これは労務管理の見直しでございますとか、業務プロセス、そういった見直しが必要でございまして、そういったノウハウが必ずしも中小企業は十分でない、そういったノウハウを提供していくことも支援として必要だというふうに思っております。
 こうしたことから、全国に働き方改革支援センターを設けまして、労務管理の専門家によるコンサルティングなどを行います。また、商工会議所や商工会と連携をいたしまして、こういった中小企業向けの相談会などをしてまいりたいと思います。あるいは、中小企業庁のよろず支援拠点がございますので、ここと連携を図りまして、生産性向上なども含めた支援も図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#296
○東徹君 いつもそういう御答弁を言われるんですけれども、実際には、中小企業の中には三六協定も知らないとか三六協定も結んでいないとか、そういった企業がやっぱりたくさんあるわけですけれども、まだまだこういった状況の中で、今回、政府としてこの新しい制度の導入のことについてどうやって周知を図っていくのかというふうに思うんですが、この点についてはどうですか。
#297
○政府参考人(山越敬一君) この周知でございますけれども、まず、それに先立ちまして、現行法、特に三六協定を知らないという中小企業の方も多いわけでございますので、本年一月には、現行の三六協定でございますとか相談窓口について、例えば商工会、商工会議所、様々な機関の御協力をいただきまして周知を行っているところでございます。また、私ども、労働保険の更新の手続が年一回ございますので、そういった機会を利用して情報を提供するなどもしているところでございます。そしてまた、この四月からは今申しましたように働き方改革支援センターが発足をいたしましたので、こういった支援センターも活用しながら、おっしゃられましたような周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
#298
○東徹君 その働き方改革支援センターが本当に機能して、本当にこれが周知徹底できるのかなと、見ていて、何度聞いてもそういうふうな思いをするわけでありますけれども、もうちょっと時間がありませんので、今日はちょっとここで終わりにしたいと思います。
 次回、長時間労働の是正のところの部分で引き続き質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#299
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 五月三十一日に高度専門職に対するヒアリング概要のことをお聞きをいたしました。大臣は、これ、十二人のヒアリングをやったということが唯一の高度プロフェッショナル導入の根拠、立法理由になっていると私は思っているんですね。具体的にこれを示している。
 改めてお聞きをします。何月何日にやったのか。そして、前回、会社の紹介でというふうにおっしゃいました、会社の紹介で選んだ。会社の同席というのはあったのか。この二点、お聞かせください。
#300
○政府参考人(山越敬一君) このヒアリングを実施した時期でございますけれども、前回、二十七年と申しましたけれども、申し上げますと、平成二十七年三月、そして一番新しいものは平成三十年二月に実施をしております。
 それから、会社の担当者の同席ということでございますけれども、それは、私どもとして、その人事部等の同席は特段こちらからは指定をしておりませんで、人事担当が同席したケース、そうでないケース、双方のケースがございました。
#301
○福島みずほ君 平成二十七にやったのは、番号でいえば何番、平成三十年にやったのは何番か教えてください。人事担当者が同席したのは何番ですか。
#302
○政府参考人(山越敬一君) まず、時期でございますけれども、平成二十七年に実施しましたのが、お配りをいただきました資料の一番と二番、それから十二番でございます。一番と二番と十二番でございます。それから、それ以外のものにつきましては平成三十年に実施をしております。
 それから、人事担当がその席に同席したものでございますけれども、一番、二番、三番、六番、ちょっと今正確ではないかもしれませんけれども、申し訳ありません、一、二、三、六についてはその人事担当者が同席をしております。
#303
○福島みずほ君 平成三十年二月何日ですか。
#304
○政府参考人(山越敬一君) 平成三十年二月に実施した分は、平成三十年の二月一日です。
#305
○福島みずほ君 余りに遅いですよね。つまり、この法案出すぞ出すぞと施政方針演説で総理大臣が言ったときには、三人しか聞いていないんですよ。こんなんで高プロ導入していいんですか。こんなんで高プロ導入していいんですか。
 そして、大臣にお聞きしたい。この十二人の中で誰が高プロ要求していますか。
#306
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほども、ここに至る時系列については、産業競争力会議等々、あるいは日本再興戦略等についてお話をさせていただいたと、そういうプロセスがあり、またJILPTの調査等も労働政策審議会ではお示しをさせていただいたわけです。JILPTのアンケート調査ですね、ということをお示しをさせていただいているということであります。
 あと、この中のどれがということでありますけれど、それぞれ、現行のやっぱり時間規制というもの、そういったものによって、例えば二日間集中した方がトータルの時間短くて済む等々、そうした指摘がこの中から見受けられるんではないかというふうに思います。
#307
○福島みずほ君 さっき大臣はJILPTからのとおっしゃったけれど、高プロまだ制度としてないから、出ていないでしょう。間違いじゃないですか。
#308
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、JILPTのアンケート調査によって、現行からどういう点が改善をするかという、そういった資料も出させていただいたということを申し上げているわけであります。
#309
○福島みずほ君 あのアンケートは極めて問題で、規制緩和のアンケートの項目しかないんですよ。その点でも駄目だし、高プロという具体的なことを望むというものはないですよ。そして、大臣、この十二人の中で高プロを具体的に望んでいる人などいないんですよ。
 逆にお聞きをいたします。時間でなく成果で評価することと、高プロを導入し、労働時間、休日、深夜に関する使用者への義務付けが全て適用除外とすることは何で結び付くのか。具体的に言えば、仕事が終わったので早く帰る、私用があるので遅く出勤する、どこかのサテライトオフィスで仕事をしたい、これは使用者が認めれば今でも可能ではないですか。
#310
○国務大臣(加藤勝信君) そういった働き方も一部可能であることはそのとおりでありまして、それぞれ裁量労働制でありフレックスタイム制であり、そういったものを活用するというのはありますけれども、しかし、それについても、いずれにしても、例えば裁量労働制であれば、みなしと実労働時間の乖離、あるいは休日、深夜と、そういった意味での規制が掛かり、そしてまたそれによって時間に応じた賃金というものも出てくるわけでありますから、やっぱりそういった労務管理あるいはそういった管理下の中よりは、むしろそこから解き放されて自由にした方が自分としてよりその力を発揮できる、こういう方たちがおられるわけでありますから、そういった皆さん方のその希望を実現する中によって、その方の持っている創造力とか付加価値をつくる力、それを十二分に出していただくと。
 ただし、これはもちろん、何回も申し上げていますけれども、やはり本人の同意であり、一定の要件を課しているというわけでありますから、その中において、そういった方たちが、しかも健康確保措置等を、そこに健康確保措置等を実施することによってその力を発揮していただく、そのことがひいては我が国の様々な新しい産業やプロジェクトを生み出して日本の経済の発展にもつながり得る、こういうふうに考えるわけであります。
#311
○福島みずほ君 いや、全くおかしいですよ。管理監督者だろうが裁量労働で働く人だろうが、深夜労働も休日も可能なんですよ。唯一、割増し賃金が、管理監督者だったら深夜業だったら付くとかあります。それ、不利なのは使用者じゃないですか。労働者は別に何にも困らないですよ。もちろん、長時間労働は嫌だけれど、深夜業だって休日だって働けるわけですよ。働けるわけですよ。何にも問題ない。今おっしゃったのって使用者の都合じゃないですか。
 それから、この十二人で誰が高プロを要求していますか。示してください。
#312
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、先ほど、ちょっとその前の、今の最初の御質問でありますけれども、そういった中において、やはり休日であり深夜であれば当然割増しの賃金にもつながるわけでありますから、使用者側からいえば、そういう時間帯じゃなくてこっちの時間帯で働いてくれと、こういうことになるわけでありますけれども、働く側からすれば、いやいや、そうじゃなくて、自分としてはこういう方がより自分のペースにも合うし、その力を発揮したいということでありますから、そういうプレッシャー……(発言する者あり)いや、ですから、そういう、払えばいいんじゃないです、そういうプレッシャーが掛かってくることが結果的にそういった時間帯で働けないということになるので、そういった規制を外して力を発揮したい、こういうことであります。
 それから、どれがということでありますけれども、例えば六番目という方であれば、プロジェクトを成功させて報酬をもらう仕事であると十分理解していると、労働時間の制約があると成功できる仕事も成功できずチャンスを失ってしまうといったようなこともここで指摘をされているということであります。
#313
○福島みずほ君 論理が破綻していますよ。深夜業だろうが休日労働だろうが、労働者、割増し賃金もらって働く、別に構わないですよ。割増し賃金もらって頑張って働きますよ。今の論理って使用者側の論理じゃないですか。
 今だって管理監督者、深夜業の手当があるし、でも、今の大臣の答弁は労働者の立場じゃないですよ。労働者は別に割増し賃金もらって休日労働、深夜業すればいいんですよ。それが嫌だ、問題だというのは使用者の論理でしょう。
 そして、今六番とおっしゃったけれど、六番しかないんですかね。それから、この人は、労働時間に比例してお金をもらうような仕事ではなく、プロジェクトを成功させて報酬をもらう仕事であると十分理解している、労働時間の制約があると成功できる仕事も成功できずチャンスを失うことになってしまう。でも、これ、今の裁量労働やあるいは管理監督で可能じゃないですか。何で高プロが必要なんですか。
#314
○国務大臣(加藤勝信君) 前段の質問とも絡むわけですけれども、それは使用者側からいえば、逆に言えば、そういう時間ではなくて、本来のこっちの時間で働いてくれとか、そういうことにつながるわけですね、深夜だったら割増しをしなきゃいけないとか。だから、そういうプレッシャーから外れて、やっぱり自分が、いやいや、昼はなかなかうまく働かないけれども夜がいいとか、あるいはいろんな働き方の人がいると思います。そういった形で、自分に合った働き方をするということによってよりその力を発揮したいという方がおられるわけでありまして、別にそうでない方にその適用をしようと言っているわけではなくて、そういった方々がそうした働き方ができる選択肢をつくろうというのが今回の高度プロフェッショナル制度ということになるわけであります。
 また、これ、それ以外にも様々、やっぱり時間的な制約等々があることに対する議論、議論というか、思い等々、この中にもあるんではないかというふうに思います。
#315
○福島みずほ君 やはり論理破綻していますよ。これ、時間の制約なんかだったら、今だって、さっきも言ったように、仕事が終わったので早く帰る、私用があるので遅く出勤する、どこかのサテライトオフィスで仕事をする、可能なんですよ。割増し賃金払ってもらって深夜業やったって休日労働やったっていいんですよ。
 それから、割増し賃金の重要さというのは、使用者も労働者もやはり労働時間の上限を気にしなければならないんですよ。そうすると、使用者は時間外労働の手当を払わなければならないから、早く仕事を切り上げてくれ、いや、昼間働いてくれよ、もっと頑張ってということが、インセンティブがなくなっちゃうんですよ。夜働こうが、二十四時間働こうが、二十四時間四十八日間働こうが、残業代が増えない。定額パケというか定額働かせ放題だから、仕事を短時間にしなくちゃいけないという、割増し賃金というインセンティブが両方になくなるので、長時間労働が本当に起きるというふうに思います。
 それで、労働者は賃金台帳に労働時間やそういうものを書かなければなりません。これは労働基準法施行規則五十四条の五号と六号、労働時間数やそれから残業時間、休日労働時間、深夜残業時間の記入をしなければならない。これは今の裁量労働であろうが管理監督者であろうが、これは書かなくちゃいけないんですね。
 高プロは賃金台帳に労働時間を書かなくてよいというのでよろしいですね。
#316
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度の対象者でございますけれども、これは健康管理時間により対象労働者の健康確保措置を行うこととしておりますので、これは現行管理監督者と賃金台帳上の扱いは同じになるわけでございますけれども、労働時間や割増し賃金に係る時間数はこの管理監督者と同じように記載する必要がない旨を省令で規定することを想定しております。
#317
○福島みずほ君 賃金台帳に書かなくてもよい、書かなくても罰則の規定はないということでよろしいですね。
#318
○政府参考人(山越敬一君) これはどう省令で定めていくかということになるわけでございますけれども、現在想定をしておりますのは、現行の管理監督者と同じように、労働時間等については記載する必要がない旨を省令で規定することを想定しているということでございます。
#319
○福島みずほ君 書かなくても罰則の規定はないですね。
#320
○政府参考人(山越敬一君) これは、その労働時間について記載することを必要ない旨を省令で規定するわけでございますので、書かなかったとしても、それは、その結果罰則は適用されないということになると思います。
 ただ、他方で、この高度プロフェッショナル制度につきましては健康管理時間によって管理をすることになっておりますので、これは、健康管理時間はしっかりと記録をしていただく必要があるところでございます。
#321
○福島みずほ君 労働者は、今までは賃金台帳に労働時間、休日それから深夜業、残業を書かないとこれは罰則の規定になっていたわけです、労働者ごとに書かないと。でも、高プロは賃金台帳にこれを一切書かなくても罰則の規定はないんですよ。罰金払わなくていいんですよ。それは今までと全く違うことが起きるということです。
 じゃ、記録の保存義務ってあるんですか。それから、厚生労働省が出している労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン、これは適用ないということでよろしいですね。
#322
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度の場合は、その健康確保のために健康管理時間を把握していただくということでございまして、その状況は記録するとともに保存しなければならないことを省令で定めると、こういうことにすることにしております。
#323
○福島みずほ君 その健康管理時間というのは分かりますが、分かりますが、重要なのは、賃金台帳に書かなくても罰則の規定がないということなんですよ。健康管理時間を把握しなくても、健康管理時間で記帳していなくても罰則の規定はないということでよろしいですね。
 それから、厚生労働省が出している、自己申告では極めてずさんであると、だからちゃんとやれという、これは、去年、二〇一七年に出ている労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン、これは高プロは適用ないということでよろしいですね。
#324
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘いただきました労働時間の適正な把握についてのガイドラインでございますけれども、これは労働時間についての把握でございますので、直接は、直接と申しますか高度プロフェッショナル制度には適用されません。
 ただ、この高度プロフェッショナル制度の健康管理時間としては、法律上どのようにこれを測定するかということは定められているわけでございまして、事業場内にいた時間、それから事業場外にいて労働した時間ということになっておりますし、事業場内にいた時間については客観的な方法で把握するということでございます。
#325
○福島みずほ君 賃金台帳に書かなくても罰則の規定はないし、この労働時間に関するガイドラインも適用がないんですよ。こういう労働者が本当に初めて誕生する。
 健康管理時間なんですが、それは例えば毎日やるんですか。一か月、複数回まとめて申告するということもあるんですか。客観的な労働時間を算出することはできるんですか。在社時間はどうするんですか。それから、ログインなどでやるというけれど、毎日それをやるんですか。
#326
○政府参考人(山越敬一君) まず、この労働時間の賃金台帳への記録でございますけれども、現行でも管理監督者はこれ記入の義務がないわけでございますので、そういった意味で、高度プロフェッショナル制度が初めてこういったことを記入しなくていいという労働者として定められたということにはならないというふうに思います。
 それから、健康管理時間でございますけれども、これは、逐次それは把握していただく必要があるというふうに考えているところでございます。
#327
○福島みずほ君 管理監督者は深夜業の手当が出るので、記帳義務があるんじゃないですか。
 それから、逐一というのはどういうことですか。毎日ですか。
#328
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度につきましても、その賃金台帳に全く何も書かなくてもいいということではございませんで、例えばその賃金台帳に氏名とかそういったことは書く必要があるわけでございまして、他方で、その労働時間数については記載する必要がないことを定めようとしているということでございますので、そこはその管理監督者と同じ扱いだということで……(発言する者あり)労働時間については同じだというふうに思います。
#329
○福島みずほ君 局長、駄目ですよ。これ、五号に労働時間数ってあるけれど、六号に残業時間、休日、深夜残業時間の記入があるじゃないですか。つまり、高プロで初めて労働基準法施行規則五十四条の五号と六号の記入が免除されるということでよろしいですね。それは管理監督者と違いますよ。
#330
○政府参考人(山越敬一君) この賃金台帳でございますけれども、労働基準法施行規則第五十四条に規定がございまして、その五号が労働時間数となっているわけでございます。この部分について私は申し上げているわけでございまして、その高度プロフェッショナル制度につきましては、この賃金台帳に記入する代わりに、健康管理時間について記録して保存していただくということになっているということを申し上げているところでございます。
#331
○福島みずほ君 初めて賃金台帳に労働時間数と残業時間、休日労働時間、深夜残業時間の記入が免除される労働者が誕生する。これを書かなくても罰則の規定がない。健康管理時間、どうやってやるんですか。毎日毎日チェックするんですか。あなたは昨日おうちに帰ってパソコンログインどうでしたか、全部記入させるんですか。
 自己申告制はでたらめであるという、労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を管理する自己申告制度の不適正な運用等により労働時間が長時間労働になっているから、ガイドライン出すのだとやっているじゃないですか。自己申告制は駄目だ、ガイドライン、だから作ったんじゃないですか。どうやって健康管理時間を把握するんですか。毎日把握するんですか、遡るんですか。
#332
○政府参考人(山越敬一君) この把握でございますけれども、今御指摘をいただきました一般の労働者についても時間外労働のガイドラインあるわけでございますけれども、それについては、何と申しますか、必ずしも、例えば毎日とか、そういうことでその把握が義務付けられているわけではございません。それは、ぎっちり把握するという意味で、適正な間隔でそれはきちっと把握していただくということがむしろ必要なのではないかというふうに思っているところでございます。
 そのことについては、高度プロフェッショナルについての健康管理時間についても同じではないかというふうに思います。
#333
○福島みずほ君 違いますよ。一般の労働者は賃金台帳に、一日遅れるかもしれないけれど、書かなくちゃいけないんですよ、労働時間も残業も休日も深夜業も。でも、高プロはそれが免除されるわけでしょう。だったら、健康管理時間といっても、それをどうやって把握するんですか。自己申告制では長時間労働になるってガイドラインに書いてあるじゃないですか。
 質問を変えます。
 労働時間の状況を把握しなかった場合、高プロの要件を欠きますか。欠かないですよね。
#334
○政府参考人(山越敬一君) 労働時間を把握しない場合は、制度導入の要件を満たさないということになるわけでございます。(発言する者あり)健康管理時間、済みません、健康管理時間を把握する措置を決議によって定めなければ、制度導入の要件は満たさないということになります。
#335
○福島みずほ君 改めて、健康管理時間ってどんな感じで記録するんですか。やっぱりこれは、賃金台帳に書くものと健康管理時間って違うんですよ。労働時間の把握と労働時間の状況の把握って違うんですよ。罰則付きか罰則付きでないか、全然違うじゃないですか。
 健康管理時間って、どうやって把握するんですか。
#336
○政府参考人(山越敬一君) 健康管理時間につきましては、先ほど申しましたように、法律上の定義は、事業場内にいた時間と事業場外で労働した時間でございますけれども、この事業場内にいた時間については、客観的な方法、これはタイムカードとかパソコンの起動時間、そういったことによることを原則として行うということが建議に盛り込まれているところでございます。
#337
○福島みずほ君 労働時間を、労働時間の罰則付きで把握しないから問題になるんですよ。
 局長、これ、毎日書かせるんですか。自己申告によるんですか。
#338
○政府参考人(山越敬一君) この健康管理時間の把握でございますけれども、この把握については、これ日々労働されているわけでございますので、毎日把握していただくということかと思います。
#339
○福島みずほ君 まとめてやることもあるんじゃないですか。だって、二十四時間四十八日間連続働いてもいいわけですから、まとめてやるんじゃないですか。
#340
○政府参考人(山越敬一君) 今申し上げていますのは、把握というのは、その日々、日々どのくらい働いているかということが出てくるわけでございますので、日々把握していく必要があるということかと思いますけれども、記録については、日々でなくて、ある程度合理的範囲で記録するということもできないわけではないということだというふうに思います。
#341
○福島みずほ君 把握って誰が把握するんですか。使用者はどうやって把握するんですか。どうやって書かせるんですか。どうやって聞くんですか。
#342
○政府参考人(山越敬一君) これは、事業場内にいた時間は原則として客観的な記録をもって把握することになっておりますので、そういった記録をもって使用者が把握するということだと思いますし、それから、事業場外において労働した時間は自主申告でございますので、これは労働者から申告をしていただいて使用者が把握するということだと思います。
#343
○福島みずほ君 自己申告、出社とそれから退社の時間把握しない、全部自己申告ということでよろしいですね。
#344
○政府参考人(山越敬一君) この健康管理時間の把握方法でございますけれども、ちょっと繰り返しになりますけれども、事業場内にいた時間については客観的な方法で、事業場外で労働した場合には自己申告でということになっておりますので、事業場外において労働した場合については、これはなかなか客観的な記録というわけにもいかないと思いますので、そういった方法だということでございます。
#345
○福島みずほ君 でも、出社も退社も把握しないんでしょう。
#346
○政府参考人(山越敬一君) これは、基本的には事業場内にいた時間でございますので、事業場内にいた時間というのは、その会社に出社をしてそれを退社する時間ということが基礎にして求められるものだというふうに思いますので、出社した時間というのをまず把握するということからスタートするものだと思います。
#347
○福島みずほ君 会社は出社時間と退社時間を把握するんですか。管理するんですか。
#348
○政府参考人(山越敬一君) その時間を把握するということでございます。
#349
○福島みずほ君 把握しないのが高プロじゃないんですか。
#350
○政府参考人(山越敬一君) これは、いつ出てくるかということについては、始業、終業の時刻は、これは労働者の裁量に委ねられる。だから、いつ出てくるかはその労働者の自律性に委ねられるわけでございますけれども、現実にいつ出てきたということは、これは把握できますので、その時間を把握するということでございます。
#351
○福島みずほ君 それ実際に把握するんですか。どうやってやるんですか。賃金台帳に書かないわけでしょう、労働時間も深夜も休日も、深夜業も。どうやるんですか。本人の自由だったら、それ一々上司が見ているわけですか。
#352
○政府参考人(山越敬一君) これは、タイムカードでございますとかパソコンの起動時間ということを基礎にしてその把握をするわけでございます。こういった方法は、一般の労働者の労働時間の把握でも客観的な方法としてそういったことを基礎として把握しているものでございまして、これは物理的にいつ出社をしたかということでございますので、高度プロフェッショナルの方でも十分これは使用者が行うことができることだというふうに考えるところでございます。
#353
○福島みずほ君 労働時間の管理が罰則付きで賃金台帳に書かせなかったら、そんな管理ちゃんとやらないですよ。
 労働基準監督署が、あるところで、過労死や過労労働に関して踏み込んで調査をすると入りました。だけど、残念ながら健康管理時間も把握していない、出退社も把握していない。どうやって過労死の認定を第一線の労働基準監督官はやれるんですか。
#354
○政府参考人(山越敬一君) まず、その健康管理時間の把握、記録でございますけれども、これは労働基準監督官が必要な指導をするということで対応してまいりたいと思います。
 それから、労災補償でございますけれども、これは労災補償、これは高度プロフェッショナルが適用になるであろう方でも、それは現行の労働者の方であろうとも、これは実労働時間が何時間かということを監督署の職員が把握をして、これは様々な客観的なデータもございますし、同僚とか上司とか様々な方からの聞き取りも行うわけでございますけれども、そういった方法によって把握して行っているわけでございまして、そのことについて全く高度プロフェッショナルについて変わるところはないものではないかというふうに考えているところでございます。
#355
○福島みずほ君 現場が分かっていないですよ、労災認定がいかに大変か。弁護士でも大変だけれど、労働基準監督官だって大変ですよ、賃金台帳に労働時間書いていなかったら。残業時間書いていなかったら、健康管理時間、ログを全部遡ってやるんですか。できないですよ。遺族はできないですよ。弁護士もできないですよ。労働基準監督官もできないですよ。
 裁量労働制に関して、野村不動産と電通の例がなぜ違うのか。野村不動産、送検しませんでしたね。
 去年、裁量労働で送検したのは一件、そしてその前はゼロ件ということでよろしいでしょうか。つまり、裁量労働制は、実は立件したり送検したりするのが極めて困難である。それはなぜか。労働時間をきちっと調べるのがやっぱり非常に困難であるということではないでしょうか。
 裁量労働制における送検件数は、二〇一六年ゼロ、二〇一七年一件だけなんですよ。裁量労働制で送検するのは困難である。なぜか。労働時間の規制が困難だからじゃないですか。高プロはもっと困難になりますよ。いかがですか。
#356
○政府参考人(山越敬一君) この労働基準法違反でございますけれども、これも様々な記録、客観的な記録、あるいは様々な職場の方、上司、同僚、そういった方からの聞き取りなど、様々な方法を用いまして労働時間の把握を行っているわけでございます。
 そうした中で、法違反があるということがあれば指導をするし、また、重大、悪質なものについては送検をするわけでございまして、そのことは別に、一般労働者であれ裁量労働制であれ、変わるところはないところでございます。重大、悪質な事案につきましては、これは一般論でございますけれども、そうした事案については必要な場合には捜査の上厳正に対処する、そうしたことでやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#357
○福島みずほ君 でも、裁量労働制に係る送検件数は二〇一六年ゼロ、二〇一七年一件だけなんですよ。それだけやっぱり難しいんですよ。賃金台帳に残業時間、深夜・休日労働時間を罰則付きで書かせるのと、いや、休日と深夜業だけ裁量ですよね。管理監督者は深夜業だけです。でも、今日の話で分かるように、高プロは全部免除するわけです。これでどうやって労働基準監督官踏み込んだときに労働時間の立証をするんですか。どうやるんですか。
 私は、過労死の認定は極めて困難になる、過労死は増えるが、過労死の認定が難しくなると思います。こんな法案は廃案にするしかないということを申し上げ、私の質問を終わります。
#358
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 いよいよ参議院にもやってまいりましたけれども、なかなか議論が広がらない中で大切なことが落ちているといけませんので、私も丁寧に丁寧に議論させていただきたいと思います。
 まず、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。これは大臣が就任前からこの法案に向けて準備が進んでおりました。まだ私は大臣の意見を聞いておりません。大臣が御自身で考えられる働き方改革とは何ですか。
#359
○国務大臣(加藤勝信君) 私、この前に、今もそうですけれども、その前から働き方改革担当大臣を務めさせていただきました。
 そういう中で、やっぱり日本の働き方改革、先ほども少し申し上げたところもありますけれども、やはり、少子高齢化、人口減少、あるいは生産年齢が減少していく、こういう状況の中でどう日本の活力を高めていくのか。そういった意味において、高齢者、若者、女性、男性、障害、難病のある方々、それぞれ、働きたい、活躍したい、そうした希望をそれぞれ持っておられる、その希望をどう実現をしていくのか。
 そういう中で、働く場として見れば、様々な方々の事情に応じた多様な働き方ができる、あるいは、個人で見れば、自分の状況に応じた、適した働き方が選択できる、こういう社会を実現していく必要がある、こういう観点から、今回、長時間労働の是正、あるいは同一労働同一賃金、あるいは多様で柔軟な働き方の実現、こういったことを含めた全体の改革を進め、そして、法律として改正すべきことを今回の法案の中身に盛り込ませていただいて、提案をさせていただいていると、こういうことでございます。
#360
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 以前から、大臣が働き方改革担当大臣だったときにも、私どもはここで一緒に議論をしたいといっていつも申し上げておりましたけれども、ようやくこれで同じ土俵にのって議論をさせていただくところなんですけれども、私どもは、ここまで様々、働き方改革につきましても議論をしてまいりました。その中で、日本人の働き方につきましても様々問題点が提起されたところでございます。
 大臣は、日本人の働き方のどこに課題があるというふうに認識していらっしゃいますか。お願いいたします。
#361
○国務大臣(加藤勝信君) 一つ指摘されているのは、やはり長時間労働だということだと思います。
 長時間労働の結果として、もちろん過労死ということがあります。そこまで行かなくても、様々に健康の、これは精神面も含めて、障害を受ける方もいらっしゃいます。また、仕事に長時間いるということは、結果的に、それぞれの方の家庭生活、あるいはそれぞれの方の私的な生活、それとの両立を困難にしていく。さらには、例えば家事に対する男性側の関与が低いという場合には、なかなか二人目、三人目に結び付かないといった、こういったデータもあります。まさに少子化の原因にもなっているわけでありますし、また、女性側から見れば、例えば子育てしながら働きたいと思いながらもどっちかを選択せざるを得ないという意味において、キャリア形成においても様々な困難、あるいは男性側からいっても、仕事もしたいけど、家庭も、いろいろ子育てもしたい、何もしたいと、そういった参加を、そういったことを拒む原因になっている。そういった意味も含めて、やっぱり長時間労働、更に言えば、自分の時間を持てるということによって自己研さんをして、そして次の時代、次のチャレンジに向けての準備をするということもなかなかできなくなってくる。そういう意味においては、この長時間労働というものをしっかり是正をしていく必要があるというふうに思っております。
 それから、同一労働同一賃金についても、やはりそれぞれ持っている人の力が十二分に発揮をしていただくというためには、しっかり評価をされて、そして評価の基本はやっぱり賃金という部分があります。そういったことがしっかり反映されていかなければならないという中において、個々いろいろ、単純には比較をできませんけれども、諸外国から比べても、パートタイムとフルタイムの時間当たりの賃金を比較すると、日本の場合、格差が大きいという指摘もあり、結果的に様々な事情があって、あるいは今のフルタイムの働き方、長時間労働の問題もありますから、なかなか選択しにくいという問題もありますけれども、そういった中において、結果的に制約条件があるからそうしたパートタイムということは、本意、不本意ではないけれども、しかし、やはりそこにおける処遇というものが様々な問題があるという指摘も受けている。そのことは、結果として、そこで働いていただく方の、ある意味では満足感といいましょうか、そういったことも必ずしも達成されない、結果的にそれは日本にとってもマイナスである。逆に、そういったことを解消することによって、そうした方々が更に様々な力が発揮をしていただける。また、もっとこういった働き方をということにつながっていく。そういった意味においてもこの働き方改革というものを私はしっかりやっていく必要があるんだろうというふうに思います。
#362
○薬師寺みちよ君 今るるお話しいただいた中で、大臣が掲げていらっしゃる目標というのは、本当に日本の今の労働もそうでございますけれども、育児、女性の参画と様々な課題の中で、一つ働き方というものが与える影響が大きいからこそ今回も法案改正をなさるというふうに私は理解しておりますけれども、まだ道半ばと捉えてよろしいんですか。
#363
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、まさにこれ、むしろ道半ばどころかこれからスタートに立って、もちろんこうした働き方改革の議論をし始めたり、あるいはそれによってもう経済界等においても積極的な対応、あるいはここ二、三年の春闘においてもこの働き方改革の内容を言わば先取りしたとも言ってもいいような形のものも進んではおりますけれども、まだまだ、全体としてこれを進めていくためには今回お願いしている法案の成立を図っていただく。しかし、成立を図っただけではこれはスタートでしかありません。
 そして、総理もよく言われているように、特に長時間労働というのは、ある意味で日本の企業文化であり、一定年齢以上の人にとってはもうワークライフの一つのスタイルにもなっているわけでありますから、これを解消していくという意味においては相当な努力をしていく必要があると思います。
#364
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 不断の見直しが必要だという中におきましては、先ほどから何度も同僚議員が申し上げておりますように、やはりしっかりと従業員の皆様方、雇用されている皆様方の声を吸い上げていくというその努力が私はまだまだ不足しているからこそ、このような形で大きく議論をしていかなければならないんだろうと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 先ほど大臣もおっしゃいましたけど、やっぱり休むというような文化が日本にはございません。有給取得率もまだまだ五〇%、これ世界的に見ましてももう最低ではないかと言われております。やはりこの辺りの休み方改革ということも私は進めていただきたいんですけど、御意見いただけますか。
#365
○国務大臣(加藤勝信君) 例えば、ヨーロッパを見ると非常に長期なバカンスを取っておられる国もあるわけであります。しかし、日本でこの年次有給休暇の取得率を見ても、平成二十八年は四九・四%、微増とは言えますけれども五割を下回る、こういう水準にもなっておりますので、そうした取得をしっかり推進していくということが大事だと。
 そういう意味で、今回の法案では、十日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、そのうち五日については使用者が毎年時季を指定して与えなければならないと、こういう施策を入れる、ある意味では入れていかざるを得ないと言ってもいい状況だと思いますけれども、そういった形でそれを推進していこう、こういうことでもありますし、また、厚生労働省としても従前から年次有給休暇の取得促進のため様々な施策を打たせていただいているところでございますので、そうした有給休暇をしっかり取れていく、あるいは長時間労働も是正していくということと一緒だと思います。
 ただ、そのために旗を振っているだけでは駄目でありまして、やっぱり中小企業等でそうしたことに取り組んでいただくためには、やっぱり生産性を上げるとか様々な施策を同時並行して持っていかなければ、なかなかこうしたものを具体的に実施できる環境というのをつくり上げ得ない、そういった助成措置等もしっかりと、まず知っていただかなきゃなりませんけれども、周知をし、利用していただき、それと並行してこうした休み方についての改革といいますか、あるいは休暇の取得を図っていきたいというふうに思います。
#366
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 このような形で改革が進む。改革が進むと、今回の法案改正だけでも結構でございます。自分たちはどういうふうに労働が変わっていくんだろう、多分国民は注目していると思います。一言で言ってどのように変わるんでしょう。お願いできますか。
#367
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、もちろん一日あるいは一時間の使い方というものをいろいろ工夫をしていただくという意味での生産性の向上というのも必要になってくるわけでありますが、同時に、そういうことを通じて、例えば、今までだったら夜の十時ぐらいまで働いている、十一時まで働いている。それが六時とか五時とか、帰っていく。そうすると、そういう時間ができる。その時間を、中にはもうずっと慣れちゃって、その時間をどうやって使っていいか分からないなんて声も正直私の耳には入ってきますけれども、それを家族として一緒に使う、自分の自己研さんに使う、様々な使い方もあると思います。
 それから、休みについていえば、一定まとめて取れば、それぞれ家族としてあるいは自分として、様々な、例えば旅行するなり自分磨きにも使えます。
 加えて、そういった時間ができると、例えば地域で一緒に同じ時間に休みを取るようなことができれば、地域活動に対する参加も上がっていくということでありますから、より地域のコミュニティーのきずなが高まっていくし、それがまた暮らしやすいことにもつながっていく。
 そういった意味で、様々な効果というものが私は期待できるし、それを実現していきたいと思います。
#368
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そのメッセージが全く伝わっていないのではないかというふうに私は危惧いたしております。しっかりと自分の生活を変えなきゃいけない、効率的に生産性を上げていくためには何が必要なのか、労働とは何なのか、働くというのはどういうことなのか、しっかりこれから、私は、皆様が、一人一人が考えていかなければならない大きな課題だと思っておりますので、お願いをしたいと思います。
 私も、法案の中身、様々見せていただきました。
 まず、事業主の責務というものを規定し、この法文の中にも入っております。第六条でございます。残念ながら、ここには健康という文字が見えてきませんけれども、これ、小川局長、何ででしょう。教えていただけますか。
#369
○政府参考人(小川誠君) お答えを申し上げます。
 働き方改革は、働く方一人一人の事情に応じた多様な働き方を可能とすることで、誰もが生きがいを持ってその能力を存分に発揮することができる社会をつくっていこうとするものであり、そのために事業主が果たすべき役割の重要性を踏まえ、事業主の責務に関する規定を改正しております。
 具体的には、第六条第一項に、事業主は、労働者が仕事と生活の調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる環境の整備に努めなければならないことを明記しておりますけれども、委員御指摘の労働者の健康に対する配慮もここに含まれているものと考えております。
#370
○薬師寺みちよ君 私は書いてほしいと思います。
 最初に、今日趣旨説明がございました。その中でも過労死のことが入っています。何で、健康という文字がここに私は出てこないのか、大変これは疑問に思っております。
 ところで、この第二章で国が定めるということになっております基本計画、何年ごとに見直しを行っていくんでしょうか。どのようなプロセスを経るんでしょうか。小川局長、教えてください。
#371
○政府参考人(小川誠君) お答えを申し上げます。
 基本方針の見直しにつきましては、第十条第七項において、国は、労働に関する施策をめぐる経済社会情勢の変化を勘案し、基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならないとされております。
 本規定は、労働に関する施策をめぐる経済社会情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応する観点から設けているものであり、見直しは特定の期間に行うのではなく、刻々と変化する経済社会情勢の趨勢を見極めつつ、必要に応じて行うこととしております。
 また、基本方針の変更につきましては、第十条八項において、策定時の手続を準用し、都道府県知事や労働政策審議会の意見を求めつつ、閣議決定を経て行うこととしております。
#372
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この基本方針の事項を見ましても、やはり労働者の健康という記載がございません。これはなぜですか。
#373
○政府参考人(小川誠君) お答え申し上げます。
 基本方針には、第四条に規定する国の施策に関する基本的事項等を定めることとしております。
 今回の改正案におきましては、第四条第一項第一号に、各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮その他の労働条件の改善等に関する施策を充実することと規定をされまして、委員御指摘の労働者の健康に関する施策についてもこの中に含まれていると考えております。
 具体的な基本方針は法案成立後に策定をすることとなりますが、御指摘の労働者の健康に関する事項は当然に盛り込まれるものと考えております。
#374
○薬師寺みちよ君 当然に盛り込まれていなければならないことが今実行できていないからこそ、私は申し上げているんです。しっかりと健康で働かなければ意味がないんですよ。
 だから、効率化、生産性を上げる、じゃ、同じ時間でもっと多くのことを要求をされるかもしれない。例えば、今まで十時間でやったことを八時間でやらなければならない、十時間でも目いっぱいやっていたんだけれども、それを八時間に短縮してくれ、相当なストレスが掛かりますよね。これをどうやって私どもはこの中で効率化と呼んでいくのか、生産性の向上と呼んでいくのか。それはすごくやはりこれから様々な企業さんに課せられなければならない大きな課題だと私は思っています。だからこそ健康が第一、健康でなければならない、その当たり前のことが当たり前に行われるような産業でなければ、これから先、長続きしませんよね、この改革も。
 私は、ちょっとこれ疑問に思います。これなぜこの見直しのプロセスの中で都道府県知事ということが入っていますか。教えてください。
#375
○政府参考人(小川誠君) お答えを申し上げます。
 第十条第四項では、厚生労働大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ都道府県知事の意見を求めるとともに、労働政策審議会の意見を聞かなければならないことが規定されています。
 本規定は、働き方改革を進める上で地域ごとに課題が異なることや都道府県との連携が必要となることから、地方の実情や国民の意見を十分に反映できるように設けられているものでございます。
#376
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もちろん、都道府県知事、地方地方の事情も違うことがあるでしょう。だけれども、まずしっかりと、先ほどもお願いいたしました、対象となる皆様方、対象となる業界の皆様方の声をしっかりとまずは丁寧に聞いていただくことから私は始まると思っております。
 大臣、このような形で、なかなか見えてこない。せっかく大臣が、これから長時間労働を是正しましょう、健康に働いてもらうために、過労死しないようにと。でも、この文言としては見える化できていないんですよね。やはり、今回は無理かもしれません。次でしっかり私は健康という文字も入れていただきたいんですけど、御意見いただけますか。
#377
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたように、いずれにしても、これからこの法律を成立していただければこの基本方針を具体的に作っていくということになるわけでありますから、今委員御指摘の労働者の健康に関する事項、これも当然盛り込んだ議論をしていきたいと思います。
#378
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 当たり前のことが当たり前にできていない今だというその現状を、まずは皆様方にもお知らせをしなければなりません。
 産保センターのことを話させてください。皆様方に資料もお配りをいたしております。産業保健総合支援センターでございます。この役割は何でしょう。
#379
○政府参考人(田中誠二君) 労働者数五十人未満の産業医の選任義務等がない小規模事業場あるいは中小事業場における労働者の健康確保も重要な課題でございまして、厚生労働省におきましては、こうした事業場の産業保健活動に必要な支援を行う拠点として、独立行政法人労働者健康安全機構の下に産業保健総合支援センターを設置しておりまして、事業者に対する相談支援あるいは産業保健スタッフの研修、助成金事務等々、様々な支援、援助を行っているところでございます。
#380
○薬師寺みちよ君 全国に何か所ございますか。
#381
○政府参考人(田中誠二君) 産業保健総合支援センターは、四十七都道府県に一か所ずつ設置しております。また、その地域窓口として全国三百五十か所に設置をして、幅広く活動をしております。
#382
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、五十人未満の企業、しっかりこれから私は健康管理をしていただかなければならないところだと思います。五十人以上のところは産業医がいます。産業医がしっかり責任を持つ、そこはまあ持つことに今回なっておりますけれども、じゃ、産業医がいないところはやらなくていいのかという話ではないですよね。
 以前からここの活用というものを私は課題として挙げておりましたけれども、活用率は上がっていますか。
#383
○政府参考人(田中誠二君) 産業保健総合支援センター、それからその地域窓口では、先ほど申し上げましたような様々な活動をしておりますけれども、ちょっと代表的なところで申し上げまして、平成二十七年と二十九年で比べてみますと、まず、医師や保健師等の事業場への訪問支援につきましては、二十七年が二万七千件近くが二十九年には三万五千件近くになっております。また、ストレスチェック等の専門的な相談への対応につきましては、二十七年が約九万三千件が二十九年では十一万六千件、それから、事業者向けセミナーや産業医の専門的な研修につきましても二十七年以降約一万件前後で推移しておりまして、その活動内容、業務内容は拡充しております。
#384
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これで部長は十分だと思っていらっしゃいますか。
#385
○政府参考人(田中誠二君) 先ほど五十人未満というふうに申し上げましたけれども、五十人未満の事業場に働く方々は労働者全体の六割を占めるということで、様々な形で産業保健の機能強化をしてまいらないといけないと思っております。
 基本的には、五十人未満のところについてもできるだけ健康管理を行う医師等を選任していただくということを進めるとともに、そこまでなかなか難しいところ、ノウハウがないところについてはこうした産業保健総合支援センターの機能で補っていくという考え方ですけれども、正直申しまして、十分ニーズに応えられていない部分もございます。
 今回の働き方改革の中では、健康確保、非常に重要な課題だと考えておりますので、予算措置も含めて大きく拡充していきたいと考えております。
#386
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今回の産業医、産業保健の機能強化についてということで内容も改正されるんですけれども、労働者の四割の方しか対象になっていないということが問題なんです。ですから、あと六割の方をしっかりと健康管理していただくための施策が私は本来は充実されるべきだと思います。
 ですから、今回、じゃ、この産保センターの中で、この法律が制定されることによって権限強化する部分がありますか。
#387
○政府参考人(田中誠二君) 今回の労働安全衛生法の改正では、働く方が健康の不安なく、働くモチベーションを高め、その能力を最大限に発揮できるように、産業医、産業保健機能の強化を図るものでございます。
 そうした中で、産業保健総合支援センターについては、法律上の位置付け自体、権限自体はありませんけれども、産業医、産業保健機能の下支えをする機関として、仕組みとして、予算的にも、二十九年度約三十六億円から三十年度四十四億円という形で二割以上の強化をしております。
 具体的には、全センターに常勤の保健師を配置して事業場への訪問支援や専門的な相談への対応を行うように強化する、あるいは、労働者数五十人未満の事業場が保健師を選任したり産業保健活動に取り組ませたりした場合の費用の助成を行う、産業医の生かし方などの新規のセミナーの企画を実施するなどの支援に取り組んでまいりたいと思います。
#388
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいたように、この産業保健総合支援センター、まだまだ脆弱なんですよ。地域によって全く体制も違いますですよね。力を入れてくださっているところもあれば、形骸化しているところもある。そんな中で、皆様方がどうやってここを利用していただくのか。この存在さえも御存じのない方がほとんどです、労働者の皆様方。しかし、ここが機能するためにはどうしたらいいのかということを、私は、知恵を働かせていただかなければならない。
 今後、その活用を考えるということになってまいりますけれども、大臣、どうなさいますか。
#389
○国務大臣(加藤勝信君) 今部長からも御説明申し上げたように、今回の労働安全衛生法の改正では、産業医、産業保健機能の強化が図っていこうというわけでありますけれども、一方で、中小企業あるいは小規模事業者においては、この産業保健活動に取り組む十分な体制、ノウハウ、これがなかなか整っていないというところが多いわけでありますし、実際、そうした中で、産業保健総合支援センター、役割は一層重要であります。活用の度合い、状況については先ほど若干御説明がありましたけれども、まだまだ、対象とする中小企業の数、あるいはそこで働く方々からすればまだまだだという認識をしております。
 そういった意味で、今、全国三百五十か所に設置しております産業保健総合支援センターの地域窓口を通じて様々な支援をし、中小企業の産業保健活動を後押しをしていきたいというふうに思っておりますが、そういった意味において、まだこの産業保健総合支援センターあるいはその地域窓口、今十分知られていないという御指摘もありますので、様々な機会を通じて、あるいは関係団体を通じてしっかりとその周知を図るとともに、そうしたニーズが高まっていく、産業保健総合支援センターに対するニーズが高まっていかなきゃいけないわけでありますけれども、そうした高まりをつくり、そしてその高まりに対応できる体制をしっかり整備していきたいと思います。
#390
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私はバッジをはめたときからずっと五年間これをお願いしているんですけれども、なかなか進んでいきません。しっかりと労働者の健康を守るとは一体何なのかということを厚労省もそろそろ本気になって考えていただかなければならないと思っております。
 その中で、働き方改革推進支援センター、先ほどから出ておりますけれども、について、これも本年度の四月から開設したということでございます。これの役割と今回の法改正、どのように結び付いていますか。お願いします。
#391
○政府参考人(宮川晃君) 働き方改革につきましては、大企業だけではなく、我が国の大宗を占めます中小企業・小規模事業者においても前向きに取り組んでいただくことが重要だと考えております。
 特に、人事の専門部署を持たず、働き方改革の意義を十分理解し取り組む余裕がない中小企業・小規模事業者にも働き方改革を浸透させるためには、労務管理の技術的な相談等必要な支援を行っていく必要があると考えております。
 このため、厚生労働省といたしましては、今年度より全国四十七都道府県に働き方改革推進支援センターを設置いたしまして、長時間労働の是正や同一労働同一賃金に対応するための賃金制度や就業規則等の作り方、見直し方などにつきまして、一つは労務管理などの専門家が事業所への個別訪問などによりコンサルティングを実施するとともに、商工会議所、商工会等と連携を図って中小企業・小規模事業者向けのセミナー、出張相談会を行うほか、生産性向上あるいはIT投資など企業経営に関する相談につきましては、よろず支援拠点と連携を図り、一体的に支援することとしておるところでございます。
 このような取組を通じまして、働き方改革の取組を浸透させてまいりたいと考えております。
#392
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、資料二にも、皆様方にお配りしておりますけれども、ホームページで広報されております。まだ四月からで仕方がないんですけれども、その下にあるウエブサイト、まだ全然アクセス数伸びてないですよね。知らないんです、誰も。
 先ほど私が申しました産保センターとこの働き方推進の支援センター、どういうふうに連携していらっしゃるんですか。
#393
○政府参考人(宮川晃君) 働き方改革の取組を進めていくためには、様々な関係機関との連携が大切であると考えております。
 中小企業・小規模事業者の事業主の方から働き方改革推進支援センターに対しまして労働者の健康管理等に関する相談が寄せられた場合には、この産業保健総合支援センターの実施する事業を紹介し、適切に取り次ぐということを定めているところでございます。
 このように、関係機関と適切に連携し、働き方改革の取組を進めてまいりたいと考えております。
#394
○薬師寺みちよ君 だから、私が先ほどから申し上げておりますのは、もっと一体化しませんかということなんです。働き方改革と健康管理って一体でなければならないんですよ。それが管轄が違うのでというところでまた別々に窓口ができちゃったんですよ。これ、ワンストップサービスなんて言っていますけれども、ワンストップじゃないですよ。健康管理がなってない、じゃ、なぜなのか、長時間労働じゃないか、じゃ、こういうふうに就業規則を見直すべきじゃないかというふうに提案がつながっていかないんですよ、これでは。いつまでたっても、人事は人事、健康管理は健康管理。本当は、長時間労働があるからこそこういうふうにしなきゃいけない。そこの連携がまるで行われないんだったら、全く意味がないじゃないですか。だから、しっかりここは、私は本当はこれ窓口一本化して一つにすべきだというふうにも思いました。大臣、何か御意見ございますか。
#395
○国務大臣(加藤勝信君) 今それぞれ、産業保健総合支援センター、また働き方改革推進支援センター、特にこの後者の方はこの四月からスタートしたということで、組織として、窓口として別々で機能しているわけでありますけれども、目指すべきところは、広い意味での目指すべきところは委員御指摘の一点であるという、そこをしっかり共有をしながら、連携を図りながら、また共有化できるものは共有化していきながら進めさせていただきたいというふうに思います。
#396
○薬師寺みちよ君 それをしなければ意味がないんです。中小企業の皆様方ですから、様々な専門の部署がない。だからこそ、一気に引き受けて何が問題なのかということを洗い出しをして、そこで次に進むべきものではないですか。
 じゃ、長時間労働がなぜ起きているのか。じゃ、どうしてこういうふうに効率化できないのか。それを一体として考えたときに、いつまでたってもこれ、両輪で両輪でといったら、平行なんですよ。
 本当に一つの会社で考えるんだったら、もちろん、誰かがそこで責任を持ちながらそれを統合しますよね。それを統合する人がいない。片方で、またこちら片方で、もう片輪ずつ回っていっても、結局は中小企業の皆様方にとって、長時間労働だとか、もちろん、その効率化、生産性の向上、全然結び付いていかないまま走っていく、これが現状でございますので、そこはしっかりと肝に銘じて、私は今回の法案も運営していただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
#397
○委員長(島村大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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