くにさくロゴ
2018/06/26 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第23号
姉妹サイト
 
2018/06/26 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第23号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第23号
平成三十年六月二十六日(火曜日)
   午前十一時二十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     三木  亨君
    三原じゅん子君     徳茂 雅之君
     足立 信也君     柳田  稔君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                鶴保 庸介君
                徳茂 雅之君
                藤井 基之君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                柳田  稔君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  牧原 秀樹君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田畑 裕明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣人
       事局内閣審議官  古澤 ゆり君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   合田 秀樹君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       スポーツ庁審議
       官        藤江 陽子君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       厚生労働省職業
       安定局長     小川  誠君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  宮川  晃君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇働き方改革を推進するための関係法律の整備に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
〇労働安全衛生法の一部を改正する法律案(石橋
 通宏君外五名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長山越敬一君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(島村大君) 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○石井みどり君 おはようございます。
 本日は、安倍総理に御質問させていただきます。
 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案は、戦後の労働基準法制定以来、七十年ぶりの大改革であると今国会冒頭の施政方針演説において安倍総理はおっしゃっておられました。
 総理としては、この改正によって日本社会の在り方をどのように変えて、どのような国にしたいとお考えか、お伺いしたいと存じます。
#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣が目指すのは、高齢者も若者も、女性も男性も、あるいは障害や難病のある方も、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現であり、その最大のチャレンジが働き方改革であります。
 働き方は日本の企業文化そのものであり、日本人のライフスタイルに根付いたものであります。長時間労働についても、その上に様々な商慣行や労働慣行ができ上がっています。それゆえ、多くの人が働き方改革を進めていくことはワーク・ライフ・バランスにとっても生産性にとっても良いことと思いながらも実現できなかったものでありますが、もはや先送りは許されないと我々は判断をしたところでございます。
 人生百年時代においては、新卒で皆が一斉に会社に入り、その会社一社で勤め上げて、定年で一斉に退職して老後の生活を送るという単線型の人生は、時代に適合しなくなっております。それを一斉にみんなで送るということではなくて、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択ができるようになるべきと考えております。
 私の目指す働き方改革は、誰もが幾つになっても学び直しをしながら新たなチャレンジをする選択肢を確保できるようにすることでありまして、日本的雇用慣行には人を大切にするという優れた点があり、これを大切にしながら、時代の変化を踏まえ、働く人々の視点に立って、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現してまいります。
#7
○石井みどり君 今回の法案は、アクセルとブレーキ、規制緩和と規制強化、両方の面を持っている、そのことが法案の分かりにくさにつながっているという御批判がありました。特に、高度プロフェッショナル制度について、野党の方々は過労死促進法案などと批判をされています。
 労働者の健康確保のための労働安全衛生法の改正を含め、決して過労死促進法案ではない様々な措置が盛り込まれていると承知していますが、総理自らのお言葉で国民に伝え、本法案の必要性についてお訴えをしていただきたいと存じます。
#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自らが選択することができるものであり、労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越え、自らの創造性を発揮できるようにするための制度であります。働く方にとっては、時間や場所にとらわれない、自律的で創造的な自由な働き方の選択が可能となります。
 この際、御指摘のとおり、健康確保については十分留意しており、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けるとともに、長時間働いた場合には医師による面接指導を義務付けることとしており、制度の対象となる方の健康の確保に遺漏なきを期してまいる考えでございます。
#9
○石井みどり君 ありがとうございました。これで終わります。
#10
○伊藤孝江君 おはようございます。公明党の伊藤孝江です。総理、よろしくお願いいたします。
 今日は、教員の働き方改革ということで、部活動の関係に関してまずお伺いをさせていただきます。
 長時間労働が問題になっている教員の仕事の中で、中学校、高校の部活動への従事に関して、まず部活動の性質が明らかではないということからも、なかなか部活動への関与にどのように教員が関わるべきかというところが決められないというふうな影響をされていると思います。
 この中学校、高校の部活動の在り方につきましては、平成三十年、今年になりまして、教員の働き方改革という観点からの通知、また生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点からもガイドラインが示されております。
 この部活動におきましては、生徒同士や教員と生徒との人間関係が生まれる、また、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感などに資するなど教育的な観点も大きいというふうに私自身も教員の方からもたくさんお聞きをしております。教員の方も部活動を担当するのが嫌なのではなく、部活動をしながらも生徒との関わりや他の業務に充てる時間、休みが欲しいというふうな声をたくさんお聞きをしました。
 この通知の中では、部活動は、学校の業務ではあるけれども必ずしも教師が担う必要のない業務というふうに分類をされております。例えば、教員の働き方改革の取組の一つとされている外部人材の登用というものがありますが、これは実技指導に重きを置かれているように思われます。
 この部活動の教育的観点と教員の働き方改革との関係をどのように考えるべきか、教員の業務において部活動の位置付けをまずどのように捉えるべきかについて、総理の御所見をお願いいたします。
#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、部活動は学校教育の一環として行われ、体力や技能の向上のほか、好ましい人間関係の構築に資する等、教育的意義が高いものと考えております。他方、活動時間が多過ぎると、生徒の健康への影響がある、あるいはまた日常の部活動の指導や大会引率に係る教員の負担が大きいなどの課題があるのも事実であります。
 今後、学校における働き方改革を一層進める必要があり、その際、教員が子供と向き合える時間を確保し、教員が今まで以上に誇りとやりがいを持てる環境をつくり出すことが重要と考えております。
#12
○伊藤孝江君 また、今年の三月には、文科省、スポーツ庁におきまして、都道府県宛て、また校長先生宛てなどに運動部活動の在り方に関する方針を策定することを依頼するなどの文書も出されております。
 部活動に関して、都道府県や教育委員会、校長等に投げかけた課題を結局は学校任せにした、何も変わっていないという事態にならないために、今後、国としてどのように推進、また後押しをされるのか、具体的な取組等をお願いいたします。
#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、運動部活動について、適切な活動時間や休養日についての設定、遵守とともに専門的な指導が行える部活動指導員の配置等を盛り込んだガイドラインを作成したところであり、文化部活動についても同様の取組を検討しています。更にこのガイドラインが徹底されるよう、部活動指導員の制度や配置などの取組を進めているところであります。
 今後とも、子供たちの心身の健全な成長や教員の負担軽減を図るため、教員の働き方改革にもしっかりと取り組んでまいる考えでございます。
#14
○伊藤孝江君 よろしくお願いいたします。
 続きまして、同一労働同一賃金に関しまして、高齢者の再雇用の点でお伺いをしたいと思います。
 今現在は、六十代後半、また働ける限りは働きたいという高齢者の方もたくさんおられ、定年後の再雇用、継続雇用も多いのが現実です。ただ、実際には、再雇用、継続雇用の場合に賃金が半分に減ってしまったというような御相談もたくさんお受けをするところです。
 これまでは、終身雇用という働き方が中心だったこと、また、退職金で住宅ローンを完済したり、年金で生活の安定が確保できるという時代ではあったけれども、そうではなくなってきた現在において、このような賃金の設定の仕方が、どのようにそれを考えるべきなのか、この点についてまだ明確な考えが示されていないというふうに考えております。
 高齢者の活躍の観点、また労働意欲をしっかりと持ち続けていただくという点においても、定年後の再雇用、継続雇用における賃金の減額の問題についてはしっかり考えていかなければならないというふうに思います。
 この点について総理がどうお考えなのか、またあわせて、今後の検討がどのように進められていくのかについても御答弁いただけますでしょうか。
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 働く意欲ある高齢者がその能力を最大限発揮できる社会をつくることが重要と考えております。
 定年後の継続雇用の有期雇用労働者については、今回政府が導入しようとしている同一労働同一賃金の対象となります。このため、事業主には、個々の待遇の性質、目的に照らして、実態に違いがなければ同一の、違いがあれば違いに応じた支給をすることが求められています。労働者が使用者のこの判断に異論がある場合には、この法律に基づいて訴訟を提起し争う権利が保障されることとなります。この意味で、不合理な待遇差がある定年後の有期雇用労働者についても保護が与えられることになります。
 御指摘の、例えば公的年金の支給等が定年後の継続雇用における給与の減額に当たりどのように勘案されるかについては、個々のケースに応じて、法に基づいて司法において判断されるものと考えておりますが、なお、実際に裁判に訴えるには経済的負担を伴うため、裁判外の紛争解決手段、いわゆる行政ADRを整備し、労働者が身近に無料で利用できるようにする考えでございます。
#16
○伊藤孝江君 なるべく司法的な解決にという方向にならないような形のしっかりとした基準等で、またガイドラインへの書き込みも含めて御検討いただきたいと思っております。
 最後に、もう一問、総理に質問をさせていただきます。
 働き方改革の実現に向けては、法改正やルール作りに加えて、雇用する側、雇用される側の双方が一人一人意識を変えていくことが不可欠だと考えます。終了時間が来たら帰る、有給休暇を取るなどの勤務の仕方を気兼ねなくできるかどうかは職場環境の影響も大きく、従業員の側にも、他の従業員の労働環境を相互に守り合う、そういう意識が求められると思います。
 総理は、今国会を働き方改革国会と銘打ち、この法案を最重要法案と位置付けられております。目的は、ただこの法律を成立させることそのものではなく、この法律を成立させた先にある目指すべき社会の構築であり、法律が成立しても働き方改革への取組は続いていくものと考えます。
 この国会での審議を経る中で、改めて、働き方改革法案の持つ重要性、また時間外労働の上限規制であるなど、この法案に規定された内容を着実に実現していくための取組と総理の決意をお伺いいたします。
#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣が目指す社会は、高齢者も若者も、あるいは女性も男性も、難病やあるいは障害のある方も、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現でありまして、その実現のための最大のチャレンジがこの働き方改革であります。
 長時間労働を是正することでワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者が仕事に就きやすくなり、男性も子育てを行う環境が整備されます。経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性が向上していきます。同一労働同一賃金を実現し、そして正規と非正規の労働者の不合理な待遇差を是正すれば、どのような雇用形態を選択しても自分の能力が評価されているという納得感が得られ、そして働くモチベーションが高まる処遇を受けられるようになります。また、高度プロフェッショナル制度を創設し、労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越え、自らの創造性を発揮できるようにします。
 これらの実現を目指すのが働き方改革関連法案でありますが、働き方は日本文化そのものであり、日本人のライフスタイルに根付いたものでもあります。長時間労働についても、その上に様々な商慣行や労働慣行ができ上がっています。働き方改革を実現するためには、本法案による制度整備に併せ、委員御指摘のとおり、労使双方の意識も変わっていかなければならないと考えています。
 本法案を施行し、働き方改革を進めていく上では、全都道府県に設置する働き方改革推進支援センターや御党の提案により創設をした地方版政労使会議の活用、そして全国各地でのセミナーの実施、パンフレットやホームページによる情報発信などにより、働き方改革の趣旨や重要性、また求められる取組について丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
#18
○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
#19
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 まず冒頭、総理が働き方改革に対して真摯な姿勢をお持ちかどうかというところを確認させていただきたいと思います。
 五月十六日、全国過労死を考える家族の会の方から、安倍総理に面談を求める書面が出されております。総理、これ当然、その書面、御自身で受け取って、その内容を読まれているということでよろしいでしょうか。
#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その書面を私が受け取ったかということについてでありますが、その書面については秘書官から説明を受けているということでございます。
#21
○浜口誠君 いや、僕は、説明を受けているんじゃなくて、書面を実際に手に持ってその中身を読まれていますねということを確認させていただいております。
#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その書面自体を、そのものを私は見ているわけではございませんが、書かれている中身等についての説明を受けたということでございます。
#23
○浜口誠君 ちょっとびっくりしましたね。もう当然、書面は受け取って、その内容についても読まれていると、私はそう思っていました。それはなぜかといったら、今回の国会、働き方改革、最重要課題だと、働き方国会だと、総理は冒頭から所信の中でも言われておられます。そういった中で、過労死遺族の、家族の方の真摯な思いをしっかり受け止めていくというのは、これは至極当然なことだと思います。
 なぜ総理は家族の方とお会いにならないんですか。これはもうハートの問題ですよ。誠心誠意、家族の方の気持ちに寄り添ってその意見を聞いていく、これをなぜやらないんですか。
#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さないとの強い決意であります。政府としては、史上初めて罰則付きの時間外労働の上限を設けることなどを内容とする働き方改革関連法案の成立に全力を挙げております。
 御指摘の面会要請については、政府として検討した結果、働き方改革関連法案に対する御意見であることから、その担当省庁であり、内容、経緯等を熟知している厚生労働省において対応させていただくこととしたものであります。
 私としては、法案を担当する厚生労働大臣ないし役所から家族の会の御要望についてしっかりと承りたいと考えているところでございます。また、過労死をなくしたいとの思いをしっかりと受け止め、全力を尽くしていく考えでございます。
#25
○浜口誠君 家族の会の方は、別に法案のテクニカルなことを総理に相談したいわけではないと思います。まさに、大切な御家族を失ったそのつらい思いを、切実な思いを今回の法案の審議に当たって総理に直接会って伝えたいと、そういう本当に謙虚なお気持ちでお会いしたいということを言われているというふうに思っておりますので、やはり総理、そこは真正面から受け止めていただく必要が私はあるというふうに思っております。今からでも遅くないと思います。是非、家族の会の方と実際にお会いをして、直接耳を傾けていただくことを強く求めたいというふうに思います。
 それでは、高プロに関してお伺いしたいと思います。
 高プロはこの委員会でも三十時間以上議論してきています。この高プロだけじゃないですけれども、働き方改革全体がですね。とりわけ、高プロについては、我々野党側も、高プロの場合は労働時間の客観的な把握ができない、そこが非常に問題だと、しっかりと客観的な労働時間の把握をできる仕組みづくり、これをしっかりやるべきだということは再三指摘をさせていただいております。しかし、政府側からその点についての何ら突っ込んだ答弁はいまだにいただいていません。
 さらに、対象業務についても曖昧なままです。限定列挙すると言われていますけれども、どこが、どういう業務が対象なのか、全然我々には伝わってこない。
 もっと言えば、年収要件一千七十五万円ということは言われていますけれども、その算出根拠も理論的に不明快です。我々からすると、将来その一千七十五万円がもっともっと引き下がるんではないかと、そういう不安はより一層高まっています。
 更に言えば、働く皆さんがこの高プロを本当に望んでおられるのかどうか。政府は十二名の方からヒアリングしたというような説明もありましたけれども、実際に法案ができる前に聞いたのはたった一人です。全くこの高プロに対する立法事実も我々にとっては納得ができない、そういう実態にあります。
 今回の高プロ、これまでの議論でそういった状況にあるということを総理はどなたから御報告を受けておられますか、そこをお伺いしたいと思います。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高プロ制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができる、高い交渉力を有する高度専門職に限って、自律的な働き方を可能とする制度であります。
 御指摘のように、既に本委員会でも三十時間を超える審議が行われており、その中で、厚生労働省から高度プロフェッショナル制度について丁寧にお答えをさせていただいていると承知をしております。その審議の状況については、私も秘書官等を通じて必要に応じて報告を受けているところでございますが、基本的にはこの法案を所管する厚生労働大臣に任せているところでございます。
 この制度の対象者は、適用対象者は、これもう今まで繰り返しているわけでありますが、次の条件を満たす者に限定されているわけでありまして、第一に、年間の賃金が平均的な労働者に対して著しく高いこと。具体的には、年間平均給与額の三倍を相当程度上回る水準、現状では千七十五万円以上の方であること。第二に、専門性があり、通常の労働者と異なり、雇用契約の中で職務の記述が限定されていること、いわゆるジョブディスクリプションがあること。第三に、何より本人が制度を理解して個々に書面等により同意していること。また、衆議院による修正により、その同意の撤回に関する手続も法律に明確に位置付けられている。このため、本制度は望まない方には適用されることはないため、このような方への影響はないと理解をしています。加えて、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けており、こうした措置を通じて高度プロフェッショナル制度で働く方々の健康確保に遺漏なきを期していく考えであります。
 国会での法案修正あるいは附帯決議、さらに審議で議論になった点については十分に留意をしつつ、法の円滑な施行に政府一丸となって当たっていきたいと、こう考えております。
#27
○浜口誠君 るる説明いただきましたけれども、全然この委員会でも議論深まっていないんですよ。法案が成立した後も、決めなきゃいけない、省令等で決めなきゃいけない項目は六十以上にわたるというのはもう答弁で確認できているんです。そういう実態にあるということを、まだまだ全然この議論は深まっていないということは総理も十分御認識いただく必要があると思います。
 そんな中で、今回の高プロ、一番問題は、高プロは健康管理時間というのを把握しなきゃいけないと、これは使用者に義務付けされています。ただ、この健康管理時間は実労働時間ではないんです。ここが肝なんですよね。実際、高プロで万が一過労死で亡くなられた方は、働いた時間というのを把握することがこれ極めて困難というよりも不可能ですね。もうそういう状況なんです。したがって、労災申請したくてもできない、労災申請しても申請が認められない、こういったことが起こるんではないかと、この不安だとか課題は何回もこの委員会で指摘させていただいております。
 高プロのような労働時間規制が外れる労働者の皆さんほどしっかりと厳格に時間管理はやっていく必要があるというふうに思っています。したがって、この高プロにおいても実労働時間を管理する、記録する、そのことを使用者の方に義務付けるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高度プロフェッショナル制度は、先ほど申し上げましたように、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択できることにする制度でありまして、基本的に高い交渉力を有する高度専門職に限って、自律的な働き方を可能とする制度であります。この制度においても、長時間労働を防止をし、そして健康を確保することは重要であり、制度導入に当たっては、在社時間等の健康管理時間を客観的に把握することを使用者に義務付けております。したがって、これを把握し、把握して記録しなければ制度は導入できないということであります。
 なお、労災認定に当たっては、高度プロフェッショナル制度の方であっても、会社への入退館の記録や同僚への聞き取りなど、様々な方法によって実態がどうであったかを調査し、認定を行っていくものと承知をしております。
#29
○浜口誠君 では、聞きます。労災認定において必要な時間は健康管理時間なんですか、実労働時間なんですか、どちらなんですか。
#30
○国務大臣(加藤勝信君) 労災認定においては、その方の働いていた時間というものを把握するということでありますけれども、今回の健康管理時間、もうこれまでも御説明してまいりましたけれども、事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間との合計、これを健康管理時間とすると。そして、これを客観的に把握するために、パソコンのログイン、ログアウトの記録等々についてそれを確保するということを申し上げてきているわけであります。
 いずれにしても、この健康管理時間の中には実労働時間数を含まれているわけでありますから、それも一つの参考にしながら、先ほど総理から御答弁いただきましたけれども、これは過労死の労災請求がなされた場合には、これは通常の労働時間規制が適用されている場合と基本的には同じになりますけれども、様々な記録あるいは業務日誌、あるいは同僚、取引先の聞き取り、こうした方法によって労働基準監督署がこれは独自に調査をして、実際に働いた時間、これを把握して、それに基づいて判断、まあそれ以外の要素もありますけれども、労災の場合には、それを基に判断をすると、こういうことになるわけであります。
#31
○浜口誠君 今、加藤大臣からも答弁いただきましたけれども、もうこの場での同じ議論の繰り返しです。何ら我々の問いに対して踏み込んだ発言もないし、同じ答弁の繰り返しにとどまっているということも、改めてこれは総理にも認識していただきたいと思いますけど、そういう状況なんです。もうこれ以上突っ込んでも多分同じ答弁の繰り返しなんで、もうこれ以上はやりませんけれども。
 続いて、高プロで働く皆さんのやはり命と健康を守る、これは非常に重要なことだと思います。そんな中で、今、健康確保措置の選択肢の一つとして健康診断があります。これは選択肢の一つなんで、どれかやればいいよという中の一つなんですけれども、やはりこの健康診断は、もう高プロの方には、先ほどの健康管理時間あるいは実労働時間の把握の義務化と併せて健康診断についても義務化すべきだと、そうしないと高プロの皆さんの命と健康は守れないと思いますけれども、いかがですか。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この高プロにおいてもこの健康管理をしっかりとしていくということは極めて重要であるというふうに考えております。
 在社時間等の健康管理時間の把握や、年間百四日の休日確保を義務付けることとしています。これらに加えて、御指摘の臨時の健康診断やインターバル措置などから労使の話合いにより選択したものの実施を使用者に義務付けることとしております。これらの措置を講じなければ、制度の導入はできません。これらは連合から私への要請を踏まえて健康確保措置を強化したものであり、これらの措置を通じて高度プロフェッショナル制度で働く方々の健康確保に遺漏なきを期していく考えであります。
 なお、健康確保措置は、労使の話合いの下、それぞれの事業場に合ったものを選択していただくことが重要であり、臨時の健康診断のみを義務化することは適当でないと考えております。
#33
○浜口誠君 今日も議論させていただきましたけれども、やはり高プロについては、長時間労働、過労死へつながる働き方、この不安は全く払拭できておりません。したがって、高プロはこの法案から削除すべきだと、このことを改めて、改めて強く求めておきたいと思います。
 では、続きまして、時間外労働の上限規制、これの適用猶予、適用除外となっている業種があります。自動車運転の業務ですとかあるいは建設事業ですとか医師の方、研究開発職、こういった皆さんについては、やはり一刻も早く一般則が適用できるように環境整備を整えていく必要があると思います。
 また、先ほど伊藤先生の方からお話ありましたように、教員の皆さん、教員の皆さんも長時間労働、今非常に問題になっています。こういった皆さんについても、今の教員の皆さんの労働時間の実態がどうなのか、あるいはその負荷を下げるための対応は何かできないのか、もっと言えば、給特法、これの改正もしっかり視野に入れて、今後のあるべき姿、やらなきゃいけないこと、これを議論していく必要があるというふうに思っております。
 こういった点について、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
#34
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 時間外労働の上限規制の適用猶予や適用除外については、私自らが議長となり、労使トップにお集まりいただいた働き方改革実現会議において働き方改革実行計画として決定されたものであります。その計画に沿って、業界、業種ごとの特性を踏まえながら、長時間労働を是正するための環境整備など、必要な取組を進めてまいります。
 時間外労働の上限規制の適用が猶予又は除外される業種、業務への具体的な対応については、厚生労働大臣から必要であれば答弁をさせたいと思いますが、教員については、今、特に教員について御指摘がございましたのでお答えをさせていただきますが、学校における働き方改革については、教員が子供と向き合える時間を確保し、教員が今まで以上に誇りとやりがいを持てる環境を目指すものであります。このため、昨年度、緊急対策を取りまとめ、適正な勤務時間管理、業務の効率化、学校体制の効果的な強化などの取組を進めているところでありますが、引き続き、教員の勤務の在り方について検討を進めてまいりたいと、このように思います。
#35
○浜口誠君 是非、今指摘させていただいた仕事、業種、これについては一刻も早く一般則の適用が図られるように、政府としても強力に取り組んでいただきたいと、このことをお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、パワハラ規制法案、さらにはワークルール教育推進法案についてお伺いしたいと思います。
 この委員会でも、参考人質疑で来ていただいた参考人の方、あるいは地方公聴会の公述人の方からも、やっぱりパワハラ規制法案、これ野党が提出している法案なんですけれども、しっかりと成立させてほしいと、今職場を見ればパワハラで大変困っている方も多いと、もう喫緊の課題だということで非常に強い要望もいただきました。もう早期に是非このパワハラ法案成立させていただきたいと思います。
 一方で、働き方も多様化している中で、労働者の方もあるいは使用者の方も、ワークルール、これについてしっかりと理解をしておくことが重要になってきております。そうしたワークルール教育を進めていこうというワークルール教育推進法案も、これも非常に重要な法案だというふうに思っておりますので、この法案についても、与野党問わず、しっかりと成立させるための努力をしていく必要があるというふうに思っておりますが、総理のお考え、いかがですか。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 職場におけるパワーハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないことと考えております。そのため、労使双方への周知啓発を進めています。
 さらに、職場のパワーハラスメント防止対策を強化するため、有識者や労使関係者が参加した検討会において対策の在り方や論点等に関する報告書を本年三月に取りまとめたところです。今後、この報告書を踏まえて、労働政策審議会において具体的な対策について議論を進めてまいりたいと思います。
 また、いわゆるワークルール教育については、働く方や経営者の方々に労働法令や社会保障制度に関する知識を身に付けていただく観点から重要であると考えており、こうした知識についての教育、啓発に取り組んでいるところであります。
 なお、御指摘のワークルール教育推進法案については、まだ国会に提出されていないものと承知をしております。一方、既に提出をされているパワハラ規制法案については議員立法に関するものであることから、国会において御判断をいただくべきものと考えております。
#37
○浜口誠君 これ、二つの法案については、もう政府としてもしっかりと成立に向けて努力していただきたいと思います。
 今日も議論しましたけれども、まだまだ働き方改革法案、審議が不十分です。しっかりとした審議を求めて、私の質問を終わります。
#38
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 今日は、対安倍総理の質疑ということで、まあ正直私どもは、まだ安倍総理においでいただくのは早いと。今、浜口委員からも指摘があったように、まだまだ政府答弁、説明、全く不十分です。議論が深まっていない中で、総理においでいただくタイミングではないというふうに主張しておりましたが、こういう形になりましたので、総理に今日は問題点について確認をしておきたいと思いますが。
 総理、今日なぜ総理においでいただいたか。それは、この委員会でこれまで審議を尽くしてきた、いろんな問題点を明らかにしてきた、総理、それ御存じですか。さっき、秘書官からまあまあ場合によって聞いていると。それじゃ駄目なんですよ、総理。総理がこれまでいろんな場でこの法案の必要性、高プロについて説明されてきた、それが必ずしも正しくない、法案には問題がある、そういう質疑をこの委員会でしてきた。それを総理、この場で、じゃ最高責任者としての総理にそれを御判断いただく、そのためにここにおいでいただいているわけです。
 これまでの総理答弁をここで繰り返されるのでは意味がないんです。そのことを、総理、重ねてお願いをして、是非繰り返さないでください。これまでの審議を受けての問題点を指摘をさせていただきますので、総理の、総理としての御答弁をお願いしておきたいと思います。
 最初に、これ、高プロについて幾つか確認していきます、総理。
 これ本当誰のための制度なんですか。誰に要望されて誰のために設計された制度なのか、総理、この委員会でも明らかになりました。元々、産業競争力会議からの提案ですと。長谷川さんや竹中平蔵さんですよ、あの方々が提案した制度なんだと、これは加藤大臣も認められたわけです、この場で。昨日の予算委員会でも、総理、それ認められておりますね。びっくりしました。ということは、これまで総理が言ってきた、これは働く者のための制度なんだ、自由でやりがいがある働き方なんだ、誰がそんなこと言ったんですか。企業のための企業による、そういう制度なんだ、総理、そのことをもし認められるのであれば、これまでの説明はうそです。であれば、立法事実、根拠がありません。是非、それを認めるのであれば、ここで撤回してください。総理、いかがですか。
#39
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第四次産業革命の出現やグローバル化の下、活力ある日本を維持していくためには、高い付加価値を生み出す経済を追求していかなければなりません。
 付加価値の高い革新的な分野で、高度専門職の方であって、希望する方が、仕事の進め方等を自ら決定し、その意欲や能力を有効発揮することによって新しい産業が発展し、ひいては日本全体の生産性向上につながっていくと考えています。
 高度プロフェッショナル制度は、そうした考え方の下、高い年収の確保、職務範囲の明確化等の要件を設定した上で、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができる、高い交渉力を有する高度専門職に限って、自律的な働き方を可能とする選択肢として整備するものであります。
 この制度は、産業競争力会議で経済人や学識経験者から制度創設の意見があり、日本再興戦略において取りまとめられたものであります。その後ですね、その後ですよ、労使が参加した労働政策審議会で審議を行い、取りまとめた建議に基づき法制化を行ったものであります。さらに、連合会長から私への直接の要請があり、それを踏まえて健康確保措置を強化する修正を行ったものであります。
 このように、高度プロフェッショナル制度については、働く方の御意見を十分に伺いながら検討を進めてきたものであります。
 なお、本制度は、望まない方には適用されることはないため、このような方への影響はないと考えています。このため、適用を望む企業や従業員が多いから導入するというものではなく、多様で柔軟な働き方の選択肢として整備をするものであります。
#40
○石橋通宏君 だから、安倍総理、これまでの答弁をただ棒読みして繰り返すだけなら、このタイミングで総理にここに来ていただく意味がないんですよ。繰り返さないでください、総理。だからここでお聞きしているんです、総理。いや、笑っている場合じゃないですよ、総理。真摯に答えてください、我々の、この国民の疑問に。
 いいですか、総理、今何だかんだおっしゃられましたけど、竹中平蔵さん、これ昨日の伊藤委員も取り上げておられましたが、こうやっておっしゃっていますね。この制度、何で必要なのか。生産性の低い人に残業代、補助金出すのも一般論としておかしいと堂々とおっしゃっていますね。要は、残業代出したくない、残業代出さなくていいようにする制度なんだ。安倍総理、そうおっしゃっていますよ、提案者が。
 であれば、総理、そのことをお認めになるのであれば、今総理が言われたことも、結局は、これまで働く者のための制度だと言っていたこと、全く根拠がなかったということを、この場で総理も改めて確認を、追認をされたということだと思います。全く話になりません。
 総理、重ねて、ずっともう総理は、成果で評価をされる制度なんだと。これもこの委員会で、そうではない制度だということが明らかになっているんです。法案にはどこにも書いていません。加藤大臣、首振っていますけど、全く説明できていない人が、それ首振らないでください。
 安倍総理、法案にはどこにも成果で処遇されるとは書いてありませんし、頑張った人が二倍、三倍の成果出しても、それ処遇する制度に全くなっていないことは、これも加藤大臣が答弁されてしまいました。安倍総理、成果で処遇される制度ではありません。単に労働者の労働時間規制を撤廃するだけの制度です。総理、虚偽答弁ですね。
 虚偽であるのであれば、何らかのこれ法制度上の措置を講じない限りは成果では処遇されません。総理、どうするんですか。
#41
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、石橋委員が御自身の理解の上に様々なことを断定されましたが、そうではないということをこれから私も述べさせていただきたいと思います。
 私の、時間ではなく成果によって処遇される制度との答弁について条文上担保されていないとの御指摘でございますが、本法案による改正後の労働基準法第四十一条の二において、その対象業務については、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」と規定している点であります。この点、条文上明らかであると考えております。
 このように、本制度はそもそも、従事した時間と従事して得た成果との関連性が高くない業務に対象を限定しているものであることから、具体的な報酬額は個々の企業の労使によって決められるべきものの、当然のことながら、この条文の趣旨に沿った運用がなされることになると考えております。
#42
○石橋通宏君 いや、総理、最後だけ正しいんです。結局、現場なんですよ。任されているんです、現場の労使で決めてくださいと。そこは政府は関知しません。じゃ、うそじゃないですか。成果で処遇されるんだ、されなければならない。そんなことありません。現場の労使の労働契約で決まっちゃうんです。そうでない制度も可能なんです。虚偽はやめてください、総理。だから国民を惑わす制度だというふうに言っているんです。
 総理、年収要件についても、これお聞きになっていますか、総理。総理は、じゃ、一千七十五万円という数字、一体どういう年収要件なのか聞いておられますか。我々もびっくりしました。あたかも基本給レベルで、純粋手取りレベルでそれだけの、高い高い、さっき総理言っていましたね、年収が著しく高いこと、交渉力があって、高度に高度な、これ政府がずっと言ってきた言葉ですよ。いや、僕らもそういうふうに、国民そういうふうに理解していましたよ。びっくりしましたよ。いや、一千七十五万円は、決まって支払われるという要件さえ満たせば、通勤手当、家族手当、住居手当、あらゆる手当が入り得る。業績手当すら、決まって払われるので入り得る。総理、これまともに計算したら、基本給でいけば八百万以下、いや、場合によっては七百万以下でも適用可能です。
 総理、それ御存じで言っていたんですか。御存じでそれを言っていたんだとすれば、うそっぱちです。総理、御存じでしたか。
#43
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができる、高い交渉力を有する高度専門職に限って、自律的な働き方を可能とする制度であります。何回も申し上げて恐縮なんですが、そういう制度なんです。
 本制度が適用されるための年収要件としては、年間の賃金が平均的な労働者に対して著しく高いこと、具体的には年間平均給与額の三倍を相当程度上回る水準、現状では千七十五万円以上である方のことを求めております。これは、現場の実情に通じた労使が参加した労働政策審議会で審議を行い、取りまとめた建議に基づくものであります。そして、年間平均給与額の算出にいかなる数値を用いるか、また年収要件に諸手当を含むかについては厚労大臣から答弁させたいと思います。
#44
○石橋通宏君 総理、重ねて、質問に答えてくださいね。そのために今日、総理、わざわざここに貴重な時間おいでをいただいているわけです。重ねて、これまでの答弁繰り返し棒読みされるのであれば、何のために今日、貴重な総理の時間いただいているのか分かりません。
 総理、いろんなことをおっしゃいますけど、全部これまでの審議を踏まえない従来どおりの答弁だから、全く審議が深まらないわけです。
 総理、希望の労働者だから、本人の同意があるから、盛んにそれを言われます。これも、この委員会での質疑、御覧になっているんでしょう。お聞きになっていますか。
 総理、本人同意、じゃ、総理、本人同意を使用者がある種不利益取扱いをした、これ決議事項になっていますが、それ決議事項に違反したら使用者罰せられますか。本人同意の撤回手続を入れることが衆議院の方で修正されました。じゃ、その撤回手続をきちんと、本人が同意撤回を希望したときに使用者がそれを無視する、違反する、そのときに使用者は処罰される、そういう制度になっているのか、本当に実効性ある本人同意が確保される制度になっているのか、総理、分かってそれを言われていますか。
#45
○国務大臣(加藤勝信君) いや、もうこれ、これ何度も御説明申し上げているんですけれども、この高度プロフェッショナル制度において、基本的に労基法の中において罰則の規定されている部分はなくて適用除外をされる。そして、今委員御指摘の点について、同意を撤回した場合には、まず当該労働者には当然制度の適用はされないことになりますが、ただ、その場合の不利益の禁止について、これについても労使委員会の決議事項として規定をしているわけでありますから、労働者の不利益取扱いの禁止が決議されているにもかかわらずこれに違反するような行為があれば、これは、これを基に厳正な監督指導を行っていく、こういうことになるわけであります。
#46
○石橋通宏君 次からはやめてねと言うだけなんです、指導の対象だけですから。それは法制局がこの場で認めているんです。
 安倍総理、総理に聞いていますよ、総理が答弁されているんですから。本人同意があるんだから大丈夫だ、撤回手続入れたから大丈夫だ。大丈夫じゃないんです。総理、それで大丈夫なら現行の企画業務型裁量労働制で過労死なんか起きないんです。それと同じ制度なんです。その制度で問題が起きている、過労死が起きている。総理、御存じでしょう。大丈夫なんて到底、最高責任者として無責任な発言できないはずなんです、御存じであれば。それをどうするかという議論をここで真摯にしなきゃいけないはずでしょう。何で総理がそういう無責任な答弁するんですか。
 総理、本人同意、本人同意の撤回、これに実効性ある担保するためには、この法案ではできないんです。この法案の残念ながら重大な瑕疵です。これ修正するしかありません。総理、修正を求めたいと思います。
 最後に、残業時間の上限規制についての問題も一点、総理、どこまでちゃんとお聞きになっているか確認をし、総理の決断を求めたいと思います。
 今回、上限規制、初めて法制度上罰則付きで入る、これ我々も評価をしているんです。ただ、残念ながら、特例水準がむやみに濫用されてしまえば、そして特例水準がフルに上限まで導入されてしまえば、過労死水準です。それを合法化されることに多くの皆さんが懸念を示されているわけです。総理、よく御存じだと思う。しかも、やり方次第では何と四週間で上限百六十時間までの残業時間が可能な制度なんです。総理、聞いていらっしゃいますよね、それは。だから、我々は加藤大臣に対しても、それを許してはいけないと、であれば、勤務間インターバルの義務化、一日当たり、一週間当たりの上限規制の水準についても明確に規制をして、そして指導すべきだ、そうでなければ過労死はなくならないというふうに指摘をさせていただいているわけです。
 総理、是非、それが御存じなのであれば、過労死をなくすという決意を持って具体的な措置を講ずる、この場で約束してください。
#47
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、史上初めて、労働界とそして産業界のトップの合意の下に、三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設けるものであります。
 時間外労働の上限規制は、あくまで原則として月四十五時間かつ年三百六十時間であります。その上で、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意した場合に限り、上限は年七百二十時間とし、その上限内において単月では百時間未満、複数月の平均では八十時間以内を限度とするものであります。そして、労使合意がなければ特例は適用されません。
 これは、私自らが議長となって労使トップにお集まりをいただいた働き方改革実現会議の場で計十回にわたって議論を行い、働く方の実態を最もよく知っている労働団体の長である連合会長と使用者団体の長である経団連会長が、実効性があり、かつぎりぎり実現可能なものとして合意したものであり、御指摘の一日や一週間単位で上限を定めることを含め、時間規制の内容を修正するつもりはありません。
 ただし、昨年三月に、労使トップにより月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要とする旨の合意がなされたわけであります。これを受けて、時間外労働を適正化するための指針を新たに定め、労使に対し必要な助言、指導を行っていくこととしており、可能な限り労働時間の延長が短くなるよう努力してまいりたいと思います。
#48
○石橋通宏君 質問終了しますのでこれで終わりますが、今日の総理の答弁聞いて多くの皆さんが本当にがっかりしたと思います。そのことも含めて、これからもしっかり慎重審議、充実審議進めてまいりたいと思います。そのことを申し上げて、質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
#49
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 四年前、過労死等防止対策推進法が成立いたしました。そして、翌年、過労死等の防止のための対策に関する大綱が、これ閣議決定されております。そこには、「法が成立した原動力には、過労死に至った多くの尊い生命と深い悲しみ、喪失感を持つ遺族による四半世紀にも及ぶ活動があった。」と紹介しています。
 総理に聞きたいと思います。そもそも、この大綱は何のために策定されたんでしょうか。
#50
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 過労死等の防止のための対策に関する大綱は、過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現を目的として、講ずべき対策を取りまとめたものであります。
#51
○倉林明子君 この大綱では副題がはっきり書いてあるんですよ。「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ」、つまり、過労死をゼロにする、これが大綱の目的なんですよ。何でそれが言えないのかなと、答弁聞いていて大変不思議に思いました。
 過労死防止のための調査研究が、この法律が成立しまして行われることとなりました。これで明らかになったということとして、平成二十九年度の白書に報告があります。労働時間を正確に把握すること及び残業手当を全額支給することが、残業時間の減少だけでなく、年休取得日数の増加、メンタル状態の良好に資することが示唆されているわけです。
 これ、過労死防止のための研究を生かすということであれば、やるべき法定化というのははっきりしてくると思うんですよ。労働時間の正確な把握、さらに残業手当を全額支給する、これこそ法定化すべき中身じゃないかと思うんですけれども、総理、いかがですか。
#52
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本法案においては、労働安全衛生法を改正し、労働者の労働時間の状況を客観的な方法により把握することを事業者に義務付けることとしております。これによって、労働時間が長時間に及んでいる者に対する医師の面接指導を適切に実施し、そして労働者の健康確保に遺漏なきを期していきます。
 なお、時間外労働に関する割増し賃金の不払に対しては、労働基準監督署が厳正に対処することになります。
#53
○倉林明子君 研究成果が生かす方向としての法定化の中身で聞いたんですよ。ちょっとすり替えないで、ちゃんと答えてほしい。
#54
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘は、いわゆる労働時間の正確な把握と残業手当のしっかりとした支給ということだというふうに認識をしております。
 厚労省でも、使用者の労働時間の適正な把握を図るため、昨年一月に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置にガイドラインを作成し、その周知を図るとともに、ガイドラインに基づく適正な労働時間の把握がなされていない事業場に対しては是正に向けた監督指導を行っているところでございまして、平成二十八年では、労働時間の把握が不適正なために指導したものは約三千事業場ございます。また、労働基準監督署においては、残業代の適正な支払など、労働基準法の履行確保を図るため監督指導を実施をしておりまして、違反が認められた場合には是正を図らせるとともに、悪質な事業所に対しては、捜査の上、書類送検を行うなど、厳しく対応しておりまして、こうした取組を今後とも徹底をしていきたいと考えています。
#55
○倉林明子君 それでも過労死はなくなっていない、だからこそこの研究成果は法定化して生かされるべきだという指摘を正面から受け止めていただきたいと思うわけです。
 この中で、大綱で生かされるということで、今議論もされております新たな大綱にこの研究成果について盛り込もうということになっている。しかし、これはあくまでも職場の関係者に対する啓発の項目にすぎないんですよ。これでは、現実の効力を発揮するということには本当に程遠いと思うわけです。
 労働時間の規制を完全に外して、残業手当もない、これが高プロになるわけですよ。過労死防止の観点からは、私、明らかな逆行だと言わなければならないと思います。
 そもそも、裁量労働制でも事業場外みなし労働制でも、法逃れでただ働きをさせているのが日本を代表する大手企業ですよ。既存の労働法制も守らない、過労死するほど働かせている企業、これが高プロで労働時間の規制が完全になくなったら働かせ放題になる、これは明らかだと思いますよ。いかが認識されていますか。
#56
○国務大臣(加藤勝信君) これまでもお話をさせていただいておりますけれども、今回の法律においては、まず健康管理時間をしっかり把握をし、それに基づいた健康確保措置をとるということにさせていただいております。
 それから、これはこれまでも議論しておりますけれども、業務においてもやはり時間等に対する使用者側からの指示、こういったものがあった場合には適用しないという形での省令の検討もさせていただいているところでありますので、そういった措置を通じて、更に言えば、御自身が対応した場合でも安全配慮義務等々の対応もさせていただくことも御説明させていただいたところであります。
#57
○倉林明子君 現行法制でさえ守らせることができていないというのが今の労働行政なんですよ。その到達点をしっかり踏まえないと駄目だと思います。
 規制緩和すれば更に過労死を促進する、この危険は極めて高いと言わざるを得ません。
 総理は、電通で過労自死した高橋まつりさんのお母さんと、昨年二月、会われました。そのとき、手紙をもらっているはずです。それは読まれたと思う。娘の死から学んでほしいと書かれていたそうであります。電通では、若くても年収一千万円前後になるというわけですよ。年収要件は一千七十五万程度だという話もされているし、その中身についてもいろいろ議論あった。さらに、成果を求められる働かせ方という点でも、これ繰り返すことになるんじゃないか、違法でなくなるんじゃないか、この不安がまつりさんのお母さん始め遺族の中にあるわけですよ。
 まつりさんのこの過労自死から総理は一体何を学んだのか。はっきり答えてほしい。
#58
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高橋まつりさんの一周忌に当たる一昨年十二月二十五日に私がお花と手紙をお送りしたところ、まつりさんのお母様からお礼に伺いたいとの申出をいただき、恐縮とは考えましたが、昨年二月二十一日にお会いをさせていただいたところであります。
 高橋まつりさんのお母様とお目にかかって、大切な、そして一生懸命頑張っているお嬢様を亡くされた悲しみについては、本当に私も胸に迫るものがございました。もうこうした出来事を起こしてはならないと、このように深く心に誓ったところでございます。そうした誓いを胸に、今回、今までなかなかできなかった、労使が合意をし、そして三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設ける法案を提出するに至ったところであります。
 また、高度プロフェッショナル制度においても、長時間労働を防止し健康を確保することは重要であり、先ほど厚労大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けることとしております。こうした措置を通じて、高度プロフェッショナル制度で働く方々の健康確保に遺漏なきを期していく考えでございます。
#59
○倉林明子君 過労死の悲劇を二度と繰り返さないと何度も発言していたのは総理ですよ。それだったら、なぜ家族会の要請に、何度繰り返されても会えないんですか。先ほど、浜口委員の質問には、総理、答えていませんよ。今でも遅くないという指摘はそのとおりだと思う。高橋まつりさんの死から学んだものが二度と繰り返さないということであれば、家族会に会うべきだ。どうですか。
#60
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何度か答弁をさせていただいておりますが、まさにこの法案を担当し、法案の中身について熟知をし、そしてまた議論の経過について十分に承知をしている厚労省そして厚労大臣が対応することが適切と、こう判断したところでございます。
#61
○倉林明子君 家族会にも会って説明できないような法案というのは、私は撤回しかないと思います。
 終わります。
#62
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず、今日は安倍総理入りですので、法案の質疑に入る前に一言申し上げさせていただきたいと思います。
 今回、働き方改革法案ということでずっとこれは審議を続けてきておるわけですけれども、国会こそ働き方改革が必要だというか、国会の改革が必要だというふうに思っておりました。
 生産性を上げていくということは非常に大事だというふうに思っていたわけですが、今回、自民党の参議院選挙制度改革、これは定数六増ですよね。こんなの時代に逆行しているとしか言いようがありません。もうどこの都道府県も市町村も議員定数を減らしていっている、衆議院も御存じのとおり減らしていっている中で、参議院の議員定数だけ定数を増やすというのは、本当に自分たちの身分をこれは守るためだけ、自分たちの既得権を拡大していくだけ、そのように思えてならないわけでありまして、こういったことはもう国民から理解を得られませんので、是非撤回していただきたいなというふうに思っております。
 今本当に大事なのは、これからやっぱり少子高齢社会、それから人口減少していく中で、どうやって行政改革をしていって、徹底した行政改革をしていって、歳出も抑えていかなきゃならないという時代ですから、国会議員こそがやっぱり覚悟を示していかないとそんな改革なんてできないわけですから、是非、自民党の参議院選挙制度改革については撤回をしていただきたいと思います。
 まず、高度プロフェッショナル制度についてお伺いをさせていただきます。
 六月四日の参議院本会議でも、安倍総理は、本法案の成立に向けて安倍政権として全力を傾注していくというふうに答弁されておりましたけれども、厚生労働省は、裁量労働制のデータの不備、それから高プロに関するニーズの有無、それから年収要件に該当するかどうかということも調べずに、たった十二人にヒアリングするだけというずさんな準備しかしてきませんでした。十二人にヒアリングしたということなんですが、その十二人の人たちが、じゃ、一千七十五万円以上の収入のある人たちにヒアリングをしたんですかと聞くと、いや、そこは分かりませんということなんですね。
 高プロの審議をしているにもかかわらず、一体どういう調査をしてきたのかなというふうに思うわけでありまして、この実態について安倍総理は御存じであったのかどうか、お伺いしたいと思います。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、裁量労働制のデータに不備があったことについては、私も政府の責任者として遺憾に思っているところでございます。
 そして、高プロ制度のニーズに関するお尋ねについては、産業競争力会議で経済人や学識経験者から制度創設の意見があり、日本再興戦略において取りまとめられたものであります。その後、労使が参加した労働政策審議会で審議を行い、取りまとめた建議に基づき法制化を行ったものであります。
 本制度は、望まない方には適用されることはないため、このような方への影響はないと考えています。このため、適用を望む企業や従業員が多いから導入するというものではなく、多様で柔軟な働き方の選択肢として整備するものであります。
 効果についてのお尋ねでありますが、高プロ制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができるものであり、労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越えて、自らの創造性を発揮できるようにするための制度であります。働く方にとっては、時間や場所にとらわれない、自律的で創造的な自由な働き方の選択が可能となるものであると考えております。
#64
○東徹君 私が一番問題だなと思っているのは、確かに、我々も高プロについては与党側と修正協議させていただいて、同意の撤回をできるような法案に修正をさせていただきました。年収の高い人であれば、いっとき集中して仕事をするというやり方もやっぱりあるのかなと、そういうふうには思っているわけですけれども、こうやって審議していく中で、じゃ、実際にそういった対象になるような人たちがどういった今働き方をしているのか、どういった思いで働いているのかとか、もっとこうしてほしいとか、そういうことをしっかりと厚生労働省として私はやっぱり調査しておくべきだったと思うんですね、これ、準備として。
 私は、そういったことが全然なされていなかったということに非常にこれ腹立たしい思いをするんですが、これは、加藤大臣、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどお話ありましたように、この高度プロフェッショナル制度の議論については、産業競争力会議からずっと一連の流れがあるわけでありますが、加えて、労働政策審議会ではJILPTにおける裁量労働制等の労働時間制に関する調査を基に御議論いただきましたが、この調査結果においては、現行の裁量労働制において変えた方がよいという回答が約二一・一%あって、その中から、一定日数の休日、休暇が確保されるならばみなし労働時間ではなく労働時間に関する規制を適用除外してもいい、あるいは、一定以上の高い水準の年収が確保されるならば労働時間に関する規制を適用除外してもいいという方が三割、三〇%少々おられるわけでありまして、そうした資料も見ながら、現場の実情に通じた労使の御意見、これを議論していただいて、おおむね妥当との答申をいただいたという流れでございますので、そういった形で、対象がこれからどうするかということ、ここでも議論になっておりますけれども、もちろんその辺が十分固まっていない中ではありますけれども、現状の中においてどういうニーズがあるのか。それについては、先ほど、十二人のヒアリングもさせていただきましたけれども、そういった中においても、生の声も聞かせていただきながら、また、今申し上げたJILPTのデータを、労政審にはそれをお示しをさせていただいて議論をさせていただいたと、こういうことであります。
#66
○東徹君 だから、その十二人の人たちが一千七十五万円を超える対象の方ですか。対象の方ですか。
#67
○国務大臣(加藤勝信君) それについては、それぞれの方について年収幾らであるかということは確認はしていないというふうに聞いております。
#68
○東徹君 そうなんですよ。だから、確認せずにそういったことを聞いているということがとんでもないということを言わせていただきたいんです。
 次、もう時間がありませんので、もう一点質問をさせていただきたいんですが、同一労働同一賃金ということで、多様な働き方がこれからやっぱりなされていくということもやっぱり大事だというふうに思っております。
 安倍総理の方も、この法案が成立した場合、非正規という言葉が一掃できるというふうな御答弁をされておられました。本当に正規、非正規という、特に非正規という言葉がなくなって、本当に働き方、働くことについての誇りとかそういったものが担えるような、そういったことになるのかどうか、是非ここは安倍総理にお聞きしたいと思います。
#69
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非正規という言葉を一掃するというふうに私が申し上げておりますのは、人々が自分のライフスタイルに合わせて多様な働き方を自由に選択できるようにするために、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差を解消するということであります。今回の法案によって、こうした待遇差を埋め、どのような雇用形態を選択しても自分の能力を評価されているという納得感が得られ、働くモチベーションが高まる処遇を受けられるようにするものであります。
 つまり、様々な事情により働き方を選択するのでありますが、その働き方を選択した際に、非正規ということであって、同じ仕事をしているのに、あるいはまた同じ成果を出しているのに、非正規ということで差別されることがないようにすることによって、言わば人々が自由な選択を可能にし、そしてさらには、自分がやっていることがしっかりと評価されているということで頑張っていこうというモチベーションにつながり、結果としては生産性も上がっていくということにもなるんだろうと考えております。
#70
○東徹君 それではちょっと、言い方は少し誤解を招くんじゃないのかなというふうに思います。
 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#71
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私も、今日、総理の答弁を聞いて本当にがっかりしました。裁量、成果に基づく評価、自由で柔軟な働き方。この与野党問わず厚生労働委員会で審議してきたことが、全く総理の中に入っていない、全く反映しておりません。
 成果に基づく働き方、成果なんてないですよ、条文の中にないですよ。成果に基づいて給料が高くなるなんて条文にないですよ。それもこの厚生労働委員会で確認をされています。
 もう一つ。裁量で働くのか、違います。裁量という言葉は条文にはありません。厚生労働省は政省令に書くと言っているけれども、条文の中にはありません。自由で柔軟な働き方なんて高プロではないですよ。誤解に基づく、あるいは人に誤解を与えるような説明の仕方は完璧に間違っていると思います。
 総理、高プロで時短になるんですか。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この議論については昨日も予算委員会でさせていただいたところでありますが、高度プロフェッショナル制度においても、長時間労働を防止をし、そして健康を確保することは重要であり、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けるのは当然必要なことであると考えておりますが、本制度の目的は、労働時間を画一的な枠にはめる従来の発想を乗り越えて、自らの創造性を発揮できるようにすることであります。
 労働者側にニーズがないのではないかという議論もございますが、本制度の適用には書面等による本人の同意が必要であり、かつ、その同意の撤回に関する手続は法律に明確に位置付けられていることから、望まない方に適用されることはないため、このような方への影響はないと考えております。
 適用を望む労働者が多いから導入するというものではなく、多様で柔軟な働き方の選択肢として整備するものであります。そういう選択肢を提供するというのがこの法案の目的の一つでもあります。
#73
○福島みずほ君 総理、端的に答えてください。時短になるんですか、ならないんですか。イエスかノーかで答えてください。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはイエスかノーかで答えられるものではなくて、先ほども今も答弁をさせていただいたように、時短を目的とするものではなくて、言わば様々な働き方を可能とする選択肢の一つを提供するという目的でこの法案を言わば提出をさせていただいているところでございまして、自らの創造性を発揮できるようにすることであります。
#75
○福島みずほ君 時短と関係ないということですよね。加藤大臣もかつてそう答弁しています。
 総理は、高橋まつりさんのお母さんに、去年二月二十一日、長時間労働を是正しますと約束しているじゃないですか。私たちがこの高プロに反対するのは、この長時間労働を強いるからです。自由な働き方なんかじゃないですよ。
 条文を見てください。割増し賃金払わないんです。労働時間も休憩も休日も深夜業の規制もなくして、割増し賃金を払わないという条文になっています。それだけなんですよ。コストカットのためだけじゃないですか。どこが自由なんですか。仕事の量を労働者は選べないんですよ。仕事の量については裁量ないんですよ。二十四時間四十八日間働かせ続けても違法ではありません。今まで、残業代を払わなかったら、割増し賃金払わなかったら違法です。でも、違法を合法化するものがこの法案なんですよ。労働時間規制がなくなったら、労働者はどうやって自分を守れるんですか。対等な労働者なんていませんよ。
 総理、企画型裁量労働制で働いている人、七万人以上います。同意を取っています。でも、その人たちの労働条件の実態、どのように労働時間状況の把握をしているか。厚生労働省は把握をしておりません。十二人のヒアリングだって、今年の一月三十一日と二月一日に九人ですよ。誰が望んでいるんですか。
 この委員会で五人の参考人、そして地方公聴会で四人来ました。唯一、唯一、高プロについてはっきり賛成したのは経団連の人だけですよ。誰のための制度ですか。労働者から具体的に、具体的に要望を受けたこと、総理、あるんですか。
#76
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、それは先ほど御説明しておりますように、この一連の流れの中で、産業競争力会議、また労政審においても議論もさせていただきました。それから、そこにおいてJILPTのデータも出させていただいて、そして、そうした現場をよく御存じの、まさに労政審の中で結論をいただき、おおむね妥当ということ、それを踏まえて出させていただいているということであります。
 また、それとは別に、ヒアリングについては、別途どういうニーズがあるかということで、十二人の方、少ないという御指摘もいただいておりますけれども、そういった皆さんからもそれぞれの声を聞かせていただいていると、こういうことであります。
#77
○福島みずほ君 労働者は望んでいないんですよ。望んでいるのは、二〇〇五年、年収四百万以上と言った経団連、ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言、大企業の大企業による大企業のための高プロではないんですか。
 総理、お聞きをします。
 やっぱり私は過労死、そして長時間労働をなくすことこそ必要だと思っているので、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案提案理由にこうあります。過労死を二度と繰り返さないため、長時間労働の是正が急務です。このような社会を実現する働き方改革を推進するため、この法律案を提出いたします。高プロはこれに掛かりますか、掛かりませんか。過労死をなくすこと、長時間労働の是正に役立つんですか。健康確保措置はびほう策ですよ。労働時間規制を一切なくして、ばんそうこうをちょっと貼ろうかというだけですよ。この提案理由説明に高プロは入るんですか、入らないんですか。
 いや、加藤大臣じゃないですよ。だって、総理が来ているんですよ、総理が来ているんですよ。
#78
○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、私が提案理由を説明したわけですから、私から申し上げるのが筋なんだろうと思います。
 これについては、福島委員からさんざん御指摘いただいたように、このまさに、どのような社会というのは、多様な働き方を選択できる社会ということであります。
 そして、過労死を二度と繰り返さないと、そのための長時間労働の是正については、既に罰則付きの上限規制等を出させていただく。また、高プロにおいても長時間労働等の懸念がありますから、それに対する健康確保措置等、一連の措置をしっかり実施をしていく。さらには、様々な御指摘をいただいておりますから、成立し、導入に当たっては、届出があった高プロ適用事業所に対しては全て監督指導を行う等、そうした対応を取らせていただきたいと、こう考えております。
#79
○福島みずほ君 せっかく総理入りなのに、何で加藤大臣が答えるんですか。総理がきちっと説明すべきじゃないですか。働き方改革国会というんだったら、総理が説明すべきじゃないですか。
 高度プロフェッショナル法案は、時短と関係ない、時短に資するものという位置付けではないとさっきおっしゃいました。でも、長時間労働の是正が必要でしょう。
 単純なことを聞きます。労働時間規制がなくなったら、労働時間規制が一切なくなって割増し賃金払わなくてよければ、インセンティブなくなるじゃないですか、もう働くのやめなさいとか。そして、労働時間の管理を会社はやらないんですよ。
 総理、過労死遺族の会となぜ会わないんですか。長時間労働を是正するものだと言えないからでしょう。どうですか。
#80
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどは、趣旨説明そのものを行った厚労大臣からお答えするのが適切であろうということで、厚労大臣からお答えをさせていただいたところでございます。
 そこで、先ほど来厚労大臣からも説明をさせていただいておりますように、まず過労死をなくさなければいけない。そして、長時間労働という労働慣行を変えていくという決意の下に、今回初めて労働界と経済界が合意をして、三六協定では超えてはならない時間外労働の上限規制、罰則付きの規制を設けたわけであります。それがまさに過労死をなくしていくということに向けて本当に大きな一歩であると、こう考えているところでございます。
 そして、この高プロについても、もう今まで何回も、もう既にこの厚労委員会において相当説明をさせていただいているところでございますが、安全を確保するための措置は盛り込んでいると。また、連合からも御要望のあったそうした措置を盛り込んでいるということでございます。
#81
○福島みずほ君 いや、総理、ごまかしていますよ。高プロは、過労死をさせないために措置を盛り込んでいると言うけれども、健康確保措置を盛り込んでいるのであって、高プロの本質は、労働時間規制を一切なくして割増し賃金を払わないということです。だから、二十四時間四十八日間働かせても違法じゃないんですよ。だから、私たちも、労働者が、だって望む労働者なんて出てきていないじゃないですか。今日も見学してくださっていますが、遺族の皆さんたち、この法案に反対です。何で反対しているか分かりますか。過労死を絶対に生んではならないからなんです。
 法律が万々が一成立したら、過労死が起きますよ。私たちは人の過労死に手を貸すんですか。労働法制は規制しなくちゃ駄目ですよ。労働時間管理はメーデーからのまさに約束じゃないですか。労働者のために労働基準法がある、労働時間の規制がある。これを取っ払って過労死を増やすこの法案はまさに撤回をすべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#82
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今回の法案というものは、実は、昨年三月、働き方改革実現会議で決定をされました働き方改革実行計画の中のまさに一つのフェーズだというふうに私は捉えております。この働き方実行計画を見ましても、様々な内容が盛り込まれ、その一部がまさに今回の法案です。例えば、女性のリカレント教育、給付型奨学金、障害そして病気を持っていてもしっかりと社会で働ける制度をつくっていこう。そういう中で、私は、大筋この方向性は間違っていないと思っております。
 その中で、やはり一番問題になっておりますのがこの長時間労働の問題です。やはり私も産業医の現場でおりますと、長時間その労働の現場にいるということが美徳とされ、そしてそれが評価制度にもつながっていくという、今まで日本が抱えてきた、大きくその文化を変えていく、やはりそういう決意が必要かと思いますけれども、そこにつきまして総理のお考えをお聞かせいただけますか。
#83
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この働き方については、日本の企業文化そのものであり、日本人のライフスタイルに根付いたものであります。長時間労働についても、その上に様々な商慣行や労働慣行ができ上がっているわけでありまして、それゆえ、多くの人たちが働き方改革を進めることはワーク・ライフ・バランスにとっても生産性にとっても良いと思いながらも長年できなかった、そういう慣行がある中においてはなかなか難しいと考えられてきたところでございますが、我々は、もはや先送りは許されないと、こう考えたところでございます。
 今回初めて、労働界と産業界のトップの合意の下に、三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設けることとなりました。長時間労働を是正すれば、ワーク・ライフ・バランスが改善をし、そして女性や高齢者が仕事に就きやすくなり、男性も子育てを行う環境が整備されます。高度成長時代の猛烈社員のように長時間働いたことを自慢するような社会を根本から改めてまいりたいと、このように思います。
#84
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それが文化になっていくと、今皆様方が御心配いただいているような、高プロで、長時間労働というものの中で命を削って働く、こういう働き方が、自分はやってはならないし、それを許してはならないということになるわけです。ですから、しっかりここの文化を変えていくという私は発想がとても重要かと思います。ですから、木を見て森を見ずのような議論になるのではなく、どういう働き方、どういう社会をこの日本の中で形成していくことが今回の法案の目的なのか、そして、その法案の先には一体どういう社会というものが我々待っているのか、十年先のロードマップまで描かれているわけです。なかなかちょっとここのところがこの議論の中でも行われなかったということが残念でなりません。
 ところで、参考人質疑の中でとても重大な問題が指摘をされました。小室さんからです。残業が多い企業に共通しているのは行政と何らか関わりがある企業、民間の残業の震源地は霞が関である、そして、この霞が関の残業の震源地は永田町だという御指摘でございます。私は、もっともだと思います。厚労省は一晩中電気がついております。昨日も、私どもが理事懇が終わりましたのは五時半です。それから質問を投げ、多分、後ろに座っていらっしゃる皆様方は徹夜作業でございました。こういうことを私どもが強要していっているということは大変反省もしなければなりません。
 皆様方に資料をお配りをいたしております。働く視点に立った課題の中の一つとして公務員の長時間労働というものも指摘をされて、そして改革が進められているはずなんですけれども、これは進んでいるんでしょうか。教えてください。
#85
○政府参考人(古澤ゆり君) お答え申し上げます。
 長時間労働を前提とした働き方を改めて生産性の高い働き方へ変えていくということは、官民共通の重要な課題であるというふうに認識をしております。
 政府としても、国家公務員の長時間労働の是正につきましては、従来から重要課題の一つとして、長時間労働を前提とした働き方を改める意識改革や業務効率化などを通じた超過勤務の縮減、そして、超過勤務を実施する前にその理由や見込み時間などを上司が把握するなど、超過勤務の適切な管理の徹底などに取り組んできたところでございます。
 引き続き、国家公務員の長時間労働の是正に向けて実効性のある対策に取り組んでまいりたいと考えております。
#86
○薬師寺みちよ君 そこがしっかりと根付いてもらわない限りにおいて、それと関連する企業がまたそこに引きずられてしまう。全く意味がないんですね。ですから、法案を提出するんだったら、法案を提出している側が守るべきことは守ってください。今回の法案の適用になっておりません。だけれども、私どもは、働く仲間として、公務員の皆様方も、この法案に適合するぐらい、厳しく私は政府にも徹底をしていただきたいと思っております。
 そのためにも、公務員の労働時間、実は徹底的に把握されていないという実態がございます。残業代が出ないからです。ですから、こういう中で、公務員の労働時間、把握を徹底すべきではないかということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人事院の調査は超過勤務命令を受けて勤務した時間について集計したものと承知をしておりますが、政府としては、国家公務員の働き方について必要に応じて実態把握を行うとともに、長時間労働を前提とした働き方を改める意識改革や業務効率化等を通じた超過勤務の縮減等に取り組んできたところでありますが、引き続き、国家公務員の勤務時間管理を適切に行いながら、超過勤務の縮減に取り組んでいきたいと考えております。
#88
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 一国会につき二十億円の様々な費用が発生しているというような試算も私も報道で拝見したことがございます。このような事態というものは一刻も早く私は改善すべきだと思います。
 しかし、先ほども申しました、霞が関の皆様方の働き方というのは、私ども政治家の働き方にも関連をしてくるわけです。我々がこのように、質問が、通告が遅くなると、どうしても霞が関の皆様方が徹夜をせざるを得ないという、こういう事態が発生してまいります。
 ですから、我々だけではなく、政府も一丸となって、やっぱりこの霞が関、そしてこの国会の改革にも着手していただかなければならないと思っておりますが、参議院、衆議院にも働きかけを私はいただきたいと思います。それは総理にしかできないことだと思いますので、政府とともにお願いできますでしょうか。お願い申し上げます。
#89
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この長時間労働を前提とした働き方を改めていく、これはまさに官民共通の重要な課題であり、これは霞が関にとって極めて私も重要な課題であろうと考えております。
 そこで、この国会との関係におきましては、国会の在り方等については国会がお決めになることでございますが、あえて言わせていただきますと、例えば私に対する質問の通告が、一人の方でも質問者が遅れますと、言わば、これ、どの省について当たるかということを分からないものでございますから、言わば多くの府省庁の、多くのそして公務員が待機をしなければならないという状況になるわけでございまして、霞が関全体に膨大な残業が生じることになるわけでございまして、そうした点も踏まえて、国会がもう既に決めておられるルールにのっとって事前の通告をしていただきたいと、早めの通告をお願いをしたいと我々は思っておりますが、基本的には国会の運営については国会において適切に決められるものと考えております。
#90
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 こうやって働き方を変えていこうというのは国民みんなで取り組まなきゃいけないんですけれども、その対象外になっていらっしゃる皆様方というものが今回のこういう議論から私は置いていかれてしまうのではないかと大変心配をいたしております。一部の方だけがそれを許容しながら働いている、でも、民間の皆様方には働き方改革をしてくれと。隗より始めよという言葉が全くそこでは語られないということではいけませんよね。ですから、厚労省の方には以前からお願いをいたしておりますけれども、他省庁でもしっかりと取組を進めていただきたいと思います。
 最後に、総理にももう一問質問させていただきます。
 この働き方改革、先ほどから何度も出ておりますけれども、七十年ぶりの大改革でございます。始まったばかりなんです。私は、これが第一歩目ですので、継続していかなければならない、諦めてはならない、そして、これから先議論を続けていかなければならない。今のところは、十年先のロードマップというものが描かれております。しかし、今回、様々な議論の中で、高プロでも御心配がございます。ですから、いつでもしっかりと不断の見直しを行いながら、このロードマップも私どもは議論をし、そして改正をしていくという勇気も持たなければならないと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
#91
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が指摘をされた点は大変重要だと考えておりまして、我々が進めるこの働き方改革が、この法案が成立した上においても、絵に描いた餅になってはならないと考えております。
 そのために、計画の内容をどのように展開していくかを明らかにすることが重要であり、計画を決定した際、ロードマップを策定しました。ロードマップは、PDCAサイクルを回し、しっかりとフォローアップしていくことが重要であります。
 そのため、計画を決定した際、働き方改革実現会議のメンバーの皆さんに計画の実行のフォローアップをお願いをし、働き方改革実現会議を改組して、フォローアップ会合を設置することといたしました。この法案が成立をした後、フォローアップ会合を開催し、国会における法案の修正事項や附帯決議、審議状況その他、計画の進捗状況を報告をし、ロードマップについてしっかりとPDCAサイクルを回していきたいと、このように考えております。
#92
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
#93
○委員長(島村大君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#94
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 通告はこれはないんですが、午前中の総理の答弁でちょっと気になった点を確認したいと思います。済みません。
 もう高プロについては、時間ではなく成果で評価する働き方だと再び明言されました。時短が目的ではないと、そしてまた高い年収を確保するともおっしゃいました。
 そこで、条文には成果の評価というのがないというのは、これはもうずっとこの委員会で言われていることですが、その成果を評価する働き方だと言われたときに、どうその成果の評価を反映させるのか、これがよく分からないです。当然、すばらしい成果だということで増える部分もあるでしょうが、期待ほどではなかったなと下げる部分も出てくる。
 そこで、やっぱり一つお聞きしたいのは、成果で評価する働き方だと、その成果をどのように反映させると、まあ労使委員会なんでしょうが、そこはどう考えられておられるんですか。
#96
○国務大臣(加藤勝信君) 高度プロフェッショナル制度は、対象となる方の健康確保などを前提に、今御指摘のように労働時間や割増し賃金に関する規定を適用せず、まさに時間と賃金の関係を切り離すということでありますから、そういうことによって仕事の成果に見合った処遇をするということが可能になってくると。そうでない場合には、例えば残業があれば割増し賃金の支払が必要で、同じ成果でも働く時間の長さによって賃金が違ってくると、こういうことになるわけであります。
 そして、今お話がありましたように、具体的な成果といいますか、それは最初に、ジョブディスクリプション等々、要するに、職務等を明確にし、文書で同意を取ることになっているわけでありますけれども、それを実際に実施をし、そしてそれを実施をするということと同時に一定の年収、これは千七十五万という数字を具体的な例として申し上げておりますけれども、それを超える年収を支払うということでありますから、これまでも申し上げているように、基本的には一年単位ということを考えておりますので、一年の中においては、まさにそうしたことを、合意に基づいてその仕事をし、そして年収として一千七十五万円以上を支払うことが確実と見込まれる賃金を支払う、こういう契約になるわけであります。
 また、それが切れた後においてまたどういう契約をしていくのかということにおいて、そうした契約を重ねていく場合において、また次の段階において使用者側と労働者の間でまたどういう仕事をするのか、そしてそれに当たってどういう賃金を支払うのか、こういったことが一つ一つ積み重ねられていく。そして、その単年度に、それぞれの時間の、一年なら一年のタームの中においては先ほど申し上げた労働時間とは切り離されている形になりますから、まさに時間ではなく、一つ一つ成果を上げていく、そしてそれに対して賃金が確実に支払われ、そしてまたそれが次の年度において評価をされていく。そういう流れの中で成果を反映した形での仕事ということがやっていけると、こういうふうに考えているわけであります。
#97
○足立信也君 そういう答弁だろうと思って、そうなると二つまた疑問が生じてきまして、これ、いい話ばかりじゃなくて、当然のことながら評価が期待じゃなかった、これ下がる。これ、一千七十五万円、今御丁寧に、最長でも一年で契約更新で、個人の意思が反映されると。この前の答弁では半年というのもあり得るだろうとおっしゃいました。これ、次のときに、この働き方では一千七十五万円は割り込むなとなった場合、要件を満たさないんですから、この人は高プロから外れるんですか。
#98
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そのときの要件として、年収要件決まっておりますから、その年収要件が該当しなければ高プロは適用されないということになるわけです。
#99
○足立信也君 そうした場合に、二番目の疑問は、これ雇用契約を結んで、この前、内定の段階でも高度プロフェッショナル制度で雇用契約を結ぶというのもありだと、新規採用もありだということですね。雇用契約上、高度プロフェッショナル制度でやると結んでいて、それを満たせなくなったから外れる、これ解雇の事由になったりしませんか。
#100
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員、二つの例を言われたと思うんですね。
 一つは、元々労働契約があって、そして今回新たに高プロが適用されて、高プロが一年間例えばやりました、やってみた結果、どうも会社側から見てもそれに期待する成果が上がらなかった、そこで高プロもう契約しませんといっても、これは高プロ契約なくなるわけですから、労働契約はそのまま続いていくということになります。
 それから、もう一つの例としては、最初のときに高プロを前提とした採用を行ったとしても、これは前から申し上げているように、仮に途中においてもその同意をやめるということもできるということでもございますし、仮に一年、途中じゃなくても、一年たちました、たちました段階で今度はその高プロをやりませんということ、これ自体がじゃ解雇事由に当たるか当たらないかという、こういう議論になるんだろうと思いますけれども、基本的にはそれだけをもって解雇し得る合理的な理由には該当し得ないというふうに考えます。
#101
○足立信也君 明確に今おっしゃられたのは、解雇の事由にはならないと、それだけではならないということです。これは確認したいと思います。
 次は、前回の私の質問でちょっとうやむやにされたようなところも感じましたので、兼業、副業の件です。確認します。
 所定労働時間を超えた場合は、その超えた後の方で契約をした者が罰則適用になる。それからもう一つは、三六協定の場合、三六協定でも年間の限度時間、あるいは今回の新しい時間でも、それを超えたら、その後に契約した者が罰則の適用になると。これでいいんですね。確認です。
#102
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準法では、法定労働時間は週四十時間、一日八時間とされておりまして、これを超える場合は三六協定が必要ですし、また、法定外労働時間については割増し賃金の支払が必要でございます。
 この兼業、副業の場合でございますけれども、これにつきましては、労働時間の通算の結果、所定労働時間の合計が法定労働時間を超えることとなった場合には、その法定時間外労働についての法所定の手続を取り、また割増し賃金の負担をしなければならないのは、その当該労働者と時間的に後で契約した、二番目の所定労働時間についての契約をした事業主でございます。また、労働者に所定労働時間を超えて残業を行わせ、これが法定労働時間を超えたとき、労働基準法の今申しました義務を負いますのは、その法定時間外労働をさせた使用者でございます。
#103
○足立信也君 そこは明確になったと思います。
 前回も申し上げたんですが、じゃ、これが高度プロフェッショナル、例えばコンサルティング業務とか、二、三社持っているという場合は、時間に縛られない働き方だということになってくると、これが、労災認定の問題等々がまた挙げられました。これ以上詳しくやっても答えが出ないと思うので、これから検討すべきはやはりそこだと思いますよ。しっかり検討して、高度プロフェッショナル制度で働く人の場合も、兼業した場合は、時間をどう把握しつつ、後の方で契約した人たち、使用者にどういう責務が負ってくるのかというようなことは明確にしておかなきゃいけないと。今日はこれでとどめておきます。
 そこで、僕が一番懸念するのは、これ、こういう制度改革をしたら、過労死や過労自死、労災認定が減少したというふうに後で誇られても非常に困るんですね。それは、例えば例を挙げますとGDPです。これ二十兆近くが上乗せになりました。これ国際基準に合わせるというのもありましたけれども、今までは需要や労働者の賃金や原材料費で計算していたのが出来高払になったわけですよ。作った分だけGDP上がるという、そういうやり方されて、GDPが二十兆近くも増えましたと言われても困るわけですよ、国民の皆さんは、実感がないわけで。
 そこで、労災認定のことについて確認をしたいと思います。
 この「労災保険」、これ通告しています、「業務災害及び通勤災害認定の理論と実際」上巻、改訂四版という、四百三十一ページですかね、ここに書いてあるんですが、ポイントは、認定基準の要件を満たしている疾病は、原則として業務上疾病とみなされる。これはもう大前提ですね。その後が大事でして、ちょっと長いですけれども、認定基準は、その認定されている有害因子別の疾病の業務起因性を肯定し得る要素の集約である。したがって、認定基準の要件とは異なる形態で発症する疾病を必ずしも全て否定しているものではなく、認定基準に該当しない疾病であっても、業務と疾病との間の相当因果関係の存在が立証し得る疾病については、業務上の疾病として取り扱われるものであると。
 つまり、認定基準に疾病がいっぱい出ています。一覧表もありますけれども、これはまさに例示の列挙であって限定列挙ではない、つまり、この疾病じゃなきゃ駄目ですよというのではないというのが今の私が読み上げた内容ですが、これは今も同じその評価だと。それでいいんですね。
#104
○政府参考人(山越敬一君) この認定基準ですけれども、全ての疾病について基準が設けられているわけではございませんので、例えば今基準が設けられていない疾病ということであれば、それは当然、現行の認定基準では認定ができませんので、それはそれぞれのケースに即して判断していくということになります。
 それからもう一つは、認定基準について御指摘の箇所の記載でございますけれども、認定基準に該当しない場合の取扱いが書いてございますけれども、こうした認定基準は医学的知見に基づき定められているものでございまして、ある疾病について認定基準の要件に該当しない場合は業務外として取り扱っております。
 ただ、御指摘の記載がどういうことを指しているかということでございますけれども、例えば非災害性腰痛などでは原則として重量物を取り扱う業務等におおむね十年以上従事していることが要件とされておりますけれども、他方で、筋とか筋膜とか靱帯等の軟部組織の動きに不均衡による疲労現象が生ずる場合などについてはそこまで行かなくても疾病が発症することがある、こうした場合には労災認定することができるということがその認定基準の中に定められている場合がございますので、そういうことを指して、基準以外の場合でも因果関係がある場合には労災として認定し得ると、こういうふうに解説しているものと考えます。
#105
○足立信也君 解説しているものと考えますではなくて、今もその考え方でいいんですねというのを確認したんです。
#106
○政府参考人(山越敬一君) 今申しましたように、その認定基準の中に、一定の年数等の基準のほかに、それによらない場合なども示されている場合がございまして、それに従って判断を行うということでございます。
#107
○足立信也君 じゃ、そこの、端的にお聞きします。これは、認定基準に記載された要件というのはあくまでも例示であって、これ業務と疾病との間の相当因果関係の存在が立証される疾病、これについては、この認定基準にあるものが限定列挙ではなくてあくまでも例示の列挙であると、簡単に言うと、あり得るという話が今あったわけですから、そういう解釈でいいんですね。
#108
○政府参考人(山越敬一君) 今私が申し上げましたのは、ある対象疾病において認定基準が定められております。その認定基準の中に、客観的な従事年数という要件がなくても認定できるケースというのがその認定基準の中に書かれておりますので、その認定基準の中のそういった規定を基に労災認定をすることができることとされているということでございます。
 現場の運用といたしましては、その認定基準の要件に該当しない場合は業務外として取り扱っている、それが私どもの事務上の取扱いでございます。
#109
○足立信也君 確認したいんですね。冒頭、山越さんおっしゃったのは、基準のあるものもあればないものもまだあるんだとおっしゃいましたね。そこで、この挙げられている疾病がこれだけなんですよではなくて、業務との相当因果関係があるんだとなった場合は、特に基準が定まっていないものですよ、因果関係があるものだとなった場合は、それは労災として認められ得るという話ですね、先ほどの解釈がそのまま生きているんであれば。
#110
○政府参考人(山越敬一君) これは、疾病ごとにその認定基準が定められているものがあるわけでございますけれども、疾病によってはその認定基準が定められていない疾病がございます。そういった疾病については、個別に因果関係を判断して認定をするということでございます。
#111
○足立信也君 確認はできたと思います。
 ですから、これをより厳格にすることによって逆に労災死や労災自死を見かけ上減ったように扱われることは断じて許されない話ですから、そこは今までどおりというか、因果関係が相当疑わしいものというのはやはり私は認定されるべきだと思いますし、その点、そういう方向性で認定業務に当たっていただきたいということを申し上げておきます。
 そこで、次、健康管理時間、高プロのですね。
 ここでやっぱりいまだによく分からないのが、管理時間。実労働時間は把握はできない、そして事業場内にいた時間と事業場外で労働した時間の合算だということですね。これはもう今までの答弁でそうです。そうすると、この基準法四十一条の二、三号には厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くとありますが、この労働時間以外の時間というのは何なんでしょう。
#112
○政府参考人(山越敬一君) この厚生労働省令で定める労働時間以外の時間といたしましては、食事、休憩などの労働から解放された時間を想定しております。具体的には、省令の制定に向けまして、労働政策審議会で議論の上、決めてまいります。
#113
○足立信也君 それは時間を決められるわけじゃないんですね、内容を決めるだけということでいいわけですね。例えば、昼食時間四十分とかそういうものではなくて、内容で、つまり事業場によってやっぱり変わってくると思いますので、内容で示されるという理解でいいんですね。
#114
○政府参考人(山越敬一君) 健康管理時間から除外する時間についてでございますけれども、労使委員会におきまして、除外する時間数を決議するのではなくて、どのような時間を除外をするのか、その内容を決議することになります。
#115
○足立信也君 その除外された時間はどうやって確認できるんですか。
#116
○政府参考人(山越敬一君) この健康管理時間を客観的に把握するためには、当然ながら、そこから除外をいたします時間につきましても、客観的な方法、例えばパソコンのログオン、ログオフ、そういった客観的な方法により把握することが原則でございます。例外的に、客観的な方法により把握することが困難な場合に自己申告とすることも可能であると考えております。
#117
○足立信也君 昼食時間とか休憩時間にパソコンをしっかりログオン、ログオフされますか、皆さん。しませんよね。これ客観性ありますかね。だから、その時間というものを、やっぱり自己申告なのかな、しかし客観性ないな、それを総実労働時間にどう反映させるのかな、やっぱり疑問が残りますよ。同じ答弁で、パソコンのログオフ、ログイン等々と言われるけれども、休憩時間に全部それをやる人ってそうはいないですよ。というか、ほとんどいないです。どうされるんでしょうか。具体的な方法はありますか。
#118
○政府参考人(山越敬一君) この一定の時刻を把握する方法といたしまして、今申しましたようにパソコンのログオン、ログオフの方法もございますし、あるいは、最近こういった時刻を把握するソフトもございますので、そういった簡易なソフトを利用して把握するということが考えられるところでございます。
#119
○足立信也君 整理して答えてほしいんですが、実労働時間の把握は今までほとんどできないような話がメーンです。しかし、この労働時間以外の時間はきちっと把握すると。それ、できますか。全体の労働時間の把握、実労働については時間に左右されない働き方と高プロの場合おっしゃっていて、その除外する時間はきちっと計りますというのが本当に可能なんでしょうか、実際的に。どうなんですか。どうやれば可能なんだと。
#120
○政府参考人(山越敬一君) 今申しましたように時刻を把握するパソコン上のソフトもございますので、そういったものを御利用いただいて把握するということが考えられるということでございます。
#121
○足立信也君 多分詰まらないですよね、これ幾らやっても恐らく詰まらない。片や計らないと言っていて、ここはきっちり計りますと言っているのに、その手段が分からない。やっぱり無理があると思いますね。
 そこで、健康・福祉確保措置に行きます。この時間はもう恐らくこれ以上は出ませんので。
 一年百四日以上、四週間を通じ四日以上の休日、これは義務化ですね。ということは、これは労働者側からの請求があれば与えなければいけないではなくて、これはもう使用者側からの取得させる義務があるという解釈でいいんですね。
#122
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度の一年間百四日以上、かつ四週四日の休日、使用者が与えることが要件となっております。この休日取得は、年次有給休暇のように労働者の時季指定がない限りは与えなくても法違反とならないというものではございませんで、請求を前提とせず、確実に取得させる義務があるものでございます。
#123
○足立信也君 その法の義務からいきますと、あるいは法の趣旨からいきますと、四週間四日以上の話、これもうずっと出ていますが、一年のうちどの四週間を切り取っても四日以上という形にしなければやっぱりおかしいんじゃないですか。そこだけはちょっと明確に答えてほしいです。一月ごとで見たら四日、次の月も四日。最初と最後だったらずっと連続。どこを取ってもやっぱり四週間で四日なきゃ、今の義務からいくとおかしいんじゃないですか。そこはどうなんでしょう。
#124
○政府参考人(山越敬一君) この四週四休でございますけれども、一般労働者に対する休日規制におきましても、労働基準法の三十五条で、これは毎週少なくとも一日の休日を与えなければならないということを原則としつつ、四週間を通じて四日以上の休日を与える方法でもよいというふうにされているところでございます。
 この一般労働者の場合でございますけれども、就業規則等で定めました起算日から数えて四週間に四日の休日があればよいとされておりまして、どの四週間を区切っても四日の休日が与えられなければならないという趣旨ではございません。
 高度プロフェッショナルの場合でございますけれども、一定期間まとめて働き成果が出ればまとまって休むといった働き方も自律的に働く方が選択できるようにする必要がありますことから、休日の配置につきましても、一般の制度以上に硬直的な仕組みはなじまないと考えております。
#125
○足立信也君 午前中、石橋議員が質問されていましたが、今の答弁の中で一週間に一日はやらなきゃいけないとおっしゃいました。これはもうその考え方でいいんですね。毎週毎週一日は最低なんだと、だから一か月で、四週間で四日と、今そうおっしゃいましたが、それでいいんですね。
#126
○政府参考人(山越敬一君) 繰り返しになりますけれども、一般労働者の場合でございますけれども、毎週少なくとも一日の休日を与えなければならないことが原則でございますけれども、四週間を通じ四日以上の休日を与える方法でもよいこととされております。必ず毎週少なくとも一日の休日を与えなければならないと、労働基準法、義務付けているものではございません。
#127
○足立信也君 ですから、一般労働者はそうなんだと。高プロで四週間で四日以上というところは、どこを切り取っても四日以上になるべきじゃないですかという流れの中で今一般労働者の話されましたから、高プロもそういう取扱いをするんですねと。
#128
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナルの場合でございますけれども、四週間を通じ四日以上の休日を与えることは必要でございますけれども、毎週少なくとも一日の休日を与えなければならないということを義務付けているものではございません。
#129
○足立信也君 大臣、やっぱりここは、そういう働き方をするわけですから、どこを切り取っても四週間のうちではやっぱり四日以上だというのは、それはそうすべきじゃないでしょうか。もう大臣、そこを判断してもらいたいと思いますよ。
#130
○国務大臣(加藤勝信君) 今局長答弁したのは、一般労働者の休日、これは毎週一日、少なくとも一日の休日。ただ、そうしなくていい例として、四週間を通じ四日以上の休日を与えるという方法であれば、毎週少なくとも一日の休日を与えるということをしなくてもいいと、こういう規定なんですね。その四週間を通じて四日以上の休日という考え方は、ある時間を起点として判断をしていると。
 したがって、今回においても、四週間の四日ということにおいてはある段階を起点として判断するということを説明をさせていただいたということでありますから、そこは一般の方と同じ対応ということでありまして、それ以上に強めるということは、先ほど申し上げた、この高度プロフェッショナル制度自体が自律的に休むという、自律的に選択できると、そういうことを考えても、一般制度以上に休日の配置をかちっと仕組みをする、硬直的な仕組みをするということはなじまないのではないかというふうに考えます。
#131
○足立信也君 判断を求めたわけですけど、でも、今おっしゃられたことは、一般労働者に当てはめて一週一日、四週四日以上と、その流れの中でこうなっているということですから、同じように扱われるんだろうと、私はそう解釈いたします。
 次に、四十一条の二の五号のところ、前回、労働させる回数というのはいかがなものかと、労働させるという表現が正しいのかということを前お聞きしましたが、これはどこに掛かってくるかというと、いわゆる午後十時から午前五時までのその間に働いたという回数の計、労働させる回数と書いているわけです。
 ここで確認したいのは、午後十時から午前五時までの間というのは、一時間でも掛かっていれば入るんですか。丸々その中で収まらなきゃいけないんですか。そこの時間を超えて働くことも入るんでしょうか。その回数というのは何を考えているんでしょうか。
#132
○政府参考人(山越敬一君) この深夜労働の回数でございますけれども、法案におきましては、労働基準法三十七条四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一か月において厚生労働省令で定める回数以内とすることと規定をしておりますので、深夜労働に対する割増し賃金と同じ定義になりますので、午後十時から午前五時までの間を指しておりまして、この間に少しでも働いていれば一回とカウントいたします。
#133
○足立信也君 少しでも働いていればということですね。これはよく分かりました。
 もう時間が参りましたので最後なんですが、これも午前中ありましたけれども、健康・福祉確保措置の中で、臨時の健康診断、この点については、臨時の健康診断をやらなければいけないという義務化は私可能だと思うんですよ。
 私が求めるのは、今日も、浜口さんかな、質問されたときに、選択的措置の中で余りにこれが誰もが飛び付くようなことだから、これだけやっていればいいんじゃないかという選択肢の一つになってしまうと。臨時で健康診断をしなければいけないということは義務化してもいいんじゃないかと、私はそのように思うんです。臨時なんですから、必要に応じてやるということですから、それは義務化すべきじゃないかと私は思いますが、この点について、大臣、どうでしょう。
#134
○国務大臣(加藤勝信君) これは午前中も議論させていただいたということでありますけれども、そもそも、連合から要請があって、そしてこの健康確保措置を強化する修正を行って、その際に百四日を義務化をしたわけでありますが、それ以外の四つ、今の臨時の健康診断を含めて、二週間連続の休暇取得など四つの選択肢の中からどれか一つを選択すると、こういうことにしたところであります。
 いずれにしても、この健康確保措置、これは労使で話し合っていただいて、それぞれの事業者、事業場に合った措置を選択をしていただくということが重要でありますので、そういった中で、例えばここの議論でも、インターバル規制は入れるべきだという御主張もあります。それぞれの御主張の中で、それぞれの労使が、今お示しをしている四つの選択肢の中からその事業場に合った、そうした選択肢を採用していただくということが適当であり、この臨時の健康診断だけ改めて義務化するというのは、そうした対応には、そうした趣旨にはそぐわないのではないかというふうに考えているところであります。
#135
○足立信也君 以上で終わります。
#136
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。午前中に引き続き、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初は、先週の議論も踏まえて少し確認をしたい点も数点ありますので、その点をまずお伺いしたいと思います。
 まず一点目が、改正労基法の附則十二条の二号に、三十六条の規定の廃止について記載がされています。その中には、法施行後の労働時間の動向その他の事情等を勘案しつつ引き続き検討という、引き続き検討というような表現になっているんですね。労基法の附則十二条の二号です。
 この検討の意味合いについて、今後、じゃ、いつから、どのような場で、どんなスケジュールでこの検討を行っていくのかということについて、まず確認をさせていただきたいと思います。
#137
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘は、自動車運転の業務についての特例についてどのように進めていくかという御質問だと思います。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 この自動車運転の一般則の適用については、五年後の九百六十時間の上限規制の施行後に検討することになりますけれども、その際には、上限規制の施行状況でございますとかその業務の特性などを踏まえまして、できるだけ早期に一般則の適用に向けまして労働政策審議会において検討いたしまして、速やかに結論を得るように努めてまいります。
#138
○浜口誠君 できるだけ早期に労政審の中でということですから、これはあれですか、三年後とかそういうことを決めているわけではないと。もう一年後でも二年後でも、そういう議論がスタートできるんであれば、この自動車運転手の特例の廃止に向けた議論はやっていく、そういう意思が厚労省の中にはあるということでよろしいですか。
#139
○政府参考人(山越敬一君) 今御答弁させていただきましたように、この自動車運転者への一般則の適用でございますけれども、五年後の年九百六十時間の上限規制の施行後に検討することになりますけれども、その際には、できるだけ早期の一般則の適用に向けまして労働政策審議会において検討し、速やかに結論を得るように努めてまいります。
#140
○浜口誠君 では、あれですか、五年後以降でないとスタートしないということですか。最初の答弁と、何か先ほどの答弁だとちょっとまた変わったような気がするんですけれども。最初はできるだけ早期にと言われましたけれども。
 もう一度確認です。五年後以降のタイミングでできるだけ早期ということなんで、五年間はやらないと、そういうことでよろしいんですか。
#141
○政府参考人(山越敬一君) この自動車運転業務でございますけれども、五年間の猶予措置がございます。五年後に年九百六十時間の上限規制が施行されるわけでございまして、その後におきまして、できるだけ早期の一般則の適用に向けて審議会において検討し、速やかに結論を得るように努めてまいります。
#142
○浜口誠君 では、先回、同じような自動車運転手の議論をしました。私も、自動車運転手の業務についてはいろいろな、多種多様な業務もあるので、細かく区分して、一般則適用できるやつについては五年を待たずして議論していただいて適用できるようにしていただきたいと、こういうお話をさせていただいたときに、大臣の方からの答弁では、五年後において、一部の事業、業務について実態を踏まえて一般則に変えていくといったことは十分にあり得ると、この答弁いただいているので、この答弁からすると、もう五年後、一部の自動車運転業務については一般則適用される可能性もあるというふうに受け止めておりますけれども、その理解でよろしいですよね。
#143
○国務大臣(加藤勝信君) そこで申し上げたのは、まさに五年後の施行後に検討するというのは、これは原則でありますから、その五年後の検討に当たって、五年後たって、施行から五年後、たった後に検討しますと。その検討している段階において、今の一般則が全てあるいは全業種に適用できなければやらないということではなくて、委員御指摘のように少し細分化して、ここは適用できるものがあるとか、あるいは全ての規則でなくてもこれは適用できるところがあるとか、そういったような判断があれば、そうした形で、逐次というんでしょうか、段階的にというか、そういった形での対応をしていくことはあり得ますよということを申し上げたのであって、この五年間の中でそれをするということを申し上げたわけではございません。
 もし誤解があるとすれば、改善告示の話もさせていただきました。これは別に、五年を待たずに議論をするということはそのとおりであります。
#144
○浜口誠君 五年間の中じゃなくて、五年後、じゃ、経たらすぐ、一部かもしれませんよ、ごく一部かもしれませんけど、五年たったら一部の自動車運転業務については一般則が適用されるような業務も出てくる可能性はあるということでよろしいですか。
 いや、五年の中じゃなくて、五年後過ぎて、もう、じゃ来月からやりましょうみたいなのは、この五年間でいろいろ実態も見ながら確認して、あっ、ここのエリア、この業務だったらいいんじゃないの、一般則適用してもということであれば、五年後から議論をスタートするのではなくて、もうその時点でこれはやりましょうと、五年後過ぎて、まあ一か月後とかですね、例えばですけれども、そういうことはあり得るということでよろしいですか。
#145
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、申し上げたのは、五年たったところで検討を始めるということでありますから、検討期間がどれだけというのは今の段階で申し上げることはできませんが、ただ、それに当たっても、できるだけ早くに一般則が適用したいという、そういう思いの中で議論、検討を進めてまいりますと。ただ、検討した中で割と早く合意がなされれば、またこれ労政審等の議論が必要になってくるんだと思いますけれども、そうしたら、それほど時間が掛からずに、一部分について言わば先行的に適用されるということはあり得るというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、検討するのは施行後五年と、五年後からということになっております。
#146
○浜口誠君 では、本当できるだけ早く、五年たった時点で検討を始めていただいて、もうすぐにでもできるやつは中にはあると思いますから、しっかりとこの五年間の間でも、何か検討を止めるのではなくて、いろんな実態調査なんかは十分できますから、業界の皆さんの意見も聞きながら、五年後のタイミングでできるだけ早く一般則が適用できる自動車運転業務の方が増えるように、厚労省としても努力いただくことを重ねてここは強くお願いしたいと思います。
#147
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも答弁しておりますように、この自動車運転業務については、事業主だけでできるわけではなくて、関係者の様々な協力が必要で、そういったこともあって五年の猶予期間を設けている。したがって、今委員御指摘のように、この間に様々な協力があったり、あるいは今のICTを使ってうまくやれるようになったり、いろんなことがあるんだと思います。そういったことは逐次私どもも把握をしておきながら、五年後の検討の際にはそういった情報も提供しながら、そして基本的なスタンスは、先ほど申し上げておりますように、できるだけ早く一般則が適用できるようにということで取り組ませていただきたいと思います。
#148
○浜口誠君 是非よろしくお願いします。
 では、次、高プロ関係に移ります。
 先ほど足立委員の方から、休日の件について議論がございました。私、まず聞きたいのは、百四日のこの休日、カレンダーは、高プロで働く皆さんのカレンダーというのは誰がどのように決めるんですかね。まずそこを教えてください。
#149
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これは高度専門職の方でありまして、希望する方が、健康を確保した上で、仕事の進め方や働く時間帯等を自ら決定し、意欲や能力を有効に発揮することを図る制度でございます。したがいまして、いつ働きいつ休むかといった勤務カレンダーも労働者本人が自律的に決定することとなります。
 一方で、年百四日及び四週四日のこの休日確保でございますけれども、制度導入の要件として使用者に義務付けられておりますので、使用者は労働者が休日をきちんと取得しているか把握する必要がございます。そのため、できるだけ休日を事前に特定することができるよう、事前に労働者本人から使用者に予定する休日を伝えていただくことが望ましいと考えておりまして、その旨、指針に明記することを検討いたします。
#150
○浜口誠君 労働者自らが自律的働き方だから決めるんだということですけれども、じゃ、実際にその休日を確実に取得したかどうかというのは、これどうやって客観的に把握するんですかね。
 いつ働いてもいいんですから、土日に休むと言って実は土日に出勤していたというようなこともあるかもしれませんよね。実際、パソコンを使わずにやる仕事もありますから、別にログオン、ログアウトしていない、タイムカードもないような職場といったときに、本人が自己申告しなかったら、その休日は会社側、使用者側、上司と握っていたんだけれども、結局その土日は休んでいないと、こういうことが起こり得ると思うんですけれども、その辺の客観的な把握というのはどのように考えておられますか。
#151
○政府参考人(山越敬一君) これは、健康管理時間については客観的な記録、そして、それができない場合は自己申告で把握することになっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、休日をしっかり取ったかということは事業主が労働者にも確認していただく、そうしたことが必要であると考えます。
#152
○浜口誠君 そうすると、やっぱり客観的に把握はできないということですね。実際に、もう労働者御本人の自己申告、そういったものがベースにならざるを得ないということに結果としてはなるんじゃないかなというふうに思います。
 だから、本当にここって、何か労働者が自由に決められるとは言いますけれども、現実問題、こういった休日一つ取っても着実に取得したのかどうかということすら把握は難しいと、こういう制度に現実はなっているということは、もう一回指摘しておかなければいけないなというふうに思っております。
 そんな中で、先ほど、深夜残業、深夜勤務の話ございました。夜二十二時から朝の五時まで、この時間帯、どこかの時間帯働いていれば一回にカウントしますということなんですけれども、この深夜勤務の回数についても省令で定めていくということがうたわれていますけれども、これもあれですかね、省令で定めるということですけれども、何回にしていこうかというのはこれからの議論ということなんでしょうか。回数についての今厚労省としての考え方等がありましたら、ここで説明をいただきたいと思います。
#153
○政府参考人(山越敬一君) 深夜業の回数につきましては今後労政審で御議論いただくことになりますけれども、例えば、労働安全衛生法で自発的健康診断の対象となる深夜業の回数が月四回とされておりますので、この回数を参考にすることが考えられます。
#154
○浜口誠君 じゃ、ベースは月四回までということが基本と。ベース、議論のスタートはそこだということでよろしいですかね。分かりました。
 続きまして、もう一つ、年に一回以上連続した二週間の休日、これ健康措置の選択肢の一つとしてそういう連続の休日というのが入っています。ここもちょっと確認したいんですけれども、この二週間の連続した休日、二週間ですから十四日ということになると思いますけれども、これは年間の休日の百四日とは切り離して別物だということの理解でよろしいですか。
#155
○政府参考人(山越敬一君) 選択的措置としての二週間連続の休暇は、百四日の休日の内数とすることができます。
#156
○浜口誠君 それはあれですか、もう労使で決めればいいということですか。要は、できるということは、僕の理解だと百四日プラス十四日で百十八日を取る必要があるということだと理解していたので、そうじゃないということなんですかね。もう一回、そこの説明をお願いします。
#157
○政府参考人(山越敬一君) 選択的措置として講じます二週間連続の休日確保でございますけれども、これは、まとまった休日を与えてしっかり休んでいただくという、そういう休日の与え方に着目した健康確保措置でございますので、年間百四日の休日の内数として付与することができます。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#158
○浜口誠君 ああ、そうですか。ちょっと僕、びっくりしました、そういう理解をしていなかったものですから。百四日プラス十四日かなというふうに思っていたので。
 じゃ、あれですか、この二週間は、もうこれを含めて百四日でいいということを今おっしゃったんですね。もう一回確認です。
#159
○政府参考人(山越敬一君) 選択的措置として講ずる二週間連続の休日でございますけれども、これは年間百四日の休日の内数として付与することができます。
#160
○浜口誠君 じゃ、これ、労使で決議をして、労使委員会等で、今は二回に分けて一週間、一週間でもいいよというふうな説明になっていますけれども、じゃ、これ、例えばですけれども、僕が思っていたのは、十四日がもう与えられているものだと思って考えておったんですけれども、十四日あれば五、五、四と三回に分けるようなこともできるなというふうに思っていたんですが、この十四日というのがそういう考え方でないと、もう取れても二回に分ける取り方しかできないんですかね。
 例えば、二週間ですから稼働日でいうと五日ですよね、五日、五日。この五日、五日を、月曜日から木曜日まで休んで、月曜日から木曜日まで休んで、あとの二日は月曜日から水曜日まで休むというふうな三分割というふうなことも労使が議論すればできるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういうことは、労使が議論して決めてもそういう取得はできないという理解でよろしいですか。
#161
○政府参考人(山越敬一君) 今御指摘の点でございますけれども、法律上の規定が一年に一回以上の継続した二週間、労働者が請求した場合において一年に二回以上の継続した一週間となっておりますので、これを三分割するということはこの選択的な措置としてはできないこととされております。
#162
○浜口誠君 じゃ、続きまして、先ほども少し議論になりましたけれども、労基法の四十一条の二の第五号のニにあります労働者の健康の保持を考慮して省令で定める要件に該当する労働者に対する健康診断の実施、いわゆる臨時の健康診断ですけれども、ここに書かれております省令で定める要件というのは具体的にどのような内容になるのか、教えてください。
#163
○政府参考人(山越敬一君) この新しい労働基準法の四十一条二号六項のその他省令で定める措置でございますけれども、この健康確保措置につきましては、二十七年の労働政策審議会の建議におきまして、現行の企画業務型裁量労働制の指針に例示されている事項、例えば代償休日又は特別の休暇の付与、健康診断の実施、連続した年次有給休暇の取得促進などでございますけれども、こういった事項を参考にしつつ、さらに、長時間労働を行った場合の面接指導、深夜業の回数の制限、勤務間インターバル、一定期間における労働時間の上限の設定等を追加することも検討の上、省令で規定することが適当であるとされているところでございまして、詳細につきましては……(発言する者あり)
 済みません、臨時の健康診断の要件でございます。大変失礼いたしました。
 この選択的措置の対象者の要件でございますけれども、昨年九月に労働政策審議会に諮問した法律案要綱におきましては、健康管理時間が一週間当たり四十時間を超えた場合のその超えた時間が一か月当たり八十時間を超えた場合、又は八十時間を超えていない場合でも本人から申出があった場合、これを省令で規定する予定である旨が示されております。
#164
○浜口誠君 じゃ、あれですね、四十時間超でその累計が八十時間、あるいは八十時間以内であっても本人が申出すればこの臨時の健康診断というのは受けることができるということでよろしいですね。分かりました。
 じゃ、続きまして、同じ四十一条の二の第六号に規定されております、労働者に対する有給休暇の付与ですとかあるいは健康診断の実施、その他省令で定める措置という内容が記載をされております。このその他省令で定める措置、これは具体的にどのような内容を表すのか、この内容についてお伺いしたいと思います。
#165
○政府参考人(山越敬一君) 済みません、改めてお答えさせていただきます。
 お尋ねの健康確保措置でございますけれども、二十七年の労政審の建議におきまして、企画業務型裁量労働制の指針に例示されている事項、代償休日又は特別の休暇の付与、健康診断の実施、連続した年次有給休暇の取得促進などがございますけれども、これを参考にしつつ、長時間労働を行った場合の面接指導、深夜業の回数制限、勤務間インターバル、一定期間における労働時間の上限の設定等を追加することも含めて検討の上、省令で規定することが適当であるとされておりますので、詳細につきましては、こうしたことも踏まえまして労政審で検討することとなります。
#166
○浜口誠君 じゃ、続きまして、労使委員会の関係でちょっと確認したいと思います。
 労使委員会はまた、この高プロのみならず、専門業務型裁量労働ですとかあるいは企画業務型の裁量労働においても、とりわけ企画業務型ですけれども、この労使委員会というのを設けております。その中で、まず専門業務型の裁量労働におけます労使協定、これ届出を、労使協定出さないといけないんですけれども、この専門業務型の裁量労働の労使協定、これは専門業務型を導入している全ての事業所がしっかりと労基署の方にこの労使協定を出しているという今実態にあるというふうに考えてよろしいですか。必ず労基署の方には専門業務型の裁量労働の労使協定は出されていると。今の実態を教えてください。
#167
○政府参考人(山越敬一君) この専門業務型裁量労働制を導入する場合には、労基法の規定によりまして、原則としてではございますけれども、当該事業場の過半数代表者との協定を締結いたしまして届け出ることになっております。
 この届出された協定書につきましては、労働基準監督署で受け付ける際に、その必要な事項が記載されているかどうかをチェックをしているところでございます。それからまた、監督指導を実施した際にも、こういった裁量労働制の導入の有無を確認いたしまして、協定の届出の有無などを確認の上、必要な指導を行っているところでございます。
#168
○浜口誠君 この労使協定って期限がそれぞれあると思うんですね、有効期限というのが。その期限が切れたときには必ず労基署としても、ああ、これ三年でもう期限来ているし、新しい労使協定が届出されていないよというようなフォローアップは確実に、提出されている労使協定をチェックしながら、労基署として当該事業所に対応されているということでよろしいでしょうか。
#169
○政府参考人(山越敬一君) この労使協定が有効期限が切れる場合におきましては、これは届出を使用者において行っていただくことが本来でございますので、労働基準監督署におきまして、個別の事業場の協定の有効期間を把握いたしまして、例えばこれを提出するようにと、そういった督促をするようなものではないと認識をしております。
 他方で、本年二月より全国一斉に広く裁量労働制の適正に向けた自主点検を実施しているところでございまして、現在、その自主点検結果の取りまとめを行っているところでございます。その結果も踏まえまして、裁量労働制に対する重点的な監督指導を実施することとしております。一部自主点検の未提出の事業場を対象にいたしまして、既に監督指導を開始しているところでございます。
#170
○浜口誠君 やっぱり受け身じゃいけないと思うんですよね。しっかりと届け出られたやつを見て、いや、これもう切れているけどどうなっているのかなという形で、常に労基署が能動的に、やっぱり裁量労働もいろいろ課題があるというのは言われているわけですから、いや、切れているけれども、向こうの事業主体が、事業所が言ってこなきゃ、届け出なきゃ、俺たち知らないんだということではこれはいけないと思いますよ。やはりしっかりと届け出られたものを整理をして、管理して、そのためにはデータベースだとかしっかりシステム化も図らないといけないと思いますけれども、そんな工数を掛けてやれないというのであれば、そういった業務の効率化も図っていただく必要はありますけれども、今の局長のようなスタンスだと僕は絶対駄目だと思います。これから更に高プロも入るというような状況になったら、本当労基署としてどうするんですかという感じがしますから。
 是非、大臣、受け身じゃなくて、能動的にしっかりやっていくということを言ってくださいよ。
#171
○国務大臣(加藤勝信君) 今局長申し上げた、督促するという意味において、これ督促するということは、引き続き、例えば今の話では専門型裁量労働制を続けてくださいという話になりますから、それは労基署側から言う話ではないんだろうと思います。
 ただ、今委員御指摘のように、どう考えても期限が切れている、有効期限が切れている、これは一つの情報でありますから、監督指導するときに我々も様々な情報を見ながら対象先を決めていく、そのための有効な一つの情報としては十分活用し得るものだというふうに思いますので、特に今、三十一年度中からはデータ管理という形で運用を開始していきたいと思っておりますから、そういった際にも有効期限が切れているというものを洗い出しをしながら、それを監督指導の対象を絞る際の一つの情報として活用する、これ当然のことだと思いますし、そのように努めていきたいと思います。
#172
○浜口誠君 是非それはやっていただきたいと思います。
 一方で、もう一つ、企画業務型の裁量労働、これについては届出だけでなくて六か月置きに実態を報告しないといけないということになっています。これ、ちゃんとされているんですかね。三千九十何事業所、企画型裁量労働やられているというのは、先回までのこの委員会の議論で厚労省の方からの答弁でも把握はされていますけれども、これ、六か月ごとの実態報告、企画業務型裁量労働を導入している事業所、しっかりやられているかどうか、チェックされていますよね。確認です。
#173
○政府参考人(山越敬一君) 先ほど御答弁申し上げましたように、この二月から裁量労働制を導入している事業場に対して自主点検を指示しておりまして、その結果を踏まえまして、今後、必要な事業場に対しましては重点的な監督を行ってまいります。そういった中で、そういった御指摘のような届出漏れがないか、そういったことも確認をし、必要な場合には指導を行ってまいります。
#174
○浜口誠君 じゃ、今はその六か月の報告義務、届け出られている事業所、企画業務型裁量を導入している事業所に対して、ここは届出が来ている、来ていないというのはチェックしていないということなんですか。そこを今聞いているんです。今、自主点検がどうのこうのじゃない、今の実態はどうやられているんですかということを聞いているので、今はちゃんと届出があったところは六か月ごとに報告義務がされているかどうか、それは労基署として管理されているということでよろしいですか。
#175
○政府参考人(山越敬一君) この企画業務型裁量労働制、六か月ごとの報告でございますけれども、これは適切に報告していただく義務がございますので、こういった義務については必要な周知を行っておりますし、こうした届出をしていない事業場を労働基準監督官が監督指導した際に確認した場合には、必要な指導を実施しているところでございます。
 それに加えまして、今申しましたように、今後、その裁量労働制を実施している事業場につきましては、重点的な監督、実施することにしておりまして、こうした中でそういった事案が確認されれば、これもやはり適切に指導を行ってまいります。
#176
○浜口誠君 是非、報告義務があるわけですから、ちゃんとその義務を、導入されている各事業所はやっているのかどうか、これは労基署としてもきめ細かく丁寧に確認をするようにお願いしたいと思います。そうでないと、先ほど大臣も高プロ入れる事業所は全部労基署として確認をしてやっていくんだというお話ありましたけれども、やっぱり現時点で裁量労働すらそういう管理ができていないのに、じゃ、高プロ本当に入れたとき大丈夫かということは自然に思いますよ。だから、しっかりとそういう労基署としての対応ができる体制を整えていただきたいと思います。
 一方で、これ最後にしますけれども、本当にそういう管理できるんですか。今、労基署も忙しくて、そんな仕事の範囲を広げるようなことはできないというような実態にあるんじゃないかと正直思いますけれども、高プロが入ったときそんなきめ細かな対応が本当にできるのかというふうに感じますけれども、そこは、大臣、体制強化という意味でどのようなことを考えているのか、最後にそこだけお伺いしたいと思います。
#177
○国務大臣(加藤勝信君) 労基署、特に監督指導の強化については、これまでも監督官を増強する等、あるいは実際の運用面においてもより監督指導が対応できるよう、今、内部でも、そうした組織等含めて、組織というか人の配置といいますか、そういった面も含めて見直しをさせていただいておりますので、そういった対応を並行で行いながら、今回の高度プロフェッショナル制度、この法案成立をさせていただければ、その成立後あるいは施行後、出された届出先、これに対してはそれぞれの労働基準監督署でしっかりと監督指導に当たりたいと思っています。
#178
○浜口誠君 時間が来たので終わります。しっかりと取り組んでいただくことを最後にお願いしておきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#179
○委員長(島村大君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三原じゅん子君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。
    ─────────────
#180
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 午前中の安倍総理の質疑に続いての加藤大臣質問になりますが、総理にも申し上げました。我々ここで本当に、みんなで真摯に質疑、議論させていただいています。是非、様々な問題点、課題、それを踏まえて前進的な質疑、建設的なやり取りができるように、最初から一歩も答弁が変わらないのでは何のためのこの重要な質疑なのかということになります。大臣、是非それをしっかりと踏まえた御答弁をお願いしたいと思います。
 最初に、済みません、事前通告の質問に入る前に、これ通告外ですが、今の浜口委員の、二点更問い掛けさせてください。これ局長で結構です。
 一点目。今、企画業務型裁量労働制の六か月ごとの定期報告について重要な御指摘がありました。局長、御存じでしょう、六か月ごとの定期報告していない企業たくさんありますね。数字に出ているはずですよ。それ御存じでしょう。それをどうするのかと。六か月ごとの大切な定期報告をしていない企業があるのに、それどうしているんですか、局長。それ即刻ちゃんと定期報告させて、指導しないと。指導しようにも、定期報告していない。それすら監督官はちゃんとやっていない。
 局長、数字把握されていますか、一体どれだけの企業が裁量導入していながら定期報告をしていないか。局長、御存じでしょう。御存じでない。
#181
○政府参考人(山越敬一君) 今御指摘の点でございますけれども、これは必ずしも裁量労働制の決議あるいは協定の有効期限というものが、三年以内が望ましいということになっておりますが、決まっておりませんので、そういったものと突き合わせてその定期報告があるかどうかというのがなかなか現状では正確には把握、長い協定もございますので、その全てを把握することはできないということの状況でございます。
#182
○石橋通宏君 要は、それすら把握していない、把握できていない。把握する必要すら感じているんですか、局長。いや、それは難しいです、いや、そんなことで、企画業務型の制度をほぼそのまま踏襲している高プロ、だから駄目だと言っているんですよ。局長、そんないいかげんな答弁で、厚生労働省、これできると言うこと自体がおかしいということをまず指摘しておきたいと思います。
 もう一点更問いさせてください。四十一条の二第一項の決議事項、第六号の話、浜口委員取り上げて、その他って何だということになりました。
 局長、この第六号に規定されている幾つかの措置がありますね。これって全部やらなきゃいけないんですか。それとも、この中からどれか選択してやればいいんですか。それとも、どれもやらなくても済まされるんですか。それだけ教えてください。
#183
○政府参考人(山越敬一君) まず、今の御質問の前に、その裁量労働制については、専門業務型それから企画業務型裁量制、いずれも二月から自主点検を実施をお願いしておりまして、その結果を踏まえまして重点的な監督を行っていくことにしております。そういう中で、今御指摘のようなその報告が出ていないものについては、必要な指導をしてまいります。
 それから、新しい労働基準法の四十一条の二第六のその他省令で定める措置でございますけれども、これは、そのいずれかの措置を実施していただくということでございます。
#184
○石橋通宏君 第四十一条の二第一項の決議事項の第六ですよ。そこにいろいろ列挙されていますね。これは、全部やらなくてもいい、どれか一つでも確実に、どれか一つは少なくともやってくださいということなのか、ここには、当該決議で定めるものを使用者が講ずることとしか書いてありません。ということは、絶対にどれかをやれという法律事項にはなっていないのではないかと思いますが、局長、これは必ずどれかはやらなければいけないのか、そう決めればやらなきゃいけないけれども、やらなくてもおとがめはないのか、それを教えてください。
#185
○政府参考人(山越敬一君) これにつきましては、省令で定める措置として列挙されたものの中から必ずどれか一つをやっていただくということでございます。
#186
○石橋通宏君 どれか一つは必ずやると、まあ一つやればいい。これは、法律ではあくまで、当該決議で定めるもの、必ず定めなさいという規定にはなっていませんが、いませんが、必ずやらなければいけないということだということで今答弁を明確にいただきましたので、これは少なくとも一つは必ずやるべきものだという法解釈だということは確認しておきたいと思いますので、そこは是非明確にお願いします。
 それで、通告の方に戻りますが、まず、年収要件についてこの間ずっと確認をしてまいりました。大臣、前回の委員会で、委員会協議で出していただいたんですけれども、結局、手当の額について明確にできないということでありました。大臣、確認だけ。
 これ、支払われることが確実に見込まれる手当は全部含まれる、含んでよい、含むことができるというふうにここで厚生労働省明確に説明をいただきましたので、そうしますと、午前中総理にも聞きましたが、これ、通勤手当、住居手当、家族手当、様々な手当があります。場合によっては、私が指摘したように、四百万になる人もいます、三百万の人もいます、二百万の人もいます、百万円の人もいます。様々ありますが、この定義にさえ当てはまれば、これ諸手当、年収要件に含んでもいいということになりますので、そうすると、そういったことを含めた一千七十五万円にすぎなかったということになりますが、これは事実として確認してください。
#187
○国務大臣(加藤勝信君) まず、支払が確実に見込まれるということでありますけれども、これは今、委員も御承知のように、有期労働契約期間の特例、この年収要件について、告示において、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を一年当たりの額に換算した額が一千七十五万円を下回らない、こう規定をされておりまして、さらに、この通達において、支払われることが確実に見込まれる賃金の額については、個別の労働契約又は就業規則等において、名称のいかんにかかわらず、あらかじめ具体的な額をもって支払われることが約束され、支払われることが確実に見込まれる賃金は全て含まれる、こういうふうに書いておりますので、高度プロフェッショナル制度でも同様の取扱いをするという方向で検討しておりますので、したがって、委員の今の御質問について申し上げれば、手当の名目にかかわらず具体的な額が契約上確定している、そうした手当といえば手当は含まれるし、実績に応じて支払われるような、確定していないような手当は含まれない、この基準によって峻別されるということであります。
#188
○石橋通宏君 ですので、その定義にさえ当てはまればあらゆる手当が入り得る、含まれ得るということですので、手当を除いた基本給の額が実はべらぼうに安かったということにもなり得るということを今の大臣答弁でも改めて確認させていただきました。
 ちまたで今、いや、そんなこと知らなかった、いや、通勤手当含んでいいのかという議論巻き起こっております。まあそうですね、皆だまされたと思っているわけです。この点については重ねて、足立委員も先ほど言われました、本当にこれ適正なのかと。高度に高度な人の処遇、本当にプロフェッショナル、いや、それ、私は到底納得できないというふうに思います。
 法律に三倍という数字が具体的に書かれています。大臣、三倍の根拠って何ですか。
#189
○国務大臣(加藤勝信君) これは高プロの年収要件の議論の経緯というのがあるわけでありまして、閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一四では、一定の年収要件として、例えば少なくとも年収一千万以上を満たしと、こう明記をされております。
 それから、先ほど申し上げた労働基準法改正時、この有期の方の、この附帯決議があって、そして、労働政策審議会での検討の上、大臣告示において一千七十五万円の年収要件が設定されていること、こうしたことを踏まえて、公労使三者の議論の上、労働政策審議会で建議がまとめられたわけでありまして、そこにおいては、これを下回らないことを法的に担保するため、毎月勤労統計の決まって給与する給与を前提に、当時の当該数値、これ約二十六万円、これ月額ですが、その十二か月分の三倍の額に言及をし、それを上回る額として法定するということを建議案としてお示しをし、議論をいただいたということであります。
 そうした経緯を踏まえて、ですから、当初一千万とか一千七十五万とかと、そういった議論があり、他方で、今の平均給与が、当時でいえば、平成二十六年の毎月勤労統計調査であれば、パート労働者を含む全体の年間平均給与額は約三百十三万だと。したがって、それを見て三倍を相当上回る額ということで導き出されたということであります。
#190
○石橋通宏君 大臣、三倍に何の根拠があるんですかと聞いています。三倍、教えてください、何で三倍なんですか。
#191
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、先ほど申し上げた年収の一つの目安として一千万円という数字、少なくとも年収一千万円以上という数字が日本再興戦略の改訂二〇一四では明記をされている。
 また、これまでの、交渉上、劣位に立たないということでの、例の有期の三年から五年に延長される者に対する大臣告示においては、一千七十五万、こういう数字が出されているので、それを念頭に置きながら、他方で、先ほど申し上げた平均の年収ということ、それを念頭に置きながら、三倍相当という、こういう数字が出てきたと、こういうふうに承知をしております。
#192
○石橋通宏君 これお聞きになって分かったと思います。三倍に根拠ないんです。額、先にこれぐらいだろうと、えいやあで決めておいて、それでつじつまを合わせるのに基準額付けてその三倍でと言っただけで、三倍に何の根拠がない。つまり、また閣議決定で、じゃ八百万にしておこうと言えばそれ逆算して、じゃ二倍にしておこうと、その程度の根拠ですか。まあ根拠がないんでしょうね。
 結局、そもそもの一千七十五万自体がいいかげんな根拠のない数字だった。逆算して三倍と、まあまあ文句言われて書き込んだ。それ自体にも根拠がない。ということは、将来的に、一千七十五万じゃない、まあ八百万、六百万、そういうことも、結局、閣議決定してしまえばそれに合わせて法改正してしまうということで、全く根拠がない、担保がないということを重ねて証明されたんだろうなというふうに思います。
 高プロの適用について、前回、派遣労働者には法律の適用ができないということは明確に答弁をいただきました。一方で、有期雇用契約労働者については適用が可能だという御答弁でした。
 これ確認です。一日単位、一週間単位、一か月単位、いかなる単位でも契約は可能だ、高プロ契約が可能だということでよろしいですか。
#193
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、雇用契約期間については特段の要件は設けていないわけでございますけれども、他方で、この制度は高度の専門的知識等を必要とし、その性質上、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないものとして認められる業務に従事し、そして書面等による合意に基づき職務が明確に定められている労働者が対象になりますので、そのような職種の方が少なくとも日雇とか一週間契約で働くということは現実には想定されないものでございます。
#194
○石橋通宏君 いや、そうじゃない。事実として教えてください。契約は可能なんでしょう、局長。
#195
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、雇用契約期間については特段の要件は設けていないわけでございますけれども、職務が明確に定められているとか、それは成果を、関連性が高くないということでやっていくわけでございますので、そのような職種の方が日雇や一週間単位で働くことは現実に想定されません。
 いずれにいたしましても、契約期間が一か月未満の短期間の高プロ契約は、働く方が裁量を発揮しにくくなりますものでございますので望ましくないと考えておりまして、その旨を指針に記してまいります。
#196
○石橋通宏君 局長、済みません、ちゃんと事実を答弁してください。法律上できるんですかと。だから、できるんだというところを今確認した、そこだけまず確認してください。その先進めませんよ。
 局長、法律上は制限ない、これは今答弁されました。今、望ましくないと言いましたね。じゃ、規制するんですか。短期の契約はさせない、省令書くんですか、書くんですね。今、立法趣旨からいって短期の有期契約は望ましくないというかのような答弁されましたね。じゃ、させないんですね、できないんですね、省令書くんですね。局長、それでいいですね。
#197
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これは高度な専門的知識、そして時間と成果の関連性が高くない業務でございます。それから、書面による合意に基づきまして職務が明確に定められてその範囲で働く方でございますので、日雇や一週間契約で働くことは現実に想定されないものでございます。
 いずれにいたしましても、契約期間が例えば一か月未満等の短期間のこういった高度プロフェッショナル契約は、働く人が裁量を発揮しにくくなるものでございますので望ましくないと考えておりまして、その旨を指針に明記してまいります。
#198
○石橋通宏君 大臣、今のはいいんですね。これ、今、一か月以下、こういう短期では趣旨に合わないからそれはさせない、できないようにする。そういうことで、大臣、これいいんですね。
#199
○国務大臣(加藤勝信君) まず、契約期間は、先ほど申し上げたように、これ基本的には高プロ、我々の議論も一年を前提に議論してきている、大体一年をベースにいろんなものが決められているということで、短期間なものというのは、先ほど申し上げた、この業務等の関係からいっても現実的ではないし、ふさわしくはないだろうというふうに考えております。
 それじゃ具体的にどのぐらいの期間が対象から除外するか、これは少し議論しなきゃいけないと思います、正直言って。一か月未満というのはこれは明らかに除外をすべきだろうと。そこから先どのぐらいまで除外をするかというのは少し議論する必要があると思いますが、それを含めてこの指針等においてそういった形で契約期間を限定をしていく、そういったことが考えられるんではないかというふうに思っております。
#200
○石橋通宏君 これ、昨日までレクではそんなこと一言もなかったので、一日で随分考え方が変わったんだなと思いますが。
 そうしたら、局長、一か月、まあ一か月未満駄目だと今明確に答弁されました。なぜこれ問題にしているかというと、こういう短期、細切れの契約で、高プロ契約で定額で働かせ放題なんという契約が可能になっちゃったらとんでもないことになりますね。だから言っているんです。
 でも、一か月は何か可能なような話ですが、局長、一か月の場合の給与計算どうされますか。
#201
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、制度の年収要件として、給与の平均額を基礎として算定した額の三倍を相当程度上回る水準、一千七十五万円を想定しておりますけれども、以上としているところでございます。
 契約期間が仮に一か月である場合についてあえて申し上げれば、千七十五万円を十二で案分いたしました、この場合は九十万円を支払う契約内容となっておりますれば、年収要件は満たすものと考えております。
#202
○石橋通宏君 これ、今、九十万と、月給九十万。月給九十万というと、皆さん、まあそんなもんかな、いや、でも、さっきの話お聞きになっていれば、これ手当入った額ですからね。通勤手当、家族手当、住居手当まで入った額で月収九十万、これ、高プロ。
 これ、例えば、まあ昨日までは一日当たりでも契約可能ですと言っていたので、これ一日当たりで計算すると、これ恐ろしい話、大体一日当たり三万四千四百五十五円ぐらいになるんです。時給換算にすると、二十四時間働けると時給千四百三十五円です。十六時間勤務で二千百五十三円です。十二時間勤務でも二千八百七十一円です。重ねて言います。通勤手当などなど込み込みの額です。これ高プロですか。
 こうすると皆さんびっくりされるでしょう。時給計算するとこんなもんです。まあ難しいですけどね、時給計算。でも、極端な議論をすると、時給二千円以下で高プロ可能になっちゃうんです。一か月契約でも、フルで二十四日間二十四時間働かせればそういう数字です。
 大臣、重ねて聞きます。こんなんで高プロなんですか。
#203
○国務大臣(加藤勝信君) いろんな、例えば働かせ、ちょっと今おっしゃいましたけれど、それは、まず働かせること自体が基本的にはなじまないということはこれまで申し上げさせていただいて、あとは本人がどういう形でその時間を使っていくのか。今委員がいみじくもおっしゃったように、なかなか時給で判断するのは難しい、そのとおりだというふうに思います。
 したがって、私ども、年収ということで一千七十五万という数字を申し上げさせていただき、これには、先ほどから議論させていただいているように、あらかじめ明確に支払われると、その金額、その場合、名称にはこだわることなく、そうした明確に支払われることがなっているその金額を一千七十五万、例えば一千七十五万と。
 その一千七十五万はどういうものかということで、先ほど申し上げたように、これまでの有期雇用の三年から五年の延長について、交渉力のある者として大臣告示で決めた金額、これが一千七十五万である。そういったことを念頭に、労政審でも議論いただきながら、こうした数字を念頭に置きながら、平均給与の約三倍を相当上回る水準、こういったことを定めさせていただいているということであります。
#204
○石橋通宏君 大臣、分かっておっしゃっているのか、分からずにおっしゃっているのか。一か月で契約する。一か月の労働契約の中に、これだけの成果を上げなさい、そういう契約すりゃいいんです。その契約を達成するためにはフルで、二十四日間二十四時間働かないと達成できないような労働契約でやる。もうそれが可能になっちゃうんです、大臣。具体的な労働時間の指導しなくたって、そういう契約しちゃえば、それ達成するためにはそれしないとできないんです。だから僕たちは恐ろしい制度だというふうに言っている。一か月なんて、こんな契約もできるようになっちゃうということになれば、相当悪用、濫用できるような制度になってしまうと思います。このことは改めて指摘しておきたいというふうに思います。
 ちょっと幾つか飛ばします。次回に幾つか回させていただいて、今日、一点、ちょっとフレックスタイム制について追加で確認をしておきたいと思います。
 本当に重要な話なんですが、これもまだまだ全然論点尽くされていないので今日一つ確認をしますが、フレックスタイム制の今回清算期間が三か月に延長されるということになりました。いろいろこれによるメリット、デメリット、議論があります。
 一点、今日、確認させていただきたいのは、これ、じゃ、三か月に清算期間延長になって、例えばその適用対象労働者が途中で退職した場合、そのときの割増し賃金ってこれどういう算出になるのか、これ労政審で積み残しになっています。ですので、ここで、もう既に確認されていると思いますので、それ明確にしていただけますか。
#205
○政府参考人(山越敬一君) 今回の法改正によりまして、フレックスタイム制におきまして時間外労働として取り扱いますのは、清算期間のうち一か月を平均して週当たり五十時間を超える労働時間と、清算期間の総労働時間のうち同期間の法定労働時間の総枠を超える労働時間の合計の労働時間でございます。
 そこで、例えば二・五か月といった一か月単位で割り切れない清算期間の場合は、その一か月未満となる期間〇・五か月につきまして、当該期間を平均し、一週間当たりの労働時間五十時間を超えた場合は時間外労働として取り扱うことになりますし、また、清算期間が一か月を超える場合でフレックスタイム制の下で働いた期間が清算期間より短い場合は、フレックスタイム制が適用された期間を平均し、一週間当たりの労働時間が四十時間を超えた場合に時間外労働として取り扱うこととしております。
#206
○石橋通宏君 確認しますが、それで労働者の不利益には絶対にならないということでよろしいでしょうか。
#207
○政府参考人(山越敬一君) これは清算期間が一か月を超える場合でフレックスタイム制の下で働いた期間が清算期間より短い場合でございますけれども、これは全体の清算期間ではなくて、フレックスタイム制が適用された期間を平均して、一週間当たり労働時間が四十時間を超えた場合に時間外労働として扱うということを定めているところでございます。
#208
○石橋通宏君 いや、だから、それが労働者の不利益には絶対にならないんですね、そういう観点でそれ定めていただいたんですねと、局長、聞いているんですから、それならそうとはっきりと明確に答えていただければいいのに、そういう答弁をいただけないと、どっちかよく分からない。これはちょっと改めて、今御答弁、精査させていただいて、また次回ちょっと確認はさせていただきたいと思います。
 その上で、済みません、ちょっと積み残しもありますが、パート・有期雇用労働法案関係も少し、まだまだ確認が足らないので、この点について、今日の残りの時間、確認をしていきたいと思います。
 まず、大臣、これ午前中総理に聞きたかったんですが、総理に聞けなかったので大臣に改めて聞きます。
 この間、安倍政権でも雇用の安定化、これをずっと少なくとも表では言ってきていただいたはずです。今回の法案で、じゃ、いわゆる不本意ながら今非正規で働いて頑張っておられる方々、正社員転換、無期雇用転換、今年、労契法十八条も適用された、そういうことも含めて、本来は正社員で頑張りたい、正社員になりたい、正社員で働いていきたいと言っている皆さんがちゃんと正社員で働ける環境、無期にちゃんと処遇もされて転換できる環境、それが必要なはずです。この法案、それ促進するんですか。いや、かえって、格差について説明さえ合理的にできれば非正規で構わない、非正規を固定化する方向に行ってしまわないかという懸念が巻き起こっています。
 大臣、この法案は非正規固定化法案ですか、それとも、正規そして無期転換含めて、希望する方が正社員で働ける、それを促進、確保する制度ですか、どっちでしょうか。
#209
○国務大臣(加藤勝信君) そのどっちというのはよく分からないんですけれども、というのは、それぞれにおいて事情があるわけですね。だから、フルタイムで働く事情が、働ける方もいるし、(発言する者あり)いやいや、ですから、希望に応じて、我々は、対応できる、そして例えば、いろんな制約条件があって、パートあるいは有期のパートという選択肢、しかし、それにおいても処遇が不合理な格差があってはならないということで、それを縮めて処遇を上げていきましょうというのが今回の趣旨であります。
 それから、今委員お話しになった不本意ながら非正規でおられる方、これに対しては正規への道筋をつくっていくというのは当然でありますので、まず一つは雇用、まず正規の雇用をいかに確保していくということで、現在、御承知のように、有効求人倍率、正規については一を超えるという状況をまず経済的につくっていくことが大事だろうというふうに思います。その上で、能力開発等、あるいはキャリアアップ助成金等を促進していく。
 さらに、今回の法案について申し上げると、通常の労働者への転換を義務付けるパートタイム労働法第十三条の対象には、今回、パートタイムだけではなくて有期雇用労働者も追加をすると、こういう規定にもなっておりますから、それも今委員御指摘の正規への転換の一助にはつながっていく部分があるんだろうというふうに思います。
#210
○石橋通宏君 いや、大臣、大臣としてちゃんと、今私が質問したようなこと、いや、正社員転換、希望する方々が正社員として頑張って働ける、そういう環境も促進していくんだと、そういうことも含めて、大臣の決意しっかり答弁いただければいいんです。そういう法制度を含めた対応をするんだということで確認をしていただければいいんですが、ごにょごにょごにょごにょ言われるので、余り最後の大事なところがよく分からない。
 その上で、今回の一つの大きなポイントって、労契法二十条を削除するということです。これ、局長、まあ局長の答弁長くなるから、大臣にしようか。これ、労契法二十条を削除するということについて、今度、パート労働法をパート・有期雇用労働法ということで今回法案提起されているわけですが、労働契約法とパート法は法律の性質が違います。労契法二十条を削除するということは、これは結果的には、法的な効果としては労働者にとってマイナスになりませんか。労働者保護の観点からいくと労働者にとってはマイナスになるのではないかと思いますが、大臣、これいかがですか。
#211
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員がおっしゃっているマイナスになる可能性というのは、多分、民事的効力ということでおっしゃっているんだろうというふうに思います。
 これは今月一日の最高裁判決において、労働契約法第二十条の規定については、私法上の効力を有するものと解するのが相当であり、有期労働契約のうち同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効になるものと解されるというふうに承知をしております。
 また、現行のパートタイム労働法第八条については、これは施行通達でありますけれども、本条は、労働契約法第二十条に倣った規定であると、こういうふうにされているわけであります。
 今回の法案による改正後のパート・有期労働法第八条の規定は、現行の労働契約法第二十条と同様の効果があると。要するに、現行のパートタイム労働法八条が労働契約法第二十条に倣った規定である、そして、今回の改正したものについても同様だというふうに認識をしております。
#212
○石橋通宏君 民事効がある、さらには補充効がある、その辺のことは大事なところなんですが、そもそもの法律自体の性格が違うのではないですかということを言っています。
 パート労働法、これ、どういう法律ですか。労働契約法、これ、労働契約を総括して管轄する法律です。その違いを考えれば、法律の効果として労働者を守る保護のレベルが変わりませんかと、そういうことを申し上げているんです。違いますか。
#213
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 労働契約法二十条は、民事的効果があるわけでございますが、端的に言えばいわゆる民事法でございまして、一方、パートタイム労働法は、民事的効果もあり、かつ、行政による助言、指導その他の措置、それからADR、そういうものも付いているという形では法律の性格が違うというのは先生おっしゃるとおりだと思いますが、そういう意味で、新たにこの八条の方に統合することによりまして、有期契約労働者につきましても指導、助言、勧告の対象になるとかADRを使えるという効果があると考えているところでございます。
#214
○石橋通宏君 書きっぷりが変わるわけです。労契法二十条と今回の法案の八条、書きっぷりが変わっています。対象労働者も、法律の条文の書きっぷりが変わりますので、適用がこれで変わるのではないか、そういう懸念が示されているわけです。
 今の答弁でいけば、いや、法律の効果として変わることはない、労働者の保護の観点からむしろ強まるんだということでよいのか、それは明確にここで答弁しておいてください。
#215
○政府参考人(宮川晃君) まず、法律的な効果は今申し上げたとおりです。もう一つポイントといたしましては、比較対象労働者の範囲の点についてでございます。
 従来の労働契約法というのは有期と無期との関係のみで対応していたわけでございますが、今回の法律は、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇の格差を是正するというものでございますので、従来、無期雇用パートタイム労働者はいわゆる比較対象の方であったわけですが、今回の法律によりまして保護の対象と位置付けることになります。このため、無期雇用パートタイム労働者は比較対象から外れることにはなりますが、有期雇用労働者は、無期雇用労働者の中で所定労働時間が最も長い、いわゆるフルタイム、無期フルの中の方々との待遇差を争うという形でその待遇差を争うことができるわけでございます。
 今回の改正によりまして、待遇差の内容や理由についての事業主の説明義務を課すこととなっておりますので、そういう意味で訴えやすくなるという点もあるということを付け加えさせていただきます。
#216
○石橋通宏君 ここも大変重要なところですので、これは明確にしていかなければいけないと思います。
 その上で、もう一回確認ですが、これ、今回の第八条だけではなくて、第九条についても民事効プラス補充効が担保されている、そういうことでよろしいですね。
#217
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正でこの法律的な効果というものは変わらないというふうに考えております。
#218
○石橋通宏君 なので、九条についても、補充効も含めて法律の効果として確認されるということでいいんですね。
#219
○政府参考人(宮川晃君) 民事的効力として確認されるということでございます。
#220
○石橋通宏君 これも大変重要なところだと思いますので、今、明確にそこについても、九条についても確認をしていただきました。
 その上で、これ既に委員会でも何回か議論をさせていただいておりますが、この八条、そして九条、この目的は、現在不合理な格差状態に置かれている非正規雇用の方々の処遇の改善、底上げなんだというふうに、これは政府、大臣も答弁をいただいています。つまり、正社員の方々、今の方々の賃金を引き下げたり手当を削ったりするような形で均衡待遇や均等待遇を確保することは脱法行為である、本法の立法趣旨に背く、反する行為であるということだと思います。
 であるとすると、大臣、これ、この法律が本当に実効性ある形で、非正規、不合理な状態に置かれていた方々の処遇の改善につながったとすれば、企業の、これ当然ですが、労働原資、労働コスト、これは上がっていく、上がっていかなければならないと。労働者の平均賃金も当然上がっていくでしょうし、さらには企業の総額人件費も上がっていくだろうし、企業の労働分配率も上がっていくだろうし、そういうことが総体的に上がっていく。それがこの効果を見る上でも重要な指標になると、それを政府としても期待をしていると。企業が今まで、金もうけても労働者に分配しない、正社員削って、非正規で不均衡な処遇をして、人件費を下げてきた、労働コストを下げてきた、もうそれは許さないと。だから、これをしっかりやっていただければ企業はもうけをちゃんと労働者に分配するんだ、そうなれば、今申し上げたような指標によって明確にプラスの効果が出てくるはずだ、大臣、そういうことでよろしいですね。
#221
○国務大臣(加藤勝信君) まず、二つは切り分けて議論しなければならないというふうに思います。
 今回の同一労働同一賃金の目的は、非正規雇用労働者の待遇改善、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきと、こういうふうに考えているわけであります。
 一方で、正規雇用労働者の、例えば今委員御指摘のように、待遇を引き下げようとするなど、労働条件を不利益に変更する場合には、労働契約法上、原則として当事者双方の合意が必要である。あるいは、当事者で合意することなく就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合は、労働契約法の規定に照らし合理的な変更でなければならない、こういうことになっているわけでありますから、正社員の待遇を一方的に不利益変更する、これは既に法的な整備がなされているわけであります。基本的には、同一労働同一賃金に対応するために各社の労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げることは、これは望ましい対応とは言えないわけであります。
 ただ、いずれにしても、各企業における処遇体系全体については、労使の話合いによって確認し、進められていくということが前提になるということでありますので、それを一律に、下げたから上げたからということ自体をもって一律に規制するというのはなじまないということはこれまでも答弁をさせていただいたと。
 一方で、労働分配率のお話がありました。これについては、これまで総理からも春闘等で、春闘における賃金の引上げを言わば政府側から申し上げるということ、まあこれが通常の労使の関係に対してどうかという御議論はありますけれども、やはり現行の状況を考えれば、総理からも、常にこうした賃金の引上げ、あるいは、労働分配率が低いということをもってして、更に賃上げをしてほしい、こういったことを要請をさせていただいているわけでありますので、そういったことを通じて、今回の春闘でもそれなりの賃上げが実現されてきているわけでありますけれども、引き続き、そうした意味における賃金の引上げを通じて、そして労働分配率の上昇を伴うことにも当然なるわけでありますけれども、そういったことを通じて最終的には経済の活性化を図っていく、こういう循環をつくり上げていきたい。これは別途、これまでも申し上げているスタンスでありますし、現状の状況下においてはそのスタンスに変わることはないというふうに思います。
#222
○石橋通宏君 いや、だから、厚生労働大臣がこの場でそういう答弁するからちゃんとしたメッセージが伝わらないんですよ、何のための働き方改革なのか、何のための処遇改善なのか、何のためのこの同一労働同一賃金なのか。
 絶対にそれは許さないんだ、この決意を、大臣、ここで明確にしない。立法意思ですよ、それ大臣の。そういう、効果を含めて、絶対に確保するんだと、空前絶後の利益を上げている企業、それをちゃんと労働者に分配させるんだと。好循環と言っているじゃないですか。好循環のためには処遇改善しないといけない、賃金上げなきゃいけない、不合理な格差は絶対に許さないんだ。さっき、正社員転換、不本意な方々の正社員転換もやるんだとおっしゃっているでしょう。そうであれば、ここで明確に、安倍政権の意思として、厚生労働大臣の意思として、この法律として絶対にそれをやるんだと、やらせるんだ、それを目指して頑張るんだ、そういう意思をここで明確にしてください。ごにょごにょ言わなくていいんです。
 厚生労働大臣としての決意、もう一回お願いします。
#223
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、それは先ほど申し上げたように、賃金に関してはこれまでも、本来は労使で決定されるべきものなんですよ。しかし、現下の状況の中で、企業においても空前絶後の利益を上げ、他方で労働分配率が下がってきている、こういう現状を捉まえて、総理からも、春闘等のときには総理から経済界に対して賃金の引上げの要請を行っているわけでありますから、その姿勢に我々何らこれからも変わるわけではないということを申し上げているのと、それから他方で、今回のこの同一労働同一賃金については、非正規の雇用労働者の待遇を改善する、そして不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきものだということはこれまでも申し上げさせていただいております。
 ただ他方で、今委員のように、一律で下げたことを禁止する云々ということになれば、それは基本的に、それぞれの賃金、処遇体系、これは労使でお決めになる、これは原則でありますから、やっぱりそこは原則にのっとりながら、のっとりながらも、先ほど申し上げたこの不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るべきということ、このことはしっかりと我々としても、労使、特に使用者側にはその法の趣旨はいろんな形で伝えていきたいと、こういうふうに思います。
#224
○石橋通宏君 また残念な答弁で終わることになりますが、今日のところは時間が来ましたので終わりにさせていただきますけれども。
 大臣、これ、非正規がどんどんどんどん増えていく、これはこの二十数年の話ですよ。政策の不作為なんです。むしろそういう政策を後押ししてきたんです。だからこうなったんです。そのことを踏まえれば、それをちゃんと是正するんだという政策意図を持ってこれをやっているんだ、それを堂々と明確にしていただかなければいけないということは重ねて申し上げて、今日も積み残した質問ありますので、引き続きの徹底審議、お願いをして、質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#225
○委員長(島村大君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。
    ─────────────
#226
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 過労死の増加要因となっているその一つが、やっぱりハラスメントだと思うわけです。若い世代に過労自死が増加しておりまして、事態は待ったなしで対策が求められているというふうに思います。実効あるハラスメント対策が喫緊の課題だ。大臣の認識はいかがでしょう。
#227
○国務大臣(加藤勝信君) 職場におけるセクハラあるいはパワハラ等のこのいわゆるハラスメント、これは働く方の尊厳、人格を傷つけ、職場環境を悪化させる、そういった意味ではあってはならないということ、そのことは委員と我々とも同じ認識を持っているというふうに思います。
 セクハラ等について、あるいはマタハラと言われるものなどについては、その発生を予防するため、男女雇用機会均等法に基づき企業に対して義務付けている対処方針の明確化や相談窓口の設置など、雇用管理上の措置の履行確保、これを進めておりますし、パワハラについては、本年三月に取りまとめた報告書を踏まえて、労働政策審議会において具体的な議論を進めていきたいと、こういうふうに考えています。
#228
○倉林明子君 私、遅過ぎると思うんですよ。やっぱり立法化に踏み込んでいくという段階に来ていると思うんですよ。そういう意味で、やっぱり今回議員提案ありました、国民民主、立憲民主のこの法案というのは意義ある一歩だというふうに私も受け止めております。
 そこで、今月開催されたILOの第百七回の総会で、職場での暴力とハラスメントをなくすための条約を作り、来年の総会での採択を目指すというふうにされたわけですけれども、日本政府としてはどんな態度を取ったのか、明確にお答えください。
#229
○政府参考人(宮川晃君) 本年六月八日のILO総会で採択されました委員会報告書では、労働の世界における暴力とハラスメントの基準設定に関し、文書形式を勧告付条約とすることが採択されたほか、多岐にわたる論点について様々な議論がなされたと承知しております。
 日本政府といたしましては、各国の実情に応じた柔軟な対策を促進するような基準が設定されることが重要との立場から、積極的に議論に参加してまいりました。
 委員会報告書の内容につきましては、十分議論することが必要な内容が多岐にわたって含まれておりますが、いずれにいたしましても、労働の世界における暴力及びハラスメントにつきまして新たな国際基準が設定されること自体は望ましいことと考えておりまして、この委員会報告書はコンセンサスによって採択されたということを我が国としても受け止めていきたいと考えております。
 今後は、来年のILO総会において二回目の議論が行われた上で勧告付条約が採択されることが想定されているわけでございますので、我が国を含む世界各国が効果的にハラスメント防止のための取組を進めていくことを可能とするような基準となるよう、ILOにおける議論にも引き続き積極的に参加してまいりたいと思います。
#230
○倉林明子君 いや、コンセンサスとしての到達点を聞いているんじゃないんですよ、日本政府としてどういう態度を取ったのかということを聞いているんですよ。
 報道を見ておりますと、柔軟な内容とすべきとして態度を保留したと、これ共同通信の報道。そのほかにも、要は、国内法が未整備な状態では条約による国際基準に対処できないと、勧告にとどめるよう求めたという報道もあります。もう非常に消極的だと思うんだけど、この報道は事実じゃないんでしょうか。
#231
○政府参考人(宮川晃君) 文書形式について採択されました六月二日の委員会におきましては、この本件基準の対象者が従業員のみならずボランティアなど広範に及んでいることに懸念を表明しつつ、その時点で対策の内容についての議論が実は終わっていなかったという中で、文書の形式を判断できない旨の発言は行ったところでございます。
#232
○倉林明子君 消極的だと受け止められるような対応だったのではないかということなんですよ。
 私、きっぱり積極的にコミットしているのであれば歓迎されていると思うんですよ。ところが、そういう報道になっていないわけです。消極的な姿勢であるということであれば、私、極めて問題だと思っているんですよ。
 セクハラ罪という罪は存在しない、これ、麻生大臣が言った言葉ですよ。こんなことを言っている日本だからこそ、暴力とハラスメント、これ禁止する法定化、これ急ぐべきだと思うんです。いかがでしょうか。
#233
○国務大臣(加藤勝信君) ILOの議論は今説明をさせていただいたところでございます。
 国内においては、先ほど申し上げましたが、パワハラ、パワーハラスメント防止対策については、本年三月に取りまとめた報告書を踏まえて、今後労働政策審議会において具体的な対策について議論を進めていく、そういうこと、そうした議論を踏まえて、ハラスメントのない職場づくりを是非進めていきたいと思っておりますが、ハラスメント行為を法律によって禁止するということで、これ例えば労働法の世界で禁止するということになりますと、労働法制そのものは、もう何回も申し上げていますが、労使の交渉力の違いを踏まえ立場の弱い労働者を保護する観点から契約自由の原則を修正するものであり、基本的に法律上の責任の主体、これは事業主になっていることが多いわけであります。そのため、労働者の間あるいは顧客など労使以外の者との間で問題になり得る様々なハラスメントを禁止して行為者に刑罰を科すということは、この労働法制の基本的な枠組みの中においてはなかなか難しいというふうに考えているところであります。
#234
○倉林明子君 いや、法定化を急ぐべきだと。さらに、ILOでも来年には条約ということになっているわけですよ。私は、先送り許されないと思うんですよ。過労死を本当になくそうと思ったら遅過ぎるぐらいなんですよ、法定化が。やっぱりハラスメントに対して、罰則を含めて有効な法定化ということを重ねてこれは求めておきたいと思います。
 次に質問移ります。
 本法案では、雇用対策法が名称も変更され、新たに生産性の向上が目的に加わる、国の施策に多様な就業形態の普及ということが加わることになるわけです。そもそも、多様な就業形態、これが普及すべきものなのかということなんですよ。
 そこで、具体的に確認したいと思います。多様な就業形態の類型と対象となる就業者数は現状で何人か。そしてまた、働き方改革実行計画、ここに目標まで出ているんですよね、これはどうなっているでしょうか。
#235
○政府参考人(小川誠君) お答えを申し上げます。
 今回規定した多様な就業形態の普及につきましては、働く方それぞれの置かれた個々の事情に応じて多様で柔軟な働き方を選択できるようにするためのものでございます。これは当然しっかりと保護がなされることが前提と考えておりまして、現時点で積極的に普及を図る対象としては、雇用型テレワークやシルバー人材センター等を念頭に置いております。
 それぞれの就業者数につきましては、テレワークを認めている社内規定等に基づく雇用型テレワーカーの、テレワークの割合は、平成二十九年度テレワーク人口実態調査、これは国土交通省の調査でございますけれども、によれば、雇用される者の九・〇%を占めております。また、シルバー人材センターの就業者は約六十万人となっております。
 現時点で定められている具体的な数値目標につきましては、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画において、平成三十二年までに、テレワーク導入企業を平成二十四年度比で三倍、テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を平成二十八年度比で倍増することが目標として掲げられているところでございます。
#236
○倉林明子君 雇用型のテレワーク、シルバー人材センターということで説明あったんだけれども、これ拡大ありきの目標ですよね。雇用型テレワークにとどまらず、非雇用型テレワークあるいは副業、兼業、雇用類似の働き方、いわゆる多様な働き方、これがもう急速に拡大してきているというのが実態だと思うんです。
 これ、民間の調査によりますと、既にフリーランスという働き方が一千万人を超えているというものもあります。実態ということでいうと、私は、正確に政府はつかめていないというふうに思っているわけです。さらに、この閣議決定された働き方改革実行計画というものでは、非雇用型テレワークも、さらに副業、兼業も、雇用によらない働き方、こういうことで位置付けされているんですね。
 多様な働き方の一つである雇用類似の働き方について、今年三月末の雇用類似の働き方検討会の報告書、ここでは、実態、課題の整理しておられます。一体問題点として何が分かったのか、御説明ください。
#237
○政府参考人(宮川晃君) 働き方改革実行計画に基づきまして、雇用類似の働き方につきまして、法的保護の必要性を含めて中長期的に検討していくこととされております。このため、厚生労働省におきましては、雇用類似の働き方に関する検討会におきまして、その実態等の把握、分析、課題整理に着手し、本年三月に報告書を取りまとめたところでございます。
 先ほど委員御指摘のとおり、このいわゆる雇用類似の働き方というものについては定義もなく、その総数についても、様々な資料等はございますが、非常に幅のあるものになっております。また、把握した働いている方の問題意識等を整理した課題等といたしましては、例えば、契約条件の明示ですとか契約内容の決定、変更、終了のルールの明確化ですとか報酬額の適正化、あるいはスキルアップやキャリアアップなどが挙げられておりまして、必要性も含め、今後検討を進めていくことが考えられると報告書ではされているところでございます。
 検討会で把握した実態等を踏まえ、引き続き雇用類似の働き方に対する保護等の在り方について検討してまいりたいと考えております。
#238
○倉林明子君 具体的に言うと、収入が不安定、収入が低い、さらに、失業保険、労災保険がない。こういうところでは本当に保護の必要性ということが浮き彫りになっている報告書でもあるなというふうに私も思って読ませていただきました。
 座長からも、今ちょっと紹介ありましたけれども、保護の内容と雇用類似の働き方をする者の範囲を総合的に議論していただき、拙速に結論を出すのではなく、丁寧な議論をしていただくことを期待したいと、こういう発言もあって、要は、慎重に実態把握も含めてやる必要があるということだと思うんですね。課題も多いと。さらに、兼業、副業のところでいうと、過労死認定のルールについてはこの六月二十二日から具体的な検討が始まったということで、報道も見ました。
 いずれも、これ切り分けていると言うんだけれども、法案提出前に十分私は労政審での丁寧な議論尽くされてから出てくるものじゃないのかと思うんですね。順番逆転していると思うんですよ。
 多様な就業形態、この現状についてなんですけれども、連合、組合の連合が実態調査、二〇一七年にされております。世界的にもやっぱり問題となっているいわゆる曖昧な雇用関係、この実態と課題を明らかにしようとした調査になっているわけですが、いわゆる偽装雇用、雇用関係があるのに装っている、こういう偽装雇用とか、仕事の仲介として本来適用されるべき労働法制の規制逃れ、これが問題だということでやられた調査でもあったんですね。
 私は、多様な働き方、多様な就業形態という場合、そこに隠れている本来労働基準法の適用を受ける労働者、これを見逃すとか排除するとかいう方向に行ったら大変なことになると思っているんです。
 そこで、確認です。労働基準法の適用を受ける労働者、この定義は何か。
#239
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準法における労働者でございますけれども、これは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうとされております。
 この労働基準法上の労働者に該当するか否かは、契約形態にかかわらず、仕事の依頼や業務指示等に対する諾否の自由はあるか、業務を遂行する上で指揮監督を受けているか等の実態を勘案して総合的に判断されるものでございます。
#240
○倉林明子君 つまり、使用者の指示、そして対価としての報酬、いろいろ要素あると言うんだけど、この二つというのは労働者か否かということでいうと決定要素になろうかと思います。多様な就業形態、ここで働いている人も実態は労働法制の対象となる労働者が私は含まれていると、ここは本当につかむ必要があるんじゃないかというふうに思っているんです。
 多様な就業形態を普及するというのが今回の法律に新たに盛り込まれるわけですよ。じゃ、この多様な就業形態はどういう就業形態を規定しているのかと。法案に明示されていないんですよ。本来、労働法制の対象となる保護されるべき労働者、これを除外してその多様な方に入れ込むようなことがあってはいけないと思うんですよ。いかがですか。
#241
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の雇用対策法第四条の改正において、法の施策として規定した多様な就業形態の普及、このような考え方の下、働く方が置かれた個々の事情に応じて多様で柔軟な働き方を選択できるようにするために行うという趣旨であります。
 その多様な就業形態の普及について、働き方改革法案の要綱を議論いたしました平成二十九年九月十四日の労働政策審議会の職業安定分科会においてお示しをしているところでありますけれども、しっかりと保護がなされることが前提だと考えておりまして、保護がなされておらず不安定な就業形態を普及しようとする観点から法改正を行うものではないということをその場でもお示しをさせていただいているわけであります。
#242
○倉林明子君 いや、規定がはっきりしていないから問題にしているんです。
 実態は労働者でありながら個人事業主、こういう扱いになると、労働法も最低賃金法の適用からも除外されるんです。今でも一円ももらえないという不払問題、これ発生しております。三日連続の徹夜なんかをして、長時間労働、これが蔓延しているということも告発されております。
 私、偽装雇用の実態、これまずつかむべきだと思うんです。そして、そこには労働法制をまず遵守させるべきだと思います。大臣、どうですか。
#243
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの何が労働者に当たるかは基準局長からお話をさせていただいたところでありますけれども、契約において雇用によらない働き方をされる場合であっても、労働者としての実態があれば労働基準法や最賃法の保護を受ける。労働基準監督署においては、これは、個別具体的に見なければこれは判断できませんから、労働者の実態をしっかり判断をして、結果として法違反が認められる場合には是正に向けた指導をこれまでも行ってきているところでありますし、引き続きこれをしっかりと進めさせていただきたいというふうに思うところであります。
 それから、ちょっと先ほどの多様な就業形態の普及の関係でありますけれども、そういった議論も踏まえて、さらに基本指針をこれ決めることになっておりますから、そういった中において、しっかりと保護される就業形態であることが前提である旨、これを基本方針においても明らかにしていきたいというふうに考えております。
#244
○倉林明子君 後からなんですよ、そういうことをはっきりさせていくのがね。私は、多様な就業形態、この名の下に無権利な労働者を拡大する危険があるということを指摘したいと思うんですよ。そういうことにつながるような法改定になっているからやめるべきだということは申し上げておきたいと思います。
 今やるべきは、増大するような、多様な、増大しているんですよ、無権利な働かせ方が、多様な働き方として。こういうことに対して、労働者を保護する規制強化こそやるべきだというふうに思います。大臣、どうでしょう。
#245
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、雇用類似の働き方については、先ほども局長から答弁をさせていただきましたけれども、そうした検討会において実態の把握、分析、課題整理にも着手をし、本年三月に報告書をいただいたところでありますので、それらを踏まえて、労働政策審議会の基本部会において保護等の在り方について検討させていただいているところでありますので、しっかりとそこで議論させていただきたいと思います。
#246
○倉林明子君 保護等の在り方の前に、現行の労働者として労働法制の保護の下にあるべき人まで排除される実態が非常に問題だと言っているんですよ。そういうところを更に拡大しかねない、こんな法案については断じて容認できないと申し上げて、終わります。
    ─────────────
#247
○委員長(島村大君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、足立信也君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君が選任されました。
    ─────────────
#248
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 午前中、安倍総理質疑のときにもお聞きいたしましたが、高プロの年収要件についてもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣からも御答弁いただいておるので改めて確認なんですが、厚生労働省の方で、高プロ適用対象になる可能性のある十二人の方に高プロのニーズのヒアリングを行いましたということでありました。この十二人についてなんですが、年収要件に合致しているかどうか、再度確認をさせていただきます。
#249
○副大臣(牧原秀樹君) 年収につきましては、個人のプライバシーに関わるという、機微に当たる情報でありますので、これはお伺いをしていないところでございます。
#250
○東徹君 個人のプライバシーに当たるからということで、これ、じゃニーズの調査にならないですよね。対象でない人に聞いていたんではこれ全く意味のない調査でありますし、別にこの十二人の方の年収を多くの方に公表するわけでもないわけですから、直接聞く必要もないわけでして、例えば、その人事の担当者に、一千七十五万を超える方々をちょっと呼んで聞かせてくださいとか、そういう聞き方だってあったと思うんですね。
 何でそういう聞き方をして、きちんと高プロの対象者の人たちにこういうヒアリング調査をしなかったのか、ちょっと改めて、不思議でならないので、お聞きしたいと思います。
#251
○政府参考人(山越敬一君) このヒアリングでございますけれども、高度専門職に対するヒアリングでございまして、高度な専門的知識を必要とする業務に従事する方について、働き方に対しての要望があるかなどにつきまして労働基準局の職員が伺ったものでございます。そうしたことから、今おっしゃられたようなことは特段お伺いしない形でそのヒアリングをさせていただいたということでございます。
#252
○東徹君 いや、そうしたら、この年収要件を確認していなかったということになると、これ高プロの対象ではない人に聞いていることになっちゃうわけですよね。これ、どうやって本当に高プロのニーズを持っているというふうに言えるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#253
○国務大臣(加藤勝信君) まず、高度専門職、システムコンサルタントとかアナリストとか研究開発職等々、そうした高度な専門職の方々に対して、実際今どういう働き方に対してニーズがあるのか、あるいは要望があるのか、そういったことを聞こうということで実施をしたということでありますので、あなたが高度プロフェッショナル制度に云々ということよりも、実際今仕事をしていく中でどういう要望があるんですかと、そういったことを聞かせていただくということでこのヒアリングの調査が行われたというふうに承知をしております。
#254
○東徹君 そうなってくると、ますます何か高プロのニーズ調査にもうならないなというふうにこれ思うわけですね。
 もう一度、先ほども話がありましたが、年収要件ですけれども、これ一千七十五万円、なぜ一千七十五万円にしたのか、再度お答えいただきたいと思います。
#255
○副大臣(牧原秀樹君) 先ほどもございましたが、閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一四において、「一定の年収要件(例えば少なくとも年収一千万円以上)を満たし、」と明記されたことや、平成十五年の労働基準法改正時の附帯決議におきまして、有期労働契約期間の特例、これ三年を五年に延長をするということの対象となる高度専門職については、高度な知識、技術及び経験を有しており、自らの労働条件を決めるに当たり、交渉上、劣位に立つことのない労働者として、労働政策審議会で検討の上、大臣告示において一千七十五万円の年収要件が設定されたことなどを踏まえて、公労使の三者で議論の上、労政審において建議の形で取りまとめられたものでございます。
 こうした経緯を踏まえて、法案においては、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省で定める額以上であることと規定したところでございます。
#256
○東徹君 年収一千万円以上ということだと、約四%の方が年収一千万円以上というふうなことを聞いたりいたしますけれども、この高プロの想定される五つの業種でどれくらいの数の方が該当されるのか、お伺いしたいと思います。
#257
○副大臣(牧原秀樹君) 対象業務につきましては、今後、労政審等で御議論いただいた上、決定することとしているわけでございますが、委員御指摘の五業種ということについては、そもそも業種別での統計というのは把握しておりませんので、また、対象業務の範囲の詳細もこれから検討するものであることでもございますので、その人数ということは把握することは困難であるというふうに考えております。
#258
○東徹君 そこがこの高プロの何か理解が深まらないところなのかなというふうに思うんですよね。
 労政審で決めるというふうなことなわけですけれども、じゃ、労政審へ委ねるんだったら、これは国会で議論する意味がないですよねというふうになってしまうわけですよね。その五つの業種というのはこれからですということになると、だからどれぐらいの人数が該当するのかも分からないというふうなこれ答弁になってきて、どういった人たちが対象で、どれぐらいの報酬もらっている方たちがどれぐらいいるのかとか、そんなのは分からないわけですね。審議するに当たって、ある程度イメージできるようにやはり用意すべきだと思うんですよね、そういったところを。
 これ私の事務所の方で数字を拾わさせていただいたんですけれども、各企業の有価証券報告書から数字を拾って平均年収を出させていただきました。これを見ますと、今日の資料をお渡しさせていただいておりますが、野村総研が一千百五十一万四千円ということで、これ従業員数六千三人おってその平均の給与ですから、恐らくかなり高い方々がたくさんおられるんだろうなというふうに思うんですね。だから、本来は、こういった企業の方々でこういう仕事をされている方々がこういった高プロの対象になっているんですよとか、やっぱりそういうちょっとイメージが付くような説明がどうしてできないのかなというふうに思うんですね。
 平均で年収要件を超えている企業もこれあるわけですけれども、高度な専門職であって、企業に対して交渉力を有する労働者の基準として、これ一千七十五万円で、じゃ今度いいのかなと思うわけですね。これ見ていると、野村総研で一千百五十一万、野村証券は一千万、これ従業員全体の平均ですから、かなり高い方たちがもっともっといるんだろうというふうにこれ想定できるんですけれども、本当に一千七十五万円でいいのかなと思ったりもするわけですが、大臣、これを見てどのように思われますでしょうか。
#259
○国務大臣(加藤勝信君) これは平均年間給与ということでありますから、私どもが先ほどから御説明させていただいておりますように、当初の段階で確実に支払われると見込みされている収入とはちょっと異なる、これ結果的において支払われたということでありますから、そこにおいてもストレートに比較するというのはなかなか難しいのではないかなというふうには思います。
 他方で、今の一千七十五万ということをどう考えるかということでありますけれども、これは先ほど牧原副大臣からもお話をさせていただきましたように、日本再興戦略の改訂二〇一四における書きぶり、あるいは有期労働契約期間の特例の対象となる高度専門職について一千七十五万の年収要件が設定されていること、こういったことを踏まえて、公労使の議論の上、労政審において建議の形で取りまとめられたということでございます。
 年収要件の具体的な額については、最終的には労政審において議論いただくということになるわけでありますけれども、こうした金額であり、これまでの議論からすれば、自らの労働条件について交渉力を有する、そうした労働者であるということが言えるのではないかというふうに考えています。
#260
○東徹君 ですから、例えば野村総研とか従業員の平均年収が一千百五十一万四千円ですから、恐らくもっともっと高い人たちがたくさんおられるんだろうと。金融機関のディーラーとか、分かりませんが、もっと高い人たちもおられるんだろうと、そういうふうに思うわけですけれども、そうなってくると、これ一千七十五万だとちょっと低いんじゃないかなというふうに思ったりもしますし、もうちょっと上げてもいいんじゃないのかなというふうに思ったりもするわけですが、これ、将来ですけれども、この年収要件を引き上げていくということも検討してはどうかと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
#261
○国務大臣(加藤勝信君) 年収要件については、ちょっと略してお話をさせていただきますけれども、平均の給与の三倍を相当程度上回ると、こういう水準になっているわけでありますから、これにのっとって今後とも対応していくということになるんだろうというふうに思います。
 また、この千七十五というのはこれ下限でありますから、それより上ということなので、別に高度プロフェッショナルの人をみんな千七十五万に張り付けるわけじゃなくて、それは二千万でも三千万でも、そこから上に関してはそれも労使においてお決めいただければいいということであります。
#262
○東徹君 でも、結果、一千七十五万に何か張り付いてしまったんでは、元々の想定していた高プロとは違ってしまってはやっぱりいけませんので、やっぱりここは実態を見て、やっぱり将来これではまずいなと思ったときには是非そういう年収を引き上げていくということも考えていくべきだというふうに思います。
 続きまして、高プロにおける同意の撤回についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 衆議院の方で修正によって、高プロに一旦同意した者が同意を撤回することができるようになったわけでありますけれども、一方で、例えばですけれども、細かいところですが、労働者が同意を撤回しようとしたにもかかわらず、企業側の方が、うちの会社では撤回できないような制度になっているなどと言って事業主がなかなかこれを認めなかった場合、労使の決議事項に違反することになるというふうに思うんですけれども、この場合ですが、労働者に適用されている高プロは、同意を撤回しますと言ったときから適用されるのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
#263
○副大臣(牧原秀樹君) 高度プロフェッショナル制度はあくまで同意が要件となっていますので、同意を撤回した時点でその労働者への制度の適用は無効になります。
#264
○東徹君 じゃ、労働者の方から同意を撤回しますと言ったときからそれが認められているということですね。
 労働者が同意を撤回した時点からすぐに高プロが適用されなくなって、事業主にはその時点から時間の管理や残業代の支払の義務などがこれ生じてくることになるわけですけれども、事業主としては、急にこれ撤回されても対応に困りますよという場面もあるんではないのかなと思うわけですが、そこで、同意の撤回について、一定の予告期間、同意を撤回しようとするときは撤回の二週間前までに事業主にその旨を伝えるなど、こういったことを設けることを労使委員会で決議できるのかどうか、また、予告期間を定めた場合に、労働者からの申出になかなか事業主が応じなかったとき、同意を撤回したいのになかなか撤回できないときは事業主にペナルティーが生じるのか、お伺いをしたいと思います。
#265
○副大臣(牧原秀樹君) まず、労使委員会で同意の撤回手続について、例えば一か月前に予告させると定めること自体は問題ないと考えておりますけれども、その場合であっても、例えばその定めた事前予告をしなかったからといって撤回を認めないということはできません。つまり、あくまでそうした予告を定めての、社内で、確かにいきなり撤回した、効力無効になるというと労務管理上負担が生じるということも考えられますので、そうしたことを規定をすることはいいけれども、同意を撤回した場合は予告期間がなくてもその時点で有効になるということでございます。
 そして、二番目の委員の御質問でございますが、事業主が撤回に応じなくても、撤回自体は、無効になるということは先ほど申し上げたとおりで、要するに、その場合、つまり撤回されてしまうのでその制度は無効になりますが、ペナルティーというものはございません。先ほど委員も御指摘のように、通常の労働時間が適用されることの結果、法定労働時間の違反とか割増し賃金の支払義務が発生した、こういうことに応じなければそこは罰則の対象になってくるということでございます。
#266
○東徹君 先ほどちょっと私がお聞きして、もう一度、多分言い間違いだと思うんですけれども、撤回すると事業主に言ったときから撤回がされるということですよね。
 厚生労働省の方は、同意の撤回によってこれは不利益が扱われないことは指針で明確にしていきますというふうな答弁をいただいておるわけなんですけれども、しかしながら、高プロの同意を撤回したことによって、あからさまにこれ降格されるようなことはないにしても、やっぱり同じ会社の中で業務内容が変わったりとか、そしてまた地方へ飛ばされたりとか、これはまあ分かりませんが、賃金が撤回前よりも下がってしまうということは結構あるんではないのかなというふうに思ったりするわけですけれども、指針にこれ反することになるのかどうか、この辺のところは厚生労働省としてどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
#267
○副大臣(牧原秀樹君) 指針に反しているかどうか、不利益に当たるかどうかということにつきましては個々の事案によって判断されるべきでありますけれども、不利益取扱いで禁止され、決議されているにもかかわらず違反をするようなことがあった場合には、是正を厳正に指導していきたいというふうに考えております。
 なお、賃金の引下げ等を内容とする労働契約の内容が変更される場合については労使の合意が必要でございますので、それがない場合についてはそれは許されないということになります。
#268
○東徹君 その辺がなかなかこれはっきりしにくいところの部分ではあるとは思うんですけれども、ただ、やはり撤回することによって不利益に取り扱われるのではないのかなという心配というのは、やっぱりこれずっと付きまとうんだろうなというふうに思うんですね。だから、やっぱりここを、不利益に取り扱われることはないですよということをやっぱりしっかりと明確に担保していくことを是非検討していかなくてはならないのかなというふうに思っています。
 高プロの年収要件については、これ様々な議論がされてきましたけれども、法案が成立した後、高プロを適用されている者が本当に年収の要件を満たしているかどうか、厚生労働省としてどうやってこれ確認していくのか、お伺いしたいと思います。
#269
○副大臣(牧原秀樹君) まず、大臣からも答弁させていただいておりますが、当面は、決議の届けがあった事業場については、その全てにおいて監督指導を行うことを検討しております。その中で、個々の対象労働者が年収要件を満たしているかどうかについては、雇用契約書等によって確認していくということを想定しているところでございます。
#270
○東徹君 雇用契約で確認するしかないんだろうとは思うんですけれども、じゃ、実際に本当に払われたのかどうかというところまではこれなかなか確認しづらいんじゃないのかなと思ったりもするんですが、なかなかそこまでは、追いかけて確認していくことってできるでしょうかね。
#271
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナルで一定額を払うということでございますけれども、労働契約で支払うことが見込まれる額を定めているところでございます。
 その賃金額が払われたかどうかということでございますけれども、これは労働者の方でございますので、仮にその約定された賃金が支払われないということになりますと、賃金不払という労働基準法の問題が出てくると思いますので、そういう観点から、必要に応じ労働基準監督署でも監督指導をしていくということになります。
#272
○東徹君 なるほど、分かりました。
 じゃ、年収要件でカウントされる収入、先ほどもいろいろと話がありました。石橋委員の方からも話がありましたけれども、一点、地域手当、これについてはどうなのかというふうに思うんですけれども、例えば、同じ企業であっても東京勤務者は基本給に三%上乗せする、地方だと一%の上乗せにとどめるとか、そういった地域によって差のある手当がありますが、この場合、東京で勤務する人は三%全部が年収要件にこれカウントされるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#273
○政府参考人(山越敬一君) この算入できる賃金でございますけれども、これは確実に支払われることが見込まれるものでございます。御質問のような地域手当でございますけれども、勤務地が変われば金額も変動するものでございますので、労働契約により確実に支払われることが見込まれるものとは評価できず、年収要件の判断に当たっては算入しないものと考えております。
#274
○東徹君 年収要件には算入しないということですね。分かりました。
 時間が過ぎましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#275
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 質問通告しておりませんが、大臣に一つ質問したいと思います。
 高度プロフェッショナルと女性の問題です。まあ男性もそうですが、女性、例えば高度プロフェッショナルで働いている女性がいる、出産して子供を持ちたいと思って果たしてできるだろうか。加藤大臣は、直ちに時短にならないとかつて答弁しています。今朝の総理大臣の答弁でも、時短になるとは言えないんですよね。長時間労働の是正になるかという質問には、誰も長時間労働の是正になるって答えていないですよ。
 子育て中の女性、まあ男性もそうですが、とにかく一日の労働時間が大事。私も子育てをしてきたので、保育園と学童クラブのお迎えの時間というのはとにかく至上課題、とにかく早く帰りたい。ところが、高プロだと三百六十五日、二十四時間働くことを期待されている。だって、仕事量は自分で選択できないわけです。高い報酬をもらっている、高いというか、千七十五万もらっているということと引換えに、まあ高い報酬じゃないというのも大分この委員会で明らかになりましたが、その人が、二十代、三十代、四十代、子供を持ちたいと思ったとき、持てないでしょう。
 高度プロフェッショナル法案に反対するたくさんの理由がありますが、そして、これはホワイトカラーエグゼンプション、残業代ゼロ法案、定額働かせ放題法案、過労死促進法案。でも、私は、子育て妨害法案、家族解体法案だと思います。こんなすさまじい働き方をする人がパートナーだったら、一緒に子育てできないし、家族責任だって持てないと思います。
 大臣、どうですか。
#276
○国務大臣(加藤勝信君) 委員のその前提の置き方なんだろうと思います。
 これ、そもそも本人の同意でありますから、本人が同意をしなければこういった働き方にはまずならないということであります。
 それから、どこまで交渉力があるか。これはいろいろ御議論がありますけれども、基本的に、職務の内容についても本人の書面における同意が求められているわけでありますし、また、これは法律に加えて省令も担保した上での話でありますけれども、時間的な制約等について具体的であったとしても、また実質量としてもう余りにも膨大な量の仕事、あるいは期間の設定によって実質的にそうした時間の配分についての裁量権がない、こういった場合には高度プロフェッショナル制度の適用というものには該当しないということをこれまでの答弁で申し上げさせていただいているわけであります。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 そうした状況の中で、逆に、自分の時間に合わせて働くことができるということもこのメリットということになるわけでありますから、これは運用の仕方というか対応の仕方なんだろうというふうに思いますし、ある意味においては、そういった方が、逆に、時間的な制約を受けないわけでありますから、自分のペースに合わせて、自分のペースというのは個人のみならず、育児とかそういったことも含めて、御自身の状況に合わせて仕事をしていく、そういったことの選択肢の一つにはなり得る。
 ただし、先ほどから申し上げていますように、必ずこれでやってくれというわけではなくて、そういった働き方も一つの選択肢として今回制度を導入するということでありますから、最終的には御本人がそうした高度プロフェッショナル制度を選ぶ、仮にその企業においてそうした制度を導入していたとするならばそれを選ぶのか、あるいは普通の働き方、あるいはほかの制度で選ぶのか、それは、少なくとも高プロについては本人の同意が必要になってきているということであります。
#277
○福島みずほ君 同意をして高プロで働いていて、でも、やっぱり結婚しよう、まあ結婚しなくてもいいんですが、子供を産もう、育てようと思ったときに、それがやっぱり困難になると思います。だって、大臣は時短に必ずしもつながらないと言って、今朝、総理大臣も、昼間ですが、まさに時短にはならない。
 この間、大臣は、この長時間労働の是正ということと、これには掛からないとおっしゃったじゃないですか。つまり、高度プロフェッショナル法案は長時間労働の是正にはならないんですよ。これは子育てや家族責任と対立しますよ。一旦高プロに入ったら別の夢を諦めなくちゃいけないのか。それから、業務が拡大していって高プロがある種の一つの働き方になったら、子育てをしようと思う男性、女性はまさに高プロを選択できない。なぜかというと、高プロ自身がやはり労働時間規制がない労働者であると。労働時間規制があるからこそ家族、家庭責任とかと両立が可能なのに、労働時間の規制が一切なくなるからです。むしろ早く帰れるとおっしゃいましたが、時短に役立たないことは大臣も総理大臣も答弁しているじゃないですか。
 だとしたら、自分で仕事の量を選べないんだから、私は、高プロは女性にとって本当に厳しいものになる。仕事だけでならいいですよ。単身者として生きるならいいですよ。でも、パートナーがいたり子供がいたりしたら、この制度では働けなくなる。それは本当にひどいものだというふうに思っています。どこが女性の活躍なのか。今の時代は、家族責任と両立しながら仕事をするワーク・ライフ・バランスじゃないですか。それができなくなるというふうに思います。その観点からも高プロに反対し、これは撤回すべきだと思います。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 今日は、国土交通省にも来ていただいていますので、他の委員の方も今まで取り上げておりますが、トラック運輸業の労働環境についてお聞きをします。
 過労死の発生状況を業種別に見ると、トラック運輸業の労働者の件数が飛び抜けて多いです。ワーストワンが続いております。ところが、今回の働き方改革一括法案では、トラック運輸業を含む自動車運転業務の労働時間規制は五年先送りするということになっております。これでは、トラック労働者の過労死ワーストワンの状況は、これからも五年間は放置するのと同じではないでしょうか。いかがでしょうか。
#278
○政府参考人(山越敬一君) 現在、自動車の運転業務につきましては、大臣告示であります労働時間の延長の限度に関する基準の適用除外となっておりまして一般と異なる扱いでございますけれども、今回の法案におきましては、長年にわたりますこの取扱いを改めまして、罰則付きの上限規制を適用することといたしております。
 一方で、自動車運転業務でございますが、他の産業に比べて労働時間は長い実態がございまして、その背景には、取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題もあるところでございます。そうしたことから、実態に即した形で上限規制を適用していくには、こういった今申しました取引慣行上の課題も含めて解決していく時間が必要でありますことから、今回の法律案では、自動車運転業務につきまして、施行期日の五年後に年九百六十時間の上限時間を適用し、将来的には一般則の適用を目指すことといたしております。
 この時間外労働の上限規制を実効あるものとしていくために荷主を含めた取組が必要であると考えておりまして、今年五月に関係省庁連絡会議において策定いたしました行動計画に従いまして、荷主を含めた取組を進めることにしております。例えば機械荷役への転換促進でございますとかトラックの予約受付システム、これによる荷待ち時間の短縮などに取り組むことといたしているところでございます。
#279
○福島みずほ君 厚労省の自動車運転者を使用する事業場に係る労働基準法令違反、改善基準告示違反の年別推移を見ると、監督を実施した毎年二千五百か所ほどのトラック関係の事業場で、労働基準法令違反が毎年八〇%前後、改善基準告示違反が六〇%以上となっています。違反事業者には是正勧告を出すとされているものの、二度も三度も違反を繰り返して是正が見られない事例も相当数あります。そのような事業者に対してどのような措置をとっているんでしょうか。
#280
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準監督機関におきましては、トラックなどの自動車運転者を使用する事業場に対しまして積極的に監督指導を行い、法令違反が認められた場合には是正指導を行うとともに、度重なる指導にもかかわらず是正しないといった悪質な場合には書類送検を行うなど、厳正な対処をしております。平成二十八年には、トラック事業場について五十四件の書類送検を行っております。
 それから、労働基準監督機関と地方運輸機関の間では、この自動車運転者の労働条件の改善を図るための合同の監督、監査でございますとか相互通報制度も実施をしておりまして、こういった履行確保の徹底を図っているところでございます。
 引き続き国土交通省とも緊密に連携をいたしまして、自動車運転者を使用する事業場に対しまして的確な監督指導に努めてまいります。
#281
○福島みずほ君 トラック運転手を含む自動車運転業務は、現在、改善基準告示において労働時間と休憩時間を合計した拘束時間と休日労働の限度が定められています。自動車運転業務は、改正法施行五年後に時間外労働の上限規制が適用され、上限時間が年九百六十時間となりますが、改正法施行後の改善基準告示の取扱いはどうなるんでしょうか。
#282
○政府参考人(山越敬一君) この改善基準告示でございますけれども、自動車運転者の業務の特性を踏まえまして、手待ち時間も含めました拘束時間の上限でございますとか連続運転時間などにつきまして運送事業主が遵守すべき事項を定めたものでございます。
 今回、この自動車の運転業務につきましては、施行期日の五年後に年九百六十時間の上限規制を適用いたしまして、そして将来的には一般則の適用を目指すことといたしておりますけれども、一方で、その改善基準告示の見直しにつきましては衆議院で附帯決議もなされておりまして、五年後を待たずに議論を開始したいと考えておりまして、実効性のあるものとなるよう検討してまいります。
#283
○福島みずほ君 トラック運転手を含む自動車運転業務の労働時間は、事業者による運行管理によるところが大きいです。国土交通省と連携し、悪質な運行管理を行う事業者への指導を強化していく必要がありますが、厚労大臣の見解はいかがでしょうか。
#284
○国務大臣(加藤勝信君) 現在の自動車の運転業務については、今お話がありますように、大臣告示の適用除外、そして一般と異なる取扱いをしているわけでありますが、この法案によって長年のこの取扱いを改めて、罰則付き上限規制を適用するということになっているわけであります。
 ただ、御指摘のように、改善基準告示の遵守の徹底により適正な運行管理を確保していくことは大変重要な課題であります。労働基準監督署においては、改善基準告示を遵守させるため、的確な監督指導の実施、地方運輸機関との合同監督、監査、相互通報等、国交省と緊密に連携し、自動車運転者の労働条件の確保に努めているところであります。
 また、自動車運転者の長時間労働の背景には、取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題もあります。そうした課題を解決していくためには荷主を含めた業界ごとの取組が必要であります。先ほど申し上げた関係省庁連絡会議の策定した行動計画によって、荷主を含めた業界ごとの取組を進め、荷役時間の短縮あるいは荷待ち時間の短縮など取り組んでおりますし、それに対する支援をさせてもいただいておりますから、そうしたことを通じて、長時間労働の是正がしっかり図られる、またそのための環境整備。
 そして、先ほどから御議論させていただいておりますけれども、施行後五年間後に九百六十時間ということになるわけでありますけれども、一日も早く一般則の適用ができるように、我々としても努力をしていきたいと思っております。
#285
○福島みずほ君 国交省は、道路貨物運送業を所管する立場として、適正な運行管理に向けて事業者に対してどう指導していく方針でしょうか。
#286
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 改善基準告示の遵守の徹底等により適正な運行管理を確保することは、運転者の過労防止、また過労運転による事故の防止等を図るため重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、国土交通省におきましては、先ほど来の御答弁にもございましたけれども、労働基準監督署と運輸支局との間で情報を共有し、連携を図りつつ、改善基準告示の遵守等について事業者への指導や監査を行い、違反のあった事業者に対しては必要な行政処分を行っているところでございます。
 さらに、本年七月からは過労運転防止関連違反に対する行政処分の処分量定を引き上げることといたしておりますほか、十月から、民間の適正化事業実施機関と連携をして、悪質な法令違反等のある貨物自動車運送事業者に対する重点的な監査を実施することといたしております。
 また、これも先ほど来、大臣の御答弁もございましたけれども、自動車の運転業務につきましては、荷主や配送先の都合により手待ち時間が発生するなどといった業務の特性や取引慣行等の問題がございますことから、自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画に従って、関係省庁と連携して、こうした問題の解決に向けてなお一層取り組むことといたしております。
 国土交通省といたしましては、これらの取組を的確に実施し、貨物自動車運送事業における適正な運行管理の確保、長時間労働の是正に向けて引き続きしっかり取り組んでまいります。
#287
○福島みずほ君 同一労働同一賃金についてお聞きをいたします。
 何が変わるのか。格差は果たして是正されるんでしょうか。パート法があるにもかかわらず、なかなか格差が是正されない、正社員とパートは一〇対六ぐらいの賃金である、変わらない。そして、労働契約法ができて、二十条、みんな期待しました。裁判もたくさん、というか、幾つか起きました。勝訴した場合もありますが、敗訴した場合もある。二十条、今回、この労契法二十条を削除する。じゃ、果たして、今回、この格差は是正されるんでしょうか。
#288
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 今回導入いたしますこの同一労働同一賃金、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消を目指すものでございますが、今回の改正法案におきましては、現行の労働契約法第二十条、それからパートタイム労働法第八条におきまして、どのような場合に待遇差が不合理と認められるかどうか必ずしも明確ではないという課題があったわけでございまして、その点につきましては、まず第一に、条文上、待遇差につきまして、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質、目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべきこと、これを条文上明確化いたしました。あわせまして、どのような待遇差が不合理であるかを示すガイドラインの根拠規定を整備いたしました。また、派遣労働者についても同様の趣旨による規定を整備したところでございます。さらに、パートタイム労働者、有期雇用労働者及び派遣労働者につきまして、労働者に対する待遇に関する説明義務の強化、あるいは行政ADRの整備などを行っているところでございます。
 これらによりまして、正規、非正規間の不合理な待遇差を解消し、非正規雇用労働者の待遇の改善を図っていきたいと考えております。
#289
○福島みずほ君 労働契約法二十条とパート法は構造が違います。労働契約法二十条を削除して、労働契約法二十条は、職務の内容が必ずしも同一とは言えない事案でも、様々な事情を考慮して労働条件の相違が不合理であるかどうか判断され、不合理と認められれば労働条件の相違が違法となり、是正されるという、つまり、より適用対象が拡大され、柔軟な解釈が可能です。これはそのままパート法の中に入るという理解でよろしいんでしょうか。
#290
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正法案では、現行の労働契約法第二十条を新しいパート・有期労働法第八条に統合するという考え方でございます。
 これによりまして、従来から労働契約法二十条に基づいて現行パート労働法八条を作ってきたわけでございますが、この八条におきましてパート労働者と有期労働者両方の規定となるという考え方でございます。
#291
○福島みずほ君 八条は、まだ元の文章で、責任の程度や職務の内容という言葉があります。配置の変更の範囲その他の事情のうちという言葉もある。そして、九条の差別的取扱いの禁止のところにも、例えば、慣行その他の事情からというのがある。十条の賃金の、この改正法案ですが、均衡という言葉があって、結局、一番危惧するのは、パート法がありました、労契法二十条がありました、新たにパート法改正、今回します、でも、基準の物差しが一緒なので、責任の程度が違うとか、例えば転勤が違うとかいう理由で、結局、差別が是正されないんじゃないか、物差しそのものを変えるべきではないか。いかがでしょうか。
#292
○政府参考人(宮川晃君) 今回のパート・有期労働法の考え方は、従来からの労働契約法二十条の考え方及びパート法八条の考え方をそのまま移しているものでございます。
 したがいまして、こういう形で、従来からも、職務の内容ですとか人材活用の範囲ですとかその他の事情を考慮した形のもので判断しているというものは確保されていると考えているところでございます。
#293
○福島みずほ君 だから良くないんじゃないかと。つまり、労働契約法二十条と、八条がそのまま合体をしていると。ではなくて、抜本的に新しい物差しで、ちゃんと同一、まあ本当は同一価値労働同一賃金、これを実現しない限り、パートの格差はなくならないと思います。
 同一労働同一賃金については積み残した問題がたくさんありますので、次回、また質問させてください。よろしくお願いします。
 終わります。
#294
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 いろいろ議論が積み重なってまいりました。その中で、私も疑問に思っております。本当に個々人の皆様方が主体的に自分の働き方を選択し、そしてその権限を行使できるのか。
 今回の法案の中に、しっかりと労働者としての働く権利、そして労働者として労働法規を学ぶような機会というものをこれから増やしていただくようなものというのは入っておりますか。局長、お願いいたします。
#295
○政府参考人(山越敬一君) 働き方改革を進めていくに当たりましては、労使双方がその理念や方向性を共有して、それぞれの職場において協力して労働条件、職場環境の改善に取り組んでいただくことが重要でございます。そのためには、御指摘いただきましたように、労働者として労働法規を学ぶ機会を増やして、労働者としての権利を周知徹底していくこと、こういったことが重要だと考えております。
 労働者への労働法令に関する教育啓発活動につきましては、今回の法案については盛り込まれていないところでございますけれども、以前よりこの労働法令に関する教育につきましては厚生労働省として取組を行ってきたところでございます。例えば、主として若い世代を対象といたしました分かりやすいハンドブックでございますとか、労働基準関係法令、相談先などの情報提供を行うポータルサイト、こういったものも公開しているところでございます。
 引き続き、働き方改革の意義、内容を積極的に発信いたしますとともに、労働者に対する労働法令に関する教育啓発活動に取り組むことによりまして、働き方改革につきましての労使双方の取組が進むよう努めてまいります。
#296
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私は、それが皆様方が御存じなのであればこれだけの心配は広がっていかないと思います。しかし、それがまだまだ浸透していないからこそ、私どもも議論をしていかなければならないんです。
 オーストラリアで介護者の専門講座というものを私は受けたことがございます。そのときに、介護者の専門講座の一番初めの時間は、労働法規についてのものが徹底的にたたき込まれるんですね。あなたたちにはこういう権利があります、そしてこういう場合にはこういうところに通報してください、これが一日目の一時間目の授業なんですね。というぐらいに、働く者を大事にする国なのか。そして、これから現場に出ていって何か困ったときに、何を見直せば、どこに通報すればいいのかというのがそこでしっかりと知識として学んでいただければ、次に出ていったときに、何かあったときに、やはり日本はまだまだ足りないんです。
 労働者の皆様方が、まず会社に入社をなさいます。そこで安全教育なども行われますので、そこで徹底して、やはり自らどのような形で自分の権利を行使していったらいいのかということを私は学ぶことをしっかりとこれから厚生労働省として徹底していただきたいと思いますけれども、局長、いかがですか。
#297
○政府参考人(山越敬一君) この労働者の方に対します労働法令を徹底して周知を図っていくということは、大変重要なことだというふうに考えております。
 主として若いときからこういったことについて知識を広めていただくことが必要だということでございますので、様々な形での、例えばハンドブックでございますとか、いろいろな相談先などの情報提供もポータルサイトの形で実施をしております。
 そういった取組を更に充実していくように努力してまいります。
#298
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ポータルサイトは見に行かなければならない。だけれども、厚労省自らもう少し動いていただきたいんです、私は。働く者を守る、それが厚労省の役割ではないですか。だとすると、もっと積極的に、自ら私は主体性を持って動いていただきたいんですけど、大臣、一言いただけますか。
#299
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた、局長からもお話をさせていただきましたけれども、労働者の方が労働法令をよく分かっているということは、自分を守ることにもなります。あるいは、いろんな不当労働行為を防止すると。やっぱりおかしいということが言えるわけですね、この法令が知っていれば。それ知らなければ、ううん、ちょっと分からないねという話になって、どうしても使用者側から言われればそれに従ってしまうと、こういうことにもなるわけですから。
 そういった意味においても、特に若い方々がそうしたことをしっかり知っていただくという意味において、今私どもの方として労働法制についてのハンドブック等の作成等もさせていただいておりますし、もっと若い時期から、例えば高校生とか、そういった方においてもそうした知識を十分習得をしていただく、これは文科省ともよく連携をしていかなきゃならないと思いますけれども、そういったことも含めて、今の働き手、あるいは将来の働き手になる方々、そういった方々がこうした労働法制についてよく理解をしていただける、知っていただける、そのためにも我々いろいろと方策を考えていきたいと思います。
#300
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 同一価値労働同一賃金、言葉はいいですけれども、それを知らないと、そこがもし何か起こっていた場合にそれを訴えることができない。だからこそしっかりとこれから、私は、皆様方の協力を得ながら、もちろん文科省の協力も得ながら進めていただきたい施策だと思っておりますので、充実よろしくお願いいたします。
 様々な企業、私は取組も見てまいりました。十把一からげにこれがいいですよということで強制的にそれを当てはめても、短時間で効率を上げるような働き方ってできません。そこにいらっしゃるような、男女比でしたり、若しくは御家庭をお持ち、介護の皆様方がどのぐらいの割合でいらっしゃるのか、その会社に合った制度を取り入れていただかないと、これ短期間やったはいいが成功しないよね、継続性もなくなってしまいます。
 しかし、中小企業ではなかなかそれを行うことが難しい。でも、大企業であれば実はコンサルがかなり入っております、こういう場面で。しかし、そのコンサルを雇用する経済的余裕もない皆様方のために、私はしっかり補助金制度を準備していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。
#301
○国務大臣(加藤勝信君) 中小企業においてこれから働き方改革を進めるに当たっては、まずは働き方改革としてどういうことをやろうとしているかということを知っていただくということが第一だと思います。そして、それを自分の企業で具体化するためにおいて何をしなければいけないか、実態を把握をしていただく、検討していただく。そして、その結果、こういうことをしていこうというプランがあったら、それをどう具体的に実施をしていくのか。そういったそれぞれの段階において細かな支援をしていく必要があるというふうに考えております。
 現在の働き方改革推進支援センター、これは四月から、神奈川県だけは七月からでありますけれども、設置をされておりますけれども、そこから労務管理などの専門家による個別訪問などにより、コンサルティング、これを無料で実施をしていく、あるいは、中小企業が生産性の向上を図るなどにより長時間労働を是正するための助成金、これは時間外労働等改善助成金と言っておりますけれども、これを設けて、専門家のコンサルティングを活用した業務の見直し、あるいは労務管理用機器の導入などを実施した中小企業に対してその一部の費用を助成をすると、こうした取組を進めさせていただいております。
 こうした支援が実際、中小企業にどう役立っているのか、そうしたことをしっかりと把握をした上で、十分に活用されていないということがあれば、その原因を分析し、そして必要な改善を図っていくということが必要だろうと思っておりますので、そういった意味においても、このPDCAサイクルをしっかり回すことによって、中小企業、また特に小規模事業者にとっても適切な支援が行われていけるように、更に努力をしていきたいと思います。
#302
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その中でも、やっぱりユニークな試みの中で成功している企業さんってたくさんあるではないですか。私は、そのようなところを、表彰制度でしたり、いろいろなインセンティブをくっつけるような形でもっともっと活性化をしていただきたいと思いますけれども、大臣、どのような御意見をお持ちでいらっしゃいますか。
#303
○国務大臣(加藤勝信君) 基本は、企業がやっぱりこの働き方改革の意義を理解をしていただいて、そしてそれぞれの企業に応じた働き方改革を具体的に実施をしていただく。それを応援する手段として、先ほど、様々な支援ということもあります。それ以外には、やはり表彰制度みたいなものの中で頑張っていることを評価をするということ、そうしたことも考えていく必要があるのではないかなと。
 様々なそうした取組を後押しをしていく施策ということを我々もいろいろ考えていきたいと思います。
#304
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 特に、中小企業で取り組みやすいようなものがあればどんどんそれを前面に私は押し出していただきたいと思います。そうしましたら、やはりそれを見た労働者が、我が社でも取り入れてほしいというところで、横の展開ができます。ですから、絶対に私はそのように、もっともっとこの働き方改革を成功させたところということを表彰制度などでももっと広報していただきたいと思っております。
 ところで、私も相談を受けました。今回、この働き方改革、短時間になるんではないか、短時間で効率を上げる、それはいい、だけれども、労働時間が減少したことによって収入減となってしまって、生活残業していたような方々、そういう給与体系になっていた方々に対しては、ちょっと生活ができないというような、すごくお困りの声も届きました。局長、どのように考えられますか。
#305
○政府参考人(山越敬一君) 長時間労働の是正と併せまして、時間当たりの生産性を高めることによりまして働く方がその成果に見合った賃金をもらえるようにすることが大変重要であるというふうに思っております。労働時間短縮を図る中でも、労働生産性を向上していけば、少ない労働時間で成果を出すことができます。残業代の減少を原資にいたしまして、基本給などの賃金などに反映していただくことも可能になるものでございます。
 企業の中には、自社の長時間労働を抑制し、効率よく働いた成果を評価して働く方に還元する例もございますことから、こうした民間企業の優れた取組を好事例としてまず周知してまいりたいというふうに考えております。
 また、賃上げということでございますけれども、賃上げを行った中小企業に対しまして法人税から税額控除をするといった所得拡大促進税制が拡大をされております。また、中小企業庁とも協力をいたしまして、中小企業あるいは小規模事業者に対する生産性向上の支援にも取り組んでまいると、そういう中で、働く方がその成果に見合った賃金がもらえるようにしてまいるよう、その基盤をつくっていくように努めてまいります。
#306
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 御心配がないように、皆様方も詰めていただきたいということは再度お願いをしておきます。
 高度プロフェッショナル適用後というものは様々な心配が残っているということがこれまでも議論されてまいりました。徹底調査をするということも必要でございます。これから調査研究もしていただきたいということを私からもお願いしたいと思いますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。
#307
○国務大臣(加藤勝信君) 高プロは、導入をする場合には労働基準監督署に労使委員会の決議を届け出ることになっておりますので、それを踏まえて、この高プロに対して様々な御指摘もありますので、決議の届出があった事業場についてはその全てについて監督指導を行うことを検討していきたいというふうに考えております。
 また、高プロにおいても健康確保措置の実施状況については行政官庁に報告をしなければならないということでありますから、これも一つのそうした意味での、我々としてのチェックする材料になるわけでありますので、そうした対応が十分でない、こういった事業場に対しては監督指導の徹底を図っていくということで取り組んでいきたいと思っております。
 そして、高度プロフェッショナル制度の実態ということでありますけれども、実態全体ということと、それから監督指導における、どういう状況になってきているかということ、これをどういう形で取りまとめて公表していくのかについてはそのやり方も含めて検討させていただきたいと思っております。
#308
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、すごく、ここまでやっぱり議論がなされるぐらい心配だというような状況でございますので、それは的確に、鮮明にお示しをいただきたいと思います。
 それと併せまして、労働時間実態調査ということを、私は、毎年しっかり行って、それも皆様方に公表していただきたいと思います。実行計画の進捗状況と併せて確認をしていただきたいと思います。いつも五年に一回だとか、大変長いスパンの中で調査がなされ、それがもう後手後手で、政策がそこにあてがわれるということがよく行われておりますので、もっと短期間でしっかりとしたデータ把握お願いしたいと思いますけれども、大臣、いかがですか。
#309
○国務大臣(加藤勝信君) 労働時間等総合実態調査、今回の議論に当たっても様々な問題があったということ、そういう中で、大変皆さんにも国会にも国民の皆さんにも御迷惑を掛けておるところであります。その辺はしっかり反省をして、データの精度向上、これに努めていきたいと思っております。
 ただ、この労働時間等実態調査は、これまで法改正の検討の必要が生じたときということで、定期的というか、そういうタイミング、タイミングでやってきたところであります。そういう意味において、今のこの精度の向上を含めて、この制度、調査、これからどうしていくのかということについては別途検討していく必要があるんだろうというふうに思います。
 また、働き方改革実行計画に基づく様々な施策については、十年間のロードマップが提示をされておりますから、それがどう展開されていくのか。それについても、例えば労働時間については労働力調査で週労働時間が六十時間以上の者の割合を確認するなど、既存の統計の活用ということもあるとは思いますけれども、こうしたフォローアップをしていく中において実態を把握するために必要だということが出てくれば、そうしたデータを把握するための調査等についても検討していきたいと思います。
#310
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 法改正のためではなく、やはり成果を測るためにも、私は、ある一定の時期、それも長くない時期、五年に一回など言わずに、しっかりと短期間でやっていただきたい。ホームページなど見てみましたら、各県では毎年やっているところもあるんですよね。ですから、そういうものをピックアップしながら、是非それを全国的にも展開をしていただきたいと思っております。
 最後に、年次有給休暇の件につきましてお尋ねをいたします。
 今回は、年次有給休暇の取り方についても改正がなされております。これによって年次有給休暇取りやすくなりますか。局長、いかがでいらっしゃいますか。教えてください。
#311
○政府参考人(山越敬一君) 厚生労働省におきましては、従来から、連続した年休を取る、このことの促進のために、十月、十月は次の年の年休を決める月にも当たりますので、これを年休促進期間といたしまして集中的な広報をやっております。これに加えまして、夏季、年末年始、ゴールデンウイーク、そういう休みがある時期に集中的な広報、年四回やっている、そういうことを通じまして、休暇を取得しやすい雰囲気を、これは地域のいろいろなイベントなどとタイアップするような取組を行っておりまして、様々な形で雰囲気づくりに取り組んでいるところでございます。
 今般、年次有給休暇の制度が改正されますれば、そういったことの周知もこれはしっかりと進めていきたいと思っております。
 そういうことを含めまして、より休暇が取得しやすい雰囲気づくりに今後も取り組んでまいります。
#312
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは、会社の方からしっかり取ってくださいよというところで、休暇を取っていただきやすい制度になっております。しかし、そのような形で取るといってもなかなか、二十四時間営業だったり、年末年始というものに忙しいような業界もございます。しかし、今、二十四時間営業というものを取りやめるということで業界の中でもコンセンサスを得たような部分もございますし、お正月、初売りなどを自粛いたしまして二日から営業開始、それも、その地域でみんな手を組んで、そうしようじゃないかとやっぱり業界団体も取り組んでいただかないと、これは一企業だけではなかなか、お客さんの取り合いの中で難しい部分もあります。そこは私は加藤大臣にしっかりと物を言っていただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
#313
○国務大臣(加藤勝信君) 今局長からも申し上げましたけれども、厚労省としては、様々なタイミングの中でそれを周知をしていく、また休暇を取得しやすい雰囲気づくり、これ取り組ませていただきたいと思います。
 特に、今回法律による改正もしているわけでありますけれども、やはり労務管理や業務プロセスの見直し、これを伴わないとなかなか企業において長期間の休暇等々難しいわけでありますから、その具体的なやり方、ノウハウを提供していくということ、そしてもちろん、今あった地域全体として、例えば地域の何かイベントあるいは記念日、そういったところに一斉でお休みをいただく、そういったことももちろん取組をさせていただきたいと思います。
 今申し上げたノウハウの提供等については、先ほど申し上げた、働き方改革推進支援センターにおいてコンサルティングを無料で実施をする、あるいは様々なセミナーや出張相談会を行う、あるいはよろず支援拠点という、これ経産省がやっておられますけれども、それと連携を図って生産向上、IT投資など企業経営に関する相談なんかを実施する、こういったことをしっかり進める中で、年次有給休暇の取得促進がそれぞれの企業において具体的に図られるように取り組ませていただきたいと思います。
#314
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やはり、持っている、それも権利でございますので、それを行使していただくために後押しをする、それが厚生労働省の私は役割だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 終わります。
#315
○委員長(島村大君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#316
○委員長(島村大君) 速記を起こしてください。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト