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2018/07/03 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第25号
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2018/07/03 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第25号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第25号
平成三十年七月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君    三原じゅん子君
 七月二日
    辞任         補欠選任
    三原じゅん子君     今井絵理子君
 七月三日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     足立 敏之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         島村  大君
    理 事
                石田 昌宏君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                山本 香苗君
                小林 正夫君
    委 員
                足立 敏之君
                石井みどり君
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                自見はなこ君
                鶴保 庸介君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                伊藤 孝江君
                三浦 信祐君
                足立 信也君
                浜口  誠君
                石橋 通宏君
                難波 奨二君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  高木美智代君
       厚生労働副大臣  牧原 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府経済社会
       総合研究所総括
       政策研究官    長谷川秀司君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宇都宮 啓君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高橋 俊之君
       厚生労働省医政
       局長       武田 俊彦君
       厚生労働省健康
       局長       福田 祐典君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  宮川  晃君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    宮嵜 雅則君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 俊彦君
       厚生労働省政策
       統括官      酒光 一章君
   参考人
       日本年金機構理
       事長       水島藤一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (年金問題等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長福田祐典君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(島村大君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本年金機構理事長水島藤一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(島村大君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、年金問題等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○宮島喜文君 おはようございます。
 本日は時間をいただきましたので、幾つか今後の取組等について、厚生労働省のお考えをお聞きしたいと思います。
 まず最初は、経済財政運営と改革の基本方針二〇一八でございます。
 いわゆる骨太の方針でございますが、これについては、二〇一五年に経済・財政一体改革を推進することにより経済の再生を進めるとともに、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持することを目標に、二〇一六年から二〇一八年度の三年間を集中改革期間と位置付け、各主要分野ごとに改革に取り組んできたと承知しているところでございます。この集中改革期間が、最終年度が今年度となるわけでございまして、昨年度の骨太の方針二〇一七でも、手綱を緩めることなく、社会保障の効率化など、歳出歳入両面の取組を進めるとしているところでございます。
 さて、先日、六月の十五日にこの今年の経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、骨太の方針二〇一八が閣議決定されました。
 そこにおきましては、二〇二二年から団塊世代が七十五歳に入り始め、社会保障関係費の急増が見込まれると。それまでの二〇一九年から二〇二二年度の三か年を基盤強化期間と位置付け、経済成長と財政を持続可能にするための基盤固めを行うとしております。社会保障改革を軸とする基盤強化期間を設定するということでございますが、これに関しまして、歳出の改革の重点分野である社会保障については、基盤強化期間の重点課題として、高齢化、人口減少や医療の高度化を踏まえ、総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめ、期間内に工程化、そして制度改革を含め実行に移すということを挙げております。
 集中改革期間が今年度、先ほど申しましたように終了する中、骨太の方針二〇一八年では、さらに、二〇四〇年頃を見据え、社会保障給付や負担の姿を幅広く共有し、国民的議論を喚起することが重要であるとしておりますが、来年度以降、社会保障改革にどのように取り組んでいくか、お伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(加藤勝信君) 今、宮島委員からお話がありましたように、今回の骨太方針、まずは団塊の世代の方々が七十五歳を超えていく二〇二五年、それを一つ念頭に置きながら、引き続き社会保障についての効率化等々を進めていくということ、その上で、それから先の中長期的なやっぱり展望を持っていく必要があるということで、これからの展望をお示しをさせていただきました。
 その姿を見ると、やはりこれまで、特に二〇〇〇年から更に二〇二五年と区切って見ると、高齢者の人口が大幅に増加をしていると。しかし、二〇二五年以降になると、二〇四〇年にかけてその増加は相当ペースダウンをする。要するに、七十五歳人口は二〇〇〇年から二〇二五年でたしか二・六倍ぐらい増えていたと思いますけれども、二〇二五年以降であればもう一桁台の伸びということになる、十五年間で一桁台の伸びになります。
 他方で、十五歳から六十四歳未満の生産年齢人口については、二〇〇〇年から二〇二五年の間で、二十五年間で一七%減少したものが二五年以降の十五年間で同じく一七%減少するということで、そうしたフレーズを見ると、高齢者の人口増加ということ以上に生産年齢の減少というものがより強く認識をしていかなきゃならないというふうに考えております。
 そうした時代を見たときに、制度の重点化、効率化、給付と負担の見直し等、社会保障の持続可能性の確保というのは、これは当然引き続き取り組んでいく必要がありますけれども、あわせて、現役世代の人口が急減する中においても社会の活力をどう維持向上していくのか、その基盤として健康寿命というものを延伸をしていく必要性、あるいは労働力の制約が強まる中で適切なサービス確保を図っていくためには、医療・介護サービスの生産性を向上していく中において適切なサービスが提供される条件をつくり出していく。
 こういった新たな政策課題を含めて国民的な議論をしていただく中で総合的に改革を進めていく必要があるというふうに考えておりますし、財政諮問会議でもその旨を述べ、骨太の方針二〇一八においても社会保障改革の基本的考え方としてその旨が位置付けられたところでございます。また、今回お示しをした二〇四〇年を見据えた社会保障の将来見通し、これも今後の検討の是非材料にしていただきたいというふうに思います。
 私どもとしては、こうした見通しを活用しながら、将来の社会保障給付や負担の姿、これを幅広く共有する中で国民的な議論を喚起をし、新たな政策課題も含めた総合的な改革を推進していくことが求められております。
 厚労省としても、健康寿命を延伸をしていく、また、その中で高齢者就労、これをしっかり促進をしていく、これについては総理からも指示をいただいている部分もございます。また、医療・介護サービスの生産性向上、これらについて目標を設定していく、あるいは施策の具体化、これに着手をし、可能なものから予算措置あるいは制度改正、この検討に入っていきたいというふうに考えております。
#10
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 総合的な取組で対応していくという方向だということをお聞きしたわけでございますが、次に、この経済財政運営と改革の基本方針案、予算編成にどういうふうに考えていくのかという観点からお聞きしたいわけでございます。
 この骨太の二〇一八でございますが、ここでは日本経済の経済財政状況について、五年半に及ぶアベノミクスの推進により日本経済は大きく改善し、デフレ脱却をつくり出す中で、名目GDP、実質GDPも共に最大規模に拡大しており、景気回復というものは緩やかではございますが長期間にわたって継続していると書いてございます。
 こうした中、企業収益、これを見ますと過去最高額を記録し、設備投資もリーマン・ショック前の水準を超え拡大しているとされております。また、財政面においては、歳入の増加、歳出では、プライマリーバランスの赤字幅は減少しておりますけれども、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化の目標の達成ということはちょっと困難であろうということになっています。
 この分析を考えてみますと、やはり中長期的な視野で考えますと、人口減少、先ほど申しましたような少子高齢化という問題、これが経済の再生と更に財政の健全化、これ両方の面にやっぱり制約的な要因として関与してくるわけでございます。この人口減少、そしてその少子高齢化問題を担う厚生労働省の施策では非常に重要であるということになるわけでございます。
 そこで、厚生労働省関係の施策を拝見いたしますと、骨太の二〇一八、第二章でございますが、力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組として、人づくり革命、生産性革命の実現と拡大、働き方改革の推進、新たな外国人人材の受入れなどが掲げられております。
 二〇一七年から一八年、これは単年度でございますが、継続的な施策というのは、展開というのはこれは当然重要だとは思いますけれども、二〇一九年度の予算編成、概算要求に向けて作業をもう進めていらっしゃると思いますが、施策をどのように進めるか、またどのようなものを重点的に置いて考えていくかということについてお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 二〇一九年の予算編成について、これからということでございますけれども、まずは夏の概算要求に向けて検討をさせていただきたいと思っております。
 骨太方針二〇一八を踏まえて、人づくり革命、生産性革命の実現と拡大、働き方の改革の推進などに取り組んでいきたいというふうに考えておりますけれども、具体的には、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けて、引き続き、希望出生率一・八の実現、介護離職ゼロの実現等に向けての施策を具体的に取り組んでいくほか、質が高く効率的な医療・介護提供体制の構築、健康寿命延伸のための予防、健康づくりの推進などにも取り組んでいきたいと考えております。
 さらには、消費税引上げにおいて元々お約束をさせていただいた中身、それから、昨年の十二月の新しい経済政策パッケージなどにおいて提起をさせていただいた幼児教育の無償化あるいは保育士の方々の処遇改善などなどについてもしっかりと対応していく必要があるというふうに考えているところでございます。
 いずれにしても、限られた予算の中ではありますけれども、今申し上げられた課題について必要な予算の確保にしっかりと努力をさせていただきたいと思います。
#12
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 二〇一六年から一八年のときの社会保障費に関しては、やはり高齢化による増加分に相当する伸び分に収まる方針ということの考え方が強く出されたわけでございまして、よく五千億という話がいつも先に出てくるということがございました。今回、それが出ておりません、金額、数字的なことは。ですから、逆に言えば、経済の状況にもよるということも当然ありますが、どのようになっていくかというのは非常に注目しているところであるわけでございます。
 総合的に進める中でどのような形になるかということになろうかと思いますが、基本点は恐らく、この高齢化に、増加分に相当する分の伸び率を収める方針というのは基本にはなっていますから、その中で動くだろうというふうに思っているところでございます。これはこれからまさに進んでまいりますので、どのような施策が展開されるか、また見ていきたいと思います。
 では、続きまして、この委員会でも質問がございました児童虐待防止対策についてお伺いしたいと思います。
 皆さん本当に御存じではありますけれども、今年三月、東京目黒区において、五歳の女児、船戸結愛ちゃんでございますが、虐待で死亡した事件が発生いたしました。報道から伝えられたところによると、育児放棄を受けて父親から頻繁に叱責されていた。その五歳の女児がノートにつづったという謝罪の言葉というのは、多くの国民が涙を流したと思うわけでございます。
 このような痛ましい児童虐待事件が二度と起こらないようにということで、国は当然のことながら速急な対策を取るべきだと思うわけでございます。国においては、近年この児童虐待は年々増加しているということで社会問題となってきたわけでございますから、そういうことに対応しまして、平成十二年、児童虐待防止等に関する法律を制定以来、平成十六年十月に児童虐待防止法の改正、平成十七年一月には児童福祉法の改正、平成二十年四月には児童虐待防止法、児童福祉法の改正、平成二十一年四月には児童福祉法の改正、平成二十四年四月には民法、児童福祉法の改正、平成二十九年四月には児童虐待防止法、児童福祉法の改正、平成三十年には児童福祉法、児童虐待法の改正を積み重ねて取り組んできたと、積極的に取り組んできたと、これだけを見ますとそう思うわけでございます。
 しかしながら、この児童虐待の相談件数、また相談内容でございますが、最新の状況についてこれはどうなっているか、お教えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(加藤勝信君) 今、宮島委員お触れになられた目黒区で発生した事案、こうした形で本当に子供さんが亡くなられたこと、誠に残念でありますし、もうこうした事態を二度と引き起こすことがないようにしっかりと取り組んでいかなきゃならないというふうに考えておりますし、また、改めて子供さんには心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 現在の児童虐待の状況でありますけれども、平成二十八年度の児童相談所への児童虐待の相談件数は十二万二千五百七十五件と、例えば五年前と比べると倍増ということでございます。深刻な状況が続いているというふうに認識をしております。また、虐待相談の内容別の割合について見ますと、心理的虐待が五一・五%と最も高く、身体的虐待が二六・〇%、ネグレクトが二一・一%と、こうした状況になっているわけであります。
#14
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 今回の事件の児童虐待の件を契機に厚生労働省は虐待防止策を更に進めると聞いているわけでございますが、現在どのようにこれを進めているかについてお聞かせ願います。
#15
○国務大臣(加藤勝信君) 目黒で発生した事案も受けて、先月の十五日には、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議を安倍総理の参加の下、開催をいたしまして、総理からは、子供の命を守ることを何より第一に据え、全ての行政機関があらゆる手段を尽くすよう緊急に対策を講じることについて指示をいただいたところでございます。
 その指示を踏まえて二十五日に関係省庁の連絡会議を開催をし、各省庁に対し、抜本的に児童虐待防止対策を強化すべく、早急な検討をお願いをいたしました。また、国において、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会というのがございます。これは、通常、都道府県における検証を待ってから改めて国として検証するわけでありますけれども、今回は東京都と香川県にまたがる事案と、こういうことも踏まえて、東京都、香川県の検証と並行してこの専門家会議による検証も行うということにしているわけであります。
 いずれにしても、今後、児童相談所や市町村の職員体制や専門性の強化を始めとした六つの課題を先般の会議にもお示しをさせていただきましたが、それらについて政府関係が一体となって子供の命を守る、そして今回のような痛ましい事件が二度と繰り返されないようにやれることは全てやる、こういう強い決意の下で、徹底した、早急に講じていくこととしております。まずは、七月中下旬を目途に、まとめられるものをしっかりまとめて打ち出していきたいと考えております。
#16
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 今大臣のお話にございましたように、この案件でございますが、児童相談所が関与しているわけでございます。当然、児童相談所の機能強化ということはちょっと考えなきゃいけないというふうに思うわけでございますが、今回の事例は、香川県から来た、東京都に転居してきた事例でございます。転居前の香川県の児童相談所から転居先の品川の児童相談所に虐待の可能性があるとの資料が引き継がれたというふうでございますが、香川県で指導の措置解除がされていたので、そういうことを考えますと緊急性がないと、積極的な、東京都の方が、介入をしなかったとも言われているわけでございます。
 このように、児童相談所の役割というのは連絡体制も含めて非常に重要であるわけでございますが、厚生省の方にお願いして資料を出させていただいたものは、そこにお配りしてありますが、虐待相談対応件数と児童相談所の体制というものでございます。
 先ほど大臣が、この相談件数が十二万二千五百七十五件だということで五年前に比べて非常に増えているんだ、深刻な状況であるという認識がございました。きちんと認識をされているということでございまして、これから対応になるわけでございますが、この児童相談所、これを見ていただきますと、右側の方に児童福祉司の数の推移が載っております。平成十一年、平成十八年、これは十一年度の約二・六倍となる。ですから、件数が十・五倍増えているんだけど、そこでスタッフが、児童福祉司は二・六倍しか増えていないという、こういう状況があるわけでございますが、特にマンパワーはこれで十分なのかということでございます。
 特に、この児童福祉司、そしてさらに児童心理司というのも配置されているわけでございますが、この専門職の定数、まずは定数だと思うんですが、相談件数の増加に比べて十分確保されていると言えるのかということです。これがまず初めだと思うんですが、これについてお考えをお聞きしたいと思います。
 また、児童相談所の業務でございますが、平成二十年四月から、児童の安全確認、確保の観点から、家屋への解錠等を可能にする新たな立入り制度が創設されたと聞いているわけでございますが、これは十分機能しているのかどうなのか、これについても併せてお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 お尋ねいただきました児童相談所につきましては、虐待相談対応件数の増加が続いていることなどを踏まえて、体制を強化するということから、平成二十八年に児童相談所強化プランというものを作成させていただいています。
 そこでは、児童福祉司の配置標準につきまして、各児童相談所の管轄地域の人口四万人に一人以上を配置することを基本とした上で、さらに、人口だけでなく業務量として虐待相談対応件数を考慮することといたしました。これによりまして、平成三十一年度、二〇一九年度までに、児童福祉司を五百五十人、児童心理司を四百五十人増員するということにしておりまして、この目標の達成に向けて取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、今御指摘もいただきましたように、その後も増加し続けている虐待対応を更に強化するという観点から、今後、関係省庁と連携してこの児童相談所強化プランを見直してまいりたいというふうに考えております。
 また、あわせて、子供の安全確認、確保についてのお尋ねもいただきました。御指摘いただきましたように、児童虐待防止法におきまして、それ以前の立入調査に加えまして、平成二十年四月からは裁判官の許可状を得た上で強制的に鍵を開けるという形ができるなど、実力行使を可能とする臨検あるいは捜索制度というものを創設いたしました。また、平成二十八年の改正におきましては、この臨検、捜索までの手続に要する時間であるとか手間をできる限り短縮できるように、都道府県知事による再出頭要求を経ずとも児童相談所が裁判所の許可状を得た上で実施できるという仕組みを平成二十八年十月から取り入れたところでございます。
 実績、平成二十八年度におきましては、この臨検、捜索の件数は一件でございますけれども、立入調査ということで見ますと百十九件となっておりまして、臨検、捜索に至るまでの途中過程において子供の安全を確保できていることから、臨検、捜索までに至るケースは結果的にごく限定な数にとどまっている実績というふうに私どもとしては受け止めております。
#18
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この定数の問題、定数というか職員数の問題、これは交付税措置されているわけでございますから、総務省の方と一体になってやはり交付税措置をきちんとする中で、県、市町村はきちんとスタッフを確保するということの基本が必要だと思います。
 そういうところを連携を取りながらやっていくし、先ほどの五百五十人、四百五十人の児童福祉司、児童心理司の数がこれで十分かというと、十分ではないはずでございますね。こういうところを考えますと、これから確かに養成する人が必要、そしてさらに、その方が、専門職の方がきちんと自信持って仕事ができるような教育研修も必要になるわけでございますが、まずは今、人が入口だろうというふうに思うわけでございまして、更に考えていただければと思います。
 また、この出頭要求等については、先ほども申しましたように臨検が一件と。これは、十二万件が全てこういうような事例じゃないことは分かっているわけでございますが、一件というのはいかがなものかと、これも実効性に本当乏しいんじゃないかと思うわけでございます。それは、いろんな条件があると思いますけれども、きちんとした形につくっていくという制度上の問題もまだ残っているんだろうと思いますので、是非取組をお願いしたいと思うわけでございます。
 では、話は変わるわけでございますが、中央省庁の再編について少しお話を最後にお聞きしたいと思います。
 これは、中央省庁では、財務省の決裁文書の改ざんや、防衛省の日報隠しや、厚生労働省においては裁量労働制に関する都道府県労働局の調査に不適切なデータがあったということで、これ働き方改革法から削除したという経過もございます。また、もっと年金機構の問題、これはなかなかいつになってもきちんとできないということでございますが、委託業者が処理業務を年金機構の許可を取らずに外国の業者に再委託していたという事例がありまして、委託業者がずさんな集計で年金が誤った額が支給されたという不適切な例も続出したわけでございます。
 そもそも、考えてみますと、平成十三年の中央省庁の再編でございまして、これが、旧厚生省と旧労働省が統合され、誕生したわけでございます。これ、医療、介護、年金、生活保護、また障害者福祉、健康対策や雇用まで非常に幅広い分野を担当しているということで、これ、大臣始め政務三役も始め職員の皆さんも本当に大変だとは思うわけでございますし、また、予算規模も一般予算の、一般歳出の五割を超すような状況にもなっていて、巨大な省庁ということになっております。
 このことから、いろんな法案、今国会でもそうでございますが、非常に法案も多く、これに対応しますスタッフの皆さんも仕事量の割には人が少な過ぎるとの声もあると聞いております。何かしらこのような不祥事が起きたようなときには、厚生労働省を分割したり再編する話が出ては立ち消えになってきているということがあろうかと思います。今後見込まれる社会保障、労働、この仕事量、それに対して本当に見合う定員が、確保していくということが大切だろうと私は思うわけでございます。
 分割、再編については、当然長所と短所があるわけだと思います。平成十三年の再編をどのように評価しているかということ、そしてさらに、もし再編することがあるということになった場合、厚労省の見解というのはどのように考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(加藤勝信君) 厚生労働省は平成十三年発足をいたしました。委員から御指摘ありますように、担う業務は、医療、介護、年金、子育て、労働等幅広く多岐にわたっているというのも事実であります。しかし一方で、この統合された中において、例えば仕事と家庭の両立や子育て支援の充実、障害者の就労支援と雇用促進、あるいは介護福祉人材の確保など一体的に推進をしてきた、あるいは推進をしていくことができるというメリットも他方であるというふうに認識をしております。
 その上で、今後のお話もありました。常に行政の対応のありようあるいは行政組織の在り方というのは時代時代に応じて必要な見直しを当然図っていくべきものだというふうには認識をしておりますけれども、私どもとしては、今現在の立場、立場といいますか我々の姿勢としては、まずは今求められている様々な厚生労働省の行政課題に対応できるよう体制の確保にしっかり努力をしていく、そして関連する業務を、言わば縦割りということをまだ厚労省でも言われることがありますけれども、そうではなくて、横串を通じて一体的な運営ができるようにすることによって、本当にそれぞれが国民生活に密着している仕事でございます。それが適切に行われるよう、責任と自覚を持ってしっかりと取り組ませていただきたいと考えております。
#20
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 時間が余りないんですが、健康増進法改正が今国会に提出されて、これから審議されるということになります。健康局長さんにも来ていただいていますので、一言だけお答えいただければいいんですが、これ、参議院の方で審議されて可決、成立いたします。この施行された場合、効果、望まない受動喫煙はどのぐらい低減されるかについて一言考えをお聞かせください。
#21
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 本法案では、施設の類型、場所ごとに禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙可能な場所には掲示を義務付けることなどから、法案の対象施設におきましては、望まない受動喫煙が生じてしまうことはなくなると考えております。一方で、本法案では、屋外や家庭などにつきましては、配慮義務はあるものの禁煙措置などは講じていないことなどから、望まない受動喫煙を完全になくすためには、法制度や受動喫煙の健康影響等につきましての周知啓発を併せて行っていくことが重要であると考えてございます。
 法律が成立した暁には、施行後の受動喫煙の状況を調査、把握しつつ、国や地方自治体によります周知啓発などをしっかりと行っていくことによりまして、望まない受動喫煙のない社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
#22
○宮島喜文君 十分な回答とは言えないんですが、時間が参りましたので、今後の審議に期待します。
 ありがとうございました。
#23
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 まず最初に、障害年金の認定の問題について大臣にお伺いさせていただきます。
 障害基礎年金の認定事務を日本年金機構の都道府県ごとの事務センターから機構本部の障害年金センターに集約することによって、認定の地域差が解消され公平化が図られる、このこと自体は必要なことだと思います。一方で、これまで障害年金を生活の支えとして暮らしてこられた方々のことも私たちは考えなくてはならないと思います。
 障害年金の受給に当たりましては、定期的に診断書を提出して再認定を受けなければなりませんが、昨年の末に、二十歳前の障害による障害年金の受給者一千十人の方が今回の診断書では障害等級非該当になると判定されました。直ちに支給停止とはなりませんでしたが、一年後に診断書を提出することを求められ、この七月がまさしくこの診断書の提出時期です。皆さん、大変心配しておられます。また、同様に、今年以降、診断書の提出期限、時期を迎えられる方もおられますが、そうした方々も支給停止になるんじゃないかと大変心配されておりますし、当委員会におきましても御質問がありましたとおり、心配している方々もたくさんおられます。
 このことにつきましては、六月一日の衆議院厚生労働委員会で、我が党の桝屋議員からも質問させていただきました。その際、大臣からは、認定医が診断書の疑問点について主治医に確認することも含め、日本年金機構に一件一件丁寧に対応させたいと御答弁されました。
 障害年金の審査は、障害の状況を基に障害認定基準を適用するに当たりまして、認定医の医学的知見を活用し、医学的な総合判断をした上で障害等級を決定するという仕組みです。
 これまでの認定の地域差は、認定医が総合的に用いるこの医学的知見というところに認定医によって違いがあったから生じたんじゃないでしょうか。だとすれば、例えば、センターに集約する前の認定の際に、ある障害の状況を基に障害認定基準を適用するに当たって、認定医の医学的知見を活用して総合判断した結果、障害等級に該当する旨決定されたケースでは、今度は、センター集約後の認定の際に障害の状況が従前と変わっていない場合には、当時の認定医の医学的知見と同様の知見を活用して医学的に総合判断する場合は障害等級該当という集約前と同じ判断となって、支給停止とならないんじゃないでしょうか。
 審査事務がセンターに集約される前は、認定医が交代した場合でも、例えば事務局が前の認定医の医学的知見を後任の認定医に伝えるということもあり得たと思いますけれども、今回センターに集約するに当たっては、認定医と事務局が同時に一斉に交代という特別な事情がございます。
 そこで、大臣に是非ともお願いしたいんですが、今るる申し上げました点を踏まえて、昨年末に一年後に診断書の提出を求められた方、またさらには、今年以降診断書の提出時期を迎えられる方々の障害年金の審査をしていただきたいと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#24
○国務大臣(加藤勝信君) 今、山本委員、一つの例示を挙げられました。その例示のケースについては当然御指摘のような判断になるというふうに考えております。
 また、委員御指摘のように、今回の全国集約に当たっては、まさに認定医と事務局、これが全て東京に集約をしていくということによって認定医も事務局もほとんどの方は変わるということになるわけであります。そういった特別な事情があったことも踏まえておかなきゃならないというふうに思います。
 そういった意味で、この障害年金センターへの集約の前に行われた認定について集約後に再認定を行う場合には、集約前の認定の際に認定医の総合判断の根拠となった障害の状態が現在においても従前と変わらない場合には、集約前の前回の認定も認定医が医学的に総合判断したものであるということも踏まえて医学的な総合判断を行って等級判断を行っていく、これを基本としている中で、これまで申し上げたように、日本年金機構において一件一件、まさに、そうした認定医も事務局も変わってきた、そしてかつてにおいては認定はされていた、そういった事情をよく踏まえて一件一件丁寧に対応していくように努めていきたいと思います。
#25
○山本香苗君 ありがとうございます。今の大臣の御答弁で安心された方も多いと思います。
 もう一つ重ねて大臣にお伺いしたいと思います。
 二十歳前の障害による障害年金につきましては七月に診断書を提出する仕組みとなっておりますけれども、二十歳以降の障害による障害年金では御本人の誕生日月に診断書を提出して再認定の審査が行われるという形で、違う仕組みになっております。
 二十歳前の障害による障害年金では、先ほど申し上げましたとおり、昨年末に診断書を一年後に提出することとして支給停止はされなかったんですが、二十歳以後の障害による障害年金では、障害年金センターへの集約後、障害の状況が変わらなくても支給停止が行われてしまっているんです。平成二十九年度には二千九百三十三名の方が支給停止となっておりますが、このうち、日本年金機構で一か月分のサンプル調査を行ったところ、百九十四名中二十八名、すなわち約一四%の方が診断書の内容が変わらなかったにもかかわらず支給停止となっておりました。
 障害年金センターへの集約後から今までの間に行った審査の結果により支給停止した方々についても、大臣、先ほど御答弁いただきました考え方によりまして是非改めて点検をしていただいて、障害等級非該当とならない者については支給停止を取り消して、この支給停止した月分から支払うと、このようなことをしていただけないでしょうか。
#26
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘の、障害年金センターへの集約後、これまでの審査分、特に支給停止がなされた分について、先ほど申し上げたような考え方にのっとって、全体として、認定医は認定医としてきちんと認定していただいたんですが、機構としてトータルとしてそこまで対応していたのかという部分という御指摘は当然あるというふうに認識をしておりますので、その点も含めて改めて、この特に支給停止した方についてはもう一度さきの考え方にのっとって一つ一つを再点検していきたいと思っております。その結果、等級非該当とならない者については、支給停止を取消しをさせていただき、支給停止をした月分から当然お支払いすることにしていきたいと考えております。
 ただ、いずれにしても、一件一件をやっぱり先ほど申し上げた考え方にのっとって丁寧に、そして、その障害年金を受けている方々の立場、状況もよく踏まえながら認定医が医学的総合判断ができるようにしていく、そしてそれにのっとって等級を決定していく、そうした形で事が処理されるよう日本年金機構に対してもしっかり指導していきたいと思います。
#27
○山本香苗君 ありがとうございます。本当に、障害者の方にとってこの障害年金というのは、生活を支える、大部分を占める大変重要な部分であります。是非丁寧にお願い申し上げたいと思います。
 次に、生活保護家庭の大学等進学につきましてお伺いしたいと思います。
 昨年五月に、生活保護世帯のお子さんの大学進学の実態について調べてもらいたいと申し上げましたところ、厚生労働省として初めて、生活保護世帯出身者の大学生等の生活実態の調査研究、実施をしていただきました。ありがとうございました。
 今般、その調査結果が取りまとめられて、六月二十五日に公表されました。今日、配付資料として概要を配らせていただいております。本当は先般の生活困窮者自立支援法の改正案のときに議論をしたかったんですが、参考人の方もそのようにおっしゃっておられましたけれども、間に合わなかったので、今日させていただこうということでございます。
 そこで、まず厚生労働省また文部科学省お越しいただいておりますが、それぞれこの調査結果をどう受け止めておられるのか、まず厚生労働省、その後に文科省という形で御答弁ください。
#28
○政府参考人(定塚由美子君) お尋ねいただきました調査につきましては、山本議員からの質問を踏まえ、生活保護世帯の子供の進学に関する状況や進学後の生活状況を把握するという目的で実施をさせていただきました。平成二十九年四月時点で、大学、専修学校等に在籍している生活保護世帯と同居している学生約二千名から回答をいただいているものでございます。
 調査の結果、大学生活の状況については、約八七%が奨学金等を利用しており、一般の大学生等の場合と比較して高く、また年間収入の内訳を見ると、奨学金が約百八万円、家庭からの給付が約五・五万円などとなっており、一般の学生の場合、家庭からの給付が約百十八万円、奨学金が約三十八・五万円であることと比べると、家庭の支援に頼ることができない実態が明らかになっております。また、進学までの状況を見ると、約六〇%が高校二年生までに大学などへの進学を考え始めていること、進路については主に親や学校の先生に相談をしていること、塾や予備校、通信教育を利用して受験勉強をした生徒は約一一%であることなどが明らかになっております。
 厚生労働省としては、本年四月から、親世帯と同居して大学等に進学する場合に住宅扶助を減額しない取扱いを開始しておりまして、また、六月一日に御可決いただきました改正生活保護法に基づき、大学等への進学準備のための一時金を支給しているところでございまして、申し上げました調査結果も踏まえて、今回の制度改正で講じた施策を着実に実施するなど、文部科学省など関係省庁と連携をして生活保護世帯の子供の大学等への進学支援に取り組んでまいりたいと考えております。
#29
○政府参考人(信濃正範君) ただいまの厚生労働省の答弁にもございましたとおり、生活保護世帯出身の大学生等につきましては、奨学金等による学費の支援の必要性が高いというふうに認識をしております。
 これに加えまして、本日委員が配られました概要には入っておりませんけれど、この調査の中では、入学前の進路に関する相談におきまして、奨学金等の学費サポート制度に高い関心があるという結果も得られております。このことから、大学等への進学を後押しするという観点からは、奨学金等の負担軽減策を整えてしっかりと周知をしていく、これが大事であるというふうに考えております。
 昨年度、給付型奨学金制度を導入いたしましたけれども、このときには、文科省それから日本学生支援機構から、高校や大学等に対しまして生徒等への周知を依頼しております。加えて、チラシの作成ですとか説明会、政府広報による周知、こういうことも行っております。
 また、昨年四月に奨学金制度全般を拡充いたしましたけれども、このときには、私ども、文部科学大臣から学校関係者へ、あるいは文部科学大臣から生徒、保護者へのメッセージというのも発出しているところでございます。この中では、給付型奨学金は経済的にとても厳しい状況にある生徒の進学を後押しするために創設するものであるということ、それから、貸与型の奨学金制度も充実をしますということ、さらには、どんなに厳しい状況であっても諦めずに進学を実現をしてほしいと、こういったことを強調しているところでございます。
 こういったことに加えまして、昨年度は、進学を検討している生徒、保護者に対しまして、奨学金制度の活用も含む進学費用準備のための資金計画の説明、助言を行うスカラシップアドバイザー、これをファイナンシャルプランナーと連携して各高校に派遣するということも行っております。
 生活保護世帯出身の大学生にもきちんと情報が行き渡るように、厚生労働省とも連携しながら奨学金事業の周知にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#30
○山本香苗君 今回の調査によりまして、私は、改めて生活保護世帯の大学生、学生さんの大変厳しい現状というのが浮き彫りになったと思うんです。
 先ほど定塚局長からもお話ありましたとおり、八六・五%が貸与型の、ほとんどが貸与型の奨学金制度を利用していて、家庭からの支援がほとんど見込めないという状況で、アルバイトに頼らざるを得ないという状況であります。にもかかわらず、支援制度があっても支援を受けられていない、支援につながっていないという実態も明らかになったと思います。
 先ほど、周知をいろいろしているという話でありましたけれども、例えば三ページのところの生活状況のところで、授業料減免制度の利用について書いてあります。授業料の負担が一番大きいんです。授業料が免除されれば確実に負担が減るんです。切り詰めれば、アルバイトしなくても何とかやっていけるという場合もあります。にもかかわらず、今回の調査において申請しなかったという回答が全体の三五・七%も占めています。授業料減免というのは、奨学金制度と比べて余りよく知られていません。知らないから申請していない、又はあることは知っていても自分がその対象に当てはまらないと思って申請していない、こういったケースが背景にあるんじゃないかと思います。
 今年四月に遡って、先ほど御紹介いただきましたとおり、進学準備給付金、間もなく支給がされると伺っております。また、二〇二〇年度四月から大学等高等教育の無償化も始まるということでありますが、このようにどんどん支援策が拡充しても、支援を必要としている子供にきちんと支援が届かなければ意味がありません。是非、支援を拡充するに当たりましては、支援をつなげていく取組をセットで行っていただきたいと思います。
 そこで参考になりますのが、大阪府堺市の若手のケースワーカーさんが作ってくれました冊子で、「ココから!」という冊子がいろいろと報道でも取り上げられておりましたけれども、この冊子では、生活保護世帯の子供が進路選択に直面した際に役立つ金銭面や制度面に関する情報を、物すごく分かりやすく、かつ正確に記載しております。今後、冊子を担当ケースワーカーさんが対象となるお子さんの御家庭を訪問する際に順次配付をしていくと伺っておりますが、本来こうした取組は厚生労働省が率先して行うべきじゃないんでしょうか。
 是非、厚生労働省としても、堺市の取組を参考にしつつ、当事者に寄り添うような支援につなげていくような分かりやすい冊子を作っていただいて全国で活用できるようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(定塚由美子君) 委員御指摘のとおり、大学等への進学に向けた支援制度、各種の支援制度をしっかりと本人に分かりやすく周知、伝達していくということ、大変重要であると考えております。
 今回、堺市が作成されました冊子「ココから!」は、進学後の費用や奨学金の紹介、就職する場合、相談先など、中学生、高校生がその進路を選択する上で役に立つ情報が分かりやすくまとめられており、参考になるものと考えております。議員より御指摘いただいた、このような生活保護家庭の中高生向けの分かりやすい冊子、ついては国としても作成する方向で検討したいと考えております。
 また、高校卒業後の進路に関しては、それぞれの子供の希望に応じた情報提供や相談支援が重要であるということから、本年度より、福祉事務所が生活保護世帯の子供や保護者に対して大学等への進学費用に関する相談や助言などを行う家計相談支援事業を実施する場合に補助を行うこととしております。資料の作成と併せて個々の家庭の状況に応じた相談支援を行うことにより、生活保護世帯のお子さんの大学等への進学支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#32
○山本香苗君 ちょっと急ぎながら行きたいんですが、授業料減免、認知度が低いだけじゃないんです。制度自体が当事者にそもそも寄り添う仕組みになっていないという指摘があります。というのも、授業料減免に、受けるに当たっては本人が申請しなきゃいけないんですけど、これをちゃんとやっているということを公表していない大学もあります。一度申請したら終わりじゃありません。学期ごとに申請する必要があって、授業料減免導入している多くの大学では、学業成績の審査を通らなければ次の学期、減免は受けられないんです。生活保護世帯を含む経済的に厳しい家庭のお子さんは、授業料減免を受けられるかどうかというのは、これは大学生活続けるかどうか左右するわけですね。受けられるのは有り難いんだけれども、授業料減免受けられなくなるかもしれないという不安の中でアルバイトを続けざるを得ないと、そういう声も伺っております。
 是非、国公私立を通じましてこの授業料減免制度の運用の改善も同時に図っていただきたいんですが、いかがですか。
#33
○政府参考人(信濃正範君) 現在の大学における授業料減免といいますのは、各大学において限られた財源の中で具体的な運用が行われております。このため、委員が御指摘のとおり、授業料減免が受けられなくなるか、そういう心配をしなければならないという実態があるということは承知をしております。
 一方で、現在検討を進めております新しい授業料減免の制度では、真に支援が必要な子供たちに十分な支援が行き届きますように、二〇二〇年度からの実施に向けて安定財源を確保し、国として新たな制度の設計を行っているというところでございます。
 したがって、先ほど御指摘のような事例が生じないように、支援の継続性、予見性にも十分配慮していきたいというふうに考えております。
 例えばですけれども、公費を投じるということですから、進学後の学習状況等について一定の要件を課すということはやむを得ないと考えておりますけれども、例えば、半期ごとではなくて、その確認は一年ごとに行うと、それで、成績が下位四分の一の場合には、警告を行った上で二年続いたら打ち切る場合もあるといったような運用をしたいというふうに考えております。
 こうした制度の内容については、学生にも国としてしっかり周知をしてまいりたいと考えております。
#34
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 その新たな仕組みというのは、まさしく二〇二〇年四月からスタートする大学等高等教育の無償化ということでございますが、是非、加藤大臣、実施に当たってこれから詳細な制度設計をやっていくわけでありますけれども、その際に、生活保護家庭のお子さんや社会的養護を必要とするお子さんの立場に立った制度設計にしていただきたいと思います。
 今回の無償化というのは、新たに入学する学生さんだけではなくて、在校生も含まれるわけです。既存の様々な支援制度、例えば生活保護であったり社会的養護であったり自立支援貸付事業がありますが、そうしたものとの関係はどうなるのかとか、厚生労働省と文部科学省との間できちんと整理をしなくちゃいけないことが多々あるわけでございます。
 しっかりと、既に支援を受けているお子さんたちと受けていない子供たちの間で不公平が生じないよう、子供たちにとって最もいい形で実現ができるように両省で連携を取っていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護世帯や社会的養護を必要とする子供さん方が大学等へ進んでいける、実際、進学率は一般の世帯と比べてかなり低いということ、そして貧困の連鎖をさせないという観点から、そこを支援していくということが大事だと思っておりまして、先般の生活保護法についても、先ほど局長から答弁をさせていただいた支援措置を行う、あるいは、社会的養護を必要とする子供についても、従前から大学等への進学準備のための一時金の支給、あるいは、平成二十九年度からは、入所措置が解除されても卒業するまでは引き続き児童養護施設に居住できる、こんな事業も実施をしております。
 そういった中で、今委員御指摘のように、骨太方針においても、真に支援が必要な、所得が低い家庭の子供たちの大学などの高等教育無償化を実現するとされておりまして、これは、親からの経済的支援を見込めない生活保護世帯の子供や社会的養護を必要とする子供にとって大変有意義な支援になるというふうに考えておりますので、まさにそうした有意義な支援になるようにということで今委員からの御指摘があったというふうに承知をしております。
 具体な制度設計は主として文部科学省において行われるわけでありますが、厚労省としても、私どもの観点に立って、様々な点について文科省ともよく調整をさせていただきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、先ほどからこうした制度をよく知らないじゃないかというお話もありました。教育関連制度の周知、あるいは進路選択に当たっての相談支援、こうしたことにも併せ取り組むことによって、生活保護世帯や社会的養護を必要とする子供たちがですね、大学への進学支援、これがしっかりと行っていけるように、しっかりと努力をさせていただきたいと思います。
#36
○政府参考人(信濃正範君) 今厚生労働大臣からの答弁にございましたとおり、高等教育の無償化に向けた制度の詳細については文科省を中心に検討を進めているところでございます。
 真に支援が必要な子供たちに十分な支援が行き届きますように、生活保護ですとか社会的養護について知見と経験の深い厚生労働省とも連携をしまして、制度設計及び広報、周知を図ってまいりたいと考えております。
#37
○山本香苗君 ありがとうございます。しっかり文科省におきまして、厚生労働省との整合性を図っていただければと思っております。
 次に、障害者への医療提供体制についてお伺いしたいと思っておりますが、せんだって、障害者施設に入所されている方が病気やけが等で必要な場合に入院先確保するのが難しいんだと、中でも多動行為や他害行為、大声を出すなど行動を起こす利用者は、医療行為が必要な場合でも実態上入院を断られることが多く、入院できたとしても二、三日で退院、転院を余儀なくされているという話を伺いました。
 厚生労働省としてこういった実態を把握されているでしょうか。把握していないのであれば、入院先の確保や連携が行われる仕組みがどうなっているのか、施設入所者の医療の必要性の実態について全国的な調査を是非行っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#38
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 施設に入所されている方の重度化とかあるいは高齢化が進む中で、障害特性を踏まえた適切な対応を図るために、障害者支援施設と医療機関の連携は大変重要なものであるというふうに承知しております。
 障害者支援施設の在り方につきましては、次期報酬改定に向けて、今年度、今後の更なる重度化、高度化を踏まえて調査研究事業を行うこととしております。具体的には、その中で、施設で医療的ケアを必要としている方の状況とか、あるいは障害者の入所施設でどの程度の医療に対応できるかといったことも含めて実態調査を予定しているところですけれども、その調査の中で、今議員から御指摘もありました入所者に対する医療機関との関わり等の実態についても把握していきたいというふうに考えております。
#39
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 今御答弁の中にございましたとおり、施設入所者の重度化、高齢化が進む中で、私は医療と障害福祉の連携というのはもう極めて重要というか不可欠だと考えておりますが、そもそもこの障害者医療というのは、地域医療構想だとか障害福祉計画にどう位置付けられているんでしょうか。
 また、併せてお伺いしたいと思いますが、医療と障害福祉の連携というのは進んでいるとお考えでしょうか、どうでしょうか。御認識も併せてお願いします。
#40
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 まず、地域医療構想につきましては、二〇二五年に向けまして、全ての患者を対象としてその状態に応じて必要な医療を適切な場所で受けられるよう都道府県におきまして定めているものですが、その中には障害のある方の医療についても含まれております。
 また、障害福祉計画につきましては、国が示している基本指針におきまして、精神障害者、医療ケア児等を始め医療を必要とする方を支援する観点から、自治体に対して、保健、福祉だけではなく医療の関係者も構成員とした協議の場を設置するよう求め、現状の把握、評価、また支援体制の改善等を話し合っていただき、福祉と医療との連携が充実されるよう促しております。
 現在、認識をというお話でございますが、これらの方針に基づいて地域において連携が進められているものと理解はしておりますが、なかなか進んでいない現状ではないかと認識しております。
 平成三十年度の障害福祉サービス等の報酬改定におきましても、サービスの要となる相談支援事業所について、入退院時における医療機関との連携を促進する観点から加算を創設するなど、取組を講じております。
 山本委員からの御指摘のとおり、先ほどまた障害保健福祉部長から答弁申し上げましたが、入院施設とまた医療機関に関する実態調査を行う旨答弁を申し上げました。そこに加えまして、在宅においてはどうなっているのか、この点も、ここはヒアリング等になるかと思いますが、しっかりと実態把握をさせていただきまして、それらを踏まえて医療と障害との連携を更に進めてまいりたいと思います。障害のある方が地域で必要な医療を安心して受けることができるよう取り組んでまいる所存でございます。
#41
○山本香苗君 ありがとうございます。
 もう一つお願いします。
 障害施設とこの訪問看護はダブルでできないんですよね。だから、今いろいろと、平成三十年度の報酬改定で医療的ケアを必要とする方を受け入れるために様々、常勤看護職員等配置の加算とかをつくっていただいたんですけど、夜間どうしても常勤が確保できない、費用面でも大変負担が大きい、この合わせ技でできないだろうかという声が上がっているんですが、この点も是非御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
#42
○副大臣(高木美智代君) 現在、医療保険制度におきましては、医師、看護師等が配置されている障害者支援施設の入所者への訪問看護につきましては、給付の重複を調整する観点から、訪問看護療養費を算定できないということとなっております。
 一方、障害福祉制度におきましては、医療との連携も評価しておりまして、例えば、日中活動サービスのうち看護職員の配置がない生活訓練などのサービスを対象に、外部からの看護職員が事務所を訪問して利用者に対して看護を行った場合、医療連携体制加算として障害報酬上評価をしております。
 先ほど申し上げたとおり、今年度、障害者支援施設の在り方等につきまして調査研究事業を行うこととしております。今御指摘の夜間における外部からの看護職員の訪問の必要性につきましても、まずは入所者が夜間にどのようなサービスが必要なのか、またどういう点でお困りなのかなどの実態を把握をいたしまして、それに基づいて対応してまいりたいと思います。
#43
○山本香苗君 終わります。
#44
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 大臣、今国会初めてネクタイをしていないお姿拝見しましたけれども、よほど先週の働き方改革が薄氷を踏む思いだったのかもしれませんけど、それより単純に今朝は寝不足なのかもしれませんけど、私も大変いい試合だったと思っています、対ベルギー戦ですね。本当に日本代表よく頑張ったと思います。この今朝のベルギー戦と、セネガルとの二対二の引き分けですが、この二試合はワールドカップの僕はベストマッチじゃないかという気がしております。すばらしかったなと思います。
 ただ、残り十五秒でリードを許してしまった。先ほど宮島委員が健康増進法で成立した後にとおっしゃいましたけれども、国会は残り十五秒で何があるか分かりませんから、そこは気を引き締めてという発言をしてくれと隣からありましたので、それを申し上げておきたいと思います。
 まあ余計なことですが、ベストエイトはやっぱりサッカーよりも来年のラグビーが先かなという気がしています。日本で初めて行われるラグビーのワールドカップですけど、大分で五試合もありますので、是非、時間のある方は、御案内したいと思いますので、よろしくお願いします。
 ところで、年金の問題に入りますけど、水島理事長、度々どうもありがとうございます。
 まずSAY企画問題から行きますが、簡単にまとめて話をします。データ入力を委託した業者が業務を適正に行えず、その結果、所得税の源泉徴収額が正しく差し引かれず、年金支給額が過少になってしまった。
 ここで問題点として挙げたいのは、契約に違反して中国の業者に再委託していた。契約書もなかった。SAY企画は、全省庁統一資格でC等級だったと。一千五百万未満のところが、この契約金が一億八千二百万円ですから、これ三つ目。しかも、八百人の従業員を確保するといいながら、実際は百数十人だった。それから、結果として九十五万人に入力誤りと。しかも、このSAY企画は六月に解散してしまったと。
 二億円の損害賠償請求をしていますが、そのことについて、六月七日に、私、通告はしていなかったんですが、突然の解散でしたので、そのときに大臣が三つお答えになりました。損害賠償請求権を早急に確定する、二番目が、そしてその回収に努力すると、そして三番目が、日本年金機構そして厚生労働省の職員を処分すると、この三点を答弁されましたので、それぞれ、まずは損害賠償請求権、そしてその回収、この点についてお聞きしたいと思います。
#45
○政府参考人(高橋俊之君) 委員御指摘のように、六月六日付けの官報で、株式会社SAY企画が六月五日開催の株主総会の決議により解散したということ、また債権を有する者は二か月以内に申し出ること等の内容の解散公告が掲載されております。
 日本年金機構におきましては、今般の扶養親族等申告書に係る一連の事案への対応経費につきまして、同社に対しまして二億四百三万円の損害賠償額を確定いたしまして、そのうち業務委託費との相殺分を除きます一億六千三百五万円が現時点で未回収となってございます。
 また、株式会社SAY企画の解散公告を受けまして、その約一億六千万円の未回収金につきましては、既に日本年金機構からSAY企画の代表清算人に対しまして債権申出書を送付したところでございまして、現在機構におきまして今後の清算手続の中で回収にしっかり努力したいというふうに考えてございます。
#46
○足立信也君 前も言いましたが、国民の財産ですからね、是非そこは努力してもらいたいと思います。
 そして三番目、日本年金機構、厚労省職員に対する処分、この点についてはいかがでしょうか。
#47
○国務大臣(加藤勝信君) まず、日本年金機構の前に、クールビズは単にクールビズ、暑いためにクールビズをしているということでございますので、服装にかかわらずしっかりと取組をさせていただきたいというふうに思います。
 その上において、日本年金機構において委託業者の管理が不十分であったこと、また、納期遅れが常態化し深刻な状況となっているにもかかわらず、組織としての共有が図れなかったことにより、本年二月に支払われるべき年金額が正しく支払われなかったこと、これは誠に遺憾な事態であります。
 日本年金機構においては、六月二十九日に理事長、副理事長、担当理事を注意処分、あわせて、月額報酬の十分の一を二か月間辞退することとしております。また、担当部署、これは、給付業務調整室の職員については戒告又は訓告の処分を行ったところであります。
 厚生労働省においては、今般の機構の制裁内容も踏まえた上で、機構の事務処理が正しく行われなかったことについて、同じく六月二十九日に機構の業務の管理監督を所掌する年金局長及び年金管理審議官を口頭による厳重注意処分としたところであります。(発言する者あり)
#48
○足立信也君 甘いという意見も当然出てきますが、この件に端を発して、次の問題、恵和ビジネス問題ですね、これも一度取り上げました。
 委託契約中の百十九社に対する特別監査、これは再委託を無断でしていたのは恵和ビジネスだけだという認識をしておりますが、これ委託契約金が二億八千万円ということで、先ほどSAY企画のところで、私、解散以外は四つ申し上げました。無断な再委託、契約書なし、まだ一者応札というのもありました、で、C等級だったと、そして、従業員は確保するといいながら全く足りなかったと、この五点。
 それに関連してお聞きしたいんですが、理事長、まとめてで結構です、この入札の状況はどうだったのか、そして、その契約書、再委託の契約書はあるのか、このまず二点をお聞きしたいと思います。
#49
○参考人(水島藤一郎君) お答えを申し上げます。
 恵和ビジネスが受託をいたしました契約は、北海道事務センターと仙台広域事務センターにおけますパンチ委託業務でございます。これは全国に十五か所ございます事務センターにつきまして、パンチ委託業務のそれぞれ入札を行ったものでございますが、全て一般競争入札の総合評価落札方式で行ったものでございます。また、恵和ビジネスが受託した二契約につきましては、北海道事務センターの入札については五者、仙台広域事務センターの入札については四者の応札があったということでございます。また、契約書があったかどうかということについては、契約書はなかったというふうに承知してございます。ございませんでした。
#50
○足立信也君 契約書はなしということですね、まあ、けしからぬ話だと思います。SAY企画との比較で、これもやっぱり全省庁統一資格でC等級だったと、しかし委託契約金は二億八千万円だったということ。
 それから、問題は、もう一つあるこの従業員ですね。SAY企画は八百人の従業員を確保するといいながら、実際は百数十人だったと。
 この恵和ビジネスというのは、そこまで分かりますか、どうだったんでしょう。どれぐらいの人数を確保してやる予定だったのに、実際はどうだったかって分かりますか。
#51
○参考人(水島藤一郎君) 人数までは私どもとしては承知をいたしておりません。
#52
○足立信也君 まあ、不明というか、分からないところはしようがないんですが。
 この前の答弁で、高橋審議官、要はこれへの対処ですね、対処のことを聞きました。機構内に専門委員会を設置して、そして六月四日に社会保障審議会年金事業管理部会に報告されています。報告書は持っています。そこで、いろいろ問題点、今後の対応等が書かれておるわけですが、その後の取組、これについては、理事長、いかがなんでしょう。
#53
○参考人(水島藤一郎君) 調査委員会報告書では、大きく二点について御提言をいただいております。まず一点は、機構の今後の外部委託及び調達管理の在り方についてでございます。また、第二点目は、本事案を踏まえ検討すべき機構運営の基本的事項、この点について御提言をいただいたということでございます。機構といたしましては、六月四日でございますが、プロジェクトチームを設置をいたしまして、これに対する対応の検討を進めているところでございます。
 また、業務改善命令が発出をされておりますが、業務改善命令におきまして直ちに実施すべきとされております総合評価落札方式の適用の原則化、あるいは全省庁統一資格の本来等級の適用の原則化、調達単位の適切な分割等につきましては、新たな調達手続を開始するものについて具体的に実施をしているところでございます。
 また、調査委員会報告書の御提案を踏まえました調達外部委託管理ルールの見直しにつきましては、平成三十年七月末までに関係する諸規定等の改正を実施するべく作業中でございます。
 外部委託業務を組織横断的に管理するための組織体制の強化を御提言いただいておりますが、これにつきましては、平成三十年八月に調達企画セクションを設置する方針で内容の詰めを行っているところでございます。
 また、年金個人情報を取り扱う業務につきまして、いわゆるインハウス型委託を御提言いただいております。インハウス型委託と申しますのは、機構が用意いたしました場所で、情報セキュリティー等のリスクを、受託事業者が仕様書と異なる業務を行うリスクを機構がコントロールできる形で行わせる外部委託の形式でございますが、これにつきまして、平成三十一年分の扶養親族等申告書に関する業務に関して、導入に向け、現在検討を進めているところでございます。
 また、その他の業務につきましても、準備の整ったものから順次移行をするという方針で取り組んでおります。
 また、その他機構運営の基本的事項として御提言いただいております業界や実務の専門的分野を担う人材を育成するための人事体系の見直し、あるいは本部現業組織におけるリスク管理の在り方の見直し、あるいはIT化、システム化の推進につきましては、平成三十年九月末までに一定の方向性を定めることといたしております。
 調査委員会報告書を踏まえまして、六月二十九日に、先ほど申し上げましたが、厚生労働大臣から業務改善命令が発出されたところでございます。実施状況につきましては、九月末時点で厚生労働大臣に御報告申し上げることといたしております。
#54
○足立信也君 先ほど分からなかった従業員数、それからどれぐらい確保する予定だったかについては、後でまた教えてください。
 大臣、報告書は私も読みましたので、今の御答弁はもうそのままですのでそのまま受けますが、今回のことで一番皆さん感じているのは、元々委託をしたSAY企画にその能力がなかったんじゃないかということですよ。これはもう皆さんそういう共通認識だと思うんですけれども、ということは、これは委託業者、委託された側の業者の質の問題ですね。しかし、ここで我々ができることというのは、委託する側、年金機構あるいは厚生労働省の問題はどこなんだという話ですよ。
 業務内容の適正管理あるいは監視するための体制整備、これは是非とも必要だと思いますし、先ほど山本委員は障害年金の関係できめ細かに対応しなきゃいけない、その点でももちろん体制整備が必要ですし、また、一昨年の国民年金の改正法案のときの附帯決議に、これはこのときは厚生年金の適用拡大のことですけれども、附帯決議に、日本年金機構における人員体制の確保が必要であるからということ、そして適切な対策を講ずることと、こう書いてあるわけですよ。やはり委託された側の問題だけではなくて、する側も、しっかりそれは監視しなきゃいけない、体制整備しなきゃいけない、そしてまた業務が広がるきめ細かな部分も対応しなければいけないということですよね。
 この報告書は、今理事長が読まれたように、外部委託の活用は合理性があり基本的には適切だと書いてあるんですね。でも、委託方法の在り方は見直すべきだ、それから、今後は業務の正確性とサービスの質の向上を重視するということが書いてあって、大臣にお聞きしたいのは、この附帯決議にも書いた機構の人員体制の整備、監視したり管理したりする側ですね、これについては大臣はどう受け止められているんでしょうか。
#55
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の業務改善命令による対応策、これを具体的に実施をしていくためには、機構において、組織の改正、人員の再配置、予算執行の見直し、こういった必要な対応を行っていただくことになるわけでありますが、さらに、来年度ということも見据えて、人員や予算投資が必要になる場合には、予算要求などに向けて厚生労働省としても必要な対応を考えていきたいということであります。
#56
○足立信也君 まさにそれは必要だと私思います。厚生労働省は業務が多い多いといいながらも、一つ一つ見ても、やっぱり不十分な体制の中でやることばかりが多いという感じしますので、特にやっぱり国民の財産、預かるところはしっかりやってもらいたいなと、そのように思います。
 次に移ります。
 以前、三浦委員も指摘されていた新専門医制度についてです。
 これは、最近はネットの中でのいろんな情報交換の中でさんざんな評価が出ていますね。特に、これは内部資料が流出してきて、もうデータの改ざんまでが指摘されているというとんでもない事態なんです。これは今日取り上げてやると大分時間掛かるので、触りの部分というか、まあなるかもしれませんが。
 その前に、この新専門医制度、要するに専攻先を決めるわけですけど、学会に登録してですね、その大前提として、医療法、医師法の改正でもありましたけれども、この医師数というのは一体どこで決めるのかというのがいまだに私はっきりしていないんです。その医師が住んでいる住民票なのか、勤めている医療機関なのか。でも、最近はフリーランスの方も多くて、医療機関ではなくて個人でやっている、あるいはみとり専門にやっているとか、いろいろな方いらっしゃるじゃないですか。地域包括ケアの中ではその人たちの働き方が非常に大事なんです。
 この医師数というのはどこで届けられているんですか。基本ですけど。
#57
○副大臣(高木美智代君) 御指摘は、一つは診療科偏在への対応、そしてまたもう一つは、今御指摘ありました、この医師数の見通しをどのように策定していくのかという、こうした御指摘ではないかと思っております。
 まず、診療科偏在への対策といたしましては、今後、人口動態や疾病構造の変化を考慮しまして、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年、できるだけ早期に検討を始めまして、平成三十二年には国が情報提供することを予定しております。
 そもそも、この医師数をどのように見ていくのかというところかと思いますが、この医師数の見通しを策定するに当たりましては、今申し上げた人口動態、疾病構造の変化などを踏まえた診療科ごとの医療ニーズを満たせるよう、フリーランスの麻酔科医など複数の医療機関で働いている医師も含めまして、医師が実際に働いている医療機関の所在地を用いて推計することとなるものと考えております。
 もう少し申し上げますと、現在、医師・歯科医師・薬剤師調査の医師届出票において、医師の住所のほか、主たる従事先と従たる従事先を記載することとなっております。統計上は主たる従事先に属することとなりますが、将来必要な医師数の見通しを検討するに当たっては、どのようなデータを用いるかにつきましても含めて、医療関係者、また有識者等の方々とも十分に議論を尽くしてまいりたいと考えております。
#58
○足立信也君 それで解決するような話ではありますけれども、そうじゃないんですよ。
 実際、フリーランスの麻酔科医の話をされましたが、もう本当、何か所もで働いている、当然ね。主も従もないんですよ。それや、あるいはみとり専門であって、オフィスというか、もうアタッシュケース一つでやっている人もいっぱいいるんですよ。その人たちは、地域医療構想もそうですが、医療計画もそうです、どこに属して考えているんですかという質問ですね。
 今、所属する医療機関、主、従とおっしゃいましたが、所属していない人が多いということですよ。そこはどうなんでしょう。今、これもやっぱり今後の検討ですか。もうこれはここを把握しないと正確なものつかめないと思いますし、大分、私は、今の医療機関、勤めている医療機関ごとに計算するよりも、地域密着、地域包括ケアを考えるんであったら、その人たちがどこに住んでいるかというのもかなり大事なことだと思いますよ。どうですか。現状は、主、従は別にして、所属するでは把握し切れない人いると思いますよ。
#59
○副大臣(高木美智代君) この医師届出票におきましては、医師の住所も提出していただくようになっております。
 今、大変重要な御指摘をいただきましたので、今後、医療関係者、また有識者等の方々とも十分に検討をしてまいりたいと思います。
#60
○足立信也君 これ、基本中の基本の話なので、ここはしっかりしていないと計画立てられないと思いますね。構想も作れない。
 同じように、私は、専門医の数というのが決まっていかないと構想なんか立てられないという話をもう一昨年ぐらいからずっとしているわけです。地域医療構想を作る前に専門医の件を確定しておかないとそれは無理だろうと、後追いになってしまうということを申し上げたわけです。
 そこで、この医療法、医師法の中で決めている日本専門医機構に大臣が必要な措置を要請できるとあります。ちょっと、もう終わった法案ではございますけど、やっぱりここが肝だと思うので。そして、機構側は、研修計画が医療提供体制に重大な影響を与えることが想定される場合、事前に大臣と知事の意見を聴くことを義務付けられていますね。
 ところが、蓋を開けてみると、今年四月から始まったこの新専門医制度ですけれども、極めて多くの疑問や不条理みたいな話も出てきています。当初予測されたように、これアンケートでは、マイナー科志向が強まるだろうと、つまり内科、外科は減っていくだろうと、もうそのとおりです。大学志向が強まるだろう、これもそうだと思うし、都市部志向が強まる、もうそれもそのとおりですよ。結果としては懸念がそのままになっている。これは、厚生労働省としてあるいは大臣として私は対処しなければいけない話だと思っているんですよ。
 そんな中で、一番私が問題だと思うのは、アンケートですよ、専門医制度が今後どうなっていくのか、当事者としては不安しかないと。希望に燃えて、今、これから頑張るぞと、医者になって三年目ですよ、不安でしかないと言われちゃったら、これは制度として間違っていますよ。そんな制度がうまくいくはずがないし、かわいそうですよ。それともう一つ、一期生の自分たちは貧乏くじを引かされたんじゃないかと、こんな思いをされたら、もう先が真っ暗だと思いますね。
 そこで、加えて、六月二十九日ですから先週かな、社員総会でこの専門医機構の理事長、副理事長二名、合計三名がいずれも替わった。無責任じゃないですかね。こんな不安だらけの制度を始めていてですよ、トップスリーがもう替わったと。私にとっては後輩になる人間たちですけど、本当かわいそうな気がしてならないんですね。
 実態、先ほど言いましたけれども、専攻医八千三百九十四名中千八百二十二人、二一・六%が東京で研修実施ですね。これも石田理事を始め多くの方がおっしゃいました、東京に千葉や埼玉から医師を吸い寄せている、結果として。内科、特に内科、外科ですよ、内科専攻医二十人以下の県が十二県、外科専攻医五人以下の県が十三県。
 基本中の基本はやっぱり内科、外科ですよ、この先高齢者が増えていくに当たってもですね。そこがどんどん減っていくという過程、これは極めてミゼラブルな結果しか私は想定できない。
 そこでお聞きしたいのは、先ほど申し上げました条文にある、専門医機構が、重大な影響を与えることが想定される場合、これ事前に大臣と知事の意見を聴くことを義務付けられているわけですが、重大な影響というのはどのようなことを考え、想定されてこの条文は成り立っているんでしょう。それと、機構がとる措置というのはどういうことなんでしょう。この一般社団法人がとる措置というのは何でしょう。
#61
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありますように、新たな制度に移行していくわけでありますから、その中においてこれから医師の中でこの専門医目指す方々が不安がないような形にしていくと、これは当然の我々の責務だというふうに思います。
 その中で、今回の医師法等の改正に基づく御質問がございましたけれども、この医療提供体制の確保に重要な影響を与える場合として想定をされておりますのは、新専門医制度において研修計画を定める際に、研修施設が都市部に集中するなどにより一部の都道府県の定員が極端に少なくなる場合や、研究施設の要件を満たし、かつ研修施設となることを希望しているにもかかわらず特段の理由なく研修施設としていない場合などが考えられるというふうに思います。
 この場合には、都道府県の意見を聴いた上で厚生労働大臣から日本専門医機構に対しその改善の要望を意見するということになるわけでありますけれども、これまでは日本専門医機構においては任意での協力と、こういうことになっていたわけでありますけれども、今回、医師法等の一部改正法案が成立をした後においては、研修施設の認定基準の見直しや都市部を対象とする研修定員に上限を設定するなど、研修計画の内容に当該意見を反映させるよう努力義務が課せられるということでありますので、それに沿った対応を機構に求めていきたいというふうに考えております。
#62
○足立信也君 重大な影響というのは、今まさに私が挙げたことが実際起きているわけですね。さっき、五人以下だった、外科が五人以下だったのは十三県というふうに申し上げたけど、たった一人というのは群馬、山梨、高知、ありますからね。これもう重大な影響ですよ。厚労省としては、私は、検証して対策を考えて、それをやっぱり委員会でも、あるいは国民全体に報告する義務はあると思いますよ。
 そんな中で、今、都市部への集中防ぐためにキャップをという話もありましたけど、内部通報と言うとあれかな、内部情報なんでそれ以上は言いませんけれども、過去数年間の平均の内科医の数が僅か二か月でびゅんと水増しされているという事態もあったわけですよ、今回。大変な事態ですよ。二か月たったら自然に何十人も増えちゃったという、こんなことをしていると、本当、信頼はなくします。
 そこで、重ねて言いますけど、厚労省には、これを検証し、実際に今重大な影響が起きつつあるのではないか、これを察知して対策を取らなきゃいけないですよ。そこで、少なくとも、今も、過去の平均の内科医の数とか専門医の数とか外科医の数とか、いろいろデータが錯綜しているような感じもあります。先ほど高木副大臣、医師・歯科医師・薬剤師調査の件をちらっと触れられましたが、これはここまでデータが信頼性が損なってしまったら、少なくとも厚労省は客観的なデータ示す必要あると思いますよ。今までがこうだと、今回の専攻医はこうだと、それがないと不安でしようがないし、ごまかされているなと思っちゃうんですよ、みんな。
 だから、まあこれ以上、何回も言いません、厚労省には責任あると思いますよ。一般社団法人がやるべき話じゃないというのは前から言いましたし、少なくともこの事態、先ほど数値を私言いました、この事態をどう評価しているのかという点と、それから、厚生労働省が持っている客観的なデータ、これをやっぱりベースのデータとして利用するようにさせるべきですよ。この二点についていかがですか。
#63
○副大臣(高木美智代君) まず、診療科偏在につきましては、医師・歯科医師・薬剤師調査に基づきますと、長時間労働が常態している外科や産婦人科につきましては、平成六年以降、医師数全体の増加に比べてその増加幅は小さいという一方で、精神科や放射線科等の診療科におきましては大きく増加をしております。委員御指摘のとおりでございます。
 厚労省としては、こうした診療科偏在の状況を評価した上でその対策を行うため、今後、人口動態や疾病構造の変化を考慮して、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しについて、平成三十年のできるだけ早期に検討を始めまして、三十二年には国が情報提供することを予定しております。これによりまして、医師が将来の診療科別の必要医師数を見通した上で適切に診療科を選択することで、結果的に診療科偏在の是正につながるものと考えております。
 また、平成三十年度から開始されました新専門医制度につきましては、様々な今御指摘もいただいたところでございます。厚労省におきましても、当然、地域医療に責任を負う立場から、今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会を立ち上げまして、日本専門医機構に対し、都市部における診療科ごとの専攻医の定員について、過去五年間における専攻医の採用実績の平均人数を超えないようにすることなど、地域医療への配慮を求めてきたところでございます。
 現在、厚労省としては、経年的に専門医を含めた医師の配置状況を把握できるデータベースの作成にも着手しておりまして、平成三十年度中に推計する将来の診療科別必要数と併せて、医師の診療科偏在の状況を評価していきたいと考えております。
 委員御指摘の客観的なデータ、そしてまた、その評価に基づく政策、しっかりと進めさせていただきたいと思います。
#64
○足立信也君 この問題については、大臣にちょっと一言だけ欲しいんですけどね。同じ社員総会で、私が尊敬する、あるいは信頼している人も相当新メンバーとして入りました。私は、自浄能力によって良くなることを期待しています。期待している反面、ここはやっぱり補助金も出しているわけですよね。ですから、この今までのやり方、データ一つ取っても、平均人数という話が今副大臣からありましたけど、データ一つ取っても信用できないという話に今もうなっているわけですから、ここはもう少し、厚生労働省、ちょっと主体的にこれはリードしてやらないと、もう不安の塊。
 医者になって三年目の方、九割以上がここに関係するわけですよ。この方々が不安、将来に対して不安を抱いたら、この前、私、今、予備校の段階でもあるいは高校生の段階でも、海外の医学部を勧めるところが増えているんですよ。これは危ない兆候だと思いますので、この機構に関する厚生労働省のグリップ、この点だけはちょっと大臣の気持ちを聞かせてください。
#65
○国務大臣(加藤勝信君) まさにこれからの日本の医療を担う若い人たちがしっかりと国内において研修をしていただく、あるいは専門医としての資質を磨いていただく、その意味では大変大事な制度だと。また、これに至るまでも、関係者の間でいろんな議論をされていく中で今日の制度に落ち着いたというふうに承知をしておりますけれども、要はこれをどううまく運用していくのか、そういった点での委員の御指摘だというふうに思います。
 水増し云々の話まではちょっと私は正確に承知をしておりませんけれども、そうした御指摘も踏まえて、いずれにしても、この制度がこの趣旨に沿って、そして今御懸念がありました診療間あるいは地域間の偏在、こういったことにもつながらない、あるいは逆に解消につながっていく、そうしていくためにも、よくこの機構とも連携を取りながら、また必要に応じては、先ほどの制度等もございますので、そうした制度というのは、今度新しく法律が通った後ということも含めて、その仕組みをしっかり活用しながら、あるいは実態把握に努めながら、この制度が本来の趣旨をしっかりと発揮していけるように、また、今委員御指摘のように、これ、今後目指していくお医者さん方がその思いを不安なく安心して達成していけるように努力をさせていただきたいと思います。
#66
○足立信也君 私の方でも協力できることがあったら是非とも協力したいと思いますので、よろしくお願いします。
 あと、残り一問にします。八番、九番、ちょっと飛ばします。
 大臣も労働生産性を二〇二〇年までに二%上昇させると、これは内閣を挙げて労働生産性のことは言及されています。先ほどありました骨太の方針もこれが大きなテーマです。もう一つ大きなテーマが外国人の労働ですね。
 皆さんもうお読みになっていると思いますが、この調査室の「立法と調査」、今年の六月の、労働生産性というのが出ています。二%上げるとか今OECDで何番目だとか、労働生産性というのは数値で表せれるデータですね。数値で表せれるということは計算式があるということで、普通もう単純に分かるのは実質GDP、付加価値ですよね、実質GDPを就業者数掛ける時間、一人当たりの労働時間ですか、これで割ると。これはもうみんな分かりやすい話なんですが。
 そこで、私もう一か月ぐらい前からずっとお聞きしているんですが、答えが余り返ってこない。この労働生産性、式で表せれるわけですけど、この就業者数というものの中に外国人は入っているんですかとずっとお聞きしているんですが、明確に答えられないので、どうなんでしょう。
#67
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の参議院調査情報担当室のレポートによりますと、OECDの労働生産性は、実質GDPを就業者数に一人当たり労働時間を掛けたもので除することで求められております。各要素の計数でございますが、OECDデータベースにありまして、このうち質問の就業者数は国民経済計算にて公表しているところでございます。国民経済計算では国内の生産活動に従事している者を就業者と定義しておりまして、その中には外国人も含まれておるところでございます。
 また、就業者数の推計に当たっては、国勢調査を基本といたしまして、労働力調査及び就業構造基本調査などの基礎統計を用いておりますが、これら基礎統計には外国人労働者が含まれていると承知しております。
#68
○足立信也君 就業者数というのは内閣府の国民経済計算に公表している値だと、こう答えるわけです。外国人は当然入っていますと。
 そこで、私が、じゃ、その外国人とおっしゃる方々は在留資格別に、高度な専門の方であったりあるいは技能実習生であったり、いろいろありますよね。その方々が働く就業形態、これ別にはどうなんですかと聞いたわけなんですが、どうなんですか。
#69
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。
 国民経済計算でございますが、国民経済計算は国民経済の構造や動向を把握するものでございまして、外国人就業者に関する就業形態等については把握しておりません。
 以上であります。
#70
○足立信也君 どういう外国人の方々が働いているかというのが分からないと言うんですよ。把握していないと言うんですよ。
 そこで、この値、国民経済計算の何か今説明がありました。この値は、総務省の労働力調査を基に幾つかの統計を用いて推計していると言うんです。この総務省の労働力調査は、外国人は入っているが区別はしていないと言うんですね、今の答えなんです。どういう形の就業形態、どういう資格で日本にいる方々がどれだけ働いているかというのが分からないと言うんですよ。
 そこで、今度、技能実習生やそれ以外で新たな在留資格をつくっていくっていうわけでしょう。これ、もしそこを計算に入れていなかったら、外国人のその方々を計算に入れていなかったら生産性はどんどん上がっていくじゃないですか。数として入れなくて、実質GDPは上げてその方々に頑張ってもらう、これは計算として僕は成り立っていないと思うんですよ。何でこんな単純なことが答えられないのか不思議でしようがないんですけれども、今日は問題点を指摘しておきます。
 労働生産性を計算する式、大事な就業者数の中に外国人は入っていると言うけれども、どういう資格で、どういう就業形態で働いているかは把握していないと言うんです。今後、どこを増やそうとしているのか、訳が分からぬですよ、私は。
 こういう問題点があるということを指摘して、次回、機会があれば更に質問したいと思います。ありがとうございます。
#71
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。今日はよろしくお願いします。
 今日は、大臣と六月十一日、決算委員会で少し議論をさせていただきました健保組合の件に関して、今日もちょっと取り上げて議論させていただければというふうに思っております。
 あのときも少し申し上げたんですけれども、直近の健保の財政状況についても、四月に予算の集計結果、出されたんですけれども、健保全体の六割を超える健保組合でもう赤字になってきていると。その大きな要因は、高齢者医療の拠出金、これがもう一気に上がって財政に大きな影響を与えているということであります。それとプラス、加入者に支払う医療給付費よりも高齢者の拠出金の方が、そちらの割合の方が大きな組合も、多い組合も全体の二割を超える二百八十三組合でそういう状況になっていると、こういう実態に今あるということです。そんな中で健保の財政がこれ悪化してくると、もう健保として維持できない、もう協会けんぽの方に移行せざるを得ないという組合も増えてきているという実態があります。
 政府として、健保組合がもう維持できずに協会けんぽの方に、解散して協会けんぽに移行する場合どういった影響があるというふうに考えておられるのか、協会けんぽへの影響、さらには国庫負担への影響、これらについてまずはお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(加藤勝信君) 決算委員会でもいろいろ御議論させていただいたので、重複はできるだけ避けてお話をさせていただきたいと思いますけれども、四月二十三日に健保連が公表した各健保組合の平成三十年度予算の早期集計結果ということでありますけれども、中身を見ると、確かに、六割超の健保組合が赤字、あるいは一千三百八十一億円と、こういう数字が出ているわけでありますけれども、前年度と比較すると赤字の組合が減少している、赤字幅も縮小しているということ。
 それから、健保組合の予算、もうこれは委員御承知のとおりでありますけれども、年度途中で保険給付費や保健事業費といった支出に充てる財源に不足が生じることがないように、言わば一定の安全を見込んで編成をされております。実績数値としての決算結果を見ると、各年度ともむしろ収支差が増えているということでもございます。その辺はよく見ていく必要があるんだろうと思います。
 ただ、解散する健保組合が出てきているというのも、そのとおりであります。解散した場合ということになりますけれども、協会けんぽは被保険者保険のセーフティーネットとしての役割を果たしておりますので、解散した組合の加入者や権利義務は協会けんぽに移行するということになります。
 また、協会けんぽに対しては給付費等の一六・四%の国庫補助が行われているわけでありますので、解散した健保組合の全加入者が協会けんぽに移行するという、こうした仮定の場合においては、国庫補助額は解散した組合の給付費等の一六・四%分、まさに増加をするということが想定をされるわけであります。
 いずれにしても、健保組合の財政健全化、これは重要な課題であります。健保組合の財政状況を丁寧に検証、分析した上で、現在行っている財政が悪化した組合への財政支援に加えて、財政が悪化する前の段階から健保組合への必要な指導や相談等の支援、これにも取り組んでいきたいというふうに考えておりまして、今、そのやり方については関係者とも議論をさせていただいていると、こういうところでございます。
#73
○浜口誠君 今大臣の方からも、国庫負担一六・四%、これ増えることになるというお話もございました。やはり、協会けんぽに移行すると、その分公費、国庫の負担も増えるということなので、やはり健保組合を維持していくということも非常に重要な取組だというふうに思っております。
 そんな中で、六月十一日の決算委員会でも、私の方から申し上げたのは、今の状況で、高齢者拠出金の方が加入者の医療給付費よりも多いような状況になっていると、やっぱりそれは、保険の在り方としても、加入者の方あるいは事業者の方から見ても、納得感の面でやはり納得感は低いんじゃないかなと。我々が納めた保険料がもう高齢者医療の方に多く行っているということに対しては、やはり納得できないという方が多いというのが今の実態だというふうに思います。
 そんな中で、高齢者医療の拠出金については上限五割にして、五割を超える部分は国庫でカバーすると、そういう仕組みを導入をすべきじゃないですかということをお尋ねしたときに、まあ大臣の方から余り前向きな御答弁はいただけなかったんですけれども、その中で、答弁の中で、基本的に支え合いと支える側の現役世代の納得感、それとその負担感というものをしっかりと把握していくことは必要だという内容の御答弁をいただきました。これも大事だと思うんですね、納得感だとか負担がどうなっているのか。これをしっかり政府としても厚労省としても把握をしていきたいということを言われましたけれども、これ、じゃ、具体的にどのように現役世代の納得感とか負担感を把握していこうとされているのか、その点確認したいと思います。
#74
○国務大臣(加藤勝信君) 今、健保組合の拠出金負担が要するに五〇パーを超えるということになると、自分のところで回すお金よりも出ていくお金が多いんじゃないか、よくそういう議論は伺うところであります。
 ただ、これ、ある意味では高齢者の保険制度を外出ししたということにもつながるわけでありまして、広い意味では、この日本の皆保険制度全体は、国民に必要な医療費を保険や税といった国民全体で負担すると、こういう仕組みになっている中で、現在は後期高齢者医療制度というのを創設をして、そしてそこに対して拠出金を出していただく、こういう仕組みに今なっているわけでありまして、高齢化が進展をして高齢者の医療費が大きくなる中で、まさにその負担の割合が高くなってきている。ただ、これは先ほど申し上げた支え合いの仕組みだということを御理解いただければ、こうした対応というものも必要なものということになっていくんだろうというふうに思います。
 そのため、これまでも医療保険制度改革に当たっては、社会保障審議会医療保険部会など、健保組合、労働組合、使用者団体の代表も含めた関係審議会においても議論し、現役世代の負担感についても御意見を賜ってきたところでありますし、また、関係審議会の場を含めて、この現役世代と高齢者世代の公平な負担の在り方、これについては今後ともしっかりと検討していきたいと思いますし、そういった意味においては、やはり、先ほどもちょっと話もさせていただきましたけど、二〇四〇年に向けてどうなっていくのかとか、やっぱりそういったこれから先の姿というものもお示しをさせていただく中で、全体としてこれからこの日本の皆保険制度をどういう形で支え合っていくのかということをやっぱりこれ広く国民的な議論に付していく、そのことが大変大事なことなんだろうというふうに思います。
#75
○浜口誠君 まさに、健保組合も、ほかの保険者の方も、いや、全体でみんなで支えるんだという気持ちを持っているからこそ、今も決められた、決まったルールの中でしっかり支えているんだと思うんですね。
 ただ、そこもやっぱり、支えるのは十分分かっているんですけれども、ある程度一定の歯止めを掛けないと、実際の加入者の方からすると、何で自分たちが掛けた保険がそっちばっかり行って、自分たちの方の還元が少ないんだということにこれどうしてもなってくるわけですよ。だから、そこは十分皆さん分かっていると思いますよ、みんなで支える。でも、みんなで支えるんであるんであれば、より公平な税という形で、国庫という形でやる部分を増やしていくというのが納得感を上げる僕は一つのステップではないかなというふうに思っています。
 そんな中で、今大臣、いろんなところで意見も聞いていると言われましたけれども、例えば、じゃ、健保組合の方のそういう納得感だとか負担感というのはきめ細かく厚労省として聞かれているということでよろしいんですか。健保組合なんかはこの今の状態に対しては納得していないというのが今の僕は実態だと思うんですけれども、そこの意見はどのように確認されているんですか。
#76
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、私ども、日々の医療保険制度の運営、それから制度改革をどう考えていくかという中で、主として社会保障審議会の医療保険部会中心でございますけれども、その中で特に健康保険組合の代表の方、具体的には健保連の代表に御参加をいただいております。
 その中で、先般も、五月二十五日には、これは骨太方針二〇一八の策定に向けた御意見ということでございましたけれども、被用者団体の関係五団体の意見ということで意見書を賜っております。その意見書を賜る中で意見交換というものをさせていただいておりますし、そういった日々の意見交換、それから審議会での政策議論、こういったものを通じてきめ細かくいろいろな御意見を賜ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#77
○浜口誠君 じゃ、その中で納得しているんですか、健保連とか。
#78
○政府参考人(鈴木俊彦君) 納得ということで申しますと、ただいま御紹介申し上げました五月二十五日にいただきました被用者保険関係五団体の意見の中では、特に拠出金の負担軽減につきまして、現役世代の負担を軽減し、保険者の健全な運営に資する措置を講ずるべきであるという御意見も賜っております。
 これは、別途、逆に国民健康保険の関係者からいたしますと、財政厳しい中で更に支え合いの機能を高めてほしいというような意見もいただいておるところでございますので、そうした意見を総合的に勘案して、基本的に先ほど申し上げました医療保険部会などの場で建設的に議論を進めてまいりたいというふうに考えております。
#79
○浜口誠君 いろんなお立場があって、いろんな御意見があるということだと思いますけれども、本当にしっかりとそれぞれの保険者の方の意見というのを受け止めていただいて、より納得のいく、現役世代としても支え合いの心は持っているんです、皆さん持っていると思います、でも、その中でより納得感のある、あるいは健保組合の持続可能な運営ができるやり方というところもしっかり踏まえていただいて、いろんな対策、改善を御検討いただくことを強く求めておきたいと思います。
 よりちょっと具体的な話に移って申し訳ないんですけれども、例えば今の後期高齢者医療の財源構成見ると、国庫が五割、現役世代の負担が四割、実際の後期高齢者の方の保険料が一割と、それで全体の財源構成に高齢者医療保険はなっていると思うんですけれども、一方で、その中には後期高齢者の方でも現役世代と同じような収入を得ている方もいらっしゃると思うんですけれども、こういった方の財源構成というのは、今申し上げたような五、四、一というような割合になっているということでよろしいんでしょうか。
#80
○政府参考人(鈴木俊彦君) 後期高齢者の医療の財源構成でございますけれども、これは、一般の方それから低所得者の方は、今先生がおっしゃったとおり、公費五〇%、それから現役世代からの支援金四〇%、後期高齢者自身の保険料一〇%という構成でございます。
 一方で、お尋ねの現役並みの所得を有する、所得の高い後期高齢者の医療給付費でございますけれども、この財源構成割合につきましては、後期高齢者の支援金が九〇%、残りの一〇%が後期高齢者自身の保険料と、こういった構成になっているところでございます。
#81
○浜口誠君 支援金が九割というのは、これはあれですか、現役世代の負担が九割という理解でよろしいんでしょうか。
#82
○政府参考人(鈴木俊彦君) そのとおりでございます。
#83
○浜口誠君 それだと、なぜそこだけ現役世代の負担が、公費が一切入っていなくて負担が九割なのか、全く公平性の面で物すごく疑問を感じますけれども、やはり同じように公費を五割そこには投入しないと公平感が保てないんじゃないかと思いますけれども、その点いかが。
#84
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今こうした構成になっているということでございますけれども、これは実は、後期高齢者医療制度の前身でございます老人保健制度におきまして、まさに所得に応じた公平な負担ということも勘案いたしまして、制度を持続可能なものにするということで公費の重点化を図る必要がある、そういう中で、一定以上の所得を有する方につきまして公費負担を行わないといった規定がございました。この規定を後期高齢者医療制度においても引き継いだということでございます。
 何でこういうことになっているのかということでございますけれども、これ、現役並み所得の方の医療給付費につきまして公費負担の対象としないということにつきましては、その分御指摘のように現役世代の保険料負担となるわけでございますけれども、一点は、財政状況が大変に厳しいという中で、公費の投入にはやはり一定の限界がございます。
 それから、この現役並みの所得の、言わば高い所得の高齢者の方につきましては、先ほど申しました給付と負担の公平化を図る、こういう見地から負担能力に鑑みて給付について一割負担といたしております。これ、一般の方なり低所得の方につきましてよりも負担割合を、失礼いたしました、一割としているのが一般の方と普通の方でございますけれども、高額の所得を持っております現役並みの方の窓口負担は三割ということで、現役の方々と同じ負担を求めております。
 それから、それ以外にも、現役の方々の負担を抑えるという観点から、高齢者の高額療養費制度につきまして平成二十九年度から段階的な引上げをお願いしているというのは御案内のとおりでございますし、また、後期高齢者の保険料の軽減特例につきましても、所得割、それから元被扶養者の均等割につきまして、平成二十九年度から段階的な見直しを行う、こういったような現役世代の方々の負担増を抑制する措置も併せて講じております。
 こういった総合的な中で、給付と負担の公平を図るという見地から、ただいま申し上げましたような財源構成にしているということで御理解を賜りたいというふうに考えております。
#85
○浜口誠君 理解できないのでもう一回聞きますけど、やはり、大臣も言われましたよね、納得感だとか負担感、これはしっかり見ていかないといけないんだと、そこが大事だと言われたんであれば、いや、昔の制度はそうだからって、それを今にキャリーオーバーしているということだとやっぱり納得いきませんよ、いろいろやっているという、るる御説明ございましたけれども。
 じゃ、どれだけ違うんですか。そこに公費を投入したとき、どれぐらい公費の持ち出しになるんですか。ほかの一般の方とか低所得の方と同じような財源構成に変えたとき、どれだけの負担増になるのか、教えてください。
#86
○政府参考人(鈴木俊彦君) これ、現役並みの所得の方が全体の人数で六・六%ぐらいおられますので、その分その公費が増えてくるというふうに計算を、目の子を計っていただければよろしいかと思います。
 繰り返しになりますけれども、後期の高齢者の方々であっても現役並みの所得を有する方でありますし、また、この後期高齢者の医療制度の中で、窓口負担も現役の方と同じ三割負担をしていただいている方々でございます。
 そういうことも勘案いたしまして、一定の限界がある公費というものを重点的にどのように投入していけば制度全体が安定的に推移できるか、こういったことも勘案いたしまして、公費の重点化を図り、給付と負担の公平化を図るという総合的な措置でございますので、是非とも御理解を賜りたいと思います。
#87
○浜口誠君 いや、それで、じゃ、健保組合納得されているんですか。ああそうですねと、局長のおっしゃることは正しいですと、納得しているんですかね。
 いや、僕は、納得していないから代弁してここで、それだと納得できませんということを申し上げているんですけれども、納得しているという受け止めなんですか、厚労省は。
#88
○政府参考人(鈴木俊彦君) もちろん、先ほど申し上げましたように、後期高齢者医療に関わりますその財源構成、負担の持ち方につきましては様々な御意見をいただいております。
 その中で、先ほど御紹介いたしました医療保険部会の議論の中でも、被用者保険の代表の方からは、この後期高齢者の持ち方につきましてもうちょっと負担緩和できないのかという御意見をいただいているのも事実でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、一方で、国民健康保険という皆保険の最後の受皿になっているような地域保健の方々からいたしますと、やはりその負担の公平化を図って、その中で公費をどこに投入するかということで重点投入を図ってほしいというような御議論をいただいているのも事実でございますので、そういったことを総合的に勘案しての措置であるということで御理解を賜りたいと思います。
#89
○浜口誠君 大臣、どうですかね、今の議論聞いておられて。大臣としての受け止めなり、今度どうしていきたいかというお考えがあれば伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(加藤勝信君) 経緯は今局長が答弁をさせていただいたとおりであります。それで、まさにどのぐらいのお金が必要なのかということにも関わってくるわけですね。
 今平成二十八年度の現役並みの所得区分の医療給付費を計算しますと、約七千五百六十億円ですから、その半分が公費とすると三千七百八十億円の公費が追加的に必要になるという、かなり金額的にも大きいということがございますし、またこの金額をここに投入するのか、仮に確保した場合においてもどう投入するのか、こういった議論もあって今の形になってきているというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、こうした医療費全体あるいは高齢者の医療費をどういう形で負担をしていくのか、税によるいわゆる公的な、広い意味では公的ですけど、税による負担、それから保険料による負担、それから保険料といった場合には当然半分が事業主が負担をし、半分が労働者が負担をする、税の場合には、これは所得税なのか消費税なのかと、これは負担の、どこに掛かっていくかというのはいろいろ変わってくるわけでありますから、その辺は総合的に勘案しながら議論していく必要が当然あるんだろうというふうに思います。
 今後においても、これから更に高齢者が増えていくという状況の中でこうした負担をどうしていくのか、一方で、その効率化等を進めながら全体の伸びをいかに抑制をしていくのか、またその中でその負担をどういう形でしていくのか、やっぱりそういった議論をこれからも当然していく必要があると思いますし、基本的なありようとしては負担の能力に応じて負担をしていくという、こういった形で議論していくのが私は一つの筋ではないかというふうには考えます。
#91
○浜口誠君 もう時間が来たので今日はやめますけれども、負担能力に応じて負担していくという考え方は一定程度理解できますが、それでもやっぱりどこかにしっかりとした納得感であったり負担感のレベルはあると思いますので、引き続きこの問題についても、今日まだまだやりたかった議論の観点ありますので、継続して議論させていただきたいというふうに思っております。
 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
#92
○委員長(島村大君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#93
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。
    ─────────────
#94
○委員長(島村大君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、年金問題等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○難波奨二君 立憲民主党の難波奨二でございます。
 先週、働き方改革法案、議論終了、成立いたしまして、余韻も少し残っておりますので、少し私の頭の整理を含めて今日は質問してまいりたいというふうに思います。
 これも、この間の議論で質問等出たところなんですけど、なかなか私すんなりまだ理解していない部分ございまして、また、国民の皆様にも分かりやすくメッセージをやはり政府として届けることが重要だというふうに思っております。
 その一つのキーワードは、総理が施政方針演説でも、そして法案成立後の記者会見でもまた改めて述べられておられるんですけど、非正規という言葉を一掃するという、我が国の中から非正規という言葉はもう一掃するということを重ねて述べられておるわけですけれども、この非正規を一掃するというのは具体的にどういう方法を取って非正規という言葉をなくそうとしているのか、大臣、分かりやすく一つ、二つ、三つ、四つと述べていただきたいと思います。
#96
○国務大臣(加藤勝信君) 総理が非正規という言葉を一掃すると言っておられるわけでありますけど、その思うところは、納得が得られる選択肢の中で、自分が一番フィットするもの、それを選べる状況をつくっていこうということであります。
 ですから、今の状況で申し上げれば、その非正規で働いている方の中で、いわゆる不本意、本意という議論がありますけれども、不本意で働いている方、これは正規に転じたいわけですから、転じれる機会をつくっていく、あるいはそのための能力開発をしていく、そういった支援をしていくことは当然なんだろうと思います。
 他方で、そうした、正規の働き方が残業が多いということも一方であるかもしれませんけれども、今の働き方に対しては納得は、納得というか、自分の様々な制約条件を考える中で選んでいるという方が八割以上おられるわけであります。そうした方々に対して、しかし、やはり処遇という面で取ってみたときに、それは必ずしも納得できるものではない。例えば、同じように頑張っても、ボーナスの時期には自分のところだけボーナスの、今は現金で配られることはありませんけれども、ボーナスが支給されない等々いろんな課題がある。
 そういった意味で、そうした処遇も、その働き方に応じた、あるいは非正規と正規の間の不合理な形での差がない、こうした状況をつくっていく。こうしたことで、今申し上げたような、それぞれの皆さんにとってどれを選ぶかというのは、自分の中においても自分の状況の中で選び得る、そういった状況をつくっていく。そのことは、ひいては、それぞれの御自身のライフステージ、二十歳のとき、三十のとき、四十のとき、状況はまたそれぞれ違うわけでありますから、そのライフステージに応じて、その状況に応じた多様な働き方ができる、こういう社会をつくっていきたいというのが総理のおっしゃる非正規という言葉を一掃するというふうに私ども認識をしておりますので。
 今回の改正法では、今申し上げた、正規と非正規の方の不合理な待遇や差別的な取扱いを禁止する、また、それを実効あるものにしていくために、企業側に待遇の相違等のあるいは理由を説明する、義務付けをする、さらには、行政による履行確保措置、裁判外紛争解決手段の整備、こういったことを行うことによって、今、最初に申し上げた、納得される処遇が受けられる、そうした状況、そして多様な働き方の選択肢が待遇の差を気にすることなく選べる社会、こういった社会を実現していきたいというふうに考えております。
#97
○難波奨二君 少しやっぱり分かりにくいんですけど、端的に申し上げますけど、非正規労働者というものをなくして正規労働者化していくと、こういうことを政府として望んでいるということは間違いないですか。
 いわゆる非正規という労働者が今存在して、大臣おっしゃったように、望んで非正規になったんじゃないと、正規になりたいんだけれども、非正規労働者という今立場にいると。そういった人たちが望めば正規労働者になれるんだという、そういう社会をつくっていこうと、こういう考え方ということでよろしゅうございますか、まずは。
#98
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げたように、まず、不本意ながら非正規をされている方々に対しては、まさに希望としては正規で働きたいというその希望、それを実現できるように応援をしていくというのは当然のことだと思います。
 しかし同時に、今の自分の置かれた状況等を考えて、例えばパートタイムである程度一定期間働く、こういったことも当然あり得る。しかし、それについての処遇といったものが納得感があるものなのかどうかということに対していろいろ議論があるわけでありますので、そういった意味で納得感のある処遇というものを提供する状況をつくることによって、いろんな状況の中で、その状況の中でも働きたいという人が、それに応じた、その状況に応じた選択肢を選択することができる、そういったことを実現をしていきたいということが、今回の一連の、同一労働同一賃金という言い方をしておりますけれども、この改正の趣旨ということであります。
#99
○難波奨二君 自民党への支持というのは、二十代、三十代の方が非常に高いんですよね。その高さというのは、いろんな理由はあるんでしょうけど、私は一つ、この雇用の問題というのは大きく、やはりアベノミクスという効果といいますか、政府がおっしゃっておられるように、正規社員が非常に多くなった、そして有効求人倍率も高くなった、これは私、一つ理由にあると思いますよ。だから、やっぱり期待感というのは非常にあって、総理の言う、我が国から非正規労働者という、非正規という名前をもう一掃するというのは、私は、若者にとっては非常に期待をしていることだと思うんですよ。
 だから、今大臣おっしゃるように、今は図らずも非正規労働者という立場であるけれども、正規労働者という道を各企業というものは積極的に、取組によって、企業努力によって非正規労働者というものを正規化していくんだと、そういう会社がどんどんどんどん増えていく、当然全ての企業がそういう考え方に基づいて今回の法案の成立というものを受け止めるべきだということでよろしいですよね。もう、イエス、ノーといいますか、はっきり今おっしゃっていただきたいと思います。
#100
○国務大臣(加藤勝信君) 企業は企業の中で、それぞれその企業が置かれている状況があるんだろうと思います。
 したがって、それぞれの企業において、もちろん、正規を増やそうとするときには非正規の方について優先的に声を掛けなきゃいけないとか、たしかそういう規定が別途あったというふうに記憶をしておりますので、そういった措置を対応していただくということは当然のことだというふうに思いますが、今申し上げたのは、もう少しマクロ的に申し上げた中で、我々として、非正規でありながら正規で働きたいという方々、その希望を実現していくためには正規の働き口をつくっていくということが必要でありますから、経済政策等を通じてそうした量的な部分を増やしていくということと、それから、やはり正規で就くためには様々な技能等を習得する必要もありますから、そうしたことに対する支援、こういったものも併せて実施をしていく、それを通じて正規で働きたいというその希望を実現をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
#101
○難波奨二君 もう少しやっぱり突っ込んでお答えいただきたいんですけど。
 やはり、企業が正規労働者を、正規として、正規労働者という雇用、この形態でやはり会社の経営を行っていくんだという、過去のように、私も以前申し上げましたけど、非正規労働者というものを雇用の調整弁とすると、そういう考え方じゃなくて、やっぱり労働者というものはきちっと正規で安定的な雇用の中で能力を発揮していただいてやっぱり生産性を上げていくというのは、私は、これ企業として取るべき道だというふうに思っているんですよ。
 だから、企業が努力を、今回の法案の成立をもってこの努力を行うんだというふうに企業に対して政府がやっぱりお求めになられることが私は重要だと思うんですけれども、この考え方はいかがでございますか。
#102
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法案ということでお話がありました。今回の法案についても、雇用対策の関係全体の考え方を打ち出していくということはもちろんありますけれども、個々の法律の改正部分ということで申し上げると、先ほど私が申し上げておるように、非正規の方々が、今、非正規という働き方、パートタイムとか有期とか派遣とか、そういった働き方の方々が、不合理な待遇差がない、こういう状況をつくることによって、納得して、そういう働き方を自分の状況に応じて、望む人がと言ってもいいかもしれませんが、選べる状況、これをつくっていこうというのが今回のこの同一労働同一賃金といいましょうか、ここのポイントだというふうに認識をしております。
#103
○難波奨二君 これまでの御答弁の中に、例えば、日本の特徴的な雇用制度なんですけど、終身雇用制度とかあるいは年功序列賃金制度、これに対して、時代が随分変わってグローバル化になって、日本がこれから世界の中で生き残っていくためには、こういう制度というのはある意味岩盤的におっしゃる方がいらっしゃるんですけれども、終身雇用にしても年功序列賃金にしても、極めて、これまさに本当に日本の、日本型の雇用のルールなんですけど、私は大事にしていくべき在り方だというふうに思っております。
 今回の法律が成立したわけでございます、同一労働同一賃金、長年働く側からも求めてきたものでありまして、私は、これがやっぱりそれぞれの企業の中で実際運用をきちっとされて、そして処遇の差というものをなくしていき、そして正規労働者を増やしていくということが極めて重要だと思うんですよね。この辺は、もう大臣、全然そごはありませんよね、私の認識と。
 例えばの話なんですけど、私は国会に参りまして余り自分の出身の会社のことを申し上げたことはないんですが、私の郵政は民営化されて十年経過をいたしました。何ともう非正規労働者が二十万人ですからね。これは、本当に一企業単体としてこの二十万人の非正規労働者の処遇を正社員に近づけ、そして正社員化しようとすれば、これは並大抵のやっぱり企業努力だけでは実現できないんですよ、大臣。改めて郵政民営化の問題点とか現状を私は申し上げるつもりはないけれども、しかし実態はやっぱりそうなんですよね。
 だから、私、もう一つ加えて申し上げたいのは、非正規労働者から仮に正規労働者という、そういう転換を行った企業があるとすれば、私は、国として一定程度いろんな支援策を講じるということも御検討いただきたいんですよ。郵政は、それはでかい企業ですから、自分たちの企業努力でやれと言われれば私は可能だと思っているんですけど、なかなかそれが実現、実はされないんですよ。ずっと私も主張してきたけれども、現実それはなかなか難しい。
 だけど、申し上げたように、郵政だけのことを私は申し上げるつもりはございません。政府として、そういうふうに非正規から正規に転用努力をしている企業に対して、私は、支援をしていくという、このお考えがあるかどうか、ちょっと大臣にお聞きしたいと思います。
#104
○国務大臣(加藤勝信君) 委員も御承知の上でお話をされているんだと思いますけれども、現行では、非正規雇用労働者のキャリアアップ、要するに、有期の方を正規に、あるいは有期の方を無期に、あるいは無期の方を正規にという形で、最終的には正規ということになるんですけれども、そうした正社員化を行っていくそういった企業に対して、これは大企業も含めてでありますけれども、一定の支援をしていく、こういうスキームがあるということでございます。これが十分かどうかというのは御議論があるところだと思いますけれども。
 いずれにしても、そういった取組に対する、また、事業主においても、これだけ雇用情勢厳しくなってくると、やはりいかに自分の会社にとって必要な社員を確保していくのか、そういった観点からも、今例えば非正規であるけれども正社員化をして、そして自分の企業のためにより一層働いてほしいと思うところもあるんだろうと思います。
 そういったところが今申し上げたような取組を図っていく、それを応援をしていくということによって、先ほど申し上げた正規で働きたいという方がその希望が実現できていく、それはしっかり支援をしていく必要があるというふうに思います。
#105
○難波奨二君 今回の法案は、申し上げた同一労働同一賃金、あるいは残業代の上限規制、そして高プロという、大きくはこの三つの制度のものなんですけれども、私はやっぱり政府として、きちっと企業に対して、その法律のあるいは法案の理念、そしてやっぱり企業に求めるべきものは、私は政府として求めていただきたいと思うんですよ。
 ずっと申し上げてまいりました、働く者というのは立場が弱いんですよ。どうしても企業の側の方が強い立場にいるわけであって、労働者個人個人が自分の思いを企業に申し述べるというのは、これはなかなかやっぱり難しいんですよ。もう御存じのとおりだと思いますよ。評価制度が入っているんです、評価制度が、もう様々な会社に。それは管理者に、上司に文句なんか言ったら評価が落ちるわけですから、みんなイエスマンになっちゃうんですよ。これはもう人間の心理なんです。だから労働組合がその代弁なんかをするんですけど、これもう労働組合も僅か一七%でございますので。
 どうか大臣、改めて要請したいと思いますけれども、今回の法律の成立を受けて、企業にもやっぱり求めるものは求めるという、そういう政府の立場を取っていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#106
○国務大臣(加藤勝信君) 委員おっしゃるように、労働者、企業、使用者側に比べれば立場が弱いということであります。そうした労働者が劣悪な環境で働くことがないように保護する、そういった意味で労働法制が設けられているわけでありまして、その意義は大変大きいというふうに考えておりますし、また同時に、働き方も時代に応じていろいろ変遷をしていくわけでありますけれども、その中においてどのようにこの労働者を保護していくことが適当なのかということは、不断な見直しをしていくことも当然必要だと思います。
 先ほど委員からも、年功序列賃金、終身雇用といった日本の、日本型雇用と言ってもいい、人を大切にするというこうした優れた点も、これは我々も十分認識をしているところでありますので、そうしたことを大事にしながら、やはり時代に応じた形で労働政策というものをしっかり進めていく、そのことが労働条件の改善につながり、また、国内において企業がまた企業としてしっかりそういうことをすることが、企業の発展にもつながり、また雇用の確保等にもつながっていく。そういうことをしっかりと進めていくことは必要だというふうに思っておりますし、そういった観点からも、さらに働く方々の権利が保護され、そしてできる限り働きやすい環境を整え、また雇用をしっかり確保していく、まさにこれが我々の使命だというふうに考えておりますので、その使命を果たすべく全力で取り組みたいと思います。
#107
○難波奨二君 なかなか企業に厳しく言ってくれという話の答えがないですけど、私は、逆に企業にペナルティーを与えてもいいと思いますよ。利益を上げているのに、法人税なりたくさん支払っているのに、そして内部留保もいっぱい抱えておきながら、雇用しているのが正規労働者じゃなくて非正規労働者が多いなんというような企業にはペナルティーを与えるぐらいのことを私考えてもいいと思うんですよ。
 支援するだけじゃなくて、きちっとやっぱり働く者の側に立った、働く者を大切にするようなそういう企業じゃないと、あるいはやっぱり人間を、人間というか労働者を雇用するというのは、国民を雇用するというのは、これはやっぱりきちっと企業というのは社会的責任を果たしていることになるんですよ。そして、税金を支払っていることも、これも企業として社会的責任をきちっと果たしていることと言えるんですよね。
 そして、税金も払い、社会保障もきちっと応分の負担を企業が行って、日本のこの社会保障なりあるいはやっぱり国民の暮らしというものを守っていくという、そういう企業の当たり前のやっぱり企業のこの理念が、考え方が必要なんですけど、私は是非、改めて申し上げたいと思いますけれども、企業に対して厳しく私は対応していただきたい。そして、企業が、仮に今回の法律の成立以降そのようなもし行動を起こさない企業があるならば、厳しくやっぱり厚労省として指導していく、そして経済界にもやっぱり求めていくという姿勢を貫いていただきたいと思いますが、重ねてお答えいただきたいと思います。
#108
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の法律を成立をしていただきまして、これから公布、施行ということにつながっていくわけでありますけれども、そうした中で今回の法律の趣旨がしっかりと反映されていけるように、また個々においてその運用において問題があれば、それは厳格に我々としても監督指導に当たっていきたいと思っております。
 その上で、今委員から、例えば史上空前の収益を上げながら、労働者、働く人に対する分配が低い、総じて言えば労働分配率が低下している、こういったことは、我々も折々見て経済界に対してそのことを強く主張して、また一方で、法人税等を引き下げることによって、別に企業収益を上げるんじゃなくて、それがこの国の経済を活性化し、雇用を増やし、そして賃金が上昇していくという、こういういい循環を起こすために私どもは進めているわけでありますから、そうした趣旨をしっかり理解をし、それに応じた対応をしてもらうべく引き続き要請もしていく必要があるというふうに思います。
#109
○難波奨二君 これで終わりますけれども、どうか厚労省におかれては、やっぱり働く者を守る、そういう役所なんだという矜持をもう一度再確認していただいて労働行政に当たっていただくことをお願い申し上げて、終わりたいと思います。
#110
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 冒頭、一言申し上げておきます。
 先週木曜日の審議終局後の採決、討論におきまして、私ども立憲民主党が用意をしておりました労働安全衛生法、いわゆるパワハラ規制法案に対する賛成討論、残念ながら討論することができませんでした。
 既に理事会において、今後このようなことがないように、委員長にも格別の今後の取り計らいもお願いをしておるところでございますが、改めて、今後、大変重要な討論の場、その機会が失われるということがないように、是非しっかり対応いただきたいということをこの委員会の場で改めてお願いをしておきたいというふうに思います。
 その上で、今日質問に入りますが、私たち、もう先週、まだ甚だ審議不十分な中で働き方改革関連法案、審議終局、採決となったこと、大変残念に思っております。私自身もまだまだ明らかにすべき論点が残されているという中ででしたので、そういう意味では、法案は成立しましたけれども、今日、特に積み残した課題二つ取り上げさせていただいて、これから具体的に厚労省、労政審での対応含めてやられるわけですので、是非それに生かしていただきたいという思いも込めて、二点だけ大臣に確認を改めてさせていただきたいと思います。
 一点目は、これ重ねて大臣とやり取りもしました。安倍総理も高プロについて、本人同意、そして不同意、同意の撤回もできるから大丈夫なんだということを言われた。ただ、我々は、現行の企画業務型裁量労働制においても本人同意の手続要件というのはある、撤回もできる、でも、過労死やら健康被害、濫用、悪用はなくなっていないじゃないかということを重ねてやり取りをさせていただいてきました。
 じゃ、それ、どう担保するのか。やはり、大臣、大丈夫だと言われているからには、大丈夫なようなちゃんとした政省令による規定、そして実際の運用、これ何としても担保していただかないと、総理が公の場で国民だましたことになりますから、そうならないように確実にやっていただけるというふうに理解をしておりますが、改めて、大臣、これ、本人同意を取り付けるに当たって、絶対に不利益取扱いがなかったんだ、じゃ、決議を届け出る、受け付ける、そのときに確認できるのか。どうやって本人同意の際に不利益の、例えば脅しがあったとか、同意しなかったら、おまえ分かっているんだろうなとか、そういうことがなかったのか。本当に同意が御本人の同意なのか、これ、どうやって担保できるのか我々は甚だ疑問なんですが、大臣、これ、どうやって担保されるんでしょうか。
#111
○国務大臣(加藤勝信君) 本人同意のお話がありました。
 まず、同意については、もう委員御承知のように、労働者に対する不利益取扱いの禁止についても労使委員会の決議事項として規定をしているわけでありますから、労働者の不利益取扱いの禁止が決議をされているのにもかかわらず、これに違反するような行為があった場合、これは当然、私どもとしても厳しく指導するということになるわけであります。
 それからまた、この同意については、もちろん書面等によることにしていることは、もう委員御承知のとおりであります。
 また、不利益取扱いを受けたという本人の相談はもとより、当面決議の届出があった事業場の全てについて監督指導を行うことをこの場でも申し上げているわけでありますから、そうしたことを通じて制度の運用実態についてしっかり把握をし、不適切な運用がないか、これをしっかり確認をして、そして、そうした不適切な運用があれば厳しい監督指導等をしっかりと行っていきたいというふうに考えているところであります。
#112
○石橋通宏君 重ねて、大臣、監督指導と言われた、でも、指導しかできない、これも指摘したとおりです。その違反をもって、何らかあったとしても、それをもって、じゃ、直ちに高プロから適用が撤回させられるかというと、法的にはさせられないというのも、これ法制局が答弁したとおりです。ここがやっぱり問題、課題で、指導する、指導する、でも、結局繰り返しやってもおとがめなしなら、これ、実効性は担保できません。
 厳しく指導する、でも、やっぱり繰り返しそういうことがやるような事業者については高プロは使わせないんだというぐらいの対応をする、そういう運用をこれ是非やっていただかなければいけないというふうに我々は思います。
 相談ということもされました。そして、じゃ、相談に基づいた監督指導というのもあるんだと思います。大臣、重ねて監督指導入られるときに、事業主側からだけやりましたかとヒアリングしても意味がありません。当然、個々の同意をした労働者に、本当に同意があったのか、ちゃんとした同意があったのか、不利益取扱いがなかったのか、脅しとかすかしとかなかったのか、これ確認していただけるんでしょうね。これ、大臣の責任で是非それやってください。
#113
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げました、この高プロが導入した全ての事業所について監督指導を行うということでありますから、監督指導に当たって具体的にどういうやり方でどうやっていくのか、これはこれからしっかりと詰めていく必要があると思いますけれども、委員御指摘のこの同意についても、これは、やはりこの高プロ制度の大事なポイントでありますから、その同意をどういうふうにして確認をしていくのか、もちろん企業側にも聞く必要があると思います。それから、実際に働いている方にも聞く必要があります。それ以外にもどういうやり方があるのか、その辺も含めて、よく検討させていただきたいと思います。
#114
○石橋通宏君 ここは、是非、個々の労働者にちゃんと労働基準監督官がヒアリングをする、全員が望ましいと思います。ただ、なかなか全員できなくても、ピックアップしてできると思います。これ、是非、大臣、その決意でやってください。
 それから、前回の質疑で、これは前進的に一つ答弁いただいたと思いますが、例えば六か月後の報告義務、これも、いや、六か月後に一回やっただけじゃ駄目だろうから、それは定期的に今の裁量労働制と同じようなことを検討すると、これは答弁いただきました。
 是非、最初の届出のときもそうですが、本人が同意しなかった事例、これは何らかの理由があるはずなので、若しくは撤回があれば撤回があった事実も、これ六か月ごとの報告の中に是非含ませていただきたい。それによって実態が分かるはずなんです。大臣、そのことも検討いただけませんか。
#115
○国務大臣(加藤勝信君) まず、最初の決議をしたときはまだものがスタートしておりませんから、もう委員御承知のように、したがって、その後の六か月ごとにおいてその実態というものがある程度うかがい知ることができます。そういった意味で、六か月ごとに報告を徴収しようということを考えております。
 その中ででありますけれども、労働者の同意、不同意、これが届出の際にその数を報告させることは具体的に今言っているわけではありませんけれども、健康確保措置の実施状況の報告においては、同意した者の数、すなわち制度が運用された労働者の数、これは裁量労働制でもそうでありますけど、報告をまず求めていきたいと思いますし、同時に、同意を撤回した者の数も、これも取っていきたいと思います。
 ただ、難しいのは、持ちかけて同意をしなかったといっても、どこまで持ちかけてやっていたかと、これはなかなか判断しづらいところがあるので、まずは、同意をした者と同意を撤回をした者、これについての報告ということを考えたいと思います。
#116
○石橋通宏君 ここは、是非大事なところなので、大臣に今答弁いただきました。具体的なやり方も含めて、しっかり労政審で審議いただけるように、これはお願いをしておきたいと思います。
 その意味で、改めてこれも、もう一点は労使委員会の件です。これも、重ねて我々、労使委員会の役割が本当に重要だということはずっと指摘をさせていただきました。
 大臣、確認です。これも、現行も企画業務型裁量労働制も労使委員会なわけです。なので、残念ながら、労使委員会が適切に機能していない事業主、裁量労働制の適用事業者があるのではないか、いや、あるんだろうというふうに我々は思っている。では、今日、資料の三のところで、現行の企画業務型裁量労働制でいかなる要件というものが省令、指針、通達で明示されているのか、決まっているのかという、これ改めて整理をさせていただきました。これ抜粋で、一部重なっているものは省いてありますが、こういうことについては一応決まっている。でも、残念ながら、ここに載っていないものについては決められていない、曖昧なまま、ここが問題なんだと思うんです。
 大臣、もし現行の企画業務型の裁量労働制において、労使委員会で、やっぱり課題があるんだ、適切な運用がなされていない事例が残念ながらあるんだ、その認識をいただいているのであれば、今度の高プロにおける労使委員会について、全く同じことをやっていたんでは全く同じ問題が起こる、当たり前です。なので、現行の企画業務型の労使委員会の適切な運用状況も検討していただいた上で、じゃ、高プロについて同じじゃ駄目だろうと、じゃ、何を、労使委員会においてもう少しちゃんと厳しい要件を課すんだ、こういう条件で運営をしてもらわなきゃ駄目なんだ、そういうことをしっかりと、これも労政審で、この指針で定める、若しくは省令で定めるべき要件というのを確認して徹底していただきたい。これもうすごく大事なところなので、大臣、是非そうしていただきたいですが、どうでしょう。
#117
○国務大臣(加藤勝信君) 高プロにおける労使委員会、これは新設する法第四十一条の二に根拠規定を設けているわけでありますが、企画業務型裁量労働制の規定も準用するなど、法律に明記している基本的要件は同様ということであります。
 さらに、これから省令、指針、通達を詰めていくということで、その際には、企画業務型裁量労働制、これを一つ参考にしながら細目を詰めていくということになりますが、ただ、これはJILPT等々の調査においても、必ずしも労働者の代表というものが適切に選出されていない、こういう調査結果もあるということは承知をしておりますし、労政審の昨年六月五日の取りまとめの建議でも、使用者の意向による選出は手続違反に当たるなど通達、これ今裁量労働制の通達等々にありますが、を省令に規定することが適当であること、使用者は過半数代表者がその業務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならない旨を省令に規定する方向で検討することが適当であるというふうにされているわけでありますので、こうした建議に基づき、また、ここにおける様々な議論もございますので、これから省令改正については具体的に労政審で御審議いただくことになりますけれども、そういったところでしっかり御審議をいただいて、適正な手続で過半数代表の選出が行われるよう努めていきたいと考えております。
#118
○石橋通宏君 過半数代表とこれは労使委員会と、これ区分けして、ちゃんと議論して考えていただかないといけないので、そういうことです。今ちょっと、ごっちゃにされたのかもしれませんが。労使委員会について、重ねてもし高プロで議論した結果、今と同じものが出てきたら、僕ら爆発しますよ、大臣、今そういう答弁をされておいてね。
 是非これ、今のままじゃ駄目なんだという問題意識を、大臣、是非今後の議論の中でこれ確実にやってください。そのことは重ねて要請しておきたいと思います。
 次に、児童虐待の点について、私も一点だけ、今日、大臣、思いを確認しておきたいと思います。
 今日午前中に宮島委員もこの問題取り上げられました。今回の目黒区の事案、本当にあってはならない事件で、我々、いろんな対応、これはしっかりと我々自身も考えていかなきゃいけませんが、ともすれば、この児童虐待の事案、こういう事案が発生しますと、どうしても児相の問題、人員の問題、こういった問題何とかしなきゃ、それはそのとおりなんです。何とかしなきゃいけません。でも、改めて我々は、なぜこれだけ今児童虐待が増えてしまっているのか。相談件数が劇的に増えている、そして児相の対応も劇的に増えている、明らかに児童虐待の事案が増えている。とすれば、なぜ今の社会において、今の私たちの世の中において、これほどまでに児童虐待のようなことが増えてしまっているのか、なくならないのか。このままじゃ、ますます増えてしまうかもしれない。
 改めて、今の事案を全てきちんとプロファイリングをして、徹底的に調査をして、なぜ虐待に走ってしまうのか、なぜ虐待に行ってしまうのか、そういう根本的、根源的な問題をちゃんと分析、研究して、そしてその根源的な問題にちゃんと我々政治が向き合って政策の対応していかないと、出口のところだけ一生懸命やっていたって根源のところの対応ができなければ絶対になくなりません。
 それを私、強く党内でも言って問題意識を共有させていただいていますが、大臣、どうですか、もし問題意識を共有いただけるのあれば、そういう取組を是非大臣の主導の下に厚生労働省としてやっていただきたい。いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(加藤勝信君) まさに私も、石橋委員おっしゃるように、もちろん児相を強化するとか警察との連携とかいろいろやるべきことがあります。ただ、こうした児童虐待を言われている中に、じゃ、そこの親がいろんな状況になった中でどうしてもそこに追い込まれているということもあるわけでありますから、そこもよく見極めて対応していかなきゃいけないという委員の御指摘は、私はそのとおりだと思います。
 そういった意味において、これまでもいろいろ我々は過去の、残念ながら児童虐待があり、亡くなった事例、これを参考にしながら分析をさせていただきました。そして、一つは、こうした兆しがあった場合にはリスクが高い可能性があると、そういったことをリストアップしながら、できるだけそうした事態が深刻化、重篤化する前に、孤立しがちな子育て家庭をどう発見をし、そして必要な支援を行うことによって児童虐待というものをどう防いでいくのかということに取り組んできたところであります。
 例えば、保健師等が生後四か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問して養育環境等の把握を行う乳児家庭全戸訪問事業、あるいは養育支援が特に必要な家庭についての相談、助言や家事援助を行う養育支援訪問事業、こういった事業に取り組んだり、あるいは妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談支援を実施する子育て世代包括支援センターの全国展開なども進めてきているところであります。今後さらに、今年度の調査研究では、児童虐待に係るデータを収集し、そのデータ分析による虐待リスクの要因の分析を、これはモデル的に昨年度は三重県だけやったんですが、今回またそれを拡大しながら行う予定にしております。こういう成果も踏まえながら、必要な対策を検討していきたいと思っております。
 その際の対策というのは、今委員おっしゃったように、まさに事案が発生する直前における対応というのはもとよりありますけれども、そうした事案が発生しない、そのためにはできるだけ手前、手前においてそれぞれの家庭、家族をサポートしていく、そういった観点に立った対応を考えていく必要があると思います。
#120
○石橋通宏君 私も今回改めて調べて、社保審の専門委員会で、例えば「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」、報告書も出ておりますが、見させていただきましたけれども、甚だ不十分です、分析の状況が、検証が、原因究明が。やっぱり、どういう虐待であったのかというような分析をしている、でも、もっと根源的な問題は掘り下がっていないんです。
 なので、大臣、是非、問題意識を共有いただいているということであれば、今言っていただいた今後の取組の中でも、もっと根源的な問題に、きちんと分析をして、そこに光を当てていく。先ほど難波委員が重要な指摘を非正規雇用のところでもされました。こういうのも根源の一つなんです。そういう問題も厚生労働省だからこそやるべき事項たくさんあると思いますので、そこを是非お願いをしておきたいというふうに思います。
 時間がなくなりましたので、もう一点だけ、外国人技能実習生に関わる問題について残りの時間だけ取り上げておきたいと思います。
 これもう、我々かねてから実習生の問題、ここで何度も取り上げてまいりました。もう制度的に駄目だと僕らはずっと言っていた。今後また外国人労働者、今政府がいろんな案、骨太の方針でも出されておりますが、技能実習制度が温存されている限り、僕らは、駄目なんだ、構造的な問題解決できないということは重ねて指摘をまた引き続きしていきたいと思いますが、それを証明するような事案が、問題が起きているんです。大臣御存じだと思います。
 外国人技能実習生で、過労死を含む労働災害、労災死が発生をしています。今日これ資料でお付けをしておりますが、公に発表されているだけで三年間、二〇一四年から一六年で二十二人労災死、この中には一人過労死が含まれています。技能実習生で過労死ってどういうことですか。あっちゃいけないどころの話じゃないですね。こんなことが実態として起こっている。何でこんなことが起こるのか。そして、福島の除染の現場で実習生が除染に従事をさせられていた。本人たち全く分からない。行ってみて初めて除染作業に従事をさせられた。そしてさらに、東電の第一原発の事故収束作業にも残念ながら実習生が、結局本人が分からないままに事故収束作業に従事をさせられていた。大臣、こんなこと絶対にあっちゃいけない。
 今日、法務省からも来ていただいておりますが、まず、もう現状、これまでいろんな調査研究、現場で調査していただいておりますが、絶対に今はこういう事案はないんだ、起こっていないんだ、今後も絶対起こり得ないんだ、そのことを是非この場で確約をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#121
○政府参考人(佐々木聖子君) 今委員から御指摘のありました除染作業の従事、それから東京電力福島第一原子力発電所の敷地内で実習を行っていた問題につきまして、今御指摘ありましたように、私どもの地方入国管理局、それから外国人技能実習機構におきまして実際に調査を行っております。直接実習実施者等を訪問して、また技能実習生に直接聞き取りを行う形で調査を実施しておるところでございます。
 本件につきまして、まだ調査中でございますけれども、除染等業務を内容とする技能実習計画は認定しない、さらに、技能実習計画の認定申請時に、申請者から除染等業務を内容とする技能実習を行わせない旨の誓約書の提出を求めるなどしてこの対処をしていこうと思っております。
 また、同じく、東京電力福島第一原子力発電所での建設工事に伴いまして同様の事案が起きたということで、これも、こうした内容の計画は認定をしない旨、これは法務省でも機構でもきちんとその旨をホームページ等で表明をしておるところでございまして、加えまして、そうした技能実習は行わせないのだという誓約書の徴取を行っているところでございます。
#122
○国務大臣(加藤勝信君) 労災死はそもそもあってはならないことでありますけれども、技能移転による国際協力を推進することを制度趣旨とする技能実習制度においては特にそうであるというふうに思います。
 昨年十一月から新たな技能制度ができたところでありますので、これにのっとって、外国人技能機構は、原則として監理団体に対して年一回、実習実施者に対しては三年に一回程度、また必要に応じ訪問し、適正な事業運営が行われているかを実地検査を行う、また、同機構が法令違反等の不適正な事案を把握した場合には、是正を指導し、特に悪質な事案については主務大臣、この場合には法務大臣と厚生労働大臣ということになりますが、技能実習計画の認定や監理団体の許可の取消しも行うことにしておりますし、また、労働基準関係法令違反が認められれば、労働基準監督署が是正指導を行い、悪質な事案については当然送検を行っていく等、厳格な対応を行うことにしております。
 これらの取組によって、確かに技能実習制度、従前の制度についてはいろいろ問題点が指摘をされたわけでありまして、それらを踏まえて今回新たな制度に移っているわけでありますけれども、この制度に移った趣旨に沿って適正な運営を図れるよう努力をしてまいります。
#123
○石橋通宏君 終わります。ありがとうございました。
#124
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 年金問題で一言申し上げておきたいと思います。
 適正な年金給付がされず給付が減るというようなことは当然あってはならないことであります。年金機構は何度もこういう適正な年金給付という点でのミスを繰り返してきたわけで、私、その責任は免れないというふうに思うわけですが、とりわけ管理監督責任ということでいえば、厚労省の処分というのは厳重注意、口頭でということにとどまっているんですね。私、本来、所管する大臣の責任が厳しく問われる問題だということ、指摘にとどめたいと思います。
 今日は、京都府内でも被害が広がっております大阪北部地震、これの対応、特に厚労省関係で確認をしておきたいと思います。
 大阪北部地震から既に昨日で二週間ということになるわけですが、住宅の一部損壊の状況というのが日を追って増えて確認ができております。近畿二府二県で昨日で二万二千件を超えるというような数字になっていたかと思います。
 厚労省が所管している福祉施設ということでいいましても、一部損壊の被害というのは多数発生しております。まだ把握できていないところもあろうかと思うんです。今回の被害で利用できる国の災害復旧支援策というのは、既に制度あります。これ三枚入れておきましたけれども、資料として、児童福祉施設、さらに社会福祉施設、介護施設ということになるわけですけれども、これらの災害復旧のための補助、今回の被害に対してはこれ原則補助金活用可能だということでよろしいと思いますけれども、確認です。
#125
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回の大阪北部の地震で被害を受けた施設、まず、私ども厚生労働省としては、その早期復旧が重要な問題だという認識に立ってございます。
 その上で、被害を受けた児童福祉施設あるいは社会福祉施設等の災害復旧に要する費用につきましては、社会福祉施設等災害復旧費補助金の補助対象でございますので、大阪府等と緊密に連携を取りながら、一日も早い施設の復旧を支援してまいりたいと考えております。
#126
○倉林明子君 これ使えるということでは間違いないですね。
#127
○政府参考人(吉田学君) 御活用いただけます。
#128
○倉林明子君 被害額の下限ということで、八十万円以上だとか、保育園の場合やったら四十万円以上だというような制限はあるけれども、原則使ってもらえるということなので、是非、そういう被害がなかったところ、使ったことがないというようなところほど周知必要だなというふうに思っているわけです。
 そこで、被害の多い自治体で今どんなことが起こっているかといいますと、職員が当座の三日間は不眠不休だったとか、その後も新たな損壊状況の確認や対応に追われると、罹災証明をどんどん出していかなければならない等で、大変やっぱり忙しいという状況になっているわけです。こういう福祉施設の対応についても遅れてはならないというものの、やっぱり住宅、どうやって住民の安全を確保し、住宅を優先的に、やっぱり住まいの確保ということを求められてくるということにもなってきて、社会福祉施設の補助金の申請が対応遅れるというようなことだって十分私考えられると思うんですよ。
 ところが、この資料で付けた一枚目のものですね、児童福祉施設等の災害復旧について見ますと、一番下のところ、協議書提出ということがあって、ごめんなさい、二枚目、同じようなスキームなんだけれども、この社会福祉施設の方は被災後三十日以内ということで期限の定めがあるんです。これだけ大規模に被害規模が広がっていて、現時点でも確認作業が追っかけてやっているというような状況にあるわけで、私、前例もあるというふうに聞いているんですよ、この延長。三十日ということで機械的な対応にならずに、延長措置というのはもう直ちにとるよということをお知らせしておいた方がいいんじゃないかというふうに思いますし、等ということで含まれると思うんですけれども、児童福祉施設の中に学童も含まれることになろうかと思うんです。そういうところについても、申請をするということになるわけですから、対象に漏れがないように、この点でも周知、この制度は使えるものなんだということで周知徹底をしていただきたい。いかがでしょうか。
#129
○国務大臣(加藤勝信君) まず、この三つを私ども社会福祉施設等災害復旧費補助金と、こういうふうに言わせていただきますけれども、これについては被災後三十日以内、これは書いているものと書いていないものがあるんですが、基本的に同じ扱いになっているんですが、三十日以内に都道府県が、当該都道府県を管轄する地方厚生局に対して協議書類を提出していただくことになっております。これは、委員も御指摘のように、一日も早く復旧をしていただきたい、そのためにも早く提出をし、早く交付の支給を決め、そして一日も早い復旧と、こういう思いではあります。
 ただ、例えば東日本大震災の際は、自治体の要望を踏まえて、これ六十日に延長している事例もございます。したがって、今後、各地区における復旧の状況、自治体の事務処理の状況も踏まえて復旧支援を行っていくことが重要でありますから、大阪府など各自治体の状況をお伺いして対応していきたいというふうに考えております。
 また、先ほど学童の話もありまして、学童も当然含まれるわけでありますが、そういった点も含めて、当該補助金の活用に係る周知徹底、これについては速やかに実施をさせていただきたいと思います。
#130
○倉林明子君 本当に被害は甚大で、日を追って被害状況がだんだん判明してくるというような状況にありますので、地方自治体の負担ということを考えましても、この期限については、やっぱりしっかり見て対応していくということでもありますので、柔軟な上にも柔軟な対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 そこで、さらに、地元でも大きな問題になっているのが、学童が亡くなることになりました危険なブロック塀、石塀などで亡くなったという例もありましたけれども、この危険なブロック塀については、余震などもありまして早急に対応が求められると。さらに、全国的にもこの危険なブロック塀の指摘があって、文科省では緊急に調査もやって対応していくという方向で進んでいるようであります。
 京都市でも公共施設のブロック塀の緊急点検をやったということなんですけれども、千件やって七百か所以上のところがもう補修必要だというようなちょっと状況が、まあ危ないところを見ていったのかもしれないんですけれども、そういう状況があるんです。支援制度もやっぱりこれは必要だということで、独自制度もつくったということだそうです。
 しかし、その福祉施設のところをどうするのかということになるわけで、子供さんや障害者、社会的弱者がいるところでもあります。外へ倒れて迷惑を掛けるということもあるし、中に倒れたらそういう人たち守れないということにもなりますので、このブロック塀に対して、危険なものですよ、解体除却ということに対する財政支援が、私は、国がつくりましたということになりますと、安心して取り組めると思うんですよ。
 一刻も早くこういうところ、福祉施設で危険なブロック塀が除去できるように、解体撤去できるように、支援策については直ちに方針も示していただきたい。いかがでしょう。
#131
○国務大臣(加藤勝信君) まず、厚生労働省では、今回の事故を受けて、各都道府県等に対して、各社会福祉施設等におけるブロック塀を含む耐震対策及び安全点検の状況を確認するとともに、その結果を踏まえて必要な安全対策を行うよう、これは周知を既にさせていただいたところでございます。
 ブロック塀の解体除去ということでありますけれども、安全点検を行った結果、そのブロック塀の修繕行う場合は、児童福祉施設等については次世代育成支援対策施設整備交付金、保育所については保育所等整備交付金が活用できるということでありますが、御指摘の介護施設とか障害者施設については具体的にそういう仕組みがございませんので、我々としても実態をよく把握して、安全対策という観点からどういう対応ができるのか検討していきたいと考えています。
#132
○倉林明子君 保育所の方の整備の交付金ですよね。調べてみると、壁ですね、それを整備するための費用という書き方、整備事業ということになっているんです。じゃ、ブロック塀の解体や撤去にもこれ使っていいということで、要は使えるものなのかというようなちょっと踏み込んだ確認させていただきたい。
#133
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 先ほど大臣からも答弁申し上げましたように、子供の分野、次世代育成支援対策施設整備補助金、また、保育所につきましては保育園等整備交付金、これにつきましては、今お話ございましたように、いわゆる外構といいますか、外壁、ブロック塀などについて、安全対策を踏まえて直すときには、整備内容としては防犯対策強化というような表現を使ってございますが、実質的に今お話ございましたような形の改修に子供の分野については使っていただいて構わない、解体撤去の費用については補助できるという形で……(発言する者あり)ですから、正確に申し上げますと、安全対策をして解体をして外構を整備するという場合についての費用を一体として整備をさせていただいているということでございまして、あえて申し上げれば、解体するだけというのではなくて次に向けての整備をするという一連の中で補助をこの制度として活用していただけるという仕組みになってございます。
#134
○倉林明子君 新しく塀を整備したときに、それに伴う解体撤去についてはマルということで理解いたしました。
 今御説明あったとおり、介護のところはないんですよね。介護のところは復旧でもやっぱり事業者持ちが多いんですよね。そういう意味でいうと、大変厳しい経営実態にあるというのが介護施設でもあろうかと思います。私の地元でも、グループホーム、古い民家を借りていたのが潰れちゃって、もうとっても元に戻れないと、大家さん直す気ないということ、そんなことにもなっているんです。
 本当にその現地、現場で復旧ができるような支援ということでいいますと、現状の制度だけでは復旧できないというところもあるんだと、そういうところもよくくみ上げていただいて、今回の地震を踏まえた必要なやっぱり補強が必要なんだということ、これは指摘にとどめておきたいと思います。
 その上で、次の質問です。
 一度、前回議論もさせていただいた旅館業法の議論のときに民泊の問題取り上げました。そのときも指摘をいたしましたが、簡易宿所、いわゆる旅館業法に基づく簡易宿所が京都ではもうやたら増えてえらいことになっているということを申し上げましたが、そのときよりも更に増加傾向にありまして、影響が深刻に広がっております。市議会にもこの問題での陳情が相次ぐと。
 二〇一六年四月、ここで規制緩和がされたというのが簡易宿所なわけですが、面積要件の緩和と併せて一室でも可能ということで、そういう営業形態のところで苦情や相談、深刻な近隣住民とのトラブルというのが頻発しているんですね。これ、旅館業法の規制緩和によって周辺住民との大変なトラブルということも引き起こしているということになっているんですね、結果として。
 こういう旅館業法の規制緩和のこうした影響について、周辺住民とのトラブルを更に広げているというようなことについて、大臣の認識を聞いておきたいと思います。
#135
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十八年四月から、簡易宿所の規制緩和、これは、現に違法な民泊サービスが広がっている実態を踏まえて、そうした違法な民泊を法的枠組みに組み入れると、こういう観点から、小規模な施設でも簡易宿所営業ができるように、簡易宿所営業の面積要件の緩和を行ったものと承知をしております。
 確かに、京都市で見ると、二十八年も多いんですが、二十九年度については日本全体のかなりの割合が京都ということでございますので、そうした一部の地域では簡易宿所の顕著な増加が見られるということでございます。ただ、この増加分の中には、違法民泊だったものがこういった意味で法律、法的枠組みに入ってきた、こういった面もあるんだろうというふうに思います。
 その上で、先般、旅館業法等を改正をさせていただきましたけれども、改正法附則には、施行後三年を目途として、改正後の旅館業法の規定、まあこの中には簡易宿所も当然入るわけでありますが、ついて改正後の実施状況を勘案して検討を加え、必要な措置を講ずるとされているわけでありますので、この規定を踏まえて、旅館、ホテル、簡易宿所を含めた旅館業法の全体的な施行状況を把握し、必要な措置を講じていくということになるわけで、簡易宿所についても、この規制緩和による影響についてはこの過程の中でしっかり把握をさせていただきたいと考えております。
#136
○倉林明子君 生活が懸かってくるというぐらい大変な状況になっていて、今、法の見直しに向けての把握はするということですから、是非、早急に、確かに京都市は特殊なんですよ、簡易宿所がやたら増えるという中で違法民泊と変わらない近隣への影響、悪影響を与えているという実態がありますので、その点では早急につかんでほしいなというふうに、これは強く要望しておきたいと思います。
 そこで、京都では、同時に、市が全体として宿泊施設を増やすんだということで呼び込んでいるということも影響いたしまして、ホテルの建設がすごい勢いで進んでいるということなんです。京都市というのは、住宅地を囲むように商業地、田の字型、で、その中に住宅地があると、その住宅地は路地で形成されると、そういう町づくりになっている、町並みになっている関係で、商業地にホテルが建ちますと住宅地が隠れてしまうといいますか、住宅地の周り、近接してホテルが建つと、こういう状況になっちゃうんですよ。つまり、住宅地には建たなくても、近接しているので大変住環境にも影響が出ているというぐらい、ホテル建設ラッシュになっている。
 これ、簡易宿所の急増と併せまして、客室数がもう飽和状態と言っていい状態なんですね。何が起こっているかというと、ダンピングなんですよ。一万六千円だったシングルが四千円まで大きいところが落とすと。そうなって何起こるかというと、昔からの旅館業、ここが一月、二月なんか客ゼロというところもあったというんですよ。
 だから、旅館業法をしっかり守って、客室というか、その宿泊、安全で衛生的な宿泊業としてやってきた人たちがもう経営危機というようなことになっているんです。私、実際にもうこれは総量規制が要るぐらいになっているんじゃないかと思っているんです。
 旅館業法を所管する大臣として、感想でいいですけど、お聞かせください。
#137
○国務大臣(加藤勝信君) 京都の伝統的な旅館等々を、やっぱりそういうのはしっかり残していくというのはよく理解するところでありますが、旅館業法については、ここが定める公衆衛生上のルールをしっかり守っていただく、また、今住宅専用地域の話がありましたけれども、営業は基本的には住宅専用地域で認められないなど、住宅地の平穏な環境を守るための必要な規制が置かれているわけでありますので、こういう規制等はしっかり守っていただくのはこれは当然のことだというふうに思います。
 ただ、そこから先にまさに合法的にホテルを造ったり簡易宿所を造っているということになると、これは言わばほかのサービスにおいても同じようなことが言える。まさにそういった競争をすることによってより良いサービスが提供されていくということにもなるわけなので、国によって一律に総量規制をしていくというのにはなじまないのではないかなというふうに思いますけれども、ただ、委員御指摘のような、京都の美しい町並みというものをしっかり守っていくということは大変大事なことだろうというふうに思います。
#138
○倉林明子君 いや、本当に今、中国資本等が入ってきまして、路地丸ごと買い上げる、地価が上がる、住めなくなる、このぐらいの事態に発展してきているという状況なんです。
 ただ、ホテルだけの問題ではなくて、民泊、住宅宿泊事業法、簡易宿所の規制緩和、これが、急速に京都の町が壊れる事態になりつつあるということを改めて指摘して、簡易宿所を、指導も入っているんだけど、これを入口で規制するということをやらないと本当に止められないということだと、これ重ねて申し上げまして、今日は終わります。
#139
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず最初に、日本年金機構の業務委託のことについてお伺いをさせていただきます。
 今回、日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書というのもいただきました。
 今回の件について、SAY企画の件でありますけれども、契約内容に違反して、データ入力作業の人員が予定に足りなかったりとか、それから中国企業に再委託をしていたということなど、そういった問題が明らかになったわけでありますけれども、委託業者を決める入札では、総合評価落札方式のように業者の能力を評価して入札結果に反映するということも重要ではありますけれども、一方では、恣意的になったりとか必要となるコストが増えたりとかする可能性もこれ一方では出てくるわけでありまして、適切に委託した内容が行われることは当然の前提としまして、コストの削減とどうこれ両立していくのかというところは大変大事なことなのかなと思っております。
 非常に難しいところではありますけれども、今回も、A等級が本来等級であったけれども、入札参加者の拡大を図るために、機構において、通例に従ってB、C等級までこれ拡大したと。で、結果としてC等級のSAY企画が一者応札になったということであります。
 一方では、安かろう悪かろうではやっぱり問題でありまして、そういったことにならないようにしていくことも大事でありますし、またコスト削減、そしてまた恣意的にならないようにすること、この辺のバランスというのが非常に大事だと思うんですが、このことについてどのように考えていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
#140
○政府参考人(高橋俊之君) まず、総合評価落札方式を採用することによりまして恣意的にならないかと、こういう御指摘でございますけれども、総合評価落札方式につきましては、あらかじめ技術点等の項目を決めまして複数の人間によりまして判定すると、こういう仕組みでございますので、恣意的な結果にならないようしっかり運用してまいりたいと考えてございます。
 また、コストの削減とどのように両立していくのかと、こういう御指摘でございます。機構に設置されました調査委員会の報告書でも、コスト削減の観点は引き続き重要であるが、今後は併せて業務の正確性とサービスの質の向上を重視するよう転換する必要があると。また、その上で、コストの捉え方自体につきましても、今回の事案の対応に多額の費用を要したことですとか、あるいは年金業務への信頼を損ねたという目に見えないコストが生じたことなどを踏まえれば、目の前のコストだけではなく、中長期的に見て低いコストになっているかという観点から捉え直す必要がある等の指摘もございます。また、優良な事業者との協働によりまして、システム面、技術面でより安全でかつ効率的な手法の開発、こういうことによるコストダウンも期待されるというようなことも記されているところでございます。
 コスト削減を図りながら業務の正確性やサービスの質の向上を図ることができるよう、しっかりとした取組を進めてまいりたいと考えてございます。
#141
○東徹君 なかなか難しいことでありますけれども、やっぱりコスト削減を図りながら恣意的にもならないように業務を正確に実行できていく、そういったことに是非取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、残骨灰のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 前に、五月十七日の委員会でも質問をさせていただきましたけれども、そのときの答弁は速やかにというふうなことを答弁いただいていました。調査の準備を進めているところで、準備ができ次第速やかに地方自治体に調査の依頼を行って、実態を把握したいと考えているところでございますと。あれから二か月近くたったわけでありますが、これ調査を行ったのかどうか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#142
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 地方自治体におきます残骨灰の処理の実態につきましては、委員から御指摘いただきまして、そのことを踏まえて実態把握を行うための調査を予定しているところでございますが、現在はまだデータの信頼性を確保する観点から調査手法の精査を進めている段階でございます。準備ができ次第速やかに地方自治体に調査の依頼を行って、実態を把握したいと考えているところでございます。
#143
○東徹君 これ、五月十七日の委員会で聞きましたけれども、その前からこれ調査するというふうなことをおっしゃっていたわけですよね。ということは、もうかなり前から調査するつもりでいてはったと思うんですよね。で、あれからもう何か月もたっているのにまだこれ調査するというところから全然変わっていないというのは、もう本当に何か仕事が遅いなと、こう言わざるを得ないわけでありまして。
 一点、先ほどデータの信頼性とおっしゃいましたけれども、それどういうことか、もう一度詳しく教えていただけますか。
#144
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 全国自治体、千七百以上ございますが、この中から抽出調査を考えてございまして、それをいかに調査、層化無作為抽出をして、要は代表性を、ちゃんと信頼できるものを確保しなければデータとして意味ございませんので、その手法について今検討しているところでございます。
#145
○東徹君 まあ、検討が長いなと本当に思うわけでありますけれども、抽出調査というのはあのときの大臣の答弁の中でも出ておりましたのでそれは分かっておりますので、是非早急にやっていただきたいと思いますが、いつ頃をめどにやられるのか、お聞かせください。
#146
○政府参考人(宇都宮啓君) 現在その検討をしておるところでございますが、いつまでに実施するかということにつきましてはなかなかお答え難しいところでございますけれども、できるだけ早く行いたいというふうに考えてございます。
#147
○東徹君 いや、こんな調査すらいつまでできるか分からないというのは、何かもう本当どういうことなのかなと。例えば、九月までにはとか、もっと時間掛かるんだったら年内までにはとか、そういうことが言えなきゃおかしいと思うんですよね。
 いつまでには、年内ぐらいはいけるんですか。
#148
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 実施については、年内には当然行うつもりでございます。
#149
○東徹君 僕もむちゃくちゃ無理を言うつもりはないので、やっぱりちゃんと業務の範囲の中でできる計画を立てて、やっぱりそれぐらいはやっていきましょうという御答弁ぐらいはいただきたいなと思いますので、是非よろしくお願いします。
 次、外国人の医療費の未払の問題についてお伺いをさせていただきます。
 平成二十七年度に外国人患者を受け入れたことのある医療機関のうち、三五%が医療費の未収をこれ経験しているということで、三五%の医療費の未収の経験というのは非常にこれ多い数字なんですが、これは、我が国の外国人観光客というのはこれ順調に伸びてきておりまして、二〇二〇年には四千万人を目標に今増やしていっているというふうに思っています。
 我が国の外国人観光客の未収を経験したことのある医療機関やその未収額、こういったものも増えているのではないかというふうに考えますが、現状どうなっているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#150
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。
 厚生労働省といたしましては、平成二十九年度の委託事業におきまして、平成二十六年度から二十八年度まで、各年度末において貸借対照表に計上されている未収金のうち各病院が回収可能性に問題があると認識したもの、この金額の状況を調査をしてございます。
 その結果、調査に回答した一千百七十四病院のうち、訪日外国人の診療による未収金が計上されていた病院における入院・外来合計でございますけれども、この未収金の総件数、総額につきましては、平成二十六年度末におきまして千二百二十二件、合計一億五千二百九十二万円、平成二十七年度末が千百九十二件、総額一億五千六百七十二万円、平成二十八年度末が一千百八十八件、一億六千三百七十二万円と、こういう状況であったというふうに調査の回答がございます。
 これを一病院当たりで見ますと、平成二十六年度末が二十九・一件の三百六十四万円、平成二十七年度末が二十九・八件で三百九十二万円、平成二十八年度末が二十九・七件で四百九万円、こういった状況というふうに把握をしてございます。
#151
○東徹君 これ、恐らく年々増えていくのではないかなというふうに危惧をしておりますが、報道では、二〇二〇年度から医療費が未払の訪日客の再入国を拒否するという措置をとるというふうに言われております。これ、海外の事例も報道でも出ておりましたけれども、イギリスでは、一定額以上の医療費の未払の場合、再入国拒否の対象としているということで、措置自体は妥当なものだというふうに思うわけでありますけれども、二〇二〇年度からとなると、二〇一九年はこれラグビーのワールドカップもありますし、もっとこれ早く対応すべきではないのかなというふうに思いますが、いかがですか。
#152
○国務大臣(加藤勝信君) 医療費不払の外国人観光客の再入国の在り方について、政府が六月十四日に取りまとめました訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策の一つに、過去に医療費の不払等の経歴がある外国人観光客に対する入国審査を厳格化するということが挙げられておりまして、その実施に向けては、平成三十年度に不払経歴等を持つ外国人観光客の情報の法務省への通報体制の検討、三十一年度に過去に医療費の不払等の経歴のある外国人観光客への厳格な審査の試行的実施、それを行った上で、三十二年度から本格実施をするというスケジュールを考えているところであります。
 こうしたスケジュールになるのには、これはやっぱり外国人観光客に一定の不利益を生ずるということになるわけでありますので、全国の医療機関における外国人観光客による不払の実態を正確に把握した上で厳格な審査の対象とする不払金額の基準を定める必要があること、また、日本への入国を制限するものでありますから、幅広く意見を聞きながら慎重に進める必要があるということ、また、医療機関から厚生労働省への通報の仕組みを新たに構築をするといったことであります。こういった状況を踏まえてこうした期間の設定は必要というふうに考えているところであります。
#153
○東徹君 分かりました。一定、制度をつくっていくためには時間の掛かるのも分かりますけれども、じゃ、二〇二〇年度からはこういった入国を拒否するということを行っていくということでよろしいんですか。
#154
○国務大臣(加藤勝信君) 詳細な設計はこれからでありますけれども、今申し上げた仕組みを三十二年度から本格実施をするということで、今、作業を進めていきたいと考えております。
#155
○東徹君 何か、医療機関というのは、カード払いというのももっとできるようになればこんなこともなくなるのではないのかなというふうに思いますが、日本というのはカードが何か遅れていますよね。
 これ、私も韓国行っても、中国は行ったことないですけど、聞く話でありますけれども、ほとんど現金で払うことはないというふうなことをやっぱり聞いておりまして、日本の医療機関も、私も検査に行ったりなんかするときには、カードで払えますかと聞いたら、いや、カード駄目ですよとよく言われることが多いんですね、多いんです。大きな病院は別ですけどね。クリニックであるとかそういった検査機関だとか、そういったところでは、結構、いや、カードは駄目なんですとか言われることもあって、もっとカードが普及すればこういった問題もなくなるのかなというふうに思っております。
 続きまして、患者申出療養制度についてお伺いをさせていただきます。
 この制度、これ政府の規制緩和の一環としてつくられた制度ではありますけれども、やはり患者にとって一定メリットもあるというふうに考えておりますが、一部混合診療を認めて患者の負担を軽減していくためのものというふうに考えております。
 現在の実施状況についてどうなっているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
#156
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 患者申出療養制度でございますけれども、これ、我が国の医療保険制度では、今の段階で保険適用がない高度な先進的な医療、これにつきまして、保険診療と保険外の診療を組み合わせて実施をできる保険外の併用療養制度というのがございます。
 今お話のございましたこの患者申出療養につきましても、先進医療、治験等の形での保険外療養費制度には対象になりませんけれども、困難な病気と闘っている患者さんがいらっしゃると、この思いに応えるために、患者さんの申出を起点といたしまして、安全性、有効性を確認しながら先進的医療を身近な医療機関で迅速に受けられるようにする、こういう観点から二十八年度に設けられたところでございます。
 その中で、これまで、本年二月末時点までの状況でございますけれども、医療技術にいたしまして四件、患者さんの数にいたしまして百四十二名の患者さんが対象になってございます。このほか、この過程で患者申出療養としていろいろな相談をお受けをいたしておりますが、その中で、先ほども申しました先進医療とか治験につながったものが十一件、そして現在も相談継続中のものが五件、こういった状況でございます。
#157
○東徹君 この患者申出療養制度についてでありますけれども、安倍総理も、これ予算委員会の答弁の中でも、がんや難病など困難な病気と闘っている患者の方々に、国内で未承認の医薬品等を安全性、有効性を確認しつつ迅速に使用したいという強い願望があるわけでございまして、何人かの方々から直接そういうお話を伺ったことも私はございますと。これをしっかり受け止めなければならないと考えておりますと。今般、患者申出療養につきましては、先進的な医療について、患者の申出を起点として、そして安全性、有効性を確認しつつ身近な医療機関で、ここが大切なところだと思っているんですが、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものでありますと。この仕組みを実現するために必要な法案を本通常国会に提出をし、困難な病気と闘う患者の皆さんの思いにしっかりと応えていきたいと、こういう答弁がありまして、二十八年から始まったんですが、たった四件しか実際はないということなんですね。
 どうしてこれ、たったこの四件しかないのかなと、これ制度がやっぱり利用が進まない原因は何なのか、お伺いしたいと思います。
#158
○政府参考人(鈴木俊彦君) これは様々原因はあろうかと思いますけれども、一つは、広く御相談を受ける中で、必ずしもその患者申出療養そのものにはつながらなくても、先ほど申し上げましたように先進医療とか治験という形で患者さんの要請につながっていくということもあると思います。そういう意味で、まずは広く御相談を受けるような体制が必要でございますので、その上での課題といたしましては、この制度の周知、それからこれを取り扱っている医療機関でこれが円滑に行われるような様々な支援や工夫、こういったことが課題ではないかなというふうに認識をいたしております。
#159
○東徹君 これ非常に、なかなか周知が一番難しいんだと思うんですけれども、これどうやって周知していこうと考えているのか、もし今ありましたらお聞かせいただけたらばと思います。
#160
○政府参考人(鈴木俊彦君) まずはこれ知っていただくことが一番大事でございまして、具体的に様々な工夫をしてまいりたいと思っておりますけれども、例えばこの情報提供につきまして、まずリーフレットを医療機関に配布いたしますとともに、私どものホームページで現在認められています技術の名前、適応症、それから実施可能な医療機関などを公開をいたしております。それから、御相談に適切に対応ができるように特定機能病院に相談窓口の設置というものをお願いをいたしておりまして、現在七十九の病院でやっておりますけれども、その情報もホームページで公開をするといった取組もしております。また、これ広げていきたいと思っております。
 それから、医療機関側でこれを受けたときに迅速に円滑に進むということもまた大事でございますので、この医療機関に対する支援といたしまして、例えば臨床研究の計画書のひな形を整備して臨床研究中核病院に提供するといったことで医療機関の側の負担を軽減して手続を円滑に進める、こういったような支援も行ってまいりたい、こういうことで様々な工夫をして、制度の周知と広い利用、円滑な実施ということにつなげてまいりたいと考えております。
#161
○東徹君 是非周知を、これやっぱり理解が難しいと思うんですよね、なかなかこの制度の自体のですね。制度の理解がやっぱり深まっていくように、広まっていくように、是非御努力を重ねていただいて、更に患者が助かっていけばというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#162
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、冒頭、私も児童虐待についてお聞きをいたします。
 虐待死した五歳の女の子、本当に何とか救えなかったのかと思います。家族が香川県に住んでいた際、彼女は虐待があったとして二回一時保護されており、父親については二回とも、起訴猶予ではありますが、送検されております。何とかこれは救えなかったのか。
 他の国会議員が現地に行って、地元の人たち、まさにその相談所で話をいろいろ聞いたと。何を最も望んでいるか、何が必要なのか、答えはまさに児童福祉司、こういう人を増員をしてほしいというのが一番の声だったということを実はお聞きをいたしました。
 お手元の資料を見てください。これは衆議院の柚木事務所からいただいたものなんですが、児童福祉司一人当たりの児童虐待相談対応件数なんですが、最大の奈良県は七十三・四件まさに対応している、たった一人で。最小の鳥取県は四・四件ですが、十六・七倍開きがあると。ちょっとたまたま香川県を見ると、五十・五件担当していると。たくさん担当せざるを得ない。やはり、少し増やすのではなくて、思い切って児童福祉司を増やすべきではないか。
 それで、六野党で児童福祉司の改正法案を提出をしております。これは、是非全会一致で今国会で成立させてほしい。
 お手元に資料があります。児童福祉司の配置標準、どういうふうに決めるのか。まず、児童相談所の管轄地域の人口四万人単位というのと、それからそれに児童虐待対応件数などを加味しております。一プラス二というこの二つを加味しています。この六野党の改正法案がそうなんですが、まずその四万人のところを三万人にする。それから、割る四十というところを考えると、私などは割る三十などにしたらどうかと思いますが、もう抜本的に児童福祉司のこの基準、これ増員すべきではないか。是非この法案、実現させてほしい。いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(加藤勝信君) 法案に関しては、ちょっと政府というよりは、国会の審議において対応させていただきたいと思いますが、この児童福祉司あるいは児相の体制の強化ということでございます。
 児童相談所への児童虐待の相談件数も平成二十八年度は十二万件超と、五年前と比べて倍増するなど深刻な状態が続いておりますし、先般の大変痛ましい事案も含めて関係閣僚会議を開催し、また、総理からの指示を受けて、現在、各省庁において検討し、今後一か月程度、今月の中下旬までにはまとめられるものをしっかり打ち出していきたいと考えておりますが、そのときに御指摘の児童福祉司を始めとした児童相談所の体制、専門性の強化、これは不可欠であると考えております。
 増加し続ける児童虐待への対応を更に強化するため、関係省庁と連携して平成二十八年に策定した児童相談所強化プランというのがありまして、これは最終的には四万人というところまでなっているんですけれども、それを見直していきたいというふうに考えております。
#164
○福島みずほ君 今大臣おっしゃってくださったそのプランで、そして是非これを増加してほしい、抜本的に増加してほしい。改めて決意をお願いいたします。
#165
○国務大臣(加藤勝信君) 見直しを図り、あわせて、まさに強化する方向で見直しを図っていきたいと思いますし、また、これは市町村の体制もあります。また、専門性の強化ということもあります。それぞれについて必要な対応を図りたいと思います。
#166
○福島みずほ君 一人で七十三・四件持っているというのでは対応ができませんので、これ、今副大臣もうんうんとうなずいてくださっていますが、牧原副大臣も、これ厚労省挙げて、是非よろしくお願いいたします。うなずいてくださってありがとうございます。
 次に、精神保健医療についてお聞きをいたします。
 この委員会において、身体拘束、長期隔離、長期拘束、身体拘束についてお聞きをしております。昨年五月九日の当委員会において、身体拘束に関する大規模調査に関して、堀江政府参考人は、研究代表者につきまして、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神保健計画研究部長の山之内芳雄氏、分担研究者として、国立病院機構肥前精神医療センター副院長の橋本喜次郎氏がなってございますと答弁をされております。しかし、進んでいるんでしょうか。
 他方、本年五月には、松田ひろし氏、藤井千代氏らが同じく厚生労働研究で隔離等の状況に関する実態調査、精神障害者の隔離、拘束に関する実態調査を行うとされ、既に調査が始まっております。
 委員会での答弁とは別の研究班が立ち上がったと。その前の橋本、山之内先生のこの調査がきちっと行われるように、あるいはどういう状況なんでしょうか。
#167
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 昨年この委員会でお答えいたしました国立精神・神経医療センターの山之内氏を研究代表者とする厚生労働科学研究班におきましては、精神病床における隔離や身体拘束の実態を把握し、今後必要な対策を検討するために、医療従事者だけではなく当事者や弁護士等にも参画いただきながら精神病床に対する調査の在り方について議論がなされているものというふうに承知しております。これは、この研究班は三十年度も継続して引き続き取り組んでいるところでございます。
 一方、もう一つ御指摘のありました国立精神・神経医療センターの藤井氏を研究代表者とする厚生労働科学研究班では、この三十年度に、精神障害者の権利擁護に関する課題の整理などを目的としまして、精神医療審査会の活動状況に関する全国調査などから成る調査研究を実施しているというふうに聞いておりますが、この研究を進めるに当たりまして精神病床における動向を把握することが重要と考えられたことから、こちらの研究班でも隔離や身体拘束の状況についても調査を行うというふうにしたものというふうに聞いておりまして、昨年御答弁申し上げました山之内班につきましては、先ほども申し上げましたが、引き続き三十年度に取り組んでいくというところでございます。
#168
○福島みずほ君 松田班の調査票を拝見いたしました。そうすると、これは、何月何日付けで隔離が何人いて、何人拘束がいるのかというのは分かります。しかし、期間のアンケートがないんですね。そうしますと、どれだけ長期、例えば一週間なのか一日なのか、あるいは三十年なのか、全く違います。その意味では、私は、山之内研究班といいますか、そこでやる必要がある。つまり、松田班の研究だけでは、定点観測では出てくるけれども、長期かどうか分からないんですよ。
 部長、これは山之内研究班の研究結果がしっかり出るように厚生労働省としてもしっかり後押しをしてくださるということでよろしいですね。この研究結果はいつ頃出るというふうに厚労省考えているんでしょうか。
#169
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたが、精神病床における隔離とか身体拘束の状況についてしっかり実態を把握していくというのは重要だというふうに考えておりまして、先ほども申し上げました山之内班の方で三十年度までの研究になっていますので、三十年度を終わった時期に一定の成果を出していただけたらというふうに我々期待しているところでございますし、そういう方向になるように、研究班に余り介入するのもいかがかと思いますが、しっかり支援できるところは支援していきたいというふうに考えているところでございます。
#170
○福島みずほ君 長期拘束、長期隔離の実態が、ちゃんとこれを把握しないと次の提言ができませんから、山之内研究班のこの成果がしっかり出るように、厚生労働省、支援をよろしくお願いいたします。
 いわゆる六三〇調査についてお聞きをいたします。精神保健福祉資料、通称六三〇ですが、調査の大幅改変により、今まで得られていた情報が得られなくなってしまった件について質問をいたします。
 一昨年までは各精神科病院ごとに様々なデータが得られておりましたが、作成方法がレセプトベースになったために情報が得られなくなっております。例えば、患者さんの病名、年齢、入院形態、措置入院、医療保護入院、任意入院など処遇の状況、閉鎖病棟、開放病棟が一切分からなくなってしまいました。この病院はこういう人多いよねというのが分からなくなってしまったという状況です。
 今までは、これらの病院ごとの情報を市民が得ることができました。しかし、今回から個別病院の情報が取れなくなってしまったと、情報公開していたものが後退してしまった、市民から多くの疑問や抗議の声が寄せられております。以前と同様の情報が得られるようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#171
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がありました精神保健福祉資料は、精神保健医療福祉の実態を把握し、施策を推進するための基礎資料を得ることを目的として作成しているところでございます。
 この調査の過程で、一部の都道府県においては、これまでも当該調査に協力する過程で独自に把握した情報について保管されて、例えば情報公開請求があれば公開しているということは承知しておりますが、都道府県等に存在する情報の公表の在り方につきましては、それぞれの都道府県等がそれぞれの情報公開条例等に基づいて判断されるものというふうに考えております。
#172
○福島みずほ君 人権や状況、実態というのを把握するためには、やはり各個別の病院ごとの情報って出る必要があると思うんですね。厚生労働省としてそういう情報がちゃんと出るように努力をしてくださいますか、後押ししてくださいますか。
#173
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、これ、都道府県ごとにそれぞれ独自の判断で、この調査の過程で必要な情報を保管し、その公開請求が例えばあれば公開しているという対応状況ですので、国の方で一律にどうのとかこうのというふうになかなか申し上げることは難しいものというふうに考えておりますが、国といたしましては、最終的に国で調査データ集計いたしますので、どういう集計結果を出していくかということは、国のレベルではまた別途考えていきたいというふうに思っております。
#174
○福島みずほ君 総計として、国全体としてどうかというだけのデータではなく、やっぱりここ、正直、閉鎖病棟が多いよね、いや、ここ、非常にこういう特色があるんじゃないかというのが、ある種、実態把握やチェックにつながるというふうに思います。
 ですから、全体でどうかという話ではなくて、それぞれの特徴、特色というものをやはりきちっと情報を開示していただきたい、そのことを後押ししていただきたい。少なくとも今までの六三〇調査よりも後退してしまったということは問題ではないか。厚生労働省、是非、個別のちゃんと病院ごとの情報が出るように、厚生労働省としてこれは考えていただけますか。全体の情報だけではなくて、個別の情報も必要なんです。お願いします。
#175
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほど来御答弁申し上げていますが、そういうふうに各基礎資料を得るために各病院調査させていただいておりますけれども、その調査の過程におきまして都道府県の方で、自分のところの情報について、必要だということで保管しているものにつきましては、これまでも例えば公開請求があれば公開していたということで、保管していなくてそのまま国の方に提出していたところは、そもそも公開する情報がないというような状況でございます。
 それは今後も状況としては変わりませんで、それについて国の方でどういうふうにしなさいというのを各自治体に申し上げるのはちょっといかがなものかと思いまして、それぞれの、公開するかしないか、どういうふうに公開するかというのは、都道府県ごとにそれぞれの条例等に基づいて判断していくものだというふうに考えております。
 ただ、国の方で、都道府県が公表するなとか、そういうようなことを決して申し上げるつもりはございません。
#176
○福島みずほ君 都道府県単位、地方分権というのは分かります。しかし、個別の情報が病院ごとに出る方が望ましいというふうに考えているので、じゃ、都道府県に任せております、全体の集計はできますというのでは、それは駄目だというふうに思っております。むしろ、長期拘束、いろんな、むしろ精神病院の中のもきちっとチェックする、そして、退院、地域へ移行を応援するという立場であれば、やっぱりこれは病院ごとにどうかというチェックは大変必要だと思っております。
 その観点から、厚労省、取組考えてください。いかがですか。
#177
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 この六三〇調査に限らずですけれども、我々としてもなるべく必要な情報は公表できるようにというふうには考えておりますので、委員の御指摘も踏まえて、しっかり今後の情報公開についても考えてまいりたいと思っております。
#178
○福島みずほ君 働き方改革一括法案でたくさん実は積み残した問題があるので、お聞きをいたします。
 資料で配付をしておりますが、まず、派遣法についてお聞きをいたします。
 見てください。通勤手当は、男性がもらっている人は派遣で五八・七%、女性は僅か三五・二%しか派遣で通勤手当をもらっておりません。今度の派遣法の改正法案で、通勤手当はちゃんともらえるようになるんですか。
#179
○政府参考人(宮川晃君) 一昨年十二月にお示しいたしました同一労働同一賃金ガイドライン案におきまして、有期雇用労働者又はパートタイム労働者につきましては、基本的な考え方として、「有期雇用労働者又はパートタイム労働者にも、無期雇用フルタイム労働者と同一の支給をしなければならない。」としております。有期雇用労働者又はパートタイム労働者である派遣労働者については、この記載が当てはまるものと考えております。
 ガイドラインでは派遣労働者については詳細な記載はございませんが、このガイドラインにつきまして、派遣労働者に関する部分を含め、今後、労働政策審議会での議論をお願いしておりますので、それによりまして内容を詰めさせていただきたいと考えております。
#180
○福島みずほ君 結局、通勤手当すら派遣の人はもらえないんですよ。それ、おかしくないですか。
 条文の、派遣法の成立した法案で、三十条の三の、ここに、「不合理と認められる相違を設けてはならない。」、通勤手当を派遣の人に払わないのは不合理な相違、違いではないんですか。
#181
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、詳細は今後労働政策審議会で詰めていただきたいと思いますが、先ほど申しました有期雇用労働者、パートタイム労働者と通常の無期雇用フルタイム労働者との考え方、この考え方は、基本的には派遣労働者についても同様な考え方が当てはまり得るものと考えているところでございます。
#182
○福島みずほ君 厚労省は、でもこの条文、端的にお聞きをします。厚労省の考え方としては、この三十条の三の「不合理と認められる相違を設けてはならない。」の中に通勤手当が入るんですか、入らないんですか。
#183
○政府参考人(宮川晃君) 通勤手当も含めて、それぞれの手当を含めた待遇のそれぞれについてここに書いてある規定の適用があると考えております。
#184
○福島みずほ君 通勤手当を払わないことは、派遣法改正法の三十条の三に、一項に反しますか。
#185
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、このガイドライン案で具体的に示そうと考えておりますが、基本的考え方、そして現在、パート労働者や有期労働者につきましては、問題とならない例一、二と示されているような、こういうものも含めまして、具体的な内容は定めたいと思いますが、繰り返しになりますが、基本的な考え方といたしましては、派遣労働者に対しましても無期雇用フルタイム労働者との同一を支給しなければならないという基本的な考え方、これは適用が当てはめ得るものと考えております。
#186
○福島みずほ君 はっきり、派遣労働者には通勤手当を払わないと、不合理な相違と考えられると言ってくださいよ。なぜこんな質問をするかというと、今までの三十条の三の配慮しなければならないと書いてあっても、通勤手当みんなもらっていないんですよ。派遣の人だけ通勤手当ただなんてことはないわけで、女性は僅か三五・二%しか通勤手当もらっていないんですよ。まさに、今回改正されたことで、様々な差別が解消されるのかというのを聞きたいんです。
 局長、これ、通勤手当出さないと三十条の三に反するということでよろしいですか。
#187
○政府参考人(宮川晃君) 先ほども申しましたように、具体的な案につきましてはガイドラインの中でお示しするという形で考えておりまして、ガイドラインそのものについては労働政策審議会においての議論を踏まえて確定させるということになっておりますので、そういう意味で、語尾がそういうふうな形で答弁させていただくことを御了解いただいた上で、基本的な考え方としましては、この派遣労働者に対しても無期雇用フルタイム労働者との同一を支給しなければならないという基本的な考え方は、考え方として、そういうものとして考えております。
#188
○福島みずほ君 局長の今の答弁で、次に私が質問するときに、派遣の人たちの通勤手当が一〇〇%支給になっているようなことをやってくださいよ、厚生労働省。つまり、今度の働き方改革の、労働契約法二十条を廃止してパート法に一元化する派遣法の改正やった、しかし、実はほとんど変わらないんですよ、変わらないんですよ。今、すさまじく差別があって、十対六ぐらいの賃金、パート、そして派遣の人たちは、象徴的に言うと、通勤手当すら本当に払われていない、この状況を変えてもらいたいんですよ。それに牙をむくのが法律でしょう。でも、そうなっていないというふうに思うから。
 局長、次に質問するときは、派遣の皆さんが一〇〇%通勤手当をもらっているように、厚生労働省頑張るという決意を示してください。
#189
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申し上げました考え方に基づきまして、ガイドライン案の作成に臨みたいと思っております。
#190
○福島みずほ君 頑張ってください。
 時間ですので終わります。
#191
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日は、福島先生に続きまして、精神科領域の身体拘束について質疑させていただきたいと思います。この問題につきましては、私どもも精神障害者福祉に関する法律を改革するときに議論をさせていただきましたけれども、附帯決議も付けたんですが、残念ながら廃案となってしまったがために、それがどのような形で今後反映されていくのかも最後にお伺いをさせていただきたいと思っております。
 皆様方にも資料をお配りいたしております。二枚目を御覧ください。精神障害者の身体拘束が増えて、このことにつきまして大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、まずお聞かせいただけますか。
#192
○国務大臣(加藤勝信君) 厚労省が行っている調査では、精神科病院で身体拘束を受けた患者数は増加傾向にあって、平成二十七年には一万件を超えると、こんな状況に至っております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 もちろん、精神保健福祉法上、精神科病院における身体的拘束については、精神保健指定医の診察により、患者の医療と保護のために必要と認めた場合に限り必要最小限の範囲内で行うことができるということで、例えば具体的には、自殺を企図する、自傷行為が著しく切迫している場合等々であって、他に代替する方法がない場合には身体的拘束の対象になり得る。そして、精神科病院における身体的拘束が行われる場合であっても適切に実施されるということが重要だというふうに考えておりますが、ただ、いずれにしても、多分、先ほど福島議員とも御議論させていただきましたけれども、厚生労働科学研究班においては身体拘束の実態把握のための調査の在り方について検討がなされているわけでありますので、この研究班の議論の結果も踏まえて必要な対応を考えていきたいと思います。
#193
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その在り方について考える、考えて調査をする、調査をして施策をする、一体何年先になるのかということなんです。それが一番の問題ではないんですか。
 今現在、精神病床というものが日本には三十三万床ございます。その中に、二十九万人の方々が入院していらっしゃいます。このうちの十九万人が一年以上長期に入院している、こういう実態もございます。
 残念なことながら、昨年五月に、ニュージーランドの若い男性が日本に、日本が好きだから、もっともっと子供たちに英語を教えたいということで来日していらっしゃいました。その中で、拘束をされることによって心肺停止になり、死亡をしてしまった。私も、お兄さんのお話も伺わせていただきましたし、それに関わる様々な方々のお話も伺わせていただきました。
 でも、先ほど御報告したように、長期入院というのもこれ日本独特なんですよね。身体拘束というものは、世界的に言ってももう排除されるような方向で施策が打たれているにもかかわらず、日本だけが、やはり、なぜこれだけ伸びていかなきゃいけないのか、一万以上という数がいまだにあるのか、ここを私はしっかり議論していかなければならないと思っております。
 だから、精神科が悪いと、そう言っているわけではないんです。やはりそこに何か隠された問題があるのではないのか、制度的にも様々考えていかなければならないことがあるのではないか、やはりこの減らない理由について分析をしていらっしゃるかと思いますけれども、部長、教えていただけますか。お願いいたします。
#194
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 私も直接ケリーさんのお兄様からお話をお伺いしましたが、思いは委員と同じだと思いますが、精神病床における身体拘束の数が減少しない理由として、比較的症状が激しい急性期の入院患者さんが増加しているのではないかなどということが考えられますが、現時点で明確にこれだというものがあるわけではございません。
 このようなことから、先ほど御指摘もいただきましたが、厚生労働省では、その身体拘束の実態について分析することが重要と考え、現在厚生労働科学研究、先ほどの山之内班でございますが、において、当事者とか弁護士の方にも御参加、議論に参画いただきながら研究を進めさせていただいているという状況でございます。
#195
○薬師寺みちよ君 この身体拘束について、では実態調査は行われないという理解でよろしいですか。
#196
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今も申し上げましたが、厚生労働科学研究、山之内班の方で、精神病床における隔離とか身体拘束の実態を把握し、今後必要な対策を検討するための調査の在り方について議論をさせていただいているというところでございます。
 実際、ちょっと研究班の進捗が遅いのではないかという御意見が先ほどの福島委員も含めてございましたが、どのような調査が可能であるかというところを検討しているところでございますけれども、その中で、研究班の中でも調査設計とか質問項目等についてなかなかその班員の中でコンセンサスをつくっていくというのに時間を要しているというふうにお伺いしておりますが、現在も引き続きそういうことで検討を進めているということで、厚労省としてはそういう、先ほど福島委員からも御指摘ありましたが、研究班を支援しつつ、研究班における議論の進捗状況というのを注視してまいりたいというふうに思っております。
#197
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 医療になるとそうなんです。でも、介護はもっと進んでいますよね。今回、介護報酬でも反映をされてきております。身体拘束廃止未実施減算というものが五%から一〇%ということで、介護の場面では、やはり高齢者や障害をお持ちの皆様方になるべく拘束というものを行わないようにということで、各施設でもガイドラインを作り、そしてそれを周知徹底をするということもなされているわけです。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 じゃ、なぜそれを医療でできないんでしょうかということです。介護施設と医療施設と、もちろん専門性に差はございますけれども、今できることということもあるんではないですか。
 調査を待って、その調査の方法を研究する、調査をする、それから実施する。その間に、じゃ、先ほどもお示ししたような悲しい事件が何件起こったらいいんでしょうということも考えなければなりません。なぜならば、この今入院していらっしゃる方々の四六%の方々というのは医療保護入院、措置入院という、自分の意思によらず強制的に入院させられている方々です。ですから、そうでもない、自分の意思ではないにもかかわらず治療を受けさせられてしまった、で、そこで不幸な事故に遭ってしまう。しっかりと私は今できること、スピーディーに進めていくべきだと思います。
 一部の先生方、今必死にこの問題について真っ正面から向き合ってくださっていらっしゃいます。そういう好事例など、そしてその介護の施設でやっぱり何が今問題になり、そしてこれからどうやって一緒に介護と医療を進めていくべきなのかということを考えていかなければ、医療だけが遅れてしまうことになってしまいます。
 この身体拘束によって発生してきた事故と、いわゆる事件というものも様々報道がなされておりますけれども、その件数につきましても厚労省は把握していらっしゃいますか。お願いいたします。
#198
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今御質問のありました身体拘束によって発生した事故や事件の件数については、現時点では厚労省では把握しておりません。
#199
○薬師寺みちよ君 しっかり把握しませんか、部長。やはり、それによって何が起こってきているのかということが、実態が分からないからこそなかなか手当てが進んでいかないということもあり得るかもしれません。
 様々な報道の中で、私も先日新聞で目にした、もうこれも悲しいなと思ったんですけれども、不当に身体拘束七十七日間受けてしまった女性が病院などを提訴へというふうな動きもございました。
 そこで、いろいろ調べておりますと、最近調査が出てまいりました。皆様方のお手元にもその資料、お配りをさせていただいております。実は、病院でどのような調査をするかというよりも、当事者の皆様方にどのような調査がなされているかということで調べてみると、ここで出てきたのがこの全国精神保健福祉会連合会の調査でございます。
 これの調査によりますと、精神障害者に四人に一人が入院時に身体拘束をされていたという調査結果となっております。じゃ、その期間はどのくらいなのか。最も長く拘束を受けた期間はというところで、四割の皆様方が四十八時間以上、いわゆる二日以上拘束されていたということになります。二十四時間以内も三二・九%ということでございますけれども、やはり長期間ずっと拘束されたままだということがここではうたわれております。
 ですから、一刻も早く、やはりどういう形で正しく適正化をしていくべきなのかということを、介護もその適正化によって正しく、いわゆる介護を受けていらっしゃるような方々の命も守りながら自分たちも介護ができているかというような議論が進んでいったかと思いますけれども、医療の中でも私はそれを進めるべきだと思いますけれども、ガイドラインもお示しいただけていますか。部長、教えてください。
#200
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 精神科領域におきましては、精神科病院におけるその身体拘束につきましては、委員も御案内だと思いますけれども、精神保健福祉法及び告示におきまして、精神保健指定医の診察により、患者さんの医療と保護のための必要性が認められた場合に限り、必要最小限の範囲内で行うことができることや、対象となる患者さんや遵守事項等について定めているところでございまして、また、そういう手続等がしっかり取られているかというのは各病院の実地指導などで把握させていただいているということで、徹底して取り組んでいるというところでございます。
#201
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 でも、先ほど死亡した事例を私お話ししましたけれども、結局ずっと拘束されっ放しで、エコノミー症候群、いわゆるやっぱり血栓がどこかにできてしまったという可能性がかなり高いということも分かっております。そういう拘束の仕方ということをいわゆる医療の中で行ってしまってはいけませんよね。それがために、実は肺血栓塞栓症予防管理料という中にも精神病棟における入院患者が拘束される際にこれも要求できますよということになっているわけです。でも、これちょっと本末転倒ですよね。そうならないためにどういう拘束にすべきかということをまず議論していただくべきだと私は考えております。
 そこで、何か予防的に弾性ストッキングをはかせて血栓ができないような形にして拘束をするんではなく、どういった環境であれば拘束をしなくてもいいように患者様が落ち着いていただけるのか、かつ、その意識がかなり戻っていらっしゃって普通に会話ができるような状態でもやはり拘束をされていた等々の報告も見受けられております。強制的にお薬を飲まされてしまった、いろいろなことの事例の中で導尿なども報告をされておりますけれども、そうやって、しっかり、既に患者様方が苦痛を受けている、だからこそ暴れてしまうということも容易に想像ができます。
 このような背景の中に、私も精神科のドクターからも話を伺ったときに、いろいろな問題点を指摘されました。やっぱり不足しているんではないか。夜中になかなか見回りができない中で、緊急な患者様方がいらっしゃったときに、その手がないがためにどうしても、もう心はすごく自分としてはやりたくないんだけれども、やはり縛らなければならないようなそういうときもあった。
 ですから、私は、これ縛るか縛らないか、拘束するか拘束しないかというだけではなく、精神科の医療提供体制自体も見直して、包括的に考えていくべきだと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#202
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員の方から精神科の医療提供体制についての問題点についても御指摘をいただきましたが、例えば医療法で定めております人員配置基準というのが最低基準を定めたものでございますけれども、診療報酬におきましては患者の状態像や特性に応じた適切な医療が提供されるように更に措置されているところでございます。具体的には、診療報酬上、一般病床と同程度の配置を行った上で、精神科救急や精神疾患患者の身体合併症医療を行っている精神病棟についてはより高い評価を行っているというようなことがございます。
 それ以外の御指摘もございましたが、精神科病院における隔離とか身体拘束に与える影響につきましては、なかなか現時点でこれだと明確に言えるものがないところも事実でございまして、繰り返しになりますが、先ほど来から申し上げている研究班の成果も踏まえながら、適切な精神科医療ができるように、更に必要な対策の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#203
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、部長、教えてください。実際にその調査が行われるのはいつになるんでしょうか。調査が行われて、それがしっかり政策に落とし込まれるのは一体いつになるんでしょうか。お願い申し上げます。
#204
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 これは、先ほど来お答え申し上げておりますが、今研究班の方で様々な意見があって、その調査項目とか調査方法についてまだなかなかコンセンサスが得られていないというような状況でありますので、今の段階で私の方からいつまでにというのはなかなかお答え申し上げにくいところですけれども、この研究班につきましては、三十年度までの研究事業となっていますので、その範囲内で一定の成果が得られるように、先ほど福島委員からも御指摘ありましたが、厚生労働省としてもできることがあれば支援していくと、その中でしっかり成果を出していただけたらというふうに考えているところでございます。
#205
○薬師寺みちよ君 三十年度にどういう調査をするのかということを決めるわけですよね。決まるかもしれないというところです。そして三十一年度に調査をし、そして三十二年度出てくれば一番早いということになってしまいます。でも、もう既にできることから始めていっていただきたいということで私は先ほどから要望させていただいております。
 大臣、いかがですか。もう少しスピーディーにお願いできませんか。
#206
○国務大臣(加藤勝信君) この間、どういう調査をするかについていろいろ、かんかんがくがく議論があったということで今部長の答弁になっているというふうに思います。
 こういった話はやっぱりそれぞれコンセンサスを取りながら進めていくということでないと、また調査結果に対する信頼性ということにもつながっていくわけなんで、その辺は慎重に進めながら、ただ、委員御指摘のような身体拘束における課題というものも今、あるいは問題というものも生じているのは事実でありますから、その辺をよく念頭に置きながら、この実態の把握、そして、それから、含めた必要な対策、それについてできるだけスピード感を持って取り組ませていただきたいと思います。
#207
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今まで調査が行われなかった方が私はおかしいと思うんです。これだけ問題点が指摘されていながら、それもできていないということの中で、やはり私は、そうであれば、精神保健福祉という意味におきましても、前回、改正をするということで参議院では議論させていただきました。しかし、廃案となった今、あの中にも必要な内容が含まれておりますし、今度出し直すのであれば更に充実して私は内容を盛り込んでいただきたいと思っております。それは、患者様方のために一体何が今足りないんだ、不足しているんだということも併せてお願いをしたいと思っておりますけれども、大臣のお考え、聞かせていただけますですか。お願い申し上げます。
#208
○国務大臣(加藤勝信君) 精神保健福祉法改正案についてということでよろしいでしょうか。
 前通常国会において、参議院で一部修正の上、可決をいただきました。その後廃案となったところでありますけれども、その際にも、野党を中心に様々な御意見をいただくなど長時間にわたる審議、十八項目に及ぶ附帯決議も付されたというふうに承知をしております。
 これからこの法案をどうするかということでもお話がありますけれども、本年三月に、措置入院者等が退院後に必要な医療の支援を受けられる退院後支援のガイドライン、これを発出をさせていただきまして、現行法下においてもどういう対応が可能なのか、現行法下における可能な対応について、自治体について積極的な取組を促させていただきました。
 こうした取組をしっかり進めていく中で、実際そうした実態も踏まえて、その上でこの法案についてもより深い検討をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#209
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やっぱりあのままではなく、できることは速やかに、そのために私どもは附帯決議を考え、そして付けさせていただきました。あの中には様々な議員が今まで培ってきた知見が詰まっておりますので、それを排除することなく取り入れていただきますことを最後に私からお願いをいたしまして、質疑を終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#210
○委員長(島村大君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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