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2018/03/23 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第3号
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2018/03/23 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第3号

#1
第196回国会 文教科学委員会 第3号
平成三十年三月二十三日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     渡邉 美樹君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     今井絵理子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                蓮   舫君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣府公益認定
       等委員会事務局
       長        相馬 清貴君
       消費者庁審議官  小野  稔君
       文部科学大臣官
       房長       藤原  誠君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       山下  治君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成三十年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成三十年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (文部科学省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 林文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林文部科学大臣。
#3
○国務大臣(林芳正君) 本日は、名古屋市立の中学校において前文部科学次官が総合的な学習の時間の授業で講演を行った件に対する文部科学省による事実確認等について、私からその概要を御説明させていただきます。
 まず、本件の経緯について御説明をいたします。
 二月十六日金曜日に、名古屋市立の中学校において今回の授業が実施されました。翌日の十七日土曜日の中日新聞にこの授業の記事が掲載され、赤池誠章参議院議員から官房長に対して、報道にあった前川氏の授業について確認の依頼がありました。
 十九日月曜日、官房長から連絡を受けた初等中等教育局において、池田佳隆衆議院議員から当該記事の提供を受け、その内容を確認し、その後、名古屋市教育委員会に電話で事実関係を確認し、名古屋市教育委員会から関係資料の提供を受けました。赤池議員に対しては二月二十日火曜日に、池田議員に対しては二月二十二日木曜日に、初等中等教育局から名古屋市教委に確認した内容の御説明を行っております。
 その後、三月一日木曜日、五日月曜日、六日火曜日、七日水曜日と、初等中等教育局と名古屋市教育委員会との間でメールでの質問と回答のやり取りを二回ずつ行いました。
 なお、池田議員に対しては三月一日木曜日に質問内容について情報提供を行い、その後、それに対するコメントをいただき、このコメントも参考に、初等中等教育局において質問内容を一部修正しました。しかし、この修正はあくまで初等中等教育局の主体的な判断で行ったものであり、議員の指示によるものではありません。
 その後、初等中等教育局から七日水曜日に宮川大臣政務官、八日木曜日に丹羽文部科学副大臣、そして十二日月曜日に私に報告がございました。
 次に、事実確認を行った理由について御説明いたします。
 本件につきましては、前文部科学事務次官という文部科学行政の事務方の最高責任者としての地位にあった者が中学校という公教育の場で授業を行ったという事例であると承知をしております。この授業を行った前次官は、いわゆる天下り問題等に関わって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされた者であり、このような事例について、担当の初等中等教育局において、こうした背景も踏まえ、授業の狙いや内容、前次官を招いた理由や経緯など、今回の件が適切な教育的配慮の下で行われたものであったかどうか等について確認する必要があると考え、初等中等教育局の判断により教育委員会に対して質問を行ったものです。
 ただ、このような事実確認を行うに当たっては、教育現場において誤解が生じないよう十分に留意するべきことは当然であり、そのような観点からは、今回の書面についてはやや誤解を招きかねない面もあったと考えられるため、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要がある旨、最初に報告がありました三月十二日月曜日に私から初等中等教育局長に対して注意をしたところでございます。
 以上が本件の概要でございます。
 文部科学省としては、今回の事案を踏まえ、教育現場に対し、より一層丁寧な対応に努めてまいる所存です。
 委員各位の御理解をよろしくお願いをいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府公益認定等委員会事務局長相馬清貴君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(高階恵美子君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○神本美恵子君 民進党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、議題は委嘱審査でございますけれども、今大臣からの御発言もありましたこの名古屋市立中学校の総合的な学習の時間の授業について、これは教育現場への不当な介入ではないかというようなことで大変大きな問題に今なっておりますので、これについて御質問をまずしたいと思います。
 今大臣の方から経緯とそれから調査をした理由ということでお話がございましたけれども、この経緯についてもう少し詳しくお伺いをしたいと思います。その前に、まず、調査した理由とおっしゃいましたけれども、これはどういった根拠に基づいた調査だったのか、その目的は何なのかということを改めてお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(林芳正君) 本件につきましては、前文部科学事務次官という文部科学行政の事務方の最高責任者としての地位にあった者が中学校という公教育の場で授業を行ったという事例と承知をしております。前川氏は、いわゆる天下り問題等に関わって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされた方であり、このような事例について、担当の初等中等教育局において、こうした背景も踏まえ、授業の狙いや内容、前川氏を招いた理由や経緯など、今回の件が適切な教育的配慮の下で行われたものであったかどうかについて確認する必要があると考え、初等中等教育局の判断により教育委員会に対して質問を行ったものであると承知をしております。
#9
○神本美恵子君 私も学校現場に身を置いておりましたので、様々な授業あるいは観劇とか、行事の中で演劇を見るとか、文化的な行事の中で外部の方をお呼びしたりすることがあります。そういうときに、教育的な配慮はもちろん学校長を中心に学校の中で考えるわけです。それは教育委員会の規則にのっとった中でやるわけですけれども、今回、元事務次官が違法行為の処分を受けた、そのことを理由に調査をするということがどうも解せないという問題意識から、至った経緯についてもう少し詳しくお伺いをしたいと思います。
 きっかけは自民党議員から官房長へのメールと聞いておりますが、そのメールの具体的な中身はどういうものだったんでしょうか。
#10
○政府参考人(高橋道和君) 官房長から、あるいは赤池議員からお聞きしているところによりますと、まず二月十六日に名古屋市立の中学校において今回の授業が実施をされました。そして翌日、二月十七の中日新聞にこの授業の記事が掲載され、赤池誠章参議院議員から官房長に対して、この報道にあった前川氏の授業についての確認の依頼があったと聞いております。
#11
○神本美恵子君 授業についての確認の依頼、新聞記事にどういう内容だったかというのは出ているんですけれども、何を確認してほしいという依頼だったんでしょうか。
#12
○政府参考人(高橋道和君) 私自身はそのメールを見ておりませんが、国家公務員法違反の人が教壇に立つことについて問題がないのかといった趣旨の確認の依頼であったと承知をしております。
#13
○神本美恵子君 それをきっかけに名古屋市教委に電話で初中局から事実確認をされているように経緯はなっておりますけれども、その電話確認で何をどのように確認をしたんでしょうか。
#14
○政府参考人(高橋道和君) まず、新聞記事を私どもは入手して、この件については先ほど大臣の答弁にもございましたように、教育行政の事務方最高トップだった方が、自らの非違行為で停職処分相当という、そういう方が教壇に立ったことについては、こちらとしてもその内容や経緯については確認しておく必要があると、これは初中局として判断をいたしまして、まず二月十九日に、これは電話での問合せでございますが、そういった内容について教えてほしいということを依頼いたしました。それに関しまして、教育委員会の方からは、その授業の全体計画その他当日の簡単な内容に関する資料を送っていただいたところでございます。
#15
○神本美恵子君 電話でそういう違反をした人を講師にしたことについてもやり取りをして、その理由なども電話で聞かれたんですよね。
#16
○政府参考人(高橋道和君) まず、当初は電話でお願いをいたしました。ただ、送っていただいた資料から授業の内容についてはある程度分かる部分はありましたけれども、この前事務次官を講師として依頼するに至った経緯などについては必ずしも十分そこの経緯が分からなかったものですから、これについてはその後文書による照会をしたと、そういう経緯でございます。
#17
○神本美恵子君 法令違反をした人を講師にしたことの経緯がなぜ必要なのかというのが私には理解ができないんですけれども、法令違反をした人はこういう講師に呼んではいけないという基準か何かあるんですか。
#18
○政府参考人(高橋道和君) 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、前川次官は、いわゆる天下り問題に関わって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされた方でございます。私どもといたしましては、こうした背景も踏まえて、授業の狙いや内容、前川氏を招いた理由や経緯など、今回の件が適切な教育的配慮の下で行われたものであったかどうかについて確認する必要があると考えて問合せをしたものでございます。
#19
○神本美恵子君 いや、私が聞いているのは、そういう、例えば何かの法令違反をした人が講師になるということは駄目だというような何かそういう根拠、基準があるんですかということを聞いているんです。
#20
○政府参考人(高橋道和君) 基準があるということではなくて、先ほど申し上げましたようなことを背景に、初中局としては、今回のこの理由や経緯などについて、教育的配慮の下で行われたものであったかどうかについて確認する必要があると考えたということでございます。
#21
○神本美恵子君 基準がないのに更に調査が必要だというふうに判断をしたということで、二月十九日に電話確認して、その後、三月一日のメールによる事実確認までの間、十日間ほど間が空いているんですよね。その間に、赤池議員に二月二十日、二月二十二日に池田議員に報告をしたと、その電話で確認したことの御報告だと思うんですけれども。そうしたら、池田議員から更に調査せよと言われたと、これは党のヒアリングで事務方の方から聞いたんですけれども、更に調査せよと言われた。それは、具体的にはどのような指示だったんでしょうか。
#22
○政府参考人(高橋道和君) 私が把握している内容といたしましては、二十日に赤池参議院議員に、二十二日に池田衆議院議員に、名古屋市教育委員会からまず一回聞いた内容の報告を説明をいたしました。それに対して、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、前川前事務次官を講師として依頼した背景などについては、経緯などについては必ずしも十分まだ分からないことがあったものですから、更に名古屋市の教育委員会については確認をすることを考えておりますといった趣旨のことを申し上げて、池田議員からは、それではまた何か分かったら教えてほしいと、そういったやり取りがあったと承知をしております。
#23
○神本美恵子君 更に調査が必要だと判断したのは文科省だとあくまで言いたそうですけれども、その更に調査する根拠が、基準もないのに調査するというのはとても無理があります。それから、議員が更に調査してほしいと、分かったらまた教えてほしいと言ったことは、これは議員としてあるまじきことだというふうに思いますけれども、そのことについてはまた続けていきたいと思います。
 この情報提供を池田議員にされたんですよね、メールを名古屋市教委に送る前に。それは、なぜそれが必要だったのかということと、それから、コメントをもらって二か所修正をしたとされていますけれども、それも文科省の主体的な判断ですか。
 まず、なぜ見せる必要があったのかということ。
#24
○政府参考人(高橋道和君) 御答弁する前に、恐縮でございますけど、先ほど議員の方から、党のヒアリングで文科省から、池田議員から更に調査せよと言われたという発言があったということでございますが、私としては、私どもの職員がそういった説明をしたということはちょっと承知しておりませんので、そこはちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 それから、今回、事前に池田議員のところに質問状をお届けしたことは、池田議員のある意味では御地元のことでもあり、関心もお持ちだったということですので、言わば国会議員の先生に対して丁寧な対応をさせていただいたということで、それ以上のものではないと認識をしております。
#25
○神本美恵子君 党のヒアリングで聞いたのは三月二十日です。民進党の部会でのヒアリングで、たしか淵上課長だったと思いますけれども、そのようにおっしゃいました。赤池議員に二十日、二十二日に池田議員に状況報告をしたら、池田議員から更に詳細に調査をしてほしいというようなことがあったという答弁がありましたので、私はちゃんとここに、淵上さんそこにいらっしゃいますけれども、メモをしております、淵上さんの発言としてですね。なので、それは確かなんですけれども。
 丁寧に対応した、これは逸脱だと思いますよ。国会議員からは、まあそういう情報提供があって、それについて主体的に文科省が判断した、そこもちょっとまだ私は大きな疑念があるんですけれども、主体的に判断をしたら判断したまんまをやればいいんじゃないですか。丁寧に対応したとそれは言わないんだということを申し上げておきたいと思います。
 しかも、修正された箇所は、講師の交通費、謝金の支出については、支出したかと、その金額がなぜ必要なのか、また動員があったのかとかいうようなことがなぜこの授業に対して必要なのか、これは議員とどんなやり取りの中でこれを入れたのか、それを必要だと文科省がなぜ判断したのかを教えてください。
#26
○政府参考人(高橋道和君) まず、部会でのヒアリングの件につきましては、淵上課長からはそういったことは言っていないということを私は聞いておりますので、なお確認をさせていただきたいと思います。
 それから、池田議員とのやり取りはごく短時間の短いものでありまして、池田議員からは、経費の出どころを聞いているのにこれ金額は聞かないのかなみたいなお話がありました。私もちょっとそこは、確かに金額を聞いておいた方が事実関係をより正確かつしっかりと把握できるというように思いましたので、それは私の判断として、課長にあるいは担当補佐に、そこは修正をしたらどうかということを指示をした記憶がございます。
 それから、動員につきましては、ちょっと私どもとして余りそういうような発想がなかったんですけれども、やっぱり平日二百人ということになるとそういうような発想というのがあるのかなと、これは私としてはそういう気付きがありましたので、そういったことを少し事実関係を多角的に確認するようにしようと思って、これも私の判断で追加するように指示をしたと、そういう経緯でございます。
#27
○神本美恵子君 もう本当に情けなくなりますよ、文科省。その支出、講師の謝金とかそういうものはちゃんと教育委員会の規則とか学校の規則であるわけで、それに基づいた支出がされているということまで疑ってしまうと、これはもう本当に文科省、どこまで立ち入るのかということが一つと、それから動員については、これ動員という言葉、私も元労働組合の役員をしていて昔使っていましたけど、今そんなの使いませんよ。
 それから、学校でいろんな公開授業とか、さっきから言っているような文化的な行事をするときに、PTAの役員さんは是非各学年一名は来てくださいねとか、そういうのを動員というのかどうか知りませんけれども、参加要請をします。で、そういう参加要請があったかなかったかというのが何でここで文科省としてそれが必要なのか、必要だと判断したのかという、もう本当に、文科省しっかりせいと、本当に言いたいです。
 大臣、今までのこの経緯を聞いて、政務三役がいらっしゃるのに、丁寧にそのきっかけをつくった議員の方からの意見を聞いて、文科省が主体的に判断してやる調査の内容まで変えたということについて、そこに政務三役には何の相談もなくてやられたということについて、どうお考えですか。
#28
○国務大臣(林芳正君) この調査そのものは法令に基づいてやったということは記者会見等でも私からも説明を申し上げておるところでございまして、その法令の下に文書決裁規則というような、まあ内部のルールが、委員も御存じのとおりだと思いますので、そういうことに基づいて、法令や規則に基づいてやったという意味では法令や規則上の問題はないと思っておりますが、与党の先生方からいろんな問合せ等があったということでもありますので、振り返ってみれば、我々に報告、連絡、相談があってもよかったのかなということで、その旨も注意をしたところでございます。
#29
○神本美恵子君 大臣はそのように記者会見でもおっしゃっておりましたので、分かっているんですけれども、政治家からの圧力ではなくて、あくまで文科省の主体的な判断というふうにされています。
 今大臣も法令にのっとってやったことなので問題ないというふうにおっしゃいましたけれども、どの法令に基づいて行った調査になるんですか、これは。
#30
○政府参考人(高橋道和君) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条は、文部科学省が教育委員会に対して、教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言、援助を行うことができるとしており、同法五十三条では、その権限を行うため必要があるときは、必要な調査を行うことができるとしております。
 私どもとしては、この五十三条に基づいて事実確認を行ったものと考えております。
#31
○神本美恵子君 今、地教行法を出されました。五十三条、確かに調査や、それから四十八条の指導、助言、援助ということが書かれておりますが、同じ地教行法三十三条、どうなっていますか。
#32
○政府参考人(高橋道和君) 済みません、ちょっと今手元に条文がないんですけれども、教育委員会の権限について書かれていた条文であったのではないかと記憶しております。
#33
○神本美恵子君 通告していませんでしたので、私の方で申し上げます。
 地教行法第三十三条、教育委員会が、その所管する学校の教育課程、教材の取扱いその他の管理運営の基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるというふうになっております。
 それから、学校教育法三十七条においては、校長が、校務をつかさどり、所属職員を監督する。つまり、教委の規則にのっとって校長の監督と責任の下で教育、授業内容の企画立案がされ、実践がされる、こういう教育行政の仕組みになっております。
 そのことは御承知だと思いますけれども、今回の調査は、この地教行法三十三条及び学校教育法三十七条を逸脱していると考えませんか。
#34
○政府参考人(高橋道和君) 委員が今述べた条文の基本的な考え方はそのとおりであると認識しております。
 その上で、指導、助言、援助の必要がある場合には五十三条において調査をすることができるという規定をしておりまして、私どもとしては、今回はその規定を逸脱したものであるとは考えておりません。
#35
○神本美恵子君 後で聞きたいと思いますが、この調査項目を見ると本当に、皆さんのお手元にも資料を配っておりますが、信じられないような、適正な授業が行われていたのかどうか地教行法に基づいて調査をするには余りにも、余りにもこれは踏み込み過ぎ、立ち入り過ぎ。三十三条、学校教育法三十七条を逸脱した内容だというふうに思います。
 十五項目もありますけれども、授業の狙い、達成状況、講師の経歴と、報道を基にして、こうした背景を持つ講師は問題だよと言わんばかりの、これは質問項目の三番ですね。そういう文科省の評価をにじませている。講師選定、教材の選定は学校現場、校長の監督責任の下で行われるはずなのに、文科省がこういう人問題ですよと言わんばかりの質問項目。それから、講師と校長の関係を問う、個人的な関係を問う。公開授業という授業形式を問う、これは今もう開かれた学校といって文科省は大いに推薦しているこういう公開授業という形式、授業形式まで問う。それから授業の録音テープまで出せと。
 こういうことは、私はもう本当に経験ありません、二十一年間学校現場におりましたけれども。教育委員会がいろいろ事前に指導はありますよ。だけど、文科省がじかに地方教育委員会を通して学校現場のこういう授業の在り方を問うようなことは、幾ら指導、助言が必要かもしれないと思ったにしても、余りにもこれは逸脱している、ここまで監視するのか文科省がという思いですけれども、これは教育への介入になるとは考えなかったんですか。
#36
○政府参考人(高橋道和君) 繰り返しになって恐縮でございますが、文科省が必要に応じて教育委員会等に対して問合せや事実の確認は、これは通常行っているところでございます。
 ただ、このような事実関係の確認を行うに当たっては、教育現場において誤解が生じないよう十分に留意するべきことは当然でありまして、そのような観点から、今回の質問状については、大臣からは、やや誤解を招きかねない面もあったと考えられるため、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要があるといった注意を受けたところでございます。
 今回の事案を踏まえて、教育現場に対し、より一層丁寧な対応に心掛けてまいりたいと考えております。
#37
○神本美恵子君 誤解を招く表現というふうに繰り返しおっしゃっていますけれども、二回目、再質問ですね、再質問の二ですけれども、回答三について、また、バー云々については良心的な目的であったことが報道されています、いずれも今回の講演を依頼する障害になるとは考えませんでしたという名古屋市教委の回答に対して、報道の中には、更に追い打ちを掛けて、出会い系バーに頻繁に出入りしたことや教育行政のトップとして不適切な行動であること、文部科学省は青少年の健全育成などを所管しているのだから、そのトップは当然、一般よりも厳しい倫理行動規定を自ら課さなければならない。違法な店ではなかったとしても、国民から不適切な行動だと言われても仕方がなく、疑われるような行動は取るべきではないといった報道も見られます。これらの報道について、校長は認識されていたのでしょうか。
 私が校長だったらもう怒り狂いますね、これは。文科省に自分の校長としての識見、判断をここまで、ここまで言われるのかと。こんなこと、本当に文科行政、文部省は教育行政のトップとしてやっていいんですか。いかがですか。大臣、どうですか、これについて。
#38
○国務大臣(林芳正君) 既に会見等で申し上げておりますが、先ほど局長からもありましたように、こうした事実関係の確認を行う際には表現ぶり等について十分留意をする必要があるというふうに注意をしておりますが、たしか大島先生の御質問だったと思いますけれども、例えばどういうところがというふうにお問合せがありましたので、この場でもその言葉自体を出すこと、私はまだためらいがございますが、報道に基づいて得た情報について質問しているところの表現ぶりでございます。
 処分があったということは、文科省として規則に基づいてやったことでございますから、そのことについてただすということについては、表現ぶりはともかくとしてあるのかなという印象を持ちましたけれども、もう一方の方は報道に基づくものでございますので、その報道に基づいてのお問合せをするときには十分注意が必要であるんではないかと、そういうふうに思い、そういう旨の注意をしたところでございます。
#39
○神本美恵子君 処分を受けたということについて、それは講師に呼んでは駄目だという明確な基準は先ほどから何もお答えになっておりません。
 それではなくて、この報道によってやったことは、やはりちょっと表現ぶりに問題があるというような大臣の認識のようですけれども、先ほど言いましたように、こういったことが校長の判断や教育委員会がそれを認めてやったということに対する大変な圧力になるんですよね。これがどれだけほかの学校、全国に萎縮効果をもたらすかということ、本当に講師を選定するときまで文科省の顔色をうかがわなきゃいけないのかと、全国の教育委員会、地方教育委員会や学校の校長さんたちに、あるいは教職員に思わせてしまうというようなこれは非常にゆゆしき問題だと思いますが、それだけではなくて、教育基本法第十六条「教育行政」のところには、「教育は、不当な支配に服することなく、」というふうに定められておりますが、この条文の意味するところ、歴史的な経緯も含めてお答えください。
#40
○政府参考人(高橋道和君) 恐れ入ります。
 教育基本法第十六条は、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」、こう規定されております。
 これにつきましては、教育には政党とか官僚とか、その他全体を代表しない意見に左右されない、そういったような趣旨を踏まえて従来の教育基本法に規定されていたものが、現在の教育基本法にも今私が申し上げたような条文として規定されているものと理解をしております。
#41
○神本美恵子君 局長、ちゃんとお答えになりました。
 私、ごめんなさい、通告していなかったんですけれども、これは教育行政の基本のキですから、教育基本法の十六条、教育行政に、教育は、政党や政治あるいは官僚的な支配に服することなく、不当な支配に服することなく、直接国民全体に責任を負うべきものであると。これは、残念ながら第一次安倍政権で改悪されてしまった今の十六条の前の教育基本法第十条に書かれていた文言です。もう覚えていらっしゃる方は少ないかもしれませんけれども、旧教育基本法第十条には、教育は、不当な支配に服することなく、直接国民全体に責任を負って行われるべきものであるというふうになっています。政治や教育行政の不当な介入を禁じているんです。
 その観点から見ると、今回のこの調査、項目もそれから手法も、私は、本当にこの教育基本法第十六条を逸脱しているのではないか、不当な介入になっているのではないか。そのことが何を招くのか。先ほど、学校や教育委員会の萎縮効果と言いましたけれども、それだけではなくて、なぜこういう、戦後の教育基本法にこの条文が盛り込まれたか。結局、国が一つの教育の目標なり狙い、授業の在り方を定めて、それに従わなければ、従わないところには、追放したり処分したり排除したりしてきた、それで軍国主義教育に突っ走っていって、あの敗戦になっていったという大きな教育の負の遺産があるわけです。
 それを封じるためにこの十六条が設けられているのに、その十六条で禁じている不当介入を犯したのではないかという自覚が私は文科省には必要だと思いますけれども、これについての大臣の認識をお伺いします。
#42
○国務大臣(林芳正君) 国会で御審議をいただいて今の法律になっておりますので、今の十六条に基づいて御答弁をしたいと思いますが。
 まさに、今委員からお話があったように、十六条には、「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」と、こういうふうに書いておるわけでございまして、まさにこれ、教育基本法でございますから、教育行政を行うときの基本原則と、こういうことでありまして、人格形成の途上にある児童生徒に対して重大な影響を与えるものでありますから、とりわけ政治的中立性や公正性が保たれることが重要であると、こういうふうに考えておるところでございます。
 今回の件につきましては、その下にあります地方教育行政法という法令に基づいて行った調査ということでございますので、教育基本法が一番の基本法としてある中の法体系の下で、その法令に基づいて行った調査ということでございますが、その表現ぶり等については誤解を招きかねないということで私から注意を申し上げたのは先ほど御答弁させていただいたとおりでございます。
#43
○神本美恵子君 大臣ね、誤解を招く表現ではないんですよ、これは。
 教育基本法第十六条が禁じている介入に値するような逸脱調査であるということを大臣には認識してもらわないと、本当にこれからまた繰り返されるのではないかという、国の教育行政に対しての国民の不信が募りますよ。特に、今回は学校現場だけではなくて教育委員会も一緒になって、教育委員会がこの調査を受けてやっているわけですから、私は名古屋市教育委員会もどれほどの思いを持っていらっしゃるかと思います。
 この問題が連日報じられていますけれども、当該の中学校や生徒、先生方、あるいは地域の方々、教育委員会の皆さん、この二回にわたる十五項目、十四項目の質問に回答するのにどれだけの時間を使ったんだろうかと思うと、学校現場の立場からすれば本当に大変なことだったろうというふうに思います。そして、現に現地の方々に聞くと、本当に現場の先生大変だったと、教育委員会も大変だったというふうに聞いております。そして、現在も、この報道以来、学校には連日何件もの電話が掛かってくると。その電話対応が大変だという話も聞いております。こういった学校現場の異常な状態をつくり出している。一方で、学校の多忙化というのは非常に大きな問題になっていますよね。今、働き方改革で文科省も中教審中心に今議論をされていると聞いておりますけれども、学校の多忙化を文科省が招いてどうするんですか、こういう調査で。教育基本法十六条違反だけではなくて学校の多忙化まで招いてしまっているということについて指摘したいし、反省を求めたいと思います。
 こんなことでは教育行政と政治の垣根がなくなってしまいますよ。私は、まず、教育委員会と学校にこんな事態を招いていることをわびてほしいと思います。いかがですか。
#44
○国務大臣(林芳正君) 先ほど教育基本法と地方教育行政法について申し上げましたが、この教育基本法の逐条解説には不当な支配についてというくだりがございまして、不当な支配とは、国民全体の意思を代表するものとは言えない一部の社会的勢力、政党、官僚、財界、組合等が党派的な力として教育に不当に介入してくることをいう、法律の趣旨にのっとり、その定めるところにより適正に行われる教育行政機関等の行為は不当な支配とはならないと、こういうふうに書いてございます。
 したがって、先ほど御答弁申し上げましたように、この地教行法に基づいて今回行った調査は教育基本法に規定する不当な支配に当たるものではないというふうに考えております。
#45
○神本美恵子君 不当な支配の例示、今幾つか読み上げられました。その中には明らかに政党って書いてあります。
 ただ、今回は、たまたまなのかよく分かりませんが、ここにもいらっしゃいます赤池議員は、自民党の部会長、文教部会長でもありますが、部会長としての質問ではなかったということでありますけれども、政党の議員であります。そこからの不当な介入ではなかったかという疑念が今国民の中にあるということは認識をしておいていただきたいというふうに思いますし、今回のこの調査結果を受けてどのような措置を名古屋市教委に対して講じられたのでしょうか。
#46
○政府参考人(高橋道和君) 名古屋市教育委員会に対しましては、具体的には今回学校が外部講師として招いた前川前次官が、いわゆる天下り問題に関わって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされたからという事実関係については御存じなかったようでございますので、そういったことを十分調べることなくこうして招いたことについては必ずしも適切だったとは言えず、もう少し慎重な検討が必要ではなかったかと、こういった認識をお伝えしたところでございます。
#47
○神本美恵子君 私は、その認識を示した、指導でもなく助言でもなく援助でもない。何なんですか、その措置は。
#48
○政府参考人(高橋道和君) これは地教行法の四十八条に当てはめれば、助言となると考えております。
#49
○神本美恵子君 講師選定に対する助言を行った、しかしその助言の中身は、講師として選定するには適当ではない一部の経歴を知らずに選んだことが問題だという今御指摘のようですけれども、その適当ではないという根拠、冒頭に聞きましたけれども、そういう処分を受けたとか、そういう人は適当でないという根拠は示していないですよね。
 私は、これは私の意見です、意見というか世間一般だと思いますけれども、例えば、過去に交通事故を起こした経験があると、そういう人が学校の投げ入れ授業、出前授業とかに講師として来るということは山ほどあると思いますよ。まあ交通事故だけではなくて、そういうことを受けた、そういう人たちも経歴を調べて、それは適当でないというふうに、排除せよとまでは言っていないけれども、そういうことまで波及していくということがあるんですよ。だから、私は、今回の文科省が、その口頭でか文書でか知りませんけれども、講じられた措置はそれこそ逸脱だというふうに思いますが、いかがですか。
#50
○政府参考人(高橋道和君) 先ほどちょっと答弁に少し不足がございましたが、先ほど申し上げました、お伝えしたのは、これは書面ではなくて口頭でお伝えをしております。
 それから、今回のこの件に関する私の認識をもう少し申し上げますと、前川前次官は直近まで文科行政の事務方最高責任者、その前に初中局長も経験しておられますので、そういった経歴の方が発言をするということは非常に影響が大きい、仮にその発言内容が指導要領等と整合していない場合であっても、その発言が正しい解釈として受け止められる可能性があるといったことがございます。
 それから、今回は中学校での授業でございますので、特に心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して授業を行うことについては適切な配慮が求められるということ、また、本人の違法行為をもって停職相当となったことなど、既に各種報道により社会的に注目を集めておりましたので、一部にはこういった方を不適切と捉える向きもあると考えられることから、保護者の学校に対する信用に与える影響についても十分な考慮を考える必要があるであろうと、こういうことから、やはり前川次官を呼ぶに当たっては、単に監督責任ではなくて、本人の非違行為で停職相当になったということも一応把握した上で判断される必要があったのではないかと、そういった考えをお伝えしたものでございます。
#51
○神本美恵子君 局長ね、それは文科省の一つの価値観の押し付けだと思いますよ。
 この質問に対して、名古屋市教委が最初に回答しております。生徒の感想が書いてありますけど、生徒はまだ発達途上にあるから、元次官が、こんな処分を受けたような次官が話をすることを適切にちゃんと判断できないかもしれないみたいなことをおっしゃいましたけれども、実際にあった不登校の出来事を教えてもらい、不登校の僕では、まあこれ前川さんでしょうけれども、のことを聞いて、人は変わることができると分かりました、夜間中学のことで衝撃を受けたとか、幾つになっても学びたい人がいると分かったので、中学生の僕も一生懸命学ぼうと思った、すごいお方だと思ったというような生徒の感想。それから、校長さんは、そういういろんな経歴を全て洗いざらい調べた上で選定をするというよりも、生徒には先入観や思い込みなしで話を聞いてもらおうと意図した、この方はどんな方だろうと話の中身だけでなく話し方や振る舞いなどから感じさせたい、その感じ方は個々によって違い、この違いを共有することにとても意義があると考えているというような校長や教育委員会の判断、識見、それから生徒の感想などを聞くと、文科省の今回の講師についての判断というのは非常に偏っているというふうに私は申し上げなければいけないというふうに思っております。いかがですか。
#52
○政府参考人(高橋道和君) 一般的には、各学校においてどのような方を講師で招くかについては、その授業の全体計画や年間指導計画における位置付け、その講師を招く狙いや、その方が講師としてふさわしいか否かなどに配慮しながら各学校が判断していただくものでございます。
 ただし、もう何度も繰り返し申しておりますけれども、今回の事例につきましては、教育行政の事務方最高責任者という地位にあった方が、自らの違法行為によって停職相当という、国家公務員法の中で停職というのは極めて重い処分でございます、こういったような方を呼ぶに当たっては、特に義務教育の場でございますので、教育的な配慮がしっかり行われているか、そういったことはやはりある程度慎重にお考えいただく必要があったと考えております。
#53
○神本美恵子君 本当に繰り返し繰り返し、行政のトップにいた人が違法行為をしたので、そういう人を講師にしてはいけないということを基にずっと組み立てていらっしゃいますけれども、その根拠は示せていないんですよね、文科省は。
 一方で、今日は用意していないんですけれども、今日の新聞を見ますと、同じように、元次官であった方が広島県ですか、の教育委員会に関わっていらっしゃるということについてもそういう調査をしたのかどうか、していないというふうに報道されておりました。それはまた別の機会に譲りたいと思いますけれども。
 そういういろんな経歴があったにしても、そういう方の話を聞いてポジティブな反応、参加者が何百人もいらっしゃった、生徒以外に地域の方々もいらっしゃったようですけれども、ポジティブな反応ばかりでしたという回答に対して、もう御丁寧に再質問で、ネガティブな反応はありませんでしたかというような再質問しているんですよね。もう本当にあきれます。でも、それに対する回答は、一件もございませんという回答でした。
 こういう授業のありようについて、文科省は今なお、自分たちがやった踏み込んだ調査、しかもそれは政治家からの修正も受けた調査をしたことについて、私は本当に心から憤りを持ってこれは不当な政治介入だということを申し上げて、少し早いですけれども、私の質問を終わります。
#54
○大島九州男君 民進党の大島九州男でございます。
 まず最初に、大臣が今日御説明をされました。私はその真摯な姿勢はすばらしいことだと思います。そして、赤池先生もすぐ会見されましたね。私、何が言いたいかというと、池田さん、池田さんもちゃんと質問受けて、政治家で、信念に基づいてやっていたということをおっしゃっていたので、大臣にお伺いしたいのは、やはり政治家としてしっかり説明する責任があると思いますが、大臣、どのようにお考えですか。
#55
○国務大臣(林芳正君) 今ここに文科大臣として立たせていただいておりますので、今のお尋ねについてはこの立場ではお答え申し上げる立場にはないと考えております。
#56
○大島九州男君 そもそも、外部からの問合せがあって文部科学省は主体的に調査したと、そういう答弁をずっといただいているわけですけれども、まずこのきっかけとなったのは間違いなく池田さんの問合せですよね。
#57
○政府参考人(高橋道和君) まず最初の経緯としては、二月十六日に授業が行われまして、二月十七日に中日新聞で報道があった、それを見た赤池参議院議員から官房長にメールでお問合せあった、そこがまず最初のきっかけであったと認識をしております。
 ただ、私ども、メールでは内容が分かりませんでしたので、私ども初中局が連絡を受けたのは月曜日でございました。月曜日に中日新聞の記事を入手して、その内容を見た上でこれは一応確認する必要があるかなと。これは初中局としてそう考えたということでございます。
#58
○大島九州男君 赤池先生からメールが来て、じゃ、月曜日にそれを見て、見てから誰に問い合わせたんですか。
#59
○政府参考人(高橋道和君) 赤池議員からの問合せが初中局には月曜日の朝入りました。初中局の職員が池田先生に、地元にいらっしゃったので、記事を送ってほしいということを依頼しまして、池田先生の方から記事を送っていただいて、その記事を見て私どもは内容を確認したということでございます。
 ちなみに、私は月曜日の朝、その記事を見たんですが、そういった経緯は私や課長は存じ上げておりませんでしたので、池田事務所からその記事をいただいたということは、実は十五日のNHKの報道があってから知ったというのが事実でございます。
#60
○大島九州男君 今、まさしく文科省が先生にファクスで記事を送れなんというのはちょっと理解し難い。だから、それは事実関係調べて報告してください。
 それで、局長、私一つ言いたいのは、さっき神本先生が質問したときに、部会でこういう質問があったと、いや、私は聞いておりません。当然ですよ、いなかったから。確認はいいです。確認はいいけど、そんなことを言っていないとか絶対言っちゃ駄目ですよ。何でかというと、私はその部会に出た課長に言いました。君たちが守らなきゃいけないのは文科省の職員だと、部下を守るんだと、あなたたちが上でそういうこと言ったら、下の人たちはその言ったことに対して、ああ、俺が言ったことが迷惑掛けたとか、そういうふうに思ってどんどんどんどん内にこもっていくわけでしょう。だから、今回の森友で財務省の職員がお亡くなりになったというのはそういうことじゃないですか。だから文科省ではそういうことを絶対起こすなと私は部会でそう言いました。
 文科省は真摯に私は説明していると思いますよ。だから事実だけを述べればいいんですよ、事実だけを。別に政治家に気遣う必要もなければ我々に気遣う必要ない、事実だけを述べていただきたい、それだけはちょっと私言っておきますから。
 私、今思ったのは、その二十日の日に赤池先生に言った後、二十二日に池田先生に報告したとありましたね。それは、そのときに文書でやり取りしたり、池田先生から何かメールでやり取りしたようなやつが残っているんじゃないですか。
#61
○政府参考人(高橋道和君) まず二十日は、赤池先生に私と官房長から報告いたしましたが、これは非常に短時間の報告でございました。それについてはやり取りの記録は文書では残っておりません。そのときに赤池議員から、これは池田議員にも併せて説明をしておいてほしいということがありましたので、それを、一日置きましたが、二十二日に池田議員に説明に行ったということでございます。
 ここにつきましても、内容を報告して、もう少し文科省としても状況を聞いてみようと思いますということで、それでは、また分かったら教えてくれと、そういったようなやり取りはあったようでございますけれども、その内容については記録が残っておりません。これが事実でございます。
#62
○大島九州男君 大体、我々のところにいつも職員の方が来られて、いわゆる話するときには必ずメモ取っていますよね。だから、メモが残ってないというのはにわかに信じられない。だから、そのメモはちゃんと調べて出してください。別に悪いことしていないんでしょう。正々堂々とやればいいんですよ。そういうことをごまかしたりして、隠蔽したりとかみたいに取られるからどんどんどんどん追い詰められるんですから。だから、必ずメモは取っています、間違いなく。だから、そのメモを別に問題なければ出せばいいじゃないですか。改ざんする必要もないんですから。
 もう一つ言いたいのは、文部科学省に問い合わせなくても、地元の国会議員でしょう。直接地元の学校に聞けばいいんですよ。斎藤議員は、斎藤議員はあそこ、ちゃんと自分で話聞きに行ったと言ってましたよ。それで聞いて、内容はすばらしかったと。
 個人にとっていろいろ受取はあるかもしれないけれど、私は、文部科学省にわざわざそうやって問い合わせて、文書で出させるというのは、文部科学省、公権力を利用したという意図が感じられるんですけど、それについての感想はどうですか、局長。
#63
○国務大臣(林芳正君) 事務的な話ではないので、私から答えさせていただきたいと思いますが。
 まあ、こういう報道を見たときに、私が党にいたらどうするかなと、こういうふうに思って今聞いておりましたが、確かに先生がおっしゃるように、地元であればということもあったでしょうし、ただ、法令の解釈上どうかとかいうことについては、やはり文科省に確認をするということもあるいはあったのかなと、自分としても、自分に身を置いて考えてみますと。でございますから、そういう意味で、所管をしている文科省に法令上の疑義について確認をするということは一般的にはあり得るんではないかと、こういうふうに思っております。
#64
○大島九州男君 じゃ、今のその法令上でいきますと、まず担当部局に来ました、そして、政治家からの問合せですから、普通は政務三役、少なくとも政務官とか、大臣までは行かなくても、そこら辺には報告したり判断を求めて、そしてやるべきが普通でしょう。だから、法令上と言われるように正論をおっしゃるんだったら、普通の手続を取ってなくちゃいけない。それは取っていたんですか、質問します。
#65
○政府参考人(高橋道和君) 地教行法の規定では五十三条の調査を行うことは文部科学大臣になっておりますが、実際には文部科学大臣が全てのことをやるわけじゃなくて、これは文書決裁規則でありますとか、あるいは設置法、組織令の中で一定程度局長等に委任を下ろされております。
 今回につきましては、まずはその事実確認をしようということでございましたので、これは局の判断でできるものでございますので、初中局の判断で調査をいたしまして、その結果を政務三役に事後になりましたが報告したと、これが事実関係でございます。
#66
○大島九州男君 じゃ、それは調査をして報告したと。そのときに不適切だというふうに指摘を受けたんじゃないですか。
#67
○政府参考人(高橋道和君) このようなことについては、事前に政務三役に相談があってもよかったのではないかといった注意はいただきました。
#68
○大島九州男君 それに対して文科省は反省しているんですか。
#69
○政府参考人(高橋道和君) 今回、あの報告をしたときに、一つは今の点、それからもう一つは表現ぶり等について留意が欠けていたと、配慮が足りなかったんではないかといった御指摘をいただきましたので、これについては大臣から私が直接注意を受けましたので、真摯に受け止めておるところでございます。
#70
○大島九州男君 それから、感想を求めたと言いましたね、議員に。普通、役所の方々が、例えばこういう文書を見せて、感想どうですかという質問をしますか。普通、こういう文書を作りましたが御意見いかがですかとか、何かちょっと御指導いただけますかとか、普通はそういうふうな聞き方をすると思うんですけれども、ふだんそんなことで感想とかいって聞きますか、政治家に。
#71
○政府参考人(高橋道和君) 三月一日の夕方の、私が池田先生の事務所を訪れたときに、たまたま先生がいらっしゃったんで短いやり取りでございました。
 記録を取っているわけではありませんので一言一句正確に思い出すことは難しいのですが、私の記憶では、感想を求めたというよりは事前にお届けしてあるということは報告を受けておりましたので、御覧いただきましたかぐらいのことを言ったところ、池田先生から二つぐらいのコメントがあったと、そういうような事実関係ではなかったかと記憶をしております。
#72
○大島九州男君 それは普通のやり取りでしょうね。感想なんか求めていないんですよ。報告したら向こうからいろいろ言ったと。だから、それを受けていろいろ質問をしているんだと思うんですけど。
 私は、道徳教育が行われる学校の場でとか、教育課程に位置付けられた授業においてなんて文言が入っているというのは、それこそ池田さんたちの教育理念というか質をそんたくして入れているような文章だと、私はそう思うんですけど、どうですか。
#73
○政府参考人(高橋道和君) 御指摘の点につきましては、文科省が判断してこのような質問状を作ったものでございます。ただ、それにつきましては、大臣から注意を受けましたので、より留意する必要があったという認識でおります。
#74
○大島九州男君 これ、一般の会社とか社会的に見たらパワハラでしょう。どうですか、感想は。
#75
○政府参考人(高橋道和君) 表現ぶり等についてより留意する必要があったと大臣に注意を受けまして、それは私も真摯に受け止めておるところでございます。
#76
○大島九州男君 だから、相手がどう感じるかですからね。だから、国会議員が文科省にそういう問合せをすること自体も相手がどう感じるかでパワハラと思うし、また、文科省が教育委員会や学校現場に大臣が不適切だというような聞き方をするというのは、これパワハラになるんじゃないですか。もう一度どうぞ。
#77
○政府参考人(高橋道和君) まず、国会議員の先生方から私ども日常的にいろんな問合せなり御意見をいただくことはございます。これはむしろ、それは十分受け止めた上で、一つの参考情報としては活用させていただきますが、ただ、最終的に行政として判断するときは文科省が主体的に判断して行うということであろうと考えております。
#78
○大島九州男君 文科省の強い指導といえば、私、やはり昔思い出すことがあるんですよ。
 三月八日付けの週刊新潮の記事に京都平安振興財団に関わる記事が出ていて、その財団に関わる理事の関係で漢字検定協会の記事が出ていたんですよ。私、ちょうど国会議員になったすぐで、文部科学省がこの漢字検定に徹底した指導をしていたのは記憶があるんですが、どういう指導をしましたか。
#79
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 平成二十一年のことでございますが、文部科学省におきましては、平成二十一年の三月及び四月に、当時所管をしておりました日本漢字能力検定協会に対しまして運営の改善を求める通知を発出しております。その中で、公益事業における利益の取扱いの適正化、いわゆる利益相反取引に係る検証、適切な使用がなされていない土地、建物等の取扱いの適正化、役員、評議員の在り方など運営体制の見直しなどの事項について指摘を行いまして、改善を求めたところでございます。
#80
○大島九州男君 今まさに御指摘をされた問題がこの週刊誌やいろんなところで指摘をされているんですよ。私がその話をしたら、いや、今文科省は所管ではなくて内閣府ですからというふうに言われているので、それはちょっと後日きっちり御説明をいただく用意をしていただきたいと思いますが、まさに、その施設、土地の賃借だとか利益相反の話であるとか、そういったことが、まあこういう週刊誌に出てくるような、そういう人たちが複数その漢字検定協会という教育に携わるそういう財団法人の中にいらっしゃって、だから、そういう報道が出るんでしょう。
 こういうことは非常に私は本当に何か残念だなという思いがあり、そして、やはり私も教育に関わる人間の一人として、やはり毎年、今年の漢字はなんというのは、あれはやはり漢字検定協会のおかげさまでああいうことが出てきて、やはり日本の文化、伝統、まさに漢字ということは、もう日本の根幹に関わるような、そういう財団法人がこういったスキャンダラスな内容に取り沙汰されるというのは、これはあってはならないことだという強い思いを持っているわけであります。
 実は、この漢検協会の職員さんも一人自殺しているんですよ。まさに、いろんなところで、どこかいろんな力が働いて、一番弱い人にそういう力が及んで、尊い命をなくすような、森友問題であったり、この漢検事件もそうです。だから、私は今回、うちの部会でヒアリングでいつも言わせていただいているのは、犠牲者を出すなと。犠牲者は、一番弱い人にそういうしわ寄せが来るわけでありますから。今回こういういろんな質問が出てきたときに、特に幹部の皆さんは、その事実だけをしっかりとありのままにお伝えをいただいて、担当する職員やそれに関わった部下が悩み苦しみがないように、是非、そのことだけお願いして、次回じっくりとその質問に際してはやらせていただきますので、そのときは真摯なお答えをいただくようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
 以上です。
#81
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今日は予算の委嘱審査でございますけれども、冒頭に大臣から名古屋市の中学校の総合的な学習の時間の授業の件につきまして御説明がありました。文科省は、学校の教育課程、学習指導などについての指導、助言を行う前提として必要な調査を行うことが法律上認められているということでございますけれども、事実確認を行うに当たっては、教育現場に誤解が生じないように十分配慮すべきことは当然であります。教育内容について何か影響を与えるのではと疑問を持たれるようなことはあってはならないわけでございます。この点、大臣からも、今回の書面にはやや誤解を招きかねない面もあったと、注意をしたということでございますけれども、文科省においてはこうしたことのないようにしていただきたいと思います。国民に対する説明という観点から、必要なことについては速やかかつ丁寧に引き続き対応をしていっていただきたいと思いますので、この点、冒頭申し上げさせていただきます。
 次に、委嘱審査の質疑、質問に入らせていただきますけれども、まず、教育負担の軽減ということをテーマにしたいと思います。
 この教育負担の軽減については、昨年末に様々な議論をさせていただきまして、新しい経済政策パッケージというものも閣議決定をされたわけでありますけれども、幼児教育の無償化、こういった教育負担の軽減というものは、この政策パッケージを待つ前に、できるところから段階的に是非進めていただきたいというふうに思います。
 また、高校につきましては、昨年も質問させていただきましたけれども、私立高校の授業料の実質無償化等々、この高校の授業料についての負担の軽減ということも公明党として強く主張をさせていただいているところであります。また、その授業料の負担軽減ももちろん重要なんですが、それ以外の様々、教材費等々、授業料以外の部分についても低所得世帯では大変負担が大きいと、こういう声もあるところでございます。
 こういった低所得世帯に対するこうした支援についても、我が党としては拡充をこれまで求めてきたという経緯がございますけれども、今回の平成三十年度予算におきましては、こういった点についてどのように進めていただけるのか、大臣に伺いたいと思います。
#82
○国務大臣(林芳正君) 平成三十年度予算における幼児教育無償化の取組については、年収約三百六十万円未満相当世帯の保護者負担を、第一子については年額四万八千円、第二子については年額二万四千円軽減をすることとしております。また、低所得世帯に対して、教科書費、教材費など授業料以外の教育費負担を軽減するための高校生等奨学給付金についても第一子の給付額を増額し、制度の充実を図るということにしております。
 今後とも、教育費負担軽減につきまして、昨年十二月に閣議決定をされました新しい経済政策パッケージを踏まえて、関係府省と連携、協議し、取り組んでまいりたいと思っております。
#83
○佐々木さやか君 また、教育負担の軽減に関しましては、来年度は給付型奨学金、これが本格実施されることになります。二万人規模の新しい新入生に対してこの給付型奨学金が給付されるわけでございます。これを是非しっかりと実施をしていただきたいと思っております。
 この給付型奨学金の本格実施については、現場では大変歓迎をする喜びの声も伺っておりますし、また、様々給付型奨学金に申請をするための手続の周知の在り方ですとか、そういったところも一生懸命やっていただいてきたとは思うんですけれども、同時に課題等も把握できたかと思います。こういったこともまた更に次の年度以降も生かしながら、しっかり運用をしていただきたいと思っています。
 また、大学の教育負担の軽減という観点では、無利子奨学金、これも貸与基準を満たす希望者への貸与、しっかり行っていくというところをこれまでも申し上げてまいりました。学生の皆さんとか高校生、大学生と懇談をする機会が多いんですが、やっぱりこの奨学金の問題というのは必ず声が出てきます。そして、無利子奨学金、基準を満たして借りられる、利用できると思ったんだけれどもできなかったというような声も私も何度か聞いたことがございます。そういったことの解消に努めてきたわけでございますけれども、この来年度の予算でも着実に実施をしていただきたいと思います。
 さらに加えまして、こういった奨学金というのは基本的には返済が必要なわけでありますけれども、そもそも大学の授業料の減免というところもより充実をさせていくべきと思っております。学びたい若者が経済的な理由でその学び、進学を諦めなくていいように、この大学等に進学をする若者への支援というものも来年度の予算にはしっかりと盛り込んでいただきたいと思いますけれども、こういった点はどのように進むんでしょうか。
#84
○国務大臣(林芳正君) 平成三十年度予算案におきましては、大学等の奨学金事業についてですが、給付型奨学金、これは今委員からお話がありましたように既に先行実施をしておりますので、その取組から得られた知見もしっかりと反映させていきたいと、こういうふうに思っておりますが、平成三十年度からはまさに本格実施になりますので、それに向けまして対前年度比三十五億円増の百五億円を計上し、新たに二万人に支給をし、また、無利子奨学金につきましては、平成二十九年度より残存適格者の解消や低所得世帯の子供たちに係る成績基準の実質的撤廃を行っているところでございますが、引き続き貸与を着実に実施するため、所要額を計上するなど充実を図ることとしておるところでございます。
 また、大学の授業料の減免等につきましては、国立大学について、対前年度十七億円増の三百五十億円を計上し、予算上の対象人数を六万一千人から六万五千人に増員するとともに、私立大学については、対前年度二十八億円増の百三十億円を確保することにより、予算上の対象人数を五万八千人から七万一千人に拡大をしたところであります。
 文科省としては、これらの取組を通じまして高等教育の負担軽減を進めてまいりたいと思っております。
#85
○佐々木さやか君 今御説明をいただいたように、高等教育の教育負担の軽減を含む様々な重要な施策が今回の予算案には盛り込まれております。しっかりとこれを国民の皆様にお届けをするために、一日も早い予算の成立に取り組んでまいりたいと思っております。
 先ほど申し上げた給付型奨学金については、経済政策パッケージの中でも拡充ということが盛り込まれております。やはり、人数に限りが、枠に限りがございますので、今回受けられなかったという生徒さんの声なんかも私も実際にいただいておりまして、やはり、より拡充をしていく、そういったことが重要だというふうに痛感をしております。是非文科省としても力を貸していただいて、共々に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、学校施設の老朽化対策等についても伺いたいと思います。
 学校施設については、耐震化、公立の小中学校についての耐震化、これを公明党としてこれまで取り組んでまいりました。耐震化は大分進んだんですけれども、老朽化というものが今度は問題になっております。小中学校については今後十五年間で全面改修が必要な建物が全体の七割に上るということで、この老朽化の中で生徒さんたちの教育の環境というものを改善をする必要もありますし、またさらには天井とかそうした壁とかの、地震が来たときに落下をしてしまうとか、そういう原因にもなるわけであります。
 学校というのは避難所、何かあったときの避難所として市民の皆様にも使っていただく施設、拠点となる場所でありますので、やはりこの老朽化対策というものを防災機能の強化という観点からも進めていく必要があると思っております。
 加えて、冒頭、耐震化のお話を申し上げましたけれども、公立学校の耐震化は進んでいるんですが、私立学校、この耐震化をしっかり進めていくということも重要だと思います。
 今申し上げましたような学校施設の老朽化対策、耐震化などの防災機能の強化、これについてもしっかりと予算を確保していかなければならないと思っておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#86
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。
 学校施設は子供たちの学習生活の場であり、その安全性、機能性の確保は不可欠でございます。加えて、災害時には地域住民の避難所にもなる極めて重要な施設であります。
 一方、公立学校施設は、第二次ベビーブーム期に建設された建物が一斉に老朽化し深刻な状況であることから、トイレ改修を含めた老朽化対策や避難所機能を含めた防災機能強化を推進するため、平成二十九年度補正予算において六百六十二億円を確保し、平成三十年度当初予算においても六百八十二億円を計上してございます。
 また、公立学校に比べて耐震化が遅れている私立学校の早期の耐震完了に向け、平成二十九年度補正予算において百億円を確保し、平成三十年度当初予算においても五十億円を計上しております。
 引き続き、各学校の設置者が計画的に施設整備を行えるよう、あらゆる機会を通じて予算の確保に努めてまいります。
#87
○佐々木さやか君 私も、積極的に現場に足を運んで、そうした施設の状況等も見ながら今後も取り上げてまいりたいと思っております。
 次に、少しテーマを変えまして、成年年齢の引下げについて質問をさせていただきます。
 この成年年齢の引下げについては、今国会でこの法案の提出がされておりまして、審議が予定をされていると承知しております。これは、具体的には、これまで成年というのは二十歳だったわけですが、十八歳に引き下げるという内容の民法の改正案でございます。
 御存じのとおり、十八歳選挙権というのは平成二十七年から始まっております。またさらに、その前に、国民投票法もこれにおいて十八歳から投票ができるという法律があるわけでございますけれども、こういった流れの中で、この選挙権年齢に引き続いて成年年齢も引き下げるということが望ましいという方向性が法制審議会の答申等々で示されて今回の改正案に至っているという背景でございます。
 この成年年齢の引下げがなされた場合には、十八歳から成人ということでありますので、具体的には高校の現場でも未成年者とまた成年者の生徒がいるというふうになるわけでございます。そういった形の中で、文科省としても大変この改正については関心を持っていただきたい、いただく必要があると思いますし、もう一点、この成年年齢の引下げというのは、少子高齢化の中で若い世代の皆さんが積極的に活躍できる社会をつくっていくというために、成年年齢の引下げによって社会参加の時期が早まりますので、それで大人としての自覚を高めると、こういう効果も期待されるわけであります。
 とはいえ、自動的に、じゃ引下げをすれば十八歳から成人として自立ができるかというと、そういうことではなくて、その若い世代の皆さんの自立を支えるきちんとした仕組み、教育というのは非常に大事だと思います。また、消費者被害ということの増加も懸念をされておりますし、また成人式の在り方をどうするか等々、この環境整備、引下げに至るまでにしっかりとした環境整備をしていくことが必要だと思います。
 今申し上げたように、この環境整備というのは大変多岐にわたる内容でございまして、文科省としても大きく関わっていただきたいと思いますけれども、是非省庁横断的な中で取り組んでいただきたいと思っておりますが、この点について大臣に伺いたいと思います。
#88
○国務大臣(林芳正君) 今先生からお話がありましたように、この成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げることなどを内容とする民法の一部を改正する法律案、国会に提出をされたところでございます。まさにこれは、環境整備、省庁横断的に取り組むべき課題だと、こういうふうに考えておりまして、若年者の消費者教育であったり、また若年者の自立支援、また今お話もありました成人式の時期や在り方の検討等々、政府全体でこの環境整備を推進する必要があろうと、こういうふうに考えておるところでございます。
 文科省としては、今後は、法務省を中心に開催をされる予定の関係府省を構成員とした会議に協力して、しっかりと対応を進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#89
○佐々木さやか君 取組の中でしっかりと行っていただきたいことの一つとして、消費者教育の充実がございます。
 先ほど申し上げた選挙権年齢の引下げというときには、選挙権という権利を言わば与えられるということだけだったわけですけれども、この成年年齢の引下げといいますのは、一人で契約なども結べるという反面、民法の未成年者取消し権という規定がございますけれども、未成年者であるということだけで契約を取り消せる、こういう非常に強い権利を失うということでもございます。
 また、そのほか、親などの保護下になくなるということでもあり、そうした中から、例えば消費者被害の件数が増えてしまうのではないかとか、そうしたトラブルに巻き込まれるおそれがあるのではないかということが懸念として指摘をされております。現在でも、十八歳、十九歳の消費者被害に比べますと、成人をした二十歳の消費者被害の相談件数の方が多くなっておりまして、また被害金額も多くなっております。ですので、これが成年年齢引下げによってそのまま下にスライドをしてきて、十八歳、十九歳の消費者被害が増えることが心配をされております。
 こういった観点からも、消費者教育の充実には是非力を入れていただきたいと思います。これまでも取り組んではいただいていると思いますけれども、これまでの取組と、またさらに、成年年齢引下げまでの充実、これからの取組の充実について、この点も大臣に伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(林芳正君) 民法が改正されまして成年年齢が十八歳に引き下げられた場合には、まさに今委員からお話がありましたように、十八歳及び十九歳が行った契約については保護者等の取消し権がなくなると、こういうことになるわけでございます。そのため、十八歳までに契約に関する基本的な考え方や責任について理解するとともに、主体的に判断して責任を持って行動できる能力を育む必要があると、こういうふうに考えております。
 そこで、関係省庁が緊密に連携をいたしまして若年者への実践的な消費者教育を推進するために、本年二月に消費者庁、文部科学省、法務省及び金融庁の四省庁関係局長会議において、二〇一八年度から二〇二〇年度の三年間を集中強化期間とする、若年者への消費者教育に関するアクションプログラムを決定をいたしました。
 これを受けまして、文科省としては、高等学校等における消費者教育を推進するため、公民科や家庭科等の学習指導要領の趣旨の徹底を図ること、また消費者庁で作成をされました高校生向けの消費者教育教材「社会への扉」の全国展開を図ること、また教員養成や教員研修等における消費者教育の充実を図ることと、こういうふうにしております。また、大学等における消費者教育を推進するために消費者生活センターとの連携の促進などを行うと、こういうことにしております。
 今後とも、消費者庁を始め関係省庁と緊密に連携を図りながら若年者への消費者教育の推進に努めてまいりたいと思っております。
#91
○佐々木さやか君 消費者教育の中で是非力を入れていただきたいなと思っておりますのが、クレジットカードの適切な利用についてであります。
 今、ネット通販というのは私たちの生活に非常に浸透しておりまして、特に若い世代の皆さんは多く利用していると思います。買物、そういったネット通販だけではなくて、例えばゲームとか、最近ではそういうゲームをやるにも、そのソフトを買うのにネットでもうそのやり取りをすると。そういう場合の決済というのはクレジットカード、現金はないというようなこともあります。それから電子マネーのチャージとか、いろんなところでこのクレジットカードというのが使われると。
 そういう中で、他方で、なかなか複雑化していく中で分かりにくいという仕組みもございまして、リボ払いというのを先生方聞いたことあると思うんですけれども、これは非常に仕組みをきちんと知らないと安易に利用をしてしまうおそれがあるんではないかなというふうに懸念をしております。分割払とはまたちょっと違うわけですね。毎月一定額を払っていくわけですけれども、その手数料というのが非常に高い。例えば一三%とか十数%の金利を取られるような仕組みになっています。分割払というのはそういう金利は取られないわけですけれども。
 そういったリボ払いというのを結構カード会社も非常に勧めておりまして、カードの中にはリボ払い専用のカードというものもあって、これがそのリボ払い専用のカードなのかどうかを分からないで作ってしまうと、こういうおそれもありますし、また、普通のクレジットカードを作るときに自動でリボ払いになるというサービスが今ございまして、それをこちらから積極的に解除をしないと、一回払いをしてお店で買っても、それも全部自動でリボ払いになってしまうと、こういうサービスをうたっております。それに、お店でリボ払いと言う手間が省けるとか、リボ払いというふうにお店で言いにくいとか、そういう場合でもリボ払いを利用できると、こういうサービスがございます。
 こういうふうにいろいろと複雑化しておりますとともに、私たちの生活に非常に欠かせなくなってきているこういったクレジットカードの利用ということも是非消費者教育の中で力を入れて、やっぱりある程度の知識を持った上で社会に出ることが必要かと思いますけれども、この点についてどのようにされていくのか伺いたいと思います。
#92
○政府参考人(高橋道和君) 生徒が消費者として主体的に判断し、責任を持って行動できるようにするため、学校における消費者教育は極めて重要であると考えております。また、生徒が消費者トラブルや消費者被害に遭うことがないよう、クレジットカードの適切な利用や消費者被害の実態について適切に理解することが重要です。
 このため、文部科学省においては、平成十六年に制定された消費者基本法や平成十七年に決定された消費者基本計画を踏まえ、平成二十一年の高等学校学習指導要領の改訂の際に、消費者保護に加え、消費者の自立を支援するという観点から、消費者等の自立と支援、消費者に関する問題など、消費者教育に関する内容の充実を図ったところでございます。
 クレジットカードに関する内容としては、学習指導要領に基づき、高等学校家庭科において、クレジットカードの利便性や問題点及び多重債務問題など、契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題、また、高等学校の公民科においては、消費者契約法や多重債務問題など、消費者に関する問題を指導することとしております。
 今委員から御指摘のありました例えばリボルビング払いと分割払の違いなど、実際の教科書では、例えば教科書の半ページぐらいは割いて、具体の数字を示しながら分かりやすく解説するようなコラムのようなものが載っている教科書もございます。
 また、消費者庁が作成した消費者教育教材においてもクレジットカードの理解を図るための内容が記載されているところでありまして、現在、消費者庁と連携してこの教材の活用に向けた取組なども行っているところでございます。
#93
○佐々木さやか君 是非、実践的な教育、これに力を入れていっていただきたいと思います。
 ちょっと時間が迫っておりますので質問を飛ばさせていただいて、こういう消費者教育について現場で先生方に教えていただきたいわけですけれども、働き方改革等々も言われている中でいろんなことを学校で教えなければならないと。先生方にさっき申し上げたようなリボ払いの仕組みを詳しく勉強していただくというのも、まあ大変ということもあるかもしれません。
 そういった観点から、消費者教育については、学校の外部の専門家の活用も是非積極的にしていくべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(小野稔君) お答え申し上げます。
 学校における消費者教育の充実に向けましては、消費者教育の機会の確保、時間の確保でございます。それから、教員の指導力の向上が二点目。それから三点目として、教員による指導を補うために外部の人材を活用するという三つの点が重要であるというふうに考えております。
 先生御指摘の外部の専門家の活用というのは、まさにこの三点目のテーマでありまして、消費者教育に関する知識や経験に基づく指導力を有する外部の人材、例えば弁護士さんですとか司法書士、消費生活相談員等々でございますけれども、こういった方々を積極的に活用することによりまして、学校において実践的かつ効率的に消費者教育が行われるということが期待できるというふうに思っております。
 あわせて、外部人材の学校教育現場での活用が進むように、学校とこれらの外部の人材の間に立って調整を行うことができる消費者教育コーディネーターという役割の人材を地方公共団体へ配置していきたいというふうに考えております。
#95
○佐々木さやか君 ありがとうございました。
 以上で質問は終わりますけれども、先ほど紹介していただいた消費者教育コーディネーター、この配置、まだ取り組んでいる途中というふうにも聞いております。是非積極的に普及に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#96
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私も、名古屋市立中への調査、日本の教育にとっても民主主義にとっても重大な問題、教育の不当介入の問題について取り上げたいと思います。
 まず、経過について確認をいたします。
 先ほど来ありましたけれども、授業が名古屋市立中で行われた直後に自民党の議員である赤池議員、そして池田議員という政治家からの問合せがあって、さらには、その授業について報じた中日新聞の記事も池田議員から提供されたということですが、つまり、これはやはり政治家の問合せというのが今回の調査のきっかけだったということだと思います。
 そこで、一点答弁を確認したいんですけれども、先ほど神本議員への局長の答弁の中で、調査をする一回目電話を二月十九日に行った後に池田議員に報告した際に、池田議員から更に分かったら教えてほしいとの発言があったと局長から答弁がありました。このことは事実ということでよろしいですか。
#97
○政府参考人(高橋道和君) このときは、たしか私どもの職員が、私ではなくて、担当しておりますけれども、まず、名古屋市の教育委員会の方から資料をいただいて、それを説明に行ったときに、こちらの方でもう少し聞いてみることがありますというふうなことを申し上げて、それでは更に何か分かったことがあったら教えてほしいと、そういったやり取りがあったと承知をしております。
#98
○吉良よし子君 更に分かったら教えてほしいと、池田議員からそういう言葉があったということですよね。事実ですか、確認いたします。
#99
○政府参考人(高橋道和君) 正確な議事録が残っているわけではございませんけれども、大筋のやり取りとしてはそういうようなやり取りがあったという報告を受けております。
#100
○吉良よし子君 つまり、一回目の問合せのみならず、やはり次のメールによる調査についても、正確に調査せよという言葉があったかどうかというのは確認をという話が先ほど来ありましたけれども、いずれにしても、更に分かったら教えてほしいという言葉は池田議員から発されたと、調査を示唆する言葉があったと、それに基づいてメールが送られたというふうに取られても仕方がない状況がそこにあったとしか私には考えられないと思うわけです。
 しかも、やはり異常なのは、その後、三月一日に一回目のメールを送る、その前に池田議員にそのメールの内容、質問事項を事前に見せてコメントももらったという点なわけですね。
 ここで、やっぱり私、改めて伺いたいんですけど、何でこの質問事項を与党議員に先に、事前に見せたのか。お答えください、局長。
#101
○政府参考人(高橋道和君) 池田議員は、まずは、そういった事前の何回かの経緯もございましたし、御地元であるということもありましたので、私どもといたしましては、内容をチェックいただこうなどという気持ちは毛頭ございませんでしたけれども、名古屋市の教育委員会に送付する前に言わば少し丁寧な対応をするということでお届けをしたと、そのようなことでございます。
#102
○吉良よし子君 いずれにしても、丁寧な対応だと。地元の方なら直接聞けばいいんですけど、とにかく丁寧な対応を文科省がやったと言うけれども、それで済む問題じゃないと思うんですね。
 だって、文科省の主体的な調査だとおっしゃる、その一方で、質問事項は事前にわざわざ与党議員に見せている、これでいいですかと。主体的とは到底言えない状況じゃありませんか。しかも、問題は、その問い合わせた内容を見せたのみならず、コメントに応じて、その池田議員から出されたコメントを参考にして、メールの内容、文言も修正したという事実があると。もうこれこそ政治家からの影響そのものだと思うんですが、いかがですか、大臣、そう思いませんか。
#103
○国務大臣(林芳正君) 先ほどの質疑の中でも局長から答弁があったとおりでございまして、いろんなコメントを賜って、その上で局としての判断で質問を行ったと、こういうふうに報告を受けております。
#104
○吉良よし子君 あくまでも局の判断だとおっしゃるんですね。
 でも、そうしてくると、私、やっぱり疑問が出てくるんですよ。じゃ、何で、当初文科省は、この問題が明らかになった直後、赤池議員や池田議員から問合せがあった、その事実を隠していたんですか。後に報道で明らかになってから、このことが明らかになった。でも、文科省としての判断だと、たとえ議員からの問合せがあったとしても局としての判断だとおっしゃるのであれば、この調査が問題になった当初から、こうした経過、包み隠さずおっしゃればよかったじゃないですか。なぜ隠していたんですか。
#105
○政府参考人(高橋道和君) 今回の私どもがこういった記事を知るきっかけになったのは赤池議員からのメールをいただいたことでございますけれども、しかし、今回調査をすることにつきましては、その記事の内容を私どもが確認して、初中局としてこれは確認が必要だろうと判断したということでございますので、直接、赤池議員なり池田議員からの指示を受けて調査をしたわけではございませんので、そういったことについては当初は説明をあえてしなかったということでございます。
#106
○吉良よし子君 全く答えになっていないですよね。結局、そうやって情報を小出しにしている、隠していた。財務省で改ざんも問題になっているわけですけれども、財務省のみならず文科省もそういう隠蔽体質だということを言っているに等しいじゃないですか。やっぱり本当に大問題だと言わざるを得ないんですよ。
 大体、今もいろいろ資料出てきていますけど、これで十分かといえば、私は不十分だと言わざるを得ないと思うんです。
 もうあえて時間ないので質問しませんけれども、一回目、問合せを電話で行った後、二十二日に池田議員に状況を説明した後、三月一日にメールを送るまで一週間空いている、その間、何していたのかということが全く不明なんですね。
 委員長、これ是非、提案なんですけれども、この間、この初中局でどういう検討がなされていたのか、なぜメールで十五項目もの項目を質問するということを決定したのか、その経過が分かる資料を是非委員会に提出していただきたい、そのことを求めたいと思います。
#107
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で検討させていただきます。
#108
○吉良よし子君 いずれにしても、本当に分からないことだらけですし、ただしかし、今現時点で分かっているというのは、今回の調査は主体的に文科省が判断したと言うけれども、やはりきっかけを見ても、その調査の内容を見てもどうしても文科省主導だと私は思えない。むしろ明らかになっているのは、文科省が主体的に一政治家の言いなりになったと、その事実だと思うわけです。大体、今回の調査やったということは法的に問題ないとはおっしゃっているわけですけれども、やはり、国家権力が特定の学校の特定の授業を調査するということはよほどの事情がなければやってはならないことだと思うわけです。
 十六日、大臣は記者会見の中で、例えば法令違反若しくは生徒児童に不利益が及ぶような扱いがあるという可能性があると認められる場合にこうした調査を行うことがあるとおっしゃっていました。
 ここで伺いますけれども、前川さんが学校で授業をすると、何の法令に違反するのか、あるいは児童生徒に何の不利益が及ぼされるとされるのか、それはどういう理由なのか。大臣、お答えください。
#109
○政府参考人(高橋道和君) 先ほどの答弁とも重なるところがあって恐縮でございますけれども、教育行政の事務方最高責任者にあった方が、一方で、自らの非違行為によって国家公務員法の停職相当の処分を受けたと、そういったような今回はケースでございます。
 このような方でございますので、私どもとしては、仮にそういった行政トップにいた方の発言であれば、その内容が、仮にでございますけれども、学習指導要領と整合しない場合であっても、それが正しい解釈として受け止められる可能性が高いこと、それから、停職相当となった者であるということについて、特に心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して授業を行うことについて適切な教育的配慮が求められることであろうと、さらには、保護者がそれに対してどういった、保護者の当該学校に関する信用に与える影響があるのかないのか、こういったようなことについて十分な配慮が行われているかどうかということを確認する必要があると判断して地教行法の五十三条に基づく調査を行ったと、こういうような経緯でございます。
#110
○吉良よし子君 全く答えになっていないと思うんですね。だって、何で前川さんが授業をしたら学習指導要領に反する講演が行われると言えるのかと。そんなことは言えないじゃないですか。
 実際、調査をされたわけですけど、じゃ実際にそうした学習指導要領に反する授業が行われていたんですか、子供に対して不利益があったんですか。その結果をお答えください。
#111
○政府参考人(高橋道和君) 名古屋市教育委員会から聞き取りました内容によりまして、授業内容そのものについては法令や学習指導要領に違反する内容はなかったと理解をしております。
 ただ、前川氏を講師として招くに当たって、天下り問題で処分を受けたことは知っていたけれども、それは言わば監督責任であって、本人が自らの非違行為によって停職相当という重い処分相当と評価されたことについては知らなかったというような御回答もございましたので、その点についてはもう少し調べていただく方がよかったんじゃないかといったようなことを申し上げたというのは先ほど答弁申し上げたとおりでございます。
#112
○吉良よし子君 経歴を知らなかったことだけを問題にするって、それで教育内容の調査まで行うというのはやっぱり異常だとしか言いようがないんですよね。やっぱり結果として何ら授業には問題なかったんですよ。あなたたちが問題にしたのは、前川氏が授業をしたと、その事実のみを取って問題として調査をしたということで、そこが何らか問題になり得るという根拠が示せていないということなんですよね。
 ところで、私も確認したいんですけど、この市教委に送ったメールの中では、前川氏のことを、出会い系バーを利用して、そこで知り合った女性と食事したり、時に金銭を供与したりしたなんという決め付けた書きぶりがあるわけですけれども、こうした出会い系バーに関しては、前川氏は子供の貧困の実態を知るためだったというような報道もあるわけですけれども、こうした一方的な報道に基づいたこの記述は不適切だったと、そういうことでよろしいですね、大臣。
#113
○政府参考人(高橋道和君) 今御指摘いただきました部分につきましては、大臣からも、誤解を招きかねない表現であって、なおかつ事実を文科省として確認できていない報道に基づいたことであったということで注意を受けておりますので、その注意を私どもとしては真摯に受け止めているところでございます。
#114
○吉良よし子君 誤解を招きかねない表現だったわけですよね。とすれば、こういう一方的な報道を基にして決め付けでこうした書きぶりをしたと、このことだけでも私、大問題だと思うんですよ。前川氏に対する誹謗中傷とも受け取られかねない、そういう記述でしょう。やはりこういうのが誤解を招きかねない問題ある表現だったとするならば、大臣、このことを取って、少なくともこの部分については前川氏御本人に謝罪するべきではありませんか。いかがですか、大臣。
#115
○国務大臣(林芳正君) 文科省として、先ほど局長から答弁をいたしましたように、法令に基づいて教育委員会に対して必要な調査を行ったというふうに先ほど私からも答弁をしたとおりでございます。
 したがって、教育委員会等に対して謝罪が必要なものとは考えていないところでございますが、先ほど来申し上げておりますように、質問状の表現ぶり等について誤解を招きかねない部分があったことについては担当の初等中等教育局に注意をしたところでございます。
 今回の事案を踏まえて、教育現場に対してより一層丁寧な対応に努めてまいりたいと思っております。
#116
○吉良よし子君 私、前川さんに謝るべきじゃないかと言ったんですけど、その必要ないということでよろしいんですか、大臣。
#117
○国務大臣(林芳正君) 教育委員会等と申し上げましたので、教育委員会を始め、今回直接問合せは教育委員会に対してしたわけでございますが、それらに対して謝罪が必要なものとは考えていないというふうに申し上げたところでございます。
#118
○吉良よし子君 誤解を招きかねない表現だったと言っている一方で、間違ったことをしたと言っている一方で、そのことを反省もしない、謝罪もしない。それが道徳教育を子供に説こうという省庁の姿勢なんですかと、逆にそう私は言いたいと思うわけですよ。
 大体、問題にされている天下り問題ですけれども、本当に一度でも自ら非違行為を行った人を講師にするということが問題になり得るのか。私、ならないと思うんですよ。だって、馳元文部科学大臣、御自身のサイトで書いていらっしゃいます。前川さんについては天下り関与行為で停職扱いとなり、不名誉な辞職をしたことは事実だが、だからといって公教育の現場で講師をしてはならないわけではない、むしろ、失敗をし、社会的制裁を受けた人の体験談は、主体的な学ぶ力、考える力を中学生が培うには意味のある教材ではないのか、文科省どうしたんだと述べていらっしゃるわけですよ。
 実際、前川氏御自身も、非違行為したことについては万死に値すると言って、その処分を受けたわけですよ。そうした人を呼ぶことが問題じゃないじゃないか、むしろ意味ある教材じゃないかという、私、この馳さんの認識の方が教育に処するにふさわしい見識だと思うんですが、大臣、いかがですか。
#119
○国務大臣(林芳正君) その手前の報道については、先ほど申し上げたように、表現ぶりについての注意をしたところでございますが、今のお尋ねのことについては、まさに、部下のしたことについて責任を取ったということにとどまらず、本人の非違行為について責任を取ったと、処分を受けたと、こういうことでございまして、そのことについての御認識が現場にあったのかという事実確認をさせていただいたということで、その経緯は先ほど局長から答弁させたとおりでございます。
#120
○吉良よし子君 全く答弁になっていないと思うんですよね。本当にそういうことしか言えないのかと、本当に悲しくなるわけですけれども、結局、天下り問題とか違法とかいうのは調査の根拠になり得ないんですよ。非違行為したからといって授業に立っちゃいけないなんてことはあり得ないわけですよ、教育現場においては。やっぱり今回の調査というのは、前川氏を対象にした、標的とした調査なわけですよ。そこがやっぱり問題だと言わざるを得ないと思うんです。
 改めて確認をしますけれども、今回の調査、地教行法五十三条に基づいたと言いますが、それはつまり、四十八条に基づいて市教委へ指導、助言をするということが法律上の前提となっているわけです。じゃ、今回の調査の結果、どんな指導、助言を行ったのか、改めてお答えください、局長。
#121
○政府参考人(高橋道和君) 先ほども申し上げましたけれども、授業内容について法令違反等があったわけではございませんので、授業内容についての指導、助言は行っておりませんが、この講師の方を選任するに際して、この講師の方が、監督責任だけではなくて、自らも非違行為を行って、国家公務員法違反で言うと停職相当の処分になるということについては、事実を知らずにそういった計画をしたということですので、その点についてはもう少し配慮があってもよかったんじゃないですかということを助言申し上げたということになります。
#122
○吉良よし子君 助言と言いますけれども、結局、四十八条で言う教育課程や学習指導、つまり教育内容についての指導、助言は必要なかったということなんですよ。あくまでもその経歴のみを問題にしていると。やっぱり天下り問題は口実で、あなた方が、何が言いたかったかというと、加計学園問題で、安倍政権に行政がねじ曲げられたと証言して、総理の御意向文書が間違いなく省内に存在していると証言した、その前川氏を狙い撃ちした調査だということであって、指導、助言という前提も何もない下での恣意的な調査、すなわち調査権の濫用としか私は思えないんですよ。
 そもそも、憲法というのは教育内容についての国家的介入はできるだけ抑制的でなければならないとしているわけです。
 ここで資料を見ていただきたいんですけれども、一九七六年の全国学力テストの最高裁大法廷の中で、この憲法に基づいて、国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請されていると判決があるわけです。さらに、新教育基本法についての審議の際にも、その当時の大臣は、この最高裁判決の趣旨はこの今の新しい教育基本法にも生かされていると、そういうこともおっしゃっているわけなんですね。だから、これは生きているわけなんです。
 しかも、重要なのは、この同判決では、あなた方は法律に基づいていると繰り返されますけれども、同判決では、教育行政機関の法律に基づいて行う行政についても不当な支配とならないように配慮しなくてはならないという判決もしているわけなんです。
 今回の文科省の調査は、やはり違法な調査であるだけではなくて、こうした憲法の原則に反する重大な誤りだと、そういう重大な問題だという認識、大臣、ありますか。
#123
○委員長(高階恵美子君) 時間が参っております。
#124
○国務大臣(林芳正君) 我々の認識は、先ほど来お答えをしてきているところでございまして、この不当な支配ということについてのコンメンタールの中身も先ほど私の方から御紹介をさせていただいたとおりでございます。
#125
○吉良よし子君 本当に重大な問題であるとの認識がないということは、本当にそれこそ重大な問題だと思うんですよ。こういう教育の不当介入が行われているときに、文科省は毅然としてそんなこと絶対にならないと、大臣、あなたが先頭に立って言わなきゃいけないんです。そういう問題なんだということを強く申し上げまして、今日のところはこれで終わらせていただきます。
#126
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 本日の予算関連の質問に入る前に、文科省による前川氏の調査依頼の問題について、お伺いを何点かしたいと思います。
 先ほどから、文科省から名古屋市の教育委員会に宛てた前川氏への授業を調査した報告書、先ほど開示をされたんですけれども、事前と事後に保護者から意見はなかったのかですとか、録音テープですとか、そういった提供を求める非常に細かい問合せ、そういったのが、やっぱりこれは現場への圧力と受け取られても仕方がないんじゃないかなというふうに私も思うわけであります。
 先ほどからお話を聞いておりますと、文科省の主体的な判断で行ったということが多々出てきておりますけれども、私も気になったところが、修正前、それから修正後ということを見ていきますと、三点、文言が変わっているわけですけれども、文科省が主体的にやったという、三つの中の一つは文科省が主体的にやったんだというお話がございました。そこが、前川氏について、加計学園問題としか記していなかったところが、修正後では天下り問題や加計問題というふうに変わっていた部分があったかと思います。そこを、天下り問題を付け加えた意図は何だったんでしょうか、お聞かせください。
#127
○政府参考人(高橋道和君) 前川前事務次官につきましては、さきの国会において加計学園の問題について国会に参考人として出席されておりますが、その前に、この天下り問題についても参考人として出席されていたという事実がございまして、当初、私どもそこのところを書き漏らしていたのが後に気が付きましたので、これは池田議員とは関係なく文科省の判断で直させていただいたというものでございます。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
#128
○高木かおり君 誤解のないように先に申し上げておきたいんですけれども、従来、教育というのは政治からの中立性が求められるものと当然理解しているわけなんですが、国家権力が教育内容に介入すると捉えられることは大変今回遺憾に思っているわけです。
 そこで、私、ちょっと観点を変えて思ったんですけれども、この当初は加計問題しかなかった、後で天下り問題を入れたということで、文科省としてこの天下り問題に対して、本当にしっかりと、この重大な、約一年前に大きな問題になったこの天下り問題ということに関して、どのように捉えられていたのかなと、それを忘れていたというふうに私は聞こえるんですけれども、前川氏のこういった細かい動向を探るよりは、前川氏辞任の発端となったこの天下り問題をどういうふうに解決するのか、そういったところにもっともっと注力を文科省としてはしていくべきじゃないかなというふうに思うわけです。
 経過の中でも、五日に名古屋市の教育委員会から回答をいただいて、翌日、事実確認を再度依頼する、そしてまた次の日の七日の正午までに回答をしてくださいという、本当に、先ほど神本委員からもあったように、教育の現場は多忙な中こういった細かいことを問い合わせるということに対して、本当にこういうことをすべきだったのかということをしっかりと認識をしていただきたいと思います。
 天下り問題に戻りますけれども、この天下り問題に関してしっかりと議論を以前させていただいたとき、当時、松野大臣でございました、文部科学省が引き起こした再就職等問題の再発防止策の具体化を着実に実行していかなければならないと強く語られましたけれども、現在、天下りに関してどのような、再発防止しっかりと進んでいるんでしょうか。大臣、お聞かせください。
#129
○国務大臣(林芳正君) 文部科学省における再就職等規制違反の問題につきましては、平成二十九年の三月三十日に調査の最終まとめを公表いたしまして、組織的なあっせん構造の全容を解明するとともに、六十二件の違法行為が確認をされております。
 文部科学省においては、最終のこのまとめを受けまして、再就職等規制違反の再発防止策に関する有識者検討会において再発防止策の議論を重ね、その提言を踏まえて、平成二十九年八月一日に、第三者による再就職コンプライアンスチームを設置するとともに、大臣官房総務課に再就職コンプライアンス室を設置し、新たなチェック体制を整えたところでございます。
 このほかにも、再就職コンプライアンス研修を実施する予定であるほか、人事に関する慣行や仕組みの見直し、管理職のマネジメント能力の育成を行うなど、提言に示されました再発防止策を着実に実行に移しているところでございます。
 今後とも、これらの取組を進めることで再発防止の徹底に努めてまいりたいと思っております。
#130
○高木かおり君 是非とも、今回のような、私も質問書の方を見せていただきましたけれども、本当に事細かにいろいろと調査をしている。こういったことに力を注ぐのではなくて、是非とももっともっとしっかりと根本的に天下り問題ですとかそういったところをしっかりとやっていただきまして、やはり、先ほどコンプライアンスチーム、そういったこともできたということですけれども、聞き取りの中ではまだまだ、しっかりと今、天下りの認識が文科省の中でも甘かったということ、それを受けてしっかりと研修等もやっていかなければならないけどまだ教材を作っているような段階だということを聞いております。もっとそういうことも早急に進めていくべきだと私は思いますので、しっかりと再発防止をしていただくために全力で取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 それでは、通告をしておりましたキャリア教育について伺いたいと思います。
 平成三十年度の予算を拝見しましたところ、このキャリア教育、職業教育の充実に関して一億八千四百万円が計上されているんですが、前年度よりも三千万近く減額となっているわけです。
 私は、このキャリア教育というのは本当に日本を担っていく子供たち、この人材を育成していくということに関して非常に重要な部分だというふうに思っているわけです。今、少子高齢化ですとか産業構造が変化していく、そういった中で、若い世代もニートやフリーターが増加していく。今、働き方改革なんかも言われていますけれども、そういった若者がいかに学校教育を終えた後にスムーズに社会の一員となって自分の役割を果たす、そういったために、職業人としての資質や能力の向上、働くことの関心、意欲を高める、そういった各発達段階でのそういったキャリア教育、これ大変重要だと思っているわけです。
 そういう中で、ちょっとこの前、日経ビジネスに慶応大学の安藤教授のコメントというのが載っておりまして、安藤教授によれば、人間の肉体が完成する十五歳からは多くの能力が固定され始める、この時期からは自分の向き不向きが明確になって将来考えられる体制が整う、だとすると、高校時代からすぐにでも準備を始めた方が将来的に大成する確率が高まるという理論をおっしゃっているわけなんですが、ここでは高校のキャリア教育というのを大変重点を置くべきだというお話があります。
 我が党も教育無償化、各党、これは我が党だけじゃなく、各党挙げて議論になっているかと思いますけれども、我が党では高等教育の無償化まで提案をしておりまして、その際に問題となるのが、やはり今、取りあえず大学に行こうかと、遊びに来るような感覚で、意識で大学に来る学生、こういった学生にも、じゃ、税金を投入するのかと、そういった議論があるわけです。そのためには、やはり大学も変わらないといけない、改革をしていかないといけない、そしてやはり学生の意識改革、こういったことも大変重要だと思っております。
 自分のキャリアを考えたら是非とも大学で学ぶことが必要だという学生、こういった学生にはやはり授業料の負担というのをしてあげたいと、しっかりそして学んでほしいと思うわけでありますが、ではそのようなキャリアをどう形成していくか。小学校からの体系的な高校までのキャリア教育、これが本当に重要になってくるんではないかというふうに思います。
 そこで、文科省では各発達段階におけるキャリア教育、どういうふうに考え、そしてどのように浸透させていこうと考えているのか。今後の方向性も踏まえて林大臣にお答えをいただきたいと思います。
#131
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、この社会や職業生活の中で皆さんが力を存分に発揮できるようにするということが重要であるというふうに思いますので、社会的、職業的自立に向けて必要な基盤となる資質、能力を育てるキャリア教育、また今お話がありましたように自分はどういうことをしたいのかということを主体的に考えると、こういうことが大変に大事であるということでございまして、キャリア教育の果たす役割は極めて大きいものというふうに認識をしております。
 文科省ではこれまでも発達の段階に応じたキャリア教育を推進しているところでございまして、委員からは十五歳という今お話がありましたけれども、それに至る手前の小中学校と、それからその後の高等学校とまたいで企業体験活動の推進をやったり、児童生徒が自らの学習活動等の学びのプロセスを記述をいたしまして後で振り返る、まあ十五歳かどうか分かりませんが、その十五歳の前後で一体自分はどう変わったんだろうということを自分で振り返ることができる、こういう教材の導入に向けた調査研究のための予算を計上しておるところでございます。
 また、新学習指導要領においては、小中学校についてキャリア教育の充実を明記をするとともに、小中高等学校通じてキャリア教育が体系的に推進されるよう整理をしたところでございます。この新学習指導要領の施行を契機に、一層キャリア教育の充実に努めてまいりたいと思っております。
#132
○高木かおり君 大臣、ありがとうございます。
 学習指導要領にも、今までは盛り込んでいなかった小中学校のところにまでキャリア教育というものが入ってきたと。先ほど大臣からもお話しいただきました、自分の振り返りができるという、まあ仮称ですけどキャリア・パスポートというものをつくって、児童生徒がどんなことを学んできたのか、どんなふうに今後やっていきたいかということが振り返りができるということと、やはり自分自身の中で意識付け、こういった意識付けというのが本当に効果があるんじゃないかと私はすごく期待をしておりまして、ここにも今年度予算を付けていただいていますけれども、まだまだこれをどんどん拡充をしていっていただきたいなと思っているわけです。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
 このキャリア教育、始まってから十年ほどだとお聞きしておりますけれども、当初かなり予算を掛けて推進したということもあって、現在では産学連携ということができていたり、地域の企業とつながりを持ってある程度の枠組みというものはできてきているのかなというふうに感じておりますけれども、やはりその地域地域で、例えば地場産業が盛んなところですとか、都心部、そういったことで事情が違うところで、やはりその地域による取組の温度差、こういったこともあるのではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#133
○政府参考人(高橋道和君) 学校におけるキャリア教育を推進するためには、学校が家庭や地域、社会、企業、経済団体、職能団体、NPO等の関係団体と連携して取り組むことが不可欠でございます。
 このため、文部科学省においては、平成二十五年度から二十七年度にかけて、学校等の教育機関とPTA、自治会、経済団体、NPO等が参画する協議会を都道府県等に設置する事業を実施し、各地域におけるキャリア教育の支援体制の構築に努めてきたところでございます。
 都道府県に設置された協議会においては、外部講師による出前授業等の教育活動支援の促進、職場体験、インターンシップ受入先の開拓やマッチング、職場体験等受入れ経験のない企業へのノウハウの提供、こういったことによりましてキャリア教育の推進が図られているところでございます。
 文部科学省といたしましては、都道府県等のキャリア教育担当者を集めた各種会議等において、協議会未設置の自治体に対して更にその設置を促すなど、引き続き、全国各地でキャリア教育が推進されるよう努めてまいりたいと考えております。
#134
○高木かおり君 本当に地域によってまだまだ全国的に見るとばらつきはあるのかなというふうに感じるところでありますけれども、取組は進めていっていただいているということで、大変期待をしているわけですけれども、やはりそういったところも多くは手挙げ方式というのがあるんじゃないかなと思います。もっともっと文科省としても把握をして、検証して、どんどん横に広げていくということをしっかりやっていっていただけたらなと思います。
 ただ、このキャリア教育というのは、本当に教科書があるわけでもなく、科目としてあるわけでもないですので、大変これ難しいというふうに私も思います。そういった中で、教師一人一人が果たしてこのキャリア教育というものをどういうふうに認識をしているのか。そういった教師一人一人の中での認識のばらつきであるとか情報の格差、これはひいては子供たちに不公平感を与えるということになりますので、この点についてどういうふうにお考えになられているのか、また対応策等ありましたらお聞かせ願います。
#135
○政府参考人(高橋道和君) キャリア教育は学校における教育活動全体を通じて取り組むものでありますので、全ての教職員がキャリア教育を正しく理解し、その意義と必要性を十分認識するとともに、教育活動の中で実践できる力を高めることが必要であります。
 このため、文部科学省におきましては、各都道府県教育委員会等においてキャリア教育の担当指導主事等を対象とした指導者養成研修を独立行政法人教職員支援機構との共催により年二回開催するほか、各学校や地域においてキャリア教育の推進役となる教師等を対象とした研究協議会を国立教育政策研究所と協力して開催する、さらに、教師等学校関係者、企業関係者及び保護者等を対象としたキャリア教育推進連携シンポジウムを開催するなどの取組を通じて教職員の資質向上に努めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、これらの取組を通じて、引き続き、各学校において全ての教職員がキャリア教育を正しく理解し実践できるような取組を進めてまいりたいと考えております。
#136
○高木かおり君 是非とも、先生方も大変多忙ですので、研修、研修というふうに重なるのは大変、その合間を縫ってということになりますけれども、大変このキャリア教育というのは重要な部分であると思いますので、そういったことも考慮しながら進めていっていただきたいなというふうに思います。
 時間がございませんので簡単にお聞きしたいんですけれども、このキャリア教育、どうして時間が少ない中でこのキャリア教育を取り上げたかと申し上げますと、ちょっと冒頭申し上げたんですが、やはり大学の教育の無償化ということを語るに当たって、やはり高校時代、高校という段階で自分たちの将来をしっかりと見極めるためには、キャリア教育、高校生のキャリア教育というのはすごく重要なんではないかというふうに思いましてテーマとして取り上げさせていただいたわけです。
 今回、高校のキャリア教育という部分で、様々、職業体験ですとかインターンシップ、これはなかなかまだ参加率も低いということでございますけれども、こういう、高校の一歩先を行く。なぜかと。一歩先を行くというのは、キャリア教育というのがすごく裁量、幅が広い教育になってまいりますので、不公平感が出ないように、キャリア教育というものをしっかりと、その一歩先を行く学校の事例というのを文科省として是非とも検討していっていただいて、このキャリア教育を深く浸透させていただきたいと思っているわけです。
 もう時間がないのであれですけれども、私の地元の大阪の箕面高校という高校がありまして、ここは数年前までは偏差値が五十台という中堅の進学校だったんですけれども、学校自体が、大阪という、商業の町という大阪を復活させるために海外からの企業を呼び込もうとしたり、そういった大阪府の政策とリンクをさせて、英語ができる、それからグローバルな人材をしっかりと育てるという意味で議論ができる人材を育成するということで、これが二〇一四年の橋下前大阪府知事の施策で始まった民間公募制で校長先生を、校長のリーダーシップをしっかりと持ってこういった学校を進めてきたわけです。
 これだけではなくて、ほかにもいろいろ全国にもあるわけですけれども、これは一事例ですけれども、こういったところをただ市教委、府教委に任せているということだけではなく、そういったいい事例は是非とも文科省の方でも検証していただいて、そして横に広げていっていただくということを是非ともやっていただきたい、そしてキャリア教育を広く深く浸透させていっていただけたら、しっかり予算も付けていただきたいなというふうに思います。
 最後に、大臣、御所見の方をお願いいたします。
#137
○国務大臣(林芳正君) 実はこの間、奈良の市立の高校で、よのなか科というのをやっておられましたので、それを見せていただきましたけれども、いろんな取組が実は現場で行われておりまして、特に、先ほど委員からもお話がありましたように、やはりこのキャリア教育というのは、自分が大げさに言うと何であるか、何をしたいのかということに気付いていく、そのことを促していくという意味でも大変大事であろうと、こういうふうに思っておりますので、今委員からもお話があったような例や、全国高等学校教育改革研究協議会と、こういうものを開催して優良事例の収集と全国への展開等図っておりますが、これ別に知的財産権があって教えてやらないということはないと思いますので、いろんないい事例をみんなでお互いに知っていただいて更にいい取組が広がっていくように、我々もしっかりと後押しをしていきたいと、そういうふうに思っております。
#138
○委員長(高階恵美子君) 申合せのお時間が過ぎておりますので、おまとめください。
#139
○高木かおり君 はい。
 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。
#140
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司です。
 まずは、やはり文科省による名古屋市立中の授業調査について何点かお伺いしたいと思います。
 先ほども指摘がありました二〇〇六年の教育基本法改正、第一次安倍政権によるものであります。この第十条、先ほども指摘ありました、教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われると。そこから現在の第十六条、前段省略をして、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」という改正が行われております。これは大きな改正だったと思います。
 先ほど来の答弁をお聞きしていると、法令に基づいて事実確認を行ったという発言が何回もあります。法令に基づいて事実確認を行ったから不当な支配に服することではないと、何か逆転したように聞こえるんです。法令に基づくのはこれ当たり前のことでありますし、また、この法律というのは時の政権、あるいは政治状況によって決して普遍的ではないものでありますから、ここに大きな実は注意を払っていかなければいけない。それだけ不当な支配に服することなくということは重いことだと思っております。
 平成十八年五月の衆議院本会議において、当時の小坂文部科学大臣、こういう発言をしております。不当な支配に服することなくとの規定について、「その主体を問わず、教育が国民全体の意思とは言えない一部の勢力に不当に介入されることを排し、教育の中立性、不偏不党性を求める趣旨であり、このような考え方は今後とも重要である」と、こういう答弁であります。非常に重要な答弁だと思っております。
 こういった答弁を受けて、改めてこの不当な支配、このことについて、また今回の文部科学省の対応について、林大臣の御見解をお伺いいたします。
#141
○国務大臣(林芳正君) 先ほど不当な支配につきましては御答弁をしたとおりでございますが、文部科学省として、今回の問合せについては、法令に基づき適正に行った調査であり、教育基本法に規定する不当な支配に当たるものではないと、こういうふうに考えておるところでございます。
#142
○木戸口英司君 やはり何度聞いても、法令に基づいてということから不当な支配に服していないというところに論拠が行っている、そのことに非常に違和感を感じるところであります。
 文科省と地方教委、そして政治が大きく関わった過去の問題で思い出すのが八重山の教科書問題であります。民主党政権から自民党政権にかけてということで大変大きな問題となった教科書選定という法令の中で起こった問題であります。
 今回その中身について触れるのではなくて、当時の文科行政に関わった同僚議員からも聞きましたけれども、こういう法令遵守との関わりと学校現場や教育委員会の自主性を尊重することに対して、当時の文科省、政務三役を中心にして、大変慎重に悩みながら一体となってこの対応に当たってきたという話を聞きました。
 そういう観点からいうと、今回、非常に対応が、局で行われたということ、また、政務三役を除いて後ほどの報告ということ、非常に対応のまずさあるいは違いということを感じるわけです。
 この地方教委との関わりという観点で、文科省、何か過去と変わったということ、自覚することありますでしょうか、局長からお聞きしたいと思います。
#143
○政府参考人(高橋道和君) 今回、初等中等教育局では、まずは事実確認をしようということでございましたので、これは局の判断として行ったものでございます。
 特に大きく変わったという認識はございませんが、ただ、それを事後的に三役、大臣、副大臣、政務官に報告したところ、こういったことは事前に報告あってもよかったのではないかといったような注意はいただきましたので、それは真摯に受け止めているところでございます。
#144
○木戸口英司君 慎重さを欠いたということではとどまらない大きな問題だと思います。その中でいえば、やはり、過去、こういう学校現場又は教育委員会の自主性を重んじるという文科省の姿勢、そこが大きく変遷、変わったんではないかということ、そう強く感じざるを得ません。このことは強く指摘したいと思います。
 そして、先ほど来答弁があることについてちょっと確認をしたいと思いますけれども、文科省の最高責任者の発言の影響は大きいということ、それはそのとおりだと思います。その中で、学習指導要領との整合性という話が出ました。公立学校での講演ということを考えれば、このことも理解しないわけではありませんけれども、やはり教育行政の将来を考えたときに、文科省のOB、これは幾らトップ、元事務次官であっても、やはり今の学習指導要領も含め、文科行政に対して、例えば批判的であったり、あるいは将来に向けた提言であったり、こういったことができないのか、文科省OBはこういう発言が許されないのか、そういう規定があるのか、そういうことをちょっと確認したい気持ちになったんですけれども、いかがでしょうか。こういう発言の自由というものを許さない、そういう規定があるんでしょうか。
#145
○政府参考人(高橋道和君) 既に文部科学省を辞めた方であり、一私人でございますので、その発言についてはこれは自由だと考えております。ただ、直前まで事務次官などの要職を務めた方でございましたので、そこでの発言というのは非常に与える影響は大きいだろうと、こういった認識もあったということでございます。
#146
○木戸口英司君 その与える影響の大きさということを感じただけで、こうして教育委員会に問合せをしたということ、このことも非常に重いことだと思います。
 先ほど来これも指摘のあるところですけれども、昨年の天下り問題について、前川氏は発覚当時の事務方のトップ、そして自らの関与もあったということの引責辞任がありました。ちょうど去年の今頃だったと思います。報告書が出て、この場で集中的な審議も行いました。唯一そのとき、私、前川氏を参考人で呼んで質問をしたことを覚えております。それはやはり責任の大きさということを感じたからであります。
 でも一方、この問題で懲戒処分を受けたのは十六名、まあ停職から減給までありますけれども、その中には停職となった元事務次官も含めておりますけれども、現役の文科省官僚もいらっしゃいますね。そのことを考えれば、やはり、これも先ほど来指摘があるとおり、前川氏については、加計学園問題での行政がゆがめられたなど政権を批判する発言があった、このことがその後もウオッチされマークされている、そういうことではないかと推察するわけです。
 前川氏の一連の発言は、政治と行政との関係の中で政治の在り方に対する批判、また行政と教育との関係の中で行政の在り方に対する自戒の念から発せられているものと理解しています。もちろん、文科省の中には現職のときに語るべきだったという批判があることも推察いたします。
 昨今の教育行政と政治の関わりが非常に問題化されています。森友問題、加計学園問題も、それぞれ教育現場で起こった問題であります。そういう中で、憲法が保障する学問の自由を守り、教育基本法にある「教育は、不当な支配に服することなく、」を担保し、人格の完成という目的をいかに達成するか、文科省の責任は大きいと考えます。
 今回の事案で明らかとなった自民党文科部会の国会議員から文科省への問合せは、文科省にとっては圧力というものではなくて、こうしたやり取りが日常常態化のことだったということではないかと感じます。林大臣も記者会見で、政府の行政また企画立案について与党として御意見を申し上げるということはあるということを発言されています。ということは、やはり文科省の対応、それが今大きな問題であると考えます。政務三役に報告することもなく、コメントのすり合わせをした上で直接的に教育現場に向かったという、そういう事実であります。
 教育現場とすれば、生徒や学生の一瞬一瞬に向き合う、この行為、文科省の行為ですね、そのことを言えば、非日常、非常識のことだったと想像します。政治的意味を持った教育内容への介入そのものだと言わざるを得ません。その意味で、文科省の教育現場に寄り添うかどうかという大きな存在意義に今懸かっていると思います。
 私はこういう指摘をしたいと思いますが、やはりここの責任者であった初等中等教育局長にまずは聞きたいと思います、今の問題意識について。
#147
○政府参考人(高橋道和君) 先ほどから御答弁申し上げておるとおりでございますけれども、私どもは、やはり教育行政のトップの責任者であった方が大きなあの違法行為によって重い処分相当となったということに一つ問題意識を持ちまして、今回は、まずは事実確認をするということで調査をしたものでございます。
 ただ、その調査の表現ぶり等につきましては誤解を招きかねないものであったということは大臣から注意を受けておりますので、それについては真摯に受け止めて、今後、教育現場に対してはより丁寧な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#148
○木戸口英司君 そういう政治と教育行政との関わり、様々問題視されている部分が大きいわけでありますけれども、この点について、大臣、お考えをお聞きしたいと思います。
#149
○国務大臣(林芳正君) 先ほど木戸口委員から触れていただきましたように、与党のみならず野党の先生方におかれても行政に対していろんな御意見をされるということはまああることだというふうに私も会見で申し上げたとおりでございますが、今委員からお話がありましたように、それを受けて最終的に、ここで私が申し上げているとおり、判断をするのは行政でございますので、その判断についてはしっかりと責任を持つ必要があると、そういうふうに考えております。
#150
○木戸口英司君 それでは、この問題はまた引き続き取り上げていきたいと思います。
 今、加計学園のことを触れましたけれども、いよいよこの春、獣医学部、新しい学部がスタートをいたします。この問題についてはこの委員会でも再三取り上げてまいりました。その中で、やはり獣医学教育の充実の必要性ということも強く感じているところであります。
 前川氏の講演、加計学園の問題、そのことを今触れさせていただきましたけれども、加計学園の問題についても今後全容を明らかにする必要があるということ、そのことも強く感じているところであります。
 その中で、獣医学教育の充実ということ、これまで我が国では、獣医学系大学等多くの関係者により、半世紀にもわたり獣医学教育の国際水準に向けた努力と教育改革が進められてきました。近年では、文部科学省に設置された獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の議論等を基に獣医学教育のモデル・コア・カリキュラムが策定、実施されたほか、共用試験も開始されるなど、獣医学部又は獣医学科を擁する国立大学十大学、公立一大学、私立五大学の十六大学等が協力して獣医学教育全体の質の向上に向けて取組が行われております。
 獣医学教育の質の向上に向けたこれまでの獣医学系大学の取組に対する評価をお伺いしたいと思います。また、獣医学教育を国際水準に引き上げる上で、関係する獣医学系大学が連携して更なる改革を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 また、既存の獣医学系大学が連携して獣医学教育の質の向上に取り組んでいる中で、加計学園による世界に冠たる獣医学部の新設はどのような意義があり、またその意義は既存の獣医学系大学の間できちんと共有されているとお考えでしょうか。加計学園が既存の獣医学系大学による教育の質の向上の取組について十分に認識していると考えているか、答弁をお願いします。
#151
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 文部科学省におきましては、木戸口委員御指摘のように、獣医学教育の改善、充実の方策につきまして調査研究協力者会議で検討を行いまして、その提言に基づきましてモデル・コア・カリキュラムを策定することによりまして、教育内容、方法の改善を図る、さらには獣医学教育の質の確保のための評価システムを構築していく、さらに附属家畜病院の充実や外部の専門機関等の連携によりまして臨床教育の充実等の取組に大学等が連携しまして図っているところでございます。なお、獣医学教育の国際的な水準の問題について言えば、実習の機会が少ないですとか、あるいはアドバンス科目など近年の獣医学の教育に関連したような実践的な教育プログラムが不足しているとの課題が指摘されているところでございます。
 これらの課題を踏まえまして、政府としましては、平成二十九年度から、獣医関係学部の学生が家畜衛生、公衆衛生分野、産業動物臨床分野におきまして高度獣医療技術を修得できるよう、各大学連携して実習の充実も含め、先導的、実践的な教育プログラムを構築する取組を支援するということになっているところでございます。
 国際化水準の取組についての大学の連携につきましては、帯広畜産大学、北海道大学、山口大学、鹿児島大学の四大学が連携しまして、それぞれの強みを持つ分野の教育コンテンツの共有やアドバンスト教育を充実させるなど、欧州の獣医学教育機関の評価への認証の取得に向けまして、教育内容の高度化を図っているところでございます。
 今般、設置認可いたしました新しい獣医学部につきましても、こういうふうな成果を踏まえましたような取組をしっかりやっていただくように、情報の共有を獣医学部の関係の機関を通じまして取組をさせていただきたいと思います。
 もとより、新設しました獣医学部につきましては、設置審の審議会におきまして留意事項を付しているところでございます。そのフォローアップをしっかりさせていただきながら、その質の向上についてしっかり取り組んでいきたいと存じます。
#152
○木戸口英司君 獣医学系大学の国際水準化ということ、その必要性は大きいと思います。そういう要請の中で、文科省から非常に厳しい指導を受けながら大変現場で苦労してきたことを私も大学に行ってお伺いをしてきました。その中で、今回突然現れた新しい大学の登場ということ、非常に戸惑っているということが現状だと思います。これまでのそういう積み重ねの中で、今回の新設大学がどのようなポジションの中にあるのかということ、このことは、認可した文科省、各大学と意見を合わせながらしっかりと今後に積み上げていく必要があるんだろうと思います。
 その中で、やはり今度の新設大学のフォローということが非常に大事だと思います。非常に懸念もされております。大学設置・学校法人審議会による答申で挙げられた留意事項の中で、完成年度前に定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が比較的高いこと、こういう懸念も示されております。既存の獣医学部でも専任教員数の確保が困難であるという現状がある、このことも各大学から聞いております。十一月の答申の段階においてもなお専任教員に関して設置審の懸念を完全に解消できていないということが分かっております。総合参加型臨床実習についても、新設の獣医学部が一学年百四十名という大人数の学生に対し本当に参加型の高度な教育環境が提供できるのか不安が指摘されております。
 獣医学部の新設に関して設置審により示された留意事項についてきちんと対応できていることを文科省としてもしっかりフォローし続ける必要があると考えますが、改めて所見を伺います。また、専任教員の不足という問題については、一大学の問題を超えた全体的な構造的な問題であると考えます。文科省の認識と対応について伺います。
#153
○委員長(高階恵美子君) 義本局長、簡潔に御答弁願います。
#154
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 学部等が完成された場合の開設年度の入学者の学生が卒業するまでの年度、この期間についてしっかりフォローアップすることになっているところでございます。
 木戸口議員御指摘のとおり、留意事項につきましては、先ほどの話のように総合参加型臨床実習ですとか、あるいは教員の年齢の構成の是正等についての御指摘をいただいているところでございますので、その点については毎年書面による報告を求めるほか、実地調査やあるいは面接の調査を行い、履行状況が課題が生じている場合については必要な指導を速やかに行い改善を求めていくということについて行っているところでございます。岡山理科大学の獣医学部につきましても、留意事項への対応を含めた設置計画について確実に履行できるよう適切に確認を行っていきたいと存じます。
 さらには、獣医学教育を担う専任教員の問題についてでございます。この点については、先ほど申し上げました協力者会議のまとめにおきましても、特に大学院の充実をしっかりやる中において臨床分野の教員の確保を念頭にやっていくということが求められるところでございます。こうした指摘を踏まえまして、平成三十年度からは岩手大学と東京農工大学、鹿児島大学、山口大学の間で大学院の共同教育課程が開設されることになっておりまして、獣医学教育を担う教員養成の充実を図っているところでございます。
 こうした取組を通じましてしっかり文科省としても取り組んでまいりたいと思います。
#155
○木戸口英司君 終わります。
#156
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。
 各学校が自ら目標と内容を自由に定める、創造することのできる総合学習で、過去、前川さんより以前にお招きした講師について、微に入り細に入り文科省が質問した前例はありますか。
#157
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 個別の事例について今網羅的に全て把握しているわけではございませんが、私が知る限りにおいてはないと承知しております。
#158
○蓮舫君 大臣は会見で、一般論として、指導要領に違反、あるいは特定の児童生徒に不利益になるおそれがある場合に調査することもあると、これは正しいと思います。ただ、前例がなくて、前川さんには、講師に呼んだ理由から謝金から、出会い系バーの情報提供から、録音データの提供を求めた。これ、なぜでしょうか。
#159
○政府参考人(高橋道和君) 今回の授業については、講演を行った前川前事務次官が直近まで文科行政の事務方最高責任者としてその発言が教育行政に関して正当な根拠があると受け止められる特別な立場にあったことから、影響力が大きく、仮にその発言内容が学習指導要領と整合しない場合であっても正しい解釈として受け取られる可能性が極めて高いと考えられたこと、いわゆる天下り問題等に関わって、単に監督責任にとどまらず本人自身の違法行為をもって停職相当となった者であることから、特に心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して授業を行うことについて適切な教育的配慮が求められること、本人の違法行為をもって停職相当となったことなど各種報道により社会的に注目を集めている人物であり、一部にはこれを不適切と捉える向きもあると考えられることから、保護者の当該学校に対する信用に与える影響について十分な考慮が行われる必要があること、こういったことから指導、助言、援助を行う蓋然性があると判断し、地教行法の五十三条に基づいて授業の内容について確認を今回行ったものでございます。
#160
○蓮舫君 一言で言うと、事務次官だった方が、監督責任もあり、違法行為を行った、だから、その発言力は影響が大きいということなんですが、去年、平成二十九年三月三十日に文科省が調査結果を報告したこの天下り問題再就職等問題に係る調査報告では、前川さんだけではなくて三人の事務次官が処分されています。同じ理由で処分された清水元事務次官は、退官後、明治大学に再就職しています。実際に教鞭を執る立場になったこの清水さんは調査しましたか。
#161
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の清水元事務次官に関しては、文部科学省として御指摘の調査はしておりません。
#162
○蓮舫君 なぜですか。
#163
○政府参考人(高橋道和君) 私ども初等中等教育局では、今回は、前川事務次官が授業を行ったのは、まだ発達の途上にある義務教育段階の中学生であるということでございまして、少なくとも、初中局におきましては、清水前次官が義務教育段階の学校で授業を行っているということについては承知をしておりませんでした。
#164
○蓮舫君 いや、初中局は調べないというのは分かるんですよ。
 じゃ、官房長に聞きますが、大学を扱っている高等教育局大学振興課は調査しましたか。
#165
○政府参考人(藤原誠君) 委員御指摘のその清水元事務次官に関しては、今回、前川前事務次官のような具体的なそういう報道があったというわけではございませんので、調査していないということでございます。
#166
○蓮舫君 もう一人、山中元事務次官も前川氏と全く同じ理由で停職処分を受けています。この方は今何されているか御存じですか。
#167
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 山中元事務次官の再就職の状況でございますが、退官後、一旦は在ブルガリア日本大使館の大使で行かれておりますが、その大使については既にお辞めになっているということは承知しております。それ以外の情報につきましては、私どもとしては公表できる内容は持っていないということでございます。
#168
○蓮舫君 山中元事務次官は、今年一月から広島県の特別参与になられています。何をするか。県と教育委員会が計画する来年春開校予定の中高一貫校、これへの総体的な助言をする。さらに、広島県が推進する学びの変革という教育政策に直接アドバイスをする。前川氏と同じ処分を受けた教育行政事務方のトップだった人が、総合学習一回だけの授業ではなくて、中高一貫校、そして県の教育政策そのものに携わる、これは調査をしましたか。
#169
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の山中元次官に関してのその広島県の関係についても調査はしておりません。
#170
○蓮舫君 なぜですか。前川さんは調査をして、山中さんはなぜ調査をしないんですか。
#171
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 山中元事務次官の再就職につきまして、私どもとしては報道等は存じ上げず、把握していなかったということでございます。
#172
○蓮舫君 高橋局長、先ほど子供たちの発達云々という発言をされておられましたけれども、まさにこの中高一貫校はあなたが所管をする初中局、その高校教育改革PTが担当ですけれども、ここで調査をするべき事案だと思いませんか。
#173
○政府参考人(高橋道和君) 今回、私どもが前川前事務次官の件につきまして名古屋市教育委員会に調査したのは、まず、発達途上の段階にある義務教育段階の中学生に対する授業を行ったということでございましたので、私どもとしては、山中事務次官が同じように学校で授業をしたというような状況を把握しておりません。もしそういうような状況があれば、それはまたその事例を踏まえた上で判断することになろうと思います。
#174
○蓮舫君 せっかくですから、新聞記事も資料に付けさせていただきました。
 新聞記事では、違法な天下りあっせんに関与したとして停職相当の処分を受け、大使を辞任した。前川さんと全く同じことが書かれて、そしてさらに、一回きりの総合学習ではなくて、県の教育政策に直接口を出す、来年春開校する、まさにこれから育っていく中高一貫校の政策に口を出す。私はこちらも相当影響が大きいと思いますが、そのように思いませんか。
#175
○政府参考人(高橋道和君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私どもとしては、あくまで発達のまだ途上の段階にある義務教育段階の児童生徒に対する授業ということでございますので、もしこの中高一貫校で山中前次官が授業をされるということであれば、その辺りについては、また実情を踏まえてどうするかを考えることになるのではないかと思います。
#176
○蓮舫君 言っている意味が分かりません。発達途上の段階にある中学生の、その中高一貫校の学校をつくる教育政策に直接助言をするんですよ。授業をするよりも、その中高一貫校全体の教育の在り方をどうするか、カリキュラムをどうするか、その政策をどうするか、そこに助言をする方が、たった一回きりの総合学習の講演に比べたら、道徳のこともあるかもしれない、あるいは科目の内容直接もあるかもしれない、よほど山中さんの方が教育に与える影響は大きいんではないですか。
#177
○政府参考人(高橋道和君) 済みません、議論がちょっと擦れ違っていたら大変恐縮でございますが、私どもは、あくまで授業をするということは、心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して直接働きかけるというものでございますので、この点について適切な教育的配慮が求められるのではないかと考えたものでございます。
 山中前事務次官の場合においては、そういった直接子供に対する授業を行ったという状況を私どもとしては把握をしておりませんので、初中局としては調査をするということにはなっていないということでございます。
#178
○蓮舫君 直接授業をすることと、直接学校の教育政策全般をつくることと、どちらが子供に影響があるんですか。
#179
○政府参考人(高橋道和君) 子供への影響の定義にもよるかもしれませんけれども、やはり直接働きかける授業というのは、それなりに子供にとっては影響が大きいのではないかと考えております。(発言する者あり)
#180
○委員長(高階恵美子君) 答弁者は質問の意図を的確に捉えた上で答弁願います。
#181
○蓮舫君 お手元に資料をお配りをさせていただきましたが、清水さん、山中さん、前川さん、三人が処分をされたときの理由について文科省に書いていただきました。山中さんと前川さんを比べてみてください。ほぼ同じ文言です。人事課職員の関与に対する監督責任、天下りあっせん構造、構築、運用に関わってきた重大な責任、あと、営利企業に再就職情報の提供を行った国家公務員法違反。ところが、山中さんの方が更に重大な問題が指摘されているのが赤線です。これは、天下りのシステムを元OBの法人と構築をする時期に山中さんは事務方のトップだったんですよ。前川さんよりも極めて重大な責任があったと。
 文科省自らの調査でここまで明記をしている山中さんが、直接授業をするかもしれない、でもそれ以前に、政策そのものに口を出すために広島県に今雇用をされている。これは問題だとはお考えになりませんか。
#182
○政府参考人(高橋道和君) 基本的には、これは広島県の教育委員会において判断されるべきことであると考えます。
#183
○蓮舫君 じゃ、名古屋市の教育委員会の判断には何で口を挟んだんですか。
#184
○政府参考人(高橋道和君) 大変繰り返しになって恐縮でございますけれども、特に心身の発達が途上段階にある中学生に対して直接授業をするということについて私どもとしては内容を確認する必要があると考えたものでございまして、前川次官が仮にどこかの県の政策参与になったとしても、それについては特に問合せをしていないということでございます。
#185
○蓮舫君 大臣、前川さんと、この清水さんと山中さんの文科省の局の判断が今みたいなとても納得できるものではないんですが、大臣は納得しますか。
#186
○国務大臣(林芳正君) 今のやり取りはここで聞かせていただきましたので聞いておりましたが、中学生に直接授業をするというところが先ほど来から答弁を差し上げたとおりでございまして、今まさに局長から答弁がありましたように、例えば、清水さんや山中さんや前川さん、みんなこの処分を受けている方でございますが、処分を受けた方がその後何か授業をしちゃいけないというふうに言っていないんです、局長は。そのこと、その処分を、自分の非違行為に受けて、受けたことを把握した上で講師として選定をしているかについて事実確認をさせていただいたというふうに申し上げておるわけでございますので、それでは、じゃ、未来永劫、処分を受けた方、別にこのお三方どなたでもいいんですが、そういう方が発達段階にある中学生の前で授業をしてはいけないということを今局長が申し上げていたことではないというふうに私はここで聞いておりましたけれども。
#187
○蓮舫君 済みません。来春開校する中高一貫校の学校の在り方、教育の在り方、家庭の持ち方、その教育政策全般に助言をする人は影響力がなくて、授業をする人の方が影響力があるというのは、何を根拠に言っているんですか。
#188
○政府参考人(高橋道和君) 一人一人のその中学生にとっては直接授業で語りかける方の方が影響力があるのではないかと、そういうような趣旨で私は申し上げているつもりでございます。
#189
○蓮舫君 その授業をどういうふうに持っていくかという教育政策の学校の在り方をつくる人の影響は何でないんですか、ならば。
#190
○政府参考人(高橋道和君) 恐縮でございますが、特別顧問、特別参与でしょうかね、特別顧問でしょうかね、具体的にちょっとどういうような形でどう参画されているのかについて、私も今ここで初めて聞きまして、ちょっと承知をしておりませんので、その点についてはちょっとお答えができない状況でございます。
#191
○蓮舫君 いや、そうすると、前川さんに質問をしたのが整合性が取れなくなるんですよ。つまり、事務方トップで責任を有していて、国家公務員法違反で処分をされた人が子供に教育を語ってはいけないということで、微に入り細に入り、あってはいけないような報道も、臆測のような報道も、全て学校に直接二回もやり取りしているわけでしょう。にもかかわらず、今言った山中さんは、私、知りませんから答えられない。もっと大きなことじゃないですか。学校の政策そのもの、県の政策そのものに携わっている人で、県に確認をしたら、教育政策にアドバイスをしてもらう、明確に答えましたよ。問題だと思いませんか。
 じゃ、調査しますか、今知ったから。
#192
○政府参考人(高橋道和君) あくまで前川事務次官につきましては、子供に直接授業をすると、そういったことが、心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して十分な教育的な配慮が行われているかどうかを確認するためのものでございましたので、山中事務次官のケースとはこれはちょっと対応が異なるのは当然あり得ることじゃないかと思います。
#193
○蓮舫君 分かりました。
 では、前例にのっとって、名古屋市の教育委員会にしたのと同じように、広島県の教育委員会に、山中さんはどういう理由で停職処分に、しかも遡ってですからね、遡って停職処分になったということを教えますね。
#194
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 今回の、その今委員御指摘の山中元事務次官に関しましては、私どもとしては調査する考えはございません。
#195
○蓮舫君 なぜですか。
#196
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 前川事務次官のケースとは違うからでございます。
#197
○蓮舫君 何が違いますか。
#198
○政府参考人(藤原誠君) 既に初中局長から御答弁申し上げているとおりの、授業をしているか否かの違いでございます。
#199
○蓮舫君 いや、違うんですよ。間に政治家が関与しているかどうかが違うんじゃないですか。赤池議員とかあるいは衆議院の池田議員とか、そこに口、仲介、間に入っているか入っていないかの違いじゃないですか。
#200
○政府参考人(高橋道和君) それは、私どもは考えておりません。あくまでも、私、初中局の立場としては、直接授業を行ったかどうか、その点がこの二つのケースについては違うと考えております。
#201
○蓮舫君 直接授業をする方がその授業の全体の構築あるいは授業内容全般について教育政策のアドバイスをする人よりも子供への影響が大きいというのは、何か根拠があるんですか。
#202
○国務大臣(林芳正君) やり取りに口を挟むつもりはありませんが、委員が今おっしゃったように、例えばアドバイザーという形態、どういう形態かまだ初中局では把握をしておらないということでございましたので、これは把握をさせたいというふうに思いますけれども、その上で、どういう立場でどういうことをされたかということ、されることももちろんでございますが、その上で、実際にどういうアウトプットが出てくるのかと、ここが子供という視点で見ると大事なことであろうかと思いますので、先ほど申し上げたように、処分を受けた人はアドバイスをしてはいけないとかそういうことを言っているわけではなくて、そういう方であるということを知った上で配慮を持ってやっていただきたいということをやっているということでございます。
#203
○蓮舫君 ちょっと全く納得できないので、これ引き続きまた質問させていただきたいと思いますが。
 今週発売された週刊誌に、これ官房長にお伺いしますが、加計学園の獣医学部の開設説明会に、今治市の教育委員会が市内の公立全ての小中高校に対しノルマを示して動員要請を実施し、参加者名を教育委員会に送るように指示したというものがあります。御存じですか。
#204
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の件につきましては、承知しておりません。
#205
○蓮舫君 よほどこちらの方が報道を通じて教育行政がゆがめられていると思いますので、この事実関係と、その呼びかけた公文書を委員会に提出していただきたいと思います。委員長、お願いいたします。
#206
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議させていただきます。
#207
○蓮舫君 官房長、文部科学省内で、官邸のレクの際はメモを取らないように、もし記録を作成する場合は相手の秘書官と内容を確認するようにという指示を行ったという事実はありますか。
#208
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の点につきましては、承知しておりません。
#209
○蓮舫君 今年二月、省内幹部の連絡会議で、官邸幹部より指示があり、口頭で省内に伝達されたという事実はありますか。
#210
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の件について、私は承知しておりません。
#211
○蓮舫君 私は承知していないということですので、すぐ調査をしてこの委員会に出していただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
#212
○委員長(高階恵美子君) 後刻検討させていただきます、理事会におきまして。
#213
○蓮舫君 終わります。ありがとうございました。
#214
○松沢成文君 希望の党の松沢でございます。
 今日、私は、来年度の予算に関連して、大学教育について大臣の所見を伺いたいと思います。
 通告の質問に入る前に、ちょっと基本認識として、大臣知っていたらお答えいただきたいのですが、大臣は日本の大学進学率、近年大体どれぐらいか御存じでしょうか。
#215
○国務大臣(林芳正君) 今、学士課程は五〇%というのが資料として出ておりまして、高等教育段階全体では八〇%、OECDの資料でございます。
#216
○松沢成文君 OECD諸国の中で、学士課程、四年制大学の進学率約五〇%、今三十一か国、二か国ぐらいあるんですか、OECD諸国、その中で二十三位ですよね、日本。大臣、これまだまだ低いと。例えばオーストラリアやアイルランドはみんな八〇%、九〇%あるわけですね。ですから、日本も先進国としてもっともっと大学進学率を六〇%、七〇%、上げた方がいいと考えているのか、まあ大体これぐらい、五〇%、半分ぐらいの人が大学に行くんだから、これぐらいでよろしいと考えているのか、その辺りの認識はいかがでしょうか。
#217
○国務大臣(林芳正君) 私の限られた経験ですと、アメリカへ行ったときに、コミュニティーカレッジというのがあるんですね。そこは、リカレントも含めてたくさんの方が入っていらっしゃいますので、ああいうタイプのものはなかなか、我が国にはあれにすとっとくるものはないということもあるので、一律に数字だけで比較することがいいかどうかというのはございますけれども、大事なことは、やっぱり進学したいのにできていない人がいるということは、やっぱり政策等を通じて支援をしていかなきゃいけないんじゃないかと、そういうふうに思っております。
#218
○松沢成文君 そうしますと、今、高等教育の無償化の議論がなされていまして、憲法から変えろという議論もあるぐらいなんですが、これ、高等教育が無償化されて、経済的な理由で大学に行けないという人がどんどんどんどん減ってくるでしょう。あるいは、究極的にはなくなってくるのかもしれません。そうなると、日本の大学進学率はどんどんどんどん、六〇%、七〇%、八〇%に上がっていくと、そう考えておられますか。
#219
○国務大臣(林芳正君) まあ、そこは未来予測ということになりますが、高校を卒業してすぐ大学へ行かれる人が増えるかどうかということはなかなか難しいことだと思っておりまして、いわゆるリカレントというのは、一回大学まで行ってからまた戻るということでよく議論されておりますが、実は、高校を卒業してから社会経験をして、先ほどキャリア教育というお話もありましたけれども、一度仕事をしてみるというのは物すごい、キャリア教育ではなくてキャリアそのものでありますから、その上で、ああ、自分はこういうスキルが要るなというふうに思われて、それから大学に進むということも当然あっていいと思いますし、諸外国ではそういうことが多いというふうに伺っておりますので、そういうルートもあるということも含めて、今、実はリカレント教育についても人生百年時代という会議で議論しておるところでございます。
#220
○松沢成文君 この大学進学率ですが、日本全体では五〇%なんですけれども、都道府県別のベストスリー、ワーストスリー、これ、急に聞いても分からないでしょうから、私ちょっと調べてきたんですが、ベストスリーは、東京都七二%、京都府六四%、山梨県が六〇%ですね。ワーストスリーというのが、大分が三六・九%、沖縄が三七・一%、鹿児島が三七・七%。
 これ、トップの東京と一番低い大分とは、これ倍違うんですよね。かなり地域の偏在性があるんですけれども、これは、大臣、見ていてどうですか、認識は。これ、極めて問題だと、どんなところが問題だと思います。
#221
○国務大臣(林芳正君) 三位の山梨が山口でなくてちょっと残念でございますが、どういう理由かって、ちょっと突然のお尋ねですので、こういうことになっているその背景というのをやはりよく見てみないと、一概にはお答えできないのかなというふうに思っております。
 例えば、進学率ということは、多分、高校がその県でそのままそこの大学に行ったということになりますと、高校時点で進学校などで既にその県におられなくなっているというような方がそちらに入っているのかというようなことをもいろいろ見ていかなければいけないとは思いますが、先ほど申し上げたように、やはり、進学したいと思っていらっしゃる方がなかなか実際には行けていないということであるとすれば、そこはやはりこのサポートをしていかなきゃいけない課題であろうというふうに認識をしております。
#222
○松沢成文君 そこで、昨今話題になっている地方大学振興法ですね。この法律で、二〇二〇年から、東京二十三区内の大学は定員を増やすことができないという枠をはめると。そして、その前の二〇一八年、来年二〇一九年のこの二年間も、文科省の特例によって、大学の設置基準を特例で少し変えて、東京二十三区内は大学やあるいは学部、学科の設置は認めない方向で行くと。東京二十三区だけ網をかぶせて、規制を掛けて、学生増やしませんよとやっているわけですね。
 そもそも、東京圏の大学、東京圏というのは東京、埼玉、千葉、神奈川ですね、首都圏の大学あるいは短期大学の総学生数というのは、以前、工場等制限法というのがあって、これで抑えていったんですよ、東京圏、近畿圏、中部圏。でも、それが撤廃されて規制緩和されて、じゃ、ぐっと増えたかと思うと、そうじゃないんですね。廃止時点から余り増えていないんです。例えば、二〇〇二年に東京圏は百八万人の大学生がいた。それが二〇一七年も百八万人なんですね。東京圏で見ると全然増えていないんですよね。それで、東京都の大学における地方出身者の入学者数も、これ工場制限法が廃止されて以来、これ実は低下をしているんです。二〇〇二年は四万五千五百二十七人、二〇一七年は四万二千九百九十八人。
 こういうような数字を見ると、何でこういう状況なのに東京二十三区の大学の学生の定員をもうこれ以上増やさせないという定員抑制を行う妥当性があるのか、私は理解できないんですけれども、いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(林芳正君) 法案の所管自体は梶山大臣であるということをまず申し上げておいて、その上でということでございますが、東京全体で見ますと今先生がおっしゃったとおりでございますが、東京二十三区ということで二〇〇二年と二〇一七年を比較いたしますと、短期大学は実は一・八万人減っているんですね。しかし、大学・学部、これが八・〇万人増加ということでございまして、差引き六万人強増加をしているということでございます。
 それから、東京都の大学における地方圏出身の入学者数についても、委員がおっしゃったように若干の減少傾向でございますが、大学進学時における東京圏への転入超過が約七万人程度ということで大きな割合を占めているということと、それから大卒就職者の地元残留率が、やはり東京都において、要するに大卒して就職してその大学と同じ場所にいるかということだと思いますが、東京都がやっぱり最も高くて、そのうち三分の二が大学進学時に来られた方ということになっているという状況もあって、この二十三区における大学の定員増の抑制を講じることになったというふうに承知をしております。
#224
○松沢成文君 私もいろんなデータ調べてみたんですけれども、地方の学生さんたちが東京に行っているのはそんな増えていないんですね。でも、東京の学生が増えているその最大の原因は、東京の周辺なんです。神奈川、埼玉、千葉、ここで高度経済成長期にがあっと住宅地が増えて、その子たちが十八歳ぐらいになってきて、その子たちがみんな東京の大学に行くものだから東京の学生が増えているのが、私は、この人口移動というか、学生になる人たちの移動の実態だと思うんですね。そういうことをしっかり調べないで、東京都じゃなくて、今度は東京二十三区だけをやり玉に上げて、ここは抑制しなきゃいけないというのは私はちょっと理解できないんですね。
 もしこういうことをやるとしたら、やったら、意図したように地方の大学の入学者というのが、じゃ、東京の二十三区を抑制したから増えるのかと。私は逆に、東京二十三区を抑制しても、地方からの大学の進学者というのは、その周り、つまり多摩地区とか神奈川とか埼玉のこの辺の大学に、いろんな大学があるし、多様性もあるし、ブランドのある大学もあるから行きたがっちゃう。あるいは、もっと言えば、工場等規制法のときには三大都市圏規制掛かったわけです。でも、今回、東京二十三区だけを掛けるわけだから、そうすると、首都圏の周りの大学に行く人、あるいは関西圏、京都だとか、こういうところの大学に行っちゃう人が増えて、結局地方の人たちは地方の大学に行かないんじゃないかと、私はそう考えますけど、いかがでしょうか。
#225
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御視点だと思っております。
 今後、まず十八歳人口が減っていくということが大前提としてございますが、その中で、まず東京二十三区の学部の学生数が四十六・三万人おりまして、これ全国の学部学生数の一八%、ほぼ五分の一が二十三区内にいるということなんですね。
 先ほど工場制限法、立地制限法でありましたが、平成十四年から平成二十九年までの間で、先ほど申し上げたように二十三区は八・〇万人プラスで、東京二十三区を除く東京都、都下ですね、これはもう既に一・四万人減少しております。それから、埼玉県でも〇・九万人減少、千葉県では一万人減少、神奈川県でも〇・三万人減少、既にもう周りは減っていて、二十三区内がもう増えていると、こういう状況でございます。ですからこういうことをやるということになったということは先ほど申し上げたとおりですが。
 ただ、委員がおっしゃるように、じゃ、こちらを、何といいますか、流入制限をしたらそれでいいかといえば、それでは足りないわけでございまして、やはり地方の大学の方が、ああ、ここの大学にやっぱり行きたいなと思ってもらえるようなことをやらなければ当然ならないわけでございますので、この定員増の抑制と併せて、内閣官房の方で梶山大臣が所管しておられる新法に基づいて地方公共団体が実施する地域における大学振興・若者雇用の創出に資する事業を支援するための交付金制度、これをつくるということになっておりますし、それから、東京圏の大学の地方へのサテライトキャンパスの設置を促進するための調査研究事業を実施するということとなっております。
 また、文科省においても、地方の中小規模私立大学の経営改革や経営基盤の強化の支援、それから地(知)の拠点、これちょっと掛けていまして、地方の地と知識の知ですが、この拠点大学によって地域が求める人材を養成する教育改革を実行する取組を支援ということを実施しておりまして、こうした地方大学の魅力を向上させるための施策を一緒にやっていかなければならないというふうに思っております。
#226
○松沢成文君 平成十七年の中央教育審議会の、我が国の高等教育の将来像というような答申があるんですね。これにおいて、高等教育に関する国の役割というのは、高等教育計画の策定と各種規制の時代から将来像の提示と政策誘導の時代へと移行をすべきだと、大きな方針転換があったんです。でも、その答申から僅か十年しかたっていないにもかかわらず、再びまた総量規制という、地域にターゲットを与えた総量規制という規制に方針転換するというのは、私は全く合理的根拠がないと思うんです。工場等規制法で幾ら地方を優遇、都市圏は抑えますよとやっても、東京一極集中は全然止まらなかったわけです。ですから、それはやめて、もっと国全体の活力を持たせるために規制緩和したんですね。にもかかわらず、また、今回地方が寂れているから東京の大学は抑えますというふうに逆戻りしているんですよ。
 これね、こういうことをやっているから日本の経済は成長しないんだと思いますよ、教育も。私は大きな矛盾があると思うんですけれども、こういうふうに政策、また転換する合理的根拠はあるんでしょうか。
#227
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃったように、平成十七年の中央教育審議会答申においては、十八歳人口の増減に依拠して需給調整を図ると、こういう右肩上がりの成長期に取られてきた政策手法はその使命を終えて、高等教育計画の策定と各種規制の時代から将来像の提示と政策誘導の時代へと移行が提言をされております。
 他方で、先ほどお話のあった平成十四年に工場等制限法が廃止されて以降では、大学進学者は、十八歳人口減を上回る大学進学率の上昇によって、実は進学率が増えたんです、先ほど委員おっしゃったように。これ増えてきているわけでございますが、実は平成二十九年以降は大学進学率が引き続き上昇するということは先ほどの議論であったようにあり得ると思いますけれども、それを上回る十八歳人口の減少が進んで、掛け算の結果としての大学進学者数が減少局面に転換をすると、これ二〇一八年問題と、こういうふうに言われておりますが、こうした状況も受けて、これは内閣府、梶山大臣の方の法案でございますが、このまま二十三区、先ほど言ったように八万人でございますので、定員増が進み続けると、地方大学の中には経営悪化による撤退等が生じて、地域間で高等教育機会の格差が生じかねないということで今回の抑制を講じることになったと、こういうことだろうと思っております。
#228
○松沢成文君 大臣、これ内閣府の梶山大臣の方の所管の法律だから、だからって。これちょっと、毎回言うんですけど、それは、二〇二〇年から法規制は、その法律は担当は内閣府なんですよ。でも、来年、再来年、二〇一八年、一九年は文科省の特例で規制するんですよ。文科省の問題ですよ、これ。だから、余り逃げない方がいいと思いますよ。
 それで、こういう定員抑制を特定地域で行うということは、結果的には、新学部の設置等も結果的には規制することにつながっちゃいます。時代のニーズに応じた新規分野の例えば教育研究あるいは人材育成の私は阻害要因にもなっていくと思うんです。総定員数を維持したままであれば、従来の学部を廃止するなどして、スクラップ・アンド・ビルドして新学部の設置は認めるとはしていますけれども、私は、大きな制約となることは間違いないと思うんですね。このままでは、我が国が国際競争力の向上だとか産業の発展、イノベーションの創出にも私は影響を与えるのではないかというふうに思っています。
 この新規分野の教育研究のための学部新設などについては、その必要性と合理性を判断できるような第三者機関を設けて、こういうイノベーションは我が国にとって必要であろうというものがあったらそれは例外として認めていくということをやらないと、私は、国際競争をやっている日本の首都東京が、これはもうシンガポールやボストンと戦っているわけですよ、それなのにイノベーションが抑え付けられるという最悪の結果を生んでしまうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(林芳正君) 東京二十三区の定員増の抑制に当たっては、今委員からスクラップ・アンド・ビルドのお話がありましたが、このスクラップ・アンド・ビルドによる時代に合った最先端の学部、学科の新設に加えて、留学生や、先ほどちょっとリカレントの話をしましたが、社会人の受入れ、それから高度な教育研究を行う大学院における定員増、こういうものは抑制の対象外とするなど、一定の例外事項を設けております。
 また、またこれを言うと怒られるかもしれませんが、これはまち・ひと・しごと創生担当大臣の下に置かれていた有識者会議でございますが、東京二十三区の大学の学部等の定員抑制の例外事項について、新増設の必要性と合理性を判断する第三者機関を設けて対応していくべきだと、これ以上例外事項が増えることで抑制が骨抜きにならないようにすべき、社会の情勢の変化により必要性、合理性のある類型が出てくれば、必要性が生じた時点で制度を改正する方式がよいという意見がありまして、今委員がおっしゃったように、ここの最終報告でも、第三者機関の設置については引き続き検討が必要と、こういうふうになっておりますので、政府内で必要な検討をしてまいりたいと思っております。
#230
○委員長(高階恵美子君) 松沢成文君、おまとめください。
#231
○松沢成文君 もう時間なのでまとめますけれども、実は、この法案を作るということが発表された九月二十九日の大臣の会見で、大臣は否定的な意見述べているんです。というのは、私はこれは正論だと思うんですけど、国政という立場になると、東京二十三区だけでなく、全国レベルでの政策がつくられるべきだと言っているんですね。私はそのとおりだと思います。
 これ、やっぱり全国知事会が、地方が余りにも衰退していると、どうにかしてほしいということで、東京圏に若者行き過ぎているからこれを抑えて、地方で雇用もつくるから、大学も頑張るからそういうふうに誘導してくれということなんですけれども、やっぱり……
#232
○委員長(高階恵美子君) 松沢君、時間が参っておりますので、おまとめください。
#233
○松沢成文君 はい。
 日本は国際競争をやっていますからね。もう国際的な大学のイノベーションで勝っていかないと日本の発展はありませんので、こういう変な総量規制は是非とも考え直していただきたいと思いますので、また継続して質問させていただきます。
 以上です。
#234
○委員長(高階恵美子君) 以上をもちまして、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#235
○委員長(高階恵美子君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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