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2018/04/10 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第5号
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2018/04/10 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第5号

#1
第196回国会 文教科学委員会 第5号
平成三十年四月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     大家 敏志君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     今井絵理子君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     石井みどり君
     小野田紀美君     高野光二郎君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     今井絵理子君
     高野光二郎君     小野田紀美君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     山田 俊男君
     宮沢 由佳君     増子 輝彦君
    佐々木さやか君     山口那津男君
     高木かおり君     儀間 光男君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     山田 俊男君     今井絵理子君
     増子 輝彦君     宮沢 由佳君
     山口那津男君    佐々木さやか君
     儀間 光男君     高木かおり君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     赤池 誠章君     青山 繁晴君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     赤池 誠章君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                青山 繁晴君
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                蓮   舫君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
       国務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  水落 敏栄君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  長峯  誠君
       国土交通大臣政
       務官       簗  和生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       多田健一郎君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       スポーツ庁次長  今里  讓君
       文化庁次長    中岡  司君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      山本 麻里君
       資源エネルギー
       庁次長      保坂  伸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
する調査
 (「チームとしての学校」と家庭・地域等との
 連携・協働の強化の在り方に関する件)
 (エネルギー教育モデル校における講演資料に
 対する経済産業省の修正要請に関する件)
 (妊娠を理由とする高校中退を防止するための
 支援の在り方に関する件)
 (名古屋市立中学校で前文部科学事務次官が行
 った授業についての文部科学省の調査に関する
 件)
 (十八歳人口の減少を踏まえた大学の連携・統
 合の在り方に関する件)
 (文部科学省におけるガバナンス再構築の必要
 性に関する件)
 (国家戦略特別区域における獣医学部新設に係
 る文部科学省内の文書の再調査の必要性に関す
 る件)
 (二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピッ
 ク競技大会におけるボランティアへの支援策に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として青山繁晴君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官多田健一郎君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高階恵美子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○上野通子君 おはようございます。自由民主党、上野通子でございます。本日も質問の機会いただき、ありがとうございます。
 まず最初に、皆さんのお手元にお配りしてあります資料の一について質問させていただきます。昭和三十五年度から毎年開催されていると言われる科学技術週間についてお伺いします。
 今年度、平成三十年度は、そこにも書いてありますように、五十九回目を迎えるそうですが、そもそもの目的はどのようなもので、また今までどんな役割を果たしてきたのか、さらには、一家に一枚ポスター作成などを推進しているとのことですが、どのようなものなのかを併せて水落副大臣にお伺いします。
#7
○副大臣(水落敏栄君) ありがとうございます。
 科学技術週間でございますけれども、委員お話しのように、昭和三十五年二月二十六日の閣議了解に基づきまして同年から毎年開催されているものでございます。これは、科学技術に関しまして、広く一般国民の関心と理解を深め、我が国の科学技術の振興を図ることを目的とし、この期間中に各種の科学技術に関する行事を集中的に実施するものであります。
 期間といたしましては、四月十八日を含む月曜日から日曜日までやりますけれども、四月十八日は発明の日とされておりまして、これは、現在の特許法の前身であります専売特許条例が一八八五年、明治十八年四月十八日に公布されたことに由来しています。
 今年の科学技術週間では、各府省、都道府県等の地方自治体などと連携をいたしまして、全国各地の大学、研究機関、科学館、博物館等におきまして、小中学生から大人まで幅広く先端科学技術の魅力や有用性を理解することができる実験教室、施設見学会、講演会など約三百件のイベントが予定されています。本年三月十五日まで、ちょっと古いんですけれども、三十九都道府県から既に二百八十九件の登録がございまして、三百件を突破するんじゃないかと思っております。
 また、全国の小中高校、科学館等に対しまして、科学技術週間のポスター約五万枚と最先端の科学技術を子供たちに分かりやすいように解説した一家に一枚のポスター約二十二万枚を配布しています。
 インターネット上でも、科学技術週間のポータルサイト、フェイスブックの運用を行いまして全国の関連行事の一覧を掲載するとともに、研究者が一般の方々に研究の最前線を伝えるサイエンスカフェを案内するなどの広報活動を行っています。
 さらに、この期間中に科学技術分野の文部科学大臣表彰も実施をし、平成三十年度は、科学技術賞九十五件を含め、全部で千百八十八件の授賞を行う予定であります。科学技術の発展や国民生活の向上への大きな貢献が期待される画期的な研究開発に関して国民の関心を高める取組も行います。
 文部科学省としては、科学技術週間の推進を通じて科学技術に関する国民全体の理解が深まり、また、次世代を担う子供たちが最先端の科学技術、イノベーションに興味を抱くような環境づくりを進めていく所存でございます。
 委員からさらに、一家に一枚ポスターの御質問ありましたけれども、続けて御答弁よろしいでしょうか。
 一家に一枚シリーズでございますけれども、これは身近なものや事象をテーマに、関連する科学知識を一枚のポスターに取りまとめたものでございまして、平成十七年の科学技術週間より、毎年様々な科学技術のテーマを選んで文部科学省において作成しているものであります。そして、このポスターでございますけれども、一つは、基礎的、普遍的な科学知識を中心とするもので、大人から子供まで、テーマについて少しでも興味を抱かせるもの、そして、身近なものや事象との関連付けをして親しみを持てるもの、さらに、見た目がきれいで一般家庭で貼っておきたくなるものを狙いとして作成をしております。
 過去におきましては、例えば五年前に遡りますと、平成二十九年度には、昨年ですけれども、細胞について、平成二十八年度には水素、そして二十七年度は薬、二十六年度はたんぱく質、二十五年度は鉱物といったようなテーマとして作成しておりますけれども、今年の一家に一枚ポスターは量子ビームをテーマとしております。私たち自身を含めて、全ての物質は原子やその原子をつくる素粒子などの量子からできているのだそうでございまして、その量子の誕生から発見、量子ビームの利活用についてまとめてございます。
 そして、このポスターは、科学技術週間の期間中、全国の科学館を通じて無料で配布するとともに、過去の一家に一枚シリーズも含めてホームページに掲載してございますので、誰でも印刷して活用することができるようにしています。
 今後とも、このような取組を通じまして、国民が科学技術に触れる機会を増やしてまいりたいと思っております。
 なお、この一家に一枚ポスターでございますけれども、本日午後には委員の先生方のお部屋にお届けできると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
#8
○上野通子君 副大臣、ありがとうございます。
 本日がプレス発表ともお伺いしておりますので、委員の皆様のところにも配付されるというこのポスター、是非ともあちこち貼っていただいて、地元でもこのイベントたくさんありますから、私たち自身が啓発するということも必要だと思いますので、文科省とともに啓発させていただきたいと思います。いいことは発信しないともったいないと思いますから、これからも、来年、再来年、続けることでしょうから、私たちも協力させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、チーム学校支援体制の強化についてお伺いします。
 平成二十九年の三月の義務標準法の改正によって、各学校におけるマネジメント体制の構築や学校における適切な業務の見直し、そして適切な人員配置の在り方など、学校運営体制を改善するための施策が一歩前へと前進しました。資料二にもありますが、教師の働き方改革のための定数改善、サポートスタッフ、部活の指導員、さらには専門スタッフの充実などの予算も確保されております。
 さらに、この法案提出の際には、義務標準法改正のための附帯決議が衆参両委員会から出されておりますが、この附帯決議には、教員定数の計画的な改善、特別支援教育や日本語指導に関する専門的知識を有する者の確保、事務職員の学校運営への参加、さらには学校運営協議会の推進など課題に更に取り組むこと、また、それぞれの地域の中でそれぞれの学校や児童生徒が多様な複雑な問題を抱えているという、その学校内外の問題に対して内外の関係者や機関が一体となって取り組める、いわゆるチーム学校体制づくりの強化がますます必要とされておりますが、この件について、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(林芳正君) 文部科学省といたしましては、新しい時代に求められる資質、能力を育む教育課程を実現する、また複雑化、多様化した課題を解決する、さらには子供と向き合う時間を確保すると、こういった観点からチームとしての学校の推進が重要だと考えておりまして、平成二十七年十二月の中央教育審議会の答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」などを踏まえまして取組を進めてきたところでございます。
 昨年三月には、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るため、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の改正を行ったところでございますが、今お話のあったように、その際の附帯決議においては、教職員定数の計画的な改善、特別支援教育や日本語指導に関する専門的な知識や技能を有する者の確保、学校、家庭、地域の連携などについて示されております。
 文科省としては、この附帯決議の御趣旨に十分留意をして対処してまいりたいと考えておりまして、平成三十年度の予算におきましては、学校における働き方改革や、複雑化、困難化する教育課題へ対応するための教職員定数の改善、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、特別支援教育の専門家等、専門スタッフの活用、スクール・サポート・スタッフ、部活動指導員等の地域人材の活用、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の推進など、チームとしての学校体制の整備や、学校、家庭、地域の連携推進のための必要な予算を計上をしております。
 文科省としては、引き続き、チームとしての学校体制の推進に必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
#10
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 皆さん、資料の三を御覧ください。これ、チーム学校のイメージを表した図でございます。
 実は、今朝方も自民党の中で教育再生実行本部の教育現場の先生方また教育委員会の皆さんとのお話がございましたが、その中でもこのチーム学校支援体制の充実のことは出ておりました。さらに、ここにはちょっと書かれていないんですけれども、若手教員のための支援体制は、やはり、ほかにお願いするのでなく、その学校ごとにチームの指導としての連携を取りながらやっていくということが重要じゃないかというお話が出ていましたし、中の先生のお話には、初任者を育てられない学校は生徒も育てられないと。どうしても初任教員の受入れを嫌がる学校も多いんですが、やはり、みんながチームだというこの思いは学校内でも更に持つ必要があると思います。さらに、もう一つ、今日の朝の教育再生の中で出た話の中に、現在、家庭ですね、様々な多様な家庭環境の家があると、これに対しての対応が必要になってきているというお話もありました。
 もちろん、教育現場、学校だけじゃなくて福祉的な面からの家庭の支援も必要ですが、現在、学校教育関係、文科省として、問題を抱える保護者に対してどのような支援を行っているのか、また、資料の五ですか、家庭教育支援のモデル事業というのが今年で三年目を迎えておりますが、このモデル事業の現状、そして成果、さらに今後の進め方などについてお伺いします。
#11
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 家庭教育は、全ての教育の出発点であり、子供の基本的な生活習慣や社会的マナーの習得、自立心の育成、心身の調和の取れた発達などにおいて重要な役割を担うものであると考えてございます。このため、文部科学省におきましては、地域人材を中心とした家庭教育支援チーム等による身近な地域での家庭教育に関する学習機会の提供や、保護者への相談対応、課題を抱えた保護者に対する訪問型家庭教育支援など、家庭教育支援の充実に取り組んでおります。
 特に、今御指摘をいただきました訪問型の家庭教育支援でございますけれども、この訪問型の家庭教育支援は個別訪問によってきめ細かに寄り添う支援を行うものでございまして、平成二十八年度からモデル事業として実施をしております。これまで、例えば、学校やスクールソーシャルワーカーとの連携によりまして保護者を支援することで子供が落ち着きを取り戻し、子供の問題行動や不登校が改善したとの事例、あるいは、訪問の際に学校での子供の様子を伝えることなどによりまして保護者の学校に対する理解が進んだとの事例などが報告されております。
 今後とも、家庭教育支援の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#12
○上野通子君 ありがとうございます。
 資料の五に付けておきましたが、訪問型家庭教育の支援、これ、モデル事業から全国でできるような事業への発展をこれからお願いしたいと、これ要望ですが、是非ともお願いしたいと思います。
 一方で、様々な家庭教育の支援はしていますが、まだまだ学校に通わないとか学校へ通えない、子供たちの抱える問題は多様でございます。このチーム学校のモデル図にある一番外枠の連携強化がこれからも必要だと思いますが、まずその前に、家庭教育支援のこの体制の普及啓発と全国展開をこれからもよろしくお願いするということをお願いしまして、次に、今お話ししましたこの外枠、外枠の連携の一つであります青少年が人間力や自己肯定力を高めることへの支援、さらには青少年を取り巻く有害環境などへの対策など、学校外部との、また民間との、関係機関全てが連携強化していくことが重要だと思われております。
 そこで、文科省としてこの青少年の健全な育成の推進のための取組を現在どのように行っているか、お伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(常盤豊君) 青少年の自己肯定感、意欲、関心、規範意識を育み、社会を生き抜く力として必要となる基礎的な能力を養うために、文部科学省におきましては各種の体験活動あるいは健全育成に向けた取組を推進をしております。
 具体的に申しますと、体験活動につきましては、まず、自然体験活動については、地域の立地を生かした取組の推進であるとか、あるいは民間企業が社会貢献の観点から実施する先進的な取組の表彰、読書活動につきましては、中高生の読書活動活性化のために、お互いに本を紹介し合うビブリオバトルというような取組がございますが、そういう取組の推進、あるいは子ども読書の日におけるフォーラムの開催などを行っております。また、国際交流という点につきましては、英語による宿泊を伴う共同生活を体験する機会を設定をいたしまして、グローバル人材の育成につながるきっかけを提供するというようなことを行っております。
 一方で、健全育成のための有害環境対策でございますけれども、この点につきましては、青少年のインターネット利用、その適切性を図るという観点から、家庭でのルール作りの大切さやフィルタリングの重要性についての啓発をする保護者向けのシンポジウムであるとか、あるいは、ネット依存傾向のある青少年を対象とした、その傾向の改善を促すキャンプの実施などの取組を実施をしております。
 文部科学省といたしましては、関係省庁あるいは地方公共団体、民間団体などとの連携を図りながら、これらの取組を更に推進してまいりたいと考えております。
#14
○上野通子君 お配りしてある資料の六から十までが今説明していただいたものでございます。このような様々な事業を推進しているということですが、学校の中だけではなくて、学校の外でも体験事業、さらには国際交流関係の体験、交流事業なども進めているわけで、チーム学校のイメージでいうと、一番外枠の個別学習・生活支援ボランティアとか、さらには青少年の交流等もここに入るかもしれないんですが、あとは図書館ですね、読書の推進については図書館とか公民館を利用するとか、もちろん学校の中でも行われているものもありますが、学校内でも様々な連携を取りながら、子供をしっかりと守り育てるということを、私たち全ての大人が責任を持たなきゃいけないと思っております。
 是非とも、このような事業を、もちろん文科省だけではできないことも多々ありますので、他省庁ともしっかりと連携していただきながら、地域でしっかりと取り組めるように御指導いただきたいと思います。チーム学校支援に関わる全ての大人が誰もが責任者という意識を高めるためにも、今後ともよろしくお願いします。
 続きまして、食品ロスに関する質問をさせていただきます。
 資料の十一を御覧ください。
 食品ロスとは、そこに書いてありますように、まだ食べられるけれども捨てられてしまう食品のことで、日本としては食品ロスが年間六百二十一万トンも出されております。どのぐらいかというと、毎日大型の十トントラック千七百台分、さらには、年間一人当たりの食品ロス量は四十九キログラム、これ、女性一人分ぐらいの体重と同じだと思います。
 このように、物すごい量の、食べられるけれども捨ててしまうという、何ともったいないことを日本はしているのでしょうか。ほかの国は、本当に食料、水もなくて、飢餓とか、飲物で困っているところがたくさんあるということ、それを認識し、早急に何とかしていかなきゃならない、日本国としての問題でもありますが、文科省としては、学校においての消費者教育や家庭科の中の食育の中で、この食品ロスの問題については大変教育を進めているとも伺っております。
 ただ、消費者教育というのは、知識を一方的に与える教育だけではもちろん終わりでないので、その後学んだことが実生活でどのように生かされていくかが重要でございます。
 例えば、学校で実際に行っている食育の一つとしての給食で残さず食べようという、これも重要な食育の実生活での取組だと思いますが、小中高で学んだ知識、その中だけじゃなくて、消費者の一人として卒業してからも生かしていく、そのためにも、学校現場で学んだことがこのように生かされるんだ、このようなことが必要なんだと行動に動けるような教育を進めることが大切だと思っております。
 そこで、今後、消費者教育の中での食育あるいはESDの教育を通じて食品ロス削減について取り組んでいくことが重要と思いますが、文科省にお伺いします。
#15
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 小中高等学校において、児童生徒が食品ロスの削減について理解と関心を高め、そして実践する力を身に付けるよう発達段階に応じた教育に取り組んでいくことは極めて重要であると認識をしております。
 平成二十九年及び三十年に改訂した新しい学習指導要領やその解説におきましては、例えば、小学校の家庭科では、日常の食事の大切さと食事の仕方について学習する際、供されたものを残さず食べるようにすることなどにも触れるようにするといったこと、また、中学校の特別活動では、食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成について学習する際、食料事情などについても教科等の指導と関連を図りつつ指導を行うことが望まれること、さらに、高等学校の家庭科では、持続可能な消費生活、環境について学習する際、自立した消費者として生活情報を活用し適切な意思決定に基づいて行動することや、責任ある消費について考察し、工夫すること、こういったことが盛り込まれております。
 また、文部科学省におきましては、昨年度より、委員からも御指摘がございましたが、家庭や地域の生産者等と連携して学校における食育を推進するモデル事業として、つながる食育推進事業を実施しております。その中の一例でございますが、例えば、児童自らが野菜を育て調理することなどに取り組んだ小学校では、一人当たりの給食残量が事業開始前と比較して七割程度減少した、こういった成果も報告をされております。
 文部科学省におきましては、このような学校における食育の取組を通じて、家庭、地域とも連携した食品ロスの削減に関する教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
#16
○上野通子君 ありがとうございます。
 地域によっては、大変食品ロスに対しての活動等をしているところもあります。例えば松本市ですが、これ学校の現場でもかなり進んだ食品ロスの取組をしていまして、残さず食べよう三〇・一〇運動ですね。反対に言うと十月三十日を食品ロス削減デーとしているということも聞いていますが、私たちも注意しなければならないんですが、宴会等で乾杯後の三十分、これはしっかりと座って食べる、そしてお開きの前の十分、これも自分の席に座って食べようと、三〇・一〇運動でございます。私たちもちゃんとしなければいけないと思うんですが。
 さて、世界はどうかというと、世界では、十月十六日に世界食品デーを掲げておりまして、世界中で飢餓や食料問題について考え、解決に向けて一緒に行動する日となっています。
 是非とも、日本でもこの十月を食品ロス削減月間とこれからしまして活動する、そして食品ロスの啓発活動をしていくということにしていったらどうかと私は思っております。是非とも、文科省としてもできることから取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上で今日の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
#17
○神本美恵子君 おはようございます。民進党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は四月十日。四月十日はどんな日か御存じでしょうか。今から七十二年前、一九四六年の四月十日、女性が初めて投票権を手にし、選挙に向かった日であります。当委員会は、今眺め渡すと女性の方が約一名多いような、高階委員長を始め女性と男性のバランスがとってもいい景色の委員会だということを、質問とは全く関係ございませんけれども、御紹介をしたいと思います。
 早速質問に入らせていただきます。
 この二、三か月、教育現場における授業内容に対して、政治家や国の行政からの介入とも思われるような事案があちこちで発生しております。そこで今日は大きく三点、北海道ニセコ町の町立高校での講演の問題と、それから名古屋のこれまでも取り上げられております中学校の授業の問題と、それから性教育、東京都足立区ですかね、中学校の性教育の三点取り上げたいんですが、順番を性教育を後に回して、時間がありませんので、取り上げたいと思います。
 まず、ニセコ高校の講演問題ですが、今日は経産省においでいただいております。四月六日の新聞報道によりますと、昨年十月十六日に町立ニセコ高校で生徒や町民が参加して行われた「ニセコでエネルギーと環境を考える」と題して行われた講演について、経産省北海道経産局幹部の方が講演で使用される資料を事前に入手して、講演者である北海道大学大学院の助教の山形氏に修正を求めたと報じられております。
 この事実関係はどうなっているのか、まさかとは思いますけれども、こうしたことが経産省において日常的に行われているのではないかという二点についてお伺いします。
#18
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
 資源エネルギー庁では、小中高校生を対象に、多様なエネルギー源のメリットやデメリットなどエネルギーに関する課題や解決策を学び考えることに取り組む意欲的な学校を支援する委託事業として、エネルギー教育モデル校事業を平成二十六年度以降実施してございます。本事業は、エネルギーの課題について国が設定した上で、興味、関心のある学校に自主的な判断で御応募いただき、外部有識者による第三者委員会におきましてモデル校が選定される仕組みとなっております。
 先生御指摘の事案でございますけれども、本事案につきましては、モデル校に選定されたニセコ高校が本事業の一環として講演会を行うに当たりまして、北海道経済産業局職員がエネルギー教育に関心の高いニセコ町やニセコ高校と従来から本事業についての情報提供などを行っていたことから、昨年十月十六日に開催される本講演会のお話をお伺いし、講演会に先立ちまして、十月十二日にニセコ高校から講演資料を事前に入手をいたしました。同日の十月十二日に講師を務められる方を直接訪問し、本事業の課題の一つであるエネルギー源のメリット、デメリットを公平に伝える観点から、原子力に関する論点について指摘を行ったと聞いております。
 二点目の御指摘でございますけれども、本件以外につきましては、エネルギー教育モデル校事業が始まった平成二十六年度から平成二十九年度におきまして、資料の事前確認や修正が行われた案件は承知をしてございません。
 以上でございます。
#19
○神本美恵子君 報道によりますと、経産省の幹部の方は、今少し触れられましたが、福島原発事故の写真を、印象操作ではないか、原発は本当に安いのかとした部分について、別の見方があるのではないか、両論をという、今おっしゃったとおりなんですけれども、そういうことを指摘して内容の変更を要求したと。これは、原発を進めるという国の方針があるから指摘している、そういう趣旨で資料に対する意見を言われて資料の修正を求めたということですけれども、授業として行われた講演の内容に、国と方針が違うからというふうに変更を要求する法的な根拠は何でしょうか。
#20
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
 多少重複するところもございますが、北海道経済産業局は、地元からのエネルギー教育にしっかり取り組んでほしいとの要望を踏まえまして、ニセコ高校に本事業の内容を紹介し、事業についての情報提供などのやり取りを行い、その一環でエネルギー教育に使用する資料の共有を依頼したところと聞いております。その資料を拝見した際に、エネルギー源のメリット、デメリットを公平に伝える観点、これ本事業の課題の一つでございますけれども、原子力に関する論点について指摘を行ったと聞いてございます。
 本省で実施する事業を紹介をいたしましたり情報提供を行うことは、本省の地方支分部局である北海道経済産業局の一般的な行政事務の範囲内のことと理解をしてございます。しかしながら、北海道経済産業局の職員が講師の方を直接訪問し、原子力の論点だけを取り上げて言及をしたことは誤解や懸念を招く行為であったと考えておりまして、大変遺憾に考えているところでございます。
#21
○神本美恵子君 法的な根拠ではなくて、経産省の方が講師のところに行って、原発のことだけを取り上げて言ったことは大変遺憾であるというふうな御答弁でございました。
 同様に、責任を有する文科省が自らの委託事業のモデル校に対して、国の方針と違うとして授業内容の変更を要求した事例が文科省においてありますでしょうか。
#22
○政府参考人(高橋道和君) 済みません、ちょっと文科省には今の点、通告をしていただいていなかったと思いますので、ちょっと今の時点では把握をしてございません。
#23
○神本美恵子君 後日で結構ですけれども、今の経産省の方が、国の方針と違うからといって、授業内容に、授業に使う資料とかそういったものについて意見を言ったり修正を求めたりというような事例が文科省のモデル事業においてあるのかということについて調べていただいて、本委員会に提出をお願いしたいと思います。
#24
○委員長(高階恵美子君) 後刻理事会で協議いたします。
 何か追加ございますか、資源エネルギー庁保坂次長。
#25
○政府参考人(保坂伸君) 済みません、一点修正をさせていただきます。
 先ほど、平成二十六年度から二十九年度において資料の事前確認や修正が行われた案件は承知していないと申し上げましたが、事前に確認した事案が一件だけございました。ニセコ高校とは別にもう一件ございました。
 以上でございます。
 これは、北海道の岩見沢農業高等学校でございます。
#26
○神本美恵子君 先ほどないと言われたので詳しく聞きませんでしたけれども、じゃ、その件についても後ほど資料提出を、委員長、お計らいをお願いします。
#27
○委員長(高階恵美子君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#28
○神本美恵子君 文科省の今回の、これまでの名古屋市立中学校への授業介入は大問題でありますけれども、主張の是非はともかく、これは地教行法の調査を根拠としているというふうに文科省はこれまで繰り返し述べています。
 経産省が法的な根拠もなく、しかも事前に個別の学校の授業内容に口出しをするというようなことは許されないというふうに考えますけれども、経産省、いかがでしょうか。
#29
○政府参考人(保坂伸君) 繰り返しになりますけれども、今回のこれ、事業の趣旨を伝えるもので、教育に介入する意図はなかったというふうに考えてございます。ただし、先ほど申し上げましたように、北海道経済産業局の職員が講師の方を直接訪問し、原子力の論点だけを取り上げて言及したことは誤解や懸念を招く行為であったと考えておりまして、大変遺憾に考えているところでございます。
#30
○神本美恵子君 文科省としては、今回の経産省のこういった対応について、事実関係の把握やそれに対する見解、対応、これは教育への介入になるのではないかというふうに思いますけれども、遺憾であると経産省はおっしゃっていますが、文科省としてはこの事案に対する見解、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(高橋道和君) まず、この事案についてでございますが、四月五日、初中局の担当課に対して報道機関からのお問合せがありまして、翌六日の金曜日に教育課程課から北海道教育委員会に対して電話で問合せを行いました。その際、北海道教育委員会からは、直接地方教育委員会に対して問合せをして構わない旨お話がありまして、昨日、四月九日の月曜日でございますが、同課から地方教育委員会に対して電話にて問合せを行い、現在事実関係を確認しているところでございます。
 現時点において文科省として把握している内容というのは、先ほどの資源エネルギー庁の答弁とも少し重なりますが、当該高校で行われた講演は資源エネルギー庁の委託事業であるエネルギー教育モデル校事業として行われたものであること、昨年の十月十六日に実施された講演は当該高校の教育課程に位置付けられたものであること、昨年九月六日に北海道経済産業局から当該高校に対して講演会の日程と内容について情報提供の依頼があり、昨年十月十二日に当該学校から北海道経済産業局に対して講演資料を事前に送付したこと、昨年十月十二日に当該講演を実施する外部講師を訪問した北海道経済産業局の職員から当該外部講師に対して同資料に対する指摘があったこと、こういった点が今把握できているところでございます。
 事案の詳細については、今更なる事実確認を行っているところでございますので、現時点ではちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#32
○神本美恵子君 大臣、今までのこの経過、私は報道ベースだけしか分かりませんでしたので、それを基に質問させていただいたんですが、例えば今、文科省は開かれた学校ということで学校に様々な方を講師に招いたりモデル授業を受けたりしながらやっているんですけれども、国の方針と違うからというようなことで、今回の経産省が行ったように、様々なテーマについていろいろな、ほかの国の行政が口を出すといいますか、資料修正、講演内容に口出しをするというようなことが私はあってはならないと思いますけれども、大臣としてはどのように聞いていらっしゃいましたか。
#33
○国務大臣(林芳正君) 今初中局長から御答弁をしましたように、設置者である教育委員会を通じて確認を今現在できている範囲では、資源エネルギー庁の委託事業であるエネルギー教育モデル校事業として行われたものであり、当該講演を実施する外部講師を訪問した北海道経済産業局の職員から講演資料について指摘があったということでございます。
 更に詳細なる事実確認を行っているということでございますので、現時点において私からコメントは差し控えさせていただきたいと考えておりますが、外部講師に指摘を行った経済産業省においては、四月六日の金曜日に世耕大臣が閣議後の記者会見において、北海道経済産業局と外部講師の方とのやり取りの中で、原子力の論点だけを取り上げて言及をしたということは誤解を与えかねない面があったと、また、今後、こうした誤解を生むやり取りが二度と発生することがないように事業の運営方法を抜本的に見直したいと、こういうふうに発言をされているというふうに承知をしておるところでございます。
#34
○神本美恵子君 今回の件は、今事実関係を確認中ということなので今の大臣の御答弁だと思いますが、私は一般的に、こういったことが、ほかの例えば国土交通省とか農林水産省とかいろんなところがいろんなモデル事業で学校に講師を派遣したりというようなことがある場合にどうですかということをお聞きしたんですが、大臣、再度、簡単でいいですが。
#35
○国務大臣(林芳正君) 本件についてもそうでございますが、実際にしっかりと事実関係を確認した上でいろんな判断がもし必要ならしていくということではないかと思っております。
#36
○神本美恵子君 国の方針と違うからという、これは本当に大きな問題だというふうに思うことをちょっと指摘しておきたいと思います。
 次に、名古屋市立中学校の授業介入調査についてですけれども、三月三十日に名古屋市教育長杉崎氏から高橋局長宛てに質問書が出されております。その質問書で教育長は、まず今回の授業については、開かれた教育の一環として、総合的な学習の時間の指導計画に基づきキャリア教育の視点で行われた授業だと把握しており、特に問題ないと、当該設置者である教育長としては今回の授業は特に問題ないと捉えている、所管の教育委員会として明確な評価を表明しております。
 その上で、二点、局長に問われております。どのような意図の問合せだったんですか、今回の調査はということと、文科省の今回の授業についてのお考えをお聞かせいただきたい、この二点が問われているんですけれども、文科省からのそれに対する回答では、法令に違反するというような事実は承知しておりません、今回の調査ですね、と書かれております。それから、周知の事実のことを校長は御存じなかったんです。つまり、法令違反者である前川氏ということを校長は御存じなかった、そのことが必ずしも適切であったと言えないというようなことと、あと、誤解を招きかねない表現ぶりに留意する必要があった、より一層丁寧な対応に求めてまいる所存ですということは、だから、一点目については答えていらっしゃいますけれども、文科省の今回の授業についてどのようにお考えなのかということについては答えていないんですよね。
 これは、大臣、いかがですか。文科省として今回の授業についてどのようなお考えをお持ちかということに対して、文科省は直接答えるべきだと思うんですね。その見解を是非ここでお示しをいただきたいと思います。大臣。
#37
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 今委員からも御指摘いただきましたけれども、私どもといたしましては、名古屋市の教育委員会からの、今回の授業についてどのような考えを持っているかという点については一応お答えをしたつもりでございます。
 一つ目としては、今回の授業については、何らかの法令に違反するというような事実は確認できている情報によれば承知をしていないということで、確認できている情報によれば法令違反という事実は生じていないということをまず申し上げております。
 その上で、今回、前川前事務次官は、いわゆる天下り問題に関わって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされた方であるという事実関係を十分調べることなく学校の授業の講師として招いたことについては必ずしも適切であったとは言えず、もう少し慎重な検討が必要でなかったかということで、これは前川さんを呼んではいけないということではなくて、呼ぶに当たってもう少しそういったことを調べる必要があったのではないかということ、この二点を授業に関しては一応お伝えしたと、そのような認識でおります。
#38
○神本美恵子君 杉崎教育長は、この度のマスコミ報道を受けて市民の皆様などから様々な御意見をいただいておりますというようなことが書かれております。恐らく、この前もちょっと紹介しましたが、学校にいろんな電話があったり人が訪ねてきたりして、市民の皆様からいろんな意見をいただいているので、文科省として、大臣として今回の授業調査あるいは授業そのものに対してどう考えているのかということを明確に言っていただかないとこれからもそういったことが続くのではないかということを私は懸念をいたしますので、教育長に明確に答えていただく必要があるというふうに思います。大臣、いかがですか。
#39
○国務大臣(林芳正君) 先ほど局長から答弁いたしましたように、まずは、法令には違反するという事実は承知していないということと、それから、前文部科学事務次官についての経歴等について把握せずにやったということについてはもう少し慎重な検討が必要でなかったかということでお答えをしておるところでございますので、このことを向こうにお送りして、向こうからは承知をしたということだったというふうに報告を受けてございますので、私からは、更に何か向こうから御質問等あればまた更に対応させますけれども、この答えで質問にはお答えをしていると、そういうふうに認識をしております。
#40
○神本美恵子君 私は、やっぱりこれだけ報道で挙げられて、学校にいろんな問合せが来たり続いているということを考えると、やっぱり今回の調査は行き過ぎだったということを文科省としてはどこかで、法令に基づいた、地教行法に基づいた調査ではあったけれども、やっぱりこれは行き過ぎであったということをどこかでお認めにならないと収束しないのではないかというふうに思います。やや誤解を招く表現ぶりというような生易しい問題ではなくて、前川氏への誹謗中傷、個人攻撃と受け取られかねない調査であると言わざるを得ないと思います。
 先日の新聞報道でも特集で取り上げられておりましたけれども、ジャーナリストの山際氏という方は、これまでその新聞によると保守的な考え方の方だというふうに書かれていましたけれども、一体この質問書は誰が作ったのか、つまり文科省が本当に作ったのかということをおっしゃっているんだと思いますが、前川氏の授業に対する過剰な介入は政権に反旗を翻した役人に対する政権側からの嫌がらせにしか見えないとか、思想家の元大学の先生、内田樹氏は、前川氏の件は特に新しい動きではない、政権の教育現場への介入は戦後ずっと続いてきた、お上に逆らうような人間をつくる教育はするななどの意見が、ということがずっと続いてきたというようなコメントが載っております。そういうのが紹介されておりました。
 本調査は、決裁文書というものもなく、調査が準拠した法令について、調査時点では、名古屋市教育委員会にそのことは明示もせず、安易に政治家の修正を受け入れたものと言わざるを得ません。
 教育現場への介入と言われても仕方のない行き過ぎた調査であるということを認めるべきですけれども、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(林芳正君) どういう調査であったか、また、やり取りについてどう考えておるかというのはこれまで答弁をしてきたところでございまして、先方に対しては、これは衆議院でも、長島委員だったと思いますが御指摘がございまして、返答、たまたまタイミングが一緒になりましたが、この御質問に対してお答えをするときに、先方から質問のあった二項目に付け加えて、表現ぶり等について誤解を、やや誤解を招きかねないところがあったという私からの注意も併せて先方に伝えるようにということを国会の御議論を受けて私から指示をいたしまして、その部分が、先ほど御紹介していただいたように、こちらから向こうに出したメールにも書かせていただいたと、そういうことでございます。
#42
○神本美恵子君 私も、衆議院と参議院、委員会、予算委員会等、全部議事録読ませていただきました。確かに、大臣が長島議員の質問に対してそうお答えになって、ただ、長島議員は、やや誤解のややを取れと、ややではなくてしっかりはっきり誤解を招いているではないかというようなこともおっしゃっておりました。
 その質疑の中で林大臣は、必ずしも違法行為があった方が授業をしてはいけないということではないというふうに御答弁されております。これは確認してよろしいですか。
#43
○国務大臣(林芳正君) 例えば、一度そういうことがあった方がその後更生をされて、どうして自分はこういうことを犯してしまったか、しかしどうやって更生したか、例えばそういうことをしっかりと言うということは当然あり得るべきことだろうと、こういうふうに思っておりますので、たしかそういう文脈でそういうお話をしたというふうに思っております。
#44
○神本美恵子君 確かにそうでした。これまでの自分が犯した行為について反省をしたことも含めた生き方を学ぶのに、そういう人は大事だというような御答弁をされておりました。
 ところが、その後、そのときだったですか、今後の外部講師選任に当たって、文科省においてもその確認が取れている場合には今回のような文書で問合せをすることはしない。つまり、文科省で確認が取れている場合には今回のような文書で問合せをすることはないということは、外部講師選任するときは文科省が確認を取るということにも受け取れますけれども、なぜ文科省の確認が必要なのか全く理解ができないんですけれども、これはどういう趣旨なのでしょうか。
#45
○国務大臣(林芳正君) これは、たしか城井先生、城井委員からの御質問で、今後、外部講師の選任に当たって、授業の狙いや内容、講師を招く理由や経歴などについて学校や教育委員会において十分検討され適切な配慮がなされており、そのことについて文部科学省においても確認が取れている場合は、今回のような文書で問合せすることはしない、そういうことでよろしいかと、こういう御質問がございましたので、そういう方向で対処をしたい、対応してまいりたいと、こういうふうに答弁をさせていただいたところでございます。
#46
○神本美恵子君 それでは、私が受け取ったように、必ず外部講師選定の場合は文科省が確認を取ってやらなければ、また今回のような調査があり得るという意味ではないというふうに受け取っていいですか。
#47
○国務大臣(林芳正君) 一般的に、各学校においてどういう方を外部講師として招くかについては、その授業の全体計画や年間指導計画における位置付け、当該講師を招く狙い、その方が講師としてふさわしいか否かなどに配慮しながら各学校において適切に判断をしていただくものでございます。その上で、文科省として調査を行うかどうかについては、授業の狙いや内容、招いた講師の属性などを総合的に勘案して、その授業が適切な教育的配慮の下で行われているかどうかについての確認の必要性、まずこれを判断をされるべきものと、こういうことでございます。
 そういうことでございますので、一般的には、何も問合せをせずに確認が取れているということはなかなか難しいと思いますので、一般的にはそういう確認の必要について、する必要があると判断があった場合には、例えば電話等によって口頭で確認をするということはあり得べきものと、こういうふうに思っております。
#48
○神本美恵子君 前段で基本的にはとおっしゃったところだけでいいと。基本的には学校が授業の狙いや形式を決めて、それに適合する講師を選んで、それで決めるということで、その基本的なところさえ押さえておけばいいと思うんですね。
 よほど本当に学校が、あるいは教育委員会が間違った方をしているということが明らかになった場合には、それは今回のような問合せが、まあ今回のはやり過ぎですけれども、あるかもしれませんけれども、基本的に学校が決めるものだということで、もうこれは繰り返し確認しませんが、うなずいていらっしゃいますので、そういうふうに受け止めていきたいと思います。
 今回の調査は、違法行為があった方が授業をしてはいけないということはないけれども、幾つかの要素を考えて今回のような調査をしたというふうに高橋局長は繰り返し繰り返しおっしゃっております。
 しかし、これは幾つかの要素を考えてというふうに書かれておりますけれども、もう時間が余りないので急ぎますが、議員による修正ですね、二か所、金額それから動員についてなんですけれども、局長は答弁で、池田議員からは、経費の出所を聞いているのにこれは金額を聞かないのかみたいな話がありました、私もちょっとそこは、確かに金額を聞いておいた方が事実関係をより正確かつしっかりと把握できると思って指示をしましたというふうに答弁をされておりますけれども、金額を聞くことが教育的配慮とどういう関係があるんですかね。しっかり正確に金額を把握することが教育的配慮とどういう関係があるのかというのが一点と。私には理解できない。
 それからもう一点は、これは先日の蓮舫議員の動員に対する質問について、保護者に講演を聞かせることが目的じゃないかということについての確認が必要と判断したと。必ずしも、子供に授業をするというよりも保護者に講演を聞かせることが目的じゃないかということについて確認が必要なので、動員についても修正、追加をしたというふうに答弁されたんですけれども、これって文科省が本当にそんなことを疑問に思ったんですか。
 この二点をお願いします。
#49
○政府参考人(高橋道和君) まず最初の謝金のものでございますけれども、二月十九日に名古屋市教育委員会から提供のあった資料において、本事業、名古屋市教育委員会が経費を支援する授業を行っていたという事実が明らかになったものの、必ずしも当該事業から前川氏への謝金が支出されたかどうかは明確ではなかったため、その確認を行ったものでございます。教育委員会の事業の中から経費が支出されていたということが明確に確認できれば、当該事業の趣旨に基づいて行われた授業であったということが明らかになると考えたものでございます。
 それから、動員の関係でございますけれども、今回の授業は学校の教育課程に位置付けられた総合的な学習の時間の中で行われたものであるため、当然ながら、この授業は中学校の生徒に対する教育を目的に行われるものでございます。一方、新聞記事からは、この授業には三百人程度の生徒のほか二百人程度の保護者等が参加していたという事実を確認できておりましたので、こういったことから、この授業の目的が生徒の学びを中心に据えたものとなっているかどうか、保護者や地域の関係者に講演を聞かせることが目的となっていないかということについて確認する必要があると判断して、この点も確認を求めたものでございます。
#50
○神本美恵子君 時間が来ましたので、最後に、前川氏がこれから様々なところでまた呼ばれる可能性というのはあると思いますけれども、そのようなときには名古屋市教委がやったようにきちんと調査をしてやればよしということを是非確認をしていただきたいと思います。前川氏は、名古屋市以外の中学校で話したことはあるが調査などなかったと発言されていることも紹介しておきたいと思います。
 終わります。
#51
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。
 今日は高校の中途退学の問題について質問をさせていただきます。
 高校の中途退学者は毎年全国で五万人弱と言われております。その理由といたしましては、以前は進路変更が多かったそうですけれども、最近は学校生活・学業不適応という理由が一番多い傾向にあるということであります。
 中退をした方たちの状況についてですけれども、この点について政府が、平成二十二年、ちょっと前ですけれども、調査を行っております。高校中退後約二年以内の状況について聞いてみると、約五六%の方が働いているけれども、そのうち八割近くがフリーター、パートといった働き方でありまして、総務省の労働者調査などの同年代の雇用者と比べましても、正社員という形で働いている割合は相対的に低いというふうにも分析をされております。また、中途退学をする生徒の家庭の状況について見ますと、例えば一人親世帯であるとか、また、経済的なゆとりがないというような世帯も少なくない状況でございまして、生徒は複雑な課題を様々と抱えているということが言えるかと思います。
 先日、私、十八歳成人のことをこの委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、若い世代の皆さんが活躍できる社会づくりのためには、やはりこういう若年者に対する支援というものは非常に重要ではないかというふうに思っております。
 先ほど紹介しました中退の理由として、学校生活・学業不適応という回答が多い傾向にありまして、また、中には勉強が分からなかったからとか人間関係がうまくいかなかったからということを中退の理由に挙げている若者もおりまして、そういう観点からいいますと、より学校の方で様々生徒の状況を把握をして適切な指導をしていくことで、この高校の中途退学というものを一定程度防げるようなこともあるのではないかと思っております。
 特に、高校進学率というのは非常に高くなっておりまして、高校の授業料の無償化などの中で実質的に義務教育化してきているというふうに言えると思いますけれども、そういった中で、学業を途中で中断をしてしまうというのは、やはり格差といいますか、そういったことが開いていくことになってしまいますので、この高校の中途退学を防いでいくということも非常に重要だと思っておりますけれども、この点について文科省はどのように取り組まれるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(林芳正君) 平成二十八年度の国公私立の高等学校における中途退学者数が約四万七千人となっておりまして、学ぶ意欲や能力がありながら様々な背景によって高校を中退してしまう者がいるということは憂慮すべき問題であると、こういうふうに認識をしております。
 文科省としては、中退の未然防止となるように、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充などによる教育の相談体制の充実、それから高等学校等就学支援金等の実施、さらには学力向上などを目的とした学習サポートスタッフの配置など、様々な取組を行っているところでございます。
 今後とも、こうした様々な取組を通じまして、高校生の中途退学の未然防止に努めてまいりたいと思っております。
#53
○佐々木さやか君 ところで、高校生が妊娠をした場合に、多くの場合、学校を中退することになってしまうという状況がございます。たとえ休学とかそういった形で学業継続、これを望んでいたとしても、学校側の対応によって継続がかなわないという実態があると認識しておりますけれども、この点、文科省は把握をしているでしょうか。
#54
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省におきましては、平成二十七、二十八年度の二年度間にわたりまして、全国の公立高等学校における妊娠を理由とした退学等に関する実態把握を今回初めて行ったところでございます。その結果、生徒又は保護者が引き続きの通学を希望していた等の事情があるにもかかわらず、学校が退学を勧めた結果として自主退学した事案が、この二年度において全部で三十二件認められたところでございます。この三十二件の事案のうち、生徒又は保護者の意思を確認したところ、引き続きの通学、休学又は転学を希望していた者はそのうち十八件を認められております。
 文部科学省では、今般の調査結果を踏まえ、本年三月、妊娠した生徒への対応等に係る留意事項等を示した通知を発出したところであり、引き続き、この通知内容の周知徹底に努めてまいる所存でございます。
#55
○佐々木さやか君 これまでの中退に関する調査では、この妊娠というところの理由については調査をしていなかったということで、今回初めてこういった調査を行っていただきました。
 今紹介がありましたように、公立の高等学校について調査をしていただいて、妊娠の事実を学校側が認識した件数については、全日制、定時制合わせて二千件程度ということで、そのうち妊娠を理由に中退をした割合が、全日制では約四割、三九%ということであります。定時制についてはもう少し少ないですけれども約二五%程度。この中退をした中にも様々なきっと理由があると思いますけれども、うち、今紹介していただいたのは、生徒側に学業を継続したいという希望があったんですけれども学校側から退学を勧められて自主退学という形を取ったと、こういう件数が十八件、そして、学業継続の明確な希望まではなかったけれども、学校が退学を勧めたことによって自主退学という件数が十四件で、合わせて三十二件ということであります。特に、学業をできれば続けたいと、このように思っていたにもかかわらず続けられなかったというのは非常に残念でありますし、やはり本当にそうした対応でよかったんだろうかというふうに疑問を感じざるを得ません。
 こういった退学を勧められた場合ですけれども、そもそも、こういう学校側から妊娠を理由に退学を勧めるというのはどういう根拠に基づくものであって、生徒側としてはそういう場合に希望に合わないということで断るということはできるんでしょうか。この点、どうでしょう。
#56
○政府参考人(高橋道和君) まず、学校による退学処分の根拠についてでございますが、学校教育法第十一条において、校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができると定められておりまして、さらに、同法施行規則第二十六条第二項においては、懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は校長が行うと、こう定められているところでございます。一般に、同施行規則に定められる懲戒としての退学の要件に該当する場合に教育的な配慮から自主的な退学の勧奨を行うことはあり得るものと承知しておりますが、この退学の勧奨については法令上の根拠はなく、勧奨を受けた生徒が従う義務は生じないものと考えております。
    ─────────────
#57
○委員長(高階恵美子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として赤池誠章君が選任されました。
    ─────────────
#58
○佐々木さやか君 勧奨については法律的な根拠はなくて、生徒の方でそれに従う義務はないということでありました。ですので、先ほどの件についても、三十二件についても、断るということもできたんでしょうけれども、しかしながら、やはり学校側からそういうふうに言われて、生徒の方で、また保護者の方で、いや、通い続けると、そういうふうに言って学校に行くというのはなかなか事実上難しいと思います。それだけ学校側の退学の勧めというのは生徒にとって事実上大変大きなことでありますので、それが本当に教育上適切なのかどうかということは十分に慎重に判断していただく必要があるのではないかというふうに思います。
 先ほどこの退学の勧奨の根拠について説明をいただきましたけれども、学校教育法の施行規則には、退学の理由として、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができるということで、四つほど書いてあります。しかしながら、具体的に妊娠ということを書いているわけではなくて、出席が余りない者とか学業の成業の見込みがないと認められる者とか、抽象的な内容になっております。
 じゃ、妊娠ということを理由に懲戒としての退学が行われているのかということを見てみますと、文科省の方で行っていただいた調査によれば、この二年間、調査対象の二年間で懲戒退学というものはゼロ件ということであります。ですので、全てが自主退学ということであります。しかしながら、妊娠を理由とした懲戒の基準を設定しているかどうかということを各高校に聞いていただいていますけれども、こういう基準があるというふうに回答している高校も全日制で二校、また定時制で三校ありまして、こういったところは具体的に妊娠というものを懲戒による退学の基準として定めているということであります。
 この懲戒については学校長の判断で設定されて行われるものではありますけれども、先ほども申し上げたとおり、やはり退学による学業の中断というものがその生徒にとって、人生にとって大変大きな影響を与えるものでありますので、その適切な、最良の判断というものが求められるのではないかと思っております。
 この若年女性の予期せぬ妊娠ということについて、いろいろと支援を行っているNPOの方なんかにお話を聞きますと、一度こういった妊娠によって退学をするということになると、仕事をするにも中卒資格しかないということで非常に不利であると。また、子供を抱えていますので働くことも十分ではないという中で、貧困に陥る危険性も高いと。それから、若年妊娠の背景には、家庭内での虐待等々、そういう問題がある場合も少なくないということで、非常に貧困の連鎖ということが起こってしまうと。ですので、こういった観点からも、やはり、学校長の判断とはいえ、安易に退学を妊娠を理由にして勧めるのではなくて、できる限り学業が続けられるようにということをすべきではないかと思います。
 こういった対応というのは、学校側がどのような支援を行うかというのは、現状、個々の担任の先生とか教員の熱意によるところが大きいと思いますけれども、こういう学業の継続ができる環境を整えていくという点については文科省としてはどういう方針を出していらっしゃるんでしょうか、大臣にお聞きしたいと思います。
#59
○国務大臣(林芳正君) 妊娠をした生徒の学業の継続に向けた考え方については、本年の三月に文科省から発出した通知におきまして、生徒が妊娠した場合には、関係者間で十分に話し合い、母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものであること、その際、生徒に学業継続の意思がある場合は、教育的な指導を行いつつ、安易に退学処分や事実上の退学勧告等の対処は行わないという対応も十分考えられることなどを示しているところでございます。
 また、この通知においては、妊娠した生徒が引き続き学業を継続できるように、学校として養護教諭やスクールカウンセラー等も含めた十分な支援を行う必要があること、体育実技等、身体活動を伴う教育活動においては、当該生徒の安全確保の観点から工夫を図った教育活動を行ったり、課題レポート等の提出や見学で代替するなど母体に影響を与えないような対応を行う必要があることなど、妊娠した生徒に対する具体的な支援の在り方を示したところであります。
 文科省としても、各学校において妊娠した生徒が学業を継続できる環境が整備されるよう、通知内容の周知徹底に努めてまいりたいと思っております。
#60
○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。文科省としても、そういった具体的な支援についても指針を出していただいたということであります。
 学校側が退学を勧めた理由というものも聞いていただいておりまして、例えば、母体の状況や育児を行う上での家庭の状況から学業を継続することが難しいと判断したので退学を勧めたということとか、それから、本人の学業継続が他の生徒に対する影響が大きいと判断したために自主退学を勧めた等々ございますけれども、育児を行う上での家庭の状況、例えば子供をその生徒の保護者が見るというような状況にないとか、いろんな状況があると思いますけれども、しかし、そういう場合も、保育園があるわけですし、いろいろな工夫をすれば生徒の希望がかなうことも十分あると思います。
 今、養護教諭の先生とかそれからスクールカウンセラーというお話がありましたけれども、スクールソーシャルワーカーの配置も進めていただいているところであります。いろいろな行政サービスとか福祉の関係についても、やはり生徒本人ではなかなか情報が得られませんし、またその家庭においても、例えば一人親家庭だったりとか保護者も非常に働いていて忙しいというような場合にはそういう情報を入手する余裕がないというような状況もありますので、是非丁寧にそういった生徒に対して学校側からも情報提供、指導等をしていただきたいと思います。
 そういった学業継続ができる環境をまずは整備していただきたいと思いますけれども、本人の希望が強く、退学をするということもあるかと思います。そのようになった場合でも、その学校には通わないとしても、定時制の学校若しくは通信制の学校などで学業を続けていくということも考えられます。
 中途退学者への政府が行った調査によりますと、高卒の資格が必要だというふうに中退した後に感じたという人は八割に近くなっております。そういったことからも、中退をするということになったとしても、その後の生徒の学びの継続についての支援というものも非常に重要ではないかと思っておりますけれども、この中途退学した場合の支援の必要性については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#61
○国務大臣(林芳正君) 妊娠を理由として退学をせざるを得ないような場合であっても、生徒が学業の継続をできるよう具体的な支援を行うということは重要だと考えております。
 このため、先般発出した通知におきましても、高等学校卒業程度認定試験、こういうものがあるということ、それから、退学以外に、今も委員からお話がありましたけれども、休学、それから全日制から定時制、通信制への転籍及び転学等、学業を継続するための様々な方策があり得ること、こういうこと等について必要な情報提供などを行うことを高等学校等に対して求めているところでございます。
 文科省としても、やむを得ず同じ高校に通い続けられなくなった生徒が学業を継続できるよう、この通知内容の周知徹底に努めてまいりたいと思っております。
#62
○佐々木さやか君 時間が少なくなりましたので、一問飛ばしまして、今のお話にもありました、退学をした後のその生徒のいろいろな仕事のことですとか学び直しとか資格取得等々、こういったことは厚労省の方でも支援をしていただきたいと思います。この点についてはどのような取組を行っているでしょうか。
#63
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 高校を中退した一人親家庭の生活の安定を図るためには、児童扶養手当による経済的支援などと併せて、より良い条件での就職ができるように、今御指摘にもありましたように、資格取得や就職活動を支援していくことが重要であると考えております。
 そこで、まず、最終学歴が中学校卒業でも取得可能な資格の取得を目指す方々に対しては、介護職員初任者研修や医療事務検定試験などを受ける場合、講座受講費用の一部を支給しているほか、准看護師や調理師などを目指し養成機関において修業する場合、修業期間中の生活費に充てるための給付金を支給しています。また、資格取得の幅を広げたり就職や転職を有利にするため、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指す方々に対しては、そのための講座受講費用の支給を行っています。
 さらに、一人親家庭の就職活動支援として、マザーズハローワーク等において、一人親を含む子育て女性等に対するきめ細かな就職支援を実施しております。
 これらの取組を通じまして、厳しい環境に置かれた一人親家庭の方々の自立に向けて、引き続き総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。
#64
○佐々木さやか君 十代の婚姻の場合の離婚率というのも非常に高くなっておりまして、もちろん、二人親で子供を育てていく人もいますけれども、一人親という形でその後様々大変な状況になるという人も多いわけでございます。今紹介していただいたような支援、非常に重要であると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 こういった若者の自立を後押ししていくということは、支援される側から支援する側への転換を後押しすることであるというふうに思います。重要なことでありますので、是非、文科省、厚労省、引き続き連携をして取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#65
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今日も、名古屋市への授業調査、教育介入問題について伺いたいと思います。
 この間、名古屋市が出した公開質問状に対して文科省が回答したと。しかし、その回答について名古屋市側は納得していなくて、再質問を検討しているということも報じられております。また一方、こうした経過の中で、山口県下関市では、四月十四日に行われる前川氏の講演会について、市教委が後援団体として名を連ねることを断ったという報道もありました。現場では既にこういった萎縮とも思われるような状態が起きていると。重大な問題だと思うわけです。
 そこで今日は、まず、今後の文科省の学校現場に対する基本姿勢についてを確認しておきたいと思うわけです。
 三月三十日の衆議院文部科学委員会で、大臣は、地方の自主性と現場の創意工夫を前提としつつ、適切な役割分担が大事だと、教育行政については。公立学校に関する事務は基本的に自治事務であり、教育に関する実務の管理及び執行については、本来、学校の設置者である教育委員会若しくは学校の権限と責任において適切に行われるべきものであるという答弁をされています。
 ということは、つまり、今後、文科省が行う個別の授業に対する調査があったとしたとしても、それは現場の自主性や創意を萎縮させるようなものではあってはならないということだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(林芳正君) 個別の事案に関して事実関係の確認を行うに当たっては、教育現場において誤解が生じないよう十分に留意すべきことは当然でございまして、そのような観点から、今回の書面についてはやや誤解を招きかねない面もあったと考えられるため、今回確認を行った担当の初等中等教育局に対し、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要がある旨注意したところでございます。
 こうした今回の事案の経緯を踏まえて、今後、教育現場等に対してより一層丁寧な対応を行うように努めてまいりたいと思っております。
#67
○吉良よし子君 誤解を招きかねないとおっしゃったんですけれども、現場の自主性や創意を萎縮させてはならないんじゃないかということを伺っているんですけど、その点だけ、いかがでしょうか。
#68
○国務大臣(林芳正君) 御指摘のとおりでございまして、先ほどの答弁の中で、教育現場において誤解が生じないようというのは、そういうところも含まれておるということで申し上げましたけれども、委員おっしゃったとおりでございます。
#69
○吉良よし子君 現場を萎縮させるようなことは絶対にあってはならないということです。そういう調査はあってはならないと。
 もう一点確認したいんですね。先ほど神本議員からも質問がありましたけれども、同じくその三月三十日の衆議院の文科委員会の中で、外部講師の選任に関して、学校や教育委員会において十分検討され、適切な配慮が行われており、そして文部科学省も確認できる場合には、今回のような行き過ぎた調査や文書による問合せは不要だと、こうした認識でよろしいかということを問われて、その方向で対応してまいりたいと考えておりますと大臣は答えられておりました。
 ということは、具体的にちょっと確認したいと思うんですけれども、その外部講師が前川氏だった場合、今後どこかの学校が前川氏を呼んで授業を行う場合であったとしても、その学校や教育委員会で十分な検討がなされ、適切な配慮がなされているならば、今回のような調査は不要だということでよろしいですね。
#70
○国務大臣(林芳正君) 御質問のあったとおりでございます。先ほど御紹介いただいた城井先生への御答弁の中で、外部講師という言葉を一般論として使っておりますが、そこには前川氏も当然含まれるものと考えております。
#71
○吉良よし子君 前川氏も含まれるということでありました。
 いずれにしても、前川さんの経歴については、今回、全国の教育関係者が改めてよく知るところになったわけですから、もう既に知らないまま呼ぶなんということは起きないわけですし、文科省が授業の内容も問題ないと言っているわけですから、現場が適切な配慮の下、自分たちの判断で自由に前川氏も含めて誰でも呼べるということだと思うわけです。二度とあのような狙い撃ちのような調査はあってはならないということ、強く申し上げたいと思います。
 そして、もう一つ、今回の調査の理由について、どう先方に伝えたのかというところを私、今日確認したいと思うんです。文科省は繰り返し、この調査というのは、教育行政の事務方最高トップだった方が、単に監督責任だけではなく、自らの違法行為で停職処分相当という、そういう方が教壇に立ったから調査をしたと説明してきたわけです。そして、その調査の結果、名古屋市教委に対して行った唯一の助言が、先ほども申し上げたとおり、同氏のこのような事実関係を十分に調べることなく学校の授業の講師として招いたことが必ずしも適切ではなかったというものだったわけです。
 つまり、今回の調査の核心というのは、前川氏自身のこうした事実関係が問題にされているということなわけです。これだって問題だと思うんですけれども、じゃ、その調査の核心部分を名古屋市教委にどう伝えたのかというところが私、問題だと思うんですけど、文科省がこの調査で初めて市教委に接触した二月十九日の電話、この調査のときに、あなた方は、こうした、この間国会で説明してきた調査理由というものを市教委に説明したのでしょうか。局長、いかがでしょうか。
#72
○政府参考人(高橋道和君) 二月十九日の名古屋市教育委員会への電話については、初等中等教育局の教育課程課より、前川氏の講演の概略的な内容や対象学年、総合的な学習の時間の年間指導計画の位置付け等について確認を行い、名古屋市教育委員会からメールで関係資料の提供を受けました。
 関係資料といたしましては、保護者及び関係者向けそれぞれの公開授業の案内、当該中学校における公開授業の実施案、名古屋市教育委員会の事業の概要や企画書、公開授業のチラシ、当日の流れ及び記録、マスコミへの広報についての資料、平成二十九年度における当該中学校の総合的な学習の時間の全体計画、こういった資料について提供を受けました。このうち、名古屋市教育委員会の事業については、当該中学校における企画書が添付されていなかったため、当該中学校の企画書について名古屋市教育委員会に提供を依頼し、改めて提供を受けたところでございます。
#73
○吉良よし子君 経緯説明されたんですけど、問い合わせた中身をおっしゃったんですけど、私が聞いているのはそこじゃなくて、なぜこの調査をしたのかと、なぜそういう質問をしたのかということを市教委側に伝えたのかどうかと。前川氏が、呼んだことの経緯について聞きたいんだと、そういうことをおっしゃったかどうかということなんです。それはいかがですか、局長。
#74
○政府参考人(高橋道和君) その点については必ずしも明確ではございません。
#75
○吉良よし子君 明確ではない。
 実は、私たち日本共産党市議団の方で聞き取りをしたわけですけれども、対応に当たった市教委の担当者は、こうした前川氏の問題だと、教育行政の事務方トップだった方が自らの不法行為で停職処分相当を受けた、そういう人を呼んだのが問題だと思っているという言葉は一言も聞かなかったと明言しているんですよ。
 もう一つ更に聞きたいと思うんですけれども、じゃ、その前川氏をなぜ呼んだかという経緯というのはこの最初の電話の調査で聞いたんでしょうか。
#76
○政府参考人(高橋道和君) その点につきましては、三月一日に名古屋市教育委員会に対して照会いたしました文書によって前次官を招いた理由や経緯について質問をしております。
#77
○吉良よし子君 つまり、三月一日になるまで前川氏についての調査だということを一言も先方に伝えていなかったということなんですよ。これ、今回の調査の真相を語る重大なポイントだと思うんです。
 そして、先ほど三月一日のメールでということをおっしゃいましたけれども、このメールの質問事項を改めて見ると、今回の助言の基になった、単に監督責任でなく、自らの違法行為で停職処分相当という文言は三月一日のメールには出てこないんですよ。該当部分読むと、文部科学事務次官という教育行政の事務の最高責任者としての立場にいましたが、いわゆる国家公務員天下りの問題により辞職し、停職相当とされた経緯としか書かれていなくて、自らの違法行為でというその言葉は書かれていないんですね。それが初めて出てくるのが、二回目の三月六日のメールに初めて、いわゆる天下り問題について自らが直接関与したことが認められというふうなことが出てくるわけですけれども。
 つまり、この間、本人自らの非違行為云々が問題だと、それを知らなかったことが問題だということを文科省はずっとおっしゃっていたわけですけれども、この調査理由というのは後付けだったという、三月六日になるまでそれは考えていなかったということになるんじゃないですか。いかがですか、局長。
#78
○政府参考人(高橋道和君) 既に三月一日の質問状において、停職相当とされた経緯がありますということは明確に質問をさせていただいているところでございます。
#79
○吉良よし子君 停職相当とされた経緯とは書かれているけれども、本人自らの非違行為で停職相当とされたと、そのことを知らなかったのが問題だと。
 つまり、三月六日の、最後の最後に出てきた、いわゆる天下り問題について自らが直接関与したことが認められ云々という問合せに対して、学校長が、辞任された以上のことは知りませんと回答して、それを取って文科省は、十分に事実関係を調べることなく云々ということの助言を行ったわけですよね。
 つまり、この最後の最後に出てきたメールのこの文言に対する回答を取って、それが不適切だというのがあなたたちの調査、助言なわけですよ。これ、後付けと言う以外にほかないんじゃないですか。
#80
○政府参考人(高橋道和君) 繰り返しになりますが、最初の質問のメールの中には、天下り問題により辞職し、停職相当とされた経緯がありますということを明確にいたしました。それについて、そのことについては、辞職したこと以外は存じ上げていないということなので、その点について、再質問についてより詳しく具体的に問合せをしたものでございますので、最初からそういう問題意識を持っていたということでございます。
#81
○吉良よし子君 いやいや、問題にされているのは、本人自らの非違行為を理由として停職相当とされたということを知らなかったことが問題だと、それが助言の中身じゃないですか。なのに、それを最初から聞いていたと私到底思えないんですよね。結局、やっぱりこういう経過を確認していくと、幾ら聞いても欠点が出てこない、最後の最後に揚げ足を取るように助言を行ったとしか私は見えないんですよ。
 最初の電話を受けて、市教委が文科省に送った十六枚の資料というのを私も手に入れて拝見しました。当該校というのは、年度当初、四月の時点でこの総合学習の時間のテーマを、様々な人の生き方を考えると決めて、その時点で、二月十六日に全校一斉総合というのを行うということを指導計画として決めていたわけです。教育委員会は、この計画をもちろん知っていましたし、その講師に前川氏が決まったということは十二月の時点で報告を受けていて、市教委の笑顔いっぱい絆づくり推進事業の一つに位置付けるということを了解したんですよ。
 まさに、学校と教育委員会が十分に検討した公開講座だったと、教育的配慮の下に行われたものだったということは最初の電話で十分に分かったんじゃないのかと、メールでの問合せは全く必要なかったんじゃないですか。いかがですか、局長。
#82
○政府参考人(高橋道和君) 今回の事案につきましては、繰り返しになりますが、直近まで文科行政の事務方の最高責任者として、その発言が教育行政に関して正当な根拠があると受け止められる特別な立場にあったことから、影響力が極めて大きいこと、それから天下り問題等に関わって、単に監督責任だけでなく、本人自身の違法行為をもって停職相当となったものであることから、特に心身の発達が途上段階にあり、必ずしも公正な判断を行う能力が十分に備わっていない中学生に対して授業を行うことについて適切な教育的配慮が求められること、さらに、保護者への当該校に対する信用に与える影響についても十分な考慮が行われる必要があること、こういったことを考慮して、調査、事実確認を行ったものでございます。
#83
○吉良よし子君 ですから、その調査理由を先方に伝えないまま調査を始めたわけです、電話では。そして、三月一日に初めて前川氏の問題だということを伝え、さらに、その本人が非違行為で停職相当とされたとしたことを知らなかったことが問題だということが不適切だという助言を受けてしまったと。
 もう本当に後付けとしか言いようがない、指導、助言のための調査という法令の一線を越えて、何でもいいから前川氏を呼んだ名古屋市教委の弱点を見付けようと、悪質クレーマーのような不当な介入に手を染めたのが今回の文科省の調査なわけですよ。こんなの絶対に許しておくわけにはいかないんです。
 これ、文科省だけの問題じゃないですよ。もう防衛省や財務省や厚労省とか、様々な問題が出ているわけですけど、本当に政権全体の体質が大きく問われる事態がこれだけ起きている。文科省のこの案件というのはその一つなわけです。
 大臣には、こうした事態であるという認識を持って事に当たっていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
#84
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は余り時間もございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 十八歳人口は、一九九二年の二百五万人をピークに減り続けておりまして、二〇〇八年に百二十万人となり、その後横ばいで推移をしておりますけれども、その状態は、二〇一八年、今年、終わりを告げると言われています。二〇一八年問題、日本の大学受験業界において用いられている言葉です。二〇一八年の十八歳人口は約百十八万人、その後再び減少を続けて、二〇三〇年には百万人を切る予想です。ピーク時の半分以下になるわけです。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
 これは、今後の大学経営に大きな影響を与えることは間違いありません。大学進学者が現在の五五%前後で変わらずに推移をするとすれば、二〇三〇年には今よりも大学進学者が十万人以上減ると、こういったことになるんです。十万人というのは、入学定員が五百人の大学二百校分です。二〇一六年の段階で定員割れをしている大学の数は二百五十七校、実に四四・五%に上ります。そのうち、定員充足率七〇%未満の大学が一一%、充足率が低下すれば、文科省からの補助金も減り、経営はますます苦しくなっていくわけです。実際、廃止された大学は、平成二十七年で十校、平成二十六年に十一校、平成二十五年に十四校と、決して少ない数とは言えません。
 最近、地方の私立大学が定員割れや経営難から自治体に対して公立化を求めている動きがあると聞いております。人口減少に悩む地方にとって、若者が集う大学は大切な存在であります。そのために地元自治体が厳しい経営環境にある私立大学を公立化する動きは以前からありまして、二〇〇九年から二〇一七年度に八例、今後も三校が予定されているということです。
 確かに、公立化すると国から地方交付税交付金が受けられ、学費が下がり、そして学生も集めやすくなるかもしれません。そうすると地域も活性化し、雇用も生まれて地方創生につながるのかもしれませんが、その効果はいつまで続くか分かりません。また、税金を投入するわけですから、安易に公立化するということは大変疑問に思いますし、人口減少が加速する中で自治体が高等教育機関を経営するには相当な覚悟が必要かと思います。
 私立大学の定員割れや経営難を理由としたこの公立化、本来なら淘汰されるかもしれない私立大学が公立大学として維持され続けることになるわけです。公立大学の運営費を出すのは自治体ですけれども、多くの自治体は運営費の元を国からの地方交付税に依存しており、交付税を通じて広く国民が公立大学の運営費を負担しているということです。安易な公立化による国家財政への影響も懸念されますけれども、この点についてどうお考えでしょうか。大臣、お聞かせください。
#85
○国務大臣(林芳正君) 地域で活躍をする人材の育成、また大学を核として地域産業の活性化を進めていく、そういった上でやはり地方において大学が果たす役割は大変大きいものだと、こういうふうに思っております。
 一方、今委員からも御指摘がありましたように、少子化が進む中で、地方の中小規模の私立大学の経営、大変厳しくなってきておりまして、近年、地方公共団体が地域の実情や地域経済への影響などを考えて、大学を地方に残すために公立大学化する事例も見られるところでございます。
 他方で、今お話がありましたように、公立大学化した場合、地方公共団体が大学の運営について恒久的に財源措置を行うということが必要になってまいりますので、その分負担が増えるということになるわけでございます。
 したがって、大学で養成する人材の需要が見込まれるのか、定員の充足や法人経営が見通せるのかと、こういったことを十分に検討していただいて、地元住民さらには産業界と関係者の理解の上で、公立大学としての設置の是非を判断していただく必要があると考えております。
#86
○高木かおり君 しっかりと自治体が、その地域に必要な大学で公立化してでも存続するべきだという地域の声、また経営の見通しなども必要不可欠だというふうに思います。
 もし大学が破綻したら周囲に及ぼす影響は当の学生や教職員だけにはとどまりません。ですから、しっかり判断して見極めないといけないわけです。公立化するときは、また地元の高校生の学ぶ機会を保障するといった大義名分をよく言うのですけれども、皮肉にも、志願者の地域性が薄れてしまう、つまり全国から応募してくるようになるわけですから、こういった視点も考えておかなければならないというふうに思います。
 大学にはその地域に若者をとどめておく力、優秀な人材を地域に輩出する力がございます。国立大学が理系にシフトしていく中で、人文系の人材を育てるのは私立大学に多うございますし、国立大学と異なって、学生の需要や社会情勢を見ながら、素早い改革にも対応が可能であるというふうにも思います。
 何とか地域に学問の拠点を残していきたいとは思いますけれども、私立大学の中には、いつ破綻してもおかしくない大学ですとか、幼稚園から高校を含めた全体でつじつまを合わせて何とか赤字経営の大学を支えているといった、そういった大学もあるということです。けれども、昨今、公立の中高一貫校などの登場によりまして市場が変化をしてきて、高校以下の今までのような安定した経営も難しくなってきている、そういったかなり経営的に厳しい大学もあると聞いております。
 文科省としては、私立大学に対して、例えば経営状態ですとか、何か定期的に調査などしているんでしょうか。その辺り、お聞かせください。
#87
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、学校法人の健全な経営の確保に資することを目的といたしまして、学校法人経営に関する有識者の協力を得て、学校法人運営調査を実施しております。学校法人の管理運営、組織及びその活動状況、また財務状況等について確認をしているところでございます。
 この結果、学校法人運営調査委員の意見を踏まえて、経営状況が厳しいと認められる学校法人に対しては経営改善計画、五か年間でございますけれども、経営改善計画の作成及び計画の進捗状況の報告を求めるとともに、日本私立学校共済事業団とも連携しながら経営改善の着実な実施に向けた指導、助言を行っているところでございます。
#88
○高木かおり君 その調査をしていただきながら、厳しいと思われるような大学には対応の方もしていただいているという今御答弁をいただきました。
 やはり、まず組織の改革ですとか財務健全化に取り組むということは非常に大事だと思っています。経営改善には、理事長や経営者たちの研修の場、こういったものもこういうふうな厳しい状態の大学には必要なんじゃないかなと思います。
 また、改めて、大学経営に関する知識、必ずしも理事長さんであるとか経営者の方々が精通しているというわけではないのではないかというふうに思います。こういった部分の大学経営に関する知識を学ぶ、そういった中枢部分又はその中枢部分の人材の入替え等、そういったことも必要なんじゃないかと、こういったところも文科省の方からもアドバイス等を行っていただければなというふうに思うわけです。
 必ずしも、厳しいからといって撤退するというのが唯一の解決策とは言ってはおりませんけれども、やはり人口減少に伴いまして大学の進学者も減ってきていることは現実でございます。厳しい環境の中でも、ただ着実に成長を続けている大学もありますし、生徒の募集や教職員の取りまとめにさえ苦労している大学、様々今ございます。けれども、一番、生徒の教育に支障が来す、こういったことがあってはならないと。どのような大学が必要とされているのか、当事者である私学はもちろんですけれども、国も一緒に是非とも考えていっていただければというふうに思っております。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
 それでは、続きまして、次の質問に入らせていただきますけれども、ちょうど一月前に大阪府立大学、私の地元ですけれども、大阪府立大学と大阪市立大学の両理事長が会見をしまして、運営法人が公立大学法人大阪として二〇一九年四月に統合、発足することになったことを明らかにしました。
 なかなか難しいと言われている大学の統合が実現することになれば、この大学、学生数は約一万六千人、公立大学でも全国最大規模となるわけです。両大学、新大学の将来像として、教育、研究、地域貢献の三つの機能の維持や向上のほかに、行政と連携をしていって、高齢化や貧困格差、また短い健康寿命等、都市問題の解決に取り組むような都市型シンクタンクの機能、それから企業との連携を深めて産業競争力の強化を図る、こういったイメージを描いております。
 先日の委員会のときにも御紹介をさせていただきました大阪市立水都国際中学校・高等学校とも重なるんですけれども、大阪という地域性、産学連携を視野に入れた大学の統合ですので、私も大変期待を持って見ているわけです。
 実は、昨年の十二月に、この委員会におきまして、林大臣と国立大学の連携、統合について議論をさせていただきました。その際に、大臣も、国立大学については、社会改革のエンジンとして、それぞれの強み、特色を最大限に生かして、自ら改善し発展することを通じて高い付加価値を生み出すということが求められているとおっしゃっておられました。
 国立大学だけでなく、やはり、公立大学も私立大学も今同じ状況にあると思います。
 先日、また松沢委員からも御質問をされておられたかと思いますが、中教審が検討を始めている新しい大学再編制度。これは、大臣は、地域の方と一緒になって、この地域においてどういう将来像なのか、どういう交流をしていくのかという議論をするプラットフォーム、こういった役割、また、地域に必要な大学等の強化が図られて、多様性の確保、大学等の強みの確保、こういったものにつながると、大変地域とのつながりを重要視されていたようにお伺いしておりました。
 今回の連携はまさに地域における大学の役割を考えていこうと、こういった方向性なのでしょうか。地方に大学を、質の高い高等教育機関を残すことについて、大臣のお考えを是非ともお聞かせください。
#89
○国務大臣(林芳正君) 今後十八歳人口が大幅に減少すると見込まれる中で、地域における質の高い高等教育機会というのを確保していくと。このためには、やはり高等教育全体の規模を勘案しながら、大学間の再編統合を視野に大学の機能強化を図っていく必要があると、こういうふうに思っております。
 このため、中教審では、地域における大学と地方自治体と産業界の連携強化、また国立大学においては一法人の複数大学方式、それから私立大学の学部学科単位での円滑な事業譲渡の方法や経営困難な学校法人に対して撤退を含めた早期の経営判断を求める踏み込んだ指導等々について今まさに御議論いただいておりまして、昨年末には今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理が取りまとめられたところでございます。
 この論点整理においては、地域の高等教育機関が産業界や地方公共団体とともに将来像の議論や具体的な交流等の方策について議論する地域連携プラットフォーム、これまだ仮称でございますが、この構築について提言をされております。こうした場において、地域における質の高い高等教育の在り方について検討するとともに、そのニーズに応える高等教育機会の確保が必要であると、こういうふうに考えております。
 引き続き、中教審において専門的な議論を更に進めていただきまして、その結論を踏まえて適切に対応してまいりたいと思っております。
#90
○高木かおり君 ありがとうございます。
 この二〇一八年問題は本当に待ったなしの問題でありますので、自治体や大学、今後地域にどのような大学教育を残していくのか、しっかり議論を進めていただきたいと思います。
 終了いたします。ありがとうございました。
#91
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 先ほど来、同僚委員から引き続きの前川前事務次官の講演の問題取り上げられております。私は細かいことは聞きません。しかし、やはりこの問題がこうして長期化していることを、このことを非常に憂慮いたします。今のままでは解決に向かわないと、そういう意識も強く持っております。
 政治介入、不当な介入が疑われる、あるいは、まさしくそのとおり見られる問題、教育現場が萎縮してしまうのではないかという課題、これをまず解決する、解決に向かうかどうかはこれはなかなか難しい問題でありますけど、まずやっぱり一歩として、名古屋市教育委員会との信頼回復、関係修復ということがまず必要なのではないかと。丁寧な対応をしているということをおっしゃいますけれども、質問状に対する回答を私も拝見いたしましたけれども、この委員会での答弁を超えるものではないということであります。
 やはり、ここで大臣の、私は、リーダーシップ、解決に向けたリーダーシップが必要だと思いますけれども、改めて、大臣、いかがでしょうか。お伺いいたします。
#92
○国務大臣(林芳正君) 今回の事案につきましては、法令に基づき行った調査であるものの、事実関係の確認に当たって、その書面についてやや誤解を招きかねない面があったと、こういうふうに考えられますので、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要があること、また政務三役に対する報告、連絡、相談、いわゆるホウレンソウですね、ということも念頭に置いて業務を進めるべきであることについて担当の初等中等教育局に注意をしたところでございます。また、今お話のあった、三月三十日金曜日に名古屋市の教育委員会の教育長から初等中等教育局長に対していただいたお問合せに対する返答において、今申し上げました、私から初等中等教育局長に対して、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要がある旨注意があったということについてもお知らせをしておるところでございます。
 仮に、今後、本件について名古屋市教育委員会から再度お問合せをいただくようなことがありましたら、引き続き真摯に説明をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、こうした今回の事案の経緯を踏まえて、今後、将来の報告、連絡、相談、これ、より密なものとするとともに、名古屋市教育委員会も含めまして、教育現場等に対してより一層丁寧な対応を行うように努めてまいりたいと、そういうふうに思っております。
#93
○木戸口英司君 まあ、名古屋市教委からまた再質問が来るということの私はないように、例えば先に局長を派遣するとか、やはり直接そういう対応を、これができるのはやっぱり大臣の決断一つだと思います。私は、そういうことが今求められている、やはりこれは長期化することが非常に大きな影響があると、そういう懸念をいたしますし、やはりこういう問題を早く解決しなければいけないという、文科省のそういう姿勢が今問われているんだと思います。
 それからもう一点、やはりこの問題の今後再発ということを防ぐその一点として、文科省が教育委員会の調査行ったことというのが三例示されております。この中で、このやり取りについて資料の提出お願いしたところ、この一点、理科の実験についてのメールについては示されておりますけれども、それ以外の二例についてはまだ調査中ということでありますし、また日常茶飯事ということの割にはこの三例しか示されないということがあります。やはり、こういうやり取りをどのように省内であるいは局内で共有し、今後の教育行政に生かしていくかということ、その意味では、この行政文書という扱いに私は関わってくるんではないかと思います。
 今、行政文書の管理、公開ということが非常に各省問題、話題になっております。まずは、これ通告しておりませんけれども、今の行政文書の管理、公開、昨年もガイドライン改正などもありましたが、この考え方について、今いろいろ各省で起こっておりますけれども、文科省内、どういう考え方で臨んでいるか、大臣にこの行政文書の管理、公開について考え方をお伺いいたします。
#94
○国務大臣(林芳正君) 御通告がありませんでしたけれども、たしか昨年の十二月に、全体のガイドラインだったでしょうか、いろんな事象を受けて改定をしたということでございまして、その改定を受けて、しっかりとこのガイドラインに基づいて行政をやってまいらなければならないと、そういうふうに考えております。
#95
○木戸口英司君 それでは、名古屋教委に送ったこのメールは行政文書という扱いでよろしいでしょうか。
#96
○政府参考人(高橋道和君) そのような認識でおります。
#97
○木戸口英司君 その中で、先ほど言った、ほかの三件について文書要求しても出てこないということ、まさに行政文書管理の問題、大きく関わる問題だと思います。例えば、電話で問い合わせている事例もあると、先ほど北海道の事例も電話で問い合わせているということでありますけれども、こういう電話での問合せについても、やはりどういう問合せをするか、あるいはどういう返事があったのかということをしっかりやはり文書で保管をし、そして共有をし、そして何かのときに、開示請求があったときには開示をしていくと、そういうしっかりとした文科省内の共有した考え方、また対応の仕方という、私、この間の質問でも、ガバナンスの在り方に問題があるということを指摘させていただきましたけれども、この行政文書ということの考え方、しかも、教育委員会と文科省との関係というのは非常に大事な関係性がある、私は、そこを非常に軽く考えている文科省の体質が今回のような問題を引き起こしているということだと思いますけれども、改めて、この地教委とのやり取りについての行政文書として共有あるいは保管、そして開示ということ、この点いかがでしょうか。
#98
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省の行政文書管理規則におきましては、その中には、第十条、文書主義の原則というのがございます。文科省における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに文部科学省の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない、こういう規定がございますので、今後とも、この文書管理規則等にのっとり、必要に応じて随時必要な書類を作成するとともに、関係法令に従って適切にその保存にも努めてまいりたいと考えております。
#99
○木戸口英司君 そういうことが確認されていることは分かりましたが、今回私が指摘したこの三件の例をひもといて、その資料というか、やり取りのメールが出てこないということ、これはほかの委員からもその資料請求があったところですけれども、二週間以上たっているわけですけれども、その実態についてはどのようにお考えですか。
#100
○政府参考人(高橋道和君) 現在、メールについて、確認できたものについては随時提出をさせていただいておりますが、ちょっとまだその確認ができていないものがございますので、今鋭意確認をしているところでございます。
#101
○木戸口英司君 駄目ですね。隠しているとまでは言わないけれども、やはり事の重要性を認識していないということは強く言えると思います。それは日常茶飯事、国会議員から来るのも日常茶飯事、そしてメール、電話で問い合わせるのも日常茶飯事とおっしゃいますけれども、受ける地教委はこれは大変な事態なわけですよね。それを全く、その資料、あるいはメール、やり取り、電話でも、それを残していないと私は断言していいと思います、今出てこないというところを見ればですね。
 こういう扱いをしている中で、やはり今回、非常に軽い気持ちであれだけ重たい文書を名古屋に送ったことから始まっているという、文科省の今の行政文書あるいは地教委との関係性ということに対する軽い認識の在り方と、このことを強く私は批判をさせていただきます。
 その中で、高橋局長は他の委員会の中でこういう答弁をされております。国と地方の関係においては、関与法定主義ということになっておりまして、国からの問合せ、全て法律に基づくということになっております。教育行政機関が行う行政でも、不当な支配に当たる場合があり得る。法律の趣旨にのっとり、その定めるところにより適正に行われる教育行政機関の行為は不当な支配に当たることはないと考えるということ。これを後で検証する、それは自分たちで法律の趣旨にのっとっているから不当な支配に当たらないということを、いうのはそのとおりかもしれませんけれども、これをやはり検証する、それは国民であったり国会であったり、検証する上では、やはりしっかりと文書を残して、しかも、その意識からすればしっかり法律にのっとって各地教委に問合せをするという、そういう姿勢ですね。このメールにはこういう法律にのっとってということは一切書かれておりません。そして、受け取る側もそういう認識がないということも、高橋局長、答弁でされております。
 ですから、文科省も、法令にのっとりというそこの精神そのものがここに問われている、その実態が現れているということだと思います。ですから、今後、こういう地教委とのやり取りについて、しっかりと行政文書として残していくと、電話でのやり取りに対してもしっかりと残していく、そしてそれを部内、省内で共有していく、次の教育行政に生かしていく、こういった姿勢が大事なんではないかと、私はそういう意味でガバナンスの再構築が大事だということを先般申し上げましたけれども、どうでしょうか、そういう意識、局長、まず、いかがですか。
#102
○政府参考人(高橋道和君) 先ほども申し上げましたけれども、文部科学省の行政文書管理規則におきましては、意思決定に至る過程並びに文科省の事務、事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう、軽微なものを除けば文書を作成することになっておりますので、このことについては、必要に応じて随時必要な書類を作成する、関係法令に従って適切に保存する、こういったことに努めてまいりたいと考えております。
#103
○木戸口英司君 まあこの点、やはり大臣のリーダーシップも求めたいと思います。文科省の在り方が問われる非常に大きな問題だと思います。
 あと、もう時間もなくなりましたので、加計学園の問題、少し深く聞きたかったんですが、もう時間がなくなってしまいましたので。
 開学いたしました。入学宣誓式が行われて、来賓の挨拶の中で、魔法に掛けられることで生まれた獣医学部というせりふもありました。今日の報道等でも、その魔法の在りかが分かってきたような感じがいたします。
 その中で、私からやはり文科省に申し上げたいのは、獣医学部で学ぶ学生たち、インタビューもありました、テレビで見ておりましたけれども、非常に意欲に燃えて入学されたところも私たちも見た、その点は応援をしていかなければいけないと思います。しかし、大学そのものにいろんな懸念があることは、先日の委員会でも私申し上げました。その中で、この加計学園獣医学部、今後どのようにフォローしていくことになるか、文部科学大臣、そのことをお伺いいたします。
#104
○国務大臣(林芳正君) 岡山理科大学の獣医学部につきましては、四月三日に入学式が行われたと聞いております。文部科学省としては、新たな獣医学部における教育が計画どおり確実に実施されることを期待をしておるところでございます。
 なお、学部等が開設された場合は、開設年度に入学した学校が、卒業する年度、完成年度と呼んでおりますが、完成年度までの間、大学設置・学校法人審議会において設置計画の履行状況を調査するということになっております。具体的には、毎年書面による報告を求めるほか、必要に応じて実地調査や面接調査を行っており、履行状況に課題が生じている場合は必要な指導を行い、速やかな改善を求めることとしております。
 岡山理科大学獣医学部については、認可に当たって留意事項が付されておりますので、留意事項への対応を含めた設置計画について確実に履行されるよう、適切に確認をすることとしておるところでございます。
#105
○木戸口英司君 終わります。
#106
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。
 加計学園をめぐる新たな動きがありましたので、今日予定していた質問を全部差し替えて、大臣と直接やり取りをさせていただきたいと思います。
 まず、今朝の朝日新聞、「面会記録に「首相案件」」という報道ですが、これ、大臣、御覧になりましたか。
#107
○国務大臣(林芳正君) 目を通したと思っております。
#108
○蓮舫君 愛媛県の面会記録に首相案件と明記をされていた。二〇〇七年から二〇一四年まで実に十五回、愛媛県今治市は獣医学部の新設を申請するも全て却下していたのが、二〇一五年の四月、申請前に内閣府の幹部が県と市、自治体に首相案件として申請を持ちかけたのではという疑惑なんですが、このことについて、大臣、どのようにお考えになります。
#109
○国務大臣(林芳正君) まず、この愛媛県の文書であるというたしか報道であったというふうに、目を通したぐらいで余り熟読をしておりませんが、そういうことだったというふうに思っております。
 この報道されている文書につきましては、省内では探索をいたしたんですが、この確認はできていないということでございます。
 それから、委員も御案内のとおりでございますが、この国家戦略特区制度は内閣府が所管をしておるところでございますので、こういった一連の報道についてはまず内閣府において確認をされるべきものと、こういうふうに考えております。
#110
○蓮舫君 とはいえ、大学の設置の所管は文科省であります。これ、文科省と内閣府のやり取りというのが随分もう一年以上にわたって疑惑は今なお残ったままなんですが、安倍総理肝煎りの国家戦略特区を活用する助言を県と政令市に当時の藤原内閣府次長が伝えていたかどうか。これは、文科省としても大学を設置する所管省庁として確認すべきではないでしょうか。
#111
○国務大臣(林芳正君) ちょっと御通告がございませんでしたので一般論的になるかもしれませんが、まずは、今回の件は、たしか告示だったと思いますが、新たな獣医学部は設置しないという告示ですね、これを規制緩和をするということだったというふうに今記憶をたどっております。
 したがって、まずその規制緩和をするかどうかについては、このまさに国家戦略特区制度の中でございますので、まずはやはり内閣府において確認をされるべきものだと、こういうふうに思っておりますし、従来から御審議の中で適切に手続を踏んでなされてきたものであると、こういうふうに答弁をしてまいりましたので、そういう前提に立って今はおるということだろうと思います。
#112
○蓮舫君 その適切な手続が揺らいでいるんです。
 規制緩和されるのは、総理の腹心の友の加計理事長の学園、獣医学部が新設をされる、これ五十二年ぶりの新設です。大学の設置を所管する文科省は、内閣府とのやり取りで相当慎重だったんですね。内閣官房長官は怪文書と切り捨てたのが実はうそで、二回にわたる文科省の調査、松野前大臣の下ですけれども、そこで明らかになったのは、十九の文書のうち十四文書が本物だった、この公文書は本物だということが明らかになりました。
 その中で、大臣御指示事項、これ松野大臣です。内閣府に感触を確認してほしいというのは、これ文科省の方が正しいと思います、大学として教員確保、施設設備等の設置許可に必要な準備が整わないのではないか、三十一年の四月開学を目指す対応とすべきではないかと、慎重な対応を求める、この文書も本物だったんですね。結局これは、大臣、押し切られたということなんでしょうか。
#113
○国務大臣(林芳正君) 少し前にこの議論はたしかいろいろさせていただいたというふうに思っておりますが、ちょっと今日は御通告がないものですから手元にそういうものがございませんので、そのときにどういう御答弁差し上げていたかというのはしっかり確認をしてからお答えをしたいと思います。
#114
○蓮舫君 調査結果が出されたのが、昨年、二〇一七年六月の十五日、国家戦略特区における獣医学部新設に係る文書に関する追加調査という報告書が出されました。ここで十四文書の存在が明らかになったんですけれども、例えば大臣確認事項に対する内閣府の回答、設置の時期、最短距離で、これは総理の御意向だと聞いている。獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成、共有してほしい、これは官邸の最高レベルが言っていること。これは藤原内閣府審議官との打合せ概要、これも平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成、これは官邸の最高レベルが言っていること。
 林大臣、この文書の存在を文科省はあったと確認をしました。この中身に書かれてあることも真実だったんですか。
#115
○国務大臣(林芳正君) まず、平成三十年の四月開学ということになったわけですが、平成二十八年十一月十八日から行われました内閣府と文部科学省の共同告示のパブリックコメントに際して内閣府が作成した共同告示の素案に盛り込まれていたものであると承知しております。これは、内閣府において、創薬産業をめぐる国際競争激化や環境感染症リスクの高まりを踏まえて、最速で事業が実施できる平成三十年度開学としたものと承知をしておるところでございます。
 文科省としては、平成二十八年の十一月九日の国家戦略特区諮問会議における追加規制改革事項の決定や、有識者議員からの獣医学部の立ち上げを急ぐべき旨の指摘を踏まえて、国家戦略特区制度を所管する内閣府において事業スケジュールに係る判断がなされたものと理解をいたしまして、平成三十年四月開学が盛り込まれたパブリックコメントについて了解をしたと、こういうのが経緯であったというふうに承知をしております。
#116
○蓮舫君 経緯はそのとおりなんですが、その経緯の中で、総理の御意向、官邸の最高レベルが言っている、内閣府側から言われて、それを文科省の担当者が真面目にメモを取っていて、二度の調査でこれが本物だったと明らかになった。つまり、この発言はあったという認識ですね。
#117
○国務大臣(林芳正君) この獣医学部の新設において、国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められてきたところでございまして、国家戦略特区の枠組みの中で、関係法令に基づいて関係省庁の合意の下で適切に進められてきたものと考えております。
 松野前文部科学大臣が、総理や官邸から私に指示があったことはないと、こういうふうに答弁されておられますように、獣医学部の設置に関して、総理や官邸から文科省に対しては指示はなかったと、こういうふうに認識をしております。
#118
○蓮舫君 松野大臣に総理から指示がなかったというのはあるんですが、実際にメモに残っているのは事務方のやり取りなんです。これは事実だったんですか。
#119
○国務大臣(林芳正君) 当時、やり取りをしたような記憶もございますが、ちょっと今手元にその当時の記録がございませんので、控えさせていただきます。
#120
○蓮舫君 実は、松野大臣が言っていることと林大臣がおっしゃっていることが違うところがあるんですね。これ、去年の、二〇一七年六月十五日、調査結果を出したときの、松野大臣は会見で、内閣府の方から発言があったのだということは十分考えられる。ところが、林大臣は、二〇一七年の十一月十五日の衆議院の文科委員会で、獣医学部設置の時期について総理の意向があると内閣府から伝えられたと受け止められるようなメモが作成されてしまったと推察する。
 松野大臣は、十分あると、調査担当大臣は言っているのに、林大臣は、まるで勘違いをされるようなメモが作成されてしまったと推察する。これ、どちらなんでしょうか。
#121
○国務大臣(林芳正君) 私の答弁がそういうことであれば、そういうことだというふうに思っております。
#122
○蓮舫君 そうすると、相当後退をするんです。
 大臣、一般論じゃなくて、実は主体者だと私は思っています、林大臣は。今回は、愛媛県の中村知事も今朝の取材に対して、県に対して、県庁に対して、その公文書が本当にあったのかどうなのか調査を指示すると明言をしました。つまり、愛媛県側に、首相補佐官が申請前に自治体に首相案件だと説明した文書があったとすれば、一方で、そのもう一つのメモをもって調査をしたのは文科省だけなんです。同時期に、制度、つまり国家戦略特区を扱う担当の内閣府から文科省に官邸の最高レベルと説明をされていたのかどうかというのは、これ符合することになるんです。
 調査の中で、担当した、これ課長補佐ですね、は、一回目の調査のときには曖昧な記憶で答えられなかったから、見たという記憶はないと答えたけれども、余りにも世論が、おかしいではないか、疑惑ではないかということで注意喚起をされ、文科省の中でも調査をされて、その結果、細部までは覚えていないけれども、自分が作った個人メモあるいはメモなのだろうと考えている、官邸の最高レベル、総理の御意向、こうした趣旨の発言があったのだと思うと答えているんです。これは事実ですよね。
#123
○国務大臣(林芳正君) ちょっと、御通告がないものですから、今断定的に答弁ができない状況でございます。
#124
○蓮舫君 分かりました。
#125
○国務大臣(林芳正君) よろしいですか。
#126
○蓮舫君 では、一般論じゃなくて断定的に答弁ができるように再調査並びにヒアリングをしていただきたいと思います。
 つまり、この課長補佐が官邸の最高レベルとかあるいは総理の御意向だというのを唯一聞いてメモを作っているんです。このメモを作ったときに、誰から聞いたのか、確実に聞いたのかと注意喚起をすることによって、文科省側の公文書がこれが完結をする。次に確認をするのは内閣府です。当時の柳瀬首相補佐官、そして同時期に官邸の最高レベルと言った内閣府の藤原審議官。言った側、言われた側、そこを突合をして、ヒアリングをして、事実だとすれば愛媛県の調査も出てくるでしょう。
 そうなると、国民の疑惑、この一年間ずうっと疑惑のままなんですが、それが文科省が言うとおり、行政がゆがめられるということがあったのかなかったのかが、ようやくこの調査、再ヒアリングで明らかになるんですが、やっていただけますか。
#127
○国務大臣(林芳正君) 今御質問のあった趣旨を再度ちょっと確認をいたしまして対応いたすかどうか検討したいと思いますが、今ここに追加調査の報告書、出てきましたけれども、また今御指摘のあったところは、現在は細部まで覚えていないものの、文書一の同内容文書を作るとすれば課長補佐以上が作るような案件なので、文書一の同内容文書は自分が作った個人メモなのだろうと考えているとのことであると、こういうことのそのところでよろしゅうございますか。はい、分かりました。
#128
○蓮舫君 今、分かりましたというのは、もう一回ヒアリングをしていただけるということでしょうか。つまり、一方通行で中途半端で終わっているんです。総理の御意向と聞いた人が、自分が作ったメモだと思う、こうした趣旨の発言があったのだと思う、それは本当なのか、誰から聞いたのか、そのことによって突合ができるんです。あわせて、内閣府に対しても確認をすることによって、行政がゆがめられていないと、むしろ文科省が文科大臣の指導力で私はこれは明らかにするべきだと思いますが、再ヒアリングしていただけますか。
#129
○国務大臣(林芳正君) これは一度調査をして報告書を出した件でございますので、これについて、これが正しいかどうかということはしっかりと確認をしたいと思います。
#130
○蓮舫君 全てはここから始まっていて、今日の文科委員会でもやはり名古屋の市教育委員会あるいは教育現場への文科省の介入というのは大問題になっています。それも、前川さんが講演をしたから、ほかの処分を受けた元事務次官の方は全く何の問合せもされていないのに、前川さんだけが今の政権では狙い撃ちをされて、教育現場への介入という文科省がやってはいけないところに今足を踏み入れているので、是非、これは行政がゆがめられたのかどうか。そうじゃなくても、財務省の公文書改ざん、虚偽答弁の疑い、厚労省の裁量労働制のデータのでたらめ、比較のめちゃめちゃ、あるいは今日も毎日更新されるかのような防衛省の日報の隠蔽。もう改めて、改めて文科省はそこはないんだということ、私は、これはっきりしていただきたいということ、再度お願いを申し上げ、質問を終わります。
#131
○松沢成文君 希望の党の松沢成文です。
 今日はオリパラの担当大臣、鈴木大臣にも来ていただいていますので、東京オリパラ大会のボランティアの問題について質問していきたいと思います。
 先月の二十八日に、組織委員会は、大会期間中に活動するボランティアの募集要項案というのを公表いたしました。
 オリパラ大臣、ここでいう東京オリパラ大会におけるボランティアの定義はいかがなものでしょうか。
#132
○国務大臣(鈴木俊一君) 東京オリパラ大会におけるボランティアの定義ということでございますが、先生御指摘のとおり、三月二十八日に公表された組織委員会それから東京都のボランティア募集要項に規定をされております。
 組織委員会が募集します大会ボランティアは、大会の期間中及びその前後に大会運営に直接携わり、大会の雰囲気を醸成するメンバーの一員と規定されております。
 また、東京都が募集します都市ボランティアでは、開催都市東京の顔として、選手を始めとする大会関係者や国内外からの旅行者、観光客等をおもてなしの心をもってお迎えし、大会に花を添え、盛り上げの一翼を担う大会メンバーの一員とされております。
#133
○松沢成文君 ボランティアというと、ちょっと一面的な理解が進んでいまして、無償で働く人というイメージがかなり日本では広まっちゃっているんですね。でも、これは、間違いというかちょっと誤解があって、ボランティアという英語の語源は自発的に奉仕活動に参加する人という意味が強くて、最初によく使われたのは、これは志願兵で、ボランティアソルジャーといって、正規の兵隊じゃなくて自分たちが志願して軍隊に入ってこの国を守ろうという人たちをボランティアというふうになって広まっていったんですね。
 ですから、無償で働かせる人という意味ではなくて、やはり自発的な意思で社会に貢献する活動をする人、こういうふうに捉えるべきだというふうに私は思っているんです。逆に言えば有償ボランティアというのもあり得るんですよね。何かボランティアというと、お金払っちゃいけないと、無償で働く人というイメージ強いんですが。その典型的なのが、例えば青年海外協力隊です。あの皆さんは志願して、海外でいろんな協力活動をしたいと。でも、いろいろな経費が掛かりますし、生活もしていかなきゃいけないから、ちゃんとお手当は出るんですね。こういうボランティアもあるということで議論を進めていきたいと思うんです。
 さあ、文科大臣いらっしゃっていますから、この組織委員会は、いわゆる大会ボランティアとは別に中高生ボランティア、例えばテニスのボール拾いだとか、バスケ会場のモップ掛けですとか、こういうことをお手伝いいただくボランティアの募集を明らかにしていますが、組織委員会は子供たちが世界的イベントに携わることは教育的価値が高いとして高校生ボランティアの教育的価値を強調していますけれども、文科大臣はいかがお考えでしょうか。
#134
○国務大臣(林芳正君) 大会組織委員会は、次世代を担う若年層が大会運営に関わることは教育的価値も高く、スポーツボランティアの裾野を広げる観点からも未来につながる有意義な取組であるとして、大会ボランティアとは別に、ボールパーソンとか、それからモップ掛けなど、競技の支援を始め、中高生等の大会運営等への参画について検討していくこととしておるところでございます。
 現在のところ、活動分野や募集方法、また学校等の関与の仕組み等の詳細がまだ決まっておりませんので、今回の組織委員会の取組の教育的価値について具体的にお答えすることは困難でございますが、一般的に中高生等のスポーツボランティア活動につきましては、スポーツを支える活動の中で多くの人と関わりながら社会に役立つ活動に主体的に取り組む人間に成長していく基盤になるものだと考えられているところでございます。
#135
○松沢成文君 オリパラ大臣、ちょっと時間がないので二問ほど飛ばしますけれども、この大会ボランティア約八万人、大変な数ですよね。それから、東京都が募集する都市ボランティア三万人、合わせて十一万。さらに、中高生ボランティアというのも募集していく。それから、地域の会場では都道府県、都以外ですね、各県がそれぞれまたボランティアを募集していく。そうすると、多分総勢は十二万とか、それぐらいのボランティアを募集するということになると思います。
 さあ、そこで、この大会ボランティアは、例えばオリンピックの期間、二週間ぐらいあると思いますが、十日間以上働くわけですね。それで、全ての事前研修にも参加するんです。これ、全部自前でやってくださいということになっていますが、私は、ボランティアの皆さんの自発的な意思を尊重するために、労務費については自分の意思で働くんだからお手当やお給料は出す必要はないと思いますが、これ参加するのにめちゃくちゃお金掛かるんですよ。まず、事前説明会、研修会で四日間、東京なり、あるいは説明会であったら各地方都市でもやるんでしょう。行きますよね。それから十日間、今度通ってこなきゃいけない。おうちから通えない人、自宅から通えない人は必ず宿泊施設をどこか取らなきゃいけない。都心の宿泊施設は物すごくホテルの値段上がっちゃっていますから、そんな高いところ泊まれないといって郊外に宿を取る。そうしたら、そこからまた交通費が掛かるわけですね。
 これ、労務費のみならず交通費や宿泊費も全て無償なんでしょうか。
#136
○国務大臣(鈴木俊一君) 大会ボランティア募集要項におきましては、大会の東京などの会場が所在する都市までの交通費、それから宿泊はボランティアの自己負担、それから宿泊については自己手配というふうになっております。
 これは、今案として示されているわけでございますけれども、ボランティアの参加条件、待遇につきましては本年七月下旬に募集要項の公表をするわけでございますが、それに向けまして、今組織委員会において関係の方々の御意見を伺いつつ更に検討されることになっております。例えば、組織委員会においては、毎日の活動に必要な交通費、これは都内の移動とかそういうことだと思いますが、これについては検討中であると承知をしております。
#137
○松沢成文君 そうしたら、是非とも国会の方でもこういう声が上がっているということをお知らせいただきたいんですね、組織委員会に。
 これ、ボランティアに参加する人に全て研修会も説明会も自前で来い、毎日も自前で通ってこい、それで遠くの人は宿泊自前で取れ。それで、東京の大会のボランティアは、物すごく暑いですから、その暑さの中で八時間も、自分の行きたい場所でボランティアできる人はいいですけれども、そこが人気があるといろんなところに回されるわけです。例えば屋外のところで競技場に入るための観客の交通整理とか、これ大変ですよ、三十五度か四十度あるかもしれない、そういうことに回る人もいるわけですね。
 ですから、私は、物すごく金銭的にも体力的にも負担の掛かる大変な作業をやっていただく方が多いと思っています。そういう人たちの労に報いるためにも、最低限の交通費や宿泊費、これはもう定額でもいいですよ、これ幾ら掛かったんだ、実費を申告しろなんていうと、また領収書がどうのこうのって大変な作業になっちゃうから。例えば、一日五千円、これを宿泊費や交通費に充ててくださいということで、そういう条件を付けてボランティアの皆さんを迎えないと、私はボランティアの辞退者が相当出てしまう可能性があるというふうに思っております。
 定額あるいは最低限度の額の宿泊費の定額補助みたいなことを考えるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#138
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げましたとおりに、今示されておりますボランティア募集要項のこれは案でございますが、それについては交通費それから宿泊費は自己負担ということになっておりまして、宿泊の手配も自分でやると、こういうことになっております。
 先ほどちょっと言い忘れましたけれども、東京都及び組織委員会で東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略というのが策定されておりますが、その中には宿泊に関する情報提供については検討すると、こういうことになっているところでございます。
 定額でもいいから経費の一部を負担しろと、負担できるようなことはできないかと、こういうことでございますが、先ほど申し上げましたとおり、今の要項案では自己負担となっております。ただ、オリンピック、パラリンピックという大変大きな大会を成功させるためには、やはりボランティアの方が気持ちよくボランティアをできる、またボランティア活動をするに当たっても活動しやすいという、そういう環境を整えるということはこれは重要なことであると思いますので、先生からの御指摘も受けまして、組織委員会始め関係方面ともいろいろ検討させていただきたいと思います。
#139
○松沢成文君 組織委員会は、昨年末、大会経費バージョン2というのを発表していまして、収入約六千億あるわけです。六千億で何に使うかというと、ハード整備、これ仮設施設の整備とか、あるいはソフトの場合は警備とか様々な運営に使っていくわけですね。
 それで、例えば、十万人のボランティアが二十日間、最低十日間やってくれというんだから、オリンピックとパラリンピックあるので二十日間、十万人のボランティアが二十日間、一人、日当を交通費も全て含めて五千円の定額で支給する場合、これ僅か百億円なんですね。六千億の組織委員会の経費集まったわけです、予算が集まったわけです。スポンサー企業も大分寄附して、半分ぐらい寄附で集めていますよね、スポンサーシップで集めています。それから、入場料収入というのもあるんでしょうけれども、私は、六千億の組織委員会の予算の中で、たかが百億前後のボランティアに対する最低の経費を出しても私は十分やっていけるんじゃないかと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#140
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生のお話のとおりに、大会組織委員会、十二月に公表した予算によれば、収入は総額六千億でありまして、そのうち国内外からのスポンサー収入、企業からの収入は三千六百六十億円と、こういうふうになっております。
 これの使い方でありますけれども、大会経費の総額は現時点で一兆三千五百億円と見込まれておりまして、これだけではもちろん、組織委員会だけのお金では足りないわけでありまして、東京都や国の公費も活用せざるを得ないという財政状況の中で、組織委員会として大会運営に万全を期すべく、関係機関と協議の上で予算の優先順位を決定をしているところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、大会ボランティアは原則無償でと、こういうことになっております。しかし、一方において、繰り返しになって恐縮でありますけれども、オリンピック、パラリンピックという大きな大会を成功させるためにはボランティアの方に気持ちよくボランティア活動をしていただく、そういう環境を整えなければいけないとは思っておりますので、一体どういうことができるのか、そういうことを含めて、今後、七月に最終的な募集要項が決まりますので、検討させていただきたいと思います。
#141
○松沢成文君 ロンドン大会はボランティア七万八千人だったそうです。リオ大会は五万人だったそうです。ここは、ボランティアは全部無償でやってもらっていますね。ただ、いろいろやっぱりトラブルがあって、リオ大会は五万人のうち一万五千人がボランティアを辞退しちゃっているんですね。これ、余りにも過酷で、もう組織委員会の要求ばかりが強くてやっていけないということで、抗議の辞退ですね。
 それから、平昌の五輪は、実はこれは郊外というか地方都市でやったということと余りにも寒かったという条件があったので、ボランティアには報酬というかな、出ています、お金が出ているんですね。でも、それであっても、やっぱりボランティアというのは、残念ながら、アスリートファーストですから、選手を最優先で移動したりしてもらいます、それから観客を次に大切に扱います。ボランティアというのはどうしても最後に置かれちゃって、何と宿に帰れない、帰るバスを三時間、零下二十度の中で待つ、こういう過酷な条件の中で、実は平昌でも、一万八千人のボランティアの中で開会式前に二千人がもう辞退しちゃっているんです、こんなのやっていられないということで。
 ですから、ボランティアの皆さんに気持ちよく働いてもらうためには、私は労務については自発的意思を尊重すべきだと思うけれども、最低限掛かる経費の、全額とは言わない、最低レベルの額でもいいからきちっと保障してあげる、あるいは保険もきちっと掛けてあげる、あるいは宿の面も、ホームステイをシステム化して、ボランティアの皆さんが近くで滞在できるようにホームステイでサポートしてあげるとかね。これもまたボランティアですよ。それぐらいのことをしっかり考えていかないと、このボランティアの戦略というのはなかなか難しいと思いますので、是非とも御検討をよろしくお願いします。
 ごめんなさい、長引きまして。以上です。
#142
○委員長(高階恵美子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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