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2018/04/17 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第6号
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2018/04/17 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第6号

#1
第196回国会 文教科学委員会 第6号
平成三十年四月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     林  芳正君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     小野田紀美君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     福岡 資麿君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                橋本 聖子君
                福岡 資麿君
                水落 敏栄君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                蓮   舫君
                松沢 成文君
       発議者      福岡 資麿君
       発議者      松沢 成文君
   委員以外の議員
       発議者      山本 博司君
       発議者      中山 恭子君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○障害者による文化芸術活動の推進に関する法律
 案(大野泰正君外八名発議)
○国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律
 案(上野通子君外九名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として福岡資麿君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高階恵美子君) 障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案及び国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案について、発議者山本博司君から趣旨説明を聴取いたします。山本博司君。
#4
○委員以外の議員(山本博司君) ただいま議題となりました障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案につきまして、発議者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 文化芸術を創造し、享受することは、障害の有無にかかわらず、人々の生まれながらの権利であります。文化芸術は、人々の心に直接的に訴えることにより、障害の有無による分け隔てなく、深い共感や相互理解をもたらすものであります。
 近年、文化芸術の分野においては、アールブリュット、生の芸術等の呼称で、専門的な教育に基づかずに人々が本来有する創造性が発揮された作品が注目されてきております。既成の概念にとらわれないこれらの作品の特性は、文化芸術の発展に寄与しておりますが、その中心となっているものは障害者による芸術作品であり、とりわけ、我が国の障害者による作品は、国際的にも高い評価を得ております。
 現在、平成三十二年の東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会に向けて、文化プログラムが実施されておりますが、両大会の開催を契機として障害者による文化芸術活動の推進に関する機運を高めていくことが重要であります。
 本法律案は、このような視点に立ち、文化芸術基本法及び障害者基本法の基本的な理念にのっとり、将来にわたって障害者による文化芸術活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって文化芸術活動を通じた障害者の個性と能力の発揮及び社会参加の促進を図ろうとするものであります。
 以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、基本理念として、障害者による文化芸術活動の推進は、文化芸術の鑑賞等を含め障害者による文化芸術活動を幅広く促進すること、障害者による芸術上価値が高い作品等の創造に対する支援を強化すること、住民が心豊かに暮らすことのできる住みよい地域社会の実現に寄与することを旨として行われなければならないこと等を定めております。
 第二に、障害者による文化芸術活動の推進に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、政府は、必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならないとしております。
 第三に、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を定めなければならないとするとともに、地方公共団体は、基本計画を勘案して、当該地方公共団体における計画を定めるよう努めなければならないとしております。
 第四に、基本的施策として、国及び地方公共団体は、障害者による文化芸術活動に関し、文化芸術の鑑賞及び創造の機会の拡大、文化芸術作品等の発表の機会の確保、芸術上価値が高い作品等の評価及び販売等に係る支援、権利保護の推進等の必要な施策を講ずるものとしております。
 第五に、政府は、文化庁、厚生労働省、経済産業省その他の関係行政機関の職員をもって構成する障害者文化芸術活動推進会議を設け、障害者による文化芸術活動の推進に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るための連絡調整を行うものとすること等を定めております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(高階恵美子君) 次に、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律案について、発議者松沢成文君から趣旨説明を聴取いたします。松沢成文君。
#6
○松沢成文君 ただいま議題となりました国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律案につきまして、発議者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現在、世界には、美術のオリンピックとも称されるベネチア・ビエンナーレに代表されるように、国際的に大きな影響力を有する文化芸術の祭典があります。我が国においても、そのような世界レベルの国際文化交流の祭典を実施していくことは、世界の文化芸術の発展に貢献するものであり、国内の文化政策の観点に加え、我が国の国際的地位の向上等の観点からも重要な課題となっております。
 また、近年、日本各地において、地域の歴史や風土等を生かした各種の国際文化交流の祭典が実施されており、これらは活力ある地域社会の実現にもつながるものであります。
 本法律案は、このような視点に立ち、国際文化交流の祭典の実施を推進するために必要な事項を定めようとするものであります。
 以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、基本理念として、国際文化交流の祭典の実施の推進について、国際文化交流の場の提供により我が国に対する諸外国の理解の増進等を図ること、世界レベルの祭典の実施を目指すこと、全国各地において多彩な祭典が実施されるようにすること等を定めております。
 第二に、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、政府は、必要な財政上、税制上の措置等を講じなければならないとしております。
 第三に、政府は、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本計画を定めなければならないとしております。
 第四に、基本的施策として、国は、世界レベルの祭典及びこれを目指す大規模な祭典について、継続的かつ安定的な実施、国際的な評価の確立及び向上等に必要な施策を講ずるとともに、地域の祭典を含む幅広い国際文化交流の祭典について、その企画等に関し専門的能力を有する者の確保、祭典の実施の支援等に必要な施策を講ずるものとしております。また、地方公共団体においても、国の施策を勘案し、地域の実情に応じた施策を講ずるものとしております。
 第五に、政府は、文部科学省、外務省、経済産業省、国土交通省等の関係行政機関相互の調整を行うことにより、国際文化交流の祭典の実施の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るため、国際文化交流の祭典推進会議を設けるものとしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#7
○委員長(高階恵美子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 先ほどの理事会では報告ありませんで、後でということですけれども、質問に先立って一言申し上げたいと思うんです。
 加計学園に関わる新たな文書について、報道では、文科省においては確認できなかった、その一方で、今治市の官邸訪問については知っていた旨の報道がありました。これ、事実とすれば重大な事実です。
 また、辞職して一年以上たつ前事務次官の出会い系バー通いについて一方的な報道に基づき執拗な調査を行った文科省の対応、この間問題になっている、一方で、現職の財務事務次官がセクハラをした若しくは女性の接客する店で言葉遊びをしていても不問に付している。安倍政権のこの政治姿勢というのは本当に異常としか言いようがない事態だと思います。
 こうした様々な問題の真相究明、事実を明らかにする必要がある、本委員会でもそのような場をしっかり持っていただくことを強く要求いたしまして、法案の質疑に移りたいと思います。
 まず、両法案に関わって、両法案を所管することとなる文科大臣に伺います。
 二法案が提出された背景には、諸外国に比して少な過ぎる文化予算の下では文化芸術活動を思うように推進できないという文化芸術に携わる人々の共通の認識があるように思います。文化芸術基本法の質疑の際に私は、この予算規模を思い切って増額すべきとただしたのに対して、当時の松野文科大臣は、趣旨を踏まえ、文化芸術振興のための予算の充実に努力をしてまいりたいと答弁をされました。しかし、今年度の文化予算については一千億円台の微増にとどまっている状況です。
 文化芸術活動の裾野を広げるためには、やはりそれではなくて、抜本的にこの予算、増額することが必要と考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#9
○国務大臣(林芳正君) 文化芸術施策の推進に当たりましては多様な文化芸術の保護、発展が図られる必要がございまして、我が国の文化芸術を振興するために、芸術家等の人材の育成、また広く国民に開かれた参加、鑑賞機会の充実、地域、学校等での文化活動の充実、文化関係機関への支援、観光、まちづくり、国際交流、福祉、産業等との連携など、関連する施策を国、地方、民間などとともに総合的かつ計画的に推進していく必要があると考えております。このため、文化芸術基本法では、政府は、文化芸術施策の実施に必要な法制上、財政上又は税制上の措置を講じていくように求められておるところでございます。
 文部科学省としては、今後とも文化芸術の振興に必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
#10
○吉良よし子君 努めてまいりたいということですけれども、抜本的な増額を改めて要求したいと思います。
 そして、もう一つ確認をしておきたいと思います。
 文化芸術を進める基盤となるのが芸術家の自主性、そして表現の自由の尊重だと思います。どのような発表の場であっても、誰であっても、不当な理由でそうした自由を侵害されたり、芸術家の自主性が奪われるようなことはあってはならないですし、時の政権の意向に沿ったような方が支援を受けられるのではと、意向をそんたくして創作活動を萎縮させるようなことはあってはならないと考えますが、その点、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#11
○国務大臣(林芳正君) 文化芸術活動におきまして表現の自由は極めて重要であり、我が国の憲法第二十一条で保障されている権利でございます。
 昨年六月に改正されました文化芸術基本法においては、改正前においても文化芸術活動を行う者の自主性の尊重について繰り返し規定をされておりましたが、改正後は、「文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、」という文言が新たに追加されるなど、改めてその必要性について明文化をされたところでございます。
 文科省としては、障害者の文化芸術活動や国際文化交流の推進に当たりまして、この文化芸術基本法の理念を踏まえて、文化芸術活動を行う者の自主性と表現の自由を十分に尊重した施策を推進してまいりたいと考えております。
#12
○吉良よし子君 文化芸術、鑑賞すること、参加すること、さらに、創造し、発表の場や機会が保障されることはもう本当に国民の権利です。大臣も極めて重要とおっしゃられましたけれども、その芸術家の自主性、表現の自由の尊重、また予算の抜本的な増額、改めて強く求めまして、次に、両法案の提出者に法案について伺っていきたいと思います。
 まず、障害者による文化芸術活動の推進に関する法案についてでございます。
 法案の基本理念において、専門的な教育に基づかず人々が本来有する創造性が発揮された作品が高い評価を受け、その中心が障害者の作品であること等を踏まえ、障害者による芸術上価値が高い作品等の創造に対する支援を強化するとありますが、これだけ見ていると、芸術上価値が高い作品等だけを支援するというふうに読めなくもない部分があると思います。
 しかし、私は、価値の高低にかかわらず、全ての障害者の文化芸術活動を支援することが必要と考えますが、本法案もそうした立場という理解でよろしいかどうか、御説明をよろしくお願いします。
#13
○委員以外の議員(山本博司君) 吉良委員にお答え申し上げたいと思います。
 今回の、芸術上の価値が高くなければ支援がなされないのではないか、こういう御懸念についての御質問をいただいたものと思いますけれども、この法案は、まず基本理念の第一に、芸術上の価値を問わず、障害者の方々の文化芸術活動について幅広く促進することをまず掲げております。これは、文化芸術を創造し享受することが人々の生まれながらの権利であることを鑑みたものでございます。これに加えて、この法案では、芸術上価値が高い作品等について定め、優れた才能の更なる飛躍に向けた支援も行うという仕組みとしておりまして、両方の観点から支援を定めているわけでございます。
 御指摘の芸術上価値の高い作品等について規定しておりますのは、近年、アールブリュットなどの呼称で障害者の方々の作品が優れた作品として高い評価を受けるようになっているにもかかわらず、そうした作品等についての支援が十分ではなく、それらが世に出ないままとなっていることや、また、販売、公演等の事業化が円滑に進んでいない、こういった課題があることがございますので、特にそれに対応する必要があったからでございます。
 この法案を契機として、全ての障害者の文化芸術活動の推進について一層の充実を図ることが重要であると考えております。
#14
○吉良よし子君 幅広く支援するのが基本であり、また全ての障害者の芸術活動を推進するというお立場だということでした。
 その上で、障害者の文化芸術に関する理解や作品の評価などについて、国内においては途上であることを鑑みれば、支援、広く行っていくというのは大事だと思いますし、作品等というところについてなのですが、そこには実演芸術も含まれるべきと考えますが、その点についての提案者のお考えをお聞かせください。
#15
○福岡資麿君 委員御指摘の幅広く支援することの重要性については、発議者としても同じ認識でございます。
 その上で、基本理念の第一として、文化芸術活動を幅広く促進することを掲げておりますが、その促進の対象は、文化芸術基本法の文化芸術活動全般となっておりまして、御指摘の実演芸術に関する活動も含まれるというふうに思っております。
 また、御指摘のように、作品等という表現がございますが、この等を付けることによりまして、演奏や公演などの実演が含まれるものというふうに考えております。文化芸術の創造の様態は様々なものがありますから、その全てを例示することは難しいことからこのような表現とさせていただいているところでございます。
#16
○吉良よし子君 改めて、幅広いものであり、実演も含まれるという御答弁でした。大事だと思っております。
 それでは、次に、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法案について伺いたいと思います。
 まず、本法案の立法に至った背景についてお聞きしたいと思います。昨年は、全会一致で成立した文化芸術基本法第十五条には、国は、文化芸術に係る国際的な交流及び貢献の推進を図ることにより、我が国及び世界の文化芸術活動の発展を図るため、文化芸術活動を行う者の国際的な交流及び芸術祭その他の文化芸術に係る国際的な催しの開催又はこれへの参加など、必要な施策を講ずるとされております。
 これでも一定こうした国際文化交流の祭典の実施というのは担保されていると思いますが、これだけでは不十分とお考えなのか、その点についてお聞かせください。
#17
○委員以外の議員(中山恭子君) 発議者を代表してお答えいたします。
 文化芸術基本法は、吉良先生御指摘のとおり、昨年六月に改正され、第十五条に文化芸術の国際的交流として芸術祭等について国が必要な施策を講ずることが定められました。今回の法案はその趣旨を実行に移すことを目指したものでございます。
 ベネチア・ビエンナーレに代表される伝統ある世界レベルの祭典と肩を並べるような大規模な文化の祭典を我が国で開催するには、その祭典が継続的に実施されること、また安定的に実施されることが重要でございます。そのためには、法律をもって世界レベルの祭典の実施を目指す方針等を示し、その内容の充実を図り、そしてその継続性、安定性を担保することが不可欠でございます。
 また、国際文化交流の祭典の実施の推進は、文化芸術の振興だけでなく、国際相互理解の増進、我が国の国際的地位の向上といった面でも大きく貢献すると考えられます。特に、世界レベルの祭典の実施のためには、海外の情報の収集や海外への発信力の強化等が求められます。そうした観点から、外務省を共管とすることが必要です。さらに、経済産業省、国土交通省、総務省等の関連施策との連携も大切になってまいります。こうした点を実現するためには、文化芸術基本法第十五条の定めに加え、この法案が必要であると考えております。
 現在、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムが進められているところでございますが、オリンピック・パラリンピックの後も日本において国際文化交流の祭典が各地で開催されることは好ましいことであり、そのためにも早期に法律を整備する必要があると考えております。
#18
○吉良よし子君 十五条の趣旨を実行に移すためということでございました。
 もう一つ伺いたいのですけれども、先ほど大臣から、芸術家の自主性、表現の自由の尊重は極めて大事だという御答弁もありましたが、本法案においても上からの押し付けというのはあってはならないと思います。芸術家らの自主性の尊重、表現の自由、最大限尊重すべきと思いますが、その点いかがでしょうか。
#19
○委員以外の議員(中山恭子君) 私の思いといたしまして、文化芸術への不当な関与はあってはならないと考えております。また、国による文化芸術の内容への干渉は、かえって文化芸術の質の低下につながるとさえ考えております。
 この法案は、文化芸術基本法の体系の中に位置付けられるものであり、表現の自由を重視し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重する文化芸術基本法の基本理念はこの法案にも当然に及ぶところでございます。したがいまして、自主性や表現の自由の尊重に十分配慮をしつつ、この法案の運用がなされるべきであると考えております。法案の基本的施策では、文化芸術の内容に踏み込まず、祭典の実施を推進するための言わば環境整備としての項目を定めているところでございます。
#20
○吉良よし子君 自主性、自由は最大限尊重すべきということでしたけれども、その仕組みが本法案だということですが、ここでやはり一つ懸念があるのが、本法案は政府の閣議決定により基本方針と推進基本計画を定めて大規模な国際文化交流祭典の実施を推進するものと、つまり、閣議決定される基本計画が時々の政策によって左右されて推進される対象が変わってしまうのではないかという懸念があるわけですが、その点いかがでしょうか。ちょっと簡潔にお願いいたします。
#21
○委員以外の議員(中山恭子君) 時の政府の考えにより推進対象が変わるのではないかとの御懸念につきましては、そのような国による文化芸術への不当な関与はあってはならないことであると考えております。
 この法案の第八条におきまして、大規模祭典の継続的かつ安定的な実施を図るため、企画等に関し専門的能力を有する者の継続的な確保、公演、展示等を行う施設の確保、海外の芸術家を円滑に受け入れることができる体制の整備等を行えるよう必要な施策を講ずるものとしております。
#22
○吉良よし子君 そうならないようにということではございますけれども、ただ、やはり私、法案を読んでいると、それだけでは推進する対象が法案で明確になっていない、その時点でやはり時の政権の恣意的な判断や政策が文化芸術の場に持ち込まれかねない、そういう懸念は払拭できないと思うんですね。
 文化行政については、戦後、憲法の下、国は金を出しても口を出さないことが原則だったはずですが、本法案が時の政権によって場合によっては悪用され、金も口も出す事態にならないとも限らないその懸念が払拭できない以上、ちょっとこの法案には賛成しかねるという意見を申し上げたいと思います。
#23
○委員長(高階恵美子君) お時間が参っておりますので、おまとめください。
#24
○吉良よし子君 また、なお、障害者の文化芸術活動の推進に関する法案については賛成することを述べまして、質問を終わらせていただきます。
 済みません。ありがとうございました。
#25
○委員長(高階恵美子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#26
○委員長(高階恵美子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大島九州男君から発言を求められておりますので、これを許します。大島九州男君。
#27
○大島九州男君 私は、ただいま可決されました障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)、立憲民主党及び希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、基本計画の策定に当たっては、国民の果たすべき役割についても定めること。
 二、障害の特性に応じた文化芸術を鑑賞しやすい環境の整備の促進に関する施策の一環として、障害者の鑑賞のために文化芸術の作品等に係る複製、提供等を行う事業の円滑化を図るため、著作権制度等について所要の検討を行うこと。
 三、この法律で定める施策を講ずるに当たっては、障害者の作品等の評価に際し、既存の価値観にとらわれず、幅広い作品等の価値が認められるようにするとともに、その評価によって分断や差別が生ずることのないよう十分留意すること。
 四、障害者文化芸術活動推進有識者会議の構成員には、障害者による文化芸術活動を支援する団体の関係者や文化芸術活動を行う障害者本人が含まれるようにすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#28
○委員長(高階恵美子君) ただいま大島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#29
○委員長(高階恵美子君) 多数と認めます。よって、大島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林文部科学大臣。
#30
○国務大臣(林芳正君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#31
○委員長(高階恵美子君) 次に、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(高階恵美子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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