くにさくロゴ
2018/06/07 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第14号
姉妹サイト
 
2018/06/07 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 文教科学委員会 第14号

#1
第196回国会 文教科学委員会 第14号
平成三十年六月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     佐藤 信秋君
     木戸口英司君     森 ゆうこ君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     こやり隆史君
     佐藤 信秋君     小野田紀美君
     吉良よし子君     倉林 明子君
     高木かおり君     室井 邦彦君
     森 ゆうこ君     木戸口英司君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     森 まさこ君
     こやり隆史君     今井絵理子君
     倉林 明子君     吉良よし子君
     室井 邦彦君     高木かおり君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     赤池 誠章君     足立 敏之君
     森 まさこ君     衛藤 晟一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                森 まさこ君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                蓮   舫君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        山崎 俊巳君
       内閣府公益認定
       等委員会事務局
       長        相馬 清貴君
       消費者庁政策立
       案総括審議官   井内 正敏君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       スポーツ庁次長  今里  讓君
       文化庁次長    中岡  司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高階恵美子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に吉良よし子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 文部科学省設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長山崎俊巳君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(高階恵美子君) 文部科学省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林文部科学大臣。
#8
○国務大臣(林芳正君) この度、政府から提出いたしました文部科学省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、少子高齢化やグローバル化の進展など、社会の状況が著しく変化する中で、観光やまちづくり、国際交流等の幅広い関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化政策の展開がより一層求められております。
 こうした中、昨年六月に成立した文化芸術基本法においては、文化政策と関連分野における施策との有機的な連携を図るための規定等が盛り込まれるとともに、文化に関する施策を総合的に推進するため、政府において、文化庁の機能の拡充等について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じることが規定されたところであります。
 この法律案は、当該規定に基づき、文化庁の機能強化を図り、文化に関する施策を総合的に推進するために必要な体制の整備を行うものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、文部科学省及び文化庁の任務について、現行の文部科学省設置法においては「文化の振興」と規定されているところを、より広く「文化に関する施策の総合的な推進」等と改め、文化庁が中核となって我が国の文化行政を総合的に推進していく体制を整備することとしております。
 第二に、芸術教育に関する事務を文部科学省本省から文化庁に移管し、学校教育における人材育成からトップレベルの芸術家の育成まで、一体的な施策の展開を図ることとしております。
 第三に、博物館に関する事務について、現行では、博物館制度全体は文部科学省本省が所管し、文化庁は美術館や歴史博物館といった一部の類型の博物館のみを所管しておりますが、これらを一括して文化庁の所管とすることにより、博物館行政の更なる振興等を図ることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#9
○委員長(高階恵美子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 今回の文部科学省設置法の一部を改正する法律案の趣旨は、文化庁の京都への全面的な移転に向け、新文化庁にふさわしい組織改革、機能強化を図り、文化に関する施策を総合的に推進することであると伺っておりますが、文化庁が京都へ移転することとなった経緯及びその趣旨について、改めてお聞かせください。
#11
○副大臣(丹羽秀樹君) 文化庁の京都移転につきましては、東京の一極集中の是正や地方創生を図るための中央省庁初の地方移転として位置付けられております。これに加え、文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都への移転により、文化財を活用した観光振興や観光客向けの効果的な文化発信、また生活文化の振興に関する企画立案能力の向上、ひいてはこうした先進的な取組効果の全国的な波及などが期待されております。
 我が国の文化行政の更なる強化を図る上でも意義があるものと考えております。
#12
○森まさこ君 地方創生、そして地域との緊密な連絡調整で一層文化芸術政策を進められるということでございますが、東北や北海道など東日本地域の自治体にとっては物理的には遠くなるわけでございますが、これは文化庁の、相談行ったりとか調整をしたり、そういったことに支障が出ることはないのでしょうか。
#13
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 本格移転後は、委員おっしゃるように確かに文化庁本庁が京都に置かれまして、業務内容に応じて京都、東京の二つの部署に分かれることとなりますが、できるだけ全国の自治体や文化芸術団体など関係者の皆様の、御不便をお掛けしないように、皆様の御要望を伺いつつ様々な工夫を重ねていきたいと考えております。
 例えば、京都の会議に出席できない方々が東京からテレビ会議を活用して全国の会議へ出席できるようにしたり、また、京都と東京、二つの拠点ができることの強みを生かして両拠点から発信を行うなど、これまで以上に全国各地の関係者との連携を図ることができるよう、運用上の工夫をより一層重ねていきたいと考えております。
#14
○森まさこ君 不安に思う、遠くなる自治体に対して、今具体的な案としてはお一つお示しなされましたけれども、現在と同等又は現在と同等以上の機能が発揮できますように、是非運用をお願いしたいというふうに思います。
 この中央省庁の地方移転でございますけれども、まち・ひと・しごと創生本部が取りまとめた基本方針にのっとって行っているということで、消費者庁の方は平成二十九年の七月に徳島県に消費者行政新未来創造オフィスを設置するということで取組をしていたわけでございますが、こういった他の事例も参考にしていただきたいと思うんですけれど、消費者庁に伺いますけれども、設置後約一年が経過したわけでございますが、どのような事務を行い、どのような効果が生じているか、伺います。
#15
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 消費者庁の徳島のオフィスでは、モデルプロジェクトや調査研究を実施しております。また、従来から行ってきた、全国の自治体を含む関係機関との対外調整プロセスが重要な業務等については引き続き東京で行っているところでございます。モデルプロジェクトや調査研究の遂行におきましては、徳島県の協力が得られていることもあり、既に一定の成果が上がっているというふうに認識しております。
 また、自治体など地方の方からの要望の申入れなどいわゆる陳情活動等への対応は従来どおり東京で実施ということでございまして、現時点では全国の自治体との関係では従前と特段の変化はないと考えておりますが、いずれにせよ、全国の自治体との関係などにつきましては、平成三十一年度を目途とする消費者庁の移転の在り方に関しての結論を得るまでの過程でしっかり検討していくことになると考えております。
#16
○森まさこ君 消費者庁のお考えは、特段の変化がないという今お考えをいただいたんですけれど、全国の皆さんから、消費者団体の皆様、また関係者の皆様、自治体ともおっしゃいましたけれども、移転したことに対してどのような声が聞かれているんでしょうか。プラスの声も、もしかしたらマイナスの声もあると思いますが、何かありましたら御紹介ください。
#17
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 今、徳島で行っている業務というのは、調査研究とかモデルプロジェクトのいわゆる徳島県を実証フィールドとしているものでございますので、自治体との関係とか、つきましては従来どおり東京ということで、今のところその集約した形で自治体から何か特段の声が出ているということではないというふうに認識しております。
#18
○森まさこ君 自治体以外についても今私質問したんですけれど、最終的な取りまとめ結果が出るまでの間は自治体以外も様々な関係者の皆様の声に幅広く耳を傾けていただきたい、それも併せて文化庁の皆様にまたお示しいただきたいと思います。
 次に、芸術教育について伺いたいと思います。
 今回の改正案では、芸術に関する教育の基準の設定に関する事務を文部科学省本省から文化庁に移管することとしております。具体的には、文化庁は、新たに芸術に関する学習指導要領に関する事務を行うことになる旨伺っております。
 学習指導要領に関する一部の事務を本省から切り離すことは今回が初めてではありません。平成二十七年十月にスポーツ庁が設置された際に、体育及び保健教育に関する学習指導要領に関する事務が本省からスポーツ庁に移管されております。
 そこで、スポーツ庁に伺いたいと思いますけれども、体育等の学習指導要領に関する事務がスポーツ庁に移管されたことによりどのような効果があったのでしょうか。
#19
○政府参考人(今里讓君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、スポーツ庁の創設に当たりましては、旧スポーツ・青少年局が所管をしていた、つまり本省で所管をしていた学校体育の振興等、これには学習指導要領も含まれるわけでございますけれども、これに加えまして、新たに、スポーツを通じた健康増進ですとか地域経済活性化等も含めまして、スポーツ施策を総合的に推進できる体制を構築したというのがスポーツ庁の創設のときの趣旨でございました。これによりまして、学校の保健体育の充実に関するスポーツ団体との連携などが進む等、スポーツ立国の実現に向けた取組を着実に進めているところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば、公益財団法人全日本柔道連盟や一般財団法人全日本剣道連盟等におきまして学校の武道の授業内容の充実を図るための指導参考資料を作成する取組ですとか、あるいは、学校の授業での水泳の安全指導の観点から、公益財団法人日本水泳連盟と連携した安全対策の取組を進める、こういった競技団体との連携を進めるといったことなどのスポーツと教育の施策の一体的、効果的な推進が図られていると考えているところでございます。
#20
○森まさこ君 ありがとうございます。是非ますます進めていただきたいと思います。
 せっかくスポーツ庁に来ていただきましたので、被災地のスポーツということについてお伺いしたいと思います。
 東日本大震災の被災地、福島県等での子供たちの体力改善のためにも、又はスポーツを通じた復興、経済振興のためにも、スポーツ庁と復興、被災地との関連付けていく政策というのは非常に重要だと思うんですけれども、こういった観点で現在どのような施策を行っておられますか。
#21
○政府参考人(今里讓君) 東日本大震災によりまして屋外活動、運動の機会等が制限され、低下していた被災県、福島県が特にそうでございますけれども、の子供たちの体力の向上を図るべく、文部科学省、スポーツ庁におきましては、福島の教育委員会や学校における取組を支援してきたところでございます。
 例えば、平成二十五年度、二十六年度におきましては、福島県教育委員会が行う子供向けの運動プログラムの作成や講習会の実施等への支援、さらに、平成二十七年度は、福島県の要望に基づきまして、体育の授業向上に向けた小学校体育専門アドバイザーの派遣や、子供が成長に応じて体力調査、身体測定の結果を継続して記録する自分手帳の策定、活用、モデル校の実践研究等について支援をしてまいったところでございます。
 本事業を通じまして、県内各地の小学校に専門アドバイザーが訪問いたしまして、体育や昼休みの授業で子供と一緒に運動を行ったり自分手帳の活用の在り方を一緒に考えたりすることで、子供が体を動かす楽しさを感じながら運動感覚を育むことにつながったり、自分手帳に自らの記録を記入していくことで、子供が主体的に体力に関心を持って運動計画を立て、運動習慣の形成につながるといった効果が見られていると承知しております。
 このほか、独立行政法人日本スポーツ振興センターの助成事業で、スポーツによる被災地の子どもたちの心のケア活動等事業のスポーツ笑顔の教室等におきまして、トップアスリートである夢先生が学校で子供たちと一緒に体を動かし学ぶことで子供が未来に向けてチャレンジする動機付けとなる事業を支援しております。
 スポーツ庁におきましては、今後とも福島を始めとする被災地の声も十分にお聞きしながら、子供たちがスポーツに親しみ、運動習慣を形成して体力の向上が図られるよう、教育委員会や学校の取組を支援してまいります。
#22
○森まさこ君 例えば二本松市では、今度オリンピックに新たに種目に加えられたものが、子供たちが練習できるような全天候型の体育館を造ったりしておりますので、スポーツを通じて復興もしていけるような、そういう視点でますます御支援をお願いしたいというふうに思います。
 そこで、本題の芸術教育について伺いますけれども、今回の法改正により文化庁に芸術に関する学習指導要領の事務を移管をすると、このことでどのような効果が見込まれるのか。そして、その芸術教育の充実に向けた文化庁の意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。
#23
○政府参考人(中岡司君) この度、芸術に関する教育の基準の設定に関する事務を文化庁に新たに移管することによりまして、今後、学校教育としっかりつながる形で、全ての子供たちへの芸術に関する教育の充実や文化芸術の振興、トップレベルの芸術家育成等を一体的に担い、国民の文化芸術に関する素養の更なる向上と文化芸術を担う人材の育成強化を図ってまいりたいと考えております。
 この改正によりまして、文化庁が培ってまいりました専門的な知見やネットワーク等を今まで以上に活用することで、子供たちの生活や社会の中の芸術文化と豊かに関わる資質、能力を更に高めるとともに、文化芸術の新たな担い手の育成にもつながるなど、文化と教育の両分野における施策の一体的、効果的な推進を図ることができるものと考えております。
#24
○森まさこ君 新たな担い手の確保、それをまた次世代に文化芸術を大切にする心をつないでいくということで、期待をしております。よろしくお願いいたします。
 続いて、博物館について伺います。
 今回の改正案では、博物館に関する事務を文化庁が一括して所管することとなりますけど、この博物館には歴史博物館や科学博物館のほか、美術館や動物館、水族館なども含まれると承知しております。
 水族館についてですけれども、本年十一月に福島県いわき市において世界水族館会議が行われることになっております。我が国では、一九九六年に開催されて以来二度目の開催となります。約四十か国、五百人の参加が予定されているということで、地元では世界水族館会議を多くの外国人の方々をお迎えするまたとない機会と捉え、地元の様々な魅力や、復興創生に向け着実に前進している姿を広く世界に発信していきたいと大変期待をされているところでございますが、この世界水族館会議は、各国の水族館関係者が一堂に会して、それぞれの視点から研究発表や情報交換を行うものであり、大変有意義であると思われますけれども、この会議の意義と位置付け、そして文部科学省の支援の位置付け、また成功へ向けての意気込み、お考えなどについてお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(林芳正君) 世界水族館会議は、各国の水族館関係者が集いまして、飼育技術や野生動物の保全など水族館活動に関する研究成果、これを共有する場でございまして、今、森先生からお話がありましたように、第十回となる本年開催の会議では、福島県いわき市を開催地として四十か国以上から五百人以上の参加者が見込まれると、こういうふうに承知をしております。
 この会議を我が国で開催する意義でございますが、先ほど申し上げましたように、研究成果を共有すること等によって我が国の水族館の振興に資するということが挙げられるわけでございますが、さらに、開催地が先生のお地元の福島県であるということを鑑みますと、まさにおっしゃっていただいたように、東日本大震災の記憶の風化をとどめ、我が国の復興への前向きな姿勢、これを世界中に発信する機会であり、そういう意味でも大変意義深いと考えておるところでございます。
 文部科学省としては、本会議への後援を行っておりますけれども、今後も、各種会議等を通じてこの会議の周知等に協力をしていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#26
○森まさこ君 林大臣、ありがとうございます。
 開催される水族館アクアマリンは、東日本大震災の地震と津波で大変大きな被災をした、水族館にいた魚も多く失われました。それを、しっかり復興した姿を世界中の方々に見ていただくということで、水族館を始めとしたこういった博物館が被災をするといったことに向けて、今後の防災・減災、そして被災した後の復興ということも参考にしていただけるんではないかと思っております。
 開催が十一月で、十月に所管が文化庁に移るということでございますので、この所管のスムーズな業務移転となお一層の御支援をお願いするところでございます。
 本日は、あわせて、せっかく文教委員会で質問の機会をいただきましたので、放射線教育ということについて質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十三年に原発事故が発生して以来、放射線量についての知識、これがこれまで決して十分ではなかったんではないかということに対する反省がございます。というのも、事故の発生前は、安全神話とも言われておりますが、やはり危機意識が薄らいでいた。そして、事故後は不安を感じるといった状況がございます。放射線量のリスク情報を正しく認識していくこと、このことにより、風評被害、これも防ぐ、そして、心ない差別やいじめなども防いでいくということにもつながると思うんです。
 そこで、放射線についての正しい知識を身に付けることでございますけれども、学校現場では放射線に関しどのような教育が行われているんでしょうか。特に、やはり福島県内だけでなく、全国の地域でこういった教育を行っていただきたいと思うんですけれども、文部科学省からお答え願いたいと思います。
#27
○政府参考人(高橋道和君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射線への関心が高い中、学校教育においても放射線についての科学的な知識を児童生徒に教えていくことが重要です。
 現行の学習指導要領においては、中学校の理科において放射線の性質と利用、高等学校の物理基礎において放射線及び原子力の利用とその安全性を規定するなど、放射線に関する内容について指導が行われております。
 また、先般改訂いたしました新しい学習指導要領においても、中学校の理科では、従来から指導が行われていた第三学年に加え、第二学年においても放射線に関する内容を追加するなど、その取扱いを充実させたところでございます。
 このほか、児童生徒の放射線に関する科学的な理解の一助となるように、平成二十六年三月には放射線副読本を作成して、これは全国の小中高等学校等に配付するとともに、その積極的な活用を促すため、教職員等の研修や出前授業などを実施しているところでございます。
#28
○森まさこ君 副読本を作成、配付されているということでございますが、副読本の内容も、皆様に使っていただいた上で、更に分かりやすいように常に見直しをしていっていただきたいと思いますし、配付しただけでなく、どのように活用されているのかというのをしっかりフォローアップしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#29
○副大臣(丹羽秀樹君) 放射線の副読本につきましては、作成から四年が経過し、当時から状況が変化していることから、現在その内容や構成について見直しを行っているところでございます。
 今年度中に、できるだけ早い時期に全国の学校等に配付できるように検討をしているところでもございますし、お尋ねの放射線副読本の御活用につきましては、一義的には各学校の判断に委ねられておりますが、放射線に関する教育を更に充実していくために、学校における活用状況の把握もしていくことも必要だというふうに認識いたしております。
 このため、新しい放射線副読本の配付後には、放射線副読本が理科の活用だけではなく、例えば家庭科やまた社会科の授業などで広く活用いただけるものとなっていることを踏まえ、新しい放射線の副読本の授業の活用状況のみならず、活用した教科名、さらには活用に当たって工夫した点、また改善すべき点、そういったことも踏まえ、教師の勤務実態にも配慮しながらフォローアップを行っていきたいと考えております。
#30
○森まさこ君 是非よろしくお願いします。
 次に、文化遺産と観光の関係についてお伺いをいたします。
 文化庁が文化遺産しっかりと保護をしていっていただけると思うんですけれど、文化遺産と観光の関係についてどう考えているか、伺いたいと思うんですね。
 というのも、福島県における国宝何かと探しますと、建造物の国宝はただ一つだけでございまして、いわき市にある国宝白水阿弥陀堂でございます。国宝ですのでもちろん保護をしていただいているんですが、周辺地域も文化庁から史跡というふうに指定されておりまして、ここが利用制限されております。立て看板とかが立てられないわけでございまして、駐車場に駐車場という案内板を一つ立てるのにも許可が必要で、なかなかこれ難しいということです。
 また、休憩所や食堂、お土産店も自由に建てることができないので、実際、この白水阿弥陀堂では駐車場スペースに使っている広場に大型バスが駐車します。その外側の道沿いにしか、休むところ、雨をしのぐところ、お土産屋さん、食堂というのがないんですね。だけど、駐車場から白水阿弥陀堂までずっと歩いていって、そして阿弥陀堂からバスまで戻ってきたら、もう疲れてそのままバスに乗って帰ってしまうわけなんですよね。
 地域の方々は、日頃からこの国宝を守るために、お掃除活動、ボランティアで、そして最近はもうイノシシが被害がとてもすごいので、イノシシの駆除やそういったことを一生懸命しておるんですけれども、観光にはなかなか結び付かない、不便ということで観光客の増加につながらないということなんでございますけれど。
 こういった国宝といった文化遺産やその周辺の史跡、これ保存することはとっても大事なんですけれども、文化遺産として守り保存していくことということは、やはり観光客に来ていただくことで皆さんに知っていただくことになりますので、それにもつながるというふうに思うんですけれど、こういった保存とそれから観光などの活用、この関係をどのように考えていらっしゃるのか、御答弁願います。
#31
○政府参考人(中岡司君) 委員お触れになりました福島県いわき市の国宝阿弥陀堂につきましては、平安時代後期に藤原秀衡の妹徳尼が建立したと伝えられ、史跡白水阿弥陀堂境域、周りの周辺でございます、と合わせまして、日本の浄土美術や浄土式庭園の代表例として価値を有するものであり、文化庁といたしましては、こうした文化財の次世代への確実な継承に向け、保存と活用のバランスに配慮しつつ、計画的に取り組んでいくことが大切だと考えております。
 一般的に、文化財保護法におきましては、史跡等の現状変更や保存に影響を及ぼす行為について、許可制とすることなどによりまして国指定文化財の保護を図っているところでございますが、現状変更等を一律に禁止しているものではございませんで、所定の手続を経た上で訪問者の利便性向上に資する施設設備の整備等を行うことは可能でございます。史跡として指定されている場所に売店等の便益施設が設置されている例もございます。
 また、いわき市によりますと、白水阿弥陀堂境域につきましては、これまでも、休憩所、案内看板等の設置や訪問者の円滑な移動のための園路の整備等が行われるとともに、各種のイベントで活用されているほか、先月いわき市で開催されました太平洋・島サミットでの昼食会場としての活用も予定されていたと聞いております。
 さらに、今国会でお認めいただきました改正文化財保護法によりまして、市町村による文化財保存活用地域計画や個別の文化財の保存活用計画を通じた総合的、計画的な取組の推進等が可能となり、文化財が町づくり等に生かされ、観光振興にも寄与することにつながると考えております。
 文化庁といたしましては、地方公共団体に対しましてこの度の改正法の趣旨や内容の周知に努めるとともに、文化財を町づくり等に生かしつつ、その計画的な保存、活用が図られますよう適切に取り組んでまいりたいと考えております。
#32
○森まさこ君 しっかりお願いをいたします。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#33
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今日の審議になっております文科省設置法の一部を改正する法律案でございますが、その背景としては文化庁の京都移転ということがございます。私もまず最初にこの点について確認をしたいと思っております。
 平成二十六年の十二月でございましたけれども、まち・ひと・しごと創生総合戦略が閣議決定をされまして、地方からの提案を受ける形で、地方の発展に資する政府関係機関の移転を進めるということが決定をいたしました。京都府から文化庁の移転ということが提案をされたわけでございます。それを受けまして、その後、様々検討をいただきまして、京都移転の方針が決定されたわけでございます。
 このように、地方の発展に資する政府関係機関の移転ということでありまして、それに地方創生、また地方への人の流れという文脈、これが具体的なこの京都移転の出発点といいますか、きっかけであったわけではございますけれども、やはりこの文化行政の質また量、これが京都への移転によって損なわれることがあってはならないということはもちろん大前提でございます。むしろ、この京都への移転によって、文化行政の機能維持だけではなくて充実強化ということが実現されなければならないというふうに思っております。
 この改正案はそういった趣旨というふうには理解をしておりますけれども、この前提となっております文化庁の京都移転ということはどのように文化行政の充実強化につながるのか、大臣にこの点を確認をさせていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(林芳正君) 文化庁が文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積をした京都に移転することによりまして、例えば文化財を活用した観光振興や外国人観光客向けの効果的な文化の発信、また生活文化の振興、こういった面からのモデル的な取組などを推進することができ、こうした取組を今度は全国の地方公共団体に効果的に波及させる、こういったことが期待できるというふうに考えておるところでございます。
 また、京都移転によりまして、改めて地方の目線での政策企画等が求められることから、地方創生の観点に立った文科行政の企画立案能力の向上、ひいてはこれが全国各地の地方文化の掘り起こし、磨き上げと、こういうことにつなげていくことなども期待できると考えておるところでございます。
 京都への移転とこの度の法改正による文化庁の機能強化、これを契機といたしまして、文化芸術立国の実現に向けた取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
#35
○佐々木さやか君 今の御説明では、例えば観光振興ですとか外国人に向けての日本文化、日本の美の発信というところでモデル的な事業が行われるということが期待されるということでございました。やはりこの現場と近くなるということを期待したいと思っております。やはり重要な文化財等が京都には多いわけでございますので、そういった新しい試みというものが進んでいくことも非常に意味があることではあるとは思っております。
 しかしながら、今のこの観光振興とか海外に向けての文化の発信というのは、どちらかというと経済的な側面もございます。その前提として、やはり、何度も私も申し上げておりますけれども、文化財の計画的な修理とか保存とか、そしてその前提として非常に重要であります人材の育成とかそして材料の確保といったことも、それもまた現場に近くなると思いますので、実態をしっかりと把握をしていただいて、そこにもお力を是非入れていただきたいと、そのように充実強化につながると期待をしたいと思います。
 文化庁の移転協議会が平成二十九年の七月に取りまとめを行いましたけれども、これによりますと、京都には文化庁本庁を置きまして、その本庁の職員数というのは全体の人員の七割に当たる二百五十人程度、それ以上ということでございます。ですので、今東京にある文化庁の七割が京都に引っ越しをするということだと思いますけれども、他方で、やはりこの他省庁等との連携、その前に、文化庁が東京とそして京都ということになりますので、この庁内の連携の確保ということはやはり懸念されると思います。
 庁内の連携の確保、もちろん重要でありますし、国会対応、そして、本当に文科省本省を始めとしてほかの省庁との連携をしっかりやっていただかなければなりませんけれども、この点の連携の確保は移転した場合にも十分になされるということでよろしいんでしょうか。
#36
○政府参考人(中岡司君) 文化庁の本格移転に当たりましては、職員全体の約七割を京都に配置するということとともに、国会対応業務、外交関係業務、関係府省庁との連携調整業務等、東京での対応が必要となる部分につきましては一部の担当部署を東京に残すということとしております。
 これによりまして、京都及び東京の間で機能に着目した業務分担が図られることとなりますが、これと併せまして、京都と東京の双方に次長を配置をして危機管理や業務遂行の体制の強化を図るとともに、テレビ会議システムを日常的に活用することなどにより、十分な意思疎通と適切な連携体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
 また、他府省庁との連携調整や国会対応というのは非常に重要な部分でございますが、まずは東京の担当部署が受付、調整等の窓口として動く予定でございますが、京都と東京の間の意思疎通がより良く図られますよう、先ほど申し上げましたテレビ会議システムの活用や職員配置の工夫等によりまして、円滑に業務を遂行してまいりたいと考えております。
#37
○佐々木さやか君 しっかり連携しますということで決意はお述べいただくわけでありますけれども、実際に、現段階でも様々、文化芸術団体の皆様とか懸念の声が上がっているところであります。しっかりと、やはり課題はあると思いますので、きちんと把握をして対策をしていただきたいというのが一つと。
 それから、他省庁との連携でございますけれども、文化庁さんは恐らくこれからいろいろと具体的に方策を考えて頑張っていただくと思うんですが、他省庁の理解も必要であります。ですので、文化庁側はテレビ会議で対応したいという場合に、他省庁の方が、じゃ、それでやりましょうということになっても慣れていない場合もあるだろうと思いますし、そういう意味で、文化庁だけが頑張ってもきっとうまく意思疎通ができないことが出てくるかもしれないなと。
 ですので、これは政府全体として取り組むことですので、政府として取り組んでいただきたいんですが、文化庁また文科省としても、他省庁との連携が円滑にいくように理解を求めるといいますか、そういったことにも力を入れていただきたいと思います。
 それから、職員の皆さんの問題ですが、先ほど申し上げたように、七割の職員が京都に配置をされるということであります。恐らく、今東京で働いていらっしゃる方も、京都に多くの方が引っ越しをされるのではないかなと思います。そうなりますと、御家族がいらっしゃるでしょうから、御家族も一緒に引っ越しをするのか、でも、子供の例えば学校の問題でなかなか家族は無理ということであれば、単身赴任をされる方も出てくるのではないかと思います。
 文化庁の皆さんといろいろやり取りしていると、やっぱり女性の職員の方も多くいらっしゃいますし、特にある程度責任を持って活躍をされている皆さんは、結婚されて、子供さんもいらっしゃるということがきっと年齢的にも多いと思います。ですので、特に女性の職員の皆さんは、子供さんの学校の問題とか、本当に御主人も含めて家族の理解というのが不可欠になるかと思います。
 ですので、移転の後も、質の高い文化行政を担う専門性の高い職員の皆さん、これをしっかり確保していただくためには、職員の家族のこと、家庭のことも十分に配慮をしていただく必要がございます。ですので、ここについてどのように取り組むのかということをお聞きしたいというふうに思います。
#38
○政府参考人(中岡司君) 文化庁の本格移転は遅くとも二〇二一年度中とされておりまして、本格移転時の具体的な人事は数年先のこととなりますが、職員人事を検討するに当たりましては、京都で行われる業務内容、役職に応じまして該当者の専門性や業務経験を考慮するなど、適材適所の観点から適切に対応したいと考えております。
 また、その際に、委員御指摘のように、京都への住居の移転だとかそういうようなことだとかを伴う者もいると思いますので、京都移転に関する職員向けの説明会を開催をしたり、職員個々の事情なども十分に配慮するということが必要でございます。その中で、住環境の確保や家庭の教育、保育を含めた福利厚生など、環境整備にも取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、これ、東京から京都に移転する職員の話でございますけれども、文化庁が京都に移転することによりまして、関西を中心とする自治体等から職員派遣希望が増えたり、関西や西日本で活躍されている方が文化庁の仕事に参画しやすくなるというようなこともあろうかと思います。こうした新たな人事交流や任用なども視野に入れながら、積極的な人材確保も併せまして図っていきたいと考えております。
#39
○佐々木さやか君 現地での採用等も含めてこれから具体的に御検討いただくと思いますけれども、是非この職員の皆さんが、優秀な方が多いですので、安心してこれからも働けるように配慮をいただきたいと思います。
 それから、先ほど申し上げた庁内の連携そして他省庁との連携、国会対応等をしっかり行うということになりますと、それぞれの部署が担当している業務の見直しとか役割分担とかそういったことをしっかりと把握を行って、意思決定の仕方等も含めてやはりこの業務の見直しというのが必要になると思います。
 その中で、是非この業務効率化というものも大胆に行っていただきたいと思います。ICTの活用ということも考えられると思いますけれども、この京都移転を機会に是非、どの省庁よりも進んでいると、こういうモデル的な例になってほしいなというふうに期待しております。
 働き方改革ということも議論されておりますけれども、ICTを活用しながら、女性職員も、また介護をしながら働いていらっしゃる職員の皆さんも本当に仕事がしやすい、こういう文化庁を目指していただきたいと思いますけれども、こういったICTを活用した業務効率化を含めて、文化行政の機能の維持、また向上を実現するための業務の見直しというのはどのように行っていくのでしょうか。
#40
○政府参考人(中岡司君) この度の文化庁移転が決まりましてから、平成二十八年七月の約二週間でございますが、京都市におきましてテレビ会議活用等の実証実験を行ったところでございます。その中で、事務連絡やあらかじめ論点が整理された内容に関わる打合せなどにテレビ会議が有用であるとされた一方で、相手の反応の機微な反応とかニュアンスを読み取る必要のある重要案件だとか、折衝だとか概算要求の取組など、案件によってはテレビ会議になじまないものも少なくないと考えていると、そういう結論も得たところでございます。
 この実証実験を踏まえまして、平成二十九年四月には、東京の文化庁に二台、京都に先行移転した地域文化創生本部に一台のテレビ会議システムを設置をいたしまして、庁内の会議や打合せを始め全省的にもこのシステムを日常的に活用するとともに、重要案件に関わる出張時にはこういったものを活用せずに、自分の席以外でのリモートワークを実現しているところでございます。
 今後は、このようなテレビ会議以外でも、例えばもっと手軽にタブレットなどを持ち込んで個別説明を試行で取り組んでみたり、諸会議のペーパーレス化やテレワークの推進などによる業務効率化を進めるということを考えておりますが、先ほどの御質問でもございましたが、他省庁の対応あるいは国会の先生方に対する説明につきましてもどのような工夫ができるのかということも、今後、本格移転までには時間がございますので、そういう中でしっかりと検証しながら取り組んでまいりたいと考えております。
#41
○佐々木さやか君 今のタブレットでの個別説明ということは、本当に私たち議員の側も近いうち、近い将来にそういった、文化庁からレクを受ける場合に担当者の方は画面の中に映っているということになることも考えられるわけでございまして、こちら側も慣れていかなければならないなというふうに思います。
 今御説明あったように、地域文化創生本部、これが京都に既に設置をされて、先行実施が一部事業として行われておりますけれども、本格的な運用といいますか、はこれからというふうに聞いておりますので、恐らく新たな課題もたくさん出てくるのではないかなと思います。
 そういった中で、先ほど申し上げたような職員の皆さんの人事のこと等もございますし、いろいろやらなきゃいけないことがたくさんある中で期限が切られているわけであります。平成三十三年度中に遅くても移転をするということでありますので、この決して長くはない期間の中で業務の改革、様々行いながら、文化施策の充実強化、これを実現するために今後どのようなプロセスで移転に向けて進めていくのか、具体的に教えていただければと思います。
#42
○政府参考人(中岡司君) 文化庁の移転につきましては、平成二十九年四月に京都に地域文化創生本部を設置をいたしまして、これは先行的な取組と位置付けております。今後、遅くとも二〇二一年度中を目指すこととされております本格移転に向けましては、先ほど、個別の職員の住宅事情だとかそういったところもしっかりと把握していかなきゃいけないとか、あるいは職員の確保、そういったものについても検討していかなきゃならないわけでございますけれども、京都府の方、京都市などの協力を得て庁舎整備の設計、工事を進めていただくということになるわけでございますけれども、そういったことに対しまして、文化庁の方からも様々な御提案だとか要望だとか、そういったことも申し上げるということになろうかと思います。
 また、費用負担でございますけれども、そういったものの在り方、あるいは各職員の希望も踏まえて宿舎を確保するということが必要になるわけでございますけれども、そういった所要の職員宿舎の確保などにつきましても、引き続き、地元や関係府省庁などの関係方面との連携、御協力をいただきながら協議を進めて、着実に準備をしたいというふうに考えております。
#43
○佐々木さやか君 次のテーマに移りたいと思います。
 本改正案は、文化庁は、学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務をつかさどることと、このようにしております。
 これまで文科省の本省が行ってきた芸術科目についての学習指導要領の策定などの事務が文化庁に移管されることになっております。この意義について確認をしたいと思います。
 また、こういった形で新たに文化庁が行うということでありますけれども、ほかの教育科目については、体育はスポーツ庁ということでございますが、文科省本省が学習指導要領を作っていく、そういった形なわけでございます。
 この芸術科目というのは、学校でほかの科目とも連携をして総合的な学習の時間で行ったりとか、そういったことが行われているわけでありまして、芸術教育を今後も充実をしていくためには、これもまた省内での連携というのが重要であると思いますけれども、こういった点について今後どうなっていくのか、教えていただきたいと思います。
#44
○政府参考人(中岡司君) この度の法改正によりまして、文化庁が培ってまいりました知見や芸術文化団体のネットワークなどを学校における芸術に関する教育の充実に活用することによりまして、子供たちの生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質、能力を更に高めるということを考えておるわけでございますけれども、議員御指摘のように、教育課程全体との連携というのは非常に重要でございます。
 そういった観点からは、文部科学省本省との連携協力体制を十分に図りまして、文化庁の知見を生かした文化と教育の両分野における施策の一体的、効果的な推進を図ってまいりたいと考えております。
#45
○佐々木さやか君 この学校での芸術に関する教育においては、我が党は体験学習が重要であるというふうにかねてより申し上げております。一流の芸術家の皆さんの演奏だったり演劇だったり、そういったことを子供たちが学校で体験をすると。やっぱり自分のことを思い起こしても、たくさん機会があったわけではありませんけれども、小学生の頃とかにそういった、鑑賞したコンサートとか演劇というのは非常に今でも覚えているなというふうに思います。こういった体験学習についても、今後是非充実をしていくということを期待したいと思います。
 次に、博物館に関してですけれども、本改正では、文化庁の任務に博物館による社会教育の振興、これを追加をいたしまして、社会教育の振興に関する企画及び立案並びに援助及び助言と、社会教育のための補助に関する事務のうち、博物館に関わるものを文化庁へ移管するということにしております。これによって文化庁が博物館に関する事務全般を所管することとなりますけれども、この改正の意義について伺いたいと思います。
 重ねて、それとともに、博物館というのは、社会教育法九条において、社会教育のための機関とするというふうに規定をされております。文化庁にはこれまでなかったこうした機能というのは、確保、そして更に充実されていくのか、確認をさせていただきたいと思います。
#46
○政府参考人(中岡司君) お答えを申し上げます。
 現在、博物館法も含めた博物館全般に関することは文部科学省本省が所管しておりますが、博物館のうち大部分を占める美術館とか歴史に関する博物館は、文化施設として約八割を既に文化庁が所管しております。
 このため、本法案におきましては、引き続き社会教育施設としての役割を果たしていくことを基本としながら、博物館全般に関する所管を文部科学省本省から文化庁に移管することとし、博物館に関する行政をより一体的に推進する体制の整備をするということとしております。
 これによりまして、例えばそういった博物館を中心とした様々な事業の支援を一体的に行えるとか、あるいは研修事業につきましても一体的に行えるというようなことが可能となると考えております。
 今般、文化庁の任務に新たに博物館による社会教育の振興という部分を追加しております。これによりまして、文化庁も社会教育の一翼を担うことになるわけでございますが、博物館全体を所管する立場ということで、国民の多様な学習機会の提供及び奨励を行うことが可能となって、社会教育のより一層の振興が期待できると考えております。
 このため、文化庁におきましては、京都移転後におきましても博物館の担当課を東京に置きまして、今後とも社会教育を担当する課とも日常的に連携協力体制を確保したいと考えております。
#47
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 博物館に関しましては、二〇一九年に京都で国際博物館会議、ICOMが開催されることになっております。是非、文化庁としてしっかり力を入れていただきたいということをお願いしておきます。
 次に、予算の話でございますが、文化庁の移転と機能強化に向けて、先ほどから御説明があるように、様々諸経費も必要になってまいります。それとともに、文化芸術施策の充実のためには、先ほど申し上げた文化財の修理、人材育成なども含めて、予算の拡充が今後も必要だというふうに思っております。よく言われることでございますけれども、諸外国と比較しても、また韓国とか中国といったようなアジアの国々と比較をいたしましても、日本はこの文化予算、これが国家予算に占める割合が少ないということでございます。
 この文化庁の機能強化、芸術施策の充実のための予算の確保、これからもしっかりと増やしていくべきだというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
#48
○政府参考人(中岡司君) 文化芸術基本法におきましても、政府は、文化芸術施策の実施に必要な法制上、財政上又は税制上の措置を講じていくこととされております。
 平成三十年度予算は、平成二十九年六月に成立いたしました文化芸術基本法を踏まえまして、新文化庁へ向けて、社会的、経済的価値を育む文化政策の転換を図ることとし、文化資源を生かした社会的、経済的価値の創出を新たに柱に加え、過去最高の総額一千七十七億円を確保したところでございます。
 今回の法改正による文化庁の機能強化を踏まえつつ、引き続きまして、文化芸術立国の実現に向けた必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
#49
○佐々木さやか君 この予算確保については、しっかりと私自身も頑張ってまいりたいと思います。
 もう時間が参りますので質問はこれで終わらせていただきますけれども、オリンピック、パラリンピックもいよいよやってまいります。文化プログラムを始めとして、文化芸術の祭典としてのこのオリンピック、パラリンピックを成功させると。また、その後、更なる文化施策の充実を行っていく必要があると思います。そのための京都移転だと思っておりますけれども、この文化芸術立国を実現をしていくためには、もう本当に、組織的には抜本的に文化省の設置を目指すぐらいの私は取組が必要ではないかなと思っております。
 これからの文化芸術立国の実現に向けて全力を挙げていただきたいことを大臣にお願いをいたしまして、私の質問を以上で終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#50
○委員長(高階恵美子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森まさこ君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君が選任されました。
    ─────────────
#51
○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男でございます。
 本会議で御質問させていただきましたが、引き続き法案の質疑をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、本法案の成立後の新文化庁の組織体制についてお伺いいたします。よろしくお願いします。
#52
○国務大臣(林芳正君) この法案をお認めいただけますると、平成三十年度機構・定員査定を踏まえた政令改正による組織の抜本改編を行いまして、本年十月に新文化庁を発足することとしております。
 具体的な文化庁の組織体制といたしましては、これまでの文化部、文化財部といった二部制の廃止によりまして次長及び審議官をそれぞれ二名体制とすること、文化資源の活用を担当する部署や生活文化の振興を始め文化による地方創生を推進する部署を京都に置くこと、文化による国家ブランド構築や文化GDPの拡大等を推進していく部署を東京に置くことなどを想定しておるところでございます。
#53
○大島九州男君 組織が変わって、人材だとかいろんな部分、慣れるまでは連携とかいうのも大変だと思うんですけれども、二〇二〇年にオリンピック・パラリンピック東京大会、これを契機として、文化プログラムなどは日本を世界に発信をさせるいい機会だというふうに受け取っておりますけれども、まだまだ京都移転ができていない二〇二〇年までの間、この文化プログラムを支援する体制はどのような体制でしょうか。
#54
○国務大臣(林芳正君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会は文化の祭典でもございまして、魅力ある日本文化を世界に発信するとともに、地域の文化資源を掘り起こして地方創生や観光振興の実現にもつなげる絶好の機会でございます。
 このため、文部科学省では、現在、芸術文化課において国際文化芸術発信拠点形成事業、また戦略的芸術文化創造推進事業等による全国各地の様々な文化芸術活動への支援、国立文化施設における事業等を活用して文化プログラムの推進を図ることとしております。また、各地域の文化プログラム等に関する情報を一元的に集約をし、国内外に多言語で展開するポータルサイト、カルチャー・ニッポンを立ち上げ、各取組の国内外への発信の充実に取り組んでいるところでございます。
 この法案をお認めいただけますと、政令改正による組織の抜本改編の上で、本年十月をもって新文化庁を発足させることを予定しておりまして、東京に置かれる芸術文化担当の新たな部署において文化プログラムに関連する事業を推進することを想定しておるところでございます。
#55
○大島九州男君 昔、ちょうど、日本の文化、伝統をしっかりと発信をしていくのに、それぞれ、日本大使館、外務省やいろんなところの連携をして、日本文化をしっかりと発信をしていくということは大切なことですねということで、我々もそれを一生懸命後押しをしていった経緯があるんですけれども、当然今回、この東京オリンピック・パラリンピックの広報も、そういう大使館を通じて外務省やいろんな、経済産業省等連携をしてどんどん進めなくてはならないと。しかし、ちょうどお祭り終わると何か急にしぼんでしまうみたいな、そういうことがやっぱりあってはならない、継続的にずっと続けていくということが大変大事なことだなというふうに思うんですね。
 だから、一つ何かが変わるときには一生懸命やるけれども、その区切りが付くと、何かそこで息ついてそれが消滅してしまうような、しぼんでしまうようでは駄目でありますので、オリンピック・パラリンピック大会終了後も日本ブランドを世界へどんどん発信していくために、この文化プログラムの支援部署というのをレガシーとして文化庁内に引き継いでいかなきゃならないというふうに私は思うわけですが、そこら辺の考え方はどうでしょうか。
#56
○国務大臣(林芳正君) 大島先生おっしゃるように、この日本文化の世界への発信は二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会で終了と、これでは困るわけでございますので、この大会が終わった後も引き続き更に発展させていく、これが重要なことだと考えております。
 先ほども申し上げたところでございますが、この法案がお認めいただけますと、政令改正による組織の抜本改編の上で、本年十月をもって新文化庁が発足ということになりますので、その際、文化プログラムに関連する国際文化芸術発信拠点形成事業などを担当する新たな部署については二〇二〇年東京大会が終了した後も引き続き存続をしまして、文化芸術団体等と連携しながら、国際発信型の文化事業や時代の先端を切り開く開発型の事業などに取り組むことが想定をされておるところでございます。
#57
○大島九州男君 大変心強い御答弁をいただいていますので、しっかりとそれを進めていただければというふうに思います。
 これから幾つかちょっと疑問に感じる点を御質問をさせていただきますが、文化庁の機能強化が図られていくと。もうそれはすばらしいことなんですけれども、そもそも文化庁の人員配置、要は、組織が分散すればそれだけ力も分散されていくのか。普通は、一足す一を二ではなくて一足す一が三になったり四になったりする、そういうことが求められる中で、今回分かれる部署もあったりするという流れの中で機能強化を図るんだという、お題目というかその願いはいいんですけれども、現実的にやはりマンパワー、人が必要でございますので、そういった意味での人員配置は増強されていくのか、何かただ分けて分散するだけなのか、そこら辺をお聞かせいただければ。
#58
○国務大臣(林芳正君) 一割る二が二つの二分の一にならないように、まあ二分の一ではなくて実際は京都七割ということを御答弁しておるところでございますが、まさに先生御指摘のように、しっかりとそこを認識してやってまいらなければならないと思っておりまして、この文化芸術基本法、昨年六月に成立いたしましたが、この趣旨等を踏まえて、文化庁が中核となって我が国全体の文化行政を総合的に推進し、関係省庁や各自治体等と一丸となって様々な関連分野と有機的に連携した施策を展開するということを目的にして機能強化を図るわけでございますので、まさに御指摘のようにそのためにはやはり適切な人員配置を行わなければならないと、こういうふうに認識をしておるところでございます。
 こうしたことから、文化庁の機能強化に向けた新体制といたしましては、新規増員それから定員振替等によりまして本年度二十二人の増員を図ったところでございまして、文化政策の対象拡大への対応、それから文化芸術活動の基盤充実等の新たな役割を担う予定になっておるところでございます。
#59
○大島九州男君 お役所の悲しいさがというか、総額の予算とか総枠の人員が、新たにこっちに増員したらどっかが減っていたとかいう形でほかの部署の力がそがれてもいけませんので、予算と人員の枠がある中で現実的にこっちが増員されてこっちが減っているということはないようにしなければならないというふうに、こう思いますが、そこら辺もしっかりと、まあ財務省との協議、いろいろ政府内での協議をして、実際に本当に強化がされるようにしていただきたいというふうに思います。
 文化芸術推進会議、当然、役所の参加府省庁というのは東京であるわけでありますけれども、先ほどの質疑にもありましたけれども、京都移転されて、いろいろテレビ会議だとかいろんな今の技術を駆使して連携を取ろうとされるんでしょうが、実際にやっぱりフェース・ツー・フェースで顔を合わせていろいろ意見交換をしていくのと、そういう機器を通じてやるのとではどうなのかという疑問もあるんですけれども、その京都移転後の連携についてはしっかりできるのかどうかというのがちょっと疑問なんですが、そこら辺はどうでしょうか。
#60
○国務大臣(林芳正君) これまでの政府決定におきまして、関係府省庁との調整等の事務につきましても現在と同等以上の機能が発揮できることを前提とすること、それから関係府省庁との連携、調整等に係る政策の企画立案業務については東京で行うことと、こういうふうにされておることを踏まえまして、この文化芸術推進会議ですね、この担当部署については東京に置くことを考えておるところでございます。
 そして、今度は、その東京に置く部署が、東京はもちろんですが、京都の関係する部署とも十分に連携を図るということで、文化庁全体の意思形成が整えられる、その上で関係府省庁との調整に当たると、こういうことになると考えておるところでございまして、今後とも文化芸術推進会議の機会等を通じて文化関連施策の関係府省庁間の円滑な連携を促進しまして、我が国の文化行政の一層の推進を図ってまいりたいと思っております。
#61
○大島九州男君 この文化芸術推進会議のそれぞれの役割があると思うんですけれど、一つのこの視点としては、東京でやることが、じゃ、あれなのかと。じゃ、京都で連携して交互にやるのがいいのかとか、そういうところに、枠にとらわれず、本会議でも言いましたけど、なぜ京都なのかと。東京、京都という一つのこの過去の都、都でやるというよりも、北海道でやりましたとかね、沖縄でやりましたとか、そういうふうに開催場所を変えていくことによって、それぞれの省庁の皆さんがその現地行って、その現地の伝統文化に触れるということもこれ大切なことだと思いますので、京都に限ってとか東京に限ってということではなくて、地方創生の観点からいえば、それこそ北海道から沖縄まで、それぞれの文化施設にスポットを当てるという意味でも、持ち回りでやっていくというのは非常に効果があっていいんじゃないかと思いますが、大臣、御見解は。
#62
○国務大臣(林芳正君) 大変面白いアイデアだと思いますが、それだけの時間と旅費も掛けて毎回毎回行くということになると、逆に無駄遣いではないかと、またこういうところもよく考えながらやらないといけないとは思っておりますが。まさに現地へ行ってみる、京都へ行くというのも、京都へ行ったことによって、その地方目線になって現地の人といろんなコミュニケーションが取れるということが一つの大きな意味でございますので、こういう担当する皆さんがその地方地方でいろんなものに触れる機会を増やすということは大変いいことだと、こういうふうに思いますので、これは一つの検討課題としてお受けしたいと思います。
#63
○大島九州男君 ありがとうございます。
 今度、芸術教育の関係ですけれども、文化庁が芸術教育を所管しても、全人格的な子供の成長を図る観点から他の教科との連携は欠かせないというふうに考えますが、組織再編後も他教科の基準の編成業務との連携はしっかりされるのでしょうか。
#64
○国務大臣(林芳正君) やはり、この各教科等の特質を生かしながら、芸術に関する教科とほかの教科等と連携させた教科等横断的な視点からの学習活動、これが芸術に関する教科とともに、ほかの教科等の学習内容、それぞれ深めることにつながる、結果として双方にとって大変有意義なことだと考えております。
 こうしたことからも、初等中等教育における教育課程に関する行政は一体的に推進することが求められるために、文化庁で教育課程に関する業務を行う教科調査官等は初等中等教育局にも併任発令を行うなど、組織的な体制整備も図りながら教育課程行政を進めていくことにしているところでございます。
 今後、学校における芸術に関する教育については、文化庁の持つ文化芸術振興施策の知見ですとか芸術関係者とのネットワーク等々、こういうものも生かしながら、初等中等教育局が総合的な調整を図るということになっております。
#65
○大島九州男君 それをしっかり連携をしていただいて、いい教育をやっていただければと思います。
 本会議では、文化庁のネットワークを生かして学校教育の充実を図るという答弁がありましたけれども、どのような形で具体的に実現していくんでしょうか。
#66
○国務大臣(林芳正君) 今の制度においては、子供たちに対する文化芸術の普及や文化芸術活動の振興、トップレベルの芸術家育成、これは文化庁が担当しておるわけでございますが、この文化庁の持つ文化芸術振興施策の知見とか、こういうことをずっと担当してきておりますので、いろんな芸術関係者等々との皆さんとのネットワーク、こういうものがございますので、これを学校教育において今まで以上に活用すべきとの課題が指摘をされてきたところでございますので、この法案による業務の移管に際しましては、文部科学省本省と十分な連携協力体制を確保しつつ、例えば芸術関係の団体などと連携して教員等を対象とした質の高い研修の更なる充実を図ったり、また博物館等の関係機関と連携しまして学芸員等の皆さんの参画を得ながら体験プログラムを実施するなど、様々な方策を検討してまいりたいと考えております。
#67
○大島九州男君 文化庁に博物館行政が今度移管されるというふうになりますが、文化庁として博物館をどのように振興、支援をしていくのか、お聞かせください。
#68
○国務大臣(林芳正君) 博物館は、様々な資料を収集、保管、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供して、その教養等に資するために必要な事業を行う施設と、こういうふうにされておるところでございまして、この法案において博物館法を含む博物館全般に関することを文化庁に移管することで、こうした役割や機能に加えまして、学校教育ですとか観光など多様なニーズに応えられるように、全ての博物館を対象にして、博物館と観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業等との有機的な連携を図った地域の特色ある取組を支援したり、全ての分野の博物館の学芸員を対象とした管理運営に関する研修を実施してまいりたいと、そういうふうに思っております。
 こうした取組を通じて、社会のニーズに応じた博物館づくり、これを推進してまいりたいと考えております。
#69
○大島九州男君 博物館においては、学校教育や地域、社会教育との連携というものが当然大事になりますし、本会議では国の文化予算の充実についてということでお伺いをしました。地方の文化行政も重要であります。そういった予算、そういった地域との連携というのをしっかりとしていただいて進めていただきたいということを要望しながら、なぜ京都なのかと。
 先日から、京都といえば漢字検定協会。
 皆さん、この間、委員会で理事長が、冒頭にお亡くなりになった職員のことを私が質問したら、そのときに彼は何と言ったかといったら、いや、そういうことは私は知りませんと、そういうふうにおっしゃって、それで、聞きもしないのに最後の最後、いや、その自殺された方というのは漢検を退職された後で自殺されていますと。そして前の理事長の親子と非常に親しく、名古屋で単身で仕事をしていた、当時私はおりませんでしたと。そして、まあ委員会でそういうことを言うとは私は耳を疑いましたけど、死人に口なしとおっしゃったんですよ。そういうことを委員会でおっしゃって、私、それ、だから調べたんですよ。そうしたら、その亡くなられた方が退職した平成二十一年十二月十五日においてあの理事長は漢検の常勤の有給理事として勤務して、陳述書が提出された平成二十四年一月五日及び亡くなった平成二十六年六月二十六日当時は代表理事として勤務されていたんですよ。だから、私はおりませんでした、委員会の中で知りませんと言い、最後は知っていたと、もうまさにこれは虚偽じゃないですか。
 はっきりこれは虚偽だというふうに私は認識するんですが、内閣府副大臣、このことだけ、副大臣、私が言っている事実関係をこれ聞いたら、うそだというのは、委員会で言っていることですから、これ。それ、副大臣、どういうふうに、私が言っていることは事実でありますけれども、どう受け取りますか。
#70
○政府参考人(相馬清貴君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の点につきまして、公益財団法人日本漢字能力検定協会に確認したところ、陳述書につきましては、協会と協会の元副理事長であった大久保浩との訴訟において、大久保浩ら側から裁判所に提出されたものであるが、当該訴訟の中では大量の証拠書類が裁判所に提出されており、高坂理事長はこれらの書類を逐一確認していたわけではないと言っております。
 また、委員御指摘の方が協会に在籍中に高坂理事長が協会の理事に就任していたことは事実であるが、非常勤の理事であり、常勤で働いていたわけではない、このため、高坂理事長は当時在籍していた全ての職員を把握していたわけではなく、その方と面識もなく、またその方が退職したことも承知していなかったというふうに言っております。
 以上でございます。
#71
○大島九州男君 あのね、あなたね、聞いてもいないのに答弁しているけど、私が今言っていることと全然違うでしょう。委員会で言ったんだからね、彼は。知らないと、最初に。そして最後、知っていたんじゃないですか。これは事実でしょうが。それが事実なんだよ。
 あなたの言っているのは向こうの伝聞でしょうが。いかにもそれを事実のようなことを言うというのは、委員会を冒涜しているんだよ。
 副大臣、どうですか。
#72
○副大臣(田中良生君) 今、事実関係において参考人から答弁をさせていただきました。それ以外の協会側との関係に関しては、今確認を取ったということで、この答弁をさせていただいた、それ以外の件に関しては事実関係はまだ状況としては分かりかねるということで、コメントは控えさせていただきたいと思っています。
#73
○大島九州男君 いや、だから、これ事実また確認しますよ。
 あの漢検の理事長は、常勤の有給理事として勤務していたという、私はそういう認識ですから。だから、これは確認して、事実と違っていたらまたこれははっきりとさせていただきますよ。
 今回の私は一番問題にしたいところは何かといえば、高坂さんというあの理事長は、はっきり言って、細かいことは私は御存じないと、自分もそういうふうに認識をしていました。だから、当然そこの専務理事さんや事務局の人が答弁を作って、最初こういう形の答弁してくださいと、だからこういう質問があったら知らないと言ってくださいと言ったんだと思いますよ。だから冒頭にそうおっしゃったと。しかし、いろいろ議論を聞いていると、ああ、これはちょっと言っておかなきゃいけぬなというので、最後、私が質問していないのに自分からお話しになったんだから。
 そして、私はそのことを、もう時間がないから質問ができないので、次回、一般質疑のときにおいでいただきたいというお願いを、この委員会を通じて、そしてまた内閣府さんにも質問通告の中でお願いをしたら、返ってきたその回答は、いや、忙しくて日程が合いませんと言うなら、ああそうですか、またじゃ後日と言うんですが、十分この間の委員会で説明は尽くしたと、だからこれ以上説明することはありませんと、だから委員会には行きませんという回答だというのを私は委員会から、要請したところから聞きましたけれども。
 そういうことがあるのかと。私が聞いた質問に虚偽の答弁をしたことはあの委員会の議事録を見ればはっきりするわけで、そしてそれを、うそを言ってそのまま尻切れとんぼで、で、もう一度それ聞きたいからおいでくださいと言ったら、もうそれは十分説明したと。
 こんなことで、内閣府、公益財団法人としての指導はどうなっているんですか。これは委員会できっちり発言したことですからね。私が個人的に話したわけじゃないんですから。これどういう指導をするんですか、内閣府。
#74
○政府参考人(相馬清貴君) 私ども公益認定等委員会といたしましては、公益法人の公益目的事業の適切な運営のために、随時、監督等の手段を用いて、その活動についてチェックを行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、公益法人が公益目的事業を適切に執行できるよう、引き続き指導をしてまいりたいと思います。
#75
○大島九州男君 だから、基本的に、私が言っている質問は、委員会で公益財団法人の理事長たる人が、誰が聞いても、それはうそだろうと、あなたが言っていたのは最初何なのと、それはうそですかと。じゃ、そこで訂正しますと、いや、勘違いでしたから答弁を訂正しますと言って発言したのは分かりますよ。私は知りません、そしてなおかつ知っていることを最後言い、じゃ、その説明が聞きたいからおいでくださいと言ったら、十分説明を果たしたんだから来ないと。
 私が言っているのは、この委員会での話ですよ。公益法人として漢検がその事業をどうされているかということを問うているわけじゃないじゃないですか。私は、この委員会で言ったうそに対してその説明を求めているんですよ、副大臣。副大臣、政治家として、内閣府、自分が所管する公益の財団法人の理事長が委員会でうそを言ったことを認めるんですか。
#76
○副大臣(田中良生君) 冒頭の協会の中でどういう形で答弁をするかしないかと、これが動いたということを御指摘だと思いますから、その協会内のやり取りに関しては承知はするものではありません。
 公益法人、もちろん担当する所管でありますので、適切な指導監督は努めているところでありますが、いずれにしても、参考人招致という件に関しては、国会の運営でありますので、これは国会でお決めになることでありまして、内閣府副大臣としてはコメントする立場にはございません。
#77
○大島九州男君 適切な指導というのはどういう指導のことをおっしゃっているんでしょうか。
#78
○副大臣(田中良生君) 今委員の方から御指摘があった答弁の食い違いという部分に関して、御指摘の件に関しては、この漢検協会の方に確認をしてまいりたいと思います。
#79
○大島九州男君 これちょっと委員長、お願いなんですが、この委員会で言った発言に対しての私は疑義を説明を求めているわけですから、私個人というよりは、委員会として漢検にその説明を求めるということで、参考人に是非来ていただきたいということを委員会から要請していただきたいんですが、よろしくお願いします。
#80
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議させていただきます。
#81
○大島九州男君 ありがとうございます。
 委員会というこの正式な場で言ったことは議事録にもきっちり残っていますからね。だから、私が言いたいのは、その中で、漢検でどういう議論をやっていて、それを、どういう答弁をしたかどうかということは僕の推測でしかありませんから。まさに、この委員会で言った事実だけを私は捉えて言っている。まさに、これは説明する必要があるんです、理事長は、自分の発言ですから。
 だから、そういう発言をしっかり説明をしていただく、この委員会に来ていただく。そして、漢検については元々昔からいろんな問題があるわけでありますから、第三者委員会を立ててしっかり検証したものを報告してもらうと。私が言っているのは極めてまともなお話でございますから。
 内閣府が適切な指導をすると言うならば、それは所管する内閣府として、公益である財団法人に客観的な検証をして報告しなさいと、そういうことを指導するのが内閣府として正しい指導だというふうに私は受け止めておりますので、もし答弁があるなら、答弁聞いて質問を終わります。
#82
○政府参考人(相馬清貴君) ただいまの委員の御指摘も踏まえて、漢字検定協会の方とは話をしてみたいと思います。
#83
○大島九州男君 終わります。
#84
○神本美恵子君 立憲民主党・民友会の神本美恵子でございます。
 昨日は、本会議で大臣にも御答弁を割と丁寧にいただきましたので、今日は少しそれにまた付け加えた形での質問をさせていただきたいと思っております。
 ただ、ちょっと通告が間に合わなくて、やっていないことを冒頭やりたいんですが、昨日、加計学園問題について御質問をしましたところ、今朝、議事録が届いたものですから、議事録でいろいろ確認をしましたら、私は、やっぱり加計学園の渡邉事務局長が実は総理との会談はやっていないんだと、事実ではない、でっち上げて今治市や愛媛県に説明をしたというふうにおっしゃったことについて、これは私学助成を停止する要件になるのではないかということを昨日の本会議でも質問させていただきました。そうしましたら、国家戦略特区のプロセスが適切な手続を経ている前提で加計学園からの申請を受け付け、審査が行われて、設置を可とする答申をしたというふうに大臣はおっしゃいました。確かにそのとおりでありますけれども、その国家戦略特区のプロセスというところに疑義が出ている、これは文科省と直接関係ありません、内閣府の方ですが。
 そこで、総理が会ったことはないと答弁されているので、林大臣もそのとおり考えておりますというふうに昨日御答弁されました。それはそれでいいんですけれども、この答弁のその後に、私学助成の停止に関しては、法令等に照らして個別に判断されるものであることから、過去の事例も踏まえながら、適切に対処してまいりますというふうに御答弁がありました。
 実は、昨日夕方、立憲民主の部会で、これはアメフト問題で私学助成のところの説明を受けたんですけれども、その説明の中で、不交付や補助金の減額の事由、不交付事由、減額事由になるものはどんなものがあるかということで御説明を聞きましたら、私立大学等経常費補助金交付要綱というのがあって、減額又は不交付の事由及び措置、第三条、事業団は、学校法人等が次の各号に該当する場合には、減額して交付又は全額を交付しないというようなことで、十二項目その中にあるんですね。その七項目の中に、七番目に偽りその他不正の手段により設置認可を受けたものというふうにあります、偽りその他の不正の手段により設置認可を受けたもの。
 この加計学園の事務局長が申請をするときに、偽りを言った、これは大学、今回の設置審議会がするときに偽ったわけではありませんけれども、加計学園のこれまでの私学助成もありますので、こういう偽りを学校法人がやっているということについて、先ほど本会議で答弁されたように法令に照らして個別に判断されるものであるので、過去の事例も踏まえながら、適切に対処すると大臣おっしゃっていますから、この要綱に基づく偽りというところに当たるのか当たらないのか、過去の事例にも当たってもらいながら是非これは見ていただきたいと思うんですが、大臣、通告していないので申し訳ないですけれども、いかがですか。
#85
○国務大臣(林芳正君) 本会議で答弁したこと、今先生がお触れになっていただいたとおりでございまして、また、どういう場合にそういう事例があったかというのも、今お触れいただいたように、過去いろんな例があるわけでございます。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
 この偽りその他不正の行為があったものというのは、例えば本基準、文科省と認可申請者との間で認可申請書等の虚偽記載や不正の行為などがあったかどうかと、こういう観点で定められているものというふうに承知をしておりますので、先ほどの本会議の答弁のように法令等に照らして個別に判断されるということで、その法令というのはそういう考え方でございますので、そういうことである法令に照らして、過去の事例も踏まえながら対処をしてまいるというのが考え方でございます。
#86
○神本美恵子君 文科省との間で偽りの申請があったかどうかということというふうに今御答弁をされましたが、この渡邉事務局長がおっしゃったことが本当なのか偽りなのか、はっきりしないんですよね。大臣は、総理がおっしゃっているから、渡邉事務局長が偽りを言ったということを、多分そう思っていらっしゃると思うんですが。
 国民の間では、私自身も、えっ、どっちが本当なのと分からないので、是非私はこの委員会で、加計学園渡邉事務局長に来ていただいて、なぜそういう、もしでっち上げなら、なぜそういうことをしたのかというようなことを、その場でふと思い付いたという、会見でおっしゃっていることはどうも腑に落ちませんので、是非この委員会に渡邉事務局長来ていただいて、そこを明確にすべきではないかというふうに思いますので、委員長、お取り計らいお願いします。
#87
○理事(大野泰正君) 後刻理事会において協議いたします。
#88
○神本美恵子君 それでは、法案について質問をしたいと思います。
 これもしっかりと答弁をいただいた点もあるんですけれども、まず、先ほどから出ていますが、文化庁を京都に移転することのメリットあるいはデメリット、またなぜ京都なのかということも繰り返し質問が出されておりますけれども、昨日の答弁でも、文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都に移転することによって観光振興や外国人観光客向けの効果的な文化発信、生活文化の振興などができる、これをほかの地方にも波及させたり地方文化の掘り起こしなどが期待できるから京都だというふうな御説明があっております。
 私も昨日からずっと繰り返し本会議でも質問しましたけれども、もちろん稼ぐ文化というような考え方を全部否定するわけではありません。結果的に経済波及効果が起きる、あるいは新たな文化財発掘、地方文化の発掘、磨きにこれが寄与するということは全否定するものではありませんけれども、そこに着目し過ぎる、そこに特化し過ぎるがために、文化芸術全般のこれまで文化庁が担っている行政がそっちに偏り過ぎるのではないかという懸念をずっと持ち続けておりますので、この京都に移転することによって、そういう特色を持った京都に移転することによって、幅広い分野の、例えば実演芸術、芸能、映画、漫画、アニメなどのメディア芸術とか、演劇、音楽、舞踊、それから美術工芸など、本当に幅広い、文化といえば定義も大臣にはしっかりと本会議で説明をしていただきましたけれども、そういう幅広い分野の文化芸術政策がおろそかになるのではないかということを懸念しておりますけれども、そうではないということをしっかりと御答弁をお願いしたいと思います。
#89
○国務大臣(林芳正君) 文化庁が文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都に移転することによりまして、文化財を活用した観光振興ですとか外国人観光客向けの効果的な文化発信などが期待されておるところでございますが、こうした分野のほかにも、昨年の文化芸術基本法の成立によりまして基本法に新たに食文化が盛り込まれるなど、衣食住の生活文化の振興についても改めて注目をされておるところでございます。
 各府省庁とともに策定をされました文化芸術推進基本計画では生活文化に関する施策も取り上げられているほか、京都の地域文化創生本部においても暮らしの文化という形で幅広い取組が始まっておるところでございます。
 こうした取組については、今回の文化庁の機能強化、それから京都移転に伴って、より現場に近い視点から、これまでの行政の見直しや新たな文化施策へ向けての検討が積み重ねられていく中で生まれてきた新たな動きだと、こういうふうに考えておりまして、京都移転によりこうした動きが更に進むと考えられますが、それは、委員がおっしゃるように、京都だけ伝統文化ということではなくて、例えば地方の目線で政策企画をする、地方創生に立って、実際にその地方でいろんなコミュニケーションを取ることによってそれがまた政策立案に生かされる、こういうことをやることによってこの地方創生の観点に立った文化行政の企画立案能力が向上する、それがひいては全国各地の幅広い地方文化の掘り起こしや磨き上げにつながっていくということも期待できると、こういうふうに考えておるところでございます。
 これと併せて全体の機能強化をすることによって、今先生がおっしゃったようないろんな幅広い文化がございますので、そちらの方もしっかりと、京都移転にとどまらず、この法案を契機として、縦割りを超えた柔軟かつ機動的な取組、新たな領域も含めた積極的な対応など、幅広く文化芸術政策を推進してまいりたいと思っております。
#90
○神本美恵子君 それはそれで安心しましたけれども、是非、私、先ほどから質問を聞いていますと、例えば、地方文化あるいは地方からの発信、そういうものを大事にするという今のお言葉を聞いて、常々私思っているんですが、文化庁ですから、無理かもしれませんけれども、これを省に、文化省にしようという関係団体の方々の熱い思いで、また超党派の議連で、文化振興フォーラムですか、というところでも文化庁を省にしようというような動きもあるんですけれども、例えばほかの、財務省とか最近有名になった財務局がありますよね、あちこちに、とか農政局とか、各省には地方にそういう出先があります。
 私は、こういう文化こそ、全国に本当に様々な固有の文化があるわけですから、特に北海道のアイヌ文化とか沖縄の琉球文化とか東北の文化とか、それぞれの地域にあるそういう文化を掘り起こし、また保存し、活用し、次の文化創造につなげていくという意味では、北海道文化局とか沖縄文化局とか、そういうものを、最初は小さくてもいいですから、是非、林大臣のときに、せっかくこういう新文化庁ということで京都移転をきっかけにされるわけですので、そういうことも考えていただけないかと、まあ壮大なことになるかもしれませんけれども、これも通告していませんけど、大臣、いかがですか。
#91
○国務大臣(林芳正君) 実は私、ここの役所に去年八月に参ったときに、ほかの役所と比べて一つ大きな違いがあるなと思ったのはまさに今委員がおっしゃったところでございまして、例えば農林水産省ですと農政局というのがございます。国土交通省や経産省もそれぞれ局を持っておりますが、文科省の場合はそういう地方の支分部局というのがないというのを、なるほどそうなんだなと、こういうふうに思ったところでございます。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
 この文化省というのは前から議論があるところですが、じゃ、文化省になったからすぐ地方支分部局ができるかと、なかなか省になったから自動的にできるということではないと、こういうふうには思いますが、文化省そのものについては、省庁再編とか大きな枠組みの中で、この全体のことを論じる中で行政改革という趣旨も踏まえながらやるということでございますけれども、今回、文化庁のこの法案で総合調整機能というものが文化庁に来ることによりまして、いろんな分野でほかの省庁と調整をして全体的な文化行政を振興していくと、こういう機能が文化庁に付与されることになりましたので、そういう機能も使いながら、また京都に移転するということで、先ほど申し上げたような地方にあることの強みを生かしていくということをまずはやる中で、そういう少し長めの、大きな目標に向けてこの説得力を増していくということではないのかなと、そういうふうに考えておるところでございます。
#92
○神本美恵子君 通告していた二番目と三番目をちょっと一緒にしたいと思うんですが、お手元に資料として地域文化創生本部、文化庁の資料なんですが、先行実施として昨年四月から京都に設置をされて、こういう取組がされているということなんですが、先ほども御答弁ありましたので、これについては、資料を見ると、やっぱり文化の経済効果分析、文化財を生かした広域文化観光・まちづくりモデルの開発、文化観光拠点の形成など、やっぱり文化をどう活用するかということに特化した先行実施に偏っているのではないかということを私としては指摘したくてこの資料を用意したんですけれども、しかし、国会対応や外交関係、他省庁との連携関係などはこっちに、東京に残すということがこの間の答弁でも出されております。それで、私は、それに加えて、芸術文化関係団体対応というようなのも東京にしっかりと残しておく必要があるのではないかということを思っているんです。
 先日、文化芸術に関わる芸術家や文化人が集う文化芸術推進フォーラムの事務局長という方が、この方は芸団協の参与も兼ねていらっしゃるんですけれども、要請に来られました。
 要請内容は先ほど言いました文化省の創設とか一千億からなかなか増えない文化庁の予算についてしっかり増額してほしいということだったんですが、いろいろやり取りをさせていただいて、今回の京都移転について、文化芸術関係者への意見聴取の機会がこの間設けられなかったと。それは何なんだと思った、その後設けられたかもしれませんけれども、設けられておらず、地方創生の観点からの議論が先行している、文化振興の観点が欠落しているのではないかと。
 私は、思いが全く一緒ですというふうにお話をさせてもらったんですけれども、特に音楽の著作権とか音楽出版、楽譜出版、レコード協会、音楽作家協会など音楽関係団体の方たちから出されている、著作権行政に関連する機能が中央から分離されて京都に移転した場合、停滞を招くのではないかというような懸念も紹介をされておりますけれども、こういう芸術文化関係団体の対応や著作権行政といったようなものも東京にその機能を残す必要があるのではないかというふうに思いますけど、いかがでしょうか。
#93
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました日本芸能実演家団体協議会などの団体からの要望等を踏まえまして、昨年七月の文化庁移転協議会の取りまとめで示されておりますように、東京で行うことが必要な団体対応等の業務については本格移転後も東京に担当部署を残すことを予定をしておるところでございます。今先生からお話のありました著作権行政等についてもこれまでどおり東京で行うということとなりますので、こういった御懸念の点については基本的には対応できているのかなというふうに考えておるところでございます。
 文化芸術に関係する多くの皆様いらっしゃいますので、連携をしっかり密にしながら、文化庁移転を契機としてこの文化行政が更に強化されますように取組を進めてまいりたいと思っております。
#94
○神本美恵子君 こういう文化芸術に関する関係団体の方々の意見というのは、政策を立案したり実行したりしていく上では、本当担い手ですから、非常に重要なことだと思うんですね。どうもこの間の経緯を見ると、そういうところから意見を聞いていないということに私も驚いたんですけれども、これからもその機能をどのように中央でこれからも継続していくのかというようなことも含めて是非意見を聞いていただきたいとお願いしておきたいと思います。
 それから次に、芸術教科に関するものなんですけれども、今回、文化庁に教育課程の中で芸術教科に関わるものは移管されるということは今回の改正の中に入っていますけれども、昨日も質問の中で聞きましたが、音楽や美術、小学校、中学校のこういういわゆる芸術教科と言われるものの時間が減っている、年間の授業時数が減っている。これは学校五日制との関係で、別に減っているのは軽視しているわけではないというふうに答弁をいただいたんですけれども、これは、ちょっともう時間が余りありませんので、何時間ぐらいこの間減ってきたのかということについて、美術、音楽についてちょっと御紹介いただけますか。
#95
○政府参考人(高橋道和君) 小学校及び図画工作の授業時数については、平成元年改訂の学習指導要領ではそれぞれ四百十八時間でございました。これは、今委員御指摘ありましたように、平成十年改訂、このときに学校週五日制で土曜日の授業時数分が減ったことと総合的な学習の時間が創設されたことによりまして各教科が押しなべて減りまして、その中でこの音楽、図画工作も三百五十八時間となっております。その後の二十年改訂、二十九年改訂ではこの三百五十八時間が維持をされております。
 ちなみに、中学校の場合は音楽と美術になりますが、平成元年には百四十から百七十五時間でございましたが、これも平成十年改訂で百十五時間になりまして、その後、二十年改訂、二十九年改訂では百十五時間が維持されていると、こういう状況でございます。
#96
○神本美恵子君 今聞いていただいたように、授業時数が減っているのは軽視していることではないけれども、しかし、学校現場はそのことによってどんな影響を受けているかということをお手元の資料の二枚目に新聞記事を挙げておりますけれども。
 これ、私も出身の福岡でちょっと残念なんですけれども、福岡県内の複数の中学校が技術や美術の先生がゼロのまま新学期を迎えていると。なぜこんなことになっているかというと、授業時数が今紹介していただいたように少なくなっている、そのために非正規雇用で賄っている。そうすると、非正規だと給与も正規とは全然違いますので、なり手が敬遠する。そこで先生が足りない。これはここ数年慢性化しているというようなことで、これは技術の先生。三段落目ですが、別の中学校も美術の教員が不在して、退職者などのつてで見付けたけれども、その先生は教員免許の期限が切れていた。免許更新制ですよ。こんなのは本当に困りますが、本人は失効を知らなかったというようなことで、更新まで一か月以上待った。そのために、そこでは美術の授業を始めたのは六月頃になって、期末試験を遅らせたけど採点が間に合わず、一学期の生徒の通知表は美術の評価は空白だった。これってもしかしたら学習指導要領違反みたいなことに厳しい県教委は言いそうな気もするんですけれども、こういう状況でですね。
 もう一つは、私もこれは実際、中学校の先生から聞いたんですが、小規模校に勤めていると、それは大分県の姫島とかいうところ、島があるんですが、島と本土と掛け持ち、学校を掛け持ちの美術の先生がいらっしゃるというような、こういう状況も出ている中で、今回、芸術教科を重視するというか、文化庁に移動してやるのは分かるんですけれども、こういう現実を考えた上で、芸術教科を充実、改善していきたいということはどのようにやっていかれるおつもりですか。
#97
○国務大臣(林芳正君) 学習指導要領においては、教育基本法等を踏まえまして、知徳体のバランスの取れた生きる力を育むことを目指しまして、おおむね十年ごとに改訂を行っておりますが、その改訂に当たっては、子供たちの現状や課題を分析するとともに、これから子供たちが生きていく将来の社会を見据えて各教科等の学習内容について必要な見直しを行い、それに要する授業時数を決めておるところでございます。
 この時数について先ほど局長が答弁したとおりでございますが、音楽の良さとか楽しさを表現したり鑑賞したり、造形的な創造活動の楽しさを感じることができるようにするとともに、音楽や美術文化に関心を持って生涯にわたり芸術文化に親しむことができるよう充実を図ってきたところでございます。
 また、学習指導要領においては、学校行事において文化や芸術に親しむ活動を行うこととするとともに、各学校の判断によって総合的な学習の時間において伝統と文化など地域や学校の特色に応じた課題を取り上げるなど、様々な機会を通して文化や芸術に触れる機会を設けると、こういうことを可能としておるところでございます。
 今後、文化庁の知見やネットワーク等を生かしながら、芸術に関する教育の一層の推進に向けて取り組んでまいらなければならないと考えております。
#98
○神本美恵子君 たくさん通告していたんですが、もう時間が迫っていますので、最後に、新聞記事、これも三枚目お配りしておりますけれども。先日、私も大変うれしかったんですが、カンヌ映画祭のパルムドール賞を取られた是枝監督、テレビ等で紹介を受けて、もうこれ六月に上映始まったようですけれど、是非見に行きたいなと思っています。
 ところが、このカンヌ映画祭についてフランスのフィガロ紙がいろいろ、何なんだというような、この記事を読んでいただくと分かると思いますが、ネット上でもかなりこれは話題になっております。つまり、安倍総理がクールジャパン発信ということでいろんなことをおっしゃっていますし、それから、国際的な様々なスポーツや文化の賞を受けた人には国民栄誉賞をあげたり、先般は、フィギュアスケートの金メダル取った羽生選手とか、それから、ノーベル賞で、日本国籍ではないけれども、カズオ・イシグロ氏に電話で祝福をしたとか、この前はザギトワ選手に秋田犬を贈呈するところにまで立ち会ったという、そういういろんなことがあるんですが、不思議なことに是枝監督には祝意を示されていない、そしてまた、昨年のノーベル平和賞を受賞したICANという核兵器廃絶国際キャンペーンの団体にコメントはしないというふうな、まあ大変分かりやすいといえば分かりやすいんですが、好きな人だけお祝いをするというような、これは本当に私はいかがなものかと思いますが、文科大臣はこの是枝監督への祝意はどのような形で表されましたか。
#99
○国務大臣(林芳正君) 第七十一回のカンヌ国際映画祭において、是枝裕和監督作品の「万引き家族」、最高賞であるパルムドール賞を受賞したことは誠に喜ばしいことであり、世界的にも高い評価を受けたということは大変誇らしいと思っております。是枝監督のこれまでの取組に対して心から敬意を表したいと思っております。
 映画は我が国が誇る文化芸術でありまして、この受賞も契機として更に多くのすばらしい映画が作られて、海外に発信していきまして、文化芸術立国につなげていくことが大切であると、こういうふうに考えております。
 文科省においては、日本映画の振興のために、映画制作への支援や海外映画祭への出品支援、若手映画作家の育成など取り組んできたところでございますが、引き続きすばらしい映画が制作される環境をつくるために、今後とも施策の充実に努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 文科省としては、是枝監督に対して、平成二十五年でございますが、芸術選奨の映画部門におきまして、このときは「そして父になる」ということに対してでございますが、文部科学大臣賞を授与しております。この芸術選奨文部科学大臣賞は文部科学省におきましては現行の顕彰制度におきまして最高の表彰ということで、是枝監督に対しては最大の評価をしておると、こういうことでございます。
#100
○神本美恵子君 どうも今の御答弁では、今回、例えば文科省に、声を掛けて直接会って祝意を述べる、そういうことが文化の中でも、この映画に携わっている人たちにどれだけ大きな、何というか、激励になることかと思いますので、是非呼んでいただきたいと思います。
 私、一年間、短く、政務官やらせていただいたときには、ちょうど山中伸弥先生がノーベル賞を受賞されたときだったり、オリンピックも、ロンドン・オリンピックがあったときでしたので、そういう方々を大臣のところに招いて、みんなで祝意を述べながら激励をしたという思いがありますので、是非近いうちに、まず、大臣、祝意を述べていただきたいというのと、総理にちゃんとやりなさいということを言っていただきたいということをお願いをしまして質問を終わりますが、大臣、いかがですか。
#101
○国務大臣(林芳正君) 大変いいアイデアをいただきましたので、是枝監督、来ていただけるかどうかは分かりませんが、お呼びかけは私の方からいたしたいと思っております。
#102
○神本美恵子君 ありがとうございます。終わります。
#103
○委員長(高階恵美子君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#104
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。
    ─────────────
#105
○委員長(高階恵美子君) 休憩前に引き続き、文部科学省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 昨日に引き続き、法案について伺いたいと思います。
 まず最初に、文化政策の振興について大臣に伺いたいと思います。
 大臣は、昨日の本会議で、観光や町づくりなどの分野と連携し、文化の経済的価値を高めていくような施策を推進していく旨を述べられました。文化芸術基本法では、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有すると書かれております。文化が持つ固有の価値というのは、つまりは経済的価値だけではないはずで、経済的価値以外の価値についても政策の振興に当たっては尊重していくと、そういうことでよろしいでしょうか。
#107
○国務大臣(林芳正君) 昨日の本会議では、観光や産業などの分野と連携し、文化の経済的価値を高めていくような施策の推進を図るだけでなく、あわせて、国際交流や福祉、教育などの分野との連携によって、国際貢献や共生社会の実現、次世代育成など、様々な社会的価値をもたらす取組も進めていく必要があると、こういうふうに答弁をさせていただいております。
 文化芸術基本法では、その前文におきまして、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとされておりまして、また、基本理念においても、文化芸術に関する施策の推進に当たっては、多様な文化芸術の保護及び発展が図られなければならないことなどが示されております。文化庁の今後の文化政策の展開に当たっては、今先生から御指摘がありましたように、文化の様々な価値を尊重し、幅広い文化芸術の充実を図ることが重要だと考えております。
 今後とも、文化芸術基本法の理念、またそこで示されている文化の様々な価値を踏まえ、文化芸術立国の実現に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
#108
○吉良よし子君 多様な芸術を保護する、幅広い文化芸術をというお話がありました。
 ただ、おととい公表された骨太方針二〇一八の原案見てみますと、その中には、やはり稼ぐ文化という言葉があり、稼ぐ文化への展開、文化芸術産業の育成などにより文化産業の経済規模の拡大とか文化分野における民間資金、先端技術の活用などと、やはり文化の経済的価値ばかりが強調されているのが見受けられます。そういうところを見ると、やはり安倍政権の文化政策というのは、経済政策に文化芸術を利用するというものだと言わざるを得ないんじゃないかと思います。
 改めて、時の政権の政策を優先して表現の自由とか文化芸術を行う者の自主性損なうことはあってはならないということを強く申し上げまして、次に、博物館の所管を文化庁に移管することに関わって伺います。
 昨日も申し上げましたけど、本法案では、博物館に関する事務を文化庁に移管する、博物館の更なる振興を図るということですけれども、じゃ、この更なる振興とは何かという私の昨日の質問に対して大臣は、博物館法第二条を引いて、資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養等に資するために必要な事業を行う施設と答えました。
 ただ、お配りした資料を見ていただきたいんですけれども、この章には、その後に、あわせてこれら資料に関する調査研究をすることを目的とする機関ということも書かれているわけです。この部分も博物館含めた社会教育施設に課された重要な使命だと思いますが、もちろんこの調査研究も振興を図るべき対象ということでよろしいでしょうか。
#109
○国務大臣(林芳正君) 今委員からおっしゃっていただいたとおり、この博物館法二条におきましては、博物館とは、資料を収集、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究を行う施設と、こうされておりますので、委員御指摘の資料に関する調査研究を行うことも博物館の目的に含まれていると認識しております。
#110
○吉良よし子君 調査研究も含まれているということでした。
 ちなみに、お配りした資料には含まれていないんですけれども、社会教育法第三条では、国と自治体に対して、全ての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めることを求めているわけですから、博物館のみに課された資料の調査研究という目的は、この実際生活に即する文化的教養を高め得る環境の醸成に欠かせないんだということを私強く申し上げたいと思います。
 そして、もう一点、次伺いたいのが、博物館法第四条、学芸員のところなんです。この博物館に専門職として学芸員を置くことを定めているわけですけれども、四条で。その学芸員というのは、博物館の職員というわけではなくて、資料の収集や保管、展示、調査研究などの専門的事項をつかさどるとされているわけです。
 ところが、昨日の本会議で大臣は、全ての分野の学芸員に管理と運営に関わる研修を実施するということを明言されました。また、大臣、繰り返し観光等の連携ということも口にされているわけですけれども、二〇一六年に出された明日の日本を支える観光ビジョンの中では、文化財の観光資源としての開花と書かれた項で、学芸員や文化財保護担当者に向けて観光振興に関する講座の新設を行うということも書かれております。
 なぜこうした研修が必要なのかと。博物館法のうたう学芸員の本務に加えて、管理運営とか観光振興を担わせることが博物館の更なる振興ということになるというお考えなのか、お答えください。
#111
○国務大臣(林芳正君) 学芸員は、博物館法第四条におきまして、学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業についての専門的事項をつかさどる専門的職員とされております。
 また、博物館は、資料を収集、保管、展示、調査研究し、来館者の学習やレクリエーション等に資するために必要な事業を行う施設とされておりまして、例えば来館者の関心に配慮した資料選定や国籍に配慮した多言語化を工夫するなど、観光客を含む多様な来館者のニーズに応える環境づくりという観点に立ちまして学芸員が職務を果たしていくことも重要であると、こういうふうに認識をしております。
 こうした趣旨から、文部科学省としては、各博物館から希望のあった学芸員を対象に、博物館の管理運営、博物館における教育普及、文化財などの資料の収集、保管、展示、調査研究などに必要な研修を行い、社会のニーズに応じた博物館づくりを推進してまいりたいと思っております。
#112
○吉良よし子君 社会のニーズに応えるためという御答弁だったと思いますが、先ほど、希望のあった者にということはありました。
 ここで一点確認しますけれども、先ほどの観光振興について学ぶ講座とか博物館の管理運営に係る研修というのは、学芸員全てに必修化、強制するということを考えているのかどうか、その点お答えください。
#113
○国務大臣(林芳正君) 先ほど少し触れましたように、文部科学省としては、各博物館から希望のあった学芸員を対象に、多様な来館者の視点に立った博物館の管理運営の研修を実施し、社会のニーズに応じた博物館づくりを推進してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#114
○吉良よし子君 希望のあったということでしたけれども、私も学芸員自らの意思でこうした研修や講座を受けることまで否定するものではありません。しかし、あくまでも学芸員の本務は資料の収集や保存と調査研究だと思うんですね。
 昨年五月、NHKニュース「おはよう日本」で報じられた博物館への取材に応えた北九州市立いのちのたび博物館の館長はこのように話しているんです。資料を集め、保存してデータベースを作る、そして研究する、その結果を含め資料を展示して、皆さんに楽しんでいただく、この四つのパターンがうまく回ればいい線に行くと言っていると。実際、この博物館では地元の生物の標本や歴史資料などを展示しているわけですが、年間五十万人が訪れる人気の博物館だということなんです。
 そういう博物館で館長が力を入れているのが、観光振興の研修とかということではなくて、やはり学芸員の本務に基づく活動にこそ力を入れていると。それが功を奏して五十万人という結果に結んでいるというところを見れば、研修必修化とか押し付けとかではなくて、やはり本務を支えるということが何よりも重要だということを私強く申し上げたいと思うんです。
 また、都内の美術館で働くある学芸員の方もおっしゃっていたんですけれども、やはり本務のほかに社会教育施設としての美術館の役割も重視して働いていらっしゃるという。学芸員としては、そのときの流行だけでなく、自分たちの研究や発見を生かし、さらに来館者の記憶に残る展覧会を開きたいという気持ちがあると、それが学芸員の腕の見せどころだということもお話しされていたわけです。
 そういう意味では、学芸員が自らの知見や調査研究活動に裏打ちされた自由な発想で事業を行えるようにすることこそが社会教育施設としての博物館の更なる振興ということになるのではないかと。今すべきなのは、そうした自らの知見、専門性を発揮した調査研究活動に学芸員の皆さんが当たれるよう、また地域住民に対して自らの研究成果などを還元するなどの事業がちゃんと行えるように博物館の予算を増額すること、そして活動にふさわしい学芸員の増員、配置、これが必要だと思うんですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(林芳正君) 我が国の博物館は、歴史、芸術、自然科学等に関する資料を収集、保管をして展示等を行う本来の役割や機能に加えて、地域の文化振興の拠点となることが期待をされておるところでございます。
 この法案におきまして、博物館法を含む博物館全般に関することを文化庁に移管しまして、地域の多様なニーズに応えられますように、全ての博物館を対象に、地域における標本や文化財などの博物館資料の調査研究、展示などで特色のある取組を支援するとともに、全ての分野の博物館の学芸員を対象とした資料の収集、保管、展示、調査研究などに必要な研修を実施してまいりたいと思っております。
 あわせて、文部科学省としては、地域の文化振興の拠点としての博物館の中核を担う学芸員の体制や学芸員の更なる資質向上等の在り方について、博物館関係者からの意見を丁寧に聞きつつ、必要な施策の検討を行い、改善に取り組んでまいりたいと考えております。
#116
○吉良よし子君 必要な施策の検討とおっしゃいますけど、やはり予算と人手は欠かせないと思うんです。
 先ほどのNHKが全国の博物館に行ったアンケートの結果を報じているものによると、収蔵品の修復や劣化防止対策について、必要な数が把握できていない、作業の予定が立っていないと回答した施設が多かったという、その背景には人手と予算が不足しているという話があるわけです。浜松市の博物館では、収蔵庫の確保に苦慮していると。というのは、その間、地域の様々な博物館の統廃合が相次いでいて、もうこの浜松市立の博物館に全部その収蔵品が集まっていると。その場所が、博物館内に置けないので仮置場というのを市内に十三か所も配置していて、車でも二時間掛かるような場所に置いてあると。僅か五人の学芸員がその収蔵施設の見回りを行い、資料の調査や整理、そして展示、そして教育と山積みの業務を切り盛りしているという。もう本当こうした事態の中で、学芸員が頑張って成果を上げていくということもできるが、今の状況はあらゆる意味で限界を超えていると専門家の方が指摘しているわけです。
 こういう状況の改善、解消こそ文科省の責任で今行うべきと思いますが、大臣、いかがですか。
#117
○国務大臣(林芳正君) 先ほど先生からお話がありましたように、現場、これはどういう、それぞれの博物館が国立であるのか地方の公共団体立であるのか、いろんな、ケース・バイ・ケースだと思いますが、我々、先ほど申し上げたような施策を行いながら、しっかりと現場で学芸員の皆様中心にこの活動ができますようにこの施策の推進に努めてまいりたいと思いますし、国の予算に関しては、しっかりと予算を確保してこの文化政策の推進に当たってまいりたいと思っております。
#118
○吉良よし子君 予算を確保してというお話ありましたけど、本当に今の現状では足りていないという、そういう声があるわけですから、やっぱりちゃんとやっていただきたいし、やはり、私、そういう中で、博物館を社会教育から外してしまうというところに対しては本当に懸念があるわけです。しかも、社会教育課もなくしていくという話もある。
 昨日、大臣、社会教育に対するニーズ高まっているとおっしゃっていましたけど、であれば、やはり社会教育課というのはちゃんと残しておくべきだったと私は強く言いたいと思いますし、その廃止はやめるべきであるということも申し上げまして、今日は時間がないので、これにて質問を終わらせていただきます。
#119
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず学校教育について伺いたいと思います。
 文化庁はこれまで本格的なトップレベルの芸術活動に取り組んでまいりました。そういった中で、今回、芸術に関する教育基準設定という新たな役割に対しまして、特にこの学校教育における芸術について、学習指導要領や教科書、それから教材といったものについても文化庁がリーダーシップを発揮することでどのような文化芸術教育を推進されるのか、大臣、今後の具体的な取組方針について教えていただけますでしょうか。
#120
○国務大臣(林芳正君) この芸術教育を今度は文化庁が所管をすることになると、こういうことでございますので、もちろん教育全般は初中局でやるという全体的な視点はありますが、やはり文化庁がやるということによって、文化庁がこれまでこの文化行政を行うことによって培ってまいりましたいろんな見識ですとか、それからそれをやってきたことによるネットワーク、こういうものがありますので、こういうものを最大限に生かしてこの教育に当たっていけたらと、こういうふうに思っております。
 例えば、芸術団体の方といろいろとネットワークを使って協力しながら、現場にもそういう方がいろんな意味でサポートしていただけるようなことをやってみるとか、いろんなことが考えられると考えておりまして、そういう意味で、この所管の移替えを契機にして、効果が上がるような施策をしっかりと推進してまいりたいと思っております。
#121
○高木かおり君 様々、文化庁に関わるいろんなネットワークを使って推進していくという御答弁ございましたけれども、今後この教育分野に関わることで、やはり高いレベルの芸術家を若いうちから育てていく環境ですとか、専門的な芸術家だけではなくて、広く若い世代に対してもこの芸術的な感性豊かな、そういった人材が増加していくということ、これは大変私も期待しているところでありまして、特に日本は、ネットワーク環境が向上している現在、得意分野としてメディアコンテンツですとか、そういった部分において人材育成することによって厚みが増すということによって世界的な影響力が強まるということには大変期待をしておりますので、お願いをしておきたいと思います。
 では、続きまして、次の質問に入らせていただきますが、ちょっとこちらの事情で質問の順番を変えさせていただきますが、次は学芸員の活用についてお伺いをしていきたいと思います。
 今日、様々、学芸員の方々について御質問と議論もございましたけれども、今回の法改正におきまして、水族館も含む博物館全ての所管事務が文化庁に移管されることになりました。
 この博物館行政が文化庁に一本化され、それからその組織がスリム化される、これだけではなくて、やはりこの所管の違いという障壁を越えて、撤廃されて、様々な施設間の連携がなされるということは大変私も興味もございますし、期待をしているところでございます。今までだったら単体で、水族館は水族館で頑張る、博物館、美術館はそれぞれ頑張るというところを、コラボすることによって新たな想像力豊かなイベントですとか、そういったことも、いろいろなことが考えられるのではないかなというふうに思います。
 そこで、この博物館、全国に五千六百九十施設あるそうなんですけれども、このうち博物館法の規定によって登録を受けた登録博物館は八百九十五施設、登録博物館には館長と学芸員を必ず置かなければならないとのことですから、今後地域の文化と振興を進めていくというのであれば、やはりこの博物館がしっかりとコアになっていかないといけないと。そういった意味で、今日も議論の中にありました、やはり地域のコアになっていく学芸員の方々の人員の増員ですとかこの質の向上、これは大変重要な部分であると思いますが、この学芸員さんの育成について、大臣の御見解、お伺いしたいと思います。
#122
○国務大臣(林芳正君) 我が国の博物館は、歴史、芸術、自然科学等に関する資料を収集、保管、展示、調査研究、学習機会の提供等を行う本来の役割や機能に加えまして、今委員からもお話がありましたように、この地域の文化振興の拠点となることが期待をされておるところでございます。
 この法案におきまして、博物館法を含む博物館全般に関することを文化庁に移転をすることで、地域の多様なニーズに応えられるよう、全ての博物館を対象に博物館と観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業等との有機的な連携を図った地域の特色ある取組を支援するとともに、全ての分野の博物館の学芸員を対象とした管理運営に関する研修を実施してまいりたいと思っております。
 また、あわせて、文部科学省としては、地域の文化振興の拠点としての博物館の中核を担う学芸員の体制や学芸員の更なる資質向上等の在り方について、博物館関係者からの意見を丁寧に聞きながら、必要な施策の検討を行い改善に取り組んでまいりたいと思っております。
#123
○高木かおり君 ありがとうございます。
 前回の文化財保護法の改正のときにも申し上げたかと思いますけれども、私、地元の、これ登録博物館ですけど、大変小規模な小谷城郷土館というところが実はありまして、そこの学芸員の方にもお話、お声を、まあ地元ですので以前からお聞きをしている部分があるんですけれども、やはり地域で頑張って、その地域の子供たちを受け入れたりですとか、その地域の様々な文化を伝えるというようなことを、雑多な仕事もしながら学芸員の方々本当に頑張っておられるんですけれども、やはりこの文化財の修復、こういった助成金等もあるようですが、この助成金の率を上げてほしいですとか、また、そういった学芸員の方々の取組に対して、先ほど御答弁の中にもありましたが、地域の特色ある取組に対してのしっかりとした支援、こういったところにも是非ともお願いをしたいと思います。
 そして、重ねてですけれども、先ほど博物館の管理運営に関する研修ということで大臣おっしゃっていただきましたけれども、その学芸員の方々に対する研修というのが、一年間のうち、ちょっと私が調べたところによりますと、大体年間二十六研修ほどあって、その中で十六研修が大体東京付近で行われているということで、その学芸員の方々も自分たちの資質も向上させていきたいという意欲はすごく感じられるんですが、やはりなかなかその研修の場所っていうのが東京に多いですとかそういった環境ですので、やはりこれを全国の、全ての都道府県とは言いませんが、少し場所を増やしていただくようなことを考えていただければ、より遠方の方も研修を受けていただけるということになるのではないかと思いますので、そこの辺りも御検討をいただけたらなというふうに思います。
 文化庁の調査結果拝見しますと、学芸員の方に限っておりませんが、専門的な知識を持つ方々、またその学芸員の方々というのは本当に数が今少ない。先ほど育成についてお伺いをしましたけれども、是非ともこの学芸員の方々の増員、そして育成に関して真摯に取り組んでいただければなというふうに思います。
 では、次の質問に入らせていただきますが、文化庁の京都移転に関することでございます。昨日の本会議のときにも質問させていただきましたけれども、今回、京都に移転するということで、地方分権を進めて地方が活性化することによって日本全体の活性化を進めることができる、東京都周辺の大災害等に備えて首都機能のバックアップをして副首都を定めるべきだと我が党は主張をしているわけなんですが、この度の京都移転というのは本当に地方の活性化につながるとともに、この東京一極集中を打破する突破口になると私は思っておりますが、その立場で御質問をさせていただきたいと思います。
 東京と京都に分かれることへの懸念については、様々議論がございます。大臣も何度も御答弁されておられると思いますが、そういった課題を、テレビ会議システム、またICTの活用によって意思の疎通と適切な連携体制を構築するのだということでございますけれども、昨日の本会議の折にも申し上げましたけど、今はもう海外支社と会議であったり在宅勤務であったり、そういった中でICT活用という実績も民間等でも速いペースで進んでいるわけですけれども、今回文化庁が京都に移転するということで、このICTの活用であったりテレビ会議、こういったときにセキュリティーの問題を特に言われると思うんですね。
 ただ、このセキュリティーの問題に関しては、省庁が移転するということに限らず、これからオリパラもありますし、今日もちょっと党内での勉強会でサイバーセキュリティーに関してということで勉強させていただきましたけれども、そもそもは、日本はこのサイバーセキュリティーに関して後進国だというふうにも言われております。決して政府が取り組んでいないと言っているのではなく、オリパラに向けても、そういったサイバーセキュリティーに関しては今本当に取り組んでいるところではございますけれども、そういったところも、省庁が移転するということに限らず、大きな、広い範囲でこのセキュリティーの問題に関しては、また別の話になりますけれども、しっかり政府として取り組んでいっていただいて、この課題解決に向けていっていただきたいなというふうに思います。
 そして、やはりこの連携への懸念ですとか整備予算の増加、これに伴って様々予算も付随してくると思いますけれども、そういったことを理由に省庁の移転というものが足踏みするのではなくて、文化庁の移転を成功させて、他省庁も後を続けるような、そういった東京一極集中の是正を着実に進める、そういった観点から大臣の御決意等をお聞かせいただければと思います。
#124
○国務大臣(林芳正君) 最初に先生がお触れになったサイバーセキュリティー、必ずしも文科省の所管ではございませんけれども、今度テレビ会議をやるということでございますが、テレビ会議を東京と京都でやる以前に、ふだんやっている電話ですとかメールですとか、これ全てに関わることでございますので、もとより政府全体でしっかりと取り組むべき課題だと、こういうふうに認識をしておるところでございます。
 この京都と東京の二か所の業務体制となることで、事務所の借料ですとか二か所の間の連携を取るための出張旅費ですとか通信運搬費等の増が新たに見込まれるところでございますが、今まさに委員からおっしゃっていただいたように、業務の効率的な運営とかテレビ会議などのICTの活用等によって、本格移転後の円滑な業務の実現に努めてまいりたいと考えております。
 我々としては、これ中央省庁の地方移転の先行事例となって、新たな文化庁にふさわしい組織改革、機能強化に取り組んで、文化芸術資源を活用した地方創生や国づくり、これを強力に進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#125
○高木かおり君 時間がほとんどなくなってしまいましたので、もう一つ質問させていただきたかったんですが、この文化庁を京都に移転するということに関して、今日資料をお配りさせていただいた関西広域連合の資料なんですけれども、この関西広域連合がバックアップをして京都の文化庁の移転ということに一緒に取り組んでまいりました。
 こういったことも、これ質問したかったんですけれども、もう時間がないので、是非ともこういった、オール関西で関西広域連合、取り組んでおります。こういった関西広域連合のバックアップもしっかりと活用していただきながら、またこの新しい文化庁の方をきちんと前へと進めていっていただきたい、そして他省庁の方にもしっかりとその恩恵が受けれるような、そういった体制をお願いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#126
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 法案の質問に入る前に、最初に加計学園の問題について、一つ通告をしておりましたので、質問をさせていただきます。
 五月二十六日に加計学園側から各メディアに対し発せられたとする文書、この文書、実際になかった総理と理事長の面会を引き合いに出しというあの文書ですけれども、むしろ矛盾を際立たせる文書であり、問題の増幅をされているということを言ってもいいと思います。また、その後も説明という部分では全く不十分ということが言えると思います。
 私、特に気になったのはこの最後の一文でして、なお、学生たちの平穏な教育環境を確保することが大学の責務と考えますので、夢と希望に満ちあふれて勉学に励んでいる在学生を、どうぞ温かく見守っていただきますようお願い申し上げますと。まあ責務はそのとおりなんだと思いますが、むしろその責務が果たされないことで今回こういう事態が長引いていると。何か真相解明を求める側に静かに見守ってくれと、こう言っている、我々はうそをついたけれども学生はそっとしておいてくれというふうに聞こえるわけであります。
 この学生たちの平穏な教育環境を確保するというこの大学の責務、これを果たすために今、加計学園側は何をしなくちゃいけないのかということ、そして、やはり文部科学省、私、文科省にもこの役割、責任は大きいのではないかということを毎回言わせていただいておりますけれども、文科省としてこの学生たちの平穏な教育環境を確保するために今何をしなければいけないかと考えるか、文科大臣のお考えをお聞かせください。
#127
○国務大臣(林芳正君) 加計学園の獣医学部につきましては、四月三日に入学式が行われ、四月九日から授業が開始されたと聞いております。加計学園に対しては、獣医学部において質の高い教育が行われるようしっかり対応していかれることを期待しておるところでございます。
 文部科学省においても、教員組織、教育課程、施設設備などの設置計画の履行状況について、大学設置・学校法人審議会が行う学問的、専門的な観点からの調査を踏まえて、設置計画の着実な履行、これを求めてまいりたいと思っております。
#128
○木戸口英司君 やはり真相解明、今問題になっていることの真相解明を早くすること、これが大学側の責務であるし、そこに向けてやはり文科省も役割を果たしていくということ、ここに尽きるのではないかと思います。
 その意味で、先ほど加計学園渡邉事務局長の委員会への招致ということのお話がありました。是非私もたくさん聞いてみたいことがあります。その点について、委員長、お取り計らいをお願いいたします。
#129
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件については、後刻理事会で協議いたします。
#130
○木戸口英司君 それでは、今回の法律案についてお伺いをいたします。
 まず最初に、内閣府副大臣、田中副大臣に質問をさせていただきます。
 平成二十八年三月にまち・ひと・しごと創生本部が取りまとめた政府関係機関移転基本方針により、文化庁は数年のうちに京都に移転するということがその方針によって示されたところであります。
 平成二十六年に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略において、地方自治体から政府関係機関の移転要望があること等を踏まえ、必要性や効果について検証した上で地方に移転すべき政府関係機関を決定することとされ、その後の京都府などからの提案を経て文化庁の移転が決定されたと、これが一連の経緯であると承知しております。
 中央省庁については、政府関係機関移転基本方針に基づき、消費者庁が徳島、また総務省統計局、和歌山ということで、一部の機能が地方移転進んでいるということ、ただし全面的な地方移転というのは文化庁のみということになっております。
 今回、地方公共団体から他の中央省庁の移転の要望状況等あったのか、そのことについて伺います。要望があれば政府において必要性や効果について検証されたことと思いますが、検討の内容等お知らせをいただければと思います。また、当基本方針に対する現状の総括、そして今後の方向性などがあれば、お伺いをしたいと思います。
#131
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 平成二十七年の三月に各都道府県等に対しまして、政府関係機関の誘致の提案募集、これを行ったところであります。そして、中央省庁については、文化庁含めて七省庁の移転、これが提案をされました。
 これらの提案について、有識者会議の御意見、これを伺いながら、まず移転が我が国の地方創生に貢献するのか、また移転によって省庁の機能の維持向上が期待できるのか、地元の協力、受入れ体制が整っているか等の視点から、その内容の検討を行ったものであります。
 中央省庁においては、今委員からも御案内あったとおり、文化庁、消費者庁、そして総務省の統計局のほかでありますが、特許庁、中小企業庁、観光庁、気象庁については、地方支分部局等の体制整備を行うなどの取組を今進めているものと承知をしているところであります。
 まずは、現在行われておりますこの取組の具体的な成果、これが出ることが重要であると考えているところであります。まち・ひと・しごと創生本部においても、適切にこれからもフォローアップ、これを実施してまいりたいと考えております。
#132
○木戸口英司君 この省庁の移転は、大きく掲げられた政策提言であったろうと思いますけれども、この基本方針を読んでいくと、国の機関としての機能確保の視点ということで、(注)ということで、この注釈を読みますと、やはりかなり慎重な中身になっていますね。やはり、地方支分部局等の機能強化というところに何か最終的に収れんしているという形で、こういう方針の中でよくぞ文化庁は決まったなという、むしろそういう思いすらするところでありますけれども。
 その意味で、今後、国全体としての大きな方針の中でこの政府機関の、移転ありきではないですけれども、今後の国の様々な成長ということ、また地方とのバランスという中でこのことをどうこれから検討していくかということ、非常に大事だと思います。
 その中で、東京一極集中の是正という観点もあります。地方からの提案を待つということだけではなくて、むしろ国が積極的にこの移転ということ、業務をまた選定するなど、地方に提案するということも今後必要ではないかと考えます。
 また、地元負担ということもここの中で言われているわけですけれども、今後、京都との負担の在り方というのも今後の検討課題にあるようですけれども、過度に地元の負担ということを言われると、これなかなか進まないんだろうと思います。その辺の配慮も必要だということを指摘したいと思います。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
 その中で、もう一度副大臣にお聞きいたしますけれども、この文化庁の京都移転について、政府関係機関移転を進めてきた内閣として、その意義、文化庁の移転の意義は文科省から説明を受けていますので、内閣としての今回の移転の意義をどう捉えるかと。また、文化庁の京都移転を政府関係機関の地方移転の好事例にしていくために、関係省庁の協力も含め、内閣全体としてどのように文化庁を支援していくのか、その方針についてお伺いをしたいと思います。
#133
○副大臣(田中良生君) まず、この文化庁の京都移転についてでありますが、これは、文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都に移転することにより、例えば、文化財、これを活用した観光振興ですとか、あるいは外国人観光客向けの効果的な文化発信、また生活文化の振興などの分野で文化庁が先進的な取組、これを実施できるようになることが期待できるものであります。地方創生の観点から見ても意義深いものと考えております。
 そして、このために、文化庁の京都移転に向けてでありますが、関係省庁や京都府、京都市が参加する文化庁の移転協議会、これを設置をいたします。昨年七月には、組織体制の大枠ですとか、庁舎の場所、また移転の時期等について決定しているところであります。
 今後も、この決定に基づいて、全面的な移転が着実に進むようにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 また、昨年から今年にかけて、関係省庁が一体的に取り組むための体制の整備、計画の策定も行ったところであります。これらを踏まえて、政府全体として文化芸術に関する施策、これを総合的に推進をしていきたいと、そのように考えております。
#134
○木戸口英司君 今、意義のお話ありましたけれども、その意義は文科省から我々も説明を受けているところでありまして、やはり内閣として今回の移転をどう捉えるかということ、大きくお聞きしたつもりでしたけれども、その点、また内閣の中でしっかり捉えながら、今後の文化庁の移転の成果、そして今後の政府関係機関の移転をどう捉えていくかということ、やはりそういう視点が大きく必要なんだと思いますし、実はそういうところが余り感じてこないものですから、こういう質問をさせていただきました。
 それでは、文科大臣にお伺いをいたします。
 文化庁の京都移転は中央省庁の全面移転の初の事例となるということ、その意味で、先ほど来お話はあるわけですけれども、今後の移転ということの左右することになると思います。
 他の政府関係機関の移転の参考とするためにも、これは衆議院でも附帯決議も付されておりますけれども、文化庁の京都移転の成果、課題を検証し、公表をしていくということが重要だと思いますけれども、この点について、方針などがあれば御説明をお願いいたします。
#135
○国務大臣(林芳正君) 文化庁の京都移転は、今、木戸口委員からお話がありましたように、政府関係機関の地方移転として初めての取組でございますので、この成果や課題の検証、大変重要であると考えております。
 昨年四月に京都に設置した地域文化創生本部の先行移転の取組というのをやっておりますが、この地方自治体のニーズや文化庁施策への意見、これまで以上に把握できるようになったことなど成果が上げられる一方で、やはり国会などで急を要する案件に機動的に対応できないと、こういう場合があったという課題も浮かび上がってきておるところでございます。
 この本法案、お認めいただけますと、本年十月から、東京において新たな文化庁の組織体制が構築をされます。これまでの京都の創生本部に加えまして、この東京の新組織においても試行を重ねながら、定期的に成果と課題を検証いたしまして、文化庁移転協議会等への報告やホームページ掲載などを通じてこれらを公表してまいりたいというふうに考えております。
#136
○木戸口英司君 今、現状の課題ということを少しお触れになりましたけれども、この移転協議会がまとめた新・文化庁の組織体制の整備と本格移転に向けてというところで、現在の文化庁の課題について三点ほど挙げられております。機動的な政策立案が困難である、また資源としての活用策が不十分である、調査研究や効果分析が不十分であるという、かなり根本的なことが指摘されておりますけれども、この現状の課題について、もう少し詳細に御説明をお願いいたします。
#137
○政府参考人(中岡司君) これまでの文化庁は、文化財保護法による規制や助成事業の執行が業務の中心でございまして、政策の企画立案機能に課題があるとされておりました。このために、例えば、国民に日常的に親しまれる衣食住に関わる生活文化の振興が不十分であったり、地域にある文化財の一体的な整備活用や分かりやすい多言語解説が十分に進んでいないなど、文化芸術資源の活用策が十分に講じられていないといった問題点が指摘されております。
 また、国内外の文化政策の動向や文化芸術活動の実態把握、文化産業の規模やその経済波及効果分析など、文化政策の基盤となる調査研究が蓄積されていないことなども課題として挙げられております。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
#138
○木戸口英司君 もう時間になりましたので、質問はこのぐらいにいたしますけれども、今課題が詳細に言われました。非常に根源的な、根本的な課題だろうと思います。
 今回の文化庁の移転を契機として、先ほど大臣も地方創生に資するようにということをお話しし、決意をおっしゃられました。非常に大事だと思います。
 その中で、地方の隅々までこの施策が行き渡るように、地方支分部局づくりという話もありましたけれども、それは将来としても、まずはやはり大臣自ら地方に、これまでも足を運ばれていると思いますけれども、頻繁に足を運んでいただいて、やはり近くでいろいろ見ていただいたり話を聞いていただくということが今後なおさら大事なんだろうと思いますので、その点は指摘をさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
#139
○松沢成文君 希望の党の松沢成文でございます。
 文科省設置法の改正案について、これまで先輩、同僚議員からかなり具体的な質問も出ましたので、私は、あえてこの今回の文化庁の京都移転を日本の将来の再生につなげられないかという、ちょっと大上段に構えてかなり政治的な質問をしますので、大臣も答弁書を読むだけじゃなくて、政治家として是非とも大臣のビジョン、御意見をお聞かせいただければと思うんです。
 まず、今回の文化庁の京都移転、一部移転は、文化行政の再構築による推進、発展とともに、行政機能の東京一極集中の是正と地方創生も目的としているという認識でよろしいんでしょうか。
#140
○国務大臣(林芳正君) 文化庁の京都移転につきましては、今先生からお話がありましたとおり、東京一極集中の是正や地方創生という目的、これに加えまして、文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都へ行く、移転するということで、文化財を活用した観光振興ですとか効果的な文化発信、また生活文化の振興に関する企画立案能力の向上と、そしてこうした先進的な取組の効果を今度は全国的に波及させるということで、我が国の文化行政の更なる強化を図る上でも意義があるものと、こういうふうに考えておるところでございます。
#141
○松沢成文君 大臣、日本の伝統文化の中心には私は皇室の存在があると考えていますけれども、大臣はいかが御認識でしょうか。
#142
○国務大臣(林芳正君) 日本の文化の伝統と皇室というお尋ねでございますが、これ非常にアカデミックで奥の深いテーマでございまして、なかなか簡単に論じられるものではないと、こういうふうに考えておるところでございます。
 文化に関して申し上げますと、例えば、奈良の国立博物館、昭和二十一年度から毎年正倉院展というのを開催しておりますが、これは御案内のように聖武天皇など皇室ゆかりの宝物を展示、公開して国民の関心を集めていると、こういうふうに承知をしております。この第六十九回は、平成二十七年の十月二十八日から十一月十三日まで、十七日間でしたが、約二十一万人が来場されたと、これぐらいの関心だということであろうと思っております。
 私たちの暮らしは多くの先達が残した知恵や財産の上に成り立っておるわけでございますので、こうした皇室ゆかりの宝物も含めて日本文化の伝統や文化財等を次世代に確実に承継できるように取り組むということが重要であるというふうに考えております。
#143
○松沢成文君 皇室の行う神事、祭事なんというのも私は日本文化のルーツだと思っていまして、また歌会ですとか雅楽ですとか、あと蹴まりですとかあるいはカモ猟とか、こういう伝統行事も今でも残っているわけですね。また、大臣御指摘のように、皇室ゆかりの様々な美術品等々は、正倉院ですとか三の丸尚蔵館ですか、に展示をされて保存されているというわけですが。
 ただ、こういう細かい文化的な行事とか物品だけじゃなくて、やはり私は、皇室の存在そのものが日本という国、あるいは日本文化、もっと言えば日本という文明のその中心にあるという尊いものであるし、それがゆえに我々国民は、今の天皇陛下、天皇制を象徴と仰いで一つの国を形成しているんだというふうに考えています。
 今回、文科省が文化庁移転の意義としてこんなふうに書かれているんですね。文化を軸とした国内外との大交流を生み出す、政治経済中心の東京とは異なる価値をもう一つ、日本の交流拠点、文化首都として実現をすると。つまり、政治経済の首都東京に対して文化の首都京都をつくっていく、そういう双眼構造、二元構造にすることによって日本の再生をしていくんだということを大きく打ち出しているんですね。
 私は、大臣、京都はもう日本史そのものです。日本の歴史、伝統、文化、もうこれは古代から、中世から近世に至るまで、ずっと積み重ねてきているんですが、もし京都を文化首都という形で目指すのであれば、その中心となる現在の天皇皇后両陛下から、あるいは皇族の皆様、そして宮内庁の京都への遷宮、これ遷都というよりも遷宮と言った方がよろしいかもしれませんけれども、この移転、これも実現することによって初めて京都が日本の文化首都になるというふうに言えるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(林芳正君) まず、文化首都という言葉でございますが、これは我々の文化庁、文科省としての文章というよりは、多分京都の方の御提案をされている方がお使いになっている文言であろうと、こういうふうに思っておりますが、委員お尋ねの天皇皇后両陛下や皇族の方々の京都への遷宮、これにつきましては、私、今文部科学大臣としてここに立っておりますので、なかなかお答えができる立場にないわけでございます。
 なお、一般的に申し上げますと、現行の日本国憲法においては、天皇陛下は日本国の象徴であり、国民統合の象徴として、御公務としての国事行為が定められ、伝統文化の継承、宮中祭祀など、様々な御活動があると認識しておりまして、こうしたことを踏まえて議論される必要があると、こういうふうに考えております。
#145
○松沢成文君 まあそういう答弁になってしまうと思うんですが、私は、結構以前から、この京都遷宮構想というのをもっと議論していいんじゃないかと考えているんですね。幾つか理由がありますので、大臣に聞いていただいて、是非とも感想を聞きたいんですけれども。
 まず、歴史的にも日本が誇るべき万世一系の天皇家というのは、実はもう二千六百年の歴史がありますけれども、千年以上、奈良とか飛鳥の時代を含めると千二百年近く、京都でも千年以上、継続、発展してきたわけですね。で、明治維新になって、東京遷都というか、東京に来て、天皇陛下も幕末の混乱から公武合体論、倒幕という中で明治維新が起きて、そこで政治のリーダーにということで祭り上げられて東京に来たわけです。それからは僅か百五十年であります。つまり、日本の長い悠久の歴史を見ると、天皇家が発展してきたのは関西であり、やはり京都なんですね。
 もう一つ、大変重要な特徴は、日本の場合は政祭分離、つまり天皇が直接政治権力を握って支配する国ではなくて、政治というのは、時には平安時代のように公家が、貴族が、あるいは戦国時代、江戸時代も含めて、これは武家が政治権力を握って政をつかさどると。しかし、その上に立って天皇は日本国統合の、何というか、象徴として、政治権力を持つのではなくて、一つの大きな権威として存在することによって日本の国がまとまってきたと。逆に言えば、天皇家が政治権力に手を出して政治権力を奪おうとすると、必ず南北朝の時代の後醍醐天皇のように失敗をしてきているわけですね。
 ですから、そう考えると、天皇は政治権力の近くにいないのが日本の歴史、伝統文化なんです。政治権力の近くにいてチャンスがあったら政治権力を取ってやろうという歴史はほぼなかったわけで、むしろ、あったとすれば明治維新の大日本帝国憲法下の国の形がそうなってしまったんです。あれは中央集権国家を欧米列強に負けないようにつくるためにやっぱり必要な体制だったかもしれませんが、そういう意味で、政治権力とは距離を置いてきたというのが日本の私は伝統であったんじゃないかと思っています。
 そして実は、現実的な話をすると、京都の政財界も、天皇陛下が京都に帰ってくるのであればと、これ本音では大歓迎をしたいところなんですね。実は、東京遷都のときも、これは遷都が法律で決まったわけでもないんです。明治維新になって、天皇陛下は東京に行幸したわけですね。行幸して一回帰ってきて、もう一度といって行ったときに、まあお住まいもここで、新しい政府ができたのでこちらでということで、住まわっちゃったわけです。だから、京都の皆さんからしてみると、一時的にお貸ししているだけだと、いつ頃帰ってくるんでしょうかという感覚もあるぐらいなんですよね。
 更に言うと、今度は、現世の日本の悩みというのは東京一極集中であります。地方創生をやろうと思ってもなかなか進まないです。これ二十年ぐらい前には一度、首都移転といって、新首都建設だと。東京に政治も経済も文化も情報も全部集まり過ぎちゃって、もうこれじゃいびつな国の体制になっちゃうので、政治の首都は小さな都市をつくって、経済は東京だけれども政治はそちらに分権しようということで、推進法までできたんですね、多分大臣覚えていると思いますけれども。栃木に持っていくとかあるいは岐阜に持っていくとか、いろいろやりましたよね。でも、結局、いろんな抵抗があってこれもできなかった。
 その後に盛り上がって、もう少し分散をして均衡ある発展を目指そうとやって、システム的に議論されたのが道州制であります。道州制だって、結局、まず地方自治体が反対始まっちゃったりするんですね。やっぱり中央政府からの補助金、確実にもらった方がいいと、こんな論理もあるんでしょう。それから、当然、今の既得権を持っている霞が関、これも、道州制で全部分割されちゃったら自分らの仕事はどうなるのといって、みんな反対です。ですから、こういう国家構造を改革するような大改革は、やっぱり抵抗勢力が強過ぎてできないんですね、なかなかね。
 私は、最後に、もし本当に東京の一極集中を抜本的に打破するとしたら、やはり文化の機能を京都に持っていく。そのためには、文化庁の一部移転で二百五十人の職員が行くようじゃ、これは砂漠に水まくようなものです。もっと日本の国の国体、まあ国体という言葉がいいか分かりませんが、抜本的にこの国の構造を変えなきゃいけない。そのためには、文化の中心である皇室、天皇陛下、宮内庁含めてルーツである京都に御移転いただいて、そこで様々な文化の発信、あるいは皇室の行事も行っていただくことによって初めて、日本が東京一極集中から、経済、政治の首都の東京、文化の首都の京都、もっと言えば大阪にも頑張っていただいて、大阪にももっともっと経済の機能を持っていく、そういう多極構造にしていかないと、これは日本の一極集中は終わりません。東京の二十三区内の大学にキャップ掛けたって、そんなんじゃ全然駄目ですから。全くもって私は効果がないと思っていまして、今やそういう議論をしていくべきだと思います。
 こういうことを言うと必ず、天皇陛下の国事行為や公的行為も行事もいろいろあって、これはやっぱり首都の近くにいないと難しいんだよ、これは工夫で幾らでもできるし、あと、物理的な距離を言う人もいますけど、そのためにもリニアができるんじゃないですか。人口減の時代にリニア造ったって、お客さんがなかなかいなくてJR東海は今のようにもうからないですよ。もっともっと交流を盛んにする。リニアだったら一時間で行けるわけですから、大臣の承認式だって、大臣、一時間で京都まで行ってくればいいじゃないですか、そういうことができる時代ですよね。
 もっと言えば、京都には御所が残っています。宮内庁が管理しています。そして、天皇陛下も時々泊まっているんです。それで、大宮御所というんですかね、天皇が泊まる御所の隣には仙洞御所といって、引退した天皇陛下、皇后陛下も泊まれるようにもなるわけですね。こういって、私は、大きな国家プロジェクトとして天皇陛下というか皇室の京都移転というのも考えていく、それを議論することによって、私は東京一極集中のこのいびつな国の体制を変えていくための様々な知恵が出てくるんじゃないかと思います。
 以上が私の考えている京都遷宮構想なんですけれども、大臣……
#146
○委員長(高階恵美子君) 松沢君、申合せの時刻が過ぎております。おまとめください。
#147
○松沢成文君 はい。じゃ、私の質問は終わります。最後に、大臣、御感想があれば一言お願いします。
 以上です。
#148
○委員長(高階恵美子君) いや、時間が参っておりますので。
 大臣、お答えになりますか。
#149
○国務大臣(林芳正君) じゃ、一言だけ。
 ちょっと、先ほど平成二十七年と言いました正倉院展、二十九年の間違いでございましたので、訂正させていただきます。
 御高説は承りましたし、是非この立場がいつか外れればゆっくりお話をしたいと。私も個人的には大変興味のあるテーマでございますし、少ない経験で申し上げますと、例えばアメリカでは、ワシントンDCとニューヨークとボストンと、そしてハリウッドがあるロサンゼルス、いろんな機能分化があるということでございますので、むしろ日本のように全てが東京に集まっているというのは国際的にはやはり例外なのかなという思いはいたしておりますが、しっかりと大きな問題には全体として取り組んでいくべき課題だと思っております。
#150
○委員長(高階恵美子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#151
○吉良よし子君 日本共産党を代表して、文部科学省設置法案に対する反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、安倍政権が掲げる稼ぐ文化を推進する文化政策が文化芸術基本法の基本理念をゆがめるものだからです。
 安倍政権は、骨太の方針二〇一七や文化経済戦略などの中で、投資の促進を通じて文化と経済の好循環を実現、経済拡大戦略を進め、文化財を活用した観光振興など、稼ぐ文化の推進を掲げています。本来、それ自体が固有の意義と価値を有するはずの文化芸術を稼ぐ資源、産業としてのみ位置付け、その他を排除する、また、時の政権の経済政策を優先させ、文化芸術基本法で文化芸術の礎と位置付けされている表現の自由や文化芸術を行う者の自主性を損なうことはあってはなりません。本改正案は、こうした安倍政権の稼ぐ文化中心の文化政策の下で機能強化を進めるというものであり、認めるわけにはいきません。
 また、投資を呼び込める文化芸術資源で資金を稼ぎ文化芸術の振興に回す、カジノの納付金を文化振興に充てるなどというやり方も容認することはできません。今、文化庁や文部科学省がすべきことは、文化芸術基本法の立場で文化政策を進められるよう、文化予算を抜本的に底上げすることです。
 反対する第二の理由は、本法案で社会教育施設である博物館に関する業務を文化庁に移管することなどにより、社会教育の振興、理念の実現を図ることができなくなる懸念があるからです。
 教育基本法では、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現を掲げ、社会教育施設の設置や社会教育の振興に努めることを国などに求めています。それなのに、本法案で、博物館業務を文化庁に移管するだけでなく、今回の法改正と同時期に社会教育課も廃止するといいます。
 博物館、図書館、公民館など社会教育施設の所管をばらばらにしてしまっては、社会教育の振興が図れるとは思えません。社会教育を振興する立場に変わりがないというならば、社会教育課の廃止はやめ、社会教育の推進に必要な体制づくりこそ進めるべきであるということを申し上げ、討論といたします。
#152
○委員長(高階恵美子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 文部科学省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#153
○委員長(高階恵美子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、神本美恵子君から発言を求められておりますので、これを許します。神本美恵子君。
#154
○神本美恵子君 私は、ただいま可決されました文部科学省設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    文部科学省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、本法により機能強化を図った上で、文化庁の組織が東京と京都に二分されることが予定されているが、文化庁が分割された後においても、本法により文化庁の所管とされる学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務等を含めた全ての文化庁の所管事務が混乱することなく、円滑に執行されるよう、遅くとも平成三十三年度中とされる京都への本格移転に向け、文化庁を中心に関係行政機関が緊密な連携を図り、細部の検討にも遺漏がないよう万全の準備を行うこと。
 二、本法による文化庁の機能強化・組織改革が、政府関係機関の地方への移転を契機とした行政の肥大化につながり、行政改革に逆行することのないよう、十分留意すること。
 三、平成二十九年に改正された「文化芸術基本法」において、文化芸術と観光、まちづくり、国際交流等の施策との連携が定められたことを踏まえ、文化芸術の価値を中心に据えた施策の立案及びその実行のため、文化芸術関係予算の増額及び文化庁の更なる機能強化に努めること。
 四、文化庁は、学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務を行うに当たっては、これまでの文化芸術振興施策を通して培ってきた知見やネットワークを活用するとともに、学校の教育課程全体についての深い専門性を持って他の教科や総合的な学習の時間等と連携を深め、または芸術家の参加を得る等して、学校現場等におけるより開かれた文化芸術教育の推進に努めること。
 五、本法により、博物館の更なる振興を図るため、その事務を文化庁に一元化することとしていることを踏まえ、博物館運営・施設整備や学芸員の育成・配置等に関する支援策を一層講じるとともに、博物館に対する財政的支援の更なる拡充に努めること。
 六、文化庁が京都への本格移転に向け、予定しているその効果及び影響の検証結果については、文化庁の京都移転が、政府関係機関の地方への移転の先行事例であることを踏まえ、適宜国会へ報告すること。
 七、本法の成立を契機として、国は、「文化芸術立国」の実現に向けて、文化芸術の担い手や関係団体に係る支援措置を強化するとともに、文化庁を中核として関係行政機関が一丸となって文化芸術政策を推進できるような体制の構築に努めること。
 八、平成三十一年九月に京都で開催されるICOM(国際博物館会議)京都大会は、文化庁の京都への本格移転に向けた重要な会議であることを政府は深く認識し、ICOM関係者が京都において我が国の文化に触れる貴重な機会である同大会が成功するよう、文化庁を中心に関係行政機関を挙げて取り組むこと。
 九、文化庁の京都への本格移転は、文化行政の機能強化の途上であり、文化芸術の礎たる表現の自由と、自主性等を基本理念とする文化芸術基本法や我が国の文化財の継承・活用等を図る文化財保護法等の文化振興施策をさらに発展・充実させていくため、「文化省」の創設を見据え、引き続き文化行政に関する取組の在り方を検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#155
○委員長(高階恵美子君) ただいま神本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#156
○委員長(高階恵美子君) 多数と認めます。よって、神本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林文部科学大臣。
#157
○国務大臣(林芳正君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#158
○委員長(高階恵美子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト