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1947/12/02 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第70号
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1947/12/02 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第70号

#1
第001回国会 本会議 第70号
昭和二十二年十二月二日(火曜日)
    午後三時十五分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第六十九号
  昭和二十二年十二月二日(火曜日)
    午後一時開議
 第一 民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出)(前会の続)
 第二 昭和二十二年度一般会計予算補正(第九号)
 第三 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第四号)
 第四 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 全國選挙管理委員会法案(政党法及び選挙法に関する特別委員長提出)
 第七 企業再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 昭和十四年法律第三十九号 災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律を改正する法律案(内閣提出)
 第九 印紙等模造取締法案(内閣提出)
 第十 北海道に在勤する政府職員に対する越冬燃料購入費補給のための一時手当の支給に関する法律案(内閣提出)
 第十一 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十二 食糧の輸入税を免除する法律案(内閣提出)
 第十三 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十四 最高法務廳設置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開くはずでありますが、この際暫時休憩いたします。
    午後二時三十一分休憩
     ―――――・―――――
    午後三時十五分開議
#3
○議長(松岡駒吉君) 諸般の報告をいたさせます。
   [参事朗読]
 委員会に付託された議案は次の通りであります。
 (内閣提出)裁判所法の一部を改正する法律案
  十一月二十八日 司法委員会に付託
 (内閣提出)最高法務廳設置に伴う法令の整理に関する法律案
  十一月二十九日 司法委員会に付託
 (内閣提出)食糧管理特別会計が農業災害補償法により昭和二十二年度において負担する水稻共済に係る共済掛金の負担金の財源に充てるための一般会計からの繰入金に関する法律案   
  十二月一日 財政及び金融委員会に付託
 (予備審査のため内閣から送付)医藥部外品等取締法案
  十二月一日 厚生委員会に付託
 (内閣提出)建設院設置法案
  本日 國土計画委員会に付託
 (内閣提出)昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の一部を改正する法律案
  本日 司法委員会に付託
 (内閣提出)会社利益配当等臨時措置法案
 (内閣提出)財務局及び税務署に在勤する政府職員に対する税務特別手当の支給に関する法律案
  以上二件 本 日 
     財政及び金融委員会に付託
   [朗読を省略した報告]
一、昨一日次の法律の公布を奏上し、その旨参議院に通知した。
 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律
 家事審判法施行法
 企業再建整備法等の一部を改正する法律
 地方財政委員会法
一、去る十一月二十九日國会において議決した次の予算を内閣に送付し、その旨参議院に通知した。
 昭和二十二年度一般会計予算補正(第七号)
 昭和二十二年度一般会計予算補正(第八号)
 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第三号)
一、去る十一月二十九日松平参議院議長から松岡議長宛、参議院は國会の会期を十二月九日まで十日間延長することを議決した旨の通知書を受領した。
一、去る十一月二十九日片山内閣総理大臣から松岡議長宛、次の通り発令があつた旨の通知を受領した。
      司法事務官 岡咲 恕一
  第一回國会政府委員を命ずる
 (十一月二十二日附)
一、去る十一月二十九日衆議院規則第十四條但書により議長において議席を次の通り変更した。
       二七六 生越 三郎君
       二七七 佐々木秀世君
       二七八 尾崎 末吉君
       二八〇 工藤 鐵男君
       二八一 本間 俊一君
       二八二 原 健三郎君
       二八三 東  舜英君
       二八七 愛知県第一区
           選 出 議 員
       二八八 東京都第六区
           選 出 議 員
       三〇九 栗田 英男君
       三一〇 松井 豊吉君
       三一一 矢野 政男君
       三一七 青木 清左ヱ門君
       三一九 久保 猛夫君
       三二五 關根 久藏君
       三三六 武藤 嘉一君
       三四一 天野  久君
       三六九 山本 猛夫君
       三七八 長谷川俊一君
       三八二 三好 竹勇君
       三八七 寺島隆太郎君
       四四九 庄  忠人君
       四五七 佐藤 通吉君
一、昨一日議長において、次の常任委員の辞任を許可した。
      商業委員 坪川 信三君
一、昨一日議長において、常任委員の辞任に伴い、次の通り補欠指名した。
      商業委員 高橋 長治君
一、去る十一月二十九日委員長から提出した議案は次の通りである。
 全國選挙管理委員会法案(政党法及び選挙法に関する特別委員長提出)
一、昨一日内閣から提出した議案は次の通りである。
 食糧管理特別会計が農業災害補償法により昭和二十二年度において負担する水稻共済に係る共済掛金の負担金の財源に充てるための一般会計からの繰入金に関する法律案
 建設院設置法案
一、去る十一月二十九日予備審査のため次の本院政党法及び選挙法に関する特別委員長提出案を参議院に送付した。
 全國選挙管理委員会法案
一、昨一日予備審査のため内閣から送付された次の議案を受領した。
 医藥部外品等取締法案
一、去る十一月二十九日参議院において、本院から送付した次の内閣提出案を可決した旨の通知書を受領した。
 昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第七号)
 昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第八号)
 昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第三号)
一、昨一日参議院において、本院から送付した次の内閣提出案を可決した旨の通知書を受領した。
 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案
 家事審判法施行法案
 企業再建整備法等の一部を改正する法律案
 地方財政委員会法案
一、去る十一月二十九日提出した緊急質問は、次の通りである。
 農家保有米に関する緊急質問(河口陽一君提出)
    ―――――――――――――
#4
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 第一 民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出) (前会の続)
#5
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、民放の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 これより採決いたします。本案の委員長報告は可決であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#6
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第二 昭和二十二年度一般会計予算補正(第九号)
 第三 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第四号)

#7
○議長(松岡駒吉君) 日程第二、昭和二十二年度一般会計予算補正(第九号)、日程第三、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第四号)、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員会理事川島金次君。
  ―――――――――
 昭和二十二年度一般会計予算補正(第九号)に関する報告書
 昭和二十二年度特別会計予算補正(特第四号)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
  ―――――――――
  [川島金次君登壇]
#8
○川島金次君 ただいま議題となりました昭和二十二年度一般会計予算補正(第九号)並びに特別会計予算補正(特第四号)についての、委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 この両予算は、十一月二十七日本委員会に付託され、爾来、十二月一日まで四回にわたつて審議を重ねました。この補正予算は、北海道在勤の政府職員に対する石炭手当支給に関する法律案に伴う必要な経費その他既定の補正予算編成の後に必要を生じた経費について、補正予算第九号及び特第四号として提出されたものであります。
 まず、一般会計予算補正について申し上げますと、この補正予算第九号の歳入歳出は、おのおの六億四千二百六十二万円の増加でありまして、これを既定の予算額に加えますと、本年度の一般会計予算総額は二千七十二億五千二百余万円となります。歳出のうちおもなるものは、まず北海道の政府職員に対する石炭手当六千四百余万円、現行の五十銭紙幣を回收して新紙幣を発行するために九千五百余万円、國民貯蓄運動推進のために二千三百余万円、農業災害補償法施行のために七千九百余万円、商工省分室設置のために三千二百余万円、石炭國管の準備のために二千五百余万円などであります。この財源としましては、漁船登録手数料などの手数料收入増加七千百余万円、國立病院、療養所の入院料引上げによる増收一億七千三百余万円、電力超過加算料金の收入見込額三億五千五百余万円などであります。
 次に特別会計については、歳入二十三億二千二十余万円、歳出二十三億二千三十余万円の増加でありますが、このうち二十一億八百余万円は、國債整理基金特別会計における國有鉄道事業特別会計所属の借入金の借換え等によるものでありまして、これを差引くと、歳入二億千二百余万円、歳出二億千二百十余万円の増加となります。歳出のうちおもなるものは、一般会計分と同じく、北海道における政府職員の石炭手当でありますが、この経費は一億九千七百余万円であります。但し、このうち一億八千九百余万円は予備費よりの支出で賄いますので、差引き八百四十余万円の支出純増加となります。そのほか、割増金附郵便貯金制度創設のための経費八千七百余万円などがあります。これらの財源としては、預金部特別会計の借入金、通信事業特別会計の印紙收入増加などによつております。また鉄道、通信の両特別会計の建設勘定所属の職員へ支給の石炭手当の財源は公債金收入によつておりまして、その金額は、鉄道六百余万円、通信百余万円であります。以上が、この予算の概要であります。
 次にこの予算に関しての質疑のうち、おもなものを御報告いたします。まず第一に、石炭手当に関してでありますが、この手当を特に北海道在勤の者にのみ支給して、東北その他の寒冷地の者には全然支給しないのは、不公平ではないかとの質問がありましたが、これに対しては、政府側より、北海道在勤の者に石炭手当を支給するのは從來よりの慣例となつており、この点、組合とも了解済みである。また北海道地方労働委員会の裁定と違つているが、この石炭手当で組合側も正式に了解済みかという質問に対し、全國官公廳待遇改善準備会と正式に打合わせた結果であるとの答弁がありました。次に、寒冷地在住者には最高一割五分、最低五分程度の寒冷地手当を考慮しているとの答弁がありました。
 第二は、商工省分室を設置するための経費三千万円についてでありますが、政府側の説明によりますと、これは新しく調査統計関係の部門を増設し、また各種産業団体の閉鎖及び解散に基きその人員を吸收する等のため機構人員の膨張を來し、從來とも狭すぎた商工省としては、この措置はやむを得ないとのことでありました。これに対して委員より、行政整理の要望されている今日、人員の無條件の膨張並びに他の官廳とのやりくりもなしに新廳舎を買收するのは十分戒むべきであるとの警告がありました。
 以上のごとき質疑を終つて、討論に入り、社会党海野委員、民主党押川委員、國民協同党今井委員より、それぞれ賛成の旨が述べられ、自由党の苫米地委員よりは、石炭鉱業管理のための経費二千五百余万円を削除する修正案を提出されました。かくて、討論を終つて採決に入り、苫米地委員の修正案は少数にて否決、次いで、原案が過半数をもつて可決されました。
 以上、簡單ながら御報告いたす次第であります。(拍手)
#9
○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#10
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第四 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#11
○議長(松岡駒吉君) 日程第四、配炭公團法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。鉱工業委員長伊藤卯四郎君。
  ―――――――――
 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
    [伊藤卯四郎君登壇]
#12
○伊藤卯四郎君 ただいま議題となりました配炭公團法の一部を改正する法律案について、鉱工業委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 御承知のごとく本案の趣旨は、從來配炭公團においては、石炭、コークス及び三千五百カロリー以上の亞炭を一手買取りの上、重要産業に配当しておりましたが、燃料の需給状況は依然として好轉しないので、さらに配炭公團の取扱い範囲を拡大する必要に迫られ、新たに三千五百カロリー以下の亞炭、石炭の半成コークス及び亞炭コークスを配炭公團の取扱品目とし、政府指導のもとに配炭公團に一手買取り及び配給を行わせることにせんとするものであります。
 本案は、十月十日本委員会に付託せられたのでありますが、臨時石炭鉱業管理法案の審査中でありましたため、本案の審査が遅延いたしておりましたが、各委員とも、以上のごとき本案の趣旨を諒とせられ、迅速に審査を終了したいとの意向により、十一月二十八日、一日を以て審査を終了した次第でございます。
 本案に対する質疑の要点は、現行配炭公團法の運用に関して、運営委員会の活用、本法施行の期間、輸送の改善、亞炭コークスの規格、公團の取扱手数料及び販賣價格、配給機構等についてでありまして、特に輸送の改善については、亞炭の輸送が惡いため、消費者の迷惑はもちろん、生産上にも甚大なる打撃を及ぼしつつある現状に鑑み、徹底的な改善を要望するというにあり、それについて、それぞれ政府委員から答弁がありました。
 なお本法案の審議の際、宇部興産の半成コークスを本法案第一條第一項の「半成コークス」の適用から除外してほしいとの請願一件を併せて審査いたした次第であります。これに対して、政府委員よりは、配炭公團が末端までの配給を担当することは困難であり、特に宇部窒素の場合は、現状に從い、現在の特約店を十分活用するとの答弁があり、本委員会においてもこれを了承した次第であります。
 かくして、委員会におきましては討論を省略し、満場一致をもつて原案通り可決をいたした次第であります。
 以上をもつて、委員長の報告を終る次第でございます。(拍手)
#13
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#14
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第五 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#15
○議長(松岡駒吉君) 日程第五、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長坂東幸太郎君。
  ―――――――――
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
  ―――――――――
  [坂東幸太郎君登壇]
#16
○坂東幸太郎君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、治安及び地方制度委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、九月十五日に内閣より提出され、九月二十八日に本委員会に付託されたのでありますが、内務省解体の方針がその後変更されました関係から、今日までその審査を延期いたしていた次第であります。今般、内務省解体に伴う諸機構が明瞭となりましたので、内務省解体に伴う関係法律案の提出とともに、政府においても、十一月二十七日、議院の承諾を得て本案に対する修正をされたのであります。
 まず、本改正案の要旨を申し上げますと、第一は、物價騰貴に伴う諸経費の膨張並びに職員給与改善のため生ずる財政不足を補うために、都府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人当りの平均賦額が現在それぞれ都府縣民税は百二十円及び市町村民税は八十円でありますのを、五割ずつ引上げて百八十円及び百二十円といたし、また特別市に関しては、二百円とあるのを三百円に引上げたのであります。
 第二は、学校教育法の施行によつて國民学校令が廃止せられまして、國民学校が小学校と改まるとともに、新たに中学校が義務制となりまして、市町村がその設立の義務を負うことになつたので、從來地方税法中「國民学校営繕費」とあるのを、「小学校営繕費、中学校営繕費」に改めたのであります。
 第三は、内務省解体に伴いまして、地方税法並びに関係法令の字句の整理をはかつたものでありますが、この点に関しましては、院議によつて承諾せられた政府の修正によつて改正前の規定のままにしておき、その代り、地方財政委員会法案の附則におきまして、「内務省の廃止後は、法律を以て別段の規定をなすまでの間は、地方税法、地方分興税法その他の法令により、地方財政に関し從來内務大臣に属した権限は、臨時に地方財政委員会の補佐により、内閣総理大臣がこれを行うものとする。」と規定いたしまして、内務大臣の代りに内閣総理大臣が地方財政委員会の補佐によつて行うことに、地方財政委員会法案によつて改正することといたしているのであります。
 第四は、法律の施行期日について、修正以前の原案においては政令によつて定むることとしてありましたのを、修正によつて公布の日からこれを施行することとし、なお昭和二十二年度分からこれを適用することといたしているのであります。
 以上が本案の要旨でありますが、委員会において論議せられました中心点は、内務省解体に伴う警察及び消防制度の実施のため、ぜひ地方税制の根本的改革を行わなければ、せつかくの新警察制度並びに新消防制度も、その所期の目的たる地方分権の確立、地方自治の民主化ということが遅れることとなるおそれがあるが、政府の所見いかんということでありましたが、政府の答弁は、政府においてもその必要を認め、内務省解体に伴い設けられる地方財政委員会は、地方財政民主化のための財政改革案をつくることを第一任務とするのであつて、委員会設置後九十日以内に財政改革案を國会に提出しなければならぬこととなつており、この改革案には、警察制度の実施に要する費用の市町村負担を含め、自治体警察が國庫補助なしに独立していけるよう考慮して、次の通常國会に提出することを考えているというのであります。その他種々なる観点から、各委員より質疑がありましたが、詳細は会議録によつてごらんをお願いいたします。
 本委員会は、十一月二十六日、二十八日の二回にわたり審議いたしました結果、地方税法の根本的改正は今後にまつこととし、本案はその施行を急いでありますので、地方税法の根本的改革に対する意見は、次の通常國会において改革案が提出された際になすことといたし、十一月二十八日討論を行い、総員起立、満場一致をもつて本改正案を原案通り可決いたした次第であります。
 以上をもつて、治安及び地方制度委員会における地方税法の一部を改正する法律案に対する審議の経過及び結果に関する御報告とする次第であります。(拍手)
#17
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#18
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第六 全國選挙管理委員会法案(政党法及び選挙法に関する特別委員長提出)
#19
○議長(松岡駒吉君) 日程第六は委員長提出の法律案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#20
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。
 日程第六、全國選挙管理委員会法案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。政党法及び選挙法に関する特別委員長淺沼稻次郎君。
    〔淺沼稻次郎君登壇〕
#21
○淺沼稻次郎君 ただいま議題となりました全國選挙管理委員会法案について、政党法及び選挙法に関する特別委員会を代表いたしまして、提案の理由及び本案の要旨を御説明いたします。
 まず最初に、本案起草の経過について申し上げます。本委員会は、去る七月二十九日、院議をもつて設置せられたのでありますが、七月三十日第一回の委員会を開き、その後第八回にわたり、政党法案に規定すべき内容について種々意見を交換し、委員会の大体の結論に基いて、政党法案起草のための小委員を八月二十日選定いたし、爾後七回にわたり、工藤小委員長のもとに活溌なる論議を重ねつつこれが起草に当つてまいつたのでありますが、十月一日に至り、一應の政党法案要綱の決定をみた次第であります。しかるに、その後諸般の事情の変化があり、十一月七日再び協議いたした結果、政党法案そのものについては、さらに愼重に再檢討を加えることとすると同時に、政党法案に関連して、全國選挙管理委員会に関する問題、政党の腐敗防止に関する問題及び選挙法に記号式を採用する等の問題を特に早急に取上げることとし、十一月十一日、参議院と両院合同打合会を開き協議した結果、十一月十四日、小委員会において從來論議の結果大体の要綱を決定いたしました政党法案は一應そのままとし、まず内務省解体に伴い、今日まで内務省の所管でありました選挙事務を掌理するために緊急を要する全國選挙管理委員会に関する法律案を起草することと決定したのであります。その後各方面の意見をも参酌しつつ、全國選挙管理委員会法案について小委員会において構想を練り、また一方十一月二十一日、再び両院合同打合会を開いて互いに意見を交換いたした結果、十一月二十三日の小委員会において、小委員会の成案を得たのであります。十一月二十六日に本委員会を開き、小委員長より小委員会における全國選挙管理委員会法案の成案について報告を求め、小委員会の成案についてさらに修正檢討を加え、種々協議した結果、社会党より細川隆元君、民主党より長野重右ヱ門君、自由党より栗山長次郎君、國民協同党より大原博夫君、第一議員倶樂部より石原登君、農民党より綱島正興君、共産党より林百郎君から、それぞれ党派を代表いたしまして討論が行われ、ここに一應委員会の成案を得るに至りましたが、さらにその後若干の修正を加えて最後的に成案を決定し、今日提出の運びとなつた次第であります。
 次に、本案の要旨について申し上げます。第一に、全國選挙管理委員会設置の目的は、今回の内務省解体を契機に、從來内務省において行つていた選挙に関する事務を行わせるために、政党の推薦した者をもつて構成する独立の機関たる全國選挙管理委員会なるものを設けて、もつて選挙の公正をはかり、かつ政党法案において考慮せられていた政党管理委員会にかえて、政党に関する事務をも掌らしめんとするのでありまして、これに選挙、投票、國民調査、政党、政治結社の事務一切をあげて管理させんとするものであります。この全國選挙管理委員会は、その設置目的からいつて独立の機関でありますが、その行政機関たる性質に鑑み、一應内閣総理大臣の所轄に属せしめることといたしております。
 第二に、本委員会の職務内容を申しますと、從來内務省の行つておりました選挙事務をその主なるものといたしておりまして、
一、國会議員の選挙及び地方自治法に基く選挙その他の投票に関する調査及び資料の蒐集並びにこれらの制度に関する事項
ニ、最高裁判所裁判官國民審査法による國民審査及び日本國憲法改正の國民の承認に関する投票に関する調査及び資料の蒐集並びにこれらの制度に関する事項
三、前二号の選挙、投票及び國民審査に関し必要な予算の要求、要旨のあつせんその他これらの施行準備に関する事項
四、政党及び政治結社に関する事項
五、その他法律に基きその権限に属する事項
が、その職務内容であります。
 第三に、職務権限といたしましては、参議院全國選出議員選挙管理委員会、都道府縣または市町村の選挙管理委員会に対し、それぞれの有する事務について、全國選挙管理委員会はこれを指揮監督することを規定しております。
 第四は、全國選挙管理委員会の組織に関する事項であります。委員会は委員九人をもつて組織され、國会の議決による指名に基いて、内閣総理大臣がこれを任命するのでありますが、その指名は、各党派の政治的実勢に基き各党派から推薦することとし、かつ小会派も共同して推薦し得ることとなつておりまして、これらの人たちによる正しき選挙管理事務の執行を期待しているわけであります。なおここに党派とあるのは、政党、会派及び院内團体を指すものであることを念のためつけ加えておきます。委員はその身分を公務員とし、任期は三年でありますが、九年を超えない範囲において再任し得ることとなつております。その報酬は、委員長は國務大臣の俸給に準ずる報酬を、他の委員は一般官吏の俸給より低くない程度の報酬を受けるのでありますが、なお委員は常勤でありまして、その職務の性質上、國会議員または地方公共團体の議員もしくは長を兼ねることができないこととなつているのであります。その他委員の欠格條項、内閣総理大臣が委員を罷免する場合あるいは委員の退職の場合等の規定及び委員長に関してはその任命権限及び委員長事故ある場合の代理者の規定等が設けてあります。なお、委員が欠けた場合にその職務を行うために、委員と同数の予備委員を置くこととし、その任免、任期、退職等については、委員に準ずるものとしております。
 第五として、委員会の議事運営に関し、委員会の定足数は半数以上とし、議事は出席議員の過半数によつてこれを決し、可否同数のときは委員長の決するところによるとしているのであります。
 第六に、委員会の事務を処理させるため事務局を設置し、事務局長その他の所要の職員を置くこととし、事務局長の進退は、委員会の申出によつて、内閣総理大臣がこれを行うこととなつているのであります。
 第七に、全國選挙管理委員会は、他官廳との関係について、職務上必要の場合は、関係官公署に対し必要な報告または資料もしくは記録の提出を求めることができることとしております。
 第八に、附則において、本案の施行期日及び内務省よりの事務引継ぎの経過規定を定めております。施行期日は昭和二十二年十二月十日とし、事務引継ぎを終るまでは、從前通り内務省が行うこととしているが、昭和二十二年十二月三十一日よりも遅くない期間に、委員会が設置され次第、可及的速やかにその引継ぎが行われなければならないこととしております。これは諸君御承知の通り、本年十二月三十一日をもつて内務省が解体するためであります。
 第九、最後に本案制定によつて関係法律の一部を改正せねばならないので、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法、選挙運動の文書図画等の特例に関する法律及び國会法のそれぞれ一部の改正すべき点を規定しているのでありますが、関係法規の改正のうち、おもなる点を申し上げますと、文書図画等の特例に関する法律は、現在の紙不足等から考えまして、一應昭和二十三年まで延期いたすことにしておき、また参議院全國選出議員選挙管理委員会は、参議院議員をもつてその構成員としておりますが、全國選挙管理委員会は、この法律の第四條により、この委員会を指揮監督することになつておりますので、行政機関のもとに國会議員をもつて構成する機関が從属することになることはいかがかと考えましたので、参議院全國選出議員選挙管理委員会の構成を、國会議員以外のもので参議院議員の被選挙権を有するものをもつてすることに改めた点であります。
 以上が本案の要旨の概要でありますが、小委員会及び本委員会において論議の中心となつた点を申しますと、第六條の全國選挙管理委員会の委員の数についてであります。委員の数の点に関しては、全國選挙管理委員会は單なる行政機関であつて、政党から出てくる委員は、政党の連絡機関たる性格を有するものであるから、できるだけ政党から出てくる人は少数で、他は政党外の人がよいという意見、あるいは小会派の意見として、第一議員倶樂部の石原君から、政党の現勢をもつてすべきではなく、各党から出すべきであるという意見、あるいは共産党の林君から、こういうような意見も出てまいつたのであります。一、第一條第二項を左のごとく改正すること。「全國選挙管理委員会は國会内に置く」。二、第三條第四号は削除する。三、第五條第一項は左のごとく改める。「全國選挙管理委員会は委員十一名を以て、これを組織する」。四、第五條第二項はこれを削除する。五、第六條第二項は左のごとく改める。「委員は、労働組合、農民組織及び一般市民團体を選出母体として選出された者を、國会が議決して委嘱する」。六、第八條第二項は削除する七、第十條に左の一号を加えること。「現に議員である者又は議員であつた者」。八、第十三條第四項を左のごとく改正すること。「委員会は、委員長がこれを招集する。委員から委員会の招集の請求があるときには、委員長は、これを招集しなければならない」。こういう意見も出てまいりました。また農民党の綱島正興君から、衆参両院より選挙された特別委員の協議に基き、両院議員がこれを任命することがよいという意見等が忌憚なく交されたのでありますが、一定の基準を設けませんと、委員を選考指名するのに困難でありますので、一應現勢力を反映させ、かつ一方において小会派からもできるだけ委員を出させ、もつて選挙事務を互いに監視させることによつて正当公平なる選挙を行わせることがよいとの結論に基きまして、九人ということに決定した次第であります。また各党派の解散、合同あるいは政党の結成その他により所属國会議員数に異動があつたため、各党派の割当に変更を要すると認められるときは、國会においてその都度指名議決をするということも考へられたのでありますが、全國選挙管理委員会は行政機関であり、かつその機関が永続性をもつべきものであるという点に鑑みまして、かかる規定を置くことをやめた次第であります。
 以上をもつて、全國選挙管理委員会法案の提案理由及びその要旨について御説明申し上げました。本案は、政党自身によつて選挙の公正をはからんがために定められたものであり、内務省解体に伴い、内務省の所管してきた選挙事務を行うべき全國選挙管理委員会の実現は緊急を要するものでありますので、本案の速やかなる成立を希望するとともに、これが実施の暁は、全國選挙管理委員会の委員を國会の指名に基いて速やかに任命して、本委員会の活動が一日も早く開始されることを期待するのであります。私はここに、本案起草にあたり委員諸君の熱心な御努力に対して厚く感謝いたしまするとともに、何とぞ諸君の御賛同を賜らんことを切望いたしまして、提案理由にかえる次第であります。(拍手)
#22
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#23
○議長(松岡駒吉君) 起立総員。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ――――◇―――――
#24
○安平鹿一君 日程第七ないし第九の三案は、これを延期せられんことを望みます。
#25
○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程第七ないし日程第九は延期するに決しました。
     ――――◇―――――
 第十 北海道に在勤する政府職員に対する越冬燃料購入費補給のための一時手当の支給に関する法律案(内閣提出)
 第十一 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十二 食糧の輸入税を免除する法律案(内閣提出)
#27
○議長(松岡駒吉君) 日程第十、北海道に在勤する政府職員に対する越冬燃料購入費補給のための一時手当の支給に関する法律案、日程第十一、関税法の一部を改正する法律案、日程第十二、食糧の輸入税を免除する法律案、右三案は同一の委員会に付託した議案でありますから、一括して議題といたします。財政及び金融委員会理事梅林時雄君。
  ―――――――――
 北海道に在勤する政府職員に対する越冬燃料購入費補給のための一時手当の支給に関する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
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 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
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 食糧の輸入税を免除する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
  ―――――――――
    〔梅林時雄君登壇〕
#28
○梅林時雄君 ただいま議題となりました三案につき、財政及び金融委員会における審査の経過並びに結果の概略を御報告申し上げます。
 まづ第一に、北海道に在勤する政府職員に対する一時手当の支給に関する法律案についてでありますが、北海道においては、越冬用の家庭暖房石炭は生活の必需品であつて、北海道在勤の政府職員に対しては、賞與制度の廃止せられる以前は、賞與の支給率において考慮を加えてきたのでありますが、本年七月実施いたしました新物價体系における約十倍に上る石炭價格の大幅引上によつて、北海道在勤政府職員の石炭購入費の増高は、はなはだしいものがあるのであります。しかるに、政府職員の現行の給與制度におきましては、毎月の定期的收入によつてはこれを支出することができないことは明らかなので、本年度に限り、特別の手当をこの際支出しようとするものであります。
 本案による手当額の算出の基礎について申し上げますと、北海道住民に対する本年度家庭用炭に関する石炭廳並びに配炭公團の計画では、四級ないし八級炭を配給することになつておりますが、配炭の操作上、これよりも上級炭を一部配給した実例があります。この点を考慮しまして、家庭用炭としては最上級の四級炭の公價をもつて計算の基礎といたしますとともに、消費者の支拂うべき石炭一トン当りの價格は、千六百六十二円といたしたのであります。次に、本年度北海道各家庭の配給計画量は、昨年度と同樣二・二トンとなつておりますので、所要平均石炭價格は三千六百五十六円となるのでありますが、この金額を全部國庫において負担することは適当とも考えられないので、世帶主たる職員には三千円、それ以外の者には、その三分の一を支給せんとするものであります。なお、現在北海道在勤の政府職員は、一般、特別の両会計を合わせて、世帶主七万四千七百人、非世帶主七万二千四百人でありますから、本案によつて國庫の負担として支出せられる金額は、約二億六千五百万円でありまして、その他に地方負担分として、八千六百余万円を要する見込みであります。
 次に、関税法の一部を改正する法律案について、原案の要旨を申し上げます。
 まず第一に、関税法施行規則中法律をもつて規定すべき事項の関係でありますが、関税法施行規則中、外國貨物の仮陸揚及び沿海通航船が外國に海難その他やむを得ない事故のため寄港した場合の税関の申告並びに税関で定めた場所以外で貨物の税関檢査を受けようとする場合の特許申請等に関する規定は、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際効力を有する命令の規定の効力等に関する法律により、本年十二月三十一日までは法律と同等の効力があるのでありますが、それ以後は効力を失うこととなるのであります。しかし、右の規定は引続きその効力を存続する必要がありますので、これを法律として関税法中に規定せんとするものであります。
 次に、開港及び開港港域の関係でありますが、現在の開港は、関税法制定当時の開港のほか、同法第九十九條に基く明治三十二年勅令第三百四十二号の開港指定に関する勅令によつて指定せられているのでありますが、新憲法の施行に伴い、港域とともに法律に規定するを適当と認められますので、ここに関税法第九十九條の規定を改正し、現在の開港四十二港を別表として規定せんとするものであります。この改正法律が施行せられますと、右の明治三十二年勅令第三百四十二号は不要となりますので、同法の施行と同時に、これを廃止する考えであります。
 最後に、食糧の輸入税を免除する法律案を御説明いたします。從來、米麦、雜穀、澱粉その他カン詰類等の主要食糧の輸入については、食糧管理法に基く昭和二十一年勅令第三百五十四号及び同年勅令第四百四十五号によつて期間を指定し、これが輸入税を免除してまいつておりまするが、本年十二月末日をもつてその期間が満了するのであります。しかしながら、わが國現下の食糧事情に鑑みまするときは、右の食糧中カン詰類の容器による制限はこの際これを撤廃いたしますとともに、新たに数品目の食糧を追加して、もつてさらに明年一年間それら主要食糧等の輸入税を免除するの必要があるのであります。また同時に、これが免税に関しては、食糧管理法に定むる主要食糧の範囲を超えておりますので、同法によらず、別個の法律によつて規定するのを適当と考えられますので、本法の別表にこの品目を指定し、これが輸入税を免除せんとするものであります。
 以上三案は、いずれも本委員会に付託されたものでありまして、北海道に在勤する政府職員に対する一時手当に関する法律案については十一月二十九日、他の二案については昨十二月一日、それぞれ政府委員により提案理由の説明を聽き、質疑に入りましたが、北海道に在勤する政府職員に対する一時手当に関する法律案は、すでに嚴寒期を迎え不安なる職員に対する措置として妥当のものと認め、あとの二案はともに手続的な問題にすぎないので、同日、討論省略、採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決いたしました。
 以上、簡單でございますが、御報告申し上げます。(拍手)
#29
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。三案の委員長報告は可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第十三 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#31
○議長(松岡駒吉君) 日程第十三、漁業法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長青木清左ヱ門君。
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 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
  ―――――――――
    〔青木清左ヱ門君登壇〕
#32
○青木清左ヱ門君 ただいま議題となりました漁業法の一部を改正する法律案について、水産委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本案提出の趣旨及び内容について申し上げますと、本案は、地方自治法の施行に伴いまして必要な字句を修正するとともに、漁業法に基いて発せられておりまする命令の罰則に関する條項の効力が本年十二月三十一日をもつて失われますので、この命令の違反者に対する罰則を漁業法中に規定しようとするものであります。
 その内容とするところは、まず第一に、地方自治法の施行に伴いまして、「地方長官」を「都道府縣知事」に改めるという、單なる字句の修正であります。
 第二は、從來漁業法に基いて発せられておりまする主務大臣の命令中罰則を規定しておりますものは、漁業法第三十四條第二項または第三十五條第二項に基く、たとえば汽船トロール漁業取締規則、機船底曳網漁業取締規則、瀬戸内海漁業取締規則その他の農林省令でありまするが、これらはいずれも明治二十三年法律第八十四号、すなわち命令の條項違犯に関する罰則に関する法律に基いて罰則を附しておるのでありまして、この根拠法律は、昭和二十二年法律第七十二号、すなわち日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律によりまして、今年十二月三十一日限り無効となりますので、これに代るべき條項を漁業法第三十四條中に設けまして、その命令の違反者に対する罰則を、昭和二十三年一月一日以降といえども引続き有効ならしめようとするのであります。
 第三は、從來漁業法の規定に基いて、各都道府縣知事は漁業取締規則を制定しておるのでありまするが、その中に規定しておる罰則は、ただいま申し上げましたのと同樣な理由をもちまして、本年末限り無効となるのであります。しかして、地方自治法第十五條の規定によりまして、都道府縣の規則に違反した者に対する刑罰は、原則として法律中に直接規定いたさなければならないので、特に一條を設けて第五十八條の二といたしまして、その刑罰の規定を設けようとするものであります。以上が、政府原案の大体の内容であります。
 本委員会は、十一月十九日政府の提案理由の説明を聽取いたしまして、ただちに審議にはいつたのでありますが、質疑應答の内容の詳細は議事録によつて御覧を願いたいと存じます。そのうち、漁業の民主化の線に沿つて最も緊要を要するものは、漁業法並びに水産業團体法の根本的改正であります。ゆえにこの点について、民主党の馬越晃君、自由党の石原圓吉君の両君より、政府に対して意見を求められたのであります。政府においては、目下成案を得て、ただいまその整理中であるので、次の第二回の國会においてはこの法案を提出する見込であるという御答弁があつたのであります。
 次に、本案に対しましては、十一月二十五日、各派協同提案の形式をもちまして、自由党の西村久之君より修正動議が提出されたのであります。これは、漁業法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。第二十四條第一項中「水底電線ノ敷設若ハ國防其ノ他ノ軍事上」を「若ハ水底電線ノ敷設ノ」に改める。同じく第四十一條第一項中「海軍艦艇乗組將校、」を削るというのでありまして、これは、新憲法が施行せられて戰爭を放棄した現役階において、今日なお必要のない軍事國防に関する字句が漁業法の中にあるということは不穏当であるゆえに、これを削除すべしというのでありまして、その理由、内容は当然かつ妥当なものと考えられたのであります。よつて十一月二十六日、本委員会においては討論を終局いたしまして、採決の結果、各党協同の修正通り全会一致をもつて修正議決いたしました次第であります。以上、簡單に御報告申し上げます。(拍手)
#33
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第十四 最高法務廳設置法案(内閣提出)
#35
○議長(松岡駒吉君) 日程第十四、最高法務廳設置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員会委員中村俊夫君。
  ―――――――――
 最高法務廳設置法案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
    〔中村俊夫君登壇〕
#36
○中村俊夫君 ただいま議題と相なりました最高法務廳設置法案について、司法委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず、政府原案の概要を御紹介申し上げます。新憲法の施行に伴い、司法省の任務、あり方がいかにあるべきかについて根本的に再檢討されねばならぬ時期となり、これがため政府においては、警察制度とともに、司法省の改廃問題につき委員会を設けて愼重に審議せられたのであります。この審議において問題となつた考え方は、三権分立の原則が徹底し、司法権が完全に裁判所において行使された後は、司法省は解体してもよいのではないかという考えが一つ。次に、裁判所に移つた事務の残りをもつて、小さく司法行政官廳を残置する方がよいのではないかとの考えが一つ。さらに、檢察廳、民事局、行刑局、矯正局等のごとく、それぞれ司法行政官廳を独立させてその連繋をはかるのがよいではないかとの考えなどがあつたのであります。しかし、かかる消極的な考え方によつて司法省の改廃問題を解決することは、國家行政機構の上に大きな欠陷を起させるということがわかりましたので、どうしても民主主義國家行政機構としては、國民のために行政部全体における法律事務を総合的に指揮監督していくのが合理的であり、かつまた行政経済の原則にも合致すると考えられるに至つたのであります。この考えが、最高法務廳設置法案立案の基礎となつておるのであります。このように、法務廳は行政部全体に跨がる任務をもつているから、これを省とせず、廳としておるのであります。以上が、最高法務廳設置の根本趣旨でございます。
 このような趣旨で設けられる最高法務廳の組織は、すなわち一人の総裁と五人の長官と十六人の局長とで組織されております。すなわち最高法務総裁は、法律問題について政府の最高顧問として内閣並びに内閣総理大臣や各省大臣に意見を述べ、または勧告するのであります。この総裁の補助として、檢察長官、法制長官、法務調査意見長官、訟務長官及び法務行政長官の五長官があり、この長官の下に十六の局が所属されておるのであります。以上が、政府原案の概要でございます。
 委員会は、十一月二十三日政府の説明を聽き、二十四日から質疑應答に入りましたが、この間委員は、この法案が從來の内閣の各省設置法案と異つた新しい官廳組織法案であることに鑑みまして、外國の先例を調査し、また既設官廳との所管事務の調査にも苦心し、愼重審議を続けてまいりました。今ここに委員会における質疑應答のおもなるものを申し上げます。
 第一に、わが國の内閣は、各省のほかにすでに経済安定本部総裁があるのに、新たに最高法務総裁が設けられることになると、憲法上の内閣制度に屋上屋を架するというような結果とならぬかという質疑がありました。これに対して政府から、最高法務総裁は総理大臣と各省大臣との中間にあるわけでなく、又日本國憲法の予想しない官職でもない、憲法の認める一つの國務大臣にすぎないのであつて、異なるところは、行政部における法律問題について、これを指導統一する役目をもつだけであるとの答弁がありました。
 第二に、最高法務総裁は、その地位に最もふさわしい者の中から任命することになつているが、ふさわしい人物の資格はどんな條件であるか、またなぜ國務大臣でなければならぬかという質疑がありました。これに対して政府から、法律に熟達し、しかも不偏不党、嚴正公平の人物の中から総裁を任命するという内閣総理大臣の心の準備を定めたものである、但し、政党離脱とか一定の学識経驗者とかを要求しているわけではない、なお、國務大臣でなければならぬ理由としては、総裁が單に法律顧問ならば、法律の熟達者で公平なる人物で足りるが、総裁は國民に対して、その職務上の責任を負わねばならぬ、これがためには、國会において責任を明らかにするため、國務大臣でなければならない、從つて総裁は、対内的には閣議において法務総裁として責任を負うが、対外的には内閣の一員として、各國務大臣とともに連帶して責任を負うべきものであるとの答弁がありました。
 第三に、総裁は執行機関なりや諮問機関なりや、またその担当する法律問題の意義はどうかという質疑がありました。これに対し政府より、総裁は執行機関と諮問機関とを兼ねており、この点、從來の官職にその例を見ない、また法律問題とは、主として法律の技術的、事務的方面を指すので、内閣の政治経済の政策そのものを決定することに参加しないという答弁がありました。
 第四に法務廳内の各局についての質疑應答は次の通りであります。まず檢察局については、なぜ司法警察官の教育訓練に止め、人事任免権の掌握に及ばないのかとの質問に対し、警察力の集中排除のために、それまでには及ばなかつたとの應答がありました。次に人権擁護局については、擁護の対象は國民の身体のみであるか、あるいは精神的恐怖をも含むかとの質疑に対し、身体の自由のみならず進んで名誉、信仰等にも及ぶものであるとの答弁がありました。次に矯正総務局については、最近刑務所の不祥事件が絶えない、その理由の一半は、過剰拘禁のためである、行刑の確固たる方針と予算の独立をはかるためには、行刑局を法務廳の外局として独立させる方が適当ではないかとの質疑がありました。これに対して、現在の状態で、そのまま外局となることは、かえつて不完全な外局として出発することになるから、しばらく時期を待つ方がよいという答弁がありました。次に少年矯正局と附則については、罪を犯すのおそれある少年に関する事務の所管が必ずしも明確でないとの質疑に対し、政府より、罪を犯した少年の所管は法務廳に属する虞犯少年に関する事項は、明年四月より厚生省に移管される、但し、少年裁判所において保護処分を受けた少年を除くという答弁がありました。
 以上が、委員会における質疑應答の概略の経過であります。
 かく審議を進めてまいりましたところ、二十八日、二十九日の両日に、二つの修正案が提出せられました。修正案の第一は、鍛冶良作委員提出のもので、その内容は、最高法務廳の「最高」の文字を削る、「法務調査意見」とあるのを「法務調査」と改める、総裁は意見を述べ、且つ諮問に答えると規定して、執行機関にして、かつ諮問機関たることを明瞭にする、最後に、檢察局の活動を促す権能を人権擁護局にもたせるというのであります。
 修正案の第二は、各派共同提案になるものでございまして、その内容は、総裁の権限中に、内外法制の調査のみでなく、國際法制をも調査せしめんとするものであります。その理由は、國内及び外國の法制のほかに、國際連合のごとき國際関係の法制の調査も必要であるというにあるのであります。
 両修正案に対しては、各党委員より、それぞれ党を代表して賛否の意見が開陳せられ、採決の結果、鍛冶委員提出の修正案は少数をもつて否決せられ、各派共同提案になる修正案は、全会一致をもつて提案のごとく決し、結局本案は修正議決せられた次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#37
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 横須賀港を開港に指定する等の法律案(内閣提出)
#39
○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、横須賀港を開港に指定する等の法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#40
○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 横須賀港を開港に指定する等の法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。國土計画委員長荒木萬壽夫君。
  ―――――――――
 横須賀港を開港に指定する等の法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により最終号の附録に掲載]
  ―――――――――
    〔荒木萬壽夫君登壇〕
#42
○荒木萬壽夫君 ただいま議題となりました横須賀港を開港に指定する等の法律案に関し、國土計画委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
 まず第一に、政府提案の理由及び法案の内容につき御説明申し上げます。今般待望の民間貿易の再開により、わが國の前途には明るい希望が與えられたのでありまして、外國貿易に依存せざるを得ないわが國の現状としまして、これが速やかなる進展をはかることはまことに肝要のことでありますので、この新たなる情勢に即應いたしまして、從來の横浜ほか四十一開港のほかに、横須賀港ほか十三港を新たに開港に指定し、もつて外國貿易の発展に寄與せんとするものであります。開港を新たに指定する場合は、從來は関税法第九十九條に基く委任勅令によつて指定してまいつたのでありますが、新憲法の施行に伴いまして、法律によつて指定することが適当と認められますので、既存の開港については、先ほど可決いたされました関税法の一部を改正する法律案によつて、その港域とともにこれを規定し、新たに追加する横須賀港ほか十三港につきましては、関税法とは別に、本法律案により別表にその所在府縣、開港の名称及び港域を規定しているのであります。今回開港に指定せんとする十四港のうち、横須賀、呉、佐世保、舞鶴の四港は旧軍港を、岩國、徳山下松の二港は旧準軍港をいずれも開港に轉用し、また和歌山下津ほか七港は、從來の海外貿易のほかに、機帆船等による近海貿易を必要とする等の新情勢に即應するよう、新たに追加されたのであります。
 次に、十二月一日及び本日の両日政府委員との間に行われました質疑應答のおもなるものを御紹今申し上げますれば、委員質疑の第一として、戰前よりも貿易量は減少している今日、何ゆえに開港を追加する必要があるか。これに対する政府側の答弁は、朝鮮、台湾、樺太、千島等が外地となつた今日の状況下においては、機帆船等も海外貿易に就航することとなる関係から、開港を増加する必要を生じてきた。なおまた終戰後激増してきた密貿易の取締上からも、開港を指定しておく方が便利である。
 質疑の第二として、新たに外地となつた朝鮮、台湾に近接する九州、山陰に、開港として佐世保一箇所のみを指定する理由いかん。これに対する政府側の答弁は、今回の追加は一箇所のみであるが、從來の開港としては、山陰には萩ほか二箇所、九州には三池ほか八箇所あるから、これらを総合的に考えれば、一應その目的に副い得ると思う。
 質疑の第三として、新たに追加するよりも、從來の開港の施設を充実する方が先決問題ではないか。また新たに十四港が追加されたため、從前の開港が整理されるということになりはしないか。これに対する政府側の答弁は、從來の開港も、今回追加する港湾も、相当の施設がすでに充実しているから一應支障はないし、また從つて、既存施設が分散されるおそれはない。また貿易の実績によつては開港は整理できることにはなつているが、今日までその実例はない。
 質疑の第四として、たとえば横浜に対する横須賀のごとく、現在の開港にはなはだしく近接して新たに開港を追加する必要はないではないか。これに対する政府側の答弁は、各港湾はおのおのその特質を有している。すなわち、あるいは石炭、あるいは食糧または旅客を主体とする等おのおのその特徴を活かしていく意味があるから、隣接して追加する必要がある。
 質疑の第五として、開港指定に伴い、予算は必要としないか。これに対する政府側の答弁は、本追加予定開港は、いずれもほぼ三千トン級以上の船舶が出入できる程度の施設を有し、税関支署もすでに設置されているから、特に今回の措置に伴い予算の計上を必要としない。
 以上が、質疑應答のおもなるものでありまして、詳しくは速記録に讓ることといたします。
 かくて、本委員会は本日午前討論に入りまして、日本社会党を代表して藤田榮君より、民主党を代表して村瀬宣親君より、日本自由党を代表して今村忠助君より、國民協同党を代表して野本品吉君より、第一議員倶樂部を代表して只野直三郎君より、それぞれ賛成の意見が開陳せられたのでございます。次いで採決に入り、全会一致をもつて本案は可決せられました。
 以上、簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)
#43
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 これにて議事日程は議了いたしました。次会の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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