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2018/06/14 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 財政金融委員会 第16号
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2018/06/14 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 財政金融委員会 第16号

#1
第196回国会 財政金融委員会 第16号
平成三十年六月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     古賀 之士君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     小川 克巳君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     徳茂 雅之君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     江島  潔君
     松川 るい君     野上浩太郎君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     徳茂 雅之君
     野上浩太郎君     松川 るい君
     羽生田 俊君     自見はなこ君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     羽生田 俊君
     古賀 之士君     礒崎 哲史君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 岳君
    理 事
                中西 祐介君
                羽生田 俊君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                風間 直樹君
    委 員
                愛知 治郎君
                大家 敏志君
                徳茂 雅之君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                大門実紀史君
                辰巳孝太郎君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                藤末 健三君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    木原  稔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        村井 英樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   佐々木清隆君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       外務大臣官房参
       事官       鯰  博行君
       財務大臣官房長  矢野 康治君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省理財局長  太田  充君
       経済産業大臣官
       房審議官     小瀬 達之君
       国土交通省航空
       局長       蝦名 邦晴君
       国土交通省航空
       局次長      和田 浩一君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (スルガ銀行におけるシェアハウス関連融資に
 関する件)
 (学校法人森友学園に関する件)
 (仮想通貨に係る課税関係に関する件)
 (景気対策のための財政出動に関する件)
 (仮想通貨交換業をめぐる規制に関する件)
 (北朝鮮に対する経済制裁に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(長谷川岳君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に羽生田俊君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局長池田唯一君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(長谷川岳君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
#8
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨年十二月十三日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしております。
 報告対象期間は、平成二十八年四月一日以降九月三十日までとなっております。
 御審議に先立ちまして、その概要を御説明させていただきます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 なお、平成二十四年九月十日に解散をいたしました日本振興銀行に関し、預金保険機構において、預金保険で保護される範囲を超える部分の預金について最終弁済となる第三回精算払等が開始されております。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中に日本振興銀行の最終受皿であるイオン銀行に対する四千二百万円の増額が生じたことなどにより、これまでの累計十九兆三百八十八億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十八年九月三十日現在、各勘定合計で二兆一千百十六億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
#9
○委員長(長谷川岳君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○川合孝典君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の川合でございます。
 私の方からは、珍しく今日は金融庁に関わる質問から始めさせていただきたいと思います。
 委員の皆様も御承知のとおり、スルガ銀行のいわゆるサブリースローン問題、いわゆるかぼちゃの馬車問題というのが最近新聞や報道紙上にも取り上げられてきております。これは、いわゆるかつてのバブル期の融資と同じように非常に放漫融資がその原因となっているということは、調査中でありますが、外形的に見てもう明らかな状況であります。
 こうした事件がなぜ起こったのかということを今後きちんと真相究明を行っていかないと、金融機関全体に対する信認が失われることにもつながりかねない、そういう意味で非常に大きな問題だと私捉えておりまして、まずこのスルガ銀行による不正融資問題について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、金融庁にお伺いをしたいと思いますが、この問題に関して現時点で金融庁が把握している事実関係を、概略についてかいつまんでで結構でありますので、御報告をお願いします。
#11
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 スルガ銀行のシェアハウス融資の概要につきましては、銀行の公表資料でありますとか危機管理委員会の調査結果などによれば、次のとおりとされております。
 まず、スルガ銀行はシェアハウスオーナーに対してシェアハウス用の土地購入及び建物建設資金の融資を行っておりましたが、当該融資の営業推進に当たりましては、スマートデイズ関連の不動産販売会社を窓口としたいわゆるチャネル営業、これが活用されておりました。このチャネル営業を活用したスルガ銀行の融資に関しましては、幾つかの問題点が指摘されております。
 まず、不動産販売会社による顧客の自己資金を多く見せるための通帳などの偽造、改ざん、あるいは不動産販売会社と顧客による不動産売買の二重契約が相当数行われておりましたけれども、相当数の行員がこの自己資金の偽装の可能性について認識していたと考えられます。また、横浜東口支店でのシェアハウス融資におきまして、営業担当者と不動産会社が一体となり、フリーローンを融資条件とするセット販売が行われていたというふうに考えられます。
 このような問題点、指摘されておりますけれども、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、現在実施中の検査における実態把握の結果を踏まえまして、厳正かつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#12
○川合孝典君 今争点となっているのは、これが個人的に行ったことなのか全行的に組織的に行ったことなのかということ、このことが非常に大きな問題になってこようかと考えておるわけでありますが、本来であれば、融資をする側と受ける側という意味でいけば、一定の借りた側の責任というものも生じるのが一般的な理解なわけでありますけれど、本件の場合には、いわゆる金融機関と不動産仲介業者とが競合することによって虚偽の事業計画を顧客に対して提示することによって借入れを行わせているという意味でいくと、詐欺的融資あるいは説明義務違反に基づく融資ということが指摘されるわけだと思っております。
 私が素朴に疑問を感じておりますのは、なぜこういう問題が起こったのかということ、それと同時に、今分かっている範囲だけでも、このサブリースローンに係る融資だけでも残高が二千億円以上と、さらには、その後の報道等で中古物件の販売等でも同様の事例が見付かり始めているといったような話が出てきております。
 なぜここまで被害が拡大するまで金融庁として把握できなかったのかということについて、どのような御認識をお持ちなのかをお教えいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(遠藤俊英君) スルガ銀行の問題に関して、なぜ今まで金融庁というのはその問題が把握できなかったのかということについての御指摘でございますが、我々、銀行に対する検査監督に関しましては、銀行の経営の健全性でありますとかあるいは業務運営の適切性、これを確保するという観点から、様々な情報を収集、整理、分析した上で、ヒアリングでありますとか、これは問題があると、ヒアリングだけでは分からないという場合にはそのオンサイトの検査、こういったことを含むモニタリングを行ってきたところでございます。
 スルガ銀行に関しましては、本年一月にスマートデイズ社がシェアハウスの保証家賃の支払を停止したことなどを受けまして、このスルガ銀行の業務運営の実態把握や検証のために立入検査の実施等の対応を行ってきたところでございます。
 委員の御指摘は、今年の一月以降のこのイベントに基づいた立入検査というのはいかにも遅過ぎたのではないかという問題提起ではないかなというふうに考えております。
 金融庁といたしましても、マクロ的なマーケットの状況でありますとか、あるいは個別の銀行の不適切な業務運営に関する相談情報でありますとか苦情でありますとか、そういった分析を通じて早期にリスクを特定して、我々、限られたリソースではございますけれども、効率的、効果的なモニタリングを実施していかなければいけないというその必要性というのは認識しております。今回の事案への対応も含めまして、この検査監督につきまして、継続的に自己点検を行い、もし我々の足らざる部分があれば必要な改善を図っていかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、スルガ銀行のシェアハウス関連融資につきましては、現在実施中の検査において実態把握を進めているところでございます。その検証結果を踏まえまして、厳正かつ適切に対応していくことを通じて行政としての責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。
#14
○川合孝典君 一月の検査では遅過ぎたのではないのかという御発言ありましたけど、継続的に検査には入られているわけでありますから、その検査の中でそういういわゆる異常が発見し切れていないということなのであれば、そのいわゆる検査手法自体についても、伝票、証書自体がもう偽造、改ざんされているということが、もしそれが事実であったとすれば、書類ベースで調べても分からぬ、分からないという、こういうことにもつながるわけでありますけれども、そうなる可能性もあるということを踏まえた上でのやっぱり検査の在り方ですよね、というものについては、やっぱりもっときっちりと検討し、改善すべきは改善していくべきだと思っておりますので、そのことは御指摘させていただきたいと思います。
 その上でなんですが、今回の事例、返済能力のない、収入のそれほど多くない方がいわゆるシェアハウスを土地、建物を一括で購入をするための資金をスルガ銀行が融資するために、通帳の残高を要は水増ししているということで、結局、巨額の、本来借りられるわけのないほどの融資を受けているという、こういうことでありまして、当然、かなりの高金利のフリーローンで利回りが七、八%ということで、夢のようなある意味金融商品であるのはプロの方なら一目瞭然の話でありますが、一般の消費者の方がそれを見抜くということは必ずしもそんなに簡単なことではないのもこれまた事実であります。
 世間の目としては甘い話に乗った方が悪いんじゃないのかといったような論調の意見も出ているようでありますけれども、いわゆる詐欺的行為や説明義務違反に基づいてこういう状況が起こっているということであれば、当然その被害者である方々が保護されるべき措置が講じられなければいけないと実は私は感じております。現時点でも、既にその借り入れたお金に対する返済ですね、この返済を実際苦にして自ら命を絶たなければいけない状況にまで追い込まれている方もいらっしゃるやの報道がございました。
 こうした被害者の方々を救済するためにどういった措置を講じるべきなのかという、これ金融機関が実際には対応するということになるのかと思いますが、金融庁としてその点についてどういった指導をすべきと考えておられるのかという、そういう観点から御所見をいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、金融機関における不適切な業務運営というのが顧客に対して利用者保護の観点から悪影響を及ぼしたという場合には、まずもって当該金融機関において顧客に対して真摯、適切に対応することが重要であるというふうに考えております。
 本件に関し、スルガ銀行におきましては、昨年十二月にお客さま対応チームというのを設置し、シェアハウス案件の債務者からの問合せについては一件一件今後の返済状況の見直しについての相談に応じているというほか、債務者の方と面談の上、債務者の要望も踏まえながら、金利引下げでありますとか元金の据置きなどの状況変更を提案し、順次契約手続を行うなど、債務者の事情に応じた対応を行っているというふうに承知しております。
 五月十五日に社長が記者会見を行いました。そこにおいては、例えば、このシェアハウスを特別養護老人ホームのような形で使用するということで事業が成り立つようにサポートしたい、あるいは、今後の生活をどうするかということに関してはリテールの基本に戻って銀行として対応していきたいというようなことを述べております。
 今後、どういう形でこの対顧客に対して金融機関が向き合っていくのかということに関しては、金融庁といたしましても、このスルガ銀行の顧客への対応が真摯かつ適切に行われているかについて、しっかりとモニタリングしてまいりたいというふうに考えております。
#16
○川合孝典君 その点についてのフォローはきっちりとしていただきたいと思います。
 この点について、もう一点だけ御指摘をさせていただきたいと思いますが、なぜこうした問題が起こったのかということについてのスルガ銀行側からの説明の中に若干気になるフレーズがあったんですが、昨年、金融庁の森長官が、いわゆる地銀のビジネスモデルとしてスルガ銀行のこのビジネスモデルを非常に評価する発言を実はなさっておられます。そのことが、いわゆる結果を出さなければいけないという、スルガ銀行全行的なノルマ達成に対する圧力というかプレッシャーになってやっちゃったといったような、金融庁側からすれば大変迷惑な発言が出ておるわけでありますが、そのこと自体を云々するつもりはないんですけれども、いわゆるその利益が上がっている、高収益のビジネスモデルだということをもって、こうしたスルガ銀行の、知らなかったとはいえ、こういう融資のスキームに対してある意味お墨付きを与えてしまうような発言をしたことについては、私は軽率のそしりは免れないのではないのかと、このように考えておりますが、既にこの指摘については報道機関等でも流れておりますので金融庁の皆さんも御存じだと思いますけれども、この点についてどういう御認識なのかということを最後にお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 地域銀行は、現在、人口減少でありますとか低金利環境の継続など厳しい経営環境の中で、持続可能なビジネスモデルの構築に向けて、顧客のニーズに応じた新しい金融商品でありますとかサービス、それを開発する、提供するといった形を含めて様々な取組を継続的に行っておりますし、そういったことを行っていくことが重要であるというふうに考えております。
 そういった中で、金融庁といたしましては、この地域金融機関の経営状況でありますとか各種の取組というものを紹介をするということ、それによって地域金融機関全体の取組等の底上げを図るというようなことはやっております。そういった中でこのスルガ銀行についての何らかの紹介が行われたのかもしれません、ちょっとその事実についてはよく分かりませんけれども。
 いずれにいたしましても、金融機関が各種の取組を行うに当たりましては、まずもって、金融機関の業務運営において顧客の信頼を損ねることがないよう、利用者保護、法令を遵守すること、これは当然のことであるというふうに考えております。そういったことを前提にして、地域金融機関が今の経営環境の中で持続可能なビジネスモデルの構築というものができるように、そういった観点から金融庁といたしましては行政を展開していきたいなというふうに考えております。
#18
○川合孝典君 何というんでしょう、お金を、マネーをきちんと動かしていくことで経済を活性化させるということの考え方自体は別に否定するものではないんですけれども、検査監督が十分に行き届いていない状況の中であおるような発言に結果的になってしまっているということについては、今の御答弁とは別に、真摯に受け止めて、再発防止には取り組んでいただきたいということを最後申し添えさせていただきたいと思います。本件についてはこれで終わりたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。森友の関係で、申し訳ありませんけど、ここから森友関連の質問をさせていただきます。(発言する者あり)申し訳なくないか、はい。
 森友学園の学校用地の、これ以前にも一度質問させていただいているんですが、土地自体の錯誤抹消手続の法的根拠についてということで、以前実は質問させていただいております。その折、国土交通省さんの方から若干説明をいただきましたけれども、その後もこの問題については各所からいろんな御指摘を頂戴しておりますので、改めて、本日はこの錯誤抹消手続の法的根拠について法務省さんの方に確認をさせていただきたいと思います。法務省さん、よろしいですね。
 本件土地は、元々運輸省の土地であったものが、関西空港会社が設立された折に、いわゆるこの土地を除外する形でほかの周辺の土地を関西空港会社に現物出資をするという手続を取っております。この森友学園の土地ともう一か所の土地はそのときにその対象から外れているということでありまして、それがその後何らかの理由によって現物出資が、実はこの森友学園用地は関西空港会社に出資されて登記をされていると、つまりは関西空港会社の土地に一旦なっているということであります。これがまた、間違っていたという理由で錯誤抹消の手続を取った上で国土交通省に戻したという、こういう流れになっているということをこれおさらいで説明させていただきたいと思いますが。
 この指摘をさせていただいた折に、以前、石井国土交通大臣は、この手続については不動産登記法等に基づき所有権抹消の登記を行ったということ、そういう答弁をいただいておるんですけれども、関空会社が民間企業である以上はこれ会社法の適用を受けるのではないのかというのが実は指摘であります。
 そこで質問なんですけど、本件の錯誤抹消手続は会社法に照らして適正な手続であったのかどうか、この点について法務省さんにお伺いします。
#19
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 委員の御指摘ですけれども、確かに会社法上、法律関係の安定性を確保するという観点から、錯誤等を理由とする株式の引受けの無効等の主張には一定の制限があるというふうにされております。
 もっとも、国が新関西国際空港株式会社の株式を引き受けるに際して、森友学園の小学校用地は現物出資財産には含まれていなかったというふうに私どもとして聞いております。そのような事実関係を前提としますと、そもそも当該土地を現物出資財産とする株式引受け自体がなかったということになりますので、会社法の規律が適用される場面ではないということになります。会社法の制限規定が適用される場面ではないということになります。
#20
○川合孝典君 という理屈なんだろうと思うんですが、実際その森友学園用地が適用除外されていたかどうかということも含めて時系列的にいきますと、元々この土地が現物出資から除外されていたのは、隣にある別の学校法人があの土地を購入するということを前提として除外を一旦されていた、それが、契約が、値段が折り合わないということでそことの話合いがなくなってしまって、その後、実は会社の設立のちょっと後にいわゆる現物出資という形で登記されているんですよね。というその一連の流れを見たときに、果たして本当に森友学園の土地が、要は除外されていたのがたまたま誤って登記されたんだという説明が正しい説明なのかということについて、正直言って疑念が生じるんです。
 それともう一つなんですが、これ是非教えていただきたいんですけど、会社法の適用を受けないという話、そういう趣旨の御発言だったと思うんですけど、実際に適用を受けないといいながらも、会社法の適用のある関西空港会社に物は行っているわけですよね。一旦登記されてしまっているわけですよね。登記されてしまった以上は、会社法百二条の六項において設立総会において議決権を行使した後は、錯誤を理由に設立時発行株式の引受けの無効を主張することができない旨の規定が実はなされているわけであります。間違った話であったとしても、一般の会社に対して登記された物件であれば会社法に基づいて本来錯誤抹消の手続をきちんと取るべきなのではないのかというのが私の理解なんですけれど、それも含めて、間違って登記されたものなんだから、会社法は無視していわゆる錯誤抹消の手続を取ってもいいというのが法務省さんの公式の御見解でしょうか。
#21
○政府参考人(金子修君) 先生の御指摘の錯誤無効を主張することが制限されるという規定があることはそのとおりなんですけれども、実体法上、現物出資財産に含まれていないということになりますと、現物出資そのものは全体としては有効だとしても、その現物出資によって所有権が移転したということにはならないということになります。対象から外れているということになりますので、そのような御主張が、関係当事者から御主張があって改めて抹消登記の申請があったという場合には、申請情報とその添付情報、これに関連する登記記録のみを審査対象とした形式的審査を行う登記官としては、そのような審査をした上で抹消したというふうに承知をしております。
 したがって、一旦登記がされたからということではなく、そもそもその登記自体が実体法を反映していなかったということですので、ということになりますので、それを元の形に戻したと、こういうことになるんだろうと思います。
#22
○川合孝典君 法律違反のリスクを冒してまでこの登記抹消をしたことに疑念があるわけなんですよ。その点についてはいかがですか。
#23
○政府参考人(金子修君) 私どもは、先ほど申し上げましたとおり、現物出資財産の対象からその敷地が外れていたという前提でお話をするしかないので、その点は御理解いただければというふうに思います。
#24
○川合孝典君 だから、設立のときには外れているのは事実なんですよ。その後、実際に登記されて所有権移転しているわけですから、関西空港会社の土地なわけですよね、その時点では。
 その事実自体がないというのであれば、じゃ、登記という概念は一体何なんですか。間違っていたんだから、登記移転されて、移転の登記がされていても、それ自体が無効であるという理屈になったら、登記という概念自体が物すごく曖昧なものになってしまうんですけど、そのことについて、ちょっとどうしても腑に落ちないので教えてください。
#25
○政府参考人(金子修君) もちろん、所有権、実体法上の権利、所有権と登記が一致しているのは望ましいことは間違いなくて、多くの場合はそうなっているんですけれども、登記があることをもって所有権が移転するという関係には立たず、間違った登記、所有権を反映しない登記であれば、それを改めて実態と合わせるという手続として抹消というのが一つあるわけで、今回はそういうものと、そういうものであるという前提の申請がされたものですから、それは登記官の形式的な審査権の限界があって、それ以上、実体法上どうなのかということは、言わば我々として調査をする、あるいは今の段階でどう思うかということを言われても、そこはちょっとお答えしかねるということでございます。
#26
○川合孝典君 間違って登記したということをさらっと軽く皆さんおっしゃるんですけど、その間違ったということを法務省さんとしては別に検証したわけではないということですよね。国土交通省さんが間違ったと言っているから、一応間違ったことを前提にして法律の解釈を行ったらそうなるという、そういう話でよろしいんですか。
#27
○政府参考人(金子修君) 間違っているかどうかということを我々としてどう考えるかという問題ではなく、不動産登記法に照らして必要な手続がされているかということであれば、されているということになります。
#28
○川合孝典君 ちなみに、参考までにお伺いしたいんですけど、同様に、こうした間違って登記してまた戻したとかといったような事例というのは、参考人の記憶の範囲でそういう事例ってありましたか。
#29
○政府参考人(金子修君) どれくらいと言われても困りますけれども、抹消登記というのは、いろんな場面もありますけれども、当初から元々移転はなかったという御主張で、なかったんだから抹消してほしいというようなことがあるのかという御趣旨の御質問かと思いますけど、そういうケースはあるんだろうと、さほど珍しくなくあるんだろうと思います。
#30
○川合孝典君 ちょっと聞き方が漠然としていましたので、質問し直したいと思いますが、この一連の現物出資、関空会社に対する現物出資をした中で、この森友の土地以外に錯誤抹消の必要性が生じた土地というのはありましたか。
#31
○政府参考人(金子修君) ちょっとそこは承知しておりません。
#32
○川合孝典君 そこだけなんでしょう。
#33
○政府参考人(金子修君) ちょっと、そこだけかということについては承知しておりません。
#34
○川合孝典君 それでは、この点については確認した上でまた御連絡をいただきたいと思いますが。
 あと、この点について最後に確認なんですけど、こうした事象が起こってしまったときに、仮に民間でこういう形で、いや、間違ったんですと言われたら、そのことを根拠にして民間事業者が同様の手続を取っても、法務省としては、要は省として認めるという理解でよろしいですか。ほかに対しても同じ対応をするんだったら別に問題のない話なんですけど、法律的に問題のない話なのかどうか、お教えください。
#35
○政府参考人(金子修君) 今私が御説明申し上げたことは、当事者の属性にかかわらず当てはまることでございまして、民間からされた場合であっても同様ということになります。
#36
○川合孝典君 もう一点、後ほど調べて御報告いただければ結構なんですけれども、国土交通省さんがこれは間違って登記したんですと言ったことを、法務省さんが間違ったということを前提に判断をした理由というのを書面をもってお教えいただきたいと思います。
 何でこんなことをしつこく言っているかというと、国有地の売却をめぐる一連のこの一年数か月間のやり取りという話になっているんですけど、この手続自体の正当性が失われるという話になったら、そもそも国有地でない土地をめぐってのやり取りということで、非常に、これまでの議論が一体何だったんだろうという、根底が覆るような実は話にもなりかねないことでありますし、手続がもし適正に行われていないのであれば、場合によっては不動産侵奪罪を始めとする別の意味での法律違反にもつながりかねないという指摘があります。したがって、この問題について質問をさせていただいたということであります。
 次の質問に移らせていただきたいと思います。
 森友学園の債権者が留置権を主張している件について、前回も麻生大臣に少し御質問させていただいたんですけれど、この件につきまして、これは財務省さんですね、財務省さんの方にお伺いしたいと思いますけれども、まず確認なんですが、何度もこれまで国会、予算委員会を始めとして委員会において森友学園の土地のいわゆる土壌の再調査を行うべきであるということの御指摘をさせていただいておりましたが、留置権云々という話がこれまで出てきて、なかなかこれといった御答弁をいただいていないんですけど、債権者に対して正式に土地の調査の申入れというのを役所としてこれまで行っておられるのかどうかということを、ちょっと確認させてください。
#37
○政府参考人(太田充君) 御案内のとおり、本件土地は、昨年、平成二十九年の六月二十九日に売買契約に基づく買戻し権を行使をいたしまして、国土交通省の所管をする自動車安全特別会計の財産として返還をされておるということでございます。
 そういう意味で、今の御質問の件、そういう手続をするとすれば国土交通省さんがされておられるということですので、国土交通省さんにお尋ねをいただいた方がというふうに思ってございます。
#38
○川合孝典君 入り組んでいるから、済みません、ちょっと混乱してしまいました。
 改めて、国土交通省さんに同じ質問をさせていただきたいと思います。
#39
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。
 前回、五月二十九日の本委員会における質疑におきまして御答弁をさせていただいておりますけれども、本件土地の留置権を主張し本件土地を占有している工事事業者と再調査について話を始めた旨、御答弁を申し上げたところでございます。
 その際にも申し上げましたけれども、国としては、森友学園の管財人及び小学校の校舎建設を請け負った工事事業者に対して、本件土地の更地返還を求めていると。そういう一方で、工事事業者の方は本件土地について留置権を主張して占有して、また相手方の双方が土地と建物の同時売却を要請しているというふうに承知をしてございます。
 ということを前提にいたしまして、本件土地の再調査も含めてどのような対応が可能かということにつきまして、工事事業者と相談をしていきたいというふうに考えてございます。
#40
○川合孝典君 ということは、管財人とそれから債権者が土地の調査に対して反対をしているという理解でよろしいんでしょうか。ちなみに、誰がそれを反対しているのかということを明確にお答えいただきたいと思います。
#41
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。
 この話の始まりは今年の三月だったかと思いますけれども、これに関する報道がございまして、本件土地の留置権を主張している工事事業者が調査について協力してもよいというようなお話があったということでございました。
 そこで、まずは、これは前回の委員会でも御答弁を申し上げておりますけれども、先方の御見解を確認をしたところでございます。そうしたところ、我が方が主張している土地の更地返還とかそういったものについては認めていないということでございますけれども、そういうことになりますと、我が方と主張がある意味で折り合っていないわけでございまして、そういう中でどういう対応が可能かということについて今検討しているところでございます。
#42
○川合孝典君 その更地返還するかどうかということと、土地の調査を建物が現状のままの状態で調査できるかどうかという話は別の問題ですよね。だから、調査に協力をしてもよいという話が出ているのであれば、調査の要請をするべきなんじゃないんでしょうか。その点について確認させてください。
#43
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。
 国としては、先ほども申し上げましたとおり、工事事業者に対して本件土地の明渡しや不法占有による損害賠償などを通知によって求めているところでございます。
 そういう状況でございますので、国としては、相手方が主張する留置権についてその成立を争っているという状況でございますので、相手方の申出に応じて調査を行うことは、本件土地が占有されている現状を追認するということにもつながりかねないので、慎重な対応が必要だというふうに考えているところでございます。
#44
○川合孝典君 留置権の正当性のお話が出てきましたので、ずっとこれも私、主張し続けてきた話ではあるんですが、そもそもこの留置権を規定している民法二百九十五条、この規定の二項のところに、占拠が不法行為によって始まった場合には、適用しないと、こう書かれておりまして、留置権の主張自体が要は正当性があるのかどうかということも、実は問われなければいけない話だということなんです。
 さらには、土地自体は国有地というか国土交通省の所有の土地であるということでありますし、そもそもこの土地売却に関わる法律文書、リーガルチェックを近畿財務局が行った折にも、仮に支払が滞って返還をしなければいけない場合にどうするのかということについての既にやり取りがなされております、過去に。その上で、もしも建物が建った状態であったとしても、その場合には、要は強制執行を行った上で更地にして、その上で損害賠償請求を相手方に求めるというのが公式の近畿財務局というか法律部門の見解だったと思うんですけど、そのことは御存じですか。
#45
○政府参考人(和田浩一君) 私どもといたしましては、森友学園から小学校の建設工事を請け負い、小学校の建設工事を行っていた過程で本件土地が占有をされたということでございまして、土地について現実に占有されている以上は、その占有を侵害して本件土地に立ち入るなどすることは難しいというふうに考えております。
#46
○川合孝典君 済みません、確認させてください。これで、時間がありますから最後にしますけれども、建物に対するいわゆる債権というのは当然建設業者が持っているというのは分かるんですけど、土地の所有者は国なんですよね。それなのに、土地、建物一体として留置をしているという状況に今あるということなんですか。入れないんですか、国は、あそこに。
#47
○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。
 土地につきましても、土地の土壌対策工事に対する代金が未払だということで、先方は留置権を主張して現に占有をされていると、その土地に施錠が掛けられているという状況でございます。
#48
○川合孝典君 では、そういう状況にあるということであれば、その状況を打開するために、きちんと債権者、管財人に対して申入れを行った上で、対策を講じるべきだと思います。
 これで終わりますけれども、この問題、先延ばしするからこういうことになっているんですよ。確認できるところをきっちり確認すればここまで話が大きくなっていなかったわけでありますから、これ以上ごまかして先延ばしをすることは何のメリットもないということを指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#49
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 今日は、森友問題の土地の値引きをめぐる財務省理財局、国交省航空局、そして会計検査院との間にどんな話があったのかをめぐって質疑をいたします。
 森友問題も、もう昨年二月以来ですから、国会では一年以上にわたって議論されていますが、ほとほと私もこうした質疑を政府に対して行うことに対してむなしさを感じています。特に、先月、この文書改ざんをめぐる問題で政府と様々な質疑をしましたが、私は日本政府を生まれて初めて信頼できなくなったのがこの問題であります。
 我が国の法制度には、かねて申し上げていますように、政府もこれ人が構成するものですから、人間間違いを起こす、その間違いをしっかり監視しチェックをする政府内部の機関として、お金の面から会計検査院が、人事の面から人事院がチェックをするわけですが、どうもこの内部統制機構である検査院と人事院が本当に政府に一切遠慮をせずチェックをしているかどうかに疑問が出てきています。今日はその問題を検査院に焦点を当てて質疑をします。
 まず、太田理財局長、今日、会計検査院法をお手元にお持ちいただいておりますが、その第一条の条文をお読みいただけますでしょうか。
#50
○政府参考人(太田充君) 第一条でございます。「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」。
#51
○風間直樹君 これは、いやしくも検査院に対してその独立性を脅かすおそれのある働きかけを政府は行ってはならないと、こういうふうに理解できると私は考えていますが、太田理財局長はその認識をお持ちですか。
#52
○政府参考人(太田充君) 私ども、会計検査院は独立した機関でございますので、会計検査院からいろいろ事実について確認をされたり、御質問あるいは御議論いただければ、それに対してお答えするという責務はありますが、会計検査院の独立性を侵すようなことは行ってはならないし、また、そうしたことはしていないというふうに考えてございます。
#53
○風間直樹君 理財局長と航空局長にお尋ねしますが、この森友学園の土地の値引きの総額を検査院の国会に対する報告書から落とすよう会計検査院に働きかけるべきだという趣旨を、理財局長、航空局長と打ち合わせた事実はありますか。
#54
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今委員の御質問は、先般、共産党さんから公表された資料に基づいて、以前にも委員から御質問がありましたのでそれに関してということなんだろうと思っておりますが、我々財務省、今回の件について国土交通省と同様に会計検査院の検査を受けました、受検をいたしました。その過程において、それぞれ受検する身として、昨年の九月七日の日というのが取り上げられておりますが、そのときにお目にかかって話をしたと。そのときに限らず、いろんな意味で話をさせていただいているというのは事実でございます。
 その上で、会計検査の個別の過程、途中経過についてお話しすることは、それは差し控えさせていただかなければいけないというふうに思ってございますが、我々が会計検査院に申し上げていたこと、特に御質問の点は八・二億円の地下埋設物撤去費用に関わるところだと思いますが、それは基本的には国土交通省さんがメーンではございますけれども、国土交通省さんからいただいた八・二億円を是として、我々はそれを基にして最終的に一億三千四百万という数字をつくっておるわけですから、それも含めて、我々としては八・二億円の積算は適正であるということを一生懸命説明をしておったというのが事実でございます。
 ただ、それが、我々の力及ばず、あるいは説明不十分によって慎重な調査検討を欠いていたという御指摘をいただいたことも、これもまた事実でございます。
#55
○風間直樹君 航空局長に伺いますが、同じ質問です。値引き総額を報告書から落とすよう検査院に働くべきだったという趣旨を理財局長と打ち合わせた事実はありますか。
#56
○政府参考人(蝦名邦晴君) 前回も御答弁をさせていただきました御指摘の会合につきましては、私の着任間もないということもございまして、太田局長と様々な意見交換をさせていただいたということでございます。
 その中で、会計検査院を一般的に受検する立場でございますので、会計検査院に対して、いろいろ御質問をいただいて、それについて意見を申し上げるとか、そういうことは会計検査院に対して真摯に対応しているということでございますけれども、具体的な検査の過程の中身についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、会計検査を受ける立場としては、いろいろな私どもの考え方というのを御説明を申し上げ、あるいは、要求がございますればそれについて見解を申し述べるということはございます。
#57
○風間直樹君 まだお尋ねしていない部分までお二人かなり踏み込んで答弁されたんですが、もう一問お尋ねします、それぞれに。
 値引き総額を報告書から落とすよう会計検査院に財務省の意向を伝えた事実は、理財局長、ありますか。簡潔に。
#58
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今委員から、先ほどの答弁は要求していないものまで答えたという御指摘だと思います。誠に申し訳ありません。
 先ほどもう御答弁を申し上げていることになってしまうと思いますが、基本的に検査の途中過程のことはお答えを差し控えさせていただきたい、その上で、我々が申し上げたことは、八・二億円の積算は適正であるということを一生懸命御説明させていただいていたということでございます。
#59
○風間直樹君 航空局長も同じ答弁でしょうから、これ省きます。
 それで、私が述べた行為が仮にあった場合、これは公務員の信用失墜行為に当たるということになると思いますが、念のためお尋ねします、理財局長、その認識はお持ちですか。
#60
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 元々私どもとしては承知をしておらない、共産党さんから公表されたというもので、我々は少なくともその紙は作ってもおりませんし、この間、共産党さんが公表されるまで見たこともないものでございますので、そういうものを前提にして、ある意味での仮定の御質問だと思いますので、それについてお答えをすることはいかがかというふうに考えてございます。
#61
○風間直樹君 いや、私が聞いているのは、一般論として聞いているんです。こういう行為、つまり、政府が検査院に対してその独立性を脅かすおそれのある働きかけをした場合、これは公務員の信用失墜行為に当たると私は考えますが、その認識はありますかというお尋ねです。
#62
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 最初、条文を読めという御指示で読ませていただきました。その上で御質問を頂戴いたしました。そこでもお答えを申し上げましたように、会計検査院は、内閣に対して独立した地位を有するということでございますので、その独立性を侵害するような行為は、それは慎まなければいけないし、やってはいけないことだというふうに考えてございます。
 ただ、検査院がいろいろ御質問なりあるいは御議論をされるのに対して我々が意見なりあるいはお答えを申し上げるということは、それは途中過程において様々あるということだと思ってございます。
#63
○風間直樹君 何でこういう法律の条文に基づく質問をしているかといいますと、この森友問題で問われているのは、どうも政府、公務員が、会計検査院も含め、人事院も含めて、法を誠実に執行していない、つまり法律を守っていないんじゃないかということがこの一年以上にわたってこの国会で疑念として持たれていることだからなんです。
 我々、当然、皆さんに質問するときには、法律を皆さんが誠実に執行されている、しっかり守って行政されている、このことを前提に質問しています。だから、そこに政府と国会の一定の信頼関係というのが成り立つ。ところが、今問われているのは、どうもその基盤が崩れているんじゃないかということなんですね。政府も検査院も人事院も法律を誠実に守っていないんじゃないかと、ですから、こういう質問をせざるを得ない。非常に質問する私にとってもつらい質問であります、これは。
 それで、次に航空局長に伺いますが、この土地の値引きの総額を八・二億円と計算されたのは航空局なんですけれども、この値引き、どういう計算でこの金額になったのか、その根拠を教えてくれと前回の委員会でお願いしました。ところが、今日に至るまでそれを全く持ってこない、航空局は。どうなっているのかと思いますが、なぜこういう計算になったんですか、教えてください。
#64
○政府参考人(蝦名邦晴君) 先生のところにも御説明に伺おうとしてアポ取りをさせていただいていたところでございますけれども、うまくアポが入らなかったというふうに聞いており、申し訳ございません。
 八・二億円につきましては、これまでも御説明申し上げておりますけれども、近畿財務局から御依頼をいただいて、それで、国土交通省が定めます公共工事の一般的、標準的手法でございます空港土木請負工事積算基準に基づきまして、対象面積につきましては、平成二十二年の地下構造物状況調査等によりましてごみが確認された部分でありますとか、本件土地の履歴などに基づきまして、まず本件の土地の総面積の約六〇%に当たります五千百九十平方メートルといたしました。ごみの深さにつきましては、工事写真でありますとか、後日工事関係者から提供されました報告書、あるいは職員による現地確認などを踏まえまして、くい掘削箇所は九・九メートル、そのほかの部分は三・八メートルといたしました。ごみの混入率につきましては、平成二十二年の地下構造物状況調査の結果等に基づきまして四七・一%と設定した上で、これらの条件を用いまして地下埋設物の量を一万九千五百二十トンと見積もったところでございます。その上で、この地下埋設物量に地下の工事の単価などを掛け合わせまして、地下埋設物の撤去処分費用の見積りを約八・二億円という形で見積もったということでございます。
#65
○風間直樹君 報道されていますように、この見積り、八・四億円という数字を財務省との打合せに基づいて増額した、この事実があるかというのがお尋ねの一点。それから、もしあるとすれば、どういう根拠でそれを増額したのかが二点目。以上、お願いします。
#66
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 大阪航空局が平成二十八年の四月十二日に近畿財務局に提示をいたしましたその時点でのたたき台の試算というのが約六・七億円になりますけれども、大阪航空局という組織で正式に決定したものではございませんが、たたき台というものをお持ちをしております。その時点で、近畿財務局に御提示した時点では、平成二十二年の地下構造物状況調査でごみが確認された箇所と、くい掘削工事の過程において新たなごみが出たというふうに森友側から主張がされているとされる校舎建築部分を範囲として、約四千三百五十二平米でございました。
 しかしながら、同日、近畿財務局から、既に工事事業者が試掘をしてごみが見付かっていたグラウンド部分周辺を含めるなど、将来にわたって瑕疵があると言われないよう、もう少し広げた方がいいのではないかといった趣旨のお話もございました。
 これも踏まえまして、引き続き見積りの検討、精査を行いまして、その結果、工事関係者から提出された試掘結果報告書においてごみが出たとされているグラウンド部分のうち、本件土地が過去に池、沼といった地歴からもごみの見積り範囲として妥当と考えられる部分でありますグラウンドの西側の一部の面積を追加をして見積りを行うことといたしました。
 また、処分の単価につきましても、四月十二日のたたき台の時点ではまだ事業者から求めていたものが出てきておりませんでしたので、当時大阪航空局が把握をしていた他の事業者、工事事業者の同種の工事単価を用いて、仮置きで用いて積算をしてたたき台を持ってまいりましたけれども、その後に処分費の単価をいただきましたので、民間工事事業者から提供を依頼していた資料の一つとして徴取したものを他の事業者の価格情報と比較検証の上、最も安い単価であることを確認して二万二千五百円というふうに設定をいたしまして、それで精査をした上で八・二億円というのをお持ちしたと、こういうことでございます。
#67
○風間直樹君 そうすると、航空局でまずたたき台を作られて、それに対して財務省から要請があって、その結果、今述べられた計算を基に金額を引き上げたと、概略こういうことですね。
#68
○政府参考人(蝦名邦晴君) 財務省からのそういう、将来にわたって瑕疵があると言われないようにもう少し広げた方がいいのではないかというふうに、広げるといった形でその面積の部分を少し見直したという部分もありますが、単価は、まだお持ちした時点では、四月十二日にお持ちした時点では仮、本当の仮の暫定的に使ったものでございますので、その後入手した資料で言わば置き直して計算をし直しているということでございます。
#69
○風間直樹君 素朴な疑問なんですが、これ、あれですか、財務省と国交省でこういう国有地の売却に関わる値決めを相談されるときに、その単価を含めて、それだけ幅のある打合せをして、たたき台というものを作るんですか。
 私は、例えば民間に国有地を売却するときには、これ、周辺の土地の値段ですとか、あるいはその土地の持っている固有の状況等を十分に検討した上で余り幅のない金額を査定をされる、それが国の国有地の売却に際しての土地の値段の計算だと思うんですけれども、どうも今の話を伺っていると、そうじゃないですね。
 そもそも、航空局が財務省に持っていったたたき台というものも最初からかなり幅がある。で、財務省からの要請を受けて、今の御答弁のように、単価見直しただとか、あるいはいろんな将来指摘を受けないように考えたと、こういうことですが、一般的にそういう方法を取られているんですか。つまり、かなり最初から幅を持って土地の売却値を計算されているというのは、一般的に行われていることなんですか。
#70
○政府参考人(蝦名邦晴君) これまでその経過については御説明をしてきておりますけれども、本件の見積りといいますのは、学校開設に影響が生じた場合に損害賠償請求を受ける可能性があるということなどを考慮いたしまして、入札等の手続が必要な民間へ委託するのではなくて、早期に見積りを依頼できる大阪航空局に対して近畿財務局から依頼があったものでございまして、僅か二週間という限られた時間で検証、報告をしなければならないという状況下において、売主の責任が一切免除されるとの特約を付すことを前提に、その実効を担保するために、既存の調査で明らかになっていた範囲のみならず、職員による現地確認などの追加の材料を含めまして、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行った見積りでございますが、その見積りの後に、言わばこれは見積りを私どもが依頼をされたので提出をさせていただいたわけですけれども、その後にいわゆる不動産の鑑定評価のプロセスを経て最終的にその売却価格というのが決定をされていっているということでございますので、今回の見積りというのはそういうような限られた時間の中で御依頼があってそれでお出しをしたと、こういうことでございます。
#71
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ております。
#72
○風間直樹君 よく分からないので、また次回行います。
 ありがとうございました。
#73
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 森友事件を取り上げて聞いていきます。
 まず、航空局長に来てもらいましたので、まず最初に聞きたいと思うんですが、ごみの費用積算において、設計会社であるキアラ設計が航空局に届けた報告書のうち、三・八メートルの根拠となる写真あるいはそのほかの写真でもホワイトボードの文字が完全に吹っ飛んでしまって極めて不鮮明である、そういう報告書を皆さん受け取っているわけですけれども、既に国交省はこの設計会社に対して説明を求めておられますけれども、返事は来ましたか。
#74
○政府参考人(蝦名邦晴君) 試掘の報告書の内容につきましては、これまでも様々な委員から御指摘をいただいておりまして、設計事業者に対しまして質問を行ってきたところでありますが、まだ回答をいただいて、いただけていないという状況でございます。
#75
○辰巳孝太郎君 回答をいただいていないというのはどういうことですか。連絡は付くんだけれども、何を、もう一か月二か月たっていますけれども、何がどうなっているんですか。
#76
○政府参考人(蝦名邦晴君) それに対してきちんとした回答がいただけていないということでございます。
#77
○辰巳孝太郎君 いや、これ本当に申し入れているのかどうかね。
 委員長、これ、三・八メートルの試掘の写真というのは、これ八・二億円の値引きの大本の根拠になる非常に重要なものですから、これ立法府が解明する責任を負います。これ、うその報告を求められたという報道もありますので、是非、財政金融委員会の名の下に、当設計会社にこの説明と写真の生データを要求してもらいたい。
#78
○委員長(長谷川岳君) 後刻理事会において協議いたします。
#79
○辰巳孝太郎君 佐川前理財局長と廃棄されたが出てきた応接録についてただします。
 昨年の二月二十四日、衆議院の宮本岳志議員の交渉記録を提出せよとの質問に、佐川氏からは、昨年六月の売買契約に至るまでの財務局と学園側の交渉録につきまして、委員からの御依頼を受けまして確認しましたところ、近畿財務局と森友学園との交渉記録というのはございませんという答弁がありました。
 本年三月二十七日の証人喚問では、佐川氏は、国会答弁はあくまで文書管理規則を述べたまでであって、実際に応接録、交渉記録の存否を確認して答弁したわけではなかったんだという驚天動地の証言があったわけであります。
 更に驚くべきことに、今回財務省が出しました調査報告書では、理財局長は、各種応接録の実際の存否を確認しないまま、財務省行政文書管理規則等に定められている以上、保存期間が終了した応接録は廃棄されているはずであると認識していたものと認められるとして、佐川氏のこの証人喚問での証言を追認しているんですね。
 六月十一日の決算委員会で、私は、何を根拠に認められるのかと聞きましたところ、明確な根拠を持っての答弁はありませんでした。これ、要するに、この当報告書というのは佐川氏が証人喚問で偽証したことを問われないための作文になっていると、これが一番肝の中身なんですね。
 この応接録の廃棄をめぐって聞きますが、これ、キーパーソンは佐川氏、総務課長、そして審理室の室長、この三人なんですね。まず、驚くべきことに、実は応接録というのは、森友学園が取得要望書を提出した二〇一三年から、つまり初めから近畿財務局が作り始めるわけですが、随時これは本省の理財局の審理室と共有されていた。これ、あったわけですね、元々本省に存在していたわけであります。
 それでは、田村審理室長は理財局長に応接録の存在を伝えていなかったのかということなんですね。これが非常に大事なところなんですが、今日の資料にも付けましたけれども、報告書の十四ページから十五ページにかけてこう書いてあります。本省理財局において、森友学園案件に関する応接録で一年未満保存(事案終了まで)と定められていたものについては、平成二十九年二月以降、本省理財局において、森友学園との間で売買契約が締結された平成二十八年六月二十日をもって事案終了に当たるものと整理し、国有財産審理室長から理財局長まで報告した上で、近畿財務局にも伝達されたと、これ報告書にあるんですね。
 そこで、矢野官房長に聞きますが、この報告したのは、二月二十四日のいわゆるこの佐川答弁よりも前ということでよろしいですかね。
#80
○政府参考人(矢野康治君) 恐らく、そういうことになると思います。
#81
○辰巳孝太郎君 では、応接録が残っていることを知りながら、審理室長はですよ、理財局長に対しては、応接録は廃棄されていますということを告げたということですね。
#82
○政府参考人(矢野康治君) 私どもが調査した限りでは、当時の理財局長は、書類の整理につきましては、公文書管理法に基づく省内の文書管理規則のとおりになっているんだなということを再三にわたって部下に確認をし、そのとおりですという返事を受けているので、本人は応接録は廃棄されているものだと思っていた、はずだと思っていたということです。
#83
○辰巳孝太郎君 私が申し上げているのは、審理室長ですよ。
 報告書の十七ページのBには、二十四日の理財局長の答弁があるまでに総務課長と審理室長は応接録が実際には残っていることを認識とあるわけですよ。残っていることは知っているんです。二十四日までに整理したことを報告しているわけですね。
 しかし、それは何か、当然廃棄されていると、応接録は、どういう報告をしたんですか。残っているの知っているんですよ、審理室長は。残っていますと言わなかったんですか。
#84
○政府参考人(矢野康治君) 私どもが調査した限りでは、局長、当時の局長に残っているという報告は上がっていなかったということ、上がっていなかったということです。
#85
○辰巳孝太郎君 上がっていなかったのはなぜなんですか。二十四日までに審理室長は残っていることは知っているんです。報告書にあります。そして、整理して理財局長に報告したわけでしょう。つまり、残っていますよということを、報告をなぜしなかったんですか。
#86
○政府参考人(矢野康治君) 当時の、私どもが調査をした限りのことを申し上げておりますけれども、調査した限りにおきましては、当時の国有財産審理室長は、配下の職員が必要に応じて応接録を入手していたことは認識していたと考えられますけれども、また、応接録の保存期間に当たる事案終了の認識が必ずしも統一されていなかったことについて問題意識を持っていたからこそ、理財局長にも保存期間の具体的な終期、終わりの時期の考え方について報告をしたものでございます。
 そのことを踏まえますと、その時点で応接録が残されている可能性を認識してはいたと存じます。
#87
○辰巳孝太郎君 それは十七ページのBの記述と違いますよ、報告書と。ここには、二十四日の衆議院予算委員会において上記の理財局長の答弁があるまでに、本省理財局の総務課長及び国有財産審理室長は、森友学園案件関係の各種応接録が実際には残っていることを認識していたものと認められると言っているんですよ、認められると書いているんです。残っているんですよ、当然。認められる、それはそうですよ。そうでしょう。二十一日に国会議員団との応接したときに、そのとき既に残っていると分かっていて、残っていないということも申合せもしていたんでしょう。おかしいじゃないですか。
 なぜ佐川氏に審理室長はうそついたんですか。あくまで文書管理規則だけを述べたということなんでしょう、六月二十日で廃棄していると。これ、国会の対応じゃないんですよ、答弁じゃないんですよ、内部のやり取りなんですよ。内部のやり取りでなぜうそつかなきゃいけないんですか。これ、理屈通らないでしょう。当然、佐川理財局長に室長はありますよと伝えていると認定するのが皆さんの調査なんじゃないですか。理屈合わないじゃないですか。
#88
○政府参考人(矢野康治君) 私どもが調査した限りのことを申し上げておりますけれども、それで、二十一日前後において、当時の局長、そしてその部下がどういうやり取りをしたか、我々はそれぞれから聞きました。で、理財局長は存在するとは聞いておらないし、そしてまた下も、部下も、存在していますということを理財局長に明確に上げていないというのが私どもの調査の結果として認識しているところです。
#89
○辰巳孝太郎君 いや、だから、なぜ上げないの、なぜうそをつく必要があるんですか、それをお答えください。それを調査してくださいよ。
#90
○政府参考人(矢野康治君) 我々の調査は、すべからく全部をということは無理なものがあることは御理解いただけると思いますけれども、私どもは、ここに書きましたとおりですけれども、十七日あるいは十五日の国会質疑があって以降、どういうやり取りが本省と近畿財務局であり、その結果を局長にどう上げていったということをここにつまびらかにさせていただいたつもりでございます。
#91
○辰巳孝太郎君 これ、到底信用できない、真実味のない、彼らの説明をそのまま報告書に書いたということなんですね。これは、あくまで佐川氏は応接録が残っていることを伝えられていなかったということにすることと、これ、室長が佐川氏にうそを伝えたと確定させないためのまあ方便ですよね。
 しかし、ちょっと待ってほしいんですね。それでも私は、佐川氏は応接録の存在を知っていたとこの調査報告書から読み取れるということを言いたいと思います。報告書の十五ページのAにこうあるんですね。二月十七日に総理答弁があり、総務課長から室長に対して昭恵氏関連文書の確認がされて、そしてそれが特段問題ないということになるんですね。
 そこで、聞きますが、二十二日に菅官房長官の面会、面接というのがあったということはもうこれ周知の事実になっております。この官房長官への説明では、官房長官には、夫人付きの応接録は存在したんだと、ただし、夫人付きや政治家関係者からの照会に対しては回答したことはあるんだけれども特段問題となるものではないという説明をしたということは、これ十二ページに書いてありますね。
 矢野さん、これ、応接録の存在が前提の説明が二十二日にされたということですね。いやいや、矢野さん、矢野さんですよ。矢野さん。いや、報告書の中身ですから。
#92
○政府参考人(太田充君) いえいえ、二十二日の事実関係の御説明だと思いますので、御説明を申し上げます。
 基本的に、二十二日の日に二回あって、二回目の夜になってからの議員会館での説明のときにその話題が出ているというふうに承知をしていますが、それについては、要すれば、元々、今委員がお引きをいただいたような国会でのやり取り、総理の御答弁もあって、それで長官のところに説明に行っている。
 その中で、要すれば、総理夫人との関係では、ここに書いてあるとおり、直接はなかったと。ただ、夫人付きから問合せがあって、それについてはお答えをしていると、それはある意味での通常のお答えをしているので特段問題はないということを報告をしているということでございまして、それについて交渉記録、応接録があるとか、あるいは決裁文書にこう書いてあるとかということを報告をしているわけではない。もっと申し上げますと、そういうことを、特に決裁文書については、その時点において総務課長も把握を十分し切っておらないという状況だということでございます。
#93
○辰巳孝太郎君 局長、うそつかんといてほしいんです。十二ページ、これ読んでほしいんですよ。資料に付けてないんですけど、こうあるんですよ。I番、森友学園案件が国会審議で大きな議論となり、内閣官房長官の記者会見でも多数質問がされる中で、平成二十九年二月二十二日には、理財局と航空局から内閣官房長官への説明が行われた。説明者側からは、森友学園案件の経緯のほか、取引価格の算定は適正に行われていることや、総理夫人付きや政治家関係者からの照会に対して回答をしたことはあるが特段問題になるものではないこと等について説明したとありますね。
 夫人付き、まあいいでしょう、谷査恵子さんね。政治家関係者からの照会に対して特段問題はないということも答えているんですよ。これ、応接録見なきゃ政治家関係者からの照会、分からないでしょう。どうですか。
#94
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 それは、基本的に政治家関係者からの件は、後のくだりにもたしか出てきたと思いますけれども、要するに、近畿財務局に確認をして、それでお答えをしているということでございます。
 その時点において、委員がおっしゃるような応接録なりなんなりを見ていないと、あるいは見ている時間というか、そこまで総務課長も含めて把握ができていなかった可能性はあると思いますので、基本的にそういうことについて特に問題があることがあったかというのを確認をしてその場に臨んでいるというのが実態でございます。
#95
○辰巳孝太郎君 正確に言ってほしいんですね。十五ページのAにその今のくだりがあるんですね。十七日の総理の発言があって、本省にある総理夫人の谷さんの書類は見た、しかし、ゼロ回答だから問題ないんだと。同時に、近畿財務局の管財部長からは、その他の政治家関係者からの照会状況に関する記録の取扱いについて相談がされたってあるんですよ。
 つまり、近畿財務局は、これは数百ページもの既に応接録あるわけです、あるの分かっているわけです。この段階で、どうしましょうかね、どうしましょうかねと、これどうしましょうかね、相談があったわけです。近畿財務局は当然知っているわけですね。そうでしょう。これがその後にあるんですよ。そして、上記同年二月二十一日云々てありますから、恐らく二十一日の前にそういう相談があったわけですよ。そうでしょう、そうでしょう。二月二十日に総理が、私の妻のこともあるから徹底的に調べろと言って始まったのが二月の二十二日なんですね、菅官房長官の説明。既にそのときに近畿財務局の管財部の部長は、応接録がたんまりあるということを報告しているんですよ、室長に。でしょう、そうじゃないと理屈合わぬでしょう。それも問題ありませんということを二月の二十二日に菅官房長官に報告をしているんです。
 つまり、この菅官房長官の報告ってのは、政治家関係者からの照会は問題ないという部分については、これは応接録の存在が前提となった説明ということになってるんですよ。そうしか読めないんですよ。そうでしょう、太田さん、どうですか。
#96
○政府参考人(太田充君) いや、政治家関係者からの問合せ及びそれに対する対応については問題がないということを御説明していると思います。
 今の辰巳委員の御質問は、基本的にこう応接録をきちんと見て、その上で要するに説明する総務課長が、あるいは局長がということだと思いますが、その政治家関係者の交渉記録を見て、具体的に見て、それで問題がないということを説明しているはずだと、そうであろうとおっしゃっているんですが、そういうことではありません。
#97
○辰巳孝太郎君 私は一言も、総務課長あるいは理財局長が具体的にこの応接録を見て菅官房長官に説明するとは一言も言ってません。
 近畿財務局の管財部長が、既にあるということを相談しているんですよ、審理室長に。そのことは総務課長にも行っているわけです。見てる見てないはいいんですよ。応接録が存在しているということを知っているということを言っているんです。知っているということを否定できないでしょう。そうじゃなければ、問題ないと言えないじゃないですか。政治家関係者の照会は問題ないとどうして言えるんですか。言えないじゃないですか。いかがですか。私、具体的に二人が見たとは一言も言っていないんだから。
#98
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 我々の仕事の仕方として、あるいは当時の総務課長なりの仕事の仕方として、時間がない中で近畿財務局に電話で問合せをして、それに対する答えを持って御説明に行くということは、その当時として、時間の制約も含めて考えれば、十分あり得る話だと思っております。
 その上で、委員がおっしゃっていることは、要するに交渉記録の存在自体をその時点でどれだけ知っていたかということだと思いますので、それについては基本的にこの調査報告書で書いているとおりであって、基本は、ある意味で審理室長が一番詳しく知っている可能性があって、その次は総務課長であると、ある意味では、でもそこまでであるということだろうと思っております。
#99
○辰巳孝太郎君 全く答弁できていませんね。
 これで、二月二十二日の会合では応接録の存在が前提となった説明がされたということは、これもう立証されたと思います。つまり、二十二日の菅官房長官への説明には佐川さんも同席しておりましたので、佐川さんは二十二日の段階で少なくとも応接録は存在しているということを認識していたということになります。
 二月の二十四日に宮本岳志衆議院議員に対してああいう答弁をした。そして、今年の証人喚問で、あくまで管理規則だけを言ったまでだということは偽証であるということは、これで証明されたのではないかと思います。いや、認めていないだけで、これもう報告書がくしくも佐川さんの偽証を証明しちゃったわけですね。
 次、行きたいと思います。
 昨年の九月七日の話が先ほどもありました。太田理財局長、この一年、あるべき資料が提出されずに、限られた資料や文書で我々質問を組み立てざるを得なかったんですね。応接録に関してはないということをずっと言われてきたわけで、その中身については職員の当時の記憶をたどってもらって答弁されるということも多々あったと思います。そのうちの一つが、二〇一五年の九月の四日のいわゆる場内処分のやり取りがありましたよね、職員は場内処分なんて絶対言っていないと。記憶をたどっていただいて、この国会でも答弁をしていただいた。記憶に私もあります。
 さて、今度は太田局長に御自身の記憶を、御自身の記憶をたどっていただきたい。昨年の九月七日に理財局の太田局長、中村総務課長、航空局蝦名局長などが、金井総務課長が意見交換をしていたメモ、今日も資料に最後に付けさせていただいております。太田さんはこの日の会合については認めておられるし、航空局の金井さんもメモは作ったということも認められております。
 太田局長、もう一々全文を読みませんが、この中で、私は言うわけないよなと、こんなことを言うはずないよなというところがあれば教えていただけませんか。
#100
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 私も、御党からこれを公表されて初めて拝見をいたしましたので、その一言一句これが正確なものであるという保証があるわけでもないと私は思っておりますので、そういう意味でお答えはいたしかねると思っておりますが、基本的に、これまでも申し上げておったような気もいたしますけれども、要すれば、異動後お互いの顔合わせといいますか、よく存じ上げていなかったので、三十何年この世界で暮らしている割には存じ上げていなくて、それは蝦名局長も同じだったと思いますが、そういう中で顔合わせということで話をしております。
 当然、遊びではありませんので、仕事で会っていますので、国会なり検査院なりということの対応の話をしたということだと思っておりますが、この中に書いてある一言一句云々ということは申し上げることはできないと思っておりますし、特に会計検査院の検査の途中経過に関わる話は、それはお答えするのは差し控えるということだと思っております。
#101
○辰巳孝太郎君 答えていただけないんですけれども、否定はされませんでしたね、中身についてね。
 会計検査院に聞きます。検査の報告に当たって、様々な段階で財務省、国交省に対する意見聴取をするということなんですが、公式に文書で意見照会したのはいつですか。回答があったのはいつか、会計検査院、端的にお答えください。
#102
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 事実関係等について確認することを、確認を求めることなどを目的とした文書を検査対象機関に発して、検査対象機関の意見を徴しておりますが、本件につきましては、会計検査院は、財務省及び国土交通省に対しまして、平成二十九年九月六日に質問を発出しておりまして、回答を二十九年九月二十日に受領しております。
#103
○辰巳孝太郎君 第三局長から両事務次官宛てに公文書で照会をしたと。公文書も私入手しておりますけれども、その翌日に、九月六日の翌日七日に理財局長と航空局長が検査院の対応について相談したということであります。
 太田局長、検査院からの照会と対応について、当時の福田次官に報告、相談はしましたか。
#104
○政府参考人(太田充君) 突然のお尋ねでございますので、記憶を今すぐに呼び戻せと言われても難しいかもしれませんが、基本的に検査院のこの対応は理財局の仕事だと、専担のというか仕事だと思っておりましたので、当時の福田次官に逐一報告をしているとは私の記憶ではありません。
#105
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ています。
#106
○辰巳孝太郎君 はい。
 最後、大臣──ちょっと時間止めていただいていいですか。
#107
○委員長(長谷川岳君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#108
○委員長(長谷川岳君) 速記を起こしてください。
 辰巳孝太郎君、時間ですので、簡潔にお願いします。
#109
○辰巳孝太郎君 はい、済みません。
 大臣に最後、お尋ねしたいんですけれども、九月の七日に検査院の報告書に関して理財局と航空局がやり取りをしていると。その後に大臣は局長あるいは事務次官から検査報告に関しての報告を受けた御記憶、事実はございますでしょうか。
#110
○委員長(長谷川岳君) 時間が過ぎております、麻生財務大臣。
#111
○国務大臣(麻生太郎君) 九月七日に理財局長と国交省の局長が打合せをしたという事実は聞いておりますが、この御指摘になりました文書については、これは調べたところでは、存在、確認はできておりませんということでもありますので、理財局では作成をしていない旨答弁しているんだと承知をいたしております。
#112
○委員長(長谷川岳君) 終わってください。
#113
○辰巳孝太郎君 また引き続きやります。
#114
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
   〔委員長退席、理事三木亨君着席〕
 まずは、仮想通貨の税制についてお聞きしたいんですけれども、今、仮想通貨というのは、雑所得ということで総合課税になっています。ほかの所得とは損益通算できないし、繰越しも、損失の繰越しもできないということになっていますが、仮想通貨は非常にボラタイルな値の動きをしておりまして、これだけボラタイルな商品に関して総合課税、そして他の所得と損益通算もできなければ、損の繰越しもできないという例は余り私の知る限りないですよね。確かに馬券は大きい損失があるかもしれないけれども、でも、馬券百円買えば損したものは百円しかないわけで、想定以上の損をするということはないわけですね。
 基本的に、値段がボラタイルな商品というのは、株にしろ、FXにしろ、不動産にしろ、基本的には分離課税になっているわけです。二〇%という、若しくはその他のありますけれども、最大二〇%という税率なわけで。こんなにボラタイルな商品をそのまま総合課税で、去年、五五%、四五%の所得税と一〇%の住民税を課せられた人って、三十万人いるということを前お話聞きましたけれども、こんなボラタイルなものを総合課税のままにしておいていいのかと。
 今年、五五%の税金を払って、特に仮想通貨のうちのビットコインでいえば、去年暮れに二百二、三十万行ったものが七十万円ぐらいですよね。これ、今年は大損している可能性のある方もいらっしゃるわけですね。例えば、去年百万円ぐらいで持っていたものを四億四千万円で売って、知りませんけど、二億数千万円の税金を払って、そのときに、四億四千万円で、まさか、その当時は税制もはっきりしていませんでしたし、もっと上がると思って、その運用、ほかの商品に、ほかの仮想通貨に買った、ビットコインに買い換えてもいいんですけど、そうすると、一億四千万円ぐらいになって三億円損していると。そうすると、大損しちゃっているわけですよね。それに対する税金の考慮というのは全く考えられない、何か非常に懲罰的な税制であってね。
   〔理事三木亨君退席、委員長着席〕
 これ、特に仮想通貨って若者の文化ですから、若者が国に対して物すごい嫌な思いをするというか、嫌いになっちゃう。まあ税金はみんな余り好きな人いませんからあれですけど、税金なんかもうとんでもないというふうに思ってしまう、そういうような弊害もあると思うんですが、これだけのボラタイルなものを総合課税にしておくというのはおかしいんじゃないかなと、余りにも国民に懲罰的じゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#115
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 仮想通貨に対する課税関係のお尋ねは、当委員会でも先生から何度か御質問いただいております。
 御指摘につきましては、整理すると、仮想通貨取引による損失について他の所得との損益通算を認めるべきではないか、同じく損失について翌年以降への繰越しを認めるべきではないか、それから仮想通貨取引による所得について総合課税ではなくて分離課税とすべきではないかという、この三点かと理解をしております。
 まず、損益通算につきましては、為替差益ですとかまた仮想通貨取引、これは一定程度、取引のタイミングを調整し、損益を発生させる時期を選ぶことが可能であることから、他の所得との損益通算を認めた場合に、他の所得の多寡を踏まえ、税負担の調整が可能になってしまうことが果たして妥当なのかといった課題があることも踏まえまして、雑所得として損益通算が認められていないところでございます。
 また、損失の繰越しにつきましては、所得税は一年間に稼得した所得の大小に応じて累積的な負担を求める税であるため暦年ごとに所得を把握することとしており、損失については原則として翌年以後の所得金額に影響させないこととしているところでございます。
 こうした中で、例えば上場株式等の損益、譲渡損失につきましては、こうした原則の例外といたしまして一定の所得との損益通算や損失の繰越しを認めているところでございますけれども、これは貯蓄から資産形成という政策的要請を前提としたものでございまして、仮想通貨をこれと同列に論ずることはなかなか難しいものではないかと考えております。
 また、分離課税につきましては、同じ一億円でも給与や事業で稼いだ方は五五%の税率が掛かる一方で、仮想通貨で一億円稼いだ方は二〇%の税率でよいとすることについて国民の理解が得られるのか。株のように家計で仮想通貨を購入することを国として推奨することが妥当なのか。
 また、ブロックチェーン技術につきましては、これまでも委員御指摘のとおり、仮想通貨のほか、例えば、金融に限らず、認証手続等様々な分野において利活用の可能性があると指摘されておりまして、その発展は重要と考えておりますけれども、家計での仮想通貨の購入を後押しすることがブロックチェーン技術の発展にどこまで必要なことであるかなど、様々な課題があると考えております。
 いずれにしても、適正な申告や所得捕捉に向けた方策について、執行当局や関係省庁等とも連携しながら、取引実態の研究を行って必要な対応について検討を進めてまいりたいと考えております。
#116
○藤巻健史君 損益通算ができない理由とか、それから翌年等に繰り越しできないというその理屈は分かるんですけれども、だからといって、最高税率五五%、ボラタイルなものを五五%でその翌年に大損しちゃうという税制というのはおかしいんじゃないかなとやっぱり思うんですよね。やっぱり、それを避けるためには最低限分離課税というのが妥当なのかなというふうに思います。
 特に、国としても、改正資金決済法で当てはまるようになりましたし、それからマネックス社という、銀行法で非常に国に管理される、銀行法が適用される会社が取り扱うとか、きちんと国の管理下に入りつつあるわけですよね。
 かつ、それから、さっきちょっとおっしゃいましたけれども、ブロックチェーンで、やっぱり、クローズのは別ですけれども、パブリックなブロックチェーンにおいては、これ仮想通貨がないとシステムをメーンテインする人がいなくなっちゃうわけですよ。ということは、やっぱりブロックチェーンと仮想通貨というのは表裏の関係ですから、ブロックチェーンを日本の産業の非常に大きい中心のことにしていくならば、仮想通貨というのはやっぱりきちんと守っていかなくちゃいけないと思うんですよね。税制で日本の将来を潰しちゃいけないと思うんですよ。
 かつ、今も申し上げましたように、そんなボラタイルな商品を総合課税のままで、一年ごとだといって、それでもう大損するような人が出てきて、これは生活問題だし、若い人たちの日本国、それから税制に対する嫌な気持ちを助長するような税制というのはやっぱりきちんと直すべきだろうと思います。
 それに、例えば最高税率五五%だったらば、ちょっと脱税のリスクを冒してでもごまかしちゃおうという人はいるかもしれないけれども、二〇%だったら気持ちよく払おうという、それは気持ちよくはないでしょうけれども、脱税嫌だよと、脱税のリスクまで取りたくないよという人はたくさんいると思いますし、やっぱり仮想通貨の取引というのも盛んになって、国の税収もかえって逆に増えると思うんですよね。そういうこともありますので、是非仮想通貨の税制は来年に向けて一生懸命考えていただきたいと、こういうふうに思います。
 次の質問に入りますけれども、金融庁にお聞きしたいんですが、二〇一三年度の金融モニタリングで、地域銀行の金融リスク、これは預貸率が低下する一方で国債の運用残高が増加しているので金利リスクが上昇傾向にあると、こうおっしゃっているわけですけれども、まず数字的に、現在、地域金融機関は国債保有高を増やしているのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
 その上でお聞きしたいんですけれども、銀行がそもそも国債を買うというのは金融業じゃないですよね。金融というのは、預金者、預金者というのは信用リスクを測れませんから銀行に預けて、銀行はより高いリスクを見極めて貸し出すと、これが金融のあるべき姿。それが、銀行が自分より倒産確率の高いものに貸さずに、倒産確率の低い国債を買う、それ違いますよね。金融のやる、銀行のやる仕事じゃないですよね。銀行はまさにクレジットリスクを審査して、より高い、自分たちよりもより高いリスクのものに融資していくと、これがあるべき姿。もし、低い、クレジットリスクの低い国債のようなものに投資するんだったらば、預金者は直接社債か何かを買えばいい、国債を直接買えばいいわけであって、まさに国債を大量保有するということは金融機関の体を成していないんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 まず、数字でございますけれども、地域銀行の国債保有状況について申し上げます。量的・質的金融緩和が導入されました二〇一三年四月直前の二〇一三年三月末の地域銀行の国債保有額は四十五・八兆円でございました。それから四年半後の二〇一七年九月末における保有額は二十九・〇兆円ということでございます。地域銀行の国債保有額は減少傾向にございます。
 それから、二点目の委員の問題提起でございますけれども、銀行はまさに適切なリスクテークを行うことによってリターンを得る、収益を得ると。それによって金融機関の財務の健全性というのを確保し、それが預金者に対する責任ではないかなというふうに考えております。健全性を維持しつつ適切なリスクテークを行って、預金者から預かった資金というものを例えばその地域の企業に供給し、ひいては地域経済の活性化に貢献していくということが期待されるのではないかなというふうに思っております。
 そういった形で金融機関が健全な、適切な金融仲介業を行っているかどうかということに関して、金融機関の金利リスク、貸出運用等の動向についてしっかりとモニタリングしていきたいというふうに考えております。
#118
○藤巻健史君 地域金融機関が国債の保有高を随分減らしていますですね。四十五・八兆から二十九兆円ですか。ということは、その分、日銀が買っているわけで、地域金融機関のリスクを日銀にシフトしているだけじゃないかという気がいたしますですけどね。
 それで、ちょっと次に大臣にお聞きしたいんですけれども、地域金融機関、非常に経営が苦しくなっているということを言われています。特に、今日の日経新聞にも、「地銀の越境融資最高に」という記事ですけど、地銀経営は危機モードだと書いてあるわけですよ、かなり。そのくらい地銀は経営が厳しくなっていると。利ざやも一%を割ってきていると思いますけれども、なぜこんなように経営が苦しくなってしまったのか、理由は何だとお考えでしょうか。
#119
○国務大臣(麻生太郎君) 一概にこれというものがあるわけではないと思っております。
 まず第一に、やっぱり、昭和二十年この方、七十数年間で初めて起きたデフレーションによる不況。デフレってやった経験者がゼロですから。日本だけで限りません、世界中ゼロですから。そういったもので、デフレをやったことのない人がデフレ対策をやるというのは、元々経験則を使えませんから、そういった意味では極めて難しい対応を迫られたということだと思っております。それが一番大きな原因に、一つに挙げられると思います。
 続けて起きてきますのは人口減少という言葉で、長期的にはこれは日本最大の課題だと思いますが、その人口減少が、地域からいわゆる大都市に人口移動に伴う集中が起きておりますことによって、そういった地域において、人口減少の著しい県においては経営が極めて厳しくなっていった。それが二つ目だと思います。
 三つ目は、これまで、我々、金があればそれを通して人が借りに来るという前提で経済学、経営学の本は書かれていますけれども、初めて金があっても人は借りに来ないという状態が起きておりますので。自己資本で全てやる。いわゆる直接投資、直接投資というか直接融資で全部やるという、直接金融をやるということで、間接金融より直接金融を選ぶという方向に大きな流れが、経営者の意識感覚としてもそういったことになっていったというようなことが総合的に起きて、地方にあります地方銀行というのがその経営が厳しくなっていった。それに多分マイナス金利というようなものも重なってきたんだと思っております。
#120
○藤巻健史君 今おっしゃっていることも要因の一つではあると思うんですが、やっぱり最大の原因というのは異次元の量的緩和だと思うんですよね。
 先ほど遠藤局長がおっしゃったように、地銀の保有国債がどんどんどんどん日銀に移っていると。私が金融マンだった頃は日銀なんというのは長期金利買っていなかったわけですから、それが膨大な量を買っているわけですね。買うということは、日銀が出てきて買うということは、値段が上がる、長期金利が下がるということですから、まさにイールドカーブはフラット化しちゃって、要するに長短金利差が全くなくなっちゃったですね。これ、今おっしゃったような、大臣がおっしゃったような理由であっても、例えば長期金利が二%で短期金利が〇・一%であれば十分地銀もうかっていますよ。今みたいにイールドカーブが寝ちゃっていれば何やったってもうからないですよ、こんなもの。
 ということで、最大の要因というのは異次元の量的緩和にあるんじゃないかなと私は思っているんですけれども、ちょっとその回答を聞いていると時間なくなっちゃいますので、一応そういうことは申し上げておきたいと思います。地銀の経営悪化というのは異次元の量的緩和の副作用の大きいポイントではないかなというふうに考えます。
 最後に、ちょっとあと二分しかないんで最後にお聞きしたいんですけれども、また財務大臣にお聞きしたいと思います。
 日本の最高税率、かなり高いですし、累進性がかなりきつい。最低課税額がもう非常に高くて、それで累進がかなりきつい、相続税も累進がかなりきついということで、かなり結果平等の税制になっていると思うんですね。やっぱり、国を富ませるためには、富める人を引きずり下ろすのではなくて弱者を引き上げる、それによって格差是正を解消する、これが国のやるべきだと思うんですけれども、所得税の累進性をきつくし、かつ、世界では非常に珍しいですけど、相続税も累進性をきつくして、富める人を実質いなくしちゃう、引きずり下ろす、そういうことでの格差是正を図るような税制の仕組みじゃないかという気がしていますけれども、それについてのコメントをお聞きしたいと思います。
#121
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろいろな御意見があるんだと思いますけれども、少なくとも、早い話が相続税とか所得税の累進税率が高いというお話をしておられるんだと思いますけれども、少なくとも昭和五十年、六十から六十二年までのあれを見ますと、相続税につきましては、最高税率七五%の相続税が掛かっております。また、所得税につきましても、昭和三十七年からこの六十年、五十八年ぐらいまでの間に、個人住民税と合わせますと最高税率は九三%、九三の所得税率です。そういうので、これは極めて高かったというのははっきりしておると思いますが、それが六十年代以降に暫時緩和がされていったということになっているんだと思いますが。
 結果として、今、昭和二十七年に比べて最高税率を引き上げておりますんで、相続税の方は五五%、所得税、住民税と合わせて五五%が最高税率となっておるのが今の現状でありますんで、そういった意味では、この累進の高さというのを踏まえますと、過度に累進性が高いかと言われれば、比較する世代、年齢によってかなり違ってくるとは思っておりますが、極めて高い九五%というようなことではなくて、あれに比べて四〇%下がっておりますんで、比較の仕方だと思いますんで、そういった御意見もあるということだけは伺っておきます。
#122
○委員長(長谷川岳君) 時間です。
#123
○藤巻健史君 過去に比べれば改善されたけれども、絶対的レベルではまだ非常に不満足な状況じゃないかと思います。
 数字だけ、ちょっと申し訳ないんですけれども、星野局長、後で担当の方、係の方、数字だけ事務室に、私の部屋に持ってきていただければと思います。
 ありがとうございました。
#124
○中山恭子君 希望の党、中山でございます。
 六月五日の第八回経済財政諮問会議に示されました経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、いわゆる骨太方針原案についてお伺いいたします。十五日に閣議決定する予定であると聞いております。
 この原案は非常に多岐にわたっておりまして、何を中核に置きたいのかなかなかつかみ切れないほど盛りだくさんの政策がつづられております。骨太方針というのであれば、何でもかんでも詰め込むというのではなく、太い骨が何なのか、めり張りの利いた方針を出していただけると分かりやすいと思っております。
 ただ、今回の原案の中で、これまでと少しニュアンスが違っているかなと読める箇所が何か所かあります。最終章の第四章で、麻生大臣にお伺いいたします。当面の予算編成の基本的考え方で、歳出改革の取組を継続するとの方針とは別途、臨時、特別の措置を二〇一九年度、二〇二〇年度当初予算において講ずることとするとの記述があります。
 これを受けて、二〇一九年度予算編成、これからでございますが、臨時、特別の措置としてどのようなものが考えられているのでしょうか、お伺いいたします。
#125
○副大臣(木原稔君) 委員御指摘のように、先日示された骨太の方針の原案の中では、二〇一九年の十月一日における消費税率引上げに伴う需要変動に対して機動的な対応を図る観点から、歳出改革の取組を継続するとの方針とは別途に、臨時、特別の措置を二〇一九、二〇二〇年度当初予算において講ずるというふうにされているところであります。この原案において、その具体的な内容については、二〇一九年十月一日に予定されている消費税率引上げの需要変動に対する影響の程度や、また経済状況等を踏まえて、各年度の予算編成過程において検討するとされておりまして、財務省としてもそうした方向で今後検討を進めてまいりたいと思っております。
#126
○中山恭子君 これから検討されるということでございますけれども、豊かな国民生活を実現する波及効果の大きな投資プロジェクトを計画的に実施する、成長と分配の好循環拡大に向け、可処分所得の拡大、企業の設備、研究、人材への継続的な投資拡大等に向けた取組を推進するという文言も他の部署で、第三章で書かれておりまして、大変結構なことだと思っております。是非大いに進めていただきたいところでございます。
 六月十二日の日経新聞で、今回の骨太方針について骨抜きの財政健全化だという記事がございました。骨太方針は歳出、社会保障費の抑制より経済の成長に重点が置かれたとの記事がありました。私は、今回の骨太方針で経済の成長に重点が置かれたことを高く評価しております。本来はもっともっと大胆な成長路線を打ち出してほしいと思っております。そして、この方針は、財政健全化に向けて、財政健全化が骨抜きになったのではなく、やっと一歩踏み出した記念すべき方針と言えるのではないかと考えております。急がば回れ、昔の人は本当にすばらしい言葉をつくっております。財政再建をするには、まず経済の成長を図るしか道はありません。
 また、二〇一九年十月に消費税率を二%引き上げるに当たっては、景気を過熱ぎみにしておく必要がございます。今年度、公共事業を大幅に増加する補正予算を来年度予算の前に早急に編成し、実行する必要があると考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#127
○国務大臣(麻生太郎君) 骨太方針の中で、今、中山先生からそれなりの評価をいただいたところなんだと思っていますが、いわゆる経済成長なくして財政再建なし、これが一番のお題目というか一丁目一番地の話ですが、これを維持しながら、少なくとも、今言われましたように、私どもは先延ばしをいたしております消費税率二%上げるというときに当たって、この前の三%上げたときのいわゆる駆け込みなりその後の反動減によってどういった状況になったか等々の反省の上に立って、その前にしかるべきことをしておかないと、いわゆる二%上げたことによる反動減が二〇二〇年以降に起こるということも十分に予想して、今のうち、それを対応するためには二〇一九年度の補正では間に合いませんから、二〇一九年度の当初予算からそれを対応していかないと対応に後れを取るということがその中で書かれているんだと思っております。
 そういった意味では一つの流れだと思いますので、どういったようなものがそういった具体的に、こういったものああいったものというので財投、財政投融資等々を使わせていただいていろんなことをさせていただこうと思っておりますが、どういったようなものがあるのかにつきましては、今副大臣から御答弁申し上げましたように、いろんな対策をこれから考えていかねばならぬと考えております。
#128
○中山恭子君 是非、しかるべき措置、具体的にどのようなものがよろしいのか、早急に検討していただけたらと思っております。
 社会保障の問題というのは非常に厄介な問題でございますが、今日、資料を、よく見る資料でございますが、平成三年度と平成三十年度における国の一般会計歳入歳出の比較のグラフをお示ししてあります。これは財務省パンフレットの中にある図でございます。
 この図で、歳出が平成三年度、一九九一年度には七十・三兆円でしたのが、平成三十年度には九十七・七兆円に大幅に増加しております。この要因が社会保障費と社会保障費に係る国債費であることは一目瞭然でございます。
 暗たんたる思いになりますのは、公共事業、防衛、文教、科学技術等のいわゆる一般行政経費が二十六・一兆円から二十五・九兆円へと〇・二兆円減となっていることでございます。一般会計予算全体はこの間に二十七・四兆円、大幅に増加しているにもかかわらず、政府が行う行政経費が、幾らデフレがあったとしても減少している、実数で減少しているということは、社会の動きに対応することなく、政府はただただこれまでどおりの仕事しかしていないということを示しているように見えます。もちろん、効率化を図っているといったようなこともあろうかと思いますが、余りに寂しい思いがいたします。
 この現状をどのように見ていらっしゃるでしょうか。
#129
○副大臣(木原稔君) 中山委員の提出いただいた資料がこの平成三年度と平成三十年度の比較でございますけれども、平成三年度を比較の対象としていただいたのは、恐らくこの年の税収が過去最高のものであり、そして、今年度、平成三十年度もほぼ同じような税収ですから、税収の面でここが共通するので、じゃ歳出を見てみようと、その比較ということで選んでいただいたものと思っておりますが。
 御指摘のとおり、社会保障関係費が大きく伸びている一方で、一般歳出のうち、その社会保障関係費以外の経費はほぼ横ばいとなっております。これについては、社会保障関係費が急速な高齢化の進展に伴って大きく伸びる一方、その社会保障関係費以外については、税収が伸び悩む一方で国債費の増加等もあって、ほぼ横ばいになっているものと承知をしております。
 こうした中で、現政権では、概算要求の段階での優先課題推進枠というのをつくりまして、そこを十分活用していただきながら、歳出全般にわたる重点化、効率化を徹底し、新規施策もなるべく導入していただくように、めり張りのある予算編成を行ってきたところであります。
 具体的には、この非社会保障の分野については、観光庁の予算を二・五倍に増加するであるとか、また科学技術振興費も、ここは六年連続で増加をさせていただくとか、また新たに文教予算で給付型奨学金を創設したりだとか、また防衛費についても毎年実質〇・八%の伸びの確保をしていくなど、日本の成長に資する分野であるとかまた国民の安全、安心に資する分野というのには重点化をしてきたところであります。
 今後とも、真に効果のある必要な施策を見極めて、そして効率的、重点的に実施していくことで、大臣言われましたように、経済再生と財政健全化の両立を実現していきたいと思っております。
#130
○中山恭子君 政府が行う一般の行政費が〇・二兆円減っているというような状況というのは、やはり社会の動きに対応できていなくなる可能性がございますので、是非そこは十分予算をしっかりと組み立てていただきたいと思っております。
 社会保障制度の立て直しは難しい問題ではありますが、誰かがやらなければならない課題です。例えば、五月二十三日に提出されました新たな例の建議では、人生百年時代の年金受給の在り方と支給開始年齢の引上げという表がございます。これによりますと、昭和三十六年、一九六一年に国民年金制度がスタートしたときは、平均寿命が、いつぞや麻生大臣もおっしゃられておりましたが六十六歳で、国民年金支給開始年齢が六十五歳でしたから、支給期間は一年と想定されておりました。厚生年金につきましても、支給期間は九年間を前提としておりました。二〇三〇年に平均寿命は八十二・四年となります。国民年金も厚生年金も支給開始が六十五歳ですと、支給期間は十七・四年間となります。逆の発想をいたしますと、年金制度のスタートしたときの前提を当てはめますと、二〇三〇年の平均寿命は八十二・四年でございますので、国民年金の支給開始年齢は八十一・四歳、厚生年金は七十三・四歳でよいはずでこれございます。
 これまで五年ごとに改定するとき、このような平均寿命等の社会の動きを勘案して支給年齢を改定する、引き上げるべきであったと考えますが、全く手を付けておりません。この不作為は罪が大きいと考えております。もちろん、支給年齢の引上げについては現在もその努力がなされていることは承知しておりますが、今後の年金制度を維持するには、支給年齢を早急に七十歳又は更により高く引き上げることが必要であると考えますが、麻生大臣の御見解をお伺いいたします。
#131
○副大臣(木原稔君) 日本の年金制度の話でありますけれども、委員言われたように、今後、いわゆる人生百年時代を迎え平均寿命が延びていく中で、社会保険制度や財政の支え手が減少してまいります。また、年金の給付水準を維持できるかという、そういう問題もございます。
 こういったことが大きな今後の取組課題となるかと思いますが、こうした中で、年金の支給開始年齢の更なる引上げについての御質問でありましたが、平均寿命が延びまして、働く意欲のある高齢者が増加するとともにその就業率も上昇していること、引上げには高齢就労を促進する側面があること、高齢就労促進によって保険料の収入が増えれば将来の年金普及水準の維持向上にもつながること、こういったことを踏まえまして、大きな影響を受ける一定の世代を含め国民の理解を得つつ、十分に準備期間を設けることを前提といたしまして、更なる引上げについて議論を深めていくべきだと、そのように考えております。
 いずれにしても、年金については来年の平成三十一年、財政検証が行われることとなっておりまして、あるべき年金制度改革の姿については、これに向けて厚労省としっかりと議論してまいります。
#132
○中山恭子君 年金だけではなく、たくさんの問題がこの社会保障制度に絡んでまいります。このままでは破綻すると言ってよろしいと思っております。新しい社会保障制度を構築しなければ制度として成り立たない、このような状況の中で財務省が主導して検討すべきと、新しい社会保障制度を検討すべきと思いますが、それができないのであれば、麻生副総理の下で、各省、民間から精鋭を集めて新しい社会保障制度の構想を練り、実施に向けてきめ細やかな対応を検討すべきと考えますが、麻生大臣はどのようにお考えでしょうか。
#133
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろんな考え方があるんだと思いますけれども、いわゆる高齢化が悪いんじゃなくて、支える人が生まれない、少子化というのがその一番のネックですから、高齢化すればいかにも長生きは悪いみたいなイメージになっていますけど、そういうイメージじゃなくて、それを支える比率が、いわゆる国民皆保険ができましたときは勤労者六人で高齢者一、六対一ぐらいの比率だったものが、今は二・何対一、もうほとんど二切りそうになったところまで来ておりますので、そういったものでいきますと、六が二になるということは三倍ですから、感覚でいえばその分だけ、三倍保険料払っていただかないと採算が合わないと、単純計算すればそういうことになります。
 それを今、税で賄っておるという、かなりの部分を税で賄っておりますので、そういった状況になっておりますので、これをやっぱり、このまま維持はこれは絶対不可能ですから、これはやっぱり全社会的なものにしないと、全世代的なものにせぬといかぬのだということで今一連の動きをいろいろさせていただいておりますので、これはいろんな、この点だけをどうというわけではありませんけれども、高齢者の中でも税負担能力がある方にはそれなりの負担をしていただくとか、いろんなことを考えにゃいかぬことになっておるんだと思っておりますが。
 いずれにしても、こういった高齢者なりいろんな方々の、いわゆる労働できる、健康も、健康年齢もしっかりしている、労働意欲もあるという方が働けるような環境というのをつくらぬといかぬのであって、そういったものをうまく採用して利益を出しておられる会社というのはいっぱいありますので、そういったものも大いに参考にさせていただきながら、これ、いろいろな意味で、一律年齢だけでやるというのはいかがなものかという状況になりつつある、きめ細かな対応が必要になってくるんだと思っております。
#134
○委員長(長谷川岳君) 時間です。
#135
○中山恭子君 時間が来ておりますので。
 例えば、中福祉中負担といったような概念ではなくて、日本の現状をしっかり見極めて、新しい社会保障制度を是非精鋭グループでつくっていただきたいと思っております。是非、麻生副総理としてよろしくお願い申し上げます。
#136
○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。
 本日、私は、フィンテックに関しまして、一つはクリプトアセット、法律でいいますと仮想通貨、そしてキャッシュレス化の推進について御質問したいと思います。
 まず初めに、仮想通貨交換事業者の登録の申請についてお聞きしたいと思います。
 前回の審議でもお聞きしましたけれど、現在、百社を超える登録申請があるという状況の中で、今後どのような登録申請の処理がなされるかというのが分からずに、事業者の方々が相当混乱しているという状況ではないかと思っております。
 中には、何かと申しますと、既存の交換事業者が百億とか二百億でその会社を売りますよという話まで出ている状況でございまして、私はMアンドAはきちんと進めた方がいいと思っておりますけれど、情報がないゆえに不当な利益を上げる人たちが出るのは非常に問題があるのではないかと思っておりまして、その点についてどのようにお考えかということを、金融庁の考え方をお聞きしたいと思います。
#137
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 金融庁では、コインチェック事案を踏まえまして、全てのみなし業者及び複数の仮想通貨交換業者に順次立入検査を実施しております。これまでに把握された問題点の分析等を通じまして、利用者保護を図る観点から、より実効的な審査やモニタリングについて現在検討しているところでございます。
 現在、みなし業者の登録可否判断や登録業者の実態把握のために、立入検査に相当数の当局のリソースを割いているところでございますけれども、現在実施しております立入検査に一定のめどが付き次第、できるだけ速やかに、このような登録審査の方針をまとめ、申請業者を含め周知してまいりたいというふうに考えております。
 また、既存の仮想通貨交換業者が他社に買収されているという事例があることは承知しております。一般論として申し上げますと、このような買収は仮想通貨交換業者の経営判断ではございますけれども、登録審査時に説明を受けたビジネスモデル等が他社の買収によって変更される場合には、改めて、ビジネスモデルや内部管理体制等について、利用者保護等の観点から厳正に検証していくことになります。
#138
○藤末健三君 佐々木審議官も多分状況は御存じだと思いますけれど、システム的にもほとんどサイバーセキュリティーなんかの技術力も低く、恐らくいろんな経営管理能力も低いような企業が、交換事業者が百億とか二百億という価値が付くというのは私、異常だと思うんですよ。
 その価値は何かと申しますと、既に登録されているというそのライセンスの価値ですよね。なぜ価値が上がるかというと、大臣、これまさしく、将来どのような状況になるか分からないから価値が上がるんですよ。ですから、是非速急に私は、その処理を終わらなきゃできませんという話じゃなくて、今すぐに、もう体制が厳しいのも、そして職員の皆様がどれだけ過酷な環境にあるかも存じていますけれど、ただ、少なくとも、このクリプトアセットの政策が、今まで積み重ねたものがきちんと整理されるためにも、できるだけ早く、どういう基準でその審査を行うのか、そして手続はどうなのか、あとスケジュールはどうかということを示していただかなければ私は混乱すると思います。
 ちなみに申し上げますと、今、海外のクリプトアセット、仮想通貨を交換するような企業が日本に進出しようとしているという状況でございまして、話を聞いてみますと、彼らは、もうこのままだと時間がないので、もう百億でも買おうかという話をされているわけですね。私は多分、不当利益になると思います、これは、正直申し上げて。適正な価格じゃない。それはなぜかというと、情報をきちんと開示されていないからじゃないかと。
 そして、もう一つ申し上げたいのは、金融庁が海外から、無登録事業者として海外からクリプトアセット、仮想通貨を日本国内で販売したと、二社ありますよね、警告されたところが。二社に警告して、一社は香港、一社はマカオだったわけですけれど、彼らは警告されたにもかかわらず、販売やめていませんよ。今でも広告出しています。
 どういうことかと申しますと、海外の事業者は恐らくそれを見ているわけじゃないですか。そうすると、五十億とか百億出して日本の事業者を買うよりも、じゃ海外でこのままやろうというふうに必ずインセンティブが働く。大臣、こうなりますからね、必ず、覚えておいてくださいよ。是非、早く基準を作り、外国の企業がもう海外から日本に売りますよという状況をつくってしまいますと、恐らく日本のマーケットは空洞化する、はっきり言って。ほかの日本の事業者も行きますもん。
 その点、せっかくだから答えてください、佐々木審議官、どうお考えか。
#139
○政府参考人(佐々木清隆君) 今お尋ねの点につきまして、先ほど申し上げましたとおり、現在進めております検査の結果等を踏まえまして、我々といたしましても今御指摘のような点認識をしておりまして、新しい登録審査の基準、今後の進め方等について対外的に周知をしていきたいというふうに考えております。
#140
○藤末健三君 佐々木審議官、是非、もうマンパワーが足りないということだと思うんですよ、ボトルネックは。是非その職員の数を何とか増やす努力をしていただきたいし、私たちも応援させていただきたいと思うんです、そこは、金融育成庁ですから。是非、大臣、本当にマンパワー足りないですよ、私見ていても。是非強化していただき、そしてきちんとやっぱりロードマップを示すことをやっていただきたいと思います。
 またちょっとコインチェックの話にさせていただきますと、私は、経営者が、自社の取引に経営者自身が参加して価格を形成したということは、私は刑法違反ではないかと思うぐらいの問題だと思いますが、そもそもの今の交換事業者という制度の設計がちょっと間違っているんじゃないかというふうにちょっと考えております。
 それはなぜかと申しますと、証券会社でしたら証券会社があり、そして東京証券取引所みたいなものがある。大阪証券取引所は昔ありました。そういう形で、この交換所は証券でいうところの交換所に当たるはずなんですよ。ところが、今どうなっているかというと、証券会社と取引所が一体化して運営されている、そしてファイアウオールもない、そうすると、当然、市場を運営しているところに自分たちで買いに入って利益を上げるのは必然だと思うんですよね、必然。
 その点をどう考えているかを是非お聞かせいただきたいと思っていまして、今、金融庁が研究会を開いていただき、四月十日、そして二十七日にたしか開いていただいていると思いますが、やっぱりそういう資料を読んでいますと、何を思ったかと申しますと、まず一つは技術的な問題。登録した十六社がこの日本仮想通貨事業者協会に入っている方々の報告を見ると、実際に顧客はまずそのウオレット、財布を持っていないと、それは全部交換事業者に預けていますよと。そして、顧客ごとの売買はどうなっているかというと、社内の付け替えで行っている。何かというと、ブロックチェーンに落としていないんですよね、ほぼ全て。ブロックチェーンに落とすと時間が掛かりますし、コンピューターを多分に使いますんでやっていないとは思うんですけど、ただ、ブロックチェーンを使って安全性を確保して、そしてインターネット上で取引が確認できるというのがブロックチェーンの強みでありますけれど、それを使っていない仮想通貨交換事業者というのは世界的に見て私はちょっと標準からずれているんじゃないかと思っています。
 そもそもは何かと申しますと、私が提案させていただきたいのは、交換事業者というのは証券でいうところの証券取引所、そしてもう一つ、実際に仮想通貨を売買する人たちは証券会社と同じようにディーラーであると、そういう仕分をしなければならないんではないかと思います。そして同時に、取引所は明確にブロックチェーンを使い、データをきちんと公開して安全を確保するということをすべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。お願いします。
#141
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 まず、最初に御指摘の、仮想通貨交換業者の中には、自己が運営する取引所で自らが売買取引に参加する業者もいるというふうに承知しております。一般論で申し上げますと、こうした自己売買取引につきましては、価格操縦など不適正取引のリスクがあると認識しておりまして、金融庁といたしましては、利用者保護の観点から実態把握に取り組むとともに、自主規制団体に対しまして適正なルールを策定するよう促しているところでございます。
 また、お尋ねの取引のブロックチェーンへの反映の問題でございますけれども、我が国の場合、顧客は自身のウオレットを保有せず、仮想通貨交換業者にアカウントを作成していると、そういう場合が多いというふうに考えております。
 金融庁が出しております事務ガイドラインにおきましては、各仮想通貨交換業者が利用者の仮想通貨を管理するに当たりまして、業者が管理いたします帳簿上の利用者財産の残高とブロックチェーン等のネットワーク上の利用者財産のあり高を毎営業日照合するということを求めております。その照合した結果、利用者財産のあり高が帳簿上の利用者財産の残高に満たない場合には、原因の分析を行った上で、不足が生じた日の翌日から起算して五営業日内に当該不足額を解消することを求めていると、すなわち五営業日以内にブロックチェーンに反映させればいいということになっております。こうしたことから、御指摘のような対応、プラクティスを業者が取っているところでございます。
 当庁といたしましては、モニタリングを通じまして、こうした点も含めまして深度ある実態把握を行って、必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。
#142
○藤末健三君 審議官、是非大きな枠組みを教えていただきたいんですね、私は。先ほど藤巻委員からも、この仮想通貨に対する課税の問題があったじゃないですか。これは通貨として扱う、決済するためのものですか、それとも価格がボラティリティー、変動が激しいので金融商品的な扱いをするのかという議論があって、私は恐らく決済のための手段ではなく金融商品的な性格になっていると思うんですね。
 そうしますと、そう考えた場合には恐らく、これ大事なところなんですよ、根本的な考え方ですから、そうした場合には、私の考えているように取引所があって、実際に仮想通貨を扱う事業者を分けなきゃいけないはずなんですよ。今一緒なんですよね。それでコインチェックの事案が起きてしまったという。その点いかがですか。
 私は本当に申し上げたいのは、大きな枠組みを金融庁は考えていただかなきゃいけないと。私が職員の方とお話をすると、いや、研究会でやりますよと。研究会は弁護士さんとかいろんな人たちがおられますけど、新しい枠組みをつくるのは金融庁の職員じゃないですか。法的なあれも全く根拠もない研究会に投げることは、僕は全然おかしいと思う。金融庁の方々が、日本にあるべき新しい金融システムの芽でありますから、これは、新しい資金調達手段なんですよ。そして、私たちがこの仮想通貨の市場を国内につくれば、恐らく資金がここに集まるし、情報も集まるし、我々を支える一つの金融サービスをつくれると思うんですけどね。その点いかがですか。大きな枠組みが必要です、絶対に。
#143
○政府参考人(池田唯一君) ただいま仮想通貨交換業に関する研究会についての御指摘がございましたので、御答弁申し上げます。
 研究会は、金融庁として制度の在り方を検討する過程におきまして、多様な知見を有する方々の御意見を参考にするため設置をしているものでございます。当然に、制度の在り方の検討を最終的に金融庁が主体的に行うものであるというのは御指摘のとおりだと考えております。
#144
○藤末健三君 是非、池田局長、この仮想通貨とか例えばICOなんかの議論なんですけど、ロードマップを示していただけませんか、いつどういう議論をして、どういう形の答えを出すかということを。恐らく、それがなければ、やはり皆さん、不確実性が高いとなかなか投資しないですよ、事業者の皆様は。
 ですから、金融庁として、スケジュールはこうですよ、こういうところまでいつまでにこれを決めますよと、そういうスケジュールを作っていただきたいと思うし、あと、できれば研究会に外国の方を入れていただきたいと私は思っています、いろんな人間を。今の研究会のメンバーで本当に議論が進むかどうかというと、私はクエスチョンですよ。新しい発想、新しいイノベーションを金融に起こすというのが使命でございますので、今のメンバーで本当に我が国に新しい金融サービスのプラットホームをつくることができるかというと、私は疑問でございます。
 実際に私がお聞きしたいのは、例えば四月十日の議論なんかを見ていますと、ICOの議論されているわけなんですよ。そこで何があったかと申しますと、今まで金融庁は、仮想通貨の定義を法的通貨、ソブリンカレンシーとか円とかドルに交換できることということで大体解釈をされていたものが、その四月十日の資料を拝見しますと、トークン、いろんな事業者がつくられる仮想通貨ではなく交換できるものですけれど、そのトークンを仮想通貨と交換できることということとともに、ソブリンカレンシー、法的通貨と交換できるというふうにトークンの定義も変わったと私は思っていまして、そうなると何かと申しますと、トークンイコール仮想通貨になっているんじゃないかと私は思っています、この資料を読まさせていただいて。
 そうすると何が起きるかと申しますと、本来イニシャル・コイン・オファリングでトークン、仮想通貨じゃなくてトークンと言われるものを発行し、それを販売することによって資金を集めますと、そして新しい事業をするという形でやるべきだと思うんですけれど、トークンイコール仮想通貨になってしまうと、そのまま規制が掛かっちゃうわけじゃないですか。そうすると、恐らく私はICOを日本国内でする人たちがいなくなると思うんですよ。少なくとも、こういうコインチェック問題が起きてからICOやっている事例ありませんから、国内に。
 ただ一方で、海外を見ますと、海外は加速しています、データ見ていたら。これで本当に我が国でICOを行うようなプラットホームができるかというのがすごく疑問なんですけれど、是非お考えいただきたいと思いますので、もう局長に懸かっていますから、本当にこれ。新しいこのロードマップを示して議論を深めていただきたいということをお願いします。
 それで、もう一つ、キャッシュレスの話をさせていただきますと、経済産業省の方でキャッシュレス推進協議会というのをつくっていただくという話を聞いております。
 今まで経済産業省の議論というのは、クレジットカードを中心とする、所管とする議論だったわけでございますが、昨年、我々が行いました銀行法の改正によりまして、銀行のシステムのAPIがオープンになると。それも利用して、銀行も含めたキャッシュレス、あとQRコードの利用などを進めようということを検討しているわけでございますが、経済産業省の意気込みをちょっとここでお聞かせください。お願いします。
#145
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
 経済産業省におきましては、有識者から成る検討会を開催しまして、消費者の利便性やキャッシュレスを通じて得られるデータの利活用も含めて議論を行いまして、四月にキャッシュレス・ビジョンをまとめたところでございます。
 本ビジョンを踏まえまして、今後は、産学官から成る、これ仮称でございますが、キャッシュレス推進協議会、これを早期に立ち上げまして、キャッシュレス社会の実現に向けた取組を進めたいと考えてございます。
 具体的には、例えば、昨今多くのプレーヤーがサービスを開始したQRコードを用いた支払方法について、海外での利用も視野に入れたデータフォーマットの標準化に向けた取組、また二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けての消費者、事業者双方が受け入れやすいキャッシュレス環境の整備などの取組を検討しているところでございます。
 経済産業省といたしまして、金融庁も始め、関係府省庁と連携しながら、本協議会とともにキャッシュレスの推進に向け取組を進めていきたいというふうに考えてございます。
#146
○藤末健三君 是非、経済産業省におかれましては、金融庁と連携して議論を進めていただきたいと思います。できれば、ついでにICOも経済産業省でやった方がいいですよ。今マンパワー足りませんから、金融庁。
 何か申し上げますと、皆さん御存じのとおり、キャッシュレスの推進って日本は遅れておりまして、まだ二〇%行っていない状況でございます。ちなみに、韓国、九〇%超えておりますし、中国はもう四年前のデータで六〇%、恐らく八割超えているという状況でございますので、ここでやはりオリンピックまでにキャッシュレスを是非強く進めていただきたいとお願いをしておきます。
 最後でございますが、麻生金融担当大臣、最後に、今日お話ししましたフィンテック、クリプトアセットの議論とキャッシュレスの議論と、どういうふうにお考えかというのをちょっと是非総括していただければと思います。お願いいたします。
#147
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、藤末さん、前々から同じ質問しているから、同じような答えしか言いませんよ。時間の無駄だと思いますけれども。
 少なくとも我々はこういったものに関して、中国は閉めたわけでしょうが、韓国も閉めましたでしょうが、みんな閉めているでしょう。その中で、うちは開けて、きちんと管理しながらやらせていただいているという状況にあります。最も健全にやっていますよ。しかも、いろんな意味で引っかかった利用者の負担、利用者が引っかからないようにするところも含めて、ほかの国に比べて最も適切にやっているのが日本。だから、この国にみんな来るんですよという前提で我々はやっているということだけ頭に入れさせて。もう何回も言わせぬでください。
#148
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ておりますので、終わりにしてください。
#149
○藤末健三君 是非、大臣、頑張ってください。お願いします。
#150
○渡辺喜美君 突然ですが、大臣は、日本文化の真髄は何だとお考えになるでしょうか。私の政治学の恩師であります永井陽之助先生は、こう言っていましたね。短期的な無限の執着と長期的な無限の諦めが表裏一体になっている概念こそ日本文化の真髄であると。これは、一九三〇年頃、九鬼周造さんという哲学者が「「いき」の構造」という本を書いたんですね。つまり、短期的な無限の執着と長期的な無限の諦めというのは日本語で粋と言います。では、クイズですが、短期的な無限の執着だけの方を何と呼ぶでしょうか。答えは、やぼと言います。
 大臣は、粋がお好きですか、それともやぼがお好きでしょうか。いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(麻生太郎君) 余り考えたことありませんので。
#152
○渡辺喜美君 是非、大臣には、粋な振る舞いをしていただきたいなと思うんですね。
 実は、これは九鬼周造さんの本の中では、江戸時代の男と女の関係、短期的な無限の執着、長期的な無限の諦め、これを分析をしておっしゃったんですね。永井先生は、権力と政治家、男と女を権力と政治家という概念に置き換えて説明をしておられました。つまり、政治家というのは短期的な無限の執着がありませんと、特に権力に近い方ほど権力という悪魔とお付き合いをしていく商売でありますから、精神的にもたないですね。しかし、一方において、人間というのは生身の体でもあります。そうすると、長期的な無限の諦めというのがそこはかとなく表裏一体の概念として出てくると。多分、横綱の引退の美学というのもそういうことだろうと思うんですよ。
 大臣がいろいろ御苦労をされて、安倍内閣をお支えになっておられる。この前もお聞きをしましたけれども、一人の役人だけ辞めさせて自分だけ残るというのは俺の渡世の、何でしたっけ、渡世の仁義に反すると、こうおっしゃいました。渡世の仁義って、どういうことでしょうか。
#153
○国務大臣(麻生太郎君) 前提がよく分かりませんけど、渡世の仁義という言葉の概念だけを聞いておられるんですか。
#154
○渡辺喜美君 渡世の仁義とは何かとお聞きをいたしました。
#155
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて伺います。その言葉の概念だけを聞いておられるんですか。
#156
○渡辺喜美君 概念だけを聞いております。
#157
○国務大臣(麻生太郎君) 人それぞれの生きざまなんだと思いますが。
#158
○渡辺喜美君 麻生大臣流のレトリックでこういうお言葉を使われたんだと思います。ただ、これ一般的にはやくざ社会のおきてという意味に当たりますので、この言葉をお使いになる場合には相当御注意をされた方がよろしいかと思います。
 ペンス副大統領と麻生大臣との御関係についてお伺いします。
 安倍総理は、トランプ大統領と三十回以上、さしの会談、電話も含めてやっておられますが、ペンス副大統領と麻生副総理との間のパイプがありますが、電話会談というのは何回ぐらいおやりになったでしょうか。
#159
○国務大臣(麻生太郎君) 電話会談を何回したかという御質問ですか。何回やりましたかね、余りよく書いてありませんけれども、何回かやったと思いますけれども、そんなに正確な記憶はありませんけど、四、五回は電話であります、会ったことも四、五回ぐらいかな。
#160
○渡辺喜美君 私の聞いたところだと、麻生・ペンス会談は四回、電話会談はなしと聞いております。大臣はもう通訳なしでお話ができる才能をお持ちですから、これ非常にもったいないと思うんですね。
 米朝首脳会談が行われました。是非これが歴史的な会談になってほしいなと思いますよ。ただ、率直な感想を言わせていただければ、金正恩委員長は体制維持に一歩近づいた、トランプ大統領はノーベル平和賞に一歩近づいたと、そういう印象を受けます。
 どっちが時間を味方に付けているかというと、圧倒的に金正恩委員長なんですね。トランプ大統領は、御案内のとおり、十一月に選挙を控えている。これはもう民主主義国家の宿命みたいなものですよ。一方、金正恩委員長の方は、終身大統領、皇帝みたいなものですね。したがって、時間を味方に付けるという点では圧倒的に不利であります。トランプ大統領が前のめりになることも、分からないでもありません。十月にノーベル平和賞でも決まれば十一月の中間選挙に勝てると、そういうことなんでありましょう。トランプ大統領は、北の核はもはや脅威ではないとさえおっしゃっておられるわけであります。
 非常に我々が心配するのは、制裁圧力が揺らぐおそれがあるということですよ。
 いろんな制裁の中で私が一番効いているなと思うのは、ドル決済のコルレス口座の凍結、これが一番効いていると思いますね。実は、これはかつての日本がやられたことですよ。前にもお話ししたかもしれませんが、ルーズベルト政権下でモーゲンソー財務長官の側近をやっておったハリー・デクスター・ホワイトという人が日本のコルレス口座凍結の企画立案をやった。この人は、コミンテルンのスパイだったということは後にばれるわけでありますが。金正恩委員長の下での北朝鮮もコルレス口座のドル決済口座凍結をされて、相当干上がったと思うんですね。
 しかし、北は、昨日の朝鮮中央通信、段階別、同時行動原則というのを言ってまいりました。ポンペイオ国務長官は、二年後ですか、次の大統領の任期までにどうにかしたいというようなことをおっしゃっておられた。恐らく北朝鮮の方は、もう十年とか二十年とか、そういう時間感覚で考えているんでありましょう。
 この北の段階別、同時行動原則というのは、どう評価しています、外務省。
#161
○政府参考人(鯰博行君) お答え申し上げます。
 北朝鮮側は、委員御指摘の十二日の朝鮮中央通信もそうですが、あるいは昨日の朝鮮中央放送におきまして、金正恩国務委員長が、朝米関係改善のための真の信頼構築措置を米側がとっていくならば、我が方もそれに応じて、引き続き次の段階の追加的な善意の諸措置を講じていくことができると述べたと伝えております。そして、その流れでさらに、朝鮮半島の平和と安定、朝鮮半島の非核化を成し遂げていく過程で段階別、同時行動原則を遵守することが重要であると伝えております。
 今回のシンガポールにおける米朝首脳会談におきまして、トランプ大統領が北朝鮮側に対して安全の保障を提供することにコミットし、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた自身の確固たる揺るぎないコミットメントを再確認した形でございますけれども、北朝鮮が委員御指摘の段階別、同時行動原則をどのようなものと考え、今後どのような主張を展開してくることになるのかについては予断し難く、我が国政府としては、米韓等と連携しつつ、しっかりと見極める必要があると考えております。
#162
○渡辺喜美君 実務的に考えて、これは一気呵成にというのはなかなか難しいと思いますよ。CVID、やはり実務的にはどうしても段階的にならざるを得ないと。そういうときに、もう既に日本に対しても費用負担の話が出てきておりますし、日本も何がしかの負担はせざるを得ないという状況になっていくんでありましょう。
 しかしながら、日本は拉致問題という大問題を抱えている国でもあります。そうすると、国連決議に基づく北朝鮮への経済制裁が今後段階的に緩和をされるということになった場合に、恐らくイメージとしては、まず貿易、そして人の動き、それからお金と、こういう順序になるんだろうと思いますが、私は先ほど申し上げたコルレス口座の凍結、これは一番最後にしてほしいなと、こう思うんでありますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#163
○国務大臣(麻生太郎君) 所管外の話なんで、加えて仮定の話がいっぱい付いていますのでお答えは差し控えさせていただかにゃいかぬところだと思っていますが、少なくともこの種の話で、金とか国というものが破産するのはストックで破産しません、フローで破産しますから、金融は大きいと思います。
#164
○渡辺喜美君 とにかく大臣、お辞めにならずにしばらくお続けになるということのようでございますから、是非、こういう肝腎要のポイントは副総理として内閣の中でもイニシアチブをきちんと発揮をしていただきたいと、そう思うのであります。
 日本は国内に北朝鮮の組織を抱えております。朝鮮総連という組織でありまして、かつて北朝鮮系の信用組合が破綻をしましたときに総額で一兆一千億円以上の金銭贈与というものをやっております。これは国民感情的には非常に問題が大きかった。しかし、日本の法令に従って預金者保護のお金を出さざるを得なかったわけですね。
 今現在、裁判の結果、朝鮮総連に対する未回収債権、遅延損害金合わせて九百十億円ほどありますが、これは回収できるんでしょうか。見通しだけ語ってください。
#165
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 御指摘の未回収債権、遅延損害金九百十億円でございますけれども、そこに至った経緯について簡単に申し上げますと、まず、整理回収機構は、破綻した金融機関から買い取った債権のうち、実際の債務者が朝鮮総連であると考えられる債権約六百二十八億円について貸金返還請求訴訟を提起し、勝訴いたしました。その後、約五十九億円の債権回収を行ったことから、未回収債権約五百六十九億円となっております。さらに、消滅時効を確実に中断させるために貸金返還請求訴訟を再提起し、未回収債権約五百六十九億円及び遅延損害金約三百四十一億円の合計約九百十億円の支払を命じる勝訴判決を得たところでございます。
 今後の債権回収の見込みでございますけれども、これについて現時点において申し上げることというのはなかなか困難であるのでございますが、金融庁といたしましては、今後とも引き続き整理回収機構が預金保険機構と連携して厳正な債権回収を行うように強く指導してまいりたいというふうに思います。
 具体的には、整理回収機構が預金保険機構と連携して、朝鮮総連に対して返済交渉を行うとともに、預金保険機構の財産調査権あるいは整理回収機構に蓄積された債権回収ノウハウを活用いたしまして、債権回収の端緒となる情報を収集し、朝鮮総連の資産等の実態把握に努め、あらゆる回収手段を排除することなく検討し、法令にのっとり、厳正な債権回収に努めるよう指導してまいります。
#166
○渡辺喜美君 とにかく日朝交渉というのも時間の問題で、いずれ開かれることと思います。日本のレバレッジは何といってもお金ですよ。そして、トランプ政権ですね、日米共同行動を取っていくと。この二つが日本の拉致問題の解決にもつながっていくということでありますから、いろいろなことを考えながら日朝交渉というのはやっていかなければならぬと思います。
 遠藤局長がいますので、お手元に縦長のものを配ってありますが、これは日本の、縦軸に貸付残高、横軸に金利を取ってあります。これは、私がというか、正確に言うと当時の三國谷局長が名付けたんでありますが、フタコブラクダという日本の分布なんですね。
 何でこんな分布になるのか。ミドルリスク・ミドルリターンの世界がぽっかり空いていると。なぜこういうことになるのか、教えていただきたいと思います。
#167
○政府参考人(遠藤俊英君) まず、このフタコブラクダのグラフについて簡単に御説明いたしますと、我が国の金利体系を今委員御指摘のように横軸を金利、縦軸を貸出残高とするグラフにしてみますと、横軸の低金利帯に山があります。金利が上がりますと貸出残高が急速になくなり、山が低くなります。高金利帯で再び小さなこぶが出てくるということで、フタコブラクダの構造が続いております。
 平成十八年にいわゆるグレーゾーン金利の撤廃を含む貸金業法及び出資法の改正が行われました。その際、平成二十二年には出資法の上限金利二九・二%でございましたけれども、これを利息制限法の上限金利の水準二〇%にまで引き下げたことによって、この右側の高金利帯のこぶは左に寄り、その高さは低くなっております。
 他方で、低金利環境の継続によって、左側の低金利帯の山は引き続き二%以下の最低金利帯に中心がありますけれども、高さは高くなっているというところでございます。
 金融庁といたしましては、金融機関が金融仲介機能を適切に発揮して地域経済の活性化に貢献することが重要であり、そうしたことが、ひいては地元中小企業等を含むミドルリスク・ミドルリターン層への貸出しにつながり、金利の山が低金利帯から高金利帯に向けてなだらかになっていくというふうに考えております。
#168
○委員長(長谷川岳君) 終わりにしてください。
#169
○渡辺喜美君 はい。
 今の話のように、一つはデフレがやっぱり延々と続いているということが原因。そして、今話に出なかったもう一つの要因は政府系金融機関の存在です。つまり、低金利で貸し付ける機関があるものですから、民間がそれにさや寄せされちゃっているということを指摘をして、終わります。
 ありがとうございました。
#170
○委員長(長谷川岳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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