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2018/05/29 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 外交防衛委員会 第17号
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2018/05/29 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 外交防衛委員会 第17号

#1
第196回国会 外交防衛委員会 第17号
平成三十年五月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     山崎 正昭君
     徳茂 雅之君     佐藤 正久君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     佐藤  啓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                猪口 邦子君
                塚田 一郎君
                中西  哲君
                杉  久武君
                藤田 幸久君
    委 員
                宇都 隆史君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                堀井  巌君
                山本 一太君
                山口那津男君
                小西 洋之君
                福山 哲郎君
                牧山ひろえ君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     河野 太郎君
       防衛大臣     小野寺五典君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  大野敬太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       牛尾  滋君
       外務大臣官房サ
       イバーセキュリ
       ティ・情報化参
       事官       岡田 健一君
       外務大臣官房参
       事官       市川 恵一君
       外務大臣官房参
       事官       鯰  博行君
       外務大臣官房参
       事官       小泉  勉君
       外務省中東アフ
       リカ局長     岡   浩君
       文部科学大臣官
       房審議官     大山 真未君
       資源エネルギー
       庁次長      保坂  伸君
       防衛大臣官房長  高橋 憲一君
       防衛大臣官房サ
       イバーセキュリ
       ティ・情報化審
       議官       小波  功君
       防衛大臣官房審
       議官       辰己 昌良君
       防衛大臣官房文
       書課長      三原 祐和君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       西田 安範君
       防衛省人事教育
       局長       武田 博史君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    鈴木 敦夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (我が国の外交・防衛戦略に関する件)
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (「イラク日報」に関する調査チーム報告書等
 に関する件)
 (外務省における気候変動問題への取組に関す
 る件)
 (日露関係に関する件)
 (普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境保
 全措置に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官牛尾滋君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(三宅伸吾君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○武見敬三君 昨今の朝鮮半島をめぐる周辺主要国間の首脳会談、そしてまた南北の首脳会談と、まさに歴史の一こま一こまが今、目の前で動いているというような気がいたします。
 こうした中で、冷戦という時代はある種の秩序が形成をされて、パクス・アメリカーナという、そういう言葉が学生時代にたくさん聞かされました。しかし、今や一帯一路という新たな国家戦略を持って、そして中国が確実にその影響力の拡大を様々な分野で次元の異なる形で確実に浸透させる、そうした動きを見せるようになりました。結果として、この現在置かれている時代状況や歴史の一こま一こまを見ていくと、残念ながら、協調軸よりも国際社会の中での対立軸の方が確実に浮上してきているというふうに見ざるを得ません。これは言うまでもなく、外交と防衛というそのはざまを薄くして両者をより混在させて、外交と防衛とが平時においてもより緊密に連携しながら対応しなければならない時代状況になってきたことを明確に示しているように思います。
 そうした中で、改めてこの密接な外交と防衛との関係を考えたときに、まずは外務大臣、そして次に防衛大臣、共にお聞きをしたいわけでありますが、我が国は間違いなく、主権国家として、国民の生命と財産を守り、主権を守るという大目的がございます。そのときに、平時における警察力で対応するその脅威からあるいは有事における核の脅威に至るまで、あらゆる脅威にしっかりと対応できる能力を備えて自国民の生命と財産を守るということは、私は、主権国家としての義務であり、かつまた政府はそれを最も責任を持って対応しなければならない主体だと私は考えます。
 その上で、昨今の対立軸が協調軸を勝る時代状況になってきたときに、どこまでが我が国はその能力確保のために、十二月には防衛大綱の見直しなどもありますし、どこまでが実際我が国がこれまで持っていなかった装備を改めて整備する必要が出てくるのか、その基本的な考え方は何か、この点についてお聞きしたいと思います。外務大臣、よろしくお願いします。
#7
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮の脅威のみならず、東シナ海における中国の一方的な現状変更の試み、あるいはサイバー空間や宇宙空間といった新たな分野での課題も顕在化しているということを考えれば、日本を取り巻く安全保障環境の現状は大変厳しいものがあるというふうに思います。国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、日米同盟を基軸として、日本独自の通常兵器に加え、米国の抑止力といったものをしっかりと維持し、この平和を守り抜いていかなければならないというふうに思っております。
 日米間の同盟の適切な役割分担に基づいて、日米同盟全体の抑止力を強化し、国民の生命と平和な暮らしをしっかりと守っていく、そういう観点から様々な検討を不断に行っていきたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(小野寺五典君) 我が国を取り巻く安全保障環境について、政府は、北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の透明性を欠いた軍事力の強化、東シナ海、南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試み、大量破壊兵器等の拡散や国際テロの深刻化、サイバー空間や宇宙空間など新たな領域における課題の顕在化など、グローバルな安全保障上の課題が広範かつ多様化していることなどの様々な要素を踏まえ、戦後最も厳しいと言っても過言ではないとの認識を示しております。そして、このような我が国を取り巻く安全保障環境については、現在の防衛大綱を策定した際に想定したよりも格段に速いスピードで厳しさを増している、この点は強調しておきたいと思います。
 我が国を取り巻く安全保障環境、そして現実に核兵器が存在していることを踏まえれば、核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の軍事力を通じた米国の拡大抑止は我が国の防衛に不可欠です。その上で、安全保障政策の根幹となるのは我が国自らが行う努力であり、我が国としても、防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていくことが必要です。
 このような認識の下、政府は、新たな中期防衛力整備計画の策定と併せ、防衛大綱を見直すことといたしました。見直しに当たっては、厳しさを増す安全保障環境に真っ正面から向き合い、防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保することが不可欠であると考えております。
 国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の最も重要な責務です。専守防衛は当然の前提としながら、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を追求していく考えであります。
#9
○武見敬三君 是非そのお立場を堅持をして、そして、我が国がこれから直面する確実により深刻化する様々な脅威、これはもう平時における警察力で対応するところから有事における核の脅威に至るまで、恐らくこれから想定もしなかったような形で、いろいろな形の脅威がこれからは顕在化してくることがおおよそ予見できます。それらにいずれも柔軟に対応できる能力を確保しておくことが、やはりそうした事態が仮にも発生したときに、その事態を不必要に拡大させずに、そしてその拡大を抑止をし、早期にそうした紛争の解決を図るときの基本的な私は力だと思っております。是非そうした観点での整備を進めていただけることを切にお願いを申し上げます。
 ただ、こうしたことを議論するというと、あいつは何だと、ただ単にタカ派で軍事力のことばっかり考えているのかと言われがちであります。しかし、これは全くの誤りです。我が国は、こうした状況下において、能力でのこうした新たな整備を必要としつつも、今こそ戦後培ってきた平和主義というその基本をしっかりと確認をして、そしてそれをさらに様々な国境を越えた課題を解決することによってその平和の基盤構築に我が国も率先して努め、そして平和主義というものをしっかりと国民に定着をせしめ、そして、また国民から見ても、その政府・与党が平和主義というものを常にこうした外交、安全保障を考える上においてもその基礎にあるんだという信頼を持ってこそ、国民はこうした防衛力の整備を進めることについての理解を深めるものだと私は思います。
 この認識についての外務大臣の御見解を伺わせてください。
#10
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるとおりだと思います。我が国の憲法はこの平和を希求するということを第一に置いているわけでございますから、少なくとも日本の根本的な外交の立場としてこの平和を追い求める。しかし、その中で、必要な自衛のための能力というのは、これは保持をしなければなりませんから、自衛のために何が必要なのかという不断の見直しはしなければなりませんけれども、平和を常に我が国は追い求める、そういう姿勢が外交の根本になければならぬというふうに思います。
#11
○武見敬三君 この平和主義というのは、戦後培ってきた、さきの大戦で三百十万余の尊い命が失われ、またアジア全体でも大変多くの方々がその尊い命を失われるという教訓というものを、私は、やはり歴史の中でしっかりと認識をして、そして、こうした平和主義を反戦平和論として培ってきた我が国の土壌というものは、私は、やはり尊くきちんと確保すべきものだと思います。
 ただ、その上において、より具体的に、こうした二十一世紀においてグローバリゼーションが進展をして、そして、人、物、金、情報が国境を越えて行き交うことによってむしろ国境を越えた共通課題がまさに産出する時代状況になったときに、これらの各国境を越えた問題というものを確実に解決していく国際的なイニシアチブを果たし、そして、それを実現することによって現実にその国際社会における平和基盤の構築に貢献をする、これがまさに我が国の平和主義の具体的な展開だと思います。
 その意味で、我が国の国連等を通じた多国間外交というものは、国連だけではございませんが、これからますますその平和主義というものを我が国が追求する上において必要な外交の舞台になってくるだろうと思います。
 その上で、この分野というものについては、改めて、二十一世紀型のパワーポリティクスがそこには実は出現し始めていて、そして、これらの問題を解決する能力を持ち、国際社会でそうした合意を形成をし、新たな解決するためのルールを策定することに成功した国というのは、間違いなくそうした当該分野における影響力がルールメーカーとして広がっていく。そして、そうした分野が多くなればなるほど、その国というのは国際社会における二十一世紀のパワーポリティクスでその影響力が広がっていくという新手の二十一世紀のパワーポリティクスも出現したように思います。
 その中で平和主義を追求しつつ、こうした二十一世紀型のパワーポリティクスにおいても我が国は確実にその影響力の拡大を図り、そして地政学的なる我が国をめぐるこうした脅威が増大する状況下において、常に我が国の立場が国際社会から支持されるようにしておくことが全くもって重要な今時代状況にあって、これらの二つの次元というものをいかに概念的に結び付けて、この多次元の統合型の安全保障という大きな外交戦略、そして防衛戦略を組み立てるかが、我が国は今最も喫緊な課題になってきていると考えております。
 その意味で、実際に二国間外交の展開について実行しようとすると、今やその問題を熟知した専門家がそうした分野で現実に政策決定に携わり、そして、そうした交渉の場における国際会議などで実際に多くの人脈を持っていて、ネットワークがあって、そして、その中で信頼を勝ち得たそういった人材が我が国の中に育ち、それによってルールメーカーとしての役割を果たす、そのまず最初の入口がつくり出されていく。
 そういった意味で、極めて戦略的に、こうした外交を展開するときには人事の制度、特に専門的な知識を持ったキャリアというものを外務省の中にも育てていくことがもう極めて重要になってくると考えますが、この点についての外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(河野太郎君) 我が国は、武力で問題を解決しようとしない、そういう立場でございますし、財政の制約の下、ODAをこれ以上大幅に増やすことができるとも私は思っておりません。
 そういう中で日本の外交を高めていこうとすれば、おっしゃったような外交力そのものを高めていくしかないわけで、そのためには、やはり何といっても人材というのが必要になります。様々な専門性を持ち、あるいは交渉力にたけた人間力の高い人材をいかに集め、その能力を伸ばしていくかというのが大変大事なところでございますが、今の外務省の現状を申し上げますと、月間の残業時間が二百時間を超えるという者がざらにおります。百五十時間を超える者、百時間を超える者、切ってみればもう枚挙にいとまがないというような状況でございます。
 こういう時代でございますから、外務省の職員の中には、子育てをやる、あるいは介護をしなければならないという人材もおりますけれども、今の勤務状況の中では、落ち着いて介護や子育てをしながら仕事をできる環境にあるかと言われれば、それは甚だ難しいと言わざるを得ないのが現実でございます。本来、極めて高い能力があるにもかかわらず、そういう制約があるために最大限の能力を生かすことができない、あるいはもっと言えば、この状況が続けば霞が関にそういう能力の高い人間が集まってくるかどうか、将来的には非常に不安と言わざるを得ないというふうに思っております。
 この我が国の外交能力を高めていくためには、やはり外務省に限らず、この霞が関にどれだけ優秀な人材を集めることができるかというのが大きな鍵を握る。今、働き方改革という議論が行われておりますけれども、この霞が関も働き方改革をやらなければならない、もうまさに霞が関はそういう崖っ縁に来ていると言わざるを得ないというふうに思っております。
 立法府の御協力をいただいて霞が関の働き方改革を断行し、日本の外交にふさわしい人間を集め、その人間が最大限自分の能力を発揮することができる、そういう環境を是非つくってまいりたい、それが今後の日本の外交にどうしても必要だ、そういうふうに考えているところでございます。
#13
○武見敬三君 この働き方改革は、まさに私はそのとおりだと思います。
 しかし同時に、外交ということを考えたときに、おおよそ国際機関で仕事をした経験があるかどうか、そしてまた、少なくとも大学で博士課程ぐらいは出ていて、そうした専門的な知識があるかどうか。そして、これらのキャリアというものが何も外務省の中だけで一貫してつくられるのではなくて、国際機関にも出ていってそこで主要な役割も担う、そしてまた戻ってきて外務省で主要な仕事をする、こういった出入りがもっと積極的にあっていいんじゃないか。それからまた、民間の中でも優れた方々がたくさんいる、こういった方々を中途採用でもっと積極的に専門的な知識を持つキャリアとして確保できる新たな人事制度をつくってもいいんじゃないか。
 こういった、やはり新しい人事制度の在り方、キャリアの在り方を考えないと、実際に外務省の中にそうした優秀な人材が働き方改革だけでは私は集まってこないと思う。この点に関するやはり大きな制度改革、人事制度の刷新というものが、やはり私には外務省には求められているように思います。
 実際、こうした我が国の外交、安全保障に関わる大きな視点からのビジョンはいかにあるべきかというのは、実はこの自民党の政策審議会でつい先週まとめ上げました。この中で、是非お時間のあるときに読んでいただきたいと思いますけれども、山本一太さんが責任者で取りまとめてくれたわけでありますけれども、この参議院というところは任期が六年、そして、より長期的な視点から多次元にわたる幅広い大局的な議論をするに最も適した、そうした私はハウスだと思います。そういう意味で、こうした御議論が外交防衛委員会を通じて与野党を問わずしっかりと行われることによって、我が国が誤りなき道をこの時代の変革期に取れるように私どもはする責任があると考えます。
 私の質問、以上で終わります。
#14
○藤田幸久君 おはようございます。国民民主党の藤田幸久でございます。武見先生の格調ある質問に続きまして、誤りなき道の外交のために質問させていただきたいと思います。
 まず、米朝首脳会談に関してでございますけれども、この一か月間の間に、若干質問通告と違った表現の質問もあるかと思います。この一か月間見ておりますと、五月の中旬に、トランプ大統領が六月十二日にシンガポールで米朝会談を行うと、それに対して安倍総理は大歓迎と。五月の二十四日だろうと思いますが、今度は、トランプ大統領がキャンセルだという書簡を出しました。それに対して安倍総理は、残念だが、トランプ大統領の判断を尊重し、支持する。その翌日でしょうか、今度は、トランプ大統領が会談実現を再び目指すという表明に対して、今度、安倍総理はトランプ氏の方針転換を歓迎すると。
 何かこれ見ていまして、安倍総理はトランプ大統領の追っかけをしながら外交政策を変えていらっしゃるなと印象を持つんですけれども、何かトランプ大統領の追っかけをしながら振り回されていると、その都度、という印象を持つんですが、河野大臣、いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(河野太郎君) この数か月間、国際社会は、一致して北朝鮮に対して圧力を掛け続ける、非常にうまく連携がいっていると思います。この国連の安保理決議に基づいた経済制裁を国際社会が一致団結してやってきたことにより、北朝鮮は制裁解除を求めるために非核化あるいはミサイルの廃棄といったことを言い出すということになったんだろうというふうに思います。
 北朝鮮は、平昌オリンピックの前にも、会合に出るあるいは会合をキャンセルする、様々なことをやってまいりましたけれども、そうした北朝鮮の一つ一つの動きに惑わされることなく、国際社会として、最大限の圧力を維持し、北朝鮮が核、ミサイルのCVIDを達成する、それに向けて順調に動かしていく、これが国際社会のあるべき姿だと思います。一つ一つの北朝鮮の動きに惑わされることなく、大局的に外交を進めてまいりたいと思っております。
#16
○藤田幸久君 いや、私の質問は、北朝鮮の動きによって安倍総理が発言を変えてきたんではなくて、トランプ大統領の発言に対してこれだけ言い方を変えてきたということの質問であります。それを何か違った答え方で答弁を避けられましたけれども。
 最近、河野大臣ほか聞いておりますと、国際社会という主語とトランプ大統領あるいはアメリカという主語を使い分けておりまして、アメリカを使うときには、これだけ圧力を掛けてきたんだと、一方、国際社会とおっしゃいますが、国際社会と言う場合に、実際に北朝鮮とやり取りをして、しかも首脳同士が会談をしているのはアメリカなり中国なり韓国でございまして、そういう意味での首脳同士の交流の可能性が全然ないのは日本なわけですね。
 ということは、国際社会と言いながら、実際には日本だけが何か間接情報だけで動いていると。これは事実じゃないんでしょうか。
#17
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会、国連加盟国だけでも百九十幾つあるわけでございまして、それを代表してトランプ大統領が北朝鮮とこのCVIDに向けて交渉をする、そういうことでございます。
#18
○藤田幸久君 つい先日、河野大臣はワシントンでポンペオ国務長官あるいはボルトン大統領補佐官と会談されましたけれども、その際にこの米朝首脳会談の中止声明に関する報告はなかったということですが、それは間違いないでしょうか。
#19
○国務大臣(河野太郎君) 日米間で北朝鮮問題を含め様々緊密に連携をしておりますが、何がどう伝えられたかということについてはお答えしないというのが原則でございます。
#20
○藤田幸久君 原則ですが、説明なかったんですね。
#21
○国務大臣(河野太郎君) 何があったかはお答えしないということになっております。
#22
○藤田幸久君 最近思うんですが、何かあると、少なくとも安倍総理は時々トランプ大統領と電話で会談しています。で、感じるのは、安倍総理と河野大臣というのは情報共有ないんじゃないかと思うんですね。つまり、少なくとも動静その他見ておりまして、あるいは、あるところに安倍総理が行っているときは河野外務大臣はどこかに行っていらっしゃる。したがって、何かの閣議とか何かの会議で御一緒している以外に電話して実は情報共有しているのかしないのか、それがどうもしっかりされていない。逆に言うと、安倍総理がいろいろ発信されたりしているその後追いを外務大臣がしているのかなという印象が。
 というのは、このポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官からそういう中止表明について説明がなかったようですけれども、ということは、トランプ大統領とほかの閣僚とのコミュニケーション、それから安倍総理と河野大臣、あるいは場合によっては小野寺大臣とのコミュニケーションが事務方同士を通しての交流だけであって、直接の実はコミュニケーションはほとんど、物理的に見ていても、これは客観的にしていないんじゃないかという印象を持つんですが、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(河野太郎君) 総理とは極めて緊密に連絡をさせていただいておりますので、御心配には及びません。
#24
○藤田幸久君 客観性から見て、時間的に、飛行機の中から電話しても分かりませんけれども、非常にそれを、実際にどういう形でコミュニケーションを取られているのか、後で教えていただきたいと思いますけれども。
 それで、トランプ大統領、ある意味では、今度、中止声明をしたということで、金正恩委員長にとっては予想しなかったやり方だったので、非常にショックを受けた面もありますけれども。
 ただ、私は今日もアメリカの方々とお話ししていましたけれども、予測不可能同士でやり取りをしていますと、まず二つアメリカにハンディがあるんじゃないかと。一つは、中間選挙という期限があります。二つ目は、もしかしたらノーベル賞も期限を考えるかもしれない。もう一つは、アメリカというのはやっぱり世論によって政策に影響を受ける。その点、金正恩委員長の方は、恐らく期限という制約も、それから世論を気にしなければいけないという制約もない。
 したがって、一回目はこれで機先を制して成功したかもしれないけど、これをやっていくとアメリカ側の方が不利になるのではないかという心配をするんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会は一致団結して北朝鮮に対して経済制裁を続ける、この方針に何の変わりもございませんので、アメリカの中間選挙があろうがなかろうが、国際社会は一致して今の立場を取り続ける、そういうことでございますので、北朝鮮は最終的にCVIDせざるを得なくなるのではないかというふうに思っております。
#26
○藤田幸久君 北朝鮮との接触というのが私は拉致問題解決等でも非常に重要だろうと思っているんですけれども。したがって、予測不能なトランプ大統領の後追いばかりするのではなくて、私は、他力本願ではなくて、北朝鮮と直接、これはやがては国交正常化をして、その際には日本が一番、北朝鮮の経済発展に一番貢献できるのは日本だろうと思っています。
 そういう日本の意思を真摯に伝える協議というものを始めるべきではないか。やっぱりこちらの真剣さなりというのが伝わらなければ、これは相手のあることですから、過去もあることですから、それに反応しないと思うんですけれども、真摯に私は、他力本願じゃなくて、接触なりを始めるべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会が一致して北朝鮮に対して圧力を掛ける、この政策が効いて今の事態があるわけですから、国際社会全てが自力を使って今北朝鮮に対して圧力を掛けているということを是非御理解いただきたいと思います。
#28
○藤田幸久君 今の理解は、日本で独自に動いていないことに関しては国際社会という形容詞でいつも答弁をしているということが改めて確認をされたということを理解したいと思います。
 ところで、先週ですか、二十七日、山形市内において河野外務大臣は、北朝鮮による核実験場の爆破について、本当に閉鎖されたかは分からない、私は怪しいと思っていると発言したと報じられていますけれども、怪しいと思っているという根拠をお示しいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(河野太郎君) 藤田先生の大変ひねくれた御理解は誤っているとまず申し上げなければならないと思いますが。
 この坑道の閉鎖につきましては、まず専門家が本来ならば呼ばれなければいけない、そう国際社会は申し上げてきたはずでございます。IAEAは常に査察に入る準備があるという状況であったにもかかわらず、IAEAどころか、どの専門家も呼ばれず、ジャーナリストだけが呼ばれたということは、これは確認ができないわけでございますから、検証可能なというところに反している、そういうことでございます。
#30
○委員長(三宅伸吾君) ただいまの河野大臣の発言中に不穏当な言辞があったとの御指摘がございました。
 委員長といたしまして、後刻速記録を調査の上、適切な処置をとることといたしたいと存じます。
#31
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 専門家が行っていないということと怪しいというのは、私は、つまり確認をされていないという発言ならまだしも、怪しいということは、これはやっぱり北朝鮮側にとっても日本の外務大臣がそういうふうに見ていると。仮にもし実際に廃棄していたならば、これは外交上も、これは向こう側にとっては非常に今後の外交関係にとって支障があるかと思うんですが、怪しいと言った根拠を示して、つまり確認されていないということと怪しいとは違うと思うんですが、いかがでしょうか。
#32
○国務大臣(河野太郎君) 本来きちんと専門家によって確認されなければならないことをわざわざ専門家を呼ばなかったということは、怪しいと言わざるを得ないと思います。
#33
○藤田幸久君 それは今後の外交関係にいろいろ影響があるのではないかということを申し上げ、そうするとまたひねくれたというふうに言われるかもしれませんけれども、私はそうではないと思って、次の質問に取りあえず移りたいと思います。
 小野寺防衛大臣にお伺いしたいと思います。
 河野統幕長でございますけれども、この度、三度目の延長ということになりました。これは初めてでございます。河野統幕長におきましては、南スーダンの日報問題、あるいはイラクの日報問題が起きたときにも、その際のトップでありました。その責任は重いと思っておりますけれども、この度の河野統幕長に対する訓戒処分というのは非常に軽いと思うんですけれども、いずれにしても、そういう実際に処分受けた人が前例のない三度目の任期延長を行うということは不適切ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#34
○国務大臣(小野寺五典君) 河野統合幕僚長については、昨年五月に一年間の任期延長を行い、この二十七日に延長期限を迎えたので、今回、更に一年間の勤務延長の措置をとることといたしました。
 一層厳しさを増す現在の安全保障環境の下で、私の指揮の下、河野統幕長は適切に自衛隊の運用の任務を担っており、様々な事情を総合的に考慮して、任期の期限を迎えたこの時点の判断として、引き続き勤務していただくこととしたものであります。河野統幕長におかれては、引き続き、統幕長としての責務をしっかりと果たしていただきたいと考えております。
#35
○藤田幸久君 厳しい環境ということと私の指揮という下であるならばほかの人でも構わないはずで、それをこの方が続くということは、要するにほかの人では務まらないということで、あえてこの三期目、延長ということだろうと思うんですから、ほかの人では務まらない、なぜ彼なのかという理由をお示しいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省・自衛隊、様々な人材が多い、それぞれのつかさつかさでしっかりとした任務に従事してくれていると思っております。
 今回の人事につきましては、様々な事情を総合的に考慮して、任期の延長ということを判断させていただきました。
#37
○藤田幸久君 訓戒処分であれば延長に支障がないということは、どの程度の処分であれば延長に支障があるんでしょうか。その基準を示していただきたいと思います。
#38
○国務大臣(小野寺五典君) 済みません、技術的なことでありますので参考人の方に問い合わせていただきたいと思いますが、本日は参考人を認めていただいておりませんので、後ほど説明をさせていただきます。
#39
○藤田幸久君 いや、参考人についてはそちらから要請がありませんでした、こういう参考人と。ですから、そちらの責任であります。
#40
○国務大臣(小野寺五典君) 今朝も再三、藤田委員の事務所に参考人のことについて防衛省からお願いをさせていただきましたが、参考人は不要ということで断られたというふうに私は担当者から報告を受けております。
#41
○藤田幸久君 極めて重要な話ですから、大臣、お答えになれると思います。統幕長の延長問題ですよ。それ、大臣が技術的なことで答えられないのはおかしいと思いますが。
#42
○国務大臣(小野寺五典君) 藤田委員の方からは、質問通告の要旨ということで紙しかいただいておりません。その中にはそのような質問は入っておりませんので、大変恐縮ですが、参考人の答弁を認めていただくか、あるいは後ほど私どもの方から説明をさせていただくようにさせていただきたいと思っております。
#43
○藤田幸久君 質問通告は、不適切ではないかと聞いているんです。その根拠の一つです。
#44
○国務大臣(小野寺五典君) 私たちとしては、様々な事情を総合的に考慮して、任期の延長を判断させていただいたということであります。
#45
○藤田幸久君 私の質問は、訓戒処分ならば延長に差し障りがないとするならば、どういう処分であるならば差し障りがあるのかをお答えいただきたいということであります。
#46
○国務大臣(小野寺五典君) でき得れば参考人として担当しております人教局長等に答弁をさせていただければ、正確なお答えができると思います。
#47
○藤田幸久君 判断ですから、正確にお答えください。
#48
○国務大臣(小野寺五典君) 例えば、あくまで免職とかそういう重い処分になれば、当然このような任に就くことはできないということだと思っております。
#49
○藤田幸久君 訓戒に対して、何であれば処分の対象になるか。免職というのはもう職がないわけですから、そういう話ではないわけです。ちょっと時間を止めていただければ幸いです。
#50
○国務大臣(小野寺五典君) 今回の日報問題につきましては、これは事実関係を調査して、過去の事例を踏まえて厳正な処分を行い、そして、河野統幕長については、この組織としての責任を重く捉えて訓戒とさせていただきました。
 いずれにしても、免職というような重い処分であれば当然このような任務に就くことは適当ではないと思いますが、今回、河野統幕長に対しては訓戒という形での処分を行ったということであります。
#51
○藤田幸久君 昨日中に、少なくとも真夜中までに防衛省の方から参考人について私の事務所に連絡がなかったということは後で確認をしていただきたいと思います。
 では、次の質問に移ります。
 河野統幕長は、昨年三月の記者会見で、日報は確認していないと述べたわけですが、四月十二日、私が質問をした、その日の午後の記者会見で、その日報が残っているということを了承したと事実関係を認めました。ところが、今度、翌四月十三日に、今度は覚えていないと説明を変えて、その前日の記者会見の発言をまた変えているんです。
 これだけ、先ほどのトランプ大統領に対する安倍総理ではありませんけれども、河野統幕長はこれだけ、答弁を覚えていないとか撤回したと、こういうふうにまさにカメレオンのように変えておられるんですが、この経緯について説明をいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(小野寺五典君) 本年四月十二日午後の会見において、河野統幕長は、本件日報について、陸に個人データとして残っているようですが、これについては情報公開の対象ではありませんので統幕から出しますという報告を受けた旨の発言をしましたが、これは同日午前の国会において辰己審議官による、陸自に存在する日報は個人データである旨の説明を統幕長及び次官に行ったとの答弁があったものと理解し、統幕長はそのような趣旨の報告を当時受けたものと混同したものによると報告を受けております。
 しかしながら、統幕長が改めて自身の記憶を振り返ってみたところ、自身の認識と異なるものであったことから、翌十三日中にこのような発言を自ら撤回したものと承知をしております。
#53
○藤田幸久君 つまり、責任者である方が、これだけ重要なことについて間違った答弁をした、あるいは答弁は国会に来ておられないんで、記者会見という公の場でこれだけ重要なことについてそれだけ不正確な会見等発信をされているということは、これはこれ自体をもって訓戒では軽過ぎるし、またこういう方が続けるということは、ほかにも優秀な方がたくさんいらっしゃるわけでしょうから不適切だと思いますが、いかがでしょうか。
#54
○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔に願います。
#55
○国務大臣(小野寺五典君) 統幕長は陸自が保有する文書の管理について知見もなく、また責を負う立場にもなかったことから、当時の辰己総括官は、統幕に本件日報が存在することが確認された事実は統幕長に報告したものの、陸自に日報が個人データとして存在する旨を統幕長に報告していなかったということであります。そのように私は承知をしております。
#56
○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので、質疑をおまとめください。
#57
○藤田幸久君 はい。
 部下に責任を押し付けるようなやり方は今後はやめていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#58
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会の牧山ひろえです。
 トランプ大統領は、二十三日に、通商拡大法二百三十二条に基づいて乗用車やトラック、そして自動車部品を対象に安全保障上の脅威の有無について調査を指示したとのことですが、この安全保障上の脅威と見られた場合は、御存じだと思いますが、輸出に関し追加関税が課されるということになります。私もちょっといまだに分からないのが、なぜ自動車関連の部品など自動車関連のものが安全保障上の脅威に値するのかというのがいまだに私はよく分からないんですが、アメリカのメディアは、輸入制限策として現行の二・五%の乗用車関税に最大二五%までの追加関税を課す案が出ていると報じております。
 自動車産業は非常に裾野の広い産業で、自動車の輸出額は全体でいうと全体の二割ですね。関連産業就業人口は全体の約一割を占めています。これを見てもお分かりのように、自動車関連産業というのは、雇用とか経済面で両面から日本を支える言わばフロントランナーというか、資源の乏しい輸出国のまさに柱だと思うんですね。
 この自動車について、関税引上げによる輸入制限が実施された場合の影響は非常に甚大なものが予想されます。日本産業全体のためにもこの関税引上げは私はやっぱり何としても阻止するべきだと考えますが、大臣としての決意をお聞かせいただければと思います。
#59
○国務大臣(河野太郎君) 米国商務省が自動車及び自動車部品の輸入に関し通商拡大法第二百三十二条に基づく調査を開始した、御指摘のとおりでございます。ただ、これは調査が開始された段階であって具体的な措置が決定されたものではございませんので、現時点において予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。
 ルールに基づく多角的貿易体制を重視する我が国といたしましては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきだと考えておりまして、今後も日本に悪影響が生じることがないよう、動向を注視してまいりたいと思います。
#60
○牧山ひろえ君 まだこれが実際に起きていないということですけれども、やっぱり報道されているわけですから、米国のこのような動きに対して政府は具体的にどのように対応される御方針なんでしょうか。
 日本の輸出産業に対して、米国はどこかの段階でこのような動きに出ることは予想されていたことだと思うんですね。当然御準備もなされていたはずなので、是非はっきりと、どういうふうに対応されていくのか、明確に内容の入った御答弁をお願いしたいと思います。
#61
○国務大臣(河野太郎君) 繰り返しになりますけれども、調査が開始された段階でございまして具体的な措置が決定されたものではございませんので、現時点において予断を持ったコメントは差し控えたいと思います。
 その上で申し上げますと、日本自動車工業会の統計によれば、日本の自動車メーカーは米国内において約九万人の雇用者を、波及効果を含めれば百五十万人の雇用者を生み出しております。日本から米国への自動車の輸出は百七十万台でありますけれども、日本の自動車メーカーはその二倍以上に当たる三百八十万台を米国内で現地生産をし、これがアメリカ国内での多大な雇用につながっております。
 こうした具体的な数字などを含め、日本の自動車メーカーの米国経済への貢献の正確な実態について、外交ルートを含む様々なレベル、機会を通じてアメリカの関係者に丁寧に説明をして、理解を求めてまいりたいと考えております。
#62
○牧山ひろえ君 是非しっかりとした方針で臨んでいただきたいなと思います。
 大臣おっしゃるように、日本からアメリカへの自動車の輸出というのは、さっき百七十万台とおっしゃっていましたけれども、百八十万台近くとも言われております。追加関税措置が発動されれば、日本の自動車産業は大変厳しい状況に陥るのは目に見えております。今の為替環境を基に換算すると、約一兆円近くの影響が出るという、そういった試算もあります。日本の全外交力を総動員して、追加関税発動の阻止に全力で努めていただきたいと思っております。是非よろしくお願いいたします。
 前回に引き続きまして、イラク日報問題について次に質問させていただきたいと思います。
 統合幕僚監部による一か月の報告漏れについてお伺いしたいと思います。
 まず、この件につきましては、大野政務官の調査チームとは別に、人事教育局で懲戒調査を行ったという旨の御答弁がありました。この問題の調査については、当委員会で私は再三調査を求めております。そのたびに拒否されてきた内容なんですけれども、今までの答弁は、では虚偽だったということなんでしょうか。それとも、私を始めとして、当委員会で質疑で要求を受けて調査を行ったということなんでしょうか。どちらなんでしょうか。
#63
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 人事教育局や陸幕人事教育部などの服務関連部署におきましては、大野大臣政務官の調査チームにおける調査状況も踏まえまして、五月の十日から、この調査チームが対象とする事案、すなわち、イラク日報について昨年三月二十七日の時点で陸自研究本部において保存が確認されていたにもかかわらず、当時の稲田防衛大臣に報告が上がっていなかった事案について、懲戒処分のための調査を開始いたしました。これと併せて、ほかの三事案、すなわち、統幕が陸自のイラク日報の存在を確認してから防衛大臣に報告するまで約一か月間を要した事案、陸自国際活動教育隊において、昨年二月に南スーダン等の日報が保管されていないとしながら、その後保管が確認された事案、空幕においてイラク日報が発見された事案につきましても、懲戒処分のための調査を開始したところでございます。
 委員御指摘の、防衛大臣に対する報告に約一か月を要し報告が遅れた事案につきましては、人事教育局服務管理官等において懲戒調査を行い、統幕と大臣官房文書課の関係者から供述を取り、又は供述に代わる答申書を出させるとともに、統幕と文書課の約一か月間の具体的なメールのやり取りを含む調整状況を把握するとともに、作成された資料についても全て提出させるなど、でき得る限りの調査を行うことにより、関係者の規律違反の状況について特定をしたところでございます。同時に、人事教育局が服務関連部署の懲戒調査を取りまとめて、この三事案に関する調査報告書を作成いたしました。
 また、委員から、四月十七日に開かれたこの委員会におきまして、いわゆる防衛大臣に対する報告が遅れた事案について調査するべきではないかとの御質問がありましたが、その際、防衛大臣からは、その一か月の経緯については担当者の方から更に詳しく説明をさせたい旨の答弁をしており、また、五月十七日の委員会における委員の御質疑では、最後にこの点についてのお話があり、防衛省から答弁する機会はありませんでしたが、いずれにいたしましても、これまでこの調査を防衛省として拒否したということはなく、必要に応じて統幕総括官等から、防衛大臣に報告するまでの間の状況について答弁をしており、委員御指摘のような虚偽の答弁をしたということはないものと承知をいたしております。
#64
○牧山ひろえ君 私はそういうふうに感じなかったんですね。拒否されてきたと思っていたので、やる気があって、本当に調査を徹底的にやるということであれば、私の質問時間何だったんだろうなと思うんです。ほかの質問をすればよかったなと思います。だから、本当に明確に言ってもらいたかったなと思います。今後は是非御留意いただきたいと思います。
 では、内容についてお伺いしたいと思います。
 この統合幕僚監部の報告漏れについて、前回の委員会で、様々な調査や調整を行っていたとの御答弁がありました。私がお聞きしておりますのは、防衛省も認めておられるとおり、それらの調査や調整を行うのと同時に、第一報を大臣に入れるべきだったわけですよね。それなのにそうしなかったのはなぜなのか。その理由として、政治的な意図によってあえて報告を遅らせたのではないと断定される、その根拠を知りたいんですね。通告しておりませんけれども、その根拠を知りたいので、これ前回の関連ですので、大臣、是非お願いします。
#65
○国務大臣(小野寺五典君) その点を含めても、結局今回この一か月遅れについての調査をして最終的に処分をしたということでありますので、人教局長から説明をさせます。
#66
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたけれども、私ども、懲戒調査におきまして、関係者の供述や答申書を取り、関係者が作成した資料などの提出も受けることにより、事案の細部について確定していく作業を連日行ったところでございます。
 そうした中で、この一か月間防衛大臣に報告が遅れた事案につきましては、その間において、報告書にも記載をしておりますけれども、まず、統幕が認知して以降、確認されたイラク日報の精査、大臣報告に係る関係部署間の調整、陸幕等におけるイラク日報の改めての探索漏れがないか再確認、国会議員からの資料要求や国会での答弁並びに情報公開請求への対応状況の確認、このような一連の作業を行った結果として、防衛大臣の報告が三月三十一日になったというものでございます。
 また、防衛大臣に報告を上げるその過程において、三月二十三日に大臣報告の内容に関する関係部署間の調整がほぼ了したということで、その後、二十六日に佐竹大臣官房参事官に対し説明をし、その後、二十九日に大臣官房長へ説明をし、その後、統幕長、事務次官に対して説明を順次しておるところです。
 私ども、このような一連の大臣報告までの経過について詳細にわたってその状況、事実関係についてしっかりと調査をさせていただき、今回報告書を取りまとめたところでございます。
#67
○牧山ひろえ君 今の御答弁を聞いても私は納得いかないです。そういういろんな経緯があったとしても、やっぱり大臣に一報を即入れるべきだったと思いますけれども、全く私は納得いかないので、納得ができるような結果を、結論を後ほどお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今回の調査は、約七十人を聴取した結果とされています。ただし、この結果は調査対象の供述内容が真実であることを前提としています。通常の業務においてはやはり信頼というのは重要だと思うんですけれども、このような疑惑に関する調査というのは性悪説で臨まなければならないと思うんですね。そのために、以前より繰り返し私は、内輪の調査では国民を納得させる信憑性に欠けるとして第三者による調査をずっと求めてきたわけです。
 ですが、途中から、私から言わせれば、アリバイ的に僅か一名の方を、しかも非常勤で参画させた、それだけです。実際にこの方が会合に出席できたのは、全三十四回のうち僅か六回だけだったそうです。これで国民の信頼と納得は得られるわけはないと思うんですね。国民の代表である国会が結果的にだまされた事案だと思うんです。
 国会の関与の下、独立した、真の意味での第三者調査機関で再調査を行うべきだと思います。この件については引き続き真相の解明を求めていきたいと思います。
 前回の質疑で、政治の責任に触れない今回の調査結果と処分について問題提起させていただきました。
 調査結果の特徴として、政治サイドの責任は極力回避し、どちらかというと現場や部下に責任を押し付けて終わりにしているようにしか思えないんですね。そもそも、稲田氏の指示というのも、打合せでの、本当に日報はないのかという発言だけだったんですね。これでしっかりとした明確な担当指示があったと言えるでしょうか。
 私は、稲田氏の発言を聞いた統幕の辰己総括官は部下に再探索を指示したとされていますけれども、具体的な調査方法を示さず結果の確認もしていないので、私はおかしいと思うんですね。当然、陸幕の担当者らも指示があったとの認識はなかったとのことです。この経緯ですと、稲田元防衛大臣は、日報の探索指示は出ておらず、辰己総括官も探索指示を受けたという認識はなかった、けれども、元大臣の責任を回避するために探索指示があったとこじつけたと考えた方が私は自然だと思うんですね。
 この経緯に関する調査結果の説明は非常に不自然で、私が申し上げたような解釈が成り立つのにもかかわらず、稲田元大臣に関して調査対象とせず、聞き取りもしなかった、このことは私は本当に疑問に思うんですけれども、なぜなんでしょうか。大野政務官。
#68
○国務大臣(小野寺五典君) まず、今委員の方からは、今回の大野チームのことについて言及があったと思います。
 私どもは、今回、チームの中で大野政務官を補佐していただきました元東京高検の検事長の上田弁護士は、大変社会的にも重い責任を数々こなしてこられたすばらしい方だと思っております。その方が、今回、第三者的な形でこの委員会に入り、そして会に参加するときも、あるいはその都度、大野政務官が助言をいただき、最終的には今回の調査は妥当であったということ、そしてまた、今回の経緯に至る中で、防衛省は様々な問題があるということ、このことについて明確に上田先生は文書で出していただいています。私は、このことに対して、今も上田先生の入っていただいたことは大変重要な結果であると思っております。
 今委員からお話がありましたもう一点、稲田大臣の指示でございますが、稲田大臣は当時、この問題、イラクの日報の再探索について指示をしたというふうにお話をされておりますし、その指示を受けた辰己当時の総括官は、指示を受けて、そして部下に指示をしたということ、ただ、それが明確に伝わっていなかった、そしてまた、その指示に従った報告が明確に上がっていなかった、このことをもって、私どもとして今回処分をさせていただきました。
 いずれにしても、今回のことについては再発防止にしっかり努めてまいりたいと思っております。
#69
○牧山ひろえ君 辰己総括官がそう受け取っている、認識しているからとおっしゃっておりますけれども、辰己総括官の証言だけがその根拠になっているんですね。事実は別の方向を示しています。にもかかわらず、肝腎の稲田元防衛大臣に聞き取りも行っていないのは、最初から元大臣は調査の対象外だったとしか思えないんですね。稲田元大臣は御自身の命令のその後をしっかりと見届けてないですよね、それはもう事実ですから。
 昨年二月の稲田氏の指示が明確だったならば、日報の発見が報告された可能性が十分あるんではないかなと思うんですね。それとも可能性がないと言い切れるんでしょうか。大野政務官、是非お願いします。
#70
○大臣政務官(大野敬太郎君) 先ほどの御指摘の点で、まずこの点についてちょっと触れさせていただきたいと思いますけれども、六回ほど上田先生には御参加いただいたという御指摘をいただきましたけれども、そのほかにも、事務局側が現地の、先生の事務所に出向いて、そしてそこの議論をさせていただいている事実だけ述べさせていただきたいと思います。
 ただいまの御指摘の点につきましては、先ほど大臣から述べさせていただいたとおり、辰己総括官が指示を実際にしているということから、それがなければ当然指示を出さないわけでございますので、基本的にはその指示があったものと承知しておりまして、ただ、それを覆すような事実が出てきましたら、当然稲田大臣のその指示があったのかどうかというのもちゃんと聞き取らなくちゃいけないということでございますけれども、現時点においては、そういった事実も全くないので、聞き取るということが不要だという認識をしてございます。
 そして、そのときに、今度、そのときにもしちゃんと、実際に報告がちゃんとあったら見付かっていたのではないかという御指摘でございますが、問題の核心は、見付けた者とそれから探索の依頼があったという者、実際に作業をやっていた者が分離していたことによって、実際にそういった見付かった情報が共有されなかったということでございますので、必ずしもその御指摘に当たるものとは認識しておりません。
#71
○委員長(三宅伸吾君) 申合せの時間が参りましたので、牧山君、質疑をおまとめください。
#72
○牧山ひろえ君 もう私の時間はないので終わりますけれども、私が聞きたかったのは何で元大臣は調査の対象外だったかということなので、そのことをきちんと答えるまで私は追及していきたいと思います。
 質問を終わります。
#73
○小西洋之君 立憲民主党・民友会の小西でございます。
 私も、この度の日報問題について質問させていただきます。
 まず、防衛大臣への本年の報告遅れの方について伺います。
 政府参考人に伺いますけれども、委員の皆様にお配りしている資料の一ページですけれども、三月十二日に防衛大臣が、財務省の文書改ざん事件を受けて、文書管理あるいは情報公開、保全等を徹底するような指示をしていたと。そのときにそこにいた文書課長、三原文書課長は、この指示の時点でイラク日報の存在を知っていたわけでございます。にもかかわらず、上司の官房長や事務次官あるいは大臣に報告を一切しなかったということなんですけれども、その三原課長がなぜ報告しなかったかについて、今回の報告書には一言もなぜ報告しなかったかについて書かれていないんですけれども、なぜ書かれていないのかが一点。
 もう一つは、三原文書課長は報告しなかったことは誤りであったということはさきの私の質問で認めているんですけれども、そのことは、この資料の二ページ目、防衛省の今回の再発防止策のどこに書かれているのか。
 その二つについて併せて答弁願います。
#74
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 委員御指摘の、三月十二日の大臣の下での定例幹部会議におきまして、大臣から情報公開、文書管理の徹底の指示があった際に、三原文書課長はその場に出席をしておりましたが、三原文書課長としては、そのとき統幕とともに作業をしておりましたが、こうした作業は大臣の指示に沿った形で事務的には的確に進められていると考えていたと話をしております。
 したがいまして、そのことが事案の経緯の上で何かの結節点となったということでは私ども考えませんでしたので、報告書には記載をしなかったところでございます。
#75
○政府参考人(高橋憲一君) 再発防止の問題についてお答えをいたします。
 ここの問題でございますが、再発防止策のところの四でございます。「隊員の業務遂行に必要な判断力を向上するための研修を充実」と。その目的は、「行政文書管理・情報公開等に関する個々の隊員の意識改革」というところでございますが、今回御指摘いただいた、国会対応、あるいは行政文書管理、情報公開に関わる重大な事案におきまして文書課長がこのような対応をしたということの教訓を踏まえまして、再発防止策の一つとして、先ほど申し上げたところに記載している、ここが御質問のところであろうかと思っております。
#76
○小西洋之君 まず、官房長に聞きますけれども、今、再発防止策で、文書管理と情報公開の意識改革、官房文書課長が、イラク日報の存在を知っていた文書課長が、国会担当の課長が大臣や上司の官房長に報告しなかったことが文書管理の問題なんですか。シビリアンコントロールの問題でしょう。昨年の国会要求に基づいて、しかも稲田大臣の指示の下に探していた日報が見付かったんですから、その存在を知っていた文書課長はシビリアンコントロールの観点から直ちに上司に報告すべき、そういう問題じゃないんですか。
 この再発防止策、こんなところに文書管理の問題なんかで書く。しかも、隊員の業務遂行に必要な判断力、これ、組織の体を成していないわけですよ、今の防衛省は、この報告書のとおりであれば。まあ、そうなんでしょう。もっとひどい隠蔽があったんだと思うんですけれども。
 シビリアンコントロールの、適切に対応ができなかったという観点から再発防止策にまとめるべきじゃないんですか。官房長の見解を伺いますけれども。
#77
○政府参考人(高橋憲一君) この問題に対しましては、国会に対する対応、あるいは情報公開という説明責任の問題、的確な公文書管理ということで、三原課長の問題だけではなく、今回の問題を包括的に捉えた形で書かせていただいてございます。
 ただ、御指摘のように、しっかりとした国会に対する質問への対応、情報公開対応ができなかったということも事実でございますので、このような記載をさせていただいているところでございます。
#78
○小西洋之君 今官房長がおっしゃった国会に対する対応は、この再発防止策の紙のどこに書いてあるんですか。「情報公開等」の「等」で読むんですか。
#79
○政府参考人(高橋憲一君) 今回の問題は、おっしゃるとおりでございますが、公文書管理や情報公開、その他国会の対応ということでございますので、ここで、「等」というところで読んでいただければと思います。
#80
○小西洋之君 これはもう議会に対する冒涜でございますので、政府として国会に対する説明責任、国会に対する対応、この「情報公開等」の「等」で読む、こんなことを我々の委員会として許したらもはや国会は成り立ちませんので、防衛省として、そんなことは許さないということをしっかり考えた上で、この再発防止策についてもう一回文書を提出するように要求していただきたいと思います。(発言する者あり)
#81
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#82
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
#83
○政府参考人(高橋憲一君) 今回の再発防止策でございますが、去年の三月の事案でございますとか、今年の三月の一か月の遅れ、その他もろもろの問題を含めまして、再発防止策という観点で、行政文書管理の問題でございますとか、情報公開に対して的確に対応できなかったと、また、それに含めまして、国会の様々な御質問に対してきちんとした対応ができなかったということを踏まえまして、この四のところで書かせていただいているところでございます。
 三原文書課長の問題も、一か月遅れについて、的確に彼が対応できなかったというところも我々は同じく問題として考えてございますので、再発防止策としてはこの四のところで記述させていただきまして、いわゆる業務遂行というのは、彼が国会担当の文書課長というところもございますので、そのような場合には直ちに大臣に一報すべきであったという観点でこのような記述をさせていただいているところでございます。
#84
○小西洋之君 先ほど私が言ったように、この「行政文書管理・情報公開等」の「等」で国会に対する対応を読むんですよね。そういうことはもう国権の最高機関である立法府に対する愚弄であり、今回の問題がシビリアンコントロールの問題だということの認識を根本的に欠いているからそういうことをおっしゃるんだと思いますので、先ほど委員長にはお願いしましたけれども、政府としてそうした問題をしっかり認識の上、この再発防止策の紙を再提出、委員会にするように要求させていただきたいと思います。
#85
○委員長(三宅伸吾君) ただいまの御提案につきましては、後刻理事会にて協議させていただきます。
#86
○小西洋之君 先ほどの人事教育局長の答弁なんですけれども、今回の事案の、三原文書課長が報告しなかったかどうかは結節点でないというふうな言い方をされましたけど、私はそれは根本的に認識が違うと思うんですね。
 今回の問題は、大臣になぜすぐ報告しなかったのか、かつ大臣に要求している国会になぜすぐ報告しなかったのかが問題ですから、三原文書課長が三月十二日に大臣から訓示を受けて、にもかかわらず報告しなかったのは、事案の結節点、今回の問題の根本要因そのものではないんですか。
#87
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛大臣に対する報告が遅れた事案に関する報告書におきましては、経緯、事実関係など、この一か月間報告がなされなかった、この具体的な事実関係を書いておるところでございます。
 もちろん、その一か月間に様々なことはありますけれども、その全てについてここに記載しているわけではございませんで、私どもとして、この報告書に記載するに必要な事柄について記載したということでございます。
 先ほどの三原文書課長が三月十二日の定例幹部会議におきまして出席していたことにつきましては、文書課長自身が、自分たちが今統幕と文書課において進めている作業が大臣がお話しされている趣旨に沿った作業なんだということで自身として考えたということでございまして、そのことをもって一つの何かの結節点になったということは考えておりませんということを先ほども申し上げました。
 私どもとしては、この報告書においては、必要な事柄についてはしっかりと書かせていただき、この一か月間の経緯、事実関係についてはこの報告書において明らかにできたというふうに考えております。
#88
○小西洋之君 いや、この調査報告は、大臣への報告遅れがなぜかというのが調査テーマなんですから、三月十二日に目の前にいる大臣に、なぜ、私はイラク日報を知っています、存在知っていますというふうに三原文書課長がなぜ報告しなかったのかを明らかにしなければ、分析しなければ、報告にも調査にも何にもならないじゃないですか。全くの答弁拒否そのものだと思います。
 ちょっと続きで、鈴木総括官に伺わせていただきますけれども、報告書の三ページ、鈴木総括官は、三月二日の段階でイラク日報の存在を知っていたと。で、大臣報告を急ぎ実施するように指示をしたというふうにあるんですけれども、ただ、大臣に上がったのは三月の三十一日でございます。
 その間、鈴木総括官は、この大臣の報告のための進捗管理を何をしていたのか。かつ、三月の鈴木総括官が冒頭で大臣報告を急ぎ実施するようにと指示した段階で、鈴木総括官としてどういう大臣報告をイメージしていたのか。もう直ちに第一報をもう口頭だけでも行うべきだというふうに私は思いますけれども、進捗管理を何をしていたのか、またどういう大臣報告をイメージしていたのか、答弁いただけますか。
#89
○政府参考人(武田博史君) 調査報告書を取りまとめました責任者といたしましてお答え差し上げます。
 報告書に記載されておるとおり、三月五日、統幕参事官付きから統幕総括官に対しイラク日報が確認された旨報告があり、統幕総括官は、大臣官房文書課に連絡するよう指示を行うとともに、航空自衛隊内にイラク日報が保有されていないか確認するよう併せて指示を行っております。また、三月十二日、統幕総括官は、確認されたイラク日報の概略が判明したことを踏まえ、大臣官房文書課と調整をしながら、過去の国会答弁や情報公開請求への対応等の論点も含めた適切な資料を用いて大臣報告を急ぎ実施するよう指示をしております。その後、三月十四日以降に、統幕参事官付きが大臣官房文書課と調整をしながら大臣への報告内容を逐次確認し、必要に応じ修正の指示を行ったものと承知しております。
 また、大臣に報告するまでの間、国会議員からの資料要求や国会での答弁並びに情報公開請求への対応状況の確認作業についても適宜報告を受けていたものと承知いたしております。
 いずれにいたしましても、昨年の南スーダンPKO日報問題に係る反省を踏まえ、今回のような事案を認知したのであれば、防衛大臣に時間を掛けず直ちに一報するべきであり、適切とは言い難い対応だったと考えております。(発言する者あり)
#90
○委員長(三宅伸吾君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#91
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
#92
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 ただいま人教局長が御説明ありましたとおりでございますけれども、私どもからすれば、まず、御指摘のように、今回のような事案、これを認知したのであれば、防衛大臣に時間を掛けずに直ちに第一報すべきであったというふうに考えてございます。
 ただ、その当時の私どもの状況といたしましては、防衛大臣への説明に当たりまして、事務方として必要な作業、いわゆる日報の精査ですとか、関係部署との調整、それから改めてほかの日報に探索漏れがないか等の再確認、それからこれまでの国会での資料要求、国会での御答弁等々、それから情報公開請求、こういうような対応状況、こういったものの確認に必要な作業を行っておりました。
 こうしたものについての、こうしたものを踏まえた形で大臣に御説明ができればというものが御指摘のそのイメージというものに当たると思いますし、この進捗作業については逐次事務方から報告を受けまして、その必要に応じて修正の指示等を行っていたというのが実態でございます。
#93
○小西洋之君 鈴木総括官に伺います。
 あなたは、この事案の前は、前任は国会担当の審議官でしたよね。まさに稲田大臣が、そのイラク日報は確認できませんでしたと言ったときの国会担当の審議官だったわけですから、この事件の重要性、国会要求に基づく資料だということは分かっていたはずです。であれば、三月二日で知った段階で、一報だけでも大臣に報告すべきとなぜ考えなかったんですか。資料をそろえる前に、一報だけでもなぜすべきと思わなかったんですか。
#94
○政府参考人(鈴木敦夫君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、当時の私どもといたしましては、まず大臣に御説明するに当たりまして、必要な情報等をきちっとそろえた上で御説明をすべきであるというふうに考えました。
 ただ、そのこと自身は、今御指摘のございましたように、今回のような事案を認知したのであれば、防衛大臣には時間を掛けずに直ちに一報すべきであったというふうに、適切とは言い難い対応であったというふうに認識しております。
#95
○小西洋之君 小野寺大臣に伺いますけれども、今お聞きしましたように、今回の調査報告は大臣への遅れが調査テーマであるにもかかわらず、なぜ文書課長が大臣に報告しなかったのか、昨年からの事件の担当者であった鈴木総括官がなぜ大臣に報告しなかったのか、何も書かれていないんですよ。大臣の責任、監督責任が足りないんじゃないですか、今回の調査。大臣の監督責任が足りないのではないかというのが一点。
 あとまた、今るる申し上げましたように、今回の大臣への報告遅れ、小野寺大臣への報告遅れは、元々は国会の要求のイラク日報でありました。国会の要求を軽んじ、無視し、反し、また大臣に対する報告がなされなかったという点で、大臣に対するシビリアンコントロールを怠った、シビリアンコントロール上の問題だとお考えになりませんでしょうか。
#96
○国務大臣(小野寺五典君) 今回、約一か月遅れたという事案でありますが、まず日報が、イラクの日報があったという形で発見があって、そして現物をたしか見たのが三月の四日か五日というふうに報告を受けております。そうすると、そのとき二枚、二日分の報告だということですので、当然もし大臣に報告するとすれば、私も多分報告があったらこういうふうに聞くと思うんです、それが全てなのかと。本当にそれが当時のイラクの日報であるのか、そして、それは一体、例えば国会からの要求に関して、何と何に関してちゃんと答えていなかったのか、あるいは情報公開請求がどういう形で出ていて、それにどうやって答えていなかったのか、いわゆる何に反したのかということを当然私は質問をいたします。
 恐らく、そのための一万五千ページ、実は、当時イラクの日報というのは、これは作成した方々がかなり前の方でありますので、実際どれが日報かということを確認する作業というのは大変です。日報が例えばあったけれども、それを加工して保存したものであれば、既にそれは日報というふうに判断はされません。ですから、一枚一枚が本当にこれは日報かどうかということを正確に確認する作業、恐らくこれは一定の時間が掛かるんだと思っています。
 また、国会で一体、累次、どの議員からどういう質問があって、それに答えていなかったのか、時の大臣はどう答えたのか、あるいは情報公開請求がかなりの数来ていますから、それにどう対応したのかというのは、当然全体として調べて初めて私に報告をしたいというふうに多分考えたと思います。ただ、本来であれば、昨年の南スーダン事案を含めて、このイラクの日報が国会で問題になっているのであれば、少なくともその時点で第一報を入れて、そしてちゃんと……(発言する者あり)済みません、もう一度質問をお願いいたします。
#97
○小西洋之君 いや、続きを答弁してください。
#98
○委員長(三宅伸吾君) 小野寺大臣、答弁の続きをお願いします。
#99
○国務大臣(小野寺五典君) 済みません、今答弁の途中で質問がありましたので、もう一度質問をお願いいたします。(発言する者あり)
#100
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
#102
○小西洋之君 私、今回の、今日の質疑、冒頭から政府委員にばかり質問しました。それはなぜかというと、小野寺大臣の答弁が安倍総理並みにひどいからです。この間の委員会で聞いたことに答えず、武人組織のリーダーなんですから、大臣なんですから、堂々と国会で答弁したらどうですか。
 私が先ほど聞いた質問は、今回の調査について大臣の監督が足りていないのではないか、また、今回の問題はシビリアンコントロール、国会と大臣のシビリアンコントロールに反する問題ではないか、国政における最重要の論点を伺っているんです。正面からお答えください。
#103
○国務大臣(小野寺五典君) 私が率いているのは、防衛省・自衛隊という実力組織であります。
 さきに事務方より説明をしましたとおり、二十三日に公表した今回の事案の報告書や再発防止策の資料は、記述すべき事実関係や、それを受けての評価、問題点、対策を記載しているものと考えております。
 いずれにしても、今般のような事案の再発を防止するため、防衛省・自衛隊全体として、指揮命令を履行する体制の強化や、行政文書管理や情報公開が適切になされるための新たな取組等を盛り込んだ再発防止策をまとめたところであります。これからも再発防止策を推進し、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼回復に全力を注いでまいりたいと思っております。(発言する者あり)
#104
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#105
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
#106
○小西洋之君 では、今の大臣の答弁、シビリアンコントロールの問題に何も触れていませんので、答弁拒否と受け止めさせていただきたいと思います。
 先ほど、最後、牧山先生がされた質問ですね、稲田大臣になぜ今回調査をしなかったのかということですけれども、大野政務官、なぜ稲田大臣に今回調査しなかったんでしょうか。
#107
○大臣政務官(大野敬太郎君) この部分は繰り返し答弁をさせていただいておりますけれども、するつもりがないとか、そんなことを思っているわけではございません。
 まず、起点として、辰己総括官は実際にその探索の指示を出しておりますし、それを受け止めて統幕の参事官付きはその作業を行っております。これ、メールが必ずしも適切な形で伝達をされなかったという不適切なものがあったとは認識をしておりますが、実際にそういった探索の作業が行われているということは、当然ながら指示があったということを認識してございます。
 それを覆すような何か新しい事実というものがあるのであれば、それ当然どんなものがあるのかといったような全体像を、いろんな事実を、先ほど牧山先生が御指摘いただいたとおり、性悪説と申しますか、疑いの目で、とにかく全般を徹底的に疑いの目で、いろんな事実をとにかく収集しよう、証拠を収集しようということでやってまいりましたけれども、結果的に稲田大臣に聞き取りをする必要というのが出ておりませんので、現在において聞き取りをしていないということでございます。
#108
○委員長(三宅伸吾君) 申合せの時間が参りましたので、小西君、質疑をおまとめください。
#109
○小西洋之君 稲田大臣は、国会からの要求を、国会で二回答弁しているわけです、確認できなかったと。だから、稲田大臣は国会に対するシビリアンコントロールの責任を負っているんです。その大臣に調査をしなかったのは、国会のシビリアンコントロールを軽んじる、防衛省としてですよ、今回の調査、ということになるんじゃないんですか。
#110
○委員長(三宅伸吾君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#111
○小西洋之君 全く防衛省は答弁しなかったことを指摘して、質疑を終わりにします。
 ありがとうございました。
#112
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 再生可能エネルギー外交と第五次エネルギー基本計画案についてお聞きいたします。
 河野外務大臣の下で気候変動に関する有識者会合が設置をされまして、二月にエネルギーに関する提言、「気候変動対策で世界を先導する新しいエネルギー外交の推進を」が出されました。さらに、四月には気候変動に対する提言、「脱炭素国家・日本を目指し、気候変動対策を日本外交の主軸に」が出されました。積極的な内容を多く含んでおります。
 まず、大臣がこの有識者会議を設置をして提言を求めた理由、またこの提言が今後どのように生かされていくのか、お答えいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(河野太郎君) 外務省は、気候変動問題というのを非常に大きなこれから日本が取り組まなければならない、そういうテーマだというふうに認識をしております。そのために、世界の最新の動向、あるいは研究者やNGO、気候変動対策に積極的な企業などの声を生かした新しい政策の方向性をしっかりと打ち出していきたいというふうに考えまして、そうしたことを目的とする気候変動に関する有識者会合を設置いたしました。
 有識者の皆様には、国際的な、なおかつ最新の動向を取り入れた提言を出していただきたいというお願いをいたしまして、精力的に議論を重ねていただいて、今お話ありましたように、二月にエネルギーに関する提言、四月に気候変動に対する提言を出していただきました。
 この有識者の皆様から出された提言を政府内の議論に外務省としてしっかり生かしていきたいというふうに考えております。
#114
○井上哲士君 この提言を生かすために、外務省内ではどういうような体制を取られているのか。また、今年二月から在外公館に気候変動専門官というのが導入されていますけれども、その趣旨や配置の状況はどういうことになっているでしょうか。
#115
○国務大臣(河野太郎君) 政府として気候変動問題に積極的に取り組まなければならないというふうに考えている中で、有識者会議から提言をいただくことができましたので、この内容を外交当局の責任者としてしっかりと受け止め、気候変動外交を積極的に進めるために力を尽くしていきたいというふうに思っております。
 この気候変動問題は国際社会が一致して取り組むべきグローバルな課題でございまして、外交当局として、情報収集、対外発信を強化するということは、各国との関係を強化し、我が国の国際的な立場をより確固たるものとする上でも不可欠というふうに認識をしております。
 そのような考え方に基づきまして、まず在外公館におきまして、気候変動分野における我が国の取組についての対外発信を強化すると同時に、各種の情報収集に取り組む気候変動専門官を導入いたしました。現在、各地域及び日本政府代表部、五十九の在外公館におきまして約八十名の気候変動専門官を配置しているところでございます。
#116
○井上哲士君 エネルギーに関する提言では、再生可能エネルギー外交を推進することが一番に掲げられまして、気候変動対策で世界に貢献し、日本の経済、社会の発展につなげるなどの課題が盛り込まれております。
 大臣は、既に、一月十四日にUAEで開かれた国際再生エネルギー機関、IRENAでスピーチをされて、日本は新しい思考で再生可能エネルギー外交を展開し、世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った一貫した対応を取っていくことを宣言したいと思いますと、こう述べられました。
 既に、四月にはIRENAの事務局長も来日されていますし、今の気候変動専門官も導入されたわけですが、一方、今国会の外交演説では、この再生可能エネルギー外交という言葉としてはなかったわけですね。
 確認いたしますが、再生可能エネルギー外交を推進をしていくということは、外務省としてこの提言と同じ方向であるということでよろしいでしょうか。
#117
○国務大臣(河野太郎君) いただきました提言は、これは有識者の皆様の考え方を示していただいたものでございます。
 外務省といたしましては、再生可能エネルギー外交をしっかり展開していく中で、この有識者の皆様から出された提言を十分に参考にしていきたいというふうに考えているところでございます。
#118
○井上哲士君 提言で第一に提起をされたこの再生可能エネルギー外交はしっかり推進をしていくと、こういうことでありますが、この第一回の有識者会合の挨拶で、大臣は、これまでの日本の気候変動外交が必ずしも評価されていないことへの反省が必要だと述べられております。理想を述べたとしても実態を伴っていないということは、庭の盆栽をきれいにしていても、振り向いたら家はごみ屋敷だったという状況に等しく、そのような事態は避けなければならないとも述べられました。つまり、国内での積極的な取組なしに再生可能エネルギー外交は進まないということだと思います。
 じゃ、国内の取組はどうなっているのかと。大臣は、さらにこのIRENAのスピーチで、現在、再生可能エネルギーの電源割合の世界平均は二四%であり、日本が二〇三〇年に目指す数値が今の世界平均ということは日本の外務大臣として何とも悲しく思いますと、大変率直に述べておられます。
 同じスピーチで、これまで日本の失敗は、世界の動きを正しく理解せず、短期的なその場しのぎの対応を続けてきた結果だとも述べられておりますが、これは具体的にどういうことなんでしょうか。
#119
○国務大臣(河野太郎君) かつて日本は太陽光発電あるいは太陽熱の利用といったことで世界の最先端を走っていた時期がございました。残念ながら今そういう状況にないというのは非常に残念に思うところでございまして、このIRENAの総会でもそういうことをかなり率直に申し上げさせていただきました。
#120
○井上哲士君 まさに、こういう述べられたような様々な問題を今どう生かしていくかということは、この有識者会議の提言とも重なっていくことだと思うんですね。
 一方、経産省来ていただいておりますが、五月十六日に公表された第五次エネルギーの基本計画案は、再生可能エネルギーについて、三〇年度の比率目標を二二から二四%のままで上方修正いたしませんでした。これに対して各方面から疑問や批判の声が上がっておりますし、事前のいろんな意見にもあったと思います。なぜ今回この再生可能エネルギーの比率目標を上方修正しなかったんでしょうか。
#121
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を図っていくことを政府の基本方針としております。
 エネルギー基本計画の検討に当たりましても、御指摘のように、五月十六日の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会におきまして、再生可能エネルギーにつきましては、二〇三〇年のエネルギーミックスの二二%―二四%を占める主力電源の数字をお示ししているところでございます。
 エネルギーミックスで掲げました二〇三〇年度の再エネ比率、この二二から二四%という数字でございますけれども、国民負担を約三兆円で抑えて実現するということでございまして、欧州と比べて日本の再生可能エネルギーコストがいまだ高い中で、国民負担の抑制を図りつつ水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするということで、極めて野心的な水準だと考えてこの数字をお示ししたところでございます。
#122
○井上哲士君 極めて野心的と言われましたけれども、およそそうではないというのが多くの国民の声なわけですね。
 今答弁ありましたけれども、大臣がIRENAのスピーチで悲しい思いだと、こういうふうに述べられた、国際的に立ち遅れた目標がそのまま維持をされた案になっているわけですね。
 エネルギー提言も、日本の再生可能エネルギー目標は市場に対しても今後も再生可能エネルギーを拡大していくというメッセージを発信できていないと、こういう指摘もされております。
 この基本計画案について省庁間の折衝が行われていると承知しておりますけれども、外務省としてはどういう意見を述べられているんでしょうか。
#123
○国務大臣(河野太郎君) 政府内の調整の詳細に関してお答えをするのは差し控えたいと思いますが、エネルギー基本計画につきましては激しい議論が行われていると理解していただいて結構でございます。
#124
○井上哲士君 まさに日本が国際社会で役割を果たしていくという上で、国内のやっぱり目標自体がこうなっているということは、大臣が悲しい思いをされるというのも、私はその点共有をするわけですね。是非、この再生可能エネルギー外交を進める上でも、更に激しいしっかりとした議論をしていただきたいと思うんです。
 そこで、なぜこの再生可能エネルギーの目標が低い水準のままなのか。結局、基本計画案が原発をベースロード電源として三〇年の電源構成を二〇から二二%、これをあくまでも維持をしているということに大きな原因があると思います。この目標に対して、再稼働反対の国民世論などを考えても非現実的と、様々な声が上がっております。
 これに対し、経産大臣は、世耕氏は、二十三日の衆議院の経済産業委員会で、なぜ原発の新設やリプレースなしにこの電源構成二〇から二二%達成は可能なのかということに対して、その試算のベースについて答弁をされておりますけれども、どういう試算なのかお示しいただきたいと思います。
#125
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
 二〇三〇年時点の原発比率は稼働率を八〇%と仮定して機械的に計算をしておりまして、二〇三〇年時点で運転開始から四十年未満の原発が全て稼働いたしますと約一七%、これに加えまして、二〇三〇年時点で運転開始から四十年以上経過している原発が全て運転延長すると約二八%になります。
 したがいまして、安全最優先の再稼働と一部の炉の運転期間の延長によりまして、原発比率二〇%は達成可能であると考えてお示ししているところでございます。
#126
○井上哲士君 安全最優先の稼働と言われましたけれども、全てが稼働するということは福島第二原発も柏崎刈羽原発も再稼働するということが前提の試算になっているわけですね。
 福島第二の廃炉は、県議会で自民党も含めて全会一致で決議が上がる、これ県民の総意ですよ。柏崎刈羽について言いますと、新潟県民の世論調査でも六四%が反対ですね。明らかに国民世論と反することが含んだこういう試算になっているわけです。
 これ、エネルギー提言は、原発の建設費の高騰などを挙げて、電力の安定供給のためベースロード電源として原子力や石炭が必要だという考え方は既に過去のものになっているというふうに指摘をしております。このことは、安倍内閣が成長戦略の柱としてきた原発輸出が問題になっておりまして、この間、トルコを始め各国との原子力協定も進めてきました。しかし、この福島事故以来の安全対策費用の増加による建設費の高騰、脱原発の世論の中でうまくいっておりません。
 トルコでのシノップ原発、これも安倍総理のトップセールスで始まって、トルコ原子力協定も締結をしたわけでありますが、これ予定どおり進んでおりません。その理由は、経産省、どのように承知されているでしょうか。
#127
○政府参考人(保坂伸君) シノップ原発プロジェクトに関しましては、現在、実現可能性調査を行っているところでございまして、三菱重工とトルコ電力公社との間でFS調査が実施されておるところでございます。
 民間企業間のやり取りであるため、このFSが遅れていることについてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#128
○井上哲士君 これ、幾らでも報道されているんですよ。知らないはずないんですね。
 当初、原発一基五千億円と見込まれたけれども、安全規制強化によって一基一兆円強に増えたと。よって、四基で二兆円が四兆円に膨れ上がった。このシノップ原発は、参加企業が建設費を負担をして、あらかじめ決めた料金で電気を売って利益で建設費を回収すると、こういう仕組みなわけですね。ところが、建設費の高騰によって協定の附属書に盛り込まれた想定電気料金では採算が合わないということが判明して、そういうことを三菱がその実現可能性の調査で提出しようとすると、トルコ側が失望したという返事があった。その結果、三月に出そうとした調査の受取を拒否をしてこれが延期になっていると。これ、多くの新聞も報道しておりますけれども、このことは承知されていないんですか。
#129
○政府参考人(保坂伸君) トルコのシノップ原発につきましては、先ほど申し上げましたが、現在FS調査が実施されているところでございまして、コスト等についてはまだ決まっていないというふうに承知してございます。
 他方、海外の建設費につきまして、一般論として申し上げれば、原子力発電所の建設費につきましては、各国の事情や個別のプラントの特殊要因によるところが大きいと考えているところでございます。
#130
○井上哲士君 いや、私聞いているのは、今さっき、この間報道されているような、建設費が倍になった、その結果、この電気料金では賄えぬと、当初の。そういうことが問題になっているということは当局として承知されていないんですか。
#131
○政府参考人(保坂伸君) これはあくまで三菱重工とトルコ電力公社との間で現在実施されているところでございまして、民間企業のやり取りであるため、お答えを差し控えさせていただきたいと考えているところでございます。
#132
○井上哲士君 あのね、反対を押し切って原子力協定も作ってですよ、そしてトップセールスでやっている話なんですよ。単に企業間の問題ではありません。
 提言では、世界的には原子力は高リスクで競争力のない電源であることが明らかになっているにもかかわらず、日本では原発が他の電源より安価であるという試算がそのまま使われていると。新規の原子力発電に巨額の公的資金を必要としている海外の事例を見ても、日本での原発新増設は経済的な現実性を欠いていると述べておりますけれども、今回の新しいエネルギー計画案では従来の建設費を前提にして電源比率を維持をしておりますけれども、なぜこういう事態が起きているのに従来の建設費を前提にしているのでしょうか。
#133
○政府参考人(保坂伸君) 海外の原発の建設費につきましては、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げましたけれども、原子力発電所の建設費につきまして、各国の事情や個別プラントの特殊要因によるところが大きいと考えているところでございます。
 その上で、欧米の個別のプラントの建設費の上振れにつきましては、OECD分析や事業者の公表情報等によりますと、建設実績の乏しい新型炉の建設炉であること、数十年間原発の新設がなかったことによって建設作業のノウハウや人材が喪失していたこと、建設期間の短縮を図るためのインセンティブが働きにくい特殊な契約形態であったことといった要因が指摘をされているところでございます。
 これに対しまして、日本の場合は、震災直前まで原発の建設が進んでおりまして、技術、人材も比較的維持されているなど、海外とは状況は異なるものと考えているところでございます。
#134
○井上哲士君 日本だって、例えば津波などを防止するいろんな問題も含めて、安全対策の費用の上昇というのは確実にあるわけですよ。そして、海外の事情でいいますと、これはもう世界でも共通でありまして、日本での受注が固まっていたリトアニア、ベトナムの案件も着工のめどが立っておりません。日立製作所が進めているイギリスへの輸出もこの建設費高騰などで難航しているわけですね。
 そこで外務大臣にお聞きしますけれども、有識者会議のエネルギー提言は、原発について、投資リスクが高く柔軟性に欠けるエネルギー技術への固執は、再生可能エネルギーの拡大を阻み、日本のエネルギー転換を妨げてしまうと述べております。私はこういうことに対してもう脱却をすべきだと考えておりますけれども、この指摘に対しての認識、そして、原発輸出へ固執をするということが日本の再生可能エネルギー外交とは逆行するものではないかと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(河野太郎君) 有識者会議の提言、様々な原発についても提言をいただきましたので、それを政府内での議論にしっかりと役立たせてまいりたいと思います。
 原発輸出に関しましては、お答えをする立場にございません。
#136
○井上哲士君 いや、原子力協定はこれトルコでも大議論になったんですよ。明らかに外務省が関与してやっているんじゃないですか。それはお答えする立場にあるんじゃないですか。
#137
○国務大臣(河野太郎君) 協定についてはそのとおりでございますが、個別の輸出についてお答えをする立場にございません。
#138
○井上哲士君 いや、個別の問題を言っているんじゃないんです。安倍政権全体として経済成長の柱の一つとして原発輸出を位置付けていると、その流れの中で本委員会でも原子力協定を結んできたわけですよ。それが、今様々こういう問題に立ち向かってあるし、一方で、再生可能エネルギー外交ということを外務省が新たに外務大臣の下で打ち上げられたということであれば、こういう経済成長の柱として原発輸出を位置付けたり進めていくという、そのこと自身がこの外交の姿勢とは相入れなくなっているのではないかと、見直すべきではないかということを申し上げております。
#139
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、政府内で様々な議論が行われておりますが、それは政府として方針がまとまった段階で外に向けて申し上げたいと思います。
#140
○井上哲士君 私、最初に申し上げましたように、この二つの提言は非常に積極的な内容を含んでおります。せっかく出されたものですから、きちっとその積極的な部分を生かしていただきたいし、先日、ODAの特別委員会でも申し上げましたけれども、今、日本がODAでいろいろ支援をしている石炭火力発電、これについても様々な厳しい批判の声が上がっております。
 提言はこの石炭火力輸出への公的支援も速やかな停止を目指すとしているわけでありますから、是非、再生可能エネルギー外交を掲げるならばこの停止にも踏み出すべきだということも改めて申し上げまして、時間ですので質問を終わります。
#141
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 私は、北朝鮮の非核化について質問します。
 既に議論されておりますけれども、五月二十四日に北朝鮮は豊渓里の核実験施設を爆破、廃棄したと報道されております。これを受けて、北朝鮮が非核化を進める第一歩という見方があります。確かに、坑道を廃棄する現場にアメリカなど五か国の記者団を招いてはおります。しかし、IAEAを受け入れておりません。これは、これまでの核実験をつぶさに調べられたくなかったのではないかという疑念を持たれても仕方のないことであります。先ほどの質問でもやり取りがありましたが、外務大臣はこれをもって怪しいと言われたと思うんです。私も同様に思っております。
 このIAEAを受け入れていないと、この事実を外務大臣はどのように理解されているのか、詳しく御説明いただきたいと思います。
#142
○国務大臣(河野太郎君) IAEAは、この核実験場を北朝鮮の了解があれば恐らく調査をする、そういう意図があったはずでございます。残念ながら、IAEAだけでなく、どこの専門家もこの坑道を閉じる前に呼ばれなかったというのは、本来ならやれるはずの検証が行われなかったという点で私は問題があると言わざるを得ないというふうに思っております。
 ただ、今まで全く非核化に背を向けていた北朝鮮がこうした行動に出たということは、非核化に向けての意思を示したという見方があるのも事実だろうと思っておりますので、これを全て非難をするつもりはございませんが、本当に非核化に向けて一歩を踏み出すというならば、やはり検証可能なものはきちんと専門家が検証をしながら不可逆的に廃棄をする、そういう方法を取ってほしかったというふうに思っております。
#143
○浅田均君 もう既に答えていただいているんですが、私も、非核化への真摯な姿勢というよりは単なるパフォーマンス、あるいは証拠隠滅、悪く言いますとね、証拠隠滅とさえ言われても仕方がないようなことでもないかなと思うんです。つまり、北朝鮮はいまだに核保有の意思を変えていないとも受け止めれるわけでありますけれども。
 それで、外務大臣にお尋ねしたいんですが、今もちょっと言及がありましたけれども、朝鮮半島非核化への第一歩というのは、何をもって朝鮮半島非核化への第一歩と捉えられるんでしょうか。CVIDという言葉がありましたけれども、例えばボルトン補佐官なんかは、北朝鮮がもう既に保有している核弾頭を全てアメリカに運んでそこで無能力化させると、それをもって第一歩だというふうに捉えているように伝えられておりますけれども、北朝鮮の非核化の第一歩はCVIDの中でもとりわけどこであるというふうに外務大臣は考えておられますか。
#144
○国務大臣(河野太郎君) これはなかなか難しい御質問でございますが、まず第一歩は、私は、この六月十二日に行われる可能性のある米朝会談の中で、北朝鮮の金正恩委員長が明確にその意思を示しコミットするというところがまず第一歩ではないかというふうに思っております。
 この核兵器の廃棄というのは、残念ながら日本にはできませんし、IAEAにもできません。核兵器の廃棄というのは、核を保有している国がノウハウを持っているわけでございますから、今回の場合には恐らくアメリカが中心となって行うんだろうというふうに思っております。今、アメリカは、この非核化に向けて、どのようなステップ、どのようなスケジュールで作業を行うかというのを検討しているはずでございます。これはまだ対外的には明らかにされておりません。
 そういうこともございますので、まず北朝鮮の一歩目というのは、その非核化への意思を、金正恩委員長が明確に意思表示をシンガポールで行う、そこからスタートするのではないかというふうに考えているところでございます。
#145
○浅田均君 私もそうあればいいなと思っているんです。
 それで、今、アメリカの代表団が、五人の方が北朝鮮へ行って北朝鮮とやり取りをしているというふうに報道されておりますけれども、さはさりながら、この北朝鮮の非核化への意思、これをどの程度のものと外務大臣は認識されているんでしょうか。これから圧力をまだまだ強めていったら、やがて段階的であれ検証可能で不可逆的な核放棄に至ると考えておられるのであれば、まだ非核化への意思は余り強くないというふうに受け止められますし、もう具体的にどういう作業をやるということで話し合われているならば、非核化への意思というのはかなり強く持っているとも受け止められるんですけれども、外務大臣は、北朝鮮の非核化への意思というのをどの程度のものと、現段階でですよ、認識されているのか、お尋ねいたします。
#146
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮という国の体制もございますし、これまでの対話の例もございますから、北朝鮮の意思というものをこうだとなかなか断定的に申し上げるのは非常に難しいということを申し上げた上で、度々金正恩委員長が非核化に触れている、そして米朝会談をトランプ大統領がやらないと言ったときに、北朝鮮が非常に速やかにやりたいという意思表示をしているということを考えますと、何らかの非核化の意思というのはあるんだろうというふうに思っております。
 それが我々が言っているCVIDと完全に一致するのかどうかというのは、これはまだまだ不透明なところがあるわけでございますが、全くそういう方向へ行く意思がなければ、米朝会談を北朝鮮から提案することもなかったでしょうし、トランプ大統領が米朝会談をやらないと言ったときに慌てて北朝鮮から書簡が出るということもなかったんだろうというふうに思いますので、何らかの意思はあるというふうに思っております。
 それが、CVID、我々が言うところのCVIDと一致するかどうか、これからきちんと確かめていかなければならないというのも事実だろうと思います。
#147
○浅田均君 それで、非核化を進めるということに関しまして、先週末開かれました日ロ首脳会談、この声明の中でも、朝鮮半島の非核化を進めるとの日ロ共通の立場を確認とあります。
 目的に関して、北朝鮮の非核化で認識は一致しているのか、あるいはそのプロセス、今おっしゃいましたCVIDでも一致しているのか、外務大臣はどのように受け止められているんでしょうか。
#148
○国務大臣(河野太郎君) 日ロ両国を含めて国際社会は、これはもう以前から累次の関連安保理決議に沿った経済制裁を北朝鮮に対して行って、全ての核兵器及び既存の核計画を放棄するように求めてまいりました。これはもう日ロ足並みをそろえてやってきたわけでございます。五月二十六日の日ロ首脳会談では、こうした観点を踏まえて、朝鮮半島の非核化を進めなければならないという日ロ共通の立場を確認をいたしました。
 その上で、両国の首脳は、北朝鮮の完全、検証可能な、不可逆的な非核化をうたっている安保理決議の履行が重要であるという両国の従来からの立場を踏まえて、米朝会談が開催され、成功するように後押しをしていこうということで一致をいたしたわけでございますので、日ロ両国の立場は、認識はCVIDについても一致していると申し上げてよろしいかと思います。
#149
○浅田均君 ちょっと確認できなかったんですけど、朝鮮半島の非核化というのと北朝鮮の非核化というのは意味が違うわけであって、その朝鮮半島の非核化を進めるという共通の立場を確認とあります。これは必ずしも北朝鮮の非核化とは違うわけですね。
#150
○国務大臣(河野太郎君) これはかつての六者会合だったと思いますが、韓国は核兵器を保有しておりませんし、在韓米軍も核兵器を保有しておりません。朝鮮半島の非核化イコール北朝鮮の非核化であるという認識でやってまいりましたので、現時点でも朝鮮半島の非核化というのは、これは北朝鮮の非核化とイコールと考えていただいてよろしいかと思います。
#151
○浅田均君 それでは伺いますが、米朝会談、六月十二日に実施で、中止がまたやる可能性もあるという局面を迎えておりますけれども、この米朝会談の実現に向けて日ロ共通で後押しをするということが書かれております。具体的にどういう作業を指すんでしょうか。
#152
○国務大臣(河野太郎君) 米朝会談を成功に導くために大事なのは、日ロを始め、国際社会が一致して北朝鮮に対する圧力を緩みがないようにきちんと掛け続けていくということが一番の後押しになるというふうに理解をしております。
 今、北朝鮮は制裁逃れのための瀬取りあるいはその他の制裁逃れを巧妙にやっているという現実もございますので、そうしたことを防ぎながら、この経済制裁を国際社会が一致して行い、北朝鮮に対して圧力が逃げないように掛け続けていく、それを日ロを含め国際社会がやっていくということが米朝会談に向けて今我々がやらなければならないこと、できることというふうに認識をしております。
#153
○浅田均君 圧力を掛け続けるという御発言、ずっとこれは総理も外務大臣もおっしゃり続けておりますけれども、朝鮮半島の非核化に向けて現在我が国ができることは、ただ圧力を掛け続けることだけでいいのかなという疑問も私は持つわけです。なぜならば、アメリカの大統領とそれから北朝鮮の金正恩が何らかの形で、CVIDとは言っていますけれども、段階的な核兵器の廃棄というところで妥協してしまわないかなという心配を常に持っているわけです。
 仮定の話には答えられないとおっしゃるだろうと思いますけれども、何らかの形でCVIDを逸脱した、私どもから言いますと逸脱した、そういう段階的な核放棄というところで妥協してしまったら、CVIDを成し遂げないことには次の段階に進まないんだって言い続けている私たちの立場がなくなってしまうわけで、圧力を掛け続けること以外に何か考えておられないのか、あえてもう一度質問します。
#154
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会が恐らくほとんど欠けることなく一致してこの経済制裁をしっかりと履行してきたというのが、米朝会談が今実現するかどうかというここまでこの情勢を動かしてきた最大の原動力だと思います。
 安保理決議を累次採択してきたことによって、北朝鮮の後ろ盾になっていた中国もこの安保理決議に従った経済制裁を行ってきた。その結果、北朝鮮としては、もはや前へ出てきてCVIDの議論をし、制裁を解除してもらうしかほかに体制としてやっていく道がなくなったというのが、この米朝会談に向けて北朝鮮がそれを提案した、あるいはトランプ大統領が拒否したときに速やかな返事があったということだと思いますので、この圧力を掛け続けるというのは極めて重大、重要だと思っております。
 先般のG20の外相会合でも、全ての外務大臣が一致してこの北朝鮮への圧力を掛け続けるというのは極めて大事だという認識を共有したところでございますので、日本としてあるいは国際社会として、まずこの圧力を掛け続けていく、これがなければ何事も進まないというのが現実でございます。
 その中で、米朝会談の中で北朝鮮がどのようなコミットメント、どのような意思を示すか、これをまず我々としては注視してまいりたいというふうに考えております。
#155
○浅田均君 先を急ぐような話なんですが、そのCVIDの後に対話があるとして、今からやっぱり何らかの準備をしておく必要があると思います。そういう対話の窓口はどういうふうにして準備されているんでしょうか。
#156
○国務大臣(河野太郎君) 日本と北朝鮮の間は様々なレベルでやり取りをしてございます。総理も平昌オリンピックで先方とやり取りをされましたし、私も北朝鮮の外務大臣に日本の基本的な立場を伝えたということもございます。また、大使館ルートを含め、様々なやり取りを北朝鮮とはしているところでございます。
#157
○浅田均君 今のところをもう一度お尋ねしたいのですが、北朝鮮の外務大臣に河野大臣の意思を伝えたと、どういう機会にどういうルートで伝えられるんですか。
#158
○国務大臣(河野太郎君) マニラで行われましたASEAN関連外相会合の中で、我々の立場は、日朝平壌宣言にうたった核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交を正常化する、そういう立場に変わりはないということを伝えたわけでございます。
#159
○浅田均君 それで、先ほど外務大臣の方から中国も国連決議に従って制裁強化に加わっているという御発言がありましたけれども、習近平さんと二回の会談を終えて、何か中国とか韓国は制裁を緩和しているようなニュースが伝わっておりますし、私どももそういう心配をしているんですが、中国、韓国は制裁を緩和しているというふうな事実はないという受け止めでよろしいんでしょうか。
#160
○国務大臣(河野太郎君) 韓国の文在寅大統領は、様々なやり取りはあるけれども、この北朝鮮のCVIDを実現するまで韓国は当然に制裁を解除することはないということをおっしゃっておられます。
 また、中国も、日中韓サミットの中で、北朝鮮問題については、安保理決議に従って、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全、検証かつ不可逆的な方法での廃棄に向け、制裁の実施も含め三か国で協力を進めるということを確認をしております。
 報道で、中朝国境でそうした緩みがあるのではないかという報道があることは承知をしておりますが、中国の政府の方針として安保理決議はしっかりと履行をしていく、そういう方針であるということは我々も確認をしているところでございます。
#161
○浅田均君 拉致問題の早期解決のためにも米朝会談の実現というのが絶対必要だと私は思っております。
 この米朝会談の実現のために、今、日本ができることは何であるというふうに外務大臣はお考えでしょうか。
#162
○国務大臣(河野太郎君) 米朝会談につきましては、先ほど申し上げましたように、やはり国際社会が緩みなく圧力を掛け続け、北朝鮮としてはCVIDに向けて歩みを進めるしか選択肢はないんだということをきちっと理解をさせると同時に、日本としては、核、拉致あるいはミサイルの問題が解決されれば、国交を正常化し、経済支援をする用意があるということを、これは北朝鮮に様々な形で伝えておりますので、そこは理解をいただいているのではないかというふうに思っているところでございます。
#163
○委員長(三宅伸吾君) 質疑をおまとめください。
#164
○浅田均君 ありがとうございました。これで質問を終わります。
#165
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば話も面白いということで、大阪のはなし家で桂米朝さんという方がおられまして、「始末の極意」というのが演題だと聞いたことがありましたが、実は昨日、飛行機の中で落語を聞いておりましたら、昔からの仲よしが、いつも縁台で碁を打つのが趣味で、本当にもう何十年の気心知れた二人なんですが、最初に待ったなしで勝負だぞと約束をしたのに、もう片方が待った。それを、言い争いになって、最後は碁石を蹴って別れてしまう。その結果、三日もたつと二人がやっぱり長い付き合いで恋しくなって、あいつどうしているんだろう、小雨が降る中で。それで、そんな中で二人が意地を張り続けるんですが、どうにも意地を張っているのもあれで、二人がまた会うんですが、そんな話で、結末、始末の極意というか、どんな米朝会議が進んでいくのか見守りたいと思います。
 そこで、毎日、政治スキャンダルもそうだし、アメフトの問題もほとんどがワイドショーで扱っていますが、森友、加計問題、省庁の書類改ざん問題は、いいか悪いかは別として、古くから、上官の命令には背かない、命を懸けて組織を守るといった日本人気質が影響していると思います。戦争映画を見ても、大戦のあれも、何でだという、こう感じることがありますが。それで、こんなことをいつまで続けているのか、何度も言っていますが、早急に調査を進め国会を正常に戻さないと国がおかしくなる。海外から日本は良い国だと評価されていますが、蓋を開けたらどうなのか。今のままで本当に情けない。早く結論を出すよう要請をしたいと思います。
 そこで、シリア情勢について。二十七日、武力勢力の襲撃によりシリアでロシア兵が四人死亡しました。ロシア国防省の発表でありましたが、複数の現地のテログループがシリア政府軍の砲兵中隊を襲撃、ロシア兵とともにシリア兵も戦闘に加わったそうです。一時間ほどの戦いで、四十三人のテロリストと大口径の兵器が搭載された走破性高い車両の六台がせん滅されたとのことですが、子細をお聞かせください。
#166
○政府参考人(岡浩君) お答え申し上げます。
 今、委員お尋ねの、ロシア軍人四人が武装勢力の攻撃によって死亡したとの報道については承知してございます。場所はシリアのデリゾール県ということだそうでございますけれども、現時点で事実関係が詳細明らかになっていないこともございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#167
○アントニオ猪木君 大変危ないところに、私もいろんなところへ行きましたので、その情勢あるいは情報を取ってくるというのは大変だと思いますが、本当に、ある意味で、やっぱり外務省の皆さんもそういうところに情報を取るときがどれだけ大変か、あるいは、ある意味では命を懸けなきゃいけない、そういうことを含めて、世界情勢が変わっていく中、正しい情報を我々に伝えていただきたいと思います。
 イラン情勢について。中東情勢が不安定になっています。先日質問させていただきましたが、今月の初め、イスラエル軍がシリアにあるイラン精鋭部隊の拠点を空爆したことに対し、その報復攻撃と、イランがゴラン高原に向けロケット弾を発射しました。四月以降、イスラエルはシリア領内のイラン軍事拠点に度々攻撃し、イラン兵やイランが支援するイスラム教シーア派組織のヒズボラ戦闘員が多数死亡したとされています。
 イスラエルとイランの対立状況についてお聞かせください。
#168
○政府参考人(岡浩君) 日本にとりまして第三国同士の軍事的衝突について評価すること自身は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、今委員御指摘のとおり、イスラエルそれからイランを含めまして、シリアの周辺国の思惑の錯綜などがあって、シリアにおいて軍事的な緊張が高まっているという状況を憂慮してございます。
 我が国は、シリア危機は軍事的手段によっては解決できる問題ではなく、政治的な解決を追求していかなければならないというふうに考えてございます。そのために、全ての紛争の当事者に対しまして、軍事的措置の停止、また国連主導の政治プロセスの進展に向けて努力することなどを呼びかけてございます。
 今後も、シリアの平和と安定に向け、関係国、また国際機関とも緊密に連携しながら、人道支援、また難民、国内避難民への支援など、非軍事的分野におきまして引き続き貢献を行っていきますとともに、シリア人同士の対話を後押しをしてまいりたいというふうに思ってございます。
#169
○アントニオ猪木君 アメリカが発表したイラン新戦略は、シリアからイラン兵力を撤退、近隣諸国への脅迫行為中止など十二項目の要求をしていますが、イランが応じる可能性は低いと言われています。
 現状についてお聞かせください。
#170
○政府参考人(岡浩君) トランプ大統領によりますイランとの核合意の離脱の発表を受けまして、二十一日にポンペオ、アメリカの国務長官は新たな対イラン戦略を発表いたしました。その中で、イランとの新たな合意を交渉する用意があるとしつつ、十二の要求を提示をしたというふうに承知してございます。
 この発表に対しましては、イランのロウハニ大統領は、アメリカがイランやその他の国の義務を定めることは全く受けられないというふうに発言をしたところではございますが、イランが今後どういった対応を取るのか、今回の発表が中東情勢にどういうふうな影響を与えるのかということについては、現時点では予断することは差し控えさせていただきたいというふうに思ってございます。
 いずれにしましても、引き続き、関連情報の収集に努め、また、アメリカを含む関係国と緊密に協議を続けてまいりたいというふうに思っております。
#171
○アントニオ猪木君 二十四日にシリアの文化遺産職員が奈良県の考古学研究所で文化財保存技術の研修を受けたという記事を目にいたしました。ISに破壊され、シリアのパルミラ遺跡の修復に役立つとありましたが、内容についてお聞かせをください。
#172
○政府参考人(牛尾滋君) 委員御指摘の報道にある文化財保護技術等の研修については、平成二十八年度補正予算によって我が国が国連開発計画、UNDPに対して拠出した事業、トレーニング・フォー・オールに基づいて実施されているものと承知しております。同事業は、シリア危機により生じた損害を受けて、復旧復興及び強靱な社会構築に資する技術と知識の向上のため、多分野での訓練機会を提供するものでございます。
 委員御指摘のシリアからの考古学専門家四名については、本年五月十五日から八月十四日の間、奈良県橿原考古学研究所において、シリア国内の文化遺産の保護を実践するに当たって必要な知識、技術を習得するための研修を受講し、遺跡保護の技術を学んでいるというふうに承知しております。
#173
○アントニオ猪木君 五月の十九日から二十六日まで、河野外務大臣がブラジル、アルゼンチン、メキシコ、アメリカと訪問されました。ブラジルでは、ジャパン・ハウス・サンパウロで講演し、日系社会の関係者と意見交換を行ったと聞いておりますが、ブラジルでの印象をお聞かせください。
#174
○国務大臣(河野太郎君) 今年はブラジルへの日本人移住百十周年という節目の年でもございまして、世界最大の日系社会を有するサンパウロを訪問いたしました。
 サンパウロでは、開館一周年となりますジャパン・ハウスを視察をし、当初入場見込みを大幅に上回る大変な成功を収めているわけでございますが、また、ジャパン・ハウスで講演を行いまして、日本と基本的価値観を共有する中南米諸国とルールに基づく国際秩序構築に向けた協力の重要性を訴えさせていただきました。
 また、サンパウロには、日本から、全くくぎを使わずに建てた日本の家屋、日本館というのがございまして、これはもう相当昔に建てたもので、時々日本の大工さんが行っては修復をお手伝いをさせていただいているわけでございますが、この日本館を御案内をいただきました方が猪木議員のめいごさんでございまして、大変お世話になりまして、ありがとうございました。
 日系の方々は、日本とブラジルの両国の懸け橋として大変活躍をされていらっしゃいます。特に、現地社会から日系社会が勝ち得ている信頼というのがそのまま日本に対する信頼につながっているというところもございます。また、若い世代の日系の方、余り日本語をしゃべる方はいらっしゃらないんですけれども、現地の中で活躍をし、ブラジル人であるということに誇りを持っていると同時に、日本にルーツがあるということを強く思ってくださっているということを知りまして、大変感激したわけでございます。
 やはり、こういうつながりもございますので、日本とブラジル、そして日系が社会の中で多くおりますペルー、アルゼンチンといった南米の様々な国々としっかりと関係を強くしてまいりたいというふうに思った次第でございます。
#175
○アントニオ猪木君 私も、何遍も申し上げたように、移民の経験がありますので、日系社会とのこのつながりというのは大変大事だと思います。よろしくお願いいたします。
 そこで、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官との会談の成果と、今後の我が国の課題についてお聞かせください。
#176
○国務大臣(河野太郎君) ポンペオ国務長官とは、北朝鮮問題に関しまして今後の方針のすり合わせをさせていただきました。CVIDということについて、日米は極めてこれまでも緊密に連携してやってまいりました。これを引き続き続けてまいりたいと思います。
 また、ポンペオ国務長官からわざわざ、この北朝鮮に対する国際社会の圧力を最大化、これを維持していくために、日本が主導している瀬取り対策ということが極めて重要だという認識を示されまして、日米あるいはその他の国々を加えた瀬取り対策の強化ということについても相談をさせていただきました。
 また、イランの核合意についても少し日本の立場を申し上げ、日米間で今後この問題についても協議をしていくということを確認をいたしたところでございます。
#177
○アントニオ猪木君 メキシコにも行かれたと思いますが、外交樹立から百三十周年ということで、大変メキシコ人は親日家が多いんですが、そこで、今回のメキシコ外相との会談についてお聞かせをいただきたいと思います。
#178
○国務大臣(河野太郎君) 日墨外交関係樹立百三十周年という機会でございましたので、ペニャ・ニエト大統領に表敬をし、ビデガライ外相と二時間にわたりまして会談をいたしました。
 メキシコは、先般のメキシコ地震に対して日本から行った援助隊、救援隊、この方々に対する大変な感謝というのがもう度々いろんな方から繰り返されまして、東日本でも日本はメキシコにお世話になったわけでございますから、やはり困ったときの友人というのが本当に一番の友人という、そういう思いをお互いに強くしたわけでございます。
 外務大臣との会談では、基本的価値を共有する戦略的グローバルパートナーとして、国際社会の問題解決に向けて両国関係を一層強化していこうということを確認をいたしました。
 TPP11では、メキシコが参加国の中で一番乗りで承認をいたしましたので、日本もしっかりと早期発効に向けて連携をしていくということ、また、今再交渉が行われているNAFTAに関しましては、メキシコに進出している日本企業の利益というものをメキシコ政府が最大限に考慮してくださっているということに対してお礼を申し上げました。
 また、北朝鮮問題やベネズエラ問題という地域情勢、軍縮、これは核軍縮を含む軍縮の問題、それからAI、人工知能について、これはもう国連で様々議論が行われようとしているわけでございまして、こうした問題についても意見交換をさせていただきました。
#179
○アントニオ猪木君 次に、日ロ首脳会談についてお伺いいたします。まず、平和条約締結に向け今回はどのような話をされたのか、子細をお聞かせください。
#180
○国務大臣(河野太郎君) プーチン大統領が再選され、新政権としてスタートを切って初めて、通算では二十一回目になる日ロ首脳会談が行われました。安倍総理とプーチン大統領も旧知の仲でございますので、じっくり、二人だけの会談を含め、かなりの時間じっくりと話合いをされ、平和条約の締結問題につきましては、この北方四島における共同経済活動の実現に向けた作業が新たな段階に入ったということを確認をいたしました。
 少し具体的に申し上げますと、今年の七月あるいは八月をめどに、事業者を中心とするビジネスミッションを四島に派遣をする、その後、日ロ次官級協議を開催するということで一致をし、さらに、五件のプロジェクト候補の内容について具体的な進展を確認をいたしました。また、元島民の方々の航空機による特別墓参を天候が許せば七月にも実施するということで一致をいたしました。加えて、今回の会談では、八項目の協力プランの具体化が進んでいることを確認し、協力プランの下で百三十件を超える民間プロジェクトが生み出されているということを歓迎をいたしました。
 こうしたことを一つ一つ積み重ね、日本とロシアで共通の北方四島の将来像というものを描きながら、北方四島の帰属の問題を解決し平和条約を締結するという基本方針に基づいて、引き続きロシアと粘り強く交渉をしてまいりたい、こうした動きを北方四島の帰属の問題にしっかりと結び付けてまいりたい、そう思っているところでございます。
#181
○アントニオ猪木君 今お話がありましたので、次に、今回、宇宙兄弟という言葉で、安倍総理とプーチン大統領がモスクワのクレムリンで首脳会談の合間に、国際宇宙ステーションに滞在中の金井宣茂宇宙飛行士とロシアのアントン・シュカプレロフ宇宙飛行士との交信を耳にしました。
 安倍総理とプーチン大統領の呼びかけに金井宇宙飛行士は、ミッションを通して宇宙兄弟と言えるようなすばらしい友情が芽生えた、両国の友情と協力が進むことを宇宙から祈願していますとたたえています。プーチン大統領、私たちも同じように地上で問題を解決していかなければならないと言っていたそうです。
 私も早く問題が解決されることを期待いたしまして、今回の国際宇宙ステーションのミッションについてお聞かせください。
#182
○政府参考人(大山真未君) お答えいたします。
 国際宇宙ステーションは、日本、ロシア、米国、欧州、カナダにより運用されており、現在、金井宣茂宇宙飛行士を含む六名の宇宙飛行士が長期滞在をしております。
 先般の日ロ首脳会談の際には国際宇宙ステーションとの交信行事が行われ、両首脳と日ロの宇宙飛行士との間で、建設から二十周年を迎える国際宇宙ステーションでの日ロ協力の重要性が話題になったと承知しております。
 今回の長期滞在に当たり、金井宇宙飛行士はロシアの宇宙船ソユーズに搭乗しており、また日ロ両国は、医薬品開発のためのたんぱく質の結晶成長実験等で協力をしているところでございます。
 今後とも、国際宇宙ステーションを通じた関係国との協力を着実に推進してまいりたいと存じます。
#183
○委員長(三宅伸吾君) 時間が参りましたので、おまとめください。
#184
○アントニオ猪木君 北朝鮮問題も先ほどちょっと話が出ましたので、時間がありませんので、次回またゆっくり質問をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#185
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 沖縄の基地負担の解消と日本の平和のためにも、六月の米朝会談が実現し、朝鮮半島の平和が生まれることを心から願っています。
 質問に入ります。
 米海兵隊辺野古新基地建設に関する埋立工事について、防衛局は、K4護岸とN3、N5中仕切り護岸に囲まれた狭い区域を先行して埋め立てるとする防衛省からのリークと思われる情報が盛んに報道されています。防衛省は、既成事実化し、県民に諦めを押し付けようとしています。しかし、埋立工事の施工順序は、仲井眞前知事による二〇一三年十二月二十七日の埋立承認書に付された留意事項の四、添付図書の変更のうち、環境保全図書及び同じく埋立承認願の設計概要説明書にそれぞれ@からBまで順番に埋め立てていくと具体的に記されています。
 それぞれについて、防衛省は県に対する変更承認申請をする必要があるのではありませんか。
#186
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の埋立承認の留意事項四には、環境保全に関し措置を記載した図書、いわゆる環境保全図書を変更して実施する場合は知事の承認を受けることと記載されていると承知をしております。
 御指摘の区域、K4護岸とN3、N5中仕切り護岸に囲まれた区域の埋立てを先行して行うとしても、これにより環境負荷が増加するとは見込まれず、環境保全に関する措置を変更する必要はないと考えており、御指摘の留意事項四に基づく変更承認申請は必要ないものと考えております。
 また、公有水面埋立法に基づく変更承認は、願書の記載事項である設計の概要を変更する場合を対象としており、添付図書である設計概要説明書の変更は当該変更承認の対象とはならないものと認識をしております。御指摘の区域の埋立工事は、埋立承認願書において特定された設計の概要を変更するものではないことから、公有水面埋立法に基づく変更承認申請は必要ないものと考えております。
 いずれにしましても、防衛省としては、引き続き、作業の安全に十分留意した上で、関係法令に基づき自然環境や住民の生活環境にも最大限配慮し、普天間飛行場の辺野古への移設に向けた工事を進めていく考えであります。
#187
○伊波洋一君 防衛大臣のただいまの答弁は納得いきませんけれども、これまで分厚く出した様々な説明書、これを御破算にするようなものであります。それについて引き続き質疑をしていきます。
 沖縄県の赤土等流出防止条例では、第九条一項で、国が千平方メートル以上の一団の土地について事業行為をしようとするときは知事に通知をすると規定され、三項で、知事は必要と認めたとき国と協議すると定められています。
 防衛省はこれを遵守しますか。
#188
○国務大臣(小野寺五典君) 普天間飛行場代替施設建設事業に係る埋立てに関しては、沖縄県赤土等流出防止条例に基づく手続を行うこととしており、同条例に基づき適切に対応してまいりたいと思っております。
#189
○伊波洋一君 しっかり守っていただくようお願いをします。
 環境保全図書では、「施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために、改変区域周辺の海草藻場の被度が低い状態の箇所や代替施設の設置により形成される静穏域を主に対象として、海草類の移植(種苗など)や生育基盤の改善により海草藻場の拡大を図る保全措置を講じます。」と規定しています。
 施設等の存在とはどの段階のことでしょうか。今、砕石が海中に投下され、護岸が建設され、閉鎖区域への埋立土砂の投入までささやかれています。今の段階は施設等の存在ではないのですか。
#190
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 環境保全図書におけます海草藻場の拡大を図る保全措置につきましては、御指摘のございました施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために、改変区域周辺の海草藻場の被度が低い状態の箇所や代替施設の設置により形成される静穏域を主に対象として、海草類の移植や生育基盤の改善により海草藻場の拡大を図る保全措置を講じますとされているところでございます。
 なお、環境保全図書におきましては、工事の影響に関しまして、工事の実施と施設等の存在及び供用を別の区分として整理をしておりまして、工事の実施中である現在につきましては施設等の存在には当たらないものと考えております。
#191
○伊波洋一君 ただいまの答弁では、施設等の存在という状況ではないと。それならば、その保全措置を講ずるというふうに書いた海草類の移植あるいはその種苗など、このような生育基盤の改善というのは施設完成後をめどに行うということを想定しているんでしょうか。
#192
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 先ほど申し上げました環境保全図書において先ほど申し上げましたような記述があるということで、それの記載にのっとりまして現在鋭意検討を行っているところでございます。このように、環境保全図書におきましては施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講じることとされており、現在具体的な対策を検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも環境監視等委員会の指導、助言を得つつ、海草藻場の生育範囲拡大につきまして検討を進めていく考えでございます。
#193
○伊波洋一君 しっかり答えていただきたいと思います。
 少なくとも、防衛省としては、この施設等の存在というのは完成のことであって、いわゆる海草類等の移植の実現というものは完成後を想定しているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#194
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、環境保全図書におきましては、工事の実施と施設等の存在及び供用を別の区分として整理しておりまして、工事の実施中である現在については施設等の存在には当たらないというふうに考えております。
 環境保全図書におきましては、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対しまして、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために云々という記載がありまして、現在鋭意検討を行っているところでございます。環境保全図書におきましては、この施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講じることとされているということでございます。
#195
○伊波洋一君 言っていることが十分分からないですね。
 ですから、施設等の存在というのは完成のことをいうのならば、いわゆるその改変による海草藻場の減少に対する対応というものは、念頭に置いているのは、その後の、完成が求められているというふうに理解しているわけですね。少なくともそれまでに、もう今すぐ造らなきゃならないものではないというふうに理解していいですか。もっとはっきり分かるように言ってください。
#196
○政府参考人(西田安範君) 工事の実施中であります現在はまだ施設等の存在には当たらないという段階でございまして、環境保全図書においては施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講じることとされているということであります。
#197
○伊波洋一君 分かりました。施設等の存在は完成のことであるということはそういうことだというふうに分かりました。
 ジュゴンへの影響の低減が海草藻場の保全措置の趣旨、目的です。米太平洋軍は、辺野古新基地ができたとしても二〇二五年以降であるとしています。飛行場及び飛行場施設が存在し供用される段階までジュゴンの餌場である海草藻場の保全がなされないのなら、その間、五年、七年の間、ジュゴンはどのようにして生存するのでしょうか。ジュゴン保護の目的が置き去りにされているのではありませんか。
#198
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 海草藻場の保全に関しましては、これまでに第十回、平成二十九年十二月、それから第十四回、平成三十年四月の環境監視等委員会におきまして、藻場の拡大、造成場所の検討状況あるいは造成方法の検討状況など、藻場の拡大等の検討状況について御説明をいたしたところでございます。
 具体的には、現地の踏査結果を踏まえまして、生育範囲拡大の候補地を選定をし、また、ヘチマを利用したポットによる人工種苗の生育の有効性が確認されたことなども説明をしてきてございます。これらに関しまして、第十四回の委員会におきましては、委員から、ジュゴン保護の観点からはアマモやウミヒルモといった海草類の生育についても更に検討すべき等の指導、助言もいただいておりまして、これらの指導、助言も踏まえまして、更に検討を進めてまいります。
 現在鋭意検討を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、海草藻場の保全に関しては、環境保全図書の記載にのっとってしっかりと検討を進めていく考えでございます。
#199
○伊波洋一君 前委員会でも答弁いただきましたけれども、いずれにしろ、防衛省としてはこの建設、完成までこれを行えばいいんだというふうな理解であるということを承知いたしました。
 二〇一四年五月から七月の三か月で、日本自然保護協会は、シュワブ大浦湾、美謝川河口付近で百十本のジュゴンのはみ跡を確認しています。防衛省による、二〇一四年四月から七月にかけて、マンタ法によるジュゴンのはみ跡調査でも、七十七本のはみ跡が確認されています。これは、皆さんのお手元に出している資料にも入っていますが、シュワブ大浦湾側、美謝川河口の付近で間違いありませんか、防衛省が確認をしたものは。
#200
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 二〇一四年四月から七月にかけてのはみ跡につきましては、この分類におきます辺野古(大浦湾西部)でも確認をされているところでございます。
#201
○伊波洋一君 これは、位置的に、まさにK9護岸の建設によってアプローチできなくなっている海域です。海草藻場の保全措置についてどう考えてきたのでしょうか。
#202
○政府参考人(西田安範君) 海草藻場の生育でございますが、先ほど申し上げましたように、環境保全図書の記述を踏まえまして、この記載にのっとって検討を進めているというところでございまして、今後も鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
#203
○伊波洋一君 小野寺防衛大臣は、二〇一四年二月二十日の衆議院予算委員会で、ジュゴンが回遊する場合はあっても、これは辺野古大浦湾のことですけれども、主たる生息域は太平洋側、キャンプ・シュワブ沖ではないと答弁されています。
 しかし、答弁していただいたとおり、その年の七月までに、六月までに、二〇一四年には防衛省の調査で七十七本、日本自然保護協会の調査で百十本のはみ跡が確認をされています。まさにそこは食事をする場所であり、生息域であるというふうに思いますが、小野寺大臣の当時の認識は間違っていたのではありませんか。改めて御見解を伺います。
#204
○国務大臣(小野寺五典君) 過去には辺野古地先の海草藻場においてはみ跡が確認されておりますが、環境影響評価書作成時点で確認されていたジュゴンの行動範囲や餌場の利用状況から、同評価書において辺野古地先の海草藻場へ移動し採食する可能性は小さいと予測したことから、辺野古海域についてはジュゴンの主たる生息域とは考えていないと答弁をしております。
 御指摘の平成二十六年四月から七月の間には、辺野古海域においてジュゴンのはみ跡が確認されておりますが、嘉陽において非常に多数のはみ跡が確認されており、辺野古海域がジュゴンの主たる生息域とは確認をしておりません。また、この平成二十六年七月以降は、辺野古海域において、はみ跡は確認されていないという報告を受けております。
#205
○伊波洋一君 まさに、それは工事の影響ではないでしょうか。
 資料にあるとおり、ジュゴンの個体Cについて、二〇一五年六月以降は確認が途絶えています。環境保全図書では、工事の実施後は「ジュゴンのその生息範囲に変化がみられないかを監視し、変化がみられた場合は工事との関連性を検討し、工事による影響と判断された場合は速やかに施工方法の見直し等を行うなどの対策を講じます。」とされています。
 個体Cの生息範囲に変化が見られることは、防衛省も認識されていると考えます。環境保全図書どおりに速やかに施工方法の見直し等を行うなどの対策を講じるべきと考えますが、防衛省は、具体的にどのような検討によって、どのような対策を講じていますか。
#206
○国務大臣(小野寺五典君) ジュゴンの個体Cの存在については、平成二十七年六月以降確認されておりません。その原因については確たることを申し上げることは困難ですが、聞き取りを行った専門家からは、成人として親離れして、離れていってしまったのではないかという見解を得ております。
#207
○伊波洋一君 育って親離れして行方不明なのだろうという結論は、科学的な分析とは程遠いものです。
 辺野古新基地が沖縄において文化的重要性を持つジュゴンを消滅させる可能性があるとして、米国家歴史保存法に違反するとして提起されているいわゆるジュゴン訴訟では、米軍は、辺野古の海草藻場の破壊などへの緩和措置の要として、継続的モニタリングの結果を用いて生物学的緩和措置を補正調整する適応的管理、アダプティブマネジメントや海草藻場の移植に取り組んでいることを主張しています。そして、生物学的保全の条件が整えば、普天間飛行場の代替施設建設は、絶滅危惧に直面する沖縄ジュゴン個体群に対し悪影響を与えることなく進めることができるとしています。しかし、本日の質疑でも明らかなように、辺野古工事の現状は、このアダプティブマネジメントが全く取り組まれていないことを示しています。
 サンフランシスコ地裁で開始されているジュゴン訴訟では、昨年十二月二十八日に米国防総省から行政記録七百九十四個が提出されました。その中で、米国防総省の委託した専門家が二〇一〇年に作成した沖縄ジュゴンの人類学的調査という報告書において、米国の専門家は、生物学的、生態学的なジュゴンの調査プログラムが必要、沖縄防衛局のアセスはほとんど価値を持たない、科学的検証に堪えられないと厳しく指摘し、ジュゴンの餌場である海草藻場を他の場所に移す措置を提案しています。
 防衛省は、この報告書をいつ受け取りましたか。報告書の内容をアセスの補正評価書に反映させましたか。
#208
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 まず、米国政府内で作成された文書の一つ一つの内容につきまして、防衛省としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと考えております。
 他方、防衛省といたしましては、当時、普天間飛行場代替施設の建設事業に係ります環境影響評価プロセスの状況につきまして、必要に応じ米側にも説明を行っていたところでございまして、その説明の中には環境影響評価の準備書の内容等も含まれるところであります。
 当該説明を行った際に、例えばほとんど価値がないといったような見解を米側から伝えられたといったことは承知をしておりません。また、現在作業が進んでおります普天間飛行場代替施設の建設事業に係る工事は当該環境影響評価の内容を前提に行われておるところでありまして、これら工事の実施を認めている米側においても、当然、当該環境影響評価の内容に問題があるとは考えていないと認識をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、普天間飛行場代替施設の建設事業の実施に当たっては、これまでも、事業主体である防衛省において、部外専門家によって構成をされている環境監視等委員会の指導、助言も踏まえながら、適切に実施をしてきているところでございます。
 なお、委員御指摘の報告書と思われる文書につきましては、昨年、米側から提供を受けたところでございます。
#209
○伊波洋一君 専門家の皆さんいますけれども、しかしもう辞任もしているんですよね、どうしようもないと言って。
 そこで、沖縄防衛局のアセスはほとんど価値を持っていないという報告書、これは現在、ジュゴン裁判が行われておりまして、昨年十二月二十八日に提供されたわけですけれども、これ国防総省が出した資料なんですね。
 国防総省が、要するにアセスをレビューするために調査をさせた結果、その中に書かれているということを日本政府としてはどう考えますか。
#210
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 繰り返しになりますが、米国内で作成をされた文書の一つ一つにつきまして、内容につきまして防衛省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#211
○伊波洋一君 国防総省の委託した調査に関連する海洋哺乳類の専門家の電子メールも提出されています。
 普天間代替施設の全体的影響を評価することは可能ではないと。なぜならば、詳細な研究調査がまだ行われていない、沖縄におけるジュゴンの個体群の総数や現状、普天間代替施設の海域を使用するジュゴンの頭数についての情報を提供できる最先端の科学的調査が欠如しており、予想される影響等の範囲が正確に決定することは不可能である、沖縄防衛局の調査はほとんど科学性を持たないということなんですね。
 つまり、私たちは、やはりそのことを前提にしながら、今ジュゴン訴訟が行われているということをしっかり受け止めていかなきゃいけません。私はやはり、米国におけるこの希少動物への……
#212
○委員長(三宅伸吾君) 伊波君、時間が来ておりますので質疑をおまとめください。
#213
○伊波洋一君 分かりました。
 価値というものがいかなるものかということをしっかり認識していく必要があると思います。
 来週また続きをさせていただきます。ありがとうございました。
#214
○委員長(三宅伸吾君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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