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2018/03/27 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 内閣委員会 第5号
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2018/03/27 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 内閣委員会 第5号

#1
第196回国会 内閣委員会 第5号
平成三十年三月二十七日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     松川 るい君
     高野光二郎君     元榮太一郎君
     野上浩太郎君     小野田紀美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         榛葉賀津也君
    理 事
                藤川 政人君
                和田 政宗君
                白  眞勲君
                西田 実仁君
    委 員
                有村 治子君
                江島  潔君
                小野田紀美君
                岡田  広君
                山東 昭子君
                豊田 俊郎君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山下 雄平君
                相原久美子君
                矢田わか子君
                熊野 正士君
                田村 智子君
                清水 貴之君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     松山 政司君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山下 雄平君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房人生1
       00年時代構想
       推進室次長    伯井 美徳君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        小野田 壮君
       文部科学大臣官
       房審議官     白間竜一郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 裕紀君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      山本 麻里君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(榛葉賀津也君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、石井準一君、高野光二郎君及び野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君、元榮太一郎君及び小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(榛葉賀津也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房人生100年時代構想推進室次長伯井美徳君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(榛葉賀津也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(榛葉賀津也君) 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案につきまして、松山大臣始め、担当の方にお尋ねをいたします。
 日本における少子化の問題、少子高齢化という言葉、叫ばれて大変久しいわけでありますが、国も地方公共団体もなかなか現実的にこの対応ができていないということで今日来ているわけであります。
 この少子化の問題は、一昨年、初めて出生数が百万人を割ったという報道がされております。昨年一年間の出生数も約九十四万人ということでありますから、この一年間で四万人出生数が減っているということで、二年連続で百万人を下回るなど、厳しい状況が続いているのは御承知のとおりであります。
 そのような状況の中において、今回の法律案は、経済界から御協力をいただき、事業拠出金の率の上限を引き上げ、少子化の一因ともなっている待機児童解消のための財源確保に活用するものであり、大変評価したいと考えております。松山大臣におかれましても、経団連を始め企業関係者を訪問してこのお願いをしたということ、大変御努力に敬意と感謝を表したいと思っています。
 そこで、まずこの事業主拠出金の引上げの活用についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の事業主拠出金は、ゼロ歳から二歳児相当の保育の運営費に充てることに加え、企業主導型保育事業についても充てることとされております。この企業主導型保育事業は、待機児童解消が喫緊の課題である中、その実現に向けて非常に重要な役割を担うものと考えております。この事業は制度の創設から二年が経過をしたわけでありますが、企業主導型保育事業によりどの程度の保育の受皿を確保することができたのか、そしてまた、本事業をどのように評価して、今後また進めていくのか、まず松山大臣にお尋ねをしたいと思います。
#7
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 企業主導型保育事業は、事業主拠出金を財源といたしまして平成二十八年度に創設されました。これまでに七万人分の受皿の確保に取り組んできており、平成三十年度は新たに二万人分の受皿を確保することとしております。また、本事業を活用して、土日や夜間に働く従業員や週二日程度だけパートタイムで働く従業員など、多様な働き方をする従業員に対して柔軟な保育サービスの提供がなされております。
 このように本事業は、従業員の多様な働き方に対応できるとともに、待機児童対策に重要な役割を果たしているものと認識してございます。
 さらに、平成三十年度の予算案においては、中小企業による活用を促進するため、中小企業が設置する施設の運営費の負担軽減などを実施することとしております。
 引き続き、仕事と子育ての両立支援と待機児童対策に貢献するため、しっかりと取組を進めてまいります。
#8
○岡田広君 私は、当選、国会へ出ましてからもう十六年目に入りますけれども、終始一貫、この少子化対策、特に待機児童解消については、国や地方公共団体だけが取り組むのでは駄目だと、企業の協力を得るべきだということを申し上げてきましたけれども、今回のこの企業主導型保育事業については大変評価をしているものであります。
 この企業主導型保育事業につきましては、定員の約半数を地域の子供を受け入れることが可能となっておりますので、地域の待機児童解消にも資するとともに、企業にとっても地域貢献などの役割を果たすものとなっていると考えております。
 ただ、子供さんたちが一時的に少なくなり、そのときに定員に空きが生じるような事態も生じると将来考えております。そのような状況を解決するために、待機児童の解消と企業主導型保育施設の経営安定の観点からも、企業主導型保育事業の柔軟な運営も必要であると考えておりますが、内閣府ではこれに対してどういう考えなのか、お尋ねをしたいと思っております。
#9
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 平成二十八年度に創設いたしました企業主導型保育事業におきましては、従業員の利用を基本としながらも、施設定員の五〇%以内を地域枠とし、地域住民の子供を受け入れることを可能としていたところでございます。
 その後、平成二十九年六月二日に公表されました子育て安心プランにおきまして、施設運営の安定を一層図ることができるよう、保育ニーズの多い地域で従業員枠の空きが出た場合に、その空き枠を活用して、地域枠五〇%の上限を超えて、地域枠対象者、従業員以外の地域住民のお子さんでございますが、対象者の受入れを可能とすることとされたところでございます。
 これを受けまして、本年三月から、市区町村の利用調整の結果、入所保留の通知を受けた児童の受入れであること、原則として従業員枠の当該年度中における空き定員を活用した一時的なものであること、また、施設の利用定員の全てを地域枠対象者としないこと、これらの全ての要件を満たした場合に、地域枠五〇%の上限を超えて地域枠対象者を受け入れることを可能とすることとしたところでございます。
#10
○岡田広君 今の枠の話については理解をさせていただきました。
 ただ、これ、企業が企業内保育をやるということで委託契約を結んで、そしてその委託契約を結んだ事業者が保育園を建てようとするときに、市街化調整区域ではなかなか建たないという問題もあります。
 しかし、国はこれは柔軟にやっているんだと思いますが、市街化調整区域に企業や工場が立地しているときはその隣接であれば許可になるということでありますけれども、市街化区域の中に入っている企業がお願いをしたいというときに、なかなか都市部では土地が見付かりません。だから、市街化調整区域に建てる。
 しかし、これはなかなか、例えば茨城でもつくばとか水戸とか待機児童多いところは難しいんですけれども、そういう点については柔軟にできないんでしょうか。
#11
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 特に、都市部におきましてはなかなか用地の確保が非常に困難だというふうには理解してございますので、まさに用地の確保あるいは空き室の確保等で何らかの工夫が一層できないかにつきましては引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
#12
○岡田広君 是非これは、できる地域があったりできない地域があるというのはこれは大変で、特に待機児童解消を必要とする待機児童の多い都市部がなかなかこれできないとなると、やっぱり待機児童解消って進まないんじゃないかと思いますので、ここの検討は是非ひとつお願いをしたいと思っております。
 次に、喫緊の課題である少子化の問題を前に更に進めていくためには、社会全体で子育てを支援をしていくという考え方、これは政府も述べているわけでありますから、これ大変重要であります。
 安倍政権になりましてからもう五年が過ぎたわけでありますけれども、大企業の内部留保は、安倍政権スタート時から考えてももう百兆円も増えている。その中でもトヨタ自動車、十八兆円と最高額の内部留保を持っているわけでありますけれども、これ、やっぱりこの内部留保を多く有する企業から、少子化対策のために、今回の企業の拠出金のことは理解をさせていただきますけれども、さらに少子化対策のために更に拠出をしてもらうということが私は重要であるというふうに考えています。
 多分、七年前に、子ども手当というとき、前民主党政権のときでありましたけれども、この子ども手当について私は参議院の決算委員会で総括質疑で質問をさせていただきました。ちょうど三月十一日でありました。そのときに初めて私はパネルというのを作ったんですけれども、パネルを見ながら子ども手当について、これは多分総額、二万六千円で年間約五兆四千億強掛かるということで、当面一万三千円でスタートをしたというふうに理解をしておりますけれども、しかし最終的にはこの財源もできなかった。
 私は、この前民主党政権のときに子ども手当に予算を配分したということは大賛成です。日本は、やはり欧米に比べて高齢化は予算の配分は手厚いですけれども、少子化対策についてはもう欧米の五分の一、北欧の五分の一というようなものであるというふうに理解をしていますので、これは大賛成ですけれども、現金でいいかどうかというのはまた別問題だと私は理解をしています。
 今、幼児教育の無償化あるいは高等教育の無償化ということも提案をされているわけでありますけれども、義務教育も完全無償化ではありません。授業料とか教科書だけは無償ですけれども、学校給食とか補助教材というのは無償ではありませんから、まずそこをしっかりやって、完全無償化というのは小中でやるべきだというふうに思っていますけれども、その先に幼児教育の無償化、もちろん同時に進めていけば一番いいわけですけれども。
 そういうふうに考えているんですけれども、例えば一例挙げますと、茨城県でも信用組合という金融機関ありますけれども、ここでは子供が、出産すると、第一子、第二子二十万とか第三子百万、第四子二百万、第五子三百万という出産祝い金を出している。しかも、行員の子供が高校に入ると、第一子から、高校に入ると月七千円、大学に入ると月一万円、返済義務のない奨学金を給料日に渡しているということで、こういう好事例というのをやっぱり全国に展開をしていく。
 そのほかにもいろいろありますけれども、時間なくなりますから全てお話しできませんけれども、やっぱり企業に少子化対策に内部留保も振り向けてもらうという、そういう要請というのを少子化対策大臣である松山大臣においては、経済界と更なる連携を図るために、やはり調整、協議というのを、是非松山大臣が先頭に立って経団連始め企業の皆さん方にそういうお願いをしてはどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(松山政司君) 先生おっしゃるように、子ども・子育て支援は、社会の全ての構成員が相互の役割を果たして協力して行うということが極めて重要でございます。仕事と子育ての両立を図っていくということは、事業主にとっても労働力確保に資する面もございます。
 私自身も、中小企業関係も含めて御理解をいただくために訪問してまいりました。また、事務方の方も、事務的な会議というものを、経団連、日商、また商工会、全国の商工会連合会、あるいは中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会とも協議の場を設けて開催をいたしておるところでございます。
 この今回の子ども・子育て支援法では、事業主拠出金の率などに関して、全国的な事業主の団体が内閣総理大臣に対して意見を申し出ることができるというふうにされておりまして、各年度の拠出金率あるいはその使い道について経済団体との協議の場というのを設けておりまして、現在は経団連と日商でございますが、今後は中小企業団体も含めて協議の場を充実をさせて、そしてこういう場を生かしながら、今後とも関係者に対して丁寧に説明しながら様々企業側とも連携を取ってまいりたいと思っております。
#14
○岡田広君 予算委員会で京都の堀場製作所とかブリヂストンの彦根工場を視察をしたときに、この少子化対策、男女共同参画行政についていろいろ質疑をいたしましたけれども、そのときにも、大企業でありますから、女性の登用率三〇%、こういうことに向けては努力をしている、あるいは育休も努力しているという。しかし、なかなか、出産祝い金とか、子供が高校に入ったら、あるいは大学に入ったら、そういう奨学金を出しているというそういう制度にはまだなっていないということでありますので、是非、こういうことも頭の中に是非入れていただいて、今後経済界との話をするときには、少子化対策に内部留保を充てる、内部留保でなくてもいいんですけれども、とにかく予算を充てるということをしていかないと、なかなか社会全体で子育てをしていくという状況にはならないんではないかと思うので、要望しておきたいと思います。
 今月の二十二日の読売新聞の一面に出ていましたけれども、認可保育二四%入所できずという報道が出ていました。私も大変びっくりしましたけれども、依然として待機児童の問題は深刻です。待機児童の多い全国七十八自治体では四人に一人が入所できないということになります。東京のある区では、希望を取りまして十三希望まで入所希望があったという子供、全部どこもはねられて、隣の認可外保育園に、隣の区に入れたというような報道も出ていましたけれども、この保育の受皿整備とともに保育人材の確保にも取り組んでいく必要があるのは御承知のとおりであります。
 この子育て安心プランの実現のため、二〇二〇年度末までに三十二万人分の受皿を整備することに伴い、新たに七・七万人の保育人材を確保する必要があるということでありますけれども、そのためには潜在保育士を活用することが重要だと考えております。先ほどの保育所に入れない待機児童、一時、横浜の林市長が、横浜市は待機児童ゼロになったという報道も出ていましたけれども、しかし、今回の調査では何と一番多いのがこの横浜であります。四千四百人というそういう待機児童がいるという数字を見て大変愕然としたわけでありますけれども。
 この潜在保育士の活用については、今、保育士の就園、就職活動というのは多分社会福祉協議会の保育士・保育所支援センター等で行われているだろうと思っておるんですが、なかなかこの潜在保育士の掘り起こしは十分にできていないと私は考えております。人材バンクとしての機能が不十分なのではないか。人材バンクって多分ある都道府県もあります。今回、茨城県、昨年新しい大井川知事に替わりましたけれども、十月に食事をする機会がありましたので、茨城県で保育人材バンク予算を打ち上げて、是非全国に先駆けてこの対策に乗り出してはどうかという要望をしましたら、今度の初めての新知事になってからの予算で四千四百七十六万という保育人材バンク設置の予算を明確に付けました。
 これ、やっぱりこういうことも全国に広げていくということ、大変大事だろうと思っております。この潜在保育士の掘り起こしができれば、現在就業している保育士が自らの専門性を高めるための研修、キャリアアップ加算金の問題もありましたけれども、これをもらうためにも、研修をする、乳児保育とか障害児保育とかやるわけですけれども、なかなか研修に行くだけの代替保育の保育士が確保できないということでできないという状況もあるわけであります。こういうことで研修を受講する際の代替人員の確保にもつながるわけでありますが、今後どのようにこれを取り組んでいくのか、お尋ねをしたいと思います。
#15
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育士資格を持ちながら保育士として就業していらっしゃらない、いわゆる潜在保育士の方々に対する再就職支援につきましては、都道府県等が設置する保育士・保育所支援センターが実施しているところでございます。このセンターにおきまして、保育士資格を有する離職者から氏名や連絡先等の情報の届出を受け付けており、再就職を希望する方に対しては求人情報の提供を行っているところでございます。センターは平成二十九年四月時点で四十四都道府県に五十九か所設置されており、全国的に取組が広がっているところでございます。平成二十九年度予算では、このセンターにおいてマッチング支援を行うコーディネーターの追加配置を行い、国としてもセンターの体制強化に取り組んでいるところでございます。
 御指摘のございました潜在保育士の掘り起こしにつきましては、一部のセンターでは、求職していない方も含め、保育士資格を持っている方に対し、現在の就業状況や保育園への就職希望の有無について調査を行うことにより潜在保育士を掘り起こす取組などが行われていることから、こうした好事例を全国的に展開してまいりたいと考えております。
#16
○岡田広君 先ほど申し上げました社会福祉協議会が中心にやっている保育士・保育所支援センターというのは、保育士だけやっているんじゃなくて、福祉の人材確保のための就職相談とか応じているわけですから、やっぱりしっかり、今回、介護福祉士ももちろん足りないですけれども、この保育の人材バンクというのをやっぱりこれ広げていくという、これ一番私大事なことだと思うんですが、松山大臣の大臣としてお考えを是非よろしくお願いします。
#17
○国務大臣(松山政司君) 厚労省とも連携してしっかりこの件は取り組んでいきたいと思っております。
#18
○岡田広君 今、潜在保育士の就職支援に関する取組を強化していくということでこれから進めていただきたいと思いますけれども、この就職準備金貸付事業の活用は更に進めていく必要があると考えているわけですけれども、これ二十七年度の補正で、一月の補正で二十万円というこの貸付金の金額が決まりました。しかし、二十八年度の臨時国会でまた、十月だったか、補正予算でこれが一挙に四十万に上がりました。
 多分、私、国会に出て、今までこういう事例は見たことありません。普通は、一年間二十万でやって、しかし、検証して、なかなかこれでは潜在保育士が、戻る保育士がいないからということだったと思うんですが、恐らく二十万円を活用した保育士の人は数は少ないと思います。それが一挙に一年たたないうちに四十万に上がって、この四十万に上がった実施状況、どういうふうになっているのか。これ恐らく、四十万になってもなかなか潜在の保育士が戻らない、戻らないというのはそれだけやっぱり処遇が悪いということになるんだろうと思うんですけれども、そのほかにもいろいろ要因はあるんだと思いますけれども、まず、この実施状況と今後の進め方についてお尋ねをしたいと思います。
#19
○政府参考人(成田裕紀君) 保育士資格を持ちながら保育士として就業していらっしゃらない方々に対する就職支援といたしまして、最大四十万円の就職準備金の貸付けを行い、就職後二年間保育園等に勤務する場合には返還を免除することとしております。この事業は、平成二十八年度補正予算におきまして、貸付額の上限を従来の二十万円から四十万円に引き上げており、他の貸付事業等も含め、約百十七億円の予算を計上し、約百八億円の交付決定を行ったところでございます。
 貸付けの実績につきましては、平成二十八年度は約二百件、平成二十九年度は十二月までに約千百件となっており、潜在保育士の掘り起こしのために更なる活用を進めることが必要であると考えております。このため、保育士・保育所支援センターを活用した潜在保育士の掘り起こしの取組を強化するとともに、この事業の周知を図り、更なる活用を促すことにより、保育人材の確保につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
#20
○岡田広君 今御答弁いただきましたが、二百件とか千百件という数字でありますけれども、これ多分、保育士は今約五十万人ぐらい全国で働いている、しかし、潜在保育士というのはもう八十二、三万人いるんですね。多分、看護師とか幼稚園の先生とか、現在就業している人に比べて、潜在の方が就業している数より多いというのはほかになかなかないんだと思うんです。それだけなかなか潜在保育士は多いけれども戻らないということなので、しっかりここはやっていただきたいと思います。そのためには、やっぱり何といっても大事なのは、保育士等の処遇改善に対する取組というのが大変重要だと思っています。
 待機児童の多い市では、国の処遇改善策とは別に独自に金額を上乗せをしたりしています。
 松戸市では四万五千円、そして二十年以上勤めると七万二千円出しています。そして住居手当三万円。柏市では四万円上乗せ分です。そして住居手当は八万二千円、これは限度額です。茨城県では、多分つくば市が三万円出していますけれども、なかなか、出せる自治体はいいですけれども、こういう市の地方自治体の政策について問題があるのは、例えば柏市が、今話したように、東京も四万円でしたね、東京も四万円出しています。柏市四万円、そして住居手当限度額八万二千円出している。そういうチラシで保育士募集というのを千葉県から茨城県、県を越えてつくばみらい市とか守谷とか、つくばエクスプレス沿線に投げ込みの業者がいる。
 そういうパンフレットを投げ込んで引き抜きをしているという状況になると、そこの柏市はいいかもしれないけれども、やっぱりキャリアアップ助成金、加算金についても、もう時間なくなりましたけれども、最後質問しますけれども、これでも四万円上がるんだとか、そして柏市でまた四万円もらえるんだとかとなると、投げ込みまでされると、これはどうなんだろうかというふうに思うわけでありますけれども。
 いずれにしても、自治体間での保育士の奪い合いにならないように、全国的に更なる処遇改善を進めるべきではないかと思うのですが、御答弁をお願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(松山政司君) 御指摘のように、各自治体において独自に保育士に対しての給与の上乗せ補助、実施していることは承知をいたしております。
 本当に御指摘のように、一方で、国としては、自治体間で保育士に偏りが生じたり、あるいは保育士不足がより深刻化しないように全国統一的な取組を進めていくこと、極めて重要であると認識をしております。
 政府としても、これまでも保育士の処遇改善に取り組んでおりまして、特に今年度からは、技能、経験を有する者を対象に全国一律に月額四万円の処遇改善と、さらには新しい経済政策パッケージにおいて、二〇一九年四月から更に一%の賃金引上げも予定をいたしておりますが、引き続き全国統一的な保育士の処遇改善というものにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#22
○岡田広君 是非、松山大臣、ここはやっぱり全国一律ということじゃないと、キャリアアップ加算金、この後質問させてもらいますけど、四万円もらえない人もいるんです、七年勤めても。こういうことを考えると、本来これは国がやらなければならないことなんだろうと、私はそういうふうに思っていますので、是非、厳しい財源の中でありますけれども、よろしくお願いをしたいと思っております。
 これまで保育士の処遇改善、政府が進めてきたことは私も承知をしていますけれども、平成二十九年度の賃金構造基本統計調査でも、職種別、厚生労働省は職種を百二十九に分けています。これ、今までパイロット一番だったんですが、去年はお医者さんが一番になってパイロット二番になってしまいましたけれども。しかし、保育士は給料を上げているけれども、職種別に給与の額をランク付けすると百十八位というままで、百二十九職種の中で下から数えた方が早いということになります。介護福祉士は多分これより五番ぐらい上だと思いますけれども、二十八年度と全く変わっていません。金額は上がっても、ほかの職種も上がっているわけですから、なかなかランクは上がりません。
 そういうことで、今回、処遇改善の配分方法ということでキャリアアップ加算金というのが出てきたわけでありますけれども、こういうことについても今後どう進めていくのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#23
○政府参考人(小野田壮君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の技能、経験に応じた四万円等の加算につきましては、単に勤続年数に応じて賃金水準を引き上げるだけではなく、保育士等の専門性の向上を図るとともに、新たに保育園等事業所における保育人材のキャリアアップの仕組みを構築していただくために導入した加算でございます。これは、職員がその努力を評価され、将来の希望を持って長く職場で働けるようにすることを意図してございます。
 実施に当たりましては、園内での給与等のバランスにも配慮し、月額四万円の処遇改善につきましては、加算対象職員の二分の一に四万円の処遇改善を行っていただく必要がありますが、その他の技能、経験を有する職員にも、副主任保育士として月額五千円以上四万円未満の範囲で配分するなどの柔軟な運用も可能としてございます。
 ただ、この加算につきましては、現場の声もいろいろございます。そうした現場の声も踏まえまして、より実情に合った制度となるよう、勤続年数がおおむね七年以上の中堅の保育士等を対象とする加算、四万円でございますが、これと、勤続年数がおおむね三年以上の比較的若い保育士等を対象とする加算、五千円でございます、この二つがございますが、中堅の保育士等に関する加算額の一部を比較的若い保育士等へ配分できるようにさせていただくことといたしました。また、同一法人内で複数の保育所等を運営している場合には、他の施設の職員へも一部が配分できるようにさせていただくこととしております。
 引き続き、保育士の方々の処遇改善が図られるよう全力で取り組んでまいります。
#24
○岡田広君 キャリアアップ加算金については、研修をするということが要件になっているわけですけれども、なかなか代替保育士がいないので研修ができない。三十年度以降は二十九年度の状況を見て判断するということでありますけれども、三十年度もこれはなかなか難しいと。それだけ、潜在保育士がどんなにいても、現場に戻る人はいないという、ここはやっぱりしっかり再認識をしていただきたいと思うんです。
 それで、この現場の保育士の皆さんと話をしたときに、今回のキャリアアップ加算金については、保育士の連携が悪くなるとかチームワークが悪くなる、保育園の中でです、そしてどう配分していいか分からないとか、あるいは恒久的に続くのか不安だとか、一度上げたら下げられないからボーナスで一時金で出しているとか、いろんなパターンはあるんだろうと思いますけれども、申請していない保育園もあるということですから、これは今年度から始めた事業ですから、しっかり全国、精査をしていただいて、より良い制度にしていただきたいというふうに考えています。
 その処遇改善の配分方法についても、今回、来年の十月から、介護施設、消費税が一〇%に上がるということを前提にしてだと考えておりますけれども、勤続年数十年以上の介護福祉士には月額平均八万円が上がるということで、これは研修の要件は課せられていません。これは介護福祉士等ですから、給食の方でも看護でもこれは出してもいいという柔軟性があるようで、最終的には、これは詳細を今詰めているところだと思いますけれども、やはり勤続年数に応じて賃金改善の対象となるように改めていくというような見直しをこれから検討できないのかどうか、これは伺いたいと思っております。
#25
○政府参考人(小野田壮君) お答え申し上げます。
 ちょっと繰り返しになりますけれども、今般の四万円等の加算につきましては、単に勤続年数に応じて賃金水準を引き上げるだけではございませんで、保育士等の専門性の向上を図るとともに、新たに保育園等事業所における保育人材のキャリアアップの仕組みを構築していただくために導入した加算でございます。これは、職員がその努力を評価され、将来の希望を持って長く職場で働けるようにすることを意図しているところでございます。
 ただ、いろいろ現場の声があることは事実でございますので、今般改善を図らさせていただいておりますけれども、引き続き、しっかりこの処遇改善加算が使っていただけるように我々も努力していきたいと思ってございます。
#26
○岡田広君 小野田担当から専門性の向上というお答えもありましたけれども、これやっぱり研修というのは、先ほど話した障害児保育もあるし、あるいは乳児保育、食育・アレルギーとかマネジメントとか、今八分野あるわけですけれども、そのうち四分野はやりなさいというようなことだと考えていますけれども、これはキャリアアップ加算金に限らず、これは保育士の質の向上のためには大変重要なことでありますから、ここはキャリアアップ出すからやらなきゃいけないんだという考え方ではないということだけはやっぱり考えていただきたいというふうに思っているところであります。
 そこで、この保育の量ももちろん大事でありますけれども、保育の質の向上、大変重要でありますから、さっき話したような研修の充実というのはとても私は重要だというふうに考えております。
 こういうことで、今度、保育の質の向上について今後どう進めていくのかもお尋ねをしたいと思っております。
#27
○国務大臣(松山政司君) 子ども・子育て支援制度におきましては、平成二十七年度の制度施行当初から、幼児教育、保育、子育ての支援の量的拡充とともに、質の向上に取り組んできたところでございます。
 具体的には、まず、消費税が一〇%に引き上げられたときに実施することにしていました〇・七兆円メニュー、これにつきましては、八%に据え置かれる中で、全ての事項を実施しました。また、消費税財源以外の財源により実施することとされている更なる質の向上を実施するための〇・三兆円メニュー、これにつきましては、一部、二十九年度に続いて平成三十年度も実施するということにいたしておりますが、これらと別に四万円の処遇改善も行っているところでございます。
 この〇・三兆円メニューについては、骨太の方針でしっかりと、質の向上を図るために消費税分以外も含めて適切に財源を確保するということになっておりますので、今回の企業拠出金の三千億円の増額部分は企業主導型保育事業の更なる推進の運営費にあくまで活用するもので、この〇・三兆円メニューとは全く別予算でございますので、この〇・三兆円メニューについては引き続きしっかりと安定した財源として確保に努めてまいりたいと思っております。
#28
○岡田広君 松山大臣に答弁いただきましたけれども、是非この〇・三兆円メニュー、この予算の財源の確保というのに是非力を入れていただきたいと思います。
 一方で、今、働き方改革というのが議論になっていますけれども、保育士が足りないということは先ほど申し上げたとおりですけれども、しかし一方で、三月三十一日とか四月一日とか、年度末と年度初め、これはやっぱり現場の要望からするとこれを休みにしてもらいたいという。どうしても年度末、新しい子供が入る、靴箱も名札を入れ替えるとかいろんな準備があるということですけれども、たまたま今年は三月三十一日、四月一日は土曜、日曜ということでありますけれども、この土曜、日曜に出勤してそういう準備をするということで、これが平日になるとなかなかこういうことができなくなるということでありますので、こういうこともひとつ検討に入れていただきたいと思っております。
 そして、二十七年度からスタートしました子ども・子育て支援全国総合システムの運用状況についてでありますけれども、これは内閣府の子ども・子育て支援全国総合システムということで三億七千万円の予算が組まれておりますが、この運用状況について、大丈夫です、これ質問しませんから、要望で終わりますから。運用状況について会計検査院が検査をしたところ、システムの活用目的の明確化の必要性とか、あるいは情報登録が進まない要因分析とかシステム運用の見直し等が指摘をされました。そのほかにも、市町村に対する子ども・子育て支援交付金が過大に交付されていたことも明らかとなりました。これは二十八年度の検査報告であります。
 これは、今日は、こういうことのないようにという、こういう指摘があったということを、もちろん御承知かと思いますけれども、念押しのために話をさせていただきました。これはまた決算委員会等で質問したいと思っておりますが、こういうことで、今日は、いずれにしても、子ども・子育て、この待機児童解消、企業主導型、この予算も活用して待機児童解消に努めていただくことを要望して、時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#29
○和田政宗君 自由民主党・こころの和田政宗でございます。
 安倍政権は、全世代型社会保障を掲げ、豊かで安心して暮らせる社会の実現を目指しています。この中で、特に手厚く政策を打っているのは子供と子育て世代です。これは、与党としてもしっかりと支え、実現を目指していきますし、子供と子育て世代に活力がみなぎることが日本の将来につながっていくと考えます。私も七歳と二歳四か月の子供を持つ子育て世代でありますので、そういった観点から質問をしていきたいというふうに思っております。
 まず、子育てと労働参加が両立する環境整備についてお聞きをしたいというふうに思っております。
 女性の労働参加、社会や企業にとっても大きな効果があります。例えば、子育てを経験した視点からのサービスや生産活動が新たな企業価値の創出につながった例は枚挙にいとまがありません。同時に、憂いなく子育てできる社会とすることも重要です。合計特殊出生率は平成二十八年で一・四四と、前年を〇・〇一ポイント下回っています。少子化が進めば国としての活力が失われますし、人手不足も深刻さを増し、成長の足かせになります。年金や介護の社会保障制度の前提も見直しが必要となります。重要なのは、子供が欲しいと希望する女性にとって、ともすると障害となる様々な壁を打ち破ることであるというふうに思っております。
 一昨年の出生数の減少は、三十歳から三十四歳の出生率が増加から減少に転じたことが影響していると分析されています。この年齢層では、出産や子育てのために職場を離れると職場に戻れないのではないか、保育所を見付けるのは困難なのではないかという不安があり、結局諦めてしまうことも多いというふうに聞いております。一度職場を離れても、前の職での実績が正当に評価されて、再び職場に戻ることが当たり前の社会、苦労することなく保育所を見付けることができる社会にしなくてはなりません。
 これは、別に女性の考え方を縛るということではなく、例えば、家庭に入って子供を育てていきたいという女性もいるわけですし、働き続け子育てをしたい、またその中で、一旦やはり幼いときは子供にしっかりと付いて、場合によっては産休、育休だけではなく、会社を辞めてまた復帰をする、こういった考え方の女性もいるというふうに思っておりますので、こういった多様な選択が取れて、まさにこの少子化というものが改善に向かう、こういったことが私は必要であるというふうに思っております。
 すなわち、明るい就業と子育てを両立したいという思いに応える政策を打ち出すことというのが非常に重要なことだというふうに思っておりまして、自然と出生率も私はこの政策が実現をしていけば上向くんではないかというふうに思っております。
 そこで、松山少子化担当大臣にお聞きをしたいというふうに思いますけれども、出産、子育てと就業を両立させる環境を整えることは、我が国の経済の好循環、デフレからの完全脱却、そして少子化問題を解消する重要な政策の柱と考えますが、認識をお聞かせください。
#30
○国務大臣(松山政司君) 和田委員にお答えいたします。
 急速に進む少子高齢化という国難に直面する中で、まさに委員御指摘のとおり、出産、子育てと就業というものを両立させる環境を整えるということは、経済を強くするためにも、少子化対策としても大変重要なことだと認識いたしております。出産、子育てをしながら仕事を続けられる環境を整えることで労働参加が向上しますし、さらに、多様な方々の参加によって多様性が生まれ、そしてイノベーションを通じた生産性の向上も促してまいります。これらによって経済成長の加速を目指してまいりたいと思っております。
 そして、経済成長の果実を生かしながら、子育て支援、そして介護離職ゼロに向けた取組などの社会保障の充実をさせていきたいと思っております。こうした取組がまさに安心感が醸成をされ、将来の見通しが確かになって、消費の底上げまた投資の拡大にもつながっていくというふうに考えております。
 このように成長と分配の好循環を生み出して、そして少子高齢化という構造的な問題に真っ正面から立ち向かってまいりたいと思っております。
#31
○和田政宗君 子育て世代に対して手厚く給付であるとか施策を打つことについて、ほかの世代の方々からしますと、何で子育て世代だけなのかという声も上がっている。実際に私もそういうふうに聞いておりますし、全ての人がそうではないですけれども、そういった声も聞かれることがあります。
 ただ、これはまさに今子育て世代が非常に負担感というものが出ておりますので、そこにしっかりと手当てをすることによって、例えば本当にスーパーとか商店に行ってコロッケを、一個五十円のものを、やはり子育て世代というのは子供のことも考えて買うか買わないかというような判断も起きるわけでございまして、そこが例えば子育て世代にしっかりと給付ですとか施策がなされるのであれば、じゃ、そのコロッケを買うという行動になるわけですね。そうすると、まさに消費というものが生まれて経済が回り始めて、税収が増えれば、子育て世代だけではなく、ほかの御高齢の世代であるとか、そういった世代にも手厚く施策が打てるわけでありまして、まさに大臣がお答えになりましたように、これはもう子育て世代をしっかりと見ていくということはまさに経済全体を回していくことにつながっていくんだというふうに認識をいたしました。
 具体的に聞いてまいりますけれども、例えば、一旦子供を産み育てるために退職した女性について、元の職場への復帰時に退職前の評価や給与水準を基に正当な評価がなされる、こういったことが重要であるというふうに思っております。こういった施策、政府は打ち始めたということを聞いておりますけれども、これはどのようになっているんでしょうか。
#32
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 子育て等を理由にキャリアを中断した方に対する再就職支援は、女性の活躍促進等の観点からも極めて重要な課題であると認識しております。
 このため、厚生労働省では、妊娠、出産、育児又は介護によりやむを得ず退職した方が就業が可能になったときに復職でき、その退職前の評価や給与水準が適切に評価される再雇用制度を導入し、希望者を再雇用した事業主に支給する助成金を今年度新たに創設したところでございます。こうした施策について、経営者団体等へ労働局を通じて周知し、その活用を促してまいりたいと考えております。
#33
○和田政宗君 まさに、以前職場にいて、出産、子育て等で退職した方が戻ってくるときに、事業主、そういった方を雇用したときに事業主に対して給付金というか助成金が支払われるということで、これは非常にいい制度を考えられたなというふうに思っております。
 また、これはそういった元の職場というようなことで今お話がありましたけれども、例えば今後の施策としては、その以前いた職場に戻るとは限りません。退職した会社に戻るのではなくて、別の会社に就職する場合というのもあります。
 ただ、この施策についてはなかなかやり方が難しいところはあるんだというふうに思っておりますけれども、例えばその正当な評価ということであれば、これは例えば日本の企業では余りやられていないんですが、アメリカの企業などの話を聞きますと、新たな会社に就職試験、採用試験を受けに行くときに、前の会社の評価書、こういったものを企業間でやり取りをするというようなことの制度もあるというふうに聞いております。これであれば、前の会社でどのようないい評価がなされているのか、そういったものが融通ができれば、これは女性がまた新たな職場に、子育てにめどが、めどが付くというか、このタイミングで戻ろうというようなときに正当な評価にもつながっていくというふうに思いますので、これも私、更に調べまして、またいろいろ皆様とともに考えていければというふうに思っております。
 次にですけれども、やはり安心して子育てができる環境というのが、まさに子育て世代の親の親ですね、いわゆる子供から見るとおじいちゃんとかおばあちゃんがやはりいるということが、これは子供の環境にとってもいいわけですし、まさに子育て世代の親にとってもいざというときに頼ることができる存在である。こういった方が、こういった親が同居ですとか近居をする施策を政府は打ってきております。永続的に同居するとか三世代同居するとか、そういったような施策もありますし、また、出産、子育ての一定期間、例えば二年から三年の間、同居や近居ができるような仕組みというものも政府は進めておりますけれども、最新の状況についてお聞かせください。
#34
○政府参考人(眞鍋純君) お答えを申し上げます。
 子育て世帯と親世帯等との同居や近居による子育てなどがしやすい環境整備を促進するため、住宅政策の観点から、補助や融資、UR賃貸住宅などにおける取組を進めてきております。
 主な取組の概要と実績を御説明してまいります。
 まず、補助制度における取組といたしましては、同居対応型住宅の整備に対して、新築については平成二十七年度の補正予算から、リフォームについては平成二十八年度の当初予算から、それぞれ補助金による支援を行っております。
 具体的には、従来より行っている長期優良住宅など良質な住宅の整備に対する補助金に加えまして、複数世帯が同居しやすい住宅ストックの形成を促すという観点から、いわゆる二世帯住宅仕様とするに当たり、割高となる工事費への支援を上乗せする措置を設けまして補助をしております。
 これら補助事業によりまして同居対応型住宅に対する加算を行ったものについて、今年の二月末現在の執行状況を見てまいりますと、新築については累計で二千百九十四件の申請を受け付け、既に千八百八十二件が事業を完了しております。リフォームについては、累計で二百件の申請を受け付け、うち百十四件が事業を完了しております。
 次に、URの賃貸住宅、都市再生機構賃貸住宅における近居促進に向けた取組といたしましては、平成二十五年九月から、子育て世帯と親世帯などが近居を行う場合に五年間五%の家賃を減額する措置を講じてきておりますが、平成二十七年度補正予算からは減額幅を五%から二〇%に拡充してその促進を図っております。これらの減額措置を活用した近居に係るUR賃貸住宅の契約実績につきましては、今年の二月末までの累計で約二万二千件となっております。
 加えて、融資制度における同居、近居に向けた取組といたしましては、平成二十九年度の予算から住宅金融支援機構において子育て支援に積極的な地方公共団体との連携を開始しております。
 具体的には、同居、近居などを行う際の住宅取得に対して、機構と公共団体が協定を締結し、その協定に基づいて補助金等の取組などが公共団体において行われる場合に、フラット35の金利について当初五年間〇・二五%の引下げ措置を行っております。
 その実績でございますが、やはり今年の二月末現在で、同居については百一の公共団体、近居については八十六の公共団体と住宅金融支援機構が既に協定を締結しておりまして、同居、近居など子育て世帯の住宅取得を支援する制度全体での実績になりますが、住宅ローンの申請を三百十六件受け付け、うち百五十件については既に融資を実行済みです。
 引き続き、このような対策について実績を上げて取組を加速してまいりたいと考えております。
#35
○和田政宗君 これは、丁寧に御説明をということですので、本当に丁寧に説明をしていただきましてありがとうございます。
 というのは、これは本当に私もいい制度だというふうに思っておりまして、いろいろな講演会、講演に招かれることもありますので、例えば今政府としてこういう同居や近居のメニューというようなことでやっているんですよというふうに、例えばパワーポイント一枚とか二枚とか三枚にまとめてやりますと、結構知らないんですね。えっ、そうなんだというようなことでありますので、これは例えば分かりやすい形の紙にまとめて、私がその資料要求すれば当然そういった形になって出てくるわけでございますけれども、これは一般の方にも例えばこういったものがより周知されるような形を取っていただければというふうに思いますし、私も国会議員の一人としてこれは様々広めていきたいというふうに思いますので、そういう希望がある世代、世帯にですね、しっかりとこの施策が届くようにしていかなくてはならないというふうに思っております。
 次に、待機児童の問題について聞いていきます。
 仕事と子育ての両立において解消すべき課題は、私はこの待機児童の問題であるというふうに思っております。待機児童問題が発生する背景としましては、保育需要の増大に保育の受皿の整備が追い付かない、加えて、保育需要と保育の受皿のミスマッチというものが考えられます。
 安倍政権の下では子育て安心プランの前倒しに力を注いでおりまして、受皿整備に努めてきました。ただ、女性就業率も平成二十三年の六七%から二十九年には七三%と上昇しておりまして、今後も保育需要が高まっていくことはこれ確実だというふうに言えます。引き続き保育の受皿整備と保育士の確保に力を注いでいく必要があります。
 その中で、保育士として再び働きたいんだけれども自分の子供を見てくれる保育園が見付からない、保育所が見付からないという話を実際に聞きます。保育士の方が保育所、保育園に戻ってもらえれば、その保育所や保育園で預かることができる子供たちの数も増えますけれども、保育士の子供の優先入園というものがまだ実現されていない市区町村があるというふうに聞いております。
 そこで、御質問いたしますけれども、保育士の子供の優先入園の速やかな実施など、保育士の方々の就業と子育ての両立も含めて、保育士の確保、拡充のためにどのような施策を講じているのか、また今後打っていくのか、お聞かせください。
#36
○大臣政務官(大沼みずほ君) お答えいたします。
 待機児童の解消のためには、保育の受皿拡大と、それを支える保育人材の確保が不可欠であります。保育人材の確保に向けて、処遇改善のほか、新規の資格取得、就業継続、離職者の再就職といった支援に総合的に取り組んでいるところでございます。
 議員御指摘の、保育士の子供が優先して保育園を利用できるようにすることは、保育士の職場への復帰を通じて保育の受入れ枠の増加に寄与するとともに、保育の道を選んだ方々が仕事と家庭を両立しながら長く活躍できるようになることから非常に重要であると認識しております。昨年九月には、この優先入居の取組を行うよう各自治体宛てに要請をしたところでございます。
 こうした取組が多くの自治体で行われるように、一月の全国厚生労働関係部局長会議や、今月開催いたしました全国児童福祉関係主管課長会議などでも周知したところであり、引き続き様々な機会を捉えて要請をしてまいりたいと考えております。
#37
○和田政宗君 ありがとうございます。
 それに関連してお聞きをいたしますけれども、保育士の方のお子さんを自分が勤務する保育所や保育園に預けることができれば是非働きたいという保育士も実際に私お聞きをいたしました。現在の政府の施策、どうなっているでしょうか。
#38
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育士等が勤務する保育園等にその子供が入園できる環境を整えることは、保育士等の仕事と家庭の両立の実現や長期的な就業継続に寄与する観点から非常に重要であると考えております。
 このため、昨年九月には、一律に自園に勤務する保育士等の子供を入園させない取扱いとしている市町村が見られる実態を踏まえ、保育士等の子供の取扱いに差を設けず、他の保育園の場合と同様に入園の対象とすること、保育士等の中には自分が居住する市区町村以外の市区町村に所在する保育園等に勤務する者も多数存在しており、このような保育士等について市区町村の圏域を超えた利用調整を行うことなどについて各自治体宛てに要請したところでございます。
 こうした取組が多くの自治体で実施されるよう、今後とも様々な機会を捉えて周知してまいりたいと考えております。
#39
○和田政宗君 これはなぜそうなっているかということを聞きますと、やはり自分の子供を自分の園なりに預けるわけですから、もしかしたらえこひいきが起こるんじゃないかとか、逆に自分の子供もいるからやりにくいんじゃないかみたいなこともあるというふうに聞いておりますけれども、これは例えば、クラスを分けるとか、自分が面倒を見る集団とは別の保育士の方に自分の子供を見てもらうとか、こういったことでいろいろなその解消というものもできると思いますし、やはり待機児童対策ということを考えた場合にはもうそんなことは言っていられないというふうに思いますので、今政府の答弁でもありましたように、その方向でしっかりと進めていただければというふうに思っております。
 さらに、保育士の方々のことについてお聞きをしていきますけれども、保育士の方々の勤務希望の時間帯のこのミスマッチが実はあります。例えば、午前九時から午後五時の時間帯はこれ働きたいという希望は非常に多いわけでありますけれども、朝でありますとか夕方以降というのは希望者がやはりこれ減ります。こうした状況について政府は今どのように把握しているか、お聞かせください。
#40
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育士の求人と求職のミスマッチについて、平成二十五年にハローワークにおいて実施した調査によりますと、保育士資格を有するが保育士としての就業を希望しない理由については、就業時間が希望と合わないという回答が二六・五%となっております。
 また、全国保育協議会による調査によれば、保育園の開園時間は朝の七時台から十九時台までが多い中、保育士が希望する勤務時間帯については、福岡県が平成二十九年に公表した調査結果によりますと、始業時間については九時を希望する方が六一・一%、終業時間については十六時以前を希望する方が七一・五%となっており、保育園の実際の始業や終業の時刻との間にはミスマッチが生じていると認識しております。
#41
○和田政宗君 では、お聞きをしますけれども、このミスマッチの解消の手だて、どんなことをやることが考えられるか、政府の答弁をお願いします。
#42
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育士の求人と求職のミスマッチの解消のためには、きめ細かいマッチングの支援が必要となってまいります。
 このため、平成二十九年度予算において、保育士資格を持ちながら保育士として就業していない方に対し、都道府県等が設置する保育士・保育所支援センターが行う再就職支援の体制強化を図ったところでございます。
 また、保育士の業務負担を軽減することも重要であり、平成二十九年度補正予算において保育業務のICT化の支援、平成三十年度予算案において保育士の業務を補助する保育補助者の雇い上げ支援、清掃等の業務を行う方の賃金を補助する事業の実施市区町村の拡大などを盛り込んでおり、引き続き保育士の勤務環境の改善を図ってまいりたいと考えております。
#43
○和田政宗君 是非その方向で強力に進めていただければというふうに思います。
 そして、保育士の方々の人数を増やすというところの観点からは、保育士試験が年二回実施の都道府県というのが非常に多くなりまして、また、特区において地域限定保育士試験というものも実施をされておりました。回数自体がこれ非常に増えたということは、保育士の確保、なっていただく方のためにも非常にいいというふうに思っているんですが、この現状と効果、お聞かせください。
#44
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 従前、保育士試験は年一回実施でございましたが、より多くの方に受験していただくため、平成二十七年度に新たに国家戦略特区における地域限定保育士制度を創設し、この試験を神奈川県など四府県において実施いたしました。その結果、二千三百八十四人がこの試験に合格し、これを含む保育士試験合格者数は前年より約三千人増の約一万三千人となったところでございます。
 また、この地域限定保育士試験を契機として、平成二十八年から保育士試験が全国的に年二回実施されることとなった結果、平成二十八年の保育士試験合格者数は前年より約五千人増の約一万八千人となり、大幅に合格者数が増加しているところでございます。
#45
○和田政宗君 これも、こういった制度ができたことによって、保育士になりたいというふうに希望する女性、男性も当然いるわけでありますけど、私が実際に聞いたのは女性でありますけれども、やはり非常に受験機会が増えたのは有り難いということを言っておりましたので、これも引き続き、その回数の更なる増加、それができるのかできないのかというのはあるとは思うんですけれども、そういったものも含めて進めていただければというふうに思います。
 では、次ですが、待機児童ゼロの実現まで政策をやはり打ち続ける決意が私は必要であるというふうに思っておりますので、その観点からお聞きをしていきます。
 待機児童の問題を細かく見ていきますと、市区町村によって大分状況が異なっています。昨年の統計を見てみますと、全国の市区町村のうち約八割の市区町村においては待機児童が実はゼロなんですけれども、首都圏一都三県、近畿圏二府一県の七都府県で待機児童数の七割強を占めている状況にありまして、大都市部でより深刻化していることを示しています。
 深刻化している具体的な例を見てみますと、大規模な住宅開発などに伴って特定の市区町村で就学前人口が急激に増加したけれども、その周辺の市区町村ではまだ余裕があるなどの事情も実際に調べて分かりました。また、ある市区町村に家があり、そこに住んでいても仕事はその隣の市区町村という働き方も多くなっておりまして、保育の受皿整備は単独の市区町村だけでの問題ではなくなっております。とするならば、周辺の市区町村とも調整をしまして、広域的な範囲で保育の受皿の有効活用を図りながら保育需要の増加に応えることが合理的であるというふうに考えます。
 今回の改正では、都道府県による関係市区町村等との協議会として設置できることになる待機児童対策協議会、これがありますけれども、私、これに大いに期待をしております。同時に、今回の政策で打ち止めというのではなく、この協議会の活用も含めて、地域の実情に応じた政策を待機児童がゼロとなる日まで私は打ち続けるというメッセージを送ることで、出産、子育てと就業の両立に向けた希望を持ち続けることができるというふうに考えております。
 そこで、今回の改正法案で新たに規定されます待機児童対策協議会の設置の活用も含めまして、待機児童ゼロが実現するまであらゆる政策を強力に展開していくという決意について、松山少子化担当大臣にお聞きします。
#46
○国務大臣(松山政司君) 御指摘のように、待機児童の解消はもう待ったなしの課題でございまして、最優先で取り組むべきものだと考えております。そのため、子育て安心プランを前倒しをしまして、企業主導型保育事業の更なる活用なども含めて、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受皿を確保することといたしております。
 また、待機児童の解消に当たっては、保育の実施主体である市区町村が待機児童の状況やあるいは潜在ニーズを踏まえながら保育の受皿整備を行うことが大変重要であると考えております。そのため、政府としても、市区町村に対して保育コンシェルジュなどを活用しながら潜在ニーズの把握に積極的に取り組むように求めておりまして、そうした自治体の取組をしっかり支援をするということにいたしております。
 また、待機児童解消を促進する方策として、委員御指摘のこの協議会を設置できることとしておりまして、保育所等の広域利用の推進あるいは保育人材の確保など、地域の実情に応じた課題について協議を行っていただくということにしております。
 厚生労働省とともにしっかり連携を取りながら、都道府県また市区町村とも連携を取りながら、積極的に全力で取り組んでいきたいと思っております。
#47
○和田政宗君 是非これ、待機児童をゼロにするということを打ち出していただければ、本当にやはり安心して子育てができるというようなことを子育て世代は思うと思いますので、是非強力に推進をしていただきたいというふうに思います。
 待機児童をゼロにするには、やはり企業内の保育所など、また保育の受皿づくりというものが必要になってくるわけですけれども、これは企業内保育所、各企業取り組まれておりますけれども、郊外から子供と一緒に通勤するというのは、これ様々な困難が生じるわけでございます。
 私も東京の中央線沿線で育ちましたけれども、例えば立川から子供を連れて東京駅まで満員電車を乗っていくというのはやはりなかなか難しいわけでございまして、今うなずいている委員も、女性委員もいらっしゃいましたけれども、例えば大阪のある電機メーカーでは、企業内保育所は門真の本社にのみというようなことでありまして、あれだけの大きな大阪の電機メーカーでもこの企業内保育所というのはなかなかつくりづらいというか、その実態に即して企業は整備しようとしているとは思うんですけれども、なかなかそういうような状況もあるというふうに私は伺っております。
 そこで、今こういった考え方のものというのができておるわけでございますけれども、これはサテライトオフィスと保育所を複合した施設になります。これは、一つの企業のサテライトオフィスに限らず保育施設に付随する形で、それぞれの企業の社員さんが来てデスクワークができるようなスペース、そういったものを確保している保育所とサテライトオフィスを複合した施設もあるというふうに聞いております。
 こうした施設への支援の推進について政府はどのように考えているでしょうか。
#48
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 企業主導型保育事業は、企業の創意工夫によりまして、早朝、夜間、休日開所など、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供できる点や、設置した施設を他の企業と共同で利用できる点、保育事業者が設置した施設を複数の企業が共同で利用できる点などの特徴を持ってございます。
 また、設置場所につきましては、会社内に設置するほか、駅の近くや社宅の近く、あるいは委員御指摘のサテライトオフィスなど、子供連れへの通勤負担の軽減につながるような場所に設置することが可能となってございます。
 今後とも、企業の創意工夫による従業員の多様な働き方に対応した保育サービスの提供を支援してまいります。
#49
○和田政宗君 是非支援をしっかりと強力にしていただければというふうに思います。
 そして、待機児童の解消、これは保育園、保育所だけではなく、私は幼稚園における預かり保育、延長保育というのも重要だというふうに思っております。その現状と支援策についてお答えください。
#50
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の幼稚園における預かり保育についてでございますけれども、共働き家庭のニーズに対応いたしまして、公立の幼稚園の約七割、それから私立のほぼ全ての園でこの預かり保育が実施をされているという現状でございます。そして、これによりまして三歳から五歳の待機児童の抑制にも寄与しているというところでございます。
 政府といたしましては、この事業、一時預かり事業や私学助成によりまして幼稚園のこの預かり保育に対する支援を行ってきておりますが、平成三十年度の予算案におきましては、この待機児童の受入れを推進をするという観点から、子育て安心プランに基づきまして、長時間それから長期休業中の預かり、これに対する補助の充実を盛り込んでいるところでございます。
 こういった取組を通じまして、引き続き幼稚園における預かり保育、更なる推進に努めてまいりたいと考えております。
#51
○和田政宗君 もう一つ幼稚園のことについて聞きますけれども、幼稚園入園前の幼児のプレスクール、これは入園前一年間お試しで月何回か幼稚園に通うことなどがそれに当たりますけれども、これは私立が中心となると思いますが、その現況と支援策はどうなのかということをまずお聞きしたい。そして、子育て安心プランでは、一時預かり事業を活用した二歳児の受入れ推進について掲げられておりますけれども、これについてもお聞きをいたします。
#52
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の幼児のプレスクールについての現況でございますけれども、入園前の二歳児などを対象にしました保育活動が、公立の幼稚園では約六割、私立の約七割で実施をされておりますが、これは家庭での子育てを行う保護者への支援といたしましても、また幼稚園教育との円滑な接続を図ると、こういった観点からも重要なものだと考えております。この取組につきましては、文部科学省として、私学助成におきまして幼稚園の子育て支援活動の推進というメニューの中で支援を行っている、これが現状と支援の状況でございます。
 また、平成三十年度からにつきましての御指摘もございました。待機児童の受入れを推進をするという観点から、この子育て安心プランに基づきまして、幼稚園において保育を必要とする二歳児を受け入れる新たな仕組みを創設をするということとともに、円滑な受入れに資するように、二歳児特有の発達段階を踏まえました対応、こういったことなどについての調査研究も併せて行うこととしているところでございます。
 こういった取組を通じまして、幼稚園における二歳児などの受入れ、引き続き推進を図ってまいりたいと考えております。
#53
○和田政宗君 先ほど松山大臣からも固い決意がございましたので、こういうふうにあらゆる手を尽くして、我々の英知を結集して、しっかりと安心して子育てができ、待機児童が解消するような枠組みをつくっていかなくてはならないというふうに思っております。
 次に、事業主拠出金のことについて聞いていきたいというふうに思っております。
 今回の法改正では、企業主導型保育事業を含む子ども・子育て支援制度の拡充に必要な財源の一部として、事業主拠出金の上限を〇・二五%から〇・四五%に変更することになっています。これによりまして、企業主導型保育事業と零歳から二歳児相当分の保育の運営費に充てることになっています。待機児童の約七割が一、二歳児であることから、幼稚園における受入れの拡大、今質問いたしましたけれども、これですとか、小規模保育の普及などと併せて、待機児童解消に向けて大いに推進力を持っていかなくてはならないというふうに思っております。
 仕事と子育ての両立、これは労働力自体を確保するのにも必要不可欠でありますし、ずっとこの質問でも申してきていますけれども、これが子育ての安心につながっていく部分というのも大いにあります。
 ということで、社会全体でやはり見ていくことが重要だということで応分の負担を求めているわけですけれども、同時に、この事業主拠出金の上限の引上げを求めた理由についてしっかりと事業主の方々、国民の皆様に浸透させることも重要であるというふうに考えております。
 子育て世代が子育ても仕事も両立できる環境を整備するために事業主拠出金の上限引上げを求めたということについて、これはしっかりと丁寧に説明していかなくてはならないというふうに思いますが、お考えはどうでしょうか。
#54
○大臣政務官(山下雄平君) 和田委員にお答えします。
 子ども・子育て支援というのは、親や保育所、幼稚園、こども園だけではなくて、地域や企業など社会の全ての構成員が相互に役割を果たして協力していくことが重要だというふうに考えております。保育の受皿整備というのは、先ほど和田委員も御指摘になられたように、経営者の側にとってみても事業主にとってみても、労働力の確保という面でプラスの面があるということであります。
 こうした観点から、現行の子ども・子育て支援制度においても、企業主導型保育事業などに対して拠出金を充てています。今回の法案によって、待機児童の解消に向けた子育て安心プランの実現に必要な財源についても、社会全体で子育て世代を支援するという大きな方向性の中で、松山大臣と経済団体との協議も踏まえて御協力をいただいたところであります。
 この法案を早期に実現を図って、待ったなしの課題であります待機児童の解消に向けて全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#55
○和田政宗君 ちょっと各論に入るんですが、各事業主への周知についてはこれどのように行うんでしょうか。
#56
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 今回の事業主拠出金の引上げにつきましては、引上げ後の拠出金の率が適用される納付書を送付する前に、仕事と子育ての両立に資する子ども・子育て支援の充実を図るために事業主拠出金を引き上げること、こうしたことを記載したリーフレットをあらかじめ配付することにより各事業主へ周知を行うこととしてございます。
#57
○和田政宗君 これは、周知を行うとともに、今引き上げることによって三千億円の財源が確保できるという形になるわけでございますけれども、これで果たして足りるのかというようなこと、現状では足りるという認識でありますけれども、この後、我々は少子化を食い止めたいわけでありますけれども、その食い止めるために更に追加の施策ということが必要になった場合に、事業主拠出金をどの程度まで引き上げることができるのかということの検討ももしかしたらなされなくてはならないというふうに思うんですね。
 その場合には、やはり経済団体でありますとか事業主がどこまでの負担感であればできるのかというようなことも重要になってきますし、もしそこでこれ以上のものはということであればほかの財源も探さなくてはならないわけでありますので、その辺りのヒアリングをやって分析をしていただければというふうに思いますので、これはお願いとして申し述べておきたいというふうに思います。
 最後に、保育の質の向上についてお聞きをいたします。
 保育に携わる方々の処遇などについて、先ほど岡田委員からも質問がありました。日頃から我が国の未来をつくる子供たちのために愛情を持って奮闘されている、これは本当に保育士の方々を中心に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 これはいろいろなものが進化をしておりまして、AIですとか人工知能時代を迎える未来において必要とされる能力は、コミュニケーション能力ですとか粘り強くやり抜く力など幼児期に基礎が養われるものが多い部分、こういったところをしっかりと保育園などの現場で働く保育士の方々がこういった幼児の方々に教えつつ、そういったものも技術として活用していく、そういった時代が来るというようなことも考えておかなくてはなりません。
 このように見てみますと、職員の処遇を改善すると同時に、保育の質の向上を図る必要があるというふうに思っておりまして、保育の受皿整備の一環として、保育士を確保するだけではなく、しっかりとやはり処遇の改善、また、新たな技術ですとかそういったものを身に付けた方、このキャリアアップに追加的な処遇改善というものがしっかりと講じられなくてはならないというふうに思っております。
 そこで、お聞きをします。先ほど岡田委員からは内閣府に対して質問がありましたけれども、実感できる処遇改善とキャリアアップでの更なる処遇の向上などを含めて、保育の質の向上、これは処遇も含めてですけれども、どのように取り組んでいくのか、厚生労働省にお聞きをいたします。
#58
○大臣政務官(大沼みずほ君) 保育士の処遇改善につきましては、政権交代後、合計約一〇%の改善を実現するとともに、これに加えて平成二十九年度には、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を行ったところでございます。さらに、平成二十九年度補正予算及び平成三十年度予算案に、今年度の人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定に準じた一・一%の処遇改善を盛り込んでいるところでございます。
 このうち、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善につきましては、保育の現場からの声を踏まえまして、各保育園における人員配置また賃金体系に合った処遇改善を行うことができるよう、中堅の保育士等に関する加算額の一部を比較的若い階層の方々へも配分できるようにする、また、同一法人内で複数の保育所等を運営している場合には他の施設の職員へも一部配分ができるようにするといった運用の見直しを平成三十年度から行うこととしており、引き続き現場の声を伺いながら取組を着実に進めてまいりたいと思います。
 また、保育士のキャリアアップにつきましては、乳児保育や幼児教育、また障害児保育といった職務の、この職務分野に対応した研修の体系化を行い、平成二十九年度にキャリアアップ研修を創設したところでございます。保育士の専門性の向上を図りまして、ひいては保育の質の向上につなげてまいりたいと考えております。
#59
○和田政宗君 ありがとうございます。
 これ、岡田委員からもそのキャリアアップの現状について質問が先ほどありましたけれども、私は、保育士の上位資格、これは例えば、どういう名称になるか分からないですけれども、認定保育士みたいなものになれば、キャリアを積んだ方々がですね、そうすると、何というか、事業主としてもしっかりと給与で見合った形の待遇にできる、こういったような考え方もあると思うんですが、その辺りいかがでしょうか。
#60
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度予算では、保育士が保育の現場で長く活躍し続けられるよう、園長など管理職を除いた職員のおおむね三分の一に相当する、経験年数がおおむね七年以上の副主任保育士等として発令を受けた中堅職員に対しては月額四万円、同様に、職員のおおむね五分の一に相当する、経験年数がおおむね三年以上の職務分野別リーダー等として発令を受けた職員に対しては月額五千円を基本とする処遇改善を行ったところでございます。
 また、この技能、経験に応じた処遇改善の加算要件として、二〇二二年度をめどに、副主任保育士等については四分野の研修、職務分野別リーダー等については一分野の研修の受講の必須化を目指しており、各都道府県における計画的な研修の実施体制の整備を進めることとしております。
 こうした取組により、保育士のキャリアアップの仕組みを構築し、保育士の専門性の向上と処遇改善に取り組んでまいりたいと考えております。
#61
○和田政宗君 もう施策としては、現状においては十分にやるべきことというのを考えられているというふうに思います。あとはこれを運用していって、実際にどうなのかというようなところを適宜分析しながら進めて、保育士の方々がしっかりと働きやすい、また処遇の面においても働きやすい環境整備をしていただければというふうに思います。
 最後に、二問お聞きしますけれども、保育園、保育所で子供が緊急の治療を要する事態が発生したときというのは、これはもう救急車を呼ぶという形になるとは思うんですけれども、人工呼吸や心臓マッサージなど救命措置の講習というのはこれ定期的に行われているんでしょうか。
#62
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 子供たちが安全な環境で保育を受けられるよう、保育園等で事故の防止のための体制を整えることが重要でございます。このため、運営基準で職員に対する事故防止のための定期的な研修の実施を義務付けるとともに、地方自治体及び各保育園等に対して、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインに基づいた対応の徹底を図っております。ガイドラインでは、各保育園等に対して、事故発生の直後には心肺蘇生や応急処置の迅速な対応を求めるとともに、心肺蘇生法等の救急対応や事故発生時の対処方法を身に付けるための研修の受講を職員に求めているところでございます。
 また、平成二十九年度から、保育現場のリーダー的職員を育成する保育士等キャリアアップ研修を創設し、その中に保健衛生、安全対策に係る研修を盛り込んでいるほか、一般の保育士等に対しても重大事故防止のための研修事業を創設し、ガイドラインの周知を図るとともに、救急処置や救急蘇生法の習得を促しているところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じ、事故防止に係る職員の資質の向上を図り、保育事故の防止に取り組んでまいりたいと考えております。
#63
○和田政宗君 親が安心して保育所、保育園に預けることができるということは非常に重要だというふうに思っております。また、今御説明の中のもの、非常に取組としては私はいいことだというふうに思っているんですけれども、忙しくなってしまうと、これは任意参加の部分がありますので、必ずしも、必ず参加できていない部分も多分あるというふうに思っておりますので、その辺りも働きかけをしていただいて、保育園自体のいざというときの緊急対応力にもつながってくるわけでございますので、その辺りもしっかりと周知をしていただければというふうに思います。
 最後の質問でございますけれども、不妊治療助成についてお聞きをしたいというふうに思います。
 不妊治療の公費助成制度、平成二十八年四月から新制度に完全移行されました。移行後の状況を説明願います。
#64
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 厚生労働省としても、不妊に悩む方への支援は重要と考えております。
 患者の経済的負担の軽減を図るために、高額な治療費が掛かる体外受精や顕微授精についてその費用の一部を助成しております。この助成制度については、より安心、安全な妊娠、出産に資する観点から、平成二十五年度に行われた有識者検討会の報告書における医学的知見等を踏まえ、平成二十八年度より、妻の年齢について四十三歳未満とする等の助成内容の見直しを行ったところであり、平成二十八年度の支給実績は十四万一千八百九十件となっております。
 本助成制度については、平成二十八年一月より、早期の受診を促すため、出産に至る割合が高い初回治療の助成額について十五万円から三十万円へ拡充するとともに、不妊の原因が男性にある場合に、精子回収を目的とした手術療法について更に十五万円を上限に助成額の上乗せをするといった拡充を行ったところでありまして、平成三十年度予算案においてもその上乗せを継続しております。
 子供を持ちたいと願う夫婦の希望がかなうように、引き続き、不妊に悩む方への支援に努めてまいりたいと考えております。
#65
○和田政宗君 実は、私も不妊治療で子供を授かっておりまして、これは非常にやはりお金が掛かるんですね。
 それで、新制度になった理由というのは、様々医学的見地を分析をしておやりになられたということでございますけれども、これは、医学というものは非常に進歩をするわけでございまして、そういったことも適宜見直していただきながら、私はこれは、この制度は私はもう少し拡充を図りたいというふうに思っておりますので、これも議論を通じて実現を図っていければというふうに私は思っておりますので、またこの内閣委員会を始めとする諸委員会でも取り上げたいというふうに思っております。
 私の質問は以上でございます。
#66
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。どうぞよろしくお願いをいたします。
 今回の法改正によりまして、事業主の拠出金の率の上限が〇・二五から〇・四五に引き上げられるということで、現行が〇・二三%ということで、拠出金が現行で約四千億円というふうに承知をしております。これらは、この四千億円というのは児童手当などに充当されているということですけれども、この四千億円の現行の内訳について御説明をお願いいたします。
#67
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 企業等からいただいている事業主拠出金は、平成二十九年度予算におきまして、児童手当で約一千八百億円、地域子ども・子育て支援事業のうち放課後児童クラブ、病児保育、延長保育に約八百億円、企業主導型保育事業に約一千三百円など、合計約四千億円に充てているところでございます。失礼しました、一千三百億円でございます。失礼しました。
#68
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今回、この事業主拠出金の率を平成三十年度は現行の〇・二三%から〇・二九%に引き上げると。これは政令で規定するそうですけれども、その追加の分が約一千億円というふうに聞いております。
 この一千億円の使い道、内訳について示していただいて、せっかく増やすんですから、この一千億円の活用のメリット、どういった効果が期待されるのか、是非とも伺いたいと思います。
#69
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 平成三十年度におきましては、子育て安心プランの前倒しを実現するため、拠出金率を現行の〇・二三%から〇・二九%、プラス〇・〇六%、に引き上げ、企業主導型保育事業の拡充に約三百億円、新たに子育て安心プランに基づき増加する保育の運営費のゼロ歳から二歳児相当分の拡大に約七百億円の合計約一千億円を充てることとしてございます。
 これらの施策によりまして保育の受皿整備が進むことで、子供を持つ親が働き始めることや働き続けることが可能となります。また、企業にとりましては、子供のいる従業員の離職を防止し、労働力を確保することが可能となり、より良い人材の維持確保につながることになります。
#70
○熊野正士君 ちょっと質問の順番を変えさせていただきます、済みません。
 先日、私、本会議で松山大臣に質問をさせていただきました。そのとき大臣の答弁で、今回、企業の負担が増えるということで、特に中小企業の皆様のところに大臣自らが足を運んで、今回の法改正の意義について説明をずっとされたというふうに伺いました。各企業の皆さん方に、拠出金、率の上限引上げの理解を得る努力をなさったと伺いました。率直にいろんな方々とお話をされて現場の声を直接聞かれたと思いますけれども、大臣の御所見を、感想といいますか、そういったところを是非お聞かせ願えればなと。
 先ほどもありましたけれども、少子化対策というのは、個人のレベルもあるかもしれないし、国とか地方自治体の問題もあるかもしれないけれども、企業も大事な役割を果たしているというふうなこともございますので、そういったところで実際の現場の皆さん方のお声をどのように受け取ったのかということをお聞きしたいのと、もう一つは、企業主導型保育事業ということについてもアピールをされたというふうに伺っております。先ほどの周知徹底ということにもつながりますけれども、先ほど、本会議の答弁の中で、新しいパンフレットを作成してというふうな、今年度中に作るというふうにもおっしゃっていましたので、その辺の企業主導型事業の周知についても併せて御答弁いただければと思います。
#71
○国務大臣(松山政司君) ありがとうございます。
 事業主拠出金につきましては、先ほども申し上げましたけれども、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、全ての企業に応分の負担をお願いするというところで始まっておるわけですが、特に、中小企業関係の全国商工会連合会の方々や全国中小企業の団体連合会、中央会の方々には十分な御説明が行っていなかったというところもありまして、改めて担当の大臣として、私も本部の方に、各会長さん、幹部の方々にこのお話を丁寧に説明をさせていただいて御理解をいただいたところであります。
 その後、経済団体、中小企業の団体も含めて事務的な会議も開催をさせていただいて御理解をいただいて、非常にそういったことは丁寧に本当に何度もやることが大事だということを実感をいたしましたし、今後も、しっかりと総理に物が言えるような協議会も設置がされますので、引き続き企業とはしっかり連携をしていきたいと思います。
 また、この中小企業による企業主導型保育事業の活用の促進でありますけれども、中小企業が設置する施設の運営費、中小企業については運営費を軽減するという配慮もいたしております。また、中小企業向けの説明会、相談会等々を商工会や商工会議所などを通じて企画をいたしておりますし、また好事例集を作ったりパンフレットを作ったりしながら、より一層大いに中小企業にも利用していただきたいと思って、これからも積極的に連携を取りながら取り組んでまいりたいと思っております。
#72
○熊野正士君 是非よろしくお願いをしたいと思います。中小企業、同じ負担率なんですけれども、やっぱりその分、負担が大きいというところもあるかと思いますので、是非ともその辺のところをよろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。保育士の皆さん方のちょっと労働環境のことについて質問させていただきたいと思います。
 保育士の皆さん方の労働環境は決していいとは言えないんじゃないかなと、厳しい労働環境であるということをよく伺います。離職率も高いというふうに聞いておりまして、仕事の割に給料が低いといった声も伺います。保育士の皆さん方、本当に子供が好きで、やりがいを持って一生懸命頑張っていらっしゃる方も多いわけですけれども、中には過酷な環境で保育士の仕事を辞めていくという方もおられます。
 保育士の皆さん方の労働環境の実態をしっかりと把握していくって本当に大事なことじゃないかなというふうに思うわけですけれども、政府としてどのようにこの現状、保育士さんの労働環境の把握、認識しているのか。保育士さんの労働環境に関する何か調査とかあれば、お示しをしていただければと思います。
#73
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育士の離職率につきましては、平成二十八年、社会福祉施設等調査における常勤の保育士の退職者数から推計いたしますと、約九%となっております。平成二十六年に東京都が公表した調査結果によりますと、過去に保育士として就業した者が退職した理由につきましては、妊娠、出産、結婚といったもののほか、給与が安いが二五・五%、職場の人間関係が二〇・六%、仕事量が多いが二〇・三%、労働時間が長いが一七・五%、健康上の理由が一五・七%となっております。
 こうした実態も踏まえ、高い使命感と希望を持って保育士の道を選んだ方々に仕事を続けていただくため、保育士の処遇改善や業務負担の軽減などに総合的に取り組んでいるところであり、引き続きこうした方々の離職の防止に取り組んでまいりたいと考えております。
#74
○熊野正士君 ありがとうございます。
 いろいろと理由がありましたけれども、給与の面というのが一番、ほぼ二〇%台だと思いますが、一番高かったようにお聞きをいたしました。そういった意味でいうと、やっぱり処遇改善をしっかりやっていくということが大事なんだろうなと思います。
 保育士の処遇改善の加算が二十九年度から行われました。処遇改善等加算Uということで、キャリアアップできる仕組みをしっかりと構築した上で、経験年数がおおむね七年以上の保育士の皆さんを対象に月額四万円上乗せできるという、そういう加算制度が創設されたわけですけれども、本年度から既に加算されていることになっておりますが、実際に、これ本当に処遇改善されているのかといった声も聞いております。是非、この賃上げの実態調査といったものを行っていただきたいなと思います。
 これ、本会議で私質問させていただきまして、松山大臣の方からは、来年度、調査結果を公表するというような答弁をいただいたと思っております。
 この賃上げの実態調査について、どのように調査を行っているのか、そしていつ頃公表していただけるのか、是非お教えいただければと思います。
#75
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 委員御指摘の本年度導入いたしました四万円等の加算につきましては、実際に給与が改善されることを計画書や実績報告により確認することとなってございまして、その確認の上で加算の認定を行う仕組みとしてございます。この加算による賃金改善の実態を把握することは重要であると考えてございます。来年度に対象となった施設やその改善状況等につきまして調査をする予定となってございます。
 詳細はこれからでございまして、現在準備を進めているところでございますけれども、しっかりと調査を進めていきたいというふうに考えてございます。
#76
○熊野正士君 じゃ、調査の方よろしくお願いをしたいと。もうなるべく早く調査をしていただいて、結果を公表していただきたいというふうに思います。
 先ほども各委員の方から、岡田委員、また和田委員の方からもこの処遇改善加算の運用ということについて質問がありました。なかなか加算ができずに、若手の保育士さんに加算ができないといったこともあって、できればもっと広く、例えば職務分野別リーダーといった、そういった方々は何かその加算が五千円しか付かないとかというのがあるので、それをなるべく、そういった人たちにもある程度処遇改善加算できるようにというような声が多数寄せられておりまして、まあそういった運用を見直すというふうな答弁も今ありましたけれども、もう一度、この運用を見直すことによってどういった処遇改善できるのか、効果がどういうことになるのかということをもう一度ちょっと答弁お願いしたいと思います。
#77
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 技能、経験に応じた四万円等の加算は、保育人材の賃金水準を引き上げるとともに、保育人材のキャリアアップの仕組みを構築していただくために導入いたしました。この加算につきましては、現場の声も踏まえまして、より実情に合った制度となるよう、勤続年数がおおむね七年以上の中堅の保育士等に関する加算額の一部を、委員御指摘の勤続年数がおおむね三年以上の比較的若い保育士等へ配分可能とする、また、同一法人内で複数の保育所等を運営している場合には、他の施設の職員へも一部配分可能とするといった見直しを行います。これによりまして、各施設の実情に応じ、若手の保育士を含め、より多くの方々に処遇改善が行き渡ることを期待してございます。
#78
○熊野正士君 ありがとうございます。
 次に、待機児童の解消ということについて質問したいと思います。
 待機児童、非常に大きな問題ですけれども、今よくお聞きするのが、一歳になってから保育園に入ろうと思ってもなかなか空きがなくて入れないと。なので、競争が激しくて待機児童になっちゃう可能性が高いのでということで、じゃ、もうゼロ歳から預けちゃえということで、ゼロ歳で保育園に入れる方も非常に増えているといった、これ昔から指摘があるようですけれども、そういったことがあります。
 実際、教えていただくと、待機児童数というのが年代別にありまして、ゼロ歳とそれから一、二歳児でどれぐらい待機児童がいるかというのを見ると、一、二歳児の待機児童が非常に多くなっていると、そういったデータもあるようです。この一、二歳児の待機児童をどう解消していくのかというのが非常に大きな課題の一つというふうに考えます。
 年齢別にいろいろと対応する必要があるんだろうと思いますけれども、この特に一、二歳児の待機児童解消に向けた政府の対策について伺いたいと思います。
#79
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたように、平成二十九年四月一日時点の待機児童数約二・六万人のうち一、二歳児は約一・九万人と、待機児童数全体の約七割を占めております。
 こうした状況を踏まえまして、子育て安心プランにおきましては、小規模保育の普及などを含め、一、二歳児の保育の受皿整備を推進することとしております。また、昨年十二月には、各市区町村が子育て安心プランに基づき毎年作成する整備計画について、保育コンシェルジュなどを活用しながら、潜在的な保育ニーズの把握に積極的に取り組むとともに、市区町村ごと、さらには市区町村内の保育提供区域ごとに、年齢別の保育の利用意向を的確に把握し、それを反映した受皿整備を進めるよう要請したところでございます。
 この市区町村の整備計画につきましては厚生労働省のホームページで公表することとしており、こうした取組により待機児童を解消してまいりたいと考えております。
#80
○熊野正士君 ありがとうございます。
 いわゆる育児休業法で、去年改正されて一年半が二年に延びたということで、ある意味でそれはいいことだなと、より子供をしっかりと面倒を見て、また職場に復帰していくということで、制度としては延びたんだけど、だけど結局は入れないという事態が今起こっていると思います。是非、実効性を持ったような形で取り組んでいただいたらなと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、待機児童解消のために平成二十五年から待機児童解消加速化プランということで五年計画で実施をして、本年度、平成二十九年度末までに五十九・三万人の受皿整備が行えたと、できたというふうに承知をしております。こうした整備によって保育の利用率というものが年々上昇をしておりまして、平成二十二年は保育の利用率が三二・二%だったものが、平成二十九年には四二・四%ということで、一〇ポイント上昇しているということです。
 こうした保育のある意味での量的な確保については成果が出ているわけですけれども、一方で、この保育の質といった部分ですね、この質の確保といったことが課題として挙げられていると思います。この保育の質をどうやって確保するのかと、その施策をきちっと実施されているのかどうか、その点について是非答弁をお願いしたいと思います。
#81
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るためには一兆円を超える程度の財源が必要とされてございます。そのうち、消費税率が一〇%に引き上げられたときに実施することとしていました〇・七兆円のメニューにつきましては、消費税率が八%に据え置かれる中にありましても、三歳児の職員配置の改善、また保育人材の処遇の三%の改善など、全ての事項を既に実施してございます。
 消費税財源以外の財源により実施することとされている更なる質の向上を実施するための〇・三兆円のメニューにつきましては、保育人材の処遇の二%の改善や、放課後児童クラブ、社会的養護の職員の処遇改善を平成二十九年度に実施してございます。平成三十年度予算におきましても、同様の措置を行うために必要な予算を計上しているところでございます。
 〇・三兆円メニューにつきましては、骨太の方針二〇一七におきまして、子ども・子育て支援の更なる質の向上を図るため、消費税分以外も含め、適切に財源を確保していくとされてございます。
 こうした方針に基づきまして、引き続き、各年度の予算編成過程におきまして安定的な財源確保に努めてまいります。
#82
○熊野正士君 保育の質に関して重ねて質問させていただきたいと思います。
 今回の法案は、企業主導型保育事業というのを更に推し進めていこうと、そういうことだと思いますけれども、この企業主導型の保育事業における指導監査といいますか、どのような体制で行っているのか、行おうとしているのか、もう既に行っていると思いますが、行っているのか、説明を是非お願いしたいと思います。特に、それで、質の確保ができるような工夫といいますか、どのように保育の質の担保を行えるのか、そういったことを説明、是非分かりやすく説明いただければと思います。
#83
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 子供の健やかな育ちを図るためには、保育の質の確保は非常に重要と認識してございます。
 企業主導型保育施設につきましては、児童福祉法に基づく認可外保育施設として、都道府県が原則年一回以上立入調査などを行ってございます。また、企業主導型保育事業の実務を担う公益財団法人児童育成協会におきまして、全ての施設を対象に原則年一回立入調査をしてございます。さらには、通報等を受けまして、必要に応じ抜き打ち調査を行ったり、午睡、お昼寝のときでございますけれども、午睡時の抜き打ち調査を実施してございます。これらによりまして保育の実施状況などを確認し、改善が必要な施設に対しましては改善報告を求めるとともに、しっかりと指導を行っているところでございます。
 今後とも、自治体などと連携して情報共有体制を構築するなど、保育の質の確保が図られるよう取り組んでまいります。
#84
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今、企業主導型という、認可外なのでそういった体制でというふうに承知いたしました。
 一方、認可保育園というものに対しては、都道府県あるいは政令市、中核市がそれぞれ行政指導を行うというふうに承知をしております。実際、この認可保育園に対する行政指導の実態と申しますか、どのような感じになっているのか、ちょっと教えていただいたらと思います。
#85
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 平成二十七年度の認可保育所に対する指導監査の実施状況は、認可保育所二万三千九十六か所のうち一万九千百四か所に対して指導監査を実施しており、実施率は八三%となっております。主な指摘内容としては、管理規程、経理規程等の整備及び運用の状況、消火訓練及び避難訓練の実施状況、苦情受付窓口の設置など苦情解決処理への対応状況などに関するものとなっているところでございます。
#86
○熊野正士君 ありがとうございます。
 次に、放課後児童クラブについて質問させていただきたいと思います。
 現在、待機児童解消のために保育園の整備は進められております。五歳までのある意味で保育は非常に充実してきているだろうと思います。しかし、そういった子供たちが小学校に入学をすると、放課後に面倒を見てくれる人がいないというふうなことで、結局親御さんが仕事と両立ができないといった声も聞いております。いわゆる小一の壁ということで、この小一の壁ということを踏まえて、現在の放課後児童クラブの現状について教えていただいたらと思います。
#87
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 放課後児童クラブの現状につきましては、平成二十九年五月一日現在、児童クラブ数が二万四千五百七十三か所、登録児童数が約百十七万人、待機児童数が一万七千百七十人となっております。設置場所につきましては、学校の余裕教室が七千二百三十一か所で二九・四%、学校敷地内の専用施設が六千四十か所で二四・六%、児童館が二千六百十七か所で一〇・六%などとなっております。
 平成三十年度予算案におきましては、受皿の拡充等により、対前年度七十四億円増の七百九十九億円を計上しており、年々増加傾向となっております。
#88
○熊野正士君 ありがとうございます。
 放課後児童クラブについては各市町村で本当にいろいろな取組もなされておりまして、先ほどいろいろと説明していただきました小学校の教室の一部を使ったりであるとか、あるいは保育園とか幼稚園、そういうところに放課後児童クラブを運営を委託したりとかというふうなこともお聞きをいたしました。
 今後、先ほど予算も七十四億円増額というふうにお伺いしましたけれども、今後この放課後児童クラブの取組目標であるとかあるいは計画であるとか、そういったところをお示ししていただければと思います。
#89
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 放課後児童クラブにつきましては、昨年十二月に閣議決定されました新しい経済政策パッケージにおきましては、放課後子ども総合プランに基づく二〇一九年度末までの約三十万人分の新たな受皿の確保を二〇一八年度までに前倒しする、さらに、状況を踏まえ、その後の在り方について検討するとされており、これに沿って受皿整備に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 また、厚生労働省におきましては、昨年、放課後児童対策に関する専門委員会を設置いたしまして、放課後児童クラブの量の拡充、質の確保、役割とメニューの拡充、充実など、今後の対策の在り方について現在検討していただいているところであり、本年六月をめどに中間的な取りまとめをしていきたいと考えております。
#90
○熊野正士君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、いわゆる少子化対策ということについて伺いたいと思います。
 幼児教育の無償化ということが言われていますけれども、公明党も自民党とこれを今回選挙公約に掲げてやりました。消費税が八%から一〇%に上がるときに、その財源を使って無償化をするということでございます。
 この幼児教育の無償化ということでいろんな効果が期待をされていると思いますけれども、少子化対策といった面で幼児教育の無償化で期待される効果について具体的にお教えいただいたらと思います。
#91
○政府参考人(伯井美徳君) お答え申し上げます。
 平成二十七年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、夫婦が理想とする子供数を持たない理由について、三十歳未満では七六・五%、三十歳から三十四歳では八一・一%が子育てや教育にお金が掛かり過ぎるからという回答をしておられまして、いずれも最大の理由となっております。また、平成二十六年度に内閣府が実施した二十代、三十代の男女を対象にしたアンケートでは、どのようなことがあればもっと子供が欲しいと思うかという問いに対しまして、七〇%の人が将来の教育費に対する補助と答えまして、六〇%の人が幼稚園、保育所などの費用の補助と答えているところでございます。このため、幼児教育に係る費用負担軽減措置を講じることは重要な少子化対策の一つであるというふうに考えております。
 また、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、全ての子供に質の高い幼児教育の機会を保障することは大変重要でございます。幼児教育が将来の所得の向上や生活保護受給率の低下等に著しい効果をもたらすことを示す世界レベルの著名な研究結果もあり、諸外国においても三歳児から五歳児の幼児教育について所得制限を設けずに無償化が進められているところでございます。
 こうしたことから、昨年十二月の新しい経済政策パッケージにおきまして、幼児教育の無償化を進めるということにしたものでございます。
#92
○熊野正士君 非常に少子化対策に対して効果があるということだというふうに、ちょっと具体的な数字とかはなかなか示せないんだとは思いますけれども、非常に、この幼児教育の無償化によって、ある意味でいうと抜本的に少子化対策になるということだろうというふうに思います。
 平成二十七年の三月二十日に少子化社会対策大綱というものが発表されております。その大綱の中に、重点課題として大きな柱が五つ掲げられていると思います。その大きな柱の中に、この少子化対策というところで、多子世帯への一層の配慮を行い、三人以上子供が持てる環境を整備するというふうに明示されておりました。理想の子供数というのを聞くと、三人以上というふうに答えた夫婦の割合というのが四五%と、半分近くが三人以上欲しいというふうに答えているんだけれども、実際にはなかなかそこまで行っていません。
 だから、希望に応えるというふうなところが一つ大事だということだと思うんですけれども、実際にはその希望に沿えていない、かなっていないというのが実情だと思います。そうした背景としては経済的な理由とかいろいろあると思いますけれども、この平成二十七年三月二十日のこの大綱に大きな柱として掲げているわけです。多子世帯への一層の配慮を行うというふうにあるわけです。
 二十七年以降でこの多子世帯に対してどういった施策が実際に行われてきたのか、教えていただいたらと思います。
#93
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 少子化社会対策大綱の重点項目の一つとしまして、多子世帯への配慮を掲げさせていただいております。
 これまで、例えば、児童手当で多子のお子様に加算をするとか、あるいは児童扶養手当で第二子、第三子に数十年ぶりに加算を上げるとか、それぞれの施策の中で対応を進めてきてございますが、更にしっかりと大綱に基づきまして施策を推進していきたいというふうに思ってございます。
#94
○熊野正士君 是非、せっかく大綱の中に大きな柱として位置付けているわけですから、ちょっと今の答弁では寂しいんじゃないかなと。もっともっとしっかりと、こんな政策、施策やっていますと、もっともっとやっていただかないと駄目なんじゃないか。理想が三人以上欲しいという方が半分近くいるわけですから、そういった方々の希望に応えるためにも是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 この同じ大綱の中の「はじめに」というところがあって、その中に、フランスやスウェーデンは、子育て支援の充実や仕事との両立支援など、長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が二・〇程度まで回復に成功したと書いてあります。「我が国においても、」、日本のことですが、「我が国においても、少子化対策に真剣に取り組み、子育てしやすい環境を整備する努力を地域全体で行ってきた結果、高い出生率を保ち、又は、出生率が上昇した地方自治体も出現している。」と。そして、この最後にこう書いてあります。「少子化は、決して解決不可能な課題ではない。」というふうにその大綱の中の「はじめに」というところで力強く述べていて、私も読んで、あっというふうに思ったんですが。
 この少子化対策の司令塔が、ある意味でいうと内閣府のこの子ども・子育て本部だと、担当大臣である松山大臣であるというふうに思います。今年の一月から少子化克服戦略会議といったものが立ち上がったと、そしてもう既に四回ぐらい会議を行ったというふうに承知をしております。第一回目の会議の冒頭で松山大臣は、少子化を克服するための大胆な取組を更に加速していくことが極めて重要だと思っているところでございます、このために、従来の発想にとらわれずに、幅広い視点から今回対応策をしっかり検討していただくためにこの戦略会議を立ち上げた次第でございますと、このように冒頭発言をしておられます。
 この戦略会議、今四回もう既に行われているということですけれど、そういった内容も含めまして、この少子化克服に向けた大臣の御所見を是非伺って、最後の質問にさせていただきたいと思います。
#95
○国務大臣(松山政司君) 日本は今、急速に進む少子高齢化という、まさに国難と呼ぶべき課題に直面をいたしておりまして、こうした中、これを克服するということで、仕事と子育ての両立支援など、理想の子供数を持つための支援に加えて、働き方の改革、若者の経済的基盤の強化など、また、結婚の希望をかなえるための取組など重要でありますし、今取り組んでいるところでございます。
 新しい経済政策パッケージ、またニッポン一億総活躍プラン、また少子化社会対策大綱に基づいて、個々人の希望をかなえて、子育て世代あるいは子供たちに大胆に投資をする、政府が一丸となって一層力を尽くしていきたいと考えておるところでございます。
 御指摘の、今私の下で、社会全体で取り組むべき対応策について幅広い観点から、いろんな立場の方に委員になっていただきまして、少子化克服戦略会議というものを開催をいたしております。今まだ具体的に申し上げる段階ではありませんが、あらゆる立場から、子育て世代に、また子育てをする方々にどういう支援ができるか、身近なところからも含めて今検討をしているところでございまして、もうそろそろその対策、具体的な政策が上がってきているところでございますので、まずは目の前のできることはすぐにやっていきたいと思っておりますし、中長期のことも含めて、今までの発想にとらわれずに大胆にしっかりと政策を進めてまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
#96
○熊野正士君 ありがとうございました。
 この計画の中で、やっぱり短期的に集中的にやるんだというふうなことも明記されておりまして、この五年間が大事だというふうに平成二十七年にありましたので、この五年間は本当に大事だという意気でしっかり頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#97
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 私の方からも、この法案につきまして、まず保育充実事業についてからお聞きしたいと思います。中でも、対策協議会についてお聞きしたいと思います。
 法案の附則第十四条第四項には、特定市町村又は事業実施市町村を包括する都道府県は関係市町村等との協議会を設置することができることとなります。協議会で議論する項目につきましては、法案では、小学校就学前子供の保育に係る子ども・子育て支援に関する施策であって、市町村の区域を超えた広域的な見地から調整が必要なもの又は特に専門性が高いものとされております。
 その内容でありますけれども、規制改革推進会議の規制改革推進に関する第二次答申によりますれば、協議会にて議論する項目について、まず第一に保育に関わる情報の共有化、第二に地方自治体の待機児童解消に向けた取組を促す制度改革、そして第三に保育の受皿拡大を支える保育人材の確保等が示されております。
 この中で、特に保育人材の確保、とりわけ保育士の偏在是正について今日はお聞きしたいと思います。
 首都圏では、保育士の東京集中が顕著であります。もちろん、保育士が最も足りない、有効求人倍率が図抜けて高いのが東京であることは十分に理解しますけれども、東京周辺の埼玉や千葉、神奈川などでは、東京の余りの高い処遇により保育士の流出が顕在化しております。私の地元の埼玉におきましても、特に県南の東京に近い保育施設から、せっかく育てた保育士が東京へ流出してしまうという悲鳴の声を伺っております。
 東京への保育士の流出を防ぐために、保育士の給料に独自の上乗せをする事例も多く見られるようになりました。先ほど岡田委員も御指摘されましたし、先般本会議でもありましたが、ネット上でも話題の松戸手当がその典型であります。
 昨年十月から、千葉県松戸市では、保育施設が支払う給料とは別に、勤続年数に応じて四万五千円から七万二千円の手当を独自に保育士に支給しております。この四万五千円というのがみそでありまして、隣接する東京都が二〇一五年度に保育士等キャリアアップ補助金を創設し、二〇一七年度には支給額を最大四万四千円まで増額しております。松戸手当はそれを上回る四万五千円という数字であります。千葉県松戸市のように、東京に隣接する地域では、給料の高い都内に保育士が流出することを防ぐための方策に迫られているということだと思います。
 給料だけではありません。新卒の保育士が市内にアパートを借りて保育園に勤める際に家賃の一部が補助される制度がございますが、地方出身の新卒の保育士も、家賃補助も高く給料も高い東京都内に当然引き寄せられていくわけであります。
 こうした自治体の財政格差により保育士の偏在がますます助長されていいのかというのが私の問題意識であります。子育て支援について自治体間で競争していくことは、決して悪いことばかりではもちろんありません。しかし、だからといって、国が一定の基準を決めて保育士の処遇改善を実施している一方で、財政力のある自治体が独自の上乗せ施策を取り、結果として格差が生じて保育士の偏在が生じているとなれば、自治体間競争とだけ言って済まされないのではないでしょうか。
 そこで、松山大臣にまずお聞きしたいと思います。特にこの首都圏におきましては、保育士の東京集中が顕著であります。保育士の偏在についてどのように把握し、その是正についてどのような対策を取っていくお考えか、お聞きしたいと思います。
#98
○国務大臣(松山政司君) 西田委員にお答えいたします。
 各自治体におきまして、独自に保育士に対して給与の上乗せ補助を実施するなど、必要な保育士の確保に各自治体が努められているということは承知をいたしております。
 国としては、自治体間で保育士に偏りが生じないようにこれまでも全国統一的な処遇改善に取り組んできておりまして、特に今年度は、技能、経験を有する者を対象に全国一律に月額四万円の処遇改善を実施をしたところでございます。
 さらに、新しい経済政策パッケージにおきましては、二〇一九年四月からも更に一%の賃金引上げを行うこととしており、引き続き全国統一的な処遇改善に努めてまいります。
 こうした処遇改善に加えて、厚生労働省を中心に、保育士資格を持ちながら保育士として就業していない方に対する再就職の支援、加えて保育士の業務負担軽減などに総合的に取り組みながら、しっかりと引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
#99
○西田実仁君 この附則第十四条第四項には、先ほど申し上げた小学校就学前子供の保育に係る子ども・子育て支援に関する施策であって、市町村の区域を超えた広域的な見地から調整が必要なものが協議会の議論する項目となっております。そして、その具体的な内容として、先ほど紹介した第二次答申には、保育の受皿拡大を支える保育人材の確保が示されております。
 そこで、保育人材の確保について、広域的な見地から調整が必要なものとして、私が今指摘しております保育士の近隣県から東京への流出、東京への一極集中について是非とも議論できるようにしてもらいたいと思います。
 国として、今大臣御答弁いただきました保育士の偏在なきようとの施策を掲げるのであれば、この度法定されました協議会におきまして、市町村の区域を超えた広域的な見地から調整が必要な場合、具体的には保育士の流出ということですが、例えば県を超えた東京都、市区町村など周辺自治体にも同協議会に参加を促すよう、国としてもその環境づくりに努めてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(松山政司君) 本法案に基づくこの協議会ですが、子ども・子育て支援法における都道府県と市区町村の役割、これを踏まえて都道府県を中心に広域的に待機児童対策に取り組むことを促すことを意図しておりまして、都道府県が待機児童の解消に積極的に参画ができる環境が整備をなされて、そして都道府県の支援がより実効的なものとなるように期待をしているところでございます。
 協議会での協議事項ですが、地域の実情に応じて各協議会において決定するものでありますが、一つは、地域ごとに必要な人材確保の状況の分析、また、それに応じた人材確保政策あるいは育成策の強化についても議論をされることと想定をいたしております。
 保育士確保につきましては、保育の実施主体である市区町村に対して都道府県の更なる役割が求められているところですが、この協議会において、地域の実情に応じて都道府県を超えた広域調整に取り組んでいただくことも可能でございます。
 他方で、今般の協議会では、都道府県単位での広域的な保育士確保等の取組を強化していただくということを想定していますので、まずは県内の、国としては、都道府県そして関係市町村との連携がしっかりできるように、待機児童の取組が進められるよう進めていきたいと思っておるところでございます。
#101
○西田実仁君 保育士、保育人材の偏在是正に本気で取り組もうとすれば、私の地元の埼玉県内における協議だけでは不十分なんですね。ですから、協議会にも東京の方にも来ていただくという形で、一刻も早くこの是正に取り組んでもらわなきゃいけないと思います。
 厚労省にお聞きしたいと思いますが、今私が引きました附則第十四条第四項の、市町村の区域を超えた広域的な見地から調整が必要なものの解釈についてであります。
 この市町村の区域を超えた広域的な見地は、今大臣の御答弁にもちょっとございましたが、必ずしも同一の県内調整のみを意味するものとは解さなくていいんではないかと思いますけれども、改めてお聞きしたいと思います。
#102
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、本法案に基づく協議会は、子ども・子育て支援法における都道府県と市区町村の役割を踏まえ、都道府県を中心に広域的に待機児童対策に取り組むことを促すことを意図しており、都道府県が待機児童の解消に積極的に参画できる環境が整備され、都道府県の支援がより実効的なものとなることを期待しているところでございます。
 広域調整につきましては、保育の実施主体である市区町村に対する都道府県の関与が求められるところ、まずは今般の協議会において市区町村間での保育園等の広域利用の取組などを推進し、こうした取組を踏まえ、都道府県間の広域調整の取組が広がることを期待しているところでございます。
 なお、協議会での協議事項は地域の実情に応じて各協議会においてお決めいただくものであり、例えば、協議会に隣接する他県の市区町村に参加していただき、広域利用について議論することも可能であると考えております。
#103
○西田実仁君 ありがとうございます。
 次に、潜在保育士の活用についてお聞きしたいと思います。
 実際の事例で紹介しますと、埼玉県内のA市在住の保育士のお子さんが、保育士の職場である近隣のB市内の保育園に優先して入園できないという実態があります。A市在住の保育士がA市内の保育園で勤務している場合には優先入園が可能のようでありますが、潜在保育士を活用し待機児童を一刻も早く解消するには、居住する市町村の保育園等への勤務を条件とせず、市町村の圏域を超えた利用調整を行うことが必要ということであります。
 この同趣旨の通知は、先ほども御答弁ありました、自治体向けに昨年九月に発出されています。すなわち、居住する市町村内の保育園等への勤務を条件とせず、市町村の圏域を超えた利用調整を行うことで広域的な待機児童の解消にも大きな効果を生む、そのため積極的に各市町村間で協定を結ぶ等の連携、調整を行うことと、こういう通知が発出されております。
 そこで、まず大臣にお聞きしたいんですが、保育士の子供について、こうした居住する市町村の圏域を超えた保育園等の利用調整の実態に関してどのように把握しておられるのか。また、新たに法定される協議会において各市町村間での協定締結を促すなど、県が積極的な広域調整の役割を果たしてもらいたいと思いますけれども、国としてどのように指導していかれるでしょうか。
#104
○国務大臣(松山政司君) 厚生労働省が行いました待機児童解消に向けて緊急的に対応する取組を実施している四百一市区町村を対象とした調査というのがございまして、平成二十八年十月の時点なんですが、保育士の子供の優先入所を行っていると回答した市区町村は二百四十七、全体の約六割でした。また、市区町村の境界を超えて利用調整を行っている市区町村は百十一自治体で四五%でございました。
 協議会での協議事項は地域の実情に応じて各協議会においてお決めいただくものでございますが、保育所等の広域利用の推進についても協議会で議論されることを想定をいたしておるところでございます。例えば、保育所等の広域利用を目的とした市区町村間の協定は一部の自治体で先進的に行われているところもございまして、具体的に、定員に空きがある保育所等が隣接する市の待機児童を受け入れるようにする取組、また、市境ですね、市と市の境の周辺にある土地に隣接する市が保育所等を共同で整備する取組も実際に行われたりしているものと承知をいたしております。
 協議会を通じてこのような協定が締結されることは更なる待機児童の解消にも役立つものと考えておりますし、厚生労働省とも連携しながら、この協議事項として想定される事例として周知に私も努めてまいりたいと思います。
#105
○西田実仁君 こうした自治体に通知等を発出されているわけですし、また、先ほども御答弁ありました全国主管課長会議等の場を通じても要請しているということなんですけれども、結局、やっているけどそうはなっていないという、やった方が望ましいと言っているわけですけれども、実際にはそうなっていないわけでありますので、協議会がせっかく法定されるわけですから、そこの場を通じてそうした意図に沿った形になるように強力に進めてもらいたいと思います。
 次に、小規模保育園卒園児の保育園等への円滑な入園のための利用調整についてお聞きしたいと思います。
 小規模保育に通うお子さんが三歳児になると連携保育園に必ずしも行けず、再び保育活動をしなければならないという実態があります。その結果、二人目の子供あるいは三人目の子供を諦める家庭もおられます。希望出生率一・八を達成するためにも連携施設の確保ということが大変重要になってまいります。
 そこで、まず大臣には、小規模保育園卒園児が三歳以降になると連携保育園に必ずしも通えない、こうした声があることを踏まえて、連携施設の確保に関してどのような施策を取っているのか、お話をお聞きしたいと思います。
#106
○国務大臣(松山政司君) 待機児童の約九割が三歳未満の子供であることから、三歳未満の子供を対象としたこの小規模保育施設などの受皿拡大に努めているところでございます。
 一方で、この場合、委員御指摘のとおりに、三歳を迎え小規模保育施設を卒園した子供の受入先、いわゆる連携施設の確保が課題となっておるところでございます。このため、今年度から、厚労省においては、小規模保育施設を卒園した三歳の子供を受け入れるためのコーディネーター、コーディネーターの保育園などへの配置を促進する事業を始めております。
 厚生労働省においてこの連携施設の確保に向けてしっかりと取り組むように、私としましても連携をしっかりしながら進めてまいりたいと思っております。
#107
○西田実仁君 自治体に発出した通知には、市町村には、小規模保育事業者が連携施設の確保を行おうとする際には事業者の懇談の場を設定するなど配慮をいただきたいというふうになっております。しかし、配慮では非常に弱いと。小規模保育から連携施設に行けるよう、再び保活をしなくても済むよう、それこそ広域的な見地から、この新たな法定される協議会において県が積極的に関わって利用調整をすべきではないかと考えます。
 協議会の議題として、この連携施設の確保も入るでしょうか。厚労省にお聞きします。
#108
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 本法案では、都道府県が市区町村等と協議する場を設置できる旨を盛り込んでおり、都道府県が待機児童の解消に積極的に参画できる環境を整備し、都道府県による市区町村の取組の支援をより実効的なものとすることを目的としております。
 協議会での協議事項は地域の実情に応じて各協議会においてお決めいただくものであり、連携施設の確保についても協議会で議論していただくことは可能であると考えております。
#109
○西田実仁君 一方で、市町村が必要と判断した場合には三歳以降も小規模保育を利用できることもあると聞いております。
 連携施設が確保されない場合、満三歳児が四月以降も小規模保育を利用できる要件は何でしょうか、自治体が認めさえすればそれでオーケーということなんでしょうか、改めてお聞きしたいと思います。
#110
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 現行の小規模保育事業につきましては、待機児童の多くをゼロ―二歳児が占めることを踏まえ、事業の対象年齢を原則ゼロ―二歳に限定しつつ、満三歳に達して卒園する児童が必要な教育又は保育を継続的に受けられるよう、連携協力を行う施設を適切に確保するところを求めております。このため、市区町村に対し、小規模保育事業の卒園児の入園先を確保するため、利用調整及び連携施設の確保に積極的に取り組むように求めてきたところでございます。
 こうした努力をしてもなお卒園後の入園先が確保できない場合など、児童福祉法上、市区町村が満三歳児以上の児童に係る保育の体制の整備の状況その他の地域の事情を勘案して必要と認める場合については、市区町村の判断で満三歳児が四月以降も小規模保育事業に継続入園することが可能でございます。
#111
○西田実仁君 それはこの新制度施行後五年間に限ったことなんでしょうか、確認したいと思います。
#112
○委員長(榛葉賀津也君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#113
○委員長(榛葉賀津也君) 速記を起こしてください。
#114
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 五年間に限った話ではないと考えております。
#115
○西田実仁君 次に、特定市町村についてお聞きしたいと思います。
 附則十四条に定めております保育充実事業、保育の実施への需要が増大している市町村について、国は保育充実事業に要する費用の一部を補助することができると、こう定められております。
 厚労省にまずお聞きします。この附則第十四条に定められている保育の実施への需要が増大している市町村、いわゆる特定市町村の要件については改めて内閣府令で定めるとしておりますが、もし目安が、今の待機児童数とか今後見込まれる増大する待機児童数とか、数値の目安があれば示していただきたいと思います。また、特定市町村以外では、保育充実事業を実施する市町村、いわゆる事業実施市町村、この要件については特に定めはないのでしょうか、お聞きしたいと思います。
#116
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、保育の需要が増大している市区町村を特定市町村とし、特定市町村以外の市区町村を事業実施市町村と規定しております。
 特定市町村の具体的な要件としては、内閣府令において、待機児童がいる市区町村、今後保育ニーズが増加することが見込まれる市区町村とすることを想定しており、これに該当すれば保育充実事業を実施することができることになります。また、事業実施市町村につきましては、保育の量的拡充及び質の向上を図るため特に必要があるときは、保育充実事業を実施することができることとしております。この特に必要があるときとは、管内の認可外保育施設の質の向上を図り、認可保育所等への移行を推進する必要がある場合などを想定しているところでございます。
#117
○西田実仁君 この保育充実事業の内容につきましても内閣府令で定めるとされておりますが、具体的には、パブリックコメントに示されているのは、まず、幼保連携型認定こども園等への移行を目指す幼稚園における長時間預かり保育を支援するための事業、二つ目に認可外保育施設の認可保育所等への移行を支援するための事業と、パブコメに府令案として示されております。
 そこで、厚労省にお聞きしますが、この幼稚園における長時間預かり保育運営費支援事業、認可外運営費支援事業について、本法律案が成立し施行された場合、どのように支援が充実していくのか、従来の子どものための教育・保育給付費補助金による実績を踏まえて、これまでの支援とはどこがどのように充実されるのか、お聞きしたいと思います。
#118
○政府参考人(成田裕紀君) お答え申し上げます。
 保育の受皿確保に当たりましては、一定の保育の質が確保されている認可保育園等を増やしていくことが必要であり、施設の新たな整備のみならず、認可保育園等への移行を希望する認可外保育施設や長時間預かり保育を行う幼稚園に対して支援を行うことも重要でございます。このため、本法案では、保育充実事業を法律上に位置付け、これらの施設に対して運営費を補助する事業の推進を図ることとしております。
 今般、平成三十年度予算案では、この認可化移行運営費支援事業の充実を図るため、認可保育園に倣い、施設の規模に応じた補助単価の見直しを行うとともに、都道府県が本法案に基づく待機児童対策に係る協議会を設置している場合に一定の補助の加算を設けることとしており、引き続き認可保育園への移行を支援してまいりたいと考えております。
#119
○西田実仁君 そうした認可移行を目指す認可外保育所の運営費に対する補助率を引き上げていくという方向だろうと思います。
 この子どものための教育・保育給付費補助金は、従来、予算補助でありましたが、今回新設される附則第十四条第三項に基づいて法律補助となっていくわけであります。ただ、この法律補助なんですが、いわゆるできる規定で、国は補助することができるとされていることにとどまっておりまして、必ずしも義務付けはしておりません。これはなぜそのようにされたのか、お聞きしたいと思います。
#120
○政府参考人(成田裕紀君) 本法案では、国は市区町村の実施する保育充実事業を支援するため、予算の範囲内で保育充実事業に要する費用の一部を補助することができることとしております。保育充実事業につきましては、法律上その実施を市区町村に義務付けているものではなく、待機児童の問題など、地域の実情に応じて市区町村が取り組むものであることから、国庫補助についても補助することができると規定することといたしました。
 今後とも、待機児童の解消などのため、市区町村が事業の実施ニーズをきちんと把握し事業を実施するよう、各市区町村に対して引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
#121
○西田実仁君 最後に、拠出金についてお聞きしたいと思います。
 この子ども・子育て拠出金は、会社と個人事業主の一般事業主に課せられ、会社側は全額負担しております。従業員に子供がいようがいまいが負担するものでありまして、社会保険料と一緒に徴収される言わば税金のようなものであります。
 今回、この法案第六十六条の二第一項の新設によりまして、保育所等の運営費の一部に充てられることになりました。具体的には、施設型給付費あるいは地域型保育給付費などの支給に要する費用で、国、都道府県その他の者が負担する額のうち、満三歳未満保育認定子供に関する費用の一部が充当対象になります。
 今回、こうした保育所等の運営費の一部に子ども・子育て拠出金を充てることになるわけですが、充当対象の年齢区分を満三歳未満とした理由は何でしょうか。また、対象額の六分の一を超えない範囲とされた理由は何でしょうか。保育給付が想定より増加した場合、どのように対応するんでしょうか。内閣府にお聞きします。
#122
○政府参考人(小野田壮君) お答え申し上げます。
 新しい経済政策パッケージにおきまして、経済界からは、喫緊の課題であります待機児童解消のための子育て安心プランの実現に必要なゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費等に必要な三千億円を御協力いただくこととされてございます。
 まず、満三歳未満児相当分とした理由についてでございますが、待機児童の約九割はゼロ歳から二歳児でございます。そのため、ゼロ歳から二歳児の保育の受皿を整備することが、子供の預け先を確保する必要性の高い保護者のみならず、企業にとっても労働力確保に資するという観点から、経済界との協議を踏まえ、拠出金を充当する対象を子育て安心プランの実現に必要なゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費に限ることとしたものでございます。
 次に、拠出金を六分の一を超えない範囲内で充てることとした理由についてでございますが、経済界から御協力いただく三千億円のうち、子育て安心プランにおける保育の運営費、ゼロ歳から二歳児相当分でございますが、の増加分がおおむね二千億円となっておりまして、これを上限に拠出金を充当することとしてございます。
 上限を規定するに当たりましては、保育給付の費用については国や地方自治体の負担が割合で規定されていることから、保育の運営費、ゼロ歳から二歳児相当分の増加分の二千億円を、ゼロ歳から二歳児相当分に係る保育給付費の総額のおおむね一・二兆円、これで割った六分の一という割合を上限として法律に規定することとしたものでございます。
 なお、具体的に拠出金を充当する割合につきましては、毎年の予算編成過程で関係者と協議して、毎年度政令で定めることとしてございます。
 次に、給付費が想定より増加した場合の対応でございます。新しい経済政策パッケージにおきまして、喫緊の課題である待機児童を解消するため、子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受皿を整備することとしたところでございます。この子育て安心プランの実現に当たり必要となる保育の運営費につきましては、新しい経済政策パッケージにおきまして、国、地方公共団体の負担に加え、企業主導型保育事業と合わせまして拠出金〇・三兆円を充当することとしたところでございます。
 今後、この新しい経済政策パッケージの方針に従いまして、毎年度必要な保育の運営費は確保してまいります。こういう方針で臨む予定でございます。
#123
○西田実仁君 事業主拠出金の料率引上げを財源とした三千億円の子育て支援事業のうち、何に幾ら充当するのか、改めてお示しいただきたいと思います。経済界からは、その効果の検証、中長期の事業計画の明確化、さらにオープンな場での透明性の高い議論を要請されていると思いますけれども、どのように対応していくんでしょうか。
#124
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 企業等からいただいている事業主拠出金は、平成二十九年度予算におきまして、児童手当で約一千八百億円、地域子ども・子育て支援事業のうち放課後児童クラブ、病児保育、延長保育に約八百億円、企業主導型保育事業に約一千三百億円など、合計約四千億円に充てているところでございます。
 これらに加えまして、今般、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、待機児童解消に向けた子育て安心プランの実現のため、事業主拠出金の率の上限を〇・二五%から〇・四五%に引き上げ、平成三十二年度におきまして、企業主導型保育事業の拡充に約一千億円、子育て安心プランに基づき、増加する保育の運営費のゼロ歳から二歳児相当分の拡大に約二千億円を充てることとしてございます。
 また、子ども・子育て支援法におきまして、全国的な事業主の団体が事業主拠出金の率等に関しまして内閣総理大臣に対して意見を申し出ることができることとされてございまして、これまでも、各年度の拠出金の率やその使い道につきまして、日本経済団体連合会や日本商工会議所との協議の場を設けてきたところでございます。
 さらに、今般、事業主拠出金を拡充するに当たりましては、事業主、とりわけ中小企業の事業主に丁寧に御説明する観点から、昨年十二月及び今年一月に開いた話合いの場に、経団連、日商のほか、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会及び全国商店街振興組合連合会に御出席いただき、意見交換もさせていただきました。
 今後とも、こうした場も生かしつつ、また関係者に対し、企業主導型保育事業の各年度の実績や活用状況、今後の見通しについて見える化に努めて報告するなど、丁寧に説明、協議を行ってまいります。また、議事内容の公表などを含めまして、透明性のある議論となるよう心掛けてまいります。
#125
○西田実仁君 最後ですが、子供の有無にかかわらず、また会社の規模にも関係なく、社会全体で子育てをするという前提により、税金と同様に拠出を求める子ども・子育て拠出金については、地方の町村部ではそもそも企業主導型保育施設の設置割合が低い、また受益と負担のバランスが悪いといった声もあります。また、人件費、とりわけ労働分配率を見ると、中小・小規模事業者の方がはるかに高く、拠出金のみ同じ比率で求められるのに納得がいかないといった声もあり、多様であります。
 この子ども・子育て拠出金の拠出率について、大企業と中小・小規模企業で差を設けるなどの検討をすべきではないでしょうか。また、一般事業主に負担をいただき保育施設の整備が進んでいることをもっと広く国民の皆様に知っていただくべきでありまして、どう広報していくのか、最後に大臣にお聞きして、終わりたいと思います。
#126
○国務大臣(松山政司君) お答えいたします。
 これまでに私自身も大企業あるいは中小企業の団体関係者にもお会いをしてきました。また、事務方の方もそれぞれ事務的な協議もさせていただきました。
 中小企業の様々な声も聞いてきたところでございまして、特に中小企業については、施設の運営費につきましては、例えば五%を三%にするという配慮も予定をいたしておりまして、また、複数の小規模事業者が何社かでやっていただくというところに関しては事務費用で百万円をプラスをする、また、防犯や安全設備等々に、対策についても基本年十万のところを二十万円にするというような配慮も予定をいたしておりまして、極力、今後も中小企業の声を聞きながら、しっかり対応してまいりたいと思います。
#127
○西田実仁君 終わります。
#128
○委員長(榛葉賀津也君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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