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2018/05/28 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 決算委員会 第6号
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2018/05/28 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 決算委員会 第6号

#1
第196回国会 決算委員会 第6号
平成三十年五月二十八日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     岡田  広君
     浜野 喜史君     古賀 之士君
     片山 大介君     高木かおり君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     片山さつき君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     今井絵理子君
     藤井 基之君     中西  哲君
     宮崎  勝君     杉  久武君
     又市 征治君     青木  愛君
     行田 邦子君     松沢 成文君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     中西  哲君     磯崎 仁彦君
     秋野 公造君     熊野 正士君
     杉  久武君     宮崎  勝君
     古賀 之士君     大野 元裕君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                宮本 周司君
               佐々木さやか君
                浜口  誠君
                仁比 聡平君
    委 員
                阿達 雅志君
                磯崎 仁彦君
                今井絵理子君
                岡田  広君
                進藤金日子君
                そのだ修光君
                中西  哲君
                馬場 成志君
                古川 俊治君
                松下 新平君
                三木  亨君
                森屋  宏君
                熊野 正士君
                宮崎  勝君
                大野 元裕君
                矢田わか子君
                小川 勝也君
                風間 直樹君
                吉良よし子君
                石井 苗子君
                高木かおり君
                青木  愛君
                松沢 成文君
                平山佐知子君
   国務大臣
       総務大臣     野田 聖子君
       文部科学大臣   林  芳正君
       国務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       財務副大臣    木原  稔君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小倉 將信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋谷 薫司君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       源新 英明君
       内閣府男女共同
       参画局長     武川 恵子君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        川又 竹男君
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  池田 憲治君
       総務省自治行政
       局長       山崎 重孝君
       総務省自治行政
       局公務員部長   佐々木 浩君
       総務省自治行政
       局選挙部長    大泉 淳一君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省自治税務
       局長       内藤 尚志君
       総務省総合通信
       基盤局長     渡辺 克也君
       消防庁次長    緒方 俊則君
       財務省主計局次
       長        神田 眞人君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       佐野  太君
       文部科学省研究
       振興局長     磯谷 桂介君
       文部科学省研究
       開発局長     佐伯 浩治君
       スポーツ庁次長  今里  讓君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 裕紀君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    宮嵜 雅則君
       国土交通省道路
       局次長      和田 信貴君
       観光庁長官    田村明比古君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴土  靖君
       会計検査院事務
       総局第四局長   山下 修弘君
       会計検査院事務
       総局第五局長   堀川 義一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十八年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十八年度特別会計歳入歳出決算、平成二十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十八
 年度政府関係機関決算書(第百九十五回国会内
 閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
 (総務省及び文部科学省の部)
    ─────────────
#2
○委員長(二之湯智君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日までに、片山大介君、自見はなこ君、浜野喜史君、渡辺美知太郎君、宮崎勝君、又市征治君、行田邦子君及び藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として高木かおり君、岡田広君、古賀之士君、杉久武君、青木愛君、松沢成文君、中西哲君及び今井絵理子君が選任されました。
 また、本日、杉久武君、秋野公造君及び古賀之士君が委員を辞任され、その補欠として宮崎勝君、熊野正士君及び大野元裕君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(二之湯智君) 平成二十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、総務省及び文部科学省の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(二之湯智君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#6
○委員長(二之湯智君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○浜口誠君 どうも皆さん、こんにちは。国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。
 今日は、野田大臣、林大臣、鈴木大臣、ありがとうございます。大変お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭、今日午前中、参議院の方でも予算の集中審議が行われました。いろいろ、加計学園、森友学園等々、幅広い議論が行われました。
 まず最初に、加計学園の関連について今日御出席の三人の各大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、加計学園の問題はもう国会でも一年以上にわたっていろんな議論、審議が行われてまいりました。しかしながら、事ここに至っても、国民の皆さんの疑念が晴れたかというと、本当どうなのかなという感じがしております。
 まず、三人の大臣の皆さんに、加計学園問題について国民の疑念は晴れたというふうに思っておられるのかどうか、もし晴れていないというんであれば、どのような理由がその背景にあるというふうにお考えなのか、三大臣それぞれ、この点についてまずはお伺い申し上げたいと思います。
#8
○国務大臣(野田聖子君) お答え申し上げたいと思います。
 今委員御指摘の事案のように、行政の信頼性が問われる問題、これが生じているということは閣僚の一人として大変残念に思っています。
 どうしてかということは様々なんだと思いますけれども、やはりその原因究明についてはそれぞれの担当の大臣がしっかりと実態を調べていただくことに尽きると思うんですけれども、やはり行政はいろいろと、私たち政治も含めてですけれども、時には国民の望まない、国を守っていくために、また国民の生活を支えるためにしなければならないこともございます。それをさせていただくのに、よって立つものが信頼だと思います。
 そういった意味で、信頼を毀傷したということはゆゆしきことなので、しっかりとそこの原点に戻って取り組むことが大事だと私は思います。
#9
○国務大臣(林芳正君) 今回のあの加計学園の獣医学部の新設でございますが、内閣府、これ国家戦略特区を所管しておりますが、そこを中心に段階的にプロセスが進められたということで、この枠組みの中で関係法令に基づいて関係省庁の合意の下で適切に進められたものと、こういうふうに理解をしております。このプロセスに関しては、これまでも丁寧に説明してきたところでございます。
 ただ、委員がおっしゃるように、まだ議論されておるということと、世論調査等を見ましても、まだ、世論調査のテーマになること自体が完全にこの疑念が晴れたという状況ではないということかなというふうに受け止めておりまして、我々としても、これまで、いろんな文書が出たり証言が出てきた場合は丁寧かつ詳細に事実関係を確認して、必要な範囲でしっかりと確認作業を十分に行ってきたと認識はしておりますけれども、やはりこういった引き続き国民の声に真摯に向き合って必要な対応を続けていく、そのことでしっかりと文部科学行政に対する御意見も真摯に受け止めながら取り組んでまいらなければならないと、そういうふうに思っております。
#10
○国務大臣(鈴木俊一君) お尋ねの点につきまして、直接、私、お答えする立場にはないんでありますけれども、各種の世論調査におきまして、政府の説明に納得ができないとする割合が高いことを承知をいたしております。
 私といたしましては、かねてより安倍総理も言われているように、政府として丁寧に説明をして国民の皆様の御理解を得ていくこと、これが基本だと思っております。引き続き、関係する府省におきまして丁寧な説明に努められるものと考えております。
#11
○浜口誠君 ありがとうございます。
 いろいろキーワード出てきたと思います。やっぱり信頼を取り戻さないといけないとか、やっぱり国民の声にも真摯に向き合っていかないといけない、まさにおっしゃるとおりだと思います。
 そんな中で、今の状況をもう一度整理してみると、安倍総理は、今回の加計学園の獣医学部の新設については、昨年一月二十日の国家戦略特区の諮問会議、そこで初めて加計学園が獣医学部を新設するというのを聞きましたと、それ以前は加計理事長から一切その獣医学部の件については相談も働きかけもなかったと、そういう答弁をずっと国会の中でもされてきたというのがこれまでの経緯。
 一方で、新たに愛媛県が出された文書によると、二〇一五年の二月二十五日、ここで加計学園の理事長と安倍総理がお会いになられて、そして獣医学部の件について説明があって、新しい獣医大学いいんじゃないのと賛意を示すような、そういうコメントがあったと、文書にそういう記載が、愛媛の文書には書かれていると。じゃ、この食い違いは何なのかということですね。
 実際こういう食い違いがあることに対して、それぞれの今日御出席の三人の大臣の皆さん、どう受け止めておられるのか。内閣の一員として、今の受け止めについて各大臣の御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきましては、私自身お答えする立場にはありませんので答弁は差し控えたいと思いますが、いずれにしても、こういう事案については、国民の理解が得られるように政府として説明をしっかり尽くしていくべきものというふうには考えております。
#13
○国務大臣(林芳正君) この愛媛県から提出された文書につきましては、総理と加計学園が、今お話のあったような加計学園の理事長が面会されていたという部分、このことについては、私も事実関係を承知する立場にございませんのでお答えは差し控えたいというふうに思います。
 総理が、この委員会等でそういうことはなかったということ、また記者に対してもそういうふうにおっしゃっているということは承知をしておるところでございます。
#14
○国務大臣(鈴木俊一君) いわゆる愛媛文書でございますけれども、そこに書かれております内容の事実関係につきましては、私、承知をする立場ではございませんので、その食い違いについてお答えのしようが私ございません。答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#15
○浜口誠君 今、各大臣の方から受け止めをお伺いしました。
 やはりこれ、事実は一つしかなくて、当事者でないと分からないということなんですよね。だからこそ、国会の場では安倍総理は答弁されていますけれども、もう一方の当事者である、じゃ、加計理事長が公の場でコメントも出されておられないということを考えると、やはり事実を明確にしていくためには当事者の方がしっかりとした場でこの事実関係について説明をしていただく、まさに説明を尽くしていただくことが真相究明につながっていくことではないかなというふうに思っております。
 そんな中で、安倍総理は丁寧な説明をしていくということを再三述べられております。一方で、国民の皆さんの疑念についてはまだ晴れていないと、これが今の実態だというふうに思っております。
 そんな中で、一連の加計学園のこの問題について、総理の責任について、閣内で閣僚のお一人として今日御出席の三人の大臣の皆さん、総理の今回の問題について、責任という点についてどのような御所見、考えを持たれているのか、その点を最後に確認をさせていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(野田聖子君) 繰り返しになって恐縮なんですけれども、総理の責任、お尋ねになった点については私はお答えする立場にありませんので差し控えさせていただきますが、やっぱりしっかりと説明責任を果たしていく、これを国民に御理解いただくことが政府としては大事なことだと思います。
#17
○国務大臣(林芳正君) 今回の加計学園の獣医学部の新設につきましては、総理は個別具体的な指示は一切していない旨答弁されておられたと承知をしておるところでございます。
 また、松野前文部科学大臣も、総理から指示は全くなかったと、こういうふうに答弁をされておられたというふうに承知をしております。
#18
○国務大臣(鈴木俊一君) お尋ねの点につきまして、私、お答えする立場にないために答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私といたしましては、かねてより安倍総理も言われておりますように、政府として丁寧に説明し御理解を得ていくことが基本だと、こういうふうに考えております。
 したがいまして、引き続き、関係する府省において丁寧な説明に努めることが総理を始め政府の責任であると、そのように考えております。
#19
○浜口誠君 ありがとうございます。
 この問題、まだ、この委員会のみならず、予算の集中審議、今日の午後、今の時間も衆議院の方でなされていると思いますし、またいろんな機会を通じてまさにしっかりとした説明を政府側からしていただいて、一日も早く国民の皆さんが、ああ、そういうことだったのねと納得していただける、そういう議論をこの国会でやっていく責任はあると思います。そして、政府の方はその説明責任はありますので、是非閣僚のお一人としていろんな場面でしっかりとした説明を、また総理の方にも意見具申を是非皆様のお立場からお願い申し上げたいなというふうに思っております。
 じゃ、ここで鈴木大臣、ちょっと質問の通告はもうありませんので。
#20
○委員長(二之湯智君) 鈴木大臣、御退室ください。
#21
○浜口誠君 どうもありがとうございました。
 じゃ、続きまして、ちょっとお手元の資料、話題変えますけれども、自動車の税に関して少し議論をさせていただきたいなというふうに思っております。
 是非、野田大臣、お手元の資料見ていただいて、ここに自動車の国内販売の一九九三年以降の推移を示しております。ちょっと濃い棒グラフは登録車ですね、一般の、軽自動車じゃない登録車。薄い方のグラフが軽自動車ということで、それぞれの販売の台数の推移を示したグラフになっております。
 この中で、消費税が上がった一九九七年四月以降、販売は落ち込んでいるんですよね。実際、さらに、直近でいいますと二〇一四年とか二〇一五年、このときにも消費税が上がり、さらには軽自動車税という軽の税が上がったことによって販売が落ち込んでいると。
 こういう実際の統計の数字も見ていただいて、自動車の販売と税の関係について、是非野田大臣として御所見、こういったものを踏まえて、お考えがあれば是非お伺いしたいなというふうに思っております。
#22
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 自動車の販売台数の年度ごとの増減については、委員御指摘のような税制改正による影響も考えられますが、それ以外には、例えば経済の状況又は自動車メーカーの技術開発の状況など様々な要因があると考えています。
 中長期的に見ますと、自動車の販売台数には、例えば、国内において自動車が一定程度普及して保有台数が頭打ちになっているということ、また、車を運転する現役世代の人口が減少してきていること、そして地方に比べて自動車を保有する必要性が低い東京への人口集中が続いていること、また、若者世代の車に対する関心が私たち世代に比べて低下していることなど、構造的な要因が大きく影響しているということも考えているところです。
#23
○浜口誠君 ありがとうございます。
 冒頭、税制改正、一定程度影響しているというお話もいただきました。やっぱりそこはすごく重要だというふうに思っています。いろんな要因がほかにもあるというのはもちろん、先ほどの御答弁にあったとおりですが。
 そんな中で、もう一枚めくっていただいて、資料二ですね、先ほどの資料、もう一枚ぺらっとめくっていただいて、そこには自動車の各都道府県ごとの保有台数というのが出ております。
 要は、自動車って生活必需品で、都会に暮らしている人たちは、もう地下鉄があったりバスがあったり、いろんな公共交通機関が整備されていて自動車の保有台数少ないですけれども、地方に行けば行くほど車は生活必需品です、なくてはならないもの。もう仕事に行くにも、あるいは買物に行くにも病院に行くにも自動車がないと行けないと。これ見ていただくと、野田大臣の地元の岐阜県も、非常に自動車の保有台数、二台、三台もう当たり前のように持っておられるという状況です。
 したがって、地方に暮らす国民の皆さんほど自動車の税の負担感が重いというふうに僕らは捉えているんですけれども、その点に関して大臣のお考えはどうですか。これを、グラフなんかを見てどう思われますか。
#24
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 私も岐阜県で一家に二台、三台は当たり前という中で暮らしておりまして、税金がそれぞれ付くと思えば、東京で車を持っていない方に比べれば、それははるかに自動車に関しては税の負担が地方は大きくなるということは承知しています。
#25
○浜口誠君 ありがとうございます。その認識を是非持っていただきたいんですね。
 やっぱり地方の人ほど車の税というのは重い負担になっていると。一方で、地方の方ほど、じゃ、所得水準どうなのかというと、この中には、資料でお示ししていませんけれども、やはり地方の方の方が所得の水準は相対的にそう高くないと。だから、それだけやはり自動車の税の負担というのは生活にも大変響いてくるということになります。その認識を是非野田大臣も持っていただきたいと。
 そんな中で、もう一枚また資料を御覧いただいてよろしいですかね。資料三も見ていただきたいと思いますが、この資料三は典型的というかよくあるパターンで、普通車一台、軽自動車二台、地方に行けばこういう保有台数の世帯の方が多くいらっしゃいますけれども、五年間で、ここにあるような自動車取得税だとか自動車税、軽自動車税、さらに自動車重量税でどれぐらいの税の負担があるか。これ五年間のトータルですけれども、約五十万ぐらいあるんですね。だから、年間で割り戻すと大体十万円ぐらいの税負担、車三台持っているとこれぐらいの負担感になると。
 この税を少しでも低減できれば、例えば年間で約半分ぐらい、五万ぐらいに低減できれば五万円分の生活コストが下がるということになります、年間で。これ、逆に言えば、可処分所得が五万円上がるということにもなります。じゃ、年間で五万円ですから、これ賃上げなんかでいうと、月四千円の賃上げと同じ効果があるということなんですね。
 したがって、この自動車の税を、とりわけ地方で暮らす方にとっては、この税を下げることが生活コストの低減につながって、さらには地方の景気の活性化、少しでも財布のひもが緩むことにも僕はつながるんじゃないかなと。もう経済政策ですよ、これ、地方の方にとって。
 こういう面があるということに対して、大臣、どう思われますかね。地方を御担当される総務大臣として力強い、そうだというスタンスを是非示してほしいんですけど。
#26
○国務大臣(野田聖子君) 浜口委員にお答え申し上げたいと思います。
 これまでも車体課税については、リーマン・ショック以降、エコカー減税とか自動車取得税の税率引下げなど、全体として納税者の負担軽減を図られてきているところは御承知だと思います。
 一方で、御指摘のあった地域活性化のほか、実は道路や橋梁の維持補修など、様々な行政サービスを賄ってくれる財源として地方税収というのは引き続き、いろいろと老朽化が今顕在化してくる中で安全、安心に運転していただくためには、特に地方の皆さんにはそういうものを地方税収で引き続きしっかり確保していく、そういう必要があるということも地方を預かる身としては考えているところです。
 今後の車体課税の在り方については、国、地方の財政状況は大変厳しい中、こうした地方団体の財源確保の観点を踏まえながらしっかり検討する必要があると思っています。
#27
○浜口誠君 まさに総務大臣として地方の財政も踏まえての御答弁だったと思いますけど、でも、本当、地方で暮らす皆さんからすると、実感としてあると思いますよ。やはりこれだけ保有台数が多くて、毎年四月になると自動車税、軽自動車税納めてねという通知が届いて、その負担感は結構あるなという、実感としてそう思われている方も多いと思います。これはもう是非指摘をしておきたいというふうに思います。
 そんな中で、この地方の活性化ということでいうと、僕は高速道路をもっとうまく使うというのが大事じゃないかなというふうに思います。自民党政権のときも土日上限千円、高速道路ですね、そういう政策もありましたし、民主党政権のときには高速無料化というような政策もやりました。結果として、地方は、いろいろな課題もありましたけれども、地方の活性化に一定程度僕は寄与したというふうに思っております。
 そんな中で、高速道路の定額化というのも一つの僕は政策として、それでどんどん高速道路が使われて、地方に皆さん行っていただいて、地方で観光であったり、あるいはお土産買って地方にお金を落としていただくというような、そういうことも地方活性化の観点からは重要な施策の一つになるんではないかなというふうに思っております。
 この高速道路の定額料金化ということに対して、是非お考えをお伺いしたいと思います。
#28
○政府参考人(和田信貴君) 御指摘の高速道路料金の定額化につきましては、高速道路ネットワークの有効活用をし、地方の都市間における人や物の長距離の交流を進めるためには有効であると考えますが、一方で、短距離利用の方との負担のバランスなどの課題もあると思っております。
 高速道路の料金につきましては多種多様な意見があるところですが、国土幹線道路部会での議論も踏まえ、公平性の観点から対距離制を基本とした料金を平成二十六年四月に導入したところでございます。
 今後とも幅広い議論を行い、時代に即した高速道路料金となるよう努めてまいります。
#29
○国務大臣(野田聖子君) 委員にお答え申し上げたいと思います。
 私も、高速道路料金の定額化に関する議論というのは地域の中でいろいろな御意見があることを聞いておりますし、大変関心を持っている一人であります。
 人口減少時代を迎えた日本、高速道路というのはそもそも、東京オリンピックの頃でしたか、高度経済成長のスタート時期に、やはり戦後から抜け出すために必要なインフラということで大変な短期間で造られたネットワークでありまして、それはそれなりに効果を経済に貢献してきたことは確かであります。
 高速道路は地域の活性化にも貢献する重要なインフラ資産であり、これからも、これから今まで以上に利用者目線に立って、最大限有効に活用されるべきだと考えています。
 したがって、料金の在り方については、これからはそうした観点も考慮しながらしっかり検討されるべきだと考えますし、今も国交省の方がそうおっしゃっていたので、いずれにしても、総務省としては、高速道路を所管する国土交通省の対応を見守りながら、やはり真の地方創生は何かということについても国交省と議論を交わしていければと思っています。
#30
○浜口誠君 また国土交通省の皆さんとは、石井大臣始め、来週この場がありますので議論したいなというふうに思っておりますし、自民党の岐阜県連の皆さんも非常に高速道路の定額化については何か関心を持っていただいているというお話も間接的には伺っておりますので、是非地方の視点からこういった議論にも積極的に参画いただいて、自民党の中でもそういう発信を是非野田大臣のお立場でお願い申し上げたいなというふうに思っております。
 自動車の税については、平成三十一年度、来年四月の税制改正に向けて、今年が結構山場、大事な年、一年になるというふうに我々も受け止めておりますし、与党の皆さんの中でもそういう認識を持っていただいておると思います。
 今日はいろいろな観点で議論させていただきましたけれども、やはり地方の皆さんの生活コストの低減、さらには地方経済の活性化、そして自動車の販売ということでいうと、来年の十月、消費税一〇%に引き上がると、こんなことも加味しつつ、さらに自動車ユーザーの負担低減ということで、自動車の税のユーザー負担の低減、これに向けて我々もしっかり議論していきたいというふうに思っておりますが、総務省のお立場で、来年、平成三十一年度の自動車税制の改正に向けての基本的なスタンスがあれば、この場でお伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(野田聖子君) 今御議論ございました車体課税につきましては、平成二十九年度与党税制改正大綱において、自動車をめぐるグローバルな環境、そして自動車に係る行政サービス等を踏まえ、簡素化、自動車ユーザーの負担軽減、グリーン化、登録車と軽自動車の課税のバランスを図る観点から、平成三十一年度税制改正までに、安定的な財源を確保し、地方財政に影響を与えないように配慮しつつ、自動車の保有に係る税負担の軽減に関し総合的な検討を行い、必要な措置を講ずるとされているところです。この考えを踏まえ、今後、平成三十一年度税制改正において、関係省庁とともにしっかり検討していきます。
 いずれにしても、この人口減少というのがいろいろ、自動車の税金にせよ何の税金にせよ、また高速道路にせよ、そのときにはなかった出来事なんですね。これが相当地方にマイナスに効いているところです。高齢化もしかりです。ですから、そういうところを踏まえて、真の地方創生とか、地方のために何ができるかというのをしっかり検討していかなければならないと思います。
#32
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非しっかりとした議論を年末にかけてやっていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 ちょっとテーマ変えます。
 自治体戦略二〇四〇構想研究会というのが発足をして、第一次報告というのが出されたというふうに受け止めております。将来の自治体のいろんな環境変化の中で、どのような課題があるのかということを取りまとめされた第一次報告だというふうに受け止めておりますが、そもそもこの二〇四〇構想研究会を立ち上げた問題意識であったり狙いについて、是非お伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(野田聖子君) そもそもは、私、大変久しぶりにこういう大臣のお仕事をいただいて気が付いたことは、中長期的な取組というのを余り全省庁やっておられない、あるときからやらなくなっているのが実態だったと思います。
 しかし、現在の個人消費を見ても、なかなか思ったとおり消費が伸びないには、やっぱり近未来の不安というのがあるんだと思います。人口減少というのは顕著で、やはり将来介護してくれる人がいなくなるんじゃないかとか、いろいろな不安を感じている人たちが消費に回るお金をあえて使わずに貯蓄に回したりとかいうことで本来の経済の景気が戻らないとするならば、先々の漠然とした不安の中で抑止が掛かっているとするなら大変残念なことで、これまでストップされていたかどうか分からないんですけれども、せめて総務省は、とりわけもう地方の方ではそういう不安が現実になっていて、御苦労されている方が多いので、二〇四〇年、これは統計的に高齢者の数がピークになる、日本で。このまま無策でいれば高齢者がピークになるということは大変厳しい状況になるということが明らかなので、そこにどういうことが至るのかと試算をしてみて、それでそこの不安、様々な不安を抽出して、それを逆算的に今から何ができるかということをやろうじゃないかということで始めたものです。
 今申し上げたように、人口減少というのはもう我々これまで経験したことがない事態でございますし、高齢化と違って見えない少子化、子供が生まれてこないという見えないことに対しての取組になるわけで、このことを私は最大の危機だと思っていますし、皆様方には見えざる有事というふうに申し上げているところです。そうはいっても、人口減少になって苦しくなっても、全ての自治体は持続可能な形で行政サービスは提供していかなければならないわけです。
 総務省では、高齢者、今申し上げたように一番厳しいだろうなと、いわゆる東京が今一番の裕福な地方公共団体と言われているけれども、そこが結果として多くの高齢者を抱える二〇四〇年をターゲットイヤーにすることによって何ができるかということで、自治体戦略二〇四〇構想研究会というのを実は昨年十一月に立ち上げたんです。研究会では、その二〇四〇年頃の医療とか福祉、インフラ、公共施設など、行政分野における課題を整理しました。それで、今後、申し上げたように逆算する形で、今から自治体行政の在り方を展望して、どういう対応ができるかということを検討しているところです。
 第一次報告では、見えてきた問題点というのを三本柱で抽出して、これからまた次の答申では、それに対して何ができるかという答えが出せればということで鋭意取り組んでいるところです。
#34
○浜口誠君 大臣からあと二つぐらい聞こうかと思っていたんですけど、かなり今の御説明の中で含まれていましたので、時間の関係もあってあれですが。
 でも、本当、見えざる有事というのは非常に大事な視点だと思いますし、やはり二〇四〇年頃を見据えて今から何をしなきゃいけないかというのは、これは総務省に限らず、全国の地方公共団体が同じ視点で物事を考えていくことが非常に重要だというふうに思っております。
 さらには、これ総務省だけの課題じゃないですものね。もう本当に政府全体、各省庁とも同じような視点を持って、自分たちの分野であれば何が起こるんだろうということを考えておく、そして、今からやれることに対してしっかりと計画性を持って取り組んでいくというのが非常に重要だというふうに思っておりますので、是非、この自治体戦略二〇四〇構想研究会、幅広い省庁の皆さんにも参画していただいて、広く問題意識を共有化をしていただくことを要望しておきたいなというふうに思っております。
 大事な取組ですのでしっかりと、二次報告だけに終わらず、三次報告とか次のステップもしっかりと我々ウオッチしていきたいというふうに思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。
 では、続いて、地方分権と地方の過疎化に関して少し議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、地方分権について、非常に重要だと思います。これから、一極集中、東京集中だけではなくて、地方を元気にしていく上でも、地方の主体性を重視していく、そんな意味で、この地方分権の必要性、それと、それをやっていくために、一時期議論が盛り上がりました道州制も最近余り議論が出ていないんですけど、その辺の道州制に関して野田大臣としてのお考えがあればまずお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 地方公共団体は、福祉、医療、産業、防災、教育など、もうとにかくありとあらゆる全ての国民が日々の生活を送るに当たって必要不可欠な行政サービスを提供する礎となっています。本当にたくさんの仕事を担ってくれています。地方公共団体がその機能を最大限発揮していくことができるように、時代の要請に応じて国と地方公共団体の関係を見直していくことは必要だと考えています。
 これまで、平成十一年の地方分権一括法の制定を始めとして、義務付け、枠付けの見直しとか国から地方への権限移譲などを進める累次の一括法、これによって地方分権が推進してきたものだと承知しています。
 私も三十二年前は地方議員でありまして、いかにあの当時は地方の権限が少なくて、もう何かにつけて国にお願いに上がらなければならないという、そういう何か苦々しい思い出がまだ心の片隅に残っているんですが、諸先輩たちの御労苦によって大分、まだまだかもしれませんけど、地方分権というのは進んできたのかなとは思います。
 また、道州制については、国家の統治機能を集約、強化するとともに、住民に身近な行政はできる限り地方が担うことを目指すものと承知しています。これまでも与党において検討が重ねられてきており、政府としても連携を図っていくものと私は認識しています。
#36
○浜口誠君 やはり地方の主体性をしっかりと確保していく、もう非常に重要な視点だと思います。
 そんな中で、じゃ、地方としてそういう主体性を発揮しているのかどうかということを見る一つの指標として、課税自主権がどこまで行使されているのかなというのが、私としてはちょっと確認したいんですけれども、各地方公共団体において課税自主権の行使状況って今どんな感じになっていますか。簡単で結構ですので、御報告をお願いします。
#37
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 課税自主権ということでございますと、法定外税、超過課税ということになるわけでございますけれども、法定外税につきましては、平成三十年四月一日現在における実施件数五十九件でございまして、実施団体数は三十四都道府県と十六市区町村を合わせました合計五十団体となっております。また、超過課税でございますけれども、把握しております直近の数値でございます平成二十九年四月一日現在における実施件数は千七百三件でございまして、実施団体数は四十七都道府県と千三十五市町村の合計千八十二団体でございます。
 これらの平成二十八年度決算ベースでの税収額でございますけれども、法定外税は五百十七億円、超過課税は六千五百十四億円となっているところでございます。
#38
○浜口誠君 今、現状について御報告いただきましたけれども、この課税自主権の現状を野田大臣としてはどう受け止めておられるのか。今の状態で結構地方も主体性を持ってやっているなという受け止めなのか、あるいは、もっとこの課税自主権みたいな地方の独自性を出していくためにどんな取組がこれから重要になってくると思われているのか、その二点に関して大臣の御所見があればお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 法定外税や超過課税など、課税自主権については地方分権の観点から重要なものだと考えています。これまでも法定外目的税制度の導入とか制限税率の緩和等の制度の拡充は図ってきたところです。
 今お話がありましたように、現在、超過課税については全ての都道府県と約六割の市区町村で実施されています。また、法定外税についても、近年は大阪府や京都市の宿泊税などの税に新たに導入されている状況にあって、各地方団体が地域の実情に応じて課税自主権の活用を進めているものだと認識しています。
 課税自主権の一層の活用が進むよう促進していけるように、総務省として、地方団体の相談に応じたり、また必要な情報を提供するなど、引き続きしっかり地方団体への応援をしてまいりたいと思います。
#40
○浜口誠君 ありがとうございます。
 もう地方の自立、地方へやっぱり主権を渡していくためには、権限の移譲だけではなくて、やはり財源も伴って移譲していかないと、本当の意味で地方のことを地方で考えること、あるいはいろんな政策を地方で実施することはできないんじゃないかというふうに思っております。
 だから、権限移譲と財源移譲がやっぱり常にセットになって本当の意味での真の地方分権ということになるんではないかなというふうに思っておりますが、税源移譲していくためにこれからやっぱり総務省としてこれはやらなきゃいけないと思っている観点、施策等があれば是非この場で御説明いただきたいと思います。
#41
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 地方税の充実については、これまでも個人住民税の一〇%比例税率化による三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際して地方消費税の拡充などに取り組んでまいりました。地方分権の基盤となる地方税の充実については、国民の税負担に配慮しつつ取り組んでいくことが必要です。また、国から地方への税源移譲については、国、地方とも厳しい財政状況にあることを踏まえつつ、地方団体間の財政力格差の拡大など、課題についても考慮することが必要と考えています。
 地方税が増収したというだけで津々浦々が潤うわけではなく、やはり強い地方がより増収するという状態が起きてしまうわけですね。引き続き、ですから、税源の偏在性が小さくて税収が安定的な地方税体系の構築にしっかり取り組むとともに、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう地方税の充実確保はしっかり努めてまいりたいと思います。
#42
○浜口誠君 まさに地方が弱いところ、強いところが出ないように、満遍なく全国の地方公共団体がしっかりと税収も確保して、いろんな施策ができる体制づくりというのは総務省としても旗を振っていただきたいなというふうに思います。
 そんな中で、過疎対策ということで、今、地方の公共団体の約五割ぐらいがもう過疎だというようなそんなレポートもありますし、総務省の方としては自立活性化推進交付金なんかを交付しながら過疎対策についても取り組んでおられます。また、実際に市町村なんかは、過疎対策の事業債といったものも発行しながら取り組んでおられるというふうに伺っております。
 平成二十九年には四千五百億円、三十年には四千六百億円という事業債も出す計画になるというふうに聞いていますが、これらの対策は過疎対策としてどのような効果を発揮しているのかどうか、今後更に過疎対策としてどんな取組をしていこうと考えておられるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#43
○大臣政務官(小倉將信君) お答えをいたします。
 過疎地域に対しまして、最初の過疎法が制定をされましたのが昭和四十五年であります。自来、委員御指摘をされましたように、累次の過疎法に基づく対策に取り組んでまいりました結果、例えば道路舗装率、これは昭和四十五年の二・七%から平成二十六年には七〇・五%へと増加してまいりましたし、水洗化率に関しましては、平成の七年から、三一・六%から平成二十六年には七四・二%に増加してまいりました。このようにインフラ整備率が向上するなど地域間格差の是正が図られてきたと、このように認識をいたしております。
 一方で、人口減少や高齢化が著しく進む過疎地域におきましては、近年、集落機能の維持が困難な集落が増加をしておりまして、住民同士が生活を支え合う機能の低下、空き家や耕作放棄地の増加など、住民の安全、安心に関わる問題が深刻化していると、このように認識しておりまして、このため、総務省といたしましては、基幹集落を中心とした複数集落で集落ネットワーク圏を形成をいたしまして、日常生活の支援機能を確保する取組を支援することなどによりまして過疎地域の集落の生活を支えてまいりたいと思います。
 私も、今月、鹿児島県の日置市と鹿屋市に行ってまいりまして、実際に過疎集落を拝見をしてまいりました。非常に様々な施策を用いながら、あるいは地域の自然資本や社会資本などを用いながら、地域の方々は前向きに元気にやっていらっしゃると。こういったことを寄り添うような形で支援をしながら、各地域に横展開をしていくべきなんではないかなというふうに思っております。
 いずれにしても、今後とも地域に愛着のある人がその地域に住み続けられるように、引き続き地方公共団体とも協力をしてまいりながら過疎対策に積極的に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#44
○浜口誠君 インフラ整備始め、地方の強みを生かして、やはり僕は、地方の稼ぐ力みたいなのをどうやっぱり強化していくのか。それは農業であったりあるいは製造業であったり、それぞれの地域ごとにその稼ぐ力というものは違うと思うんですけれども、やはり地方でしっかり稼ぐ力があれば、そこで人も住み続けられるし、子育てもしようということになるんじゃないかなというふうに思いますので、是非それぞれの地方の実情に応じた様々なバックアップ、支援を総務省としても、あるいは地方公共団体としてもやっていただきたいなというふうに思います。
 では、林大臣、お待たせしました。
 続きまして、スペシャルオリンピックスについて、ちょっと話題がらっと変わって申し訳ないんですけれども、この前、私も愛知に行ったときに、知的障害者の方が健常者の方とミニサッカーで非常に生き生きとスポーツを通じて交流されている姿を見て、ああ、いいことだなというふうに感じました。
 今日も、いろいろ国会に来ていただいている皆さんに、スペシャルオリンピックスって知っていますかと聞いたら、余り知らなかったんですね。したがって、余りこの日本全体に、まあオリンピック、パラリンピックは非常に認知度高いと思うんですけれども、スペシャルオリンピックスについてはまだまだ日本の皆さん御存じでない方は多いんじゃないかなというふうに思いますので、是非大臣の方からこのスペシャルオリンピックスの歴史あるいはその重要性、意義というような観点についてまずお話をいただきたいなというふうに思います。
#45
○国務大臣(林芳正君) ありがとうございます。
 スペシャルオリンピックスの活動は実は五十年前にアメリカで始まったものでございまして、知的障害のある人たちの自立と社会参加、これを応援するために、地域で日常的なトレーニングから世界大会まで、様々な形でスポーツの機会を提供しているということで、ケネディ大統領の妹さんのユニス・ケネディ・シュライバーさんというのが始められた活動だということだそうでございます。
 スペシャルオリンピックスというのはユニファイドスポーツということで、障害のある方とない方が一緒のチームで練習を積んで試合を行う取組というのを実施をしておりまして、これ、私、実はトヨタさんがスポンサーをやっていらっしゃるバスケットの試合を実は見に行きまして、今のシュライバー会長が来日されたということもあって一緒に拝見させていただきましたが、もう本当にガチで試合をやるものですから、どなたが知的障害でどなたが障害じゃないのかと、もう試合やっていると分からないぐらいの状況で、これをたくさんの若い方がやっぱり見て感じてもらうと。
 非常にいいことでありまして、スポーツの持つ価値というのを障害の有無を超えて共有することができる大変優れたことであろうと思っておりますので、こうしたスペシャルオリンピックスの活動、知的障害者のスポーツへの参画を推進して、障害者に対する理解を深めるとともに、共生社会実現する上でも大変重要だと考えております。
#46
○浜口誠君 まさに、林大臣言われましたけれども、私も愛知で見たサッカーの試合、どなたが健常者でどなたが知的障害を持たれている方、分からないぐらい皆さん生き生きと、本当にすばらしいシュートも知的障害のある方も打たれていましたし、本当にこういうのを通じて全ての皆さんが共に生きる社会というのができていくんじゃないのかなというふうに感じました。本当にいい活動だというふうに思っております。
 そんな中で、今年の九月に愛知県で、スペシャルオリンピックスの夏季国内大会というのが愛知で行われる予定になっておりますけれども、この大会を盛り上げるために何か政府として考えておられることがもしあるんであれば、その点をお伺いしたいなというふうに思います。
#47
○国務大臣(林芳正君) 今年九月の愛知県内での大会ですが、日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成による支援を受けて実施をされる予定でございます。また、文部科学省からしかるべき者が出席して、できれば私行きたいとは思っておりますが、国会のお許し等あればですね、大会の認知を高めるように支援していきたいと考えております。
 さらに、この愛知大会、二〇一九年三月にアラブ首長国連邦のアブダビで開催される予定のスペシャルオリンピックス夏季世界大会の選手選考も兼ねて開催されるということでございますので、文科省としては同大会への選手派遣について補助を行おうと思っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが大きなきっかけとなって、このスペシャルオリンピックスを含む障害者スポーツ全体の国民の認知度を高めるとともに、障害者の皆さんに身近にスポーツを実施できる環境づくりをやっていきたいと思っております。
#48
○委員長(二之湯智君) 時間です。
#49
○浜口誠君 はい。
 ありがとうございました。
 二〇二〇年、オリパラありますし、是非このスペシャルオリンピックスも、日本の皆さんにしっかりと分かっていただく、認知度を上げていただく活動を政府としてもお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#50
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。私は決算委員会は初めての質疑ということで緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、先週の文教委員会でも質問させていただきましたが、主に特別支援教育について、また障害者施策に関することを中心に質問させていただきたいと思いますが、まず初めに一問だけ教科書検定について質問させていただきたいと思います。昨年度、検定を受けた高等学校の英語の教科書の記述に関する取扱いについて質問させていただきます。
 資料をお配りしておりますので、御覧ください。
 この教科書の中に、沖縄の伝統料理である豆腐ようの味をブルーチーズと放射性廃棄物が混ざったものという例えをする英文が掲載されました。沖縄県にとって豆腐ようは、名産品という表現にとどまるものではなく、琉球王朝時代から継承されている歴史と文化の結晶であり、今回の表現は沖縄そのものをやゆするものです。沖縄の県民感情やまた原発事故で被災された方々の気持ちを考えれば、到底受け入れることのできない表現が教科書に引用されたことにとても衝撃を受けました。
 結論から言えば、出版社が自主的に当該部分の訂正を申し出たことにより、この教科書を用いて教育が行われる事態は回避することができましたが、指摘がなければもしかしたらそのまま採択されていたことも考えられます。
 文科省の説明によりますと、比喩表現である以上、検定基準に抵触しないという判断だそうですが、大臣、想像してみていただきたいんです。大臣は山口県出身で、フグが有名ですよね。そのフグの味に、これも例えとして不適切だと思いますが、フグの味を放射性廃棄物に例えられた教科書が通過する検定審査は適切だと思われますか。今後、このような表現が教科書に掲載されることがないようにすべきだと私は考えていますが、大臣の御見解をお伺いします。
#51
○国務大臣(林芳正君) この教科書でございますが、やはり民間の発行者が創意工夫を生かして著作、編集を行うものであって、学習指導要領に基づいた上でどのように記述するか、これは発行者の判断に委ねられておるところでございます。
 その上で、今先生からあった御指摘の箇所ですが、教材全体としては沖縄の長寿とか食で大変好意的に取り上げている中で、この豆腐ようを食べたイギリス人の著者が、これ、とてもいいんだけれどもということを言いながら、味の説明をするときに、ブルーチーズとニュークリアウエーストの中間のようだというようなことを言ってしまっているということで、検定におきましては、その表現自体が直ちに欠陥であるとまでは言えないと、そういう判断がなされたと、こういうふうに聞いております。
 今お話があったように、当該箇所については発行者から文部科学省に訂正申請があって、既にこれを承認しているところでございますが、今後とも、教科書検定においてはやはり丁寧な調査審議に努めてまいらなければならないというふうに思っておるところでございます。
#52
○今井絵理子君 大臣、ありがとうございます。
 まるでブルーチーズと放射性廃棄物が混ざったものを食べてしまったかのようと、驚いて吐き出したとの内容が書かれているんですよね。このようなことが起きる原因は、検定基準に問題があるか、検定手続に問題があったかの、これ二つに一つだと思っています。
 私が本日の決算委員会でこの質問を取り上げた理由は、これまで文科省から受けてきた御説明がそのいずれもなく、全て適切であるというものだったから、とても遺憾に思うわけであります。だとすれば、同じ表現が掲載された図書が教科書検定に申請されれば認めなければならないということになります。今回のように出版社が訂正を申し出なければ、採択する教育委員会があるかもしれません。その後に問題が顕在化した場合、教育委員会の責任だと説明するならば、国は余りに無責任だと思います。
 現在の高等学校教科用図書検定基準には、特定の商品などの宣伝や非難になるおそれのないことという基準が設けられており、特定の範囲の解釈にはいろいろ議論はあるかと思われますが、このような事態は回避できたと考えております。つまり、検定基準に問題があったわけではなく、基準を厳格に運用できなかった手続に私は問題があると考えております。このようなことが二度と起きないように、検定調査審議会の委員選定を厳格に行い、適切な審査が行われることを望みます。
 さて、私の思いはぶつけましたが、続きましては特別支援教育について御質問させていただきます。
 平成二十九年の調査では、何らかの障害を持っていて特別支援教育を受けている児童生徒の総数は約四十九万人、それも増加傾向であることが分かりました。今までは、小学校、中学校の通常の学校の中に特別支援級や通級指導の取組はなされていたものの、高等学校においては制度化されていませんでした。ですから、今まで障害のある生徒の進学の選択肢は限られており、大半の生徒が特別支援学校の高等部に入学せざるを得ないのが現実でした。しかし、法改正をし、今年からこの制度のおかげで障害のある生徒が通常学校に進学できる可能性が広がりました。これは、共生社会に向け前進したことを意味しており、大変すばらしいものだと感じております。
 改めて、大臣、この高等学校における通級指導の目的と今の実施状況などをお聞かせください。
#53
○国務大臣(林芳正君) 障害のある生徒の教育におきましては、やはり一人一人の教育的ニーズを把握をいたしまして、障害による学習上、生活上の困難を改善、克服するための指導や支援というのが必要でございます。
 障害と一くくりに、障害という言葉はありますが、一人一人がやっぱりそれぞれ違ったニーズがあるということ、そこをどうちゃんとくみ上げるかというのが大変大事なことだと思っておりまして、今先生からもお話があったように、小中学校段階は、通常の学級、通級、特別支援学級、それから特別支援学校と、この四段階で連続性を持って多様な学びの場が整備されていたんですが、高等学校段階では主として高等学校の通常の学級か若しくは支援学校と、この二つしかなかったということでございます。
 通級による指導を受ける中学生の数が、やっぱり十年前の約六倍になりました。ということは、その皆さんがまた進学をするということも増えてくるわけでございますので、こうした状況の下で高等学校段階での通級による指導の必要性が高まっているという判断をいたしまして、先ほどお話しいただいたように、平成三十年度より高等学校における通級による指導を始めたところでございます。文科省の調査によりますと、今年度、平成三十年度は四十五都道府県、平成三十一年度からは全都道府県において実施をされる予定というふうに聞いております。
 我々も高等学校における通級による指導を更に充実するために、教員定数の加配の措置をとるですとか、発達障害に関する通級による指導の専門性、これを高めるためのモデル事業を実施する、それから独法の国立特別支援教育総合研究所、ここで教職員等を対象とした研修、こういうことを行っているところでございまして、やはり必要な生徒が通級による指導を受けられるように環境整備にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#54
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 是非、今後も積極的に環境整備に取り組んでいただきたいなと思っております。
 ここで一つ、高等学校における通級指導を導入した際に懸念していることがあります。制度化されたことに関しては、先ほど述べたように、評価しておりますが、この制度は同時に、普通教室で障害を持つ生徒が在籍するようになることも意味しています。通常の、普通の教室の中で、通常の指導の際に障害のある生徒への配慮にも充実しなければならないと思います。
 二〇一六年に施行されました障害者差別解消法に根拠を持つ、いわゆる合理的配慮が通常の指導の際にもしっかりとなされる必要があると考えますが、文科省としての認識や取組についてお聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 通級により指導を受ける生徒については、それ以外の時間は通常の学級において指導を受けることから、個別の指導計画や個別の教育支援計画の活用を通じて合理的配慮の提供を受けながら適切な指導や必要な支援を受けられるようにする必要が高いと認識をしております。
 各学校における具体的な内容については様々ですが、例えば文部科学省が作成している指針では、聴覚過敏の生徒のために、教室の机、椅子の脚に緩衝材を付けて雑音を軽減するなど、個別の事案ごとに特性に応じて教室環境を変更すること、それから、読み書きなどに困難のある生徒のために、授業や試験でのタブレット端末等のICT機器使用を許可したり、筆記に代えて口頭試問による学習評価を行ったりすること、それから、入学試験等においては、本人、保護者の希望、障害の状況等を踏まえ、別室での受験、試験時間の延長、点字、拡大文字や音声読み上げ機能の使用等を許可すること、こういったことを具体例として示しておるところでございます。
 また、教育委員会や学校関係者を対象とした合理的配慮に関する理解を広めるためのセミナーの開催、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所における実践事例のデータベースの開設、発達障害のある児童生徒への合理的配慮に係る研究事業の実施、こういった取組も進めており、こうしたことを通じて、学校において必要な合理的配慮の提供が行われるように努めてまいりたいと考えております。
#56
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 先ほど御紹介していただいた取組については学校側もまた保護者側にもしっかりと知っていただき、可能な限り通常の学校で障害の有無にかかわらず共に学べる機会を一校でも増やしていただきますようお願い申し上げます。
 一言だけ申し述べたいのは、現在の通級による指導というのは、比較的障害の程度が軽い児童生徒を想定したものだと言えるでしょう。しかし、真のインクルーシブ教育が目指すものというのは、障害の程度に関係なく、第一に本人また保護者が希望した学校で学べる環境を整えることだと思っています。そのことが、障害者権利条約の批准を受けて改正された障害者基本法第十六条の目指すところだと思っております。障害の有無にかかわらず、どんな子供でも入りたい学校に入れるような設計も早急に進めていただくよう強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
 障害のある子供たちを取り巻く環境は、昔と比べて充実してきたと思います。実際にそういう声も聞きます。そこで、丹羽副大臣にお聞きします。トライアングルプロジェクトについてお聞かせください。
 このプロジェクト名を聞いたときに、私は可能性を感じ、大きな期待を寄せました。丹羽副大臣のリーダーシップの下、教育と福祉と家庭をつなぐプロジェクトとして発足したと認識しております。このプロジェクトのすばらしいところは、既存の支援や制度をつなぐ、そして障害のある子供を中心に展開されている点です。私も一児の母として、子育てにおいては情報共有が最も大切だと考えていますが、このプロジェクトに関する丹羽副大臣の思いや、また経緯などをお聞かせください。
#57
○副大臣(丹羽秀樹君) 御質問ありがとうございます。
 委員おっしゃるように、発達障害を始めとする障害のある子供たちの支援に当たっては、行政分野を超えた切れ目のない連携が不可欠でございます。これは今後も一層推進を求めていきたいというふうに考えております。
 先ほどの御質問の中でございましたが、行政というのはある部分縦割りで非常に専門的な部分がございまして、例えて言うと、放課後デイサービスと学校の教育の現場が連携が取れていなかったりとか、そういったこともございまして今回このトライアングルプロジェクトを作らさせていただきまして、教育と福祉の連携については、学校と障害福祉サービス事業者との相互理解の促進や、保護者も含めた情報共有の必要性が、こちらが指摘されております。こうした課題を踏まえまして、家庭と教育、福祉を、より一層連携を促進するために、私と厚生労働の高木副大臣との間で昨年十二月にこのトライアングルプロジェクトを立ち上げ、本年三月に報告を取りまとめさせていただきました。
 具体的には、各地方自治体において、教育委員会や福祉部局が主導して学校と障害福祉サービス業者との関係構築の場を設置することで教育と福祉の連携を加速させたり、また、保護者がどこに相談したらいいか分からないことがないように相談窓口をしっかりと整理を行うなど、保護者支援の取組を充実させることがここのトライアングルプロジェクトの中で挙げられております。
 これを受けまして、五月二十四日付けで文部科学省と厚生労働省の連名において各地方自治体に通知して、この報告書の趣旨を広く周知していくとともに、各自治体の好事例をお示ししながら、それぞれの自治体で取り組むことを後押ししていく。これを機に、各地方自治体における教育と福祉の連携が加速し、障害のある子供とその保護者が支援がしっかりと行き渡るように今後とも取り組んでいきたいと考えております。
#58
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 一つこのプロジェクトで気になったのが、教育と福祉と家族の連携は欠かせないものであると思いますが、ここに医療との連携ということがなかったので不思議だなと、こう思った次第でございます。
 なぜかといいますと、私の経験で大変恐縮ですが、私の息子は、生後三日目に新生児聴覚スクリーニングという検査を受けて、耳が聞こえないということが分かりました。その後、一か月、また半年、もう何度も何度も病院に行き、耳の検査、精密検査などを行い、重度の聴覚障害ということが分かりました。
 ということは、私自身は、すごく身近な機関は病院だったんですね。もちろん、このプロジェクトの趣旨は分かりますが、生まれて間もなくして障害を知る方々も多いと思っていて、やっぱりそこは病院との連携、医療との連携というのは欠かせないのじゃないのかなと思っています。
 情報共有に関して言えば、医療機関とも連携を取ることで更に支援内容が行き届くのではないかと思いますが、医療機関との連携についての丹羽副大臣の御見解をお伺いします。
#59
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 先般改訂いたしました特別支援学校の学習指導要領におきまして、家庭及び地域並びに医療や福祉を始めとする関係機関との連携を図り、長期的な視点で児童又は生徒に教育的支援を行うために、個別の教育支援計画を作成すること、また、二つ目といたしまして、学校医等との連携を密にして、児童又は生徒の障害の状態等に応じた保健及び安全に十分留意すること、三つ目といたしまして、児童又は生徒の障害の状態等により、必要に応じて、専門の医師及びその他の専門家の指導、助言を求めることなどで適切な指導ができるようにすることなど、教育と医療の連携についても挙げられております。
 文部科学省といたしまして、特別な支援を必要とする子供への就学前から、またさらには社会参画に至るまでの連続的な支援を実現するため、教育、医療、福祉、労働分野等の関係機関が連携した切れ目のない支援体制整備充実事業を実施しております。
 今後とも、文部科学省といたしまして、児童生徒の障害状態に応じて関係部局や関係機関が連携、情報共有して切れ目のない支援体制が構築されるように、各自治体に対しても支援を行っていきたいと考えております。
#60
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 先ほど丹羽副大臣の答弁の中に、切れ目のない支援体制についてお話がありました。文科省として平成二十八年度から開始されておりますが、これまでの自治体の取組や実績などをお伺いします。
#61
○政府参考人(高橋道和君) 平成二十九年度から三十の地域で現在取組を行っているところでございまして、具体的に申し上げますと、例えば、各ライフステージで支援が円滑に行われるよう関係機関で情報を共有できる体制を構築する、それから、支援に係る情報や相談窓口が一目で分かるような保護者向けのハンドブックの作成、乳幼児期に支援してきた保健師による小学校への訪問支援、こういった取組がこの事業によって行われているところでございます。
#62
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 この事業が全国で展開され、支援が本当に必要な子供たちや親御さんに届いてほしいと願っております。そして、一人一人が自律をすること、ここで言う自律とは、自らを律すると書いて私は自律と使わせていただきますが、それこそが最終的な目標だと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 時間がなくなりましたので、ちょっと質問を飛ばしていきたいと思っています。
 次に、聴覚障害教育に関して伺います。
 現在の特別支援学校における日本語の文法指導を含む言語指導について、文科省はどのように認識し、評価しているのでしょうか。また、特別支援教育総合研究所におけるこれまでの聴覚障害教育の日本語の文法指導を含む言語指導の取組やその成果について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(林芳正君) 聴覚障害児の指導に当たりましては、日本語の言語能力の育成、これ最も重要なものの一つなんですが、外から音声が耳に入らない又は入りづらいということで、耳から入る音声情報によって通常であれば自然かつ容易に形成される言語能力の育成が困難であると、こういう特徴があるわけでございます。
 特別支援学校学習指導要領においては、こういう体験的な活動を通して学習の基盤となる語句などについて的確な言語概念の形成を図り、思考力の育成に努めることと、こういうふうなことが示しておりまして、各学校においてこの創意工夫を生かして指導が行われているというふうに承知しております。
 また、御指摘のあった独立行政法人の国立特別支援教育総合研究所ですが、ここは聴覚障害教育に関して、例えば、教科の指導における学習上の困難さに対応するために、教材活用の在り方、どういうふうに教材を活用するのか等々について調査研究を実施しております。
 例えば、国語の教科やるときに、事前にそれを読んでみて、やっぱり聴覚障害のある方はこういうところがちょっとつまずくんじゃないかなというのを事前にやはり調べておいて、それでいろんなことを考えると、こういうようなことを含めてたくさんの応答が出ておりますが、こうした研究成果につきましては研究所のホームページで公開をしておりますし、それから、この研究所で行っている研修の講義内容に反映をさせるということを通じまして、現場における指導に役立てることができるようにしておるところでございます。
 今後とも、こういった研究所における特別支援教育に関する調査研究、これを充実をさせていきたいと思っております。
#64
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 これまでも、日本語文法指導や言語を獲得するために様々な教育方法が採用され、工夫されてきたと認識しております。このことについては、ちょっと後ほど詳しく議論させていただきたいと思いますが。
 ところで、大臣にお伺いしたいことがありますが、大臣は手話はできますか。
#65
○国務大臣(林芳正君) 頑張りましょうというのと、それから、ありがとうございます、これだけやっと覚えたぐらいでございまして、もう少し深めたいとは思っております。
#66
○今井絵理子君 ありがとうございます。いや、うれしいですね。
 丹羽副大臣も手話ができるということですよね。ちょっと見たいなと思っています。
#67
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。口頭でお答えするのかどうか。
 皆さん、こんにちは。文部科学副大臣の丹羽と申します。
 その程度でございます。
#68
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 手話には大きく分けて二つございます。日本語対応手話、そして日本手話という二つがありますが、日本語対応手話というものは、日本語文法に従ったものを手指で表現する日本語対応手話と、手指だけではなく表情や姿勢、また独自の文法体系を持つ日本手話というものがありますが、本日は手話という言葉は日本手話を示すこととしますが、手話は、大臣、言語であるという認識でよろしいでしょうか。
#69
○国務大臣(林芳正君) ちょっとマイクがずれていますので直しますけれども。
 障害者基本法第三条三号におきましては、「全て障害者は、可能な限り、言語」、ここに実は括弧が法律に付いておりまして、括弧の中に何が書いてあるかというと、「手話を含む。」と、こういうふうになっておりますので、そして、「その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保される」と、こういう旨が明記されておりますので、手話も重要なコミュニケーションツールの一つであると認識をしております。
#70
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 まさに、障害者基本法にも規定されていますように、手話は言語であります。日本語、英語、フランス語と同じように、手話は言語だという広がりもどんどんどんどん普及しています。そして、手話を母語としている人たちがいます。それが聾者です。音声を認識することができない聾者は、耳から自然に日本語を習得することができません。
 先ほど御説明があったように、これまでも様々な教育方法が採用され、工夫されてきたと思いますが、しかし、お配りした資料をちょっと御覧ください。資料の二から五まで、ばっと見てほしいんですけれども、音声を認識できない聾児にとって日本語は自然に獲得できるものではありません。そのために、語彙が圧倒的に少ないです。また、文法についても自然に習得できないため、正しい文法で日本語を表現することも非常に困難なのです。
 聴覚障害児が日本語の文法を含む日本語獲得ができるための新たな指導方法に関する研究開発を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#71
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 聴覚障害児の指導に当たっては、保有している聴力の状態や心身の発達の段階、家庭における生活の状況などが様々であることを踏まえ、全ての聴覚障害児に一律ではなく、実態に即した個に応じた指導が行われることが重要です。
 聴覚障害児は、今御指摘ありましたように、手話の取得、使用の状況にかかわらず、例えば国語科の読みの指導であれば、抽象的な言葉の理解、主語が省略された文から主語を正しく読み取ること、使役文からそれぞれの動作者と動作の意味を正しく読み取ること、複数の登場人物の視点から書かれている文章の理解、こういったことについて学習上の困難さがあると承知をしております。
 このため、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所では、学習上の困難さへの対応を意図した教材活用の在り方に関する調査研究などを実施し、研究成果について研究所のホームページでの公開、研究所が行う研修における講義内容への反映、学会での公表、関連書籍への掲載などを通じ、学校現場における指導に役立てることができるよう様々な取組をいたしております。
 文部科学省といたしましても、今後とも、聴覚障害児への指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
#72
○今井絵理子君 ありがとうございます。本当に熱心に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 日本における聾教育には大きな変化がありました。手話の使用が禁じられていた時代の口話法教育から、手話を用いて教育へと変化してきたのです。手話による言語指導方法も確立されなければならないと私は思っています。視覚的に日本語の文法を指導するなど工夫もされていますが、手話での文法を指導する方法も開発されなければなりません。
 指導する教員にはどの程度の手話スキルが必要なのか、また、そもそも日本語を母語とする私たちには国語という科目が、教科がありますが、手話を母語とする聴覚障害児には手話科という教科はありません。手話が言語として認められている今、手話科の設置が必要かもしれません。
 両親も聾者であるデフファミリーの、育った場合を除けば、手話の自然獲得というのはとても困難です。そのために、自らの母語が何なのか、また言語的アイデンティティーを獲得できない聴覚障害児もいると聞いたことがあります。手話を第一言語とするなら、日本語を第二言語としつつ、両言語を扱えるようにするバイリンガル教育の是非もまた研究開発をしていただきたいと思っております。
 最後になりますが、ここまでは手話を用いる教育についてお話をさせていただきましたが、最後は、医療の進歩による人工内耳の装用児の増加に伴う課題にも触れたいと思います。
 私も、息子は人工内耳が適応できない耳でしたので、手話による子育てを選択しました。九〇%は聞こえる両親の下に生まれてくると言われています。そのため、聞こえる両親は音声言語で育てたい、通常の学校に通わせたいという思いが強いです。
 人工内耳を装用することができる聴覚障害児にも、これもまた、その能力を生かすための適切な指導が必要となります。そのためにも言語聴覚士などの専門的な方々の配置、そうした現状、今後の取組について御見解をお伺いしたいと思います。
#73
○政府参考人(高橋道和君) 学校において聴覚障害を含めた障害のある児童生徒等に対し教職員が指導を行うに当たっては、言語聴覚士等の専門家のサポートが重要であると考えております。
 文部科学省においては、こうした外部専門家を活用する自治体に対して、その経費の一部を補助する事業を実施をしているところでございます。引き続きこの活用を進め、言語聴覚士等が有する専門的な知識、技術を教職員の指導に生かし、指導方法の改善を行うなど、聴覚障害児を含めた障害のある児童生徒等に対する指導の充実に努めてまいります。
#74
○今井絵理子君 時間が来ましたので、本日はありがとうございました。以上です。
#75
○森屋宏君 自由民主党、森屋宏でございます。本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、今日は、先ほど浜口先生、若干質問で触れられましたけれども、自治体戦略二〇四〇構想研究会、これは聞くところによりますと、大臣の相当の思い入れといいますか、肝煎りで設置をされたというふうなことをお聞きしております。先ほどの浜口先生の答弁のときにもありましたけれども、大臣はこの問題について、見えざる有事だとおっしゃっているというふうにも聞いております。今日はこのことに、第一次報告ということで先月出されましたので、これについて絞ってお話を聞いていきたいというふうに思います。
 まず、今回は、総務省においてこの研究会を設置をされまして、二〇四〇年をターゲットとしてバックキャスティングの手法、つまりは、先ほどの答弁にもありましたように、過去からの延長線上で対応策を議論していくという方式、やり方ではなく、現時点から取り組むべき課題を整理していくというふうなことで第一次の報告をまとめられたということであります。
 これ、私、この間見させていただきましたけれども、総務省のリードということではありましたけれども、いろいろな省庁の皆さん方を参加をいただいて、御議論いただいて、本当に多様、ただ地方自治体の二〇四〇年の姿という議論にとどまらず、本当に大きな、幅の広い議論がされたというふうな報告書を見させていただきました。
 そこで、先ほども既に浜口議員の質問で答えられていますけれども、今日は一応、私の話の流れでも先に聞かないと始まりませんので、改めて、今回の議論を始めるに当たりました大臣の問題意識、そして今回の議論の中から見えてまいりました我が国の将来の姿、地方の姿、課題等についてお聞きをしたいと思います。
#76
○国務大臣(野田聖子君) 森屋委員にお答えいたします。御質問いただき、本当にありがとうございます。
 まず、前回の解散・総選挙があった折に、国難ということで国民の皆さんに審判を問うという形で、安倍内閣、安倍総理は、国難の一つに少子高齢化というのを掲げて、これをどうにかしなければならない、それについて是非を問うたわけですけれども、大きな、大変なことであるというのは承知しているけど、なかなかその実態が分かりづらい。
 高齢化というのは実は見える化していて、今年五十の人が十年後六十歳になると、周り近所の人を見ると分かるわけですね。実際に、例えばうちの両親とかもそうですけど、年を取っていく様子がやっぱり見える化されている。ただ、少子化に至っては、生まれると予測されていた子供たちが生まれなかったということで、今いる子供たちがいなくなることを少子化とは呼ばないんで、そういった意味で相当頭の中で想像をしなければならないと。
 でも、もうなかなかそれぞれ忙しいし、個々に委ねるのは限界じゃないかということで、ただ、これが結果として、内政においては、外交においてはやっぱり安全保障ってとても重要ですけれども、日本の持続可能な国家の維持を考えたときに、やはり日本の国の中の様々な行政サービス始め経済の中心というのは人なんですね。人そのものがいなくなるということにもう少しやはり危機感を共有して、でも怖いばかりじゃなくて何か答えを出していこうということが必要なんじゃないかということで、総務省とも相談をしてきたところです。
 実は、もう既に二〇四〇年というのは、先ほども申し上げたんですけど、高齢者の数が一番ピークに達する頃で、そのときが日本の歴史の中で一番厳しい状況の一つじゃないかというふうに目標の年と定めて、ややもすると、今、二〇二〇年までのいろんな議論というのはあるんですけれども、その以降について、オリンピック・パラリンピックが終わってしまった後どうするかということについてなかなかしっかりとした青写真が描けていない中、不安ばかりがちょっと増大して、なおかつその不安がもう小さな市町村でスタートしていると。高齢化も進んでいますし、人口減少で若い人たちもいなくなっている。そういうこともあり、やっぱり総務省が自ら、一番今後の日本の抱える不安をもう既に経験している地方との付き合いがある中で責任持ってやっていこうということが事の発端でありました。
 あわせて、中長期的な視点というのはなかなか最近の政治になくて、予算が単年度なんで仕方ないと言ってしまえばそれまでですけど、今、やはり経済をしっかり取り戻す中で、今の景気に負荷を掛けているものの一つに将来の不安というのがあるとするならば、やっぱり高齢者の方が熱心に貯金をされているわけですね。年金というのは、そもそも都度都度の生活のために使っていただきたいんだけど、それを倹約してでも将来の不安のために備えている。貯蓄に回すというのは少し気の毒だなと思い、じゃ、将来の不安が何かと明確にした中で、じゃ、それに対してこの国は、私たちは、政治は、行政はこういう答えを出していくというのをお見せするのがいいのかなというふうに思って立ち上げたところです。
 自治体戦略二〇四〇構想研究会という名前にいたしまして、昨年の十月に立ち上げさせていただきました。実は、今委員御指摘のように、この研究会は総務省の中で行われていますけど、毎回、各府省の担当の関係の方たちが来て話を聞いていただいていますので、話題は共有化できていると思っています。私自身も可能な限り参加させていただいて、本当に各界の様々な御意見を聞かせていただいているところです。
 今委員が御質問いただきました、四月二十六日に第一次報告というのがまとめられました。これは、内容としては、放置をすれば、このまま今の、私たちが努力せずにこのままでいこうということであれば、内政上の危機として生じるものが、例えば、若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏という問題が見えてきました。ほかには、標準的な人生設計の消滅による雇用、教育の機能不全という問題点もあぶり出されてきましたし、そして三番目には大きなものとして、スポンジ化する都市、昔でいうと、何というんですかね、ぽこぽこと空いてしまう、そういう、それを今スポンジ化と呼ぶんだそうですが、と朽ち果てるインフラ、これはもう昭和四十年代にいっぱいいろんなものを造りましたが、もうそれが経年劣化で一斉に老朽化を迎えているということです。
 こうした二〇四〇年頃にかけて迫りくる我が国の危機を乗り越えるために、これ、今まで余り危機を言っちゃいけないと言われているんですね、不安になるから。でも、それをやっぱり明らかにしておかないと、やっぱりこれから何を、限られた財政の中で何をするかというのが見えてこないので、それを珍しくこういう形でリストアップさせていただきました。
 自治体も全ての府省もこの政策資源を最大限に投入する必要があるということが分かりました。自治体は、持続可能な形で住民サービスを提供するプラットフォームであり続けなければなりません。そんなことを第一次報告で、こういうものが問題として抽出されたということを明らかにさせていただいたところです。これからはその対応についてしっかり取り組んでいければと思います。
#77
○森屋宏君 全く私、大臣と同じ思いでしてね、むしろ危機なんですよ。これは危機という認識を、私は、日本国民は持ち得ていないと思いますよ。
 ですから、やっぱりこれは国に、少なくとも国会の場では、危機という前提の中でそれに対してどう対応していくかという議論を深めていかないと、やっぱりどうしても、今大臣おっしゃったように、目先の問題に対して、これは大切なことです、一年、二年、三年、五年、十年ぐらいのことを議論するのもあるんでしょうけれども、一方において、やっぱりもうちょっと長いスパンでの議論というのをここで真剣にやっておかないと、私は大変なことが来るというふうに思います。
 そこで、今大臣もおっしゃりましたけど、都市のスプロール化とかスポンジ化という言葉があるわけですね。私は県会議員をやってまいりましたから、私の実は県会議員の選挙区って四万人ぐらいの人口なんですよ。軒数にすると一万ちょっとぐらい。そうすると、団地とかアパートありますからそういうところは見えませんけど、大体一戸建てに住んでいるところは、このうちには誰が住んでいて、そのうちにはおじいちゃん、おばあちゃん、誰でと、大体頭に全部入っているんですよ。
 ところが、参議院になりまして、小さい山梨県といえども、山梨県中を回っていると、なるべく自分の地元は行かないようにしているんですよ、たまに自分の地元に行くと、最近何が起こっているかというと、空き家対策法で市が補助金なんか出したりして、本当は実は、今、人口が減っているわけじゃないんですよ。もう何年も前から人口は減っていたんだけれども、空き家で残っていたから、現実味としてそこにどれだけの人たちがいなくなったかというのが分からなかったんだけれども、実は私のように、浦島太郎じゃないけれども、久しぶりに地元に入ると、最近ぽつぽつぽつと家がなくなって、いや、こんなに人がいなかったんだということがようやく気付くようになったんですよ。
 そこで、スプロール化ということとスポンジ化、こういう現象、スプロール化は、人口は減っていますけれども、社人研の推計ではいまだに世帯数は増えているんですよ、日本の国というのは。これで、スプロール化とスポンジ化、これについての見解をお願いします。
#78
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 第一次報告で、やはりスプロール化とスポンジ化と二つが同時に進行しているのはよくありまして、まずスプロール化でございますが、高度経済成長の中で都市が郊外へ拡大し続けたと。その結果、必要なインフラを整備してきたわけでございますが、それで結果的には、人口集中地区、DIDの面積が人口の伸びを上回るペースで拡大してかなり都市圏域が広がったと。その代わり、人口密度が低下しているという感じになってきたわけでございます。
 今度は、その上で、中心部の人口が減ってまいりまして、急激な人口減少に伴いまして多くの都市で、国交省の言葉では都市のスポンジ化と申しますが、これが進んでおると。結局、そのまま放置すれば都市における人口密度がどんどん低下しまして、その結果、またDID地区の面積が縮小してくると。
 これは加速度的に都市の衰退を招くおそれがあるというふうなことでございまして、そういった意味で、今回の報告書では三つ目の危機といたしまして、スポンジ化する都市と朽ち果てるインフラというのを挙げたところでございます。
#79
○森屋宏君 そこで、今まで、戦後、高度成長期から今日まで拡大してきた都市をどういうふうに、縮小という言い方は適切ではないかもしれませんけれども、まあいわゆるコンパクト化させていくかということだと思います。
 私はその中で、やっぱり総務省が言っている連携中枢都市圏の取組というのは、これは非常に私、有効な手、手段であるなというふうに思うんですね。
 外国のドイツなんかを見ると、総体の人口規模は違いますけれども、例えばベルリンというところが、今の現在の人口を見ると約三百五十万人なんですね。ハンブルグという都市が二番目の都市で約百八十万人。ミュンヘンが約百五十万人。あの有名なフランクフルトというところ、私びっくりしました、七十万人ぐらいしかないんですね。こういう地方都市が点在をして国をつくっている。
 これ、よくドイツの話をすると、いや、ドイツは連邦国家だからと言う人がいるけど、やっぱり私は日本だって見習うべき姿があるなというふうに思うんですよ。
 そこで、この連携中枢都市圏、これ今現在、全国で二十八圏域を定めて進んでいるということでありますけれども、これの現状どういうふうになっているのか、お話しいただけますか。
#80
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 連携中枢都市圏というのは、東京圏にばかり人口が集中してくる、これを何とかしなくちゃいけないということで、地域を引っ張る力のある指定都市、中核市が中心になりまして、近隣の市町村と行政サービスを共有する、役割分担する、それから産業も活性化すると。こういったことで、その都市圏域で、東京圏に人を出さなくても何とかそこでいろんなことができるようなものをしていきたいというふうに考えて始めた政策でございます。
 近隣市町村と連携いたしまして、まず圏域全体の将来像を描くと。それから、これは県だとか国とかが決めるわけではありませんで、その要件を満たす中核市、指定都市が自分で周りと議論をして都市圏をつくるということにしております。連携協約という自治体間の条約みたいなもので、圏域を自立的に一対一の関係で形成するというふうにしております。産業界、学界、それから金融、官、こういったところがみんなでビジョンを作って取り組んでまいるということにしております。
 現在、ただ、要件を満たす中核市、指定都市等が六十一あるんでございますが、今二十八圏域が形成されているところでございます。具体には、例えば姫路市では圏域で企業誘致を推進するとか、福山市では圏域で産業支援機関を設立するとか、倉敷市では圏域内での保育士を確保するため、みんなで保育所支援センターを設置するとか、こういうのをやっております。
 ただ、恐らくこれから必要なことは、もっと連携を深化するというか深くするというか、今はどちらかというと協力しやすいところで始めておりますけれども、これが本当の役割分担を進めていけるかどうか、こういったことはこれからの課題だというふうに思っております。
#81
○森屋宏君 先ほどお話ししましたように、短いスパンで言ったら、私は、日本の都市というのは戦後拡充されてきた。もっと言えば、違う見方すれば、明治維新ぐらいからと言う人もいるかもしれないけど、少なくとも戦後の七十年余り都市拡大してきましたから、私、これ、先ほど言ったドイツみたいな理想的な形をつくるって、私、拡大してきたと同じぐらいの年月日が、七十年ぐらい掛かると思うんですよ。でも、今から始めておかないと必ずそこには行かないということであります。
 それからもう一つ、この議論をしたときに、やっぱり東京に一極集中している姿というのを、これどうするかということを避けて通れないんですよね。これは、やっぱり世界の中でもこんなに一極集中している国というのはないわけですから、この異常さというものを、やっぱりこれ、東京対地方の戦いみたいな議論のロジックにさせちゃ駄目なんですよ。これ、国会の中でこれだけ大勢の先生方が来ているんだから、やっぱり国会の場で、国の姿の根本ですから、これ徹底的に議論しなきゃならない。そのときに、東京が何か利権を、東京の持っている既得権を奪うみたいなことではなくて、これは、しっかりとした議論ができるのは国会の場だというふうに思います。
 そこで、ですから、この連携中枢都市圏のこの構想、時間が掛かりますけど、着実に、そして必ず前進していく取組をしていかなければいけないというふうに思います。
 それで、中核市をコアにしてこの連携中枢都市圏を形成するというのは今言ったようなお話なんですけれども、それ以外の地域、これをなかなか自治体間連携をさせていくって非常に難しいと思います。
 これ、なぜかというと、私のところの山梨県、外形を見ると、大体ちょうど、甲府を中心に大体五十キロで円を描くとちょうど山梨県って入るんですよ。本当に理想的なところなんですけれども、しかし私の住んでいる富士五湖地方と言われるのは、富士山というところから八王子の高尾というところまでの県境までは、本当に細長い、川沿いに集積している町がいっぱいあるというようなところなんですよね。そうしていくと、なかなか理想的な形態というのはつくりにくいんです。
 そこで、やっぱりこの多様な自治体間連携というものをもう一つどういうふうに進めていくかというのも一つの議論だと思いますけれども、これ研究会の中でどんな議論をされたか、お聞きしたいと思います。
#82
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 まず、個々の市町村が全て自分でフルセットで行政をやるという考え方から脱するということが一番大事なんだろうと。そういう中で、圏域単位で物事を進めていく。連携中枢都市圏のほかにも、人口五万程度の市を中心にする定住自立圏も進めております。
 とにかく、お互いに役割分担をして、全てを一つで持たないようにしながら、都市機能を維持確保するということが必要ではないかというふうな議論をされました。そこで、結局大事なことは、人が人とのつながりの中で生きていける空間というのを積極的に形成していくことだろうというふうに思っております。人々の暮らしやすさを保障していくという観点でございます。
 それからあと、人口減少が先行して進んできた県におきましては、県と市町村、役割分担はございますけれども、これも一体となって様々な施策を展開して地域を守ろうとする動きが顕著になってきております。そういった意味で、都道府県、市町村の二層制はありますが、そこはある程度柔軟化しながらも、どんなふうに生活基盤を確保していくか、共通基盤をつくっていくかというのが大事だと、こういう議論がされたところでございます。
#83
○森屋宏君 今おっしゃっていただきましたけど、この議論で大切なのは、やっぱり型にはめて何かをつくらせようということをしちゃ駄目ということですよ。先ほどもありました、合併の話ありましたけど、あるいは、それから道州制議論、これ、入口から入るともうそれで駄目なんですよ。ですから、やっぱりいろんな取組をしていって、その結果としてやっぱり合併、あっ、合併になっちゃったねとか、あっ、道州制になっちゃったねと、私はこれでいいと思うんですよ。
 ですから、入口で何かストップ、議論が割れてしまうようなことではなくて、まず大切なことは、多様な取組ということをやっぱり認めてあげるということ。それから、国はすべきことは、その多様な提案、地域からの提案であるとかそういうもの、あるいは発想であるとか、そういうものが湧き出てくるような環境を整えてやるということ。いや、それは駄目ですよ、これはできませんよというふうなことは絶対駄目だと思います。
 やっぱりそこをどれだけ国として、総務省だけじゃなくて、後で最後に言いますけど、これ実は総務省には荷が重いんですよ、この議論は。これ、本当は国挙げてやらなきゃならない、内閣挙げてやらなきゃならないくらいの大きな話なんですよね。でも、少なくとも総務省は地方の味方なんだから、やっぱりそのときに窓を広げてやって、地方から出てくる提案が湧き出てくるくらいのそういう環境を整えてあげるということが私は総務省の役割だというふうに思います。
 そこで、そうはいってもコンパクトをどう進めていくかという話をしなければならないんですけれども、そこで、総務省がやっている公共施設等の総合管理計画、これを全国の自治体に、立てさせたという言い方はできません、立ててもらったら、ほとんど一〇〇%の自治体がこれを立てて、計画を立てたわけですね。これの立てた後、どういうふうにしていくのか、そこの展望というか考え方をお聞きしたいと思います。
#84
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたとおり、公共施設等総合管理計画につきましては、平成二十九年九月の末時点におきまして、全団体のうち九九・四%と、ほとんどの地方公共団体において策定が完了いたしております。一方、この公共施設等総合管理計画に基づきまして、点検、診断によって得られた個別施設の状態や維持管理、更新等に係る対策の優先順位の考え方、また、その対策の内容や実施時期について定めます個別施設計画の策定状況については、現段階では施設ごとに相当のばらつきがあるという状況でございます。
 総務省におきましては、関係省庁と連携しまして、この個別施設計画が平成三十二年度までに策定されるよう促すことによりまして、長寿命化、集約化、複合化等によりまして、中長期的な経費の軽減、平準化につながる適正化を推進することとしております。そのため、この適正化に取り組むことによって中長期的にどのような効果が得られるのかにつきましても、平成三十三年度までに具体的に示していただくように要請しております。
 それぞれの地方公共団体が全庁的な体制を構築して効率化に資する、いわゆる賢い投資と言われておりますが、こういう投資を計画的に実施することを積極的に後押ししてまいりたいと考えております。
#85
○森屋宏君 先ほどもお話ししましたように、入口論でいくとそこで止まってしまって先に行かないんですよね。ですから、この公共施設の既存に持っている、それぞれの地域で持っているその施設というものを集約化させていくことの繰り返しというか長い間の取組が、気が付いたときにはその地域がやっぱりコンパクト化していくというふうなことだというふうに思うんです。
 ところが、私は、さっきも言いました県議会議員のときの仲間や先輩が、みんな合併した地域の市長さんになっているわけですよ、山梨県でもね。そうすると、これは施設の集約化とか、要するに、管理計画を実施していくということは並大抵な話じゃありません、ここにも市長さん、おいでになりますけどね。
 私のところ、北杜市という長野県に一番近いところで、これ、中核市がなくて八つの町村が一緒になったところなんですよ。そうすると、全部の町村に役場とそれから図書館、全部にあるわけですね。そうすると、これを、二つのものを一つに合わせていくだけでも、それこそ選挙の争点になっちゃうんですよ。そうすると、しっかりこの市長さんみたいに本当に財政のことを考え、地域のことを考え、集約していこうという市長さんが、時として選挙で落ちちゃったりするんですよ。いやいや、これ本当でね、皆さんよくそのこと御存じだと思う。
 だから、このことは国がやっぱりしっかりと方向性を示してあげて、しかし、選んでいくのが自治ですからね。その地域の人たちが、首長さん始め行政サイドの人が選び、そして地域住民の人たちがもちろん選んでいくのが自治の姿でありますけれども、少なくともやっぱり国というものは方向性を示してあげる、ベクトルを示してあげるという、あるいは手を挙げたところにはしっかりとした支援をしてあげる、これは大切であるというふうに思います。いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 今御指摘いただきました、特に合併団体につきましては、合併特例債等を活用いたしまして計画的な施設配置について努力いただいております。この合併特例債につきましては、先日、その期限の延長もしていただきましたので、更にこれを活用していただくように私たちも推進してまいりたいと思っております。
 それに併せまして、公共施設等総合管理計画、また個別施設計画に基づいた中長期的な適正管理に資する計画的かつ効果的な取組をより一層推進するために、平成三十年度の地方財政計画におきましては、公共施設等適正管理推進事業費を、平成二十九年度の三千五百億円に対しまして千三百億円増額して、四千八百億円を計上いたしました。
 そして、その財源措置としての地方債につきまして、平成三十年度から長寿命化事業の対象を拡充するとともに、ユニバーサルデザイン化事業も追加いたしました。あわせまして、地方公共団体の財政運営の実態を踏まえまして、財政力が弱い団体であっても必要な取組を着実に推進できますよう、長寿命化事業等につきまして、財政力に応じて交付税措置率を引き上げることといたしました。
 それぞれの地方公共団体におきましては、先ほどお答えしました合併特例債の活用はもとより、国の補助事業等を活用するとともに、単独事業につきましても、今申し上げましたような措置を活用することによりまして、公共施設等の効率的な老朽化対策等に着実に取り組んでいただきたいと考えております。
#87
○森屋宏君 御答弁ありがとうございました。
 そこで、いろいろなメニューを作っていったときに、結局は、地域の中でそれを提案をし、あるいは計画を作り上げ、そして現実に実現化させていくか、やっぱりこれ人なんですよね。地域の中にどれだけの、やっぱり私は地域プランナーだというふうに思っています。
 この間の総務委員会では、地方自治体職員の多様な勤め方、定年延長であったり、あるいは県の職員をやっていても市町村職員になってもいいじゃないかとか、むしろ、国家公務員をやっていても、地方に戻って、自分のふるさとへ戻って地方公務員やってもいいじゃないかとか、いろんな多様な働き方があれですよねというふうな質問をしましたけれども、今日は、すごい地味な私は認識しかなかったんですけれども、地域おこし協力隊、これ非常に成果上げているんですね。
 ちょっと報告をお聞きしましたら、平成二十一年、十年前に始まったときには全国で三十一団体で八十九名の隊員しかいなかったと。ところが、今日、二十九年度には九百九十七団体、四千九百七十六人もこの地域おこし協力隊の方が手を挙げて、地方に入っていただいているというんですね。なおかつ、そのうち、任務が終わった方の中で六割の方が同じ地域に定住をして、起業をしたり生活をしてくれているというんですよ。びっくりしました。私の認識のなさに恥じるわけでありますけれども。
 この活動について、成果と、今後どういうふうに発展をさせていくおつもりなのか、お聞きします。
#88
○政府参考人(池田憲治君) お答え申し上げます。
 今御紹介ございました地域おこし協力隊、昨年度は約五千人にまで増加いたしまして、また、そのうち現役の隊員の約四割が女性でございまして、また、二十代、三十代の隊員が約七割を占めているなど、若い方々の感性で地域を元気にしてくれております。
 具体的な事例を一つ挙げさせていただきますと、昨年度実施いたしました地域おこし協力隊ビジネスアワードにおきましては、山梨県笛吹市が採択をされました。そこでは、隊員が新しい特産品として地元原料を使ったマスタードを生産する活動に挑戦をされておりまして、こうした動きが各地で展開をされております。
 また、御紹介ございましたように、隊員の約六割は任期終了後も引き続き同じ地域に住み続け、同一市町村内に定住した方の約三割が自ら起業をするなど、地域で新しい仕事をつくり出しています。
 地域おこし協力隊の更なる拡充に向けまして、例えばシニア層や在住外国人、青年海外協力隊経験者などにも働きかけまして、応募者の裾野の拡大に取り組んでまいります。また、任期が終わった後の出口を多様化しまして、定住、定着を一層推進するために、起業に加えて、全国的に大きな課題になっております事業承継につきましても、各地の事業引継ぎ支援センターと連携してのマッチングですとか、あるいは研修のカリキュラムの中にこの事業承継を盛り込んだりするなど、そうした支援にも取り組んでまいります。
 地域おこし協力隊は、制度創設から十年を迎えておりますが、このような新しい要素を取り入れまして更に制度を発展させ、都市から地方への新しい人の流れをつくってまいりたいと考えております。
#89
○森屋宏君 昨年だけで約五千人でしょう。それで十年間やっているわけだから、恐らく数万人の方がこれに関わってきたと思うんですよね。六割の方は定住していただいているんだけれども、それ以外の方、大勢の方、関わった方は大勢いると思いますね。
 改めてそのネットワークをやっぱりつくっていくことが大変重要だと思いますよ。一回はやめられてまたどこかへ、地元へ、地元というか都市に戻ったけど、また戻るという方はいると思いますよ、最初にそういう気持ちがあった方ですからね。是非ネットワークというのをもう一回掘り起こしてつなぐ、つくっていく、是非考えていただきたいというふうに思います。
 今日は、都市というか、二〇四〇の話の中で、いろいろな話をさせていただきました。
 私は、十八年前にドイツのハノーバーというところに行ったんですよ。これは何かというと、ハノーバー万博というのをそのとき、ちょうど二〇〇〇年、やっていまして、そして、大きな会場だったんですけれども、そのときにそれを御案内いただいた方が、実はこのハノーバー万博の跡地は終わったら全て農地に戻しますと。これ、ちっちゃな面積じゃないんですよ。膨大な面積で万博をした土地を、最後にこれが終わったら農地に戻すということを聞いて、いや、ドイツという国はすごい国だなと。その後、ドイツの農地の転用が安易にできない法律制度でありますとか土地利用計画の厳格さ、改めて我が国とは違うこの姿というものを思い出すわけであります。
 そこで、最後になりますけれども、大臣、この二〇四〇構想というのは、本当に、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、大臣の下で起案していただいて始めていただいた、私は、是非これ昇華させてもらいたいと思っているんですよ。その昇華の姿が、この中から何かのテーマを取って地方制度調査会に総理からの諮問というふうなやり方もあると思いますけれども、そうではない、この議論の、やっぱり、それだけ有事というふうなことを言われているわけですから、私もそう思います。
 是非この議論というものを更に昇華していただいて、このまとめの中にもありますように、持続可能で多様な自治体による行政の展開が我が国のレジリエンス向上につながるというふうにまとめられていますけれども、是非大臣には、この議論を更に大きな輪につなげていっていきたい、その役割を大臣に求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(野田聖子君) 森屋委員にお答えします。
 私も、委員と同じく、ちょっとだけ地方議会に関わらせていただいていたんですけれども、それから何十年かたって今総務大臣をしていて、仕事で様々な地方を回ることがございまして、今も大変勇気付けられたのは、危機と言っていいんだと。これまでやっぱり、危機ということを行政とか政治のサイドで言うと、いたずらに国民の皆さんが不安になるから駄目だと抑制が掛かっていたんですけれども、率直に申し上げて二〇四〇で問題を摘出してきました。なぜそれをしたかというと、挽回できるというところをいろいろ見知ってきたからだと思います。
 今いろいろ話題にしていただいた例えば公共事業のことにしても、例えば基金について、随分都市の人たちから、地方は基金いっぱい持っているんだからという厳しい意見があったし、でも、そこに通ずるのは、合併特例債もそうなんですけど、まさに御指摘のとおり、決定するときの決定権者というのはやっぱり選挙を通じて選ばれることが多いわけですね。片や決めていく方は総務省の選挙のない人たちで、そういうところで本当に地方の実情に沿ってやりやすい道筋を付けてあげているかなということをやっぱり検討する必要があると思います。
 あわせて、厳しい危機なんだけれども、今までのように国が上から目線で、じゃ、こういうことをしてあげよう、こういうことをしてあげようということが果たして正しいのか。
 今お話ししていただいた地域おこし協力隊だって、自発的に定住してくれる人も増えています、都市から地方に。そして、ふるさと納税も、いろいろ批判もありますけれども、それによって地域の特産を作ろうということで、それが好循環を生んでいる人口僅か五千人ぐらいのところも結構あります。あとは、高齢化率が高いから気の毒だと割と一般的におっしゃる方がいらっしゃるんですけど、実際行ってみると、大変元気で高齢者でも就労されていると、その地域での収入は非常に多い。例えば、葉っぱビジネスなんというのが割と話題になっています。
 だから、まだまだ地方それぞれにポテンシャルがあるんですけれども、一律に何かを定めていくとかそういうことでなく、それぞれのやっぱり個性を生かしていくような地方行政をするために、二〇四〇でしっかりと問題抽出して、あとはやっぱり地方の地力を生かしていけるような地方行政を進めるとともに、今おっしゃったように、オールジャパンで取り組んでいただければまだまだ大丈夫なんだということをお伝えできる研究会になるんじゃないかなと思っています。
 これからも御支援をお願いします。ありがとうございました。
#91
○森屋宏君 むしろ、危機ということを今のこの時代に、政治に、国政に関わる私たちが言っていかなければ、二〇四〇年のときに生きる人たちから、なぜあのときに危機と言ってくれなかったんだと言われるような私は思いがしてなりません。
 大臣の御奮闘を期待をいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#92
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いをいたします。
 まず、国政選挙における執行経費について総務省にお尋ねしたいと思います。
 平成二十八年七月十日の第二十四回の参議院選挙が行われましたけれども、このときの参議院選挙における執行経費の決算額、そしてこれまでの国政選挙の執行経費の推移についてお教え願えますでしょうか。
#93
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 国政選挙における執行経費につきましては、地方公共団体における執行経費の実態等を踏まえまして、通常必要とする経費の一定基準を定めた国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律、いわゆる選挙執行経費基準法に基づき算定されることになります。
 この法律に基づいて、平成二十八年七月に執行されました第二十四回参議院議員通常選挙における選挙執行経費の決算額は約五百二十九億円となっております。
 また、過去に執行されました参議院議員通常選挙の執行経費の決算額の推移につきましては、平成二十五年に執行されました、それより一回前の第二十三回通常選挙では四百九十億円、平成二十二年、第二十二回の通常選挙では五百一億円、平成十九年に執行されました第二十一回通常選挙では約五百七十億円、平成十六年に執行されました第二十回通常選挙では約五百九十八億円となっております。
#94
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今御説明いただきましたけれども、推移については、ここ最近はちょっと増加しているんですけれども、十年以上前から見ると減少をしております。
 この執行経費ですけれども、基準法というのがあって、先ほど御説明ありましたが、これを、参議院選挙ごとに改正が行われておりまして、その際、執行の実態について、我が党の浮島議員が指摘をしたのが一つの契機になりまして、調査を行うようになりました。地方における執行の実態を踏まえた基準にすることとなっております。
 この調査が行われることで、より執行経費のPDCAサイクルが確立されたと思いますけれども、ただ、平成二十二年のとき、法案自体が国会情勢等で成立しなかった場合、このPDCAサイクルが機能しない事態になりまして、基準法の本体であるところの金額を定めた表について政令化してもいいんじゃないかというふうな議論もあるというふうに承っておりますが、この辺の政府の見解についてお教え願えますでしょうか。
#95
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 選挙の執行経費の基準法につきましては、必要となる経費の基準を定めたものでございますが、これは制定経緯が、昭和二十五年になりますけれども、そのときに基準法が成立しております。
 それまでは、国政選挙の経費は専ら予算措置のみによってなされておりまして、統一的な配分基準が存在しないという状況でございました。そのため、選挙執行の実態も踏まえまして、その基準を法律として制定することにより国が負担する額の程度を明らかにし、地方公共団体の財政的不安を除き、選挙の事務の円滑な執行を確保しようとしたものと承知しております。また、この法律においては、国は地方公共団体に対して国政選挙の管理執行に関する基準となる額を支出する義務を負いまして、他方、地方公共団体は当該額を受けることが保障されているものと考えられます。
 これらのような制定当時の経緯とか意義とかを考えますと、現行の法律によって規定する考え方についても一定の合理性があるのではないかと考えております。
#96
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今答弁ありましたように、やっぱり国会での審議は必要だというふうに私も思いますけれども、ただ、平成二十二年の事例のように、執行経費の基準法が成立しなかった場合、一応旧法の下でこのときは選挙が行われまして、十二億円超過額が出たというふうに言われておりまして、法案成立が遅れることで国民の税金が結果的には無駄になってしまう一例かというふうに思います。
 この法案に限らず、成立が遅れることによって国民の税金が結果的に無駄になってしまうということもないように、執行経費基準法始め、審議すべきものはしっかりと審議するのが国会の責務であるということを確認させていただければと存じます。
 次の質問に移ります。投票環境整備についてであります。
 高齢社会の中で、高齢者、特に要介護の投票環境の向上が必要であるとの声が多数寄せられておりまして、私も多くの有権者の方から、要介護者の投票についてということで、現状では要介護五の人しか郵便投票できないということになっているわけですけれども、実際には要介護四の方でもなかなか投票所に行くのは難しい、何とかしてほしいというふうなお声を聞いております。
 こうした要介護者の投票環境向上について、政府の見解を伺いたいと思います。
#97
○政府参考人(大泉淳一君) 高齢社会が進行する中で、在宅高齢者の中には、投票の意思があるにもかかわらず、歩行が困難なために投票所に行くことができない者がいるなど考えられておりまして、高齢者の投票環境の向上は重要な課題と認識しております。
 現在、一定の病院あるいは老人等の施設によりましては、入院、入所されている方々はその施設において投票することができます。また、選挙人で身体に重度の障害がある者につきましては、在宅で郵便により投票できる郵便投票の制度がございまして、要介護者につきましては現在要介護五の者が対象になっております。
 この点につきまして、総務省で置かれました投票環境の向上方策等に関する研究会におきまして、要介護者の寝たきりの状況が改めて検証されたところ、要介護認定における障害高齢者の日常生活の自立度、いわゆる寝たきり度でございますけれども、これによりますと、平成二十七年度に要介護認定を受けた者のうち、要介護四の方は八七%、要介護三の方はほぼ半数が寝たきりと評価され、さらに、準寝たきりのうち寝たきりに近い者というものを見ますと、要介護四の者で約九六%、要介護三になりますと約八〇%がこれに該当していたということが指摘されました。
 これらを踏まえまして、同研究会の報告書におきましては、要介護四及び三の全体を郵便投票の対象とすべきという提言が平成二十九年六月になされたところでございます。
 総務省としましては、郵便等投票に要介護者を追加した平成十五年の改正が議員立法でなされたということや、投票できる者の範囲に係る重要な改正となるということに鑑みまして、各党各会派においても御議論いただきたいと考えていたところでございますが、現在、現に各党各会派における御議論がされていると承知しており、総務省といたしましては、その結論を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
#98
○熊野正士君 ありがとうございます。
 要介護の方の郵便投票の拡大というのが検討をされているということで、これを大いに評価をしたいというふうに思います。
 一方で、これまで郵便投票に関しての不正防止ということで、不正防止への対策も極めて重要だというふうに考えます。この点について、検討会での議論も踏まえて答弁をお願いいたします。
#99
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 郵便等投票につきましては、投票管理者あるいは投票立会人がいない中での投票ということでございますので、御指摘のとおり、公正確保を図ることが重要と考えております。
 現行でも、公正確保のため、郵便等投票の手続におきまして、郵便等投票証明書を交付し、これを提示して投票用紙の請求をする、事前に証明書をもらうということ、それから、投票用紙を同居の親族等の第三者には交付することをしないで、郵便によりまして確実に本人の勢力圏内に送付するという手続を行っていること、また、自書主義を取っておりますとともに、郵便等投票証明書の請求、それから、投票用紙の請求及び投票の記載時の外封筒におきまして、各段階で本人の署名を求めております。で、第三者の不正投票を防止しております。
 また、投票に関する干渉、あるいは氏名を詐称する等の詐欺の方法による投票につきましては、これは罰則によって担保されているところでございます。
 これら過去の不正事件を教訓にしまして制度の見直しを行ったところでございますが、総務省の研究会の報告におきましては、そのような更に規制の強化というよりは、郵便投票等の公正確保につきまして現行の取扱いを徹底して、選挙に関する国民の信頼を確保することを第一としまして、罰則を含めた郵便投票の制度の内容につきまして、高齢者本人のみならず、その家族、ケアマネジャーや介護福祉関係の施設、団体等、要介護高齢者に日常的に接する機会の多い者に対して広く周知しまして正確な理解を促すことが提言されておりまして、このように多くの方々が正確に制度を理解することによって不正行為を抑止し、適正な投票を促進させていくことが期待されるということでございます。
 こうした研究会の提言や意見も含めまして、今般、郵便投票の拡大について各党各会派に御議論をいただいていると承知しておりますが、その結論を踏まえて適切に対処してまいります。
#100
○熊野正士君 障害者の方々の投票環境についてもやっぱり配慮しなければいけないというふうに思います。郵便投票の拡大など障害者の方の投票環境整備も必要であると思いますけれども、総務省、いかがでしょうか。
#101
○委員長(二之湯智君) 簡潔にお願いします。
#102
○政府参考人(大泉淳一君) はい。
 まず、歩行困難、外出困難な障害でございますけれども、これにつきましては、先ほども申しましたとおり郵便投票の制度がございます。また、投票所に行かれる方につきましても、車椅子や車椅子用の投票記載台の設置、投票所における段差解消などの取組につきまして各選挙管理委員会に要請し、行われているというふうに承知しております。
 また、身体の障害などによりまして自ら投票用紙に記載できない方につきましては、代理投票という制度もございます。
 また、視覚に障害がある選挙人の方につきましては、選挙のお知らせ版、点字又は音声によるものでございますが、これらを作成、配布していくことを要請しておりまして、全ての都道府県においてこれがされているということでございます。また、点字器や拡大文字による候補者等の準備をするなどの様々な措置をとっているところでございます。
#103
○熊野正士君 今総務省から答弁いただきましたけれども、要介護の、いわゆる高齢者の投票環境の向上ということで議論されたわけですけれども、障害者の方々も、この郵便投票の拡大も含めて、投票環境の向上について議論等も含めて、是非大臣の御見解を伺えればと思います。
#104
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 熊野委員には、高齢者はもとより、障害者について意識を高く持っていただいていることを感謝いたしたいと思います。
 今部長の方から、こんなことをやっています、こんなことをやっていますという話がございました。それぞれなんですけど、各選挙管理委員会が主体的にやっているんですが、選挙公報の内容を点字又は音声によって情報提供したり、また、投票所におけるハード面、ソフト面のバリアフリーなど、それぞれ地域に応じて取組をやっていただいております。これからも、国の福祉部局や障害者団体の関係機関とも十分連携しながら、積極的にこうした取組を充実させていきたいなと思います。
 実は、それとは別に、総務省の方で投票環境の向上方策等に関する研究会の中で、代理投票の改善とか候補者情報の提供の更なる充実、そして、内閣府の障害者政策委員会から指摘がありましたので、ICTの利活用による対応も含めてどのような取組ができるか議論をしていただいているところなんです。そうした議論を踏まえて、引き続き、障害のある方の投票環境の向上にも努めていきたいと思います。
 身体障害に限定されているんですけど、知的障害の方も実は投票所まで一人で行かれない人も多いわけですね。今回そういうことが入っておりませんので、是非ともまた国会の方でも幅広く議論をしていただければ有り難いなと存じます。
#105
○熊野正士君 大臣、前向きな答弁、本当にありがとうございます。
 先ほど不正投票の防止ということについて質問させていただいたんですけれども、不正投票防止の観点から、病院等で行われております不在者投票ですけれども、これは外部立会人というのを置くべきだという努力義務が課せられております。この現状と取組についてお願いいたします。
#106
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 平成二十五年の公選法改正によりまして、今御指摘のありました、不在者投票の実施の確保に外部立会人などを立ち会わせる等の方法により努めなければならないとされたところでございます。
 この外部立会人の活用状況でございますが、平成二十八年の参議院議員通常選挙につきましては、不在者投票の指定施設二万二千八百四十一施設のうち、これは実施していないところも含められますけれども、外部立会人が配置されているのが二千七百五十七か所で、約一二・一%でございました。ただ、各都道府県において配置状況は異なっておりまして、外部立会人の採用率が五〇%を超える、施設の割合が五〇%を超えた県もございます。
 こういうこともございますので、各地域の実情により人員の確保の方法などに差異があるとは考えられますけれども、多くの施設で外部立会人を選任を行っている選挙管理委員会の具体的な取組を積極的に紹介するなど、この活用につきまして推進を促してまいりたいと考えております。
#107
○熊野正士君 ありがとうございます。
 ちょっとやっぱり数字が低いかなというふうに思います。地域によってばらつきが多いということのようでございますけれども、どうかこの外部立会人登用を積極的に推進をするようにお願いをしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 二十八年の参議院選挙から投票年齢が引き下げられまして、十八歳から選挙ができるようになりました。ところが、他府県に進学をした高校生が住民票を移動していなかったために、進学した先でも地元でもどっちでも投票できなかったと、できないという相談が寄せられました。住民票を移動すべきだという原則はもちろん承知しているんですけれども、せっかく投票権が与えられて、日本に居住をしていて、国政選挙で自分の一票が投じることができなかったというのは非常に残念でなりません。
 ここは、住民票とそれから選挙人名簿、選挙をするために選挙人名簿を作るわけですけれども、少なくともこの整合性がちゃんと取れるような形で、投票権が奪われることがないように対処すべきだと思いますけれども、見解をお聞かせください。
#108
○政府参考人(大泉淳一君) 昨年の衆議院選挙に際しまして、市町村の選挙管理委員会における居住実態調査をやっているかどうかなどに、私どもの方で調査をいたしました。
 現実に住所がないということで、選挙人名簿から抹消されたものもございました。そのような選挙管理委員会につきましては、住民基本台帳部局との間で十分な連携が図られておらず、住民票が残ったまま選挙人名簿から抹消されまして、その結果、いずれの団体の選挙人名簿に登録もされずに投票の機会が得られなかった事例があるということが課題として明らかになったところでございます。
 選挙人がいずれかの団体の選挙人名簿に登録され選挙権の行使ができるようにすることが重要という観点から、選挙管理委員会が居住実態について調査を行う場合には、調査の方法や時期、あるいは調査結果の取扱いなどにつきまして住民基本台帳部局と十分な連携を行うよう、この三月に通知をいたしました。この通知に基づく取扱いの結果、住民基本台帳と選挙人名簿の整合性が図られると思います。
 いずれの団体かで選挙人名簿への登録が確保されまして、有権者の投票の機会が得られるものと考えております。
#109
○熊野正士君 よろしくお願いします。
 例えば、調査をしていただいて、それはそれで居住実態を調査するんだけれども、何か、いないんだなということで勝手に、住民票はあるのに勝手に選挙人名簿に載せないみたいなことが決してないように、その辺、周知をよろしくお願いをしたいと思います。
 ちょっと次の質問に移りたいと思います。科研費について伺いたいと思います。
 科研費の採択率というのは約三割というふうに聞いております。採択された課題については、発表論文数の報告など研究成果を評価する仕組みになっているということですけれども、非常に大事だと。科研費を使って研究をしていただいて、その研究成果がどれぐらいかという評価は大事だと思いますけれども、この科研費の評価についての分析結果をお示しいただければと思います。
#110
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。
 科学研究費助成事業、いわゆる科研費でございます。
 今先生から御指摘ございましたが、平成二十九年の実績ベースでいきますと、採択率、全体平均が二六・六%でございます。それで、御指摘の評価の話でございますけれども、私どもいろいろ分析をいたしておりまして、例えば平成二十九年度に研究者から報告されました科研費による論文数は延べ約十六万件となってございます。また、科学技術・学術政策研究所が行った分析によりますと、論文データベース、ウエブ・オブ・サイエンスというのがございます。それに収録されているいわゆる注目度の高い日本の論文、この注目度の高い論文といいますのは、よくトップ一〇%補正論文数とか申しておりますけれども、そのうちの科研費の成果によるものは、平成二十五年において全体の約六割でございます。
 科研費は、そういったことで我が国の質の高い論文産出に貢献していると考えておりますし、さらに、日本学術振興会が、論文データベース、スコーパスに収録されている日本の論文を対象に行った分析によりますと、科研費の成果による論文は、それ以外の論文と比較して、一論文当たりの被引用数が約二倍となっているところでございます。
 今後とも、文科省としましては、研究者の自由な発想に基づく幅広い分野にわたる学術研究を支援するため、科研費の充実と質の向上を図ってまいります。
#111
○熊野正士君 ありがとうございます。
 今、科研費改革というのが唱えられていて、実践されていると承知していますけれども、今、若手研究者のポストがなくて、いわゆる二年とか三年とかの任期付きのポストで研究を続ける、続けざるを得ない若手が多いという実態があるそうです。こうした若手研究者にとっては、もう科研費というのは非常に大事な研究資金なわけです。よく伺うのが、科研費の、やっぱり、さっき二六・六%でしたけれども、採択率を上げてほしいと。少額でもいいので間口を広げてほしいといった要望がございます。
 科研費による若手研究者支援について、政府の見解を求めたいと思います。
#112
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、我が国の科学力を強化するために、この科研費といった事業、大変重要だと思っておりますし、特に若手研究者の育成確保が重要だというふうに考えております。
 文部科学省におきましては、この科学研究費補助金の改革を進めるために、いわゆる小規模研究種目ですとか若手向けの研究種目について充実を図ります科研費若手支援プランの実行に取り組んでございます。
 そして、平成二十九年度でございますが、一課題当たり五百万円以下の基盤研究Cあるいは若手研究Bの新規採択率について、平均を上回った、政策目標の三〇%をおおむね確保しているところでございます。また、三十年度予算でございますけれども、本プランの着実な実行のために、全体で対前年度二億円増の二千二百八十六億円を計上して充実を図っております。
 さらに、先生御指摘のような若手研究者への支援を一層充実させるべく、科研費等の研究生産性の高い事業につきまして、若手研究者を中心とした重点配分あるいは制度改革を進めることを検討しております。
#113
○熊野正士君 ありがとうございます。
 本当に研究者にとってはどれだけ科研費で取れるかと、特に基礎とかやっている研究者にとっては本当に大事なところですので、是非力強く、特に若手の研究者を支援できるようにお願いしたいというふうに思います。
 また、課題の一つとしては、博士課程への進学者がここ数年激減しているというデータがあります。このまま博士課程への進学者が減り続けていくと、日本の質の高い研究が維持できるのかといった、そういう懸念も広がっているわけでございます。
 文科省としてのこの現状認識と、それから、いわゆる博士課程に進学する学生が少なくなっているという、それに対して対策をどのように講じているのか、その辺の答弁をしていただければと思います。
#114
○国務大臣(林芳正君) 経済社会のグローバル化への対応とか新産業の創出が求められる中で、大学や公的研究機関を始めまして民間企業とか国際機関においてもやはり新たな知を生み出して、社会全体を牽引する人材として博士号の取得者が活躍していくこと、これが重要になってきております。
 しかしながら、今先生からお話があったように、修士課程から博士課程への進学者数が平成十五年度と比較して平成二十九年度は約半数ということでかなり減少してきておりまして、やはりその大きな理由の一つは、博士号取得者の、大学の研究者以外ですね、のキャリアパスが非常に不透明であるということが指摘をされておるところでございます。
 この博士取った後どうするかということですが、やはり大学以外の民間企業などに拡大をしていくということが大事でございまして、そのために、各界各層で活躍できる博士人材の育成が重要であるということで、文科省としても、平成二十三年度から始めておりますが、博士課程教育リーディングプログラム事業ということで、例えば各大学院における長期的なインターンシップとか、それから実務家教員による講義などの取組を進めてまいりました。
 その結果、平成二十八年度末時点で、このプログラムを修了した方々のうち約四割がアカデミアではない企業や官公庁に進むと。これ、全体的には大体二割でございますので、ほぼ倍の方がアカデミアから外に進むということで、キャリアパスの多様化の事例が出てきていると、こういうことでございますので、この博士課程教育リーディングプログラムの成果、この普及に加えまして、今度は、平成三十年度、今年度からは卓越大学院プログラムというのが始まりますので、こういうものを用いて民間企業との共同研究を活用して人材を育成するなどなど、機関の枠を超えた連携によって高度な大学院教育を進めることによって博士号取得者のキャリアパスの多様化を進めてまいりたいと思っております。
#115
○熊野正士君 大臣、ありがとうございました。
 あと、また課題としては、研究者の研究時間がどんどんどんどん減っているというデータもございまして、研究者から聞かれる声としては、競争的資金、先ほどの科研費などもそうですけれども、その申請であるとか、あるいは出張に行ったときの旅費の申請であるとか、そういった事務手続が煩雑だというふうな声があります。こうした点については、国としてもかなり御努力いただいておりまして、改善が進んでいるというふうに承知しておりますけれども、更に改善をしていただければなというふうに思います。
 一方で、大学内での会議が多いとか学内での雑務で忙殺されているというふうな声も伺います。こうした学内での課題についても、文科省から研究時間確保のためにということで通達なども是非検討していただければなと思いますが、ただ、最終的には大学の方で判断していくことになろうかと思いますので、大学ガバナンスであるとか改革であるとか、そういったことにもつながっていくというふうに思います。
 文科省の見解をお願いしたいと思います。
#116
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、科学技術・学術政策研究所が調査いたしましたけれども、この中で、研究時間を増やすための効果があったというふうに研究者が感じる取組としまして、組織内の会議の頻度や負担を少なくすること、これが約七割、一番多いということを占めているところでございます。
 文部科学省としましては、各大学における会議の頻度や負担を軽減するということが非常に大事だと思っておりまして、大学のガバナンス改革と学校教育法改正というのを平成二十六年の通常国会で行いましたけれども、それを含めた施行通知を八月に出しまして、その中で、教授会について、学部、研究科単位で普通やっておりますけど、それではなくて、例えば全学単位とか機能別にするということも考えられるとしまして、各大学で起きておる、特に会議で一番多くを占めます教授会の在り方についての再点検を行うよう要請したところでございます。
 また、各大学におきましても、例えば教員の研究時間を確保する観点から、教員ではなくて、事務作業につきましては事務職員の能力の向上を図りまして、従来は教員によって委員会が担ってきた企画運営ですとか事務手続を事務職員が中心になって担うなどの取組が行われているというふうなことを承知しておるところでございます。
 文科省としましては、こういうふうな好事例をしっかり各大学に周知いたしまして、学内会議等の業務の一層の効率化を促してまいりたいと存じます。
#117
○熊野正士君 ありがとうございます、具体的にお示しいただきまして。
 やっぱり、大学でしっかりと時間を確保できる、大学等が、研究所で研究者が時間が確保できるように、これからもよろしくお願いをしたいと思います。
 あと、よく言われているのは、やっぱり研究成果は間違いなくその研究資金に比例するというふうに言われておりまして、財政的にも厳しい中、どのようにして研究資金を確保していくのかというのは大きな課題となっております。産学連携とかということで研究資金が増加しているというふうにも聞いているんですけれども、産学連携のこのプロジェクトをもっともっと活用すべきじゃないかなというふうに思います。
 政府としてのこの産学連携による研究資金確保について、どのように推進をなさっているのかについてお示しをしていただければと思います。
#118
○政府参考人(佐野太君) お答え申し上げます。
 大学等におきます民間企業からの研究資金等の受入額の規模は、年々、先生御指摘のように、着実に拡大しているところではございますが、大学等におきます一件当たりの共同研究費の規模の平均は、現在まだ約二百万円くらいにとどまっているところでございます。
 このため、文部科学省におきましては、従来の研究者個人対企業の一組織による産学連携から、大学、企業のトップ同士が主導する組織対組織による産学連携へと重点化を図るため、大規模産学連携拠点の構築でありますとか、大学等と民間企業とのマッチングファンド形式によるプログラムの推進などをこれまでも行ってきたところでございます。
 さらには、本年度から新規事業といたしまして、大学等に大型の研究資金を呼び込み、集中的に研究開発のマネジメント体制を確立することを目的といたしまして、オープンイノベーション機構の整備を展開していく予定になってございます。
 今後とも、関係府省や産業界とも密接に連携しながら、多様な研究資金源の確保のためにも更なる産学連携の推進に努めてまいりたいと思います。
#119
○熊野正士君 私も一時期大学におりまして、いわゆる、例えば教室ですね、私は放射線科だったんですけれども、放射線科教室で研究テーマをいろいろやりたいと。ある企業とタイアップして、この研究テーマでということで、確かにそんなに大きな額はということですね。だから、それはもう組織同士で、例えば大学なら大学全体で、企業なら企業全体でというふうなことだろうというふうに思います。是非、大きな資金が研究者の下に届いて研究成果が大いに発揮できるようにまた文科省としても御努力いただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 これ、最後の質問になります。
 実は、大学以外にも日本には優れた研究機関がたくさんありまして、例えば理化学研究所などがそうですけれども、私の地元にも、大阪にも理化学研究所が吹田の方にございまして、一度訪問させていただきましたけれども、本当に優秀な、日本の頭脳と言われるような人たちが世界のトップクラスの研究をされておりまして、世界のトップジャーナルに数多くの論文も発表されていました。最近では、何か新しい元素の発見、何か周期表にあるような発見も理研発だというふうに伺っております。
 理研などの学術機関の研究成果というのを是非教えていただきたいなということと、さらに、こうした公的な学術機関、もっともっと国として支援をすべきじゃないかというふうに思いますけれども、大臣の御答弁よろしくお願いいたします。
#120
○国務大臣(林芳正君) 今御紹介いただきました理研ですね、理化学研究所、これは、我が国で最大規模かつ最高水準の自然科学全般に関する総合的な研究機関として、これまで数多くの卓越した研究成果を上げてきております。
 論文データベース、先ほどもあったウエブ・オブ・サイエンスですが、この注目度の高い論文の割合に見られる研究の質の高さにおいても我が国のトップのレベルをリードしているわけでございまして、大体このトップテンの補正論文、トップ一〇%ですね、理研が二八・三、NIMS、物材機構が二八・〇、東大が二〇・八、京都大学が一九・七ということでございます。ちなみに、ハーバードが三五・一、マックス・プランクが三五・一ということですから、この辺ともう少しで肩を並べると、こういう状況でございます。
 今御紹介いただきましたけど、最近の成果としては、iPS細胞、実はここから作った網膜、目のですね、この網膜細胞の世界初の移植手術、これを実施をして、再生医療の早期実用化に向けた研究というのを着実に進めておられますし、また、今お触れになっていただきました理研で発見されました百十三番元素、これニホニウムということで命名をされまして、元素周期表に日本発の元素が掲載されるということになったわけでございまして、まさに理研が有する基礎科学力の高さが顕著に示されたと、こういうふうに思っております。
 こうした理研始め研究所、世界最高水準の研究成果を持続的にやっぱり生み出していくということが大事でございますので、しっかりと引き続き支援をしてまいりたいと思っております。
#121
○熊野正士君 力強い答弁、大変にありがとうございました。
 これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
    ─────────────
#122
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中西哲君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君が選任されました。
    ─────────────
#123
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。
 まずは、通告をしておりません質問を文部科学大臣にさせていただきたいと思います。
 御案内のとおり、今日午前中参議院、午後衆議院と集中審議がなされております。愛媛文書なる文書が出てまいりまして、これが総理の反応に呼応するがごとくに加計学園側から、実は総理と面会をした事実はなかったという、これも正式な文書なのか何なのかという議論が午前中もありました。
 これは会っても大変なことでありますけれども、会ってなかったのに会ったという、その事実を、県や市に事実を欺いてお伝えをしつつ、文部科学省がずっと抵抗をして新しい獣医学部はつくりたくなかった、つくる必要がないとずっと言ってきたのに、国家戦略特区という形で学部を新設、そして開学されたわけであります。
 苦し紛れの言い訳であることは国民の皆さんは多分御承知だと思いますけれども、もし万が一その加計学園側の言い訳が本当だとしたら、まさに行政を欺いて国家戦略特区を悪用して、まさに内閣総理大臣の名をかたってあり得ないことを成し遂げたということでいうと、これもまた許されない話だと私は思いますけれども、学部の設置認可に大きな権限と関係を持っておられます文部科学大臣の思いをお伝えをいただければと思います。
#124
○国務大臣(林芳正君) 愛媛県の文書が出されまして、それについての総理を始めいろんな方の御答弁、記者対応というものがあったわけでございますが、先ほど、午前中だったかここだったか、ちょっと記憶が曖昧ですが、総理と加計学園の理事長がお会いになったかどうかについて、私は事実関係を承知しておりませんので、なかなか答弁は難しいということはお話ししたとおりでございます。
 今回の獣医学部の設置については、国家戦略特区のプロセス、またそれを受けての我々の方の設置認可のプロセス等も関係省庁の合意の上で適切に進められてきたものというふうに認識をしておるところでございます。
#125
○小川勝也君 全然お答えいただいていないんですね。
 学生を教育する教育機関が、まさにあり得もしない事実を県や市に捏造をしつつ、それを物語って設置を有利にしようとする、運ぶ、その行為は設置された後でも私は許されない行為だと思います。そのことを、文部科学省として、大臣としてどのようにお考えなのか、再度御答弁をお願いします。
#126
○国務大臣(林芳正君) 今、小川委員がおっしゃったコメント、加計学園が報道機関に発表したことは報道で承知をしておるところでございます。我々の方には直接こういった報告は受けておりませんので、報道で承知をしたということでございます。
 先ほどの答弁の繰り返しになってしまいますが、プロセス自体については、国家戦略特区、それから大学設置審ですね、いわゆる、専門的、学問的な観点から審査を行ったというのは、これまでも答弁してきたとおりでございます。
#127
○小川勝也君 全然お答えいただいていないんですが。
 相撲には猫だましとかけたぐりとかいう技はあります。しかし、大学を設置しようとするときに虚偽の報告を県や市にするということは、教育機関の設置としては私はあり得ないと思います。
 調査するお考えはありますか。
#128
○国務大臣(林芳正君) 報道機関が発表したということで我々は承知をしておるところでございますが、これは加計学園と愛媛県、今治市の間のお話ということでございますので、我々として、内閣府が中心に行われた国家戦略特区のプロセスと、それから我々自身が中心になって行いました大学設置・学校法人審議会における審査と我々の認可のプロセスとは、直接影響を及ぼすといった類いのものではないのではないかなというふうに考えております。
#129
○小川勝也君 うそで固めた報告書やネゴシエーションを重ねて大学を設置していいということなんですか。あり得もしないシチュエーションを県や市に語って一緒に内閣府に要請をしてもらって、設置にこぎ着けているんです。大学を設置しようと思っている大学はほかにもたくさんあります。そういううそに基づいてつくられた学部設置、これで本当にいいんですか。
#130
○国務大臣(林芳正君) 繰り返しの答弁になってしまうかもしれませんが、国家戦略特区のプロセス、内閣府を中心としたプロセスの中でそういう虚偽の申請があったりということではなかったということで、適切なプロセスだったというふうに申し上げておりますし、また、設置認可のプロセスというのはその後の申請をもって始まるわけでございますが、申請されてからこの審査のプロセス、認可に至るまでのところにおいて適切な手続が進められてきたと、そういう認識でございます。
#131
○小川勝也君 一言で終わるつもりだったんですけれども、そんなうそをつきながら申請をした大学設置でいいということなんですね。
 私は、じゃ、次の質問に移ります。
 それで、今日申し上げる第一番目の質問は、保育士不足が大変いろんなところにハレーションをもたらしているということであります。一つは、保育士不足を盾に保育士さんを募集する余りに、全国から保育士さんを東京に集めるということ、そしてもう一つは、幼保一元化、一体化という中で、隣の分野にあります幼稚園が大変苦労されているということであります。
 まずは、幼保という形で、いわゆる預かり保育、これは幼稚園においても無償化の検討がされているというふうに伺っておりますし、今日も少し動きがあったかと思いますけれども、今までの動きについて文部科学大臣にお尋ねをしたいと思います。
#132
○国務大臣(林芳正君) この幼稚園における預かり保育でございますが、待機児童対策としても大変重要な取組でございまして、子育て安心プランでもより一層の推進が求められておるところでございます。
 この預かり保育の取扱いも含めた無償化の対象範囲等については、有識者検討会において関係者からのヒアリングを行っておりまして、今後、ヒアリングにおける関係者の御意見も踏まえて具体的な制度等の検討が行われるものと、こういうふうに承知をしておりますので、我々としては、引き続き現場の実態をよく把握しながら、しっかりと検討に参画してまいりたいと思っております。
#133
○小川勝也君 御案内のとおり、待機児童ゼロ作戦から、いわゆる保育園落ちた、大きな騒ぎとなりました。
 実は、私の秘書も今産休明けで復帰を希望しておるんですけれども、四月からずうっと毎日毎日保活をしているんですけれども、まだ議員会館に復帰できない状況にあります。ですので、いわゆるどうやって点数を重ねて認可保育園に入るのか、少し勉強させていただいたところでもあります。また、あらゆる手段を使って、いわゆるお母さんが子供を預けて働きに出られるように、国家を挙げて、都道府県、市町村を挙げて御尽力をいただいている姿もよく分かっております。
 しかし、先日、片山委員がこの委員会で質問をいたしました。企業型にも少し頑張ってもらいたいという政府の意向でありましょう。そこで大変なことが起こっているという話も伺いました。子供用の便器が設置されていないトイレ、アレルギー型食事に対応できない、そんな保育あるいは預かりの根幹の部分が揺らぐような事例が報告されたわけであります。
 短くで結構でございますので、どういった事例を把握されているのか、内閣府にお伺いをしたいと思います。
#134
○政府参考人(川又竹男君) お答え申し上げます。
 企業主導型保育施設につきまして、昨年度の上半期におきまして立入調査を行った施設、四百三十二の施設を立ち入りましたが、この中で、保育計画等を整備すること、あるいはアレルギー対応マニュアルを整備することなどを含めまして様々な指摘が約七割の施設、三百三施設で指摘されたところでございます。これらの施設につきましては早急な改善が図られるよう指導しておりまして、既に全ての施設から改善報告をいただいているところでございます。
 また、この改善報告の受領にとどまることなく、指摘事項が改善しているかどうかを実際に確認するという観点から、毎年度の定期的な立入調査の実施に加えまして、改善すべき指摘の多かった施設につきましては必要に応じて抜き打ちの調査をするということで保育の質の確保に努めてまいりたいと考えております。
#135
○小川勝也君 これから質を確保したいということなんですけれども、今七割という数字が挙がりました。大変な現状だろうというふうに思います。
 時間がありませんので、全てをやり取りするつもりはありません。
 今、私が持っているニュースは、横浜の市内で保育園の職員が一気に十一人辞めて別な園に移ったということであります。これは、引き抜きは否定されておるようでありますけれども、奪い合い、取り合いをしているわけであります。絶対数が増えない中で取り合いをしても、結局どこかが破綻を来すということであります。
 厚生労働省にお伺いをします。保育士宿舎借り上げ支援事業、これについて簡単に御説明をお願いしたいと思います。
#136
○政府参考人(成田裕紀君) 御指摘の保育士宿舎借り上げ支援事業につきましては、保育士確保のための施策として保育士の宿舎を借り上げるための費用を補助する事業でございます。
 平成三十年度予算におきましては、この事業は保育対策総合支援事業費補助金の一部として計上されており、補助金全体で三百八十一億円の予算が確保されているところでございます。また、平成二十九年度の予算の執行状況につきましては、百十六市区町村において活用されていたところでございます。
#137
○小川勝也君 これは一見、保育士さんで、東京その他いわゆる待機児童が多くて施策を充実させたいというところで働きたいという方にとっては大変いい制度だと思います。補助率は、国が二分の一、市町村四分の一、事業者四分の一であります。
 このことで私はあることを思い出すわけであります。いわゆる厚生労働省が病床と看護師さんの比率を変えたときであります。これは、北海道の地方の看護学校から新卒の看護学生が東京等の病院に大挙して就職をすることになったということであります。すなわち、東京は人口が多いわけでありますから、ベッド数も多い、そこで必要な看護師さんも多かったということであります。ですので、私の選挙区であります北海道は、常に、恒常的に看護師不足、当然医師不足でありますけれども、悩まされ続けております。
 五月二十七日の北海道新聞、待遇を改善して保育の質を確保しろという特集の記事が出ておりました。保育士不足を解消したいなら、辞めなくていい環境をつくってほしい。これは後で文部科学大臣にも申し上げたいんですけれども、幼稚園教諭も同じだと思います。
 早い話が、今回、ゼロ歳では保育士さんが三人、そして一、二歳では六人という基準を満たすために、大量の保育士さんが必要となるわけであります。北海道はまた都会に憧れる保育士さんもおられるでありましょう。保育所は、入所、入園希望者を断ったり保育士の残業が増えたりするなど、もう影響が北海道で出ています。すなわち、政策が泥縄なんです。よその園から取ってくる、そして地方から集める、これじゃ何の解決にもなっていないんです。
 それで、文部科学大臣にお伺いをいたします。
 保育士さんだけが不足しているのではありません。開園している幼稚園でも切実なる人材不足であります。冒頭、預かりの部分で確認をさせていただきましたけれども、保育士さんの待遇が良くなれば、同等に幼稚園の先生の待遇も同じくしなければ園の経営も立ち行かなくなるわけであります。この自明の理のことは当然分かっておられると思いますけれども、保育士さんの待遇改善に合わせての幼稚園教諭の待遇改善についてはどうお考えでしょうか。
#138
○国務大臣(林芳正君) 小川先生おっしゃるように、平成二十五年のときには全体の有効求人倍率が〇・八三だったんですが、幼稚園教諭が一・二二で、保育士さんが一・四九ということで少し下回っておりましたが、平成二十九年になりますと、二・五五と二・六六、それから平成三十年は三・一九と三・三〇ということで、一般が一・三七、一・五一ですから、もうかなり同じように足らないと、こういう状況でございまして、保育士だけではなくて、やはり幼稚園教諭の人材確保もこれまで以上に厳しい状況になっておるというふうに承知をしております。
 こうした状況を受けまして、政府としては、子ども・子育て支援新制度、それから私学助成、この双方におきまして幼稚園教諭の処遇改善、これを進めるとともに、幼稚園の人材確保支援事業におきまして各地域の先導的な取組を支援するなど、人材確保に向けた取組を総合的に今進めておるところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じて幼稚園において安定的な人材確保が可能となるよう、しっかりと支援を行ってまいりたいと思っております。
#139
○小川勝也君 御案内のとおり、働くお母さんは子供を園に預けた後、働きに行くわけでありますので、自分の居住地から最寄り駅、そして降りる駅、勤務先という動線が非常に重要視されるわけであります。そういう、いわゆる駅の近くに今預かってもらえる場所がないだろうか、保育園がないだろうかというふうに探すわけでありますけれども、少し奥の住宅地にはまだ余裕がある園があるはずであります。これだけ厚労省で三百数十億円の補助金を家賃に使えるぐらいでありますので、例えば園バスの補助とかいろいろ工夫すれば、もっと幼稚園がこの保育士不足に、いわゆる解決のために役立てる部分があるのではないかと思います。
 特に、二歳児の預かりに非常に高い関心を示している園もあるやに伺っておりますので、ゼロ、一、二、そして三、四、五、六と、しっかりと幼稚園と保育園、そして認可、認可外、全てのツールを総動員して、今の問題の解決のためにもう少し幼稚園の果たすべき役割はあるのではないでしょうか。先ほどの、幼稚園教諭の免許を持っているけれども今は幼稚園にお勤めではない人材の確保も含めて、簡潔に御答弁をいただければと思います。
#140
○国務大臣(林芳正君) 待機児童対策、これ、政府を挙げて取り組むべき課題であり、今先生からお話がありましたように、幼稚園の活用も非常に重要だと考えておるところでございます。
 幼稚園においては、従来より預かり保育を通じて三歳から五歳の待機児童の抑制に寄与してきておりまして、近年では、認定こども園への移行によってゼロから二歳児の受入れも進んできておるところでございます。これらに加えて、平成三十年度には、子育て安心プランの実現のため、幼稚園において保育を必要とする二歳児を受け入れる新たな仕組みを創設したところでございます。
 こうした取組を通じて、幼稚園における待機児童対策に取り組んでまいりたいと思っております。
#141
○小川勝也君 是非、フル活用をお願いをしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 オリパラ担当大臣、お疲れさまでございます。応援の意味で、食材の調達の準備について中間報告をいただければと思います。
 関心を持っておりました私は、かねてより何度となく質問をさせていただいてまいりました。このオリパラにおいて世界から様々な文化の方々が日本に集うわけであります。私が言うのも変ですけれども、日本は世界の中でも最も食事がおいしい国の一つだと思っておりますので、世界の選手、関係者も楽しみにしていただければと思っております。
 時間がありませんので、まとめて御質問をさせていただきます。
 私の関心事は、有機農産物、とりわけ有機飼料を用いた肉の話であります。そして、ハラール処理をされた食材についてであります。それから、グルテンフリー、これ、最近流行であります。
 時間がありませんので、有機畜産物とハラール、この二点について中間報告をいただければと思います。
#142
○国務大臣(鈴木俊一君) 二〇二〇年東京大会も近づいてまいりまして、先生からは、かねてより食材について大変御質問をいただいていると聞いているところでございます。
 今日は有機食材についての御質問でございますが、先生御存じのとおり、組織委員会が策定しております持続可能性に配慮した農畜産物の調達コードでは、アジアGAPあるいはグローバルGAPの認証を受けるということはこれは前提でありますが、その上で、有機農業によります、生産された農畜産物を推奨するということが定められているところでございます。
 国といたしましても、東京大会をきっかけに生産者がGAP認証を取得したり有機食材の生産が増加すること、これは二〇二〇年が終わりましても我が国にとっては大変重要なことであると、こう考えております。
 このことについて農林水産省でもサポートをしていただいておりまして、平成三十年度予算、平成二十九年度補正予算でGAP等の認証取得や有機JASの認証取得のための予算を確保しております。
 こうした事業を活用していただきまして、東京大会を訪れる選手あるいは関係者に対して選手村等で有機農業により生産された農畜産物が提供されますように、関係方面に働きかけをしてまいりたいと思います。
 また、ハラールの食材提供についてもお話がございました。先生の御質問の中にもありましたが、東京大会では、世界各国・地域から様々な文化、宗教、習慣を持つ方々が来日されるわけでありますので、飲食提供においてもできるだけストレスなく楽しめるように配慮することが重要であると考えております。
 私も、平昌のオリンピック・パラリンピックに視察に参りまして、その際、選手村の食堂で食事をさせていただいたところでありますが、そこにも、韓国料理のほかに、アジア料理、多国籍料理と並んでハラール料理専門のコーナーが設けられているということを見てまいりました。
 先ほど申し上げました、組織委員会の飲食提供に係る基本戦略におきましても、菜食主義を始めとした食習慣や宗教上の食に配慮した多様なメニューを用意するとされております。特にハラールにつきましては、食品の取扱いに最大限配慮するとともに、選手等が選択できるよう配慮することとされております。
 訪日外国人旅行者が増加している中で、東京大会をきっかけに国民の皆さんや事業者の皆さんにもまずハラールを知っていただいて、こうした取組が社会に広がることを期待をしているところでございます。
#143
○小川勝也君 最近はスーパーにも有機農産物のコーナーができておりまして、大変身近だと思いますけれども、林大臣の方がお詳しいかと思うんですけれども、畜産物の餌が有機というのは大変レアでありますので、もっともっと御苦労があるのではないかと拝察をいたします。
 それから、イスラム圏からの訪日観光客も増えておりますので、実はこのハラール認証の制度もばらばらでありますので、今回のオリパラを契機にその表示の内容や表示の在り方がもっともっと分かりやすくなれば、外国人の方々の、観光客の方々の食の喜びや楽しみももっと広がると思っておりますので、オリパラに向けて非常に期待をしているところであります。
 資料を見ていただきたいと思います。特別支援教育の現状ということでありまして、先ほども別の委員からもいろいろな観点からのお話がありました。
 私がこの質問をさせていただくのは、御案内のとおり、様々な通級による指導を受けている児童生徒数が推移しているということであって、この色がいろいろあるわけでありますけれども、平成十五年以降、ある傾向で物すごいグラフを描いているということであります。これは文部科学省にいただいた資料であります。
 私は何を申し上げたいかといいますと、この原因はまだ分かりません。しかし、分かるまで待っていたのでは、この国が大変なことになります。私は何を申し上げたいかといいますと、この増加の一因に、ネオニコチノイド系農薬を先頭に、農薬や環境ホルモンの影響ではないかという学説が出てまいりました。明日も農林水産委員会で質問をさせていただいて、ネオニコの禁止あるいは使用量の減少に向けて質問をさせていただく予定であります。
 いろいろの観点から報道がなされております。ネオニコチノイド系農薬は蜜蜂を滅ぼす、これはもう林大臣よく御案内のとおりであります。土曜日の報道特集でも、やっとこ、テレビ番組として、その蜂がいなくなる、そしてカメムシを防除するためにネオニコを使う、そして斑点米を作る作らないの話になりました。
 しかし、その話も大事でありますけれども、私が今日指摘するのは、その影響が人体に及ぶということであります。これは、私は医者でも科学者でもありませんので、分かっているわけではありません。しかし、そう指摘する学者がいるということ、そして、残念ながら、このネオニコの毒性は浸透性で消えない、消えにくいということでありまして、これは大変つらい言い方になりますけれども、お母さんから子供へ受け継がれる可能性があるというお話もございます。
 このネオニコ禁止に向けて私も頑張ってまいりますけれども、それを待っていては手遅れになると危惧しています。
 ですので、林大臣に何をお願いするかというと、私たちはもういい、子供たちにだけ安心、安全の食事を食べさせたいということであります。ですから、給食の安心、安全のお願いであります。
 特に、アレルギー、アトピー、何が原因か、まだ分かりません。しかし、予防原則、この化学物質や農薬の影響がないというふうに証明する学説もありません。
 地方では、いろいろと地域特性を生かして、給食に地元有機農産物、特に大事なのは主食であります、米と小麦。米は、国産であっても、ネオニコチノイド系農薬を使ったお米は根から吸い上げますので、お米の中にも残留いたします。そして、心配なのは輸入小麦であります。ポストハーベストで、船で積んでくる間に劣化しないように、虫に食われないように大量のポストハーベスト、これは実はプレハーベストも関係するというふうにも言われています。
 ですから、毎日の主食、パンや御飯を食べて大変なことになるというのは、もうあり得ないことであります。ですので、私たちは、ほとんどの人はもういい、子供だけ、給食だけ何とかお願いしたいので、林大臣にお願いをする機会を待っていました。
 林大臣は、農林水産委員会でこのネオニコの問題、私ともやり取りをさせていただいておりますので、よく御理解をいただいている方であります。すぐには進みませんけれども、有機給食を進める立場から御答弁をお願いします。
#144
○国務大臣(林芳正君) 小川委員と何度か、ネオニコチノイドもそうでございますが、いろんな問題について農水委員会でやり取りさせていただきました。
 今の御指摘の環境ホルモン、いわゆるですね、と発達障害の因果関係、なかなかまだ我々としても承知をしておるわけではございませんが、やはり大前提として、学校給食、これで使用する食材の安全性、これを確保して安心、安全な食事を提供する、これが極めて重要なことであると、こういうふうに認識をしております。
 文科省では、学校給食衛生管理基準を設けて、その中において、食品の購入、点検、保管方法、これ示しておりまして、特に給食用の食品の購入に当たっては、食品選定のための委員会等を設ける等によって、栄養教授、保護者その他の関係者の意見を尊重するように示しております。
 この基準において、有害なもの又はその疑いのあるものは避けるようにすると、こういうふうに明記をさせていただいておるところでございますので、しっかりと現場現場でこれを踏まえて、学校の設置者において関係者と連携の下で、地域ごとにしっかりと適切に判断をしていただければというふうに思いますし、先進的な事例の積極的な発信、共有を図るなど、有機農産物を活用した学校給食の推進に努めてまいりたいと思っております。
#145
○小川勝也君 特段のステップアップをお願いしたいと思います。
 総務大臣、時間切れで申し訳ありませんでした。
 終わります。
#146
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 私は、性暴力根絶の重要な課題として、アダルトビデオ、AV出演強要問題についてお尋ねしたいと思います。
 この問題は与野党を超えての取組で、政府は、昨年、関係府省連絡会議も設置され、取り組んでこられました。その中で、野田大臣は、総務大臣そして男女共同参画担当大臣を兼務され、若年層、若い女性たちを狙った性暴力は被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害という構えを示してこられました。私もそのとおりだと思います。大臣の取組に私としても敬意を表させていただきたいと思います。
 そこで、まず、男女共同参画局長においでいただきましたけれども、委員の皆さんには資料として一枚目、二枚目を御覧いただきたいと思うんですが、内閣府は、昨年に続きまして、今年の三月、二回目となります平成二十九年度若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査を発表されました。ここには、モデルやアイドルなどに勧誘された若い女性が、聞いていない、同意していない性的な行為などの撮影を強いられている深刻な実態が明らかになっています。
 概要について御説明いただけますか。
#147
○政府参考人(武川恵子君) 昨年度、内閣府が実施いたしました平成二十九年度若年層を対象とした性暴力被害者の実態把握のためのインターネット調査というものでございますけれども、調査対象は中学生を除く十五歳から三十九歳までの女性を対象に実施したものでございます。
 本調査におきまして、モデル、アイドルなどの勧誘等の経験がある人、勧誘を受けた人でありますとか、広告を見て応募した人に対して聞いた調査でございますけれども、そういった勧誘を受けた人のうち、事前に聞いていない性的な行為の撮影を求められた経験のある人は一一・三%でございました。また、そのうち、実際に求められた行為の撮影に応じた経験のある人が四六・六%、さらに、そのうち、誰かに被害を相談した人は五八・九%となっております。
 行った行為の内容でございますけれども、水着や下着、衣服の一部又は全てを脱いだ状態での撮影やチャットなどへの出演という回答が最も多く五五%、その行為を行ったときの年齢は二十から二十四歳であるという回答が四五・二%で最も多くございました。
 そうした行為による影響で現在困っていることを聞きましたところ、家族や友人などへの人間関係への支障を挙げた方が三四・一%、心身の不調が二一・七%、画像や動画の流出が一八・六%という結果でございました。
 以上です。
#148
○仁比聡平君 今のこの実態調査からしても、とても深刻な実態だと思うわけです。
 先ほど、聞いていない、同意していない性的な行為等の撮影について、最も多かった一部又は全てを脱いだ状態での撮影の項目について御説明ありましたけれども、皆さん、二枚目の資料を御覧いただきますとお分かりのように、次に多いのが、水着、下着、肌を多く出した衣類等を着た状態での撮影、肌を多く出したというのが五〇・四%、そして、胸、性器、お尻、足などを触られる様子の撮影、チャットなどへの出演三四・九%、そして、性交の撮影、チャット等への出演一八・六%と、これ深刻な数字なんですね。
 同意もしていない、承諾もしていない、聞いていないにもかかわらず、こうした結果になぜなるのか。断らなかった理由、断れなかった理由という項目もあるんですが、この中で、私、着目をしますのは、断ってもしつこく要求され、とにかくこの状況を終わりにしたいと思ったからが一三%のほか、断ることができるとは思わなかったから九・一%、個人情報を知られており、断ったらどうなるのか不安だったから六%、画像をばらまく、親、学校、会社等に伝える等と言われたから二・三%、複数の人に説得されたから三・六%と。
 これ、局長、一応確認ですが、数字はそういう実態でよろしいですか。
#149
○政府参考人(武川恵子君) はい、そうでございます。
#150
○仁比聡平君 つまり、深刻な強要が含まれているんだという実態が浮き彫りになっているわけです。
 支援団体でありますPAPS、ライトハウス、大臣も御存じかと思いますけれども、この支援団体の皆さんがこの間取り組んでこられて明らかになっている勧誘の手口というのは極めて卑劣であって、例えば、パーツモデルとか撮影会モデルなどと称し、身ばれ、顔ばれしないと言って、アイドルやモデル、女優になりたいという気持ちに付け込むだましのテクニックなんですね。
 その誘引に応じてスタジオに行くと、大勢の男性スタッフがいる。契約したんだからとか違約金発生するよとか、未成年でないことを確認したいと言われて学生証や顔写真を撮られて個人情報を握られてしまう。その下で、親や学校にばらすというそうした脅しが、このインターネット調査にもあるように、実際に行われているわけです。
 この社会的経験のない自己肯定感情を持ちづらい若い女性の弱みに付け込んで、抜けられなくなる卑劣なこの強要の手口、こうした下で行われるAVへの出演強要問題というのを、この深刻さをどのように大臣認識されて、これ根絶をするためにどんな構えで取り組んでいかれますか。
#151
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 AVの出演強要、その話に最初出会ったときに見せていただいたのが契約書でありました、その女性が交わした。非常に小さな字でもう難しいことがいっぱい書いてあって、国会議員を務めている私ですら読むのが面倒くさいなというような中にサインをしろと言われるわけですね。何も難しいこと書いてないから大丈夫だから、僕を信じて、私を信じてということで、年若い社会経験の少ない女性たちにサインをさせています。
 そして、そういう契約書だから、相手の言うことを聞かなかったりすると違約金を取るよとか、そういうことが本当に説明せずに書いてあるわけですね。そういう、世の中の全てがそういう人だと思いたくないですけれども、そうやって知識のない若い女性、女性のみならず男性も犠牲者かもしれませんが、陥れる人たちがいるということを知りました。
 もうとにかく、そういう結果、今、仁比委員が御指摘のように、豹変するわけですね。非常に優しくアプローチして、タレントにしてあげるよ、モデルにしてあげると言って、そして、ああ、うれしいと。で、そんなに難しい仕事じゃないから大丈夫だよ、自分がいろいろ教えてあげるからねと言って契約書に名前を書かせる。ほとんど契約書を読む時間も、クーリングオフもないわけですね。後からやめたいと言っても、商品と違いますから、そういうことがなかなかできない、そういう知識もないんだと思います。
 結果として、手のひらを返すようにひどい仕打ちに遭って、そして半ば強引にそういうアダルトビデオに出演させられて、またそれが、何というんですか、武器となって、次も出ろ、出なかったら前のやつを親に言うぞとか友達に言うぞとか、そういうことをして多くの女性たちの未来を、そして心身の安定を欠くようなことが実際に起きているということを知りました。
 これはもう人権侵害そのものでありますし、実は女性からすると、そういうことがあると言いづらいんですね。性的なことですから、必ずやはり空気として、あなたに隙があったんじゃないかということを言われかねないという空気がやはり女性の側からするとどうしてもあるわけです。そういうことをやっぱりしっかり認識をして、深刻な状況なんだということを男性、女性問わず国会の中で分かち合うことができればいいなと思っています。
 今、関係府省庁が連携して対策を実施する関係府省対策会議を活用して、このことについては根絶に向けて政府を挙げて取り組んでいく所存であります。
#152
○仁比聡平君 大臣御自身の直接の聞き取りも踏まえた重い決意をいただいて、本当に頑張っていただきたいと思うんですけれども。
 私も、幾つものその契約書なるものを拝見をしてきましたけれども、例えば、出演したAVに関する一切の権利を永久に放棄するなどと小さい、法律用語で、全く何の説明もなく、その若い女性たちに書かせるというような契約書まであるわけですね。これ、あり得ないと思うわけです。
 大臣にもう少し深めてお尋ねしたいと思うのが、そうした契約や合意の外形を取っているけれども、その下での強要が被害者を縛り付ける。十代後半だったりあるいは二十代、そうした被害が大変多いわけですが、多数の男性に囲まれて断ることもできない、あるときは命の危険を感じながら裸にさせられ、性行為を迫られて撮影されているという実態、そうした下で撮影され、編集されて流通している。商品という先ほどお言葉もありましたが、それが仮に笑顔だったとしても、それは、支配をされて、演技の外形を編集したものなのであって、真摯な同意はないんですよね。
 ですから、これが商品だ、流通しているんだというような認識ではなくて、これは性暴力であり得る。とりわけ、その映像に映っている当事者である多くの場合女性、もちろん男性もあります、この本人が、私は承諾していない、これが流通するのは嫌なんだ、嫌なものは嫌なんだということをはっきり言っているとき、やっぱり問題の見方を根本から転換して、取組を抜本的に強化する必要があるのではないか。
 つまり、契約合意というのは、出演強要がされている場合はこれ偽りの外形であるということがこの間の取組によって私ははっきりしてきたと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 アダルトビデオ出演強要問題の事例としては、当初、モデル契約等と聞いていて、アダルトビデオへの出演があることを知らずに契約したとか、脅かされて契約した、又は、当初はAVへの出演を承諾したけれども、その後出演するのが嫌になったなどが挙げられています。
 このように、契約に基づいて撮影が行われた場合であっても、本人の意思に反するアダルトビデオへの出演強要というのは、女性の人権を著しく踏みにじる、決して許されない重大な人権侵害だと認識しております。
#154
○仁比聡平君 そうした重大な人権侵害であるという立場に立って、私、取組の言ってみれば発展、強化を是非今日大臣に求めたいと思うんですけれども、被害者の切迫した要求は、自らが撮影されたDVDやあるいはインターネット上の動画の販売停止、廃棄あるいは削除、そうした言葉で語られます。
 元々、だまされたり、強要によって出演を強要され、しかも、一旦インターネットに流出してしまうと、これ被害者が完全に削除するということは極めて困難なんですね。これが永遠に消えない、人生そのものに関わる人権侵害に至ってしまうと思います。
 これ、PAPSの皆さんはデジタル性暴力という言葉で語っておられるわけですが、このインターネットによる流通、拡散という被害の重大性について、大臣はどんな御認識でしょう。
#155
○国務大臣(野田聖子君) 総務大臣としてインターネット政策も担当、所管させていただいておりますが、御指摘のとおりで、ネット上は、一旦画像が流出してしまうと完全に削除することはほぼもう不可能な世界であります。これが本人の同意なく撮影された性的な画像であれば、本人の名誉や生活の平穏を侵害することとなり、決して許すことのできない人権侵害であると考えております。
 つまり、若い頃、しっかり考えもせずに出演してしまったと。だけど、成長して成人して様々なものを学んで成熟したときに、ああ、もうあれは不本意であったと思っていても、インターネットってとても残酷ですから、ずっとそれが転々流通してしまう、そういうやっぱり大変ある意味恐ろしい世界でもあるわけです。そこでやっぱり許すことのできない人権侵害が発生してしまうということになります。
#156
○仁比聡平君 そうした被害の実態と、それから被害者の皆さんの声を上げてきた要求、ここに見合って課題認識を発展させて、私は、意に反する動画を削除する、拡散を防止するという対応の枠組みをつくることが緊急に必要だし、重要だと思うんですね。
 この問題に関わって、昨年、平成二十九年三月の男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会の報告書には、今後の課題の認識として、インターネット上に掲載されている違法有害情報や人権侵害情報については、関係機関や民間団体において削除要請などの取組が行われており、アダルトビデオ出演強要に係るアダルトビデオの画像、動画についても削除等ができる場合もあると考えられるため、こうした取組について広報啓発を行うと、こういうふうにその時点での到達が記されているわけですね。
 私は、削除等ができる場合もあるというだけではなくて、この削除などができる場合を明確にして広報啓発を大いに進めるとともに、削除、つまり、プロバイダー責任制限法の三条二項という条文、資料の三枚目にお配りしましたが、その趣旨に照らしてガイドラインを発展をさせるべきではないのかと思うんです。
 大臣にお尋ねする前に、関係する警察庁、総務省にお尋ねを先にしたいと思うんですけれども、警察庁おいでいただきました。警察が削除の要請をしています。これまで警察が削除の要請をするのは刑法違反のわいせつ物、児童ポルノ法違反であって、この被害者の意に反したAVの流通は対象にならないと、これ一般にそういうふうに理解され、支援団体がプロバイダーや、あるいは警察の所管をしておられる団体などに要請をしても、これは駄目といってはねられるというふうに考えられてきましたし、私も三月二十三日の法務委員会でそういうやり取りをさせていただいたわけですが、どうもその後よく聞いてみると違うようなんですよね。
 三月二十日に通達も出しておられるんですが、これ、警察では今申し上げている問題についてどのように取り組んでおられるのでしょうか。
#157
○政府参考人(小田部耕治君) 警察におきましては、アダルトビデオの出演強要に関しまして被害者の相談等があった場合におきまして所要の捜査を行い、インターネット上の情報の掲載が犯罪に当たると認められるときは、プロバイダー、サイト管理者等に対して当該情報の削除要請を行うこととしております。
 警察といたしましては、今後とも、被害者の心情に配意しつつ、事案に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
#158
○仁比聡平君 つまり、インターネット上の情報を掲載して流通させることが犯罪に当たると認められるときは削除要請を行っているのだということなんです。
 三月二十日に警察庁が通知を発しておられます。インターネット上の違法情報及び有害情報に関する削除依頼実施要領の改訂についてというものなんですが、これを拝見をするとその趣旨が明文で書き込まれているわけですね。その項目としては、二の(一)オという項がありまして、インターネット上における流通が法令に違反する情報であって、警察機関が捜査によって違法であると認めたものというところに含まれるのかなと思うんですが、ここにAV出演強要の事案というのが例示はされていないんですけれども、理解としてそのとおりでいいか。
 加えて、違法性の判断というときに、何法に基づいてということがもちろん問題になるわけでしょうけれども、これ、重大なプライバシー侵害の映像が流通すると、これはもう当然名誉毀損であり、その事案によっては、あるいは被害者の申告をよく聞き取られたら、これは強要だと、あるいは映像やその供述によってこれは性犯罪であると、性刑法に違反するというような事案だってもちろんあるんだと思うんですが、一番大きいのは名誉毀損かと思いますけども、そうした判断をするということでしょうか。
#159
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 個別の事案が特定の犯罪に該当するかどうかにつきましては、個別具体的な事実関係に即して判断しなければならないので一概にはお答えいたしかねるところでございますが、先ほど御説明がございましたような形で、インターネット上における流通が法令に違反する情報であって、警察機関が捜査によって違法であると認めたもの、その例としてここにも一部の犯罪掲出されておりますけれども、何らかの犯罪を構成するというふうなことが認められる場合には削除依頼の対象になるということでございます。
#160
○仁比聡平君 つまり、全く無修正で性器などが露出しているといういわゆるわいせつ動画、あるいは児童ポルノとかいうような、特別法があってみんながよく知っているものだけではなく、警察のそうした捜査によって削除を要請するという方針を持っておられるし、現にやっておられるということなんですね。
 そこで、総務省にお尋ねしたいと思うんですが、そうした捜査も踏まえた法的な判断を尽くした警察からの削除要請というのは、これはプロバイダー責任制限法三条二項や、あるいは総務省も支援しておられるインターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン、これとの関係はどんなふうに理解すればよろしいんでしょうか。
#161
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 総務省では、権利侵害の情報ですとか違法情報など削除すべき情報が適切に削除されるように、民間ガイドラインの策定を支援し、事業者の自主的な取組を促しているところでございます。
 公的機関が違法と認定して削除依頼をした場合においては、現行のガイドラインにも定めがあるところでございます。具体的には、警察機関等から違法情報の削除依頼があった場合につきましては、プロバイダー等が対象情報は違法と判断したときは可能な限り速やかに削除等の送信防止措置を行うことと、また、プロバイダー等が削除依頼を受けて仮に違法でないものを削除しても通常は責任は問われないといった旨を定めており、プロバイダー等による適切な排除を促しているという状況でございます。
 総務省としましては、そういった情報を含めて適切な対応が図られるよう、引き続きガイドラインの策定あるいは運用等に関しまして事業者の取組を支援してまいりたいというふうに考えております。
#162
○仁比聡平君 つまり、このガイドラインの性格というのは何かと、今、最新のそのガイドライン、これ手元にありますけれども、本ガイドラインにおいては、違法な情報についての判断基準を例示するとともに、第三者機関が情報の違法性を判断して、電子掲示板などの管理者等に対して送信防止措置を依頼する手続などを整備した。今後、情報通信技術の進展、実務の状況、社会的状況の変化などに応じて、対象とする情報の範囲、情報の違法性を判断する第三者機関の追加、対応手順の見直しなど、適宜ガイドラインの見直しを検討する必要があるというふうにお書きになられているとおりなわけですね。
 このガイドラインの中に、わいせつ物であるとか、先ほど来ちょっと議論になっているような項目が挙がっていて、出演強要がされたAVというのは入ってはいないんですけれども、先ほど来、野田大臣もしっかり示していただいている実態把握というのを、この二年と言っていいでしょうか、この間、政府を挙げて取り組んでこられたわけで、その下で、皆さんの資料の二枚目にお配りしているような内閣府によるインターネット調査、この中で意に反してどんな性的強要が行われているのかということも浮き彫りになってきているわけですね。
 そこで、野田大臣、私、こうしたAV出演強要のどういうものが人権侵害かということを、もちろんこれからの議論が必要なんだと思うんですけれども、明確化して、そこに出ている、出演だとされている当事者が、これは私の意思に反している、承諾していないということが聞き取りなどによってはっきりすると。それは、警察による捜査の場合ももちろんあるだろうと思いますし、例えば弁護士が御本人から詳細に聞き取り、それを裏付けるいわゆる証拠、こういうものも添えて提出するというような場合だったら、これはプロバイダー責任法三条二項の趣旨に照らしても、いわゆる削除、世間的に言えば削除ですね、送信防止措置、これを行う、何というんでしょうか、例といいますか、として示すように発展させるということ、これ、できるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#163
○国務大臣(野田聖子君) まず、人権侵害というとすごく仰々しく聞こえるんですけれども、その人の人生を壊すことなんじゃないかと。やはりそれぞれ与えられた命があって、何事もなければ幸せに生きてこれる人生を壊してしまうという大変大きな問題だと私は思っています。
 具体的には、アダルトビデオへの出演強要の危険性の中で、やはり撮影された映像が繰り返し使用、流通され、インターネット等にも掲載されることによる二次被害に悩み、苦しみ続ける、延々と苦しみ続ける、そして、家族、友人、学校、職場などにアダルトビデオへの出演が知られないかとおびえ続ける、そして、アダルトビデオへの出演が知られることにより、家族や友人との人間関係が壊れる、職場にいづらくなり職を失うなどと、もう既に女性に対する暴力に関する専門調査会報告書にこう記されているところです。
 決してこれは人ごとと捉えず、周辺の自分の親しい女性たちがそういう身の上になってしまわないように、でも、なったときにはしっかりとそれに手当てができるようなことをやっぱり考えていただきたいなと思っています。
 お話が先ほど来警察や総務省からありましたけど、既にインターネット上の違法有害情報の削除の取組というのは、今報告があったような形で民間事業者の取組を支援するなどを通じて行われています。男女共同参画担当大臣である私としても、こうした画像削除の問題については、それぞれ各省に任せるだけではなくて、しっかりとこの環境の変化に全てを適応させながら、私、議長を務めている関係府省対策会議なども活用をさせていただきながら、被害者のための窓口とか、そういう充実を含めて、しっかりと必要な施策を着実に講じられるように取り組んでいきたいと思っています。
#164
○仁比聡平君 ありがとうございます。
 是非、関係府省連絡会議の議長としてイニシアチブを本当に大いに発揮していただいて、大いに急いで前に進むことができるように、心からお願いをしたいと思うんです。
 その際に、最後一問、更にお願いをしたいのが、そうした取組を進める際に、先ほど来御紹介をしてきたような支援団体とか、あるいはこの問題に取り組んでいる弁護士とか、そうしたインターネットを含めたAV出演強要問題の実態について重要な役割を果たしてきている方々から是非聞き取りをしていただいて、参加をしていただいて対策を打っていただきたいと思うんですね。
 そうした皆さんから、今日はもう質問はできませんけれども、海外の無修正サイトだったり、あるいはグーグル検索で出演者とされる当事者とその本人の名前が一致してしまうというような重大な人権侵害が広がるんだけれども、ここに対して打つ手がないというような問題も指摘されているわけですね。
 こうした問題も含めて、フランスの女男平等高等評議会というところが、去年の十一月に女性に対するオンライン暴力の不処罰をなくすという報告を出したんです。ここでは、こうしたデジタル空間における女性に対する被害、これを暴力であると捉えて、その形態は侮辱、モラル及びセクシュアルハラスメント、脅迫などである。その原因は同じで、性差別と男性支配であるといった認識を示して、重要な勧告もされているんですが、もう近くに国連の特別報告者の報告もされるというふうにも伺っていますけれども、そうした世界の動向も見ながら、是非大臣、問題の抜本的な解決のためにリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、いかがですか。
#165
○国務大臣(野田聖子君) 私がインターネットと出会ってはや二十年ぐらいたちます。インターネットは、我が国での成長戦略の担い手であると同時に、やはりそういう間違った使い方をすると人の人生を崩壊させてしまうという、そういう側面を持っているものです。
 せんだっても、自殺を呼びかけて、大変悲惨な殺人、若い女性を対象に行われました。そのときも、やはりSNSを中心に活躍しているそういう団体の皆さんからヒアリングをいただいて、アナログの世界にはない、やっぱりインターネット独特の文化なり問題点というのをちゃんと分かった上で今までと違う取組が必要なんだということを、問題意識を持ったわけですね。全てにおいて、やはりインターネットというものと関わっていく中で、これはもう後ろに下がることはできないわけですから、しっかりとこれについても取り組んでいきたいと思っています。
#166
○仁比聡平君 ありがとうございました。
#167
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 冒頭、どなたも御質問なさらないのでどうしようかなと思ったんですけれども、林文部科学大臣にお伺いいたします。
 この度の一連の日大のアメフトの出来事に関してなんですけれども、文科省として何かお考えがあるかどうか。例えば、アメリカの全米大学体育協会、NCAAといいますけれども、このような組織を日本につくるとか、あるいは、日本では政府が全国の国立、私立大学に出している補助金の交付額というのが発表されておりますけれども、学生の安全に関して支障があるとか、その場合の対処や対応に納得がいかなかったような大学はこの交付金を減額するとか、そのくらい強いことをやらないと、これは直らないんではないかと思っておりますが、御意見をお伺いいたします。
#168
○国務大臣(林芳正君) 先週の金曜日の会見でも申し上げさせていただいたんですが、その前日に、ですから木曜日ですね、文部科学省、スポーツ庁の事務方が実態把握を目的として現状を伺いまして、日本大学から関西学院大学に提出した回答書の内容、それから日本大学による第三者委員会の設置等について話を聞いております。
 私、文部科学大臣の認識及び考えとして、本件については、看過できない重大な事故につながる事態であること、それから速やかな事実の全容解明を望んでいること、再発防止策に取り組むこと、さらには、法人、大学としてのですね、法人の適切なガバナンスの発揮の観点からも、設置者として理事会において責任を持って対応いただく必要があると、こういうことを事務方より伝えさせたところでございます。
 今後は、関東学生アメリカンフットボール連盟、ここに設置をされておられます規律委員会や日本大学に設置される第三者委員会による事実関係の究明等を踏まえまして、文部科学省、スポーツ庁として必要な対応をしてまいりたいと考えております。
#169
○石井苗子君 ありがとうございます。
 二〇一一年に、アメリカ・ペンシルベニア大学でアメフトコーチによるセクハラ行為、先ほど仁比議員の中にもありましたけれども、監督が十五年間学生に対するセクシュアルハラスメントを隠蔽してきたという事実が、NCAAは元FBIの長官を入れた外部委員会を設置し徹底的に調査したというのが有名ですけれども、日本でも今回のような不祥事が起きた場合は第三者機関を設置して協会を持っておく、あるいは国として大学別の補助金の交付額を減額するというような具体的な厳しい予防対策を取っていただきたいと思います。
 それでは本題に入りますが、平成三十二年度から開始される文科省の新学習指導要領についてお伺いします。
 中でも特に力を入れているとおっしゃっていましたのが、先ほど理化学研究所の優秀な成績について発表がございましたけれども、理数教育でございまして、昨年の六月に日本理科教育振興協会が行ったアンケート調査を見ましたところ、小学校、中学校の理科室ですね、実験などをやる教室ですが、これが不足していると答えた中学校が全国の中で、その調査の全体の中で四〇%近くありました。
 そこで、財務省、参考人の方にお伺いしますが、この理科教育設備整備の予算と交付金なんですが、ちょっと私調べましたところ、平成二十八年予算は十七億八千プラス補正が三億四千で、交付が十九億一千、二十九年度予算が十七億五千で、前年度繰越しが一億九千、交付額が十七億七千。しかし、三十年度予算が十六億九千と下がりまして、要望額が十七億七千、上回っているわけですけれども、理科教育に力を入れると国が方針を決めたのであれば、自治体の要望を十分に充足できない場合、文科省の新学習指導要領の要請に応じて補正の措置などを必要と考えますけれども、御答弁いただけますでしょうか。
#170
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の理科教育設備予算につきましては、次世代の科学技術を担う人材を育成するため、過去の執行実績等も勘案しつつ、観察や実験に係る理科設備の充実等に必要な予算として計上してございます。
 その際、平成二十七年度に実施されました予算執行調査におきまして、随意契約が五割に上ったこと、あるいは同一品目における単価差が例えば十五倍とあるものがあったなどが明らかになりまして、調達の効率化などが必要であるとされ、その結果が平成二十八年度以降の予算に反映されているところでございます。
 なお、観察、実験における問題解決や探求の活動を通じて子供たちに科学的に思考する力などを育むことは大切である、こういった理科教育の重要性は私どもも当然認識しているところでございます。したがって、人材面におきましても、科学技術関係の人材育成を初等中等教育段階から実施し、国内外の生徒が切磋琢磨する機会を確保するため、先生御案内の第五期科学技術基本計画や第二期教育振興基本計画などを踏まえ、スーパーサイエンスハイスクールや科学技術コンテストの推進等に必要な予算も計上してございます。こちらの方は増額しているものもございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、理科教育振興に係る取組につきましては、厳しい財政事情も踏まえつつ、文部科学省において真に効果的、効率的な施策の展開を図っていただくことが重要であると考えております。
#171
○石井苗子君 ありがとうございました。
 ちょっと、補正予算は付くということで理解してよろしいでしょうか。
#172
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 補正につきましては、財政法におきまして、予算作成段階で予期されなかった事情、あるいはそのときに必要であるかという緊要性等々、国会の審議権の関係も踏まえまして、そのときにしっかりと精査させていただきまして、現段階では当初予算で十分に措置しているものと考えておりますが、補正、仮に編成されるときにはまたしっかりと精査してまいりたいと考えております。
#173
○石井苗子君 ありがとうございます。
 それでは、大臣にお伺いいたします。
 昭和二十九年ですから六十年前以上なんですけれども、理科教育振興法という法律があって、これ現在も使われておりまして、沖縄が四分の三、ほかの自治体は国と二分の一折半ということで、これが自治体の経済力によって自治体の予算というのがなかなか出なくなってきて苦しいということなんですけれども、文科省として、自治体のニーズというのを把握して、必要な予算を確保して、こういう理科の設備の環境整備というのを推進していくべきではないかと思うんですが、大臣、いかがお考えでしょう。
#174
○国務大臣(林芳正君) 今お触れいただきましたように、この理科教育振興法、昭和二十八年八月八日法律第百八十六号ということで、大変すばらしい法律なので今でも残っているんだろうなと、こういうふうに思っておりますが、理科教育において、観察、実験をやって、問題解決や探求の活動を通して、やっぱり子供たちに科学的に思考する力というのを育むということが大事だと思っておりますので、観察、実験の充実のためにこの理科教育設備整備費等補助金、これを設けまして、先ほど触れていただいた理科教育振興法、これに基づきました観察、実験に係る実験用の機器を始めとした理科教育設備の計画的な整備、それから理科の観察、実験のアシスタントの配置の支援という、物的と人的と両方の支援を実施しております。
 二十九年三月に小学校、中学校の新学習指導要領を公示しておりますし、今年の三月に高等学校も同様でございますが、これまで理科教育で重視してきた観察、実験などの科学的に探求する学習活動をより一層充実するということで学習の質を向上することとしておるところでございます。
 この新学習指導要領の円滑な実施の観点からも、観察、実験、これを充実していくための環境整備を進めていくことが重要であると考えておりまして、引き続き、観察、実験の重要性、それからこの補助金についての周知、これを図って、地方公共団体、今お話があったようにニーズを丁寧に把握をいたしまして、本補助金の効果的、効率的な活用を促しながら、事業者の確保に努めることによって、理科教育、更なる振興を推進してまいりたいと思っております。
#175
○石井苗子君 是非よろしくお願いいたします。
 私、この辺の教育を受けた人間でございまして、その古い法律の。よその国に行ったら、どうして顕微鏡の使い方を知っているんだと周りに驚かれまして、中学校のときに習いませんかと言った、すごく有り難い記憶がございますが。もう本当に頑張って子供たちを育てていっていただきたいと思います。
 残された時間なんですけれども、これは地方議会議員年金の復活に関する議員立法についてちょっと質問をさせていただきます。ちょっと厳しいことを言うかもしれませんが。
 日本維新の会は、これまでも何回か本国会の衆議院議員で地方議員の年金制度の復活の可能性について異議を申し立てておりましたが、実はこの地方議会の議員年金は二〇一一年の六月に廃止されております。この件に大変詳しい国民の皆様以外はこの制度が廃止されたことも御存じないかもしれませんし、また、この廃止された年金を払うために皆さんがまだ税金を払い続けているということも御存じないのかと思いますし、多くの方はあったかどうかも御存じないんじゃないかと思うんですね。
 その中で、二〇一一年から六年もたたないうちに、今度、制度を新しい形としまして、新地方議員年金制度を立ち上げようとしているという。そうすると、今も税金を取られています、更に新たに税金を上乗せして負担を増やそうとしていく制度で、国民の方々がほとんどこれを御存じないとなると、これは総務省の政府参考人の方にお伺いしますけれども、二〇一一年に廃止された方の地方議会議員年金制度、かつて三期十二年地方議員をお務めになった方、六十歳、今は六十五歳からかもしれませんが、現在約何人ぐらいの元議員の方が年間どのくらい受給を受けているのか。町村議会と都道府県、それぞれ年間どのくらいの額になるか。あわせて、廃止された制度のために国民の皆様はあと何年このために税金を払い続けるのか、総務省の政府参考人の方に御答弁をお願いいたします。
#176
○政府参考人(佐々木浩君) お答えいたします。
 平成二十八年度末における旧地方議会議員年金制度の退職年金の受給権者数は四万三千百五十七人であり、当該年度における町村議員の退職年金の平均額は年間約六十八万円、市会議員の平均額は約百七万円、都道府県議員の退職年金の平均額は約百八十九万円となっております。
 旧地方議会議員の年金制度の給付に要する経費については、これは概略でございますが、いつまで最後に死亡される方がいるかということによるわけですが、今後約五十年間にわたって公費負担が発生するのではないかという試算を今行っているところでございます。
#177
○石井苗子君 私は四十年ぐらい先と聞いているんですが、五十年先までもしかしたらということでございますと、廃止された方の地方議会議員年金の公費総額は、平成二十三年から七十年までを積算しますと一兆一千四百億円と見積もられております。これは税金でございます。
 国民の皆様にこれだけ多くの税の負担を掛けることが今決まっているのに、更に新しい税の負担を掛けるということが理解されるとは思えないんですが、新地方議会議員年金制度、これは余り賢明な手段とは思えません。一つのやり方であるとは思いますけれども、共済組合法が関係している以上、国会で審議されることになります。いずれは国会議員の年金も知らないうちに復活されるのではないかという国民の皆さんに懐疑心を持たれるということは、この時期、信用とかいろいろモリカケとかありますので賢明な案ではないと思います。
 地方議員の問題は何か。これは、なり手が少ない、なかなかなってくださらない、やってくださる人が少ない、高齢化になっているということが問題で、それを年金を保障するからやってくださいとお願いして、それでもしまた集まらなかったら誰が責任を取るんだろうかと思っております。このインセンティブが年金では、やる気、モチベーションと言いますが、やる気のある方が集まって本当にくるでしょうか。政治に関心のある方に集まってきて、地方の創生に人材を補填していくような方法はないかと。
 地方の活性化に、先ほどから空き家の問題とか朽ち果てるインフラとかという耳触りが悪い言葉が出ておりますが、地域の政治に関心のある方に集まっていただく方法があるんではないかと思いまして、三十年三月に出されました町村議会のあり方に関する研究の報告書というのを私、読まさせていただきました。実に六十ページ。その中に、公務員の方々が現職のまま議員活動に従事することを検討すべきとそこに書かれてあります。
 そこで提案ですけれども、都心に人が偏って集まっているんではないかというこの構造の傾向の中で、少子高齢化の中で、知事や市長は居住要件がありません。地方議員はこれを課しています。この制度を改めて、例えば都会で生活をしている方々が、もしこの要件がなくて、職業をほかに持っていて、時間的制限を減らすとなったら、ふるさとの行政に関心がある人がいるかもしれない、議員として貢献したいという人が出てくるかもしれないんです、特に若い人は。
 この居住条件の撤廃、できませんでしょうか。総務省の政務官にお答えいただきます。
#178
○大臣政務官(小倉將信君) お答えいたします。
 地方議会は、条例の制定、予算の決定、地方税の賦課徴収など、住民の権利や義務や生活に密接に関わる事項の決定を行う議事機関とされております。そうした地方議会の構成員であります議員の被選挙権につきましては、その選挙権を有することを要件としておりまして、委員御指摘のとおり三か月以上住居を有することが必要となりますが、この趣旨は、ある程度その地域社会に居住し、地縁関係もでき、その団体の事情にも通ずる必要があるというような観点から、公職選挙法制定以来、国民の間に定着をしてきたものと承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、被選挙権の取扱いにつきましては選挙制度の基本に関わる問題でありまして、各党各会派におきまして十分に御議論をいただく必要がある事柄であるとともに、地方議会の話でありますので、地方公共団体の意見も聞きながら広く議論をいただくべきものと、このように考えております。
#179
○石井苗子君 ありがとうございます。結構切迫している状態なんですね、なり手がいないとか。本当になくしてしまった方がいいんではないかというような議論もされておりますが、我々は提案型の政党でございますので。(資料提示)
 これ、次のこのパネル、二年前の十月に日本維新の会が出させていただきました法案なんですけれども、今、私、法務委員会におりますけれども、今まさに民法、法律が変わって、成年十八歳となりつつあります。日本の成年という年齢が十八歳に引き下げられようとしています。
 既に、先ほどお話にもありましたけれど、投票、これは十八歳でもできるように下げられましたので、是非、公職選挙法を変えていただいて、立候補する権利も十八歳に引き下げていただきたいんですけれども。こちら、ほとんど、衆議院議員、参議院議員、都道府県議会の議員、都道府県知事、市町村議会の議員、それから市町村長と、皆様にはお配りしていると思いますが、二十五歳から三十歳以上となっているんですけれども、これ十八歳にしていただけないかなと思うんです。
 私は、十八歳になったら立候補しなきゃいけないと言っているのではなくて、そこに十八歳になったら立候補することもできるんだよという制度を設ければ関心を持つんではないかと思うのでございまして、十八歳に引き下げていただきたいんですけど、まずこのことに関しまして、政務官、御意見ありますでしょうか。
#180
○大臣政務官(小倉將信君) お答えを申し上げます。
 被選挙権年齢につきましては、社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえまして設定をされていると考えております。諸外国の例を見ましても、北欧やドイツは成人年齢と被選挙権年齢は一致しておりますし、一方でフランスやイタリア、アメリカは一致をしておりません。このように、被選挙権年齢の在り方には様々なお考えがあると、このように承知をいたしております。
 委員のお話、思いはよく理解をしておりますけれども、ただ、一方で、本件につきましては、民主主義の土台であります選挙制度の根幹に関わる事柄でありまして、国民の代表であります立法府におきまして委員も含めて各党各会派で御議論いただくべき事柄だと、このように承知をいたしております。
#181
○石井苗子君 頑張って議論していこうと思うんですけれども。
 どうして十八歳に引き下げていただきたいかというと、そこに今住んでいるんです、高校生というのは。そうすると、土地で暮らしている高校生、十八歳の方が自分たちが暮らしている町をどうしたいかというアイデアを持っていることが多くて、新鮮な意見が出てくるんですね、具体的に。お金ではなくて関心のある子、しかも政治に参加してもらえるような制度がそこにあれば、今から考えていれば二十歳、二十三、四になったときにこうしようというようなこともぱっと、さあ出ようと思ったときに十八から既得権があるんだよといえば、立候補できる権利だけはつくっておいてあげた方がいいんじゃないかと思っておりますが、頑張って訴えていきたいと思っております。
 それでは、野田大臣にお伺いいたしますが、大臣は一貫して、この制度は、議員に関する身分の根幹に関わることは地方議員の方々の意見を聞いてからそれぞれの政党で議論をしてもらうこととしておりますと、一貫してこのお答えをしていらっしゃるんですが、私、ちょっと調べましたところ、五月一日現在でしたが、全国千七百十八自治体のうち千三十七の議会がこの議員年金、新しい方ですね、これに賛成しております。反対は、十二議会が、これはインセンティブを年金で持っていってもいい人集まらないだろう、それよりほかのこと考えようと反対しているのは十二議会なんですけれども。
 これ、この辺で少し、身分の根幹に関わることは地方議員の方々の御意見、声を聞いてからと、これが声なんですけれども、今、年金、新しい制度の新設と地方議会の運営のやり方の工夫と、大臣はどちらに力を入れていったらいいと思っていらっしゃいますでしょうか。
#182
○国務大臣(野田聖子君) 石井委員にお答えしたいと思います。
 今お話があった地方議員の年金制度に関する意見書というのは、私のところにも千以上の地方議会から既に届いておりまして、御指摘のように、多くが地方議員の厚生年金への加入を求めるものがある一方、幾つかの意見書は地方議員年金制度の復活に反対するものになっているなど、様々な御意見があるということは承知しています。
 地方議員の年金については、地方議員の身分の根幹に関わること、これ、私も地方議会の議員として経験したことも踏まえて、やはりしっかりそれぞれ地方議員の声をよく聞いて、地方自治でありますから、聞いていただいた上で、各党各会派でそれぞれのお考えがあるかと思います。皆さん良かろうと思っていろんなことをおっしゃっていただいているんですが、それは、やっぱり多くの様々な意見を議論し合う場所をつくっていただいて、しっかりと議論していただくことがとても重要であると考えています。
 一方で、地方議員のなり手不足というのはもうずっと言われ続けてきて、これは様々な要因があると私は思います。議員のなり手の確保のためには、例えば夜間とか休日議会、議会運営の工夫なんかも踏まえて、様々な観点から、より幅広い層、今日若手の御指摘がありましたけれども、女性もそうですよね、そういう層が議員として参画しやすい環境の整備を努めていく必要があるというふうには認識しているところです。
#183
○石井苗子君 職業を捨てて議員にならなきゃならない、だから年金制度も必要だという考え方が一つあるんだと思うんですけれども、ここのところを何とか、職業を持ちながらとか、土日だったらできるとか、そのために少し予算を割くとかというような形にして、よくマンションの理事会みたいに総会を設けて、そこで関心のある人が集まって、昔は、かつてはボランティアだったんですけれども、そうはいかないでしょうが、工夫をしていってやった方が、人材が集まるかどうかという質の問題ですけれども、そこはやっぱり関心のある人が集まっていただきたいと思うんですが。
 少し時間が、五分ほどございましたので、オリンピックのことについて、通告はしてありますけれども、オリンピックの件につきまして通告させていただいたのは、準備状況が芳しくないという報道がありまして大変私も心配していますけれども、今の準備状況どうなっているかなというところをどなたかお話しできますでしょうか。
#184
○政府参考人(源新英明君) お答え申し上げます。
 本年四月に、組織委員会と国際オリンピック委員会、IOCとの間でプロジェクトレビューという協議が行われております。その会議で、ジョン・コーツ調整委員会委員長の方から、大きな成功を収めた平昌の冬季大会の後に開かれるものであるため、皆さんにとってのハードルが高くなった、こういった発言がございました。私もその場で発言を聞いておりましたが、日本としても、平昌大会の次となる東京大会を着実に成功させる必要があると受け止めております。
 大会本番まで今日であと二年余り、七百八十八日となっている中、開催都市である東京都、大会の運営主体である組織委員会と連携して取り組んでいく必要があると考えております。
 具体的には、競技会場の施設整備につきましては、新国立競技場が二〇一九年十一月の完成に向けて予定どおりに進んでいるほか、東京都が建設いたしますオリンピックアクアティクスセンターや有明アリーナの建設等も予定どおり進んでいると承知しております。
 ただし、今後は、大会運営の成功に必要な取組といたしまして、テロ、サイバー、感染症対策も含めたセキュリティーの万全と安全、安心の確保、円滑な大会輸送の実現と一般交通との共存の確保、日本の暑さに不慣れな外国人に向けた暑さ対策、これらは、対応を誤りますと大会の成功に水を差しかねない極めて重要な課題であると認識しております。
 大会準備は計画段階からいよいよより具体的な運営局面に移ってきておりますので、政府としては、大会の成功に向けまして関係者と連携しながら着実に取組を進めてまいる所存でございます。
#185
○石井苗子君 もう是非成功させていただきたいと思っております、オリンピックは。我々日本維新の会は、五年後の大阪の万博もそれに乗せて景気を上に上げていきたくて、方々の方々にお願いして回っている次第でございますが。
 最後に、ちょっと予算のことについてなんですが、オリンピックの開催の直接の予算だけではなくて、この全体、関連の予算も含めて直接経費だけの公表では良くないかなと私は思っておりまして、決算で参議院に、あるいはホームページに広く明らかにして公開していくべきなのではないかと思うんですが、インターネットで見る限りの関連経費というのをもう少し透明化することはできないでしょうか。
 特に、広告関係への資金の流れというのが余り明確にはっきりしておりませんで、推進経費というんでしょうか、これが不透明でございます。サービス経費というのが明らかになっていないかなと感じるんですが、国の支出でございますから、ここのところも含めて明らかにするべきではないかと思っております。
 例えば、コンサルティング費用やソフトのサービスの経費が目に見えていた方がいいのではないかと思うんですが、今いろいろ対策を考えなきゃいけないということなので、思い切りこのサービス経費なんかも公開した方が印象がいいと思うんですが、いかがでしょうか。
#186
○政府参考人(源新英明君) オリンピック関係のお尋ねでございますけれども、大会経費につきましては、大会組織委員会の方から全体で一兆三千五百億円という数字が出されております。この内訳といたしましては、組織委員会の負担が六千億、東京都が六千億、国が一千五百億ということで、国につきましては、新国立競技場の整備、それからパラリンピック経費の負担四分の一相当額というふうになっているところでございます。
 このほかに、オリンピックに関連する予算というものを毎年度いわゆるオリパラ関連予算ということで公表しているところではございます。また、東京都は東京都で先ほど申し上げた六千億の別の数字、これも関連する予算ということで公表しているところでございます。
 なかなか、今委員の御指摘は、その一覧性、この辺のところがやや分かりにくいのではないかという、そういった問題意識かと受け止めました。今後の公表の在り方について、引き続き関係者とどうあるべきか、ちょっと検討してまいりたいと思っております。
#187
○石井苗子君 なかなか公表しにくいことはよく分かっているんですけれども、なるべく透明化した方がいいと思います。
 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
#188
○青木愛君 希望の会(自由・社民)、青木です。早速質問に入らせていただきます。
 まず、総務省にお伺いをいたします。
 地域おこし協力隊についてお伺いいたしたいと思います。
 二〇〇九年に創設されました地域おこし協力隊、今年で十年目を迎えております。地域おこし協力隊に対する地方自治体からの期待は年々大きくなっており、既に隊員数は五千人に迫る勢いであります。今後も更にこの地域おこし協力隊を発展させていくために、新たな隊員の掘り起こしに取り組む必要があろうかと思っています。また、隊員が地域で効果的な活動を行うためには、隊員と地域住民、そして行政の三者のマッチング、あるいは相互間の理解が大変重要であろうかというふうに認識をしております。
 せんだっても、南房総市で働いていただいている隊員の方にお話を伺ってまいりました。志を持って地域のために頑張っていただいているということは、大変頼もしく、有り難いことでございました。中には、予算が総務省から出ている中、面接は市の方に面接をしていただき、そして今、籍を置いているのが観光協会ということで、どちらを向いて仕事をすればいいのかなと思うときもあるということでありました。そして、中には、その任期が終わってもそのまま地域の方々の協力を得てその地元に定住をして、パッションフルーツを育て、そして製品化をしてネット販売をしているということで、東京に残してきた奥様をこれから呼んで二人で頑張っていきたいという大変心強い、そんなお話も伺うことができました。
 やはり、この隊員が活動しやすい環境の整備というのは必要だというふうに思います。人材派遣のような雑用ばかりではやはり志が花開かないということにもなりかねませんので、この隊員、地域住民、そして行政の三者の相互理解というのは大変重要なのではないかなというふうに感じてまいりました。
 そこでお伺いいたしますけれども、今後の隊員のなり手、掘り起こしとともに、この隊員が活動しやすい環境のサポート体制についてどのようにお考えか、総務省にお伺いをいたします。
#189
○政府参考人(池田憲治君) お答え申し上げます。
 地域おこし協力隊は、実施主体であります地方自治体が求めるスキルや知見を持った人材を募集し委嘱するものですが、総務省といたしましては、こうした地方自治体の取組を支援をしております。
 今お尋ねがございましたうちの第一点でございますが、地域おこし協力隊の隊員のなり手の掘り起こし、これも各自治体が取り組まれているところでございますが、総務省といたしましても、総務省が開催いたします移住交流フェアに地方団体に参加いただいたり、あるいは総務省が設けております移住・交流ガーデンで合同募集セミナーを開催したり、あるいは協力隊の全国サミットで都市部の住民の方などに広くアピールをしているところでございます。
 今後、応募者の裾野を拡大するために、シニア層や在住の外国人、青年海外協力隊経験者などにも働きかけをして裾野を広めてまいりたいというふうに思っております。
 続きまして、二点目の隊員が活動しやすい環境の整備につきましては、地域や自治体の受入れ体制が重要でありますことから、自治体の担当者向けの研修会を、これを全国十か所で開催をしております。
 また、平成二十八年度からは地域おこし協力隊サポートデスクを開設しておりまして、本年三月末までの数字を見ますと、隊員から七百七十件の相談があり、また、地方自治体の担当者からの約八百八十件の相談にも対応しているところでございまして、今後も充実してまいりたいと考えております。さらに、隊員を受け入れる際の留意点などをまとめたチェックリストを含む受入れに関する手引を作成し、自治体や地域での取組の参考にしていただいております。
 こうした取組を通じまして、更に制度を発展させ、都市から地方への新しい人の流れをつくってまいりたいと考えております。
#190
○青木愛君 ありがとうございます。
 これから過疎化、高齢化に向かう地方にとりましては、この隊員を派遣していただくことは大変意義深いことでございます。地元としましても、是非定住をしていただきたい、御活躍いただきたいと思っておりますけれども、今のところ定住した方の割合が約六割ということになっております。ほかの地域にまた移動したり、任期途中で都市部に戻られる方もいるようです。
 更なる定住促進に向けた取組について、野田大臣に御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#191
○国務大臣(野田聖子君) 青木委員にお答えします。
 正直申し上げて、私も大臣就任まではこの地域おこし協力隊の皆さんと出会う機会というのはほとんどございませんでした。ただ、大臣就任後、様々な出張のときには必ずどの地域にも協力隊の方たちがいて、非常に生き生きとしなやかに、協力隊というと何か堅っ苦しい人たちかというイメージがあるんですけど、非常に伸びやかにお仕事に精励されていることを見て、ああ、とてもいいプロジェクトだなということを感じています。
 いろんな方と出会ったんですけど、北海道の上士幌というところに行ったときに非常に印象的な方に出会ったんですが、その方は元々地域おこし協力隊のOBで、そこで数年、町で二年ぐらいですか、協力隊として働くわけですが、その後そこに定住されるわけです。元々は埼玉県御出身の方でございまして、男性の方ですけれども、地元にパンダマメというのがあって、その上士幌にそういう食材を活用したピザ屋さんを開業されて店舗を営んでおられて、そこで地元の食材を活用されたピザをいただきました。せっかくですのでお店の名前を言うと、パピリカという名前なんですけれども。
 こうやって、六割、多いか少ないか、私はいい数字だなと思っているんですけど、そういう方が定住に際して、基本的には協力隊終わった後、起業というふうになるんですけど、就職でもいいと思うんです。いろんな選択肢があっていいと思うんですが、終わったら起業だというとまたそれもプレッシャーになるんで、その行った先のいろいろな会社に再就職をされるということも考えておかれればいいと思います。
 また、それプラス今総務省で、ふるさと納税を活用しまして、隊員の起業を応援する仕組みである協力隊クラウドファンディング官民連携事業とか、隊員が起業する際の経費を支援する地方自治体に対する地方財政措置などを実施して、再就職もありき、今のピザのオーナーのように起業する際には精いっぱい応援をしようというような仕組みづくりをしています。
 最近では、定住する際の選択肢を多様化するために、起業プラス、これは全国的に大きな課題というか問題になっている事業承継というのがあります。年齢が高くなったけど、なかなかその承継者がいないというなり手不足、そこもマッチングさせようじゃないかということで今制度をつくっているところです。
 実は今年度、地域おこし協力隊というのは創設から十年目の節目を迎えました。私は、先日の経済財政諮問会議というところでも、暮らしやすく働きやすい社会の実現に向けて、地域づくりの担い手として活躍が期待される地域おこし協力隊の拡充を発表させていただきました。
 今御指摘のように、地域、地域おこし協力隊、行政の三者が力を合わせて人による地域づくりに取り組めるよう、総務大臣として引き続き応援をしてまいる所存であります。
#192
○青木愛君 ありがとうございます。
 事業承継ということで、後継ぎがいないというのは地方にとって本当に大きな問題なので、是非そうした新しい取組にも御尽力いただきたいと思いますし、また、隊員の任期中また任期後の様々な声にも耳を傾けていただきたいですし、いろいろな隊員の方にお会いしているということだったので、是非、野田大臣から励ましのエールを時折発信していただければまた奮起されるのではないかなというふうに御期待申し上げております。よろしくお願いいたします。
 続きまして、これは東京都の地元の病院の方からの、これは新年会で伺った課題でございます。御質問をいたします。
 高齢化等に伴って救急搬送の需要が増す中で、消防機関に属する救急車のみならず、病院が自ら救急車を持ち活用して搬送する取組、これ非常に有効な施策だというふうに考えております。この病院の機関が東京都に救急車の払下げを希望したんだそうですが、東京都は救急車全て廃車にするということでかなわず、群馬県から救急車の調達をしたということでございました。
 病院が救急車を持つ、大変有効だというふうに思っておりますけれども、これは東京都の案件だとは思いますけれども、国として、この医療機関自らが救急車を持つ、そして市町村あるいは都が持っているそうした救急車をまだ使えるものは安く払下げをしていただく、こういう考えについては国としてはどのようにお考えでしょうか。
#193
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 救急車の払下げの御質問でございますけれども、救急需要が増加する中で、医療機関が自ら救急搬送用車両を保有し救急搬送を行っていただくことにつきましては、大変有効な取組だというふうに考えております。
 救急車の更新につきましては、各消防本部におきまして、距離とか年数などのおおむねの基準を取り決めまして廃車にしていくなど、適切に処理を行ってきておりますが、更新後不用となっていた車両を医療機関に譲渡している事例につきましても承知をしておりまして、各消防本部におきまして個別に適切に判断されるものと考えております。
#194
○青木愛君 もう一点伺いますが、消防白書によりますと、タブレット端末を救急車に搭載をして医療機関の受入れの可否の情報を救急隊と医療機関で共有しているところでございますが、移動時間が長い一部の地域では、救急車で運ばれる患者の情報を医師や受入れ病院に送信をして、移動中であっても適切な処置ができるようになっているということでありますが、このICT化に向けて、単にその受入れの可否だけではなくて、この事例のように、患者の今の状態を含めた、あるいは病歴も含めた様々な情報、個人情報との関わりもあろうかと思いますけれども、こうしたICT化というのを全国展開してもいいのではないかなと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
#195
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 救急業務にタブレットを導入いたしましてICT化を推進しております消防本部につきましては、昨年の八月の調査によりますと全国の約半数の三百六十八ございます。委員御指摘の救急車で運ばれます患者の情報を医師や病院に送信することにつきましてのICTの導入につきましては、そういった地域があることにつきまして承知をいたしております。
 円滑な救急業務の推進に有効なICTなどを活用いたしました取組につきましては、関係省とも情報を共有しながら、全国の消防本部や都道府県、医療機関にも周知をいたしまして普及に取り組んでいきたいと考えております。
#196
○青木愛君 より具体的な取組を国としてもお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、文科省にお伺いをいたします。
 まず、高速増殖炉「もんじゅ」、二〇一六年十二月の原子力関係閣僚会議において廃止措置が決定をしております。今後、おおむね三十年を掛けて廃止措置が実施されるということでありますが、今後の廃炉計画とともに、保守管理、点検体制に不備があった、言わば人的ミスによるものが指摘されています。
 文科省は、この「もんじゅ」以外にも、文科省傘下に危険を伴う研究を抱えていると思います。例えば宇宙開発あるいは生命科学研究などを行っているかと思いますが、この「もんじゅ」の反省をほかのプロジェクトにどのように生かしていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#197
○国務大臣(林芳正君) 「もんじゅ」につきましては、一定の研究開発成果が得られたものの、その保全実施体制、それから人材育成、関係者の責任関係など、マネジメントに様々な問題があったところでございます。
 文部科学省では、平成二十八年に「もんじゅ」の在り方に関する検討会におきまして、脆弱な保全実施体制、それから情報収集力、保守管理業務等に係る全体管理能力の不足、人材育成に係る問題、社会的要請の変化への適応力の不足、こういった問題点を取りまとめた上で、「もんじゅ」のミッションを達成する前提として、まずは「もんじゅ」の保守管理が確実に実施され、安全確保上の懸念が払拭されることが必要であると報告をしておりました。
 こうした「もんじゅ」の反省も踏まえつつ、文部科学省が所管をする法人等で実施される大型研究開発プロジェクトにおきましては、やはり安全が確実に確保される適切なマネジメントが行われるよう、文部科学省として指導監督にしっかりと取り組んでまいらなければならないと思っております。
#198
○青木愛君 もう一点お伺いをいたします。これはあくまでも原発即時廃止という立場からの質問になります。
 使用済核燃料、原発のごみの処理という問題がございます。現在は核廃棄物をそのままガラス固化して地中に何十万年も管理をするという方法が今考えられ得る主流となっておりますが、ほかの方法に、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核種を短寿命核種に核変換する方法が研究されています。これは、半減期を何十万年掛かるものを何百年に短縮することができる、そういう目標の中での研究でございます。
 これには、高速増殖炉サイクル技術を利用したものと加速器を用いたものの二種類ございます。前者はいわゆる「もんじゅ」で、事故が多く廃止となりました。後者の加速器によるものは、茨城県東海村のJ―PARCで研究が続けられており、未臨界での操作になりますので、安全性も高いと思われる方法であります。これ、ともすると原発推進なのではないかという指摘もあるので、これは本当に慎重に私も質問に臨まなければというふうに思いますが、研究者の方に伺ったところ、プルトニウムも核変換が可能であるということでありました。
 ですので、あくまでも原発のごみ処理という立場でお伺いいたしますけれども、この加速器駆動核変換技術の確立は、人類の現在と未来に対する大きな貢献にもつながり、また、この研究は五十年、百年を見据えたものになろうかとは思いますけれども、この知見を後世につないでいくということは重要なのではないかなというふうに考えておりますけれども、文科省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(林芳正君) 加速器の駆動核変換技術でございますが、この高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核種を短寿命核種に変換することができると、今委員がおっしゃったとおりでございます。
 文科省としては、この技術の確立によりまして、高レベル放射性廃棄物の長期的なリスクを低減して、原子力利用に伴う重要課題である廃棄物の問題に大きな貢献ができると期待をしておるところでございます。そのため、文科省において、加速器を用いた核変換技術の研究開発の在り方について議論をするため作業部会を設置いたしまして、現在、当該作業部会で示された方針に基づきまして研究開発を進めておるところでございます。
 具体的には、長寿命核種でありますマイナーアクチノイドの分離技術や、当該核物質を核変換するための実験施設の設計の具体化に必要な基礎研究等を実施しておるところでございます。
 これらの研究開発については、今先生からお話もありましたように、長期の取組を要することから、現時点では様々な要素技術開発に取り組むことがまずは必要であり、文部科学省としても引き続き着実に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えております。
#200
○青木愛君 ありがとうございます。
 最後に、林大臣にお伺いをしなければなりません。加計学園の獣医学部新設について最後お尋ねをいたします。
 今、首相、加計学園、また愛媛県の主張に相互に食い違いが見られております。加計学園側から間違った報告をしたという報道も見ておりますけれども、この間違った報告によって認可をしてしまった文部科学省としての責任についてお伺いをしなければなりません。
 九十億以上の今治市の土地の無償の払下げが行われ、また建築費用も多額の税金を投入して行われております。仮に加計学園が間違った報告をしたということであったとしても、それではなおのこと、この文科省の認可というものは重い責任が生じるのではないかなというふうに思っております。
 その点について、林大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#201
○国務大臣(林芳正君) 先ほど小川委員の御質問にもお答えしたとおりでございますが、国家戦略特区は内閣府を中心にこのプロセスを進めてまいりました。その下でこの設置に対する申請が出されたということで、設置審におきまして設置認可申請の内容を学問的、専門的観点から審査いただくということで可とするということ、そしてさらに、申請内容と国家戦略特区のプロセスとの整合性も確認できたということでございますので、戦略特区のプロセス、設置認可のプロセス、共に適切に進められてきたものと、こういうふうに認識しておるところでございます。
 また、これまで、いろんな文書、証言が出てきた場合には丁寧かつ詳細に事実関係を確認しておりまして、引き続き、国民の声に真摯に向き合って、必要な対応はしてまいらなければならないと思っております。
#202
○青木愛君 文科省の認可は軽々しいものではないというふうに思いますので、是非疑惑の解明に向けて政府・与党取り組んでいただきたいということをお願い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#203
○松沢成文君 希望の党の松沢成文です。
 両大臣、御苦労さまでございます。
 私は、まず第一点目、ゴルフ場利用税について、昨年のこの決算委員会でも質問させていただいて、その後、ちょっと動きがありましたので、まず文科省、スポーツ庁から質問を始めたいと思いますが。
 私は、スポーツの中でプレーするときに税金を掛けるなんというのはゴルフだけだと。ゴルフは、高度経済成長期とかバブル期には接待の道具だとか金持ちの社交術だとか言われていましたけれども、もう今や国体の種目に入り、そしてオリンピックの種目に入るれっきとしたスポーツでありまして、ジュニア育成が行われているわけですね。
 時代も変わりまして、今、ゴルフ場をバブルのときにたくさん造り過ぎちゃって、もう大変ゴルフ場が潰れそうで困っているという、こういう時代に、いまだにゴルフだけ税金を掛け続けるというのはおかしいと言いましたら、文科大臣は、そのとおり、スポーツなんだから、もうこんなのに税金掛けるべきではないということで、スポーツ庁の方が昨年の税制改正の議論の中で、このゴルフ場利用税は廃止すべく、スポーツ庁はプランを示しました。
 まず、スポーツ庁、できるだけ短く、どのようなものでありましたか、このプランは、具体的に。
#204
○政府参考人(今里讓君) お答えいたします。
 平成三十年度税制改正要望におきましても、総務省に対してゴルフ場利用税の廃止を要望したところでございますが、同税が地方公共団体の貴重な財源であることに配慮いたしまして、ゴルファーの協力を得て代替財源を確保する案に併せ、地方交付税交付金により不足する財源を確保するという案を示したところでございます。
#205
○松沢成文君 総務省はなぜこの案を受け入れることができなかったんでしょうか、その理由をお願いします。
#206
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 ゴルフ場利用税を廃止いたしまして、代替財源を地方交付税で措置するという案につきましてでございますけれども、地方財政全体で見ますと、地方税収が減少いたしまして、その財源不足が拡大をいたします。その結果といたしまして、その半分は、地方交付税の臨時財政特例加算という形で国費の増加、まあ地方交付税の増加ということになりますし、また、残り半分につきましては、厳しい財政状況の交付団体が発行いたします赤字地方債の臨時財政対策債の発行増加ということになってまいります。国、地方を通じた厳しい財政状況、特に、地方団体からは強く赤字地方債である臨時財政対策債の発行抑制を求められている状況の下、受け入れることは困難ということでございます。
 加えまして、ゴルファーによる寄附金での協力はあくまでも任意でございますので、安定的で恒久的な代替財源にはならないものでございます。
 こうしたことから、スポーツ庁がお示しになられました代替財源の案は、全国市長会や全国町村会におきましても、ゴルフ場利用税に代わる財源たり得ないというふうにされているところでございまして、受け入れることは困難と判断したものでございます。
#207
○松沢成文君 さあ、困りました。スポーツ庁の案を総務省はこんな代替財源案受け入れられないというふうにぴしっと断られたわけですね。
 ただ、東京オリンピック前に、もうこんなゴルフに税金掛けるような国は日本と韓国ぐらいですから。アメリカも一部の州でやっていますけどね。もうほかの国に聞くと驚きますよ。
 そこで、文科大臣、総務省にぴしゃっと断られちゃったわけですけれども、これ、改革していくには新たな案出さなきゃいけないと思いますけれども、文科省として何かお考えあるんでしょうか。
#208
○国務大臣(林芳正君) 文科省におきましては、実は平成二十五年度の要望から毎年、ゴルフ場利用税の廃止を総務省に対して要望してきたところでございます。
 今お話がありましたように、先生からも、生涯スポーツ社会の実現に大きく貢献できるゴルフはスポーツであると、それから、今おっしゃっていた、大衆化もしていると、それから、オリンピック種目として国際的にも認められたスポーツであるということ、そして、ゴルフ場利用者に特段の担税力が見出せないということから、今年も引き続き平成三十一年度要望において廃止を総務省に要望してまいりたいと思っておるところでございます。
 また、この廃止をした場合に、ゴルフプレー人口の増大が実現されれば、ゴルフ場の振興が実現されて、それと密接な関係を有する地域経済の活性化が図られると、こういうふうに考えておるところでございまして、より多くの国民がゴルフに親しむということで、スポーツ実施率の向上が図られるとともに、地域の振興に資するように、引き続きゴルフ場利用税の廃止の実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
#209
○松沢成文君 いや、理念的にそうしたいのって分かりますけれども、それ言ったって、総務省は駄目だと言っているわけです。代替財源、何か用意しろと。でも、交付税を使おうと思ったって、交付税だって厳しいんだと。臨財債もたまっているんだと。駄目だと言っているんですよね。
 野田総務大臣、何か総務省としていい案があるんですか、これ。どうでしょうか。
#210
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 御承知のように、ゴルフ場で駅前にあるゴルフ場ってないんですね。大概は、岐阜県もたくさんゴルフ場あるんですけれども、山を開発して、そこまで道を切り開いて、相当、地方も苦労して造っております。そして、大体ゴルフ場あるところは過疎地域になっていますので、そういった意味では、財源に乏しい、そういう過疎の地域にとっては貴重な財源になっているということも御理解いただきたいなと思います。
 また、アクセス道路、今申し上げたようなそういう整備とかそれの維持管理、当然、ゴルファーは必ずしもその地域の人ではありませんから、県外や、岐阜県の場合だと愛知県とか他県からたくさんいらっしゃるわけですけれども、そういう人たちが御利用になる維持管理とか、また、山を切り崩して造ったりしているものですから、地すべりとかいろんな砂防の問題とか災害防止対策、また、ごみ処理、環境対策、ゴルフ場関連の行政というのは大変需要がございます。プレーヤーは、今申し上げたように、外から来る人も多いし、担税力もあるということから、受益者として公平かつ合理的に納税していただく仕組みということで進めてきているわけであります。
 今おっしゃったとおり、臨財債も総務委員会等では全ての政党の皆さんから抑制しろという御指摘もいただいているところなので、スポーツ庁の御指摘はちょっと整合性が取れない。地方の財源をしっかり守っていくという、ほぼ全党の皆さんが、財投債、これ、借金を増やしちゃいけないということで御指摘をいただいていく中、この現行制度、地方税、ふさわしいのではないかなというふうに理解をしていただければ有り難いと思います。
#211
○松沢成文君 地方団体は、まあ廃止してもいいですけど、その分代替の財源があればいいんですよと、こう来るわけですよ。これね、私も全国知事会にいましたけれども、全国知事会は、その税の正当性、時代的背景、こういう議論にならないんです。とにかく今、地方団体は財政厳しい、これは都道府県も市町村も。だから、財源が少しでも減るのは全部反対なんです。反対の要望を何々省に上げようと、こうなっちゃうんですね。
 ですから、この地方団体の意見聞いていても、これ、全く改革進みません。これは、やっぱり税としてもう時代に合わなくなったものはきちっと廃止をしていこうと、これ国で決めて、それで激変緩和措置として、私は、交付税措置、例えば五年間ぐらい決めてだんだんと減らしていきますよと、その間に自分たちが自立する財源を考えてくださいと、これぐらいのことは言わないと。
 要するに、今の発想だと、古い税は既得権があるからずっとそのまま取っておきましょうと、それで、新しい時代の要請に、新税はつくりましょうと。森林環境税なんかそうですよね。そうやっていくと増税国家になっちゃうじゃないですか。
 税も、両大臣、聞いていただきたいのは、スクラップ・アンド・ビルドが必要なんですよ。もういまだにゴルフに税金掛けているなんて国、日本だけですから。これ、世界的に見ても恥ずかしいんです。地方自治体の有効な財源になっているといっても、それによって地方のゴルフ場が料金やっぱり高くなりますから潰れていっているんですよ。潰れていっちゃったら、固定資産税も入らないですよ。あるいは、キャディーさんたちの、キャディーさんと言ったらいけないのかな、職員たちの雇用だってなくなっちゃうわけですね。
 ですから、こういう余計な税はきちっと改革をしていく。オリンピックもあるんですから、恥ずかしいです。スポーツ庁、頑張ってくださいね。
 そうやって、やはり国全体として意思決定をしていかないと、既得権のある人たちは絶対にどんな税でも廃止することには反対します。じゃ、財源を用意しろと。これをずっと聞いていたらこの問題一生解決しないので、是非ともお二人でよく夜を徹して議論し合って、やっぱり日本恥ずかしいですよ、こんな税金いまだに取っているの。どうにか今年の年末の税調できちっと改革をしていただきたいと思います。
 二点目に参ります。次は、これも私ずっと訴え続けた地方たばこ税についてお伺いしたいんですね。
 昨年四月のこの決算委員会の質疑で、私は、加熱式たばこの税率が紙巻きたばこの税率と比較して極端に低い税率が適用されているというのを明らかにしました。そしてまた、財務省が株を持って半国営会社であるJTのプルーム・テックだけが物すごい低い税率で抑えられていて、フィリップ・モリスのアイコスとかあるいはBATのグローよりもこんなに低かったわけです。こんな不公平あるかと言いましたら、さすがにここは財務省もこのままじゃまずいなと思ったんでしょう。ここは改革を始めたんですね。
 まず、文科省も厚労省と共同で、国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的としたたばこ税の税率の引上げを要望しているんです。これ、結構画期的なことだと思うんですね。健康の観点からたばこ税を上げるべきだと言ったんですけどね。
 平成三十年度税制改正で、加熱式たばこを含むたばこ税を段階的に増税することが決まりました。加熱式たばこは五年間ぐらい掛けて、あと、紙巻きたばこは、まあ消費税上げる年だけは抜いて、つまり四年間掛けて上げるということが決まったんですね。
 そこで、伺いたいんですが、今回のたばこ税の増税によって最終的に年間の税収がどの程度増えることになるのか、どう試算をしているんでしょうか。このうち、加熱式たばこの増税額はどの程度になるのか、これ国税と地方税の内訳も教えてもらえればと思います。
#212
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 今回のたばこ税の見直しによります増収見込額でございますけれども、最近の販売数量の動向でございますとか税率引上げによる影響等を勘案をいたしまして、見直しが完了する時点で、国と地方合わせまして二千三百六十億円を見込んでいるところでございます。その国と地方の増収額の内訳でございますけれども、税率が国と地方で同じでございますので半々ということで見込んでいるところでございます。
 それから、そのうち、加熱式たばこでございますけれども、これは、御指摘ございましたように、紙巻きたばことの間で税負担の格差が生じているということがございまして、紙巻きたばこから加熱式たばこに切り替えることによりまして、入ってくるべきたばこ税収が減少しているというのを一部取り戻すものでございまして、単純な改正増収額とはやや性格が異なる面があるわけでございますけれども、一定の仮定を置いて試算をいたしますと、見直しが完了する時点で、国、地方合わせて三百十億円を見込んでいるところでございまして、その国と地方の増収額の内訳は、先ほどと同様、税率が同じでございますので半々と見込んでいるところでございます。
#213
○松沢成文君 文科大臣、今回、画期的だと言ったのは、たばこ税の税率の引上げがなされることにより、二〇二〇年東京オリパラに向けたスポーツによる健康増進や青少年による喫煙防止にも貢献するものと考えられるというのが見解なんですね、文科省の。としておりますけれども、具体的にどの程度の効果があると考えていますか。
#214
○国務大臣(林芳正君) 国際オリンピック委員会と世界保健機関、ここは実はたばこのないオリンピックを推進するということに合意をしておりまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、またスモークフリーな日本を目指す観点からも、たばこ税の税率引上げによる消費抑制、喫煙率の低下を図ることが重要だと考えておるところでございます。
 例えば、平成二十二年十月の増税において、たばこ販売代金において三七%値上げが行われましたが、この結果、成人喫煙率が平成二十一年の二三・四%から平成二十三年の二〇・一%、三・三%ポイント減少したところでございますので、やはりたばこ税の増税は喫煙率の低下に効果があるというふうに考えております。
#215
○松沢成文君 そうなんですね、WHOの世界たばこ規制枠組条約、ここでも、たばこの値段を上げること、つまり、たばこの税をぐっと上げることによって、たばこが高くなりますから喫煙者は減っていきます。と同時に、税率は落ちないというか、税率を上げていますからね、税収も上がるということで、これ一石二鳥だということで、健康政策と、あと財政にも悪影響を与えないということで、全世界で今取り組んでいるんですね。
 文科大臣、例えば、今回の増税は一箱六十円ぐらいですから、まあ四百円から五百円になるぐらいですよね。これ、昔からよくたばこ千円論と言っている方もいましたけれども、一挙にたばこ一箱千円に上げるとすると、喫煙者がぐっと減って健康社会になるし、税収は落ちない、財政的な被害はない、むしろ税収が上がる可能性もある。そうであれば、文科省としてはこれぐらい大胆な要求を、どうですか、財務省なり、あるいはこれ、地方自治体にとってもたばこ税収上がる可能性がありますから、総務省も関係してくるんですけど、それぐらいの提案したらどうでしょうか。
#216
○国務大臣(林芳正君) 先ほどお答えしたように、このたばこ税の増税というのは、たばこの消費抑制や喫煙率の低下に効果があると考えております。
 現行、日本のが大体四百四十円ぐらいでございましょうか、販売価格がですね。ドイツが七百三十九円、フランスが八百五十八円、英国は千八百四十円と、こういう状況でございますので、価格差も先生御指摘のとおりですが、急激に増税をいたしますと、たばこ産業を始めとした関係各所への影響も大きいということでございますので、先ほど申し上げたような諸外国の動向等も踏まえながら、やはり総合的な判断というものは必要になるというふうに考えております。
#217
○松沢成文君 野田総務大臣、これ、たばこ税ぐっと増税すると、たばこ税収が上がって、その半分は地方に来るわけですから、先ほど地方自治体の財政厳しい厳しいという話ありましたが、地方自治体にも恩恵があるわけですよ。
 総務省としても、財務省に対してたばこ税の増税求めていったらどうですか。
#218
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 個人的な話になるんですけど、私の祖父は専売公社の初代の副総裁をしておりまして、今、にわかに祖父のことを思い出しました。本人はたばこを吸わない人だったんですけれども、今この議論を聞いていて、どう思っているかなというような思いにはせておりましたが。
 現在の地方のたばこ税収というのは一兆円を超えていて、地方団体にとっては大変貴重な財源になっていることはおっしゃるとおりでございます。
 平成三十年の税制改正において、高齢化の進展により社会保障の増加等もあり、国、地方の厳しい財政事情あることを踏まえて、財政物資としてのたばこの基本的性格鑑みて、たばこ税の負担水準を国と地方合わせて一本当たり三円引き上げることとしたわけです。更なる大幅な税率の引上げについては、たばこの消費抑制効果を持つことは否定できませんが、これに伴うたばこの消費量の減少、将来にわたってたばこ税収のマイナスの影響を与える可能性も考えられます。
 いずれにしても、今回税率引上げを着実に進めていくことが重要であり、その上で、今後のたばこ税の在り方については、財政事情が厳しい中で財政物資としてのたばこの基本的性格を踏まえつつ、かつて郵便局が国営のときは、郵便貯金の剰余金もその財政物資として、急な出費のときにはそれも使えたんですけど、今はそれはありませんので、また、葉たばこ農家、たばこ小売店への影響、さらには、まさに御指摘の国民の健康増進の観点などを総合的に勘案して、これらのバランスを取りつつ検討していくことが適当と考えます。
#219
○松沢成文君 文科大臣、最後に、実はたばこの自動販売機について、これ青少年の喫煙の問題にもつながりますので聞きたいんですが。
 今、たばこ規制枠組条約できちっと自動販売機は全廃を目指すという方向が打ち出されているんで、欧米諸国、アジアの諸国も今たばこの自動販売機はほとんどありません。最後に残っていたのが悪の枢軸と言われる日本とドイツなんですよ。でも、このドイツも法律で自動販売機規制しましたから、どんどん減っています。
 日本だけです、これ規制されていないのは。そう言うと、財務省は、理財局は、日本もタスポなんか導入して青少年がなかなか買えないようにしていると言うけど、タスポは、お父ちゃんがタスポも貸してあげれば子供買えるわけですね。やっぱりそういう小手先の手段で自動販売機を守ろうとしているとしか思えないんです。
 私は、日本はたばこ規制枠組条約に入っている以上、諸外国がやっているようにたばこの自動販売機は全廃を目指すべきだと思います。そうしないと、オリンピックで多くの方が来て、日本というのは技術は進んでいるけど、こういうところは遅れているんだねって、こんな印象を持っちゃうと思うし、やっぱり大臣が考えなきゃいけない青少年の健全育成の分野からしても、健康の問題から考えても、自動販売機の全廃を私は財務省に要求したらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#220
○国務大臣(林芳正君) 中学生、高校生で喫煙経験のある者、この割合が大きく低下はしているものの、依然として一部の未成年には喫煙行動が見られるということで、自動販売機の設置、これ、たばこ、また、たばこ販売の許可は、今先生がおっしゃったように、財務省がたばこ事業法に基づいて所管をしておりますので、自動販売機の設置に関して文科大臣としてなかなかお答えできる立場にないということは御理解いただきたいと思いますが、たばこ自動販売機の台数、たばこ自動販売機による販売金額、これいずれも大きく減少はしておりますが、やはり未成年者の喫煙、これは非行、犯罪、健康被害につながる危険性があるということでございますので、青少年の健全育成という観点から、文科省としても喫煙防止教育を推進してまいりたいと思っております。
#221
○松沢成文君 以上です。ありがとうございました。
#222
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。
 今日は文科省に質問をさせていただきます。
 平成二十八年の国民生活基礎調査によりますと、日本の子供全体の貧困率は一三・九%、実に七人に一人が貧困という状態にあります。この貧困が、今、地域で見えにくくなっているという問題も私はあるというふうに考えています。
 例えば、私が子供の時代なんかは、町内にある子供会にはどの家庭も入っていて、例えばお祭りがあったりとかイベントがあったりすると、どこか公会堂とかに集まって、そこで地域の大人と子供がしっかりとつながっていたということがあったと思うんですが、今ではその子供会にも入らない家庭が増えているというふうに聞いています。そうなると、本当に近所にどれだけ困った人がいるのかどうか、困っている子供たちがいるのかどうかというのが大変見えにくい現状があるかと思います。そんなときに、やはり人と人をつなぐのは学校であり、多忙化する教員の代わりに重要な役割を果たすというのがスクールソーシャルワーカーだというふうに考えています。
 このスクールソーシャルワーカーは、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づく子どもの貧困対策に関する大綱に明記された二十五の指標の一つにもなっています。
 このスクールソーシャルワーカーの現在のまずは配置状況などを教えてください。
#223
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 平成二十八年度スクールソーシャルワーカー活用事業によるスクールソーシャルワーカーのまず予算上の積算人数でございますけれども、小中高等学校のための配置が三千四十七人、貧困、虐待対策のための重点加配として千人、スーパーバイザーとして四十七人となっております。
 同事業において地方自治体が実際に雇用した人数になりますけれども、これは一人のスクールソーシャルワーカーが複数の中学校区や複数の学校を兼務する場合もありますので、予算上の積算人数とは少しずれがありますが、平成二十八年度においては一千七百八十人というような実績になってございます。
#224
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 こんな中、政府は、スクールソーシャルワーカーを平成三十一年度までに一万人にするという目標を出していますけれども、この一万人という数字なんですが、予算上の積算人数なのか実人数なのか、どちらの目標なのか、教えてください。
#225
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、スクールソーシャルワーカーについては、ニッポン一億総活躍プラン等において、平成三十一年までに原則として全ての中学校区、これは、全ての中学校区といいますと、中学校約一万校でございますので約一万人ということになりますが、これに配置するという目標を定めております。この目標に基づいて予算上の積算人数を順次今増加して計上しているところでございます。
#226
○平山佐知子君 なかなか、本当に目標が達成できるのかどうかなというふうに心配な面もありますけれども、先ほど教えていただきましたように、二十八年度におけるスクールソーシャルワーカーの予算上の積算人数が三千四十七人、プラス貧困、虐待対策のための重点加配が千人で、スーパーバイザーが四十七人というふうになっているのに対し、スクールソーシャルワーカーの実人数は千七百八十人と、これ、予算上の積算人数と実人数、大きな開きがあるように思います。
 これについて大臣の御認識と、また、実人数が増えないことに対する要因について教えていただけますでしょうか。
#227
○国務大臣(林芳正君) このスクールソーシャルワーカー活用事業の補助を受けて配置をされましたスクールソーシャルワーカーの実人数は、今委員がおっしゃっていただいたように、平成二十八年度千七百八十人ということでございます。
 予算上の積算というのはどうやってやるかといいますと、一人のスクールソーシャルワーカーに各中学校区でおおむね週一回半日程度勤務させる、これで積算をしているわけでございますので、実際には、一人の人が週一回半日だけで、あとはやらないということは余りないわけでございまして、一人のスクールソーシャルワーカーの方が複数の中学校区を回っていただいたりとか、複数の学校を兼務して担当していただいたりということは結構多いところでございますので、そうした意味でこの積算人数と実人数がずれがあるわけでございます。
 スクールソーシャルワーカーの実人数と、実際に、じゃ何学校対応したかということでございますが、平成二十五年度は千八人で七千八百十五校担当してもらったということで、勤務してもらったということですが、これが、平成二十八年度には先ほどの千七百八十人で、学校数の方も七千八百十五から一万三千五百七十三校ということで着実にこの対応が増えているものと、こういう認識でおるところでございます。
#228
○平山佐知子君 一人が複数の中学校区担当するとなると、これかなりやっぱり負担が大きいんじゃないかなということも私は心配になってきます。
 それから、スクールソーシャルワーカーなんですが、大半が非常勤だというふうに伺っています。国は人件費の三分の一を補助していますが、補助以外の三分の二の負担、それからなり手の少なさなどから、このスクールソーシャルワーカーの実人数といいますか、なり手、都道府県によってはかなり格差があるというふうなことも伺っております。
 地域で、地域で貧困どうなっているのか、担うようにというふうに言うのであれば、地域で配置しやすいように国がもっと動くべきではないかと考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(林芳正君) 今、平山先生おっしゃったように、スクールソーシャルワーカー、これについてはやはりより多くの優秀な人材を確保する、これ非常に重要なことだと認識しております。
 このため、文科省では、このスクールソーシャルワーカーが学校等において有用な職であるということの認知をまずは向上を図るということで、引き続きより多くの優秀な人材にスクールソーシャルワーカーとして活躍いただけるように検討を行っていきたいと、そういうふうに思っております。
 スクールソーシャルワーカーの人件費についてですが、国が三分の一を補助いたしまして、当該補助事業に係る地方負担分ですね、これについては所要の地方財政措置が講じられているところでございます。
 引き続き、各地方公共団体に対して制度やその効果の周知を行って、平成三十一年度までに全ての中学校区、先ほど目標約一万人と、これ積算の方の話ですが、これに配置するという目標の下で配置が進められるように促してまいりたいと思っております。
#230
○平山佐知子君 スクールソーシャルワーカーというのは本当に大変なお仕事だというふうに聞いています。例えば、相談が来るのは日中ではなくて大体夜間であったりとか休日であったりという、そういうときに相談が来る。ですから、労働時間の問題もありますし、根本的な問題である子供の問題を解決するのは、貧困、それから発達障害の問題、虐待の問題と、本当に複合的な問題が重なってあるということがありますので、スクールソーシャルワーカーは本当に大変な専門的な知見が求められるという、現場ではかなりの重責を担っているというふうに思います。それが何校も担当して、また賃金形態も大変な状況であるというのは、これ現実は大変な状況である、本当に問題解決に至るのかという根本的なところをしっかりとまた見ていただきたいというふうに思います。
 子供の貧困に対するこのスクールソーシャルワーカーが貧困というふうなことがならないように、是非しっかりと目を向けていただきたいと引き続きお願いいたします。
 さて、続いてですけれども、二〇二〇年教育改革に向けて、ソーシャルワーカーはもちろんなんですが、文科省が進めている主体的、対話的で深い学びの実現のために、今後、どのように外部人材と連携をして学校での学びをより意義深いものにしていくのかということが重要だと思っています。
 OECD諸国での教員調査でも、日本の学校教員の多忙ぶり、明らかになっていますけれども、その一つの要因として挙げられるのが部活動の指導です。
 この部活動における外部指導員推進の現状、状況はどのようになっているのか、伺います。
#231
○政府参考人(今里讓君) お答えいたします。
 運動部活動におきましては、顧問の教師に競技経験がないですとか、そういった場合に専門的な指導が難しく、質の高い運動部活動の指導を進めるためには専門性ある外部人材の活用、こういった取組が必要でございます。
 このため、文部科学省といたしましては、平成二十九年三月に学校教育法施行規則の一部を改正いたしまして、部活動に係る技術的な指導や学校外での活動の引率を行う部活動指導員の制度化を行うとともに、平成三十年度予算におきましてもその配置を支援する経費を計上するなど、各学校における部活動指導員の導入を促進しているところでございます。
 以上でございます。
#232
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 私の地元の静岡県の静岡市では、平成三十年の二月に全国に先駆けて中学校部活動ガイドラインというのを策定をして、部活動の活動日ですとか活動時間の設定、また外部指導者の活用の積極的に促す方法など、外部人材との連携を図っています。
 こうした静岡市の先進的な取組についてどういうふうに考えられているのか、これは大臣に伺います。
#233
○国務大臣(林芳正君) 静岡市がお作りになられましたこのガイドラインでございますが、活動日として、平日は週三日、それから週休日は土曜日又は日曜日のどちらか一日、そして、外部人材を部活動指導員として活用する際は部活動の教育的意義とか生徒指導の在り方等に関する内容の研修を行う、こういうことが主な内容となっているというふうに承知をしております。
 こうした静岡市のガイドラインは、文科省のガイドライン、今年三月に実は策定いたしましたが、この趣旨に合致をしておりまして、主体的に地域の実態を踏まえながら運動部活動の改革に取り組まれているものと受け止めておるところでございまして、静岡市におかれましては、教師の働き方改革を踏まえながら、生徒にとって望ましいスポーツ環境の構築の観点から、今後とも運動部活動の改革に取り組まれるということを期待しておるところでございます。
#234
○平山佐知子君 ガイドラインを策定されたということですけれども、本当に地域コミュニティーには指導にたけた人材もたくさんいらっしゃいます。そうした外部人材を使うということは、お願いするということは、やっぱり子供たちにとって一番いいことですし、何よりも学校と地域コミュニティーとを結ぶというきっかけにもなりますので、引き続きの積極的な取組をお願いを申し上げます。
 次に、東日本大震災とそれに伴う原子力災害からの復興に向けて、教育からの復興を掲げて取り組んでいる被災地の事例を一つ御紹介をさせていただきたいと思います。
 御存じのように、今年の三月で東日本大震災から七年となりましたが、まだまだ復興は道半ばと言えます。そんな中で、福島第一原発が立地されている福島県双葉郡、この双葉郡では多くの先駆的な教育の取組が行われています。双葉郡は、ほぼ全ての自治体がふるさとからの避難を余儀なくされた地域であります。この間、避難解除に伴い徐々に住民がこのふるさとに戻りつつあり、段階的に学校教育の自治体内再開も進められてきています。今年四月には五つの町村で小中学校が再開するなど、教育環境も新たな局面に入ってきていると認識をしております。
 双葉郡の八町村あるうち、最も早く帰還を果たし学校教育を再開した広野町では、二十七年から中学生が地域を取材をしてドキュメンタリー映画を制作する映像教育プロジェクト、これを実施しております。これは、ふるさとから避難を余儀なくされた子供たちが自分たちの足で取材をして、故郷の現状を主体的に捉えて、さらにはその先、未来をどのように描いていくかをしっかりと考えて子供たち自身が映像作品として表現をしていくという、主体的、対話的で深い学びの取組なんです。
 私自身もメディア出身ということで、やっぱり自分の足でしっかりと取材をして情報を仕入れて、その情報を主体的に発信していくということを経験した者として、まさにこういう教育の実践というのは、人材育成においても大切な要素が詰まった学びであるというふうに認識をしております。
 このプロジェクトは、初年度は文科省の補助金によって実現したものということですが、被災地域においてこうした先進的な事例が行われていることについてどのように評価をしているのか、また、継続した支援の必要性についてどういうふうにお考えでしょうか。大臣にお伺いします。
#235
○国務大臣(林芳正君) 今、平山先生から御紹介いただいた福島県広野町、平成二十七年度から、映像制作を通してふるさとの良さを再発見をし、伝統と文化を見詰め直すということでこの町の未来と地域の復興に貢献できる、そういった子供たちを育成するふるさと創造・映像教育プロジェクト、取り組まれておると承知しております。この映像教育はシネリテラシープロジェクトと、こういうふうに呼ぶそうでございますが。
 この広野町からの報告によりますと、このことをやったことによって、地域学習を通して子供たち自身が自分の地域の魅力を再発見することができたですとか、地域コミュニティーの再生のために重要な子供たちと地域住民との間のコミュニケーションを支援することができた、さらには、自分たちで映像制作するわけで、これを通じて子供たちが自分の体験や考えを整理をする機会になったと、こういう成果が上がったという報告が来ております。
 このプロジェクト、御紹介いただいたように、平成二十七年度は文科省の学びを通じた被災地の地域コミュニティーの再生支援事業で実施をしたわけでございますが、この成果を発展させまして、平成二十八年度からは、復興庁の被災地支援総合交付金を活用した福島県の事業の中で引き続き実施をされておられるということでございまして、我々としても、被災地においてこうした先進的な取組が行われるということは、やはり地域コミュニティーの再生や心の復興、こういうことにおいて大変重要であると考えておりまして、被災地におけるこうした取組が更に進められることに期待をしておるところでございます。
#236
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 今大臣がおっしゃってくださったように、本当に地域を見直すきっかけにもなりますし、心の復興というところでも本当に大きいこれは役割があったのかなというふうに感じました。
 先日、このプロジェクトの関係者の方にも伺ったんですけれども、このプロジェクト、本当に様々な分野の専門家が入って実行、実現されているということなんですね。例えば、メディア制作に慣れていない子供たちの指導ですとか作品制作に関しては、第一線で活躍する映画人がしっかりと子供たちに向き合って、さらには学校教員がコーディネーターとしてそこを連携する、で、県内外から集まった大学生スタッフが子供たちと大人たちの間に立って、この制作を実現するためにチーム一丸となって取材や制作活動を進めていくということが教えていただきました。こうした取組が教育現場で行われているということは本当に評価すべきことじゃないかなと、私も深く感じたところでございます。
 こうした取組は一見地味には見えると思うんですけれども、今後の教育、特に外部人材との連携においても重要なヒントが多く含まれているというふうに思っています。こうした教育現場においての積極的な外部人材との連携の必要について、大臣にお答えいただきたいと思います。
#237
○国務大臣(林芳正君) 委員から御紹介いただきましたように、今の広野町の例も、日本映画大学の教授とか学生たち、こういうような方々が実際にこのドキュメンタリーの制作を支援してくださっていると、こういうことで子供たちにとって大変いい刺激になったと、こういうふうに思っております。
 こうした外部人材の連携でございますが、やはり学校教育の質を向上させるためには、こうした外部人材、積極的に活用しまして、児童生徒の学びを支援するですとか、学校の中で教師とか保護者以外の大人と接する機会、これを設けたりする、大変大事なことだろうと思っております。
 新しい学習指導要領においても、社会に開かれた教育課程と、こういう理念の下で、学校教育を学校内に閉じずに、社会との連携、協働を目指すということ、さらに、保護者や地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクール、これを導入促進する、地域全体で子供たちの成長を支えて地域を創生する地域学校協働活動と、こういったものの推進を図っておるところでございます。
 今後とも、学校と社会との連携また協働を通じて学校教育の充実に努めてまいりたいと思っております。
#238
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 この広野町での取組ですけれども、翌年度から東京都豊島区が採用して、各地へ広がっているというふうにも伺っています。是非、こうした各地で取り組まれている良い事例というかモデルをしっかりと推進していただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#239
○委員長(二之湯智君) 他に御発言もないようですから、総務省及び文部科学省の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る六月四日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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