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2018/03/05 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 予算委員会 第6号
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2018/03/05 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 予算委員会 第6号

#1
第196回国会 予算委員会 第6号
平成三十年三月五日(月曜日)
   午前九時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     井原  巧君
     伊藤 孝恵君     足立 信也君
     杉  久武君    佐々木さやか君
     大門実紀史君     井上 哲士君
     片山虎之助君     東   徹君
     又市 征治君     山本 太郎君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     足立 敏之君
     足立 信也君     伊藤 孝恵君
     相原久美子君     石橋 通宏君
     牧山ひろえ君     小西 洋之君
     井上 哲士君     紙  智子君
     小池  晃君     山下 芳生君
     福山 哲郎君     川田 龍平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                高野光二郎君
                二之湯武史君
                丸川 珠代君
                川合 孝典君
                難波 奨二君
                横山 信一君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                足立 敏之君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                井原  巧君
                上野 通子君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                島田 三郎君
                滝沢  求君
                中泉 松司君
                中野 正志君
                平野 達男君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山田  宏君
                吉川ゆうみ君
                和田 政宗君
                渡邉 美樹君
                足立 信也君
                伊藤 孝恵君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                小西 洋之君
                藤田 幸久君
                熊野 正士君
               佐々木さやか君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                山下 芳生君
                浅田  均君
                東   徹君
                山本 太郎君
                川田 龍平君
                福山 哲郎君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画、マイナ
       ンバー制度))  野田 聖子君
       法務大臣     上川 陽子君
       文部科学大臣
       国務大臣     林  芳正君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(拉致問
       題))      加藤 勝信君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、クールジ
       ャパン戦略、知
       的財産戦略、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    松山 政司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       財務副大臣    木原  稔君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       多田健一郎君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       植田  浩君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局地
       方創生総括官補  末宗 徹郎君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局地
       方創生総括官補  川上 尚貴君
       内閣府大臣官房
       審議官      籠宮 信雄君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   原  宏彰君
       内閣府政策統括
       官        中村 昭裕君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省訟務局長  舘内比佐志君
       外務大臣官房審
       議官       飯島 俊郎君
       財務省理財局長  太田  充君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    定塚由美子君
       厚生労働省政策
       統括官      酒光 一章君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   飯田 祐二君
       経済産業大臣官
       房原子力事故災
       害対処審議官   星野 岳穂君
       中小企業庁次長  吉野 恭司君
       国土交通省総合
       政策局長     由木 文彦君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  田村  計君
       国土交通省鉄道
       局長       藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       蝦名 邦晴君
       観光庁長官    田村明比古君
       防衛省地方協力
       局長       深山 延暁君
   参考人
       日本放送協会会
       長        上田 良一君
       日本銀行理事   宮野谷 篤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成三十年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成三十年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長上田良一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、働き方改革・内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ八十二分、民進党・新緑風会九十五分、公明党六十分、日本共産党六十分、日本維新の会四十五分、希望の会(自由・社民)二十四分、立憲民主党二十四分、無所属クラブ二十四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算、平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、働き方改革・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。有村治子君。
#6
○有村治子君 おはようございます。自由民主党の有村治子です。
 今日は、働き方改革及び内外の諸情勢ということで、四十二分間、往復で担当をさせていただきます。
 まず最初に、離島、へき地での子育て支援についてお伺いします。
 八洲の国、八十島と日本は古来言われてきました。八つの島々、あるいは八十の島々から成る日本と言われてきましたが、実は日本は六千八百五十二の島々から成る海洋国家でございます。その中でも、都道府県別に見ると、一番島の数が多いのは金子委員長の御地元長崎でございます。長崎単体で実に九百七十一の島々から成っています。
 その長崎の例えば対馬でありますと、お隣の韓国釜山から約五十キロしか離れていないということで、日本のまさに国境を守る、漁業権を守る、そしてその離島に人々が住んでいただくことによってその領海の警備がしっかりと日々なされているという現実がございます。そういう意味では、国境を成す離島に住む方々の暮らしをしっかりと守っていくこと自体が、その暮らし、島々、県を守るというのみならず、結果的に日本の国境を安全にし、漁業権をしっかりと確立、維持し、そして日本の安全保障をつくり固め成すということにもなります。
 しかし、島に暮らす人々の暮らしや子育て環境というのは必ずしも平たんではありません。例えば、有人国境離島に特定されている壱岐、対馬、五島列島、四十の国境離島においては、この昭和三十年から平成二十七年までの六十年間の人口減少率が実に五八・九%でございます。六十年間で六割の人が人口減少していると。まさにその地域社会の維持、存続そのものが危ぶまれるような現状でございます。
 しかも、高校卒業後、九割の高卒生は、進学やあるいは就職のために島を離れて本土あるいは本島を目指していきます。結果として、二十代、三十代の若者が極端に少なくなって、高齢化が更に加速するということです。これがもっと加速すると無人化になるおそれもあります。当然ながら、それまで人が住んでいた方々、島々が無人島になれば、それを再移住あるいは定住をしていただくということは極めて困難でございますし、結果として漁場やあるいは海上権益が侵されるというリスクも地政学上背負っています。
 そういう意味では、人口減少時代、離島の子育て支援を維持、堅持することは、その地域社会の存続のために重要であり、また、国防、安全保障の観点からも極めて重要になってまいります。
 その一方で、住民の所得は、東京と比べると、例えば対馬の所得は約半分でございます。全ての生活物資がフェリーや船あるいは飛行機で運んでこなきゃいけないということでは、家庭用品、食料、文房具に至るまで本島よりも価格が一割、三割、五割高いという現状であります。所得は低いけれども生活物資は高い、そんな中で、それでも先祖伝来の地だから、ふるさとの愛着を持って島々に住んでいただく方の子育て支援を積極的に応援していくことの重要性を改めて共有をさせていただきたいと思います。
 そこで、松山少子化対策担当大臣に伺います。
 国家公務員の地域別の手当としては特地勤務手当というものがあります。この特地勤務手当というのは、離島など生活が著しく不便な地に所在する諸官庁に勤務する職員に支給をされています。このような考えを、離島、特に人口減少が著しい地域に勤務していただく保育士、あるいはその地域の保育環境の方々に手当てをするという考えに対してどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#7
○国務大臣(松山政司君) おはようございます。
 有村先生御指摘のように、待機児童の多い都市部だけでなくて、離島やへき地における保育士等の人材確保、大変重要な課題であると認識をいたしております。
 子ども・子育て支援制度におきましては、離島やへき地で認可保育所を設けることが困難な地域にある保育所に対しては、特例地域型保育給付ということで、保育士の給与等の運営費に対する補助を平成二十七年度から実施をしているところでございます。
 確かに、国境を抱える例えば沖縄県の石垣等につきましても、ここ数年で二十を超える保育所を整備して懸命に取り組んでいる地域もございます。委員御提案の離島やへき地にあるこの認可保育所に勤務する保育士等への特地勤務手当を導入することにつきましては、ほかの手当と同様にそのまま公定価格に準用させることが適当かどうか、また対象となる保育所等をどのように規定をしていくかと、導入した場合の予算措置、財源等の問題も課題があるかというふうに思っております。
 いずれにしましても、離島・へき地対策につきましては政府全体で総合的に取り組んでいく問題だと思っておりますので、私としましても、委員の思いあるいは御提案の趣旨、しっかり受け止めて適切に対応してまいりたいと思います。
#8
○有村治子君 恐らく大臣は、この週末も沖縄石垣島に公務で出張されていらっしゃると思います。まさにこれは長崎だけの問題ではなくて、全国で離島を抱える地域あるいは国境を成す地域の子育て支援を堅持するという意味でも初めて提案をさせていただいた議事録に残ることでございますけれども、日本全体を守るという意味からも特段の御配慮をいただきたいと存じます。
 次に、保育士の処遇改善、とりわけ保育士の先生方の定着、離職を防ぐという点から御質問をさせていただきます。
 保育園の九五%は女性職員によって守られています。そして、保育士の結婚、出産、それから子育て支援ということをしっかりと見ていくことは待機児童を減らすことの直結する問題でもあります。この点において、出産をされた保育士の先生方が出産休業、育児休業明けに、そのお子さん自身が優先的に保育園に入ることによって、母親である保育士は実際に保育現場に戻ってより多くの待機児童を解消するために定員増に御協力をいただけるという仕組みがあります。
 しかし、安倍内閣になってこの待機児童、待ったなしで、随分と定員を増やしていただいて努力をしていただいているわけでございますが、それを上回る女性の就業率の増加ということで、まだまだ待機児童の解消、待ったなしではありますけれども、保育士の先生方が足りません。そこで、保育士のお子さんが優先的に保育園に、全国各地どこに住んでいても優先入園できるということを、現場の切実なお声から大臣方に陳情をしてまいりました。
 この度、厚生労働省、文部科学省、内閣府共通でこの方向性を決断していただいたことは大変有り難いことだと思っていますけれども、必ずしも全国でまだこの制度が告知をされていません。早ければ来月の新年度から、四月入園からそのような優先入園のお子さんが具現化するわけでございますけれども、各地によってばらつきがあります。
 そこで、加藤大臣には、日本の宝物である子供たちを守っていただいている保育士の先生方の社会的な貢献性、重要性、通達の趣旨を、あるいは哲学を、国民の皆さんに、あるいは地方自治のその役職にある方々に御説明をいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(加藤勝信君) 有村委員御指摘のように、この待機児童の解消に向けては、まさに保育所等の整備を図る一方で保育士の方をしっかり確保していく、そのためにも処遇改善等々にも我々取組をさせていただいております。
 今、保育士の子供さんの優先入所のお話がございました。まず、私どもとしては、全ての子供さんがそうした待機児童となることなく入所できる環境、これに全力を傾けていかなければなりませんが、しかし、そこに至る過程の中において、今御指摘があるように、保育士の子供さんを優先して保育園が利用できるようにしていくということは一つの方策だというふうに考えております。
 また、そのことは、保育士の職場への復帰を通じて保育の受入れ枠そのものが増加をするということもありますが、同時に、保育士として頑張っていこうというライフプランを作った方が結婚をし、子供を産まれたり、また、仕事と家庭を両立しながらも長く活躍していけるというこの道筋というんですか、それをしっかり持っていただくことにもつながっていくというふうに思っております。
 昨年九月に、この優先入所の取組を行うよう各自治体宛てに要請をいたしました。現時点でそうした方向に、そういうことで実施を既にしている、検討しているというところも八、九割まで及んでおりますけれども、これは緊急的に対応する取組を実施している市区町村ということでありますけれども、そういう状況でありますけれども、更にこうした取組が行われるよう、例えば今月に全国担当課長会議も開催されることになっております。そうした機会などを通じてしっかりと要請をしていきたいと思っております。
#10
○有村治子君 まさに大臣がおっしゃっていただいたように、今まで、結婚したら保育士を辞める、出産したら保育士を辞めるというのではなくて、保育士のキャリアアップという概念を今必死で厚生労働省、文科省、内閣府でやっていただいております。
 先生方のキャリアがしっかりとあって、経験の豊かな先生が保育現場にいてくださる、幼児教育をしてくださるということは、まさに子育て世代の念願であります。健康、アナフィラキシーショックやアレルギーなど本当に難しい状況の中で、経験の、ベテランの、ある先生方がしっかりと現場に居続けられるように、大臣の御活躍、またそれぞれの現場での御加配を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、少子化についてお伺いをしたいと思います。
 少子化の要因として、晩婚化、非婚化が要因の一つとして挙げられています。そもそも結婚するのが遅い、あるいは結婚するという割合が低くなっているということで、この未婚率は近年急激に上昇をしております。
 今日お配りさせていただいた資料の二を御覧になってくださいませ。テレビ、ラジオを御覧になっていただく方は、私、有村治子のホームページで今日の配付資料をダウンロードしていただくことができますので、関心をお持ちの方は是非御検討ください。
 その中で、少子化の要因、晩婚化、非婚化ということですが、この未婚割合を見ますと、男性は四人ないし五人に一人の二三%、女性は七人に一人、一四%の方々が未婚であると、生涯未婚であるとされています。かなりこの三十年で急激に増加した割合でございますけれども、これを詳しく見てみますと、厚生労働省が見ていらっしゃるのは、五十歳時未婚率を生涯未婚率というふうに定めていらっしゃる現実に突き当たります。
 一枚目、御覧になってくださいませ。五十歳、結婚していないことが、果たしてこの人が生涯結婚していないと言い切れるのだろうか。もちろん、戦前、戦中は平均寿命が男女共に四十代でした。戦後、五十代に平均寿命が超えるようになりました。しかし、今は医療の進歩やあるいは健康生活ということがあって、男女共に平均寿命は八十歳を超えています。これから、今、政府でもやっておられる人生百年時代ということを考えると、五十歳で結婚している、していないというのが生涯のことを定めるとは限りません。そして、五十歳以上の初婚はないという仮定を置かれておりましたけれども、実際には、二年前の統計ですが、男性五千二百八十四人、女性千九百三十三人の方が五十歳を超えて初めて結婚した数を成しておられます。そして、この傾向、数は増加傾向にございます。
 左の下、御覧になってください。厚生労働省の人口問題研究所が三十年前に解説した資料集の言葉でございますが、人口学では五十歳の未婚者割合を生涯未婚率とする、それは、五十歳以上の女子の出生、妊娠、出産ですね、が極めて少ないので、この年齢以上で結婚しても人口の再生産に寄与しないからであろうというふうに書かれています。
 当時は極めて真面目に取り扱っていらしたのでしょうけれども、三十年をたった今、これだけ人口動勢が変わって、現在の感覚では随分と、授かりたくても授かれない方々もたくさんいらっしゃるということを考えても、この考え方は礼を欠く心ない表現、認識だなというふうに思います。子供を授かりにくい年齢だから五十歳未婚で生涯未婚と考えるというのではなく、当然ながら、子供を授からずとも五十歳以上で幸せな初婚がある、そしてそういう生き方も尊重され、祝福されるべきカップルであると考えます。
 そこで、加藤厚生労働大臣にお伺いします。
 五十歳時での未婚率を生涯未婚率と定義し、各種統計に使ってきたこの統計の物差しは、果たして将来的にも適切に使われるものだとお考えになられますでしょうか。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 委員からも今御質問の中でございましたけれども、御指摘の生涯未婚率、これは、婚姻外の出生が少ないこの我が国において、人口学的に出生の動向を分析する際に使う指標として国立社会保障・人口問題研究所が五十歳時の未婚割合を算出し、その動向を将来人口の推計等に用いてくるときに生涯未婚率という言葉を使ってきたわけでありますけれども、今委員御指摘の点もありました。また、今日、人々のライフスタイルが多様化し、高齢期において様々な家族の形あるいは人生のライフプランもそれぞれ皆さんそれぞれあるわけでありますし、そうしたことを踏まえて、昨年行った将来人口の推計からはこの生涯未婚率という表記をやめまして、委員今お示しいただいたグラフにも書いてありましたが、五十歳時の未婚割合と、こういう表記に切り替えさせていただいたところでございます。
#12
○有村治子君 最新の資料、統計を拝見させていただきましたけれども、やはり五十歳時未婚率、生涯未婚率というのが並立した表現になっています。やはり、加藤大臣もお認めいただいたように、やはりこれは価値観ニュートラルで、単に五十歳未婚率であればそのように五十歳未婚率と書いていただければ有り難いわけでございまして、実は、さはさりながら、今年の新聞大手の表記においても全て生涯未婚率という使い方をしている記事も少なくありません。
 その価値観に、それぞれの国民の価値観やライフスタイル、ライフステージに敬意を持つという点からも、是非、百年以上、百年近く統計を取っていただいているその人口動勢の統計の蓄積には敬意を払いますけれども、本来の日本の現状を測る物差しとして私たちの価値観や物差しのスケールそのものが果たして適切なのかどうか今後も真摯にお考えいただき、またそういう誘導をして、的確な誘導をしていただきたいと思います。
 さて、次に、国会を取り巻く働き方についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今年一月にスイスのダボスで行われました世界経済フォーラム年次総会、略称ダボス会議において、主要国七か国の中で唯一日本の首相だけがこのダボス会議に国会の関係で出席をされないということになりました。また、二〇〇五年以来、十三年来初めて、首相のみならず閣僚も誰一人日本から参加しないということが起こりました。
 これに経済界を代表して参加をされていた経済同友会小林代表幹事がこのことについて、朝日新聞が記事を報じています、一月三十一日。日本のリーダーは前向きではないスキャンダラスなことに時間を使い過ぎだ、イギリスのメイさんも、ドイツのメルケル首相も、フランスのマクロンさんも、米国のトランプ大統領も来ている、国会日程を調整して首相か副総理が出席し、日本のIR、情報発信をやるべきだ、もったいないというコメントを出されています。
 もとより、ここにお座りの総理及び閣僚の皆様、私たち立法府にいる議会人、与野党共に国会の重要性は誰も否定するものではありません。国会のこの真摯な議論を通して国民に説明責任を果たしていくというのは極めて大事なことだと確信をしております。
 と同時に、日本の総理だけが、トップリーダーだけが、あるいは閣僚が、日本の国内事情だけで、世界の潮流を決めていくという場にそのプレゼンスが全くないということがずっと起こってきたということが果たして本当にいいのかどうかという観点は率直にお伺いをしたいと思います。
 総理や閣僚が国会対応に追われると、国際的にどのような弊害がどのくらい生じるのでしょうか。まず、各国中央銀行・財務大臣会議などの出席がたくさんこなされ、外務大臣経験も豊富な麻生財務大臣にお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(麻生太郎君) これは、もとより、閣僚として予算とか関連法案とかいろいろ国会の審議に対応するというのは、これは極めて重要な職務であることはもう当然のことなんですが、同時に、今、有村先生御指摘のありましたように、このダボスの会議は、特にこれ一月末なものですから、予算委員会の当初からかぶるというのはこれは毎年のことではありますけれども、日程等々がうまくいったときには参加をさせていただいたと記憶をしますけれども。
 こういった会議は、このところ、そうですね、財務大臣の立場から言わせていただくと、G20が始まりました二〇〇九年からこの種の会議は、これは財務大臣に限らず、G20というものの会議が頻繁に行われるようになった。いいことだとは思っておりますが、そういったところで日本としての国際的なプレゼンスというのか存在というものを確保する上ではこれは極めて重要なのであって、各国の閣僚だけのいわゆる議場での意見交換というようなことは公開で行われておりまして、そこだけ、日本だけ欠席ということになりますので、これいろいろ、こういったところに欠席するというのに関して、中国は全員出てくるというような形になってきたりしておりますから、そういった意味では、こういった国際会議への出席とこの国会審議というのを、何というか、業務への対応ということのバランスということに関しては、これはいかにうまく両立させていくかというのは、これは極めて日本にとっても重要だと、私はそう思っております。
#14
○有村治子君 御指摘のとおりだと思います。
 実は、この国会の制約とそれから国際的なアリーナにおける日本のプレゼンスに関しては、与野党共に大変いい国会質問がなされています。この十年になされた同じ問題意識の議事録を全て読んだ上でここに立たせていただいておりますけれども、やはり今財務大臣が御説明ありましたように、中国もインドもかなり戦略的にこのダボス会議を使っています。私は参加したことがないので単にスイスのリゾート地のセレブの集まりぐらいだろうなというふうに感覚を持っていたんですが、この質問をするに当たって幾つかの論文や雑誌などを研究しますと、まさに、大臣おっしゃったように、G7、G20の政策決定をサポートして、その年の潮流を決めてしまうような、しかも各先進国のトップリーダー、パワーポイントでどんどんとプレゼン資料を上げてもらうのがいつもの人たちが、パワーポイントを一切排して、率直にマイクを通さないで実際に国際紛争を解決する場、あるいは国際的な課題について率直な忌憚のない潮流やニュアンスを話し合う。その場のヒントを日本だけが得られなくていいのかどうか。ダボスで、本当に日本の発信力、投資してください、世界の有識者、著名人、企業家、実業家、あるいは学術界の皆さんに日本のプレゼンスを見せ付けた、ヒットを飛ばされた安倍総理も、それ以来ダボス会議には参加されていません。
 そこで、安倍総理に伺います。
 国のトップリーダーとして国際会議にプレゼンスが出ることの国民的なメリット、日本のメリット、あるいはそこに日本だけが存在しないことのデメリットについてどのように実態としてお感じになられているのか、教えていただきたいと思います。
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員御指摘のとおり、ダボス会議は世界の政治、経済のリーダーが一堂に会する会議でありまして、首脳会談や国際世論へのアピールの場として非常に意義があると、有意義だと思っています。今御紹介いただいたように私自身も二〇一四年に出席をいたしましてキーノートスピーチを行い、アベノミクスの三本の矢により日本経済を力強く成長させていくということを世界に訴えたところでございます。
 例えば、こういう場所において日本のトップリーダーとして我々の政策を訴えることは、各国の我々の政策に対する理解が増していくことになる、それを受けて世界の企業が、では日本は大きく変わっていくんだから日本に投資をしようと、こう考えるわけであります。世界からの投資が増えれば雇用も良くなっていく、賃金の上昇にも資することになっていくわけであります。
 例えば、安全保障政策においても、今アジア太平洋地域をめぐる安全保障環境は厳しくなっておりますが、それぞれの国は自分たちの主張を通そうとしている。その中で、私たちは私たちの考え方をしっかりと主張していくことによって私たちの言わば国益を守り抜くことができるわけであります。
 また、経済政策においても、日本の考え方を主流にしていく上においては国際会議においてしっかりとスピーチをしていくことも極めて重要だなと、こう思っています。
 今後も、諸般の事情が許せば、機会を見付けてダボス会議への出席を検討していきたいと、こう考えております。
#16
○有村治子君 総理御指摘のとおり、経済や政治や安全保障でこれだけ各国の相互依存が高まる中で、やはり国際的な場で日本が見えることが極めて大事だと思います。永世中立国スイスということのアドバンテージを生かして、韓国、北朝鮮が初めて閣僚級会議を持ったのもダボス、東西ドイツの首相がドイツ再統一を論じたのもダボス会議、イスラエル外相とパレスチナの中東の議長が中東和平について実質的な合意を得たのもダボスということを考えると、私たちが日本で報道を通して見るダボスと、それから実際その場に行って世界のダイナミズムを感じてきた総理や閣僚の皆様あるいはプレスの皆様とは相当の乖離があるようでございます。
 是非日本のプレゼンスを高めていただきたい、そしてこれは、国会は、国会の事情はお決めくださいというような、そういう決まり文句の与野党の、あるいは政府と議員の関係ではなく、日本の国益あるいは経済と安全を守るという視点から議論されれば有り難いというふうに思っています。
 次に、国会対応に当たる公務員の勤労実態についてお伺いをさせていただきます。
 四年前、安倍総理によって私は初代女性活躍担当大臣に任命をいただき、そのほかにも、例えば少子化対策担当大臣、国家公務員制度担当大臣、行政改革担当大臣など七つの担務を任命をしていただきました。結果として三人の大臣秘書官が付いてくれたわけでございます。そして、その三人の大臣秘書官、大臣官房、また各省の皆さんとともに、国会答弁を含めて苦楽を共にしてきました。
 三人の秘書官は、私と同じ子育て世代、同じ四十代でございました。その彼らの働きぶりを見ていてちょっと異常じゃないかというふうに思うのは、公務員の国会対応の仕事時間帯の過酷さでございます。彼らは、日中はもちろんのこと、夜も働き、深夜も、真夜中も、未明も、夜明けも、早朝も抜かりなく働くことを強いられる国会対応が連日続きます。二十六時、二十八時という時間帯があることも実際には少なくありません。その負荷が最も長くて、そして厳しい省庁の一つが、予算委員会で答弁に責任を負われる財務省、財務大臣かと思います。
 そこで、財務大臣にお伺いします。
 国会対応に当たる国家公務員の勤労の実態について教えていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) これまでも財務大臣以外もいろいろやらせていただいたので、そういった閣僚経験のあれを踏まえますと、いわゆる国会対応に当たる、まあ答弁等々、職員の立場は、これは通常の業務を行いながら、かつ答弁を作成するという必要がありますほか、通告時間というのを、質問を頂戴する通告時間によっては遅くまで待機をしておる、その上で質問を作り始めるという、質問というか答弁を作るということにならざるを得ませんので、そういった意味では、これは深夜まで業務が終わらないということがあるのはもう度々のことだと思っております。
 こういった対応を含めた国家公務員の働き方改革というものは、今、働き方というと民間の話ばかり出ますけれども、国家公務員の働き方の方は何か完全に無視されているような感じになっているんだと思いますが、これは内閣人事局を中心に各府省で様々な取組が進められているんだとは承知しておりますが。
 一方で、私ども、今現在やらせていただいております財務省の立場でいいますと、いわゆる予算とか税法とか重要な審議というのを国会にお願いをいたしておるところでもありますので、これは、業務を効率化してかつ残業時間を短くするという努力というものはこれはもう継続しつつ、これは与野党を問わず、国会質問の在り方につきましては、これはもう大分前から三日前の質問とかいろいろ出されてはおりますけど、なかなかそういった実効は上がっていないんではないかという意識がありますので、是非これは真摯に対応を各党でしていただかないと、なかなか、国会職員含めまして、これは官僚の働き方というものに関しましては、いわゆる残業というのは極端なことになってきているというのが、その日によって、その月によっていろいろ違いますけれども、そういったことに関しましては、これは大きな事故になって、後ではまた遅いということになりかねぬという気がします。
#18
○有村治子君 大臣から本質的な問題提起を数々いただきました。私も大臣をさせていただいて、国会対応に当たる国家公務員の夜通しの働き方は、私が担務をさせていただきました女性活躍の視点からも、少子化対策の視点からも、また国家公務員制度の在り方の仕組みとしても、行政改革の視点からも、非常に大きな問題があると思っています。
 国家公務員の皆さんは、事実上労働組合を持ちません。このような過酷な働き方、無理が続く働き方が世間一般に報じられることもありません。しかし、大臣が御指摘のとおり、大臣や副大臣や政務官、政務三役を経験された与野党の議員であれば、いかに二十六時、二十八時ということが常態化しているかというのは、みんな程度の差こそあれ知っている話でございます。
 そして、御指摘いただいたように、与野党の心ある議員が自主的な取組として質問通告を早くするということをやってこられました。大変有り難いことだと私は大臣として思ってきました。しかし、実は、総理もかつての国会答弁でありましたように、総理の答弁でありますと各府省全部に待機が掛かります。そして、全員の質問通告が確定してからじゃないと、あなたは質問から外れたので帰っていいですという待機解除が出ません。ということは、全員が少なくとも早い時間に出していただかないと、例えば通告が最後の方が十二時だとすれば待機解除をされるのは午前様、そのときには終電もなくなっているということもざらであります。そういう意味では、善意の取組に単に頼るというだけではなくて、持続可能な働き方をしていかなければなりません。
 率直に申し上げて、私は、彼らの働き方を見ていると、彼らだって私たちが守るべき日本国民なんだよ、彼らだって一日に一回は、机に突っ伏して寝る仮眠をするだけじゃなくて、フルフラットで布団の上で寝る基本的人権すらあるよというふうに思うわけでございます。そして、彼女たちだって、一たびスーツを脱げば、子供の寝る時間にお休みの一言ぐらい掛けたい普通の母親であったりもいたします。そういう意味では、公務員の国会対応の働き方こそが、我が国にあって実は働き方改革を最も必要としている領域の一つではないかとさえ思います。
 そこで、安倍総理に伺います。
 先ほど財務大臣も、民間の働き方改革だけがクローズアップされるかのようだが、やはりここの部分は無視されているような気がすると御答弁がありました。この実情を憂い、またこの実情の上に国会答弁、総理答弁が成り立っている、そのことの貢献を最もよく骨身にしみて彼らの貢献を大事に思っていらっしゃる安倍総理、この国会対応の公務員の働き方改革についていかに考えておられるのか、御答弁を求めます。
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変、有村治子委員から公務員の諸君に対して理解ある言葉をいただいたことを御礼申し上げたいと思います。この後ろに座っている諸君も大変勇気付けられたのではないかと、こう思うわけでありますが、長時間労働を前提とした働き方を改め、生産性の高い働き方へと変えていくことは官民共通の重要な課題であろうと、こう思っております。
 政府としては、これまで国家公務員の長時間労働の是正が課題となっている実態を踏まえ、このような働き方を改める意識改革や業務効率化等を通じて超過勤務の縮減等に取り組んできたところであります。
 この予算委員会との関係におきましては、御紹介いただいたように、総理に対する質問というのがございますから、それは要旨が出されるまではこれは全て、各省庁全ての課に至るまで待機が掛かるわけでありますが、要旨を出していただいた後にこれ問い立てをしていく。そして、問い立てをした後、ここからある程度、どこの省のどこの局ということが分かっていくわけでありますが、その中で更に問い立てをしていく。そして、その問いを作成していくという作業に入りますから、これは例えば九時前後に要旨をいただいたとしても、これは深夜に実際に及んでいく、官邸に上がってくるまでには深夜に及んでいくと。さらには、官邸に上がってきたやつについて更に精査をしてまいりますので相当遅い作業にはなっていく。そして、例えばその後、大臣や例えば私がレクを受けるわけでありますから、これは相当また朝早くということにもなりますので、そういう点も含めて我々しっかりと、その中においても公務員の働き方において健康を確保できるような、そういう対応をしていく必要があるんだろうと、こう思っております。
 今後とも、行政を支える公務員の諸君一人一人が誇りと使命感を持ってそれぞれの持ち場で生き生きと働くことができるよう、働き方改革に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#20
○有村治子君 総理が今お示しになられました総理秘書官、大臣秘書官、今日は集中審議なので指名された閣僚の方々の秘書官しかお座りになっていませんが、全体の場合はここが全て埋まります。そして、この第一委員会室のお隣の廊下に突っ立って、立ちっ放しで各府省庁の連絡を一日中取っている事務方、各府省の国会控室、大臣官房の本当に献身的な働き方があってこの国会審議が成り立っています。
 特にそこにお座りの方々、総理秘書官、大臣秘書官は、非常に高い能力や士気をお持ちでいらっしゃる。トップリーダーを支える気概も使命感も万端です。強靱な体力を常に発揮し続け、屈強な精神力を体力がなくなった後も貫き、かつ子育てや介護を第一義的にする必要がないという家族環境にある偶然の幸いもあって、家に帰ったら、例えば子育てをしてくれる祖父母がいる、あるいは家のことを任せっきりにする嫁さんがいてくれるというような状況の中で、家に帰ったら風呂に入って寝るだけで、それ以外は全てを仕事にささげますという、事実上、時間拘束という忠誠を誓える超人的な人しかそのキャリアトラックの中枢にいられないというこの数十年続いた働き方のままで本当にいいのかどうかということは、国民の代表として、ここに送っていただいている議会人として、これをこのNHK視聴していらっしゃる国民の皆様とともに問題提起を共有をさせていただきたいと思います。
 そんな強靱な方々しかいない府官庁、その人しかエースになれない府官庁から、本当に国民のつまずきや生活の苦しさや、あるいは光を当ててほしいところに心の通う政策が本当に出てくるのかどうか。それから、これから共働きが増え、少子高齢化が進み、人口減少が顕在化していく日本にあって、これからは、介護や子育てやその両方のダブルケアで誰かのお世話を一時的に任され、時間制約のある働き方しかできない人は、全国の職場で限られた数人というわけではなくなってきます。時間制約のある働き方をする勤労者が、マイノリティーではなく、どこの職場にも出現をされるという状況がいずれ出てまいります。
 そういう意味では、是非、安倍総理、いま一度でございますけれども、国会対応の公務員の働き方改革にも、是非民間の働き方改革、安心とともに、やはり持続可能な仕組みを、日本をつくるためにはこの働き方改革の検討も除外しないというところの総理の力強いリーダーシップをお見せいただきたいと思います。コメントがあれば是非お願いします。
#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 冒頭、有村委員がおっしゃったように、質の高い議論をしっかりと私たちこの国会で進めていく、これは政府の立場としても議会の立場としても当然の責務だろうと、こう思っております。その上においては、やはり要旨を通告していただき、その中で我々も質問の真意を把握した上において答弁をしていくことによって、より深い議論ができるんだろうと思います。
 その作成過程等々については今申し上げたような現実があるわけでありますが、諸外国の例で果たしてそうなっているんだろうかということでいえば、諸外国はどうなっているんだということもよく見ていく必要があるんだろうと。その中において、我々政府側としては、その中でもやはり働く皆さんの生活の質もしっかりと確保する中において効率的な働き方ができるように、これはまさに議会と協力をしながら進めていきたいと、こう思っております。
#22
○有村治子君 実は、国家公務員、行政改革、女性活躍、少子化という四つの分野の担務をいただいたことで、各府省の若手、中堅、それからベテランのワーク・ライフ・バランスについて、それぞれの府省のそれぞれの方々からお話を聞く機会をたくさんいただきました。
 その中で、彼女たちは切実におっしゃっています。これだけの国会答弁が夜中まで強いられると、小さいお子さんをお持ちのキャリア官僚やあるいは子育て中の母親は、いわゆるキャリアトラックを外れて不本意ながらいわゆるマミーズトラック、すなわちママさん用の副次的な補佐的キャリアにそれるか、あるいは結婚、出産のライフイベントを諦めるかの二者択一を今でも事実上強いられている。
 彼女たちは能力のハンディがあるわけではありません、時間制約にハンディがあるわけでございます。その違いということをしっかり峻別をして、国会と、そして彼らのワーク・ライフ・バランスを具現化することが国民に仕えるいい政策を出すブレーンに必要なことだと思います。そして、それが見えることが、有効求人倍率が上がって民間が魅力的な人事パッケージをする中でも、それでも国家公務員として国民に仕えたいと思ってくれる学生の、魅力を感じて、優秀な学生を採ることが、公務員にとって、また国民にとって極めて重要であることをいま一度申し上げます。
 今日は働き方改革ということで質問をさせていただきました。政治は人事、人事は政治そのものでございます。日本の持続可能性のためにこの議論が資すること、また、その一線に安倍内閣が御活躍いただくこと、私たち与党の議員としてもその務めを果たすことを、意思を明確にして、自由民主党、有村治子の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#23
○委員長(金子原二郎君) 以上で有村治子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#24
○委員長(金子原二郎君) 次に、井原巧君の質疑を行います。井原巧君。
#25
○井原巧君 おはようございます。
 まず、この度の予算委員会の質問におきまして機会をいただきました自民党の同志の先生方に、まず心からお礼を申し上げたいと思います。
 それでは、まず、働き方改革ということの集中でやるんですけれども、働き方と、その前に働く場所がなければこの議論も進みませんから、私の方は、働き方と経済、併せて質問してまいりたいというふうに思っております。
 まず、アベノミクスの成果について総理にお伺いしたいと存じます。
 御案内のとおり、今から五年二か月前に、総理は多くの皆様方の支持をいただきまして、三年三か月ぶりに政権に復帰したということでありました。
 当時、私はどっぷり、民主党政権時代は地方の首長をしていたわけでありますけれども、当時覚えておりますのは、かなりやっぱり経済が傷んでいたという記憶があります。私のような地方は特にそうだったんですけれども、一つは円高というのがありまして、当時、ひどいときは七十五円ぐらいだったですけれども、八十三円ぐらいだったと思います。株価が、ひどいときは八千円だったですけれども、一万円程度、前後しておりました。何よりも、有効求人倍率というのが〇・八三ということでありましたので、私たちの町にも就職を希望する方々がたくさん御相談に参ったと、こういうふうに記憶をしております。特に、先ほどお話ししたように、私たち、私は四国という地方出身でありますけれども、この景気の悪さというのは非常に深刻でありました。
 それは、やはり経済構造上、地方に工場というか大量生産工場が来るんですね。本社は東京、研究施設は東京から一時間程度のところ、そして大量生産工場は地方で土地が安くて人件費が安価なところに進出してくるということでありますから、一旦景気が悪くなってくると真っ先にやっぱり縮小されたり人員削減されたりするのが地方でありましたから、まさにそういう状況が当時起こっておりました。実際、私の愛媛県でありますけれども、電子機器メーカーが相次いで撤退するというふうな、そんなことがたくさんあったわけであります。
 そういうときだからこそ、本来は政府は、財政調整機能というか、財政の持つ機能の中に景気対策機能というのを持っておりまして、景気悪いときこそ財政出動して景気を底上げすると、こういうものが必要だったと思うんですけれども、当時の民主党政権というのは自公政権の否定から始まった政権だったんですね。ですから、キャッチフレーズがコンクリートから人へという、そういう言葉がありました。多分、極端なメッセージ性がありましたから、逆に言うと、その後の政策運営の中においてもなかなかコンクリート、つまり公共事業等、景気対策は大宗がそういうものが占めますから、そのことになかなか充てられなかったのが景気浮揚に時間が掛かっていたのかなと、当時の民主党政権のときには私、強く感じていた一人でございます。
 例えばこんなことがあったんですね。子ども手当というのがありました。子ども手当そのものは非常にいいことだとは思います。ただ、その財源を論議するときに、ちょうど今日お越しでありますけれども、麻生大臣が総理のときの最後の景気刺激策の補正予算がありました。その補正予算を取り崩して子ども手当の財源に充てようと、こういうことがあったんですね。そうなると、やっぱり景気対策がおろそかになってしまうと、こんなことが当時あって、市長会としても何度か政府の方にその辺のことを要望しに行ったことが今でも思い出されるわけであります。
 そういうような中で、当時、安倍政権は、日本を取り戻すということで政権を奪回したわけでありますし、その中に、第一に経済再生というものを掲げられて取り組んできたわけであります。
 そこで、まず総理にお伺いするわけでありますけれども、総理就任以来、三本の矢に代表されるアベノミクスや地方創生に代表されるローカル・アベノミクス等、積極的に景気対策、経済再生、地方再生に取り組まれてきたわけでありますけれども、具体的に発足時と比べてどれだけその成果が上がったというふうに御自身の方で分析されているのか、また、当然全部が完璧というはずはありませんから、その再生の中で課題を挙げるとすればどのようなことを感じていらっしゃるのか、御所見をお伺いいたします。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、政権交代をする前はデフレにこれどっぷりつかっていたわけでありまして、当時どんなことが言われていたかといえば、人口が減少していく中においてはもう経済は成長できないと、しかし、成長できなくても質を高めていけば、生活の質を高めていけばいいんではないかと。あるいは、そもそもデフレの原因というのは人口減少にあるのではないか、つまりこの状況に対して手を打つ必要はないんだ、できないという諦めの壁があったと思います。
 我々は、人口が減少下にあっても経済を成長させることができる、もちろん状況は厳しいですよ、条件としては。しかし、経済を成長させることができる。成長させなければ、伸びていく社会保障費に対応できない、その財源を税収という形で確保していくことができない、あるいは保険料という形で確保していくことができないので、成長させなければならないと。そして、デフレから脱却することができる。この方針の下に言わば三本の矢で挑んだわけでございますが、極めて短い期間の中において我々はデフレではないという状況をつくり出すことができたわけであります。
 それと、生産拠点は日本の場合は地方にあったんですが、行き過ぎた円高によって、日本の技術が劣っていたわけではないんですが、行き過ぎた円高で、競争条件がこれぐらい悪いと企業はどんどん工場を海外に移さざるを得なくなった。中小企業・小規模事業者は一緒に付いていけませんから、店を畳むしかなかった。ですから、今よりも中小企業・小規模事業者の倒産件数は三割多かった。我々は三割減少することができた。
 何といっても大切なことは、高校や大学を卒業した人がそう簡単に、どんなに頑張ってもなかなか仕事が見付からないという状況があった。これを我々は改善をし、有効求人倍率は足下で一・五九倍、これは四十四年ぶりの高い水準となっております。また、史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、そして正社員の有効求人倍率は足下で一・〇七となっていまして、調査開始以来一倍を超えたのは初めてのことであります。そして、職につきましても、正規雇用についても我々は七十九万人増加させることができました。政権交代前は約五十万人減っていたものを、正規雇用、七十八万人増やすことができたわけであります。就業者数自体は、かつて我々百八十五万人と言っておりましたが、これ、直近の数字では五年間で二百五十一万人ということになっております。
 大切なことは、やっぱり働きたい人が働ける、高校、大学を卒業した人がしっかりと自分の努力で自分の未来をつかみ取ることができるという社会をつくっていくこと、そういう状況をつくり出すことはできてきたと、こう思っております。
 ただ、まだデフレから残念ながら脱却とまでは言える状況ではないわけでありますので、一日も早く脱却をしていきたい。そして、地方においても、地方の有効求人倍率も良くなっていたということは、また地方の税収も上がっていますから、地方の経済も間違いなく良くなっているわけでありますが、多くの方々にもっと実感をしていただきたいと、このように思っております。
#27
○井原巧君 ありがとうございます。引き続きしっかりとこの経済対策お進めいただきたいというふうに思っております。
 その中で、総理も少し触れられておりましたが、自然の流れというのはまあこれは仕方ないところありますから、人口減少とか少子高齢化、そしてもう一つは東京への一極集中というのがありまして、地方の活力低下についてはやはりなかなか心配なところもたくさんあるわけであります。
 私、日本の良さというところを一つ例に挙げると、先般のあの平昌オリンピックで、スピードスケート、パシュート競技の日本の金メダルには非常に私も心が躍りました。それはやっぱり、個々の力ももちろんありますけれども、チームワークの力というか、きずなの力で相乗効果を引き出した、まさに日本人の良さを象徴するような私は金メダルだったなというふうに思いました。振り返ってみると、二年前にもリオデジャネイロでのオリンピックで陸上男子の四百メーターのリレーがありましたが、あのときも、十秒を切る選手は一人もいなくて、しかし銀メダルを獲得したと。これも本当に日本人の良さというか、チームワーク、きずなの強さ、感じたわけであります。
 私は、日本の発展の源泉というのは、まさに全国、地方津々浦々まで、それぞれの地域が特色を持って元気に輝いて、その風土、土壌からそれぞれ個性を持った良い人材を輩出する、それが見事に連携し、相乗効果を発揮することで世界で勝ち抜ける産業を持った日本になったと、こういうふうに常々思っている一人であります。
 本題に戻りますけれども、自由な中での企業活動とか市場においては、物流の例えば技術革新が進んだり、あるいはITが導入されて確実に世界は小さくなるというのは、これはもう仕方ないことだと思うんですね。グローバル化、ボーダーレス化は仕方のない流れだというふうに思います。当然、ですから、そういう中で企業は生き抜いていかなきゃなりませんから、例えば原材料の調達コストを下げなきゃならないとか、あるいは製造コストを下げなきゃならないとか、そういう中でスケールメリットというのを当然追い求めていく。そうなると、どんどんどんどん集約化されていって、やっぱりこれが東京への一極集中につながっていく、これもまあ必然の流れだというふうに思っております。
 しかし、そのような民間の流れだけでは、集約され撤退される企業がある地方は活力がそがれていくということになりまして、そこに政治のやっぱり力が必要なんだろうというふうに思っております。
 現状からでもかなり強力な政策を講じなければ、地方の活性化、なかなか大変な状況にあるというふうに思っておりまして、北海道、九州から沖縄まで個性に富んだ活力ある地域となるように施策を講じ、地方が連携し、相乗効果を発揮する日本になって、パシュートじゃないですけれども、世界で金メダルを取れるように再生できればというふうに思っております。
 そこで、改めて総理にお聞きをいたします。
 最初のこの三本の矢のアベノミクスでありますけれども、これは我が国の経済の再生、そして何より、先ほどお話あったデフレからの脱却を目指して、あらゆる手段を講じて取り組まれておられました。この政策は、どちらかというとグローバルな経済圏に目線というか焦点を当てて、そこで活気を生むことでその波及効果を地域経済にという、こういう取組であったというふうに思っております。
 そして、今度、第二弾で総理が打ち出しているのは、地方創生に代表されますけど、ローカル・アベノミクスというのは、今度はターゲットを地域経済そのものに当てて今取り組んでいるわけでありますけれども、総理の地方に対する思いを改めてお伺いしたいと存じます。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済がグローバル化する中において、IoTとか人工知能、ビッグデータ、この第四次産業革命が起こっているという今お話をされました。そういう意味におきましては、我々はその中で、そうした大きな改革を取り込んで、中小企業や小規模事業者に至る、あるいは地方のそうした中小企業・小規模事業者に至るまで生産性を上げていくことが求められていると思っております。
 課題の一つとして先ほど一つ落としたとすれば、地方あるいは中小企業・小規模事業者は大変な人手不足に、景気が回復しておりますので人手不足になっているということでありまして、この人手不足を解消していくためにも中小企業・小規模事業者の生産性も上げていく、これを国が支援をしていく、その中で潜在成長率を引き上げていく、全体のですね、ということが求められているんだろうと、このように思います。
 先ほどパシュートの例を挙げられました。言わば三人で走っていく、ぐるぐる変わっていくわけですよね。この我々の政策においては、まずは言わばグローバルな比較的大きな企業がこれ先頭を走っているんですが、大切なことは、これ、みんな一緒に走っているわけですよ、地方も一緒に。これ、遅れたら駄目なんですね。一緒に走りながら、で、いよいよ地方が先頭に出る、そういうときを迎えているんだろうと、こう思っておりますが。
 議員の地元の愛媛県の四国中央市は、紙製品出荷額全国一位、古くからの良質の紙を生産する町として栄えてきた紙の町と言われておりますが、そうした特色を生かして、長年続く紙まつりには、四国だけでなく全国からも観光客が集まる書道パフォーマンス甲子園は、全国から高校生たちが集まり、これ映画にもなったというふうに承知をしておりますが、品質の高いおむつなどの紙製品は四国中央市から世界各地に向けて輸出されており、さらに最近は伝統の水引を海外に輸出するといった試みを行っているというふうにも聞いております。
 そしてまた、四国中央市はお茶の産地であり、委員が市長時代にお茶を使った霧の森大福を開発をされました。私も一回、四国中央市でこの霧の森大福をごちそうになりました。これ、なかなか手に入らないと非常に恩着せがましく言われたんですが、幾つかいただいて、でも、実際、大変おいしかったわけでありますが、これは市長が先頭に立ったテレビ番組でのPR活動が奏功して、お取り寄せでは数か月待ちの全国的な人気を得たわけでありまして、さらに、これは大福が売れることで、茶畑が広がる観光施設、霧の森を訪れる人が増えるという好循環が生まれていると、こう伺っております。
 このように、地方には、それぞれ豊かな自然、特色がある、ふるさと名物、固有の歴史、文化、伝統など様々な魅力があります。その地方ならではの強み、魅力を生かして全国さらには世界を目指すことで、地域が活性化するだけではなく日本全体の経済成長につながるわけでありまして、金太郎あめのように同じことをするのではなくて、それぞれの地方の強みを生かす発想が安倍内閣の地方創生であります。中央省庁がアイデアを出していくということは、これは結局金太郎あめになってしまうわけでありまして、アイデアはやはり地方の皆さんに出していただく、地域のことを一番よく分かっているのは地方の皆さんであろうと、こう思っております。
 政府として、こうした地方の皆さんの情熱、独自の創意工夫を一千億円の地方創生推進交付金等によって後押しをしてまいります。さらに、来年度予算では、新たな交付金により、地域の特性を生かした分野で世界レベルの研究を行うような、きらりと光る地方大学づくりを進めてまいります。そうした地方大学を核として、地場の企業の知恵を生かしながら、産学連携により地方経済の活性化につなげていきたいと、このように思います。
#29
○井原巧君 ありがとうございました。
 総理から力強いPRをいただきまして、私も、ふるさとの皆さんが見ていると思いますから、喜んでいらっしゃるというふうに思っておりますが、もうまさにその地方地方で元気に輝くというのがやっぱり非常に大切なことだろうというふうに思っております。
 次に、四国というのは人口四百万人を切っている地方でありますけれども、四国の新幹線についてお尋ねを、お尋ねというか要望ということになろうと思いますが、お伺いしたいと思います。
 地方が活力を持って発展するためには、まずその圏域内の高速体系の構築も重要だと思いますけれども、大都市といかに結んでいくか、ネットワークをつくるかということもこれ非常に重要なことだと思っているんです。
 最近では北陸の新幹線とかあるいは北海道新幹線が開業しまして、実はとうとう四国だけが新幹線どころか整備計画すらないという、そういう状況になりました。北陸新幹線開業のときに金沢、富山と訪問させていただきましたが、明らかに訪問客が増えて、そして企業の立地も進んでいるわけであります。
 今や新幹線は高速道路と同様に全国のスタンダードなインフラではないのかなと、こんなふうに思っておりますが、四国は在来線ですらほとんどがまだ単線でありまして、電化されていない路線もたくさんあると、こういう状況であります。
 四国の鉄道高速化検討準備会が行った調査でありますが、ルートによっては、他の整備新幹線と比べても同程度以上の費用対効果、一・〇三だったと思いますが、見込まれるという結果も出ております。地域活性化や観光振興のためにも必要だというふうに思っておりますし、私なんかは、夢を持てば、例えば新幹線の一両を貨物冷蔵新幹線なんか開発していただいて、宇和島の魚とか高知の魚をそのまま、生きたまま、冷凍で都会に運ぶというようなこともできれば更に夢が広がるのかなと実は思っております。
 地方の再活性化が重要な現在、四国に限らず、今まさに必要とされる地域活性化の切り札としては、全国を新幹線でつなぐ整備を大胆に前に進めることが時宜を得たものというふうに考えるわけでありますが、総理の地方活性化の観点からの新幹線、そして四国新幹線の有用性について御所見を伺います。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新幹線は、安全性、信頼性、そして環境面に非常に優れた交通機関であり、地方創生にも重要な役割を果たすものと考えます。
 このため、整備新幹線については、現在整備中の三区間の工事を着実に進めるとともに、北陸新幹線、敦賀―大阪間についても、財源を確保し、確実な整備にめどを立ててまいります。
 新幹線ネットワークの更なる拡充については、四国新幹線等の基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等の在り方の検討に必要な様々な課題について、国土交通省において調査を行っています。
 新幹線による高速鉄道ネットワークを軸に、日本全国北から南まで地方と地方をつないでいく新幹線の全国ネットワークを構築をし、そして地方創生回廊をつくり上げ、地方に成長のチャンスを生み出していく考えであります。
#31
○井原巧君 しっかりと引き続きよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、地域経済の好循環に向けての具体策についてお伺いをいたします。
 アベノミクスの効果もありまして、地域経済においてもそれぞれ好調な数字が上がってきております。後に質問いたします働き方改革にも通じるわけでありますが、さっき総理もおっしゃったように、地方の人手不足の影響も確かにあると思うんですけれども、製造業等の設備投資にはまだまだ力強さが弱いような感じもいたしております。
 そのような中、昨年の国会、ちょうど私も政務官として世耕大臣にお仕えしておりましたけれども、企業立地促進法の一部を改正する法律案、いわゆる地域未来投資促進法が成立をいたしました。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、この法律により地域経済にどのような波及効果を狙っておられるのか、現状の取組と進捗状況についてお伺いいたします。
#32
○国務大臣(世耕弘成君) 去年の通常国会で地域未来投資促進法というのを成立をさせていただきました。当時は政務官としていろいろ答弁にも御協力をいただいて、ありがとうございました。
 この考え方は、今まで地域の経済の活性化というと、どこかから企業を誘致して、そしてそれで刺激をして活性化をしようというやり方だったんですけれども、意外となかなかうまくいっていない。逆転の発想で、地場にもいい会社が結構あるじゃないか、目立っていない、知名度は低いけれども、地域の取引の中核にあって中心的役割を果たしている企業があるじゃないか、それに着目しようというのが地域未来牽引事業でありまして、この地域未来牽引企業というのを中心に地域未来牽引事業というのをつくっていただいて、そしてそれに、予算、税制、金融、規制緩和、いろんな政策手段を集中的に総動員して支援をしていくという考え方であります。
 まず都道府県で基本計画を決めていただいて、そしてそれぞれ事業者から事業計画を出していただくという立て付けになっていますが、都道府県ベースの基本計画はもう百四十五出てきております。物づくりばっかりになるんじゃないかと言われていたんですが、物づくりだけではなくて、IT関係、そして観光、スポーツ、文化といったようなテーマ、あるいは農林水産ですとか、環境・エネルギーですとか、ヘルスケア・教育サービスと、かなり多岐にわたったいろんな事業計画が出てきています。
 どういうことを想定しているかというと、例えば観光ということに関して考えると、いろんな、観光農園があったりホテルがあったり、その他いろんな観光拠点がある。それに対して、タクシーとかバスといった運送する企業もある。これが今までばらばらだったわけですが、こういう事業計画の下にこの人たちが統一的にやることによって、集客力を高めた上で地元に落ちるお金が相乗的に増えていく、こういうことも考えていますし、例えば、航空機産業の部品を受注するとなると、これ認証を取るとかなかなか大変なんですが、それをばらばらにやるんじゃなくて、地域で航空機の部品になれるような物づくり企業が結集をして、一つの事業としてこの部品受注を目指していくことによって産業の集積地になっていくとか、そういうことを今想定して進めさせていただいております。
#33
○井原巧君 大変分かりやすく、本当にありがとうございました。
 百四十五も基本計画出ているということ、本当に驚いたわけですし、また、物づくりだけではなくてスポーツとかITとか観光とか、大変これ期待が持てるというふうに思っております。
 昨年十二月には、地域未来牽引企業として二千百四十八社が選定され、公表されたと伺っております。私の愛媛県も三十を超える社が選定されておりましたが、その趣旨と目的、今後選定された企業に対してどういう支援をしていくか。
 そして、何よりも、先般新聞を見ておりますと、世耕大臣、二月十八日に福島の復興再生協議会に出向いたというふうに聞いておりますけれども、そこで、会津若松市において地域未来牽引企業サミットを行うんだというふうに表明したというふうに聞いておりますが、サミットを通じて地域未来牽引企業にどのような期待をされているのか、お伺いいたします。
#34
○国務大臣(世耕弘成君) この地域未来牽引事業の中核になっていただく地域未来牽引企業、これについては、RESASといったビッグデータ、これを使って地域の取引のハブになっている企業はどこかという特定作業をやりました。それだけではなくて、あと自治体からも意見を聞いて御推薦をいただいて、そして去年十二月末に地域未来牽引企業二千百四十八社を選びました。愛媛県では三十一社が選定されています。そのうち十社は四国中央市に立地をしておりまして、一つの市で十社というのはなかなかないので、元市長がよっぽど行政手腕がおありになったんじゃないかと思っているわけでありますけれども。
 まず、今この選定された二千百四十八社、もうみんなすごく盛り上がっておられて、名刺にロゴを入れていただいたりとか、非常に喜んでいただいております。ただ、一過性のイベントに終わらせてはいけないので、これを、全国の地方経済産業局に七十一名の地域未来投資コンシェルジュというのを配置をいたしまして、この二千百四十八社に寄り添う形で、どういう事業をやっていけばいいか、あるいはどういう支援メニューがあるかということを細かく伝えていくということもやっております。
 それに加えて、せっかく認定されたんだから、社長さんたちが一堂に会するサミットをやろうじゃないかと。そこで今回のこの地域未来牽引企業を選んだ趣旨とか、どういうことを我々期待しているかとか、そういうことをしっかりお伝えをしていこう、あるいは、そこに社長さんたちが集まって情報交換をする中から、例えばふだんつながりがなかった和歌山県と愛媛県の企業でこれ一緒にやろうじゃないかというような話が出てくるとか、そういうことを考えています。
 そして、今、福島県は風評被害で、会津地方でも観光客がなかなか戻っていないということをいつも聞かされるものですから、だったら、この全国で影響力のある社長さんたち、集まってもらう場所をあえて会津地方でやろうじゃないかということで考えさせていただきました。
   〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
#35
○井原巧君 大変力強い言葉だったと思いますし、やっぱり二千社を超えるやる気のある企業が集まって会議するというのはすごく魅力的だと思います。まさに日本の活性化につながると思いますので、そのサミット、是非成功させていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 次に、今国会で今審議されております生産性向上特別措置法案についてお伺いします。
 内容については、先般、我が党の宮本議員から質疑もございましたから、私の方からは内容というよりは周知についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 今回の法案は、先般御説明あったように、固定資産税の課税標準を三年間ゼロから二分の一にするという非常に大胆な法案でありまして、これによって企業の設備投資がどんどん地方で伸びるだろうと非常に期待もしておりますし、今回、その上に、結局収入減になった分を、総務省ともちゃんと連携を取って、七五%、最大の、補填措置も入れたということは、今回、多くの市町村が導入するのではないかというふうに私も期待はいたしております。
 ただ、私も首長経験があるんですけれども、市長さん、交付税はなかなか当てにならぬぞと言って、財政に言われるんですね。財政課とか財政当局は、なかなかこういう新しい事業というか、固定資産税という、基幹税ですから、地方にとりましては、それの減収につながることについては少し及び腰になるんじゃないかなという心配も実はしております。
 それだけに詳しくしっかり周知することが私は重要だというふうに思っておりますし、今回のこの施策として私が非常に評価しているのは、市町村で考えるということになっているんですね。これはまさに、アベノミクスの究極は、地方自身がやっぱり自分で考えて、育って、活性化に取り組んでいく、その醸成をつくっていくための一つの大きな私はきっかけづくりになろうというふうに思っております。
 ですから、私は実は今回いい機会だなと思いまして、今回の法案の中身につきまして手紙を書きまして、愛媛県全部の市と町の議員さんと商工会の会長さんと商工会議所の会頭さんに、是非これをそれぞれの地方議会で取り上げて審議してほしいと、こういうことをしたところであります。
 そこでお伺いいたしますけれども、今回の生産性向上特別措置法を始め、中小の小規模事業者向けの各種の補助金あるいは事業承継税制等、地域を元気にしたり、中小・小規模事業者を支援する施策が次々と今打ち出されているわけでありますが、それが周知されて活用されてこそ、その目的に近づくわけであります。今後、どのようにそのPRに努め、きめ細かく地域に届けようとしているのか、その取組についてお伺いいたします。
#36
○国務大臣(世耕弘成君) まず、固定資産税ゼロにできる特例でありますけれども、これはともかく市町村に御判断をいただかなければいけないということで、今、ともかく徹底的に対話をしようということで頑張っております。
 二月末現在で、三百六十五の市町村に経産省職員が直接足を運んで、制度の概要ですとか、あるいはものづくり・IT補助金との関係などを説明をさせていただきました。また、四十回以上全国で説明会をやっておりまして、それには七百十六の市町村が参加をいただいておりまして、合計で千八十一の市町村に対して直接、新制度について説明をさせていただいていますし、ゼロにしていただければ、ものづくり・IT補助金で優遇されるということもきちっと説明をさせていただいています。
 また、今、井原議員おっしゃったように、やはり地方議会ですとか、あるいは商工会議所、商工会からも自治体に対して働きかけをやっていただくということは非常に重要だというふうに思っております。
 あと、今回、いろんな補助金ですとか、あと事業承継税制なども抜本的に拡充をしておりますので、こういったことについてもともかく周知徹底ということに全力を尽くしてまいりたいと思いますし、中小企業経営者の皆さんも、逆にどんな制度が使えるのかというのをやはりアンテナを高くしていただいて、少しでも有利な制度を活用して経営を活性化していくということに努めていただきたいというふうに考えています。
#37
○井原巧君 是非大臣の肝煎りで、PR、周知方よろしくお願い申し上げたいと思いますし、もう一つ、私、実は感じているのは、それぞれ周知するのは商工会とか商工会議所も間に入るわけですけれども、例えば商工会議所の中では、各都市に一つと、こうなっていますから、例えば大阪とか百万都市というところの商工会議所というのは非常に人員も多くて能力も高いわけですね。だけど、私たちのような小さな市なんかはやっぱり当然財源が限られて人員も少ないわけでありまして、そういう間に入るところにやっぱり体力差というか、その能力の差というのはどうしても出てくるので、その辺のことをしっかりまた御指導いただいて、全国津々浦々に活用されるように是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、働き方改革に入ってまいりたいというふうに思っておりますけれども、本当に人手不足が深刻でありまして、経済政策と働き方改革、まさに両方が同じ足並みをそろえて進まなければならない喫緊の課題というふうに思っております。
 ただ、先般ありましたように、今回、総理も非常に苦渋の決断だったというふうに思いますけれども、改むるに勇気を持ってということだったんだろうと思いますが、裁量労働制の拡大について取下げをされたと。これが一つの柱がなくなったこと、非常に私は残念に思っている一人でありますけれども、この国家の大事において、データの取扱いという本質論から少しずれた中でこのような失態を犯したことについては、厚労省には大変厳しく猛省を促してまいりたいというふうに思っております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、改めてという意味で、働き方改革を断行することの意義と決意について、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現や社会保障の持続性の向上という観点、地方の活力という観点も含めて、大臣の御所見を伺います。
#38
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から御指摘いただきましたけれども、データに関して本来比較すべきでないものを比較をしたり、また、精査が必要なデータ、あるいは整合性のないということで御指摘をいただいている、こういったことについてはしっかりとまず精査をさせていただく、また同時にしっかりこれから反省をしながら労働行政を進めていきたいと、こういうふうに思います。
 その上で、今委員御指摘の我が国の少子高齢化、人口減少という構造的な課題に直面をしている中で、成長と分配の好循環を実現をしていく上で、やはり社会保障の持続可能性をしっかり確保していくこと、あるいは、今まで御議論がありましたように、地方がその活力をしっかり高めていくこと、これは不可欠でありますし、また逆に、そうした社会保障や地方がしっかりやっていくためにも国全体としての成長を図っていくということも重要になる、こういう関係にあるんだというふうに思います。そのために、こうした課題を乗り越えていこうということで一億総活躍社会の実現に取り組んでいく、その最大のチャレンジがいわゆる働き方改革であるというふうに位置付けております。
 働き方改革は、働く方々の立場に立って一人一人の実情に応じた多様な働き方の改革を選択できる社会を実現をしていこうというものでありまして、労働基準法制定以来七十年ぶりの大改革というふうになっており、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、同一労働同一賃金などを進めることとしております。
 詳細についてはちょっと省かさせていただきますけれども、こうした施策を、改革を進めていく中で働く方の健康の確保を大前提にワーク・ライフ・バランスをしっかりと改善をし、子育て、介護など様々な事情を抱えている方々が意欲を持って、また希望を実現する形で働くことができる社会にしていく、そのことは経済成長にも資する部分もございます。また、社会保障の持続可能性確保や地方の活力向上にも資する、またそのことが循環的にそれぞれが関与し合っていく、こういう流れをしっかりつくっていきたいと思っております。
#39
○井原巧君 次に、同一労働同一賃金についてお伺いをいたします。
 私も、当時の首長の経験で同一労働同一賃金の課題に直面したことがあるんです。それは、やっぱり市がやっていた保育園とか幼稚園の現場だったんですね。それは半分が正規の先生で半分が非正規で運営しておりました。それはなぜそういう根源があったのかなと、合併の新市の市長でしたから、調べると、将来人口が減っていく、子供の数が減っていく、幼稚園の先生として公務員として雇用をすれば、将来幼稚園の先生としての職場はなくなって普通の公務員の方の職場に入ってもらわなきゃならない、それだったら少し採用を抑えて臨時で対応しようと、こういうようなことがあったんだろうと思うんですね。
 そういう中で、その園に伺って、何度も実は私、お話をしました。すると、非正規の人からはこういう話があったんです。会社が違うところで同じ仕事しているんなら、同じ仕事していて給料違ってもそれはまあ何とか我慢できるだろうと。Aという銀行とBという銀行で同じ仕事でも、それは何とか我慢できるだろうと。同じ幼稚園の中でも、クラス担任と補助的職員だったらこれもまあ何とか我慢できるだろうと。だけど、やっぱり納得できないのは、同じ仕事と責任を背負わされていて処遇が違うというのは、これはなかなか納得、先生、できないし、モチベーションが下がりますよと、モチベーションが下がればそれは子供に影響しますと、こういうことがあったんですね。
 それで、私のしたのは、ちょうど総務大臣だった麻生大臣の御指導も当時いただきましたが、一つを公立にして、一つを民営化して、片方に公務員の正規職員を全部集めて、片方はオール非正規の人たちだったんですけれども、民間委託に出す条件として、全員をその民間の新しい給与表の中での正規職員として採用すると、これを公募の条件として出して、共にだから同じ職場ではそのモチベーション下がらないような格差をなくしたという経験がありました。
 そのような経験を踏まえて大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、総理は施政方針演説のときに、いよいよ実現のときが来た、非正規という言葉をこの国から一掃すると力強く述べられました。子育て、介護など様々な事情を抱える皆さんが雇用形態にかかわらず意欲を持って働くことができる、そういう社会の実現のために必要と考える政府が目指す同一労働同一賃金とはどのようなものなのか。法案成立後のガイドラインにそれが委ねられるというふうになっておりますが、どのようなものが不合理なのか、想定されているのか、お伺いいたしたいと思います。
#40
○国務大臣(加藤勝信君) 今、政府が導入を検討しております同一労働同一賃金、今議員おっしゃった、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用で働く方々、労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すと、こういうものでございます。
   〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
 昨年九月に労働政策審議会から答申をいただきました法案要綱においては、職務内容、これは業務内容とか責任の重さ等でありますが、職務内容と配置の変更範囲が同じであれば同じ待遇を求める、そうした職務内容や配置の変更範囲が同じでなくても、個々の待遇ごとに、全体じゃなくて例えば基本給とかそれぞれの手当とか、それごとに不合理な待遇差を禁止する、こういう規定を設けているところでございます。
 何が不合理な待遇差なのかについては、同一労働同一賃金ガイドライン案をお示しをさせていただきました。その中では、例えば役職手当について、役職の内容、責任の範囲、程度に対して支給をしようとする場合は、無期雇用フルタイム労働者と同一の役職、責任に就く有期雇用労働者又はパートタイム労働者には同一の支給をしなければならない、役職の内容、責任に一定の違いがある場合にはその相違に応じた支給をしなければならないなど、待遇ごとに考え方を示させていただきました。これはあくまでもガイドライン案でございますので、最終的には法案を出して、まずその法案の御審議をいただいて、また成立が図った後に関係者等の意見、また国会等の御審議を踏まえて最終的にこのガイドラインを確定をさせていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、こうした取組を通じて、多様な働き方の選択肢を、この待遇差を気にすることなく選んでいただける、そうした社会の実現に取り組んでいきたいと思います。
#41
○井原巧君 今後も、働き方改革、国民のため、働く側の目線で頑張っていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#42
○委員長(金子原二郎君) 以上で井原巧君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#43
○委員長(金子原二郎君) 次に、足立信也君の質疑を行います。足立信也君。
#44
○足立信也君 民進党の足立信也でございます。どうかよろしくお願いします。
 私は、日本国民の皆さんはどうもゆでガエル状態に置かれているような気がしてならないんです。それは、国民の皆さんに景気がいいんだという実感はほぼない中で、安倍総理は、GDPは増えています、株価は上がっています、有効求人倍率は最も高いですと、そうおっしゃる。総理がそこまで言うのであれば、我が町もあるいは私自身も待っていればいつかはという感じにずっとなっているような気がしてならないんです。でも、日本の危機的財政状況は私は待ったなしだと思います。
 そこで、今日はGDPからあるいはアベノミクス、そういう質問を用意したんですが、ちょっと茂木大臣、順番が変わりますので後の方になるかもしれません、済みません。
 パネルを用意してほしいんですけれども、(資料提示)マネタリーベースとマネーストックのこれアベノミクスの第一の矢だと思いますが、マネタリーベースは日銀が供給するお金の量、御覧のように年間八十兆円ペースで増加させて、アベノミクスが始まる前の頃、ブルーですね、百兆ちょっとから五百兆近く、約五倍近く、三百六十兆円ほど増えている。しかし、実際に世の中に出回るお金、マネーストック、これは、赤ですけれども、それほど伸びていない。よく言われるキャッシュの内部留保や海外への投資に流れて、超低金利ですから、個人収入は増えず貯蓄率は減り、銀行の貸出しは減り、中小企業はお金が回らずもたない、そして景気が悪いと、そういうふうに感じているんだと思います。
 そこで、まず総理にお伺いしたいのは、アベノミクスの第一の矢の狙いはこのマネーストックを増大させることだったのではないかと、私はそう認識していますが、増大しなかった理由は何でしょうか。
#45
○国務大臣(麻生太郎君) 政権を交代させていただいた後、私どもとしては、極めて長い、歴史家は何と言うんだか知りません、二十年以上続いたと言うんだと思いますが、デフレ不況というものから脱却して日本経済を力強く再生させていくためには、いわゆる三本の矢という経済政策というものを政策の中に一体として取り組んでやらせてきていただいたんだと思っております。
 中でも、その中で、今御指摘のありました日銀によります金融緩和というのに関しましては、いわゆる経営者の中に特にデフレマインドというものが非常に強く、何というのかな、固定化されているといったものを払拭させるということに私どもは主眼を置かせていただいたというのは事実です。
 マネタリーベースの伸びに比べれば、マネーサプライ、今はマネタリーストックというんですかね、マネーサプライ、マネタリーストックというのの増加ペースが緩やかである、これはもう事実です。間違いなく今その数字に挙がっておりますが、二〇一二年と二〇一七年とを比べますと、マネタリーベースで約二百五十九兆円伸びて、これは十二月ベースですけれども、そしてマネーストックの方は約一九・七%、二五九%に対して一九・七%、約二〇%ですから、倍率からいくとかなり低いものになっているのは事実ですが、これは間違いなく資金需要がない。これは多分世界の経済で初めて、金利を安くしても金を借りる人がいないという資金の余った状況というのは、多分世界の中でも初めて起きた、需要が、ここで起きているんだと思いますが、いわゆる企業の資金需要が起きないという状態が、簡単に言えば需要がないということなんだと思いますが、そういう状況になったという、あるというのは事実だと思いますが。
 しかし、おかげさまで、二〇一二年、一三年ぐらいから、間違いなくずっと減少傾向だったいわゆる法人の需要、法人貸出しというものが少しずつ少しずつ、そこにはありませんけど、増えてきておりますので、量的・質的金融緩和の効果もあって、二%ぐらいから、年によって違いますが、四%程度ぐらいのプラス基調へと明確に反転したことも大きな点かなと思いますし、GDPも伸びましたし、円が当時一ドル八十円から、今日が百五円、六円になっておりますが、そういったようなところに円安に振れたという、結果論としては円安に振れた結果もありますし、また有効求人倍率が上がったり、そうですね、あと賃金も間違いなく、少しずつではありますけれども、ベア、ベースアップという言葉が何十年ぶりかで紙面に出てくるようになりましたので、経済の好循環は着実に回ってきているんだと思っております。
 金融につきましては、これは日銀の政策になりますので日銀に委ねるべきものだと思っておりますが、今後とも、日銀と我々としては、経済とか物価とか、そういった金融情勢を踏まえつつ金融緩和というものを着実に進めていただいて、いわゆるデフレマインドというものをきれいに払拭して、企業が得た利益を設備投資、賃金等々に回していけるような姿勢というものをやってもらいたいと、私どもはそう思っております。
#46
○足立信也君 非常に長い答弁で、ありがとうございます。
 リフレ派の代表のポール・クルーグマンが言うように、日本が、これ需要の不足、おっしゃるとおり、しかも弱い、しかも肝腎なことは、これが永続的なものに見えるというふうに評価しています。そこで、需要が伸びないこの原因は何かという対策が必要になってくる。
 そこで、私は、必要なのは、少子化対策とそれから貧困対策、やっぱり暮らし全体の、賃金も含め底上げが何よりも大事だろうと、そういうふうに捉えています。これは後で時間があればデータをお示しいたしますけれども、その暮らし全体の底上げ、そのやりがいのある働き方ということで働き方改革の問題になってくるし、第三の矢もそこが狙いだと思うんですが。
 そこで、まず公務員の働き方から申し上げたいと思います。
 先ほど有村議員は国会対応がという話をされましたけれども、私が官僚の皆さんに聞いたのは、官邸やあるいは各省庁の上司からの突然の指示、あるいは、特に与党議員とは言いませんが、国会議員からの突然の指示の対応の方がはるかに大変なんだということを私は官僚の方から聞いていますよ。
 そこで、この公務員の働き方で、森友学園問題ですね、国有地売却の決裁文書、この件なんですが、これちょっと、私が非常に怒りを持っているのは、先週の金曜日、この参議院の予算委員会で相当この問題は取り上げられましたし、肝がどこにあるのかということは最低限答えてくれと皆さんが言ったのは、国会議員に示された決裁書と、その後、それより以前に別の決裁書があるのではないかという疑惑の中で、少なくともあるかどうか、ないのか、そこぐらいははっきりしてくれという議論だったと思いますが、一切その答えはなくて、これが衆議院の財務金融委員会の理事会であるかないかぐらいははっきりしないと先に進めないじゃないかという話になって、衆議院の財務金融委員会の理事会の方で六日までに調査して報告するということになったと。これは参議院をかなり軽視した話じゃないですか。
 そこで、もう一回確認します。今日の朝の理事会でもこの件は確認されたらしいですが、六日に衆議院の財務金融委員会へ調査をした結果を報告すると。今日中の参議院の予算委員会への報告はないんですか。
#47
○国務大臣(麻生太郎君) これは、昨日の、私も出ておりましたので、財務金融委員会、夕方五時ぐらいから開かれたんだと思いますが、この委員会の最中にこの話が出てきたと記憶をいたしております。
 いずれにいたしましても、その内容につきましては、今朝の本委員会の理事会で、御議論も承知をしておりますので、明日、調査の方針、留意点などの調査の状況について報告をさせるということになったと記憶しています。
#48
○足立信也君 ここではしないということですね。
 であるならば、今までどういう報道でこれが問題になっているかということを、報道ベースですけれども、私の方から申し上げます。契約当時の文書では、学園との取引で特例的な内容となるとか、本件の特殊性という表現を使っている。そして、学園の提案に応じて鑑定評価を行うとか、価格提示を行うという記載もあったと言われている、と言われているんです。
 そこで、物事を決定していく際に稟議で稟議書を回していくと。提案者から、下から上へずっと上がっていくということと比べると、この公文書の決裁書、決裁書は、提案者が、その責任のある上司の決裁で決まると思うんですね。
 この国有地売却の決裁書の責任者は誰なんですか。
#49
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 国有地、本件の国有地売却の決裁の、決裁の最終権者は、近畿財務局の管財部の次長でございます。
#50
○足立信也君 近畿財務局と。
 そこでまた、何といいますか、麻生大臣の私は気持ちを聞きたいんですけどね。
 虚偽の公文書作成あるいは行使というと、私は、元厚生労働省の事務次官だった村木厚子さんの冤罪事件を思い出します。これは結果的には冤罪であったわけですけど、それほど上司の関与が、検察の考え方かもしれませんけど、上司の関与が当然とされて、その関与を否定する証明というのは、彼女が相当苦労したように難しいんですよ、関与を否定するのはですね。当然のことのようにこれは上司の関与だろうなと、今、上司は近畿財務局という話がありましたけど、それだけ証明が、関与していないということが難しいということは、十分な調査がこれ必要なんです。
 これは、やっぱり麻生大臣がこの点について、その調査に対してどういう気持ちで臨むかということと、それから、大臣としての、そこの責任はどこにあるのかということについて御答弁願いたいと思うんですが。
#51
○国務大臣(麻生太郎君) 最終決定につきましては、今理財局長の方から答弁をさせていただいたとおりなんですが、これは、いろんなところでどういう改ざんがあったかないかということに関してすら、私どもとしては、今捜査の段階でありますんで、今の段階としてお答えできる範疇にはないというのが私どもの立場です。
 したがいまして、今、御質問に対しましては、今の段階でお答えできるようなところにはないということだろうかと存じますが。
#52
○足立信也君 僕は、そういう質問はしているわけじゃないんですよ。その今の答弁は金曜日にいっぱい聞きました。
 ですから、この決裁書の責任者の、責任の所在は、今、近畿財務局という、直接はという話をされました。では、先ほど冤罪事件の話も取り上げましたけれども、財務大臣としてはこの件について、公文書の改ざんというのはこれ犯罪ですからね、そのことについて、財務大臣はどういう調査をやって、そしてどういう責任を持って臨むかということをお聞かせくださいと申し上げたんです。
#53
○国務大臣(麻生太郎君) これは仮定の質問なんで、お答えするのは差し控えないかぬというのはもう当然のことなんですが、その上で、今、御存じのように、これは私どもに、捜査に関わる話なんで、今捜査の途中ですから、資料も大阪地検で持っておられますし、私どもとしてはそういったことに関しましてはお答えできないというのは、この前御答弁申し上げたとおりだと思っております。(発言する者あり)
#54
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#56
○国務大臣(麻生太郎君) 質問の意味を取り違えていたんだと思って、恐縮です。
 私どもとしては、今は捜査の途中でもありますので、私どもとしていわゆる個別に調査をというようなことをよく言われますけれども、御存じのように、捜査当局の方からは、少なくとも今、口裏合わせをするような話に取りかねないということから、こういったことに関しては極めて控えるようにということを言われているのは事実ですから、私どもとしては、そういったこと終わりますと、やっぱり捜査が終わってきちんとした、でないと私どもとしては個別な調査がなかなかしにくいというのは事実だと思いますが。(発言する者あり)えっ、何か言った、今。
#57
○足立信也君 この調査は極めて大事だということを申し上げて、調査をしていると大臣もおっしゃって、でも、今の答弁は、調査しにくい話だと、捜査中であるのでということになったわけですね。
 しかし、ここはやっぱり私は、これ大臣の決意でもいいです。この問題の重要性、公文書改ざんは犯罪ですから、間違いなく、三十年間の保存の必要もあるわけで、大臣としてこの問題をどの程度大きく捉えて、そして責任を持って調査し、それで、その結果は分かりませんけれども、分かりませんけれども、大臣としてはどういう決意で臨むのかと、それを聞かせてくださいと。大臣の責任はどこなんですかということを聞いているわけです。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) これは、ここで答弁いたしたか、財務委員会で答弁したか財金で答弁したか、ちょっと記憶が確かではありませんけれども、これが、仮定の質問でありますけれども、これが事実であったとしたのならば、これはゆゆしき事態なんだと、私どもそう理解しております。
#59
○足立信也君 まあ、調査のこととその後の責任のことをどうも一緒にしておっしゃられるので、明らかに麻生大臣は私どもとしても調査をしたいというふうに答弁されているわけですから、その調査に臨む、これは重大な事案だということで調査に臨むと、そこの決意を聞かせてくださいねと申し上げているわけですね。それはお認めになると。
 そこで、働き方の、ちょっと私、別の観点からいきたいので、この問題はできれば、もう一回言います、あしたの衆議院の財務金融委員会に報告するのであるならば、今日はこの参議院でテレビが入って予算委員会やっているわけですから、今日中にその結果の報告、できれば昼までに出していただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。いかがですか。
#60
○委員長(金子原二郎君) 理事会で協議をいたします。
#61
○足立信也君 理事会で協議をしますと逃げられてもですね。国民の皆さんは、一旦鎮静化しているような森友学園問題ではございますけれども、この公文書の問題は非常に大きいというのを再認識されていると思いますので、与党の理事の方も真摯に対応していただきたい。この段階で、後、野党議員の方々を始め与党の議員からもこの問題については質問があると思いますので、次に移りたいと思います。
 パネルの三番。先ほど冒頭に言いましたが、有効求人倍率は非常に増えていると、こういう説明を、確かに増えています。ある意味当たり前だと思うんですけどね。有効求人倍率というのは、有効求職者数が分母で有効求人数が分子ですから、当然、このように有効求職者数がどんどんどんどん減っていくと、当たり前のように有効求人倍率は増えていくわけですね。しかも、網掛けのところで、緑のところでありますか、むしろ有効求人倍率は低下しているようにも見える、見えますね。
 そこで、総理としては、この有効求職者数が減り続けているこの理由は何だと捉えているんでしょう。
#62
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘は、有効求職者数の減少の背景ということですね。
 これについては、近年の雇用情勢の改善により事業所都合等で離職する人そのものが減少しているということ、また、求職者が仕事に就きやすくなるということで就業者数全体も増加している、こういったことが背景にあるというふうに考えております。
#63
○足立信也君 有効求職者数全体が減っているという答弁でしょうか。
 もちろん、これ少子高齢社会の中で労働力人口が減っているということは当然ありますが、もう一つ大事なポイントは、この有効求職者、有効求人、これハローワークからの統計ですよね。今、非正規雇用の方が非常に多くなっている中で、このハローワークを通さずに、口コミでありますとか広告でありますとか、非正規雇用の方はどんどんどんどんそこを経由して働いていると私は思いますよ。だからこそ、このハローワークを通した有効求職者数というのはどんどんどんどん減っているんじゃないでしょうか。これ、非正規雇用が増え続けていることと私は関連性の非常に高い話だと、そう思いますよ。
 ですから、この有効求職者数が減る状況の中で有効求人倍率は増えていますと言っても、それは当たり前のことであって、ここの表現の仕方というのは、当たり前というか、そこに、それ以外に隠れている部分が相当あるということをまず指摘しておきたいと思うんです。
 そこで、私がこの今回の質問で最初に疑問に思ったのは、じゃ、裁量労働制で働く方々の中で労災認定を受ける方がどれぐらいいらっしゃる、それ以外の一般労働の方々の中で労災認定を受ける方がどれぐらいいらっしゃるのか、ここが裁量労働制をどう捉えるかの私は根本だと思うんですね。
 この資料といいますか、データを教えてくれと先週の中頃からずっと申し上げているんですが、この裁量労働制で働く方とそれから一般の雇用形態の方の労災認定の頻度、どう違うんでしょうか。
#64
○国務大臣(加藤勝信君) これは、頻度ということになると、これ分母、働いている人、それから分子、これが労災認定、例えば過労死等の認定を受けるということなんですが、分子についてはそれぞれ我々同じベースの統計を持っているんですが、分母については、全労働者についてのデータと、そしてまた、裁量労働制というのを出していくという場合のこの数字、これ、取り方が違うものですから、その違うものをまた比較するということにはなってはならない、必ずしも適切な比較になりませんので、私ども、全体としてそのような比率をお示しすることはできないと、こういうことを申し上げているわけであります。
#65
○足立信也君 別々だから比較できないと、何やら裁量労働制のこのデータの問題そのものに関連付けられておっしゃっていますが、じゃ、シンプルに、裁量労働制で働く方々がどれぐらいいらっしゃって、労災認定される方はそのうちの何%なんでしょうか。
#66
○国務大臣(加藤勝信君) まず、裁量労働制が適用されている労働者の方で、過労死等の労災補償状況については労災認定件数として把握をしておりまして、平成二十六年度から平成二十八年度までの合計で見ますと、脳・心臓疾患で十二件、精神障害で十六件でありますから、合計すれば二十八件ということになります。
 それから、裁量労働制全体で働いている方でありますけれども、これ、実は企画と専門とで違います。企画については半年ごとに報告書を徴求しておりますから、それを集計すれば出てまいりますが、専門型についてはそういう形になっておりませんので、必ずしもその両方を足した意味での労働者数というのを把握できている状況にはないと、こういうことでございます。
#67
○足立信也君 議論の以前の問題で、裁量労働制の業務の拡大をしようと、企画業務型ですね、しているときに、今実際、裁量労働制でどれだけの方が働いているかのデータはありませんと今おっしゃっているわけですよね。それでよく立法作業をされているなとつくづく思うんですが。
 振り返っていくと、総理が二〇一二年の暮れに総理に返り咲かれて、一三年には、世界で一番企業が活躍しやすい国にするんだと、そうおっしゃって、二〇一三年六月の日本再興戦略で裁量労働制の拡大ということになっているわけですね。
 しかし、その一か月前は、国連の社会権規約委員会が日本への長時間労働及び過労死に関する勧告を出している、なんですね。これは、職場の中でのあらゆるハラスメントに対する法がない、規制する法がないということと、長時間労働の規制の法はあるけれども、監督する人が足りなくてそれが実際に規制になっていないということが勧告だったわけです。
 今、閣議決定、六月と申し上げましたが、その翌月、NHKの、まあ名前はこれ出されていますから、佐戸未和さんが過労死。これはその当時は裁量労働制ではありませんけれども、記者さんですから、裁量労働の可能性が極めて高い専門型なんですね。
 そして、皆さんよく御存じの二〇一五年の十二月、電通の高橋まつりさん、過労自死ですね。これも企画業務型の裁量労働制を取り得る。そして、しかし、今回はこれを拡大しようという、しかもその根拠のデータはありませんと今言うわけですね。
 二〇一六年の一月には、これも、新潟の市民病院の木元文さん、過労自死。これ、勤務医ですよ。この勤務医も今回の長時間労働規制から除外されると、医師という形で。
 一体、その立法事実というか、何が問題だから今立法作業をしているというのがよく見えないんですね。昨今報道もありました、二〇一六年九月に野村不動産の社員、これは裁量労働制の違法適用ですよ。この方が過労死ですね。
 こういう事実を考えると、裁量労働制そのものをしっかり一般の、それ以外の労働の形と区分して、どういう問題点があるのかということの基本となるデータがなければ議論できないじゃないですか。
 今後、先ほど、数はあるようなことをおっしゃいますが、裁量労働制で働いている人全体の人数は分からないと今おっしゃいましたが、そのことは調査で、今後、労災の頻度も含めて調査される予定はありますか。
#68
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘、先ほど申し上げた裁量労働制には企画業務型と専門型が二つございます。企画業務型については、平成二十六年度から二十八年度までの下半期に報告が出された。それを集計したものはございまして、対象労働数、平成二十八年度について申し上げれば七万四千二百九十九人となっております。
 ただ他方で、専門型についてはそうした届出という仕組みがないということでございますので、私ども今掌握をしていないということでございます。したがって、トータルとしての裁量労働制の適用労働者というのは把握をしていないというような実態でございます。
 それから、今、勤務医以外についてと。先ほど勤務医の話がありましたが、勤務医も基本的には現行の労働基準法の適用はなされているわけでありますので、今議論しているのは、罰則付き上限規制を掛けることについて、それぞれの応招義務もございますから、その辺を含めてどう議論するかということで今議論をしていただき、またその議論の結果、それが定着するには一定の時間が掛かるということでたしか五年の猶予を置かせていただいているということでございます。
 今御質問の中で、これから裁量労働制に関して調査をするということ、実態把握をするということでありますので、そういう中で、どういう形のものをどういうふうにやっていくのかということについては、まさに具体、これから進めていかなきゃならないというふうに思いますし、そのときには統計の専門家を含めて様々な方の御意見もいただきながらそうした調査の仕組み等を考えていきたいと、こう思っております。
#69
○足立信也君 今、専門型の裁量労働制の労働者の数が、ちらっと、七万四千と、こう……(発言する者あり)あっ、企画型、七万四千、出ましたね。そして、今まで労災認定されている方の数を見ると、私が持っているデータでは専門業務型の方が多いです。今の先ほどの人数からいきますと七万と、企画業務型の労災認定を考えると万分の一のオーダーだろうなと思います。それに対して、一般の労働者、全体で五千七百万いらっしゃいますから、その中での労災認定の数を言うと、極めて低いパーセンテージになるんだと思います。
 何を申し上げたいかというと、裁量労働制、しかも企画型、専門型共に一般の労働に比べれば労災認定の比率が高いということは推定できます。このことは申し上げておきたいと思います。
 そこで、安倍総理と加藤大臣がこの裁量労働制の条文の作成に当たってちょっとニュアンスが違うことをおっしゃっていると思うんです。全面的に削除する、裁量労働制の項目ですね、全面的に削除されるのかどうか。私は全面的に削除するのは余りいいことじゃないと思っていますので。現時点では全面的に削除される予定なんでしょうか。
#70
○国務大臣(加藤勝信君) 総理の指示は全面的に削除するということでございますので、裁量労働制、特に今回、企画型についてでありますけれども、これに絡む部分についてはそういった取扱いになるというふうに考えております。
#71
○足立信也君 今回出されると言われていた中身には、この裁量労働型の中での健康確保措置というのもあったわけですね。あるいは十分な経験、三年以上という経験要件も考えられていた。先ほど、私、事案を並べてみましたけれども、この健康確保措置あるいは十分な経験の要件というのは私は必要だと思いますよ。
 更に言わせていただくと、今いろいろ事案を申し上げた中で、本人が知らないで裁量労働型とされていたという事案もあるわけですね。それは、本人が話合いを、あるいは現状が分かったときに本人同意は撤回できる、本人がこの裁量労働型で働きたくないんだと撤回できるような条文化も私は必要なんではなかろうかと我々は考えています。
 それから、この裁量労働あるいは労働法制全般にも関わる話ですけど、そういう法令違反を行った企業は裁量労働制のこの制度を採用できないとか、一定期間ですね、というようなことも我々は必要なんではなかろうかと思っているんです。
 この今、政府案とされていたものの中で健康確保措置あるいは十分な経験の要件、これは、今までの裁量労働制の労災認定あるいは過労死、過労自死の事案を振り返ってみて、ここは必要なんではないでしょうか。大臣の判断としては、今やっぱり全文削除ですか。
#72
○国務大臣(加藤勝信君) 私も国会で、当初考えていた案というのは、一方で、裁量労働制、あるいは企画型と言ってもいいかもしれませんが、ついて、みなし労働時間に比べて実際の労働時間が長い、またそれが長時間労働になる等々様々な問題点が指摘をされ、そしてそれに対する対応として、ざくっと言えば、今、先ほど委員が御指摘の規制強化の部分も入っておりますという説明はさせていただきました。
 ただ、今回、一連の議論の中で、まず、その前提となる裁量労働制、特に今回は企画型でありましたけれども、やっぱり実態把握について、そのデータについて国民の皆さんに疑念を抱く、そして改正そのものについて疑念を抱くということになったわけでありますから、そこはもう一回実態を把握させていただいて、今回の規制でいいのか、また、今委員から一つの御提案等もございましたけれども、そうしたことも含めてしっかり議論していく必要があるというふうに思います。
#73
○足立信也君 議論していく必要があるということは、まだ全面削除するかどうかは決めていないと、そういう意味ではないですね。
#74
○国務大臣(加藤勝信君) まず、ここでは全面削除をした上で、そして実態把握を行い、そしてその実態を踏まえてこの規制改革、あるいはまた広げるということも含めて議論をしていく必要がある、こういうことを申し上げたところでございます。
#75
○足立信也君 どうして確認したかと申しますと、やっぱり高度プロフェッショナル制度はスーパー裁量労働制とも言われているわけですよ。
 そこで、労政審で審議されましたですよね。今、データの問題があったから、最初の段階でこれは疑義があるから全面削除とおっしゃいましたけれども、この労政審の議論の中で裁量労働の方が労働時間が短いんだということを根拠に、そして、これは間違っていたわけですけど、更に年収要件を加え、休みの期間を加えた高度プロフェッショナル制度というものがいいんだというような議論はあったんでしょうか。
#76
○国務大臣(加藤勝信君) まず、二つに分けてお話をさせていただきたいと思います。
 一つは、裁量労働制について、結果的に私ども、選び方が違う二つのデータを並べたということでありますけれども、労政審では一般労働者と裁量労働者について比べた資料は提出をしておりません。
 それから、裁量労働制とまた今度の高度プロフェッショナル制度、これ基本的に考え方が違っておりますから、それはそれぞれ別物として議論がなされたと、こういうふうに承知をしております。
#77
○足立信也君 私、イメージがなかなか湧きづらいんですが、年収要件のことは先ほど言われました。これまでの議論でもありました。その一千七十五万以上という方が約三%だという話もありましたが、これ高度プロフェッショナル制度が導入された場合に、どんな職種の方が、この年収要件と兼ね合いの中でどのような職種の方がこの制度に移行し得ると、そのように考えておられるんでしょうか。イメージが湧かないので教えていただきたい。
#78
○国務大臣(加藤勝信君) 高度プロフェッショナル制度においては、一つは、今お話がありましたように、年収要件を平均年収の三倍を相当程度上回るということでこれを法定した上で、具体的には省令で決めることにしております。労政審等の議論では千七十五万円という数字なども出てきたところでございます。
 具体的な対象業務、これは今後省令で規定することになるわけでありますけれども、労働政策審議会の建議においては金融商品の開発業務とか研究開発業務などなどが想定をされているところでございますので、実際、年収要件で見ますと、働く方でですね、一千七十五万円を、管理職を含めて一千万円を超える者というのは二・九%ということでございますので、その中から今申し上げた業務、またさらに、業務の対象であっても本人の同意がなければこれは適用されないので、かなり限定されていくのではないかというふうに考えております。
#79
○足立信也君 基本的に、今回準備されているものの中で、四つの業種の猶予と、研究開発に関しては、これはもう除外だとありますよね、研究開発業務に従事する方、長時間労働の規制。ということは、そこに今該当される方の中からこの高度プロフェッショナル制度へ移行する人が多いのではないかと。金融関係、今、研究開発とおっしゃいましたが、そのように捉えているんですか。今除外されている、長時間労働規制から除外されている方の中からここには入るのではなかろうかと、そういう感じなんでしょうか。そういうわけでもない。
#80
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと必ずしも委員の御質問の趣旨をそのまま受けていないのでありますけれども、いずれにしても、対象業務については、高度の専門的知識を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務が対象になっているわけでございます。
 その対象になった業務の中において、先ほどの年収要件等々の要件、さらには本人の同意、そういったことによって、結果的に、この法律が通ればの話ですけれども、通った段階で高プロで働く人が生じてくるということでございますので、今委員御指摘の、今その人たちがどういう形で働いているかというのはちょっと一概に申し上げることはできないということでございます。
#81
○足立信也君 今度はなかなかイメージが湧きづらい方々が入る制度が今議論の俎上に上っているという話で、聞いている方はもっとイメージが湧かないなという感じがします。
 そこで、今、厚労省は来年度の予算でも兼業、副業の普及促進と銘打って予算に計上されています。これ、仮に高度プロフェッショナル制度が導入された場合に、年間百四日以上の休みがあるわけですね。これ、この方々も兼業、副業の促進されるんですかね。
#82
○国務大臣(加藤勝信君) 副業、兼業のお話がありましたけれども、働き方改革実行計画において、長時間労働を招かないよう留意しつつ、原則副業、兼業を認める方向で普及促進を図るとされ、これを踏まえて、本年一月、現行のいろんな体系が、法体系ございますが、その下において副業、兼業に関する現行法令の留意点をまとめたガイドライン等を作成したところでございます。
 この副業、兼業の普及促進の趣旨は、労働者にこれを義務付けるわけではございません。労働者の健康確保に十分留意しつつ、希望する労働者、そういった形で自分のスキルをアップしていきたいとか、あるいは別なことも少しやりたい、そういった希望する労働者の方が副業、兼業を行える環境が整備されるようにということでございますので、その趣旨を踏まえて周知を図っていきたいということで、平成三十年度においても、たしか予算額一・一億円でございますけれども、計上させていただいております。
 委員の御指摘の高度プロフェッショナル制度で働く人についても副業、兼業を行うかどうかは、最終的にはもちろん、その会社の就業規則等々に加えて御本人の希望次第ということでございますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げた長時間労働を招いては本末転倒でありますので、仮に副業、兼業が行われる場合にあっても、労働者の健康確保に留意していくことは重要であると考えております。
#83
○足立信也君 今、副業、兼業をして長時間労働になってしまったら本末転倒だとおっしゃいました。そこを私は心配しているんですよ。フリーランスの方とか副業、兼業をされている方、これ、労働時間に関する規制の在り方とかあるいは労働者の健康や福祉を確保するための制度、つまり労働者の保護法制の観点、これ及ばない方々なんですね。あるいは、兼業、副業の場合はどう及ばせるかという観点の方がいいのかもしれません。これは非常に大事なことだと思うんですね。
 予算に計上して普及促進をしている中で、この副業、兼業の方の労働者保護法制、この適用そのものがあやふやになっている。ここは私は働き方改革の中でも極めて大事な検討項目だと思うんですが、なぜ今回それが検討がないんでしょう。あるいはあるんでしょうか、提出予定されているものの中で。
#84
○国務大臣(加藤勝信君) それがというのは、高プロと兼業、副業の関係ということですか。
#85
○足立信也君 もう一度言います。
 副業や兼業をされている方々、これ二つの場所に、箇所になるわけで、そういった方々のいわゆる労働者保護法制ですね、労働者の健康や福祉を確保する法律である、あるいは決まりであるとか、そういうことを作っておかないと、普及促進で兼業、副業をやってくださいねと言いながら、谷間に落ちちゃう可能性が出てくるわけですよ。そこは、今回提出予定している法案の中でこの兼業、副業の労働者保護法制の在り方あるいは制度設計というものについては検討されているんですかという質問です。
#86
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法律の、今想定、今私どもが作業を進めている法案の中においては、兼業、副業に関する規定は盛り込まれておりません。
#87
○足立信也君 私どもはそこも非常に大事だと思いまして、これ、後追い後追いになっちゃう可能性があるんですね。
 厚生労働省としては、副業、兼業、あるいはフリーランスのことも検討が始まりました。それで、それを普及促進しようとしているときに、問題が生じたら何かやろうという姿勢だと思うんですけれども、これは、長時間労働になってきたらこれは人の生命に関することですから、何か起きたらとか極めて頻度が高いからって、それでもやらないのはもっと悪いですけど、ある程度予測されることについては、今回、私は、働き方改革であるならば、これは重要な項目の一点だと、そう思いますよ。我々としては、それに対する対案という形、法案という形で提出しようと思っていますので、是非一緒に審議していただきたいと、そう思うんです。
 先ほど、高プロとの兼業、副業の話なんですけど、一千七十五万ということなんですが、私、二十二年間、外科の勤務医でした。医師の収入の統計を見ると、三十五歳以上だと平均でそのラインをクリアしているんですね。でも、これは、私の場合もそうですが、ある地方へ手術の手伝い、指導に行くとか外来をやるとか、そういう二か所、三か所の収入の合計なんですね。実際そうやられているということです。
 私が大事だと思うのは、高度プロフェッショナルに該当するのはこの領域の人たちなのかなという想像がある中で、想像がある中でですよ、想像で大変申し訳ないんですけど、ここは、医師法上、裁量制はないですね。裁量制はない、つまり応招義務があるからです。応招義務があるから自分の裁量でというわけにはいかない。
 それから、先ほど待機時間の問題ありましたが、待機時間の問題もクリアされていない中で、応招義務を少し弱める方向性は私はこの人手不足の中でやむを得ないと思うんですが、それがゆえに、あなたは裁量ある労働のやり方ですというふうに決められてしまうとまた大きな問題が生じると、逆の意味があってですね。
 今、実際、医師個人に応招義務があるんではなくて、その科全体でやるとか、あるいは病院だとかいうような見直しの方向の可能性も出てきていますけれども、それをもって裁量制がある働きだというふうに捉えられると、医療の人たちというのは断るわけにはいかない状況の中で、ここを連動させてもらったら困るなという問題意識で、まず申し上げさせていただきました。
 そんな中で、加藤大臣にお願いしたいのは、正規雇用、まあ非正規雇用は二〇〇〇年代からずっと増えておりますが、正規雇用は二〇一五年から増えています。これは総理も今まで何度かおっしゃっています。この原因の一番はどこにあるかというと、やっぱり二〇一二年の八月の労働契約法の改正だと思うんですね。五年勤めた場合の無期転換ルールですね。
 ところが、これに対して、これ今年の四月から始まるわけですが、大量雇い止めというような事態が今生じてきています。東北大学では仙台労働基準監督署へ告訴状の提出をされていますし、私が大学で聞いたところによると、現場の意見ではなくて事務方の方からこの人はもう辞めさせてくださいという話まで来ているというんです。
 そこで、大臣、この労働契約法、二〇一二年八月の改正の無期転換ルール、この趣旨をもう一度、皆さん、国民の皆さんに分かるようにお伝えください。
#88
○国務大臣(加藤勝信君) 正規労働者が増えているという御認識を示していただいたわけでありますけれども、やっぱりその背景は、こういった制度もありますけれども、基本的に経済がそれを担うものでなければこれは実際増えていかないのではないかというふうに思います。
 その上で、無期転換ルールでありますけれども、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、有期契約で働く方の雇用の安定を図るためにこれは設けられたものであります。有期労働契約を長期にわたり更新した場合の無期労働契約への転換などを法律で規定することによって、働いている方が安心して働き続ける、これが可能な社会の実現を図ることを目的としたと、こういうふうに認識をしております。
#89
○足立信也君 趣旨を取り違えてといいますか、運営費交付金の問題であるとか、そういうことの中でこれは大量雇い止めが生じていて、実際そこで告訴まであるいは起きているということを受け止めていただいて、これは去年からいろいろ指摘されておりますので対処していただきたいと、そのように思います。
 茂木大臣、済みませんでした。時間がなくなって、順番変えさせていただいたので。
 最後に申し上げたいのは、GDPは算出基準の変更もあって、このことを取り上げたかったんですが、確かに伸びている。これは、二〇〇八SNAに合わせた、国際基準に合わせたものと、その他、国内での計算方法の違い、これが七兆円という、極めて大きい。我々は、GDPの大宗、六割あるいは三分の二は民間消費だと、そういうふうに考えているんですが、このグラフで御案内のように、民間最終消費支出と実質消費支出、これ指数でしか提示できないので指数ですが、乖離してきているんですよ。民間最終消費支出と実質の消費支出指数が乖離してきている、なんですね。
 これはどうしてかということをお聞きしたかったんですが、私の考えでは、これはGDPの民間最終消費支出の算出の際にやっぱり出来高払に変わってきていると、国内統計もですね、そのことが実質の消費支出との連動と物すごく乖離が広がっている、新しいワニの口かもしれません。そういう印象があります。
 このことについて、その開きの理由、説明していただけますか。
#90
○委員長(金子原二郎君) 茂木経済財政担当大臣。時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#91
○国務大臣(茂木敏充君) 済みません、時間が来てこの問題お話しするのは。
 まず、数字の上乗せと、こういう話ではなくて、客観的な改定基準によりまして数値の変更と、これを行っているところであります。
 それで、御説明するのに恐らく五分ぐらい本当は掛かるんですけれど、消費については、その動向を見るのに世帯当たりの人数の減少等の影響、これが家計調査による消費でありますけど、これを見るのよりも、国全体の消費を表すGDPベースの消費、民間最終消費支出を見る方が適切であると考えております。
#92
○足立信也君 次回にまた質問させていただきます。ありがとうございました。
#93
○委員長(金子原二郎君) 以上で足立信也君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#94
○委員長(金子原二郎君) 次に、石橋通宏君の質疑を行います。石橋通宏君。
#95
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。足立委員に続きまして質問させていただきます。
 最初に、安倍総理に確認をさせてください。
 足立委員も触れられましたが、五年前、第二次安倍政権が発足して最初の通常国会、施政方針演説で総理は高らかに、世界で一番企業が活躍しやすい国をつくるんだという目標を掲げられました。この目標はまだ生きているんでしょうか。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば企業が活躍しやすい国、それは言わば、国際社会の中において日本が競争を勝ち抜いていく、経済を成長させるためには、海外からの投資を呼び込み、そしてそれを雇用にも生かしていくという考え方でございますので、そういう意味におきましては、この考え方は生きているということでございます。
#97
○石橋通宏君 この考え方は今でも生きているというふうにおっしゃいました。
 五年前これ言われたときには、安倍総理は働き方改革のハの字もおっしゃっておりませんでした。むしろ企業が活躍しやすい国をつくるために様々な労働者保護ルールの改悪を進められたのが少なくとも最初の二、三年の安倍政権であったと。だから、今多くの国民の皆さんは、今回の働き方改革が本当に働く者のための働き方改革なのか、いや、結局世界で一番企業が活躍しやすい国をつくるという目標のための施策にすぎないのではないかということを心配されているわけです。今日は是非、働く者の代表として声を代弁する立場でこのことを総理にぶつけていきたいと思いますので、真摯に御答弁をいただければと思います。
   〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
 まず最初に、これも足立委員が触れておられました有効求人倍率についてであります。働き方改革を議論する上で大変重要な一要素が、じゃ現在、働く者が一体どういう雇用状況にあるのか、安心して働いて暮らしていける状況にあるのか、何が問題なのか、それを確認することが大変重要な問題だと思います。
 パネルをお願いします。(資料提示)有効求人倍率が高いこと、これは我々も一定の評価をするというのは、二年前のこの予算委員会で私、総理に申し上げました。ただ、これはあくまで一要素にすぎないと、中身を見なきゃ駄目なんですという話もそのときにもさせていただきました。これ、パネルを是非御覧ください。お手元の資料一、それから追加で皆さんには資料の五、六、ちょっと小さいですが参考資料として見ていただければと思います。
 これ、どういうグラフかと申しますと、求職者を全部二〇%ずつ五分位に分けて、求職者が多い職種、少ない職種、これをずっと分けて並べ替えたものです。
 御覧いただければ分かると思いますが、第一分位、そして第二、第三分位、全体の六割の求職者が求めている職種については、求人倍率は十年間で伸びておりません。逆に減少しています。一方で、第四、特に第五分位、これは要はなかなか求人出しても人が集まらない、人手不足。ここがかなり、これ倍率が悪化しているんですね。苦労して人手求めてもなかなかもう集まらない、ここが全体の数字を押し上げている、このことが見事に出ているんだと思いますが、総理、こういう分析はされているんでしょうか。
#98
○国務大臣(加藤勝信君) これは一つ、五つに分けておられますけれども、それぞれ業種ごとに、有効求人倍率が低い、例えばここにありますけど、事務職等々、それから介護等に代表されるように高いもの、それぞれがあるということは認識をしているところでありますが、ただこれ、やっぱり求人するということになると、それはそれぞれの産業の状況状況によって当然それは求人の動向が変わってくるんだろうと思います。
 これまでも歴史の中で、産業が第一から第二、第二次産業から第三次産業に移り、また個々の細かい業態ごとに見ていても時々移っていくわけでありますから、やはり私たちは大事なことは、そうしたこれから生まれてくる求人に対して、やっぱりそれに対応できるような形での能力開発をしていくとか、またそれぞれにおけるマッチングをしっかりやるとか、こういった努力を重ねていかなければならないと考えております。
#99
○石橋通宏君 総理、今厚労大臣の答弁をお聞きになったと思います。要は中身をちゃんと見ていかなければいけないんだと。全体の数字がいい、いいと言って、全体の状況がいい、これだけじゃ駄目なんです、総理。そのことを二年前からずっと申し上げているのに、相変わらず有効求人倍率が四十数年間で一番だ一番だと喜んでおられるようなことを言うから、ちゃんと中身を理解されていないんじゃないですかということを改めて申し上げているんです。全体の六割の求職者、有効求人倍率は少なくとも良くなっていないということは改めて申し上げておきたいと思います。
 もう一つ申し上げたいと思います。
 資料の七は、皆さんお手元を御覧ください、これ、資料の七は、これも総理はもうさんざん御覧になっているんでしょうけれども、就職率と充足率を見たグラフです。一体どれだけの求人が充足をされているのか、どれだけの求職者が実際に就職に結び付いているのかということを経年で長いスパン見させていただきました。
 全体として右肩下がりである傾向はお分かりいただけると思います。特に、安倍総理、充足率がこの五年間で激減をしています。つまり、求人出してもなかなか集まっていないという状況がここでもお分かりをいただけるのではないかと思います。これ、先ほどのグラフと併せていただければ現在の状況がよく分かるんだと思います。
 総理もこれを御覧になって分析をされて日頃から御発言されているということでよろしいですか。
#100
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、様々な指数を分析した上において発言をさせていただいているわけでありますが、先ほどのこの分析について厚労大臣も答弁をさせていただきましたが、今大きくそもそも産業構造が転換をしているという現状があることも御理解をいただきたいと思いますし、有効求人倍率とともに失業率もこれ大幅に改善をしているというのも事実でありますし、そもそも、高卒者そして大卒者の就職率についてもこれ過去最高の水準になっているということもございますし、質ということについては、言わば正社員、正規の有効求人倍率は史上初めて一倍を超えたという話はさせていただきました。
   〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
 そしてまた同時に、働き盛りの世代で見れば、非正規から正規に変わる人の方が正規から非正規に変わる人よりもこれは多くなっているということもあるわけでございます。
#101
○石橋通宏君 今日、それ一つ一つまた機会見付けて論破したいと思いますけれども、結局そういう数字だけ挙げられて、都合がいい数字を挙げられて自慢されるということ、私が指摘しているのは、それを、数字自体を否定しているわけではありません。中身をちゃんと見ないと駄目だということを繰り返し申し上げているんです。
 例えば、自動車運転手の職があります。加藤厚労大臣はよく御存じだと思います。自動車運転手の求人倍率、この十年間でかなり高くなっている、要は悪化をしています。何でなんでしょう。結局、これがなぜなのか。過去の行き過ぎた規制緩和、それによる過当競争、ここで料金競争が起きた。労働条件が悪化をしている、長時間労働が蔓延してしまっている。若者がなかなかこの自動車運転手、運輸業界に入ってきてくれないんです。苦労されている。これを見なくてどうするんですか。
 なぜか今回、自動車運転手は五年の適用猶予になりました。しかも政府の案は、五年の猶予適用後に一般則とは違う九百六十時間というダブルスタンダードを提案されています。一体、これ見ているんですか。求人が悪化をしている、何とか魅力ある産業つくらなきゃいけない、にもかかわらず今回提案にはそれが反映されていない。こういうことを皆さんは心配されているんじゃないか。
 厚労大臣、これ是非、これから出される法案の中で、自動車運転手、こういう実態を見た上でちゃんと一般則を適用して魅力ある産業にする、これが本当の働き方改革だと思いますが、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、そこで働く、運輸業等で働く方、一方で、何といいますか、有効求人倍率が非常に高いという状況になっております。それから、給与もこの間見ているとむしろ下がっているという部分もあるんだろうというふうに思います。
 したがって、私どもとしては、そうした職場をより魅力あるものにしていかなきゃいけないという中の一つとしては、やはりこの労働時間というものが当然あります。したがって、これまでは大臣告示の対象にもなっていなかったんですね、これ。ですから、今回それをまずカバレッジに入れていきましょうと。しかし、急に言っても実態が付いてこなければ、これは意味がありません。
 それから、特に長距離の場合、私ども考えなきゃいけないのは、日本全体の経済を考えると、例えば関東近県でピストンで動いている場合と九州から例えばやってこられる場合、これそれぞれ事情が違うわけでありますから、その辺も見極めながら、業界の皆さん方にも、これは何とかしなきゃいけない、しかしこうした実態もある、そうしたぎりぎりの中で今私どもが法案要綱等で出させていただいている、こういったことを考えていると、こういうことでございます。
#103
○石橋通宏君 全く説明になりませんが、これ全国の百八十五万人の皆さんが署名を集められて、五年の猶予はこれはまあやむを得ないと、ただ、五年の猶予後には是非一般則を適用してほしいと、同じ人間なんだ、同じ働く者なんだ、同じ血が通っているんだ、そういう訴えをされております。我々、この点については一般則を適用すべきだという闘いをしていきたいと思いますので、そのことはこの場をお借りして申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、国内の、安倍総理、貧困の状況についての認識についても改めて確認をしておきたいと思います。
 先週木曜日、我が党の川合理事への答弁で、加藤大臣、貧困線について触れられました。直近の二〇一五年で改善をしている、それは経済の好転が反映されたからだというふうに答弁をされました。
 貧困線と貧困率を混同された答弁ではないかと思いますが、資料の八に貧困率をお示しをしました。これ確かにそのとおりです、昨年発表された数字、改善をされています。特に子供の貧困率が改善をされたということで、この率の改善自体は我々も評価をさせていただいております。
 ただ、資料の九を御覧ください。これ貧困線、大臣が触れられた、これ名目値と実質値です。名目値はこれ貧困線百二十二万円で、確かに変わっておりません。これ伸びていないですからね、良くなっていないです、変わらなかったというだけです。ただ、これ実質値を見てください。前回から五万円も底抜けしているんです。
 何でこの実質の数字を言わないんですか、大臣。これが経済の好転の成果なんですか。経済の好転、アベノミクスで反映された、実質の貧困でいうと五万円も悪化をしている、これが成果ですか、大臣。
#104
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、相対的貧困率の考え方は、社会の中で中ぐらいの所得から一定程度離れている人の割合がどの程度いるかということを指数化したわけであります。
 今委員御指摘の中央値、確かに実質で見れば、その統計においては低下というのはそのとおりだというふうに思いますけれども、ただ、実質で見たときには、貧困率そのものは同じ値でありますから、貧困率の低下は実質で見た中央値の低下が理由であるということにはならないんだろうというふうに思います。
 あと、議員御指摘のように、実質的な賃金がどうか、あるいは何で見るのかというのはこれまでも議論がされてきたところでありますので、確かに一人当たりの実質賃金で見ると、二〇一六年は上がり、二〇一七年はやや下がっている。ただ、全体の総雇用者所得で見れば、これは名目も実質も上がっていくわけでありますから、それはどういう指標で見ていくのかということにもあるんだろうと思います。
#105
○石橋通宏君 厚生労働省のホームページ、ちゃんと書いてあります、物価の推移も考慮してこの貧困状況、年次推移を観察したい場合は実質値を使ってくださいねと。これ厚生労働省のホームページです。ちゃんと国民の生活の実態を考えるときには実質値で見てくださいね、ちゃんとホームページに書いてありますよ、厚労大臣。これを名目名目でそればっかり言うから、正しいこれ、国民の生活の状況が分からないんじゃないですか。このことを改めて指摘をしておきたいと思いますし、時間がありませんが、今実質賃金も触れられました。パネルの二、資料の二、お願いします。
 これはもうさんざん見ていただいています。先ほど足立委員も違う角度から家計消費支出の減少については触れておられました。改めてこれも事実として申し上げておきたいと思います。決してこれも安倍政権だけ批判しているわけではありません。労働者の実質賃金、二十年以上低下を続けています。だから、実質家計消費もずっと落ち込んでしまっています。実質で見たときの家計消費、この五年間で激減しているのももう見ていただけると思います。これが今の国民生活の現状、働く者の生活の状況、このことは改めて認識をした上でないと本当の働く者のための働き方改革の議論はできないだろうというふうに改めて申し上げておきたいと思います。
 その上で質問を、具体的な各論のところに入らせていただきたいと思いますが、裁量労働制の問題です。
 先ほど足立委員から確認をされました。再度、加藤大臣、つまり、法律案要綱の第一の五、企画業務型裁量労働制の部分、これ全部削除するということですね。
#106
○国務大臣(加藤勝信君) 全面削除という御指示をいただいておりますので、今そういう方向で議論をしているということでございます。
#107
○石橋通宏君 重ねて聞きます。
 第二項から第六項、これは改善策です。規制強化策です。何でこれを削除するんですか。
#108
○国務大臣(加藤勝信君) 第二項から第六項というのは、法案要綱の関係でございますか。先ほど足立委員にも御答弁させていただきましたけれども、今回の法案には規制を強化するという部分もございます。しかし、実態をもう一回把握をし直して、そして議論をするということでございますので、その規制のありようについてもまた実態を把握した上でしっかり議論をさせていただきたいと思います。
#109
○石橋通宏君 つまり、第二項から第六項、規制強化策も、あの今回問題となった、捏造ではないかと言われた総合労働実態調査に基づいて提案をされ、議論をされたということなんですか。
#110
○国務大臣(加藤勝信君) どこまでが例えば労政審における議論の中でそうした数字で議論されていたかというのは、必ずしも一概には言えないだろうというふうに思います。
 ただ、やはり実態に応じて規制というものも考えていく必要があるのはこれは当然のことだというふうに思いますので、改めて実態を把握をした上で、そしてそれに必要な規制の強化等も含めて議論をしていきたいと考えております。
#111
○石橋通宏君 今、ということは、実態全く調査もされないうちに規制改革もされ、提案されてきたということなんですね。何の根拠もなかったんですか。
#112
○国務大臣(加藤勝信君) 別にそんなことを言っているわけではなくて、これまでも申し上げているように、みなし労働時間に比べて実労働時間は長いという、こうした認識をこれは皆さん持っておられたわけでありますし、それが長時間労働にもつながっていく、こういった懸念に対してどうすべきかということで出てきたわけでありますけれども、ただ、この全体の裁量労働制に関する改正の議論について、私どもが出したデータについて様々な問題点もあった、また比較していないものも比較してしまったということであって、国民の皆さんが疑念をいただくことになったわけでありますから、そこはもう一度出直しをすることによってしっかり実態把握をしていく、そしてその上に立って必要な規制等についても議論をしていきたい、こういうことでございます。
#113
○石橋通宏君 それ、成り立たないですよ、大臣。今の、先ほどの説明されたデータ、これはあの部分でいけば第一号の規制の裁量労働制の企画業務型の適用拡大の部分についてそういう議論をされた。でも、二から六の規制強化の部分は、先ほど足立委員も触れられた、既に裁量労働制適用労働者で過労死が発生をしている、いろんな問題が出ている、それに対して喫緊の対応が必要だ、そういう議論を労政審でして盛り込んだんじゃなかったんですか。それを総理が勝手にカットしろと言ってカットできるんですか。連合と相談したんですか。労政審に相談したんですか。
#114
○国務大臣(加藤勝信君) それは野党の皆さんからも、例えば裁量労働の実態違うじゃないか、もっと厳しいじゃないかと、こういう御指摘もいただいているわけですから、やはりもう一回実態を把握して、その上で対応していくということで、私ども今、政府・与党の議論の中では、先ほど申し上げましたように、裁量労働制に関しては全面的に削除するという方向で議論をさせていただいているところでございます。
#115
○石橋通宏君 これは是非政府・与党の皆さんにも考えていただきたいと思います。
 この今の現行の様々な問題に対応するために必要な改革も含まれています。それを削除してしまう。今まさに裁量労働制で過労死発生しているわけです。これ、置き去りにするんですか。それが働き方改革ですか。違うでしょう。そのことをこれ是非もう一回検討してください、総理。総理の決断です。総理が決断したんでしょうから、総理がこの部分はやはり今喫緊の課題として必要だという決断をすれば残せるはずです。総理、是非残してください。
 厚労大臣、これ分かっておられますよね。この部分には現行の専門業務型の規制強化も含まれているんですよ。それも併せて削除しちゃうんですか。
#116
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、裁量労働全般について実態把握をしてしっかり対応させていただきたいと、こういうふうに思っております。
#117
○石橋通宏君 でも、総理、それじゃおかしなことになりませんか。この二項から六項、これ総理お分かりになっているのか、まあ厚労大臣はお分かりになっているんでしょう。これは、高度プロフェッショナル労働制と密接に連関しているんですよ。これ御存じですね。高度プロフェッショナル労働制で総理がさんざっぱら大丈夫だ、労使委員会の規制がちゃんとあるんだ、健康確保措置がちゃんとあるんだ、これ実は今回総理が削除って言われたこの部分と密接につながっているんです。
 厚労大臣、この部分を裁量労働制として削除する、高プロの理論成り立たなくなりますよ。
#118
○国務大臣(加藤勝信君) そこの議論になると、実際は法案をしっかりお示しして御説明をしないと、多分聞いている方もこれなかなかお分かりにならないだろうと思います。委員は法案要綱御存じですし、私ももちろんそれをベースに議論をさせていただくんですけれども、元々、今委員御指摘の裁量労働制と高プロとはたてりが違いますから、それはそれぞれ別々に我々は議論をし、そしてそれぞれ別々に条を起こして今盛り込む方向で議論させていただいているところでございます。
#119
○石橋通宏君 これ、先ほども答弁されましたけど、これ、総理、おかしいですね。総理の施政方針演説、働き方改革国会だと言われて、これ施政方針の中でも触れられておられます。総理、総理の施政方針演説の中で、裁量労働制、高度プロフェッショナル、一切文言として出てきません。区別されておられません。違う施策として施政方針の中で述べておられないんです、働き方改革と言いながら。これ同じ方向性でしか述べておられないんですよ。専門性の高い仕事で時間によらず柔軟にそうやって働ける、そういう制度を盛り込みますということしか言っておられません。同じ方向じゃないですか。
#120
○国務大臣(加藤勝信君) それはそういう意味でいえば、一人一人の事情に応じて選択できるそうした社会を実現していこうという意味においては全てが一緒でありますし、その中で長時間労働、それから同一労働と一緒に柔軟な働き方ができる、そういうくくりの中では一緒でありますけれども、ただ、それぞれが目的も違いますし、構造も違いますから、法文の中においては別建てで今議論をさせていただいていると、こういうことでございます。
#121
○石橋通宏君 だから、大臣、知っていて言われているんでしょう、それが成り立たないと。というのは、健康確保措置とか様々な適正化措置、これ同じなんです。その並びで今回提案をされようとしている。これ今、先ほど、テレビ見ておられる方は法案出てこなきゃ分からない。でも、要綱にそう書いてあるんです、大臣。
 要綱の中で、大臣はよく御存じなので、先ほどよく御存じだと言われたのでお聞きしますが、第三項の健康確保措置の強化、これ高度プロフェッショナルに関する要綱六の一の(五)と(六)、ほぼ同じですね。ということは共通ですね。これ、お認めになりますか。
#122
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。知っているといっても要綱を全部記憶をしていないものですから、それは確認して答弁をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、同じですねと言っている意味が、どこが、言葉が同じなのか、これはそれぞれ別建てで作らせていただいているということを先ほどから申し上げさせていただいているところでございます。
#123
○石橋通宏君 大臣、じゃ余り制度を、両制度がどういう比較なのか、どういう違いが、どういう共通項があるのか、これは大臣としてしっかり把握をしておられるのか、今ちょっと疑問に思いました。
 例えば、有給休暇の上乗せ制度、これ両方共通です。一方で、高度プロフェッショナル労働制の方には、企画業務型裁量労働制の委員会に関する事項は、この高度プロフェッショナルの「1の委員会に関する事項について準用する」という書きっぷりになっています、規定になっています。同じなんです。同じように準用して労使委員会を運用するということになっています、大臣。つまり、共通なんです。一方を削除した。何で高度プロフェッショナルを削除しないんですか。もう一回やり直ししなきゃおかしいでしょう。
 労使委員会の制度でどういう決議をするのか、何を決めなければいけないのか、それを今回、裁量労働制の部分と高プロの部分、併せて同じ並びでやりますと書いてあるんです、要綱に。ということは、裁量労働制、先ほど言われた、いや、データが怪しくなった、根拠が怪しくなった、もう一回ちゃんと調査をして、これでいいのかということを精査をして出し直すんだと言われるのであれば、高プロも出し直さなきゃおかしいじゃないですか。
#124
○国務大臣(加藤勝信君) まず、御指摘あった有休のところが一緒だというのは、何を御指摘されているか、ちょっと私はにわかに分かりません。たしか、いろいろ御指示をいただいているように、それぞれ制度が違うわけでございます。
 それから、先ほど、同じもちろん労使委員会というものをつくるということでありますけれども、それはそれぞれ根拠法を用いて、それぞれの条文において労使委員会というものを規定をしてやるわけでありますから、それはある意味で、労使委員会を使っているという意味においては、そういう構造を使っているという意味においては一緒でありますけれども、裁量労働制の労使委員会と、そして今回の、例えば裁量労働制の労使委員会がないところ、逆に言えば、裁量労働制をやっていないところにおいても高度プロフェッショナル制度というのは導入し得るわけでありますから、そのときには別途労使委員会が必要になってくると、こういう関係にあります。
#125
○石橋通宏君 これはまた大臣分かって答弁されているんだと思います。我々はずっと、労使委員会制度そのものが適正に運用されているのか、労働者代表が適正に選ばれているのか、機能しているのか、これは現行の裁量労働制の問題としてずっと指摘をしてきたわけです。だから、今回の裁量労働制の改革の中でこの部分を強化しようと盛り込んだんでしょう。でも、それが、根拠が薄れたからなくすと言っておいて、じゃ、こっちの方の労使委員会、大丈夫だ、これは成り立たないですよ。
 これ、ここでやってもあれですから、またこれ厚労委員会で是非引き続き突っ込みたいと思いますので、これ準備しておいてくださいね、厚労大臣、よく理解されていないようですから。現行の裁量労働制の規制強化が喫緊の課題だというのは、これはもう総理も厚労大臣も繰り返し認識は答弁されているはずです。
 野村不動産の件についてお伺いしたいと思います。
 日曜日の朝日新聞の朝刊一面トップ、裁量労働制、野村不動産の裁量労働制、まさに昨年末に発表された、問題となった違法適用、この対象になっていた労働者の方、五十代の男性社員、二〇一六年九月に過労自殺をしておられた。昨年、御家族が労災申請をされて、まさに特別指導の結果を公表された十二月二十六日、その日に労災認定が出ていたということです。
 総理、この事実は御存じでしたね。
#126
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずですね、ちょっと厚労大臣から答弁、この件については政府の対応について答弁させていただいた後に私から答弁させていただきたいと思います。
#127
○委員長(金子原二郎君) 加藤厚生労働大臣。(発言する者あり)
 安倍内閣総理大臣。
#128
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、特別指導についてですか。特別指導について報告を受けたということですか。(発言する者あり)
#129
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#130
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#131
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 特別指導については報告を受けておりましたが、今の御指摘については報告は受けておりません。
#132
○石橋通宏君 安倍総理は報告を受けていなかったと。
 加藤厚労大臣はもちろん知っておられたんでしょうね。
#133
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれ労災で亡くなった方の状況について逐一私のところに報告が上がってくるわけではございませんので、一つ一つについてそのタイミングで知っていたのかと言われれば、承知をしておりません。
#134
○石橋通宏君 知っておられなかったと、この事案。
 そうすると、これだけの深刻な事案がまさに裁量労働制の適用労働者に対して発生をしていた。労災認定が出たわけです。これ、特別調査の結果が十二月、特別指導の公表ですね、十二月二十六日、その日に労災認定が出ていた。これ、何で特別指導の結果公表のときに過労自殺が認定されたことが発表に含まれなかったんですか、厚労大臣。
#135
○国務大臣(加藤勝信君) 通常、過労死について個々の事案を発表することはないというふうに承知をしております。
#136
○石橋通宏君 残りの質疑、午後の時間に譲りたいと思います。
#137
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#138
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行理事宮野谷篤君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#140
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度総予算三案を一括して議題とし、働き方改革・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き質疑を行います。石橋通宏君。
#141
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 午前中に続きまして質問させていただきたいと思いますが、質問に入ります前に、今日午前中でも冒頭議論になりましたけれども、森友学園に関わる公文書書換え疑惑ですね、これ断続的に資料の要求をしてきたわけで、昼の理事会でも議論をいただいたと思いますが、依然として財務省はゼロ回答ということであります。
 これ、疑惑を一刻も早く解明するためには、これ資料、ちゃんと調査をされて提出をしなければいけないと。参議院で議論になったのに衆議院でどうのこうの言って、まず参議院のこの予算委員会に資料を一刻も早く出すということで対応いただかなければいけないということで、重ねて早急に対応いただくことをお願いをし、質問に入りたいというふうに思います。
 午前中に、野村不動産の過労死事案について総理も大臣も知らなかったと。これ、大臣、知らなかったで、さらっとでいいんですか。大臣にこのことが昨年十二月二十六日の段階で報告として上がっていなかったことについて、大臣、これ大問題だと思われませんか。
#142
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、過労死等について、年間百を、二百を超えるものがあるわけでありますけれども……(発言する者あり)いや、トータル、足すとですね、それについて一つ一つ事案が上がってきているわけではないということでございます。
#143
○石橋通宏君 これ、大臣、野村不動産の件は特別指導に入っているんですよ。じゃ、特別指導のきっかけは何だったんですか、大臣。
#144
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれの事案、どういうきっかけで監督指導、これは特別監督指導ですが、しているということについてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、様々な情報、あるいは労災についても過労死等のことが懸念、懸念されるというか、過労死等につながっている、こういったことについては、それも一つのきっかけとして監督指導が一般的には行われていると、こういうように承知をしています。
#145
○石橋通宏君 これ、大臣、なぜ問題かというと、この間ずっと国会質疑やられてきたでしょう。総理も答弁されているんですよ、この問題について。むしろ、この野村不動産の件は労基署、労働局が指導に入ってこれが発覚したんだと。あたかもそれが機能している好事例のように繰り返し答弁されてきたんですよ。だから、その他の多数の今の事案と同じじゃないんです。今百何件あるから、それ一つ一つは、でも違うでしょう。繰り返し国会で質問されて、で、好事例のように答弁をされて、その中で事務方から、いや、実は過労死の労災申請があったんです、認定が下りていたんです、これが野村不動産の裁量労働制の適用労働者だったんです。そのことを報告受けていなかった。
 じゃ、国会答弁何だったんですか。好事例として使っていた、でも実は裁量労働制の過労死事案だったじゃないですか。これは問題だと思わないんですか、大臣。
#146
○国務大臣(加藤勝信君) いや、好事例というよりも、そういった形で監督指導に入っていますということを申し上げたのであって、実際問題として、野村不動産において本来適用されるべきでないそうした業種というんでしょうかね、もこの企画裁量型の対象にしていたと、こういう問題があって、それに対してこういう監督指導を行って、そして今、是正に向けて努力をしていると、こういうことを申し上げたわけでございます。
#147
○石橋通宏君 これ、大臣、隠蔽したんじゃないかという疑いすらあります。何のきっかけで特別指導に入ったのか。恐らくは、昨年、労災の申請が出て、調査に入ってみたら過労死、これ裁量労働制の適用労働者だった。それがきっかけとなって特別指導に入ったんじゃないですか。にもかかわらず、過労死が実際に発生していたことを隠されていたのではないかという疑いすら持たれています。
 この方、最長で月百八十時間の残業時間だったそうです。裁量労働制の適用対象者です。百八十時間ですよ、これどうされますか。これ、まさにこの事例は、大臣、残念ながら現行の制度、労基署、届出があったときのチェック、それからその後の様々な報告事案、それではこの問題が発覚しなかった、つまり現行制度に問題があることの証左じゃないですか。
#148
○国務大臣(加藤勝信君) まず、隠蔽ということで申し上げれば、特段隠蔽しているわけではなく、そして今申し上げたように、個々の特別指導等あるいは監督指導等、どういうきっかけで入ったか、これについては具体的にはコメントを差し控える。しかし一方で、監督指導のきっかけとしては、先ほど申し上げたように、様々な情報や、あるいはそうした労災認定、特に過労死につながる、こういったものを端緒として、これは実際やっているということはこれまでも度々答弁をさせていただいているところでございます。
 その上で、そうした事案があると。今回、個別についてはコメントは控えたいと思いますけれども、しかし、そうした事案があるということは我々十分認識をさせていただいているところでありまして、必要な監督指導を、これまでもそうでありますし、今後ともしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
#149
○石橋通宏君 これ、本当、これまでの衆議院での委員会、度々この問題は質疑行われて答弁されているんです。にもかかわらず、一切この過労死の件については言及がありませんでした。
 これ大臣、大臣の責任において、これ何で、どこで止まっていたのか、どこまで事務方が知っていたのか、これ調査して報告してください。
#150
○国務大臣(加藤勝信君) これまで過労死事案については具体的なことをこちらからは申し上げておりませんので、それにのっとった対応をさせていただいたということでございます。
 なお、裁量労働制についてどれだけあるかについては、今の件は二十九年に入りますけれども、二十六年、二十七年、二十八年についてはそれぞれ何件あるか、先ほどトータルで何件あるかも常に申し上げさせていただいているところでございます。
#151
○石橋通宏君 これすり替えですね、大臣。これ本当に答弁で使っていたんですよ。だから、なぜ大臣がこの野村不動産の件について知らなかったのか、どこまで事務方が知っていたのか。これ、いや、本当に恥ずかしい話だと思いますよ、大臣が報告上がっていなかったとすれば。
 これ絶対に調べてちゃんと報告していただきたい。これ、じゃ委員長にお取り計らいをお願いします。
#152
○委員長(金子原二郎君) 理事会で協議をさせていただきます。
#153
○石橋通宏君 これ、本当に労基署のチェックが残念ながら機能していないことの証左ではないかというふうに思うわけです。
 大臣、事実関係確認します。
 裁量労働制の届出、これ、専門にしても企画業務にしても、届出のときに、じゃ例えば労使委員会若しくは過半数労働組合ないしは従業員代表、労働者代表がちゃんと民主的なやり方で選出をされているのか、手続にのっとっているのか、このことはチェックされているんでしょうか。
#154
○国務大臣(加藤勝信君) 労働基準監督署においては、届け出られた専門業務型裁量労働制に関する、これは協定届でございます、また、企画業務型裁量労働制に関する、これは決議届でございますが、に記載されている過半数代表者や任期を定めて指名された労働者代表の委員などについて、届出の内容から法定の要件が満たしているか確認し、これに合致していない場合には差し戻し、そして再提出を行うよう指導しているところでございます。
#155
○石橋通宏君 これ、今書面のことを言われたんだと思いますが、過半数の従業員代表、労働者代表が適正に選出をされているのかということが現行手続上チェックができますか。
#156
○国務大臣(加藤勝信君) その届出の段階では、それは口頭で確認する以上、実際そこへ監督指導するということには、監督指導のようにその場所に入ってそれを確認するということではなくて、あくまでも書面から出されたことについて実際どうなっているかを口頭等で確認するということになると思います。
#157
○石橋通宏君 事前に事務方はチェックしていないというふうに言っておりました。書面上、それチェック、要は書面で要件満たしているかのチェックしかできないわけです。ちゃんと選出されているかまではチェックされていないというのが実態です。
 例えば企画業務型、本人同意が要件になっておりますが、全ての労働者について適正に本人同意が確認をされているのかチェックをされていますか。
#158
○国務大臣(加藤勝信君) 企画業務型裁量労働制では、今委員御指摘のように、労使委員会において対象労働者の同意を得なければならないことや、当該同意をしなかった労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことを決議することとされております。
 厚労省においては、こうした本人同意の手続や不利益取扱いの禁止条項について一つ一つ把握しているわけではありませんけれども、個々の事業場の監督指導においては、そうした点も含めて裁量労働制の適正な運用がなされるかを確認し、必要な指導を行っているところでございます。
#159
○石橋通宏君 今の答弁で大事だったのは、把握していないという部分です。把握していないんです。総理もよく聞いておいてください、把握していないんです。何のために本人同意の手続、要件にしているんですか。それ把握していなかったら意味ないじゃないですか。
 大臣、もう一つ聞きましょう。先ほどもちょっと触れておられました労基署の報告義務があります。六か月ごとに報告をすることになっています。何を報告しますか。
#160
○国務大臣(加藤勝信君) 使用者は、企画業務型裁量労働制の対象労働者の労働時間の状況や当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況について、労使委員会の決議が行われた日から起算して六か月以内ごとに一回報告しなければならない、こういうことになっています。
#161
○石橋通宏君 労働時間の状況について六か月ごとに報告しないといけないんです。では、その報告の結果を精査されて、集計されて、公表されていますか。
#162
○国務大臣(加藤勝信君) 報告については集計を、ごめんなさい、内容の集計については行っておりません。何件ぐらいあったかということは集計をしておりますけれども、報告が何件あったかは集計しておりますが、個々の内容については集計をしておりません。
#163
○石橋通宏君 何のために報告義務を課しているんですか。労働時間、裁量労働制の適用労働者について、企画業務型は専門業務型にはない特別の縛りを掛けているわけです。その必然性があるからです。そうでしょう。制度導入時にそうしたわけです。ちゃんと報告をさせる、労働時間の状況について報告義務を課しているんです。報告義務を課しておいて、それを集計もしていない、公表もしていない、実態把握していない。何のための報告義務ですか。
#164
○国務大臣(加藤勝信君) これは、法律、いわゆるこの裁量労働制ができてからずっとこういう体制でやらせていただいております。
 そういう中で、そういう中で……(発言する者あり)いや、大事なことはマクロの数字ではなくて一つ一つの事業所がどうなっているかということでありますから、基本的に報告は監督署に出されることになっているわけであります。そして、その監督署がそれを見ながら、またそれ以外の情報もあるかと思いますけれども、監督指導先を精査し、選択をして、そして実際この監督指導に当たっている。そういった意味における一つの資料として活用していると、こういうことであります。
#165
○石橋通宏君 今の答弁、おかしいですね。じゃ、何で野村不動産の件が発覚しなかったんですか。百八十時間もの実態があって、それ報告に上がっていたんですか、上がっていなかったんですか。上がっていて、基準署がちゃんとミクロで一つ一つ見るんですと今大臣答弁した。何で発覚しないんですか。見ていないからでしょう。
#166
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、個別の話についてはちょっと私、一つ……(発言する者あり)いやいや、野村不動産の報告書にどう書いてあったかまでは正直言って把握、承知をしていないということでございます。ただ、それらを踏まえて、それぞれの監督署において今申し上げたことを一つの資料としながら監督指導に当たっていると、こういうことであります。
#167
○石橋通宏君 いや、大臣、ひどい答弁ですね。さっき、一つ一つちゃんとやるんですと、いや、でも、野村の件がどうなっていたか分かりません。結局、事業所がどういう実態を報告しているのか、それをちゃんと本当に精査しなければ、全体の状況を確認しなければ、適正な施策なんて打てないじゃないですか。だから報告義務を課しているわけでしょう。それで、厚労省がまとめていない、公表もしていない。これをちゃんとやっていれば、あんなずさんな調査掛けなくてもよかったわけです。
 半年ごとにこの報告の義務を中身も含めてちゃんと強化をする、そのことが現行裁量労働制の適用をより適正化する、そのために必要な対策だと思いますが、大臣、是非それをやってください。
#168
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、御指摘のように、こうした指導とかあるいは上がってきたもの、あるいは労災も含めてそうですけれども、これはしっかり我々もICT化を進めて、そして事務負担も軽減しながらより実態が把握していくように取り組んでいかなきゃいけない、それは委員御指摘のとおりだというふうに思います。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、マクロで使うこともこれは制度を議論するときには必要だと思います。
 また、個々の指導においては、個々の案件がどうなっているかということを一つの報告としながら、それ以外の情報等もございますから、そういったものもしっかり受け、収集しながら、本当に必要なところ、残念ながら監督官も限られておりますから、そういったものを効率的に活用して監督指導に当たり、今様々御議論いただいている問題点、実際、裁量労働制含めてそれぞれあることは事実でありますから、それの解消に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。
#169
○委員長(金子原二郎君) 時間来ていますので。
#170
○石橋通宏君 時間が来ましたので終わりますが、答弁聞いて国民の皆さんも本当にこれが働く者のための改革なのか疑念を持たれたと思います。しっかり追及していきます。
 ありがとうございました。
#171
○委員長(金子原二郎君) 以上で石橋通宏君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#172
○委員長(金子原二郎君) 次に、佐々木さやか君の質疑を行います。佐々木さやか君。
#173
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 東日本大震災から間もなく七年となります。公明党は、今月、東北の被災各県で復興加速化会議を開催をいたします。また、熊本地震から来月で二年となります。昨日、私も熊本に行かせていただきましたけれども、ようやく今自宅の修理が終わりましたと、そういう方もいらっしゃいました。
 改めて冒頭、復興への、復興加速化への決意を申し上げまして、質問に入らせていただきます。
   〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
 総理は働き方改革を掲げています。違法な長時間労働で社員を過労死に追い込むようなことは絶対に許してはならないと思います。働く方の健康をしっかり確保していく、そして、子供を育てながら働くお母さん、お父さんたち、親の介護の問題に直面をした働き盛りの方、こういう方々が仕事と家庭の両立をできるようにしていく必要があります。
 他方、生産年齢人口の減少の中で、中小企業を中心に人手不足、こういったことも深刻化しているわけでございます。こういった問題を解決するためにも、長時間労働が当たり前というような働き方は変えなければなりません。同時に、仕事の効率化など、生産性を向上させる、そうした働き方改革、これが重要でございます。
 裁量労働制については、今回、法改正から削除するとの判断でありますけれども、働き方改革の実現は何としても行っていかなければならないと思いますが、総理の決意を伺います。
#174
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の裁量労働制に関する厚生労働省のデータに対して国民の皆様に疑念を生じさせることになったことでございまして、今後はこうしたことを決して繰り返すことのないようにしなければならないと考えております。
 裁量労働制については、今回の改正から全面削除することとしました。裁量労働制の実態について厚生労働省においてしっかりと把握し直すこととし、その上で議論をし直したいと考えております。一方、裁量労働制以外の部分については予定どおり国会に提出したいと考えております。
 働き方は日本の企業文化そのものであり、日本人のライフスタイル、働くということに対する考え方に根付いたものであります。長時間労働についても、その上に様々な商慣行や労働慣行ができ上がっています。それゆえ、多くの人が働き方改革を進めていくことは、ワーク・ライフ・バランスにとっても、あるいは生産性にとっても良いこととは気付きながらも残念ながら実現できなかったものでありまして、もはや先送りは許されないと思います。働き方改革をしっかりと実現していきたいと考えております。
#175
○佐々木さやか君 長時間労働が働き方改革によって是正をされて、フルタイムの勤務をしていても、必要があれば仕事をしっかりとこなした上で早めに帰ることができると、こういう職場環境が実現をしていけば、育児ですとかそれから介護と仕事の両立も実現ができるようになっていくわけでございます。
 しかしながら、まだまだ現実にはそういった環境ではない中で、特に働くお母さん方が声がいただいておりますのが短時間勤務制度であります。勤務時間が八時間、そしてプラス残業ということではなくて、六時間とか七時間、こういう働き方であれば、子供を迎えに行って、そして御飯を作って、お風呂に入れて寝かし付けるということもできるわけであります。
 あるお母さんは、お子さんが三歳で、課長職に就いていらっしゃいます。通勤にも一時間以上掛かる中で必死に頑張っていると。育休から復帰をして、今は短時間勤務をしているけれども、会社に短時間勤務という制度があって本当に助かっていると、こういうふうにお話をされていました。
 しかしながら、もうそろそろフルタイムに復帰をしなければならない時期が来ていると。この仕事と育児と、こういうもうぎりぎりのバランスの中で一生懸命頑張っている。是非仕事は続けたいんだけれども、他方で、この短時間勤務のできる期間も終わってしまって、これ以上もう本当にこの仕事で頑張って頑張って、そこまで頑張って今の会社を続けなくても、一時期専業主婦になってもいいのかな、こういう思いも持つこともあるそうであります。
 しかしながら、何とか勤めを続けたい、こういう方が実際にいる、数多く恐らくいらっしゃると思います。女性の活躍と、こう言っている中で、大変こういう方が仕事を辞めてしまうというのはもったいないのかな、このように思っております。
 この短時間勤務制度につきましては、今は三歳までは労働者から申出があれば認めるということが企業に法律で義務付けられております。そして、小学校入学までの間、これについては努力義務とされております。しかしながら、この努力義務について履行をしているのは約三割にとどまっております。
 それから、小学校に入学してからも問題なんですね。御存じだと思いますけれども、小学校に入学した後はかえって保育所に通っていたときよりも早く家に帰ってくるので、お母さん方もそれに合わせてより早く帰る必要があると。ですので、先ほど紹介した働くお母さんもおっしゃっていましたけれども、こういう短時間勤務制度のような働き方が小学校に子供が入学した後もできたらどんなにいいだろうか、こういう声でございました。
 ちなみに、この短時間勤務制度、正規雇用だけではなくて、契約社員ですとか、それから派遣の方も対象になります。非正規、また男性も含めて、よりこの制度の利用、普及を進めることが働き方改革にも私はつながっていくのではないかと思っております。
 先ほど法律で義務付けられていると申し上げましたが、実はこのそもそもまだ制度がないという事業所も一定割合あります。こういった短時間勤務制度というもの、実際にやっぱり働くお母さん方は非常に支えられている、こういう制度でございます。ですので、より普及を進めていただきたいとともに、先ほど申し上げたように、小学校入学まで、また小学校に入ってからも企業の努力として利用ができるように、そういう選択肢を従業員に提示することができるように、是非厚労大臣の方からも取組を進めていただけないでしょうか。
#176
○国務大臣(加藤勝信君) 非正規で働く方含めて、また男性の働き手も含めて、子育て中の働く方がその事情に応じて短時間勤務制度を利用できる、そしてその一層の普及を図る、これは極めて重要でございます。特に、出産まで働いていた方が引き続き出産後働き続けるか。最近においては、かつてはもう半分以上の方が辞めてしまった、ところが今は半分を超えるところまでは転じてきているわけでありますが、その一つの要因としてもこの短時間勤務制度があるのではないかという、こういう分析をされている方もいらっしゃいました。
 育児・介護休業法においては、委員からも御指摘がありました、三歳に達するまでの子を育てる労働者について短時間勤務制度を導入、実施するよう企業に義務付けているほかに、所定外労働を制限をする、あるいは就学前まで使える法定時間外労働や深夜業の制限、これを請求できる、こういう仕組みも設けているわけであります。
 現行まだこうした仕組みを入れていただいていない、あるいは活用されていない方もいらっしゃいます。引き続き、パンフレット等を活用して普及をしっかり図っていきたいと思っております。
 他方で、短時間勤務制度の対象年齢の引上げについては、法定の三歳に達するまでを超えた利用可能期間を設けている企業、これを好事例として紹介するとともに、平成二十八年の三月二十九日、参議院の厚生労働委員会で、雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議においてもここに言及をされております。これを踏まえて、今後、制度利用者のキャリア形成に与える影響など、制度の施行状況も見ながら、関係者の意見を伺い、検討していきたいと思っております。
#177
○佐々木さやか君 今大臣も触れていただきましたが、一つ、この短時間勤務制度の利用に関する課題としてキャリアアップの問題がございます。制度を利用する場合、やはりフルタイムで働いて、しかも残業をするという方たちに比べると補助的な仕事を頼まれやすい、また、複雑な難しい仕事をこなすという経験、そういう経験をする機会を与えられないということで、結果的に昇進などの場合に不利になりやすいと、こういう問題がございます。
 しかしながら、それでは子育てと仕事を両立して、そして女性が管理職の三割を占める、こういう政府目標を達成することは難しいわけでございまして、それに加えて、これから介護の問題も増えていきます。ですので、女性だけではなくて、誰もがこういう通常よりも短い時間で、そして効率的に働いていく、そして同じようにきちんと評価をされてキャリアアップもしていくことができる、そういうことが当たり前の働き方を実現していかなければならないと思うんですが、この職場環境をつくっていくということについては厚労大臣はどのようにお考えでしょうか。
#178
○国務大臣(加藤勝信君) 育児をしながら短時間の勤務を利用している方々を含めて全ての働き手が適切に評価される、またキャリアアップすることができる、こうした職場環境を整備していくことは大変重要だと思います。
 今現在、育児・介護休業法において、事業主が育児休業や短時間勤務を取得したことを理由として不利益取扱いを禁止する、フルタイムの労働者と同様に適切に処遇されるよう、事業主に対しパンフレット等によって周知啓発を行っております。また、労働者が育児休業を取得しやすく、短時間勤務などを含め、円滑に職場復帰できるための育休復帰支援プランの策定支援なども行っているところでございます。
 さらに、今回の働き方改革による長時間労働の是正などの取組を通じて、残業を前提としない、こうした働き方が広がることで効率的に業務を行っていくことが可能になっていく。また、時間ではなくて、本当に成果で評価してほしいという声もお聞きをいたします。
 短時間勤務等、育児中の方が仕事を続けやすい、こうした職場環境の実現をしっかり図っていきたいと、こういうふうに思います。
#179
○佐々木さやか君 働くお母さん、お父さんが子供を預ける先として二つ考えられます。一つは保育所、そしてもう一つが幼稚園であります。
 この幼稚園というのは、三歳から五歳の子供たちが大体朝九時から午後の二時ぐらいまで通うわけでありますけれども、横浜では、私立幼稚園の約六五%が預かり保育として朝七時半からそして夕方の六時半まで、長時間子供を預かるということをしております。そして、約七千人の方がこの幼稚園での長時間預かりを利用しておりまして、その実に八割が保育所の入所対象ともなるということでありまして、保育の受皿としてこの幼稚園の預かり保育が重要な役割を果たしております。六時半までに間に合うように先ほど申し上げたような働き方で帰ってくることができれば、正規で働いていても幼稚園を利用するという選択肢もあるわけでございます。
 この保育の受皿として重要である長時間の幼稚園での預かり保育、これ、全国的により普及そして充実をさせていくということが待機児童の問題にとっても解消につながることとして重要ではないかと思うんですが、文科大臣、いかがでしょうか。
#180
○国務大臣(林芳正君) これまでも、共働き家庭のニーズに対応して多くの幼稚園で預かり保育が実施されてきております。今、佐々木委員からも横浜市の例を出していただきましたけれども、まさに待機児童対策の観点から長時間の預かりをより一層推進していくということが重要であるというふうに考えております。
 政府としては、一時預かり事業や、また私学助成というのもございますので、幼稚園の預かり保育に対する支援を行っておりますが、平成三十年度予算案においては、子育て安心プランに基づきまして長時間また長期休業中の預かりに対する補助の充実を盛り込んだところでございます。
 こういった取組を通じて、幼稚園における預かり保育の更なる普及、充実に努めていきたいと考えております。
#181
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 三歳から五歳は幼稚園が一つの受皿としてございます。ですので、待機児童も数として多いのは、問題はゼロ、一、二歳と、このように言われているところであります。改正育児・介護休業法が昨年施行されまして、育休について改正がされました。保育園に入れないなどの事情がある場合には二歳まで育休が取れるようになったわけであります。そして、三歳以降は今紹介をした幼稚園という選択肢もあるという中で、そこの間の二歳、これをどうするかということが問題だと思います。
 そこで、幼稚園についてなんですけれども、幼稚園では三歳から五歳が原則でありますけれども、今も慣らし保育などで二歳を受け入れていると、こういうこともございまして、この二歳児を幼稚園で預かるという仕組みができていけば、一つの選択肢としてですけれども、二歳までは育休で、そして二歳からは幼稚園と、こういうこともできるのではないかと、お母さん方の一つの、お母さん、お父さんの一つの選択肢としていかがかと思いますが、文科大臣、この点はどうでしょうか。
#182
○国務大臣(林芳正君) 幼稚園においては、これまでも認定こども園への移行等を通じて、二歳児を含めた待機児童の受入れに積極的に取り組んできたところでございます。認定こども園数五千八十一園のうち、幼稚園から移行したものは二千三百四十一園あるわけでございます。これに加えまして、昨年六月に子育て安心プランを策定をさせていただきましたが、幼稚園のままでその保育を必要とする二歳児を受け入れる新たな仕組みを創設することとなっておりますので、平成三十年度の予算案にこれに必要な経費を盛り込んでおるところでございます。
 文科省としても、こうした取組を通じて幼稚園における待機児童の受入れをより一層推進していきたいと考えております。
#183
○佐々木さやか君 平成三十年度の予算案にこの点について盛り込んでいるということであります。できるだけ早く各地域でこの二歳児の幼稚園での受入れ、スタートができるように後押しをしていっていただきたいと思います。
 そして、総理にお伺いをいたしますけれども、今御説明申し上げましたように、この幼稚園での預かり保育というのは非常に保育の受皿として重要な役割を現在も果たしております。そして、幼児教育の無償化、私たち公明党も強く進めているところでございますけれども、この幼児教育の無償化に仮にこの幼稚園の預かり保育が対象にならないとすると、保育所だけが無償化になるということになると、みんなこの保育所の方を希望するわけですね。そうすると、ますます保育所の待機児童が増えることになりますし、役割として幼稚園の長時間の預かり保育も保育所と同じような役割を果たしているわけでありますので、やっぱり働くお母さん、そしてお父さん方の立場からしてみれば、両方とも無償化の対象にしていただきたいと思っておりますけれども、この幼稚園の預かり保育の無償化について総理の御所見を伺います。
#184
○国務大臣(林芳正君) 少子高齢化を克服するためにも、待機児童の解消は待ったなしの課題でございます。このため、政府としては、昨年六月に策定をいたしました、先ほど申し上げました子育て安心プランを前倒ししまして、二〇二〇年度までに三十二万人分の受皿整備を進めるというふうになっております。
 今御指摘の幼稚園の預かり保育についても、待機児童の解消のために重要な施策の一つとして一層の推進が必要だと考えております。預かり保育の取扱いを含めた無償化の対象範囲については、新しい経済政策パッケージに基づき有識者検討会を設置をいたしましたので、そこでもう既に検討が始まっておりますが、現場の皆さんや関係者の皆さんの声を丁寧にお聞きしながら、今年の夏までに結論を出したいと思っております。
 我々としては、預かり保育に関する現場の実態をよく把握しながら、具体的な検討にしっかりと参画していきたいと思っております。
#185
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な考え方について文科大臣から答弁させていただきましたが、幼稚園における預かり保育を無償化の対象とするかどうかについて、委員の御意見はしっかりと承りました。その上で、今後、保育の必要性及び公平性といった観点からしっかりと検討を進め、幼稚園の預かり保育の取扱いも含め、夏までに結論を出してまいりたいと思います。
#186
○佐々木さやか君 是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 次に移りますけれども、今国会で民法の成年年齢の引下げの改正案の提出が予定をされております。近い将来に成人を十八歳とする内容でございます。十八歳選挙権というのは二〇一六年にスタートをいたしました。少子高齢化が急速に進む我が国において、国の将来を担う若者が様々な分野で積極的に活躍できる社会をつくっていく、そういう意味で、この成年年齢の引下げというのは若者の社会参加の時期を早めるものでありまして、社会の一員としての自覚を高め、若者の活躍につながる、こういう効果が期待されます。
 しかしながら、この成年年齢の引下げに当たっては、若者がその年齢でしっかりと自立するという、それだけの環境整備、これが重要だと思っております。
 選挙権というのは権利を付与されるものでありますけれども、この成年年齢の引下げというのは、親の同意なしに契約なども自分でできるという反面、未成年者であるということで契約を取り消せる、こういう大変強力な取消し権を十八歳、十九歳については失うということを意味します。そのほか、親などの保護下になくなるということでもあるわけであります。
 学生の皆さんとか若い皆さんとお話をしていても、もう本当に自分が社会に出て大丈夫だろうか、こういう不安を抱いている方もいらっしゃる、こういう印象を他方で私は受けております。例えば消費者被害とか、そういったことも心配をされるわけでありますけれども、消費者教育を充実をしたり、いろいろな制度の整備も必要だろうと思っております。
 こうした環境整備をしっかりとした上で、成年年齢の引下げをしていく必要があると思います。この点、教育については文科省、それから消費者被害の防止については消費者庁ですし、若年者の自立支援という観点では厚労省も関係します。そして、成人式の時期、在り方と、こういったことについては総務省も関連をすると思いますけれども、法案自体は法務省ですね、大変多くの省庁にまたがっていることでございます。
 しかしながら、この成年年齢の引下げというのは、非常に大きな改正となることでありますし、社会的な影響も大きくなります。ですので、是非この環境整備について省庁横断的に全体として取り組んでいただきたい。そして、どういう環境整備をするのか、これを、目標を明確にして、進捗状況もしっかりと管理をして取り組む体制をつくっていただきたいと思います。
 このことは公明党としてもこれまで政府に対して強く主張をしてまいりましたけれども、総理、いかがでしょうか。
#187
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 成年年齢の引下げに係る民法改正法案に関しては、現在、今国会への提出を目指し、所要の手続を進めているところであります。政府としても、委員御指摘の消費者被害を防止する施策など、成年年齢の引下げに向けた環境整備については、改正法案の成立後も引き続き政府一体となって取り組む必要があるものと認識をしています。
 こうした観点から、法案を所管する法務省を中心として、委員御指摘の省庁横断的な会議体の設置に向けて検討を進めているところであります。
   〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
#188
○佐々木さやか君 検討していただいているところということで、本当にこれは重要なことですので、是非ともお願いをしたいと思います。
 次に移らせていただきますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまで二年となりました。この東京オリンピック・パラリンピックのレガシーの一つとして是非残していきたいのが、共生社会の実現、また障害のある方もない方も共に参加できるユニバーサル社会の実現であります。(資料提示)
 そこで、障害のある方の社会参加、また活躍について質問をしていきたいと思います。
 先日お会いしたある男性の方にこういうふうに言われました。あなたが国会で質問をしているのをテレビで見たよ、でも何を言っているのか分からなかったよと言われたんですね。この方は聴覚に障害がある方なんです。
 国会質問のNHK中継は字幕放送がされておりません。今も中継していただいていますけれども、字幕放送は出ない。この字幕放送というのは、民放の番組とか、この下に出るテロップとはまた違って、リモコンのボタンで字幕というのがあります。あれを押すと、字幕放送をしている番組というのは、言っていることが画面に字幕で出るんですね。付けたり消したりすることができます。この字幕放送というのは、聴覚障害の方のほか、病院とか静かな環境でテレビを見なければならない場合とか、それから耳が聞こえにくくなった高齢者の方などにも利用をされているわけであります。
 この字幕放送については、総務省が、放送分野における情報アクセシビリティに関する指針というもので普及目標を定めております。NHK、また民放各局でも字幕放送がされるようにだんだんなってきているんですけれども、今日お手元に資料も配らせていただいておりますが、この国会中継についてはいまだに全くこの字幕放送がされていない、実現をしておりません。ですので、聴覚に障害のある方というのは、この国会中継については全く情報を得ることができないわけですね。議事録というものが後に公開されますけれども、これは大体公開まで平均十日掛かります。長いともっとですね、二週間とか三週間とか掛かる場合もあるわけであります。
 聴覚に障害のある方が、この国会でどんなに重要な議論が今なされていても、それに対してアクセスができないというのは、やはり知る権利の観点から大変問題ではないかというふうに私は受け止めております。実は、この点は当事者団体の皆様からも要望を受けておりまして、公明党として大変重く問題を受け止めております。
 NHKは、総務省の指針に基づいて、字幕付与可能な全ての放送番組について平成二十九年度に字幕放送を一〇〇%達成する目標、これを掲げております。ここに国会中継も含まれるわけでありますけれども、先ほども申し上げたように達成ができていないと。平成二十九年度に一〇〇%と言っておられるわけでありますので、これは是非早期に実現をしなければならないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#189
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKは、全ての視聴者が見やすく、聞きやすく、分かりやすく、安心して視聴できる、人に優しい放送サービスの充実のため、字幕放送を拡充し、総務省の指針の達成にも努めてまいりました。
 国会中継につきましては、現時点の字幕表示の正確さ、表示の遅れなどの技術的水準では国会の審議を正確、公平に伝え切れない懸念があり、字幕を付与していませんが、引き続き努力を続け、人に優しい放送サービスを充実するため、できることから着手してまいりたいと考えております。
#190
○佐々木さやか君 確かにその正確性の確保という問題はあるわけですけれども、いろいろ工夫の仕方はあると思うんですね。国会中継の中にも、こういう予算委員会の中継もありますけれども、総理の施政方針演説とか本会議の中継なんかもあります。そういうものは大体原稿があって、例えば事前にどういうテーマが扱われるか、そういうものが分かるような、予想しやすい国会中継というのもあると思います。
 ですので、できるところからやっていきたいと今御答弁いただきました。是非できるところからでもしっかりやはりやっていきたい、こう思います。正確性の確保という問題がある、技術上の課題もあると思いますけれども、やはりこのときに、国民の知る権利という観点からも努力をしていきたい、今日御出席の先生方からも是非御理解をいただきたい、こう思っております。
 総務大臣に伺いたいんですが、今の話はNHKの話ですけれども、例えば地方のテレビ局なんかは、財政的に余裕が余りないということもありまして、字幕放送がほとんどできていないというところもございます。しかしながら、今いろんな技術があります。自動音声認識なんかもすごく精度が上がってきていると。
 いろいろな技術を使えば、そういう財政的に余裕が余りないという局であっても、聴覚に障害のある方に字幕付きでテレビの放映を見ていただけるような、そういうこともできるんじゃないかというふうに思うんですが、こういう技術の開発、是非力を入れて取り組んでいただけないでしょうか。
#191
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 聴覚障害のある方や御高齢の方も含め、全ての視聴者がテレビジョン放送の内容を理解し、情報アクセスの機会を確保できるようにするために、字幕放送の拡充というのは重要な課題であります。
 今お話がありましたように、総務省では、字幕放送の拡充に向けて放送事業者の字幕放送に関する普及目標を指針として定めるとともに、テレビジョン放送に字幕を付与することに資する技術開発や実証にも取り組んでいるところです。例えば、平成三十年度には音声認識技術の向上のための研究開発とか、字幕が付与されていない放送番組について放送番組と連動してスマートフォンや、スマホやタブレットに字幕を表示させる実証事業などに取り組むこととしています。
 総務省としては、引き続き、放送事業者の字幕付与の拡充を積極的に推進し、放送における情報のアクセシビリティーの向上にしっかりと取り組んでまいります。
#192
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 次に移りたいと思いますが、盲聾という言葉を皆さん御存じでしょうか。視覚と聴覚の両方に障害がある場合のことを盲聾といいまして、誰もが知っている方を挙げればヘレン・ケラーがそうであります。日本でも盲聾者として初めて東京大学教授になられた福島智さんという方がいらっしゃいますけれども、本当に光も音もないという世界に生きるというのは大変な困難を伴うことだというふうに想像いたします。
 この盲聾といいましてもいろいろな方がいらっしゃいまして、生まれつき盲聾という方もいらっしゃれば、病気などいろいろな原因で途中で視力、聴力を失う方もいます。また、その順番としても、先に目が悪くて後から聴力も失う方とか、またその逆のパターンとかですね、そして御高齢に伴って聴力が悪くなるという場合もあるわけでございます。
 こうした盲聾者というのは、平成二十四年の実態調査によりますと、全国に約一万四千人いるというふうに言われております。しかしながら、まずそもそもですけれども、この盲聾という言葉自体余り知られておりませんし、支援体制も不十分であります。一人では外出ができませんので、多くの方が家に閉じこもりがちになってしまうそうであります。
 こういう重複障害を持っていても社会に参加ができる、こういう共生社会のために、盲聾者に対する支援の充実、そして障害への理解、認識を深めるための啓発、これに是非力を入れていただきたいと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#193
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 盲聾者の方々は、目と耳の両方に障害があることから、日常生活や社会生活を営むに当たって様々な困難を抱えていらっしゃると承知をしております。このため、そうした障害特性に応じたコミュニケーション、情報取得、外出等の支援を行うことや、盲聾者の生活の困難さについての周囲の理解が促進されることなどが非常に重要であると認識をしています。
 そのため、現在、政府では、盲聾者の方がより安心して外出できるよう、盲聾者が外出する際に専門の通訳・介助員が付き添って支援する体制を整える、地域住民の障害への理解を深めるため、啓発活動に取り組む自治体に対して財政支援を行い、心のバリアフリーを推進するといった取組を行っています。
 引き続き、こうした支援や普及啓発を通じて、盲聾者の方々が地域で安心して暮らせるよう取り組んでまいりたいと思います。
#194
○佐々木さやか君 総理からこれから更に力を入れて取り組むという言葉をいただきましたけれども、この今御紹介もいただいた盲聾者の方の通訳、介助を行う、そういう専門の方がいらっしゃいます。しかし、まだまだ数自体少ないですし、また専門性の向上という観点でも課題がございます。
 この点、盲聾者のための日本で初めて支援センターが東京都にできましたけれども、二〇〇九年だったと思いますが、そこの東京の盲ろう者支援センターでは、この通訳・介助者の方に対する研修も大変充実したものを行っております。
 ただ、ほかの地域はそうではないんですね。この支援センターというのも全国で二、三か所といったところでございまして、専門性の高い研修を行うための指導者というものも地域にいないということが現状であります。
 どういうコミュニケーションを取るかというと、目も耳も聞こえないということでありますので、手に指で文字を書いたりとか、それから、盲聾者の方の両手を点字のタイプライターに見立てて、指点字というものがありますけれども、そういったことを通訳・介助者の皆さんが行うわけですけれども、そういう専門性を高める研修、この充実が重要だと思っております。
 地域でどうしても支援体制の格差が出てしまっております。その解消のために、私は、全国版の支援センターというものを体制をつくって、必要な訓練をそこに行けば盲聾者の方も受けていただける、また、そのセンターから各地域に指導者を派遣をして通訳・介助者を育成をしていくということを是非実現したいと思っているんですが、この支援の地域格差の解消について厚労大臣はどのようにお考えでしょうか。
#195
○国務大臣(加藤勝信君) 盲聾の方は、今お話がありましたように、視覚と聴覚の両方に障害があるという特性から、コミュニケーションやまた外出の支援を行う際には、それを支援する方に高い専門性が求められているわけであります。
 厚生労働省では、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業において盲ろう者向け通訳・介助員の養成研修事業を実施しておりまして、これにより、各都道府県で盲聾者特有のコミュニケーション方式や外出介助の手法などを習得した支援者の養成を図っているところでございます。
 また、委員御指摘の地域格差の改善に向けた取組でありますが、平成三十年度より盲聾者の総合リハビリテーションシステムの試行事業を実施することにしております。ここにおいては、社会福祉法人全国盲ろう者協会が中心となって、委員の御指摘もありました東京都盲ろう者支援センターなど地域の盲聾者支援機関とも協力を図り、盲聾児が利用する施設への訪問指導や盲聾者が地域生活を送れるよう支援するケアマネジメントの全国的展開、そして、それを通じて全国的な支援の充実に取り組んでいることとしております。
 引き続き、盲聾者の障害特性を考慮した専門性の高い支援が重要であると考えております。盲聾者支援についてしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
#196
○佐々木さやか君 盲聾者の方の支援のポイントとしてもう一点取り上げたいのが、支援にどうつなげるかというところなんですね。
 盲聾者の方というのは、耳も目も、目も見えない、耳も聞こえないということで家に閉じこもりがちになりますし、自分では情報を取ってくることができません。そして、家族の方も、盲聾という言葉自体余り世間で知られておりませんので、盲聾者に対する先ほど大臣が紹介してくださったような事業、支援事業があるということ自体知らない方もいらっしゃるんですね。そういう中で、例えば、耳が聞こえないので聴覚障害の支援窓口に行っても、うちは耳の悪い方は支援しますけれども目の見えない方は支援できないんですよと、こういうふうに断られてしまったりとか、また、そういう窓口で、うちではできません、うちではできませんというような形になってしまうこともあるそうであります。
 ですので、こういった盲聾者の方がどういう生活実態にあるのか、こういうことをしっかりと把握をして、そして支援につなげていくということをどうしたらいいのかというのが今現場では大きな悩みになっているんですが、この点について厚労大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
#197
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員お話のありますように、盲聾者の方々又は家族の方々、なかなかそうした障害特性等々から支援に関する情報を入手しにくい状況にあるというふうに思います。このため、こうした支援に関する情報が盲聾の当事者の方々に行き渡るようにしていく、これは大変重要であります。
 厚生労働省でも、都道府県などの自治体担当者が集まる会議の場において、当事者やその御家族、関係する事業者等へのサービスや制度内容等の周知を行うよう、各自治体にお願いをしているところでもございます。また、今月十四日にもそうした会議を開催する予定でございますので、その機会においても各自治体に、当事者やその家族等に対するサービスの周知徹底をお願いしていきたいと思っております。
 また、平成二十九年度から、視覚障害者の外出中の移動を支援する同行援護サービスの利用方法等について盲聾当事者へ周知する事業を社会福祉法人全国盲ろう者協会への委託により実施をさせていただいております。利用者への制度普及についても併せて進めていきたいと思います。
#198
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 それから、教育の点であります。盲聾児に対する教育、これは、今特別の教育機関はございませんので、盲学校、聾学校、特別支援学校に在籍をしているそういう子供たちを、担任になった先生が、いろいろと戸惑うこともありながらも、それぞれ工夫をして教育に取り組んでいただいているわけでございます。
 この盲聾児の数自体余り多いわけではございませんけれども、非常に重要だと思います。そして、人数が少ないということもあって、教え方とか接し方のノウハウを現場で蓄積することがなかなか難しいと言われております。そして、単位も小さいと、市ですとか自治体の単位だとノウハウを蓄積しにくい、こういう問題もございまして、この点は是非国の方でしっかりと取り組んでいただきたいと思うんですが、文科大臣、いかがでしょうか。
#199
○国務大臣(林芳正君) 委員からお話がありましたように、この聴覚と視覚の両方の障害を含めた複数の障害を有する方が、子供の数、七百二十四名で、特別支援学校在籍者数の〇・五%ということでございますので、この盲聾児に対する教育の必要性というのは本当に大事なんですが、しっかりやっていかなければいけないと思っております。
 学習の基盤となる外界からの情報量の不足、それから他者とのコミュニケーションの困難さ、こういうことから、日常生活の指導、教科指導に至るまであらゆる面で非常に困難が伴っております。また、他の障害種の障害がある子供に比べて今申し上げたように数が少ないということと、それからそれぞれ障害の状態が様々であるということで、この実践の蓄積や共有というのがなかなか困難な状況にあるわけでございます。
 盲聾児を担当していただく先生には、盲聾という障害に関する深い知識や技能、これを習得した上で、個々の子供の実態をよく把握していただいて、それに基づいてきめ細かい指導を行うことができる専門性というものを向上していただくことが求められるわけでございます。
 このため、独立行政法人の国立特別支援教育総合研究所というのがありますが、そこで盲聾教育における教員の専門性向上のための研究というものを行いまして、盲聾教育のための教員研修プログラムの開発を行って、その成果を研究所のホームページで公開をしております。また、この研究所の研修において、盲聾に対する理解や盲聾児の指導についての講義、これは講義そのものやインターネットによる講義配信も含めて実施をしております。
 さらに、文科省の方でも、平成二十九年四月に公示をいたしました新しい特別支援学校小学部、中学部の学習指導要領の実施に向けて特別支援教育に関する実践研究事業というのをやっておりますが、ここにおいて、盲聾児の実態把握、それから指導計画の作成、実践、評価の実践的な研究を行う取組を採択いたしまして、研究終了後には成果を公表するなどして全国に普及したいというふうに思っております。
 引き続き、盲聾児の教育に関する情報収集や研修等を行って、教師の専門性の向上に努めてまいりたいと思っております。
#200
○佐々木さやか君 盲聾児の中には、大学進学を目指す子もいます。そういう障害を抱えながら大変すごいなと、私はその話を聞いて思ったんですけれども、せっかく大学を出て専門性を身に付けても働く場所がなくて、福祉的な就労とか軽作業しかないんだと、こういう声がございます。
 大学を目指す、障害を抱えて、でもその困難を乗り越えると、こういう若い人たちに希望を持ってもらうためにも、こうした重度の障害を抱えている方への雇用支援、これが非常に重要だと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
#201
○国務大臣(加藤勝信君) 重度の視覚障害や聴覚障害がある方々が希望や能力を十分に生かして活躍することが当たり前の社会、これを実現していきたいと思います。
 厚生労働省や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構などにおいては、視覚障害や聴覚障害の方の働く職場にジョブコーチを派遣し、それぞれの障害特性に応じて業務遂行やコミュニケーション、職場環境の改善などに関するきめ細かな支援を行っております。
 例えば視覚障害がある方に関して申し上げると、執務室内でのスムーズな移動が可能になるように、機器や物品のレイアウト、動線、この検討を支援をすることなどを行っております。また、作業やコミュニケーションを容易にするための就労支援機器の無料貸出し、また、一緒に働く社員に向けた周知啓発マニュアルの作成、配付なども行っております。
 特に視覚障害と聴覚障害の重複のある盲聾の方については、その方の日常生活における配慮や工夫、それを具体的によく伺って参考にするなど、きめ細かな支援が必要であります。
 引き続き、一人一人の障害やニーズ、職場環境に対応した多様な取組により、重度障害があってもしっかりと働いていける、そうした支援を着実に進めていきたいと思います。
#202
○佐々木さやか君 よろしくお願いをいたします。
 次に、バリアフリーのことにつきまして国交大臣にお伺いしたいと思いますけれども、先日、ある女子高校生にJRの駅でお会いをしました。その日は、駅に新しく設置をされる予定のホームドアの状況を見たんですね。その女子高校生は視力に障害があるんですけれども、学校に通うのに一人で毎日その駅を利用するので、ホームドアが付くということで大変うれしいと、こういうふうに喜んでいらっしゃいました。
 こういったホームドア、またエレベーターというハード面のバリアフリー、徐々に進んできております。二〇二〇年に向けて更にこのハード面、そしてソフト面も併せて進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保するために、基幹的な公共交通機関であります鉄道のバリアフリー化は重要な課題と認識をしております。
 鉄道のバリアフリー化につきましては、バリアフリー法の基本方針におきまして、二〇二〇年度までに、一日当たりの利用者数が三千人以上の駅を原則として全てバリアフリー化することや、鉄道車両の約七〇%をバリアフリー化することを目標としております。平成二十八年度末で、エレベーター等により段差が解消された駅の割合は八七%、バリアフリー化された鉄道車両の割合は六八%となっております。
 また、ソフト面につきましても、鉄道事業者におきまして、利用者に対するバリアフリー情報の提供や職員に対する心のバリアフリーに関する教育訓練等を講じております。
 こうした取組によりまして、ハード、ソフト両面におきまして鉄道のバリアフリー化は着実に推進をしております。さらには、鉄道事業者等が施設整備等のハード対策及び旅客支援等のソフト対策に関する計画の作成や取組状況の報告、公表を行う制度を創設すること等を内容といたしますバリアフリー法の改正案をこの国会に提出をしているところであります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、鉄道のバリアフリー化につきまして、ハード、ソフト両面から一層の取組を進めてまいりたいと考えております。
#204
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックが開催をされますけれども、東京には地下鉄が多くありまして、重要な交通網になっております。その地下鉄についてこういうお声をいただきました。
 地上の地下鉄の出入口、そこから地下に下りるのにエレベーターを使いたいんだけれども、そのエレベーターがある出入口なのかどうかということがわざわざその近くまで行かないと分からないと。例えば、道路の反対側からとか、向こうに地下鉄の出入口が見えるけれども、あそこにはエレベーターがあるのかな、どうなのかなということが一目で分かるようになっていれば、例えば車椅子で、またベビーカーを押してそこまで行くということがしなくてよくて、こっちに行けばいいですよと、こういうことを是非分かりやすく表示してもらえないかと、こういう声でございました。
 お手元の資料に少し海外の事例を紹介をしておりますけれども、左側のこの赤い車両の写真なんかは、これはデンマークなんですが、自転車のマークが非常に大きく表示をされております。分かりやすいですね。それから、その隣にベビーカーと、そして車椅子の方のマークも付いていますが、この表示も日本の電車に比べるとかなり大きく、分かりやすいと思います。
 それから、分かりやすさという点では、車椅子の方とかベビーカーを押している方というのは目線が低いですので、右側の写真なんかは、これはハワイの事例ですけれども、地面に、道路にマークがあって、このとおりたどっていけばエレベーターがあるバリアフリーのルートを通れますよと、こういう事例でございます。
 こういう形で、海外からもこれからお客さんもたくさんいらっしゃいますけれども、やっぱり分かりやすい表示というものが非常に大事だと思っておりますけれども、この表示の分かりやすさというところ、国交大臣はどのようにお考えでしょうか。
#205
○国務大臣(石井啓一君) 車椅子やベビーカーなど、移動を制約されている方が駅を円滑に利用できるように分かりやすい案内表示を行うことは大変重要と考えております。
 新設の駅の場合には、バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準やガイドラインにおきまして、エレベーター設備の付近にはエレベーター設備があることを表示する標識を設けなければならないとされています。また、公共用通路に直接通じる出入口付近にはエレベーター等の配置を表示した案内板を備えなければならないこととされております。
 東京メトロや都営地下鉄では、既設の駅につきましても同様の標識や案内板の設置を順次進めているところであります。東京オリンピック・パラリンピックが開催をされます二〇二〇年には、東京の地下鉄の全ての駅にこれらの標識や案内板が設置される予定であります。
 今委員が御紹介いただいたような分かりやすい事例も踏まえまして、標識や案内板の分かりやすい設置に努力をしてまいりたいと思っております。
#206
○佐々木さやか君 やはり、こういうバリアフリー、ユニバーサル社会の実現というものは、障害を持っている方の目線に立って、どんなにその障害を持っている方の数が少なかったとしても、やっぱりその立場に立って考えるということが大切なんだろうと思います。是非、政府にも引き続き取り組んでいただきたいと思っております。
 予定していた当初の時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#207
○委員長(金子原二郎君) 以上で佐々木さやか君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#208
○委員長(金子原二郎君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#209
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 総理は、昨年十一月二十二日、参議院本会議での私の質問に対し、過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない、強い決意で長時間労働の是正に取り組むと答弁されました。
 過労死をなくすことは、働き方改革の原点です。昨年、NHKのある番組で過労死事件と向き合う弁護士が取り上げられて、娘や息子たちが過労死した御遺族の声が紹介されました。少し紹介します。
 電通勤務の高橋まつりさん、享年二十四歳を過労自殺で失った母、幸美さん。私は娘を助けられなかった、守れなかったという自責の念でずっと来た。彼女が弱かったから自殺したんじゃないかと思われるのは不本意。彼女の尊厳を守りたいと弁護士を頼った。娘の尊厳を守ることができ、私が今生きていられる。
 システムエンジニアの西垣和哉さん、享年二十七歳を失った母、迪世さん。なぜこんなことになってしまったのか合点がいかなかった、一生懸命育ててきた子ですから。息子は、おかん、俺のことあれからどうなったときっと聞くと思って、あの子に説明してやれることをきちんと持ってからあの子に会いに行こうと。こんなことは私だけで十分。繰り返されてはならない。
 胸が潰れる思いで聞きました。共通しているのは、なぜ我が子が死ぬほどまでに働いていたのか、なぜそのようなことになったのか原因を知りたい、そして、二度とこのようなことはあってはならないという思いであります。
 総理に伺います。こうした御遺族の声を踏まえるなら、私は、労働者が働き過ぎが原因で亡くなるなどということは絶対にあってはならないと思いますが、総理の認識、いかがでしょうか。
#210
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない。強い決意で長時間労働の是正に取り組んでいきます。そのため、史上初めて、労働界、経済界の合意の下に、三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の上限規制を導入することとしたところであります。
 我々の目指す働き方改革は、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、日本で働くことに対する考え方そのものに手を付けていく改革であります。長時間労働の是正を始めとして、働く人の視点に立った改革を着実に進めていく考えであります。
#211
○山下芳生君 総理に一点だけお聞きします。過労死の悲劇を繰り返さないためには、こうした一つ一つの過労死の事例からしっかり教訓を酌み取る必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#212
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それぞれに様々な事情があると、こう思いますので、それは当然そういう観点からしっかりと見ていく必要があるんだろうと、このように考えております。
#213
○山下芳生君 残念ながら、また新たな過労自殺が起こりました。(資料提示)昨日、朝日新聞が、裁量労働制を違法適用し、昨年末に東京労働局から特別指導を受けていた野村不動産の五十代の男性社員が過労自殺し、労災認定されていたと報じました。野村不動産は、全社員約千九百人の中で約六百人に企画業務型裁量労働制を適用していましたが、本来は適用できないマンションの営業担当者らが裁量労働制で働いていた。亡くなった男性もその一人だったということであります。
 このケースのように、裁量労働制は、本来適用が認められていない業務に濫用される危険性をはらんでいると。野村不動産のような有名企業でも濫用されていたわけですから、ほかにもたくさんあると思われます。
 厚生労働大臣に伺いますが、裁量労働制の違法適用、どうやって食い止めるんですか。食い止められないんじゃないですか。
#214
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制も含めて、労働基準法の履行確保、これを図っていくため、労働基準監督署においては監督指導を行っております。違反が認められた場合には是正を図らせるとともに、悪質な事業場に対しては、捜査の上、書類送検を行うなど厳しく対応させていただいております。
 また、来年度より、働き方改革を通じ、働く方々の労働条件をしっかり守っていくため、全ての労働基準監督署に特別チームを新たに編成をし、長時間労働是正のための監督指導の徹底、また、法令に関する知識や労務管理体制が必ずしも十分でない中小企業に対するきめ細やかな支援を効果的に推進することとしております。
 長時間労働の是正を始めとして、働く人の視点に立った改革、これを着実に進めていきたいと思っております。
#215
○山下芳生君 監督指導というんですけれども、では、こういう野村不動産がやっていたような裁量労働の違法適用を実態把握できているのかと。今、是正したこれまで件数は何件あるのか、お答えください。
#216
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制に係る監督指導を実施した件数について、平成二十九年に裁量労働制に関し是正勧告を行った事業数は百三十事業場であります。
#217
○山下芳生君 私が聞いたのは、違法適用に対する是正件数です。
#218
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。今のは、済みません、全体を申し上げさせていただきました。その後の違法適用に関して、ちょっと済みません。(発言する者あり)
#219
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#220
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#221
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。
 是正勧告を行った事業場数は百三十ということでございます。
#222
○山下芳生君 裁量労働制の違法適用での実態はつかめているんですかと。で、是正件数幾らですかと聞いているんです。違法適用ですよ。
#223
○国務大臣(加藤勝信君) その違法の適用というのは幾つかパターンがあるんだろうというふうに思います。対象業務が異なる場合、あるいはみなしと実際労働時間が違う場合、健康・福祉措置が実施されていない場合、それ以外、苦情処理措置、あるいは労働時間の状況把握等がしっかり行われていない場合、それぞれがあるというふうに承知をしております。
#224
○山下芳生君 だから、この対象業務が違う場合の是正、じゃ、幾つですか。(発言する者あり)
#225
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#226
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#227
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。
 それぞれについては、結果的に法違反となる場合には例えばそれはみなし適用がなされないということでありますから、要するに労働時間の三十二条の適用あるいは割増し賃金の三十七条違反、こういうことになるわけでありまして、その事業数は先ほど申し上げた百三十事業場数と、こういうことになります。
#228
○山下芳生君 結局つかんでいないということなんですよ。裁量労働制を適用してはならない業種に適用していた、こういう野村みたいな実態をつかめていないんですよ。よくそれで是正指導すると言えたものだと。
 二月二十日、我が党の高橋千鶴子議員が衆議院の予算委員会で、裁量労働制を隠れみのにただ働きや長時間労働をさせることがあり得る、対象業務を拡大すればもっと起こり得ると指摘したのに対し、加藤厚労大臣は、野村不動産を始めとして適切に運用していない事業所等もございますから、そういうものに対してはしっかり監督指導を行っているところでありますし、今後とも更に進めていきたいと思っておりますと答弁されました。
 野村不動産でもしっかり監督指導しているから大丈夫だという答弁でしたけれども、しかし、先ほどの質疑でもありました朝日の報道では、野村不動産への特別指導のきっかけは過労自殺の遺族の方の労災申請だったとあります。
 厚労大臣、これが事実なんじゃありませんか。しっかり監督指導したのは犠牲者が出た後だったんじゃないですか。
#229
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほども申し上げておりますように、監督指導に当たって、当然監督指導官の数にも限りがございますので、より効率的に実施するために様々な情報をいただいている、また、今お話がありましたように、労災、特に過労死等につながる案件、こういったことを踏まえてそれぞれ必要な監督指導を行っていると、こういうことでございます。
#230
○山下芳生君 答弁に、答えてくださいよ。この野村不動産の特別指導は過労死の労災申請がきっかけだったと、これが事実じゃないのかと、亡くなってから指導したんじゃないのかと聞いているんですよ。
#231
○国務大臣(加藤勝信君) 個々の指導についての具体的なきっかけ等についてはこれまでもコメントを控えさせていただいているところでありますが、ただ、一般論としては先ほど申し上げたとおりでございます。
#232
○山下芳生君 あのね、一般論では済まないんですよ。国会でわざわざ野村不動産の特別指導を例に出して、今後ともしっかり監督指導をすると答弁したんですよ。その根拠が今揺らいでいるわけですからね。これ、事実が明らかにされなければ国会審議ができなくなる、労働行政の信頼が崩れるということになるんですよ。
 答えていただきたい。今度の野村のこの労働者の過労自殺の発生日、それから労災申請日、それからこの特別指導、野村に対してですね、を行った調査着手日、それぞれ三つがどういう時系列になっているのか、答弁した加藤大臣、これ調べて国会に報告すべきではありませんか。
#233
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれちょっとどこまで申し上げられるか、私、今分かりませんけれども、できる限りそれをお示しをさせていただきたいと思いますけれども、私が申し上げたのは、そうした本来適用されるべきでない業務等に裁量労働制が適用されていた、そうした事案についてこういう形で監督指導をさせていただいているということを申し上げているわけでございますので、その端緒においては、先ほど申し上げた様々な情報、あるいは過労死等の事案、こういったことも含めて対応させていただいている、これは一般論でありますけれども、そういうことでございます。
#234
○山下芳生君 さっき、特別指導の会見のときに過労死が起こっていたことを知らなかったと言っていたじゃないですか。ですから、それはちゃんと調べて報告してください。よろしいですね。
#235
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた、申し上げれるところと申し上げないところもあるかもしれませんので、申し上げられる限りは報告をさせていただきたいと思います。
#236
○山下芳生君 結局、裁量労働制を隠れみのにして、長時間労働、ただ働きが行われていたとしても、命が失われなければ違法行為が見付からないという状況になっているんじゃないかということなんですよ。
 ですから、もちろんこれ、裁量労働制というのは労使の合意や本人の同意が必要です、手続が。その手続を踏ませることによって濫用を防ぐということになっているんですけれども、しかし、防げなかったわけですね。行政による許可は不要です。届出だけでいいんですよ。野村でもこういうことが事前チェックできなかったんで過労自殺が起こったわけですから、私、総理に伺いたいと思います。
 これ、一人の人間の命が失われたわけです。裁量労働制は行政が事前に濫用を防ぐことが極めて難しいと、この事実をお認めになって、今後の教訓にすべきではありませんか。
#237
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、裁量労働制でも過労死の事案もございます。それ以外の働き方でも過労死の事案もございます。我々、そういったものをしっかりと認識をしながら、監督指導を始め必要な取組をしていきたいと思います。
#238
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣がお話をさせていただいたように、裁量労働制の中にも残念ながら過労死が起きている、そしてまた一般の働き方においても起きているのは事実でございまして、そういうことを防ぐために労働基準監督署がしっかりと様々な情報を入手しながら適切な指導を行っていくことがいずれにせよ大切であろうと、このように考えております。
#239
○山下芳生君 それが難しいと。野村も後から分かったんじゃないかと。調査してくれるそうですけどね。
 ですから、やっぱりこれ、裁量労働制が事前に濫用を防ぐことが難しいと、これしっかり事実見なければ、過労死の皆さんの、御遺族の皆さんの無念を受け止めるとおっしゃいましたけれども、そうならないということを指摘したいと思います。
 それから、この労使合意や本人同意、それから行政への届出だけでいいというのは高度プロフェッショナル制度でも全く同じ仕組みになっておりますから、こういう違法な適用、採用ですね、高プロでも同じ心配があるということだけ指摘をしておきたいと思います。
 次に、昨年十月、NHKで起こった過労死が公表されました。二〇一三年七月、首都圏放送センターに配属されていた三十一歳の佐戸未和さんが、都議会議員選挙、参議院選挙の取材など連日の過酷な労働の中、参議院選挙の投票日の二日後に寝室で携帯電話を持ったまま鬱血性心不全で亡くなり、翌年五月に過労死の労災認定がされました。
 今日、NHKの上田会長にお越しいただいております。NHKの職場でこのようなことが起こったことについてどう受け止めておられますか。
#240
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 若く未来のある記者が亡くなったことは痛恨の極みであります。我が子を失われた御両親の思いは察するに余りあります。
 佐戸未和さんが過労死の労災認定を受けたことは大変重く受け止めております。公共放送を共に支える大切な仲間を失うようなことは二度とあってはならず、命と健康を守ることを最優先として、昨年十二月に公表いたしましたNHKグループ働き方改革宣言の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
#241
○山下芳生君 佐戸未和さんの母、恵美子さんは、毎日毎日、娘の遺骨を抱きながら娘の後を追って死ぬことばかり考えていました。本当に宝物だったんですね。それが本当に志半ばで、本人が一番無念だったと思います。父、守さんは、未和の過労死の事実を踏まえて、その原因なりを含めて働き方改革を進めていただいて、二度と未和のような過労死が発生しないようにしていただきたいと述べておられます。重い言葉だと思います。
 佐戸未和記者はどのような働き方をしていたのか。二〇〇五年に入局後、鹿児島放送局で勤務し、二〇一〇年から首都圏放送センターに勤務となり、主に東京都政を担当しておられました。お母さんは、都庁の近くのホテルで昼食を未和さんにごちそうになったときも、ばたばたっと来て、さあっと職場に戻っていったことなどを語っておられます。もう日常的にたくさんの仕事を抱えていたようです。
 その佐戸記者が、二〇一三年六月の都議選、七月の参議院選挙の取材に当たる中で、御遺族と弁護士の調査によりますと、時間外労働が六月は百八十八時間、七月は二百九時間に上っておりました。過労死ラインの二倍であります。鬱血性心不全で亡くなりました。六、七月で休みは僅か三日間。日付をまたいで二十五時、二十七時まで働く日も何日も続いて、徹夜状態でほぼ二十四時間働いていたこともあったといいます。
 上田会長に伺います。なぜこのような長時間、休日なしの労働を止めることができなかったのか、若い優秀な記者の死をなぜ防ぐことができなかったのでしょうか。
#242
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 若く未来のある記者が亡くなったことは痛恨の極みであり、佐戸さんが過労死の労災認定を受けたことは大変重く受け止めております。
 当時、記者に適用いたしておりました事業外みなし労働時間制でも、勤務の始まりと終わりの時間を把握し、月間休務日数三日以下に該当する場合、産業医による面接指導を勧奨、実施する仕組みはありました。しかしながら、過労死を防ぎ切れなかったという点では、勤務管理や健康確保への意識なども含めて、健康管理上不十分なところがあったと考えております。
 このため、労働組合との協議を重ねました末、昨年四月に専門業務型裁量労働制を導入いたしました。これにより、記者に求められる自律的な働き方を担保しながら、勤務時間の段階に応じて健康確保措置を実施しております。事業場外みなし労働時間制のときに比べまして、意識改革が進み、勤務管理や健康管理の強化が図られてきたと考えております。さらに、記者の健康確保を強化するため、健康管理時間の基準を見直すことを労使で協議いたしております。
 今後、二度と過労死を起こさないように、働き方改革を更に前に進めてまいりたいと思います。
 私が今申し上げたところで、事業場外みなし労働時間制というのを事業外みなし労働時間制と誤って申し上げたようですが、訂正させていただきたいと思います。
#243
○山下芳生君 今あったように、NHKでは当時、記者に対して事業場外みなし労働時間制を適用していました。この制度は、事業場の外での業務のために労働時間の把握ができないということで、例えば八時間なら八時間働いたとみなすという制度であります。労働時間の把握、管理が極めて曖昧になるんですね、この制度は。
 私、NHKの職員の方に直接何人か聞きました。当時、記者はタイムカードに打刻することにはなっていた、さっきおっしゃったように。しかし、外で働いていることもあって、その打刻は当日ではないんです。後日、何日分かまとめて本人が本局に行ったときに出勤時刻と退勤時刻を自己申告で記録するということになっておりました。本人が手帳に書いていたメモなどを見て後から記録するというんですが、どのぐらいの頻度で本局に行くのかというと、一番間隔の多い人は一か月に一回というんですね。
 これではしっかりした労働時間の把握はもちろん、健康確保措置といったって、もう体がくたびれ切ったときに分かる、後から分かるということになりますので、これはまともな健康管理はできないなと思ったんですが。
 厚労省に伺います。こんなずさんな労働時間の管理、許されるんですか。
#244
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 労働時間の把握につきましては労働時間の適正な把握のためのガイドラインが設けられておりまして、今御指摘がありましたみなし労働者につきましては、こうした方についても健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があるとされているところでございます。
#245
○山下芳生君 NHKは労働時間を適正に把握、管理していなかったです。罰則はあるんですか。
#246
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 労働基準法におきましては、使用者に対しまして賃金台帳への労働時間の記入を義務付けておりまして、これにつきましては罰則が設けられているところでございます。
#247
○山下芳生君 事業場外みなし労働時間制です。
#248
○政府参考人(山越敬一君) ガイドラインで定められている事項につきましては、これは責務でございますので、これについての罰則は定められていないところでございます。
#249
○山下芳生君 そのとおりなんですね。使用者が労働時間を把握しなくても罰則ないんですよ。それがみなし労働時間制なんですね。長時間労働が蔓延するのは当たり前だと言わなければなりません。
 女性活躍担当大臣でもある野田大臣に聞きます。
 佐戸未和さんは亡くなった二か月後に結婚する予定でした。亡くなった未和さんを見付けたのは、連絡が取れず心配して駆け付けた婚約者の方でした。未来ある女性が仕事と家庭の両立どころか命さえ奪われてしまった、どう受け止められるのか。そして、未和さんの命を守ることができなかったみなし労働時間制、問題あるとお考えではありませんか。
#250
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 佐戸未和さん、三十一歳、今委員が御指摘のとおり、過労死によって命を失い、そして無念の思いで旅立たれたわけであります。心からお悔やみと、そして御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 まず初めに、働き過ぎによって尊い命が失われるということは絶対あってはなりません。
 そして今、結婚間近だったというお話がありました。私たちいつも考えなきゃいけないのは、私の場合も、自分が三十一歳だったときって約四半世紀前です、二十五年ぐらい前。この二十五年にいろんなことがありました。いろいろな思い出がございました。それを佐戸未和さんはかなえることができなかったということをやっぱり共有していきたいなと思っています。であればこそ、真摯にこの佐戸未和さんの死を受け止めて、二度と、男女問わずですけれども、過労死、過労自死をさせてはならないということを考えています。
 また、私自身、女性活躍担当大臣として働く中、やはり女性は頑張り屋さんが多いです。そして、まだまだ、この国会も始め働く場所というのは、女性が男性の皆さんと互角に働くためには相当頑張らなきゃならないということをプレッシャー掛かってくるわけですね。そういうことも踏まえて、そういう風潮の中で、女性が例えば精いっぱい頑張り過ぎなきゃいけない風潮というものをなくしていかなきゃならないし、女性はまた職場等でセクシュアルハラスメントのような余り男性が経験しないような心理的なプレッシャーも日々感じているわけでございます。そんなことをしっかりとこの際、真摯な議論の中で解決していけるよう、私自身も精いっぱい取り組んでいきたいと思っております。
#251
○山下芳生君 思いは分かるんですけど、私が聞いたのは、みなし労働時間制は問題だと思わないかという問いに対してはお答えありませんでした。
 佐戸未和さんのお母さんは、上司が日々の労働時間を管理していれば死なずに済んだ、みなし労働時間制を悪用した労務管理の怠慢による人災だと、きつく指摘しています。
 総理に伺います。ここでもまた貴重な命が失われました。みなし労働時間制は、使用者が労働時間の把握しなくても罰則がありません。長時間労働にブレーキが掛かりません。この事実をしっかり認めて、これは今後の教訓にすべきではありませんか、総理。
#252
○内閣総理大臣(安倍晋三君) みなし労働時間制は、業務の性質上、労働時間の把握が難しい場合などに、業務実態を熟知した労使双方が労使協定等で労働時間を定める制度でございます。つまり、このみなし労働制に移るに当たって、業務実態を熟知した労使双方がこれをしっかりと話し合って労働時間を定めていくということでありまして、みなし労働時間と実労働時間の間に乖離がある場合には、その適正化に向け労働基準監督署がしっかりと指導を行っていくこととなります。
#253
○山下芳生君 私、未和さんの長時間労働にブレーキが掛からなかった根本にこの制度があるということを受け止めるべきじゃないかと言いましたけれども、残念ながらそういうお答えはなかったです。
 次に進みたいと思います。裁量労働制について質問をします。
 JILPTがこの間、裁量労働制の方が一般の労働者よりも労働時間が長いという調査結果を出しております。これがその資料に基づくパネルですけれども、特に見ていただきたいのは、月間二百五十時間以上、要するにもう過労死ラインを超えるような方々がやはり企画業務型、専門業務型の裁量労働者に多いということであります。
 今日是非議論したいのは、なぜ裁量労働制など、みなし労働時間制がこの長時間労働を招き、過労死の危険を増大させるのかということであります。
 パネルを次に示したいんですが、おさらいですけれども、みなし労働時間制というのは、さっきも言いました、一定の時間働いたものとみなし、その時間数に見合った対価を支払う制度であります。例えば、みなし労働時間が八時間なら、実際に八時間以上働いても使用者は残業代を支払う必要はありません。日本労働弁護団などは定額働かせ放題と言うのはここにゆえんがあります。
 では、なぜ裁量労働制が長時間労働を招き、過労死の危険を増大させるのか。様々な労働組合、研究者、過労死家族の会が共通して指摘している問題が二つあります。一つは、時間配分の裁量はあっても、労働者は、業務量を制限する裁量はないということであります。
 厚労大臣に伺いますが、裁量労働制の下で労働者が業務量を制限することはできますか。
#254
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制は、一定の知識、経験を有して働く方本人に、会社が決めた一律の就業時間に縛られることなく、出勤退勤時間を自由に決めていただき、仕事の進め方をお任せして、より効率的に成果を上げていただこう、こういう趣旨でございます。
 今委員御指摘の点でありますけれども、業務量が過大であり、労働者の事実上の裁量が失われている場合には裁量労働制の要件を満たさず、みなし労働時間の効果が生じないということから、こうした場合においては労働基準監督署において本来の労働時間規制に基づいて指導を行うこととしているところでございまして、みなし労働時間と実労働時間の間に乖離がある場合にも、その適正化に向けてしっかりと監督指導を行っているところでございます。
#255
○山下芳生君 業務を断る裁量はありますか。
#256
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどと重複をするところでありますけれども、業務量が過大である場合や期限の設定が不適切である場合には労働者から時間配分の決定に関する裁量が事実上失われることがあること、また、労働者の上司に対し、業務の目的、目標、期限等の基本的事項を適正に設定し、指示を的確に行うよう、必要な管理教育を行っていくということ、そういった点に留意が必要だということでありまして、基本的には適切な業務量が設定されていくということが求められているというふうに思います。
#257
○山下芳生君 業務を断る裁量はないんですよ、私、詰めていますから、厚労省の担当者の方とね。
 いろいろ言いましたけれども、じゃ、別の角度で聞きます。労働者がその日の仕事を切り上げて帰ろうとしているときに、上司が夜十二時まで残って働いてくれと命令することは違法ですか。
#258
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 業務遂行の手段あるいは時間配分の決定等に関しまして使用者が対象労働者に具体的な指示を行っている場合は、労働時間のみなし効果は生じないものでございます。
#259
○山下芳生君 つまり、それはできないということなんですよ。違法になるんですね。
 では、帰ろうとしている労働者に上司がこの業務をしてくれと追加の業務を命令するのは違法ですか。
#260
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 今御答弁申し上げたことと同様でございまして、使用者が対象労働者に具体的な時間配分についての決定についての指示を行っている場合については、労働時間のみなし効果は生じないものでございます。
#261
○山下芳生君 追加の業務を命令するのは違法ですかと聞いているんです。
#262
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 業務につきましては、あらかじめこういった業務ということで命じられることになると思いますけれども、いずれにいたしましても、具体的な労働時間について命令、指示をしている場合についてはみなしの効果は生じないものでございます。
#263
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘、基本的にはできるだけ事前に指示をすることが望まれると思いますけれども、場合によっては追加的な業務が行われること、これは通常の仕事でもあり得ることなんだろうと思います。ただ、その結果において業務量が過大である場合や期限の設定が不適切である場合には労働者から時間配分の、配分に関する裁量が事実上失われるという、こういったことを踏まえて指導をするということになるわけでございます。
#264
○山下芳生君 追加の業務を加えること自身は違法じゃないんですよ。加藤さんうなずいている。ですから、結局、自由な働き方と言いながら、これだともう野方図に働かされることになるんですね。労働者に業務量を断る権利、制限する裁量はありません。使用者がどんなに多くの業務量を与えても違法ではありません。しかも、みなし労働時間を超えて働いても残業代を払う必要はないと。経営者にとっては、働かせば働かせるほど人件費の節約になるのが裁量労働制なんですね。
 その下で、もう一つ、みなし労働時間と実労働時間の乖離、先ほど総理は是正すると言いましたけど、是正できない実態があります。
 大企業に入社一年目から裁量労働制になっている方に聞きました。事業所として労働時間の状況の把握のために自主申告型タイムシートを上司に出すということになっていますが、こんな仕事になぜこんな時間を掛けるのかと言われて、月十時間分の手当なので十時間を超えない自主申告にしていると。
 厚労省、こういうことをやっている使用者は法律で罰則はありますか。
#265
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 裁量労働制におきましては、対象労働者の労働時間の状況に応じた健康・福祉措置を講じていただくことになっております。このため、労働時間の状況について把握する必要があるわけでございますけれども、これにつきましては、使用者が対象労働者の労働時間の状況等の勤務時間を把握する方法として具体的に明らかにすることが必要でございますし、その方法といたしまして、いかなる時間帯にどの程度在社したかということを記録等をすることが必要であります。こうしたことを決議等で定めた方法においてやっていただく必要がありますので、決議に定められた方法によりこうした労働時間の状況を把握していない場合は適正化の指導を監督署で行うものでございます。
#266
○山下芳生君 罰則はないんですよ、もう私の方で言いますけどね。
 結局、この一つ、二つ、こういうことがあるから裁量労働制の下で労働者は長時間労働になるし、過労死の危険が増大すると。これ、過労死の御遺族の方、共通して指摘している問題なんですね。
 総理に伺いますが、こういう問題をしっかり踏まえないと裁量労働制の対象業務の拡大なんて絶対やってはならない。ましてや、高プロも同じ、同じ懸念があるわけですから、まず実態をこういう問題として把握すべきではないですか。
#267
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、裁量労働制は、一定の知識、経験を有した働く方本人に、会社が決めた一律の就業時間に縛られることなく、出勤退勤時間を自由に決めていただき、仕事の進め方をお任せして、より効率的に成果を上げていただこうというものでありまして、基本的にはこの企画業務型においては本人の同意が必要だということになっておりますし、高プロにおいてもそうなっていると承知をしております。
#268
○委員長(金子原二郎君) 山下君、時間が来ています。
#269
○山下芳生君 こういう深刻な問題があるにもかかわらず、拡大したり高プロを導入するなどということは絶対に認められない、そのことを申し上げて、終わります。
#270
○委員長(金子原二郎君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#271
○委員長(金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
#272
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 私は、この森友疑惑を一貫してこの国会で取り上げてまいりました。それは、国家の私物化を曖昧に済ませるのは絶対にできないわけでありまして、この疑惑の真相を解明するのは国会の責務だと、当予算委員会でも何度もこの問題を取り上げてまいりました。
 一年たって、この森友疑惑は全く新たな段階に入りました。先週金曜日の予算委員会、政府は最後まで森友文書の改ざんを否定することはありませんでした。もし、公文書が改ざんされていた、これが事実であれば、こんなことが法治国家で許されるはずはありません。
 改ざんされる前の文書があるのかないのか、これをはっきり答えていただきたい。
#273
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 現在、大阪地検におきまして、背任のほか、証拠隠滅や公用文書等毀棄についての告発を受けて、捜査が行われており、財務省としては、この捜査に全面的に協力している段階であり、お答えをすることが捜査にどのような影響を与えるか予見し難いということのため、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに考えてございます。
 その上で、捜査に対する影響に配慮しつつ、国政調査権、国会での御議論ということも重々踏まえて調査を進めていきたいと考えております。その結果報告については、捜査への最終的影響ということも十分に見極めながら適切に対応させていただきたいと考えてございます。
#274
○辰巳孝太郎君 全く金曜日と変わっていないじゃないですか。
 これ、捜査への影響というのは理由になりません。国会は国権の最高機関であります。国政調査権を有する国会において真相を明らかにしていくことと、これ、捜査、影響、全く矛盾しません。これ、調査において真相を明らかにすることに一体どんな捜査への影響があり得るのか。私は、捜査に全面的に協力するというんだったら、まさに国政調査権を持つこの国会が全面的にこの調査をしていく、このことが大事だというふうに思います。
 改めて聞きますけれども、この改ざん疑惑ですが、皆さん、近畿財務局の職員などにも聞かれているでしょう。皆さんは、今のこの段階で、近畿財務局は改ざんした前の文書があるのかないのか、どう言っているんですか。
#275
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほどの委員の御指摘は、近畿財務局に二つ文書があるのかないのかというような感じのお問合せだったと思います。そのことも含めまして先ほど来御答弁申し上げているというのが基本線でありますが、委員からは、あるいは本日、あるいは今日の昼の予算の、この本委員会の理事会でも御議論があったということは承知をしております。明日には、調査の方針、留意点など、調査の状況について報告をさせていただきます。
#276
○辰巳孝太郎君 今言っていただきたい。週末どないしていたんですか。これ、電話一本掛ければ済む話ですよ。文書があったのかなかったのか、近財の職員はどう言っているんですか。
#277
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 電話を一本掛ければ済むという話ではないというふうに認識をしてございます。そのことも含めて、先ほど来申し上げていますように、明日、調査の方針、留意点など、調査の状況について報告をさせていただきます。
#278
○辰巳孝太郎君 これ、ないと言えないんですよ。近財の職員がないと言っているんだったら、ないと聞いていますと言えばいいじゃないですか。ないと言えないんですね。
 これ、決裁文書、私もこれ、手元にあります。これ、一枚目には印、判こが押してあるんですけれども、それ以外は判こ、割り印などはないように受け取れるコピーというふうになっております。
 この決裁文書のデータ、これは残っているのかどうか、これどうなんですか。
#279
○政府参考人(太田充君) 今ほどのお問合せも、一番最初にお答えを申し上げたことと同じことを答えざるを得ないというお話を聞いておられます。
 要すれば、今捜査に全面的に協力している段階でお答えすることが捜査にどのような影響を与えるか予断し難いということですから、答弁を差し控えさせていただきたいという答弁になります。(発言する者あり)
#280
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#281
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#282
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 委員会の質疑で御答弁を申し上げているのは、私、財務省の理財局長として責任を持ってお答えをさせていただいております。
 その上で申し上げますが、今ほど電子データ云々というお話がありましたけれども、そのことも含めて、それは捜査にどのような影響を与えるか予断を与え、予見し難いという状況でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#283
○辰巳孝太郎君 おかしいでしょうが。電子データは、これ全て適切に廃棄したってこの前まで言っていたじゃないですか。佐川さんは適切に廃棄したと言っていましたよ。面談記録のデータも全てない、これ全部廃棄されたんだと。これ、虚偽答弁なんじゃないですか。
#284
○政府参考人(太田充君) そういう意味での御質問だと、そこはちょっと私がもしかすると勘違いしたかもしれません。
 基本的に私どもの資料の保存は紙媒体というのが基本でございますので、そういう意味で電子媒体というのは二次的なものでございますのでそういう取扱いをしていると、そういうものの取扱いということを申し上げているということだと思います。
#285
○辰巳孝太郎君 ですから、データはあるのかないのか、はっきり言ってください。
#286
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 基本は紙で保存しているということでございます。ですから、基本的には、電子データは基本的にはないというのが基本だと思っています。
#287
○辰巳孝太郎君 基本はないが例外はあるということですね。廃棄をしていないということですね、データは。
#288
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 本件の報道に関わるところについて、個別具体のことをお話をせよというお話だということだと最初承りましたから、それは捜査にどのような影響を与えるか予断を、予見し難いのでと申し上げました。
 一般的に電子データというものの取扱いをどうかというお尋ねだというふうに、途中からそういうふうになっておられると思いましたので、そういう意味では、基本は紙でございますので、紙が基本で、電子データはそういう意味では基本的には事案が終了すれば、あるいはその手前、基本的には期限が来れば、あるいはもう保存しておく必要がなくなれば、要するに紙がありますので、そういう意味で電子データというものは存在しなくなっているのが基本的なやり方であるということを申し上げております。
#289
○辰巳孝太郎君 これもないと言えないんですね。佐川前理財局長は、これ全部データは捨てたと言ってきたんですよ、適切に廃棄していたと言っていたんですよ。それがいきなり、データは基本的にはないけれども例外はあると、こういう言い方に変わってきたわけであります。
 一体どこが改ざんされた疑いがあるのか、パネルにしてみました。(資料提示)貸付契約の決裁文書では、特例的な内容となる、これが削除されています。そして、学園側の要請という言葉が申出というものに書き換えられております。売買契約の決裁文書では、学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格の提示を行う、これらが削除をされているわけであります。私も手元にこのそれぞれの決裁文書がありますけれども、確かに、特例的な内容となる、これが削除されて、そして、申出、こういう文言も幾つか散見をされるということであります。
 なぜ消されたり書き換えられたりしたのか。それは、森友学園へ便宜を示す文言だからではないか。とりわけ佐川氏は、価格提示を行うことはないと、これ国会で繰り返し答弁をしていましたけれども、まさに今回の改ざん疑惑というのは、それに合わせて改ざんをしたのではないか、こういうことであります。大体、面談記録は適正に廃棄したけれども、決裁文書を見れば全て分かるんだと言ってきたのが佐川前理財局長でありました。
 今全国で確定申告を行っております。総理、これ納税者に資料の提出を求めるのが国税庁長官の佐川氏であります。総理は答弁で、佐川氏の国税長官の就任は適材適所だということを繰り返し述べてこられました。その考え、今でも変わらないですか。
#290
○国務大臣(麻生太郎君) 佐川の国税庁長官としての任に当たるか当たらぬかという話なんだと思いますが、私どもが度々答弁させていただいておりますように、佐川のこれまでの経歴として、きちっとやってきた仕事の内容、主税三課長、二課長、総務課長、国税庁の次長等々をきちんと務めてきておるというこれまでの主税に関する実績等々を踏まえて、私どもとしては適材だと考えております。
#291
○辰巳孝太郎君 総理、いかがですか。
#292
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所管する財務大臣から答弁したとおりであります。
#293
○辰巳孝太郎君 これでは真相解明求める国民は全く納得しないと言わなければなりません。
 この貸付契約での、特例的な内容となるという文言が削除をされております。政治家や安倍昭恵さんの存在が、これがあるのではないかと。そして、貸付けに至る経緯を説明したという項目も丸ごと削除されていたというのが報道されているわけであります。もしそうであれば、これ重大であります。なぜならば、二〇一五年の五月、貸付契約までの経緯にも学園への特例や便宜というのがこれ存分に表れているからであります。
 安倍昭恵さんは、二〇一四年の四月に学園で講演を行い、そのときには建設予定地を籠池氏と視察をして、学園の小学校建設に関わり、応援し、貸付契約後は夫人付きの谷査恵子さんが財務省に問合せも行っておりました。また、籠池氏は鴻池参議院議員にも何度も経過を報告していたということが明らかになっております。
 総理、念のため聞きますが、これらの公文書において安倍昭恵さんの名前や政治家の関与に関わる文言が削られている、そういうことはゆめゆめありませんね。
#294
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は全くこのお話、あずかり知らないものでございますから、答えようがございません。
#295
○辰巳孝太郎君 理財局長、いかがですか。
#296
○政府参考人(太田充君) 今ほどの委員の御指摘は、要すれば朝日新聞の報道ないしそれに類することがどうかということでございますので、その朝日新聞の報道及びそれに類することについては、基本的な私どもの答弁のスタンスは同じでございます。要すれば、捜査にどのような影響があるか予見し難いという状況の下で、我々は捜査に全面的に協力しなければいけないという段階でございますので、答弁は差し控えるというスタンスで臨んでおります。
#297
○辰巳孝太郎君 ないならないと今言えばいいんですけれどもね。
 総理、これらの改ざんが仮に事実であれば、私は内閣総辞職に値すると思います。改ざん資料を国会に提出して、それを前提に政府は答弁を行い、そして国会審議を一年以上続けました。
 総理、最高責任者として、もしこれが事実であれば、しかるべき責任を取るということでよろしいですか。
#298
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仮定の質問にはお答えすることはできません。
#299
○辰巳孝太郎君 はっきり述べられないわけですね。
 国会の重要な仕事は、行政をチェックすることであります。改ざんが真実ならば、今後我々は一体何を基に、何を信じて国会で議論するのか。公文書が改ざんされたら政策決定過程の検証は不可能であります。国会審議そのものが成り立ちません。これ、歴史を改ざんすることにもつながります。
 委員長、我々は、昨年の予算審議あるいは理事会の場で、国会法第百四条に基づいて、つまり、各議院又は各議院の委員会からの審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない、この取決めに基づいて、百四条に基づいて資料の提出を求めたということでよろしいですね。
#300
○委員長(金子原二郎君) 中身については、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#301
○辰巳孝太郎君 国会法第百四条に基づいて、我々は資料やそして文書の提出を求めたわけであります。そして、その文書が改ざんされていたという重大な疑惑が持ち上がっているわけであります。これは、院や委員会の侮辱でもあり、国会軽視であり、そして真相解明求めるのが我々国会の責務だと言わなければなりません。このことに、これ、与党も野党もありません。しかし、今の理財局長の答弁でも、文書があるともないとも言わない。結局、これは、あるということではないかと疑われるのは当然であります。
 委員長、国会法第百四条に基づく資料の提出、改ざん前の資料の提出を求めます。
#302
○委員長(金子原二郎君) 百四条の背景として我々は求めたのであって、そういうふうなお互いの話合いの中で最終的には理事会で一致しておりませんから、そこは御理解いただきたいと思います。理事会協議の中でまだ一致しておりませんので。
#303
○辰巳孝太郎君 百四条の資料提出ですか。
#304
○委員長(金子原二郎君) その点についても先ほど話合いが出ました。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#305
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 改めて理事会で後刻協議をさせていただきたいと思います。
#306
○辰巳孝太郎君 財務省の問題は、あるいは疑惑はこれだけではありません。適正に廃棄したはずの文書が一年以上たって出てきたわけであります。森友との契約は超特例であり、契約業務を担当した近畿財務局管財部統括国有財産管理官は、法曹資格を持つ法務監査官セクションと法律的相談を繰り返し行っておりました。そのやり取りの文書、これが今年に入って二十五もの文書が出てきたわけであります。契約に至る経緯がここには詳しく記されております。
 念のため聞きますが、このリーガル文書、法律相談文書は改ざんされているということはありませんね。
#307
○政府参考人(太田充君) 基本的に、私どもとして、整理、保存、そして把握しているものを御提出させていただいております。
 一つ一つの文書について改ざんされている云々というお話であれば、朝日新聞の報道を基にこういった御議論がなされている状況で、この文書は改ざんされていないと言えば、そうでないものは改ざんされているという感覚になると思いますので、いずれにせよ、一つ一つの文書について改ざんされている云々という話は、それは、私どもとして、捜査の話であれば捜査に予見を与えるような話はできないということは御理解を賜りたいと思います。
#308
○辰巳孝太郎君 されていないと一言言えば済むんですよ。そういう感覚にさせる責任はあなた方にあるんですよ。国会審議、形骸化させている責任はあなた方なんですよ。
 会計検査院に聞きますけれども、この二十五もの法律文書というのは、皆さんが実地検査において、損害賠償請求の可能性についての法律的な検討文書、これを求めた文書というのが今回初めて国会に出てきたということでよろしいですね。イエスかノーか。
#309
○会計検査院長(河戸光彦君) お答え申し上げます。
 二十五件のうちの一部にそういった文書が含まれているということでございます。
#310
○辰巳孝太郎君 財務省、なぜこれらの文書が今年になって出てきたのか。これ御説明ください、まず。
#311
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 情報公開請求、九月にあった情報公開請求ですけれども、その過程において、近畿財務局、局全体で把握をしないといけないという状況の下でこの法律相談の文書の存在に気が付きました。それで、それを、情報公開請求に対応すると同時に、情報公開請求はある一定の期間だけを対象とした情報公開の請求でございましたが、その期間以外のものについても法律相談文書があるということを把握しましたので、まず最初に、情報公開請求に対応するもの、それは五件でございましたけれども、これをまず会計検査院に提出し、残りのものは最終的に二十件ということですが、それは後ほど提出するという格好になりました。国会に対しても同様に、最初に五件、残りの二十件はその後ということになりましたが、遅れて大変申し訳ありませんでしたが、提出をさせていただいたということでございます。
#312
○辰巳孝太郎君 私が聞いているのは、この法律的検討文書というのは、昨年の国会、あるいは会計検査院も実地調査などで求めていたわけでありますが、なぜその実地検査において出さなかったのかということを聞いております。
#313
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 気付いていれば出しておりましたし、その方がある意味では検査には裨益をしたというふうに思っております。ただ、大変申し訳ないことをして残念ですが、気付いておらなかったので、結果的には、最初の五件にせよ、会計検査院に提出できたのは十一月の二十一日、それは十一月二十二日の検査報告書の前日だったということでございます。(発言する者あり)
#314
○辰巳孝太郎君 今、気付かないわけないだろうという話がありましたが、誰が気付かなかったんですか。
#315
○政府参考人(太田充君) 基本的に、国会との関係あるいは会計検査院との関係、いずれにせよ、近畿財務局の管財部の統括国有財産管理官というところが主として担当しておりました。そこは、そこにおいては、このものは保存期間一年未満ということでもございましたので、基本的に彼らが気付かなかったということでございます。
 ただ、統括法務監査官の方が気が付ければそこは気が付いたはずですが、そういうことに至らなかったということは大変申し訳ないと思ってございます。
#316
○辰巳孝太郎君 今局長が言ったのは、国有財産管理官が主に会計検査などの検査の対応をしていた、あるいは契約の業務というのはここがやっていた。こことの、法務監査官、リーガルセクションとのやり取りではあるんだけれども、国有財産管理官は、この文書は一年保存だからこれはもう捨てて、ないものだと思っていた。しかし、法務監査官のセクションは五年保存であったので、そこでこれが見付かったという話でありました。
 会計検査のやり取りでこういう話が出ているはずだと私は思うわけでありますが、つまり、会計検査、検査院にちょっと確認しますけれども、皆さん四月と六月に近畿財務局に実地検査に行かれていますね。これ、日にち特定していただけますか。
#317
○会計検査院長(河戸光彦君) 手元に資料がありますのは四月の時点のものでございますが、四月十一日から十三日にかけて実地検査を行っております。六月は、突然の御質問でございますので、ただいま手元に資料は持ち合わせておりません。
#318
○辰巳孝太郎君 四月と六月に数日間、それぞれ実地検査を行っているわけであります。
 これまでの理財局の答弁で察するには、この会計検査院、これイメージ図でありますけれども、机を挟んでそれぞれ会計検査院と近畿財務局が実地検査を受けていると。ですから、この場所、この場には当然、法務監査官、リーガルセクションの職員はいなかったということでよろしいですね。理財局長、これは、いてるはずはないですね、ここには。
#319
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 私ども検査を受検する立場なので、そういう意味では内容はお答えを差し控えるのが基本ですが、検査院に確認をさせていただいた上で今の御質問にはお答えをさせていただきたいと存じます。
 基本的に、会計検査の対応は、資料の件でも申し上げましたとおり、統括国有財産官というところが主担でやっておりました。ただ、検査期間中に必要に応じて担当部門以外のところの職員が補足的に同席をするということはあります。そういう意味で、統括法務監査官のセクションの者がいたことはあるということでございます。(発言する者あり)いたことはあります。いたことはあります。補足的に同席をしていたことはあります。
#320
○辰巳孝太郎君 この実地検査にリーガルセクションの、五年保存で文書を、まさにそれを持っている職員が会計検査院に対して説明をしていたということですか。いつ同席していたんですか。
#321
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 統括国有財産官が説明するときに、の対応をするときに、同席をして統括法務監査官の部門の者がいたことはあるというふうに申し上げました。それは、四月の時点、四月のときに会計実地検査というのが、先ほど院長がお答えになったように三日間なんですが、その翌日に事務的な、補足的に行われた事務打合せというのがございまして、そのときにいたことがあるというのが一つ。それから、六月の三日間の会計実地検査のときに、その三日間のうちのある一日に同席していたことがあるということです。
 ただ、それは、今ほど来、最初から申し上げておりますように、そのときに同席していれば法律相談の話をやっておるかと、常にそういうことをやっておるかということでは、そういうことでは残念ながらございませんで、もしその席に同席をしていて法律相談の話が出て、あるいはそのことの資料が必要だということに気が付く状況があればそういうことになっておるんですが、そういう状況は生じなかったというのが事実でございます。
#322
○委員長(金子原二郎君) 辰巳孝太郎君、時間が来ております。
#323
○辰巳孝太郎君 これ、全く苦しいですよ。
 これ、大臣、麻生大臣、これは国会が求めたあるいは会計検査院が求めた資料をその場ですぐに出さなかった、法務監査官がこの実地検査に参加していたにもかかわらずこれを出さなかったという疑惑が持ち上がりました。これ、財務省内部の検証を行っていただきたい。
#324
○委員長(金子原二郎君) 太田理財局長、もう時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#325
○政府参考人(太田充君) はい。
 出さなかったというふうに言われると、それはそうではありません。そういう状況に至っていなかったというふうに私は御答弁を申し上げております。
#326
○辰巳孝太郎君 隠蔽と改ざんの政権、これ引き続き追及をしてまいります。
 終わります。
#327
○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#328
○委員長(金子原二郎君) 次に、東徹君の質疑を行います。東徹君。
#329
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 今日は予算委員会の集中審議、テーマが働き方国会、あと内外の諸情勢ということですので、まずは働き改革国会、働き方について質問させていただきたいと思います。
 我々日本維新の会、日本の労働生産性を上げていくこと、このことは非常に大事だというふうに考えておりますし、また多様な働き方、これもやはり認めていくことも大事だと。ただ、過労死というのは絶対に起こしてはならないと。そういう中で、これからの働き方を検討していかないといけないというふうに考えております。
 そんな中で、今回、裁量労働制の、関するデータの不備、これは合計、異常な数値ということで、三百六十五件あったかと思うんですが、このことについてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回のこのデータの不備なんでありますが、前提の違うデータが比べたものであって、答弁の撤回、それから法案から裁量労働制を削除することになったわけでありますけれども、なぜこのようなデータの不備が起こってしまったのかということについて、まず加藤厚労大臣の方からお聞きしたいと思います。
#330
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からも御指摘ありましたけれども、裁量労働制のデータに関し、精査に相当な時間を要するデータをお示しし答弁をしたことについて撤回し、おわびを申し上げ、また、精査の結果、一般の労働者と裁量労働制の下にある労働者について、異なる仕方で選んだ数値を比較していたことは不適切であったと認識をし、改めておわびを申し上げたところでございますし、また、全体のデータに関して不整合が指摘をされ、今、元々あった原票との突き合わせも含めて精査をしているところでありますけれども、そうした精査が必要な状況にあるということ、こうしたことも踏まえながら、裁量労働制のデータは国民の皆さんに今回の裁量労働制の改正に疑念を抱かせることになった、こうした点を深く反省しなければならないというふうに認識をしております。
 そういった中で、裁量労働制については今回の改正から全面削除することとし、そして裁量労働制の実態についてしっかりと把握し直すこととし、そしてその上で議論をし直したいというふうに思います。
 こうしたことになった背景は何かということでありますけれども、そういったことも含めてしっかりとその原因ということも我々突き詰めながら、こうしたことが二度と起こらないように対応していきたいと思っております。
#331
○東徹君 ということは、加藤大臣、これ原因がまだ分からないということでよろしいんですか。
#332
○国務大臣(加藤勝信君) 幾つかの問題があったというふうに思います。
 一つは、不適切、要するに異なる仕方で選んだ数値を比較したという意味での不適切性、こういったものについては、統計を扱う上におけるやはりもう少ししっかりとした認識を持つ必要があるんだろうというふうに思います。また、データが不整合云々の話でありますけれども、やっぱり調査をするときにどういう体制でやってきたのか、また原票との、まあこれ突合している最中でありますけれども、これは外部に委託をしたところでありますけれども、そういったものをどうチェックをしてきたのか。あるいは、これ大量なデータでありますから、やはりその中におかしなものがどうしても混じることがあります。そういったものを本来であればはじくような仕組みを入れておかなきゃいけないんだろうと思いますけれども、そういったことも不十分だった。こういった点が考えられるわけでありますけれども、それ以外にもあるかもしれません。
 そういったことも含めてしっかりと我々反省をし、そしてまず、裁量労働制に関する実態の把握について、そうした統計の専門家等々の御意見もいただきながら、それにしっかりと取り組みたいと思います。
#333
○東徹君 今回、素人が見てもこの数字はおかしいんじゃないですかと分かるような数字がたくさんあったわけですよね。そういったことに気付かなかった、そのままそのデータを基に議論していくことになってしまったというわけでありますが、厚生労働省なんですけれども、度々何かミスみたいなものがよく起こるんです。私は、厚生労働省なんですけれども、その組織に問題があるのじゃないのかというふうに思っていまして、過去にも、安倍政権になってからですけれども、例えばJEEDの不正入札、それから法案審議に関してもなんですが、医療・介護総合推進法の趣旨説明資料をコピーペーストをしていて、それで法案が審議できなかったと、止まってしまったというようなこととか、それから労働者派遣法の文言ミス、こういったこともありました。
   〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕
 法案審議の前段階でミスが見付かって審議ができなかった、こういったことがあるわけですけれども、厚生労働省なんですが、やっぱり組織が大き過ぎて、本来あるべき組織のガバナンスが働いていないというふうに考えます。そして、医療や介護などの社会保障も働き方改革同様の重要なテーマでありますが、働き方改革の議論自体、データの話ばかり、まともに行われていない上、本来議論されるべき社会保障の問題も、それに時間を取られてしまって十分に議論されていないわけであります。
 小泉進次郎議員ではないですが、厚生労働省ですけれども、厚生と労働に分割すべきではないかというふうなことをおっしゃっておりますが、私も厚生労働委員会でずっと審議を見ていまして、そのように思います。
 このことについて、安倍総理の見解をお伺いしたいと思います。
#334
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生労働省の場合は厚生省と労働省が一緒になったわけでありますが、それぞれ国民生活に密接な業務を抱えており、一体的に推進することによって一層国民が安心して暮らせるようになっていくと、こういう目的でこれ一緒にしたわけでございまして、しかし、今委員が御指摘になったように、我が党の中でも、これ少し大き過ぎるんではないか、扱う法案がもう非常にたくさんあり、多岐にわたり、かつ非常に重要だと、こういう御指摘もございますが、しかし、私どもといたしましては、現在、この与えられている状況の中において、関連する業務を一体的に推進することによって一層国民が安心して暮らせるように努めていきたいと、こう考えております。
#335
○東徹君 安倍総理は昨年、衆議院選挙で国難だとおっしゃって、衆議院解散・総選挙をされたわけですが、私も、今の少子高齢化の問題、人口減少問題、国難だというふうに思っております。そういった少子高齢の問題も議論していくのはこれ厚生労働省ですし、またこれ、今回の働き方改革国会ということで、これからの日本の成長、経済成長をしっかりと、やっぱりどうあるべきかということを議論していくのもこれも厚生労働省で、これはもうなかなか、それは、いつも審議する法案もたくさんあって、これは前に進まないわけですね。こんなので本当に、安倍総理、国難が突破できるのかなと本当に私は心配して見させていただいております。
 パネルを一つ御覧いただきたいと思うんですけれども。(資料提示)これ、厚生労働委員会に付託された法案、過去の法案になるわけですけれども、今回の法案は、加藤大臣、八本ですよね、八本。で、束ね法案と言われていて、一括で審議をしないといけない、一括で賛成、反対を決めないといけないわけですけれども、過去にもこの束ね法案というのは何回も出されてきているんですね。
 今回の八本でも多いなというふうに考えるわけですが、過去見ますと、例えば平成二十六年、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律、これなんか十八本も束ねて出しているんですね。これ、束ねて出さないと恐らくなかなか審議ができなくて法案が通っていかないから、無理くりこうやって束ねていって審議していく、だからこういったミスも起こってくると、私はそういうふうに思うんですが、こういった束ね法案、やっぱり見直していくためにも組織の改編が大事だと思います。
 加藤大臣、どのように思われますでしょうか。
#336
○国務大臣(加藤勝信君) 二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合には、一般に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提出、提案することができると承知をし、これまでそうした考え方に沿って、本数が多いという御指摘がありましたけれども、そうした法案を出させてきていただいたところでございます。
 他方で、今委員からミスの話がありました。こうした法改正を行う上でも、また統計等を取り扱う上においてもミスがあってはならないことは当然でありますので、ミスがないように一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。
 また、規模が大きいのではないかという御指摘もありました。確かにそうした側面はあります。しかし他方で、統合するメリットによって、仕事と家庭の両立、子育て支援の充実、障害者の就労支援と雇用促進、あるいは介護福祉人材の確保など、それぞれ一体的に推進しているところもございます。
 いずれにしても、厚生労働省は国民生活に密着した業務を担っているわけでありますから、その責任とそして自覚を持って取り組んでいきたいと思います。
#337
○東徹君 加藤大臣、そうおっしゃいますけれども、私も大阪府議会におりましたけれども、やっぱり医療とか福祉というのはそれだけでもかなりのウエートを占めるんですね。だから、雇用とか、雇用対策となると、例えば経済的なものと一緒にしたりとか、そういったことをやっぱりやらないとなかなか回らないというのが、私の経験も、そういうふうに思います。是非、組織を変えることもやっぱり今後検討すべきと思います。
 もう一つ、こういった束ね法案なんですけれども、これもできるだけやっぱりやめるべきで、過去にも、例えばさっき言いました医療、介護の総合的な確保を推進するの法律案なんか、全く関係のない医療事故の法案が入っていたりとかするわけなんですよ。これは無理くりに一緒にしている。こんなことはもうやめないといけないと思いますので、是非、加藤大臣、このことについても前向きな答弁をお願いしたいと思います。
#338
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど、二つ以上の法律の改正を提案しようとするときの考え方については申し上げさせていただきました。厚労省としても、先ほど御指摘のように、幅広い分野を所管をし、それぞれの国会においても改正する法律案の本数が多い省庁ということでもございます。
 いずれにしても、必要な法改正をしっかりと行っていく、そして、やはり国会においてもしっかり御議論いただける、そういうように努力をしていきたいと思います。
#339
○東徹君 こうやって束ね法案をやっているから、やっているときに限って僕はこういったミスが出てくるんだろうというふうに思いますので、是非、一個一個丁寧に議論をしていく、そのためにも組織の改正もやっぱり検討していくべきだということを申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、議員立法についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 議員立法なんですけれども、日本維新の会からは、前国会、前々国会と百本以上の法案を出させていただいておるんですが、全くたった一つの法案ももう審議していただけないんですね。
 安倍総理、この審議していただけない状況、何とかしていただけないでしょうか。
#340
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 毎回同じ答弁で大変恐縮なんですが、まさに議員立法においては、これは国会において皆様が判断されるということでございますので、国会の中でしっかりとした議論が行われることが望ましいのでございますが、まさにそれは国会でお決めになることではないかと、このように思います。
#341
○東徹君 私も答弁分かっていて質問をさせていただいておりまして、国会の中でというふうにおっしゃるんですけれども、全く審議されないので、この不満をぶつけるのはちょっと安倍総理しかなくて本当申し訳ないなといつも思っておるんですが、こういう場でしか言わざるを得ないので言わせていただいているんです。
 今回、議員立法を我々が検討しているのが一つあるんですが、公職選挙法の改正なんです。
 これ野田総務大臣にお聞きしたいなと思うんですけれども、これ見ていただいたらあれなんですが、N市議会議員選挙で、昨年なんですけれども、行われた選挙なんですね。お一人は我々の日本維新の会の公認候補としてAさんが立候補しました。もう一人は、小さい字で地域政党日本維新の会と、こう書いてあって、これも公認と書いてあるんですね。このお二方が一つの市議会議員選挙に出たんですね。結果どうなったかといいますと、日本維新の会の公認候補Aさんは次点で落選、地域政党と小さい字で書いた日本維新の会公認候補のBさんは最下位でぎりぎり当選。しかも、その票数の差はたった二十六票差で、地域政党日本維新の会の方が当選した。
 これ、全く関係ないんですね、関係ないんです。でも、こういったことが起こってしまったので、これを防止する法案を是非出すべきだということで今検討しておりまして、こういった公職選挙法、是非変えるべきだと思うんですが、野田総務大臣、どのように思われますでしょうか。
#342
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 今の現行の公職選挙法について御説明をしたいと思います。
 政治資金規正法上、一定の国会議員数や国政選挙の得票率による政党要件を満たした政党は名称保護がなされることとされておりまして、総務大臣により公表された政党の名称やそれに類似した名称をその政党以外の政治団体が届け出ることはできません。他方、政党の名称等が公表される前においては、政治活動の自由及び結社の自由を保障する観点から、原則として政治団体は自由に名称を届けることができます。
 また、政党名での投票が有効とされている衆議院、参議院の比例代表選挙においては、公職選挙法上の政党要件を満たす政党は名称及び略称の保護の届出を行うことができるとされており、その政党以外の政治団体は、保護された政党の名称等を名簿の届出の際に使用することはできません。
 しかし、その一方、地方選挙など、候補者本人が立候補の届出をし、候補者の氏名を記載して投票する選挙においては、このような政党の名称保護の制度はありません。そのため、虚偽に当たらない限り、立候補の際に届け出た所属する政治団体の名称を用いて選挙運動を行うことができます。今現在、また御党の名称に用いられている、例えば維新という語を用いている政治団体というのは、総務大臣届出分で今三十三団体あります。うち同一名称、日本維新の会の政治団体も実は三団体、今現在あると承知しています。
 いずれにしても、お尋ねの公職選挙法の改正については、政治活動の自由や結社の自由、そして立候補に関する制度という選挙のルールに関わるものでございますから、今お話がございました立法、議員提案に関しましても、各党会派で御議論をしっかりいただくべきものだと私は考えています。
#343
○東徹君 ですから、これ、今回、ポスターも、シンボルカラーってどこの政党にもあると思うんですけれども、シンボルカラーも同じ、ロゴマークも似たようなロゴマークだったんですね。何回もこれ、テレビでも報道されたんですけれども、いや、国政政党日本維新の会と思っていたとかいう、聞くとやっぱりそういったインタビューも出てくるんです。だから、誤認されないようなやっぱり防止策というのは必要だと思うんですけれども、必要だと思いませんか。
#344
○国務大臣(野田聖子君) 御質問いただいて、いろいろお調べいたしました。
 実は、Aさんと、Bさんの方ですか、当選された、B氏が自身を代表として政治団体日本維新の会の設立を総務省に届け出た二〇一六年四月当時というのは、実は政党日本維新の会は存在しなかったわけであります。
 そういうことで、そのプロセスの上では決して問題がなかったということもありますので、今現在の公職選挙法ではそういう立て付けになっていることを踏まえ、是非各会派で議論していただいて、御議論していただくことが一番肝要だと思っております。
#345
○東徹君 過去にたしか自由民主党さんだって、支持率の低いときはその政党名を変えようかという議論もあったかのように私も……(発言する者あり)あっ、なかったですか、なかったかもしれませんが、例えば、今、民主党という政党がないですけれども、例えば地域政党民主党という、それもつくろうと思えば今つくれるわけですよね。だから、これ本当に簡単にできるわけでありまして、元に戻ったときにはまたこれごっちゃになってくるんですね。だから、やっぱり誤認を防ぐという法律は非常に大事だと思います。
 もう一つ、もうこれは自民党の与党の議員の先生も聞いても、いや、それはもうやらなきゃいけないよねと言われている法案が、今回の茂木大臣で問題になりました線香のやつなんですね、選挙、線香の。その前は、ほかの会派の議員で供花の問題もありました。選挙区支部ではこれは認められておるというふうなことで、これまたおかしな話なんですね。個人では駄目、自分の政治団体で駄目、でも選挙支部ではオーケー、でも選挙支部の支部長はその人なんですよね。
 だから、これはおかしいですよというふうなことで、大体皆さん方はそう判断されるんですが、やっぱりこういった法案、選挙区支部の寄附、これは禁止すべきと思いますが、先ほどの法案も含めて、大体、各会派と言うのは分かるんですが、安倍総理、お答えいただければと思います。
#346
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公職選挙法においては、お金の掛かる選挙を是正するため、寄附禁止の規定が設けられ、順次強化されてきたものと承知をしております。
 その結果、現在、当該選挙区内にある方に対する寄附は、政治家本人によるものは原則として禁止されていますが、政党支部については、政治家個人の後援団体には当たらないと解されているため、政治家本人の氏名を表示する場合等を除き、寄附の制限はないものとされています。
 いずれにせよ、政党支部からの寄附を含め、政治団体の支出の制限の在り方については、まさに選挙制度の根幹、政治活動の自由に関わる事柄であり、これは各党各会派においてしっかりと御議論いただくべきものと考えております。
 御党が政治の在り方等について真剣に考えられ、そして議員立法という形で建設的な議論をしておられますことに対しましては敬意を表したいと、こう思いますが、まさに国会の審議の在り方については国会においてお決めいただきたいと、このように思います。
#347
○東徹君 いつも敬意を表していただくというお言葉をいただいて大変有り難いんですが、なかなか審議をしていただけない。憲法にも国会は唯一の立法機関と言われている中で、閣法しかいつも審議されないというのは非常に残念なことでありまして、そういったことについて、是非自民党の中でも議員立法やっていこうというふうなことを言っていただきたいなと思います。
 次に、パネルを見ていただきたいと思います。三番なんですが、国民負担率についてお伺いをしたいと思います。
 国民負担率というのは、もう皆さん御存じと思いますが、税金とかそれから社会保険料の負担、これを収入全体でどれぐらいかという割合を示すものでありますけれども、最近発表された財務省の資料によりますと、平成三十年度の国民負担率は四二・五%という見通しだということなんですね。これは第二次安倍政権が誕生した平成二十四年度はどうだったかといいますと、三九・七%だったんですね。安倍政権が誕生してから約五年で二・八%国民負担率が上がってきている、悪化しているということが言えます。
 安倍総理は、来年十月に消費税の一〇%、これ引上げを予定されているというふうなことを言われておりますけれども、仮にこれが実施された場合なんですが、国民負担率どのようになるんですか。これ、麻生財務大臣にお伺いいたします。
#348
○国務大臣(麻生太郎君) 一〇%に上がったとき国民負担率が幾らになるかという、これはもう、今、先ほどルールというか、あれを御説明されましたように、分母の数字の、いわゆる、何というの、国民、何、総生産というか、分母の数字が、今それ、四二・五のやつは確か四百十四兆円で計算されているんだと思うんですけれども、国民所得の四百十四兆円というのが二年後ちょっとどうなっているかという数字によって、これ、分母の数字が上がりますと、上の数字は、割られる数字も下がりますので、四二から下がるかもしれませんので、ちょっとそこのところが、前提条件がきちんと四百十四兆であればという前提でしかお答えはできませんということを最初にお断りしておきますが。
 その上で、足下の平成三十年度の国民総生産で負担率は四二・五%となっておるんですが、これを今回、何ていうの、国民負担率を、ごめんなさい、国民負担率じゃなかった、消費税を二%引き上げさせていただいて、八%を一〇%にさせていただくことによって、今私どもの計算では、国民負担率、おおむねプラス一%強上がる、上昇させる要因となると思っております。
 それで、これ、重ねて申し上げますけど、経済の動向にえらく影響されますので、その点は将来にわたるちょっと予想という形になりますので、うかつなことは申し上げられないので言葉を選んでおりますけれども、いずれにいたしましても、この点につきましては、私ども、今後とも、この国民負担率というのは社会保障と両方ですので、これ一番考えないかぬところだと思っておりますので、受益と負担のバランスというのに一番注意をして、これは東先生、やっていかないと、可能な負担というものが適正かそれを超えておるかというところはなかなか難しいところなので、私どもとしては、社会保障というものの重点化等々、いろんなものを私どもはやって、三年間で一兆五千億と思って、毎年約五千億に収めるということができましたので四二・五で止まっておるんだと思っておりますけれども、いずれにしても、今後とも、この点につきましては、一番注意を払わなきゃいかぬところは、この国民負担率というのが一番国民の負担になるところだと思っておりますので、この点が一番頭に入れておかにゃいかぬところだと思っております。
#349
○東徹君 麻生大臣、ちょっとぴしっと是非答えていただきたいなと思うんですけれども。
 これは非常に大事なことだと思うんですね。今、今年が四二・五%ですから、来年というたらもうすぐですよ、すぐです。ですから、消費税が八%から一〇%、二%上がるわけですから、二%上がるときにはこうなりますよと。先ほど一%強と言うてますけれども、どうなるんですか。もう一度明確にお答えください。
#350
○国務大臣(麻生太郎君) 一%強ということは、今四二・五ですから、一%で四三・五、四捨五入したら四四とかいろんな表現になろうかと思いますけれども、そのときも、分母の数字が、四百十四兆が大きくなればそれはまた下がりますから、そこの点は申し上げられにくいということで、ぴしっとと言われても、そのぴしのその分母の数字がぴしじゃありませんから、分子の数字もなかなか答えができないということだと思います。
#351
○東徹君 これ非常に大事なことで、やっぱり将来を予測していくということはすごく大事なことだと思うんですね。
 やはり消費税を上げるときには、そのときの予測、国民負担率がどうなるんだろうかとか可処分所得がどうなるんだろうかとか、そういったことをやっぱりしっかりと予測していかないと、やはり判断間違っちゃいますよ。だから、その判断を間違えないためにも、麻生大臣は、きちっとそこの国民負担率はどうだということはしっかりとやっぱり計算をさせて予測する、そういったことが大事なんです。それをしないことが一番最悪だと思いますので、是非やっぱりそういった予測をしていただきたいと思います。
 もし来年消費税二%増税すれば、消費の落ち込みから国民負担率も二%上がる可能性もこれはあるわけでありまして、国立社会保障・人口問題研究所、将来人口推計によると、二〇四二年には高齢者数は三千九百三十五万人で、ピークをこれから迎えていくことになるわけです。こんなような人口構成で、今後、社会保険料負担も更に増えていって可処分所得は減っていくのではないかという不安が国民の中にはあると思うんですね。
 国民に、この国がどうなっていくというような情報、予測をして、だから今こういうことをやっていかないといけないんですよと言うためにも、私は国民負担率の将来推計行った上で公表を是非すべきと思いますが、いかがでしょうか。
#352
○国務大臣(麻生太郎君) 国民、何というの、負担率の推計につきましては、その分母の数がなかなか確定できないのでぴしっと申し上げられないというのは、これは条件は変わっていないんですけれども、少なくともこの私どもの、消費税を上げさせていただくに当たりましては、これまで消費税の引上げを延期させていただいたという経緯があります。
 この経緯は何かといえば、消費税を引き上げればその分だけ消費意欲が減退する。ひいてはGDPに占めます、一番大きな比率を占めます国民の最終消費と言われるものが大幅に影響されるということを考えますと、少なくとも我々としてはこの影響を十分に考えないかぬ。したがって、この消費がまだ十分に起きるということが予想できるまで経済を伸ばしていくという必要があるということで、私どもとしては、引き続き消費税をそのままの八%に据え置いたままでGDP等々伸ばさせていただく、また賃金、給料を上げていただく、そういったような話を主にさせてもらわないと、最終的に響く国民総所得から出てくる国民の、上がらないといわゆる消費が増えない、個人消費が増えないということになると、結果としてまたということになりかねませんので、我々引き延ばさせてもらって、この二年ほど延ばさせていただいたんですが。
 今回のは、今の状況としては、少なくとも前のときに比べまして明らかに経済状況は良くなってきておりますので、そういった意味では私どもはやらせていただきたいと思っておりますが、そのときにはいわゆる国民負担率はどうなるかというのが東先生の御指摘なんだと思いますが、私どもとしては、その段階では四百十四兆というのが更に大きくなってくると思っておりますので、私どもとしては四四%行かない手前のところで何としても収めたいなという気持ちは持っておりますけれども、こればかりはちょっと何とも、ぴしっとした数字は今申し上げられないというのが実態です。
#353
○東徹君 何度も言いますけれども、やっぱり将来を予測していくということは大変重要なことでありまして、また、遠い将来のことを言っているわけではなくて来年の話でありますから、是非そこは予測した数字というのを出していくということは、公表していくということは大事です。
   〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
 今、麻生大臣からも景気が良くなってきたというふうな話がありましたが、まだ回復途上だというふうな認識です。デフレ脱却半ばというわけですから、また再びデフレに陥ってはいけないわけでありまして、そんな中で消費税増税、これ本当にやるんですかというふうにこれ常に思うわけですが、我々は消費税増税は凍結すべきだというふうに考えておりますが、安倍総理の見解をお伺いしたいと思います。
#354
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税を五%から八%に引き上げた際、確かに個人消費が落ち込むなど予想を超えた影響があったのは事実であります。だからこそ、この三年間、我々はしっかりと三本の矢の政策を進めてまいりました。そしてその結果、賃上げは、中小企業を含め今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四四半期連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施しています。消費も、GDPベースで見て実質二〇一六年以降前期比プラス傾向で推移するなど持ち直しております。
 消費税の引上げはやはり消費にショックを与える可能性がありますので、このため、今回の消費税率一〇%への引上げに当たっては、まずはその使い道を子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当することにいたしました。言わば、半分は子供たちあるいは子育て世代への投資として政府が使うということにしたわけでございます。そして、もう一点は、一〇%への引上げと併せて低所得者対策として軽減税率制度を実施することとしておりまして、日々の買物における痛税感を緩和するとともに、消費行動にもプラスの影響があるものと期待するところであります。
 先ほど申し上げましたように、最初の一点において申し上げた、子供たちや、子供たちの世代に投資することによって、将来の子育てへの不安、あるいは半分は社会保障の安定化のために使いますから、社会保障の持続性について安心感が出てくればそれは消費の喚起にもつながるものと、こう考えております。
 もちろん、さらに我々、二〇一九年十月に引き上げていくための、それを可能とする経済状況をつくっていくためにしっかりと政策を進めていきたいと、このように思いますし、経済財政政策に万全を期していきたい。また、引上げの際にも、前回の経験を生かしてしっかりとした対策を打っていきたいと、このように考えております。
#355
○東徹君 私は、やっぱり消費の冷え込みというのは大変心配をしております。そうじゃなくて、行政改革でもってやはりお金を生み出していくということをこれは真剣にやっぱり考えてやっていくべきだというふうに思いますので、本来、やっぱり行革でもっともっと財源を生み出していく努力を是非すべきだということを申し上げさせていただきたいと思います。
 そして、経済成長も大変大事なわけでありますが、二〇二〇年に東京オリンピックが開催されますが、その後、経済を支えていく一つのイベントとして日本万博、関西、大阪が立候補しておりますけれども、二〇二五年の万博でありますが、万博の誘致については、これは最大のライバルでありましたフランス・パリが撤退をするということになりました。ただ、ロシアとかアゼルバイジャンもそのことを恐らく喜んでいるんだろうというふうに思って、やっぱりここは油断をしては駄目だというふうに思っております。
 積極的な誘致活動が大事なわけでありますが、あしたですけれども、BIEの視察団が来日されることになっていまして、ロシアやアゼルバイジャンに勝てるようどんな活動を行っていくのか、安倍総理にお伺いしたいと思います。
#356
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本はかつて、一九六四年の東京オリンピックと一九七〇年大阪万博において、まさに日本の経済成長を力強い確かなものとしていったんだろうと、このように思いますが、国際博覧会の国内への誘致は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会であります。開催地のみならず、我が国各地を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になると考えております。
 現在、旅行収支が黒字化しておりますが、これはもうずっと赤字だったものが、我々、政権交代して黒字化になったんですが、その前、一回だけ、一回というか、単発的に、単月で黒字になったのが大阪万博の年であります。世界中から観光客がやってきたということでありますから、まさに世界から人々が日本にやってくる、観光客を更に増大させる起爆剤にもなると、こう思っています。
 私自身、各国の首脳に対し、直接首脳会談においては必ず働きかけを行っております。まあ大体雰囲気はいいのでありますが、これ確約を取ることが大切だろうと思っておりますので、しっかりと我々、この誘致活動に力を更に入れていきたいと思っております。
 各国政府要人に対しては、東議員も参加されている超党派の議連の皆様や経済界の方々に精力的に働きかけていただいており、国、自治体及び経済界がオールジャパン体制で積極的な活動を展開をしております。
 そして、今週来日をするBIE調査団の皆さんとは明日お目にかかる予定でありまして、これまでの大阪万博、愛知万博などの実績に裏打ちされた日本の国際博覧会の計画の確かさ、そして産業界なども含めた誘致への熱意、そして大阪、関西の魅力を私からもしっかりと伝えてまいりたいと思います。
 今後も、十一月に予定されるBIE総会での開催国決定投票に向け、国会議員の皆様に幅広くお力を借りながら、何としても誘致を成功させるという決意の下、内閣で全力を挙げて取り組んでいく考えであります。
#357
○東徹君 是非、大阪、関西の魅力をしっかりとPRしていただきたいと思いますし、当然我々も努力をしていかなきゃいけませんし、大阪でも賛同者が八十万人の署名が集まったというふうなことを聞いておりますので、しっかりと今年の十一月に向けて努力をしていきたいというふうに思います。
 次に、診療報酬についてお伺いをしたいと思います。
 これ診療報酬なんですが、もう余り時間がありませんので、今回、平成三十年度ですけれども、診療報酬と介護報酬のダブル改定がこれ行われました。医師の人件費などに充てる診療報酬の本体部分、これがプラス〇・五五となったわけですね。この診療報酬をこれ考えるときの計算が、計算というかデータが、一般病院の損益率というこのデータでもって検討するんですけれども、それぞればらばらなんですね。医師会が言う数字と、それから健康保険連合組合が言う数字と、そしてまた財務省が言う数字、これが三つ三様になっているんですね。これではしっかりとした議論というのができないんです。
 この数字を求めるに当たっても、回答の回答率も非常に少ないんですけれども、これ、回答率何%か分かりますか。
#358
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十九年に実施いたしました医療経済実態調査の開設主体別になりますが、病院については全体が五六・二%、国立では七〇・〇%、公立は八〇・一%、医療法人は四九・四%、個人は三二・一%となっています。
#359
○東徹君 個人だと三二・一%で、回収率も回答率も非常に悪いんです。非常に悪い中で、その回答したものを基にやっている。言ってみれば、アンケート調査に近いような数字でもってこれを議論をしているんですね。こんな議論をしていたら駄目ですよ。
 これ、医療保険は保険料とそれから税金でこれ賄われているわけですから、しっかりとしたデータでもってやっぱりやるべきだと思いますので、これは税務情報とかそういったものも用いて、やっぱりこれは麻生財務大臣がしっかりとやるべきだと思いますけれども、いかがですか。
#360
○国務大臣(麻生太郎君) これは、予算の編成をさせていただくに当たってはこれはきちんとしたデータに基づいて検討せにゃいかぬと、これは当然のことなんであって、これはもう東先生の御指摘のとおりなんです。特に医療費の場合は、そうですね、社会保障全体で約三十三兆円のうち、医療費が十一兆円、介護が約三兆ぐらいですかね、そういった額になっていますので、三分の一はこれに当たりますので、総額のですよ。そういった意味では、これをマイナスかプラスかというので、大分良く、前のに比べてその数字が良くなってきていることは確かなんですけれども、それでもまだまだ赤字であることは間違いありませんので。そういった意味においては、私どもとしては、今インターネット等々、いろんなもので回答をする、今、加藤大臣のお答えがあったとおりなんですが。
 今、もうちょっと確実な情報をやるために税務情報を使えという話なんですが、これはなかなか難しいので。御存じのように、日本の場合は申告納税制度というのを使ってやらせてもらっていますので、これは税務行政のためにやっておる制度なんですが、それを、いわゆるこの情報というのを税務行政という目的以外のものに使おうということになりますと、これはなかなか問題なところなんだと思いますので、いろんな支障が出てくると思いますので、それは使える情報としては使える情報なのかもしれませんけど、これを目的外使用するということに関しましては少々慎重にやらにゃいかぬかなと思っております。
#361
○東徹君 この本体部分というのは、六回連続プラス改定しているんですね。医師会が言うのは、平成二十六年度はマイナス赤字が三・二%、二十八年はマイナス四・二%、大きくなりましたよと。で、財務省が言うのは、これ、国公立病院を除いて、加重平均をさせて、プラス〇・四%からプラス〇・六%、財務省の方は良くなりましたよということを言っているんですよね。
 だから、これ、一体どの数字でもって本当に議論をすべきかというのは、やっぱりきちっとデータが大切なんです。だから、これデータもきちんと、アンケート調査みたいなのじゃなくて回答をやっぱり義務化して、そしてやっぱり虚偽の数字を出さない、そしてきちっと税務情報も活用するとか、やっぱりそういうことをやるべきというふうに考えますが、安倍総理、いかがでしょうか。
#362
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のこの医療経済実態調査については、厚生労働省において正確な回答を得るための取組や有効回答率の向上を図るための取組を行った結果、平成二十九年の調査では有効回答率が向上したと、このように承知をしております。
 今後とも、より信頼性の高い調査となるよう調査内容を不断に見直すとともに、有効回答率の更なる向上を図るなど、医療機関の経営状況をより正確に把握できるように取り組んでまいりたいと思います。
#363
○東徹君 安倍総理が国難だと言ったように、今、本当に国難だと思います。非常にやっぱり財政厳しいですよ。これはもう麻生大臣もよく分かっているとおりだと思いますけれども、だからこそ、やっぱりきちっとしたデータを用いるべきだというふうに思います。
 なかなか、これ言っても変わらないと思います。恐らくこれ、自民党さん、やっぱりしがらみだらけですよ、言っちゃ悪いですけれども。それはもう医師会から団体献金二億円ですよ。それで、国会議員だって医師会から一億円以上もらっている。こういうしがらみがあれば、やっぱりこういった改革というのはなかなかできないと思います。是非そういったことを肝に銘じてやっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上で終わりにします。ありがとうございました。
#364
○委員長(金子原二郎君) 以上で東徹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#365
○委員長(金子原二郎君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
#366
○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表いたしまして質問をいたします。
 平成二十九年九月以降本日までに、国会や国会議員に対して開示、提出された財務省が持つ森友学園の関連文書は何件ありましたか。総ページ数でいうと何ページになるでしょうか。教えてください。
#367
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 国会からは昨年来、御要請があって出しております。情報開示の請求ということを踏まえてということもございますので、その部分も含めて申し上げますと、これまで四千五百ページ以上、それから先般、法律相談文書の、出しました、これが四百ページほどございましたので、それを合わせると大体五千ページ近い、五千ページぐらいの数字というページ数となりますが、その書類を提出をさせていただいております。
#368
○山本太郎君 済みません、平成二十九年九月以降ということでいいですか、五千ページは。それ、平成二十九年の九月以降、そして本日までということで区切るならば何ページぐらいですか。
#369
○政府参考人(太田充君) 申し訳ありません。先ほどお答えを申し上げたのは、これまで森友関係についてお出しをしたものということでございます。いつ以降というふうにされますと、そういうところではちょっと整理ができておりませんので、申し訳ありません、お答えをいたしかねます。申し訳ございません。
#370
○山本太郎君 そういうふうには対応していないと。なるほど。これ、困るんですよ。どうしてか。
 財務省近畿財務局への告発の受理が平成二十九年の九月中旬。今日からその日まで遡って国会に提出された森友関連の文書の件数も分かっていない。
 例えば、つい先日、平成三十年二月九日に、一年間ないないと逃げ回っていた文書が出てきた。森友学園事案についての法律相談の文書ですよね、合計二十五件、四百八ページにも及ぶ電話帳顔負けの分厚さの文書。そして、今おっしゃったのが全部で五千ページぐらいあるんじゃないかという話ですよね。
 じゃ、お聞きしたいんですけれども、例えばですよ、例えば、その五千ページも含めてなんですけれども、例えば森友学園事案についての法律文書、合計で四百八ページに及ぶもの、これ、法律相談文書というのは捜査に関係のない文書だったんですか。
#371
○政府参考人(太田充君) 捜査に関係あるなしということは、私どもは捜査を受ける立場でございますので、それは私どもがお答えできることではないというふうに存じております。
#372
○山本太郎君 法律相談文書以外にも、去年九月の告発受理後から本日に至るまで、約半年間もの間に国会及び国会議員に開示、提出された森友関連の文書は、貸付調書、売払調書などなど幾つも存在していて、皆さんの事務所にもたくさんあると思うんですよね。これら全てが捜査に関連する重要な文書であるはずなんですよ。違いますか。そうですよね。
 その一方で、今回、朝日新聞が報じる改ざん前の文書、それがあるかないかも言えないとのことなんですけど、全く筋が通りませんよ、これ。財務省が言う、捜査に影響があると答弁を逃げる朝日新聞報道の改ざん前の文書、これのみが捜査に影響があるという話になりませんか。だって、告発受理された後、ばんばん、だって開示されているじゃないですか。
 にもかかわらず、この一件に関しては、それ公開しない、あるかないかも言えないということ自体、じゃ、なるほどと、これのみが、改ざん前の文書のみが捜査に影響があるという話になっちゃうんですよ。いかがでしょう。
#373
○政府参考人(太田充君) 申し訳ございません、質問の御趣旨が、済みません、私にはよく理解できなかったのでございますが、基本的に、私どもが提出した資料で、それが何が捜査に関連しているかどうかということは、私どもは受ける立場なので申し上げようがないということを先ほどもお答え申し上げましたが、そういうことだと思ってございます。
#374
○山本太郎君 どれが捜査に影響を及ぼすか及ぼさないかは分からないとおっしゃった。だから、告発された後も捜査着手された後も、情報の開示というのは一定されてきたわけですよね。
 どうして、今回、この朝日新聞の改ざん前の文書に限っては、開示することもその存在の有無さえも言えないんですか。おかしくないですか。
#375
○政府参考人(太田充君) 今ほどの委員の御質問は、改ざん前の文書があるということを前提に、その文書についてというお尋ねだったと思います。
 私ども、朝日新聞の報道は売払いの決議書と貸付けの決議書ということでございますが、それについて書換えがあったという報道でございますが、そういうその書換えがあった云々というお話であれば、それは捜査を受けている段階で捜査にどのような影響があるか予見し難いので、それについては答弁を差し控えさせていただきたいというふうに申し上げているということでございます。
#376
○山本太郎君 捜査にどのような影響があるか予見しづらいというのであれば、今回のこの朝日の改ざん前の文書以外も、要は、これ告発されて、それを受理された後、今日に至るまで、国会議員、国会に対してはその情報が出されているわけですから、それ全て捜査にどのような影響があるか予見しづらい話になるじゃないですか。どうしてこの件に関してだけその存否、その書類があるのかないのかさえも答えないんですかって。おかしいでしょう。まさに、これが一番まずいこと。
 分かった、今分かった。一緒に考えましょうね、視聴者の皆さんも。今分かりましたよ、ひらめいた。分かりました。これ、あれでしょう、要は、財務省として、この書類、偽造前、手を加える前の書類は証拠として捜査側に渡していないからまずいということなんですよね。捜査に影響を及ぼすじゃなくて、これ、財務省に影響を及ぼすの話なんじゃないですか。
#377
○政府参考人(太田充君) 申し訳ございません、委員の御質問の趣旨が私にはどうしても理解できません。
 その上で、基本的に、書類は、私ども、国会あるいは情報公開の御請求があれば、その書類で、整理、保存、あるいは把握しているものは提出をさせていただいております。それが基本的なスタンスでございます。
#378
○山本太郎君 だから、どれが捜査に影響して影響しないかは、そちらには判断しようがないわけでしょう。にもかかわらず、去年の九月、それ着手されてからもずっと情報の開示、ぼちぼちされているじゃないですか。どうやってそこを判断したんですかって。で、今回のこの件、朝日が報じた件、改ざん前の文書があるということに関しては、この存否に関しても言えないという態度が、もうそれ自分たちで自白しているのと同じだろうって話なんですよ。
 時事通信、報道でこのように、このような報道をしているんですね。この改ざん疑惑について政府関係者が、財務省では、資料をまとめる過程で多少削るなどした部分はあるが改ざんには当たらないという説明で乗り切る案が浮上していると、このように報じられたんですよ。まあ作戦考えているんでしょうね、ずっとね。どうする、これ言うて、どうやって乗り切ろうかいうことをずっと言っていて、まあ火曜日までに考えようということで、もう今いい感じまでなっていると思うんですよ、言い訳ね。
 財務省にお尋ねしますよ。財務省では、決裁文書、決裁後の修正は日常的に行われているということでいいんですね。
#379
○政府参考人(太田充君) 基本的に、そのようなことは基本的にはないというふうに思ってございます。修正ということで、修正って、決裁文書も含めて文書は、それはいろいろ誤りがあれば直すということは当然いろんなことでありますけれども、今ほどのあれで、決裁をした後でそのものを直すということは基本的にはないということでございます。
#380
○山本太郎君 例外的にはあるということでいいですね。
#381
○政府参考人(太田充君) 基本的にはというときに、例外があると思って基本的にと申し上げているつもりではございません。
 何と申しますか、そういうものを作って、それは決裁ができ上がればそれで終了するというのが基本でございますのでということを申し上げているつもりでございます。
#382
○山本太郎君 本当に私の質問以上に分からない答え返ってきていますよ。びっくりしますね、本当にね。御苦労さまです。
 総理にお聞きします。これまあ財務省のお話ですけれども、これ実際に結局そういう文書があったんだという話になったら、これはその官僚が責任を取らされるとか財務大臣が首を取られるとかそういう話ではなくて、内閣総辞職ものだと思うんですけれども、いかがでしょうか。この文書が実際にあったとするならば、これ内閣総辞職という認識でよろしいですか。
#383
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全く仮定の話でございますので、お答えすることはできません。
#384
○山本太郎君 済みません、仮定、想定に沿って国会というものはいろんな物事を話し合っているんですよ。特定秘密保護法、どんなんでしたっけ。それから共謀罪、どんなんでしたっけ。それから安保法案、どうでしたっけ。いろんな危険やいろんなテロやいろんなものの想定、そういうものを考えて、仮定に沿ってこういう法案を作っていこうという話合いをしているのが国会なんですよ。(発言する者あり)想定、もちろん。想定しなきゃ駄目じゃないですか。安全保障上の危機ですよ、安倍政権の。いかがでしょうか。
#385
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同じ答弁でございます。
#386
○山本太郎君 ちょっとプライベートなこと聞きますね。
 総理、最近眠れていますか。
#387
○内閣総理大臣(安倍晋三君) おかげさまで、ゆっくり寝ております。
#388
○山本太郎君 それは何よりです。
 内閣法の第一条二項にこのようにあるんですね。「内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う。」。連帯して責任を負うということは、この一年間、これまでの一年間の間に、この森友問題、加計問題、いろんな問題に関して、行政がなかなか文書を出してこない、記憶がなくなった、文書がなくなった、これの連続だったんですよ。で、今このような、一年たってからとんでもない話が出てきた。決裁文書、それいじったんだって。で、いじる前の文書、なかなか出さない、存在も分からない、そんな状態ですよ。これ、もしもその事実となるような、事実の元となるような文書が出てきたら、これ内閣法にものっとって連帯して責任を負う。これ、財務大臣だけの話じゃないんですよ。
 若しくはこれ、総辞職しないとなったら、トカゲの尻尾切りですか。トカゲの尻尾切りになりますか。担当する省庁の官僚が何かとがめを受けるという話になるんですか。
 この内閣に付いていく、そのつもりでたくさんの工作に関わったとしていたら、官僚の皆さん、もうやめた方がいいですよ。価値がないです。一緒に沈む気ですか。情報隠しのためにこのまま自分の命まで奪われかねないような状況になっちゃったらもったいな過ぎる。あなたは、この国に生きている官僚の皆さんは、この国をもう一度立て直すためにも必要な人材なんですよ。今持っている情報があるんだったら是非出していただきたい。そして、ちゃんとした国づくりのために力を合わせていただきたい。決して自分の命を無駄にするようなことはしないでいただきたい。
 そう申しまして、続いての質問に行きたいと思います。
 総理の得意分野についてお聞きしますから、少しリラックスされても結構だと思います。はい。パネルを出します。(資料提示)
 資料の一、GDPを構成する四つの要素、消費、設備投資、政府支出、純輸出。総理、景気拡大、一番寄与するのはこの中でどれだと思われますか。
#389
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一番寄与するのは何かという御質問だと思いますが、例えば消費や輸出が伸びれば生産能力増強のために設備投資が喚起されるわけでありまして、それぞれが互いに関連している面はあるわけであります。言わば、設備投資を行い、消費者に言わば消費意欲を起こさせるような製品を安く開発すればこれは消費の喚起になるわけでございますが、どれが景気拡大に一番大きく寄与するかということについては一概に申し上げることは困難ではありますが、その上で申し上げれば、二〇一七年の名目GDPにおける各需要項目のシェアを見ると、最も高い項目は民間最終消費支出となっております。
#390
○山本太郎君 ありがとうございます。
 まあ長いこと掛かりましたけれども、結局は消費なんですよね。先ほど麻生大臣が前の質問者のときにお答えになっていました。個人消費が六割、GDPの六割を占めるんだから消費が一番景気に寄与するだろうと。当然です。消費がされるようになれば設備投資だってされるだろうという話ですからね。どんどん広がっていくことは間違いないという話なんですね。
 景気拡大を目指すなら、GDPの六割を占める個人消費が拡大しなきゃならないね。その一番重要な個人消費を押し上げるためには、政府支出を増やすということも大切です。残念ながら安倍政権には、自らデフレ脱却を妨げる、景気拡大を阻害する施策、散見されます。後ほどゆっくり話したいと思います。
 続いて、ちょっと分野は違うんですけれども、数字の話を総理にお聞きしたいと思います。
 総理、生活保護の不正受給、この割合って御存じですか。
#391
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今、質問通告がございませんので、答えるからには正確に答えなければいけませんので、お答えすることはできません。
#392
○山本太郎君 ありがとうございます。通告しなくてごめんなさい。日常的に総理の中にこの生活保護という問題がどういうふうにあるのかなということをちょっと知りたかったんですね。
 二〇一六年度の実績でお伝えすると、生活保護の不正受給、件数で見た場合、約二%ほど、金額で見た場合、不正受給は〇・四%台です。もちろん、これ、不正は正さなければなりません、当然です。けれども、不正受給は二%。つまり、生活保護利用者の九八%は適正に受給しています。
 不正受給として扱われるものの中には、生活保護家庭の子供が、家が生活保護を受けていると知らず、あるいはバイト代の申告義務があることを知らずにバイトをして、その収入を役所に知らせなかったことにより不正とされたケース、ほかにも銀行預金調査で百五十円とか数百円の本人も忘れていた預金が発見されたものまで不正とされたケースもあります。
 資料の二、生活保護の受給世帯、その内訳、平成二十九年十一月分の概算。高齢者世帯五三%、母子世帯五・七%、障害者、傷病者世帯二五・七%、そのほかの世帯一五・七%。
 御覧のように、生活保護を利用している人の八割以上がお年寄り、障害や重い病気を抱えた人、シングルマザーの世帯など、働いて収入を得ることが困難な様々なしんどさを抱えた世帯が八割以上。そのほかの世帯というのが一五・七%ですけれども、その中には、会社に、仕事に使い潰されて心や体を壊してしまって社会復帰できず受給されている方々も大勢いらっしゃる。働き方改革と言いながら、裁量労働制以上にやばい内容の高度プロフェッショナル制度など、労働環境を悪化させる法律を作ってしまえば過労死が増えるのはもちろんのこと、将来の保護世帯を増やすことになるのは避けられません。
 もう一度話を戻しますね。
 九八%適正に受給している生活保護、その多くが不正受給であるというような空気感、世間には確かに存在するんですよ。そのような空気をつくり出した、その原因をつくり出したのは一体誰なんだってことを、総理、御存じですか。
#393
○内閣総理大臣(安倍晋三君) なかなか御質問の趣旨がよく分からないんですが、誰がこの、そもそも今二%というお話をいただいたわけでありますが、果たして国民の中に大宗が不正受給だという感覚があるんでしょうか。私どもはそんな感覚は全く持っておりません。
#394
○山本太郎君 よく言うなって話なんですよ。そういう空気つくったの、生活保護の多くが不正受給をやっているっていう空気づくりに一番貢献したのは誰だといったら、自民党じゃないですか。
 二〇一二年三月設置、自民党生活保護に関するプロジェクトチーム、お笑いタレントの母親が生活保護受給していたという不正とは言えない件を問題にして生活保護バッシングをあおり、それにマスコミも乗っかった。生活保護の不正受給を声高に叫び、政権交代に係る政権の公約では生活保護のスリム化まで入れ込み、生活保護バッシングを主導したとも言えますよ、自民党が。全ての人々の権利である生活保護の利用に恥の意識を持ち込んだ、セーフティーネットに恥の概念を埋め込んだのが自民党じゃないですか。私どもはせめてそんなことを考えていないような話でしたけど、間違いなくそうなんですよ。そう感じているんですよ、受給者たちは。
 政権奪還後、最初のお仕事として生活保護の史上最大の引下げまで行っておきながら、その最高責任者が不正受給の数も知らないし、それをつくった、空気をつくったのが誰かも分からない。二〇一三年から生活保護基準の引下げでの最大一〇%、総額六百七十億円の減額がなされた。
 資料の三、生活保護基準はナショナルミニマム、国民に保障される最低限の生活水準として、生活保護だけでなく、教育、介護、医療、福祉など数々の制度を助成や支援する際の基準であり、その基準が変われば四十七もの制度に影響する。
 例えば、その中の一つに就学援助ってものありますよね。どういうことか。市町村が、学用品等、通学費、修学旅行費、医療費、学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費など、お金がない世帯に対して支援を行う、それを国が一部負担するっていう話ですよね。
 これ、二〇一三年からの安倍政権による最大で一〇%の段階的による引下げ、これで就学援助、二〇一三年どういう状態になったか。生活保護削減のときには八十九の自治体で影響が生じた。例えば、東京都中野区で約二百人、横浜市では九百七十七人が就学援助を受けられなくなったと報道でもありましたよね。このように、直接関係のある四十七の制度ばかりでなく、それ以外にも影響が及ぶっていう話なんですよ。
 二〇一三年、史上最大の生活保護基準引下げで生活保護利用者の方々の生活が厳しい状態に追い込まれた。現在、全国二十九の都道府県、一千人近い方々が原告となって、これ裁判を起こしているんですね。いのちのとりで裁判、このホームページに当事者の方々のメッセージが寄せられています。
 大好きな焼き魚、煮魚を我慢して一缶百円ぐらいの缶詰食べています。引き下げられてからは食費を更に削ったと。衣類はほとんど買いません。数年に一回、生地が薄くなったり、黄ばんだり、穴が空いたときに下着を買うだけ。
 ほかにも。切り詰められるのは食費ぐらいだけですから、更に回数を減らす、量を減らす、質を落とす、できる限り安いものにするということです。それは寂しくつらいものです。保護費をいただくのは三日。月末が近づく頃からは何とも貧しい哀れな食事になります。少なく盛った御飯とワカメだけのみそ汁、支給日までの食事の回数を考えて梅干しを数えての食事。そんな生活を続けて何とか三千円のズボンを手に入れることができた。電気、ガス、水道、これ以上節約の方法がない。テレビはできる限り見ない、つけない。蛍光灯は手元が見えなくなるまでつけない。今の時期は水道の水の温度が低い。室温に戻してガスに掛けるなどして精いっぱいの努力をしている。
 もう既に二〇一三年の引下げでここまでやらなきゃ一月過ごせないっていう状況にされているんですよ。にもかかわらず、また下げるんですってね、生活保護。しかも、全ての収入を十段階、十に分割して、一番下、最も貧しい収入の人たちに対して、一番、一番下位一〇%の収入と生活保護を比べて基準を見直すって、これおかしくないですか。景気良くなった良くなったって言っているんですよ。でも、生活保護を引下げする理由が何かって。最も貧しい層の下からの一〇%が生活水準が前よりも悪くなっているんですよ。それに合わせて生活保護もこれ変えていくって、おかしな話じゃないですか。
 生活保護、どれぐらいの人たちが受けられていますか。受けるべき人たちがどれぐらい受けられているか。これ昔に調査しているんですけど、緩過ぎるんですよ。で、専門家が調べた。二割から三割、二割から三割しか受けられるべき人たちが受けられていないんですよ、生活保護を。じゃ、この生活保護から漏れたらどこに行くかって。刑務所しかないんじゃないですか、若しくは生きるの諦めるしかないんじゃないですか。
 好景気をうたっておきながら、だったら消費がもっと拡大するような、そういう予算付けしてくださいよ。低収入の人たちの底上げが全くされていないんですよ。それに合わせて生活保護の人たちの基準も下げると言ったら、これ消費も弱まる。それだけじゃない。この国の元々のセーフティーネットすらもう意味がほとんどなくなるような状況にされていっているじゃないですか。ここを変えなきゃ本当の景気回復なんて来ないんじゃないですか。政治がやれることってこれなんじゃないですか。
 総理にお聞きしたいんです。生活保護の受給者、その当事者たちに直接声を聞いたことがありますか。
#395
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護を受給されている方やその関係者からは、常日頃、御意見、御要望が寄せられております。今回の生活保護基準の見直しについても、要望書をいただいたり直接受給者の方から御意見をいただいたりと、様々な機会を通じて御意見をいただいているところでございます。
#396
○山本太郎君 総理に聞いているのに大臣出てこないでくださいよ。
 総理、当事者の声聞いたことありますか。聞いたことがない、聞いたことがないのであればセッティングします、直接聞いていただきたいんです。もう今みんなぎりぎりなんですよ。死ぬか生きるかなんです。よろしくお願いします。
#397
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこれは担当の厚労大臣がしっかりと所管をしているわけでありますから、そうした声については担当の大臣あるいは役所からしっかりと承りたいと、このように考えております。
#398
○山本太郎君 今回の引下げに関しては、厚労省自らは聞いていないですよ、当事者には。向こうから来るのには聞くけど、こっちからは聞いていない。芸能人とはしょっちゅう御飯食べるのに、こういう人たちとは話聞かないんですね。あり得ない、引下げはあり得ません。
 終わります。
#399
○委員長(金子原二郎君) 以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#400
○委員長(金子原二郎君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
#401
○福山哲郎君 立憲民主党の福山です。よろしくお願い申し上げます。
 残念ながら、森友学園問題の決裁文書についての改ざん疑惑問題が浮上しています。普通、決裁文書を改ざんすることは考えられません。決裁という形で確定していた公文書を事後に書き換えることは通常あり得ないと。誤字、脱字でさえ訂正印を押すのが常識です。もしこれが事実であったとすれば、有印公文書変造罪、虚偽有印公文書作成罪、刑事罰に問われる可能性があります。非常に大きな問題だと思います。
 理財局にお伺いをします。先週の金曜日、調査をするとか報告をするとかいろんなことを言われましたが、元々、我々に配ったこの文書以外のもう一つの文書、ありましたか。
#402
○政府参考人(太田充君) そのお尋ねも含めて先般お答え申し上げましたけれども、それは、今、捜査に全面的に協力している段階であって、お答えをすることが捜査にどのような影響を与えるか予見し難いため、答弁は差し控えさせていただきたいと申し上げた上で、その上で、捜査に対する影響に配慮しつつ、委員からの御指摘も含め、国政調査権ということを重々踏まえて調査を進めていきたいと考えております。結果報告については、捜査の最終的な影響ということも十分見極めながら適切に対応させていただきたいと考えております。
 なお、本日朝あるいは昼の本委員会の理事会での御議論も承知をしておりまして、明日、調査の方針、留意点など、調査の状況について報告をさせていただきます。
#403
○福山哲郎君 いつの間にか調査の方針になりまして、調査をする方針に変わっているんですね。
 何で二つないんだったら調査をしなければいけないんですか、若しくは調査の方針を説明いただかなければいけないんですか。二つないんだったら、別にそんな調査、済みません、ひょっとして、局長は佐川さんから受けて気の毒だと思いますけれども、実は二つ作りましたという報告等を受けていた可能性があるかもしれません。何で調査をしなければいけないんですか。一つしかないんだったら調査要らないでしょう。
#404
○政府参考人(太田充君) 二つあるのか一つあるのかという種類のお尋ねは、先週金曜日からたくさんいただいております。それに対する答弁は、先週来お答えをしているとおりでございます。
#405
○福山哲郎君 捜査は何に関しての捜査を、どういう形で告発を受けているのか、御紹介ください。
#406
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 背任、証拠隠滅、公用文書等毀棄についての告発を受けて、捜査を受けておるという状況でございます。
#407
○福山哲郎君 そのときに、令状による強制的な捜索、関連文書の差押えがもう既に行われているのか、若しくは任意提出という形で関連文書について提出をしているのか、若しくはまだそういった文書等の押収等については進んでいないのか、事実関係だけ教えてください。
#408
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほどのお尋ねにお答えをすることは、私ども捜査を受けている立場なので、そのようなことはお答えできないというふうに承知をしてございます。
#409
○福山哲郎君 令状による捜索の差押えが行われたかどうか、事実関係だけ教えてください。別に我々が地検に問い合わせてもいいわけですが、そのことについてお答えをください。
 つまり、ざっくり全部もう文書を持っていかれたんだったら今ないはずなんですね。しかしながら、今日、理事会で局長は、原本については、我々に配ったものについてはあると言っている。それで、捜査に協力をしていると言っている。
 じゃ、一体どういう関連文書について地検にもう押収されているのか、強制的に、それともその手前の段階なのか、そこについてお答えください。
#410
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 済みません、先ほど委員、理事会に局長が出てこう言ったという御発言ありましたが、私、理事会には、申し訳ありませんが出席をしておりませんので、そのことは承知をしておりません。
 その上で、その上で、今ほどのお尋ねの件は、捜査でどういうこと云々という話は、やはり私ども捜査を受ける立場なので、それはお答えをいたしかねるというふうに存じております。
#411
○福山哲郎君 失礼しました。次長が御出席されたそうですので、訂正しておわびを申し上げます。
 次長だそうですが、次長はそういう話をした。そうしたら、局長、あした調査の方針を言うと言われておりますが、捜査を受けているんでしょう。どれだけのものが残っていて、押収されているのかどうかも言えないんだったら、調査の方針って、何にもなかったら調査しようないじゃないですか。調査の方針を言われるということは、一部の文書は残っているということですね。残っていると。
 だから、今日の理事会で言われたこの原本が残っているということは、要はまだ任意の提出しかしていないということですね。そのこと確認しないと、あしたの調査の方針だって、もう全部押収されているんだったら調査しようないじゃないですか、財務局内部で。それならそう言わなきゃ。
#412
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 先週の金曜日来のお尋ねに対して、捜査に対する影響に配慮しつつ、国政調査権ということも重々踏まえてということを申し上げております。
 そういう意味で、捜査に対する影響を踏まえた上でのお話として、今ほど申し上げていますように、本日朝あるいは昼の理事会での御議論も承知をしておりますので、調査の方針、留意点など、調査の状況について報告をさせていただきますと申し上げております。(発言する者あり)
#413
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#414
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#415
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほど委員のお尋ねの件は、基本的には先ほどと同じ答弁を繰り返させていただくことになります。基本的に、捜査の状況と、我々は捜査を受ける立場でございますので、そういう意味で我々の現時点で申し上げることには限度があるということを御理解を賜りたいと思います。
 その上で、委員の御指摘の御趣旨は重々分かっておりますので、そういう御指摘も踏まえて、明日の時点でどこまで、もちろん受ける立場なので限度はありますが、整理をした上でお話をさせていただけるように、今晩掛けて努力をさせていただきたいというふうに存じております。
#416
○福山哲郎君 よく分からないんですよ。調査の方針って、だって、捜査に影響があって言えないんだったら方針なんか立てられるわけないじゃないですか。
 それから、何であしたまでには答えられて、今答えられないんですか。そこをまず教えてください。これ、国会の予算委員会なんですよ。何でここで答えられないんですか、あした答えられて。
 じゃ、今考えている調査の方法について、今考えている段階で何を考えておられるか、お伝えください。
#417
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 金曜日の委員会の時点では、調査を進めるということと、最終的な結果報告は、捜査の最終的な影響ということも十分に見極めて適切に対応させていただくというところまででございました。その後、こちらの参議院の予算の理事会でも様々な議論があって、それを踏まえて、今必死になって対応させていただいております。
 そういうことでございますので、できるだけ早くということで努力をしておりますが、その中で、今の時点で答えろと言われても、それは申し訳ありません、明日に答えられるべく今一生懸命やっているというところでございます。
#418
○福山哲郎君 だから、あした答えるんだったら、今どのような形で考えているのかだけ教えてくださいと、ここは大事な予算委員会の場だから。どういうふうな状況で考えている、何であした答えられるものを、今の中間的な、今理財局長が考えていることを答えられないんですか。今、お伝えください。
#419
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 理財局長がというお話でしたけれども、私の一存で全てがお答えできるわけでもございません。様々な方面とも調整をし、あるいは調整をしていること自体が申し上げられるわけでもないかもしれませんが、いずれにせよ、誠心誠意やらせていただいて、明日何とかお答えをさせていただきたいと申し上げておりますので、そこは御理解を頂戴いたしたいと存じます。
#420
○福山哲郎君 捜査を受けているのに、誰と調整するんですか。理財局長に、ある文書についてのあるかないかの存否を確認しているのに、誰と調整するんですか。捜査を受けているから我々にも答えられないのに、何で、誰と調整するんですか、理財局長、一体。
#421
○政府参考人(太田充君) 私は理財局長でございますが、それは、省内であっていろんな意味でお話をしてということもございます。いろんなことをやった上でということでございますので、そこは、明日と申し上げておりますので是非御理解を頂戴したいと存じます。
#422
○福山哲郎君 僕は、太田さんは気の毒だと思いますよ。本当に優秀な方がここまでやってきて、安倍政権の片棒を担がされて、こんな状況の中で本当に気の毒だと思いますよ。(資料提示)これ去年からずっと、文科省もそう、防衛省もそう、いろんな本当に頑張ってきている役人が安倍政権のためにこういう形で尻拭いをさせられていることに対して、私は非常に遺憾に思います。
 理財局長、お伺いします。私はやっぱり証拠に基づいて議論しなきゃいけないと思いますので、あるかないか今分からない、政府も認めない、文書も実際に出てこない、しかし、報道を見ればかなり具体的に改ざんの内容が書かれていますから、実際、文書はあると私は推測はしておりますが、それだけで議論できないので、あえて申し上げます。
 この貸付け、非常に難しい課題だったんですね。財務省が出していただいた四月の二日の原課が言っている内容をお伝えします。
 学校法人から軟弱地盤による地盤改良費の支払要請について、国は対応しない方向で考えたいが、その適切な説明ぶりがあれば伺いたい。国において措置することも難しいため、無理に本地を借りていただかなくてもよいと投げかけることも考えているが、問題点等があれば伺いたい。これ、原課です。もう貸したくないと言っています。それから、貸付料が折り合わない以上、契約はできないため国に責任はないと考えるが、今後の交渉において注意すべき点があれば確認したいと言って、断ることを前提に相談文書を投げかけています。
 こういう問題意識が原課にあったのは事実ですね。
#423
○政府参考人(太田充君) 今ほど委員が御指摘をいただいた文書のそのときのタイミングにおいて、ある意味での折衝がなかなかうまくいっていない状況の下で、担当しておった統括国有財産管理官の方は、なかなか状況が厳しい中でどうするかと思い悩んでいたということはこの法律相談文書からも察することができるというふうに存じております。
#424
○福山哲郎君 そうなんですよ。ですから、報道にある特例的だと書かれているのは、原課がこれだけやめたがっているのを無理やり貸し付けたということでいえば、特例的だという文章が入っているというのは非常に蓋然性が逆に私は高いと思っているんですね。
 だから、これが本当に二つ文書があった場合には大問題になると思います。文書が二つ出てきた場合は、どのような理由で誰の指示で書き換えたのか、こういったことを明らかにしなければいけないので、当然、今の佐川国税庁長官の証人喚問は不可避だというふうに考えます。
 次へ行きます。
 今年一月三十日、東京高裁で現役自衛官が国を相手とする訴訟の判決がありました。訴訟内容について、訟務局長、簡単で結構ですのでお答えください。
#425
○政府参考人(舘内比佐志君) お答えいたします。
 御指摘の訴訟は、現職の自衛官である原告が、存立危機事態が発生して自衛隊に防衛出動命令が発令された上、当該原告に職務命令が発令された場合に、存立危機事態における防衛出動命令が違憲であることを根拠に原告がこの職務命令に従わなかった場合には懲戒処分を科せられるおそれがあると主張しまして、この懲戒処分がされることを予防することを目的として、国に対し防衛出動命令に服従する義務がないことの確認を求めて訴えを提起したという事案でありまして、確認の訴えという性質上などから、訴えが適法であるための要件として、現に原告の権利又は法律的地位に具体的、現実的な危険又は不安が存在するか否かなどが争われている訴訟でございます。
#426
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 時間がないんですが、恐縮ですが、高裁で国の準備書面による国の主張を、準備書面の二十四ページ十三行目から十八行目まで、訟務局長、恐縮でございますが、読み上げていただけますでしょうか。
#427
○政府参考人(舘内比佐志君) 御指摘の準備書面の御指摘の部分につきましては、現在に至るまで武力攻撃事態が発生したことはなく、防衛出動命令が発令されたことがないことはもとより、その前提となる手続が行われたこともない、また、現時点で存立危機事態も発生しておらず、また、現時点における国際情勢に鑑みても、本件訴訟が係属する当面下において、将来的に上記事態が発生することを具体的に想定し得る状況にはないと記載されております。
#428
○福山哲郎君 そうなんですよね。現在において、これまでは防衛出動命令が、武力攻撃事態発生したことがないのは分かりますが、存立危機事態も発生していないんですが、現時点における国際情勢を鑑みても、本件訴訟が係属する当面下において、将来的に上記事態が発生することを具体的に想定し得る状況にはないと国は主張しています。
 実は、控訴人にある自衛官はこう言っているんです。アメリカと北朝鮮との間で武力衝突が発生した場合、我が国の存在、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆る明白な危険があると。実は、控訴人の自衛官がまさに安倍総理がいつも言われているようなことを主張しているんです。
 それに対して国は何と反論しているか、二十二行目からお答えください。訟務局長。
#429
○政府参考人(舘内比佐志君) 御指摘の部分につきましては、二十二行目からでございますね。はい。
 かかる主張もあくまで抽象的な仮定を述べるものにすぎず、上記主張をもってしても、将来、武力攻撃事態又は存立危機事態が発生するか否かや、その時期が具体的にいつであるのかを何ら示唆するものではないことは明らかであり、現時点ないし本件訴訟が係属する当面下において、現状の国際情勢が著しく変動し、防衛出動命令の前提となるべき武力攻撃事態又は存立危機事態が発生し得ることの具体的危険性を肯定することはできないと記載されております。
#430
○福山哲郎君 これが国の主張です。
 結びのところにまだあります。二十七ページの下から四行目の結論部分について、国の主張を訟務局長、本当に恐縮ですが、お読みいただけますか。
#431
○政府参考人(舘内比佐志君) 御指摘の部分につきましては、本件は、そもそも現時点で武力攻撃事態又は存立危機事態に陥っておらず、かつ陥ることも具体的に想定し難く、ゆえに現時点において防衛出動命令の発令がされることについての具体的蓋然性も認められず、現時点で、いつ何どき、いかなる状況下において現に発令される蓋然性があるのかすら不確定な状況であることは前述のとおりであり、それゆえ、そもそもあまねく自衛官に対して防衛出動命令に係る職務命令が発動される具体的なおそれがあることはおろか、控訴人に対してかかる職務命令が具体的に発動されることすら具体的に想定され得ないのであると記載されております。
#432
○福山哲郎君 国民の皆さん、今の主張は国の主張です。
 そもそも、武力攻撃事態又は存立危機事態に陥っておらず、かつ陥ることも具体的に想定し難く、です。それから、現時点で、いついかなる状況下においても現に発令される蓋然性があるのかすら不確定な状況であると。さらには、自衛官に対して防衛出動命令に係る職務命令が発動される具体的なおそれがあるどころか、具体的に想定され得ないと。
 実は、この判決、準備書面を出されている前後に、安倍総理はトランプ大統領と首脳会談、電話会談をされています。
 私は、北朝鮮の情勢は厳しいと思います。しかしながら、立法事実がないでしょうと我々はずっとこの安保法制のときに言っていました。これ、安保法、立法事実がないと国が司法の場で認めているんじゃないですか、これ。蓋然性がないと言っているんですよ。(発言する者あり)ないと言っているんだ。ないと国が言っているんです。これ、どういうことですか。ましてや、あまねく自衛官に対して防衛出動命令が発効される具体的なおそれがないと言っているんです。そんなことないはずでしょう。
 上川大臣、この訴訟について上川大臣が認識されたのはいつですか。
#433
○国務大臣(上川陽子君) ただいまの御質問でございますけれども、いつどのような形で認識したか否かということにつきましては、個々の訴訟に関することということでございますので、詳細についてお答えを差し控えさせていただきます。
#434
○福山哲郎君 この訴訟があるのを認識したのについて、訴訟の内容に関係するから答えられないんですか。
 上川大臣、じゃ、この準備書面の内容を、あなたが内容を認識したのはいつですか。
#435
○国務大臣(上川陽子君) 具体的な訴訟に係る案件でございますので、私の立場から説明することにつきましては差し控えさせていただきます。(発言する者あり)
#436
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#437
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#438
○政府参考人(舘内比佐志君) 国は訴訟の一方当事者の立場にありますので、そもそも訴訟外の言動等によりまして訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えております。加えまして、御指摘のような法務大臣が訴訟を認識した時期などということにつきましては、訴訟の一方当事者の内部の事情というものでありまして、そもそも訴訟上で明らかにされることがなく、また訴訟当事者として明らかにする必要もない性質の事項でございます。そのような事項に一つ一つ法務大臣や法務当局が訴訟外で言及することを控えるべきであると考えている次第でおります。
 なお、もしそのようなことになれば、訴訟の一方当事者である国として当該訴訟にいかなる体制でどのような方針で臨んでいるかなどにつきまして、すなわち個別の訴訟における国の訴訟追行体制等につきまして、意図しない受け止め方をされてしまうおそれもございます。そうなれば、相手方当事者がそのような受け止めに基づく主張をし、訴訟活動に利用するなどして、場合によっては、いたずらに訴訟が遅延するなど訴訟追行に生じかねないことでございます。また、そのことによりまして、裁判所に誤った心証を形成させたりすることもあり得るところでありますので、司法審査に影響を与えることになると思料されます。
 このような理由から、お答えを差し控えさせていただいているということでございます。
#439
○福山哲郎君 上川大臣、あなたはこの訴訟の存在自体は知っていましたか。いつじゃなくていいです、いつ知られましたか。(発言する者あり)いや、だから、じゃ、この訴訟の訴訟代表者はどなたですか。
#440
○国務大臣(上川陽子君) 代表者として、法務大臣でございます。
#441
○福山哲郎君 上川大臣、この訴訟の国側の指定代理人の省庁はどこですか。
#442
○国務大臣(上川陽子君) 法務省でございます。
#443
○福山哲郎君 違うんです。指定代理人は防衛省と、総理、NSCなんですよ。総理、何ですか、これ。
 裁判というのは法と証拠に基づいてやらなければいけない。総理が、危険だ、立法事実があると言って安保法制やった。そうしたら、国で訴訟は防衛出動する可能性は全くないと言われている。誰が訴訟代理人かといったら、NSCと防衛省と法務省です。法務大臣はいつ自分が認識したか言えないと。
 これ、国はどうしてこういう準備書面を出すんですか。総理、お答えください。総理、お答えください。総理、お答えください。
#444
○国務大臣(小野寺五典君) まず、今回の訴訟につきましては、国が、存立危機事態が想定されないとか、その発生がおよそ想定されない、想定できないとかという主張は、これ行っておりません。この点ははっきりしたいと思います。
 その上で、本件は、現職の自衛官である原告が存立危機事態における防衛出動命令に服従する義務がないことの確認を求める訴訟であり、命令に従わなかったことを理由として懲戒処分を受けることを予防することが訴訟の目的であります。これに対して国としては、現に命令は発令されておらず、命令発出のための手続も開始されておらず、いつ何どき発令されるか不確実である、このような状況においての訴えは不適法であるという主張をしておるということであります。
 つまり、訴訟の、訴訟法上の問題としては、本件訴訟が係属する当面下において、原告の権利等に具体的、現実的な危険や不安が存在しないため、本件訴えは不適法であると主張しているということであります。
 このように、国の主張の趣旨は、本件訴訟が係属する当面下において……
#445
○委員長(金子原二郎君) 答弁、簡潔にお願いします。
#446
○国務大臣(小野寺五典君) はい。
 防衛出動命令が発令される時期等は不確実であるということであり、存立危機事態における防衛出動命令が想定されないと主張しているわけではないということであります。
#447
○委員長(金子原二郎君) 福山君、時間が来ておりますので。
#448
○福山哲郎君 はい、短くします。
 今の防衛大臣は、国の主張をうまく間引いて答えられただけで、ここに書いてある準備書面の主張がれっきとした国の主張です。非常に私はこういう国の在り方は問題だと思います。本当にこういった国の、やっぱり主張が異なる司法の場というのは法と証拠に基づいてやらなければいけないと考えておりますので、このことについては引き続き法務大臣の責任問題も含めてやっていきたいと思います。
 終わります。
#449
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#450
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
#451
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 さて、皆様方はNET一一九を御存じでしょうか。(資料提示)聴覚や発声に障害がある皆様方は電話を使って一一九番で緊急通報をすることができません。NET一一九、それは、スマホがあれば画面を押して、それだけで一一九番の緊急通報が可能となります。同時に、GPSを使えばこの場所の確認もできるんです。
   〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
 NET一一九、これを導入している消防本部、この数は全体の割合の何と一八%にしかすぎないんです。大臣、どうしてこの普及が進まないんでしょう。教えていただけますか。
#452
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 NET一一九は、今お話がありましたように、聴覚・言語機能障害者が音声によらず一一九番通報することができる大変有用な仕組みであり、全国導入に向けた取組が重要だと考えているところです。
 今、消防庁では、NET一一九の利便性を高め、全国導入を促進する観点から、平成二十九年三月に共通仕様を取りまとめたところです。従来のシステムは、全国どこから通報した場合でも、あらかじめ利用者登録を行っていた消防本部だけに通報がつながってしまうという、そういう課題がありましたが、共通仕様に沿ったシステムが導入されれば、通報場所に管轄する消防本部に直接通報がつながり、迅速に対応できるようになります。
 平成二十九年六月時点におけるNET一一九の導入状況は、今お話がありましたように、全国七百二十の消防本部のうち百三十四本部、約一八%の導入にとどまっているところです。これは恐らく、導入に当たり経費負担が生じることとか、これまで共通仕様が策定されていなかったことが原因ではないかなと考えています。
 消防庁としては、共通仕様の周知、今申し上げたように仕様が変わったことと、NET一一九の導入に係る経費については来年度からは普通交付税措置を行うこととします。普及に向けてしっかりと取り組んでまいります。
#453
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、総理、この緊急通報というものは、障害のあるなしにかかわらず、必要なときはいつでもどこでも使用できるように国が整備を進めるべきだと私は考えますけれども、いかがでいらっしゃいますか。
#454
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議員の御指摘のとおり、緊急通報を行う必要性は障害あるなしに関わりはありません。いかなる障害のある方でも対応できるよう、近年の情報通信環境の向上やテクノロジーの進歩も活用し、最大限の努力を重ねていきたいと思っています。
 二年後にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。私はかねがね、二〇二〇年を目指して日本を障害者の皆さんにとって世界で最も生き生きと生活できる国にしたいと申し上げてまいりました。御指摘のNET一一九緊急通報システムについては、二〇二〇年までに全国の消防本部において導入することを目指したいと思います。一一〇番についても、国内のどこからでもスマートフォンなどから文字や画像で緊急通報ができる全国通報システムの導入に向け、検討を急がせたいと思います。
 安倍政権では、障害のある方も、誰にでもチャンスのある活力のある日本をつくるために、今後とも、障害のある方々の意見も幅広く伺いながら更なる環境整備に向けて検討を進めていきたい、頑張っていきたいと、こう思っております。
#455
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私ども国会議員の仕事というのは、国民の皆様方の命を守ることですよね。ですから、私はこれはすごく大切な問題だと思っております。
   〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
 しかし、普通交付税というふうになると、この中身は使っても使わなくてもどちらでもいいということになってしまう。是非、大臣にはしっかりとこれをNET一一九につなげたいという思いを訴えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#456
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 その前に、先ほどの答弁で全国七百三十二というのを七百二十と言い間違えてしまいました。訂正させてください。
 今お話がありましたように、繰り返しになりますけれども、今のNET一一九の全国導入の支援のために、このかかる経費については平成三十年度から普通交付税措置を講じることとしています。今おっしゃったとおり、普通交付税は地方公共団体の一般財源であるため、その使途はNET一一九の導入に限られるものではありませんが、NET一一九の一層の普及は大変重要なものだと認識しているところです。
 消防庁の方では、昨年三月、全国の消防本部に対してNET一一九の早期導入を呼びかける通知を発出しております。全国導入に向けた取組を進めているところでありまして、引き続き、消防本部職員が参加する様々な会議の場を利用して、NET一一九の導入をしっかり働きかけてまいります。
#457
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、全ての自治体に導入されたとしても、実は問題が残っております。その登録者数でございます。現在は五千人だけなんです。聴覚や音声に問題がある身体障害者手帳をお持ちの方は二十八万人なんですね、余りにもこれ少な過ぎるんです。これから登録者数を増やしていくためにも厚生労働省の協力はこれは大切だと思いますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。
#458
○国務大臣(加藤勝信君) NET一一九緊急通報システムは、会話に不自由な聴覚・言語障害者等がスマートフォンなどを使い、音声によらない方法で一一九番緊急通報ができる仕組みであり、地域で暮らす聴覚障害者等の安心、安全に大きく貢献をするものと考えております。
 平成二十九年三月に消防庁から各都道府県の消防防災主管部宛てに、NET一一九緊急通報システムの導入についての通知が発出をされました。これを受けて、厚生労働省においても、各都道府県、指定都市、中核市の障害担当部局宛てに、消防防災主管部等との連携の上、聴覚・言語機能障害者や関係団体、管内市町村に周知することを依頼したところでございます。さらに、聴覚障害者の全国組織や関係団体に対しても、会員や傘下団体等にNET一一九緊急通報システムを周知いただけるよう依頼を行いました。
 今後も、都道府県などの自治体担当者が集まる会議などの機会を通じて、地域の消防本部がNET一一九緊急通報システムを導入しているかを確認し、その情報を管内市町村と共有すること、また、地域の消防本部がNET一一九緊急システムを導入している場合には、広報誌等を活用して地域の障害者に対して周知を図ること、その他NET一一九緊急通報システムの登録の促進、今お話がありましたが、に向けて消防防災部局と連携を図り、継続して取組を進めていくことなど、しっかりとその周知、そして登録等の促進に努力をしていきたいと思います。
#459
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 多くの方々に登録していただくことで、安心して暮らせます。それだけではなく、通報までの時間というのが短くなります。命が助かる、その確率がどんどんと向上してまいりますので、是非今後とも厚労省の皆様方には御協力いただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、このNET一一九、障害者の皆様方のためだけではないですよね。実は、御高齢の方、そして海外からの旅行客の皆様方にも使用していくことができるんじゃないかと私は考えておりますけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。
#460
○国務大臣(野田聖子君) おっしゃるとおり、NET一一九というのはスマホの画面上のボタン操作や文字入力を使うという、そういうシステムですから、でも、そもそもこのNET一一九の共通仕様というのは聴覚・言語機能障害者を主な対象として取りまとめているんですけれども、そういう操作というのは、別にそういう限定することはないわけです。実際に導入している消防本部、それぞれ各消防本部にお任せしているんですけれども、限定しているところは少なく、そういう高齢者の方にもお使いいただけるような取決めにはなっているやに考えているところです。それで取りあえず。
 あとは外国人旅行者ですね。外国人旅行者につきましては、今、各消防本部で外国人の方々の症状等を的確に把握するためには、外国語に対応できる職員を二十四時間体制で配置するかどうかといったことなどが今後解決すべき重要な課題だと考えています。
 いずれにしても、まだ先ほどもお話あったように利用者が五千人、主に登録者が五千人にとどまっていることもあり、今日はこういうPRをしていただいて本当に有り難いと思いつつ、その実績を増やしていくことが非常に重要だと思っています。
#461
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今後の課題もはっきりとしておりますので、それを解決するように是非よろしくお願いをいたします。
 実は、私のところにも相談をもらったことがございます。海外の障害者の皆様方が観光旅行にいらっしゃいます。交通機関の障害者割引が実は使えない。自分が日本の障害者手帳を持っていくと駅で割引してもらえる。でも、一緒に行く海外の障害者の旅行客の方は割引がない。でも、私どもは、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックを迎えて、多くの海外の障害者の旅行客を迎えます。ということは、私は整備をすべきだと思います。
 総理、御意見をいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#462
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者に対する公共交通機関の運賃や、美術館、博物館の入館料の割引などについては、障害者であるかどうかを確認する必要があります。この確認については、障害者手帳による場合があるほか、一部の美術館等においては、外国からの観光客の方であっても、障害者手帳によらず、何らかの証明ができれば足りるとしている場合があると聞いています。外国人旅行者が増加していくことを踏まえれば、外国からの観光客が障害者であるかどうかの確認の在り方について今後課題になるものと考えています。
 いずれにしても、政府としては、外国人を含めた障害者の移動や施設の利用がしやすくなるよう、ハード、ソフト両面の環境整備に努めてまいります。
#463
○薬師寺みちよ君 私どもは、東京オリンピック・パラリンピックの招致の際に、おもてなしという言葉をキーワードに使ったはずです。ということは、やはり海外の障害をお持ちの皆様方にも、日本のこの割引というものを導入することによって更に多くの喜びというものを得ていただきたいと私は思っておりますので、どうぞ今後とも企業や社会に対してお願いをしてほしいと思います。
 では、次の話題に移らせていただきます。
 働き方改革です。今回、働き方改革において障害者の皆様方の雇用はどう変わるんでしょうか、大臣、お願いをいたします。
#464
○国務大臣(加藤勝信君) 障害者雇用の対策の推進に当たっては、障害者お一人お一人の希望や能力を十分に生かして活躍できることが当たり前の社会を実現していきたいと思っております。
 このため、ハローワークの職員やジョブコーチ等を職場に派遣をして、障害者の能力や障害特性を踏まえた担当業務の選定や配置転換、働きやすい執務環境の構築、健康面等にも配慮した雇用管理、こういったことに助言を行っているところでありますし、また、やはりICTというものの活用も大事であります。ICT技術の進展に対応したテレワークや農業分野などの多様な分野での働き方のモデルを構築するなど、個々の障害者がその能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を進めているところでございますし、また、今年度から、新たに雇用する障害者の正社員転換や所定労働時間を延長する事業主の支援措置、これも実施をしております。こうした施策によって、障害がある方々も活躍できる、これが当たり前の社会をつくっていくとともに、やはり長く安定的にお勤めいただくという意味において、雇用の質の向上を着実に進めていく必要があると思っております。
 私どもも、これからも障害のある人々が支援をしっかりするよう頑張ってまいりたいと思います。
#465
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。大臣の支援は大変、障害者の皆様方にとって力強いメッセージとなっていったと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 今回のこの支援、実は厚労省だけではないんですね。文科省でも様々な事業が考えられております。障害者の学び直し、私、これは今回の働き方改革の中でもすごく重要だと思っておりますので、大臣、御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
#466
○国務大臣(林芳正君) 文科省では、学校卒業後の障害者が社会で自立して生きるために必要な力の維持、それから開発、さらには伸ばしていくという意味で伸長を支援するために、平成三十年度予算案に、新たに、学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業、これを盛り込まさせていただきました。
 この事業では、学校から職場へ、社会への移行に当たって必要となる学習、それから一生涯の各ライフステージで必要となる学習、こういったものを効果的に推進するためのプログラムや体制、労働や福祉を含む関係機関、団体等との連携の在り方に関する実践研究、これを十四か所程度で実施をすることにしております。
 こういった事業の実施を通じまして、障害者一人一人が一生涯を通じて必要な学びに取り組んでいただいて、それぞれの能力を十分に発揮して充実した人生を送ることができるように支援してまいりたいと思っております。
#467
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。今回は研究事業ですけれども、次にはしっかりとした施策に準備を私は進めていただきたいと思います。
 実は今回、障害者だけということで対象が限られておりますけれども、私は、難病によって勉強するその機会を失ってしまった方々にも対象としていただきたいのですけれども、大臣、お考えいただけますか。
#468
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、この難病等の疾病等の困難を抱える方々についても、その皆様のニーズを踏まえながら、やはり学校卒業後、社会で自立して生きるために必要となる力、これを維持、開発していくことは重要であるというふうに考えております。
 このため、本実践研究事業、先ほどお話ししましたこの事業でございますが、難病等の疾病のある方々の社会的自立に必要な学習支援の取組についても対象になり得るものと、こういうふうに考えておるところでございます。
#469
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総理に、最後、一問お願いをしたいと思います。
 様々、やっぱり働きたいけれども働けない、そういう方がまだまだ日本には大勢いらっしゃいます、それが障害だったり病気だったり。しかし、私は、その結果の平等というよりも、やっぱりチャンスをしっかりと平等にして、そういうチャンスを次のステップに生かしてもらいたいと思っております。
 総理もそういうお考えで多分今回は働き方改革というものを打ち出されていらっしゃると思いますけれども、御自身のお考えがございましたら教えていただけますでしょうか。
#470
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権が進めている一億総活躍社会は、全ての方々が自らの能力を生かし、夢や希望に向かって、まさにチャンスを持てる社会をつくっていくということでありまして、障害のある方もあるいはまた難病を持っておられる方も、そういう方々にとってもチャンスのある社会でなければならないと、こういうことでございまして、そこで、企業において障害者の雇用を進めるよう政策的に促しているところでございますが、と同時に、これは企業にある種の義務感を持ってそういう取組を行っていただいているところでございますが、と同時に、企業にとっても、まさにその中で多様性が広がっていくわけでありますから企業価値が上がる、あるいは様々な、例えば製品を作っている会社であれば、それはそういう方々を雇って、そういう人たちの経験や知恵等を使うことによって彼らの商品の質も高まっていくことにもつながっていくわけであろうと、このようにも思うわけであります。
 官邸において、この障害者の方々が作られたもの、作品あるいは製品等を展示をしていただく機会を設けているわけでございますが、パンの製造を行っている小さな工房が障害者の皆様に参加をしていただいて大変すばらしい製品を作っておられるというお話も伺ったことがございます。
 そういう意味におきましては、もう新たな言わば段階に我々引き上げていく、障害者の皆さん、難病を持っておられる方々の参加を新たな段階に引き上げていきたいと、このように考えております。
#471
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私は、女性活躍も障害者雇用の問題も、最初は数値をしっかりと目標を立てながらやらなければならないかもしれません。しかし、これが当たり前になって、多様化ということの中で、実は新しい価値観をつくっていくんだというように社会全体が受け止めていただくことによって必ずこの日本の成熟度というものが上がっていく、そういう持論を持っております。
 これからは、私ども国会議員として、本当にしっかり超党派で様々なことを臨んでいかなければならないと思います。今日は、佐々木議員からNHK放送の字幕についてもお話ございました。そのように超党派で、多くの方々、これから応援団をますます増やしながら障害者施策臨んでいきたいと思っておりますので、御協力よろしくお願いいたします。
 本日は誠にありがとうございました。
#472
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて働き方改革・内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明六日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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