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2018/03/23 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第5号
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2018/03/23 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第5号
平成三十年三月二十三日(金曜日)
   午前十一時四十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                舟山 康江君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
                川田 龍平君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   副大臣
       農林水産副大臣  谷合 正明君
       国土交通副大臣  牧野たかお君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
       防衛大臣政務官  大野敬太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  邦彰君
       内閣官房TPP
       等政府対策本部
       政策調整統括官  澁谷 和久君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       総務大臣官房審
       議官       堀江 宏之君
       総務大臣官房審
       議官       境   勉君
       財務省理財局次
       長        富山 一成君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       農林水産大臣官
       房長       水田 正和君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   天羽  隆君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   横山  紳君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        別所 智博君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     荒川  隆君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    沖  修司君
       水産庁長官    長谷 成人君
       国土交通大臣官
       房審議官     寺田 吉道君
       防衛省地方協力
       局次長      田中  聡君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成三十年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成三十年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官原邦彰君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岩井茂樹君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 齋藤農林水産大臣から説明を求めます。齋藤農林水産大臣。
#5
○国務大臣(齋藤健君) 平成三十年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成三十年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて二兆三千二十一億円、その内訳は、公共事業費が六千八百六十億円、非公共事業費が一兆六千百六十一億円となっています。農林水産予算の編成に当たっては、農林水産業の成長産業化と美しく活力ある農山漁村を実現するため、農林水産業・地域の活力創造プランに基づく農政改革等を着実に実行するのに必要な予算を重点的に措置したところであります。
 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。
 第一は、担い手への農地集積、集約化等による構造改革の推進であります。
 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を基盤整備との連携等を通じて更に加速化するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、次世代を担う人材など多様な担い手の育成確保に向けた支援を実施してまいります。
 第二は、水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施であります。
 米政策改革の着実な実行に向けて、飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化等による水田のフル活用を進めていくとともに、安定的な農業経営ができるよう、経営所得安定対策を講じてまいります。また、収入保険制度について、制度の実施に必要な加入者の負担軽減のための措置等を講じてまいります。
 第三は、強い農林水産業のための基盤づくりであります。
 農地の大区画化、汎用化や、老朽化した農業水利施設や漁港施設の長寿命化・耐震化対策、山地災害対策等を進めるとともに、強い農林水産業づくりに必要な施設の整備を支援してまいります。また、畜産、酪農の経営安定対策や品目ごとの特性に応じた生産振興対策、農林水産分野におけるイノベーションの推進に向けた取組を支援してまいります。
 第四は、農林水産業の輸出力強化と農林水産物・食品の高付加価値化であります。
 海外における日本産農林水産物・食品の販売促進を推進し、農林水産業の輸出力を一層強化するため、JFOODOによる輸出先国への戦略的なプロモーション活動や、事業者が自ら取り組む輸出環境の整備等を支援するとともに、輸出促進に資する動植物検疫等の環境整備を進めてまいります。また、食育の推進や食品ロスの削減、六次産業化支援対策を講じてまいります。
 第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。
 国産農畜水産物の安全性の向上や、農作物の病害虫や家畜の伝染病の発生予防等の取組、畜産・水産・農業分野における薬剤耐性対策を進めてまいります。
 第六は、農山漁村の活性化であります。
 中山間地の特色を生かした多様な取組を後押しするため、地域コミュニティーによる農地等の地域資源の維持、継承や、多様で豊かな農業と美しく活力ある農山村の実現に向けて総合的に支援してまいります。また、増大するインバウンド需要を農山漁村に呼び込み、所得向上を図るため、農泊等の取組を推進してまいります。このほか、多面的機能支払交付金など日本型直接支払を着実に実施するとともに、鳥獣被害対策とジビエ利活用の推進に向けた取組を講じてまいります。
 第七は、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理であります。
 林業の成長産業化に向けて、意欲と能力のある林業経営体に森林の経営管理を集積、集約化する新たな森林管理システムを構築することが見込まれる地域を中心として、路網整備や機械導入を集中的に支援するほか、川下との連携強化等を総合的に支援してまいります。また、森林資源の適切な管理に向けた森林整備を推進するとともに、多様な担い手の育成、確保や森林の多面的機能の発揮対策を進めてまいります。
 第八は、漁業の成長産業化と資源管理の高度化であります。
 資源調査の充実による資源管理の高度化を図りつつ、計画的に資源管理等に取り組む漁業者に対する漁業経営安定対策を講ずるとともに、高性能漁船の導入等による収益性の向上や浜と企業の連携の円滑化等による漁業の成長産業化を進めてまいります。また、増養殖対策や漁場環境保全対策を講ずるとともに、外国漁船対策や捕鯨対策にも引き続き取り組んでまいります。このほか、漁港施設の有効活用等につながる漁港機能の増進を図ってまいります。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しています。
 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額四千九百八億円となっています。
 以上で平成三十年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#6
○委員長(岩井茂樹君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○中泉松司君 自由民主党の中泉松司でございます。
 貴重な質問の機会をいただきましたことに皆様に感謝を申し上げます。久しぶりの農林水産委員会での質問となります。久しぶりですので何分不慣れな点があるかもしれませんけれども、よろしくお願いをいたします。
 先ほど、大臣の方から予算の説明がありまして、八つの項目を挙げられましたけれども、しっかりと農政を前に進めていくために予算を活用していかなければいけないと思います。
 その上で、今日は二十分という時間でありますけれども、貴重な時間をいただきましたので、基本的な考え方について、農政を進める上での前提となる基本的な考え方について、まず初めにちょっとお話をさせていただければなというふうに思っております。
 御案内のとおり、我が国はこれから人口減少社会に本格的に突入していくことになります。人口が増加をする社会では、人口が増えれば消費全体が増えるということになります。これは商売的な消費という意味でも、食の消費という意味でも同じことが言えると思います。
 そして、少子高齢化社会というふうに今なってきましたけれども、そうなってくると、量を食べられる若い方の数は減り、量を食べられなくなるお年寄りの数が増えていくという状況になります。そして、これから突入していく人口減少社会となると、そもそも、量を食べる食べない関係なく、食べる人自体の頭数が減っていくという時代に入ってくることになります。
 当たり前のことですが、そういうことを考えると、これから人の数が減ってくる時代になると、何といいますか、食の消費力というか、国全体、国民全体としての消費力というのが落ちていくということを前提にこれからの農政に向き合っていかなければいけないんだと思います。
 まず、この基本的な前提、考え方について大臣の御認識を伺えればと思います。
#8
○国務大臣(齋藤健君) ただいまの中泉委員の意見には私も賛同するところであります。人口というのは人の口と書くわけでありますから、その口が減っていくということだろうと思っております。
 我が国の農業は、人口減少に伴うマーケットの縮小もありますし、農業者の減少、高齢化の進行なども見られておりまして、大きな曲がり角に立っていると思います。我が国農業に活力を取り戻し魅力ある成長産業にしていくことは待ったなしの課題であると思います。
 我が国においては、昨年一年間だけで前年のペースを七万人上回る四十万三千人もの人口が減少し、今後もそのペースは加速することが見込まれています。人口問題、社会保障研究所のデータによりますと、大体十年後には年間七十万人ペースで減る、十五年後には八十万人ペースで減る、それが二〇六五年ぐらいまで続くということでありますので、先生のおっしゃる食の消費力も減少することが見込みざるを得ないということだと思います。
 この人口減少のスピードを考えれば、成長産業化の取組のために残された時間は多くはないと、このような認識に立って抜本的な農政改革を進めていかなくてはいけないと考えておりまして、米政策改革を始め、農地集積バンクによる農地集積、農林水産物・食品の輸出、海外マーケットの開拓、六次産業化の推進など、農政全般にわたる改革を更に進めて、人口減少社会においても農業者の所得向上が実現できるように努力をしていきたいと考えております。
#9
○中泉松司君 ありがとうございます。
 人が減っていくというのは非常に悲しいことでありまして、後ろ向きな話に聞こえがちなんですけど、一方で現実ですので、そしてまた、今年おぎゃあと生まれた人が今百万人を日本は切っていますけれども、二十年後に成人を迎える人が、じゃ劇的に増えているかというと、そんなことはあり得ないということでありますので、今生まれている人の数を想定をして将来的なことを考えていかなければいけない、その上ではやっぱり人口減少社会とどう向き合うかということをしっかりと捉えて政策を打っていかなければいけないんだと思います。
 地元なんかでも、私は秋田県ですので米どころでありますけれども、地元の農協さんなんかも協調されて取り組んでいただいているのが、需要に応じた生産をしていこうということをしっかり協調していただいておりますので、関係団体も含めて同じ方向を向いて進めることができているんだろうなというふうには思っています。
 ですので、先ほど申し上げたように、人が減ってくると食の消費が減ってくる、人が増えると食の消費が増えてきたという時代があったと思うんですけれども、一方で、米政策ということを考えてみたときに、米政策というのはちょっとそれとはまた違う、反比例といいますか、動きをしています、米の消費という意味では。
 日本人が一番米を消費していたのは昭和三十七年頃で百二十キロ超、二俵以上のお米を食べていたと、一人当たり、言われていますが、現在、一番最新の数字だと多分五十四キロ台ぐらいだったと思います。簡単に言うと、二俵食べていたものが一俵食べない時代になったということになります。これはその当時のことを考えてみますと、いきさつとしては、肉食が進んできて、そして米離れと言われる現象が起こってきて、例えばラーメンであったりパスタだったりピザだったり、そういう主食文化が様々入ってきたことによって文化的に離れていったということになるんだと思います。ですので、米だけは、米だけはといいますか、米のような食料は、産品は、人口が増えているのに消費が減っているという反比例が起こってきたということが今までの状況であったと思います。
 私、このことを考えると、今の政策変更するといったときの生産者の方々とお話をしたときに、ある種の誤解みたいなものがあるというのを、一つの要因がここにあるんじゃないかなというふうに感じています。原因がこれから人口減少による食全体の消費が減っていくという話をしているんだけれども、米の生産者の方々は、いや、そういうことじゃない要因で消費が減ってきていたので、ですので、その人口減少にかかわらず需要を取り戻せみたいな話が、国が責任を持って需要を取り戻せみたいな話をされることが多いんですね。
 私も地元に行くと、地元で皆さんからお話を伺うと、秋田県の取組としても、例えばトマトの大規模なメガ団地を造ったり、いわゆる米の需要というのが限られてきている中で、ほかの売れるところの産業を目指してやっていこうという話を進めているし、今成功しつつあるし、国の方でも、いい例だということでお認めをいただいているのでありますけれども、例えばメガ団地やるといっても、年配の生産者の方が手を挙げて、あんなものは絶対失敗するんだと言われたり、例えば人口減少社会の中で輸出に取り組んでいかなければいけないんだといっても、何で輸出なんて、夢物語じゃないかというようなことを言われる方もたくさんいらっしゃるわけであります。
 ですので、そういう話の根底に、今までの人口減少とは関係ないところの消費の減があったからこそ、これからの人口減少による消費の減というものを正確に見れていないところがあるのではないかなというのが、私、正直な感想としてあります。消費の絶対量が変わらないという状況であれば、例えば直接払いをして補償をするということで、例えば戸別所得補償制度のようなものも、やり方としては、選択として私は決して間違いではないとは思うんですけれども、全体の消費が減っていくのであれば、そして米の消費も同じように減っていくのであれば、それに応じて生産をしっかりと減らしていかなければいけないということにどうしてもなりますので、七中五を取ろうが、五中三を取ろうが、どうしてもそこの補償の全体の額というのは減っていくというのは、これは避けられない状況になります。
 何というか、米農家の方々というのは、米だけが減少している、米離れだと思っているまだ認識があるものですから、その米だけが減少しているという誤解があるので、米の需要を取り戻せという話をされるんだと私はちょっと思うんです。今、これからは食全体が減っていくんだよと。今までは文化的に減ってきたかもしれないけど、これからはそれとは違う要因で食全体が細っていくんだよということを前提に考えていかなければ、やっぱりいつまでたっても、国は需要を喚起して昔みたいに一人当たり二俵食べる時代になれば、米の消費が増えて大丈夫なんだ、我々はハッピーになれるんだというような、ある種のこれ誤解といっても差し支えはないと思うんですが、そういう現実を客観的に見れないという状況が続いてしまうのではないかなというふうに私はちょっと心配をしています。
 そういう状況だからこそ輸出を頑張らなければいけない、そういう状況だからこそ外国の方々に日本食の文化というものを知っていただかなければいけない、そういう状況だからこそ様々な取組をしていかなければいけないという状況にあるんですけれども、そこが見えていない方がかなりの数いらっしゃるというのがこれ現状なんだと私はちょっと思っておりまして、そこのところを何とかしたいなというのが個人的にちょっと最近のテーマとしてあります。
 ですので、これからの社会、日本の国民の数から考えると、このようなペースで食全体の消費量がこのぐらい落ちていくんだよということを見える化するべきではないかなと私は思っております。加えて言うと、米もその中できちんと見える化する必要はあるんですけれども、今の雰囲気というのは、米だけが消費減で米離れが進んでいるんだみたいなイメージというのを持たれている方というのが、実際、今申し上げたように多いわけでありまして、これからは食全体が、消費力全体が落ちていくんだということを是非見えるようにいろんな発信をしていくべきだと思うんですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(齋藤健君) 今、中泉委員が日頃接しておられる農家の皆さんの感じをお伝えいただいて、私も大変参考になる思いがいたしました。
 人口減少が進んだ将来の食料消費につきましては、農林水産省の研究機関であります農林水産政策研究所が、平成二十六年六月に将来推計を行い、公表をしているところであります。これによればですが、二〇五〇年の食料消費について三つのケースを想定して推計を行っておりますが、その結果、二〇一二年の水準からの比較ではあるんですけれども、この二〇一二年の水準から約三割から約四割減少するという結果となっております。
 このように、人口減少に伴う国内での食料消費の縮小が見込まれる中におきまして、農業を成長産業にしていくためには付加価値を高める、そういう新商品の開発ですとか、国の内外の市場における需要開拓、こういったものを進めていくという方向が答えになってくるんだろうと思います。このため、安倍内閣におきましては、輸出促進ですとか、生産だけではなくて流通、加工からも付加価値が得られるような六次産業化の推進ですとか、需要のフロンティアを拡大するための取組を進めているところであります。
 引き続き、こうした施策を着実に講ずるとともに、今委員御指摘のように、施策の意義、背景をしっかり国民の皆様に説明をして、人口減少社会における農政というものに対して理解をいただけるよう、努力をしていきたいと考えております。
#11
○中泉松司君 ありがとうございます。
 今、意味、背景をというお話がありましたけれども、私、どちらかというと、そちらがすごく重要だと思っているたちの人間でありまして、どんな政策を進めようとしても、その意味、背景というものがきちんと伝わらなければ理解を得られない。そして、その理解が得られなければどんな政策を立ててもうまくいかないということなんだと思います。
 人口減少社会だからこうなっちゃうんだよということで脅すつもりで言う話ではなくて、客観的にそういう今の現状と今後の将来の見通しというものをまずつかんでいただくということをやるというのが、これから何を進めるに当たっても大事だと思っておりますので、そういう観点から今日はこういうお話をさせていただきました。いろんな観点からまた見れる話ではあると思うので、基本的なテーマとしてこれからも機会があったらお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、サトウキビ対策についてお話を伺いたいと思います。今日は儀間先生がいらっしゃるので、プロフェッショナルの前でという話なんですけれども、私も、自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会というのがありまして、その事務局をやらせていただいている関係で、二月の二十四日には徳之島、そして沖縄本島うるま市、そして先日、三月の二十一日、ついおとといでありますけれども、鹿児島の種子島の方にお邪魔をしてまいりました。非常に厳しい現状を見て、そして関係者からお話を伺ってきたところであります。
 まず、今回の被害に対する、低糖度、低収穫という被害でありますけれども、農水省の御認識をお伺いいたします。
#12
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。
 本年産のサトウキビの生産状況につきましては、全体としては、過去の不作時と比較すると自然災害の被害が少なかったものの、台風被害がございました鹿児島県の種子島、沖縄県の宮古島、伊良部島におきましては、平年比約八割の単収となるなど、一部の地域では不作となっている状況でございます。
 また、糖度につきましては、全体的に例年と比べて低くなっておりまして、特に台風被害やそれに伴う塩害が発生いたしました種子島、徳之島、喜界島では糖度が約二度下がるというようなことで、かなりの低糖度となっている状況でございます。
#13
○中泉松司君 今回、現地の方々のお話を伺って、まあ非常に多分大きいだろうなという要因の一つとして、季節外れの台風で、しかもルートもいつもと違うくて、そして雨台風ではなくて風台風で塩がすごく被害として大きかったというのが今回のこの状況の一番の大きい原因なのかなというふうに思いますけれども、お話を伺うと、例えばハーベスターを導入して、もうハーベスターの導入率がどんどん上がってきているんだけれども、機械で収穫するとどんどん土が踏み固められてしまうので根が張りづらくなって、今の何とか八号という品種だとなかなか、根ごと持っていかれてしまってというような被害もあるという話も伺いましたし、また土地の力自体いわゆる落ちてきているのではないかという話なんかも伺ってきました。
 様々原因があるとは思うんですけれども、まずそれらの原因を踏まえて、いわゆる何が主因だったのかということをしっかり明らかにする必要がまずあるというふうに思います。
 加えて、その明らかになるまで待っているというだけではなくて、迅速にしっかりと対応していくというのが今回必要だと思いますので、是非、農家の方々の不安解消につながる施策につなげていただきたいと思います。
 特に、おととい伺った種子島なんかでは、低糖度に加えて低収穫というダブルパンチのような状況になっておりまして、農家の手取りが大幅に減少しているというのが実際のところでありました。かなり切実な声を伺ってきましたので、対策を打っていかなければいけません。
 災害時のセーフティーネットとして、さとうきび増産基金というのがあると伺っておりますけれども、低収穫の方には対象になるけれども、低糖度は発動要件にはなっていないのが現状だというふうにも伺っています。これを何とかしてほしいという声も一番大きい声として伺ってきましたし、今後も生産意欲が減退しないような増産支援につなげていただきたいという声も伺ってきました。
 そういった声を受けて、我が党としても、今後速やかに党内議論を進めた上で方向性を示していくということになろうかと思いますけれども、現段階での農林水産省としての今後の取組についてお話を伺えればと思います。
#14
○政府参考人(柄澤彰君) 農水省といたしましては、これまでサトウキビの生産振興対策としまして、今委員から御指摘ございましたさとうきび増産基金を設けまして、これにより自然災害からの生産回復に向けた取組の支援を行ってきております。
 また、先般の平成二十九年度の補正予算におきましては、甘味資源作物の安定生産や生産性向上を図るために、ハーベスターなどの農業機械の導入、自然災害に強い品種への転換など、島ごとの実情に応じた生産性向上の取組の支援などを行ってきているところでございます。
 本年産の低糖度に関しましては、現在、生産者や製糖事業者などの関係者の方々から私ども実態をよくお聞きしておりますし、また現地の状況も調査させていただいております。
 生産者の再生産に向けた意欲が低下しないように、現状を踏まえまして対応策を速やかに検討してまいりたいと存じます。
#15
○中泉松司君 是非とも速やかに御対応をお願いしたいと思います。
 お話を伺ってみますと、例えば共済の制度なんかも、各島といいますか、そのそれぞれの地域で加入率もかなりまちまちで、かなり加入率が高いところもあれば、ほとんど入っていないというようなところもあります。今後、そういった意味では収入保険の制度なんかも生きてくると思いますので、そこら辺の周知も含めてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、私、今回、このミッションとして何度かサトウキビの話を聞きに行って思ったのは、私は雪国で、九州は台風というハンディがあるわけです。九州の人からすると、余り来ない台風が秋田なんかに来たときに秋田の人のハウスが風で潰れたりするのを見ると、何でそれを、ハウス切らないんだという話になるんですよね。逆に、九州の人が大雪なんか降ってぺしゃんこになったときに、何で除雪しないんだろうとこっちは思ったりするわけで、なかなか、その課題の共有といいますか、同じ感覚で物を見るということはできないんだなということは思いますけれども、一方で、性質は違うけれどもハンディとしては同じなのであって、そのハンディを国なり行政が支援をしてしっかり立て直すという意味では同じことだなというふうに思いました。
 そういう意味では、お互いがお互いの地域を理解し合うということ、例えば、私、九州の県議会議員の方と私が県議時代に話したときに、東北の農業は駄目だと、秋田の農業は駄目じゃないかと言われて、何でですかと言ったら、冬うち休んでばっかりで、冬も仕事せいみたいなことを言われたんですけど、いや、冬仕事したいんですけど雪降るからできないんですよと言ったら、ああそうかというふうに言われたことがありました。
 なかなか、同じ農業をやっていても、それぞれの住む地域なんかによって全然その感覚というものは違うんだと思います。ですから、そういったところをしっかりとつなぐという作業も我々しながら、この日本という、四季があり、そして季節があって、その地方地方の特色がある中で農業をやっていくということのそれぞれのお互いの理解を深め合うことも大切だななんということを今回も思わせていただきましたが、ともあれ、しっかりと対策を打っていただきたいということを最後に申し上げた上で、久しぶりとなりました、あっという間の二十分でありましたけれども、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#16
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 前回の質問に引き続きというか、積み残しの質問がありますので、そこからお尋ねしていきたいと思いますが、前回、被災地の水産加工の現場のお話をさせていただいて、加工原魚が非常に減っていると、そのために、せっかく工場を建て直してもうまく運営できず、なかなか復興が向いていかないというお話をさせていただきましたが、加工原魚が不足しているのはこの被災地だけの問題ではなくて、特に東日本でありますけれども、サンマ、スルメイカ、こうしたものは日本近海の水温上昇の影響もあってなかなか漁場が日本沿岸に形成されないという、そういう状況になってきております。
 日本近海の水温が高いということは、日本よりももっと北に行けばスルメイカとかはいるということになるんですが、ということは、ロシアにスルメイカはいるということになるわけなんですが、残念ながら、このスルメイカの輸入対象国というのがあって、その中にこれまでロシアは入っておりませんでした。それが今月からロシアからスルメイカが輸入できるようになりました。
 このことは加工原魚確保の一助になるものというふうに考えておりますけれども、今後の見通し、大臣に伺いたいと思います。
#17
○国務大臣(齋藤健君) 我が国は、国内で実施している資源管理措置の補完等を目的として輸入割当てIQ制度を実施しておりまして、イカは対象品目の一つとなっています。
 イカの輸入割当てにおいては輸入原産地を定めているわけでありますが、これまでロシアはその輸入原産地に含まれていなかったわけでありますけれども、国内の加工業者からの要望等を踏まえまして、本年三月八日に発表した平成二十九年度の輸入割当てからロシアを輸入原産地に追加をさせていただきました。
 今回の措置については、イカの輸入先の選択肢が広がるということですので、加工原料確保に資するものと考えております。引き続き、国内生産や加工原料の確保状況等を踏まえまして、輸入割当て制度については適切に運用してまいりたいと考えております。
#18
○横山信一君 今大臣から御答弁あったように、やはり国内のイカ釣り業者を圧迫するような形での輸入というのは、そこは気を付けていただきながら、一方で水産加工現場での原料不足にはしっかり応えられるような、そういう適切な運用をお願いしたいと思います。
 太平洋クロマグロのこともちょっと触れたいのでありますが、昨年の四月にTAC対象魚種になりました。資源が増えているんじゃないかというふうにも言われているんですけれども、ISCの資源評価によりますと、親魚資源量、親の方は一九九六年から続いていた減少傾向に歯止めが掛かったと、二〇一〇年以降は増加傾向にあります。一方、加入量、これは幼魚から親になっていくその加入量ですね。これは二〇一五年が前年より多く、二〇一六年もこれを上回っていると。
 この親魚資源量と加入量というのは相関関係はないとは言われているんでありますけれども、両方とも増えているというのはいい傾向だという、いい傾向だというか、これまでの資源管理措置の効果が現れているのではないかというふうにも思います。
 しかし、昨年の北海道の漁獲額を超える水揚げというのがあって、我が国の第三管理期間におけるWCPFCの漁獲可能量を超過する可能性が非常に高いという状況に今なってきております。そのため、水産庁は、小型魚の漁獲量を一日一トン以上漁獲した場合は報告するということを義務付けました。
 今後のこの太平洋クロマグロの漁業管理をどう進めていくのか、これも大臣にお伺いします。
#19
○国務大臣(齋藤健君) 現在のクロマグロの管理状況といたしましては、第三管理期間ということで本年六月までの管理期間がありますが、その期間の漁獲量が三月十四日時点で三千三百六十八トンとなっておりまして、漁獲枠が三千四百二十四トンですので、その枠の九八%という際どいところに達してきているわけであります。
 これは、一部、定置網漁業における短期間での大幅な漁獲超過によるものではあるんですけれども、一部の漁獲枠を残した都府県を含めまして、一月二十三日には操業自粛要請をせざるを得ない事態となったわけであります。このことから、漁獲枠を残しながら操業自粛することとなった漁業者からは、捕り得だとか正直者がばかを見ることになるのではないかという不満が示されておりまして、これは当然の不満だと思いますけれども、このような不公平感をなくすことが重要な課題だと思っております。
 このために、今年の七月から第四管理期間の漁獲枠の配分というものが行われますけれども、この第三管理期間で捕り控えた分を、この上乗せを次の期間ですると、あるいは超過した人は一括して次の配分から差し引くという方向で今検討しているところであります。
 また、七月からの第四管理期間においては、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律に基づく数量管理の下で、都道府県でのその留保を設定していただくとか、それから都道府県からのよりきめ細かな漁獲報告をお願いするですとか、そういうことを求めるとともに、今後は、月別の細分化した漁獲計画の作成等を進めて、よりきめ細かい管理を行うことを求めるということとしているところでありまして、本格的な資源回復に結び付いていくように、今後ともしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#20
○横山信一君 沿岸漁業でクロマグロを漁獲する国というのは恐らく日本ぐらいだと思いますが、そういう非常に難しい、巻き網の場合は漁業管理しやすいんですけれども、沿岸漁業足したような、特に定置網なんかで捕る場合は漁業管理が、勝手に入ってくるもんですから、それをどう管理をしていくのかというのは難しい部分がありますけれども、きめ細かく、なおかつ国際的に責任をしっかり果たしているという状況をつくり出していただきたいと思います。
 次もまた水産関係の質問をするんですけれども、昨年は、日本海の大和堆周辺に北朝鮮籍あるいは中国船籍と思われる漁船が多数確認をされました。一部が我が国の排他的漁業経済水域内での漁業操業、違法操業を行っていたということであります。これに対しては、水産庁と海上保安庁が連携して強化に乗り出しまして、十一月下旬以降は違法操業が見られなくなりました。
 しかし、一方で、日本海沿岸には、漂流、漂着する北朝鮮の漁船が相次ぎました。北海道の松前小島では、そこに上陸して、何と住んでいたという、しかも、そこにあった漁業備品を盗んで逮捕されるという事件まで発生すると。この松前小島というのは松前町の本当目と鼻の先にあって、松前町民からすると、本当に自分たちの生活圏域の中で違法に勝手に海外の人が住んでいたなんていう、恐ろしい、住民に身近なところでの事件にもなったということで、非常に治安面からも懸念すべき事態になっております。
 最近、外国漁船による違法操業というのは、この北朝鮮だけではなく、悪質化、巧妙化、広域化という現状にあります。これらの事態に対応すべく、水産庁の漁業取締り船というのは日夜頑張ってくれているわけでありますけれども、私も政務官をやらせていただいたときにはこの取締り船の乗組員の皆さんを激励するために行かせていただきましたけれども、行ってみて改めて思うわけでありますが、海上保安庁の場合は、警察と同様に麻薬も取り締まるし違法入国も取り締まりますから、それなりの武装もしていくわけでありますが、漁業取締り船の場合は違法操業を取り締まるので、そもそも武器というのはないんですね。だから、防弾チョッキを着るだけでありまして、それで相手漁船に乗り込んでいく、何が出てくるか分からないというそういう危険な状況の中で取締りを常にやっているということであります。
 この漁業取締りの強化というのは重大な課題でありますので、水産庁は一月に漁業取締本部を設置をいたしました。また、取締り船も新たに二隻増やすことにもなっております。しかし、日本という国は海洋国ですから、国土よりも海の面積の方がはるかに広い面積を持っているわけでありまして、これを水産庁と海上保安庁だけでカバーをするというのは、そもそも無理があります。
 日本の海岸線の総延長というのは三万五千キロもあります。この三万五千キロの中に漁村集落というのは約六千三百あって、この六千三百の漁村集落の中に約十五万隻の漁船がいると。だから、この十五万隻の漁船がそれぞれ監視をするようになれば、それは巨大なネットワークになっていくということになります。これはもう以前から言われていることでありまして、それを、従来から、水産多面的機能発揮対策という事業の中で国境監視機能というのもその中に位置付けられてはいました。しかし、なかなかこれを利用することはなかった。なぜかというと、国境監視をするために取り組まなければ交付金もらえないからなんですね。
 漁業者の皆さんというのは、むしろ操業しているときに、あっ、何か怪しい船がいるぞとか、そういうのは気が付くんだけれども、操業するとき以外にわざわざそういう取組をするというのはなかなか今までやられてこなかった。しかし、今、日本近海にはたくさんのそういう違法操業の船が来るという事態になって、新年度予算案の中にはこの水産多面的機能発揮対策、これまで交付対象になっていませんでしたけれども、この操業時の国境監視機能も含まれることになりました。
 今後のその実施状況を見た上でということにはなろうかと思いますが、今のこの状況を考えると、この外国漁船による違法操業あるいは密漁対策のために、新年度からできるようになったこの制度を更に強化をする必要があるというふうに考えているんですけれども、これは長官、どうでしょうか。
#21
○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。
 日本海、特に大和堆周辺の我が国排他的経済水域における北朝鮮漁船等による違法操業は、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題と考えております。このため、昨年の漁期におきましては、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、海上保安庁と連携しつつ、漁業取締り船を大和堆周辺に重点配備するとともに、現場において放水等の厳しい対応によって我が国排他的経済水域からこれら漁船を退去させてきたところでありまして、今後も外国漁船による違法操業の防止のため毅然として対応してまいります。
 また、委員から、違反船だけでなく漂着船のお話もありました。平成三十年度から、漁業、漁村の持つ海の監視ネットワーク機能を強化するために、水産多面的機能発揮対策事業におきまして、新たに操業時を利用した監視情報の収集や関係機関との情報共有の取組を支援対象にする方向で検討を進めているところでございます。
#22
○横山信一君 よろしくお願いいたします。
 漁業の話は離れまして、チーズの話をさせていただきたいと思います。
 国産チーズが海外から高い評価を受けるようになってきました。昨年六月のフランスで開催されたモンデュアル・デュ・フロマージュですか、これには日本から三十六種類のチーズが出品されて、ゴールドとシルバーにそれぞれ三個が選ばれたということでありまして、その日本産チーズ、非常に今、世界でも評価が高まってきております。確かに、全国各地にチーズ工房がたくさんできておりまして、それぞれの地域の生乳を生かした個性的なチーズがどんどん作られるようになってきました。
 そのチーズ工房の数なんですけれども、二〇〇四年には百六か所だったんですが、二〇一六年には二百八十四か所と、十年間で約二・七倍というふうに増えているという状況であります。また、国内のチーズ消費量も年々増加をしておりまして、これは二〇〇八年の二十二万三千トンから二〇一六年には三十万三千トン、約一・四倍に増えていると。日農でも、家飲み需要の増加、洋食文化の広がりから、牛乳、乳製品の消費が伸びている、中でも一番伸びているのはチーズだというふうに報道もされているところであります。
 このTPP11それから日EU・EPAというのを見据えたときに、これは、発効前にもここは随分議論になったところでありますけれども、外国産チーズがどんどん入ってくる、また国内のチーズの需要も増えていると、増えているところに外国産が入ってくるということで、国産チーズが圧迫されるのではないかと、そういう不安があります。それをカバーするために、今回、今年度の補正予算の中でこのチーズ対策というのがしっかりと取り組まれ、また生乳生産の増量対策も取り組まれているわけでありますが、その生産振興というのをしっかりやりながら、一方で、やはりこのチーズの消費というのを、特に国産チーズ、国産チーズの消費拡大というのを、何か外国産チーズとワインじゃなくて、やっぱり国産チーズに国産ワインという、やっぱりそういう方向に持っていけるように、国産チーズ振興というのをしっかりやっていかないと、増産とともにこれが両輪でなければいけないというふうに思うんでありますけれども、大臣、どうでしょうか。
#23
○国務大臣(齋藤健君) 国産チーズについては、今、横山委員御指摘のように、近年、国際コンクールで上位入賞を果たすことが多くなってまいりまして、その品質や評価は着実に私は向上をしているということでありますので、まず、国内の需要は今後も増加が見込まれるわけでありますので、その国内の需要の中で国産チーズの占める割合を高めていきたいというふうに考えています。また、一方、輸出の方におきましても、先ほどフランスの話がありましたけれども、あのフランスでの検疫の問題が解決をいたしましたなら、国産チーズのフランス上陸というものを夢として描いていきたいというふうに思っているわけであります。
 このためには、御指摘のように、国産チーズの更なる競争力強化を図ると同時に消費の拡大ということを図っていかなくてはいけないということで、国産チーズの消費拡大対策については、平成二十九年度補正予算におきまして、まずは品質向上、ブランド化のために、海外技術者の招聘ですとか、海外のチーズ工房における技術研修ですとか、あるいは国内外のチーズコンテストへどんどん出品してくださいということですとか、チーズ工房等の施設の整備ですとか、あるいは国産チーズPRのための消費拡大イベントの開催ですとか、国産チーズを日本食文化の方に取り入れる、そういうレシピの開発普及ですとか、それから国産チーズの輸出拡大のための海外でのプロモーション活動ですとか、こういった活動を様々積極的に支援をしていきたいと考えています。
 これらの諸施策を通じて、日EU・EPAの発効も見据えて、国産チーズの消費拡大と海外産チーズに負けない国産チーズの生産、流通、消費構造というものを確立していきたいと考えております。
#24
○横山信一君 よろしくお願いいたします。
 今日は大野政務官にも来ていただいております。小川原湖の米軍機による燃料タンク投棄事案についてちょっとお聞きをしたいのでありますが、小川原湖というのは、水産関係者にとっては、全国に先駆けて資源管理型漁業をやったということで割と有名な、割とというかかなり有名な地域なんですけれども、特にシジミ、ワカサギ、シラウオ、特産でですね、シジミは昨年十二月にGIも、小川原湖産大和しじみとしてGIも登録をされております。
 事案発生後に、すぐ漁協は禁漁措置を講じました。防衛省は、国交省それから青森県と連携をして、水質調査、湖底土調査、それから生物調査を実施をし、先日二十日にこれらの調査結果に基づいて安全宣言を発表いたしました。漁協としては昨日からシジミ漁が再開をされたと聞いております。
 三月一日には、私も公明党の青森県本部と合同で小野寺防衛大臣に緊急要請をさせていただきました。大臣は今年度でもすぐに補償しますよと言ってくれたんですけれども、その補償は年度を越えて改めてということになったようでありますが、調査結果とこの補償の状況、そしてあわせて、漁が再開されたといっても、やっぱり漁業者の人たちは風評を非常に心配しております。この風評対策についてどうしていくのか、政務官にお伺いいたします。
#25
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
#26
○大臣政務官(大野敬太郎君) ただいま小川原湖の米軍機による燃料タンクの投棄事故に関するお問合せをいただきました。
 我々も、先生御指摘をいただきましたとおり、昨年の末にはGIを登録したりと、非常に全国屈指の漁場であるということを認識しておりまして、極めて残念なことになったということでございますけれども、改めて、この事件が起きましたのが二月二十日、それを受けて、翌日から、地元の漁業者の関係者の皆様の御協力を賜りながら、国土交通省及び青森県と連携いたしまして、小川原湖の水質調査、湖底土調査、生物調査を実施してきたのは先ほど御指摘をいただいたとおりでございます。その結果、航空機燃料による特段の異常は認められなかったわけでありまして、水質及び生物の安全性に何ら問題がなかったことが確認をされました。この結果につきましては、二十日の時点で関係自治体に情報提供をするとともに安全宣言をいたしたところでございます。
 小川原湖漁業協同組合におきましても、その安全宣言を受けて二十二日から漁を再開されたと、御指摘いただいたとおりでございますけれども、漁業者の関係者の皆様が被った被害への補償につきましては、速やかな支払に向けて現在漁業関係者と具体的な調整を既に進めているところでございまして、今後とも誠意を持って対応させていただきたい、そのように存じているところでございます。
#27
○横山信一君 終わります。
#28
○委員長(岩井茂樹君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#29
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成三十年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#30
○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江でございます。
 昨日に引き続きまして、午前中もありましたけれども、今日委嘱審査ということで、主に予算関連、重点施策についてお聞きしたいと思います。
 その前に、大臣に今、連日国会、マスコミ等をにぎわしております今回の森友問題に関する公文書の書換え、改ざんに関してですけれども、私からも大臣の御認識を一点お聞きしたいと思います。
 この問題は、誰が何のために、どういう背景で改ざんをしたのかということの解明ももちろん大事ですけれども、どんな理由があれ、どんな背景があるにせよ、やはり改ざんは絶対にいけない。これはもう刑事罰に問われるような大きな問題だと思っております。
 そういう中で、国会のやり取りの中で、何か現場の担当者とか役人が勝手にというようなそんな答弁等もありますけれども、私は、やはりこれ、組織の中で起こったことに関して、誰がやろうが、さっき言ったように、どういう背景であろうが、やはり組織として何らかの責任があるんじゃないかというふうに思います。
 もし仮に、こんなこととても考えたくもありませんけれども、もし農林水産省の中でこのような案件があったときに、場合によっては、担当者がやったかもしれない、誰かの指示があったかもしれない、閣僚が絡んでいたかもしれない。いずれにせよ、こういった案件があったときに、大臣として、それこそトップとして、やはりどのような責任があると考えているでしょうか。
#31
○国務大臣(齋藤健君) 農林水産省での文書の管理、とりわけ現場における管理の状況については、私よりもむしろ舟山委員の方がお詳しいかもしれませんが、私としては、農林水産省ではそのような案件はないというふうに信じておりますし、そして、万一というのは仮定の話になりますけれども、万一そういうことがあった場合には、その状況によりますけれども、その状況に応じた責任というのは大臣に当然あるというふうに思っております。
#32
○舟山康江君 ありがとうございます。
 私も、本当僅かな経験ですけれども、農林水産省で業務を経験した中では、私も幾つか起案もいたしましたし、決裁に関わったこともありましたし、かなり厳格に、施行したときにもきちんと割り印を押したり、かなり厳格に取り扱っていたという記憶があります。
 そういう中で、農林水産省におきましては、決してこういった改ざんがないと私も思っておりますし、信じていきたいと思いますけれども、今大臣御答弁のとおり、万が一にもこういったことがあれば、やはり、私はトップとしての大臣の責任というのは、残念ながら、関わっていようがいまいがにかかわらずある、ということはそのとおりなのかなと思っております。
 今の大臣の御答弁ですけれども、この案件の当事者の皆様にも是非聞かせてあげたいななんて思いましたけれども、是非そういったことも含めて、今後も大臣を中心として農林水産行政の推進に是非全力で全体で取り組んでいただきたいなと思っております。
 それでは、今日は予算の委嘱ということですので、大臣の所信表明演説と、それから今日いただきました予算の重点施策、説明に沿いながら質問をさせていただきたいと思います。
 図らずもというか何というか、大体準備した質問の順番に今日、予算の重点事項ということで挙げられておりまして、まず、農地中間管理機構ですけれども、中間管理機構への農地の集積実績というのは、まあ毎年少しずつ上がっているということではありますけれども、その実績と目標、全体のうちに大体どのぐらいの割合、どのぐらいの割合をこの農地中間管理機構での集積と考えていらっしゃるのか、教えてください。
#33
○大臣政務官(上月良祐君) 担い手への農地集積目標は、平成三十五年度末までに全農地面積の八割が担い手によって利用されるようにすることと設定をいたしております。農地中間管理機構自体の集積目標は特に設定されていませんけれども、経営規模が小さく、分散し錯綜した状態にある農地をまとまった形で担い手につないでいくという観点から、農地中間管理機構には、集積、集約化を図る中核となる機関となることが期待されております。
 農地中間管理機構の実績は、平成二十六年度の発足以来、平成二十八年度までに総計十四・二万ヘクタールの農地を取り扱うに至っております。また、直近の平成二十八年度では、担い手への新規集積面積六・二万ヘクタールの約三分の一に当たる一・九万ヘクタールが機構によって集積されているところでございます。
#34
○舟山康江君 ありがとうございます。
 今のお答え、全体として、全農地の八割を担い手に集積するという目標の中で、かなり農地中間管理機構に重きを置いている政策が推進されておりますし、例えば土地改良、農地整備事業に至っては全予算の半分、事業の半分を中間管理機構絡みの事業に充てるということですから、相当程度この比率が高いのかなと思いましたら、お配りした資料を御覧ください。今数字は御説明いただきましたけれども、今の担い手への集積面積が全耕地の五四%と半分以上になっているということでありますけれども、そのうち僅か、全耕地の三・二%、担い手への集積面積の五・九%と、まあないよりはいいですけれども、非常に面積が少ない、率が少ないと、これが実態だということは、これ紛れもない事実だと思っております。
 現在のところ、この僅か、担い手への集積、担い手に施策を集中するとしても、五・九%の面積に対して、さっき言いましたように、農地整備事業では五割の予算を優先配分するというのは余りにもアンバランス。実際に土地改良の皆さんとお話をしていても、いや、これだけ待っている地区がたくさんある、実際にもう担い手に集積していて、きちんと計画的に事業を進めたいと思っているところが、結局、だって全体のパイが変わらなければ、機構絡みの事業が優先されれば置いてきぼりになってしまうということになりますから、少しアンバランスなのかなと思っています。
 私は決して、何も中間管理機構の事業を否定するわけではありませんけれども、余りにもここだけを強調し、ここだけに予算を傾斜配分、優先、重点配分するというのは何か方向として本当に正しいのかどうか、私は大変疑問に思っています。
 新規の事業に関しても、かなりこの中間管理機構を意識した、そこに予算を重点配分した事業がほかにもたくさん見受けられますけれども、果たしてこれが本当に正しいのか。ここは私はもう一度再考いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。
#35
○国務大臣(齋藤健君) まず、中間管理機構ですけど、この中間管理機構は公的な機関ということで、出し手にとって安心して貸し出しやすいということから、長期間借り受けた農地を担い手にまとまった形で再配分できるという可能性が高いスキームになっておりまして、機構を中心に農地の問題を解決していくということは効果的であると考えています。
 実際にも、農業の現場におきましては、機構を通さない形での農用地利用集積計画による貸借期間は大体六年未満が五割を占めているわけでありますが、機構への貸借期間は十年以上が九割を占めているという、こういう現実にもあるわけであります。
 私自身は、ほかの手法を否定するということはしたくないと思っているんですけれども、農地の利用、集積を進める上で、機構のスキームをよく活用して、そして他の事業も機構との連携を進めていくことが担い手への農地利用の集積を効果的に進める上で重要じゃないかなと思っているわけです。
 それで、地域間の予算配分のバランスについても御質問ありましたけれども、これにつきましては、機構が整備した地域だけに予算を半分充当するということではありませんで、そこは機構が、農地整備事業の予算配分に当たりましては、既に担い手への農地の集積、集約が図られている地区やその農地の汎用化、畑地化や大区画化等、事業効果の早期発現の観点から事業の進捗を図る必要がある区域など、そういった地域の実情も踏まえてこの計画は推進するということになっておりますので、機構が整備したところだけという、そういう考えでこの配分をしているわけではないということは御理解いただきたいなというふうに思っております。
#36
○舟山康江君 だけと、私もそこの認識は多分共有しているというか、私もその面積だけを対象にしているということは思っていませんけれども、ただ、少なくとも、その機構が絡んだ地域を優先するということであって、全体の必要性の中でそこも整備しましょうということに関しては私もそのとおりだと思いますけれども、何かこの数字、先に数字ありきで五割、何度伺っても五割を目標にすると、五割は優先配分するんだということの答えが担当者から返ってきますけれども、やはりその数字ありきで機構を優先するというのはちょっと考え直していただきたいと思いますけれども、もう一度お願いします。
#37
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今大臣からも御答弁申し上げましたとおりでございますけれども、この優先配分につきましては、舟山先生もおっしゃっておられますとおり、この転貸が実現した面積に限られるわけではないわけでございまして、これまで及びこれから、中間管理機構が積極的に農地の集積、集約を進めていこうという区域がございます。重点実施区域といっておりますけれども、これが大体全国で百五十万ヘクタールぐらいあると承知をしておりますけれども、そこで機構を使ってしっかりやっていただこうということの考えでございます。
 大臣も申しましたように、機構は公的な機関ということで、これを使って安心して安定的に長い期間賃貸を進めていただくということのきっかけとして農地整備事業を使っていただきたいなと思っております。
 ちなみに、先ほど申しました百五十万ヘクタール、全体の農地面積に比しますと大体三三%ぐらいになりますので、そのぐらいのところに五割の予算を充てさせていただくというのは、まあ何とか御理解をいただけるのではないかと考えておるところでございます。
#38
○舟山康江君 その百五十万ヘクタールも、結局、今、機構が絡まなければ予算が優先配分されないということで、そういう中で、じゃ、機構を絡めて何とか頑張ろうということで、何か、優先されるからそこに手を挙げているという側面が非常に大きいんですよ。
 私は、何度も繰り返しますけれども、機構の事業は否定しません。ただ、農地の利用集積の手法はほかにもたくさんあります。相対だってあるし、今までの農地利用集積円滑化団体だってあるし、こういったものをうまく組み合わせながら、それこそ法人化して、きちんとその担い手のいない農地を受けて地域の農業を行っているところもあります。なぜ機構だけが取り立てて優先されるのかということを考えると、どうも、もう機構でやるんだ、実績を上げるんだということのために、そこに予算集中すればおのずとそこに数字が上がってくるということで、何かこの手段と目的をちょっと取り違えているんじゃないのかなという気がしてなりません。
 まさに、私は、そこの何か数字、五割を集中する、だから機構絡めろ機構絡めろではなくて、結果として機構も含めて事業をするということにしていかないと、やはり非常にこの現場とのずれが生じていると思いますので、もう一度、大臣、大臣のその思いをお聞かせください。
#39
○国務大臣(齋藤健君) 機構を活用して集積、集約化を図っていきたいというのは、もちろんそういう政策として推進しているわけでありますが、今、舟山委員おっしゃいましたように、そのほかにもいろんな手法があります。
 機構絡みの予算を多く配分しているというのはありますけど、その以外の機構絡みじゃない予算もあるわけでありますので、その予算の活用については、やはり現場の実情に応じて、効率的に推進すべきものは一件一件推進すべきであろうと思っておりますので、私は、ありきとなって無理やりやるということは避けながら、全体として進むように目配りをして進めることが大事じゃないかというふうに思っております。
#40
○舟山康江君 ありがとうございます。
 そういった意味では、五割を優先配分ということを先に決めるというのも、ちょっともう一度再考いただきたいなと思いますし。
 もう一つ、なかなか、実際、中間管理機構の転貸面積が全耕地の三・二%という、この数値が思うように上がらない背景には、やはり農地の流動化の現場は市町村、しかし機構は都道府県というところで、ある地域に伺ったところ、いや、機構なんて名前は聞くけれども、担当者が誰なのか、顔も見たことがないというような声も聞きます。そこがまたなかなかうまくいかないところの原因の一つではないのかなと思います。
 まさに農業委員会を中心として農地のいろんな流動化とか利用調整、様々やっていますけれども、なぜ機構は都道府県なのか、そこの基本的な考え方も教えてください。
#41
○大臣政務官(上月良祐君) 農地中間管理事業によります農地の集積、集約化を進めていくためには、現場を知っている皆さんと、その現場での利用調整を行う関係機関との連携を強化していくことが重要であると思っております。それを束ねて集約してやっていくために、各県に中間管理機構を今置いてやっているということであります。
 例えば山形県におきましても、今委員から御指摘があったこともありますが、農地中間管理機構が地域ごとに市町村やJAや地域再生協議会や、あるいは土地改良区に業務を委託し、あわせて、山形県全体を網羅して地域と連携しつつ事業を推進していると聞いております。今委員から御指摘のあったようなことが山形県なのかどうなのか分かりませんが、そういうふうな質疑の中で御指摘があったことは伝えさせていただこうというふうに思っております。
 今後、農業委員会の改革に伴いまして、平成三十年度までに全国で約二万人の農地利用最適化推進委員が任命されることになります。農地の所有者や担い手の意向を聞いて地域での農地の利用調整を進めることとなっていくわけでありますが、この推進委員と機構との連携、これも大変重要であろうというふうに思っております。現場レベルでの総合的な推進体制を構築する、そういう観点から都道府県単位でこの組織を置かせていただき、今後とも農地の利用集積を更に加速してまいりたいと考えております。
#42
○舟山康江君 ありがとうございます。
 農地の利用集積も、私は、それが目的ではなくて、しっかりとした地域農業を築いていくということの手段の一つなのかなと思っています。ところが、国は一生懸命、流動化、流動化、規模拡大と担い手への集積、集中ということを進めていますけれども、一方で現場で起きていることはもっと深刻です。
 前回もお配りした資料をもう一度配らせていただきます。二枚目の資料ですけれども、実は、荒廃農地化が今また進んでいると、こんな状況です。
 昨日、紙委員からも資料をもっていろいろ御説明がありました。要は、生産農業所得が増えている背景は、実は、生産量が増えているというよりは、むしろ生産基盤の弱体化によって供給量が減っている、そして、その結果価格が上がっている。もちろん付加価値の高いものが作られているということもありますけれども、でも総じて言えば、生産基盤の弱体化というのは、昨日、大臣もそこの側面はお認めになっておられましたけれども、やっぱり弱体化というのはこれ否定できない現実だと思っています。
 なぜかといえば、私は、やっぱり大規模化はもちろん必要です、否定しません。ただ一方で、地域農業を支えているのは、小規模だったり兼業農家だったり高齢農家だったり、いろんな皆さんがそこで営農継続できる環境があって初めて農地を守ることができると。それ、総体として地域を守ることができるということにつながっていると思います。
 そういう中で、私は、規模拡大、行き過ぎた規模拡大、集中ということが、逆に遊休農地が増えている、生産基盤の弱体化につながっていると、こんな側面もあるんではないかと思いますけれども、その点についての大臣のお考えをお願いします。
#43
○国務大臣(齋藤健君) 私どもは、午前中の質疑でもありましたけれども、少子高齢化や人口減少が進行する中でも農山漁村の活性化を図っていかなくてはいけないという思いは強くあるわけでありまして、そのためには、農業を成長産業化していくことと農業者の所得をいかに上げていくかという政策である産業政策と、と同時に、地域コミュニティーや農業の多面的機能の維持、発揮に資する地域政策、これを車の両輪として進めていくということが今行われていることであります。
 農林水産省としても、農業生産の基盤であります、非農業者も含む地域住民の生活の基盤でもある農山漁村において多面的機能を維持、発揮し、住民が将来にわたって安心して暮らしていける環境を創出するための施策を講じてきているわけであります。
 具体的には、先祖代々地域住民が総出で汗を流しながら営んできた草刈りや水路の泥上げなど、こういうものに地域資源を守るための共同活動、こういう共同活動へ支援を行う多面的機能支払交付金の創設ですとか、特に条件不利な中山間地におきまして、中山間地域等の直接支払交付金ですとか、あるいは中山間地農業ルネッサンス事業ですとかも講じているところでありますし、それから鳥獣被害、この地域、深刻であります。鳥獣被害についても地域ぐるみで行う活動に支援を行っていますとか、それからリタイアする農業者や地域外の多様な人材の参画も得ながら地域全体で取り組む六次産業化ですとか、所信では申し上げましたが、農泊の推進ですとか、それから地域交流拠点の整備や高齢農家の買物送迎サービスなど、これも農山漁村振興交付金による支援が行われているところでありますし、また農業集落道や農業集落排水施設の整備等もこの農山漁村地域整備交付金による支援などを行うことによりまして、地域政策としての農業政策というものも総合的に今講じてきているところでありまして、そういう意味でいうと、思いは共有をしておりますし、こういう施策を講じさせていただいているということでございます。
#44
○舟山康江君 大臣も、今までも何度も言及されておりますけれども、やはり産業政策と地域政策と車の両輪というよりは私は一体的に取り組んでいかないと、ばらばらでは存在し得ないと思うんですよね。
 そういった中で、農地を担い手に八割集積するという目標も、果たしてそのことが産業としての農業はもしかしたらそれこそ価格が上がって大きくなるかもしれないけれども、でも、地域としてのその農村地域は果たして健全なまま存続できるんだろうかと、ここもしっかりと考えていかないと、担い手への集積八割を実現した途端に結局そこにはほとんど人がいなくなってしまう、生活しにくい環境になってしまうということになれば、これは私は政策目標としてやはり間違っているんではないかというふうに思います。
 実際に様々なところから、全国の都道府県議会議長会からも、やはり経済合理性のみを重視するのではなくて、しっかりと農業農村振興、それから食料供給などの役割、そういったもので持続的に農村で農業が営めるようなそういう施策にしてほしいという要望が来ておりますし、農地の流動化を一生懸命進めている地域においても、一定程度、例えば六割程度集積が進んだ段階で、はたと本当にこれでいいんだろうか、もう少しやはり出して、やっぱりそこに、言ってみれば、都会に比べれば決して利便性が高いとは言えない側面がありますけれども、それでもそこに住むというのはいろんな思いがありますけれども、その一つはやはり頼るべきよりどころとなる土地がある、農地がある、それがそこに住み続ける一つの要因になっていると思います。
 そう考えたときに、私はやみくもに集積、集積ということだけが健全な農村をつくるとは思えないと思っていますので、是非その点も大臣の御認識を伺うとともに、やっぱりどうしても最近の農林水産省の政策を見ておりますと、やっぱり地域政策が薄いな、弱いなということを思わざるを得ません。是非そこをもう一度、大臣のお考えをお聞かせください。
#45
○国務大臣(齋藤健君) 今、舟山委員が御指摘になった点は、昨日も小川委員が、たしか私の記憶によれば七分ぐらい思いを述べられたと思っておりまして、大変重要な課題だと私も思っています。
 ただ、地域の農業の状況を見てみますと、もう既に生産基盤が弱くなってきているわけでありまして、そういう中で担い手に農地の集積、集約を進めないとむしろ崩壊をしてしまうのではないかという思いも一方であるわけであります。
 そういう意味でいうと、どちらかに偏した政策というのは私もよくないと思っておりますので、現場の状況を見ながらということでありますけれども、いずれにしても、それぞれの多様な様相を呈している中山間地始めとする地域がどうやって農業で食べていけるか、それから、それが地域の人たちがどうやって雇用の場を確保していけるかというのは、先ほど私が申し上げた様々な政策を組み合わせながら一つ一つきめ細かく推進をしていかないといけないというふうに思っております。
#46
○舟山康江君 ちょっとやっぱり違うんだなと思うんですよね。
 私も農村に住んでいますけれども、何で今農業をやめていくかというと、一つは、大臣も強調されておりますけれども、所得がなかなか確保できないということと、将来に対して何か希望が持てないということ。何か、この農業だけで頑張っていく、そして国もみんなで応援してくれているんだという気持ちになれない。大規模な農家はそうなっているかもしれませんけれども、小規模な自分はこのまま続けていては何か駄目なのかなというような思いにさせているのが今の政策なんじゃないのかなというふうに思います。
 深刻ですよ。今地域でもどんどんと農業やめています。かつては、それこそ一町歩未満の小さい農家がやめて、そういった中ではいろんな人がまだ受け入れる余力がありましたけれども、今やもう十町歩、十五町歩という比較的大きな農家ももうここでやめる、息子には継がせない、もうやめると、余力があるうちにやめるということになっているのは、やっぱり国として何かこの小さな農業とか地域の、まあ収益性以外での価値ですね、価値をきちんと評価してくれていないという、そういった思いがあるんじゃないのかなと思います。
 そういう点で、EUは何年かおきに共通農業政策、CAPをつくっておりますけれども、昨年の十一月二十九日に、それを前にして、今後の食料、農業の将来像という形で欧州委員会が報告書を出しておりますけれども、なかなかすばらしい内容なんですよね。
 私も英文をちょっと簡単に訳してもらって読んでみましたけれども、要は、食料の安全保障の点とか生物多様性がある、でも一方で、なかなか市場原理ではうまくいかないんだ、だから守っていくんだと。そういった多面的な役割、価値というのは誰も保障していない、だから、その地域全体で、欧州委員会として、EUとして、きちんと支えながら農業を豊かなものに変えていくという非常にその決意と方向性が明確に示されていると思っておりますけれども、大臣、これ御覧になったでしょうか。なったとすれば、感想をお聞かせください。
#47
○国務大臣(齋藤健君) 二〇二一年からの次期EU共通農業政策、CAPについては、御案内のように、昨年十一月二十九日に欧州委員会より基本方針、コミュニケーションが公表をされております。
 率直に申し上げまして、この新しいものは、私まだ詳細読んでおりません。だけど、これまだ正式に決まったものじゃありませんのでまだ読んでおりませんが、現行のものについては、研究者も僕が副大臣のときですけど来ていただいて、相当長い時間にわたって勉強をさせていただいたことがございます。
 その中では、直接支払を中心とした所得・価格政策ですとか、それから、御指摘ありましたように、環境配慮について大変手厚い措置があるですとか、そういった目を見張るものもたくさんあったなというのが今記憶をたどると印象として強く残っているところであります。
 いずれにしても、現在のこの二〇二一年からの次期EU共通農業政策については、まだEU内で議論が行われているということでありますので、私はその動向をしっかり注視していきたいなと今思っているところであります。
#48
○舟山康江君 もちろん、政策そのものはこれから、ただ政策を立案するに当たっての基本的な欧州委員会としての方向性ですから、やはりこういった目指す大きな絵を描きながら、それに向かって、じゃ、欧州委員会全体として、ヨーロッパ全体として何をやろうかという非常に大きいものだと思うんですよね。
 しかも、これは農業部門だけではなくて、全体、欧州全体として、まず日本でいえば、もう国全体として農業はこうやるんだと方向性を示したすごく大きなものだというふうに思います。その中に、単なる食料生産だけではなくて、いろんな役割がある、価値がある、だからしっかりと守っていくんだ、支えていくんだということ。それから、今の現行のCAP政策の中でグリーニングがありますけれども、非常に複雑だからもっと簡素化していこうとか、そんなことも具体的に書かれておりますので、私はやっぱりこういう大きな農業の役割とか目指すべき方向とか、貿易だけでは太刀打ちできないと、自由化だけでは太刀打ちできないということも書かれております。
 そういう何かメッセージがもっと必要じゃないのかなというふうに思いますので、是非、外国のものをまねしろというわけではありませんけれども、日本でも、農林水産省中心として、政府全体を巻き込んで、まさに農政を、昨日、田名部さんの指摘でありましたけれども、農政を国の政策のど真ん中にということも含めて、こういう大きな目標を掲げていただきたいということを大臣にお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、米政策の見直しについてということですけれども、これも何度かこの場でも議論させていただいておりますけれども、米、食料の安定供給は国の責務だと私は考えておりますけれども、そういう中で、なぜ需給調整から国は手を引くのかということを改めてお聞きしたいと思います。
#49
○国務大臣(齋藤健君) 需給調整から手を引くという、そういう意識はありません。手法が新しい時代に応じて変わってきているということで、大きく言えばそういう認識を持っております。
 三十年産米から、御案内のように、米の直接支払交付金及び行政による生産数量目標の配分というものを廃止する中で、引き続き需要に応じた生産を促して、そして米の需給及び価格の安定を図っていくことは重要であるというふうに認識をしております。
 これに向けてソフトランディングを図るために、もうこれこの委員会でも繰り返し申し上げましたが、この数年間、各産地における需要に応じた生産、販売の取組が進むようにみんなで努力をしてここに至っているわけで、その成果として、直近三年間の二十七、二十八、二十九年産においては三年連続で全国ベースの過剰作付けが解消されてきているということであります。
 これから、午前中の質疑でもありましたけれども、日本の人口がますます大きく減っていく中で、需要に応じた生産をしていくということはますます重要になってきていると思いますので、先ほど申し上げましたように、各地域で需要に見合った生産をしていただくような取組を強化をしていただくと同時に、主食用米の生産を減らす分については飼料用米等に生産をシフトしていただいて、そこにはきちんとした助成もさせていただくということで、需給をしっかりと見ながら主食米の減少というものに対応をしていくということでありまして、需給の安定を放棄するとか、そういうことではないということは御理解いただきたいなというふうに思います。
#50
○舟山康江君 加えて、米に関しては直接支払交付金も廃止するということで、何か米を作ってはいけないような、やはり基本は米を、主食用米を安心して作ったその上に、やはり過剰な米を少し減らして、その代わりまだまだ足りない作目がいっぱいあるわけですよね。主食で言えば、麦、大豆も足りない、ソバも足りない、野菜ももっともっと作らなければいけない。そういったことを応援するベースは主食用米なんだと私は思うんです。
 ですから、そういう意味で、やはり需給調整も国がもっと、だって情報提供するならもっと深く関わればいいじゃないですか、メッセージ出せばいいじゃないですか。なぜそこから手を引くのかというのは、前回も指摘させていただきましたけれども、何かこう言ってしまった以上もう手を引く、ということにしか聞こえないというのが残念でなりません。
 何となく私、今懸念しているのが、米も野菜も食べ物の一つという中で、いわゆる主食だからとか戦略作物だからという特別扱いがどんどんと薄れているんじゃないのかなという気がしてなりません。考えてみれば、需給調整からも手を引いて、そういった直接支払もなくして、種子法も廃止するということの流れは何か、まあ米もほかの作目と同じだから市場原理で作ればいいんじゃないかという方向にちょっと聞こえてしまうんですよね。
 そこの、そうではなくて、まあ戦略作物ということも、言葉もあるぐらいですから、そこの重要性というものをやはりしっかりとメッセージとしても発信していただきたいとお願いを申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そして、これまた飼料用米を増やすんだということを強調されておりますけれども、前回十二月の質問のときにも、実際あるべき価格水準というのは、輸入トウモロコシの代替だから、おおむね二、三十円の水準ではないかというお答えがありましたが、現実にはもっと安いと、少なくとも山形県の事例はもっと安いんだということを申し上げたところ、大臣からしっかりとチェックをするということをおっしゃっておりました。
 その後、調査、実態把握というのは進んでいらっしゃるでしょうか。
#51
○国務大臣(齋藤健君) 私も、舟山委員の御指摘を踏まえて、調査を進めるということで調査をしてまいりました。これは聞き取り調査になるわけでありますが、直近では、本年一月に二百二十九件の飼料用米の生産者や畜産農家、飼料会社から聞き取りを行ってきております、二百二十九件ですね。それによりますと、やはり、飼料用米の畜産農家への販売価格というものはやはり輸入トウモロコシと連動して価格が形成をされているというようでありまして、輸入トウモロコシについては、直近五か年ほどの価格変動を見ますとおおむね二十円から三十円、これキログラム当たりということで取引されております。飼料用米については大体これと同水準の二十円から三十円、キログラム程度で販売されている状況に変わりはなかったわけでありますが、ただ、飼料用米の農家の手取りというのは、この畜産農家への販売価格から流通経費ですとか保管の経費ですとかそういうものを差し引いたものとなるわけでありますので、そうしますと、近隣の畜産農家に直接供給する場合とか、あるいは遠くの飼料工場に入れる場合とかで事情は変わってくるわけであります。
 それで、山形県内の事例を見ますと、近隣に飼料工場がなくて流通経費が掛かるといった事情があることによりまして、農家の手取りが低いという傾向は見られまして、五円・パー・キログラム程度の事例があったということであります。ただ、ほかの地域では十二円・パー・キログラムと、全国と大体同じぐらいの取引もあったということでありまして、まあちょっとその辺は場所によるんだろうと思いますけれども、今申し上げたような調査の状況でございました。
#52
○舟山康江君 私も、その後も何度かまた別のところもお聞きしたけれども、県内はおおむね三円から五、六円、本当に低いんですよ。要は水田活用の直接支払交付金があるから大丈夫だろうということ、本来はこれ別に値引きをするための支援ではないはずなんですけれども、結局そのいろんな工夫の中で、国としても少し単価を上げたりとか収量によって少し差を付けたりとかいうことで工夫しておられますけれども、その水準が手厚くなればなるほど逆に残念ながら価格が下がっていくというような傾向は、これ否定できないと思います。
 実はこれ、主食用米の戸別所得補償制度のときにも随分と当時の野党の皆さんからも批判されました。ただ、主食用米は取引が見えていますから、基本的にはオープンになっていますから、そんなに不当なことはできないわけですよね。飼料用米はかなりクローズドな、相対だったりとか、非常に狭い世界での取引になりやすいと思うんですよ、起きやすいと思うんですよ、むしろ。
 ですから、やはりその問題意識を、だって幾ら金突っ込んだって結局農家のためにならないということになれば本末転倒ですから、是非、こういった実態があることをもう一度しっかりと御認識の上、この問題、価格の問題、まあ価格を国が上げるということはできませんよ。ただ、やはり適正な価格と適正な取引が行われるかどうかということは是非もう少しチェックの目を厳しくしていただきたいと思っています。
 あわせて、TPP、日EU・EPA、まあこれは動くとすればやっぱり畜産への影響というのが一番懸念されております。そういう中で、需要見通しというのはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
#53
○副大臣(谷合正明君) TPP、日EU・EPAによる畜産需要の見通しでよろしいでしょうか、回答する部分は。
#54
○舟山康江君 要は、需要先がもし減ってしまうと、本当にちゃんと作っても売り先があるのかということですよ。
#55
○副大臣(谷合正明君) 改めて答弁申し上げます。
 飼料用米はトウモロコシと同等の栄養価を有しておりまして、配合飼料メーカーからは、平成三十年度は約百二十万トン、そして中長期的には二百万トン弱の需要が見込まれると聞いております。ただいまのところ、飼料用米、今国内で五十万トンという生産レベルでございます。
 その上で、TPP、日EU・EPA交渉においては、乳製品の国家貿易制度や豚肉の差額関税制度の維持、また、関税割当てやセーフガードの有効な措置を獲得し、我が国畜産、酪農の再生産が引き続き可能となる国境措置を確保したところでございます。
 また、平成二十九年十一月に改定いたしました総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、委員御案内のとおり、体質強化対策や経営安定対策の充実等を講ずることとしておりますので、これらの実施によりまして畜産物の国内生産量が維持されるものと見込まれることから、今後の飼料用米の需要見通しに大きな変化はないと考えております。
 引き続き、こうした点において、飼料用米の生産及び利用の拡大に努めてまいりたいと考えております。
#56
○舟山康江君 時間となりましたのでまた次に譲りたいと思いますけれども、この米政策についても、飼料用米それから輸出用米ということで、輸出も余力があれば増やすのはいいことだと思いますけれども、何か、またこれ後でゆっくりと質問させていただきたいと思いますが、輸出米について補助金というんですか交付金というんですか、二万円交付するということも果たしてどうなんですかね。主食用米の方は七千五百円を削りながら輸出に関しては応援していくというのもちょっとこれアンバランスではないのかなということも是非もう一度きちんと御議論いただきたいと思いますし、また機会を見てこの辺の問題も追及させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#57
○徳永エリ君 元気な舟山委員からバトンを引き継ぎました民進党・新緑風会の徳永エリでございます。
 私も、質問通告はしていないんですが、大臣に本題に入る前に一つお伺いしたいと思います。
 先週末、報道各社で世論調査が行われました。内閣不支持率が支持率を大きく上回ったということであります。そして、総理大臣を信用できないとかあるいは内閣を信頼できない、こういった声が大変に大きいことは大臣も御案内だと思います。
 さらに、国会と行政府の間とのこの信頼関係もはっきり言って壊れたと思っております。これは、財務省の問題だけではなくて、これまでも、南スーダンのPKO派遣の日報の問題だとか、それから総理の御意向なる文書だとか、あるいは厚生労働省のデータの原票が不備があったりとか、いろんなことがあって、この財務省の改ざん問題というのはとどめの一撃だというふうに思っております。
 こういう状況の中で私たちは粛々とこれから法案審議をしていくのかと思うと、それを見ている国民の皆さんはどう思うんだろうと。国会に対する信頼がますますなくなる、あるいは離れてしまうのではないかということを大変危惧をいたしておりまして、これは与野党を超えた問題だと思っています。このことを今大臣がどうお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(齋藤健君) 私は、大変深刻な事態になっているんだろうと思います。総理も言及していますが、とにかく政府全体の信頼を揺るがしかねない出来事というふうになっております。
 一方で、私は、非常に残念なのは、真面目にやっている行政マンもたくさんいるわけでありまして、そういう人たちの信頼まで一緒くたにして喪失をしかねないということに対しては、本当に残念の一言では言い表せないような思いも正直ございます。
 それで、調査、財務省が今調査をしているということでありますので、そこについては、本当に皆さんがなるほどと、こういうことだったのかというふうに分かるような調査を是非していただいて、真面目にやっている人もいるということも含めて、その調査の過程でそういう結果を出していただきたいというふうに思っております。
 それで、私どもの農林省としては、もう従来から申し上げておりますけれども、行政文書の適正な管理は、行政の適正かつ効率的な運営を実現するだけではなくて、御指摘ありましたように、国民や国会の皆様への説明責任を全うする上で極めて重要であると考えておりまして、私の指示によりまして、三月十三日、改めてこの適正な管理について徹底をさせていただいたというところでございます。
#59
○徳永エリ君 来週は前国税庁長官佐川氏の証人喚問もあります。これを受けて、やはり国会の正常化といいますか、国民から信頼される国会を取り戻すために、政府・与党、自浄努力、これを期待させていただきたいと思っております。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 まず、今日も、朝ワイドショーを見ておりますと、引っ越し難民というのが取り上げられておりました。トラックが足りない、それから人員が足りない、それから運送料が高いということで、引っ越ししたくてもできない人が全国にあふれているということでございます。
 物流の問題もこれに近いところがあると私は大変懸念をいたしておりますが、農林水産物の物流について御質問させていただきます。
 平成三十年度予算による農林水産物の物流への支援について御説明ください。
#60
○国務大臣(齋藤健君) 現在、人手不足等からトラック輸送コストが上昇をしているわけでありまして、そういう中で農産物の安定的な輸送を確保するためには、鉄道とか船舶への切替えも含めた物流の効率化に積極的に取り組むということが必要であると考えておりまして、平成三十年度当初予算に食品流通合理化促進事業三・三億円というものを計上させていただいておりまして、その中で実証を支援するということにしておりまして、一つは、平成二十九年度予算まで実施をしてきているんですけれども、トラックから鉄道への切替えの取組に続いて、今度はトラックから船舶、船舶に輸送手段を切り替えるモーダルシフトの取組、それからもう一つは、高品質な冷蔵技術を活用して農産物を保管をして出荷量を平準化をしていく取組、そういったものの実証を支援をするということにさせていただけたらと思っているところであります。
 また、施設整備に関しては、強い農業づくり交付金を平成三十年度予算において二百一億円を計上しておりまして、この中で共同配送等に必要な備蓄倉庫などの施設整備も支援ができたらというふうに考えているところであります。
#61
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 トラックから船舶へのモーダルシフトという話でありましたけれども、じゃ、船舶が出発したり戻ってきたり、港まで何が運ぶのかということでありますが、トラックだけではなくて、やはり鉄道貨物というのが非常に重要ですし、数年前からそのトラック不足を受けて、農業者の方々あるいは農協の皆さんからも、やっぱり鉄道貨物、これをもう少し見直してもらいたいと、力を入れていただきたいという声を多くいただいておりました。
 そんな中で、JR北海道でありますが、十路線十三線区、これが見直しを検討されていると。上下分離あるいは廃止も含めたバス転換ということで、一昨年から、JR北海道会社と、それから関係自治体と協議をしてまいりました。今年に入ってからは、国、そして北海道、そしてJR北海道ということで三者協議も行われております。どうも夏頃までには一定の方向性が決まるということでありまして、もう時間がないので、正直大変危機感を持って、私としては焦っております。
 道民の生活、それから北海道は観光インバウンドもどんどん増えておりますので、これから観光の可能性という意味でも、非常にこの鉄路を維持することは重要だと思いますが、単独では維持が困難とされている線区の中には、北海道から全国に農水産物を運ぶ物流にとって大変に重要な線区が含まれております。何としてでもこの線区を維持しなければ、近い将来、北海道には確実に物流の危機が訪れると思っております。このことを是非とも大臣や与党の先生方にも御理解をいただいて御支援をいただきたいということでこの問題を取り上げさせていただきました。
 配付した資料を御覧いただきたいと思います。北海道発着の貨物についてという資料でございますが、ここにタマネギとバレイショがあります。タマネギは生産量、北海道は全国シェアの約七割です。バレイショ、ジャガイモは全国シェアの生産量約八割。タマネギは鉄道貨物で六二%運ばれています、二十二万トン。そしてバレイショ、ジャガイモは三八%、十一万トンが鉄道貨物で全国に運ばれているということであります。
 北海道から全国に運ばれる農産物の月平均出荷量は八十九万三千トンということであります。
 こういう中でなぜ物流の危機が起きているのかということでありますけれども、まず、先ほども申し上げましたけれども、ドライバーが不足している。宅配に取られて、長距離を走るドライバーがいない。平成二十六年の安全規制強化によって片道四時間半の壁というものもできました。運賃負担の増加。
 それから二つ目は、地方空港では取り扱えない航空貨物があるんですね。これは、地方空港から飛ぶ利用者の方々が非常に少なくなっているということで、航空機が小型化しています。そのことによって、座席数二百人以下といった小さな航空機ですので、大きな航空貨物が運べないという現実があります。
 それから、異常気象。これ異常気象というよりも、もう北海道には秋になったら台風は上陸するものだと思っています。ここ数年続いています。この異常気象、台風や局地的な豪雨によって交通網の寸断、国道の不通などが起きているということです。
 それから、厳しくなるJR貨物による輸送ということでありますけれども、先ほど申し上げました路線維持問題、それから青函トンネル内の擦れ違いですよね、スピードを落としたりしていますけれども、これから新幹線が札幌まで延伸ということになりますと、この鉄道貨物の減便が迫られると、そういう可能性があるんですね。こういったことを考えてフェリーによる代替ということもあるんでしょうけれども、フェリーによる代替をするためにも、先ほど申し上げましたように、まずは港まで運ばなければいけないということであります。
 次の資料を御覧いただきたいと思いますが、北海道の地図、これが今、維持困難線区と言われているところ、書かれておりますけれども、この赤いところと黄色いところが今まさに見直しの対象になっているところであります。この見直しの対象になっているところにこの物流にとって大変に重要な線区が含まれているということで、ここから釧路港とかそれから苫小牧港、あるいは室蘭港といったところに北海道の農水産物が運ばれるということであります。
 この一つが石北線の新旭川―北見間、それから根室線の滝川―富良野間、室蘭線の沼ノ端―岩見沢の三区間であります。ここでタマネギとかそれからジャガイモとか、もう全国シェアの非常に高い農産物を運んでいるわけでありますけれども、この三区間が廃止になったら、農産物は札幌までトラックで運んでそこから鉄道輸送することになるので、輸送時間が長くなって運賃も高くなるんですね。先ほど申し上げましたように、出来秋に台風が上陸して国道などが不通になれば、農産物を運べず腐らせてしまいかねないということであります。
 リスクを回避していかなければならないということなんですけれども、どうやって回避するかということなんですが、例えば港に近いところ、あるいは室蘭、港のエリアもそうなんですけど、広い土地があるんですね。そこに巨大な備蓄倉庫を建てると。自然エネルギー、雪氷冷熱エネルギーなどを使ってコストを削減していくと。タマネギとかカボチャとか、それからジャガイモ、こういったものをその雪氷冷熱エネルギーで備蓄すると糖度が増すということで、付加価値が上がるんですね。そうするとブランド化ということもできるわけであります。
 もう一つ資料を御覧いただきたいんですけれども、実は、これ東京市場における月別の産地別入荷状況でありますけれども、北海道産が出回っているのはほとんど出来秋なんですよね。北海道産が出回る秋の頃は平均価格は低いんですよ。カボチャなんか見ていただくと顕著なんですけれども、もう秋の出来秋に北海道産が集中的に出回っていて、輸入物に代わる時期が値段が上がっているんです。北海道産が低くて、逆に輸入物が値段が高いという状況なんですね。これを備蓄することによって、年間を通して平準化をして全国に出荷していけば価格ももう少し上げられるし、本州の皆さんもほかの地域の方々も年間を通して北海道産の農作物を買うことができると、こういうことになるんだと思うんですね。
 こういった展望を考えても、鉄道貨物の需要というのは非常に大きいと思っておりますので、夏までの方針、本当に時間がありません、是非とも農林水産大臣にもお力を借りたいと思っております。
 この鉄道貨物、物流の危機ということに関して国土交通省としてはどう考えているのか、北海道の鉄道貨物の重要性ということをどう受け止めておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
#62
○副大臣(牧野たかお君) 徳永委員にお答えします。
 今徳永委員が御指摘したように、北海道における鉄道の貨物輸送は、北海道から全国の消費地に向けた農産品の輸送を始めとして、ライフラインとして重要な役割を担っていると認識しております。
 今のお話にあったように、JR北海道は厳しい経営状況を背景に、平成二十八年十一月に単独では維持が困難な線区として十三の線区を公表し、地域の関係者の方々への説明や協議を開始しておりますが、これには貨物列車が運行されている石北線、根室線、室蘭線の三線区が含まれております。これらの線区の今後の在り方については物流を確保する方策も含めて検討を行う必要があると考えており、国土交通省といたしましては、北海道庁と連携しつつ地域の協議に積極的に参加してまいります。
 それと、青函トンネルとその前後の区間において共用するというお話がありましたけれども、北海道新幹線と貨物列車が共用してはおりますけれども、安全確保の観点から、今現在、新幹線の走行速度が時速百四十キロに抑えられております。それによってスピードが遅いという、そういう御意見も出ておりますが、私たちとしましては、北海道と本州の間の物流の確保を十分念頭に置いて、競合する中で、例えばお盆の時期とかゴールデンウイークとか年末とか、そういうときには貨物輸送が少ないものですから、そういうときはスピードを上げる、時間帯によってはスピードを上げる、そういうことも検討しております。
 結論として申し上げると、今御指摘があったように、当然、北海道の農産物の輸送というのは、北海道のみならず、もう日本全国の私は貴重な食料の供給ラインだと思っていますので、国交省としては、十分それを念頭に置いてこれから協議に加えさせていただきたいと思っております。
#63
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。JR北海道の路線の見直し問題は北海道だけの問題ではないということを是非とも御理解いただきたいと思います。
 それから、お金の問題ではないと私は思っておりますけれども、今このJR北海道が経営が厳しいということで、鉄道貨物会社に対して、いわゆる線路使用料、アボイダブルコスト、これを上げたいということを言っているようでありますけれども、今は上げられません。でも、上げられる可能性も出てくると思います。
 最後の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、物流の平準化をすることによって、トラックから鉄道貨物へのモーダルシフト、これでJR貨物北海道支社の経営が安定する収益が上がれば、このアボイダブルコスト、線路使用料の値上げも検討ができるかもしれません。それから、室蘭本線、岩見沢―苫小牧間の維持、活用を増やせば、今、千歳線が大変に混雑しているんですけれども、この混雑を解消することもできます。
 さらに、北海道新幹線札幌開業後の対応でありますけれども、青函トンネルの輸送量が増えると、貨物の減便を求められたとしても、ちゃんと港まで運べるような線路が残っていればフェリーの代替も可能になると。それから、並行在来線、これも維持することができるということでありますので、是非とも、もう夏まで時間がありませんので、齋藤大臣にもこの議論には加わっていただいて、目の前にある物流の危機ということで是非とも御支援をいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(齋藤健君) 今るるお話を伺う中で、牧野さんからも物流に与える影響はきちんと考慮をして進めるというお話をいただいたのは、大変私どもにとってもこれは我が意を得たりということでありますが、北海道のように広大な生産地の農産物を効率的に輸送するためには、やはり私ども、鉄道貨物の役割というのは極めて大きいというふうに思っておりまして、その鉄道貨物を利用して輸送していくということは極めて重要だというふうに考えています。
 農林省も、国土交通省、経済産業省のほか全農とか全日本トラック協会とか日本物流団体連合会等の参画を得て、実は平成二十八年十一月に農産品物流対策関係省庁連絡会議というのを設定しておりまして、北海道についても、ここでもし課題が生じるようであればこういうところで議論するという、そういう枠組みも今つくってあるところでございます。
 そして、先ほど徳永委員の資料の中で、私、見ながら、今更と言われるかもしれませんが、カボチャの東京市場における月別産地別入荷状況で、本当に北海道がどっと伸びたところに価格がすごく下がって、これ非常に象徴的な資料でありまして、先ほど私も御答弁の方で申し上げましたけれども、まさに出荷時期の平準化を図るための施設整備というのが非常に重要だなと改めて思いましたので、強い農業づくり交付金の中で措置をしているわけでありますけれども、こういうものにも目配りをしっかりしていきたいなというふうに考えているところであります。
#65
○徳永エリ君 今のお話にもありましたけれども、輸入農作物との競争力強化という観点からも是非とも御支援をいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。国土交通省、結構です。副大臣、どうもありがとうございました。
#66
○委員長(岩井茂樹君) 牧野国交副大臣におかれましては、御退席、結構でございます。
#67
○徳永エリ君 続いて、主要農作物種子法についてお伺いしたいと思います。
 農林水産省は、種子法の廃止に伴って昨年の十一月に事務次官通達、これを都道府県や民間企業に発出されました。具体的に民間企業はどこにこの通達を発出されたんでしょうか。
#68
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございました、昨年十一月十五日に私どもが発出した通知の宛先ということでございます。御指摘の通知につきましては、まず私どもの地方農政局、そして各都道府県知事、それから民間の種苗会社、種苗関連団体、農水省所管の国立研究開発法人、そして経済関係の団体に対して発出したところでございます。
#69
○徳永エリ君 この種子法の廃止の理由は、民間のノウハウを活用して種子開発を強力に進めるために都道府県と民間企業の競争条件を対等にすること、つまり民間企業の参入促進と知見の提供の促進ということでありました。
 特別国会のときに質問させていただいたときには、まだ民間企業からの問合せはないということでありましたけれども、今日までに民間企業からの問合せはありますか。
#70
○政府参考人(柄澤彰君) たまたま昨日でございますが、三月二十二日に、実はこの種子に関連します官民連携の情報交換会をたまたま昨日でございますが開催いたしました。ここには、民間企業、道府県、あるいは関係団体にお集まりいただいたわけでございます。そこの場におきまして、民間企業と都道府県などの間におきまして、民間企業が育成された品種の普及や種子の生産について今後どのように連携していくのかといったことにつきまして意見交換が行われました。
 この場におきまして、今御指摘ございましたが、民間企業からもどんな御意見が出されたかということを幾つか申し上げますと、例えば、今後民間企業が事業活動を発展させる上で、種子の生産地を民間としては確保することがなかなか難しくて課題でございますので、種子産地の確保について協力いただけないかというような御意見、あるいは業務用に適した品種の生産に関心を持たれている農協や農業法人を紹介してほしいと、こういうような御意見が出されたところでございます。
#71
○徳永エリ君 特別国会で伺ったときよりも民間企業の動きが今出てきているということなんだと思います。
 私たちが昨年の通常国会でいろいろと懸念をお伝えさせていただきましたけれども、心配していることが起きないように、これからも民間企業との連携、どういう形になっていくのか、その推移をしっかり見ていきたいというふうに思っておりますが、昨日も御質問がありましたけれども、やはり農業者の方々あるいは自治体の皆さんはこの主要農作物種子法が廃止になったこと大変に心配をしておりまして、条例が作られたりとか、この体制を維持するための新しいルールを作ったりしています。
 昭和二十七年にこの法律が成立したときには、戦後の食料不足に対応するために食料増産がその目的でした。しかし、今は、品質とか味、それから国際競争力の強化、食料安全保障、温暖化の対応、また優良な種子の安定供給体制を構築するためにも、やはり国の法律の下で種子の生産、普及、これを行うべきであるというふうに考えます。命の源である種子を民間企業の利益の材料にするなど、やはりどう考えてもあってはならないことなのではないかと思っています。
 主要農作物だけではなくて、遺伝子組換え種子から国民の安全を守るためにも、菜種などの油脂植物とか、それからてん菜、こういったより多くの農作物の種子も含めた新たな法律、種子法に代わるものを立法する、その必要性があるのではないかというふうに思っております。今日、日農新聞を見ておりましたら、希望の党で種子法復活法案を出したいということでありましたけれども、そういったことも含めて、これから私たちも検討していかなければいけないと思いますが。
 大臣、改めて、こういった動きを今どうお感じになっているのか、お伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(齋藤健君) 主要農作物種子法につきましては、今、徳永委員がお話しになりましたように、戦後の食料増産という国家的要請を背景に、法律によって全ての都道府県に対して一律に、こういう形で種子生産の奨励をしなさいということを画一的に決めた法律でございましたが、今や、米の供給不足の解消や食生活の変化に伴う需要量の減少ですとか、それから消費者ニーズが大変多様化をしてきたとか、そういう事情を背景に、法律によって画一的に都道府県で生産や奨励を義務付けるところまではやる必要がなくなってきた。
 むしろ、そういう多様なニーズに応えるために民間の活力というものを活用すべきではないかと、そういう背景の中でこの種子法の廃止に至ったわけでありますし、同時に、新法で農業競争力強化支援法を策定させていただいたわけでありますが、その第三条においても、国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現するための施策を総合的に作成し、そして、並びにこれを着実に実施する責務を有するというふうに明確に規定をされた上で、さらに同法の八条で、国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現する上で必要な事業環境の整備のため、種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進すると規定しておりまして、そういう意味では、責務を有する上でこういうことをしっかりやりなさいという法律の立て付けになっておりますので、この法律の立て付けに従って責任を持って施策を講じてまいりたいというのが今の私どもの考えであります。
#73
○徳永エリ君 その御説明は何度も聞いてまいりましたけれども、それでもやはり多くの農家の皆さんや自治体関係者の皆さん、農業関係者の皆さん、本当に心配しておられるということでありますので、本当に心配していることが起きないように、折に触れてこの委員会でもしっかりとまた話をさせていただきたいというふうに思っております。
 TPP、CPTPPについて通告をさせていただいていたんですけれども、ちょっと今日の日農新聞を見て、これ触れないわけにはいかないので、ちょっと変更させていただきたいと思います。
 今日の日農新聞で、USTRのライトハイザー代表、FTA交渉を要望しているということでありまして、二十一日に議会下院歳入委員会の公聴会で、適切な時期に自由貿易協定、FTAを結ぶことに関心があると日本に伝えていると述べたと、日本にFTA交渉を求めていると証言をしたと書かれています。日本政府は環太平洋連携協定、TPPへの米国復帰を促す戦略で、米国からFTAの要求があったことは明確に認めていないと、両政府の説明の食い違いが露呈した格好だというふうになっておりますが、これ、本当のところはどうなんでしょうか。御説明いただきたいと思います。
#74
○政府参考人(澁谷和久君) 若干所掌外かもしれないんですけれども、たまたまおりますので答弁させていただきますが、三月二十一日、アメリカの下院の歳入委員会で行われた公聴会、今先生御指摘になったのはそのライトハイザー米国通商代表のお話でございますが、日本とのFTAについて関心があるということを表明してきているとは確かに言っておりますが、日本とのFTAについて、日本は今TPPの施行に向けたプロセスにあり、今はその時期ではないと考えていると、このように明確に発言をされております。その後で、TPPの再交渉などは非常に難しいんじゃないかと考えているとか、そういうことまでライトハイザー代表は言っておりまして、あくまで将来的な可能性として言及したというふうに承知しているところでございます。
#75
○徳永エリ君 今は将来的な可能性について言及しているということでございますけれども、そもそも、このCPTPPは、アメリカが復帰をすることを促すという戦略の下に交渉されて、そして妥結して署名という形になったんだと思いますけれども、このTPP協定の第六条の見直し規定については、これまでも随分質問があったと思いますが、アメリカがもう戻ってこないんだと、あるいは日米のFTA、こちらを進めたいんだと、こういう判断をどのようにするのかということが明確ではないんですね。
 それと、米国の輸入分を抜かずにTPP枠を維持したということは、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドにとっては輸出量が増えることにつながって大きなメリットなのに、この見直しの際に数量の削減に応じることがあるんだろうかということです。
 さらに、もし日米のFTAということになれば、アメリカが更にこのCPTPPではなく別のものを要求してくるということになれば日本の農業にとって更に大きなダメージになると思うんですけれども、この点に関してはいかがでしょうか。
#76
○政府参考人(澁谷和久君) 昨日も御議論になったところでございますが、TPP11新協定の第六条において、御指摘のとおり、米国を含めたTPPが発効する見込みがなくなった場合等に締約国の要請に基づき協定の見直しを行うと、こういう規定でございます。発効が見込まれない場合というのは、昨日も御説明したわけでございますが、基本はアメリカの将来の通商政策の新たな動向などを踏まえてということになるわけでございます。
 今先生がいろいろ御懸念おっしゃいましたが、具体的にどういう場合かということを余りこういう場でリアルに御説明いたしますと、あたかも我が国としてそういうことを想定しているかのようなメッセージになるおそれがあるということで、やや言い方が慎重にならなきゃいけないんですけれども、昨日も御説明しましたが、米国の動向によって結果として現在のTPPのこの割当て枠を超えるような輸入枠となるような、そういうことを懸念する御意見を踏まえて規定させていただいたということでございますので、そのような懸念が見込まれる場合には見直しの要請を行うことになるというふうに考えておりますし、各国にもそのとおりの説明を行っているところでございます。
#77
○徳永エリ君 もし、もしですが、米国が日本とFTAを結びたいということになった場合には、やっぱりCPTPPは撤回しなければいけないと思うんですね。日本にとって、最も農業大国として、特に農業の分野ではそのEPAを結びたくなかったカナダ、ニュージーランドとこのCPTPPでは結果的には新規締約をしたということになりますし、さらにこの米国とのFTAということになれば本当にダメージは大きくなると思いますので、これからのこのFTAどうなるのかということもしっかりと見ていきたいというふうに思っております。
 それでは、時間もなくなってきましたので、次に行きたいと思います。
 農地の問題なんですけれども、外国人個人で、また外国の企業が日本の農地を借りて農業に参入することは現行の法律制度では可能ですね。
#78
○大臣政務官(上月良祐君) 外国企業によります農地の取得につきましては、農地法上、農業者が総議決権の過半を占め、経営権を支配する必要があること、そして、株式の譲渡について制限があるものに限定されていることとされております。そのことから、農業者の意に反して法人に外国資本が流入したり投資の対象になるようなことは基本的にないと考えております。また、外国人による農地の取得につきましては、農業に常時従事することなどの要件を満たす必要がありまして、国外に居住する外国人が取得することはございません。
 また、農地の貸借につきましては、取得する農地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うこと又は農道や水路の維持活動への参画など、地域における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること、又はではなくて等の要件を満たす必要がございます。なお、農地の貸借につきましては、賃借権が長期化しても農地を時効取得することはございません。また、農地を無断転用や不耕作など不適切に利用した場合等には、農業委員会が許可を取り消すこととされております。
 現行の制度では以上のようになっております。
#79
○徳永エリ君 所有のところまで聞いてなかったんですけど、借りて参入することは可能ですかという質問でございました。できるんだと思います。
 中間管理機構、農地バンクから農地を借りることもできますか。実際に外国人や外国企業の実績はありますでしょうか。
#80
○大臣政務官(上月良祐君) 農地中間管理機構からの農地の貸付けにつきましては、農地法と同様の要件を審査した上で行いますため、地域とつながりを持つ外国人や外国企業のみ、機構を通じて農地を借り受けることができるものと考えております。
 なお、機構によります外国人等への農地の貸付実績については幾つかの例を把握いたしておりまして、例えば永住資格を有する個人への貸付けといった形で、永住資格を持つ方がJAのインターン生として栽培技術を学んで、認定新規就農者の認定後、機構から農地を借り受けた例や、ニュージーランドの企業が出資して設立し、キウイを栽培します日本法人が平成二十七年に農地をリース方式にて借り受け、その後、規模拡大を行う際に機構を通じて農地を借り受けていると、こういった例を承知しているところでございます。
#81
○徳永エリ君 もう農地を借りて外国資本が農業を行っているという実例を挙げていただきました。
 先日、北海道新聞に、フランスの老舗ワイナリーが函館でワインの醸造所を開設することを計画していることが記事になりました。また、同社が函館市内に農地を取得し、来年からブドウの苗木を植える見通しだとも報じられました。
 平成二十六年に私がこの委員会で当時の奥原経営局長に将来的な外国企業の農地取得の可能性について質問させていただいたところ、農業委員会の許可が必要、農業生産法人の要件を満たすことが必要、株式会社であれば株式の譲渡制限がなければならない、農業者が組織する農事組合法人でなければならないので、外国の企業が日本の農地を取得することは大変に難しいという御答弁でした。
 しかし、二十七年の改正によって農業生産法人から農地所有適格法人に変わって、要件も大幅に緩和されました。この改正によって、要件が満たされれば外国企業も日本の農地を取得できるようになったのかと私は思ったんですが、そうではないということでありますけれども、しかし、五〇%未満まで出資が可能だということでありますので、実際には外国資本が入ってきているということであります。日本法人を設立してあたかも日本の企業のようにして、実際には外国の企業が参入してきているという実態が多くあると思います。
 これから、温暖化の影響とか、それから、これまで作れたものが自国では作れなくなってくるとか、あるいは自由貿易との関係、また食料安全保障などの面において、我が国で農地を借りて、あるいは取得するというような形で、外国人や外国企業が農業経営を行うケースが増えてくるのではないかというふうに思っています。国家戦略特区においては既にこれ可能ですよね。
 私の地元北海道でも今、七空港の民営化が二〇二〇年までに検討されておりまして、これから海外からどんどん定住、あるいはインバウンド、それから長期リゾート、いろんな方が入ってきて、自国に情報もどんどん届けられるんだと思いますので、そろそろ外国人、外国企業がどれだけ農業に参入しているのかとか、あるいは、農地を取得しているわけではないけれども、農地適格化法人の中の一員として加わっているというようなことがあれば、その実態をきちんと農林水産省として把握しておく必要があるのではないかと思いますが、この点について大臣はどう思われますでしょうか。
#82
○国務大臣(齋藤健君) 今、政務官から御説明しましたように、農地法上は、外国企業による農地取得については、農業者に反して農地を取得した法人に外国資本が流入することは基本的にありませんし、個人についても、国外に居住する外国人が農地を取得することはできないと。
 このため、これまでは全国的な調査は行ってこなかったところでありますが、一方、森林につきましては、外国企業等による森林買収の状況について毎年実態を把握しているところでありますので、私もこの件は重要な指摘だと思いますので、農地についても平成二十九年分から森林と同様の調査を行うこととしたいと思います。
#83
○徳永エリ君 先ほど挙げていただいた実例も、質問通告のときには実績がよく分からないということで、多分お調べになっていただいたんだと思うんですけれども、やはりきちんと調べて把握しておく必要があると思います。
 今、森林のお話がありましたけれども、森林も、北海道の場合、やっぱり森林所有が非常に増えているんですね。誰が所有しているのかということを見てみると、英領バージン諸島というのがすごい多いんですね。これ租税回避、タックスヘイブンですよね。目的も不明ということなんですね。昨年になって一気に増えているんですよ。こういうことも大変に大きな問題だと思いますので、外資がいかにして参入してきているかということを農林水産省としてもしっかり把握していただきたい。
 この森林の問題に関しては、森林管理の法案の審議のときにまたお話をさせていただきたいと思います。
 時間が参りましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
#84
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 今日は予算の委嘱ということで、予算関連のことについて質問いたします。
   〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕
 それで、大雪被害についてまずお聞きしたいと思います。
 今年も、例年経験したことがないような大雪によって農林漁業に被害が出ました。被害に遭われた皆さんに対しては、まず心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 大雪は日本海沿岸を中心に広範囲にわたっていますが、北陸では昭和五十六年豪雪以来三十七年ぶりの大雪だということです。私たち日本共産党としては、二月七日の日に二〇一八年の豪雪被害対策本部をつくって、関係省庁にも要請をいたしました。経験したことがないような余りにも大きな被害に直面をして、今後の営農の見通し、収入の見通しが立たずに離農者が出ないか心配がされているわけです。被災者の気持ちに寄り添って、展望が持てる支援が必要だと思います。
 農林水産省は、三月十六日に、大雪による被災農林漁業者への支援対策を出されました。それで、大臣の発言などを聞きますと、離農を防ぐというのはキーワードなんじゃないのかなというふうに思っています。離農を防ぐって全く同感なんですけれども、高齢者や担い手不足と言われる中で、今度の対策が離農を防ぐ対策になるというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
#85
○国務大臣(齋藤健君) この冬の大雪では、御指摘のように、北陸を中心に、五六豪雪以来三十七年ぶりの積雪ということで、また北海道の日高地方でも想定を超える大雪が数日間も継続をするということで、農業用ハウスに大きな被害が発生をいたしました。
 この被害の状況を踏まえて、私の対策を講じるに当たっての基本的考え方は、御指摘のように、被災された農業者の皆様が離農されることがないように対策を講ずるというのを基本的考え方で、省内に指示をしながら対策の立案に当たってきたところであります。
 先週十六日金曜日にその対策を公表させていただいたところでありますが、被災したハウスの撤去も含めた農業用ハウスの導入、被害のあった果樹の植え替えですとか、それから収益が生ずるまでの未収益期間に要する経費の助成ですとか、そういった対策を決定をいたしたところであります。被災された農業者の皆様が離農されることなく、この支援対策を活用していただきたいと考えておりまして、対策の内容をしっかり説明をして、お使いをいただきながら、一日も早く営農再開ができるように全力で取り組んでまいりたいと思っておりますが。
 なお、やはり施設園芸に大きな被害が出たわけでありますけれども、やはり施設園芸を営む農業者の皆様には、農業用ハウスは経営に不可欠な生産施設であるということを改めて認識していただいて、これからも甚大な自然災害が起こり得るということで、自ら備えていただく観点からも園芸施設共済に是非とも加入をしていただきたいなというふうに考えておりまして、この点についても、あらゆる機会を通じて皆さんにお訴えをさせていただきたいと考えているところであります。
#86
○紙智子君 今回、経営体育成支援事業の優先枠というお話も聞いていますし、農業次世代人材投資資金の前倒しということも加わっているということでよろしいですか、確認します。
#87
○国務大臣(齋藤健君) そのとおりでございます。
#88
○紙智子君 離農を防ぐということではっきりおっしゃっていただいているんですけれども、今年の大雪は、今、日高のお話も紹介いただいたんですが、日高地方で大きな被害ということでありまして、大雪の直後、実は前衆議院議員の畠山和也議員も現地におりまして、すぐに現場に行って、党の国政事務所が調査にそこに入ったわけなんですけれども、二月五日、六日の両日で積雪が四十三センチに達したと。日高でいえば統計開始以来で最も多かったということなんですね。海岸沿いなんでいつも雪降らないんですけれども、それがどっと来たということで。
 日高というのは、御承知のように軽種馬のところでありまして、軽種馬だけではもう経営が厳しいという中で町を挙げて園芸に力を入れてきたと、そういうこともあって、若い人が戻ってきて営農を始めているということだったわけですね。訪問した若い農業者が、ビニールハウスの多くが損壊した、除雪が全然追い付いていない、先行きが見通せないということで悩みの声を寄せていただいていたようなんです。町役場も訪問すると、新規就農者が雪害で離農の道を選択してしまわないか本当に心配しているというふうに言われたということなんですね。
 そういう不安に応える対策ということで、先ほど紹介もあったんですけれども、農業次世代人材投資資金、これは、前倒しというのは、初めて前倒しされたんでしょうか。
#89
○政府参考人(大澤誠君) 先ほど大臣から御紹介のありました次世代投資資金の交付時期の前倒しは、今回初めての対策でございます。
#90
○紙智子君 前倒しで初めて若い人たちに向けてということだったと思うんですけれども、それで、経験したことのない大雪で農業施設の解体をどうするか、これ関係者は途方に暮れていて、農業施設の解体も含めて支援する必要があるということで現場からも声が上がったんですけれども、ちょっともう一度確認しますけれども、これは解体も含めてということでよろしいんでしょうか。
#91
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 今回の経営体育成支援事業の優先採択におきましては、ハウスの導入や露地栽培への転換に伴う農地の改良等を支援する際に併せて行う撤去も対象とすることといたしております。
   〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕
#92
○紙智子君 この経営体育成支援事業において、農業を継続するときには撤去費用も支援するという趣旨だと思うんですけれども、この撤去、建設、いずれの場合も最大で三割の助成、そして通常三百万円の上限を六百万円に引き上げるという、こういうことというのも言われているということで確認してよろしいですか。
#93
○政府参考人(大澤誠君) 三割助成については御指摘のとおりでございます。
 六百万円については、特別に地域が認める場合にそういう枠、メニュー、コースも用意してございます。
#94
○紙智子君 ちょっと最後はっきりしなかったんですけど、これはもう一度。
#95
○政府参考人(大澤誠君) 地域の特認としては六百万円も認められるということでございます。
#96
○紙智子君 離農しないようにということなので、離農する人は対象外ということだと思うんですけれども、やっぱり離農しないようにということでこういう対応だと思うんですね。やっぱり、営農が継続できるような支援をするというのが本当に大事だと思いますので、是非この後しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 同時に、離農を防ぐ対策としては、私は更に踏み込んだ対策が必要ではないかというふうに思うんです。二〇一四年に関東を中心に発生した大雪被害に対して、農林水産省が打ち出した被災農業者向け経営体育成支援事業、これを活用することですね。この対策というのは、農家はもちろんなんですけれども、市町村からも歓迎されたんですよ。やっぱり思うんですけど、そういう助かったというか良いことをやると、これ自治体関係や農業者ってよく覚えているんですよね。やっぱり、北海道JAの皆さんが要請しているのは、この被災農業者向け経営体育成支援事業の発動ということなんですよ。北海道以外の地域からも、この事業が使えないのかという問合せが何件も掛かってきているんですね。
 なぜこの事業を発動しないんでしょうか。
#97
○政府参考人(大澤誠君) 被災農業者向け経営体育成支援事業につきましては、過去に例のないような甚大な気象災害が発生した場合に、被災した農業用ハウス等の復旧等を支援するために発動するものということでございます。
 これにつきましては、実際の発動につきましては、例えば、激甚災害に指定されてかつ農業用ハウス等の被害額が相当の規模になるような場合、大雪の場合にはなかなか激甚災害の指定はございませんけれども、大雪の場合でも、御指摘のとおり、農業用のハウス等の被害額が相当程度に達した場合にこの事業を発動してきたことがございます。
 ということで、過去の被害の実情を見ながら対応していくという運用を行っておりまして、今回の大雪につきましては、農業用ハウス等の被害の状況、あるいはこれまでに起きた災害における対応状況、これを勘案した結果、経営体育成支援事業の優先採択という形で支援することといたしたところではございますけれども、今までにないものも幾つかつくってございます。
 これは、例えば施設、先ほど御質問のありました撤去も対象にすると。これは今まで被災農業者向けだけがそういう対象でございましたが、今回はこの通常の経営体育成支援事業でも撤去も対象とすることといたしました。それから、通常の事業については、融資の要件が融資と同じ額の国庫補助という形で一定の縛りがございましたが、その融資の要件も緩和をすることによりまして、地方公共団体が補助を上乗せしやすくするということになりました。それから、平成二十五年の大雪以降は、園芸施設共済についても補填額が格段に拡充されてございます。今回は、この事業と、それから園芸施設共済、さらには地方公共団体による助成、こういうものも活用して、地方公共団体と連携しながら全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#98
○紙智子君 いろんなものを、今あるやつをかき集めて何とかやろうという話だと思うんですけど、この事業が再建、修繕の補助率を十分の三から二分の一に引き上げると、残りの部分に対する地方公共団体の補助に関して、その七割について特別交付税措置を講ずると。これによって、農業者の負担を最小化できる仕組みということで構築をしてきたわけですけど、地方公共団体の補助が十分の四となった場合には、農業者の負担は十分の一になると。つまり、九割補助されるんですよね。
 なぜそこまで当時支援したのかということでいうと、これ要綱によりますと、一つは、過去に例のないような甚大な気象災害により、経営の安定に支障を来す事態が発生しているからだということだったと思うんですよ。
 それで、今回の被害がどうなのかというふうに言うと、全国的に見れば確かにばらつきはありますよね。やっぱり局地的なんですよ。局地的なんだけれども、でも、これ局地ごとに見ると過去に例を見ない被害なんですよ。局地的に見ると過去に例がないし、経営の安定に支障を来す、離農しかねないような事態だと思うんですよ。
 だから、やっぱり、離農を防ぐというためには、この被災農業者向けの経営体育成支援事業、この発動を強く求めたいと思うんですけど、ここはちょっと大臣、お願いします。
#99
○国務大臣(齋藤健君) 災害対策におきましては、それぞれ国、県、市町村で対応すべき話だと思うんですね。それで、規模の小さいものはそれは市町村レベルで対応ができるでしょうと。これは、ところが規模がだんだん大きくなってくれば市町村の財政負担では対応できないとか、こういうふうになってくるわけでありますので、規模が大きくなってきて対応できないときには国が出ていきましょうと、これが基本的な考え方なんだろうと思うんですね。
 ですから、あらゆる災害、何でもかんでも国が全部やるんだということではなくて、災害というのは誰の責任で起こったわけでもありませんので、そういう形で大まかな考え方の整理ができているんだろうと思いますので、この被災農業者向け経営体育成支援事業については、そういう過去に例を見ないような大規模なものでとても自治体では対応できないというようなものについて、それじゃ国が出ていきましょうということでつくられている制度だというふうに私は認識をしておりますが、今回のケースについても、今回の被害状況を見ながら、かなり今までと違った特別なものも組み込んでおりますので、これを最大限活用をしていただければ有り難いなと考えているところでございます。
#100
○紙智子君 国としては精いっぱいやっているということなのかもしれませんけど、被害に遭った方から見れば、これ本当に大変な、このままだったらやっぱり溺れてしまうということだと思うので、やっぱり離農を防いで安心して営農できるようにするように対策は必要だと思うし、予算の問題ということでいえば、やっぱりTPP対策で補正に組んだ三千億とかあるわけだから、それを例えば緊急的に真剣にそれを活用するなんということも考えるべきだというふうに思うんです。
 引き続き検討していただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思います。
 それで、種子法、先ほど来質問がありましたけれども、この種子に関しての事務次官通知についてお聞きしたいと思います。
 昨年の通常国会において、主要農作物種子法が廃止されました。理由は、民間事業者が参入できないからだと。農協法や農業委員会の改正と同じように、現場の意見を聞かない安倍政権の姿勢を象徴する廃止だったと思うんですね。今、各地で種子法の廃止後の対応どうするのか検討が進んでいます。種子法を廃止しなければこんな事態にならなかったわけですけれども、農政に対する不信にもなっていると。
 種子法の廃止後、昨年十一月に、稲、麦類及び大豆の種子についてと題する事務次官通知が出されました。今後は、法律上の根拠もないのに行政指導で都道府県に圧力を掛けようというような、通知の中身というのは驚くべき内容なんですね。初めにこの経過の説明があるんですが、そこでは種子の開発、供給体制が地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害しているのが主要農作物種子法だ、だから廃止したと書かれているわけです。そして、種子法の廃止後の都道府県の役割として、民間事業者による稲、麦及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う、役割を担うと書いているわけです。
 通知は技術的な助言だと言っているんですけれども、それなのに役割を担うといって役割を規定するんでしょうか。廃止して根拠法もないのに行政指導でここまで書くというのは、地方自治への介入になるんじゃありませんか。大臣。
#101
○政府参考人(柄澤彰君) 今般、十一月に発出しました通知につきましては、種子法の廃止に至りました経緯ですとか、それから今後の種子法廃止後の新たな枠組みなどにつきまして関係者に私どもの考え方を分かりやすく記述しているところでございます。
 今御指摘がございました都道府県の役割につきましては、この通知の中で、種子法廃止後の都道府県の役割ということで一固まりの記述を設けておりまして、そこのパートにおきまして、例えば、「都道府県内における稲、麦類及び大豆の種子の生産や供給の状況を的確に把握し、それぞれの都道府県の実態を踏まえて必要な措置を講じていくことが必要」というようなことですとか、「必要な場合には、都道府県段階における稲、麦類及び大豆の種子の安定的な供給や民間事業者の参入の促進を行うための協議会を設置すること等により、情報の共有、課題の解決策の検討を行うことも考えられる。」というようなことで都道府県の役割を位置付けているところでございます。
#102
○紙智子君 必要なんだったら、やっぱり法律に基づいて国の役割を明確にするべきなんだと思うんですよ。
 すごく不思議に思うのは、主要種子法の廃止に伴って従来の通知を廃止すると書かれているんですね。通知は四つあると。主要農作物種子制度運用基本要領、主要農作物種子制度の運用について、それから一代雑種稲種子の暫定審査基準等について、もう一つが主要農作物に係る指定種苗制度の運用についてと、この四つについては廃止すると。この通知を廃止するけれども、参考にされたいというのがその後から出てくるわけですよ、従来の通知参考にされたいと書いているわけですよ。
 その上、新たに事務次官通知を出すと。都道府県を、言ってみれば、これ通知でがんじがらめにしているというふうに思うんですけれども、見解を伺いたいと思うんです。
#103
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございました従来までの要綱等の通知につきましては、いずれも当然のことながら種子法の存在を前提として構成されているわけでございます。したがいまして、種子法廃止後においては構造的にもう成り立たないということで、今般の新しい通知に切り替わるということで、これは廃止するということにしているわけでございます。
 一方、これまでの通知の中身につきまして、法律を前提にしたところもございますけれども、例えば都道府県が引き続き行う部分もあると思われます奨励品種の決定ですとか圃場の審査、生産物の審査、あるいは原種、原原種の生産のための基準というような部分につきまして、種子法廃止後においても今後の都道府県における業務の実施に当たって参考にしていただける部分もあるのは当然事実でございます。
 こういった観点から、今般の通知におきまして、「従来実施してきた業務を実施する場合には、必要に応じて、従来の通知を参考とされたい。」というふうにしているわけでございまして、特段矛盾するものではないというふうに考えております。
#104
○紙智子君 何回聞いてもおかしいと思うんですよね。もう現場を混乱させるだけだと思いますよ。
 地方自治の介入だけじゃなくて、さらに、稲、麦類及び大豆の種子の品質の確保と題して、検査の在り方を変えると書かれています。従来は都道府県が指定した稲、麦類及び大豆の種子圃場に限っていた品質の確認をやめると。従来は都道府県による流通前の全ロットでの審査及び証明書の発行によって品質確認を行っていたけれども、これもやめると。なぜ従来行っていた品質確認をやめるんですか。
#105
○政府参考人(柄澤彰君) 種子の品質の確保に関して、従前の枠組みと今後の枠組みを比較して申し上げたいと存じます。
 従前、種子法に基づく状況の中では、種子法に基づく告示がございまして、これは主要農作物種子法第四条第五項の農林水産大臣が定める基準というものがございました。従前はこの基準に基づきまして、都道府県が指定された稲、麦類及び大豆の種子生産圃場で生産する種子に対象を限っておりまして、その種子につきまして、栽培段階では圃場審査を、種子の現品となる段階で生産物審査を実施するということをやってまいったわけでございます。
 今後、種子法廃止後におきましては、稲、麦類及び大豆の種子の品質の確保は、種子に関する実は一般法の種苗法という法律があるわけでございます。今後は、この種苗法に基づく告示、これは指定種苗の生産等に関する基準というのがございまして、この種苗法に基づく基準に、今後、稲、麦類、大豆の種子を位置付けるわけでございます。
 そうなりますと、実は、都道府県の種子のみならず、民間事業者が生産する種子も含めた流通する全ての種子が対象になりますし、流通する種子の検査によって確認が行われるということになりますので、前後を比較した場合に、従前と同水準の品質基準による品質の確保が図られると同時に、都道府県が供給する種子のみならず、民間事業者が生産する種子についても全て品質が確保され、全体として良質な種子の流通が図られるというふうに考えているところでございます。
#106
○紙智子君 要するに、今まで圃場で品質の確認、入口規制だったんだけど、今後は出口管理に変わるんじゃないですか。そして、販売段階で抜き打ち検査になるんじゃないですかね。事前検査をやめて事後検査にすると。しかも、販売段階での抜き打ち検査はサンプル検査。これ、粗悪品が出回らないかというふうに心配になるわけです。品質の信頼性が後退するんじゃないですか。これ、出口管理ですよね。確認します。短くお願いします。
#107
○政府参考人(柄澤彰君) 種苗法は、今現在も野菜、果実等の種子の品質管理を担っているわけでございまして、そのやり方というのは、おっしゃるとおり、流通過程の種子を検査、確認するということになりますが、一方、その出口におきまして、種苗法上、農林水産大臣の勧告ですとかあるいは公表という種子法にない手段も規定されているところでございます。
#108
○紙智子君 結局、品質に対する信頼性を崩すことになりかねないと思います。
 今日は総務省にも来ていただいているんですけれども、地方交付税措置について聞きます。
 総務省は、二〇一八年の一月二十五日に、平成三十年度の地方財政の見通し、予算編成上の留意事項等についてと題する総務省自治財政局の財政課事務連絡を出しました。予算編成上の留意点に、種子法の事務については種苗法等に基づき従前と同様に実施するとされることから、当該事務に要する経費については引き続き地方交付税措置を講ずることとしているとあります。
 そこで、具体的な事務についてお聞きしますけれども、ちょっと配付資料あります、一枚物ですけれども、これ抜粋したものなんですけれども、平成二十九年度地方交付税制度解説から抜粋しました。地方交付税の単位費用の算定基礎になるものです。主要農作物種子法等に関する事務が具体的に書かれていて、行政事務内容ごとに根拠法令が書かれているんですね。(7)、指定種子生産圃場の指導に関する事務、根拠法令はその横に書いてありますけれども、主要農作物種子法とあります。種子法が廃止になるわけだから、これからはこれ何が根拠法になるのでしょうか。
#109
○政府参考人(境勉君) お答えいたします。
 これまで、主要農作物種子法に基づきまして都道府県が実施することとされております圃場審査、生産物審査の実施や、原種圃、原原種圃の設置などに関する事務に要する経費につきましては、この資料にもございますが、地方交付税措置を講じてきているところでございます。
 御指摘のとおり、平成三十年度に主要農作物種子法が廃止されることとなりますが、先ほど御説明にもございましたが、都道府県は引き続き、圃場審査などに関する事務につきましては種苗法に基づきまして、また原種圃、原原種圃の設置などに関する事務につきましては農業競争力強化支援法に基づきましてそれぞれ従前と同様に実施することとされておりますので、これらの事務に要する経費につきましては引き続きこの新しい根拠法律に基づきまして地方交付税措置を講じることとしたいと考えているところでございます。
#110
○紙智子君 種苗法というんだけど、主要農作物種子法には第三条に圃場の指定という規定があるんですね。種苗法には圃場の指定という条文があるんでしょうか。
#111
○政府参考人(柄澤彰君) 種苗法自体には圃場の指定という規定そのものはございません。
#112
○紙智子君 ないわけですよね。種苗法は、品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を図っているというだけで、圃場の指定というのは定めていないんですよ。
 行政事務の内容を一つ一つこれ何が根拠になるのかということを説明しなきゃいけないんだと思うんです。全部これ時間がなくなっちゃったので確認できませんけれども、(10)の主要農作物の原種圃及び原……(発言する者あり)原が足りないな、済みません、設置に関する事務、根拠法は種子法になっていますけれども、これ、根拠法は今度何になるんですか。
#113
○政府参考人(柄澤彰君) 私どもが承知している限り、今後の体制におきまして、多くの都道府県におきまして種苗法を根拠といたしますけれども、その種子の品質のチェックにおきまして、従来から用いられている圃場審査や生産物審査に準じた手法を用いられるところが多いということを聞いておりますので、恐らく総務省におかれましてはそういったことも勘案された措置だというふうに理解しております。
#114
○紙智子君 根拠法ないんですよ。だから、これなくなったら、廃止したら、何に基づくんですか。根拠法を聞いたんです。
#115
○政府参考人(柄澤彰君) 根拠法としては、先ほど来申し上げていますように、種苗法ということでございますが、その品質の確認についていろいろな実質的なやり方があるというふうに理解しております。
#116
○紙智子君 あのね、よく分からないんですよね。何回もちょっと、この書き方じゃよく分からないと。
 農業競争力強化支援法にあるので、それに基づいて同様にやると言ったんだけど、実際に競争力支援法を見ると、その条文というのは八条になると思うんだけど、その中には書いていないんですよ。中に書いていないんですよ。それでやれるのかと。支援法は知見の提供を求めているだけで、原種とか原原種などの設置規定はないんですよね。
 だから、本当にいいかげんなんですよね、全くいいかげんだと思います。根拠法令がなかったら事務が発生するかどうか分からないわけだし、今、都道府県では、条例を作る県もあれば作らない県もあると。今までも条例がない県があったけれども、種子法という法律があったから地方財政の措置がとられてきたわけですよ。根拠法がなくなって条例も作らない県が出てきたら、今まで、現在の体制が維持されるかどうか分からなくなるわけですよね。
 大臣にお聞きしますけれども、この現場が混乱するようなことを農水省がやっていいんでしょうか。
#117
○国務大臣(齋藤健君) 現場の混乱を招くようなことをやってはいけないと思いますが。
 本件は、法案の審議の際にも随分と御議論があったというふうに承知をしております。つまり、根拠法がなくなったら今までやっていた交付税の措置がなくなってしまうのではないかという議論をさんざんした上での附帯決議も決めていただいた上で、その附帯決議を重く受け止めて、総務省の方で根拠規定がなくても支障がないように交付税措置をするということを決断をしていただいて、今日に至っているということであります。
 説明が不十分だったり下手だったりする部分についてはおわびを申し上げますけれども、そういうことでございますので、今後この法律が廃止されてこの交付税措置がなくなってしまうとかいうことがないように、附帯決議を踏まえてきちんと対応していきたいということに尽きると思います。
#118
○紙智子君 ちょっと時間になりましたけど、もう本当によく分からないんですけれども、法律上の根拠がなかったら地方交付税を算定する理屈が成り立たないわけですよね。ですから、総務省任せにするんじゃなくて、農産物の生産にとって欠かせない種子にやっぱり政府が責任を持つべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#119
○儀間光男君 日本維新の会の儀間です。
 幾つか通告をしてありますから、従いながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、我が国においては、戦後復興期から高度成長期にかけ、社会インフラの整備が急速に行われてまいりました。道路、河川、港湾、上下水道、農業水利施設などなど、整備をされてまいりました。
 機能維持のため、本来は適切に保守あるいは修繕を行い、機能維持を図ることが望ましいのでありましたが、二〇〇〇年以降、公共投資の削減がありました。何か悪者みたいになって、削減がありました。その折に、適切な保守、修繕が行えないような、そのような事案が多く存在したと思っております。言うなれば、そのツケをこれから迎えつつある、こういうふうな時代認識を持っています。
 基幹的な農業水利施設は全国に約七千か所あると言われ、農業用排水路は五万キロ、農道総延長は約十八万キロ弱に及ぶと言われております。この全体の施設のうち、今後五年以内に三割程度が耐用年数を超えると、こう指摘されております。そのため、今後多額の更新費用が必要となるのは知れて当然でありますが、そのまた対応は喫緊の課題であると考えます。そういう認識の下で、インフラや基盤整備について伺っていきたいと思います。
 戦後の農業インフラ整備を進めてきたが、施設の老朽化が進んでいるし、インフラ長寿命化計画に基づいて対策を推進しているが、対策に緊急性を要する農業用排水施設はどのくらい存在し、これから対応していかなければならぬのか、これが一点目。二点目には、農業用排水施設の老朽化が進んでいるが、土地改良長期計画の目標として土地改良事業の今後の実施量はどのようになっているのか、このことについてもお聞かせいただきたいと思います。
 なお、農業農村整備事業への予算計上額は三千二百十一億であり、これは年々増加するものだと考えております。インフラ整備は国民の生活に直接影響を与えることから、国の責務は大だと思うんですが、御認識をいただきたいと思います。
#120
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生からお話ございました基幹的農業水利施設でございますけれども、私ども、毎年度実施いたしております農業基盤情報基礎調査によりまして整備状況を把握しておるところでございます。平成二十八年三月時点で、全国で基幹的農業水利施設、農業用用排水路として約五万キロメートル、それからダム、取水堰、用排水機場などいわゆる点の施設でございます、点的な施設で約七千六百か所存在しておるところでございます。
 この調査では、整備後の耐用年数、経過年数も調査しておりまして、これによりますれば、基幹的水利施設の多くは、今先生からもお話ございましたが、戦後に新設をされまして既に耐用年数を超えた施設が全体で二割に及んでおります。今後、このままですと十年後には四割となるなど、大変老朽化が進んでおる状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、農林水産省といたしましては、平成二十五年にインフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議において策定されましたインフラ長寿命化基本計画に基づきまして、平成二十六年に農林水産省としての行動計画を作成いたしております。これに基づいて老朽化対策を着実に進めようとしておるところでございます。
 それから、二つ目に御質問ございました土地改良長計との関係でございます。
 土地改良長期計画につきましては、二十八年の八月に閣議決定をさせていただいたところでございます。平成二十八年度から三十二年度までの五か年間におきまして、基幹的農業水利施設のうち水路で約一千五百キロメートル、排水機場等で約二百十か所の更新などに着手をするということが一点でございます。それから二点目は、水路約九千キロメートル、それから排機場等約二千二百か所の機能診断を実施するということ。それから三点目が、水路約一万三千キロメートル、機場等、排機場等約二千五百か所の機能保全計画を策定するということを長期計画上の目標にしておるところでございます。
 大変財政状況厳しいところでございますけれども、長期計画の期間内にこれらの目標が確実に達成されるように、私ども、施設の劣化状況に応じまして更新、補修等の長寿命化を図りますとともに、計画的な更新事業の実施に努めてまいりたいと考えております。
#121
○儀間光男君 このことは多分、土地改良事業というのは、土地の中間管理機構、これの実績が上がれば上がるほど更に必要性を増してくると思うんですね。そういうことからも、しっかりとひとつ計画を、ロードマップを作って完全に実施していただかないというと、先ほども言ったんですが、このインフラ整備は国民生活に影響を与える重要な課題だという捉え方ですから、農業水路等長寿命化あるいは防災減災事業としても大事なことだと思うんです。
 そのことに新たに二百億円が計上されているわけですが、それについての概要というか内容をちょっと御開示いただきたいと思います。
#122
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今お話ございました、平成三十年度予算で新たに措置をさせていただきました農業水路等長寿命化・防災減災事業についてでございます。
 農業水利施設は、今、儀間先生からお話ございましたように、食料の安定供給に大変重要な施設であると同時に、多面的機能を発揮する公共性の高い社会的資本だと認識をしております。しかしながら、先ほど申しましたように、農業水利施設の多くが戦後に新設されて老朽化が進行いたしておりまして、近年の集中豪雨などによります災害リスクが高まる中で、施設の機能を将来にわたって安定的に発揮していくことが重要となっておるところでございます。
 これまで国営施設応急対策事業ですとか水利施設など保全高度化事業などによりまして老朽化対策や防災・減災対策を進めてきたところでございます。今般、これに加えまして、三十年度予算におきまして、比較的小規模な農業水利施設におきましても、機動的でかつ効率的な長寿命化対策、防災・減災対策を現場のニーズに応じましてきめ細やかに対応できるように、この二百億円の事業を創設をさせていただいたところでございます。
 具体的に申し上げれば、施設の長寿命化を図るための機能保全計画を策定していただくとともに、その計画に基づく小まめな施設の補修をやっていただくようなこと、それから自然災害による被害の発生を未然に防ぐための機能強化のための施設整備とハザードマップの作成といったように、いわゆる施設整備というハード対策と機能を最大限に発揮するためのソフト対策というものを組み合わせて実施していただけるような仕組みとなっておるところでございます。
#123
○儀間光男君 そうですね。これ、二百億、こんなものじゃないと思うんですが、予算の配分上そうなったと思うんですけれど、この二百億ではとてもじゃないけどこの事業の、何というのかな、完成に近づくわけにいきませんが、年次的にあるいは地域を計画的にやっていくということだと思うんですけれど、大体、今般、この二百億はどういう地域で主に執行されるような予定になっているかということがあれば開示してください。
#124
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今ほど申し上げましたように、これまでも長寿命化ですとか防災・減災対策につきましては、国営の大規模な応急対策事業ですとかあるいは水利施設保全高度化事業、あるいは防災減災の事業などで対応してきたつもりでございますけれども、先ほど申しましたように、この事業、小規模なものでも、かつ現場のニーズに応じて小まめに対応できるようにということで考え出したものでございます。そういう意味では、いろいろな採択要件等も緩和をさせていただいておりますので、私どもこれから、予算通していただければ、現場のニーズをお聞きしましてきちんと事業採択をしてまいりたいと思っておるところでございます。特にどこでというようなことではないと認識をしております。
#125
○儀間光男君 そうしますというと、大体都道府県あるいは市町村からこれに対する事業計画が出されて、それを皆さんが査定して、今回はこの程度はこの地域でいいだろう、こんなものはあっちでいいだろうと、こういうような査定の仕方をして事業を執行するんですか、どうですか。
#126
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 これ、広い意味での農業農村整備予算、いわゆるNN予算の中に計上させていただいておるわけでございますけれども、いわゆる公共事業という形ではなくて、非公共の事業という形でやらせていただいております。
 したがいまして、公共事業ですと、それまでにお話を伺っておりまして予算成立とともに箇所付けをしてというようなことになるわけでございますけれども、非公共の事業でございますので、予算成立をさせていただいた後、今先生からお話ございましたように、地域の皆様方からお話を聞いて、具体的には農政局単位でということになりますけれども、お話を伺った上で、予算は限りがありますので、その予算の範囲内で採択をさせていただくというようなプロセスになろうかと思っております。
#127
○儀間光男君 ありがとうございました。是非こういう小さいことからやっぱりやっていかぬと、アリの一穴ということもありますから、物事は小さいうちにやっておった方がスピードがあるし完全に行えると、こういうことですから、頑張っていただきたいなと、こう思っています。
 次に、さきの通常国会で成立した土地改良法の改正を受けて創設されました土地改良施設突発事故復旧事業についてでありますが、これは制度上、国が全額負担するのか、あるいは耕作者、地権者それぞれがやって、その割合があるのかどうか、この辺ちょっと聞きたいし、もう一つは、農業インフラの老朽化等の質問に関連して関心があるんですが、二十八年における担い手への農地集積及び農地中間管理機構による貸借実績はどうなっているかと聞きたいと思うんですが、舟山先生の資料をちょっとつまみ見していたらここに出ていましたんですが、通告してありますから、これで承知しましたけれど、数字合うかどうか、ひとつお答えください。
#128
○政府参考人(荒川隆君) 前段の突発事業につきまして、まず私から御答弁させていただきたいと存じます。
 先生お話ございましたいわゆる突発事故被害の復旧の土地改良法の改正の関係でございます。先般の国会で改正土地改良法成立させていただきまして、農業者の申請や同意によらない土地改良事業といたしまして新たに位置付けをさせていただいたところでございます。
 それで、従来のいわゆるかんがい排水事業などでありますれば、国が五〇%、都道府県が二五%、市町村が一〇%で、農業者、受益者が一五%程度の負担があるといったようなのが通例でございますけれども、この突発事業で申請、同意によらないものにつきましては、国の五〇%の補助は変わりませんけれども、都道府県と市町村のところで負担割合を大きくしていただければ、この受益者の負担のところがゼロになり得るという仕組みになっておるところでございます。
 それから、先ほど申しました五〇%といいますのは補助事業の場合でございまして、国営の場合はこれ三分の二と、国の負担は三分の二ということになっておるところでございます。
#129
○政府参考人(大澤誠君) 儀間先生の後段の御質問についてお答えいたします。
 舟山先生の御資料との関係でございますけれども、二十八年度における担い手への農地集積、これ二十八年度時点での担い手への集積面積は、ここに、先生の資料にありますとおり、全耕地の五四%が担い手に集積されるということになっております。一年間で、二十七年度と比べて新規に六万二千ヘクタールがこの担い手に新しく付け加わったということでございます。そのうち農地中間管理機構につきましては、一年間で四万三千ヘクタール取り扱う面積が増加いたしました。二十六年度にこの機構は発足しておりますので、二十八年度まで三年間の実績といたしましては、先生の資料にもございますが、約十四万二千ヘクタールの農地を農地中間管理機構が取り扱っているという状況でございます。
#130
○儀間光男君 ありがとうございました。数字、どんぴしゃりでした。ほっといたしました。
 さて、そんなようなことから、この事業、中間管理機構事業もそうですが、四年たってこういう実績を上げておりますし、これからもどんどん実績が上がって、いわゆる土地改良事業が必要になってくるというようなことになると思いますので、是非とも、そういう方向でしっかりと施策を展開していただきたいと思います。
 また、私も知財と種子法に少し触れさせていただきますけれど、前の国会のときも種子法のところでかなりしゃべらせていただきました。ということは、今出ている、問題になった、今、紙先生も皆お話あったことはそのとおりでありますけど、僕が危惧するのは、北は択捉、国後から、南、西は沖縄県の与那国、それから波照間というこの斜めに長い、四千キロなんなんとする長いこの国土の中で、それぞれ気候も違うし風土も違う、土壌も違う、それから食品の好みも違うという中で、端的に種苗法を廃止して、私賛成したものですから今困っているんですけれど、種苗法を廃止したなということで、(発言する者あり)種子法、ごめんなさい、やっておるんですけど。
 今申し上げた前提、日本の状況を見ると、現在使用している米始めいろんな種がありますが、そうではない、各地域にある、地域にあった原種、原原種の在来の個体種があるわけですよ。これは国の財産なんですね。これ、絶対国の財産なんです。だからこそ、外来の生物を排除しようなんて騒いでおるわけですけれど、こういう国の財産たるものを国が管理しないでそこから手を引くなんていうのは僕はあってはいけないことだと思うんですが、ちょっと御認識を聞かせていただけますか。
#131
○国務大臣(齋藤健君) 当然のことながら、日本は非常に多様な品種をたくさん有しているわけでありまして、この権利を保護をしっかりしていくということは極めて大事な課題だと思っています。今回、種子法は廃止をいたしましたが、種苗法はそのまま残っておりまして、それぞれの品種の権利というのはこの種苗法に基づいてしっかりと守られております。
 ただ、種子法の方は、主要農作物についての生産を振興をすると、都道府県に一律のやり方で、それは必要ないだろうということで廃止をさせていただいたわけでありまして、この国の宝であるそれぞれの品種のしっかりした権利の保護というものについては、以前もそしてこれからも種苗法に基づいてしっかり守っていかなくてはいけないと考えているところでございます。
#132
○儀間光男君 あのね、種があるから苗が生まれるんですよね。種があって苗が生まれるんです。原種や原原種というのはまず種から始まるんですよ、種から。
 例えば、あのちっちゃな沖縄でさえ、北部と中部と南部、全然違うんですよ。例えば北部、やんばるというところではパイナップルとシークワーサーが取れます。これ、中部や南部一帯は駄目なんですよ。全然土質が違うから、土壌が。だから、南部でシークワーサーとか、中南部でシークワーサーとかパイナップルの原種、原原種を守ろうといったって、これ無理なんですね、無理なんです。八重山なんかはできるんですよ、八重山の土地は国頭マージと言われていて、同じ土質だと、こう言われているからできるんですが、そういうことで、あのちっちゃな沖縄でさえあれだけの違いを、地域で違いを見せるわけですから。
 この四千キロの間では、各地にいろんなそれぞれの文化に通じた、あるいはいろんななりわいに通じた原種、原原種があるわけですから、それを今、国はそれを生産、商品になるものだけ地方に任せた、民間に任せたとおっしゃるけど、これはあれですよ、例えば、今都道府県や市町村辺りが、国がそうなら自分たちで条例を作って守っていこう、保護していこう、生産をしていこうというようなこと等もあると思うんですが、例えばこういうことは、その行政の長によって、行政の長の性格によって、あるいは政策方針によってもいろいろ異なってくるんですよ。種子に、種苗に関心のある人は一生懸命原種を、地域のものを守り育てていこうとする。金にはならぬけど宝だから捨てられない、熱心な人はそうします。まずまずの人はお付き合い程度にやろうかなとなっちゃうんですね。それ、全く関心のない人はなるようになれ、ケセラセラです。
 そうすると、それぞれの地域に、その地域特産の原種、原原種が残ったり残らなかったりするんですよ。そこを国益が私は大きく損失される場所だと、こういうふうに思っておりまして、是非とも、大臣、そういうことのないように、その辺は国がきちっとやって、日本全国の固有種、個体種、在来種から守ってあげる、こういう決意を聞かせていただきたいと思います。
#133
○国務大臣(齋藤健君) 儀間委員の問題意識、私も十分共有をしているつもりでありまして、日本が持っているこの品種というものは財産だろうと思っておりますので、しっかりとこれが種苗法によって守られていくということは肝に銘じてやっていきたいというふうに思っております。
 それから、農研機構のジーンバンクもございまして、これは遺伝子、遺伝情報を収集、保存するということにもなっておりますので、そういうところもしっかりと活用して、この宝を失われないようにしていきたいと思っているところであります。
#134
○儀間光男君 ありがとうございます。
 次に、UPOVについて少し聞かせてください。
 海外での日本の植物品種審査結果、海外でいろいろ無償提供して海外で日本種を確保していこうというような締約をされておりますが、聞きますと、七十三の国と地域がこのUPOVの参加国だそうです。そのうち、日本の出願あるいは表記、登録、そういうものを日本とやり取りしているのは七十三のうち十一か国、いや、最近トルコが加わって十二か国だと言われております。オーストラリア、ブラジル、ニュージーランド、スイス、ベトナム、欧州連合、ロシア、ケニア、メキシコ、イスラエル、オランダ、プラストルコ、この十二の国々です。
 ところが、その出願、登録のを見ていますと、世界で出願登録が一番多いのはEU、二十八か国構成されているEU、二番目に多いのが中国、三番目はアメリカ、出願されて登録されているのもその順序です。ところが、この今締約をして日本と関わっているのは今の十二か国、そのうちのアメリカがない、北米がないですね、アメリカがない、カナダがない、これみんな十位ランクに入っている国々です。中国がない、韓国がない、まだまだ締約日本とされていない、こういう国になっているんですが、これらの国々としなかった理由が何かあるんですか。特に、上位である中国やアメリカ、それやっていない何か特に理由があるんでしょうか。
#135
○政府参考人(井上宏司君) 植物品種の海外での権利保護が重要な課題になっているわけでございますけれども、その際に、我が国からの出願の品種が速やかに海外において登録されるように取り組む必要がございます。
 UPOV条約におきましても、品種登録に当たって他国の審査結果を活用することが認められておりまして、こうしたことから、日本から海外への品種登録の出願の審査が迅速に進められるように、海外の国、地域との間で日本の品種登録の審査結果を提供するような、相互のケースが多いわけでございますけれども、そうした覚書を順次締結をしてきておりまして、ただいま委員から御指摘のとおり、今年の三月にトルコと覚書を締結したことを含めまして、これまで十二の国、地域との間でこのような審査結果の提供の覚書を政府間で結んでいるところでございます。
 ほかの国につきましても、できるだけこういう覚書を早く結べるように交渉をしているという状況でございます。
#136
○儀間光男君 聞いたのは、交渉をやることになって分かっていますが、今までやらなかったのは何か特別な理由があったんですか。
#137
○政府参考人(井上宏司君) 我が国としましては、できるだけ多くの国とこういう覚書を締結すべく交渉をし、合意に至ったところから締結をしているということでございます。
 また、加えまして、アジアの国の中にはタイ、インドネシア、マレーシア、インド等、そもそも品種の保護の制度が確立をしていなくて、UPOV条約に加盟をしていない国というのもございます。こういう国がUPOV条約に加盟するような働きかけも併せて行っているところでございます。
#138
○儀間光男君 アメリカと中国に限定して何かあったんですかと聞いたんですけれども、お答えになりませんから、これはまた次、シリーズ物で次にします。
 次に、HACCPをちょっと、これ沖縄のことなんですが、触ってみたいんですが、沖縄にHACCPの認定を受けたのが県の屠殺センター一か所あります。その他、北部に一つ、宮古、八重山にそれぞれ一か所あるんですが、この認証を受けていない。
 したがって、沖縄で屠殺するときに、特に防疫とかあるいは何とかやるときに、このHACCPが、ハラールもありませんから、例えば八重山からわざわざ鹿児島に牛を持っていって認定工場で、屠殺場で割ってもらって枝にして、そのまま外国に送るんだったら福岡港か福岡空港、この辺を経由していくわけです。
 石垣から鹿児島まで千百キロぐらいあるんですが、二十四時間ぐらい船に乗っていくと六十キロぐらい風袋が減るんですね、六十キロから七十キロ。それで、現地で、着いた先でまた何日か肥育をして元の体重に戻して割っていくというようなことをやっていて非常に単価が高い。コストが高くなっている。
 飼料でもそうですが、県内でいろいろ関係者に聞くと、人材と資金が不足しているということのようですが、これについて何か支援していくようなことでの方針はないのかどうか、ちょっとお聞かせください。最後です。
#139
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#140
○政府参考人(枝元真徹君) 簡潔にお答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたとおり、沖縄の場合は、豚についての輸出認定施設はございますけれども、牛についてはなくて、鹿児島ですとか熊本の処理センターに持ってきてから香港、シンガポール、台湾等に輸出しているということでございます。
 それで、今、沖縄県の方から聞いておりますのは、取りあえずまず豚の方のHACCPを優先したいという話で、その後に牛のHACCP、SQFを取りたいという希望を県の方から聞いてございますけれども、いずれにしても、処理施設のHACCPのあれにつきましては、例えば強い農業づくり交付金ですとか輸出対応型の補助金ですとか、そういうのがございますので、また、御指摘があったハラールについてはその条件を緩和するとか、そういうこともやってございますので、県の方ともよく相談しながら支援をしてまいりたいと存じます。
#141
○儀間光男君 GAPは残しましたが、次の機会に譲るということでお許しいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#142
○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。
 種子法の廃止について質問する予定はなかったんですけれども、先ほど新潟県議会におきまして新潟県の主要農作物種子条例が無事、可決、成立をいたしました。四月一日から施行されることになっております。
 この委員会で種子法が議論になっているときから米山知事とは問題意識共有させていただき、そして、いち早くこの条例案成立にこぎ着けていただいたということで、例えば十一条、ここにあるんですけど、十一条、知事は、主要農作物の原種圃及び原原種圃の設置等により、指定種子生産圃場において主要農作物の優良な種子の生産を行うために必要な主要農作物の原種及び当該原種の生産を行うために必要な主要農作物の原原種の確保が図られるよう主要農作物の原種及び原原種の生産を行うものとすると、こうなっております。
 もちろん、こういうふうに、新潟県、米どころですから、特に、守るために条例を作ると、これは地方分権という意味でいいのかもしれませんけれども、いかんせん、残念ながら財源がきちっと確保されているわけではありません。財源の移譲が進んでいるわけでもありません。そういう意味で、先ほど来議論になってまいりましたこの種子法の廃止が与える影響というのは本当に誰もが懸念をしているということで、先ほどの政策統括官の御答弁は大変苦しい答弁だったなというふうに思っております。
 今回、種子法の廃止に基づいて、その予算付けがなされるのか、地方交付税の基準需要額のところにカウントされるのかということで度々礒崎副大臣にお願いをいたしまして、大変御奮闘をいただいた結果、予算が付いたものというふうに思っていますけれども、やっぱりこの国は法治主義ですから、法治国家ですから、さっきのようなやり取りするぐらいなら何で法律廃止したのと改めて申し上げたいと思います。
 そこで、私これ質問する予定じゃなかったんですけれども、是非大臣、何かこの話、すごく混乱しているんですよ。現場では何もそんなこと望んでいないし、知的財産を守るための法律じゃなかったんですよ、主要農作物種子法というのは。でも、結果的に、各自治体が、法律に基づいて予算付けが行われて、きちっと原種、原原種を守り、生産し、そして安定的に、しかも安く農家に提供してくる、そしてその知的財産である種を守ってきたということで、結果的に、先ほど儀間先生もおっしゃいましたけれども、それぞれ各地固有の主要農作物の種子を守ってきたという法律だったわけです。
 だから、現場が全然求めてもいないのに、何でこんなことが、そして答弁に困るような、こういう状況が生まれている。なぜこんなことになっていると思いますか、大臣。
#143
○国務大臣(齋藤健君) これは最終的には、この法律を廃止するということについての私どものその趣旨、趣旨というか、理由についての末端への徹底というものが不足しているということなんだろうということは私も認めるわけでありますけれども、この種子法の廃止をする理由についてはもうるる申し上げておりますので繰り返しませんけれども、国によって一律に法律に基づいて行う必要は、もう増産増産の時代が終わった以上必要がないし、むしろ、多様なニーズに応えていくためには、民間の発想、開発力というものも活用していく必要があるのではないかということでこういう措置をするに至ったということでありますし、その際、都道府県が今おっしゃったような条例を作るのをやめろということではありませんで、国ではやらないけれども、それぞれの都道府県の判断でそういうことを条例でやることについては、それは自治事務であるから、これからもそれは自主的にやっていただければいいのではないかというふうに思っております。
 私も、私事になりますが、某県の副知事をやっておりまして、農林部も担当しておりまして、そこで開発をしたお米について皆さんに使ってくれということをさんざんやってきたわけでありますが、この法律がなくなってそういうことが行われなくなるということは私にはちょっと考えにくいわけでありまして、やはり、都道府県は都道府県で、自分たちで開発したものを生産を続け、奨励をしていくということは、私は法律がなくなっても続くのではないかと思っておりますし、調査をしてもそういう答えが返ってきているということであります。
 引き続き努力をしていきたいと思っております。
#144
○森ゆうこ君 県によってはそうならないんじゃないかという御懸念を各先生方からもお話があったわけです。
 私は、どうしてこうなっているのか、この間、農林水産委員会で視察に行って、これから市場の改革の法案についていろんな関係者の方からいろいろ意見を聴取しましたが、いや、現場、全然分からないところでこの法案突然出てきたと、もう皆さん異口同音におっしゃるんですよね。だから、現場がないんですよ、全く。何でこういう法案が出てきたのか。これは結局……(発言する者あり)ああ、もう小川先生から答えが出てきましたけれども、規制改革推進会議、農水省全然関わりのないところでもう大きな枠組みができてしまって、そして無理やり押し付けられている、だからつじつま合わなくなってきているんじゃないかと私は思っております。
 厚生労働省のこの間のあの裁量労働制のデータの捏造の話も、あれも、私も詳しく調べましたけれども、結局同じなんですよ。規制改革推進会議、働き方改革実現会議、産業競争力会議、官邸のところのそういう会議で、厚労省とかそういうところはもうほとんど無視されて方針をどおんと決められちゃって、その枠から出られない、そのことを証明する答弁しか用意できない。そういう中で、裁量労働制の方が労働時間が短いなんという現実ないわけですから、そこに合わせる答弁を作るためにデータがああいうふうになったというふうに結論を付けざるを得ないわけです。
 そういう意味で、非常に罪深い。もちろんやってもいいと思いますよ、規制改革推進。でも、きちっとやっぱり政策をそれぞれの委員会で、そのためにあるんでしょう、この委員会。もっときっちり議論すべきですし、昨日もやりましたけど、情報は開示すべきですよね、いまだに真っ黒にしているんですから。そして、虚偽答弁繰り返しているということで、昨日そういうことで質問できなかった部分も改めてやらせていただきたいと思いますが。
 私からすると、社会的大実験というふうに言わせていただきますが、米の政策の大転換ということで、この間、舞立理事もおっしゃいました。失敗は許されないんですよ、これは米ですから。失敗は許されないというふうに思っております。
 いろいろ先生方からも御指摘ありましたので省かせていただきますが、私は、この三月十九日の日本農業新聞の記事を読んで、ああ、こういうこともあるなと、何でこんなふうに備蓄米のところの産地交付金の追加交付の廃止も同時にやってしまったんだろうと。生産調整は終わり、直接支払交付金は終わり、直接支払は終わり、そして追加の産地交付金も終わりということで、これ、相当何か問題、後で起きるんじゃないんですか。
 この記事をもう既に御覧になっていると思いますが、ここで示されている懸念、要は需給にも影響するであろうと、それから価格にも影響するだろうと。そして、民主党政権のときに始まった所得補償制度完全に終わり、こういう中で、ただでさえ混乱している米の政策、そして農家の不安というのは更に増幅するんじゃないかと思うんですけれども、ここで指摘されているような懸念はないのか、大臣にお答えいただきたいと思います。
#145
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘ございましたのは、先日の備蓄米の入札に関する報道に関しての御指摘だというふうに理解しております。
 この三十年産米の備蓄米の政府買入れ入札につきましては、これまで計三回入札を実施してまいりました。買入れ予定数量は二十万トンでございますけれども、現時点までの落札数量の合計は十一万六千トンというふうになってございます。
 こうした中で、一方で、二月二十七日には、三十年産米の作付け動向につきまして、一月末現在の状況を私ども各県からお聞き取りをして公表したわけでございます。その状況を申し上げますと、二十九年産米と比較した場合に、備蓄米につきましては、二十九年産米の需給及び価格の状況、今いろいろ動いている部分もございまして、そういうことですとか、あるいは三十年産に向かって、輸出用ですとか加工用ですとか主食用米、どの程度作付けするか、まだ田植前の状況でございますので、どうするかということをいろいろ検討して慎重に考えられている産地が多いというような状況の中で、備蓄米については減少傾向となっているのは事実でございます。一方で、主食用米について見てみますと、都道府県ごとの増減はございますが、総じて申し上げれば、全体として大きく変化する状況にはないという結果でございました。
 農水省としましては、この備蓄米につきましてはまだこれで入札が終わっているわけではございませんので、引き続き三十年産米の入札を実施し、買入れ予定数量の確保に向けて取り組むとともに、そもそも、米全体としまして需要を踏まえた生産販売がより一層進むようにいろいろな努力を重ねてまいりたいと存じます。
#146
○森ゆうこ君 ちょっと何かよく分からない答弁なんですけれども、じゃ、影響はないと。
 これ、非常によく書かれている日本農業新聞の「主食用への影響懸念」という記事だと非常に分かりやすかったなというふうに私は思ったんですけれども、じゃ、一気に生産調整もやめる、直接支払もやめる、そしてこの産地交付金の追加交付の廃止、これだけもう大胆にやって、本当に、少しこういうふうに影響が出てきているわけですけれども、全然影響ないんでしょうか。
 需給あるいは米の価格に影響、もちろん、豊作であるかどうかとか、自然のこの後の天候とかもいろいろあると思うんですけれども、やっぱりこれは結構心配な材料ではないか。ましてや、本当に米政策の大転換というか、社会的大実験というか、そういうふうに今回行われているわけで、私も本当にどこへ行っても、どうなるんだよ、どうせばいいんだやと、新潟弁で言うと。もう皆さんからそう言われるんで、いや、自民党に聞いてくださいと私言うんですけど、私たちは全部反対していますので自民党に言ってくださいというふうに言うことにしているんですが。
 どうですか、大臣。本当にこれ大丈夫ですか。
#147
○国務大臣(齋藤健君) 今の備蓄米の話は、答弁ありましたように、確かに備蓄米の落札数量というのは減少しているわけでありますが、主食用米は総じて変化がないということでありますので、これは主食用米に我々が懸念を生じるような影響が今出ているというふうには考えていないわけであります。もうこの件は繰り返しお話をさせていただいているわけでありますけれども、これから需要が減る中でどういう対応をしていくべきかという苦渋の中で積み上げられてきた政策であるわけであります。とにかく主食用米が、残念ながらニーズが減っていく中で、生産をいかにしてそれに合わせていくかと。
 しかし、農家がそれによって経営が成り立たなくなってはいけないということで、水田をフル活用するために飼料用米ですとか戦略作物を作った場合には、農家の所得を下支えできるような助成も組み合わせてこの需要の減少する時代に備えていこうということでありまして、野方図に作るとどういうことになるかということも、農家の皆さんが経験をされながら、この三年間、どういう言い方をするのがいいか分かりませんが、予行演習の中で皆さんも努力をされて、大分主食用米の生産が需要に応じた形で行われるようになってきて、そして、これからもそれを支援するために、飼料用米についての助成も継続をさせていただきますし、そして収入に影響が出てきたときのためにはナラシ対策とか収入保険対策も組み合わせながら、需要は減っていくけれども、何とか水田が維持でき、農家の所得も確保できるようにということに全力で取り組んでいきたいというのが私どもの考えでございます。
#148
○森ゆうこ君 責任を持ってこの大実験を行うということが安倍内閣の農政の方針ということで、私どもはちょっと考え方違いますけれども、輸出促進ということであれば、輸出促進とか自由化、TPP、EPAということをやるんであれば、もうまず基本は、EUもずっと前からやっているように、所得補償なんですよ。所得補償を充実するのがまずは第一歩であって、それが何かなし崩し的に全部やめちゃって、どんどんそのEPAだTPP11だということは、私は本当に失敗してほしくないと思っていますよ、本当に。日本が壊れちゃいますからね、土台が。これは、幾らこういうことでやってもあれなので、是非何か問題が起きたら早めに対応をしていただきたいというふうに思います。
 それで、次は、政府における電子決裁について伺いたいんですけれども、農水大臣、先ほども質問にお答えになっていましたけど、公文書の改ざんは農水省では本当にないんですか、ないと言い切れますか。
#149
○国務大臣(齋藤健君) 今回、財務省で行われたような、これも繰り返し申し上げておりますけれども、私も公務員の経験ありますから、起案もしたことありますし、その決裁を受けている途上において御指摘を受けてそれぞれ訂正印を押して修正をするということはありますけれども、決裁が終わった後のものを変えるということは、私の経験からは考えにくいし、恐らく多くの方もそういう認識であると思っております。
 したがって、まずは何で財務省でこういうことが起こってしまったのかという、今その調査を行っているところでありますので、その調査結果を踏まえて、これならばどこの省庁にも起きるなということなのか、それとも極めて特殊なことなのか、そういうものもよく見た上で私は農林省の対応を決めていきたいというふうに考えているところでございます。
#150
○森ゆうこ君 いや、総理の御意向ですよ。総理の御意向に答弁を合わせなきゃいけなかったわけですよね。
 総務省から来ていただいております。政府における電子決裁、その一元的な文書管理のシステムについては、担当、基本的なところを管理していらっしゃるのは総務省ということなんですけれども、この目的、そして取組状況をまず教えてください。皆様には、文書管理システムということで、二ということで、ずっと一連の資料をお配りしております。
#151
○政府参考人(堀江宏之君) お答え申し上げます。
 文書管理システムにつきましては、電子決裁による業務の効率化ということを目的といたしまして政府全体として進めていく中で、当時各府省においてシステムの開発、導入の状況がまちまちだったものですから、総務省において共通的なシステムを開発し、平成二十一年三月から各府省に提供しているものでございます。このシステムにおきましては、業務効率化という観点から、決裁を電子的に行う電子決裁機能を有しておりますが、そのほかに、決裁終了後の文書について修正を行った場合のアクセスと変更内容の履歴を保存する履歴機能などを有しているものでございます。
#152
○森ゆうこ君 ちょっと一つ質問飛ばしまして、今回この文書管理システム、一元的な文書管理システム、これは各省LANというのがここに書いてあると思います、ここの一元的な文書管理システムのところに財務省からアクセスして、そしてここで電子決裁を行うということなんです。
 今御説明があったように、もし修正をしたらその履歴が残っていくということなんですけれども、この資料の一番最後のところの説明を、この資料を見ていただきたいと思うんですけれども、まず最初に、ちょっと読みにくいですけれども、文書を起案しますよね、それで最初のところ、決裁者が下の方にいて決裁をします、決裁をするアクセス権限を持っているということで。そして、その下、供覧者、決裁者ではないけれども、見る人がいて、そこで見ましたよと電子的にチェックをして、文書を持って回る必要がないということなわけですよね。そうすると、この決裁後、これ、ここで一旦決裁終わります、決裁完了処理というところがあります。
 じゃ、決裁後に文書を修正しようとすると、これはどうなるんですか。
#153
○政府参考人(堀江宏之君) 文書管理システムにおきましては、決裁終了後の文書の更新につきましては、まず文書管理者や文書管理担当者といった文書管理の責任者以外は当該文書を修正することができません。
 その上で修正を行った場合には、修正を行ったものと修正内容、それから修正前のものが保存されることとなっております。
#154
○森ゆうこ君 つまり、決裁した後、これは一番右の保存というところに行くわけで、施行されて保存というこの枠のところに行って、この点々々がありますけど、最初にこの電子決裁、財務省の改ざんされたあの電子決裁の場合は決裁者は十八人いたんです。その人たちは決裁するときにアクセスコードを入れて、ログインして、そして決裁すると。それが終わって、これが保存すべき公文書となると、そこのステージからは今度別なものになって、保存のところに行って、ここに、保存のところに行くと、その十八名なりのその決裁をしたその人はもうアクセスできないんですよね。──ですね、はい、アクセスできないんです。
 じゃ、今回、財務省で改ざんが行われたのは、もう保存されている状態のものを改ざんしたということですから、これはどういう人がアクセスできるのか、もう一回、もう少し分かりやすく端的に、総務省、お答えください。
#155
○政府参考人(堀江宏之君) 文書管理システムでは、決裁済みの文書の更新は文書管理者のほか文書管理担当者など、各府省が設定した者が行います。その更新履歴の確認、更新を行うことができるのは今申し上げた者でございますが、それを確認することができるのは、今申し上げた更新権限を持っている者のほか、決裁の際に文書の共有範囲と指定された範囲、典型的には課室内において更新履歴を確認することは可能でございます。
#156
○森ゆうこ君 じゃ、財務省にも来ていただいています。次長、ありがとうございます。
 そうすると、十八人、決裁者が並んでいました、改ざんされたこの間の森友文書。そうすると、その方たちはもうアクセスする権限はないんですよね、財務省も。そうすると、財務省の場合は、この保存された文書の管理者、あるいはこの文書を、改ざん想定していないんですよ、このシステムは、改ざんなんか想定していないんですが、どうしても誤字を発見したとか、あるいは後で契約日を書き入れなければならなくなったというときに、そういうことで後で変更した、修正したという履歴が残るような中でアクセス、その文書管理者がアクセスできるということになっていると。
 私もようやく総務省とやり取りをして仕組みがよく分かりましたが、じゃ、財務省でこの保存の文書にアクセスをして、そして、文書を、今回の場合は改ざんですけれども、そういうことができた、できる人というのは、もう担当者の役割というのを決めていると思いますけれども、それは、どなたとどなたとどなただったんですか。
#157
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 まず初めにでございますが、今回の決裁文書の書換えにつきましては、三月二日の報道以降、国会で議論となったことを受け、大臣からの御指示の下、まずは財務省内でできる限りの調査を尽くす必要があると考えまして、職員に対する聞き取り、あるいは書類の確認といった調査を財務省として尽くした上で、捜査当局の御協力も得た上で、最終的な確認作業を財務省として行った上で、十二日月曜日に財務省といたしまして国会へ調査の内容を御報告したところでございます。
 結果としまして、あってはならないことであり、深くおわびを申し上げたいと思います。
 その上で、今委員からの御質問でございますけれども、まず委員が御指摘をされております本省の決裁文書、特例承認の電子決裁の文書は、実際の決裁が行われましたのは平成二十七年の四月三十日の決裁でございます。今委員がおっしゃられているこの書換えとの関係で申しますと、我々として調査をした結果、昨年二十九年の二月下旬から四月にかけて当該電子決裁の文書につきましても書換えが行われたのではないかという確認をしているところであります。
 その上で申し上げますと、財務省が利用しております一元的な文書管理システムにおきましては、電子決裁が行われた決裁文書につきまして、起案部局の課室長級である文書管理者及びその部下である文書管理担当者権限を設定された職員が編集する権限を持っているということでございます。
 したがいまして、先ほど冒頭で申し上げました時点を申し上げますと、決裁時の二十七年四月三十ということではなく、書換えは二十九年の二月下旬から四月と申し上げましたところからしますと、その時期におけますその職員なり今申し上げた権限を持っている者というところがポイントになるわけですが、システム上の話とは、ございますけれども、委員御指摘の誰か、また人数などといったようなところについては、どの職員が、あるいはどの範囲の職員がどの程度書換えに関与したかということについて結果として触れることになると考えておりまして、現在、財務省の人事当局による調査というものが尽くされる前の段階におきましてお答えは差し控えたいと考えております。
#158
○森ゆうこ君 いや、そうじゃないんですよ。これは配っていませんけれども、財務省からいただいたこの一元的なシステムを利用するときのマニュアルを見ると、ちゃんと各担当者の役割が決まっているんですよ。これは、その文書を起案して、決裁した人ではなくて、保存された文書をきちんと管理する、必要があれば修正する、でも、その履歴は残るということで、ちゃんと役割分担しているんですよ。だから、その担当者は誰ですかと。何人いるんですか。
 これ、総務省に聞いたら、各省庁によって何人担当にしているかとか、例えば官房長なのか官房文書課長なのか大臣官房文書課長なのか、その辺が各役所によって違うので、だから、それを説明していただきたいんですよ。それを説明していただければいいので、私は、誰か個人名を言いなさいと言っているわけじゃないんですね。
 それから、もうこの間の予算委員会の答弁で、文書を書き換えたのは去年の四月四日と、はっきり日にちも言っていますよ。何でここでまたごまかすんですか。去年の四月四日にもうアクセス制限が掛かっているんです。もうあらかじめ決められているわけですよ、担当者が。だから、どの人が担当なんですか、どういう役職の人が担当なんですかというのは、これもう調査するよりも分かることなんですよね。何で答えてもらえないんですか。答えてください。
#159
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 電子決裁の書換えの日ということにつきましては、委員おっしゃるとおり、二十九年の四月四日という答弁を申し上げているところでございます。
 その上で、今の、では、その当時といいますか、そこにおけるこのアクセスができた人間が誰か、あるいは複数であればどういった範囲かということにつきましては、当然、個人名はと委員はおっしゃいますけれども、そこは特定ができてしまうということでもございますので、現在進められております財務省人事当局による調査の前段階ということでございますので……
#160
○委員長(岩井茂樹君) 答弁は端的にお願いします。
#161
○政府参考人(富山一成君) お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#162
○森ゆうこ君 いやいや、それを言ってくれれば、それは本当に理財局の一部なのか、そうじゃなくて官房全体なのか、少なくともそれは分かるわけですよ。だから、それがばれると悪いから答えないんだと思いますけど。
 分かりました。じゃ、もう時間もないので確認だけさせていただきますけれども、監査機能があるんですよ。だから、本当に、農水大臣、いいですか、農水省のこの決裁、利用されていますから、これで、監査機能があるので履歴残るんです。履歴残りますから監査できますので、是非やっていただきたいと思います。
 ちょっと併せて、総務省なんですけれども、要するにキーワード検索、全文検索、これはこの一元的管理のシステム、つまり昭恵とか谷査恵子とかというふうに入れればヒットすると、そういうシステムですよね。それは財務省のシステムもそういうふうになっているはずですよね。それだけお答えください。
#163
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#164
○政府参考人(堀江宏之君) 文書管理システムにおきましては、決裁機能のほか、文書管理の支援する機能も提供しておりまして、当該機能の一部として、同システムを用いて決裁した文書につきましては、当該責任者の権限の範囲内で指定したキーワードを含む文書を検索するキーワード検索機能を有しているところでございます。
#165
○森ゆうこ君 財務省も、財務省のLANシステムにもあるんでしょう、キーワード検索機能。
#166
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。
#167
○森ゆうこ君 早く答えてください。
#168
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、財務省富山理財局次長、端的にお願いいたします。
#169
○政府参考人(富山一成君) お答え申し上げます。
 今、総務省の方から御説明があった内容と認識をしてございます。
#170
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
#171
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 昨日に引き続き、種子法について伺います。何度聞いても答弁に納得ができません。今日はしっかりと納得のいく答弁をいただきたいと思います。
 新潟の条例案は、昨日、委員会を全員参加、賛成で通過をしまして、先ほど、森ゆうこ議員の質疑の前に、本日、本会議で採決をしたと私も聞いております。
 昨日、柄澤統括官は、種子法廃止以前にも条例を制定した例があると答弁されましたが、具体的にどこの都道府県のことでしょうか。
#172
○政府参考人(柄澤彰君) 私どもが承知している限り、例えばでございますが、群馬県、神奈川県、山梨県、三重県、岡山県、鹿児島県の状況を承知しているところでございます。
#173
○川田龍平君 いずれにしても、今回の種子法廃止が契機となって、新潟にしても兵庫県にしても条例を制定しているのは事実です。それだけ自治体には危機感があるということだと思います。
 全国種子計画は種子法と直接関係ないとの答弁もありましたが、これも納得できません。前回、種子計画などを規定した種子安定供給制度は、種子法の下で出された制度運用基本要綱と制度運用についてという二つの通達に基づいており、この二つの通達は昨年の十一月十五日の事務次官通達で廃止が宣言されてしまっているのではないでしょうか。もし全国的な需給調整の機能がこの二つの通達を廃止してもなお残っているというのであれば、それは何を根拠に運営されるのかが不明です。単なる自治事務では全国の調整などできるわけがないではないかと思いますが、再度明確な答弁を求めます。
#174
○政府参考人(柄澤彰君) 昨日も御答弁申し上げたところでございますが、現状におきます全国的な種子の需給調整というのは、御指摘のとおり、都道府県の種子協会並びに全国の主要農作物種子安定供給推進協議会というところが中心的にやっておられるわけでございますけれども、繰り返しでございますが、こういった仕組みにつきましては直接種子法の根拠に基づかないものでございますので、種子法の廃止の前後においてこの仕組みが変わるということはないというふうに理解しております。
#175
○川田龍平君 ただ、現在のこの民間企業の種子生産能力というのは僅かであり、この九九%以上を占める公的種子事業を全国的に調整する仕組みというのは、これ担保する法的根拠が必要だと思います。過剰生産で種もみの価格が下落したり、逆に不足するなどの事態をとても懸念をいたします。
 種子法廃止の附帯決議四のこの特定事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めることという点について、これ重要だと受け止め、そのために一月に通知を発出したとのことでした。
 配付資料を御覧ください。この通知を読んでみますと、全く附帯決議の対応したものとなっておりません。要するに、この都道府県の知見を国内の民間企業にあげて国際競争力を付ければ、外国企業には支配されませんよとでも言いたいのでしょうか。しかし、知見の提供先は外国企業も排除するものではないと種子法廃止法案の審議段階で答弁をしているではないですか。この通達では全く説得力がありません。
 さらに、附帯決議の趣旨を考えれば、国内企業に種子が独占されることもあってはならないはずです。しかし、それを防ぐ方策もこの通知のどこにも見られないのではないかと思いますが、いかがですか。
#176
○政府参考人(柄澤彰君) この一月十日の通知におきましては、ここに書いてございますように、あくまでも、この知見の提供につきまして、我が国農業の競争力強化に貢献しようとする民間事業者に対して行うということですとか、具体的な措置としまして、そういった方々に知見を提供するに当たりましては、その民間事業者の開発等の考え方を確認した上で、共同研究契約等の契約を結んで必要な措置を講ずる必要があるということでございますので、こういった基本的な考え方は、附帯決議にお示しされました特定の事業者による独占というようなことがないようにという趣旨も含めましてこういった通知を出しているところでございます。
#177
○川田龍平君 それでは別の聞き方をします。
 例えば、住友化学という企業がありますが、これは国内企業と呼べるのでしょうか。
#178
○政府参考人(柄澤彰君) 質問の御趣旨がよく分かりませんが、国内の企業だというふうに思います。
#179
○川田龍平君 この住友化学はモンサントと提携を進めて深めており、住友化学が開発する新農薬に対応する遺伝子組換え新種子をモンサントが開発しているということです。
 農水省はこれを御存じないのでしょうか。
#180
○政府参考人(別所智博君) ただいまお尋ねの件につきましては、私ども今手元に資料ございませんので、後ほど確認をさせていただきたいと思います。
#181
○川田龍平君 そういった、今手元にないということですけれども、またEUがバイエルによるモンサントの買収ということを承認をしてしまった結果、これ、モンサント、バイエル、住友化学という、無国籍というか寡占状態の多国籍企業が世界の農業の支配を強めていくというような状態になっているという状態です。
 農水省はそうした多国籍企業に日本の知見を売り渡せとこの通知で言っているのに等しいのではないかと思いますが、いかがですか。
#182
○政府参考人(柄澤彰君) 個別具体の事例のお話でございますけれども、基本的な考え方としまして、我が国農業の競争力強化に貢献しようとする場合に知見を提供するという基本的な考え方を明確にしているというふうに御理解いただければと思います。
#183
○川田龍平君 もう今や日本の国内企業なのかどうかということは、もう今の事例からしてもほとんど分からなくなって、境がなくなってきてしまっているという状況の中でこの法律を廃止しているということです。
 附帯決議第四項が求めるこの種子の多様性を守るためには、住友化学のようなグローバル企業ではなく、地域密着の小規模な種子生産企業と知見を共有するというのなら可能なのかもしれません。しかし、日本全体で無数の地域企業を育て活用するという方針は、この通知のどこに書かれているんでしょうか。
#184
○政府参考人(柄澤彰君) あくまでこの通知は現段階における基本的な考え方をお示ししているものでございますので、個別具体の対応はしっかり今後やってまいりたいというふうに存じます。
#185
○川田龍平君 私は、この多様性というものを失えば命は危険にさらされるというふうに思います。
 この通知は、特定の事業者による種子の独占という弊害を生じさせないことを全く担保できておらず、多様性の維持を求める参議院の附帯決議の第四項の求めに応えたものとはなっていないと言わざるを得ません。民間企業は一社で一品種から三品種しか持っていないのではないでしょうか。それが広域に販売され公的種子事業が衰退してしまえば、多様性は激減してしまうでしょう。それは私たちのこの国の環境と私たちの命に対する大きなリスクです。
 大臣、これ、前回も取り上げました、食料及び農業のための植物遺伝資源国際条約について伺います。
 この条約では、種子などの遺伝資源を守ってきたのは農民であるとして、この種子の権利を守ることは国の責務であると明記しております。さらに、この種子の利用から生じる利益配分、種子に関する政策決定への参加する権利を農家にも認めているところです。したがって、昨年の種子法廃止にもかかわらず、農家に安価なその種子を提供することは依然として国の責任であると考えますが、大臣、よろしいでしょうか。
#186
○国務大臣(齋藤健君) 今御指摘の食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、これは、農業者が食料生産及び農業生産の基礎となる植物遺伝資源の保全及び開発のために極めて大きな貢献を行ってきていることを認識するとしている条約であります。さらに、この第九条第二項においては、「農業者の権利が食料及び農業のための植物遺伝資源に関連する場合には、これを実現する責任を負うのは各国の政府である」ということが定められているわけであります。
 それで、我が国においては、この農業者の権利保護及び促進するための措置といたしまして、食料・農業・農村政策審議会の委員等として農業者に参加をしていただくなど、食料及び農業のための植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用に関する国内における意思決定に農業者の方に参加をしていただいて、そして意見を述べていただくという、そういう権利を担保をするという形でこの条約に応えているところでありますので、引き続きこの条約の適切な実施にはしっかり努めていきたいと考えております。
#187
○川田龍平君 是非、この条約の中身しっかりと踏まえてやっていただきたいと思います。この遺伝資源条約にあるように、農家には、影響を受ける種子政策について政策決定に参加する権利があるということです。それを全く無視してこういう種子法を廃止したということは国際条約違反の行為であると言わざるを得ず、この条約の国内履行を担保するために、早急に、廃止された種子法に代わる法制度の制定が必要だと思います。
 種子法廃止の法案が、昨年のちょうど三月二十三日、ちょうど今日ですね、今日の一年前に衆議院の農水委員会を通過して、その日は籠池さんが呼ばれた日でもあるということで大変印象深く覚えているわけですけれども、そういったことで、この種子法廃止の法律が通って一年たつわけですが、立憲民主党としても早速この議員立法の準備を、この種子法をもう一度作る議員立法を考えておりますので、是非超党派で取り組みたいと考えていますので、当委員会で所属の与野党の先生方、是非一緒にやりたいと思います。
 続いて、先ほど舟山委員からも質問ありましたように、小規模農家、家族経営農家についての支援の在り方について伺います。
 私は先日、淡路島の小さなイチゴ農家を訪れました。その際、御主人から聞いたのは、よく行政から経営改善のための支援メニューの案内が来るが、どれも規模や人数で下限があって、五人まとまらないと使えないとか、それから、この大規模化というのは島ではとても無理だというような話、今の農政というのは大規模農業者や規模拡大だけを支援していて、地域共同体を守る小規模農家への支援が全くないとの厳しい御批判をいただきました。
 前回の質疑で、国連の小農民や農村で働く人々の権利宣言について外務省が棄権していると申し上げたところ、驚くべきことに大臣は知らなかったとのことでしたが、この宣言にも、食料及び農業のための植物遺伝資源国際条約と同様に、小農民の権利として土地、水、種子などについての権利が規定されています。
 本日は大臣に通告をしておりますのでしっかり答えていただきたいと思いますが、グローバリゼーションの進む中、政府は小農民の権利を、既存の人権メカニズムによって活用するだけではなく、しっかりと個別に認め、土地、水、種子などについての権利を日本の中でもしっかりと守っていくべきと考えますが、大臣の考えを伺います。
#188
○国務大臣(齋藤健君) 国連におきましては、小農民と農村で働く人々の権利宣言について、作業部会を設置をして議論を行うとされていることは承知をしております。
 当省としては、国内外を問わず農業者の果たす役割や人権の保障は重要との認識の下で、我が国への影響の有無の確認を含めて、この関係省庁と連携しつつ、宣言案の議論に適切に対応してまいりたいと考えておりますが、なお、今委員御指摘の土地、水、種子などに関する権利については、農家の経営規模の大小に関わらず、我が国においては公平に守られるべきだというふうに認識をしております。
#189
○川田龍平君 是非、この小規模の、また家族経営のような法人化をしていない人たちにもやっぱりしっかりと届くような施策をやっていただきたいと思いますが、いかがですか、大臣、もう一度確認です。
#190
○国務大臣(齋藤健君) 小規模農家に関わる政策もここで一々全部述べることはいたしませんが、しっかりと対応をしていきたいというふうに考えています。
#191
○川田龍平君 これ、昨年の末、国連は、来年からの十年間を国際家族農業の十年と定めました。この十年間の日本における意義を御説明いただけますでしょうか。
#192
○国務大臣(齋藤健君) 昨年の十二月の二十日に、国連の総会で国連家族農業の十年に関する宣言が採択をされているわけであります。これは二〇一九年から二八年を家族農業の十年と定めて、各国が家族農業に関する施策を進めるとともに、その経験を他国と共有すること、それからFAO等の国際機関が実施可能な活動やプログラムを展開すること等を求めたものであります。
 農林水産省としては、従来から申し上げておりますように、家族農業経営についても地域農業の担い手として重要だと考えております。引き続き、食料・農業・農村基本法に基づいて、家族農業経営の活性化を図るとともに、様々な施策を講じていきたいというふうに考えております。
#193
○川田龍平君 私はこれまでの施策が不十分であったという前提で、これからの十年、これからの十年、どのような新施策を打ち出していくのかを聞いているわけですが、大臣、いかがでしょうか。
#194
○国務大臣(齋藤健君) 小規模の農家や家族経営農業に対しては、今までも、例えばになりますけど、経営規模の拡大に一定の制約がある中山間地域につきましても様々、先ほどの御答弁の中でも紹介をさせていただきましたけれども、そこで彼らが経営を成り立たせていけるような施策を講じてきているわけでありますし、そのような政策をこれからもしっかり継続をしていくということについてはここで表明をさせていただきたいと思います。
#195
○川田龍平君 これまでのというのと、継続というのは分かるんですね。これからの十年、さらに二〇一九年からの十年をどのように考えているのかということで、これからのことを是非御答弁いただければと思います。
#196
○国務大臣(齋藤健君) これからも小規模農家や家族経営農業に対して、十年という期間をせっかく国連で各国を盛り上げるために宣言をするわけでありますので、その時々の状況に応じて、この趣旨に沿って政策を展開していきたいと思っておりますが、今この瞬間、我々が講じている政策についてもこれはしっかりやっていかなくちゃいけないというふうに思っているところでございます。
#197
○川田龍平君 先ほどから足りないという言葉も出ていますとおり、やっぱりこれまでのが不十分であるという認識に立っていただいて、やっぱりこれまでやってきたものを継続ということではなく、新たにやっぱりつくっていただきたいと思います。そういった決意を是非表明していただければと思います。
#198
○国務大臣(齋藤健君) 今日は予算の委嘱審査でありますので、この中にも今委員の御趣旨に沿うような施策がたくさん入っておりますので、それを今、一刻も早くそれを通していただきたいと思うのと同時に、これからもいろんな状況変化があると思いますので、その状況を踏まえてきちんと対応していきたいというのが現時点での私のお答えでございます。
#199
○川田龍平君 じゃ、例えば、その新規の新しい小規模向けの、新しいこの予算の中の施策としては何がありますか。
#200
○副大臣(谷合正明君) 私の方から御答弁申し上げますけれども、まず大臣の方から申し上げましたけれども、担い手が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することが重要であると、しからば、その担い手ということでいいますと、意欲と能力のある農業者であれば、経営規模の大小、家族経営、法人経営の別にかかわらず地域農業の担い手として幅広く支援しているという、まず大前提がございます。
 どういう事業があるのかということでありますけれども、具体的に、例えば経営規模の拡大に一定の制約がある、もうそういう制約のある中山間地域も含め、創意工夫を発揮して付加価値の高い農産物の生産、六次産業化に取り組む農業者を多様な予算事業、例えば産地パワーアップ事業とか、そういった事業でありますとか、スーパーL資金を始めとする長期低利の融資などにより支援をしております。また、日本型直接支払制度によりまして、棚田を含め、草刈りや水路の管理などの地域の営農継続等に必要な支援も行っております。こうした施策が現場に伝わっていないということもあるのかもしれません。しっかりとそうした周知も含めて政策を推進していくと。多様な農業者の意欲的な取組をしっかりと後押しをさせていただきたいと思っております。
#201
○川田龍平君 全く伝わっていないですし、本当に現場のやっぱり農業者の人たち使えないんですよ、使っていないです。使えないということが現実にありますので、やっぱり新しいこういった施策増やしたといっても、それが伝わっているのか、こういうメニューありますよといっても、現場の人が使いにくい、大体申請自体しにくい。それから、五人以上要するに雇わなきゃいけないとか、本当にそういった制約がたくさんあって使えないということを本当に小規模の家族経営の農家さんは言っていますので、是非そういったメニューをしっかりとそろえていただいて、そしてそれを更にしっかりと下にまでやっぱりちゃんと届けていただきたいと思います。やっぱり、今使われているのは大規模なところ、それから規模を拡大していくところ、そういったところに重点が置かれているんではないかということをやっぱりずっと皆さん感じておりますので、新たな施策をやっぱり是非していただきたいと思います。
 現実には、農家全体の数がこの十五年間で百万戸もこれ減少しました。認定農業者数も集落営農数も頭打ちになっているという状態です。これまでの農政と同じことを続けていても、家族農業経営の活性化は図られないと思います。
 私が聞いているのは、これからの十年、やっぱりこの家族農業経営をどれほどこれまで以上に活性化をさせていくのか、地域共同体の維持に直結する問題でもあります。
 大臣が御出身の経産省はIT化の支援を、規模の、法人格の有無にかかわらず、小規模農家も対象に支援をしております。農水省も、これ小規模農家や家族経営農業に対して規模拡大や法人化以外の施策をもっと講じるべきではないでしょうか。
 例えば、千葉県の匝瑳市などで普及しつつあるソーラーシェアリングというのがあると思います。太陽光発電パネルを工夫して設置した農地で、太陽光発電と作物とでシェアするというものです。農水省は、来年度、都道府県に委託して実証試験を行うとのことですが、知り合いの小規模農家に聞くと、大規模にやるものとの認識で余り関心がないということでした。しかし、この匝瑳市では、一人の地元の農家が耕作放棄地を借りて始めたそうですし、家族経営農業が取り組みやすい仕組みを支援できれば、農業を継続して行うきっかけにもなると考えますが、いかがでしょうか。
#202
○政府参考人(井上宏司君) ソーラーシェアリング、営農型太陽光発電でございますけれども、これは営農の適切な継続がなされ、作物の販売収入に加えて、売電による継続的な収入が期待できる取組でありまして、家族経営の農家の方も含めてその導入を後押しをしているところでございます。
 例えば、千葉県のいすみ市におきましては、家族経営の農家が十アールの農地でブルーベリーを栽培をしまして、その上部の太陽光発電によって営農と発電の両立を行われているような取組もございます。
 農林水産省におきましては、太陽光発電設備の設置についての農地法に基づく一時転用許可の取扱いを明確化すること、また、専門家による指導助言、優良な事例の情報の収集と提供といったような支援によって今後とも後押しを行ってまいりたいと考えております。
#203
○川田龍平君 確認ですけれども、この売電収入が農業収入を仮に上回っていても、いわゆる兼業農家の扱いにはならず、この主業農業者向けの各種制度金融や補助メニューというのは、支援などは引き続き受けられると理解してよろしいですね。
#204
○政府参考人(大澤誠君) 融資についてお答えをいたしますけれども、経営体育成強化資金なり近代化資金等々について先生から御指摘をお伺いしているところでございます。
 ソーラーシェアリング関係につきましては、私どもとしては、農業生産のエネルギーコストを削減させるという面が、農業生産にとってポジティブな面がありますので、その資金の制度趣旨に照らしながら、具体的にどうやっていったらいいかというのは、これは検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#205
○川田龍平君 是非そこをしていただきたいと思うんですが、そういった形でできるということでよろしいですか。
#206
○政府参考人(大澤誠君) あくまで農業経営の改善のために必要な資金ですので、これは極端な例だと思いますけれども、売電収入に全面的に依存するように経営を改善したいというものについてはなかなか対象とし難いものだと思いますが、先ほどお話ししたとおり、農業生産のエネルギーコストを削減させるというポジティブな面であれば前向きに検討したいというふうに考えてございます。
#207
○川田龍平君 重要な答弁だったと思います。小規模な家族経営農家にとっても、ソーラーシェアリングというのはメリットがあると。国や地域にとっても、地域共同体を守る小規模家族経営体が農業を続ける一つの動機になるという意味で、また再エネの普及にもつながり、環境にも優しいと。まさにウイン・ウインの関係が二重にも三重にも組み上がる可能性が広がると思います。
 是非、これ大臣のイニシアチブで、小規模農家、家族経営農家にソーラーシェアリングが普及する仕掛けづくりに取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(齋藤健君) これは、一つの経営を下支えする一つのアイデアだと私思っておりますので、少し検討をまずさせていただきたいと思います。
#209
○川田龍平君 是非やると言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#210
○国務大臣(齋藤健君) ちょっといきなり、これ言われて、これやれやれと言われても、ちょっと私も組織で仕事をしているものですから、少なくとも検討はさせていただきたいなと思います。
#211
○川田龍平君 じゃ、検討した結果をまた引き続き聞いていきたいと思います。
 女性の新規就農を促進する方策について伺います。
 先日の当委員会の静岡県、山梨県の視察に私も参加させていただきました。その際は、委員長を始め委員の皆さんにいろいろと御配慮賜りましてありがとうございました。
 さて、その際に、JAしみずの土地改良事業の現場で若い新規就農の皆さんとお話をさせていただく機会がありました。そのときにお嫁さんを探しているというような話は聞いたんですけれども、改めて尋ねてみると、地域外からの方も含め、新規就農者は全員男性とのことでした。急斜面で入り組んだミカン畑を区画整理し、圃場を平たん化し、軽トラックなどが入れるようになって働きやすくなったというわけで、なぜ女性の新規就農者がいないのかとちょっと不思議に感じました。
 大学の農学部も最近は女子学生が四四%もいる時代です。国交省はトラガール、トラックの運転手ですね。それから、ドボジョ、土木に関する女性。環境省はこれ狩りガールと、ハンターですね、狩りガールという、女性の就業に熱心にこれ取り組んでいます。一方、農林水産祭、私も参加させていただきましたが、天皇杯を受賞された女性も、農業女子プロジェクトのメンバーを見てみると、結婚を契機に就農というプロフィールが多いのが事実です。
 大臣、これ、非農家出身の女性が単身で就農することをもっと積極的に応援してはいかがかと考えますが、そのためにどのような施策が必要と考えておられますでしょうか。
#212
○国務大臣(齋藤健君) 私どもとしても、農業者の減少とか高齢化が進んでいますので、できるだけ女性にも新規就農をしていただきたいと思っておりますし、この委員会でも議論あったかもしれませんが、女性の農業者というのは、例えば商品開発に非常に優れていたり、それから、データによりますと女性が経営に参画している農業経営体は収益率がいいとか、そういうデータもあるものですから、私どもとしては是非とも女性が農業にどんどん入っていただくと活性化をするので有り難いと。この委員会の審議もかなり活性化しているのは、そういう部分もあるんじゃないかと思ったりするんですが。
 いずれにいたしましても、我々もそれを望んでいるわけでありますので、様々なことをやっていかなくちゃいけないと思っていますが、ただ、その非農家出身の単身の女性のみに絞って政策をするということは今は行っていないわけであります。ただ、できるだけ女性が農業を始めるに当たってしやすいような仕組みというのはやっていきたいと思っておりまして、私は農業女子プロジェクトみたいなものが浸透していくということも非常に重要だと思っておりますし、これは非農家の出身の女性が単身で就農する場合も活用されますけど、新たに農業を始める際に活用いただける資金の交付ですとか、そういうものを今地道に積み上げていっているわけでありますが、そういうものを通じて、私は大いに新しく参入していただける女性には期待をしているところであります。
#213
○川田龍平君 この農山漁村男女共同参画優良活動表彰ですとか、農水大臣賞も、平成二十八年度、次世代を担う若手地域リーダー部門でも、これ女性の非農家出身の方が表彰されておりますし、平成二十八年度の農業の未来をつくる女性活躍経営体百選の中にも、茨城県の、副大臣も茨城県でしたけれども……(発言する者あり)あっ、政務官、済みません、政務官も茨城でしたけれども、茨城の水戸でこれトマトを作っている、農外企業で培った経験を生かしたブランディングと子育てママが働きやすい環境の実現ということなどもやっていて、本当に女性がもっと活躍できるような場をやっぱり農水省としてももっと積極的にやっていただければと思います。
 女性の単身での新規就農者というのが増えれば、結婚相手もこれ苦労しなくなるのではないかと考えるんですが、他省庁に負けないように是非検討していただきますよう、大臣、よろしくお願いいたします。
 次に、これも前回の質疑でも取り上げた米粉の普及促進策について伺います。
 先ほどの中泉委員の議論では、非常にこれから人口が少なくなっていって、農業としてこれから成長するのは難しいというような話を大変力説をされておりましたけれども……(発言する者あり)難しいというか、そういうのに基づいて考えるべきではないかという話がありましたが、私は、最近、グルテンフリー市場というのが欧米では大変今盛んに急成長しておりまして、特にグルテン、小麦など、グルテンが誘発する自己免疫疾患というのが、今、大変このセリアック病というのが欧米人に比較的多くなってきております。
 先日もスペインで米粉の普及のためにマドリードのセリアック病及びグルテン過敏症協会というのが主催したマドリードの米粉習慣……
#214
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。質問は端的に。
#215
○川田龍平君 ああ、済みません、時間ですね。はい、済みません。
 そういうのがありましたけれども、こういった米粉の普及のために、是非、国として取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#216
○政府参考人(柄澤彰君) 御指摘のとおり、米粉の市場は大変有望だというふうに思っておりまして、この普及につきましては平成二十一年度から予算措置を講じ、いろんな対策を取ってきております。
 この三十年度予算におきましても、先般、策定いたしました米粉の用途別基準、あるいはノングルテン表示ガイドラインというものを踏まえまして、これを実際に生産面で対応していくための生産利用体制の整備といったようなメニューを追加して、今後とも全力で御支援してまいる所存でございます。
#217
○川田龍平君 済みません、時間がまだあると思っていました。申し訳ありません、終わります。
 本当にグルテンフリーのやっぱり食材、是非広めていただいて、是非、米粉、私も普及大使となって進めてまいりたいと思いますので、また引き続き質問させていただきます。
 ありがとうございました。
#218
○委員長(岩井茂樹君) 以上をもちまして、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#219
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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