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2018/04/19 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第12号
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2018/04/19 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第12号
平成三十年四月十九日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     山田 俊男君     松川 るい君
     宮沢 由佳君     田名部匡代君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君    渡辺美知太郎君
     松川 るい君     元榮太一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                舟山 康江君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
               渡辺美知太郎君
                小川 勝也君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                川田 龍平君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    窪田  修君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       法務大臣官房審
       議官       筒井 健夫君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     荒川  隆君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    沖  修司君
       国土交通大臣官
       房審議官     榊  真一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、宮沢由佳君及び山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として田名部匡代君及び松川るい君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長窪田修君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩井茂樹君) 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○平野達男君 久しぶりでちょっと質問に立たせていただきます。時間が三十分ですから、矢継ぎ早にいろんなことをちょっと確認させていただきたいと思いますので、答弁の方は簡潔にお願いをしたいと思います。
 今回の法律改正は大きく二つありまして、土地所有者不明についての賃借権の設定等々をどうしていくかという、そういう法律上の手続の改正と、それからもう一つは、この法律で言うところの農作物栽培高度化施設ですね、下をコンクリート張りしたものでハウスなんかあった場合に、下をコンクリート張りしたものについては農地転用とみなさないという、この二つの大きな改正が柱になっていると思います。
 まず一番目に、その農地転用とみなさないという規定についてから質問をさせていただきますけれども、まず、農作物栽培高度化施設というのは、今もちょっと言いましたけれども、まあ長々これ難しい言葉使っていますが、ありていに言えば、ハウスなんかがあって、そこの下をいろいろ農作上の理由からコンクリートで舗装したようなもの、かつまた、これ、農地は耕作の用に供するという定義がありますから、きちっとこれは使われているという状態のもの、これを農作物栽培高度化施設という定義でというふうに理解してよろしいですね。
#7
○政府参考人(大澤誠君) 具体的には、今回の法律案の四十三条二項に記載されておりますけれども、農作物栽培高度化施設とは、今回の改正によりまして、農業委員会に届け出ることによって、底地をコンクリート張りしても農地転用を要しないものとして農地法上取り扱う農業用ハウスなどを言います。
 具体的な要件につきましては、周囲の農地に悪影響が生じないよう省令において定めることとしておりまして、例えば、周辺農地の日照が制限されないための施設の高さについての基準、あるいは必要な排水施設を設けること、それから、専ら農業の用に供される施設であること等を定める予定でございます。
#8
○平野達男君 この農作物栽培高度化施設の需要というのは、少なくとも東日本大震災の復興においても、実はこの農作物栽培高度化施設とは言わないんですけど、これ転用をしながらコンクリート張りして植物工場を造っていますから。まあそういったものもありましたし、これからもあり得るんだろうというふうに思います。
 その次に問題になってくるのが、じゃ、これコンクリート張りした後に、これ本当に将来的にどうなっていくかということなんだろうと思います。
 特に気になるのは、今、農地に関していいますと、農地の所有と耕作の分離がどんどんどんどん進んでいますから、それから株式会社の利用権の設定、賃貸借の利用というのも、これは平成二十一年の農地法の改正によって事実上自由化されたという、まあ自由化されたという言葉が適切かどうか分かりませんが、されたという中で、株式会社がハウスを設置するため、かつまたそれが農作物栽培高度化施設、要するに農地をやっぱりコンクリートで張りたいといったそういうことで農地を借りて、了解をして、だけど将来的に株式会社ですから経営破綻するかもしれないという、そういうリスクがあるわけですね。
 そこで、その議論に入る前に一つ確認なんですけれども、栽培が行われなくなった場合に農業委員会は相当の期限を定めて農作物の栽培を行うべきことを勧告するというふうに、これは農地法の、改正法の四十四条だったと思いますが、規定ありますけれども、この相当期間というのはどれぐらいの期間を想定していますか。短く、本当に短くこれ回答してください。
#9
○政府参考人(大澤誠君) これは個別に農業委員会が判断することになります。
#10
○平野達男君 だから、そういう意味で、だから相当は相当ということで、個別で農業委員会が判断するということですよね。
 そして次に、その相当の期間を始めて使われていない施設を、コンクリート張りしたもの、その施設を勧告しても駄目だった場合は、これは違反転用とみなすという、そういう理解でよろしいですか。
#11
○政府参考人(大澤誠君) その御理解のとおりでございます。
#12
○平野達男君 繰り返しになりますけれども、その所有者が、誰でもいいですよ、株式会社でも普通の農家でもいいんですけれども、いろんな理由で経営が行き詰まって使われなくなったといったときに勧告をして、でも経営が行き詰まっているからもうできませんといった場合には、その瞬間から農地転用違反になるという、こういう理解ということですね。
 そうなりますと、そこから、今度は違反転用ですから、違反転用を解消する手続に入っていくわけです。違反転用に、解消する手続というのは、これまた相当の期間を定めて原状復帰をまず指示して、農業委員会が、それで駄目な場合は代執行というのもあり得るという。そういうことで、その代執行した要する経費というのは、それはその原因者に負担を請求できるというのが今の農地法の立て付け、考え方だと思いますけれども、それでよろしいですか。
#13
○政府参考人(大澤誠君) そういうことになりますが、一点だけ補足させていただきますと、この今回新しく措置される勧告を、必ずその違反転用の場合の手続の際にまず勧告を行わなきゃいけないということでは必ずしもございません。勧告はしない場合でも、明らかにもう耕作者が農作物の栽培を行えない意思を明確にしているとか、あるいはもう誰もいなくなってしまったとか、そういう場合には勧告の手続を経ずに都道府県知事による原状回復命令等の対象になることはできます。
 以上でございます。
#14
○平野達男君 四十四条は、勧告することはできるという規定だから、しなければならないという規定になっていないから、まあそのとおりだと思いますが。
 その前に、もう一つ確認しますが、名前が面倒くさいから、何とか施設を施設と言いますね、これからは。施設にするためには、共有地であった場合には、今の民法上でいくと、この場合、コンクリートで張るということについては共有物の変更になるという理解がどうやらされそうだということで、これでいきますと、共有者、この農地が共有地であった場合については共有者全員の同意を取らなければならないという、そういう理解でよろしいですか。何か誘導質問しているわけじゃないんですけれども。
#15
○政府参考人(大澤誠君) 民法については、最終的に個々のケース・バイ・ケースですが、我々としては、少なくとも今回農地上に設置される農作物栽培高度化施設というのは底地をコンクリート張りしているので、ある程度堅牢な建物だと思っておりますので、先生の御指摘のとおり、民法二百五十一条に従いまして、共有物の変更には共有者全員の同意が必要だという規定が通常は適用されると考えております。
#16
○平野達男君 だから、農業委員会が認めればこの施設については農地転用の手続はしなくてもいいということになるんだけれども、その前に届出、若しくはする前には、その共有地の場合は全員の同意を取っていく必要があると、こういうことですね。
 そのときに、共有地の場合に、今回の中で問題になっているのは、共有地の一部が所有者不明である場合も一応想定されると。今の土地の扱い上でいきますと、これは東日本大震災のときもそうだったんですけれども、所有者不明の場合の土地を買ったりとか、あるいはいろいろな権利設定するときには一応不在者管財人制度というのがやっぱりあって、ところがこれ面倒くさいんですよね。実際問題としては、これ使うというのは、そこまでやってやるというのはこの場合非常に少ないんだろうと思いますが。
 いずれ、共有地の場合については全員同意が必要で、それが不明者土地の場合は、この施設そのものの設置というのはかなり難しくなるというか、現実問題としてはできにくくなるということだろうというふうに理解します。理解しますが、そういう理解でよろしいですか。
#17
○政府参考人(大澤誠君) 今回の共有者の一部、過半が分からない場合の手続につきましては、あくまでその利用権を設定できる特例になりますので、建物のハウスを設置するということの特例にはなっておりません。したがいまして、先生の御指摘のとおり、ハウスを上に建てる場合には不明の人も含めた共有者全員の同意が必要になります。ですから、事実上なかなか難しいと思ってございます。
#18
○平野達男君 そこでもう一つは、次の問題として、株式会社はよく倒産しますね。倒産をしたり、あるいは施設の経営だけではうまくいかなくなった場合にはその施設を事実上放置してしまうというようなことは間々あると思います。東日本大震災で造った、どことは言いませんけど、植物工場も今は丸いコンクリートだけで放置されて、あれ完全にやめたのかどうかまでは確認していませんけど、もう、ちょっと使えるような状態になっていないですね。設置したときはもう非常に立派な施設で、これはいいなと思ったんですが、多分輸送コストが掛かり過ぎてなかなか経営が難しかったんじゃないかと思いますが、そういう例があるということです。
 そこで、今回の場合は、農地転用の許可は取っていませんから、使わなくなった場合には当然原状復旧命令を出しているということになると思います、勧告しても駄目な場合はね。そのときに、その原状復旧命令を出して、従わない場合については代執行をするということなんでありますが、そもそもの原状復旧命令を出すのは、株式会社が倒産しているときにはどこに出すのかということですね。それは農地所有者なのか株式会社なのかということですね。そこはどういうふうに整理していますか。
#19
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生から、農地を借り受けて耕作をしていた人、施設を造っておった人が倒れた場合にどこに原状回復命令を掛けていくのかということでございますけれども、今回のこの施設の議論の前に、今、普通の農地につきまして、農地を借り受けて耕作をされておられるという方がいた場合に、その方が違反転用した場合というのが当然想定されるわけでございまして、その場合には、都道府県知事が原状回復命令を掛ける相手先は、これは借りておられる方、耕作をされておられる方ということに農地法の五十一条で規定がされておるところでございます。
 したがいまして、今回の法案におきまして、新しく農作物栽培高度化施設というものを建てる場合であっても、きちんと営農されておられる、栽培が行われている限り、これは三条許可で農地を借りてやっておられるということになるわけですが、その栽培が行われないという状況になり、事実上の違反転用になった場合には、現行のその農地を借り受けて違反転用された方と同様に、その施設の設置をされて営農されておられた方、先生の例で申し上げれば株式会社が原状回復命令の対象になるという法律の立て付けになっておるところでございます。
#20
○平野達男君 ただ、今回の場合が違うのは、民法の規定が入っていて、本人の同意を取っているんですよね、所有者の、今回の場合は、コンクリート張りするときに。それから、今局長が言われたのは、違反転用については、農地を、要するに三条の規定か何かで要件設定して借りて、そのときには当然貸す側もその形状変更の同意とかは何もしていなくて、当然農地で使うという前提で貸しているはずなんです。その意に反していますから、所有者について言えば、その転用なんというのは元々想定していない。
 それからもう一つは、今回の場合は、違うのは、民法上の中で農地所有者は形状変更よろしいですよということで同意しているわけです。この同意をするということに対して、農地所有者に対して何らかの責務が出てこないのかどうかということなんですよね。当然、その同意をしますと、その後、使わなくなった部分については原状復旧するということについては、農地所有者についてもやっぱり責務が出てくるというふうに解釈が出てくるんじゃないかと思いますけど、これをそういうふうに解釈しないという理由をちょっと説明してもらえますか。
#21
○政府参考人(荒川隆君) 法律上の議論といたしましては、いわゆる民法上の民民の最初に貸すときの契約で、使わなくなったら原状回復をするかどうかといったようなその民法上の契約上の問題と、それから、私が先ほど答弁申し上げましたのは、農地法上の違反転用の相手方というのは誰かということで、そこは若干議論が違ってくるんだろうと思っております。
 それで、実は農地法の世界では、二十一年の法律改正によりまして所有から利用本位ということになっておりまして、この違反転用の場合だけではなくて、例えば遊休農地の改善の手続とか、そういうものも含めまして、所有者ではなくて利用者の方に掛かっていくという法律体系になっております。
 もとより、先生お話ございましたように、貸し付ける場合に、民民で民法のそんな原状回復契約などもあるということもございましょうし、それから、農地法の二条の二には、そもそも所有者には農地をきちんと使うという責務もありますので、そういった責務は当然掛かってくるんだろうと思っております。
#22
○平野達男君 今のは全然答弁になっていないと思うんだけど、まあ、言いたいところは、三条の世界、農地法三条の世界だけで借りた場合と、そこに民法の世界が入ってきて所有者の同意を持った場合では、扱い方がやっぱり違ってくるんじゃないだろうかということ。
 それから、もし局長の言うとおりであれば、例えば株式会社というのはもう本当に採算が合わなかったら捨てちゃうし、場合によったら別会社がそれ設置しておけば倒産すると。あとは、それに管財人でもってその負債整理なんかをするんですが、本当に負債整理をするということになると思いますけど、もし本当に原状回復を代執行した場合には、株式会社に行ってももう払うあれが、支払能力がないということになりますと、最終的には自治体が要するにそれを負担をしますよということを前提になるということを言っているのと同じことになっちゃうんですよ。そこは、実際にそういうふうになった場合に、本当にそれでいいのかどうかという議論がなったときに、きちっと整理しておかないと。
 それからもう一つは、それは、農地を貸す人、農地を貸して、いいですよと、コンクリート張りしてもいいですよという側に、その貸し手側にどういうリスク、リスクというのは、場合によったら自分にその原状復旧命令が来るかもしれない、あるいは代執行された場合に負担命令が来るかもしれないということが全くありませんと言えるならいいですよ、そこは。だから、そこは多分なかなか断言できないと思う。
 ここは、今の段階でというか、これ法律審議しているところを、ここを曖昧にするわけにはいかないんだけど、断言できますか、それ。
#23
○政府参考人(荒川隆君) 繰り返しになって恐縮でございます。
 今でも農地法の三条許可を受けて耕作をしておられる方が、まさにその違反転用状態になったような場合、その方が更にどこか行ってしまったような場合、そういう場合については最終的には都道府県知事などの行政代執行の手続に行くというプロセスになっておりまして、そこは今回も変わっておらないところでございます。
 それで、一方で、さっき最後に御答弁申し上げましたが、農地法の二条の二で所有者の方には農地をきちんと使うという責務がございますので、先生が御懸念されているようなことになった場合に、所有者には農地法の二条の二に基づく責務があるんだということは十分御認識をいただく必要があるだろうと思いますので、今後この高度化施設について届出などが行われることになった場合には、そういったようなリスクなり手続なりについてきちんと御説明をしていく必要があるんだろうなと思っておるところでございます。
#24
○平野達男君 今のちょっと最後のあれが分からなかったんだけど、確認は、今でいったらそのリスク、局長の言われたリスクの中に、農地所有者が、農地所有者ですよ、その同意した農地所有者側が、株式会社、今株式会社という前提で話進めていますけれども、そちらに負担能力がなくなったといった場合には、その農地所有者自体にもその負担が掛かってくるリスクがあるということも説明するという、そういう趣旨ですか。とにかくその一点なんですよ。
 貸す側で、この今回の法律をやったときに、農地の貸し手側にどういうリスクがあるかということをどこまで説明するかといったときに、最終ぎりぎりのときには、要するに何か本当に耕作する意欲がなくなって、株式会社ももう赤字抱えちゃって代執行をやられても負担能力がないといった場合に、でも元々の農地所有者に対しての負担は求めないということもはっきり明言できるかどうかという、それを確認しているだけですよ。確認しているだけというか、これが非常に重要なんですよ、これ。
#25
○政府参考人(荒川隆君) 大変繰り返しになって恐縮でございますけれども、先ほどの繰り返しになると叱られますけれども、二十一年の法律改正で、要するに所有者と利用者をきちんと位置付けた上で利用者本位の手続にしていくというようなことで、この原状回復命令のみならずもろもろの手続が、所有者とそこに賃借権を設定された利用者の方がいらっしゃる場合には、その利用者の方に、所有者ではなくて利用者の方に農地法上の命令なりは掛かっていくということになっておりますので、そこでこの農地法に基づいて代執行をやった場合の負担を所有者の方に掛かっていくということができるかと言われれば、それはなかなか難しいんじゃないかと思っております。
 一方で、繰り返しになりますが、二条の二の、農地法、農地所有者の責務というのもございますので、先生御指摘のようなことにならないように、あるいはそういうことになったらどうするのかというようなことも含めて、よくよくその所有者の方にはお考えをいただいた上で民法上の契約なり申請なりをしていただくということではないかと考えております。
#26
○平野達男君 それじゃもう全然答えになっていないから。核心のところを外しているから。
 いずれにせよ、転用というか、耕作しなくなった場合には、利用権設定している場合には、貸している場合は、借り手側に一義的に責任を問うというのは当たり前ですよ、それは、手続上は。今、私が言っているのはその先の話をしているから。
 例えば、土地改良法なんかでは、三条資格者というのは農地所有者であっても耕作者でもいいということがあって、事業をやった場合についてはお互いで話をして負担していて、どっちが負担してもいいという形になっているわけですよ、土地改良法の世界ではね。だから、この場合は、農地所有者と利用者については、両者の話合いの中で同じような責任が発するということなんですよ。
 今回の場合も、本来ならば転用を手続を取らなくちゃならないらしきものについて、転用しなくてもいいよという特別の規定を設けるんですけど、形状変更というものについての同意を求めるということで形状変更の同意を求めているから、そのときに、最終的に何かあった場合には最低限負担をどうするんですかということについては、農地所有者と借りた側についての話合いをちゃんとやっておきなさいよということぐらいの指導はしておかないと。で、逆に言ったら、今それを指導するということは、農地所有者側についても場合によったらばそういうものを負担を求められてもおかしくないという制度になっていますよということなんですよ。
 一義的には、何回も繰り返すけれども、借り手側ですよ、責任を取るのは。それは法律の当然ですよ、そこは。だけどということで、時間もちょっと限られて残念ですけど、今私が言ったところの辺りが、今言ったようにそういうものだということの最低限はやっぱり指導しないと。でも、だけど、私の言葉で言えば、それは最終的には農地の所有者側、貸した側についてもそれなりの責務が発生する場合もあるということを言っているということですからね。もう一回ちょっと答弁してください。
#27
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 先生お話ございましたように、農地法上の許可手続なり原状回復命令の相手方のお話と、それから、当然民民で、最初に所有者と建てる人の間で民民の民法上のいろんな契約があるわけでございまして、そういう契約の中でそういった想定された事態のときの原状回復の負担をどちらがやるかというようなことは、それは当然民民の契約で定めていただくということは考えられるわけでございます。
 先生お話ございました土地改良の方は、一応法律上は土地改良も事業参加資格者に掛かっていくことになっていまして、民民上は事実上所有者と耕作者で話合いをしていただいてという規定でございまして、ちょうどそれと同じような感じなのかなと。公法上の関係と民民の主契約の関係がちょっとずれていることがあり得るということで、そこは民民の方でそういう想定される事態についてしっかり対応していくことについて、先ほど申し上げましたが、これからこの法律通していただいて実際の届出等の手続になった場合には、農地所有者に対してそういったことをしっかり指導していきたいと思っておるところでございます。
#28
○平野達男君 繰り返しになりますけれども、こういうものをやるときには、今言ったことも含めてきちっと、やっぱり農地所有者、それからもちろん特に借りる側についての何かあった場合の対応方針についてはきちっと明確に、対応の方法、手続については、それからその考え方についてはやっぱりきっちり書いてこれ指導すべきことを、これは大臣にもちょっとお願いをしておきたいというふうに思います。
 そこで、最近は質問、何でもいろいろ想定で質問することが多いんですけれども、私はちょっと一つの想定で質問させていただきますけれども、こういうふうに土地所有者がそういうリスクがあるということになりますと、こういうハウスにされた後コンクリートを敷くようなものについての、あれはやっぱり認めたくないということが働くかもしれないです。実は、それを回避するためには、株式会社に農地所有を認めてしまうと一番話が楽なんですね。
 それは、個人が要するにハウスを設定して造って、自分の農地所有者がハウスを造ってそこにコンクリート張りをするということであれば、それが施設としてきちっと使われるということであればこれは農地転用要りませんから。だから、なので株式会社も、その賃借権の側からも問題が生じるんで、株式会社の方に農地所有を認めればこの問題は生じませんよねということで株式会社の農地所有の一つのこれの今回の制度が使われるんじゃないかという、かなりうがった見方であります。深い深い深い先回りの考え方なんですけど。まあ、これはないというふうに理解したいと思いますけど、大臣、見解をちょっと伺っておきます。
#29
○国務大臣(齋藤健君) 今回の改正は現場の農業者から、まあ短くということでありますので端的にお答えしますと、ニーズがありまして、それにどう応えていくかということで法案の提出に至っているわけでありまして、今回の改正においても農地所有適格法人の要件について何ら変更も加えておりませんし、私どもとして、この農地所有適格法人の要件を満たさない株式会社がこのことによって農地所有をどんどんするようになるという認識は全く持っていないということを申し上げておきたいと思います。
#30
○平野達男君 いずれ、その底流には株式会社の農地所有を認めたいという考え方を持っている人も結構ありますから、そのときの様々な理由付けで使うこともあるのかなと思うんだけど、そのときにはもうびしっと、今特区で一か所、一地区認めていますけど、株式会社の農地所有だけは、これは私はもう絶対、平成二十一年の農地法の改正のときも言いましたけど、全然もうそのタイミングでもないし、そういうこともしてやる必要もないし、やったことの弊害の方が大きいし、そのことを改めてちょっと申し上げておきたいというふうに思います。
 時間なくなりまして、今回の法律改正は所有者不明の土地が結構出てきているということでその特例をつくるということなんですが、まあこの特例自体はいいと思います。ただ、問題は、かなり相続登記をしていない土地が農地でも増えているし、森林なんかについて言えばもうどれだけあるかもちょっと分からないぐらいあるかもしれないという、そういう状況です。
 で、登記の問題については、権利部と登記部というのが御案内のように二つあって、いや、表題部ですね、土地の形状を変えた場合については登記についてはこれは義務付けされていますが、農地を、要するに自分のものになった、相続したとか、あるいは農地じゃない土地を買った場合については、必ずしも今の体系、法律の中では必ずしもじゃない、その登記が義務付けられていないということですね。特に面倒なのが、相続した場合に、農地は農地、山地は山地、普通の土地は土地ってそのまま形状変更しませんから、黙っておいてもこれは今のところ法律上は抵触しない。だから、そうすると、だんだんだんだん、放っておくと、一つの一筆の土地が共有者が何十人にも相続が全部分かれていてなってくるし、そのうちその共有者の中の何人かはまだ居どころが分からないとか、そういう問題があって、今回、森林法、それからこの今回の法律、それからあと国交省も何とかという法律を出して、取りあえず利用権を、利用を進めようということでの法律を出しました。出したんだけれども、これは所詮対応、今の現状に対する対応であって、本来のその土地所有者不明の解消ということではないんですよね。
 今、そこで、与党自民党の中でもこの問題については検討チームを立ち上げ、かなりの議論をやっていますが、この登記の問題について、義務化するかどうかということについても法務省の中で今議論が進んでいると思いますが、そこの状況を、簡単でいいですから、ちょっと教えていただけますか。
#31
○政府参考人(筒井健夫君) ただいまお尋ねがありました相続登記等の権利に関する登記の義務化の是非を始めとするいわゆる所有者不明土地問題に関する検討課題につきましては、平成三十年度中の法制審議会への諮問を目指して登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会において現在検討を進めているところでございます。
 お尋ねの権利に関する登記の義務化の是非につきましては、仮に義務化をするとした場合にその実効性をどのように確保していくのかといった点が重要な課題の一つでありますことから、そういった点も踏まえながら鋭意検討を進めているところでございます。
 引き続き、所有者不明土地問題の解決に向けてしっかり検討を進めていきたいと考えております。
#32
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。質疑をおまとめください。
#33
○平野達男君 この農地を含めて、森林も含めて、土地の問題についてはちょっとまた、まだまだ聞きたいことがありますので、また時間をいただければ質問をさせていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#34
○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。
 今日は我が会派から三名の質問者が質問をさせていただきまして、後ろ二人が本物の質問者でございまして、今日、私は大体好き勝手なことを言わせていただこうと思って質問時間をいただきました。
 農地の在り方についても大変重大な意識を持っておりますし、今回の法改正の中で、特にその農地にコンクリートを張るということにも重大な関心を持っています。平野委員からの質問は、誠至極当然の質問でありまして、その質問の答えがほとんど出ていないのにもかかわらずこの法案が出てきたこと自体が怒りを禁じ得ないわけであります。
 私の選挙区にも農業を営む方がおられて、自分のハウスの中にコンクリを張れれば便利だなとおられる方は当然おります。これは全国におられることと承知しています。しかし、今回の法律は、まさにそのために改正の法律なんでしょうか。
 その答えが、実は月曜日の決算委員会、今日残念ながらお見えでございませんけれども、山田俊男委員の質問にもその答えが幾つか隠されていたわけであります。農林水産省が主導して作られた法案か否か、そうではなく、某規制会議とか推進会議とかいうところからサジェストがあって作られた法案だろうというふうに拝察をするからであります。
 山田委員は怒りに震えながらこう言っていました。委員が委員に選ばれたときの自己紹介、私は農業の素人ではありますけれども、勉強させていただきます。ワーキング・グループに入った委員は、私は農業は全く分かりませんけれども、よろしくお願いしますというメンバーでつくられた審議会やワーキング・グループが様々な提案を農業分野にもしてきて、この法案がそのうちの一つであることを容易に想像できるから、私たちはこの法案を、農家の方が便利になるからといってすんなりと受け入れることができませんでした。仲間と相談した結果、この法案には反対をすることに決めました。
 平野委員の質問を聞かせていただいても、心の中は反対なんじゃねえかというように拝察をするものでありますし、あるいは山田委員がおられても、まあ便利になる農家はその分いいかもしれないけれども、農業や農地の在り方、将来の我が国の安全保障にとっては相当心配しておられるだろうということが容易に想像できるわけであります。
 まず、私が申し上げたいのは、農地の在り方や農地の価値、捉え方が大きく変わってきているということであります。最後、平野委員が言われた森林の所有者不明土地の在り方、農地の在り方、これは農地法が制定されたときには考えられないことだったというふうに思います。すなわち、農地は食料を生産する、至極自分の命の次に大事なものだったからであります。農地があれば農作物を作って命を長らえることができる。今よりもいわゆるところの貨幣を通じての交換が少なかった時代は、食料はまさに命そのもの、通貨そのものであったわけであります。江戸時代は、もう御案内のとおりお米が給料であり、あるいはお金でありました。大名のいわゆる所得も、領地から取れるそのお米のかさで決まっていたわけであります。そして、私たちの国は、そのお米や農地に畏敬の念を払いながら、そしてしっかりと法律で縛って現在まで来ているわけであります。
 変わったことと変わらないことがあります。それは、我々の国がAI社会でロボットがいろんなことをしてくれる世の中になっても、我々は食料を口にしないと生きていけないという、その事実であります。残念ながら、その逆に農地の価値は大きく減ってしまいました。江戸時代は八割以上が農民だったというふうに言われています。
 私は小学校のときに、我々の国の農業従事者は人口の三%というふうに習いました。今、農林水産省から現在の数字をいただきましたけれども、大臣、農業者の人口は何%だと思いますか。
#35
○国務大臣(齋藤健君) 三%から更に減っておりまして、平成二十七年では約一・七%となっているところであります。
#36
○小川勝也君 そして、所有者不明土地がどんどん増え、そして耕作放棄地が増え、耕作放棄地の合計の面積が何県に匹敵するというのが、まさに年を追うごとにどんどんどんどん大きな面積の県に置き換わっているという現実であります。それから、人口も減っているわけでありますので、農地の価値が減っているということと同時に森林も宅地も全部同じであります。
 ですから、農地の例えば原状復帰あるいは原状回復、このことがほぼ困難になるということとイコールだというふうに思います。農地の上に余計なものがあって、もしそれを撤去して使わなければいけない状況になったときには、ほかの農地を選ぶということになります。ですから、法律上は原状回復にするとか原状に戻す義務を負うということが書かれていても、そのことは絵に描いた餅になるということをまず断言をさせていただきたいというふうに思います。
 そのことは、かつて我々の農村風景に散在をしておりましたサイロ、これはいわゆる牧草を発酵させるために必要な施設でありました。しかし、いわゆる今はビニールで巻いてあれで発酵させるので、サイロは無用の長物になりました。しかし、そのサイロは撤去に費用が掛かるのでずっと残っているわけであります。そして、農家が離農して、また隣の農家がその牧草地を大きく区画を変えようとしたときに邪魔になるのが、かつて住んでおられた前の隣の農家の方の土地に建っているおうち、そしてサイロ、これが全部ごみになるわけであります。
 そして、これからまた我々はいろんなごみを農地の上に置こうとしています。一部は太陽光パネル、発電しなくなればごみになります。コンクリート、これは当然のことながら、撤去しやすいというふうにうそぶいている何とか委員もおられるかに承知をしておりますけれども、そんな費用が掛かるなら別な農地を選ぶじゃないですか。それから、ビニールハウス、植物工場、全部ごみです。
 そして、なぜそんなごみを農地に置くようなことを議論するのかというと、安倍政権の方針がそうだからであります。農地は未来永劫必要です。安倍政権の政策目標は、今だけ、金だけ、自分だけ、今治だけ、加計だけ、自分の友達だけ、こういう言い方もできるわけであります。安倍さんのお友達が官邸に集まって、どうやってもうける。今、金をもうけるために農地を利用させていいんですか。私は、ほかに稼ぐ場所たくさんあるじゃないですか、農地以外で自由に稼いでいただきたい、これが私の思いであります。当然のことながら、農地を転用して稼ぐことも可能だし、雑種地や準工業地域で稼ぐことも可能であります。農地は大臣のものでもないし、金もうけの道具に使っていいのは農家の方々。
 そして、私は、誰のものでもないと思っています。将来の私たちの国の国民が、その農地から生産をされた食料をもって命を長らえていくかけがえのないものであって、今農地を所有している人や耕作をしている人たちが自由にしていいものでも、いいとも思えない。私は、そんな崇高な農地というふうにずっと思い続けたいと思います。
 大臣にお伺いをいたします。農地は誰のものでしょうか。
#37
○国務大臣(齋藤健君) 農地は、一般の土地と同様、私有財産ではありますけれども、同時に我々が生きていかなくてはいけない国民への食料の安定供給の確保に不可欠な国内農業生産の基盤でありまして、私は、その意味では国民のための貴重な資源であるというふうに認識をしております。
#38
○小川勝也君 先ほども議題にのりました二〇〇九年の農地法改正のときにも質問もいたしましたし、意見も申し述べました。私の中ではずっとしっくりいかない部分がずっと残っています。農地解放、耕作者主義、そして現代、誰が何のために農地を所有しているのか。
 そして、農地にはたくさんの法律的な支えや、あるいは優遇や特別な計らいがあります。私は、今大臣にも答弁いただきましたように、未来の国民を含め国民の共有財産である農地をたまたま今耕作しているという、その一言によって様々な優遇や権利をたまたま与えられているのが僕は農地だと思う。すなわち、農地を耕作しない人にどこまで気を遣うのか、これが私の本音であります。農地を所有し耕作をして、リタイアして集落に住んで隣近所の方に耕作を任せている農地所有者は別格であります。そこから離れて都会に暮らす方、そしてその都会に暮らす方の子供さんやお孫さん、概念は相当違うんだろうというふうに思います。
 民法の所有の概念が大変厳しいけれども、先ほども例示されましたけれども、森林分野も大分頑張ってくれました。私は、その所有という概念は民法で非常に重く、それはなぜ重いかというと、農地解放によっていわゆる不在村の大地主から小作人だった人が農地を与えられて、その人たちが所有者になった、だからその所有権が大事にされてきたという歴史があるので、東京や横浜やハワイに住んでいる農地所有者にその恩恵は必要ないと私は思います。
 さきの農地法改正は、それは無理なんですよと、所有権の移転は。いわゆるじいさんから農地は絶対に売っちゃ駄目だと言われているんですよというのが農村集落の大宗だったから、北海道は所有権移転してきた歴史だということは紹介しましたけれども、府県は難しいんだということで引き下がりました。けれども、そのことによってずっと禍根が残るんですよ。
 私は、この農地中間管理制度ということにはまさに懐疑的にスタートのとき見ました。しかし、私は、どんどんどんどん農地所有者は、その農村に農地を持っている人や、あるいは耕作している人や、いわゆる集落営農にどんどんどんどん転化すべきだと考えていますけれども、もしそれが難しければ中間管理機構がそれを預かるように、どんどんどんどん耕作者と農地所有者が一体となるように近づけていくというその方向性は大事なんだろうというふうに思います。
 後でお話ししますけれども、農業者の人口がどんどん減っていきますので、いわゆる土地利用型の農地は大型化せざるを得ないと思っています。そうすると、先ほど平野委員からもお話がございましたように、その大型の圃場の所有者は何人いるんだということになります。これは、私は先ほど、金もうけは一瞬だけれども農地は未来永劫だというふうに言いました。そうすると、今行政機関や立法府にいる人たちがその課題を先送りすることによって、百年先も五百年先も農地の所有者はどんどんどんどん細かく分かれていくというのが現状の法律であります。
 この農地の問題というのは農業の中で最も難しい問題であることは百も承知しておりますけれども、安倍一強政治は何でも可能にしてきたじゃありませんか。獣医学部なんかできないはずのものをできるようにしたんだから、私は、農地のこの制度も、齋藤大臣、きれいに方向性を定めていっていただければ有り難いというふうに思います。これは、未来に農業を営む人、そしてその農業によって食料を享受する国民のためにも必要なことだと考えますけど、大臣、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(齋藤健君) 今委員御指摘のように、農地をめぐってはもう大変長い重い歴史がありまして、その中で、いろんな考え方、環境を踏まえながら、農地の規制の在り方あるいは支援の在り方というものは変わってきているんだろうと思います。
 私自身は、農地法につきましても、現在においても第二条の二におきまして、農地所有者等に農地の適正かつ効率的な利用の確保を図る責務を所有者にもしっかりお願いをしているところでありますし、そうであっても遊休農地ができたりしているのは現実でありますので、そこのところをどうやって有効に活用していくかということを様々な、一つ一つ申し上げませんが、中間管理機構もありますし、それから、そもそもの土地改良法の改正とかいろんなものありますけれども、そういう、その所有者の人に農地の活用をしていただきたいんだけれども、そうでない現実のところについても制度的に手を打ってきて、委員おっしゃるように、この農地が国民共有の貴重な資源として活用されるようにということを旨として政策を展開していくべきであろうと考えております。
#40
○小川勝也君 一点、この所有者不明農地の利活用の新しい制度、もうこれは一歩踏み出していただいたので、高く評価をいたします。農地所有者にも責務を課していると。それで、農地所有者、これはあなたが所有している農地ですかというふうに手紙を出したけれども、それに答えがないというのは責務を果たしていないということなんです。それは森林も同じです。私は、逆に分かったら、村のお祭りに来てください、それで側溝のどぶさらい一緒にやりましょうと。
 そういう責務を果たさない人は農地所有する必要がないと思いますよ。それがどうしてもかなわなければ、それは農村におられる方に苦役をお願いするわけだから、それは逆に、賃料を取るんじゃなくて農地管理料を納めるぐらい当たり前じゃないですか。例えば、空き家を所有していて不動産会社に管理をお願いしたら、たまには窓開けなきゃいけないから、別荘を管理してもらうときには別荘番の会社にお金払うんですよ。
 だから、こういうあやふやな制度をずっと続けるから変になる。そして、崇高な食料を生産するという職業は、農林水産省もどんどん頑張っていただいていますけれども、農家の子供に生まれた人だけの特権ではないんです。新規参入して、こういう農業をやってやろうという人たちにもっともっといい条件で農地を提供できるようにしてください。そんな都会に住んでいる人に農地を所有させる必要はありません。
 それで、今申し上げましたように、農地は未来永劫必要なものです。その代わり、人口はどんどん減っていきます。そして、条件のいいところと悪いところがあります。中山間もあるし、もっと厳しいところもあります。
 それで、これからの農地の在り方についてちょっと議論をさせていただきたいと思いますけれども、まずは前提条件を整えなければなりません。我々の国は人口が減少していくし、米の消費量もどんどん減っていくし、ライフスタイルが変わって肉をどんどん食べるようになる。そして、今、総理大臣もアメリカに行っているようでありますけれども、TPP11にも入りたいというふうに政府から表明がありました。そして、アメリカ合衆国はそのほかに二国間で協議しようぜと言ってきています。ですから、我々の国は今の政権の始末によってもっともっと輸入農産物を増やすかもしれない。けれども、我々の国、人口減少といえども国民は食べていかなければならない。
 一方で、地球の人口は増えているし、あるいは食料安全保障環境はもっと厳しいというのがここにおられる委員の共通認識だと思います。そして、自然環境です。我々の国も、ゲリラ豪雨とか、予期せぬ場所においての台風被害とか、自然災害は全世界で共通のリスクになります。それは農業生産においても同じだと思います。
 私の持論を展開いたしましたけれども、自国による食料生産は大事なのか、食料自給率を高めていくことは大事なのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
#41
○国務大臣(齋藤健君) 自給率の向上は、私は、今委員御指摘のように、世界の人口はこれから相当のスピードで増加をしていくし、それから温暖化も進んでおりますので、世界の食料の生産にどういう影響を与えるかということも考えていかなくちゃいけないと。
 世界の人口が増え、温暖化のリスクが高まっているということであれば、当然のことながら自給ということに重きを置いて自給率の向上に努めていかなくちゃいけないという認識は強く持っているところであります。
#42
○小川勝也君 そこで、何を申し上げたいかというと、農地にもいろんな農地がある、そして農業にもいろんな農業があるというふうに先日大臣と議論させていただきました。
 それで、今、安倍政権が掲げる農政というのは、もうける、所得を上げる、輸出するということであります。これは誰も否定いたしません。そして、農業にもいろいろあります。利潤を追求する農業、もうからないけど必要な農業であります。すなわち、土地利用型の農業は、いわゆる輸入農産物との比較において競争力が厳しい農産品が多いので、基本的にもうからないとされています。それは、米、麦、大豆、こういう農業はしっかりサポートして自給率と自給力を維持していかなければならないというふうに考えます。そして、少ない農業者の担い手でそれをやるとすれば、私は一定程度の農地の集約、すなわち水田あるいは畑の大型化というのは必須だと思います。
 北海道では、もうある程度大型化が進んでいる地域があります。それは、十勝地方などでは一枚の畑が四ヘクタールとか六ヘクタールとかいうのがもう普通であります。上川でも八ヘクタールのビート畑も見学いたしました。士別市では六・九ヘクタールの水田がありましたけれども、これは日本一じゃなくなりました。ここまでは別として、平らなところはトラクターのターンが少なければ少ないほど効率がいいので、やっぱり大型化を進めて、いわゆる生産効率を上げて担い手の負担を下げて所得率を高くするという意味でいうと、私は未来に向けても農地を大型化していくという事業は必要だと思います。
 ですので、何を申し上げたいかというと、そのエリアに入っている農地にコンクリートが張られていると不都合だと言いたいわけであります。ですので、これは各農業委員会が判断してくれるというふうに書いてありますけれども、私は、今この質問をすることによって今後考慮の一端に加えていただきたいと思って、わざとこの質問をさせていただいています。将来、平らなところで大型の畑になるようなところに私はコンクリートは張るべきではない、コンクリートを張っていい農地と張って駄目な農地というのはおのずから区別、選別されるべきだと考えています。
 そして、農村にはにぎわいも活気も収入も所得も必要ですので、それはいろんな農作物を施設で作ってどんどん所得を上げてもらえばいい。しかし、そのいわゆる耕地農業といわゆる園芸的な施設の農業とのこのミックスで農村というのが成り立つんだとすれば、その線引きをしっかりやってお互いがお互いを邪魔しないように、私はこのコンクリートを張るという行為、全面的に反対というわけではありませんので、しっかりとこの後の政省令でお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(大澤誠君) 今回、施設で、先ほどから御説明申し上げておりますとおり、施設につきましては、農地法の精神にのっとってまず農業でちゃんと使われなきゃいけないこと。それから、高さとかですね。農業専用という意味は、例えば栽培施設じゃなくて倉庫に使いますとかいろんな理由を付けて大きなものを造ってしまって、先生のお話のように結果的にこれは使われなくなってしまうと、こういうことは避けなきゃいけないという趣旨で、まず農業専用と。専ら農業、農作物栽培の用に供するというものを、附帯施設については従来の要件を変えておりませんので、厳に必要最小限という形でやりたいと思っておりますし、高さの制限も同じようなことでございますし、それから排水施設を整備するということも申し上げました。これは、周囲の農地に悪影響を与えるということがあります。そのほか、やはり農地の集約化とかに、一団の農地の真ん中にこう特別に造ると、そういう個別判断でやっぱり周囲の農地に悪影響を与えるおそれがあるという場合もありますので、そこは一律の基準ということにはならないかもしれませんけれども、個別にもチェックできるような省令の書き方にはしたいと思っております。
 で、それを超えまして、例えば先生の御指摘のようにゾーニングで、例えば現状では農振法という法律がありまして、農用地区域のゾーニングがありまして、それを地域の話合いによって更に細分するということも制度上は可能ではございますけれども、やはり今の先生もお話しのような小規模な分散錯圃という状況の下では、やはりこういう施設は所有地に造りたいということになれば、それを全て拒否してゾーニングをまずありきだという形の性格の法律でも元々ございませんし、それを現行のゾーニングの趣旨を超えてそういう利用を強制するということになれば、やはり行政の関与を強めるということで現場の実態や農業者のニーズには合わないと思っております。
 ですから、当面としては、ゾーニングの手法というよりも、まずこの施設の要件、これをしっかり客観的に決められるものは決め、それから個別に、それでも客観で決められないけれども、この抜け道を探ろうとするところについてはいわゆるバスケットクローズ的なものを設け、それによって、そもそも周囲の農業上の土地利用に支障を生ずるおそれがないような形での施設を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
#44
○小川勝也君 局長の説明は審議官から何回も聞いているんで。
 それで、皆さんの考え方は立派なんだけれども、私が再三申し上げているんだけど、時間軸に対する想像力が足りないと思うんですね。それは、立派なハウス建てました、コンクリ張りました、立派な植物工場できました。ところが、今問題となっている空き家問題だって、建ったときから空き家なんて一軒もないんだよ。サイロだって、これで牛たちが喜ぶと思って造ったんですよ。時間軸とともに陳腐化して、やがてごみになる。ごみになるものを農地の上に乗っけるんだから、相当の覚悟が必要だよ。
 今使う人が使いたい、自分のために。将来ごみになるということに配慮して、どうせ通っちゃうだろうから、これから農業委員会をどう指導する政省令にするのか、しっかりと。やがてごみになるものを乗せるんだと。私は、畑の上に、農地の上に土に返らないものを置くのは罪だと思う。だから農地法って作ったんでしょう。だから、それは農地というのは崇高なものなんで、その上に農林水産省がごみを乗っける法律を出してくるなんていうのは憤慨ですよ。
 そしたら、百歩譲るとすれば、農用地だっていろんな区分けがあるんだから、私は、農地A、農地B、ここは絶対腐食しないものは乗せちゃ駄目な農地、ここは例外的にいいですよというふうに、やっぱり区分分けしないとこの法律はうまくいかないというふうにはなから思っていました。それは、農地法ができたときには、申し訳ないけれども、植物工場の概念もないしコンクリートを農地に張るという概念はなかったので、いろいろ変えたいというふうに思っているのも事実だと思います。しかし、農業にも農地にももっともっと細かい配慮がないから、必要のない議論まで我々せざるを得ないんです。それはもう、何とか会議は別として、農林水産省の方は少なくとも株式会社がコンクリ張るという前提でこの法律を書いた人はいないと信じたいけれども、そう読めちゃうからこういう議論になるんですよ。
 だから、きれいに区分けしてくれればいいんでしょう。専ら今までずっと農業をやっていて、自分の農地の区画の中で、いわゆる大きな区画になる前提のないところで特別に許可されたものは農地並みのうんたらを得ることができると、こういうふうにしてくれればみんな全員賛成だったのにというのが我々の思いであります。
 本当に心配なのは、今だけ金だけのルール改正が方々で行われてきて、我々の国が本当に心配であります。ですから、後で別な法案のときにも質疑をさせていただきますけれども、やはりこの法案の審議のときには、農地はしっかり守っていく、そして担い手が営農しやすい環境を整える、そして農外からの参入者がもうけるための農業ではなく、いわゆる耕地農業の方々もしっかり安定的、持続的に飯が食える農業であり続けるために、農林水産省も農林水産委員会も一致結束して努力すると、この前提条件をクリアにしたまま審議をさせていただきたいと思います。
 特に、食料自給でいうと、先ほども申し上げましたけれども、米、麦、大豆、これは主要農作物種子法にも書かれているとおり。今、復活の議論もさせていただいています。余計なことですけれども、今まさに山田委員が批判をした審議会政治が様々な農業政策をゆがめてきた感があるとすれば、種子法も復活させなきゃいけないかもしれないし、あるいはこの法律案も、いわゆる成立した後、与野党結束して改正しようということになるかもしれない。だもんで、いろんな議論もさせていただきたいんだけれども、特に、麦、大豆、これはもう長年の我々の課題でもありました。
 輸入小麦によって我々の食生活は支えられています。しかし、パン適性、麺適性、中華麺適性、それぞれすばらしい品種改良や生産者の努力も進んできているようでありますし、大豆は特に遺伝子組換えの大豆が外国等で生産されているので、いわゆる消費者の方々は遺伝子組換えでない大豆に大変高い関心を持っています。残念ながら、納豆や豆腐はそのまま食べるので遺伝子組換えでないという表示がたくさんありますけれども、残念ながら油等はちょっと心配であります。
 国産の麦、大豆、将来的に必要となる農地面積や生産量、そして、そのためにどういった施策をしっかり推進していくのか、お伺いをしたいと思います。
#45
○政府参考人(柄澤彰君) 今委員から御指摘ございましたように、麦や大豆につきましては、食料自給率の向上を図る上で極めて重要な戦略作物だというふうに認識しているところでございます。
 平成二十七年三月の閣議決定をいたしました食料・農業・農村基本計画におきまして、平成二十五年度を基準年とし、平成三十七年度の品目別の自給率目標を掲げているところでございます。小麦につきましては一二%から一六%へ、大麦、裸麦につきましては九%から一〇%へ、大豆につきましては七%から一二%に拡大するという目標を掲げているところでございます。
 また、生産努力目標につきましては、小麦につきましては平成二十五年度の二十一万ヘクタール、八十一万トンから平成三十七年度には二十二万ヘクタール、九十五万トンに、大麦、裸麦につきましては平成二十五年度の五万九千ヘクタール、十八万トンから平成三十七年度には六万一千ヘクタール、二十二万トンに、そして、大豆につきましては平成二十五年度の十三万ヘクタール、二十万トンから平成三十七年度には十五万ヘクタール、三十二万トンにという生産努力目標を掲げているところでございます。
#46
○小川勝也君 ここは、もうけるだけが農業じゃありませんので、しっかりとお支えをいただきたいというふうに思います。
 今、農業分野は深刻な人手不足に悩まされています。これは、全国、全業種だろうというふうに思っています。
 この人手不足の現状を農林水産省はどのように把握をしているのかということと、もう既に外国人の技能実習の方々がそれぞれの分野でそれをカバーしているというふうに聞いています。地域別、職種別の外国人技能実習生の方々がどのぐらい実習されているのか、分かっていたら数字をお聞かせいただきたいと思います。
#47
○政府参考人(大澤誠君) まず、新規就農調査では、新規就農者の六割、済みません、技能実習生の質問でございます。申し訳ございません。
 農業分野における外国人技能実習生の人数は、厚生労働省作成の外国人雇用状況届出によりますと、平成二十九年十月末現在で二万四千三十九人でございます。また、耕種、畜産といった分野別の現状につきましては、厚生労働省のこのデータではございませんけれども、別途、法務省の調べによりますと、平成二十八年中に技能実習一号を修了して技能実習二号に移行した技能実習生、これは、耕種農業は七千七十七名、畜産農業が千七百十名となっております。
#48
○小川勝也君 これは、相当数の経営体の方々から関心を持って、この技能実習制度の昨年の法改正にも着目しておられるようでありましたけれども。
 農水省に確認をさせていただいたんですけれども、いわゆる子牛価格が高騰いたしました。繁殖現場含めて肉用牛の現場も人手不足が甚だしいと聞いていたんですけれども、実は、和牛肥育の場面はいわゆる実習生の対象になっていないと。これは二つの理由があって、一つは本国に帰っても和牛の肥育という仕事はないから。もう一つは、いわゆる特別の工夫や肥育の仕方が盗まれてはいけないという二点であります。
 それは二つとも大事な点だと思いますけれども、もう背に腹は代えられない現場の声も複数聞くわけであります。現場の皆さんが痩せ我慢をして、もう要らない要らないと言うなら分かるんですけれども、いろんな声が農林水産省にも届いているというふうに思いますけれども、この和牛肥育の分野についてはどういう現状お考えでしょうか。
#49
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 この技能実習二号に移行するためには、まず業界の団体が業界内の合意形成をした上で国に申請をするという仕組みになってございます。
 肉用牛経営におきましても、人手不足で大変だという声自体は私どもも承知をしてございますけれども、一方では、外国人の技能実習制度は開発途上国のニーズに応えて技能の移転を進める制度ということになってございまして、先ほどのような手続が定められてございます。
 肉用牛の方でございますけれども、これまでも関係団体の中で、繁殖、肥育、登録ですね、各種肉用牛に関わります繁殖関係団体の中で意見交換が行われてまいりました。二つ意見がございまして、一つは、肉用牛の繁殖、飼養管理技術を海外の実習生に移転しつつ、国内の肉用牛経営を支える技能者を確保すべきとの受入れに積極的な意見もございます。一方で、先生からもお話ございましたが、和牛の遺伝資源の持ち出しに加えまして、長年掛けて築き上げられてきた飼養管理技術の流出にもつながって大きなリスクを背負うということで反対する意見もございまして、業界としての合意形成に至ってございませんので、技能実習二号の対象職種の申請は行われていないという状況でございます。
#50
○小川勝也君 苦しい内容はよく分かりました。
 最後、大臣にお伺いして質問を終わりますが、与党の先生方の中にも今回のコンクリに対しては数々の懸念がありますし、株式会社が来たらどうだ、後で撤退したらどうだという議論もこれ尽きないわけであります。ですので、当委員会の質疑をしっかり見据えた上で政省令を作っていただきたいということが一点。そして、運用でこんなはずじゃなかったということが散見されれば、改正をしたり撤退をしたりということも必要だというふうに思います。その覚悟を併せて御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#51
○国務大臣(齋藤健君) 今、伺っておりまして、小川委員の考え方を今日はじっくり聞かせていただく機会があって、私は大変良かったなと思っております。
 それで、当然のことながら、今日ここで行われる議論、午後もありますけれども、それをしっかり受け止めて私どもこれから展開を図っていくということは当然のことでありますし、それから、提案させていっている以上は、これ様々な配慮をしているつもりでありますけれども、実際に法が施行された後に出てくる状況に対してもきちんと目配りをして適切に対応してまいりたいと考えております。
#52
○小川勝也君 終わります。
#53
○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代でございます。今日は質問の機会をいただきました。よろしくお願いを申し上げます。
 法案の中身に入らせていただく前に、大臣、少し大臣のお気持ちとかお考えを聞かせていただきたいんですけれども。
 財務省の次官がセクハラで辞任をされました。私、あの報道を拝見していて、非常に強い嫌悪感というか怒りを感じたんですね。それぞれ全ての対応に対してです。次官は、自分の声か分からないと言って否定をされました。調査をする役所は、まさに身内を使っての調査となった。そして、責任者である麻生大臣は、百歩譲って片方の言い分では分からないということであったとしても、万が一にでも被害者の方がいるのではないかということが頭の中にあれば、やはりその被害に遭われた方、その心の傷、どんな思いをされたか、どんな思いで告発をしたのか、表に出したのか、少しそこに思いを寄せたコメントを出されるべきだったのではないかなと思っています。
 加えて、昨日の夜中に、セクハラに遭ったと言われる方が、そこの会社が発表されました。コメントを出された。実は、詳しい中身をきちんと私も見なきゃいけないですけれども、その報道によれば、このセクハラ行為を表に出すべきではないかと言ったにもかかわらず、二次被害のおそれがあると言った。被害者の方は、やはりいろんな思いを抱えながら、こんなことは許せないという思いで告発すべき、表に出すべきだと言った。でも、受け止める側はそうはならなかった。
 一概に責められないことかもしれませんけれども、やはり大臣も内閣の一員としてしっかりと、セクハラもパワハラも許さないんだと、レイプ事件も含めてですよ、やはりそういう被害に遭われた全ての方々に思いを寄せる、そういう内閣であってほしいと思いますし、私はああいう心のない発言をされた麻生大臣に非常に強い怒りを感じています。大臣の御見解をお聞かせ願えますでしょうか。
#54
○国務大臣(齋藤健君) まず、個別の財務次官の件ですけれども、私、事実がどうであったかというのは承知をしておりません。次官の言っていることと、それから流れている報道と食い違っているわけですので、私はどっちが事実だか分からない上で発言するのは慎重でなくちゃいけないと思いますが、ただ、ああいう、あの報道に書かれているようなことがもし事実であったとしたら、もし事実であったとしたら、これは私はもう大変な問題だと思います。組織のモラルにも関わりますし、信用の問題にも関わりますので、ああいうことはあってはならないと思いますし、我が省でそういうことが私はないと信じておりますし、これを契機にみんなで襟を正していくべきだろうと改めて思います。
#55
○田名部匡代君 大臣、ありがとうございました。
 それでは、法案について入らせていただきますが、そもそも、コンクリート農地と言うこと、そう呼ぶこと自体にも何か納得がいかないんですね、私は。コンクリート農地って一体何ですか、そういうところからこの法案についてのヒアリングを始めたわけですけれども。
 思い出します、政務官やらせていただいたときに、あれは仕分だったでしょうか、簡易型のビニールハウスでその床を全面コンクリート張りにして、それを農地扱いにしたらどうかというような話があったんですね。いろんなことを当時農水省の皆さんから、私、学ばせていただきました。そのとき、いろいろやり取りはあった中で、農水省の皆さんは、すぐに耕作ができるような状況にしなければならない、コンクリートを張ってしまってはそれはできないんだというようなことを含めていろいろと教えてくださいました。効率性だとかいうことだけではなくて、農水省の皆さんというのは農業の多面的機能であるとか含めて土というものを、その生産活動というものを、また農業振興というものを、非常に大事に捉えていらっしゃるんだなということを当時強く学ばせていただいた、感じたんです。
 ここにも農水省御出身の方々もいらっしゃいますけど、農水省が私は大変信頼をしておりまして、よく現場のことも見てくださっておりますし、間違っても農業が、また農村が壊れていくような法律なんか認めるわけがない、作るわけがない、だから、今回出された法律にも何か意味があるのかな、私が遅れているだけなのかなと、いろんなことを考えながらこの法案を見たんですね。抜かりない、いろいろと手を打っていくんですと、そう言っていただきました。なるほど、野菜工場、大規模工場、別にそれらを否定するわけでもないし、何か考えるべきところはあるのかなと、そんなふうにも感じたこともありました。
 でも、私のふるさと、青森に戻って、あの津軽平野、岩木山の麓に広く広がる田畑を見て、そして流れる岩木川を見て、やっぱり感じたんですね、何か違うなと。青森の話したらなまっちゃうのであれですけど、何か違うなと。考え過ぎかもしれないけれども、先ほどの小川先生と同様に考え過ぎかもしれないけれども、ここ一つ風穴が空いたことによってどんどんひどいことになっていくのではないだろうか、美しい農村と言いながらそれらが壊されていくのではないか、農業の守るべきその多面的機能が失われていくのではないだろうか、本当にいいんだろうか、そう思っちゃったんです。
 なので、まあ数の力でありますから、私は、小川先生の話にあったように、規制改革推進会議の方々が農業をこれから学びますとか分からないとか言って議論しているわけですよ、素人ですと。余りそんなことに振り回されないでいただきたいなということと、もう農水省の皆さんには、長年ずっとその現場を見ながら、未来のことも考えながら、責任持ちながら仕事に取り組んでこられたんだから、是非そのことに自信を持って、誇りを持って、素人のそんな目先の利益や効率性に基づいて、いっときニーズがあるからこうした方がいいんじゃないかみたいな無責任な提案なんか簡単にのむことないんですから。是非、最後に盾となって日本の農業を、農村を、食料を守るのは、私はもしかしたら農林水産省でお仕事されている皆さんなのではないかな、私たち政治家はいつ落選するか分かりませんし、好き勝手なこと言うわけですけど、是非、皆さんに期待していますので、今は齋藤大臣の下そういう気持ちで一つ一つの政策に取り組んでいただきたいと、そんなふうに思います。
 当時、仕分だといったときでも、仕分人の人たちも別にそんな全面的に賛成と言われたわけではなかったんです。中身というか、そもそも論になりますけれども、何であれだけやっぱりそれは認められないと言ってきたことが一転して農地をコンクリート張りにすることを認めると、農地として認めるということに、そんな議論になったのでしょうか。
#56
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、この問題につきましては昔からの議論がございまして、そもそも今課長通知として運用しております平成十四年のものも、ハウスの下にコンクリートを張っていいかどうかというある県からの照会から始まったものでございますけれども、先生の御指摘もありましたので、私ども調べてみまして、平成二十三年三月に規制仕分というのが行われております。そのときに農林省も参加したわけでございます。当時の筒井副大臣をヘッドに参加したわけでございますが、そのときの議事録を分析いたしまして、私らとして改めて、やっぱり農地法の本来の趣旨を全うするためにどういう懸念があるかというのを、当時の整理をまとめてみました。
 それによりますと、主に四点ぐらいございます。農業目的以外で使用されていないかどうかが外形上チェックする仕組みがないと違反転用が横行してしまうんではないか、それから、農地外で行われている植物工場まで、今農地の外にあるんですね、農地法の規制対象とすると規制強化になってしまうんじゃないか、農地として取り扱う基準を明確に定めないと現場が混乱してしまうんではないか、何の事前チェックもないと周辺の営農条件に支障を及ぼす可能性があるんじゃないかと、こういう懸念でございました。
 一方、今回提出している法案については、確かに国家戦略特区のワーキンググループでも議論がされてきたわけでございますけれども、それは具体的には、松川先生いらっしゃらなくなりましたけれども、大阪府からの提案でございまして、我々としてはいろいろ検討した結果、こういう懸念がまずあるということと、それから、この問題はむしろ都市的な地域だけの問題ではないんではないかということで、改めて農林省として判断をして、どうするべきかを検討いたしました。
 今回の提出している法案につきましては、農地扱いとする施設の基準を明確に定めた上で、現況の農地、現況の農地だけでございます、に当該施設を設置する場合に限って事前に農業委員会に届け出て内容のチェックをした上で認めるという仕組みを考案いたしました。これによりまして、従来、先ほどもお話ししましたいろいろの懸念を解消できる仕組みになったというふうに考えてございます。
 また、当時からもますます、小川先生からの御指摘にもありましたとおり農業者の高齢化、農業の現場における人手不足、こういうものは深刻化しております。その中で、より効率的な農作業、これはいろんな意味がございます。若い人が来るためにも今の若い人に合った手間が少しでも掛からないものが人手不足解消には役立つんだというのもありますし、現実に農村部で農繁期に働いておられるおじいちゃん、おばあちゃん方が少しでも腰を曲げないように農作業ができるように高設棚が必要だというニーズもございます。
 こういうようないろいろなニーズ、それからもちろん、農業をもうちょっと生産性上げようと温度、湿度管理をしてというのもございます。こういうような生産現場の強いニーズ、これを我々は認識しております。こういう仕組みを新しく考えたこと、それから生産現場のニーズがますます強まっていること、こういうことによって我々としては判断したことでございます。
 特区ではなく全国的な制度として行っているというところが国家戦略特区でのワーキンググループでの議論とは違っておりますし、また、農地に設置できる施設については周辺農地に支障が生じないよう省令で明確に基準を定めることというのも規制改革会議等で議論されているわけでもございませんので、あくまで我々が農業の現場を見ながら考えた案でございます。
#57
○田名部匡代君 局長、今いろいろな意味での効率化というようなことをおっしゃいました。分かるんですよ。別に否定することではないと思うんです。これはこれで進めていけばいいという思いは持っています。
 ただ、先ほど私が冒頭申し上げたように、そして農林水産省もずっと大事な視点だと捉えてきたと思いますけれども、例えば農業の多面的機能、これって目には見えにくい、まさに無形の価値というか、しっかりと農村で生産活動を続けてくださる方々がいることで守られてきた、目には見えないけれどもいろんな役割を果たしてきたというようなことも含めて考えなきゃいけないと思うんです。
 まさに、ワーキンググループのやり取りの中に、農水省さんは、農業用施設を全面コンクリートで地固めすることについては、例えば農作業の効率性が向上する等、農業経営上のメリットはあると考えられますと。全くそれはそのとおりなんです。でも、これらを踏まえて、農林水産省としては、農地政策上どのように取り扱うことが農業振興を図る上で望ましいのかという観点から検討すべきもので、ほかのものと農地中間管理事業の推進の法律の見直しと併せて検討していきたい。
 まさに、私は、それが農林水産省のお立場だったんだと思うんです。効率性だとかそういうことじゃないんです。全国でやるからいいとか、そういうことでもないんです。何度説明を受けても、何かすとんと落ちてこないことがあるんですね。コンクリートで固めるんだったら、何で農地を使わなきゃいけないのか、なぜ農地なのかということ。一足飛びにこんなにコンクリート張りの、全面コンクリートですよ、どれだけの規模のものになるか分からない、大小いろいろあるかもしれませんけれども、そんなものをここの農地に使っていいとか悪いとかという基準もなく、小川先生のおっしゃったとおりですよ、そういうものもなく建てられるようにする。
 私、この規制改革推進会議の議論を見ると、企業の方々の御提案というのは固定資産税の問題だったりするわけですよ、税金の問題。同じようにトマトやレタス作っているのに、農地で作っていれば税金が安くてみたいなことから始まったんじゃないかなと。例えば、だとすれば、別に農地、コンクリート張りの農地を農地と認めなくとも税制の何か措置で対応するのかとか、例えば農地転用の手続が面倒くさいとかいう話だったんなら転用を簡素化する方法はないのかとか、もっと丁寧な議論をするべきだったんじゃないかなと思うんです。だから、いろんな説明を受けるんだけれども、なぜこんなに一足飛びに、農地をコンクリートで敷き詰めたって農地なんて、農地のはずないじゃないですかという思いが消えないんですね。
 大澤局長、どうですか。
#58
○政府参考人(大澤誠君) まず、現行制度についてお話をいたしますと、まず現行制度におきましても、農作物の栽培施設などの農業用施設であれば、例えば第一種の農地でありましても転用許可は可能となってございます。この場合、ですから、今でも転用許可を取ればもちろん第一種農地でも可能でございます。設置することが可能でございます。ただし、その場合には農地法上の規制から一切外れることになってしまいますので、今回の法律案で考えているような農地を農地として守るための農業委員会のいろいろな指導でありますとか、万が一困ったときのいろんな規制措置であるとか、これは一切事後的な監督はできなくなるわけでございます。
 今回、この措置ではもちろん、多分に技術的な面もございますけれども、要するにコンクリート張りした場合でも、まず事前のチェックができるということ、それから利用状況の調査もできる、栽培が行われていないときには栽培の勧告もできる、原状回復命令の農地上のチェックが行われるという意味で、我々としては、むしろ今回の措置をとることによりまして作物栽培をしっかりと担保することができ、農地法の目的である食料の安定供給の確保に資するという判断をしたわけでございます。
 なお、農家の方の意見をいろいろ聞いておりますと、税金とか手続とかいう話よりも、自分たちは農業をしっかりやって、効率性それから生産性、極限まで向上している篤農家であると、篤農家が一生懸命農作物を作る究極の姿としてこのようなハウスを造る場合になぜ農地として認められないのかと、こういう議論もあったことも事実でございまして、そういうことも勘案してございます。
#59
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 局長が、転用でいろんなものをやっちゃうよりも農地法の枠に収めていた方がいいんですといって前も御説明いただいたんです。やっぱり、局長、なるほどなと思うような御説明もあるんですよ。でも、今、農家の皆さんの税金の話とかそういうことだけじゃなくてとおっしゃいましたけれども、じゃ、今までハウスの中にコンクリートを敷いたりしながら、野菜工場でもいい、やってきた人たちも、局長が今御説明いただいたような気持ちで、いいもの作ってやっていこうとやってこられたと思うんですが、じゃ、その人たちも今回は農地に造っていればそれは農地ということに、枠に変わるんですか。
#60
○政府参考人(大澤誠君) これはなかなか悩ましいところでございまして、先ほどの当時のいろいろな懸念の中に一つありましたのが、今、農地法外で、何というんですか、例えば農地法の定義を変えると。定義を変えるということになりますと、それはもう経過措置もありませんので、変わった瞬間に農地でなかったものが農地になるわけでございます。
 ですから、例えば、都会の真ん中で、ビルの一画で植物工場を造っていても突然農地になるわけでございますので、我々はそういうやり方ではいけないだろうということで、既存の農地にハウスを造る場合に今回限定したわけでございますが、そうしてまいりますと、これはまさに規制改革会議の農林ワーキング・グループで農家の方々から、そうやって我々は農林省の指導を守って転用したその施設も認めてくれという御意見がございました。これはかなり、十一月六日でしたので、法案の検討が大分進んでいる段階でございましたので、今回の法案の中ではまさにそうやって定義を変えるというやり方ではないことにしようということで現況農地としたわけでございますけれども、それで残った問題が、先生の御指摘のとおり、過去転用したハウスはどうなるのかということでございます。
 これについては、また対象として農地にした場合には、今度は逆にまた、例えばハウスを造っていると、そこを担保としているとすると、それが資産価値が農地に戻すとまた下がってしまいますので、その土地の価値が下がりますので、そうすると追担保が必要になるんじゃないかとか、これで本当に大丈夫かどうかとか、それから、土地のゾーンニングについては農地関係のゾーンニングだけじゃありませんので、例えば都市計画上のいろんな意味での位置付けがされた場合にそれをどういうふうに整合性が保てるのかと、いろいろな論点がございますので、今件につきましては、既存施設の実態や農地とすることへのニーズを調査した上で、農地法上の農地として取り扱う場合の課題について今後検討し、方向性について一定の結論を得ると、こういう方向で整理してございます。
#61
○田名部匡代君 大澤局長、ちょっと余り分かりにくかった。多分悩ましいところとおっしゃったように、多分悩ましいので歯切れのいい答弁じゃなかったのかなと思うんですけど。
 やっぱり、どんな制度をつくるにも、でき得る限り公平で、不公平感のないようにするべきだと思うし、だからこそ私は、そんないきなり規制改革推進会議の提案みたいに、もうそんなの農地でいいじゃないかというようなことを受け入れるんじゃなくて、今おっしゃったように、別にこれからだって一個一個そうやって判断して、きめ細かい判断をしたってよかったと思うんですよ。何か今から農地に建つまではみんなコンクリートでも農地みたいにしなくても、場所だって、ここならいいけれどもここはできるだけその土のまま耕してもらおうとか、そういう細かい判断をやっていく方が丁寧だったし、その方が守るべき農地は守り、そこで生産活動を続けてもらい、そして多面的機能を守りということになっていったんじゃないかなというふうに思うんだけれども、そういう丁寧さを全く欠いて今回コンクリート農地と言っちゃったわけでありまして、まあ名前そのものにもいらいらするので、このコンクリート農地と言うたびに何かこう、何か違うんだよなと思って、ちょっと力が入るんですけど。
 先ほど、局長、隣の農地、施設の要件で高さなんかも隣の営農活動に支障が出ないようにやりますとおっしゃっていたし、それは具体的な中身はこれから政省令で定められていくんだと思うんですけれども、そこは非常に大事なところだと思うんです。
 先ほど、高さだけじゃなくて、ほかにも何かおっしゃっていましたけれど、集約、日照、日当たり、おっしゃっていたんですけれどもね。必要だと思われることは是非ともあらゆる知恵を出していただいて、しっかりとそのほかの隣の土地の営農活動に支障が出ないようにしていただきたいし、でき得ることなら、大臣、申し上げたように、私はきめ細かく、ここなら建ててもいいけどここは駄目だよというようなことをやっぱり農林水産省が主導してしっかり計画を立てるべきではないかなというふうに思うのと、いつも長しゃべりして、やれる質問しないで終わっちゃうんですけれども。
 本来やっぱり国民の食をしっかり確保するというのは国の責務ですから、何度もこの場でしつこく申し上げておりますけれども、自給率ということは大事だと思うんです。人口減るんですけど、今生産活動してくださっている方だって高齢者、高齢化しているわけですから、その方々がやめる、食料を作る人が減る、人口も減るかもしれないけど、今だって四〇%自給率切っているわけで、やっぱりしっかりと自給率を高めていかなければならない。
 そういう意味では、こんなコンクリート農地とかそんな、何というか、そんなその場のことだけみたいな政策やらないで、農地をどう確保するのか、どのような食料生産、どの程度のものをやっていくのか、農業振興をどうするのか、防災機能をどうするのか、そういうことをトータル的に考えて政策をつくっていくのが農水省らしい政策のつくり方なんじゃないかなというふうに思います。
 大臣、ここは大臣に通告していないと思いますけど、大臣ですね、何を聞いてもいつもぺらぺらとこう、あっ、間違えた、すらすらでした、お答え、ごめん、言葉って難しいですね、すらすらです、お答えをいただいて、全く余計しゃべりをしますけど、前の大臣も私とても好きだったんですよ。いつも答弁書読んで慎重に答弁していただくので、山本大臣、ちょっとこっち見てくださいと言ったらちょっとこっち見てくださったりして。今の齋藤大臣は、本当にもう紙も見ないで、何かずっともう見ていらっしゃる。どっちかというと都会的な感じなので、農林水産には余り愛情ないんじゃないかと思っていましたけれど、そうでもないような感じですから、大臣、農林水産省らしい仕事をしていただきたいんです。いっときの目先の利益みたいなことで提案してくる、まさに総理直轄の規制改革推進会議なんかに振り回されないでいただきたいんです。
 まさに、それができるのは、体を張って日本の農業を守るのは大臣の仕事ですから、そして、大臣がその方針だけ決めてくだされば、農林水産省の皆さんは全力でそのことをサポートされるわけですから、そういう覚悟で、こんなコンクリート農地、コンクリートを農地と呼べるわけがないのにコンクリート農地みたいなことはやめていただきたいし、まあ造られちゃったんだったら、本当にこれがどんどん広がって、二階建ての農地みたいな、三階建ての農地とか訳の分からないことにならないようきっちりと歯止めを掛けていただきたいというふうに思うんですけど、大臣、よろしくお願いします。
#62
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど、この委員の皆様の中にも農林省出身の方がいると冒頭委員おっしゃられましたけど、私は農林省出身じゃなかったので、その話聞きながら本当に肩身の狭い思いをいたしました。
 ですが、私が一番最初に自民党の農林部会長をお引き受けするときには、私はどういう目で見られるかということは当然想定をしておりましたし、つらい仕事になるなということも想定をしておりました。もう最初から色が付いた目で見られますから。でも、引き受ける以上は、この農林水産業の発展のために身を粉にして自分としてできることをやろうと、そういう覚悟でこの農業政策の分野に入ってきたということだけは、私の名誉のために、能力はないかもしれませんが、そういう気持ちでこの仕事に取り組み始めたし、今も取り組んでいるということだけは、私の名誉のために、御理解いただけないかもしれませんが、申し上げさせていただきたいなというふうに思っております。
 その上で、コンクリート張りの施設の話でありますけれども、現実にコンクリートを張ってその養液管理、それからCO2管理、温度管理、照度管理、そういうものを管理して行う農業の実態というものが技術が進歩して今現れてきているわけですね。そういうものをどういう制度の中で我々が管理をまさにしていくのがいいのかという問題でありまして、それは転用でやってしまうのがいいのか、あるいは農地としてやるのがいいのか。もうそういう実態が出てきているわけですから、それをどういう形でやった方がいいかという議論の中で、今、今回、もうるる説明したので繰り返しませんが、農地法の中で一定の規制が掛かる、それから、将来の農業にも考えながら、こういう場で造っていいかどうかというのを判断しながらそういうものを認めていくというのがいいのではないかということで我々こういうことをさせていただいていると。そういう実態があるということですので、それをどうしたらいいかということであるということを御理解いただければ有り難いなというふうに思います。
#63
○田名部匡代君 時間なので終わらせていただきます。
 一度壊れた農地というものを復元するのは本当に困難なことだというふうに思いますし、無責任に企業が進出をして、駄目になったからやめたみたいなことにならないように、しっかりと農林水産省として責任を持って取り組んで、あっ、反対の法案でした、反対をさせていただきたいと、懸念を払拭していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#64
○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江でございます。会派三人目となりました。
 私からは、まず最初に、前回のこの委員会での集中審議、獣医師等に関する件について若干確認したいことがありますので、まずそこから質問をさせていただきます。
 農水省に存在した愛媛県文書、この中に、四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から農水省、厚労省も歓迎する方向と柳瀬秘書官が発言したと書いてありますけれども、農水省はこの時点で歓迎するという方向、認識だったんでしょうか。
#65
○国務大臣(齋藤健君) この点については、愛媛県の文書がどういう背景でこういうのを書かれたか、我々としてはどういうことなのか承知をしていないのでコメントはできないんですけれども、ただ、私どもが従来から主張していることとは違っているなという印象は否めない。
 ただ、この文書は本物かどうかも分かりませんのでそれ以上のことは申し上げませんが、私どもとしては、獣医師の需給に関しても、ここで何回も御答弁申し上げましたけど、それをもう構造改革特区の頃から繰り返し申し上げている、それは変わっていないわけでありますので、この真偽の定かでない文書にコメントするのもどうかと思いますけれども、ちょっと違和感がある表現であるなと思います。
#66
○舟山康江君 今の段階ではまだこの信憑性というのがよく分からないということでありますけれども、愛媛県知事の発言、そしてその発言と同じ内容が農水省にも保存されていたという意味においては、無視のできない文書ではないのかなと思います。
 その文書の中に、当時の、今もそうだと思いますけれども、農水省の認識とは違っている表現、歓迎する方向だという文言が書かれていたものが農水省にあった。それは少なくとも、農水省からの先日の御説明の中では、少なくとも後任者、平成二十七年五月に新しいその方が赴任された段階で受け取ったということですから、少なくとも五月の段階にはその文書があったというわけです。
 そういう中で、やはりこの文書、余り特に農水省とは関係ないという認識だったという御説明であったと思いますけれども、ちょっとそこはうかつだったと思うんですよね。その時点で、この文書が本物かどうかはともかく、これは勝手にですよ、言っていなければいいけど、勝手にこういった記述があった、勝手に総理秘書官若しくは内閣府がこんな認識で先方に発言したというのは大問題なわけですから。これについては、私は農水省としてしっかりと抗議をして、まあ今更かもしれないけど、でも、ちゃんとこれはおかしいということをやっぱり本来はその時点で言うべきだったと思いますし、この辺りから巻き込まれていったわけですよね。
 新たなニーズに関しては農水省の所管外だと一昨日も答弁がありましたけれども、でも巻き込まれていったわけですよ。ここで、歓迎する方向、そしてなぜか三大臣の署名もしてしまったという中では、あたかも関係があるかのように巻き込まれ、一緒に責任を負わされたということだと思うんですよね。
 そういう中で、ちょっともう一点、これは確認したいんですね。新たな需要に関しては農水省の所管外だという御答弁でしたけれども、じゃ、新たな需要に関してはどこが所管なんでしょうか。所管省庁の方、答えてください。
#67
○副大臣(田中良生君) まず、需要や需給、供給、これは何らかの政策遂行に際して、必要に応じて把握、確認等を行うものであります。各省が各所掌に応じてこれを検討すると。需要自体を直接所管する省庁があるわけではないと、そのように思うところであります。
 その上で、内閣府といたしまして各省の所掌を申し上げる立場にはありませんが、内閣府としては、規制改革を推進するための関係省庁との調整を行っております。本件については、閣議決定であるこの特区基本方針において規制に合理的根拠があるかは規制所管省庁が説明すべきとされていることを踏まえて、規制の根拠となる需給見通し、新たなニーズへの対応の検討など、説明を規制所管省庁に求めてきたというところであります。
 ただ、今回は、長年にわたり規制改革が実現してこなかったこの経緯を踏まえて、内閣府においても新たな需要について有識者の御意見など切実なニーズが数多くあるということを可能な限り確認をさせていただきました。その上で、最終的に文科、農水両大臣も異論がないと御判断をされて、平成二十八年の十一月九日の諮問会議に取りまとめに至ったということであります。
#68
○舟山康江君 新たな需要の所管はないというのは、国家戦略担当の部局の、何というんですか、責任回避なんですかね。今の御答弁の中で、その所管がない中で需給を把握するところも関係するという、何か農水省に責任を押し付けているようなそんな発言がありました。
 ここが、私、問題の根本の一つではないかと思いますよ。所管がはっきりしない中で、農林水産省はうちの所管ではないと。そういった意味では、多分農水省の所管外だということも主張されながらここまで進んできたわけですよね。それで、必要だ必要だということでそこだけを強調して、もう新設ありきで動いてきたという今の御答弁は、大変大きな答弁だと思います。これに関する所管はない、そういう中で、需給に関しては農水省だから、また学校に関しては文科省だからということで、最終的に決めるのは自分たちがごり押しで決めて、責任は学校所管の文科省と需給担当の農水省、一緒に負えと、そういうことなんですね。簡単にお答えください。
#69
○副大臣(田中良生君) 先ほども御答弁いたしましたが、まずこの需要や供給という部分に関しては、例えば調整ですとかあるいは需給の計画の策定、また需給の見通しの策定、こうした何らかの政策遂行に際して様々な各省庁、関係省庁が係るということであります。
 また、やはりこれは規制改革ということでありまして……(発言する者あり)
#70
○舟山康江君 要は、そんな需給がどうのこうのと言っているけど、規制改革として穴を空けたいという結論があって、それで進めたということですよ。今の発言がもうそれを物語っています。やはり、入口段階で相当大きな問題があったわけですよね。
 もう一問だけお答えください。
 結局、今回の獣医学部新設は、いろんな理由を並べていました。獣医師の偏在がある、足りない、特に四国には足りないんだということで四国につくりました。ただ一方で、新たな需要に対応するというところで新設が認められた。どっちが目的だったんですか。
#71
○副大臣(田中良生君) 今回のこの獣医学部の新設は、新たな分野における人材育成、これが目的であるということであります。と同時に、産業動物獣医師の確保対策にも資するものとなっていると、そのように認識をしております。
#72
○舟山康江君 本当に今の説明も曖昧ですよね。どっちもだと。
 新たな需要であれば、別に地域なんて関係ないですよね。広域的に獣医師系大学が存在しない地域に限るなんという条件を付ける必要がなかったんですよ。だから、途中の過程で四国は獣医師がいない、偏在しているという主張もしてきた。しかし、結局、何かそれだったら他大学でできるじゃないかと言われたら、いや、新たな需要だからです、ほかの大学はできない先端をするんですと。
 非常にその辺が矛盾をしながら、論理ともならないようなことを言い続けてきたからこそ結局最後まで疑念が付きまとって、そしてここに来て、やっぱり入口から怪しかったんではないかという文書が出てきて、もうここは本当にこの国家戦略特区の在り方そのもの、見直すという中で、昨年も国家戦略特区停止・見直し法案を提出しましたけれども、やっぱりこれ以上国家戦略特区の在り方を進めるべきではないということ、この問題についても更に追及を続けていきたいと思っております。
 そして、続きまして、おととい、衆議院の農林水産委員会で採決が行われました森林経営管理法案について、ちょっと入口段階の御質問をさせていただきたいと思います。これは、まだ参議院にも送られてきていませんので、法案の詳細な中身を触れるつもりはありませんけれども、まずちょっと入口のところをお聞きしたいと思います。
 この法案提出の前提といたしまして、林野庁から配付された説明資料、お手元にその一部、二ページ目ですね、お配りをいたしました。
 この中に、林業の現状につきまして、要は、森林所有者は経営意欲が低い、その上主伐の意向すらない、一方で規模拡大したいという林業経営者もたくさんいる、しかし事業地の確保が困難、だから意欲と能力のある林業経営者に森林経営を委託する新たな森林管理システムを構築すると、こういう流れの中で法案が提出をされました。そういう意味では、まさに意欲が低い、主伐の意向がない、このままでは駄目だ、どこかが受けなければということの説明としてこの二ページの表があると思っています。
 そういう中で、意欲が低い八四%と書いてありますけれども、何をもって意欲が低いと言っているんでしょうか。
#73
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 説明資料の調査でございますけれども、これは平成二十七年度に農林水産省が実施いたしました森林資源の循環利用に関する意識・意向調査でございます。この説明資料において、まず、意欲が高い者としてございますのは、経営規模を拡大する意欲について、経営規模を拡大したいという回答した者でございまして、意欲が低いとしているのは、経営規模を縮小したい及び現状を維持したいと回答した者でございます。
 こうした扱いにいたしましたことは、この森林経営管理法案では、現に経営管理が不十分な森林につきまして経営管理の集積とか集約化を図ることとしておりますが、経営管理が十分に行われていない森林について誰に経営管理を担ってもらうかということを考えた場合に、やはり経営規模の拡大を志向している者がやっぱり重要な担い手であろうということで、この者を意欲と能力のある林業経営者として整理しているところでございます。
#74
○舟山康江君 私は、この意欲が低いというのは何を指しているのかと聞いただけであります。
 次のページ御覧いただきたいと思います。
 今長官から御説明いただきましたとおり、意欲が低いというのは、すなわち、次のページ、森林資源の循環利用に関する意識・意向調査の問い六ですね、今後、森林の保有面積等の経営規模をどうしていきたいと思いますかと。意欲を聞いているわけじゃありません。拡大したい、縮小したい、維持したい、やめたい、この四種類に分けて聞いているわけでありまして、ここに意欲は関係ないですよね。
 仮に縮小するにしても、意欲を持って、でもちょっと自分の能力には限界があるから、ちゃんと管理するためには縮小したいということだってあり得るわけですよ。何でこの規模拡大の意向がすなわち意欲につながるのか。このやはり表現の仕方というのは誤解を与える。私は、まあ農水省の出してきている資料に間違いはないだろうと思って、そんなに意欲が低いんだというふうに理解しておりました。
 更に申し上げますと、次の、主伐の意向なし七一%というのは、これは、伐期に適した山林はあるが主伐を実施する予定はないと答えた、現状を維持したい、やめたいという人、それに加えて、伐期に達した山林がないという人、そこを合わせて全体の七一%というふうになっております。これ、まあ捏造とまでは言いませんけれども、曲解し過ぎなんじゃないんでしょうか。
 しかも、これ母数見てください。百二十三人ですよ。母数百二十三人のモニター調査なわけですよね。大抵、調査の結果、何かの政策立案に使っていくというときには、まあ私も実は経済企画庁で国民生活調査とかもやりましたけれども、やっぱり二千人以上、こういったもので、やはり回答率も関係ありますけれども、そういう中でやはりその信憑性を確保しながら何らかのバックデータとして使っていくということですけれども、驚くことに、百二十三人のモニター調査という中においてこれを結論付けて、あたかも意欲がない、それこそ主伐の意向すらないという言い方をしているのは、余りにもこれは結論を誘導するための恣意的なデータの引用ではないかというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
#75
○政府参考人(沖修司君) 最初に御指摘がありましたところでございますけれども、確かに少し丁寧さに欠けた、これ規模に着目したものでございます。それはそういうことだと思います。
 それから、データのことでございますけれども、今回のデータは二十七年の調査を基にしております。これは八十三万戸、委員が提示されている資料の最初にありますけど、八十三万戸の林家というところから標本抽出をするというデータから考えますと、許容誤差一〇%、それから信頼区間を九五%とすれば、八十三万戸の場合、標本数は九十七あれば統計的には足りるということであります。
 そうすれば、今回の調査では百二十三人から回答を得ておりまして、対応としては十分なんでございますが、ただ、百二十三人といいましても、その中で回答数が、いただいたのは百十五という形でこうなっております。
 それから、もう一つ、七一%の話でございます。
 今回、私たちがこれを出させていただいているのは、経営規模を縮小したい、現状を維持したいというところに着目をして、この方々が主伐の意向をお持ちかどうかということを聞いております。
 ですから、今回は、その縦のラインを足しているのではなくて、母数にしても、経営規模を拡大したいという人数は両方とも入っておりません。ですから、そういう形でございますので、そこはちょっとお間違いのないようによろしくお願いいたします。
#76
○舟山康江君 もう、聞いていないことまで答えないでくださいよ。
 伐期に達した山林がない中でどうやって伐採するの。そういう適当なことを言わないでくださいよ。しかも、私が言っているのは、母数の方も問題だし、問いと丸めたここの表現ぶりが全然違うということを指摘しているわけですよ。
 本当にさっき冒頭に言ったように、意欲が低い資料、そしてこのいわゆる管理もしたくない、する気もないという資料、そういったものを代わりに出してください。大臣、検討いただけますでしょうか。
#77
○国務大臣(齋藤健君) 私も、この前の衆議院の議論聞きながら、改めて精査をさせていただいて、表現ぶりが意図はないんですけれども稚拙であるなというふうには正直思っておりまして、例えばその経営意欲が低いという表現につきましても、調査における選択肢の表現と違っているわけですね。
 ですので、私自身はこれ直すべきではないかと思っておりまして、例えば経営規模拡大の意欲が低い者とすれば調査項目どおりになりますので、そういう表現にちょっと改めさせていただけたらと思っておりますし、それから、主伐の意向すらないというところも御指摘ありましたけれども、これも私は、余り事務方の仕事を言ってもいけないんですけれども、ちょっと行き過ぎかなと思っていまして、例えば主伐の予定がないとか、そういう表現であればよりニュートラルになるのかなと思っていますので、ちょっと考えさせていただきたいなと思います。
#78
○舟山康江君 是非考え直していただきたいと思います。
 そして、もう一つ指摘させていただきたいのが、問い九で、伐期に達した山林はあるが主伐を実施しない理由は何ですかと聞く問いもあるんです。この中に、主伐を行わず間伐を繰り返す予定であるためという方が六十九人の対象のうち五十八人が答えているんですね。ほとんどは放置しようとかやる気がないではなくて、ちゃんと間伐という管理をするという方ですから、何か意欲がないというのは全く違うということ。
 今のこの問い九の回答も含めて、やはり本当にその前提となる根拠のデータとか説明文に関してもう一回再考いただきたいと思いますので、先ほど大臣がそういった御回答いただきましたので、よろしくお願い申し上げます。
 そして、今回の法改正について入っていきたいと思いますけれども、まず法改正の背景についてお聞きします。
 これまでの質問の中でもいろんな指摘がありました。改めて、改正に至ったこの端緒、今回のコンクリート張りの農地について、何をきっかけに法改正まで行ったのか、簡単に答えてください。
#79
○政府参考人(大澤誠君) 改正に至るきっかけは、これは現場のニーズでございます。水耕栽培や収穫用のレールの導入等の必要から、農業用ハウスの床面をコンクリートで覆う場合に現行農地ではその許可が必要であると、この改善を求める現場の声、これが改正のきっかけでございます。
#80
○舟山康江君 次のページを御覧ください。いわゆるコンクリート農地議論の経緯としてまとめさせていただきました。
 これまで、先ほど田名部委員からもありましたけれども、平成二十三年にもコンクリート張りにしても農地の扱いでいいじゃないかという議論がありましたし、平成二十五年辺りから今の規制改革推進会議の枠組みの中、当時は規制改革会議で、今は推進という言葉が入っておりますけれども、そういう中で、平成二十五年から随時にわたって要望が出ているというのは、これ私も確認をいたしました。
 しかし、このほとんどの要望は日本商工会議所からの要望なんですよ。商工会議所からの要望に対してこの間ずっと農林水産省は、農地をコンクリートで地固めする、これはやはり農地法上の農地として取り扱うことは困難ですという回答をずっと繰り返しておられました。
 そういう中で、昨年、平成二十九年の四月十二日にも同じく日本商工会議所から、農地の地目のままでコンクリートで地固めした植物工場を建設することを認めることという要望がある。理由としては、まさに先ほど田名部さんが指摘されておりましたけれども、固定資産税が高くなる、転用すると固定資産税が高くなり、コストが上昇して競争力が低下するから農地のまま認めてほしいという要望を昨年の四月十二日にいわゆる規制改革推進会議で受け付けて、そして農水省には四月二十五日に要請され、五月三十一日の締切りの中で回答をしていると、こんな状況なんですね。ちなみに、このときの回答も、五月三十一日の回答も農林水産省からは農地法上の農地として取り扱うことは困難ですと、やはりきちんといわゆる断っているんですよね。
 にもかかわらず、これ、この議論見てください。まず、私が調べた限り、規制改革推進会議で今回に関わることで最初に出てくるのが昨年の一月なんですね。本間正義専門委員、いろんなところで名前を聞きますけれども、この方が、国家戦略特区で議論しているところで、まあコンクリートなんかすぐ壊せるわけだし、その面積は農地だろうという議論をしているという紹介を規制改革推進会議で行っていました。次のこの五月十六日のその前ですね、そこに、この一月三十と五月十六の間に今の紹介をさせていただいた四月の日本商工会議所からの要望があります。
 そういう中で、これ不思議なんですよね、五月三十一日までに取りまとめるということで、結論が、農水省、担当省庁から結論が出る前に、五月十六日の規制改革推進会議で議長代理が既に、農地にコンクリートを敷いてハウスや植物工場を設置する場合も農地の扱いを継続することについて検討を進めることになっていますと、何か先行して検討することになっているんですよね。まあ少なくとも五月三十一日締切りで、農水省が回答を出して、その後、いや、やっぱり再検討するべきだということであればまだ分かりますけれども、それに先立って五月十六日にこんな発言がある。更に言えば、五月二十三日にもう第一次答申として、農地法の取扱いについて検討すると、ここでもう結論めいたことが出されているんですよね。これ、どういうことなんですか。規制改革会議担当の副大臣、お願いします。
#81
○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたように、昨年の一月から規制改革推進会議におきましてはこの問題について検討するということで、御指摘ありましたような会合において検討を進めていく、検討に着手するといった議論がされております。
 そうした議論を踏まえまして、五月二十三日の答申におきましては、農地における新たな農業生産施設・設備の利活用の促進として、この問題について平成二十九年に検討を開始し、結論を得、速やかに措置するという答申を得たところでございます。
#82
○舟山康江君 今私が説明したんだから、繰り返さなくても分かりますよ。五月三十一日に取りまとめて、それからどうするか検討するのに、何でその前の五月二十三日の段階で検討するなんてなっているかということを聞いているわけですよ。
 それで、結局、また規制改革会議の議論が先行して、その後、六月九日に閣議決定をされて、農地法に、まあ同じ表現ですね、農地法における取扱いについて検討を行うと。まあ今回も国が後追いですよ、規制改革推進会議に先行されて。先ほど大澤局長は田名部さんの質問に対しても、いや、いろいろ説明していましたけれども、結局後追いじゃないですか。やらされちゃったという感じじゃないのかなと思いますけれども。
 そもそも、さっきも何か素人のような人が委員になっているというけど、どうやってこの規制改革推進会議、若しくはその中のワーキンググループのメンバーはどうやって決めているんですか。
#83
○政府参考人(窪田修君) 規制改革推進会議の委員につきましては、規制改革推進会議令に基づきまして、優れた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命することとされております。また、専門委員につきましても同様に、専門の事項を調査させる必要があるときに、当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命することとされております。
 これらの委員、専門委員を議長の判断により農林ワーキング・グループを含めた各ワーキンググループに配置しておるところでございます。
#84
○舟山康江君 そう説明しますけど、基本的に偏っているんですよ。改革したい、規制を緩和したいという人だけが集まっているわけですよね。そこには利害関係者も必ず入っているということです。
 四枚目の写真御覧ください。これはカゴメ株式会社のホームページから取らせていただきました。これはハイテク大規模菜園ということで、植物工場のようなものですけれども、これを見ると、農地、優良農地と思われるところのど真ん中に相当大規模なハウスが建っていると、こういった状況であって、そうです、この方、このカゴメの方は専門委員にも入っております。そして、このときは当然、今農地法、今議論していますから、当然転用をしてからこの施設が建ったということですけれども、よく、農地のままであれば監視は行き届くんだと言いますけれども、でも転用に当たってはそれなりの厳密な審査があって、許可が必要なわけですよね。
 これだけの大規模であれば、ちゃんと農政局若しくは農林水産大臣、農政局長等と協議をして、やむを得ないと、周辺への影響もないということの厳密な一応チェックをして許可されてこれができるわけですけれども、今後同じようなハウスを建てるときには、今回は農地のままだからということで届出でオーケーということになると思うんですけれども、こうなると審査が甘くなるんじゃないんでしょうか。こういったものができやすくなるんじゃないでしょう、いかがでしょうか。
#85
○政府参考人(大澤誠君) 御説明いたします。
 まず現在、このような床面を全面コンクリート張りする農業用ハウスにつきましては転用許可が必要というのは先生の御指摘のとおりですが、これは、農業用施設については農用地区域内の農地かつ第一種農地であっても許可は可能とまずなっております。その際の転用許可の基準は、いろいろございますけれども、住宅の用途に供することが確実と認められない場合は許可できない。それから、今回まさにあるような用排水施設の機能に支障を及ぼす場合とか、周辺の農地に係る営農条件に支障を及ぼす場合などが許可の際のチェック要件です。
 ですから、今回の法改正によって農地内にできるものは少なくともこれと同等の要件になりますし、それから、その効果としては、農地転用の場合は農業委員会のチェック等はできませんけれども、今回の措置に従う場合には農業委員会等の調査等の対象になるということでございます。
#86
○舟山康江君 何か、ちょっとあっという間に時間になっちゃったんですけれども、結局、だって許可、今まではちゃんと許可をしなければいけなかったけど、今回届出なんですよね。それで、一応その条件をクリアしていて、周辺もまあいいんじゃないと言えば許可される、要は届出だけなんだからオーケーになっちゃうわけですよね。転用のときには少なくとももっと広い大きな視点でいろいろ是非を判断していたんだけど、今度届出ですから、甘くなるというのはこれ容易に想像できると思います。やっぱり本当に、ニーズがあるのも分かりますけれども、さっき言ったように、商工会議所とか……
#87
○委員長(岩井茂樹君) 時間を過ぎております。質疑をおまとめください。
#88
○舟山康江君 大きな企業とか、そういったところのニーズが先行しているという中で、ちょっとやっぱり時期尚早、議論が足りない中で進めるのは私はおかしいということを申し上げ、質問を終わります。
#89
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 私からも、まず懸念の確認をさせていただきたいというふうに思います。
 ある程度の規模で施設園芸を経営している農業者であれば、以前からハウス内のコンクリート打ちというのを求めていました。私もそういう相談を伺ったことが何度もございます。農業者によっては、作業性、効率性を重視して農地転用をして、そしてコンクリートを打っている、そういう方もいらっしゃいます。それがこの度の農地法改正によって農作物栽培高度化施設、これであればコンクリートで覆う行為を農地転用に該当しないというふうにすることになったわけであります。
 しかし、先ほど来議論が出ているように、コンクリートが農地なのか。コンクリートも農地として認めるということは、農地とは土という概念を変えるということでありますから、ここで改めて農地とはどのように定義をしているのか確認をしておきたいということと、また、今後もこの農業の変化に合わせて、総理も岩盤改革の一つに農地法挙げていますので、この農業の変化に合わせて農地法というのは今後も見直していくことがあるのかどうか、ここは大臣に確認をさせていただきたいと思います。
#90
○国務大臣(齋藤健君) 農地は、農地法第二条第一項において、耕作の目的に供される土地とされております。また、耕作とは、農地法関連事務に係る処理基準におきまして、土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培することをいうとされているところであります。
 今回の見直しは、新たな現場のニーズを踏まえて、農業生産技術の向上を生かした農作業の効率化、高度化を図るために、農業用ハウス等において土を耕さない形態の栽培が行われる場合に農地転用を要しないこととしたところでありまして、農地法上の農地の定義そのものは変更をいたしておりません。
 農地法については、国民に対する食料の安定供給の確保という法の目的に即して今後とも時代の要請に合うようにしていくべきと考えておりますが、少なくとも今回のは考えていますということであります。
#91
○横山信一君 作物を栽培する、まあ高設栽培とかですね、そういうことを考えれば、ここも農地として認めるということでありますが、懸念はやっぱりあるわけでありますので、そこは厳格に運用していただきたいということであります。
 農作物高度化施設とは、農作物の栽培の効率化又は高度化を図るための施設であって周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがないものというふうに定義をされております。これが具体的にどういうものであるのかというのは今後省令で定めることになっているんですけれども、この省令での具体的な要件、どういうふうに考えているのか、お伺いいたします。
#92
○政府参考人(大澤誠君) 省令におきましては、専ら農作物の栽培の用に供されるものであること、それから周辺農地の日照が制限されて農作物の生育に影響を与えないようにするために施設の高さについての基準を設けること、それから先ほど御説明しましたけれども、排水施設についての一定の基準を設けることなどを検討しているところでございます。具体的にはなるべく数値の基準を設けたいと思っておりますが、それについては専門家の意見も聞いた上で決めていきたいというふうに考えてございます。
#93
○横山信一君 この省令が非常に大事なことであることはもう言うまでもないことでありまして、ここで悪用されないようにどう厳格に進めるのかと、抜け道をいかに防ぐのかというところがこの省令の一番のポイントでありますので、まあここが一番注目されているところでありますので、そこはしっかりやっていただきたいということであります。
 本法案は、法律施行後に農作物高度化施設内のコンクリート等で覆う行為だけを対象とすると。先ほどちょっと議論もありましたが、これまでの農業者の中で、農地転用して効率的なハウス栽培を行っている人もいると。農地法は転用や権利移動を制限する規制法なので、過去に農地転用されたものを含めることは農地の資産価値としての評価に混乱を招くことになりかねません。しかし、資産価値ということで考えていくと、農地転用して現在ハウス栽培に取り組んでいる農家には税制面において不利が生じるということもあります。これは先ほど大澤局長も悩ましいというふうに言っていたところでもございますけれども、今後早急に検討する課題となっているようでありますけれども、どうするのか伺います。じゃ、副大臣に。
#94
○副大臣(谷合正明君) お答えします。
 今回の改正の後に農業委員会に届け出て農地に設置された農作物栽培高度化施設の土地は、農地法の規制対象でありまして、農作物の栽培以外に利用する場合は都道府県知事等の転用許可が必要となるなどの農地法の規制があることに着目しまして、引き続き相続税等の納税猶予措置等の対象となることになります。他方、改正以前に工業団地等の農地以外の土地に設置された農業用ハウスなどにつきましては、農地法に基づく規制の対象ではないので優遇税制の対象外であります。
 このように、農地法の規制対象かどうかに着目して優遇税制の対象が定められているものでありまして、その意味で税制上の公平性は保たれております。
 なお、お尋ねの、過去に農地を転用して底地を全面コンクリート張りとした農業用ハウスなどは今回の法律案の対象としておりませんけれども、既存施設の実態や農地とすることへのニーズを調査をした上で、農地法上の農地として取り扱う場合の議題について検討させていただきまして、今後の方向性につきまして一定の結論を得る考えであるということでございます。
#95
○横山信一君 ここは農業者の希望ということもあるでしょうから、おかしなことにならないようにここはしっかりやってもらいたいと思います。
 所有者不明農地の問題について伺います。
 今国会、この農地あるいは林地だけではなくて、この所有者不明土地問題、大きな論点にもなっているところでありますけれども、共有地の相続者が膨れ上がっていくということは、これは早急に対策を打たないと、所有者不明の土地がどんどん増えていくという、そういうこと、今現在もなっているわけでありますから、ここはしっかり取り組んでいかなくてはいけないわけでありますが、農地に関しては、相続未登記農地及びそのおそれのある農地というのは全農地の二一%というふうに言われておりまして、九十三・四万ヘクタールだそうですけれども、そのおそれがあるということも含めて、この二一%の農地の実はその多くが耕作をされております。
 しかし、基幹的農業従事者の平均年齢、もう六十七歳ですから、平成二十七年で六十七歳ですから、今後、この遊休農地の増加というのがこのまま放置、このまま対策を打たなければ増えていくということが懸念されているわけであります。また、総農家数も減少しているという、そういうことでは土地持ち非農家数は増加をするであろうと、この土地持ち非農家の所有する農地も増加をするという、こういう現状にあるということであります。
 一方で、中間管理機構で担い手の農地集積が進んではいるんですが、しかし、前年度には、昨年度の六割程度ということで、ちょっとこの農地集積のスピードが鈍化をしているという、そういう状況もあります。
 こうした背景の中で、本法案は農地利用の集積あるいは集約化にどういうふうに貢献をすると考えているのか、これ大臣に伺います。
#96
○国務大臣(齋藤健君) 横山委員御指摘のように、相続未登記農地及びそのおそれのある農地は約九十三・四万ヘクタールで、全農地の約二割を占めているということであります。
 こうした農地に対しまして、既存の制度によって担い手への利用集積を進めようといたしましても、まず相続人が多数に及んでその探索に多大なコストを要する、それから、過半の同意等により設定できる要件が五年以内ということですので、土作りや基盤整備から始めるとすれば実際に利用できる期間がほとんどない、そういった問題があったところであります。
 今回の改正を実現すれば、こうした農地について、簡易な手続により農地中間管理機構に貸し付けることが可能となります。また、利用権の期間も二十年以内と延長されますので、長期的な見通しの下に経営を行うことが可能となるし、土地改良法改正により創設された農業者の負担のない基盤整備事業も活用できる道が開けるということでありますので、現行制度の問題点が解消して、機構による担い手の集積、集約化が一層進むことになると考えているところであります。
#97
○横山信一君 現行の基盤強化法では、この共有持分の過半を有する者の同意で足りるとされる賃借権の存続期間、今大臣も触れてくれましたけれども、五年を超えないものとなっているわけであります。本法案ではこれを二十年に延長します。賃借人が借り受けた農地から収益を上げるようになる時間はある程度必要でありまして、とりわけ遊休農地だった場所を借り受けた場合には、それを農地に復元するという時間も必要になってきます。そうしますと、その五年を超えないという存続期間では到底足りないということは想像できるわけでありまして、これを二十年に延長するのは当然だというふうに言えます。
 一方、農地法における農地の賃借権というのは五十年以内ということになっております。その農地の賃貸借は基盤強化法に基づくものが大半を占めておりまして、その存続期間は二十年以上が平成二十七年の調査では〇・二%しかないということでありますので、この基盤強化法における賃借権の存続期間を延長するのは理解できます。
 その上で、この農地の賃借権の存続期間、農地法では五十年以内と、それから中間管理機構ではこれは十五年以上ということになっておりまして、本法案では二十年と、それぞれ年数が違っております。これらの違いをどのように整理するのか、経営局長に。
#98
○政府参考人(大澤誠君) 御説明いたします。
 まず、農地法上の賃借権の期間の上限、御承知のとおり五十年以内でございますが、これは、民法上の永小作権、物権であります永小作権の期間の上限も五十年でございますので、これを踏まえてのものでございます。
 それから、機構関連事業につきましては、これは農地を借り受けた担い手が長期にわたって安心して経営に専念できるようにするという観点から、昨年の土地改良法の改正及びその政令におきまして、工事完了後から少なくとも十年間は農地の貸付けが行われるようにすると、工事に数年掛かるとしますとプラス十年ということで、この管理権の設定期間が事業計画の公告日から十五年以上と、こういう考え方で、工事の期間とプラス十年以上というのを考えてございます。
 それから、今回の制度につきましては、二十年、先生の御指摘のとおりとしておりますけれども、これは不明な共有者の財産権を少なくとも制限するものでございますので、不必要に長期にするということは適当ではないということで五十年よりは短くしなきゃいけないと思った一方で、本制度を活用してこの機構関連事業、担い手の負担、農業者の負担のない土地改良事業を実施するということも想定されますが、その場合、通常の場合と違ってこれは耕作放棄のおそれのある土地ですので、まず利用権を設定して、それから事業実施に向けての地元の説明なり事業計画の策定、協議というやり方になる場合もあるだろうということも想定しまして、十五年よりも少し長くした方がいいだろうということで二十年以内と設定したものでございます。
#99
○横山信一君 農業委員会は農地の利用状況を調査をしております。この農地の所有者を確知できなかった場合には、農地台帳、登記簿、固定資産課税台帳なんかにおいて、所有者が生存している場合には更に住民基本台帳等との突合をすると、それから地域代表者等の関係者への聞き取りで確認をするということになっております。また、所有者が死亡している場合には、その配偶者又は子の所在を戸籍謄本等との突合、地域代表者等への聞き取りで確認することになっております。
 この法律案の改正案では、相当な努力が払われたと認められる探索の方法を政令で定めるということになっているんですね。この探索義務の内容を政令で明確化することになっているんですけれども、その公示に至るまでの探索に相当な努力を払うというのはどういうことを想定しているのか、伺います。
#100
○副大臣(谷合正明君) お答えします。
 農業委員会によります共有者不明農地の共有者の探索方法につきましてですが、共有者の氏名、住所などの情報を取得するために以下の措置をとることとします。一つは、共有者不明農地の知れたる共有者に対しまして、書面の送付そのほかの方法によりまして照会すること、そして共有者不明農地の登記事項証明書の交付を請求すること、そして登記事項証明書に記載されている所有権の登記名義人の戸籍を請求すること、そして所有権の登記名義人の戸籍に記載されている者の住民票を請求することの全ての措置をとります。かつ、当該措置によりまして取得した共有者に関する情報に基づきまして、共有者と思われる者への書面の送付、そのほかの方法によりまして照会することを政令で定める方向で今検討しております。
#101
○横山信一君 今のような相当な努力を払って仮に相続人が見付かったとしても、その相続人は共有者としての意識が低いということも、そもそも見付けるのが大変な人ですから、共有者としての意識が低いんじゃないかということが予想されるわけでありますけれども。
 そう考えると、探索にどれぐらい時間を掛ければいいのかと。もう大変な努力をしても余りその努力が報われないということも想定されるわけでありますけれども、この探索に掛ける時間、どれぐらいを妥当だというふうに考えているのか、伺います。
#102
○副大臣(谷合正明君) 遊休農地に関する措置では、共有者の探索に平均六か月、最大一年五か月の期間を今要しているところでございます。
 先ほど申し上げましたけれども、共有者の探索範囲が政令で明確化されることなどによりまして、探索に必要な期間は約一か月から二か月に短縮されると見込んでおります。このような期間が達成できるよう運用を徹底してまいりたいと思っております。
#103
○横山信一君 おなかがすいてきたので最後の質問にしたいと思いますけれども、先ほども言いましたけど、相続未登記農地の大部分は現に耕作をされているところが多いわけであります。そしてまた、実態として、法定相続人の一人が固定資産税を負担している場合が多いと。実態としてその相続未登記農地というのは管理している者が存在をしているというのが今の現状であります。
 本法案では、相続未登記であるために共有持分の二分の一以上を有する者が確知できない場合でも、こうした管理者の同意により賃借権が設定できるという制度になるわけであります。管理費を負担している相続人、まあ実態上の管理者でありますが、この管理費を負担している相続人以外の者が不確知の場合には、実態上の管理者一人の同意で機構への賃借権等の設定が可能となります。
 これは実態を反映した制度になるものとして評価ができるものでありますが、一方で、共有持分を有する者であって、知れている者の全ての同意を得るということが要件にもなっております。共有者が実態上の管理者に任せてしまっているのでこれは考えにくいことでありますが、もし共有者が同意しなかった場合にはどうなるのかということもお聞きをしておきたいと思います。
#104
○副大臣(谷合正明君) 現在農地を管理している共有者以外の共有者が集積計画の作成に反対する場合に、これ、機構への貸付けが行えないということになります。その場合に、仮に当該の共有者に耕作意向があれば共有者間での話合いになります。一方、反対している共有者が自ら耕作する意向がなく、単に貸付けに反対している場合には、結局誰も将来耕作する意思がないことになりますので、最終的には知事の裁定により利用権が設定されることとなります。
 農業委員会は、集積計画の同意の取付けに当たりましては、このような点をしっかりと説明することで、共有者が同意しなかった場合どうなるかという話なんですけれども、まずは円滑にほかの共有者の同意が取れるように制度をしっかりと運用してまいりたいと思っております。
#105
○横山信一君 そこが非常に大事なところだと思うんですが、よくよく話し合えるようにそういう協議の場をしっかりつくってやっていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。
#106
○委員長(岩井茂樹君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#107
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。
    ─────────────
#108
○委員長(岩井茂樹君) 休憩前に引き続き、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#109
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 四月十七日に加計学園に関わる集中審議を行いました。答弁がなかった質問がありましたので、改めてお聞きします。
 愛媛県が作成した文書には、県としては、国家戦略特区申請のため、今治市の意向を踏まえ、加計学園とも協議しながらということで、具体的に加計学園という名前、学校名が出ています。内閣府はこの特区の事業者が加計学園であることを知ったのかというふうに聞きましたら、まあ、徐々にと。
 ちょっとよく意味の分からない回答だったんですけれども、いつ知ったのかという確認はできたんでしょうか。
#110
○政府参考人(村上敬亮君) お答えを申し上げます。
 その後も確認をいたしましたが、一部繰り返しになりますけれども、二十六年六月四日に獣医学部新設の規制改革について提案をいただき、ワーキンググループで取り上げられるに至ったことから、事務局として他の特区提案と同様にこの提案に係る過去の経緯などをいろいろ調べていく中で、やはり今治市は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区に提案を続けていること、その当初は想定事業者として加計学園の名前が提案書に記載されていたことなどを確認し、こうした中で、今治市は加計学園を事業者の一つとして想定しているであろうということを認識するようになりました。
 ただ、具体的な期日をということになりますと、やはりいつの段階で組織としてそれを認識したのかといったような意思決定を踏むような場や機会、ツールがございませんので、私どもの方でそれがいつなのかということを正確に特定することは難しかったということでございます。
 いずれにいたしましても、事業者を特定した議論というのは制度論の中ではしてございません。それは公募という前提がございますので、そのようなものとして理解をさせていただいてございます。
#111
○紙智子君 何か、だから分からないんですよね。期日としては答えられないというのはちょっと納得いかないです。だけど、今またこれ聞き直しても同じような答弁が返ってくると思うんですけれども。
 農水省の方にも実はお聞きしたんですよ。文書を受け取ったと思われる四月三日に事業者が加計学園であることを知ったんでしょうか。もう一度聞きます。
#112
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 国家戦略特区による獣医学部の新設につきましては、平成二十八年十一月九日の国家戦略特区諮問会議におきまして追加の規制改革事項として決定されたということを受けまして、内閣府による公募の手続を経て加計学園が事業者になったと承知しております。
 農林水産省といたしましては、平成二十九年一月十二日に開催されました第二回の今治市分科会におきまして、加計学園が提案者として応募していることが紹介されたということでございますので、事業者の候補と明確に認識をしたというところでございます。
 ただ、今治市は、平成十九年度から構造改革特区における獣医学部の設置の提案をしてございます。その説明資料に加計学園が設置主体として記載されてございまして、その旨公表されてございます。そのため、農林水産省といたしましても、平成二十七年の六月に今治市が国家戦略特区に提案を行った時点で、説明資料に加計学園という記載はございませんが、事業者としての可能性を想定し得る状況にはあったものと考えてございます。
#113
○紙智子君 今、二十七年六月にそういう経過を見て可能性があったというような話なんだけど、これ、四月三日というのは二〇一五年ですよね。この時点で、文書が届いているということの時点では、このときは認識していないということになるんですか。
#114
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 ただいま申しましたように、平成十九年の十一月でございますが、愛媛県の今治市から、構造改革特区の提案に係る説明資料におきまして学校法人の加計学園が獣医学部の候補となる者であるという旨を記載されておりまして、その後も今治市からの提案が続いていたと。そういうことを踏まえれば、当時でございますが、同学園が獣医師養成系大学の設置を考えているということは認識できたものと考えております。
#115
○紙智子君 やっぱりちょっと、二〇一五年の段階で、実は文書を届けている段階で、普通だと、それを受け取って、あっと思うわけですよ。そこが抜けていて、それで、その今の話は二十七年の六月という話なんだけど、これはやっぱりどうも納得できないんですよね。
 いつ知ったのか、これ是非調査をするように、受け取った方がいると思うので調査をするように要求をします。
 委員長、よろしくお願いします。
#116
○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#117
○紙智子君 それで、柳瀬首相秘書官は、四国に獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から、農水省、厚労省も歓迎する方向という、これ、文書に書いてある中身で言っているわけですけれども、先日、この問題も野上官房副長官に聞いたわけですけれども、はっきりしない答弁だったわけですね。
 ここは、やっぱり柳瀬元首相秘書官に聞くという、本人が言ったことの趣旨を聞くということがどうしても必要になるわけです。今、ただ、野党は柳瀬氏に対しては証人喚問をそろって求めているので、今日はここに来てもらえていないので聞けませんけれども、やっぱり農水省が歓迎する方向だと発言するにはそれなりの確証があったんじゃないかというように思われるんですよ。
 柳瀬秘書官は、元々は経済産業省の出身なわけですよね。獣医師法とか獣医療法についてどれだけの認識があったのかということを思いますし、獣医師の需給調整がどのように行われているのかということは、経済産業省にいたら多分知らないんじゃないのかなと思うわけです。
 それが、首相秘書官になってやっぱり特区を扱うようになってから、この構造特区の時代から獣医師学部をつくるにはどういう越えなきゃいけないハードルがあるのかということを知る立場になったんじゃないかなというふうに思うわけです。だから、獣医師会には直接対決を避けるようにというふうに忠告をしたというのが、そういう状況の中でそういう話をしたんじゃないのかなと思うわけです。
 なぜそういうアドバイスができるかとなると、私はやっぱり農水省と意見交換しているんじゃないのかなと思うんですよ。首相秘書官ですから、首相の秘書ですから、やっぱり呼ばれれば、指示があったら農水省から説明に出かけていくのは当然あるんじゃないかと。柳瀬秘書官から説明を求められたり、相談をしたり、意見交換した農水省の職員がいるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#118
○政府参考人(池田一樹君) 農林水産省といたしましては、いずれにいたしましても、構造改革特区の頃から需給に関しまして一貫して説明をしてきてございまして、この文書に書かれていることにつきましては、そういう意味から、従来から申し上げてきたということとはちょっと違っているなという感じがしてございます。
#119
○紙智子君 ちょっと違っているなという感じは分かるんですけれども、今聞いたことは、やっぱり実は相談しなかったら柳瀬さんはそういうことを言えないと思うんですよ。だから、本当は誰か相談している人がいるんじゃないかと思うんですよね。
 それで、齋藤大臣は記者会見で、愛媛県の文書は行政文書に該当するというふうにお答えになられました。ですから、これ、愛媛県の文書というのは備忘録ではなくて、全体の、今出ているわけですから、行政文書になっているわけです。行政文書になった以上は、その内容を精査するというのは私たち国会議員の責任だと思いますし、この文書に書かれていることが事実かどうかというのは、行政文書である以上は政府に説明する責任があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(齋藤健君) 行政文書、確かにそういう位置付けを、今回、最初に受け取ったときは行政文書として位置付けるべきものではないという判断をいたしたんですけれども、こうやって職員が共有をして、なおかつ公表をした以上は、あそこに付いていた別紙も私どもは行政文書として扱うということが適切だろうと考えておりますが、そこに書いてある中身につきましては、私どもが入手をしたその経緯等々は分かりますけれども、その中身の真偽については私どもとしては承知しかねるということであります。
#121
○紙智子君 大臣として認めた以上、やっぱり説明する責任が、解明する責任があるし、説明する責任があると思いますよ。政府全体もそうですけれども。
 やっぱり真相を究明して説明責任を果たすということを求めたいと思いますが、もう一回、どうですか。
#122
○国務大臣(齋藤健君) この行政文書は、先方が備忘録と言っているものを我々が入手をして、そして調査結果を公表させていただいたというものでありますので、それ以上のものでもないというふうに認識をしております。
#123
○紙智子君 せっかく行政文書として位置付けたわけですから、それは是非責任を果たしていただきたいということを重ねて要求したいと思います。
 次に、法案の質問に入りたいと思います。
 これは農業経営基盤強化法案についてですけれども、農地が農地として活用されることになるのかという、これがコンクリート農地についてということなんですけれども、コンクリート農地の規定というのは、第五章に、雑則にあります。第四十三条、農作物栽培高度化施設に関する特例と、特例というふうに規定されています。
 そこで、農作物栽培高度化施設の定義について御説明いただきたいと思います。
#124
○政府参考人(大澤誠君) 農作物栽培高度化施設とは、今回の改正によりまして、農業委員会に届け出ることによって底地をコンクリート張りしても農地転用を要しないものとして農地法上取り扱うものでございます。
 具体的な内容は省令で定めることといたしておりまして、省令においては、専ら農作物の栽培の用に供されるものであること、周辺農地の日照が制限されないための施設の高さについての基準や必要な排水施設を設けることなどの要件を定めることとしております。
#125
○紙智子君 高度化施設というのは、環境制御、衛生管理できる施設というふうに言っていますよね。今年の冬は北陸とか北海道で物すごい豪雪の被害もあって、随分農用ハウスが被害に遭ったわけですけれども、そのほとんどが普通の農業用ハウスだったですね。
 農業用パイプハウスというのは、これ農作物栽培高度化施設になるんでしょうか。
#126
○政府参考人(大澤誠君) 農作物栽培高度化施設は、今回の改正案の農地法の四十三条二項に書いてございますが、この定義は、具体的に見ますと、農作物の栽培に用に供する施設であって農作物の栽培の効率化又は高度化を図るためということでございます。ですから、高度化を図ることが必ず必須の要件になっているわけではありませんで、効率化と高度化を仮に高度化でまとめているというだけでございます。
 ですから、高度化をしていない、そういう環境制御をしていないものであっても、先ほどから御説明申し上げているとおり、高設棚を単に設置するとか、そういうものはむしろ効率化の方で入ってまいりますので、結果的にこの農作物栽培高度化施設にも該当するというふうに考えております。
#127
○紙智子君 その高度化とか効率化ということ自体も、なかなかちょっと抽象的でよく分からないんですよね。
 農業用パイプハウスが高度化施設になるのかどうか、これどうですか。
#128
○政府参考人(大澤誠君) 底地をコンクリート張りにするにはそれなりの理由があるだろうと思っております。それが環境制御であったり高設棚を設置するとかそういうことですので、それなりの理由があればこの高度化施設に該当すると我々は運用したいと考えております。
#129
○紙智子君 第四十三条に、農業委員会に届け出て農作物栽培高度化施設の底面とするために農地をコンクリートその他これに類するもので覆うというふうにあります。
 それで、農業者が自分で栽培している農業用パイプハウスは、これは高度化施設だというふうに届け出たら高度化施設として認めるんでしょうか。
#130
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返しになりますけれども、底地をコンクリート張りする理由、これは農地の違法転用状態を防止するためには必要だと思っておりますけれども、その理由についてはいろいろな理由があると考えられると思っております。また、技術の進歩によっていろいろ変わり得るとも思っております。そういうこともありますので、一律に要件をこの高度化なり効率化のところで定めることまでは考えておりません。
#131
○紙智子君 ちょっとその辺もよく分からなくて。農業用パイプハウスというのは高度化施設なのかそうでないのかと。そうでないんですか。そうなのかそうでないのかというのをちょっと。
#132
○政府参考人(大澤誠君) 底地をコンクリート張りする必要が認められれば、なり得ます。
#133
○紙智子君 本当ですか。コンクリート張れば認めると、高度化施設ということになるんですか。
#134
○政府参考人(大澤誠君) どういう用途かにするによります。それは、やっぱり、何かいろいろ届出のときに、どうも施設の大きさとかそういうのを見て、これはもしかしたら倉庫に使うんじゃないかとか、もしかしたら農業用以外に使うんじゃないかと、こういうことになれば、それはどういう計画なのか農業委員会はよく見るということになると思います。
#135
○紙智子君 何か本当、分からないんですよ。私たちの周りの農家の人たちは、いや、今度の法律できたら、ああ、じゃ、自分のところもコンクリート張りにしようかなと思ってやったら、いや、それはもう転用をやってくださいと、手続してくださいと言われる可能性があるのかということなんかも含めて、いろいろ疑問が出ているんです。
 それで、一律には決めないという話もされているんだけれども、農水省の我が国の施設園芸の現状という資料がありますよね。この資料を見ますと、農業用ハウス、農業用の温室の設置面積というのは四万三千二百三十二ヘクタールだと。そのうち複合環境制御装置のある温室というのは九百五十二ヘクタール、二・二%でしかないんです。で、法律案は、農作物栽培施設とは書かずに、わざわざ高度化という言葉を書いてあるわけですね。普通の農業用パイプハウスを高度化施設として認めるならば、わざわざ高度化という言葉を入れる必要はないんだと思うんですよ。高度化施設と高度化でない施設というのは違いは何なんでしょうか。
#136
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返して恐縮ですけれども、底地をコンクリート張りするのであればどんないわゆるパイプハウスであってもいいということであれば、それは本来の農地法の目的にそぐわない仕様になる可能性があります。ですので、高度化、具体的には、これ定義を見ますと高度化又は効率化ではございますけれども、やはりそれは一定の底地をコンクリート張りして農業用に使う理由があるんだろうと、それを表した概念でございます。
 他方で、いろいろな事情はあると思いますので、現状においてはかっちりと一律な基準を定めるつもりはございませんけれども、あくまで我々の目的というのは違法な転用を防止するということですから、そのために必要であれば、そういうことが明らかになればそのときにはまた考えたいと思いますが、現状では一律に考えることは考えておりません。
#137
○紙智子君 何か、これレクでも何回も聞いているんだけど、やっぱりはっきりしなくて、普通用のパイプハウスは高度化施設とは言わないんじゃないですか。普通のパイプ用ハウスは言わないんだと思うんですけど、そうだとするとどうなるかというと、普通の農業用パイプハウスで底面をコンクリートで覆った場合は農地としては認めないということになるわけですよね。転用手続を求められることになるんだと思うんです。
 私は、農業生産を発展させる技術革新については必要だと思います。小さいハウスであっても高度化施設を造ることだって可能なのかなと思います。しかし、普通の農業ハウスがこれ高度化施設と認められないならば、誰のために、しかも特例ということでコンクリート化を認めるのか、そのことが問われてくるんだと思うんですね。
 それで、農作物栽培高度化施設には植物工場も入るんでしょうか。
#138
○政府参考人(大澤誠君) 植物工場につきましても、これは定義はいろいろございます。我々としては、あくまでこの法律上の農作物栽培高度化施設の省令で定める基準、具体的には、専ら農作物の栽培の用に供されるものであること、それから、周辺農地の日照の問題等を解消するために施設の高さ、あるいは排水施設の基準等々、こういう要件を該当するものについては農作物栽培高度化施設に該当すると考えておりますので、いわゆる植物工場、人工光を用いた閉鎖型の栽培施設などが該当するかどうかはひとえにこの基準に沿って判断されることとなると考えております。
#139
○紙智子君 植物工場もそういう条件に合えば入るんだということですよね。
#140
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返しになりますが、この省令の基準によって判断されるということでございます。
 ちなみに、ちょっと済みません、小規模、大規模という話がございましたけれども、先ほどの例にも申し上げましたけれども、これは、おじいさん、おばあさんが腰を曲げなくても済むようにということも農作業の効率化に役立つと考えておりますので、そちらの方ではそういう小規模なニーズにも該当し得るものと我々は考えております。
#141
○紙智子君 それで、植物工場を建設するにはどれぐらい費用が掛かるのかということについて、農林水産研究開発レポートがあって、そこには七百二十平方メートルの完全人工型施設の十アール当たりのコストは、設置コストは三億一千万円、光熱費等の運営コストは千八百六十万円になるということが紹介されています。
 完全人工型施設の経営を、例えば三、四人の個人経営とか家族経営でできるんでしょうか。
#142
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 ちょっと今先生おっしゃったもの、ぱっと出てまいりませんけれども、私どもは補助でいわゆる完全人工光型の植物工場についても補助している例がございますけど、その例で見ますと、一設備当たりの投資規模、様々ございまして、一番小さいものですと一千万円、平米当たりの単価で二十万円、一番高いものですと十五億九千万円、これ平米当たり単価の三十九万円ということで、非常に幅がございます。
 そういう意味では、完全人工型の植物工場でございましても投資規模も様々なので、施設規模に応じました資金調達を行うことができれば家族経営であっても取り組むことは可能だろうとは思いますけれども、私、全てを承知しているわけではございませんが、完全人工型につきましては実態としては法人経営が中心じゃないかというふうに考えてございます。
 これは多分、先生も今御指摘あったとおり、完全人工型ですと光熱費などのランニングコストが非常に大きいので、運転資金も含めた資金調達が比較的容易となるなど、法人経営というのが事業運営に適していると、そういうことからじゃないかというふうに考えてございます。
#143
○紙智子君 そうですよね。やっぱり家族でやろうと思っても、掛かることを、投資しなきゃいけないとなるから相当やっぱり慎重だと思うし、すごく大変なことなんだと思うんです。
 今年、二〇一八年二月に野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社というのが植物工場経営の現状と将来展望というのを出しています。そこに、太陽光型植物工場について、規模的には栽培面積一ヘクタール程度までは家族経営で運営可能だと考えられるが、一ヘクタールを超える規模になると組織的な経営が必要になり、正社員は直接作業に関与するのではなく、マネジャーとしての役割を担い、作業はパートが担当するオペレーションを採用しているということを報告しているんですね。
 一ヘクタールを超える施設というのは、これは資金面だけでなくて、やっぱり運営面でも家族経営では限界があるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうか。
#144
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 大規模な施設園芸になりますので、例えば環境制御の面ですとか、生産ロットを確保した有利販売するとか、そういうメリットがございますけど、当然ながら設備投資とか労働力の確保というのが問題にはなります。
 それで、一ヘクタール以上の太陽光型の施設園芸の運営主体は、私どもが日頃からの情報として収集している感じでいいますと、農地所有適格化法人が多いというふうに思いますけれども、家族経営であっても雇用労働を活用して運営している事例も少なからず全国にございます。例えば、そういう場合、今先生がおっしゃったように、経営管理専属の従業員を配置する例ですとか、あとパートさんを雇う例だとか、その雇い方はいろいろございますけど、家族経営で雇用労働を活用するという例も少なからずございますので、法人化するかどうかというのはそこの農業者の選択でやられているんだろうというふうに思います。
 いずれにしても、家族経営にせよ法人経営にせよ、農業者がそういう雇用を活用するですとかいたしまして、効率的に作業を行うようなマネジメントの技術ですとか、作業の台車ですとか、自動かん水なんかの活用によって省力化を図るとか、そういうことが技術面が非常に重要でございますので、農林省としても地域の中心的な農業者が行いますマネジメント技術ですとか省力化技術の実証、またその実証温室での研修の受入れ、そういうことに対して支援を行っているところでございます。
#145
○紙智子君 今答弁の中で、家族でもできなくはないような話があったんだけど、雇用労働だとかいろいろな技術面とかそういうことも含めると、私はやっぱりそう簡単ではないんじゃないかなというふうに思うわけですね。
 それで、家族経営でもコンクリート化を認めるということにするのであれば、高度化という言葉を入れる必要はないわけです。なぜ高度化施設に限定したのかということでいうと、これ先ほど舟山さんも質問の中にありましたけれども、二〇一七年の一月二十日、国家戦略特区諮問会議に、この日はあれですね、竹中平蔵氏、八田達夫氏ら有識者から、国家戦略特区、追加の規制改革事項などについてという要望が出ているわけですよね。で、農地へのコンクリート打設についてと、規制担当官庁の主張、いろいろ出されています。国家戦略特区のワーキンググループの主張、出ていますけれども、これをちょっと読み上げていただけますか。
#146
○政府参考人(村上敬亮君) 御指摘の諮問会議では、規制改革事項の追加に向けて、国家戦略特区ワーキンググループでの議論の状況について……(発言する者あり)はい、失礼いたしました。
 御指摘の諮問会議では、お話のあったとおり、国家戦略特区ワーキンググループでの議論の状況について八田議員から報告がなされ、該当部分でございますけれども、報告された規制改革事項、民間議員ペーパーの中の一つに農地へのコンクリート打設があり、規制担当官庁である農林水産省の方からは、農地は一旦コンクリートで固めると耕作不能となるという主張の紹介が、それに対して国家戦略特区ワーキンググループの側からは、植物工場等は農業の競争力向上にも貢献、転用せずとも農地として円滑に農業が行えるようにすべきという二つの御主張を対比して御紹介をさせていただいているところでございます。
#147
○紙智子君 今紹介されているように、農水省としては、一旦コンクリートで固めると耕作不可能になるというふうに言っていたわけですよ。この見解をなぜ変えたんでしょうか。
#148
○政府参考人(大澤誠君) 過去の経緯ですので私の方から御説明を申し上げますが、まず、この先生の御指摘のありました一月二十日の資料につきましては、農林省の主張として書いてございますけれども、農林省の言っていることをこの資料の提出委員が書いたものでございまして、私らは相談にあずかっておりません。ただし、そこに書いてあります農地は一旦コンクリートで固めると耕作不可能になるというのはある意味で当然のことでございまして、農地法の定義上、その耕作というものが定義されておりますので、コンクリートで固めると土がなくなるから耕作ができないという現行農地法上の解釈を述べたということでございます。
 その証拠と言ってはなんですが、我々もこの紙を見まして、これはちょっと誤解を招くおそれがあるということで、平成二十九年二月二十二日に農林省として資料を提出させていただいておりまして、そのときには、その文言を引用しながら、農地を一旦コンクリートで固めると耕作不可能となると回答していますが、それをもって別に提案に対応できないと回答しているわけではありませんということを言った上で、農業用施設を全面コンクリートで地固めすることについては、例えば農作業の効率性が向上するなどの農業経営上のメリットがあると考えられ、特定の地域に限らず全国各地で行われているところであると。これは特区での議論でございましたので、そういうことを言った上で、このため、農林水産省としては、農業政策上どのように取り扱うことが農業振興を図る上で望ましいのかという観点から検討すべきものと考えていると言ったところでございます。
 これに対して特に規制改革会議からは意見があったわけではなく、以後、我々が主体的に検討していったというふうに理解しております。
#149
○紙智子君 今のその説明も何かすごく言い訳的に聞こえていて、やっぱり主張を変えたということになるんじゃないんですか、変えていないんですか。元々そうじゃなかったんでしょう。
#150
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返しになりますが、この会議における委員の提出資料に書いてあるものでございまして、農林省はいろんなことを言っている中のこの一部だけ書いてあるので、それを訂正すべく、二月二十二日に、我々の主張を体系的に述べた上で、農林省としてどういうふうにすれば農地法の趣旨を全うし、かつ農業政策上、農業振興を図る上で望ましいかどうかを検討したということでございます。
#151
○紙智子君 後付け的に言っているようにしか聞こえないんですよね。この間何度もやり取りしたときには、そういう説明なかったですよ。後から付けたんじゃないですか。
 いろいろ、先ほどのやり取り聞いていても、要するに現場からの要望があったからだという話もありましたよね。だけど、やっぱりいろいろ要望で、例えば日本農業法人の協会、ここの要望があったのは二〇一七年の六月十五日だとか、全中の要望は十一月だと。だけど、その前に、結局規制改革のこの実行計画が閣議決定されているわけですよ。
 だから、何で閣議決定のときにはもうこういうふうに解釈を変えたのかということなんですね。民間からの強い要望が出されたからではないんですか。
#152
○政府参考人(大澤誠君) 先ほどのお話のしたとおり、二月、ずっと前、それこそ平成二十三年当時からですね、政府の閣議決定、当時の政府の閣議決定でも検討するということは位置付けられておりますけれども、近年でいえば、この二月二十二日、二十九年の二月二十二日に全国的な課題として検討するということを言った上で、具体的にはこの規制改革会議の決定の前に、二十九年の五月に農林水産業・地域の活力創造本部において、当時の農林水産大臣から、この農地をコンクリートとすることについてはどうするかを取扱いを検討するということをお話ししておりまして、規制改革はそれを後追いしているというふうに我々は理解しております。
#153
○紙智子君 先ほどの舟山さんとのやり取り聞いていても、今、違いますよ、言っていることが。
 民間の産業競争力の懇話会という団体がありますけれども、大手の企業が会員になっている団体ですよね。二〇一六年の三月に植物工場の研究開発を加速するための国内法の整備と規制緩和として、農地法ともう一つ、建築基準法などの規制緩和を求めているわけですよ。
 なぜ農水省は解釈を変えてまでこのコンクリート農地を認めるのか。それは、農業者のニーズに応えるとか農業者のためになるかのように何かその期待感を強調しているんですけれども、それだったら、どうして高度化施設に限定するのかということですよ。認められないハウスがビニールハウスなんかに出てくるという可能性があるわけです。
 そうすると、実態としては、これ農地のコンクリート化する制度を使えるのは、結局は植物工場が中心になるんじゃありませんか。
#154
○政府参考人(大澤誠君) どうしてもその高度化という言葉にこだわりがあるようでございますが、繰り返しますけれども、農地法のこの改正案そのものをよく見ていただければ、これは高度化施設というのは高度化だけの施設ではありませんで、四十三条の二項に書いてあるとおり、効率化又は高度化というのをたまたま高度化に縮小、縮約といいますか、縮めて定義をしているだけでございます。
 ですから、植物工場だけということでは一切ありませんで、何回も申し上げているとおり、腰を折らないでも農業ができるとか、そういうことも主に想定しているところでございます。
#155
○紙智子君 先ほどのちょっと舟山さんの資料を見ても、もう五月の段階でそれに応えて、決まっているわけですよね。だから、いろいろ言い訳されるんだけれども、ちょっとそれは矛盾しているというふうに思いますし、やっぱり言い訳にしかすぎないというふうに思うんですよ。
 それで、先ほど紹介した野村アグリプランニングの報告はこう書いているんですね。植物工場は工場や学校施設を活用することでコストを軽減してきた、コンクリート張りの場合、これまでは農地として扱われなかったが、農地扱いになる方向になると。農地扱いではなかったために建築基準法が適用されたけれども、農地扱いになれば制約が緩和される、建設コストの低減は可能になる、固定資産税などの税金面もコスト低下になるというふうに言っているわけですよ。これ、企業のための制度になりかねないと思うんです。
 もう一つ聞きたいんですけれども、都市農地円滑化法が先日参議院で可決されました。生産緑地にも植物工場を設置することができるんでしょうか。
#156
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 生産緑地地区内におきましては、農地等が有する良好な生活環境の確保の機能を維持するため、建築物の建築等を市区町村長の許可に係らしめております。
 市区町村長は、建築物の建築等が農産物等の生産の用に供する施設等の設置又は管理に係る行為で、かつ良好な生活環境の確保を図る上で支障がないと認めるものである場合に限り許可することができることとされています。農作物栽培高度化施設は農産物等の生産の用に供する施設に該当いたしますことから、市区町村長が当該施設の設置が良好な生活環境の確保を図る上で支障がないと判断した場合には生産緑地地区内での設置が可能となります。
#157
○紙智子君 今の答弁、もう生産緑地も対象になるということです。
 改正案には、周辺の農地の営農条件に支障を与えない施設というふうになっています。生産緑地は農地というよりも宅地に囲まれているんですよね。せっかくある生産緑地が植物工場になってしまったら、緑豊かな景観の形成とか防災空間の確保とか、この都市農地の多様な機能を保全することにならないんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#158
○国務大臣(齋藤健君) 現実に、先ほどから申し上げていますように、これを設置するに当たりましては、周辺の営農状況にどう影響を与えるかと、与えないようにということはちゃんと見させていただく仕組みになっていますので、それは生産緑地かどうかに限らずそれはしっかり見るということに尽きると思いますし、現実にそういう技術が出てきて、それをやりたい人が増えてきていると。それを禁止をするということであるなら別なんですけれども、それをやっぱり活用しようと思えば、どういう形で農家あるいは生産法人の人たちがそれをやることが一番農政にとっていいかという見地から提案をさせていただいているところでございます。
#159
○紙智子君 技術の進歩は私も否定はしないですけれども、それであれば、もう一回ちゃんとよく元に戻って議論していただきたいと思います。
 生産緑地で植物工場が推進される懸念もあって、植物工場が失敗した場合は今度は農地に戻すことが困難になるという問題がある。それから資材置場になりかねないということもあるわけです。やっぱり、いつでも耕作できる状態に保ってこそ農地なんだと思います。農政の岩盤中の岩盤である農地の安易な規制緩和は行うべきではないということを申し上げて、あと一問だけ質問をいたします。
 相続未登録農地についてですけれども、農地が荒廃すると、これ病害虫の発生や災害の要因になってしまいます。周辺農地や宅地にも影響が及ぶ可能性があります。日本共産党は、この農地を農地として活用する対策は必要だと思います。
 改正案では、農業委員会が共有者の探索を行う仕組みがつくられました。第二十一条の二の二で、農業委員会は相当な努力が払われたと認めるものとして政令で定める方法、そしてまた、公示を行う条件としては、第三十二条で、農業委員会として相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法によって探索を行ってもというふうになっています。
 この相当な努力というのはどういう探索かということを端的にお願いします。
#160
○政府参考人(大澤誠君) 二つの条文について相当な努力という文言が用いられておりますが、これはいずれの場合も具体的には同じ要件を考えております。
 まずは、共有者不明農地の分かっている共有者に対して書面の交付その他の方法によって照会する、それから、登記事項証明書の交付をまず請求する、そこの登記事項証明書に記載されている所有権の登記名義人の戸籍をまず請求する、戸籍に記載されている者、具体的には配偶者と子供まで記載されておりますが、その住民票を請求する、この全ての措置をとります。かつ、当該措置により分かった共有者に関する情報に基づいて共有者と思われる者への書面の交付その他の方法によって照会する、この全てを行うということが政令で考えていることでございます。
#161
○紙智子君 ちょっともう一つあったんですけれども、時間になりましたのでまとめたいと思います。
 それで、やっぱり慎重にも慎重を期してやっていただきたいというふうに思います。未登録農地をどうするかというのは、やっぱり財産権に絡む話でもありますので難しい問題なんですけれども、やっぱり農地を農地として活用するというところが基本だと思います。そのことを申し上げまして、質問を終わります。
#162
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 農業経営関連法案に対する質問を行いますが、要するに、今回の法案を見ているというと、みなし法を制定していこうというようなことがまず第一に目に付きます。
 そういう観点から、今回の法案によると、新たな制度を用いて、不明な共有者についてはその同意がない状態でも利用権が設定されることになるわけです。したがって、不明な共有者の同意、つまり、みなし制度は私的権利を制限することになるわけですが、気になるのは、憲法上の、二十九条でしたか、財産権との関連はどう展開していくのか、まずお聞きしたいと思います。
#163
○政府参考人(大澤誠君) 日本国憲法第二十九条第二項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」というふうに記載されております。すなわち、財産権については公共の福祉により一定の制限が行われるというふうに考えております。
 農地につきましては、それをある意味で具体化、具現化する意味で、農地法上、農地所有者等は農地を適正に利用する責務がございます。今回の制度は、この現在農地を管理している方がリタイアする場合等に伴う遊休農地化することを防止するために農地の適正な利用を確保するために行うという意味で、この農地法上の責務に適合することであること。加えまして、農地は機構を通じて担い手等に貸し出される仕組みとしておりますので、農地のより効率的な利用に資するものであること。それから、本制度による機構への貸付けに当たっては、不明な共有者の探索や公示による不明な共有者から異議が出ないことの確認など極めて慎重な手続が確保されているところでございます。
 こういうようなことから、我々は公共の福祉に適合し、かつ不明な共有者の財産権を不当に侵害するものではないというふうに考えてございます。
#164
○儀間光男君 何か聞きようによっては、取りようによっては、憲法より優先すると、上位に置くというようなことにも聞こえなくもないんですが。
 なるほど、大規模農場であるとか、あるいは集積された田畑であるとか農地であるとか、こういうところに不明地が一坪二坪、一筆二筆あった場合は営農上極めて不都合が生ずるわけです。そういう意味では有効な方法かな、有効な法律なのかなと思うんですが、いずれにいたしましても財産権の侵害のないようにしっかりと運用をしていただきたいと思います。
 次に、不明農地に関する新たな制度、つまりみなし制度ですが、利権者の定義の前に、農業委員会が不明な共有者の探索、先ほどおっしゃっていましたが、探索を行うことになっております。この探索の範囲は政令で定めるとされておるんですが、具体的にどういう範囲なのか、あるいは探索の期間はどの程度なのかをお答えいただきたいと思います。
#165
○政府参考人(大澤誠君) まず、この具体的な範囲は政令で定めることにしておりますけれども、この探索方法については、まずその共有者の情報を取得するために、まず知っている方、分かっている共有者の方には書面の送付その他、対面、近くに住んでおられる方には対面ということもありますが、そういう方法について照会すると。
 それから、共有者が不明農地の登記事項証明書の交付をまず請求します。登記事項証明書に記載されている所有権の登記名義人の戸籍を次に請求します。その戸籍には配偶者、子供が記載されておりますが、その住民票を請求いたします。その全ての措置をとった上で、共有者の情報が追加的に分かります。その追加的に分かった情報に基づいて、共有者と思われる方への書面の送付その他の方法により照会するということを政令で定めることと考えております。
#166
○儀間光男君 そのことはよく分かるんですが、私、実は市長時代に、固定資産税の見直しをやろうということでいろいろやったら、この不在地主というか、不明共有者が出てまいりまして、この探索は容易じゃないんですよ。沖縄県なんというのは移民県ですから、私が市長をした浦添市というのもその大半は移民市でありますから、中南米、あの辺までみんな行っているんですね。
 だから、その期間たるや費用たるや大変なものになるんですね、これ全国ベースでいきますから。広島や岡山なんかも移民県であるわけですが、そういう中南米まで行って探索をしてやろうとしていらっしゃるのかどうか、その辺どうなんでしょうか。
#167
○政府参考人(大澤誠君) 地域の外までわざわざ訪問して、それで確認するということは今回は考えておりません。近くの場合にはそういうことがあると思いますが、基本的には郵送すると、郵送して照会するということを考えております。
#168
○儀間光男君 郵送にしても、遠い南米辺りになると大変ですよ。そういうこともよく参考にしながらやっていただきたいと思うんですが。
 ここで考えられることは、これ農業委員会に依頼していくわけですから、当然のことながら農業委員会の業務は大変な業務になると考えられるんですね。そうしますというと、その農業委員会の負担あるいは膨大な業務量、これに対する例えば予算であるとか人的手当てであるとか、そういうことは政府、ちゃんと準備されているんでしょうか。
#169
○政府参考人(大澤誠君) これは、農業委員会は現在でもこの探索の仕事、事実上やっている場合が非常に多くて、確かに非常に手間が掛かってございます。一つのケースでは、四十ヘクタールの農地の集積に当たりまして、一年間、一千万円を超える費用を掛けて相続人を明らかにしたという事例もあるところでございます。
 ところが、今回、先ほど御説明しましたような政令の手続を具体的に定めて、これ以外はもういいんだということを決めることによりまして、探索の範囲が明確化し、手間やコストはまず下がると思っておりますが、さはさりながら、必要な費用というのは掛かってまいります。それにつきましては、農地中間管理機構の集積支援事業により支援するということを考えてございます。
 それから、人員につきましては、農業委員会改革に伴いまして、改正前の体制では農業委員約三万五千人の体制でございましたが、改正後は農業委員と農地利用最適化推進委員、合計で四万三千六百名程度となる見込みでございますので、それだけ人員が増えるわけでございます。これを有効に活用しながら職務を遂行してまいりたいというふうに考えてございます。
#170
○儀間光男君 要するに、今の体制でもう心配はないと、こういうことに理解したいと思いますが、もう一度、私が移民者で南米へ行って調査した経緯を、状態を言いますけれど、幸いに、浦添市の移民史を作ろうということで、北米、中南米、移民史編さん委員をつくってあって、そこでこういう不在地主があの辺に点在していることを分かりましたので、移民史の上に更に一千二百万追加をして移民編集委員に調査をしてもらったんです。四年掛かりましたよ。四年掛かってやったけど、まだ解明できないで、かなりのものがあります。
 もう移民から百何十年掛かっていて、もう向こうでは五世、六世、顔を見ても日本人の顔していない移民者もおるわけですよ。その人たちが、自分が日本系統で日本のどこかに財産があったなどというのは聞いたことないし夢にも見たことないと。したがって、どうしたらよいか分からぬといって、まだ未決着のままに置かれているんですね。
 だから、そういう例がありますから、容易な思いでこれに関わっては大変ですぞということを経験者として申し上げておきたいと思います。
 次に、これ、所有者不明用地に関する新たな制度ですが、これ今まで五年だったのが使用権を二十年まで設定することができると、こういうことがされています。これぐらいの長期になれば、途中何らかの形で亡くなられるケースだってあると思うんですね。そういう場合はどのような状況になるか、亡くなられた方の同意書と同じような形で継続していくのかどうか、その辺はどうなるんでしょう。
#171
○政府参考人(大澤誠君) この新しい制度に基づいて利用権が設定された後の取扱いについては、民法上の賃貸借と同様の取扱いになります。すなわち、民法八百九十六条によりまして、土地を貸し出した者が死亡した場合には、相続人に賃貸借契約が引き継がれることとなります。これと同様に、新制度により同意をした共有者が亡くなった場合にも賃貸借契約は相続人に継承されることとなります。
#172
○儀間光男君 これは、新たな相続者、共有者、これがおるとも限らないわけですね。いないケースだってあるかも分かりません、やってみるとね。そういうことも少し心配されるんでありますが、そのときはどう処理されるんでしょうか。相続者がもう不明で、相続はいなくて、賃貸契約やりたいけど亡くなった人の相続者が不明であってできないとか、こういう場合はどうなるんでしょうか。
#173
○政府参考人(大澤誠君) 恐縮ですが、一旦新しい制度で権利が設定された後に所有権者が亡くなって誰も分からなくなった場合ということでよろしいでしょうか。それとも、そもそもその土地について所有者が誰もいないので分からない場合ということでしょうか。
 もし、そういうことであれば、後者であれば、全く分からないということは、もうこれは遊休農地である可能性が極めて強いと思いますので、それは農地法上の遊休農地に係る措置、最終的には知事の裁定により農地中間管理機構に利用権が設定されるというようなことが既に制度としてございますが、この制度を今回、利用権の設定期間を二十年にする等使いやすくすると、あるいは探索の範囲も明確化するということにより更に使いやすく対応してまいりたいというふうに考えてございます。
#174
○儀間光男君 確かに、相続未登記農地のその大半は誰かが管理されている、遊休化はしているのは少ないというふうに聞いております。したがって、所有者が全く分からないケースもあり得るかもしらないですが、そのような所有者が全く分からない農地について今のお答えで理解していいんですか。
#175
○政府参考人(大澤誠君) 御見解のとおりでございます。
#176
○儀間光男君 ありがとうございました。
 次に行きたいと思いますが、制度と登記費用、これに関して少し聞きたいと思います。
 農地の所有者が登記を行わない最大の原因が、登記制度の難しさや複雑さ、あるいは煩雑さ、それに加えて、登記制度を知らない、いわゆる制度に対する理解が少ないというような場合が多いとされております。
 そこでお伺いをしたいんですが、農地を更に有効に活用するために未登記農地を更に解消することが必要であるわけですが、解消のために登記の義務化、この法律、これで全部解消されるという法律になっていないんですよ、そうですね。そうすると、それを解消する、そういうことをこれから余り起こらないように、抑制していくためにも登記を義務化する必要があるんではないかと思ったりするんですが、それについての御見解をいただきたいと思います。
#177
○政府参考人(大澤誠君) 確かに、今回、関係省庁、国土交通省、農水省それぞれの担当分野におきまして法案を出しておりますけれども、当面は今の登記制度等々を前提にした上で、農地法であればその利用者の責務規定等々をより発展させるための改正を考えているわけでございますが、あくまで当面の、すぐに対応すべき対応策ということでございます。
 相続登記の義務化あるいは土地所有権の問題、登記制度や土地所有権の在り方、こういうような根本問題も政府部内では議論をしなければいけないということが決まっておりまして、中期的な課題として、中期的なといいましても、早々に検討を行うべく、今法務省を中心に研究会を立ち上げて検討しているところでございます。これ、農林省だけでは結論を出せる問題ではないというふうに考えておりまして、農林水産省もこの研究会に参加して積極的に協力してまいりたいというふうに考えてございます。
#178
○儀間光男君 結論いつ頃出るか、見通し付きませんか。
#179
○政府参考人(大澤誠君) 中間的な取りまとめについては、来年の二月にも何らかの形で方向性を出したいということを今関係省庁の間では話をしているところでございます。
#180
○儀間光男君 いつから始まって、来年の二月、中間報告を出せる状態にあるんですか。
#181
○政府参考人(大澤誠君) 法務省の研究会は、昨年十月に既に立ち上がっているところでございます。
 現在、精力的にテーマごとに議論しているところでございます。
#182
○儀間光男君 農林水産省はいつから参加したんでしょうか。
#183
○政府参考人(大澤誠君) 第一回目から農林水産省の経営局の農地政策課長が参加してございます。
#184
○儀間光男君 期待をいたしております。
 次に行きたいと思います。
   〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕
 この未登記農地の発生を抑制するために、今義務化の話もやりました。農林水産省としても積極的にこの登記の必要性を農業者にアピールしていただく。さっき言ったような、制度を知らないでそのままになっているという方もかなりアンケートを見るといらっしゃるので、そういう方々に対する、制度をよく知らしめていくという意味で、アピールをすることによってそれを促進していくということが大事だと思うんですが、そのPRその他、どういうふうに向き合っていこうとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#185
○大臣政務官(上月良祐君) 御指摘はごもっともでございまして、相続未登記となって所有者が分からない農地が生じないように相続登記自体を促していくことが重要であると我々も考えております。
 農地法は、農地法上、平成二十一年の改正によりまして、農地の相続発生時に農業委員会に届出を行うということが義務付けられております。この届出件数も年々増加をいたしておりまして、平成二十七年で見ますと、制度が始まった直後の平成二十二年と比べてみても、もう倍程度の、件数でいうと四万三千件、合計二万八千四百ヘクタールに上っているところであります。そういう意味では、PRといいますか、制度の周知も徐々に進んできているというふうには思っております。
 ただ、とにかくこれからも、とにかくまず届出の際に相続登記をきちっとしていただけるように働きかける、それ以外のときも含めてでありますけれども、とにかく届出のときにしっかり言うということが重要であるというふうに思っております。
#186
○儀間光男君 PRを、制度を周知徹底、周知してどうぞいただきたいと、こう思います。
 次に、これ費用もいろいろあるんですね。
 今、私、手元に、平成二十八年度の相続未登記農地実態調査事業の報告書を見たりしておるんでありますが、これを見ますと、費用の負担が大きくてなかなか進まないというようなアンケートが出ているんですね。
 この負担を軽くする、軽減する、そして相続登記をしやすくする、そういうことの努力が必要だと思うんですが、これ見ますというと、登記費用を支払う意思は十分に持っているんですね、その登記者も。ところが、負担能力と実際の実費とが乖離があり過ぎてなかなかもたない、できない。ほっておっても当分大したことないからそのままにしておけというような状況下にあるんだそうですね。見ますというと、大体平均で四万から十万なら負担していいけれど、実際は二十数万掛かって、それまでは負担できないというようなアンケート調査がこれに答えているわけです。その方が、大体五千円未満なら応じていいという人が三七%おったりしますが、事ほどさように、この諸費用の低減化が、明確化にしていかなければならないと、こういうふうに思うんですが。
 そのためには、登記の手続をワンストップでやっていく。市町村へ出かけ窓口行って、市町村へ行けば全て、法務局行かぬでも、地方局行かぬでも市町村で手続が全部済んでしまうというようなことがあっていいと思うんですね。聞きますというと、役所が遠い、あるいは時間、手間暇が掛かる、経費が更に重なる、そういうことでなかなかやれないと。さっき言ったように、当分ほっておってどうってことないんだからやめておけと、そういうことになっているんですね、調査の結果。
 そういうことで、その費用の軽減方策、軽減するための方策などというのは考えられないか、制度化若しくはできないのか、その辺どうなんでしょうか。
#187
○政府参考人(大澤誠君) 先生のお話のとおり、市町村によってはワンストップで手続を、お亡くなりになった方が出た場合の手続をワンストップで行っている例もございます。ある京都府の町の例では、総合窓口課というところが一括して死亡届の提出があった場合に受付を行って、関係課と連絡を取って、送付する書類を取りまとめて、死亡届に伴う諸手続の案内資料として相続人等に送付すると、こういうサービスを行っている例もございます。
 我々、政府としてもこういう取組を広げることが大事だと思っておりまして、これにつきましては、国土交通省、法務省といった関係行政機関と協力しまして、平成二十八年に、所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドラインということをまとめて普及をしているわけでございます。その中にこういうようなワンストップの例というのも掲げさせていただいて、推進して横展開を広げてまいりたいというふうに考えてございます。
#188
○儀間光男君 それは、首長の姿勢、首長の考え方、そういうもので全国、何というんですか、偏りが生じたりいろんなことがあるんですが、こういう業務はもう一斉に同じことをやっていくということが大事なんです。ですから、地方に任すのじゃなしに、政府が音頭を取って仕組み、制度をつくって、どこの地域におってもワンストップでサービスを受けられると、こういうことをしてほしいと思うんですね。
 ということは、ちなみに、これも私事で恐縮ですが、実は私、浦添市というところに住んでおって、妻が大宜味村の喜如嘉というところなんですが、そこに実家があって、そこを、ばあさん年取ってもう亡くなりましたが、家を造ろうというので行ってみたら門扉が置けない状態で、隣に畑があって、その地主が会ったら、耕作していないものですから、行って相談して、十坪譲ってもらったんです。あの辺の畑の値段、恥ずかしながら、坪千円だったんですね。十坪ですから一万円ですよ。それを高く買えば地上げになってしまうおそれがあるから、それを遠慮して、一万円支払して、後でお礼で少し包んだんですが、このときの地目変更登記が一万円どころじゃないんですよ。はるかに手数料が高い。そういうことを実感すると、それはやっちゃおれないですよ。
 だから、そういうことのあっては余り公正公平な国民生活なんて言っておれないので、この辺、ワンストップを全県下で、全国で政府の音頭取りでやるんだというようなことで進めてほしいんですが、それについて、大臣、どう思いますかね。
#189
○国務大臣(齋藤健君) 市町村における相続登記含めた各種の手続そのものについて、ちょっと私、農林水産大臣としてコメントはできないんですけれども、昨年、父親が亡くなりまして、その際、私も大変苦労したということだけ申し伝えたいと思います。
#190
○儀間光男君 ワンストップ業務を全国でやるよと言ってくださいよ。その方がいいと思います。次の機会にそう答えていただくように期待をしたいと思います。
 さて、コンクリートの話に移りたいと思います。
 数年前、コンクリートから人へという大変な政策をいただいて、仕分の状態を見まして、当時市長ですが、長く自民党におったからそういう考えを感じなかったんですが、言われてみて、なるほど、歴史的に見るとそういう時期なのかなと思ったり考えたりしながらいろいろ調べて、コンクリートから人への施策を展開しようということでいろいろ暗中模索やっていったところ、政権が替わって実施できなくて残念だったんですが、ここへ来て、今、この法律を見て当時を思い起こして言うんですが。
 農地にコンクリートを張った場合、農業の形態が変わってくるのは当然ですね。普通、土を耕す。土を耕すのが本来農業だったわけですよ。だから、アグリカルチャーと言うじゃないですか。ということだったんですが、コンクリートアグリカルチャーになるというような感じになるんですけど、それに恐らく水耕栽培や礫栽培、あるいは砂れき、私は砂れきもやってみたんですが、というようなものが来ると思うんですが、コンクリートの農地の上で栽培される作物あるいはその栽培法はいかなるものでありましょうか。
   〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕
#191
○政府参考人(大澤誠君) 議員御指摘のとおり、我々が聞いておりますニーズの中で一番大きいのは、やはり、農地に高設棚、高い棚を設置して、そこで水耕栽培などなど、広い意味では養液栽培を行うということをやりたいんだけれども、それを土の上に棚を設置すると時間がたつにつれてその棚が傾いてきてしまう、そのたびにまた手入れをしなきゃいけなくなる、これを何とかしてもらいたいというニーズがまず一つございます。
 それから、環境制御、温度、湿度管理をしたりして、非常に収量を上げたり品質を向上したいという場合には、やっぱりむしろ土よりもコンクリートの方が制御がしやすいというニーズもございます。
 それから、これは農地そのものではありませんけど、主に通路かもしれませんが、お年寄りなり、最近若い方も、なかなか余り力仕事ばかり、腰を曲げる仕事ばかりできないということで、移動用カートあるいは収穫ロボット、こういうのを導入したいというようなこと、これはある意味では通路のコンクリートでございますけれども、そういうようなニーズがあるところでございます。
 それから、最近聞いたんですけれども、新規就農者の方はどうしても悪い条件の農地を持ちがちで、それをハウスにしても、コンクリートで張れないと雨が降るとその翌日はもう作業ができないとか、そういうニーズもあるというふうに聞いております。
#192
○儀間光男君 確かに水耕栽培、礫栽培は、水の確保をできない水なし農家なんというのは悲惨たるものですから、惨たんたるものになりますから。水の確保できない地域、ここには非常に適するんですよ。
 今おっしゃったように、施設の中は皆電気でコントロールしますから、水耕栽培も礫も、終年同じ温度を保てるんですよ、大体二十七度をね。そうすると、仮にトマトを取ろうと思ったら、一年間通じてずっとトマトを植え替えしないでも取れるんです。これは私、一九八〇年、昭和五十五年、五十六年、これ実際やったんですよ。ずっと取れるんです。で、収穫もいいです。
 今、腰を曲げないで農業と言ったけど、これも昔からすると逆の方向ですが、まあ最近ですからいいでしょう。僕は何を言ったかというと、ドレスを着て農業をしようと言ったんです。だから、それぐらい先進栽培法ではあるんですが、あるいはここは、コンクリートの上、これは直まき、直播、直植えできませんから、これは何か床を造らなきゃなりません。この床をどういう形で造っている。コンクリートの上に造っているの、ああ、コンクリートを床にしているのか、それとも上に何かビニールとかそういう加工品が敷かれているのか、その辺どうなんですか。
#193
○政府参考人(大澤誠君) 必ずしも全てについて熟知しているわけではございませんけれども、現地、地域においては様々な形態があるというふうに承知しております。
#194
○儀間光男君 まあ、いいでしょう。
 それで、今見ているというと、優良農地にコンクリートが張られると極めて異様に思います。平野先生から心配があった、営農が止まったときに一体誰がどこでどうするんだという心配ありますね。だから、優良農地にこれを促進するというよりは、荒れ放題の、コンクリ敷くんですから、極めて普通の農業をやるには困難なところ。水耕栽培ですから、水耕で栽培するか分かりませんよ、仮に水耕栽培だとすると水を導入してきますから、水路を造る必要もないんですよ。パイプで導入しますから。それで、地下タンクに水を落として液肥を使って水を吸い上げて、僕がやった方式は、一時間のうち四十五分は空にして、十五分水を与えるんですよ。そうすると、活力、活性力が違って成長が物すごいいいんですよ。
 だから、そういうことを考えると、水のないところにやるのが水耕栽培、礫栽培、砂れき栽培。だから、豊かな農地にコンクリを敷いて、上敷設して、何ともったいないなと、こう思うんですね。そうじゃなしに、さっきから言うように、普通の農業をするには難しい傾斜地であるとかあるいは岩盤の上であるとか、掘った返した、掘削した後であるとか、そういうところをいわゆる農業栽培工場として、農作物栽培工場として促進していくべきであると私は思うんですね。そういう意味で、ちょっともったいないことをやっているんじゃないかなと思ったりするんですが。
 この、大澤さん、さっきの答弁で、コンクリート張りをさせてくれと言ったのはどういう団体なんですか。皆さんが自らそれをやろうと、国としてそういう政策を打っていこうと、こうなったのか、あるいはどこかのファクターが働いて、農地転用ないように、農業続けるからコンクリ敷かせやとどこからのファクターが来たのか、その辺はどうなんですか。政府自らそうした方が、農場、生産工場を造るから、農作物の生産工場を造るから、収益もいいからというような農家思いでおやりになったのかどうか、その辺少し聞かせてください。
#195
○政府参考人(大澤誠君) 農業団体がどうこうということでは必ずしもございませんけれども、我々、日常的に農業者の方々、まあ青年農業者の方もいらっしゃれば、担い手の方もいらっしゃれば、農協の組合員の方もいらっしゃいますけれども、定期的な会合を行います。その際に幾つかそういう意見が常に出てきてまいります。そういうものの幾つかを今回御紹介した次第でございます。
 先ほど来議論になっておりますように、経済界とかそういうところが意見を言っていることは承知しておりますけれども、我々としては、そういうような日常的な活動で、農業者の方から、非常にこれはやってもらえると有り難いんだけどという意見を拾ってきているつもりでございます。
#196
○儀間光男君 先ほど、舟山筆頭理事の資料、カゴメの資料見たんですが、あれ、周辺からあの真ん中を見ると、農業を志している者、農業を促進しようとする者、残念でならないですよ。ああいうものこそ、さっきから言っているように、そこへ行って企業化して、そこから出る産物は、工場から農産物を出してきますから。
 農産物というのは第一次産業、工場から加工にいけば第二次産業。僕はいつか言ったんですが、これは一体、産業統計として第一次産業の統計にするの、第二次産業の統計にするの。私は、水耕栽培をやったときは県にこう言いました。一・五次産業に登録してくださいと。一次産業から工業品が出ます、だから一・五次産業に細かく統計資料を作ってくださいと言ったんですが。まあ政府にそういう考えがあるとは思えませんが、そんなようなことも考えながら、悪いとは言っていません、促進してください。ただし、立地する場所をやっぱり考えた方がいいということを申し上げているんですね。そういうことでひとつお願いをしたいと、こう思っております。
 さて、これも対象施設については省令で定める内容に法律はなっているんですが、どのような内容をどう定めていくのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#197
○政府参考人(大澤誠君) 省令におきましては、まず、専ら農作物の栽培の用に供されるものであることや、周辺農地の日照が制限され農作物の生育に影響を与えないよう施設の高さについての基準を設けること、あるいは排水施設の基準について設けることなどを検討しているところでございます。具体的には、なるべく客観的かつ数字で定めたいと思っておりますが、それについては専門的な知見も必要になるものでありますので、専門家の意見も聞いた上で具体的に基準を定めたいと考えております。
 なお、悪いことを考える方々は我々の常に裏をかく、想像も付かないようなことを考えるということもあろうかと思いますので、具体的な基準を付けることに加えて、そういうような個別の事態にも対応できるよう、一種のバスケットクローズ的な、その他周辺の営農条件に支障が生じないようにすること、こういうような要件も加えたいというふうに考えてございます。
#198
○儀間光男君 もう最後の質問になると思いますが、栽培高度施設については、その用地を農地として取り扱う以上、きちんと農業が継続されることが大前提です。必然なことなんですね。
 そこで、この高度施設で農業が確実に行われるんだという担保を皆さんどうしようとしているんですか。
#199
○政府参考人(大澤誠君) 今回の施設では、まず、この施設の要件をなるべく客観的に決めるというのが大前提でございますけれども、その前提として、農業が確実に行われることを担保する仕組みといたしましては、まず、これは一種の施設の基準で省令で定めることを考えておりますが、外から見やすい位置に農作物の栽培高度化施設であることを示す標識を立てるということを省令で義務付けたいと考えております。これによりまして、農業委員会だけでなく、周囲の農業者の目も働くようになるということになるのではないかというふうに考えております。
 その上で、農業委員会については、利用状況調査、あるいは周辺の住民からの通報等があった場合、あるいは作物の出荷時等に応じた随時のタイムリーな調査を行うことと考えております。これにつきましては、調査の例えば品目ごとに適当な調査時期の目安等のマニュアルを作って国としては農業委員会に徹底したいというふうに考えてございます。それでも栽培が行われていない場合には、今回新設いたします農業委員会による勧告、あるいは既存の農地法の様々な措置、違反転用に対する措置、原状回復命令、知事による代執行等を行うことといたします。
 これらの取組を通じまして、確実な農作物栽培について実効性を持って確保してまいりたいというふうに考えてございます。
#200
○委員長(岩井茂樹君) おまとめください。
#201
○儀間光男君 質問を終わりますけれど、くれぐれもこのコンクリートハウスは慎重に処理していただきたい。やるなとは申しておりません。やっぱり優良農地のど真ん中に造っちゃ駄目ですよ。
 そういうこともお願いを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
#202
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 まず冒頭、先日の当委員会で大臣にお願いした、地域支援型農業、CSAを農水省で推進するために担当部局を決めていただきたいという件について伺います。その後の検討結果はどのようになりましたでしょうか。
#203
○国務大臣(齋藤健君) CSAは、地域に限らず都市部も含めた多様な消費者が代金前払による契約販売等を通じて生産者を支える、そういう新しい農業形態であり、産直や地産地消と同様に消費者と生産者のつながりを深める取組の一形態と、そういう認識の下で、農林水産省としては、国産農林水産物の消費拡大を所掌しております食料産業局食文化・市場開拓課を主たる担当として、生産部局や農村振興部局と連携を取りながら対応させることといたしました。
#204
○川田龍平君 早速対応いただきましてありがとうございました。
 CSAに関心を持っていただいた大臣の下で、保育園や学校給食を含む地産地消を担当する部署が担当されるということで、今後の我が国でのCSAの普及に大変期待したいと思います。是非、都市農業推進の部局である農村振興局の都市農業室や食育を担当する消費・安全局の消費者行政・食育課などともよく連携して、しっかり取り組んでいただければと思います。
 それでは、法案についての質問に入ります。
 農地の、先ほどから議論となっておりますコンクリート張りについて伺います。これは長年農業者からの要望であったということは承知していますが、なお懸念が拭えませんので、幾つか質問させていただきます。
 配付資料を御覧ください。この配付資料、縦のA4の資料ですが、これ、農地のコンクリート張りについて、かつて農水省は問題ありという立場でしたが、今回その懸念をクリアできたので認めることになったということでした。それを整理していただいたのがこの表です。
 一番目のところですけれども、一週間イチゴ栽培を行い、後は駐車場で利用、使用されるなど、農業目的以外で使用されていないか外形上チェックする仕組みがないと違反転用が横行するのではないかという懸念に対する措置として、農業委員会が毎年一回利用状況調査を行う以外に、標識を設置すると書かれていますが、この標識を設置する目的について御説明いただけますか。
#205
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、この省令の基準において、標識を立てる、外から見やすい位置にこの農作物栽培高度化施設であることを示す標識を立てることを義務付けることとしております。
 これによりまして、農作物の栽培が適正に行われているかどうかということについて、農業委員会だけでなく近隣農業者等からの協力も担保できるのではないかという考えから、こういう考えに至っているわけでございます。
#206
○川田龍平君 通りがかりの第三者に違反転用を発見されやすくするためということだと思いますが、例えば、ただこれは農作物栽培高度化施設ですなどと書かれていても、一般の通行の人にはそれが駐車場になっていようと法律違反の事実には気付かないのではないでしょうか。
#207
○政府参考人(大澤誠君) 我々、通りがかりの人を想定しているというよりは、例えば都会でいきますと、近所の目といいますか、例えば建築基準法違反をちょっとでもしたらすぐに市役所等に通報が来ると、こういう場合もあると思いまして、農村の場合、別にそんなに近接しているわけではありませんけれど、そういう効果もあるのかなということで、通りがかりの者ということで想定しているわけではまずございませんが、どういうふうに書くか。これは御指摘のとおり、確かにこういう難しい施設の名前が書いてあるだけで、どういうことかというのが必ずしも分からない場合もあるかということは一つ考慮しなきゃいけないなと思っているわけでございます。
 ところが、一方、当初より違反転用を惹起させるようなことを露骨に書くわけにもいきませんので、これは課題として、どういうふうにするか、またこれを検討してまいりたいと考えております。
#208
○川田龍平君 例えば、この駐車場というのがワーキング・グループの議論の中にもありましたけれども、これ駐車場、二十台以上止められる駐車場が大きいのが工場の近くにあったとして、それが農地として認められていくということになると、そのコンクリート張りが結局ハウスの中だけではなくて外にまで広がってくるということはないんでしょうか。
#209
○政府参考人(大澤誠君) 駐車場につきましては、基本的にまず今回の施設の対象にはなっておりません。それから、まずそういうものは転用していただくという考え方だと思います。
#210
○川田龍平君 是非、ここは駐車場になっていたら通報してくださいなどと、法律を知らない人でも、一般の方でも分かるような標識に工夫していただきたいと思います。
 続いて、四番目の懸念項目ですけれども、何の事前チェックもなされずに一定規模の施設ができた場合、周辺の営農条件に支障を及ぼす可能性があるというのについて伺います。
 省令で施設の高さ制限を設けるとしているのは主に日照の問題だと思うんですが、これは将来の科学技術の発展に伴い、どんどんこれ高くなる可能性もあると理解してよいでしょうか。例えば、今のオランダ型施設の標準的な高さに合わせ、これを六メートルが上限と定めたとすると、その後も周辺の農地も同様に高度化施設となって、六メートルの高さの施設だらけの農地となった場合に、最初に造った施設が耐用年数を過ぎて、かつ技術の発展に伴いもっと高い施設のニーズが出てきた場合に、中心部の最初の施設の建て替えを例えば十二メートルまで認めるということも起こり得るんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#211
○大臣政務官(上月良祐君) 農作物栽培高度化施設につきましては、周辺農地の営農条件に支障が生じないよう、省令で高さ等の基準を設ける予定でございます。
 現状で、周辺一帯に施設が建っているような場合で、例えば中心部の施設について、現状で周囲に日照による影響が生じないような場合であったとしても、周辺の農地の状況というのは日照が必要な栽培に関わるケースもありますので、周りの施設の日照が確保できるように、高さの基準は一律に設置をするということで今回は考えているところでございます。
#212
○川田龍平君 私は、将来の科学技術の発展というのは予測困難だと思いますので、そのようなことも起こり得るのではないかと思います。そういう長期的な視点がこの法案には欠けているという気がしてなりません。どうも目先のことしか考えていない気がしますし、何年後の先にどこが農地でどこが農地じゃないのかと、外形的に判断できなくなることを非常に懸念をしています。
 配付資料の五番目の懸念項目、植物工場を農地とした場合に、同一地域で立地している外形上同じような工場との間で税制上の取扱いが変わることになるが、税制上の公平性を保てるかに関して伺います。
 転用が限られるので税制上の公平性は保たれているとのことですが、これはそもそも今回の法案における措置ではないですよね。したがって、この表に記載することは不適当ではないでしょうか。
#213
○政府参考人(大澤誠君) 農林省として整理させて提出した資料は、今まで様々な場で議論されてきたときに農林省が懸念事項として表明していたものをその価値判断を余り加えずに書いてありますので、過去の先輩が言ったことをそのまま書いているわけでございます。
#214
○川田龍平君 つまり、農水省の過去の懸念というのは不勉強だったと言いたいのでしょうか。よく意味が分かりませんので。なぜ、従来このような懸念をしていたのに、今回何の措置もせずに納得しているのかの明確な答弁をお願いいたします。
#215
○政府参考人(大澤誠君) 今回、税務当局等ともこの取扱いについて相談をいたしました。その際に、税法上の、例えば相続税の納税猶予措置等の対象かどうかというのは、農地法の規制があるということに着目して、その差があるということで整理されているというふうに理解してございます。
 今回の改正後のこの施設、農作物栽培高度化施設の土地につきましては引き続き農地法の規制の対象でありまして、農作物の栽培以外に利用する場合は転用の許可が必要となるという意味での規制の掛かった土地でございます。それだからこそ税の、優遇税制の対象となっていると。それから、他方、この改正以前であっても、例えば工業団地等農地以外の土地に同じようなものを設置された場合には、農地法と同じような規制は入っておりませんので、これは優遇税制の対象外と。こういう形で、法の規制対象かどうかに着目して優遇税制が決まるという意味で税制上の公平は保たれているという整理をいたした次第でございます。
#216
○川田龍平君 これは、結局、農水省は税制上の公平性についての考えを改めたということですね。これは今後の農政に影響を及ぼしかねない非常に大きな考え方の変化ではないか、変更ではないかと懸念をいたします。
 それではお尋ねしますが、現在非農地に立地している植物工場が、税制上のメリットから、農作物栽培高度化施設としての基準を満たした上で借りた農地に移転することはあり得るのではないでしょうか。
#217
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘の趣旨が、その建物だけを、一旦できた、農地外にできた建物を移転して農地内に持ってくるということでございますれば、だとすれば、それはその際でも、移転の際でもこの省令の基準を満たすかどうか、それによって判断するだけだというふうに考えてございます。
#218
○川田龍平君 この非農地に立地している植物工場を経営している株式会社が農地を借りてコンクリートを張り、そこに植物工場を建設することができるようになるわけですが、そうすると、やはりこの法律ができることで企業の参入が促進され、先ほどの写真にもありましたように、美しい田園風景が損なわれ、農地の多面的機能が失われるということになるのではないでしょうか。
#219
○政府参考人(大澤誠君) この今回の法改正では、企業の農地への参入要件については何ら変更を加えておりませんので、従前どおりの法人の要件をクリアして入る必要がございます。これによって、今回の改正によって企業の要件を変えるという考えは取っておりませんので、それは従来どおりの考え方だというふうに我々は理解しています。
#220
○川田龍平君 この法律上の農地のコンクリート張りや農作物栽培高度化施設は、大都市の市街化区域の農地ではやってはならないという立て付けになっていますでしょうか。
#221
○大臣政務官(上月良祐君) そういうふうにはなっておりませんで、市街化区域内の農地であっても、あらかじめ農業委員会に届け出ることによりまして、農地法上は農作物栽培高度化施設を設置することは可能でございます。なお、生産緑地などの都市計画の用途が決められている場合には、都市計画法であるとか生産緑地法の要件を満たす必要がございます。
#222
○川田龍平君 つまり、この法律では都市農地においてもできるということですね。
 先日、当委員会で行った都市農地の貸借の円滑化法案の附帯決議にあるように、都市農業は、農産物の供給だけはなく、防災、良好な景観の形成、国土・環境の保全など、多様な機能を有しています。このような都市農地でコンクリート張りや農作物栽培高度化施設がどんどんできることについて、何ら規制がないというのは問題ではないでしょうか。国交省。
#223
○政府参考人(榊真一君) お答えいたします。
 生産緑地地区内におきましては、建築物の建築等を行う場合には市区町村長の許可を要することとされており、市区町村長は、建築物の建築等が農産物等の生産の用に供する施設等の設置又は管理に係る行為で、かつ良好な生活環境の確保を図る上で支障がないと認めるものである場合に限り、許可をすることができることとされております。
 国土交通省といたしましては、今後、農地法施行規則に定められます農作物栽培高度化施設の設置基準を踏まえつつ、市区町村長が生産緑地地区内における農作物栽培高度化施設の建築等について許可をするか否かを、良好な生活環境の確保の観点を踏まえて適切に判断することができるよう、許可に当たっての考え方を整理し、技術的助言として地方公共団体に対して周知をしてまいりたいと考えております。
#224
○川田龍平君 この生産緑地では国交省が一定の規制を検討するとのことですが、先日の審議の際にも申し上げたように、生産緑地は一万三千百八十八ヘクタールにすぎず、都市部にはほかに宅地化農地が五万八千五百三十五ヘクタールもあり、この宅地化農地も都市農地としての多面的な機能を発揮しているわけです。これを国交省にお任せするのではなく、農水省としても都市農地の多面的機能の維持のためにこの法律で措置すべきことがあるんではないでしょうか。いかがでしょうか。
#225
○政府参考人(大澤誠君) 農地法自身は農地を農業上にしっかりと使うと、この目的のために農地を守り一定の規制を掛けるという法律でございます。
 それで、午前中の審議にもございましたとおり、農地についてはほかのいろいろな措置がございまして、例えばゾーニングにより話合い等を通じて地域をどういうふうに使うかというようなものを決めていく法律もございますし、あるいは農地中間管理機構という形で担い手への農地の集積を行っていくということがございます。
 ですから、そのコンクリートを造るか造らないかというだけで全ての土地の運命が決まるというわけではございませんし、様々な農地に関する措置をそれぞれの法目的の理念に従いながら運用していくことによって農業振興を総合的に図っていくというのが我々の考え方でございます。
#226
○川田龍平君 都市農地にやっぱりこの多面的機能というのを維持するというために、これ農水省がすべきことはあるんじゃないですか。
#227
○政府参考人(大澤誠君) 都市農地について今回法律を出させていただいているわけでございますけれども、都市農地については、様々な農業者のニーズを考えながら、それぞれの担当の部局においてどういうふうに都市農業を振興させていくか、こういうものを考えていくということになるのではないかというふうに考えてございます。
#228
○川田龍平君 ある程度この法律で措置する必要とか条例とか、そういうことは考えていないんですか。
#229
○政府参考人(大澤誠君) 繰り返しになりますが、農地法の目的に従いまして、例えば周辺の農地に影響を与えないようにするということであるとか、そういう大理念の下に様々な工夫をするというのが農地法の役割だと思っておりますので、そういうことをやっていきたいというふうに考えてございます。
#230
○川田龍平君 この多面的な機能の維持というのも、やっぱりしっかりと省令で定めるべきと思いますが、いかがですか。
#231
○政府参考人(大澤誠君) 多面的機能といいますのは、農地ごとに発揮されるというよりも、地域全体として発揮されるというような考え方だと思っておりますので、農地法で具体的に今までもその多面的機能に着目した規制というのはございませんでしたけれども、例えば今回省令で考えております排水設備の基準等につきましては、地域全体の多面的機能を維持、発展させるためにも必要だと思っておりますので、多面的機能の観点からも農地法の中で何ができるか、こういうものは検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#232
○川田龍平君 都市農業が、担い手が求めているようなコンクリート張りというのは農地として認めるべきとは思いますが、今回の法案が意図していないような営利企業の参入で都市農地の多面的な機能が失われないようにお願いしたいと思います。
 今回、法案提出のきっかけの一つが、いわゆるこの悪玉のような規制改革会議及び国家戦略特区での議論だったと承知していますが、この議事録を拝見しますと、コンクリートなんてすぐ壊せるんだからとか、駐車場も農地として認めろ、農業委員会へのお伺いは不要などと、民間議員を中心に随分乱暴な議論がなされているように思いました。
 農水省は、このような規制改革会議及び国家戦略特区で出された意見について、どのような見解をお持ちでしょうか。
#233
○政府参考人(大澤誠君) 今回の提出法案の内容が全てであると思っておりまして、我々としてこれは適当でない部分というものは、今回の法律案に入っていないところでございます。
#234
○川田龍平君 これ、農水省としては、民間議員の意見を全て取り上げたわけではないと思いますが、一方で、今回の法改正を植物工場の農地並み課税と受け止めている向きも企業サイドには実際にあるわけで、注意深く見守っていきたいと思います。
 これ、先ほど舟山委員の資料にもありましたけれども、この一番上の本間委員ですとか、それから八田議員などが、この特にコンクリートのことについては国家戦略特区の諮問会議でも発言をしていますので、是非当委員会でも参考人として呼んで発言を、是非この内容について聞きたいと思いますが、委員長、検討をお願いします。
#235
○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#236
○川田龍平君 昨日参議院で審議入りした生産性革命法案の規制のサンドボックスについても、国民の命を危険にさらしかねない新たな規制緩和につながらないか心配ですが、この食の安全、食料安全保障、また環境という観点から、サンドボックスに入りそうな話は聞いていますでしょうか。
#237
○政府参考人(大澤誠君) 我々の理解しているところでは、今国会に提出されております生産性向上特別措置法案の規制のサンドボックス制度とは、事業者の革新的な技術の実証計画について主務大臣が認定し、実証を行うことができる環境を整備し、必要に応じて規制の特例措置を講ずるものであると認識しております。この制度について、農地に関する要望があるとは聞いておりません。
 農林水産省としては、この制度に基づく要望が仮にあった場合であっても、その検討に当たっては農地法の目的や現場の農業者のニーズを踏まえて判断していきたいというふうに考えてございます。
#238
○川田龍平君 この規制のサンドバッグという、サンドボックスですね、サンドバッグじゃない、サンドボックス、砂場ですね。砂場ということで、子供がこれは作って壊して砂で遊ぶのは別にいいんですけれども、その子供じゃなくて大人がこれ砂場の枠を超えるような被害を生じかねないような、もう実際に自動運転などでは人も殺されておりますし、非常にこれからの特にこの五分野、自動走行など、それから、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフ、こういったこともこれ含まれてくるわけですね。
 これ、大臣、非常に、経産省出身ですのでこういったことに詳しいと思いますが、本当にこういった規制改革会議、国家戦略特区で今まで議論がされてきたと言っても、公開も十分にされていなかったり、国会で議論したいと言ってもなかなか議論されない中で法案だけが次々と通って、農水委員会だけではなくてこれ経産委員会だけでこういうことが決められていくと。
 さらに、この経産委員会の衆議院の議論を見ても、柳瀬首相秘書官を呼べとかそういったことが議論されていて、本当にこの法案の中身について、しっかり農水についての議論がこの法案についてもされているのかということが非常に懸念されることで、本当に国家戦略特区でここにやり玉に上げられていた農業がこういったサンドボックスみたいな形のやり方でもって省庁横断的なものを規制改革するということでやられてくるというのは本当に心配をしているんですが、本当に大丈夫なんでしょうか。
#239
○国務大臣(齋藤健君) 今局長からも答弁させていただきましたけど、今御指摘の規制のサンドボックス制度の議論において、必要に応じて規制の特例措置を講ずるという、そういう結論になる制度であるんですけど、この制度について、農地に関するものが要望があるというふうには私どもは承知しておりません。
 農林水産省としては、仮にこの制度に基づく要望があった場合であっても、その検討に当たりましては、農地法の目的ですとか現場の農業者のニーズを踏まえて判断をしていくというふうに考えております。
#240
○川田龍平君 例えば、遺伝子組換えの種を使った作物の生産ですとか遺伝子組換えの魚ですとか、いろいろそういったものが、限られた囲いの中で行われているものがその農地以外のところに出てしまったり、海から逃げてしまって囲いの中から逃げてしまったりとか、実際カナダでもそういうこともありますし、実際そういうことが起こってくるということを懸念して、非常にこの実証実験でもってやってみなきゃ分からないということを前提にして進められると、もう本当に取り返しの付かないようなことが起きてしまうんではないかという懸念もありますので、その辺のところもやっぱりしっかりと農水省として頑張っていただきたいと思います。
 ところで、都市部で農地にコンクリートを張ると、その農地の資産価値は上がるとお考えでしょうか。
#241
○政府参考人(大澤誠君) 農林省は全ての土地の価格を把握しているわけじゃないので、なかなか客観的なデータをもって答えにくいわけでございますけれども、都市部の一般農地につきまして、ごく一般論になってしまうかもしれませんが、この農業用施設については、転用によって造っているものを含めて、単に例えば固定資産税の課税標準額で取ってみますと十倍以上の差があると、上昇があるということで、これは先ほどからもお話ししているとおり、農地法に基づく転用規制等の規制対象であるかないかによってこの価格の差が生じているのではないかというふうに、少なくともその要因の一つではないかと考えてございます。
 今回の措置といいますのは、施設を造った場合でも、引き続き農地法上農地として取り扱われまして、転用規制を含む規制も今までの農地と変わりないということでございますので、今回の措置の下でコンクリート張りを行うという行為だけを取り上げて、一概に資産価値が上がるということではないのかなとは思っております。
#242
○川田龍平君 結局、今回の農地のコンクリ張りは農家の要望に基づくものだということですが、そうであれば、以前にも当委員会で取り上げましたが、国連の家族農業の十年の観点からこの政策も評価をされる必要があると思っています。
 小規模農家や家族農業の経営体にとって、今回の法案の意義を改めてここではっきりと御説明いただきたいと思います。
#243
○政府参考人(大澤誠君) 今回の改正は、やはり農業者の高齢化が進んで農業就業人口が減少している、人手不足が深刻だと、こういう認識の下で、農業者のニーズが、例えば高設棚を設置して腰を曲げなくても農業ができるようにしたいとか、移動用カートを設置してそういう腰の上げ下げを楽にしたいとか、そういうような切実なニーズからきているものと考えてございます。
 それによって農作業の負担を少しでも軽くし、労働力不足の解消につなげたいというのが農業者のニーズだろうと思っておりますので、こういうニーズは農業の規模にかかわらず存在すると思っておりますので、例えば、御指摘の小規模農家、家族農業であってもなかなか若い作業員を確保することが困難だというような場合に非常に朗報になっているというふうな評価を受けていると私らは認識しております。
#244
○川田龍平君 是非、小規模農家、家族農家のためにもやっぱりしっかりと評価をしていただきたいと思います。
 長期間耕作が放棄された農地の扱いについて何点か伺います。
 中山間地だけでなく、今や全国で高齢化、後継者不在による耕作放棄が増えております。お手元の配付資料の二枚目を御覧ください。左側の数字ですが、農林業センサスによれば四十二万ヘクタールとなっております。この数字は年々増えており、深刻な事態だと思います。
 農水省では、このうち二十八万ヘクタールを荒廃農地として認識し、その対策に取り組んでいますが、はっきり申し上げて対策が追い付いていないのではないでしょうか。
#245
○政府参考人(荒川隆君) お答えいたします。
 荒廃農地に関する御質問を頂戴いたしました。
 荒廃農地につきましては、私ども、平成二十年以降、市町村と農業委員会によります調査を実施していただいておるところでございまして、荒廃農地の位置ですとか面積、再生利用の可能性といったものを把握しておるところでございます。
 先生のこの資料にもございますけれども、荒廃農地面積計ということでは、最近二十八万ヘクタール前後で推移をしてきているわけでございますけれども、このうち、再生利用が可能な農地につきましては徐々に減ってきている一方で、なかなか再生利用がもう困難であると思われるような農地が逆に微増しているという状況でございます。
 この再生利用が困難な荒廃農地が増加している主な要因といたしましては、再生利用が可能とされておりました農地が更にその後荒廃化してしまうというようなこともございましょうし、あるいは、元々林地化してもう既に山林というふうに認識されておったものが、土地の状態は変わらないですけれども、市町村、農業委員会がチェックをする際に、これは農地台帳に載っているので荒廃農地じゃないかみたいなことで、状態は変わらないんですけれどもB分類に出てくるといったものもあるので、一概にB分類がどんどん増えているということではないのかなとは思っております。
 いずれにいたしましても、限られた資源でございます農地、有効活用する必要がございますし、さらに荒廃農地をできるだけ再生利用していくという取組が必要でございますので、中間管理機構を通じまして担い手への農地集積、集約化をするとともに、私どもの直接支払でございます多面払い、中山間払いで保全管理をしていただくといったようなことで荒廃農地化するのを防ぐとともに、一旦荒廃農地化されたものにつきましても、中間管理機構と連携いたしました耕作条件改善事業などといった基盤整備事業を使って、それを契機に使い勝手のいい農地にしていくとか、あるいは荒廃農地等利活用促進交付金といったような農業者の方が直接荒廃農地再生利用に取り組んでいただけるような補助事業などを使ってしっかり再生利用を図ってまいりたいと思っております。
#246
○川田龍平君 この荒廃農地が五年前と比べて一万ヘクタールしか増えていないことになっていますが、その内訳を、今おっしゃった内訳を見ますと、今言ったように、再生利用が困難な農地、B分類が十二・五万ヘクタールから十八・三万ヘクタールに激増している一方で、年々減り続けている再生利用が可能な荒廃農地のうち、実際に関係者の努力で再生利用できた農地は毎年僅かに、一から二万ヘクタールぐらいしかありません。あるいは、農地としての扱いをやめなければならないわけですが、非農地化も、一番右の列にあるように、同じくらいしか進んでいません。
 私は、ナショナルトラスト運動を行っている公益財団法人から、自然環境の保全を目的に耕作放棄地を購入したいが、農地のため農業委員会の反対で購入できないというお話を伺っています。トラスト運動の趣旨からは賃借ではなく土地の所有が原則なわけですが、農地法で農地適格法人でなければ農地を所有できないことになっているからです。林間、林の中に孤立した谷戸田で田んぼとして利用されていたのは一九七〇年代までだということで、これはいわゆる荒廃農地に当たると考えられ、自治体からも自然観察エリアに位置付けられているような土地の話です。土地の所有者は手放したい、自然保護団体は購入してボランティア活動で最低限の手入れをしていきたいとなれば誰にとっても良い話だと思うんですが、農地法の縛りでウイン・ウインの関係が築けないのは改善すべきではないでしょうか。
 この事例のように、中山間地で集積されず、担い手も見付からず、将来も耕作の見込みのない耕作放棄地は速やかに非農地化されるべきと考えますが、いかがでしょうか。今年三月に非農地化について改めて全国に通知を出したとのことですが、その内容を御説明いただけますでしょうか。
#247
○政府参考人(大澤誠君) 既に森林の様相を呈するなど、農業上の利用の増進を図ることが見込まれない農地につきましては、農業委員会が農地に該当しない旨の判断を行いまして農地台帳から除外するという仕組みとなっております。ただし、非農地判断に積極的でない一部の農業委員会も存在すると。元々農地を守るということが一番の任務だということですので、そういう積極的でないことも一部にあるということは承知しているところでございます。
 ただし、こういうような農地を、本当に回復の見込みがないということであれば、農地台帳に記載し続けますと農地台帳の正確な記録の確保が図られないこと、それから、農業委員会の事務の的確な執行、本当に残すべき農地に仕事を集中するというようなことにも支障を及ぼすおそれがあるということで、今年の三月に、御指摘のように改めて通知を発出、課長通知を発出いたしまして、一定の非農地判断の考え方を示したところでございます。
 具体的には、既に森林の様相を呈しているというのが大前提ですが、そういう農地であれば、例えば所有者の意向が確認できない土地、あるいは当該土地が農業振興地域内に存在する場合、あるいは過去に転用許可が下りなかった土地等であっても非農地判断を行えるということを示したところでございます。
#248
○川田龍平君 農地を農地のままでトラストで購入できないかということについても伺います。
 一九六二年の古い省令で、教育、医療、社会福祉事業体は例外的に農地の購入が可能となっていますが、自然保護を目的とするナショナルトラスト運動団体はこの省令の対象にはなっていません。農地を農地として購入できません。
 しかし、先ほど申し上げたように、自然環境保全などを目的に必要な手入れを行うナショナルトラスト運動団体についても、教育、医療、社会福祉事業体と並びで例外的に農地の購入ができるように省令を改正すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#249
○政府参考人(大澤誠君) その件につきましては、あくまでも農地法の目的に従って考えていくべき問題だと考えてございます。すなわち、法人ですね、農地を取得する法人というふうになった場合には、少なくとも取得後の農地の全てについて耕作の事業を行われると認められる必要があるかと思います。
 ナショナルトラストの農地取得の目的が、先ほど御指摘ありましたけれども、この農地法の要件に照らして耕作の事業を行うと認められるかどうか、ここがポイントになると思います。仮に、耕作目的というよりも環境を保全することが目的だということになりますと、農地法の趣旨とは少し異なることになるので、農地の取得を例外的に認めることは適当ではなくなると考えております。
#250
○川田龍平君 いろいろと課題はあると思いますが、対策が追い付いていないこの耕作放棄地の解決策の一つとして、ナショナルトラスト運動などにも委ねる方策を是非御検討いただきたいと思います。
 今大変な勢いで急増している農業分野の外国人労働者について伺います。
 外国人労働者の全体の数は、五年間で六十万人増え、百三十万人となっています。配付資料の三枚目と四枚目を御覧ください。農業分野における外国人労働者は、御覧のとおり、この五年間で一・七倍に増えています。その多くが技能実習生で、半数以上が女性となっています。国籍別に見ると、ベトナム人が五年間で七倍に増え、中国人の数に迫る勢いです。
 農業分野の技能実習生は何%を占めていますでしょうか。
#251
○政府参考人(大澤誠君) これは厚生労働省の外国人雇用状況届出によっておりますけれども、農業分野における外国人労働者の総数は平成二十九年十月末現在で合計二万七千百三十九人、そのうち技能実習生は二万四千三十九人でございまして、全体の二万七千百三十九人のうちの八八・六%となっております。
#252
○川田龍平君 この資料を農水省に要求したところ、作っていただくのに農水省は分からないと言われてびっくりしました。農業分野の外国人労働者について、厚労省任せではなく農水省もしっかり実態を把握すべきだと思います。
 つまり、この分野で働いてる外国人労働者の大半がこの技能実習生ということです。技能実習制度の目的は、日本の技術を発展途上国に移転するという国際貢献、国際協力が建前ですが、実際には安い労働力を安直に確保するために利用されている実態があり、昨年十一月から管理を強化する法律も施行されたところですが、まだまだ現場の実態は改善されていません。
 農業分野で働く約半数の約一万五千人もの若い外国人女性が、技能実習生として農業に携わっていただいているわけです。ところが、先月の移住連というのが主催の院内集会で問題として取り上げられていたのですが、農業労働は閉鎖的な空間も多く、セクシュアルハラスメントを始めとする様々な人権問題が起きているようです。技能実習生を始めとする農業分野での外国人労働者に対する人権面での配慮、対策を強化すべきではないでしょうか。
#253
○副大臣(谷合正明君) 農業分野におけます外国人材を受け入れる際にこうした人権侵害行為があってはならないと、これは大事な課題であります。昨年の改正特区法案の附帯決議の中でも、人権侵害行為を防止することが明記されております。
 このような人権侵害行為を防止するために、まず技能実習制度では外国人技能実習機構によります実習実施者や監理団体に対します報告徴求や実地検査、また、実習生に対する相談、援助、そして特区制度におきましては、適正受入れ管理協議会におけます受入れ企業に対する監査、巡回指導や、農業経営体に対する現地調査の仕組みが設けられているところであります。
 これらの仕組みを活用いたしまして、関係府省、また関係自治体と連携して、セクハラ含め人権侵害行為が発生しないよう配慮してまいりたいと思っております。
#254
○川田龍平君 この先月の院内集会では、敷地内の離れを宿舎として割り当て、出入り自在の農家の御主人が、夜、離れに忍び込んでセクハラ行為を働いたといったことも報告をされました。農水省もそのような苦情を耳にしているはずです。
 今回、特区で更に外国人農業支援人材を受け入れることとなっていますが、その際、国家戦略特別区域農業支援外国人受入事業における特定機関等に関する指針、第五第七項において、外国人農業支援人材が同意するときは、派遣先農業経営体が保有する住居を外国人農業支援人材の住居とすることができるとあります。しかし、対等な立場にいない外国人労働者が断ることは現実には不可能です。
 技能実習制度においてセクハラを誘発することが既に明らかになっている以上、特区において農家の離れを宿舎とするようなことは認めるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
#255
○政府参考人(大澤誠君) 先生の把握しておられる事例と同じかどうかは分かりませんけれども、私どもの情報の中でも、農業の技能実習中、実習先の農家に宿泊しているときにセクハラ行為があったとして、現在、裁判で係争中の事案があるというふうに承知しております。
 御指摘の国家戦略特区の外国人の受入事業におきましては、内閣総理大臣の定める指針において、まず、派遣方式を取っておりますけれども、外国人材の住居についてはその派遣企業である受入れ企業が確保しなければいけないというふうにまず原則なっておりまして、これは受入先の農家ではございません。
 その際、この派遣先の農業経営体が保有する住居を外国人材の住居とする場合も一応認められておりますが、極めて例外的でございまして、具体的には、外国人材が農作業等するのに著しい支障を来すおそれがあって、かつ、外国人材が同意する場合に限るというふうになってございます。また、この場合、同じ指針におきましては、生活環境に適切な配慮がなされなければ派遣自体ができなくなるというふうに書いてございます。
 このように要件は厳しくしているつもりでございますが、それが適切に守られることが大事だと思いますので、この受入れ企業なり派遣先の農業経営体を監督する適正受入れ管理協議会というのがその役割でございますが、その権限として、外国人材からの苦情相談の受付、監査し、巡回指導、現地調査等の権限ございますので、それを徹底することによって、この例外的になった場合でも外国人材に対するセクハラ行為がないようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
#256
○川田龍平君 この同意についても、外国人労働者は断ることは難しいと思います。
 私はこの特区自体に賛成ではありませんが、特区事業の実施に当たっては、外国人労働者の人権がしっかりと保護されるよう、適正受入れ管理協議会に人権保護に関わるNGOや労働組合も参加できるようにすべきではないでしょうか。
#257
○政府参考人(大澤誠君) この適正受入れ管理協議会の業務としては、特定機関の基準適合性の確認、特定機関というのはこの派遣企業ですけれども、それに対する監査、巡回指導、派遣先の農業経営体に対する現地調査という行政的な指導監督機能を担うことになっております。
 そういう指導監督を行う際には、その特定機関や農業経営体の経営情報も取り扱うということになりますので、そういう意味で、民間団体が協議会に参加するという形でやるのは難しいのではないかと考えておりますが、協力という形では可能性があると考えておりまして、これは地域の実情に応じて検討されるべき課題だと考えております。
#258
○川田龍平君 是非、しっかり参加の方向で考えていただきたいと思います。
 実は、私は、ベトナムにしてもインドネシアにしても、いずれ、日本に来る外国人労働者というのは、あちらの経済がますます発展する結果、日本に来なくなる時代が早晩来るのではないかと見ています。この前提に立てば、我が国の食料安全保障は外国人労働に頼らないよう施策を進めるべきではないかと考えますが、大臣、最後にいかがでしょうか。
#259
○国務大臣(齋藤健君) 我が国における外国人材の受入れにつきましては、政府全体の方針として、いわゆる移民政策は取らないという前提の下で取り組んでいるところであります。
 ただ、現実には、農業分野におきましても、当面の人材不足に対応する観点から、在留期間に制限のある技能実習制度や国家戦略特区制度が活用されているものでありますが、やはり同時に、国内における人材確保ですとか先端技術の活用等による生産性の向上等を推進をしていくという必要があることは十分認識をしているところであります。
#260
○川田龍平君 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#261
○委員長(岩井茂樹君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、平野達男君が委員を辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
#262
○森ゆうこ君 希望の会の森ゆうこでございます。
 通告しております質問をする前に、まず齋藤大臣に伺いたいと思います。
 昨日、財務省事務次官がセクハラ問題で辞任をいたしました。私も先週、財務省に行って副大臣に申入れをいたしましたけれども、そのときに、既に二日、その問題が発覚してから二日たっているにもかかわらず、セクハラ対応マニュアル、人事院の規則に基づいたきちんとしたセクハラ対応マニュアルというのは各省あると思うんですけれども、その存在さえも確認していない、あるかどうかさえも知らない、そういう状態にもう唖然といたしまして、一体どこの国なんだろうというふうに思いました。
 農林水産省はそういうことはないというふうに思いますけれども、齋藤大臣、農水省におけるセクハラ、まずは相談窓口がしっかりあって、みんなが知っていて、信頼できる担当、相談できる担当者がちゃんとあらかじめ決めてあると、速やかに相談された問題については二次被害を起こさないように対応していくと、そういうマニュアルが徹底されているかどうか、そして、今回の財務省の件を受けて、大臣自らその対応をしっかりやっているかと確認されたかどうか、伺いたいと思います。
#263
○国務大臣(齋藤健君) まず、農林省におきましては、各局に相談窓口を設置をしております。個別に相談員もリストアップしておりまして、女性も当然含めてですけれども、リストアップして、相談を受ける体制というものを整えております。当然、マニュアルもあるわけであります。
 それで、今回ああいうことがあって私が指示をしたかという点につきましては、申し訳ありませんが指示しておりませんので、これからしっかり指示をしたいと思っております。
#264
○森ゆうこ君 全くそういう相談事例がないということであれば非常に望ましいわけですけれども、しかし、そうはいってもそのようなことはないわけで、ひょっとしたら、大臣、ちょっと調べていただいて、きちんと対応されているのか、訴えがあったのにそれが対応されていない事案がないかどうかお調べをいただいて御報告をいただきたいと思います。これは大変重要な問題でありまして、今回のことで、もう全く意識がもう何十年も前の人たちが財務省を中心に、財務大臣始めとしてそういう状態であるということで、本当に情けないというふうに思いました。是非、指示をいただいて、調べていただいて御報告をいただきたいと思います。
 法案について質問しようと思いましたけど、今日来ていただいております官房副長官、この後の日程がおありだということで、先に加計学園問題について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、文科省に伺います。
 先般の委員会で質問をさせていただきました、今治職員の官邸訪問のメールが内閣府から知らされていたと。それについては本日の読売新聞の朝刊においてそのメールが発見されたという報道をされておりますけれども、私は、あったらすぐ出してくださいねとこの間の委員会で申し上げて、その後も申し上げているんですけれども、まだ届かないんですけれど、出していただけないんですか。
#265
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 御指摘の、総理官邸側から文部科学省に対して愛媛県などが官邸訪問をするという事前連絡があったという報道につきましては、当時、関係部局に在籍していた職員に対する聞き取り等を行い、現場では現在事実確認をしている最中でございます。
#266
○森ゆうこ君 いや、メールがあったんですね。
#267
○副大臣(丹羽秀樹君) 御指摘のお話でございますが、まだ現在、結果がまとまり次第速やかに公表するということでございます。
#268
○森ゆうこ君 いや、それは、今も、先ほどこの報道に対してどうなんだといって、いただきましたけれども、御質問のございました件、当時関係部局に在籍していた職員に対する聞き取り等を行い、事実関係を確認しているところです、今後結果がまとまり次第速やかに公表いたします、つまりメールはあったということでよろしいですね。
#269
○副大臣(丹羽秀樹君) 現在、この報道の件につきまして、まさに事実確認を、確認中のところでございます。(発言する者あり)
#270
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#271
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#272
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 事実確認につきまして、この報道の事実確認でございますが、あったかなかったかにつきましても現在確認中でございまして、その旨御報告させていただきます。
#273
○森ゆうこ君 もうコントやっているわけじゃないんですよ。
 私も真剣にこの問題を調査して一年余り、まだこんな答弁続けるんですか。
 メールはあったんでしょう。それぐらい答えてください。
#274
○副大臣(丹羽秀樹君) 今後、結果がまとまり次第速やかに公表いたしますが、現在、メールがあったか、メールの存否につきまして事実関係をしっかり確認中でございますので、その結果がまとまり次第しっかりと御報告させていただきたいと思います。(発言する者あり)
#275
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#276
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#277
○副大臣(丹羽秀樹君) 先生御指摘の、このメールがあったかなかったということにつきましてでございますが、今朝の読売新聞のこの報道の件につきましても、現在あったかなかったかということの、その事実も含めて現在確認中でございますので、その形で、見付かり次第しっかりと報告するということで御理解いただければ有り難いと思います。
#278
○森ゆうこ君 じゃ、この読売新聞のは誤報と、だからまだ見付かっていないと、そういう意味ですか。
#279
○副大臣(丹羽秀樹君) 申し訳ございません。
 現在、その事実も含めて、見付かっているか見付かっていないかということを含めて、我々政務の方にもまだその報告が上がってきておりませんので、事実でございますので、御理解いただければ有り難いと思います。
#280
○森ゆうこ君 御理解できません。御理解できません。
#281
○委員長(岩井茂樹君) 森ゆうこ君。
#282
○森ゆうこ君 やめた、もう。
#283
○委員長(岩井茂樹君) 質問を続けてください。
#284
○森ゆうこ君 いや、無駄じゃないですか、こんな質問。何質問したってこんなばかみたいな答えしか来ないんだから、質問したって無駄でしょう。
#285
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#286
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#287
○副大臣(丹羽秀樹君) 再度お答えいたします。申し訳ございません。
 今朝のこの読売新聞の報道による、文部科学省での調査、メールが見付かったというこの内容につきましても、現在、新聞にはそのように報道されておりますが、調査中でございます。その調査の報告を実際に、その新聞の真偽も含めて、我々の下にも実際まだ報告が上がってきておりません。これは事実でございますので、是非、これ報告が上がり次第先生方に御報告申し上げますので、是非御理解いただければ有り難いと思います。
#288
○森ゆうこ君 いや、メールがあったかないかぐらい答えられるでしょう。いや、もう本当何と言ったらいいのかな。
 それで、官房副長官に伺います。四月二日の柳瀬さんの首相案件、これを書かれている愛媛県の「報告・伺」という文書ですけれども、これは内閣でも見付かったんですか、官邸でも。
#289
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 昨日の官房長官からの指示がありましたので、それを踏まえて今確認作業が進められているものと承知をしております。
#290
○森ゆうこ君 今まで調べてなかったということですか。今まで調べてなかったということですか。ずっと去年からこの四月二日のことを官房に聞いていますよ。我々の党の政審の部会にお呼びしても出席拒否していましたけどね、官房は。
 ようやく探し始めたということですか、じゃ。
#291
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 昨日の十八日から確認作業が進められているということであります。
#292
○森ゆうこ君 今まで何をやっていたんでしょうか。もうあきれて物も言えないんだけれども。
 私、この間も聞きました。官邸の秘書官や、いろいろな立場のお仕事をされる方がいらっしゃると思います。総理の面会記録はもう十年近く取ってあるというお話がこの間紹介されました。首相秘書官も当然、重要な職務を担い、いろんな方々と会うわけですから、そういう面会記録等々はきちっと記録として残されていると思うんですが、その首相秘書官だった柳瀬さんに聞いて、なかったというお話なんですけれども、取ってないんですか。官邸では、そういう重要な記録、各部署ごとに、各担当官ごとに全然作っていないということでよろしいんですか。
#293
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) この国会の場でも、柳瀬秘書官から、自分の面談記録とか誰に会ったとかという記録は特に取ってないと答弁がなされております。
#294
○森ゆうこ君 いや、じゃ、柳瀬さんだけじゃなくて、ほかの人たちも全然記録を取らないんですか、官邸というところは。総理の記録はしっかり残っているけれども、総理の面会記録は残っているけれども。いや、例えば官房副長官、そのお仕事をした記録ですよね、それからその秘書官、記録全然取ってないんですか。
#295
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) ちょっと御通告いただいていませんでしたが、私について申し上げれば、それは一つ一つ全て取るということではありません。
#296
○森ゆうこ君 取っているということですよね。
#297
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 取っているということではありません。
#298
○森ゆうこ君 いや、すごいですね。何にも記録取らないんですか。何にも記録取らないんですか、官邸では。本当ですか。すごいね。何で記録も取らないの。何も記録を取らなくて、きちんとした行政が行われたとどうやって確認できるんですか。
#299
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 一つ一つ全ての面談について、面会について、これかなりの数の方と面談、面会しますから、それを全て記録しているわけではないと申し上げているわけであります。
#300
○森ゆうこ君 いや、だから記録しているんでしょう。だから、記録していると今言ったじゃないですか。何で素直に認めないんですか。全ては記録していないというのは、記録はあるとおっしゃったんですよ。
#301
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) ですから、それは私についてですよ、私について言えば。通告いただいていませんから、それは全てのことについて今答える準備はありませんが、私のことについて言えば、備忘録的に取るものもあれば、それは全てのものを取っているということではないということを申し上げているわけであります。
#302
○森ゆうこ君 じゃ、次回までに調べてください。
 総理の面会記録は取ってあるんですよ、長期間、当然のことながら。官房副長官だって、首相秘書官だって、あなたの秘書官だってみんな取ってありますよ。それが行政でしょう。この期に及んで官邸では記録を取らない習慣になっているとおっしゃるんですか、じゃ。
 でも、柳瀬首相秘書官はすごく記憶力のある方なんですよね、一切記録を取ってないということなんだから。相当記憶力の高い方なんですよね。
 じゃ、柳瀬さんに私直接聞けないので聞いてきていただきたいんですけれども、全然記録を取らないのかどうか。全然記録を取らないのかどうか、それは確認してきていただきたいと思いますが、よろしいですか。
#303
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 柳瀬秘書官は、前回の答弁で、自分の担当することについていろいろな方々とお会いすることはありますけれども、秘書官時代に、自分の面会記録とか誰に会ったとかという記録は特に取ってございませんでした、手帳も含めて、そういう、どなたにお会いしたというのは、一切、全く書いたことはございませんと答弁をしております。
#304
○森ゆうこ君 だから、記録を取らないということは、すごい記憶力のいい方なんですね。
 それは前回のやつですから、前回のやつですので、改めてまた記憶が、記録が見付かり、記憶もよみがえるかもしれませんので、もう一度御確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それで、国家戦略特区基本方針について伺います。内閣府副大臣に伺います。
 このお配りした資料の国家戦略特別区域基本方針、これは閣議決定しております。この中の赤線を引いた部分のうちの、直接の利害関係を有する議員については、この間もお聞きしてみましたが、もう少し分けてお聞きします。直接の利害関係とは何ですか。
#305
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 直接の利害関係ということでありますが、それは、この特区諮問会議のこの有識者議員、経済社会の構造改革の推進による産業の競争力強化等に優れた識見を有する者を任命しているということであります。この調査審議に当たっては、個別企業の利益ではなく、優れた識見を有するという立場から御意見を賜っているというものであります。
 その中でですね、実際に……(発言する者あり)
#306
○森ゆうこ君 済みません。あのね、この間も同じ質問して、この間も間違ったペーパーを読んでいるんですよ。
 委員長、申し訳ないですけど、今、時計巻き戻してもらえます。合計、この間から合わせると、もう五、六分無駄に空費しているんですけど。
#307
○委員長(岩井茂樹君) 森ゆうこ君、続けてください。
#308
○森ゆうこ君 直接の利害関係とはどういう意味ですか。
#309
○副大臣(田中良生君) この諮問会議の議事運営規則においては、直接の利害関係を有する議員、これを審議及び議決に参加させないことができるとされている部分だろうと思いますが、これは、自らが経営をしていたり役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合などを想定したものであります。こうしたものが直接の利害関係というものであります。
#310
○森ゆうこ君 どこにも明文で直接の利害関係と書いていないんですよね、直接の利害関係という意味は。
 腹心の友というのは直接の利害関係者ですか。
#311
○副大臣(田中良生君) 今も答弁させていただきましたが、単に交友関係がある、こういうことだけでは利害関係があることにはならないというふうに考えております。
 先ほどもお話ししたように、自ら経営していたり役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合など、こうしたものをあくまでも想定したものであります。
#312
○森ゆうこ君 自らが経営する会社に、岩盤規制を打ち破るわけですから、その岩盤規制を打ち破った結果が我田引水、自分の経営している、自分がもうかる、自分の経営している会社がもうかる、そういうところに誘導してはいけないと。これが国家戦略特別区域基本方針なんですよ、閣議決定しているんですよ。何でこんなことをわざわざ閣議決定したんですか。直接の利害関係を有する議員は参加させないと。なぜこういう、こんなのほかには見たことありませんけど、なぜこういうものを閣議決定したんですか。
#313
○副大臣(田中良生君) 先ほどもこの件に関しては御答弁、冒頭させていただきましたけれども、これはやはり公平公正な中立を保つというところからであります。
#314
○森ゆうこ君 いやいや、もうちょっとうまく説明してください。ほかの法律等、こんなわざわざ閣議決定して基本方針、運営の基本方針を決めて、利害関係のある議員を参加させないというようなことをわざわざ閣議決定しているものを私見たことないんですけれども、この国家戦略特区に関しては、なぜこのような厳しい基本方針をわざわざ閣議決定しているのか、なぜしているのかということを聞いているんです。
#315
○副大臣(田中良生君) これは、国家戦略特区に関する調査審議に当たってということでありますが、やはり公平性、中立性、これを確保することは極めて重要であるということであります。
 ゆえに、この直接利害関係を有する議員については調査事項の審議及び議決に参加させないということができると、これが特区基本方針に規定しているということであります。
#316
○森ゆうこ君 それじゃ説明にならないんだけど。だから、公平公正なんというのは行政の原則じゃないですか。当たり前のことを今言ってもらっても困るんですよ。
 そうじゃなくて、国家戦略特区の基本方針に、わざわざ利害関係を有する議員を参加させないと、そんなことまでわざわざ書いて閣議決定までしているのはなぜかと聞いているんですよ。もっときちんと説明してください。
#317
○副大臣(田中良生君) お答えでありますが、これはもう繰り返しになるところであります。これは国家戦略特区であります。いろんな意味で岩盤規制を打ち破ると、当然いろんな形で利害関係が生まれくる、そういう場合もあると。その中において、やはり公平性、中立性を確保する、これが極めて重要であるということでありますから、直接利害関係を有する議員は参加させないことができると基本方針に改めて規定をしているということであります。
#318
○森ゆうこ君 要するに、本来は法律で規制して認めていないんですよ。しかも、岩盤規制ってわざわざ総理が国会でこんなことやっているぐらいですから、岩盤規制を打ち破るって。大変強固な規制、理由があって法律で規制を掛けているわけですよ。その規制の特例を特別に認めるわけですよね。今回は加計学園一校だけ認められたわけですよ。特別の特別の特別の計らいで認めるわけですよ。だから、関係のある人が議論に関わっちゃいけませんと、そのための規定じゃないんですか。
#319
○副大臣(田中良生君) 先ほどもお話、お答えいたさせていただきましたが、いずれにいたしましても、交友関係があるというだけでは利害関係があるということにはやはりならないということであります。
 その中で、この規制改革の成果というものに関しては、特区内であれば原則誰でも活用可能であるということ、つまり民間議員が特定の事業者の直接の利害関係者になるということは基本的にはないということであります。しかし、規制改革メニューを活用して事業を行おうとする個別事業者、これを実施主体に位置付ける区域計画の認定の審議、ここではやはり事業主体となる個別の事業者、これが利害関係となる場合があるということであります。
#320
○森ゆうこ君 まあ腹心の友というだけではなく、相当ごちそうしたり、おごったり、おごられたり、それから夫人の海外旅行に費用を負担したり、これ、本当は寄附として報告しなきゃいけないことだと思いますけれども、まあそういう関係にある。それって利害関係って言いませんか。
#321
○副大臣(田中良生君) これは、その関係性に関しては、今、事実関係はどういうものかちょっと私の立場からお答えすることはできませんが、あくまでも、これは交友関係ということだけでは直接すぐそれが利害関係にあるというふうには考えてはおりません。
#322
○森ゆうこ君 別に私、ただの交流関係なんて言っていないじゃないですか。腹心の友ってわざわざ自分が言って、そしてしょっちゅうおごりおごられました、それも記録に残っています、そういう、利害関係があるというんじゃないんですか、普通。もっときちっとした答えを持ってきてください。
 それで、先ほど新たな需要の所管はないと副大臣、御答弁になりました。もうびっくりしました。新たな需要、需給、要するに獣医師の新たな分野の需給。これについて、まあ獣医師の需給については元々農林水産大臣、農林水産省が持っていた。きちんと調整して、能力の高い獣医師を必要なだけちゃんと供給をしていた。今度は、特別に新しい需要があるから、新しい分野に新しい需要があるからということで特例で認めたわけでしょう。で、その新たな需要の所管はないという御答弁でしたね、先ほどね。
 で、齋藤大臣に伺いますが、まあ私さっき大臣の顔見ちゃったので、その答弁を聞いているときの。えっ、何言っているんだという感じでしたけど、あのときの心境を御説明いただけますか。
#323
○国務大臣(齋藤健君) 私どもは、主張は構造改革特区の頃からずっと一貫をしているわけであります。ただ、新しい需要があるということで、例えば、ライフサイエンスだと、創薬だと、こういうふうに言われましても、私ども、それ何人必要だとか、どのくらい足りないとか、そういうこと分からないので、そういうところをちゃんと見ているところはあるんだろうなと思っていました。
#324
○森ゆうこ君 そのとおりなんですね。だから、国家戦略特区の基本方針のこの下の方です。区域計画における定量的な目標の設定ということで、経済的社会的効果について、数値化や目標期間等も含めこれをきちっと示すことが国家戦略特区、つまり所管である内閣府に求められているわけであります。
 新たな需給に関して所管はないと、そんな無責任なことを言っちゃ駄目なんですよ。その成果が出るまで所管は内閣府なんじゃないんですか。
#325
○副大臣(田中良生君) もちろん、この特区の基本方針には、区域計画の作成に当たっては、この効果の数値化ですとか目標期間、こういうものは定めるとしているところであります。
 この獣医学部の新設については、平成二十九年一月二十日に認定した区域計画、これにおいては、三十年四月に開設を目標時期として明確にしている、明記している。また、今後の特区法に基づく評価、こうしたものもどのように行うか、これは年度ごとに行う評価の際に民間有識者の意見を踏まえてきているということであります。
 いろんな部分あります。三十年の開学、またライフサイエンス、この研究の推進ですとか水際対策の強化、こうしたものも具体的な需要に対し対応する人材育成について適切に大学が運営されていく。こうした実施状況もしっかりとこれからやはり評価、検証はしていくということであります。
#326
○森ゆうこ君 済みません、何か意味がちょっと理解できないんですけど。
 四国枠二十人、決めたのはどういう理由ですか。それ以上、要するに毎年毎年、まあ二十人全員受かるわけじゃないでしょうけれども、二十人輩出していくと。そうすると、獣医療法に基づく獣医療提供体制の基本方針においては、先般改めて川田龍平議員からも御質問がありましたけれども、実は、あの基本方針に基づく愛媛県今治市の計画では余ることになっているんですよ、実は。足りないという計画ではないんですね。だから、これ二十人も、こんな大きな四国枠つくって、毎年毎年出ていったら、その行き場はどうなるんですか。
#327
○副大臣(田中良生君) 今突然のお尋ねではありますが、この対象の例えば入試区分における合格者の中、これは四国枠の入試特待生、こうしたものも入っております。あくまでもこうしたものをしっかりと捉えていくことが重要だと思っております。
#328
○森ゆうこ君 もう、どうぞ、官房副長官、次の日程がおありのようですので御退席いただいて結構です。
#329
○委員長(岩井茂樹君) 野上内閣府官房副長官におかれましては、御退席されて結構です。
#330
○森ゆうこ君 通告していますよ、国家戦略特区基本方針について聞くということで。もうちょっとまともな答弁用意してきてもらわないと。
 ところで、度々、八田達夫座長とか国家戦略特区のメンバーが、全てオープンで一点の曇りもないと、こう言って、この言葉を引用して総理もそういうふうにおっしゃってきた。しかし急に、うみは全部出し切るというふうにおっしゃっているわけです、今も毎回何かインタビュー、ぶら下がりとかいろんなところで。
 うみは全部出し切るとこの加計学園問題について言っているんですが、副大臣に伺いたいんですけれども、全てオープンで一点の曇りもないと言ってきたこの加計学園獣医学部新設、一体どこにうみがあるんですか。
#331
○副大臣(田中良生君) 今の、八田座長の、うみがあるというこの発言ですか。これ、全てのうみを出すと、総理のこの発言ですか。この部分に関しては、今、どういう状況なのか、ちょっと、今急なお尋ねでありまして、この部分に関してはお答えすることは控えさせていただきたいと思います。
 しかし、これ実際、昨年の閉会中審査でもあったように、これ担当大臣も、例えば前川前次官は、誰一人として総理からこの獣医学部新設に関しては何らの指示も受けていないと言っているわけですね。これ、座長も含めてそうであります。ここの件においてプロセスに一点の曇りもないと、そのように座長を始め民間の有識者が答えているということだろうと思っています。
#332
○森ゆうこ君 いや、ちょっと何かよく分からないやり取りのまま時間が過ぎて、もう少しこの農水省から見付かったペーパーを、中身も聞こうと思ったんですけれども、また次回に回したいと思いますが。
 農水大臣、本当にありがとうございます。これが本当にあった文書で、愛媛県が作成し、国、各所に持ってきているということが、農水省が出していただいたおかげでこの事実関係がはっきりいたしました。動かぬ証拠となりました。あとは愛媛県知事がおっしゃるとおり、みんなが正直に答えれば。だって、愛媛県も、そして今治市も、愛媛県のは五年保存です。平成二十七年四月二日に官邸で加計学園、今治、愛媛、みんなが柳瀬さんと会って話をしたわけですよね。記録に残っているのに、ない、ないと、どこにも記録がないと。まあ本当にもういいかげんにしてもらいたいなと思うんですけれども、次、法案の質疑に行かせていただきたいと思います。
 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案について、相続未登録農地についてこの間ずっと質問がありましたけど、改めて確認をさせていただきたいと思いますけれども、現状と、今回の法改正によってどの程度のその解消が図られるのか、目標の数値はあるのか。それと併せて、先ほど儀間先生からだったと思うんだけど、すばらしい提言があったと思うんですよ。結局、その未登録の発生している原因には、手続が煩雑で、また経済的な負担が大きいと。こういうことをむしろ解消する何か施策を同時に行った方がそれは推進されるのではないかというふうに思いますので、まとめて言っちゃいましたけど、まとめてお答えください。
#333
○政府参考人(大澤誠君) 相続未登記につきましては、現状につきましては、農林省は悉皆調査をいたしまして、おそれのある農地も含めて九十三万四千ヘクタール、全農地の約二割を占めていると考えております。
 今回の措置に関する目標でございますけれども、これは法案の説明のときにも申し上げましたが、今事実上管理されている方がこのほとんどでございまして、その方がリタイアするときに利用権を移せないという問題を解消しようということでございますが、毎年どれくらいの方がリタイアするかというのを、やはり農林省、この農業者がリタイアすることをどれくらい見込んでいるんだということになりますので、そこをちょっと見通すことはなかなか我々はやっておりません。そういうことを、変な予断を与えるということになると思います。
 ただ、事実としては、平成二十三年に農業就業人口二百六十万人いらっしゃったのが、二十九年には百八十二万人、六年間で八十万人の減少というペースでございます。この中の約二割が相続未登記だったとすると、それなりの数が出てきますので、その辺をターゲットとして今回の措置を使ってまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、根本の問題。これは先ほどもお話ししたとおり、相続の登記の義務化であるとか所有権の問題については、現在内閣全体で法務省の研究会で検討しまして、来年の二月を目標に何らかの形での中間的な取りまとめをしたいと思っていますが、登記の、先ほどの負担の問題につきましては、これは一般の問題ですので、これにつきましては法務省に具体的には聞いていただきたいと思いますが、法務省も今回の税制改正で、登録免許税について、数次にわたる相続を経ても登記が放置されている土地であるとか、相続登記を促進すべき地域における少額、一筆十万円以下の土地の一部について相続による所有権の移転登記に係る登録免許税を免除するなど、一定の努力はしているところでございますが、より根本的な解決については法務省の研究会の方向性を待ちたいと思っております。
#334
○森ゆうこ君 コンクリートで覆うことについて、先ほど来たくさんの御懸念の声が出ました。私もそういう懸念があるということは存じ上げておりますけど、一方で、やっぱり、先ほど御説明があったように、ハウスの中、コンクリートでやる方が今の時代、就労者獲得しやすいとか、そういう具体的なお話も私もたくさんいただいているところなんです。
 だから、問題は、農業に影響を及ぼさないように、これから作る政令の中に、政令で作る基準、高さ、その項目。一応、今項目だけは決まっていると思うので、それが具体的に数字がどうなるのかはまだ分からないと思いますが、どの項目について政令できちんと落とし込んでいくのかということをお答えいただけますか。
#335
○政府参考人(大澤誠君) 本日の議論でも具体的な施設の基準について様々な御意見がありまして、それを踏まえながらしっかり考えていきたいと思いますが、今考えているものとしては、一つは、専ら農業の用に供する施設であること。それから高さの基準、これは可能な限り数字で決めたいと思っております。それは周辺の日照への影響という観点でございます。それから排水施設に関する基準。それから、先ほど川田先生との議論でもありましたけれども、ちゃんと農地法上の施設であることを示す標識。
 これらが今考えている具体的なものでございますが、一種バスケットクローズ的な、その他周辺農用地に影響を与えないものであることというものも付け加えながら、予想もしなかったような問題についても個別に対処できるようなことも考えております。
 以上でございます。
#336
○森ゆうこ君 それで、農地の持つ遊水機能、多面的な機能の中の一つである遊水機能というのは非常に重要でありまして、実は、私、町議、二年間だけしかやっていないんですが、町議会議員をやったことがありまして、そのときにした最初の仕事は、住宅地、新興住宅地で必ず遊水機能を持つ公園を一角に造って水を逃がしていくわけですが、ただ最近のこういうゲリラ豪雨的なものですぐあふれて、すぐ床下浸水になってしまう。それを改良するための工事の予算をちょっとよそから獲得してきて付けて、その後、洪水がなくなったと。
 やっぱり農地だったものは、特に水田はそうですけれども、畑地でもそうですが、これをコンクリートで覆ってしまうと、思った以上に遊水機能が失われて、その近隣の宅地にまで影響を及ぼすと。これが最近の雨の降り方とも相まって非常に重要な、こういう、東京だけじゃないんですよ、地方の住宅地なんかでもそういう問題が起きるんです。
 そうしますと、やはり、コンクリートで覆うのはいいんですが、先ほど舟山さんが出した資料だったかな、あの写真なんかを見ると、これはかなり影響あるよなって思うので、そういうところを今回のコンクリートで覆ってもいいですよと、農地転用しなくてもいいですよということで緩和することによって弊害が生まれないのかな、遊水機能の低下への影響というものをどの程度気にしていらっしゃるのか。そして、そういうものを防ぐ手だてというのは、例えば政令なんかでそういうことを認定の際に盛り込むとか、そういうことはお考えでしょうか。
#337
○政府参考人(大澤誠君) 先生のおっしゃる遊水機能、我々の分類では恐らく洪水防止機能という形になるのかもしれませんし、そうでないかもしれませんが、この多面的機能につきましては地域全体として考えていくものでございますので、個々の農地について着目している農地法のこの規制の中でどれだけできるかという問題はあろうかと思いますけれども、先ほどの議論の中でも、例えば排水設備がもしかしたらそれにうまくフィットするかもしれないとか、そういうことをよく検討しながら、具体的な施設のときに考えてまいりたいというふうに思っております。
#338
○森ゆうこ君 質問は終わります。
 意外と大きいんですよ、その洪水防止機能というのは。それはもちろん地域全体でという、その理屈は分かりますが、ある一区画が失われてしまったために与える影響は大きいので、もう少しよく考えていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#339
○委員長(岩井茂樹君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 暫時休憩いたします。
   午後四時二十分休憩
     ─────・─────
   午後四時二十五分開会
#340
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 この際、申し上げます。
 理事会で協議をいたしましたところ、本日は質疑終局後の議事は行わないこととし、後日に譲ることとなりましたので、御報告いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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