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2018/05/17 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第15号
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2018/05/17 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第15号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第15号
平成三十年五月十七日(木曜日)
   午前十時九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     山田 俊男君     太田 房江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                太田 房江君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                徳永 エリ君
                舟山 康江君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   天羽  隆君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     荒川  隆君
       水産庁長官    長谷 成人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組
 合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共
 済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○森林経営管理法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官諏訪園健司君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩井茂樹君) 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○藤木眞也君 おはようございます。自由民主党・こころの藤木眞也でございます。
 久しぶりの質問になりました。質問の機会を与えていただきました先生方に感謝を申し上げたいと思います。
 今、委員長の方からお話ありましたように、農林年金の制度完了に伴う質疑の時間でありますが、昨日、新聞報道によりまして、これは以前、田名部委員が質問をされた案件でありますが、東北農政局職員がゼネコンに再就職した農政局OBに対して入札に関わる非公表の情報を漏らしたという報道がございました。このことに対して、もしこれが報道のとおり、公共工事、特に東日本大震災の復興工事において農政局の現役職員と元職員の間に不適切な関係が生まれており、一部の人の利益のために復興工事が利用されているとしたら、看過できない事態であると言わざるを得ません。
 現役職員の不正行為について、農林水産省は事実関係を明確にするとともに、厳しく対処すべきと考えますが、農林大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(齋藤健君) 農林水産省の所見ということで、公共工事は国民生活の基盤となる社会資本の整備を行うものでありますので、国民の信頼を揺るがすような談合があってはならないと考えています。昨年三月に入札等談合情報がございましたものですので、農林水産省としては、その後に始まりました公正取引委員会の調査に積極的に協力しつつ、東北農政局に設置されている公正入札等調査委員会での調査を継続してきているところであります。
 引き続き、我が省といたしましては、しっかりと調査を進めた上で結果を明らかにしたいと考えておりますが、仮に昨日報道されたような内容が事実であるとすれば、極めて遺憾でありまして、厳正に対処します。
#8
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 ただいま大臣から本件についての、現在調査中であるものの、仮に報道のような事実があれば厳正に対処をしたいというお答えがありました。このことは、公共事業の適正な実施を図る上で当然のことではあります。
 また、一方で、東日本大震災の復興事業は、平成三十二年までの東日本大震災の復興・創生期間の総仕上げに向けて最後の追い込みに掛かっているところであります。改めて、報道のような事案による復興事業の歩みが停滞することがあってはならないと考えておりますが、大臣の決意をお伺いできればと思います。
#9
○国務大臣(齋藤健君) 平成二十三年三月の東日本大震災によりまして、被災六県においては、農地に四千六億円、農業用施設に四千四百八億円の甚大な被害が発生をいたしました。農林水産省としては、これらの被害に対しまして総力を挙げて今復興事業に取り組んでおりまして、平成二十九年度末までに津波被災農地の約九割に当たる一万七千六百三十ヘクタールで営農再開が可能となるなど、復旧復興に向けた歩みを進めているところであります。
 引き続き、適正に事業を実施することに配慮しつつ、平成三十二年度までの復興・創生期間の総仕上げに向けて、県や市町村と連携をして、復興事業を着実に推進してまいります。
#10
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 最近、本当に政府の信用を失うような事件もたくさん起きております。本当に、私が一番信頼をします農林水産省、しっかりとした今後の対応を取っていただきたいというふうに思いますし、私の地元熊本でも、今、創造的復興に向けての作業が本当に本格化をしたやさきであります。また、昨年起きた福岡県朝倉であったり大分県日田市の災害後の工事等々も、本当に被災地の方々にとっては大事な工事になります。こういったところまで波及のないように、是非とも大臣の強いリーダーシップの下で御指導いただければというふうによろしくお願いをいたします。
 続きまして、本題に入らせていただきますが、農林年金の制度完了に向けた取組についてお伺いをしたいというふうに思います。
 この法案は、これは多分に漏れずという言葉が適正か何か分かりませんけれども、時代の流れといいますか実情の中で、ほかの年金の制度と同じくして、やはり農林年金の制度も大変な財政の悪化が始まったという中で、農林年金と厚生年金の統合がされて、三階部分のこの部分を一時金としてお支払をしたいということであります。これを一時金として支払うことによって財政の健全化を図るという大きな目的の中でこの取組が始まったものと承知をしております。
 特に、平成二十六年、二十七年、この二年間に一時金を受け取ってくださいというような周知の期間がございました。ちょうどこの二年間というのが私も熊本の方で組合長をしている時期でありまして、初めてこの農林年金受給者連盟という総会に出たり懇親会に出たりする中で、本当にこの協会の方々が真摯に、やはり受給者の方にとっては年金という老後の本当にかけがえのないお金をこのようにお支払をさせてくださいという、本当に丁寧な説明をされているなというのを目の前で聞きましたし、そういう説明の中で、皆さん方も本当に納得をされてこの一時金に手を挙げていただけたのかなというふうに思っております。目標でありました八〇%を大きく上回る八六%という一時金を受け取ってもいいと言われる受給者の方が誕生したのも、こういう努力の中で達成をしたのかなというふうに思っております。
 よその農協のことまでは私も分かりませんけれども、その当時組合長として、参事からの相談の中で、一時金に該当をするJAの出し分といいますか、JAが見なくてはいけない部分がこれだけあるんですという説明の中で、二年間を掛けてその辺を積ませていただいたなという思いの中で、こういう質問をする機会が回ってきたというのは何かしらつながりがあるなというのを今思いながら質問をさせていただいております。
 約三十五万人の方がこの一時金の選択をされており、この方々に対する説明をされた方の責任といいますか、そういったところもしっかり果たしていくという意味でも、早期の給付完了が望まれるというふうに思ってございます。
 この法律案が国会を通っていった後、施行期日は二年以内に定めるという記述がございますが、今後、どのような要素を考慮し具体的にこの施行日というのを決めていかれるのか、教えていただければというふうに思います。
#11
○政府参考人(大澤誠君) まず、お答えいたしますが、存続組合、農林年金の存続組合の真摯な一時金支払に関する努力について御紹介いただきましてありがとうございます。
 御質問の施行期日につきましては、この法律上、公布の日から起算して二年を超えない範囲内で適切に定めるとされております。その際考慮する要素は主に二つだと思っております。
 まず第一の点は、一時金支給の対象者数が住所不明者の四・三万人を含めて七十万人以上と極めて多数となることから、今回の制度改正の内容を周知する期間を十分に確保する必要があると。それとともに、受給権者一人一人にミスなく適正に支給するため、十分な準備期間を確保する必要があると。そういう要請が一つ、一方でございます。他方で、改正法の早期施行を求める声もあると思っております。
 また、これまで長期にわたり運営されてきた年金給付方式から一時金方式に支給方法を切り替えることによって、農林漁業団体が負担している支給に係る事務コストの低減が図られると、こういう意味からはできる限り速やかに施行すると、こういう要素がございます。
 この二つの要素をどこでバランスを取るかというのが大事だと思っておりまして、これにつきましては、存続組合と十分相談しながら決めてまいりたいというふうに考えてございます。
#12
○藤木眞也君 是非、その辺、本当に受給者の方々に納得のいく形での決定をしていただければと思います。
 今、若干数字にも触れていただきましたけれども、支給対象者四万三千人の住所が不明というような報道が以前ございました。この方々に対する措置としてどのように考えていらっしゃるのかということでございますけれども、基礎年金番号制を導入する以前の受給者の住所管理の問題と把握しているが、こうした方々はどのような方なのかということですね。一時金の円滑な支給という観点から考えますと、こうした方々をどのように対応していこうとお考えなのかという点を教えていただければと思います。
#13
○政府参考人(大澤誠君) これにはまず農林年金の歴史を振り返る必要があると思いますが、まず、農林年金制度を含めまして公的年金制度におきましては、平成九年の一月に基礎年金番号制度が導入されたことを契機といたしまして、加入者の住所情報の登録がそれ以降の方について義務付けられたところでございます。
 当時、農林年金制度におきましては、その平成九年一月以前にもう既に退職をしていたために法律上のこの住所登録の義務のない方は約六十二万人おりました。おりましたけれども、その年金加入記録の把握を円滑にするなどの観点から、これまで、まず、ねんきん定期便を確認した方からの問合せへの対応でありますとか、住民基本台帳ネットワークシステムを活用した存続組合が調査を行うということでありますとか、あるいはこの住所不明者が所属していた農林漁業団体が調査を行うということでありまして、総力を挙げてその住所の把握に努めてきたわけでございます。その結果、平成九年時期に六十二万人いた方の多くの住所が判明しまして、平成二十九年三月末時点では四・三万人が住所不明と、ここまで減少してきたわけでございます。今回の法改正を契機として、なお一層この努力を続けなければいけないというふうに、最優先で対処すべき課題だというふうに考えてございます。
 これまでの取組を粘り強く継続することはもちろんのこと、これに加えまして、例えば存続組合や農林漁業団体におきまして新聞広告、市町村広報による周知、所属していた農林漁業団体のOBとのつながりを活用した周知、住所不明者の地元の親類縁者への聞き込みなどの総力を挙げた取組を行いながら、特例一時金の受給権者に対して確実に支給できるように指導を徹底してまいりたいと考えております。
#14
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 是非、本当にしっかりと、末端の方々といいますか、そういう方々まで行き届くようなことが一番大切なことなのかなというふうに思います。是非ともしっかりとした対応をお願いをしたいというふうに思っております。
 法律施行後、この制度が完了するに向けて、存続組合等に対して具体的にどのような指導をされようというお考えなのかということも併せてお聞かせいただければと思います。
#15
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 先生冒頭に御指摘されましたとおり、農林年金制度は、昭和三十四年の発足以来長い歴史を持つ制度でして、農林漁業団体の役職員の老後の生活保障を充実させるためにも重要な役割を果たしてきたと認識しておりますので、この長い歴史のある制度の円滑かつ確実な完了を図ることが政府としても大事だと考えております。
 このため、施行後においても、引き続きあらゆるチャンネルを活用しまして法改正の内容の周知を徹底する、あるいは受給権者の一人一人に対して特例一時金をミスなく適正に支給できるようあらゆる努力を行う、あるいは特例業務負担金の徴収を適切に行いまして金融機関からの借入金の返済が滞りなく行われるように指導する等が特に重要であると考えております。
 この観点から、農林水産省も、進捗状況の適切な把握、適時適切な必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
#16
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 是非、できるだけ早いといいますか、団体としても最大限の努力はされるものだというふうに思ってございますけれども、スムーズな早期完了に向けて役所の皆さん方も是非とも御指導とお取組をお願いをしたいというふうに思います。
 地域に帰れば、本当に農林漁業団体のこの年金をいただかれる方々というのは相当いらっしゃいます。しっかり地域で今後活躍をしていただくためにも、こういう方々にしっかりとした一時金の支給であったりをお願いしたいなというふうに思います。
 この今回の一時金で、私たちの方、こっちサイドでもこの受給者に入られる先生が野村先生と山田先生いらっしゃいます。私は今回の一時金の受給者なのかなと思ってお話を聞いたところ、その前の、以前のときに私たちはもらったよということで、おごちそうをしていただく機会を逃したわけですけれども、是非とも役所の皆さん方にはその辺をしっかり配慮いただきまして、今後、団体に対する御指導も重ねてお願いをしておきたいと思います。
 若干時間を残しましたけれども、新しい質問をすると恐らく時間をオーバーするのかなというふうに思います。これで質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#17
○田名部匡代君 国民民主党・新緑風会の田名部匡代でございます。質問させていただきます。
 法案のことについて御質問させていただく前に、先ほど藤木先生の方からもお話がありました、報道になっておりました被災地での復興事業の談合のことについて、私からもお話をさせていただきたいと思います。
 この委員会で、昨年四月六日でありました、私もこの疑惑について取り上げさせていただきました。
 当時の報道は、震災復興事業、談合の疑い、農水OB間での受注調整かということであります。どういうことが疑いがあったのかというと、農政局のOBが発注担当者に自社の入札資料を添削させていた疑いがある、その会社が、受注する会社が有利に働くような進め方が、また調整があったのではないかということでありました。当時、御質問させていただいたときに、山本大臣から、公共事業の談合はあってはならない、特に復興事業なので、公平公正、透明な手続でなければ真の復興ではないと、そして、東北農政局にて調査に着手したというふうに御答弁をされておられました。
 農水省が現段階でどういうことを把握されているのか教えてください。
#18
○国務大臣(齋藤健君) 本件につきましては、昨年三月に、入札等談合情報があったことから、東北農政局に設置されております公正入札等調査委員会で、工事継続中の入札案件について、入札参加企業及び農政局担当職員に対する事情聴取等に着手をいたしました。その後、公正取引委員会の調査が始まりまして、農林水産省としては、公正取引委員会の調査に積極的に協力しつつ、東北農政局の公正入札等調査委員会での調査を継続してきている、そういう状況にあります。
 本件につきましては、強制権を持って公正取引委員会が調査を行っている今最中でございますので、その段階で私どもの方からこうだああだというコメントをするのは適切ではないかなと思っておりますが、現時点では、公正取引委員会の調査に積極的に協力しつつ、公正入札等調査委員会における調査を公的に適切に進めていると、こういう状況でございます。
#19
○田名部匡代君 そのときに私、被災地の建設業者の方からお聞きした声ということをお伝えをさせていただきました。当然、談合はあってはなりません。しかしながら、現場でどういう話が出ていたかというと、復興には強い思いがあるんだけれども、しかしながら、一方で、事業を請け負うことが結局は、事業の価格が、事業費が安くて仕事を取ると利益にならないんだとか、人手不足でなかなか仕事を取れないんだと、そういう中で、その事業を請け負う会社がないので何とか仕事を請けてくれというようなことでの調整ももしかしてあったのではないだろうかというような話も聞こえてきたんです。
 どういう事情があるのか、どういう問題があるのか、こういうことについて調査をすべきではないかということに対して、山本大臣が調査に着手したとおっしゃっていたんです。しかも、加えて、調査を通じて更に要因分析等をしながら、復興として円滑で公平公正な入札ができるように努めるというふうにおっしゃっていました。
 その調査というのは農水省で継続をされてきたのか、聞き取りをした中で、私が今申し上げたような、現場でどういうことが起こっていたのか、どういう問題があったのか、そういうことは何らか受け止めたことはおありなんでしょうか。
#20
○国務大臣(齋藤健君) いずれにいたしましても、私どもも重大な問題意識持って調査を、東北農政局の先ほど申し上げた公正入札等調査委員会で調査を進めておりますが、一方で公正取引委員会も調査に入っておりますので、そっちの調査に今は協力をしながら、私どもとしては最終的には明らかにさせていきたいというふうに思っています。
 今疑いの段階で、事実関係がはっきりしていない段階で私の方からこうだああだという発言はちょっと適切ではないと思っています。明らかになった段階で厳正に対処するということで御理解いただければと思います。
#21
○田名部匡代君 大臣の方から、厳正に対処すると、明らかになった段階でですね、そうおっしゃっていただいたので、その言葉を信じたいと思います。
 何度も被災地のことについてもこの委員会で取り上げさせていただきましたし、申し上げてきました。私は、あの震災直後、農水省の皆さんがいかに被災地に寄り添い、懸命に取り組んできたかということを見てまいりました。そして、被災者の皆さんの気持ちも受け止めてきたつもりであります。
 七年がたって苦しみや悲しみが癒えたのかといえば、決してそうではありません。ある被災者の方は、月日がたてば悲しみは癒えるのかと思っていたと、癒やされるのかと思っていた、しかしそうではなかった、長年住み慣れたふるさとが、景色が変わる、変わってしまった、もうふるさとは元には戻らないんだということを感じるたびにさみしさや悲しみは一層強くなるんですと、そんなことをおっしゃっている方がおられました。
 被災者の方々のためにも、何か被災地の中で自分たちの利益を優先してこういう談合のようなことが行われることがないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、はっきりした時点で厳正な対処をお願いをしたいと、まずはそのことを申し上げたいと思います。
 もう一点。これまで一年間、今いらっしゃいませんけれども、森委員が加計問題のことについても取り上げてこられました。今日の新聞でも、財務省、佐川さんが、八億円の値引きの交渉記録、これ、資料があったのを分かっていたのに廃棄をしたと言ったのではないか。いや、もしそうだとしたら、平気で国会でうそをつく、国民を欺く、平気でそんなことをやってきたということだと思うんです。
 私、この間、森委員の質問を聞いていて、出張のあの記録を出してくださいと言ったときに、その記録を収集していますと内閣府の方がおっしゃった。そんなことありますか、出張記録があっちにもこっちにも行ってるなんということあり得ないわけですよ。ある場所なんか一つに決まっているじゃないですか。こういうことがずうっと続いてきた。セクハラに対しての麻生大臣の発言もそうですけれども、先ほど藤木委員からもありました。もう次々と信頼を損なうようなことがある。
 是非、大臣も、また与党の皆さんにもお願いしたいんですけれども、もう一年たっているんですから、いつまで資料を整理したり探したりしているんですか。優秀な官僚の皆さんがこんなに時間掛かって資料も出せないなんて考えられないですよ。
 また、加計の問題で申し上げれば、総理の側近の方が、まさに総理のとても仲のいいお友達が総理官邸に尋ねてきていろいろ打合せをしていることを総理に伝えないなんということはもう考えられない。私の秘書でも何か大事なお客さんが来たら伝える、当たり前のことじゃないですか。考えられないんですよ。この考えられないようなことを平気で答弁をされて、おかしいなと思う。でも、そうしたら、なかなか記憶もない、記録もないと言われれば追及し切れないというような状況にあるんです。正直に言っていただければそれで話は済むわけですよ。なぜあえて隠すのか。どんどん疑いが深まっていくということだと思います。
 是非、一日も早く全てのことが明らかになるようにしていただきたいと思いますし、加計問題のことは獣医学部の問題でもあって、農林水産省、関わっていると思います。万が一にでも何か関わるような情報が、記録があるとするならば、しっかりとそれは私どもに提出をして報告をしていただきたいと、隠蔽するようなことがないように是非お願いしたいと思いますが、大臣、一言お願いします。
#22
○国務大臣(齋藤健君) 柳瀬さんの話もありました。私は、もう正直言えばいろんな思いがありますけれども、今農林大臣としてここに立っておりますので、そのことについては私の方からはコメントする立場にありませんが、ただ、農林水産省の件につきましては、昨年四月から六月にかけて資料提供要求がありまして、全ての行政文書をチェックして公開をさせていただいております。
 その後、例の愛媛県文書も出てきたものですから、これは行政文書じゃなかったんですけど、関係しそうなところを全部ヒアリングをして、見付かったのでそれも直ちに公表させていただいているということでありますので、引き続き誠実に対応していきたいと考えております。
#23
○田名部匡代君 よろしくお願いを申し上げ、限られた時間ですので、法案のことについてお伺いをしていきたいと思います。
 衆議院でも随分質問も出尽くしたようなところもありますけれども、できるだけ藤木委員と重ならないように質問させていただきたいと思っているのですが、やはりちょっと気になるのは、藤木委員の方からもありました不明者となっている四万人を超える方々、この確認作業なんですね。住所や姓が、結婚されて姓が変わったことによってなかなか御本人にたどり着けないということであります。衆議院の委員会の中で、大澤局長も一人一人しっかりと確認をしたいと、努力をしたいとおっしゃっていました。
 ポスター、パンフレット、広告、インターネット等、いろんなことを通じてとおっしゃっているんですが、私も先日、共済組合の方からお話を伺いますと、不明者の確認作業が非常に大変で、広報活動もそうですけれども、各地域の農協なり問合せをしたりと取り組んでいらっしゃるということで、努力はしてくださっているのはよく私も受け止めております。
 しかしながら、この確認作業をしっかりとしていただくには、私、ちょっと話それるかもしれないんですけど、数年前に同窓会を開いたんですね。同窓会開く、たった三百人ぐらいの話ですよ、この確認をする。私、女子校だったので、特にもう結婚して姓が変わり、この確認をするだけでも相当大変。しかも、個人情報保護の問題があったり、同級生ですと言っても怪しまれて居場所を教えられないだとか、こんなことがあるんですね。なかなか、これまでもずっと不明者の方々を捜して人数減らしてきたのはよくよく分かるんですけど、この残った四万人の方々を捜すというのも並大抵のことじゃないだろうなというふうに思います。
 おっしゃっていただいた以外にどういう手段があるのか。実は、やっぱり口コミ、元々一緒に働いていた方々からたどっていくようなことが一番有効ではないかと。インターネットといったって、そう見られる方、見る方もいらっしゃるかもしれませんけど、余り有効的な手段じゃないところに費用を掛けず、足を使って捜していただくようなことの方が有効なのかなと思うんですが、どうでしょうか。もう一度、このことについて、取組の方法について教えていただきたいと思います。
#24
○政府参考人(大澤誠君) 住所不明の捜索についての今現在の存続組合の努力について、評価いただきまして本当にありがとうございます。
 我々、この組合の一人一人の真摯な努力をまず信じるということはもちろんでございますけれども、さらに我々が指導することがあるとすれば、先生もお話のありましたような人と人とのつながり、最新の技術というよりも人と人とのつながり。具体的には、所属していた農林漁業団体のOBの方々、このOBの方々がこの人は知っているよという、こういうつながりがあると思いますので、そういうところまで踏み込んで、いろいろな周知を徹底していくということを今存続組合とも話しているところでございますし、それから、やっぱり地元のつながりというものがありますので、地元の親類縁者への聞き込み、こういうような、非常にある意味でローテクではございますけれども、そういう手段が非常に有効なのではないかと思っておりますし、そういうふうに指導してまいりたいとも考えてございます。
#25
○田名部匡代君 是非、御努力を続けていただきたいと思います。
 この特例一時金を受け取る権利というのは、その給付事由が生じた日から五年間これ請求がないと権利が消滅するというふうになっている。税金だとか年金というのは冷たくて、取るときにはしっかり取るんだけれども、後は、きちんと請求がないと払ってもらえないだとか、税の控除も、分かっているのに申請しないと教えてもらえないだとか、まあ年金の受給者の方なんか、また税金払っている企業の方からもいろいろお話ししていると、取るときだけはしっかり取って後は冷たいよななんという話があるわけですけれど、済みません、話がまたそれましたけれど。
 この五年間請求がないと権利が消滅する、でも、これ四万人を超える方々が不明なわけでありまして、しっかりと最後の一人まで確認ができるかどうか分からない状況の中で、不明者に対して、これ五年間で権利が消滅する、この後どういうふうに対応されるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、年金一般のシステムでございますので、年金は請求主義ということもございまして、失効は五年ということになっておりますけれども。まずは、この制度、特例一時金制度を導入すること自体が、この制度運営のコストをできる限り抑えながら制度の早期完了を図りたいという現役世代、農林漁業団体の現役世代等からの真摯な要望を踏まえたことでございますので、まずは存続組合あるいは農林漁業団体において住所不明者について住所を特定することを全力を挙げていただきたいというふうに考えてございますけれども、その上で、様々な活動を徹底してもなお残ることがある、住所不明者の方がいらっしゃるとすれば、その際には、また存続組合の方々もよく考えていただいて、住所の特定状況の推移あるいは財源、こういうことをよく見ながら、例えば時効を援用しないなどの柔軟な対応を取るかどうか、そういうことも含めながら存続組合あるいは農林漁業団体の方々の中でよく検討していただきたいなというふうに考えてございますし、我々もそういうところを、必要な助言は行っていきたいというふうに考えてございます。
#27
○田名部匡代君 これ、国民年金、厚生年金でも同様に五年で権利が消滅するという規定がありますけれども、しかし、やむを得ない事情により請求できなかった場合、申立てにより基本権は時効消滅させないとなっている。
 是非、最後の一人まで見付ける努力はしていただくとしても、なかなかそれがかなわなかった場合、その後受け取れるはずの方が受け取れないというようなことのないように何らかの対応を御検討いただきたいというふうに思います。
 もう一点確認をさせていただきたいんですけれども、一時金が支払が終了した後存続組合は解散するわけですけれども、これ、保有している情報というのはどういう扱いになるのか。年金の問題でいえば、外部にいろいろ委託をして、中国の企業に委託をしてなんてこともありましたし、個人情報が詰まっている問題でもありますので、この資料、データの扱いについてどういうふうになるのか教えていただけますか。ごめんなさい、質問に入っていなかったかもしれません。
#28
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 今回の法改正によりまして、御指摘のとおり、特例一時金の支給に関する業務が終了したときには、存続組合は解散することとなります。その際、例えば必要ないろんな問合せがあるとか、そういう話も出てくる、解散後も出てくる可能性はございますけれども、その際には、例えば厚生年金と二階部分は少なくとも統合しているわけでございますので、その全体の問合せ等どう対応するかとか情報の取扱い等も含めまして、この事務の引継ぎ、ここをどこにどういうふうにやっていくかというのは関係省庁も含めてこれからの検討課題であると認識してございます。
#29
○田名部匡代君 情報の取扱い、十分丁寧にやっていただきたいと思いますので、そのことを申し上げて、終わります。
#30
○小川勝也君 新たに誕生いたしました立憲民主党・民友会という会派から代表して質問させていただきます。北海道選挙区選出の小川勝也でございます。よろしくお願いします。
 藤木委員と田名部委員から東北地方農政局をめぐる談合の問題のお話がありました。私は、この問題に関して、北海道のある下請業者さんから未払の相談を受けておりましたことを思い出して、今日ちょっと確認をさせていただこうと思っています。
 御案内のとおり、復興復旧の事業は大変煩雑で、人手不足と資材高騰も相まって不調があったり、あるいは受注業者がいなかったり、大変御苦労されたということをよく存じ上げております。
 北海道から下請に福島県に入って、そんな中でトラブルに見舞われて、その工事代金が受け取れないんだという相談がございました。農林水産省の国会連絡室にも相談をさせていただいたり、東北地方の整備局、いろいろと御指導いただいたりしましたけれども、どうもいわゆる元請業者と一次下請業者が結託しているようだという情報があったものですから、もし未払等のその中で、開き直る原因が農林水産省のOBがうちの会社にいるので大丈夫だというふうなことであればゆゆしき問題だと感じたわけであります。
 今、この談合問題と、いわゆる天下りと言えるかどうか分かりませんけれども、再就職の問題。内閣人事局に対する情報提供や、あるいはその後二年の猶予期間を置いた後の再就職、様々な問題もありますし、職業選択の自由もこれあるわけでありますけれども、安倍総理は様々な問題でうみを出し切るという言葉もございました。藤木委員からも齋藤大臣にもお話がございましたけれども、今回、談合問題に係るいわゆる事業主体、工事を担う業者に農林水産省及び関係者が再就職しているという事実があれば、できるだけ調べていただいて公表したいと思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(齋藤健君) 今御指摘の再就職の問題につきまして、小川委員、御承知だと思いますけれども、公のために公開をすべきだという議論と、それから職業選択の自由の議論とのせめぎ合いの中で今ルールが決まってきておりまして、そのルールによれば、国家公務員法に基づいて、行政職の一定のレベル以上の職員について離職後二年間は再就職の届出が必要というふうにされているわけであります。
 昨日いただいていれば状況調べたんですけれども、今私の手元にそういうデータありませんので、これは改めてどういう状況になっているか調べてお答えをさせていただきたいと思います。
#32
○小川勝也君 決まりやルールがあることは百も承知でございます。しかし、農地整備、特に水の利用や排水に係る工事を発注する者は極めて限られておりますし、受注できる業者も限られておりますので、だからこそ、より神経質に取り組まなければならないということは言うまでもないことだというふうに思います。後刻お調べいただいて、可能なものは情報提供いただければ有り難いと思っています。
 衆議院から参議院にこの法案が送られてまいりますときに、日本農業新聞に、今も議論の対象になりました支給対象四万人が不明になっているということが大変大きな話題となりました。私のところにも関係団体の役員の方がお見えになられまして、大変衝撃を受けているけれども、様々な事情があるんだという話を説明をされました。後ほど時間があればいろんな議論をさせていただきますけれども、時が変われば事情もいろいろ変わるんだなということを改めて、私もよわい五十四歳になったものですから、昔を思い出させていただいているところであります。
 この一時金の支給対象の中には、短期間当該事業所にお勤めになって、すぐ結婚等で退職された方を多数含んでいるんだというお話であります。私も北海道の農村の出身でありますので、いわゆるところの高校を卒業して就職する場所が役場と農協と信金しかないんですね。恥ずかしながら、今言うと本当に怒られますけれども、女子は短期間働いてすぐ嫁に行けという社会だったというふうに記憶をしております。私の姉も十八歳で役場に勤めて、三年間役場で勤めて、いわゆる役場内で結婚し退職をしています。
 農協の組合長は、さらに明言をされておられました。農協に入る職員は、必ず農家に嫁に行けと、そして、早く行けと。早く行かないと次に地元の子が農協に入れないんだ。これは、漁協さんも推して知るべしだと思いますし、ですから、短期間お勤めをして、今回の一時金の受給対象者になっているにもかかわらず、今は都会や別のところでお暮らしになって、田名部さんが言われましたように姓が変わっている方がたくさん存在しているわけであります。
 ですので、農協にポスターを貼ったらどうかとか、いわゆる農協のホームページに貼付けをしたらどうかという、いろんな議論がありますけれども、いわゆる農村や漁村にとどまらない対象者ということでありまして、大変な労力が必要だろうというふうに思っています。
 それから、先ほども議論がありましたけれども、こういう新聞の見出しにもなりましたので、最後の一人まで捜し当てて一時金をお渡しするんだというふうに努力をしているという姿を見せることも大事だと思いますし、そのことを農林水産省も後押しするんだという姿勢も大事なんだというふうに思います。
 先ほど御紹介をさせていただきました役員の方々も、しっかりその努力は自前でやりたいというふうにおっしゃっておりましたけれども、農林水産省の立場も改めてお伺いをしたいというふうに思います。
#33
○政府参考人(大澤誠君) 農林水産省といたしましても、その存続組合あるいは農林漁業団体の行われている真摯な努力を後押しするという観点から、これはホームページ、フェイスブックというのも活用いたしますし、それから日本年金機構など年金に関する機関への協力依頼、こういうものは国がやった方がより効果的かと思いますので、そういうことを積極的に取り組みながら後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。
#34
○小川勝也君 多分、今日この場で委員会の採決がなされ、近々に開かれます参議院本会議でこの一部改正の法案が成立するんだろうというふうに思います。まあ、成立をしてから、そして、なおかつ施行の日から大変事業運営が煩雑になることが予想されます。このことについて、まさに事業主体の方々も様々な工夫をなされるというふうにおっしゃっておられましたけれども、この事務煩雑に関して農林水産省としてはどう対応や指導をしようと考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#35
○大臣政務官(上月良祐君) 存続組合におきましては、これまで選択制も既にありますので、選択制による一時金を、約三十五万人の受給権者に対しまして、業務の一部外注も活用しながら、混乱なくこれまで処理をしてきております。そういう意味で、一時金支給のノウハウはそれなりに相当程度たまってきているんだというふうに思っております。
 ただ、今回はかなり一時期に集中することになると思いますので、これまで培ってきたノウハウはそれはそれで最大限発揮しつつ、きちんと準備をしていかなきゃいけないと。まず、専用のシステムをきちんと準備をして構築をしておく必要があるだろうというふうにも思います。それから、必要な場合には外注をやっぱり活用しなきゃいけない。しかし、外注先もよく考えて選ばなきゃいけないというふうに思っております。
 さらに、とにかく段取りが全てだと思います。どれぐらい集中するかということをきちんと作業計画を立てて、そして、その進捗状況を見極めて、必要に応じて、要員、人員ですね、これは習熟した方々にやっぱりやっていただいた方がいいので、例えば再雇用といったようなことも考えなきゃいけないかもしれません。
 そういったことなど、段取りをきちんと立てて準備をして、さらに要員を確保もやっていく、そういうことによって、できる限り、まあ何というんでしょうか、業務を受ける側が、平準化というんでしょうか、集中に対応できるような姿でやれるように我々もしっかり指導してまいりたいと思っております。
#36
○小川勝也君 幾つか廃止とか統合という経験を国全体で持っているはずでありますので、事務の煩雑がいわゆる事務的に働いておられる方の大変な長時間の残業であるとか精神的に支障を来すようなことがないように、農林水産省もしっかりチェックをする体制を整えていただきたいというふうに思っています。
 それから、今御答弁の中にありましたけれども、外注に出すというときには大変注意しなければならない案件があります。まあ、いろいろな、いわゆる下請業者がさらに外注をして外国の企業にお任せをしたという案件がありますので、そのことも注意を払っていただかなければならないというふうに思っておりますけれども、そこだけ確認をさせていただきたいと思います。
#37
○大臣政務官(上月良祐君) 他省庁の件でありますけれども、そういうふうな案件があったことはもう重々認識しておりまして、これもやっぱり段取りだと思います。どういう外注団体、どれぐらい能力があるところにどれぐらいの期間でどれぐらい出すか。それだと、一社だと無理だったらきちっと二社確保するとか、それによって、今おっしゃったような御指摘、再委託みたいなことがあったようでありますけれども、そういうことがないようにしっかり対応していただけるように、これは万全を期したいというふうに思っております。
#38
○小川勝也君 これ、最後の一人まで見付かればいいわけでありますけれども、相当苦労することが予想されますし、そして、まあ変な言い方ですけれども、最後の最後まで努力をしている姿を見せ続けなきゃならないんだというふうに思っています。しかし、どこかの時点で打切りというのか、やめるということが、必ずその日が来るわけであります。
 それで、借入金を、お金を借入するということになっておりますけれども、全ての方が一時金を受け取るという前提で資金の用意を多分することになろうかと思いますけれども、最後の形というのはどういうふうに想定されるんでしょうか。すなわち、一時金の受け取る方が現れるという前提でお金を用意するわけでありますけれども、最後、どこかで諦めなきゃならないという場合、最後はどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
#39
○政府参考人(大澤誠君) まず、先生御指摘のとおり、最後の一人まで確実に受給、権利者が受給できるように努力を続けるということは間違いないことでございますが、一方で、この法律上はこの存続組合の解散という形も決まってくる、の時期も見通すということになっておりますので、そこをまず最大限の努力をするということを前提にしながら、様々な活動を徹底いたしましてもなお残る住所不明者に対する取扱いにつきましては、どのぐらいいるのかとか、そのときの財源がどうなのかとか、そういうところを見ながら、先ほどの、前の御指摘でも時効の援用問題もございましたし、様々なアイデアがあると思います。こういうものを存続組合においてよく検討していただくということになろうかと思っております。
#40
○小川勝也君 ここは私の立場から申し上げることではありませんけれども、最後の段階はかなり弾力的に応用の利く形で、いわゆる社会の使命に応える体制を取っていただければというふうに思います。
 それで、最後、事務がどこかで打ち切られる場合にも当該職員の方々の雇用の問題が発生をするというふうに思います。大変、最後は少ない人数の方がお残りになられるというふうに聞いておりますけれども、職員の雇用の問題、再就職の問題について農林水産省はどういう関わりで臨むおつもりでしょうか。
#41
○政府参考人(大澤誠君) 存続組合が業務を清算して解散する時期は二〇三三年頃になると見込んでおりますけれども、その時点で定年前の職員は四名程度いらっしゃるというふうに見込んでおります。
 これにつきましては、農林漁業団体としては系統内で雇用が確保されるように調整する方向、意向だと聞いておりますが、農林水産省としても確実に雇用の確保がなされるよう指導してまいりたいと考えております。
#42
○小川勝也君 ここは私も団体にしっかり確認をさせていただいておりますけれども、農林水産省も責任を持ってそのことが履行されますようにお願いをさせていただきたいと思います。
 それで、平成九年一月一日からこの制度が大きく変わりました。三階建て部分がいつかなくなるという前提で掛金を掛けておられた方は実は少ないんではないかというふうに思っています。時計の針が少しずつ回っていくに従って、社会のありようも大きく変わっていくわけであります。
 私が子供の頃はこの国はまさに右肩上がりでありまして、人口が減少するとか国際的に弱い立場になるということは余り想像ができないことでありました。しかし、当時と今、比べますと、大きく変わるのはいわゆる農村集落のありようであります。農業者の人口がどんどんどんどん減少し、農家戸数がどんどん減少する姿を、二十数年、議員の立場で見させていただきました。
 実は、このことは、北海道が特に、フロントランナーと申し上げますか、一番早くその場面に遭遇をした地域であるというふうに自負をしております。一つの集落に十軒あった農家が四軒になり、一軒になる。例えば、一戸当たりの農地面積が四十ヘクタールになるとか七十ヘクタールになるというのは、そういうことなんですね。いわゆる、まだこの国の、ある人は、我が国の農業は規模拡大だというふうにおっしゃる方がおられますけれども、規模拡大は農村に住まれる方がいなくなるということとイコールであります。
 しかし、どんどんまだまだ人口を減らしていく私たちの国は、農村集落をフェードアウトしていくという局面に向かっています。かつて学校があり、商店があり、郵便局があり、警察署があった集落も、農地はあるけれども人が一軒も住んでいないという集落を幾つも幾つも北海道は経験をしてくるわけであります。これが、私の予見によりますと、全国で同じことが起こってくるわけであります。
 コンパクトシティー、農村集落に人が住まなくなる、他省庁と連携が必要だと思っています。国土交通省や総務省、関係省庁としっかりと連携をして、この農村集落がなくなることや、いわゆる自治体のコンパクトシティー化に対応する必要性を今私は痛切に感じています。
 農林水産省として、農林水産大臣として、どういう御所見と御準備の気構えをお持ちか、お伺いをしたいと思います。
#43
○国務大臣(齋藤健君) 日本の人口がこれから減っていく中で様々な課題があるんだろうと思いますけれども、今、小川委員がおっしゃった話は私は最大の課題の一つなんだろうと思っています。
 農村は、農業生産通じて国民への食料安定供給や多面的機能の発揮の場となっておりますけれども、同時に、非農業者の方も含む地域住民の生活の場でもあるわけであります。他方、農村におきましては、我が国が直面する高齢化や人口減少が都市部に先駆けて進行をしておりまして、地域によってはコミュニティー機能や地域資源の維持にも影響が生じていると、これは否めない現実だろうと思います。
 このように人口減少が進む農村におきましては、地域全体でコミュニティー機能、これを維持していく必要があるわけでありますが、そのためには、議員御指摘のとおり、農林水産省による農業・農村政策だけではなくて、医療ですとか福祉ですとか、あるいは教育ですとか交通などといった定住条件の維持確保に向けた厚生労働省、文部科学省あるいは国土交通省等の関係府省の施策との連携というものが必要になろうと考えております。
 農林水産省としては、食料・農業・農村基本計画におきまして、地域の実情を踏まえつつ、診療所、介護福祉施設、公民館等の生活サービス機能ですとか、農産物の加工販売施設などの産業振興の機能を基幹集落へ集約した小さな拠点の形成と、それから周辺集落とのネットワーク化、これを併せて推進するということを位置付けておりまして、その取組を関係府省とよく連携をして支援をしていきたいと考えております。
#44
○小川勝也君 この年金の三階部分がなくなるということと同じように集落もなくなっていくという現実をしっかり受け止めて、できるだけ早く準備をスタートさせていただくことを望みたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#45
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 この農林年金の問題は十分熟知されている方もいらっしゃると思うんですけれども、国民的にはやっぱりなかなか知られていないということもありますので、今日、基本的なことに質問をしたいと思います。
 まず、農林漁業団体職員共済組合、農林年金制度は、農協、森林組合、漁協等の農林漁業団体の役職員のための年金制度と。今回の法改正は、特例年金給付に代えて特例一時金を支給するというものですね。なぜ特例年金給付、それか一時金かという選択制だったものを変えたのかということを、まず端的に御説明をお願いいたします。
#46
○政府参考人(大澤誠君) 農林年金制度につきましては、厚生年金と統合以降は三階部分を担ってきたということでございますけれども、平成二十二年度から特例年金に代えて一時金を選択できる仕組みを導入した結果、受給権者の八六%が一時金を選択したことによりまして年金受給者が大幅に減少し、それとともに一人当たりの支給額も非常に少額化しているということでございます。
 また、現行制度のままでは、長期間にわたり事務コストを現役世代が負担し続けることになるということもありまして、今般、農林漁業団体と年金受給者団体の双方から、一時金の支給を義務化して特例年金給付を早期に完了したいという要望が出されたところでございます。
 こういうことを受けて、今回の改正法案を提出させていただいている次第でございます。
#47
○紙智子君 それで、年金財政を改善するために、二〇一〇年の四月にこの一時金支払制度を導入したわけですけれども、平成二十三年農林年金財政の見通しというのが出ていると思うんですけれども、これについて説明をお願いします。
#48
○政府参考人(大澤誠君) その存続組合におきまして平成二十三年度に先生御指摘の試算がされておりますが、それによりますと、将来的に年金支給財源が約一千九百億円不足する可能性があるということを当時の存続組合が試算したわけでございます。これを契機として制度の早期完了に向けた機運が高まり、選択による一時金制度の拡充が図られたところでございます。
#49
○紙智子君 それで、農林年金は特例業務負担金を徴収しているんですけれども、これはなぜなのか、そしてまた、どこからこれは支出されているんでしょうか。
#50
○政府参考人(大澤誠君) これは農林漁業団体の職員のための制度でございますので、この業務の運営経費につきましてはこの農林漁業団体が負担するという考え方になってきてございます。それにつきましては、現在、平成二十八年度では全体で約二百八十一億円になっておりまして、その実際の負担金は各農林漁業団体の福利厚生費から支出されていると承知してございます。
#51
○紙智子君 今、福利厚生費からも支出されているということで、つまり個人負担ではなくて団体負担ということですよね。団体負担ということなので、受益のない組合員なり農民なんかもそこに影響していくということなんだと思うんです。
 それで、受給権についてもお聞きするんですけれども、これ先ほど田名部議員が質問されていましたが、五月十日付けの日本農業新聞で支給対象四万人不明というふうに大きく報じられました。これ、なぜ四万人不明の支給対象がいるのかということについても御説明願います。
#52
○政府参考人(大澤誠君) 平成九年一月以前は、そもそも住所情報の登録というものは公的年金制度におきましては一般に義務付けられておりませんでした。平成九年一月の基礎年金番号制度導入を契機といたしまして、加入者の住所情報の登録が義務付けられたところでございます。
 当時、農林年金制度では、同月以前に退職したために住所登録の義務のない方々が発生いたしました。これが、当時六十二万人ほどいらっしゃいました。これをいろいろな努力を行いまして、農林漁業団体なり存続組合が調査等行いまして多くの方々で住所が判明し、その六十二万人ほどの不明の方が平成二十九年三月末時点では四・三万人まで減少してきたというような事情がございます。
#53
○紙智子君 そういう努力をしてここまで減ってきているという話ではあるんですけれども、それにしても、受け取れない、分からない人というのがまだ四万人超えて残っているということで、やっぱり制度が変わるわけですので、是非不明者はなくしていただきたい、皆さん共通の質問されておりますけれども。
 同時に、この受給者から意見をお聞きしたんですよね。そしたら、選択制で一時金をもらわずに特例年金給付を選んだと。どうしてそういうふうに選んだかというと、やっぱり一時金で一遍にもらうよりも、分けてずっともらう方が将来の生活設計にとってもそれは立てやすいからなんだということで選んだという人なんですけれども、こういう将来、特例年金給付を選んだ方たちからの理解というのは得られているんでしょうか。
#54
○政府参考人(大澤誠君) 今この具体的な要望は、農林漁業団体だけからではなくて、この年金の受給者の団体の方々からも総意をもって、これは制度を一時金だけの制度にしてくれという要望が出されたと聞いておりますが、その過程で一人一人の方々にいろいろ説明があったと思いますが、何分にも個人個人の方々いろいろ御意見あると思いますので、そこはまた引き続き、その制度の今回の趣旨、特に現役世代に対する負担があるということは、この団体、存続組合の方でも引き続き説明を続けていく所存であるというふうに聞いております。
#55
○紙智子君 是非、丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、時効についてなんですけど、これ厚生労働省にお聞きします。
 国民年金、厚生年金には五年の消滅時効の規定があるわけですけれども、これ、やむを得ない事情によって時効前に請求することができなかった場合に理由を書面で申し立てることができて、時効消滅をさせないことができると。この規定はなぜ作られたんでしょうか。
#56
○政府参考人(諏訪園健司君) これは、年金記録問題を契機に年金法の改正を行いまして、それによりまして、現在の法律の立て付けとしましては、国民年金法及び厚生年金保険法におきまして保険給付を受ける権利は五年を経過したときは時効によって消滅することとされておりますが、しかしながら、行政側の帰責事由により記録訂正などを行った結果、五年を超えて正しい年金を支払う必要が生じた場合には、時効を援用することなく、本来支給すべきであった年金給付を行うこととしてございます。
#57
○紙智子君 やはり一人残らず対応できるようにするためということだと思うんですけど、そういう趣旨ですよね。
#58
○政府参考人(諏訪園健司君) 当時、年金記録問題によりまして、年金記録が時効消滅期間である五年を経過した後に明らかになって、その年金の増額分のうち五年以上の前の支払分につきましては自動的に時効消滅し支給できないという問題が生じていたわけでございまして、これを立法上の措置として対応をしていただいた、こういうものでございます。
#59
○紙智子君 それでなんですけど、農林年金もやっぱり同様の対応が必要なんじゃないかと思うんですね。
 法律では、施行後、未裁定者というのは五年の間に一時金の受給申請をしなければ受給権はなくなってしまうということなんです。制度の変更が本人に届かなかったときにどういうふうに対応するのかということも要望として出されております。
 国民年金や厚生年金と同じように時効消滅させないような対応は必要なんじゃないかと、するべきなんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(齋藤健君) 農林年金の今までの運用におきましても、実は時効を援用せずに年金を支払っているというケースはございます。
 今回の法改正で特例一時金制度を導入するのは、制度運営のコストをできる限り抑えながら早期の制度の完了を図るという農林漁業団体等からの要望を踏まえたものであるわけであります。ですので、まずは、存続組合や農林漁業団体において住所不明者について住所の特定をすることに全力を挙げるとともに、御指摘ありましたように、特例一時金の支給について様々な周知活動というものを徹底をしていくと、これが前提となるんだろうと思いますが、その上で、様々な活動を徹底してもなお残る住所不明者等に対する取扱いにつきましては、住所の特定状況の推移ですとか財源などを見ながら、時効を援用しないなどの柔軟な対応を取ることも含めて、存続組合においてよく検討をしていただきたいというふうに考えているところであります。
#61
○紙智子君 そういうことで、更に一層その努力をしていただくということだと思うんです。
 それで、農林年金制度を取り巻いて、やっぱり環境的にどうしても農協、漁協、森林組合等の組合数の減少と、背景には農林漁業自体が非常に大変なことになっているということが、非常に厳しくなっているということがその背景にあるわけで、そこがすごく大事なことで、これからの日本の農林水産業を本当にどうしていくのかという将来につながる問題でもあると思いますので、そこを踏まえて是非一人一人丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
 それから、先日も徳永委員が取り上げましたちょっと雪印種苗の問題について私も質問したいと思うんですね。
 それで、種苗会社が牧草などの種子の品種を偽って販売していたということなんですけれども、雪印グループは、これ、過去にも雪印乳業の偽装、食中毒、それから雪印食品の牛肉偽装などがありました。種子法が廃止されて、種子や種苗に対しての国民の関心というのは物すごく今高いんですね、非常に高まっている。そういう下で発覚したこれ大問題だというふうに思うんです。
 農林水産省は、昨年の夏に情報提供を受けて、この雪印種苗に対して種苗法の違反の報告徴収命令を出して、この雪印種苗は、二月の下旬に設置をした、弁護士あるいは大学教授らで構成する第三者委員会、この報告を受けて農水省に報告を出していると。農水省は五月二日に対応状況を公表したわけですけれども、率直に言って、これ第三者委員会の報告をうのみにしているだけなんじゃないかという印象があるんですよ。農林水産省の独自の分析というのはないなというふうに思う。
 大問題だと思うんですけど、それなのになぜ独自にこれ原因究明をやらないのかということ、いかがですか。
#62
○国務大臣(齋藤健君) まず、今回の雪印種苗による種苗法違反の表示による牧草等の種子の販売及び品種の偽装の行為は、種苗の流通に対する社会的信頼を損なうもので、私どもは大変遺憾であるというふうに考えております。
 実は、率直に言うと、私も第三者委員会の話を一番最初に聞いたときには同じ印象を持ったんですけれども、よく聞いてみますと、農林水産省では、本件について、実は種苗法第六十三条に基づいて家畜改良センターに実施させた発芽率などの検査を始めとする集取検査もやっておりますし、それから、種苗法に基づく立入り権限が法律上ない中で、四月十二日に行った雪印種苗部に任意で当省の職員が調査をするとか、そういうものを踏まえて、その四月二十七日に雪印種苗から提出された第三者委員会報告、これを含む種苗法第六十五条に基づく報告を我々も分析をした上で、実はその再発防止策の確実な実施を確保するとともに、違反表示及び品質の偽装に係る畜産農家等への対応状況をこれに基づいて確認をしていくことが重要であろうという、そういう判断に至ったということであります。
 このため、雪印種苗に対して、五月二日に再発防止策の実施状況に加えて品質偽装に係る農家等への対応状況についても定期的に報告するように種苗法第六十五条に基づき求めておりまして、今後、同社から提出される報告を踏まえて、これは私どももしっかりとチェックをした上で対応していきたいというふうに考えております。
#63
○紙智子君 今分析をされた上でやったんだというふうに言われたんですけれども、第三者委員会のこの種苗法違反に関する調査報告書、概要が出ていますけど、これちょっと見ましたら、種苗法違反の表示問題ももちろん重大なんだけれども、やっぱり品種偽装は特にひどいというか、もう本当になかったことにするとか、ちゃんとまともに答えていないような状況がるる出てくるわけですよね。ですから、やっぱりこれは、その報告書の中では農水省に対しても問題提起がされていると思うんですよ。ですから、そういうところに立って、六十五条が先日も言われていたんだけれども、六十五条に基づいて帳簿とか書類の提出を命じることができると、農水省としても、なっているわけですから、これ出させるべきだと思うんですよね。
 その上で、これ出させていますかね、帳簿とか細かいそういった書類なんかは出させていますかね。
#64
○国務大臣(齋藤健君) 今回、家畜改良センターの集取検査ですとか、それから雪印種苗の担当職員への調査などを踏まえまして、雪印種苗からの報告を分析した上で、先ほど申し上げましたように定期的に再発防止策の実施状況等を報告させることが適切かつ必要と判断をしておりまして、現時点で帳簿等の提出をさせること、過去提出をさせておりませんし、現時点で提出させるということが必要とは考えておりませんが、ただ、今回の種苗部の調査では、いわゆる牧草の品種偽装では口座替えと呼ばれる同社の在庫管理システムが活用されていたということがございました。このため、口座替えの内容や実態を把握するとともに、実際に保管されている帳票やデータの種類や内容の確認、それは行っているところでございます。
#65
○紙智子君 今表示の話をされたんですけど、この品種偽装ということについて言うと、報告書によると、過去の品種偽装行為を裏付けるような客観的、具体的なデータの存在が隠されたりとかということもあって、やっぱりこういったものを含めてきちっと提出をさせると、その上でしっかり分析して判断すべきではないかと思うんですけれども、ちょっと更にやる必要があると思うんですけれども、いかがですか。
#66
○国務大臣(齋藤健君) 今改善策を彼らが決めてそれを実施をするという状況で、私どもその報告を受けてきちんとチェックをするという、その過程の中でいろいろな対応もあり得るんだろうというふうに考えております。
#67
○紙智子君 つまり、出させて対応していくということでいいんですか。
#68
○国務大臣(齋藤健君) 出てきたものを見て必要があればということでございます。
#69
○紙智子君 是非、ちゃんと隠させないで出させて、しっかりと見て判断をしてきちっと対応しないと、第三者委員会も雪印グループがつくっている、顧問弁護士なんかも元々雪印の弁護士を使っているわけですから、しっかりやっぱりそこは農水省が見てやっていく必要があるんだというふうに思うんです。
 それから、書類が出てくると畜産農家への丁寧な対応ができるんだと思うんですよ、被害に遭っているのは農家だから。気付いていない人もいるかもしれないけど、気付かなかったら何にもしなくていいということにならないと思うので、丁寧な対応をすべきだし、雪印種苗は、販売先を通じて牧草などの種子を購入した酪農家など被害者を特定するなどして、被害者が訴えてくるのを待っているんではなくて、自ら調査してきちんと補償すべきだというふうに思うんですね。
 そういう点では、農水省としても、雪印種苗が酪農家などに、種子を購入した被害者に対してきちんと誠実な対応をしているかどうかということを見届ける必要があると思うんですけれども、いかがですか。
#70
○国務大臣(齋藤健君) 本件、厳しく対応すべきだという点については委員と全く同じ考えで、先ほどの御質問に戻りますけれども、当然、必要があれば種苗法第六十五条に基づいて帳簿その他の書類も提出命令を掛けるということも流れで当然あり得るということは申し上げておきたいと思います。
 今御質問の件でありますけど、今回の雪印種苗による種苗法違反の表示及び品質の偽装による畜産農家の被害については、雪印種苗が真摯かつ誠実に対応すべきものと私ども当然考えております。
 そうなので、五月二日に雪印種苗に対しまして、実は再発防止策の実施状況に加えて、違反表示及び品質の偽装に係る畜産農家等への対応状況についても定期的に報告するように、種苗法第六十五条に基づく報告徴収命令を発出をしております。その際、違反表示及び品種の偽装に係る種子の出荷先の特定を可能な限り行い、購入者への真摯な対応が誠実になされるよう、口頭でも加えて指導をさせていただいているところであります。
 農林水産省としては、雪印種苗による対応状況の報告等を通じて、畜産農家等に対する対応がしっかりと行われているか、これも確認をして適切に対応してまいりたいと思います。
#71
○紙智子君 時間になりましたので終わりますけれども、やっぱり繰り返させないという深い反省の上に立っていますから、是非そこをしっかりやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#72
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず、今日の予算の理事懇ありまして、質問の順番入替えに御協力いただきました各委員、各会派に感謝を申し上げたいと思います。
 農林年金の質問に入る前に、前回の質問の積み残しを長官の方にお聞きをしたいと思います。
 近年、世界的規模で養殖による漁業生産は増加をしております。これは世界の全生産量の五割、これがもう既に養殖になっているという状況にあります。他方、我が国の養殖業は、漁業生産は近年減少傾向にあるんですけれども、二〇一六年の統計では百三万トンと、全生産量の二四%、生産額では三五%を占めているということで、我が国においても漁業生産の中心的な産業になっているという状況にあります。
 また、技術革新によりまして大規模な養殖業も営まれるようになってきております。西日本ではクロマグロがこれは企業が入って大規模にやられております。また、恐らくは数年後には完全養殖もできるのではないかと。数年か十数年か分かりませんけれども、そう遠くない頃には完全養殖も可能になるのではないかという、技術革新も進んでいるという状況にあります。
 それで、こうした状況の中で、このクロマグロだけではありませんけれども、企業が特定区画漁業権に参入をして大規模な養殖業が営まれてきているという状況にあって注目されているのが、いわゆるその地区漁協の漁業権行使料ということです。
 これは、遡ってみますと、まず、そもそも漁業権というのは漁業協同組合だけが専有できるものではないんですけれども、優先的に漁協が漁業権を取得をしております。そういう中で、この漁業権行使料というのはどういう経緯で今のようになってきたのかというと、昭和二十七年、ちょっと古い話ですけれども、岩手県の問合せに対して水産庁が、漁業協同組合が有する漁業権をその組合員が行使する場合、行使料を徴収することは違法ではないと、また、それは賦課金の一種だという通知をいたしました。また、昭和三十七年には、この行使料は水協法に基づいて総会で決定するということになっております。
 こうした基準に基づいて行使料が徴収をされているわけでありますが、他方、この行使料の基準が不透明ではないのかという企業等からの問合せがあります。こうしたことに対して全漁連はガイドラインを発表し、公表して、そのガイドラインに基づいて今この行使料の基準の統一化が図られているという状況にあります。
 こうした現状にあって、今、これから水産改革をしていこうという中で、水産庁としてはこの漁業権行使料にどのような課題があると見ているのか、お伺いいたします。
#73
○政府参考人(長谷成人君) お答えいたします。
 委員の方からも御紹介いただいたように、漁業権を管理する漁協は、その管理漁業権に関する監視、取締りですとか、漁場環境保全の経費等々を合理的妥当な範囲で行使料ということで徴収することができるわけでございますけれども、これに関連して、漁業権行使料の透明性確保等のために、昨年三月に全漁連が漁業生産への企業参入に係る費用負担の透明性確保に関するガイドラインを策定されています。また、漁業権行使料について、養殖業に参入した一部の企業からその算定根拠等が不透明であるとの指摘もあるというふうに認識しております。
 この漁業権行使料の徴収等が適切に行われ、透明性が確保されることは、参入企業も含めた行使権者、組合員サイドと、漁業権を管理する漁協との関係において重要なことであると考えておりますので、ガイドライン等、全漁連の自主的な指導だけでなく、水産庁としても、漁業権行使料の徴収の透明化について都道府県を通じた漁協への助言、指導を含め、必要な対応を引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。
#74
○横山信一君 お墨付きを出すということなのかなというふうに思います。
 漁協からすると、いわゆる養殖、特定区画漁業権の調整というのは何の利益も生まないものでありますから、利益を生まないものに対してそこの部分の人員を割いてやっているわけですから、それに、そこの賦課金を徴収するというのは当たり前なんですけれども、一方で、こうした企業参入が進んでいく中で、そこの透明性、当たり前のことをやっているんだけれどもなかなか理解が得られないというのは困る話ですので、そこはまた透明性の確保に努めていただきたいと思います。合理的な対応で努めていただきたいと。
 もう一つ、漁業の成長産業化に向けて、水産資源管理については国際的に見て遜色のない科学的、効果的な評価方法及び管理方法とするとなっているわけでありますが、これはいわゆる親魚資源量水準、Blimitですけれども、このBlimitを見直してMSY水準、最大持続生産量に替えていくということであります。簡単に言うと漁獲量を増やすということなんですけれども、資源の更なる有効利用を図るというふうに明記をされているわけなんですが、これどういうことなのか、お聞きをいたします。
#75
○政府参考人(長谷成人君) 現状、我が国は、親の魚、親魚資源量の回復を目指して、主要魚種について、Blimit、すなわち、安定した幼魚、子供の魚ですけど、幼魚の発生が見込める最低限の親魚資源量水準への回復を目指した管理を実施してまいりました。この結果、例えばマサバ太平洋系群ではBlimitを上回るまで資源が回復してきております。
 一方、米国やEUでは、我が国のBlimitと似たような考え方に基づく水準に加えまして、資源がMSY、すなわち持続的に生産できる最大の生産量を達成する水準に回復、維持させることを目標とする管理を実施しております。しかしながら、このMSYの水準そのものにつきましては、委員や私が学校時代に習った古典的なMSYではありませんで、米国やEUにおいても漁業や資源の実情に応じて異なった方法によって算出されているものでございます。
 このような米国やEUの事例も参考にしながら、漁業の成長産業化を目指していく中で、従来のBlimitよりも高みを目指した目標というものを、いわゆる、先ほども申し上げたような意味でのMSYを達成する水準に目標を設定して漁獲量の増加等を目指していきたいというふうに考えているところでございます。
#76
○横山信一君 分かりました。
 では、時間もなくなってきましたので、農林年金の方に入っていきます。ちょっと重複する質問があろうかと思いますけれども、お答えいただきたいというふうに思います。
 この農林年金、農林漁業団体の役職員を対象とした年金給付事業で、昭和三十四年に設立されたものであります。平成十四年の公的年金一元化の一環として厚生年金と統合されました。その後は、特例年金を給付する業務と主な財源となっている農林漁業団体が負担する特例業務負担金の徴収業務が存続をしている状況にあります。
 この度の法案というのは、特例一時金を支給することによって制度完了を早めようとするものでありますけれども、改めてここで、平成十四年の統合までにこの農林年金制度が果たしてきた役割、それをどのように見るのか、大臣に伺います。
#77
○国務大臣(齋藤健君) 平成十四年までの役割ということでありますが、農林年金制度は、農林漁業団体に優秀な人材を確保することを目的として昭和三十四年に設立をされたものでありますけれども、平成十四年の厚生年金との統合までの間、年金給付事業に加え福祉事業も行うことによりまして、農林漁業団体の役職員の福利厚生を向上させ、農林漁業団体の円滑な事業運営に寄与してきたものと考えております。
#78
○横山信一君 いわゆる二階部分、厚生年金相当部分が厚生年金、それから三階部分、職域年金相当部分が統合前の農林年金の組合員期間に基づいてこれは特例年金給付として支給されることになっております。
 先ほど来出ていますが、これは本人の選択によって一時金払いにするかどうかが決まっているわけでありますけれども、この農林年金と同様に、公的年金が一元化されたときに厚生年金と統合したのは農林年金以外にも国鉄とか専売公社とか電電公社というのもあって、こうした存続組合においても法律上この一時金払いというのが措置をされているんでありますが、実施しているのは農林年金のみということになっております。この農林年金では、一時金払いによって二十八年三月末時点では全体の八六%が選択をしていると、そのおかげで受給権者数が大きく減少しているということであります。
 そこで、どのような背景があってこの一時金払い制度を農林年金は導入することになったのか、また一時金払い制度が果たしてきた役割というのは何であったのか、副大臣に伺います。
#79
○副大臣(谷合正明君) 農林年金制度は、そもそもこれまで制度運営者であります農林漁業団体からの要請を受けまして制度の見直しを行ってきているところであります。
 選択制の一時金制度につきましても、農林漁業団体が制度の早期完了に向けた環境整備を図ることを主な理由として、平成二十一年三月に制度導入について農林水産大臣に要請を行ったところでありまして、平成二十二年四月から導入したものであります。これが経緯でございます。
 そして、この選択による一時金支給については、受給権者の、お尋ねのとおり、約八六%が選択しておりまして、農林年金の制度の完了に向けた環境を整える上で役割を果たしてきたというふうに考えております。
#80
○横山信一君 ちょっと飛ばしまして、これもよく話題になることだとは思いますが、一時金払いの義務化というのは、これは、職域相当部分の年金の一部とはいえ、本人、終身にわたって年金の受給する権利を奪うことになるわけでありますので、この受給権者の財産権の保護との関係をどのように考えているのか、これ大臣に伺います。
#81
○国務大臣(齋藤健君) 今回の法改正では、これまでの年金方式に代えて一時金方式による支給に切り替えるということとしているわけでありますが、このように法律で定められた財産権の内容を事後の法律で変更することは、昭和五十三年の最高裁判例において、公共の福祉に適合するものである限り合憲であるというふうにされております。
 今回の法改正につきましては、特例一時金は、将来の特例年金給付と経済的に等価値の額を支給するものであること、それから、現行制度のままでは少額の年金を少数者へ支給し続けることになるわけで、制度運営の費用を農林漁業団体の現役世代が長期にわたり負担しなければならないことから、公共の福祉に適合し、財産権の侵害には当たらないものと考えています。
 なお、ある企業が企業年金制度を廃止をして、企業年金の現価相当額の一時金を支給した事例につきまして、当該一時金の支給を妥当としました平成二十一年の東京高裁の確定判決もあるということを申し添えさせていただきたいと思います。
#82
○横山信一君 もう時間が来ましたので終わりにいたしますけれども、この存続組合がこの後解散をしていくわけでありますけれども、実は、農林年金の記録というのは、存続組合でなければ、受給権の決定事項が残っています。このことがここから先もまだ、どうしていくかということがこれから検討されていくわけでありますけれども、ここの部分がしっかりと受給権者の不安にならないようにやっていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。
#83
○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男です。
 農林年金廃止改正法案について質問をさせていただきますが、制度完了法案であることから、この法案が果たした役割、それを少しく歴史をなぞらえながら質問していきたいと思います。
 今回の制度改正の対象である農林年金制度、これは全国の農林漁業団体で働く役職員の皆さんの福利厚生を充実させるために、共済制度として昭和三十四年にスタートをしております。それ以降、六十年という長い歴史を持つ公的年金制度の一つとして、これは大きな役割を果たしたと認識をいたしております。同制度が設立されたのが昭和三十年代、といえば、同団体が取り巻く勤労環境は大変厳しいものだったと思うんですね。容易に想像できます。もっとも、私の地元沖縄県は四十七年の復帰ですから、この時期はこの枠内にはなかったと、十年ぐらい遅れているということになるわけです。
 これは、こうして見ているというと、同じ居住する市町村の職員と農林漁業団体の職員の給与比較等をしてみると非常に低いレベルにあったと、そういうことだと思うんですね。その身分は老後保障の面でも不安定であったために、独自の共済制度を確立する必要が必然的に迫られていたと、こういうことだと思うんです。
 同制度の創設に至った背景がこういうことだと考えるんですが、設立後は、農林漁業団体の職員の相互扶助を、年金制度の提供を通じてその福利厚生を図ってきたものだと思います。そのおかげで農林漁業団体に優秀な人材が確保できたということも、当時の農林漁業団体が社会に応えたことになるのではないかと評価をするわけであります。
 一方で、長い歴史を持つということであれば、その間に年金制度を取り巻く社会経済情勢の変化も様々に生じてきたと思うんですね。農林年金、同年金制度においても、制度改善による整備が重ねられてきたことは容易に想像できます。しかしながら、厚生年金制度の充実や国民共通の基礎年金制度の導入などで、日本全体が年金制度の改善が進んでまいりますから、農林年金独自の制度として成り立っていく役割はだんだん軽減されたというか、薄くなってきたと思うんですね。そういうことから、農協等のそういう整備の進展による組合員の減少や低金利が長期化しておりますが、その影響もあったと思いますけど、年金財政にとっては厳しいものとなってきた、これは事実であろうと思います。
 こうした諸情勢を踏まえて将来を見通したとき、同年金がこのまま厚生年金と分離、独立をしていては運営していくことがなかなか難しい。したがって、同制度として適切なのかという検討がなされて、農林漁業団体と年金制度の組合員の総意をもって厚生年金との統合に向けて取り組んでこられたと。これが、平成十四年に同年金と厚生年金の統合が行われた。この頃からは沖縄もこの制度の中にあります。
 厚生年金と統合後の農林年金は、いわゆる三階建てに相当する職域年金部分のみの支給を行ってきたわけですが、新規の年金加入者がいない、言わば閉鎖された年金の形になってしまったと。そして、選択制の一時金制度を導入することなどにより、農林年金制度を完了させるための準備が着々と進められて、今回の一時金義務化による最終的な制度完了ということになったと思うんですね。これは農林漁業団体あるいは年金受給者団体の総意として決まったということを報告受けておりますが、実に三十五万人、八六%の皆さんの、メンバーの賛意が、同意があった、賛同があったと、こういうことを聞き及んでおります。
 このため、制度完了に向けてしっかりと準備と対応を行っていただくことが重要であります。年金というのは個人の財産ですから、財産に関わることですから特に堅実な対応が必要でありましょう。私からは、そういう立場から制度改正の内容に二、三、質問させていただきます。
 まず一問目ですが、一時金を支給するに当たっては、そのために必要な財源をしっかりと確保することが重要です。これは何名かからの委員からも指摘がありました。同年金制度は、民間の農林漁業団体が主体となって運営されてきており、これまで行われた年金支給に必要な財源についても、基本的にはそれぞれの団体が必要な分、資金を出し合って成り立ってきておるわけであります。
 ただ、今回の一時金の支給は、これは将来分の特例年金でございまして、それをまとめて払うもの、一時金としてまとめて払うものでありますから、隔月での支給が長きにわたって続く年金支給とは異なり、特定の時期に多額の資金が必要となってまいります。
 そこで、存続組合が、年金とは異なり一時金の支払には多くの今言ったように多額の財源が必要ですが、その確保に当たってどういう状況にあるかを聞きたいと思います。あわせて、財源として幾ら準備されるのか、お答えください。
#84
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、特例一時金ということになりますと、この法律施行後五年間に支払業務が集中するわけでございます。そのための準備といたしまして農林漁業団体、存続組合の話合いを行っているわけでございますけれども、今の見込みといたしましては、特例一時金の支給総額は約二千五百億円になると見込まれております。
 その財源につきましては、法施行時点で存続組合が保有すると見込まれる農林漁業団体からの負担金、これは前納分、前払をするということを団体間で議論をしておりまして、それを含めますと約千二百億円から千四百億円の負担金が法施行時点で存続組合に保有されているというふうに見込んでおります。これに加えまして、現在存続組合において積み立てております積立金が約五百億円ございます。
 その差といいますか、二千五百億円とその負担金、積立金の差がまだ六百億円から八百億円程度あるわけでございますが、この六百億円から八百億円につきましては、法施行時点で金融機関からの借入金によって賄うということを今団体が考えているところでございます。
 その借入金につきましては、施行日以後に農林漁業団体から支払われる負担金によって返済されるというような制度設計をされている見込みでございます。
#85
○儀間光男君 平たく言えば、準備万端相整えているというふうに理解をしたいと思います。それであっても、これからもこのことの成果を上げるために農林水産省の後押しを是非お願いしたいなと、期待したいなと、こう思います。
 次に、一時金を受領する立場の方から少し見たいと思います。
 私もある公的年金の対象者でありますが、今は一銭も得ていません。高額所得者ということで止められております。ということで、引退した後に、収入ゼロになったときに支給されると思うんですが、考えることは、他の年金受給者も、まさか年金まで課税するのというような声が漏れ聞こえます。この場合どうなっているか、課税関係どうなっているかをお答えいただきたいと思います。
#86
○政府参考人(大澤誠君) 改正法の施行日の前日において特例年金の受給権を有する者への特例一時金の係る所得の区分につきましては、平成三十年度の税制改正によりまして退職手当等とみなすということとされておりまして、所得控除の対象となるというメリットが措置されてございます。
 具体的には、勤続年数が二十年を超える者には、八百万円に加え七十万円に二十年を超える勤続年数を乗じた額が所得から控除されます。勤続年数が二十年以下の者には、四十万円に勤続年数を乗じた額が所得から控除されることとなっております。
 一方、改正法の施行日の前日において特例年金の受給権を有しない者への特例一時金に係る所得の区分につきましては、年金受給権がない者への支給となるため、一時所得となります。この場合でも、最大五十万円の控除が受けられるということになっております。なお、障害者、遺族への特例一時金に係る所得税は非課税となっております。
#87
○儀間光男君 ありがとうございました。なかなか配慮が行き届いておって、安堵をいたしました。
 さらに、この改正法の施行期日については、公布の日から起算して二年を超えない範囲と。そうすれば、まだ一年余り、かなり長きにわたって余裕がありますが、もう少し早めることができないかというようなことも、私も他の年金ではあるんですが、対象の年金じゃないんですが、こういうことはちょっと早めた方がいいというような思いがすることからお尋ねするんですが、今回の改正法案の施行日の考え方について答弁をいただきたいと思いますが、さっき言ったように、できたら早く対処をして事業を執行していただきたい、こういうことも含めてのお尋ねでありますから、お答えいただきたいと思います。
#88
○政府参考人(大澤誠君) この法律の施行期日につきましては、公布の日から起算して二年を超えない範囲内で定めることと今回の改正法案によって定められておりますけれども、これについては考慮すべき要素が二つ大きくございます。
 一方では、先生の御指摘のとおり、この長期にわたり運営されてきた年金給付方式から一時金方式に支給を切り替えるということによって、農林漁業団体が現在負担している支給に係る事務コストの低減が図られるということがありますので、できるだけ速やかに施行する必要があるのではないかと、こういう要素は確かにございます。
 他方で、この委員会でもいろいろな方から御議論されておりますとおり、一時金支給の対象者数は住所不明者の四・三万人を含めて七十万人以上と極めて多数にわたりますことから、今回の制度改正の内容を周知する期間をまず十分に確保する必要があるんじゃないかと。そういう意味で、それに加えて、受給権者に一人一人にミスなく適正に支給することが必要だと。そうなりますと、十分な準備期間を確保するという必要が出てまいります。その場合、それを重視した場合には、施行期日はむしろ遅い方がいいということになります。
 この二つの要素、早くすべきだ、もう少し準備、周知期間をつくるべきだと、この二つの要素のどこかに線を引くことが必要になると思いますが、これにつきましては、存続組合と十分相談しながら適切に定めたいというのが現在の考えでございます。
#89
○儀間光男君 この制度は、先ほども小川委員からありましたが、一人も残さず支給するということの徹底が大事だと思うんですね。そうしないというと、どこまで訪ねていっても捜し出して渡してあげるというような大変な努力が必要だと思いますから、それに期待したいと思います。
 これ、全国隅々、あるいはひょっとすると外国行っている方もおられるかも分かりませんから、そういう探索というか調査というか、そういう費用を惜しまずどんどんどんどんやって、やったかいのある、働きがいのあった日本の社会制度だったと、農林年金制度だったというような高い評価を受けるように皆さん努力をしていただくことを最後にお願いをして、時間少しありますが、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#90
○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこでございます。
 まず、法案について質問をさせていただきます。
 今回の一時金払いの義務化は、関係団体の要望を受けた措置である一方、一時的に拡大する支払財源の確保と長期にわたる農林漁業団体からの負担金徴収という課題もあります。また、終身払いという当初の約束を早期一時払いに変更することを年金制度としてどう評価するかという点もあります。
 これらを踏まえまして、制度の早期完了に対する政府の評価についてお聞かせいただきたいと思います。
#91
○政府参考人(大澤誠君) 今回の法改正の趣旨そのものが、この三階部分というものは、元々既にお支払を済ませておられる方々についての厚生年金によって支給される部分との差額についての制度ということですので、元々なるべく制度を早く終了させるという考え方でおりまして、それもありますので、当初から一時払い制度については法律上可能でなっておりましたし、平成二十二年からは実際に農林年金については一時払い制度を導入しまして、その結果、受給権者の八六%が一時金を現在では支給しているという状況でございます。
 他方で、この制度を続けますと長期間にわたって現役世代の農林漁業団体が事務コストを負担していくということもあります。こういうことを農林漁業団体と関係者で十分相談した上で、今回、農林漁業団体、それから年金受給者団体の双方から一時金の支給を義務化して特例年金を早期完了するという御要望が出されておりますので、それを受けて今回改正案を提出させていただいている次第でございます。
#92
○森ゆうこ君 ほかに法案の質問、通告してあったんですけれども、もう前の先生方で御質問になられましたので、この間、大臣から農水省におけるセクハラ問題、改めて調査をしていただいて、やはりそういう事実があったというような御答弁もいただきました。
 私も、これを持ち出すのは、そこら辺が分からなくていきなりこの話を持ち出してもどうかなと思っていたので控えておったんですが、農水大臣からそのような先般御答弁がありましたので、ああ、このいただいた告発文書は本物だったんだということで、その人に対してもう二度としないという約束を取り付けたという。そういう対応、私はちょっと違うんじゃないかなと思いますけどね。そういう人は異動させる、セクハラをした方が異動するんですよ、たとえ上司であっても。
 そして、もう定年、ここに、実はその対象の方はこの平成三十年三月で退職される予定であったと、それでみんなほっとしていたと。この方の度重なる複数の女性職員に対するセクハラも終わって、もうみんなで平和な職場になるということでほっとすると思っていたが、平成三十年三月末で定年で退職するはずが九月三十日まで定年が延長されましたと、こういうことで、みんなもう驚いてしまったということなんですけれども。
 それで、自浄作用が農水省では働かないんじゃないかということで、思い余って私のところにこの告発文書を送ってきたということで、大臣に出された詳しい内容もここに書いてあります。本当に、何というんですか、上司としての職権を濫用して、無理やり自分の出張に付き合わせるですとか、具体的に言うとちょっとはばかられるような、プレミアムフライデーで年休を取った際は女性職員四名にも年休を取らせ一緒にカラオケ店でカラオケに興じていたですとか、いろいろ書いてあるんですよ。
 だから、ちょっとこの間の御報告だと、もう定年に来ているということは、そういう方はお辞めいただくということが私は筋ではないかと思うので、マニュアルもあると思いますから、もう一度対応を検討された方がいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#93
○国務大臣(齋藤健君) 本件につきましては、もう今、森ゆうこ委員、お話ありましたけど、三月二日の匿名の投書、それから三月十六日には当事者本人から事情聴取をして、その後の内部調査も、周りの人含めて内部調査をした結果、一部不適切という行為が認められたということでありましたので、三月二十六日に当事者に対し口頭注意の処分行ったと。そしてその後、私ども、その処分申し渡し時におきましては、当事者から本当にこの度は誠に申し訳ありませんでしたと、以後十分注意いたしますという反省の弁があり、そして、先般五月十五日の当委員会における御質問ありましたので、直ちに同日中に当事者の所属部局においてまた現状をチェックをさせていただきましたが、その結果、当該処分を行った三月下旬以降現在に至るまで、投書に書かれておるような不適切な事例は行われていないということを確認をさせていただいているということでありますので、私どもとしては、この職員の処分と、それからその後の経過についてはそのようなことでございます。
#94
○森ゆうこ君 定年を延長する必要はないんじゃないですか、そういう人というふうに思います。厳しく対応すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 資料をお配りしました。先般、加計学園問題に関する藤原前審議官の岡山出張に関しての資料の請求、なかなか出してこないということを訴えましたところ、委員長、そして舞立筆頭理事始め与党の皆様の御尽力もございまして、質問が終わった三十分後に届きました。今配付させていただきました。
 そして、その後の野党六党の合同ヒアリングにも提出されたということで、これ、すぐ出てくる資料ですよ、探さなくても、五年保存なんですから。ということで、支出負担行為即支出決定決議書、一ページ目、これは平成二十七年八月五日、六日ということで藤原さんが出張したときの記録なんですけれども、まず一ページ目ですね、これ手書きで「他」と書いてあるじゃないですか。これが三ページ目に来ますと、これが訂正決議書となって訂正されているんですね。これが手書きで「他」と付いている、「熊本市他」、一ページ目で訂正が手書きで書いてあるのが三ページ目で訂正決議書ということで訂正されております。
 衆議院の川内博史先生のお話によりますと、川内さんに対しては、レクで、藤原さんは熊本に出張していたんだと、熊本なんだとずっと言い張っていたそうなんですけれども、これ、でも訂正していますよね。これ、どういうことなんですかね。
#95
○副大臣(田中良生君) 今の御質問でありますが、手続上は、まず熊本に出張するということでこの書類が出たところであります。他の添付書類、御覧いただければ分かるように、熊本から岡山の方へと移動していると、そういう状況であります。
#96
○森ゆうこ君 説明になっていないんですけど、何でこういうことが起きたのか、わざわざ訂正せざるを得ないようなことが起きたのかということがおかしいというふうに思います。
 それで、六ページ目、問題の、昨日ニュースに各社なっておりましたけれども、御覧ください。八月六日でございますけれども、六ページ目ですよ。これ、岡山―今治市内、今治市内―松山空港ということで「官用車」と書いてあるんですよ、「官用車」。これは、我々野党が、便宜供与があったんじゃないかと、業者からのということで、野党がずっと言っていたのに、全然調べてもいない与党の質問に対して、五月十四日の予算委員会の集中審議でいきなり大臣が、便宜供与ということは野党から指摘されていたけれども、それは民間事業者が便宜供与した車というふうに答弁しているわけですよ。でも、すごく不思議だったの。ここでいきなり与党の質問に対して便宜供与があったと推認されると答弁して、次に出てきた資料は、それがうかがえるものかと思いきや、なぜか官用車ということで、その便宜供与は書いていないんですよ、この旅程表には。これ、どういうことなんですか。
 だから、私、昨日、本会議で、大臣に官用車って何ですかって、まあ、やじでしかなかったんですけれども聞いたんですが、これ、どういうことなんですか。なぜこういう、出てきた資料と大臣の十四日の答弁が何で違うんですか、これ。
#97
○副大臣(田中良生君) まず、二十七年の八月六日のこの岡山出張における便宜供与の可能性について、八日の野党合同ヒアリングにおいてお尋ねがありました。ずっと確認作業を行ってきておりました。さらにまた、十一日ですね、午前の衆文科においてもお尋ねをいただいた。それに関して、内閣府としては直ちに確認作業、これを開始いたしまして、関係書類の確認ですとか関係者への聞き取り、確認を進めてきたところであります。
 そして、この週末の段階で、この移動手段の一部に民間事業者が管理運用する業務用車両、これを用いたということが推認するに至ったということであります。そして、十四日、月曜日朝に大臣に御報告の上で、関係法令との関係、これを精査する必要があると判断したということであります。
#98
○森ゆうこ君 だから、推認という、いろんな関係者に聞き取りをしていると。だから、出張した人は藤原さんのほかに複数いたわけですよね。それは何人なのか。
 そして、ここの答弁では、国家公務員、公務員の倫理規程に違反しているんじゃないかということで、マニュアルがあると、そういう場合には。やっとマニュアル届けていただいたんですが、このマニュアルの今どこにいるのか。端緒の報告なのか、調査開始の通知なのか。今、そのどこにあって、何が問題になっているか。旅費法十三条に基づいて何が問題になっているのか。倫理規程に基づいて何が問題になっていると疑われているのか。
 まず、その職員が何人行ったのか。きちんと本人たちには聞き取って、その業者は一体どこの業者なのか。加計学園以外にあり得ないと思いますけれども、そのことについてお答えいただきたいと思います。
#99
○副大臣(田中良生君) まず、何人同行したかということでありますが、これは藤原元次長外二名が同行をしているところであります。
 そして、今回のこの調査ということになるわけでありますが、これ、国家公務員が民間の車を同乗したという部分に関して国家公務員倫理規程に引っかかることがあるかどうかということに関して、今、所管する国家公務員倫理審査会に全体を今相談しているということであります。
 そのどの部分にということでありますが、これは各府省の調査、懲戒の手続という部分にあって、各府省の窓口、つまり内閣府から端緒の報告という前段の部分で、この端緒の報告をしているという状況にあります。
#100
○森ゆうこ君 いや、地面も怒っちゃいましたよ、本当に。
 ということで、三人行ったと。今は、このマニュアルで、さっきいただいたマニュアルからすると、まだ端緒の報告ではなく、まだ相談している段階だということでございました。
 この六ページの旅程表、様々不思議なところがあります。
 それで、幾つかまとめて時間がないので確認いたしますけれども、まず一番右側の備考欄ですね。備考欄の書いてある二行目、これ山口県なんですよね、「周南市にて」というのだっけ、どこなんですか、これ。熊本にこんなところありました、山口県なのに。何でこんなになっちゃっているんでしょう。違うことが書いてあります。
 さらには、下から二つ目のところで、十六時十五分から十六時四十五分、「松山空港にて業務に従事」。空港で業務をするというのは、何の業務があったんでしょうか。
 それから、旅費はこれ、定額払いということで、ホテルに、仮に業者に用意してもらって高級なホテルに泊まったとしても、このホテルの宿泊代は定額で払われたということでよろしいか、これを確認して終わりたいと思います。
#101
○委員長(岩井茂樹君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
#102
○副大臣(田中良生君) まず、この山口県の周南市において業務に従事という部分でありますが、これは、本来であれば熊本市にて業務に従事と記載すべきところ、この旅費の手続を行った職員が、過去の出張のデータ、これをコピーして付けて、誤ってコピーして消し忘れたものと考えられます。事務的なミスということであります。
 それと、松山空港にて業務という部分でありますが、これは、空港の待合室において主として愛媛県の幹部と意見交換、これを行ったということであります。
 そして、最後の定額支払という部分に関してでありますが、これは、旅費の規定にもあるように、宿泊の部分に関しては定額支払という状況になっておりますので、この部分に関しては記載がないという状況になっております。
#103
○森ゆうこ君 終わります。
#104
○委員長(岩井茂樹君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(岩井茂樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田名部君から発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代君。
#106
○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 本法の施行日の前日における特例年金給付の未裁定者が特例一時金の支給を受ける権利は、その支給事由が生じた日から五年を経過したときに時効によって消滅することから、本制度について十分な周知徹底を図ること。当該権利を有することとなる者であって連絡先が不明のものについて、連絡先の特定等により請求につながるよう、特に配慮すること。
 二 特例一時金の支給に要する財源については、組織変更等を行った農林漁業団体から特例業務負担金を徴収する根拠とするための指定法人化を適切に行うとともに、存続組合が農林漁業団体に特例業務負担金を長期前納させること等により、その確保ができるよう指導すること。
 三 存続組合が解散に至るまで、一時的な事務量の増加等による要員不足等の問題に適切な対応を行うよう指導すること。
 四 存続組合の解散時に在籍している職員について、当該職員の雇用の確保を適切に行うよう指導すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#107
○委員長(岩井茂樹君) ただいま田名部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(岩井茂樹君) 全会一致と認めます。よって、田名部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、齋藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。齋藤農林水産大臣。
#109
○国務大臣(齋藤健君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#110
○委員長(岩井茂樹君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#112
○委員長(岩井茂樹君) 次に、森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。齋藤農林水産大臣。
#113
○国務大臣(齋藤健君) 森林経営管理法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国の森林は、戦中戦後の大量伐採により大きく荒廃しましたが、先人の様々な努力により造成された結果がようやく実り、その約半数が主伐期を迎えようとしております。この森林資源を切って、使って、植えるという形で循環利用していくことで、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を両立し、先人の築いた貴重な資産を継承、発展させることが、これからの森林・林業政策の主要課題であります。
 しかしながら、現状は、多くの森林所有者が小規模零細で分散した森林を抱え、林業経営の意欲が低下している一方で、意欲と能力のある林業経営者の多くが事業規模拡大のための事業地確保に悩んでおり、このような森林所有者と林業経営者との間の連携を構築するための方策が必要となっております。
 このような認識の下、森林所有者に対して適切な経営管理を促すため、その責務を明確化するとともに、森林所有者自らが経営管理を実行できない場合に、市町村が経営管理を行うために必要な権利を取得した上で、林業経営に適した森林については意欲と能力のある林業経営者に委ねることとし、林業経営に適さない森林等については市町村が自ら経営管理を行うという、新たなシステムを構築するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、責務についてであります。
 森林所有者は、その権原に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、自然的経済的社会的諸条件に応じた適切な経営管理を持続的に行わなければならないものとしております。
 また、市町村は、その区域内に存する森林について、経営管理が円滑に行われるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとしております。
 第二に、市町村への経営管理の委託及び林業経営者への再委託についてであります。
 市町村は、その区域内の森林について、経営管理の状況等を勘案して、森林所有者への意向調査又は森林所有者からの申出を踏まえ、経営管理権集積計画を定め、公告することにより、森林所有者からの委託を受けて経営管理を行うことができるものとしております。
 また、市町村が意欲と能力のある林業経営者に再委託を行おうとする場合には、都道府県が公募し、公表した林業経営者の中から、市町村が再委託を行うものを選定し、経営管理実施権配分計画を定め、公告することにより、林業経営者が経営管理を行うことができるものとしております。
 さらに、市町村は、自然的条件に照らして林業経営に適さない森林や林業経営者に再委託するまでの間の森林については、自ら経営管理できるものとしております。
 第三に、所有者不明森林に係る措置についてであります。
 森林所有者の全部又は一部が不明等の森林において、林業経営の集約化や効率化を図るため、市町村は、不明森林所有者の探索、公告等の手続を経て、経営管理権集積計画を定めることにより、経営管理の委託を受けることができるものとしております。
 第四に、林業経営者に対する支援措置であります。
 再委託を受けた林業経営者が更なる施業の効率化を図ることができるよう支援するため、独立行政法人農林漁業信用基金は、当該林業経営者に対して経営の改善発達に係る助言等の支援を行うことができるものとするとともに、国は、国有林野事業に係る立木の伐採等を他に委託して実施する場合は、当該林業経営者に委託するよう配慮するものとしております。
 第五に、災害等防止措置命令についてであります。
 市町村は、伐採又は保育が実施されておらず、かつ、引き続き伐採又は保育が実施されないことが確実であると見込まれる森林において、周辺の環境を著しく悪化させる事態等の発生を防止するため、森林所有者に対し、伐採又は保育の実施等の措置を講ずべきことを命ずることができるほか、自らこれを行うことができるものとしております。
 続きまして、独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 森林経営管理法案を実効あるものとするためには、林業経営者がその意欲と能力に応じた効率的かつ安定的な林業経営を行えるようにすることが必要であり、そのためには、林業経営者への支援や資金調達の円滑化を通じた経営環境整備が極めて重要であります。
 こうした中で、林業者等の債務の保証を行う業務を長年行ってきた独立行政法人農林漁業信用基金が蓄積している企業経営に関する知見を有効活用するとともに、債務の保証がより利用しやすいものとなるよう見直しをすることで、林業経営者の安定的な事業規模の拡大を支援するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、農林漁業信用基金の業務の追加についてであります。
 農林漁業信用基金は、他の業務の遂行に支障のない範囲内で、森林経営管理法案により林業経営を行うための権利の設定を受けた民間事業者に対する経営の改善発達に係る助言等を行うことができるものとしております。
 第二に、債務の保証の対象者の拡大についてであります。
 林業経営者が農林漁業信用基金の債務の保証を利用することができるようにするため、農林漁業信用基金が債務の保証を行うことができる林業を営む会社の要件を緩和し、資本金の額又は出資の総額に係るものの上限を、現行の一千万から三億円に引き上げることとしております。
 第三に、林業信用保証業務に係る出資者に対する持分の払戻しについてであります。
 債務保証を受けるに当たり出資した者の出資金の回収を容易にすることで、債務の保証をより利用しやすいものとするため、農林漁業信用基金は、主務大臣が定める額の範囲内で、林業信用保証業務に係る政府及び都道府県以外の出資者に対して、その持分の全部又は一部を払い戻すことができるものとしております。
 以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#114
○委員長(岩井茂樹君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#115
○委員長(岩井茂樹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十二日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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