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2018/05/22 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第16号
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2018/05/22 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第16号
平成三十年五月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     山田 俊男君
     進藤金日子君    渡辺美知太郎君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                徳永 エリ君
                舟山 康江君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       稲岡 伸哉君
       林野庁長官    沖  修司君
   参考人
       山梨県早川町長  辻  一幸君
       NPO法人ひむ
       か維森の会代表
       理事       松岡 明彦君
       信州大学名誉教
       授        野口 俊邦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○森林経営管理法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、太田房江君が委員を辞任され、その補欠として山田俊男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官稲岡伸哉君及び林野庁長官沖修司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩井茂樹君) 森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。沖林野庁長官。
#6
○政府参考人(沖修司君) おはようございます。発言をお許しいただき、ありがとうございます。
 森林経営管理法案の背景説明資料につきましては、本委員会の質疑の中で御指摘を受け、大臣の御指示により、説明資料の調査データの整理の仕方について、基となった調査の選択肢の表現をそのまま使用するよう修正するとともに、関連する記述を追加したところでありますので、御説明させていただきます。
 本法案において、現に経営管理が不十分な森林について誰に経営管理を担ってもらうかということを考えた場合、経営規模の拡大を志向する方を中心に担っていただくことになると考えております。そういう意味で、この法案による新たな仕組みを進める上で、経営規模の拡大を志向する方を意欲が高い方、それ以外の現状維持の方や経営規模を縮小したいとした方を意欲が低い方と整理して、当初の説明資料を作成したものであります。
 しかしながら、この整理の仕方について、本委員会等で、現状維持の方を一律に経営意欲が低いとする整理の仕方や表現ぶりが誤解を与えるといった御指摘や、基となった調査結果をありのまま出すべきだという御指摘があったことを踏まえ、今回、基となった調査の選択肢の表現をそのまま使用するよう修正させていただいたところであります。
 なお、今回の修正は、資料の基となった調査結果のデータそのものを修正したものではなく、その整理の仕方について正確性を期したものでありますので、本法案の必要性や前提が今回の修正によって変わるものではないと考えております。
 今回、資料の作成に当たっては、より丁寧な対応に努めてまいりたいと考えておりますので、本法案につきまして御理解を賜り、何とぞよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(岩井茂樹君) 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○平野達男君 平野達男でございます。三十分時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。
 森林経営管理法でありますが、かなり大きな法律だと思います。経営管理権、経営管理実施権、それから経営管理集積計画、こういったものを作って、分散している林地をまとめながらこれからの様々な施業をやっていこうという、あわせて、所有者不明の森林、土地の中では多分一番面積の多いんじゃないかと思いますけれども、そういった所有者不明の森林に対しての対応策も入っています。そういう大きな法律であります。
 また、新しい法律なんでありますが、ただ、これにはもう下地があるというのは、農地関係に関わってきた者から見るとかなり分かるなという感じがします。下地になっているのは、農地法に対してのかつての農地利用増進法、今でいうところの農業経営基盤強化法でありまして、農業経営基盤強化法は今回も所有者不明の農地の取扱いについての改正をしたわけですが、そういったものを下地にして今回の森林経営管理法があるということだと思います。
 ただ、問題は、スキームはいいと思いますけれども、この農地に関しての農業経営基盤強化法、農地利用増進法という流れがあって、またこれを支えるために、かつては農地保有合理化法人、今は中間管理機構というのがあります。それから、あと、これらを支えるために農業委員会というのもあって、農業委員会をサポートするために各市町村には事務局も置いてある。それからもう一つは、農地のこういった流動化を進めるためには、これまで農地利用増進法を制定したというのを調べるつもりで、ちょっと忘れてしまいましたけど、まあ大体三十年ぐらい期間があるはずなんです。それで、なおかつまた、まだこの流動化については様々な取組をしなくちゃならない。それから所有者不明の農地については今取組が始まったばかりなんですね。
 この三十年間の蓄積があって様々な課題がまだあるという中で、今回の森林経営管理法は三十年間で農地でやったやつを一挙にやろうという、そういう法律でもあります。だから、これを本当に実施に移すためにはかなり大変だと思います。特にその経営管理権というのは、経営に乗り出す、その実態、その主体は市町村だということで、これ森林環境税とセットになっていますから、これは法の立て付けとしては致し方ない面がありますが、この経営管理という概念もなかなかこれは市町村には分からない。ましてや森林については、これは国土調査という国調も遅れていますから境界も定かでないところがいっぱいある。そういう中で、経営管理権をやって流動化をやって調整をしてやる、これは、膨大なまず制度の理解と、膨大なその仕事量と仕事に対しての相当の使命感がないとなかなかできないと思います、これは土地の問題ですから。
 片っ方で、一方で、市町村では、これ部会段階でも何回も申し上げましたけれども、町村では農林課さえない課があるわけです。どこでやっているかというと、産業課でやっているわけです。産業課で農業もやって林業もやって、それからいろんな商工業のこともやって、課長がいてその職員が四、五人でという中で、経営管理という概念で、それで森林についての様々な調整をやっていくというのはかなり実態としてはハードルは高い。
 だけど、この法律は、こういうスキームをつくってここからスタートをさせていかないと、今の山をめぐる状況というのは今までにない状況に、森林資源という観点から見ても、林業施業の担い手という観点から見ても、山村のこれから迎える状況から見ても、物すごく大きく変わってきますから。
 この法律自体のスキームというのは、法律自体は当然のことながら賛成です。賛成ですけれども、これからじっくり時間を掛けながらこの法律の施行をやっていかなくちゃならないし、やる段階で試行錯誤がいっぱいあると思います。試行錯誤いっぱいあるし、その試行錯誤をやる段階で訂正すべきものはどんどんどんどん訂正していかないと。それと、農地利用増進法も農業経営基盤強化法もずっとこう改正改正を重ねてきていますから、だからこの森林経営管理法というのはそのスタートだということで私自身は捉まえたいというふうに思います。
 今日は、そういう中で、法律の中身につきましてはこれは実はいっぱい聞きたいこと山ほどあるんですが、森林だから山ほどということではないんですが、今日はそっちの方はちょっとこっちへ置いておいて、森林が今これからどういう状況になりつつあるかということについて、私なりの捉え方を若干お話しさせていただきまして、いろんな、何点かちょっとお聞きしていきたいというふうに思います。
 お手元に資料を用意させていただきました。これは人工林の齢級別面積の推移ということでありまして、一九六一年から二〇一二年までの齢級別の面積の推移というのをちょっと整理してみました。
 一九六一年、昭和三十六年でありますけれども、この段階ではいわゆる主伐期に入ると言われている十一齢級以上の木はもうほとんどないです。私が小学校の頃までは、大体、東北沿線の駅の大きな駅のどこでも大きな製材所が二つか三つぐらいありました。小学校の頃ですけどね。もう小学校の頃は、三十年ぐらい前とは言いませんけども、まあ大分前になってしまいますけれども、あったんですね。それで、丸太が随分積まれていました。
 当時は、やっぱり戦後復興ということもありまして木材需要が非常に旺盛にあったということでありますし、戦中、戦争の最中には随分木を切ったんですが、それでもまだ木が残っていて、それを伐採して、そして木材として供給するという、それが結構盛んだったわけですね。それから、あと炭屋さんも結構繁盛していました。当時はまだ薪炭林で、コナラ、ナラとか何かを切って炭焼きをして、それが結構使われていましたから。ところが、この一九六一年の状況を見ますと、もう十齢級以上のやつがほとんどない。一方で、住宅需要がずっとこう上がってきましたから、そのせいもあって木材の自由化をやらざるを得なかったということはあるんだろうと思います。
 この資料の四ページ目をちょっと見ていただきたいんですけども、国産材・輸入材の供給量の推移ということで、一九五五年、ちょうどこれは私が生まれた頃でありますけども、まだ国産材が圧倒的な量で、このときはまだ切る木もあったし、林業ももうかなり盛んな時代です。それが、自由化に伴ってこの輸入材がどんどん増えていく。
 だけど、輸入材が増えてきたから林業が駄目になったという面もなきにしもあらずなんですが、実際には切る木がなかったという。実際に一億立米の需要というのは、日本の木材ではもう到底賄えなかったという、そういうことになります。で、その完全自由化までしたのが良かったかというのは、これはちょっといろいろ議論のあるところでありますけれども、いずれ国内の木材の需要というのには到底追い付かなかったという、そういう背景があると思います。
 それからもう一つは、林業の中の変化の中では、先ほど言った薪炭林ですね。炭、まき、これがどっと需要が減りましたから、その薪炭林も事実上使われなくなってしまったという。そういう意味で、山が荒れてきたというのは、そういうことを受けて言ったんではないかなというふうに思います。
 その中で、もう一つ大事なのは、木を切ると同時に、この戦後の昭和三十年代とか四十年代の方々の立派なのは、一生懸命になって、まあ林野庁も音頭を取ったんですけれども、植林をしたわけです。杉、岩手県でいえばカラマツあるいはヒノキ等々も植えて、とにかく植林をした。それから、あと薪炭林が使われなくなったのでそれも切って、そこにまで杉とかカラマツ植えました。
 当時は、カラマツというのは、もう御案内のとおり、坑木といって、鉱山がありますね、坑木の、要するに柱に使うとか、堅いのがいいんですけど、すぐねじ曲がるものだから余り利用価値がなくて、杉が植えられない痩せ地にカラマツ植えたというんですね。でも一生懸命植えたと。それで、それがそこからずっと、まあ六十年、七十年来て、このペーパーは飛ばしますけれども、三ページ目に、ちょっと見ていただきますと、八、九、十、十一齢級、それから十二齢級に大きなピークが来ています。
 今まではどちらかというと、いわゆる間伐材を利用するということが木材利用のどちらかというと主でなかったかと思います。間伐でも十分よかったわけですね。合板なんかも、要するに木をぐるぐるぐるぐるっと皮をむいて、それをぺたっと張り付けて合板作りますし、それから、先ほど言ったカラマツは小さな部材になりますと物すごい強いから集成材としては非常に効果を発揮して、昔はカラマツはもう全然安くて駄目だったやつが、今はカラマツに相当価値が見出されて、カラマツ今どんどん切っています。
 そういう状況になっているんですが、あわせて、繰り返しますけれども、その戦後に植えた、拡大造林で植えた木がちょうど十齢級、十一齢級、九齢級、こういった齢級でかなりの蓄積量となっているということです。今、四十四億立米とも言われています、人工林は、これ林野庁の数字によりますと。
 恐らく、こんな四十四億立米も森林資源が蓄積したというのは、日本の山の歴史の中でも多分ないんじゃないかと思います。だから、山は荒れた、大変だと言いますけれども、森林資源という観点から見ると、膨大な森林資源が今、日本に、この国に蓄積されているということです。
 これをこれからどのように利活用して、かつまた、この人工林の齢級別面積、この齢級別の状況を見ますと、かなりいびつな状況になっていますから、この状況を、百年、百五十年掛かるか分かりませんけれども、この偏在する状況をやっぱり変えるということも念頭に置きながら山の経営と山の管理をやっていかなくちゃならないということだと思います。
 一人でしゃべって申し訳ないんですけど、あと五分ぐらいしゃべらせてください。五ページ目をちょっと開いていただきたいんですけれども、林業経営の人工林のモデル概念図というのをちょっと描いたんですが、やっぱり一つの理想というのは、個人経営で見たら、例えば千二百ヘクタール森林持っていると。大体平均で六十年ぐらいで伐期、主伐をするという、平均でですよ、七十年でやっても八十年でやってもいいんですよ。ということになると、千二百ヘクタール持っていたら、二十ヘクタールずつ毎年伐採をして、二十ヘクタールずつ植林をして、あとそのほかの期間は保育ということで、下草刈りをやったり、あるいは間伐をやったりするという、そういうローテーションを組めば一番それは理想的だと思います。
 かつての炭焼きというのは何をやっていたかといいますと、薪炭林を、ある一定の面積を加えると、大体ひこばえで、御案内のとおり、切った後にひこばえで、萌芽力といって芽が生えてきますから、それをほっておきましたら三十年ぐらいで元に戻るんです。だから、三十年、要するに、輪作じゃないですけど、一つの区域を設定して一年間で必要な炭の量を計算して、それで全体の薪炭林を経営してそれで回すという。それで炭を取って。それから、あと、もっと言えば、たたら製鉄なんていうのはもうまさに炭が燃料ですから、たたら衆というのはそういう山の管理をかなりしっかりやってきた、そういう集団でもあるというふうに言われていますね。
 そういうことを念頭に置きますと、この十一齢級を仮にこれ主伐期というふうに見ますと、理想としては、人工林面積というのはある一定の面積でずっと推移していくと。そして、そこから齢級に応じて、何も一気に、十一齢級になったからといって全部皆伐する必要はありません。八十年、七十年という木も当然これは材料としては使いますので、こういった形になっていくんじゃないかなというふうに思います。
 説明をちょっとはしょりますが、それで、林野庁も、森林・林業再生プランというのは、これ二〇一〇年に、ちょうど作った頃に様々なちょっとこれ議論をして、当時は民主党政権だったんですけれども、結構林業いろいろ議論したんですね。そのときに、やっぱり平成百二十二年、平成百二十二年なんていうのはあり得ないんですけれども、今から百年後はこういう齢級別の配置をするという一つの絵を描きました。
 だから、こういう、描くことで要するに理想とすれば安定的な山の回転、山の管理ができるし、木材供給ができるという、そういう姿になるんだろうと思います。そういうことを念頭に置きながら、これから山の管理を進めていかなくちゃならないということだと思うんです。
 そこで、ここからは質問に入っていきますけれども、今、戦後の拡大造林でやった森林が、これからどんどんどんどん十一齢級を過ぎて主伐期に入ってくるというふうに言われています。この森林の量が膨大なわけです。一説によりますと、一説というか林野庁の資料によりますと、主伐期を迎えた人工林の平均蓄積増加量は、最近では年間四千八百万立米。そして、だから主伐による原木の供給量は一千七百万立米ですね。今のこのままの供給量の量だと、木はどんどんどんどん太くなっていくということになります。かといって、主伐期を迎えたからといって一斉皆伐やると、行き先がないから原木の価格が下がってしまいます。
 そういう中で、その消費量、消費というか需要拡大をどうやってやっていくか、これについての基本的な考え方をちょっとお聞かせ願いたいというふうに思います。
#9
○国務大臣(齋藤健君) 重要な御指摘だと思います。
 これから国産材、最終的には委員御指摘のように非常に計画的、安定的に林業が成り立つようにしていくというのが長期的な目標として重要だと思っておりますが、今当面は、このあふれ出てくる生産量をどうやって需要でこなしていくかというのが大変重要な課題だと思っています。
 短く答えますけど、この需要拡大に向けては、公共建築物を始めこれまで余り木材が使われていなかった中高層ですとか中大規模、非住宅など、新たな分野における建築物の木造化、内装木質化、それから木質バイオのエネルギー利用ですとか、それから付加価値の高い木材製品の輸出拡大、今輸出は伸びているわけですけど、なるべく付加価値高くして輸出をしていきたいと思っておりまして、こういう政策を組み合わせて新たな木材需要をこれ必死につくり出していかないといけないという、そういう思いでおります。
#10
○平野達男君 本当にこの需要拡大をどうやって実現していくかということは、これからの山の管理、森林資源の有効利用という意味においても、本当に核中の核になるんだろうというふうに思います。
 そして、木材についていえば、製材と合板とそれから集成材とそれからチップという大きく分けて四種類ぐらいに分けられると思うんですけれども、かなりの部分まだ外材が入ってきて、製材部門においてもそうですし、集成材についていえば、まだ外国の方がホワイトウッドとか材質もいい、いいのか悪いのか分からないですけれども、供給体制がしっかりしているということもありますので、材料の供給自体はかなりまだ輸入に押されていますね。
 合板については、合板の、岩手県でも北上市なんかには合板工場造ったんですが、一〇〇%県産材です。かなり合板については国内産の杉とかカラマツ等々を使うような状況になってきましたけど、まだ合板も、合板の製品として輸入している量はかなり多いです。
 チップは圧倒的にまだ量的にいえば外国から来ているという中で、それをどうやって国産材に置き換えていくかというのも大きなテーマになるはずです。
 これを急激にやろうといってもなかなかできないと思いますけれども、その置き換えというのを、国産材の優位性というのを積極的にPRして、価格面においてもしっかり競合できるような体系というのは、これはつくっていかなくちゃならないということだと思います。
 それから、あともう一つは、この国産材の需要を考えるときに、やっぱりこれから径が太くなってきますので、木の径が。さっき言ったように、十一齢級になったからといって全部木を切ったりするなんて、そんなのできないですから。やっぱり計画的に、八十年になったやつも九十年になったやつも残しつつ、こういうふうにやっていかないと、多分需要と供給の中でバランス取れないはずです。だから、十一齢級迎えたから全部皆伐するというんじゃなくて、何だっけ、長伐期多間伐施業というのがあるんですか、要するにある程度主伐期迎えたとしても大きな木を残しながら、まあ間引いていくというのもあれじゃないですけれども、残りの木も残しつつ、だから、六十年で切る木もあれば七十年でという木もあるし、八十年という木もあると。そういう中で、木材の質も変わってくるということもやっぱり念頭に置かないかぬと思います。
 特に昔の古民家を見ますと、はりを見ても柱を見ても、とんでもない要するに太い無垢材があるわけですよ。明らかにこれは八十年、九十年とか、場合によったら百年ぐらいの木を切ったんじゃないかというぐらい。それが日本の木のある意味では伝統文化でもあって、最近はもう何でもプレカットになっちゃって、なかなか無垢材も使えないということもあるんですが、そういう木の間伐利用から、かなり径の太い、まあA材ということになりますけれども、そこの質に変わっていくということも十分念頭に置きながらいろいろやっぱり対応していく必要があるのではないかと思います。釈迦に説法のことを今言っておりますが、一応意見として言わせていただきます。
 それで、あわせて輸出ですね。先ほど大臣輸出と言われましたけれども、今、九州の方からは、中国等々には杉の原木が徐々に輸出の量が増えているというふうに聞きますけれども、国内産の需要だけではやっぱりなかなか賄い切れない。それで、外国でもし需要があるのであれば、できれば製品化というのが一番いいんですけれども、原木でも買ってもらえるというのであれば、ここのルートも今まで以上にやっぱり積極的に広げるということが必要じゃないかと思いますが、この輸出についての考え方をちょっとお聞かせいただけますか。
#11
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 我が国の木材輸出額は、平成二十五年以降五年連続で増加しております。平成二十九年は対前年比で三七%増の三百二十六億円でございまして、品目別に見ますと丸太が四割を占めております。輸出先別で見ますと、中国、韓国、フィリピン、台湾、アメリカで九割を占めているところでございます。
 このような中で、平成二十八年五月に取りまとめられました農林水産業の輸出力強化戦略においては、丸太中心の輸出から付加価値の高い製品輸出への転換を推進するとともに、新たな輸出先国の開拓に取り組むこととしてございます。
 このため、農林水産省では、平成二十九年度補正予算及び三十年度の予算におきまして、主たる輸出先でございます中国、韓国におきましては、日本産木材製品を使用したモデル住宅やモデルルームを活用した展示、PR、それから、新たな輸出先国として有望でございますベトナムなどにおいては、内装材等の輸出拡大へ向けまして展示施設を拠点とした販売促進活動、デザイン性の高い木製品の評価が高いEU等においては、木製家具、建具等の輸出促進のための展示、PR等の支援を行っておるところでございます。
 また、住宅フェンス用材としまして杉製材の輸出が伸びておりますアメリカ向けにつきましては、日本産木材製品の認知度の向上のためのシンポジウムをアメリカで開催する支援措置を行うこととしてございます。
 今後とも、輸出先の需要を踏まえた木材製品の製造に向けた企業連携の取組を推進しまして、ジェトロなど輸出関連団体等と連携して、付加価値の高い木材製品の輸出促進に積極的に取り組んでまいります。
#12
○平野達男君 木材はもう先駆けて自由化していますから。何というんでしょうかね、輸出については大手を振って輸出できるはずですから。あとはもう本当にコストの面、品質の面、品質の面は大丈夫だと思いますけど、大きなやっぱり可能性があるんだろうと思います。一次産品の中では、この林業というか木材の輸出、あるいは木材製品の輸出ということはもっと前面に出してもいいんじゃないかなというのは強く感じます。
 それから、あと、これからの伐採なんですが、やっぱりどうしてもこれは需要と供給の関係を見ながらやっていかなくちゃならないという中で、どういう考え方で伐採をしていくかというスキームがちょっとまだよく見えないところがあります。だから、捉えようによっては、これから主伐期迎えるから、主伐期迎えたやつはどんどん切っていきますというふうにも捉えている方もいます。だけど、そんなことやったらもう一気に、もう木材行き先がないですから、先ほども言いましたけれども、価格がぐっと下がってきます。下がってきて、林業自体が成り立たなくなってしまう。
 それで、そういう中で、この膨大な森林をどうやって需要との見合いの中で切っていくのか。で、どういう樹齢のものを切っていくのか。そういったことについての一つの考え方をやっぱりきちっと整理する必要があると思います。そして、最終的には、百五十年後か二百年後か分かりませんけれども、樹齢の齢級のバランス、齢級の配分もかなり望ましい形を頭に置きながらその植林、伐採をやっていきますよというスキームになるんですけれども、取りあえず、ここ足下の数十年間においては、どういう木をどういう考え方で切っていくのか、そしてまた植林していくのか。植林も、要するに広葉樹にするのか、針葉樹にするのか。
 森林基本計画の中では数字は出ていますけど、その全体の数十年間のスキームというのがちょっと見えづらいので、これは、この法律を制定された後に政治の方でもきちっとこれフォローする話だと思いますが、そのフォローするためにも、林野庁の方では、農水省の方では、考え方を何かまとめるということを是非やっていただきたいというふうに思います。
 長官、これ質問の通告していませんでしたけれども、簡単でいいですから、ちょっと答弁ないですか。
#13
○政府参考人(沖修司君) 今御質問ありました件でございますけれども、林業基本計画、森林・林業基本計画の中で、将来の森林としまして、人工林面積、今、一千万ヘクタールを超えるものございますけれども、最終的には六百六十万まで落としていく。これまで人工林に適していないところまで人工林を造ってきた経過もございますので、真に人工林に必要な、適切なところに人工林として再生をしていく。これを、委員御指摘のように、再生した形、要は、切って、使って、植えるという、植えている価値、植える人工林施業をきちんとそこで行っていくことをして、また、六百六十万に外れるところの人工林については可能な限り元の自然林等に近いような形のものに誘導していくという形を考えてございまして、いずれにいたしましても、将来的には、人工林については齢級がそろった形、我々、法正林と呼んでございますけれども、そうした形に誘導できるように、多分百年以上掛かると思いますけれども、切って、使って、植えるというサイクルを使ってそういうものを誘導してまいりたいと考えております。
#14
○平野達男君 六百六十万ヘクタールという数字としては出ています、確かに。だから、そこは一つのゴールイメージとして持っていくんですが、それと併せて、これから、来年再来年、これ法律が施行されますから、どういう面積でどういう種類の木を切っていくかとか、これから、あと五年すれば今十齢級のやつが十一齢級になるわけですから、あと十年すれば今九齢級のやつが十一齢級に入ってきて、一応形では主伐期に入ってきます。だから、主伐期に入ってくる森林の量がすごい増えてくるわけですよ。一つは需要なんですけど、需要と併せて、ただ、切っていくというその考え方ですよね、これを示してやらないと、この経営管理権にしても経営管理実施権にしても、これかなりいろんな戸惑いが出てくると思います。これはこれからも党の方でもきっちりフォローしていく話ですけれども、ちょっとその辺については是非詰めていただきたいというふうに思います。
 三十三分まであれなんで、ちょっと時間がもうなくなりましたからもう終わりますけれども、あと法律の中身につきましては、次回時間いただけたらまた質問に立ちたいと思いますが、これは、森林組合、市町村、県の立場に立ってみますと、かなりいろんな問題があります、あると思います。一気にそんなもの全部解決は付かないと思いますが、その中から何点か選んで次回は質問をさせていただきたいと思いますし、繰り返しますけれども、この法律は完全な法律というよりもスタートの法律だと私は思っています。これを施行するときには様々な問題、トラブルが多分出てくると思います。今までにやったことのない、繰り返しになりますけど、農地の世界では何十年掛けてやったやつを一気にやろうとしていますから。だから、そういう中でフォローアップもしっかりしていかなきゃいかぬし、そのフォローアップをすることで山を、この蓄積された森林を、資源をしっかり利用していく、管理していく、そういう新しい時代に入ったんだということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 以上です。
#15
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 我が国の森林面積は約四割が人工林ということであります。これらのうち、主伐期の十一齢級以上のものが、平成三十二年度末までには約五割を占めるということであります。
 他方、主伐期の人工林の直近五年間の年間成長量は四千八百万立米、原木供給量は一千六百七十九万立米にとどまっていると。こういうことでいうと、年間成長量の六割以上が利用されていないという、こういうことになるわけでありますが、この現状を打破して林業経営の効率化と森林管理の適正化を図るということで今回の法案の提出になってきたわけでありますけれども、この新たな森林管理システムを導入するに当たって、林業の成長産業化という言葉が使われるわけでありますが、この林業の成長産業化とは、改めてここで問い直したいと思うんですけれども、どういうことを意味をしているのか、これは大臣にお伺いいたします。
#16
○国務大臣(齋藤健君) 林業の成長産業化ですけれども、林業の生産性の向上あるいは木材の需要拡大などを通じまして、森林所有者や林業者の所得向上を図って林業の持続的発展を実現していくと、そういうものと捉えています。
 我が国の森林資源は主伐期を迎えつつありますけれども、一方で、森林所有者の不在村者の増加ですとか高齢化ですとか、そういったものの進展によりまして適切な森林整備が進まず、林業の発展のみならず公益的機能の維持にも支障が生ずるということは懸念をされているわけであります。
 このため、本法案におきましては、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立ということで、この両立を図るというために、森林所有者に森林を経営管理しなければならない責務を明確化した上で、森林所有者自ら経営管理できないという現実にあるものにつきましては、経済ベースに乗る森林については林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理すると、こういう新たな森林管理システムを創設するということといたしているわけでございます。
 この新たな森林管理システムの創設によりまして、林業に適した森林を意欲と能力のある林業経営者にしっかりとつないで、これらの森林において林業がきちんと営まれるようにすることで林業の成長産業化ということが実現をし、森林所有者や林業経営者の所得の向上と林業の持続的発展というものが図られていくんだろうと考えているところでございます。
#17
○横山信一君 この新たな森林管理システムを導入するに当たって、本当に久しぶりでありますけれども、新税の導入を見据えてこの森林管理システムを導入することになるわけですが、森林環境譲与税、これ平成三十一年度から導入されます。一方で、その基となる森林環境税、これは平成三十六年度から課税ということになっております。この五年間の猶予というか、タイムラグがあるわけですけれども、この間、森林環境税に相当する分については、自治体に配分する額は借入金によって賄っていくということになるわけですけれども、五年間前倒しをしてまでやらなければいけない、その理由について、林野庁長官にまずお伺いいたします。
#18
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 先ほど大臣からもお話をいただきましたけれども、我が国の森林は主伐期を迎えようとしている一方で、森林所有者の経営意欲の低下とか、それから高齢化などの進展によりまして、経営管理がきちんと行われていない森林が増加してきております。林業の発展のみならず、国土の保全、温暖化防止等の森林の公益的機能の維持にも支障が生ずることが懸念されているところでございます。
 このため、本法案におきましては、森林所有者自ら経営管理できない森林のうち、経済ベースに乗る森林につきましては林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理するという新たな森林管理システムを創設することとしてございます。
 このことによりまして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を実現し、林業の持続的発展と森林の多面的機能の発揮を図ることとしているため、できるだけ早期に本システムを実現することが必要であることから、平成三十一年度からの施行を目指して本法案を提出したものでございます。
#19
○横山信一君 林業に待ったなしということなんでしょうけれども、それは林野庁の一つの考え方なんですが、一方で、これを実際に租税として実施していく総務省としてはどういう考え方を持っていらっしゃるのか、稲岡審議官に伺います。
#20
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。
 森林環境税は、国民に対して広く定額の負担を求めるものであることから、その負担感に十分配慮する必要がございます。平成三十一年十月に消費税率の八%から一〇%への引上げが予定されていることや、東日本大震災を教訓として全国の地方団体による防災施策の財源を確保するため、個人住民税均等割が平成三十五年度まで千円引き上げられていることなどを勘案し、平成三十六年度から課税をするということとしております。
 一方、地方団体への譲与については、先ほど林野庁から御説明がありましたが、森林経営管理法案によって市町村自らが森林管理を行う新たな制度が創設され、平成三十一年の四月に施行される予定であることを踏まえ、これに合わせて平成三十一年度から行うということとしているところでございます。
#21
○横山信一君 国民の負担ということを考えて森林環境税は平成三十六年度からということになったわけでありますけれども、一方で、今の林業をめぐる情勢を考えると、もう三十六年度まで待っているという状況にはもはやないという、そういう配慮をしていただいたということであります。
 この森林環境譲与税なんですけれども、これは間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発、森林整備及びその促進に関する費用ということになっているんですが、それを実施するのは市町村になりますけれども、この市町村への配分額の基準とその考え方について、これも稲岡審議官にお伺いいたします。
#22
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。
 市町村に係る森林環境譲与税の使途でございますが、間伐等の森林整備、人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発などとしているところでございます。
 譲与基準につきましては、これらの使途と相関の高い指標といたしまして、私有林人工林面積、林業就業者数、人口、この三つを用いることとしております。その割合についてでございますが、森林整備等が使途の中心であることを踏まえるとともに、木材利用を促進することが間伐材の需要の増加に寄与することや、納税者の方々の理解が必要であることなどを勘案し、それぞれ五割、二割、三割と設定しているところでございます。
#23
○横山信一君 この税金の配分額の基準を示してもらいました。
 人工林等の面積、それから林業就業者数、最後、人口と、これが最後、三割ということになるわけなんですが、この森林・林業基本計画では、先ほども大臣、林業の成長産業化というのを言ってもらいましたけれども、産業として育成をしていくということについて考えてみると、やはり川下というか、木材等の需要拡大あるいは販売促進といった川下政策が非常に重要で、そういう意味でいくと、例えば東京のような大消費地、ここでの人工林とかという面積よりは、ここは圧倒的に人口割りで考えると、川下政策ではこういった東京のような大都市の都市部の政策というのが非常に重要になってくるというふうに考えられるわけですけれども、こうした林業の成長産業化のために欠くことができない川下政策、これについてどのように考えるのか、これ大臣にお伺いいたします。
#24
○国務大臣(齋藤健君) 今委員御指摘のように、どんなに生産しても川下の理解が得られなければこれ行き詰まるわけでありますので、いかに木材の需要の拡大を図っていくか、その面で川下が大事だというふうに考えております。
 木材の需要拡大については、公共建築物を始めまだまだ木材が余り使われていなかった分野がありますので、例えば中高層ですとか中大規模ですとか非住宅などの新たな分野、これまだありますので、ここの建築物の木造化、内装木質化というものをまずは進めていきたいと思いますし、それから、木質バイオマスを地域内で持続的に利用する地域内エコシステムを構築をしていくことですとか、それから付加価値の高い木材製品の輸出拡大、丸太でもというお話ありましたけど、丸太でも拡大をしていきたいと思いますけれども、それから、木の良さや価値を実感できる木材製品の情報発信や木育などの普及啓発などの施策に取り組んで、新たに木材需要の創出を図っていくということがすごく大事だと思っております。
 特に、森林が少なくて人口が多い都市部におきましては、建築需要はそういうところで多いわけでありますので、木材の需要先としては大変重要であると考えております。オフィスビルや商業施設等の木造化、内装木質化などに積極的に取り組んでいきたいと考えています。
#25
○横山信一君 東京には東京木材会館、私も行ってきたんですけれども、非常に先進的な、建てたのは結構前ですけれども、全て木材でできていて、国産材でできていて、木材を利用するという意欲が非常に強い地域でもございますので、是非これをうまく成長させるためにも、川下政策、うまく軌道に乗せていただきたいと思います。
 本法案では、森林所有者は、その権原に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければならないと責務が明確化されております。他方、森林・林業基本法の森林所有者の責務には、森林の所有者又は森林を使用収益する権原を有する者は、基本理念にのっとり、森林の有する多面的機能が確保されることを旨として、その森林の整備及び保全が図られるように努めなければならないというふうにあるんですけれども、本法案のこの森林の多面的機能の確保というのは責務規定の中には明記されておりませんけれども、この森林・林業基本法の森林所有者の責務の表現との違いという、これはどのように考えればいいのか、これは長官にお伺いいたします。
#26
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 本法案の目的規定においては、林業経営の効率化及び森林の管理の適正化の一体的な促進を図り、もって林業の持続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮に資することが規定されております。本法案は、森林・林業基本法が目指しております方向と同じ方向を目指しているわけでございます。
 具体的には、森林・林業基本法においては、森林の有する多面的機能の発揮と林業の持続的かつ健全な発展とする森林・林業施策全般にわたる基本理念を定めたものであり、その中で森林所有者に森林の整備や保全に関する一般的な責務を課しております。しかしながら、昨今では立木の伐採後に再造林が必ずしも行われないなどの状況が見られることから、本法案においては、森林所有者の責務について、基本法で定める責務を実現するための具体的な行為を森林所有者の責務として新たに規定することとしたところでございます。
#27
○横山信一君 では、今回の新たな森林管理システムの中の、よく出てくる、意欲と能力のある林業経営者という言葉が頻繁に出てくるわけですが、このイメージというのはどのようなものなのかということなんですけれども、具体的にどのような林業経営者を指しているのか、また、現状でそのような林業経営者、どれぐらいあると見込んでいるのか、これも長官にお伺いいたします。
#28
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 経営管理実施権の設定を受けます意欲と能力のある林業経営者については、森林所有者及び林業従事者の所得向上につながる高い生産性や収益性を有するなど効率的かつ安定的な林業経営を行うことができる者、主伐後の再造林を実施するなど林業生産活動を継続して行うことができる者を想定しており、経営規模の拡大を志向する者であれば現在の規模の大小は問わないこととしております。
 また、林業経営体の数でございますけれども、この新たな森林管理システムの実施に当たっては、各地域の実情等を踏まえまして選定されることとなりますことから、現段階では特に想定を置いてはございません。
 なお、二〇一五年農林業センサスによりますと、過去一年間に造林、保育、素材生産等のいずれかを所有者から受託により行ったのは約五千でございます。
#29
○横山信一君 素材生産をされている、関わっているのが約五千ということであります。それについては規模は問わないという、そういう話でございました。
 この平成二十七年の森林資源の循環利用に関する意識・意向調査によりますと、規模拡大したいが七〇%にも及んでいると。事業を行う上での課題というのは、事業地確保が困難が三七・九%ということなので、再委託の導入はこの希望に応えられるものになっているということであります。
 他方、この再委託をされたい、希望する人たちというのは、路網未整備とそれから林業機械の更新を課題として挙げているということであります。これは共に二五%あるということで、言ってみれば、規模拡大はしたいという、それを実施するには、路網整備それから林業機械の更新というのが一緒になって行っていかないと、それがなかなか可能になっていかないという現状もあるということであります。
 そういう意味で、この意欲と能力ある林業経営者へのスムーズな再委託、それに向けて、林業経営者が望む、これらの課題に関してどういうふうに進めていくのか、これは谷合副大臣にお伺いいたします。
#30
○副大臣(谷合正明君) 委員の御指摘、大切な視点でございます。
 経営管理実施権の設定を受けます意欲と能力のある林業経営者の役割というものは、新たな森林管理システムにおきまして大変重要でございます。森林所有者の所得向上につながるような効率的かつ持続的な林業経営を行っていただきたいと考えております。
 このため、平成三十年度の当初予算におきましては、意欲と能力のある林業経営者に森林の経営管理を集積、集約化することが見込まれる地域を中心とした路網整備、高性能林業機械の導入、主伐、再造林の一貫作業、木材関連事業者等が行う施設整備等、川上から川下までの取組を総合的に推進することとしております。また、本法案では、農林漁業信用基金によります経営の改善発達に係る助言等、そして林業、木材産業改善資金の償還期限の延長、そして国有林野事業の事業委託する際の配慮の支援を行うこととしております。
 こうした施策によりまして新たな森林管理システムが円滑に運用されるよう、意欲と能力のある林業経営者の育成を図ってまいりたいと思っております。
#31
○横山信一君 ここが一番大事なところだと私は思うんですけれども、これがあって初めて森林管理システムがうまく進んでいくんだと思うんです。それを達成するためには信用保証業務が重要になってくるんでありますけれども、時間がほとんどありませんので、これについての質問は次回にしたいというふうに思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。
#32
○徳永エリ君 皆さん、お疲れさまでございます。国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 質問に入らせていただきます前に御指摘をさせていただきたいと思いますが、衆議院の外務委員会で僅か三日、たった六時間でTPP11の条約の承認案、これが委員会で可決、そして緊急上程で本会議で採決を行い、そして可決ということになってしまいました。衆議院段階で野党が合意したという話もありますけれども、参議院議員としては非常に納得できない、本当に参議院に回ってくると三十日ルールでもうこの会期末までには成立してしまうということになりますので、やはりもっとしっかりと、問題点多々ありますので、審議をしたかったという思いがあります。
 特に、農業に関しては、これまで何度も指摘させていただいておりますけれども、TPP12の内容はそのままなわけですよね。乳製品の低関税輸入枠ですとか、それからセーフガードの発動基準数量もこのままですし、それから米国が不参加、これが確定したら、協定を見直すとしている見直し条項も実効性があるのかどうかというところも不透明という状況であります。
 茂木TPP担当大臣は、TPPで合意したラインが最大限、安倍総理も農業分野でこれ以上の譲歩はないと明言しておられますが、来月には四月の日米首脳会談で決まった新しい枠組みでの協議も始まります。鉄鋼やアルミの輸入制限の問題もあります。米国が我が国に更に譲歩を迫ってくることは明らかで、そうなると、ターゲットになるのは恐らく農業ではないかというふうに大変心配をいたしております。
 齋藤大臣にも、是非農林水産大臣のお立場から閣内で強く御発言をいただきまして、これ以上農業に関しては一歩も譲らないという強い姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#33
○国務大臣(齋藤健君) 様々な展開が想定される状況であるということは、今、徳永委員がおっしゃられたとおりだと思いますが、ただ、このこれから始まるアメリカとの協議そのものにつきましては、ここでも何回か答弁させていただいておりますけれども、あくまでも自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議ということで、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現するために、日米双方の利益となるように日米間の貿易や投資を更に拡大させていくとの目的で行われるものというふうに認識しておりますし、更に言えば、この協議は日米FTA交渉と位置付けられるものではなくて、その予備協議でもないというふうに私は認識をしております。
 その上で、この中で行われる議論というのはまだ内容は固まっていませんけれども、先ほど徳永委員から御指摘ありましたし、総理も明言しておりますので、その方針で私は断固とした対応を取っていきたいというふうに思っております。
#34
○徳永エリ君 強いお言葉をいただきました。しっかりお願い申し上げたいと思います。
 TPP関連法案なんですけれども、これは、TPPがあってもなくても進めた方がいいというものと、それと、これまでTPP特別委員会の中でも慎重に対応しなければいけないと、もっともっと議論が必要だというものもありますので、ここはまた時間を掛けてしっかり議論させていただきたいと思います。
 それから、野党五党一会派で、この関連法案から切り分けて、TPP11の発効前に速やかに実施できるように、牛・豚マルキンの法案を衆議院に提出しています。これも併せてしっかりと審議をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それと、もう一点であります。先日十四日につくばの農林水産省の独立行政法人の施設に視察に行ってまいりました。つくばといえば最先端の技術開発を行っている施設で、当然研究や開発のために使われる機材も最新のものがそろっていると、ぴかぴかの施設というイメージで行ったんですけれども、森林総合研究所、それから森林研究・整備機構、農研機構に伺って施設を見学させていただいて、研究者の方々、職員の方々のお話もいろいろ伺ってきましたけれども、驚きました。もう施設の老朽化がかなり進んでいて、それに伴っていろんな問題が、深刻な問題が起きているんです。
 一番驚いたのは、研究論文を書いても、そのデータを出すために使われた機材が古くて、データの信頼性に欠けるといって発表できなかったとか、あと、化学実験に必要な必須の装置であるドラフトチャンバー、排気装置が使えなくて、ほかの研究室を間借りして研究しているとか、そういったことがいろいろ起きているんですね。トラブルが発生しても、部品の保有期間が終了していて、修理不能で更新が必要だという話をたくさん伺いました。
 皆さんのお手元に資料を配付させていただきましたけれども、農林水産省の独立行政法人における施設整備費の推移ということで、十年前と比べますと四十億を超えていた予算が三分の一ほどに減らされているということなんですね。森林総合研究所も、一九七八年のつくば移転後四十年経過していて、配管やそれから配電設備、これどこの国のものだと思うような五十年ほど前のものを使っていたりして、もう本当に全体的に老朽化が進んでいます。しかし、現在の予算の中では修繕や更新のめどが立たない、このままでは研究者や職員の安全の確保、また研究を続けることが難しいということにもなりかねないという深刻な状況にあります。
 そこで、大臣に伺いますけれども、大臣は御就任されてからつくばのこの独法に行かれましたでしょうか。
#35
○国務大臣(齋藤健君) 残念ながら、まだ伺う機会はございません。
#36
○徳永エリ君 是非行っていただきたいと思います。多分、衆議院の農林水産委員会でも大串委員の方からもこういったお話があったかと思いますけれども、是非行っていただきたい。
 農林水産省の独法の施設それぞれに、施設のどこの改修が必要なのか、それから、研究設備や配電設備など更新が必要なものを調査していただいて、リストアップしていただいて、どのくらいの費用が必要なのか、何を優先しなければいけないのかということもこの機会にしっかりお調べをいただいた上で、当然予算がありますからできることとできないことはあると思いますけれども、やらなければいけないことをしっかりやってもらいたいと思いますし、その上で、予算が必要なのであれば来年度予算の概算要求にしっかりと要求をしていただいて、研究者、職員の方々が安心してよりすばらしい研究ができる環境を是非とも整えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(齋藤健君) まず、独法の施設整備補助金については、確かに厳しい財政状況の中ではありますけれども、各法人における施設整備の緊急性等を十分に踏まえながら、優先度の高いものから必要な予算を措置して、計画的な施設の更新等を今進めているところではあります。
 具体的には、老朽化施設の耐震補強を含めた改修や、職員の作業、安全のための施設更新等を進めているところでありまして、御指摘の森林研究・整備機構においては、近年、研究活動の基盤となる研究棟の空調設備の改修、あるいは最先端の遺伝子解析技術を用いた優良苗木の育種施設の整備もやってきておりますし、あるいは農業・食品産業技術総合研究機構におきましては、九百平米規模のジーンバンクの整備ですとか、あるいは国庫債務負担行為によって複数年にわたる大規模改修、こういう予算も措置してきたところではあります。
 今後とも、結局、農林水産省に関する試験研究を通じた技術の向上等とか、その設置目的に即した十分なパフォーマンスが発揮できないということであれば、これは大問題でありますので、そういうことがないようにしていかなくちゃいけないと思いますし、その施設につきましては、国会開会中はなかなか平日自分の思うようにならないものがありますので、国会開会中に行けないのであれば、国会閉会後に私はお邪魔をさせていただきたいなというふうに思っております。
#38
○徳永エリ君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、役所の人と行くといいところしか見せないという傾向がありますので、本当に深刻なところをきちんと見せていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 四月にプレスリリースがありました。森林総研は、木を原料として樹木の香りを豊富に含め、アルコールを製造する技術を開発しています。現段階では飲めるお酒という段階ではないということでありますけれども、今後安全性が確認されれば木のお酒を製造する技術になるかもしれないということです。
 また、本会議での代表質問の際に、大臣から、木材輸出の促進に積極的に取り組むと、丸太中心の輸出から付加価値の高い製品輸出に転換を進めるというお話がありました。
 付加価値の高い製品の開発を進めていくためにも、また、林業の現場での技術の革新、効率化を高めていくためにも、研究、技術開発は必須でありますので、是非とも、独法の施設、これまで以上にすばらしい研究がしっかりできるように整備をしていただきたいことをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、法案について御質問させていただきます。
 森林環境税と、これを森林の整備等に使う必要な財源に充てる森林環境譲与税、そして新たな森林管理システムの創設は、私はいろいろと心配な点があるんですけれども、いろいろ話を聞いてみますと、自治体や、特に首長さん、それから林業関係者の皆さんはとてもこの法案に期待をされているということであります。
 平成三十六年から課税される森林環境税は、個人住民税均等割納税義務者一人年額千円を徴収するもので、税の規模は約六百億円、森林環境税創設の趣旨に合った適切な使い方をしなければ、国民理解を得ることはできないというふうに思っています。
 そこで、改めて、森林経営管理法案の目的と概要、森林環境税、森林環境譲与税の創設の趣旨と、新たな森林管理システムにおける具体的なこの使途についてお伺いをしたいと思います。
#39
○大臣政務官(上月良祐君) 我が国の森林は、資源が充実し主伐期を迎えつつあります一方で、森林所有者の林業経営に関する意向の調査におきましても経営規模を拡大したいという方々がなかなか少ない、さらに所有者不明の森林の増加なども相まりまして、適切な森林整備が進まず、林業の発展のみならず、森林の公益的機能の維持にも支障が生ずることが懸念される状況にございます。
 このため、本法案におきまして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を両立していくために、森林所有者自ら経営管理できない森林のうち、経済ベースに乗る森林については林業経営者に集積、集約化をし、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理するという新たな森林管理システムを創設することとしたものでございます。
 委員御指摘がありました森林環境税、森林環境譲与税、大変本当に重要であります一方で、きちんと使途をしっかりしていかなきゃいけないのは御指摘のとおりであります。本法案によって新たに市町村が担うこととなります森林の公的な管理を始めとする森林整備、あるいは、先ほど来御議論の中で出ておりますけれども、間伐はもちろんでありますが、人材育成や担い手の確保、木材利用の促進、普及啓発、そういったものの財源として創設をされるものでございます。
 この税の使途につきましては、毎年度インターネット等による使途の公表が各地方団体に義務付けられることとなるものと承知をしておりますので、適正な使途に、的確な使途に用いられることがこれは制度的に担保されていくものだと、制度的にといいますか、担保されていくものだというふうに考えております。
 農林水産省としましては、地域の実情に応じた森林整備が進んでいきますように、これ大変大きな新しい仕組みでございますので、実際に実施する市町村、もちろん間に入る県も含めましてそういった方々へ、あるいは実施しますいろんな関係者に含めまして的確にきちんと指導や助言を行ってまいりたいと考えております。
#40
○徳永エリ君 衆議院の審議の中で森林環境譲与税は一部公有林にも使われるということでありましたけれども、ほとんどが民有林ということになるんだと思います。経営管理実施権を設定した民間事業者、こういう方々が、先ほども輸出という話がありましたけれども、木を切って輸出をするというような中で、きちんとその後植栽をして再造林をするというような公益的な管理をしていかないと、なかなかこれ国民の皆さんに理解されないということも起きかねませんので、国民理解をしっかり得られるような適切な使途に心掛けていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それから、新たな森林管理システムの創設に当たって、森林に関する基本的な事項を定めた森林法の改正という形ではなくて、今回新法を制定し対応するその理由と、それから森林法と森林経営管理法の違いについてお伺いをしたいと思います。
#41
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 本法案は、市町村が経営管理を行うために必要な権利を取得した上で、林業経営に適した森林については林業経営者に委ねることとする一方、林業経営に適さない森林や林業経営者に委ねるまでの森林については市町村が自ら経営管理を行うことで、林業経営の効率化及び森林の管理の適正化を図ることを目的としたものでございます。
 このため、本法案では、森林・林業基本法における林業の持続的かつ健全な発展に関する施策である林業政策と森林の有する多面的機能の発揮に関する施策である森林政策の両要素を併せ持ち、これらの課題を一挙に解決するものとして措置されております。
 一方、森林法は主に森林政策を担う法律としての性格を持つものであり、本法案のように、森林政策と林業政策の両面に対する内容を備えたものは森林法を含めた従来の法体系では措置されてはおりません。こうしたことから、森林法の枠組みではなく、新たな法律という形で対応することとしたものでございます。
#42
○徳永エリ君 この森林経営管理法の第一条を見てみますと、今お話にもありましたけれども、誰が管理、経営をしていくのか、そして、どういう目的で、成長産業化というのもお話がありましたけれども、そういったことが具体的に書かれていると。森林法の第一条を見てみますと、国土の保全と国民経済の発展とに資すると。国民全体の公益的な利益という形になっておりますので、ここが大きな違いなのかなということを実感しているところであります。
 森林所有者の経営意欲が低いから、経営管理の責務を明確化して、市町村が経営管理を行うために必要な権利、経営管理権を取得した上で、森林経営に適した森林は意欲と能力のある民間事業者に市町村から再委託する経営管理実施権を設定し、森林所有者に代わって間伐や伐採など管理から木材の販売まで行えるようにするのがこの新たな森林システムであります。森林を所有しているけれども適切な管理を行っていない経営意欲の低い森林所有者は、第三条、責務として適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければならないとしています。
 しかし、林野庁の資料、森林所有者の林業経営に関する意向、それぞれ見てみますと、事情が多分あるんだと思うんですね。例えば、現状を維持したいという方は長期伐採をしたいと。これ、樹種も分からないわけですから、カラマツ、トドマツあるいはヒノキ、杉、いろいろあると思うんですけれども、そういった樹種がどういうものであるかということもあると思いますし、それから林業経営を辞めたいとか経営規模を縮小したいという方々も、高齢化に伴って労力負担が大きいからそういう思いなんだという方もいるでしょうし。それから、これまでは林業経営をやってももうからないと、経費ばかり掛かるんだと思っていたから経営意欲は低いけれども、成長産業化していくんだという国の方針を受けて、だったらやろうじゃないかと思う方も恐らくいるんだと思うんですね。
 そこで、市町村が経営管理が適切に行われていない森林、経営意欲のない森林所有者を何をもって判断、特定するのかということについてお伺いいたします。
#43
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 本法案においては、森林所有者による経営管理が適切に行われていない可能性があり、経営管理権を市町村に集積することが必要かつ適当である森林について、市町村が森林所有者に対し森林の経営管理の意向に関する調査を行うこととしてございます。
 この意向調査に対する森林所有者からの回答によりまして、森林所有者自ら経営管理する意向の有無を判断いたし、特定することができるものと考えてございます。
#44
○徳永エリ君 逆に、もう自分は森林の経営管理はいいんだと、市町村に委託してやっていただきたいという森林所有者が保有するその森林が、ううん、これはちょっと経済的に回らないなとか、あるいは森林施業するのに非常に困難な森林だなとか、こういう場合に、市町村が要するに林業経営管理権を設定しないと、いわゆるお断りするというケースもあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#45
○政府参考人(沖修司君) 経営管理権を設定しない、要は市町村がお断りする場合のケースのお尋ねだと思います。
 森林所有者は市町村に経営管理権集積計画の作成を申し出ることができますけれども、森林所有者が植栽すべきである伐採跡地や、現状のままでも適切な経営管理が行われているような手入れを必要としない天然林などにつきましては、市町村が受入れを断ることは可能ではないかと考えてございます。
#46
○徳永エリ君 それでは、市町村に委託したいと思っても断られる森林も場合によってはあるということだと思います。
 経営管理権の設定に必要な経営管理権集積計画には森林所有者の意見が反映されるということでありますが、市町村が策定する計画に同意できなかった場合、森林所有者との間で折り合わなかった場合でありますけれども、第十六条では市町村の長が勧告、第十七条では都道府県知事の裁定を申請することができるとしています。
 これは、森林所有者が同意できなくても、管理や経営、この権利を所有者から、ちょっと言葉はきついですけれども、取り上げるということにもなるのではないかという懸念があります。極めて強権的なのではないかというふうに思いますけれども、この点に関していかがでしょうか。
#47
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 経営管理権の設定に当たりましては、森林所有者の同意がまず必要でございます。そうしたことでございますけれども、市町村が森林の経営管理権を集積することが必要かつ適当であると認める可能性がある場合においては、市町村が当該森林の森林所有者に対し経営管理の意向を調査することとされておりまして、その内容におきまして、当該森林について、森林所有者自ら経営管理を行う、森林所有者が第三者に委託して経営管理を行う意向を示した場合には、市町村は当該森林に経営管理権を設定することが必要かつ適切であるとの判断はしないものと考えてございます。
#48
○徳永エリ君 そうすると、強制的に権利を取り上げるというようなことではないという理解でよろしいでしょうか。
#49
○政府参考人(沖修司君) 森林所有者のまず意向をきちんと反映しますので、そういうことは基本的にないものと考えてございます。
#50
○徳永エリ君 林業関係者の方々の間には、実際にこれが適用された場合には、憲法の保障する財産権、これの侵害になるんじゃないかという心配な意見もあります。
 森林所有者には、森林所有者が保有山林を対象に自家労働を中心として素材生産を担う自伐林家、それから森林組合の組合員となって管理、施業の委託をお願いしている所有者、そして森林を所有しているけれど事情があって管理を行っていない所有者、外国人、外国資本が森林所有者となっている場合、誰かが所有している私有林なんだけれども所有者が不明というような森林があるんだと思います。
 この新たな森林管理システムでは、既に伐採、造林、保育を実施している自伐林家と森林組合の組合員は、市町村に経営管理権を設定する必要はないということでよろしいでしょうか。
#51
○政府参考人(沖修司君) 本法案におきましては、森林所有者に森林の経営管理を行わなければならない責務を明確にして、森林所有者自らがその責務を果たすことができない森林については、市町村を介して意欲と能力のある林業経営者に経営管理を集積、集約するための仕組みであります。自伐林家や森林組合に施業を委託している組合員のように、これまで自ら経営管理をし、責務を果たしている森林所有者については、引き続き意欲を持って自ら経営していただきたいと考えております。
 なお、これまで自ら経営管理してきた森林所有者が希望するのであれば、市町村に対し、経営管理権集積計画を定めて、経営管理権を設定するよう申し出ることはできる仕組みとしてございます。
#52
○徳永エリ君 外国人やそれから外国資本が森林所有者の場合について伺います。
 私の地元北海道では、ここ数年、外国資本による森林買収面積が大変に広がっております。三、四年前は件数も一桁ぐらいだったんですけど、これが二桁になって、また更に増えているという状況であります。
 皆さんのお手元に資料をお配りいたしましたので御覧いただきたいと思いますが、ここ数年の事例、件数について、改めて農林水産省の調査結果を伺います。
#53
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 外国資本による森林買収の状況につきましては、平成二十二年以降、毎年、都道府県を通じて調査を行い、公表しております。平成二十九年の調査において把握されました平成二十九年一月から十二月までの期間に居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者による森林買収の事例は四十四件、百四十八ヘクタールであり、その取得目的は資産保有、建物の建設などとなっており、都道府県別に見れば北海道が三十九件となっております。
 農林水産省といたしましては、引き続き外国資本による森林買収の調査を進めるとともに、林地開発許可制度や保安林制度等により、森林の適切な管理、保全を図ってまいります。
#54
○徳永エリ君 森林を買収した人は買収した後に登録をしなければいけないということに私たちが政権時代に法律を作らせていただきました。
 この資料を見てみますと、非常に気になるのが英領バージン諸島というのがあるんですが、これは租税回避地、タックスヘイブンということでありますけれども、こういった外国人や外国資本が森林を所有している場合も第三条の責務の対象になるのかどうか。住所地やそれから所有者の特定が困難な外国資本に対して所有者の責務をどのように果たさせるのかというのは非常に大きな問題だと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○大臣政務官(上月良祐君) 本法案におきましては、森林所有者に対して森林の経営管理を行わなければならない責務を課すということとしておりますので、この森林所有者には外国人や外国資本の会社も含まれますので、外国人や外国資本の会社もこの三条の責務の対象となるものであります。
 所在が不明な場合につきまして、最終的には市町村が経営管理権を取得するような形で森林を守るという形になるわけでありますけれども、基本的に、出されている連絡先等があるわけでございますので、まず届出なりのときにその住所とか連絡先は確認を当然していただくということが前提として重要だと思いますけれども、そこのもし管理がしっかりされていないようであれば、その連絡先に対して、それは外国であってもきちんとその責務を果たしていただくようにそれをまずはきちんと指導するというんでしょうか、対応していくということが重要だと思っております。
#56
○徳永エリ君 この外国人の森林の買収ですけれども、きちんと登録全てされているのかどうかというところも非常に疑問だというふうに思っています。
 それから、市町村やあるいは民間の事業者が委託を受けて、不明ということで経営管理をするという形になって木を伐採した場合に、後から所有者が分かって、何で切ったんだと、何で勝手に切ったんだということでトラブルになるということも十分に考えられると思うんですが、この点に関してはどう対応していこうとお考えでしょうか。
#57
○大臣政務官(上月良祐君) 所有者が全員不明の森林につきましては、市町村が探索を行いまして、都道府県知事の裁定等、一定の手続を経て市町村に経営管理に必要な権利を設定し、更に林業経営者に委託するということになるわけであります。その際、森林所有者に支払うべき利益が生じたときには、本法案の第二十九条でありますけれども、市町村は当該利益を供託するということになりますので、立木を伐採した後に所有者が出てきたような場合には、消滅時効の期間内であればその供託金を受領するということになるわけでございます。
#58
○徳永エリ君 何となく大丈夫かなという心配なことがいろいろありますけれども、そのとおりいくんでしょうか。
 さて、次に、法律案には第三十六条で、都道府県は、農林水産省令で定めるところにより、定期的に、都道府県が定める地域ごとに、経営管理実施権配分計画が定められる場合に経営管理実施権の設定を受けることを希望する民間事業者、つまり意欲と能力のある林業経営者を公募するものとしています。要件として、経営管理を効率的かつ安定的に行う能力を有すると認められること、それから、経営管理を確実に行うに足りる経理的な基礎を有すると認められることとなっています。
 この能力というのは一体何なのか、経理的な基礎というのは要するに資本力が強い大きなところを言うのか、この点について具体的に御説明をいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、本法案におきましては、都道府県が経営管理実施権の設定を希望する民間事業者を公募いたしまして、公募に応募した者の中から選ぶとしてございます。
 御指摘のものでございますけれども、要件でございますけれども、この要件に適合するかに関する具体的な判断基準といたしましては、素材生産や造林、保育を実施するための実行体制が確保されていること、それから、主伐を行いました場合には再造林を確実に実施するなど林業生産活動を継続して行えること、それから、伐採、造林に関する行動規範を策定していることなどを想定してございまして、現在の規模の大小ということを問うているわけではございません。
 したがいまして、地域の森林の経営管理の重要な担い手でございます森林組合につきましては、経営管理実施権の受け手となり得るものと考えてございます。
#60
○徳永エリ君 この募集の要件というのは非常に重要になってくると思います。ここは丁寧に要件を決めていただきたいというふうに思います。
 それから、この意欲と能力のある林業経営者ですけれども、私、林野庁からヒアリングをしたときに、森林施業の経験が全くない民間企業やあるいは外国資本の新規参入は可能ですかというふうに伺いましたら、妨げるものではないというお話がありましたけれども、そういった理解でよろしいでしょうか。
#61
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 妨げるものではないという、そういう言い方になりましたけれども、余り想定をしておりませんけれども、排除はできないということだと思います。
#62
○徳永エリ君 想定はしないことが起きるわけでありまして、できるということでよろしいんですね。
#63
○政府参考人(沖修司君) はい、できるといいますか、排除しておりませんので、そういうことだと思います。
#64
○徳永エリ君 できるということなんだと思います。
 それから、この経験というところなんですが、要するに民間事業者が参入できる、外資じゃなくてもですよ、国内の民間事業者が要件に合えば参入できるわけですけれども、この経験のない、全く経験のない民間事業者が参入すると、本会議の代表質問でも申し上げましたけれども、やはり労働災害の問題が深刻だと思います。全産業の中でもう突出してこの森林施業というのは事故が多い、死亡事故にもつながるということでありますから、そういった意味でこの経験のないというのは非常に問題だと思いますけれども、ここをどのように受け止めておられますでしょうか。
#65
○政府参考人(沖修司君) 委員御指摘のように、森林・林業に関する事業体の事故というのは非常に多うございます。おっしゃられましたように、確かに突出をしているところがございます。
 こうしたことにつきましては、林業労働の安全に関する研修を通じまして安全の確保を図ってございますけれども、緑の雇用事業とかそういうところを通じまして安全の研修をしたり、新たに参入している方が緑の雇用等で参入したときにはそういう研修をしてございますけれども、いずれにしましても、林業の安全を確保しない限りにおいてはこうしたものに参入してくる人自体がおらなくなってしまいますので、我々としては、しっかり労働安全に対する研修等、緑の雇用事業等などを通じてしっかり支援をしていきたいと思っています。
#66
○徳永エリ君 募集の要件によっては、結局、森林の施業経験のない民間事業者も参入できるということになるんだと思うんですけれども、経験がなくても大丈夫だと、参入できるというところを確認させていただきたいんですが。
#67
○政府参考人(沖修司君) 考え方として、基本的には、ずぶの素人というか全然経験をしていないというのは我々としてはちょっと考えておりませんで、実績を有するということを基本として考えてございます。
#68
○徳永エリ君 どのくらいの実績が必要ですか。
#69
○政府参考人(沖修司君) その前年の一年間に森林・林業に参画して経験をしているということを私たちは考えてございます。
#70
○徳永エリ君 一年ですよ。一年経験があれば参入できるということで、一年じゃできませんよ、これ。大問題です。本当に事故につながりかねないことを大変に懸念しておりますので、この点もしっかりともう一回考え直していただきたいというふうに思います。
 それから、意欲と能力のある林業経営者についてもう一つお伺いしたいんですけれども、ここには当然のことながら森林組合は当てはまりますよね。
#71
○政府参考人(沖修司君) 先ほどの答弁でもお答えいたしましたけれども、森林組合は該当するというふうに考えてございます。
#72
○徳永エリ君 ただ、林野庁の資料を見ると、これQアンドAなんですけれども、森林組合や素材生産者は含まれますかという問いに対して、民間事業者である森林組合、素材生産業者や自伐林家であって意欲と能力のある林業経営者と認められる者は経営管理実施権の認定を受けることは可能ですと。
 これ、森林組合でも意欲と能力がないとみなされれば経営管理実施権は設定されないということになるんでしょうか。
#73
○政府参考人(沖修司君) 森林組合にもいろんな森林組合がございます。自らやるということで意欲を持って応募していただいて選ばれるということであれば該当すると思いますけれども、場合によってはそういう場合もあるということだと思います。
#74
○徳永エリ君 もちろんその要件というのもあるんだと思いますけれども、意欲のある森林組合と意欲のない森林組合というのをどのように判断するのかというのは、非常に曖昧なんだと思うんですね。
 それからもう一点、森林組合員の方々が森林組合に自分の森林の管理、それから経営、こういったところをこれまで委託をしてきたということだと思います。これが、今回の新しい森林管理システムができることによって、自分の隣の森林では民間の事業者が入って、そして経営を行って利益を得ることができると。森林所有者は結局この新しいシステムでは経費を出す必要はないわけですから、だからお金は掛からないし、利益も得ることができるということになれば、これ、森林組合にお金出して今までは管理してもらっていたけれども、いや、お金掛からなくて利益も得られるんだったら、じゃ、森林組合の組合員をやめて民間事業者にお願いしようということにもなりかねないと思うんですね。
 この点に関しては、どのように林野庁としては受け止めておられますか。
#75
○政府参考人(沖修司君) これ、モラルハザードの話だと思います。責務につきましては、まず一義的には森林所有者にございます。また、市町村につきましては、必要かつ適当と認める場合には経営管理権を設定するとしておりまして、このため、例えば伐採跡地については所有者が自分の負担でやるべきものでございます。ですから、そうしたことにならないものと私たちは考えておりますけれども。以上でございます。
#76
○徳永エリ君 私が今回のこの法案に関して、森林組合にも北海道でお邪魔をしてお話を聞いてきましたところ、本当に期待をいたしておりますし、それから、この意欲と能力のある林業経営者、主体的にやるのは我々森林組合だろうというふうに思っておられるんですね。ですから、ちょっと今の御答弁を聞いていたら、森林組合の皆さんが大変に心配な気持ちになるんじゃないかと思いますけれども、もう一度、この点に関して御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#77
○政府参考人(沖修司君) 私たちとしては、この意欲と能力のある林業経営者、これにつきましては、まさに委員御指摘のように、地元で活躍されております森林組合、これを想定をしております。また、森林組合におきましても、それぞれこれまで伐採をしていない、造林とか保育とか、これだけに取り組んでいらっしゃる方もおります。そうした場合におきましては、地元の木の伐採をしている林業会社、林業事業体ですね、素材生産業者、こうした方と連携をしていただきまして、地域の意欲と能力のある林業経営体、経営者として活躍していただくことを私たちは期待をしているところでございます。
#78
○徳永エリ君 やはり、長い間その技術と経験を積み重ねてきた、そして森林所有者から絶大なる信頼を受けているこの森林組合、ここがやっぱり主体的にやっていくことが一番安心だと思いますし、大臣がおっしゃっていた、それこそ、切って、使って、そして植えると、こういうことを再造林ということをきちんとやってきた実績があるわけでありますので、是非とも森林組合が主体的に森林施業を行えるような、そんなシステムになっていただきたいということを期待したいと思います。
 それで、もう時間になりました。実は、もう一つ今日は御質問……
#79
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。おまとめください。
#80
○徳永エリ君 はい。
 十七日に行われた未来投資会議で民間議員の竹中平蔵氏が、規制緩和による国有林の民間開放を提案したということであります。この点に関しては、あさってまた質問の機会がありますので、じっくりと御質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#81
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。
 まずは、本会議でも取り上げた法案説明資料の書換えについて、更に伺いたいと思います。
 配付資料を御覧ください。この一ページ目がこの法案説明資料、これ、先ほど林野庁から配付された資料の四ページ目の書換えの前後を比較したものです。「多くの森林所有者は森林経営の意欲が低い。」という箇所を、ここを「林業経営への意欲が低下してきている。」と書き換えています。
 その理由を、農水省は、意欲が低いというのは言い過ぎたので、よりマイルドな低下してきているという言い方に書き換えたということのようですが、私にはそのようには理解できません。低下してきているというのであれば、過去と比較した現在のデータが必要ですが、それはこの配付資料の法案説明資料、林野庁の方の二ページ目の林業の現状には全く書いてありません。唯一、この配付資料の二枚目の不在村者保有の森林面積の割合というのが、これが時系列の変化を示していますが、これも非常に恣意的なデータの操作というのを感じます。
 まず、なぜデータが五十年近くも前の一九七〇年と二十年近く前の二〇〇五年のデータだけを比較しているのでしょうか。これ、その三十五年間の数字というのはどうなっていますでしょうか。
#82
○政府参考人(沖修司君) 委員御指摘の件でございますが、同じ基準でデータというのは比較する必要がございますので、農林業センサスの中で拾える中で最も古いデータとして一九七〇年、それから最新のデータとしては二〇〇五年の数値を比較したものでございます。
#83
○川田龍平君 これでは一九八〇年が一八・八%、一九九〇年が二一・八%のことですが、二〇〇〇年はこれ二四・六%であり、二〇〇五年は二四・四%といえば、もうこれ高いじゃないですか。
 そもそも法案を提出しているのは二〇一八年です。二〇〇五年よりもこの不在村者保有の森林面積が多いのか少ないのか、これ分からないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(沖修司君) 二〇一〇年以降の農林業センサスにおいて同様の調査を行っておりませんので、的確な確定的なお答えができないところでございます。
 なお、不在村者保有の森林面積でございますけれども、森林が所在します市区町村の区域外に居住する者が保有する森林面積でありますけれども、市町村合併によりまして二〇〇五年時点の市町村数が二千七百九十七であったものが二〇一五年には一千七百十八と大きく減少しておりますので、同じ尺度では比較が難しい、できないということになってございます。
#85
○川田龍平君 要するに、二〇〇〇年から二〇〇五年は〇・二%下がっているわけで、横ばいということですね。そういった意味で、やっぱり右肩上がりになっているかのような、さらに、この配付資料ではカラーになっていないんですけれども、このちょっと濃くなっているところは、赤字で一七・九%の方にぐいっと右に上がっているこの資料は、この右上のこの赤い矢印というのは非常に恣意的なんです。黒い直線の矢印と合わせてまるで右肩上がりのグラフのように思わせているのがこの配付資料のグラフなんですけれども、この二四%と一七・九%、これ何の関係もないではないですか。なのにぐいっとこの右肩上がりの赤字の矢印、これどうなんでしょうね。どうなんですか、これ。出典も分母も調査年度も違うのに、あえてここに示すというのは非常に恣意的で、これ規制改革会議の主張を押し通すためにこじつけのデータの捏造と批判されてもこれ仕方ないんではないでしょうか。
 あるいは、これ林業経営の意欲が低下していることを裏付けるための調査というのを怠って、手持ちの古いデータを不当に操作して、本会議で指摘したように、国会軽視、これ与野党問わず国会議員を愚弄していると言わざるを得ないんではないでしょうか。
 これ、そもそもこの不在村者保有の森林面積が増えていることだけをもって林業経営の意欲が低下してきていると判断するのは極めて不適切ではないかと思いますが、大臣、この部分、これ資料再度訂正すべきではないでしょうか。
#86
○国務大臣(齋藤健君) この右肩上がりの矢印が確かに二四%とどういう関係にあるのかと、ちょっと不明なところがあるのは事実だと思いますけれども、ただ、それぞれのデータについてはそれぞれ根拠があるデータだと思っております。
 それから、やはり不在村者保有の森林面積というのは意欲と無関係ではないデータだろうと私には思えるわけでありますので、これをもって、御指摘の点をもってこの法案の出し直しとか愚弄とかいうことには当たらないんじゃないかなと思いますが。
#87
○川田龍平君 法案の出し直しというよりも資料の出し直しですね。
 要するに、グラフの棒グラフと、この二四%とその右上の四角に囲まれた一七・九%、これ別のものですよね。それを何かあたかも右肩上がりになっているかのように結び付けるというこの矢印のやっぱり意味がちょっと分からないんですけど、大臣、いいんですか、これで。
#88
○政府参考人(沖修司君) 今御指摘のこの図でございます。これ矢印でございまして、この森林所有者のうち、相続時に何も手続をしていない者ということで一七・九%を出しております。これは、国土交通省が平成二十三年度に実施いたしました農地・森林の不在村所有者に対するインターネットアンケートの結果でよるものでございます。
 具体的には、大都市に居住いたします三十歳以上の者、約十七万七千人を対象とした調査結果からこの不在村所有者を抽出しました上で、相続時に不動産登記簿への登記とか、それから市町村等への所有者変更の手続を行っていないと答えた者の割合となっております。不在村森林所有者のうち、相続時に何も手続をしてない者の割合を示す数値という意味でございます。
 両者の数字には、確かに御指摘のように直接の関連はございませんけれども、不在村所有者保有の森林面積の割合の現時点での最新の数値である二四%と、不在村所有者のうち相続時に手続をしてない者の現時点での最新の数値一七・九%を示すことで、いわゆる所有者不明森林が一定の面積を生じているであろうという状況を推測できるものと考えてございます。
#89
○川田龍平君 やっぱりこのグラフは一九七〇年から二〇〇五年まで一気に上がっているかのようですけれども、一九八〇年、九〇年、二〇〇〇年と経たそういうグラフであれば、これもうちょっとなだらかなわけですね。だから、本当にこの恣意的なやっぱりこの使い方というのは、僕は改めた方がいいと思います。
 今回の法案の背景にある今の林政については、農政同様、林業の成長産業化、生産性や効率性ばかりが重視され、村づくりといった地域政策としての側面であったり、生物多様性の確保といったこの公益的機能の発揮というのがおざなりになっている懸念を持っていますが、それらについては次回の質問の機会にすることとして、一方で、林業の現場にたくさんの課題が山積しているのも事実であり、とりわけこの小規模事業体の育成がなおざりになっていないかという懸念に関して何点か伺いたいと思います。
 まず、小規模な林業事業体への支援について伺います。
 意欲と能力のある林業経営者として農水省が主に想定をしている素材生産業者等は、一般的に育林作業は苦手との指摘があります。そして、主伐や搬出を請け負う素材生産業者等の事業体と育林を行う事業体の格差は年々拡大する一方です。前者の事業規模が億円単位というのに比べて、後者は十万から百万円の単位で、百倍以上の体力の開きがあります。
 また、最近の若者は、高性能な林業機械の運転に憧れて、伐採や運搬などには就業するものの、下草刈りや枝打ちなどの地道な作業は嫌がり、結果的に育林作業に携わるのはその多くが他業種からの転職者と聞いています。そのような転職者を受け入れて育成している小規模な林業事業体では、受注量を安定させて常用、月給制を取り入れたいが、受注が不安定で、しかも下請だとこの管理費が出ないので自転車操業するのがやっとということです。
 多くの自治体では、森林所有者などがつくる森林組合が施業の主な委託先となっており、自分たちの作業班だけでは行えない分量の育林作業を小規模な事業体へ下請に出している実態があります。
 その下請契約に当たっては、事業者の育成、適切な労働条件の確保という観点から適切な価格での契約が行われる必要があると考えますが、農水省の見解を伺います。
#90
○政府参考人(沖修司君) お尋ねのこれは森林整備事業等に関することだと思います。
 森林整備事業の実施に当たりましては、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素も考慮し、価格及び品質が総合的に優れた内容の契約を行って事業の品質を確保するよう、補助金の交付決定の際に私たちとしては指導しているところでございます。
 また、国有林が森林組合に発注するような事業もございまして、こうした場合におきましては、下請者も含めて適切な価格による事業が確保されますよう取り組んでおります。
 今後とも、適切な事業が行えるよう指導してまいりたいと考えております。
#91
○川田龍平君 奥山などの林業経営に適さない森林の市町村森林経営管理事業においては、間伐や枝打ち、下草刈りといった育林作業を森林組合だけに委託するのではなくて、小規模な事業体との直接契約も推進すべきではないでしょうか。
#92
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 市町村は、森林所有者自らが森林の経営管理を実行できない場合に、市町村が経営管理権を取得した上で、林業経営に適した森林は意欲と能力のある林業経営者に委ねることとし、林業経営に適さない森林や林業経営者に委ねるまでの森林におきましては、市町村が自ら経営管理を行う事業、市町村森林経営管理事業でございますけれども、を実施することとしてございます。
 市町村森林経営管理事業の実施に当たりましては、市町村が第三者に事業を委託して行うことになると考えられますが、本法案におきましては、市町村は民間事業者の能力の活用に配慮しつつ経営管理を行うこととしており、当該事業の委託先として森林組合だけでなく小規模な事業体もその対象となり得るものと考えてございます。
#93
○川田龍平君 東京では特に事業体が不足しており、主伐、皆伐が予定されている民有林がたくさん余っています。しかし、小規模の事業体が主伐や搬出をやりたくても、この高性能林業機械の導入やノウハウの点で非常に困難です。結果的に山梨県など他県の事業体が受託しているのが実態ですが、地域の小規模事業体の協同組合化を促進、支援する施策を検討すべきではないでしょうか。
#94
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 我が国の林業事業体は、年間の素材生産量が一千立方メートル未満の事業体が全体の約八割を占めるなど、小規模な事業体が非常に多うございます。木材の事業者側からは、出荷ロットが小さい国産材は希望素材を手に入れにくいとのお声があるとも聞いてございます。このため、小規模な林業事業体による協同組合の設立や共同での事業実施によりまして出荷ロットの大規模化を進めていくことは望ましいと考えており、事業者の連携による共同出荷等の取組を支援しているところでございます。
 なお、協同組合の設立には出資や登記等の諸手続が必要でございます。本法案に基づく経営管理実施権の設定を希望する民間事業者の公募、公表に際しましては、協同組合の設立など法人化までは求めない考えでございます。
#95
○川田龍平君 この経営管理実施権の設定に当たっては、意欲と能力さえあれば規模の大小を問わないとのことですが、経営管理実施権の設定ということは、素材生産や育林作業など請負型の小規模事業体にとっては経営スタイルの大転換となります。世襲的な自伐林家と山元の林業にビジネスチャンスを生みだそうとする事業体では、この山林資源の活用などに関する考え方、林業経営に関する考え方、やり方など全く違います。
 意欲と能力のある小規模な林業経営者の具体的なイメージというのはどのようなものでしょうか。意欲とはどういう意欲のことでしょうか。先ほども能力について聞かれていましたけれども、どういう能力なのでしょうか。定義がとても曖昧なので、具体的なイメージを是非説明してください。
#96
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 経営管理実施権の設定を受けるその意欲と能力のある林業経営者でございますけれども、素材生産や造林、保育を実施するための実行体制がきちんと確保されていること、それから主伐を行った場合には再造林を確実に実施するなどの林業生産活動を継続して行えるというようなこと、また伐採、造林に関します行動規範をきちんと策定していることなどを問うておりまして、こうしたことをやる事業体としてその規模の大小は問うていないということでございます。
 このような意欲と能力のある林業経営者であれば、自己所有森林を中心に伐採等を行う森林所有者、いわゆる自伐林家ですよね、自伐林家などの小規模な方であっても経営管理実施権の受け手となり得るものと考えてございます。
#97
○川田龍平君 特に、この能力の話は先ほども答弁ありましたけれども、意欲について、これやっぱり農水省が今回の資料の作成に当たっても見誤っているところがありましたので、そういう意味では、この意欲というところはやっぱりもっとはっきりと定義を曖昧にではなくしていただきたいと思います。
 これ、経営管理実施権の設定を受けようとする小規模な林業経営者に対してどのような支援を考えているんでしょうか。こういう小規模な林業経営者も地域林業の活性化や山村振興の上で重要な主体の一つとして認識をして、その育成を後押しするということですが、大規模な林業経営者に対する支援に偏っていないでしょうか。
 例えば、育林でしか実績のない小規模な事業体が経営管理実施権の設定を受けるには、伐採などの実績があるほかの事業体と組んで、共同して設定を受けることも考えられるのではないでしょうか。その場合、協同組合とか法人化の事務手続をしないでも簡便な申請だけで設定が受けるようにすべきではないかとも考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(齋藤健君) 我が国の林業におきましては、森林所有者ですとか森林組合ですとか林業事業体など様々な主体が担っているわけでありますが、この中には、請負や委託によって植栽や下刈り等を行う小規模な育林業者もたくさんいるわけでございます。
 今御指摘のように、それぞれ得意の分野を協力し合いながら一緒にやっていこうということも、私どもこれ重要な担い手だと思っておりますので、こういう経営管理実施権の設定を希望する民間事業者の公募、公表に際しましては、こういう小規模な育林業者等の担い手も幅広く応募できるように、単体での応募のほか、ほかの事業体と共同して応募することも想定をいたしております。
 先ほど長官からも答弁いたしましたが、その共同での応募に当たっては、協同組合の設立を前提とするとか、あるいは法人化を前提とするとか、そういうところまでは求めないということにしたいと考えております。
#99
○川田龍平君 この経営管理実施権の設定期間については特に定めがないようですが、小規模事業体にとって十年とか十五年でも長過ぎるとの声もあります。これ、二、三年の設定というのもあり得ると理解してよいでしょうか。
#100
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 今般創設することとしております新たな森林管理システムにおきましては、経営管理実施権の設定された森林について、伐採及び伐採後の造林、保育等が適切に確保されることを目的としておりますことから、経営管理実施権の設定期間を数年、まあ二、三年ですね、ということは想定してございません。
 育林など部分的な施業のみを行う小規模な林業事業体につきましても、他の事業体と共同して経営管理を行うのに十分な期間の権利設定を受けることが適当であると考えておりまして、今後、法施行に向けまして、新たな森林管理システムの運用に関するガイドライン等の中で権利の設定期間等についても適切に指導、助言等を行ってまいりたいと考えております。
#101
○川田龍平君 この意欲と能力のある林業経営者は、市町村域を超えて活動することを想定しており、都道府県が規模の大小を問わず民間事業者の公募、公表を行って、市町村はその中から経営管理実施権を設定する事業者を選定するとし、その際は地域の実情に配慮するとしていますが、それは具体的には市町村の推薦を受けるだけで十分なのでしょうか。
 一方で、民間事業者の公募、公表、選定のプロセスの透明化も重要と考えますが、市町村の推薦過程については具体的にどのように透明性を図るのでしょうか。
#102
○副大臣(谷合正明君) まず、市町村は、既に森林法上の役割として、造林から伐採に至る森林施業に関する市町村森林整備計画の策定、造林、伐採の届出の受理、そして森林所有者や林業経営者等に対する指導監督などを行っております。このように、市町村が地域の森林、林業の実情を最も把握していると考えております。経営管理実施権の設定を受ける民間事業者を都道府県が選定、公表するに当たっては、そうした市町村が地域の事情を踏まえて適切な民間事業者を推薦することになると考えております。
 なお、市町村が行う推薦の過程の透明性の確保についてお尋ねありましたが、農林水産省においては、適切な方法が取られるよう、これ運用の段階になると思いますけれども、市町村を指導してまいりたいと考えております。
#103
○川田龍平君 これからということですが、しっかりやっていただきたいと思います。
 林業は、自分の代では自分が植えた木の成果が出ずに、次世代に引き継ぐ大変社会的な意義のある仕事です。しかも、最も危険で最もきついと言われていますが、この職業のステータスをしっかりと上げて、きちんと家族を養えるような職業とすべきです。林業従事者の労働条件をいかに向上させるかが大きな課題です。
 しかし、林業は建設分野と比較して労働条件の改善が進んでいません。労働法制の適用というのもこれ緩いです。配付資料の三枚目のように、現在、国は、緑の雇用の対象者に限って社会保険料等の事業主負担分への支援を行う一方、全国で三十三の都道府県が千百十一の小規模な林業事業体に対し、約六億円分の社会保険料の事業主負担分への支援を独自に行っています。
 このような現在自治体任せとなっている緑の雇用以外の社会保険料の支援を、小規模事業体に対し、一定の要件を課した上で国も行うべきではないでしょうか。
#104
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 農林水産省では、これまで緑の雇用事業を通じまして林業事業体への社会保険料等の支援を実施してきておりまして、平成二十八年度では約九百の事業体に対しまして約一億四千万の支援を行っているところでございます。このほかに、社会保険料の支払の助成に関する経費を含めまして、新規就業者の定着条件を整備するために要する地方団体の経費に対する地方財政措置、これを国として講じているところでございます。
 今後とも、こうした施策を通じまして、林業事業体への社会保険料の支援を推進してまいりたいと考えております。
#105
○川田龍平君 現在の林業作業士、フォレストリーダー、フォレストマネージャーというこの三段階のキャリアパスは、一定規模以上の事業体内部における昇進や昇給が想定されているようですが、小規模事業体にとっては何の役にも立たず、有名無実という批判が現場にあります。
 いま一度見直して、この育林作業に従事する小規模事業体の経営者や従業員にとっても価値のあるキャリアパスに再整備していくべきではないでしょうか。例えば、フォレストワーカーの資格を持っていれば総合評価方式の入札で有利になるなどの仕組みを検討できないでしょうか。いかがでしょうか。
#106
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 緑の雇用事業につきましては、安全かつ効率的な森林施業を担える現場技能者を確保、育成する観点から、林業事業体の規模の大小を問わず活用されているところでございます。
 例えば、フォレストワーカー研修につきましては、林業事業体の要望を踏まえまして、事業体当たりの参加人数を制限することなく、大規模事業体と同様の条件で小規模事業体にも助成を行っているところでございます。
 また、緑の雇用事業のメリットといたしましては、森林管理局の、例えば国からの発注でございますね、国から発注する事業発注における競争参加資格要件に、フォレストワーカーを含む緑の雇用事業の研修修了生が所属していることなどと設定している例もございまして、フォレストワーカーさえ修了すればフォレストリーダー等の研修修了までは要件にしないといったような取組も行われているところでございます。
 今後とも、地域における人材の確保、育成のニーズを踏まえまして、緑の雇用事業に取り組んでまいりたいと考えております。
#107
○川田龍平君 次に、国有林における低価格落札の実態と入札改革についてお尋ねします。
 民有林における東京都の育林補助事業の入札において、実績のない造園土木業者が非常に低い価格で落札をし、ひどい仕事をして二度と戻ってこないという話があります。自治体に範を垂れるべき国有林野事業においても低価格落札が横行していると聞いたので、実態を調べていただいた結果が配付資料です。四枚目を御覧ください。
 国交省直轄の公共工事では、落札率が八〇%を切る件数はほとんどないのに比べて、国有林の造林、間伐においては八〇%以下が二割もあります。この数字、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#108
○国務大臣(齋藤健君) 国有林の造林、間伐等の事業においては、近年、総契約件数の約二割が落札率八〇%以下となっておりまして、建設工事と比較して落札率の低い物件が多いということは御指摘のとおりだと思います。
 このことの原因なんですけれども、造林、間伐等の事業が建設工事とは異なって労務に多くを依存するという、そういう特徴になっているものですから、例えば物件の規模が小さい場合などにおきましては、地元の事業体がその労務配置等の工夫をすることによりまして効率的に事業実行が可能と入札時に判断をされるということもあるのではないかと考えているわけでありますが、いずれにいたしましても、このような状況が継続することによりまして、例えば事業の担い手確保の観点などから問題を生じさせることがないか、これは、今後の経過はしっかり注視をしていきたいと考えています。
#109
○川田龍平君 この元請、下請という同様の構造を持つ建設業界においては、公共工事品確法、改正公共工事入札契約適正化法、改正建設業法のいわゆる担い手三法が二〇一四年に全会一致で可決、成立するなど、取組が先行しています。国有林野事業においても同様の入札改革を断行すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#110
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 平成二十六年六月に、建設工事の適正な施工及び品質の確保とその担い手の確保を目的とする改正品確法など、いわゆる担い手三法が成立いたしまして、以降、低入札価格調査基準の引上げなどが行われてきたところでありまして、国有林におきましても、同法の対象でございます治山、林道工事については同様の対応をしてきているところでございます。
 一方、建設工事には該当しない造林、間伐等の事業発注につきましては、価格と価格以外の技術力を評価して落札者を決定いたします総合評価落札方式を適用する場合に、その評価基準として作業員の雇用形態とか防災活動などによる地域貢献等に関する項目を設けてきたところでございます。
 今後におきましても、雇用条件の改善とか地域の事業体の育成を図るため、この総合評価落札方式の適切な運用に努めてまいる所存でございます。
#111
○川田龍平君 具体的には、まずこの低入札価格調査の項目の追加を提案したいと思います。
 現在、六〇%以下の落札率のケースには低入札価格調査が行われる仕組みとなっていますが、その調査項目を見ると、現場作業員の工賃が含まれていません。担い手確保の観点から、現場作業員の工賃を調査項目に加えるべきではないでしょうか。
#112
○政府参考人(沖修司君) 国有林の造林、間伐等の事業におきましては、予定価格一千万円以上の事業で落札率が六〇%を下回るものがあった場合には、低入札価格調査によりまして契約の内容に適した履行がなされることを確認した上で発注を行っているところでございます。具体的には、手持ち請負業務の状況、資材の購入先、労務者の需給の見通し、経営状況等を調査することとしてございます。
 低入札価格調査につきましては、契約が適切に履行されることを確認するために行うものでございまして、現場作業員の賃金の水準と契約が履行されるかどうかは連動するものではないと考えてございまして、調査項目とすることは現在のところ考えてございません。
#113
○川田龍平君 是非調査をしていただきたいと思います。
 さらには、現在、国有林の事業には全国のどこの事業者も応札できることになっていますが、地域の担い手育成の観点から、また不当な低価格での落札を予防する観点から、入札できる事業者をブロック単位や流域単位で登録する制度を導入してはいかがでしょうか。
#114
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 公共調達であります国の事業の発注につきましては、競争性、透明性の確保を図ることが重要でございますが、林業事業体数の減少等が進んでいる中にありまして、国有林の造林、間伐等の事業発注におきましては、一件当たりの応募者数が全国平均でおよそ二・一者でございます。これ二十八年の実績でございますけれども、にとどまっている現状にございます。このため、入札者をブロック単位、流域単位で限定することにつきましては、競争性を確保する観点から慎重にならざるを得ないところでございます。
 こうした中、本事業では、価格以外の技術力等を評価して落札者を決定する必要がある場合に総合評価落札方式を採用しておりまして、評価基準として作業員の雇用形態や防災活動等による地域への貢献、こうしたものに関する項目を含めることで、雇用条件の改善とか地域の事業体の育成の観点から効果あるものになっていると考えております。
 今後とも、この総合評価落札方式の適切な運用を通じまして地域の事業体の育成等に努めてまいりたいと考えております。
#115
○川田龍平君 今回の法案で、この民有林に適用する仕組みを今後国有林においてもこれ民間開放するという、検討をするとの話も、先ほど徳永委員からもお話ありましたように、規制改革会議などで出ているようですが、まずはこの国有林事業において適正な労賃が支払われて地域経済に貢献する仕組みとなるように入札改革を是非断行していただきたいと思いますが、これ大臣、いかがでしょうか、最後伺って終わります。
#116
○国務大臣(齋藤健君) 今長官から答弁もいたしましたけれども、実際に国有林の造林、間伐の事業発注をいたしますと、二十八年度の実績で一件当たり応札する方が二・一者しかいないという現状があるものですから、それも地域を限定すれば、これもしかしたら一者しかないとか、あるいは一者もないとか、そういう状況が想定されるわけでありますので、先ほど答弁させていただきましたように、一方でその地元への貢献ですとか、それから作業員の雇用形態、防災活動、しっかりやっていただくということも重要ですので、この総合評価方式の中でそういうものに配慮していくというのが現実的ではないかなというように考えております。
#117
○川田龍平君 残りの質問については次回にさせていただきます。
 ありがとうございました。
#118
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 法案の質疑に入る前に、ちょっと通告をしておりませんでしたけれども、昨日、愛媛県は参議院予算委員会の要求に応えた新たな文書を提出しました。そこには加計学園からの報告があって、平成二十七年二月二十五日、理事長が首相と面談、理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では国際水準の獣医学教育を目指すことになるなどと説明をしている、首相からはそういう新しい獣医大学の考えはいいねと、こういうコメントがあったと書かれているわけです。このことが事実だったら、これ重大な問題だと。
 総理は、昨年、二〇一七年の一月二十日に加計学園の獣医学部新設が決定するまで加計孝太郎理事長が獣医学部の新設の意向を持っていることを知らなかったというふうに言っていました。また、今治市に獣医学部をつくりたいといった話は一切ございませんと。加計学園の設立には一点の曇りもないと言ってきました。また、疑惑が持たれないように丁寧に説明するというようにも言ってきたわけです。
 齋藤大臣は、これまでのこの総理の説明を理解、納得されているんでしょうか。
#119
○国務大臣(齋藤健君) 新しく、昨日ですか、愛媛県の文書が出てきたわけでありますが、大変恐縮なんですが、私は事実関係についてよく分からないものでありますので、個人的な思いについてはいろいろありますけれども、農林水産大臣として、この新たに出てきた文書について特段新たにコメントすることはございません。
#120
○紙智子君 国民の多くは、誰も納得もしていないわけです。到底これはもう納得できるものじゃないと思います。
 愛媛の文書どおりだったら、総理が国民と国会を欺いていたということになるわけで、これは総理の進退に関わる問題だというふうに思うんですけど、大臣、いかがですか、そう思いませんか。
#121
○国務大臣(齋藤健君) 繰り返しになりますけど、事実関係について確定できるほどのものを私持ち合わせておりませんので、しかも農林水産大臣としてここに立たせていただいておりますので、特段文書についてコメントをすることはありません。
#122
○紙智子君 閣僚の一員であり、そして獣医学部に関わる、獣医師に関わる問題であるわけでありますから、だからコメントできないということにはならないと思いますよ。
 獣医師は農水省が所管省庁なわけですよね。農水省から内閣府への出向者が関与していた疑いもあるわけです。出向者がどういうふうに関与したのかという聞き取りをするべきではありませんか。
#123
○国務大臣(齋藤健君) これも、そこに書かれているのはたしか四月二日の件ですかね、あの文書に書かれていますのは。これも、五月十日に内閣官房から指示がありまして、当時、我が省から官邸に出向した職員に直接確認をするということでありましたので確認をしたところ、本人は、三年も前のことであることから、出席していた認識はあるんですけれども、具体的なやり取りについては記憶に残っていないということでありますので、私の方からは、何かその推測をしたり、足したり引いたりすることなく、そういうヒアリング結果だったということを申し上げさせていただきたいと思います。
#124
○紙智子君 あのね、記憶がないで済ませられないことだと思います。しっかりと聞き取っていただきたいと思うし、思い出していただきたいと思うんですね。
 なぜ今治市に加計学園の新設が認められたのか。総理の意向、総理案件だから、だから認められたという疑いはますます濃厚になっていると思うんですよ。この問題を解明しないまま法案の審議だけどんどん行こうなんというのはもってのほかだと思います。
 加計学園の関係者を呼んで、是非、獣医師に関わる集中的質疑を要求しておきたいと思います。委員長にお願いします。
#125
○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議をいたします。
#126
○紙智子君 それでは、法案の質疑に入ります。
 安倍晋三首相は、施政方針演説で、「戦後以来の林業改革に挑戦します。」と言われました。戦後以来ということですから、これ、戦後林政の大転換になると思うんです。何を転換するのかと。
 これまでの林業経営は、森林経営は、森林所有者による自発的な施業を国、都道府県が支援するスキームだったわけです。これからは市町村が主体的に関与する仕組みにすると。言い方変えれば、これ、公権力を行使して関与するスキームに変えるということになるんだと思いますけれども、いかがですか、大臣。
#127
○国務大臣(齋藤健君) 確かに、総理が施政方針演説で戦後以来の林業改革ですか、そういう表現を使ったと思いますが、我が国の森林が、戦中戦後の木材需要を受けた過剰な伐採による荒廃期を経て、その後、昭和四十年代にかけて積極的に植栽を行い、近年ようやく資源の造成期から主伐期を迎えつつあると。こういう環境変化の中で、資源造成のために、林業は間伐を中心に行われてきたことに加えまして、木材価格の低下などにより林業が勢いを失ったということで、林業の発展のみならず森林の公益的機能の維持にも支障が生ずる、そういうことが懸念される事態となってきたと。
 このため、森林・林業の現状を抜本的に改善をして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立ということを図ることが喫緊の課題になってきたということで、このことを総理大臣の施政方針において述べられた戦後以来の林業改革という表現で表したということだろうと思います。
 そのための具体的な方策としては、本法案において、経済ベースに乗る森林については林業経営者に集積、集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理をするということで、こういう新たな森林管理システムが必要であり、それを創設をお願いをしているということであります。
#128
○紙智子君 森林所有者が自発的に施業を行う仕組みを市町村に移すということだと思うんです。従来のスキームをそういう意味では抜本的に変えることになると。
 次に、法案の説明資料についてお聞きします。
 昨年六月九日に閣議決定された基本方針二〇一七年で、意欲ある持続的な林業経営者という言葉が出てくるんですね。ここでは、小規模であるかどうかまでは書いていないんですよ。一方、十一月六日の規制改革推進会議、未来投資会議は、小規模零細で意欲を失っている森林所有者というふうに、対象が小規模で零細な森林所有者に絞られていると。
 林野庁は、新しく法律を作るために、三年前、二〇一五年に行った森林資源の循環利用に関する意識・意向調査というのを持ち出して、森林の経営意欲は低いというのが八割もいることを強調しました。しかし、現状維持をしたいという七一・五%の人を含めて森林の経営意欲が低いと説明したために、みんなから批判を受けて、資料を書き直しました。
 なぜ安易にこの意向調査を使ったんでしょうか。それは、小規模零細で意欲を失っている森林所有者という、言わば未来投資会議の指摘に合わせて、意欲が低い森林所有者がたくさんいるんだということを意図したからではないんですか。
#129
○政府参考人(沖修司君) 日本のその森林の所有構造を見てまいりますと、主に十ヘクタール未満の森林所有者というのが全体の九割を占めてございます。こうした者について小規模の森林所有者ということで考えてございまして、そうした中において、森林経営計画ということで、これ二百二十万ヘクタール、先ほどの資料の中にもございますけれども、二百二十万ヘクタールの既に集積が終わっているところもございます。
 ただ、これがなかなか進まないということを結果的に併せて照らしてみれば、小規模のところがなかなか進んでいないという判断を我々はして、こういう形で同じように考えているところでございます。
#130
○紙智子君 衆議院で、現状維持したいという人を含めて経営意欲が低いと説明したことに批判が高まると、この森林の経営意欲が低いというのを経営規模の拡大への意欲が低いというふうに修正したわけです。しかし、森林資源の循環利用に関するこの意識・意向調査では、経営規模の拡大をしたいというふうに答えた人というのは一四・六%だけなんですよね。
 だから、規模拡大することが法案を提出する理由になるんだとしたら、これ、現状維持を望む人というのは法案の対象から外されることになるんじゃないですか。
#131
○政府参考人(沖修司君) 今回の法案でございますけれども、最初に、今日、委員会の始まる前にお話をさせていただきましたけれども、私たちといたしましては、この現状維持を一律に、この現状の者を一律に経営意欲が低いとする整理、今、表現ぶりの誤解を与えたという御指摘を受けたわけでございますけれども、今回の法案の趣旨は、経営意欲を低下している森林所有者、こうした人たちのところを誰が担っていくか、それをポイントにして法案の要件として考えてございますので、経営の規模を維持したい、現状を維持したいということではなくて、やはり我々としては経営規模を拡大をしたいといったところに着目をして今回の法案の整理をしているところでございます。
#132
○紙智子君 支援する対象をやっぱり規模拡大する人だけに絞っていくことになるんだと思うんですよ。多数の森林所有者は外されることになっていくんじゃないかと思うんです。小規模零細という言い方をした未来投資会議の指摘に合わせた立法ではないかと、これは、というふうに思います。
 規模拡大を志向する人には手厚い支援が用意されているわけですよね。今回、独立行政法人農林漁業信用基金法が改正されるわけです。概要では、林業者等が経営規模の拡大を図るために債務保証をするというふうになっています。経営規模を拡大する林業者等を支援するための改正ですよね。
#133
○政府参考人(沖修司君) 委員御指摘の話でございますけれども、ちょっと前へ戻りますけれども、現状を維持したいという方については、これまでどおりきちんと森林整備、林業をやっていただきたいと我々は考えてございます。こうした方々に対してもこれまでどおりの支援を続けていくということが基本でございます。
 また、今御指摘ございました農林業信用基金法についてでございますけれども、これは、従来やっている方も当然踏まえて、特に林業を森林経営者がその意欲と能力に応じて効率的、安定的に行えるようにするために行うということで、具体的には規模を拡大したいという方も含めてこういったところに着目してやるということを考えております。
 そのためには、やっぱり経営者が高性能林業機械の導入などのコストを削減を図りながら安定的な林業経営を行うことができるように、支援とか、それから資金調達の円滑化、こうした経営の環境を図るということが重要であるというふうに考えておりまして、こうしたことを踏まえて、本法案では、林業者の債務保証を長年行ってまいりました農林業信用基金が蓄積しております知見を活用するとともに、債務保証をより利用しやすいものとなるように見直しをすることで主に林業経営者の安定的な事業規模の拡大を支援するということを目指すものでございます。
#134
○紙智子君 ですから、債務保証の対象の拡大というところに、林業を営む会社が債務保証を受けるための資本金に係る要件を一千万円以下から今度三億円以下に引き上げるわけですよね。これってかなり違うんですけど、どうしてですか。
#135
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 これは、意欲と能力のある林業経営者と普通の人たちも全部条件は一緒でございます。
#136
○紙智子君 条件は一緒と言うんだけど、やっぱり一千万以下というのは、やっぱり小さな規模が多かったからなんじゃないですか。だけど、三億まで拡大していくということは、やっぱり大規模なところも対象に広げていくということが想定されているんじゃないですか。私、これ、林業の成長産業化というのは、まさに規模拡大路線なんだろうと思うんですね。
 それから、森林所有者の責務と市町村への経営管理権の集積についてもお聞きします。
 法案では、森林所有者に適時に伐採、造林又は保育を実施するその責務を負わせて、市町村に森林所有者の経営状況の見極めもさせた上で、経営管理できないと判断したら取り上げるということになる内容です。しかも、森林所有者が不同意でも取り上げるというふうに言っているわけですね。
 なぜ不同意でも取り上げるのか。衆議院の質疑では、林野庁長官は、それは経営管理集積計画の作成に支障が生じるからだというふうに答弁されているんですけれども、こういうのを強権的と言うんじゃないですか。
#137
○政府参考人(沖修司君) まず、森林経営管理法案におきまして、その所有者なしに経営管理権を設定する特例のことでございますけれども、これにつきましては、森林の経営管理の意欲が低い所有者の中には市町村と行う調整に係る手間を敬遠して不同意の意思を表示する者とか、同意、不同意すら明らかにしないような者も存在すると思われまして、経営管理権の取得に支障が生じることが想定されるところでございます。
 このために、本法案におきましては、森林所有者が市町村の定める経営管理権集積計画に同意しない場合でも、市町村の長による勧告、それから都道府県知事の裁定等の一定の手続を経まして市町村に経営管理権を設定することができるようにしたところでございます。
#138
○紙智子君 まだ所有者が分からなくて、捜してもなかなか分からなくてという場合、致し方ないのかなというふうにも思うんですけれども、こうやっていて、同意が得られないと、得られない場合でも支障を来すからということでこれをやるというのは、やっぱり強権的だというふうに言わざるを得ないんですね。意見を述べる機会はあるんだというふうになっているけれども、しかし、それもたった二週間だけですよね。
 市町村の仕事に支障が出るという理由で取り上げる、これはやっぱり私は強権的だと、そのものだというふうに言わざるを得ないんです。自発的な施業、森林所有者の経営権に介入することになるんだというふうに思います。
 ちょっと角度を変えて質問したいんですけれども、森林所有者に経営意欲がない、規模拡大意欲がないということだったら、例えば山を買い取るという方法もあるんじゃないかと思うんですよね。森林吸収源対策税制に関する検討会の中では、森林の売却、寄附に関する問合せを受けたことがある市町村及び森林組合の割合が、それぞれ約三割、約七割と答えています。
 小規模零細で意欲を失っているというのであれば、市町村が買うまでもなく、規模拡大したいという意欲も能力もある林業経営者が買い取ればいいんじゃないかと思うんですけれども、これはいかがですか。
#139
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 森林所有者から買い取ってもらいたいとの申出があった場合のお尋ねでございます。
 本法案によりまして、経営管理権の設定の対象とはなりませんけれども、こうした場合なりませんけれども、市町村がまず寄附を受けたりという、そういう場合もあると思いますし、それから、森林の買取りの意向がある林業経営者に紹介するといったような対応が考えられるものと想定してございます。
#140
○紙智子君 ちょっともうひとつ分からないんですけれども。意欲も能力も持っていて、それだったら、山持っている方で大変だと思っている人で、いっそ買ってくれたらいいという人もいるんだと思うんですよ、中には。だけど、買い取るというふうにはならないようにしているじゃないですか。あくまでも、その管理権だけでしょう。それはどうしてなんですか。
#141
○政府参考人(沖修司君) 今回、その所有権の移転をしていないことのお尋ねだと思います。
 これまで森林法を改正いたしまして、森林所有者が不明な場合でも間伐の代行を可能といたします制度など、所有権の移転を伴う制度を整備してきたところでございますが、残念ながら、これまで実績がなくて、制度が活用されていない状況にございます。これは、森林所有者が所有権の移転に難色を示すことが多いこと、それから、このため行政側も所有権移転を伴う措置の執行に慎重になることなどが要因として考えられるところでございます。
 このため、本法案では、所有権移転を伴わないが市町村が実質的に処分が行える権利として、経営管理権を設定する制度として創設したものでございます。
#142
○紙智子君 結局、意欲と能力もあるのに、山を買うことまではしないと。なぜか。それは、売買をあっせんしないというのは、まとまった山でないとコスト削減ができない、あるいは税負担もしたくないということがあるんじゃないかと。つまり、リスクを負うことになるかもしれないと。そうであれば、結局、森林所有者の状況については、その所有者を置き去りにしたまま、勝手なやっぱり理屈ということになりかねないというふうに思うんですよ。
 まだまだちょっと、この後も素材生産者の問題もあったんですけれども、時間になりましたので、次回またこの続きはやらせていただきたいと思います。
 終わります。
#143
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 森林経営管理法並びに環境税関係について、少しく質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今までいろいろありましたけれども、一番一つ関心があるのが、建築用材でA級であるとかB級であるとかC級であるとか表現されるんですが、私は実は、鹿児島で超A級という言葉を使ったんで、こういう木材もあるのかいと聞いたら、いや、行政用語で超が付く材はありませんと、こういうことでしたので、これやめまして。どういうふうなランク付けで、A材、B材、C材、D材、一本の木からいろんな材が出るというのは承知しておりますが、大体どういう区別の仕方でA、B、C、付けてあるんでしょうか。
#144
○政府参考人(沖修司君) 我が国の森林資源は、戦後造成されました人工林を中心に充実してきております。今、委員御指摘のようなそのA、B、Cの区分でございますけれども、保育期に生産されましたまず間伐材、これは曲がり等が多うございまして、こうしたものについてはB又はC材、こうしたものが中心だったと思います。
 また、これから主伐期を迎えていきますけれども、通直な、それから柱とか板が取れるようなものを、建築用材として使えるものが取れるものはA材と称しておりまして、これからは、主伐期に至りますとこのA材を中心にしまして、あと林分によりましてはB材、C材も同じ森林から出てくるということと承知しております。
 林業の成長産業化におきましては、A材のみならずB材、C材も含めまして山側から生産されますので、このマーケットインの発想によりまして需要拡大に結び付けていくということは非常に大切だというふうに考えてございます。
 具体的には、さっき申し上げましたA材という柱などの製材に使われる材でございますけれども、通直な材でございます。品質や性能の確かなJAS構造材の活用促進とか、新たな製品開発による非住宅分野への利用促進に向けた支援を行うとか、それから、B材、集成材の基になりますラミナとか合板に使うものでございます。こうしたものにつきましては、大規模需要者のニーズに応える集成材や合板等を低コストで安定的に供給する体制整備への支援をしていく。それから、C材については、主に木質バイオマスを地域内で持続的に活用する地域内エコシステムの構築への支援等によりまして需要拡大を図ってまいりたいと考えております。
#145
○儀間光男君 ありがとうございました。
 要するに、一本の木から、ほぼ同じ太さの部分、いわゆる柱になったり板になったり、その部分まではA材とし、あれ小さくなっていきますよね、先へ行けばね、その部分とか枝打ちした枝などをB材と称して、あるいはそれをバイオマスに使うとか、こういう区分の仕方で理解していいんですか。一本の木からですよ。
#146
○政府参考人(沖修司君) 今委員御指摘のように、一本の木から通直な部分、それからその上の細くなったところを例えばB材、C材として利用していくという考え方と、それから、一つの森林、林分の中においても、真っすぐな木もあれば曲がった木もある、太い木もあれば細い木もありますので、その一つ一つの木によってA材だけのもの、B材しか取れないものといったものがございますので、一概に一本だけのことで言っているわけじゃなくて、林分全体で考えて、A材がこれから主伐期には多く出てくると、それに伴ってB材も当然含まれておりますので一緒に出てまいるということを申し上げたわけでございます。
#147
○儀間光男君 要するに、牛で考えると1から5までありますね、A1とかA5とかA4とか。同じ牛でも部位によって、あるいは脂の乗り具合、網の掛け具合、光沢の違いでA、B、C付いていくわけですよ。そんなような感じでいいんですかね。
 例えば、じゃ、少し曲がった木は、やや曲がっている木はどうなるんですか。B材でバイオマスに使うとか、こんな感じですか。
#148
○政府参考人(沖修司君) ちょっと私お肉の方はよく承知しておらないので何とも申し訳ないんですけれども、一つの林分において、これから主伐いたしますと、この木の固まりである森林、森林から見てみますと、主伐というこれから伐採に適したものになってくると通直な、木も太くなってまいりますから、製材用のもののウエートが高くなってきて、B材と呼ばれる合板、集成材用のものは、間伐のときはそれがほとんどですけれども、主伐のときはそれは一定量は出ます。あと、C材と言われる枝葉とか曲がりのもっと曲がった矢高の高いところについては委員おっしゃるようにバイオマスといったところに回っていくものになるということが、大体そういうふうに森林の伐採においては起こってまいります。
#149
○儀間光男君 外材が丸太の状態で来たり、あるいは製材されて付加価値を付けて来たりすると思うんですが、外材の中にも、外国材もこのA、Bなんて区分けはあるんですか。
#150
○政府参考人(沖修司君) このA、B、Cに分けてこうした対応をしておりますのは、日本の建築様式、主に軸組み工法に基づいてやってきたものに対応しての考え方と理解していただいて構わないと思います。主に日本の、主に柱として使うところを、A材でございますけれども、そこが一番実をいうと価格が出るところでございます。そういったものに主点を置いて日本の林業というのは育成を整備をしてきた歴史がございますので、そうしたところのものをA材、それ以外の途中経過のもの、間伐材などをB材、主伐で出てくる矢高のあるものをB、C材というふうな扱いでやってございます。
#151
○儀間光男君 よく分かりました。
 少し関連して、興味のある点を少し聞きたいんですが、木材は主伐期を過ぎて更に長い間手入れをして百年物、二百年物、三百年物にしていけばなお高価なものになるということでございますけれど、これ神宮備林、式年、何だ、あれで使う大きな古い木がありますね。あれは栽培どうしていらっしゃるんですか。それとも、指定の山を国が指定して、あるいは林業者を指定して育成しているのか。その辺どうですか。
#152
○政府参考人(沖修司君) 伊勢神宮の式年遷宮に係る資材の調達の件だと思いますが、主に大径材を使うわけでございますけれども、現在は伊勢神宮の近辺にあります神宮備林においては材を供給することはまだできない状況にございまして、主に中部森林管理局、国有林ですね、国有林のヒノキの大径材を供給しているところでございまして、この供給に当たりましてもサイクル、資源循環が図れるように、資源が枯渇しないように配慮しながら、安定的に供給できるように現在取り組んでいるところでございます。
#153
○儀間光男君 いわゆるこれは、あれですか、国が、林野庁か宮内庁か、国が国有林を持っていて、そこで育成していくと、そういう理解でいいんですか。民間とか市町村でやっていなくて。
#154
○政府参考人(沖修司君) 委員御指摘のとおり、これは国有林野事業、国でございます。国が自ら所有する国有林野がございますので、土地が、森林がございますので、そこで育成管理をしているヒノキ、これを売り払っているところでございます。
#155
○儀間光男君 無理だとすると分かりませんでいいんですが、大体、次の式年、伊勢神宮あるいは出雲大社や神社仏閣があるわけですが、必要なための部材として、本数にしてあるいは面積にして、何か資料ありましたら。
#156
○政府参考人(沖修司君) 式年遷宮に使用されます、御用材と呼ばれていますけれども、主にヒノキの大径材で、直径が大体三十センチ以上のものでございます。これにつきましては、一回の遷宮に使用する御用材材積はおよそ一万立方、丸太の本数で約一万二千本とされていると聞いております。
#157
○儀間光男君 要するに、今育成している山でこれぐらいのものは確保できて、育成中であるという理解をしたいんですが、それでいいですか。
#158
○政府参考人(沖修司君) 国有林を中心に、大径材について、まず国有林においては、ほかでは供給がし得ませんので国有林でこの御用材を育成管理をしてございますし、全国に、伊勢神宮も国有林だけでは集められませんので、いろんな手を尽くして必要な部材は集められていると聞いてございます。
#159
○儀間光男君 ありがとうございました。
 次に移ります。
 この林業政策の中で、森林所有者は第三者の委託、つまり組合であるとか市町村であるとか、そういうところに管理を分離してやっていることから中山間地の林業行政が廃れていったというようなことも言う方がいらっしゃるんですが、林野庁として、これについて、なぜ中山間地の林業が廃れてしまったのか、そういうことの主たる要因をどういうふうに捉えておるのか、お答えいただきたいと思います。
#160
○政府参考人(沖修司君) 我が国の森林は、戦中戦後の木材需要を受けた過剰な伐採によりまして荒廃をいたしました。これを経まして、その後、昭和四十年代にかけて積極的に植栽を行いまして、最近になってようやく資源の造成期から主伐期を迎えつつあると認識してございます。この間、資源造成のため、林業は間伐を中心に行われてきたことに加えまして、木材価格の低下などによって林業が勢いを失ったことで、林業従事者の高齢化も相まりまして、山村の人口が減少をし、中山間地域といったところに影響が出ているというふうに考えてございます。
 このため、本法案で新たな森林管理システムを創設することによりまして、林業に適した森林を意欲と能力のある林業経営者にしっかりつなぎまして、そして、これらの森林において林業がきちんと営まれるようにすることで森林所有者や林業経営者の所得の向上と林業の持続的発展を図って、中山間地域を活性化してまいりたいと考えております。
#161
○儀間光男君 要するに、我が国は山国ですから、三分の二は山だと、こう言っていますから、その中山間地、ここが果たす役割というのは、田んぼにしろ畑にしろ、この山林にしろ、相当の貢献度があると思うんですね。だから、大事な部分が衰退していって、そこに施策を打たないということは、国土を壊していくというようなことにもつながっていく可能性がありますから、ここはしっかりとして、将来、中山間地でも、林業でもなりわいが立つんだと、後継者も育つんだというような施策を具体的に打っていかないというと、何か皆、大規模集積していく中で廃れていくのをほっておく、置き去りにしてしまうというような雰囲気が一連の法案で出てくるんですよね。そんなことのないよう、大臣、何かいい方法ありましたら決意をしていただけませんか。
#162
○国務大臣(齋藤健君) 今回の法案は、まさに今、儀間委員が御指摘されたものにも応えるものになっておりまして、このままいけば中山間地含めて森林の荒廃がより一層進んでしまうと、そうすると、また中山間地に住まわれている方もより一層過疎化が進行してしまうということもありますので、ですから、経済ベースに乗るものは何とかほかの林業経営者でやってくださる方にやっていただいたらどうかと。
 それから、それが経済ベースに乗らないものについては、市町村にしっかり管理をしていただいたらどうかと。その管理のためにお金が掛かるのであれば、森林環境税を創設してそれに充当していけばどうかということでありますので、今議員の御指摘にも応えるものになっているんじゃないかなと考えております。
#163
○儀間光男君 少し異論はありますが、時間がないんで進めて、また次の議論にしたいと思うんですが。
 この一連の、昨年の八本の法案、廃止法も含めて、あるいは今年の九本、日切れ法案も含めて、これは新法ですが、その改正あるいは廃止など流れ見ていると、いわゆる安倍総理のおっしゃる農林水産物、加工品、それでもって一兆円、つまり第一次産業を国際市場へ出していくんだと、成長産業として出していくんだと、国内では人口も減りますから、マーケット小さくなっていきますから、国際へ出していくんだというような法案の整備に流れがなっているという感じ、私は受けていましてね、これも大事なことであるんですが、そのおかげでどうも弱い立場の人たちが置き去りにされていくんじゃないのかなという懸念がずっとあるわけですよ。だからしつこくそういうことを申し上げているんですが、そんなことのないように、しっかりとひとつ対応をしていただきたいと思います。
 それから、先ほど紙委員からもお話があったんですが、いわゆる林業で生活ができない、したがって離れていく、不明者もたくさん出る、そこをチェックして、市町村が管理を受けていろいろやっていく。ここまではいいんですが、森林の地主不明者、この方々をどうして掌握して、市町村側に任せてもらって、あるいはその方たちは、なりわいができないからもう山を離れるよということで、木共々林地を売ってくれ、買ってくれというようなこと等はないのかどうか。
 徳永委員、資料がありましたが、北海道を中心に多くの山林が外国資本に買われている。こういうものの目的もやはりしっかり分からないんですね。だから、そういうことまで掌握して管理していかないと、日本の国土の大事な水の涵養をしたり、あるいは日本の国防のために大事な施設がある山を買われたり、そういうことがあってはならないとずっと言い続けておるんですが、そういう現状をちょっとつまびらかにしていただきたいと思います。
#164
○政府参考人(沖修司君) 委員御指摘の、今の我が国の森林・林業の現状のお話だと思います。
 おっしゃられましたように、今回の森林経営管理法案につきましては、市町村を介しまして意欲と能力のある林業経営者の方につないでいく法案で、きちんと林業の成長産業化と森林の適切な管理を両立させていくということで、これは課題の解決を図ることを目的としてございます。
 特に、森林所有者の構造が、その多くが小さい所有になっていること、また、この我々の方の資料でも御説明をさせていただいておりますけれども、ここの森林所有者の林業経営に関する意向というところで、いろいろ御指摘はいただいてはおりますけれども、林業経営を規模を拡大したいという方がいること、また現状を維持したいという方もこういう割合でいること、また、今後五年間の主伐に関する意向においてもなかなか前に進めないといった状況があるといったようなことを踏まえまして、やはり、これから林業の成長産業化を通じまして我が国の森林・林業を発達させるために、今回の法案を作って、規模の集積化を果たして林業を成長産業化に導くということで、我々としては課題の解決を図っていくということを考えてございます。
#165
○儀間光男君 いずれにしても、林業が成長産業の中に入っていって、一兆円をどこまで維持していくか分かりませんけれども、占めていくか分かりませんけど、いずれにしてもしっかりとやらなきゃならぬことは間違いありません。
 最後に、今、国産材で輸出がいろいろあって、かなりの売上げしているようですけれど……
#166
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。おまとめください。
#167
○儀間光男君 はい。韓国、中国、その他の国々で取引のある国を二、三挙げていただけませんか。
#168
○政府参考人(沖修司君) 我が国の木材輸出でございますけれども、二十五年以降、五年間で増加しております。二十九年は対前年度で三七%増、三百二十六億というふうになってございます。主にその品目では丸太が四割を占めてございますけれども、輸出先別ではやっぱり中国、韓国、それからフィリピン、台湾、アメリカで合計九割。
 最近特徴的な話を申し上げますと、アメリカに住宅用のフェンスとして杉材が出ているというところが特徴でございまして、こうしたアメリカ向けへの対応としまして、日本産木材製品の認知度を向上するために、我々としてはシンポジウムをアメリカで開催するような支援、こうしたことについてしっかり支援をさせていただいて、付加価値の付いた木材製品が輸出されるように、各企業と連携をし、またジェトロなどの関連団体とも連携しまして、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
#169
○儀間光男君 ありがとうございました。是非頑張ってください。
 通告して残ったのがありますが……
#170
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。
#171
○儀間光男君 次回に聞きたいと思います。ありがとうございました。
#172
○森ゆうこ君 まず、大臣に伺います。
 先ほど紙議員からも質問がありましたけれども、ここに予算委員会に提出をされた愛媛県の文書がございますけれども、これは御覧になりましたか。
#173
○国務大臣(齋藤健君) うちに関わるところと、それから例の総理のところはしっかり読ませていただきました。
#174
○森ゆうこ君 私が申し上げていたとおり、つまり、あの備忘録と言われていたものは復命書の添付、別紙ということでございましたけど、そういう認識でよろしいですか。
 いや、農水省に関わるところですよ。だって、平成二十七年四月二日、同席されたのは、ここにちゃんと名刺が貼ってありますよ。わざわざこの別紙のところに、相手方の中に、もちろん柳瀬秘書官もありますし、内閣参事官、文科省出向、そして内閣参事官、農林水産省青山豊久さん、ちゃんとここに七ページに書いてありますよ。ここ見たんでしょう。これは別紙は、この前のページの、六ページには名刺が付いていますし、それから五ページ目は、これ申し上げたとおり、復命書ですよ、復命書。
 復命書というのは五年保存、出張記録のところに必ず添付しなければいけない。これはもう私が説明する、私官僚じゃないですからね、言っておきますけど。復命書必ず付けなきゃ通らないんですよ、出張の旅費の精算書、そこに必ず付いているんですよ。だから、備忘録と言ったのは武士の情けだったんですよ、中村知事の。
 復命書のところに書いてあるじゃないですか。一は日時及び場所、二は用務、今治新都市への獣医師系養成大学の設置に係る内閣府地方推進室及び総理秘書官との協議、三、内容、別紙のとおり。そこの中に、農水省の、もちろん名刺も添付されていますし、別紙の中には、青山豊久、農林水産省、出向されていた内閣参事官。
 これ、だから御覧になったんでしょう。だから、これは復命書の一部だという認識でいいですか。
#175
○国務大臣(齋藤健君) これ、愛媛県の復命書について私ちょっとコメントしようがないんですが、ただ、ここに書いてある青山が当時農水省から内閣参事官として出向しており、そして、私どもが内閣官房の指示によってヒアリングをした結果、彼はこの四月二日の会議には参加をしていたということは私どもから申し上げられると思いますが、この愛媛県の復命書に書いてあるからと言われても、ちょっとコメントしようがありません。
#176
○森ゆうこ君 農林水産大臣までそういうこと言ってもらっちゃ困りますね。
 じゃ、青山さんの何の記憶もない、何の記録もないというそのヒアリングの結果、そのまま信じているということでいいんですか。
#177
○国務大臣(齋藤健君) 私は、やっぱり推測も入れず、足すことも引くこともしないで、青山、まあ青山と言っちゃいけない、当時出向していた農水省の内閣参事官のヒアリング結果をそのままお伝えをしているということであります。
#178
○森ゆうこ君 そういうの、餓鬼の使いじゃないんですからと、私もこういう言葉使いたくないですけど、もう一年やっているんで、私が怒るのも分かってください。
 それで、そのまま信じたんですか、ヒアリングの結果を。信じて、はい、聞きましたけれども何の記録もないし、何の記憶もないと言っていますって。そんなの大臣の委員会に対する報告じゃないでしょう。そんなの本当に信じているんですか。
 今治からも愛媛からも、まあ今治まだ隠していますけどね、黒塗り。今治から開けてもらえば、全部両方そろうんですよ。何で霞が関には何もないんですか。何でないんですか、四月二日、こんな重要なときの話が。
 本当にそんな何も記憶もないし記録もないという出向者の報告を真に受けているんですか。違うでしょう。あるはずだろうと聞くのが大臣の仕事じゃないですか。
#179
○国務大臣(齋藤健君) 私としてできることは本人に確認をするということ以外にできないわけでありまして、その本人がそういうふうに言っているということでありますので、私はそれをそのまま御報告をしているということであります。
#180
○森ゆうこ君 次回、別な御答弁を期待しております。
 内閣官房副長官、総理は、この十七ページの、問題になっております。各社、各局、報道されております。二〇一五年二月二十五日に加計孝太郎氏と総理が官邸で面会している、これ詳しく書いてあるわけですよね、加計学園の話として。そのことについて、今朝、マスコミの質問に対して、念のため昨日官邸の記録を調べたが確認できなかったと答弁をされておりますが、どなたがその記録調べられたんですか。
#181
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今御指摘あったとおり、総理から、御指摘の日に加計孝太郎理事長と会ったことはございませんと、念のために、昨日、官邸の記録を調べたところでございますが、確認できませんでしたと、こういう発言がありました。
 それで、記録につきましては、この入邸記録について確認をさせていただいたということであります。
#182
○森ゆうこ君 いや、入館記録は即日廃棄して、調べるものはないんでしょう。何を調べたんですか。何があるんですか。何が残っているんですか。
#183
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 入邸記録があるかないかも含めて調べて、それがなかったということでございます。
#184
○森ゆうこ君 いやいや、何を調べたんですか。何を調べたんですか。いや、探してもないものを調べたんですか。この答弁、おかしいでしょう、この説明。探すものがないってずうっと答弁してきたじゃないですか。一体、昨日、何を調べたんですか。官房副長官、調べたんですか。
#185
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 入邸記録については当初から遅滞なく破棄をしているものだということで答弁申し上げております。予算委員会でも一度総理に対して、遅滞なく破棄しているけれども、もう一回調べろという話があって、それはもう一回調べたけれども、やはりなかったという話をさせていただきました。昨日も、念のため、入邸記録、調査したところ、なかったということでございます。
#186
○森ゆうこ君 いや、それはね、まあその話もうそなんだけれども、総理がどなたに会ったかというのは全部取ってあるって、誰だっけ、タモリのテレビで、何年も前のあるって総理が言っているじゃないですか。全部記録取ってあると、総理が誰に会ったのか。総理が自分であのタモリの番組でおっしゃったじゃないですか。だから、それはあるんでしょう。それは、だって、入邸記録は全て廃棄しているということをずっと言ってきたけれども、総理はテレビで、まあ視聴率高かったわけですからね、全国民に向かって、首相官邸では当然、総理がどなたに会ったのか、記録はもう十何年前のものも全部残っていますよって堂々とお話しになっていたじゃないですか。それを調べたんでしょう。それは調べなかったんですか。私が言っているのは入邸記録のことじゃありませんよ。ごまかさないでくださいよ。
#187
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 先般、委員会で御議論がありましたので調べましたが、この番組への出演に当たりましては、事前に官邸に保管されていた新聞記事に基づいて事務方が小泉総理とタモリ氏の電話でのやり取りについて安倍総理に説明を行ったものと聞いております。
#188
○森ゆうこ君 何を言っているのか、全然意味が分からない、今の。
 ちょっと止めてもらっていいですか。
#189
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#190
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#191
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今も答弁申し上げましたが、事前に、官邸に新聞記事の縮刷版というのが保管されていますから……(発言する者あり)いや、本当ですよ、その縮刷版保管されていますから、その新聞記事に基づいて説明を行ったと。新聞記事の縮刷版の新聞記事に基づいて説明を行ったということであります。
#192
○森ゆうこ君 いや、あのね、私もユーチューブに上がっている動画見ましたけれども、いや、官邸ってすごいところですよ、ちゃんと昔のやつ全部取ってありますよと。それは首相動静の新聞記事を取ってあるという趣旨で言っていませんよ。やめてください、そういう話。
 まあ、まあ、はい、はい。そして、内閣府副大臣、どうなんですか。官用車というのは何だったんですか。虚偽記載なんじゃないんですか、どうなんですか。もう山ほど資料があり過ぎてさ。
#193
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 官用車ということでありますが、この記入が官用車となっておりますが、確認をしたところ、民間事業者の車を利用していたと推認されるということから、今この部分に関して確認をしているところであります。
 その中で、この官用車という記載でありますが、これは、書類の記載にあるこの該当欄、定期券、官用車利用など、こういう例示がありまして、旅費の不要区間、これを確認するために設けられた欄であります。よって、この旅費の支払手続上は支障がないということであります。
 その中で、これが公文書偽造に当たるのかと問われれば、これは、公文書偽造罪にということについては、法と証拠に基づいてこれは捜査当局が確認するということでありますので、内閣府としてはこの部分に関しては明確にお答えすることは困難であるということであります。
#194
○森ゆうこ君 いや、私そこまで聞いていません。いや、これ、うそじゃないですかと聞いているんですよ。うそでしょう。官用車になんか乗っていないでしょう。利害関係者の業者の車に乗っているんでしょう。それをあたかも役所から出してもらったように書くということは、これ、うそじゃないですかと質問しているんですよ。誰も犯罪を、構成要件とか、犯罪名を特定していません。
 いいから、村上さん、ささやきおかみにならなくて。
#195
○副大臣(田中良生君) これは、旅費法の問題で、ここの書類自体に官用車という部分に書くということは、これは支払の関係に関する部分であって、これは、それ自体が違法ということではないわけであります。(発言する者あり)
#196
○委員長(岩井茂樹君) 田中副大臣、再答弁をお願いいたします。
#197
○副大臣(田中良生君) これは事実確認も今している中で、この車に関しては、民間事業者の所有するものを利用しているということは、今確認をしつつ、推認できる状況にあるために、これを国家公務員倫理審査会、今全体的に相談をしていると、そういう最中でありますので、調査に関し得るこの事項の詳細についてはお答えを今は差し控えさせていただくということであります。
#198
○森ゆうこ君 まあ、こんな簡単なことにも答えられないんですかね。十四日に大臣が予算委員会の集中審議で答えていて、それから何日たつんですか。まだ推認される状況なんですか。加計学園の車に乗せてもらって、便宜供与を受けたんでしょう、それはもう分かっているんでしょう。はっきり答えてください、そこは。まだ推認なんですか。(発言する者あり)
#199
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#200
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#201
○副大臣(田中良生君) 今の御質問にあるとおり、この車両という部分は、繰り返しますが、これは民間の事業者に当たる部分ということが推認されるというところで今調査を行っている。これは、情報公開上も、この部分に関しては、相手が民間事業者ということが推認されるという中では、これを……(発言する者あり)
#202
○委員長(岩井茂樹君) 田中副大臣、答弁は簡潔に、明確にお願いします。
#203
○副大臣(田中良生君) 車両自体のことに関して公開するということは控えさせていただくということであります。
 本件、車両の提供等にもかかわらず、今昼食等を含め幅広く調査をしている、必要があると考えているところであります。それ相応のやはり時間をいただき、国家公務員倫理審査会の方で御指摘をいただきながら進めているということであります。
#204
○森ゆうこ君 あのね、もう国会をばかにするのもいいかげんにしてほしい。もうこの一年間、ばかばかしい話のやり取りで、結局私が七千八百枚の資料から一枚、女の勘で見付けた四月二日の話で、これだけね、一年間も掛けちゃっているわけですよ。いろいろ私も資料持っていますけれども、内閣府と、特に首相官邸、内閣官房からは一つも資料をもらったことないんですよ。それでもう通ると思っているんですか。
 さすがに今朝は、私、新潟朝一番の新幹線に乗ってきたんだけど、タクシーの運転手さんに車に乗った瞬間に、もうこれは駄目だよねって、もううそつくのもいいかげんにしてくれって。普通言わないですよ、タクシーの運転手さん。いきなりそう言ってきましたよ。まあ、最低最悪だ。
 私、この法案もね、これ、ちょっといろいろ問題ですよ、この法案。チェーンソー使ったことあります、大臣、林野庁長官。ああ、これ質問答えていると時間掛かるから。私はチェーンソー使えるんですよ、まき作っているから、まきストーブたいているのでね。さっきのあの答弁のあのあやふやなこと。そんな簡単なものじゃないですよ。けがしますよ、みんな。平野先生も、もうこれ大混乱になるとさっきおっしゃったじゃないですか、質問の中で。本当に大混乱になると思いますよ。
 次回、もう時間がないので、通告といいますか、主伐あるいは主伐期の定義ね。要するに、無垢材、先ほどのお話もありました無垢材を作っていくには五十年はスタートであって、百年それから先のことを考えなきゃいけないので、何か五十年になって主伐期になったから皆伐だみたいな、その主伐に応じないところは経営の意欲がないんだと切って捨てているところ、このやっぱり現状認識がそもそも間違っているんだというふうに私は言わざるを得ないと思っております。やっぱり出し直せですよ。現状認識が間違っていたら、立法事実がないわけですから法律そのものが間違いであると。そして、与党からも大混乱であるという話が出てくるということで、次回やりたいと思います。
#205
○委員長(岩井茂樹君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#206
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、参考人として山梨県早川町長辻一幸君、NPO法人ひむか維森の会代表理事松岡明彦君及び信州大学名誉教授野口俊邦君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、辻参考人、松岡参考人、野口参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、辻参考人からお願いいたします。辻参考人。
#207
○参考人(辻一幸君) 山梨県の南アルプス邑・早川町の町長をしております辻でございます。本日は、参議院の農林水産委員会にお招きをいただきまして町の状況をお話をさせていただくことができますこと、大変有り難く、御礼を申し上げる次第でございます。
 また、去る二月二十二日には、岩井委員長さんを始め今日の参議院の先生方が私どもの町へお訪ねいただきまして、地域の実情、また森林の取り巻く内容等を検証していただきましたことを、まず厚く御礼を申し上げる次第でございます。そのときはどうもありがとうございました。
 私は、今議論されております森林環境税、仮称ですけれども、この創設の運動を展開をさせていただいております全国森林環境税創設促進連盟の会長も仰せ付かって、この創設に向けて、山村の森林の再生と活性化に向かって、この度は是非この制度を導入してつくっていただきたいという長いお願いの中で運動をしている一人でございますけれども……
#208
○委員長(岩井茂樹君) 辻参考人、着席で。
#209
○参考人(辻一幸君) はい。立っている方がしゃべりいいものですから。
#210
○委員長(岩井茂樹君) ああ、そうですか。それでは、それでよろしくお願いいたします。
#211
○参考人(辻一幸君) そんな中で、いよいよその森林環境税並びに譲与税の創設も本当に国会の先生方のお力添えの下に具体化に向かって進んでいることを大変有り難く思うところでございます。
 そして、なお、本日は、それに先立ちまして、森林経営管理法案の御審議がこうして先生方の間でなされているということにおいて、本当に心強く思うところでありますし、森林環境税が導入されていく経過の中で、この制度がはっきり、所有者の権利とかあるいは森林に対する管理義務だとかそういうこと、なお、地元の自治体がその整備に向かって取り組んでいく制度の強化だとか、あわせて、その森林整備をする施業者の立場だとか、こういうことをその税制の制度に先立って管理法案がこうして制定されようとしていることを本当に有り難く思いますし、心強く思っているところでございます。
 実は今日も、その森林環境税創設促進連盟の総会が、全国町村会館で新年度の総会が行われたわけでありますけれども、地方の自治体あるいは地方議会合わせて九百の、この創設に向かっての地方自治体と地方議会の総会を行ったところでございますけれども、本当にみんな、この森林の問題についてはいよいよ明日が見えてきたなという中で、心強く思いながら、先ほど総会をも済ませてきたところでありますし、なお、今日の委員会にも私が招致していただいているということもそこで報告をさせていただいたようなわけでございます。
 私どもの町は、来ていただいて見ていただいたとおりの、まさに町とは名ばかりの早川町は寒村でございます。山梨県の南西部に位置して、南アルプスを山梨、静岡、長野の三県で分けている、あの南アルプスの広大な山岳地の中で、日本で二番目の三千百九十三メートルの北岳、そして日本で三番目の三千百九十メートルの間ノ岳という山が私どもの町の一番の最北部に位置するところであって、三百七十平方キロという町の面積は、日本の三大急流と言われる富士川の一大支流であります南アルプスを源流として流れてくる早川という川沿いに、昭和三十一年まで六か村三十七の集落が点在している寒村であったわけでありますけれども、昭和の合併で一つになって、早川の母なる川の名前を取って、当時一万数百人の町の人口があったものですから、町として、早川町としてスタートして今年で六十二年になっているところでございます。
 町のその当時の大きな産業といいますと、電源開発の中で、早川の豊富な水を使っての発電所が現在では十四、あの流域の中に出ているわけでございます。東京電力、企業局、日本軽金属、その関連の発電所が戦前戦後の発電開発の中で誕生し、なお、地域の産業は、九六%という森林を、自然林を背景とした産業の中で、発電事業への従事者、地域の跡取りの人たちの雇用の場、そして豊富な森林の搬出という大きな仕事の中で、日本全国からも当時は林業従事者が早川町の山へは移住してきてその作業に取り組んだという。戦後も、二十年代、三十年代にはそうした産業の活性化があって、よそからの流出をも含めて、昭和三十五年の国勢調査では一万五百人を今までの最高として記録してきた経過があるわけでございますけれども、六十二年たった今日に至って千二百人の町の人口に陥っているというのが早川町の現実であります。
 九千人近い人たちがこの六十年の中で他出していったり、あるいは亡くなってきてしまったというのが現実でございますけれども、この歩みの中では、どうしてこういう現象が早川町には訪れたのかと申しますと、電源開発の結果、発電所がたくさん出たけれども、それがもう四十年代に入りましたら技術革新の中で無人化、自動化が進んでしまって、十四の発電所が極端に言えばボタン一つで東京からも、県都甲府からでも操作できるようになって、発電所の運転員が全く要らなくなってしまった。ゼロに等しいような状況の中で、地域の跡取りの人たちは他出していかざるを余儀なくされた。そして、地域にはお年寄りだけが残されて、家を守り、地域を守ってきたということ。
 なお、産業の一つであった林業の盛んな時代も、四十年代に入って貿易の自由化の中で一気に日本の林業が衰退をしていく中で、早川町はその歩みの中に巻き込まれていって、そして林業意欲が停滞していく中で、あるいはよそから、日本全国から来ていた林業従事者が自分たちの国へ帰っていくような姿が四十年代には続いてきたところでございます。
 そういう流れの中で、私は昭和五十五年に町長に就任をさせていただいたわけでありますけれども、そのときの昭和五十五年の人口調査では一万五百人のピークが三千人を割っていたというようなときに町を引き継いで今日に至っているわけでありますけれども、平成の合併も、地形上少なくなった住民もよそとの合併を選択して今日に至っているわけでありますけれども、三千二百の昭和の自治体が平成の合併で千七百になりましたけれども、町としたら一番人口の少ない町として今日が存在しているという、こういう町の姿でございます。
 こうした中で、出ていった、他出した人たちが山を離れ、森林から目を向けなくなって放置林野が、ほとんど民有林の全てがそういう姿でありますし、なお急峻な南アルプス、地形の中で九六%の森林は勾配が二十度から三十度という、林業の経営については非常に厳しい条件下の中で九六%の森林が存在するわけでありますけれども、そうした中での民有林の区分を見ますと、約四〇%が民有林を占めております。山梨県の特異性から、早川町の山は九六%のうち約五〇%が県有林で占められて、この県有林の保護、管理は県の林務部がしているわけでありますけれども、残りの部分が民有林という姿の中での構成、分布でありますけれども、残念ながら、それらの民有林の状況が、ほとんど地主は他出しているし、なおかつ林業に対する投資意欲も減退している、なおかつ地域に残っている人たちは高齢化という姿の中で今日に至っているという中で、私どもは、町のこれからの活性化また存続を進めていくについて唯一の今の資源は、昔は企業が誘致することもできましたけれども、今では企業の誘致さえできないのが今日の経済状況、地域の状況でありますだけに、何としても、眠っている、また放置されている民有林をよみがえらせることによって地域が生きていける、この活路を見出すことによって地域が存続していけるし、なお上向きになるという、こういう信念の下に、林業へ主体的に役場が取り組んでいかなければならない大きな課題ではないかなと。
 資源こそ森林だという考え方の中で、平成二十二年に百年の森林づくり計画を作りまして、そして放置林野を町の微々たる財源の中でも毎年計画的に見直しをしていこうという中で今日までの取組を進めてきたところでありますけれども、やはり、その中で管理システムを、所有者と役場と、そして施業者の管理システムをやはりしっかりつくりながら、将来にわたっての手入れをした林業の在り方を考えていくのに、森林所有者あるいは町、そしてこれに手を入れる従事者、森林組合、こういう形のシステムを町なりにつくらせていただきながら民有林へ手を着けていこうと。そして、少ない財源ではあるけれども、町の財源を一〇〇%、個人の所有者にはその手入れの費用も求められませんので、一〇〇%町の財源を充当しながら、少しずつではありますけれども、この森をよみがえらせていくことが町の使命ではないかなということを取り組み出して今日に来ているところでございます。
 今回、こうした中でしっかりした国の管理システムが導入され、なお財源として国民ひとしくその森林整備へ向かっての財源を町へ譲与税として移行していただくことができたら、役場自体も活力が出てくるし、森林を見直すことによって地域が、必ず山村地域は森林地帯はよみがえってくるんじゃないかという信念の中で、早川町としてもこの制度の中で頑張り続けようという決意の中でここへ出させていただいているようなわけでございます。
 資料としてそのような中での町の資料を作らせていただいて、皆さんのお手元に配置、整備させていただきましたけれども、いずれにしても、急峻で厳しい地域だけに、人工林の林野率も非常に少なくなっているというのが現状でありますけれども、いかんせん、これらのものをよみがえらせることが町の一大仕事だろうという中で取組をしているところでございます。
 取りあえず、提案と御挨拶に代えさせていただきます。本日はよろしくお願いします。
#212
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 次に、松岡参考人にお願いいたします。松岡参考人。
#213
○参考人(松岡明彦君) 宮崎県西都市から参りましたNPO法人ひむか維森の会の代表であり、素材生産業を営んでおります松岡と申します。
 この度は、素材生産、山側の事業者の立場から意見陳述の機会をいただきましたことをお礼申し上げます。
 まず、素材生産業でありますが、端的に言えば、間伐などの森林整備を請け負ったり、森林所有者から立木を買って、これを伐採して丸太にし、需要者である製材工場等に供給することをなりわいとしております。川中、川下の木材需要者への丸太の安定供給といった役割はもとより、森林所有者さんにお金をお戻しするという意味でも最前線に立って頑張っております。
 今から十五年ほど前、当時は重機集材が急速に普及する一方、国産材産業は、また丸太の価格は低迷が続いておりました。そこで、素材生産業者の若手経営者が集まって、自分たちの代で何か変革を成し遂げなくてはとの思いで立ち上げたのがひむか維森の会であります。
 山の木を切るという作業は、一時的ではありますが、機械で山に入ることになりますので、環境にインパクトを与えることになります。また、一部の事業者には仕事の荒い者もおり、業界としてきちんとした仕事をしていかないと将来的に仕事を続けられないのではないか、林業そのものが社会から否定されてしまうのではないかという強い危機感がありました。
 こうした問題意識から取り組んだのが伐採搬出ガイドラインに関する活動です。これは、素材生産業が自ら素材生産活動に伴う環境負荷を軽減し、再造林支援を促すための取組で、二〇〇八年に会員が自主的に守るルールとして策定したものです。当時は大面積皆伐地の荒廃や枝条、残材の林外流出が新聞、テレビなどでセンセーショナルに報道されていました。そのような中で公表された伐採搬出ガイドラインは、全国初となる素材生産業界による自主規制として注目を集めました。
 一方で、本当にガイドラインを遵守しているのかが外部から分からないとの指摘も受けておりました。このため、二〇一一年に、行政や大学、市民団体、メディア等の協力を得て第三者委員会を組織し、そこでガイドラインを遵守している事業体を責任ある素材生産事業体として認証する仕組みを設けました。このような伐採搬出作業そのものの品質を評価、認定する仕組みも、やはり全国初のものでした。この四月までに二十四の事業体が認証を取得したところです。平成三十年度からは宮崎県にこの取組を支援してもらえることになりましたので、取組の輪は更に広げていくことになるだろうと思っております。
 この活動を長く続けてきたことで、鹿児島県など近県だけでなく、岩手や島根など九州以外へも広がり始めています。こうした連携の輪を広げるため、昨年九月には伐採搬出ガイドライン・サミット・イン宮崎・九州を開催し、全国の仲間に集まってもらい、それぞれの取組を紹介してもらいました。また、大分、鹿児島、宮崎など六つの素材生産事業者団体が広域連携に向けた協議会を設置することについて共同宣言を発表し、伐採搬出ガイドラインの取組を全国に広げていくこととしております。ちなみに、今年度は鹿児島県の方で伐採搬出ガイドライン・サミットを開催する予定です。
 素材生産業は、先人が営々と植え育てた山の恵みを有効に使わせていただくことで成り立つ仕事であります。利益の面からのみ言えば、余計なコストは掛けずに、雑に道を造り、要らない木は切り散らかしておいた方が正直もうかります。しかし、このようなことでは営々とした森の循環が途切れ、長期的には資源が枯渇し、業そのものとして成り立っていかなくなります。余すところなく山の恵みを使わせてもらい、森林所有者に還元することで次世代の山をつくっていく。
 我々、山に携わる者として何をすべきか、どうやったら問題が克服できるかについて議論する場、未来の林業セミナーも二〇〇九年から続けております。いずれも、杉素材生産量日本一の宮崎県で林業を循環可能な形で森林所有者から消費者までが皆利益を受けられる産業にできなければ、どの都道府県でもできないとの使命感から取り組んでいるものです。
 最後に、今回の法案について意見を申し述べさせていただきます。市町村による経営管理権の設定と、意欲と能力のある林業経営者についてであります。
 戦後、営々と植え育てられた森林が今収穫期を迎えておりますが、宮崎においても、森林所有者の不在村化、森林経営の関心の低下などにより放置されている森林が増えてきていると感じております。そのような森林所有者からすれば、幾分の収入にはなるかもしれないけれども、えたいの知れない業者に任せてしまうと山が荒らされてしまうのではないかとの危惧を持っている方も少なからずおられると思っております。
 このような中、地域における身近な公的機関として信頼できる市町村が仲介をして、再造林を見据えた適切な施業を実施する信頼の置ける業者につなぐ仕組みとすることは、森林所有者にとっても安心ですし、山も守られることとなります。市町村が集約化をすることで、効率的に施業に取り組むことができます。
 我々ひむか維森の会も、造林を実施する森林組合等ときちんと組むことで、この意欲と能力のある林業経営体として選定いただけるよう努力してまいりたいと考えておりますし、このことが、優良な林業経営体が選択される、生き残っていける新たなツールを提供していただけるものとして大いに期待しているところであります。
 なお、このことで不適切な施業を行う業者が排除される土壌が形成されれば、近年問題となっております誤伐、盗伐問題への強力な解決策の一つにもなるものと考えております。
 我々、素材生産事業体といたしましても、この新たな仕組みを活用して、森林資源を持続的、永続的に利用できるような森林の取扱いが進み、林業が産業として発展するとともに、信頼の置ける事業体としての地位が確保できるよう努力してまいる考えでございます。
 御清聴ありがとうございました。
#214
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 次に、野口参考人にお願いいたします。野口参考人。
#215
○参考人(野口俊邦君) 野口でございます。
 私も、十年前まで一時間半の講義は立ってしていましたので、どうも座っては何となく気分が乗らないものですから、ちょっと立ったままでしゃべらせていただきます。僅か十五分でもありますから。
 一応科学者の端くれとして、一番大事なことは、データを正しく読むということ、そして現状を正しく分析するということ、これがなければ科学たり得ません。政策も一つの科学だと思います。そういう点からすると、今お二人が賛同の意見を述べられましたけれども、私の場合には、このデータに基づいたこのような考え方には賛成しかねると、もう一度しっかりと検討をし直してほしいというのが結論であります。
 自己紹介のところの中に、私、林業経済学会というその分野におりまして、もろにこの分野は専門の領域でもあります。特に、中小林家論ですとか、実はこれは私の学位論文の内容であります、それから林業労働者論、それから森林組合論、そして近年では、近年といいましてももう定年前の話でありますけれども、国有林野論というようなことをやってきておりますので、その立場からしてもいろいろと問題があることを指摘させていただきたいというふうに思います。
 なお、社会活動の中にちょっと紹介しておりますのは、田中知事という、ちょっと、小説家でもありますけれども、何となくクリスタルな人でありますけれども、この方の知事時代に私は公共事業評価監視委員会の委員長を命ぜられまして、そしてできるだけ公共事業の無駄な部分を排除していこうということで脱ダムということを行いまして、八つの建設予定だったダムを全部ストップさせました。後でまた次の知事の人が一つ復活させましたけれども、そんなこともやったりしまして、そして木の文化をできるだけ浸透したいということで、木による治山工事の土止め工ですね、それから沈床木工といって、川の中まで全部三点張りにするんじゃなくて、下の方は魚がすみやすいように木で造ったものを下に敷こうとか、いろんな工夫をしたりして木の利用を促進すると、そういうこともやってまいりましたので、これも後の話にちょっと関わってくるかと思います。
 さて、今回の森林経営管理法であります。
 これは、先ほど現場の中からこれに対する非常に期待も強いというお話がありました。もちろんそういう声がないわけではないと思います。なぜならば、今、森林・林業が極めて危機的な状況にあって、何とかしてくれないかという切なる思いからだと思います。だけど、それに応えるのに、果たして市町村が主体になり、そこに素材業者をあっせんしてという形でなり得るのかと。
 これは、林業経済をやってきた立場からしますと、日本の林政の、特に戦後の場合には、御承知のように基本法林政というのが一九六四年、旧基本法です、林業基本法、そこで林業総生産の増大ですとか生産性の向上という、言わば産業政策的な方向を追求しました。その後に出てきたのは何かといいますと、森林所有者の中小林家的なものではなかなか担えないと、そこで、その所有者の協同組織である森林組合、ここに資本装備を集中させて、機械も集め、そして作業班なる労働組織もつくってもらって、そこでやっていこうという、言わば所有者サイドに立った担い手論、これが基本法林政でありました。
 そして、この基本法林政は、その後、林業がなかなか成り立たないという外材体制の中で非常に難しい、そして他方では森林に対する多面的機能というものに対する国民の期待も強まりました。そこで、二〇〇一年に森林・林業基本法と、ここには森林の多面的機能を重視すると。その多面的機能の中には、どちらかというと木材生産よりは水源涵養ですとか、あるいは災害防止ですとか、あるいは動植物の野生の宝庫であるとか、あるいは人間の保健休養の場であるとかといったようなものを含め、そしてそれに木材生産も含めた多面的機能という言い方でありました。そういう形で来たときに、そこには産業政策といいましょうか、木材生産を中心とするという考え方は大きく後退したわけであります。
 つまり、国民の世論調査をやっていけば、一番から十番までにずっと三つほど選択肢を与えて、何に期待しますかというふうに並べると、もう二十年以上も前のデータでは、最初の方は木材生産が上位の方にありました。それが年々年々下の方に来て、そして、いや、最近またちょっと上がってきましたけれども、それでもまだ四位ぐらいのところであります。やはり一番大きいのは災害防止とか、こういったいわゆる森林の多面的機能と言われるところが圧倒的に多い。これ、国民の要請だろうというふうに思います。
 そこで、この現場の声とはちょっと違う形でのこの法案がなぜ出てきたんだろうかというときに、この中にも書いておりますように、規制改革推進会議ですとか、あるいは未来投資会議だとかいう、こういった成長戦略として林業を位置付け直そうという、こういう考え方、どちらかというと官邸主導といいましょうか、というような考え方が現場の声をうまく利用しながら出てきたような側面は、私、拭えないと思います。現場の声が全くないわけではないけれども、しかしちょっと違った形に、つまり従来の担い手であった森林所有者やあるいは森林組合という、こういうものがいつの間にか後ろに下がってしまって、素材業者という、これはもちろん木材生産の主たる担い手ですから大事なものであります、しかし、そこにいきなり主役の座を持ってきても、その体制はでき上がっていないというのが現実だと思います。
 ですから、そのために、じゃ、市町村を介在させるとか、あるいは都道府県を介在させるといっても、これはまた無理であります。なぜなら、もうここの委員会、ここと言いましても、衆議院の場合の速記録等を見ましてもありますように、今、日本全体で市町村数は確か千七百ぐらいあろうかと思うんです。そのうち、市町村が林業の専門職員数として持っているのは約三千名と言われています。つまり、一か所当たり平均でいえば二人にならない。ゼロのところから一人ぐらいのところが圧倒的に多いと、こういうデータであります。私、長野県におりますけれども、長野県でもそういうことであります。
 つまり、市町村にいろんな担い手の中心になる、あるいはあっせん業務をしてもらうといったって、これ、恐らく今度は地域林政のそういう相談役が出てくるからという言い方をしても、そんなに簡単に切り替わるものではありません。
 林業というのは、皆さんも御承知のように、ぱっと変わるものではありません。百年の大計を立てて、それに立って担い手をどう措定していくか、それに対する支援策をどうするかということによって初めて成り立つものであって、今度は杉駄目だからヒノキにしようとか、それも駄目だから広葉樹にしようとか、今まで皆伐していたのを天然林施業にしようとか、こういう猫の目林政的なことが少し多過ぎました。猫の目農政と言われますけど、猫の目林政は、これは間違いです。百年を論じなくてはいけません。
 そういう意味でいえば、五十年ぐらいで切ってもう回していくような短伐期的な施業ではなくて、もう少し長い目で見た施業、それも公有林あるいは市町村有林、それから国有林、そういうもの全部合わせて全体としてトータルに長い期間を掛けてやるようなやり方をしなければ、これは恐らく無理であろうというふうに思います。
 もうデータのことは申しません、ここに書いておりますのでね。これは一旦引き下げられたようですから。これはちょっと、幾ら誰が見たってそんな読み方はできないですよ。もし私が学生にこのデータを与えてここから読み取れるものは何かといって、もし今回のことを国会議員の先生たる者が出したら、これはもう国会にも失格であります、はっきり申しまして。つまり、いや、国会は今審議していただいてますから、そこでまたもう一回失敗するようじゃ失格だという意味であります。そういうことで、データは正しく読んでいただかなくちゃいけないということであります。
 特に申し上げたいのは、森林所有者、彼らはこのデータを私が、私がというよりも、国民、平成二十七年度のこのデータ、つぶさに見させていただきましたけれども、これが基なんですよね。ここにあるのは、よく頑張っていると、非常に厳しい中でよくここまで耐えているなというのが印象であります。意欲がないなんていうのはこれ失礼ですよ。現場の方とよく話し合っていただきたいというふうに思います。
 こういうことで、まずこれは撤回すべきであるというのが一点と、それから、この管理法の一番大きい問題は、個人の山を自分たちの長いスパンの中で見ていく、今はちょっと切る必要がないとか、あるいは手入れるにしても大体済んだから今必要ないとか、これ一つの経営判断ですよ。それを、今、まあ間違ったデータに基づいて経営意欲がないなんというような形を言われれば、これは所有者は恐らく怒られると思いますよ。そういうことで、それは困るし、市町村にもそれは担えないということ。それからもう一つ言えば、県もこれ担えません、はっきり言って。
 実は私、もう一つ関わっているのは長野県の大北森林組合の補助金不正受給問題、これの民間における調査団の団長を仰せ付かってやっておりますけれども、地裁判決がもう出ましたけれども、何と言われているかというと、結局、補助金をもらった、そして道ができているはずだと。跡地検査が冬場の雪の中でできないと。それで闇繰越しという形で、現場検証をしないでそのまま見逃したために、数年にわたって十何億という不正受給問題が起こったんですよ。これ、なぜできなかったかといえば、県庁の人たちが今は現場に張り付いて指導するという体制がないんです。各地方事務所に集中管理方式であります。こういうことをやっているのが今の県で、長野県だけが特別だとは思いません。割と山に関しては熱心な県でもあるんですけれども、そういう問題が起きました。
 ということですので、是非これは県も市町村ももしそこにあるいは素材業者も担い手たる資格を有する者だということであれば、それに対するまず底上げをしようではありませんか。それからでなければ急には無理だということです。
 森林環境税のことも一言だけ申し上げておきます。
 長野県でも数年前に、もう今度、三回目繰り越しましたから九年目ですかね、にこれをつくりました、県版を。そのときにも十分な議論がなされませんでした。山関係者は、待っていましたと、好意的に補助金いただけるんだというのでもろ手を挙げて賛成しました。山の専門家である私は、これはおかしい、待てと。なぜならば、目的税として出されてくるべきものだったのが、実は上乗せ、超過課税方式ではあるんですけれども、それによってお金を皆さんからいただきました。その後、何年かたって、皆さんに私は、森林環境税を納めているということを知っていますかと。知っている人、ほとんどいないんですよ。
 税の一番いいところは、痛みを感じないままにすっと取るというのが、これが税の極意だそうです。今回のものも十分議論されて、一人千円ですか、もうこれは決まってはまだいないのかもしれませんけど、そういうことのようですね。そういうふうな形は、よっぽど皆さんと合意が形成されなければ駄目だと思います。日本の森林を都会の人も含めてみんなで守ろうよという合意があって初めて皆さんが支える気持ちになると、五百円でも千円でもそれは出しましょうという形になるんだろうと思うんです。
 そういう一定の、何といいますか、合意事項、前提条件というのをクリアしながらやらないと、政府の目的によってそのとき何とか乗り切ればということでは、山の政策は間違いなく失敗します。そして、山の政策を失敗したら、これは数十年、負の遺産です。農業と違います。そういうことも含めて、是非慎重なる御検討をいただければというふうに思います。
 御清聴ありがとうございました。
#216
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#217
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 本日は、三人の参考人の方々から貴重な御意見を賜りました。参考人の皆様に感謝申し上げたいというふうに思います。
 山梨県早川町の辻町長様には、先ほどお話がございましたけど、本年二月二十二日に実施しました当参議院農林水産委員会の委員派遣で、現地調査に当たりまして、懇切丁寧な森林管理についてお話しいただきました。改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。移動中のマイクロバスの中でも、本当に辻町長さんの熱弁、そしてまた急斜面での間伐を行っているところと行っていないところの森林の対比、見させていただきました。本当に記憶に新しいところでございます。
 森林経営管理法案につきましては、衆議院でもう可決されているわけですけれども、参議院でも本会議において質疑がなされて、そして今、本委員会で午前中質疑がなされたというところであります。そうした中で、やはり本法案に対して非常に関係者の関心が高いということが私自身は感じております。それゆえに、疑問や不安の声も多く聞かれるわけであります。
 質問に入る前に確認しておきたいんですけれども、我が国の森林面積、これは国土面積の約三分の二の約二千五百万ヘクタールあるということでございますけれども、そのうち人工林の面積は約一千万ヘクタールであります。この人工林のうち、私有林の面積が約六百七十万ヘクタールでありまして、この六百七十万の約三分の一の二百二十万ヘクタールはもうこれ既に森林経営者に集積、集約化されているということでございます。二百二十万ヘクタールはもう既に集積、集約化されている。
 そして、その中で、主にこの本法案の狙いのところになるのは、この六百七十万ヘクタールのうちの三分の二、残りの四百五十万ヘクタール、この部分が主にこの本法案が動いていくところなんだろうというふうに思うわけでございますけれども、この四百五十万ヘクタールのうちの、これ長期的に見て、約二百十万ヘクタール、これは傾斜等の自然条件に照らして林業経営に適さないと見込まれる森林だということでございまして、これは市町村が経営管理権を持って、市町村自ら間伐等を実施して、将来的に複層林化を図っていくということを狙っている。
 ただ、これはもう体制も財源もなかなかしっかりしていないということで、そこに森林環境税、これ仮称でございますけれども、そこを充てていくということなわけであります。この森林環境税、辻町長さん、これ数年間相当議論して、今までなってきたということでございますが、今日も大会開かれたということでございますが、そこに使っていくということであります。
 整理させていただきますと、約六百七十万ヘクタールの私有人工林のうちの約二百二十万ヘクタールは、もうこれは既に一生懸命頑張っておられる林業経営体、集積、集約化されている。残りの四百五十万のうち約二百十万ヘクタール、これは市町村が主体的に管理していただく。その代わり、ここの部分には森林環境税、仮称を充てて、そして財源と、それから県にも行きますから、県も含めてその財源の中で技術支援をやっていこう、市町村にも技術支援をやっていこうというようなことを今検討されているというふうに認識しているわけであります。そして、残りの二百四十万ヘクタールについて、市町村が経営管理権を持って、民間事業者に経営管理実施権を設定するというのが今回のこの法案の中身であります。
 そういったことを前提にしまして、質問に入らさせていただきたいというふうに思います。
 いろいろな不安、懸念の中に、本法案が成立して施行されれば、過剰な伐採が進んで植林が追い付かずに山に木がなくなるんじゃないかと、言葉は悪いですけれども、いわゆる丸裸の山が出てくるといったような新聞報道もあるわけであります。多分、この懸念は、経営管理権を持つ市町村が民間事業者に経営管理実施権の設定を行って、意欲と能力のある民間事業者が経済的要因のみで木を伐採して、植林することなんかないんだろうというような心配のこととして今出てきているんだろうなというふうに思うわけですが、この今私が申し上げたような懸念、心配についてどのように参考人の皆様方は考えられるのか、辻参考人、松岡参考人、野口参考人の順に御意見をお聞かせいただければと思います。
#218
○参考人(辻一幸君) 今、進藤先生が、この制度によって過剰な伐採が行われるんじゃないかというお話ですけど、私、地元を考えながら一般的な林業を広く考えてみたときに、そういう心配は今の時点では少なくとも心配する必要は全くないと。むしろ、放置されている、先ほど進藤先生が説明していただいた、手を入れなければならない森林が、全国にそれだけの森林が所有しているわけですので、これをどういうふうに手を着けていくかということが全く今まで野放しの状態であっただけに、これへまず手を着けていくということが自治体の考え方で今日まで来ているわけですので、そういう点からしたら、過剰伐採ということは考えられないと思います。むしろ、育成しながら森林の整備に努めていくこと、放置林野が多くなっている中でこれへどういうふうに手を着けようかということがやはり地域の課題、地方の課題であるというのが現在のテーマだと思います。
#219
○参考人(松岡明彦君) 意欲と能力のある林業経営体というのが今度選定されることになると思うんですけれども、ほかの県はよく分かりませんけれども、宮崎県においては恐らく選定される基準において、我々がやっております責任ある素材生産事業体の認証制度、これが選定の中の重要な項目の一つになるであろうというふうに私は考えているんですけれども。
 経営を委託された場合、はっきりとした経営の方針、内容を見える化するといいますか、分かるようにすれば、必ず再造林もする、再造林しないと皆伐はできませんよというような縛りを付ければ、かえって数字もどれぐらいの面積があって、どれぐらいの量があるかというのもはっきりしますので、かえってその伐採は、何ですか平準化されるといいますか、そういうふうになるような気がします。
#220
○参考人(野口俊邦君) 今の御質問ですけれども、旧来の素材生産業者のある性格というものは、材を求めて、つまり伐期に達した山を求めて、あちこちにそれを探し求めて伐採をして、また一定のところで移動していくと。言わばこの採取林業的な形を行うというのが、育成林業ではなくて採取的林業をやるというのが素材業者の言わば特性であります。
 したがって、旧来はどうだったかというと、素材生産業者が伐採する、後の植林から保育の過程は個人で行うか、その後、基本法以降は森林所有者が個人から請け負いながらやっていくという姿を取ってきておりまして、そういう意味でいえば、いまだに素材生産業者が新植、保育という長いスパンを担ってきたという実績はほとんど、まあもちろんありますよ、林業会社的なものがないわけではありませんけど、そういうところは一般的ではありません。したがって、もしそういうイメージを持たれるのであれば、かなり限定して、それが相当義務付けられることが必要なのか。
 あるいは、要するに切り逃げは、逃げていくのは駄目だという形になると、採算性の面で今林業で何が不採算的かといえば、植林から保育までヘクタール当たり大体二百数十万掛かると。ところが、実際売れるのはそれより安いという、つまり今マイナス金利の状態になっているのを補助金で辛うじてもっているというのが実態であります。
 そういう点であれば、素材業者がその後のことまでずっと、再造林も含めて保育もしてということをもし義務付けられるとすれば、これは決してうまい産業ではなくなっちゃうんですよね、素材業者にとっては。ですから、切るものを中心に専門に考えてきた人たちに次の後の体制まで考えろということになると、これはかなり逆にしんどいことなのかなという感じはいたします。
#221
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 次に、森林経営管理法案の成立、施行によりまして、いわゆる自伐林業を営んでおられる方々などの比較的小規模な林業経営者、この人たちは排除されるんじゃないかというような、そういった懸念の声も聞かれるわけでございますが、この点についてどのようにお考えなのか、三人の参考人の方々、また同じような順番でお願いいたしたいと思います。
#222
○参考人(辻一幸君) 排除されるじゃなくて、むしろしっかりした管理体制の中でそこを救っていかないと、非常にその個人の所有面積というのは平均して見ても小さい面積が多過ぎるわけですよ。だから、そこに個人が手が着かないという現実が、今はですね、やっぱり投資ができないという現実がある中で、これを管理して守ってやり、森林の整備をしていくということが自治体の使命、公的な使命であるというように私どもは解釈をしております。
 それから、早川町の私有林の実態ですけど、先生、私有林は町面積の約五〇%ぐらいなんです。そのうちの一万五千八百ヘクタールぐらいが私有林なんですけれども、人工林で手を着けたところが約六千ヘクタール、そして天然林で地形的にも手が着かないところが九千六百ヘクタールぐらいあるわけです。人工林の面積というのは私有林の中で三八%に早川町はなるわけですけれども、これが問題なのは、ずっと長いこと六千ヘクタールのうち未実施、森林所有者が手が着けられなくて、植えて植えっ放しという面積が早川町には六千ヘクタールもあるということです。これが今の民有林の森林所有者の実態だとしたら、これをどうにかしていかないことには、日本の森林の六割にも当たるようなものがもし全国にあるとしたら、これが森林の荒廃を招き、地球温暖化を促進しているし、災害の引き金になっていくしという実態がここにあると考えていいと思います。
 この管理を、零細とはいいながらも町が行政の範囲の中で手を着けていくことがこれからの経営管理の私は法案であってしかるべきだなということを感じます。
#223
○参考人(松岡明彦君) 小規模な自伐林家ということですけれども、自伐林家というのの定義がよく私分からないんですけれども、私が思っている自伐林家というのは、自分の山を自らが作業して林業経営をやっているということでよろしいんでしょうか。
 今の状態でも、自分の山をするわけですから、そのままでも自伐林家の方は今までどおりやっていかれれば問題ないと思うんですけれども。
 以上です。
#224
○参考人(野口俊邦君) 伐採の仕方は、純然たる自伐林家で、自分で育てて自分で切ってという。ただ、この自伐林業というのはなかなか、間伐段階までは可能ですけれども、数十年生の主伐までになるとやはりそんなに簡単なことではないと。したがって、自伐という中には自らの責任で、例えば業者に委託するとかということも含めないと、自分のところに機械を持っていてそれで切ってしまって全て完結するという体制はなかなか難しいのかなという気がします。
 ただし、それを排除するかどうかというのは、何か答弁の中でも、参議院のときの答弁の中でもそれを排除しないというふうになっています。ただ、これ法律というのは微妙なものでありまして、そういうふうに言われても、その後、例えば素材生産業者のある一定の標準なものが一つの実行主体というふうになっていけば、それよりも生産性が落ちるとかということになると、それはやっぱり競争の論理の中で排除される危険性もあるということなので、そこに入っているか入っていないか、今考えているか考えていないかというだけで法の実態は違ってくるんじゃないかというふうに理解しています。
#225
○進藤金日子君 三人の参考人の方々、本当ありがとうございます。もう少し時間あれば素材生産業者、今日は松岡さん来られていますから、その辺をお聞きしたかったんですが、ちょっと時間が参りましたので私の質問を終えさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#226
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 私からも、まず二月二十二日の早川町の農林水産委員会での視察、大変にありがとうございました。もう辻町長の大変な熱弁に心を打たれまして、帰ってからもいただいたおいしいキノコの味も忘れられず、また個人的に購入させていただいたりとかもして。
 本当に辻参考人は平成三年の森林交付税構想からずっと関わってこられてきて、いよいよこの二十七年という歳月を経てこの森林環境税が導入されるという方向に今なっているわけでありますけれども、まずはその思いを聞かせていただきたいというふうに思います。
#227
○参考人(辻一幸君) 私は、まず森林環境税の創設ということは、私は国民的な認識に広がっているような気がします。今こそ山を再生しなきゃ駄目だということが広く国民の間に共通認識として広がってきていると思います。それは、地球温暖化防止から始まって、今日の時点の時代の流れかもしれませんけれども、それだけ森林に対する、上流域のみならず中流域、下流域の人たちも、森林に対する思いとか危機感というものが、このままでは駄目だという危機感がやはり浸透してきて、今日のその創設の機運に私は動きが出てきていると思います。
 最初、この創設運動をしたときは、果たして下流域の人たちがこれに賛同するだろうかという意見がやっぱり組織の心配事でありました。だけど、これは何も上流域だけの問題じゃなくして、全ての人たちが森林の恩恵を受けている中で、森林の今の現実の実態をはっきり訴えながら認識をしてもらおうという動きを今日までの運動の中にやはり取り入れながら、下流域の自治体へも大いにこの考え方をお願いをしながら、その上流域の今の実態を、過疎から山村、人口減少から含めて、森林の荒廃がいかにひどいものかということを訴え続けてきた中で、この制度というのは国民に広く、森林の整備をしながら、地球環境を、あるいは森林のあらゆる多角的な公益的な影響を生かしていくんじゃないかと、活用していくんじゃないかという認識が今日に広がりつつ出てきたということを強く感じています。
#228
○横山信一君 この森林環境税の導入に当たって一番の課題だったのは、まさに今の辻参考人のおっしゃられた、川下の森林の少ない地域の皆様方の理解を得られるかというところが、これがずっと議論だったわけですけれども、まさに今、地球温暖化という大きな世界の流れの中で森林吸収源対策ということも非常に重要になってくる。一方で、森林の荒廃、人口減少とも相まって、また都市部への人口集中ということもあって森林への関心が薄まってきているという、そういう状況の中での私は非常に大事な政策だというふうに思っております。
 また、辻町長にもう一問お聞きをしますけれども、早川町の民有林が町内林野の四五%というふうに伺っております。その半分以上が不在村だということで、先ほどの参考人のお話の中にもありましたけれども、二〇一〇年からこの不在村の民有林整備に独自財源を充てて手当てをしているということでありますけれども、その放置林野に対して町としてどのような取組をされているのか、それからまた、そうした所有者不明森林への対応について今回の森林経営管理法に期待することというのがあればお伺いしたいと思います。
#229
○参考人(辻一幸君) 少なくとも早川町の住民で森林所有者は、私に言わせたらほとんど自分の山も分からぬと思います。全く分からぬと思います。一〇〇%と言っていいくらい。森林所有者が、三百人、四百人の所有者がいますけれども、ほとんどが他出している、あるいは手を着けられない。先祖が植えた山がどこが境か、隣の山がどこにあって自分の山がどこにあるかということを一〇〇%森林所有者は分からないと言っても過言ではないと。こういうように思う中で、やはりこれに対する手当てというのは、整然とやっていけるのは、最初から整備していけるのは役所でなきゃできないと思います。それは、今まで取り組んで、国で予算を持っていただいた林地台帳、それ以前の登記とかそういうものもあるわけですけれども、しっかりと今ここで、個人が分からない林地台帳を役場が努力しながら整然として作り上げていきながらこの森林経営管理を所有者とともにまず進めていく。そして、所有者が放棄する分であったらこれはこれでまた問題が違うわけですけれども、自分たちがそういう所有意欲を持って自分たちの管理をもはっきりさせてやれるかやれないかというのも、私は、個人に分からない部分を行政がやっていく手続をしっかりとこの経営管理の法の中で位置付けていくことが大事だろうと思います。
 私どもの町では、もうこの制度に従って二年前から林地台帳を整備をさせていただいて、全ての整備が終わりました。終わって、ちゃんと記録にインターネットの中へこれを残す今作業に入っているわけですけれども、そして、からかっていかないことには、全くこれから年を重ねていくとその個人が遠のいていってしまうだけで、今ここでその歯止めというか整備をしておくところへ、特に放置されている六割近い全国の民有林が早川町と同じような道をたどっていると、こういうように感じるところです。
#230
○横山信一君 大変に現場の実態を踏まえた声を聞かせていただいたというふうに思います。その実態としては、森林所有者が自分の山が分からないというですね。
 早川町の総林家の所有面積が五ヘクタール以下の零細の林家というのが六六%だというふうに聞いているんですけれども、今回のこの森林経営管理法案では小規模林地を集約するという内容も入っております。その点についての何か御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
#231
○参考人(辻一幸君) それは必要になってきます。零細そのもので、日本の林業農家の所有面積というのは全国的にも五ヘクタールなんですよ。これが全国にあって、全くその手着かずの状態が進んでいるというのは零細そのものだから進んでいるわけであって、これを個人にいつまでも任せておくんなら、あくまでもこれは放置で通ってしまうという。
 これへ歯止めを掛けるには、その零細農家を集約したり、あるいは土地の集約化を図りながら権利義務をしっかりしたものをつくってやりながら、経営意欲を持つか持たぬかということもこの林業経営の経営管理の大きな私は課題になっていくし、その財源確保がこの後にお願いをしたいという課題になっていくと、こういうように思うわけです。これは行政でなけりゃ手が着きません。
#232
○横山信一君 ありがとうございます。
 時間が少なくなってきましたので、次に松岡参考人にお聞かせいただきたいと思いますが、まず、この森林経営管理法案によりまして生産量の拡大とか地元の雇用確保とか、あるいはまた地域経済への寄与ということが期待をされるわけなんですが、この点についてどのような、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#233
○参考人(松岡明彦君) 素材生産業の話は先ほどさせていただいたんですけれども、非常に厳しい経営といいますか、いや、切る山によって生産コストも違いますし、仕入れも違うわけなんですよね、その立木の値段ですね。生産コストはもう毎秒毎秒、機械化が進んでも結局動かすのは人間ですから、まあ極端に言えば毎秒毎秒コストは違うわけなんです。おまけに、売値も違うわけです、市況品ですから。もうそのときによって違うわけなんですね。仕入れ違う、コスト違う、売値違う、どこも確定していないんですよ。だから、大手資本はなかなか参入できないですよね。机上で計算できないわけですから。
 我々はそういう中で厳しい中やっているわけなんですけれども、とにかく事業量を確保するというのが非常に重要な経営の中の一つでありまして、その一つとしてこの林業経営を任されるというのが出てくるというのは非常にプラスの要因だと感じております。
 そして、この法案とは実際関係あるのかどうか分かりませんけれども、私、西都市というところなんですけど、宮崎県のですね、宮崎県の中央部なんですけれども、地籍調査が、恐らく、数字は確かじゃないですけど、二、三〇%しか終わっておりません。字図と言われる登記所に行って取る図面も、和紙に墨で書いてあるような、そういった公図もあるわけなんですね。
 林業いろんな問題ありますけれども、まず一刻も早い地籍調査、これの実施と、それと、肌で感じるんですけれども、相続の義務化、これを何とかしないと、遅れれば遅れるほど手が着けられないような状況になると思っております。この二つのことが今回のこの関係法案でそのきっかけになればなという期待を私は持っております。
 以上です。
#234
○横山信一君 貴重な御意見ありがとうございます。
 じゃ、残り時間で端的にお伺いしたいんですが、ひむか維森の会では素材生産活動に伴う環境負荷を軽減して再造林を促す取組を進めているということなんですけれども、これは森林の多面的機能の持続的発揮ということになるわけなんですが、この経営管理実施権の設定を受ける林業経営者がこの多面的機能の発揮ということを踏まえてどのような取組を求められると考えられるのか、最後にお願いいたします。
#235
○参考人(松岡明彦君) さっきもお話ししたように、やっぱり循環して使えるような山林、再造林は必ずやると。これは場所にもよりますけど、さっきも話出ましたけど、経営が難しいようなとんでもないところにある山とか、それに関してはちょっとまた違う話になりますけれども、任せられたからにはもう必ず再造林はやっていくと。
 私、とにかく木が好きで、木はすばらしい素材だと思っております。これをもっとどんどん使ってもらいたいという気持ちがあってですね。
 以上です。
#236
○横山信一君 ありがとうございました。以上で終わります。
#237
○田名部匡代君 田名部匡代でございます。
 今日は、参考人の皆様、大変ありがとうございました。
 先ほどから視察に行かれたお話が出ておりますけど、残念ながら私は早川町の方に伺っておりませんで、千二百名の町ということで、パンフレットもいただいておりますけれども、大変美しい町なんだろうなと思っておりまして、是非個人的に訪ねてみたいと思っておりますので、そのときには町長、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 いろいろと期待の声というか思いも聞かせていただきました。そういう声があるのも承知をしているんですけれども、ただ一方で、この法案を見ますと、私は市町村の役割というのは非常に広くて重いものになるだろうなというふうに思っているんです。
 それで、町長からも早くという思い聞かせていただいたんですけれども、例えば森林所有者の意向調査、経営管理権の集積計画の作成であるとかそれに伴う措置、共有者や所有者不明森林の探索、確知所有者不同意森林に対する各種の措置、経営管理実施権配分計画や災害防止措置命令の制度の運用、いや本当に本当に幅広いことを担当していただくようになるわけですけれども、ただでさえ人手も足りない、体制が整っていないのではないかなと、それが一気にこれだけの作業をするだけの体制を整えることができるんだろうかなということに少し無理があるんじゃないかなというふうに思っているんですが、だからやらない方がいいということではなくて、これだけのいろいろな役割を担うに当たって、やはり国からの必要な支援というか、国に対して求めるものは何なのか、何か要望というかお考えがあればお聞かせをいただきたいと思うんですけれども。辻参考人にお願いします。
#238
○参考人(辻一幸君) それは、今までの制度をやっぱりこの際現実化していただきたいということが大きな要望でありますし、なお、今先生がおっしゃるような課題を地元が受けて立たなかったら一体誰がやるのかという、こういうことに私はつながっていくと思うわけですね。
 だから、今我々が、地元の自治体がこれにということは、それだけのやはり意欲を持ちながらこの制度へ向かって、それぞれの関係町村が向かっていこうという姿勢で取り組んでいるわけでありますので、この管理システムを整然とやっぱり実行していくことによって森林の再生が図られていくという経過が今の管理法案の中にそれぞれ指摘される課題が盛り込まれているわけですけれども、これは誰がやるのかといったら、やっぱり地元へ位置付けていただいてやっていく。そして、それなりのフォローは国なり県なりが人的にも物的にもやはり制度上の補助をしていただきながら進んでいかないとならぬなということは強く感じていますし、意欲としたら、町でこれだけのものはできるということをはっきり私は言わせていただけると思います。私の町でやります。
#239
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 そういう意欲もお聞かせをいただいたわけですけれど、先ほどのお話にも出ていましたように、そうはいってもまた自分の山がどこからどこまでなのか分からないというようなこともこれからしっかりと作業に入っていかなければならないわけでございまして、そのためには地籍の情報、森林の情報、航空写真であるとか、いろいろとその情報が必要になってくると思います。その情報の管理についてどのような取組が必要なのか、そしてどのような取組をする中で自分の山が分からないというようなことを解消していけるのか、辻参考人にお聞かせをいただきたいと思います。
#240
○参考人(辻一幸君) それは、個人の分からない山は行政がはっきり区分を決め付けてやることだと思います。もうそれしかないです。そして、それなりの区分を、それなりの所有者たちを集まってもらって行政が決め付けるよりほかないと思いますし、今、航空写真でもその区分が林地台帳を基にしながらできる時代になっています、航空写真で。そのくらいの林地の区分けができることも確実だということになっているだけに、やはりこれを前向きに手を着けていくことがこれからの森林に対する私は関わりだろうと、こういうふうに感じています、行政上も。
#241
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 今のことに対して、野口参考人、何かございますでしょうか。今、お顔を拝見していてにこにこっとされたので、もし御意見があればお聞かせください。
#242
○参考人(野口俊邦君) 大学で教えていましたら、例えば市町村に入る子もたまにいるんですよ。ところが、これ森林科卒だからではないんです。一般の競争の中でたまたまそこに入ったという教え子もいます。しかし、その人たちは林業職で入っているわけではありません。つまり、その林業職として固定してそこに専門職として育っていくわけではありません。やっぱり市町村の中でいろんなローテーションを組みながら、いろんなところを渡りつつ全村的に、市町村的に分かるというのが、こういうキャリアの積み方です。県になると大体基本的には林業職で入りますが、これも完全に固定ではありません。国になるとこれはもう林野庁の林業職として入っていくという、まあ出向で何かはあります。
 つまり、上の方、上と言うと悪いんですけど、国、県、市町村に行くにつれてどんどん専門性が薄れてきます。まして、今、国でもかなり、林野庁に入ったけれども行政職的なことばかりやって、林業職的な技術職的な意味合いは薄れてきているなと、私最近そういうふうに思っているぐらいですから、まして今市町村にそういうことを任せるという、つまり林業のプロとして境界を含めて明確にしていくなどということは、恐らくこれは地元の人もしようがないから納得せざるを得ないということはあったとしても、技術的に見てそれが可能な状況では恐らくないだろうと。かなりやっぱりこれは無理があるなというふうな理解をしております。
#243
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 私も、極めて大きな責任というものを負わせることになってしまうのではないかなというふうに思うんです。なかなかそれは意欲だけでは解決できないものであって、今、野口参考人がおっしゃったように、現場に専門的な方が少なくなっている中でその作業というのは大変なのではないかと思うんですが、例えば、でもそれを現場としては進めていかなければならないという状況になった場合に、どういう解決策というか、どういうことを国として市町村に対しての支援ができるのか、どういう取組を国として責任を持ってやるべきなのか、お考えがあればお聞かせいただけますか。野口参考人。
#244
○参考人(野口俊邦君) 今まで担い手論的なことをちょっとさっき話しましたけれども、今一番現場に詳しいのはやはり森林組合だと思うんです。市町村よりもむしろ、残念ながら専門家がほとんどいないんですから、だから森林組合を活用して、それに市町村も一体となり、そして今度は新たな担い手と目される素材業者も当然現場の力であります。
 つまり、あれが駄目ならこっちだというふうに切り替えるんではなくて、総合的な知識として連携を取りながらやっていく、それに対していろんな助成を行うというのが一番現場に即したやり方ではないかというふうに思います。
#245
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 次に、松岡参考人にお伺いしたいんですけれども、松岡参考人の取組はいろいろな勉強会や人材育成やということも含めて地域での御活躍をされていらっしゃることと思います。先ほどもどなたかの質問の中にありましたけれども、私も森林の持つ多面的機能というものは非常に大事にするべきだと思っていますし、木材生産と森林の環境保全というか、そういうものはしっかり両立させていく、両方とも守っていかなければならないというふうに思っております。
 そういう中で、先ほどのお話の中に、守っていかなければならないとはいえ、盗伐の問題であるとかあります。そういったものがこの法律で未然に防止されると、そしてしっかりとした森林の環境なりが守っていけるというふうにお感じになっているのか、もしそうでなければ、何か足りないことがあれば何なのかということ。
 それと、もう一点お伺いしたいんですけれども、この法案に対して、大規模な製材工場などの川中、川下の業者に支配されてしまって、乱伐のおそれが出てくるのではないかというような御懸念の声も聞いております。そういったことが起こり得るのか、もし起こり得るとしたらどういう対策が必要だとお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#246
○参考人(松岡明彦君) 最初の質問ですけれども、何回も言いますけど、意欲と能力のある林業経営者、これに私非常に期待しておりまして、宮崎は、なかなか行政も把握できないほど、三百以上の業者がいるわけなんですね。いわゆる県が認定している認定林業事業体というのは百二、三十だと記憶しておりますが。
 この意欲と能力の林業経営体は、それこそしっかりとした経営体、私もう選ばれないかもしれませんけれども、そういうモラルも持った、知識も持った、技術も持った、そういったところを選定してもらって、そういったところしか仕事ができないような林業界になっていけばなと思っております。今は駄目だけど、そこのレベルまで行けば仕事ができるよと。何の今登録する必要もなくて、誰でもできるわけなんです。こんな産業ないですよね、恐らく。だから、ほかの産業並みに、せめてある程度の資格、能力を持った業者じゃないと仕事はできないと。将来は登録制に向けたこの意欲と能力のある林業経営者、これに非常に期待しております。
 それと、大規模工場等に支配される、資本に支配されるんじゃ。確かにその懸念はありますけれども、宮崎の場合は、もう皆さんも御存じのように、二十六年間、杉の生産量日本一やっているわけなんですけれども、これはなかなかいつまでも続くとは思っておりません。なぜかといいますと、林業でいえばインフラですね、いわゆる林道とか作業道、これが非常に平均的にも恐らく日本一だと思うんですけれども、その林道、作業道の面積、ヘクタール当たりのメーター数は日本一だったというのが素材生産量が今まで多く続けられたことの原因の一つだと思うんです。
 これも、宮崎、もう二十六年間も日本一続けてきたわけですから、いいところは切り尽くしておりますので、新たなこの林道、作業道の再構築をしなくちゃいけないと思っているわけなんですけれども、この点が今度市町村に委託される、経営される山林ですね、これなんかを利用して作業道を、今まで通れなかった、ここの山を通ればいい林道ができるんだがなというようなところ結構あるんですよ。そこも利用できるということで、私は期待しております。
 以上です。
#247
○田名部匡代君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
#248
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。
 貴重な時間ですけれども、私の立場も冒頭説明させていただいてから質問をさせていただきたいと思います。
 北海道の選出で、国有林の多いところでありますけれども、私、昭和三十八年生まれですが、午前中に平野先生からもお話がありましたとおり、原風景というのは、駅ごとに貯木場があり、製材工場があったということで、うちの実家は鍛冶屋でございましたので、その林業者の道具をこしらえたり直したりというのがうちの家業でありました。
 私の今、立場ですけれども、例えば北海道で少し林業が盛んになってきたと。何を生産しているかというと、丸太、チップ、こん包材、それから合板、パーティクルボード。これだけ家建っているのに何で道産材や国産材が使われていないのかというのが、私がこの林業に関わってきた原点であります。私は、結論から申し上げますと、建て売り住宅含めてハウスメーカーの使う木材を国産材にしたいと、これが私の活動の原点であります。
 全然山が動かないものですから、外材に負ける。カナダから横浜経由で苫小牧に材が運ばれるのに、道産材がいわゆる価格競争力を持たないんですね。これ、なぜかっていうと、生産効率が悪いからなんです。ドイツ、オーストリアに比べると、今、素材生産業者の立場からお話しいただきましたけれども、道がないんですね。道がないから大きな車や大きな機械が入れないんで効率が悪いと。今どき、チェーンソーで切ってばかばか下ろしてきた木で安い家建てたってしようがないんですねというのが今日のお話の原点だと思います。
 午前中の議論もしておりましたけれども、いろいろと思っているのがいろいろ錯綜していて、例えば家を建てるといっても、寺社仏閣から恒久、伝統的な住宅建築、それから先ほど私が申し上げたハウスメーカーによる建築。今、ハウスメーカーの主要メーカーは、フィリピンでプリカットしております。それから、所有者といっても、山元で頑張っておられる所有者と、都会に行っている、あるいは森林組合にはがきも出さない所有者もいるわけで、これをごちゃ混ぜにして議論するのが結構この議論の妨げになっているかなというふうに思いました。
 まず先に野口先生にお伺いしたいんですが、私は、山元を元気にするためには、まあ辻町長もおっしゃいましたけれども、あるもので活性化するしかない、木だと思うんですね。ですから、国産材のいわゆる利用率、自給率を高めて山元を元気にするために、フィリピンで作られている住宅材を国産で作りたいと私は思っておるんですけど、先生のお考えはいかがでしょうか。
#249
○参考人(野口俊邦君) 国産材をいかに使うかというのは非常に大きな課題でありますし、本来なら国の公共建築物、これは国産材が中心であるべきだと私は思っております。しかし、内外差別化、駄目だという、こういうWTO体制、あるいはさらにTPPになるともっと厳しいかもしれません。
 つまり、木がこれだけあって使われたとしても、それは外材であるとか、向こうから持ってきた、製品として持ってきたものであるというのでは、使われてもその大半は外物であるというような状況があろうかと思います。
 先ほど紹介しました長野県の場合には、自県材を中心に使おうと。つまり、カラマツ材なわけですよね。非常に使いにくいということを言いながら、これを県の林産試験場辺りで脱脂加工をどうするかとか、いろいろ工夫しながら、塩尻にあるドーム球場的な、こういうものを造ったりもう既にやっております。つまり、地元材をできるだけ使おうじゃないか、公共建築物にはできるだけ優先させようじゃないかというふうなことをやはり率先してやっていかないと、ちょっと世界レベルでというのでは難しいかなという気がします。
#250
○小川勝也君 私が申し上げた趣旨は、公共建築物が適切に地元材を選べということではなくて、価格競争力がなければ国産材は使われないということなんです。ですから、国産材の競争力を高めるためには、道を付けて、高性能林業機械を入れて、搬出するトラックの積載トン数を大きくしなければならないということを申し上げたかったわけであります。
 ちょっと次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次に、辻町長にお伺いをしたいと思いますが、私はどういう立場かといいますと、山元に住んでおられる方、これは農業も林業もでありますけれども、地域に住んでおられる方が所有する、そして林業に関心を持つあるいは生産をされるということには国は万般の力を注ぐべきという立場でありますけれども、訳あって地元を離れておられる方にはそんなに配慮をする必要ないという立場であります。
 すなわち、かつて林業というのは、御案内のとおり薪炭林、自分で使う、自分の物置小屋を造るときに自分の山から木を出す。それから、農業と林業と兼業でやるというふうに、そこに住んでいるから必要性があって、横浜や東京に住んでいる人が山を持つ必要はないんです。それから、昔は木を植えていればいつか値段が上がるかもしれないという資本主義的なビジネスチャンスがあったんですけれども、今、ほとんどの森林所有者、不在村の方は林業に価値を見出していないというのは、私は林野庁のデータのとおりだと思います。
 私は、そういうふうに地元で頑張る方と地元にいない方は区別するべきだと私は思いますけれども、山元におられる林業経営者、保有者にどういうふうなインセンティブを与えるべきと考えておられるのか、辻町長にお伺いしたいと思います。
#251
○参考人(辻一幸君) 全く山に生きている人間として同感です。
 よそへ出ている人がそれだけの主張をするだけの権利が果たしてあるのかと、自分の山の場所も分からぬような人間がね、ということを思う中で、やはり地元で頑張っている人たちを育成しながら地域を守っていくという、こういう人たちに手厚くやはり体制づくりをしてやるべきだと、山に生きようという人たちに。
 それからもう一つは、山の考え方を、山を見たときに、何か山を守っていくという一つの使命と山を生かすという使命があると思うわけです、山には。だから、守っていくということは、やっぱり森林の整備を整然としながらその公益的な意味を生かすということと、食べていけるということは素材生産から始まって、木が建築材として循環して世の中に出ていく循環過程をやっぱりしっかりと考えながらその仕分を、山に対する考え方を、整然とした仕組みを組み立てていかなきゃならぬということを思います。
 だから、もう専門的に松岡さんたちが取り組んでいることもこれは大事なことだと思います。国産材の利用の中で最も大事なことですし、その木の価値はそこに生まれるわけですけれども、一方で、じゃ、そこまでの過程をどういうふうに使うかということになったときには、守りながら育成して、世に出して、新しい木を造林をして、植えながらの循環を整然とつくっていくということにおいたら、よそにいる人たちの仕事じゃないなということを感じます。
#252
○小川勝也君 松岡参考人にお伺いをしたいと思います。
 ある部分は本当にいい山を、あるいはいい樹種を育てておられる方も大事にしたいと私も思いますけれども、基本的には効率のいい伐採から搬出が必要だというふうに思います。
 その中で、先ほども申し上げましたけれども、ハウスメーカーのプリカットに使っていただきたい材と、ここは例えば寺社仏閣の大事な部位に使ってもらう材だというのを、その持ち主や林班によって大きく混在しているはずですけれども、これを例えば素材生産業者の立場で大きな面積を請け負って、それぞれの所有者にそれぞれの材の価値に分けた配当というのか戻しをきちっとすることは可能なんでしょうか、それをお伺いしたいと思います。
#253
○参考人(松岡明彦君) 木材、丸太の価値というのが今は昔と相当変わってきておりまして、昔は、昔というのがまあ二、三十年前の話なんですけれども、太くて長いのが高かったんですね、昔は。今はもうそんな太くて長いのは安いんですよ。工法が変わってきたというのが一番でしょうけれども。
 寺社仏閣に使う丸太というのは、総じて大きくて長い丸太ですね。それも目の、年輪が細かいやつですね。だから、どこにでもないですね。今、五、六十年の木も八十年の木もほとんど値段は変わりません。もう値段が変わるのは百年以上になってからですね。だから、もしそういう林分があればもちろん評価は全然違うと思います。
#254
○小川勝也君 私は、先ほど申し上げましたように、六十年後の利益を当てにして植林をするというモデルは今やもう成り立たないというふうに思っております。それから、かつては自分の利益や子孫のために頑張って植えたというこのインセンティブがもうありませんので、もっともっと効率的な植林、いわゆる造林を考えていかないと追い付かなくなってくると思いますし、当然のことながら、やっぱり専門業者が効率的にやる時代だと思います。ただでさえ足りないのに、もっともっとこの時点で進化させないと、植林に当たってくれる若者が足りないと私は思っております。それが一点と。
 もう一つは、やはり素材生産業者さんにいろんなことをお願いをしなきゃならない時代になると思いますけれども、先ほどもやり取りありましたけれども、厳しいルールづくり、それから監視体制、これがないと発展しないというふうに思いますけれども、松岡参考人にお伺いをしたいと思います。
#255
○参考人(松岡明彦君) 話重なるかもしれませんけれども、山はいろんな山がありまして、地形も違いますし、小川が流れるところもありますし、岩ががんがん出るところもありますし、粘土質のところもありますし、全然違うわけですね。そのときそのときによって判断しなくちゃいけないんですね、現場の人間は、もちろん経営者の私もですね。だから、それなりの知識。それと、どうしても、ここを抜けば楽に搬出できるなと、しかしそこには湧き水が湧いていて下流に泥水が流れ出るおそれがあると、ここはやっぱりやめようと。要するに、モラルがないと。
 ただ、文書化しても山はなかなか当てはまらないことが多くて、もう一個一個山は違いますから。もう一メーター違えば違いますからね。ある林業機械を研究されている先生がですが、論文を読んだんですけれども、最後に、日本の山を歩く機械を開発するのは月面を歩く機械を開発するより難しいと。確かにそうだと思います。
 だから、やっぱり我々、自分の首を絞めることにもなりますけれども、ガイドライン作るときもそうだったんですよ。自分たちの首を絞めて仕事がしにくくなるんじゃないかという意見も多々ありました。しかし、今、長いこと頑張ってきたせいで、やっとちょっと脚光を浴びるようになったんですけれども、緩かったら駄目ですね。余り厳しいと問題ですけれども、ある程度、標準より上ぐらいの厳しさがないと山はちゃんと管理できないと思っております。
#256
○小川勝也君 ありがとうございました。終わります。
#257
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は三人の参考人の皆さん、貴重な御意見をありがとうございます。
 それで、私の方からは、まず最初に野口参考人からお聞きしたいと思います。
 それで、この今回の法案が、今まででいえば森林所有者が自発的に施業を行う、そこのところを支援する仕組みということだったと思うんですけれども、それを市町村に移して、ある意味公権力を行使して関わって関与していくというスキームに今回なるわけであります。それで、市町村、林業専門職とか、そういう人たちもたくさんいればいいんですけれども、先ほどもちょっと話になりましたけれども、やっぱり相当なことをやらなければいけなくなると。
 先ほど辻町長さんが、本当に市町村がやらなきゃいけないということをおっしゃっておられるんですけれども、実際上は相当厳しいことも言わなきゃいけなくなるし、相当やっぱり山を持っている方との関係でいえば大変だというふうに思うんですね。そういう側面も一つありと。
 それから、今回森林所有者に対する責務というのを決めて、そして市町村の経営管理権ということで、新たなそういう管理権ということで集約、集積を図っていくということになるんですけれども、その中には、さっき辻町長さんが言われたような全くもう所有者分からないというところも中にはあるんだと思うんですけれども、分かっていても、不同意であってもまあ言ってみれば出させるということも含まれていて、ちょっとこれは余りにも強権的過ぎないのかなというふうにも思うんですけれども、ちょっとその辺りの市町村に対する負担の大きさということや、今の問題についてどのようにお考えか、お話しいただきたいと思います。
#258
○参考人(野口俊邦君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、一九六四年の基本法林政がスタートして以降、実質上は担い手として森林組合が想定されました。一次林構、二次林構、三次林構と、ずっと林業構造改善事業が行われるたびに、林道を付けること、そしていろんな機械類を森林組合に集中すること、そこの作業班で、実際、主としてこれは植林と間伐、下刈りまでであります。で、主伐は多くは素材業者に任されてきたと。この領域はなかなか森林組合とすみ分けといいましょうか、新植、保育関係中心の森林組合、素材関係は素材業者ということでありました。
 今回は成長産業化ということを国がうたっていますので、成長産業ということのためには切るしかないですね。しかもそれは、先ほどもちょっと指摘がありましたけれども、コスト競争もしなくちゃいけないというふうな状況でやれば、かなり大型化、効率化、生産性ということが大事になってきます。そういうのには森林組合はなかなか向かないということで、新たな担い手を素材業者に指定したいと。しかし、素材業者にいきなりというわけにいかないので、そこに市町村が介在していろんな仕事を請け負っていただくということであります。
 しかし、市町村は、先ほども触れましたように、ほとんどプロとしての職員がいません。ですから、誰がこれやるかとなると、結局は素材業者あるいはもう一つ川下の方の大手の業者がそこに入って、そして効率のいい生産をやるということになってくれば、森林というものはそういう形で保続的、サステーナブルというのを林業では保続経営と言いますけれども、持続可能な経営です、こういうことはなかなかできないのではないかと、市町村にそれを担わせるのも酷ではないかというのが率直な感想であります。
#259
○紙智子君 ありがとうございます。
 もう一点お聞きしたいのは、今度の管理法が森林環境税と言ってみればリンクする形になるわけなんですけれども、それをめぐってもいろんな議論があって、やっぱり、非常に切実な現場の思いというのは、私たちも早川町にも行きまして、本当にその切実な思いというのはよく分かるわけですけれども、それをめぐっての議論ということでは、果たして本当に現場の皆さんが願っていることにかみ合うだろうかというのをしっかりと議論して見ていかなきゃいけないと思っていまして、この点で例えば懸念する問題点などあればお聞かせいただきたいんです。
#260
○参考人(野口俊邦君) 私、レジュメの四ページ目のところに森林・林業再建のための方策というのを、ちょっと簡単なスケッチを出しております。その中に、今、林業に対する安定的財源がないから、何とか千円、六百億円ですか、総額でというものを捻出したいと、それをまた地域でも期待されているという状況であります。
 私は、最も安定的な財源は一般会計だと理解しております。つまり、従来の林業予算はどうだったかというと、一番、ここにも書いていますけれども、ピーク時は一九九三年度ですけれども、一般会計の一%というところまで使われた時期があります。それがどんどん下がってきて、今は百兆円ほどの一般会計があるのに四千億円しか予算が組まれていないと、〇・四%ですよ。もしこれを一%まで戻すとすれば、約プラス六千億であります。
 私は、国民が森林に対して災害防止機能ですとか、あるいは温暖化防止だとか、いろんな期待を持っているということであれば、国税の一%をここに回すことはどうなんだろうという、そこの国民的議論をする方が先ではないだろうかと。また別途財源となれば、今度はこのためにこっちのお金が欲しい、これが欲しいという形で目的税的なものがどんどん出てくれば、国民はこれはもうたまったものではないというふうに思うだろうと私自身は感じております。
#261
○紙智子君 ありがとうございます。
 そうしましたら、次に松岡参考人にお聞きしたいと思います。
 松岡参考人は家業を継がれて、九一年に現在の会社を創設されたんですけれども、県民に対して、先ほどのお話も聞きながら、本当に山が好きで、木が好きでという話もあったんですけれども、県民に対して森林・林業、木材を活用しての普及促進、環境保全ということも行っておられるということであります。
 それで、今回の法案で、木材販売によって得られた収益から民間事業者が負担する経費を差し引いた残りの金額を森林所有者に支払うということになるんですよね。今の材価のままで会社経営の見通しとか採算が合うかどうかということが一つです。
 それからもう一つは、実際に森林所有者から買い取って、それでやっていくという選択肢もあるのかなという気もするんですけど、その辺りのことをどういうふうにお考えかということを二点お聞きしたいと思います。
#262
○参考人(松岡明彦君) 一つ目の質問にお答えします。
 今の材価のままで森林所有者にお金が返せるかと。これも、さっきも話しましたように、その場所によりますよね、場所と林分によりますよね。
 今、宮崎県では、民間の売買、そして公的な山、国有林とか公社とか、いろんな山あるんですけど、それが入札で、私も買っているんですけれども、大体立方当たり四千円ぐらいですね。ヘクタール当たり二百万から三百万ぐらいになるわけですね。だから、十分、まあ十分かどうか分かりませんけれども、ある程度の値段は出せるような状況が宮崎ではあります。でも、全然もう札も入らないみたいな、今度の法案では、何ですか、市町村が直接経営しているような山になると思うんですけれども、これも、どんな場所が市町村が管理するのか、それにもよりますけれども、相対的には宮崎の場合には立木代は出せると思われます。
 それと、二番目の質問、素材生産業者が買い取ったらどうかという、買い取るのもあるかということですね。
 今でも民有林の売買におきまして、土地ごとじゃないと売らないよと、それなら立木売りますという話も結構ありまして、土地ごと買ったところに関しまして、私も買っていますけれども、そのまままだ立てていたり、切らずにですね、それから、切った場合には必ず再造林しています。これ、認証事業体といいますか、ひむかの会員に関しては、ほとんどそういった土地ごと買い取った場合には植林はしています。
 これ、野口先生もおっしゃったように、素材生産業というのは、とにかくコストを下げるために高価な機械を買って、昔はもう雨の日は休んでいたんですけど、今機械の中ですから、雨の日でも動かせるわけなんですね。非常に厳しい状況なんですけれども、でも、植えなくちゃいけないとか買わなくちゃいけないと、そういうことになれば、今後その事業体の体制を、すぐにはなかなか難しいです、そういった体制に持っていけることは可能だと思っております。買い取る面積のその大きさにもよりますけどですね。
#263
○紙智子君 ありがとうございます。
 それじゃ、辻参考人にお聞きいたします。
 みんなで視察に行きましたときに私も一緒に行って、それで、やっぱり町長さんはもうこの町は山で行く、生きていくしかないということで腹をくくっておられるので、もう本当にそこに対する情熱を持って取り組んでこられているなということでは非常に私たちも感銘を受けましたし、本当に必死に頑張っているという姿をまざまざと見せていただいたわけなんですけれども。そういう中で、やっぱり、何というんでしょうか、その基となるやっぱり立木の価格というのがすごく大事だという話もして、山を見せていただきながら、ここにある木は、これをつくるためにどれだけの経費が掛かって、そして切ったら一体どれだけの売上げになるのかということで採算をお聞きしたら、まあ赤字になるという話もされていたと思うんですね。
 私、実は北海道でこの間、ある農業高校生と話する機会があって、その高校生が言うわけです。北海道の木はトドマツとかカラマツとか単価が安い木ばっかりだと、だからやっぱり採算が合わないので、なかなか手を入れたいけれども入れられないという面があって、自分は山が好きだし、将来木で仕事したいんだけれども、そこがやっぱり大変で胸が痛むという話を高校生がしていて。いや、そういうことを考えている高校生がいるということ自体うれしかったんですけれどもね。
 そういうやっぱり基本となるところで、何というんですか、対策というんですか、いろいろ御苦労もされてきていると思うんですけれども、それをやっぱり打開していくというためには国に対してどうすべきかということを、お考えのことをちょっとお話をいただければと思います。
#264
○参考人(辻一幸君) 国に対してはいろいろ要望することがこれからこの制度が出てくると付いていくと。先生方にもお願いしながら、その内容を拡大していくようなことが進んでいくと思うんですけれども。
 取りあえず、うちの町の現状を見ていただいて、私は、事が始まるには、あの放置されている森林をまず生き返らせること、整備をすることが、立木をお金に換えて素材生産をしてということはまだまだ次の段階であって、我々がする使命というのは、とにかく放置されている、分からない、不在のあの森林を整備することが行政の仕事じゃないかと、一連の整理内容を整えながらしていくことが大事なことじゃないかなということを今一番思っております。
 だから、制度が出たら、まず放置されている、荒廃している森林の整備に、人材育成をしながらあるいは専門家の知恵を借りながらそれに手を着けて民有林の整備をしていくということがまずというようなことをうちの町では考えながら、そこから新しい循環をつくっていくよりほかないなということを思います。
 あわせて、私どもの町は森林組合を単独で今日まで存続してきました。それは、山と森林の町だけにそれが地域にとって必要だと思うからこそ、森林組合の統合、合併は私は町長の権限ですることをやめました。山梨県には六十四の市町村がかつてあって、どこの市や町にも森林組合が存在をしたわけですけれども、この統合計画の中で、今は山梨県に十一の森林組合しか存在しない中で、零細とはいいながらも早川町は山の町であって、森林組合がこの町からなくなったら山としての生きる価値がなくなるという中で、町が支え続けて、人材をも確保しながら、特殊林産物なんかも作りながら森林組合を残してきて、町と一緒になりながら今存続しているわけですけれども、こうしたところに人材を求めながら役場が関わっていくという、こういう考え方の中で今いるわけですけれども。
 取りあえずはその放置されている、そして個人の所有の分からない林地を整然とさせながら、まずそのことによって、手を着けながら、森林をしっかりした木にしながら、そこから新しい循環がどういうように生きていくかということはこれからも探っていかなきゃならぬ課題だろうと思いますし、そういう地域が多いと思います。
#265
○紙智子君 ありがとうございました。
#266
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は、三名の先生方、貴重なお話を賜り、大変感謝をいたしております。ありがとうございました。
 私もこの法案で疑問とするところが幾つかあるんですが、なかんずくこの環境税、これの収入と分配、あるいは市町村は分配、案分を受けて報告もしなければ、公表もしなければならないというような義務付けもあるんですけれど、まずこれ、すぐ申し上げるというと、森林の所在市町村、これにこの予算、傾斜配分すべきではないかと、こういうふうに思うんですね。
 例えば、川中、川下の都会地、ここは森林なんてないし、これの使途目的にもかなっていないんですね。そういうところから、都会の都心部の人でも、山が水を涵養しますから水の恩恵は受けているということから、税負担を課すなら課すで理屈はあるのかなと思うんですね。
 同時に、我が国のCO2の排出量、資料を見ますと、家庭からで排出されているのは五分の一、そのあと五分の四は企業、工場であったり公共の事業所であったりというようなところであれば、個人の納税義務者にのみ課すんじゃなしに、工場やそういうところにも課していかぬというと、森林はいわゆるCO2吸収源になりますから、そういう意味で、国民が一つ共通の理解として理解をしていて、傾斜配分をする中でやっていくべきであるというふうに思っているんですね。
 それについて、三名の先生方、一言ごと御見解をいただければと思います。辻先生からよろしくお願いします。
#267
○参考人(辻一幸君) 私は、今の単位が一人当たり千円で、約六百億の財源が最終的に確保できるということですけれども、これは、国民にひとしく森林の恩恵に対する義務だろうというように考えてこういう制度をつくっていただけたのではないかなということを思います。
 それぞれその恩恵を受けている方、あるいは恩恵を受けていない方という、企業の関係なんかの差はあるかもしれませんけれども、国民がひとしく森林は共有のものだという考え方の中でこういう制度が出たということと同時に、この配分関係の原案を見させていただいても、やはり負担する川下の人たちもそれに対する見返りというか恩恵というのは、森林に対する関係の中での見返りというのはいい制度ではないだろうかなと。ある程度川上としても納得をせざるを得ない制度ではないかなということを感じているわけですけれども。
 それはなぜかというと、どういう関係が出てくるかというと、当然、今、木材利用で素材生産を、木材利用としての利用ということになると、やはり川下の人たちもその利用を、当然建築材として住宅を木を使いたいという中でそれを生かしてもらう、国産材を生かしてもらう、下流域の自治体に生かしてもらう運動だとか、あるいは、今、都市と山村の交流事業の中なんかで、都市が山村とも交流事業を促進している中で、そういう交流と意識改革の中でも役立ってもらえるような使い方を下流域の人たちにもしていただきながら、上流域への恩恵をこの千円の平等の配分の中でお願いをしていけるんじゃないかなということを思っているところです。
 山のないところになぜこの千円の配分が必要かという議論も聞いておりますけれども、それはそういう意味でなくて、山の価値を認識していただきながら、それを下流域にも還元して、なおかつ下流域の人たちにその木の認識だとか森林だとか自然の認識をこの財源の中で下流域には使っていただきたいという考えで、いい配分の仕方をしていただいたなということは感じています。
#268
○参考人(松岡明彦君) 私、法律のことはよく分かりませんけれども、できたら山側にいっぱいもらうのが一番いいんですけれども、これはもう税金ですから、相当、都会といいますか、人口が多いところに配分されるという話は聞きました。
 宮崎県は、もちろん素材生産は盛んなんですけれども、逆に、製材品のメーカーですね、製材所もかなりありまして、そこの経営者の人たちと話す機会があるんですけれども、これを機会に都会の環境税で宮崎の製品を使ってもらおうと、そういった議論が結構いろんなところで今されておりまして、それが適切な使い方かどうかはちょっと私は分かりませんけれども、そういった話も今宮崎では起こっております。
#269
○参考人(野口俊邦君) 冒頭申しましたように、この森林環境税そのものに対して私は疑義があるということがまず一点。
 それから、もしそれをよしとした場合でも、配分基準、これまだどこまで詰められているか知りませんけれども、前の審議等で見ますと、人工林の面積を五、それから林業就業者が三、そして人口比が二と、何かそんなふうな数字として承っております。これは確定しているわけではないですね。何かそんなふうな話は聞いています。
 もしそういうことであれば、森林というものをなぜ人工林に限定するのかと。これは言わば産業政策的な成長産業化という、ここのところに力点があるからそういうことであって、都会の人々からすると、必ずしもこれが人工林であるか、あるいは天然林であるかということに関係なく森林がいろんな機能を果たしているという意味では同じように見ている側面もないだろうかということで、この前提条件も疑問もある。疑問というのは、要するに、もっともっと国民的合意を得て、出せるべきところからというか、国の税金の中からしっかり出してもらうというのが基本じゃないかということと、配分も、そういう問題もあるんじゃないかというような感じがしました。
#270
○儀間光男君 ありがとうございました。
 なぜそういうことをお尋ねしたかというと、正直なところ、例えばこれの使途について見ますと、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進、これは都会の人できますね。それから、普及啓発事業、森林整備及びその促進に関する費用、森林整備を実施する市町村の支援に関する費用ということで、これ、各市町村がやるわけですが。
 例えば、今、辻町長おっしゃったんですが、私、地元沖縄ですけど、沖縄の那覇市や私が市長を務めた隣の浦添市なんて山一つないんですよ。森林地帯全くないんですね。したがって、ここは森林の業務となると、市長以下、皆ゼロでありまして、ここで森林行政をやってインターネットなどを使ってその方を公表しろといったってやりようがないんですね。県立のちっちゃな公園と市立公園程度しかありませんから。ここで森林行政どうするのかなということを思うと、配分を受けた実は山のない市町村の人たち困ると思うんですよね。何に使ったらいいか分からない。どうするんだろう。
 だから、そういうケースもありますから、分配するということには異議はないんですが、傾斜を付けたらどうかと。山側に少し重みを持たせて、もっと傾斜を付けていくと。それはこれで街路樹を植えたり、公園の中にガジュマルを植えたりなんということはやれないはずですから、そういうことを思っているんですが、傾斜配分についてどう考えますか。
#271
○参考人(辻一幸君) 私、この一〇〇%の配分の中で、人口割りが三〇%という案が出ていますね。これ自体が私は傾斜配分になっているんじゃないかなと。そして、あとのその七〇%というものは、山と森林面積と、それからその後継者と、こういった形の中の配分が進んでいる中で、全体の中の内容じゃないだけに、全体の中の三〇%が全国の自治体の人口割りということ自体が傾斜配分をそこにしているんだなというように受け止めてはいるわけですがね。
 もっと山奥として強く何か言えということになれば、もう少し人口割りを少なくしていただければ有り難いなと。ということは、人口割りで我々の町を考えたときには千人の人口割りしかその三〇%のうちからいただけませんので、東京の人たちは、そのほとんどを大都会の人たちは三〇%の中で占めていきますので、特にその現場の山村地帯というのは人口の少ない地域だけに、この人口の配分というのは余り地元にはうれしくない内容だけれども、相対的に私は三割にして人口配分というのは国で決めていただいた傾斜配分だろうと、こういうふうに受け止めています。
#272
○儀間光男君 ありがとうございました。
 まあ山側がそうおっしゃるんだったらそれでいいのかなと思ったりするんですけど。
#273
○参考人(辻一幸君) それをもう少し詰めて、三〇%を詰めていただければ。それが山奥の声です。
#274
○儀間光男君 となると、これ、一番金配分されるのが東京都で、世田谷区なんですね。山ないんです、ここ、世田谷は。
 そういうことですが、ただ、辻町長の町、私も行かせてもらったんですが、あのときちょっと印象に残ったのが、そういうことをしながら、都心の市区町村と連携をして、品川の森とか三菱何とかの森とかいって連係プレーやっていましたね。だから、品川へ相談して、おまえのところ少しよこせよとか、森つくるんだからもっと早川町へこれから予算回せよとかいう個別の交渉でやっていけそうですか、どうなんですか。
#275
○参考人(辻一幸君) それも私どもの町はあり得る話だなと。やはりそういう都市と山村の交流の中でこの森林環境税がお互いにその理解する財源になっていけばいいなという中で、品川との交流は私どもの町は三十年になるわけですけれども、あの早川の山を一山、品川区へマウントしながわとして提供もしてあります。それから、企業の森として約十ヘクタールぐらいの町の森を三菱パジェロの森として三菱自動車で山づくりに提供してありますし、なおかつ、水源地ブランド協議会として町の木材を生かす、活用するための試作品なんかも東京の企業と提携をしながら、早川町の木で椅子を作ったりテーブルを作ったりベンチを作ったりしながら、それを品川区へ使っていただいたりというふうな努力をしていますので、やはりこの配分の内容がそういう形でお互いに都市でも理解していただいて、下流域でも理解していただいて、この配分を山へ還元していただけたら有り難いなということを強く思っています。
#276
○儀間光男君 ありがとうございました。
#277
○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。
 今日は、三人の参考人の方々、大変貴重なお話、ありがとうございました。
 改めて、先日伺わせていただきました早川町のすばらしい自然とおいしいものに感謝を申し上げ、辻参考人に感謝を申し上げたいと思います。
 私は、まきストーブを使って三十年。最初の二十年近くは知り合いのきこりさんから、私、新潟なので、福島県境にあるそこの知り合いのきこりさんが二間ぐらいの丸太を、太いものだとこんなあるんですよ、ミズナラとか、そういうものを持ってきてもらって、それを連休の間に仲間を呼んで切って、だから、チェーンソーを使える国会議員なんです。もう少しまきを使う人が一%ぐらい増えれば、間伐材の使い道もあるし、少し林業も活性化するんじゃないかということを専門家からも話を聞いたことがあります。
 それで、今回の法案について私、ちょっと混乱していまして、というのは、法案の説明をこの通常国会が始まる直前に受けていて、一番何かいろんな資料を持ってきてもらったのはこの法案だと思うんですが、何か説明に来るたびに説明がちょっと違うような気がして、早川町にお邪魔したときに、ああ、そうなのかと、何となく腑に落ちたような思いでいたんですが、今回のデータの捏造で、そもそもこの今の日本のこの森林の状況に関する、あるいは林業の現状に関する認識が違うんじゃないかなというふうに思って、まだまだ混乱しているところなんです。
 それで、ちょっと松岡参考人と野口参考人に伺いたいんですけれども、とにかくもう五十年経て主伐期に入ったんだから、これはもう切らなきゃいけないんだと。切らないところはもう経営する意欲も能力もないということで、半ばちょっと強制的にその主伐をしなければいけない、あるいはどこかに委託をしなければいけないというような、そういう危機感も指摘をする先生方もいらっしゃるわけですけれども、この約五十年、六十年たった木をやっぱり主伐しなければいけないのか。
 逆に、いろんな論文を見ますと、今まさに日本の森林の状態が非常に豊かになっているというような状況で、主伐というのは、効率的にやろうと思うと全部皆伐するわけですよね、松岡参考人の資料を見ても。ただ、そのやり方をもっと環境に配慮した、その後造林がやりやすいようにしましょうという申合せをつくられて、ガイドラインですか、これはすばらしいと思いますが、でも、基本はやっぱり効率を考えれば皆伐しなきゃいけませんよね。
 だから、それがどんどん商業的に行って皆伐の面積が広がってしまうと、一方で、非常に環境保全、防災の観点からもいろんな面で問題点が大きくなるんじゃないかな、そこはどうやってコントロールするんだろうというのがちょっと分からないところもあるんですけれども、そういう観点で、やっぱり主伐しなきゃいけない樹齢にみんな達しているのかというような観点からも、ちょっとお二方の御意見を伺いたいと思います。
#278
○参考人(松岡明彦君) 別に主伐はしなければしなくて、そのまま立てておけば、一年ずつ年輪が増えていきますから、大きくなります。私、その法律が五十年で一回切らなくちゃいけないということじゃないと思うんですよね。最高の経営の年数が五十年という目安であって、一旦経営を受けた場合にはすぐ切らなくてもいいわけですよね。一旦経営を受けて、今切るのじゃなくて、周りの状況を考えながら主伐の時期を考えるということはできると思います。
 ただ、主伐に対して間伐というのがありますけれども、間伐という作業は非常に大変です。コストもむちゃくちゃ掛かります。労働災害の発生率も高いです。これも、間伐は非常に補助金がつぎ込まれていまして、作業する事業体も大変、ほとんど利益は出ません。山主にも還元はできません。
 もうCO2の吸収の関係で間伐しなくちゃいけないというのは知っているんですけれども、それがなくなったら、これ、地方でいろいろ、地域で違うんですけれども、宮崎の場合は五十年が一応の伐期の目安として、十五年か二十年ぐらいで一回、除間伐といって、もう要らない余分な木は切ってしまうと。利用しないと。それの方がコスト的には十分見合うと思っております。
 また、先生、先ほどまきストーブを一%の方が使われれば間伐材の利用が進むんじゃないかというお話しされましたけれども、これも皆さんちょっと誤解されているところがありまして、間伐材で合うところは、ほとんど今、宮崎の場合は生産しています。とんでもない場所の悪いところ、搬出が例えば丸太の値段が一万円なのに二万円掛かってしまうと、そんなところのはもちろん搬出しませんよね。そういうことで、宮崎の間伐材は十分、これも丸太になった場合にはもう一緒なんですよ、主伐材だろうが間伐材だろうが。ただ、曲がり材が多いとか木が小さいというのはありますけれども、同じ三メーターの二十センチの丸太でしたら同じような価格で取引されております。だから、間伐材というのは非常に定義が曖昧で、これはちょっと分かっていただきたいうちの一つでございます。
 以上です。
#279
○参考人(野口俊邦君) 森林科学の中で、短伐期林業とか長伐期林業という、そういう言い方をする場合があります。これは何かといいますと、一応、その樹種ごとに一定の成長する速度が違ってきたりするものですから、いい具合に成長してきたその辺のところを中心にして標準伐期齢という考え方があります。これは、杉でいえば四十年生、ヒノキはもうちょっと遅いですので四十五年、プラス十年ぐらいが誤差の範囲、地域によって違いますので。だから、大体五十年から五十数年ぐらいのところが、一応そこで切るというのが普通だとしたら、それより短い形で切ってきたのが高度成長期であります。
 例えば、長野県でいえば、カラマツなんというのは三十年で切れる早生、早く成り立つ樹種だからといってどんどん植えさせたわけです、県の政策として。だけど、そんなことは、実際は切れなくなる状況が出てまいりました。その後、高度成長以降、低成長期になると、どちらかというとそれでは採算が取れないから長伐期化して、つまり七十年、八十年まで伐期を延ばして、その間に間伐を何度もする、多くする、高伐期多間伐ということを繰り返していけば一遍で裸地にしないしというようなやり方が進められました。
 今回のは、これまた短伐期林業化の勧めであります。つまり五十年ぐらいで切れという主伐の勧めですから、明らかな方針の転換というふうに言わざるを得ません。だとすると、それがなぜなのかということも含めて、ただ成長産業化といえばどんどん切っていいのかというと、それは必ずしもそうではありません。なぜならば、持続可能な経営をしないといけませんから。という点では、ちょっとそこのところにはいろいろ問題があるんじゃないかというふうに思います。
#280
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 そこがちょっとまだ私も理解がうまくできていないというか、皆伐して造林したとしても、まずその造林、何というんでしょうか、民間の会社が皆伐をしました、その後の造林もします、その後も管理もしますということにはなかなか採算上ならないんじゃないかなと、そんな簡単なものじゃないんじゃないかなというふうに思いますし、一旦もう切ってしまえば、そこは成長産業といっても、また少なくとも短伐期といっても五十年は掛かるわけで、簡単に成長産業とかという言葉で片付けて、切って、植えて、すぐまた育って、それが商品になるんだみたいな、ちょっとその錯覚は持たない方がいいのかなというふうにも思いますし、私も、その辺のところの話の整理が、そもそもこの農水省の説明ペーパーがもう全く違うものに変わってしまったので、もう本当に混乱しているんです。
 次回質問される方がいらっしゃると思うんですが、どうも大手の商社が入って、どんどん皆伐して売っていくんだと、これが成長産業なんだと。でも、それはちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺の、今持続可能性という野口参考人のお話がありました、辻参考人、そして松岡参考人から一言ずつ、そのことについてのお話をいただければと思います。
#281
○参考人(辻一幸君) 私、今の主伐の話は主伐期に来ているという意味で言っていると思うんですよ。材として活用できる、例えば五十年生とか六十年生ぐらいの木材に成長している時期に来ているということを言っているのが主伐期だと。それが戦後の復興の中で、全部その木材を搬出した後、造林をして、それぞれ杉だとかヒノキだとか価値のある時代を、みんな林業農家がお金に換えて、そして植林をした木がそこまで成長して主伐期に、いつ切ってもいいですよ、建築材になりますよという時期が到来しているという意味で、それだけの森林が今蓄えられているということを国では言っているんじゃないかなということを思います。
 そうした中で、やっぱり手を入れなきゃどうにもならぬ、その主伐期が来ていても。手を入れなきゃどうにもならぬというのが、今、民有林が放置されているという現実であって、杉だとかヒノキは価値のある建築材として価値のある木であっても、やっぱり間伐をしたり育てることに努力をしてこないと、その木の価値というのは切るときが来ていても価値はそんなに高まってはいかないという中で、今、その民有林の手入れが遅れているけれども、しなきゃならぬということであります。
 一番最後の資料の中に、これは六十年生の林地でありますけれども、つい十年ぐらい前に間伐をしただけで、決して立派な木には育っていませんけれども、こうした中での手入れを、やはり間伐をしたり林地整備をしたりしていかなきゃ、植えた木が天然林では放置をされていてもお金になる、価値がある材としたら育っていかないというのが現実の民有林の植えてあるところの木の姿だという中で、それで、植えておけば、植えっ放しじゃ、お金になるんじゃなくて、やはり手を加えないと日も入らないし、おろ抜かないと日も入らないし、草も生えなきゃ木は育たないわけです。
 だけど、密集されて植えっ放しの木は、本当に日も入らなくて、その木が五十年の価値、六十年の価値になっていないというふうな現実があるわけですので、こうしたことを、どこでそういう森林計画を立てて手を加えていくのかという制度がこれからの制度の中で確立していただきたいというのが行政の立場ですし、価値が出た木は……
#282
○委員長(岩井茂樹君) 辻参考人、時間が参りましたので、簡潔にお願いいたします。
#283
○参考人(辻一幸君) はい。
 業者にそっちの専門は任せていくという循環が必要だろうと思います。
#284
○委員長(岩井茂樹君) 松岡参考人、簡潔に、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
#285
○参考人(松岡明彦君) はい。
 皆伐している山、国有林、公的な山、公社林とか県有林がありますけど、これは大体、年間計画量があって、それに沿って計画的に伐採を進めています。
 今度管理する山に関しても、しっかり管理していけば、そんな乱伐につながることはないと思っております。
 以上です。
#286
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
#287
○委員長(岩井茂樹君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたりまして御出席をいただき、貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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