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2018/06/07 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第21号
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2018/06/07 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第21号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第21号
平成三十年六月七日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     野上浩太郎君
     松川 るい君     藤木 眞也君
     木戸口英司君     森 ゆうこ君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君     井原  巧君
     藤木 眞也君     進藤金日子君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     藤木 眞也君
     森 ゆうこ君     青木  愛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                井原  巧君
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                徳永 エリ君
                舟山 康江君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                儀間 光男君
                青木  愛君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   副大臣
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       消費者庁審議官  橋本 次郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宇都宮 啓君
       厚生労働大臣官
       房審議官     森  和彦君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      別所 智博君
       林野庁長官    沖  修司君
       環境省水・大気
       環境局長     早水 輝好君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、木戸口英司君、松川るい君及び平野達男君が委員を辞任され、その補欠として青木愛君、藤木眞也君及び井原巧君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農薬取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官橋本次郎君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩井茂樹君) 農薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○田名部匡代君 おはようございます。国民民主党・新緑風会、田名部匡代でございます。
 こうして質問させていただく前に、毎回毎回このことを申し添えなければならないのは、本当にもういいかげんにしてほしいという気持ちもあるんですけれども、大臣、昨日、ニュース見ていましたら、自民党の小泉進次郎さんが、何か自民党の部会でしょうかで発言されたということで、いつまでもはっきりしないこのモリカケの問題について、やっぱり特別委員会を、調査委員会ですか、設置すべきじゃないかと御発言されていた。いよいよ、いよいよというか、ようやくというか、一年たってそういう声が自民党の中からも出てきたなと、私はこれ当然だと思うんですね。
 それは、総理が関わったかどうかではなくて、これだけの大きな問題が起こっているにもかかわらず、そのまま放置するなんていうことはあり得ないですし、最近出てきた財務省の調査結果を見ても全然事実関係が分からない。まあ、麻生大臣が給与を十二か月分返したというけれども、それだけで本当に十分なのかということに私は大いに疑問を持っておりまして、私は、ここずっと大臣といろいろと議論を通じて拝見をしていて、大臣はやっぱりそういうところはしっかりとやるべきだとお感じになっているんじゃなかろうか、そういうお人柄ではないか、そういう何か責任ある政治家ではないかと、そのように感じているんですが、大臣、やっぱりしっかりその調査する委員会を立ち上げて議論すべきだと、明らかにするべきだとお考えになりませんでしょうか。
#7
○国務大臣(齋藤健君) その国会で委員会を立ち上げるべきかどうかという件について私が発言をするのは適切じゃないと思いますけれども、一連の問題において多くの国民の皆さんが依然としてもやもや感を持っているというのは、私も地元に帰ればそれを痛感しているところであります。
 それぞれの役所がそれぞれきちっと対応するということが大事だと思っていますので、私は、少なくとも農林水産省においては、一つ一つ御指摘があるごとに対応を、むしろ私が指示をする形で対応をしてきたつもりでありますので、その点についての評価は委ねるしかないわけでありますが、私が一番、一番気にしておりますのは、私の経験からいっても、多くの職員の人は真面目にやっているわけですよね、その真面目にやっている人たちの信頼が傷ついているということについて、私は一番残念に思っておりますので、その信頼の回復に向けて大臣としてやるべきことはしっかりやっていきたいというふうに考えております。
#8
○田名部匡代君 大臣もお立場でそれ以上のことはおっしゃれないと思います。是非この問題の全容解明に向けて政府・与党一体となって協力をしていただきたいということを申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。
 国土が狭くて、日本全国、北から南までいろんな気候の違いもあるこの日本で、いかに効率的に、そして安全性をしっかり保って食料の生産をしていくかということは非常に大事でありますし、そのためには農薬というものはある意味欠かせないものである。一方で、生産方式なんかでできるだけ農薬を使わないように、虫が付かないように努力をして生産活動を行っている農家の方々もいらっしゃいます。
 いろんな調査を拝見しますと、農家における生産現場での農薬の適正使用、この意識というのが非常に高いんだなということを感じます。いろいろ事が起こったときには自治体やJAなんかもしっかりと指導されている、これが今の日本の現状だろうというふうに思うんですけれど。
 とはいえ、今回、法律のヒアリングを受けたときに、今回の法改正で、最新の科学的根拠に照らして安全性の再評価を行う、今までよりはずっと良くなるんだということを力説されました。最初は、また何か怪しい法案を出してきたのではないかと。最近はすぐ規制改革推進会議のって、どこの利益になるのか分からないようなものを農水省が出してきたりするので、もしかしてと思っていろいろ聞いてみましたけれども、まあこれまでよりは良くなるのではないかなというようなことを受けたわけですが、そうであるかどうかをしっかりと今日この委員会で確認をさせていただきたいと思いますが。
 ただ、これまでよりは良くなると言われると、これまではどうだったのかということにもなるわけで、今現在使用している農薬の安全性というものがしっかり担保されているのかどうか、是非これは国民の皆さんにもお知らせをするつもりで御答弁をいただきたいというふうに思います。どうも法案の説明資料を見ていると、この書きぶりでは不安をあおることになりはしないだろうかという思いもありますので、これまでのことについてお話をいただきたいと思います。
#9
○副大臣(谷合正明君) 御質問ありがとうございます。
 結論から申し上げれば、これまでもしっかりやってきているということに尽きるんですけれども、農薬につきましては、これまでもあらかじめ農作物への効果、また食品を通じた人への健康への影響、そして使用者や環境に対する影響を評価しまして、問題がないことを確認して製造や使用を認めてきたということであります。そして、登録した後ですね、登録後も、例えばDDTのように安全性の問題が明らかになったものは、登録の変更、また販売、使用の禁止を進めて、農薬の安全を確保してきたところでございます。
 さらに、今回の改正におきまして、農薬の安全性をこれより一層向上させる制度とするために、再評価制度を導入して、全ての農薬について最新の科学的知見に基づく評価を行うことと、そういうふうに今回の改正に至っているということでございます。
#10
○田名部匡代君 ただ、私、これ説明聞いたときに、ちょっと順番いろいろになっちゃうかもしれませんけど、今回の見直しで動植物に対する影響評価というのが項目に入っているんですね。お伺いしたら、今までは水産動植物に関する影響しか考慮してこなかったと。私、このことにとても驚いたんです。何か、それで大丈夫だったのだろうか、なぜそんな影響評価しかやってこなかったのかなと、本当にそれで安全が担保されたのかということについては非常に疑問なんです。
 それで、これからは動植物に対する影響評価を行うというふうになっているんですけれども、どういった範囲でとか、どういう生物に対して評価をするのか、ちょっとその方法が分からないので、どういう評価の仕方をするのか教えていただけますでしょうか。
#11
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 これまで、まず、この農薬取締法、最初、かつてはやはり水田から河川に農薬が出て水産動植物の被害が発生したというところから昭和三十八年の農薬取締法が改正され、まず水産動植物に対する影響評価を行うことが盛り込まれまして、その後、やはりそれだけでは十分でないんじゃないかということで今回の改正に至っておりますけれども、水産動植物から生活環境動植物に拡大することで、陸域の動植物も含めて追加をするということでございます。
 これまでも、水産動植物の中で、例えばですが、生態系を考慮して一次生産者である藻類でありますとか、それからそれを食べる甲殻類でありますとか、それからそれを更に食べる魚といった形で、生態系も考慮してなるべく広い生物に対する影響を見てきたということでございます。
 今回、新たにどういう動植物をこれで追加するかということにつきましては、改正法案の成立後に、国際標準との調和、それからこれまでの科学的知見などを勘案して中央環境審議会で審議いただいた上で、どんな生物にということについては選定していきたいと考えております。
#12
○田名部匡代君 しっかり農水省さんと連携をして行っていただきたいというふうに思います。
 ただ、この今回の法案に、再評価制度で再評価を行った場合に、いろいろと安全性等に影響があったときには変更又は登録の取消しを行うことができると、できる規定になっているんですね。それ、問題が生ずると認められる場合はそれが行うことができるというか、そうしなければならないという規定にするべきじゃないのかなと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#13
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 再評価の結果による登録の変更や取消しを農林水産大臣ができると規定されておりますのは、こうした行政処分を行う権限を大臣に与えると、その旨を規定したものでございます。
 通常、安全上の必要があれば農薬メーカーが自ら登録の取下げなどを行うことが多く、その場合には農林水産大臣が職権で登録の変更や取消しを行う必要がないことからも、できるという規定としているということでございます。ただし、もし安全上の必要があるにもかかわらず農薬メーカーが登録の取下げなどを行わない場合、これは当然ながら農林水産大臣が職権で登録の変更や取消しを行うということでございます。
#14
○田名部匡代君 分かりました。ありがとうございます。
 日本では、これまで一度農薬を登録すれば三年ごとの更新で、特に検査は必要なかったわけであります。例えば、海外、欧米等と日本、それぞれに登録されている農薬の中で、同じものが登録されているんだけれども、海外では既に科学的知見によって使用不可、登録削除というようなことになっているもので、現在でも日本では販売されているというような農薬もあるんでしょうか。
#15
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 病害虫の発生状況や作物の栽培方法は国によって異なります。同じ農薬であっても、国によって使用量あるいは使用回数なども異なることから、各国がこうした国ごとの状況を踏まえまして、それぞれの登録制度に基づいて農薬の効果あるいは安全性を審査し、問題がないことを確認して製造や使用を認めているところでございます。
 このため、農薬の登録の有無は必ずしも各国で一致するものではございませんで、例えばEUの再評価におきまして登録が失効した農薬でも日本で登録がある、そういった農薬も存在しております。ただし、EUの再評価で登録が失効いたしましたものは、データ不足やメーカーの経営判断などで再評価の申請がなされなかったものなど様々な理由が考えられ、安全上の懸念により登録が取り消された農薬かどうかまでは、これは把握してございません。
 いずれにいたしましても、最新の科学的知見を反映いたしまして、農薬の安全性をより一層向上するということは必要と考えておりまして、全ての農薬について再評価を行い、その結果に応じて、安全を確保するために必要な場合には迅速に登録の見直しなどの適切な対応を講ずるということにしてございます。
#16
○田名部匡代君 この再評価についてでありますけれども、この委員会におられる自民党の野村先生が、会合でこれを自動車運転免許に例えておっしゃった。これまでの再登録は自動車運転免許でいえば延長切替え、再評価は改めて免許を取得する試験を受けることと同じだと、こういう説明をされて、そういう意味では今まで以上にしっかりとした体制が、安全性が担保されていくのかなというふうに思うんですけれども、ただ、ここに、その再評価をする期間が定期的に再評価というふうになっているんですね。私のいただいた資料では、一定期間有効成分ごとにまとめて再評価というふうになっているんですが、この定期的にというのはどの程度のことなんでしょうか。
#17
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農薬の新規登録には、まずメーカーが数年以上を掛けて創薬をした上で、七、八年掛けてデータを作成しまして、さらに国が二、三年掛けて審査をして効果と安全性を確認してございます。
 さらに、今般導入いたします再評価でございますが、これ、農薬の安全性を向上させるため最新の基準に基づいて評価をし直すというものでございまして、お尋ねのその実施期間ですが、まずはその農薬の安全性に関する試験方法、こういったものが更新される期間に合わせる必要があるということです。
 もう一つは、再評価を短期間で実施しました場合、国の評価、あるいはメーカーの開発に影響いたしまして、新規農薬の登録が遅れるおそれがある一方で、再評価の効果は小さいと、こういうことを踏まえまして十五年とすることを想定してございます。
 これに加えまして、今後は毎年の農薬メーカーからの報告などによる継続的なモニタリングを行い、安全性に関する知見が明らかになった場合には再評価を待たずにいつでも評価を行うことによりまして、現行制度以上に農薬の安全性を確保していくということにしてございます。
#18
○田名部匡代君 通告していない質問だったのに、済みません、ありがとうございます。
 ただ、今おっしゃった十五年ということに関しては、実はこれは規制緩和になるのではないかという不安の声があったというふうに聞いています。そのことについて、そうではないということを今御説明をいただきました。しっかりと行っていただきたいと思いますし、これが規制緩和になって安全性が守られないというようなことにはならないように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ただ一方で、安全性について疑わしいとなった場合、その後どういう対応となるのか。販売禁止であるとか、現在その農薬を使用している農家から回収だとかいうことになるのかもしれませんが、その回収を行う場合はどこが責任を持って行うのか、そういう仕組みについて教えてください。
#19
○大臣政務官(上月良祐君) 再評価によりまして登録を取り消しました農薬につきましては、農林水産大臣が人の健康や環境へのリスクが特に高いものについては直ちに販売、使用を禁止するという運用を考えております。そうでないものにつきましても、登録の取消し後、一定期間を経て販売、使用を禁止するということになります。
 また、販売が禁止された農薬につきましては、製造者、販売者等に回収の努力義務を条文上課すことになっておりまして、こうした取組によりましてリスクの高い農薬による人や環境等への被害を防止する、そういう仕組みを取っているところであります。
#20
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 ちょっと、これももし、ごめんなさい、いろいろ資料を見ていたら通告していないことを伺っちゃいそうなんですが。
 安全性等について新たな科学的知見が明らかになった場合と、随時評価のところにそういうことが書いてあるんですけど、この新たな科学的知見が明らかになった場合というのは、これ、どの時点で、またどういうところが責任を持ってこの報告というんでしょうかね、新たな知見が明らかになりましたよということをどう報告するのか、それはどこに責任があるのか、それはそれに気付いた側が責任を持ってきちんと報告をするんですよということがこの法律できちんとその関係者のところに知らされることになるのか、教えていただけますか。
#21
○政府参考人(池田一樹君) 今回の再評価の制度につきましては、先ほど申し上げましたように、定期的な評価に加えまして、毎年メーカーから安全に関する情報を提供していただく、あるいは国も自らそういった情報の収集に努めるということにしてございます。
 毎年農薬メーカーから求める報告でございますが、これは農薬の使用による事故などの情報、あるいは海外の規制当局からの追加の安全性試験の要求、あるいは登録の見直しに関する情報、あるいは論文等の新たな科学的知見、こういったものを報告をしていただくということを想定してございます。
 農林水産省といたしましては、これまでも新たな科学的な情報が得られた場合には、日常的に収集している情報との突合等も行いまして、しっかりとこういったものを精査をしてきてございまして、今後ともそういった取組をしっかりと続けていきたいと思ってございます。
#22
○田名部匡代君 その新たな知見が発見されたときにはきちんと農水省としてすぐに把握できる、そういう体制が整っているということでよろしいんでしょうか。
#23
○政府参考人(池田一樹君) その体制を今回の法律の改正で一層より良いものにするということでございます。
#24
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 次に、再評価におけるその評価の順序をどう考えるのかということをお伺いしたいんですが、いただいた資料には、特に必要性、安全性が高い農薬については優先的に登録審査を行うということになっているんですが、この安全性というのは分かるんですが、必要性というのは誰が判断されるんでしょう。質問が飛んじゃってごめんなさい。
#25
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 今回の改正案では、病害虫の防除におきまして特に必要性が高い農薬、こういったものは他の農薬に優先して登録審査に努めるということにしてございます。
 この審査に当たりましては、都道府県から早期登録の要望があった農薬のうち、防疫上特に必要性が高く、かつ早期に登録が行わなければならないものとして認められる農薬、こういったものを優先審査の対象とする方向で検討をしてございます。
 こうした仕組みを通じまして、防除の現場のニーズに応えまして、必要な農薬が早期に登録され、現場で使えるよう取り組んでいきたいと考えております。
#26
○田名部匡代君 今回の新たな制度の中で、農薬の新規登録が遅れることがないように体制をしっかり強化する必要があるのではないかなと思いますが、その体制についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#27
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 再評価制度の導入によりまして既存の農薬の安全性を向上させていくことは重要ですが、現場が求める新規農薬の登録審査についても遅滞なく進めるということが必要と考えてございます。
 そのため、今般の法改正に伴う農薬の審査業務の増加に対応いたしまして、農林水産省における審査体制の拡充、今年度は審査員を五人増員してございますが、これに加えまして、独立行政法人農林水産消費安全技術センターとのシステム連携などによる業務の効率化、あるいはその審査中にデータ不足が判明することによりまして審査の手戻りをなくすというために、登録申請に先立つ事前相談などの段階から申請の内容を早期に関係府省で共有すること、こういったことなどによりまして評価能力の強化、こういったものを検討しているところであります。
#28
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 また、今回の法改正で、関係する団体の方にもいろいろとヒアリングをさせていただきました。その中には、もう当然、安全をつくるというか守るということは最優先ですけれども、その再評価などが導入されることによってメーカー側のコストが増えるのではないかという声も実際聞かれました。費用の負担が大きくなれば、今まで使用していた安い農薬であるとかマイナー作物で使用されているような農薬はわざわざ再登録されなくなる可能性というのがあるのではないかなということが懸念されます。まさに使える農薬が減る、つまりは使える農薬が減ればその作物を作らなくなるということにつながっていくと思うので、そういうことはしっかりと防いでいかなければならないというふうに思いますし、たとえ再登録されたとしても、コストが高くなればその分結局価格に上乗せをされて、まさに本来、生産者の所得向上、資材や農薬や、まあ流通も含めてですけれど、しっかりとそこのコストを下げて所得を上げようと言っていたのに、逆の効果が生まれてしまうのではないかという懸念もありますけれども、その辺についてはどのような御見解でしょうか。
#29
○副大臣(谷合正明君) まず、農薬につきましては、効果があり、人の健康や環境に対して安全と認められたものだけを使用することが最重要であります。
 再評価に当たりましては、農薬の安全を確保する上で不可欠なデータの提出は必要でありますが、一方で、先生御指摘のとおり、データ作成がメーカーにとって過度な負担となり、農薬の価格が大きく上昇しないよう配慮することも必要であるというふうに考えております。
 このため、試験のガイドラインを国際標準と調和させまして、日本以外の他国に提出されたデータなど既存のデータを審査に活用できるようにするなど、メーカー負担にも配慮して取り組むこととしております。
 また、今回の法改正では、先発農薬と規格が同等なジェネリック農薬につきまして、登録申請時の試験データの一部を免除することでジェネリック農薬の申請を進めやすくするなど、安全性を確保しつつ、良質かつ低廉な農薬の供給のための見直しも併せて行うこととしております。
 また、農家に必要な農薬が確保されるようというお尋ねもありましたけれども、まず、マイナー作物という話がございましたが、作物群で登録を可能にする仕組みを順次導入することで生産量が少なくて使える農薬に制約のある作物等に利用できる農薬をまず拡大していくと、そして農業現場のニーズの高い農薬につきましては優先的に新規登録審査を行う等の取組を推進してまいりたいと思っております。
#30
○田名部匡代君 ここまでで半分ぐらいの不安は少し解消されてきました。
 まだあります。先日、新聞にも出ておりましたが、ドイツのバイエルがモンサントを買収して農薬四強時代に突入という記事を見ました。農薬の開発に巨額の資金が必要でありますし、今後、寡占状態となって、メーカーの言い値になってくるのではないかというようなことも懸念しています。また、世界で需要のある農薬ばかりが研究されて、日本の農家が必要とするような農薬の研究というものが置き去りにされるようなことはないのだろうかというようなことも不安に思うわけでありますけれども、今後もしっかりと国内で必要とする農薬が研究開発されていくのか、新たな病気が発生したときに対応できませんなんということになってはいけないと思うので、その辺についてお伺いしたいと思います。
#31
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 日本の農薬メーカーは、海外のメーカーと比較いたしまして優れた新薬の創薬力を有してございまして、高い競争力を持っていると考えております。
 世界における農薬の新規有効成分に占めます日本のメーカーが創薬した有効成分のシェアですが、これ四割程度あるという大変高い創薬力を有しておるということ、また、日本のメーカーと海外メーカーは対象となります作物などの得意分野がすみ分けられていると、例えば日本のメーカーは水稲等、海外のメーカーは小麦ですとかトウモロコシ、こういったすみ分けられているということから、今御懸念がございましたような事態の発生は考えにくいのではないかと考えております。
 むしろ、今般の改正ですが、再評価の導入や安全性審査の充実など、国際的な標準との調和を図ることで農薬の安全性を一層向上させるものでありますので、日本のメーカーにとって国際競争力が高まり、海外に進出しやすくなるものでございまして、日本のメーカーの経営基盤の強化につながると考えられます。また、今般の改正法案には、農業現場のニーズの高い農薬について優先的に新規登録審査を行うと、こういったことを盛り込んでいるところでございます。
 これらの取組によりまして、日本の農家に必要な農薬が今後ともしっかりと供給されるように努めてまいりたいと考えております。
#32
○田名部匡代君 今、必要な農薬について現場のニーズを聞くというふうにおっしゃっていました。
 ちょっとそこに関係してくるんですけれども、リンゴの黒星病であります。青森では、まさにその黒星病に苦労をしています。山形もそうかもしれません。北海道では例年より早く黒星病が発生したなんということもありますし、大臣の御地元千葉では梨の黒星病でしょうか。全国における黒星病の発生状況もお伺いしたかったんですが、まだ時間があるので、どのように把握されておられますか、発生状況。
#33
○政府参考人(池田一樹君) お尋ねのありました黒星病ですが、リンゴの黒星病につきましては、青森県を始めとしたリンゴの生産県で広く発生をしているという病気でございまして、例えば青森県では、平成二十八年、これまで使用してまいりました殺菌剤ですが、これが効かない耐性菌が出現をしました。このため、平年よりも発生面積が拡大しております。
 このため、青森県は、直ちに代わりとなる農薬を選抜いたしまして、平成二十九年度の防除基準を見直すなど新たな殺菌剤による防除指導を推進をいたしました。この結果、平成二十九年の青森県でのリンゴの黒星病の発生、これは平成二十八年の発生量を下回る水準にとどまったところということでございます。本年でございますが、青森県の津軽地方では平年より早く発生が確認され、発生量も多くなってございまして、青森県は、五月二十八日、注意報を発生するなど、適期防除の徹底を呼びかけているところでございます。
 農林水産省といたしましても、青森県を始めといたしますリンゴ生産県と連携いたしまして、的確な発生予察など、この病気の適切な防除に努めてまいりたいと考えております。
#34
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 まさに青森では、これまで使っていた農薬が、薬が効かなくなったということで耐性菌が発見された。これ、青森以外のところでは、同じ薬を使っていても効いているんだそうです。青森のリンゴの関係者の方々からは、まさに、またこの薬が効かなくなっていくのではないか、だから新たにきちんと薬を研究してほしい、開発をしてほしいというふうに思っているんですね。でも、それは今申し上げたようにほかの県では同じ薬を使っていても効いている、青森ではそれが効かなくなっている、こういう地域差もあるのかもしれません。
 そのときに、現場の、先ほど現場のニーズにとおっしゃっておられましたが、全体で見たら青森は一部かもしれませんけれども、まさに青森のリンゴというのは日本の輸出にも大きく貢献をしていますし、青森の地域経済にも大きく貢献をしているんです。ですから、青森にとっては青森のリンゴに効く薬をきちんと作ってもらうこと、開発をしてもらうことというのはまさに死活問題なんですね。
 ですので、それぞれの地域であるとかそれぞれの現場であるとか、もしかしてニーズは大きく違うのかもしれないので、そういうきめ細かいニーズを拾い上げて対応していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(別所智博君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、リンゴの黒星病について、平成二十八年度に青森県などの主産地で多発が見られましたので、直ちに農林水産省といたしましては、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業ということで緊急対応研究を実施いたしました。その結果、今御指摘いただきましたとおり、基幹的に使用されている農薬に対する薬剤耐性菌の発生、これが多発の原因であったということ、また、秋に防除いたしますと越冬伝染源の減少につながりまして翌年の発生抑制などに資するというような知見が得られまして、次年度の防除基準の見直しなどの対応が取られているところでございます。
 今後でございますけれども、これらの研究成果を生かしましてリンゴ黒星病の蔓延を防止していくということが重要だと考えておりますので、新たな薬剤の導入あるいは秋季防除も含めた効果的な防除方法の確立などによりまして新たな防除体系を構築することを検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#36
○田名部匡代君 よろしくお願いいたします。
 もう一点。最近、青森県にも海外からのお客様が、非常に観光客が増えています。その海外からのインバウンドでどんどん日本に観光客が入ってきて、それに伴って日本に上陸をしていないような病原菌が国内に持ち込まれることがあるのではないかと大変心配しています。その一つが火傷病であります。
 今年は、沖縄では台湾からの旅行客からはしかが入ってきたということで猛威を振るいました。万が一、火傷病が発生している国から果樹の枝であるとか果樹が国内に持ち込まれたり、この間は中国の方々が国内に、何かお肉、生肉を持ち込んで、日本で買うとというか食べると高いので生肉を持ち込んだ、それを検査したらそこから鳥インフルエンザの菌が発見されたなんということを伺いました。
 いろいろな状況はあると思うんですけれど、しっかりと防疫体制を確立することが大事だと思います。人員の確保も含めてでありますけれど、その体制は十分であるのかどうか。是非、まだ不十分だというのであればしっかりと体制を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#37
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 お尋ねのありましたリンゴの火傷病でございますが、リンゴ、梨、ビワなどバラ科の果樹を枯らすなど、重大な被害を及ぼす細菌性の病気でございまして、北米、ニュージーランド、ヨーロッパではほぼ全域に発生しておりますが、我が国では未発生でございます。このため、我が国では、発生国からのリンゴなどの輸入を禁止をいたしまして、火傷病の侵入防止ということに万全を期しているところでございます。
 また、これはあってはならないことですが、万一リンゴの火傷病が我が国に侵入した場合には迅速かつ的確な防疫を行うということが非常に大事ですので、このために防疫指針を定めてございまして、日頃からこの指針に基づきまして早期発見のために国や都道府県が生産地域や港湾地域を巡回をいたしまして、病徴の調査、あるいは病徴が見られる場合の細菌分離や同定、こういったものを行っております。
 また、これにより万一発生が確認された場合には、感染植物から半径四十キロ以内を発生区域として植物を伐採をいたします。また、四十メートルから……
#38
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#39
○政府参考人(池田一樹君) はい。
 防除区域を設定をするとともに、有効な農薬を使ってしっかりと防疫を行うという体制を整えているところでございます。
#40
○田名部匡代君 終わります。
#41
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。
 私が疑い深いのか、変な法案ばっかり出てくるのか、私も田名部委員と同じように法案を裏から透かして見たり疑って掛かる癖が身に付いてしまいました。今いろいろと確認をしていただいたのと、私も少し読ませていただいて、今回の法案については善意に解釈をして、いろいろなお願いをさせていただこう、こういう形で質問に臨ませていただきたいと思います。
 いろいろな実験や試験があります。その方法もしっかり見直していただいて、合理的手法が取れるところはしっかり取っていただいて、新たに必要な部分をしっかり充実させる、いわゆるめり張りを利かせて、最新の知見を諸外国のものも含めて有効に利用していただいて、様々必要な分野に手を足を伸ばしていただければと思います。
 その中の一つに、やはり他のデータをうまく活用するということを確認させていただくのが一点。そしてもう一点は、動物実験のことについてであります。
 日本は、動物実験についても諸外国に比べていろいろ遅れている分野があるというふうに指摘をされてまいりました。齧歯類を主に使うわけでありますけれども、犬や猿を使うということでいうと、まだまだその代替方法が日本では遅れてきたという指摘もなされているところであります。やっとこ犬の長期試験はやめていただけるようになったようであります。そしてまた、齧歯類を使っての試験も、なるべく苦痛が低い、あるいは命を大事にする、そういった工夫もしていただきたいわけであります。
 特に、最近の知見の中では、皮膚感作性試験、アレルギー試験には新しいLLNA試験という方法まで取り入れられているようでありますので、これを実験をする、試験をする業者に様々な形で告知をしていただくということも含めてしっかり対応をしていただきたいと思います。
 たくさんの質問事項を用意させていただきましたので、簡潔に御答弁をいただければ幸いでございます。
#42
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 お答えします前に、先ほど防除区域を四十キロと申し上げましたのは四十メートルの間違いでございまして、大変申し訳ございません、訂正させていただきます。
 お答えいたします。
 農薬につきましては、効果があり、人の健康や環境に対して安全と認められたものだけを使用することが最重要でございまして、登録時には動物試験に基づきます安全性の評価が必要になってございます。
 ただし、動物愛護の観点も重要でございますので、動物試験についてはできる限り必要最小限とするよう取り組んでいるところでございまして、例えば平成二十九年度末には、犬を用いました慢性毒性試験を農薬登録申請の必須データとしないこととしてございます。
 そのほか、急性経口毒性試験の試験動物数は順次削減をしてきておりまして、これらについては農薬登録時に必要な試験のガイドライン、明示をしているところでございます。
 それから、御指摘の皮膚のかぶれに関しますLLNA法による試験成績ですが、もうこれは既に申請者から提出をいただければ審査に用いているところでございます。さらに、今後はこれを農薬登録時に必要な試験成績のガイドラインということで明示をするということにしてございます。
#43
○小川勝也君 その方向性でお願いをしたいというふうに思います。特に、OECDでいろいろな基準が決められたり、あるいは改正されたときになるべく早くキャッチアップしていただくと、そういったお願いもさせていただきたいと思います。
 資料を三枚用意させていただきました。特別支援教育の現状という資料も見ていただければと思います。
 これは、前回も使わせていただいた資料であります。特に、私の方から問題意識としてネオニコチノイド系農薬、これをなるべく早く禁止していただきたいという思いでありますけれども、すぐに禁止できないということもよく承知をいたしております。問題意識をデフォルメするためにそういう言葉を使わせていただきましたけれども、実は、有機リン系もまだ使われておりますし、ピレスロイド系の農薬も使われております。そして、農薬以外にも、別の摂取の方法によって体内に蓄積される環境ホルモンのような物質も様々影響を与えているということも知悉をいたしております。
 しかし、この数字の伸びの中に農薬由来のものがないというふうに言い切れる知見はありません。むしろ、必ず農薬関連が原因になっているというふうに考えた方が理にかなっているというふうに考えるわけであります。
 農薬の登録にはいろいろな実験をしていただいているわけでありますけれども、先日もお話をさせていただきました神経毒性の試験が不十分であると認識をしています。今後、このような因果関係を指摘する論文がどんどん増えてくるようにも思いますし、当然、今の段階でほぼ疑って間違いないというふうに私は断言をさせていただきますので、様々な場面で神経毒性に係る試験、それに関係する試験を随時導入していただきたいと、要望でございます。御答弁をお願いをしたいと思います。
#44
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農薬の安全性を確保するためには、科学の発展に対応して、最新の科学的知見を農薬登録に反映することが重要と考えております。これまでも、農薬の登録申請時に要求をする試験成績に、例えば発がん性試験であるとか神経毒性試験、こういったものを随時追加してきたところでございます。
 委員御指摘の発達神経毒性でございますが、これまでも農薬メーカーから自主的に試験データが提出をされてございまして、評価が行われてきたところでございますが、この発達神経毒性、適切に評価することが必要な項目と考えてございます。正式に試験要求として発達神経毒性試験を追加することについて関係府省と連携して検討を始めておりまして、早急に結論を出していきたいと考えてございます。
#45
○小川勝也君 答弁を前向きに受け止めさせていただきたいと思います。その方向性でやっと動きがなされたということがこの法案の提出につながったものと解釈をさせていただきます。
 すぐ中止をという思いはありますけれども、それはなされないということも重々承知しておりますので、必要な試験をしていただく、そして農薬の使用量を減らす、そして残留基準を厳しくする、そして特にダメージのある分野、胎児や子供たちに気を遣う、こういうことでこの問題と対処していくしかないというふうに今のところ結論を付けているところであります。
 次の資料を見ていただきたいと思います。これは、単位面積当たりの農薬使用量であります。
 この因果関係については、私がこれ使わせていただいているデータでありますので、いろんな言い分もあるでありましょう。しかし、しっかり言えることは、日本は世界の中でも最も高い水準の農薬使用大国であるということであります。このことだけはお認めいただかなければなりません。
 ヨーロッパやアメリカの一部に比べて、例えばモンスーン気候でありますので必然と必要な農薬量が違うということもよく分かっておりますけれども、農薬が胎児の発達や子供の将来への発達や、あるいは我々人間に様々な影響を及ぼすということを考えたときに、どう農薬を減らしていくのか、これは農業をつかさどる農林水産省として最も大事な努力義務の一つではないかと私は考えるわけであります。
 農薬の使用量をどう減らしていくのか、その決意もお伺いしたいと思います。
#46
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 温暖湿潤で病害虫の被害を受けやすい我が国、委員御指摘ございましたが、こういったところでは、農産物を安定的に供給をするためには必要な範囲で農薬を使用することは不可欠でございます。また、農薬を使用する上では、人の健康や環境に対する安全を確保することが基本であることから、農薬登録制度により安全と認められる農薬だけを製造、販売、使用できるようにするとともに、遵守すべき使用方法などを定め、農薬の適正使用を進めているところでございます。
 今後とも、農薬の使用に当たっては、安全を確保するために定められた使用方法を守ることはもちろんでございますが、農薬だけでなく様々な方法を組み合わせた総合的病害虫防除の推進、あるいは発生前の予防的な農薬散布による防除から発生予察情報に基づいた適時適切な防除への転換を推進をして、防除に必要な量だけを的確なタイミングで使用するように取り組んでまいりたいと考えてございます。
#47
○小川勝也君 余談ではありますけれども、一位の座をキープしておりました韓国では今、天然農薬が流行しているようであります。JADAMという組織があって、六万人近い会員がいて、今三万五千戸がこの有機農業、天然農薬を使った農業にアクセスしているということであります。
 日本だけが世界の中の周回遅れ、これはいろんな分野で指摘されることでありますけれども、なるのはもう目前でありますので、しっかりと未来を見据えた行政へお願いをさせていただきたいと思います。
 そして次に、残留農薬であります。この次の資料を見ていただきたいと思います。
 例えばイチゴ、EUでは〇・五、米国では〇・六、日本では三。ブドウ、EUでは〇・五、米国では〇・三五、日本は五。そして、茶葉のところは差し障りがあるので発言いたしません。妊婦はブドウを食べてはいけないと本に書いてあることもあります。なぜこんな基準を野放しにするのか。
 ここには当然のことながら食品安全委員会の資料というふうにありますので、昨日改めて食品安全委員会を呼んで聞きましたところ、これは厚生労働省がやっていますということであります。さんざんこの委員会でもおなじみになりました宇都宮審議官がお越しいただいているようであります。
 ついでに余計なことを言いますと、最近、週刊新潮で、食べてはいけないという食品リストが報道されています。ここにもこう書いてあるんです、食品安全委員会が危険物質を野放しにする。これも厚生労働省がやっているんだとすれば、食品安全委員会と、まあ連帯責任ではありますけれども、誰が悪いのかなということであります。
 日本の国民の食べ物を通じての命と健康を守るべく、厚生労働省のこの基準づくりが何でこんな甘々なのか、短時間で御説明をいただきたいと思います。
#48
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 食品中の残留農薬の基準値は、定められた使用方法で農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果を基に、食品安全委員会によるリスク評価などの科学的知見を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会の審議を経て、人の健康に悪影響を及ぼさないことを確認して設定しているところでございます。
 農薬の使用方法が各国の害虫の種類や気候風土により異なりますため、同じ食品でございましても国によって残留基準値が異なる場合があるということでございます。例えば、このお示しいただいた資料以外こちらでもちょっと調べさせていただいたんでございますが、例えばこのアセタミプリドにつきまして、アスパラガスの場合であれば日本は〇・五でEUで〇・八、あるいはホウレンソウは日本は三でEUは五で米国は三などと、やはりばらつきがあるのが実情でございまして、このようにそれぞれ様々な事情があるということで、我が国の基準と外国の基準がどちらが高い低いと一概に言うことはなかなか難しいのではないかと考えてございます。
 我々といたしましては、今後とも科学的根拠に基づいて適正に基準値の設定を行ってまいりたいと考えてございます。
#49
○小川勝也君 今、この農薬取締法においても、しっかりと新しい情報に基づいて変えていくという審議がなされているわけであります。食品の安全基準、残留農薬の基準も適切に見直していっていただきたいと思います。ここで審議官を責めてもしようがありません。
 妊婦の方にとっておいしい安全な野菜を食べるということ、そしておいしい安全な果物を食べるということは、胎児の健やかなる成長に大変重要なことだというふうに言われています。ブドウやイチゴを食べてはいけないなんという国で子供を産み育てるお母さんがもうかわいそうでかわいそうでしようがない。そして、余計なことを言うと、私たちの基準はこういう基準なので、台湾に日本の農産物を輸出するときは別途厳しい農薬基準で栽培をして輸出する、こういうだらしない変な国になっている、これが私たちの国の現状であります。このこともまたこの委員会で質問させていただきますので、そのときにまた大臣の御感想もいただきたいと思います。
 それでは、前回の宿題であります。米にいわゆるネオニコを使ってカメムシの黒斑点の防除をする、そしてそのネオニコが米粒の中に入って私たちが消費することになっている、そしてこのことは色彩選別機が優秀なのでもう不要の検査、不要の防除になっているということを指摘をさせていただきました。何とか米の等級を工夫して変えていただく、そして斑点米はもしかして生産をしていただいてもその後除去して消費者の元にそのお米が届くと、そういう制度に変えていただきたいと存じますが、大臣のお答えをいただきたいと思います。
#50
○国務大臣(齋藤健君) まず現状は、カメムシ等による着色粒については、その混入が消費者からのクレームの要因になるということでありますので、生産者、流通業者、消費者等、関係者の意見を聞いた上で、米の農産物規格に着色粒の最高限度というのを設けているところであります。これは現状です。
 この着色粒の農産物規格につきましてはいろんな意見がありまして、一つは、カメムシ等が大量に発生し着色粒の混入割合が多くなれば収穫後の色彩選別機による除去では歩留りが大きく低下するのではないかとか、それから、実需者からは、流通段階で色彩選別機による除去の際には搗精時間が長くなりコストが掛かるため生産段階での対策が必要だという意見もありましたし、生産者からは、着色粒の農産物規格を満たすために追加的な農薬の使用が必要となると、そんな意見もありまして、様々な意見があると。
 それで、いずれにしても消費者からのクレームというものが現実にあるわけでありますので、それを踏まえれば、着色粒については生産段階かあるいは流通段階のいずれかで除去する必要があることから、どこでそのコストを負担することが最も適切かについて、農薬の使用実態ですとか、あるいは色彩選別機の導入実態、これはかなり技術開発も進むと思いますので、そういうものを踏まえて関係者の意見を伺った上で適切に判断する必要があると。
 なお、農業競争力強化支援法、これの第十一条において、「国は、」、ちょっと間、省きますが、「農産物流通等に係る規格について、農産物流通等の現状及び消費者の需要に即応して、農産物の公正かつ円滑な取引に資するため、国が定めた当該規格の見直しを行う」というふうにされているところでありますので、このことを踏まえまして、現在、農産物規格検査について、現場の担い手や実需者の御意見をお聞きしながら、公正かつ円滑な取引に資するよう必要な見直しの今検討を行っているところでございます。
#51
○小川勝也君 検討に委ねますけれども、生産段階で色選、そして流通段階で色彩選別機、これ二回あるわけでありますので、実需者、消費者からのいわゆる苦情、被害はあり得ません。それはもう一回しっかり検討をしていただきたいと思います。
 そして、今何を訴えなきゃいけないかということであります。米粒の中に残留農薬、そして輸入が大半であります小麦の中にも残留農薬、何を食べたらいいんだということになります。
 先日は決算委員会で文部科学大臣にもお願いをさせていただきました。今日はもう答弁をいただく時間がなくなりましたから、小学校、中学校の給食、保育園、幼稚園の給食だけは無農薬の食材を提供していただきたい、そのことも将来の課題であることを申し上げ、私の質問、終わらせていただきます。
#52
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。
 今日はまた農薬の質問をさせていただきますが、農薬成分に含まれる内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンが精子を減少させるとして、EUではペルメトリンやフェニトロチオンなど環境ホルモン作用がある農薬、抗男性ホルモン農薬を原則使用禁止としています。イギリスのインディペンデント紙でもこの精子数の減少は人類の滅亡だと論陣が張られておりますし、NHKでも今年二月の番組で日本人男性の草食化や精子数の減少が報道されました。
 日本人男性の精子数の減少の原因の一つにこの環境ホルモンの暴露があるのではないか、研究を行い対策を講じるべきではないかと考えますが、厚労省の見解を伺います。
 また、先日も主張したように、農薬の登録申請に当たり、発達神経毒性試験や環境ホルモン作用による人や生物への影響試験を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。併せて伺います。
#53
○政府参考人(森和彦君) お答えいたします。
 委員御指摘のいわゆる環境ホルモンと言われるような化学物質の内分泌攪乱作用につきましては、国際的にも科学的にもまだ未解明な点が多いというふうにされておりまして、これは、日本人男性の精子数への影響があるかという点につきましても、必ずしも明らかになっているとまでは言えない状況だというふうに承知をしております。
 しかしながら、厚生労働省といたしましては、内分泌攪乱作用を持つことが疑わしい化学物質の探索や、そのような物質による人への健康影響の評価に係る厚生労働科学研究等を実施しておりまして、また国際的な動向についても把握をして知見の集積を行っているところでございます。
 今後も、継続してこうした知見の集積を行い、対応の必要なそういう物質がございましたら関係部署や関係府省と連携をして対応してまいりたいというふうに考えてございます。
#54
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農薬の安全性を確保するためには、科学の発展に対応して、最新の科学的知見を農薬登録に反映することが重要でございます。
 御指摘の一つの発達神経毒性でございますが、先ほどもお答えさせていただきましたが、これまでも農薬メーカーから自主的に試験データが提出をされ、評価が行われてきたところでございますが、これは適切に評価することが必要な項目と考えてございますので、正式に試験要求として発達神経毒性試験を追加することについて関係府省と連携をして検討を始めてございますので、早急に結論を出したいというふうに考えてございます。
 一方、農薬における環境ホルモン作用、すなわち内分泌攪乱作用でございますが、これは欧米においても評価の方法はまだ検討中の部分がございます。また、試験のガイドラインについては、現在、OECDにおきまして順次策定中の段階と承知してございます。
 こういった中で、農林水産省といたしましては、科学的知見を収集するとともに、OECDあるいは欧米等の国際的な動向も踏まえつつ、関係府省と連携をして対応してまいりたいというふうに考えてございます。
#55
○川田龍平君 精子に関して、ワシントン州立大学の研究によると、第一世代のマウスに動物実験で出生直後に代表的な合成エストロゲンに暴露させると、生殖器官の発生障害を起こして精子数が減少して、第二世代では精子への影響が更に悪化して、第三世代では精子生産がほぼ不可能になったとの結果も示されているということで、これ人間に合わせるともっと長い期間掛かるわけですが、本当に急性毒性だけではなくてそういう世代を超えた影響などについてもやっぱりしっかりこれ調べなければいけないと。それに、やはり予防原則に立ってしっかりやらなければいけないところがあるということをやっぱり是非考えていただきたいと思います。
 次に、農水省は、ネオニコチノイド系の新たな殺虫剤を、蜜蜂への毒性から米国では厳しく使用制限され、フランスでも一時禁止する予備判決が下されていることを承知の上で、昨年の十二月二十五日に新たに新規認可をいたしました。ほかに代わりがないのかということで大変納得はできないんですけれども、このネオニコチノイド系農薬についてはこれまで何度も、小川先生も先ほどもお話ししましたけれども、何度も委員会で取り上げられているわけですが、二〇二一年度から始まる新たな再評価制度の一番バッターとしてこれ取り上げていただきたいと思いますが、大臣の御英断をお願いいたします。
#56
○国務大臣(齋藤健君) この再評価に当たりましては、科学の発展に対応するために、過去に登録された農薬についても最新の科学に照らして継続的に安全性を向上させていくと、このために行いたいと思っています。この再評価では、国民の健康や環境に対する影響の大きさを考慮して、二〇二一年度以降、国内での使用量が多い農薬から優先的に進めていくという、そういう段取りにしたいと思っています。
 欧州で使用規制の対象となっているネオニコチノイド系の三農薬、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムについては、使用量が比較的多いことから優先的に評価を行いたいと思います。
#57
○川田龍平君 ありがとうございます。
 もっと早くやってほしいという思いもありますけれども、これは二〇二一年度からの再評価でやっていただけるということで、是非よろしくお願いします。
 大臣、これ、農薬は人の健康や環境に対する影響を考慮し、是非その使用を最小限化していくべきではないかと考えますが、大臣の所見を伺います。
#58
○国務大臣(齋藤健君) 農薬を使用する上では、当然のことながら人の健康や環境に対する安全を確保するということは基本の一つだと思っておりますので、農薬登録制度によりまして安全と認められる農薬だけを製造、販売、使用できるようにするということがまず第一に大事で、そして、その際遵守すべき使用方法などを定めて農薬の適正使用を進めることも大事ということです。
 今後とも、農薬の使用に当たっては、安全を確保するため定められた使用方法を守ることはもちろんのこと、農薬だけでなく様々な方法を組み合わせた総合的病害虫防除の推進も大事ですし、発生前の予防的な農薬散布による防除から発生予察情報に基づく適時適切な防除への転換、こういったことを推進することによりまして、防除に必要な量だけを的確なタイミングで使用するよう取り組んでまいりたいと考えています。
#59
○川田龍平君 ありがとうございます。
 是非、まず、先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、EUで登録が失効している農薬成分を点検して、日本での規制を進めていただきたいと思います。
 次に、長野県の松本市では、松くい虫対策にネオニコチノイド系や環境ホルモンのフェニトロチオンが無人ヘリで空中散布されており、これ立入り規制などが不十分な中、お母さんたちが反対運動をしています。また、住宅地での農薬飛散防止対策についての局長通知は現場に徹底をされておりません。委託を受ける防除業者には研修を行っているとのことですが、二〇〇二年に届出制度が廃止されており、多種多様な農薬を使用する防除業者は誰も把握できていないのが実態です。
 住宅地通知や空中散布の技術指導指針の遵守などの義務を法制化すべきじゃないでしょうか。
#60
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 平成十四年の農薬取締法改正におきまして、農薬の適正使用を進めるために、全ての農薬につきまして使用に当たって遵守すべき基準を定めまして、全ての農薬使用者にその遵守を義務付けたところでございます。これに伴いまして、防除業者の届出は廃止をいたしました。
 御指摘の住宅地における農薬使用に当たりましては、農薬の飛散などによる周辺住民などへの健康への悪影響を及ぼさないようにすることが重要でございますので、農薬取締法の規定に基づきまして農薬の使用者が遵守すべき基準を省令で定めまして、これに飛散防止措置を位置付けるとともに、その具体的内容につきまして都道府県に通知をいたしまして、講習会などを通じて通知の徹底を進めているところでございます。
 こうした中で、都道府県の現場でございますが、防除業者は造園に関する団体に属しておりますので、こうした団体を通じまして防除業者に呼びかけをいたしまして、飛散防止などの農薬の適正使用についての講習会への参加、こういったものを図っているほか、農薬管理指導士となるための研修の機会を通じまして、住宅通知等の周知を図っているものと承知してございます。
 また、無人航空機の利用でございますが、農薬飛散、いわゆるドリフト、この防止対策などの安全対策を適切に講じた上で利用されるということが非常に重要だと考えております。
 このため、空中散布に当たりましては、風向きを考慮した飛行経路を設定する、あるいは散布区域内の人の立入禁止、それから適切な飛行速度や散布高度の維持、これ無人ヘリコプターでございますれば三メーターから四メーター、ドローンですと二メーターぐらい、こういったものの対策を講じるように技術指導指針を定めまして、都道府県の協議会等々を通じまして必要な指導、助言を行うなど、オペレーターを含む関係者への周知の徹底を図ってございます。
#61
○川田龍平君 このドローン使用については、規制改革会議がまた、このちゃんと見張りをする人、二人必要なところを一人にしろとか、かなり緩く言っていますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 兵庫県では、条例で届出制度を維持しています。私は、国として防除業者の届出制度を復活させるべきと考えますが、是非検討をいただきたいと思います。
 次に、農薬の影響評価対象を水産動植物から生活環境動植物へ広げたことは評価したいと思います。しかし、トンボやテントウムシ、クモや蜂などの中でどれを生活環境動植物とするのか。環境省が選定するとのことですが、これは十年目を迎えた生物多様性基本法の理念と矛盾しないのでしょうか。
#62
○政府参考人(早水輝好君) お答えします。
 生活環境動植物とは、その生息や生育に支障を生ずる場合に人の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある動植物ということになっておりまして、農薬の標的であります病害虫や雑草はこの影響評価の対象からは除外されることになると考えております。
 一方で、例えば現行法におきましても、先ほども少し申し上げましたが、動植物に対する農薬の影響評価については水産動植物への影響評価を行っておりますけれども、その際には、水域生態系における生産者を代表する藻類、それから一次消費者を代表する水生の無脊椎動物、それからさらに二次消費者を代表します魚類というものを基本的な評価対象生物としております。
 今般の法改正で生活環境動植物に評価対象が拡大されますと、更に評価対象生物に陸生生物も追加されるということが見込まれますので、こういった生物を幅広く評価対象とすることによりまして、生態系、ひいては生物多様性の保全に資するものになると考えております。
#63
○川田龍平君 人の生活に密接な関係がある有用な動植物とそうでない動植物とを区分けするのは、私は生物多様性の概念と反するのではないかと思いますので、中環審でしっかりと議論していただきたいと思います。
 同じラウンドアップでも駐車場にまく用途の商品は農薬取締法の対象外となっていますが、米国同様、同じ成分なら同じように規制すべきではないかと考えますが、農水省の見解を伺います。短時間でお願いします。
#64
○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。
 農薬取締法では、農業生産の安定あるいは国民の健康の保護を目的としてございまして、農作物などを害する雑草や病害虫の防除に用いられる薬剤等を農薬として定義をいたしまして、効果と安全性を審査した上で登録してございます。
 このため、御指摘の除草剤につきましては農薬取締法に基づく登録の対象とはされておりませんが、農作物に使用されないように規制するということは大変重要ですので、農薬取締法におきまして、農薬以外の除草剤を販売する者に対しては、農薬として使用できない旨の表示をする義務を課してございます。また、この表示に反しまして農薬として使用した場合には、無登録農薬の使用として罰則が科されるということになってございます。
 この規制が確実に実施されるように、農林水産省といたしましては、販売店の巡回指導、あるいは都道府県を通じた適正な販売や使用の指導を行っているというところでございます。
#65
○川田龍平君 次に、四月に日清シスコが、グラノーラや四種の彩り果実などのシリアル食品から農薬が検出されたとして三十万パック以上の自主回収を決めました。原料の豪州産大麦から基準値の五倍のアゾキシストロビンが検出されたとのことです。原因究明と再発予防の取組を伺います。
 また、昨年、ドイツや韓国で発生した卵の回収騒ぎの原因となった化学物質フィプロニルについても伺います。欧州の事例では、養鶏場で発生したアカダニなどの害虫駆除の目的にこのフィプロニルを使用したと聞いていますが、欧州、韓国共に違法に使用された結果としてフィプロニルが卵で検出されたということですけれども、日本でもこうした違法使用が起きない保証はありません。国内対策のためにも、こうした海外の事例をきちんと情報収集して、使用した理由や、どのような方法でフィプロニルを使用したのか検証すべきではないでしょうか。
#66
○政府参考人(柄澤彰君) 本年三月から四月にかけまして、輸入された豪州産大麦から農薬でありますアゾキシストロビンが食品衛生法上の基準値を超えて検出されたという旨、輸入者である大手商社から農林水産省に報告がございました。
 この報告を受けまして、直ちに農林水産省から当該輸入者に対しまして、保健所に報告し、指示を受け、流通先への連絡、商品の流通の差止め、回収等を適切に行い、その状況を報告すること、また、当該農薬は農林水産省が実施してきているサーベイランス検査において十四年以上豪州産大麦から検出されておらず、このような事態に至った原因を究明し、再発防止策とともに報告することを指示したところでございます。
 現在、輸入者から提出された関係書類や報告につきまして、しっかりとした原因究明や再発防止がなされているか否か、農水省としてその内容を精査しているところでございます。
#67
○川田龍平君 時間が来ましたので終わりますが、是非しっかりと原因究明をして、再発防止のためにしっかり調査もしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#68
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。農薬取締法の一部改正案について質問をします。
 今回の法案は、農薬の再登録制度を廃止し、再評価制度を導入するものです。これまでの再登録制度では、その有効期間を三年としてきました。なぜ三年だったのでしょうか。簡潔にお願いします。
#69
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 現行法におきまして、農薬の登録の有効期間三年と規定されていることから、一度登録された農薬でございましても、有効期間経過後も引き続き製造、加工、輸入を行う場合は改めて登録を受ける必要がございます。この登録の有効期間ですが、昭和二十三年の農薬取締法制定時に規定されたものでございまして、当時、時世の変化により、より優良な農薬が出現し、効能などの低い農薬は淘汰されることを想定して、その期間として三年と定められたものでございます。
#70
○紙智子君 今回、この再評価制度で審査をするに当たっては、農薬を登録した日から十五年程度と先ほどもありましたけれども、想定をしていると言います。大体こう聞くと、三年だったものが十五年になるというふうに聞くと、それはちょっと規制が緩和されたんじゃないかと感じる人も多いと思うんですけれども、この十五年という期間について、安全性確保の観点から農業者や消費者から不安の声も上がっていますので、この声に大臣、どういうふうに応えますでしょうか。
#71
○国務大臣(齋藤健君) 確かに三年と十五年だけ比較すると、どうなんだという声があるのは分かるんですけど、農薬の新規登録には、メーカーが数年以上掛けてまず創薬をした上で、七年から八年を掛けてデータを作成をして、さらに国が二年から三年を掛けて審査をして効果と安全性を確認をしているというのが一般的な流れになっておりまして、さらに、再評価は農薬の安全性を向上させるため最新の基準に基づき評価し直すというものでありますので、その実施間隔につきましては、まず農薬の安全性に関する試験方法が更新される機会、これ大体十五年程度ですので、これにまず合わせる必要があるだろうということと、それから、再評価を短期間で実施した場合には、先ほど申し上げたような流れを踏まえますと、国の評価やメーカーの開発に影響して新規農薬の登録が遅れるおそれがある一方で、再評価の効果というものはそう大きくないということを踏まえますと、十五年ということが適切であろうというふうに考えております。
#72
○紙智子君 毎年、これ農薬製造者からは安全性についての報告を求めるということですよね。ちょっと確認します。ですよね。
#73
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど申し上げたことに加えまして、今後は毎年の農薬メーカーからの報告等による継続的なモニタリングを行いまして、安全性に関する知見が明らかになった場合には再評価を待たずにいつでも評価を行うことによりまして農薬の安全性を確保していくというふうにしていきたいと思っています。
#74
○紙智子君 農薬の登録申請に必要な試験成績は、科学技術の進歩や安全性に対する関心の高まりなどから年々増加をし、この検査項目も増加をしていると。追加する検査項目は、農薬の生態系への影響では水産動植物から生活環境動植物へと拡大するほか、農薬使用者への毒性及び使用した際の皮膚や吸入を通じて摂取する暴露量を考慮するというふうにしているわけです。
 環境省に伺いますけれども、今回の改正でなぜ検査項目を追加することになったのか、その背景を端的にお答えください。
#75
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 我が国では、戦後、水稲を中心とした農薬の開発、普及が進む中で、水田から河川に流出した農薬による水産動植物への被害が発生したことから昭和三十八年に農薬取締法の改正がありまして、そのときに農薬登録審査において水産動植物に対する影響評価を行うことが盛り込まれました。しかしながら、評価対象が限定されているということで環境保全の観点から十分ではないということで、第四次環境基本計画におきまして、水産動植物以外の生物等を対象とした新たなリスク評価が可能となるように、科学的知見の集積を図りつつ検討を進めることとされたところでございます。
 他方、EU、米国等では既に水産動植物以外の動植物を含む生態影響評価を行っているところであり、また、昨年制定されました農業競争力強化支援法におきまして、国は、農薬の登録に係る規制について、安全性確保、国際標準との調和、最新の科学的知見により見直しを行うとされたところでございます。
 このようなことを踏まえまして、本改正案では、農薬登録の際に動植物に対する影響評価の対象を水産動植物から陸域の動植物を含む生活環境動植物に拡大をすることとしたところでございます。
#76
○紙智子君 やはり農薬の暴露量を減らすべきだというふうに思うんですね。今回新たにその意味では農薬使用者への健康や生活環境動植物に対する影響が追加されたということは、これは人体や環境への配慮をすることにつながるもので、評価をしたいというふうに思います。
 次に、評価体制について伺いますが、現在の農薬の登録件数は四千三百十七件だということです。有効成分数で五百八十三種類ということですね。再評価に関する審査は独立行政法人農林水産消費安全技術センターが行うとしているわけですけれども、人員とか施設整備なども含めてこの審査体制の強化についてはどのようにお考えか、お答えください。
#77
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 再評価制度の導入によりまして既存の農薬の安全性を向上させるということが重要でございますが、一方、現場が求める新規農薬の登録審査につきましても遅滞なく進めることが必要と考えてございます。
 そのため、今般の法改正に伴う農薬の審査の業務の増加に対応いたしまして、まず農林水産省における審査体制の拡充、これは今年度審査官を五名増員してございますが、あるいは独立行政法人農林水産消費安全技術センターとのシステム連携などによる業務の効率化、あるいは審査中にデータ不足が判明する、こういったことによって審査の手戻りがあるようなことがないように、登録申請に先立ちます事前相談などの段階から申請の内容を早期に関係府省で共有すること、こういったことにより評価能力の強化を検討しているというところでございます。
#78
○紙智子君 今、農水省の関係、五名新たにみたいな話はあったんですけれども、やっぱり、再評価制度の導入ですとか、それから検査項目の追加などから、審査機関の業務が増大するというのはこれ予想されているわけですよね。
 ですから、審査体制の強化は農薬の安全性を確保する観点からも重要だと思いますので、この審査体制の強化がやっぱり大事なんじゃないかと思うんですよ。その辺、いかがですか。
#79
○政府参考人(池田一樹君) おっしゃるとおり審査体制の強化でございまして、この審査体制におきましては、人員を強化すること、そしてその能力を強化すること、この両方が重要だと考えてございます。
 先ほど申し上げましたような審査体制の拡充、あるいはシステム連携による業務の効率化、こういったことを通じてしっかりとした体制を構築していきたいと考えてございます。
#80
○紙智子君 農薬の安全性の確保を求める観点から、やっぱり予算の確保も含めて体制強化を強く求めておきたいと思います。
 それから、農薬の再評価をするに当たっての優先順位について伺います。
 農業資材審議会農薬分科会において提案した内容を見ますと、優先度Aとして、我が国で多く使われているもの、次いで毒性の懸念があるものというふうになっているわけですよね。
 蜜蜂などへの影響が指摘をされているネオニコチノイド系の農薬や、小麦や大豆やソバ、菜種などへの収穫直前の散布によって、小麦アレルギーやセリアック病、グルテンに対する抗体、それからがんですとか、その関連性が指摘されているジェネリック農薬のトップを占めるグリホサートなど、人体への影響が強く疑われる農薬こそ優先的に再評価すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。
#81
○国務大臣(齋藤健君) 現在登録のある農薬は、まず登録時に効果及び安全性を厳正に審査し、問題がないことを確認したもののみを登録をしているわけでありますが、再評価では、科学の発展に対応するために、過去に登録された農薬について最新の科学に照らして継続的に安全性を向上させていくと、こういう性格のものであるわけであります。
 再評価では、今御指摘のように、国民の健康や環境に対する影響の大きさを考慮いたしまして、二〇二一年度以降、国内での使用量が多い農薬から優先的に進めていくということでありますけれども、欧州で使用規制の対象となっておりますネオニコチノイド系の三農薬、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム及びグリホサートにつきましては、使用量が比較的多いことから優先的に評価を行いたいと思っています。
#82
○紙智子君 今、優先的にという話もありました。ネオニコチノイド系の農薬とグリホサートについては優先度Aの使用量が多いというところに該当するというふうに聞いていますし、今の大臣の答弁ですけれども、是非早急に再評価すると同時に、新規登録とか再登録は保留することを強く求めておきたいと思います。
 それから、ネオニコチノイド系の農薬をめぐっては、この間、川田委員や小川委員からも質問がありました。私も、医学博士の黒田洋一郎先生やNPO法人の民間稲作研究所の稲葉理事長さんからもお話を伺いました。
 それで、長野県の松本市の話、先ほど川田さんもされていましたけれども、そこで、松枯れ対策ということで行われているネオニコチノイド系の農薬の空中散布の中止を求めて、住民から訴訟が提起をされたわけです。
 なぜこういう訴訟が起こされたのかということについて、端的にお答えください。
#83
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 長野県松本市が昨年度に計画いたしました松くい虫被害対策に係るネオニコチノイド系農薬の薬剤散布につきましては、昨年六月に、一部の住民の方が散布中止を求めて長野地方裁判所松本支部へ提訴、訴訟を提起したと聞いております。
 しかしながら、原告側が請求を放棄いたしまして、本年二月にはその裁判は終結したというふうに聞いております。
#84
○紙智子君 この訴訟は空中散布で使用するネオニコチノイド系の農薬のアセタミプリド、これが子供などに対して健康被害を与えるおそれがあるためというふうにしているわけですけれども、農水省としてはどういうふうに認識をされているのですか。
#85
○政府参考人(池田一樹君) ネオニコチノイド系農薬を含めまして、農薬の登録時には人の健康あるいは環境への安全性を評価してございます。登録された使用方法に基づいて使用すれば人の健康上の問題はないということが確認をされてございます。
 住宅地などにおける農薬の使用でございますが、これは農薬の飛散などによります周辺の住民の方々への健康への悪影響を及ぼさないようにすることは、これは重要と考えてございまして、事前に周辺の住民の方々あるいは学校などの施設に農薬散布について周知をする、あるいは無風又は風が弱いときに行うなど、近隣に影響が少ない天候、時間帯を選定をし、風向きや散布機具の方向や位置に注意する、こういった遵守すべき事項を通知いたしまして、適切に使用するよう指導させていただているところです。
 また、無人航空機でございますが、農薬の飛散、ドリフトですが、この防止対策などの安全対策を適切に講じた上で利用されるということが重要と考えてございます。このため、空中散布に当たりましては、風向きを考慮いたしました飛行経路の設定、散布区域内の人の立入りの防止、適切な飛行高度あるいは散布高度の維持、強風時の散布の中止、こういった対策を講じるように技術の指導指針を定めてございまして、都道府県協議会、地区別協議会を通じまして空中散布を行う者に必要な指導及び助言を行うなど、オペレーターを含む関係者への周知の徹底を図ってございます。
 農林水産省といたしましては、住宅地などでの農薬使用が適切に実施されますよう、通知の一層の周知徹底、そして指導に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#86
○紙智子君 仕様どおりに使えば問題ないとか、やっぱり適切な使い方ということでやれるように徹底すると言うんですけど、それをちゃんと確保できるかどうかというのはそう簡単じゃないと思うんですよ。
 それで、やっぱりネオニコチノイド系の農薬の使用については、この間も質問の中で出されていましたけれども、医師や専門家などからやっぱり胎児や子供の脳への影響というのは指摘されているわけで、小川委員からは一覧表も出されているわけですから、非常にそういう影響ということをちゃんと見なければならないと思いますし、日弁連からも昨年十二月にネオニコチノイド系の農薬の使用禁止を求める意見書も出されているわけですよ。
 松くい虫の防除の空中散布をめぐっては、市民が自治体相手に裁判で争うというのは全国でも例がないというふうに報道されました。ネオニコチノイド系の農薬の散布によって自治体と住民が対立するようなことを生む前に、農水省として規制すべきだったんじゃないんですか。
#87
○政府参考人(沖修司君) お答えいたします。
 農林水産省は、松くい虫被害対策に係る薬剤散布につきましては、地域の実態に応じまして、地区説明会の開催などによりまして地域住民など関係者の理解、それから協力を得つつ、円滑かつ適正に実施するよう都道府県を通じて指導をしているところでございます。
 今後の薬剤散布を計画しております、今回松本市の事案でございますけれども、こうしたものに対しましては、地域の住民の理解を得るための説明を継続して対応していただくよう県を通じて指導してまいる考えでございます。
#88
○紙智子君 やっぱり地域住民と行政との間でそういう摩擦が起きないようにちゃんとしっかりやっていく必要があるんだと思うんですよ。
 それで、齋藤大臣に伺いますけれども、現行の農薬取締法の六条の三に、農水大臣の職権による登録の取消し規定があるわけですけれども、これ、職権によってこれまで取り消された事例というのはあるんでしょうか。
#89
○国務大臣(齋藤健君) 例えばDDTなど安全上の問題が明らかになったケースにおいては、登録を取り消す前に農薬メーカーによる自主的な登録の取下げというものがなされてきていますので、そういう意味では農薬取締法第六条の三に基づく職権での登録取消しというものに至ったものはありません。
 ただ、登録の問題だけではなくて、こういった農薬につきましては販売をどうするかということが次に浮かび上がってくる問題でありますので、この点につきましては、農林水産大臣として販売を禁止をすることで農薬の安全性の確保を進めてきたケース、これは、例えばDDTほか、二十七成分の農薬についてはこれまで販売、使用を禁止をした、そういうことは行ってきているわけであります。
#90
○紙智子君 今大臣の答弁の中で、過去になくて、それはどうしてかというと、登録の取消しの前にメーカーの側から自主的な取下げとか販売禁止農薬を指定するということで対処してきたからだという話があったんですけれども、やっぱりしっかりとそこで職権による登録の取消しについては、農薬の使用に際しては危険防止方法を講じた場合においてもなお人畜に危険を及ぼすことが明らかになるという場合もあるわけで、その事態の発生を防止するためにやむを得ない必要があるときは、その必要の範囲内において取消しができるというふうにされているわけですよね。それで、農薬による被害が明らかとなるまで待つということではなくて、被害が出てくるまで待つということではなくて、やっぱり速やかに対策を講じるべきだと。
 それで、齋藤大臣にもう一つ伺いますけれども、EUでも、四月の二十七日にネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリド、クロチアニジン及びチアメトキサムのこの屋外使用を全面的に禁止したわけですよ。それで、改正案の四十一条のところでは、農水大臣及び環境大臣は農薬の安全性その他の品質の確保に関する国際的動向に十分配慮するという規定を設けているわけです。EUなどの世界の動きに対しても機敏に反応して対処すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(齋藤健君) 農薬の登録審査に当たりましては、国際的な動向にも配慮しながら、最新の科学的知見を的確に反映させ、農薬の安全性を一層向上できる制度にすることが極めて重要であると考えていまして、今回の農薬取締法の改正におきましても、繰り返しになりますが、最新の科学的知見に照らして農薬を再評価する制度を導入するとともに、農薬使用者や動植物に対する影響評価の充実等の措置を講ずることとしているものであります。
 また、OECD加盟国が議論して、安全性等に関する試験のガイドラインの作成や評価法の調和、これを進めているところでありまして、我が国の試験のガイドラインをOECDのガイドラインに調和させるという取組も進めていますので、これも国際的動向に配慮するということに含まれるのではないかと考えています。
 加えて、海外での登録の見直し状況なども含めて毎年国が農薬メーカーに安全性に関する情報の報告を求めることにしておりますし、そのほか、自らも情報収集を進め、農薬の安全性を継続的にモニタリングし、安全性に関する重要な知見が明らかになった場合には再評価を待たずに随時評価を行い、登録の変更、取消しを行いたいと思っております。
#92
○紙智子君 時間になりますので、農薬の使用を減らす取組を推進しつつ、新たな科学的な知見の収集を行うことによって実効性のある農薬の規制を求めて、質問を終わります。
#93
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 農薬取締法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 質問する前に全体の流れを少し先にお知らせしておきたいと思いますが、前回から引き続いて、産業統計に関することを流れとしてこだわって質問していきたいと、そういうふうに思いますから、どうぞお付き合いいただきますように、お願いいたします。
 この法律の提案、提出理由は知ってのとおりで、農薬の一層の向上を図るために、農薬規制に関する国際的動向を踏まえた、再登録制に代えて同一の有効成分を含む農薬に一括して定期的な安全性の再評価を行う、その再評価制度を導入しようというのがその大きな理由です。
 ここでちょっと伺いたいと思いますが、もうこの改正案では再登録制度を廃止して再評価制度を導入することにしておるのでありますが、現在まで登録された農薬、これについて、農薬メーカーが再申請の申告、申出、希望がなされないというと、この今まで登録されておる農薬はそのまま排除されるのか、あるいは残しておいていつでも申請できるようにすることを了としているのか、その辺の見解を賜りたいと思います。
#94
○大臣政務官(上月良祐君) 今般導入いたします再評価は、科学の発展に対応しますため、過去に登録された全ての農薬を対象として、同じ有効成分を含む製剤を一括して定期的に評価する、そういう制度であります。
 再評価の実施に当たりましては、農林水産大臣が再評価の対象となる農薬を公示して、そして農薬メーカーは期限までに評価に必要となる毒性試験や作物の残留試験等を実施して、そして農薬メーカーから試験データの提出を受けて、これに基づき再評価を行います。その結果、安全性が確認できないときは、使用方法等の登録内容の変更や登録の取消しを行うことになります。農薬メーカーが提出期限までに試験データを提出せず、かつ自ら登録の取下げを行わなかった場合には、大臣が登録の取消しを行うことになります。
#95
○儀間光男君 よく分かりました。非常にはっきりしました。要するに、申請のないものは大臣権限で取消しもできると、こういうふうに理解していいと思いますね。ありがとうございました。
 そこで、この再評価、これ今まで三年だったのが十五年。欧米並みにやってきたわけですが、そのことによって手続が簡略になる、あるいは処理がタイトにならない、そういう利便性はありますが、今政務官がおっしゃったように、科学の進歩やその他の客観情勢の中で見直しをせざるを得ないというような状況が十五年間の間できっと生まれると思うんですね。そういうときの対応はどうなされようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#96
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 農薬につきましては、安全を確認したものを登録いたしまして製造や使用を認める仕組みとしてございますが、その安全性を一層向上していくためには、登録した後におきましても最新の科学的知見を的確に反映することが重要でございます。このため、今般の改正法案では、全ての農薬につきまして定期的に最新の科学的知見に基づきまして安全性などの再評価を行う制度を導入するということにしてございます。
 これに加えまして、毎年農薬メーカーに安全性に関する情報の報告を求めるほか、国自らも情報収集を進めまして、農薬の安全性の継続的なモニタリングを行いまして、安全性に関する重要な知見が明らかになった場合には、この再評価を待つことなくいつでも評価を行いまして、登録の変更、取消しを行うことができるということにしてございます。
#97
○儀間光男君 要するに、十五年待たずして毎年毎年サンプリングを取ってモニタリングをして見直しをしていく、必ずしも十五年に一回をやるんじゃなしに、周辺の環境が変化しますから、毎年それはメーカーの申請などを受けてチェックはしていくんだと、簡単に言えばそういう理解でいいんですか。
#98
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 毎年、メーカーに必要な情報の提供を求めます。その情報あるいは国自らが安全に関する情報の収集に努めます。こういったものに基づきまして、安全性に関する重要な知見が明らかになった場合、この場合にはいつでも評価を随時行いまして、必要な登録の変更あるいは取消しということを行うということでございます。
#99
○儀間光男君 しつこいようですが、要するに毎年業務はどこかで何かがやられている、十五年待つことはなしに毎年毎年そういう安全対策のチェックが行われている、十五年に一遍じゃないんだと、そういうふうな理解の仕方でいいんでしょう。
#100
○政府参考人(池田一樹君) 十五年という再評価だけではなく、毎年安全性についてもしっかりと情報を取って、必要であれば評価を行うということでございます。
#101
○儀間光男君 よく分かり、ありがとうございました。
 それで、もう一つ聞きたいのがあるんですが、これ、紙委員が見事にかぶってしまったんですけれども、平成三十三年三月時点で既成登録の農薬の有効成分ごとにまとめて優先順位を付けて、優先順位がAからDまでの四段階ありますね、これを事細かくこうしますというと、かなりの業務量が発生する。紙委員から指摘あったように、農薬登録件数が四千三百十七件、うち五百八十三種あるとされています。これを集中的に再評価をするとなると、ここもかぶるんですが、その人材あるいは組織の体制、そういうものが非常に必要になってくると思います。これ、予算の面もそうでしょうけれども、少し紙委員とかぶさるんですけれども、私にも同じ答弁でいいからしていただけませんか。
#102
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 再評価制度の導入によりまして既存の農薬の安全性を向上させるということは重要でございますが、現場が求める新規農薬の登録、審査についても遅滞なく進めるということが必要と考えてございます。
 そのため、今般の法改正に伴う農薬の審査業務の増加に対応いたしまして、農林水産省におけます審査体制の拡充、あるいは独立行政法人農林水産消費安全技術センターとのシステム連携などによる業務の効率化、あるいは審査中にデータ不足が判明することによります審査の手戻りをなくすために登録申請に先立つ事前相談などの段階から申請の内容を早期に関係府省で共有する、こういうことにより評価能力の強化をしていくということを検討しているところでございます。
#103
○儀間光男君 もう飽きもしないでしっかり答弁してくださって、ありがとうございました。
 次に進みたいと思いますが、農薬の海外展開、農薬の輸出輸入の点について伺いますが、今日この時間ではできないと思うんですが、後々に、さっき言ったように産業統計にこだわってこれからしばらく活動しようと思うので、確認の意味で聞きますが、三十一年までに農産物と食品加工物で一兆円貿易をするんだと、これは目標達成間違いないというような現況にありますけれども、もちろん肥料や農薬はそれには所属しないということの確認をする意味で答弁をいただきたいと思います。
#104
○政府参考人(井上宏司君) 農薬等につきましては化学工業の生産品という統計分類に該当するものでございまして、農林水産物・食品ではないことから、農林水産物・食品の輸出の目標や実績には含めておりません。
#105
○儀間光男君 ありがとうございました。
 それじゃ、第二次産品である農薬の原材料、これも国産材料あるいは輸入材料、いろいろとあると思うんですが、この全体の構成比があるんだったらお示しいただけませんか。
#106
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農林水産省の直近の調査でございますが、農薬の原料となります農薬原体ですけれども、これは平成二十七年十月から平成二十八年九月までの一年間、これでは国内では約六万トンが生産されております。それに加えまして、海外から約二万トンが輸入をされております。同時に、そのうちの約三万トンは海外へ輸出されていると、そういうふうに承知しております。
 輸出される農薬原体、これが全て国内産であると、こういうふうに仮定をすれば、国内で生産される農薬の原料となる農薬原体は、国内産が三万トン、海外産が約二万トンと、大体六対四の割合になってございます。
#107
○儀間光男君 ありがとうございました。
 わざわざ第二次産品であるという枕を付けたのは、そういうものを確認するために付けました。
 それで、この輸出輸入の関係を農林水産省、皆さんの安全局の調べの資料、皆さんお持ちだと思いますが、これを見ると、輸入も輸出もその総トン数、毎年約四万から五万トンで推移するんですね。
 その中で、とかく農薬の輸入量が、輸出量もそうですが、四、五万トンで推移して、主な輸入先は、殺虫剤や殺菌剤、除草剤、その三剤が主を成していますが、輸入先には中国、ドイツ、韓国、これが三位を占めていると、並んでいると。それから、輸出量については、同じ剤で、主な輸出先国がアメリカ、ブラジル、韓国と、こういうふうになっていまして、この国内メーカーの国内売上げ、増加傾向にあるわけですが、国産の普及も輸出も同時に伸びているというような状況にあります。
 この国産と国外、輸入物が、入りも出も大体ほぼ同じで、ただ額は圧倒的に違うんですね。額は、輸入で九百六十五億円、輸出で一千五百七十で、六百六十億ぐらいの差があるんですが、量は四、五万トンで一緒。
 その原因となったのはどういうことで、様々考えられると思いますが、皆さんの方ではどういうことが主な原因でこういう差があるのかということをお聞かせいただきたいと思います。
#108
○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。
 農薬の輸出量あるいは輸入量の増減の原因ということだと承知いたしますが、増加をいたしておりますのは、アジア向けの製剤の輸出、あるいはオセアニア向けの原体の輸出。原体の輸出につきましては、例えばオーストラリア向けの小麦用の除草剤の原体の輸出、あるいはインド向けということであればインドの農薬の使用量の増加、こういったものが考えられるのではないかと思っております。
 輸入量の増加の原因でございますが、これは、例えば大手の外資メーカーの原体製造量があるドイツからの輸入、あるいは人件費が安く原体の製造場が多い中国からの輸入と、こういったものが原因ではないかというふうに考えております。
#109
○儀間光男君 様々な要因があると思います。例えばメーカー、あるいはこれを取り扱う商社、そういう方たちの海外販売戦略、マーケット戦略、そういうものや、あるいはコストの違い、あるいは為替の上下等々、様々あると思うんですが、ここで僕は興味があるのが、出も入りもほぼ一緒、変わりはない。だから、これは貿易からすると黒字になるんですね、六百億余り黒字になるわけです。だから、そういうことを見ますというと、農薬に係るコストが農薬使用先である農産物、このコストに影響してくるわけですよ。
 国内産農薬と輸入産農薬の単価当たりのコストを御存じですか、一トン幾らだと、入りと出のときの。
#110
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農薬につきましては、全てが同じものではございませんので、国内でも品物による比較はなかなか難しいですし、当然、外国から入ってくるものと日本で作るもの、物が違うものがあると思います。したがいまして、単純に価格を比較するということは難しいのではないかと考えております。
#111
○儀間光男君 それはちょっと違うと思うんだけど。同じ効能、効用の農薬があって、同じつまり効き目、効く農薬があって、コストが安ければ、国産だろうが輸入産だろうが、これ農家として使用側としてはコストの安い方を選択するはずなんです。その方が消費者の負担も軽減されるんです。生産地で行われるコストは流通に乗って市場へ行って消費者に届く、その間のコストは全部消費者が負担しますから。生産コストが安くて高く売れるというのが農家の生産現場の考え方だと思うんですね。
   〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕
 ですから、ただ一概に検討、比較できませんとおっしゃるけど、それはそうかなと思うんです。同じ効用のあるものを輸入物と国産物のコストを出せば、これは国産物は幾ら安いよ、輸入品は幾ら高いよというのが出るはずですから、そういうところが営農指導で私はやっていけると思うんですね。その辺、いかがかな、御見解いただきたいと思います。
#112
○政府参考人(池田一樹君) 農薬につきましては、まずコストもさりながら安全であるということが重要ですから、海外のもの、日本のもの、ひとしく安全であるということを担保するということがまず前提でございます。
 その上で、コストのことについてでございますが、例えば今回の法の改正でございますが、ジェネリック農薬の普及促進ということで、一つは、原体規格を定めることによりまして、後発品でありますればその原体と同様なものであれば一部の申請資料を省略できる、そういったことによりまして承認に係りますコストを低減をするということが可能になります。
 したがいまして、こういったことをしっかりと生産者の方々にお伝えをする、情報を提供をするということをしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
   〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕
#113
○儀間光男君 安全が担保、安全は当たり前の話ですよ。これ当然の話であって、これ今皆安全でやってきているんですから当然の話であって、安全を含めてコストの安い方がいいぞと、こういうことであります。
 もう時間もないようですからまとめますけれど、あと時間あれば大臣に見解をいただきたいんですが、私も、先ほど小川委員や田名部委員がおっしゃった一連の農林水産関係の法律、去年八本、今年九本、廃止法も含めてありましたが、これ非常に僕、賛成ではあるけど、危惧します。
#114
○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎております。おまとめください。
#115
○儀間光男君 はい。
 農業競争力支援法等に見るように、これがどうも商業主義になっている。農家が遅れていって、行く末、農林水産が消えていくんじゃないか、省がね、という危惧をするんですよ。経産省本省で農林水産庁などとなりゃせぬかと。一連の法律のもたらす結果、いつか分かりませんが、そういう将来を危惧して今質問したところです。
 どうもありがとうございました。時間が来ておりました。
#116
○青木愛君 希望の会、自由党の青木です。
 今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、ふだん聞くことのできない様々な貴重なお話を質疑を通して伺うことができて、大変ありがとうございます。勉強させていただきました。質問、かなり重なるかもしれませんけれども、順次お伺いをさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、この農薬ですが、残留農薬としての消費者への健康に対する影響、また農薬使用者や環境にも大きく影響し、当然のことながら安全性については十二分に確認されなければなりません。EUでは、農薬の許可や使用に関しては、予防原則の観点から厳しく管理をされています。日本では、安全性には慎重であると伺ってはおりますが、科学的な立場を強調しております。私は、日本も予防原則を強く打ち出すべきだとかねてから考えておりました。
 重ねてお伺いしますが、先ほど来指摘をされています蜜蜂とネオニコチノイド系の農薬の関係につきましては、EUでは因果関係があるのではないかということで、本年四月にその使用の禁止を決定し、年内に施行すると伺っております。私も、日本でも禁止をするべきだということで、昨日レクに来ていただいた方にお伺いをしたところ、日本ではまだそこまでの現状ではないといった趣旨のお話だったんですが、先ほど答弁の中で大臣がおっしゃっておりました、随時評価をしながらまた登録をし直すということもあり得るということで、積極的な御答弁があったところでございますので、改めてお伺いをしたいと思うのですが、日本も予防原則に立つべきだ、現段階では科学的に因果関係を立証できない場合はむしろ抑制の方向に判断するべきだと考えておりますけれども、その点、併せてお伺いをさせていただきたいと思います。
#117
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 現行の農薬取締法におきましても、人の健康や環境への影響を評価をいたしまして、被害が生じるおそれがあると認められた場合におきましては、科学的根拠が十分ではない場合でありましても、入手可能な適切な情報に基づきまして暫定的なリスク管理措置を行うことが可能でございます。この場合のリスク管理措置でございますが、使用上の注意のようなものから、最も厳しいものでは販売、使用の禁止まで、そのリスクの程度に応じて講じ、また科学的な知見の更なる収集を行った上で見直すということにしてございます。
 今般の改正法案でございますが、ここでは定期的な再評価を行うとともに農薬の安全性に関する継続的なモニタリングを行い、新たな知見が明らかになった場合には再評価を待たずにいつでも評価を行う、これで登録の見直しなどリスクに応じた必要な措置をより適切かつ迅速に講ずることのできる仕組みを整備するということにしてございます。
 今後とも、最新の科学的知見に基づきまして、必要なリスク管理措置を講じてまいりたいと考えてございます。
#118
○青木愛君 先ほどの大臣の御答弁とも併せて、是非日本も禁止の方向に向けた検討も必要ではないかなということを重ねて主張させていただきたいと思います。
 続いての質問に移らせていただきます。こちらも指摘をされているところでございますが、日本は多湿の気候環境にあり、また欧米に比べても国土が狭い中でいかに効率的に生産を上げていくかという中で、農薬の使用量も大変多く、中国に次いで二番目に多いというふうに伺いました。
 このような状況でありますので、この農薬の毒性検査につきましてはそれぞれ単体で行われると伺っておりますけれども、人体や環境への影響については、いろいろな農薬また化学物質が様々に組み合わさることによってまた毒性を持つこともあるのではないかというふうに心配をするわけなんですが、この複合的な農薬の摂取による健康への影響、こうしたものも評価対象にするべきではないのでしょうか。
#119
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 複数の農薬間で及ぼし合う毒性の影響につきましては、食品安全委員会が委託事業で調査を実施してございます。それによりますと、我々の実生活において農薬の複合影響が起こり、人の健康に害を及ぼす可能性は小さいものと考えられると、こういった結論が出されていると承知をしているところでございます。
#120
○青木愛君 済みません、害を及ぼす影響はないというふうに指摘をされているという御答弁だったんでしょうか。
#121
○政府参考人(池田一樹君) この調査の結論によりますと、人の健康に害を及ぼす可能性は小さいものと考えられるという結論が出されているということでございます。
#122
○青木愛君 農水省は今その立場に立っているということで、確認をさせていただきました。
 次の質問に移らせていただきます。
 こちらも指摘をされたところでございますが、今後、再評価制度の運用の中で、マイナー作物と言われている作物に対する農薬は市場規模が小さいために開発されにくいということで作物グループでの適用を確保するということでありますけれども、今現在のそのグループの構成の状況、検討状況を教えていただきたいと思います。
#123
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 生産量が少なく、使える農薬に制約のある作物に使用できる農薬の拡大のために、都道府県が産地の要望を吸い上げまして農薬メーカーとも共有をする、あるいは都道府県などが実施をいたします薬効・薬害試験あるいは作物残留試験の実施に必要な経費を助成をする、登録申請に必要な試験の例数を、生産量が特に多い作物は六例ですが、生産量が少ない作物は二例と軽減する、こういった取組を行ってきました。
 また、昨年の四月以降でございますが、一連の作物をグループで登録する作物群の導入を進めておりまして、例えば仁果類として登録することでリンゴや梨と併せましてビワやカリンにも使用ができるようになるなど、生産量が少ない作物の農薬の確保にも資するものであると考えてございます。
 このため、作物群での登録が可能な品目を平成三十年度中を目途に果樹から野菜類に拡大をする、あるいは新規登録、再評価の機会を活用いたしまして作物群での登録を進めていただくよう農薬メーカーに働きかける、こういった取組も併せて進めていくということにしてございます。
#124
○青木愛君 また、近年の異常気象によります気候の変化、あるいは貿易や旅行客の往来が増えていることによる病害虫の上陸、また農作物自体の農薬に対する耐性の変化等が指摘をされているところであります。再評価は十五年ごとということに今後なりますけれども、科学的技術の進歩、あるいはこうした病害虫の新たな事態に果たしてそれで間に合うのかなというふうなちょっと心配を持ちますが、今後、この気候変化あるいは海外からの病害虫の流入、こうした変化に対する対応についてはどのようにお考えでしょうか。
#125
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 気候変動に伴いまして、病害虫や雑草などの発生増加、あるいは分布域の拡大が懸念をされている中で、安定的な農業生産を継続していくためには、新たな機能を持った、より効果があり安全な農薬の開発や導入が重要でございます。
 今般の改正によりまして、安全性の試験方法などを国際標準に整合させ、創薬力の優れた日本のメーカーの海外展開をしやすくすることにより、メーカーの国際競争力が高まり、新規農薬の開発にも資するものと考えております。
 あわせて、病害虫の防除において特に必要性が高い新規農薬や安全性が高い新規農薬につきましては、他の農薬に優先して評価をする制度を導入し、早期に良質な新規農薬を登録するよう努めてまいりたいと考えてございます。
#126
○青木愛君 ありがとうございます。
 先ほど小川先生から指摘がありました残留農薬の基準が日本は緩過ぎるという現状に、数値を見て私も大変驚いたんですけれども、この農薬の毒性につきましては、使用する農業者はもちろんですけれども、やはり食品の安全性に直結をする、消費者にとっても大変関心の高い事柄だと考えます。
 今後のこの評価結果につきましては、手続の透明性も含めて国民に分かりやすく積極的に公開すべきだと考えますが、今後の予定をお伺いいたします。
#127
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 農薬がどのような審査を経て登録されたのか、あるいはどのような成分が含まれているかなど、農薬の安全性などに関する情報に国民の皆様方がアクセスできる環境を整えることは重要と考えてございます。
 このため、今般の改正法案におきまして、国が農薬に関する情報を公表するよう努めることを盛り込んでございます。具体的には、農薬の新規登録や再評価に際しまして、毒性や残留、環境への影響などの試験成績に基づいて実施した審査の結果を取りまとめた審査報告書を作成いたしまして、その中で試験成績や審査結果の概要を公表すると、こういうことにしてございます。
#128
○青木愛君 是非、積極的に進めていただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 大臣に質問をさせていただきますが、この度のこの農薬登録制度は国際調和という観点からも取組が進められるというふうに伺っております。農薬の輸出また輸入も促進されることが考えられますが、先ほども指摘がありましたけれども、気候あるいは生態系、人の体質などもそれぞれの国また地域によって異なることも考えられ、独自の取組また安全対策も一方で必要になるのではないかと考えます。今後の日本における取組の姿勢と、そして期待される効果について、齋藤大臣にお伺いをいたします。
#129
○国務大臣(齋藤健君) 今般の改正では、国際的な標準との調和を進めることを見直しの観点の一つとしておりまして、最新の科学的知見を的確に反映させるために農薬を再評価する制度を導入するとともに、農薬使用者や動植物に対する影響評価の充実、あるいはジェネリック農薬の登録申請の簡素化などの措置を講ずることとしているわけでありますが、これによりまして農薬の安全性の一層の向上が図られ、安全な農産物の安定供給や農作業の安全性向上につながるとともに、良質かつ低廉な農薬の供給による生産コストの引下げにつながること、こういったものが期待をされるところであります。
 また、登録申請に必要な試験データを国際的な標準に整合させるということをしていくことによりまして、日本の農薬メーカーの海外進出ですとか国産農産物の海外市場への進出に寄与するということも期待できると思っております。
#130
○青木愛君 ありがとうございます。御期待しております。
 少し時間は早いですが、これで質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#131
○委員長(岩井茂樹君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農薬取締法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#132
○委員長(岩井茂樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田名部君から発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代君。
#133
○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました農薬取締法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農薬取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  農薬は、農産物の安定生産に必要な生産資材であるが、その販売・使用については最新の科学的知見を的確に反映し、安全性を向上させるとともに、人の健康や環境への影響を考慮し、安全かつ適正に使用していくことが不可欠である。
  よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 登録された農薬の再評価制度の実施に当たっては、農薬の安全性の更なる向上を図ることを旨として行うこと。また、農薬に係る関係府省の連携を強化し評価体制を充実するとともに、新規農薬の登録に遅延が生じないようにすること。
 二 最新の科学的知見に基づく定期的再評価又は随時評価により、農作物等、人畜又は環境への安全性等に問題が生ずると認められる場合には、当該農薬につき、その登録の内容の変更又は取消しができるようにすること。また、定期的再評価の初回の評価については、可及的速やかに行うこと。
 三 マイナー作物に使用できる農薬については、作物群を単位とした登録が可能な品目を増やすための作物のグループ化の動きを促進する等の必要な措置を充実させること。
 四 良質かつ低廉な農薬の選択肢を広げるために、先発農薬の規格に係る情報を迅速かつ適切に公開し、ジェネリック農薬の開発・普及を促進すること。
 五 農薬の登録制度の見直しにおいて、農薬メーカーの負担にも配慮し、農業者への良質かつ低廉な農薬の提供を推進すること。
 六 生活環境動植物についてのリスク評価手法を早急に確立し、登録の際に必要となる試験成績の内容等を速やかに公表すること。
 七 試験に要する費用・期間の効率化や国際的な動物試験削減の要請に鑑み、定量的構造活性相関の活用等を含む動物試験の代替法の開発・活用を促進すること。
   また、国内外の法制度で明記されている動物試験における3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則に鑑み、不合理な動物実験の重複を避けるなど、3Rの有効な実施を促進すること。
 八 安全な農産物の生産及び農薬使用者の安全を確保し、農薬による事故を防止するために、登録に係る適用病害虫の範囲及び使用方法、貯蔵上又は使用上の注意事項等を農薬使用者にわかりやすい手法で表示及び情報提供が行われるよう措置し、農薬の安全かつ適正な使用及び保管管理の徹底を図ること。また、農薬使用の際に、農薬使用者及び農薬散布地の近隣住民に被害が出ないようにするため、農林水産大臣及び都道府県知事は防除業者を含む農薬使用者に対して十分な指導及び助言を行うこと。
 九 非農耕地用除草剤が農薬として使用されないよう表示の徹底や販売店に対して十分な指導を行うこと。
 十 制度の運用及び見直しについては、規制改革推進会議等の意見は参考とするにとどめ、農業生産の安定を図り、国民の健康を保護することを前提に、農業者等の農薬使用者、農薬の製造者・販売者、農産物の消費者等の意見や、農薬の使用実態及び最新の科学的知見を踏まえて行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#134
○委員長(岩井茂樹君) ただいま田名部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(岩井茂樹君) 全会一致と認めます。よって、田名部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、齋藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。齋藤農林水産大臣。
#136
○国務大臣(齋藤健君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#137
○委員長(岩井茂樹君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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