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2018/06/12 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第22号
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2018/06/12 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 農林水産委員会 第22号

#1
第196回国会 農林水産委員会 第22号
平成三十年六月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     平野 達男君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     青木  愛君     森 ゆうこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                徳永 エリ君
                舟山 康江君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    窪田  修君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
   参考人
       市場流通ビジョ
       ンを考える会代
       表幹事      磯村 信夫君
       東北地区水産物
       卸組合連合会事
       務局長      菅原 邦昭君
       広島大学名誉教
       授        三國 英實君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、井原巧君及び青木愛君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君及び森ゆうこ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長窪田修君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩井茂樹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として市場流通ビジョンを考える会代表幹事磯村信夫君、東北地区水産物卸組合連合会事務局長菅原邦昭君及び広島大学名誉教授三國英實君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(岩井茂樹君) 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。齋藤農林水産大臣。
#8
○国務大臣(齋藤健君) 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 食品流通におきましては、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、通信販売、産地直売等の流通の多様化が進んでおります。
 こうした状況の変化に対応して、生産者の所得の向上と消費者ニーズへの的確な対応を図るためには、卸売市場につきまして、その実態に応じて創意工夫を生かした取組を促進するとともに、食品流通全体につきまして、物流コストの削減や品質、衛生管理の強化などの流通の合理化と、その取引の適正化を図ることが必要であります。
 このため、公正な取引環境の確保と卸売市場を含む食品流通の合理化とを一体的に促進する観点から、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、卸売市場法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、卸売市場が食品等の流通において生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしていることに鑑み、卸売市場の認定に関する措置等を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、卸売市場の業務の運営、施設等に関する基本的な事項を明らかにするため、卸売市場に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣又は都道府県知事は、生鮮食料品等の公正な取引の場として、差別的取扱いの禁止、売買取引の条件や結果の公表等の取引ルールを遵守し、適正かつ健全な運営を行うことができる卸売市場を、基本方針等に即して中央卸売市場又は地方卸売市場として認定することとしております。
 第四に、国は、食品等の流通の合理化に取り組む中央卸売市場の開設者に対し、予算の範囲内において、その施設の整備に要する費用の十分の四以内を補助することができることとしております。
 次に、食品流通構造改善促進法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、食品等の流通が農林漁業者と一般消費者とをつなぐ重要な役割を果たしていることに鑑み、食品等の流通の合理化及び取引の適正化を図るための措置を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、食品等の流通の合理化を図る事業を実施しようとする者が講ずべき食品等の流通の効率化、品質・衛生管理の高度化等の措置を明らかにするため、食品等の流通の合理化に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣は、基本方針等に即して食品等流通合理化事業に関する計画を認定することとし、認定を受けた者は、その計画の実施に当たり、株式会社農林漁業成長産業化支援機構による出資等の支援措置を受けることができることとしております。
 第四に、農林水産大臣は、食品等の取引の適正化を図るため、食品等の取引の状況等に関する調査を行い、当該調査の結果に基づき、指導、助言等の措置を講ずるとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を通知することとしております。
 第五に、これらの改正に伴い、法律の題名を食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律に改めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(岩井茂樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○田名部匡代君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の田名部匡代です。よろしくお願いいたします。
 今回の改正案でありますけれども、現場の関係者の方からは、衆議院の審議時間は短かった、参議院しっかり議論してほしい、頑張ってくれというような激励をいただいているところでありまして、何とかその期待に応えていきたいと思っています。
 本会議場でも述べましたけれども、現場を全く無視した官邸農政が次々といろいろ規制改革推進会議に丸投げして、いろんな提案が上がってくる。今回、一部の規制は残りまして、元々の規制改革推進会議の提案よりは規制は残った、そういう意味では自民党の皆さんの頑張りもあったのかなというふうに思いますけれども、それらを踏まえて、幾つか農水省に確認をさせていただきたいと思います。
 卸売市場の実態についてでありますが、受託拒否の禁止に関係することですけれども、このルールがあることで、鮮度、大きさの面が著しく劣ったり、環境影響や倫理等の面で不適切な生産、出荷がなされ、一律に受託することが生産者の不適切な活動を助長しないとも限らない、こういうことが本当にあるんでしょうか。
#11
○政府参考人(井上宏司君) 受託拒否の禁止に関しましては、現行法の下でも受託拒否の原則禁止ということになっておりまして、有害なもの等については例外として受託拒否ができるということになっておりますので、現在でも御指摘のようなものについては市場に入ってくることはないといいますか、受託拒否ができるというふうに認識をしております。
#12
○田名部匡代君 受託拒否ができないから、農業者としては何でもいいから出すということが常態化してしまう可能性がある。この受託拒否のルールのあることで、そういう何でもいいから出すんだと、農家の方々がそう考えて、それが常態化しているんじゃないか、してしまうんじゃないか。どうでしょう。
#13
○政府参考人(井上宏司君) 生産者の所得向上の観点からは有利な条件の出荷先を選べるということ自身は重要なことだと思いますけれども、卸売市場に関しましては、この中央卸売市場について受託拒否の禁止があることによって、生産者にとって安心して出せる先があるということは意義があるというふうに考えまして、今回御提案をしているような法案の内容になっているものでございます。
#14
○田名部匡代君 今や市場性を考えない農業者が再生産される可能性のある制度になっている。まあ、これ今の卸売市場法のことについてですね。もっと市場のこと、顧客のこと、消費者のことを考える農業者が育つような制度にする必要があると思っておりまして、そのためには、流通業者が受託拒否の禁止という条項にとらわれるのではなく、もっと生産者に対して物を言えて、ある場合は拒否ができる、そういった状況をつくる必要があるのだろうと思うと、こういう御意見に対してはどういう感想でしょう。
#15
○政府参考人(井上宏司君) 規制改革会議の提言はあるわけでございますけれども、私どもとしましては、こうした提言に加えまして、食品流通の現場の実態、声を十分に踏まえながら検討、調整を行ってきた結果、昨年十二月の活力創造プランにおいて決定したような内容になっているのでございまして、政府としての決定としては昨年十二月の活力創造プランに定められているような内容であり、またそれに沿って今回御提案申し上げているような法案の内容でございます。
#16
○田名部匡代君 今私が確認させていただいたのは、全て規制改革推進会議の方々の議事録から発言を取り上げたものであります。
 卸売市場については、平成二十六年から農水省は五年ごとの基本方針の策定のために関係者による検討会を続けてこられたと思います。私は、別に農水省を擁護するわけじゃないですけど、やっぱり農水省というのは、これまでもいろんな制度の歴史であるとか意義であるとか、そうした関係者、生産現場、消費者、広い視点でいろんなことを議論されて物を決めてきたと思っているんですね。そういうところを飛び越えて、現場のことが分かっているのか分かっていないのか分からない人たちが突然いろんな提案をしてくるんですね。
 今回、ちょっとこの法改正、卸売市場を改正しようという議論になったその発端は何でしょうか。
#17
○政府参考人(窪田修君) 規制改革推進会議と卸売市場制度の見直しの関係でございますが、卸売市場制度の見直しにつきましては、平成二十七年十一月の総合的なTPP関連政策大綱の中で、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立というテーマで検討することが決定され、その後、平成二十八年の一月に農林水産業・地域の活力創造本部において、当時の産業競争力会議と規制改革会議が検討を進めた上で、平成二十八年の秋を目途に農林水産業・地域の活力創造プランの改訂をもって取りまとめを行うことに始まりまして、その後、後継会議である未来投資会議と規制改革推進会議において検討が継続されたという経緯でございます。
#18
○田名部匡代君 私の手元にある自民党山田俊男先生のこれブログ、拝見いたしまして、いろいろ勉強させていただいておりますが、いろいろ農水省が真摯な検討を行って報告書を取りまとめていたと、ところが、報告書を取りまとめた後、匿名の個人からホットラインを通じて規制改革推進会議に卸売市場の企業化に向け民間企業を開設主体にすべきという意見が届き、それを受けて始まったんじゃないかというようなことが書かれておりますが、ちょっと事実関係について教えてください。
#19
○政府参考人(窪田修君) 平成二十七年六月に中央卸売市場の開設主体に民間企業がなることを認めるべきとの提案が規制改革のホットラインに出され、これに対して、当時農水省から対応不可との回答をいただいております。ただ、これはあくまで個別の提案に回答いただいたものでありまして、その後、規制改革推進会議といたしましてもこの提案についてそれ以上の議論を行ったという記録はございません。
#20
○田名部匡代君 何か、これまでの種子法もそうですし、競争力とかもそうですけど、農協改革もそうですが、どういうふうに議論が始まって、おっしゃったようにTPPがどうのこうのと説明されていましたけれども、今みたいな情報をお聞きすると、利害関係者からのメールかもしれませんよ。自分の商売のためにこうしてほしいなと思ったことがメールで届いたら、ああ、何かそうだね、それいいねなんていう、そんなもしかしたらいいかげんなところからスタートしているんじゃないかなと勘ぐるようなこともありますけれども、本当に、じゃ、必要な議論として分かった方々が議論しているのかなというところも全くこれは私は疑問なんですね。
 卸売市場法については、規制改革推進会議で何回関係者からヒアリングをされたのか、どういう方々からヒアリングされたのか、ちょっと教えてください。
#21
○政府参考人(窪田修君) 卸売市場改革につきましては、平成二十八年の二月から六月にかけて検討をいたしております。その際には、いろいろな農事組合法人の方々やあるいは農協の方々からヒアリングを実施しております。平成二十八年中には五回行っております。また、その後、平成二十八年の秋に意見を取りまとめておりますが、その後、平成二十九年になりまして、平成二十九年の十月以降、三回議論をしておりまして、その中で卸や仲卸の方々からもヒアリングを実施してございます。
#22
○田名部匡代君 先ほども申し上げましたけれども、担当する農林水産省で真摯な議論をしているわけですよ、検討しているわけですよ。それを、中身も分からない、各団体からは一回ずつしか聞いていないでしょうし、その議論は十分な時間なのかもよく分かりませんが、そういう議論の中でぽっと何かいいかげんな提案をしてくるのはやめていただきたいんですよね。
 この議論したメンバーの議事録見ますと、民間の、これいいのかな、アマゾンフレッシュが余りにもすばらしく便利で、私はこれなくしては生きていけなくなってしまった。何しろ買物する時間がない、ブロッコリー一個、仕事が終わってから食べたいなと思うとき、夜中だったり、おいしいお刺身まで持ってきてくれたりとか、夜中の十二時まで持ってきて、朝は八時から持ってきてくれるのですよ。これ、すごいことだと思ったんです。それに気が付いて使い出している農家の方々も多いということで、間違いなくこれに巻き取られていくと思うのです。逆に、今からその発想で、何がこれを応援できるのか、何が足かせになっているのか、そういう観点で見直せたらいいのではないかなと思いました。で、それずっといろいろ議論していて、ほかの委員から、先ほどの発言の委員があった外資系のプラットホームの話ですけど、早速スマホで見てみましたけれど、安いものをいっぱい売っていて驚きました。結構いいものが出ているんですというような会話も議事録に残っているんです。
 まあブロッコリー一個夜中に届けるのに、それがどれだけのコスト掛かっているのか、安く売っているということはどこかにしわ寄せがあるんではないかと。トラック運転手が不足しているというような中で、確かに便利ですよ、私もいろいろ重たいものを、お水を届けてもらったりとかありますけれども、まあ便利を求めればどこまでも便利が良くて、ただ、やっぱり、それによって働き方であるとか生産者の利益だとか、そういうところに影響があってはならないというふうに思いますし、もっと言えば、これ一部の地域、利用できる人ってどれだけかということなんですよ。高齢者の方々もいらっしゃる。私の地元青森なんか考えたって、まあ夜中の十二時にブロッコリー一個届けてくれるのかといったら、それが特に中山間地域だったら、どれだけコスト掛けてブロッコリーが届くのかという、いろいろ思うところがありまして、やっぱり、規制改革推進会議の方々の一部の目先の視点だけで物事を判断しては私は間違うと思うんですよね。
 それらをトータル的に考えるのがやっぱり政治の役目だと思っていて、ここにおられる皆さんは、それぞれの現場、それぞれの地域、青森と、また九州、東京、みんな事情が違うわけですよ。そのみんな事情が違う中の現場をしっかりと受け止めてここに来ている、それを代表して、ここでその声を届けながら議論をする、それが政治の役目だし、卸売市場の問題、この法改正だけれども、そのことだけじゃないわけですよ。地域どうするのか、生産者はどうなのか、食の安全、安定供給どうなっていくのか、幅広くいろんな視点で結論を出していくのが政治であると考えたときに、ちょっと私は、規制改革、与党の皆さんにも頑張っていただきたい。まあ今回は頑張ったかもしれないですけど、頑張っていただきたいし、私の信頼する農水省の皆さん、ほかから言われなきゃできないだとか、言われたからやるということじゃなくて、必要な改革なら率先してやってくださいよ。やらなくてもいいときは、しっかりとこれは必要ないんだと言っていただきたいんですよ。何ですか、もうすっかり官邸農政に。まあ何とも、本当に応援しているんですから。
 まあ愚痴っていても質問に入れないので、質問に入らせていただきたいというふうに思いますけれども。
 今回の提案した法案の趣旨に食品流通の合理化ということがあるんですが、現行法のどこが合理的ではないのか、そして法改正がなされればどう合理化されるのか、教えてください。
#23
○政府参考人(井上宏司君) 近年、食品流通の現場におきましては、積み降ろす際の荷役や待ち時間が多くトラックドライバーの負担になっているという物流の問題、また、いまだに伝票が手書きであったり受発注が電話やファクスで行われるといったことで取引情報の電子化が遅れているといったような問題、また、卸売市場におきましては低温卸売場の整備率が二割に満たずコールドチェーンが確保されていないといった問題、加工食品や外食での原材料需要や海外マーケットへの輸出などに十分応え切れていないといったような課題があるというふうに考えております。
 こうした課題は集荷から販売までのサプライチェーン全体で取り組むべき課題であると考えておりますけれども、現行法の食品流通構造改善法は、何といいますか、サプライチェーンを通じてというよりは業態ごとに区分をして支援対象となる事業類型というのを整理をしておりまして、今回、今申し上げましたような流通が抱えている課題に応じた支援対象事業を並べて、これに対する支援措置を行うという改正案を御提案しているものでございます。
#24
○田名部匡代君 今、電子化だとか輸出だとかコールドチェーン化、これまでもそういう課題があった。何で一つ一つそれを解決するための提案をしなかったのか。何でこれが進んでこなかったのかという分析をされたのか。いきなりこんな法改正をするんじゃなくて、じゃ、電子化を進めるために予算が足りないのか、何か違う対策が足りないのか、そういうことを検討したんですか。
#25
○政府参考人(井上宏司君) これまでも食品流通構造改善促進法の下で、例えば市場関係業者の経営改善に向けた取組等の支援を行ってきているところでございますけれども、今申し上げましたようにサプライチェーンを通じて行うような取組についてはこれまで十分進んでこなかったということに加えて、むしろ物流の問題でありますとか、品質・衛生管理の高度化への要請というのは高まっている、こういう現状認識を踏まえまして、こうした取組がより進むように、今回、支援対象の事業類型の見直し等を内容とする法案にさせていただいているところでございます。
 これに関連する支援に必要な金融面の予算措置でありますとか等につきましては、これはしっかりと準備をさせていただきたいというふうに考えております。
#26
○田名部匡代君 何か、何度御説明聞いても私は別の話で、この法改正ではなくて、今言ったような輸出と高度衛生管理、コールドチェーン、電子化、これが進んでいなかったことはなぜかということを分析をして、それをしっかり進む体制をつくるだけの話で、何でこんな法改正と絡めてくるのかちょっとよく分からないんですが。
 本会議でも伺いました認定制のことについて、認可と認定の違いは一体何なんだと。現場からもよく分からない、分かりにくいという声も上がっていますけれども、これ、認定制になったことで、私の勘ぐりかもしれませんが、国の関与の度合いは薄れる、将来的には、もう国の関与もなくして予算も削っていかれてしまうのではないかというふうに私は懸念しているんです。利益を出すとかいうこと以外の卸売市場の果たしてきた役割というものがあって、その担ってきた役割、食料の安定供給、そして価格形成、そして品質保持、こういったものを、社会インフラとしての役割を私はしっかりと守っていくべきだというふうに思っているんですね。
 この法改正によってどういう将来像を描いておられるのか、今後、今まで果たしてきた卸売市場の役割というものを、いずれも国の関与もやめて民間企業にお任せをしてやっていただこうという方向性なのか、それについてちょっと教えてください。
#27
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場の役割につきましては、これまでも重要な機能を果たしてまいりましたし、今後とも食品流通の核として堅持すべきものというふうに考えておりますし、また、その趣旨は、今回の卸売市場法改正案の目的規定の中に新たに盛り込まさせていただいているところでございます。
 他方で、卸売市場につきましては、外食、加工品需要等が増えている食品の消費に関する状況の変化等の中で、これまで国が一律に規制を行ってきた取引、ルール等につきまして、卸売市場の実態に即して柔軟に設定できることが卸売市場の活性化にも役立つと思っておりますし、また、これまでは、規制という考え方で、許認可制の下に卸売市場を置いてきたわけでございますけれども、その公正な取引の場として果たす役割に鑑み、それを振興するという考え方の下に、今回認定制という仕組みを御提案しているものでございます。
#28
○田名部匡代君 皆さんの今日お手元にお配りをした資料ですけれども、ちょっとこの数字について伺いたいんですが、生鮮品等という、最後、左側の国内消費者の手前の生鮮品等というのは、これは卸売市場で取り扱うものということでよろしいんでしょうか。
#29
○政府参考人(井上宏司君) ただいま御指摘いただきましたのは、資料の左側の方の生鮮品等、十二・五兆円というところかと思いますけれども、あっ、済みません、二枚目の方ではそういうことかと思いますけれども、この生鮮品等は、平成二十三年の産業連関表を基に農林水産省で推計したものでありまして、平成二十三年に国内で飲食費として支出されたもののうち生鮮品等に支出された額でございまして、この中には卸売市場を経由した生鮮品も含まれますけれども、直売所やネット通販などの卸売市場を経由しない生鮮品も含まれているものでございます。
#30
○田名部匡代君 なるほど、この上の市場外経由のところもここに全部含まれているということ。
 ごめんなさい、大して何かが問題だということじゃなくて、この資料を見たときに、外食産業と、下の国内消費者に回るところが生鮮品等そして加工品、外食産業は何か別の、卸売を通っていないような最初図に見えたので、もうちょっと何か、外食産業なんというのは特に卸売市場を経由して外食産業に回っているものが多いと思ったので、最近政府の出してくる資料は何となく意図的なものが多いものですから、何かまたここには隠された事実があるんじゃないかと思いましたが、大丈夫ですね。はい、うなずいておられるので、ここは進めていきたいと思います。
 青果物について、卸売市場を経由する国産の青果物の割合というのは非常に高いと思うんですけれども、まさにこういう資料もそうですが、社会的役割というのを矮小化して伝えてはならないというふうに思っているので、是非やっぱり、国民の皆さんにも卸売市場の果たしている役割の重要性というものが伝わるようにしていただきたいというふうに思います。
 取引のルールが市場ごとに設定できる仕組みになるわけですけれども、何度も申し上げているとおり、市場があるから適正な価格形成が行われていると私は考えておりまして、そうじゃなければ、本来の適正価格よりも高い値段を付けたり、買いたたきがあったりということにつながってくるのではないか、そういうことが考えられるのではないかというふうに思うんですが、このルールの設定をするに当たって関係者の意見を聞くというふうになっていますが、そのプロセスというのはどんなふうに行われるんでしょうか。
#31
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正案におきましては、卸売市場が公正な取引の場として遵守すべき共通のルール、例えば中央卸売市場における受託拒否の禁止でありましたり、差別的取扱いの禁止であると、こういったものを除く取引ルールにつきましては卸売市場ごとにそれぞれ定められるということにしているわけでございますけれども、その際も、何でも定めていいということではなく、その市場ごとに定める取引ルールが差別的取扱いに当たるようなルールになっていないかといったような内容面に加えまして、そのルールの策定の手続が市場の取引関係者の意見を十分聞いて定められているかということを確認をした上で認定を行うこととしてございます。
#32
○田名部匡代君 その特定の事業者が優遇されていないというのはどういうふうに判断するんですか。
#33
○政府参考人(井上宏司君) これにつきましては様々な手続、というのは、卸売市場ごとに適正なやり方というのはあろうかと思います。現在でも、市場に関連する委員会、協議会というものを設置することができるという規定が現行卸売市場法にあるわけでございますけれども、それでも、卸売市場によってはそういう委員会や協議会をつくっていないところもありますし、またほとんど開催をされていないといったような実態もございまして、どのような形で意見を聞くかというのは一律に国が規制をする予定はございませんけれども、いずれにしましても、取引関係者の特定の方々だけに偏っていないような形で十分に意見が言える機会が与えられ、公平に開設者が最終的には決定をされているかどうかというのを確認をさせていただきたいと考えております。
#34
○田名部匡代君 関係者の意見というのがどの範囲なのかちょっと分かりませんけれども、何というか、任せっきりじゃなくて、そこはしっかりと国も責任を持っていただきたいというふうに思うんですよ。
 特定の事業者が優遇をされているかどうか誰が判断するのか、そして話を聞くプロセスはどんなふうに行うのか、そこには反対意見だって当然あるかもしれない、でも反対意見があったって話は聞いたんですと言えばそれでいいのかということになるわけですから、そのプロセスをどんなふうにしていくのか。きちんと話を聞くということを、そして話を聞いた上で同意が得られたものに関しては、じゃ、こういうルールでいきましょうというならいいけれども、話を聞くというだけでは、今申し上げたように、みんなが反対かもしれない、多くが反対かもしれない、それを強引に進めるかもしれないというようなことあるかもしれないわけですから、そこは、一定のどういう仕組みにするのかというのは考える必要があるんじゃないですか。どうですか。
#35
○政府参考人(井上宏司君) 市場において取引ルールを設定する際のプロセスでございますけれども、生産者、卸売業者等市場関係者、出荷者、小売業者等の実需者を含めた取引参加者から幅広く可能な限り意向を酌み取って、最終的には開設者が判断いただくわけでございますけれども、国も認定に当たりましては、開設者が取引参加者の意見をどのように聞いたのかといったことを証明する書類も提出させる等によりまして、しっかりと確認をしてまいりたいと考えております。
#36
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 ちなみに、今後は外国の企業も参入をしてくる可能性ということも考えられるわけでしょうか。
#37
○政府参考人(井上宏司君) 現在でも地方卸売市場については民設が約九割となっておりますので参画ができるわけではございますし、また今後は中央卸売市場についても民設が認められますので、実際そのような卸売市場を開設したいというところが出てきた場合に、かつ、認定申請があった場合には、差別的な取扱いを行わないとかいったような要件を満たすということであれば、そういうものは出てき得るということかと思います。
#38
○田名部匡代君 それは海外なのか国内なのかというのは余り関係ないかもしれないけれど、本会議でも申し上げました、やっぱり大資本の企業が参入してくることによって、そこが強力な権限を持ってそれを濫用するのではないか。ルールが一部、さっきの話のとおり、それぞれの実態に応じてルールを決められる仕組みになるわけですから、そういう中で、今国内の農業にも大手の企業が参入している、生産から販売までを大企業が支配をすることによって、小規模や家族経営でやっている農家の皆さんが排除されたり、また不利益を被ることがあるのではないかということを心配しているんです。やっぱりそこは私はきちんと国が見ていく必要があると思うし、家族経営、何度も何度も委員会でも言っているけど、大規模だとか集約だとかいうことだけじゃなくて、家族経営でこつこつといいものを一生懸命作って出している人たちの立場が守られるようにしていかなければならないと思っているんです。
 この卸売市場はそれらの役割も果たしてきたわけですよ。高齢者の方々は、今ネット販売だとか市場を通さない販売もいろんな選択肢があっていいと言うけれど、だんだん農家の方々も高齢化していて、そういういろんな選択肢を利用できる人もいるけれども、自分で販売するなんていう労力もない、なかなかそういうことはできない、でも一生懸命いいものを作ればしっかりと卸売市場で預かってくれて、そしてすぐにそれが現金として入ってきて、安心してそれを売ることができるということだし、更に言うと、この現場では需給調整をしっかり果たして、そして全国にどこにでも同じように、価格もそう差がない中で、どこでもいろんな食べ物が食べられるということを果たしてきたんですね。
 だから、私が言いたいのは、海外だろうが国内だろうが大規模な大資本の企業が支配をして、そうやってずっと地域を守ってきた生産者が切り捨てられたり排除されたりするようなことがないようにきちんとするのが私は国の大事な役目なのではないかと。それを、さっき言ったように認定に変えて、何となく関与を少しずつ薄めて、あとは任せますなんということになってはならないというふうに思っているんです。どうですか。大臣、どうですか。
#39
○国務大臣(齋藤健君) 基本的には、今、田名部委員がおっしゃったことはよく私も同感のところが多いわけでありますが、一つ、今どんどん流通が強くなっている傾向にありますので、放っておけばこれからますます流通の多様化というのは進んでいくであろうと。そういう中で、卸売市場を活性化をさせて、それに対して魅力をより高めていくということも一方で必要になってくるだろうと。
 そういう意味では、規制緩和をしながら、しかし一方で不公正な取引というものには厳しく取り締まりながら、そして市場に対しての支援もしっかりしていくという方向で、こういう流れに対抗していきたいという趣旨でありますので、御理解いただきたいなと思います。
#40
○田名部匡代君 いや、その活性化をしたいというのは間違っていないと思いますし、活性化になればいいけれども、逆のことが起こってくるのではないかなと心配しているんです。
 何でその、じゃ、一律規制を、今までの規制を緩和するという方向で見直さなかったのか、何でそれを全て自由にしちゃったのか、それぞれに任せるようなことにしたのか。緩和でも良かったわけですよ。今の一定の規律を守ってもらいながら少し見直すことが必要があるんであれば、じゃ、もうちょっと見直しましょうという議論なら分かるけれども、元々は、全部要らないと、取っ払えというところから始まっていたわけじゃないですか、規制改革推進会議は。
 もう本当に乱暴で、いずれやっぱりそういう方向に持っていきたいというところから始まっているんじゃないかと思うわけですよ。今は自民党の皆さんが頑張ってくださったと言っていいんでしょうか。ちょっと頑張り足りない、まあ少しね、少し頑張ったけれども、でも、本来、規制改革推進会議の目的はそうなわけですよ。全部規制を取っ払って、自由にして、企業が参入して自分たちの利益になるようなことをやりたいというところに行くんじゃないですか。
 でも、私たちが考えなければならないのは、生産現場のことであるとか、さっき言った家族経営でも一生懸命やっている人をどうするのかということであって、なぜ丁寧な議論をしなかったのか、何でそんな一気に自由化、自由に選べるような仕組みにしちゃったのか、これについてはどうですか。
#41
○国務大臣(齋藤健君) 規制改革会議につきましては、私いつも申し上げているように、私自身も思うところがたくさんありまして、大臣になる前、二年間副大臣、その前二年間農林、自民党の部会長ということで、まさに一番もまれる局面にあったものでありますから、いろいろ思いありますけれども、ただ、そういう意見を封じることはできないわけでありますが、我々としては、いいところは取り入れるし、聞き流すところは聞き流すということで前進ができるように努力をしてきたつもりでありますので、農水省も自民党の皆さんもそういう方向で努力をしてきたということは少しは理解してほしいなと思います。
#42
○田名部匡代君 その大臣の思うところの思うことが何なのかをはっきりお聞きしたいわけですけれども、じゃ、それを一律の規制緩和じゃなくて取っ払って自由にして、それでそのことでどれだけ取引に変化が起こるというふうに想定されているのか、どれだけのものが市場経由になっていくと考えているのか、そういうことまでお考えになってこの仕組みつくっていますか。
#43
○政府参考人(井上宏司君) 現在は、卸売市場の取引規制が厳しくなっているために、実際には卸売市場で取引をされている業者の方におかれても、別会社をつくって、市場の外で例えば第三者販売をしたり直荷引きをしたりといったことがございます。
 今回、各市場ごとに関係者で協議の上ということではございますけれども、もしその結果として例えば商物分離をこういう場合には認めようじゃないかといったようなルールが設定された場合には、生鮮品の荷自体は産地から小売店等に直送をすることが可能となって、鮮度が保たれた生鮮品を消費者は手に入れることができますし、生産者にとっても物流コストを削減できるといったことがございます。
 その際も、これはあくまで市場の取引ということになりますので、商流としては卸売市場の業者の方が関与をいたしますし、また、第三者販売等につきましても様々なメリットがあるわけでございますけれども、これについても、現在、市場外で行われているものについては価格も公表をされませんし、また、生産者にとっては早期の代金決済の対象にもならないということになりますけれども、これが卸売市場における取引として認められれば生産者にとってもメリットがありますし、また、価格形成という面では透明性がより高まるというふうに考えております。
#44
○田名部匡代君 例えば、その需給調整機能が衰えてしまうのではないかだとか、中小の小売が品ぞろえができなくなるのではないかだとか、さっきも申し上げたように、大きな企業が参入をして、そこがその権限というか権力というか力を濫用してしまうのではないかとか、いろんな不安が現場からは上がっているわけですよ。
 なので、今言ったように、需給調整機能は衰えないのかな、デメリットも考えられるわけだから、一定のルール、今あるルールの中で、じゃ、よりメリットを高めるためにこの部分は緩和していきましょうという議論なら分かるんですよ。でも、そうではなくて、それぞれの現場に任せますということになって、そこにやっぱり現場の方々はこれからどうなっていくんだろうか、自分たちは生き残っていけるのだろうか、そして今までの卸売市場の果たしてきた役割、重要な役割をこれからも維持できるんだろうかということになっているんだと思うんです。そういうことも政府としてはやっぱり、何でこういう仕組み、法改正をするのかということについては説明を、もっときちんと現場に説明をする必要があるというふうに思っています。
 いろんなルールの設定をされて、それらについて国も何かがあったら調査、是正をしていきますよというふうになっています。本会議でも伺いましたけれども、民間同士の取引の中で国が本当にどれだけ関与できるのか。最終的には、公正取引委員会に、何ですか、通知をする。そこまで行ったらよほどひどい取引ということですから、それまでの間にどこかが優遇されたり排除をされたり、価格の問題も不適正なことになっていないのか、そういうことをチェックをしていく必要があると思うんですが、本当に調査、是正なんてことに国が関与できるのか、そこまできちんと役割を果たせるのか、どういう仕組みでそれをやっていくのか、ちょっと教えてください。
#45
○政府参考人(井上宏司君) 農林水産省が行います食品等の取引状況の調査でございますけれども、例えば、特に賞味期限が短く、取引上買手が優位になりやすい食品等を選定をして、取引当事者からヒアリング等を行いつつ、ある程度、一定期間を掛けて行うような調査に加えまして、農林水産省に通報窓口を設けて、取引に関する通報を踏まえて個別の調査を行うといったような、常時といいますか随時といいますか、こういう調査も交えて、取引の実態をしっかりと把握して必要な対応が取れるように実効性のある調査を行ってまいりたいと考えておりまして、そのやり方の詳細については更に検討してまいりたいと考えております。
#46
○田名部匡代君 時間が来たので終わりますけれども、もっともっと時間を取っていただいて、しっかりと審議をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
#47
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。
 まず、改正案の第一条について伺います。
 卸売市場は公正な取引の場であるとここで明確に定義していますが、公正な取引な場とはどのようなものなのか、御説明ください。
#48
○政府参考人(井上宏司君) お答え申し上げます。
 まず、取引の当事者間において公平な取扱いがなされ、また、これについて価格の形成等が透明に行われることを指しているというふうに考えております。
#49
○川田龍平君 それでは、公正な取引の場であると認定できない市場には、今後、卸売市場という名称使用は認めないということでよろしいでしょうか。
#50
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場という言葉について名称制限を掛けるべきではないかという御意見かと思いますけれども、これまでの制度の運用の中で、一定の社会的な信用力のある中央卸売市場又は地方卸売市場といった名称については使用の制限を行うこととしておりますけれども、卸売市場という言葉自体には食品分野以外にも様々既にある一般名称でございますので、これについての名称制限は掛けることにはしてございません。
#51
○川田龍平君 大臣はこの改正案で卸売市場というものの重要性を明確にしたと言いますが、これではこの改正案における公正な取引の場としての卸売市場と、世間一般における卸売市場とでは異なってしまうのではないでしょうか。私はこれは矛盾していることになると思います。
 卸売市場という名称使用を誰にでもこれまでどおり認めるのであれば、この第一条は認定卸売市場がと書くべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#52
○政府参考人(井上宏司君) この目的規定につきましては、現在、卸売市場が総体として公正な取引の場として機能しているという、こういう背景、情勢を踏まえまして、こうした公正な取引の場として今後とも機能するように認定をして振興しようという旨を規定をしているものでございます。
#53
○川田龍平君 これ、改正前には名称制限がしっかり書いてあって、これを削って今回この第一条を書き込んでいるわけですけれども、今回の法改正が現場の実態というのを踏まえずに、実際この卸売市場という会社の名前になっているところもあります。
 そういった意味で、これを現場の実態など踏まえずにこういう改正をしてきたこと、これはやっぱり、先ほどの田名部委員からも質疑にもありましたけれども、これ規制改革会議の言いなりになって出してきて、十分な検討をされていないという上でのこの法案ではないかということで、これ一旦引っ込めて第一条から書き直すべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(齋藤健君) 今の議論は、確かに悩ましいところはあるんですけれども、実際に卸売市場という言葉がほとんど普通名詞のようにして使われているという現実を考えますと、この名称を禁止するというのは現実的ではないということでこういう立て付けになっているわけでありますが、一方で、その認定されたものについてはしっかり規制をし、振興するということを個々の条文の中では明記をさせていただいていると、そういう立て付けにせざるを得ないんじゃないかと私は思っております。
#55
○川田龍平君 やっぱり現状をしっかりと把握すべきだと思いますが、農水省のホームページによれば、中央でも地方でもない市場は五百二十六存在し、そのうち現行法の第二条の第二項の卸売市場の定義に該当しない市場は百十一あるということです。私は、今後認定を受けない民営の卸売市場がどのようなものになるのかの参考として、この百十一の市場の開設主体、開設場所、取扱品目や物流センターと異なる点、経営状況の実態についてお尋ねしたかったわけですが、事前のレクでは農水省もこれ把握していないと、全く把握していないということが分かりました。
 さらには、これ五月二十四日の衆議院の委員会におきまして、井上局長からは、現在の許認可制の下では許認可を受けずに開設しているという卸売市場は制度上存在し得ないと答弁していますが、これは虚偽答弁ではないでしょうか。
#56
○政府参考人(井上宏司君) 五月二十四日の衆議院農林水産委員会の大串委員からの御質問に対する私の答弁かと思いますけれども、これは、議員から許認可制と認定制というのはどこがどう違うのかという御質問をいただいた中で、許認可を受けなければ開設が認められないという許認可制の基本的な考え方を述べたものでございます。
 現行の卸売市場法では政令で定める規模未満の卸売市場はそもそも法規制の対象外としていますので、厳密に言えば、そういった卸売市場、許認可を受けていない卸売市場、規制対象外になっている卸売市場というのは存在するわけでございますけれども、今申し上げましたように、認定制と許認可制の違いは何かという中で許認可制の考え方を御説明しますとともに、今回の認定制度におきましては従来のような小規模なものを裾切りをするというか対象外にするということをしておりませんので、先ほど申し上げましたような五月二十四日の答弁をさせていただいたものでございます。
#57
○川田龍平君 この法文が現実に非常に矛盾をしているということと、国会答弁も大変これいいかげんではないかと、虚偽ではないかと。一体この政権というのは、やっぱり、どれだけずさんな状況で現場の声を全く無視した政策を、国会も軽視してですね、これ続けるつもりなのかという思いで、もう本当にあきれて本当に物が言えません。
 この法案には明確にこれ反対をいたしますが、しかし、卸売市場の現状に問題なしとは言うつもりありませんので、この法案についての質問を続けます。論点がたくさんあるので簡潔な答弁をお願いします。
 今後の卸売市場の活性化策としては、全国公設地方卸売市場協議会は、給食センターの併設であったり、食育教室、障害者作業所や保育所、一般対象の市場の飯食堂の誘致などを提案していますが、今回の法改正によって中央卸売市場においてもこの目的外使用ができることになると承知していますが、協議会の提案にあるようなこの中央卸売市場の多機能化について、その実現可能性についての見解を伺いたいと思います。
#58
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のございましたような活性化策につきましては、卸売市場としての運営が健全に行われることを前提に、現行の卸売市場法でも、また改正後の卸売市場法でも実施が可能ではございますけれども、今回の法改正も契機に、それぞれの卸売市場が活性化策を検討される中で様々な創意工夫を生かした取組が行われることを期待しているものでございます。
#59
○川田龍平君 実現可能性ということで聞きたかったんですけれども、今回この法改正に懸念していることとして、災害時それから不作のときなどに公設卸売市場が果たしてきた役割、機能が失われるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#60
○副大臣(谷合正明君) 卸売市場は、日々の生鮮食品等の流通を担うだけでなく、委員御指摘のとおり、災害時の緊急事態の場合には生鮮食品等を安定的に供給するという社会的機能を有していると認識しております。
 卸売市場がこのような機能を発揮する重要性等を示す観点から、卸売市場に関する基本方針のそのほか卸売市場に関する重要事項として、災害等の緊急事態における卸売市場の役割を記載することを今想定しております。
 こうした機能は、卸売市場が産地から生鮮品を集荷しているからこそ発揮できると考えておりまして、本法案で卸売市場ごとの実態に即して取引ルールを柔軟に設定できることとすることによりまして、例えば第三者販売を取引ルールとする場合には、これまでやむを得ず市場外取引としていた加工業務用原料の取引を市場取引に取り戻すことができるほか、直荷引きを取引ルールとする場合には、小ロットの有機野菜等も市場取引に取り込むことができるなど、集荷力を高めることが可能となると考えておりまして、法改正によりまして、災害時又は不作時の役割や機能が失われることなく、むしろ強化されることも期待できると考えております。
#61
○川田龍平君 今回の法改正により、民営化された中央卸売市場が認定を要らないと判断すれば、国の整備費予算は少なくて済むことになります。つまり、今回の法改正で、農水省は生鮮食料品の価格形成の環境整備における国の果たすべき役割を縮小しようとしているのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#62
○政府参考人(井上宏司君) 公正な取引の場として価格形成も含めて機能を発揮する卸売市場につきましては、改正案におきましても、農林水産大臣等が認定を行うことにしておりますし、また、認定を受けた卸売市場に対しては、施設整備に対する助成を行うこととしておりまして、民設の中央卸売市場が認定を要らないというふうに判断する、そういうふうに持っていくことによって国の支援を少なくしよう、そういった意図は全くございません。
#63
○川田龍平君 認定制への移行について伺います。
 認定制度にすることによって自由度が高い市場になり、これまで義務化してきたルールを自由に決められるようになります。
 例えば、第三者販売の禁止というルールはいずれなくなってしまうのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(井上宏司君) 第三者販売等のいわゆる共通のルール以外の取引ルールにつきましては、これを定めるかどうか、また、どう定めるかにつきましては、地域や品目の実情を考慮して、各卸売市場において、共通の取引ルールに反しないこと、取引参加者の意見を聞くこと、また、取引ルールの内容と設定した理由を公表することを要件として行うことになっておりまして、各卸売市場の実態に合わせて判断がなされるということでございます。
 ちなみに、全てが第三者販売といったようなことになりますと、それは卸売市場ではなくなるというふうに考えております。
#65
○川田龍平君 これ、認定要件さえ満たせば、近隣に異なる開設者による認定卸売市場が併存することがあり得るのではないでしょうか。
 一方で、営業的に不利な地域から公正な取引の場である卸売市場が撤退してしまい、生産物の出荷先の確保又は食料の安定供給の面で支障が生じた場合、国はどのような措置を講じるつもりなのでしょうか。
#66
○副大臣(谷合正明君) 認定要件さえ満たせばという話なんですけれども、改正後の卸売市場法の認定基準におきましては、卸売市場の適正かつ健全な運営に必要な要件といたしまして、今後、農林水産省令で卸売市場の運営に必要な資金の確保が見込まれることを定めることを想定しております。したがいまして、近隣に同種の品目を取り扱う同様の卸売市場が存在することにより適正に収入が確保し難いような場合には、これはもう当然慎重に審査することとしております。
 また、卸売市場の撤退への対応につきましては、取扱金額の減少等を背景に卸売市場数が減少傾向に推移している中で、卸売市場が食品流通の核として今後ともその機能を発揮することができるようにすることが重要でありまして、この法案では、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定し、各卸売市場が取引ルールを柔軟に設定できるようにすることにより、創意工夫の発揮を促進し、また、認定を受けた卸売市場に対しては、施設整備への助成等を行うことによりまして、卸売市場の活性化を図り、将来にわたり食料の安定供給を担い得る食品流通構造の構築を図ることとしております。
#67
○川田龍平君 ちょっとよく分からなかったんですけれども、この生産物の出荷先の確保又は食料の安定供給の面で支障が生じた場合に国はどういう措置をこれ講ずるつもりなんですか。
#68
○政府参考人(井上宏司君) 繰り返しになりますけれども、卸売市場が市場外流通の増大、多様化の中で厳しい状況にある中で、公正な取引の場として今後とも機能できるように認定制の下で施設整備への助成等も行いながら支援を行ってまいるわけでございますけれども、今後は、今回の改正案で新たに設けたものとしまして、認定卸売市場の運営状況について毎年報告を求めることとしておりますし、健全な運営を確保するために農林水産大臣が指導、助言を行うこととしておりまして、卸売市場が健全に運営されるように認定後においてもしっかりとフォローしてまいりたいというふうに考えております。
#69
○川田龍平君 その指導、助言というのはどういった内容ですか。
#70
○政府参考人(井上宏司君) これは、個々具体的なケースに即して判断する必要があると思いますけれども、例えば市場の運営をより健全なものにするために何か国から助言を行うものがあるか、あるいは場合によっては、従来ありましたのは、個々の卸売市場は取引数量が非常に減って存続が難しいときに近隣のどこかの市場と再編をして食品供給を継続をしていくような市場として機能するようにしてきたようなこともございまして、まああくまで仮定の話でございますけれども、そういったことも考えられるかと思います。
#71
○川田龍平君 これ、衆議院では尼崎の例とか出ていましたけれども、具体的にはどうしているんですかね。もう仮定じゃないと思うんですよ。
#72
○委員長(岩井茂樹君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#73
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#74
○政府参考人(井上宏司君) 尼崎の市場につきましては、これ地方卸売市場でございますので、兵庫県において対応が取られるものと考えております。
#75
○川田龍平君 国としてはほとんどこれちゃんと想定していないと思うんですね。
 実態上物流センターにすぎない民営の卸売市場を認定及び国庫補助の対象とすることのないように、認定に当たってはどのような観点からこれ卸売市場としての機能を果たしていると審査をするのでしょうか。
#76
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場の認定に当たりましては、申請書及び業務規程の内容が農林水産大臣が定める基本方針、この中には施設や業務運営についての方針等が定められるわけでございますけれども、それに照らして適切であるか、また、差別的取扱いの禁止、取引条件、結果の公表等の共通の取引ルールが業務規程に定められているか、また、その他のルールが定められている場合には、共通の取引ルールに反しない、取引参加者の意見を聞いている等の要件に適合しているかといったことに加えまして、開設者が卸売業者等が市場のルールをしっかりと守って運営をするように指導、助言、報告、検査、是正の求め等を行うこととなっているかといったことを要件として審査をすることにしておりまして、こうした要件を満たさないものについては認定もいたしませんし、そうしたセンター等の施設整備については国が助成を行うことは考えておりません。
#77
○川田龍平君 次に、この生産者の要望が強い受託拒否の禁止について伺います。
 規制改革会議の提言では一律に適用すべきではないとしていますが、将来的にはこれ受託拒否の禁止も不要になると考えているんでしょうか。
#78
○政府参考人(井上宏司君) 受託拒否の禁止につきましては、地方卸売市場に対しては法律上規制をしてございませんけれども、中央卸売市場につきましては、鮮度が劣化しやすい生鮮食料品等の生産者に対して安定的な出荷先を保障するという点において高い公共性を有する措置と考えておりまして、政府部内で調整の上、昨年十二月の農林水産業・地域の活力創造プランにおいて、中央卸売市場については共通の取引ルールとして維持をしたものでございまして、今回の法改正におきましても、受託拒否の禁止については存置をするということにしているものでございます。
#79
○川田龍平君 この改正案に不安を感じている特に仲卸業者の声というのは各所で聞いていますが、大臣はこれ将来の仲卸業者にどのような役割を期待しているんでしょうか。日本には仲卸業は要らないとお考えでしょうか。
#80
○国務大臣(齋藤健君) 仲卸業者の皆さんについては、私、消費者の立場に立って生鮮品等を評価をして、私の地元にもありましたけど、食品の小分け、加工、包装等のほか、代金回収ですとかあるいは欠品、事故等のクレームへの対応など、私はきめ細かなサービスを提供していただいていると思っておりまして、卸売市場における取引において重要な役割を担っていただいていると考えています。
 卸売市場では、出荷者の立場に立ちがちな卸売業者と、それから消費者、実需者の立場に立つ仲卸業者等が対峙をすることによりまして、適正に物が評価をされて、そして公正な取引に基づいて需給が反映された形で価格が形成をされていくということになっていると思っていますので、そういう意味では、ほかにもいろんな取引もあろうかと思いますが、そういう取引においても指標価格的な意味合いを持つようなものとして認識をしているところでございます。
#81
○川田龍平君 卸売業者と仲卸業者、この対峙構造というのが、個体ごとに異なる生鮮食料品の価値を正しく評価する目利きを生み出して、適正な価格形成を支えているという日本型について、これは衆議院で、大臣は答弁の中で、市場外での大手小売業者主導の価格形成について、短期的には高値があるかもしれないが長続きしないと、これ肯定的に答弁をしています。こういう日本型価格形成については、この仕組みというのは時代遅れで不要ということを言っているんじゃないかと思いますが、これ大臣、どういう認識か、もう一度お答えください。
#82
○国務大臣(齋藤健君) 認識は先ほどの申し上げたとおりなんですが、先ほどの私の答弁は、その質問で、日本の卸売市場において適正な評価が行われなければ低価格のものに対して高い価格が付くんじゃないかと、そういう指摘がありましたので、私は、極めて例外的かもしれませんが、質の割に高い価格で取引がなされるということは、まあ全くないというわけではない、瞬間的にはそういうことはあるかもしれませんが、そんなものは長続きするものではありませんよという趣旨でお答えをさせていただいたわけでありまして、これは、裏を返せば、価格は品質にちゃんと見合ったものに収れんをされていくという意味で申し上げたということでございます。
#83
○川田龍平君 仲卸の利益率が非常に低いという実態と、築地市場などの仲卸業者数が減り続けている実情についても、これ大臣の見解を伺いたいと思います。
 改正案は、このような仲卸の現状にどのような良い効果があるとお考えなのでしょうか。改正案によって仲卸の営業利益率は上がると考えているんでしょうか。
#84
○国務大臣(齋藤健君) 大事な御質問だと思いますが、中央卸売市場での仲卸業者の利益率につきましては、平成二十七年度で青果と花卉が〇・五%程度、水産と食肉が〇・一%程度となっておりまして、飲食料品卸売業全体は〇・七%ですので、それに比べると低い状況にあると思います。一中央卸売市場当たりの仲卸業者の数につきましても、昭和五十五年度に七十三業者でありましたけれども、平成二十七年度には五十一業者に減少しているというのが実態であります。
 こうした実態を踏まえまして、卸売市場がしっかりとその機能を果たしていただくためには、仲卸業者を始めとする市場の関係者の皆様が創意工夫を生かして卸売市場を活性化をしていくということがこれまで以上に重要になってきているんだろうと思いますので、本法案では、各卸売市場ごとの実態に合わせて、仲卸業者を始めとする取引参加者の意見を聞いた上で、変化に対応した取引ルールというものを設定をしていけるように措置をしているところであります。
 また、仲卸業者による品質・衛生管理の高度化ですとか、それから国内外の需要の対応、これ重要になってまいりますので、こういう取組に対しましても、法改正後の食品流通合理化計画の認定を受ければ、日本政策金融公庫の低利融資等により支援がこの仲卸業者に対しても行われるということになっているわけでありますので、このような措置によりまして、販路開拓ですとか付加価値の向上等により仲卸業者の皆さんの事業が活性化をしていくということを期待をしているところでございます。
#85
○川田龍平君 これまで義務化してきたルールを卸売市場ごとに自由に決められるようになることについて伺います。
 卸売業者や仲卸業者が子会社を活用して市場外取引を行っている実態について、法改正によってどの程度の取引量、商品量が市場外流通から卸売市場に戻ると見込んでいるんでしょうか。
#86
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のように、現在は別会社を設立して市場外で取引を行っている者について、本法案の下で第三者販売を認めるルールを例えば設定した場合には卸売業者から直接加工食品等の原材料供給を行うこと、こういったことについても市場の取引として行えることとなります。
 ただ、こうしたルール設定は各市場ごとに判断して行うということになっておりますので、国が予断を持って、それによってどの程度市場に取引量が増えるかということを申し上げることは困難でございますけれども、卸売市場における取引が拡大をするものとして考えておりますし、また、そのようになった場合には取引結果の公表等が義務付けられる対象となりますので、価格形成の透明性が高まりますとともに、生産者にとっては早期の代金決済が得られるといったメリットもあるものと考えております。
#87
○川田龍平君 その他の取引ルールを定める際、この意見を聞く取引参加者の範囲はどこまでなのでしょうか。仲卸業者と取引のある小売店も含まれるべきではないでしょうか。
#88
○大臣政務官(上月良祐君) 意見を聞く対象となります取引参加者につきましては、改正卸売市場法の第四条第四項第二号において、卸売市場において売買取引を行う者と定義をされております。
 具体的には、卸売業者、そして仲卸業者など、それから卸売市場に出荷する生産者、そして卸売業者や仲卸業者から購入する小売業者等を指しておりますので、仲卸業者から販売を受けます小売店につきましてもこの取引参加者に含んでおります。
#89
○川田龍平君 この商物一致のルールを定めるかどうかは関係者で話し合って決めるとのことですが、利害関係の異なる関係者で合意できるんでしょうか。声の大きな人の結論に引きずられるんではないかと考えますが、声の大きい特定の事業者への優遇になっていないのか、大臣又は知事はどのような判断基準で判断をするのでしょうか。
#90
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場ごとに実態に合わせて取引ルールを定める場合におきましては、開設者が行う取引参加者の意見聴取について幅広い取引参加者に公平かつ十分に意見を述べる機会を設けることが必要と考えております。
 具体的には、差別的取扱いの禁止等の共通ルールに反しないことを規定をし、特定の事業者の優遇になっていないということを原則といたしまして、生産者、卸売業者、仲卸業者等の市場関係者、小売業者等の取引参加者から取引ルールごとに可能な限り幅広く意向を酌み取って、最終的には開設者が判断をするとともに、農林水産省といたしましては、その卸売市場の認定に当たりまして、開設者が取引参加者の意見を聞いたことを証明する書類を提出をさせまして、それをしっかりとチェックをし、意見聴取が適切に行われたかを審査をすることとしております。
#91
○川田龍平君 この取引参加者の意見を聞いたと認めるということですけれども、この取引参加者の間で反対者が残っていても、その手続を踏めばこれ意見を聞いたという認定要件満たされてしまって、現行法にある中央卸売市場開設運営協議会や市場取引委員会の規定が改正案ではなくなってしまっています。これらの場は、これまで実態としては合議体としての機能をしてきたのではないでしょうか。今後は、このような実態として合議体として機能し得る場の設置は任意となり、単に開設者による個別の意見聴取のみで構わないというものは問題ではないでしょうか。
#92
○政府参考人(井上宏司君) ただいま御指摘のございました中央卸売市場開設運営協議会あるいは市場取引委員会、これは現行法の下でもそれを置くことができるとされているものでございまして、置くかどうかは任意でございます。ただし、こうしたものが置かれている場合に、関係者が参画をして意見調整の場として機能している面はございます。
 他方で、先ほども御答弁申し上げましたけれども、中央卸売市場によっては設置をされていない例がそもそもございますし、また、直近一年間で一度も開催をされていないといったような活動が不活発な事例もございます。
 このため、今回の法案におきましては具体的な検討、調整の組織まで一律に特定することはしておりませんけれども、先ほども申し上げましたように、いずれにしましても、関係者の意見を酌み取って適切に決定がされているかどうかということについては書面等をもってしっかり確認をしてまいりたいと考えております。
#93
○川田龍平君 まだまだ質問があるんですけれども、最後に生産者の立場からもお尋ねします。
 改正案は、これ青果、水産、食肉、花卉の生産者にとってそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。大臣、お答えください。
#94
○国務大臣(齋藤健君) 本法案では、各卸売市場が、取引実態に合わせて、仲卸業者、卸業者を始めとする取引参加者の意見を聞いた上で取引ルールを設定すると、これ累次御説明しているところでありますが、これによりまして、例えば青果物につきましては、仲卸業者の直荷引きによりまして産地から小口でも有機野菜等のこだわり農産物を直接仕入れるということが可能となりますので、有機野菜の生産者等の販路が拡大する可能性が出てきます。また、水産物では、豊漁等の場合に卸売業者が自ら買い付けて加工業者や小売業者等に販売をすることが可能になりますので、漁業者から見ると、出荷した水産物を全て売り切るということができるようになると。それから、食肉では、現在でも約九割が競り取引ですので取引ルールの柔軟化は限定的かもしれませんけれども、食肉では、卸売市場における食品流通の合理化の取組として品質衛生管理機能が強化されて、食肉の輸出が拡大する可能性が広がるですとか、それから、花卉につきましては、市場取引でありながら物流は直送するということが可能となりますので、日もちのする花を求める消費者ニーズに応えつつ、生産者の物流コストが削減をされると、そういうことができるようになるわけであります。
 このほか、青果とか水産物では、第三者販売が可能となれば、市場経由で卸売業者から加工業者への直接販売というものができるようになりますので、生産者にとりましては、そういう意味では、早期の代金回収を確保した上で、消費者ニーズに応えた加工業務用食品への原料供給という意味での販路が拡大する可能性が広がるということでありますので、こうした各品目の実態に合わせた具体的な取組の成果が出てくれば、生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応というものがより一層進んでいくのではないかと考えております。
#95
○川田龍平君 終わります。
#96
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、この間の行政と国会の関係について言いたいと思います。
 私たち、農林水産委員会で、審議に当たっては、与党に三つのことを提案してまいりました。その一つは加計学園の疑惑を解明するために関係者を参考人として農水委員会に呼ぶということと、二つ目はTPPの集中審議をするべきであると、三つ目はTPPの連合審査を行うと。与党からは、このどれに対してもまだ回答されておりません。一方、会期末が近づいたら法案審査を行うということで、結局、都合の悪いことは審議を拒否するし、法案だけは審議すると。これはおかしいと思うんですね。
 TPPについては、今日、外交防衛委員会でTPP11協定案が採決されることが決まっているわけですよ。TPPは農林水産委員会が最も大きなこれ影響を受けるわけです。国会決議を守ったかどうかと、これが大きな焦点になるわけです。日豪EPA協定のときには、外交防衛委員会とこれ連合審査を、採決される前にやったんですよね。野村先生がそれをセットしてくれたと思うんですけれども、やったんですよ。
 政府は、国会決議を守ったかどうか、これ何度聞かれても、それは国会において判断いただくというふうに言われたんですね。で、決議を上げたのは、ほかのどこでもない、この農水委員会なんですよ、衆参で。ここで決議上げたんですよ、重要五品目守られるのかと。守られなかったら撤退若しくは再協議と言っていたんですよ。それがどうなのかということをやっぱり審議しなきゃいけないんですよ。そうしなければ回答が出てこないわけです。(発言する者あり)
#97
○委員長(岩井茂樹君) 静粛に。
#98
○紙智子君 で、与党は、TPPが外交防衛委員会で採択される前に審議することを何で拒否するのかというふうに思います。これでは、政府だって説明責任が果たせなくなるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
#99
○国務大臣(齋藤健君) 私どもとしては、このTPP11の協定、関連法案、あるいはその他の法案につきましては、慎重に御審議をしていただいた上で迅速に可決していただけるよう政府として努力をするということに尽きるわけでありまして、国会の運営について私の方からちょっとコメントすることは差し控えさせていただきたいなというふうに思っております。
#100
○紙智子君 加計学園問題もそうですけれども、与党が政府の説明する機会を奪っているんじゃないかというふうに思いますし、この行政と国会の関係がどんどん崩れつつあるんじゃないかというふうに言わざるを得ません。本当にこれは国民も受け入れられないというふうに思います。
 法案に入ります。卸売市場法についてですけれども、この改正案は卸売市場法の目的を大きく変えるものだと思います。
 現行法で二つ柱があります。一つは、卸売市場の整備を計画的に促進するための措置、それから二つ目は、卸売市場の開設及び卸売市場における卸売その他の取引に関する規制等について定めると。この二つの柱を据えることによって生鮮食料品の取引の適正化とその生産及び流通の円滑化を図るということが目的になっているんですけれども、なぜこの二つを柱に据えたんでしょうか。
#101
○政府参考人(井上宏司君) まず、卸売市場の整備を計画ということでございますけれども、昭和五十九年以降、中央卸売市場の新設がないといったように、既に全国的に卸売市場が整備をされておりまして、国や都道府県が主導をして新たな卸売市場の計画的な整備を行っていくという状況はないことを踏まえまして、今回の改正におきましては、卸売市場の整備を計画的に推進するための措置については、その仕組みを廃止をすることとしたものでございます。
 また、現行の卸売市場法におきましては、卸売業者の売惜しみ、買占めによる価格のつり上げ等を防止する観点から、卸売市場の開設について、農林水産大臣等による許認可制とするとともに、卸売業者についても大臣が直接許可をするという仕組みを取ってきたわけでございますけれども、現在では、買手と売手の情報格差がなくなり、売惜しみ等による価格のつり上げがしにくい環境になっていること、また、市場外を含めて流通の多様化が進んでいると、こういった状況にありまして、こうした中で、今回の法案におきましては、卸売市場の開設や取引等について、国が一律に細々と規制を課すという仕組みから、公正な取引の場としての必要な要件を満たす卸売市場を認定をした上で、その他の取引ルールについては市場ごとに実態に応じて柔軟に設定できる仕組みにしたものでございまして、こうした改正内容に即して目的規定においてもその内容を見直したところでございます。
#102
○紙智子君 ちょっと今の、今回の改正と、それからこれまでのやつとごちゃごちゃにして言っているのですごく分かりづらい回答だったんですけど、要は、昭和四十年代以来、価格がつり上げられるような状況があったということがあって、その消費市場の整備と、卸と仲卸の取引規制を作るということで価格形成を行うためにこの二つの柱を据えたんだと思うんですよ。
 ところが、今回、改正案では、目的の中から卸売市場の計画性と規制という言葉がなくなっているんですね。なくなるわけです。それで、卸売市場を公の管理に移したのは、まあ言わば、問屋による米の買占めとか価格のつり上げに反発をした大正時代の米騒動がきっかけだったということですよね。その後、幾つか改正を経た上で、計画性ということと取引規制と、この二つを柱に据えて現在の卸売市場法ができたんだと思うんです。
 一方、実情に応じてあるいは規制緩和措置として、市場外流通が増加をしたり、あるいは開設区域外への搬出量が増えているなど、新しい課題もあると。今回の改正案は、じゃ、それに応えるのかというと、市場関係者は何と言っているかというと、市場法が抱える課題を解決する目的での改正ではないというふうに言っているんですね。
 何で、じゃ、改正するのということになると、今回の改正案の出発というのが、TPP関連政策の一つの中に入っていて、農業者の所得向上を図るという農業競争力強化プログラム、この中に入っていて、これがきっかけなわけですよね。そういうふうになっているのに、農業者の所得向上というのは目的に入っていないんですけれども、これは何でなんですか。
#103
○政府参考人(井上宏司君) 今回の改正の目的といたしましては生産者の所得向上ということがあるわけでございますが、委員御指摘のとおり、今回の改正案の中で生産者の所得向上という語句は直接出てまいりませんけれども、改正卸売市場法の一条で、生産者が適正な価格で円滑に出荷することができるようにすることを意味する生鮮食料品等の取引の適正化とその生産及び流通の円滑化ということを規定しておりますことと、また、改正食品流通構造改善促進法におきましては、第一条に農林漁業の成長発展ということを規定しております。
 また、目的規定以外の食品流通構造改善促進の改正の中では、新たな需要の開拓等に対する支援措置等を盛り込んでおりますし、また、卸売市場法におきましても、その他の取引ルールとして、生産者等のニーズにも合ったような取引というのが卸売市場で柔軟にできるようにするといったように、内容としては生産者の所得向上につながることを盛り込んでいるところでございます。
#104
○紙智子君 内容としてはと言うんですけど、全然よく分からないんですよ。
 それは全体として、じゃ、物流コストはどのぐらい下がるのかと、これ答えられますか。どのぐらい物流コスト、それで下がるんですか。
#105
○政府参考人(井上宏司君) 具体的に幾らというのは、これから認定をしていく物流効率化等についての計画の内容によりますので、申し上げることはできませんけれども、物流の効率化あるいは情報通信技術の活用等による効率化によってコストの削減が一定程度期待できるものと考えております。
#106
○紙智子君 農家の所得って一体どれだけ増えるのかと全く分からないんですよね。それで、物流コストは下がると言うけれども、具体的にその資料もないわけですよね。だから、全然、漠然としていて、全体としてはそういうふうにはなるんだと言うんだけれども、中身が分からないわけですよ。ですから、自治体や市場関係者からもこれ不安の声が出ているわけですよね。意見がいっぱい出されているわけです。
 政府は、これまで卸売市場を基幹的インフラというふうに位置付けてきたと思うんです。基幹的インフラといったら、産業や生活の土台を支える基盤というようなことだと思うんですけれども、今回、卸売市場を基幹的インフラという位置付けをやめて、単なる公正な取引の場に変えるということになるんでしょうか。
#107
○政府参考人(井上宏司君) これは昨年十二月の活力創造プランの中でも明記をしておりますように、卸売市場は今後とも食品流通の核として堅持する、そうした考え方の下に、今回この目的規定におきましても、この卸売市場が果たしている役割を新たに規定いたしますとともに、こうしたインフラとして今後とも機能するように必要な規制は残しますとともに、柔軟なルール設定等により活性化を図るということにしているものでございます。
#108
○紙智子君 やっぱり、基幹的インフラ残すと言うけれども実際上は消えて、公正な取引の場を言うけれどもそこのところは具体的にどういうふうな形で担保されるのかとよく分からないわけですよ。やっぱり、卸売市場の位置付けを大きく変えるものだと、今回の法案、公的位置付けが後退することになりかねないというふうに思います。
 次に、この改正案は認可制を認定制に変えるものになっているわけです。認定制に移行することで認定を受けない卸売市場をつくることが可能になるんでしょうか。
#109
○政府参考人(井上宏司君) 認定を受けない卸売市場、すなわち認定要件になっておりますような差別的取扱いの禁止、受託拒否の禁止、代金決済方法の策定、公表、売買取引条件や結果の公表といったルールが義務付けられない市場というのは出てき得るということでございますが、国といたしましては、こうしたルールを遵守する卸売市場を振興するために、名称の使用制限、あるいはこうした認定を行った市場にのみ施設整備への国の助成を行うということでその振興を図るということにしてございます。
#110
○紙智子君 つまり、可能になるということですよね。もう一回。
#111
○政府参考人(井上宏司君) さようでございます。
#112
○紙智子君 可能だということですよね。現行法では国や都道府県の許認可がなければ卸売と名のることができないと、一方、認定制に移行すると許認可がなくても卸売と名のることができる。
 例えば、北海道で今、札幌市中央卸売市場があるわけですけれども、札幌、例えばですよ、大通卸売市場という名称の卸売市場をつくるということは可能なんでしょうか。
#113
○政府参考人(井上宏司君) 認定を受けずに、また中央卸売市場又は地方卸売市場、あるいはこれに紛らわしい名称を使わないものを設けることは可能ではございます。
#114
○紙智子君 そうなんですよね。だから、第十八条で紛らわしい名称は使えないことになっているんだけれども、認定を受けた卸売市場と紛らわしくないものが可能となったら、卸売市場と認定を受けていない卸売市場がこれ共存することになるんですよね。その場合、認定を受けない卸売市場は誰が指導監督することになるんでしょうか。
#115
○政府参考人(井上宏司君) これは卸売市場には該当しませんけれども、現在、食品流通については様々な多様な流通がございます。特定の出荷者だけから仕入れて幅広く売るような場合であったり、あるいは広く集荷をしつつ特定の事業者に売るようなもの等がございます。これらについては取引規制というのはございませんで、こうしたものと同様の扱いに今お話のありました認定を受けていない卸売市場はなるわけでございますけれども、今回の流通構造改善促進法の改正案におきまして、卸売市場の外の食品流通も含めて不公正な取引が行われないように、調査の規定、また問題がある場合には公正取引委員会に通知するといったこの対象にはいずれの食品の取引もなってくるということでございます。
#116
○紙智子君 認定を受けない卸売市場というのは取引規制はないわけですよね。
 例えば高速道路のインターの周辺につくったとすると、これ、物流拠点としても荷を効率的に運ぶことができるようになると。そうなると、認定を受けた卸売市場が影響を受けるんじゃないんでしょうか。
#117
○政府参考人(井上宏司君) 認定を受けない卸売市場につきましては、社会的な信用が一定程度あると考えられます中央卸売市場あるいは地方卸売市場という名称を名のれないということがありますとともに、その施設整備について助成が得られないということはございます。こういったことも含めまして、出荷者においてそれぞれの市場の取引条件も見ながら有利な出荷ルートを選んでいかれるということになろうかと思います。
#118
○紙智子君 今お聞きしたのは、認定を受けた卸売市場にこういうところができてきたら影響を受けるんじゃないかと聞いたんですけれども、どういう影響を受けるかというのは検討されたんでしょうか。
#119
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場という形態を取っていないものも含めて、大規模な物流センターを設けて販売をするようなケースであったり、また民間の実需者向けの卸を行っているような店舗というものも出てきております。ある意味、卸売市場はそうしたところと既に競争しているという中で、卸売市場については、取引について国が一律の様々な規制をしている。こういったものを今回柔軟化することによって、卸売市場においても、生産者や消費者のニーズにより合った形での業務運営ができる環境を整備するということでございます。
#120
○紙智子君 答えられていないんですよね。どういう影響を受けるのか調べたんですか、検討したんですかって聞いたわけですよ。
 それで、認定を受けない卸売市場はできるのに、その与える影響も検討していないで、それでやるというのはもう不安をあおるだけなんですね。卸売市場法の枠組みに風穴を空ける重大な問題だというふうに思いますよ。
 それから、中央卸売市場の卸売業者への規制についてなんですけれども、中央卸売市場における卸業者への規制というのは現在どうなっているのか、また改正後どう変わるのか、お答えください。
#121
○政府参考人(井上宏司君) 現行の卸売市場法におきましては、卸売業者の売惜しみ、買占めによる価格のつり上げ等を防ぐ観点から、農林水産大臣等の許認可を受けなければ卸売市場の開設が認められず、農林水産大臣等の許可を受けなければ卸売業者の営業も認められないということになっておりますけれども、今回の改正案におきましては、流通が多様化をする中で、また、売惜しみ等による価格のつり上げがしにくい環境になっている中で、卸売市場のみ許認可あるいは業者の許可を受けなければ行えないという理由もなくなっているというふうに考えられますので、農林水産大臣等の許認可を受けずとも卸売市場の開設はできることとしながら、公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場を認定をして、それを振興する。
 また、卸売業者につきましても、農林水産大臣等の許可を受けずとも営業できることといたしますけれども、卸売業者も含めて開設者がまずは監督をし、また国としてもこの開設者が市場の健全な運営を確保できているかということを監督をする仕組みにしているものでございます。
#122
○紙智子君 最後に一問聞きます。
 現在、卸売業者への指導件数に対する業務改善命令は七件で、うち一件は卸売業務の一時停止命令です。
 今はこれ、国が卸売業者を直接監督をして処罰できるんですけれども、認定制になったら国は直接指導監督できなくなるんじゃありませんか。
#123
○政府参考人(井上宏司君) 改正後におきましても、開設者が業者を監督をいたしますとともに、卸売市場において健全、公平な運営がなされていなければ、国から開設者に対して監督命令の発出等を行うものでございます。
#124
○紙智子君 もう時間になりましたけれども、開設者が監督するってそもそもおかしい話で、ちょっとやっぱりこれは本当におかしいと思うんですけれども、あと残りは次回に回したいと思います。
 終わります。
#125
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法案について質問をさせていただきます。
 真っ先に聞きたいのは、農林水産大臣はこの法律を作るに当たり、いわゆる基本方針を策定していかなければならない。その基本方針にのっとって市場法が運営されていくわけでございますが、それ見ますと、中央卸売市場、これについては受託、受取の禁止が明記されているんですね。法三十六条二項です。ところが、地方卸売市場においては受託の拒否の明記がされていない。今のやり取りを聞いていると除外されているんですが、私が思うには、そうなった場合、中央卸売市場と地方卸売市場の製品の質やあるいは構成する品ぞろえやあるいは価格の決定等々がいろいろあると思うんですが、これを設けなかった、この条項を外した理由、効果は一体何でしょうか。狙いはね。
#126
○大臣政務官(上月良祐君) 御指摘のように、現行の卸売市場法では、中央卸売市場には受託拒否の禁止が課されております一方で、地方卸売市場には課されておりません。地方卸売市場は千以上ありまして、中央卸売市場と比して小規模であったり限られた地域の流通拠点として機能を果たしているといったものも多うございます。出荷者から販売の委託の申込みのあった生鮮食料品などにつきまして必ずしも十分に販路を確保することができないといったことも想定されますので、一律に受託拒否の禁止を課すとすれば地方卸売市場にとっては過大な負担となるおそれがありますので、今もそういうふうな扱いになっております。
 このような地方卸売市場の状況には変化がないと考えておりますことから、本法案におきましても地方卸売市場については受託拒否の禁止を一律に課すことはしないというふうにしておるところであります。
#127
○儀間光男君 明記されていない地方卸売市場、その中で実際明記してまだやっているところとそうじゃない市場があると思うんですね。その数、割合、あるいは実際に受取拒否した地方卸売市場はないのかどうか、その辺の状況を把握しているのならお聞かせいただきたいと思います。
#128
○政府参考人(井上宏司君) 千以上ございます地方卸売市場の中でこれを監督をする都道府県において卸売市場条例を定めてございますけれども、その条例の中で受託拒否の禁止を、これ地方卸売市場については国との関係では任意でございますけれども、この条例の中で、東京都、石川県及び福岡県の三都県において受託拒否の禁止の規定を設けております。また、このほかに、条例では規定がないものではございますけれども、例えば水戸市公設地方卸売市場でありますとか熊本地方卸売市場などの、これらは中央卸売市場と同等の大きさを有する地方卸売市場でございますけれども、こういう市場においてその業務規程において受託拒否の禁止を規定している例がございます。
#129
○儀間光男君 このルールがいいとか悪いとかを聞こうと思っていないんです。中央と地方に不公平感が出たら困ると思うんですね。田舎の卸売は製品のそんな良くないものでも何でもいいやというようなことではないと思うんですね。また、生産農家も、あるいは水産もそうですが、そういう作物を作って出そうなんてことは考えていないと思うんですよ。
 だから、そこで、中央と地方の卸売、まあ地域あるいは地方、ですから、地域の需要等もあって、全部の何でも受けなきゃならないという事情等もあるとは思うんですが、余りそれが極端になってしまうと、全国で地方と中央に閉塞感というか不公平感がまたそこで生まれてくるんではないかというようなこと等が思われて、それで聞いたんですが、実際拒否に遭った、ルール違反で拒否に遭ったということは確認されていませんか。
#130
○政府参考人(井上宏司君) 先ほど申し上げましたように、都道府県の卸売市場条例あるいは各市場の業務規程において受託拒否の禁止規定を設けている場合において受託拒否というのが行われた例があるということは聞いたことがございません。
 また、こうした規定がない場合においても、地方の卸売市場の関係者からお話を聞きますと、出荷者は卸売業者にとっても大事な顧客であり、商品が安定的に集荷できなければ事業を継続できないことから、有害な物品等を除いて、実際には受託拒否はし難いといったようなことも聞いているところでございます。
#131
○儀間光男君 どうぞそういう現象が出ないようにひとつお願いしたいと思います。
 次に行きますが、卸売市場の物資等の経由率、農水産省が示す数字を見てみますというと、輸入野菜や加工野菜が相当かなり入っておりますが、卸売市場に。この程度というか、占有率というか、割合を掌握でしたら伺いたいと思います。
#132
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場を経由した野菜あるいは果実の量における輸入野菜あるいは輸入の果実、この割合でございますけれども、平成二十六年度につきまして、統計データ等に基づいて推計をしてみますと、輸入の野菜の割合は約三%、果実の割合は約二二%となっております。
#133
○儀間光男君 国内青果に限ってみるというと八四%おおむね越しておりますが、維持されているんですが、青果見ていると、二十六年、ちょっと下がっていませんか、占有率。八四・四%。今輸入が二二%と言ったんですが、これ、実際はどうなんですか。それだけ入っているんだから落ちていると思うんですが、いかがですか。
#134
○委員長(岩井茂樹君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#135
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
#136
○政府参考人(井上宏司君) 国産の青果物についての卸売市場の経由率の数字でございますけれども、これは徐々に下がってきておりまして、例えば平成二十五年度におきましては、青果における国産青果物の卸売市場の経由率は八五・八%であったものが、平成二十六年度におきましては八四・四%と、若干低下をしてございます。
#137
○儀間光男君 それじゃ、ついでに聞きたいと思うんですが、これの、輸入青果物の今占有率は出ましたけど、重量ベースとか価格ベースは確認できますか。
#138
○政府参考人(井上宏司君) 統計データが数量ベースのものとなってございまして、金額ベースでの市場経由率は推計が困難でございます。
#139
○儀間光男君 困難なことはないと思うんですね。やる素養ができていない、環境ができていない。是非統計を充実させようと思うんだったら、そんなことぐらいすぐできると思うんです。予算と人手がない、あるいはいとまがないと、こういうことだと思いますが、願わくばその辺まできちっと押さえた方が次への政策展開ができると思います。
 次に、卸売市場を通さない、市場外での取引価格、大体市場の取引価格がベースになっていくと思うんですが、市場外でもいろいろ取引があるわけですよ。そういうときの価格の決定のメカニズムというか、そういうのは掌握ですか。
#140
○政府参考人(井上宏司君) 卸売市場を通さない市場外の取引といたしましては、生産者がインターネットや直売所において消費者に対して直接販売をする取引、また、生産者が量販店等の実需者に対して直接又は中間流通業者を介して販売する取引といったものがございます。
 これらの個別取引における価格につきまして農林水産省として把握をしているわけではございませんけれども、消費者への直接販売におきましては、生産者自らが商品の品質や小売店での販売価格なども参照しながら販売価格を設定している例が多いと承知しておりますし、量販店等との取引におきましては、生産者の希望価格も踏まえつつ、卸売市場における卸売価格も参考にして取引価格を決める例が多いというふうに聞いております。
#141
○儀間光男君 実態はなかなか掌握しづらいと思いますね。農家とレストランが直接やったり、あるいは買手側がもうけの合うようにそろばんはじいて値を付けていくとかいうような状況であって、常に弱い立場にあるのは生産者であるというようなこと等も含めて、この辺もしっかりと指導できる方法があればよいなというような思いがいたします。
 さて、時間もそんなにありませんから進んでいきたいと思いますが、卸売業者、中売り業者の今経営が問われるわけですね。卸売業者の取扱数の減少や市場外取引の活発化により、市場関係者の経営状況は苦しさを増すばかりだと思うんですよね。卸売市場を事業的に形成していこうとするならば、この仲卸業者などの営業状態が健全でなければなかなか卸売市場の継続はできないというようなことから、経営の展望や、あるいは中長期的なサポート、財政面も含めて、この卸売業者、中売り業者への経営安定に向けての何か経営改善等の指導方法はあってやっているのか、必要があると見るのかどうかの見解を伺いたいと思います。
#142
○政府参考人(井上宏司君) 今回の法案におきましても、卸売市場法を改正しまして、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることとしておりますけれども、例えば、その中で仲卸業者が産地から直接集荷できるという取引ルールを設定した場合には、仲卸業者が小ロットでも有機農産物や地場野菜等を直接仕入れることが可能となり、品ぞろえの充実や販路開拓など販売力を強化することにつながるものと期待しております。また、農林水産大臣又は都道府県知事は、卸売業者や仲卸業者の業務を含めて、卸売市場において健全な業務運営が行われるよう開設者に対して指導監督を行うこととしております。
 さらに、今回の改正案の中に含まれてございますけれども、食品流通構造改善促進法を改正をいたしまして、例えば、仲卸業者や卸売業者が品質・衛生管理の高度化や、加工、輸出といった国内外の需要への対応など流通の合理化に向けた取組を計画し、大臣の認定を受けた場合には、日本政策金融公庫の低利融資や食品等流通合理化促進機構の債務保証等により、こうした前向きな取組を支援をすることとしているものでございます。
#143
○儀間光男君 是非、卸売業者、仲卸業者、そして買参人の安定、そういう流通に関わるところが安定しないというと、生産者も末端で消費する我々もなかなか安定した日々の生活できないと思うんですね。だから、そういう意味では、中央卸売市場あるいは地方の卸売市場の果たす役目というのは、言い古されてはおりますが、大変重要なものだと思うんですね。これをしっかりとやっていただきたいと、こう思います。
 それと、おととしだったか、TPPの議論の中で生乳の議論をやった記憶があります。そこにその中間事業者が存在するんですね。中間事業者の存在があるんですが、その中間業者と卸売業者、仲卸業者との関連はどういう状況にあるんですか。例えば、中間事業者というのは、生産者から直接中間業者が取って、その次のところへ送り出すわけですよ。だから、集出荷して回るわけです。この辺との卸売市場あるいは卸売業者、仲卸、そういうもの等との関連、どういう実態が浮き彫りになっているかをお答えいただきたいと思います。
#144
○政府参考人(井上宏司君) 乳製品につきましては、基本的に乳製品のメーカーから卸されるということが多いものと承知をしておりまして、卸売市場で取引されるものというのは限られているというふうに認識をしております。
#145
○儀間光男君 乳製品を議論した覚えがあるって例えで言ったんであって、この中間事業者というのは乳製品限定じゃないんですよ。全ての食品、食料品、全て扱うんですね。ですから、これ、卸売市場やあるいは卸、仲卸、一般小売店、この辺の価格決定や品ぞろえ等々に大きく影響がすると思うんですね。その辺の実態、どうなの、外食産業も含めて。
#146
○政府参考人(井上宏司君) 外食産業の調達という点も例としてお話ございましたけれども、現在、一部では卸売市場からの調達をしてございますけれども、外食産業においては、中間の流通業者を介して自らが必要な品ぞろえを行っているケースが多いというふうに認識しております。
#147
○儀間光男君 これ、実際、さいたま市にありまして、M社と言っているんですが、産地リレー、情報共有、流通経費の削減、出荷量等の調整などなど、卸売業者とよく似たことをやってくれるんですよ。その存在とその商いを掌握する必要があるんですが、もう時間もありません、大臣、今のやり取りを聞いて、御感想をいただきたいと思います。
#148
○国務大臣(齋藤健君) この田名部委員の資料を使っちゃいけないのかもしれませんが、国内で生産をしたものが卸売市場外を経由して消費者なり外食産業に供給されるというルートも確かに流通の多様化の中から出てきているわけでありますが、いずれにいたしましても、先ほども局長から答弁いたしましたけど、新しい法律の下でその流通実態を調査、監視をしながら、不適正なものがあれば既存の独禁法等に基づいて適正に対処していくという、そういうことで対応していくべき問題だろうというふうに考えております。
#149
○儀間光男君 是非実態を共有していただいて、これ規制しなさいというんじゃなしに、こういう実態を、市場外での実態を掌握することが次なる飛躍になるということをお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#150
○森ゆうこ君 希望の会、森ゆうこです。
 ちょっと声がお聞き苦しい点をお許しいただきたいと思います。
 まず、本法案につきまして、この法律案の策定に当たって当事者の声をどのように聴取したか伺いたいと思います。
 この農林水産委員会で、今年視察に行きまして、この法案に関する意見聴取を行いましたが、非常に驚いたのは、私、今まで地方に視察に行くときに、与党の先生方が中心に、そこに参加をして現地の関係者として意見を述べる人たちがそろえられていますから、多少提出予定の法案に対する御意見はあったとしても、この法案に関しては、市場開設者、卸売者、仲卸、その方たち異口同音に、やはり寝耳に水と、全くこんなこと聞いてないよという、私もちょっとその御意見に驚いたという経緯もございます。
 先ほど来御指摘がありますけれども、この当事者がメンバーに入っていない未来投資会議や規制改革推進会議の組織で検討されて提言されたものがベースになっていると。当事者抜きで政策立案されることの問題点について、農林水産省は、衆議院農林水産委員会で指摘された際、自らも全国の卸売市場関係者、生産者、小売業者等から幅広く意見を聞いているというふうに五月二十三日に答弁をしております。
 前回の平成十六年時の改正では農林水産省内に有識者会議が設置されて、三年を掛けて公開の場で卸売市場の在り方が検討されました。今回はこのような組織が設置されておりません。このため、立法事実があるか否か、そのこと自体が我々には検証のしようがないと。だから、先ほど来、メールとかで、そういうホットラインか何かであったからここまで来たんじゃないかと、そういう話も出てくるわけですね。だから、もしかしたら法律案を通すために都合のいいことだけを説明されているんじゃないか、そのような疑念を払拭できないわけでありますが。
 昨年、農林水産省は、延べ約二千三百人から意見聴取をしたとのことでございますが、その二千三百人というのはどういう方たちでしょうか。市場開設者、卸売、仲卸、どういう人たちがどのぐらいの割合で、そして、その中で卸売市場開設の許認可制の廃止という、今回の法律案の肝の部分ですね、ここを要望した人は何人いたんでしょうか、伺います。
#151
○政府参考人(井上宏司君) まず、昨年の春から全国各地を回りまして意見交換をした、その相手方としましては二千三百五人でございます。この内訳としましては、卸売業者が七百十七、仲卸業者が六百六十五、売買参加者が百二十七、開設者が三百九十一、以上合計しますと、卸売市場の関係者が千九百人でございます。これ以外に、小売業者、生産者団体等を含めまして、先ほど申し上げました二千三百五人、計百十八回の意見交換を行っているところでございます。
 また、昨年十二月の活力創造プランをまとめた後、法案を提出させていただくまでの間におきましても、主なもので挙げさせていただきますと、全国説明会と全国各ブロックで説明会を行っておりまして、それに御出席された方は千五百六名でございます。ちなみに、現地視察に行かれた最近の市場の方もこの中にいらっしゃったわけでございますけれども、更に丁寧な説明は行ってまいりたいと思います。
 この中で出された意見としましては、各卸売市場の実態に応じて柔軟な対応ができるようにといったような要望はございますけれども、正直申し上げて認定と許認可との法制度としての違いというのは分かりにくいということで、御質問に直接お答えしますと、許認可制を廃止してほしいといった要望が具体的に出されているわけではございません。
#152
○森ゆうこ君 許認可制の廃止を要望した人はゼロだったということですか。
#153
○政府参考人(井上宏司君) 法律の制度、立て付けについては分からないけれども、柔軟な対応が各市場に行われるようにしてほしいといった要望は多数いただいたところでございます。
#154
○森ゆうこ君 今の説明だけではちょっと分からないので、先ほど説明した人数、どういう形で、どういう人たちから、いつ意見を聴取したのか、そして、今年の、もう一回説明会もやったということですから、そのことに関して、今これだけ具体的に数字も述べられるわけですから、その基になる資料もおありだと思いますので、委員会に提出をいただきたいと思いますが、委員長。
#155
○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#156
○森ゆうこ君 きちんと有識者会議を開いて、これだけの大きな改正ですよ、この法律案参考資料を読めば、もう全く別の法案になっていると言ってもいいぐらい全部ばさっと切って。(発言する者あり)今小川委員からちょっと発言がありましたけど、廃止法案なんですよね。廃止法案に近づいてる法案なので、これは去年の種子法の廃止のときも申し上げましたけど、やっぱりそのきちっとこれまで機能を果たしてきた法律というのは、我々が想像している以上にいろんなところに影響があって、廃止するなとは言いませんよ、もう時代のニーズに合わなくなったのであると、それを廃止してもっとこういうふうにするんだということを否定するつもりはありませんが、長年機能してきた法律を言わば廃止するような法律に関しては、先ほどの紙議員の質問とか、きちっと答えられなきゃいけないんですよ。
 そういうことを検討する会議をやっぱりきちっとつくって、公開の場でみんながその議論の経過が分かるように、ああなるほど、それであれば、いろいろこういう影響もあるけれども、それよりもメリットの方が大きいねとか、そういうものもやるべきだし、本来であれば立法府でもっと時間を取って、そこがやられていないのであれば、もっともっと具体的に答えていただかなきゃ何の意味もないじゃないですか、議論する意味が。そう思いませんか、大臣。
#157
○国務大臣(齋藤健君) 本法案の立案過程においていろいろ意見交換してきた結果については、さっき御指示ありましたので、理事会で議論していただくということになったわけでありますけれども、この過程において多くの方の意見を聞いて、そしてそれを集約する形でこの法案を作り上げてきたということであります。
 そのための委員会をつくるかどうかというのは、いろいろ御意見あろうかと思いますけれども、私どもとしてはこの過程で意見を聞かせていただいて立案をしてきたということでございます。
#158
○森ゆうこ君 農水省は、要するに規制改革ホットライン、匿名の個人の方から民間企業が中央卸売市場の開設主体となることも認めるべきだという提案が寄せられたのに対しては、かつては、中央卸売市場の開設者には、公正な取引確保の観点から、仲卸業者の許可や売買参加者の承認のほか、卸売業者、仲卸業者に対する検査、指導監督等の権限が法律上与えられており、ここ重要だと思いますよ、検査、指導監督等の権限が法律上与えられており、市場の民間事業者に対して公平な立場で判断を行い、特定の都市及びその周辺の地域における生鮮食料品等の安定供給という公共的使命を果たせるよう、地方公共団体がこの役割を担う必要がありますと回答をしているわけでありますね。
 だから、先ほど来の答弁聞くと、こう説明していたことと全く正反対の立場に立ってこの法律案を提出しているというふうに思います。だから、この間、なぜこの真逆の結論に至ったのか、その経緯をもっと詳しく、もっと説得力を持った形で示していただかないといけないんだと思うんですよ。
 それで、先ほどのだから紙智子委員の質問に対する答弁に私ちょっと驚いちゃったんですが、要するに、今度の新たな開設者というのはその市場に参加している人たちにどういう監督をするのか、きちっと公正公平にやられるか。監督をする、今度は誰が監督するのか、その開設者だとおっしゃったわけですけど、この法律案読んでもどこにもその開設者に市場内事業者を監督する権限というのはないんですけれども、どこにありますか。何条のどこにありますか。
#159
○政府参考人(井上宏司君) ちょっと条項については今調べてお示しをしますけれども、農林水産大臣又は都道府県知事が認定をするに当たりまして、この開設者が卸売業者等の業務運営が健全に行われるように監督ができる、監督をするといったことが業務規程の中に明確に定められているということを確認をした上で認定を行うということにしてございます。
#160
○森ゆうこ君 つまり、第四条の第五項の七号ですか、「開設者が、取引参加者に遵守事項を遵守させるために必要な体制を有すること。」、ここから引いてきて何かが出てくるということなんですか。それとも、もっとストレートに何か権限を付与すると、その監督権限というものが分かる条文がどこかにあるんでしょうか。
#161
○政府参考人(井上宏司君) 中央卸売市場については今御指摘のあった条項でありますし、地方卸売市場につきましても、別の、十三条だったかと思いますけれども、に同様の規定がございます。
#162
○森ゆうこ君 いや、じゃ、今私が言った条文でいいということであれば、「開設者が、取引参加者に遵守事項を遵守させるために必要な体制を有すること。」、この条文をもってして監督権限があると、監督権限が付与されていると、そういう御説明でしょうか。
#163
○政府参考人(井上宏司君) 具体的には第四条五項で認可の要件がございますけれども、それのハ号の中で、「業務規程に定められている遵守事項を取引参加者に遵守させるため、これに必要な限度において、取引参加者に対し、指導及び助言、報告及び検査、是正の求めその他の措置をとることができること。」という規定がございます。(発言する者あり)
#164
○森ゆうこ君 だから、一応ここに書いてあることはそうだということですけれども、今、紙さんから発言がありましたけど、じゃ、認定外の人たちにも誰か監督する、きちんと監督する権利を持っている人はいるんでしょうか。
#165
○政府参考人(井上宏司君) 認定外のものにつきましては、食品流通における多様な流通、様々ございますけれども、それについては原則自由でございますのでそれを監督する規定はございませんけれども、取引状況の調査を農林水産大臣が行い、不公正な取引があると思料するときは公正取引委員会に通知すると、今回、法改正で新たに入れさせていただいております。これは、卸売市場の内外、また認定されているされていないにかかわらず、全体に係る規定でございます。
#166
○森ゆうこ君 それ先ほど私質問したと思うんだけれども、要するに、今までと全く真逆の結論に至った経緯、これ分からないんですけど、何で今までの説明と全く真逆なんですか、大臣。全然、今まで説明してきた、要するに、公共的使命、これがないと立場の弱い人たちがもう競争にさらされるだけで、価格の公平性とか市場の公平性というのをどこかが調整する機能、役割、これが中央卸売市場とかそういうところ果たしてきたわけでしょう。それで、民間企業が中央卸売市場の開設主体となることを認めるべきだという規制改革推進論者からの提言に対して、役割を担う必要があると言ってきたのに正反対の法律を出してきたというのは、もっときちんと説明してもらわないと理解できませんよ。
#167
○国務大臣(齋藤健君) まず、平成二十七年六月のホットラインに対して私どもがそういう回答をしたということはそうなんですけれども、その後、経緯ということでありますので少しお話ししますと、いろいろ積み重なってきております。
 平成二十七年の十一月には総合的なTPP関連政策大綱におきまして、その後の話です、攻めの農林水産業への転換対策ということで、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立というものが検討項目の一つとして取り上げられてきたと。そして、それを機に改めて検討を開始することになりまして、平成二十八年六月の日本再興戦略、それから同年十一月の農業競争力強化プログラムを経て、最終的に平成二十九年十二月の農林水産業・地域の活力創造プランにおきまして、卸売市場を含めた食品流通構造の改革案として政府で決定をしたものであるということでありますので、そういう経緯が積み重なっているということであります。
 ただ、一方で、卸売市場がきちんと公正な取引の場でなくてはいけないというその肝は外してはいけないということでありまして、そこのところは今度の法案におきましても、種々、具体的にはこれまで御説明させていただいておりますけれども、しっかりと確保できる法体系で提案をさせていただいているということでございます。
#168
○森ゆうこ君 いや、だからそれが、しっかり我々は納得できないのでこういう質問になっているわけですよ。
 じゃ、もっと端的に、いろいろとかそういう法体系になっていますとかと、そういうふうな曖昧な言い方をせずに、これがあるから、私たちはというか、私は公正な取引確保の仕組みが全くの民間任せになってしまって、従来農水省が言ってきた、これまで説明してきた公的責任果たさなきゃいけない、ここの部分が放棄されているんじゃないかと。それが、そもそももう市場に任せろと、全部そうなんですけどね、この間。本当にそれでいいんですかと。今だけ、金だけ、自分だけという人たちが、それで、その人たちはもうかるかもしれないけど、本当にいいんですかという。
 農水省は、従来、公的な責任が果たせるという観点の下、法律を持ってきたわけだけど、それを全部ひっくり返してしまうわけだから、もっとストレートな、なるほど、それならそうだよね、メリットはこうです、デメリットについてはこう対応しますということがなければ到底納得できません。答弁は次回お聞きしたいと思います。
 せっかく、文科省、それから内閣府に来てもらっているんですけれども、いろいろ出てきておりますけれども、文科省が、例の愛媛県文書の中に出てくるアンケート形式の資料とか、そういうものについて回答いただいたんです。私もちょっと、今回これ資料にする間がなくて。この件について、どうもこの説明ではよく分かりませんので、要するに、こういう委員からの意見聴取を行い、このようなアンケート等を作ったということについては、それは事実だということでよろしいですか、文科省は。
#169
○副大臣(丹羽秀樹君) 委員がおっしゃるように、今回のアンケートという、アンケート形式の資料でございまして、これは有識者の皆様方に対して意見を紹介した内容でございます。
#170
○森ゆうこ君 ただ、ここに付いている添付メール、別紙二のメールには、愛媛県より提案のあったものである旨の記載があるが、愛媛県に確認を行ったところ、当該文書が残っておらず、本県から提出した資料かどうか分からない旨の回答があったというふうに書いてあるんですけど、こういう説明だと、これまでも何度も繰り返されてきたんですけど、こういうふうに、何だろうな、ところどころ、一番核心の部分は除いて報告、提出されると、いつまでたってもこの問題の概要が分からないんですけど、全容が。
 次回までに、ここもう少しきちっと説明できるように、あるはずでしょう、ペーパーとかメールとか。そこを確認してきていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#171
○委員長(岩井茂樹君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#172
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として市場流通ビジョンを考える会代表幹事磯村信夫君、東北地区水産物卸組合連合会事務局長菅原邦昭君及び広島大学名誉教授三國英實君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、磯村参考人、菅原参考人、三國参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、磯村参考人からお願いいたします。磯村参考人。
#173
○参考人(磯村信夫君) 本日は、参考人として発言の機会をいただきまして誠にありがとうございます。
 市場流通ビジョンを考える会というのは、水産、青果、花卉の各協会、そして卸、仲卸八十八組織と個人の九名から成る会議です。市場流通ビジョンをどのように考えるかということで一緒に考えながら、それぞれの経営に役立てようというふうにしております。
 そして、私自身は大田市場の花卉部で大田花きを経営をしております。大田花きは日本で一番最初に機械競りを行いまして、そして物流も、九九年からちょうどヤマトの宅配便と同じようなシステムを入れ、また現在、競り、在宅競り共、大体二十四時間、出荷者及び買手は今幾らで売られているかどうかということをチェックできますし、また在宅競りにおきましては、全体の三分の一が自宅からそれぞれ具体的な競り場に応札するというような取引の仕方をしております。本日はよろしくどうぞお願いいたします。
 まず、市場についてでありますが、築地の市場移転の問題や国の農業競争力強化プログラムが話題になりまして、我々卸売市場は一体全体どのようにしたらいいかどうか、中間流通として存在意義は本当にどのような形でもってあるのかどうかということを考えさせられました昨今でございましたが、しかし、それぞれ、むしろ一般には市場流通、ミドルマンの理解が進んだというふうに考えております。
 我々、勉強会の中では、ミドルマンとしては、マーガレット・ホールの法則だとかロナルド・H・コースのコースの定理など、どうしても中間流通というのはトータルの取引を経済的に有利にするために必要だということが言われておりますので、これはこれでもってよしといたしますが、しかし、そこの中で、卸売市場、中間流通の中でも卸売市場は一体全体どのように特徴があり、またやっていけばいいかどうかということを考えておりました。そのやさきの卸売市場法の改正でございました。
 我々が考えております卸売市場は、大正七年の米騒動の後、政府はまず初めにミドルマンをカットしようとして小売市場をつくりましたが、五年後、大正十二年、一九二三年に中央卸売市場法が成立をいたしまして、卸と仲卸、そして卸の手数料率の公定だとか、あるいは競りないし入札の取引だとか、国、自治体の整備あるいは管理運営方法を自治体が行うなど決められまして、現在に至り、また昭和四十六年に卸売市場法、新市場法になりますが、地方卸売市場まで含めた形で、この卸売中央市場法が骨子になりながらやってまいりました。それがあたかも血肉のような形になって、そして現在では、世界の中でも、大規模な小売店、そしてちっちゃな零細の小売店まで利用できる世界で冠たる生鮮食料品のプラットホームになっているというふうに思っております。
 卸売市場は、商流と物流と情報と資金流、この四つをスピーディーに行っております。スピーディーな集分荷だとか価格形成だとか、それから代金決済、そして情報の受発信でありますけれども、これらに加えまして、もっと大切なことというふうに思っておりますのが、必要とされる人々全員に開かれたシステム。先ほど申し上げましたとおり、日本にこれだけ量販店の寡占率の少ない国を、生鮮食料品におきましては寡占率が少ない、いろんなところでもって中小も仕入れに何ら不安になることなく御自分の商いをすることができまして、結局は良いものが効率的に安くそれぞれの地域において供給できている、ここが多分卸売市場の最も大切なところだろうというふうに思っております。
 もちろん、価格形成やスピーディーな代金決済等がありますけれども、多彩な品ぞろえやら目利きによる価値、こういうようなものまで含めまして、まずオープンなシステム、ここにやっぱりポイントがあるというふうに思っております。
 これはどんなことをしても守らなければならないところでありまして、その意味では、今度の法改正でまさに生鮮食料品等というのが、花卉類が多いですが、生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしている、そしてそれを鑑み適切に措置等を講ずるというふうにされたことやら、あるいは、農林大臣又は都道府県知事は、生鮮食料品等の公正な取引の場として、差別的な取扱いの禁止、中央市場におきましては受託拒否の禁止、売買取引の条件や結果の公表等の取引ルールを遵守して、そして適切かつ健全な運営を行うことができる卸売市場を、国は基本方針に即して中央卸売市場又は地方卸売市場として認定することとしています。
 このことにつきましては、認定の意味が少し私分からない点もありますが、まずは、認めていただいて、今までのどなたも利用できる、そして大も小も利用できる世界に冠たる卸売市場システムがそのまま続行されるということは、まず大変良かったと思いますし、賛成でございます。
 そして、さらに、私ども考えておりましたのが、行政がある意味ではみんな民営化されて、自分たちの、行政、その関わりを少なくさせるんではないかというふうに懸念をしておりました点も、予算の範囲内において、食流法でありますけれども、その範囲内のところを援助をしているというふうに書いていただいておりますし、また、とりわけバイイングパワーに、どうしても力関係に屈して不当廉売等の局面がなきにしもあらずでございましたのに、食流法で食品流通価格の調査を行って、不当廉売とも言えるものはスピーディーに、これは極力スピーディーにお願いしたいと思いますけれども、公正取引委員会に申し出るなど適正化を図るというふうにしていることは大変評価できることだというふうに思っております。
 ただ、不安の材料がないわけではありません。それは、卸売市場は今まで差別的取扱いの禁止、そして中央市場では受託拒否で分かりますとおり、売るに天候、作るに天候で、そして差別なく、むしろ普通の商いというよりも、卸は商いよりも適正時価を出す取引所、このような形で全てを受け入れながらやっていく、そこに良さがありましたし、そして卸から買っているその需要、小売のニーズを反映しながら、ある意味では大局的にぶつかります仲卸は、結局はこちらの方は特定のというふうに言ったらいいでしょうか、差別的なところでそれぞれ格差を、区別を付けながらそれぞれの需要にしっかり合わせています。
 この二つの差別的な取扱いのところの卸、これが少数であることについて、また多数の区別をしながら、差別的なある意味では取扱いと言ったら語弊がありますが、需要に合わせたところの仲卸、この二つがありまして初めて卸売市場が適切に評価できるのに、ややもすると問屋化してしまって、買取りでもって差益商売になっていくことが非常に懸念をされます。その意味で、認可というもの、そしてまた、民間に開設者がなっていく、民間業者もなれるということでありますけれども、この今の卸売市場システムでの良さ、この形、これが崩れてしまうと、どうも全体が、市中にあります問屋と同じようになってしまって、公的な意味が失われるんではないか。
 したがって、問屋にならずに、卸は必ず、今申し上げました差別的取扱いの禁止、受託拒否の禁止、これはある意味では効率をできないかも分かりませんが、効率的ではないかもしれませんが、とにかく差異をなくして公平に扱う、そして、そこから買って、そこから特別なものを買って、差別的にあるいは特定のものでもって販売する仲卸、このシステム、この取引に向けてのチェックを是非ともお願いをしたいんです。
 公設の方が開設者になったときには、議会にかけたり、あるいはこの取引ルールにつきましても、ある意味でオープンにしてたたいてやっていきますから、そうは偏ることがないと思いますけれども、もしそうじゃない場合には、一定に関与していただかないと市場システムがやっぱり崩れる可能性があるというふうに思っております。それがまず一つ目です。
 二つ目は、その関与の仕方でありますけれども、現在は国が、農林水産省が我々中央卸売市場のところにきちっと検閲をしてくれていまして、これは株式を公開している公開していない関係なしに、それぞれコンプライアンスをきちっと守り、万が一のときには、それは厳しい指摘を受けながらしております。仲卸さんも同様に開設者から、東京都の場合には東京都から指導を受けてよりフェアな取引ができるようにしておりますけれども、この辺の関与がややもすると薄くなっていくので、繰り返しのようですけれども、国や地方自治体はこの指導の体制を是非とも強くお願いをしたいところであります。
 日本だけが少数の卸、そして仲卸がありまして、そして、今のシステムによって大も小も卸売市場を利用できます。他方、仲卸だけの卸売市場、これは西洋やアジアがそうでありますけれども、これは、日本では卸売市場というふうに言えません。それぞれ不透明なものが大変多く、残念ながら、今度の市場法でもきちっと結果の公表まで含めまして、これができないようにはなっておりますけれども、そのチェックシステムが必要だというふうに思っております。
 それから、最後に、多分、少子高齢化の中で地域が活性化をしていくためにはやはり農業は欠かせないものでありますし、花の場合にも、当然、例えば、今現在、秋田など本当に花の産地として頑張ってくれております。そこに住まいする方たちは、衣食住プラス文化的な生活、そして手短な自然、この五つがそろって初めて幸せというものがあるわけでありまして、生鮮食料品はお料理にし、そして季節を伝えたり、花の場合にはデザインをし、そして花そのもので自然を感じていただいたり、この五つをそろえながら、地域の伝統文化を守りながら貢献をしていきたいというふうに考えております。
 そこで、今、開設区域がなくなりますが、場合によっては、少子化の中で、もう少し県をまたいでも卸売市場としてやっていかざるを得ないのではないかというふうに私どもは考えてございます。地域の伝統文化、花飾りも当然違うんですが、そこの文化ごとに卸売市場がありますと、ちょうどお花屋さんというのは小料理屋さんと一緒で、文化としてデザインする、ちょうど料理と同じようにデザインしたことによって評価されますので、どんなに小さなパパママストアのお花屋さんでも必ず御地元からひいきされます。あるいは置き花でも、地元のスーパーマーケットがなければやっぱりその文化を守ることができません。そして、その素材を供給させていただくのが卸売市場でありまして、この卸売市場が文化ごとにきちっと健全経営できるようにしたいんですね。
 そのためには、この開設区域、あるいはそれぞれ地方自治体の応援の仕方、いろいろな形があろうと思いますけれども、その辺をもう一度よくお考えいただき、我々に助力をしていただきたいというふうに思う次第であります。
 以上であります。
#174
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 次に、菅原参考人にお願いいたします。菅原参考人。
#175
○参考人(菅原邦昭君) それでは、本日は、お呼びいただきまして誠にありがとうございます。
 私は、東北の卸売市場の仲卸業者を代表いたしまして、精いっぱい私たちの意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず初めに、今、磯村参考人がおっしゃったことに関連して、全く同意しながら一言申し上げますと、いまだに国会議員の先生の中で、卸売市場では大量に買うと高くなるというのはおかしいじゃないかと、主に、量販店、今は多国籍で活躍されている量販店資本の皆さんはそういうふうに言いますが、これは全く初歩的な間違いです。
 それでは、卸売市場の仕組みというのは、社会的な建値を示すことが最大の使命なわけです。そして、不当な価格つり上げとかそういうものを防ぐという役割を持っております。これは証券取引所と全く同じなんです。ですから、質問します。その多国籍資本である量販店の社長さん、おたくの株を証券取引所で大量に買ったら安くしていただけるんですか。高くなりますよね。当然高くなるんですよ。それは、社会的な価格を形成するところが大量にそれを購入すれば高くなるのが当たり前です。
 ところが、今から十年ほど前に、これを規制緩和で、それはおかしいと言ったら、大量に買ったら安くするのが世の中の常識だなどと、その辺の一般の売買と社会的な価格形成を使命とするところ、つまり証券取引所と同じ使命を、片方は抽象物を社会的価格形成をしている、こちらは現物をやっているんですね。このことを、意図的なのか知らずになのか、混同している議論が今回の卸売市場法の見直しの根底にまだ脈々とあるということをまずいつまで続けるんですかということを私は強調したいと思います。そして、東北の思いを感情も含めましてまとめてきましたので、朗読させていただきます。
 どなたも御承知のことと思いますが、国民の圧倒的多数は地域経済を暮らしのかけがえのないよりどころとして生活しています。国家経済に依拠して生活の基盤を確立している人というのは、国家経済政策に直接あるいは間接に関わり、その恩恵を浴びることがそれなりにできる人々です。しかし、そういう人は国民の中から見ればほんの一握りです。そして、その地域経済に、そして国家経済に関わる両者間には、この二、三十年の間にとんでもない暮らしぶりの差が生まれてきているというのは、皆さん、いわゆる格差社会、現代的貧困の問題で、これはこれで議論されているところです。
 今から四十年ほど前になりますが、規制緩和という言葉が大々的に政治世界で叫ばれるようになり、その後実際に実行されるに及び、その弊害は顕著になりました。これが一定程度国会でも論争のテーマにされたこともありましたが、ほとんどの場合不発でした。しかし、そこで語られたのは、主に野党の皆さんが語ったことについては、私は非常にうなずくべきものが幾つもあったというふうに思います。
 例えば、規制緩和とは、結局ルールのない経済社会につながるという意見も出ました。規制緩和を進めれば、弱肉強食の経済社会に行き着くという声も出ました。とどのつまりは、地域経済こそ規制緩和の最大のしわ寄せの被害者だという声も出ました。これは、今振り返ってみても、どこにこの意見の瑕疵があるでしょうか。私は、この意見は、現在の状況から振り返ってみれば、正当なものだったと評価した上で全ての議論を始める必要があるというふうに思っております。東北地区連の感情を含めて話していますので、誤解ないように。
 そして、今日、経済のグローバル化が大々的に喧伝され、国際競争に勝ち抜く分野として日常的に日本の農林水産業は繰り返し取り上げられて、農協、漁協批判、日本の農漁業、こういう人たちに任せておいたら世界の競争に負けますよだとか、法人化で効率化を進めた方がいいよだとか、まあ勢いのいいスローガンめいた言葉がもう本当に飛び交っております。しかし、これらの威勢のよい論調、議論に共通している決定的な欠陥があります。それは何かというと、数字に基づく、数値に基づく比較とか又はリスクなどについての検証が全くなされていないということはいら立ちを覚えるほどであります。今のちょっとした間はいら立ちの間です。
 一例を挙げれば、漁業権の法人化の問題があります。地元の反対を押し切って強行した宮城の水産復興特区、大震災のときの、漁業権の法人化の問題、これはスタートからもう随分たちました。しかし、今日まで様々な問題が現地では起こって、河北新報を始め地元紙を大いににぎわすどころか、県議会で与野党も問わず、私は、与党の先生たち、県議会で非常にこの問題で憤りを持って奮闘している姿を見ましたし、直接話もしました。これがなぜ国会には伝わらないのかなと。なぜかというと、きちんと政府や国会で追検証しているのでしょうかと。特区です、これ。どこかで聞いた特区です。全然、でも地元民には特区になっていません、損になっています。不正疑惑を地元紙に追及をされる事態が起きていることに、そして地域水産業に悪影響を与えていることに、制度をつくって適用した政府は明確な検証をしていない。いないでしょうかと書いたんですが、線を引っ張りました、していません。裏付けを取る、結果や予測値をデータで検証する、こういうことを抜きに、勢いのいい言葉とか号令だけで地域経済の様々な分野にグローバル化を拡大するやり方というのは、地域経済を疲弊させ破壊するやり方です。このことに一日も早く気付いて、まだ息のあるうちに何とかすべきだと、私は心から東北を代表して訴えたいと思います。
 そして、このようなグローバル化の進め方、これは、日本ばかりでなく世界中でも批判の声が上がっています。その内容は、これらのグローバル戦略というのは、自国の地域経済をお互いにみんなが崩壊させているんじゃないかと。トランプさんのアメリカもそうです。トランプさんは、一応取りあえず当面は反対とやっておりますけれども、まあその辺は今後よく見ていく必要があると思いますね。
 そして、今申し上げたように、日本発、アメリカ発の多国籍資本の戦略を後押しするものとして私たちのこの卸売市場法改正案というものが出されている。この流れの中にあるんだということは、現場の人はみんな気付いているんです。でも、卸売市場の業者というのは、みんな許可業者なんですよ。許可業者というのは、古い言葉で、もし不適切であれば後でお叱りも受けますが、お上に弱いんです。ところが、腹の中ではみんな反対なんです、困っているんです。このことは、是非私は声を大にして、農林水産委員会の中で訴えさせていただきたい。場合によっては本会議で訴えさせていただいてもいいですが、そういう制度はございませんので残念だと思っております。
 今回の改正案、これ、条文を見ますと、まず驚くのは、改正と言えるのかなと思うんですが、現行八十三条から成る条文のうち、公正公平な取引のためのルールの部分が全部、六十四条、八十三条分の六十四条、これが全文削除されているんですね。
 そして、何よりも、卸売市場の社会的使命の、先ほど磯村参考人もおっしゃいましたが、最も重要な柱は第三者販売の禁止。簡単に言うと、これは、インチキな、何の基準もない売り方は駄目ですよということですよ。この第三者販売の禁止という原則までもが撤廃されているんです、事実上は。そして、大手資本などによる価格操作、誘導が可能な仕組みに改変されているわけです。
 削除率約八〇%であると同時に、生鮮食料品等の社会的な建値、つまり、国民の食料安全保障の立場から、需要と供給の関係のみで価格を形成する、あらゆる場面での生鮮流通の取引価格の基準値を社会に示す、そのために、誰かの思惑とかは一切排除する、価格操作とか価格誘導などの不正な振る舞いを禁じた条文が今の六十四条なんですよ。ここにこの改正案の正体見たりという状況になっていますね。後でその件についてはまた述べたいと思います。穏当な言葉でいきます。
 これでは、国民のまだ気付かないところで政府は国民の食料安全保障体制を撤廃する気だと言われても、どう抗弁するのでありましょうか。政府は価格つり上げなども容認するつもりだなと言われて、どう抗弁するのでしょうか。
 現在の卸売市場法の基本骨格となった大正時代成立の卸売市場法は、一九一八年の米騒動が契機となって作られたものです。皆さん、今年はそれからちょうど百周年なんです。象徴的な事件が今起こりつつあります、ここで。当時の法律を提案した政府側は、帝国議会において、要旨、次のように当時の状況を述べています。当時の帝国政府ですよ。そこは、どういう問題意識をやっているか。百年前だから古いだろうなと思ったら大間違いです。要旨がきちんと調査した先生方によって残っております。読みます。
 悪徳な問屋は、農民が自分が食べるのに必死で農民同士の団結が極めて弱いのをいいことに、前渡金、前貸金ですね、青田刈りをてこに安値で買い取る。逆に、小売側に対しては、意図的に彼らの横のつながりを断ち切り、売惜しみ、在庫隠しなどをしては、極めて巧妙に価格のつり上げをなし、利益のため込みをし続けてきた。その欲はとどまるところを知らず、今回の騒動の直前には、一週間あるいは二、三か月の間に、米を始めとした生鮮品が三、四割どころか七割の値上げなどという事態を生むまでに至っていると。これ、帝国議会の中で政府側が中央卸売市場法案を出すときに語っている言葉なんです。
 戦後一時期は聞きましたけれども、もうしばらく、こういうことを政府側の方がお話しするということ、皆さん御記憶あるでしょうか。余分な話はやめます。
 そのため、人間の飽くなき欲は、これは、行政は放置しておくわけにはいかないということに対して、議会の中では、放置しておいていいんだ、そこまで縛るな、自由に任せろという声があったようですが、政府は放置しない立場を採用したんです。なぜでしょうか。なぜなら、政府自身、一道三府三十七県以上に波及した米騒動なんですよ。最低でも、研究者のお二人の方が貴重な本を残されています。五百万人以上が関わったんですよ。この米騒動に対しては、警察動員では足りませんでした。軍隊も出動しました。厳しい激しい弾圧も行われました。そして、やっとやっとの思いで鎮圧した苦い経験で、政府側はほとほと懲りていたんですね。そういう状況だったから、善意に任せるとかそんなことでは駄目だという立場を政府側は取ったということなんですね。
 しかし、どうでしょう、皆さん、当時の放置しておけというのはちょうど今回の卸売市場法の改正に流れをつくった、あの有名な規制改革推進会議が、卸売市場法など時代遅れで、あんな古いもの今更要らないんだと、社会の良識に任せておけばあんなもの要らないよ、何百年前の話しているんだみたいな話がありましたが、私は、それと通底しているのがあの規制改革推進会議の文章だと思います。これを証明しろと言われたら、いつでもお呼びください。証明してさしあげたいと思います。
 そして、あの規制改革推進会議が言いたいのは、今は企業がコンプライアンスの時代なんだよと、ここに任せておけば世界に最たるコンプライアンスで原発も安全、だからいいんだという、そういう態度を取っているわけですね。あの文章はそう言っているもの、そのものなんですね。
 しかし、このコンプライアンス、本当に頼りになるものなんでしょうかということで、聞き飽きていらっしゃるかもしれませんが、改めて、東北の声としてお聞きください。
 国際社会で活動する企業が諸外国を巻き込んで起こしているデータ偽装問題、そのトラブル、これがマスコミや新聞をにぎわしていない日があったでしょうか。ある識者に言わせれば、これは外国の方ですが、これほど日本のコンプライアンスが話題になった時代というのはここ十年ぐらいのことだねということを、外国人の有名な、あの人はジャーナリストですが、語っていますね。企業法人ばかりか学校法人でさえ、コンプライアンスの問題ですよ。様々問題やら疑惑やらで年中世の中が騒然としているのは幻なんでしょうか。
 データ偽装、改ざん、資料隠しが蔓延している今こそ、私が言いたいのはここです。国民の食料安全保障を引き続き守るためのこれまでの卸売市場法の基本である公正で公平な価格形成機能とそのルールは削除するどころか一層磨き上げるべきものです。生鮮食料品という人間生活に不可欠なもの、欲による不正な価格のつり上げは許さないという姿勢こそ、政治と行政の健全性を評価する際の重要な指標、リトマス試験紙だと私は訴えたいと思います。
 市場の、人の欲を排除した価格形成の詳細な仕組みと制度を、時間だということなんで、今ここで詳しくお話しする時間はありませんが、簡単に申し上げます。
 マーケティングという言葉で知られるミクロ経済学には、その基本に需要曲線、供給曲線という話が必ず登場します。その需要と供給の二つの曲線の交わったところが適正数量であり、適正価格だという教えなんです。それを完全競争原理といいます。卸売市場では、競りを基幹とした仕組みで行い、そこでは、私たちの仲間、仲卸業者と買参人が、消費者目線に立つ目利きとして品質やその数量を見極めつつ、競い合いながら価格を決定する。簡単に申し上げればそういうことなんです、市場の仕組みというのは。
 この情報は……
#176
○委員長(岩井茂樹君) 菅原参考人、時間が過ぎておりますので、御意見をおまとめください。
#177
○参考人(菅原邦昭君) はい、分かりました。
 生産側にも伝えられ、過剰生産が招く生産体制の経済的な危機も防ぐという食料生産の安全保障というふうにもなっております。
 そして、最も重要なことは、誰にも公正な確保をすることで、資本の大小によらず、地域経済で誰もが経済活動に参入できる、参加できるという余地を残している。ところが、これが、価格形成機能が不公正価格形成の流れに行きますと、地域経済は資本の大小の原理を適用されて全く窒息状態になってしまうことは、これは明らかなんです。
 最後にします。今年、米騒動百年で、築地の女将さん会が立ち上がって、卸売市場法改正に反対、築地の移転反対で立ち上がりました。百年前のあれも、富山の沖仲仕と魚屋さんの奥さんたちが立ち上がって、役所に整然とやったんです。そして、男たちはどうだったかというと、ううん、いろいろ支障があるから言わないよと、ところが、自分たちが食えなくなったら暴動を起こしてしまったんですね。ところが、今、おかみさんたちはその教訓を踏まえて整然と今やっています。
 あのおかみさんたちの願いも含めまして、卸売市場法の改正は地域経済を窒息状態にさせてしまう法案であるということで、私は反対だということを表明しまして、私の不十分ながら意見表明終わります。
 以上です。
#178
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 次に、三國参考人にお願いいたします。三國参考人。
#179
○参考人(三國英實君) 三國です。今日は、卸売市場法等の問題について発言する機会をつくっていただき、ありがとうございました。
 私は、レジュメを用意しておりますので、これを読ませていただきます。
 まず、我が国の卸売市場制度の展開とその独自的役割ということです。
 日本の卸売市場制度が成立した背景は、一九一八年に勃発した米騒動と言われております。当時の食料流通は問屋資本が担っていました。
 問屋資本による前期的な取引を放置できなくなり、政府がその流通に介入し、主食である米については一九二一年に米穀法、副食である生鮮食料品については一九二三年に中央卸売市場法が制定されました。市が施設を整備し、そこに多数存在した問屋を、荷受け会社、今でいう卸売業者と、仲買人、今でいう仲卸業者に整理統合して収容しました。
 両者の間の取引は競り取引を原則とし、価格を公表し、流通の近代化を図りました。価格が公表されたことにより、消費地問屋と小売商、生産者と産地問屋の間の取引の近代化も促進しました。競り取引は、鮮度が命である生鮮食料品を短時間のうちに大量に取引できる、そういうことを可能にしたわけです。
 戦前の卸売市場の開設は、京都市が一九二七年に最初です。東京市は、ちょうどこの中央卸売市場法ができた年に関東大震災が起きているわけですね。その影響で非常に遅れまして、東京は一九三五年にできています。戦前の段階で、全国八都市に開設されております。しかし、日本が準戦時、戦時体制に進み、特に戦時体制では国家統制が強くなり、卸売市場もこの機能を失ってしまうわけです。
 戦後の経済復興と高度成長の過程で、この中央卸売市場は、大都市だけでなくて県庁所在地など中都市にも開設され、一九七二年には三十三都市、六十五市場にまで拡大したわけです。一九八五年になりますと、五十六都市、九十一市場にまで増大しております。
 一九七一年に中央卸売市場法に代わって卸売市場法が制定されました。特質は二つあります。一つは、地方卸売市場も国の法規制の対象となり、中央卸売市場も地方卸売市場も整備方針をおよそ五年ごとに策定し、全国的な市場整備を図ったということです。第二に、卸売市場における公正な取引を確保するために取引原則を規定しております。中央卸売市場については、特に、差別的取扱いの禁止、競り、入札原則、委託集荷原則、商物一致原則、三者販売禁止、それと直荷引き禁止等々の取引原則をここで確定しているわけです。
 そして、今日、卸売市場は減少しつつあります。また、その市場での取扱量、市場経由率も減少しておりますけれども、これは先ほどお話もありましたように、日本が市場開放で生鮮食料品の輸入が増大して国内の生産が減少したということが基本的な大きな原因なんですけれども、そうはいっても、二〇一五年現在を見ますと、中央卸売市場は四十都市に六十四市場あり、地方卸売市場は千八十あるわけですね。このうち公設市場が百五十六あります。これらの市場は、国民への新鮮で安全な生鮮食料品等の、等と言っているのは、花とか漬物、塩干物なんかも含むから等になるんですけれども、安定的供給で重要な役割を果たしております。
 第一に、生鮮食料品等の社会的需給の調整と、そこで公正な価格形成が行われるということが第一です。第二に、日本の場合、四面を海に囲まれ、北海道から沖縄まで非常に南北に長い国土があります。季節ごとに多種多様な生産が行われます。そして、それを担っているのはほとんどこの農漁民であるわけです。そして第三に、日本の特徴として、やはり消費者の生鮮食料品重視の食生活、食文化です。日本では、今、先ほども話ありましたけれども、大手スーパーの寡占度は確かに低いと言えますけれども、大手スーパーといえども、日本のこの非常にきめ細かな生鮮食料品消費というこの消費性向というものを無視できないわけですね。ですから、やっぱり非常に生鮮食料品というものを店舗で重視せざるを得ないということです。そして第四に、なぜ日本が独特な卸売市場制度があるのか、基本はやはり多数の供給主体と多数の需要主体があって、この収集、中継、分散という、こういうシステムをつくっているということで、これが非常に機能しているということです。そして、こうしたことを保障しているのが、卸売市場法で言う差別的取扱い禁止の原則という法規制があるからです。
 それで、今回の卸売市場法、この食品流通改善法の改正の問題点はどこにあるかということで、私は三点を挙げておきました。
 まず第一は、認可制から認定制による卸売市場の有する公的役割の後退ということです。それで、この認可制と認定制というのは非常に意味が違うということをこれ注で書いておきましたので、後で御覧になってください。
 それで、結局目的規定からやっぱり、とにかく今まで卸売市場法何回か改定されましたけど、目的規定を改定したのは今回初めてなんですよね。大事なのは、国とか地方自治体が責任を持ってやっていた卸売市場の開設なり整備、それともう一つ大事な卸売市場取引の原則、これに関わる規定が目的規定から削除されたということなんです。これが非常に大きなことだと思います。
 それに加えて、認可制から認定制、要するに農林水産大臣が認定し都道府県知事が認定すれば卸売市場と認めるということなんですけれども、先ほども話がありましたように、なぜ八十四条が十九条まで減ったかということなんですね。これが、その意味するところは、この注のところを見ていただければ分かるんですけれども、認可のところだけちょっと読ませていただきます。ある人の法律上の行為が公の機関、行政庁の同意を得なければ有効に成立しないと、そういう場合は、この同意を与えてその効果を完成させる行政行為とあるわけですよ。だから、ただこの取引原則決めたというだけでなくて、その原則がちゃんと守れているかどうか、行政はそれをちゃんとフォローしなきゃ駄目だぞということがこの認可という意味なんですよね。だから、こういうことを外しちゃったら、全く卸売市場法のそういう歯止めを掛けていた条項が全部削除されたという意味がよく分かると思います。
 そういうことで、現行法では、中央卸売市場の開設は、人口二十万人以上の都市で、その開設は地方自治体に限られていましたけれども、今度の改正案では、施設の規模だけが条件になるわけです。で、それより、規模より大きいものは中央卸売市場、それ以下のものは地方卸売市場になるわけで、中央卸売市場と地方卸売市場の差がなくなります。さらに、先ほども御発言ありましたけれども、民間大企業も中央卸売市場の開設者になれるということですので、民間大企業による市場開設の可能性が拡大したということです。
 このように、施設規模以外に中央卸売市場と地方卸売市場の機能は差別がなくなりますから、一層市場再編というものは、今までも進んできていますけど、これからどんどんますます進んでいくんじゃないかと。
 あと、公設市場、中央卸売市場という場合は公設市場ですので、さっき言ったように、需給とか価格形成あるいは代金決済、そういう意味で非常に遵守した管理をやっているわけですけれども、御存じだと思うんだけれども、築地市場なんか見ても食品衛生検査員というのが常駐しているわけですね。常駐していない市場に関しても、巡回して歩いて、安全なちゃんと商品が置いているかどうか、あるいは売ってはならない商品を置いていないかどうかというところまで調べているわけです。こういうのは、やっぱり公的な卸売市場であるからできることであります。
 二番目の問題は、取引規制の緩和、撤廃で、大企業の利益優先の市場運営になるということです。確かに、今度の改正案でも、売買取引の禁止から、ずっとここに書いていますように、そういう差別的取扱いの禁止等々の必要な条件は出しています。しかし、認定制、さっきも言ったように認定制と認可制の違いがありますから、その効果を完成させる行政行為というのが、それが今度の改正案ではないわけですよ。だから、そういう原則は言ったとしても、それに歯止めを掛けるような状況が伴っていないということが非常に大きな違いであります。
 だから、特にこの第三者販売が禁止されることによって、先ほども話ありましたように、卸売業者の大手スーパーや外食産業への直接販売、それと、これ直荷引きも、私、今大手のスーパー等の仕入れ代行をやっていますから、直接大手のスーパー等から、この産地からこういうものを集めてくれというような形の取引が増えるんじゃないかと。
 あと、商物分離に至っては、これは現在の法律では、電子商取引をやる企業に限り、産地から直接スーパーに売ってもいいという規定があるんだけど、これなかなか、生鮮食品の場合、規格が難しいということもあって、必ずしも進んでいないんですよね、今、電子商取引というのは。だけど、そういうことが必要でないということになりますと、もうそういう直接、大型産地とか輸入商社あるいは冷凍業者から市場を通さないで直接スーパー等へ出荷される割合が高まるであろうということで、ここに、結局、卸売市場を支えてきたのは中小の卸、仲卸業者なんですけど、市場での生鮮食料品の購入が非常に困難になるのは間違いないと思います。それで、卸売業者の目利き力に頼っているのが多くの専門小売商であり料理店であるわけですから、その人たちの経営の困難にもつながっていくだろうということですね。
 そういうことですから、確かにさっきの差別的取扱い禁止とか受託拒否禁止条項は新しいこの改正法にもありますけれども、それを実際はもう骨抜きにされるというか形骸化される可能性が非常に大きいだろうというふうに私は見ています。
 あと、この卸売市場も食品流通合理化計画に包摂されたということで、これ時間がありませんので簡単に言いますと、今度の改正卸売市場法の第一の目的規定の中に食品の流通というのが入っているわけですね。この食品の流通というのは、この新しい食品流通合理化法と私は言っているんですけど、そこで言う食品の流通だということをはっきりわざわざ言っているわけです。
 それともう一つ、この流通の合理化というのは非常に限られた範囲だということです。とにかく、卸が市場整備をやる場合もそういう、何といいますか、例えば衛生管理をやるとかあるいはコンピューター使うとか、そういう物流の合理化に限って補助金を出すというシステムなんですね。ですから、全体として卸売市場もこの食品流通全体の合理化の中の一環として組み込まれているということを言いたいんです。
 時間がなくなりましたので、卸売市場の物流センター化と世界に誇る卸売市場を守るためにというところは、これは御質問があれば発言するということで、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#180
○委員長(岩井茂樹君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#181
○藤木眞也君 ありがとうございます。自由民主党の藤木眞也でございます。
 三人の参考人の方、今日は、貴重なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。賛否、いろいろなお話が聞けたかなというふうに思います。
 私は、国会議員になる前、二年前までは熊本の単協の、JAの組合長をやっておりました。その関係で、私の組合員さんの農産物というのを、農畜産物を全国の卸売市場に、四十ちょっとあったかと思いますけれども、の市場の方々と産地の情報と市場の情報を共有させながら、いろいろな面でお世話になってきたということであります。
 また、最近の社会情勢の中でいろいろな農作物の売買が多様化をしている中で、今回、規制改革推進会議の中からこの市場法の、最初は、一時期、市場法の廃止だというような報道も流れるような荒っぽい形でこの議論が始まったわけですが、今回の改正案では、中央卸売市場について従来の地方卸売市場と同様に民設が可能になったということであります。さらに、認可制から認定制に変わっていくということでありますけれども、これを機にバイイングパワーを持つ大きな量販店でありますとかそういったところが卸売市場を開設し、公的な機能を果たさない市場が今後増えてくるのではないかなというような心配をしておりますが、三名の方はその辺はどのようにお考えなのかということをお聞かせいただければと思います。
#182
○委員長(岩井茂樹君) 三名ですね。じゃ、まず磯村参考人。
#183
○参考人(磯村信夫君) 卸売市場、中央卸売市場は、その地域の非常に便利な場所に、ある意味では広大な面積があります。
 そして、私自身も実はそういう懸念を持っておりますのは、今まで、卸売会社あるいは仲卸に入るというふうに言いましても、売上高、営業利益率が現在のところ千分の五、〇・五%ぐらいしかありません。これでは入って投資をする意味がない。しかしながら、今度は開設者になりますと、お家賃をもらえますし、そして卸売以外の仕事も、そこの地域の固定資産税が安い公共的な面積でできる可能性もありますので、その意味では、中に開設者として入るというメリットが今度はあるというふうにも考えます。
 で、そのときに、どのようにきちっとした卸売行為で、差別的取扱いをしないだとか、あるいは受託拒否をしないだとか、ここはある意味では非効率でありますので、トータルからすると、その卸売会社や、仲卸さんもそうですが、売れないときにシーズンを越していっぱい出てくるということがあるわけですから、それをどういうふうにするかといったときに、少しちょっとなかなか難しいところもあるなというふうには思いますものの、しかし、本当に鉄道やあるいは飛行場や、いろんなところを見ていて、できないのかというふうにいうと、できないとは言えない。
 ですから、私は東京都なので、東京都はやってくれるよと言いますから、まだその意味で安堵していますけれども、頭で考えますとそういうようなことはある。ですから、それをどういうふうにするかどうかというのは、今後であろうと思います。
 ただ、鉄道や高速道路や飛行場や港湾や、同じような形でもって民営化されながらきちっとやっているところもあるわけでありまして、この辺のところというのは私はちょっと分かりませんけれども、もしなったというふうにしても、きちっとしたその基本のところは貫き通して、公的なところは貫き通していただきたいというふうに思っています。
#184
○参考人(菅原邦昭君) 済みません、委員長。もう一度、今、議員さんの質問のピンポイントで、今ちょっと回答を聞いているうちに、あれ、どこをしゃべろうかなと私思っちゃったので、ピンポイントでちょっと言っていただければ、そのことにお答えしたいと思います。
 どの部分をお答えしたらよろしいでしょうか。
#185
○藤木眞也君 今回、法案の改正において、量販店のような大資本のところが地方卸売市場みたいな形の市場を開設することが可能になりましたよね。これが可能になったということで、結局、公的機関の機能を果たさないままこういう市場というのがどんどん増えてくるんじゃないかなという心配をしております。そこを市場の方から考えてどのように考えていらっしゃるかということを教えていただければと思います。
#186
○参考人(菅原邦昭君) じゃ、発言します。ありがとうございます。
 先ほどちょうど私が時間で切れたところを御質問いただいていたということで受け止めさせていただきます。
 先ほどの帝国議会の話にしました、やはり、人間の欲に裏付けされた良識などというものは行政の存否に関わるように、それをそこに任せてはいけないというのと全く同じで、今回の改正案の中で一番問題なのは、新たな条文を入れて、開設者の認定制ということを入れたわけですね。そして、これは民間の事業者にも譲り渡すことが可能だというんですが、今、先生、量販店とおっしゃいましたが、たしか、自民党の方々の会合の中でも、業界からそういう意見が出たら、いや、量販店とかなんとかは審査のときに考えますよと言っているんですが、実際にこの条文の中での民間の人が開設者の立場で入り込む条件って何かというと、資力と能力となっているんですよ。資力と能力というのを突き詰めていきますと、最後は金のあるなしになってしまいます。つまり、金のある人なら良くて、開設者もやれる。
 そして、問題なのは、抜本的に八〇%公正取引に関するものが全部削られている。こういう中で、金のある人が開設者の地位にあって、開設者というのは何をやっているかというと、取引の公正、不公正を国、県を代表して地方自治体がやっているわけですね、これが民間に行ったら、公正流通イコール国民の食料安全保障は保障されるということは全くなくなってしまうんです。もっと言えば、公共だけじゃなくて、国とか県とか地方とかというものが国民の安全のどこに責任を持つのかということを本当に疑ってしまう。
 という意味では、私は量販店が開設者になるということについては反対。そういうことはいろいろ検討しますからと言っているんだけれども、今議員さんから率直に、量販店がもし入った場合には、うん、同意です、そういう危険は大きい流れになっているというふうに私は思います。
#187
○参考人(三國英實君) 私は三番目に話そうと思ったことは今の質問そのものなんですけれども、量販店が卸市場を開設するかどうかということは、僕はそれよりもむしろ公設卸売市場を量販店の都合のいいように利用しようという方向の方がもっと強まってそれが完成するんではないかと、この法改正で、そういうふうに認識しているわけです。
 なぜ量販店はそういう市場を自分で開設しないで卸売市場を利用してきたかというと、都市の地価の高いところで集配センターを造るというのは膨大な金が掛かるわけです。それをやるよりも、むしろ公設市場を積極的に利用して取引を伸ばすという方向が、ずっともう七〇年代から続いてきているわけです。
 ただ、市場原則があるために思うようなことができないので、例えば競り開始前の先取り取引とか、あるいは産地の予約相対取引とか、その後、九九年には競り取引原則を廃止し、二〇〇四年には委託集荷原則も廃止しているわけですよね。だから、現在ますますそういう方向で進んできているんですけれども、やはりこの方向がますます完成させたいというのが今度の卸売市場法の改定じゃないかというふうに思います。
 一言、直荷引きの話さっきしましたけど、要するに、今大手スーパー等は自分のところで例えばプリパッケージなんかしないんですね。全部仲卸に仕入れ担当させて、そこでトレー包装とかネット包装やっています。だから、今度問題になっている豊洲市場なんか見ますと、一階のこの卸売場、小売売場は面積ほとんど築地と変わらないんです。ところが、この三階と四階に第三者販売のための荷さばき施設だとか仲卸がそれこそスーパーに納品するための加工センターとか、そういうのが広大に造られているんですよ。ですから、私はここでもちょっと言ったんだけれども、まさにこの今度の改正法というのを具現しているのが豊洲市場じゃないかというふうに思います。ですから、築地市場の持っている、今でも世界の市場ということだし、それと相場を立てる市場であるとか、仲卸が頑張っているとか、ほかにいろいろな文化価値、食文化の問題とかありますよね。そういうのがこの移転でその価値を失うのではないかということで、私もこの築地市場の豊洲移転というのは反対。
 単なる、だから、小池百合子さんもはっきり言っているんですね、物流センターにするんだということは、移転のときに言っているんだ、移転というか去年の都議選に出るときですか。だから、物流センター的な機能は豊洲市場がこれから果たすと思うんですけれども、どこまでその日本の固有の優れた卸売市場制度があそこで発揮できるか非常に疑問に思っています。
 以上です。
#188
○藤木眞也君 ありがとうございます。
 御丁寧な御説明ありがとうございました。時間が相当短くなってきましたので、もう一問お聞かせいただければと思います。
 私は、市場に野菜がたくさん集まって、そこでしっかりした流通を行っていただくことによって本来の価格形成というのができていくのが一番いいことなんだというふうに思っておりますけれども、なかなか、今回の改正でもう一つ心配をするのが、磯村参考人は東京の市場ですのでそう大きな影響はないのかもしれませんけれども、私たちのような地方に行けば、どうしても地方の財政力のない行政が携わっている市場があろうかと思います。そういう財政難に苦しむ自治体が地方市場からの運営からの撤退をこの機会に行われるんじゃないかなというような懸念もいたしますが、その辺、磯村参考人だけぐらいでもう時間がなくなると思うので、磯村参考人にお願いします。
#189
○参考人(磯村信夫君) それは本当に懸念をしてございます。ただし、民間でもきちっとできるようにしなければならないというふうにも思っております。そのときの条件として、お借りしている広大な面積のお家賃は、少なくても公的なものとしてはしていただきたい、こういうことです。
 今、豊洲の市場の例も引かれて、市場として第三者販売というようなお話もありましたが、時代とともに卸売市場に要求されております機能が変わってきています。仲卸さん、例えば実際の例で市場法の中で第三者販売している例を具体的に見ますと、仲卸さんが品目別の仲卸さんで、そのものについてはプロですけれども、要望があるのは例えば給食業者、給食業者でも学校とそれから養老院等のところは、仮にお魚でも骨があるなし、こういうような形で違ったり、いろいろ違ってきます。業態ごとの仲卸に変わらなければならない。そうすると、中でのプロセスというのも変わってくる。これを卸売市場に要望しましたけれども、でも、品目別の仲卸のところは、残念ながら第三者販売の形で卸なり他のものがやらざるを得なかったという実例があります。
 なので、もう一回中をよく精査して、今度の卸売市場法でも中に出していく、そして時代とともに要望されていることが違いますので、そこのところで供給していけば決して利益が出ないというわけではないということをまずお考えいただいて、そこで一緒に変わりながらこの卸売市場としての新しいありようを探っていく、そうするとできると思います。
#190
○藤木眞也君 ありがとうございました。
 農家の皆さん、また漁業関係の皆さんに、手取りにつながるような法律改正にお互い知恵を出し合いながら頑張っていきたいと思いますので、今後とも御協力よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#191
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 本日は、三人の参考人の皆様方、大変にありがとうございました。
 藤木委員と同じような視点でまずお聞きをしたいのでありますけれども、やはり民間企業が中央市場の開設者になれるというところに皆さん共通で危惧を抱いておられるというところで、磯村参考人は特に開設区域の話をされましたけれども、そうした危惧を回避する意味でも、開設区域に代わる新たな仕組みというのを考えておられるようでありますけれども、その辺についてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
#192
○参考人(磯村信夫君) 飛行場にしても港湾にしても、その地域の社会的なインフラとして、それぞれ市町村だけではなくて県をまたいだ中でもってやっていく、これができているわけでありますので、現に、確かに開設区域というのは大切です。そこの税金でもってしております。でも、東京の例では、いずれも県境のところに中央卸売市場があって、もちろん東京都民が一番最初に、に対して供給をいたしておりますけれども、私ども大田市場は神奈川、あるいは豊洲は今度は千葉方面、埼玉方面、こういうふうにこの地域ではなるでしょうか。
 なので、それぞれの役割が違いますから、ちょうど学校だとか、あるいは美術館だとかがそうですけれども、国立あるいは県立、市立それぞれあるように、この開設区域の、要するに御援助のお金の仕方というのが我々ちょっと分からないんですが、将来は、例えば北陸なんかを見てみますと、人口動態から何からするとなかなか難しい場合には、それぞれの拠点の卸売市場は金沢に一本つくって、そしてブランチの形で例えば富山だとかあるいは福井だとか、そういうようなところにして全体を供していくというような形ができないものかというふうに実は思っています。それだったら、一どきに荷物引けますし、物流コストにも対抗できますし、文化的な背景もそこのところでできるので、地域の皆さん方も安心してすばらしい食材を優先的に供給される、要するに受益を受けられるということをイメージをしてございます。
#193
○横山信一君 貴重な御意見、ありがとうございます。
 次は三人の皆さんにお聞きをしたいのでありますが、やはり量販店による寡占化というのを心配をされているということを踏まえてなんですけれども、IoTが進み、そしてまた少子高齢化に伴ってネット販売が今大きくなってきています。今後もこのネット販売の拡大は続いていくんだろうというふうに思います。そういう意味では、量販店も店舗を持たない販売形態と戦うということにこれからなっていくと。そういう意味では、量販店も今後何らかの変遷をしていくんだろうというふうにも思っております。同時に商物分離も進んでいくのかなというふうにも思います。
 このような中で、中でも生鮮食料品については、やはりその産地や季節によって品質が変わってきますので、品物も変わりますし、いわゆるこのネット販売にはなかなか似合わない。消費者もそれは恐らく、まあ求める人は求めるでしょうけれども、皆一様に流行していくということにはなかなかなりづらいだろうというふうに私は思います。そういう意味では、生鮮食料品を扱う卸売市場の役割というのは依然として今後も重要だろうと考えるわけですが、他方、一般家庭にあっては、少子化が進む、それから女性の社会進出も進む、そういう意味では家庭の中での中食化、外食化というのもどんどん進んでいくと。
 そういうふうに考えると、家庭での生鮮食料品の比重も下がっていくのかなというふうに考えるわけですが、こういう傾向の中で、今後の卸売市場というのをどう考えるかというのを三人の参考人の皆様方にお聞きをしたいと思います。
#194
○参考人(菅原邦昭君) お答えいたします。
 まず、これから少子高齢化だと、あと家庭もかなり共働きで忙しくなってくるからということで、縮小していく傾向にあるんじゃないかということですね。
 ただ、これは基本的には、今の御質問が包括されたやつでよく与党・政府側の意見としてあるんですけれども、卸売市場の取扱数量というのが減っている、確かにそうなんです、厳密に発表すれば確かに減っているんですよ。その主要な原因は何かというと、本来は、大正時代の中央卸売市場法では生鮮食料品だったんですね。戦後は結局焼け野原になりまして、かまぼこ屋さんとかが復興しても流通ルートが確保できなかったので、冷凍加工品類がどっと中央卸売市場の取扱いの中に一定の割合を占めるようになった。それが、元の当たり前の所在地に帰っていっている分が卸売市場の取扱数量の基本的な変化の一番大きな要素なんですね。
 それ以外のことは二つの要素があると思います。景気の低迷による結局買い控えですね。これともう一つは、共働きしないと本当に、昔の平和な時代の共働きと今の共働きは違います、形態が違いますし。ですから、生産様式が変わると社会様式が変わる、そうすると生活様式も変わる、労働様式も変わってしまうという原則の中で、かなり調理という食文化、これを楽しみながら家庭で調理するというゆとりがない人のために、今、総菜というのは西日本から東日本に総菜ブームがどおっと押し寄せて、スーパーなど見ますと総菜コーナーが今から十年前の二倍、三倍、四倍と並んでいて、老人世帯向けだ、子供が二人いる人向けだというようなやつで、サラダから何から全部そろっている時代ですよね。
 これはこれで、やっぱり国民の労働環境の中での食生活を保障するという意味では、これは卸売市場で加工していないからそこが問題だじゃなくて、卸売市場でも加工しながら、そういう緊急的な食生活に依存せざるを得ない人たちをどう考えるかというのは、これは一つの問題として、卸売市場の欠陥とか欠点とか取扱いとか減っているとか、そういう問題に収束していくのは原状の回復からずれた問題の意識だというふうに私は思っていますので、卸売市場はこれからも、みんながやっぱりそれなりに家庭での食生活に文化を取り入れられるような状況をどうつくるかということが国会の中で議論されなければ、どこで議論するんでしょうかと私は思うわけです。
 ですから、卸売市場の生鮮食料品を中心とした流通の役割というのは守っていくべきだというふうに思いますし、ごめんなさい、もう一つ。
 開設区域の問題というのは、今の問題で十分解決できるんです、今のやり方で。地域経済という考え方です、中央卸売市場は。そこで、流通でふんだんにあるものは困っているところにお互いキャッチボールする仕組みが卸売市場のネットワークなんですね。これ、開設区域いじらないとできない問題じゃないです。今までもやってきたし、これまでそうやってやってきているんです。ただ、どうしてもこれでお金もうけたいという人は不自由でしょうね。そういう問題だと思います。
 時間がないのでここまでにします。以上です。
#195
○参考人(三國英實君) 私は、最初の問題は、多面的な流通という言葉を使っているんですよ。だから、例えば朝市とか、それから直売市とかネット販売とか、最近はドラッグストアまで生鮮食品を置くようになって、非常に流通が単位化しています。それは状況がそういうふうにしているんだと思うんですけど、そういう流通が単位化する中で、卸売市場はそれじゃ役割がなくなったんじゃなくて、卸売市場は独自の役割があるということを強調したいんですよ。
 それは、やっぱり何だかんだ言っても、やっぱり沿岸漁民が魚を捕って頑張ってきた。あと、家族営業的な農家が青果物の生産を担っているわけですよね。だから、そういう多数の生産者と多数の需要者をつなぐ役割として卸売市場があるということをさっきも言いましたけれども、特に卸売市場は、中央市場あるいは地方卸売市場も含めて、そこで頑張っておられる卸業者、仲卸業者といったら決して大企業じゃないですね、中小企業がほとんどそれを担っているわけです。
 だから、日本のその卸売市場を担っている中小業者がまた産地の生産者、消費地の消費者、あるいは小売商をつなぐ役割は厳然として今卸売市場が果たしているというふうに思うので、あと価格形成の役割はさっきから出ているとおりですけど、そういうふうに思っています。
 それと、食生活の問題ですか、生鮮食品の消費が減ったという問題ですね、これをどう見るかということなんですけど、私は、やっぱりいろいろあるけれども、全体として、今、パート労働者が四割を超えるような状況になっています。平均収入が二百万以下の方がもう労働者の中の大部分を占めるようになってきました。そうすると、家計支出の中でどうしても家賃だとか教育費とか払わなきゃならない部分が引かれていくわけね。そうしますと、どうしてもやっぱり切り詰めるのは食費になるわけですよ。食費を切り詰めるということになりますと、どうしても多少品質が下がっても安いもの、あるいは外食産業でも安く食事をできるようなところをやっぱり利用せざるを得ないというこの貧困化に伴う食生活の変化ということが、やっぱり生鮮食品を、魚でも果物でも野菜でも自分で買ってきて、家族で、それを料理して家庭団らんで食べるという、そういうやっぱり労働者の労働環境とか生活環境ががらっと今変わってきていますから、その根本にはやっぱり、さっきも話に出た貧困化という、格差と貧困という問題が私はあるんじゃないかというふうに考えています。
#196
○参考人(磯村信夫君) 卸売市場のプラットホームは、やはり商流と物流と、それから情報と決済と分けてそれぞれ別々でも使えるようにするということが必要だというふうにまず思っています。
 ですから、当然、ICT等が発達をしてきましたら、産地の品質評価というのもそれなりにきちっとPC上でもって、ネット上でもってできるわけでありますので、そして画像も大変すばらしいものでできていきますので、前日、もう出荷のタイミングのところでもって先に売る、あるいはもう場合によっては商物分離をする。現に、農林水産省傘下ではありませんけれども、オークネット、中古車オークションのところが花を扱っておりまして、これは前日、産地でもって出荷物、出荷が、荷割りができた段階でそこのものを情報にてもう既に販売をしております。で、こちらの方に来ましたら、佐川さんがそれぞれ小分けして配達までして幾らと、こういうような形でもってやっておりますが、そういうようなことは当然にしていくべきだというふうに思っています。
 また、同様に、仲卸さんの販売につきましてもまさにそういうふうで、仲卸さんが、場合によりましてはBツーCというようなことも当然に考えられるわけでありまして、あるいはBツーBでもそうでありまして、お総菜に一歩近くパッケージ化をする、花の場合には既に店に売れるような形でパッケージ化、花束化をしたりアレンジ化をしたりして、そこのところでもってお届けするというようなことの業務はしていかないと、それぞれ女性軍もお忙しいですから、また孤食でもありますので、その辺はやはりきちっとしていくべきだろうと思います。
 卸売市場は今まで商流も物流も情報も決済も一緒に非常にスピーディーにやってまいりましたので、そこのところは卸売市場というプラットホームを個別でもお使いいただきながら、やはりきちっと皆さん方に卸売市場を利用していただくべきだというふうに思っています。
#197
○横山信一君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
#198
○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 磯村参考人、そして菅原参考人、三國参考人、今日はそれぞれのお立場で貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 現政権になってから、官邸主導、そして規制改革推進会議の提言で、農業、それから林業、今度は水産業、さらにはこの市場法の改正と様々な改革が行われてきたわけであります。
 よく意欲と能力のあるという言葉が使われるんですけれども、今回のは資力と能力があるということで、お金がなければ開設できないということなんですけれども、属性も問わないという話でありまして、そこで皆さんにお伺いしたいんですけれども、開設者となる者に求められる資質、それから市場運営に携わる際の要件、これについてどのようにお考えか、それぞれお伺いしたいと思います。
#199
○参考人(菅原邦昭君) 卸売市場の開設者の役割ということであれしたいと思いますが、卸売市場というのは地域経済政策に密接に関わって存在してきた制度なんですね。先ほど言いましたが、国家経済にでなくて、それぞれの地域の実情。なぜかといったら、家賃も違うし、食料品の値段も違います。それぞれの地域で公正な価格を形成するということが一つあります。それは、地域住民のために責任を持つんですね、地方自治体や公共団体が。そういう面が一つ。
 それともう一つ、責任を持つことが実は一番重大なことで、これは公共じゃなければ絶対できない問題があります。それは、地域の経済政策と卸売市場制度というのは密接に関与しているからです。
 これは、私たち、先生方にも御協力いただいていろいろ調べました。仙台の中央卸売市場、水産物部で約六百億、年間、魚を扱っています。この六百億というのは、産直でやっちゃえば、食べられて終わりなんですよ。ところが、これは、卸売市場は個人消費者にお売りする場所ではありません。皆さん、地域で活躍する地域活動家、地域経済活動家に販売されて、そこで付加価値を付けられるんです。付加価値付けるためには雇用が必要です。一番高いのはホテル、旅館ですね。一人当たり一万数千円いただきますが、そこで一人当たりに水産物、例えば言えば千円だとすると、付加価値何十倍ですか。そのために雇用が生まれるわけです。つまり、水産物も青果物も、卸売市場から外に出ると、地域の雇用を生むんです。これが非常に大事なんで、中央卸売市場の開設区域には自治体が責任を持つとなっているんです。
 ところが、先ほど言いました、国家経済に関与できる人たちが今度は資力とあれがあれば、開設者にも入れるし、価格の決定権は握るし、流通経路決定権だってその人に行く仕組みですよ、これは。これになったら地域経済はお手上げで、地域経済の雇用が圧倒的に、こんなこと許していいんですかというのが私の皆様へのお願いなんです。誰が見ても明らかなことじゃないですか、これは。
 ところが、周辺的な議論ばっかりしているんですね、コンピューターがどうした、ああした、こうしたと。それはもちろんそういうのは活用したらいいんですよ。そのこととこの地域経済政策に地方自治体が責任を持つからこそ開設者をやっているんです。ここのところを曖昧にしていては、このまま時間切れですなどということは絶対ないように心よりお願い申し上げて、回答に代えます。
#200
○参考人(三國英實君) 民設民営市場というのは、今、地方卸売市場の場合はほとんどなんですね。だからといって、勝手にやっていいかということじゃなくて、卸売市場整備計画、整備方針というのがあって、国で立てた整備計画がベースになるんですけど、その後、都道府県でまた都道府県の整備計画、整備方針を立てるわけです。そこで一定の機能、役割がそれぞれの開設者に求められるわけだから、今、民設民営の地方卸売市場でも、えらい機能してちゃんと運営しているところはあります。
 だから、そういうやっぱり管理というか、市場の配置計画とか、そういうのがバックにあるから地方の民設民営市場もきちんと機能しているんだと思うんです。ところが、その管理が、制度がなくなりますと、それはもう、さっきから話あるように、どういう資本が入ってくるか分かりませんよね。
 もう一つ問題は、中央卸売市場に関しても、開設者が民間でもなれるということなんですね。だから、さっき言ったように、僕は量販店がなるというのはちょっとすぐは考えられないんですけど、やるとすれば、どこかの開設自治体が、もう今取扱量が減ってきて転送に依存しなきゃいけないとか、こうやって利益が減っている、それで市場の使用料が地方自治体に入らないわけですね。それで、地方自治体が一般会計から市場会計に負担する割合が非常に高まっているんです。これ以上行ったらもう経営が公設市場としては成り立たないということになると、もうこれはどこかに売って、買ってもらうしかないということになると、それこそ具体的にはどこが入るかというのはちょっと予見ができませんけれども、必ずしも量販店だけじゃなくて、総合商社とかそういう大規模な流通資本がそこを買収するという可能性はあるんじゃないかと思います。
#201
○参考人(磯村信夫君) 開設者は、まず差別的取扱いの禁止、受託拒否の禁止等、取引についてフェアな取引をきちっとできるところ、そして、もしそれがフェアでないとしたときに、一定のペナルティーを与えるだけの強い力の持っているところがどうしても必要だというふうに思います。
 それから、どうしても設備を更新をしなければなりません。鮮度保持のために低温のそれぞれの施設、あるいは物流も多いですから自動のもの、そして情報ももちろんスピーディーにやらなければなりませんからIC等のネットワークほか、幾つも幾つもお金の掛かる、当たり前ですけれども、ことをしなければならない。それを踏襲してくださるのか、あるいは家賃できちっと取るのか。家賃で仮に取ったときには、中の業者が時代に合わせてこの卸売市場を活性化できるというような形のテナント業者、これは卸にしても仲卸にしてもそうですが、そういうようなものじゃないといけないというふうに思います。
 今、ややもしますと、仲卸さんが三〇%近く赤字のところがありますが、これは数の問題なのか、あるいはそれを一つ利権になってしまって努力を怠ってしまったのか、私はちょっと分かりませんが、少なくてもそのこと自体がずっと続いているということ自体は、やっぱり市場は活性化できませんので、市場は期待されていますから、それぞれ期待に応えてきちっとやれば必ず商いが成り立って市場が活性化するはずなので、そのことを指導、経営指導まで含めてできる強い力というのが必要だろうというふうに思っています。
 以上です。
#202
○徳永エリ君 菅原参考人が手を挙げておられましたので、まだおっしゃり足りないことがおありのようですから、どうぞ。
#203
○参考人(菅原邦昭君) 今お話にあった問題でいいますと、まず、開設者が今全国で市場が重荷になっていると、財政的にね。私、これよく聞きます。この市場見直しのときにもよく聞くし、先生がおっしゃっていることはまさにそのとおりで、先生、私と、今から話すこと、同じことを申し上げるつもりでいたんだと思うんです。
 中身ちょっと広げてみますと、一つの市場、東北の市場の一つの、この一般会計から市場会計にという問題が出てきますと、そこの中で意外と皆さん知らないのは、市場の開設者は、市役所から市場の中に役所の方々はみんなスタッフを置きます。そこに係る役所のいろんな経費、それは全部市場の家賃収入とかなんとかで賄われている、市場会計の中から支払われているという現実が皆さん共有できているでしょうかということなんです。そして、役所の人たちはみんな退職金の分もそこで積立てさせられているんですよ。
 こういう会計上にあって、だから市場は金掛かるから手放したいんだという話を、そこの部分は隠しておきながら助長するというやり方は、是非、もう既に何年も私これ意見書として国にも出しています。もうそろそろそれを日の目に出して、もっと深刻に議論するべきだと思います。それがバーター取引のようにして、だから開設者を認定制に変えろみたいにやられたらとってもたまらないというのが私のあれだし。
 もう一つは、築地市場のおかみさんたち、この方がやっている築地市場というのは、東京も大阪も京都も、地方経済があるんです。なぜなら、あそこに寄り集まって、ああ、寄り集まってって失礼だけれども、あそこにみんな買い出しに来ている方々、そしてそこに売っている方々、みんな東京の地域経済を担っている人たちなんですよ。あの方々、みんな国家経済にあずかって利益を受けている人たちですか。ほとんどが違います。ですから、築地の女将さん会の方が移転の問題だけじゃなくてこの問題反対しているというのは、東京にも地域経済があることの立派な証明だと私は思います。
 以上です。済みません。
#204
○徳永エリ君 ありがとうございます。大変参考になりました。知らないことを教えていただきまして、ありがとうございました。
 それから、この改正案の第一条、「目的」のところに、「生鮮食料品等の取引の適正化とその生産及び流通の円滑化を図り、もって国民生活の安定に資することを目的とする。」というふうになっているわけであります。適正、そして円滑な取引ができれば国民生活の安定に資するんでしょうけれども、そこに今大変に不安があるわけですよね。
 卸、仲卸、そして中小の小売店あるいは飲食店、消費者というふうになるわけですけれども、こういう方々への影響、いわゆる一般国民への影響ということに関しては、今回の法改正ではどんなことが懸念されるでしょうか。
#205
○委員長(岩井茂樹君) 誰ですか。
#206
○徳永エリ君 三國先生、じゃ、まず。
#207
○参考人(三國英實君) やはり、先ほどから出てきているように、第三者販売というのは、もうその卸売市場の仲卸あるいは買参人に関係なく、直接その卸が、これはもう開設区域なくなりましたから、卸売業者は全国どこのスーパーでも取引できるというふうになるわけですね。そうすると、やっぱり地元にとっては、あるいは地域にとっては、それから置いてきぼりにされちゃうという可能性が非常に強いんじゃないかというふうに思います。まあ一例を挙げれば。そういうことです。
#208
○徳永エリ君 それでは、続いて同じ質問ですけれども、磯村参考人、いかがでしょうか。
#209
○参考人(磯村信夫君) いろんなケースがあると思いますが、花の場合には小売店が圧倒的に強いので、要するに、小売が強い、小売の数が多いということは、卸売市場として機能するのにやっぱり最高なんですね。それから、生産者もそんなに大面積を作っているわけではありませんし、また同じものをいっぱいいろんなところが作っているわけではありません、見るものゆえに。よって、卸売市場の機能というのはきちっとできますので、花の場合にはそんなに問題ない。
 しかし、食べるものについては、やっぱり懸念の一つあることは事実です。それをどうするかということなんですけど、やっぱり文化圏ごとに少なくとも残れるような一つの施策というのはどうしても必要ですね。そうじゃないと、食文化って違いますからね。というふうに思っています。
#210
○徳永エリ君 生鮮食料品が市場に集まってくるからこそ、そこから、例えば仲卸さんなんかは、目利きというんですか、もう何十年も同じものを見ているわけですから、いいものを選ぶ目があるわけですよね。これは、飲食店なんかは非常にこだわりがあって、この仲卸からしか買わないという人もいるわけですよ。
 そういう人たちが市場の中からいなくなったらこれどうなるんだろうというふうに思うんですが、菅原さんに最後、もう時間がないので、その点を伺って終わりたいと思います。
#211
○参考人(菅原邦昭君) 食文化という点で一番、もう日本最高峰、全国の中央卸売市場、それぞれの地域の食文化、物と一緒に食文化が集まってくるところが中央市場だという点は、時間があったらまた別個に話したいと思いますが。
 そして、これが、先ほど言いましたように卸売市場制度というのはネットワークになっています。トップにいるのが築地の皆さんなんです。ですから、全国の食文化の情報を、それこそ卸売市場ができてから約百年、そしてその前からの食文化、これらが結集したやつがトップに集まってくるので、商材にしても食のそれぞれの料理の文化にしても築地がトップだというのは、そして、これは卸売市場制度が支えてきたからで、それは地域経済の中で生まれた食文化なんです。大企業がどこかで効率的においしいものちょこちょこっと作ったからこれ売れるぞってやっているんじゃないんです。地域に密着しながらやってきた、アグリカルチャーのカルチャーのことですよね。食文化というのは、そこからやっぱり脈々と積み上がってきた。これを一気に潰そうとしているんですよ、今。
 そして、外国に売れてお金持ちに買ってもらえそうなものだけ売れればいいんだ、あとは国民はみんな輸入物食えと、こんなばかなことを私は絶対許しては駄目だと思います。
 ごめんなさい、以上です。
#212
○徳永エリ君 ありがとうございました。
 ますます心配が深まりました。やっぱりこの卸売市場法の改悪は大変に問題があるということを改めて皆さんの御意見から分かりました。
 どうもありがとうございました。
#213
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。
 私も菅原参考人とほぼ同意見でございまして、考え方を少し整理してから質問をさせていただきたいと思います。
 元々、もう釈迦に説法ですけれども、これは廃止を提言にして、そこから加工されて法律案が作られました。自由民主党、与党の方でも相当巻き返したというふうに聞いておりましたので相当期待をしておりましたけれども、いわゆる規制改革会議や未来投資会議の方々も納得しないと法律案になりませんので、どこかにからくりが隠れているというのが我々の考え方でありまして、斜めから透かしていろいろ読みましたところ、いろんな心配が重なってまいりました。
 まず、今までの体制の中でもっともっと工夫の余地を広げるということであれば、認可制を変える必要はないんですね。認可制から認定制にするということは、何かからくりがある。それは、将来的に国の関与をどんどん下げていくということと、非認可の市場がないとすれば非認定の市場が新しく誕生するということでありまして、そのことを前提に本会議でも質問をさせていただいたところであります。
 三國先生から先ほど、量販店がすぐさま非認定の物流センターに手を出すとは限らないけれども、将来は分からないと。私もすぐということはないかと思いますけれども、まずこのままでいくと、荷物が減っていきます、小売店はどんどん減っていきます。インターネット取引もどんどん増えていきますし、先ほど確認があったように家庭での食事の在り方も変わってくると。公設の中央、地方卸売市場はますます厳しくなっていきますので、民間になったり、そしてその先に非認定にチャレンジする事業者が出てこないとは限らないというのが私の立場であります。
 まず、菅原参考人にお伺いをしたいんですが、資料の中にそれを相当見越した洞察力が鋭い情報が蓄積されているんですけれども、なぜここまで情報を集められたのか。そして、東北のというふうにおっしゃいましたけれども、全国の仲間は同じ危機感を共有しておられるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#214
○参考人(菅原邦昭君) なぜということでなりますと、私は、ちょっと変な話になりますが、卸売市場制度を実際に中心になってつくられた大正時代の大野勇先生、この方の資料を全部受け取られて戦後、食糧難のときに卸売市場制度と仲卸制度の大事さを訴えた日経新聞元記者の大柳正さん、そして、その方から全部資料を受け取って、つまり大正時代の資料を受け取った枠谷光晴先生、この方、亡くなられましたけれども、この方から直弟子として、私、この三十年間、実は十数年ちょっと前に亡くなりましたけれども、この方から教えを受けていました。この教えで見ますと、なぜここまで見れるかじゃなくて、この教えから見ると、つまり地域経済のために卸売市場制度はあるんだと。暴動を起こさせないためには公正な価格形成と同時に買える、お金がないと買えませんよね、そういう良法をつくったんですよ、あの大正時代に。
 この視点から見ますと、今回のやつは、ああ、そうか、これを国民のための制度から、集荷、物流センターに、誰のための、はい、多国籍資本と量販店のための集荷、物流センターで、TPPのこれは露払いなんだなということがはっきり見えますし、イコール、かぎ括弧付けますよ、このタイトルには「それでも税金投与付き」。誰のためのあれなのかに、引き続き税金をあれするために、今回は卸売市場の改正とやっているだけで、これは、だって卸売市場の特徴である取引規制が全部外されて、あとは開設者、誰入ってもいいよ、あと手続の問題しか残っていないんですよ、条文。これは何かといいましたら、もうそのネーミング、多国籍資本のための集荷、物流センター「引き続き税金投与付き」そのものだというふうに私は思います。
 以上です。
#215
○小川勝也君 三國先生が、豊洲市場と築地市場はどこが違うのかと、これは建築ジャーナルという本に寄稿されておりました。これは川田委員から見せていただきました。
 実は、築地市場の移転問題から豊洲の市場の設計図が書かれたのは今からずうっとかなり前であります。しかし、この設計図、図面から、まさに今菅原参考人が言われた物流センターだということがもう看破されているわけであります。今回の卸売市場法の改正と、それを見越して豊洲市場が建築のために設計されたのではないかという点で、短く解説をいただければと思います。
#216
○参考人(三國英實君) 二〇〇四年に卸売市場法が改定されて、あのときの法律改正の中で、これからはもう卸売市場つくらなくてもいいと。要するに、公益的な中央市場と、あと、さっきから話ある、もう営業が厳しいような中央卸売市場は地方卸売市場に転換しなさいと。その地方の中央卸売市場が転換するためにいろいろ四つの条件があって、それは使えるとか、その中に、さっきからある一般会計から市場会計に入れる率が高いのもその条件の一つだと。ですから、さっきお話ししましたように、もうピーク、八五年ぐらいが大体ピークなんです、中央卸売市場。その後、その整備計画に基づいてどんどんどんどん中央市場が地方市場に転換してきているんですね。
 それが出た二〇〇四年の頃、ちょうど築地市場の豊洲移転というのが非常に具体化してきている。そして、その後、二〇〇七年ぐらいに汚染問題がはっきりして、もちろん、ああいう土壌汚染のところに移転するのは反対だということでやられる。私は、その二〇〇四、五年から出た基本構想から、これは単なる卸売市場じゃなく、まさに集配センターを造るものでないかということをずっと見ていたんですよ。
 というのは、その頃の文章にはもう、特に首都圏の、東京都の市場じゃないですよ、これからの豊洲新市場は首都圏の基幹市場でハブ市場機能を果たす。ハブ機能というのは分かりますかね。要するに、ハブ空港みたいなもので、一旦来たものをまたほかの地域に分荷するような、そういう市場にすると。あと、輸入基地にするとか、そういういろいろな点があって。
 あと、さっきお話ししたように、要するに、築地はやっぱり物流というか転配送センターにするための施設が少ないとか、荷さばき場が少ないとか、加工、パッケージ施設が少ない、だから移転するんだということなんですね。
 だけど、やっぱり、確かに物流という点から見たら、あるいは集配センター機能を持たせようと思ったら築地市場は対応できないんですけど、僕は、築地市場の役割は、今でも四百八十くらいの例えば魚でいうと扱っているわけですよね。そして、あと建値市場なんです。建値市場って分かりますかね。そこで建てた相場がほかの市場の参考になる、そういう市場の役割があるんですよ。あと、さっきから出ているように仲卸の目利き力とか、もうあと最近では築地市場の建築文化価値まで言われているんです。あと、場内に、何ですか、魚がし横丁というのが百軒くらいあります。その周辺に四百軒の場外市場がある。それが一体となって築地市場の文化なり形成しているわけですね。だから、それが本当に東京都にとってはこれ貴重な財産じゃないかというふうに思うんだけれども、何でそれを簡単に潰してしまうのかと非常に疑問に思うんですよ。
 しかも、さっきも話したように、築地市場の場合は、確かに築地市場も売上げ減っていますけれども、例えば塩干物だとか冷凍魚とか、そういうのの比率は確かに減っておるけれども、生鮮魚介類、生鮮魚介類って分かりますよね、鮮魚だけじゃないですよ、活魚もあるし、貝類もあるし、海藻類もやりますからね。そういう生鮮物だけ見たら、むしろ築地市場は取扱い占有率伸ばしているんですよ。だから、そういう非常に貴重な役割を持っているのが築地市場ですから、これは単なる物流センターにしちゃいかぬじゃないかなというふうに思っています。
 以上です。
#217
○小川勝也君 この先生の文章には、築地はやはり仲卸文化で、特にマグロ屋さんが大物業会といいましてこれ花形なんですけれども、私も三十年ほど前にこの仲卸の皆さんにいろいろ教えていただきました。間口が狭くなって、マグロを仲卸さんのお店で解体できなくなっていると、これが豊洲の設計図だそうであります。そして、それに比べて大きくなったのがスーパー向けの荷さばき場、これが大きくなっているということでありますので、今の法改正を見越して設計をされたということがもうありありだというふうに思っています。
 そして、磯村参考人にもお伺いをしたいと思います。法改正の間に、役職柄、いろいろと呼ばれて御意見を述べられたかと思います。
 私事ですけれども、一九八九年の大田花きが誕生したときにもお邪魔をさせていただいて、最新の施設も見させていただいたところであります。花卉を扱っているということで特殊性があります。そして、首都圏であるということで特殊性がありますけれども、この廃止の議論から、公的関与が薄くなっていくのではないか、地方自治体から民設になるのではないか、そして、もっともっと荷が少なくなっていくのではないかということと同時に、衆議院から参議院へと懸念が示される議論がここまで広がってまいりました。
 当初とちょっと違ったなとか、こんなはずじゃなかったなという思いがありましたら、お聞かせいただければと思います。
#218
○参考人(磯村信夫君) 卸売市場行政あるいは方針についてのことです。
 国の関与あるいは地方自治体の関与が何か少なくなっていくように思います。そこが心配のところです。一方、今まで変わる必要のないものもあれば、これの法律があって、むしろその産地やら買手にコスト増だとか、あるいは鮮度の問題で大変だっただとか、例えばそういうのもあります、例えば商物分離始めですね。幾つかそういう、法規制で実情に合わなくなってきているものもあります。
 そういうようなものがきちっと今度できて、説明さえすればみんなに御理解いただいて、それはそうだよなというふうに言えるものは、そういう取引ができるということは大変良いこと、自由度が高まって良いことだというふうにも思います。
#219
○小川勝也君 私も、想像力を強くして、国の関与が明らかに少なくなっていく、それから廃止を迫られて今回の改正になっている、五年後の見直しには廃止まで行くのではないかというふうに心配をしておられる方もいます。それから、地方自治体が開設しづらくなって、民間の方が助け船を持ってきてくれれば、これがチャンスだなと思って手放してしまう地方自治体もあるのではないかというふうに懸念をいたします。
 菅原参考人にお伺いをいたしますけれども、その先に、民設の事業者が認定事業者を外れれば、まさにいわゆる縛るものが何もなくなるわけです。冒頭お示しいただいた百年前の問屋の再現であり、私は信じたくありませんけれども、何たら会議の中には、その問屋になってその利益を取りたいんだと思ってこの提言をされた方がいないとも限らないと思ってこの審議に参加をしています。その懸念について、菅原参考人からお聞かせいただきたいと思います。
#220
○参考人(菅原邦昭君) こういう場ですので個々の企業名は挙げませんが、確かにそういう動きが、既にこの提言が出される以前から動きが出ているということは知っておりますが、これは後で、別室で個別に、ここだけの話でお話しさせていただきたいと思います。それがまず一つです。
 あと、それともう一つは、地域経済は地方自治体の最大の仕事ですよね。やはり、この間、話題になった悲惨なあの結愛ちゃん事件見たって、根っこは貧困なわけですよ。これが地域経済として、あと地域の社会福祉政策としてやられていれば何とかなった問題なんですよ。この地域経済は地方自治体の最大の仕事ですよね。そして、それをバックアップするのが国の役割のはずです。
 ところが、今回、開設者を民営化できるよと、事実上ですね、こうなってしまえば、開設者というのは市場の中の決まり事、決定権を持っています。何かといったら、業務規則、業務規程というものを作ります。これは今までは市議会で作っていました。今度は、民間の株式会社がなったときは取締役会で決めることになります。これが公共の制度でいいんですかということなんです。もっと言えば、地域経済政策を民間にアウトソーシングする時代にもうなってしまったんでしょうかということにこれは直結する。だとしたら、地方行政そのものもどこかの会社にアウトソーシングするんですか、これから。もっと言えば、政府の各部局、ここはアウトソーシングいいね、なるほど、アメリカでは傭兵制度というのがありまして、国を守ることがもう株式会社にアウトソーシングされているということと全く同じ流れが、今の多国籍資本に侵されている国家経済主義の一番の問題点だと私は思います。
#221
○小川勝也君 三人の参考人の皆様には、本当にためになる御意見をいただいて、ありがとうございました。
 本会議でも申し述べましたけれども、日本全国どこに住んでいても、暮らしていても、公平公正なルールの下によって適正な価格で安心、安全な食料を手に入れられるというのは国民の権利ですし、それをしっかり守ることこそが国の役割だと申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#222
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、三人の参考人の皆さん、本当にそれぞれ貴重な、そして非常に深い話をしていただいて、ありがとうございます。
 それで、卸売市場が生鮮食料品の需要調整と価格形成で大きな役割を果たしているというのは言うまでもないわけなんですけれども、そのために公的な関与があったということは非常に大事なことだと思います。
 今回の卸売市場法の改正は、認可制から認定制ということで変わるところが大きなポイントなんですけれども、この許認可を受けない卸売市場をつくることが可能になるという説明を受けたわけですね。ということは、認定卸売市場とそれから認定を受けていない認定外の卸売市場が共存するということが生まれるんじゃないかと。
 それがどういう影響があるのか、実は午前中の政府質疑の中でもお聞きしたんです。そしたら、答弁は、認定を受けない卸売市場を国は指導監督はするのかといったら、これはすることになっていないわけですよね。認定を受けた卸売市場にじゃ影響が出るんじゃないのかというふうに聞いたら、調査はしていないということだったんですね。
 やっぱり認定を受けた卸売市場と受けていない卸売市場が共存する状態についてどのようにお考えになるかということを、三國参考人、磯村参考人、菅原参考人、三人それぞれからお聞きしたいと思います。
#223
○参考人(三國英實君) なかなか難しい問題ですけれども、要するに今の認定を受ける卸売市場は、少なくとも今度の改正案に示しているような国の基本方針を守り、幾つかの取引条件も守らなきゃいけないというのがありますよね。ですから、それ自体を、さっきもお話ししたように、裏付ける状況が全部ないわけですから、実際やれなくなった場合は認定されない卸売市場と競争せざるを得なくなる可能性も出てくるわけですね。そうしますと、ますます、認定卸売市場として細かく決めてあるけれども、それが実態として意味なくなるという可能性が私はあるんじゃないかと思いますけど。
 だから、要するに、今度の改定案でも、中央卸売市場あるいは地方卸売市場は認定にするんだと、だからそのほかの市場は、まあその言葉は使っちゃいかぬということは書いていますよね、中央卸売市場とか地方卸売市場。だけど、卸売市場という表現はもう自由に使えるということなんですから、そこがやっぱり非常に大きな問題じゃないかというふうに思います。
#224
○参考人(磯村信夫君) まず、卸売市場は、差別的取扱いの禁止、受託拒否で、そして価格の出し方というのは、売るに天候、作るに天候ですから、価値プラスそのときの時価、需給バランス、これが中心になります。よって、足りないものは、必要としていて足りないものは、この値段で買参人にどうでしょうか、また、余っているものは、というのは大体が要らないものですけれども、これはこの値段でどうでしょうか、こちらの方は量を多く、こういうふうにやります。
 しかし、認定されていないところはほとんど問屋と同じ商いなので、この実勢、時価がどうしようとも、この人はどうしても五十円じゃなくて三十円でというふうに言ったら、じゃ、腹切って三十円で抑えます、その代わり、この人が余り気にしていないものだとか分からないものでもっていただく、こういうような形でこの買手に気に入ってもらうようにしていきます。
 なので、当初はこの人は確かに良いかも分かりません。ただ、集荷をするときにお金を使わないといけないでしょうね。品ぞろえというのも、多分長い間掛けてくると、まあ長い間ってそんな長い間じゃないですが、農家が安心して出荷できる、あるいは言われなくても出荷できる、これが卸売市場です。片っ方の方は問屋がしていますから、悪いけれどもいっぱい取れちゃったんで出していい、あるいは、こんな珍しいものがあるんだけれども出していい、こういうような調子で一声掛けないと出荷するというのは問屋ですから難しくなりますよね。
 その意味で、品ぞろえができなくなっていく可能性があるので、長期的には戦えると思います。短期的にはなかなか戦うのが、やっぱり買手は都合のいい方に言うでしょうから、なかなか難しくて、その局面ではやっぱり卸売市場は競争に、取引に負けてしまう。
 だから、どうしてもこの産地側の理解というのが卸売市場にとってとても必要になりますよね。多分そこをどう、宣伝と言ったら語弊がありますけど、産地に御理解いただいて、きちっと産地の味方のためのところだということを言うかということだろうと思います。
#225
○参考人(菅原邦昭君) 認定市場、認可市場、それがどういう関係をこれから生み出してくるのかという御質問だと思います。私は、個別のケースを挙げると切りがないし、それなりにそれは議論はできるんですけれども、原則的にはそれはこの改正卸売市場法の懐の中に入ってしまう議論になっていると思います。
 それで、私が言いたいのは、認定も何も受けない卸売市場が逆に、今までの習慣の中で売買の仕方が公正なやり方をやっているところを、民間に委託した卸売市場が逆に、簡単に言うと地域の慣習を無視した多国籍資本、利益効率型の運営を先ほどする危険性があると言いました。それをやることによって、そっち側が今までの習慣を崩壊させられてしまうという危険の方に私は焦点を当てて、この本体をそうさせてはいけないという議論に絞るべきだと、大変僣越ながら自分ではそう思います。
 各論は別です。今大道の部分が間違ったやり方をされているので、ここの部分をやっぱり本格的に問いただしていくべきだというふうに思いますし、築地さんの移転の問題も、実は卸市場制度全体のトップランナーですよ。そこを、全体を今回のTPP型に切り替えるためには、石原元都知事の時代からもうたくらんでいたんじゃないかと言われたら反論是非聞きたいぐらいなんですが、そういう問題なので、是非やっぱり築地の問題も頑張っていただきたいなと私は思っているところです。
#226
○紙智子君 今築地が言ってみれば流れのトップランナーじゃないかという話があったんですけれども、この築地市場の豊洲移転というのは、市場関係者だけじゃなくて、汚染された地域に市場を移すということは、これ食の安全という意味でも非常に大きい国民的な関心になっているというふうに思うんです。
 ですから、市場法の質疑をするに際して、やっぱり築地市場の豊洲移転問題を横に置いていいのかというふうに思うわけですけれども、今回のこの市場法の改正と築地の問題をどういうふうに整理して考えればいいかというところもちょっと、少し三國先生の方にお聞きしたいと思うんですけれども。
#227
○参考人(三國英實君) その辺は今日話できなかったところで、触れようと思っていたんですけれども、先ほども官邸主導型の農政というのがありましたよね。やっぱり今度、衆議院の参考人の意見聞いても、なぜこの今度の改定案が必要なのかというその必要性についても、四人の参考人の方も余りそれは分からぬというか、必要ないというような御意見だったと思うんです、送られた議事録を読みますとね。
 やっぱり今まで慎重だったと思うんです、農林水産省自体が。だから、第十次卸売市場整備方針で、第九次で中央拠点市場構想というのを立てたんですね。第十次は、このいただいた資料にも入っていますけど、検討委員会というのを半年くらい掛けて議論して、その中央拠点市場というのは現実性がないということで削除したんですよね。だから、そのくらいやっぱり農水省はこの検討会、研究会をやることによって、この市場改正については慎重な対応をしていると思うんです。
 それで、なぜこのことを言うかというと、その第九次卸売市場整備方針で中央拠点市場ができたものですから、当時の石原知事は、あのときは民主党の力も大きかったので、現在地再整備か移転かということで議論して、そのための委員会をやっていたんです、私も参考人招致でそこに呼ばれていたんですけれども。それをもうストップしちゃって、第九次で中央拠点市場が出たということで、もうそれが移転が決められてきたということはあるわけですね。
 だから、その辺は、質問とちょっとずれたかもしれませんけれども、要するに、築地市場を豊洲に移転するという問題は、築地市場の価値というのを考えたら、一旦更地にしちゃったら、元は築地を生かすという意見だったけど、今、最近は小池知事も築地は生かすなんて全然言わなくなっていますよね。豊洲移転しか言わないけど。一旦もう更地にして、オリンピックのための駐車場にするという、一旦潰しちゃったらもう全然復活の可能性ありません、四年後なんといったってね。
 だから、やっぱり、一つは安全性の問題、あと、単なる物流センターになるという二点で、私はやっぱり移転すべきでないという意見を持っているんです。そういうことで。
#228
○紙智子君 ありがとうございます。
 ちょっと時間が足りなくなってきたので、もう一つお聞きしたいんですけれども、取引規制について、第三者販売の禁止、直荷引き禁止、商物一致、これが自由化されると。政府は、受託拒否などは残しているからこの三つを自由化しても問題ないというふうに言うわけですよね。私、現状でも仲卸さんの経営というのは非常に大変になっているというふうに聞いていて、まずは経営が困難になっている原因を明らかにすることが第一であって、その分析の上に立って市場法の改正になるんじゃないかというふうに思うんです。
 そこで、仲卸の皆さんの経営の現状、そして、市場法の改正が現在抱えている課題を解決することになるのかということを二点、菅原参考人に、ちょっと時間があれなので、お聞きしたいと思います。
#229
○参考人(菅原邦昭君) 分かりました。
 まず、仲卸の経営状況というのは、先ほどからほかの委員の方からも出ているように、それほど良い状況ではありません。ただ、それは各社ごとに見れば、それなりに成績を出している、かなり厳しい、三年間、ちょっと落ち込んでいるよというところなんかもあります。
 それの根本的な問題は何かというと、仲卸は今もまだ現行卸売市場法でやっていまして、競りで、高いやりを出すというんですがね、高い価格を出して、そして商品を手に入れる競争なんですよ。よく、荷受けさんがいて、仲卸がいて、お互いが対峙して価格が決まるという。いや、卸さんは並べるんです。そして、仲卸と買参人という方々が競い合って高値を付けるのが価格形成ですよね。それが価格形成なんですよ。大概の卸売市場の開設者が作った市場の御案内だと、物流センターのようにパンフレットができていますけど、ここが全く決定的に間違っているんですね。
 そして、もう一つは、その価格形成をきちっとやっぱりしていくということ。これが何で大事なのか。これ、国民の価格つり上げをされるような被害を防ぐということが一つ大事ですが、先ほどもちょっと言いましたけど、生産体制の安全を確保するのに、卸売市場が日々、これは数量が多過ぎて需要が小さかったから価格下がったよという、これは需要の方に追い付いていないから価格上がったよという情報を毎日なぜ発表しているのでしょうか。これは、生産者が生産にコストを掛けます。もちろん銀行からお金を借りたりしてやりますが。これが、日々の価格が伝わるから、あっ、これはそろそろこっちは手を引いてこっちの方の栽培に変えた方がいいだろうという判断の情報を流しているんですよ。
 これは、食料安全保障で流通だけやったって、生産する人の方が、生産体が破壊されてしまえば、皆さんよく御存じのように、でき過ぎのときにみんな顔を真っ青にしてサンマにガソリン掛けてわざわざ焼いたり、土の中にわざわざブルドーザー呼んで野菜埋めたりしている姿見るでしょう。需要に追い付かないときは、こんな失礼なこと言っちゃあれなんですが、誰がやっても農林水産経営は、生産者の経営は成り立ちます。ところが、危機、生産体制の危機というのは、需要を上回ってしまったと。
 ですから、毎日出しているというのは、早めに手を打たないと間に合わなくなるでしょう。植え替えるにしたって、すぐ今日やってぱっと変わるわけじゃないですよ。だから、時間が掛かるから、日々価格を出して、それで赤信号を出したり黄色信号を出したり青信号を出しているのが公正な価格形成のもう一つの一面なんです。
 だから、消費者のためだけじゃないんです。だから、何度も言いますけれども、地域住民、つまり全国の地域住民の食料安全保障体制、その中に、国連の条約の中に入っている食料生産の安全保障、もっと言えば、これ国連では人間の安全保障と言っていますよね。こういうレベルでの捉え方というのが本当に必要だなと、静かにまとめて終わります。
 以上です。
#230
○紙智子君 ありがとうございました。
 本当に貴重な意見を基にしてこの後の質疑に生かしたいと思います。ありがとうございました。
#231
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日ただいまは、三名の先生方の深い研究あるいは成果の部分をいろいろお教えいただきましてありがとうございました。深く感謝を申します。
 ただ、ここで、これだけの講話をいただいて、先生方の全能を引き出して質問するなんということはできる話じゃないし、おこがましいことですから、少しずれながら、三名の先生方に基本的な統一の見解を求めてみたいと、こういうふうに思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
 第一には、今回の法案の改正を見ると、大きな改正だと見るんですね。これは思い切った大きな改正だと見ておって、これうっかりしておくというと、後々ひどい目に遭うんじゃないかというような思いもいたします。また、現行法案を基礎にしたという、菅原先生がおっしゃっていた、一九二三年、大正十二年頃でしょうか、ということでまとめて法案が流れてきたという歴史的背景もありましたが、そこで、捉えてみて一番心配なのは、第三者への販売禁止、これは、ちょっと歴史を振り返るというと、江戸、明治、あの辺は問屋行政が経済の中心を成していて、問屋の出荷調整でもって価格決定されて、あるいは悪い問屋になるというと、蔵出ししないでずっと置いておって高いものを出すから、農民一揆なんていうことが起こったわけですね。そういう事実があって、改正で今日あると思うんですが、こういうのを見るというと、何かまた問屋行政を呼び込むのかなという感じがしないでもないんですね。
 例えば、大手量販店、大手スーパーなどが、三國先生の指摘にありましたように、中央卸売市場や地方の卸売市場、金掛けて集配センターを造る必要ないから、ここへ入り込んでいって集配センター機能を持たして、集出荷を集中していくんじゃないか、ブランド囲みをするんじゃないかという御懸念もあったわけですが、その中で、これともう一つは、現在の法律では卸売業者の純資産の基準額が定められていたんですね。これは恐らく基準を下回る卸売業者にはその許可を与えない。したがって、卸売業を行うために一定な安定した資力の維持が求められたというように認識をいたしております。
 しかし、今回の改正を見るというと、卸売業者の純資金額についての規定はないんですね。これは一体どうしたことなのか。これはやっぱり市場、卸売を形成しているのは、卸売と仲卸と買参人がおって、共同に刺激し合って価格決定して、全国に大体同じような品物、同じような価格のサンプルを送ってきたという機能があるわけですが、こうなるというと、誰でも、資力はそんなになくても誰でもやっていけるというようなことになりゃせぬかという心配があってならないんですが、それぞれ先生方、現場におられるし、三國先生、研究者の視点から、こういうことはどういうことになるのか、現況と見通しを教えていただければと思います。磯村先生から。
#232
○参考人(磯村信夫君) まず第三者販売ですけれども、現実に行われているところを見ますと、転送だとか、それから先ほどもちょっと触れましたが、仲卸さんが品目別あるいは魚種別などになっていて、卸す先の業態別になっていない。今、業態別が強いので、結局、卸が別会社つくって第三者販売しなければならない、こういうような実態が浮かび上がってきます。
 ですので、私といたしましては、この第三者販売、これは、卸が直接、買参権のないところに売るわけで、よっぽどの理由があるはずなので、その辺を精査してもらって、それもオープンにしてもらって、もしそれが、仲卸始め小売が、本当に自分たちの被害が商売モラルの上でもあるようだとすれば、そこの卸はしぼみますから、まず、なぜそうなのか、そして実態を、これ市場流通の一つなので、浮かび上がらせて見せるべきだというふうに思います。
 もう一回繰り返しますが、今のところ、私が知っている限りの第三者販売というのは、同業者間の転送だとかあるいはその仲卸さんの業態が、時代とともに残念ながら追い付いていない、あるいは得意とするのがそういうような業態じゃなかったためにそのような形になっているということです。
 次に、純資産ですけれども、これ大変大きな問題だろうというふうに思っておりまして、開設区域あるいはこれから認定されます開設者にその辺のところをきちっとやりませんと、地方卸売市場になりましても、結局、委託品の場合に、お預かりしている、販売したお金というのは荷主さんのお金ですから、それが他に流用されて倒産するということもあるわけでありますよね。ですから、純資産というのはとても大切です。とりわけ、買い付けの自由化もあるわけですから、本来の仕事に関係のないところに資金が流用されて、そして、具合が悪くなったら預かり物がお返しできないというようなことがありますので、これからの各開設区域、あるいは、これが、農林水産省が直接それぞれのところで認定するんであればその認定、そこの中で純資産のところはきちっとうたってもらわないと。
 卸売市場は、先ほどからお話ししていますとおり、商流と物流と、それから資金流、決済と情報、この四つの流通をしておりますので、ここが肝腎なところなので、これができないといけません。おっしゃるとおりだと思います。
#233
○参考人(菅原邦昭君) それでは、今のに関連して申し上げます。
 第三者販売を説明するのに、この一年ほど農水省の特に限られた人たちは、転送も第三者販売だと申しております。これは全く誤りです。転送というのは今までもありましたけど、これは市場間の需給調整機能なんです。うち方では、それが、おたくではいっぱいだぶついているけど、うち方に足りないんだということをお互いに融通し合う、こんなことは地域経済同士では当たり前のことです。
 しかし、これも厳密に言えば、買参権がないところで売っているんだから転送だろうとやっていますけれども、これは何かと何かを混同するような考え方で、これは大きな間違いです。これは需給調整機能として今までは認められていたものなんですね。これと同じように、仲卸の直荷引きというのも、価格と品質で、需要側から来ているものを探そうと思っても卸の方で準備できないというときにほかの市場から手に入れるんであって、これも需給調整機能なんですよ、価格や品質についてのね。
 やっぱりその問題を混同して、だから第三者販売って今やられているけど、表に出して認めたらいいんじゃないかという議論に使いたがるのが今の流れなので、これは、こういう議論はもうやめましょうと、真剣に、卸売市場法の解説は農水省さん作って持っていますから、なくなったって、この間聞いたら言われましたけれども、どこかと同じですよね、そこに書いてありますよ、きちっと。
 転送と直荷引きは需給調整機能としては当然だと。自分の地域だけ入っていればいいんだじゃなくて、ほかで困っていればそちらにも回しますよということを築地さんが一番やっていらっしゃるわけですよね。そういうことを全く知らないで議論するべきではないし、白紙からやるべきだと思います。
 それともう一つ付け加えますと、今回の卸売市場法は改正案だとなっていますね。これ、野球規則に変えましょう。野球規則で、ルールが全部白紙になりましたというのと同じなんですよ。それで、残ったのは総務関係、球団のフロントで、銀行振り込みは何日にしますとか、そういうやつだけが残って、卸売市場は変わっていないんだと言っているのと全く同じなんですね、これは。あとは皆さんの良識に任せると言っている。これって何て言うと思います、世間では。私たちのところでは、言葉が汚いんで、ペテンと言います。全くそういうことなんですよ、これは。
 私は、こういうことについては、もう審議よりも前に、もう一度今の市場の取引原則を勉強するところから是非国会議員の皆さんにも政府の皆さんにもスタートしていただきたい。お願いしたいと思います。
#234
○参考人(三國英實君) 第三者販売、直荷引き、商物分離、これは今でも例外規定というのはあるんです、ちゃんと現行法にもね。それは、やむを得ないときはそれはやってもいいという条項もありますからね。ただ、今度の場合、制限された条項も全部なくなりますから、自由にやれるという可能性が非常に強まるというのが一番心配な点です。
 それから、中央卸売市場のあれですか。(発言する者あり)いやいや、卸売業者の資産のことですか。あれは今度は、御存じだと思うけど、中央卸売市場に限らず、地方卸売市場も、卸売業者の認可、認定はもう農林水産大臣じゃなくなりましたからね、特に地方卸売市場も。地方卸売市場の卸売業者は農水相の認可が要らないんですよ。認定も要らない、認可も要らない、そういうふうになりました。それじゃどこでやるんだということであれば、公設卸売市場がそこの自治体で条例か何か作ってやりなさいというのが今度の法改定なんです。
 だから、国は全く卸売業者の、何というか、資産とか資格とか、そういうのにはもう関与しないというふうになったということです。
#235
○儀間光男君 ありがとうございました。
 時間がないのでもう最後の質問にしたいんですが、昨年から今年にかけて、昨年八法案、今年九法案ありました。昨年は種子法の廃止法案、機械の廃止法案などなどありました。一連のこの昨年から今年にかけての農林水産から出てくる閣法などを見ていると、まさに市場主義中心で、市場中心で、いわゆる競争力、農業の競争力促進法案などがありましたが、そういう法案による一部農林水産業の改革といいながら、私に言わせると、どうもこれは商業ベース、競争力を商業ベースに乗せた、市場ベースに乗せたものだと思えてしようがないんですね。言うなれば、いわゆる経済産業省マターの法律が出そろってきているというように感じてならないんですね。今回のこれも特に危機感じるんです。そういう意味で、このとおりいくと、農林水産省存在するのかなという心配もしないでもない、真剣に。
 ですから、そういうことについて少し御見解いただければと思います。
#236
○委員長(岩井茂樹君) お三方でしょうか。
 それでは、菅原参考人からお願いいたします。
#237
○参考人(菅原邦昭君) それじゃ、まず一つは、商業ベースになったのが農林水産関係九法案だという話をしていますが、これはやっぱり地域経済の商業ベースには全くなっていませんので。明確にこれを規定しますと、いわゆる新自由主義という言葉がありますね、これは今、限りなく資本原理主義になっています。つまり、多国籍集団の人たちが、自分たちがいいようにグローバル全体をいじれるようにするという流れの中にあるのが農林水産関連九法案だし、一年前の種子法の廃止ですね。これだと思います。
 だから、地域経済からその地域経済の資源、いわゆる原資たるものから全部取り上げられる流れにあるというふうにまず捉えるべきであって、そういう意味では商業ベースに変更じゃないんですね。多国籍資本に貢献する形に変更されているというふうに私は取るべきだというふうに思います。
 そして、あともう一つは、この商業ベース商業ベースというふうに言うことであたかも商業が活性化するかのように受け取られること、これは全くの誤解で、大手多国籍資本以外は競争相手がなくなって、やがては、数十年前、日本に規制緩和が入る前にイギリスでその被害が出て、シャッター通り、商店街空洞化……
#238
○委員長(岩井茂樹君) 誠に恐縮ですが、時間が参りましたので、簡潔に。済みません。あとお二方いらっしゃるので。
#239
○参考人(菅原邦昭君) はい、分かりました。
 そういうことですね、私は警戒すべきだと思います。
#240
○委員長(岩井茂樹君) 済みません、よろしいですか。
#241
○参考人(三國英實君) 今度の法律が出る過程は、まさにあの規制改革推進会議が契機になってやってきていますよね。今までは少なくとも卸売市場法を改定する場合は、必ず事前に農水省では研究会、半年から一年掛けてやって、その成果を基にしてやっているんです。今度の第十次の場合も、このいただいた資料の最後に出ていますけれども、検討会の議論で、それを踏まえてさっき言った中央拠点市場を削除するという、だから本当に慎重なことをやっているんです。
 あともう一つ言えば、第何次卸売市場整備方針とか整備計画、これを立てるに当たってもやっぱり研究会を持っているわけですから、そして、それを今度、必ず食料・農業・農村審議会の方にちゃんと報告してやっぱり認めてもらうという、そういうきちんとした、何といいますかね、過程を踏んでいるわけですよ。余りにも拙速であります、今度の場合はね。だから、私はここに書いておきましたけれども、是非、参議院では慎重審議していただいて、これ一旦廃案にして、そして食料・農業・農村審議会にこれ再検討してもらったらどうですかという提案なんです。
 そういうことで是非お願いします。
#242
○参考人(磯村信夫君) まず、今度のところは自由度が高くて、マイナスかというふうに言うと、確かに少しリスクがあるようにも思いますけれども、現行で特例特例で例外規定でもって来ておりますこと、これが余りにも多過ぎる。よって、この例外規定ばかりでもってやっていたら、一体全体これはどうなるんでしょうか。
 例えば、商物分離でもコンピューターを使う、それどういうことですか、Eメールでもいいというふうに、こんな商物分離ってないじゃないですか。もう既に違うところで実態動いているわけですから、これはきちっといろいろもう精査していただいて、当たり前に世の中の動きとともに認めていただく、こういうようなものがたくさんあります。
 それから、市場についても、例えば青森の弘果さんなんかはいい例ですけれども、産地市場として、もちろん地元に農産物がないときには消費市場としてですが、産地市場として大変すばらしい働きをしていらっしゃいます。それぞれ市場というのは多様化していまして、いろいろな形があって、僕は弘果さんなんかは、御自分ですけれども開設者になられて、中央卸売市場になっていただきたいというふうに思います。
 ですから、いろんなケースがあるので、それをどのような形でどういうふうにやって運用したらいいかどうかというのを……
#243
○委員長(岩井茂樹君) そろそろおまとめください。
#244
○参考人(磯村信夫君) あっ、済みません。
 これはお国がきちっと方針を示していただいてやっぱりやるべきだというふうに思っています。これで、リスクはありますけれども、自由度が増して卸売市場が活性化させてみせるというような意気込みで、私は一卸としてあります。
 以上です。
#245
○儀間光男君 どうもありがとうございました。
 時間超過済みませんでした。
#246
○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。
 今日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。
 やはり、きちんと法律の制定過程の歴史を学ばなければいけないなというふうに思いましたし、この間、言及もございましたけれども、やはり去年の種子法廃止、この教訓にやっぱり学ばなければいけないと私は思っているんですね。
 与党の先生方からも去年の種子法の廃止のときには、これが与党の中での法案の検討のときに十分されるちょっと余裕がなかったと。同じような問題意識を持っていらっしゃる先生方が大勢いらっしゃって、種子法が廃止されてからいろんな専門誌に寄稿されたりしていらっしゃる方もいますけれども、私はこれだけ、そもそも米騒動から始まって、本当に崇高な政治のまさしく果たすべきその理念を果たすためにきちんと元の法律が制定され、そして慎重な検討を重ねられて今日あって、しかもそれの果たす公的な価格、公正な価格の、何と言ったらいいんでしょうかね、制定とか、そういう重要な、国民にとっては極めて重要な機能を現在においても果たしているわけですから、やはり、私も今日午前中、大臣にこの法律案の資料を見せながら、先ほどの何%というような話がありましたけれども、見れば一目瞭然で、もうほぼ廃止に近いんですよ、重要な部分が。だからこれ、廃止法案と言ってもいいのかもしれないなと。
 で、私、別にそれが現時点の要請に合って、自由度を増して、結果として国民のほとんどに利益をもたらす、地域経済が活性化する、みんながよくなるという法律案であれば、そう確信できるのであれば余りこんなことも言わないんですが、でも、この間出されてきた法律は、その制定の歴史も踏まえず、現時点において果たしているその法律の機能、効果、それも丁寧に検証もせず、ただ今だけ、金だけ、自分だけという、規制改革推進会議とか、まあ大体同じメンバーですけど、未来投資会議とか、そういうところからもう押し付けられて、あっという間に、立法事実があったのかどうかも分からない、その検討の過程が極めて不透明な形で出されているということに非常に危機感を持っております。
 そこで、今日も午前中に質問したんですが、どれだけ関係者の、あるいは専門家のお話を聞かれてこの法案の提出に至ったのか、延べ二千三百人、昨年お聞きになったということですけれども、ただ、先ほど来出ていますこの検討会議は招集されていないんですね。それぞれどのような形で今、本日のような極めて我々がきちっと聞いておくべきだし、農水省もきちんとお聞きすべき御意見ばっかりだったと思うんですが、それぞれ三人の方はどんな形で農水省に対してこの問題について意見を述べられましたでしょうか、過去一年間。
#247
○参考人(三國英實君) 今回のこの会議に当たって、事務局から非常に膨大な資料をお送りいただいたんですけれども、とても期間が短くて全部読めないんですけれども。ヒアリングはそれぞれやってきていると思うんです。ただ、ヒアリングというのは聞くだけですから、そこで審議するということないと思うんですよ、きちっとね。
 だから、先ほどもお話ししましたように、少なくとも、これだけの大きな改革をやるんであれば一年ぐらい掛けてやっぱりきちんと研究会なり検討会を設けて審議すべきだと、そのくらい大きな問題だと私は思っているんです。それを、意見聞いたというだけで通すというのはやっぱり問題であるというふうに思います。
#248
○参考人(磯村信夫君) 自由度が本当に高まって、例えば開設区域がなくなるだとか、あるいは部類が、もう青果、水産、花、そういうようなものがなくなるだとか、買参人というような物の考え方ではなくて、買い出し人、ここまで、仲卸まで含めてそれぞれ差別的な取扱いをしないだとか、あるいは卸と仲卸が、それぞれ卸と仲卸、兄弟ですけれども、卸から仲卸が買うだとか、これが並列化するだとか、幾つか、長い間やってきた慣習とは若干違うような形でいますけれども、しかし、これは実態を踏まえればそういうような形になっていって、今度のできていく法律を読めば、こういうような形でこう使うと、我々、今までどおりの形の良いところと、そして今まで障害になっているところがこういけるなというのが私自身は実は分かります。
 同じ市場の中で、確かに今後、卸売の業務、卸売市場としての業務がありますけれども、今、消費者は、更にもっと付加価値が高い、あるいは食事、あるいは花だったらもう花束、こういうようなところまで同じ場内の消費地でしたいというような、ここまでが卸、仲卸を通じた卸売市場の仕事だというふうにしたら、当然、今の法案はやっぱり正しいんだろうなというふうに思います。
 あとは、きちっと正しくチェックをしていただけるかどうかという、このチェックのところにやっぱり懸かっているんだろうというふうに思います。
#249
○参考人(菅原邦昭君) まず、私がこの問題にどういうふうに政府から意見聞かれたか。シャットアウトを受けております。そして、うち方の全国団体を通じまして、私は、会報も作り、通そうとしたけど、こういうこと余り書かないでくれと。そして、陰では、あの人は偏った人だ、場合によってはレッド色だというような形で言われていますが、私は無色透明と言いたいんですが、そういう初々しさなくなっていますから、無色であることは間違いありません。
 それで、そういうことが、やっぱり何だかんだで、大まかにはこれは全体の自由度を増すからいいんだとかいう言い方でやっていますけど、誰の自由度が増すかなんですよ。これはちょうど、誰のための働かせ方改革なんですかという質問がありましたけれども、あれと同じで、今回の場合は誰のための改革なんですかということでは、先ほども言いましたから繰り返しませんが、私は、この問題は曖昧にしてはいけないと思います。私は、そういうことで、いろいろ意見は出しましたけれども、シャットアウトに遭っています。
 最後に一つだけ。現在の卸売市場法の解説書というのは、昭和四十六年の法改正のときに農水省自身が作ったんです。今日、私が言ったことのほとんどは、農水省の「卸売市場法の解説」という当時の市場課長が編さんした本に全部書いていることですよ。これが今シャットアウトになっているんですよ。だって、改正法を、変えるんだったら、今の法の意義をきちんと述べるの当たり前ですよね。どこに問題があるか、これは語るなってわけです。これというのは、本当に片手落ちの、採決ありきの流れでないかなというふうに私は思います。
 以上です。
#250
○森ゆうこ君 済みません、私、今日、声がひどくて。市場で競りやっているわけじゃないんですけど、新潟県知事選挙でちょっと頑張っていたものですから。
 今、菅原参考人がおっしゃるとおりで、やっぱり、現在のこの法律の機能、そして価値をまず認める。そこは大切にしながらも、きちっと現代に合うように、だからこういう改正をしましたという説明ならいいんですが、説明が全然説明になっていないもので、それでやはり納得できないというか、いろんな懸念があると。
 例えば、今、磯村参考人は、私はこれをこう使うとこううまくいくというのがイメージできますとおっしゃったんですが、ただ、問題は例えばチェック機能であるとおっしゃった。実際、認可ではなくなり、そういう部分がまず根本的に後退するわけですよね。
 今日も質問したんですけど、午前中、その上で、じゃ、どう監督するのか、市場開設者は。それが条文に、監督権と言ったらいいんでしょうか、そういうことが書いていない、ストレートには書いていないと私は思っているんですけれども、このチェック機能がないと、やはり、これまで市場の持っていた公正な価格形成機能とかそういうのが果たしていけないんじゃないかなと、ただの問屋になっちゃうというふうになると思うんですが、そのチェック機能がこの新しい改正案にはあるとお思いでしょうか。
#251
○参考人(磯村信夫君) 具体的には栃木の小山市の例がありまして、今、公設から中古車センターの運営会社がそこのところの開設者になって回しております。そういうようなことなので、将来どういうふうになるかどうか我々も不安で、小山市にきちっとそれはチェックしてもらわなければ困りますというふうに言っておりますが、しかし、中古車会社なので、それは極力従来どおりやりますというふうにしか今のところ言質をいただいておりません。
 いろんなことが民営化されますとなってきますけれども、今のところは順当にありますが、それが来年もそのような形でもって今までどおりの形でフェアな取引で繰り返されるか、できるかどうかというのは、まだ私ども大変不安なところがあります。議会に通さず首長さんがそういうような形でもって民営にどんと下ろす、そういうようなことが今後とも出てくる可能性がありますので、それはとても不安であります。ですから、やっぱりお国が地方自治体に対して、少なくてもチェックの機能は入れていただくような形をしないといけないと思います、開設者にならなくてもですね。
#252
○森ゆうこ君 例えば、立法府としては、こういう賛成の立場の方であっても、やはりチェック機能がないんじゃないかという御指摘があれば、これを修正をしていくというのが立法府の役割であると思うんですよ。賛成の参考人であってもこういう御意見があると。いや、それだけみんな、反対の人ならなおのこと、ここが一番重要なわけですから、米騒動が元々にあって、公正な価格取引、生産者も消費者もきちっと守るという、もうそういう歴史がある法律であるということから考えても、やはりこういう賛成者からもこのような懸念が示されるということがあってはならないというふうに思うんですけれども、三國先生、いかがでしょうか。元々の認可が……(発言する者あり)
#253
○委員長(岩井茂樹君) 委員長の指示を得て御発言願います。
#254
○参考人(三國英實君) ああ、済みません。
 いろいろ今度差別的取扱い禁止なんかも入ってくるから心配要らないんだという議論はありますけれども、それをチェックしたりするそういう規定がないということはさっきも言ったんですけど、例えば第三者販売、直荷引き、商物分離なんかどうするかという場合は、今の法律ではちゃんと中央卸売市場の中に取引委員会というのを設置して、そして関係業者、学識経験者も入れてそこでちゃんと審議しなさいと、そういうことがちゃんとあるわけですよね。そういうものが今度の場合ないということで、そういう、何というか、歯止め策といったかね、そういうものがほとんどない状況がやはり一番大きな問題じゃないかというふうに思います。
#255
○森ゆうこ君 もう時間ですが、結局、種子法にこだわりますが、去年種子法の審議、そのための調査をしてみて、別にあれ知的財産を守るための法律ではないんですね、ストレートに。ところが、あの種子法があったことで、結局、日本全国長いですから、もう先ほど菅原参考人おっしゃったように、全く地域違うわけですよね。それぞれの地域の中でしっかりと自治体が、きちっと種子、原原種まで含めきちっと守って、そしてしっかりと作物が育てられていくという、で、結果的に農業の知的財産が守られていたと、そこまでの影響が現行の法律にはあるんだということをもっときちっと受け止めなければいけないということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#256
○委員長(岩井茂樹君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席をいただきまして、貴重な御意見を賜ることができました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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