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2018/05/24 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 法務委員会 第12号
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2018/05/24 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 法務委員会 第12号

#1
第196回国会 法務委員会 第12号
平成三十年五月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     松山 政司君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     伊藤 孝恵君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     伊藤 孝恵君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川 博崇君
    理 事
                中西 健治君
                山田  宏君
                若松 謙維君
                有田 芳生君
    委 員
                岡田 直樹君
                福岡 資麿君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                櫻井  充君
                小川 敏夫君
                仁比 聡平君
                石井 苗子君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  山下 貴司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      渡邉  清君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   原  宏彰君
       警察庁長官官房
       審議官      山岸 直人君
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       法務大臣官房審
       議官       山内 由光君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小出 邦夫君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省刑事局長  辻  裕教君
       法務省矯正局長  富山  聡君
       法務省保護局長  畝本 直美君
       法務省人権擁護
       局長       名執 雅子君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       厚生労働大臣官
       房審議官     八神 敦雄君
       観光庁審議官   秡川 直也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (国際仲裁の活性化に関する件)
 (留学生の資格外活動の制限時間の緩和に関す
 る件)
 (日本語学校の所管省庁に関する件)
 (ヘイトスピーチ解消法施行後の成果と課題に
 関する件)
 (性犯罪の実態把握のための調査に関する件)
 (出生届における嫡出子又は嫡出でない子の別
 の記載に関する件)
 (セクシュアル・ハラスメントに係る法整備の
 必要性に関する件)
 (技能実習における介護職種の現状と課題に関
 する件)
    ─────────────
#2
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、こやり隆史君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官渡邉清君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石川博崇君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。
 本日は、再犯防止対策についてまずお伺いしていきたいと思います。
 刑法犯の認知件数というのは、近年劇的に減少しているということであります。平成十四年のピーク時には二百八十五万件認知されていたものが、平成二十八年は百万件を下回るということにまでなってまいりました。一方、再犯者率は一貫して上昇しておりまして、平成二十八年には四八・七%まで上昇していると、ほぼ二分の一というところまで来てしまっているということであります。
 こうしたことを受けて、議員立法で平成二十八年には再犯防止推進法が制定をされ、そして昨年十二月に再犯防止推進計画が閣議決定されたという経緯になっているところであります。この再犯防止推進計画は、五つの基本方針の下、七つの重点課題について百十五の施策を盛り込んだものであり、罪を犯した人などに対して官民一体となって息の長い支援を行い再犯を防止することから、大変重要なものであると考えているところであります。
 上川大臣が所信の冒頭で述べられていたとおり、本年はまさに推進計画元年ということなのではないかと思います。政府の取組について伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(上川陽子君) おはようございます。
 委員御指摘のとおり、昨年の十二月に再犯防止推進計画が閣議決定をされまして、五つの基本方針の下、七つの重点課題につきまして百十五の施策が盛り込まれたところでございます。国そして地方公共団体、また民間団体等がそれぞれの役割に応じて連携をしながら取り組んでいく、再犯防止施策を推進する、このことにつきましてのまさに裏付けとなる計画でございまして、大変意義が大きいものというふうに考えております。
 法務省におきましては、さらに、そのうち特に重点を置くものとして十の施策を取りまとめまして、再犯防止アクション宣言ということで公表をさせていただきました。その意味では、いよいよ本年四月から実施段階に入ったところでございまして、推進計画元年、まさに今年、その意味で極めて重要な一年であるというふうに考えております。
 そのため、政務三役が、再犯防止キャラバンとして、地方公共団体に地方版の再犯防止推進計画の策定等を働きかけるということで随時お願いに行っているところでございますが、その第一号といたしまして、鳥取県の再犯防止推進計画を策定していただきました。また、地方公共団体が再犯防止の取組を共有するための会議体等の枠組みづくりや、また地方公共団体が再犯防止を推進するための事業を実施するに当たっての財政的支援を行う枠組み、こういった取組も行っているところでございます。
 こういった取組をしっかりと継続をする、そのためにも、国、地方、民間一体となって、この推進計画に盛り込んだ一つ一つの課題につきまして、着実かつスピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#8
○中西健治君 ありがとうございます。
 政府の取組も大変重要でありますけれども、地方議会、地方公共団体の取組も非常に重要ということでありますので、我々も地方議員を通じて働きかけを行っているところでございます。
 こうした再犯防止の中でも、特に性犯罪の再犯防止については、犯罪者に対する対応だけではなく、被害者の生活の平穏、その他の権利や利益に十分配慮して、さらには二次被害の防止や被害者の心情といった面にまで気を配るといった丁寧かつ包括的な対応が求められるということではないかと思います。
 性犯罪に特有のこのような側面を踏まえた上での再犯防止に関する具体的な取組についてお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(上川陽子君) 性犯罪に遭われた被害者の皆様につきましては、多大な精神的また身体的苦痛を受けているということでございまして、そのような被害に遭われた方々の心情に十分に配慮した再犯防止対策が必要であるというふうに考えております。
 また、性犯罪者の再犯を効果的に防止するためには、性犯罪者等に対しまして、性犯罪に特有の問題性、これに着目し、そのことを踏まえた働きかけが極めて重要であるというふうに考えております。
 被害に遭われた方々の心情に十分配慮した再犯防止対策といたしまして、性犯罪被害者の心身の健康の回復、その支援を行う重要な機関でありますワンストップ支援センター等の関連機関との連携を引き続き積極的に進めてまいりたいというふうに思っております。
 また、法務省といたしましては、この再犯防止推進計画に基づきまして、新たな被害者を生まないという決意の下で、まず、医療・福祉関係機関との連携を強化すること、また、性犯罪者等に対する、矯正施設収容中から出所後まで一貫性のある効果的な指導を実施すること、また、三点目といたしましては、海外における取組などを参考にしつつ、矯正施設や保護観察所における専門的な指導や処遇プログラム等の性犯罪者等に対する指導等につきまして、効果検証の結果を踏まえました指導内容、方法の見直しを図るなど、再犯によりまして新たな性犯罪被害者を生まないための方策につきましては一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
#10
○中西健治君 今、性犯罪被害者の思いをしっかりと受け止めなきゃいけないと、こういうお話もあったかと思います。
 犯罪被害者に対する施策全般について続いてお伺いしたいと思いますけど、今日は警察庁にも来ていただいておりますので、まず、いわゆる犯給制度の現状についてお伺いしたいと思います。
 犯罪によって仕事を続けられなくなった被害者や家計の柱となる人を失って残された家族などが経済的に困窮する、また社会において孤立を余儀なくされるといった、犯罪による被害そのものに加えて副次的な被害に苦しめられているケースというのが多々指摘されているところであります。
 平成二十八年四月の第三次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策のうち、損害回復、経済的支援等への取組、特に犯給制度についてその現状をお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(山岸直人君) お答えいたします。
 御指摘の第三次犯罪被害者等基本計画におきまして、犯罪被害給付制度に関する検討として、重傷病給付金の支給対象期間、犯罪被害者に負担の少ない支給、若年者の給付金及び親族間犯罪被害に係る給付金等の在り方について、警察庁において実態調査等を行い、その結果を踏まえた検討を速やかに行って必要な施策を実施することが盛り込まれました。
 これを踏まえ、警察庁では、平成二十八年度末までに所要の調査を実施し、昨年四月から犯罪被害給付制度に関する有識者検討会を開催して、同年七月に提言が取りまとめられました。この提言を踏まえ、重傷病給付金の給付期間の一年から三年への延長、幼い遺児がいる場合における遺族給付金の引上げ、親族間犯罪における減額・不支給事由の見直し等を内容とする制度改正を行い、本年四月から施行されたところであります。
 本改正によりまして、長期の療養を受ける重傷者や犯罪で父母を亡くした幼い子など、犯罪で苦しむ方々への支援の一層の充実が期待されるところであり、新たな制度が適切に運用されるよう、都道府県警察を引き続き指導してまいります。
#12
○中西健治君 我々のところにもいろいろと声が届けられていますので、重要なステップが踏まれているというふうに思いますけれども、是非拡充を図っていっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、子供の性被害防止についてお伺いしたいと思いますけど、児童買春や児童ポルノなどにより、成長過程にある児童の心身が被る被害は大変深刻であります。断じて許すべきものではないというふうに思います。ただ、児童ポルノ事犯の増加というのは、我が国だけではなくて世界的に見られるということになっております。
 子供の性被害防止に関する取組についてお伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 子供の性被害をめぐる情勢につきましては、昨年、児童ポルノ事犯の検挙人員が過去最多を更新したほか、SNSの利用に起因して性的な被害に遭う児童が増加傾向にあるなど、深刻な状況にございます。
 こうした子供の性被害の防止に向けまして、政府といたしまして総力を挙げて取り組むべく、昨年四月、犯罪対策閣僚会議におきまして子供の性被害防止プランが策定され、このプランに基づきまして、児童ポルノ等の子供の性被害防止に向けた国民意識の向上、被害児童の保護や支援、取締りの強化等の総合的な取組を進めているところであります。
 今後とも、関係機関、団体や民間事業者等との緊密な連携を図りながら、子供の性被害防止に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
#14
○中西健治君 警察庁が公表した犯罪被害類型別調査というのを見させていただきましたけれども、性的な被害はどこにも、誰にも相談していないという回答が非常に多くなっているということであります。潜在化が非常にしやすいということだと思います。
 犯罪や犯罪が疑われる事案に関して速やかに警察へ通報する、相談をする、こうしたことが、事件の解決のみならず深刻化を防ぐ上でも大変重要だというふうに思いますけれども、被害者が警察にアクセスしやすくなる、そうした工夫も必要なんじゃないかというふうに思います。
 取組状況についてお伺いしたいと思います。
#15
○政府参考人(山岸直人君) お答えいたします。
 平成二十八年四月に閣議決定をされました第三次犯罪被害者等基本計画におきまして、性犯罪被害者を始めとした被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する相談体制の充実等が盛り込まれました。これを踏まえまして、警察庁では、各都道府県警察が設置をしております性犯罪被害相談電話につながる全国共通の短縮ダイヤル番号、シャープ八一〇三、ハートさんと呼んでいますけれども、これを昨年八月から導入をいたしました。これは、シンプルな全国共通番号を導入することによりまして、相談窓口の認知度の向上を図るとともに、相談者が相談窓口にアクセスしやすくなるなど、性犯罪被害者が相談しやすい環境を整えることとしたものであります。
 警察庁といたしましては、今後とも、この全国共通番号に関する広報を積極的に行うなど、性犯罪被害者が一人で悩むことなく、警察に相談しやすくなるように鋭意取り組んでまいります。
#16
○中西健治君 ありがとうございます。
 シャープ・ハートさん、まだまだ知られていない、昨年八月ですから知っている方も少ないということじゃないかと思いますので、広範に知らしめるようにしていただきたいと思います。
 続きまして、国際仲裁機能の強化についてお伺いしたいと思います。
 私、先日、許可を得て香港とシンガポールの国際仲裁に関係する機関や省庁を訪問してまいりました。そして、アジアのリーガルサービスの需要の伸びが著しく増加しているということを確認してきた、実感してきたところであります。一方、我が国の国際仲裁件数というのは、皆さん御承知のとおり、低調なままの状況が続いているということであります。
 国際仲裁の活性化に向けて関係府省が今後取り組むべき課題等を明確にした中間取りまとめというのが本年四月に策定されました。この意義と目的などをお伺いできればと思います。
#17
○政府参考人(山内由光君) お答えいたします。
 国際仲裁は、中立的であること、あるいは秘匿性を確保できることなど等の観点から、国際取引における紛争、この解決のグローバルスタンダードになっておりまして、日本企業の海外進出を後押しするとともに、海外から我が国に対する投資を呼び込むにも資するということから、我が国においてもその活性化が急務であると承知しております。
 御指摘のように、本年四月二十五日、内閣官房副長官補を議長とする国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議において、中間取りまとめとして、「国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策」が作成されております。
 この取りまとめは、関係府省が今後取り組むべき課題などを明確にしたものでございますが、具体的に申しますと、国際仲裁を熟知した人材の育成、仲裁手続を行う施設の整備、国際仲裁の意義や利点などに関する企業などの意識啓発や広報などの諸点について取り組むべきであるということが取りまとめられております。
#18
○中西健治君 シンガポール、香港へ行ったと申し上げましたけれども、やはり彼と我の差というのはかなりあるというふうに思うわけでありますけれども、ただし、このシンガポールの国際仲裁センターを例に取りますと、取扱件数が四倍に急増したのはこの十年間のことであります。ですので、ずっと昔からということではありませんので、今スピード感を持って取り組めばキャッチアップすることも可能ではないかということも感じた次第であります。ですので、このスピード感と、いつまでに何をやるのかということが大変重要ということではないかと思います。
 我が国における国際仲裁の利用が低調にとどまっている原因の一つとして、経済界において国際仲裁のメリットが十分に知られていないということもあるのではないかというふうに思います。広報や意識啓発について何を行っていくのか、これをお伺いできますでしょうか。
#19
○政府参考人(山内由光君) 委員御指摘のように、日本における国際仲裁の活性化を図っていくためには、主たるユーザーである企業において、裁判と異なる国際仲裁のメリット、あるいは日本を仲裁地とすることのメリット、これについて十分御理解していただく必要がございまして、また、実際の契約締結に当たりまして、日本を仲裁地とする取扱いが少ないという御指摘があります。こうした状況を踏まえまして、今後、法務省といたしましては、経済界に対して、日本を仲裁地とするような取扱いも検討していただくように普及、広報に努めることが重要であると認識しております。
 とりわけ、既に海外に拠点を有している、そして国際仲裁を利用しているという、こういう企業もあれば、これから海外進出を検討していくという企業もございます。こうした国際仲裁に対する経験、これらの有無を考慮しつつ適切なアプローチをしていくことが必要であろうと認識しております。
 そして、この点に関しましては、本年五月から、大阪中之島の合同庁舎を活用した民間における広報、意識啓発などのパイロットプロジェクトというのが開始されたところでございます。このパイロットプロジェクトでは、仲裁に関する企業向けのセミナーやシンポジウムを開催するほか、実際の仲裁事件も取り扱うものと伺っております。
 法務省といたしましては、引き続き、こういったプロジェクトを始めとして、関係省庁や民間団体とも連携しながら、経済界に対する広報や意識啓発、これに積極的に取り組んでまいりたいと存じております。
#20
○中西健治君 我が国の国際仲裁を活性化させるためには、仲裁人、仲裁代理人等の人材育成というのがもう喫緊の課題となってまいります。香港、シンガポールで感じたこととして、そちらで働いている弁護士さんなどは、例えば前職はオランダのハーグでしたと、若しくはフランスのパリでしたと、こういう方々が多いんですね。ですから、このキャリアアップのサークルの中に香港もシンガポールもパリもハーグも入っていると、こんなようなことを感じました。その中に、今、東京、日本は、大阪にしてもまだ入っていないということだと思います。
 こうした海外の著名な仲裁機関との連携強化なども通じてこの人材育成というのを図っていかなければいけないと思いますが、それについて取組を、できれば簡潔にお伺いしたいと思います。
#21
○政府参考人(山内由光君) 国際仲裁を活性化する上では、やっぱり人材育成が喫緊の課題であると承知しておりますが、海外では、やはり著名な国際仲裁機関において、様々な法域の出身の様々な専門性を有する多くの仲裁人が活躍しております。仲裁人以外でも、ほかの国の仲裁機関との間の、法律事務所との人材の行き来、これが行われておりまして、こういった人材の行き来も、やっぱり人材育成に関して大きな役割を果たしていくというふうに考えております。
 法務省といたしましては、やっぱり国際仲裁の第一線で活躍できる人材の育成に向けて、アジアや欧米における海外の著名な国際仲裁機関との連携を強化し、人材を派遣するとともに、海外の著名な仲裁人を招聘するなどして効果的な人材育成の在り方について引き続き検討して、必要な取組を進めてまいりたいと存じます。
#22
○中西健治君 是非、この数年が勝負だと思いますので、取組を進めていっていただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#23
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 今日は一般質疑でありますので、最初に、日本への留学生の労働時間規制についてお尋ねをいたします。
 ちょっと質問通告していないので、後の方でもし分かれば、マクロデータ、ちなみに、日本のこの留学の在留資格を有して日本で勉強している方、何人ぐらいいられるのか、分かったらで結構ですから、後でお答えいただきながら、ちょっと質問通告のとおりに進めさせていただきます。
 まず、この留学の在留資格でありますけれども、当然これは日本で勉強するための資格ということでありますけれども、いわゆる生活を成り立たせるためには、学生の本分である学業に支障のない範囲で資格外活動としてアルバイト等の就労を認めていると、このような制度となっております。現在、留学生の就労の上限は週二十八時間ということでありますが、週一日の法定休日ですか、を除けば一日五時間弱というのが現状と認識しております。
 そこで質問ですが、どのような根拠でこの学業に支障のない範囲として週二十八時間を定めているのかということと、また、日本の学生には就労時間の規制がありませんが、なぜ外国人留学生にはそれがあるのか、お尋ねをいたします。
#24
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 まず初めに、在留資格「留学」に係る在留外国人数でございますが、平成二十九年末で三十一万一千五百五人おられるということでございます。
 続きまして、質問にお答えいたします。
 資格外活動許可は、留学生本来の活動であります学業を阻害しない範囲で許可されるということでございまして、主従が逆転して就労活動が本来活動とならないようにするということでございます。
 留学生の学業に充てる時間をどのぐらいと考えるかでございますが、一日当たりのフルタイム勤務の八時間の半分である四時間を算定の基礎といたしまして、これを七日間行うということで、学業に充てる時間が四掛ける七、二十八時間という計算になります。そうしますと、包括的に資格外活動許可を認める範囲もこれを超えない範囲ということになりますので、一週間につき二十八時間以内と、このような根拠でございます。
 留学生の資格外活動許可につきましては、留学生の本来の活動である学業に支障が生じない範囲で認めるべきものであるということから、日本人と違いまして、就労時間に関して制約を設けているものでございます。
#25
○若松謙維君 私、中央大学の夜学を出ましたので、一日七時間、八時間ですか、働いていました。それで、かつ学生は夏季休業等の長期の休みがあると、こういうことも含めて、その期間ですか、一日八時間、一日四時間、さっきのその計算式があって二十八時間ということでありますが、この際、この留学生に、こういう夏季休業等も含めた、いわゆる土日祝日なども適用して、更に、何というんですか、働ける時間というものを増やしたらいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#26
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 留学生に対しましては、事前に許可を得た上で学業に支障のない範囲、すなわち週に二十八時間以内、それから、先ほど御指摘がございましたように、夏休み等の長期休業期間におきましては一日八時間以内の資格外活動を認めておるところでございます。
 留学生に対する包括的な資格外活動許可の範囲を、例えば御指摘のように週二十八時間よりも拡大いたしますと、本来の在留活動である学業と資格外活動であるアルバイトの主従が逆転して、本来の在留活動である学業が従たる活動となるということから、長期休業以外の土日祝日に特例を設けた上で留学生に対する包括的な資格外活動許可の範囲を週二十八時間より増やすことにつきましては、在留資格制度の趣旨を踏まえつつ、慎重な検討が必要なのではないかと考えているところでございます。
#27
○若松謙維君 その二十八時間の規制というのはいつから始まっているんですか。分かれば。
#28
○政府参考人(和田雅樹君) ただいま手元に資料がないものですから、後でお答えさせていただきます。
#29
○若松謙維君 その上で、もちろん、留学ビザで滞在している以上、学業が本分であることは言うまでもありません。これ、日本人の学生も一緒です。
 規制緩和を行えば、アルバイトに明け暮れ学校に行かなくなる学生が出てくるという、そういう御懸念もあろうかと思いますけれども、そういう場合であっても、例えば一律に時間で規制するのではなくて、例えば単位取得の状況や成績の条件等を付与して、頑張っている人にはもっとこういう就業時間ですか、それを増やすと、そういうことも一つ検討していいのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(上川陽子君) この留学生に対する在留資格認定証明書、この審査におきまして、留学生の経費支弁能力の有無、これを確認をしているところでございます。留学生の本国と我が国との間には一般に相当な経済格差があることも踏まえまして、留学中の学費及び生活費等を補うために、学業に支障のない範囲で資格外活動として認めているというところでございます。
 先ほど局長から説明をいたしましたとおり、資格外活動の許可につきましては、本来の活動である学業、この本業を阻害しない範囲で許可されるものということでございまして、主従逆転、実態として、就労活動時間が在留資格に応じた本来活動である勉学時間を上回ることは在留資格制度上好ましくないということの中で、一定の時間を定めて制限することは合理的であると、こうした認識の中で取り組んできたところでございます。
 資格外活動許可の時間の緩和につきましては、慎重に検討することが必要ではないかというふうに考えております。
#31
○若松謙維君 慎重ということは、恐らく、委員会の答弁ですから、前に進まないんだろうなと、そういうふうに認識しておりますが、ちょうど櫻井先生もいらっしゃいますが、私、先週、仙台へ行ってまいりました。飲食店何店舗かやっている経営者、二者会いました。もうとにかく地方は人手不足。仙台ですから、仙台で人手不足ですから、当然その近隣の中核都市も同じような状況で、結局、人がいなくて、それでいわゆる通常の営業が回らないと、こういう状況なんですね。
 ですから、もう地方は本当に働き手不足が深刻でありまして、これはまた別の観点の議論が必要でしょうけれども、やはり今こういう、何というか、時代ですので、国際交流というんでしょうか、外国人留学生をもっと積極的に受け入れると、私はこれはもう流れではないかと思っています。
 その上で、それを特色として出そうという地方大学も多数あるわけでありますので、是非、生活のために働きながら学びたいという学生が多くいるということと、さらに働き手不足が深刻になっているというこの地方の現状を鑑みて、例えば先ほどの土日祝日に特例を適用するとかも含めて、この週二十八時間規制の緩和、これ是非検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
#32
○国務大臣(上川陽子君) 留学生の日本に受け入れるという大きな流れについては、私も委員と全く問題を一にしているところでございます。
 どのような条件あるいはどのような状況、それぞれ地方も異なりますので、また現場の声もしっかりと聞かせていただきながら、この問題についてもしっかり考えてまいりたいというふうに思っております。
#33
○若松謙維君 是非、岩盤規制じゃない、岩盤規制にならないように、時代の流れに応じて是非検討していただきたいんですが、先ほど、この制度は、局長、いつから始まっていますか、分かりましたか。
#34
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません。ちょっと今の手元の資料では検討できませんので、また後日お答えさせていただきます。
#35
○若松謙維君 質問通告しないで、恐らく長年変わっていないと思います。時代は変わりました。是非、先ほどの、その頑張っている人とか、もっと弾力的な運用、これは是非要望しておりますので、また近々質問しますから、次は前進するような答弁を期待して、次の質問に移ります。
 それで、次、会計監査人の報酬決定権につきまして質問させていただきます。
 金融商品取引法では、上場会社に対しまして、有価証券報告書につきまして、公認会計士又は監査法人の監査証明が義務付けされているということであります。会社法におきましても、資本金五億円以上、負債二百億円以上の大会社、これにつきましては会計監査人を置かなければならないということで、当然、公認会計士、監査法人の監査が義務付けられていると、こういう状況でございます。
 監査人の選任ですね、選任権又は報酬決定権、これは欧米では、例えばアメリカでは監査委員会に権限があるということで、監査委員会自体が会社の経営者と独立しておりますので、その独立した会社の機関が、いわゆる更に独立性の強い公認会計士又は監査法人を指名すると、こういう立て付けになっているんですが、日本はどうなっているかというと、株主総会に提出する会計監査人の選任議案の決定、これは監査役等にあるんですけれども、会計監査人の報酬につきましては、取締役、取締役会に決定権がありまして、監査役等は同意権のみとされております。
 これは非常に世界的なスタンダードとはかなり乖離がありまして、いわゆる監査を受ける会社側の取締役、取締役会がいわゆる監査を行う側である監査人の報酬を決定すると、結局、安い方がいい、監査時間が少ない方がいい、そういうことでガバナンスというかチェック機能が弱まるわけですね。だから、そういう意味で、私は、この監査の独立性から今の制度は大きな問題があるんではないかと思っております。
 そこで、いわゆるコーポレートガバナンス・コードで求められておりますガバナンス体制の確保又は会計監査人の独立性の観点から、更なる法改正によって、是非、監査役等に会計監査人の報酬決定権、これを付与することが、恐らく今日聞いていただいている方々も納得していただいていると思うんですけれども、法務省の見解をお尋ねいたします。
#36
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、現行法では、会計監査人の報酬等の決定は取締役又は取締役会の権限とされ、監査役等にはそれに対する同意権が付与されているにすぎません。これに対しましては、委員御指摘のとおり、会計監査人の独立性を確保するためにこれを監査役等の権限とすべきであるとの指摘があることは承知しております。
 会計監査人の独立性の確保につきましては、平成二十六年の会社法改正に当たって設置されました法制審議会会社法制部会においても議論されまして、同年の会社法改正により一定の見直しがされたところでございます。すなわち、それ以前は、指名委員会等設置会社以外の会計監査人の選解任等について、監査役等は同意権及び提案権を有するのみとされておりましたことを改めて、監査役等に決定権を付与することとされたものでございます。
 他方で、会計監査人の報酬等の決定につきましては、会計監査人の選解任等に関する決定とは異なって、財務に関する経営判断と密接に関連するものであるために、業務執行機関から分離された監査専門機関である監査役等に決定させることは必ずしも適切ではないとの指摘がされたところでございます。
 また、監査役等に会計監査人の選解任等に関する決定権を付与することにより、監査役等はどのような者を会計監査人とすべきかを判断する過程において、会計監査人の報酬等についても取締役等から情報を入手するなどしてその適否を判断することが可能となりますため、監査役等の会計監査人の報酬等への同意権もより適切に行使されることが期待されると、こういったことで会計監査人の独立性を確保することも可能になるものと考えられるものでございます。
 こういったことから、平成二十六年の会社法改正においては会計監査人の報酬等の決定権を監査役等に付与するという見直しはしないこととされたものでございます。
 このような議論もありますことから、現時点では法改正により監査役等に会計監査人の報酬の決定権限を付与することが直ちに必要であるとは考えておりませんが、平成二十六年の会社法改正により監査役等に会計監査人の選解任等に関する決定権を付与しましたことから、この改正後における監査役等の会計監査人の報酬等への同意権等の運用の状況を注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#37
○若松謙維君 ちょっと往生際悪いですね。日本における取締役会の、経営の体質がまさに今の局長の答弁なんですよ。だから日本のガバナンスは世界的にいろいろと指摘をされているわけです。
 今日、委員の中に上場会社の経営者がいると思いますけど、私の話を聞いて、その経営者も恐らく、やはり報酬も含めて会社内の独立的な立場、チェック機能であります監査役なり監査委員会に報酬の決定権を付与すべきだと、そういう賛成をしてくれるのを期待して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#38
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。
 日本語学校の問題について質問しようと思っていましたが、国対の方から加計学園についても聞けと言われたので、済みませんが、所管外で大変恐縮ですけれど、私もずっとこの問題追及してきていて、最近質問することほとんどなくなりました。それはなぜかというと、もういいかげんこういうことを決着付けなきゃいけないと思っているからです。ところが、いつまでたっても決着が付きません。新しい文書がどんどんどんどん出てきていて問題が全然解決していないから、こういうことで随分国会の議論が、時間が使われてきているというのは私は本当に大きな問題ではないのかと、そう思っています。
 内閣の一員として、この加計学園、森友学園の問題がなかなか解決していかないというのは、どこにあるとお考えでしょうか。
#39
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御指摘をいただきました件につきましては、私、法務省の所掌をしておりますけれども、所掌外ということでございまして、内閣の一員という立場ではございますが、専ら法務大臣としてのしっかりとした所掌事項に邁進をするということで臨んでおりますので、お答えにつきましては差し控えさせていただきます。
#40
○櫻井充君 内閣の一員として、安倍総理のこれまでの答弁を含めてですが、この問題に対する取り組み方、それから、繰り返しになります、答弁の在り方についてはどうお感じになっていらっしゃるでしょうか。
#41
○国務大臣(上川陽子君) ただいまの御質問も同じでございますが、法務大臣として現在所掌事項について全力で取り組ませていただいているところでございます。今の御質問につきましては所掌外ということでございますし、お答えにつきましては、大変申し訳ございませんが、差し控えさせていただきます。
#42
○櫻井充君 まあそういう答えになるだろうと、そこは予想しておりました。
 さて、先ほどの日本語学校の件なんですが、先ほど規制の話も随分ありましたけど、私、まず一番不思議なのは、日本語学校の所管省庁が基本的にいうと法務省なんですよね。何でこれが法務省になっているんでしょうか。
#43
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 日本語教育機関の中には、学校法人により学校教育法の適用を受ける専修学校又は各種学校として運営されているものと、株式会社等により学校教育法の適用を受けない形で運用されているものがございます。留学生の受入れをすることができる日本語教育機関につきましては、学校教育法の適用の有無を問わず、法務大臣が告示をもって定めるということになっておりまして、その意味で法務省が大きく関わっているものでございます。
 ただ、何らかの法令を有して日本語教育機関全体を管理監督している官庁がどこかということになりますと、それは省庁としてはないということになろうかと思います。
 以上でございます。
#44
○櫻井充君 法務省が告示を出すから法務省なんだという話ですが、私、おかしいと思うのは、法務省設置法に、じゃ、どの条文を引いてきてそういう権限をお持ちなんでしょうか。
#45
○政府参考人(和田雅樹君) 入国管理局が外国人の在留に関する活動をすることとなっておりますので、留学という在留資格を与える機関としてどのようなものがあるのかということを告示で定めさせていただいているということでございます。
#46
○櫻井充君 入国管理が法務省であることは理解します。一方で、日本語学校の運営なりなんなりということは、これは入国審査だけではなくて学校としての体を成しているかどうかの判断をしなければいけないわけであって、それが、法務省に私はその権限があるとは思っていません。
 繰り返しになります。法務省設置法の第何条第何項にそれが定められているのか、御答弁いただきたいと思います。(発言する者あり)
#47
○委員長(石川博崇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#48
○委員長(石川博崇君) 速記を起こしてください。
#49
○政府参考人(和田雅樹君) 法務省設置法第四条三十三号に「本邦における外国人の在留に関すること。」という規定がございます。この在留に関することについてということが根拠となろうかと思われます。
#50
○櫻井充君 済みません、それは入国管理のことを定めているものであって、学校の告示に関係していることとは違うと思いますが、この点はいかがですか。
#51
○政府参考人(和田雅樹君) 在留、どのような学校におられる方の在留を認めるかという観点でその日本語学校の告示を定めているということでございます。
#52
○櫻井充君 それは違いますよ。論理が間違っていると思います。
 学校は、じゃ、学校として認める要件というのは一体何ですか。その要件は一体どういう要件なんですか。
#53
○政府参考人(和田雅樹君) 我々は、学校を学校として認めるかどうかということではなく、告示校として挙げるかどうかということの審査をさせていただいております。ちなみに、日本語学校の開設に関する行政相談を法務省が受けました場合には、留学生の受入れ機関として適切か否かという観点から判断させていただいております。
 法務省におきましては、設置者の経済状況等について確認をいたしまして、校地、校舎、教室数、あるいは教室の面積など、いわゆるハード面を中心に実地に赴き確認させていただいております。その後、文部科学省におきまして、有識者によるヒアリングを実施するなどしまして、校長、教員及び生活指導担当の資格並びに授業科目等、いわゆるソフト面を中心に確認をしていただいているところでございます。
 法務省及び文部科学省におきます以上の確認結果を踏まえまして、この日本語教育機関の告示基準に適合する日本語教育機関に当たるかどうかという判断をいたしまして、これを告示に掲げさせていただいているという次第でございます。
#54
○櫻井充君 ですから、学校として適切かどうかの最終的な判断を法務省がすることになっているんですよ、今のところは。だから、その権限は一体何条に定められているんですかと。所管外ですよ。私から言わせれば、法務省設置法に書かれていないことをやっているので、そこが根本的に間違っているんじゃないかと、そう思うんですよ。
 繰り返しになりますが、学校として認めるということは、もう一つ、例えば介護士なら介護士になりたいと、そう思ったとしても、日本語学校卒業者の方々は、大体、日本語検定でいうと二級相当を取らないと受験できないというか、そういう形になっていますよね、基本的に申し上げれば、そのぐらいのレベルまで必要だと。ところで、EPAで介護職の方々が他国から入ってきている場合には、日本語検定でいうと三級であろうと四級であろうと認められているんですよ。
 そうすると、そのレベルまでちゃんと日本語教育ができるかどうかというのはすごく大事なことでして、こういう教育内容も全部含めた上で学校として認可されるのが当然なんですよ。それは、法務省設置法には、こういう内容がきちんと把握できるとか判断できるとか、全く書いておりません。ですから、日本語学校が少なかった時代は、私はそれでよかったと思っているんですよ。仕方がないから法務省がやるということになったんだと思いますが、これだけ日本語学校が増えてきた、そして先ほど大臣からも非常に大事な点なんだという御答弁がありました。
 ここは一回ちゃんと整理していただかないといけないと思いますが、大臣、いかがですか、この点は。
#55
○国務大臣(上川陽子君) 外国から来る、そして日本で学ぶ、そうした体制につきましては、これから更にその留学生の受入れについて多くの皆様が期待をしているし、またそうした希望を持っている若い方たちが増えているということでございますので、その体制全般につきましてしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
#56
○櫻井充君 それともう一つは、所管省庁がないという話でした。これだけ数が増えてきている中で所管省庁がないということは、学校で何か問題が起こった際に、誰が一体そこのチェックを行ってくることになるんでしょうか。そういう体制こそ私は問題があると思いますが、大臣、その点いかがですか。
#57
○国務大臣(上川陽子君) 今、日本語の教育機関の中におきましては二つ類型がございまして、一つは学校法人として認定をされた機関もございます。また、一つは株式会社等で、まさに学校教育法の適用を受けないというところもございます。数が大変多くなっているし、また地方自治体におきましてのそうした立地も増えているという状況でございますので、今のような問題が起こらないようにしていくというのは極めて重要なことであると思っております。その意味で、様々な角度から検討してまいりたいと思っております。
#58
○櫻井充君 ありがとうございます。少子化がこれだけ進んできている、それから、先ほど若松議員からも指摘がありましたが、仙台の飲食店はもう外国人労働者というか外国人の留学生の方々がいなければもう成り立たなくなってきています。
 これ不思議なんですけど、最近の学生さんたち、日本人の学生さんたち、バイトをする人たちが減ってきているみたいでして、募集を掛けてもなかなか集まってこないという現状を考えてくると、やはりこれから外国人の皆さんを日本として受け入れていかないと、私は社会として成り立たなくなってしまっているんじゃないのかなと、そう思っているんです。
 そういう意味合いでいうと、夢や希望を持って日本に来ています、日本に来たいと思って来てくださる方々をどういう形で手厚くして、そして日本を好きになっていただいて、日本に定住していただいた方が私はいいと思っていますが、そういうことをやっていくためにも、先ほど若松議員からも指摘がありましたが、例えば週に二十八時間しかバイトができないというのは、日本人の学生には掛けられていないものが外国人の方にだけ掛けるというのはおかしな話だと、そこはそう思うんですよ。そういうことの所管が、繰り返しになりますが、法務省が本当に適切なのかどうか。ここら辺は改めて、共管でも構いません、文部科学省と共管にしてくるとか、そういうことを検討していただきたいと、そう思っています。
 その上で、入国審査について地元からいろいろ言われていて、これは大分改善されてきているようですが、仙台の入管の割合とほかの地区の割合と比較してみるとかなり低くなってきているんです。最近は少しずつ良くなってきています。本来であれば全国一律にならなきゃいけないのに、あるところでの審査は厳しくて、あるところの審査は緩いと。ある方は、仙台の方は、札幌とそれから仙台に日本語学校を持っていて、北海道だと同じような方でも入国許可が下りるんだけどなかなか下りないと、そういうこともあるようなんですが。
 全国一律にしていただかなきゃいけないことと、それから、そんなに厳しいんであれば、例えば仙台の日本語学校の人たちが別に札幌とかほかのところで入国の手続をしてもいいとか、そういうことを変えていただかないとなかなかうまくいかない点があるんじゃないかと思いますが、その点についていかがでしょう。
#59
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 在留資格「留学」に係る在留資格認定証明書交付申請におきましては、審査に必要な書類の提出を求めるなどいたしまして、勉学の意思、能力並びに学費及び生活費を支弁する能力について審査をしているところでございます。
 審査の内容につきましては、法令等に基づいて行っているものでございますので地方入国管理局ごとによって異なるということはございませんが、経費支弁能力の相違等により、受け入れる留学生の国籍、地域などによりまして在留資格認定証明書の交付率に差が生じていることなどから、結果的に地方入国管理局ごとに証明書の交付率に差が生じているものと認識しているところでございます。
#60
○櫻井充君 それでは、日本語学校で学んでいる皆さんの、外国人の皆さんの例えば何か問題が起こっている、犯罪なら犯罪というのがどのぐらい起こっていて、そして、今、ある地域とかそういう説明がありましたが、どういう国の学生さんたちが多くて、そしてもう一つ大事な点は、なぜそういうことをしなければいけないのか、その背景について説明いただけますか。
#61
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 ただいまおっしゃられたような、問題を起こした留学生の情報については入国管理局としても入手はいたしておりますが、その割合でございますとか国籍、地域についての集計はしておりませんので、この点についてお答えすることは困難でございます。
 ただ、在留資格認定証明書の交付申請におきましては、不法残留者を多く発生させている国籍、地域の出身者につきましては、他の国籍、地域の出身者よりも経費支弁能力等に係る資料の提出を多く求めるなどして、慎重に審査しているところでございます。
#62
○櫻井充君 済みませんが、ちょっとおかしな答弁ですよ。
 データがないのに、何で先ほどそういう話、一つ前の答弁はそうなるんですか。入国審査は各地域ごとによって違ってきていて、それは国籍やそれから地域によっていろんな問題があるからこういうことになるんですという説明でしたよね。しかし、今もう一回聞いてみたら、そこについての分析はなされていないと。先ほどの答弁と全然違いますよ。
 こういうことをちゃんと把握した上でやっていただかないと、イメージだけでここの国が駄目です、もうこれ以上受け入れませんみたいになったとしたら、私は日本の国益損ねることになると思いますけど、大臣、この点どう思いますか。今のようなことをちゃんと調査していただいた上で、ここの国の人たちは問題がある、だけど、そこで犯罪を犯すなりなんなりするときには絶対的な背景があって、こういうことを分析して、そこもきちんとしてあげることが僕はすごく大事なことなんだと思うんですよ。
 時間がなくなったので、最後、大臣、ここの点もきちんと調査していただきたいと思いますが、いかがですか。
#63
○国務大臣(上川陽子君) これから外国人をどのように受け入れるかということについては、今の経済的な状況、また若い世代の皆さんのいろんなニーズ、地方の状況、様々な点でしっかりと対応していかなければならない、大変今日的であるし将来的な課題でもあるというふうに考えております。その点で、様々な角度から取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#64
○櫻井充君 是非、こういったことをきちんと一つ一つ分析していただきたいと思うし、調査していただきたいと思います。そして、その上で、繰り返しになりますが、いろんな理由があると思うんです、その背景をどう取り除いていくのか。
 先ほど若松議員からあった、多分バイトでそれなりのお金を得るかどうかというのも大きな問題だと思うので、そこら辺のところも是非検討していただきたいと、そのことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#65
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。
 今日は五月二十四日、二年前の今日、ヘイトスピーチ解消法が成立いたしました。それに先立って、この参議院法務委員会では、解消法については全会一致で可決をするという、そういう経過がありました。それから二年たって、どこまで前に進んだのか、課題は何なのか、まだまだ進めていかなければいけない問題があるというふうに思っております。その点について中心にこれからお聞きをしていきたいんですが、その前に、さっき櫻井委員も大臣にお聞きをしておりましたけれども、やはり森友問題、加計問題についての大臣の認識についてお聞きをしたいというふうに思います。
 昨日の夜から、今日もそうですけれども、新聞、テレビ始めとして大きく報道されている森友学園の文書。二〇一七年の二月十七日、安倍総理は森友問題について、私や妻が関わっていたら総理も辞めるし議員も辞めると答弁をなさった。それ以降、国会の審議の中で、森友学園の文書というのはもう破棄されたんだということ、残っていないという話でした。だけど、昨日、経過報告含めて四千ページの文書が出てきました。極めて具体的な内容が書かれている。安倍昭恵夫人のお付きだった谷査恵子さん、財務省に直接問いかけをしていたということも明らかになりました。
 要するに、この一年間、この法務委員会もそうでしたけれども、衆議院、参議院、本会議では合計五十回、委員会では三百五十五回、昨日段階で何と四百五回も森友学園の問題が第二次安倍政権以降議論になってきた。そんなものないんだと、資料も、破棄された、改ざんされたということが分かってきた。こういう事態は、これは日本の政治史においても異常なことだと私は思っております。
 私たちの議論というのはこの一年間何だったんだと、そういう問題について、法務大臣の立場として、この政治史に残る重大な問題についてどう認識されているのか。先ほどお答えになっておりましたけれども、管轄外だということではなくて、法務大臣という立場で時代認識をまずお答えいただきたいというふうに思います。
#66
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど答弁をさせていただきましたことと同様でございまして、御指摘の件につきましては法務省の所管外ということでございまして、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
 私は、行政文書のことについてちょっとお触れになられましたので、行政文書をかつて初代公文書管理担当大臣として所掌したということもございまして、この点については私自身、非常に重要な課題として考えております。
 健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であるということ、そしてそれは主権者である国民が主体的に利用し得るものであるということ、そのために、行政機関におきましては、この行政文書を、私ども法務省もそれの一つでございますが、文書の適正な作成、整理、保存等を通じまして行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国の諸活動につきまして、現在及び将来の国民に対して説明していく責務があろうかというふうに承知をしております。
 国民の皆様が必要なときに本来主体的に利用できるはずの公文書を利用できないという、このことにつきましてはゆゆしき事態であるというふうに考えております。また、在り方自身も今揺らいでいるのではないかというふうに認識をしております。
 厳しい状況でございますが、公文書や行政全体に対する国民の皆様の信頼確保のために、各省庁ごとの特性をしっかりと踏まえながら絶えず点検を実施し、公文書管理の在り方についても不断の見直しこそ重要であるというふうに考えております。そのような考え方で私も法務行政の中で担って進めているところでございます。
#67
○有田芳生君 もう一つ、加計問題。
 愛媛県文書が出てまいりました。二〇一五年の二月二十五日に総理が加計学園の加計孝太郎理事長と十五分間話をしたと、そういう記述があります。それ以降、当時の柳瀬秘書官の動きが急激に始まる。その起点としての二〇一五年のその十五分の話合いというのが、まあ官邸の出入り記録はもう破棄されていると、調べたけれども分からない。だけど、これはもう皆さん十分御承知でしょうけれども、私の知人なんかも、安倍総理に会っていても総理動静欄には出ていないですよ。何度会っても出ていない。道がある。だけど、そういうことは記録にないという話になっている。じゃ、電話したんですかという話になっても、昔のことだから覚えていない。覚えていないんでしょう、恐らく。だけど、そういう話があったという愛媛県の五年間保存しなければいけない公文書から出てきた。
 私は、森友も加計もそうなんですけれども、この一年間の議論、あるものをないと言ってきた、破棄したということも含めて、今、北東アジアの情勢というのが、南北首脳会談から六月十二日の米朝の首脳会談というのは、これはアジアの歴史が変わろうとしているときに、この日本の政治というのはいかに内向きなのか。そのことがやはりこの一年間、総理、その周辺に問題があった。非常に国際的に今、日本の政治が置かれている立場というのはゆゆしきことだというふうに思うんですよ。
 その点についても、法務大臣というよりも、政治家としての認識、どう思われますか。国際的にはアジアの問題がもう非常に注目を浴びているにもかかわらず、日本の政治というのは内向化、内向化、ずっと続いている。これ、けじめ付けなきゃ駄目だと思いませんか。
#68
○国務大臣(上川陽子君) 有田先生、委員からの御質問でございますが、御指摘の件につきましては、法務省の所管外の事項ということでございまして、私からは法務大臣としてお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#69
○有田芳生君 じゃ、ヘイトスピーチの問題に移ります。
 まず、総論的になんですけども、人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、二年たった、大きな成果もいっぱいあるというふうに思います。例えば、全国各地で条例が作られ始めた。川崎、京都、そして名古屋でも努力をしている。東京都でも、東京オリンピックまでにヘイトスピーチなどを克服していくような条例作りたいという話がありました。一方で、何度もこの委員会で質問しておりますけれども、警察の警備体制など問題点もある。
 人権擁護局長の立場として、ヘイトスピーチ解消法ができて二年たつんだけれども、達成点あるいは課題、どんなことがあるとお思いなんでしょうか。まず、総論的にお話を伺いたいというふうに思います。
#70
○政府参考人(名執雅子君) 二年前の本日、ヘイトスピーチ解消法が成立し、その後施行されまして、その事実、また法律の趣旨が報道等でも大きく取り上げられました。これも契機の一つとなりまして、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的な言動は許されないものであるということが社会の中で認識されつつあることが成果だと考えております。
 他方、人権相談や報道等により当局で把握しているところでは、本邦外出身者等に対する差別意識や、またそのような意識に基づくヘイトスピーチが完全に解消されては、言えないと認識しております。
 また、昨年十月に実施されました人権擁護に関する世論調査においては、ヘイトスピーチを伴うデモを知らないと答えた方が約四三%、知っていると答えた方の中でも自分には関係ないと思ったと回答された方が一二%など、ヘイトスピーチを知らなかったり関心がなかったりする方が一定割合おられました。
 このヘイトスピーチに対する無知や無関心ということが、ヘイトスピーチにより被害を受けた方々の痛みに思いが至らず、またヘイトスピーチがあってはならないものという認識を社会に広める上で妨げとなっていると認識しており、対処が必要だと考えております。
 この現状認識を踏まえまして、法の施行から二年を迎えた現在、改めてヘイトスピーチが許されないものであるという認識を国民の皆様により広く、深く認識していただけるよう、私どももこのヘイトスピーチに焦点を当てました啓発活動を充実させてまいりたいと考えております。
#71
○有田芳生君 今、そういうヘイトスピーチをめぐる状況についてお答えいただきました。
 そこで、具体的に、まず内閣府にお聞きをいたします。
 内閣府が国民の意見を募るために行っている国政モニターのサイトにヘイトスピーチや誹謗中傷が野放しだったということが報道されましたけれども、どういうことだったんでしょうか。
#72
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
 国政モニター制度は、国民からの幅広い意見等を関係府省庁の施策の企画立案並びに実施の参考といたしますため、インターネットを活用いたしまして国政モニターからの意見等を募集をし、国政モニターウエブサイトに掲載していたものでございます。
 今般、一部に誹謗中傷等と受け取られかねない意見がウエブサイト上に掲載されていたという批判がございまして、この批判に対しましては真摯に受け止めたいと考えてございます。
#73
○有田芳生君 何を言っているんですか。誹謗中傷と受け取られかねない。何を言っているんですか。具体的な中身を御存じでしょう。在日、帰化人の強制退去は必要なのではないか、ある元首相の名前ですけれども、処刑すべきではないか。こんなのがいっぱいあるじゃないですか。それが問題になったんじゃないんですか。
 内閣府は、モニター募集の際にはこう注意事項を掲げている。誹謗中傷、差別的な内容、そのほかの不適切であると判断される意見は提出されても公表しない。でしょう。だけど公表されてきたのはなぜですか。
#74
○政府参考人(原宏彰君) 寄せられた御意見等につきまして、当時、政府広報室におきまして、先ほど委員もおっしゃられたように、そういった内容であると判断したものを除いてウエブサイトに載っけるという方針で臨んでおったわけでございますけれども、今回、こういう批判を受けまして、ウエブサイト上に掲載されていた意見を改めて確認をいたしましたところ、一部にそういった内容と受け取られかねないような意見がございました。批判につきましては真摯に受け止めたいと考えてございます。
#75
○有田芳生君 ずっと載っていたわけでしょう。担当者はそれは御覧になったわけでしょう。だけど、モニター募集の際の注意事項とはこれ反しているわけですよね。どんな仕事をなさっていたんですか。総括されたんですか。どういう反省されているんですか。
#76
○政府参考人(原宏彰君) この制度につきましては、二十八年度中で一旦休止をしてございますので、当時どのような御議論があったとか、それから担当者がどのようにやっていたかということにつきまして、現在、詳細に、何というか確認をさせていただいている最中でございますので、今の御質問に関しましては今この場では明白にお答えできないという状況でございます。申し訳ございません。
#77
○有田芳生君 では、検証されていて、それは文書か何かでまとめられるんですか。
#78
○政府参考人(原宏彰君) その点も含めまして検討させていただきたいと思っております。
#79
○有田芳生君 だって、こんなひどいことがあったんだから。指摘されるまでずっと掲載されていたわけでしょう。これ、いつ見えなくなったんですか。
#80
○政府参考人(原宏彰君) 本年の五月の初旬でございます。
#81
○有田芳生君 初旬っていつですか。
#82
○政府参考人(原宏彰君) 二日でございます。
#83
○有田芳生君 五月一日に毎日新聞が、「内閣府サイト ヘイトスピーチや誹謗中傷野放し」と、そういう報道があったから慌てて消したんでしょう。
#84
○政府参考人(原宏彰君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、この制度につきましては、平成二十八年度をもちまして一旦休止をしてございます。その間、この国政モニターからいただきました意見等につきましては、既に関係各府省庁にもこういう意見等々があるということを送付済みでございましたので、この制度の目的を達しているということで公開を中止したものでございます。
#85
○有田芳生君 そんなの通用しないですよ。
 とにかく問題があったんだから、ちゃんと検証をして文書で明らかにできるように是非お願いしたいというふうに思います。
 人権擁護局長に伺いたいんですけれども、ヘイトスピーチ解消法ができて、たしかその年の十二月、ヘイトスピーチについての詳細な、優れた参考情報というものができておりましたけれども、それは内閣府には伝わっているんでしょうか。
#86
○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘の参考情報は、この法律に関しまして地方公共団体が種々の行政事務を遂行したり地域の実情に応じた施策を実施するに当たっての参考となる情報として、人権擁護局が、法律の趣旨、また本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解釈に関する考え方を整理したものでございまして、関係府省庁に対しましては、人権教育・啓発中央省庁連絡協議会ヘイトスピーチ対策専門部会のメンバーの省庁、また希望のある地方公共団体の要請により配付してまいりましたが、内閣府に関しましては最近配付したということでございまして、私どもも徹底がなされていなかったと承知しております。
#87
○有田芳生君 内閣府のそういった国民の声なども受け止める方々にも、やはりそういう内容をこれからは徹底していただきたいというふうに強くお願い申し上げます。
 内閣府だけではなくて、問題なのは、例えば長野県のサイト、三重県のサイトにもそのようなヘイトスピーチの記述が放置されていたんですよね。中身については刺激的ですからここでは紹介いたしませんけれども、擁護局長にお聞きをしたいんですが、三重県、長野県などには参考情報というのは伝わっていたんでしょうか。
#88
○政府参考人(名執雅子君) 三重県については参考情報を提供済みでございました。また、長野県についても、近時、要望を受けて提供したということでございまして、この辺りも、私どもも、都道府県を含めた地方公共団体に対して要望に応じて参考情報の提供をするという運用を行ってまいりましたけれども、確かに、委員御指摘のとおり、このヘイトスピーチ解消法施行二年を迎えるこの機において、この参考情報を再度地方公共団体全体に対して周知を図り、また積極的な提供もし、地方における行政の活動に役立てていただきたいというふうに思っております。
#89
○有田芳生君 繰り返しますけど、本当に優れた内容だというふうに私は思っておりますので、そういうものを活用していただきたい。だから、これから徹底して、各都道府県だけではなく関連省庁にも渡していただいて、内閣府も含めてそういう問題に関わる方にはやはり教育、啓蒙というものも、啓発というものも強めていただきたいというふうに思います。
 と同時に、やはりヘイトスピーチのデモ、街宣なんかの現場において、今日はお呼びしていないんですけれども、警察官の方々へのやはりそういう周知徹底というのもまだまだ不十分だとこの二年間感じているんですよ。ヘイトスピーチやめろというようなことに対して、警察官の方の方が何言ってんだみたいに突っかかってくるようなことも間々あるんですよね。
 だから、そういう警察官の方々にもそういうものを周知徹底してもらいたいと同時に、最後にお願いなんですけれども、これもう何度もここでもお願いしたことがありますけれども、この参考情報、全部とは言いませんよ、全部とは言わないんだけれども、やはり国民の皆さんにも伝わるような、要旨でもいいと思うんですよね、そういったものも公開していただくことをお願いしたいんです。
 もう何度も何度も、これは新聞、テレビなんかでも法務省が参考情報という優れた内容の文書を作られたということは明らかになっているんですから、やはり国民向けにももう一度、こういうヘイトスピーチはいけないんだということをはっきりさせるためにも、国民向けにも何らかの対応をしていただけないかということを最後にお聞きをしたいというふうに思います。
#90
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。
#91
○政府参考人(名執雅子君) 実は、この参考情報は一般向けに作成したものでなかったものですから、一般に向けてはこれまでも、この記載の趣旨を盛り込んで、ヘイトスピーチの問題について分かりやすく紹介し、またヘイトスピーチに当たり得る言動の例も記載した冊子を作成して配布したり、インターネット上で公開をしてまいりました。
 今後、このような内容の啓発関係の冊子等を改正する際に、今委員御指摘の点も踏まえて対応したいと思っております。
#92
○有田芳生君 その冊子も不十分だということを指摘させていただいて、また改めます。
 終わります。
#93
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 性刑法改正から間もなく一年になります。附則九条では三年後の見直しを私たち盛り込んだわけです。その下で、一年前のこの委員会で、被害者当事者として山本潤参考人質疑を行いました。
 以来、この参議院の法務委員会として、性犯罪やその被害者の実態をつかんで見直しに生かすために、多様な性暴力被害者当事者の参考人招致を私、繰り返し提案をしてまいりました。各会派御検討いただいているところだと思うんですけれども、是非今国会中に実現をしていきたいなと強く思っております。
 委員長、是非御努力をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#94
○委員長(石川博崇君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#95
○仁比聡平君 法務省は、性犯罪実態調査ワーキンググループを立ち上げられて、一昨日の五月二十二日に第一回の会合を行われています。
 そこで、まず、上川大臣、このワーキンググループを設けた目的、柱としてどんな調査や検討を行っていくのか、お伺いしたいと思います。
#96
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のワーキンググループということで御質問がございました。
 このワーキンググループでございますが、刑法一部改正法附則第九条に基づいて、同法施行後三年を目途として実施する性犯罪に関する総合的な施策検討に資するよう、省内の関係局等の連携を図りつつ、性犯罪の実態に関する各種調査研究を着実に実施することを目的として設置したものでございます。
 主な活動内容でございますが、まず、各種調査研究の有機的な連携及びその進捗管理、さらに、性犯罪の実態把握のためのヒアリング等の実施、さらに、関係府省との連携、情報の共有を行うこととしております。
 また、法務省におきましては、性犯罪に関する施策検討に向けまして調査研究をする予定でございます。具体的に申し上げますと、性犯罪被害者の心理等についての調査研究、また性犯罪等被害の実態把握のための調査研究、さらに、性犯罪者に対し刑事施設あるいは保護観察所におきまして実施しているプログラムの効果検証、さらに、性犯罪に関する罰則の運用状況等につきましての調査、こうしたことを予定をしておりまして、本ワーキンググループにおきましてはこれらの調査研究の進捗管理をしっかりと行いたいというふうに考えております。
#97
○仁比聡平君 今御答弁あったように、このワーキンググループによって有機的連携あるいは進捗管理を図っていくということは重要なことだと思うんですが。
 具体的に法務省にお尋ねをしますが、各局別々の取組ではどこに課題があって、どう連携を図っていくのか、また、関係府省との共有というのはどこに対してどのように情報の共有、連携を図るのか、これはいかがですか。
#98
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 まず、省内における有機的連携の方でございますが、省内における各種調査の有機的連携の目的は、関係局等において行う各種調査研究をより有益なものとする点にございます。そのため、本ワーキンググループにおきましては、各種調査研究の実施方法等を共有し、連携できる部分については連携する、それから、各種調査研究結果や同調査研究結果で得られた知見を共有することとしております。
 次に、関係府省との連携の方でございますが、施行後三年をめどに実施する性犯罪に関する総合的な施策の検討に向けた各種調査研究は、内閣府や警察庁など、法務省以外の関係府省においても実施しているほか、施策の在り方の検討においては関係府省との協議が必要でございます。そのため、本ワーキンググループにおきましてはこうした関係府省との連携を推進することとしており、法務省において実施した各種調査研究結果や本ワーキンググループで実施するヒアリング結果につきましても関係府省と共有していくことを考えております。
#99
○仁比聡平君 何しろ、三年後の性刑法の見直しに向けて腹を据えて掛からなきゃいけないわけですから、その構えをはっきり持って臨んでいただきたいと思います。連携できるものは連携するというような御答弁もありましたけれども、おぼつかないということではこれは任務は果たせないと思うんですね。
 私、この問題について、刑法と刑事司法の在り方が被害者にとって、伊藤詩織さんがおっしゃるブラックボックスとなって、被害者を排除し、不信の悪循環を広げているのではないかと厳しく指摘をしてまいりました。
 この性刑法の見直しに当たって、性暴力の定義は、同意に基づかない性的行為である、暴行、脅迫を要件としないというイスタンブール条約を林陽子前国連女性差別撤廃委員会委員長も批准すべきだとしていることも紹介し、被害者が命懸けで抵抗していなければ同意したことになるかのように扱われてきた暴行・脅迫要件の撤廃を求めてまいりました。
 さらに、性交同意年齢の引上げ、公訴時効の停止、見直し、集団強姦事案の厳重処罰などが焦点となっているわけですが、大臣、これらをしっかり検討するには、四月十二日に御答弁もいただきましたけれども、無罪、不起訴事案を徹底して分析し、刑法や刑事手続の在り方を見直すことが重要だと思います。
 このワーキンググループをそのような場にしていくという決意でよろしいですね。
#100
○国務大臣(上川陽子君) 性犯罪に関する総合的な施策の検討に向けまして、性犯罪に関する罰則の運用状況等の把握は大変重要であると考えております。無罪となった事案、また不起訴処分となった事案につきましても調査をする必要があると考えております。
 このような調査の具体的な在り方につきましては、設置いたしましたワーキンググループでのヒアリングの内容やその他の調査の進捗等も踏まえて検討をすることといたしたいというふうに考えております。
#101
○仁比聡平君 刑事局長、今の大臣の御答弁のとおりでよろしいですよね。
#102
○政府参考人(辻裕教君) 大臣御答弁いただいたとおり、無罪となった事案、不起訴処分となった事案についても調査する必要があると考えてございます。
#103
○仁比聡平君 当然だと思います。
 そうした中で、性犯罪被害者の心理の研究、検討というテーマがあるわけですが、大阪高検の田中嘉寿子検事は、内閣府の男女間における暴力に関する調査、二〇一四年のものですけれども、これ二〇一七年の調査でも変わっていませんが、異性から無理やり性交された経験があると答えた女性のうち、警察に相談した人は僅か三・七%という数字を踏まえて、およそ七万人もの強姦、強制わいせつ犯が野放しになっていると試算した上で、被害者の心情を理解し、二次被害を防止し、被害届出率を向上させることは捜査機関にとって喫緊の課題であると著書で述べていらっしゃるわけです。
 ワーキンググループでは、被害者の心情あるいは心理について、何を明らかにするために検討していかれるわけですか。
#104
○政府参考人(金子修君) 御指摘の被害者の心理等に関します調査研究としましては、性犯罪の捜査、公判の経験を十分に有する検事を研究員として選定し、精神科医等の指導を受けつつ、性犯罪被害者の心理に関する心理学的・精神医学的知見と捜査、公判における活用の在り方について研究を行う予定でございます。
 性犯罪の被害者の心理につきましては、例えば性犯罪に直面した被害者が恐怖や衝撃から抵抗できない状況に陥ることや、PTSDの症状等によりまして被害申告が困難になること、それから、被害を捜査関係者を含む第三者に打ち明けることによりまして、それが二次被害を生むというようなことがあるということが指摘されております。
 先ほど申し上げました研究の実施に当たりましては、こうした指摘を十分に踏まえまして、専門家の御意見等も参考にしつつ調査研究を行った上で、その研究の成果を検察官等に対する研修に活用して、被害者に寄り添い、二次被害の防止等に努めていく所存でございます。
#105
○仁比聡平君 現実のこれまでの実務では、そうした研修なども極めて不十分なものであったわけで、ここはもう本当に意を決した取組が求められると思うんですね。
 その下で、子供時代の被害について、二〇一七年実施、今年三月公表の内閣府の先ほどの調査の報告書を見ますと、男女間暴力の被害に遭った時期というのは、小学校入学前が三・〇%、小学生のときが何と一二・二%、中学生のときが六・一%、中学卒業から十七歳までが五・五%で、被害者の何と三割近く、二六・八%が十八歳未満の子供時代に性的虐待、性犯罪の被害に遭っていると見られます。十八歳、十九歳は一四・〇%です。
 こうした被害について、宮地尚子一橋大学大学院教授は、子供にとってトラウマになるだけでなく、子供の成長、発達を阻害し、時には不可逆的な障害をもたらすと指摘をしておられますが、性犯罪が子供の心身に与える重大な影響、この認識をしっかり共有するということは、加害の防止や被害者の支援、それから性交同意年齢や公訴時効の在り方にとっても重要な課題だと私は思うんですが、ワーキンググループではどのように検討していかれますか。
#106
○政府参考人(金子修君) このワーキンググループにおきましては、性犯罪の被害に遭われた方やそれから被害者の支援を行っている方などから、性犯罪被害の実情や、被害者やその御家族等の関係者が置かれた状況、それから必要とされている被害者への保護、支援の内容などにつきましてヒアリングを行うこととしております。具体的なヒアリングの対象者やヒアリング項目については、現在検討中でございます。
 委員御指摘の子供時代に性暴力を受けた被害者の実情につきましても、その特有な事情に配慮しながら本ワーキンググループにおいて把握できるよう、今後ヒアリングの対象者やヒアリングの項目を選定してまいりたいと考えております。
#107
○仁比聡平君 しっかり取り組んでいただきたいと思うんです。
 性犯罪処遇プログラムの効果の検証もテーマだということなんですが、これ自体が性犯罪根絶のために重要な上に、そこから得られる知見を性刑法や捜査、公判の在り方に反映させるということが私、大事なんじゃないかと思うんですね。
 例えば、これ性犯罪の起訴状だとか逮捕状、今でも、にわかに劣情を催しという、こういう記載が実務教育で指導されているわけです。この点、藤岡淳子大阪大大学院教授はこう言っています。性犯罪は性的欲求や衝動にのみよるものではない、それは、支配や優越、強さの主張といった様々な欲求から行われる、性犯罪は決して衝動的に行われるものではなく、自己の欲求を充足させるため合目的的に、言わば計画的に行われる、性犯罪行動の変化にターゲットを絞った特別な治療をしない限り何度も繰り返される非常に習癖性の高い行動である、しかし、性犯罪者の査定と治療には特別な困難が伴い、したがって、特別な訓練が必要とされると。そういう先行研究も踏まえて、収容施設でのグループワークから得られた知見を既に二〇〇六年、十年前の本で示しておられるわけですね。
 こうした専門家にも再犯データや処遇プログラムの成果を共有し、検証をすべきではないか。ワーキンググループの目的を果たすために、これ、矯正局、保護局、それぞれどう取り組んでいくんですか。
#108
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。
 全国の刑事施設では、平成十八年の五月からこの性犯罪者に対する処遇プログラムを開始しております。このプログラムの作成に当たっては、先行的な有益な実施例がありますカナダ、イギリスのプログラムを参考にいたしまして、さらに、外部の有識者の方にも入っていただき、矯正局、保護局それぞれ一緒になって研究をして開発したという経緯がございます。今御紹介いただきました藤岡淳子氏も、こういったプログラムの中で、現在実施をする中でもスーパーバイザーとして御助言をいただくといったような形で関与もいただいております。
 私どもといたしましては、このプログラム、一時期、平成二十四年の十二月に効果検証結果も発表しておりますが、まだまだ充実改善していかなければいけない課題がいっぱいあると認識をしております。
 また、現在も、例えば知的制約のある性犯罪加害者に対してどのような指導がいいのかということで、そういった方に特化したプログラムを作ったり、あるいは全く受講の意欲がない性犯罪加害者に対してインセンティブを付与するための指導などについてもいろいろと工夫をしながら行っているところでございます。
 今後、更にこのワーキングチームの成果等も生かしながら、様々な分野の専門家の知見も得て実施の内容を更に改めていきたい、より良いものにしていきたいというふうに考えております。
#109
○委員長(石川博崇君) 時間過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
#110
○政府参考人(畝本直美君) 保護観察所におきましても、平成十八年九月から性犯罪者処遇プログラムを実施しているところでございます。
 保護局としては、本年度そして来年度におきまして、このプログラムの受講者の再犯に関して、二十四年に一度検証を行っておりますが、また新たにその分析を行って効果検証を行いたいというふうに考えております。
 また、民間有識者の知見をいただきまして、その方々と協力をいたしまして、このプログラムを行う観察官からのヒアリングあるいは海外における実践例などを参考にしながら、このプログラムを内容的に、あるいは構成を見直すなど、より効果的なものとすることを予定してございます。
#111
○仁比聡平君 時間がなくなって、大臣に最後決意をお尋ねしたいところですけれども、こうした作業を三年後の刑法見直しに必ず実らせていただきたいと。大臣、うなずいていらっしゃいます。そうした構えで進めていただきたいということを最後申し上げまして、今日は質問を終わります。
#112
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。よろしくお願いいたします。
 本日は、大臣所信表明の三ページにございます差別や虐待のない人権に配慮した社会の実現、あわせて、八ページにあります民事法制の相続について質問をさせていただきます。
 お配りしました資料は、婚外子差別について元最高裁判事がコメントした新聞記事です。二〇一三年に民法上の婚外子の相続差別は廃止されまして、撤廃されまして、嫡出子にも婚外子も同様な相続と、平等な扱いとなりました。しかし、この新聞記事の中央の見出しにございます出生届チェック欄への記載は、戸籍法第四十九条二の一、子の男女の別及び嫡出子又は嫡出子でない子の別という欄に残っております。現在もあります。相続に関しては民法が改正され平等になったのに、婚外子としてのチェック制度は廃止されておりません。
 この点について政府参考人の方にお聞き申し上げます。この制度はいつからあるもので、何を目的として現在も残されているのか、御答弁をお願いいたします。歴史的背景の説明は要りませんので、簡単にお願いいたします。
#113
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 出生届に戸籍法第四十九条二項第一号で定めます嫡出子又は嫡出でない子の別の事項を記載することとされましたのは、現行戸籍法が施行されました昭和二十三年一月一日からでございます。
 この目的でございますけれども、民法は、子が嫡出であるか否かに応じた身分関係上の区別を設けております。主な規定といたしましては、認知に関する規定あるいは子の氏に関する規定などがございます。これを受けまして、戸籍法制におきましても、嫡出子は父母の戸籍に入るのに対しまして、嫡出でない子は母の戸籍に入るといったような取扱いの差異がございます。このように、身分関係を戸籍に記載するための手続法であります戸籍法は、民法上の区別を反映した取扱いとなっております。
 そこで、本規定は、戸籍窓口において出生届に係る子が嫡出子であるか否かを把握することで、子の称する氏や子が入籍すべき戸籍を判断する契機とすることにより戸籍の事務処理上の便宜に資するべく、これを出生届書の記載事項としているものでございます。
#114
○石井苗子君 歴史的に見れば、このチェック欄の目的は、夫婦の子として身分の正統性を持った子、嫡出子と、そうでない子、婚外子の区別をする、身分的な区別をするのが目的です。
 そこで、視点を変えて質問させてください。
 母親が一人で婚外子の出生届を出した場合、この親子は一つの家族として認められますか、戸籍筆頭人は誰になりますか、お答えください。
#115
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 嫡出でない子につきましては、母の氏を称するものとされております。出生届出の当時、母が戸籍の筆頭に記載した者である場合には、この母の戸籍に母の氏を称する嫡出でない子が入ることとなります。また、母が戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者でない場合には、母を筆頭者とする新しい戸籍が編製されまして、その戸籍に母の氏を称する嫡出でない子が入ることとなります。
#116
○石井苗子君 母の氏の新しい家族として一つ認められる、戸籍筆頭人になることができる。
 そこで、配付の新聞記事を見ていただきたい。一番最後のところですが、明らかにここに書かれていることは誤りがあると今の御答弁で分かります。役所にお勤めの職員の方が認識に誤りがあったということです。婚外子の娘が結婚することになった、婚姻届を出しに行った、その際に役所の職員から、母親が戸籍筆頭人であるわけがない、父親の名前を書くようにと言われたとあります。
 間違った認識を持っていたにしても、この父親の名前を書くようにという、この根拠はどこにあるのでしょうか。先ほどの御答弁では、母親がシングルでも、戸籍筆頭人、つまりインデックスになることが可能というお答えでございました。であれば、婚外子が結婚するときになぜ父親の名前を書く必要がありますか。何のために必要なんでしょうか。
#117
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 母を筆頭に記載した戸籍にある子が婚姻届出をいたしますと、その届出によりまして子は母の戸籍から除かれることになりますけれども、その届出に当たりましては、除かれる戸籍の表示を届出書に記載しなければならないこととされています。
 この戸籍の表示の一部として除かれる戸籍の筆頭者の氏名を書く必要がありますが、元々その母を筆頭に記載した戸籍にある子の婚姻と、こういう場合でございますれば、母が戸籍の筆頭者でありますので母の氏名を記載すれば足りるものでありまして、筆頭者として父親の氏名を記載する必要はございません。
#118
○石井苗子君 父親の名前書く必要ないんですよ。
 この法務委員会で夫婦別姓についても質問が出てきていますが、現在の民法の規定は夫婦の姓を同じにするように義務付けることを合憲としております。子が嫡出子であることを証明するために両親双方と同じ氏である仕組みを確保することに一定の意義があるとしております。これは、子供より親が誰であるかに着目しているという証拠だと思います。私は、どうして子供の人権に着目しないのかと思うのですが、そこで更にお尋ねいたします。
 嫡出子かどうかは、先ほどの御説明で、夫婦同姓で証明することができています。婚外子をそうでない子として証明するメリットというのはどこにあるんでしょうか。婚外子の身分の証明をチェック欄でするというメリットがどこにあるか、お答えください。
#119
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 そのチェックするメリットでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、戸籍法は民法上の区別を反映した取扱いというものをしているものでございます。そこで、戸籍窓口におきまして出生届出に係る子が嫡出子であるか否かを把握することで、子が称する氏や子の入籍する戸籍を判断する際の契機とすることによって戸籍の事務処理上の便宜に資するべく、これを出生届出書の記載事項としているものでございます。
#120
○石井苗子君 事務処理上の便宜を図るというお答えですね。戸籍の整理に正統、非正統の区別は必要ありません。認知に関してのお答えがございましたが、認知は父親が認めるかどうかであって、極めてプライベートな交渉です。子供はここに関与できません。
 私は、この婚外子チェック欄の必要性というのが勉強してもいま一つ理解ができませんでした。単なる差別だと思います。差別はされている側がそう感じるかどうかが基本であり、その気持ちを押してでも制度を維持するには、相当な合理性、そして合理的な理由がなければならないと思います。
 そこで、もう一度お聞きします。
 チェック欄に婚外子であると、しかも、役所に行って職員が事務的な処理のために記載することで制度的に婚外子の子供の何を守ることができているのでしょうか、お答えください。
#121
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど来申し上げておりますとおり、そのチェック欄でございますけれども、子の称する氏や子が入籍すべき戸籍を判断する契機とすることによりまして戸籍の事務処理上の便宜に資するためのものでございますが、これによりまして、その子供について速やかに戸籍法に従った戸籍が編製されることになると、こういうものかと考えております。
#122
○石井苗子君 戸籍の制度に私は正統か非正統かの子供の区別は必要ないと思います。日本も結婚という形を取らずに子供をもうける男女が増えてきているというデータがございますが、婚外子であるということを証明するチェック欄というのは必要ないと思っております。
 婚外子における戸籍法の規定は憲法違反かどうかについて、最高裁の判断、判決は、記載は不可欠とまでは言えないとしました。でも、憲法違反ではないとなりました。
 そこで質問なんですが、この婚外子の記載というものを戸籍法から廃止するにはどのような手続が必要でしょうか。
#123
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 この嫡出子又は嫡出でない子の別を出生届書に記載すべきことは戸籍法の四十九条二項一号に定められているものでございますので、この条項を改廃するということになりますと、戸籍法の改正というものが必要となります。
#124
○石井苗子君 戸籍法の改正については、どのような運動やどのような手続が必要となりますか。
#125
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 これはあくまでも法律の改正でございますので、法律の一般的な手続によろうかと思います。もちろん、閣法で政府が提出するということもございますれば、それは国会で改正ということも、もうそれは法律の一般的な手続によろうかと思います。
#126
○石井苗子君 一般的な手続が必要ということがお答えだと承知いたしました。
 家族の中に順位を設けるということは、昭和二十二年の改正で消えています。制度は一日で変わっても、人間の気持ちは一日では変わらないのかもしれません。
 家族差別の根底にあるものは、社会の変化が何かより、日本の伝統的な家族制度を固く守りたいとする気持ちでありまして、結婚せずに子供をもうける男女がいかに増加しつつあっても、この日本の社会の変化があるというのを目の当たりにしても、これは結婚という秩序の乱れとしているという根強い考え方が強いのかもしれません。
 しかし、憲法は少数派の人権を守ることを保障していますし、そこにあって秩序というものをつくっていくのは司法の役割だと思います。加えて、少子化対策が問われている現在において、内閣府の調査では、フランスの出生率が向上してきた現象の一つに、婚外子出産の割合が全体の六割近く増えたというデータがあります。そちらのデータと比較しますと、日本の婚外子が三%となっています。これをよしとするのか、どう見るかは別として、法務委員会は、現在の日本の社会の状況の変化に対応した改正を行っていくことに強い問題意識を持っていると承知しております。
 そこで、差別をなくすという意味においても、結婚を経ないで子供をつくることが増えている社会の現状を踏まえ、婚外子について差別のない取扱いをしていくべきだと思うのですけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
#127
○国務大臣(上川陽子君) 法律婚主義を採用する現行制度の下におきましては、嫡出子と嫡出でない子との間には、民法上、嫡出子は父母の氏を称し、嫡出でない子は母の氏を称するなど、子の氏等に関して異なる取扱いがされております。そして、戸籍法上も、かかる民法の規定を受けまして、子が入籍すべき戸籍について、嫡出子と嫡出でない子との間で異なる取扱いをしているところでございます。
 戸籍法は、このような民法上及び戸籍事務処理上の差異を踏まえまして、出生届出書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきことを定めており、この規定自体によって、嫡出でない子について、嫡出子との間で、子又はその父母に関する法的な地位に差異が生ずるものではございません。この点につきましては、最高裁平成二十五年九月二十六日判決におきまして、出生届出書に嫡出子と嫡出でない子の別を記載すべき旨を定める戸籍法の規定は不合理な差別的取扱いを定めたものではないと判断をしているところでございます。
 もっとも、出生届出書により嫡出子であるか否かを把握する方策につきましては、様々な御意見があろうかというふうに思っております。この点につきましては、子供の利益最優先にとの視点から、どのような方策が適切であるのか考えてまいりたいというふうに思っております。
#128
○石井苗子君 私もこの件につきましてはどう質問しようかなと勉強したんですけれども、そこのチェック欄にチェックを入れて、この子は婚外子であるということを書いて何かを守ろうとしているんだったら分かるんですけれども、なぜ、これがなくなったら困るというものの説明が、していただけませんかという、レクチャーのときに何度もお伺いしたんですけれども、これは事務的に嫡出子か婚外子かというのを身分の証明ということで書きたいと。いや、書かなかったら何がいけないんでしょうか、困ることは何でしょうかと聞いても、余りしっかりとした返答が返ってきませんでした。
 日本は、権利を勝ち取るための運動というのが少ない国だと思っております。声を上げて頑張ることをもっと積極的にやっていかなければならないと。
 婚外子のチェック機能をなくして何が問題なのか、なくさなくてはならないものなのか、そこを仕事として深く考えないのであれば、古い習慣というものがいつまでも残っていくのであるということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#129
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 私は、これまで本委員会で、婚姻や家族の在り方に対する国民の意識が多様化していること、法律で夫婦同姓と規定する国が日本以外に見当たらないこと、国連機関から度々是正勧告を受けていること、結婚する若い世代の方が不便や不利益を被っていること、選択制なのでより多くの国民のニーズに応えることなどを示した上で法改正の必要性を訴えてきました。しかし、上川大臣は、世論の動向、大方の意見、社会的コンセンサス等を挙げ、否定的に答弁をされています。もちろん、これらの答弁は納得できるものではないことを再三申し上げているところであります。
 五月十五日の本委員会で、家族の在り方に関わる問題が個人の尊厳より重要かとの私の質問に対し、上川大臣は、これを否定した上で、「平成二十七年十二月の最高裁判決におきまして、現行の夫婦同氏を定める民法第七百五十条の規定は憲法に違反しないという判断が示されておりまして、法務省といたしましても同様の理解をしているところでございます。」と答弁をされました。これでは議論が先に進みません。
 日本政府が出した女性差別撤廃委員会の最終見解に対するコメントでは、二〇一五年十二月十六日の最高裁判決においては、夫婦同氏を定める民法第七百五十条の規定において、合憲との判断が示されたものの、同判決においては、制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断される事柄との指摘もなされていると述べていらっしゃいます。判決を引いて国会で答弁されるのであれば、少なくともこのことにも言及すべきだと思います。
 議論を停滞させる上川大臣のこの答弁に強く抗議し、法務省に伺います。
 昨年十二月五日の本委員会で、選択的夫婦別姓について、インターネットだけの周知では理解も議論も深まらない、周知方法を検討する必要があるのではないかとの質問に対しまして、小野瀬民事局長は、国民的な議論が深まることが重要であると認識しておりまして、周知の在り方につきましても工夫の余地があるかどうか検討してまいりたいと答弁をされました。
 その後、どのような工夫がなされたのでしょうか、お伺いいたします。
#130
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 昨年十二月五日の本委員会におきまして、委員御指摘の答弁を私の方からいたしました。その答弁にもございます、答弁いたしましたとおり、法務省としましても、選択的夫婦別氏制度について国民的な議論が深まることが重要であると認識しております。そのような観点から、法務省においては、ホームページに「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について」という項目を設けて、制度の概要や氏に関する歴史的な経緯、法制審議会の答申の内容などについて周知を行っているところでございます。
 昨年のその答弁の後でございますけれども、平成二十九年の十二月に内閣府が実施しました家族の法制に関する世論調査の結果が本年二月に公表されております。そういったことから、現在、その世論調査においてされております制度導入についての賛否の結果のほか、性別や年齢別による分析結果等をこの法務省のホームページに公表することを検討しているところでございます。
#131
○糸数慶子君 世論や社会的コンセンサスを理由に挙げておきながら議論が進むことに消極的と誤解されないよう、しっかり対応していただきたいというふうに思います。
 次に、セクシュアルハラスメントについて伺います。
 女性記者に対する福田淳一前財務事務次官のセクシュアルハラスメントをめぐって、麻生財務大臣が、本人が否定している以上断定できない、はめられたのではないかという意見もある、セクハラ罪という罪はないと矮小化した上、女性をおとしめる発言をしました。抗議を受けて麻生大臣は謝罪されましたが、セクハラ罪はないという発言は撤回されていません。政府も、五月十八日、質問主意書に対し、現行法令においてセクハラ罪という罪は存在しないとする答弁書を閣議決定しています。
 刑法にセクハラ罪という罪名はありませんが、悪質なセクハラ行為は刑法上の強制わいせつ罪などに当たる可能性があります。一連の発言や答弁書は、セクハラの違法性を国内法の中できちんと位置付け、明文化することの必要性を示したとも言えます。
 そこでお伺いいたしますが、セクハラの規定については、男女雇用機会均等法が事業主に対してセクハラの防止及び事後対応の措置を義務付けている規定、人事院規則が省庁について同様の義務を定めている規定及び職員はセクハラをしないように注意するという注意義務の規定があるというふうに承知しております。法務省管轄の規定はあるのでしょうか、法務省にお伺いいたします。
#132
○政府参考人(名執雅子君) セクシュアルハラスメントに該当し得る行為には様々なものが考えられますため、これについて規定する法令について一概にお答えすることは困難でございますが、セクシュアルハラスメントという言葉を用い、これを直接禁じた法律はないと承知しております。
#133
○糸数慶子君 本当に残念でございます。これだけの規定があるにもかかわらず、そういう御答弁でございました。
 次に、女性差別撤廃委員会は女性に対する暴力をテーマとした一般的勧告十九でセクハラをどのように取り上げているのでしょうか、お答えください。
#134
○政府参考人(渡邉清君) 内閣府男女共同参画局でございます。
 国連女子差別撤廃委員会による一般勧告十九号、女性に対する暴力というのがございます。こちらにおきまして、女子差別撤廃条約の第十一条に関するコメントとして、第十七パラグラフにおきまして、女性が、職場におけるセクシュアルハラスメントのようなジェンダー特有の暴力を受けた場合、雇用における平等は著しく害される。また、第十八パラグラフにおきまして、セクシュアルハラスメントは、身体の接触及び接近、性的意味合いを持った発言、ポルノの表示及び性的要求といった歓迎されない性的行動を含む。かかる行為は、屈辱的であり得、安全衛生の問題となる可能性がある。かかる行為に異議を唱えることが、採用又は昇進を含む雇用関係において不利益となると当該女性が信じる合理的理由がある場合、若しくは、敵対する労働環境を創出する場合には、かかる行為は差別となるとコメントをされております。
 また、勧告として、第二十四パラグラフの十項目め、アルファベットのjにおきまして、締約国は、報告に、セクシュアルハラスメントについての情報、並びにセクシュアルハラスメント及び職場におけるその他の形態の暴力又は強制から女性を保護するための措置についての情報を含めるべきであるとされています。
 また、同パラグラフの二十項目め、アルファベットのtにおきまして、締約国は、ジェンダーに基づく暴力に対して、女性に効果的な保護を与えるために必要な全ての立法及びその他の措置をとるべきであるとした上で、このとるべき措置の一つとして、とりわけ、家庭における暴力及び虐待、職場における性的暴行及びセクシュアルハラスメントを含むあらゆる形態の暴力から、女性を保護するための刑事的制裁、民事的救済及び補償の付与を含む効果的な立法措置というものを挙げて、それぞれ勧告をしているところでございます。
#135
○糸数慶子君 では、女性差別撤廃委員会の日本政府審査の最終見解ではどのように勧告されているか、お示しいただきたいと思います。
#136
○政府参考人(渡邉清君) 国連女子差別撤廃委員会の日本の第七回及び第八回合同定期報告に関する最終見解、こちらにおきましては、第三十五パラグラフのアルファベット三番目、cにおきまして、職場でのセクシュアルハラスメントを防止するため、禁止規定と適切な制裁措置を盛り込んだ法整備を行うこと、及び妊娠や母親であることを理由とした差別を含む雇用差別の事例において女性の司法制度へのアクセスを確保することとされています。
 また、同パラグラフのアルファベット四番目、dにおきまして、セクシュアルハラスメントに対する労働法及び行動基準の遵守を目的とした労働査察を定期的に行うこと、これらを日本政府に対して要請をされております。
#137
○糸数慶子君 日本政府に対して国連はこのように要請をしているということになるわけですが、では、日本には、何がセクハラに当たるかを明確に定義した上でこれを禁止するという法律上の明文の禁止規定もありません。被害者が訴えるとすれば民法の不法行為という一般規定くらいしかなく、二次被害を恐れ、泣き寝入りが多いという状況にあるわけですが、今回のセクハラ問題を契機に、セクシュアルハラスメントは女性の人権を否定する人権侵害であるため、法整備に向けた真剣なその御議論を始めていくべきだと思いますが、上川大臣の御見解をお伺いいたします。
#138
○国務大臣(上川陽子君) 女性と男性が自らの個性を発揮して生き生きと充実した生活を送ることができる社会を実現するためには職場における環境整備が重要でありまして、いわゆるマタニティーハラスメントなどの妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの問題やセクシュアルハラスメント、そのほか、働く女性の心身の健康を害する様々な問題につきましては、女性の人権に関する重大な問題であると認識をしております。
 法務省といたしましては、女性に関する問題を含むあらゆる人権に関する相談にしっかりと応じ、人権侵害による被害申告を受けた場合に丁寧な調査を行うとともに、国民の皆様に向けて女性の人権問題に関する人権啓発活動を行うなどの取組を行っております。まずは、先ほど申し上げた認識の下で、被害を受けた方の心情に寄り添いつつ、これらの取組に力を入れてまいりたいと考えております。
 昨年度でございますが、セクシュアルハラスメントを始めといたしまして、職場における各種の人権問題、これを取り上げました啓発冊子でございますが、「企業と人権 職場からつくる人権尊重社会」、こうしたパンフレットを作りまして、そして九万八千部を作成し、本年三月に全国に配布をしたところでございます。また、この内容につきまして映像化をした啓発ビデオ、これを作成してインターネット上で公開をしたところでございます。
 今後、これらを活用した職場研修、こうした職場研修などの場におきまして、この啓発啓蒙活動、これについて徹底して実施してまいりたいというふうに考えております。
#139
○糸数慶子君 ありがとうございます。
 民法の質問とは違いまして、ただいまの質問に対する大臣の女性に寄り添うそういう前向きの御答弁、ありがとうございます。
 次に、配偶者間の性暴力について伺います。
 五月二十一日の朝日新聞に、資料として皆様にも差し上げておりますけれども、夫が妻の飲食物に睡眠薬を入れ、わいせつ行為をしたり裸の写真を撮影したりということが婚姻関係の破綻と判断され、夫に慰謝料を命じたという事件が記事となっています。
 配偶者間や恋人間での性暴力はなかなか事件化されず、妻が夫を告訴するケースは極めて少ないと言われています。それは、子供などへの影響を恐れるためと言われております。しかし、潜在的な被害は少なくありません。
 そこでお伺いいたしますが、配偶者間の強姦は強制性交罪で対応できると言う方もいらっしゃいますが、起訴や有罪件数はあるのでしょうか、お伺いいたします。
#140
○政府参考人(辻裕教君) ただいまのお尋ねでございますが、刑法の文言上、配偶者間において強姦あるいは強制性交等罪が成立しないということを示すような規定はございませんし、それを否定するような判例もないと承知しておりまして、一般的には、配偶者間においても強制性交等罪が成立するものというのが一般的な解釈であるというふうに承知しております。
 お尋ねの起訴件数、有罪件数ということでございますけれども、当局におきましては、配偶者間における強制性交等罪あるいはその改正前の強姦罪のそれらの件数について網羅的には把握していないところではございますけれども、現実に起訴例はあると承知してございますし、当然、それを受けて有罪となった例もあるというふうに承知してございます。
#141
○糸数慶子君 御答弁にもありましたけれども、まだまだ配偶者間に性交に応じる義務があるというその誤解の下、暴力におびえながら意に沿わない性交を強いられているケースもあるわけですね。ですから、配偶者間強制性交を独立した犯罪類型とすれば、そうした誤解を解消することに資するのではないかというふうに思います。
 そこで、上川大臣にもお伺いしたいと思いますが、立法での解決をすべき時期だというふうに思いますが、御見解をお伺いいたします。
#142
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、簡潔にお願いします。
#143
○国務大臣(上川陽子君) 配偶者間におきましても、暴行、脅迫を用いた性交が許されないということは当然であると認識をしております。配偶者間においても強制性交罪等が成立するところでございます。それを明示する規定を置くことにつきましては、むしろ配偶者以外の親密な関係におきましては強制性交等罪が成立しないかのような誤解を招きかねず、かえって問題が生じ得ると考えられたことから、今般の改正ではそのような規定は置かれなかったところでございます。
 刑法一部改正法附則第九条では、国会審議の過程における様々な御指摘をも考慮し、広く性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方に関する検討が求められていることから、まずは性犯罪被害の実情や、改正後の規定の運用状況の把握等を着実に進めることが重要であると認識をしております。
 他方、社会一般におきましては、配偶者間では強制性交等罪が成立しないという誤解があるとすれば被害が潜在化してしまうという問題が生ずることにもなりかねないということでございますので、そのような誤解が生じないよう、関係府省とも連携をしつつ、広報啓発活動を推進しているところでございます。
#144
○糸数慶子君 ありがとうございました。これで終わります。
#145
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 昨年十一月から新たな技能実習制度がスタートしましたが、どうも介護技能実習がもたついているようにも見えてくるところであります。これから高齢化が本番となるアジア諸国と我が国が本当にウイン・ウインの関係を築き、アジアの人たちが助かっていくというふうに考えていくと、少し心配事が多いところでございます。
 新制度における監理団体の申請と許可、そして技能実習計画認定の申請と認定の現状について、全体の件数と、そのうち介護分野の件数はどのようになっているのか、お聞きしたいと思います。
#146
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 本年五月二十一日現在におきます監理団体許可申請件数は二千二百九十三件、許可件数は二千九十八件となっております。
 また、本年五月四日現在におきます技能実習計画認定申請件数は十五万五千八百二十件であり、このうち介護職種は百六十一件でございます。
 さらに、同日現在における認定件数は九万八千九百六十七件であり、このうち介護職種は二件となっております。
#147
○山口和之君 介護技能実習計画認定件数がまだ二件というふうに少ないんですが、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
#148
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
 介護職種につきましては、昨年十一月、技能実習の適正な実施と技能実習生の保護を図る新たな技能実習制度の施行と、これに合わせまして技能実習制度の対象に追加をしたところでございます。
 介護職種の技能実習計画認定件数は、現在のところ、今御指摘ございましたとおり二件となってございます。これにつきましては、介護サービスが技能実習制度で初めての対人サービスということで新たに加わったということ、また、これに伴いまして、他の職種と異なり技能実習生に一定の日本語能力を求めるなど、介護職種に固有の要件を設定をしていると、こういったことから現時点で技能実習計画の認定件数が二件にとどまっているものというふうに考えてございます。
#149
○山口和之君 ベトナムからの実習生受入れを担う監理団体関係者からお聞きしますと、ベトナムでは、個々の実習生候補と実習先のマッチングまで進んでいるのにもかかわらず、国として介護実習に送り出すかどうかの認定が進まず、介護から他分野へのシフトも始まっているということをお聞きします。
 こうした事実と理由について把握していらっしゃるのであれば、また、どのように対応しているかを伺いたいと思います。
#150
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
 介護職種の追加に当たりましては、介護サービスの特性に基づく様々な懸念に対応するため、技能実習制度本体の見直しによる対応に加えまして、技能実習生に一定の日本語能力を求める、また適切な実習体制を確保するなどなど、介護職種に固有の要件を設定をしたところでございます。
 今、ベトナムの話を御指摘をいただきましたけれども、介護の固有の要件につきましては、国内の関係者、また外国政府から、技能実習生が日本語能力要件を満たすのが困難、入国一年後のN3合格というのがハードルが高く帰国するというリスクがあるといった御指摘ですとか、日本語学習に係る費用の負担が大きいといった懸念の声もいただいておるところでございます。
 こうした懸念から、例えば二の足を踏んだり、対応に時間が掛かっているというようなことが送り出しが進んでいない一因になっているのではないかというふうに考えてございます。
 厚生労働省といたしましては、国内の現場の声あるいは相手国政府の意見もよく聞きながら、必要な対応を検討し、介護職種の技能実習生の円滑な受入れに努めてまいりたいと考えております。
#151
○山口和之君 介護実習生の一年以内に日本語能力試験でN3に合格しないと帰国というのはハードルが高過ぎるとの送り出し国の意向を受けて、国際・アジア健康構想協議会が介護に特化した新たな試験を創設する、厚労省もこの新試験を認可する方針だとの報道もありましたが、それは事実でしょうか。
#152
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
 介護職種の技能実習につきましては、介護分野等の有識者から成る外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会、この中間まとめを踏まえまして、介護サービスを利用される方の心身状態を適切に把握をし、チームで介護を提供するためには、コミュニケーション能力の確保が不可欠であるといったことから、一定の日本語能力を技能実習生に求めることとしております。
 その上で、今御指摘ございましたが、現在、国際・アジア健康構想協議会と、この下で新たな日本語テストを開発をし、日本語習得環境を整備しようという取組が行われているというふうに承知をしてございます。これは、介護現場におけるコミュニケーション能力に重点を置いた新たなテストということで、平成三十年内をめどに試験を実施することができるよう、この国際・アジア健康構想協議会において検討されているものというふうに承知をしてございます。
 厚生労働省といたしましては、この国際・アジア健康構想協議会の検討を踏まえまして、介護の技能実習生の日本語能力を評価する試験として認めるかどうかを適切に判断をしてまいりたいと、このように考えてございます。
#153
○山口和之君 技能実習対象職種に介護を追加するに当たっては、介護サービスの質を担保することが重要な前提とされ、本委員会における附帯決議でも、外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会中間まとめの中で、日本語能力など必要なコミュニケーション能力の確保など、検討を要する事項として掲げられた七点につき、中略しまして、適切な対応策を定めた上で行うことと盛り込まれております。
 新たな試験を創設するにしても、ハードルを下げるのではなく、あくまで中間まとめの趣旨や本委員会の附帯決議の趣旨に沿って、サービスの質を担保するということ本位で考えなければならないと思いますが、どうでしょうか。
#154
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
 新しい試験の話とサービスの質についてのお尋ねであったと思います。
 ちょっと繰り返しになりますけれども、技能実習制度への介護職種の追加に当たりましては、介護サービスが技能実習制度で初めての対人サービスであるといったことから、介護分野の有識者の方々等にお集まりいただきまして、外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会、ここにおきまして御議論をいただき、介護サービスの質を担保する、利用者の不安を招かない、介護現場の混乱、事故を防ぐといった観点から御提言をいただいております。
 この御提言ですとか、今御紹介がございました外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議、こういったことを踏まえまして、介護職種の技能実習生に一定の日本語能力を求めるほかに、四十二時間の介護導入講習の受講ですとか、各事業所ごとに配置される技能実習指導員の一名以上は介護福祉士の有資格者とすると、技能実習生が就労する事業所ごとに受入れ人数枠を設けるといったことなどを介護の固有要件として定めてございます。
 厚生労働省としましては、先ほど来の国際・アジア健康構想協議会において検討中である新たな試験といったものにつきましても、介護の技能実習生の日本語能力を評価する試験として認めるかどうか、検討に当たってもこうした点を踏まえて適切に判断をしてまいりたいと、このように考えております。
#155
○山口和之君 あくまで日本の優れた介護技術を移転するのが制度の趣旨ですので、ハードルを下げてサービスの質を落とすようなことは本末転倒になってしまいます。しっかりと対応していただきたいと思います。
 インドネシアからの実習生を扱うある監理団体の関係者によると、他職種に比べ、高い日本語能力が求められ、教育コストも掛かるのに、日本入国後、介護職は他職種に比べ、残業代を含めれば五、六万給与が低くなることも多く、実習生のモチベーションが保てるのかなどの、現地の送り出し機関では人材確保を懸念する声が多数上がっているということを聞きます。
 今後、制度が立ち行くのかどうか、こうした状況を把握しているのか、またどのように対応していくのか、伺いたいと思います。
#156
○政府参考人(八神敦雄君) お答えを申し上げます。
 この介護職種を技能実習に追加するということで、先ほど来御説明していますサービスの質の確保、コミュニケーション能力の観点など様々な御議論を踏まえて追加ということになってございます。
 一方、実際スタートをしてまいりますと、介護職種の技能実習生に求められる日本語能力要件をめぐりまして、先ほど来御答弁申し上げているように、国内の関係者、外国政府等において、御指摘のような、コスト面も含めた様々な懸念の声もあるというふうに承知をしてございます。せっかくつくった制度でございます。実習生の方、働きながら技能を身に付けていくと、あるいは、事業者、相手国、いろんな期待が大きくあろうかと思います。有効に制度を生かしていくということが必要かと思っております。
 厚生労働省としては、介護サービスの質を担保した上で、介護職種の技能実習生の受入れが円滑に行われ、途上国への介護技能の移転が適切に進むことが重要だと、このように考えてございます。このために、日本語の学習ということに関しまして、介護現場で適切なサービスができるように監理団体が実施する入国後講習で活用ができる「介護の日本語」の共通テキストであったり、実習開始後の継続的な日本語学習を支援するためのウエブコンテンツ等の開発を行って実習生の日本語学習の支援を進めているというところでございます。
 引き続き、現場の声をよく聞きながら、技能実習生の日本語の学習環境の整備、支援といったことに努めてまいりたいと、このように考えてございます。
#157
○山口和之君 送り出し機関が二の足を踏んでいるという。例えば、インドネシアでは介護の職業イメージが低くて、メードさんというようなイメージなんですね。認知度も低いため、介護本来の仕事の意義を広報したりする必要もあるんだと思います。また、N4レベルで入国した実習生が、実習をしながら一年後にN3レベルに合格しなければならないというのは法案審議の際も難しいのではないかと指摘させてもらいましたが、実際、受入れ企業からは、現地での準備期間中にN3を取得してほしいという要望も上げられるケースもあると聞いております。しかし、インドネシアでは、N3の日本語能力があれば日系企業等の条件のより良い職場に就職できてしまうため、あえて介護の技能実習に応募してこないという事情もあるらしい、あると聞きます。
 国として、もっと強力に実習生の日本語能力の確保に乗り出すことが求められると思うのですが、いかがでしょうか。
#158
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
 この制度が始まってまだ間もないということもございます。ただ、現場からいろいろな声、外国政府含めていろんな声を私どももちょうど伺っておるところでございますので、そういった声も踏まえて、いかにこの制度をうまく有効に活用できるかといった視点でちょっと考えてまいりたいと、このように思っております。
#159
○山口和之君 送り出し機関が二の足を踏んでいます、そして日本に来ました。で、日本のちょっと心配事は、今度、受け入れた側のレベルの問題もあるんですが、日本の介護って実はピンキリで、お世話の介護から自立支援までちゃんと幅が広いんですね。その中で、日本にせっかく来たのに、日本語をそれだけ一生懸命勉強したのに内容が、内容がお世話の介護でしたと、メードさんと余り変わりませんと。それじゃ、ますます立ち行かなくなります。
 ですので、お世話の介護から自立支援までの幅広いところを、自立支援へシフトしてきた、今回の介護報酬改定の中に盛り込まれましたけれども、そこをまずしっかりと進めていくことと、一方で、日本の企業が海外に進出したときにモデルになれるぐらいのものを、海外に進出する手助けを国を挙げて行っていくと。そういうことを組み合わせていきますと、本当に、本当の意味での国際貢献、ウイン・ウインの関係がつくれていくのではないかなというふうに思います。単なる出稼ぎではなくて、実習に来て、これから訪れる高齢化社会、アジアの中で訪れる高齢化社会をしっかりと支援していく体制をつくるためには、この分野だけではなく国全体での支援が必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#160
○委員長(石川博崇君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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