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2018/07/05 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 法務委員会 第21号
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2018/07/05 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 法務委員会 第21号

#1
第196回国会 法務委員会 第21号
平成三十年七月五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     岡田 直樹君
     進藤金日子君     柳本 卓治君
 七月四日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     松川 るい君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     朝日健太郎君
     松山 政司君     徳茂 雅之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石川 博崇君
    理 事
                中西 健治君
                山田  宏君
                若松 謙維君
                有田 芳生君
    委 員
                朝日健太郎君
                徳茂 雅之君
                福岡 資麿君
                松川 るい君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                櫻井  充君
                小川 敏夫君
                仁比 聡平君
                石井 苗子君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  山下 貴司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    大泉 淳一君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       国税庁課税部長  山名 規雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○法務局における遺言書の保管等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、佐藤啓君及び進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として柳本卓治君及び松川るい君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小野瀬厚君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石川博崇君) 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。
 民法については、昨年の約百二十年ぶりの債権法の改正、並びに約百四十年ぶりに今国会では成年年齢の引下げということで、最近改正が続いておりますが、今回は相続制度ということで、こちらは四十年ぶりということです。多くの国民が必ずと言ってもいいほど直面する身近な相続法の改正ということですので、しっかり質問してまいりたいと思いますが、私は、今回大きな見直しが行われました遺留分制度について伺ってまいりたいと思います。
 今回の遺留分制度についての改正の中でも特に大きいものは、遺留分権利者の権利行使によって生ずる権利、いわゆる遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化することだと思っておりますが、この金銭債権化についての改正の理由を伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(上川陽子君) 現行法上は、遺留分権利者がその権利、これを行使いたしますと、遺贈又は贈与の一部が当然に無効となり、遺贈等の目的財産は遺留分権利者と遺贈等を受けた者との間で共有になることが多いのでございます。
 しかしながら、このような帰結は、遺贈等の目的財産が事業用財産であった場合に円滑な事業承継を困難にし、また、共有関係の解消をめぐって新たな紛争を生じさせることになるとの指摘がされております。また、現行の遺留分制度は遺留分権利者の生活保障等を目的とするものでありまして、このような制度趣旨に照らしても、遺留分権利者に遺留分侵害額に相当する金銭を取得させることで十分であると考えられるところでございます。
 そこで、本法律案におきましては、遺留分権利者がその権利を行使することにより金銭債権が発生することとしたものでございます。
#8
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 この遺留分減殺請求権から生ずる権利を金銭債権化したことについて伺ってまいりますが、まず、この遺留分減殺請求権から生じた金銭債権ですが、遅延損害金はいつから発生するんでしょうか。
#9
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど大臣からの答弁もありましたとおり、現行法の下では、遺留分権利者がその権利を行使しますと、遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に無効になるという物権的効力が生ずるというふうにされておりますが、この法律案では、遺留分権利者の権利行使により遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることとしております。
 この遺留分権利者の権利行使の意思表示は、遺留分侵害額に相当する金銭債権を発生させる形成権の行使でございまして、その行使に当たりましては、必ずしも金額を明示して行う必要はないものと考えられます。また、その形成権の行使によって客観的に生じました金銭債務は、期限の定めのない債務となるものと考えられます。したがいまして、遺留分権利者が具体的な金額を示してその履行を請求した時点で初めて履行遅滞に陥ることとなるというふうに考えられます。
 もっとも、遺留分権利者が当初から具体的な金額を示して金銭の支払を求めていた場合には、遺留分に関する権利を行使する旨の形成権の行使と金銭債務の履行請求とを同時に行ったことになりますから、その時点から金銭債務は履行遅滞と陥ることとなります。
#10
○元榮太一郎君 では、この金銭債権は時効に掛かるのでしょうか。
#11
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 遺留分に関する権利行使によって生じました金銭債権につきましては、通常の金銭債権と同様に消滅時効に掛かることになります。
 したがいまして、いわゆる債権法改正の施行前におきましては十年間、その施行後においては五年間の時効に掛かることになります。
#12
○元榮太一郎君 時効に掛かるということでありますが、この遺留分権利者の行使によって生じる金銭債権は受遺者や受贈者が破産した場合は免責されてしまうのかという点について伺っていきたいと思いますが、免責されてしまう場合には、元々物権的効果を生じていたこの遺留分減殺請求権が改正によって権利が弱まるということにはなるでしょうか。
#13
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員今御指摘のとおり、現行法の下では、遺留分権利者の権利行使によりまして物権的効果が生ずるとされておりますから、遺贈又は贈与の全部又は一部が当然に無効になりまして、遺留分権利者は減殺された遺贈又は贈与の目的財産について所有権又は共有持分権を取得することとなります。このため、遺留分権利者、遺留分権者は、受遺者又は受贈者が破産した場合でありましても取戻し権を行使することができるということになります。
 これに対しまして、この法律案の施行後は、遺留分権利者の権利行使によって生じる権利が金銭債権となりますが、この金銭債権が受遺者又は受贈者に対する破産手続の開始前に生じたものである場合には破産債権となるというように考えられます。したがいまして、この金銭債権につきましては、免責不許可事由がない限り免責され得るということになります。
 このように、受遺者又は受贈者が破産したような場合を想定しますと、今回の改正により、今申し上げた点では遺留分権利者の権利は弱められるということとなります。もっとも、受遺者又は受贈者が経済的に破綻している場合を除きますれば、遺留分権利者はその金銭債権に基づいて受遺者又は受贈者の固有財産に対しても強制執行することができることとなりますので、その意味では遺留分権利者の権利の実効性がより高まるといったような評価もできるように思われます。
 このように、今回の改正により遺留分権利者の権利が弱められたかどうかという点につきましては、どのような場面を想定するかによっても異なり得ますものですから、一概にお答えすることは困難であるように思われます。
#14
○元榮太一郎君 今回の改正によりまして、弱められたと評価できるような部分もありつつも、権利の実効性が高まったという評価もできるということですので、今後の運用も含めまして注意深く見守っていき、適切な対応をしていただきたいと思います。
 続きまして、遺留分減殺請求権から生じる権利が金銭債権になるということですので、遺留分権利者から請求を受けた者、受遺者、受贈者はすぐに弁済しないと遅延損害金が発生することになります。
 しかし、例えば主な相続財産が土地や建物だけという場合はすぐには支払えないような額の金額を請求されることも当然ありますが、このような場合、遺留分減殺請求を受けた者に酷な結果となるようなこともあるように思われますが、今回の改正でこの点についての配慮は何かなされているのでしょうか。
#15
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、遺留分権利者から金銭請求を受けた場合に、受遺者又は受贈者が直ちには金銭を準備することができない、こういうことがあり得ます。そのような場合に備えまして、この法律案では、受遺者又は受贈者の請求によって、裁判所は、金銭債務の全部又は一部の支払について相当の期限を許与することができることとしております。
#16
○元榮太一郎君 支払について相当の期限を許与することができるということですが、具体的にはどのような場合なのでしょうか。また、許与される相当の期限とはどういった期間でしょうか。
#17
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、裁判所は、受遺者又は受贈者の請求によりまして、相当の期限を許与することができるというふうにしておりますが、これは、遺留分権利者から金銭請求を受けた受遺者等において直ちに金銭を準備することができない場合の不都合を解消することを目的としたものでございます。
 したがいまして、最終的には個々のケースにおきます裁判所の判断ということになりますものの、例えば、先ほど委員の御指摘もありましたけれども、遺贈等の目的財産が直ちには換価することが難しい財産であって、しかも受遺者等に十分な資力がないといったような場合には、先ほど申し上げましたこの期限の許与の規律の適用があり得るものと考えられます。
 また、許与されます相当の期限につきましても、個々のケースにおける裁判所の判断ということになりますが、受遺者等の資力や遺贈の目的財産等を売却するなどして資金を調達するのに要する通常の期間、こういったことなどを考慮した上で適切な期間が定められることになるものと考えられます。
#18
○元榮太一郎君 期限の許与は、改正案では千四十七条第五項に規定されていますが、この条文には「負担する債務の全部又は一部の支払につき」というふうに書かれておりますが、この「一部の支払」というのは複数回許与されること、つまり分割払というものが想定できるのでしょうかということなんですが、そもそも、事業用の財産を相続した場合には、遺留分減殺請求によって生じた権利の支払を事業から生み出される金銭によって支払うことがこの分割払が認められますと可能になりますので、まさに事業用の財産を売却しなくても済む、こういうようなことになってくると思います。
 元々、物権的効果から債権的効果に改正した理由がこういうような事業承継を円滑にしようという点もあったことからしますと、やはりこの相当の期限の許与についても分割払を認めることがまさに事業承継の促進につながるかなというふうに思っております。解釈として是非認めるべきではないかと思うのですが、御答弁をお願いしたいと思います。
#19
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のその改正後の民法千四十七条五項でございますけれども、裁判所が金銭債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができることとしておりまして、明示的に分割払を許容する規定にはなっておりません。
 もっとも、最終的には個々のケースにおける裁判所の判断ということになるものの、先ほど申し上げましたとおり、その一部の支払について相当の期限を許与することができるというふうになっておりますので、例えば、一千万円の金銭債務のうち五百万円については平成三十二年の四月末日まで期限を許与すると、そしてまた残りの五百万円については平成三十三年の四月の末日まで期限を許与すると、こういったような裁判をすることも規定上否定はされておりません。
 したがいまして、このような手法を取ることによって事実上分割払と異ならない支払を命ずる余地があるものと考えられます。
#20
○元榮太一郎君 複数回、二回を超える分割払が認められるかどうかというのは非常に重要なところだと思いますので、是非ともそのような運用が認められるように配慮を、取組をお願いしたいと思います。
 続きまして、遺言について伺っていきますが、今回、相続法が改正されるだけでなく、法務局における遺言書の保管等に関する法律も制定されますが、この保管した遺言書の後に保管制度を活用しない遺言書が作成された場合、保管遺言による遺産分割の後に保管制度を活用しない遺言が見付かってしまうとやはり遺産分割がやり直しとなると、こういうようなリスクがあります。
 これは相続をよく扱っている弁護士から出た意見でもあるんですが、そもそも、この自筆証書遺言の保管を義務付けて、それを遺言の有効要件とするのはどうでしょうかということなんですが、自筆証書の保管を義務付けることで、後から遺言が見付かって遺産分割をやり直すというリスクはゼロになってきますし、遺産分割をめぐるトラブルも激減する効果が期待できると考えておるのですが、御見解を伺いたいと思います。
#21
○政府参考人(小野瀬厚君) 自筆証書遺言につきましては、公正証書遺言や秘密証書遺言に比べて簡易に作成することができるという、そういった利便性にメリットがあるものでございます。したがいまして、遺言書保管制度の利用を義務付けるなどその有効要件を厳しくいたしますと、そのような自筆証書遺言の利便性を損なって遺言制度の利用促進というこの改正の目的に反することにもなりかねないように思われます。
 自筆証書遺言の保管方法につきましては特段の定めがないものでございますので、相続人等が自筆証書遺言の存在に気が付かないおそれというものもございます。したがいまして、この法律案が成立した場合には、できるだけ遺言書保管制度を利用していただけるように、パンフレットやポスターの作成、配布、さらには全国各地における講演会などを通じてこの制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
#22
○元榮太一郎君 新しい遺言が後から見付かるというのは結構相続の現場ではありまして、やはり本当にトラブルの原因になっているわけであります。今回の保管の義務付けというのは役所に出向くということなんですが、ほかの行政手続でも当たり前のことでありますから、その有効要件として厳しいということではないのかなと思っております。
 ほかの先進国を見てみましても、例えばイングランドですと二人以上の証人の関与が必ず必要ということで有効要件となっておりますし、フランスの場合は相続において公証人の役割が非常に重要で、相続税の申告書の作成、相続財産の管理など、あらゆる局面に公証人が関与するということで、これはある意味ハードルが高いのですが、しっかりと運用されているわけです。
 このような諸外国の実情を踏まえますと、単独で遺言ができるという点においては日本の遺言制度が厳し過ぎるという評価は当たらないと思いますので、本当にこの遺産分割トラブルをゼロに持っていくということでありますと、この保管を義務付けるというのも一つ有効な選択肢なのではないかなというふうに御提言したいと思います。
 続きまして、この自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度を設けるとともに、この遺言書の画像データの管理も行うというふうに聞いておりますが、昨今のIT化の進展が著しい現代の社会経済情勢に鑑みますと、更に一歩進めて、紙の遺言書を必要としないで電子情報だけで完結するデジタル遺言ということがあるべき未来の姿ではないかなというふうに思っております。
 このようなデジタル遺言の時代になりますと、例えば相続が開始すると、スマート遺言執行と言っていいのか分かりませんが、全部又は一部の遺言が即時執行されるというような可能性も出てきますし、あと遺言書の保管スペースが不要になるということもあります。さらには、遺言の存在やその内容等々についての検索や管理の利便性向上、こういったものも期待できると思いますが、諸外国ではデジタル遺言を導入している国はあるのでしょうか。
#23
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 遺言の方式に関する諸外国の状況につきまして詳細に把握しているわけではございませんが、例えばドイツやフランスにおきましては、我が国の自筆証書遺言のように第三者が関与することなく作成することができる遺言について、御指摘のようなデジタル遺言書といったような方式は認められていないものと承知しております。
 他方、アメリカにおきましては、一部の州においてビデオ録音や電子署名の付されたコンピューターファイルの形式の遺言が認められておりまして、また、韓国や中国におきましては、録音による遺言が認められているものと承知しております。ただ、これらの方式におきましては、いずれも証人の関与が必要とされているものと承知しております。
#24
○元榮太一郎君 我が国においては、デジタルガバメントということで、本年の一月十六日にはeガバメント閣僚会議においてデジタル・ガバメント実行計画というのが決定されまして、利用者にとって行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完結されること、行政サービスの一〇〇%デジタル化というものが掲げられております。この計画には、死亡・相続ワンストップサービスということで、オンラインでどこからでも手続を可能とするワンストップ化も掲げられております。
 デジタル遺言ということで、行政サービスということではないのかもしれませんが、このデジタル・ガバメント実行計画及び未来投資戦略二〇一八というものの趣旨に一致するものであると思いますが、現在どのような検討がされているのでしょうか。
#25
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、このデジタル・ガバメント実行計画におきましては、死亡相続に関連する行政手続、こういうものにつきまして、オンラインでこれらの手続を可能とするなどのワンストップ化を実現するというようなことが掲げられておりますし、未来投資戦略二〇一八におきましても、来年度からワンストップ化のサービスを順次開始することとされております。
 法務省といたしましても、関係各府省と連携して、死亡相続に関連した行政手続のオンライン化、ワンストップ化に向けた検討を行っているところでございますが、デジタル遺言書の導入につきましては、先ほど委員も御指摘もありましたとおり、行政手続とは直接の関連性がございませんのでこれらの計画には含まれておりませんで、具体的な検討は行っていないというのが現状でございます。
#26
○元榮太一郎君 私としては、必ずそう遠くない未来にこのデジタル遺言の時代が来るのではないかというふうに思っておりますが、我が国にデジタル遺言書を導入するとした場合、どのような問題が考えられますでしょうか。
#27
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 この法律案におきましては、自筆証書遺言の方式を緩和して、自筆証書遺言に添付する財産目録については自書することを要しないこととしておりますが、遺言書の本文については、現行法どおり遺言者本人による自書を必要とすることとしております。
 これは、遺言書につきましては、その成立の真正等が争いとなった場合でも、本人はもう既に亡くなっているために、本人の筆跡など遺言書自体から本人が書いたものであるかどうかや遺言者の真意により作成されたものかどうかを判断することができるようにする必要性が高いことなどを考慮したものでございます。
 したがいまして、遺言者が第三者の関与なくして記録、録音等により遺言書を作成することができる制度を導入する場合の主な問題点といたしましては、その遺言書が遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みを設けられるかどうかということではないかというふうに考えられます。
#28
○元榮太一郎君 遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みが設けられるかどうかということでありますが、こういった真意の適正性担保という問題を解決してデジタル遺言書を導入する予定というものはございますでしょうか。
#29
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、デジタル遺言書の制度につきましての主な課題は、その遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みをいかにして設けるかという点が挙げられます。
 したがいまして、将来的な技術の確立によりまして、例えば、遺言者本人しか入力することができず、またそのことが客観的に明確となるようなシステムを導入するなどの方法により当該遺言書が本人の真意により作成されたものであることが担保されるのであれば、デジタル遺言書の導入についても将来的な課題として検討の余地はあるものと考えられます。
 今回の相続法の見直しは、社会経済情勢の変化等に鑑み、昭和五十五年以来の大幅な見直しをするものでございますが、今後のデジタル技術の進歩等を含め、この法律案施行後の社会経済情勢の変化を注視しながら、必要に応じて見直しの要否等について検討してまいりたいと考えております。
#30
○元榮太一郎君 この遺言者の真意により作成されたものであることを適正に担保する仕組みというものは、テクノロジーが早晩解決するかなというふうに思います。アラブ首長国連邦のドバイでも、ブロックチェーン技術を活用した電子遺言書というものも実証実験等々も含めて検討しているということであります。
 世界に先駆けて我が国日本は超高齢社会を迎えているわけでありますから、この分野においては世界に先駆けてデジタル遺言という時代を切り開いて世界へ示すことも有効ではないか、有益ではないかということを訴えまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#31
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 先ほど元榮先生が質問されて、デジタルということで、先生らしい質問だなと思うんですが、私はどっちかというと家族観というか倫理観というか、そんな観点から質問をさせていただきたいと思っております。
 先日の参考人質疑におきまして、多様化する家族観への対応について大変貴重な御意見を賜りました。法律婚ですか、につきまして必要な保護が与えられるのは当然でありますけれども、今後我が国でも家族の多様化は進んでいくと考えられまして、法律婚に限らず、どのような家族形態を選んだとしても安心して生きられる社会を構築していく必要を強く感じました。
 そこで、大臣に伺いますが、まず大前提として、事実婚、同性パートナーなど、法律婚以外の家族に対する法的保護の必要性についてどのような認識をお持ちでしょうか。
#32
○国務大臣(上川陽子君) 今日の社会におきましては、法律婚ではなく事実婚を選択する方や、また同性のパートナーと婚姻関係同様の関係を築いている方がおられるなど、家族の在り方が多様化しているものと承知をしております。
 このような状況の下で、法律婚以外の家族を法律上どのように取り扱うかにつきましては重要な問題であるというふうに認識をしております。
 事実婚や同性パートナーの法律上の取扱いを含む家族の法制の在り方につきましては、国民の間にも様々な意見があるところでございまして、その見直しの要否等につきましては、今後の国民意識の変化、また社会情勢の変化等も踏まえながら必要な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#33
○若松謙維君 必要な検討ということでありますので、これは、タイムリーでないといけない、早過ぎてもいけないしゆっくりしてもいけないし、まあ難しいですけど、是非適切な対応をお願いしたいと思います。
 次の質問なんですが、長年夫婦同然の生活をしていたいわゆる同性パートナーなんですが、いわゆる今の制度では健康保険、介護休業の取得、遺族年金などの社会保障、法による保護又は税制上の配偶者優遇措置、こういったものは受けられないことになっております。さらに、一方が亡くなったとしても、相続とはなりませんので、当然遺産の相続はできないと、こういうことであります。
 生活の実態を見れば、例えば、二人で共に築いた財産という意味では、同性カップルであっても法律婚の夫婦と同様、いわゆる寄与分というんですか、そういったものも、やはり相続として法的に必要な保護を与えることが今求められるという気を私もしているんですけど、それについての見解をお伺いいたします。
#34
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 相続は、被相続人の権利義務を相続人が包括的に承継することを内容とするものでございまして、被相続人に債権を有していた者や債務を負っていた者にとりましても、被相続人の権利義務がどのように承継されるかについて重大な利害関係を有しております。したがいまして、誰が相続人であるかは、これらの第三者にもできる限り明確かつ画一的に判断することができるようにする必要があるというふうに考えられます。
 法律上の婚姻は届出によりましてその効力が生ずることとされておりまして、基準が明確でございますが、これに対しまして、我が国では法律上同性婚は認められておらず、同性婚関係にあることを一律に公示する制度もございません。したがいまして、仮に同性婚のカップルに相続を認めるといたしますと、相続人の範囲を直ちに判断することができなくなって相続をめぐる紛争が複雑化、長期化し、相続債権者等の利害関係人までもが紛争に巻き込まれて、不測の損害を受けるおそれがあるなどの問題が生じます。
 我が国におきまして法律上同性婚を認めることといたしますればこのような問題はなくなりますが、同性婚を認めるべきか否かは我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題でありまして、慎重な検討を要するものと考えております。
 同性婚の関係にある方は、相互に相続権は持ちませんが、遺言を活用すれば、その貢献に報いたり、その生活を保護する措置を講じたりすることが可能でございます。この法律案が成立した場合には、改正内容について広く国民一般に対する周知活動を行うことを考えておりますが、特に遺言制度については、今回の改正内容の周知に限らず、その利用促進を図るために制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
#35
○若松謙維君 今、同性婚、当然大事な、法的な位置付けというんですか、大事だと思うんですけど、ちょっと次の質問の後で結構ですので、この同性婚、どんな国が、まず、何か国ぐらい今法的に認められる国があるかどうかということと、あともう一つ、遺言、いわゆる同性の遺言活用、お話ですので、これ実際、いわゆる結構使われているのかどうか、ちょっとそれ後ほど質問しますので、答えられたらで結構ですので、ちょっと準備をお願いしたいと思います。
 その上で、まず、国際社会で、いわゆる同性カップルを家族と認めて、夫婦、異性カップルと同様の法的保護を与える動きが結構多いのかなと認識しております。国際化が今進んでいる現状では、国際結婚で、いわゆる外国人との同性パートナーの関係で新たな課題が生じているということで、恐らく、日本は同性婚を認めておりませんので非常に遅れている面もあると思います。
 例えば、日本でそういう同性婚が認められないということでありますので、当然、外国人の同性パートナーには在留資格が与えられないと、まずこういうことが起きます。いわゆる欧州人権裁判所ですか、ここでは、同性パートナーに在留許可を付与しないということは性的指向に基づく差別であると、このような判断がされているというふうに伺っております。
 そういうふうに、この判断から踏まえますと、今後、外国人の同性パートナーに対する配慮、これについてどのようにしていくのか、見解をお尋ねいたします。
#36
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 入管法上、配偶者として在留資格を認めるためには、それぞれの国籍国において法的に夫婦関係にあり、配偶者として認められることが必要であるとともに、我が国においても配偶者として扱われるような者であることが必要であるというふうに考えているところでございます。
 このような観点から、同性婚の相手や事実婚の相手は入管法上の配偶者とはならないということになっておりますが、諸外国における同性婚の法整備の実情等を踏まえまして、外国人双方の本国で有効に婚姻が成立している場合で外国人の方の一方に一定の在留資格が認められる場合、そうした方が本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう、パートナーの方に特定活動の在留資格をもって入国、在留を認めております。
 他方、双方の本国において有効に婚姻が成立していない場合にはこのような取扱いをしておりませんし、また、同性婚の相手が日本人である場合には、我が国において有効に婚姻が成立していないということになりますので、このような取扱いによる入国、在留は認めておらないところでございます。
 先ほど大臣から御答弁がありましたように、同性パートナーの法律上の取扱いを含む家族法制の在り方につきましては国民の間に様々な意見があるところでございまして、国民の意識及び諸外国における同性パートナーに対する取扱いを踏まえつつ、この問題については慎重に検討すべき課題であるというふうに認識しているところでございます。
#37
○若松謙維君 先ほど質問しました同性婚の国又は同性の遺言活用ですか、それについてお答えできればお願いします。
#38
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 諸外国の状況につきまして網羅的に調査しているわけではございませんけれども、国立国会図書館による調査の結果によりますと、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン等におきましては同性婚が認められておりまして、これらの国におきましては、その配偶者には相続権が認められております。また、イギリス、オーストリア、スイス等では同性間の登録制のパートナーシップ制度が設けられておりまして、これらの国におきましても相続権が認められていると承知しております。また、フランスにおきましては、同性間及び異性間で法律上の婚姻とは異なるPACS、民事連帯契約と呼ばれるパートナー制度が設けられておりまして、こういったものにつきましても相続権が認められているものと承知しております。
 その遺言書の作成、利用状況でございますけれども、遺言書の全体の数といたしましては、自筆証書遺言につきましては作成件数は明らかではございません。検認の件数ということになりますと、平成二十八年で一万七千件余り。また、公正証書遺言につきましては、同じく平成二十八年で十万件余りとなっておりますが、この作成の中で同性婚の方がどれだけ利用しているかということにつきましては、そういったデータは取っておりませんので、そこは分からないということでございます。
#39
○若松謙維君 分かりました。
 今、オランダ、ベルギー、私もイギリスに四年おりましたので、恐らく、オランダの、知り合いでもたしかそんな事実もありますし、そうすると、オランダで同性婚の方が日本に勤務で来られると、そういう場合には配偶者扱いで入管ができると、そういう恐らくさっきの入管局の説明でよろしいわけですよね。
#40
○政府参考人(和田雅樹君) ただいま御質問ありましたように、例えばオランダで、同性婚が認められているオランダ人同士の同性のカップルの方がいらっしゃいまして、そのうちの一方のオランダ人の方が例えば経営・管理等の在留資格で日本に来られた場合に、そのパートナーの方につきましては特定活動ということで在留資格を認めているという扱いでございます。
#41
○若松謙維君 分かりました。
 私も二十数年前、サンフランシスコ、半年、単身赴任でおりましたけど、もうテレビにしろ地元のFMにしろ友人にしろ、同性パートナーというんですかね、非常に日常的でありまして、これをどう捉えるかというのはそれぞれの個人又は党的な考え方あるんでしょうけど、非常に国際化の流れ、非常に急速にしておりますので、日本がガラパゴスにならないように、是非法務省としても、また入管局も適切に対応していただきたいと思っております。
 次の質問ですけれども、これちょっと具体的な質問ですが、配偶者、これはいわゆる二分の一の法定相続分を有するという規定になっております。当然、被相続人の財産に属した建物、これも原則として二分の一の持分を有することができると。そうしますと、この配偶者が居住建物の持分を有するときは、いわゆる民法二百四十九条の共有の規定というのがありまして、建物の全部を使用することができ、共有持分の過半数を有する者でも建物の明渡しを請求できないという判例があります。
 こういう判例があるので、今回の配偶者居住権、あえて設けなくても配偶者の居住権は保護されるんではないかと考えますので、なぜこのような制度を創設したか、その趣旨をお尋ねいたします。
#42
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、民法二百四十九条によりまして、各共有者は、その持分に応じて共有物の全部の使用をすることができ、共有者の一人は共有物を占有している場合にも、ほかの共有者は当然にはその明渡しを請求することができないものと解されております。
 したがいまして、例えば、遺産分割において、配偶者の居住建物についてはその共有状態を維持する、こういったような内容で遺産分割をしたと、こういったような場合には、その共有持分に基づいて居住建物を利用することができ、配偶者が被相続人の生前から居住していた建物に居住し続けられるという目的自体は達成することはできます。
 しかしながら、このような場合でありましても、配偶者はほかの共有者に対して賃料相当額の金銭の支払義務を負うことになります。したがいまして、配偶者が居住建物に居住する期間等によりましては、その経済的負担が大きいものになるおそれがございます。また、居住建物が共有となっている場合には、ほかの共有者から分割請求がされる可能性もございます。その場合には、配偶者は、ほかの共有者に対して代償金を払って居住建物の所有権を取得しなければ居住建物での居住を継続することができない、こういったことも生ずるおそれがございます。
 そういったこともありますので、配偶者が居住建物の共有持分を有している場合でありましても配偶者の居住の保護が十分であるとは言えませんので、今回、配偶者居住権を創設する必要があると考えられたものでございます。
#43
○若松謙維君 今回の改正で配偶者居住権を強化したと、そういうふうに私は理解しました。
 それでは次に、預貯金債権の仮払いについてお尋ねをいたします。
 今回の法改正ですが、遺産分割前に、各共同相続人が、遺産に属する預貯金債権の一部について裁判所の判断を経ることなく単独で仮払いができる制度が導入されたということであります。
 今回の改正ですけれども、裁判所の判断を経ることなく払戻しを受けるということなんですが、これは預貯金債権の三分の一に当該相続人の法定相続分を乗じた額までとなっているわけでありますが、なぜ三分の一としたのか、その理由をお尋ねいたします。
#44
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 本法律案では、委員御指摘のような、そういった三分の一といったような上限が決められております。この改正後の民法九百九条の二でございますが、預貯金債権の取扱いに関する最高裁判所の判例が変更されまして、預貯金債権も遺産分割の対象に含まれることとされたことを踏まえて新設したものでございます。
 この判例では、預貯金債権を遺産分割の対象に含める必要があると。その理由といたしましては、遺産分割の手続では、特別受益や寄与分による調整など共同相続人間の公平を図る規定が設けられておりますため、被相続人の財産についてはできる限り遺産分割の対象に含めることが望ましいということ、また、預貯金債権は現金と同様に評価についての不確定要素が少ないために、各共同相続人にその具体的相続分に従った遺産の分配をするに当たり、金額の調整に資する財産であることなどを挙げております。
 このような最高裁判所の判例変更の趣旨を踏まえますと、立法によって、預貯金債権の一部について、ほかの共同相続人の同意を得ることなく単独で権利行使を認めるとしましても、その割合、金額については預貯金債権の一部に限定する必要があると考えられます。他方で、各共同相続人が権利行使可能な金額が小さ過ぎますと、各共同相続人に生じます資金の需要を十分に賄うことができなくなりまして、新たな制度を設ける意義が没却されるということになります。
 このため、各共同相続人の権利行使可能な額を定めるに当たりましては、この二つの要請を満たす適切な要件を設定する必要がございますけれども、この法律案ではこういったことを考慮いたしまして、各共同相続人が権利行使可能な上限額を、各預貯金口座ごとに、その三分の一にその法定相続分を乗じた額というように定めたものでございます。
#45
○若松謙維君 なるほど、いわゆる判例の変更を規定化したということで、かつ、四分の一だと少ない、半分だと多過ぎると。三分の一、何か日本的な結論ですね。分かりました。
 それと、この払戻しを受ける限度なんですが、この限度として、先ほどの預貯金債権の三分の一で、さらに、標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とすると、こういう規定になっておりますけれども、このような制度、限度額を設ける趣旨、これについてお尋ねをいたします。
#46
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど各預貯金口座ごとの上限額の要件を申し上げましたけれども、この要件を満たしていれば常に払戻しができるということにいたしますと、例えば多額な預貯金がある場合、あるいは多数の預貯金口座がある場合には、結局、権利行使可能な額が相当高額となりまして、定型的に預貯金の払戻しの必要性が認められる額を超えることにもなりかねません。
 そこで、この法律案では、各口座ごとの割合による上限だけではなくて、金融機関ごとの金額による上限額を省令で設けることとしているものでございます。
#47
○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。
#48
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。
 前回、政治団体に対する遺贈について質問させていただいたところ、この遺贈は可能だということでございました。ただ、上限についてはどうなのかとお伺いしたら、担当省庁が違うと言われましたので、今日、改めて総務省に来ていただいていますが、遺贈する場合に、政治団体に遺贈する場合に上限規制というのはあるんでしょうか。
#49
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 政治資金規正法上、個人から政治団体への寄附については一定の量的制限の規定が設けられております。ただ、遺贈によってする寄附につきましては、それは適用しないと規定されているところでございます。
#50
○櫻井充君 そうすると、極端な話、自分の財産全部を政治団体に遺贈するということは可能なんでしょうか。
#51
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。
 全部をというところはちょっと、むしろ所掌外でございますのですけれども、遺贈につきましては量的制限がございませんので、額に関わらず寄附できるということでございます。
#52
○櫻井充君 そうすると、例えばですけど、うちの息子なら息子が政治団体をつくって、そこに私が遺贈するということになった場合には、これは税制上はどうなるんでしょうか。
#53
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 個人から政治団体が政治資金の遺贈を受けた場合の課税関係につきまして、一般論として申し上げますと、政治団体は、法人税法上、一般に人格のない社団等に該当し、政治資金は、その性質上、政治活動のために政治団体に支出されるものであるため、相続税の課税関係は生じず、また、政治資金を受ける行為は収益事業に当たらないことから、法人税の課税関係も生じないことになります。
#54
○櫻井充君 そうすると、あれですが、自分の息子に政治団体をつくらせて、そこに全額遺贈すると。相続の範囲を超える額であったとしてもこれ課税されないということになったとすると、変な話ですが、例えば、いろんな意味で会合費とか視察費とかいろんなものをそこから拠出することは多分可能であって、こういうやり方をすると完全に相続税逃れになってしまうんじゃないだろうかと思いますが、この点についていかがでしょう。
#55
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、政治団体は、法人税法上、一般に人格のない社団等に該当し、政治資金は、その性質上、政治活動のために政治団体に支出されるものであるため、相続税の課税関係は生じず、また、政治資金を受ける行為は収益事業に当たらないことから、法人税の課税関係も生じないことになります。
#56
○櫻井充君 いや、私はそういうこと聞いていませんから。そういうことにしたとしたら、ある種の相続税逃れになるんじゃないですか。
 以前こういうことをやった政治家の方がいらっしゃったんだと今、小川さんがそうおっしゃっていましたが、大臣、これ、やはり隠れみのになる可能性があって、ここについての遺贈についてある種検討すべきだと、私は今回調べてみてそう感じたんですが、この点についていかがでしょう。
#57
○国務大臣(上川陽子君) ただいま御質問のやり取りということで担当の方から答えたところでございまして、法務省の案件というよりも、むしろ総務省の案件ということでございます。
 この制度そのものが社会の中で適正に運用されるということは大変重要なことであるというふうに思っておりますので、問題提起については今聞かせていただきましたけれども、重く受け止めてまいりたいと思います。
#58
○櫻井充君 一応問題提起させていただいたつもりです。
 繰り返しになりますが、ある部分でいったら、これ、相続税を回避できる一つの手段です。政治家だけがこういう特権を利用できるようになってくるのはおかしな話でして、政治団体そのものをつくること自体はそれほど難しいことではありませんから。ただ一方で、こういうことが悪用されるようになってきた場合には大変な問題になるので、そこの整理だけはきちんとしておいていただきたいと、そう思います。
 それから、前回の委員会の参考人質疑の際に、参考人の先生方からいろいろ御意見を伺いながら、家族とは一体何なんだろうかと。それで、家族というものが法律上存在しないとは言われているんですが、今回のギャンブル依存症対策の中には家族という文言が出てまいります。これは後で調べたので、分かったことなので、これは今日、これ議員立法だと思いますから、これ議員の方にお伺いしなきゃいけないことなのだと思いますが、その中に、その他ギャンブル等依存症である者等及びその家族という文言が出てきて、ある種の家族の規定というのをしていかなきゃいけないんだろうと、そう思っています。法律上も概念として家族法というのがあって、その家族法そのものが上位になってくるということであれば、ある種、家族というものについて改めて規定しておく必要性があるんではないのかと、そう思います。
 参考人の先生の中から私は非常に参考になると思ったのは、狭義の家族とそれから広義の意味での家族と、もうこれを区分けして定義するというのが一つのアイデアとして出されました。ここら辺の参考人とのやり取りを踏まえた上で、法務省としていかにお考えでしょうか。
#59
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 民法上、家族を定義する規定はございませんで、また、家族であることから何らかの法的効果を生じさせる旨の規定もございません。したがいまして、家族というものが何かということはなかなか民法の観点からお答えするのは困難でございます。また、その家族の在り方が多様化してまた変化している現状の下では、人によってその捉え方にも差異があるものと考えるところでございます。
 したがいまして、その家族につきまして厳密な定義付けをすることは困難でありまして、慎重に検討すべき問題であると考えられます。
 現在の民法は、そういった家族といったような包括的な概念といいますよりは、親子ですとか夫婦といったような、そういう個別の関係に基づいて規定されているものと承知しております。
#60
○櫻井充君 しかし、そう御答弁されますが、例えば今回のこの制度の改正の中で、遺留分制度に関する見直しという条項がございます。この遺留分制度の見直しで、この人たちが遺留分権の行使によってともう記載されていることは、遺留分権が存在する人と存在しない人がいるわけですよね。
 なぜ遺留分権を認めてもらっている人と認めてもらっていない人がいるんでしょうか。
#61
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 その遺留分制度でございますけれども、この遺留分制度、一般的には、その相続人の中でやはりその最低限の割合の財産の取得を確保する、そういう必要性がある、そういった観点から遺留分の制度が認められております。それはそういった方々のそれぞれの関係性において考慮されているものだと思います。
 ですから、例えば、この遺留分権利者の方は兄弟姉妹以外の相続人というふうにされておりますけれども、それが配偶者、子、親の場合と兄弟姉妹とでは、やっぱりそれぞれの関係を着目して、そういった最低限の財産を取得させるべき制度的な必要性があるかどうかというものを判断した上でそういった切り分けがされているものと承知しております。
#62
○櫻井充君 そうすると、これは、例えば家族という一つの集合体とは考えずに、各々別個にあって、例えば血縁関係のある子供さんとか血縁関係のある御両親とか、それから血縁関係はないけれど婚姻という契約を結んだ配偶者とか、要するにばらばらにそこに権利が生じているということでよろしいんでしょうか。
#63
○政府参考人(小野瀬厚君) 御指摘のとおり、誰が相続人となるかということにつきましては、それぞれの、その被相続人とのその関係性に着目してどこまでの範囲の方を相続人とするかというようなことで認められておりますし、先ほども申し上げましたように、遺留分として最低限のものを、取得するものを制度的に保障するかどうかも、そういったようなそれぞれの関係性に基づいて考慮されているものと認識しております。
#64
○櫻井充君 そうすると、広辞苑に書かれているような、夫婦の配偶関係や親子それから兄弟の血縁関係によって結ばれた親族関係を基礎にして成立する小集団と、家族がそう認められているということになると、今関係性を認めたものについて言えば、この広辞苑に定義されているような家族の範囲内に限定されているように思うんですが、この点についていかがですか。
#65
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、家族の定義というのは法律上ございません。また、最近は、やはり現状の下では家族の在り方も多様化して変化しているということになります。したがいまして、一つの、今御指摘の広辞苑といったものも一つの定義の在り方だとは思いますけれども、法律上その家族といいますものを画するということにつきましては、これはなかなか慎重な検討が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#66
○櫻井充君 私が申し上げている点は、似て非なるところがありまして、そうではなくて、今局長から御答弁のあった方々は、広辞苑でいう家族の中の人たちに限られているということではないでしょうか。
#67
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げました、例えば相続権者あるいは遺留分権者は、必ずしも例えば民法上の親族という概念とはまた違うものでございまして、その親族の中でも一定の範囲の方ということになります。
 したがいまして、この家族といったような方々と親族との関係をどうするかということにもよりますので、まさにその相続人、相続権を有する者が家族なんだと、こういうことになりますればそれは一致するわけでございますけれども、例えばその家族という概念を親族をベースにして考える場合でも、一体そこが相続が認められる親族の範囲と同じなのかどうかというところはやはり問題になってこようかと思います。
#68
○櫻井充君 それはおっしゃるとおりなんです。だから、だからこそその点がすごく大事になってきていて、まず、狭義の家族というのは、私は今の広辞苑に書かれているものでいいと思うんですよ。問題は、社会の変化によって広義の家族として認められるべき人たちも出てきているんではないのかと、そういうことです。
 ですから、例えば非嫡出子であったりとか、それから事実婚の方であったりとか、そういう方々をある種広義の家族として認めていくようなことになっていかないと、これ相続権というのが十分な形で発生していかないんじゃないか。これは相当議論があると思いますよ、議論があると思いますが、自分たちで、例えば一度、離婚でも死別でも構いませんが、各々シングルだったときに子供さんたちがいらっしゃって、結婚という婚姻関係は結べないとしても事実婚としていらっしゃるような方々がいればですね、そういった人たちについてきちんと認めるべきではないのかと、そう思っています。これは多分堂々巡りになるので、それはそれで結構です。
 ちょっとこれ答えていただけるかどうか分かりませんが、例えば、生前にですね、生前に夫婦で財産を築いた場合、これ離婚した場合には、その財産を分割するときに、専業主婦の方でも、当然のことですが財産を受け取る権利があるわけですよね。じゃ、これ、例えばですが、同棲していて、一緒に生活をしていて、でもまあいわゆる社会で見れば事実婚だったとして、この方々が財産を築いたとします。この財産を分与する際には、別れてまた別々に生活しますと、お互いにそのときに財産を分与してほしいといったときにはこの権利関係はどうなるんですか。
#69
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 離婚に当たりましては、夫婦の共有財産といいますか、それについては分与するという財産分与の制度がございます。
 そして、事実婚の場合に、その事実婚を解消する場合には、そういった財産分与と同じようなルールが、規律が類推適用されるというのが一般的な考え方かと思います。同性婚の場合には、同性婚をまた事実婚と同じように扱えるかどうかというのは、またここはいろいろな考え方があろうかと思いますが、事実婚の場合には先ほどと同じように法律婚と同様の扱いがされるものと承知しております。
#70
○櫻井充君 そうすると、事実婚の場合には、生きている場合に、生きていて別れた場合には財産がそういう形で、分割と言ったらいいのかどうか分かりませんが、そうやって各々取り分が発生すると。
 何で、そうすると、今度は相続のときにはそうはならないんでしょうか。各々、財産をそうやってつくってきたんだったとすれば、当然、亡くなったときにも権利が発生するというのは当たり前のような気がしますが、そこはなぜ違うんですか。
#71
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 相続の場合には、その被相続人に対して権利を有していた者、あるいはその義務を、債務を有していた者など第三者が関わってまいります。そういった意味で、相続の場面ではそういったその第三者の利益にも配慮する必要がありまして、その権利関係を明確にする、明確に処理する必要性が高いものと言えます。
 他方で、離婚における財産分与の場合でございますけれども、この場合に、ある財産が実質的夫婦共有財産であるか否かという点が大きい問題となりますけれども、離婚における財産分与の場合には離婚の当事者がまだ生きておられますので、それぞれその点について主張、立証を尽くすことが可能でございます。しかしながら、死別による清算の場合には、当事者の一方が既に死亡しておりますために十分な資料がそろわずに、その点についての事実認定が困難、そういうことでより紛争が複雑になる、こういったような懸念があるというところでございます。
 こういうことも考えまして、いわゆる関係の解消における場面と相続との場面で違うということも合理性があるものと考えております。
#72
○櫻井充君 済みません、ちょっと頭が悪くてよく分からないんですけれども。
 生きているときにはお互いの財産なんですよね。生きているときには共有の財産なんですよね。片側が亡くなったら、その片側の方の財産権というのはなくなるんですか。
#73
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 基本的には、財産といいますものは誰の名義で持っているかということによりまして形式的に考えられるわけでございます。ですから、離婚における財産分与の場合にも、夫名義の、例えば夫の名義の場合の財産でありましても、実質的にその分について妻の共有部分が含まれている、こういうところでその分与が問題となります。
 したがいまして、相続財産の場合でも、やはり亡くなった方が夫ということになりますれば、夫名義の財産につきましては遺産ということになるわけでございまして、それにつきましては事実婚の方は相続権がございませんので、それについては相続という制度の下では承継することはできないということになります。
#74
○櫻井充君 いや、だからそれがおかしくないですかと言っているんです。生きているときには財産の分与を認めてもらえる権利があり、亡くなったらそれがなくなるということ自体がおかしくないですか。
 交通事故とかで不慮の死を遂げた、そうしたらその事実婚の方は何の財産も受け取ることができないんですか。そして、それは相続ではなくて、どういう権利になるのかもよく分かりませんけれど、遺言書もなければ多分遺贈みたいなものも多分できないんだろうと思って考えてくると、私、こういうこと自体がおかしいと思うんですけど、大臣、どう思われますか。
#75
○国務大臣(上川陽子君) 冒頭からの御質問の中に、家族をどういうふうに考えるかという基本的なお話がございました。
 私も、今やり取りを聞きながら、親の世代のときの家族の構成をイメージしたり、また私の世代、また次の子供や孫の世代というふうに考えてみると、社会、様々な関係性が変わってきているということで、少なくとも、親の世代から見ても、大きく私の世代との間では変化があるなというのを強く感じます。
 その意味で、いろいろな家族の形態ということについても、今回、参考人の方々からもお一人ずつまた違った定義を提起されておりましたので、どれか一つにまとめ上げるというようなことそのものが大変難しいことではありますが、先ほどのような具体的な事例をもって考えてみると、また、そのときの様々な制度の在り方ということについては具体的なケースに照らして考えるということができますので、そういう意味で、これから多様な家族の在り方も時代の中で変わっていくということをしっかりとイメージをしながら、また、将来に向けて、変化をよくよく予測しながら今しっかり考えていくということは大切なことだなという、そのように思っております。
#76
○櫻井充君 ありがとうございます。
 なかなか大変なところだと思うんです。ただ、今申し上げたような点も僕は問題点としてまだいっぱい残っていると思うんです。今回は、その時代の流れの中で問題点が見付かってきたから改正してきたと、何十年ぶりだったか忘れましたが改正してきたと。それでも今みたいなことってかなり大きな問題として残っていると思うんですよ。
 ですから、改めて、社会の変化に対応できるように法律の見直しを行っていただきたいと、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#77
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。
 まず、配偶者居住権について質問させていただきます。
 今回、配偶者居住権というものが創設されたわけですけれども、実際考えてみますと、配偶者は、少なくとも二分の一以上の相続権を持っている相続人ですから、大変強い地位にあるわけですよね。ですから、決してないとは言わない、必要が、配偶者居住権を創設する必要がないとは言わないんだけど、実際にはそうした相続権を持っている。それから、親族の間で、例えばの話、父親が死んだら、お母さんに対してさっさと出ていけというのは、そうはないと思うんですよね。
 ただ、むしろ、この居住権を保障する、被相続人と一緒に生活していた人の居住を保障するというと、配偶者じゃない場合にむしろ深刻な例があるんじゃないかなと、何とか法律で救済してあげなくちゃいけない例があるんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 具体的に、じゃ、どういう例があるか、二つの例を挙げさせていただきます。
 一つは、被相続人、大体男の方がということで夫と言いますけれども、配偶者がいる、ただし、もう十年、二十年、長期間破綻して、妻の方はもう出ていってしまって、しかし、夫の方が離婚を求めているんだけど、全然離婚には応じないと、妻の方は絶対離婚には応じないと、早くあいつ、あの夫が死んだら財産の二分の一は私がもらうんだから絶対離婚なんかしないというふうに頑張っているというところで、その夫の方にはその生活を支える実際上の妻的な存在がいるというような例を一つ想定しました。
 それで、夫が死んだと。すると、さあ、戸籍上の妻が、私が相続人だから、あなたはもう赤の他人なんだからさっさと出ていきなさいと。言われた方は、配偶者じゃないし相続分もないし、しかも、子供は配偶者の子供で、自分との間に子供もいないということになると、もう追い出されちゃうんじゃないかと。
 私は、そういうように、むしろ、被相続人の生活を支え、一緒に居住した人の居住を守ってあげるんだとすると、配偶者じゃない場合の方が私は深刻な例があると思うんですがね。どうでしょう、そうした観点から法務大臣の所感はいかがでございましょうか。
#78
○国務大臣(上川陽子君) 今回、配偶者居住権を設定をいたしましたけれども、それにつきましては、権利帰属主体を配偶者に限定をしているという、そうしたものでございます。
 今委員から、ケースを想定して、現実的に恐らく扱ったことがあるような件なのではないかと思いますけれども、そうしたケースを挙げられたということでありますが、今回は配偶者居住権の設定は配偶者に限定をして対応するということであります。このことについては、夫婦は相互に同居とか協力、扶助義務を負うなど、民法上最も密接な関係にある親族ということで構成されておりまして、一方の配偶者が死亡した場合には、残された配偶者の居住権を保護すべき必要性が類型的に高いということを想定して考慮したものでございます。
 この配偶者居住権について、基本的には遺産分割等におきまして選択肢を増やす趣旨で制定をしたものでありまして、そもそも相続権を有していない者については遺産分割によってこの配偶者居住権を取得させることはできないということになるわけでございます。
 さらに、配偶者であるか否かは形式的に決まるということでありまして、その範囲をめぐりましての紛争が生ずることは少ない。例えば、事実婚の配偶者に当たるか否かについては、具体的な事情を総合的に考慮して判断しなければならないということでありますので、事実婚の配偶者をその対象に含めることといたしますと、その該当性をめぐりまして紛争が複雑化し、長期化するおそれがあるということでございます。
 このため、現時点におきましては、配偶者居住権の帰属主体につきましては配偶者以外の親族や事実婚の配偶者等にまで広げることは考えておりません。しかし、法律案が成立した後におきましては、その施行状況も踏まえまして、また今後の更なる社会情勢の変化に十分に留意しながら相続法制の在り方については必要な検討をしてまいりたいと思っております。
 先ほどのような事例については、遺言の制度、これを積極的に活用していただくということで対応するということで、今回も、この遺言の制度については、自筆証書遺言の制度、また法務局の方に保管をするという制度を改めて設け、また、この制度については非常に普及がなされてこなかったところに問題があったということでありまして、これを大いに普及促進をして、実質的に自筆証書遺言、その他の遺言制度、これについては、多様な家族の在り方等も考えてみますと、こうした制度の普及促進というのは大変重要なことであるというふうに思っております。そういう意味で、そうした制度のことについても提案をさせていただいているところでございます。
#79
○小川敏夫君 例えば、配偶者居住権がない配偶者じゃない人については遺言でと言うけれども、しかし、単なる居住権だけを取り出して遺言でそれを遺贈するというのはなかなか難しいんじゃないでしょうか。
 ですから、例えば今の例ですと、実際上の妻がいるときに、妻に対しては家を遺贈するというのはできるかもしれないけれども、現行上、まだ法律上の権利として成文化されていない居住権なるものを遺贈するという遺贈が果たしてどこまで有効なのかどうか、これはまた改めて民事局長と討議したいと思いますので、大臣には答弁いただかなくて結構ですけれども。
 もう一つの事例として、例えばこういう事例もありまして、ずっと江戸時代から続いている資産家がいて、そこの長男に当然結婚して嫁いでいる嫁がいると。だけど、その長男の方、働かなくても生活できるので、大分お酒飲み過ぎて早く死んじゃって、四十ぐらいで死んじゃったと。ただ、残された嫁は、きちんとその親の、義理の親ですね、長男の両親の面倒をしっかり見たと。なかなかその親の方、百歳近くまで生きたんですけれども、しかし、その親が死んでみると、長男の嫁には相続分がないと、子供もいないと、長男の兄弟が相続人で、後を継ぐというようなときになった。で、自分が、兄弟が後を継ぐんだから、義理のお姉さん、悪いけど出ていってくれというようなことになった場合には全く対応できない。
 例えば、今回、そういう親族を救済する意味で特別寄与者の制度を認めたということあるかもしれませんが、この特別寄与者は、ただ単に金銭請求できるだけですから、そこに居住すると、長い間ずっとそこに居住して、元夫との生活の場、親を支えた場、そして地域生活の拠点となっていたその居住については何も保障されていないわけでありますので、やはり出ていかざるを得ないんじゃないかなと。
 こうした意味で、配偶者居住権の制度を認めるということ自体には私は反対しないというか、それは意義があると思うんですけれども、ただ、その生活の、被相続人とともに生活した、支えたという者の居住を保障するという意味では、配偶者に限定することは私は大変に不十分なんじゃないかというふうに思っております。これは先ほどの質問と同じことですから。
 それから、特にまた、この配偶者の在り方について、事実婚、夫婦別姓の問題とか、あるいは様々なことで、夫婦と同じ生活実態にあっても、しかし婚姻関係の身分を持たないという事実婚の人の扱いが結局は全く考慮されないと。むしろ配偶者の立場だけが強くなって、新たなそうした配偶者以外のパートナー関係、実質上の夫婦関係にある者との差別が進むという意見もございます。
 こうしたことについて、大臣、先ほどの若松委員の答弁でも、今後真摯に検討していくという御答弁がありました。その質問は、今後検討するということについての質問ですけれども、具体的にどういうふうに検討するかという具体的な検討の中身は今お持ちなんでしょうか。
#80
○国務大臣(上川陽子君) 今回の制度そのものが、法律が通りまして、そして実際に施行されるということになります。その施行に当たりましては、この委員会におきましても多くの視点の御議論をいただきましたし、また多様な家族の在り方についても、時代の変化の中でしっかりと向き合って考えていかなければならない課題が、今も委員からの御指摘のようなケースも含めましてございます。
 そうした施行状況等をしっかりと踏まえながら検討してまいりたいというふうに思っておりまして、今この場で、どのようにということについて具体的に申し上げるということは今できるわけではございませんけれども、こうした御議論を通して、この施行が十分に国民の皆様に理解をされ、そしてそれが利用され、そして課題や問題を少しでも解決することができるようにこの制度を全面的に適正に運用してまいりたいというふうに思っておりますし、また、そこで様々な課題についてもこの先十分に検討してまいりたいと思っておりますので、真摯に向き合うというのはそういう意味で申し上げたところでございます。
#81
○小川敏夫君 ですから、抽象的な検討ということであって、具体的に法制審議会に諮問するとか、あるいは何らかの研究チームを立ち上げるとか、そうした具体的なことはないんだなというふうにお聞きいたしました。
 質問変わりますけれども、この配偶者居住権ですけれども、居住していた建物が対象なんでしょうけれども、この建物が改築ではなくて建て替えという必要が生じたような場合にはどういうことになるんでしょうか。
#82
○大臣政務官(山下貴司君) お尋ねの件につきましては、居住建物が滅失した場合には、配偶者居住権は消滅するということになっております。そして、御指摘の建て替えということで、居住建物を取り壊して新たに建物を新築する場合には配偶者居住権は消滅することとなります。
 もっとも、居住建物の所有者は、配偶者居住権を有する配偶者に対して居住建物を使用及び収益させる義務を負っておりますので、配偶者の意思に反して居住建物を取り壊すことはできないということになっております。
 また、居住建物が老朽化しているために近いうちに建て替えが予想されるなどの事情がある場合には、そのような事情を十分に配慮した上で配偶者居住権の存続期間を定めるということが通常であると思います。
 そういったことから、配偶者居住権が設定される建物が建て替えられるといった場合に、この配偶者居住権が消滅することとしても、その建て替えの際に、例えば新築建物に対して借家権を設定することに基づいて建て替えに同意をいただくであるとか様々なことが可能でございますので、配偶者に酷な結果が生ずるおそれはないというふうに考えております。
#83
○小川敏夫君 いや、その建て替えた場合にはどうするこうするというのは、それは円満な関係にあれば、それはお話合いがまとまればそういうことになるんでしょうけれども、お話合いがまとまらないような関係の場合にはこれはどうしようもないわけでして。最近も、地方で高齢の資産家が不審死した事件で、何か三十ぐらいの若い妻がいたというようなことですけれども、これ配偶者ですから、じゃ、死ぬまでといったら、あと五十年、六十年、多分平均的には存命されるでしょうけど、そうするとこれ、建て替えはできないまま、五十年、六十年建て替えないまま頑張られちゃったら、頑張っちゃうわけで、非常に合理的じゃない結果も出ると思うんですよね。
 それから、相続が始まったときにもう十分古い家かもしれませんし、あるいはせっかくビルにしたんだけど、耐震基準に合っていない昔のビルだからもう取り壊さなくちゃいけないなんとなった場合にどうなるのか。
 もう少し私は、この建て替えについて何らかの柔軟なルール、円満じゃない関係の間に立つ人の間でも何らかのルールを決めておいた方がいいのかなと。そうでないと我慢比べになりましてね、ずっと私は住んでやる、長生きしてやるというけれども、もう片方は早く死ぬのを待っているような関係になっても良くないものですから、私は何らかの対応が必要なんじゃないかなというふうにも思っております。そうした検討もお願いしたいというふうに述べさせていただきます。
 あと、遺言書保管なんですけれどもね、遺言書を預ける、ただ、遺言書って案外、その遺言を書いた人は、遺言書を書いたということを相続人には説明しないで、こっそり遺言書を書いておくという人も多いと思うんですね、自分が死んだ後に気が付いてくれればいいやと。じゃないと、どういうふうに書いたの、ああいうふうに書いたのといろいろうるさくてもうしようがないからということで、相続人には遺言書を書いたということを知らせないまま自筆の遺言を書くということも案外多いと思うんですよね。
 今回のこの法務局の預かり制度は、預かるは預かるんだけど、預かっているよということを相続人には自動的には通知しないわけです。そうすると、被相続人が遺言書を預けたよということを言わないまま、相続人に言わないまま、したがって相続人は、遺言書が法務局に預けられ、保管されているということを知らない状態で被相続人が死んじゃった場合に、相続人は、せっかく遺言書があるんだけど、遺言書に、あることに気が付かないまま処理されちゃうんじゃないかということもちょっと考えたんですが、そこら辺のところはどうなんでしょうか。
#84
○国務大臣(上川陽子君) まず、遺言書保管官でありますが、保管の申請に係る遺言書を保管するに当たりまして、遺言者に対しまして保管を証する書面を交付することを予定しております。また、遺言者の相続人につきましては、遺言者が作成した遺言書が遺言書保管所に保管されているか否かにつきまして、遺言者が死亡していれば、遺言書保管事実証明書の交付によりまして、交付の請求をすることによりまして遺言書の保管の有無を調べることができるということとしているところであります。
 これらの仕組みによりまして、遺言者の死亡後に遺言書が保管されていることを誰も把握できないといった事態は生じないものと考えられるところでございます。
 遺言書保管法案の成立後におきましては、これらの仕組みが活用されるように、広く制度につきまして周知徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
#85
○小川敏夫君 いやいや、私が質問したのは、遺言書が保管されていたということを相続人が全然知らないわけですから、だから、相続人の誰かが、そもそも知らないんだから、遺言書の閲覧申請とか遺言書の保管証明をもらうということ自体がないんですよ、知らないんだから。
 ただ、唯一手掛かりは、被相続人が遺言書を預けると保管証なるものを多分もらうと思うんですよね。だから、その保管証があって、その保管証を相続人が気が付けばいいんだけど、日記帳の間に挟んでおいたら、日記帳ごと捨てられちゃったらもうそれっきりでして。
 私は、そこら辺、もう少し何らかの手厚い対応をしないと、預かった遺言書、せっかく被相続人が遺言書を預けたのに、相続人が誰もその事実を知らないと、保管証も見過ごしてしまえばそのまま済まされてしまうんじゃないかという観点からお尋ねしたわけであります。それについては、もう少し具体的にそういうことがないような対応に努めていただきたいというふうに思います。
 もう最後、ちょっとまた質問時間なくなって、かなり少なくなっちゃったので、最後に別のことをお尋ねしますけれども、いわゆる森友事件について、大阪地検特捜部長が記者会見を行いまして、不起訴についての記者会見を行いました。
 私、その記者会見の内容を聞いておりまして、通常、検察は、あるいは法務省は、具体的な捜査の内容に関わることは一切公表しないというのがこれまで完全に徹底された方針でありましたけれども、この大阪地検特捜部長の記者会見を見ますと、捜査の内容に関わることも公表しております。しかも、捜査の内容に関わる中で、私から見れば、被疑者側あるいは安倍政権側に非常に有利なことばかり捜査の内容に関わることを公表して、具体的な嫌疑のあることとか、そうした言わば政権側に不利益なことについての公表は何もないというのは、そういうような内容の記者会見でありました。
 この捜査の内容に関わることについて特捜部長が記者会見を行ったことについて、法務大臣はいかにお考えでしょうか。
#86
○国務大臣(上川陽子君) 大阪地検におきまして、今般、委員が御指摘のようなことがあったということでございますが、処分を決するに必要な、かつ十分な捜査を遂げた上で、法と証拠に基づいて適切に刑事処分を行った上で検討を経て下した処分結果につきまして、今委員から御指摘があったような形での一定程度の説明を行ったものというふうに承知をしているところでございます。その意味では大阪地検の判断ということでございます。
#87
○小川敏夫君 時間がなくなっちゃったので。
 ただ、共産党さんの方で入手して公開されている財務省と国交省の打合せメモの中に、官邸が法務省に巻きを入れて処分を早くさせろなんということもありました。実際、その後にこうして特捜部長が会見して、捜査の中身に関わることは一切公表しないというこれまで貫徹してきた方針、今も、この委員会でも恐らく捜査の中身については大臣はそういうことでお話しにならないでありましょうけれども、それを大阪地検特捜部長が嫌疑にならない理由だけを述べたという、その被疑者側あるいは官邸側に有利なことだけを述べたということについて、大変不適切な記者会見だったということを指摘させていただきます。
 その点を指摘して、私の質問を終わります。
#88
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 参考人質疑も踏まえまして、今回の法案、それから家族法についての大臣のお考えを伺っていきたいと思うんですけれども、櫻井委員、小川委員の質問も踏まえて、ちょっと質問の順番を大臣、変えますね。
 まずお尋ねしたいと思うのは、前回の質疑で、この法案で解決しようとする不公平というのは、これ、とりわけ長く連れ合った配偶者の保護を強めて実質的公平を図るんだという点について、大臣もそのとおりだと御答弁をされたと思うんです。
 その必要性の根本といいますか背景といいますか、女性が家庭において固定的役割分担を強いられながら、正当に評価さえされず、とりわけ相続、具体的には遺産分割の争いということが多いわけですが、その場面において著しい実質的不公平に置かれてきたという我が国社会、日本社会の現実というのがあるんだと思うんです。
 本改正案はそれを少しでも改善しようというものだと思うんですが、大臣はいかがでしょうか。
#89
○国務大臣(上川陽子君) 今回の相続法制につきましての見直しについては、高齢化の進展等によりまして社会経済情勢の変化に対応しての取組ということでございます。
 特に平均寿命については、女性の場合についてはこの直近の二、三十年間の間でも十歳程度長くなっているということがございまして、配偶者の一方が死亡した場合に、残されたもう一方の配偶者については一人で長く生活をして、しかも高齢になって長く生活をしている期間が非常に多くなっているということでございます。
 そうしたことから、この配偶者、長く連れ添いながら、また、それぞれの家庭の中での役割を担いながら生活をしてきたその配偶者の居住権、このことについて保護するための方策を設けることとしたものでございます。
#90
○仁比聡平君 はっきりお答えにならないんですね、そうすると。
 先ほど紹介された事例、早くに夫を亡くして、けれども、義理の親に対して療養看護も含めて貢献をしてきたけれども、相続人でないからという理由でこの遺産分割協議において極めて不公平な扱いを受けてきた、例えばそういう方に対して特別の寄与ということで実質的公平を図ろうとおっしゃる。
 その背景にあるのは何かといいますと、つまり、嫁だから無償でそうやって療養看護に努めて当たり前だという、それに対して報いることがないといっても当然だという、そういう我が国社会の中に現実にあるそうした意識じゃないですか。これを政府は固定的役割分担意識というふうに述べてもきたと思われます。
 だから、そうした現実、その下で生まれている不公平、これを改めるために、法定の権利あるいは選択のオプションということで、今回の改正では、相続人である配偶者、あるいは親族で相続人以外の者ということですけれども、そこに限るわけですが、そういう人たちではあるけれども、現実に生まれている私が申し上げているような不公平を解決しようとするんじゃないんですか。
#91
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 特別の寄与の制度につきましては、委員御指摘のとおり、相続人ではないけれども無償の看護療養等に努めたという方に対して財産的な金銭請求権を認めるということでございますので、これは、そういった方々の、相続人ではない方についてのそういった実質的な公平を図るものということでございます。
 そして、その現実的な、例えば、適用の例といたしましては、委員御指摘のとおり、例えば長男のお嫁さんですとかそういったような方が代表的な、典型的な例としては想定されていると、こういったような位置付けかと思います。
#92
○仁比聡平君 大臣、二回にわたって私通告しているんですよ、これ。
 女性が家庭において固定的役割分担を強いられてきている。その下で様々な、端的に言えば男尊女卑のような意識がやっぱり拭い去れないでいる。その下で生まれる実質的不公平は、これは解決しなきゃいけないと、そういう考えに基づいていないんですか、今度の法案は。
#93
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 今回の法律の制度の趣旨といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、相続人以外の方で療養看護に尽くしたという方の貢献等に報いるということでございまして、必ずしも直接的に女性の役割というものを、この法案の制度の改正の直接的な目的としているものではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、現実的にこの制度が適用される場面といたしましては、長男のお嫁さんというようなものが典型的に考えられるということでございます。
#94
○仁比聡平君 いや、今局長が長男の嫁というふうに典型例をおっしゃること自体もその意識の表れだと私も申し上げなきゃいけなくなってしまう。次男の嫁のことだってあれば、いろんな方があるじゃないですか。何をその典型として長男の嫁なんて言うんですか。
 大臣、どうですか。実際に女性が家庭において固定的役割分担を強いられると。それは、かつての社会、とりわけ戦前においてはそれはもう典型的にあった、それが押し付けられるということがあった。それが憲法の下、十四条や二十四条の下でもなおその意識が残る。一方で、社会は多様化する、家庭の、家族の在り方というのは大きく多様化するというこの戦後の大きな変化という下の中で、そうした固定的役割分担を強いるような考え方というのは、これはやっぱり拭い去っていかなきゃいけない。いかがですか。
#95
○国務大臣(上川陽子君) 今委員から、憲法の条文を挙げ、また、そのことについての大切な家族の在り方についても多様化しているという実態の中で、かつては性別役割分業があった、しかも固定的にあったということについてのその不公平感について、社会全体が変化する中で、これについてはしっかりとこのことについて着目をし検討すべきではないかと、こういう御指摘であるというふうに思っております。
 今回、社会経済の変化が、長寿化していくという中で、取り残された一方の配偶者の方の生活をするための様々な基盤をしっかりとつくっていくということは非常に大事な課題であるということで、寄与分、特別寄与の制度も含めまして今回審議に付したところでございます。
 個人の尊厳と両性の本質的平等に基づいて家族、法律はなければいけないという趣旨から考えてみましても、当然のことながら、それぞれそうした寄与をしたり、また家族の中でそうした残された期間をしっかりと生活していくための基盤をつくるためには、この法律の役割というのは大変重いものがあるというふうに思っております。
 ただ、これで全てが解決していくわけではなく、今回の委員会におきましても様々な具体的な御指摘もございました。そうした、誰一人取り残さないというこうした社会の実現のためにも、様々な要因の中で委員御指摘のように不公平な立場に置かれているというところについてあるとするならば、それにしっかりと目を向き合って対応していく必要性はこれからも大いにあるというふうに考えております。この法案施行後の取組ということが、まさにそうしたことを考えた上でこの間答弁の中でも申し上げたところでございます。
#96
○仁比聡平君 大臣が後段で、答弁の後段で述べられた憲法二十四条の趣旨、これをこれから頑張っていかなきゃいけないんだという趣旨は私は受け止めたいと思うんですけれども、ちょっとしつこいようですが、一点。
 長寿社会、長寿化と私が今申し上げている固定的役割分担という問題の関係なんですけど、つまり、高齢化が進むという中で、長く連れ合って、配偶者、連れ合いを亡くした後の生活というのが長い期間になる、先ほど十年ほどというお話もありましたけれども。そういう中で、にもかかわらず、それまで長く連れ合って、助け合って、もちろん財産も共同に形成をしてきた、だけれども住むところさえ安心して確保できないというのでは余りにも実質的に不公平じゃないかと、だから金銭請求権での清算などの在り方も含めて今回の法定の権利というのをつくったというのが配偶者居住権の趣旨じゃないですか、大臣。大臣、大臣の答弁をはっきりさせたい。
#97
○国務大臣(上川陽子君) 今回の法律案におきましては、長期間、長く連れ添われた御夫婦、片方が亡くなられた、その残された配偶者に対しまして居住用の建物等が贈与された場合に、その間の貢献等を考慮いたしまして、遺産分割におきましての配偶者の取り分を増やす方策、さらには、相続人以外の者が被相続人の療養看護に努め、その財産の維持又は増加に寄与した場合に、その貢献を考慮するための方策などが含まれているところでございます。
 今委員がおっしゃったように、長く連れ添われて、そして財産を共に築かれた、その一方が亡くなったときに、そのことによって不利益が生じることがないようにしていく、またさらに、残された生活をしっかりと担保していく、そのための対策として、今回、配偶者の居住権について創設をし、そのことについて実質的な権利を持っていただくということにしたところでございます。
 家族の在り方もいろいろ様々であるということについては、この間の御指摘の中でも承ってきたところでございますし、私も実感として、周辺の様々な関係性等のことについても、その前の世代と、その前の世代、一時議論していた世代の前の世代と比べても大きく変化はしているところではございますが、基本のところは、共同してつくった財産について、しっかりとその権利について、残された方がその権利を得るということについては極めて大事なことであるというふうに考えております。
#98
○仁比聡平君 今回の改正案では、その実質的公平を図るための法定の権利あるいは選択のオプションというのが、相続人である配偶者あるいは親族で相続人以外の者に限られているということになっているわけです。そのことが多様性が進む中で矛盾を広げてしまう、排除に至ってしまうということではなくて、広がる多様性を包摂する社会に更に進んでいくということにしなければ、これは政治の責任は果たせないと思うんですね。
 これ、そこで、大臣にお尋ねしたいと思うんですが、衆議院の附帯決議でも、多様な家族の在り方を尊重する観点から、その保護の在り方について検討するとされているわけです。この多様な家族の在り方とは何かと。これまでも御答弁があっていますから、繰り返しにならないように確認だけしますが、つまり、ここには事実婚あるいは同性パートナーというのが当然含まれるということですね。
#99
○国務大臣(上川陽子君) 衆議院の法務委員会におきまして附帯決議が付されたところでございます。国会におきまして、委員会での御判断ということでございますので、私からその内容について解釈を申し上げるということについては困難でございますけれども、衆議院の法務委員会におきましての御議論を踏まえて申し上げるところでありますが、附帯決議におきましての多様な家族の在り方等は、事実婚や同性婚のカップルを含む幅広い家族の在り方というものを意味するものであるというふうに理解をしております。
#100
○仁比聡平君 大臣の認識としても、これから、つまり法成立、施行後検討していくとおっしゃっているわけで、そこには事実婚、同性パートナーを多様な家族の在り方として含んで検討していくということですね。
#101
○国務大臣(上川陽子君) 委員の御指摘のとおりでございます。
#102
○仁比聡平君 その多様な家族の在り方を尊重するというのはどういうことなのかと。この法改正のきっかけともなったと言われる平成二十五年の九月四日、婚外子相続分差別違憲決定の理由において、最高裁は、一九四七年の民法改正以降、婚姻や家族の実態が変化し、多様化する中で、婚姻や家族の在り方に対する国民の意識も大きく変化をしているということを踏まえて、こう言っているんですね。「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかであるといえる。」ということなわけです。
 家族という共同体の中における個人の尊重というこの観点で、多様な家族の在り方を尊重し、これからその保護の在り方について検討する、これが当然だと思いますが、大臣、いかがですか。
#103
○国務大臣(上川陽子君) 今、最高裁の決定について御指摘をいただきました。平成二十五年九月の、嫡出でない子の相続分に関する最高裁判所の違憲決定ということでございます。家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたという判示でございまして、このことについては認識をしているところでございます。
 この中でも特に個人の尊重は極めて重要な理念でございまして、今後もそのような視点を十分考慮しつつ、社会経済情勢の変化、こうしたことも踏まえながら、親族、そして相続法制の見直しにつきましても、この要否を含めて検討していくということが重要であるというふうに考えております。
#104
○仁比聡平君 そうした観点は参考人の質疑の中でも語られておりまして、二宮周平教授は、多様な家庭生活を民法規定に取り込むべきであるとお述べになりました。法制審部会長の大村敦志教授も、様々な家族に対して必要な保護を与えていくことが望まれるとして、今後の方向性、観点も示されたわけですね。
 その中で、ちょっと時間が限られてきましたから、一問尋ねたいのは、選択的別姓を求めて夫婦別姓訴訟を取り組んでいる弁護士の榊原富士子さんの文章についての大臣の認識なんですが、様々な事情から夫婦のどちらも改姓することができないカップルが婚姻制度から排除されることによって被る不利益は看過できる程度をはるかに超えている、現在の多様化した家族の実情を無視して、特定の家族像を日本中の家族に押し付けるのは無理があるとおっしゃっているんですが、私、それはそのとおりだと思うんです。
 仮に、今回の改正後、この選択的別姓の制度の導入に向けて長く時間が掛かってしまうということになったら、これ婚姻制度から排除されていることによって、法律婚配偶者、あるいは親族、相続人は今回の改正のような法定の権利がある、けれども、事実婚、これ同性婚も含んで、これはもうそれがないという、そうした状態になるわけでしょう。これ、不利益が拡大する、今でも看過できないのに更に拡大するということにこれ当然なってしまうと思うんですよね。
 だから、法律婚の女性も、それから現行制度では法律婚できない事実婚や同性婚の人たちも、パートナーが亡くなったときに実質的な不公平を強いられないようにするということが私は政治が速やかに果たしていくべき役割ではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
#105
○国務大臣(上川陽子君) これまで、繰り返し選択的夫婦別氏制度についての御質問に対してお答えをしてきたところでございますが、選択的夫婦別氏制度の導入の是非につきましては、我が国の家族の在り方に深く関わる問題でございまして、国民の間にも様々な御意見がございます。また、家族の在り方に関する国民意識の変化、国民的な議論の動向等も踏まえながら引き続き検討をしていくべきものであるというふうに考えております。
 もっとも、今委員御指摘のとおりでありまして、今日の社会におきましては家族の在り方が多様化をしているところでございます。また、選択的夫婦別氏制度を導入していないということから婚姻に伴い夫婦の一方が氏を変えることになり、そのために社会生活上の不利益を受けていることにつきましては、いずれも十分に認識をしているところでございます。また、婚姻に伴いまして氏を変えた方が受ける不利益に関する指摘については重く受け止めている状況でございます。
 家族のこれからの在り方については、国民的な議論をしっかりと踏まえながら、今回の法律改正におきましても様々な議論があったということをしっかりと受け止めながら、今後の検討に付してまいりたいというふうに考えております。
#106
○仁比聡平君 国民的議論を踏まえながらと大臣がおっしゃるんですけれども、家庭、家族という共同体の中における個人の尊重の問題であるというのは、これはつまり人権問題であり法的問題であるということなんですね。多数者が少数者に特定の家族観を押し付けてはならないという問題なんですよ。その多様性を本当に尊重しなきゃいけない。
 前回の参考人質疑で横山参考人から、性的指向というのは自分で選択できるものではない、それを理由として社会で生きづらい状況になるのは非常に望ましくない、同性パートナーにとって相手というのは生存の基礎なのだというお話がありました。私、そのとおりだと思うんですね。こうした多様性を本当に包摂する家族法全体、あるいは財産法を含めた民法の改正がこれからすぐに進んでいくように大臣のリーダーシップを強く求めて、今日は質問を終わります。
#107
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 本日までに学習したことは多くございまして、その中の一つに、現在、民法に家族の定義は書かれていないという、この現状に私は驚きました。家族の在り方の多様性に従って、戦後日本社会において民法が家族の在り方をリードしてきたのに比べ、現在はその家族の在り方の変化に合わせて民法を変える時代に入ってきたのだと思います。
 その動きの中で、今回の相続をめぐる法改正においても、これだけ多くの議員の方が、事実婚あるいは夫婦別氏の婚姻届の問題、さらには同性婚という言葉までテーブルの上に上げて、この民法における家族の在り方を変えていく、今、社会が変化している大きなうねりの中の分岐点にあると、そうおっしゃっているんではないかと感じております。つまり、ここで何かしなくてはいけないんではないかと、皆さん、議員がそういう気持ちになられていると思いますが。
 私はここで法務大臣にお聞きしたいんですけれども、そう一足飛びに変わっていくことはできないんだと思います、世の中は。しかし、アゲンストの風をつくっていくというのは不作為だと思うんですね。社会の動きがあるときに、トップの方がやはりその風を味方に付けて変えていこうとしているという動きでも雰囲気でもつくるべきだと思うんですが。
 今回の法改正の審議は、相続人の範囲を広げるという審議ではなくて、法律婚の配偶者が相続する際に居住権をどう取り入れるかから始まった狭い審議なので、事実婚にも居住権をという議論の次元ではないのだという参考人の方々の御説明もありまして、理解はできました。しかし、事実婚の人にとっても、パートナーと死別した後の生活が大変であることは何ら変わりはないわけです。事実、困っているんだという実態があるのであれば民法の中で考えていくべきではないかと思います。何か一歩踏み出していく必要があるんではないか。
 そのためにも、先ほど私、一遍に変えることはできないと申しましたが、事実婚という人たちがどういう状態であるかをせめて調査するべきではないかと思います。
 これまで質問をしても、事実婚の線引きというのが難しいので実態調査をやっていないとお聞きしておりますが、参考人の方々の御意見聞いておりましたら、やり方だったら、フランスの例を取りまして、幾らでもあるんではないかと、勉強することが。一定年数以上暮らしているカップルを対象としている方法などあるというようなことを教えていただきました。
 まず、この国も実態調査をして、困っている人を助けるために法律の足らざるところを変えていくのが政治の役割であり、大臣には、そういう意識を高く持って法務省を指導していただきたいと思っております。今後、調査をする必要性を感じていただけますでしょうか。実態の把握に努めていただけますでしょうか。今回の改正を超えて、社会でそういう人たちを救うために国としてやっていただきたいと思うのですが、御意見をお聞かせください。
#108
○国務大臣(上川陽子君) 委員の御指摘がございました事実婚、これにつきまして民法上どのように扱うのか、これにつきましては、法律婚の場合と同様の取扱いをすべきかどうか、こういった問題もございます。また、これは家族の在り方に関わる重要な問題であるということでございまして、社会経済の情勢、国民の意識等を踏まえつつ、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
 法案が成立した後、施行状況も踏まえながら、様々な多様な家族の在り方についても含めまして検討してまいりたいということで答弁をさせていただいてまいりました。
 今の段階で、何をどういう形で調査をするということについてちょっと申し上げるという段階ではございませんので、ここについては、今回御議論をいただき、今日もいろんな形で御指摘をいただいておりますので、そういったことに対しまして、しっかりと真摯にこの問題について向き合ってまいりたいというふうな姿勢はしっかり持って今後の対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#109
○石井苗子君 実態の把握に努めていただけるというお答えをいただいたわけではないでしょうか。もう一回確認をしたいんですけれども。
#110
○国務大臣(上川陽子君) 今直ちに検討をする、調査をするということを申し上げることができる状況でございません。まず法案を通していただきました上で、今回の法案の中で様々な御指摘がございましたこういったことについてしっかりと検討をした上で、どのような形で、今後、施行状況も踏まえながら対応していくのかということを、真摯にその意味で向き合ってまいりたいというふうに考えております。
#111
○石井苗子君 ありがとうございました。
 法務大臣が、相続人の範囲を広げるにはどうしたらいいか、事実婚の要件を定めて、それから定義を持っていき、事実婚の方々にも相続の範囲を広げたいけれどもどうすればいいかというふうに審議を広げていっていただく機会をつくってくださることを今後期待しております。
 ちょっと補足をさせていただきますと、その調査のやり方ですけれども、参考人の方の御答弁ですと、婚姻届を出さない理由というのがどこにあるかということについては調査はいろいろしていると。
 LGBTの場合は婚姻届出せない。高齢結婚は他者に迷惑が掛かるから、掛かると思って出さない。離婚が成立していない場合、先ほどお話がありましたが、重婚になってしまうからできない。ほかにも、性的差別や婚外差別をする側に回りたくないから婚姻届を出さないとか、同棲だけで十分だとか、選択制夫婦別氏が認められていない時代に共働きをしているんだったら、仕事で使う名字が今のままが便利だとか、銀行口座もカードも全部変えるのは女性の負担ばかりだとか、親権の問題があって、子供が生まれる直前に籍を入れて、その後に抜き、また次の子供のときに籍を入れ、また抜くということを繰り返すとか、だから婚姻届を出さないとか、婚姻は特権もあるけれども、同居の、扶助義務や婚費の分担義務など負いたくない義務もあるから出さないとか、伝統的家族観から逃げたいと。
 こういうふうに、この辺までは専門家がいろいろ調べているわけですから、これは、国として把握しているデータを持っているということはやはり今後必要になってくるのではないかと思います。
 それでは、質問を次に移らせていただきます。
 政府参考人の方にお聞きいたしますが、今回の法改正の提案理由ですけれども、先ほどから出ておりますように、高齢化の進展などの社会経済情勢の変化に合わせて言及してきたと。この点で、私、専門が地域包括ケアの保険システムの点で、介護の保険制度の変化ですね、これからどう変わっていくかということについて大変興味があるんですが、介護保険制度の下での要介護者、つまり介護を必要としていらっしゃる方は現在約六百万人いらっしゃいます。
 高齢化がこれから進みますと、相続人以外の方が介護をする例も増えてくる、これは間違いないことでありまして、これまでに相続人の方だけに寄与分の主張というものを認めてきたのを、相続人の配偶者など親族が特別寄与料という料金を請求することができるようになりました。この背景に、できるだけ高齢者の介護を家族で担う方向に誘導していくという目的があるかどうかを政府参考人の方にお聞きいたします。
#112
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 特別の寄与の制度でございますけれども、相続人でない親族が被相続人の療養看護等の貢献をした場合に遺産の分配にあずかれないのは不公平であると、こういった指摘があること等を踏まえまして、実質的公平を実現することを目的として創設するものでございます。したがいまして、この制度の請求権者に当たる者が療養看護等を行うことを期待して制度設計をしたものではございません。
 むしろ、法制審議会におきましては、このような制度を設けることによって、高齢者の介護を家族に担わせる方向に誘導する趣旨があるかのようなメッセージ性を持つことに懸念を示された委員、幹事が多く、この法律案が成立した場合には、その制度趣旨について適切に周知を行うよう要望がされたところでございます。
 以上のように、今回のこの特別寄与の制度でございますが、御指摘のような高齢者の介護を家族に担わせる方向に誘導するといった政策的な目的を有するものではございません。
#113
○石井苗子君 ありがとうございます。
 介護の担い手というのは、現在、私が把握している限りにおいては、約六割、六〇%が同居をされている親族の方です。先ほどの御答弁だと、誘導する目的がないと、間違ったメッセージ性を持っては困るというお答えでございましたが、誘導する目的がなくても、介護をした親族に特別寄与料を認める改正を今回しているわけですから、現実を固定化する方向に動いているのではないかと、私の理解はそうなんですが、結果として現実を固定化する影響を与えていることについてはどうお考えでしょうか。
#114
○政府参考人(小野瀬厚君) 先ほど申し上げましたとおり、この特別の寄与の制度は、相続人でない親族が被相続人の療養看護等の貢献をした場合の不公平といいますか、そういったものを是正するものでございまして、現実にそういった貢献をした方についての権利を付与するというものでございまして、そういった、介護をどのような方をするのが相当なのかといったような、そういった方向性を持つものでは決してございません。したがいまして、委員御指摘のような、そういった現実の固定化につながらないようにする必要があるというふうに考えております。
 法務省といたしましては、この制度を設けた趣旨につきまして、御指摘のような懸念が生じないように、その制度趣旨等について十分な周知に努めてまいりたいと考えております。
#115
○石井苗子君 御見解は分かるんですけれども、私は、現実は固定化に向いていくことになっていき、地域で包括ケアシステムとして高齢の医療、介護を見ていく方向にあるのではないかと思っているんです。
 高齢化の進展によりまして、社会保障費は、これ膨張の一途をたどると。これ大分、上限を抑えることで多少の縮小には成功はしましたけれども、これから高齢化が進まないことはないので、高齢化が進んでいくことには何ら変わりがないわけです。
 そうなりますと、もしその社会保障費が膨張しているのであるのであれば、高齢者の介護、高齢者である方々、家族に限らず、高齢者の介護というのはなるべく家族ではなくて親族、親族で行うようにするということは私は望ましい方向ではないかと、そういう政策的なメッセージを出してもいいのではないかと思うんですが、法務省はそこまで踏み込むつもりはないのか、社会保障は厚生労働省の所管だからおっしゃらないのか分からないんですが、いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 核家族化の進行ですとか、あるいは介護する家族の高齢化に伴いまして、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして介護保険制度が導入されたものと承知しております。
 現時点におきまして、相続法制の中で高齢者の介護を親族で担った方がよいという、こういうメッセージを出すべきであるとは考えておりませんけれども、法務省といたしましては、今後も、御指摘の介護の在り方も含めまして、社会経済情勢の変化に十分留意しつつ、相続法制について必要な見直しを行っていくことが重要であると考えております。
#117
○石井苗子君 今自分がいたところにずっと暮らしていけるんだということは、高齢の方々にとって認知症予防になるんです。ですから、これは医学的に証明されていることなので、私はこれ、これから介護という意味であれば、なるべく今いる家にいる、そこで居住をしていけるという方向であり、そこで最後まで生きていくというのが認知症予防につながると思っているので、なるべく親族でということを言ってもいいのではないかと思っているのですが。
 ちょっと視点を変えますと、配偶者がお亡くなりになった後も長く生存される方の居住を保護するということが目的なら、賃貸住宅に暮らしていらした人の居住も保護する必要はございます。そうすると、被相続人の借家権がほかの相続人に渡った場合、相続された場合、配偶者の居住を保護する法的な方法というのはありますか。私、聞き漏らしたならもう一度教えていただきたいんですが。
#118
○政府参考人(小野瀬厚君) 配偶者が被相続人とともに借家に居住していた場合につきましては、その遺産の中に借家権というものがあるわけでございますけれども、その遺産分割において、仮にその配偶者以外の相続人がその借家権を取得した場合には、配偶者はその建物での居住を継続することはできないということになります。
 しかしながら、その配偶者が被相続人とともに借家に居住していた場合で相続開始後も引き続きその借家での生活を続けたいというふうに希望している場合には、通常は、その希望どおりの遺産分割協議が調わない場合でありましても、借家権を取得することができるものと考えられます。
 すなわち、相続人間で遺産分割の協議が調わない場合には家庭裁判所の審判によってその帰属が決められることになりますけれども、民法上、遺産の分割は様々な事情を考慮してしなければならないとなっておりますが、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況等々、その他一切の事情を考慮するとされております。そうしますと、配偶者がその借家に居住しており、今後もそれを希望しているという事情は、遺産分割における財産の帰属を定めるに当たり、重要な考慮要素になるものと考えられます。
 すなわち、まとめますと、仮にほかの相続人が借家権を取得した場合には、確かに法律上その建物に居住し続ける権限というのはなくなりますが、実際には、配偶者以外の相続人が借家権を取得するために配偶者が住み続けることができないという事態は実際には余り生じないというふうに思われます。
#119
○石井苗子君 実情に合わせてケース・バイ・ケースで考えていくということですけど、非常に複雑なルールメーキングだと思います。
 最後に一つお伺いしますけれども、特別寄与者を無償で療養看護の労務を提供した者、努めた者に限定されていますが、これは特別寄与者を無償でということですね。僅かなお礼などをもらった場合でも、これは要件満たさないんでしょうか。
#120
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 無償でというこの無償の意味でございますけれども、被相続人から労務を提供した者に対してその対価の支払がされているかどうかと、こういうところで判断するというものでございます。そして、その被相続人が給付した財産が対価に当たるか否かということにつきましては、その財産の給付についての当事者の認識ですとか、財産の給付と労務の提供との時期的、量的な対応関係等に基づいて判断されることとなるものと考えられます。
 被相続人がそのお礼として金銭等を支払っていた場合にこの要件を満たすかどうか、これは個別の事案に応じた判断でございますので一般的にお答えすることは困難でございますが、例えば僅かな金銭しか交付していないという場合ですとか、あるいは簡単な食事の提供を受けたにとどまると、こういったような場合には対価的な意義はないと判断される場合が多いものと考えられます。
#121
○石井苗子君 細かいところを確認させていただきました。
 質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#122
○委員長(石川博崇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#123
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 今回、生存配偶者の居住権、特別寄与の対象から事実婚や同性パートナーが排除されていることから、本日は特に事実婚について質問いたします。
   〔委員長退席、理事若松謙維君着席〕
 私、これまで、度々、選択的夫婦別姓が実現しないために法律婚を希望しながら事実婚を余儀なくされている方がいらっしゃること、法律婚の推奨といいながら、それぞれが婚姻後も名前を名のり続けたいカップルを婚姻制度から排除していることについて質問してまいりました。事実婚を選択している方がどれくらいいらっしゃるのか、事実婚と法律婚とではどのような取扱いの違いがあるのかなどについて質問したいと思います。
 先ほどもございましたけれども、法務省にお伺いいたします。法律婚をしていない事実婚カップルの数は把握されているでしょうか。
#124
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 一般に、事実婚とは、法律上の婚姻関係にある夫婦と同様の社会的実態はあるが婚姻届が提出されていない男女の関係をいうものとされております。このように、事実婚は社会的実態のみによって成立するものでございますので、法務省におきましてはその件数を把握しておりません。
#125
○糸数慶子君 把握されていないということでありますが、これは先ほどの質問の中でも出ておりましたけれども、この事実婚の実数を把握することはできなくても、サンプル調査のような何らかのその調査を行う必要があるのではないでしょうか。
#126
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、事実婚の関係にある者の人数等の実態について、その詳細把握しているものではございませんが、その実態把握につきましては、御指摘のサンプル調査をする場合を含めまして、当事者のプライバシーの問題ですとか、あるいは事実婚をどのように定義するのかといった問題等があることから、そのような調査をすることの相当性あるいはその調査方法等につきましては極めて慎重な検討を要するものと考えております。
#127
○糸数慶子君 どれくらいの事実婚の方がいらっしゃり、またどのような不都合があるか、そういうことを把握することで今後の制度設計にも役に立つというふうに考えますが、上川大臣は調査の必要性はないというふうにお考えでしょうか、伺います。
#128
○国務大臣(上川陽子君) 現代の社会におきまして、婚姻によりまして氏を変えたくない場合や、また配偶者の相続権を発生させたくない場合など、様々な理由で事実婚を選択をしていらっしゃる方々がいらっしゃるということについては承知をしているところでございます。これらの方々を民法上どのように取り扱うか、すなわち、法律婚の場合と同様の取扱いをすべきかどうかにつきましては、家族の在り方に関わる重要な問題であるというふうに認識をしております。社会の情勢、国民の意識等を踏まえつつ、慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
 調査のことについて御質問がございまして、今後、この法律案、制定をして施行という段階になり、またその状況も踏まえながら、この多様な家族の在り方についてしっかりと向き合ってまいりたいというふうに考えておりまして、今の段階でどのような形ですることがその検討としてふさわしいかどうかということにつきましてもこれからということでございますので、今申し上げるということにつきましてはできない状況でございます。
#129
○糸数慶子君 残念でございますけれど、諸外国においてはいろんな形で調査がなされているという事実もございます。是非前向きに検討していただきたいと思っておりましたけれども、答弁の状況では、取りあえず今は調査するという御意思はお持ちじゃないということなんでしょうか。
#130
○国務大臣(上川陽子君) 今この場所でそのようなことについて申し上げることがなかなか難しい、つまり、検討をすることそのものを検討しなければいけないということでございますので、その意味で、今の段階での真摯なお答えということでの受取を是非していただきたいというふうに思っております。
   〔理事若松謙維君退席、委員長着席〕
#131
○糸数慶子君 では、次に参りたいと思います。
 法律婚と事実婚では取扱いに様々な違いがあるわけですが、税法上の権利利益においても法律婚と事実婚とではどのような違いがあるのか、主なものを国税庁にお伺いいたします。
#132
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 所得税法と相続税法を例に取りますと、これらに規定されている配偶者はいずれも民法の借用概念であると解されていることから、事実婚のパートナーは所得税法及び相続税法上の配偶者に該当しないことになります。
 したがいまして、例えば、適用対象者等が所得税法及び相続税法上配偶者に限定されております所得税の配偶者控除、相続税の配偶者の税額軽減、婚姻二十年以上の配偶者から居住用不動産等の贈与があった場合の贈与税の配偶者控除の特例といったものにつきましては、事実婚のパートナーは適用を受けることはできないということになります。
#133
○糸数慶子君 このほかにも、住民税の配偶者控除や障害者控除、医療費控除でも事実婚は対象外であります。また、国の不妊治療の助成金も事実婚は対象外、生命保険の死亡保険金の受取も配偶者か二親等以内の血族と限定しているところが多く、事実婚を認める場合でも煩雑な手続が求められ、その結果、認められない場合もあるわけです。これらは一部であり、枚挙にいとまはありません。
 それで、法務省に伺いますが、民法上では法律婚と事実婚とでは取扱いにどのような違いがあるのでしょうか、お伺いいたします。
#134
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 事実婚につきましては、その社会的実態において婚姻関係と異なるものではございませんので、夫婦に関する規定の多くは事実婚についても準用ないし類推適用されるものと解されております。これに対しまして、配偶者の相続権ですとか、あるいは夫婦同氏の制度、それから、これ現行法の下でありますけれども、成年擬制の制度、あるいは嫡出推定制度等、こういったような規定につきましては、一般に法律上の婚姻に固有の効果であると考えられておりまして、事実婚には準用ないし類推適用されないと解されております。
#135
○糸数慶子君 今るる挙げていただきましたが、親権についてお伺いしたいと思います。
 法律婚した夫婦の子は共同親権ですが、事実婚では、父母双方と法律上の親子関係が形成されたとしても、子の親権者は父母のどちらか一方となります。父母と子供が共同生活をしながら、財産管理権や法定代理権もどちらか一方しか持てないわけです。子供にとってこのような不利益をどう考えられるのでしょうか。法務省に伺います。
#136
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 事実婚につきましては、現在事実婚の状態にあるか否か、あるいは事実婚の状態がいつの時点で始まり、いつの時点で終了したかを客観的に判断することが難しいという問題がございます。そのため、事実婚の状態にある父母に共同して親権を行使することができると、このようにいたしますと、子の親権が今誰に帰属するか、現在誰に帰属しているのかという点が不明確になりまして、かえって子に不利益を生じさせる、こういったようなおそれもございます。
 このため、父母が法律上の婚姻している場合に限って共同して親権を行うこととしております現行制度には合理性があるものと考えております。
#137
○糸数慶子君 法務省はそうお答えになりましたけれども、上川大臣はこのことについてどのように考えていらっしゃるのでしょうか、伺います。
#138
○国務大臣(上川陽子君) ただいま民事局長が答弁をしたところでございまして、父母が法律上の婚姻をしている場合に限りまして共同して親権を行うということにしている現行制度でございますけれども、こうした合理性にのっとって対応するということでございます。
 事実婚につきましての問題につきましては、先ほど答弁をしたとおりというふうに考えております。
#139
○糸数慶子君 次に、単独親権者の親が死亡した場合、一方の親に親権を移行するためにはどのような手続が必要でしょうか。法務省に伺います。
#140
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 子について単独で親権を行使していた親権者が死亡していた場合に、生存している他方の親が子の親権者になることができるか否か、仮にできるとしてどのような手続が必要であるかにつきましては、民法には明文の規定がございませんで、解釈に委ねられております。
 その上で申し上げますと、一般には、単独で親権を行使する親が死亡した場合には、原則として、子について親権を行う者がないときに該当しますので未成年後見が開始することとなりますが、生存している親が親権者として適任であると認められる場合には、生存している親は親権者変更の手続を経ることによって親権者になることができると解されているものと承知しております。
#141
○糸数慶子君 改めて伺いますけれども、今御答弁いただきましたけれども、単独者の親が死亡した場合、一方の親に親権を移行するためにどのような手続が必要かというふうに伺いました。例えば、手続が完了するまでに、その確定するまでの空白期間が生じるということなんでしょうか。これは大きな不利益が生じるというふうに思いますが、改めて伺います。
#142
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、先ほど申し上げましたとおり、原則として未成年後見ということになりますので、その後見人の選任ということになりますし、また親権者変更の手続ということになりますので、その手続につきましては一定の期間が掛かると。その間は未成年後見人あるいは変更後の親権者という者が実際上はいないという、そういう状況というものが、期間というものが手続の進行中は生じるということにはなろうかと思います。
#143
○糸数慶子君 これは大いに問題だということを指摘をしたいと思います。
 事実婚夫婦には特別養子縁組で養親となることは可能でしょうか。
#144
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 民法の八百十七条の三の第一項でございますが、特別養子縁組において養親となる者は配偶者のある者でなければならないというふうに規定しております。したがいまして、養親となる者は法律上の配偶者を有する者でなければなりませんで、事実婚のカップルは特別養子縁組においては養親となることはできないということになります。
#145
○糸数慶子君 今挙げていただいただけでも、法律婚と事実婚とでは大きな差があることが分かりました。
 現行でも様々な差別があるのに、新たに設ける制度に差を付けることについては参考人からも厳しい指摘がありました。特に、二宮参考人は、上川法務大臣が、事実婚、同性婚など多様な生き方を排除するものではない、特に多様な家族の在り方に関する状況に十分熟慮し、今後も必要な検討を行うと発言されたことについて、今次改正に反映させなくて、排除するものではない、十分留意しと言えるのかと厳しく指摘をされています。また、上川大臣が、事実婚では、遺言とか事前の契約を結べば対応できると答弁していることについて、法律婚カップルの場合には求められない自助努力をなぜ事実婚の人たちに求めるのか、同じ家庭、共同生活であるのにそこに区別があるということは、やはり排除の論理があるように思われてならないと指摘をされています。
 このような指摘について、大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
#146
○国務大臣(上川陽子君) 先日、参考人の質疑におきまして、二宮参考人からただいま委員御指摘のような内容の御発言があったということについては承知をしているところでございます。
 本法律案につきましては、先回も申し上げたところでございますが、事実婚あるいは同性婚などの多様な生き方にも一定の配慮をするものでございまして、これを排除するものではないということについてはこれまでも答弁してきたとおりでございます。
 この法律案が成立して施行された場合におきましては、その施行状況、また社会経済情勢の変化、特に多様な家族の在り方に関する状況等につきまして十分に留意しつつ、また今後も必要な検討を行っていくということについては繰り返し申し上げたところでございます。
#147
○糸数慶子君 憲法や条約に照らして差別的な規定を見直してきているという状況で新たな差別規定を設けることは、二〇二〇年に提出することになっている女性差別撤廃条約第九回政府報告の審査でも厳しい指摘がなされるものと思われます。
 このことについて、男女共同参画担当大臣を経験された上川大臣の御見解をお伺いいたします。
#148
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のとおり、本法律案におきましては、配偶者居住権や特別寄与料など、被相続人の法律上の配偶者や被相続人の法律上の親族に該当する者とそれ以外の者との間で異なる取扱いをしているものが含まれているところでございます。
 もっとも、これは、被相続人に権利を有していた者や、また債務を負っていた者等の利害関係人が不測の損害を受けることや、また相続をめぐる紛争が過度に長期化、複雑化することなどを防止するなど、合理的な理由に基づくものでありまして、不合理な差別には当たらないものというふうに考えております。この点につきましては、本法律案の成立後、国内のみならず、国際機関に対しましても丁寧に説明してまいりたいというふうに考えております。
 また、先ほど申し上げたとおりでありまして、この法律案が施行された場合におきましては、その施行状況や、また社会経済情勢の変化等に十分に留意しつつ、相続法制の在り方につきまして今後も必要な検討を行っていくということにつきましては大変重要であるというふうに考えております。
#149
○糸数慶子君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#150
○委員長(石川博崇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松山政司君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。
    ─────────────
#151
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 本日は、初めに身分行為と相続の関係についてお伺いいたします。
 身分行為の一つに縁組がありますが、そもそも養子縁組という制度が何を目的にしているかについてお教え願います。
#152
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 養子制度は、養子となる者と養親となる者との間に法律上の親子関係をつくり出すことを目的とするものでございまして、民法上、普通養子縁組と特別養子縁組という二種類の養子制度が設けられております。
 そのうち普通養子縁組は、養子となる者が成年に達した者であってもいいわけでございまして、必ずしも養子となる者の養育のために用いられることが予定されているものではございません。これに対しまして、特別養子縁組は、家庭に恵まれない子に温かい家庭を与えて、その健全な養育を図る目的で創設されたものでございます。したがいまして、養子となる者は原則として六歳未満でならないといったようなことがなっておりますし、縁組が成立すると、実方の親子関係が終了し、原則として離縁することができないという点に特徴がございます。
#153
○山口和之君 日本では孫や子の配偶者を養子とすることが行われておりますが、これらは養子縁組制度の本来の目的のためではなくて、相続対策として行われていることが少なくありません。
 このように、養子縁組が相続対策として行われていることについて、上川大臣はどのようにお考えでしょうか。
#154
○国務大臣(上川陽子君) 相続税法の規定によりますと、遺産に係る基礎控除額、これは法定相続人の数に応じて算出するものとされております。委員御指摘のように、法定相続人の数、これを増やし、これによりまして節税の効果を生じさせるために自分の孫等の養子縁組をすることがあるとの指摘がなされているということでございます。もっとも、判例でございますが、相続税の節税のためにされた養子縁組であったとしても、直ちに養子縁組の意思を欠いて無効とはならないというふうにしているところでございます。
 御指摘の問題につきましては、基本的には相続税の課税の在り方に関わる問題であるわけでありますが、他方で、養子制度の在り方との関係につきましても様々な議論があるところでございます。
 法務省といたしましては、御指摘のような目的で養子縁組が行われている現状等も踏まえつつ、養子制度の在り方については必要な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#155
○山口和之君 先日、二宮参考人から、節税目的の未成年養子縁組というのは脱法行為だと思いますとの発言がありましたが、相続対策を主目的とするような養子縁組というのは、未成年養子であっても成年養子であっても、身分行為の濫用的な利用ではないかと思います。やはり、全く親子関係の実質がなくても養子縁組によって戸籍上の子となっていれば法定相続人と認められてしまうというのは、相続制度の目的からも、養子縁組制度の目的からも、正当化が難しいのではないでしょうか。
 相続制度が親族制度と結び付けられていることによって身分行為がゆがめられているのではないかとも懸念しますが、上川大臣はどのようにお考えでしょうか。
#156
○国務大臣(上川陽子君) 普通養子縁組につきましては、養子となる者と養親となる者との間に法律上の親子関係をつくり出すということを目的とするものでございます。養子が養親の相続人となることは、縁組の主要な効果の一つでございます。仮に当事者がそれを目的として縁組をしたとしても、民法上は、それをもって直ちに濫用的な縁組になるわけではないというふうに考えられるところでございます。
 御指摘の問題につきましては、基本的には相続税の課税の在り方に関わる問題であると考えられますが、他方で、養子制度の在り方との関係につきましても様々な議論があるものと承知をしているところでございます。
 私は、先月、六月でありますが、四日に、特別養子制度の見直しにつきまして法制審議会に諮問をいたしましたが、引き続き、普通養子縁組につきましても、制度の利用の実情等を注視しながら、関係省庁とも連携をして必要な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#157
○山口和之君 我が国の養子縁組は、子が成年に達しているケースが多数を占めますが、高齢になった際に養親の面倒を見るような目的については、身分行為ではなく、任意後見のような契約によっても十分達成されると思われます。
 先日、参考人からの意見聴取で、民法には家族の定義がないという話がありましたが、相続対策を主目的とするような養子縁組を法的に保護する必要があるのかといった点については、家族の定義も含めて、根本的なところから検討していく必要があると思います。
 次に、相続制度を取り巻く社会経済情勢の変化についてお伺いします。
 日本は、かつて一%台だった生涯未婚率、つまり五十歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合は、一九七〇年頃から現在まで右肩上がりで、直近の二〇一五年のデータでは、男性二三・三七%、女性一四・〇六%となっております。また、かつて人口置換水準の二・一を大きく超えていた合計特殊出生率は、長らく一・五を割り込んでおります。
 これらから言えるのは、今後、配偶者も子供もいない状態、つまり、現行制度上の法定相続人がいない状態で死亡する国民が増えていくだろうということになります。現在審議中の法律案は、高齢化の進展等の社会経済情勢の変化を受けたものであるとの説明を受けておりますが、相続にとっては、生涯未婚率の増加や少子化の深刻化の方がより重要な社会経済情勢の変化のように思われます。
 今回の法改正において、生涯未婚率の増加や少子化の深刻化への対応については検討したのでしょうか。したとすれば、どのような検討をしたのか、お教え願います。
#158
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、生涯未婚率の増加あるいは少子化につきましては、それ自体重要な社会情勢の変化であるというふうに認識しております。
 相続法制との関係で申しますと、そういったような傾向によりまして、今御指摘いただきましたような、例えば法定相続人がいないといったようなケースも生じるでしょうし、また、例えば、生前に疎遠であった者が法定相続人になると、こういったような場合等も増えてくるものと考えられます。
 そういった今申し上げたようなケースにつきましては、そういった生前に疎遠であった者に財産が承継されることを避けると、こういうためには、やはり遺言の活用を図ることが有用であるというふうに考えられます。このような観点からも、本法律案におきましては、この遺言の利用を促進する方策を盛り込んでいるというふうなところでございます。
 また、高齢化が進んだことに伴いまして高齢配偶者の保護の必要性が高まる一方で、少子化によって相続人である子の人数が減るということになります。そうしますと、遺産分割における一人の子の取得割合は相対的に増加するということとなります。
 本法律案では、配偶者居住権の創設など、遺産分割の場面等におきまして、配偶者をより保護する方向での見直しとしておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、子供の取得割合が少子化に伴って増加しているということも、このように配偶者を保護すると、こういった見直しを行う合理性を裏付ける根拠の一つにはなり得るものと考えております。
#159
○山口和之君 婚姻関係及び親子関係を基礎として組み立てられている現在の相続制度は、生涯未婚率の増加や少子化の深刻化によって土台から崩壊しかねない危機に直面しているとも言えると思います。早急に対応を検討する必要があると思います。対応策としては、婚姻率を上げるということも考えられますが、そのためには、なぜ婚姻率が低いのか、生涯未婚率が増加しているのかを分析する必要が必要になります。
 生涯未婚率の増加の原因としては、結婚、特に法律婚に魅力を感じない人が増えていることも含まれていると思われますが、上川大臣は、法律婚に魅力を感じない人が増えている理由は何だと思いますか。また、法律婚に魅力を感じないとの意見に対する御見解もお聞かせ願います。
#160
○国務大臣(上川陽子君) 法律婚に魅力を感じない者が増えているということで、理由についてお尋ねでございましたが、様々な理由があろうかというふうに思っております。
 仮にそのような傾向があるとするならば、それもそれぞれの、一人一人のライフスタイルあるいは家族の在り方が多様化しているということの一つの表れではないかというふうに見ることができるのではないでしょうか。
 その上で、一般論でありますが、男女が法律上の制度にのっとって結婚をし、また家庭を築くこと、そして、そのような家庭に法的な保護を与えるということにつきましては、家族の在り方が多様化している現状におきましてもその重要性は私は失われていないというふうに考えております。
#161
○山口和之君 法律婚に魅力を感じない人が増えていることの原因は様々だと思いますが、それらを全て解消することは困難だと思います。それよりは、配偶者も子供もいない状態で死亡する人が増えていることを前提に相続制度を見直すことの方がまあ現実的なのだろうかなというふうにも思います。
 生涯未婚率の増加や少子化の深刻化をしっかりと受け止め、法律婚や親族制度を前提にしない相続制度を考えていくことは非常に重要だと思いますが、上川大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#162
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘いただきました生涯未婚率の増加、また少子化といった社会情勢が大きく変化する中で、相続人が誰もいないという場合や、また生前に疎遠であった者が相続人となる場合が増加する、そうした可能性については大変高くなるものではないかというふうに考えております。
 このような場合におきましては、法律上の身分関係等に基づきその財産を承継させるのではなく、生前におきましての実質的な人間関係等を考慮してその財産を承継させる方が被相続人の意思に合致をし、また財産の維持又は増加に寄与した者にその財産を承継させることにつながるケースもあるものというふうに考えられるところでございます。もっとも、このような相続の在り方につきましては、被相続人の意思に基づき財産の帰属等を定める制度である遺言制度、この活用によりまして、現行法の下でも実現することができるものというふうに考えております。
 そのような意味におきましては、この遺言制度につきましては、家族の在り方が多様化している日本の社会におきまして、今後ますますその重要性が高まっていくのではないかというふうに考えております。
#163
○山口和之君 前回の対政府質疑において、民事局長から、相続制度については、一、血縁関係が根拠であるという考え方、二、生活共同体を形成していた者の財産形成に対する貢献が根拠であるという考え方、三、被相続人の推定的意思が根拠であるという考え方などがあると説明をいただきました。そのうち二番目と三番目の考え方は、個人主義の原理にも財産法の原理にも整合しますし、説得力があると思います。しかし、一番目の血縁関係を根拠とする考え方は日本国憲法の個人主義の原理に反するようにも思えます。また、特別養子縁組以外の方法では実親子関係を終了させることができない現行親族法の下では、血縁関係を根拠として相続制度を考えることは正当化が難しいようにも思えます。
 生涯未婚率の増加や少子化の深刻化に対応できる相続制度を検討するに当たっては、被相続人の意見が最大限尊重されるように遺留分制度を見直したり、生活共同体を形成していた者の財産形成に対する貢献がきちんと評価されるように、戸籍上の身分関係にある者よりも住民票上の同居関係にある者を順位の高い法定相続人にしたり、また、同居していない法定相続人については広く廃除を認めたりといったことが実現できないのか、是非考えていただきたいと思います。
 次に、何度か出ておりますが、遺言書の保管制度についてお伺いします。
 一つ目を飛ばさせていただいて、二つ目として、被相続人の最終意思をできるだけ尊重するということから、撤回の対象とされる遺言書と違う方式の遺言によっても遺言を撤回できるとすることには合理性があると言えます。しかし、一般の国民は、公正証書遺言や法務局に保管されている遺言のような公的機関が関与している遺言が自宅保管の自筆証書遺言によって簡単に撤回できるということは多分知らないでしょう。そのため、実際にそのようなことがなされるとトラブルになることが少なくないと思われます。
 今回、遺言書の保管制度を創設するに当たり、遺言の撤回により生じる問題に対して何か対策はなされているのでしょうか。
#164
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
 委員御指摘のケース、例えば公正証書遺言よりも後に自筆証書遺言が作成された場合でありましても、その内容が抵触するときには後の遺言の効力が認められるということになるわけでございます。この点につきましては、委員御指摘のとおり、遺言の有効性をめぐる紛争が生じやすくなるなどの問題はあるものと考えられますが、やはりその遺言者の遺言の自由、こういったその最終意思を尊重する、こういった観点から遺言の撤回を制限することとはしておらないというものでございます。また、遺言書保管所において保管された遺言書につきましても、今申し上げたものと同様の観点から、遺言の撤回を制限することとはしておりません。
 もっとも、法務省といたしましては、相続に関するトラブルの防止のために、公正証書による遺言あるいは法務局における遺言書保管制度のメリットを含む遺言制度全般につきまして、広く国民に対する周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
#165
○山口和之君 法務局に保管される遺言については、公的機関が遺言についてお墨付きを与え、遺言内容が確定されたといった勘違いをする国民が出てくることも想定されます。そして、その遺言内容を信じて行動した結果、その遺言が撤回されてしまったことによって多大な不利益を被ることも考えられます。
 そういったことのないように、本法案が成立した際には、遺言制度全般や新しく創設された遺言書の保管制度についても広報を行うことは当然ですが、遺言の撤回についてもしっかりと周知していただければと思います。
 以上で質問を終わります。
#166
○委員長(石川博崇君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#167
○小川敏夫君 立憲民主党・民友会の小川敏夫です。
 私は、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案に反対、法務局における遺言書の保管等に関する法律案について賛成の立場で意見を述べさせていただきます。
 まず、民法等改正案につきましての反対の理由でございますが、配偶者居住権、特別寄与者の対象として事実婚等が排除されているということでございます。
 事実婚となる理由につきましては、例えば、夫婦別姓が認められないということから自分の意思で婚姻届を出さないという場合もありますし、また、現行の婚姻制度の法制上夫婦となれないということで婚姻関係を持てない、そうした様々な理由によって事実婚が存在するわけでございますが、しかし、その事実婚におきましても、生活の実態は婚姻関係にある配偶者と変わらないという場合があるわけでございまして、そうした場合と差別して、この居住権、特別寄与者から事実婚の当事者を、相手方を排除するということは配慮に欠けているのではないかというふうに思うからでございます。
 そして、家族の在り方、婚姻関係の在り方について多様な生き方ということが議論され、そうした多様性を認めるということが社会の大きな流れであるにもかかわらず、こうした配偶者居住権、特別寄与者から事実婚を排除しているということはその流れにさおを差すものであり、また、婚姻関係の在り方を現行の婚姻制度に限定するということに結び付くのではないでしょうか。そうした観点から、この制度は配慮に欠けているというふうに考えております。
 また、配偶者居住権につきましては、配偶者以外の親族、例えば被相続人の子供の配偶者や、あるいは被相続人の兄弟姉妹が被相続人と同居して生活の世話をするなどのように、その配偶者居住権、配偶者に限らず居住権を保障するという必要性が配偶者と同じようにある場合が当然あり得るわけでありますが、そうした場合について、配偶者以外の親族も排除しているということはやはり合理性に欠けているというふうに考えております。
 そうした立場から、配偶者居住権、特別寄与者のこの制度につきまして、一定の意義は認めるところでありますが、しかしなお賛成できないということで反対でございます。
 また、遺言書の保管等につきまして、やはり一番は自筆遺言証書の検認を除外したということでございます。検認制度がありますれば、遺言書が執行される前に遺言書の存在と遺言の内容を知ることができるのでありますが、検認を不要としたために、遺言書が執行される状態になった後で遺言書の存在を知るということになりますと、不正な遺言書、例えば偽造のような不正な遺言書に対処するという立場から、相続人のその利害を損なう危険性が新たに生じるわけでございます。
 また、保管をしているということの通知につきましても、被相続人が相続人に説明しなかった場合、相続人が保管証を発見できなかった場合には、そもそも保管されている遺言書が全く使用されないまま、ないものとして扱われてしまうというようなことも考えられ得るところであります。
 こうした点について配慮が欠けるところであると思いますが、しかしなお遺言書の保管に関する制度の創設には意義があるものと考え、この点につきましては賛成といたします。
 以上でございます。
#168
○糸数慶子君 私は、沖縄の風を代表して、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案につき、反対討論をさせていただきます。
 今回の相続法改正は、配偶者の相続上の地位強化という当初の意図はあったものの、実際には、遺留分制度であるとか、従来の判例を取り入れたもの、あるいは否定したもの、さらには技術的な内容など多様な内容が含まれており、全体として賛成、反対と判断することは難しいと考えておりました。しかし、度々本委員会で選択的夫婦別姓の民法改正を強く主張してきた立場から、あえて反対を表明することといたしました。
 反対の理由は、個人の尊厳や両性の本質的平等という観点から、近年、差別的な法制度を見直してきたにもかかわらず、今回新設される特別寄与制度の対象から事実婚や同性パートナーを排除するなど、新たな差別規定を設けることが容認できないからです。そのような観点から、生存配偶者の居住権新設、配偶者の特別受益持ち戻しの推定、特別寄与については反対の立場を明確にいたします。
 今回の相続法の改正は、最高裁が二〇一三年九月四日、婚外子相続分規定を違憲判断したことが契機となっていますが、実は、差別撤廃に抵抗する排外主義の動きは二〇〇八年の国籍法改正のときまで遡ります。婚姻関係にない外国人女性と日本人男性の子供の国籍確認を求めた訴訟で、最高裁が同年六月四日、父母の婚姻を国籍取得の要件としている国籍法三条の違憲判決後、驚くような排外主義の反対意見が散見されました。この排外主義の運動が、翌年の女性差別撤廃条約選択議定書の批准に向けた議論において、さらに、二〇一三年の婚外子相続分規定の差別撤廃の議論の際にも、国籍法の二の舞になるなという掛け声で反対運動を展開し、婚外子相続分差別撤廃の民法改正に条件を付け、出生届書に残る婚外子差別の撤廃の戸籍法改正を阻止し、相続法制検討ワーキングチームを立ち上げ、主導してきたのです。その中心的な役割を担った人物こそが選択的夫婦別姓反対の急先鋒として知られ、ワーキングチーム、さらに法制審議会のメンバーとなり、事実婚や同性パートナーを制度から排除するよう主張してきたのです。
 上川法務大臣は、今回の改正が事実婚、同性婚など多様な生き方を排除するものではないと述べていますが、二宮参考人は、法律婚カップルに求められない自助努力をなぜ事実婚の人たちに求めるのかと厳しく指摘しています。そもそも、排除かそうじゃないかは当事者がどう受け取るかであって、いじめやセクハラと同様に、排除する側が判断するものではありません。
 夫婦同姓しか認めない現行制度は、別姓カップルに法律婚を諦めさせ、事実婚に向かわせるため、法律婚の推奨という婚姻制度の目的に逆行しています。法制審が二十二年も前に答申した選択的夫婦別姓の民法改正をたなざらしにする一方で、今回の相続法改正において事実婚を排除したことは、家族形態は規格的、画一的である方がよいと考える現政権の姿勢を改めて示したものであると強く抗議いたします。
 二宮参考人は、二十一世紀の日本社会の在り方は、多様性と包摂、ダイバーシティー・アンド・インクルージョンであり、法律婚以外の家庭生活への法的保障を排除する今回の改正はこれに反すると述べています。
 選択的夫婦別姓の実現は、ジェンダー平等や少数者の人権が尊重される社会かどうかの試金石であり、多様性と包摂の社会への大きな一歩であるということを申し上げ、反対の討論といたします。
#169
○委員長(石川博崇君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(石川博崇君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、法務局における遺言書の保管等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(石川博崇君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、有田君から発言を求められておりますので、これを許します。有田芳生君。
#172
○有田芳生君 私は、ただいま可決されました民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、日本維新の会及び沖縄の風の各派並びに各派に属しない議員山口和之君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」及び「法務局における遺言書の保管等に関する法律案」に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 現代社会において家族の在り方が多様に変化してきていることに鑑み、多様な家族の在り方を尊重する観点から、特別の寄与の制度その他本法の施行状況を踏まえつつ、その保護の在り方について検討すること。
 二 性的マイノリティを含む様々な立場にある者が遺言の内容について事前に相談できる仕組みを構築するとともに、遺言の積極的活用により、遺言者の意思を尊重した遺産の分配が可能となるよう、遺言制度の周知に努めること。
 三 配偶者居住権については、これまでにない新たな権利を創設することになることから、その制度の普及を図ることができるよう、配偶者居住権の財産評価を適切に行うことができる手法について、関係機関と連携しつつ、検討を行うこと。
 四 法務局における自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の実効性を確保するため、遺言者の死亡届が提出された後、遺言書の存在が相続人、受遺者等に通知される仕組みを可及的速やかに構築すること。
 五 法務局における自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の信頼を高めるため、遺言書の保管等の業務をつかさどる遺言書保管官の適正な業務の遂行及び利便性の向上のための体制の整備に努めること。
 六 今回の相続法制の見直しが国民生活に重大な影響を及ぼすものであることから、国民全般に十分に浸透するよう、積極的かつ細やかな広報活動を行い、その周知徹底に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#173
○委員長(石川博崇君) ただいま有田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#174
○委員長(石川博崇君) 全会一致と認めます。よって、有田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上川法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上川法務大臣。
#175
○国務大臣(上川陽子君) ただいま可決されました民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案及び法務局における遺言書の保管等に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#176
○委員長(石川博崇君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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