くにさくロゴ
2018/03/28 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第4号
姉妹サイト
 
2018/03/28 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第4号

#1
第196回国会 総務委員会 第4号
平成三十年三月二十八日(水曜日)
   午後三時二十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     二之湯武史君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     こやり隆史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                島田 三郎君
                堂故  茂君
                森屋  宏君
                吉川 沙織君
                秋野 公造君
    委 員
                太田 房江君
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                山田 修路君
                山本 順三君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                難波 奨二君
                森本 真治君
                魚住裕一郎君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
                江崎  孝君
   国務大臣
       総務大臣     野田 聖子君
   副大臣
       総務副大臣    奥野 信亮君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小倉 將信君
       財務大臣政務官  今枝宗一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       山崎 重孝君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省自治税務
       局長       内藤 尚志君
       財務大臣官房審
       議官       新川 浩嗣君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       林野庁次長    牧元 幸司君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       観光庁審議官   瓦林 康人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信
 及び郵政事業等に関する調査
 (自立した安定的な財政運営を実現するための
 地方税財政制度の構築及び東日本大震災等への
 対応に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局長山崎重孝君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(竹谷とし子君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日はまず、臨財債と法定率の問題について質問したいと思います。
 地方の財源不足が続いているわけですが、これに対し、本来、私は、国が負担すべきところを国と地方が折半して負担するというルールの下に、地方自治体が臨時財政対策債を長期に発行する事態になっております。その残高は五十四兆円となっているわけですが、まず総務省に伺いますが、臨時財政対策債の発行可能額に対して、これを一〇〇%発行していない自治体あると思うんですが、それはどのぐらいの自治体に広がっているのか、またそういう自治体では発行可能額の何割程度の発行に抑制されているのでしょうか。
#6
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 直近の平成二十八年度決算で見てまいりますと、臨時財政対策債発行可能団体数が千七百一団体となっておりまして、そのうち実際に発行している団体が千六百四十五団体ですから、五十六団体が発行していないという状況でございます。基本的には、この発行可能額となっているものについて発行していない団体がほとんどでございます。
 それから、臨時財政対策債、発行債の可能額の総額ですけれども、全国で三兆七千八百八十億円となっておりますが、実際に発行された額は三兆七千三百九十四億円、累積で九八・七%が発行されているという状況でございます。
#7
○山下芳生君 千七百分の五十六で発行されていないと。本来財源不足があるはずなのに発行していないということですから、やはり臨財債といっても地方にとっては借金、新たな借金ですので、なかなかこれをそのまんま発行するということにはいかない事情がそれぞれあるんだと思います。
 しかも、そうなりますと、財源不足が結果としては住民サービスのしわ寄せということになるわけでして、これだけ、もう十八年間こういうやり方を続けていることによって、結果として住民の方にしわ寄せが行っていると、私はこのやり方は限界だというふうに思っております。
 ところで、二〇一八年度の地方財政計画では、二〇一六年度の国税決算で税収見込みが下回ったことに伴う精算額二千二百四十五億円について、二〇二二年度以降の五年間、四百四十九億円ずつ精算するとされておりますが、この二〇二二年度以降、具体的にどのように対応することになるんでしょうか。結局また更なる臨財債発行でしのぐことにならないと言えるでしょうか。
#8
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 平成二十八年度の国税五税の決算額が補正後予算額を下回りましたので、御指摘のように、法定率分が二千二百四十五億円の減となりまして、地方交付税法上、この減につきまして、平成三十年度に精算することとなっておりました。ただ、平成三十年度の地方財政対策におきましては、臨時財政対策債を可能な限り抑制するとともに、交付税総額を確保する観点から、財政当局との協議によりまして精算を後年度に繰り延べることといたしました。
 この繰り延べるに際しまして、各年度の精算額の平準化を図る観点から、平成三十四年度から平成三十八年度までの各年度におきまして、四百四十九億円ずつ精算することとしております。これによりまして、平成三十年度から平成三十八年度までの精算額見てまいりますと、平成三十年度から三十三年度までは二千三百五十五億円ずつ、それから平成三十四年度から平成三十八年度までは二千二百六十億円ずつ各年度で償還ということになりますので、これからの税収見通し等々勘案しまして、これについては対応できるのではないかというふうに考えております。
#9
○山下芳生君 臨財債の発行を更に増額してしのぐことはないというふうにはなかなか言えないんですね、これからのことですから。
 それで、私は、そうなりますと、いつまでもこの臨財債でしのぐというやり方を続けていくわけにいかないと思うので、今日は財務省に来ていただいております、政務官に来ていただいておりますが、地方の財源不足は本来国が負担すべきであります。二〇〇〇年度までは国の交付税特会が借金をして交付税を交付しておりました。ところが、さっき言ったように、二〇〇一年から今の臨財債、国と地方の折半ということになってきたんですが、もう限界来ておりますので、本来、地方の財源不足が続く場合は地方交付税の法定率を引き上げるということで対応すべき、これが原則だと思っておりますが、財務省としてもここに踏み出すべきではないでしょうか。
#10
○大臣政務官(今枝宗一郎君) お答え申し上げます。
 地方の安定的な財政運営は、国の安定的な財政運営を基礎に成り立ち、国と地方は車の両輪の関係にあると考えられます。こうした中、国の財政は引き続き厳しく、長期債務残高が九百十五兆円に達するなど、大きなリスクを抱えている状況にあり、法定率の引上げは容易なものではないと考えております。
 いずれにせよ、地方による必要な行政サービスの安定的な実施と、国、地方の財政健全化目標の実現を勘案しながら、今後、総務省とよく協議をしてまいりたいと思います。
#11
○山下芳生君 大体、そういう答弁がずっと続いているんですね。
 総務大臣に伺いますが、総務大臣も本来は交付税の法定率を引き上げることによって安定した財源を確保することが大事だというふうに、私の本会議に対する答弁でおっしゃいました。そのために粘り強く主張し、政府部内で十分議論していくということだったんですが、どういう議論が一体されているのか、どういう主張をされているのか。今回の野田大臣の御主張は、去年、私聞いたときに、高市大臣もそういうふうに、粘り強く主張していくということだったんですが、残念ながら、財務省にはなかなか届いていないという感じなんですが、どういう主張をして、政府内でどんな議論がされていて、何が問題なんでしょうか。
#12
○国務大臣(野田聖子君) まず、平成三十年度の一般財源総額についてきちっと御報告したいと思うんですけれども、地方団体が様々な地域の課題に取り組み、そして安定的な財政運営で行うことができるよう、前年度を上回る六十二・一兆円を確保することができました。そして一方、地方財政は平成三十年度においても六・二兆円の財源不足が生じています。地方財政の健全な運営のためには、本来的には法定率の引上げ等により地方交付税を安定的に確保することが望ましいとここでも何度も申し上げています。
 しかしながら、今、話もあったように、国、地方とも厳しい財政状況にあります。そういうことで、法定率の引上げは容易ではないんですが、今後とも、法定率の見直し等による交付税総額の安定的確保については粘り強く主張し、政府部内で十分に議論をしてまいります。
 やり取りですけれども、法定率を上げたいという私たちの強い要望がございます。ところが、国も今、財政が非常に厳しいと。それのやはり見合いというか、どちらが良くなっても、トータル的にはやはり国と地方相まってという財政事情がありますので、それについてできる限りやれることはないかということで折々財務省と議論をさせていただいているということであります。
#13
○山下芳生君 結局、財源をどうするかなんですよね。私、本会議でも申し上げたんです。そこに切り込まないと、国、地方の財源を新たに確保する方途をどうするかということを真剣に検討しながら交付税の法定率の引上げを議論しないと、国も地方も財政が大変だということを幾ら繰り返し議論していても、これ前へ進まないと思うんですよ。
 まあそういう点では、私たちは、研究開発減税など大企業優遇の税制、あるいは金融資産についての富裕層に対する優遇税制、こういうことにしっかりもうメスを入れるだけでも兆円単位で財源確保できるんですから、こういうことに真剣に検討しながら、まあほかにもいろいろあると思うんです。そこを切り込んでやらないと、いつまでも交付税の法定率の引上げはできない。結局、地方の財源不足が住民にしわ寄せするということになるんですが、財源の検討、これ真剣に議論すべきときが来ているんじゃないですか。
 それと、いつこの臨財債から脱却して法定率の引上げに踏み出す、いつそういうことをしようとしておられるのか、見通しは持っているんですか。
#14
○政府参考人(黒田武一郎君) 今の法定率の見直しと財源の確保の関係でございますけれども、私ども、毎年の概算要求の時点で法定率の見直しを必ず事項要求しております。
 過去に法定率を見直したときのケースについては、多くの場合が税制改正に伴う、それに伴っての財源確保というものが多かったというのが状況でございます。最近でしたら、社会保障・税一体改革の中でありますとか、それからそれに伴います地方法人税を創設するとか、そういう形でやっておりますので、私どもといたしましても、制度改正なり税財源の確保に合わせまして、できる限り交付税率の見直しをやっていきたいということはずっと主張しながら議論しているところでございます。
 臨財債からいつ脱却できるかという議論は、これなかなか難しいところございますけれども、折半分につきましては相当程度今抑制してきておりますので、まずはここから脱却しまして、過去の元利償還分も含めまして、できるだけ早めに脱却すべく努力をしていきたいというふうに考えております。
#15
○山下芳生君 消費税増税を念頭に置いておられるかのような発言がありましたけど、これ、消費税増税は地方の景気も悪くして地方税収を落ち込ませてきたという経過もありますので、私はそこに安易に頼らない方がいいと、頼ってはならないというふうに思います。そのことを指摘しておきたいと思います。
 次に、トップランナー方式について議論したいと思います。
 二〇一六年度から導入されたこの方式によって、基準財政需要額の算定の経費水準の見直しがされるわけですが、これまで減額された総額は幾らになるでしょうか。
#16
○政府参考人(黒田武一郎君) 平成二十八年度より地方交付税の算定においてトップランナー方式を導入いたしまして、多くの団体が業務改革に取り組んでいる業務につきまして、その経費水準を基準財政需要額の算定基礎としております。
 このトップランナー方式の導入によります平成二十八年度から三十年度までの基準財政需要額の累計での減少額は千三百八十七億円となる見込みでございます。
#17
○山下芳生君 今回議論したいのは学校用務員の事務なんですが、学校用務員の事務についても昨年度からトップランナー方式によって算定の水準が削減されておりますが、まず文部科学省、今日副大臣に来ていただいておりますが、学校用務員事務とはどのような業務でしょうか。
#18
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 学校用務員の業務につきましては、学校教育法施行規則第六十五条におきまして、「学校の環境の整備その他の用務に従事する。」と規定されております。一般的には、学校用務員の方々は校舎、学校の施設整備の清掃やさらには整頓等の環境整備などの用務に従事しておりますが、各学校の状況に応じて学校を円滑に運営していくために必要な職務を担当させていただいております。
#19
○山下芳生君 資料をお配りしておりますけれども、二枚目に学校現業職員のことをイメージができるようなニュースを配付させていただきました。
 この下の方の手記みたいなものがあって、上の「学校の技師さん」、秋田県立高校勤務、照井吉仁さんについてが書かれたこと、ちょっと読みます。
 皆さんは学校に技師さんと呼ばれる人たちがいるのを知っていますか。昔は用務員さんとか、おじさんと呼ばれたりしますが、秋田県の県立高校では技能技師、通称技師さんと呼ばれています。
 技師さんの仕事は通常、環境整備という言葉で表現されます。ううん、技師さんとしては、そんなに簡単に四文字で表現してほしくないと思えるほどたくさんたくさんやるべきことがあるのです。例えば学校の施設設備を日々点検し、壊れたところ、壊れそうなところを修繕したり整備したり、校舎のお医者さんか、校舎内外を清掃したり、また春から秋までは草刈り、冬は除雪作業、毎日のごみ管理、灯油、重油の管理と、まあこんなのは基本中の基本。
 大分前からなのですが、学校も予算がどんどん削減されてしまって、今までは外注していたような仕事も技師さんがお願いされるようになりました。お金がないときこそ技師さんは大活躍なのです。
 私たちは、学校にやっぱりちゃんとした正規の技師さんが必要だと思います。見えるところ、見えないところで生徒たちと伝統ある学校のために一生懸命働く技師さんを学校からなくしてはいけないと思うのです。生徒を評価しない立場でありながらも生徒の日々の様子や行動にさりげなく目を配り、学校生活の安全を誰よりも真面目に考えている職員が学校の中にいることをもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいと思うのですという手記で、私、これ読んで、私の高校時代にもこういう方がいたなということを思い出しましたが、副大臣、こういうこの手記を読まれて、感想、いかがでしょう。
#20
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 先生のこの資料の学校の技師さんという方は、私も正直、今日初めて知ったわけでございますが、いまだ私も、用務員さんの世代でございましたので技師さんという言葉を初めて知りましたが、まさに学校現場の子供たちのために環境整備、本当に技師さんによって学校が通常業務ができるような環境を整えていただいている、日陰にひなたに非常にすばらしい仕事をされていらっしゃる方々だと印象を受けました。
#21
○山下芳生君 総務省に伺います。
 この学校用務員の事務がトップランナー方式によりまして算定減額されております。今回の法案では幾ら削られるのか、また五年間で終了することになっていますが、五年間で削減される学校用務員の算定の減額の総額、幾らになるでしょうか。
#22
○政府参考人(黒田武一郎君) この学校用務員事務に係る地方交付税の算定につきましては、平成二十八年度からトップランナー方式を導入しまして、五年掛けて段階的に経費水準を見直すこととしております。
 具体的には、一校当たりで、市町村分の小学校費と中学校費につきましては三百七十万七千円から二百九十二万七千円に、高等学校費は七百三十五万三千円から六百十五万二千円に、また、道府県分の高等学校費につきましては七百十九万六千円から六百十五万二千円に、特別支援学校費は五百七十三万一千円から五百五万一千円になる見込みでございます。基本的には、これ五年間で分割して減額してまいります。
 また、この基準財政需要額の減少額につきましては、五年間の累計で二百八十二億円と見込んでおります。
#23
○山下芳生君 ちょっと数字ばっかりで分かりにくかったと思いますが、例えば小中学校一校当たりは、五年たったら七十八万円減額されるということになるわけです。二〇一六年度、三百七十万円から二百九十二万へと二割カットされることになります。
 そこで、聞くんですけれども、これまで、ある自治体の業務についてトップランナー方式を導入するかどうか決める際は、民営・委託化が大半の自治体で行われている業務という説明をされてきました。学校用務員の民間委託化はどれほどの自治体で進められているんでしょうか。
#24
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 平成二十九年四月一日現在で、全団体を母数とした場合の学校用務員事務の民間委託を実施している団体の割合は、都道府県で三四・〇%、指定都市で三五・〇%、市区町村では二二・二%となっております。
#25
○山下芳生君 済みません、前提、何と言ったの、全業務。
#26
○政府参考人(山崎重孝君) 全団体数を母数として、つまり、私どもは普通は余り業務量が多くないために専任職員を置いていないとか非常勤でやっているところを普通は母数から除外しておりますが、今回先生の御指摘がございましたので、それを全部母数にしましてはじいた数字がそういうことでございます。
#27
○山下芳生君 その中身もちょっと聞きたいんですけれども、学校単位の調査なのか、それとも一つの市町村の中に一校でも民間委託しているところがあればそれは一団体と数えるのか、それはどうでしょうか。
#28
○政府参考人(山崎重孝君) 私どもで公表しております数字は、今御指摘のように、一部の学校において学校用務員の業務を委託している団体なども一つの団体として含めてございます。
#29
○山下芳生君 それでも三〇%台、あるいは市町村では二二%台ということなんですね。だから、そんなに民間委託って進んでいないんですよ。大半の自治体が民営・委託化されているということになっているのに、何でこれ学校用務員をトップランナー方式として対象にしちゃったんですか。
#30
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 この学校用務員事務につきましては、御指摘のとおり、この民間委託事務がそれほど高くないという数値もございますけれども、非常勤職員の活用も含めますと業務改革を実施している団体が多いことから、平成二十八年度からトップランナー方式を導入いたしました。
 そのために、平成二十七年度に私どもの方でも抽出調査をいたしました。その結果では、非常勤職員の活用も含めまして民間委託等により業務を実施している学校の割合が、小中学校では六三%、高等学校では五六%、特別支援学校では五一%であったということを踏まえて導入を決定いたしました。
#31
○山下芳生君 これまでトップランナー方式が導入された業務で、非常勤化しているところまでカウントしてたくさん民間委託化等されているというふうにカウントした業務はありますか。
#32
○政府参考人(黒田武一郎君) この抽出調査によって判断したという形で取っておりますのはこの学校用務員だけでございます。
#33
○山下芳生君 ないんですよ。民間委託が大半の自治体でやられている業務はトップランナー方式になったところもありますけど、民間委託が二割とか三割なのに、非常勤が広がっているからといってトップランナーにしたところはないんですよ、ほかに業務は。そんなことやっていいのかと。トップランナーの悪用ですよ、これはと私は言わざるを得ない。
 それで、結局これは、私は、総理が世の中から非正規という言葉をなくしたいと、こう一方で言いながら、学校用務員は、これトップランナーにされたら民間委託よりも非常勤化になりますよ。やっていることが総理の言っていることと違うことになっているということも指摘しておきたいと思います。
 今日は、学校用務員が、先ほどの手記にもありましたけれども、様々な業務に関わりながら円滑な学校の運営を支えている、教師とは違った角度で子供たちの成長を支えている大事な業務を担っていると。学習権、発達権を教育条件整備の面から保障する仕事をされているということが、やはりこれがトップランナーで維持できるのかというのが私は一番問題だと思っております。
 私が具体的に用務員の方々から聞いた仕事の中身ですが、例えばごみの処理なんです。これ、民間委託しようと思ったらできるんです。ごみの処理だけ民間委託している自治体もあるんです。しかし、そういうところは業者に委託した場合は生徒との関係はつくられません、ありません。ただ見ているだけだと。しかし、市の職員の用務員の方だと、分別ごみの仕方など声を掛けながら、ごみという日常生活の一つの行為を通じて指導したり褒めながらしたり関わっていると。
 それから、例えば、ある用務員の方が言っていました、生徒がふざけて校舎の板を壊しちゃったと。そうすると、先生とも相談してその子と一緒に修理をした、二時間修理をする中でその子供が変わっていった、その後も声を掛けるなどのつながりができてきたとかですね。あるいは、特別支援学校で、玄関から廊下を通って寒気が教室に入るために寒いと。そこで、廊下にビニールカーテンで仕切るようにして暖かくなったと喜ばれたなどなど、もう非常に、細かいことかもしれませんが、子供の生活あるいは学習環境が良くなるようなことを、そしてそのことを通じて子供に新たな成長が促されるような役割を果たしてくれています。
 学校のことをよく分かっていて、子供たちのために、また教師のために何ができるかをいろいろ考えて学校生活を支える力になっている。外注すればお金が掛かることを、技術を生かして工夫して節約にも貢献をしている。
 これは今度は野田総務大臣に伺いたいと思いますが、こういう学校用務員の仕事、非常に重要だと思いますが、いかがですか。
#34
○国務大臣(野田聖子君) 確かに学校用務員の方々というのは、今委員御指摘のように、学校内の巡視などの安全確保とか清掃などの環境整備、又は学校の施設設備の保守点検、様々な業務を行っていただいていますし、他にも学校の運営に必要な業務に従事されているという者ということは認識しているところです。
 トップランナー方式につきましては、先ほど局長も説明ありましたけれども、そういう用務員のすばらしさ等々と併せて、地方財政がまだ引き続き依然として厳しいんだと、厳しい状況にあるという中で、地方が効率的、効果的に行政サービスを提供する観点から、民間委託等の業務改革の推進に努めることは重要だと。そういう流れの中で業務改革の取組を進めているのが地方団体なんだと思います。
 学校用務員の事務については、トップランナー方式というのは民間委託等ということでありまして、今民間委託と併せて非常勤の総合的にどれだけ取り組んでいるかということがしんしゃくになっているので、そういった意味では、既に取り組んでいる団体があるということを踏まえてトップランナー方式の導入というふうに相なってきたわけですけれども。
 いずれにしても、地方交付税というのは言うまでもなく使途が制限されない一般財源でありまして、トップランナー方式の対象業務というのは、どのような手法で実施するかはもう各地方団体において自主的に判断されているものだと思います。それぞれの地方団体において、それぞれの地域の実情に踏まえて、自主的、主体的に業務改革に取り組んでいただければと思います。
#35
○山下芳生君 子供たちにとって学校というのは、学習の場であるとともに、一日の三分の一を過ごす生活の場でもあります。ですから、そういう中にこの用務員という、成績とか評価をするために子供を見る先生たちとはまた別の視点で、評価しないで触れ合うそういう方がいるというのは、非常に学校が豊かな子供たちにとって過ごせる時間になるわけですね。
 私も、さっき思い出したと言いましたけど、高校時代に本当に用務員の方、おじさんでした、よく声掛けていただいて、それから励ましてくれて、いろいろ落ち込んでいるときにですね、こちらの方からいろいろ対人関係の悩みなんかを相談することもできました。もうオアシスのような存在だったと思っておりますが。
 これ、学校用務員の方に聞きますと、震災のときにはもうなくてはならない役割をこの方々は果たしておられます。
 これも手紙に、その下の手紙に書いてあることなんですけれども、宮城のある高校では、学校の外壁百五十センチまで水が押し寄せてきた、校舎内に残された職員や生徒の安否確認をした、まずはポット、やかん、とにかく水をくめるものを集め飲料水の確保をして、ストーブ、灯油、毛布を集めて二階以上に上げ、ヘリコプターに急病人の搬送をし、近くのスーパーまで物資をもらいに行き、近隣の公共施設を回り、生徒の安否確認の情報集めをするなどした、学校長から勤務の解除命令が出たのは一週間後だったと。
 こういう役割をできたのは、これはやっぱり民間委託されたり非常勤の方だけではなかなかしにくいと思うんですよ。災害など緊急の事態の際にもこういう役割を果たしているわけですが、こういう役割が継承できなくなるんじゃないかというふうに言われております。
 文部科学副大臣に伺いますが、文部科学省としては、これまで、図書館などのトップランナー方式の導入は認めませんでした。これは、いろいろ教育上の問題点などを考慮されてのことだったと思いますが、その結果、多くの自治体、市民、子供たちから喜ばれております。子供と学校にとって、また安全な地域にとって非常に大事な役割を担っておられる学校用務員、これが、何といいますか、このままトップランナーがどんどん広がっていったら、この役割が担い切れなくなっているんで、しっかり交付税として、トップランナー方式ではなくて、平均的にやっておられるところの水準で交付税措置されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#36
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 委員の資料を私も拝読させていただきまして、特に災害時には学校の現場も非常に混乱いたします。そういったときに、教師の目線ではなくて、学校技師さん、用務員の方々が生徒の目線で安心、安全の確保を担っていただけるということは、学校現場としても、また学校現場を所管しております文部科学省としても非常に有り難いことだというふうに思っております。
 また、委員の御質問の中で、トップランナー方式でございますが、私は決してトップランナーが悪いとは思っておりません。ただ、質の高いトップランナーをどのように学校現場で導入していくか、それによって、生徒と一体となって、また学校と一体となってどのような運営をしていくか、これこそが、まさにこのトップランナー方式に求められている学校現場の課題ではないかというふうに考えております。
#37
○山下芳生君 学校用務員の評価をしっかりしていただきながら、トップランナー方式については矛盾ないんだという御発言でしたけど、これ、大変認識、私はそれでいいのかと思いましてね。
 つまり、例えばトップランナー方式が導入された、学校用務員がですよ、ところでどうなっているかといいますと、それを請け負った民間の業者は、その働く人に対して子供と関わるなという指導をしています。特定の子供と話をするな、子供と目を合わせるなという指導をしているんですよ。それは、そういうことやっているところもあるんですね、そういう指導をしている。
 やはり、学校の教師とともに学校の職員として一緒に子供たちを見守るという立場ではないからですよ。清掃業務だとか校舎の修繕業務だとかを請け負った人たちだからですよ。そういう視線で、子供たちに接するまなざしが全く違うんです、質の高いトップランナーというのはあり得ないです、学校の現場で。そのことをしっかり受け止めていただきたい。
 だから、一つ提案があります。学校現場で、学校用務員がトップランナー方式によって民間委託されたり非常勤化されたところの実態がどうなっているのか、今副大臣が言われた非常に重要な役割がちゃんと維持、継承されているのかどうか、実態調査すべきじゃありませんか。
#38
○政府参考人(下間康行君) ただいま議員から御指摘ございました震災の際の学校用務員の役割については、大変重要なものがあるということがございました。
 そうした中で、学校におけるこうした学校用務員が果たす役割が様々な各自治体の取組の中でどのように果たされているかということを行政として的確に把握をしていくということは大変重要なことであろうかと思っております。(発言する者あり)
 行政といたしまして、その学校における学校用務員の役割がどのように果たされているのかということを把握をしていくということは大変重要なことであるというふうに認識をしてございます。また……
#39
○山下芳生君 トップランナー方式によって民営化、非常勤化されたところでどうなっているか、継承されているのかを調べるべきじゃないのかという提起です。
#40
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、質疑、答弁をおまとめください。
#41
○政府参考人(下間康行君) トップランナー方式を導入するかどうかということにつきましては、それぞれの自治体の判断もございます。そうした中で、取り入れているところ、また学校用務員がどのような現状にあるのかということは、また総務省とも連携をしつつ、実態の把握に努めていきたいと考えてございます。
#42
○山下芳生君 終わりますが、総務省と協力して実態調査をしていただきたい、そして、これは、この方式はもうやめるべきだと、大胆に見直すべきだということを申し上げて、終わります。
#43
○片山虎之助君 片山虎之助です。それじゃ、順次質問いたします。
 前回、地方交付税の質問をさせていただいたんで、今日は地方税制について、税の方についていろいろ質問させていただきたいと思います。珍しく資料作って皆さんのお手元にお配りしておりますので、それを時々見てください。
 地方財政というのでは、もう千七百から千八百の自治体の財政が集まったアジサイの花のような財政だということを言いましたが、税制もそうなんですよ。税制は統一的なんだけど、税収は各自治体でばらばらなんですよね。特に、偏在するというのがこれは宿命的な問題点ですよ。しようがないわね、立地条件が違う、人口や経済活動違うんだから。税を取れるところ、取れないところがあるのは仕方がない。しかし、それが偏在する。しかし、似たような仕事を全部の自治体にやってもらわないけませんから、偏在是正をどうやるかというのが地方税制は大きい課題なんですよ。
 ちょっとお手元に資料がありますから見てください。今までの偏在是正に対する主な税制改正というのをそこにちょっとまとめてありますから。
 消費税というのが導入されたのは平成元年ですよ。私はたまたまそのときに参議院議員にならせていただいて、何となく消費税とはそういうことでずっと歴史を共にしてきたような気がするんですが。三%ですよね、それが始まり。
 それから、平成九年度に三パーが五パーになるんですが、実際これを引き上げるのを決めたのは平成七年の自民党と社会党か、社会民主党と言ったか、社会党とさきがけの三党連立政権のときなんですよ。その三パーを五パーにするときに地方消費税というのを初めてつくるので、一パー。なかなかつくりにくいんですよね、消費税を地方税化するというのは。しかし、まあそこはいろいろ工夫してもらいましてね、当時の大蔵省や自治省に、地方消費税をつくった。一%ですね。そこで、それまであったちまちました譲与税をやめるんですが、それは時間掛かりますから言いません。これが大きい偏在是正の改正ですよね。消費税というのは割に税の中では偏在性が少ないの。
 それから、その次に、平成十六―十九年度、三位一体の改革とありますが、言い出したのは平成十四年なんですよ。具体の提案をしたのは平成十五年で、たまたま私が自治大臣、総務大臣をやった。実際やったのは十六年以降なんですよ。そのときの総務大臣は麻生さんなんですよ。それから竹中さんになるのよ。そのときに三か年掛かって三兆円の税源を国から地方に移譲をするんですよ。そこにあるように、所得税から個人住民税にですよ。その代わりに、国の補助金、負担金をばさばさっとこれ統廃合、廃止、合理化するんですね。それともう一つ、交付税というのは、全部、税と国の補助金や支出金とも物すごく関係ありますから、そっちが直ってくると交付税を見直すというのが三番目です。
 だから、三つ一緒にやるから三位一体なんですよね。これを十六年から十九年度、三か年計画で行って、それから税源が移譲されるんですけれども、このときに、三兆円も所得税から来た住民税は思い切って、個人住民税はフラット化するんです、一〇パーに。税率等もそろえちゃう。それが十六年―十九年なんです。
 それから、この次のページをめくっていただきたいんですが、これからがその具体の偏在是正の税制改正になるんですが、偏在が多いのはどうしても法人課税ですよね。法人課税はそこにあるように法人住民税と法人事業税があるので、平成二十年のときに、これは大臣が、尾身さんが大蔵大臣で菅さんが総務大臣のときに、そこの二枚目の下にあるようなことをやるんです。法人事業税のうちの二兆六千億を地方法人特別税として国税にしちゃうの。法人事業税は五兆七千億あるんですよ。そのうちの、まあ半分じゃないんだけれども、半分近い額を地方税を国税にしちゃうんですよ。それ国税にして、それを譲与税という形で割るんです。譲与税というのは、そこに書いてあるように、人口と従業者数ですね。法人等の従業者数によって配分をするんですよ。だから、これが一種の偏在是正になるんですよね。
 それをやるんですが、それは何でやったかというと、大変あの頃は割に税収が好調で、その偏在が目立ってくるんですよね、大都市圏、東京を中心とした大都市圏と地方との。そこで、そういうことをやったらどうかということが大きい世論になってこういうことになる。
 それから、その次に行くのは、消費税が、まあ消費税の議論しませんけれども、それが平成二十六年に、自民党が政権復帰するのが平成二十四年の暮れですよね、それでそのときにその税を上げるということで三党合意するんですよ。もうこれもくどく言いません。それを実行するのが平成二十六年の四月なんですよ、十月というのは、これはこの仕組みができたときなんで。そのときに地方消費税も上げるんですよ。一パーだった地方消費税を一・七にする。そうすると、これは大府県や富裕自治体が大変得をするような仕組みになっているんですよ。
 したがって、これも偏在是正すべきだという議論があって、今度は法人住民税の方をやるんです。法人税割とありますね。これを、その上にありますように、都道府県分や市町村分を少し削って地方法人税というのをつくるんです。そして、下に地方法人特別税があるんですから、まあ似たようなあれですよね、地方法人特別税と地方法人税ができる。これが約六千億なんですよ。これは譲与税じゃなくて、税収の全部を地方交付税に入れるんです、特会に。だから、この金は交付税として分ける。だから、一遍国税にせないかぬということで、こうやるんですね。しかし、そうなると、法人事業税が減っているところはわあわあ言いますわね、法人事業税をやられて、この法人住民税の法人税割までやると。そこで、合理化しようというので、下の方は三分の二にするんですよ。だから、二兆六千億だったものが一兆八千億になる。それが今の段階なんですよ、今の段階。
 そこで、今度は、平成三十一年の十月に今のところ消費税が一〇パーに上がるということになっていく。そうしたら、そのときにどうするかといったら、もう既に法律に書き込んでいるんですが、下の方の法人事業税の地方法人特別税はやめちゃう。まだ一兆八千億残っているんですよ。やめちゃう。で、上の地方法人税一本にすると。だから、これを拡大して、九千億拡大、一兆五千億にすると。それがこれからの状況で、もうこれは既に法律にセットしておりますから、上げるということになるとこれが動き出すわけですよ。こういうことになるの。この二十年から約十年の間にこれだけの改正がある。
 ところが、これだけじゃ済まないんです。次のページを見てください。
 去年の年末に与党税調が、まあ与党税調で物を決めるんですけれども、与党税調が決めた一番下の三行を見てください。特に偏在性の高い地方法人課税における税源の偏在を是正する新たな措置について、消費税等一〇パー段階において地方法人特別税・譲与税は廃止されて法人事業税に復元されること等も踏まえて検討し、平成三十一年税制改正というとこの暮れの税制改正ですよ、において結論を得ると。私は、どういう結論が得られるんだろうかと思う。
 もう一遍法人事業税を国税にして、譲与税ないしは交付税特会に入れるぐらいのあれしかないと、こう思うんですが、これは与党税調の意見ですから、大臣、いかが考えられますか。
#44
○国務大臣(野田聖子君) 片山先生にはずっと経緯を教えていただきまして、ありがとうございます。本当に学ぶところ大であります。
 ただ、今まさにおっしゃったように、これについては税制改正ですので、そちらの税調の方でいろいろな議論があって結果が出てくるんだろうと思いますので、私の方からはちょっとどうなるかということについてはコメントができない、差し控えさせていただきたいと思います。
#45
○片山虎之助君 財務省も来ていますから、主税局でしょうから、財務省取り込んでいるけれどあなたは大丈夫だ、それについての意見があったら言ってください。
#46
○政府参考人(新川浩嗣君) 重なった答弁になりますけれども、与党においてこのような方針が示されております。
 したがいまして、三十一年度税制改正の過程で、この方針に沿って議論をしていくことになると思います。
#47
○片山虎之助君 それで、一遍やめたものをもう一遍復元しても、元に返しても悪くはないんですけれども、いかにも地方税と国税をキャッチボールに、ようなことにするのがいいのかどうか。しかし、偏在をそのままにするというのも、これもなかなか納得を得られないので、もう最後、与党税調は悩んでこういう答申を書いたんですが、これはやるということですよね。やらなきゃまたなかなか収まらない。
 だから、それは、最後は引き受けるのは総務省なり財務省なので、特に総務省なので、大臣、そこのところの、もう一遍、覚悟言ってください。
#48
○国務大臣(野田聖子君) 地方税収が全体として増加傾向にあります。それはいいことなんですけれども、結果として都市の方に一極集中化してしまっている、偏在が広がってくるわけですが、大きな都市では、税源の豊かな不交付団体、どことは言いませんけれども、が財源超過額が大きくなる一方、交付団体の方では、先ほどもお話があった臨財債の残高が累増している等、地域間の財政力格差がどんどん今大きくなっている中で、地方税収の格差というのは、地方税全体、前も申し上げていたんですけれども、東京と沖縄を比べると二・四倍、そして、偏在の大きな、今日、片山先生おっしゃっている、偏在が大きくなる地方法人課税では東京と奈良県が六・一倍という格差ができてしまっている。
 やはり、これについては三十年度の大綱においても、都市も地方も支え合い、そして共に持続可能な形で発展していくために抜本的な取組が必要というふうに書いてあります。それを踏まえると、平成三十一年度税制改正に向けて、偏在度の高い地方法人課税は、税源の偏在を是正する新たな措置についてしっかり検討していかなければならないと、そんなふうに考えます。
#49
○片山虎之助君 まあ、よく検討してください。
 それからもう一つ、外形標準課税というのがあるんですよね。これは法人事業税との関係があるので。それ、昔から自治体が、今でいうと総務省サイドの方は外形標準課税というものを拡大してくれと、こういうことを言っているんですよ。それ今、中途半端だけどできているんです。平成十六年度に導入して、それを二十七年、二十八年で拡大したんですよ。それは何でかというと、法人実効税率を下ろせという大合唱がある、経済界に。それを下ろすためには、法人実効課税というのは所得ですから、もうけに掛けるんだから。外形標準課税というのは外形に掛けるんです、付加価値や給与や。だからそこで、前から私もそういうことを主張しておったんで、それがうまく平成十六年に導入されて、二十七年、八年に拡大するんですよ。だから日本の法人実効税率は二〇%台に落ちるの。まあ、二〇%台といったって二八か九ですよ。二、三%落ちたの、三十何%から。アメリカのトランプさんは三五を二一にしたんですよ。まあトランプさんだけがしたんじゃないけど、六割にしちゃったよ、法人税、アメリカですよ。だから、ドルが高くなってそれはそれでいいんだけれども。
 だから、そういうことの中に外形標準課税を使われたんですが、今は、大臣御承知のように、一億円以上の資本金を持つものについて八分の五が外形標準になっているんですよ。もういかにも中途半端でしょう。一億円以上の資本金を持つ法人の数というと一%行かないんですよ、〇・九%。で、一兆円ぐらい税が入っているようですけどね。
 で、これをこのまま、しかも八分の五ですよ、外形標準課税というのは。せめて八分の八にするとか一億円をどうにか動かすとか。それは地方で元気のいい、もうける所得のある中小法人は外形標準課税にしてくれと。地方税は応益がいいんだと。国税は能力に応じた、払う能力に応じて払ってもらう。地方の方は受けるサービス、受ける受益に応じて、応益ですよね。外形標準というのはまさに応益課税なんだから。そういう意見があってね、もうかるところはそっちの方が、外形の方がずっといいんですよ。だから外形やってくれという意見もある。しかし、全体ではやっぱり中小法人には余り外形標準入れるなと。だから私は、なだらかに工夫をしながら拡大していったらと思う。
 今のままの一億円以上で八分の五というのは、いかにもこれは中途半端ですよ。いかがですか。
#50
○国務大臣(野田聖子君) 外形標準課税というのは、そもそも応益課税の明確化の観点から望ましいと考えているところですが、今お話ありましたように、今の適用対象が資本金一億円超の大法人としていることに対して、例えば資本金の額を意図的に一億円以下にする企業があるという指摘やら、一般的には努力して利益を上げている企業の税負担が軽減されることから所得を増加させるインセンティブになるという指摘やら、様々な指摘がある一方で、経済界も意見が様々です。やはり適用対象法人の拡大については慎重な意見が随分多く、また知事会からも引き続き中小法人の適用については慎重に検討すべきということを既に意見としていただいているところです。
 ただ、いろんな意見があることを踏まえて、外形標準課税の適用対象法人の在り方については検討してまいりたいなと、今現在そういうふうに考えているところであります。
#51
○片山虎之助君 でも、すぐは簡単にいかないかもしれませんから、大いに中で検討してください。
 それから、今年、固定資産税を、市町村のこれは基幹税ですよね、固定資産税というか、地方の設備投資を、固定資産税をまけてやるという減税をやった。もう二十八年ぐらいから始まっているんですよ。それを今度は少し大々的にやるような感じになって、しかも何かそれをやるには市町村の計画を作るということとセットにするような、やるんだけどね。
 それ簡単に言いますと、大臣、その基幹的な税制をいじって経済政策をやるのは邪道ですよ。私は、それは中小企業の設備投資を一生懸命やらせるというのはいいですよ、拡大するには。それは、お金だとかほかの国税でやるとか、補助金を出すとか、ほかの知恵があるんですよ、融資をどうだとか。市町村の基幹税制をまけさせて、三年間、しかも具合が悪いから市町村の計画をかませて、それで三年間だけやるといって、ずっともう経産大臣が大喜びで答弁しているわね。大喜びするのはいいんだけれども、やり方を、地方の基幹税制をいじるというのは何となく私は納得できないんですが、いかがですか。
#52
○国務大臣(野田聖子君) 先日の委員会で副大臣が申し上げたように、これはもうまさに総務省にとっては苦渋の決断ということになりました。固定資産税は基幹税ですから、当然、今先生おっしゃったとおりのことで、真に必要なものに限定すべきだということは承知しています。
 ただ、今回、生産性革命ということで政府の大きな政策課題であること、これは結果として地域経済の活性化にもつながる重要な課題だということで、その実現に向けて税制、予算などの施策を総動員するということになりました。その一環として、地域経済の主役を担っている中小企業の生産性向上を図るための三年間限定の臨時異例の措置として固定資産税の特例措置を講ずることとしたわけです。
 余りお気に召さないようですけれども、やはり、であればこそ、基幹税ですから、しっかりと市町村との組合せと、企業とがマッチングすることで、市町村の主体性を尊重して地域活性化に向けた取組をしっかり後押ししていければというふうに思ってこういう設計ができたと思っています。
 くどいようですけれども、平成三十年度税制改正大綱においては、本特例措置については生産性革命集中投資期間限りの措置とするというふうに明記をしてあるところです。
#53
○片山虎之助君 大臣、臨時異例なら三年だけでやめさせた方がいいよ。こういう癖が付くとみんなやっちゃうんですよ。税制というのがおもちゃみたいになってはいかぬので、やっぱり地方自治の一つは課税自主権ですよ、税金の権利をちゃんと持つことなんです。あとは立法権だけどね。だから、こういうことを便宜的にちょっちょっちょっと、よし、あの税金を使おうなんというのは、私は具合が悪いように思いますが、経産省、誰か来ているでしょう、御意見をどうぞ。
#54
○政府参考人(吾郷進平君) 恐れ入ります。お答え申し上げます。
 中小企業政策につきましては、地方経済にも大きな影響を与えるものでございますので、これまでも国と自治体と連携して推進してきたものだというふうに考えております。
 御指摘のとおり、今回の固定資産税の特例につきましては、今国会に提出いたしました生産性向上特別措置法に基づきまして、市区町村が導入促進基本計画を策定し、その計画に沿った先端設備等導入計画を市町村に認定してもらった中小事業者に対して地方税法において固定資産税を減免していただくものでございます。その特例率についても市町村の方で条例を定めていただくことになっております。
 国といたしましても、この市区町村の基本計画に沿った取組を行う事業者に対しまして、ものづくり補助金でありますとか持続化補助金、こうした支援を重点的に行うこととしております。また、中小企業投資促進税制等の法人税の軽減措置もお使いいただくというふうに考えております。
 こうした取組を通じまして、国、自治体が一体となって中小企業の生産性向上を実現してまいりたいと考えております。
#55
○片山虎之助君 都合のいいときだけ地方と一体なんだよ、国と地方は一体となってと言うの、都合のいいときだけ。都合の悪いときは一体にならないんだから。
 臨時異例というのなら、やっぱり長く続けないように。もうこの三年は仕方がないでしょう、それは上手に使ってちゃんとやってくださいよ。ほかの政策を取ってくださいよ、基幹税制をいじるんじゃなくて。それで、地方の中小企業を頑張らせてくれというのは同じですよ、私も、意見は。是非よろしくお願いします。
 それから、税でいいますと、今度できた税で国際観光旅客税、日本から出国する人に千円ずつ取るというね。だけど、これは、入る人から取るんじゃないんだ、出る人から取るんだよね。それは取りにくいから出る人から取るんだろうけれども。あれ仕事で行ったり勉強に行ったり留学に行ったりする人からも取るわね、それは、あなた一々何で行くといって差を付けるわけにいかないので。
 それから、いかにもこの税は安易にできているんですよ、唐突に。どれだけの必要性があって、積算がどうでというあれじゃないのよ。ばさばさばさっと、今とにかくインバウンドブームで大勢よこそうと、そのために何か使おうというので、積算根拠も何にも明らかでないままに税ができているんですよ。こんな安易な税のつくり方は私はよくないと思いますよ。
 まあ、あなたの責任でもないけど、仕方がない、来たから答弁してください。
#56
○政府参考人(瓦林康人君) お答え申し上げます。
 この今回の御指摘いただきました国際観光旅客税でございます。この税収を充当する施策につきましては、ビジネスでありますとか留学など観光以外の目的の出国者も含めまして、受益と負担の関係から御負担いただく方の納得が得られることを基本とすることとしております。
 こうした観点から、平成三十年度予算におきまして、観光以外の目的の出国者にもメリットを感じていただけるものとして、最新技術を活用した顔認証ゲートでありますとか、税関検査場電子化ゲートの整備等によるCIQ体制の充実整備に充てることとしております。平成三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきましても、昨年十二月の関係閣僚会議決定で定められた基本方針に基づき、民間有識者の意見を聞きながら中身をしっかりと精査し、受益と負担に関する御理解がいただけるようにいたします。
 また、この決定プロセスについてでございます。これにつきましては、ここの国際観光旅客税の検討は、一昨年三月の明日の日本を支える観光ビジョンあるいは昨年六月の未来投資戦略二〇一七におきまして、観光施策に充てる財源の確保を目指すとされていることも踏まえたものでございます。
 昨年九月には、外部の有識者や関係者も交えた観光庁の有識者検討会を開きまして、当初から新税ありきとか国民負担前提の検討ではなく、諸外国の事例も参考にしながら、関係事業者や地方自治体の御意見も幅広く伺いながら、ゼロベースであらゆる選択肢について御検討賜りまして、丁寧に御議論いただきました。この検討会での提言も踏まえて今回の新税の要望に至ったと承知してございます。
 観光ビジョンに掲げられました二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人等の目標の達成に向けて、まだ道半ばでございます。目標を実現するためには、特定の地域に集中している訪日外国人、これを全国各地に行っていただくとか、滞在期間を更に延ばしていただく、旅行ニーズの多様化、こういった方に対応しまして、より高次元な観光施策を展開していく必要があると考えております。
 また、来年二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、全世界から多くの訪日外国人が見込まれるイベントを目前に控えております。これらに向けまして外国人旅行者の受入れ体制の充実などを早急に進めるためには、国際観光旅客税により早急に財源を確保する必要があるというふうに考えております。
 長くなりましたが、失礼します。
#57
○片山虎之助君 審議会なんかつくるのはもう常套手段じゃない、あなた方の。出来合いの審議会つくって出来合いの答申を出してもらってね。それはほかのことならいいんですよ。事は税だからね。昔、これ同じような税が、自民党で国際連帯税というODAのための財源を出すあれがあったんですよ、うまくいかなかったんだけど。
 だから、どう使うかというのもあるんだけど、目的税じゃないでしょう。どこかの法律に何か書いているというんだけれども、それ何でそういうことにしたの。目的に使うんでしょう、観光目的に、観光客や。どうぞ。
#58
○政府参考人(新川浩嗣君) 委員御指摘のとおり、この国際観光旅客税は目的税という分類には入ってございません。
 多少やや技術的になりますが、目的税は通常、特定の税金に充てることを目的とするということを税法で規定したものということとされております。したがって、その意味では目的税ではございませんが、他方で、今回の御提案いたしております国際観光旅客税の使途については、観光庁が所管いたします国際観光振興法の改正案においてその使途を規定するということにいたしました。
 このような取扱いといたしました理由でございますが、一つは、目的税という形で創設いたしました場合、前例によりますと、特別会計、既存のものか新しく設けるかは別といたしまして、特別会計で区分経理をいたしまして、しかも歳出の費目について特会法その他で法令上費目を一々法定するといった扱いとなってまいります。したがいまして、観光ニーズというのは異次元の観光ニーズに応えていく必要がございますので、どうしてもその使途等が固定化してしまう、硬直化してしまう、こういった懸念があるわけでございます。
 したがいまして、今回については、本税の使い道については、先ほど申し上げた国際観光振興法の改正案で対応いたしまして、将来も見据えて運用上観光施策の実情にかなう形で、毎年の予算編成の中でニーズに合った柔軟な活用を行うと、こういったことを狙いとして、税法上は目的税ではございませんが、他方において使途を規定すると、こういった扱いとさせていただいております。
#59
○片山虎之助君 一人千円で何か四百億ぐらいになるらしいわね。ところが、観光庁の予算、ずっと多いのよ、当初と補正を入れても四百億にならないはずですよ、私が聞いているところ。しかも、その一括計上するというんでしょう、観光庁に。一括計上はほかにも沖縄その他例がありますよ。私は、何かいやに手が込んでいるのにその根拠がもうひとつ定かでない、いろんな意味の。
 だから、今度はその使い方や何かについて、それはみんなじっと見ますよ。一括計上するんですね。それを配分するんですから、関係の役所から申請を取って、大蔵省みたいなことをやる、また。財務省か。御答弁ください。
#60
○政府参考人(瓦林康人君) 一括計上でございます。
 これ、観光財源につきましては、先ほども申しました受益と負担の関係を明確にするため、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備など国際観光振興施策に充当することを観光庁所管の法律、先ほどの国際観光振興法でございますけれども、ここで明記するということ、そして予算書におきましても観光財源を充当するよう明確化するということにしております。平成三十一年度におきましても、観光財源が初めて満年度、通年で収納されることで四百億円を超える見込みでございます。
 そういう意味で、受益と負担の関係をより一層明確化するという観点で観光庁予算に一括計上して、一覧性を持って観光財源を充当する予算を明示するということとさせていただいております。
#61
○片山虎之助君 こればっかりやっているわけにもいかないんですが、最初のうったてが肝腎ですから、しっかりとした使い方、それから国民が納得できるような、そういう税にしてください。ずうたい小さいから、額小さいからいいんだけれども。
 それから、似たような税金でもう一つ、森林環境税というのがあるの。これは関係の市町村の皆さんの悲願ですから、私も幾らか関わってきたので反対ではないんだけどね、反対ではないんだけれども、今、三十七府県でお金を取っているんですよ、住民税の均等割に上乗せをして。大した額じゃありませんよ。だから、この辺の税との調整をどうやるんですか。これも、先ほど言いましたように一遍国税にするんですよ。森林環境税って国税なんですよ。それをもう一遍譲与税的に分けるんですよ。こんな手法がここでもやられるというのは大変、あの辺問題だと思うんだけど、これはどこの所管になるんだろう。
#62
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 まず、各地方団体が行っております独自の超過課税との関係でございます。
 御指摘ございましたように、現在、森林整備等を目的といたしまして三十七府県一政令市で独自に超過課税が行われているところでございます。
 一方で、国の森林環境税は、農水省が今国会に提出いたしました森林経営管理法案を踏まえまして、主に市町村が行います森林の公的な管理を始めとする森林整備等の財源として創設するものでございます。
 したがいまして、両者は財源の帰属主体が基本的には異なってまいりますけれども、府県等が行います超過課税の使途は様々でございますので、使途において重複する可能性はあると考えております。
 その点、国の森林環境税は平成三十六年度から課税することとしておりまして、それまでの間に今現在の全ての超過課税の期限あるいは見直し時期が到来をいたしますので、関係府県等において必要に応じて超過課税の取扱いを検討いただけるものと考えております。
 総務省といたしましても、森林環境税との関係の整理が円滑に進みますよう、林野庁とも連携しながら、関係府県等の相談に応じ助言を行ってまいりたいと考えております。
#63
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。
#64
○片山虎之助君 調整をちゃんとやってくださいよ。それから、借入れでやるんでしょう、復興税との見合いがあるから。その辺もちゃんとやった方がいいと思いますよ。
 終わります。
#65
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 今日は地方税法、地方交付税法等の改正案の審議になるわけですが、肝腎の来年度政府予算案そのものの問題点等について予算委員会でほとんど論議ができなかったという状況になりました。それはひとえに、森友学園に対する国有財産の不当売却疑惑、そして財務省による公文書の改ざんと国会での虚偽答弁、こういった問題について真相を解明しようとしない政府の姿勢にあったことはもう改めて申し上げておかなきゃならぬと思うんです。
 また、来年度政府予算案が大変多くの問題があるわけですが、防衛費は青天井、社会保障は削減ありきというこういう状況は、補正予算で防衛費を二千三百四十五億円も増額する一方で、当初予算では社会保障費の自然増分を一千三百四十五億円も削減をしたことに象徴的に示されていると思うんです。あわせて、生活保護基準を改定をして生活扶助費を削減したことは、憲法二十五条が保障する生存権を侵害するものであって、断じて容認できることではない。こういう立場から、我が党としては予算案に反対せざるを得ないということで、今日も反対をいたしました。
 それを踏まえて、この地方税、交付税法等の一部改正案の論議ということになるわけですが、来年度も、二〇一五年の骨太で示された一般財源総額実質同水準にのっとって、前年を五十六億円上回る六十二兆一千百六十億円の確保ができた、過去最高水準になったことであるとか、また、臨時財政対策債を五百八十七億円減額したことなどで、総務省としてはこの間から大変頑張りましたというお話なわけですけれども、じゃ、これらが可能になったのは、新たな恒久財源ができたからではなくて、二〇一六年度分の国税決算精算分の後年度への繰延べであるとか、あるいはまたゼロ金利の恩恵があったにすぎないわけで、また、まち・ひと・しごとの創生事業費についてもその財源は恒久的なものではない、こういう状況ですね。
 そこでお尋ねをしますけれども、こうした今現在の地方財政の状況について、総務省としては率直にどのように評価をしているのか、伺いたいと思います。
#66
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 平成三十年度の地方財政は、地方税収入や地方交付税の原資となります国税収入の増加が見込まれるものの、社会保障関係費の増が見込まれることなどによりまして六・二兆円の巨額の財源不足が生じております。また、地方の借入金残高は、平成二十九年度末の百九十五兆円から平成三十年度末に百九十二兆円と減少する見込みではありますが、極めて巨額でございます。特に、そのうちの臨時財政対策債の残高は五十四兆円となる見込みであります。
 このように、引き続き地方財政は厳しい状況にあると認識しております。
#67
○又市征治君 大変厳しい状況にあるという認識だということ、この点についてはお互い認識は共有できるんですが、問題はどうやってこの危機的な状況を克服していくかということなわけですね。しかし、どうもせんだってからのここでの議論を聞いておっても、あるいは今日もそうですけれども、総務省の抜本的な克服策というものがどうも見えてこない、こういう気がしてならぬわけです。そのため、現在、臨財債の残高の償還問題がクローズアップされるようになって今います。
 この問題に自治体は危機感を募らせて、地方六団体は共同声明で、今後も臨時財政対策債の残高の増加が見込まれることから、地方交付税法の本来の姿に立ち戻り、地方交付税の法定率の引上げや臨時財政対策債の廃止など特例措置に依存しない持続可能な制度の確立を目指していただきたいという旨を表明をされています。
 前述したように、確かに今年は臨時財政対策債、五百八十七億円抑制はできたけれども、残高は、今もあったように、来年度末見込みで五十四兆円ということになりますね。改めて言うまでもありませんけれども、この二〇〇一年の地財対策によって、当時は片山総務大臣でしたが、建設地方債の増発を除いた財源不足については国と地方の折半ルールによって補填するとされた。そして、現時点では二〇一九年度までこのルールが適用されるわけですけれども、臨時の、こう臨時のと付けたけれども、それが二十年も続いている。大変異常な状態だと。膨れ上がる残高を前にして自治体が不安を持つのは当然のことです。政府は、臨財債の元利償還金相当額はその全額を後年度の地方交付税で措置すると言っていますけれども、これは新たな臨財債の発行で賄われる。つまり、借金をして借金返しをする、サラ金地獄みたいなものですよね。これはとても健全な状態とは言えない異常状態。
 そこで伺いますが、政府はこのような異常状態がどこまで続けられるというように認識しているのか。また、地方財政について何の根拠もない富裕論批判が声高に叫ばれている昨今、臨財債の元利償還相当額の全額を後年度の交付税で措置するという現在の枠組みが持続可能だというふうにお考えになっているのかどうか。もしそうならその根拠を示していただきたいと、こう思うんです。
#68
○政府参考人(黒田武一郎君) まず、臨時財政対策債の償還の財源保障でございますが、地方財政計画におきまして元利償還金の全額を歳出の公債費に計上することによりまして、まず所要の財源総額を地方全体として確保した上で、この交付税の算定におきまして、個別団体における臨時財政対策債の元利償還金につきましてその全額を基準財政需要額に算入することによりましてそれぞれの地方団体が確実に償還できるように財源保障をしております。これらの地方財政計画への計上、また交付税での全額算入につきましては交付税法に定めるところに則して行うものでございまして、現在御審議いただいております交付税法案におきましては、平成二十九年度債を算定の対象とする改定が盛り込まれているところでございます。
 また、この臨財債につきましては、本来的にはこういう特例債に頼らない財務体質を確立することが重要でございます。このため、平成三十年度の地方財政計画におきましては、折半分の臨時財政対策債は千六百五十億円にまで縮小したところでございますが、今後も歳入歳出両面におきまして最大限の努力を行うことによりまして、まずは国と地方で折半すべき財源不足が解消され、折半分の臨時財政対策債を発行しなかった平成十九年度及び平成二十年度のような状況をなるべく早期に実現することを目指してまいりたいと考えております。
#69
○又市征治君 残念ながら毎年同じような答弁、こういう格好になるわけですが、これではやっぱり地方も懐疑的になるということ、自治体の懸念を払拭することはやっぱり私はできないと思うんですね。
 冒頭にも述べましたけれども、二〇一五年の骨太方針に基づいて一般財源総額の同一水準は今年も確保されたということですけれども、これも来年度までの方針ということですよね。同一水準は維持されているとはいいながら、公共サービスを維持するための財源が十分に保障されているわけではなく、各自治体の努力、やりくりが続く、こういうことになります。このような地方財政の実情の中で、仮に一般財源総額の水準維持がされなくなるようになると、地方財政は大変なことになりますね。
 そこで伺いますけれども、今年のこの骨太方針作成に当たって一般財源総額の水準についてどのような議論が行われどのような方針が出されようとするのか、総務省としての見通し、これを伺いたいと思う。また、この問題について総務省はどのような決意で臨むおつもりなのか。これは大臣ですか、お答えください。
#70
○国務大臣(野田聖子君) 政府におきまして、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、本年の骨太方針においてプライマリーバランスの黒字化達成時期及びその裏付けとなる具体的な計画を示すこととしています。平成三十年度以降の地方の一般財源総額の在り方についても、この中で議論されるものだと考えています。
 これから議論が本格化してくるものと考えておりますが、その際には、地方団体が予見可能性を持ちながら、社会保障など必要な行政サービスを提供しつつ、そして安定的な財政運営を行っていけるよう、地方が自由に使える一般財源総額をしっかり確保すべく、最大限の努力をしてまいります。
 三十一年度以降です。済みません。
#71
○又市征治君 これから論議が始まる、その中でしっかりと頑張っていきます、これも毎年大臣が同じようなことを答えられるという格好でありますけれども、もっとやっぱり積極的に、本当にどうここを変えていくのか、やっぱりどこかできちっと変えるんだという強い決意でもって臨んでもらいたいということを強く求めておきたいと思います。
 そこで、この地方財政の実態というのは、来年度を含めると二十三年間連続でこの地方交付税法第六条の三第二項に該当する状況、こういうことになりますね。この状態を考えると、小手先の施策、あるいは一時しのぎの策で何とかなるわけではない、そういう認識、当然総務省はお持ちだろうと思いますが、そのことについて伺うと同時に、ここは何といっても地方交付税法にのっとって法定率の引上げがやっぱり必要だと、ずっとこれみんな言っていることでありますが、もっと強く要求していくべきだということでありますね。
 自治体のこの基金問題にも見られるように、総務省は地方財政の現状を明らかにする点でどうも後手に回っている。こういう地方財政、この基金がたくさんあるあるなんてことで財務省から言われて、後から後から何か後手後手に回っているという、こんな状況があるわけで、もっと積極的にこの地方財政の危機的な状況といいますか実態というものをしっかりと述べていくべきではないか、その決意を伺いたいと思います。
#72
○副大臣(奥野信亮君) 余り突出した意見を言うてはいけないものですから、できるだけこれまでの答弁に近い線を維持しつつ、少し私見を交えてお話をさせていただきたいと思います。
 平成三十年度の概算要求については、去年の夏あったわけでありますが、もうその当時から財源不足が見通されていて、御案内のとおり、過去のルールに基づいて交付税率の引上げを事項要求したわけであります。しかしながら、国とか地方とも巨額の債務残高や財源不足を抱えていること、あるいは平成三十年度においては国と地方の役割分担に関わる大きな制度改正がなかったことなどから、三十年度の地方財政対策においては、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処することといたしました。
 しかしながら、今日、皆さん方からいろいろな御意見を伺っていると、やはりもっともっと勉強しなくちゃいけないなというふうに感じたところもたくさんあるわけでありまして、しかしながら、一方で国と地方それぞれ、まあ財政は大変厳しい状況ですから、そういった中でも、やっぱりもう少し精査をして、過去にとらわれない新しいチャレンジもしてみる必要があるんじゃないかなというふうに私自身は感じたところでありますので、また、その法定率の見直しも含めて、交付税総額の安定確保のためのいろいろな策については、財務省ともしっかりと相談をしながら、我々の主張を強く主張していけるような体制確保をしてみたいなというふうに感じているところであります。ちょっと余分なことを言い過ぎたかもしれません。
#73
○又市征治君 地方が安定財源を確保することによって、地域の創意工夫によって地方から経済の活性化が実現をし、日本全体が良くなっていくと。こういうやっぱり決意を持って、是非、そういう意味では財務省には厳しくやっぱり求めていかないと、相談をしながらでは駄目ですよ、それは。そこは是非しっかりとやっていただくように求めておきたいと思います。
 次に、地方交付税について伺いますが、地方交付税とは、本来地方の税収入とすべきものであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、全ての地方団体が一定の水準を維持し得るよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、言わば国が地方に代わって徴収する地方税、固有税という性格だ、これが今まで総務省が世間に向かって説明してきた中身ですよね。つまり、地方共有税、私はそんなふうに前から申し上げていますが、地方共有税、こういった認識、ここのところはお互い共有できますね。
#74
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 交付税の性格につきましては、国税の一定割合が地方団体に法律上当然に帰属するという意味におきまして、地方の固有の財源であるという認識につきましては、繰り返し答弁されておりますが、私どもも、交付税の性格につきましては、地方が共有で持つ固有の財源であるというふうな認識でございます。
#75
○又市征治君 今あったように、地方交付税は地方の固有財源ですから、その配分に当たっては、当然一定の合理的な基準に基づいて行われなけりゃならないということであります。つまり、自治体間の財源不均衡を是正をして、全ての自治体が一定の公共サービスの水準を維持するための合理性がなけりゃならないということであります。
 もしそうではなくて、国が望む施策に自治体を誘導するとか自治体独自の施策を制限する、言い換えるならば、自治体の独立性を弱めるような配分であるとか配分方法というのは、これは認められないということだというふうに私は思いますが、この点についてはお互い認識共有できますか。
#76
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 地方団体の合理的かつ妥当な行政水準の財源を保障する観点から交付します地方交付税につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、地方の固有財源との性格を有しておりまして、また、使途の制限ができない一般財源でございます。その意味におきまして、国が特定の施策を奨励する国庫補助金とは性格が異なり、国の政策誘導であるとか地方団体の政策を制限するようなものではございません。
#77
○又市征治君 ところが、今、黒田局長はそういうふうにお答えになったが、実際にやっていることは少し違うんじゃないのかという懸念を持ちます。
 例えば、まち・ひと・しごと創生事業の地方交付税については、地域の元気創造事業費、人口減少等特別対策事業費によって算定をされていますが、両者とも、人口を基礎としつつ、徐々にその必要度からその成果に応じて算定を行うように配分の比重を変化をさせているんではないのか。これについては、経済・財政再生計画改革工程表二〇一六年改定版によるものと思われますけれども、そういう理解でよろしいかどうか。
 しかし、この改定版では、地域の元気創造事業費について、成果に応じた配分を求めてはいないという指摘もあります。それでもなお地域経済活性化分へのシフトを進める理由は一体何なのか、この点もお尋ねをします。
 そもそも、地方交付税の算定基礎をどのようにするかについては十分地方の意見を聞くべきであって、成果配分ということになれば、自治体は地方行政の在り方を、市民の方ではなくて、何のことはない、総務省、政府を見る、こういう格好になってしまうんではないのか、こういう懸念を持ちます。この点についてはどうでしょうか。
#78
○大臣政務官(小倉將信君) 委員が言及されました地域の元気創造事業費、まち・ひと・しごと創生事業費の中の四千億円分でございますけれども、この地方創生に取り組むための行政需要につきましては、平成二十八年度には、これは職員削減率等を基準にして算定します行政努力分と申しますけれども、これが三千億円ございます。それを、地域経済活性化分によりまして一千億円、このようにそれぞれ算定しておりましたけれども、平成二十九年度からは三年間をかけまして段階的にこの一千億円の地域経済活性化分に更に算定額を一千億円シフトさせてございます。これは、各地方団体におきまして地方創生の取組が進められまして、地域経済活性化に係る様々な指標がその財政需要をより直接的に反映していると考えられますことから、算定額をシフトするとしたものでございます。
 また、地域経済活性化に積極的に取り組みまして成果を上げた団体につきましてはより多くの経費が生じていると考えられますことから、地域経済活性化の成果に関連する全国的かつ客観的な統計データを指標といたしまして各地方団体の財政需要算定に反映しているものでありまして、適切に算定していると、このように承知をいたしております。
#79
○又市征治君 若干、黒田局長と答弁されている中身がちょっと違うような気がするんですね。
 成果が上がった自治体に配分を厚くする場合、それは成果が上がらないところから回すしかないわけですよね。人口減少対策、地域の経済対策といっても、そんな簡単な話ではないでしょう。もう鳴り物入りの地方創生といっても、東京への人口集中は依然として止まらないですね。成果配分方式でますます落ち込んでいく自治体が出てくるわけで、その点はやっぱりしっかり考えてもらわなきゃいかぬということは、今日はそこだけ注文申し上げておきます。
 次に、トップランナー方式についても伺います。
 二〇一六年度からこれが導入をされた。我が党は、民間委託等の業務効率化が本当に公共サービスの向上につながるのか、安かろう悪かろうで行政サービスの低下を招く懸念があるのではないのかということから反対をしてきました。
 総務省は、委託化の進展状況、効率化の成果についての調査を行っているようですけれども、民間委託による問題点、市民の反応についても調査を行われているのかどうか。行っているならば、どのような問題点が指摘されているのか、市民の受け止めについてその結果をお示しをいただきたい。
 また、国の財政審は、昨年度の建議で、トップランナー方式の効果を地財計画に反映させるべきだという趣旨の意見を述べています。これに対し、地方財政審の方は反対意見を表明をされている。
 そこで、総務省の見解を伺いますけれども、今後もトップランナー方式の成果を地財計画に反映をさせるということにはこれは反対をされるのかどうか、この点について伺います。
#80
○政府参考人(山崎重孝君) 私どもでは、毎年度、地方公共団体による民間委託や指定管理者の導入状況など地方行政サービス改革の取組状況について調査、公表しております。その調査に当たりましては、毎年、各都道府県、指定都市の行革の担当課、それから各都道府県の市町村担当課を対象としまして丁寧にヒアリングを行っております。民間委託等を行っていない理由とか課題についてもお伺いしております。
 窓口業務の民間委託に関しましては、例えば平成二十六年にアンケート調査を行っておりまして、民間委託を進めにくい要因として、例えば個人情報の取扱いが問題だとか、サービスの質について懸念を持っているという団体があるという認識をしております。それから、他方で、民間委託の効果指標の一つとして、やはり市民アンケートなどによりまして市民満足度という項目を設けておるというところもございます。窓口業務の民間委託により市民満足度が上昇しているという団体もあるというふうに承知しております。
 総務省としては、引き続き、ヒアリングや説明会等を通じまして個々の団体の取組状況を丁寧にお伺いして、いいものは広めてまいりたいというふうに思っております。
#81
○又市征治君 先ほども申し上げましたが、トップランナー方式そのものには大変そういう意味で窓口など多くの問題があります。本当に窓口そのものは、何か事務を単にやるのではなくて、いろんな悩みを聞くということなどを含めて大変大事な仕事をやっているわけでして、そういうこと自体反対でありますから、廃止を強く求め、地財計画に反映することのないように強く求めておきたいと思います。
 次に、地方税の徴収率の問題について伺いますが、経済・財政再生計画改革工程表に基づいて、地方税の標準的な徴収率を上位三分の一が達成している徴収率とし、それを基準財政収入額の算定に反映させることになっているわけですね。その結果かどうか分かりませんが、二〇一六年度から毎年増収になっているという報告であります。
 総務省は、この増収がどのようにして実現されたというふうに認識されているのか、また評価されているのか、伺います。
#82
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 地方税は地方自治の基本でございますので、税負担の公平を保ち、納税者の信頼に基づく行政を展開する観点からも、地方税の徴収対策に取り組むことが重要だと考えております。
 こうした観点から、総務省におきましても、地方団体に対しまして徴収対策の促進を要請しているところでございまして、地方団体の方も、例えば徴収事務の共同処理、あるいは口座振替、コンビニ収納、クレジットカード納付等の収納手段の多様化、あるいはインターネットオークションの活用などの効率的、効果的な滞納整理などに努めていただいているところでございます。
 その結果といたしまして、今御指摘ございましたように、平成二十八年度決算の徴収率を見ますと現年課税分で九九・二%になっておりまして、この率は近年少しずつ向上してきているところでございます。
#83
○又市征治君 この地方税の徴収率が増大すること、それ自体は結構なことだというふうに私も思いますが、一方で滞納もあるわけですよね。それにはもう生活の困窮などそれなりの、いろんな様々な事情がおありなんだろうと思うんです。徴収率を上げるためにも、その原因をやっぱり把握をし、それに対応した施策を取ることが徴収率の向上につながるんだろうと思うわけで、この滞納の要因などについて調査されたことがあるのかどうか、これを伺います。
#84
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 地方税の滞納処分でございますけれども、滞納の発生原因といたしましては、納付意思はあるものの経済状況の悪化により収入が減少した場合ですとか、納付忘れの場合ですとか、あるいは納付意思のない悪質な滞納の場合など様々な要因が想定されまして、また複合的な面があると考えておりまして、なかなか事由ごとに特定することが困難な面があるということと、それから滞納者の方の個別具体性が非常に大きいという面もございますことから、要因についての調査はいたしておりません。
#85
○又市征治君 なぜこんなことを聞くかというと、総務省も御承知のことと思いますけれども、昨年、ある新聞が「各地で強権的徴収 違法判決も」というショッキングな見出しで徴収現場での実態が報道をされました。問題は、滞納処分対策全国会議、こういう名称の全国を冠にした組織が現実に存在をする、大変大きな問題だと思うんですね。
 そういうことに示されるように、この記事の内容が何か特別の例外の問題ではなくて、全国会議というふうに言っているわけですから、あちこちにこういうことが言われているのではないかと思うので、総務省はこれに対してどのような対策を講じたのか、あるいは、この個別具体の事実関係は承知していないということなのかもしれませんけど、元々はやっぱり徴収率の見直しから始まっているわけですから、その結果や影響についても把握する必要があるんだろうと私は思うので、この辺のところを事情がお分かりなら御説明願いたいと思います。
#86
○国務大臣(野田聖子君) 地方税の滞納については、公平公正な徴収事務を行い、その解消に努めていく必要があります。一方で、地方税法においては、滞納処分をすることによって滞納者の生活を著しく窮迫させる、そういうおそれがあるときはその執行を停止することができるとされているところです。各地方団体においては、滞納者の個別具体的な実情を十分把握した上で、法令に基づいて適正な執行に努めることが重要であると考えております。
 総務省としては、御指摘のとおり、個別具体の事実関係を承知する立場にはありませんが、税務行政の運営に当たっての留意事項を示した通知において、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で適正な執行に努めるよう示しているところです。各地方団体においては、今後とも関連法令や通知に沿って適切に対応していただきたいと考えています。
 また、地方団体の職員向けの研修として、総務省自治大学校など関係機関における徴収事務に関する研修の中で滞納整理についても取り上げられています。
 そして、総務省としても、引き続き徴収事務に従事する職員の資質向上にしっかり努めてまいります。
#87
○又市征治君 生活困窮だとか雇用の不安定化の問題などいろいろと様々な事情をお持ちのこういう状況があると思うので、これが弱い者いじめになってはならないということはもう当然のことでありますから、そうした苦情だとか実情把握だとかをやりながら、対策に抜かりないように対応いただくように要請をして、終わりたいと思います。
#88
○江崎孝君 立憲民主党の江崎でございます。
 前回、総務大臣に、今年の六月の骨太の方針でどういう決め方をされるか、地方財政計画、平成二十七年でしたっけ、一般財源総額同水準確保というルール化をしたのは、平成二十七だっけ……(発言する者あり)これが三十一年、今年で終わるんですよ。
 それで、私は、ずっと今も片山先生と話したんですけれども、何でこんな骨太の方針とかで地方財政計画の根幹の部分が決められるのかと腑に落ちない。二〇〇一年から始まっているんですね、この骨太の方針というのは。いわゆる小泉さんの改革からろくなことやっていないんですよ。郵政民営化とか、あの公立学校の管理運営の民営化とか、ほとんどもう合理化なんですね。
 これ、大臣にちょっと通告していないんですけれども、どうなんでしょう、もう骨太の方針という、経済財政諮問会議で地方の根幹であるこの地方財政計画の一部を決められるというのはどうしても納得いかないんですけれども、大臣、どうですか、それは。済みません、通告していないけど。
#89
○国務大臣(野田聖子君) 御通告いただいていないので私の意見になるんですけれども、今までそういうふうに経済財政諮問会議において地方の取決めが議論されてきたということで、今、私の目の前の課題というのは、やはりその水準をしっかり次の三十一年度も引き続いて確保することだということであります。今のところ他にそういう場所がないということで、私も今、経済財政諮問会議、総務大臣になってからもうずっと出ておりますけれども、相当基金についてもミスリードというか、誤解が前提でいろんな議論をされているので、そこをどんどんどんどんやっつけていかなきゃいけないなということで汗をかいているところです。
#90
○江崎孝君 国と地方の協議の場というのもありますし、ここは本当に総務大臣の応援部隊みたいなところですから、本当にこれ勝負だと思いますよ、この骨太の方針。特に来年の消費税増税があるかないか別にしても、やっぱりその消費税増税というのを前提にしながら平成三十年というここのくくりでやるわけですから、是非腹をくくってやっていただきたいし、与党の皆さんも是非骨太の方針には注視をしていただいて、地方財政がいじめられないように是非スクラム組んでやっていただきたいなとお願いしますが、質問します。
 それで、今言われた一般財源の総額の話です。
 地方財政計画における一般財源について、一般財源の同水準というルールはあって、毎年毎年総務省は一般財源の総額を確保したという、胸を張っていただいておりますけれども、これ通告しています、平成二十五年度から、五年間遡ってですよ、平成二十五年度から平成三十年度までの五年間の一般財源の総額の推移についてお教えいただけますか。
#91
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 この一般財源総額の同水準ルールにつきましては、平成二十二年六月の財政運営戦略で閣議決定されまして、平成二十三年度からスタートしております。二十五年度でございますが、一般財源総額が五十九・八兆円、二十六年度は〇・六兆円増の六十・四兆円、二十七年度は一・二兆円増の六十一・五兆円、二十八年度は〇・一兆円増の六十一・七兆円、二十九年度は〇・四兆円増の六十二・一兆円、平成三十年度は〇・〇四兆円増の六十二・一兆円という状況でございます。
#92
○江崎孝君 私の調べた、当たり前でしょうけれども、同じ額なんですけれども、毎年増えていますよね。そして、この五年間で約二兆三千億円ぐらい増加しているんですよ。この増加の要因ですね、増加の要因は主に何が考えられますでしょうか。
#93
○政府参考人(黒田武一郎君) この地方財政計画の一般財源総額につきまして、二十五年度と三十年度を比べますと二・四兆円の増となっておりますが、これは地方財政計画の歳出におきまして、歳出の特別枠であります地域経済基盤強化・雇用等対策費を平成三十年度において廃止したことによりまして一・五兆円の減少、公債費が〇・九兆円減少など減になる経費がある一方で、社会保障関係費を含む一般行政経費補助分が三・八兆円の増加、平成二十七年度に創設しましたまち・ひと・しごと創生事業費が一兆円増加、公共施設等適正管理推進事業費の創設等により投資的経費の単独分が〇・八兆円増加などの増になる経費がございまして、これらの増減を計画に反映した上で、一般財源総額を確保してきたことによるものでございます。
#94
○江崎孝君 一般行政経費の中心、大きな、主な、主要因はやっぱり社会保障なんですよね。平成二十五年度から今年度までのこの財政計画まで、一般行政経費が五兆二千億円ぐらい増えているんですよ。やっぱり五年間で一般行政経費が五兆二千億円も増える、その中心が社会保障という現実があるわけですね。ちょっと何か学校みたいな話になって申し訳ないんですけれども、算数みたいな話で。今言ったとおり、一般財源総額が二兆三千億円ぐらいもう増えている。そのうち一般行政経費はそれを更に五兆二千億円ぐらい増えている。これは主に中心は社会保障なんですね。
 ところで、先ほど言われたとおり、平成二十三年度から一般財源の同水準確保ということで、国はそう言ってきているわけですが、じゃ、その交付税特会の入口ベース、つまり国の一般財源から交付税特会に、国が法定率分等々あるんですが、それは一体この五年間の推移はどうなっているんでしょうか。
#95
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 一般会計から交付税特別会計への繰入額、すなわち入口ベースの地方交付税につきましては、平成二十五年度は十六・三兆円でございました。平成二十六年度は〇・二兆円減の十六・〇兆円、平成二十七年度は〇・六兆円減の十五・四兆円、平成二十八年度は〇・三兆円減の十五・二兆円、平成二十九年度は〇・三兆円増の十五・四兆円、平成三十年度は〇・一兆円減の十五・四兆円となっております。
#96
○江崎孝君 今言われたとおり、ずっと平成二十五年度から国のいわゆる持ち出しは減っているんですね。減り続けているわけですね。ですから、一般財源の同水準ということを骨太方針で決めても、国は痛くもかゆくもない、そういうシステムになっているんですよ。
 特に、平成二十五年度以降のこの一般財源、国の負担の推移というのは、やっぱり地方財政計画の中での繰越金がちゃんとあったということで、今おっしゃったとおり、平成二十九年度だけ増えているんですね、二千七百六十五億円。これ、局長、お分かりになると思うんですが、質問通告していないんですが、これ何でこの年だけ増えたんですか。分かりますか。済みません。
 分からなかったら僕が言います。これは、平成二十八年度が繰越金使い切っちゃったんですね。何で使い切ったかといったら、国の経済成長見通しで税収がこれだけ上がるだろう、つまり税収がこれだけ増えるだろうというのがむちゃくちゃ甘くて、物すごく減ったんですよ。減ったんで補正予算まで組まなきゃならなくなったわけで、その分で繰越金全部食っちゃった。結果論として、平成二十九年度は財源不足が巨大化しちゃったんですね。
 これ財源不足が一兆三千三百一億円になったんで、折半ルールで六千六百五十一億円、国が増やしたんです。だから、このときは、いわゆる国のミスなんですね、税収見通しの。地方税はそれによって税収は見込みますから、国税も含めて。だから、財務省は二千七百六十五億円だけこの分は持ち出しを前年度よりも増やしたわけですね。
 だから、これ本当、財務省というのは何というところだと思うんですよ。ちゃんと一般財源の同水準だと言っていても、結局その同水準を確保しているのは、地方財政計画の中で、総務省というか、自治体が持っている資産を食いつないでやっているだけなんですよ、だけというわけじゃないんだけど。だから、これ税収が伸びなくなっちゃったら一気にまたおかしくなっちゃう。これ大変な問題今抱えているということなので、その危機感を持って、是非お願いしたいんだけれども。
 その地方の一般財源総額の中の一つに、これもちょっと通告していないんですけれども、今回も地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用をしていますよね。これ僕が知っている範囲では、一定額たまると国に返さなきゃいけないお金というふうに理解をしているんですが、これ何でそうなっちゃったのかなというのが僕ずっと疑問だったんで、もしお分かりになれば。通告していないんで。
#97
○政府参考人(黒田武一郎君) 今の地方公共団体金融機構につきましては、かつて公営企業金融公庫と言われておりましたものを政策金融改革の中で廃止しまして、新しい地方共同法人としてつくりました。そのときに、公営企業金融公庫の債権債務関係につきましてこの金融機構の方に引き継ぎまして、そこで管理勘定で管理をしております。最終的に、そこの管理が終わりましたときに、そこに残った金利変動準備金につきましては清算して国庫に帰属させるということになっておりますが、そこに至る途中におきましても、その機構の安定的な経営を阻害しない範囲において国庫に納付するという規定がありますので、それを活用しながら交付税原資に使わせていただいていると、そういう状況でございます。
#98
○江崎孝君 これって返さなきゃいけないのかなと思うんですけどね。法律でそうなっちゃっているんですね。これだって、やっぱり返さなくていいように法改正したらどうかなと思ったりもするんですが。
 今回も四千億円使っているんですよ、ここから。これは、どちらかというと、自治体というか、我が方と言ったらいかぬかな、自治体側のお金なんですよ。それを使って財源不足を補填をしていっているという。
 こんな状況なので、これもちょっと通告していませんが、今私が説明した流れだけ聞かれて、大臣、どう思われます。いや、通告していないので、もう率直な思いでいいですよ。だって、これだけ言っているのに、国は財源は、国は蛇口をすぼめているわけですから。そして一方では、一般財源の同水準確保といいことを言いながらどんどんどんどん社会保障が増えていっている。しかし、法定率分は伸びない。だから、どうやっても難しいわけですよ。この骨太の方針でまた何か言われるかもしれない。闘わなきゃいけないわけですから、大臣、何か強い決意を言ってくださいよ。
#99
○国務大臣(野田聖子君) むしろ、今日、江崎委員からいろいろお知恵を付けていただいたようで、こういうことをしっかり踏まえて、財務省と、地方を守るために厳しい議論を重ねてまいりたいと思っています。
 黒田局長からずっとるる御説明があったように、本当に厳しい中、ありとあらゆるものを活用してとにかく地方に不自由を掛けないような取組をしているということは、私も短い期間ですけれども、勉強させていただきました。
 皆さんに不安を与えないようにしっかり、一番安定するのは法定率の引上げなんでしょうけれども、それはそう容易でないということは数か月取り組んできて分かったことですが、それは粘り強くやっていくと、これは大前提なんだということで、今地方の皆さんに不安を掛けないようにしっかり取り組んでいきたいなと思います。
#100
○江崎孝君 大臣にお答えをいただいて、申し訳ございません。
 財政局長にも同じ質問をしたいんですけれども、やはりこんな状況だと臨財債に頼るしかないんです、これは間違いなく。だから、景気の問題等々もあります。これから先、成長が見込めるかどうか。そうしたら、同じシステムであれば、これは臨財債を増額をするしかありません。その折半ルールとして、臨財債の二分の一を国が負担をするというシステムが続いていくんですけれども、これは局長にお願いしていたと思うんですが、今の大臣と同じ質問なんですけれども、もっと国の一般会計による負担を増やすなど、やはりきちっと国が責任を持って対応できるようなことをこの骨太の方針の機会にもう少しきちっと言っておくべきじゃないかと思うんですが、見解をお聞きします。
#101
○政府参考人(黒田武一郎君) 最初に、二十三年度からの一般財源総額の実質同水準ルールにつきましては、当時はいろいろな議論ございまして、やはり当時の三位一体の改革でありますとかいろいろな議論の中で、地方団体の方からも、一定の予見可能性を持った形で一般財源総額の見通しを得たいという声も非常に強くございました。そういうことも踏まえまして三年間ずつというルールでやってきたという経緯がございますが、結果としていろいろな御指摘が出ていることも私ども承知しております。
 三十年度の地財対策に当たりましても、やはり一つはこの交付税法に定められた折半ルールに基づく財源の補填を行うこと、それともう一つが今ずっと議論になっております一般財源総額を前年度と同水準で確保すること、これは大きな枠組みになって、これが前提となります。
 これを基本としまして、国税とか地方税の増収でありますとか、交付税法で定められております過去の経緯に基づきます加算でありますとか、決算の確定によります精算減等を反映させますと、三十年度でありましたら交付税が大幅に減少するとともに、臨時財政対策債が大幅に増加することが見込まれたと。そういうことですので、できるだけこれを改善するかということで、先ほどの機構の準備金等も活用して対応したというのが現状でございます。
 これから六月に向けて様々な議論がされると思いますけれども、先ほど来大臣から答弁いただいておりますように、何といいましても、まず予見可能性が高いものであること、それから所要の財源が確保されるということになりますが、その所要の財源の確保につきましては、これからプライマリーバランスの黒字化目標をどういうふうに設定するかというところが大きなポイントになります。そこを十分に踏まえながら、所要の一般財源総額をいかに予見可能性を持って安定的に確保するかということに全力を注いでまいりたいというふうに考えております。
#102
○江崎孝君 本当に、どう言ったらいいんですかね、やっぱりプライマリーバランスに左右されていくと、地方財政計画って立てられないですよね。やっぱり国が先という理屈で言われたらどうしようもないわけでありまして、やはり地方交付税をベースとする地方財政計画というのは、地方自治体のもう死活問題、一兆円変わるだけでもとんでもない状況になりますので、本当に今の骨太の方針の中で議論されるのがいいのか、国のプライマリーバランスというのを前提に議論されるのがいいのかというのは、僕は非常におかしいと思うところですけれども。
 もう一つ数字をお聞きします。
 これは、僕が総務省のホームページに遡れるのが平成十三年度までだったのでお聞きするんですけれども、平成十三年度から今年度までの地方財政計画を比較して、歳出のうちにですよ、歳出のうち、給与関係費、一般行政経費及び投資的経費、歳入のうちの地方交付税、地方税、これ、さっきは五年で聞いたことがありますけれども、これ給与関係経費は平成十三年度から多分調べてきていただけると思っているので、お教え願えますか。
#103
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 たまたまですが、平成十三年度が地財計画の規模のピーク時でございましたので、起点としては比較のしやすい年度になりますが、平成十三年度と平成三十年度を比べますと、歳出のうち、給与関係経費は二十三・七兆円から二十・三兆円で、約三・三兆円の減でございます。一般行政経費が二十・六兆円から三十七・一兆円の約十六・五兆円の増。投資的経費につきましては二十七・二兆円から十一・六兆円の約十五・六兆円の減となっております。
 また、歳入につきましては、地方税は三十五・六兆円から三十九・四兆円の約三・八兆円の増。この地方税と地方譲与税を足した場合におきましては三十六・二兆円から四十二・〇兆円の約五・八兆円の増。それから、地方交付税につきましては二十・三兆円から十六・〇兆円の約四・三兆円の減となっております。
#104
○江崎孝君 ちょっと数字、今日作ってくればよかったんですけれども。
 要するに、平成十三年度から十七年間で給与関係諸経費は三兆三千億円減らされていると、減らされていると言っちゃいけないですけど、減っているわけですね。それと投資的経費、まあ公共事業を中心として地方にいろんな雇用なり生むような話ですね、これがこの十七年間で何と十五兆五千億減らされているんですよ。一方で、一般行政経費、これ社会保障の伸びですが、これが十六兆四千億円伸びているんですね。
 こんな状況の中で地方が疲弊するのは、これ当たり前なんですよ。給与関係というのは、三兆三千億円、本当は自治体の方が支払って、そこの報酬ですから、当然地方で消費を生むわけですよね。多分これ、定数の削減とか人員削減とか、もろもろのが響いています。投資的経費が今言ったように十五兆五千億円も下げられているわけですから、地方創生どころか地方が疲弊するのは、これはもう仕組みとして当たり前なんですね。
 これ、全部ある面では、骨太の方針が全部原因とは言いませんが、これまでの財務省を中心とした、あるいは経済財政諮問会議を中心とした規制緩和とか様々な在り方、それがこんな状況になっているし、そのうちで増えたのは、地方税は僅か三兆八千億円しか増えていません。交付税は四兆三千億円も減らされているわけですよ。これ、トータルで見て、本当にどう一般財源の同水準確保とかって言えるのかというのが正直な僕の思いなんですね。
 それで、これ、大臣にお聞きするということになっていますけれども、今言ったとおり、給与関係費や投資的経費を大幅に削減して、社会保障関係費等の一般行政経費の伸びに対応している状況になっているわけですね、今。一般行政経費というのは社会保障を中心としていますから、確かに今はまち・ひと・しごと何とかとあって、ちょっと投資的な問題も入っています、一般財源の中には。ところが、やっぱり社会保障が中心ですから、そんなに地方は自由度はないわけですよ、自由度はない。だから、一般行政経費が伸びて、もうそれだけに対応しているというこういう状況であると、地方は疲弊するばかりです。
 そこで、僕は抜本的な対応が必要と考えますけれども、今後どのように対応していくのか。これ本当大変な問題です、この状況は。何かの形で地方に対してカンフル剤を流してやらないと、大変な状況になります。これ地方交付税がやっぱり鍵握っていると思うんですね、地方財政計画は。どうでしょうか。
#105
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘のように、給与関係経費や投資的経費が減少していて、そして一般行政経費、専ら社会保障に使われている、これが十六・五兆円というふうに厳しい状況であることは承知しています。
 地方財政計画というのは、国として地方団体が標準的な行政水準を確保できるよう地方財源を保障することなど、役割を持つものであります。このような地方財政計画の役割を踏まえて、所要の経費を歳出に適切に計上した上で必要な一般財源総額を確保することとしているわけです。
 一方、地方財政においても、平成三十年度においても六・二兆円もの巨額の財源不足が生じています。今後もこの超高齢化に伴う社会保障関係費の増加が見込まれる、これはもう誰でも分かっていることですが、安定的な財政運営を確保していくためには地方財政の健全化に向けて歳入歳出両面の最大限の努力が必要です。
 歳入面は、何度も申し上げていますけれども、地域経済の好循環、様々な取組で一層拡大することによって地方税等の増収を図るとともに、歳出面では、国の取組と基調を合わせてめり張りを付けて歳出構造を見直すということで財務体質の強化を図っていかなくてはなりません。
 いずれにしても、地方団体が社会保障を始め必要な行政サービスを確実に提供し、安定的に財政運営を行っていけるよう、地方財政計画の歳出に必要な経費を適切に計上して、地方が自由に使える一般財源をしっかりと確保していきたいと改めてお誓い申し上げます。
#106
○江崎孝君 そこで、ちょっと実現、実現というか、安倍政権が踏み込むかどうかは分からないんですけれども、来年が消費税増税になりますね。先ほどは、片山先生がちょっと地方法人税の話をされました。システムからいくと、これ交付団体は、例えば一〇%になると地方消費税分が増収になります。増収になると、地方税収が増収になった分、これ交付税の仕組みなんですけれども、交付税が減らされるんですね、これは。これシステムになっているんです。ところが、不交付団体はもらっていないんで、不交付団体の消費税増税分、地方消費税というのは先ほど言った不交付団体に回らずに国庫に入るんです。もちろん全部が国庫に入るんですが、不交付団体の分は交付団体に入らないんですね。
 ところが、仮に今のシステムでいったら、地方消費税で消費税が増税した分、交付税特会のお金が増えるわけですよ。増えると、そこのお金が地方財政計画の中の地方交付税の中にそれで賄えるということになると、基準財政需要額とか地方財政規模が仮に同等と仮定すると、これ国の持ち出しが更に減る可能性があるんですね、システムとして。ややっこしい話で申し訳ないですけれども。
 だから、私は提案したいのは、大臣、法定率を上げるとかというのは非常にこれは難しいですよ。難しいからこそ、やっぱり来年の消費税増税に向かって何をやらなきゃいけないかというと、基準財政需要額を増やす政策を打っていく、財政計画をそういうふうに転換をしていく、こういうことが大事だと思うんですが、それ、ちょっと質問の中身が違うかもしれませんけれども、そんな話をしていたと思うんですが、局長。
#107
○政府参考人(黒田武一郎君) 御指摘いただきました消費税八%の引上げの際におきましても、この増収額を活用しました社会保障の充実分、この充実分につきましては、所要額を地方財政計画の歳出にプラスで計上しております。また、これに合わせました地方法人税の創設に伴います税源の偏在是正によって生じる財源も活用しまして、地方財政計画にまち・ひと・しごと創生事業費をこれは歳出として計上すると、これで所要額を確保するということをやっております。
 御指摘いただきました平成三十一年の十月の消費税率の引上げ、それから地方法人税の拡充等に際しましても、これは地方団体の御意見も十分に伺いながら、適切な歳出の在り方も含めて対応を十分に検討させていただきたいと考えております。
#108
○江崎孝君 だから、別枠財源の一兆円を一般財源化するときの知恵の中で、やっぱり政策目的で配られたというのは分かります。分かるんですよ。トップランナー方式も含めて流れがそういう流れになってきていますけれども、分かるんですが、やっぱりそれではなくて、これ地方財政計画、地方交付税というのは標準的な行政水準を確保していくということですから。
 例えば、僕何回も言っているように、地方における公共交通の在り方。公共交通の在り方、これ絶対今大変な問題ですから、例えばこういうところを基準財政需要額の中にきちっと盛り込んでいくとか、もっと大きく盛り込んでいくとか、いわゆる安定的にきちっと考えられる、どの自治体にだって考えられるようなことを、やっぱりきちっとした基準財政需要額の増加を一方で図っていかないと、消費税増税来たってまあ全部が国に持っていかれる、システムはそうなっていないんですけれども、やっぱり消費税増税の分が、消費税が増税されたとすると、地方消費税の増税分がちゃんと使えないような状況になってくる、基準財政需要額が今のままでは。これ是非お願いをしたい。
 片山先生おっしゃっているとおり、国は課税権があるわけですね。課税権はあるんだけど、実際使えない。課税自主権はあるんですが、使えるんだけれども、本当は使わなきゃいけなくなるんだろうと思いますが。
 そこで、僕は、今言ったような流れの中で、やっぱりトップランナー方式は、これはおかしい。今のその財源の考え方からしてもおかしい。なぜなら、トップランナー方式をやればやるほど基準財政需要額は減っていくわけでしょう。減る方向に持っていかれるわけですよ。窓口の民間委託もそうなんですよ。これ、絶対にこれ以上トップランナー方式をやっちゃ駄目だし、逆にトップランナー方式はもう排除して、もっと違う基準財政需要額の算定方法を研究していただきたいと思います。もう喫緊の課題です、これは。
 そういう意味で、最後に、最後というか、どうですか、その僕の言ったことって、正当性ありますでしょうか。
#109
○政府参考人(黒田武一郎君) 今の御指摘全てを含めまして、地方交付税が全国どのような地域にあっても一定水準の行政を確保するために必要な財源をいかに保障するか、そのための歳出をどう計上するかという御指摘であったと受け止めております。
 このトップランナー方式につきましてはいろいろと御議論いただいておりますが、交付税の基準財政需要額あるいは地財計画の歳出に計上します経費につきましては、地方団体の法令により義務付けられている事務でありますとか、全国普遍的に取り組まれている事務に係る標準的な財政需要を計上するということで計上させていただいておりますので、これからも十分に、地方団体の実情も踏まえながら、適切な歳出の計上に努めてまいりたいというふうに考えております。
#110
○江崎孝君 最後にします。
 最後ですけれども、窓口業務の民間委託の話を前回しました。それで、非常に民間委託というのはやりづらい部分を話しました。実際に今、県とか政令市では若干入っていますけれども、一般の市町村って本当にこれ難しいです、流れとして。そうすると、来年が、今年は見送られたんですけど、来年、平成三十一年度の導入を視野に入れて検討すると言われましたけれども、今言ったとおり、もう本当に大都市ばかりなんですね。地方の市町村ってほとんどできない。実態が伴えないわけですから、そういう場合はこのトップランナー方式を導入しないという考え方でよろしいですか。そのことを最後にお聞きします。
#111
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、窓口業務につきましては、審査、決定など公権力の行使にわたる事務が含まれますので、現時点では民間委託は進んでいない状況でございます。このため、平成三十年度におきまして、窓口業務の委託につきまして、地方独立行政法人の活用や、標準委託仕様書の作成、全国展開などの取組を強化することとしております。
 まずこういう取組を行いまして、その状況を踏まえてトップランナー方式の導入について検討してまいりたいと考えております。
#112
○江崎孝君 時間が来ました。
 大臣、頑張ってくださいね。大臣、頑張ってくださいよ。頑張ってください、骨太の方針に向かって。
#113
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#114
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の改定案に反対の討論を行います。
 主な反対理由は、法案が地方交付税制度を根本からゆがめるものだからであります。
 地方交付税は地方の固有財源であり、自治体の財政需要を正しく反映することによって、財源保障機能と財源調整機能という役割を果たすことができます。ところが、安倍政権は地方交付税の算定にトップランナー方式を導入し、アウトソーシングで人件費等を削った経費水準を基に基準財政需要額を引き下げています。
 学校用務員事務では昨年度からこの方式が導入され、小中学校では一校当たり七十八万円も削減されようとしています。学校用務員は、様々な業務に関わりながら円滑な学校の運営を支え、教師とは違った角度で子供たちの成長を支え、震災時には避難所となる学校でなくてはならない役割を果たしてきましたが、トップランナー方式による民間委託化、非常勤化によって、こうした役割が維持、継承できなくなるのではないかとの不安の声が上がっています。
 この方式で、二〇一六年度以降一千四百億円もの基準財政需要額の削減となります。自治体職員の業務をコストだけで評価し、豊かで多面的な役割を否定する、自治体職場で官製ワーキングプアを一層増大させ、地方交付税の在り方をゆがめるトップランナー方式は中止すべきです。
 また、まち・ひと・しごと創生事業費の人口減少等特別対策事業費で、人口の増減率等を指標に、成果が上がっている自治体に交付税の配分を増やしていくやり方を更に進めようとしていることも問題です。地理的条件不利地や財政力の弱い町村などで財源削減の影響は深刻です。こうしたやり方は地方交付税の役割に逆行するものです。今こそ地方交付税の法定率を抜本的に引き上げ、自治体の一般財源の拡充を図るべきであります。
 なお、地方税法の改定については、地域経済の牽引という名目で固定資産税の減免を導入していますが、一部の企業に支援を特化するやり方でなく、三百八十万の中小企業全体の底上げこそ地域経済の活性化に必要です。
 また、個人所得課税の見直しは、勤労世帯、中間層への増税であり、反対です。
 以上を述べて、反対討論とします。
#115
○又市征治君 私は、希望の会(自由・社民)を代表して、地方交付税法等の一部改正案並びに地方税法等の一部改正案に反対の立場から討論を行います。
 第一に、来年度の地方財政計画は、通常収支分では七年連続で増加し、一般財源の総額も初の六十二兆円台になりました。しかし、社会保障経費や臨時財政対策債の元利償還金などの増大、また、一億総活躍や地方創生などの地方の取組拡大、児童・高齢者福祉などの社会保障支出が増加する中で、使途の自由な一般財源の質が充実したとはとても言えません。
 第二に、今年も財源不足であったにもかかわらず、交付税法第六条の三第二項に基づく抜本的な見直しが行われることなく、また、この間、減少傾向にあった臨財債の折半ルールが三年間延長し、新規の発行が増大することになりました。臨財債の発行額の大半が過去の臨財債の借換え部分となり、事実上、地方の立替払が恒久化しています。早急に交付税の法定率を引き上げるなど、地方財政の抜本的な拡充強化を図るべきです。
 第三に、昨年度からトップランナー方式が段階的に導入され、来年度から新たに二業務が拡大されようとしています。交付税算定で民間委託等を誘導するのは地方自治への介入であり、国は、交付税の交付に当たっては、地方自治の本旨を尊重し、条件を付け、又はその使途を制限してはならないとの交付税運営の基本原則にもとると言わざるを得ません。
 第四に、地方税法等の改正案では、配偶者特別控除に関して、特別控除額の三十三万円の対象となる配偶者の合計所得金額の上限の引上げなどが盛り込まれています。しかし、所得制限の壁が引き上げられただけであり、フルタイム勤務の配偶者の不公平感を残したままです。また、就業調整がなくなるとは思えません。政府は、所得再配分の観点からの所得課税の抜本改革、人的控除の改革への道筋を示すべきです。
 あわせて、水道事業の広域化、コンセッション導入、企業主導型保育につながる税制優遇などは問題だと言わざるを得ません。
 以上を主な理由として、両改正案に反対するものです。
#116
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#120
○委員長(竹谷とし子君) 次に、行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 吉川君から発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織君。
#121
○吉川沙織君 私は、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び立憲民主党の各派共同提案による自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築及び東日本大震災等への対応に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築及び東日本大震災等への対応に関する決議(案)
   地方公共団体が人口減少の下で疲弊する地域経済の現状を克服し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を創造するために、政府は、自立した安定的な財政運営が可能となる地方税財政システムを確立するとともに、東日本大震災で被災した地方公共団体の復旧・復興事業を更に加速し、全国の消防・防災体制を充実・強化するため、次の諸点について格段の努力をすべきである。
 一、地方公共団体が、人口減少の克服、地域経済の活性化、公共施設等の老朽化対策等の今後増大していく行政需要に的確に対応し、地域の実情に応じた自主的かつ主体的な取組を長期間にわたって実施していくために、平成三十一年度以降も地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が、予見可能性を持って安定的に確保されるよう、全力を尽くすこと。
 二、地方公共団体の基金については、それぞれの団体が、行政改革や経費削減等により財源を捻出し、公共施設等の老朽化対策、災害対策、社会保障関係経費の増大など将来の歳入減少や歳出増加への備えとして積立てを行っている状況を踏まえ、各団体の自主的な判断に基づく健全な財政運営の結果として尊重すること。
   また、各地方公共団体が、こうした基金の考え方等について住民への説明責任を更に果たす観点から、財政状況に関する公表内容の「見える化」の促進について検討を進めること。
 三、地方交付税の役割は、全ての地方公共団体が自立した安定的な財政運営を行うための財源調整機能と財源保障機能を果たすことである。この機能をより充実させるために、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税総額の充実確保を図るとともに、臨時財政対策債等の特例措置依存の現状を改め、法定率の引上げ等の制度の抜本的な見直しを含め、持続可能かつ安定的な制度実現に向け検討を進めること。
 四、地域に必要な行政サービスの安定的な供給により住民生活の安心・安全を確保するため、普通交付税の基準財政需要額の算定に当たっては、地域の実情を十分に踏まえるとともに、特別交付税については、算定方法の透明化の取組を一層推進し、あわせて、自然災害への対応、地域交通や地域医療の確保等の財政需要を的確に反映させるなど財源保障機能を強化すること。
 五、地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立し、安定的で充実した財源を確保できる地方税制の構築を図ること。また、減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等については、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう慎重に対処すること。
 六、個人住民税については、住民が公平感を持って納税できるよう、控除の在り方を含め不断の見直しを進めること。
 七、地域の実情に応じた行政サービスを地方公共団体が将来にわたり提供することができるよう、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築のために、一層の検討を進めること。
 八、地方財政計画における地方創生関連の事業費や公共施設等の老朽化対策・維持補修のための経費、社会保障関係の単独事業費の増に対応するための歳出については、今後とも安定的な財源を長期にわたり確保すること。また、その算定に当たっては、条件不利地域や財政力の弱い地方公共団体に配慮するなど地域の実情を十分踏まえること。
 九、地方公共団体の債務残高が巨額にのぼっていることを踏まえ、臨時財政対策債を始め、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。
 十、地方債については、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど円滑な起債と流通、保有の安全性の確保を図ること。また、地方債の発行に関する国等の関与の在り方については、協議不要基準の緩和等による地方財政の健全性への影響に留意しつつ、地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、手続の簡素化等の運用面における見直しを含め、更なる検討を進めること。
 十一、東日本大震災の被災地方公共団体に対しては、その復旧・復興事業の更なる加速化を図るため、引き続き、所要の震災復興特別交付税額を確保する等万全の支援措置を講ずること。また、近年、熊本地震を始め、台風、集中豪雨、火山噴火、豪雪等の住民生活の安全・安心を脅かす自然災害が多発している状況を踏まえ、消防・防災体制を充実・強化するための十分な財源を確保すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#122
○委員長(竹谷とし子君) ただいまの吉川君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田総務大臣。
#124
○国務大臣(野田聖子君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#125
○委員長(竹谷とし子君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト