くにさくロゴ
2018/04/17 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第6号
姉妹サイト
 
2018/04/17 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第6号

#1
第196回国会 総務委員会 第6号
平成三十年四月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     森本 真治君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     石井みどり君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     こやり隆史君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     吉田 博美君
     こやり隆史君     足立 敏之君
     江崎  孝君     福山 哲郎君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     こやり隆史君
     吉田 博美君     太田 房江君
     福山 哲郎君     江崎  孝君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     丸山 和也君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     丸山 和也君     太田 房江君
     杉尾 秀哉君     礒崎 哲史君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     山本 順三君     藤木 眞也君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     藤木 眞也君     山本 順三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                島田 三郎君
                堂故  茂君
                森屋  宏君
                吉川 沙織君
                秋野 公造君
    委 員
                太田 房江君
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                二之湯 智君
                藤木 眞也君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                山田 修路君
                山本 順三君
                礒崎 哲史君
                那谷屋正義君
                難波 奨二君
                森本 真治君
                魚住裕一郎君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
                江崎  孝君
   衆議院議員
       総務委員長    古屋 範子君
       総務委員長代理  橘 慶一郎君
       総務委員長代理  武内 則男君
   国務大臣
       総務大臣     野田 聖子君
   副大臣
       総務副大臣    奥野 信亮君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小倉 將信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       桑原振一郎君
       人事院事務総局
       職員福祉局次長  遠山 義和君
       内閣府規制改革
       推進室次長    林  幸宏君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        田川 和幸君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        住田 孝之君
       総務省自治行政
       局長       山崎 重孝君
       総務省自治行政
       局公務員部長   佐々木 浩君
       総務省自治行政
       局選挙部長    大泉 淳一君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省自治税務
       局長       内藤 尚志君
       総務省情報流通
       行政局長     山田真貴子君
       総務省総合通信
       基盤局長     渡辺 克也君
       消防庁長官    稲山 博司君
       消防庁次長    緒方 俊則君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       経済産業大臣官
       房審議官     小瀬 達之君
       国土交通大臣官
       房審議官     寺田 吉道君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       砂防部長     栗原 淳一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の
 特例に関する法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
○行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信
 及び郵政事業等に関する調査
 (放送法の理念と規制の在り方に関する件)
 (地方議会議員のなり手不足への対応に関する
 件)
 (消防団員の確保策に関する件)
 (地方公務員の勤務実態と労働規制の在り方に
 関する件)
 (東京一極集中の是正に向けた諸施策に関する
 件)
 (地域医療における公立病院の役割と経営状況
 に関する件)
 (消防等におけるハラスメント問題に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、浜野喜史君、杉尾秀哉君及び山本順三君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君、礒崎哲史君及び藤木眞也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長山崎重孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(竹谷とし子君) 東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院総務委員長古屋範子君から趣旨説明を聴取いたします。古屋範子君。
#6
○衆議院議員(古屋範子君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 合併市町村が市町村建設計画に基づいて行う公共的施設の整備事業等に要する経費に充てるための地方債、いわゆる合併特例債につきましては、旧合併特例法に基づき、合併年度及びこれに続く十年度に限り発行が認められていたものでありますが、東日本大震災に伴って、平成二十三年及び二十四年に法制上の措置が講じられ、その発行可能期間が、東日本大震災で被災した合併市町村については合併年度及びこれに続く二十年度、それ以外の合併市町村については合併年度及びこれに続く十五年度にそれぞれ延長されました。
 しかし、その後も、平成二十八年熊本地震等の相次ぐ大規模災害や、全国的な建設需要の増大、東日本大震災の被災市町村における人口動態の変化等により、合併市町村の市町村建設計画に基づいて行う事業等の実施に支障が生じている状況にあります。
 本案は、このような最近における合併市町村の実情に鑑み、東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律を改正し、合併特例債の発行可能期間を更に五年間延長しようとするものであります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、法律の題名を東日本大震災等に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律に改めることとしております。
 第二に、合併特例債の発行可能期間については、平成二十三年度において合併特例債を起こすことができる合併市町村が東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第二条第二項に規定する特定被災地方公共団体である場合又は同条第三項に規定する特定被災区域をその区域とする市町村である場合にあっては、合併年度及びこれに続く二十五年度とし、それ以外の市町村である場合にあっては、合併年度及びこれに続く二十年度とすることとしております。
 第三に、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(竹谷とし子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。
 平成の合併を経て、市町村の財政力指数は、平成十年度〇・四二、平成二十年度〇・五六となって、〇・一四ポイント改善したとのことでありますが、では行政経費はどの程度の圧縮となったのか、定量的にお答えをいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 平成二十二年に公表いたしました「「平成の合併」について」という文書がありますが、これでは、人件費等の削減等により、年間一・八兆円の効率化が図られると推計しております。例えば、市町村の三役、議会議員について約二万一千人減少し、年間約一千二百億円の歳出削減が図られると推計しているところですが、実際には市町村の議員数は推計を上回り減少しておりまして、約四〇%、二万六千人が減少しているという状況でございます。
#10
○吉川沙織君 今、自治行政局長が引用されたのは、平成二十二年三月五日、総務省が発表した「「平成の合併」について」の推計の数値を引かれたと思います。十七ページに記載があります。これ以降、特に推計とか今の見込みというのはないということでよろしいですか。
#11
○政府参考人(山崎重孝君) 平成の合併を一区切りにするために、その時点での推計をいたしました。それ以降の数字にいたしましては、二十八年度決算と十年度決算を比べますと、例えば、これ、合併は経ておりますが、合併していないところも含めてでございますが、人件費は二一・三%減、投資的経費は四一・三%減となっております。実は、その分、社会保障の扶助費が一四九%増えておりますが、それ以降、合併のところを捉まえて分析したことはございません。
#12
○吉川沙織君 平成二十六年三月二十日、当参議院総務委員会は、地方税財政の決議において、平成の合併により市町村の姿が大きく変化したこと等を踏まえ、新たな財政需要に対応できるよう政府に求めたという経緯がございます。
 一方で、平成二十六年四月十日、衆議院本会議で、当時の総務大臣は、「合併時点では想定されなかった新たな財政需要が生じているものと認識をしている」と答弁なさっています。
 今ほど自治行政局長が答弁されたこともその一つだと思いますが、合併時点では想定されなかった新たな財政需要について、こういう試算はありますか。
#13
○政府参考人(山崎重孝君) 実は、具体的な試算はないのでございますが、平成二十五年の六月に第三十次地方制度調査会答申ございます。これは、実はそのときに、基礎自治体の行政サービス、合併を経て随分基礎自治体のその姿が変化しておると、これについてしっかり分析するようにというお話がありまして、そこの文章では、当時、合併前に余り想定していなかった事情として、合併市町村の支所について、非常にコミュニティーの維持、活性化等の役割があるとか、それから、災害時の拠点としての重要性が増しているとか、実は合併前には徐々にそういうものがまた合一化していくように思っておりましたんですが、なお面積が広くなって非常に意義があるというようなことを言っておりまして、この新たな財政需要が生じているということを認識しています。
 そこで、実は、基礎自治体、基本的な面積の考え方とか人口の考え方を少し変えまして、いろんな財政需要に適応するようにしております。
#14
○吉川沙織君 結局、試算はないということですが、いずれにしても、私も総務委員会で消防防災行政、たくさん質問してまいりましたし、災害対策特別委員会でもやってまいりました。その中で、被災地の視察をする中で、支所が果たした役割、そこが見直されていて、そこが新たな財政需要になっているという側面もあるかと思います。
 少しまた違う視点から伺います。
 平成の合併によって自治体職員は大きく減ったと考えられます。その減員数について、数字のみ総務省に伺います。
#15
○政府参考人(山崎重孝君) 平成十年度と平成二十年度、リーマン・ショック前でございますが、これを比べますと、約四〇%、二万六千人減少してございます。これ議員数ですね。職員数は、二十年度と比較しまして一〇%、約十六万人減少しております。
#16
○吉川沙織君 自治体の議員数で四〇%、自治体の職員数で一〇%減ったという答弁でございました。その分、行政経費は人件費分として圧縮されたと考えますが、では、住民サービスの質は同じように担保されているとお考えでしょうか。そう考えているか考えていないかという御感想だけで結構でございます。
#17
○政府参考人(山崎重孝君) 住民サービスは維持をされていると思いますが、いずれにしても、扶助費が非常に増えておりますので、そこの部分を人件費の圧縮、投資的経費の圧縮で対応してきているというふうに考えております。
#18
○吉川沙織君 さっき、最初の答弁で自治行政局長が引用されたのは、平成二十二年三月五日、総務省が公表をした「「平成の合併」について」でございましたが、この概要の部分で、「合併による主な効果」の一番目に、「専門職員の配置など住民サービス提供体制の充実強化」、これが合併の効果の一番目として挙げられてきました。
 ところが、総務省の平成二十九年地方公共団体定員管理調査によると、市区町村の防災職員数がゼロの市町村が団体数で五百三十六、割合で三〇・六%にも上っています。つまり、他部署が防災担当を兼務している状況であり、この平成の合併で効果としてうたわれた専門職員の配置が必ずしもかなっていない、そういう分野があるということもありますので、そこはしっかり自治体の現状をよく捉まえて対策を打っていただきたいと思います。
 立法面から、提出者にお伺いいたします。
 合併特例債の延長については、平成二十三年改正、平成二十四年改正、そして今回の改正という経緯をたどっておりますが、平成二十四年改正のみ内閣提出法律案となっています。この理由について、武内衆議院総務委員長代理にお伺いしたいと思います。
#19
○衆議院議員(武内則男君) お答えをいたします。
 委員御指摘の点については、平成二十三年にこの法律が制定をされた際に、衆議院の総務委員会、そして参議院の総務委員会で、合併特例債の発行可能期間に関し、政府に対して、合併市町村の実情等を踏まえた上で、東日本大震災の被災市町村について更なる延長の措置を、そして、それ以外の市町村についても被災地と類似の措置を講ずるよう求める旨の決議がされたと承知をしています。政府は、このような立法府の意見を重く受け止めて、翌年の平成二十四年に、今申し上げた点を内容とする改正案を内閣提出法案として国会に提出したものと理解をしております。
#20
○吉川沙織君 平成二十三年改正時は、実はこの当参議院総務委員会で、武内衆議院総務委員長代理は当時、与党の総務委員会理事として質疑に立っておられますし、平成二十四年改正時は、私、若輩でございましたが、与党の筆頭理事として閣法の審査に携わっています。六年間一緒に参議院議員として共に総務行政の推進に携わってきた武内衆議院総務委員長代理から、立法府の意思を重んじた平成二十四年改正であったという答弁をいただけて、私はとてもうれしいです。
 そこで、行政府の立場である総務大臣に伺います。
 今の提出者の答弁、並びに今回衆議院で既になされた決議、そして参議院でもこの後附帯決議を提案をさせていただく予定でございますが、その趣旨、今回の延長発行期間をもって完了するようにと、こういう趣旨を踏まえるならば、立法府の意思を重く受け止めるならば、今回の延長が最後ということで理解は行政府たる総務省と合うか合わないか、方向性が同一か同一でないか、お答えいただければ幸甚に存じます。
#21
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 今回の法案は議員立法で提出されたものでございます。ですから、総務省としてのお答えは差し控えることになりますが、いずれにしても、合併特例債の発行可能期間は合併市町村の一体感を早期に醸成するために設けられたものであること、同時に、合併特例事業については、計画していた事業を実施、完了することが合併の効果を住民の皆さんに実感していただく上で重要であることを踏まえ、総務省としては、国会での御議論を十分に尊重し、今後とも法に定められた発行可能期間内に事業が着実に実施され、完了するよう、適切に対処してまいります。
#22
○吉川沙織君 今の大臣の答弁の中で、国会の意思を十分踏まえとございましたので、私はそれを重く受け止めたいと思います。
 いずれにしても、総務省には、今総務大臣から答弁いただきましたけれども、立法者の意思を踏まえて、今回の延長発行期間を更に延長することなく、住民合意を尊重し、期間内に事業が完了するよう行政府としての取組をお願いして、そして、私たち立法府もその取組状況をしっかり注視していくということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#23
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 過去二回、合併特例債の発行期限は延長されました。今回の法案で更に五年間延長されることになるわけですが、その提案理由は何か、議案提案者に伺いたいと思います。
#24
○衆議院議員(橘慶一郎君) お答え申し上げます。
 合併特例債につきましては、委員御指摘のとおり、東日本大震災に伴って過去二回、発行可能期間が延長されております。しかし、その後、平成二十八年熊本地震等の相次ぐ大規模災害や、全国的な建設需要の増大、東日本大震災の被災市町村における人口動態の変化等により、合併市町村の市町村建設計画に基づいて行う事業等の実施に支障が生じている状況にございます。
 また、百六十を超える地方公共団体から合併特例債の発行期間、可能期間を五年間延長してほしいとの要望があることも踏まえまして、合併特例債の発行可能期間を更に五年間延長する旨の本法案を提案したところでございます。
#25
○山下芳生君 ありがとうございました。
 合併特例債を利用した事業の実施に支障といいますか問題が生じている事例を一つ紹介したいと思います。
 奈良市は、二〇〇五年に、隣接する月ケ瀬村、都祁村と合併し、二十三事業から成る新市建設計画を策定いたしました。その主要な事業の一つが、資料配付しております新たな火葬場建設運営計画である奈良市新斎苑等整備運営事業であります。総事業費五十四億円、うち二十九億円に合併特例債を充てる予定になっております。
 現在ある火葬場は供用開始から既に百年経過しておりまして、途中、当然修理もしたわけですが、老朽化と敷地の狭さが深刻で、火葬の申込みから四、五日の待機というのは日常茶飯事になっております。したがって、新たに建て替えることは必要だと私たちも考えております。
 ただ、事業者の選定の手続に問題があったと言わざるを得ません。手続は公募型プロポーザル方式で行ったんですが、一回目の公募は一者のみの応募で、しかも上限価格を大きく超える金額の提示であったために不調に終わりました。再公募を行ったところ、上限価格内の価格を提示した事業者が現れ、その事業者に選定されましたが、問題は、応募の締切りから事業者の選定まで僅か五日間しかなかったということであります。しかも、再公募は一者しかやはり応募していないということなんです。これは市議会でも、一者だけの応募で競争性が担保されていない、僅か五日でまともな審査ができるのかといった批判が相次ぎました。
 原因はなぜかといいますと、合併特例債の発行期限が迫っていることにあるというふうに言われております。合併特例債を使用するには、この新たな火葬場建設を合併特例債の発行期限二〇二〇年までに建設を終えて完成させる必要があるんですね。そのために、逆算すると、事業者との契約のための議案を今年の三月議会までに通過させなければなりません。そのために、一者応募、しかも五日間という短期間の事業者選定となってしまったわけですが、総務大臣、この合併特例債の発行期限が迫る中で、こういう余りにも短期間で競争性がない応募、事業者選定になってしまっている事態が起こっている問題、どう認識されますでしょうか。
#26
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 合併特例債は、合併した市町村が団体ごとに決められた発行限度額の範囲内で、法に定められた発行可能期間内に市町村建設計画に基づいて実施する公共的施設の整備事業等に活用できるものです。
 各市町村におきましては、議会における予算審議等を通じて、財政の見通しや発行可能期間、そして事業の実施スケジュール等を踏まえながら合併特例債の活用について判断をされているものだと承知しているところです。
#27
○山下芳生君 そういうふうに判断してやってきたつもりなんですよね、奈良市も。ところが、こういう事態が起こっているんです。
 私は、総務省は、合併特例債の発行期限が迫る中でこのような問題が生じることを予測できたと思うんですよ。なぜなら、特例債の発行枠は二兆円も残っております。駆け込み的な利用は当然予測できることであります。それからもう一つは、公共施設の建設には通常数年掛かるということ、これも常識ですので、ですから、もうあと三年で期限が迫ってきているということになりますと、何とか活用したいということで、こういう問題が起こることは容易に予測できたんじゃないかと思いますが、総務大臣、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(野田聖子君) 合併特例債に発行可能期間が定められているのは、合併市町村の一体感を早期に醸成するためです。合併特例債を活用した事業の内容や実施の時期につきましては、あらかじめ定められた発行可能期間の中で、市町村建設計画に基づいて事業が効果的、計画的に実施されるよう各市町村が自主的に判断すべきものと考えております。
#29
○山下芳生君 分かるんです、その建前は。しかし、こういうことが起こっているのはなぜかということを問題提起しているんですね。
 そこで伺いますけれども、合併特例債で建設された火葬場、斎場の数は幾らか、火葬場、斎場の建設工期は平均的に幾らか、お答えください。
#30
○政府参考人(山崎重孝君) 市町村建設計画の中に火葬場、斎場は結構ありまして、全国で約二百事業というふうに認識しております。
 その建設工期ですが、それぞれの事業の内容等により異なってきますから一概にお示しすることは困難ですし、また、施設の性格上、なかなか難航することもあるというふうに認識しております。過去の事例、押しなべて見てみますと、おおよそ三年ないし四年となっているところでございます。
#31
○山下芳生君 今あったように、全国で合併特例債を活用して火葬場の建設等に二百件以上、実際事業がやられているんですね。結構いろいろトラブルが当然ながら住民の皆さんとの間で起こることもあって、建設までに期間が掛かるんですよ。ですから、そういう事態が全国でも、これは奈良だけではなくて起こっているはずなんですね。
 しかも、火葬場建設に関する補助金というのは、この合併特例債以外は災害時に補助する以外はないんですよ。したがって、平時にこういうものを新設したい、もう老朽化したので建て替えたいというときには特例債が非常に利用しやすいということで、皆さんこれ活用されているわけです。ところが、こういう問題が起こるわけです。
 奈良も残念ながらいろいろ住民の反対運動が起こりました。これは、単なる地域エゴではなくて、予定地が土砂災害警戒区域に入っていると。もし土砂災害が起こったら利用できないじゃないか、アクセスできないじゃないかと、余計火葬場を待つ人が増えるんじゃないかということになっていましてね。ですから、これは一定対策を打ったから今回議会で承認されたことになるんですが、私は、特例債の発行期限が迫る中で、自治体に対して早期にこういうことが起こらないようにしてくださいよという注意喚起をすること、総務省として、それから、迫ってくる中で、住民合意や事業者の選定手続に無理が生じていないかを把握すると、この必要があったと思うんですけれども、総務大臣、今までにこういう問題点に対する対策、行ったことありますか。
#32
○政府参考人(山崎重孝君) 先生御指摘のように、合併特例事業につきましては期限がございます。十年間ということをあらかじめ申し上げております。そういった意味で、合併当初から、この期間内にしっかりと実施していただきたいと、計画的にということを度重なっていろいろ申し上げております。
 それから、総務省では、合併特例債の発行期限が近づいてきましたので非常に気にしておりまして、毎年毎年どのような実施状況になっているかということを把握しております。そういった意味で、計画的な活用ということ、それから、法律で定まった期限ですからそれを超えられないということで、相当私どもとしては熱心に要請をしてまいったところでございます。
 今般、先生御指摘のことがございますので、また改めまして事業につきましてどうなっているかということは把握してみたいと思っております。
#33
○山下芳生君 平成の大合併というのは、御存じのように、政府が強引に、私から言わせればあめとむちを使って一気に合併を進めたということに問題点があったと思います。このあめの最大の一つが合併特例債ですね。ところが、もう合併が終わったら、この特例債に関わって様々な問題が生じたとしても、もうそれは知らぬ顔だということでは自治体に対して余りにも冷たいと言わざるを得ません。
 これ、延長するわけですから、同じような問題が更に広がる可能性もあるわけですから、今御答弁あったように、しっかりと自治体に注意喚起をする。そして、どんな問題が生じているのか、しっかり把握して対策を取ることを強く求めて、質問を終わります。
#34
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#35
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、吉川君から発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織君。
#36
○吉川沙織君 私は、ただいま可決されました東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び立憲民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、合併特例債の発行可能期間が合併市町村の一体感を早期に醸成するために設けられた趣旨を踏まえ、今回の延長発行期間を更に延長することなく、合併市町村が市町村建設計画に基づく事業等を住民合意を尊重し、期間内に実施・完了することができるよう、必要な助言を行うこと。
 二、今後の人口減少等による公共施設等の需要の変化等の地域の実情を踏まえ、合併市町村において、住民合意に基づいて合併特例債が効果的・計画的に活用されるよう、周知徹底を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#37
○委員長(竹谷とし子君) ただいま吉川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#38
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、吉川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田総務大臣。
#39
○国務大臣(野田聖子君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。
#40
○委員長(竹谷とし子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#42
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官桑原振一郎君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#44
○委員長(竹谷とし子君) 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#45
○難波奨二君 民進党の難波奨二でございます。
 連日、今国会、いろんな問題が惹起されるわけでございますが、スキャンダル国会というような呼び方もなされる方もいらっしゃいます。また、多くの方に聞いても、まあ大臣もそうでございましょうが、多くの同僚の議員に聞いても、この議会で勤められておる職員の方含めても、こんな国会というのはなかなか過去なかったというのが大体の皆さんの御発言なわけですよね。
 閣僚のお一人として、現在のこの行政の問題等々含めてどのような今感想をお持ちか、大臣、まずお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 まず、それぞれの役所で起きている不祥事について、結果としてそれによって国会が混乱し、それぞれ議員の皆様方にもお怒りを始め、御迷惑を掛けていることについては、閣内の一員として深くおわびを申し上げるところです。
 それぞれ発生した事案の特徴は、それぞれ違います。しかし、大切なことは、一日も早くそれぞれの担当の大臣が調査をし、そして誰が、そしてどうしてそんなことが起きたかということを明らかにした上で収束し、そしてそれなりの処分をし、改めてやはり国会の正常化に向けて取り組んでいかなければならないと思っています。
 私は、総務大臣兼男女共同参画担当でもありますから、昨今の、いわゆるセクハラに関連するような事案も出てきている中、毅然とした態度で、まずはやっぱり事実究明、真実を究明した後に、やはりこれはもう麻生大臣もおっしゃっていますけれども、事実であればしっかりと、それはアウトだということをおっしゃっているので、そういうことを毅然と取り組むことで私たちの信頼回復をし、なおかつ、それぞれの役所に対しても、もう一度原点に立ち返って、誰のためのやはり役所なのか、誰のための公務員なのかということをまた思い出していただいて、大変な時期ですから、今、日本は。これから先々のこと考えると、このことだけに終始しているわけにいかないということは与野党とも御指摘をいただいているところでありますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#47
○難波奨二君 総理は、うみを出すうみを出すというような表現を最近使われるわけですけど、私も予算委員会でも申し上げましたが、国会全体でやっぱり今回の様々な疑惑の全容解明というのはやらなくちゃならない、特にやっぱり内閣がその姿勢を示すべきだと思うし、やっぱり与党の自民党の皆さんがそういう姿勢を示されない限り、私は全容解明というのはもう難しいと思うんですよ。
 今本当に安倍内閣がそういう姿勢にあるか、自由民主党として長い間本当に我が国の政権を担って、国民からも高い高い評価を受けられている、伝統ある歴史のある、そしてすばらしい政策をお持ちの自民党の先生方が、私はやっぱりここは思い切って行動を移すべきだと思うし、そのことを安倍内閣に強く求めるべきだというふうに思うんですが、大臣、いかがでございますか。
#48
○国務大臣(野田聖子君) 大臣としての意見ではありませんが、長らく二十五年国会議員やらさせていただいていて、自民党の中にあって、厳しいときにやはり短期間に総理大臣が替わる政党はいかがなものかという御批判がある中で、やはり今、私たちは安定した長期政権をつくり、そして守っていく、支えていくことがやっぱり国民の利益につながるんだということで取り組んでまいりました。その反面、長期間によることによる弊害で、甘えがあるのならば正さなければならないし、役所の皆さんとの間の緊張感がなくなってしまっているんだったら、もう一度やっぱりそういう緊張感をつくり上げていかなければならないと思います。
 ただ、それは、何をすればというよりも、やはりそれぞれ立場を担っている人の内心の問題で、もう一度やはり安倍総理の下で、私も含めてですけど、私はやっぱり総務省をお預かりしているので、まずは隗より始めよで、総務省の皆さんには、様々なことがあったときにやっぱり身を引き締めていこうということで、常に常にしつこいようですけれども連絡をさせていただいているところですが、本当に、正直あってはならないことの連続でありますから、そこは、もう一度私たち自身がしっかりと緊張感を持つことで、カウンターパートである行政の皆さんにもその気持ちをしっかり伝えていかなければならないなということは日々思っているところでございます。
#49
○難波奨二君 先ほどお触れになられましたけれども、財務省の福田事務次官の問題です。
 事の真実は別にしても、昨日、財務省の大臣官房長名で、財政研究会加盟各社、いわゆるマスコミに対して協力要請のこの文書を出されております。読み上げますが、「女性記者の方々に周知いただきたい内容」ということで三点記載されておるわけですが、「福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。」、「協力いただける方に不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。」、三つ目は、「対応は下記弁護士事務所に委託しており、調査に協力いただける場合は、下記事務所に直接連絡いただきたいこと。」、この三つの内容で財務省官房長、マスコミに協力要請をしておるわけですが。
 これはどうしても分からない、こういう発想になるのが私はどうしても分からないんですよ。事の真実は分かりませんよ、申し上げているように。事の真実は分からないけれども、私は、ちょっと分かりやすく言えば、余りにもまだ男尊女卑の考え方がある、人権というものをよく理解していない。
 そして、私、公権力の濫用にもつながると思いますよ。今の安倍政権の様々な問題というのは、私は公権力の濫用だというふうに思っています。これも同様ですよ。上目線で、被害者のことは考えず、様々なこのパワハラを含めたそうした課題がある中で、各役所も各企業も様々なガイドラインを作ってセクハラとかパワハラのこうした問題について解消していこうということで、今はもう世の中全体そういう流れになっているわけにおいて、役所の中の役所と言われた財務省がこういう発想で今回の問題を解決に導こうとしているのかどうかというのは、私は非常にやっぱり問題があるというふうに思います。
 大臣は男女共同参画の担当の大臣でもございます。女性閣僚という立場で私はお聞きしようとは思いません。是非、担当の大臣として、今回、財務省の取ったこのやり方について私は率直な御発言をいただきたいと思います。
#50
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 まず、セクハラというのはあってはならない女性に対する暴力であります。そして、人権の侵害であります。これについては、男女問わず、本当に心から撲滅していこうという思いを持っていただかなければならないと思っています。
 私もその一報、週刊誌誌上ですけれども、を拝見したときには、非常に財務省の次官の報道でしたから驚きました。今回、現時点で、今朝の閣議の直前に担当されている麻生大臣並びに官房長官ともお目にかかってお話をしました。既に財務省内ではこのことについて調査が始まっており、今のところ加害者と言われておられる福田次官は全面否定をされているというところまでが分かっているところです。
 私は昨日の段階でもう既に表明しているんですけれども、今御指摘の調査の在り方、次官に対しての調査は財務省の中でそれでいいのかもしれないんですけれども、一般論的に、被害者というのは親や友人にもそういうことを告白できないというか、つらいことであるわけです。ましてや、第三者に勇気を持って声を上げるということは、相当本人には負荷が掛かる話だということを知っていただきたいと思っています。
 あわせて、やはり相手の、当事者の関連の方たち、官房長というのは事務次官の部下ということになりますので、その方からの要請を受けてということは、普通、一般としてセクシュアルハラスメントのその現場ではあり得ない形かなと。ですから、私も違和感を感じているということを申し上げたところです。
 いずれにしても、まずはとにかく財務省で、麻生大臣の下、しっかりと皆さんに調査をしていただくことが肝腎であり、私たちは、やっぱりセクハラにとって一番大事なことは被害者を保護することだということを是非改めて、今日もお伝え申し上げましたけれども、男女共同参画担当大臣として閣内でお伝えしていきたいと思います。
#51
○難波奨二君 是非、大臣には積極的な発言をやっぱりお願いしたいというふうに思います。そのことを申し上げて次のテーマに参りますが。
 この委員会でも、そして今国会でも随分議論をこれまでされてきた問題でございますが、例の放送法第四条の話でございます。
 昨日、規制改革推進会議におきまして、今後の議論の在り方について一定の方向性を確認されたということでございますが、その概要について簡単に述べていただきたいと思います。
#52
○政府参考人(林幸宏君) お答えいたします。
 昨日、規制改革推進会議を開催いたしまして、そこで論点を提示されました。具体的には、通信、放送の融合が進展する下でのビジネスモデルの方向性、より多様で良質なコンテンツの提供とグローバルの展開、これらを踏まえた電波の有効活用に向けた制度の在り方の三つの検討課題が示されまして、総理からは、未来を見据えた放送のあるべき姿を大きく議論していただきたいとの御指示があったところでございます。
 四条について様々な報道がなされておりますけれども、未来を見据えた放送のあるべき姿を大きく議論するものであり、特定の課題や特定の条文について絞った形で結論ありきの議論はしていないと承知しております。
#53
○難波奨二君 改めて確認いたしますけれども、具体的な検討課題につきましては、今述べられたあの三点でございます。四条についても触れられましたが、放送法四条の撤廃、見直しについてはまだ諦めていないという、検討の俎上では残っているというそういう認識、受け止めでよろしゅうございますか。
#54
○政府参考人(林幸宏君) 繰り返しになりますけど、規制改革推進会議の検討としては、未来を見据えた放送のあるべき姿を大きく議論するものでございまして、特定の課題や特定の条文について絞った形で結論ありきの議論はしていないと承知しております。
 規制改革推進会議としては、特定の法制度から議論をスタートするのではなく、まずは、その論点で挙げられました、通信と放送の融合が進展する中でビジネスモデルの展開の方向性はどうあるべきなのか、国民がより多様で良質なコンテンツを得られるためにどのようにしていったらいいのか、グローバル展開をどういうふうに考えるのかといったことを議論していくということと承知しております。
#55
○難波奨二君 まあはっきり申されないわけでございますが、この投資等ワーキング・グループの原座長は、昨日の記者会見で、放送法四条の扱いが議論になるのかというふうにマスコミの方から聞かれまして、幅広く議論していきたいと述べられておるところです。この座長の発言からすれば、放送法の第四条はまだ諦めていないというのが明らかになるんだろうと思います。
 そうした立場に立って、大臣に以下何点かお聞きしてまいりたいと思いますが、もう何度も大臣はこの放送法四条についてその御見解を述べられております。改めて、放送法第四条がもし撤廃等なされた場合、どのような影響等があるのか、課題等あるのか、その辺を改めてお聞きしたいと思います。
#56
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、放送法四条に関する検討について、これまで報道のみで接していたところですけれども、昨日の規制改革推進会議においては、放送法第四条に関する具体的な議論とか指示はなかったと承知しているところです。
 その上に立って、放送法というのは、放送法四条が定める番組準則について、まあ一般論を申し上げれば、事業者は、四条を含めた放送法の枠組みの中で、自主自律によって放送番組を編集することにより重要な社会的な役割を果たしてきたものだと認識しているところです。
 もし、その放送法四条が仮に撤廃されるということであれば、何度も繰り返しになりますけれども、やはりいわゆるフェイクニュースと言われる真実に基づかない報道がなされる可能性があったりとか、あとは公序良俗に反する様々なコンテンツが流される可能性が出てくるということであります。
#57
○難波奨二君 次に、議論のテーマとして、放送分野のハード、ソフトの分離の問題も議論をなされておるわけでございますが、この放送分野のハードとソフトの分離について、一層促進ということの状況になった場合の論点と課題についてお聞きしたいと思います。
#58
○国務大臣(野田聖子君) ハード・ソフト分離については、平成二十二年の放送法改正で、経営の選択肢を拡大する観点から、いわゆるハード・ソフト分離の制度を導入してもうおります。もう既に導入しております。無線局の設置、運用、これはハードに関する免許と、そして放送の業務、ソフトに関する認定について、一致又は分離のいずれの選択も可能になっているところです。
 現在、全ての地上放送の事業者はハード・ソフト一致を選択しているところですが、これは放送事業者としての自主的な経営判断の結果というふうに認識しています。
#59
○難波奨二君 放送に関しては外資規制も掛かっておるわけでございますが、放送分野のこの外資規制、現在は二〇%でございますが、これを廃止した場合の影響等ですね、懸念等課題ございましたら、これもお述べいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 放送分野における外資規制について、一般論になりますが、放送事業者は言論報道機関としての性格を有しており、社会的影響力が大きいことに鑑みて設けられたものであり、これまでのところ外資規制は有効に機能してきたと認識しているところです。
#61
○難波奨二君 いい答えがなかなか出ておりませんが。
 最後、これ、放送法の省令で定めておりますマスメディア集中排除原則でございますが、これのこれまで果たしてきた役割と、これを撤廃した場合の弊害、課題等についてお述べいただきたいと思います。
#62
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 マスメディア集中排除原則については、これも一般論ですが、特定の人や企業が同時に複数のテレビ局を保有することを制限することによって放送の多元性、多様性、地域性を確保してきたものと認識しています。
 仮にの話ですが、それが失われるのであろうということが推察されます。
#63
○難波奨二君 様々なテーマにつきまして今答弁いただきましたが、冒頭申し上げたように、この放送法の四条というのは、この撤廃ということをまだ政府内部では諦めているという、そういう状況じゃないということもはっきりしております。我が国の報道の自由、あるいは公正公平な報道、民主主義を守るためにも、この放送法の四条というのはやっぱりその根幹になるわけでございまして、我々もしっかり国会でやっぱり議論していかなくちゃならないし、政府においても、一方的な、意図的な、作為的な議論の誘導というのは、この規制改革会議の中で行っていただかないように強く求めておきたいというふうに思います。
 時間もなくなってまいりましたが、もう一つのテーマでございます、これも似たような話でございますけど、海賊版サイトへのブロッキングの問題でございます。
 これも、憲法で定められている検閲とか通信の秘密とか報道の自由等々ですね、この憲法で定められているものが政府によって一方的に破棄される可能性がやっぱりある課題なんですよ。
 児童ポルノに対する規制というのは、これは二〇一一年から始まるわけでございますが、二年間の長きにわたって様々なやっぱり課題に対して議論されて、そして実施をしてきたわけです。今回は、政府が一方的に三つのサイト、名指しをしてブロッキング対象というものを明らかにしているわけです。
 公権力が、国会での議論、そして国民的な議論がないままに、憲法に定められている、申し上げたその課題というものを逸脱をするようなことが私はあってはならないというふうに思っておるわけです。緊急避難の要件を満たす場合には違法性が阻却されるというところまでおっしゃっておられるわけですけれども、これも一方的な私は解釈だというふうに思いますよ。
 長い時間を掛けて、この国会でも当然審議をして、国民の皆さんにも深く理解をされてこの海賊版サイトへのブロッキングの問題というのは対処すべきだというふうに思いますが、内閣府の方、いかがでございますか。
#64
○政府参考人(住田孝之君) インターネット上の海賊版対策でございますけれども、これ侵害行為が巧妙化をし、また複雑化をしてきて被害の深刻さが注目をされてきたことから、二〇一六年から知的財産戦略本部の下で継続して検討しておるものでございます。
 この中で、諸外国で多く導入されておる手法でございますサイトブロッキングについても検討をしてまいりました。そのほかにも、もちろん権利者からの侵害コンテンツの削除要請の問題、それへの支援の問題、あるいは海賊版サイトに広告の出稿をしないように、資金源を遮断をするということでございますが、それに向けて広告業界に協力をお願いをするということについて支援をしていくといったような様々な方策を検討して実施してきたところでございます。
 一方で、昨今の技術の進展などによりまして、運営者の特定すら難しい、そして侵害コンテンツの削除要請すらできない、こういう悪質な海賊版サイトが登場して非常に大きな被害が特に昨年秋から急速に拡大をしてきたということでございます。
 こうした状況というのが、その今御指摘のございました二〇一一年の前辺りの児童ポルノの議論をさせていただいたときとかなり異なっているのではないかということもございまして、その以降の状況の変化であるということから、こうした点も踏まえて、四月十三日に、知財戦略本部と犯罪対策閣僚会議の合同会合におきまして、インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策を決定をさせていただいたということでございます。
#65
○難波奨二君 このような、今回のようなブロッキングというのは海外の事例というのはあるんですか。
#66
○政府参考人(住田孝之君) このサイトブロッキングでございますけれども、既に海外では四十か国以上の国で導入をされております。例えば、イギリスとかドイツとかフランスとかイタリアとかスペインとか、そういった国で、近くでいいますと韓国でございますとかオーストラリアでございますとか、そういった国々で既に導入をされておるものでございます。
#67
○難波奨二君 著作権者の権益を守るということは、私も十分そのことは理解もするし、否定をするものじゃないんですよ。しかし、やっぱり法的この措置というものをきちっと行ってこのブロッキングを行うというような、そういうやはり手法を取っていただくように強く求めたいと思いますし、その方向性で今後取り組んでいただくということでよろしゅうございますか。
#68
○政府参考人(住田孝之君) 今回の措置でございますけれども、まさに緊急的な措置ということでございます。したがいまして、今回の措置というのは、あくまで法制度の整備を行うまでの臨時的かつ緊急的な措置として行われるべきものであるということ、それから、仮に民間事業者による自主的な取組としてブロッキングを行うとしても、特に悪質な海賊版サイト、この三つのサイトとそれと同一とみなされるサイトに限定することが適当であるということを今回の対策においても明記をしまして、濫用があってはならないということを確認をしております。
 これによって当面のその止血措置を可能とするとともに、今後速やかに必要な法制度の整備について検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#69
○難波奨二君 申し上げたように、憲法に抵触をするその危険性というのは極めてあるわけですよね。そして、重ねて申し上げますけれども、法的やっぱり措置というものをこの国会で急いで、そしてやられてもいいわけですよ、イタチごっこで進んでいることも事実なわけですから。是非そういう対応を政府において置かれますよう強く求めまして、時間参りましたので終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#70
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょっと通告の質問の前に、先ほど難波委員から様々な冒頭お話がありました。男女共同参画担当大臣の野田大臣に是非お話を伺いたいというふうに思います。
 財務省の福田事務次官の今回のセクハラ疑惑の問題が先ほどあったわけでございます。手元に、福田事務次官から聴取結果ということで、財務省の方でヒアリングをした内容が手元にあります。事務次官は、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシュアルハラスメントに該当する発言をしたという認識はないというコメントをされています。まさにハラスメント問題の本質がここに私は出ていると思いますね。自分が認識を持ってそのような対応をするという人が実際どのぐらいの方がいらっしゃるのか、受け手の側がそのように認識をするということが大きな問題だという話だというふうに思います。
 くしくも今、働き方改革の議論が本当にこの国会でなされるのかどうか分からないような状況ではございますけれども、働き方改革の本質は、まさに安心な労働環境というものをどのように整えていくかということが本質だと私は思います。
 我が党では、今、安心労働社会実現法案というものを取りまとめさせていただいて、この国会の中で是非成立をしなければならないというふうに思っております。この我が党の法案の肝になる部分が労働安全衛生法の改正案です。ハラスメント対策、徹底的に行っていく、事業者にもその義務化を課していこうという法案を今取りまとめております。
 財務省の今回の問題ではありますけれども、総務省でも決して対岸の火事ではないというふうに思います。実際に、厚生労働省においても、局長が職員に対してハラスメントを疑われるようなというか、これはもう注意をされているということでございますから、実際にそのようなことがあったというようなことも起きております。真面目に働くそれぞれの公務員の皆さんも、トップの人たちがこのような認識を持っているとなかなか安心な労働環境というものが築いていけない。私は、今非常に我が国のこの政府の中で働く皆さんにおいても不安な状況が今起きているのではないかというふうに思います。
 大臣、男女共同参画担当大臣として、総務省はもちろんですけれども、今のこの政府全体で働く皆さんが今そのような環境に置かれているということに対しては、先ほど少し財務大臣等とお話もされたということでございますけれども、いま一度徹底的にこの今の働く環境について皆さんの意識合わせをするためのリーダーシップを発揮していただいて取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#71
○国務大臣(野田聖子君) お答え申し上げます。
 まず、事実として、いろいろ厚生労働省なり今の財務省なりの、事実確認はできていないわけですが、そういう事案が発生したので、速やかに総務省としては、ちょっと手間を掛けましたけれども、一斉に通達を出して、もう一度やはり職場でのセクシュアルハラスメントについて注意喚起をしてほしいというふうに一斉に連絡を入れたところであります。
 その中に添付している資料、これは、人事院が作って各省庁の皆さんに注意喚起のために渡しているペーパーの中には、しっかりとセクシュアルハラスメントについて、他者を不快にさせる職場、職場以外、職員以外でもですけれども、性的な言動というふうに書いてありますし、また、不快であるか否かの判断というのは、不快であるか否かは基本的には受け手が不快に感じるか否かによって判断しますというふうにしっかりと明記してありますので、先ほど委員御指摘のとおりだと思います。
 なかなかこのことについてしっかりと学ぶ機会が少なくなっているとするならば、いま一度私たちは、総務省としてはしっかりみんなでこのセクシュアルハラスメントの原則をもう一度、忘れている人もいるかもしれないからということであれを出しましたけれども、今閣内全体には申し上げておりませんが、今朝ほども財務大臣始め官房長官、人事の関係でありましたのでお伝え申し上げまして、その旨は私なりにお話をしたつもりです。
 今後とも、緩むことなくしっかりと男女共同参画担当の大臣の立場として取り組むことをお約束したいと思います。
#72
○森本真治君 朝日新聞の今朝のこれは記事でございますけれども、財務省の中からも、今回の財務省がこの実態調査をする取組の中についても疑問視する声が省内からも出ているということですね。被害を訴えた女性の気持ちも考えられないのかと批判されるのは目に見えている、財務省はもう終わった。これ、省内の職員がもうこのようなことを発言するような、これはまあ記事ですからね、幹部としか書いていませんけれども、このようなコメントももう出ているんです。
 国民が本当の今のこの政府の状況を見たときに、本当に今の政府に対してもう信頼していいのかというようなことが、ますますこれは危機的状況になってくる。先ほど大臣は、安倍総理の下でもう一度信頼回復に努めるというようなことも言われましたけれども、安倍政権の支持率も今急激に下がっているような中で、果たして本当に今の政権の中でこの信頼回復が果たしていけるのかということを、我々もしっかりとその部分については国会の中でも追及をしていかなければならないと思いますけれども、信頼回復ができないようであれば、そこは潔く政権をもう譲っていただくしかないというような、そのような思いで我々も、これからも国会の中でもいろいろと議論もさせていただかなければならないということをお伝えをさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、通告させていただいた内容についてお伺いしたいと思います。これまでも私も取り上げてきたことがありますし、この今国会においてもほかの委員さんからも何度か議論がされております、今回は、地方議会また議員の在り方についてということで通告をさせていただいております。
 一昨日の日曜日なんですけれども、私の地元の広島県の府中市というところがありまして、そこで市議会議員選挙が告示をされました。定数二十のところ二十名の立候補者ということで無投票当選、広島県内の市議選では初めての無投票当選ということになりました。二十人のうち六名は新人です。しかも、当初、十九名立候補をするのではないかと言われて、当初引退を予定していた方が急遽立候補されて、ぎりぎり二十名の立候補者が出て、欠員にはならなかったというようなことでございます。
 二〇一五年、前回の統一地方選挙でも道府県議会選挙では、これ九百六十選挙区のうち、三割以上の三百二十一選挙区が無投票となったわけでございます。国民また有権者の皆さんの政治参加というところの最大の機会というのは、投票権を行使するという、この選挙の機会にですね、これが今行使できるということが制限をされているような状況が各地で起きているという状況でございます。来年には統一地方選挙ももう控えておりますので、この問題についてしっかりと我々としても考えていかなければなりません。
 まずお伺いしたいんですけれども、無投票当選というものが全国各地で今起きているこの状況、まさにこれは民主主義の健全な発展に大きく影響するのではないかと危惧するんですけれども、総務省の見解をお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(野田聖子君) お答え申し上げます。
 住民に身近な地方公共団体の果たすべき役割というのは増大しているわけであります。そんな中で、地方選挙は、地域の将来を託す、そういう代表者を選ぶ大変な重要な選挙と思っております。近年、約二割から三割程度、今のお話のように選挙で無投票当選となっている状況にあります。
 地方選挙の無投票当選については、それぞれの地域や選挙によって事情が異なります。様々ありまして、それぞれの個人が立候補するかしないかも個人の選択ということになりますが、なかなか立候補者が出てこないことは、私としても大変残念だと思っています。
 衆議院の方で先般ようやく成立した政治分野における男女共同参画推進法というのはそこにあって、やはり地方議会での女性の議員がとても少ないと、せっかく身近な議会なのにということで、やはり多くの有権者の方に、女性がしっかりとそういう議会で住民のために働けるようにという啓発を訴える法律なんですけれども、私自身もやはり同じ意識を持っていて、せっかくやはり選挙が権利があるので行使できるよう、そして行使した結果がより良い、住民の気持ちにより良く近づけるようなものにしていただければというふうにはいつも願っているところであります。
#74
○森本真治君 投票権を行使するか棄権をするかというのは、これは有権者のまたそこは判断というものはありますけれども、先ほど大臣の方もお話しいただいたように、そもそもこの権利を行使するその環境をしっかりとつくっていかなければならない、それには、立候補する議員の数、人というのもどんどんと増やしていくというか、立候補しやすい環境をつくっていくというのは、当然これ制度をつくっていく上では非常に必要だというふうに思います。
 これまでも、総務省としてはこの認識は持たれているというふうには私も理解しておりまして、この間、様々な研究会というのも立ち上げられて議論をされたというふうに私も理解をしております。私が手元にある中でも、平成二十六年にも地方議会のあり方に関する研究会というのがありました。次の年の二十七年にも地方議会に関する研究会というのがありました。平成二十九年、これは昨年ですね、地方議会・議員に関する研究会というのもありました。
 研究会をこうして何度も何度も立ち上げているわけでございますけれども、具体的に総務省としてはこの研究会の報告に基づいてどのような対応をしてきたのかということについてお伺いしたいと思います。
#75
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、研究会を毎年のようにやってきております。それぞれの研究会、地方制度調査会に対応したり、それから今後の議論に対応したりしてきておるのでございますが、具体的に申し上げますと、例えば、公聴会や参考人制度など、現行の地方議会制度を活用した民意の的確な反映や住民参加の拡充に資する議論、それから地方議会における情報発信の充実や議会活動に対する評価の仕組みなど、各議会の自主的取組に住民の関心、信頼の確保についての議論とか、それから実効的な代表選択という観点からの選挙制度についての学術的な見地に立った議論、こんなことをしております。
 多角的に議論してきたところでございますが、後続の研究会に生かしたり、先ほど申しましたように地方制度調査会の議論に参考にさせていただいたりしております。具体的には、例えば地方議会に関する研究会における決算の認定に係る制度の在り方に係る議論というのは、二十九年に成立いたしました地方自治法の一部を改正する法律の検討に生かされるなどしております。それから、昨年の地方議会のあり方に関する研究会、初めて議員の選挙につきまして議論したのでございますが、これは今回の町村議会の研究会にまたその議論が参考にされております。
 そういった意味で、研究会は度重なる部分がございますが、それぞれ制度改正にどう生かすかということを議論しているところでございます。
#76
○森本真治君 選挙は四年に一回ですから、毎年毎年この成果がどのように出ているのかということをもちろん評価することはできないわけでございますけれども、四年に一回の、特に来年の統一地方選挙、果たしてどれだけの方が立候補されるのかというようなことも注視をしていかなければならないなというふうにも思っておりますけれども。
 多くのこうして研究会を立ち上げた中で、今回も新たに町村議会のあり方に関する研究会ということが設置されたわけでございまして、この報告も出されているというふうに思いますが、地方議会全体、先ほどは、道府県議会選挙でも三割以上の無投票選挙区が起きているというような中で、なぜこの町村議会に限って今回検討したのかということをお伺いしたいと思います。
#77
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 まず、今回はかなり深刻でございまして、昨年、高知県の大川村で、議員のなり手不足を理由として、議会をやめてしまって町村総会を設置したいという議論が行われました。そういった意味で、小規模市町村における議員のなり手不足の深刻さというのをかなり象徴する出来事として私ども重く受け止めました。
 さらに、そういう意味で見ますと、平成二十七年の統一地方選挙を見ますと、指定都市では無投票当選者数の割合は一・七%、その他の市では三・六%でございますが、町村では二一・八%というふうになってございます。そういった意味で、小規模市町村ほど深刻な問題で、しかももう一つ、二〇四〇年の姿をよく研究会もやっておるのでございますが、小規模市町村ほど人口減少率が更に大きくなるというように見込まれております。
 そういった意味で、地域における行政サービス、議会の持続可能性がまさに問われていると認識しておりまして、まずはそこにその対象を絞って議論を拡散させずに、どんなふうに議会が持続可能になるのかという検討必要だということで、そこに絞った研究会を立ち上げたわけでございます。
#78
○森本真治君 特にこの小規模な議会、町村議会の問題が深刻だと、大川村の問題もあったというようなことであります。町村総会についてもちょっと後ほど聞きたいと思いますけれども、その問題意識は理解をするとして、今回のこの研究会の在り方についても少し聞きたいというふうに思いますけれども。
 今回の研究会でございますけれども、実は、今日配付資料にも付けさせていただいておりますけれども、町村議会議長会だったり市議会議長会からもいろんな意見が出て、どちらかというとこれ批判的な意見が出ているというふうに私は理解をしております。
 それで、まず、この研究会の構成員でございますけれども、メンバーについても見させていただきましたけれども、全て大学の先生ですね。一番実態を分かっている現場の声というものがこの研究会には生かされていない。なぜこのような構成メンバーで、しかもこれ非公開ですかね、たしかこの研究会は。というようなことで、非常にそこが、それぞれの議会の皆さんからもちょっと不信感というか、批判の声も上がったというふうになったと思いますけれども、なぜこのような形で研究会を行ったのかについてもちょっと説明いただけますか。
#79
○政府参考人(山崎重孝君) まず、今回の研究会は、大川村の本当に厳しい声からでございました。そこで、まず私どもとしては現場に行く必要があるだろうということで、担当官を昨年六月に、浦幌町、飯綱町、那賀町、小値賀町、こういう議会の改革に取り組んでいる小規模な町村にまず派遣をいたしまして、議長さんとか議会の議員さんに直接お話を聞いてまいりました。それから、現実に町村総会の検討をしたことがある団体が大川村と王滝村でございましたので、この団体にも担当職員を赴かせまして、意見交換をさせてまいりました。そうした意味で、資料を調製するに当たりましては更に複数の団体の取組の内容等も伺いました。まず、現場はその小規模な団体の現状を聞いてきたところではございます。
 それから、実は、私どもとして若干意外でございましたのですが、都道府県議長会と町村議長会と市議会議長会はオブザーバーとして毎回参加しております。全て議論をお聞きいただいておりまして、それから資料も全てお渡ししております。そういった意味で、私どもとしては、むしろ議長会のお立場というものを余りここでお出しになりますと、何といいますか、それぞれがなかなか議論として進まない部分もあるだろうという前提で、今回、まずは議員のなり手不足という課題に対して新たな視点から一石を投じようということで、有識者の方々に自由に議論をしていただいたということでございます。そういった意味で、フィードバックもしながら、それから現場のこの意見も聞きながら進めてきたつもりでございます。
 いずれにしても、総務省としては、報告書の提言を議論の材料といたしまして、三議長会を始めとする関係者の御意見を丁寧に伺いながら、必要に応じて、地方制度調査会の議論をお願いすることを含め、対応を検討してまいりたいと考えております。地制調には六団体も衆参両院の先生方も入っていらっしゃいます。
 以上でございます。
#80
○森本真治君 総務省の見解は分かりましたけれども、先ほどのハラスメントの問題と絡めていいのかどうかということはちょっと非常に慎重に言わなければなりませんけれども、これは新聞記事でもあります。実際にオブザーバーでも参加していただいたということですけれども、実際にこの町村議会議長会の会長さんは、全国を束ねる議長会に今回の研究会について打診もなければ相談もなかったとか、押し付け、大きなお世話だというようなコメントを出されているわけですね。全くこれ信頼関係がないというふうに私は受け止めるんですね。丁寧にも丁寧にやらなければ、やはりこういう物事を進めるときには、非常にいろんな問題が後々発生してくるということになりかねないということですね。しっかりとその辺りも努力をやはりしていかなければならないのではないかなというふうに思います。
 実際に、今回資料にも付けさせていただいたような見解ももう出されているわけでございますね。今後、このような意見に対してどのように対応されようとしているのかということについてもお伺いしたいと思います。
#81
○政府参考人(山崎重孝君) もちろん、この報告書、かなり波紋を呼びまして、一石を投じる以上の効果があったかもしれません。三議長会の御意見、各方面からの御意見、それからマスコミにもいろいろ議論いただいていますので、これを十分踏まえまして、この報告書は一つの議論の材料といたしましてこれから検討を進めてまいりたいと思います。こういったことで、建設的な議論をして、持続可能な議会の姿というのを模索してもらいたいと思っております。
 そういった意味で、大臣とも御相談しながら、今後、必要に応じて地方制度調査会の議論をお願いすることも含め、対応を検討してまいりたいと存じ上げております。
#82
○森本真治君 今後のことについて、大臣の思いは最後にちょっとまとめて総括的にお伺いしたいと思いますけれども。
 その前に、町村総会のことについても、今回一石が投じられたのでお伺いしたいというふうに思いますけれども、そもそも憲法九十三条、議会の設置というのがこれ憲法で義務付けられているわけでございますけれども、自治法の方で町村総会ということが設置できるということになっているわけですね。でも、これ両方設置するということはできないと思うんだけれども、憲法では議会をちゃんと設置しなさいとなっているのに、法律の方で町村総会が設置できるということになっているんですね。そのことについてのちょっと理由というか、それを説明していただけますか。
#83
○政府参考人(山崎重孝君) 先生御指摘のとおり、憲法九十三条第一項で、「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」というふうに規定されております。一方で、地方自治法九十四条があるわけでございますが、政府としての解釈は、憲法に言う議事機関としての議会に町村総会は当たると、町村総会は憲法で言うところの議会であるというふうに解されているところでございます。
#84
○森本真治君 分かりました。
 その中で、ということは、これは憲法違反でもないというような今解釈だというふうに思いますけれども、今回の研究会では、この町村総会の可能性については実施が困難だというような報告が出されているというふうにも私理解しておるんですけれども、これは実際に、法律ではこれ設置ができるということだけれども、今回はそういうような結論が出ているということについては、総務省としてはどのようにその辺について認識しているのかということも教えてください。
#85
○政府参考人(山崎重孝君) おっしゃるとおりでありまして、大川村が町村総会をやりたいという話でございましたので、これをまず初めに現実的な解決策になるかどうか議論をいたしました。私どもも、町村総会、把握しておりますのは過去に二例でございますので、その背景とかを今回研究会で調べて議論をいたしました。
 まず、制度の創設当初というのは明治二十一年でございまして、市制町村制制定当時に有権者の範囲が小さかったわけでございます。満二十五歳以上の男子で一定の納税要件を満たすと、そういう公民という非常にごく僅かな方々が有権者で、その方々でその議会を選ぶのではなくて、もうその少ない方々で集まったらどうかという制度だったようでございます。
 それで、現在に当てはめますと、平均寿命が延びておりまして、移動に支障がある有権者が増加していること、それから平成、明治、昭和と三回の合併を経ていますので有権者がかなり多いと、有権者が多い会議体にならざるを得ないと。実に、大川村でも三百五十四人が有権者でございます。それがなかなかうまくいくかどうか。
 それから、念のために、ニューイングランド地方とかスイスの制度を調べたのでございますが、これは定足数はもう考慮しないとか、集まった人だけで議論をすればいいとか、審議は議論して採決は住民投票だとかという話がございました。
 そうすると、それを持ち込みますと、先ほど先生御指摘ありましたように、町村総会は議会だというその解釈と矛盾するんではないかとか、それからICTを使えばどうかというのも考えてみたんですが、リテラシーの点でどうかという話がありまして、現状、三百人とか四百人有権者がいるというところでは、町村総会について実効的に開催はなかなか難しいんじゃないかという結論に達しました。
 ただ、現在人口最小団体である青ケ島村ございますが、約百四十名程度でございます。それから、これは望ましいことではないんですが、小規模な団体ほど人口減少が進展するというふうに考えられておりますので、将来的に町村総会が設置される可能性もこれはあり得るんだろうというふうに思っております。
#86
○森本真治君 今の現状の中で、だからこの町村総会が現実的ではないというような今報告なども、研究がなされているということでございますけれども、一方で、この制度自体を否定しないのであれば、実態に合った町村総会の在り方というものも制度設計を考えていく必要もあるんではないかというふうに思いますね。
 一方で、もうこれは現実的ではないということで、自治法からこの制度をもう取ってしまうというような判断もあるかもしれませんけれども、少なくとも今はこの現行法律がある中でいったときには、一つはこの大川村の問題提起もあったわけでございますから、その制度設計についてしっかりとつくっていくということはやっぱり考えていく必要もあるのかなというふうに思うんですけれども、その辺りについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか、法改正の問題で。
#87
○政府参考人(山崎重孝君) 実は、研究会でもいろいろ議論がありまして、現状三百数十人というふうな有権者だとほぼ困難だろうと思っておるのでございますが、将来的にやれる可能性が、望ましいかどうか分かりませんけど、人口が数十人になったとかというときにある可能性がありますので、直ちに削除するかどうかという議論はあると思います。
 ただ、今回、実は多人数の参画型の議会も出しておりますが、例えば公務員が町村総会に加われるのかどうかとか、それから町村総会も定足数二分の一だとか、実際上、やっていきますと、かなりいろんな議論はあり得ると思います。
 ただ、今回の報告書では、現実的ではないので、この規定についてどうこうするは言わずに、それで、むしろその町村総会を発展的に議論していくと二つのタイプの議会のパターンがあり得るというところの問題提起があったというふうに承知しております。
#88
○森本真治君 これまでも、いろんな地方議会全体の在り方についての研究会などもずっと総務省としてはやられてきて、いろいろ地方制度調査会などへ反映してもらおうとか、そのようなことはしてきたと思いますけれども、なかなか目に見える形でのその成果というか、変わったというようなところが見えてこないところもあります。
 これまで、様々なこの地方議会の問題を論ずるときに、やはりこれは、議員の例えば身分の問題なども含めて、やはりこれ議会の方でしっかりと議論もしてもらわなければならないというようなことも、私は答弁としてもあったというふうに思います。
 ちょっと大臣の方に今後のことについてお伺いしたいんですけれども、これまでも、例えば立候補に伴う各種制度の整備というような中で、休暇を保障する制度をどうしようとか、休職や復職制度などについてもどうしようかというようなこともありました。今日はちょっともう時間がなくてできませんけれども、議員年金の問題も、これも真剣に考えていただかなければならない問題ということもあります。
 先ほどの議長会などの意見なども踏まえて、今後具体的にこれどのように進めていこうというふうに考えていらっしゃるのか、ちょっと大臣の方にそのお考えをお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 今回の報告書の提言については、先ほどいろいろやり取り、御指摘があったように、全国町村議会議長会や全国市議会議長会、いろいろなところから御意見、厳しい御意見もありました。十分承知した上で、それはあくまでも報告書の提言を議論の材料として、これまでも人口減少だといいながら、とりわけ地方にそれが及んでいて、それでなり手不足になった結果、大川村が非常に苦しい、町村総会にいくかというところで御相談をいただいたものですから、やはりこれは大川村だけのことではなくて、ずっと人口減少の負荷が掛かるのは全ての市町村ということを前提に、とりわけそういう人口の少ないところから順番にそういうことになってくるんだろう。なり手不足がどんどん出現することに先立ちて、町村総会あるべしなのか、やっぱり違う形で議会があることもいいのではないかとか、様々な本来ならばもっと前からそういう意見交換をするべきだったんですけれども、それに至っておらず、今回、相当厳しい状況だということを踏まえて、この検討会をし、提言を出させていただいたところです。
 これ、決して結論ではございませんので、むしろそこから大いにそれぞれの、もう市町村といっても様々だと思います。それぞれの個性があります。そして、既に総務省の方でも通年会期制みたいな創設もしていて取り組んでいる中で、いい横展開なんかをやっていきたいと。
 短くしろということなので。今御指摘のいろいろな要望も踏まえてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
#90
○森本真治君 議会の方もこの問題をしっかりとこれからもやっていかなければなりませんので、是非、委員長の方に、これ地方議会の関係者、是非この委員会に参考人として呼んでいただいて、集中審議もこの問題について検討していただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。
#91
○委員長(竹谷とし子君) 後刻理事会で協議いたします。
    ─────────────
#92
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として山本順三君が選任されました。
    ─────────────
#93
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 先月、首相方針とされる放送事業見直しの内容が報じられ、波紋が広がっております。とりわけ、放送番組が政治的に公平であること、報道は事実を曲げないですることなどを定めた放送法四条の撤廃について、厳しい批判と不安の声が上がっております。
 メディア論が専門の上智大学音好宏教授は、安倍首相側がこの時期に放送改革を言い出したこと自体がメディアに対する牽制の意味合いを持っているのは間違いないと述べておられます。そのとおりだと思います。公文書の改ざん、隠蔽、捏造などで自ら招いた国民の信頼低下をメディアのせいにして牽制するなど、言語道断と言わなければなりません。放送業界は、首相を応援してくれる番組を期待しているのではないか、政権のおごりだとの声が上がるなど、そろって警戒を強めております。多くの国民・視聴者が不安に感じているのも、放送が今以上に政府寄りとなるのではないかということであります。
 そこで、野田大臣に伺いますが、放送法四条撤廃の動きに対するこうした批判と不安について、所管大臣としてどう認識されていますか。
#94
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 規制改革推進会議における放送法四条を含む放送事業の見直しに関する検討については、これまで報道のみで承知していたところでありますが、昨日の会議におきまして見直しに関する具体的な議論や指示はなかったと私は承知しています。
 特に、報道で取り上げられている放送法第四条について、一般論ですが、放送事業者は四条を含めた放送法の枠組みの中で、自主自律によって放送番組を編集することにより重要な社会的役割を果たしてきたものと、何度も申し上げてきましたが、認識しています。
 総務省としては、昨年、閣議決定をされました新しい経済政策パッケージ、これを受けて、放送用の周波数の有効活用について有識者懇談会を設けて検討を行っているところですけれども、今後、規制改革推進会議の議論についても協力はしてまいります。
#95
○山下芳生君 放送法には、四条のみならず、第一条「目的」にも、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること、あるいは放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることなどの原則が明記されております。放送の不偏不党、真実及び自律の保障、そして政治的公平、これらが放送法に書き込まれたのはなぜか。そこには戦前の放送が犯した大きな過ちへの痛苦の反省があります。そのことを再確認するために、今日は戦前の放送の実態がよく分かる文献を参考資料として配付いたしました。
 まず、忘れてならないのが、戦前の放送が国民を戦争に駆り立てる道具になってしまったという事実であります。資料の一ページ目から六ページ目まで掲載しているのが日本放送協会編の「日本放送史」という資料です。昭和二十六年、一九五一年発行の文献であります。
 少し引用、紹介したいと思いますが、「昭和十六年(一九四一年)十二月八日、国民は午前七時の臨時ニュースで、初めて米英との開戦を知った。」「この日から、放送は政府と軍の発表機関に堕し、情報局の放送指導は凡ゆる面において強化されたのである。放送番組の編成会議は、戦争勃発直後は毎日、暫くして隔日、やがて一週間に一回宛開かれたが、すべての審議は、情報局の放送担当官の出席と、その指導の下に行われた。軍の政府は、情報局をその発表機関としたのであるが、放送指導の理論がナチス・ドイツの放送政策をそのまま取り入れた点に、大きな特徴があった。」「報道は、その形式内容ともに、全くの戦時放送の形態を取るに至っている。ニュースの配列は、戦況と宮廷関係を第一とし、次いで国策、社会、外電という風であった。また国民に感激を与え、ニュースを効果あらしめるため、戦果放送の場合は、陸軍の行進曲或いは海軍マーチを使用する方法を取った。やがて「敵は幾万ありとても」、「海行かば」が、海軍将兵の悲壮な犠牲を彩るようになった。」などであります。
 最後に、次のページも一つ紹介しておきたいと思いますが、「戦争中の重要種目であったニュースや講演を通じて記録されなければならないことは、第一に戦況の一方的押しつけと、必勝の信念、八紘一宇の合言葉などの氾濫である。指導者は国民に対し知らしむべからず、倚らしむべしの態度を取って来た。国民は官製の宣伝に踊らされただけであり、正しい意味での報道は行われなかった。」ということであります。
 これは、戦前の放送の実態をよく知る当事者が戦後その反省の決意を込めて書かれた文章だと、その思いがにじみ出てくるなというふうに私は感じましたが、大臣に伺いますが、戦前の放送が国民を戦争に駆り立てる道具になってしまったという事実について、大臣はどのように認識をされていますか。
#96
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 戦前の放送を規律していた無線電信法において放送は政府の監督下に置かれており、同法に基づく許可を受けた一般社団法人日本放送協会も、特に戦時中は政府の統制下に置かれたものと承知しております。
 放送が国民を戦争に駆り立てる道具として利用されることは、当然あってはならないことだと思います。戦前のこうした経緯も踏まえて、戦後、表現の自由を保障する新憲法の下で放送法が制定されることになったということを承知しているところです。
#97
○山下芳生君 あってはならないということでありました、そのとおりだと思いますが。
 資料七ページ目を御覧いただきたいと思います。左側に、竹山昭子先生が書かれた「戦争と放送」の「序」を引用しておきました。竹山先生は、東京放送、TBS勤務の後、昭和女子大学で教鞭を執られた方であります。
 ここには、「一二月八日の開戦の日、情報局第二部第三課長の宮本吉夫は、「ラジオの前にお集り下さい」という放送を行っている。「いよいよその時が来ました。国民総進軍のときが来ました。政府と国民ががっちりと一つになり、一億の国民が互に手をとり、互に助け合って進まなければなりません。政府は放送によりまして国民の方々に対し、国民の赴くところ、国民の進むべきところを、はっきりとお伝え致します。国民の方々はどうぞラジオの前にお集り下さい」と、政府はラジオを通じて国の方針を伝達すると述べている。ここでは当然のことのように、「放送は政府の情報機関である」という認識の上に立って発言していることがみとめられる。」。
 先生はその前に、「政府は、ラジオの持つ広範性、同時性、そして直接性、この直接性というのは政府の意向がじかに効果的に伝えられるという直接性だが、そのことをよく知っていた」ということを述べておられます。
 もう一つ紹介しておきたいと思いますが、資料六ページの、前のページになりますが、左側には、この竹山先生が研究されて、先ほどちょっと「日本放送史」にも触れられていました、ナチス・ドイツの放送変革を参考にして、その方針の下に戦前の日本放送協会の機構改革が行われたと、その類似点について研究して述べておられます。これは非常に重要な資料だと思いますが、これはもう紹介だけしておきたいと思います。
 私が重大だと思ったのは、もう一つ忘れてならないと思ったのは、戦前はうその放送が平気でまかり通っていたという、その怖さであります。
 また資料二ページ目に戻っていただきたいのですが、先ほどの黒線の後半に、「第二に、諸外国の言説の勝手な歪曲である。厳重な検閲を経て発表される外国電報は、国民の前に提示される時は、都合の良い部分だけが抽出され、勝手な歪曲を行い、宣伝の用に供されていた。アメリカの対日放送の聴取を絶対に許さなかったのは、国民の目と耳を鎖国化して、軍官に都合のよい宣伝のみを行おうとする意図にほかならなかった。」ということであります。
 それから、同じく資料七ページ、またあちこち行って申し訳ないですが、七ページには「放送史の暗い四年間」と題した文章を載せておきました。書いたのは、開戦時NHKの企画部副部長だった崎山正毅さんであります。
 「こわい、放送のウソ」。「そのうちで、一番気になるのは、やはり、放送のうそということです。戦争のはじめはともかく、半ばごろから、政府や大本営の発表に、戦果をはじめ、アメリカ、イギリスのこと、わが国のことについて、うその放送が多くなったこと」でありますということを、これはもう開戦時の日本放送協会の企画部副部長だった方が一九九〇年に書かれた本ですけれども、こういうことを述べておられます。
 大臣に伺いたいんですが、戦前の放送が、政府が言うがままの情報を流しただけにとどまらないで、うその情報を流した。先ほど、大臣がフェイクニュースという言葉を引用されていましたが、まさに戦前の放送はフェイクニュースだらけだった、この点について大臣の認識伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 報道機関である放送事業者が真実に基づかない放送を行うことは、当然あってはならないことと思います。
 戦後、新憲法の下で放送法を制定するに当たり、表現の自由と公共の福祉のバランスを確保するため、放送法第四条が規定する番組準則において、「報道は事実をまげないですること。」、いわゆる真実の報道の規定が定められたものと、あると認識しているところです。
#99
○山下芳生君 大事な点を確認したと思います。
 私、いろんな資料を読んでいまして、さらに戦前の放送の実態を振り返って深刻だと感じたのは、国民を戦争に駆り立てる道具としての役割を担わされたというだけではなくて、放送事業者が自ら進んで買って出たという事実であります。
 一枚物として追加配付した資料に、一九四二年一月一日、当時の日本放送協会会長小森七郎による「聴取者の皆様へ」と題する放送が載った文献を載せておきました。左側、かぎ括弧の中ですが、「昨年一二月八日、我が国が遂に多年の宿敵、米英に対し戈を執って立つに及びまするや、我が放送事業も亦即時之に対応する新たなる体制をとるに至ったのであります。──番組内容は悉く戦争目的の達成に資するが如きもののみと致しました。──私共全国五千の職員はこの重大なる使命に感激しつつ、愈々以て職域奉公の誓を固くし、全職員一丸となって懸命の努力を致しておるのであります」と。
 まあ本当にこれを聞いて、こういう形で、もうまさに放送事業者が自ら戦争に国民を動員する役割を進んで買って出たと。職員全員一丸となってその役割を担うんだという、そういう残念ながら決意表明になってしまっているわけですが、野田大臣、これも私は戦前の放送の痛苦の反省点として記憶にとどめておかなければならない問題だと思います。放送事業者が自ら進んでこういう役割を買って出た、この点、大臣の認識伺いたいと思います。
#100
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 繰り返しになるわけですが、ゆえに、戦後、新憲法の下で、表現の自由と公共の福祉のバランスを確保するために、第四条において真実の報道の規定が定められたものであり、報道機関である放送事業者が真実に基づかない放送を行うことは当然あってはならないということだと思います。
#101
○山下芳生君 先ほどから割とあっさりとお答えいただいているので、少し確認したいんですけれども、真実を報道しないことがあってはならない、うそをついてはならない、そして政府の言いなりになってはならないということを、まあ当たり前のことのように今大臣からは御答弁あったんですが、私は、そのことによって、そういう放送によって国民が戦争に動員されてしまった、その結果を私は今の放送事業者の共通の痛苦の反省、教訓にする必要があると思っているんですが、戦争に動員する役割を自ら買って出たと、その点について、大臣のお言葉でもう一度述べていただければと思います。
#102
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 当然のことでありますけれども、放送が国民を戦争に駆り立てるようなことはあってはならない、そう思っております。
 ちょっと今日は体調悪くて済みません。
#103
○山下芳生君 かつてあったことを深く反省する必要があるという点はいかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
#104
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 そのとおりであります。
#105
○山下芳生君 ここは本当に実態を踏まえて深く認識しないといけないと思っているところです。その反省の上に立って戦後の放送は出発したと思います。
 資料八枚目、最後のところですけれども、これは、私はその痛苦の反省がにじみ出る決意表明として感激的に読みました。一九四六年四月三十日、日本放送協会会長高野岩三郎の就任挨拶であります。
 黒線引いているところですが、「太平洋戦争中のやうに、専ら国家権力に駆使され、所謂国家目的のために利用されることは、厳にこれを慎しみ、権力に屈せず、ひたすら大衆の為に奉仕することを確守すべきであります。」。傍線引っ張っていないんですが、その下、「広範な国民大衆と共にあるためには、一党一派に偏せず、徹頭徹尾不偏不党の態度を固く守ることの必要は、申すまでもありません。ラジオとしては、民主主義的であり、進歩的であり、大衆的であること以外には、何等特定の政治的意見を固執してはなりません。 勤労者大衆と共に苦しみ、共に楽しみ、勤労者大衆と共に新日本建設へ奮ひ立つこと、ここにラジオの第一使命があると存じます。」と。
 やはり、戦前の放送が担わされた、あるいは担った痛苦の反省から、こういう新たな放送の出発点としての決意がほとばしっていると、並々ならぬ決意を感じたわけですが、こういう出発点を日本の放送は持っていると、これは忘れてはならないと思いますが、この点も大臣の感想を伺いたいと思います。
#106
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 おっしゃるとおり、戦後、表現の自由をしっかり保障する新憲法の下で、国民の知る権利を充足するために放送法が制定されました。放送事業者の自主自律を旨とする放送法の枠組みの中に、放送番組を編集することによってしっかりとこれまで重要な社会的役割を果たしてきたと認識しているところであります。
   〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
#107
○山下芳生君 肉声が聞きたいんですね。私は、高野岩三郎さんのこの決意は、相当ほとばしっていると思いますよ、戦前の反省が。それにじみ出ていると思いますよ。そのことを大臣の肉声で聞きたいんですよ。どうでしょうか。
#108
○国務大臣(野田聖子君) 今日はたくさんの資料をいただきまして、なかなかふだん触れることがない戦争中の放送のありよう、そして戦後の反省を踏まえて、日本放送協会の責任者の皆さんが今委員御指摘のような表明を至ったということについては、非常にたくさんのことを学ばせていただいたと思います。
 確かに、先ほどちょっと注意されましたけれども、そういういろいろ苦しい歴史の中にあって、今そういう我々の放送の、放送法四条の源があるということを改めてやっぱりかみしめて、しっかり取り組んでいきたいなということを感じているところであります。よろしゅうございますか。
#109
○山下芳生君 大変伝わってまいりました。大変伝わってまいりました。それがやっぱり私は放送法を所管する大臣として大事だと思うんです。
 やはり一条、四条を含む放送法を貫く根本精神は、国家権力からの独立、自律を保障し、表現の自由を守ることにあります。それを投げ捨て、踏みにじるような放送法改変には、私は、立場を超えた共同でこれは阻止しなければならないということを述べて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#110
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。
 質問させていただきます。
 今日は、一般質疑ですから久しぶりに消防の質問をさせていただこうかと思ったんですが、しかし、皆さんがいろいろ、例の規制改革推進会議が放送事業の見直しについて議論を始めると、皆さん御心配ですよね。よく分かります。ただ、放送と通信がこれだけ融合してきていますから、私は見直しを議論することは大いにいいと思う。ただ、規制改革推進会議がどういうメンバーか知りませんが、いろんな人がおりますよね。凝り固まった原理主義者みたいな人もいるから、やっぱりちゃんと立法府が監視しないと。我々の放送は所管、当委員会の所管ですから、大いにこれからも審議の進行と合わせて我々が議論して、意見表明させていただきたいと、私もその一人に入らせてもらおうと、こう思っておりますが。
 その放送法の所管は総務省ですから、是非大臣、意見聞かれると思いますよ、規制改革推進会議で。堂々と言われたらいい、意見違うことでも、彼らとはね。違って当たり前なんで。その決意を一言。肉声でなくて結構です。
#111
○国務大臣(野田聖子君) 質問通告いただいておりませんので、自分の言葉で申し上げるならば、この委員会でも度々、与野党各委員の皆様方には放送法四条について御指摘いただきました。
 報道で承知している限りで、実際に昨日、規制改革会議があって、そこでは放送法四条が取り上げられることはなかったというわけですけれども、確かに御指摘のとおり、放送と通信は技術的にはイノベーションによって融合状態にあります。それぞれが動画配信できて、それを見ることができる。視聴者にとっては、これがテレビでこれが通信となかなか見分けも付かなくなってくる中にあって、だからこそしっかり放送法の意義、そして通信の役割というのを議論していただいて、是非とも御示唆を賜れればと願っています。しっかり取り組んでまいります。
#112
○片山虎之助君 よろしくお願いします。
 それでは、消防の話を始めますが、今、消防は、もう皆さん御承知のように、一番大きい問題は消防団員の減少ですよね。
 これは、一番多いときは昭和二十年代の終わり頃なんですけど、二百十万人以上おったんですよ。ところが、今は八十五万人ですよ。それは、都市化、サラリーマン化、少子化でどんどんどんどん減っていくんですが、消防は消防団というボランティア消防と常備消防というのがあるんです、専門の公務員の。それは、常備消防の方は次第に増えていっているんです、数が、今十五万弱ぐらいですね。
 だから、消防団がどんどん減っていくので、消防団は専門的な能力よりも数なんですよ。数が減るということはそれだけ弱くなるということなんで、やっぱり関係の皆さん、どうやって消防団員を確保するかということは、みんな心配していろんな苦労をされている。
 そこで、検討会をつくられて、消防庁の中に、一月九日に検討会が報告書を出しましたよね。それを十九日に、全国にこれを、こういうのが出ましたよということの連絡をしているんですよ。それが、一つは大臣が書簡で、これは市町村長、都道府県知事ですよ。それからもう一つは、消防庁長官が都道府県、市町村という団体に通知を出しているんですよね。最近は、大臣が書簡を出して、長官が通知を出すんですか。そういうことがはやっているんですか。それと、どういう意味があるか、教えてくださいな。
#113
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘のとおり、消防団は地域における消防防災体制の中核的存在であります。そして、地域住民の安心、安全の確保のために大きな役割を果たしていますが、御指摘のとおり、消防団員は年々減少しています。
 そんな中で絶対的に消防団員の確保をしなければならないという思いから、地方公共団体において積極的に推進してもらいたく、今年一月に消防庁長官通知を発出しました。そこには、具体的に、基本団員の確保と併せて、今お話があったような、人手不足になる場合に限り出動する大規模災害団員の導入とか、女性、学生、又は地方公務員などの入団促進、事業所、経済団体との連携の推進、そして消防団員の報酬改善など、消防団の活動環境の整備について消防庁長官からお願いをいたしました。
 この通知の趣旨については、その担当者だけじゃなくて、やはり地方公共団体の首長さんの御本人がまずしっかり理解していただきたく、そしてさらには、その強力なリーダーシップをいただかないとなかなか消防団に人が集まらないということも現実ございましたので、私の方から、都道府県知事、市町村長の皆さんに別途、直接その趣旨が届くように、長官とは別に、私、大臣として書簡を、まあダブルで、現場と、そしてやっぱりリーダーと併せて共通認識を持ってもらうために、くどいようですが発出させていただきました。
#114
○政府参考人(稲山博司君) 通知については、ただいま大臣の御答弁のとおりでございます。
 過去にも、重ねて、四回、書簡と通知ということで同日付けで出した例もございます。
#115
○片山虎之助君 丁寧なんだけど、中身はないんだよね、どっちも、悪いけれども。
 それから、言葉尻を捉えるようですが、大規模災害団員なんというのは、大規模だけの団員でしょう。今、機能別団員というのがあるんですよ。機能別という、その対象によって。これは、団員全体が減っているから、団員の数を減らさないように見せる水増しなんですよ。団員の、私、質が全体に下がっていると思う。水増しで大規模団員がこれだけです、機能別団員がこれだけです、だから全体はこれだけですと。まあそれは正味のことを言わないと、フェイクニュースじゃないけれども、フェイク団員みたいな感じがややあるので、まあそれ以上は言いませんよ。
 そこで、団員を増やすには、やっぱり多様化でしょう。だから、女性、私が大臣のとき女性と言って、今三万人になっているんです。三万人から増えない。それから、学生でしょう、地方公務員でしょう、郵便局の局員でしょう、それから団員や職員のOBなんですよ。これの状況について、長官、ちょっと説明してください。
#116
○政府参考人(稲山博司君) 消防団の数につきましては、先ほど御指摘ございましたように徐々に減少している中ではございますが、こういった多様な人材の参加を促していくということが大事だと思っております。
 その中で、女性の団員につきましては年々増加し、二十九年度には二万四千九百四十七名という状況でございます。加入促進に積極的に取り組みたいと考えておりまして、様々な働きかけなり支援をしてまいります。
 また、学生も、いまだ少数ではございますが、二十九年度には三千九百九十五名ということで、数は少ないですけれども、すばらしい取組をいただいている例もございます。そうしたいろんな例とか、あるいは消防団の認証制度なんかも創設しておりますので、その普及を図ってまいりたいと思います。
 地方公務員も、二十九年度末には六万五千二百六十九名という状況でございます。若手職員を一定期間入団させている取組でありますとか、職員で構成する分団の創設とか、こういった事例も参考にしながら入団促進に取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、御指摘ございました郵便局員も年々増加し、二十九年度末には六千七百四十二名という状況でございます。郵政株式会社に対しまして、活動への特別休暇制度の周知などについても依頼をしているところでございます。
 以上のような状況でございます。
#117
○片山虎之助君 女性が増えないね。私は三万と思ったけど、二万四千幾らですか。かなり前からその状況で止まっているんですよ。それは難しい、これから増やすのは。しかし、やっぱり女性はある程度増やして、現場以外ではやることいっぱいあるんだからね。
 学生というのはどうやっているんですか、実態は。簡単に説明してください、学生団員。
#118
○政府参考人(稲山博司君) 学生の団員について、入団促進をいただいている事例もございまして、これも機能別団員という形でいろんな、例えば訓練等のときに参加していただくとか、基本団員とは違った形での活動をしていただく例の方が多いかと思います。
#119
○片山虎之助君 勉強しないと駄目、学生なんだから、訓練ばっかりじゃ。いや、まあそれはいい。
 それで、私はよくいろんなところに行ったときに、OBの人が、団員を辞めた人あるいは職員を辞めた人が、元気だからもっとやりたいと言うんですよ、OBが。そこで、今、定年制があるわね、消防団員には。大分減ってきているのかもしれませんけど、その状況はどうですか。団員の定年制がどうなっているかと、それから、その団員のOB会的な、辞めた人ですよ、退団した人の会があるのかどうか。
#120
○政府参考人(稲山博司君) 団員の定年でございますが、市町村の条例で定めております。二十九年四月一日現在で申し上げますと、約二五%の団体が定年制を設けているところでございます。多くは六十代の年齢で設定しておりますが、中には四十代とか三十代の定年をいまだに設けている団体もございます。
 消防庁といたしましては、各団体に対しまして通知を発出いたしまして、高齢化も進展している社会情勢、あるいは定年制の運用によりまして団員が減少しているという例も若干ございますので、市町村に対しまして年齢の引上げや制度撤廃について検討するよう依頼をしているところでございます。
 それから、団員のOBの組織のお話でございますが、このOBが地域における消防防災体制を支援する団体を組織している例は複数の団体において見受けられるところでございます。
 例えば、消防団員OBで組織して、コミュニティーの訓練の指導を行ったり、あるいは救命救助活動の訓練、あるいは初期消火活動を行うことによって、大規模災害発生時に消防団と連携強化を進める愛知県知多市のような団体もございます。
 それから、OBに消防団の機能別団員として活躍していただいている例もございまして、例えば、仕事で地元を離れておられる人が多い昼間、平日昼間に限定して消火活動を実施している団でございますとか、これは消防職員とも一体となった機能別団員が、操法訓練等は行わずに初期消火なり後方支援のみを行っていると、こういった取組も進んでいるところでございます。
#121
○片山虎之助君 OBは現役と難しいのよ、みんな団長だとか副団長だとか分団長で辞めるからね。やっぱりやかましいのよね、口の方が先行するんで。だから、そこをどうやるかというのがあるけど、OBの組織化というのを考えてくださいよ。どういう組織化、緩やかな組織化でどうやって応援をさせるかね。団員そのものの人は減っているんだから、ずっと。
 それから、消防職員の、消防職員は今は定年制六十で辞めますよね、それの再雇用だとか勤務延長というのはありますか。消防職員の方よ、常備消防。
#122
○政府参考人(稲山博司君) 消防職員の再雇用でございますが、二十九年四月一日現在で言いますと、再任用の常勤、常時勤務という形では六百六十九名、再任用短時間勤務の本部職員ということでは二千八百六十五名という状況になっており、前年よりは増加しておりますが、全体から見ますと少数にとどまっているという現状ではないかと思います。
#123
○片山虎之助君 いずれ公務員は定年延長になりますよ。それで、アメリカやヨーロッパのように定年制なくなるかもしれない。だから、それはまだ先、制度の話だから、それまではやっぱり使える人は勤務延長、再雇用というのを私はある程度検討したらいいと思いますよ。まだ六十なんて若いですよ。是非それを活用するということを今後の大きい課題にしてください。
 それから、その次は自主防災組織ですよ。これはどのくらいの組織率ですか。
#124
○政府参考人(稲山博司君) 組織率ということで一つの指標で申し上げますと、自主防災組織が組織されている地域に住む世帯数、これが全体の世帯にどれだけ占めるかということで申し上げますと、二十九年四月一日現在で八二・七%と、こういう状況でございます。二十年四月が七一%程度でございますので、徐々に増加しているという現状にございます。
#125
○片山虎之助君 機能しているかどうかなんです、自主防災組織が。組織率は高いですよね。だから、これがちゃんと機能してくればそれは防火、防災、ミサイル防衛を含めて大変安全率が上がるんだけど、それをどうやるかなんですけど、結局そのためにはリーダーが要るんでしょう。今の自主防災組織にはリーダーがいますから、町内会長さんや自治会長さん、駄目だわね。
#126
○政府参考人(稲山博司君) この自主防災組織が活動する上で、やはり御指摘のとおり、防災に積極的な、関心のあるリーダーの存在というのは不可欠でございます。
 この自主防災組織に対しまして二十八年度にアンケート調査をちょっと実施してみたわけでございますけれども、特に課題となっていることが、やっぱりリーダー等の人材育成が進んでいないという回答が一番多かったということでございます。
 こうしたことを受けまして、地方公共団体が行いますリーダー育成の取組を支援するために、いろんな先進的な取組を支援する事業でありますとか、消防大学校に担当者向けの研修、こういった取組を進めているところでございます。
 組織によってリーダー的な方がいらっしゃる例もあるしそうでもない例もあるということかなと思います。
#127
○片山虎之助君 だから、それはリーダーを積極的に育てるように、国がやっぱり援助というのか指導というのか、それをしないと駄目ですよ。必ずしも消防団と相性良くないのよ、自主防災組織は。だから、それをどうやって連携させるかというようなこともこれから大きな課題だと思いますよ。
 そういうことの中で、ちょっと質問の順番、時間がないから変えますけどね、ミサイルが北朝鮮から飛んでくる可能性が議論されていますよね。それで、避難だとか誘導だとか、そういう訓練をどのくらいやっているのかどうか、まず教えてください。
#128
○政府参考人(稲山博司君) ミサイルでございますとか、あるいは突発的に発生いたしますいろんな緊急対処事態のような事態に際しまして、的確にまた迅速に国民保護のための措置を実施するために平素から十分訓練をしていくことが言うまでもなく重要でございます。
 いろんな国と地方公共団体による国民保護共同訓練ということでは、二十九年度、国と共同で二十九件実施しています。また、近年、ミサイル落下する可能性がある場合の対処につきまして、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施するとともに、落下したときの対応、初期対応等につきましても、長崎県雲仙市など一部の団体でも訓練を実施しているところでございます。実績で申し上げますと、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実績としては、三十年四月一日現在では約四百回弱といったような状況になっております。
 引き続き、積極的に地方公共団体とともに訓練を精力的に実施してまいりたいと考えております。
#129
○片山虎之助君 来年は、ラグビーのワールドカップがあるんです、G20が大阪であるんです。それから、再来年はもう御承知のようにオリパラでしょう。そうすると、テロが日本に入ってきて全国に展開されるというか、まあ言い方がおかしいんだけど、拡散する可能性があるんですよ。
 それで、テロ対策はそれぞれの役所がそれぞれ所管のことをやっていると思うけれども、それで相補っているのかどうか、全体としてバランスが取れているかどうか。今までほとんど例がない、大きいテロは。特にNBCRのあのテロなんというと大変ですよ、対応が。今、化学兵器がシリアで大分問題になって三国が攻撃していますけど、あるいは生物兵器、化学兵器、そういうことについてテロ対策の総括というのか、全体の具合がどうなっているのか、内閣の危機管理監。
#130
○政府参考人(桑原振一郎君) お答え申し上げます。
 テロ対策は、国内はもちろん、国際社会が結束して対処すべき喫緊の課題であると考えているところでございます。特に、御指摘のG20大阪サミットや東京オリンピック・パラリンピックなどを控える我が国におきましては、国際社会とも緊密に連携をしながら危機感を持ってテロ対策に万全を期さなければならないと考えているところでございます。
 政府といたしましては、昨年の十二月に取りまとめを行いましたオリパラテロ対策推進要綱に基づきまして、情報の収集・集約・分析体制の強化のほか、水際対策の強化、車両等の身近な手段を利用したソフトターゲットを対象とするテロを含めた各種テロの未然防止対策の推進、さらにはテロ対策の推進に不可欠な民間事業者あるいは地域住民の方々との緊密な連携などを講じることとしておりまして、今後も関係省庁が一丸となって、官民が一層緊密に連携しながらテロ対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。
#131
○片山虎之助君 テロ対策で消防の主なる任務は、やっぱり住民の保護と被災者救済ですよ、被害者対策ですよね。それについて、それじゃ個々の消防でテロ対策の対応できるかというと、なかなか難しいと思うんですよね。それはどういうことで、消防庁がどこまで乗り出すか、これもなかなか難しい。どういう今方針ですか。
#132
○政府参考人(稲山博司君) 御指摘のとおりでございますので、地元の消防本部だけではなく、他の消防本部の応援等も得ながら、いろんな強力な体制を構築していく必要があると思っております。
 このため、消防庁では、例えばオリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、関係する消防本部、それから県、関係省庁、組織委員会で構成いたします対策協議会を昨年十一月九日に設置をしているところでございます。その中で、各消防本部からの意見も丁寧に伺いながら、共通する課題を整理、抽出したり、いろんな各団体からの情報提供、それからテロ資機材の全国的な配備の方針、こういったことについて積極的に取り組んでいるところでございます。
 開催地の消防本部とともに汗をかきまして、一丸となってテロ対策、テロ発生に備えた体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
#133
○片山虎之助君 ちょっと時間がなくなりましたのでちょっとはしょりますけれども、私は、もう一つは、日本の消防機器をもう少し輸出したらいいと思うんですよ。国際的に使ってもらう。
 日本の消防機器は、それは火災報知機からスプリンクラーからいろいろあるんですけど、消防ポンプ車まであるんだけれども、そういうものが、東南アジアが今いろんな需要ができているんですよ。経済発展してアパートが建ち、高層ビルが建ち、住宅地ができて、それがヨーロッパやアメリカのものです、ほとんど。私は、日本の消防のシステムや機器をもっと東南アジアを中心に海外に出したらいいと思う。しかし、そのためにはもっと積極的にやらなきゃいけませんよ。
 国際何とか規格官というのを昔つくったんです、消防庁の中に。それが、私は、余り本来の仕事だけで機能していないんじゃないかと。もっと海外のこと全部をそこでやらせて、日本の消防の仕組みやシステムやあるいは機器をもう少し売り込んだらどうですか。売り込めというのは妙なあれですけど、そういうことをやって全体の、東南アジア、アジアを中心にレベルを上げるということがこれからの大きな課題だと思いますよ。日本の役割だと思います。ヨーロッパやアメリカのものばっかりで、今また中国が余り良くないものがずっと出てきている。それについて大臣と担当の御説明をお願いします。
#134
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#135
○大臣政務官(小倉將信君) お答えいたします。
 片山委員御指摘のとおりでございまして、特に木造密集地域、高温多雨の東南アジアを中心に日本の消防関連機器の需要というのは非常に多いと思っております一方で、なかなか欧米に比べて販売が進んでいないという問題意識を持っております。
 そういった中で、私どもハイレベルで、例えばベトナムですとか日本の消防機器に関心を持っております国に働きかけを行いますと同時に、片山委員これも御指摘のとおり、国際規格対策官につきましては、この対策官を中心に総務省消防庁としても働きかけを進めてまいりたいと、このように考えております。
#136
○片山虎之助君 終わります。
#137
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 今日は、最初に、働き方改革に関連して、自治体労働者の働かされ方について質疑をしたいと思います。
 私は、ちょうど一年前、総務省が三月に公表した地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果を基に、時間外労働削減について総務省の見解を当時ただしました。当時の高市大臣は、「今後、通知の発出、それから先進事例の積極的な収集と提供、働き方改革の意識の醸成、各団体が抱える課題の解決に資する意見交換の場の設置などを通じて、地方公共団体の時間外勤務縮減の取組を支援したい。」、このように答弁をされたわけです。
 この時間外労働の削減、言い換えれば長時間労働の規制について今国会で法案が提出をされているわけですが、だけれども、これは地方公務員には適用されないわけですね、これ。野田大臣は、衆議院の総務委員会において、地方公務員における時間外勤務の取扱いについては、民間法制の議論とか、それを受けた国の動向を踏まえた上で、しっかり対応する必要があると思っておりますというふうに答弁をされています。
 民間との比較でも、国家公務員の時間外労働が年間二百三十三時間、地方公務員は全体として年間百五十八・四時間、民間事業所はそれを下回って百五十四時間、こうなっておるわけですが、政府はこの民間に対して長時間労働を規制をする、こういうふうにしているのに、地方公務員については三十六条協定結ぶ必要もなく、所属長が認めれば青天井で時間外労働させてもいい、規制しないというのは、これ大変問題ではないのかと思うんですが、総務省の認識をまず伺います。
#138
○副大臣(奥野信亮君) 地方公務員についても、時間外勤務の縮減は重要な課題であるというふうに認識しております。
 先日、厚生労働省において、罰則付きの時間外労働の上限規制等を内容とする労働基準法改正法案を国会に提出したところであります。地方公務員にも労働基準法が原則適用されており、いわゆる現業職員については民間労働者と同様に時間外労働の上限規制が適用することになります。
 一方、それ以外の職員、いわゆる非現業職員については、現行法上、国家公務員と同様に、適正な公務運営の確保の観点から、公務のために臨時の必要がある場合には、いわゆる三六協定を締結せずに時間外勤務を命じることができると今はされているところでありまして、時間外労働の上限規則は適用されないこととなります。地方公務員における時間外勤務の在り方については、民間法制の議論や、それを受けた国の動向も踏まえた上で対応する必要があると考えております。
 なお、今の御質問の趣旨からいいますと、私ども総務省も、地方公共団体における時間外勤務の縮減の取組を後押しするために、昨年二月に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインについてや、昨年四月に時間外勤務縮減等に向けた取組の一層の推進についての通知を発出し、助言に努めているとともに、今後とも、各団体が抱える課題の解決に向けた意見交換の場の設置や、先進事例の積極的な収集、提供等、好事例の横展開などを通じて、地方公共団体における時間外勤務の縮減の取組を一層しっかりと支援してまいりたいと考えております。
#139
○又市征治君 総務省が何もしていないとは私は思っていません。それなりに努力もされているんだろうけれども、問題は、あれこれ言っても規制力がないとこれはなかなか実現していない、改善されていかないということはあるんで、政府部内において国家公務員も含めて公務員の長時間労働を法的に規制をする、そのような努力をしないと今日の世論の批判をやっぱり免れない時期に来ているということを是非総務省は積極的に発言すべきだと、こう思うんです。
 民間で月百時間を超える長時間労働がまかり通って、過労死が社会問題に今なっている、こういうことなんですが、これ実は自治体の中においても同じことなんですよ、実態としては。さっきの、一年間の時間外の問題申し上げました。こうした下で、じゃ、地方公務員の健康状態はどうなっているかと。
 皆さんの手元に資料を二枚お配りをいたしました。地方公務員安全衛生推進協会のここ十年間の調査結果によると、長期病休者数、十万人率の推移ですけれども、図に見られたとおり、平成二十五年、これを底にして徐々に増大をしている。二枚目を見ていただくと、そういう意味では、精神及び行動の障害が十年前の一・四倍、十五年前の三・〇倍になっているわけで、総務省はこういう状況をどう受け止めて対応をされているのか、その点を伺います。
#140
○政府参考人(佐々木浩君) 地方公務員の健康状況につきましては、一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会が、都道府県、政令指定都市、特別区、県庁所在地、人口三十万以上の市及び百八十八の抽出市町村を対象に調査を行っているところでございます。御指摘のとおりであります。
 このうち、地方公務員の十万人当たりの長期病休者数の状況は、平成十九年度から平成二十八年度までの十年間はおおむね二千四百人前後で推移しているところでございます。しかしながら、これを疾病別で見ると、この十年間において、がんや腫瘍等の新生物を中心とした他の疾病を原因とするものは減少傾向となる一方、精神及び行動の障害による長期病休者は、平成二十八年度に一千三百三十七・八人となり、例えば十年前の平成十八年度に比べ約四割増加し、全体の五五%を占める状況になっております。
 このような状況から、近年は特に地方公務員に対する精神及び行動の障害への対策の重要性が高まっているものと考えております。
#141
○又市征治君 問題は、せっかく調査しているんだから、総務省も自治体も調査結果をちゃんと分析をして、やっぱり改善に向けてしっかりと協議してもらいたい。
 別の統計によると、二〇一〇年からの五年間、地方公務員の過労死と認定された事案のうち、長時間の時間外労働だったものは約六割を占めているわけですよね。だから、百時間超えますなんていうのはごろごろと地方自治体に存在をする、こういう状況になっているわけで、そうした問題を重視をすべきだと、こんなふうに思うんです。
 そこで、過去に日本社会の週休二日制を大きく進展させたのは、これ国家公務員の導入だったわけですね。一九九二年当時、完全週休二日制を導入していた民間事業所は全体の一割強だった。だけど、なかなか進まない、外国からも批判を受ける、日本の長時間労働というのは。国が公務員に完全週休二日制を導入したことによって、民間にも急速に広がったということがもう実証されているわけですが、このように公務員の長時間労働規制というのは勤労者全体の長時間労働規制に波及するということがあるわけで、それが一番遅れているというのではこれは困るわけです。
 ただ単にそれだけではなくて、公共サービスの充実の観点からも、しっかりと休養した公務員が公務を担うということが大事だろうと思うんです。長時間労働で疲れた体にむち打って働くような労働者が国民の期待に応えることはできないんじゃないのか、こう思うわけで、この点の認識について大臣からお伺いしたいと思います。
#142
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 地方公務員について、職員の心身の健康が確保され実力を存分に発揮できる環境を整えることは、質の高い行政サービスを提供する、そのために必要だと考えています。
 地方公務員の働き方改革については、各地方公共団体において、これまで時間外勤務の縮減やワーク・ライフ・バランスを実現するために様々な取組が行われてきたところです。
 総務省は、各地方公共団体に対して、職員の時間外勤務の縮減を助言しているほか、テレワークの活用等、働き方改革に関する先進事例の提供などを通じた支援を行ってまいりました。本年三月末には、働き方改革の推進に資する実践的な取組手法について自治体職員間の意見交換に基づく検討結果を報告書、これは地方公務員における女性活躍働き方改革推進のためのガイドブックとありますが、として取りまとめて、各地方公共団体に周知をさせていただいたところです。
 今御指摘の職員の健康管理に関しては、地方公務員の安全と健康を確保する観点から、地方公共団体における産業医や衛生委員会等の安全衛生管理体制の整備について助言をするとともに、ストレスチェックも適切に実施するよう助言をさせていただいているところです。
 各地方公共団体において職員の健康確保に向けた積極的な取組が実施されますよう、引き続き、必要な働きかけ、支援を行ってまいります。
#143
○又市征治君 各自治体では町おこしだとかなどで土日祝日の勤務は当たり前になっている、こういう状況などもあるわけで、是非ともしっかりとした、私は公務員職場も規制をしっかりと法的に求めるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 次に、先ほど森本委員からもありましたが、町村議会のあり方に関する研究会、この問題について伺っていきたいと思います。
 この研究会が設けられて三月にも報告書が出されているわけですが、開催要綱によると、研究会は、町村議会運営における課題に鑑みて、幅広い人材の確保、町村総会の弾力的な運用、議会の在り方に関わる事項について検討を行うというふうにされていますが、先ほどの説明によると高知県の大川村の問題が発端のようですけれども、検討するなら、なぜ一体、この現場の人々、地方議会の人々、あるいは町村の場合によれば首長ということもあるかもしれません、なぜそういう人たちを入れてこれを検討しなかったのか、ここのところをまず伺います。
#144
○政府参考人(山崎重孝君) お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、やはり高知県の大川村の、その町村総会を設置する、町村議会をやめてしまうという、これが非常に衝撃的なことでございました。
 私どもとしては、それに伴いまして、どんな方策があるのかということを、まず現場の、先ほど申し上げましたが、議会改革に取り組んでいる団体、それから具体的に町村総会の検討をしたことがある団体、合計六団体に担当職員を派遣いたしまして、議長、それから議会の皆様方等からお話をお聞きし、また役場の職員からもお話をお聞きしました。それから、この議論の経過を見ていただくために、都道府県議長会、市議会議長会、町村議長会の部長級の方々にオブザーバーで参加していただきまして、議論も全て御覧いただき、それから資料も御覧いただいておりました。
 私ども、こういうふうに専門家、有識者で議論をしましたのは、やはり一回、こういう状況を踏まえた上でどんな方策があり得るのか、たたき台のようなものを、理念的なものでございますが、作ってみていただきたいと思いまして、あえてまずは有識者の方々ということにいたしました。そういった意味でこの報告書が取りまとめられまして、三議長会等の議論も進んでおりますし、各方面からの議論もいただいております。
 こういうことを踏まえまして、今後更に地方制度調査会等で検討が進んでいくものと思っております。
#145
○又市征治君 いろいろと聞いた聞いたとおっしゃるが、だけれども、先ほど、森本さん、提供していただいたこの町村議長会、あるいは市議会議長会の会長も言っているけれども、これ、ほとんど報告書に対する批判的な意見でいっぱいですよね。
 これ、今現在問題になっているのは、現行議会をいかに維持していくかということで、そのための方策をめぐって各自治体、いろいろと苦悩しているんだと思うんですよ。それを共有することなしに、いろいろと聞いたけれども、学識経験者にいろいろと議論してもらったということだけれども、全国町村議長会長、報告書が提出されてから、早々と五つの視点から報告書に対する意見を発表されて、具体的には、町村総会のより弾力的な運用を研究すべきである、現場の声、自主的取組を重視すべきである、町村のみを対象とすること、人口によって差を設けることに反対する、パッケージで類型化した制度を考えることに反対する、議会の権限を低下させることに反対する、こういう格好になっているわけですよね。
 これ、大臣、やっぱりこういう人々を入れて、良かれと思って言っているか、議論の材料提供ということを言っているのかもしらぬけれども、現実にこういう格好で市議会あるいは町村議長会からこういう批判を受けている、このことについてどのように対応されていこうとするのかを含めて、大臣の見解を伺いたいと思います。
#146
○国務大臣(野田聖子君) 町村議会のあり方に関する研究会の中身につきましては、自治行政局長からお話がありましたが、様々な現場に赴いて、いろいろお話を聞かせていただいて、そして、その問題意識を踏まえて議論を行ってきたところです。
 報告書では、現行議会において、自主的な議会活性化の取組を進めることが第一の選択としているところなんですが、小規模市町村における現下の議員のなり手不足、それに鑑み、小規模市町村において考えられる議会の姿というのを検討した結果、集中専門型という、権限を集中させて専門的議員により構成される議会とか、多数参画型という、多数の非専業的議員により構成された議会の在り方を条例で選択できることとするなどが提言されたところです。
 その上で、今回いただいた意見の内容を拝見いたしますと、例えばパッケージで類型化した制度ではなくて、現場の各要望を個別に検討するべきだという指摘については、研究会において、現行制度の意義も当然踏まえつつ、要望の趣旨を実現するために論理的に関係があるパッケージとして、新しい二つの議会の在り方が議論されたものであること、そして、今後の具体化に向けては、より拡張性のある制度設計も考えられるとされていることなど、研究会の提言、趣旨をしっかりとお伝えするとともに、議長会の考え方を改めて確認させていただく必要があると考えています。
 様々な立場から意見を交わすことで、今まで人口減少に伴うこういう議員のなり手不足というのは余り議論がされてこなかった、それがまた始まったことによって、より良い様々な解決策につながること、議論を通じた議会の活性化というのが期待できるんではないかと考えているところです。
 いずれにしても、総務省としては、この報告書の提言を議論の材料としまして、三議長会や他の関係者の意見をしっかり伺いながら、必要に応じて地方制度調査会の議論をお願いすることを踏まえて、対応を検討してまいりたいと考えております。
#147
○又市征治君 町村議長会が総務省の設置した検討会のこの報告書に対してこれほど厳しい意見を述べているとは珍しいことなので、そうしたことをしっかりと受け止めて、真摯な意見交換をしてほしいと、こう思います。
 そこで、この地方議会の問題点、候補者が少ない、その結果、無投票当選が多くなったと、こういうことはもう大分前から指摘をされてきた、私も指摘をしてきました。私自身、議員年金が廃止されたことによって議員候補のなり手が減少していることを本委員会でも指摘をしてまいりました。
 市町村職員共済年金であるとか地方公務員共済年金に加入できるようにすべきだというふうに主張をしてまいりました。これに対して、総務省は、旧制度廃止後の公費負担等を挙げて否定的な見解を述べられてきたわけですが、ようやく今、与党の中でも、森屋先生、大変御努力いただきながら、共済年金への加入の問題がやられていますけれども、これは一例にすぎないわけで、議長会の意見でも紹介されているように、やっぱり自治体ではいろんなことを検討されているわけで、意見書も出されてきています。そういうのを真剣に検討して助言することがやっぱり総務省には求められているのでありますから、当事者抜きに新たな議会像を提示する、そんなことにならないように、これは大臣、改めてもう一度御見解を伺います。
#148
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、各地方議会から様々な要望、例えば議員の兼職及び兼業禁止の緩和とか補欠選挙の改正、公営選挙の拡大、さらには議員報酬の改善や若者手当等の諸手当の導入、いろいろございます。承知しております。
 これらのうち、選挙制度に係る事項については各党会派の議論が必要だと考えています。その他の事項については、またその制度の趣旨について十分検討を行った上で、研究会としては様々な、今申し上げたとおりのことを御報告、御提言させていただきました。
 いずれにしても、おっしゃるとおり、現場の声にしっかり耳を傾けて、地方自治を支える議会の在り方を建設的に議論してまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
#149
○又市征治君 終わります。
#150
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#151
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に人事院事務総局職員福祉局次長遠山義和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#153
○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#154
○太田房江君 自由民主党・こころの太田房江でございます。
 今日は、一般質疑の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私は、二〇〇〇年から八年間、全国で初めての女性知事として大阪府知事を務めさせていただいたのでございますけれども、その大阪が今大変大きな転機を迎えていると思います。ということで、今日はその地元大阪の課題を中心にお伺いをしようと思いますけれども。
 その前に、先般、三月三十日、国立社会保障・人口問題研究所からかなりショッキングな発表がございました。日本の地域別将来推計人口について、二〇三〇年以降、全都道府県で総人口が減少をし、二〇四五年の総人口は東京都を除いた全ての道府県で二〇一五年を下回るというものでございます。分かっていたこととはいえ、数字でこう目の前にいたしますとかなりショックな数字だと思いました。
 二〇四五年の人口は、二〇一五年、つまり今と比べて減少する市町村の数は全市区町村数の九四・四%、ほとんどが減る、中でも四割以上減少する市町村が四〇・九%。四割減る市町村が四割も、四〇%あると、こういうことでありまして、全国どこに行っても、人口減少を何とかしたいという市町村がたくさんあるわけであります。こういう中で、少子高齢化時代に地方行政がどうあるべきか、しっかりとこの場も含めて議論をしていかないといけません。
 特に、東京一極集中が大変顕著になっております。お手元に資料一をお配りしておりますけれども、これまで我が国の経済成長を支えてきたのは、牽引してきたのは三大都市圏と言われてきましたけれども、今ここで見られるのは、御覧になって明らかなように、人口流入があるのは東京圏だけということで、まさに東京一極集中そのものでございます。
 大阪府はこの中でもだんだん地位が低下しておりまして、二〇一五年には愛知県を府内総生産が下回りまして第三位となりました。一人当たりの所得の順位も、二〇〇八年には、このとき私がまだ知事でございましたけど、全国五位であったものが二〇一四年には全国十三位ということで、年々一位ずつ落ちているというのが実情でございます。
 前は東京と本社を分け合っていた時代もございましたけれども、資料二、御覧いただいて分かりますとおり、本社の流出はこのところ大きく続いておるということでございまして、流出が続いておりまして、大阪市は全国の政令指定都市の中で流出マイナス流入、純流出がワーストということであります。移転先は東京、兵庫、奈良、京都などと右の方にございますようになっておりますけれども、今、この本社企業をどうやって拡充していくかということも大阪の中枢都市機能という意味では大変急務の課題になっております。
 こういう中で、私は日本第二の都市と言われてきた大阪の再生こそが日本の持続的な発展を図っていく一つの大きな鍵であるというふうに思っておりますけれども、総務省では、この東京一極集中、人口急減時代に地方はどうあるべきかということについて勉強を始められたというふうに聞いております。
 野田大臣は地域の活力と持続可能性を高めるためのビジョンというものについてどのような所見をお持ちか、まずお伺いをさせていただきます。
#155
○国務大臣(野田聖子君) お答え申し上げます。
 もう日本は確実に総人口減少局面に入ったわけであります。今後の本格化する人口減少と急速に進む少子化は、我が国が抱える最大の危機、見えざる有事と考えています。このことについては、太田委員ともずっと問題意識を共有してきた認識がございます。
 そこで、総務省では、自治体戦略二〇四〇構想研究会を昨年十月に立ち上げました。研究会では、まず高齢者人口がピークを迎える二〇四〇年頃の医療、福祉、インフラ、公共施設などの行政分野における課題、大変なことだと思いますが課題を整理し、そこから逆算する形で今後の自治体行政の在り方を展望し、対応策を検討いたします。少子化による急速な人口減少と、今後は東京圏を中心に進む高齢化によって、このまま放置すればどのような危機的な状況が生まれるかしっかり議論をしていただいているところです。
 総務省としては、人口減少時代にあっても地方自治体が持続可能な形で行政サービスを提供し続けられるよう、今後の行政経営計画や圏域マネジメント等の在り方についてしっかり検討を進めてまいりたいと考えているところです。
#156
○太田房江君 まだ検討始まったばっかりですので、是非良い構想を打ち出していただきたいと、こう思っております。
 今、大阪は、皆さん御案内のとおり、大阪万博の誘致に力を入れております。今年の十一月にBIE、博覧会国際事務局での選挙が行われまして、二〇二五年の開催地が決まります。G20も大阪開催、来年決めていただきました。本当にありがとうございます。何としても今年の十一月の選挙に勝って、日本の持続的な発展のてこに大阪がなっていかないといけないと、こういうふうに考えております。
 三月六日から八日にかけてBIEの現地調査も行われたということでございますけれども、その感触も含めて、十一月の誘致実現に向けての見通し、経産省の方にお伺いいたします。
#157
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
 三月五日から九日にかけて博覧会国際事務局、BIE調査団が来日しまして、日本の万博開催計画の実行可能性を審査いただきました。その結果、調査団長の崔BIE執行委員長より、日本の計画については良好との暫定的な評価をいただいたところでございます。
 これまで、総理また経産大臣始め関係閣僚などにより、各国政府要人に対しまして直接誘致の働きかけを行うなど誘致活動を進めてきております。アゼルバイジャン及びロシアにおいても誘致活動を活発化させているというふうに承知しております。今後も、この十一月に予定されるBIE総会での開催国決定投票に向け、オールジャパン体制の下、何としても誘致を成功させるべく、引き続き全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#158
○太田房江君 ありがとうございます。十一月に向けて是非よろしくお願いを申し上げます。
 ところで、今回の大阪万博開催の候補地は大阪市夢洲地区となっております。この夢洲を軸としたベイエリアは、大阪における統合型リゾート、IRの立地候補地ともされておりまして、夢洲のポテンシャルを最大限に活用して国際観光拠点の形成、これに努め、国の内外から人、物、投資を呼び込もうと経済界も含めて今頑張っているところでございます。
 夢洲はまさに大阪、関西に夢を呼び込む地域にしたいと、こういうことでございますけれども、大阪ではこれと並行してもう一つ議論となっていることがございます。大阪市を廃止して四から六の特別区を設置をする大阪都構想、まだやっております。
 この是非を問う二回目の住民投票、実は二〇一五年の五月に一度否決をされておるんですけれども、それを大阪府・市はもう一度やるということで、今年の何と九月ないし十月に行いたいとつい先頃までおっしゃっておられたんですけれども、法定協議会がなかなか進まないということでこれを先送りするという報道が今なされました。ただ、実施する方針は変わっていないというふうに聞いています。
 仮に住民投票が行われてこれが可決されるとなると、大阪は、万博、IR、大阪都、このどの自治体もやったことのない三大事業を一度にやると、こういうことになってくるわけです。特に、二〇二三年、オリパラについて言えば今年に当たるんですけれども、この二〇二三年には、万博開催の二年前、大阪都の特別区を設置するという大事業やらないといけないということになります。万博の誘致が決まれば、これは当然失敗は許されません。大成功に導かなければならないわけですけれども、そのためのインフラ整備も当然必要になってまいります。北陸新幹線、リニア中央新幹線の大阪への早期延伸の課題も抱えつつこの問題に取り組んでいかないといけないと、こういうことになってまいります。
 大阪府は残念ながら交付団体です。財政も大変厳しいです。そういう中でこの万博、IR、大阪都という三つの事業が同時に重なってくるわけで、このインパクトの検証、特に財政面に与えるインパクトの検証というものはしっかりできているのか、私は懸念なしとしないと考えております。
 野田総務大臣、この観点からこういう大阪の状況についていかがお考えか、お伺いいたします。
#159
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 大阪府、大阪市では、昨年の六月に再度特別区設置協議会を設置し、いわゆる大阪都構想の実現に向けて協議が行われているものと承知しているところです。都構想については、地方公共団体の財政運営に与える影響や地域の諸事情などを踏まえ、地元において十分な議論が必要であると考えています。
 総務省としても、こうした大阪府、大阪市における議論をしっかり注視してまいりたいと考えているところです。
#160
○太田房江君 少し答弁の言葉が変わったかなというふうには思うんですけど。
 先週金曜日、土曜日と、安倍総理・総裁が大阪を訪問されました。そして、大阪府連主催の党員大会において、都構想については自民党大阪府連と同じ考えである、すなわち反対であるという姿勢を明確に示されました。一事不再理という言葉がございますけれども、憲法と同じで、同じ問題について何度も住民投票やるというのはいかがなものかということにも言及されたようです。
 これも踏まえて、こういうことも踏まえて、都構想について、主務大臣であります野田総務大臣にも、大阪府・市に対してしっかりと適切な御助言をお願いしたいとお願い申し上げておきます。
 さて次に、本社機能の充実について伺います。
 平成二十七年度に創設をされました地方拠点強化税制、これは本社機能の東京からの移転を進める、地方圏に進めるものでございますけれども、その移転する先として除外をされている地域が大阪、関西都市圏の大半と名古屋市の一部と、こういうことでございました。
 平成三十年度の税制改正によりまして、東京圏から移転する本社機能のうち、移転型、これは何もないところに東京からどんと本社を移転するというものでありますけれども、この移転型については大阪、関西圏も優遇税制の対象にしようと、こういうことで、この点については関西経済界を含めて大変私どもも評価をしておりますが、拡充型の方がまだ残っております。
 お手元に資料三をお配りしておりますけれども、この二つの違い、見ていただければ分かるとおりでありまして、活用が進んでいるのはむしろ、ゼロベースでぼんと移転するのではなく、元からある支社やあるいは複数本社制に基づく本社を拡充するいわゆる拡充型の方が、何というんでしょうか、活用の数が多いと、こういう結果になっておりますし、大阪においてもこれは同じことだと考えております。
 優遇税制の対象に今回この拡充型が入らなかったということで、これ三年に一回しか見直しがなされないということではありますけれども、ここへ来て、先ほどの人口問題研究所の報告にもあるとおり、東京一極集中が本当に加速をしている中にあって、このままでよいのかという懸念を私持っております。大阪は西日本全体の経済発展をリードしなくてはいけない、地方創生をリードしなくてはならない、そういう町でもございます。そういう意味合いからも、本社機能の東京一極集中を是正するという即効性のあるこの税制について、いま一度お考え直しいただけないでしょうか。
#161
○政府参考人(田川和幸君) お答えいたします。
 東京一極集中の傾向が続いている中で、近年、近畿圏や中部圏の中心部から東京圏への人口の流出が大きくなっているという状況がございます。こうした状況を鑑みまして、現在国会で御審議をいただいております地域再生法の改正によりまして、地方拠点強化税制のうち、本社機能を東京二十三区から移転する移転型事業について、近畿圏中心部及び中部圏中心部を支援対象に追加するということをお願いをしているところでございます。
 一方で、近畿圏中心部そして中部圏中心部は、そのほかの地域と比較いたしますと産業や人口の集積度の観点からやはり優位性があるということに加えまして、全国知事会から支援内容に差を設けるべきであるとの意見があることを踏まえまして、地方における本社機能の拡充を対象とする拡充型事業につきましては、引き続きこれら近畿圏中心部、中部圏中心部については支援対象から外すということとして支援対象に差を設けているというところでございます。
 また、私ども、まずは今般の制度改正の内容をしっかりと周知をし、制度の更なる活用を図り、企業の本社機能の移転を促進するということが重要であるというふうに考えております。今般の制度改正を始めとする東京一極集中是正に資する各種施策を展開しまして、大阪府を始めとする地方自治体ともしっかり連携をし、企業に本制度が活用されるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#162
○太田房江君 よろしくお願いいたします。
 大阪のメーンストリートは御堂筋というところですけれども、今タワーマンションがどんどん増えておりまして、そして保育園や幼稚園も足りないと、こういう状況になっているんです。都心に人口が戻るということは決して悪いことではございませんけれども、よく調べてみると、そのタワーマンションが建っている地は以前は企業の本社であったと、こういうこともよく聞かれるんです、本当に。
 どうか、地方創生を本気で進めるというためには、やはり東京の中枢機能を一段一段受けていく中枢都市というのがやはり私は地方に、地方圏に必要であるという考え方、しっかり出していただいて、この税制についても見直しの機運を高めていただきたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 そしてまた、大阪は中小企業の町でもございます。小さな企業、小さなお店、そして市場や商店街が頑張って大阪の経済を支えてまいりました。そこで、平成三十年度に創設をされました固定資産税の特例措置について伺います。
 恐らく、私はこの中では少数派だと思いますけれども、是非ともこの特例措置を活用して地方の元気を高めてもらいたいと、こう思っている一人でございます。平成三十年度の税制改正は、このほかにも事業承継税制の抜本的拡充など、生産性革命ですとか人づくり革命と言われる時代づくりにふさわしい新しい税制が幾つか創設をされました。私は、本年度の税制は人口減少時代に適合した大転換を税制上一定実現できたものというふうに評価をさせていただいております。
 この固定資産税の特例措置は、皆様御承知のような内容でございますけれども、実は先週十三日に中小企業庁から発表がございまして、全国で千五百近い市区町村が先端設備等導入計画というのを策定して固定資産税をゼロとしたいという意向を示されたと聞いております。千七百四十一団体のうちの千四百九十二団体がこの特例措置を使いたいということで手を挙げたと、こういう段階でございます。
 私は、自治体間に良い意味での競争原理が働いて、地域の中小企業の生産性向上を牽引することになるというふうに期待をいたしておりますけれども、従前にございました償却資産税制に対する知事会や全国市町村会からの評価は余り高くはございませんでした。やはり固定資産税を産業行政に活用するというのはどうかというような意見ですとか、結局、固定資産税が減少しただけで効果はなかったというような意見ですとか、どちらかというとマイナスの評価が多かったように思います。
 しかし、ここに至って、私は、地方に必要な発想というのは、この特例があるからこそ新たな投資が起こり、生産性向上を通じて売上げ増や賃金の上昇が実現し、中長期で見れば自治体の税収増にもつながるという考え方、こういう新しい考え方を自治体も取っていくことが大切になっているのではないかと、このように考えます。
 現時点で導入促進計画を作成し固定資産税をゼロとする意向を示している自治体が千五百に達する勢いであるということを踏まえまして、野田大臣は今回の特例措置の活用をどのように考えておられるのか、所見をお伺い申し上げます。
#163
○国務大臣(野田聖子君) 固定資産税というのは市町村の行政サービスを支える大切な基幹税であります。特例措置の創設については、政策の必要性などを十分勘案した上で、その実現のために真に必要なものに限定すべきだと考えています。苦渋の決断と何度かここでも申し上げたと思いますが。
 今回、生産性革命は政府の大きな政策課題であります。地域経済の活性化も重要な課題であることから、それらの実現に向けて税制、予算などの施策を総動員することとし、三年間の限定の臨時異例の措置として固定資産税の特例措置を講じるということにしました。地域の中小企業は今回の特例を活用して積極的な設備投資を行うことで地域経済が活性し、ひいては地方の税収の増加につながっていくことを期待しているところです。
 多くの地域の中小企業に実際にこの特例を活用していただくために、総務省としては、特例措置の活用の促進に向けて、市町村と商工会議所や金融機関等の支援機関との十分な連携が図られるよう、制度を所管する経済産業省と連携して、今後とも制度理解の促進に努めてまいります。
 前回に比べて違うところは、やはりあくまでも基幹税だと、必要なお金であるんだけれども、それを上回るだけのことが可能になるとすればということで、頭越しでそういうことをするのではなく、しっかり条例とかを作っていただいて、各地方自治体の必要なものと今回の特例措置がやっぱりマッチングするような形で、若干手間暇が掛かるという批判もありますけれども、やはりそれぞれ市町村が主体的にこの特例措置を生かしていただける、そういうつくりができたのではないかと思っています。その効果を期待しているところです。
#164
○太田房江君 大臣のお考え、ありがとうございます。いい形でこの制度が活用されるように、そして中小企業の元気が地域の活力を高めるというようなところにつながっていくようによろしくお願いを申し上げます。
 最後に、ちょっと前になりましたけれども、先般の北陸豪雪も踏まえまして、石油製品の安定供給体制の確保についてお伺いしたいと思います。
 今年二月の福井県を中心とする豪雪災害では、石油基地、油槽所に石油がたっぷりあったにもかかわらず、国道八号線などの幹線道路と石油基地を結ぶ県道の除雪が後回しになったために、ガソリンスタンドに石油製品が配送されず在庫切れになった。その結果、緊急車両へのガソリンや除雪車への軽油、さらには暖房用の灯油の供給がままならず、除雪作業や県民生活等に支障を来したというふうに聞いております。ただ、そういう中にあっても、最後のとりでとして地元のガソリンスタンドは懸命に石油の安定供給に努めました。
 災害時に、平時からの対応としてガソリンスタンドの官公需確保、これを私はずっと訴えてまいりましたし、閣議決定を経て、中小企業者に関する国等の方針に、地域のガソリンスタンドについてはできるだけこの官公需の発注をしていくようにして、いざというときにそのガソリンスタンドが地域を助ける役割を果たすということについて平時からの対応を確保しておこうということが決まっておりますけれども、まだまだなかなか深く広く浸透しているとは言えない状況でございます。県や市町村に対しては、石油組合等との災害協定の締結を進めるとともに、病院などの重要施設で使用する石油製品については、災害時に備えて平時から組合受注など地場の石油販売業者からの受注拡大をもっと図っておくべきだというふうに考えます。
 これを進めるために総務省の先導が必要だというふうに私は考えておりますが、大臣、自治体に対する更なる御指導、お願いできませんでしょうか。
#165
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。
#166
○政府参考人(山崎重孝君) 災害時におきまして安定的なエネルギー供給を確保することは大変重要であると認識しております。
 平成二十七年度に、中小企業者に関する国等の契約の基本方針の閣議決定に合わせまして、地方公共団体に対して、災害時の燃料供給協定を締結している石油組合及び当該協定に参加している中小石油販売業者の受注機会の増大に努めるよう求める通知を発出しました。
 二十八年度以降もこれを踏まえた適切な対応を求める通知を発出するとともに、周知を図っております。これからもあらゆることをやっていきたいと思います。
#167
○太田房江君 終わります。
 国交省、申し訳ございませんでした。
#168
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 四月の十一日、大分県中津市耶馬溪町金吉におきまして大規模な土砂崩れが発生をいたしました。お亡くなりになられた方々に心から哀悼の誠をささげますとともに、一日も早い救出が行われるよう願っております。
 当日の午後に私は現地に参りまして、奥塚中津市長さん、被災された方々の御家族、地域の方々のお話も承りながら、状況を国の方にお届けをさせていただいたところであります。改めて人命救助を一日も早く願うばかりでありますが、市長さんも、人命救助、それから適時適切な支援を国に求めるということをおっしゃりながらも、最後には、雨も降っていないのに、地震もないのにどうしてこういうことが起きたのかといったようなお話がありました。周囲の方々も同様のお話をされたところであります。
 原因の究明につきまして私が予断を持つことは避けたいと思いますが、今後、原因が明らかになったならば、例えば予兆などが分かったような状況のときには移転という選択肢があってもよかったのではないかといったようなことも現地で思った次第であります。
 国交省においては、がけ地近接等危険住宅移転事業など仕組みを整えていただいているところでありますが、踏み込めないところがもしもあるならば、真に必要なところは移転を選択しやすいような拡充を検討すべきではないかと考えますが、国交省の取組についてまずはお伺いをします。
#169
○政府参考人(眞鍋純君) この度の大分県中津市における土砂災害によりお亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈りするとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 がけ地近接等危険住宅移転事業、略してがけ近事業と言っておりますが、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域などに立地する住宅を対象にいたしまして、土砂災害による被害を防止するため区域外へ移転する場合にこれを支援すると、こういう事業でございます。
 具体的には、危険な区域から移転される方が安全な地域に新たに住宅を建設、購入しようとする場合について、仮住居費、引っ越し先への移転費用、元の住宅の除却費用、さらには移転後の住宅の建設、購入に関する借入金についてその利子相当費用を支援すると、こういうものでございます。地方公共団体が支援する費用のうち、半分、二分の一を国が支援すると、こういうスキームで行っています。
 なお、利子相当費用の補助に当たりましては、出水による災害危険区域など特に危険度の高い区域におきましては補助対象限度額を引き上げる措置を既に行っているところでございます。また、本事業を活用する地方公共団体に対して、災害の切迫性などの実情に応じまして、防災・安全交付金の配分において十分な配慮を行っているところでございます。
 今後とも、本事業につきましては、特に危険が切迫している区域において十分御活用いただけるように、こうした区域を抱える地方公共団体に対しまして、支援内容の周知に努めるとともに、事業の活用を強く働きかけてまいりたいと思います。
 また、最近、公共団体さんから具体的な補助対象の追加に関する御要望は聞いておりませんけれども、引き続き、ニーズの把握に努めまして、それを踏まえて必要に応じた検討を行ってまいりたいと考えてございます。
#170
○秋野公造君 どうかニーズの把握はよろしくお願いをしたいと思います。
 今回は、保安林ということでありまして、落石防止柵といった対応が農水省において取られていたということでありますが、ほかに、急傾斜地においては、国の崩壊対策事業の採択の基準は満たさないけれども、例えば今回のように危険性が高く真に必要な場所については対策を更に進めるべきではないかと考えますが、これも国交省にお伺いをしたいと思います。
#171
○政府参考人(栗原淳一君) お答え申し上げます。
 崖崩れに対しましては、予防対策としての急傾斜地崩壊対策事業や、災害発生後の対策としての災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業などの制度を設けており、斜面の高さや保全対象などの一定の要件を有する箇所について、地方公共団体の取組に対して支援をしております。
 先生御指摘のように、事業の採択要件を満たさない箇所においても土砂災害により住民の身体、財産が被害を受けることがありますので、様々な手法を組み合わせ、対策を行うことが重要であります。
 今後とも、地域の声に耳を傾け、危険性の把握を適切に行うとともに、地方公共団体と綿密に連携して、地方単独事業等を含め、地域の安全、安心の確保のためにきめ細かな対応を図ってまいります。
#172
○秋野公造君 戸数の制限などではじかれてしまうような場合が今回もあるやに思いますので、どうか御検討をお願いしたいと思います。
 今御説明いただきましたがけ地近接等危険住宅移転事業でありますけれども、これにつきましては累積はまだ数十件ということでなかなか活用されていないという現状だと思い、周知が必要だと思います。
 総務省においては特交措置なども行っていただいているところでありますが、住民の安全を確保するためにはこういった仕組みの周知などは少なくとも必要かと思います。国交省と連携して対応を進めていただきたいと大臣にお願いをしたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 初めに、この度の土砂災害でお亡くなりになられた方に哀悼の意を表します。そして、被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げたいと思います。また、先ほどお話がありましたように、委員におかれましては、もう早速、発災当日に御視察をなされたこと、本当に心から感謝し、敬意を表する次第です。
 お答え申し上げるならば、我が国は、土砂災害により被害を受けるおそれのある区域が全国的に多くて、そして、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害防止法に基づいて住宅等の新規立地の抑制や既存住宅の移転促進といった対策が推進されているところです。例えば、土砂災害特別警戒区域等にある一定の要件を満たす住宅の移転を行う者に助成を行う地方公共団体に対しては、国土交通省の補助制度があります。総務省においては、その地方負担に特別交付税措置を講じているところです。
 今後とも、国土交通省としっかり連携しながら、こうした事業の活用を地方公共団体に促すなど、土砂災害の防止対策にしっかり努めてまいります。
#174
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
 このように、へき地には様々な問題があります。医療もそうなのですが、ここで公立病院における医療についてお伺いをしたいと思います。
 公明党におきましても自治体立病院対策推進PTが設置をされまして、事務局長を務めることになりました。民間病院の立地が困難であるへき地における医療について公立病院が果たす役割というのは非常に大きいと思いますが、まず、へき地医療を担う全国の病院のうち公立病院の占める割合についてお伺いをしたいと思います。
#175
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 厚生労働省のへき地医療現況調査によりますと、平成二十九年一月一日時点におきまして、へき地医療拠点病院は全国で三百十三病院ございますが、このうち公立病院の数は百九十四病院、六二・〇%を占めている状況でございます。
#176
○秋野公造君 六割も占めているということでありますが、それだけではなく、周産期医療、小児救急といった特殊部門も公立病院が担っていただいておるわけでありますが、今申し上げた周産期医療、小児救急医療、どの程度の割合で占めていますでしょうか。
#177
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 これも厚生労働省の調査でございますが、平成二十九年四月一日時点におきまして、地域周産期母子医療センターは全国で三百病院ございますが、このうち公立病院の数は百十八病院であり、三九・三%でございます。
 また、平成二十八年四月一日時点でございますが、小児救急医療拠点病院は全国で三十二病院ありますが、このうち公立病院の数は十二病院であり、三七・五%という状況でございます。
#178
○秋野公造君 このへき地医療も行い、特殊医療も公立病院が担うということで、大変すばらしいということだけを申し上げたいのではなくて、この公立病院の収支が、もうまさに民間が担わない不採算、そして特殊部門に係る医療の提供だからこそ非常に厳しいと聞いてございます。最近の公立病院の経営についてお伺いをしたいと思います。
#179
○政府参考人(黒田武一郎君) 公立病院の経営につきましては、総務省は経営改革の指針であります公立病院改革ガイドラインを平成十九年十二月にお示ししておりますが、その前年度であります平成十八年度におきましては、経常損益において千九百八十八億円の赤字が生じ、全公立病院の七四・七%が赤字となり、非常に厳しい状況となっておりました。その後、このガイドラインに基づきましてそれぞれの地方団体が行った経営効率化の取組等によりまして、平成二十二年度から平成二十四年度までは経常損益は黒字となるとともに、全公立病院の半数以上は黒字となっておりました。
 しかしながら、平成二十五年度に再び経常損益が赤字となって以降、その幅は拡大しまして、平成二十八年度においては八百三十一億円の赤字が生じ、全公立病院の六一・七%が赤字となり、その経営は再び厳しさを増しているものでございます。
#180
○秋野公造君 公立病院は、結核対策なども御活躍をいただいているところであります。我が国の結核の蔓延については、低蔓延国ではありませんで、実は中蔓延国ということで、結核の低蔓延に向けて対策を強化していかなくてはならないわけでありますが、現状では外国生まれの結核患者が増加をしており、一たび感染をしたならば集団感染が多く報告をされている状況ということで、若年層の結核患者の増加傾向ということを考えますと、外国からの流入をどう防いでいくかということが今後非常に重要になってきます。
 国においても、在外公館における取扱いについて検討されたと聞いておりますけれども、入管法あるいは難民認定法においては、結核を含む二類感染症の患者はそもそも入国できないということを踏まえますと、例えば、若年層が多い留学生、技能実習生などに対して在留資格認定証明書の審査の際に入国前のスクリーニングを実施するなど、必要な措置を講ずるべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#181
○政府参考人(佐々木聖子君) ただいま委員御指摘のとおり、出入国管理及び難民法におきましては、結核を含む二類感染症の患者は我が国に上陸することができないこととされております。この点、外国生まれの患者数は増加傾向にあり、日本滞在中に発症するケースが見受けられるとして、結核患者の入国前のスクリーニングの重要性について、本年二月の厚生労働省における審議会においても議論されていると承知をしております。
 法務省といたしましても、問題意識を持ちまして、厚生労働省を始めとする関係省庁と協議をしているところでございまして、結核患者の入国前のスクリーニングの実現に向けてどのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。
#182
○秋野公造君 感染症対策は一義的には厚労省の所管かと思いますけれども、今検討しているということでありました。どういった対応が取り得るかということについて、もうちょっと、もう一言聞いてみたいと思います。
#183
○政府参考人(佐々木聖子君) 例えばでございますが、現在では、留学生や技能実習生など、我が国に中長期間在留しようとする方に法務省が交付する在留資格認定証明書の審査において、結核に感染していないことの診断書の提出は求めておりません。しかし、こうした審査の際に診断書の提出を求めるといった対応が考えられます。
 繰り返しになりますが、このような点も含めまして、厚生労働省を始めとする関係省庁としっかりと検討してまいりたいと考えております。
#184
○秋野公造君 今、法務省より、診断書という具体的な御答弁もいただきましたけれども、今後、その診断書の裏付けとなる検査、例えば他国と同じようにレントゲン検査と喀たん塗抹検査で行うということにするのか、それとも、入国させないということが前提であるならば、より敏感な検査、例えば遺伝子検査なども行いながら、そういった検査を診断書に求めていくのか、そういった検討がなされていくかと思いますので、今日は答弁を求めませんので、どうか御参考にしていただければ大変有り難く存じます。
 その上で、結核医療も、周産期医療と同様に、これ一般医療とは全く異なる性格を有すると考えておりますけど、公立病院における結核患者の入院数、どのようになっておりますでしょうか。
#185
○政府参考人(黒田武一郎君) 公立病院における平成二十八年度の結核患者の年延べ入院患者数は十五万三百七名となっておりまして、十年前の平成十八年度における年延べ入院患者数二十八万六千百六十三人と比べると、十三万五千八百五十六人、四七・五%の減少となっております。
#186
○秋野公造君 それでも病床は確保していかなくてはなりませんが、公立病院における結核病床数についてお伺いをしたいと思います。全国の結核病床数に占める公立病院の割合、どのようになっておりますでしょうか。
#187
○政府参考人(黒田武一郎君) お答えいたします。
 平成二十九年四月一日時点における全国の結核病床数は四千四百八十七床となっており、このうち公立病院の結核病床数は三四・九%を占めている状況でございます。
#188
○秋野公造君 へき地医療、それから小児、それから産婦人科、そして結核医療というような形で、公立病院の果たす役割というのは非常に大きいと思います。こういった不採算あるいは特殊部門、こういった医療の提供などが地域医療を確保していくためには非常に重要でありまして、今後ともこういった医療を公立病院が担っていくということを考えますと、しっかりみんなで守っていくことは重要ではないかと思います。
 こういった公立病院が果たすべき役割は今後とも継続的に担っていくことが重要であると考えますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#189
○国務大臣(野田聖子君) 秋野委員から御指摘がございましたとおり、公立病院は、民間病院の立地が困難なへき地等における医療や救急、周産期、小児医療等の不採算・特殊部門等に係る医療などを提供する重要な役割を担っていると認識しています。
 総務省では、平成二十七年三月、先ほども話が出ましたが、新公立病院改革ガイドラインを示しています。これは、公立病院の厳しい経営状況が続く中で、公民の適切な役割分担に基づいて、地域における必要な医療提供体制を確保する、そして、公立病院が安定した経営の下で重要な役割を継続的に担っていくことを目的としたものでありまして、現在、各公立病院がガイドラインに沿った経営改革の取組を進めているところです。
 また、不採算・特殊医療の提供等に要する経費についても、地域の実態を踏まえながら必要な地方交付税措置を講じており、公立病院が果たすべき役割を今後とも担っていけるよう、必要な支援に取り組んでまいります。
#190
○秋野公造君 へき地で暮らすということに総務省の関わりは非常に大きいと思います。今後ともどうかよろしくお願いを申し上げまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#191
○江崎孝君 まるで与党の一員のような時間割の質問時間でございますが、間違いなく野党の立憲民主党の江崎でございます。
 セクハラ始めとするハラスメントの質問をさせてもらいます。といっても、財務省の問題ではありません。消防庁です。
 まず、消防庁からお聞きしますけれども、昨年消防庁は、消防本部におけるハラスメント等への対応策に関するワーキンググループをつくっていただいて、昨年七月に報告書を出していただいています。このワーキンググループには、我々の意見も聞いていただいて、現場の女性の消防官の方も入っていただいて意見交換していただいて、非常に前向きな報告書を出していただいたというふうに私は理解をしているところです。
 それで、その後の消防庁の取組と各消防本部における対応について紹介をしていただきたいと思います。
#192
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 消防庁におきましては、平成二十九年二月に設置をいたしました消防本部におけるハラスメント等への対応策に関するワーキンググループの提言を踏まえまして、昨年七月に対応策を取りまとめたところでございます。
 具体的な内容といたしましては、各消防本部に対しまして、ハラスメント等を撲滅するとの意志を組織のトップであります消防長が明確にし、消防職員に周知徹底することや、ハラスメント等の発生に備えました通報制度の確立や相談窓口の設置などにつきまして、全国の消防本部に対しまして通知を行い、そして全国十四か所で説明会を開催いたしまして、消防本部の幹部などに対しまして直接要請もいたしました。
 各消防本部におきましては、こういったことを受けましてハラスメントの取組を進めていただきまして、その結果でございますけれども、本年三月末に取りまとめました調査によりますと、平成三十年度末までに、ハラスメント等の通報制度について九六・二%、相談窓口につきましては九五・四%、こういったふうな本部が設置をするというふうに回答するなど、一定の進展が見られてきております。
 今後に向けましては、引き続き全国で消防本部のハラスメント相談員向けの研修会を開催するとともに、取組が不十分な消防本部につきましては取組状況を公表するなど、更なる取組を徹底してまいりたいと考えております。
 また、消防庁には、消防庁にもハラスメント等相談窓口の専用電話回線を設置いたしまして、三月三十一日までに九十八件の相談がございまして、相談者本人の希望に応じまして関係消防本部等へ情報提供いたしまして調査を依頼するなど、解決に向けまして対応をしているところでございます。
#193
○江崎孝君 ありがとうございます。
 消防の現場というのはパワハラもセクハラも含めて自殺者が結構多いところでもございまして、非常に喫緊の取組、課題だと、是非共有化していただきたいと思うんですが、午前中、片山先生の方の質問あったんですけれども、そうはいってもやっぱり女性の消防吏員の数が少ない。
 これ、私も調べましたが、警察官が八・五%、自衛官が五・九、海上保安官が六・二で、消防吏員は二・六なんですね。これを五%まで、十年後に五%まで引き上げるというふうにしていますが、その女性の消防職員、消防吏員の方が増えない理由は何であるとお考えですか。
#194
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 平成二十七年の四月に女性消防職員向けに行ったアンケート調査におきまして、女性職員が増えない理由を尋ねたところ、女性が働く職場というイメージがないといったことや、体力が必要で女性が能力を発揮しにくいなどに多くの回答が示されております。
 その一方で、採用する消防本部の側につきましても、広報が不足するなど、女性職員の採用に積極的には取り組んでこなかったところもあるというふうに考えております。
#195
○江崎孝君 一つは、そういう女性の、今おっしゃったとおり、女性が働きやすいというか、そのイメージではないと。
 これ、私も消防職員の女性の方とお話をするんですけれども、やはり男性中心のずっと消防の現場だったので、まあ嫌みではないんでしょうけれども、こういう全体の執務室の中で、膝まで下ろして着替えをするとかというのを平気でやっている事例もあるようなんですね。その女性の方がおっしゃっていたのは、女性の消防吏員の方がおっしゃっていたのは、やっぱり満員電車の中でやらないことはやってほしくないと、職場において。これ当たり前のことなんですよね。それからすると、あの財務省の問題というのはもうとんでもない問題だと思うんですけれども。
 私は、その意味で、職域の問題として、やはり警防業務における女性の進出というのもまだまだこれからだと思うんですよ。やはり非常に、二十四時間体制であるということ、あるいは消火、救助、救急救助などに対する、そこはやっぱり女性が非常に不適切だ、不適切という言葉がどうか分かりませんが、女性はそこには求めないという使用者側、つまり消防庁側の強い姿勢があるやに思うんですが、この考え方というのはもちろん改めていかなければなりませんが、実際、やっぱりそういう流れがあると思うんですね。これについてどうお考えになられますか。
#196
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 平成二十九年の四月一日現在でございますけれども、女性消防職員の配置先につきましては、御指摘もございましたけれども、総務とか予防業務などの日勤の業務の従事者が約半数でございまして、多くを占めておりまして、その一方で、消防隊とか救助隊などの警防業務につきましては少ない状況がございます。ただ、救急業務につきましては比較的多くの女性職員が活躍しておりまして、利用者からは、女性ならではのきめ細やかな対応で良かったといった声も多く寄せられております。
 なお、消防隊につきましても、女性の従事者が少ないところではございますけれども、少しずつではございますけれども女性職員が増えてきているところもございます。
 消防庁としまして、引き続き、先進消防本部の事例の情報提供などを通じまして、女性消防職員の職域の拡大に取り組んでいきたいと思っております。
#197
○江崎孝君 男女雇用機会均等法の六条に、配置についての性別を理由とする差別の禁止というのがあるんですね。そこまで抵触するとは僕は言いませんけれども、やはりそういう問題もこれから惹起するようなことになりかねない。その意味で、例えば、結婚後、いつ妊娠するか分からないと言われて毎日勤務にさせられたとか、あるいは、育休後には戻る場所はもうないぞと上司に言われたとか、やっぱりいろんな事例があるんですね。
 やっぱり、これはいろんな意味でまだまだ対策、取組が不足していると思います。その改善に向けての何か方策、考え方があったら教えてください。
#198
○政府参考人(緒方俊則君) 女性職員の職域拡大というのは非常に重要な問題と認識いたしておりまして、まずは各消防本部に対しまして働きかけを進めていきたいと考えております。
#199
○江崎孝君 是非、冒頭おっしゃったとおり、まずは長、組織のトップ、ここがしっかりとセクハラ、パワハラ、あらゆるハラスメントに対しての認識をはっきりしていただいて、そこに対するやっぱり指示を明確にもう一度発していただきたいと思うんですが、可能でしょうか。
#200
○政府参考人(緒方俊則君) 御指摘のとおり、各消防本部のトップに対しまして、しっかりとそういった必要性を認識していただけるように進めていきたいと思っております。
#201
○江崎孝君 こうやって、消防庁ではセクハラに対してすごい取組をやっぱりやっているんですよね。
 まだまだ道半ばですが、そうやっているさなかに、済みません、やっぱりこれ触れざるを得ない。やっぱり御本人の開き直りというようなことは僕、許せないし、あるいは財務省の今回の対応というのも大変僕は憤りを感じています。
 その中で、ちょっと急にお話を変えて申し訳ないんですけれども、セクハラの話を、これ大臣の思いだけで結構ですが、麻生大臣は、今回の調査、記者をどうするかという調査、これはもう本当に私、怒り心頭の調査なんですけれども、本人が出てこなければどうしようもないと、被害者とされる女性記者が申し出なければセクハラと認定するのは難しいという認識を示したものだという、こういう記事も出るようになったんですが、これについて大臣の思いというか考え方というか、何か率直な感想を聞かせてください。
#202
○国務大臣(野田聖子君) 一言では語り尽くせないわけですが、セクシュアルハラスメントということは何ぞやということを、やはりなかなかきちっとこの国では男女とも学ぶ場が非常に少なかったと思います。世代によってやはりそのことを知らずに育った世代もあり、私も三十二年前に県議会議員の選挙に出て、それでその後浪人生活を送ったときに相当ひどい目に遭ったんですが、その当時はセクシュアルハラスメントという言葉がありませんでしたから、もうどうしようもなかったです。
 でも今はあって、そしてちゃんと人事院の方でも各省庁に対してマニュアルというかテキストを作ってくれて、この間も総務省の皆さんにはもう一度、再度繰り返し送ったんですけど、それを読んでいただくと、やはり、もしセクシュアルハラスメント、被害者の側、専ら女性が多いんですけれども、に立っていただけるとうなずけることが多いんですが、やはりそちらの側に立てないと、えっと思うようなことを言われたり、やられてしまうんだなと。
 ここに、手元にも、先ほども申し上げたんですけれども、やはり不快であるか否かの判断にしても、基本的には受け手です。受け手が不快に感じるか否かによって判断する、それを非常に憤る男性もいます。でも、これがセクシュアルハラスメントなんですね。
 そういうところの原理原則を知っていただいた上で、やはり調査の在り方とかそういうことも、あくまでもセクシュアルハラスメントで私たち男女共同参画の立場として取り組むことは、その被害に遭われた方の保護、そして救済なんですね。そこが始まりとするならば、おのずとどういうことをしなければならないかというのは分かってくるんだろうと思っています。
#203
○江崎孝君 その意味で、この麻生大臣の、まあ財務省の今回の調査の根本がここだと思うんですけど、本人が名のり出なければセクシュアルハラスメントを認定できないという、この感覚というのが私はどう考えても理解できない。
 そこで、人事院の、お見えになっていると思うんですが、これ、財務省は人事院規則の一〇―一〇に該当しない、事務次官は、何かそんなへんちくりんな、野党六党の会議の質疑の中で何か言ったように聞きますけれども、これ人事院規則一〇―一〇って事務次官には関係ないんですか。
#204
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 人事院規則一〇―一〇「セクシュアル・ハラスメントの防止等」は、事務次官を含む一般職の国家公務員に適用されます。
#205
○江崎孝君 ということは、そのちょっと財務省の認識を僕はおかしいなと思うんですけれども、やっぱりこれは国家公務員を含めて全体に影響すること。
 そこで、例えば、お聞きしますけれども、これ人事院規則の一〇―一〇の指針というのが出されていますよね。その中で懲戒処分というのがあって、ここに懲戒処分という項があるんですが、もう御存じだろうと思って質問しますが、セクシュアルハラスメントの態様等によって信用失墜行為、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがあると。これ該当しませんか、今回の事案は。
#206
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 本件につきましては、財務省において事実関係の調査を行っているところだと承知しております。任命権者において事実関係を把握の上で適切に御判断いただくものと考えております。
#207
○江崎孝君 いや、人事院に調査しろというところまで言いませんけれども、そういう回答じゃなくて、やはり一般的でもいいですから、これ、公文書管理の問題も言いましたけれども、こういう事例はあってはならないことですよ。あってはならないことだからこそ、こういう事例があったときに対岸の火事にしないで、こういう問題はおかしいんだということをやっぱり全体に認識させていかない限りは、何回も起きますよ、こんなことは。というか、氷山の一角だと思うんですよ。
 例えば、同じ規則、指針の中にセクシュアルハラスメントになり得る言動というのもあって、これ事例まで書いてありますね。ちょっと僕は余り読みたくないんですけれども、あえて読ませていただきますよ。性的な関心、欲求に基づくもの、スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること、聞くに堪えない卑わいな冗談を交わすこと、性的な経験や性生活について質問すると、ばっちり当たっているじゃないですか、これ。
 今回の、聞いていた、今、僕の質問、内容聞いていました、音声データが、これ、御本人はいっとき自分の声だと言っていらっしゃったんですね。それで、御自身のこの前の調査の中でも、音声データは自分のものではないという確実な完璧な否定はされていないんですよ。それと、麻生財務大臣は、あれは事務次官の声だねと言われているわけで、これはもう完璧に、多分音声鑑定すれば、声紋鑑定すれば間違いなく御本人の発言なんですね。
 そこで、もう一回大臣にお伺いしますと、要するに、その御自身がああいう発言をされている。相手が記者であろうと誰であろうと関係ないですね。今言っているとおり、職場であろうとどこであろうと関係ない。世界中のセクハラはそうなっているわけですから。職場外で出されたことも含めて、例えば、この前からイギリスだってセクハラでいっぱいいろいろ問題が起きているのは、別に職場だけの問題ではない。対外的にそういうことがあらわにされて、職を辞されている方いっぱいいらっしゃるわけでありますから。この人事院規則というのは職場環境だけではないと、僕は一つの心構えとしてやっぱり適用されるべきだろうと思うんですけれども。
 どうでしょう、大臣、私は、あの言葉をずっとテレビで聞かされるたびに私自身は不快になるわけですよ。国民の皆さんもほとんど不快になっていると思うんですよ。これ、下手をすると国民全体に対するセクハラっぽくなってきているわけですね、あれが報道で流されていけば。そして本人の言葉だということはほぼ間違いない。こういう状況を、財務省の単なる調査だけで、今の財務省の財務大臣の対応だけでよしとされますか。男女参画大臣、大臣のお考えを。
#208
○国務大臣(野田聖子君) 今朝閣議がございまして、その前に集まる場所があって、そこで私は直接麻生財務大臣、事務次官の問題ですから直接の責任者は財務大臣でありまして、現時点までの財務省がなさった調査の報告をお尋ねしましたところ、現時点で、全て調査が終わっているわけじゃないんですが、まず、当事者たる事務次官の弁明は全面否定ということを伺ったところです。
 ですから、今委員のおっしゃったことももっともですけれども、今時点で私の立場では、御本人が全面否定している以上仮定の話はできませんけれども、一般論として申し上げれば、先ほど申し上げたように、セクハラというのは、不快であるかどうかというのは受け手が不快に感じるかどうかというのが判断になるわけですから、その職業がどうであれということではないんだと私は思っています。
 あともう一つは、国家公務員として、勤務時間外においても自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常にやっぱり認識して行動していただくことは大変重要なことではないかと考えているところです。
#209
○江崎孝君 その意味で、やっぱり人事院規則の一〇―一〇は事務次官にもきちっと対応するわけですから。
 例えば、僕が最初聞きましたこの懲戒処分に当たるんじゃないかという話のところというのはどうなんですか。今回の財務次官のあの発言、これは、調査されているのは相手が記者かどうかという話であって、あの発言の中身については決して否定をされていないんですよね、御本人の。記者に対してはそういう話はしたことがないというふうに言われていますけれども。
 仮にあの中身が、あの発言が、いずれにしてもはっきりしてくるというふうに思います、真意がはっきりしてくると思うんですけれども、言った内容が間違いなく御本人の発言で、誰かの女性に対する発言であって、あれがデータとして流されていったということは、その事実関係だけ考えられたときに、これ懲戒処分の対象となるんじゃないんですか。人事院の方、どうでしょうか。
#210
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 人事院規則一〇―一〇第二条では、セクハラを「他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動」と定義しております。
 個別の事案について個々の言動がこのセクハラに当たるか否かは、事実を確認した上でこの定義に該当するかどうか判断されるものと思います。
 また、大臣の方から御答弁もありましたけれども、国家公務員法第九十九条におきまして、国家公務員の信用失墜行為禁止ということがございます。
 いずれにいたしましても、そういう枠組みがございますけれども、現在調査中の事案でございますけれども、それ以上のことにつきましては控えさせていただきます。
#211
○江崎孝君 では、最後の質問をします。
 大臣、違和感、相当やり方に違和感があるというふうにおっしゃっていますですね。これの真意というのは、大体今の、これまでの議論の中で分かるんだけれども、やはりここはっきりしておかないといけないと思うんですね、違和感といったら一体どういうことなのかということ、大臣の御自身の言葉として。やはりそこはもう一度聞かせていただきますけれども、これ十六日、昨日ですね、昨日記者会見で述べていらっしゃいますけれども、財務省は分かっていない、女性のセクハラ被害は云々ということでございます。この財務省は分かっていないというところに、やり方に違和感があるというふうなことにつながっていくと僕は理解をするんですが、このやり方に違和感があるという言葉について、その真意をもう少し聞かせてください。
#212
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、答弁をおまとめください。
#213
○国務大臣(野田聖子君) 今調査中ということで、その調査のやり方についての違和感についてだけ申し上げたいと思います。
 一つは、当事者である事務次官の部下である官房長の名前で報道各社へ要請がなされたこと、そして、財務省と顧問契約のある弁護士事務所を窓口にしていることなどの点について違和感があると申し上げました。
 というのは、セクハラそのものは、そもそも親や友人にすらなかなか告白できないつらいことでありまして、ましてその第三者に声を上げるには被害者に負荷が掛かるという被害者の立場になっていただくと、そんなに簡単に申し上げられないということ、そのことを考えた上ではちょっとハードルが高い仕掛けなのかなというふうに私は思いました。
#214
○江崎孝君 終わります。
 こんなに大変な問題だと思います。財務省の姿勢を厳しく批判して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#215
○委員長(竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト