くにさくロゴ
2018/05/15 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第8号
姉妹サイト
 
2018/05/15 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 総務委員会 第8号

#1
第196回国会 総務委員会 第8号
平成三十年五月十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     太田 房江君
     徳茂 雅之君     二之湯 智君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     白  眞勲君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     杉尾 秀哉君
     白  眞勲君     森本 真治君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     足立 敏之君
     山本 順三君     朝日健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹谷とし子君
    理 事
                島田 三郎君
                堂故  茂君
                森屋  宏君
                秋野 公造君
                吉川 沙織君
    委 員
                足立 敏之君
                朝日健太郎君
                太田 房江君
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山田 修路君
                山本 順三君
                魚住裕一郎君
                礒崎 哲史君
                森本 真治君
                江崎  孝君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     野田 聖子君
   副大臣
       総務副大臣    坂井  学君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小林 史明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       三角 育生君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       長        住田 孝之君
       総務省総合通信
       基盤局長     渡辺 克也君
       総務省政策統括
       官        谷脇 康彦君
       消防庁長官    稲山 博司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信
 研究機構法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、佐藤啓君、徳茂雅之君及び難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、二之湯智君及び杉尾秀哉君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官三角育生君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(竹谷とし子君) 電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森本真治君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の森本真治でございます。
 連休が明けて久しぶりの総務委員会でございますけれども、会派名が変わりまして、委員の数も礒崎委員と我々二人になりましたけれども、変わらずに頑張っていきたいと思いますので、大臣、よろしくお願いをいたします。
 二十五分ということでございますので、早速質問の方をさせていただきたいと思いますけれども、今回の法案、幾つかポイントがあると思いますけれども、今日は、限られた時間で、特にサイバーセキュリティーの問題、対策についてを中心に、総務省、また内閣府からもお越しいただいておりますけれども、お伺いをしたいというふうに思います。
 今回、法案の中で、新たに、NICTですね、NICTがパスワード設定に不備のあるIoT機器の調査を新たに行うということですね。本来、この調査手法というのは不正アクセス行為に当たるものだというふうに認識しておりますけれども、それを除外規定を設けてこの調査を可能にするということでございますが、それで、ちょっと一点だけ確認したいんですけれども、まず、今回、これ五年の時限措置というふうに伺っているんですけれども、これ何で五年間というふうに区切っているのか、五年で全て完結させていくということの認識でいいのかどうか、お伺いしたいと思います。
#7
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今回業務を追加する脆弱性調査につきましては、五年間の時限ということにさせていただいております。これには幾つか理由がございます。
 まず一点目といたしまして、今回の法案の中でも、三年を経過した時点で改めて今回の追加業務の規定について見直しを行う、検証を行うということにしております。といいますのが、このサイバー攻撃の分野というのは非常に日進月歩でございますので、果たして今回の調査のようなものが効果があるのかどうか、こういったことを改めて検証を行い、そのまま継続して行うのか、あるいは何らかの変更を行うのか、こういったことを検証してまいりたいというふうに考えております。
#8
○森本真治君 見直し規定ということでの五年ということだということで確認させていただきました。
 それで、衆議院の審議の議事録も確認はさせていただいて、今回の調査ですけれども、IPアドレスの情報を取得するということで、これは個人が特定できるものではないということでも確認をさせていただきました。個人情報を取得するものでもないということですね、これも確認させていただいておるんですけれども、一方で、国民の側からすれば、ある意味、今回、国家機関が国民生活への介入というような、そういうような不安を抱く国民も決して少なくないんではないかなというふうにも私は懸念をするわけでございます。
 この本法律案、法案が成立した後、国民が不安を抱かないような丁寧な丁寧な説明ということも必要と考えるんですけれども、今後、この法案成立後、どのように国民の不安を払拭していく努力をされるのか、そのことについてのお考えをお伺いしたいと思います。
#9
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、国民の皆様に丁寧な説明をしていくということは極めて重要なことだと思っております。総務省におきましては、情報通信研究機構、NICT、電気通信事業者、あるいは消費者庁などの関係機関と協力をしながら、ユーザーの皆様に対しまして、IoT機器のパスワード設定を適切なものにすることについて啓発活動をまず行うとともに、NICTがパスワード設定に不備のある機器の調査を行い、該当するユーザーには電気通信事業者から注意喚起を行うことについて積極的な周知活動を行うこととしております。
 また、ユーザーへの丁寧な対応を行うとともに、この取組の実効性を確保する観点から、サポートセンターを新たに設置をいたしまして、パスワードの設定、変更の方法が分からないユーザーの皆様に対しても電話などによる御案内を差し上げることとしているところでございます。
#10
○森本真治君 丁寧に説明をするということでございますけれども、ちょっと今の御答弁の中でもあったんですけれども、注意喚起を促すということは、既にその機器に脆弱なというか、そういうような状態がある人に対してその時点で説明をするというふうにも、今の答弁では受け取れたんですね。
 私がちょっともう一つ心配するのが、今回の調査に便乗して、いわゆる例えば特殊詐欺のようなものを考えるやからというか、そういう者が出現する危険性もあるのではないかというふうにちょっと心配をしたんですね。ですから、事前にこういうような調査を行ってというようなことも説明もする必要があるし、今後、こういう新たな取組に便乗した様々な悪質な行為を行うような人が出てくるということを想定して対策を取っていく必要もあるんではないかというふうに思います。
 電気通信事業者を名のってとか、場合によっては総務省とかNICTを名のって注意喚起を促すふりをしながら、実際にそこに入っていくといろんな被害を受けるというようなことも想定はされるわけでございます。個人情報の取得、違法取得などをそのようなことを利用して行うこともあるんではないかというふうに思うんですけれども、その辺りについての認識であったりとかその対応ですね、どのように考えているのかということもお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(谷脇康彦君) お答えを申し上げます。
 今回の調査に際しましては、先ほども申し上げましたように、サポートセンターを設けてここで対応していくこととしておりますけれども、ただいま委員から御指摘がございましたようなこの調査に乗じた詐欺行為、こういったものに対する注意喚起も併せて行ってまいりたいと思いますし、それに際しましては、消費者庁等関係する機関とも連携を十分に取りながら進めてまいりたいと考えております。
#12
○森本真治君 繰り返し注意喚起というようなお話がありました。
 私、先日、情報セキュリティーとかサイバーセキュリティーの勉強会などにも参加をさせていただいて、その中でもあったんですけれども、例えば、今我々もパソコンなどを使って、いろんなメールが来ますね。まず、その中で例えば迷惑メールということで分類をしてくれるような機能とかもありますけれども、無意識のうちにそれをクリックするようなこともあって、それが例えば何万通、何十万通とか何百万通その犯罪行為を行おうとする側は送って、その中の数件でも、数百件でもそこにヒットすれば、それである程度、それだけの数を送っても、その送る側からすれば意義があったというようなことだから、あえてそういうことは繰り返されるんだというようなお話もあって、これはある意味、注意喚起をするだけで本当にいいのかということ、今回の取組だけに限らず、この情報セキュリティーということ、サイバーセキュリティーということに対しても何らかの技術的な対応ということもやっぱり考えていかなければならないんではないかなというふうにも思っているんですけれども、その辺りについてはいかがですか。
#13
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、注意喚起、これはまず基本的に重要なことでございますけれども、それに加えまして、これまでも、民間の組織でございますICT―ISACという組織におきまして、例えば攻撃者が持っておりますサーバー、C2サーバーというふうに呼んでおりますけれども、パソコンが感染をして、このC2サーバーにアクセスしようとするときにこの通信を遮断するだとか、もう少し積極的な通信の遮断であったり、あるいはユーザーに対する更なる積極的な情報提供であったり、こういったことも行っているところでございまして、今回御審議をお願いしております脆弱性調査と併せまして、様々な観点から官民が連携をしながら、注意喚起以外の施策についても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#14
○森本真治君 技術的な対応についても積極的に考えるというお答えがございました。
 今、具体的なその内容についてはなかなか御説明は難しいかもしれませんけれども、繰り返しになりますけれども、注意喚起というようなこと、啓発というようなことは、これまでもいろんな面で、いろんなところで言われるというふうにも認識しておるんですけれども、特にこのサイバーセキュリティーというものが、特にこれからIoT社会がどんどん進展していくような中といったときには、逆に大きな社会全体へも及ぼす影響ということが、まあ光と影といいますか、このIoTがどんどん進展することによるプラスの面もたくさんありますけれども、一方で大きなリスクもしょいながらこの進展が進んでいくんだろうというふうにも思いますので、引き続きのその辺りの対応ということもお願いをさせていただきたいと思います。
 続いてですけれども、先ほどもちょっとあったんですけれども、サポートセンターの設置を想定しているというようなことがございましたが、ちょっとこの辺りの中身についてももう少し詳しく御説明をしていただければというふうに思いますけれども、これ法律事項として書き込まれているものではありませんし、今考えていらっしゃることでお伺いしたいんですけれども、これ、サポートセンターの例えば予算なども今後しっかりと付けていかなければならないんだろうというふうに思います。また、具体的なこのサポートセンターが行う内容、この辺りについて、どの程度の規模というようなことも含めて現時点で想定しているのか、お伺いしたいと思います。
#15
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ユーザーの、国民、利用者の皆様への丁寧な対応を行っていくということが今回の脆弱性調査においても極めて重要でございまして、繰り返しになりますけれども、サポートセンターを新たに設置をいたしまして、例えばパスワード設定の変更の方法が分からないユーザーに対しても電話などによる御案内を差し上げることとしております。
 予算でございますけれども、このサポートセンターの設置につきましては、啓発活動あるいは周知活動も含めまして、平成三十年度予算のIoTセキュリティ総合対策の推進、これ約六億円でございますけれども、この一部を用いて措置をする予定としております。
#16
○森本真治君 いろいろと利用者の方でどちらにしても対応を最終的にはしていただかなければならないということになるんですけれども、いろいろ注意喚起をしたりとか啓発活動をしたりとか、サポートセンターを設置しますけれども、どちらにしてもその利用者の方が対応をきちんと取ってもらえるか、そこまで行かないとこの対策は取れていないということだと思うんですね。
 実際にその利用者がきちんと対応をしたのかどうかということですね、そこまでの確認というようなことはこれできますかね。もうある程度そこはもう自己責任でやってもらうということになるんですかね。どうなんですか。
#17
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 どのような対策を利用者の皆様方で講じていただいたかということについて個別に対応していくということは極めて難しい面がございますけれども、ただ、継続的に複数回にわたりまして広域的なネットワークのスキャンを行いまして、脆弱性がどれくらい残っているかということについてはデータを取得していくこととしておりますので、何%ぐらいがまだ残っているのかという全体的なトレンドあるいは対策の効果、こうしたものについては継続的かつ反復的に計測をしながら、政策の有効性というものについて随時検証してまいりたいというふうに考えております。
#18
○森本真治君 そうすると、これは繰り返し繰り返しそういうふうに調査をする中で、電気事業者さんの方に粘り強く情報提供をしていって、電気事業者さんの方も粘り強く利用者さんの方に対応してくださいと、その繰り返しを続けるというような理解でいいんですかね。
#19
○政府参考人(谷脇康彦君) 委員御指摘のとおりでございます。
#20
○森本真治君 なかなかそこの辺りは難しいところでございますけれども、現状として対応可能な方策ということで現状を今お答えもいただいたのかなというふうにも思いますけれども、この辺りは、先ほど五年間で終わるのかというようなお話もさせていただきましたけれども、終わりはない話なんでしょうから、今後も不断の努力というものも私の方からもお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 NICTの体制強化ということについてお伺いしたいというふうに思います。
 NICTの調査で、先ほど来お話しさせていただいております今のこのサイバーセキュリティーですね、サイバー攻撃というようなことで、これが五年間で十倍以上になっているとの報告がありますけれども、このサイバー攻撃の態様、技術の進展と相まって日々進化しているということですね。これは、今後、このNICTにおいても、今回新たにこの攻撃への対策ということでありますけれども、しっかりと例えば対抗する研究開発というようなことも今後更にやっていかなければならないというふうに思うんですね。
 このNICTの体制強化というような観点で、今後の例えば研究開発予算というものをしっかりと増強させていかなければならないとか、設備投資、人員の増強などということも重要になってくると思うんですけれども、この辺りについてのお考えですね、NICTの体制強化についての考え方、どのように考えているのかということもまずお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(野田聖子君) 森本委員御指摘のとおりでございまして、とても重要なことであります。
 これまでNICTにおいては、その有する技術的知見等を、それを生かしたサイバーセキュリティー分野の研究開発に取り組んできております。具体的には、サイバー攻撃の状況をリアルタイムに把握して分析するシステム、nicterの開発とか、攻撃者を外部から仮想環境に誘引してサイバー攻撃の手段を観測、分析することを可能とするシステム、これはSTARDUSTの開発等に取り組んでいて、今後、この法案によって新たに追加されるIoT機器の調査の業務を含めて更に取組の強化を行うこととしているところです。
 総務省としては、サイバーセキュリティー上の脅威に対抗するため、NICTにおける先進的な研究の成果を最大限に活用していくことが重要だと思います。今後も、そのために必要な予算の確保に努め、我が国のサイバーセキュリティーの強化に全力で取り組んでまいります。
#22
○森本真治君 今の段階で具体的な考え方というところは、何か御説明いただければと思いますけれども、どうですか、具体的なこの体制強化、新たなものとかありますか。
#23
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 例えば、昨年の四月でございますけれども、サイバーセキュリティー人材が圧倒的に不足しているという中で、サイバーセキュリティーに関する人材育成のための組織を昨年の四月にこのNICTに設けたところでございます。
 このような人材育成の推進ということ、これに加えて、先ほど大臣から御答弁を申し上げました新たな技術の開発、こうしたことを多角的な観点からNICTにおいて進めているところでございまして、今後とも状況が非常に急速に変化をしていく分野でございますので、組織の在り方についても柔軟に対応していく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
#24
○森本真治君 御答弁いただきました人材育成という話で、これはSecHack365というんですか、これがスタートしたというふうにも伺っておるんですけれども、ちょっとこの取組についても指摘をさせていただきたいのが、これ伺うと、定員は四十名、倍率がすごい数の倍率だったというふうにもちょっと伺っておったんですけれども、さらにこれ年齢制限が二十五歳以下というような、事前に聞くと、柔軟な発想のときにやるということで二十五歳、もう私四十五歳だから柔軟な発想がないのかもしれませんけれども、対象にはならないということですけれども、人材不足の認識は持っていらっしゃって、定員は四十名だけど、もう何十倍という今これ倍率になっているという部分でいえば、この辺りも柔軟に今後考えていく必要があるんじゃないか。定員を増やすとか対象年齢を増やすというようなこと、拡大していくということですね、そういうことも是非ちょっと提案をさせていただきたいんですけれども、この辺り、検討はできますか。
#25
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 近年、サイバー攻撃が巧妙化、複雑化している中で、実践的な対処能力を持つサイバーセキュリティーの人材が質的にもまた量的にも不足しておりまして、人材の育成は我が国にとって非常に重要な問題となっております。
 NICTにおきましては、平時から情報セキュリティー担当者などのインシデント対応能力を高める必要があるという認識の下、国の行政機関、地方公共団体、あるいは重要インフラ事業者などを対象とした実践的なサイバー防御演習、CYDERを実施しております。その演習の効果といたしまして、受講者に対してスキルチェックテストを実施しましたところ、受講後の成績が受講前の成績と比べて約一・五倍になったという結果が報告されております。
 また、既存のセキュリティーソフトウエアを単にユーザーとして利用するだけではなく、新たに自ら研究開発することができる人材の育成が必要であるとの認識の下、今委員から御指摘がございました二十五歳以下の若手セキュリティーイノベーター育成プログラム、SecHack365を昨年度より実施をしているところでございます。
 このプログラムの成果といたしまして、第一級の研究者、起業者の創出が期待されるとともに、NICTでは修了生のコミュニティーを形成をしまして持続的な能力開発にも取り組むこととしておりまして、今後とも引き続きこうした取組を継続してまいりたいと考えております。
#26
○森本真治君 質問でお伺いしたのは、現状ではなくて、今後の対象拡大というか定員拡大というようなこともちょっと検討できないのかなと、不足しているんだけれども、希望者はたくさんいるわけですから、というふうにも思ったんですけれども、ちょっともう一度。
#27
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 非常にこのSecHack365につきましては希望者が多いという委員の御指摘でございます。今後とも、予算の制約はございますけれども、なるべく多くの方にこの研修プログラムに参加していただけるよう、私どもとしても最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#28
○森本真治君 セキュリティー人材の不足という認識はあるわけで、事前にこのセキュリティー人材、IT人材の不足規模に関する推計調査というようなこともちょっと今見させていただいて、情報セキュリティーの人材不足もこれは二〇二〇年では約二十万人不足すると、これは全体でですね、というような調査も出ているわけでございますので、確かに予算というようなことを言われてしまうともうそれ以上の話ができなくなるというようなこともありますけれども、そこは努力をしていただいて、予算の確保というようなことも大臣も言われているわけでございますから、しっかりとそこの対応を取っていかなければならないというふうに思います。
 それで、この情報セキュリティー人材の不足という中で、政府機関における人材についてということでちょっとお伺いしたいと思います。
 現状でございますけれども、今、この政府における、例えば、これはNISC、警察庁、防衛省も含めて、いろんなところでの人材強化というようなことを課題として認識されていらっしゃるんだというふうに思いますけれども、これ、報道ベースではあるんですけれども、例えば、このセキュリティー人材、北朝鮮でも七千から八千人、アメリカでも三万人、中国では六十万人というようなこれ報道などもあるわけなんですね。
 これ、他国と比較することができるのかどうかということがありますけれども、我が国のこの政府機関におけるセキュリティー人材というところが現状どのように今認識をされていらっしゃるのか、ちょっと諸外国との比較なども含めて、認識をお伺いしたいと思います。
#29
○政府参考人(三角育生君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、政府におけるサイバーセキュリティー人材の育成確保の強化は重要な課題であると認識しております。
 例えば、今、北朝鮮の話などもございましたが、各国でサイバーセキュリティー人材の担う任務、それから役割、基準、これが異なるため、一概には他国の政府におけるサイバーセキュリティー人材の状況についてお答えすることは難しいわけでございます。ただし、一般論として申し上げますと、二国間協議、多国間枠組みの様々なチャンネルを通じまして、人材育成を含む互いのサイバーセキュリティー戦略に関する情報交換を行うなど、他国の状況も把握しつつ人材育成を進めているところでございます。
 こうした中、サイバーセキュリティ戦略本部におきまして決定いたしましたサイバーセキュリティ人材育成総合強化方針に基づきまして、平成二十八年度から、各府省庁におきましてはセキュリティー対策を専任で担うサイバーセキュリティ・情報化審議官等を設置しているところでございます。各府省庁は、こうした司令塔機能の下、セキュリティ・IT人材確保・育成計画を作成いたしまして、計画的にサイバーセキュリティー人材の採用、育成を行っております。
 内閣サイバーセキュリティセンターでは、毎年その実施状況についてフォローアップを実施しているほか、サイバーセキュリティ・情報化審議官に対する研修や情報共有を行っているところでございます。平成三十年度におきましては、本府省庁全体で約五十名の定員増による体制強化を図るとともに、俸給の調整額についても約五十のポストの要求が実現しております。
 内閣サイバーセキュリティセンターといたしましては、引き続き、各府省庁のサイバーセキュリティー人材の育成強化を推進してまいりたいと考えております。
#30
○森本真治君 ちょっと他国のことを持ち出したのも、現状、我が国政府機関におけるサイバーセキュリティーの対策というものがどのレベルにあるのかということをどう判断していくのかなというところがあったんです。もちろん、目標とかというのがありますけれども、じゃ、現状は、今これが十分なのか不十分なのかという判断をするときの、その評価をする基準というものがちょっと説明をしていただきたかったんですよね。
 不足しているとかというようなことを言うんだけれども、じゃ、今どの段階にあって、目標どうするのかというようなことは、どのように考えながらこの取組を進めているのかということですね、もう少しちょっと御説明いただければと思います。
#31
○政府参考人(三角育生君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、計画的にサイバーセキュリティー対策強化、これを図っていく必要がございます。これにつきましては、大体三年ぐらいをめどでございますが、サイバーセキュリティ戦略、これはサイバーセキュリティ基本法に基づきまして閣議決定しております、これに基づきまして毎年年次計画を作りまして、そこで達成しているかどうかということを見ているところでございます。
 人数、体制につきましては、御指摘のとおりまだ強化をしなければいけないという認識でおりまして、ここにつきましては、先ほど申しましたように体制強化を図っていくということでございます。
#32
○森本真治君 済みません。ちょっと委員の数が少なくなって質問時間がもう終わってしまいまして、ちょっと中途半端に終わってしまったんですけれども、またこの問題は、非常にこれからも重要な問題だと私も認識しておりますから、引き続き勉強もしていきたいと思いますし、いろいろとまた教えていただければということをお願いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#33
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。
 立憲民主党の議員として初めての質疑であると同時に、議員生活十一年目終わろうとしておりますが、これまで何度か電気通信事業法の質疑の機会ございました。ただ、これまで一度もあえて質疑には立っておりませんでしたので、この法案で質疑に立つのも実は今回が初めてでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 そこで最初に、電気通信行政全般について大臣に見解を伺いたいと思います。
 先月の衆議院総務委員会、四月十二日、大臣は、これまでの電気通信行政全般についての答弁で、規制緩和を進め、公正な競争環境を整備することによって事業者間の活発な競争を促してきた結果、約一・九万事業者が参入し、市場規模は約五倍に拡大するなど、大きな成果を上げてきたという旨の答弁をなさっています。確かに、一九八五年以降、新規事業者の参入を促すことで国内の情報通信市場における競争を活性化し、結果として料金の低廉化やブロードバンドの普及拡大が進展したという点では一定の成果があったことは間違いないと思います。
 ただ、しかしながら、世界に目を向けた場合、GAFA、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンがICT市場を席巻し、現在もなおその国際的影響力を増し続け、支配的な状況となっています。日本では、光ファイバー等通信インフラや通信の料金の低廉化は世界水準と比較してもトップレベルとなっていますが、アプリケーションレイヤーやプラットフォームレイヤーといった、いわゆる物理層ではなくて上位レイヤーにおいては、我が国の情報通信企業はGAFAのような世界レベルの企業と互角に渡り合えるレベルとなっているとは言い難いと思います。
 これまでの政策は、新規事業者の参入を促すことで通信市場の活性化を図るといったネットワークレイヤー、さっき申し上げたのが上位レイヤーとすれば、ネットワークレイヤーに閉じた競争政策に終始してきた感が否めませんが、こうした政策が事業領域の垣根をブレークスルーして上位レイヤーに打って出るといった通信事業者の挑戦意欲を阻害し続けてきた結果、今日のような我が国企業がグローバルICT市場においては後塵を拝する状況に至る状況をつくってしまっているのではないかとも言えます。
 ICTによって世の中の産業構造全体が変化していく中で、いつまでも旧来型の制度をベースとするのではなく、これまでのネットワークレイヤーに閉じた競争政策は一旦棚卸しした上で、今後は、ネットワークレイヤーに縛られない新たな領域への通信事業者の積極的な挑戦を促し、グローバルICT市場の上位レイヤーにおいても世界と互角に戦えるようなプレーヤーを育てるといった観点での政策を大胆に打ち出していくという方向にシフトしていくべきと考えますが、大臣の御所見を伺います。
#34
○国務大臣(野田聖子君) 吉川委員御指摘のとおりで、総務省では、昭和六十年の電電公社の民営化、通信自由化以降、規制緩和を進めるとともに、公正な競争環境を整備することによって事業者間の活発な競争を促してきたところです。加えて、消費者保護ルールを充実して、利用者利便の向上を図ってきました。結果、多くの企業が新規参入することができ、料金の低廉化とかLTEや光ファイバーなどブロードバンドサービスの普及、そういうことが進み、お話があったように市場規模は約五倍に拡大するなど、これまで大きな成果を上げてきたということを認識しています。
 さらに、電気通信事業者と様々な業種の企業との連携を可能にして、上位レイヤー、今お話があった上位レイヤーなどにおける新サービス、新事業の創出を促進するため、移動通信分野の市場支配的事業者に対する異業種との連携に係る規制の緩和、NTT東西の光回線の卸売サービスに関する制度整備などの規制改革にも取り組んでいるところです。
 総務省としては、ICTを取り巻く環境の変化を踏まえ、上位レイヤーや国際展開も視野に入れた施策に取り組んでいくことで、我が国経済の活性化や、国民がICTのメリットを最大限享受できる環境の実現にしっかり努めてまいりたいと思います。
#35
○吉川沙織君 これまでのネットワークレイヤーに閉じた競争政策から上位レイヤーに打って出られるような環境を是非総務省としてもつくっていただきたいと思います。
 一方で、旧来の市場分析や競争規制ルール等を踏襲するのではなく、情報通信市場全体を多面的、多層的に捉え、市場競争環境の変化を踏まえた政策遂行も必要だと思います。
 例えば、固定電話等の発信トラフィックはピークは平成十二年度でしたが、全通信回数の今は三〇%を下回っていますし、通信時間に至っては二〇%を下回って、回線数についてもピークは平成九年度でしたけれども、これも三〇%程度まで減少、つまり固定電話の音声市場というのは大きく縮小してしまっています。
 二〇二四年に予定されているNTTの固定電話網からIP網への移行については、こうした市場環境の変化を背景として、それでも国民の皆様に引き続き最低限の連絡手段としての音声通話を今後も利用することができるよう、いかに最小限のコストで固定電話を維持していくかという観点からの取組であるとも私は認識しています。
 総務省としてもこれらの後押しをする必要があるのではないかと考えますが、局長の考えを伺います。
#36
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、固定電話の市場が縮小している中で、NTTを始めとします事業者の追加コストを可能な限り抑えながらIP網への円滑な移行を進めていくことは重要だというふうに認識しているところでございます。
 現在の固定電話網につきましては、事業者間の通話の接続につきましては全国のNTTの交換機を介してつながる仕組みとなっており、電話番号の管理につきましてもNTTの交換機に附属しているデータベースに行われているということから、交換機等の設備の維持管理、運用のためのコストの負担が生じているというふうに認識しているところでございます。
 このため、情報通信審議会におきましても、各事業者の意見を聞きながら議論を行いながら、NTTの交換機に依存した現在の固定電話の仕組みにつきましては、まず一つ目としましては、既存の利用者に負担を掛けないよう電話の端末ですとかメタル回線は維持したままメタルIP電話を実現していくということとし、二つ目としましては、事業者間の通話の接続箇所につきましては原則として東京と大阪の二か所に集約をし、また、電話番号の管理につきましても各事業者がデータベースを保有して行う等を行うことによって、IP網の特性を生かしたよりシンプルで経済合理的なネットワーク構成、システムへの移行をするためのロードマップというのを作成したところでございます。
 総務省としましては、今御説明した審議会の答申等に基づきましてIP網への移行を促進することにより、固定電話の維持管理のためのコストを軽減できると期待しているところでございます。
 今後とも、事業者の意見も十分に聞きながら、光ファイバーや無線等のアクセス回線の活用も含めまして、固定電話が利用者に安定的かつ確実に提供されるよう必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#37
○吉川沙織君 十分に意見を聞いていただきながら取組を進めていただきたいと思います。
 一九八五年のNTTの民営化以降、先ほど総務大臣から、事業者は新規参入を促進することによって約一・九万事業者まで増えましたと答弁がありましたとおり、我が国における電気通信行政における競争政策というのは、これまでどちらかといえばプレーヤーの数を増やすことに注力されてきた側面があることは私は否定できないと思っています。
 これから5GやIoT時代が本格的に到来し、これらに莫大な設備投資が必要となる中、今ある事業者がこれからの社会インフラとなり得る5G等に十分に設備投資をできる環境をつくるべく、プレーヤーを増やすというよりも、欧州のように今ある事業者を育てるという政策転換もある種必要ではないかと思うんですが、総務省の見解を端的に伺います。
#38
○政府参考人(渡辺克也君) 御指摘のように、IoTはあらゆるものがつながるということで、まさしくこれからの第四次産業革命の起点となるというふうに思っております。特に、5Gの登場に伴いまして、利活用される範囲というのがこれまでICTを余り使っていない分野にも広がると期待しておりまして、電気通信分野には、様々な潜在的なプレーヤーと組んで、新たな領域でありますビジネスモデル、私どもB2B2Xと呼んでおりますが、こういった形で他の利用者の方々も含めたビジネスモデルの構築が必要だろうというふうに思ってございます。
 こういった認識の下、総務省としましては、具体的な利活用も想定した実証実験を推進するとともに、関係者の方々の知見もいただきながら、本年夏頃までに、地域における5Gですとか光ファイバー等のICTインフラをどういうふうに使っていくかと、こういった普及戦略も含めて検討を進めているところでございます。
 総務省としては、5Gのインフラの整備のための設備投資資金の確保にも十分留意しつつ、電気通信事業者と様々なプレーヤーとの連携を通じた新たなビジネスモデルの構築も含めて、引き続き競争政策の立案に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#39
○吉川沙織君 正面から答弁いただけなかったんですけど、後押しはしていくという答弁でした。
 プレーヤーの数を増やすという方に注力が今までどちらかといえばされていたような気がするんですけど、そうではない政策に力を入れていくという理解でよろしいですか。
#40
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 プレーヤーの数を広げるということだけではなくて、むしろ、これからそのプレーヤーの方々を使ったサービスをどうつくっていくかということで、どちらかというと、これまで電気通信、ICTに余り関与しなかった方々のサービスを、まさしくICTを活用してサービスをつくっていくと、そういった形の、新しいプラットフォーム的な面も含めたサービス創出に向けて力を入れていくことが、これからの5GあるいはIoTの進展に向けて重要だろうというふうに思っているところでございます。
#41
○吉川沙織君 ありがとうございます。
 それでは、今回の改正案の内容に、具体的にお聞きしていきたいと思います。
 今回の改正案では、サイバー攻撃への対処も項目の一つですが、このサイバー攻撃、今、多様化、複雑化している中で、電気通信事業者がお互い持っている情報を、何が問題なのかというのを共有するための仕組みをつくります。
 これに関しては、事業者同士で情報を持ち合うと、憲法に規定する通信の秘密に抵触するおそれがありますので第三者機関をつくるという立て付けになっていますけれども、これは憲法に規定される通信の秘密に関わる改正事項であるがゆえ、総務省内に検討会を設置し、議論が行われたと承知しております。検討会の取りまとめに至る経緯のみお伺いいたします。
#42
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、そのサイバー攻撃などへの対処につき検討するために、総務省におきまして、円滑なインターネット利用環境の確保の検討会というのを開催いたしました。この検討会におきましては、多数の事業者間で迅速に情報共有を行うため、情報共有の結節点となる第三者機関が必要との御意見、さらには、共有される情報には通信の秘密に該当する情報が含まれるということから、第三者機関を通じた情報共有に当たって通信の秘密に十分に配慮するということの意見があったところでございます。
 このような意見を踏まえまして、同検討会では、二月に取りまとめた報告書におきまして、第三者機関における具体的な情報の収集、分析、共有等の体制、情報の取扱いに関する安全管理措置、情報提供の相手方の範囲、情報共有の実施方法につきまして、通信の秘密やプライバシー保護との関係を踏まえて整理する必要があるというふうに整理いただいたところでございます。
#43
○吉川沙織君 今、二月に取りまとめが行われたと答弁をいただきましたが、この取りまとめる過程の中で関係事業者からは意見は聞かれていますね。
#44
○政府参考人(渡辺克也君) 関係者の方々も含めて意見を幅広く聞いて検討をいただいたところでございます。
#45
○吉川沙織君 この改正案においては、サイバー攻撃を行うマルウエア感染機器やそれらに指令を出すサーバーへの対処を促進するため、第三者機関を中心として通信事業者が必要な情報共有をするための制度を整備するとされています。
 通信元や通信先のIPアドレス、ポート番号、タイムスタンプ等の通信情報は通信の秘密として保護されるものであり、通信当事者の同意等、つまりユーザーの同意等がない限り共有を許されません。また、通信事業者にとってはユーザーのプライバシーに関わる情報でもあります。
 今回の改正案提出に当たって、通信事業者の情報共有が通信の秘密に侵害しないようどのように担保をされているのか、総務省に伺います。
#46
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 通信の秘密に該当する情報の取扱いにつきましては、原則として、委員御指摘のとおり利用者の同意が必要でございます。この法律案におきましても、電気通信事業者に対して、利用者との契約などに、情報共有について利用者の同意を取得するということを求めているところでございます。
 このほか、第三者機関における通信の秘密の取扱いに関しましては、認定に際して業務の方法などを審査し、業務の運営が不適切な場合には業務の改善の命令などを設けているほか、通信の秘密を漏らした場合などにつきまして電気通信事業者と同様の加重した罰則を設けているところでございます。
 これら取組等により、情報共有における通信の秘密の適切な取扱いを確保することというふうにしていきたいというふうに思ってございます。
#47
○吉川沙織君 改正後の法律の条文でいえば何条の何項ですか。
#48
○政府参考人(渡辺克也君) 同意取得に関しましては、改正法の電気通信事業法第十一条の二第二項第一号のロ及び第二号のロでございます。
 また、通信の取扱いに関しましての認定の審査に関しましても、同様の十一条の二の一項及び二項で規定されているところでございます。
#49
○吉川沙織君 第十一条とおっしゃる。第百十六条ではないですか。
#50
○政府参考人(渡辺克也君) 修正いたします。第百十六条の間違いでございます。失礼いたしました。
#51
○吉川沙織君 今回、新旧対照を全て拝読しましたけれども、これ、どこでユーザーの同意を担保しているのかどうかが非常に読みづらい条文でしたけれども、改正後の第百十六条の二の第二項のロとか二でやっているということでございました。
 これに関して少しお伺いしたいと思います。
 四月十二日の衆議院総務委員会で、局長から、「通信の秘密に該当する情報の取扱いにつきましては、原則として利用者からの同意の取得が必要」との答弁が二回ありました。この原則の例外とは何でしょうか。
#52
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 御指摘の個別の通信の当事者に関わる事項につきましては、通信の秘密に該当することから、サイバー攻撃の送信元の情報共有に当たっては原則として通信当事者の同意が必要となります。他方、このような通信当事者の同意がない場合であっても、法令行為、正当業務行為、正当防衛又は緊急避難に該当する場合は違法性が阻却されるということになるというふうに考えています。
#53
○吉川沙織君 今、法令行為、正当業務行為、正当防衛、緊急避難に該当する場合とありました。法令行為と正当防衛、緊急避難はある程度分かるんですけれども、この中で、正当業務行為に該当する場合、この正当業務行為として認められる事項とは具体的に何を想定されていますでしょうか。
#54
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 電気通信事業者が電気通信役務の提供等の業務を行うために必要であって、目的の正当性、行為の必要性等を満たす行為につきまして正当業務行為としていますが、具体的には、料金請求のために通話時間を確認したりとか宛先を確認したりルーティングをする場合、こういった場合等が当たるものと考えているところでございます。
#55
○吉川沙織君 料金請求の場合とか宛先のルーティングとありましたが、更にこれに関連して伺いたいと思います。
 改正後の第百十六条の二の第二項に「二 会員である電気通信事業者」というのがあります。この会員になるかどうかというのは義務でしょうか、任意でしょうか。
#56
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 任意でございます。
#57
○吉川沙織君 ここでちょっと問題を提起したいんですけど、今回、サイバー攻撃をみんなで共有して、危ない人に対しては通知をするという、こういう立て付けになっているわけですけれども、この会員が任意であるとするならば、そこの会員として入った事業者はいいが、ただ、非会員であっても情報共有は受けることができるとは伺っておりますけれども、入っていない事業者がサイバー攻撃でいえば防御の穴になってしまいやしないかということ、また、ユーザーの同意が取れなかった場合も、そのユーザーが、サイバー攻撃の注意喚起ができないということになって防御の穴になりかねないという側面もあると思います。
 つまり、この会員にほとんどの事業者がなったとしても、一部事業者が例外であるならば、そこに穴が空いて、全ての利用者から同意を取れない場合も同様の問題があるのではないかと思っています。NICTから来たIPアドレスを見てユーザーを特定し、そのユーザーに対して事業者が注意喚起をすることになるんでしょうが、ユーザーを特定することが通信の秘密と言われています。この同意を取れないユーザーを隔離すべきだということは、これは実行上問題があるんじゃないかと思います。
 今回のケースがどこまで通信の秘密に該当するかというのは議論が必要でしょうし、ユーザーの同意が取れない場合の注意喚起についても、これを正当業務行為であるとも言えるのではないかと思うんですが、検討する余地ございませんでしょうか。
#58
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 基本的には、できるだけ多くの方々に入っていただくように第三者機関を通じて幅広く促していくということが、基本的に対応していくことが重要だろうと思ってございます。また、そういった中において、基本的には、現時点におきましては第三者機関の情報の共有というものに関しましては利用者の同意というのを原則にして行ってございますが、そういった状況等を通じながら、今後必要に応じて検討をすべき課題だろうというふうに認識しているところでございます。
#59
○吉川沙織君 でも、ユーザーの同意が取れない場合というのが、原則としてというのがさっきおっしゃっていただきましたけれども、それを緊急、サイバー攻撃で何かあったら一気に広まっちゃうわけですから、これは本当に一々同意を取ってばかりいると大変なことになる側面もあるということは申し上げたいと思いますし、ユーザーの同意ではなく、例えば全事業者が感染ユーザーを特定して注意喚起できるような仕組みをつくるなどということはこれから検討に値すると考えますが、御感想あればお願いします。
#60
○政府参考人(渡辺克也君) 今お話ししましたように、同意の取り方に関しましても、多分いろいろな側面、サービスの側面について考えられる要素があろうかと思っております。もちろん、基本的には個別での同意というのが原則でございますが、例えば包括的なものでの同意ですとか、そこら辺の約款的なものを作って関係事業者との関係でそういったものを進めていくとか、いろいろな施策もあろうかと思います。
 サイバーアタックの状況等を踏まえながら、円滑にこういったものに対してどう対応できるかと、電気通信事業者の意見も聞きながら具体的な対応策というものを考えていきたいというふうに思ってございます。
#61
○吉川沙織君 この第三者機関の情報共有の仕組みも大きな、今答弁でありましたけれども、先ほど答弁いただいた今回の改正案に至る検討会の中に置かれたワーキンググループにおいて、事業者からヒアリングをしていただいたと答弁ございました。意見交換や自由討議も行われています。
 で、対応の方向性を二月に取りまとめていますが、ヒアリングにおいて、第三者機関を結節点とした情報共有の仕組みについて事業者からはどのような意見があったんでしょうか。
#62
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今お話ししました、先ほど御説明しました円滑なインターネットの利用に関する検討会におきましては、構成員とか関係者の方々からも、いわゆるその法制度とか、具体的な実施に当たっては事業者にとって過度な負担とならないような、そういった仕組みを含めてきちんと対応できるようにというふうな御指摘もあったところでございます。
 また、各事業者におきましても、こういったものを使うことによって、今後のサイバー対策におきましての効率的な対応ができるというふうな御意見もいただいていますので、そういった御意見も含めて、今回の法改正等対応したところでございます。
#63
○吉川沙織君 取りまとめに当たって行われた意見募集においても、通信事業者における情報共有に関し、通信事業者にとって過度な負担とならず、できるだけ多くの者が参加できるような枠組みにすべきとの意見は出されています。
 この事業者の意見に対し、総務省は、報告書で、「法制度や具体的な実施枠組を検討するに当たっては、御指摘の点についても十分に留意しながら検討を進めることが重要と考えます。」としています。
 DDoS攻撃等に係る通信情報は、通信事業者にとって通信の秘密及びプライバシー保護の観点から慎重に扱うべき情報ですが、総務省はこの仕組みの整備に当たり、どのような負担が具体的に生じるとお考えでしょうか。今の時点で結構です。
#64
○政府参考人(渡辺克也君) 第三者機関が情報共有の業務を行うことによって、第三者機関では、例えば業務に従事するいわゆる人件費の関係ですとか情報共有を行うための通信設備、いわゆるデータベースの、そういったものの費用が必要になるというふうに考えているところでございます。これらの費用につきましては、原則として第三者機関の会員である電気通信事業者が会費あるいは手数料として負担をすることを想定しているところでございます。
 現時点で具体的にどの程度の負担額ということに関しましてはなかなか現時点でお答えすることは難しいわけでございますが、総務省としましては、より多くの方々が情報共有に参加できるよう、第三者機関の認定を受ける一般社団法人に対しまして、参加する者に過大な負担が生じない運用ができるように促してまいりたいというふうに考えております。
#65
○吉川沙織君 対応の方向性十二ページでは、「情報共有を受けた電気通信事業者におけるDDoS攻撃等の防止措置の実施を確保しつつ、情報共有の枠組みに参画しようとする事業者に過度な負担となることを避ける等、多数の電気通信事業者の自主的な参画を図るための方策についても検討し、電気通信事業者が積極的に協力できる情報共有基盤として設計することも必要である。」としています。
 サイバー攻撃への対処を迅速に網羅的に行うためには、先ほども指摘申し上げましたとおり、全ての事業者が改正案に基づく情報共有のシステムに参画することが必要ですが、総務省は、全ての事業者が参画するためにどのような措置講じますか。
#66
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 サイバー攻撃への対処の実効性を上げるには、御指摘のとおり、本法律案の共有、いわゆる第三者機関の枠組みの中に幅広い電気通信事業者の方に参加していただくことが重要というふうに考えてございます。
 この情報共有の枠組みの検討に当たりましては、現に存在するICT分野におけるサイバーセキュリティーに関する情報収集、分析等を実施し、多くのインターネットの関係者が参加しております一般社団法人ICT―ISACを念頭にしているところでございます。
 この情報共有の枠組みにつきましては、個々の事業者では対応が困難な大規模なサイバー攻撃に連携により対応できるようにするものであり、参加をするインセンティブ、こういったものを持っていただけるよう対応を図っていきたいというふうに考えてございます。
 また、総務省としましても、サイバー攻撃への対処の実効性を上げるためにも、情報共有の重要性を説明し、より幅広い電気通信事業者の参加を促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#67
○吉川沙織君 全ての事業者が参加できるような仕組みは是非促進していただきたいと思います。
 次に、委任立法の在り方です。
 私は、ずっと、三権分立、それから立法府と行政府の関係というのはそれぞれ抑制して独立しているものだと承知をしていますが、今回の改正案第百七十六条の二では、「この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、総務省令で定める。」との規定を新たに設けるものとされています。この規定の趣旨及びこの規定に基づく省令規定事項として想定している内容について伺います。
#68
○国務大臣(野田聖子君) 電気通信事業法の改正案では、電気通信番号計画の申請手続など多くの手続を設けております。このため、個別の規定で総務省令への委任を定めているほかにも、必要な手続の様式などを定めることが見込まれることから、その根拠を明らかにするため、委員御指摘の第百七十六条の二を設けております。この規定では、法律の実施に必要な事項に限り委任することとしており、この規定に基づいて実質的に権利を制限し、義務を課す総務省令を定めることはありません。
 なお、本法律案では、法律で定められる内容は条文で定めており、委員御指摘の通信の秘密に直接関連する事項については総務省令への委任は行っておりません。
#69
○吉川沙織君 今回、改正条文を拝見しますと、省令委任事項って二十一項目あるんです。第百七十六条の二の包括委任規定を含みますけど、もう山盛りあって、確かに今答弁いただいたように、周知事項とか届出手続、記載事項、書式、添付、公示の方法ではあるんですが、であるならば、わざわざ包括委任規定を置かずともいいんじゃないかという思いもあります。
 対応の方向性を拝見しますと、サイバー攻撃への対処という喫緊の課題への対策に当たっても、通信の秘密を十分配慮し、慎重に検討をされてきています。その一方で、憲法で保障された通信の秘密の趣旨を踏まえ立法された電気通信事業法に関し、法実施のために必要な手続や細目的事項を定める根拠となる規定だとしても、行政機関が具体的、個別的委任なく省令を定めることができるとすることは、立法府の人間からすれば疑問があります。国会は国の唯一の立法機関であり、その趣旨を失わせるほどの一般的、抽象的委任は私は許されないと思います。
 この点について大臣の御見解があれば伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(野田聖子君) 大臣としてまず答弁します。
 法の規定を実施するための省令を定める際には、具体的な省令への委任規定に基づいて定めるほか、法を実施するために必要な書類の様式など細目的な事項について定めることがあると。本法律案についても、国民の権利義務に関わる重要な手続における省令委任事項については必要な根拠を規定しているものの、電気通信番号計画やサイバー攻撃への情報共有を行う第三者機関の認定など多くの手続を設けていることから、必要に応じ、様式などで省令において定めることはあります。(発言する者あり)
 まあそういうことなんですけれども、私も、今は総務大臣を務めておりますが、少し前までは立法府で皆さんと一緒に法律を一生懸命手掛けてまいりました。今日、その一つが恐らく成立するであろうと言われていますが、そういうことを考えたときに、政省令というのは、議員の中で、議員提案の中で法律作る、政府案も賛成するけれども、政省令の中で若干ずれがあるということは間々、長らく言われ続けてきたことであります。
 極力、本来、立法府が法律を作る作業を国民から任せられているというその大義の下で、双方にやはり協力し合って、より良い国民にとっての利益につながっていく法律を作っていかなければならないというふうに承知しています。
#71
○吉川沙織君 先ほどの大臣の答弁で、通信の秘密とか国民の権利義務に関するようなものはやりませんとありましたので、それで理解をしたいとは思うんですが、今回の包括委任規定を見付けてから、過去の例をずっと調べてみました。そうしたら、政省令の包括委任規定って平成十年代の後半から急増しているんです。だから、やっぱり立法府の立場からすれば、それぞれの条文で政省令に委ねると書くならいざ知らず、もう丸ごと「この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、総務省令で定める。」と書くことは、私は、やっぱり立法府の立場からすればちょっとつらいなという思いでございます。
 次に、これは憲法に定める通信の秘密とかいろんなことに関わるインターネットの海賊版サイトに対する緊急対策について伺っていきたいと思います。
 四月十三日、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議は、インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策を取りまとめました。特に悪質な海賊版サイトによる著作権者等の権利侵害拡大を食い止めるため、速やかにISP等によるブロッキングを実施し得る環境を整備する必要があるとされています。
 ブロッキングは、憲法第二十一条第二項、電気通信事業法第四条第一項で定める通信の秘密を形式的に侵害する可能性があり、本来は立法府たる国会で議論をし、実施されるべき事柄です。この緊急対策の位置付けについて、端的に伺います。
#72
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘の点でございますけれども、御指摘のとおり、先般、四月十三日にこの緊急対策が決定をされました。
 今回の緊急対策におきましては、昨今、運営者の特定が困難であり、また侵害コンテンツの削除要請すらできないような、こういう悪質な海賊版サイトが出ているということを踏まえまして、まず、こうした特に悪質な海賊版サイトのブロッキングに関する考え方の整理をいたしまして、その上で、法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置といたしまして、民間事業者による自主的な取組として、三つの特に悪質なサイト及びこれと同一とみなされるサイトに限定してブロッキングを行うことが適当と考えられるというような考え方を示したものでございます。
#73
○吉川沙織君 ブロッキングは、遮断の前提として、論理的にはですが、全ての通信について通信事業者が利用者のアクセス先を知得する必要があり、形式的にはですが、全てのインターネット利用者の通信の秘密を侵害する可能性があります。
 政府は、今回の緊急取りまとめに当たり、通信の秘密との関係についてどういう整理をされたんでしょうか。長い答弁は結構です。
#74
○政府参考人(住田孝之君) この通信の秘密との関係でございますけれども、知財本部におきましては、インターネットの海賊版につきまして侵害行為の巧妙化、複雑化による被害の深刻さが注目をされ始めました二〇一六年から、サイトブロッキングを含む対策方法について検討を進めてきたところでございます。特に昨年秋以降、こうした運営者の特定が困難、あるいは侵害コンテンツの削除要請すらできないという巨大な海賊版サイトが登場して被害が急速に深刻化したということを踏まえまして、それ以降本年四月までの間に、知財本部の下で法的な論点も含めまして有識者からのヒアリングあるいは意見交換を行いまして、また政府部内での検討を加速化をしたところでございます。
 議論の過程におきまして、通信の秘密との関係も含めまして検討を行っておりまして、結果として、今回の緊急対策におきまして、仮にISP事業者のブロッキング行為が通信の秘密の侵害に当たるとしても、刑法第三十七条の緊急避難の要件を満たす場合には違法性が阻却されるものと考えられるとしたところでございます。
#75
○吉川沙織君 今の答弁に対しては個人的には申し上げたいところたくさんあるんですが、このプロセスについて本日伺っていきたいと思います。
 今、議論がなされた、特に今年に入ってから云々とありましたが、今年二月十六日、知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合第三回においては、模倣品・海賊版対策についての討議として、インターネット上の海賊版対策に関する論点整理が議題とされていますが、この会合は非公開とされています。議事要旨、ほとんど書いていないんですけど、その中で、「参考人からの提案を含めた報告を踏まえ、質疑応答・意見交換を実施。」として、幾つかの項目だけ羅列されています。
 配付資料は載っていましたので、その配付資料を拝見しますと、海賊版サイトのブロッキングにつき、通信の秘密との関係で慎重な意見を述べた参考人も複数いたことがうかがわれますが、何で非公開だったんでしょうか。端的にお願いします。
#76
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘のとおり、二月十六日、検証・評価・企画委員会の第三回会合におきまして、インターネット上の海賊版対策についての集中討議を行いました。具体的には、海賊版対策を行っている権利者団体のほか、憲法学者、あるいは情報法制に詳しい法律家も参考人としてお招きをいたしまして、インターネット上の海賊版サイトの被害の状況及びその対応策についての法的な論点を含めた議論を行いました。
 この議事におきましては、権利者として特に問題視しております悪質な海賊版サイトの実例あるいは個社の被害状況、さらにはこれまで講じてきた対策などを明確にしながら、適切な対応策について関係者間で率直な議論を行う必要があったわけでございます。
 一方で、こうした情報、今申し上げましたような情報を開示することになりますと、かえって悪質な海賊版サイトが注目を浴びてしまう、これによって訪問者数が、その当該サイトに対する訪問者数が急激に増加をするのではないかということの懸念、あるいは権利者側が講じてきた、あるいは講じようとする対策について海賊版サイトの運営者などを含めて広く知らしめてしまう、ある意味手のうちが知れてしまうというようなおそれがあると。
 さらには、個社の売上げの減少などの状況を一般に開示することによって、会社の信用力などを含めまして当事者の利益を害するおそれがあったということから、検証・評価・企画委員会の運営に関わる規定に基づきまして、議論は非公開として議事要旨のみ公開をするという判断に至ったものでございます。
#77
○吉川沙織君 今、いろいろ関係者から話を聞いて決めたというお話、長い答弁でしたけど、ありましたけれども、では、関係者の中で、実際にブロッキングをやるとなったらISP等の事業者がやることになるんですが、その辺の知見を持った関係事業者、呼んで話していますか。
#78
○政府参考人(住田孝之君) 今回の議論の中で、その二月十六日の議論も含めまして、知的財産戦略本部の検証・評価・企画委員会において通信事業者からの意見聴取を行ったということはございません。
#79
○吉川沙織君 だからこそ、今回、通信の秘密を形式的にだろうが何だろうが侵害する可能性があるような議論をするわけですから、議事概要だって不誠実ですよ。項目をほとんど書いていません。これでは何を議論したか国民が知ることはできません。
 ですから、議事要旨だけでなく、この際、今からでもいいですから、議事録も公表し、ブロッキングと通信の秘密の関係等について、政府においてどのような検討を行い今回の緊急対策の決定に至ったか、検討の経緯を公開するべきだと思いますが、まあ局長に聞いても多分いい答弁返ってこないと思います。どうですか、個人的に思いませんか。
#80
○政府参考人(住田孝之君) 今回の議論につきましては、元々非公開を前提とした上での議論であったこともございますので、公開の判断につきましては、議論に参加した関係者との間で調整を要するというふうに考えてございます。
 この議事の内容について部分的な公開が可能かどうかという点につきましては、その後の状況変化あるいは関係者の意向を踏まえながら検討してまいりたいというふうに思います。
#81
○吉川沙織君 実は、今回の緊急対策の中では、海賊版サイトのブロッキングが緊急避難の構成要件を満たすかについて法的整理を示し、法益権衡の要件については、平成二十二年の児童ポルノのブロッキングに係る議論における、著作権を保護法益とするブロッキングについての整理を引用されています。
 申し上げます。「二〇一〇年における議論は、昨今のように大量の著作物を無料公開し、現行法での対応が困難な特に悪質な海賊版サイトが出現する前の状況を前提としたもの」、「「財産権であることをもってすなわち回復可能」と断じるのではなく、こうした特に悪質な海賊版サイトに係る状況を勘案した上で、事例に即した具体的な検討が求められる。その際には、保護されるべき著作物が公開されることによりどの程度回復困難な損害を生じ得るかという観点などから検討が行われるべき」とされています。
 児童ポルノのブロッキングに関しては、数年にわたる、数年にわたる議論の末、インターネット利用者の通信の秘密や表現の自由に不当な影響を及ぼさない運用に配慮しつつ、関連事業者が自主的に実施するものとされたと承知しています。
 一方、今回の海賊版サイトのブロッキングに関しては、知的財産戦略本部等の、ほとんど公表されていませんけれども、公表資料等を拝見する限り、どのような経緯、根拠で緊急対策に至ったのか、不明確な点も多々ございます。児童ポルノのブロッキングに関する議論の中で、著作権について本構成を応用することは不可能とされたことを踏まえると、緊急対策の決定に当たって改めて緊急避難の構成要件を全て満たすのか十分に検討する必要があったと思いますが、いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(住田孝之君) 今回の緊急対策の中では、その点につきまして、詳細に関係省庁ともよく連携をしながら考え方の整理をしたものでございます。先ほど御指摘がございましたとおり、二〇一〇年時点における議論との差異というのについても、御紹介をいただいたとおり整理をしてございます。
 また、この「特に悪質な海賊版サイトに関するブロッキングについての法的整理」という紙をまとめたわけでございまして、その中で、緊急避難の構成要件の検証といたしまして、現在の危難がどれぐらいの規模で生じているのかという点、また第二番目は補充性、すなわちほかの手段を尽くしているのかという点でございますけれども、その観点から、運営者への削除要請とか、あるいは検索結果からの表示削除要請、さらにはレジストラーへの削除要請、あるいは広告規制、あるいは訴訟、告訴といったあらゆる対策が取られているかどうかということについても検証をしたところでございます。
 さらに、法益権衡につきましては、保護法益と被侵害法益との比較ということにつきまして、先ほど御紹介のあったような点も踏まえまして、二〇一〇年のときとの差異というのを明確にしながら議論を進めたというところでございます。
#83
○吉川沙織君 今の答弁についても個人的には多々ございますが、先ほど電気通信事業法の改正案で、サイバー攻撃への対処のときは、この情報共有については総務省内に検討会を設け、事業者からヒアリングを行い、通信の秘密との関係について検討がなされたことがさっきから引用している取りまとめからもうかがわれます。
 一方、今回の緊急対策、海賊版サイトの緊急対策については、漫画の売上げが減少するなど著作権者、出版権者の権利が著しく損なわれ、一刻も早い対策が必要であるということは私自身も重々認識しています。が、通信事業者による自主的な取組という法的位置付けが不明確な形で対処を促すという決定が政府においてなされました。
 今回のサイバー攻撃に係る情報共有と比較し、決定に至るプロセスが不透明であるような気がしてなりません。電気通信事業を所管する総務省は、この緊急対策の決定につきどのように認識されているか、一言で構いません、見解をお願いします。
#84
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今回の決定につきましては、先ほど御説明ございましたが、法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置として民間事業者の自主的な取組として行われるブロッキングについての考え方を示したものと理解しているところでございます。
 この取組につきましては、今後の法制度を含めて検討いただくことになるわけでございますが、当然通信の秘密等にも関わるものであることから、これらにつきまして悪影響が与えることのない、十分配慮いただきながら取り組むとともに、多くの関係者が関わることでもあることから、これらの方々の御理解もいただきながら進めることが大切だというふうに考えているところでございます。
#85
○吉川沙織君 海外におけるブロッキングの状況ってどうですか。
#86
○政府参考人(住田孝之君) EU諸国、あるいはアメリカ、オーストラリア等の諸外国における著作権侵害に対処する方策、これはいろいろなものがございます。多くの国で、例えば……
#87
○吉川沙織君 簡潔に。
#88
○政府参考人(住田孝之君) はい。
 イギリスでございますとかオーストラリアでございますとかフランスでございますとかドイツ、スウェーデンといった国におきましては、このサイトブロッキングも含めた幅広い対策が行われているものと承知をしております。
#89
○吉川沙織君 四月十七日の当委員会において、局長は、「このサイトブロッキングでございますけれども、既に海外では四十か国以上の国で導入をされております。」と言って、今みたいに国名をずっと並べました。が、実は、これらの国が、立法あるいは司法手続を経ることなく行政府が特定のサイトを指示しブロッキングを実施している国というのはありません。いずれも立法又は司法手続を経てブロッキングを認めており、行政限りで特定のサイトを指示して実施している国はありません。ですから、先ほど総務省から答弁ありましたように、有効かつ適正な手続に基づく対処が可能となるよう、法制度整備が早急に求められると思います。
 緊急対策において、「ブロッキングは、通信の秘密の他にも表現の自由(憲法第二十一条)への影響が懸念される事や、技術的にはあらゆるコンテンツの閲覧を利用者の意思に関わらず一律防止可能とするものである」とされています。緊急対策が今回の措置を「法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置」としていることを踏まえると、今後も発生するであろう著作権侵害について有効かつ適正な手続に基づく対処を可能とするよう、早期に法制度を整備する必要があると思います。
 ただ、先ほどから申し上げておりますとおり、法整備に当たっては、様々な意見が、懸念が多くのいろんな方から賛否含めて表明されている状況を踏まえ、今度議論するときは、知的財産戦略本部に限らず、広く関係者の意見を踏まえた上で迅速にブロッキングと通信の秘密との関係を整理し、法的根拠を明確化する必要があります。
 法整備の検討の体制、進め方、スケジュールについて、今持っている案があればお願いします。
#90
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘のとおり、この今の対策というのは臨時的かつ緊急的な対応でございまして、法制度整備が行われるまでの間と考えてございます。この必要な法制度の整備につきましては、次期通常国会への提出を目指して検討を行うということをこの緊急対策と同時に確認をしたわけでございます。
 御指摘のとおり、通信の秘密等を含め、多方面で様々な御意見がございますことは承知をしておりますので、こうした関係者の理解を得ながら、十分な議論を踏まえ、かつ迅速に関係省庁と連携しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#91
○吉川沙織君 緊急取りまとめの一部を見ると、リーチサイトについては臨時国会又は次期通常国会を目指しと書いてあります。今回の件は、本来であれば立法措置があって対応するべき問題でしたので、できれば次期通常国会とおっしゃらずに、今度の臨時国会でも可能となるよう、迅速に広く関係者の意見を聞いて対応を、法整備を進めていただきたい、そうしなければならない問題だと思っています。
 今日は、立法府と行政府の関係から包括委任規定や改正案の内容について伺ってまいりました。これからも立法府の一員としてしっかり行政をチェックしてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#92
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 先日、当委員会でNTT霞ケ関ビルを視察いたしました。建物内を案内していただいたんですが、私が建物の中に入って感じた一番の感想は、この施設は、建物は、電話線の集積地だなということであります。
 霞が関のエリア内から膨大な数のメタリックケーブルあるいは光ファイバーケーブルが集まってきて、洞道と呼ばれる大きな地下トンネルを通じて建物内に入って、交換機やルーターなどの設備につながっておりました。交換機につながっているもう細い細いケーブルが、一本一本が一件一件の契約者と一対一で対応していると。いまだに、いまだにと言ったら失礼ですけれども、線が全部契約者と局で一本一本つながっている、つなげられているということなんですね。NTTのこうした通信回線網や設備は、誰もがあまねく通信を安定確実に利用できるようにする上でなくてはならないものだということを改めて認識することができました。
 そこで、野田大臣に伺いますが、現代社会を支える公共基盤、インフラとしてのNTTの役割、責務についてどのような認識をお持ちでしょうか。
#93
○国務大臣(野田聖子君) 山下委員にお答えします。
 NTT東西は、NTT法第三条により、電話の役務のあまねく日本全国における提供の責務を有し、NTT東西の加入者回線のシェアは、メタル回線で約一〇〇%、光回線で約七七%となっているところです。
 これらの回線は、一般の利用者のほか、他の電気通信事業者のサービスの提供にも用いられておりまして、委員御指摘のとおり、国民生活や社会経済活動の基盤となる重要なインフラとして重大な役割を担っているものと考えています。
#94
○山下芳生君 視察では、NTT東日本の山村雅之社長と懇談することができました。山村社長は、幾ら時代が進んでも線がなくなることはないとおっしゃったんですね。なるほど、電気通信事業者にとって電話線、電話網は命なのだと感じました。
 そうなると、電話線や設備を維持管理するための技術や技能を持つ労働者を養成することは非常に重要だと思うわけですが、その点、NTTとしてどうされているんですかと聞きますと、山村社長は、線をつなぐなどの保守管理は外注しているというお答えでした。
 私は、命のメンテナンスが外注で大丈夫なのかと少し違和感を覚えたんですね。そこで、NTTの労働者、OBの方々に保守管理の現場がどうなっているのか聞きました。協力会社では、六十歳、七十歳のNTTのOBが働いている、保守の人員はその五割が六十歳以上の再雇用、再々雇用の方だと、五十歳以上が七割だというんですね。ああ、やっぱりそうかと思いました。電電公社時代から働いてきた世代の方々が、電気通信事業の全体を理解した上で保守に当たってきた、だからこそ保守管理は適切に行うことができるし、社会を支える仕事をしているという誇りと自覚を持って保守に当たることができるということでした。
 保守管理部門を切り離して、現在のように外注化したままこういうOBの方が次々リタイア、もうあと五年、十年でいなくなると思いますが、したら、こうした仕事が継承できるのか大変心配です。ある方は、NTTは設備から崩壊するということまでおっしゃっていました。電気通信事業法にある基盤的な電気通信役務のあまねく安定的な提供の確保というのは、設備の適切な保守管理が継続しなければ、これは果たせません。
 そこで大臣に伺いますが、NTTの保守管理の体制について、私は、実態をよく把握して、私が言っているような問題が、私はあると認識したんですが、あれば必要な対策を取るべきではないかと、こう思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#95
○国務大臣(野田聖子君) NTT東西は、NTT法第三条によりまして、電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保が責務とされています。御指摘の点は非常に重要な課題だと考えています。
 NTT東西等の電気通信事業者には、通信設備について、まず、故障対策や通話品質等の技術基準に適合させること、そして、設備の維持、運用に関する国家資格を持ち、定期的に講習が義務付けられた電気通信主任技術者に監督させること、そして、運用方針や管理体制等を管理規程として策定し、総務大臣に届け出ること等が義務付けられています。これらの義務は、設備の保守管理を外注した場合であってもNTT東西がその責任を負うこととなり、また、管理規程においても、維持及び運用の委託に関する方法について定めることとされているところです。
 総務省では、これらの制度に基づいて、NTT東西において設備の保守管理が適切に行われていることを確認し、将来にわたってネットワークの安全、信頼性が確保されるよう、しっかり取り組んでまいります。
#96
○山下芳生君 特に、メタルの線を保守する技術、技能、経験をお持ちの方は、もう今の現役のNTTの若い職員の方にはいないというんですね。しかし、これから議論しますけれども、メタルがすぐなくなることはありません。そうなりますと、このOB頼みで本当にそういうメタル回線が維持管理できるのかということがもうあと五年、十年のうちに問われることになるということですから、今重大な問題だという御認識が示されましたので、しっかりと把握していただきたいというふうに思います。うなずいておられますので。
 それで、法案の中身に入りたいと思いますが、法案の前提として、NTTの中継交換機が維持限界を迎えるということを理由に、メタル電話をIP網に移行することがあります。二〇二四年の初頭までにメタルIP電話への契約移行を行うなど、工程も示して全国一斉に移行していくことは世界でも日本が初めてとなるのではないでしょうか。
#97
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 世界との関係でございますが、アメリカにおきましては、ATTがIP網への移行に向けまして、移行に伴う影響を検証するための実証実験などを行っている段階であり、具体的なIP網への移行工程はまだ策定されていないというふうに認識しているところでございます。
 また、イギリスに関しましては、BTが固定電話網をIP網へ移行する計画を二〇〇四年に発表いたしましたが……(発言する者あり)あっ、ごめんなさい。済みません。また、アメリカでは、BTが固定電話網をIP網へ移行する計画を二〇〇四年に発表いたしましたが、コストや技術的な課題があったために、二〇一〇年に計画を中断し、その後改めて、二〇二五年までにIP網へ移行する考えを表明したと承知しているところでございます。
 このように、欧米主要国におきましては、我が国のようにIP網への移行に関する具体的な移行工程やスケジュールまで整理されている例はないものと承知しているところでございます。
#98
○山下芳生君 ですから、世界でも初めての大規模な取組なんですが。
 NTTは、IP網移行後、緊急通報における回線保留機能を廃止する方向を示しております。回線保留というのは、通報者が受話器を下ろしても、緊急通報受理機関側が切断しない限り接続状態を維持することという機能でありまして、非常に重要な緊急通報にとっては機能だと思いますが、この緊急通報の回線保留機能が廃止されて別の機能に変更されることによって、私は、緊急通報の発信者と連絡が付かなくなるなど、消防や警察などの緊急通報受理機関の活動に支障があってはならないと思います。
 これはNTTや受理機関任せでは駄目だと思います。大臣、政府としてどのように関わっていきますか。
#99
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 緊急通報の確保は、IP網への移行後の電話サービスにおいて重要な課題と認識しています。このため、総務省の審議会においても、これまで警察や消防、関係事業者などからヒアリングを行い、丁寧な議論を進めてまいりました。
 現在の回線保留機能、今委員がお話しになった回線保留機能を代替する機能については、警察や消防の要望を踏まえて、発信者の番号表示など、緊急機関から通報者へのコールバックがつながりやすくなる機能を具備することとしています。
 総務省としては、改正法に基づいて、電気通信番号計画などで回線保留機能を代替する機能の具備を事業者に求めることを定めることによって、事業者による確実な対応を図ってまいります。
 さらに、今後も総務省の審議会等において警察、消防やNTTによる取組の状況を継続的に確認して、取組内容が不十分な場合には改善を求めるなど、適切に対応してまいります。
#100
○山下芳生君 終了予定とされるメタル電話の契約件数は二千百十四万件というふうに聞きました。たくさんあるわけですね、現在でも。
 情報通信審議会の第一次答申は、IP電話や光ブロードバンドへの移行に直ちに対応できない利用者に対しては適切な補完的措置、いわゆるメタルIP電話等を提供するとしております。利用者に過度の負担が発生することを回避するメタルIP電話は補完的措置とされているわけですね。そうしますと、音声のみの電話、いわゆる黒電話だけでいいという人にとって、補完的措置がいつまで続くのか、いつか終わるのではないかという不安が残ることになります。
 利用者が残っているのに接続されないことが起こるのか、このメタルIP電話をいつまで提供する予定なのか、御答弁願います。
#101
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 現時点におきまして、メタルIP電話の終了時期、光IP電話への移行スケジュールは決まっておりません。
 今回のIP網への移行は、電話端末の買換え等の利用者の負担を避けるため、メタル回線を維持しつつ、加入者交換機をメタル収容装置として利用することにより円滑な移行を図るということにして検討しているところでございます。
#102
○山下芳生君 結局、メタルIP電話がいつまで続くのかはまだ分からないということなんですね。
 メタルIP電話に移行しても、利用者の基本料金が上がっていくことはないんでしょうか。
#103
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 NTTからは、加入電話の代わりに提供するメタルIP電話につきましては、基本料につきましては、現在の加入電話の基本料と同額、通話料は、距離に依存しないIP網の特性を生かして、全国一律に三分で八・五円とすることなどの考えが示されているところでございます。
 一方、光IP電話につきましては、基本的に光ブロードバンドサービスに併せて提供されていることから月々の基本料は数千円程度となりますが、電話サービスのみを利用する利用者に関しましては、メタルIP電話を選択すれば料金の負担は上がることがないというふうに考えているところでございます。
#104
○山下芳生君 そういう説明をNTTされているんですが、料金、提供条件について、市場環境が著しく変化しないという前提が付いておりますので、これが前提が崩れると料金が上がるということがあるかもしれないというようなちょっとニュアンスがありますので、私はそれが覆ることがあってはならないというふうに思っております。
 次に、光IP電話への全面的な移行における課題について質問したいと思います。
 IP網は、多様なサービス、動画やデータ等の同時提供を前提にしたものであります。しかし、あれやこれやは要らない、先ほど言いましたように音声のみ安価に利用したいという人も当然いるわけで、そこで伺いますが、現在、光IPを使って音声サービスのみのサービスというのはあるんでしょうか。
#105
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 光ファイバーによるサービスにつきましては、NTT東日本、西日本では、IP電話は基本的にはブロードバンドサービスのオプションとして提供しているところでございます。
 他方で、既設のメタルケーブルがない新興住宅地、あるいはメタルケーブルが老朽化しています限界集落のように光ケーブルのみを敷設した方が効率的な一部地域におきましては、両社ではブロードバンドではなく、IP電話のメニューのみによる光ファイバーサービスを提供している状況にございます。
#106
○山下芳生君 今言われましたのは、一部の地域あるいはマンションの限定的なところでありまして、一般的に光IPで音声のみのサービスを提供しているところはないというふうに聞いております。
 現在でも国民の通信料は大変重い負担になっておりますが、IP網への移行が、利用者が必要としないサービスとセットになって高額になると、多様性を求めない利用者にとって負担が重くなるということはあってはならないというふうに思っております。
 続けて、光IPへの全面移行についてもう一問聞きますが、法案では、事業者がサービスの全部又は一部を廃止していく際に利用者に周知していく内容として、サービスの代替案も示していくとされております。
 補完的措置とされているメタルIP電話サービスが、これが廃止いつかされると思われますが、そのときに、引き続き音声のみを望む利用者が、同じようなサービスの代替案がない、多様なサービスの提供のみしか示されないということは起こらないでしょうか。
#107
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今回の法律案では、電気通信サービスの休廃止に当たりまして事業者が利用者に周知すべき事項を省令に委任することとしておりますが、先ほど御指摘のとおり、周知、サービスする一つとしましては、移行先となり得る電気通信サービスの内容を想定しているところでございます。
 現時点におきましてIP電話サービスの終了時期は決まっていない状況でございますが、いずれにしろ、固定通信サービスにつきましては、音声のみサービスを望む利用者のニーズも踏まえながら検討が行われることは必要というふうに考えているところでございます。
#108
○山下芳生君 検討が必要だということで、まだ保障されていないんですね。これは重要な問題だと思って引き続き注視していきたいと思います。
 最後に、サイバー攻撃への対処に関して聞きます。
 法案では、第三者機関、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会で情報共有を行うこととなります。この第三者機関は、現在既に存在するICT―ISACが想定されていると聞きました。ISACは、通信系、放送系、セキュリティーベンダー系、SIベンダー系などで構成されておりまして、今も情報セキュリティーに関する情報収集、調査分析や情報共有の推進などが行われております。
 今回の法改正で新たに何が可能となるのか、なぜ拡大するのか、説明してください。
#109
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 第三者機関として想定される委員御指摘の一般社団法人ICT―ISACにおきましては、会員間で、サイバーセキュリティーに関して、サイバー攻撃の実例あるいはサイバー攻撃の傾向等の情報共有が行われているという状況は承知しているところでございます。
 他方、本法律案に基づいて共有される情報としましては、サイバー攻撃の送信元のIPアドレス等の具体的な情報を想定しているところでございますが、これらは一般社団法人ICT―ISACにおいても共有が行われていない状況にございます。
 今後、DDoS攻撃等の送信元が多数の電気通信事業者にわたるサイバー攻撃に効果的に対処するためには、第三者機関を通じました効率的な情報共有が必要と考えているところでございます。このため、本法律案におきましては、情報共有を行う第三者機関を総務大臣が認定する制度を設け、サイバー攻撃の送信元に関する情報の効率的共有を促すことにより、電気通信事業者によるサイバー攻撃の対処を促進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#110
○山下芳生君 そうなりますと、ICT―ISACを構成しているのは、先ほど申しましたように通信事業者だけではありません。そこを第三者機関に認定した場合、電気通信事業者以外の者が新たに通信の秘密、すなわち誰から誰に、いつ、何度、どのような内容で通信があったのか、これに当たる情報に触れることになると思われます。
 通信の秘密に接する者を無制限に拡大したり、通信の秘密の漏えいがそのことによってあってはならないと考えますが、この点について今回の法改正ではどのように規定していますか。
#111
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 第三者機関が取り扱う情報につきましては、通信の秘密に該当するところ、通信の秘密に該当する情報の提供は原則として同意が必要となるというふうに考えています。
 本法律案におきましては、電気通信事業者に対して、利用者との契約などで情報共有につきまして情報提供先も含めて利用者の同意を取得することを求めているところでございます。また、当該同意の範囲を超えて第三者機関が情報の提供を行った場合は、情報共有の業務を行う者の守秘義務違反及び通信の秘密の侵害に該当することとなります。
 したがいまして、第三者機関が取り扱う通信の秘密に該当する情報を電気通信事業者以外の者に提供することは想定していないところでございます。
#112
○山下芳生君 昨日聞いた説明とちょっと違うのでもう一遍確認しますけれども、この第三者機関が仮にICT―ISACが認定されたとします。今度新たなIPアドレスなどの取得を含む業務をやる部署は、ICT―ISAC全体でやるのか。全体でやるとなると、通信事業者以外のセキュリティーベンダーなどの職員がそれに触れることになるわけです。そうなるのか、それとも、ICT―ISACの中に、一部、新たなセキュリティーに関するIPアドレスを取得するようなことに関する部門をつくって、その部門だけに関わる職員を守秘義務を課すということにするのか、どちらでしょうか。
#113
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ICT―ISAC全体ということではなくて、今回の第三者機関が取り扱う情報に関する電気通信事業者の方々に限定した形で運用を図るということを想定しているところでございます。
#114
○山下芳生君 サイバー攻撃への対処では必要ですが、通信の秘密をないがしろにするようなことは絶対あってはならないということを申し上げて、質問を終わります。
#115
○片山虎之助君 片山虎之助です。質問を順次いたします。
 今日は、私はこの二法案には賛成ですから、二法案についてだけ質問しようと実は思ってきました。少し意見はあるんですよ。あるんですけど、それは後ほど申し上げます。
 ところが、一昨日のある全国紙を見ましたら、岡山市の消防団員で、消防団ですよ、消防団員で、幽霊団員が三百四十八名かな、それで千五百万ほど報酬をもらっていると、何にもしないのに。こういうのが出ました。
 私は、昔、日本消防協会長をやって、消防団の統括だったのよ。それから、岡山市は関係のあるところだわね。ちょっとびっくりしまして、それは地元では事情を聞いたんだけれども、やっぱり消防庁もちゃんと聞かないとね。消防の今人気が上がってイメージが良くなっているのに一遍に悪くなるわね。それは大臣や長官の責任になりますよ。
 そういう意味で、まず、その実態をどこまで把握しているのか。岡山市と同じような消防団が全国にあるのか、全市町村にあるんだから、八十五万人おるんだから。いかがですか。
#116
○政府参考人(稲山博司君) お答えいたします。
 岡山市の事案でございますが、市から聞き取ったところによりますと、二〇一五年度から一六年度の二年間におきまして、消防団の年額報酬、これは、岡山市におきましては一般団員で一人当たり二万一千円でございますけれども、これが支払われているものの、出動手当が一度も支払われていない団員が三百四十八名いることについては事実と承知をいたしております。現在、岡山市におきまして、この三百四十八名の団員の活動実態などについて調査をしているところと承知をいたしております。
 他の例ということでございますが、消防団員の報酬、手当等につきましては、それぞれ市町村の条例に基づき支給されているところでございます。今申し上げましたように、岡山市の事案は岡山市で現在実態調査をしているところでございまして、他の市町村におきまして同様の実態があるかどうかについては承知をいたしておりません。
#117
○片山虎之助君 消防団員というのは特別職の地方公務員なんですよ。市町村長の承認を得て消防団長が任命するんですよ。これは、だんだん今手厚くなってきて、非常勤の消防団員も、常勤の消防団員は、これは普通の地方公務員法の適用があるんだから、少ないんで、ほとんどいませんけれどもね。
 だから、だんだん手厚くなってきているので、そこでその団員として最低限やるということは何ですか。その新聞報道によれば、例えば大会があるわね、消防操法訓練大会に一回も出ない、出動を一回もしない、会合に出ないと、こう書いてある。事実かどうかは知りませんよ。団員としては最低どこまでやれば団員なの。それで、消防組織法には、上司の指揮監督に応じて消防業務に従事すると書いてあるわ、調べたら。いかがですか。
#118
○政府参考人(稲山博司君) 団員の活動でございますが、今御指摘ございましたように、消防組織法の規定によりまして、上司の指揮監督を受け、消防事務に従事するということになっております。その内容は、消防力の整備指針の中で、火災の鎮圧に関する業務、火災の予防及び警戒に関する業務、救助に関する業務、それから地震や風水害等の災害の予防、警戒や住民の避難誘導等に関する業務、そのほかにもございますけれども、こういうこととされております。
 各消防団におきましては、これを踏まえまして、それぞれの実情に応じて団員の活動内容を決めているものと考えております。
#119
○片山虎之助君 それから、報酬をもらっているんだからね、非常勤だから報酬なんだけれども。それ、何にもやらずに報酬をもらうというのが事実なら、どういうことですか、法的には。どういうことになるの。
#120
○政府参考人(稲山博司君) 報酬というのは団員であるということに伴う、その活動に応じたものでございますので、何ら活動がない、言わば団員でない者について報酬を支払うということについては、当然それは適切ではないということになります。
 ただ一方で、出動手当が支払われていないと、ただこれだけをもって団員ではないということには直接的にはならないというふうに思います。団員としてのどのような実態、活動をしているかというところの総合的な観点に関わってくるものではないかと思います。
#121
○片山虎之助君 それじゃ、団員としては最低このくらいやれと、普通の団員、平均的な団員ならここまでやれと、何か消防庁でマニュアルでも示さないと、それは分からないわね、そんな。しかも、今の消防団員の定数は条例ですよ、御承知のように。それから、お金は一般財源なんだけれども、全部地方交付税でも基準財政需要に盛り込んでいるのよ、出動手当も報酬も。そういう意味では交付金ですよ。
 そういう意味で、今のような幽霊党員的なことをやるということは大変心外なんだよね。一生懸命やっている人がみんな迷惑するんですよ。そこをどう考えますか。あなたの方が何も示さないからいかぬのだよ。
#122
○政府参考人(稲山博司君) 先ほど御答弁申し上げましたように、団員の業務というものは一定の整理がされているわけでございますが、それぞれ消防団におきましては、これを踏まえまして、地域の実情に応じまして団員の活動内容等も決めているものと考えております。
 全国共通の何か標準的な基準を作るというものは、少しそのようなことから難しいとは考えますが、消防庁といたしましても、各団員が適切に活動できるよう、いろんな教育訓練の在り方を示すなど助言を行ってまいりたいと思います。
 もとより、いずれにいたしましても、団員の報酬等の取扱いにつきましては、住民からの信頼を損なうことのないように適切に対応いただきたいと考えております。
#123
○片山虎之助君 それで、また新聞報道によれば、分かりますか、報酬をもらう通帳は分団が管理して、恐らく分団長が持っているんでしょうね。それ、自動的にそこに金が振り込まれるから、市から、それを分団で使っているんですよ。それは個人の報酬ですよね。ところが、実際はいろんなコンパというか、飲み食いだとか旅行だとかに使われているんです。私は、合意でやるのはいいと思いますよ。しかし、自動的にその通帳を誰かが一元管理してあれするようなことは誤解を招くわね、みんなが同意して仮にやってもね。少なくとも、何にもやらないということは、あなたは団員でないと思うでしょう。だから、少なくとも何かやれということを示さないと。
 だから、自由にするというのもいいんだよ。自由にすりゃいいと思うんだ。元々、だから市町村消防にしたんだから。消防、昔は警察だったんだよ。国の消防も都道府県消防もたくさんありますよ。都道府県的なところの消防もね。市町村消防にしたんで。自治の原点なんでね、そこはしっかりしてもらわないかぬので。
 ちょっと、大臣、大所高所から意見を言ってください。
#124
○国務大臣(野田聖子君) 今ちょうど長官が調査をしっかりしているということで、どういう実態か明らかにしていただいた上で、私も、一生懸命消防の皆さん、日夜頑張っていただいているので、先生同様、応援をさせていただいております。こういうことでふだん頑張って、命賭して頑張っている人たちの名誉を傷つけないように、しっかりと実態把握して、そういう問題が発生しているのであれば対処していかなければならないと思います。
#125
○片山虎之助君 私は、大臣、一番の応援団よ。だから、どうやって消防団員を確保するのか、消防団の在り方を良くするのかということを一生懸命考えているんだよね。だから、長官、全国をちょっと調べてくださいよ。本当のことを言うか言わないかは別にして、まあ言ってもらわにゃ困るけれどもね。その上で、こういうことはやっぱりやめさせた方がいいんで、少なくとも世の中の誤解を招くんで、消防そのもののイメージを悪くするんで、それは近々にやると言ってくださいよ。
#126
○政府参考人(稲山博司君) 岡山市におきまして今調査が開始されたということでございますので、まずその結果を待ちたいと思います。その中で対応すべきことがあれば適切に迅速に対応してまいりたいと思います。
#127
○片山虎之助君 いや、消極的なのよ。やっているのは私知っているんだから、たくさん。だから、やりようをきちっとするということなんですよ、世の中の誤解を招くから。広がったら困るでしょう。
 だから、どこまでどうだということは、まあある程度、指導はなかなか難しいけど、そういうことのあれをしないとね。いかがですか。もう一度。
#128
○政府参考人(稲山博司君) それぞれ各地域におきまして団員の皆さん頑張っていただいていると思います。そういった中で信頼を損なうことのないようにしなければいけないということは当然でございますので、この岡山市の事例等もよく見ながら、よく検討してまいりたいと思います。
#129
○片山虎之助君 いやいや、まあ同じこんな押し問答してもしようがないよ。国の役所が何のためにあるか、権力を振るうためじゃないのよ。情報を教えたり、いろんなことを指導することなんですよ。権力的分権、知識的集権なのよ。そのために消防庁はあるんだから。いろんな情報を教えて、そのあるべき方向を示唆すべきですよ。それが国の私は仕事だと思っているので。もう一度。何回でもやるよ。
#130
○政府参考人(稲山博司君) もとより委員の御指摘よく分かっておるつもりでございます。
 消防団の信頼が損なわれないように、どのような実情にあるのかも含めまして、よく私どもとしても把握できるように努めて、頑張っていきたいと思います。
#131
○片山虎之助君 まあ、気に入らないけど、いいわ。いや、ちゃんとやってくださいよ。
 それで、それじゃ本論に入りますけど、今回の改正はやむを得ないというのか、いいことをやるんでいいんだけど、遅いわね、どうも。私はいつも言っているのよ。総務省の皆さん頑張っているんだけど、ツーレート・ツーリトルですよ、多くの場合。今回ももっと何で早くやらないのかと思いますよ。
 そこで、今度のサイバー攻撃でこういうことを認識したというのは、IoTで、IoTでそれが二〇二〇年には三百億個になると。そこで、サイバー攻撃やられたらひとたまりもない、非常に脆弱だ、サイバーの標的になると、こういう認識だと考えていいんですか。
#132
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、世界中のIoT機器、現在おおむね百七十億個でございますけれども、二〇二〇年の段階で三百億個ということでございまして、幾何級数的にこれからもインターネットにつながったものが増えてまいります。
 こうした中で、総務省の情報通信研究機構、NICTでございますけれども、ここの観測データによりますと、サイバー攻撃全体が二〇一五年から二〇一七年、二年間の間に二・八倍の増加でございますけれども、その中でIoT機器に特定をして、IoT機器を狙ったサイバー攻撃を見てみますと五・七倍ということでございます。一般的な増え方の約二倍ということでございます。
 また、二〇一六年の十月にアメリカにおきまして、大量のIoT機器がマルウエア、Miraiに感染をいたしまして、特定のサーバーに対して大規模なサイバー攻撃を仕掛けた。これによってオンラインショッピング等のサービスが利用できなくなるという非常に深刻な障害が発生したわけでございます。
 こうした状況を踏まえまして、私ども今回、NICT法及び電気通信事業法の改正をお願いをしているところでございます。
#133
○片山虎之助君 いや、そこで、そのサイバー攻撃というのは自分が防ぐんでしょう、個人なり企業なり団体なりが。それをどこまで公がやるかという議論なんですよ、でしょう。それは誰が防ぐんですか。私が言うとおり、個人や企業や団体なの。
#134
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 基本的には、まずやはり自助、自分で守るということがございます。それから、同じ業態内、あるいは同じコミュニティーでもある共助、そして一番最後に公助というものが出てくるものと承知しております。
#135
○片山虎之助君 それで、今回の第三者機関は公助かな、あるいは共助かな。
#136
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 第三者機関につきましては、電気通信事業者で情報を共有するという意味において共助の部分に当たるものだと思っております。
#137
○片山虎之助君 しかし、サイバー攻撃によって、例えば金融でもその他でも、今は本当に大掛かりにやられたら国は麻痺するよ。それは公益じゃないの。私は、今まで議論がありましたよ、この委員会でも、どこまで公が出ていくべきか、何をやるべきかということがあると思う。これから、それじゃサイバー攻撃が下火になることはないわ。どんどんどんどん広がっていく、国際的にも広がっていく。そういうことの中で、公は何をやる、共助、お互いの関係事業者、団体は何をやる、個々の個人は何をやるということをしっかり分けていかないと。
 通信の秘密はありますよ。通信の秘密はあるけど、通信の秘密だって変わってくるんだから。公益も変わってくるんだから。そこの根っこの議論が絶対私、要ると思うんですよ。もう今、通信と放送がダブっていろんな議論を生んでいるわね、これから大議論になるのかもしれませんが、きちっとしなきゃいけませんけれども、そういう同じ議論が出てくると思う。
 今回の第三者機関は、いいですよ、取りあえずは、しかしいかにも微温的だわ。それで、こういうものの情報を共有して教え合って、ブロックなんかできるの。そこの見通しは、分かる人、言ってください。
#138
○政府参考人(渡辺克也君) 今回の第三者機関の関係でございますが、各事業者に……(発言する者あり)あっ、済みません。各、サイバーアタックの関係の対応でございますが、現在、事業者におきましても、例えば指令サーバーとか、あるいはマルウエアに乗っ取られたIoT機器の状況というのを、ネットワークの状況等を踏まえながら大体予測等、分析等しながら対応しているのが状況でございます。
 これが各事業者ごとに限られているものを、今回第三者機関を構築することによって相互で情報交換をして対処的な対応をするということで、そういった情報等を基に、いわゆるIPアドレスからこういうのが来たということをベースにしながらブロッキングをするとか、そういったこと等を踏まえながらサイバーアタックの対策が今行われているというふうに認識しているところでございます。
#139
○片山虎之助君 サイバーセキュリティーは、人材育成ですよ。人がいないのよ。中央にもいないけど、地方にはもっといない。これをどうやって育成するかで、今NICTなんか一生懸命やっているんだけれども、規模が小さい。やるんならもっと大々的に、組織的というか計画的にやるべきだと思いますよ。ちょろちょろちょろちょろ、四十人や数十人じゃ今のそのサイバー攻撃に対抗できませんよ。国を挙げてやるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#140
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘のとおりだと思います。
 この国は二〇二〇年に東京でオリンピック・パラリンピック競技大会があるわけですが、過去もオリンピック・パラリンピックの大会があったときにサイバー攻撃がそれぞれの都市でピークを迎えると。そういうことを踏まえて、随分前から、一部ですけれども、サイバーセキュリティーについてそれぞれ個人的な勉強会とかあったんですが、残念ながら、おっしゃったように、IoTについてはもうみんなやれやれという感じで応援団がいっぱいいたんです、これは経済に非常にいいことだと。だけど、その裏腹にある、まあ両輪と言えるサイバーセキュリティーについては余り御関心がなく、元々PC時代からもセキュリティーについては余り自助のところでもなかなか進まなかった。その延長線上に今日を迎えて、遅過ぎると言われるのはそのとおりだと思います。
 ただ、だからといって手をこまねいているわけにいかないので、まずはNICTによって高度な担い手をやっぱりつくっていかなきゃいけないし、世界的に比べても非常に遅れている人材育成のところなんですけれども、とにかく予算を付けていただき、先生のようにサイバーセキュリティーの応援団をこの国会の中でも増やす中で予算をどんどん増やしていかないと、まずは二〇二〇年乗り切るのに大変苦慮すると思います。
 ただ、できる限りのことをやっていくために、例えば、具体的には、もうNICTでは、平成二十九年四月にナショナルサイバートレーニングセンターというのを組織し、そして国の行政機関、地方公共団体、重要インフラの事業者を対象とした実践的サイバー演習、これCYDERと呼んでいるんですが、そういうところでもセキュリティー人材の育成を始めています。これ、平成三十年度からは重要インフラ事業者向けに特化したコースを新設して更なる内容の充実を図ることにしていますし、今私が申し上げたオリパラについては、大会関連組織のセキュリティー担当者を対象としているサイバーコロッセオや、これからの若い人たちをしっかり、裾野をどんどん大きくして増やしていかなきゃいけないということで、若いセキュリティーイノベーターの育成を目的とした、先ほども御紹介ありましたけど、SecHack365の取組も行い始めています。
 いずれにしても、総務省は、NICTを通じて、まあ小さい組織と言われますけど、そこがやはり今コアの部分なので、人材育成の取組を引き続き推進します。そして、内閣サイバーセキュリティセンター始め関係府省と連携しつつ、とにかく、一日も早く政府一丸となってこのことについては対応していかなければならないと思っています。
#141
○片山虎之助君 経団連なんかも相当昔よりは認識が進んでいるようですから、お金出しますよ。だから、そういう意味で、組んで、官民挙げてやっぱりそういう人材育成をやってもらうことが必要だと思います。
 もう時間がなくなりましたので、もう一つだけ。
 電話番号を、番号を今度は管理する計画を作る、申請を出せる、結構ですよ。それ、使っていないのは取り上げてくださいよ、携帯でも。携帯もどんどんどんどん、〇九〇から〇八〇、〇七〇、もうちょっと下がるのかどうか知りませんが。それから、フリーダイヤルのあれだって、もう今はいっぱいでしょう。ところが、使っているのかどうかというと、半分ぐらいしか使っていないという。携帯は七割ですよ。
 そういうものを勝手に、公なんだから、これはもう公器なんだから、やっぱりそれはどこかで公がしっかり管理して、勝手に使わせないと。それで、使っていないんなら、計画を取って、返上させてくださいよ。再利用すべきですよ。いかがですか。
#142
○委員長(竹谷とし子君) 申合せのお時間が来ておりますので、答弁おまとめいただくようにお願いします。
#143
○政府参考人(渡辺克也君) はい。
 お答えします。
 今、委員御指摘のとおり、今回、返上することを含めた制度を創設すべき法案に盛り込んでいるところでございます。しっかり対応していきたいと思っております。
#144
○片山虎之助君 ちゃんとやってください。
 終わります。
#145
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 本論に入る前に、女性活躍を担当されている大臣に一問伺っておきたいと思います。
 先日、十日でしたかね、衆議院の総務委員会で、前財務事務次官のセクハラ行為に関する財務省の調査方法というのは被害者の立場を考えていないというふうに批判をされて、また、財務大臣のこのセクハラに関する一連の発言について、一般論として、決して適切な表現ではないことは明らかだと、こういうふうに批判をされています。この野田大臣の発言に私も共感をするところですが、しかし、財務大臣は一連の発言の一部は撤回されたようですけれども、これまでの発言がセクハラ被害に遭っている女性をいかに傷つけているか、その事の重大性というものをどうも理解をされていない、こんなふうに思えてなりません。
 そこで、大臣は答弁の中で、男女雇用機会均等法や人事院の規則においてセクハラはいけないことだと規定されているが、機能していないというふうに述べられて、また報道機関のインタビューの中でも、セクハラ問題における被害者の保護、救済などについて法律面も含めた対応に担当大臣として取り組んで、今国会までにできることは発表する、こういうふうに述べられているわけですが、大臣のこの発言はセクハラ被害に泣き寝入りさせられている女性にとって大変光明だと、こういうふうに認識をいたしますけれども、そこで、どのような新たな施策や法整備というものを大臣、頭にお持ちなのか、まず伺っておきたいと思います。
#146
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 まず、セクシュアルハラスメントというのは人権侵害だということをしっかり男女とも理解しなければならないと思っています。とりわけ、様々なハラスメントがある中、セクシュアルハラスメントの特徴は、そのほとんどが女性が被害者であるということであります。ですから、男性優位の社会にあっては、自らが被害者になり得ない事案についてはなかなか国会の中でも議論しづらいのかもしれませんが、今後やはり、世界的にも人権侵害ということで多くの国々でも厳しく対処しておるところなので、これから国際社会に向けて活躍していく日本、また日本人にとってはこれは重要なことであるということを再認識してもらいたい。
 連休中に、私、いろいろ関係者と会いました、直接会うことが大切だと思って。いろいろなことが分かってきました。まず、セクシュアルハラスメント、公務員の場合は人事院の規則、そして民間においては厚生労働省、今おっしゃった法案、法律でセクシュアルハラスメントの禁止や防止というのに取り組むんですが、まず前提として職場内ということを想定されています。
 ですから、今回のように、公務員がメディアにというような、そういうことに機敏に対応できるような状況、条件が整っていなかったということと、あとは、被害者を救済、保護することが第一義にもかかわらず、本来事業主の義務であるそれが果たされていなかったこと等々、いろいろなその問題点、今現在取り組んでいても至らない点がたくさんありました。
 人事院においては、やはり研修をしっかりやっていただきたいわけですが、若手の研修はきちっと義務付けられてやっているんですが、幹部の研修というのは必要に応じてということで、実態上ほとんど行われていなかったと。むしろ、このハラスメントは、権力のある者がない者に対してその権力を行使していわゆる弱い者いじめをするという構図ですから、むしろ上がれば上がるほどしっかり研修を、本来自分で分かっていればいいんですけれども、やっぱり忘れてしまうとか、手元不如意になるということもあるので研修を重ねていくべきだけど、それが徹底されていない。
 まあ、もろもろいろんなことがございました。まだまだヒアリングは続いていますので、できれば五月末ぐらいまでには関係者の方々の真摯な意見をいただいて、国会開会中までにはしっかりと再発防止策を発表できればということで今取り組んでいるところです。
#147
○又市征治君 セクハラに対する理解が大変遅れているということが明らかになってきたといいますか、そういう状況だと思うので、そういう状況の中で大臣がセクハラ被害防止に向けて新たな施策を打ち出すとなると、いろんな意味でそれは抵抗があるかもしれませんけれども、それに屈することなく、是非しっかりと取り組んでいただくように、麻生さんに対してもずばり言ったらいいと思いますよ、そういう努力を是非お願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで本論に入りますが、この種法案になりますと、私まで回ってくると大体よくダブるんですけれども、再確認の意味を含めて幾つか伺っていきたいと思います。
 最初に基本的な問題ですけれども、数々の対策にもかかわらず、このサイバー攻撃による情報流出であるとかサイトの改ざんなどが今日珍しくなく、また被害も大きく広がっている、こういう状況だと思うんです。インターネットを活用して生活の利便性を高める、そのための商品開発が進むのは時代の流れですけれども、今回の法改正は、そうした流れの中でのIoT機器の普及、あるいはそれを悪用した新たなサイバー攻撃に対処するということだと思いますが、言い換えれば、これまでと同様、発見された欠陥を修正をしていく一種の対症療法であり、結局は、その修正点を突破するためにまた今度新たな巧妙なサイバー攻撃、その手段を一面では誘発をするということだとも言えるんだろうと思うんです。
 マイナンバー制度について、私たちは国家による国民の情報収集、管理の危険性の観点から反対をしましたけれども、情報の集中化、一元化がもたらす情報漏えいの危険性、弊害についても危惧をされます。
 そこで伺うんですが、今後もネット空間の拡大によって新たな危険性が生まれ続ける、そのたびに膨大な人的あるいは物的資源を投入し続けざるを得ない、そういう認識なのかどうか、そこを率直に伺います。
#148
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 サイバー空間におけます脅威というものが急速に巧妙化、複雑化をしてきている、こうした状況に対して迅速に対応していく必要がございますが、他方、委員も御指摘のように、攻撃者側が防御側に比べて優位に立つという特性があるというのもまた否定できない事実だというふうに思っております。
 こうした中、例えば政府内におきましては、平成二十七年に閣議決定をいたしましたサイバーセキュリティ戦略に基づきまして、幾つかの施策に体系化をしております。具体的には、民間部門のセキュリティー投資の促進、各主体の防御能力の強化、それから国際連携の強化、また、こうしたものを支える横断的な取組として、研究開発力の強化、あるいは人材育成の推進といった施策に整理をし、取り組んでおります。
 また、今後ということでございますけれども、このサイバーセキュリティー上の脅威に係る環境変化を踏まえまして、今後は攻撃者の特性分析ですとかそれから脅威の予兆分析といった、今までよりも一歩前に出た先を読むような形での対策も含めて、積極的な対策の強化に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
#149
○又市征治君 情報を集中し一元化することが本当に良いことなのかどうか、考えさせられる事態ですけれども。
 さてそこで、今回の法改正はIoT機器の普及に伴うものということでありますが、IoT機器に関しては、アメリカにおいて二〇一六年十月に、マルウエアに感染した監視カメラ等のIoT機器によって深刻な被害が発生したと報告をされています。日本においてもIoT機器に対するサイバー攻撃は年々増大をしている、こういうふうに聞くわけですけれども。
 そこで伺いますけれども、従来のサイバー攻撃に比較して、IoT機器等に対するサイバー攻撃とそれによる被害の特徴というのはどういうことなんですか。
#150
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 従来のサイバー攻撃が対象としてきた分野というのは、例えばパソコンですとかあるいはスマートフォンといったような情報端末、情報機器というものを狙ったものがメーンでございますけれども、昨今のIoT機器と言われるものにつきましては、インターネットにつながっている防犯カメラですとかルーター、センサー、こういったものがございます。また、こうしたものが今後急速に増えていくだろうというふうに考えられております。
 こうしたIoT機器でございますけれども、まず、画面がないというものが多くて、人の目による監視が行き届きにくいという特徴がございます。また、例えば防犯カメラのように、数年ではなく長期にわたって使用されるものが多いと。そうなりますと、当時十分であったセキュリティー対策が危殆化、つまり有効ではなくなってしまうという可能性がございます。また、IoT機器にはメモリーのようなリソースが非常に限られているということから、いわゆるアンチウイルス対策などが適用できないと、こういったような特性がございまして、サイバー攻撃の対象として狙われやすいという点、この部分について対策を急いで強化をしていく必要があると、このように考えているところでございます。
#151
○又市征治君 そういう被害を防ぐために、今回の改正で国立研究開発法人情報通信機構、略称NICTと言うんでしょうが、の業務に、サイバー攻撃の標的となるIoT機器のパスワードの設定に関する実態調査であるとか、あるいは電気通信事業者との連携による対策強化業務が追加をされるということですね。さらに、第三者機関を設置をして、サイバー攻撃を行うマルウエア感染機器やそれに指令を出すサーバーに関する情報を電気通信事業者と共有し、事業者が注意をし、攻撃指令、通信のブロックを行えるようにする。
 これはこれで一つの方法なんでしょうけれども、しかし、昨年十月に総務省が設置したサイバーセキュリティタスクフォースがまとめたIoTセキュリティ総合対策の具体的施策の中で、脆弱性対策に係る体制の整備として、設計・製造段階に始まり、販売、設置、運用・保守、利用段階と、言わば川上から川下までの総合的な対策を提言をされていますけれども、それと比較をすると、今回の改正案というのは全体から一部を切り取ったという印象が私は持つんですけれども、タスクフォースのこの総合対策と今回の法改正の関係というのはどういうことなんでしょうか。
#152
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の昨年十月に総務省で策定、公表いたしましたIoTセキュリティ総合対策の中には、今委員が御指摘がございましたIoT機器の脆弱性対策に係る体制の整備という項目が主要項目の一つとして掲げられているところでございます。
 このIoT機器の脆弱性対策でございますけれども、これから製造、販売されるもの、これも非常に多いわけでございますが、既に製造、販売をされて現実のこのリアル空間で稼働しているもの、これもたくさんあるわけでございます。
 これから製造、販売されるものにつきましては、先ほど委員から御紹介をいただきましたように、セキュリティー・バイ・デザインによって設計・製造段階からセキュリティー対策を講じていく、また一定のセキュリティー要件を講じているものについては認証制度を適用する、こういったことを含めて考えてまいりたいと思っておりますけれども、既に設置されているIoT機器につきましてはこういったことが難しいことから、この総合対策の中でも、今回のNICTによる脆弱性調査を行って脆弱性のある機器をあぶり出して、そして最終的にはユーザーに対する注意喚起を行うという、二様の対策、既設のものとこれから販売するものを分けて対策というものを考えているわけでございまして、今回審議をお願いしておりますこのNICTの業務追加につきましても、IoTセキュリティ総合対策にのっとった形で御提案をさせていただいているというものでございます。
#153
○又市征治君 法改正をして、NICTの調査によってIoT機器の脆弱性が明らかになっても、現状では利用者が改善策を取らないと意味がないということですよね。それだったら、製造業者あるいは通信業者が脆弱性を除去できるように機器を改良するなり、脆弱なパスワードではアクセスできないようにすることを義務付けた方がいいんじゃないのかなと、こう率直に思うんです。
 また、NICTはIoT機器のどの範囲、どのような情報を収集するのか、また収集した情報の漏えい防止はどのように担保されるのか、そして、今後生産されるものについては悪用される危険性というのはそれは相当減る、こういうふうに理解していいんですか。
#154
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今般、御審議をお願いしておりますNICTに関する業務追加でございますけれども、どのような情報を集めるのかという点につきましては、それぞれのIoT機器の中でパスワード設定が脆弱である、簡単に乗っ取られる可能性があると、こういったものを調査を行いまして、これを電気通信事業者に提供することによってパスワードの設定、変更を求めるという注意喚起を行っていくというものでございます。
 NICTが調査を行う上では、少し技術的になりますけれども、IPアドレスあるいはタイムスタンプといったような情報を取得するということを予定をしているところでございます。また、このNICTが取得する情報については、直ちに個人情報というわけではございませんけれども、当然、NICT法に基づく秘密保持義務、あるいは実際にこの業務をNICTが行う場合の実施計画を総務大臣が認可を行うこととしておりますので、その過程で適切な管理がなされるよう、私どもとしても最大限の留意をしてまいりたいと思っております。
 また、今後製造される機器についてのお尋ねもございました。
 この点につきましては、まず情報通信審議会におきまして、IoT機器を含む脆弱な端末設備のセキュリティー対策について現在御議論をいただいているところでございます。また、民間レベルにおきましても、一定のセキュリティー要件を満たした機器を任意に認証する仕組みを含みますIoT機器のセキュリティー確保策につきまして、現在、産学官の連携の場でありますIoT推進コンソーシアムの場におきまして検討が行われております。
 今後とも、こうした様々な取組を通じて、産学官の連携の中で、IoT機器のセキュリティー対策について進めてまいりたいと考えております。
#155
○又市征治君 それじゃ次に、電気通信番号の効率的利用について伺いたいと思います。
 まず、この番号容量は有限希少な資源とも言われますけれども、番号容量の限界はどのように今規定をされているのか、また現在を基準として最大どのぐらいの容量まで拡大できるというふうにお考えなのか。資料によれば、携帯電話・PHS、着信課金については電話番号の指定率が大変高くなっていますが、実際の使用率は携帯電話・PHS、着信課金では乖離が大きくなっている。そして、この乖離の解消が今回の改正目的の一つだということですけれども。
 そこで伺いますけれども、そもそも最初に指定数を定める基準はどのようなものだったのか、例えば業者の希望などによってやられてきたのかどうか。また、それと関連するかもしれませんけれども、指定数と使用数の乖離が生まれる原因はどこにあるというふうにお考えなのか、以上伺います。
#156
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 まず、現在の電気通信番号の指定の関係でございますが、これに関しましては、まず事業者におきまして総務省に申請をするということとしてございます。その際、事業者におきまして、今後のサービス展開等を見込んで、中長期に必要となる番号の数を算出しまして、総務省に対して需要予測というのを提出しているような状況でございます。
 総務省におきましては、それらの状況と、さらにサービス提供に必要な設備を設置するか、こういったこと等の条件を確認した上で、番号があれば指定するということで今まで行ってきたものでございます。
 そういった状況でこれまで対応してきた状況でございますが、事業者のサービスの普及が当初の予定どおり進まないような場合には、国が指定した番号数と実際に使用されている番号数に乖離が生じるというふうなことが現時点で生じている状況でございます。また、現行制度では、事業者が国から受けた番号に関しましては使用期限がないということから、使用しなくなった番号の返上は事業者が任意で行うということから、現在長期間未使用となっている番号があるということから、今回そのための再配分を行うための法改正をお願いしているという状況でございます。
#157
○又市征治君 今回の改正で是正されるんでしょうけれども、何か事業者の思惑、見込みが先行して、本来あるべき用途、その容量を検討する、あるいは規制するという視点が不足したんじゃないのかなと、そういう感じを受けます。そのことを申し上げておきたい。
 今回の改正で、事業者に番号を割り当てるに当たって使用条件を付し、それによって番号の効率的運用ができるということですけれども、具体的な手順を簡潔に説明をいただきたい。また、これで番号容量の不足、逼迫は解消されるのかどうか。最後に、この改正案に対する事業者の反応はどのようなものか、賛同は得られているのかどうか、以上について伺います。
#158
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今お話ししましたように、番号の指定を受けた事業者と未使用の番号が多く存在することから、指定数と使用数が乖離しているという状況でございます。今回の法改正では、総務大臣が事業者に電話番号を割り当てる際に電話番号に使用期限を設け、長期間使用できないものに関しましては返上させることを可能としたいというふうに考えております。
 具体的には、改正法に基づき、事業者が作成することとなる電気通信番号使用計画の認定の審査におきまして、番号の需要見込み、使用状況を精査するとともに、事業者に番号の具体的な使用状況、こういったものを定期的に確認をし、長期的に未使用となっている番号については返上させる、こういった取組等を行うことによって指定数と使用数の乖離状況を解消できるよう取り組んでいきたいと思っております。
 また、今回の制度整備に関しましては、各事業者等からも意見を聞くということで、具体的には、情報通信審議会におきましての際にいろいろヒアリング等も含めて意見聴取を行ったところでございます。また、その際におきましても、こういった効率的な再配分を可能とする制度を整備すべきという意見が出されたという状況でございます。
 また、最終的なパブリックコメントにおきましても、そういった確保に加えまして、番号の取消しとか他の事業者への再指定が可能となるような制度的な対応を検討すべきという意見が出されました。
 こういった状況を踏まえて、今回、法改正を提出させていただいたということでございます。
#159
○又市征治君 終わります。
#160
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#161
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。
    ─────────────
#162
○委員長(竹谷とし子君) 休憩前に引き続き、電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#163
○松下新平君 自由民主党の松下新平です。
 法案の質問の前に一件総務大臣にお願いしたいんですけれども、実は、硫黄山という山がございまして、標高が千三百十七メートルなんですけれども、これが大変なことに今なっております。二百五十年ぶりにこれ噴火いたしまして、有害物質が今湧き出しておりまして、河川に流入して河川の魚が死んでしまうという状況で、もちろん人体にも影響があるわけですから住民の皆様は本当に難儀しているんですが、工場だったらそれを止めてしまえばいいわけですけれども、自然のものですから、そしてまた、これはこれまでにも、また全国的にも知見がないということで、地元の皆様苦労されております。総務省としてのこれまでの取組と今後の対策についてお伺いしたいと思います。
 場所なんですけれども、これは鹿児島県と宮崎県の県境にあります霧島連山の中にあります。ふだんは観光のスポットとして人気があるんですけれども、今年、七年ぶりに噴火いたしました。その前は五十二年ぶりだったんですけれども、高いときには八千メートルぐらいの噴煙が上がりますし、実は昨日も四千五百メートルの噴火がありました。
 今、この噴火警戒レベル、五段階ありますけれども、その三です。入山の規制がされているところなんですが、それに対しては、新燃岳に関しては政府の情報連絡会でいろいろ対策を取っていただいております。一番はこの噴火の、噴煙の対策ですね、火山灰の対策なんですけれども、これは総務省もそれぞれ対応していただいているんですが、その新燃岳から四キロの地点に今回の硫黄山がございます。ちょうど一か月前に噴火いたしまして、二百五十年前と申し上げましたけれども、ちょうど明治維新から今年で百五十年、明治維新から更に百年前ということですから、その情報も少ないわけですね。
 そして、現状はといいますと、長江川というのと、あと鹿児島の方に抜ける川内川というのがあります。そこにヒ素を含む有害物質が流れているという状況で、宮崎県のえびの市、そして下流の方は鹿児島県の湧水町そして伊佐市まで及んでおります。一つは、畑作でも有名なんですけれども、この水が使えないということで、田植の時期ですけれども断念せざるを得ないと、二割の農家の方がそういった苦渋の決断をしているという状況があります。
 先ほど申し上げたように、関係省庁が集まって議論をしていただいているんですけれども、これまでの経験がないということです。河川の下の方にはそういった物質が沈殿しているかもしれないと。それをどう分解する、そして中和する、それを国交省や農水省、研究機関を通じて今鋭意努力していただいているんですけれども、地元の皆さんからすると総務省は地方の応援団ですし、そういった支援プログラムに対して、国庫補助なり、地元の負担がなるべく軽減されるように是非応援をしていただきたいと思っておりますけれども、野田聖子大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
#164
○国務大臣(野田聖子君) 松下委員にお答えいたします。
 今回のえびの高原の噴火により、大きな被害が出ています。今お話にもありましたけれども、特に今回の噴火が二百五十年ぶりの事態であり、周辺の河川で環境基準を超えるヒ素などの有毒物質が検出され、河川の流域の農家で今季の稲作中止を余儀なくされるなど、大きな影響が出ていると伺いました。このように周辺に居住される皆様のなりわいに支障が出ていることについて、心よりお見舞いを申し上げます。
 政府では、宮崎県や鹿児島県における噴火活動による水質悪化に関する取組の支援を目的として、内閣府、農林水産省、国土交通省、環境省などの関係府省庁の連絡会議が五月九日から開催されています。この会議では、現地の対応状況について共有され、必要な調整が図られていると承知しています。総務省としても、連絡会議におけるこの議論を注視して、関係省庁としっかり連携しながら必要な対応を行ってまいります。
#165
○松下新平君 ありがとうございます。
 総務省は、消防庁でありますとか、また情報通信、情報通信分野ですと高性能のカメラ、AI、そして5G等を使って、人間に害が及ぶところにはロボット等を通じて処理をするとかいう広い役割があると思いますので、是非、今後のことですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、法案の中身に入らせていただきたいと思います。午前中、いろいろ質問がございました。私も九問通告をしておりますけれども、若干ダブるところもありますが、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
 サイバー攻撃の対処についてですけれども、IoT機器を悪用したサイバー攻撃が多発しております。一昨年の米国の例は午前中にお話がありましたけれども、国内でも、防犯カメラが簡単にサイバー攻撃をされて悪用されるという事例もありますし、アップルウオッチを持っていらっしゃる方いらっしゃると思いますけれども、イギリスの議会ではアップルウオッチは禁止になったそうなんです。何でかというと、盗聴されるという、もうこのIoTが悪用されるという事例が発生してからだと思うんですけれども、そういった便利な反面、そういう怖さもあります。
 日本はこれから、G20、そしてラグビーのワールドカップ、そして二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックを控えているわけですけれども、私もこの間、平昌オリンピックに行ってまいりました。党の派遣で行ってまいりましたけれども、やはりこのサイバー攻撃というのが話題になっておりました。その開催の予算の半分以上を占めることになるのではないかぐらい、この体制の難しさ、そういったのをお聞きしたところです。また、今、日中韓、首脳会議でいい雰囲気でもありますので、韓国のまた知見もこの日本のオリンピックにも生かしていただきたいと思うんですが。
 この法律案は、通信事業者によるサイバー攻撃への対処を促すために必要な法整備を、体制整備をするものだと思います。このサイバー攻撃の送信元の情報を通信事業者間で共有する業務を行う第三者機関を認定する仕組みを設けることとしていますが、こういった仕組みを設ける具体的な意義についてお尋ねいたします。
#166
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 電気通信事業者間のサイバー攻撃の送信元の情報共有等は、サイバー攻撃の対処のために有用でございますが、多数の電気通信事業者が関係し、情報共有を行うことが煩瑣となるため取組が進んでいない、こういう状況にあるというふうに認識をしております。
 このため、本法律案におきましては、情報共有を行う第三者機関を総務大臣が認定する制度を設けまして、サイバー攻撃の送信元に関する情報の効率的な共有を促すことにより、電気通信事業者が連携してサイバー攻撃に円滑に対応することを促進していくことが重要というふうに考えております。
 具体的には、総務大臣から認定を受けました第三者機関がサイバー攻撃の送信元のIPアドレスなどの情報を攻撃の送信側の電気通信事業者に対して提供し、マルウエアに感染した機器の利用者への注意喚起、マルウエアに感染した端末にサイバー攻撃を行うよう指令等を行ういわゆる指令サーバーの攻撃指令のブロックなどの対処を求めること、さらに指令サーバーを特定しやすくするための調査研究、こういったことを行うなどの業務を行うことにより、電気通信事業者によるサイバー攻撃への対処を促進し、被害を抑制することを目的としているということでございます。
#167
○松下新平君 この法案の情報共有を行ってサイバー攻撃への対応の成果を上げていくことは、多くの通信事業者がこの枠組みに加わって連携できるようにすることが重要だというふうに思います。
 一方で、当該情報共有は義務とされておりません。その点で質問いたしますけれども、本法律案のサイバー攻撃に関する情報共有への通信事業者の参加をどのように促していくのかをお尋ねいたします。
#168
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、本法律案の情報共有の枠組みには幅広い通信事業者の方に参加いただくことが重要というふうに考えております。
 情報共有の枠組みの検討に当たりましては、現に存在するICT分野におけますサイバーセキュリティーに関する情報収集、調査分析等を実施し、多くのインターネット利用者を擁する電気通信事業者が参加いたします一般社団法人ICT―ISACを念頭に置いているところでございます。
 この情報共有の枠組みは、個々の電気通信事業者では対処が困難な大規模なサイバー攻撃に連携により対応できるようにするものであり、参加のインセンティブを持っていただけるというふうに考えてございます。
 総務省といたしましては、実効性を上げるためにも更に情報共有の重要性を説明し、より幅広い電気通信事業者の方の参加を促していきたいというふうに考えてございます。
#169
○松下新平君 総務省自身も第三者機関や通信事業者をしっかりサポートをしていただきたいというふうに思います。
 マルウエアに感染した利用者のIoT機器からマルウエアを取り除くことも重要となります。この法律案の第三者機関は、通信事業者以外のセキュリティーベンダーや機器の製造事業者とも連携していくものなのでしょうか。
#170
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、サイバー攻撃の対処におきましては、通信事業者以外のセキュリティーベンダー、製造事業者等とも連携していくことが重要というふうに考えております。
 具体的には、マルウエア、機器の脆弱性に関わる情報につきまして、第三者機関の業務として利用者への注意喚起を適切に行っていくといった業務のためにも、セキュリティーベンダーからサイバー攻撃を行うマルウエアに関する情報の提供ですとか、製造事業者からはマルウエアに感染しやすい機器の情報、こういった情報の提供を受けることが必要だろうというふうに考えているところでございます。
#171
○松下新平君 この法律案の枠組みを基に、是非広がりを持った効果のある取組を推進してほしいと思います。
 さて、この法律案については、サイバー攻撃の発生を防ぐための取組も行うということでした。パスワードの設定に不備のあるIoT機器を調査して、利用者に設定を変更してもらうことにより、サイバー攻撃に悪用される危険性が高い機器を減らす取組ということは重要だというふうに考えております。
 先週ですけれども、私もNICTに参りました。そこで、実際この運用の話もお聞きしましたけれども、まだ詳しい内容までは言っておりませんでしたが、いろんなことを想定しながらソフトを作っていくことからスタートするということでした。
 今回の機器調査をNICTに行わせるとした理由についてお尋ねいたします。
#172
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、NICTの業務にパスワード設定に不備のある機器の調査などを追加することとしておりますけれども、この点につきましては、まず、NICTはサイバー攻撃の観測を行うなどサイバーセキュリティー分野に深い知見を有しているということ、また、本調査におきましてはインターネット上でパスワード設定に不備のある機器の特定を行うことから、その調査主体は国民の信頼を得られるものとする必要があること、こういった理由から今回NICTに行わせることとしたところでございます。
#173
○松下新平君 午前中の質疑でも出ましたけれども、また私も直接聞いて、人材についてのこの仕組み、そして確保というのが、この法案が絵に描いた餅にならない重要なポイントだというふうに感じました。
 いろいろ工夫はされております。高度なサイバー攻撃に対処する人材育成、専門分野ですね、そういったことも今回新たに学んだところなんですけれども、このCYDER等、総務省におけるサイバーセキュリティー分野の人材育成について、取組の現状、今後の方向性について御説明をお願いします。
#174
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、我が国におきますサイバーセキュリティーの人材の圧倒的な不足というのは非常に深刻な課題でございます。こうした中、総務省におきましては、これまで行政機関や民間企業等に対するサイバー攻撃への対処方法を体験する実践的なサイバー防御演習の取組を行ってきているところでございます。
 平成二十九年四月にはNICTにナショナルサイバートレーニングセンターを組織し、セキュリティー人材の育成の取組の更なる強化を図っているところでございます。具体的には、国の行政機関、地方公共団体、重要インフラ事業者等に対する実践的なサイバー防御演習であるCYDER、また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたセキュリティー人材の育成を行いますサイバーコロッセオ、さらに、二十五歳以下の若手ICT人材を対象とした若手セキュリティーイノベーターの育成を行うSecHack365の三つの事業に取り組んでいるところでございます。
 こうした取組につきましては平成三十年度以降も引き続き実施をし、内閣サイバーセキュリティセンターを始め関係府省と連携をしつつ、政府一丸となって我が国のセキュリティー人材の育成に尽力をしてまいりたいと考えております。
#175
○松下新平君 相当人材の育成については外国に遅れているという認識ですので、先ほど申し上げたように、これからいろんな行事がめじろ押しですので、この高度な人もそうですけど、裾野を広げる、その人材育成、よろしくお願いいたします。
 そのためにはもちろん予算が充実が必要なんですけれども、そのことについてお伺いいたします。
 NICTは、我が国のサイバーセキュリティー分野において非常に重要な役割を担っておられます。今後、政府としても予算を充実させるなどによって取組を強化していく、そういった声も聞いてまいりましたけれども、是非、政府の前向きな御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#176
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 これまでNICTにおいては、その有する技術的知見等を生かして、サイバーセキュリティー分野の研究開発や人材育成に取り組んできています。具体的には、サイバー攻撃の状況をリアルタイムに把握して分析するシステム、nicterと言っていますが、の開発を始めとする研究開発に取り組んでいるほか、国の行政機関、地方公共団体、重要インフラ事業者等に対する実践的なサイバー防御演習、CYDER等のセキュリティー人材の育成を行っており、これからも本法案によって新たに追加されるIoT機器の調査の業務を含め、更に取組の強化を行うこととしています。
 総務省としては、サイバーセキュリティー上の脅威に対抗するため、NICTにおける先進的な研究の成果を最大限に活用していくことが重要と考えます。今後もそのために必要な予算の確保に努め、我が国のサイバーセキュリティーの強化に全力で取り組んでまいります。
#177
○松下新平君 この情報通信分野は日進月歩でありますので、この法改正に満足することなく、当然ですけれども、関係機関と連携して、引き続きサイバーセキュリティー対策の強化に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、もう残りが僅かになりましたけれども、固定電話網のIP網への円滑な移行について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 NTTのIP網への移行に伴うサービスの廃止に当たりまして利用者にはどのような影響が生じるのか、今回の改正案では電気通信サービスの廃止についてどのような措置を講ずることとしたのか、お伺いいたします。
#178
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 NTTは、IP網において提供が困難であるサービスなどにつきまして、従来の電話交換機のネットワークからIP網への移行に合わせて終了する考えを示しているところでございます。
 こうしたサービスには、例えば、クレジット決済、企業間での電子商取引など、様々な分野で利用されておりますINSネットというサービスがございます。このINSネットのサービスの廃止後は、メタルIP電話を利用する補完的なサービスの提供も予定されているところでございますが、IP網の特性上若干の伝送遅延が生じるため、利用者の利用形態によりましては支障を来すおそれがあるというふうに認識しているところでございます。このため、利用者の利用形態によっては機器の買換え、回線の切替えが必要になることが考えられることから、利用者へのサービス終了時期ですとか代替サービスなどの適切な周知が重要になるというふうに考えております。
 今回の法律案におきましては、休廃止されるサービスの利用者を保護するために、利用者に対しあらかじめ周知すべき事項や期間などを規定することとした上で、現行の退出規律が事後届出制であるため、行政が事業者による周知内容をあらかじめ確認する仕組みを導入するなどの措置を講じることとしているところでございます。
 総務省といたしましては、こうした対応により、IP網への移行に伴い、利用者が円滑にサービスの移行ができるように対応してまいりたいというふうに考えてございます。
#179
○松下新平君 関連して、この固定電話網をIP網にすることによって利用者にどのようなメリットが考えられるのでしょうか。
#180
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 固定電話網のIP網への移行に伴いまして、例えば移行後の固定電話サービスにつきまして、距離に依存しない全国一律な低廉な料金で現在と同等水準の通話品質を確保し、音声だけではなく、動画等のデータ通信との共用も可能となるということに加えまして、利用者が契約する事業者を変更しても同じ番号を引き続き利用できる仕組み、これは双方向番号ポータビリティーと呼んでおりますが、これが実現するなど、IP網の特性を生かした多様なサービスが利用者に提供されることを期待しているところでございます。
 こうしたIP網への移行の意義、メリットを利用者に知っていただくことによりIP網への円滑な移行が進むと期待されることから、総務省といたしましても国民への周知に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#181
○松下新平君 そのようなメリットを最大限に生かすことによって移行の円滑化が一層図られることを期待したいと思います。
 この点、移行によるメリットが利用者に十分享受されることが重要でありますが、その一方で、こうしたメリットを実現するに当たって、中小企業など規模の大きくない事業者への負担が過度にならないようにすることも重要です。例えば、固定電話の双方向番号ポータビリティーの実現に際しては新たな番号管理の仕組みの構築が必要になるところ、こうした仕組みの構築が中小企業者においても対応が可能となるよう配慮して進めるべきだと考えますが、御見解を伺います。
#182
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 今御指摘の固定電話の双方向ポータビリティーに関してでございますが、この実現の方策につきましては、情報通信審議会におきましても、中小事業者の意見も聞きながら議論を進めてきたところでございます。
 双方向番号ポータビリティーの実現に際しましては、全ての固定電話事業者が番号データベースを構築、運用する必要があるわけでございますが、情報処理技術の進展、IP網移行に伴う汎用的な機器の導入などにより、NTTの交換機による現在の仕組みに比べましてコストを大幅に低廉化する見通しが得られている状況にございます。こういったことを活用することにより、より低廉にそういったものの構築が可能になるというふうに考えてございます。
 さらに、審議会の答申におきましては、規模の大きくない事業者につきましては大手の事業者が構築する番号データベースを借りることも可能とするような提言もいただいているところでございます。
 総務省といたしましては、今後も事業者の方の意見を聞きながら取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#183
○松下新平君 行政とNTTを始めとする事業者において、二〇二五年一月のIP網への円滑な移行の実現に向けて、今後も引き続き答申に基づく取組を着実に進めていっていただきたいというふうに思います。
 予定しておりました通告は全て回答いただきまして、ありがとうございました。
 以上で終わります。
    ─────────────
#184
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本順三君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#185
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 本法律案は、IoT機器のセキュリティー対策を強化するものということでありますが、まず、前提としまして、そもそもサイバー攻撃に狙われやすいIoT機器としてどのようなものがあるか、お伺いをしたいと思います。
#186
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 近年、急速に普及が進んでおりますIoT機器でございますけれども、生活の利便性を大いに高める一方で、画面がないものが多く、人の目による監視が行き届きにくいこと、また、非常に長期にわたって使用されるものも多くセキュリティー対策が危殆化してしまうこと、また、IoT機器のリソースなどの制約によりましてアンチウイルス対策などが適用できないこと、こういった特徴がございまして、サイバー攻撃の対象として狙われやすいと言うことができるかと思います。
 また、IoT機器のうち、インターネット上で外部からアクセス可能な機器は、インターネットを通じてサイバー攻撃を受ける危険性がございます。具体的には、ウエブカメラやルーターといったものが狙われやすいと認識をしているところでございます。
 NICTの観測データによりますと、サイバー攻撃は二〇一五年から二〇一七年の二年間の間に二・八倍増加しておりますが、特にIoT機器を狙ったサイバー攻撃は五・七倍の増加となっております。
 したがいまして、IoT機器のサイバーセキュリティー対策が喫緊の課題であるというふうに認識をしているところでございます。
#187
○秋野公造君 ありがとうございます。
 既に議論がありましたが、米国でのIoT機器へのサイバー攻撃、深刻な被害があったということであります。ちょっと国の認識を確認しておきたくて、具体的にどのような事案だったのかと、その認識をお伺いしたいと思います。
#188
○政府参考人(谷脇康彦君) 委員御指摘の事案でございますけれども、二〇一六年の十月、米国におきまして、約十万台のIoT機器がMiraiと呼ばれますマルウエアに感染をして踏み台となりまして、DNSサービスを提供する、米国の企業ですが、ダイン社のサーバーに対して大規模なDDoS攻撃が行われたという事案でございます。
 この事案におきましては、こうしたサイバー攻撃の結果といたしまして、SNSあるいはオンラインショッピング、こういった一般の方がよく使うサービスが利用できなくなるなどの障害が発生をしたと承知をしております。
 なお、このMiraiと呼ばれるマルウエアは、初期設定でよく使われるパスワードや容易に推測可能であるパスワードを用いてIoT機器を乗っ取ったというふうに承知をしているところでございます。
 今回御審議をお願いしております法案におきましては、このようなパスワード設定に不備のある機器の調査をNICTに行わせることによりましてIoT機器へのセキュリティー対策を推進してまいりたいというふうに考えているものでございます。
#189
○秋野公造君 おっしゃるとおりでありまして、現在利用されているIoT機器のパスワードの不備を解消することでセキュリティー対策を進めるというのがこの法案の目的でありますけれども、例えばでありますが、今後製造されるIoT機器については、最初からセキュリティーを強化したものとしたり、外部からのIoT機器にアクセスする際の認証をIDとパスワードだけでなく、セキュリティーを高めた価格面や操作面も手頃で使いやすい認証とするといったようなことも同時に進めていくべきではないかと思いますが、御見解、お伺いしたいと思います。
#190
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 IoT機器のセキュリティー対策につきましては、二〇一六年七月に公表いたしましたIoTセキュリティガイドラインにおきまして、セキュリティー・バイ・デザイン、これは機器の企画、設計段階からセキュリティーを確保するための対策を講じるという考え方でございますけれども、このセキュリティー・バイ・デザインを基本原則とすることとしており、このガイドラインの普及啓発に現在私どもとしても努めているところでございます。
 また、現在、IoT推進コンソーシアムにおきまして、今後製造、販売されるIoT機器につきまして、一定のセキュリティー要件を満たしている機器について民間主導の任意の認証制度を設けるということについても検討を行っているところでございます。
 さらに、外部からIoT機器にアクセスする際などに必要となる委員御指摘の認証でございますけれども、例えばパスワードの代わりに生体認証などを用いる規格の標準化が民間で進められているなど、よりセキュアな認証方式の導入あるいは活用ということが期待されるところでございまして、引き続き、私どもといたしましても今後のこうした認証関連の動向についても注視をしてまいりたいと考えてございます。
#191
○秋野公造君 この認証の高度化というんでしょうか、そういったものを進めていかないと、いつまでたってもイタチごっこのような状況になるのではないかと思います。先日、総務委員会におきまして、NTT霞ケ関ビルの視察に伺いましたときにも、皆さんが大変御苦労をなさっているような、そういう印象でありました。
 例えば、ID、パスワード以外の認証手段、こういったものも検討していくということでありますけれども、例えばバーコードとかQRコード、指紋認証のような生体認証、こういったようなこともあるんだと思いますが、一方で、指紋認証については、写真を撮ってその画像データから指紋が読み取れるということでありまして、こういった形で写真を撮りますとその写真から指紋が読み取れるといったような形で、そんな危険性が指摘をされるなど、この生体認証においても課題は存在をするのかなと思っています。
 今後、ID、パスワード以外の認証手段について、IoT機器に用いられるときの課題についてどのような御見解をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
#192
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の認証の手段、とりわけID、パスワード以外の認証手段ということでございますけれども、バーコードあるいはQRコードといったもの、さらには指紋ですとか虹彩などの生体認証、こういったものの認証方法をIoT機器の認証に用いるというアプローチ、考え方というものがございます。
 しかしながら、こうした認証の様々な手段によって守るべきIoT機器の種類、あるいはこれを導入することに伴う費用とのバランス、さらには、生体認証の場合には、一度情報が漏えいしてしまいますとこれは変更ができないというリスクなどがございます。そういった意味では、ID、パスワード以外の認証手段につきましても多々課題があるものというふうに認識をしております。
 認証の高度化につきましては、民間企業等におきましても種々検討されているものと承知しておりますので、引き続き、こうした今後の動向につきまして私どもとしても注視をしてまいりたいと考えてございます。
#193
○秋野公造君 今日は私、資料を配付させていただきましたが、実は、私、視覚障害者の方々から、自らの力で自分のプライバシー情報にもアクセスをしたいといったような思いを受けまして、こういったコードといったものを使うこと、そういったことを学ぶようになりました。
 お示しをしているのは、右下にバーコードがありまして、左上からベリコード、データマトリックスコード、QRコード、音声コードということで、要は情報量を増やしてたくさんの情報をコードの中に詰め込むことができるという、その点だけに沿って開発が進められてきたものであります。
 それはとてもいいことだと思うんですが、ちょっとお伺いをしておきたいと思いますが、このバーコードやQRコード、それから音声コードはセキュリティーは担保されていないということでよろしいでしょうか。
#194
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員にお示しいただいている資料の中でQRコードがございますけれども、このQRコードの中には一部セキュリティー機能を持つものもあると承知をしておりますけれども、通常一般に使われておりますバーコード、QRコードあるいは音声コードというものにつきましてはセキュリティー機能を有していないものというふうに承知をしております。
#195
○秋野公造君 ちょっとこの場で申し上げるのが適切かどうか私分からないんですが、実は、先ほど申し上げた視覚障害者の方が、自らが将来幾ら年金を受給できるのか、そういったことを自らの力で知りたいといったような御要望を受けまして、ねんきん定期便の中に情報量が多いコードを載せることを御提案をさせていただきまして、実は二〇一二年からねんきん定期便にコード、この音声コードが載っているということになります。
 当時はそういったセキュリティーなど私も考えておりませんでしたので、今となってはテキスト情報でありますので読む気になれば誰でも読むことができるといったような、そういう提案だったのかなということもちょっと考えているところであります。
 そういうことになりますと、大臣にちょっとお伺いをしたいと思いますが、コードに十分な容量があってコード自体にセキュリティーを付けるということがより安全ではないかと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#196
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 認証方法については、ID、パスワードのほかに、生体認証とか今、秋野委員御指摘の技術など様々なものがあるということを承知しているところです。
 一般論としては、外部からインターネットを通じてIoT機器にアクセスする際、認証のために必要とする情報の量が多く、その情報が暗号化されるなど、セキュリティー上の配慮がなされている方が安全と言えます。
 サイバー空間における脅威は急速に変化しており、脅威に合わせたセキュリティー技術を取り入れていく必要があると考えます。総務省としても、セキュリティーがより強固となるための研究開発や、新たな脅威に対応したセキュリティー対策の実装に向けてしっかり取り組んでまいります。
#197
○秋野公造君 左下にコードEXを示しておりますが、これは、情報を詰め込む部分とセキュリティーを付けるための部分と分けることによって高度にセキュリティーを付けようとした初めての取組になるんですけれども、恐らくこれでさえ安全でないと言わざるを得ないと思います。
 今後、こういったコードの中の情報量を増やす取組と、それからセキュリティーのためのスペースを確保する取組と、こういったようなことを進めざるを得なくなってくるのではないかということを考えております。そういった意味では研究ということが非常に重要になってくるのではないかと思いますので、どうか総務省におかれましてはよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、他の委員の方々も御質問されましたが、少し私も見解をお伺いしておきたいと思います。
 この法律案に基づいてどんな情報を共有するのか、情報の保護をどのように担保するのか、お伺いをしたいと思います。
#198
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 本法律案に基づきます情報共有では、マルウエアに感染した端末、マルウエアに感染した端末に指令を行ういわゆる指令サーバーのIPアドレス、通信日時などを共有いたします。これらの情報は電気通信事業者の取扱いの通信の秘密に該当することから、その取扱いに際しては適切な管理が求められるところでございます。
 本法律案では、第三者機関の認定を通じまして業務の適正性を確認することとしているほか、第三者機関に対しまして業務で取り扱う情報に関わります秘密保持義務等を課すことにより、第三者機関における情報の適正な取扱いを確保しているということでございます。
#199
○秋野公造君 第三者機関の信頼性と公平性について、ちょっと私も党内の審査において御質問させていただいたところでありますが、改めて、このICT―ISAC、想定されるところでありますが、この信頼性や公平性についてどのように確保していくのか、お伺いをしておきたいと思います。
#200
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 本法案の第三者機関につきましては、総務大臣の認定に際しまして、業務を適正かつ確実に行うために必要な要件といたしまして、まず一点目としましては、サイバー攻撃に関する知識、能力を有すること、それから二点目としましては、業務運営に必要な財産的基礎を有すること、さらに、業務を円滑に行うための業務の実施の方法が定められていることを確認することで、これらの業務の信頼性及び公平性を確保してまいりたいというふうに考えております。また、第三者機関の業務運営が不適切であると認める場合に関しましては、総務大臣は、立入検査のほか、業務の改善や業務の全部又は一部の停止を命じることが可能となってございます。
 このような枠組みに基づきまして、第三者機関の信頼性及び公平性を確保してまいりたいというふうに考えております。
#201
○秋野公造君 この法律案に基づいて通信事業者間でサイバー攻撃に関する情報の共有、これは大変結構なことだと思いますが、具体的に通信事業者においてどんなサイバー攻撃への対処が行われるかも御説明を願います。
#202
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 電気通信事業者のネットワークに支障を与えるサイバー攻撃でございますDDoS攻撃におきましては、指令サーバーからの指令を受けたマルウエアに感染した多数の端末から大量の通信が集中することにより発生いたします。本法律案の情報共有におきましては、電気通信事業者間において、指令サーバーやマルウエアに感染した端末の情報などが共有されることになります。
 情報共有されました電気通信事業におきましては、具体的には、指令サーバーについてはマルウエアに感染した端末との間の通信の遮断、さらには、マルウエアに感染した端末につきましては電子メール等によりまして利用者へ注意喚起などを行うことを想定しているところでございます。
#203
○秋野公造君 先ほどの松下委員の質問の中で、NTTのINSネットの廃止によるクレジット決済の話なども出てきました。端末機の買換えや回線の切替えが必要となる場合があるということでありまして、カード決済、端末の対応については、これ小さな個人商店などのお店にとってはちょっと負担が大きいんではないかといったようなことも懸念がされるわけでありますけれども、円滑なサービスへの移行は確保されるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#204
○政府参考人(渡辺克也君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のNTTが提供されるISDN、INSネットと言ってございますが、これはクレジットカードの決済ですとか銀行取引、企業間の電子商取引のように幅広く利用されているものでございます。
 INSネットの廃止後はメタルIP電話を利用する補完的なサービスの提供も予定されているところでございますが、IP網の特性上若干の伝送遅延が生じるため、利用者の利用形態によりましては支障を来すおそれがございます。そのためには、利用者の利用形態によってでございますが、機器の切替えですとか回線の切替え、こういったものが必要な場合もございます。その際、クレジットカードの決済端末、それから銀行のATM端末等につきましては業界ごとでの対応が必要となるわけでございますが、機器の更新時期に合わせまして更改することにより、通常の設備投資における必要経費の範囲内で対応できるよう、NTTからサービスの終了時期、それから代替のサービスなどの必要な情報が周知されることが重要になるというふうに考えてございます。
 今回の法改正におきましては、例えばNTT東西のISDNサービスや固定電話サービスなど、利用者の利益に及ぼす影響が大きいサービスの休廃止につきましては、事業者が利用者に周知する内容に関する事前届出により、総務大臣がその旨を確認することとしています。こういったことによりまして、新たなサービスの円滑な対応に向けた適切な対応が制度的にも担保されるものと考えているところでございます。
#205
○秋野公造君 これはどうかよろしくお願いをしたいと思います。
 これまで種々御答弁いただきましたけど、サイバーセキュリティー対策や通信サービスの休廃止などについては、今回の法改正による対応の実効性を上げていくためには、幅広い国民、利用者の理解と協力が重要になるかと思います。高齢者の方々への対応でありますとか、そういった利用者の方々への丁寧な説明や周知に努めて、社会全体としてセキュリティーの確保や円滑な通信サービスの移行、こういったものを進めていく必要があるのではないかと思います。
 この点につきまして総務省としてどのように取り組んでいくのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
#206
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 秋野委員が御指摘のとおりで、今回の法改正によるサイバーセキュリティー対策や通信サービスの休廃止への対応、これに当たっては、丁寧な説明や周知を通じて高齢者を含む国民全体に理解を深めていただき、適切な対応を講じていただけるようにすることが重要だと認識をしています。
 まず、サイバーセキュリティー対策に関しましては、総務省において、関係機関と協力をして利用者に対して積極的な周知活動を行うこととしています。また、この委員会でずっと話が出ましたけれども、サポートセンターを新たに設置し、パスワードの設定、変更の方法が分からない、そういう利用者に対しても電話等による案内を行うこととしています。
 また、通信サービスの休廃止に関しても、高度化、複雑化する通信サービスに対応して、事業者から利用者に対して、移行先となり得るサービスの内容などを平易な言葉で分かりやすい周知がなされるよう、今回導入する事前届出制を通じ、総務省として周知内容や方法を事前に確認してまいります。
 総務省としては、これらの取組を通じて今回の法改正により実施される対応の実効性を上げるよう努めつつ、御指摘のように、高齢者を含む国民全体が安心、安全にICTサービスを利用できる環境の実現に向けて取り組んでまいります。
#207
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
#208
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#209
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、電気通信事業法及び情報通信研究機構法の改正案に対し、反対の討論を行います。
 NTTの固定電話網は社会を支える重要な公共インフラです。
 NTTの固定電話網のIP網への移行は、二〇二五年頃に中継交換機等が維持限界となるとして進められるものですが、本法案は、その際に保障されるべき利用者保護を十分に担保するものとなっておらず、問題です。
 総務省情報通信審議会の第一次答申は、「サービスが終了される場合における利用者保護を確保するためのルール化を検討することが適当である。」としています。しかし、本法案では、IP網への移行によって利用者の利益に及ぼすおそれが大きい電気通信役務に関わる休廃止については、電気通信事業者が大臣に事前届出をすること、届出内容は休廃止について利用者への周知を行うことにとどまっております。
 質疑の中でも、必要とされる代替措置が確保される保証がない、不安が残ることが明らかになりました。また、IP網に移行した場合、消防や警察などが緊急通報を受けた際の回線保留機能が廃止されること、光IP電話では停電時も電話が通じる局給電機能がなくなることが衆議院の委員会質疑でも明らかになっています。
 なお、増加するIoT機器を悪用したサイバー攻撃によってインターネットに重大な障害が発生している事態に対処し、セキュリティー対策を強化することは必要です。その際、本来、利用者情報を知り得ない情報通信研究機構がパスワード設定の確認に、認定送信型電気通信設備サイバー攻撃対処協会が通信の秘密を含む情報共有等に関わるようになります。通信の秘密の厳守と個人情報の保護の徹底を強く求めます。
 以上申し述べて、討論とします。
#210
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト