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2018/02/01 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第4号
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2018/02/01 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第4号

#1
第196回国会 本会議 第4号
平成三十年二月一日(木曜日)
   午後三時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四号
  平成三十年二月一日
   午後三時三十分開議
 第一 株式会社東日本大震災事業者再生支援機
  構法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官
  訴追委員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員等各種委員
  の選挙
 一、平成二十九年度一般会計補正予算(第1号
  )
 一、平成二十九年度特別会計補正予算(特第1
  号)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 江島潔君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、足立信也君から裁判官訴追委員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(伊達忠一君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、
 裁判官訴追委員各一名、またあわせて
 皇室会議予備議員、
 皇室経済会議予備議員各一名の選挙
を行います。
 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、皇室会議予備議員、皇室経済会議予備議員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に赤池誠章君を、
 裁判官訴追委員に石上俊雄君を、
 皇室会議予備議員に浜野喜史君を、
 皇室経済会議予備議員に森本真治君を、
それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、赤池誠章君を第三順位といたします。
 また、皇室会議予備議員の職務を行う順序は、浜野喜史君を第二順位といたします。
 また、皇室経済会議予備議員の職務を行う順序は、森本真治君を第二順位といたします。
     ─────・─────
#7
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長金子原二郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
#9
○金子原二郎君 ただいま議題となりました平成二十九年度補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算二案は、去る一月二十二日に国会に提出され、二十六日、財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付の後、一月三十一日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 質疑は、補正予算編成の意義と今後の財政再建への取組、災害復旧と防災・減災対策、保育の受皿整備と少子化対策、防衛大綱の見直しと防衛予算の構造的問題点、アベノミクスの効果と生活実感、学校法人への国有地売却問題、働き方改革をめぐる諸課題、諸外国との経済協議とTPPへの対応、参議院議員選挙区の合区問題、公職選挙法の解釈など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、平成二十九年度補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#11
○難波奨二君 民進党・新緑風会の難波奨二でございます。
 私は、ただいま議題となりました平成二十九年度補正予算二案に対し、会派を代表し、反対の立場から討論を行います。
 総理は、景気回復の温かい風は地方にも広がりつつありますなどと悠長な年頭所感を出されましたが、昨年末、日銀が全国四千人を対象に行った調査では、一年前と比べて景気が良くなったと答えたのは僅か八・三%にすぎません。多くの国民は、温かい風でなく、冷たい北風にさらされていると感じているのです。経済指標を見ても、安倍政権の下、景気動向指数は平成二十六年から二十八年にかけて二年以上も低下傾向にありました。この間を景気後退期と評価する識者もおり、いまだ国民は景気回復を実感できていません。
 結局のところ、アベノミクスは、金融緩和による円安と株高で輸出型の大企業に内部留保を積み上げ、富裕層に資産効果の恩恵を与えているだけにすぎないのです。
 一握りの人々のみ恩恵をもたらそうとする安倍政権から、額に汗して働く国民のための政治を取り戻す決意を申し上げ、以下、本補正予算に反対する理由を申し述べます。
 第一の理由は、まず規模ありきの公共事業ばらまき予算となっている点であります。
 安倍総理自身、平成二十九年度補正予算の編成に当たっては、災害復旧を強調しました。ところが、災害復旧等とされている予算は、総額二・七兆円のうち、僅か〇・三兆円にすぎません。
 ところが、補正予算の編成が始まるや否や、公共事業は一兆円超などと与党幹部から声が上がり、政府はその要求に満額回答で応え、一兆四千億円の公共事業費を本補正予算に計上しております。まず金額の話が出る辺りを見ても、内容の精査なく規模ありきで公共事業予算が編成されたことは明らかであります。
 もちろん、災害対策など真に必要な公共事業があることは当然ですが、本補正予算における事業内容を見ると、利権の温床との批判も多い土地改良事業に一千四百億円が計上されるなど、ばらまきとのそしりを免れないものが多々紛れ込んでおります。現在の我が国に政策効果の乏しい事業への予算を措置する余裕は全くありません。にもかかわらず、不要不急のばらまきを続ける時代錯誤の予算を容認することはできません。
 第二の理由は、危機的な状況にある我が国の財政を顧みない予算となっている点であります。
 本補正予算の財源は、二十八年度の剰余金四千億円及び二十九年度の国債費の不用見込額一兆円のほか、建設国債一兆二千億円の追加発行などとなっております。
 しかしながら、国、地方の長期債務残高が対GDP比で二〇〇%近くに達し、先進国の中で最悪の財政状況に鑑みれば、剰余金の全額を国債償還に充てることも検討すべきであります。かつて昭和四十年代中葉まで、補正予算で国債発行の減額が図られていたことを思い起こすべきときであります。
 また、国債費については、実勢金利がほぼゼロ%となっている中、二十九年度当初予算で想定金利を一・一%と相対的に高めに見込んだことで不用が出ており、補正を見越した当初予算の無駄積みであったことは明白であります。それでもなお建設国債の追加発行が必要になったのは、多額の不要不急の事業が含まれているからであります。
 このように、安倍内閣の財政に関する認識は全く危機感を欠いており、将来世代の負担を思えば、本補正予算に反対することは当然であります。
 第三の理由は、補正予算編成の要件とされる緊要性に欠ける点であります。
 財政法第二十九条は、補正予算で政策経費を追加する場合、当初予算作成後に生じた事由に基づく緊要性を要件としております。しかしながら、本補正予算における歳出の中身を見ると、インバウンド型クールジャパン推進事業五十九億円、訪日プロモーションの展開三十九億円など、本年度当初予算編成時にその要否が判断できたであろう政策経費が潜り込んでいます。
 このような経費について政府が真に必要と考えるならば、当然、当初予算に計上し、十分な国会審議を行うべきであります。
 さらに、当初予算と重複する事業や、毎年補正予算のみに計上されている事業などもあり、補正予算が本予算のばらまきの隠れみのとなっている点も看過できません。
 本補正予算は、財政法という予算編成の基本法規に反しているばかりか、財政規律を弛緩させるものにほかなりません。
 第四の理由は、増え続ける防衛関係費に対する精査が不十分な予算となっている点であります。
 近年、安全保障環境の変化などを背景に防衛関係費の増加が続いておりますが、本補正予算でも、弾道ミサイル攻撃への対応などを理由に、補正予算としては過去最高の二千三百億円が追加されております。朝鮮半島情勢の緊張を見れば我が国の備えを強化することは必要ですが、その際、FMSに関する会計検査院の厳しい指摘等も踏まえ、費用を精査しなければならないのは当然であります。
 にもかかわらず、近隣国が懸念を表明する中、政府が二基の導入を閣議決定した陸上型イージスシステムについては、米国からの情報等取得費だけで二十八億円が本補正予算に計上されているほか、政府の試算では今後一基当たり一千億円もの費用が掛かるとされており、トランプ大統領の歓心を買うための大盤振る舞いと言わざるを得ません。
 国民の不安に付け込んだ水膨れ予算に賛成することは到底できないのであります。
 以上、平成二十九年度補正予算二案に反対する主な理由を申し述べました。
 今、我が国に求められているのは、国民一人一人の暮らしを真に豊かにする政治であります。安倍総理は、口では財政出動に頼らないと言いながら、結局旧態依然のばらまきを人づくり革命、生産性革命との名の下に繰り返しているのです。このような補正予算の常態化は、更なる財政の硬直化を、次世代への負担増を招くばかりか、到底容認できません。
 財政規律を重視し、自然災害など特別な理由がない限り補正予算は編成せず、総合予算主義にのっとった当初予算のみの予算編成とすべきであることを申し述べて、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#12
○議長(伊達忠一君) 二之湯武史君。
   〔二之湯武史君登壇、拍手〕
#13
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。
 私は、自民・公明を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十九年度補正予算二案について、賛成の立場から討論いたします。
 我が国は、今、かつて経験したことがない国難に直面しています。それは、国内においては、急速な少子高齢化、人口減少、また地方の疲弊、台風や火山噴火など頻発する自然災害、また、国外においては、北朝鮮の核・ミサイル開発など安全保障環境の激化であります。
 また、我々は、今、国内市場の成熟化、国民の価値観やライフスタイルの多様化、またICT、AIといった技術革新によって、これまでの暮らし方や働き方が抜本的に変化をする、そういう時代を生きております。
 本補正予算案は、この国難を突破し、そしてこの変化に果敢に対応するための予算であり、一日も早い成立と着実な実行こそが国民が望んでいることであります。
 以下、本補正予算案に賛成する主な理由を申し述べます。
 第一に、国民の生命、安全、安心を守り抜くための防衛、災害復旧復興に関する緊急性の高い予算が計上されている点です。
 北朝鮮による弾道ミサイル開発やEEZ内の違法操業など、一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境等への対応は待ったなしです。本補正予算案では、イージス・アショアの速やかな配備など弾道ミサイル攻撃対応のための経費や、海上保安庁巡視船艇の増強などの経費を計上しています。
 また、先月二十三日には草津白根山が突如噴火し、訓練中の自衛隊員の方が尊い命を落とされました。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 一昨年の熊本地震、昨年の台風二十一号のように、我が国は自然災害の脅威と直面しながら暮らしていかなければならない国土であり、常日頃から対応を怠りなく進めていかなければなりません。本補正予算案では、九州北部豪雨や熊本地震等により被災した施設等の復旧経費や緊急点検等を踏まえた自然災害リスクが高い河川等の防災、減災のための経費など、緊急かつ不可欠な予算が組まれています。
 まさに、国民の生命、安全、安心を守り抜く補正予算案であると断言できます。
 第二に、我が国が豊かで活力ある国家であり続けるための生産性革命、人づくり革命に向けた予算が盛り込まれている点です。
 激しいグローバル競争の中で、人口減少、そして国内の市場成熟化という課題に直面する我が国が、引き続き経済活力を維持しイノベーションを生む国であり続けるためには、ITなどの生産力向上につながる設備投資を進めることが必要です。この本補正予算案でも、中小・小規模事業者の生産性革命に向けた設備投資やITの導入を支援する事業などの経費が計上されています。
 同時に、設備投資だけではなく、生産性向上の鍵を握る、人に着目した政策が重要であり、これが人づくり革命であります。子育て世代が直面している待機児童問題を早期解消するための保育の受皿整備などの経費が計上されていることは、時宜を得ております。
 ただ、人づくり革命は、教育の無償化や保育の受皿整備のみならず、AIやIoTが標準インフラとなる時代を見据えた幼児教育、義務教育、また中等高等教育の質の抜本的向上や授業や学びの在り方の根本的改革を加速化させ、それを通じて生産性革命につなげていくという視点が不可欠であります。
 今後、このような視点から、生産性革命と人づくり革命が更に強力に展開されることを強く期待しつつ、その道を開いた本補正予算案を高く評価したいと考えております。
 第三に、TPPや日EU・EPAの発効を見据え、我が国の農林水産業の競争力等を強化するための施策が講じられている点であります。自由貿易体制を堅持しつつ、自由で公正なルールに基づく二十一世紀型の経済秩序を我が国の成長に取り込むためには、TPPなどを進めなければなりません。
 一方で、自由貿易は万能ではありません。行き過ぎれば単なる弱肉強食の論理であり、政府の適切な介入等による公益の実現という観点も必要であります。
 その点、本補正予算案では、特に輸入増による影響などに不安を抱いておられる農林水産業に従事する方々の懸念を払拭する視点が盛り込まれ、将来に夢や希望を持って農林水産新時代を切り開くことのできる事業がTPPなどの発効を待たずに展開されることとなっています。まさに農林水産業に携わる皆様に寄り添った補正予算案であると言えるでしょう。
 最後に、これらの施策のための財源を既定予算の減額とバランスの取れた建設公債の発行によって捻出しており、しかも、補正予算案に組み込まれた施策は、生産性革命、人づくり革命につながるものであることを申し添えておきたいと思います。
 以上、これらの施策は、国民の皆さんの生命や安全、安心を確保し、我が国の持続可能な経済発展を技術と人によって可能にする予算案であります。一日も早く執行が実現されるよう、議員の皆さんからの御賛同をお願い申し上げまして、私の賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#14
○議長(伊達忠一君) 山添拓君。
   〔山添拓君登壇、拍手〕
#15
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇一七年度第一次補正予算案に反対の討論を行います。
 初めに、沖縄をめぐって安倍政権が発した驚くべき暴言について、抗議を込めて指摘します。
 先月二十五日、衆議院本会議で我が党の志位委員長が相次ぐ米軍機の事故やトラブルについて質問した際、松本内閣府副大臣が、それで何人死んだんだとやじを飛ばしました。凄惨な地上戦にさらされ、長いアメリカ占領時代を経て日本に復帰し、なおも基地の危険と負担を余儀なくされてきた沖縄県民の痛みと苦しみ、その歴史をどこまで踏み付けにするのでしょうか。
 辞任で済まされる話ではありません。地元の新聞が「にじむ国の本音」とタイトルを付け報じたように、安倍政権の姿勢そのものが問われています。
 総理は、安全確保は大前提と言いますが、米軍は沖縄全土で事故を繰り返しています。ところが、日本の警察は現場に立ち入ることすらできず、航空機の安全規制も特例法で適用除外。原因究明も再発防止もままならない、まさに主権侵害です。沖縄の人々に寄り添うというなら、事故を起こした全機種の飛行停止を米軍に求め、航空法特例法は廃止すべきです。普天間基地の返還が待ったなしというなら、無条件の返還を求めるべきです。海兵隊を強化し固定化する辺野古新基地建設は中止すべきであることを強く求めるものです。
 本補正予算案のうち、九州北部での豪雨災害や台風被害、熊本地震などの復旧対策費については、緊急かつ必要な支出です。
 私は、昨年末、福岡県朝倉市、添田町、東峰村、大分県日田市を訪れました。土砂と流木に押し流され、元の姿が想像できないほどの深刻な被害に見舞われた谷合いの集落があり、一刻も早い住宅、なりわいの再建が求められています。
 一方、この地域のJR日田彦山線は復旧作業すら行われていません。レールがさび、草がぼうぼうの様子を見るたび、見捨てられたような気がするという声は痛切なものです。JR九州は、復旧費用を精査するでもなく、単独では負担できないと言います。営利ばかりを優先し、災害を奇貨として自治体に負担を押し付け、さもなければ鉄路の廃止などという態度は許されません。まず復旧をという地域の願いに政府が適切に対応するよう強く求めます。
 本案に反対する最大の理由は軍事費です。
 財政法上、補正予算による支出は、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費に限られます。ところが、第二次安倍政権発足以降、毎年、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むことが常態化しています。補正予算の趣旨にも反し、本予算と一体に軍事費を肥大化させるものです。
 本案における軍事費は二千三百四十五億円。その実に八割が兵器調達の歳出化前倒し、すなわち既に発注し分割払で後の負担としていた分の前払です。緊急性など認められません。
 加えて、新規の兵器購入も計上され、補正後の総額で二兆三千二百六十七億円もの新たな後年度負担を生み出そうとしています。継続分を含めた後年度負担の残高は、一九年度以降で五兆七百六十八億円に上ります。オスプレイやF35、無人偵察機など、高額兵器をアメリカの言い値で爆買いし、国民負担を膨らませるゆがんだ予算をいつまで続けるつもりでしょうか。
 安倍政権は、北朝鮮問題への対応を口実に軍拡を進めてきました。
 本案には、能力向上型迎撃ミサイル、PAC3MSEの調達、弾道ミサイル防衛システム関連経費、二基二千億円以上というイージス・アショアの調査費が含まれています。さらに、一八年度予算案では長距離巡航ミサイルの導入経費まで計上していますが、これは、政府が憲法の趣旨から持つことができないとしてきた、他国に攻撃的な脅威を与える兵器にほかなりません。敵基地攻撃能力の保有は断じて許されません。
 一九九四年の北朝鮮危機をアメリカ国防長官として対応したウィリアム・ペリー氏は、当時、巡航ミサイルによる核施設の破壊を計画したといいます。しかし、北朝鮮が反撃すればより大きな惨禍へとエスカレートすると予測し、外交手段を選択、それが成功した。今日、軍事的手段を行使しない理由は当時よりずっと大きいと述べています。ペリー氏の教訓にこそ学ぶべきです。
 北朝鮮問題への対応は、経済制裁と一体に、対話による平和的解決を目指すべきであります。
 今政府が行うべきは、巨額の軍事費で際限のない軍拡に突き進むことではありません。格差と貧困を是正するため、医療や介護、年金、子育てや教育、国民生活に密着する施策に必要な予算を投じる政治への転換こそが求められています。
 アベノミクスの五年間、日銀マネーや年金資金の投入で株価が二倍につり上げられ、大企業と富裕層がかつてない利益を上げました。大企業の内部留保は四百兆円を超え、超富裕層の資産は三倍にもなっています。しかも、株式譲渡益への低い税率により、税負担は大幅に軽減されています。
 一方で、消費税が増税され、働く人の実質賃金は年額で十五万円も減り、実質消費支出は二十万円も減少しました。格差と貧困の広がりは明らかです。
 ところが、総理は代表質問で、こうした客観的事実さえ認めようとせず、アベノミクスで景気は回復、貧困、格差を拡大させたとの指摘は当たらないと開き直っています。
 来年度予算案で低所得世帯の生活水準が下がったことを理由に生活保護をカットしようとしていますが、そのこと自体、貧困が改善という政府の宣伝が偽りであることを示しているではありませんか。
 働き方改革の目玉とされる高度プロフェッショナル制度は、労働者が望まない残業代ゼロ制度です。総理は、健康を確保しつつ意欲や能力を発揮できる柔軟な働き方などと言いますが、二十四時間、休憩もなく、深夜もお構いなしの働き方で、どうやって健康を確保するというのでしょうか。裁量労働制の拡大、過労死ラインの合法化とともに、長時間労働の是正と相入れない働かせ方の大改悪であることは明らかです。
 税金の集め方と使い方を抜本的に改め、八時間働けば普通に暮らせる社会への変革が必要です。それは、憲法を生かした政治の実現にほかなりません。
 昨年三月のNHK世論調査では、憲法九条が日本の平和と安全に役立っていると答えた方が初めて八割を超えました。ところが、総理は、戦後の平和は自衛隊と日米同盟の抑止力があったからだと強弁し、九条の価値を殊更軽視をしています。この上、国民の多数が望まない改憲を進めるなど、もってのほかです。
 市民と野党の共同の力で、九条改憲発議を許さず、憲法に基づく政治への転換に全力を挙げる決意を申し上げ、反対討論といたします。(拍手)
#16
○議長(伊達忠一君) 片山大介君。
   〔片山大介君登壇、拍手〕
#17
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、我が党を代表して、平成二十九年度一般会計補正予算案及び平成二十九年度特別会計補正予算案の二案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 今回の補正予算は、台風二十一号や九州北部豪雨などの災害復旧費が計上されているほか、生産性革命、人づくり革命、TPP関連予算、国民の安全確保に向けた自衛隊の運用体制の確保などについて措置を講ずるものと理解しています。
 特に、激甚災害にも指定された台風二十一号では、この措置によって復旧復興が進むことを期待しています。
 また、中小河川における水害により、流木被害が多発し、二次災害を引き起こす危険性に対する間伐などの森林整備による治山対策や、水位の監視強化などの治水対策に対して、緊急的、集中的に推進することについては重要な取組であると評価しています。
 こうした点を踏まえ、今回の補正予算については賛成をするものであります。
 しかし、今回の補正予算案について、もろ手を挙げて賛成ではないことをこの場で指摘させていただきたいと思います。
 賛成に当たり、以下の点を指摘させていただきます。
 まず、何より、補正予算が常態化されることについての懸念です。
 御存じのように、本来であれば、補正予算は財政法二十九条において、国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限り増額補正ができると規定されています。
 今回はその趣旨から外れているものもあります。
 例えば総務省関連では、マイナンバーカードに名前の旧姓を併記するためのシステム改修で百億円が計上されました。二十八年度の補正予算でも計上され、合わせると実に二百億円近くに上ります。幾ら何でもこれはお金を掛け過ぎです。マイナンバー制度は開始からまだ二年しかたっていないのに、そして、マイナンバーカードの普及率も一〇%ほどにとどまっているにもかかわらずです。
 当初予算を厳しいシーリングで抑制しても、このような形で堂々と補正に計上するのはおかしいと思います。本来なら当初予算に計上すべきで、それを補正に付け替える、そして、当初予算案の規模を小さく見せ、財政再建を演出しているのではないかと勘ぐりたくもなります。
 去年の補正予算の議論においても日本維新の会として指摘しましたが、このような補正予算が常態化していることは問題であり、財政規律の確保を改めて強く求めます。
 続いて、各事業の経済効果、そして費用対効果を真剣に考えていただきたい、そう思います。
 例えばTPP関連予算について言えば、TPPへのアメリカの参加が不透明ではありますが、アメリカの加盟を前提にしたアメリカ産農産物の輸入増対策を中心に三千四百六十五億円が計上されています。
 輸入増に対抗できるよう、農地の大区画化、水田の畑地化といった公共事業が盛り込まれていますが、平成二十七年度補正予算でも三千百二十二億円、また、二十八年度補正予算では三千四百五十三億円が計上され、既に執行段階に入っています。今年度は過去最大の補正予算が計上されており、三年にわたり補正予算として計上されているわけです。
 かつて、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて、八年間で総額六兆円の対策予算が投じられたにもかかわらず、商業施設や温泉の建設などに使われた苦い経験もあります。
 多額のお金を投入するのであるから、農業生産性の向上に資するように使っていただくことを強く求めます。
 そして、三点目は、財政健全化に逆行した建設国債の追加発行に対する懸念です。
 政府は、財政健全化の旗は決して下ろさないと言いますが、行動がまだ一致していません。二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成が困難となる中、本来であれば減額補正を行って財政健全化につなげるべきです。にもかかわらず、建設国債を追加的に発行した上で歳出を増やすようでは、財政規律は緩む一方です。
 国際公約にもなっているプライマリーバランス黒字化目標の達成が困難な状況を重く受け止めるべきです。国際的な信用低下を招くことのないよう、財政悪化に歯止めを掛ける努力をもっと行うべきです。
 徹底した歳入出改革、身を切る改革なしに財政再建の道は開かれません。財政規律を欠いたままの財政運営の結果、公債残高は増加の一途をたどり、財政赤字は深刻な状況になっています。
 我が党は、身を切る改革、徹底行革、地方分権、統治機構改革を掲げています。
 我々は、国会議員一人一人が歳費の手取り二割相当に当たる毎月十八万円を党費として納め、党を通じて災害被災地への寄附を欠かさず行っています。九州北部豪雨の被害に遭った福岡朝倉市、東峰村、大分日田市にも訪問し寄附金を届けており、現在までに各地に届けた寄附金は延べ四千万円を超えました。
 身を切る改革を口先だけでなく行動で示しています。是非、与党、野党の議員におかれましても同様の取組を広げていっていただきたいと、そう思います。
 以上、指摘した問題点について、今後迅速かつ誠実な対応を取ることを政府・与党に対して強く要望し、苦渋の決断ではありますが、我が党は、平成二十九年度一般会計補正予算案及び平成二十九年度特別会計補正予算案の二案に賛成いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#18
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#19
○議長(伊達忠一君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成             百六十  
  反対             七十二  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(伊達忠一君) 日程第一 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長江島潔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔江島潔君登壇、拍手〕
#23
○江島潔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成三十年二月二十二日までとなっている株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が支援決定を行うことができる期間について、東日本大震災の被災地域の復興の状況に鑑み、当該期間を平成三十三年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院東日本大震災復興特別委員長谷公一君より趣旨説明を聴取した後、討論に入りましたところ、希望の会(自由・社民)の山本太郎委員より反対、日本共産党の紙智子委員より賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十四  
  反対               一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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