くにさくロゴ
2018/03/28 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第9号
姉妹サイト
 
2018/03/28 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第9号

#1
第196回国会 本会議 第9号
平成三十年三月二十八日(水曜日)
   午後六時十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
    ─────────────
  平成三十年三月二十八日
   午後五時三十分 本会議
    ─────────────
 第一 平成三十年度一般会計予算
 第二 平成三十年度特別会計予算
 第三 平成三十年度政府関係機関予算
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、所得税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、地方税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、地方交付税法及び特別会計に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成三十年度一般会計予算
 日程第二 平成三十年度特別会計予算
 日程第三 平成三十年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長金子原二郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
#4
○金子原二郎君 ただいま議題となりました平成三十年度予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 平成三十年度予算三案は、去る一月二十二日に国会に提出され、一月二十六日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院から送付の後、三月一日より質疑に入りました。
 以来、基本的質疑、一般質疑に加え、六回にわたる集中審議を行い、三月十三日に公聴会を開催し、三月二十二日及び三月二十三日には各委員会に審査を委嘱したほか、予備審査中の二月十九日及び二十日の二日間、京都府及び大阪府に委員を派遣して現地調査を行うなど、本日まで熱心に審査を行ってまいりました。
 質疑は、平成三十年度予算の特徴、新たな財政健全化計画の方向性、日銀の債務超過と金融政策、社会保障予算の在り方、裁量労働制の実態把握の方法、働き方改革の在り方、中小企業支援策の推進、年金データ入力ミス問題、TPP11の経済効果、米朝首脳会談に向けた我が国外交の在り方、豪雪対策強化の必要性、学校法人森友学園への国有地売却の問題、公文書管理の在り方など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 本日をもって質疑を終局し、討論、採決の結果、平成三十年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三月二十七日には学校法人森友学園に関する決裁文書書換え問題について証人喚問を行いました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小西洋之君。
   〔小西洋之君登壇、拍手〕
#6
○小西洋之君 民進党・新緑風会の小西洋之でございます。
 会派を代表して、平成三十年度一般会計予算三案に反対の立場から討論を行います。
 反対の理由の根幹は、本予算の内容の当否以前に、我が国の国民主権、議会制民主主義の存立に懸けて、もはや安倍内閣においては、憲法に基づき予算の国会議決を求め、それを執行する行政府としての正統性が認められないからであります。
 発足以来、憲法六十三条の閣僚の議院出席義務違反、五十三条の臨時国会召集義務違反、七条の解散権の濫用等々、我が国の統治機構を否定する暴挙を繰り返してきた安倍内閣ですが、この度の財務省決裁文書の改ざん事件は、議会政治の存立そのものを破壊する暴挙であります。
 そもそも、改ざんされた決裁文書は、昨年三月二日の本院予算委員会での民進党委員の要求を受け予算委員長より政府に提出要求がなされたものであり、この要求は、憲法六十二条に基づく国政調査権行使を定めた国会法百四条による本院先例によりなされたものであります。
 さらに、森友学園への国有地売却等については、昨年三月六日に本院から同じく憲法六十二条に基づく国政調査権行使の手段として国会法百五条に基づき会計検査院に対して検査要請等がなされ、昨年十一月二十二日に会計検査院長から本院議長に、議長に対して報告書が提出されています。
 すなわち、この度の政府による改ざん文書の国会及び会計検査院への提出は、憲法が国権の最高機関である立法府に付与した国政調査権の行使を妨害する違憲、違法の暴挙なのであります。
 これは、三権分立の議会制民主主義、すなわち我が憲法の定める議院内閣制の存立の基盤そのものを破壊する蛮行なのであり、与野党の立場を超えて、立法府の存立のため、安倍内閣に対し即刻の総辞職を求めなければならないのであります。
 加えて、昨年二月より現在まで、国会図書館の会議録検索で確認できるだけで、総計二百九十七もの衆参の本会議や各委員会において森友学園事案に関する審議等がなされています。まさに、安倍内閣は、衆参の国会全体による追及を一年以上にわたって改ざん文書で欺いてきたことになるのであります。
 ここで、憲法六十六条三項の内閣の国会への連帯責任の規定は、内閣を国会による民主的な統制の下に置くとの趣旨とされています。しかも、安倍内閣は、政府答弁において、国会議員による内閣に対する質疑は、憲法が採用している議院内閣制の下での国会による内閣監督の機能の表れであると述べているのであります。
 にもかかわらず、政府は、改ざん後一年以上その事実を秘匿したまま、昨年の通常国会、特別国会、本年の通常国会において改ざんの内容に基づいた答弁等を行っていたのであり、まさに、この一年間の我々数百名の国会議員の議会活動は何だったのか、国会運営は何だったのかと言わざるを得ないものであって、もはや安倍内閣は、唯一の国民代表機関である我々国会に対する責任主体として存立することが許されようがなく、ましてや予算の議決を求める立場など認めようがなく、即刻総辞職をする必要があるのであります。
 そして、何よりも、あの総選挙は一体何だったのかという国民の声こそ最重要かつ至高のものであります。
 安倍総理は、森友学園、加計学園疑惑の真相解明のためと明記した衆参野党の臨時会召集要求を無視し、昨年八月、召集即解散の総選挙を強行しました。この際、安倍総理は、森友隠しへの批判に対し、閉会中審査に出席するなど丁寧に説明する努力を重ねた、選挙はまさに民主主義における最大の論戦の場、私自身への信任を問うことにもなるなどと述べ、選挙後の特別国会では、選挙における各種の討論会でも質問が多くあり、その都度、丁寧に説明をさせていただいたなどと述べております。
 しかし、改ざんにより国会と国民を欺いた上での丁寧な説明、論争の場など到底成り立ちようがなく、こうした改ざん総選挙によって国民から安倍総理に対して正統な信任が与えられたと解することは到底できないのであります。
 すなわち、今日の安倍内閣の存在そのものが、憲法前文に「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」と定める国民主権の趣旨に反し、それがゆえに本予算をめぐる財政民主主義の趣旨にも根本から反するのであります。
 以上、公文書が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源等と定める公文書管理法第一条の規定をまつまでもなく、公文書の改ざんが許されないのは、文明国家、民主国家の大前提であります。
 すなわち、事の本質は、現に改ざん文書によって我が国の国民主権と議会制民主主義がじゅうりんされたという事実そのものであります。このような憲政史上に類のない暴挙を行った安倍内閣は、もはや改ざんの真相解明を行う主体としての適格性を欠いており、憲法七十二条などに定める安倍総理の行政各部の指揮監督の責任はもとより、この改ざんの事実の責任によって直ちに総辞職をしなければ我が国の民主主義は守れないのであります。
 その上で、真相解明は政府でなく我々立法府の使命であります。財務省の調査は、本予算審議中も遅々として進まず、ブラックボックスのままであります。
 昨日の佐川氏の証人喚問、約五十回余りの刑事訴追のおそれを理由とする証言拒否の一方で、不合理な理由によって総理夫人などの政治の不関与だけは繰り返し明言し、結果、誰が何のために行った改ざんなのか謎が深まる一方で、そこには、なぜ政治の関与だけはないと強弁できるのか、新たな深い闇を生み出しているのであります。
 もはや、ロッキード・リクルート事件の例にあるように特別調査委員会を設置し、立法府の威信と存立を懸けた真相解明と再発防止策の策定を行う必要があります。
 しかし、安倍内閣は、この立法府の真相解明の取組を補佐する資格すらない存在であり、こうした内閣の予算を国会として認めることなど到底できず、即刻総辞職するべきなのであります。
 さて、虚偽と違法によって民主制の原則を踏みにじる安倍政権の改ざん政治の例は、本予算の中にも容易に見出すことができるのであります。
 その一つが、本予算に関連予算を計上する働き方改革の高度プロフェッショナル制度であります。
 安倍内閣は、森友文書改ざん事件と同様の本質であるデータの捏造をもって、国民を欺く国会答弁を繰り広げました。疑惑と異常値だらけのデータにより裁量労働制の撤回に至りましたが、であるならば、高度プロフェッショナル制度の撤回も必須であります。
 なぜなら、第一条に、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」と定める労働基準法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を定める憲法二十五条の具体的保障法であり、したがって、労働時間規制などの適用除外制度を導入するのであれば、当該制度によって長時間労働による生命、心身の危険等が生じないという立法事実が必要であり、そうした科学的調査分析なくして労基法の例外制度を導入することは、労基法の自殺行為、憲法二十五条の潜脱と言うべき暴挙にほかなりません。
 また、安倍内閣は唐突に本予算へ長射程巡航ミサイルの取得費用を盛り込みました。これは憲法九条の戦力の不保持への違反となるおそれがあるものであります。
 しかし、そもそも、安倍内閣においては、平成二十五年七月の解釈変更強行の際に専守防衛の定義解釈を改ざんしているのであります。すなわち、安倍内閣は、従来からの専守防衛の定義における、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使しとの文言を、イランからアメリカが武力攻撃を受けたときに初めて日本国が防衛力を行使するとの意味にも読み替えることができる、つまり、相手から武力攻撃を受けたときの相手とは、日本を攻撃する国ではなく、日本の同盟国のアメリカを攻撃する第三国の意味とも読めるのだと強弁しているのであります。これは、法の支配の崩壊だけではなく、日本語という国語の崩壊、国語の破壊という反文明の改ざん行為であります。
 そして、この元凶たる集団的自衛権行使の解釈変更こそ、昭和四十七年政府見解という決裁文書を曲解して、その中に憲法九条解釈の基本的な論理なるものを捏造した不正行為であり、安倍内閣の解釈変更は史上空前の憲法解釈文書の改ざんという憲法破壊行為なのであります。
 その他、本予算の骨格には虚偽と欺罔が散見されます。
 財政健全化については、安倍内閣以外ほとんど誰も実現可能としない二・五%の名目成長率を前提とし、一方で、箱物偏重の予算構造などによって過去最高の総額を計上するなど、財政健全化は既に白旗を掲げたと言うべきものであります。
 また、国際的な中間層の所得伸び悩みの中、格差拡大への対応は喫緊の課題であり、民進党は、所得控除の税額控除への転換等、所得再分配機能の回復、強化を提案していますが、本予算では、中間層などに対する所得税制の改悪を盛り込み、取りやすいところから取ることによる格差拡大の危険を冒しています。加えて、三十二万人分の待機児童解消の受皿整備費用の計上には八十八万人以上の受皿が必要との試算もあるなど、保育士の処遇改善を含め、対策は現実乖離したものと言わざるを得ません。
 今求められているのは、真の国民主権に立つ政治でございます。一億総活躍社会などの空疎なスローガン政治を繰り広げるのではなく、我々民進党は、国民一人一人の生活向上を実現するため、人への投資と地域活性化を社会経済政策の柱に置き、今後も安倍政権に毅然と対峙していくことを申し述べ、民主主義の共通の敵である安倍政権の打倒と政治浄化、法の支配の再生をこの議場の全ての先輩、同僚の先生方に心よりお訴えをさせていただき、私の反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#7
○議長(伊達忠一君) 二之湯武史君。
   〔二之湯武史君登壇、拍手〕
#8
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。
 私は、自民・公明を代表し、平成三十年度予算三案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 二〇一二年の十二月政権交代から五年、安倍内閣は大胆な政策を着実に実行し、深刻なデフレに陥っていた日本経済を再生させつつあります。成長と分配の好循環を確実にするためにも、この流れを止めてはいけません。
 昨年十二月に、政府は、一人一人の人材の質を高める人づくり革命と成長戦略の核になる生産性革命を両輪とする新しい経済政策パッケージを閣議決定いたしました。本予算案は、この新しい経済政策を財源的に裏付ける重要なものであります。人生百年時代の到来に向け、社会の在り方を変革し、あらゆる人にとってチャンスあふれる一億総活躍社会を実現するためには、これまでの審議を踏まえ、本予算案の一日も早い成立と執行が求められているのであります。
 参議院においては、二月二十八日に本予算案を受領し、それから二十九日間、良識の府として中長期的な視点からの議論を行ってまいりました。ただ、審議に入ってすぐ、財務省における公文書書換え問題が発覚いたしました。政府は、猛省するとともに、引き続き、全容解明と再発防止に向けて万全の対応をしていくように求めたいと思います。
 それでは、以下、本予算三案に賛成する主な理由を申し述べます。
 第一に、人口減少社会においても我が国が豊かで活力ある国であり続けるための生産性革命につながる予算が盛り込まれている点です。
 激しいグローバル経済の中で、人口減少、国内市場の成熟化という課題に直面する我が国が、引き続き経済活力を維持しイノベーションを生む国であり続けるためには、ITなどの生産性向上につながる設備投資を進めることが必要です。
 本予算案では、我が国や地方の産業、経済を支える中小企業・小規模事業者の厳しい経営環境を改善し、生産性向上に向けたサポートのために、地域の中核企業による設備投資の促進や事業承継支援のための措置の拡充などの施策が盛り込まれています。また、生産性向上のために、人流、物流を改善する三大都市圏環状道路等のインフラ整備や産官学連携の研究開発支援等の財源が確保されています。
 第二に、生産性向上の鍵を握る、人に着目した政策として、人づくり革命を強力に打ち出している点であります。
 待機児童問題を解消し、子育て世代の不安を取り除くために、本予算案では、十一万人分の保育所等運営費が計上されています。また、保育士の人材確保についても、賃金引上げ等の処遇改善を盛り込んでいます。
 さらに、誰もが家庭の経済状況に左右されず、幅広く教育を受けられるよう、給付型奨学金の対象者を住民税非課税世帯へと拡充し、前年度より更に二万人の方々が支援を受けられる見込みとなっています。
 第三に、全ての国民が安心して暮らせる社会の実現を目指し、全世代型社会保障のための経費が盛り込まれている点であります。
 医療・介護分野では、安心で質の高いサービスの提供を目指しており、その一例を挙げれば、高齢者の自立支援、重度化防止の取組に関し、新たに二百億円の保険者機能強化推進交付金が創設をされ、市町村や都道府県などの保険者に財政的インセンティブが働くようにしています。また、介護離職ゼロ達成のための介護従事者の賃金引上げなど、受皿整備等に向けた施策が進められます。
 最後に、このような重要政策を進めながらも、財政健全化に向けて着実に進展していることであります。
 安倍内閣発足以来、国債発行額は縮減し続け、一般歳出や社会保障関係費の伸びについても経済・財政再生計画の目安を達成しています。消費税使途の変更に伴い、総理は、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査し、この夏までに達成時期と裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画を示すと述べておられますが、引き続き、デフレからの完全脱却と財政健全化の両立に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 このほか、弾道ミサイル攻撃等への適切な対処や自然災害等に向けた防災・減災対策など、国民の安全、安心を守るために不可欠な経費等、重要な課題に重点を置いためり張りのある編成となっている点も評価できると思います。
 以上、主な賛成理由を申し述べました。
 政府におかれては、本予算成立後の迅速かつ適切な執行を始め、教育の無償化や保育の受皿整備のみならず、AIやIoTが標準インフラとなる時代に対応した教育の質の抜本的向上、授業や学びの在り方の根本的改革を通じた人づくりによる我が国の生産性の更なる加速化など、本予算案が核となり、将来の更なる政策展開につながることを願いまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
#9
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
#10
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、二〇一八年度一般会計予算外二案に対し、断固反対の討論を行います。
 国民の怒りと野党六党の結束した追及の中、とうとう政府は、森友学園に国有地を異例の条件で貸し付け、ただ同然で売り払うことを決めた決裁文書を改ざんしていた事実を認めざるを得なくなりました。
 公文書は、民主主義の根幹を支える国民の共有財産であり、現在と将来の国民のための歴史的事実の記録です。焦点の決裁文書は、本院の予算委員会が一年以上にわたって要求し続けてきたものです。改ざん文書を提出して本院を冒涜し、国政調査権をじゅうりんし、国会と行政府の信頼関係を破壊し、国民を欺いてきた罪は余りにも重い。国民主権と議会制民主主義を踏みにじった歴史的犯罪であり、内閣総辞職に値すると言うべきであります。
 これほど重大な公文書改ざんを、誰が、誰の指示で、何の目的で行ったのか。その核心について、昨日の証人喚問で佐川前理財局長は全く答えようとしませんでした。訴追可能性を盾に、改ざんへの自らの関与については全く語らず、けれど、総理や夫人、官邸の指示や影響はなかったと、定かな根拠も示さずに断言し続ける。佐川証言には根本的な矛盾があります。与党議員の皆さんは、これで真相が明らかになったと国民に説明できるのでしょうか。
 驚くべきことに、佐川氏は、決裁文書と正反対の国会答弁とその理由についても証言を拒絶をしました。政府が原資料である決裁文書を確認せず国会答弁を作るなど、およそ考えられません。なぜ政府は決裁文書と正反対の虚偽答弁を行い続けたのか。
 佐川氏の国会答弁は、総理や大臣への野党議員の質問に、総理や大臣をかばう盾となって手を挙げ、時には後ろの職員に確認しながら行われてきました。その答弁を総理官邸や大臣官房と協議していなかったという言い逃れも、国民の納得を得られるものではありません。幕引きどころか、いよいよ疑惑は深まったと言うべきであります。
 一体何を隠し通そうとしているのか。
 安倍総理は、なぜこんなことが起きたのかと、まるで人ごとのように言いますが、そのたびに国民の不信は広がるばかりです。
 そもそも、国有地取引の決裁文書になぜ安倍昭恵さんの名前が出てくるのか。それは総理夫人だからというのが政府の答弁です。いい土地ですから前に進めてくださいという発言の引用を始め、昭恵氏に関わる記述は、政府も大事なことを集約して書くと認めた特例承認を決裁するための経緯の箇所に書き込まれていました。
 森友学園と交渉を重ね、身勝手な要求に口裏合わせまで行って満額回答の特別扱いを進める、そのターニングポイントに書き込まれていた昭恵氏に関わる記述、そして日本会議と安倍総理の関わりを示した説明文がごっそり削り取られていた。それは、この国有地処分が安倍総理夫妻が関わる案件であるという痕跡を消し去るためだったからではないのか。そこにはどんな力が働いているのか。
 こうした決裁文書改ざんをめぐる真相を徹底して究明し、責任を明らかにすることは、国権の最高機関として国会に負託された重大な使命です。本院の重い責務を深く自覚し、国政調査権を徹底して行使し、昭恵夫人始め関係者の証人喚問を行い、国民の前に真相を明らかにしようではありませんか。
 この問題の根本には、安倍政権による五年に及ぶ強権政治と民主主義との避け難い矛盾があります。
 加計学園問題で渦中の人となった前川文科前事務次官の講演について、文科省が名古屋市教育委員会に行った異常な調査は、憲法が禁ずる教育への国家権力による不当な介入にほかなりません。そこに自民党議員の関与が明らかになったことは、盾突く者はどこまでも容赦なく攻撃する安倍政権の異様な体質の表れと言うべきです。
 働かせ放題大改悪法案をめぐって、ずさんな調査に基づくデータを更に捏造し、裁量労働制の方が一般の労働者より労働時間が短いかのようにごまかそうとした安倍政権の責任は重大です。審議を通じて、その背景には、安倍内閣の二〇一四年日本再興戦略があることが浮き彫りになりました。高度プロフェッショナル制度を含め、政府は、過労死と長時間労働を広げる働き方改革一括法案の提出をきっぱり断念すべきであります。
 アベノミクスの五年間で、大企業や富裕層の利益が大きく増える一方で、実質賃金は年額十六万円も低下し、家計消費は二十二万円も落ち込みました。全く足りない認可保育所、引き下げられる年金、高過ぎて払えない国保や介護保険料、取り上げられる介護サービス。国民の暮らしと地域経済は一層深刻の度合いを増しています。
 ところが、本予算案は、賃金引上げ、投資促進を口実に、更に大企業に減税し、中間層を含むサラリーマンに増税を押し付けるものです。一層広がる格差を是正し、低所得世帯の大変な暮らしの応援こそ必要なのに、生活扶助基準の引下げを始め、社会保障関係費自然増の千三百億円削減によって、あらゆる分野で更なる給付減と負担増を招こうとしています。
 高速道路に一・五兆円もの財投資金を十四年ぶりに投入し、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、リニア中央新幹線の建設を推し進めながら、文教予算は四年連続削減、中小企業、農業予算も連続削減です。この上、来年十月消費税一〇%への増税を強行し、更に格差を広げることは許されません。富裕層のための政治から、九九%の国民の暮らしを応援する経済政策への抜本的転換を強く求めるものです。
 東電福島第一原発事故から七年、ふるさととなりわいを奪われた被害者の苦しみを忘れたかのように、本予算案が、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するものとなっていることは重大です。原発即時ゼロの政治決断、野党が共同して提出した原発ゼロ法案の成立を強く求めるものです。
 さらに、本予算案は、政府が安保法制の具体化を進める下で、際限のない大軍拡に踏み込んでいます。
 安倍政権の下、軍事費は四年連続で過去最高を更新して五兆一千九百十一億円。イージス・アショア関連経費やオスプレイ、F35ステルス戦闘機調達など、有償軍事援助、FMSによる米国からの兵器調達は四千百二億円に上るとともに、次年度以降の後年度負担は、年間予算に匹敵する五兆七百六十八億円に膨れ上がっています。アメリカの兵器を買えというトランプ大統領追随の姿勢は断じて容認できません。
 長距離巡航ミサイルの導入を決定し、「いずも」の空母への改修まで狙っていることは、これまで政府も憲法上認められないとしてきた敵基地攻撃能力の保有に踏み出すものにほかなりません。
 沖縄や青森で相次ぐ米軍機事故は、米軍言いなりの政府の姿勢こそが、子供たち、住民の命を脅かす屈辱的な事態をもたらしていることを示しています。民意を踏みにじる辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時閉鎖、撤去、日米地位協定の抜本的改定を強く求めるものです。
 さらに、政府が、米国の核軍備拡大戦略と言うべき核態勢の見直し、NPRを高く評価するとするだけでなく、国民の知らないところで核削減の妨害役を果たし、沖縄への核貯蔵庫や米軍との核の共有など、国是である非核三原則を踏みにじる外交を行っている重大疑惑が明らかになりました。日米軍事一体に戦争する国づくりをやめ、安保法制は廃止すべきであります。
 噴き上がる国民の怒りに今や土台を揺さぶられながら、先日の自民党大会でもなお改憲への意欲を示す安倍総理の姿勢は、余りにも異常です。
 日本共産党は、安倍政治を終わらせ、憲法が生きる政治を切り開く、市民と野党の共同の発展を心から呼びかけ、全力を尽くす決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)
#11
○議長(伊達忠一君) 室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
#12
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 我が党を代表して、平成三十年度予算三案に対して、反対の立場から討論をいたします。
 討論に入る前に、財務省による犯罪を疑われるような国有地の売却と文書書換え問題について一言申し上げます。
 森友学園へのずさんな国有地売却、また、そのずさんさを糊塗するための公文書改ざんは、国民の信頼を裏切る行為であり、断じて許されるものではありません。二度と同じ過ちが繰り返されないよう、徹底した真相究明が必要であります。
 政府が国民に対して真摯かつ誠実に説明責任を果たすことが必要と考えております。こうした姿勢を示し、真相を解明しない限り、憲法改正を国民に問うことなど到底できないのではないでしょうか。
 政府予算の歳出は四年連続で九十六兆円を超え、補正予算と合わせて百兆円規模の予算が組まれてきました。公債残高は増え続け、国の財務諸表によれば、平成二十八年度末決算ベースで九百四十三兆円でした。公債依存度が高くなることの弊害について、政府はもっと深刻に受け止めるべきです。歳出改革において、公的サービスの産業化、インセンティブ改革、IT化などの公共サービスのイノベーションという三つの取組が進められたとのことですが、歳出改善の効果は見られず、逆に歳出規模が増えているという状況は全く理解ができません。
 我が党は、国民に負担を求める前に、政治家自らが身を切る改革姿勢を示し、それに続く一連の歳出の削減を進め、改革に必要な財源を確保する、最優先の政治課題と考えてきました。そして、大阪府、大阪市などの自治体で実績を上げてきました。
 年間の出生数が百万人を割り込み、我が国の人口は二〇〇八年の一億二千八百万人をピークに減少しているだけでなく、高齢化が急激に進み、二〇四〇年頃には総人口は毎年百万人近く減少すると言われています。人口構造が大きく変化し、税収や行政需要に極めて大きい影響を与えるにもかかわらず、社会の仕組みは人口増加基調にあった時代から何ら変わっていません。
 グレートリセットの必要性を訴えてきた立場からいえば、二〇二〇年のプライマリーバランスの黒字化目標が達成困難であるにもかかわらず、公務員人件費を増やし続けている上に、国民に対して更なる負担を強いる新税の導入を推し進める政府の態度は容認できるものではありません。
 消費税率を八%に引き上げたことによって、国民負担率は四〇%の大台を超えました。政府は、更に消費税率を一〇%に引き上げようとしております。どこまで国民の負担を上げようというのでしょうか。前回の八%への消費税率引上げは、成長しかけていた日本経済に水を差し、国内消費を大きく減速させたというのが国民の実感です。財政再建のためにまず増税、国民の負担を増やすという政策判断を見直し、歳出削減を最優先としなければなりません。
 経済成長が実現したケースでさえ、プライマリーバランスの黒字化は二〇二七年にまで先送りされるという試算もあります。それだけ先送りされているにもかかわらず、財政健全化の旗は決して下ろさないとのスローガンは空々しく感じます。もはや国民を愚弄しているとしか言いようがありません。
 国民の多くは社会保障制度の持続可能性を信頼できず、若年世代までもが老後の心配を抱えているのが実態であります。全世代型社会保障という耳当たりの良い言葉とは裏腹に、我が国の高齢者向け政策への支出の対GDP比率は国際比較しても高い水準にあり、社会保障制度は高齢者を中心としていると言わざるを得ません。支え手である若年者人口が減少していくという厳然たる事実を前に、社会保障制度を現状のまま維持するのはまるで説明が付きません。借金を増やし、次世代へのツケ回しが恒常化していることで、現状認識が麻痺しているのではないでしょうか。
 教育無償化を進めるに当たっても、現状の予算の無駄、事業精査を行った上で、財源がそれでも足らないと言い切れるのでしょうか。例えば、私立大学への助成金を見ると、定員割れをしている私立大学は五割を超え、その大半はもう五年以上にもわたって定員割れを起こしているという実態があります。ようやく補助の在り方について見直しを検討されるとのことですが、遅過ぎたとしか言いようがありません。
 また、経済成長を牽引するソサエティー五・〇の実現に向け、重点分野への戦略的配分が行われているとはいえ、日本は戦略的視点を欠いているのではないでしょうか。例えば、国際競争における主導権を握るため、光量子コンピューターの推進費として三十二億円が盛り込まれています。欧米に比べ一桁少ないのが実態であります。こうした世界の趨勢に対して、国家として危機感を持ち、限られたリソースを集中的に配分できるよう、財政規律を確保しつつ大胆な予算編成を行うことが必要ではないでしょうか。
 歳入についても、二月に入ってからの円高は企業業績に大きな影響を与え、法人税収が下振れする可能性もあります。平成二十八年度補正予算のように、同様の事由で赤字国債が発行されたような事態を危惧しております。また、トランプ政権による過度な保護貿易への政策シフトは、好調な世界経済に水を差しかねず、依然不安要素であり続けております。
 最後に、我が国の真の意味での国際競争力を強化し、付加価値の高い生産の増大を図るためには、徹底的な規制緩和と、新規参入規制を撤廃していくほか進む道はありません。
 日本維新の会は、今後も、是は是として、非は非として、未来志向の建設的な議論を闘わせていくことを改めてお約束し、私の反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#13
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#14
○議長(伊達忠一君) これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#15
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#16
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#17
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十九票  
  白色票          百五十四票  
  青色票           八十五票  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#18
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長長谷川岳君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔長谷川岳君登壇、拍手〕
#20
○長谷川岳君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行おうとするものであります。
 委員会におきましては、給与所得控除から基礎控除への振替の意義、所得拡大促進税制の改組により期待される効果、中小企業の事業承継の実態と事業承継税制拡充の目的等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して古賀之士理事、日本共産党を代表して大門実紀史委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。古賀之士君。
   〔古賀之士君登壇、拍手〕
#22
○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士です。
 会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、今の政府には税を語る資格はないとして、反対の立場から討論を行います。
 正直者には尊敬の的、悪徳者には畏怖の的、これは、昭和二十四年六月十日、国税庁の開庁式において語られた言葉ですが、七十年近くたった今、このときこの瞬間においても、日本全国津々浦々の五万六千人の全ての国税職員は、その言葉どおり、税務行政の適正な執行のため、そして税への信頼の確保のため、一人一人が責任を果たしております。
 しかし、残念ながら、税への信頼は政治によって大きく揺らいでいます。私は、一年前の三月二十七日、平成二十九年度の所得税法等改正案への反対討論でこの場に立ちました。そして、財務省が事件隠しの動きを見せている、税に対する国民の信頼を根底から失墜させかねない極めて重大な問題をはらんでいると強く警告いたしました。
 決裁文書の改ざんが行われたのは二月下旬から四月とのことです。私が事件隠しについて警鐘を鳴らしていたその裏で、財務省は事実の書かれていた文書の改ざんに及んでいたわけです。
 財務省については、全てとは申しませんが、あきれるほどの厚顔無恥と言わざるを得ません。また、財務大臣や総理大臣も同様です。なぜなら、国会答弁で適性が疑問視されている人物を、よりにもよって国税庁長官に任命したからです。しかも、我々野党が繰り返し批判したこの人事を適材適所などと自画自賛し、論功行賞とも言えるこの人事によって、税務行政への信頼性は大きな傷が付いてしまいました。しかも、文書改ざんも含め、問題の調査に取り組む姿勢は極めて後ろ向きです。
 もりそばとかけそばの出前を頼んだのですが、まだですか。はい、今やっています。今はそんな笑うに笑えない話があります。今回の財務省の対応、調査結果の報告はまだですかとの問いに、今やっていますとかわすだけで、一向に真面目な答えが返ってきません。
 なぜこのような態度を取るのでしょうか。いや、誰がこのような態度を取らせているのでしょうか。少なくとも、最終責任者は理財局長と説明責任を放棄している財務大臣と、それを放置している総理大臣の、少なくとも監督責任、任命責任は明らかです。これでは、調査の結果はいつまでたっても出てまいりません。森友学園の問題と加計学園の問題を合わせ、もりかけ問題と呼ばれることがありますが、だからといって、出前のように、はい、今やっていますがずっと許されるわけではありません。
 調査はいつまで続くのかまだ分かりません。そして、その事実が一体どこまで調査が進んでいるのかも、まだ途中経過も含め公開されていません。国民の真実が知りたいという声に果たして応えているのでしょうか。この決裁文書の改ざん問題についてはもちろん、森友学園への国有地売却問題そのものについて、国民に対して一刻も早く、私の地元、博多弁ではばり早で、真摯に、フェース・ツー・フェースの精神で説明していただくことが重要だと考えます。
 過去が消され、その消去が忘れ去られ、うそが真実となる、記録は一つも残らず廃棄されたか捏造される、歴史は止まってしまったのだ、ジョージ・オーウェルの書いた「一九八四年」に出てくる言葉です。まさか、同じ状況がこの日本で現れるとは夢にも思いませんでした。今回の所得税法等の改正案の一番大きな問題は、今の政府に税を語る資格がない、そのことに尽きます。うそを真実としてしまう国、歴史が止まってしまう国に、一体誰が税金を素直に納めようとするでしょうか。
 もっとも、現政権においては、特定秘密保護法や共謀罪を強行に推し進めるなど、全体主義的傾向が見られます。もしかすると「一九八四年」の社会を理想としているのかもしれません。
 しかし、それは、自民党が綱領に掲げる、反共産・社会主義、反独裁・統制的統治という理念に真っ向から反するものです。少なくとも、うそを真実としたり、歴史を止めたりする今の政権に、いわゆる保守を名のる資格はないことは、誰が見ても明らかではないでしょうか。
 さて、本法案に反対する具体的な理由の一つは、働き方改革を掲げる一方で、実際にはサラリーマンに負担を求めるなど、理念なき不公平増税であることです。また、政府は、給与所得控除等、基礎控除の適正化を図るとしています。しかし、先般の衆議院選挙の公約において、こうした増税は触れられておりません。納得できない国民の方々も多いんじゃないでしょうか。
 我々民進党が主張するように、所得控除から給付付き税額控除へと税体系を大きく変えていくことで、国民にとって公平で納得できる、すっきりとした税制にしていくべきと考えます。
 二番目の反対理由は、政策効果の乏しい所得拡大促進税制を改組するという、その場しのぎを続けていることです。
 現政権で積極的に行われた法人税減税は、大企業の内部留保の積み上げにつながる一方で、賃上げ効果が限定的であったことは明らかです。さらに、中小企業に対しては、要件を緩和するなど、一見配慮しているようにも見えますが、対前年度比の増減収額が実質ゼロでは、中小企業の厳しい経営環境を踏まえた対応とは到底言えません。
 反対する第三の理由は、税収確保のために安易なたばこ税増税が行われることです。
 今回、たばこ税の税率を一本当たり三円引き上げ、加熱式たばこを大幅に増税するとしておりますが、唐突感は否めず、消費税軽減税率の財源を穴埋めする意図もあることから、断固反対です。
 暗闇の中では民主主義は死んでしまう、アメリカの新聞、ワシントン・ポストの題字に書かれている言葉です。まさに今、民主主義が命の危機に瀕しています。
 公文書は、民主主義の基盤であり、土台であります。暗闇を照らす光です。過去にどのような政策をつくり、現在にどのような問題があり、未来にどのような方針を立てるか、公文書は国の道筋を示す大きな手掛かりになるためです。その公文書が改ざんされ、光のない暗闇が広がってしまったことで、民主主義国家の政治家として心から大きな憤りを感じています。
 総理は度々、この国を取り巻く安全保障環境の厳しさを訴えています。もちろん、外からの脅威に備えることは重要であり、努力を重ねることが必要なのは言うまでもありません。しかし、国が内側から腐ってしまえば、その備えや努力は無になってしまいます。
 今、国が内側から腐ろうとしているのです。暗闇を照らす公文書という光がなくなれば、民主主義は死んでしまいます。それによってこの国は内側から腐ってしまうのです。その結果、国民は国を信頼しようとはせず、国際的にも信用されなくなってしまいます。
 残念ながら、民主主義が死に瀕している危機感は現政権には見られません。民主主義を守るために、この国を守るために、総理におかれましては、一刻も早く、潔く身を引いていただけないでしょうか。
 先日の自民党大会では、谷村新司さんが「昴」を歌い、最後には全員で「いい日旅立ち」を合唱したそうです。その歌詞のように、「せめて鮮やかにその身を終われよ」、「せめて今日から一人きり旅に出る」というのが総理に対する国民の願いではと申し上げ、私の反対討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#23
○議長(伊達忠一君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
#24
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、所得税法等改正案に反対の討論を行います。
 討論に入る前に一言申し上げます。
 国民の財産である国有地をなぜ財務省が異例の手続と破格の安値で森友学園に売却したのか、その全容解明は、財政金融委員会としても重要な課題でありました。
 ところが、財務省は、この一年、各委員の質問に対し、事実を隠蔽し、改ざん文書を提出した上に、虚偽の答弁を繰り返してきたのです。このことは、国政調査権をじゅうりんし、委員会審議を冒涜するとともに、国民と国会を愚弄する前代未聞の犯罪行為であり、断じて許されるものではありません。厳重に抗議をするものです。
 昨日、佐川前理財局長の証人喚問が行われましたが、政権への配慮、そんたくはする一方、肝腎なことには証言拒否を続け、改ざん問題はもちろん、森友学園問題全体の政治的背景や官邸筋の関与など、疑惑の解明は全く進みませんでした。
 佐川氏の思惑はどうあろうと、一部の役人が犯罪行為である公文書の改ざんを自発的に行うなどあり得ません。また、この間の自民党議員の質疑を聞いても、事務方だけがやったことにしようという意図が露骨に見えます。役人だけに全ての責任を押し付けて幕引きを図ろうと考えているのなら、与党、政治家として余りに恥ずかしいことではありませんか。
 さらに、改ざんなどしないでそのまま出せばよかったんだ、隠す意味などなかったと、事の重大性を意図的に軽く見せようという発言が繰り返されてまいりました。しかし、この問題に関わって、近畿財務局で長い間真面目に誠実に働いてきた職員の方が、心労の末、命を絶っています。人一人の命が失われている事件に対し、意味がなかったなど軽々しい物言いは厳に慎むべきであります。
 むしろ、亡くなった方だけでなく、公文書改ざんという犯罪行為をさせられた職員たちの苦悩を思い、誰が、何が彼らに無理な行為を強いたのか、真実を明らかにすることこそ、私たち国会議員の責務ではありませんか。
 そのためにも、安倍昭恵氏を始め、野党が要求している方々の証人喚問の実現に与党の皆さんも速やかに協力するよう強く求めます。
 反対討論に入ります。
 まず指摘しなければならないのは、税制改正の前提となる現在の経済情勢や国民生活に対する認識が根本から間違っているという点です。
 この五年間、アベノミクスは何をやってきたのか。アベノミクスの中心柱は、二〇一三年の政府、日銀の共同声明によってスタートした異次元の金融緩和政策でした。この政策は、二%の物価上昇目標を掲げ、日銀が大規模に国債を買い入れ、代わりに円を大量に世の中に供給すればデフレからインフレになって、景気も良くなり、いずれ賃金も上がるだろうというシナリオでした。しかし、五年たっても目標は達成できず、副作用ばかりまき散らしています。
 シナリオどおりにいかないのは、デフレの原因分析と処方箋が間違っているからです。デフレに陥ったのは、金融政策の結果ではありません。九〇年代後半から政府と財界が一体となって進めてきた非正規雇用の拡大など、賃金抑え込み政策が原因です。賃金の抑え込みが消費の減少を招き、消費の減少が物価の下落につながるという悪循環、すなわち賃金デフレこそ、この二十年間のデフレの正体です。この点では、今や、我が党だけでなく、政府のブレーンをしていた学者からも、デフレ脱却には賃金引上げしかないという声が上がっています。今求められているのは、金融緩和などではなく、賃金の大幅引上げです。
 大体、安倍内閣が本気でデフレの克服を目指してきたのか、今となってはそれも疑わしい。デフレに対する効果は不明でも、異次元の金融政策を始めれば何が起こるか。誰にでも最初から予測できたことが二つありました。
 一つは、円を一気に市場に供給すれば、急激な円安を招き、輸出大企業が巨額の為替差益を手に入れられること、連動して株価も上がり、株主も大もうけできるということです。実際そうなりました。
 もう一つは、日銀が国債の購入にちゅうちょしなくなれば、政府は安定的に国債を発行できるようになります。実際、この五年で、日銀は国債発行残高の四割を保有するまでになり、国の借金を中央銀行が支える事実上の財政ファイナンスが進行しました。このことは、公共事業の拡大など財政出動を求める政治圧力にも応えるものとなり、さらに、日銀は、巨額の資金を株式市場に投入し、株価を支える役割まで担わされるようになりました。
 この五年間を振り返れば、異次元の金融緩和の本当の目的は、デフレの克服などではなく、大企業、株主への利益供与、国債発行と財政出動への保証、さらに株価維持という極めて政治的な意図にあったと言われても仕方がないのではありませんか。
 そして、今、日銀は出口のない袋小路にはまり込んでいます。日銀が保有する四百五十兆円を超える国債は、売るに売れないどころか、買うこともやめられない。やめれば国債価格が急落し、金利の上昇による経済パニックや国の財政破綻を招くからです。かといって、このまま財政ファイナンスを続ければ、国の財政に対する信頼はいずれ失墜をいたします。
 楽観的な期待は一瞬で反転するというのが、金融経済の歴史的教訓です。早急に正常化の道を探らなければならないのに、安倍内閣は、事もあろうに、黒田総裁を続投させ、異常な金融緩和を続けさせようとしています。まさに亡国の経済政策だと厳しく指摘しておかなければなりません。
 こういうアベノミクスの下、貧富の格差は急速に拡大し、格差是正が喫緊の課題になっています。そのために税制は何をなすべきか。簡単であります。もうかっている大企業や富裕層からもっと税金を取って、その分、国民生活を支援する予算を充実すればいいのです。
 ところが、今回の税制改正では、賃金引上げ促進を口実に、更なる大企業減税が盛り込まれています。大企業は既に四百兆円を超える巨額の内部留保をため込んでおり、賃上げ支援措置など全く必要ありません。またまた内部留保が積み上がるだけです。本気で賃金引上げを言うなら、まず裁量労働制や残業代ゼロ法案を含む労働法制の大改悪をやめるべきです。
 また、給与所得控除の見直しによる中間層を含むサラリーマン増税も問題です。所得の再分配と言うなら、二百三十万人ものサラリーマンに増税するのではなく、富裕層優遇の証券税制を見直し、欧米並みに課税を強化すべきであります。
 政治の私物化、憲法改悪と教育への介入に見られる政治の右傾化、そして亡国の経済運営、どれを取っても、安倍政治はもう終わらせるしかありません。そのために、国民、市民と野党の共同を更に広げることを呼びかけ、反対討論を終わります。(拍手)
#25
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#26
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百六十四  
  反対             七十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 地方税法等の一部を改正する法律案
 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長竹谷とし子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔竹谷とし子君登壇、拍手〕
#31
○竹谷とし子君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、働き方の多様化等を踏まえ、個人住民税の基礎控除等の見直しを行うとともに、平成三十年度の評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、地方のたばこ税の税率引上げ等の見直し、法人住民税、法人事業税等の申告書等の地方税関係手続用電子情報処理組織による提出義務の創設並びに地方団体共通の電子納税に係る手続の整備等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行おうとするものであります。
 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、平成三十年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するための地方交付税の単位費用等の改正等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、地方公共団体の基金の位置付けを踏まえ、各団体の自主的な判断に基づく財政運営を尊重する必要性、平成三十一年度以降の一般財源総額の確保及び法定率引上げに向けた総務大臣の決意、公共施設等の老朽化対策、地方消費税の清算基準の見直しと統計等データの在り方、地方税制における税源偏在是正策、トップランナー方式の妥当性等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員、希望の会(自由・社民)を代表して又市征治委員より、それぞれ両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成            百六十五  
  反対             七十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#35
○議長(伊達忠一君) 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成            百七十四  
  反対             六十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#38
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト