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2018/05/11 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第18号
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2018/05/11 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第18号

#1
第196回国会 本会議 第18号
平成三十年五月十一日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
  平成三十年五月十一日
   午前十時開議
 第一 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、情報監視審査会委員辞任の件
 一、情報監視審査会委員の選任
 一、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進
  に関する法律の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 石橋通宏君から情報監視審査会委員を辞任いたしたいとの申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(伊達忠一君) この際、欠員となりました情報監視審査会委員一名の選任を行います。
 情報監視審査会委員の選任は、参議院情報監視審査会規程第六条の規定により、議院の議決によることとなっております。
 情報監視審査会委員に杉尾秀哉君を選任することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、選任することに決しました。
     ─────・─────
#7
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国土交通大臣石井啓一君。
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十八年に旧ハートビル法と旧交通バリアフリー法を統合、拡充し、現行の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法が制定されて以来、十一年が経過をいたしました。
 こうした中、二〇二〇年に東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会が開催されることとなり、これを契機として、全ての国民が共生する社会の実現を目指し、全国において更にバリアフリー化を推進するとともに、一億総活躍社会の実現に向けた取組を進めることが必要となっております。
 具体的には、公共交通機関については、高齢者、障害者等の安全性、利便性を一層確保するため、既存施設を含む更なるハード対策や旅客支援等のソフト対策の一体的な取組が必要となっております。
 また、地域において個々の交通機関や施設を超えた移動の連続性を確保するため、駅周辺、観光地などの移動等の円滑化が特に必要な地区について面的なバリアフリー化を進めるほか、ユニバーサルツーリズムを推進するため、貸切りバス等のバリアフリー化を推進すること等が必要となっております。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、基本理念として、本法に基づく措置が社会的障壁の除去及び共生社会の実現に資するよう行われるべき旨の規定を設けることとしております。
 第二に、公共交通事業者等によるハード対策及びソフト対策の一体的な取組を推進するための計画制度を創設することとしております。
 第三に、バリアフリーのまちづくりに向けた地域における取組を強化するため、市町村が移動等円滑化促進方針を定めるなどの新たな仕組みを設けることとしております。
 第四に、更なる利用しやすさの確保を図るため、一般貸切旅客自動車運送事業者等を本法の適用を受ける事業者に追加すること、駅などに加え、道路や建築物等を含む幅広いバリアフリー情報の提供を推進すること、高齢者、障害者等が参画し施策内容の評価等を行う会議を設けること等を規定することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。高瀬弘美君。
   〔高瀬弘美君登壇、拍手〕
#11
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 高齢者や障害のある方にとって暮らしやすい町は、誰にとっても暮らしやすい町であります。二〇〇〇年の交通バリアフリー法の制定、そして二〇〇六年のハートビル法と合体した新バリアフリー法の制定の結果、今では都市部で九〇%以上の駅が車椅子で利用できるようになり、この二十年間で、駅にエレベーターやバリアフリートイレがあるのが当たり前の社会へと大きく変わりました。
 今回の法改正は、二〇一四年に障害者権利条約を批准したことを受けての十二年ぶりの大改正であり、その内容は、真の共生社会づくりに資するものでなければならないと考えます。
 私ども公明党は、この度の法改正に当たり、バリアフリー法及び関連施策のあり方に関するプロジェクトチームを立ち上げ、多くの障害関連団体から御意見を伺いました。
 皆様からは、近年のバリアフリー政策に関して高い評価をいただく一方、我々が気付いていない多くの課題が存在することも学ぶことができました。とりわけ、心のバリアフリーは欠けてはいけない重要な視点であります。
 今回の改正案では、ソフト面での国と国民の責務が明記されております。総合的なバリアフリーのまちづくりを進めるには、学校教育や民間企業を巻き込んだ国民の意識改革が重要です。
 また、バリアフリーなまちづくりは、障害者、高齢者だけでなく、妊娠中の方、ベビーカーを使う子連れの方、そして大きな荷物を持つ訪日観光客にとっても移動しやすく、暮らしやすい町でもあります。バリアフリートイレや誰でもトイレが増えることは、性的少数者の方々の尊厳を守ることにもなります。
 バリアフリーなまちづくりを推進するには、当事者の参加なくして実現できません。以下、こうした観点に立って、具体的に質問いたします。
 まず、今回の改正案において、理念規定を設け、社会的障壁の除去、共生社会の実現を明確化した点は高く評価します。しかし、現実には、障害者だけ遠回りのルートであったり、長時間待たされる、隔離された席となるなど、障害のある方と健常者の場を分けて整備されたものがあります。
 障害のあるなしにかかわらず、分け隔てなく包み込む社会づくりこそ、誰もが安心して暮らせ、生き生きと活躍できる、真の共生社会の実現であると思いますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 地方におけるバリアフリーのまちづくりについて伺います。
 現行のバリアフリー法は、乗降客一日三千人以上の駅が対象であるため、地方のバリアフリー整備は遅れています。地方ほど高齢者の割合が高く、バリアフリー整備を進める必要性があり、地方のバリアフリー整備は、観光立国や地方創生の観点からも重要です。
 改正案では、市町村が障害者や高齢者等の意見を聞きながらバリアフリー方針を定めるマスタープラン制度を創設することになり、高齢者や障害者の移動の連続性を確保すること等につながると大いに期待されます。他方、マスタープランを作成できる市町村は少ないのではないか、かえって市町村格差を生むことになるのではないか等の懸念もあります。
 国がガイドラインを作成する等、市町村をサポートするきめ細やかな支援策を講ずるべきと考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 改正案では、高齢者や障害者等が参画し、定期的な内容の評価、見直しを行うための会議を設けることが規定されている点は大変重要と評価します。なぜなら、障害特性は多様であり、抱えている問題は個々人様々であるからです。
 福岡市の障害団体の方と懇談する中でこのような御指摘をいただきました。例えば、バリアフリーのまちづくりとしては段差のない歩道がよいとされるが、視覚障害のある方にとっては、段差があることで歩道と車道の境目が分かるという面もあるのですと。当事者の方々でなければ分からないことであり、様々な障害を持つ方の御意見を聞く必要性がここにあります。
 市町村における会議体では、団体の代表お一人の発言を聞くのみで事足りるという形式的なものとはせず、あらゆる当事者の思いを丁寧に酌み取ることができる会議の運営、また、継続的な評価をする仕組みが必要と考えます。国土交通大臣の見解を伺います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催は、我が国のバリアフリー水準の底上げの絶好のチャンスです。これまでの開催国がそうであったように、我が国も、オリンピック・パラリンピックまでにバスや鉄道のバリアフリー化を加速すべきです。
 三月に、新宿駅においてバリアフリーの先進事例となる新型のバスやタクシーを視察してまいりました。車椅子のまま乗車できるリフト付きバスの整備はまだまだ十分とは言えない状況であり、今後、オリンピック・パラリンピックの際に需要が予想される貸切りバスや高速乗り合いバスの整備は急務です。
 また、新幹線の車椅子のスペースも十六両編成で二か所しかないこと、車内のスーツケース置場も慢性的に足りていないこと、電車の中の車椅子、ベビーカースペースも数が少ないことなども憂慮すべき点です。
 世界に誇るバリアフリー整備を目指す国土交通大臣の決意をお伺いします。
 最後に、災害時の避難所となる学校のバリアフリー化について伺います。
 二年前の熊本地震やこれまでの大規模災害時に、避難所である体育館や学校に車椅子で入れなかった事例が多数ありました。避難所に指定されていながら災害時に使えない、これでは意味がありません。災害弱者の立場に立つことは我が国の災害対策の最重要事項であり、避難所となる学校のバリアフリー化は必要不可欠です。今回の法改正を契機に、避難所となる学校のバリアフリー化をどう進めていくお考えなのか、文部科学大臣の見解を伺います。
 そのほか、ハード面での整備が進んできているとはいえ、車椅子の方が入れるレストランが限られていることやホテルの客室の中でバリアフリーとなっている部屋が極端に少ないことなど、取り組まねばならない点は多くあります。また、心のバリアフリーを進めるためにも、障害を持った方々の職業の選択肢を増やすためにも、障害者を雇用する企業がより柔軟に受け入れられる環境の整備も必要です。
 これからも、当事者の方々に寄り添いながら、真の共生社会の実現を目指し、強力に推進していくことをお誓い申し上げ、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(石井啓一君) 高瀬議員にお答えをいたします。
 共生社会の実現についてお尋ねがありました。
 今後目指すべき社会として、全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情によって分け隔てられることなく共生する社会を実現することが重要であると考えており、この点については議員御指摘のとおりと考えております。
 今般、社会的障壁の除去、共生社会の実現に関する規定を基本理念として設けることとしたところでありまして、この考え方に沿って事業者や地方公共団体を含む全ての関係者がバリアフリーに取り組むことで、議員御指摘の真の共生社会の実現に近づくことができるものと考えております。
 マスタープランの作成に向けた市町村への支援についてお尋ねがありました。
 今回導入するマスタープラン制度につきましては、できる限り多くの市町村で取り組んでいただくことが重要であり、そのために、国がガイドラインを示すほか、先進的な事例などについて国から情報提供を行う等の支援を行ってまいります。また、マスタープランの作成経費について新たに国から助成することとし、必要な予算を今年度予算に盛り込んでおります。さらに、市町村がマスタープランを作成する際、それを支援する観点から、都道府県が広域的な見地より助言等の援助を行う仕組みも新たに規定をしております。
 こうした取組によりまして、市町村によるマスタープランの作成を支援をしてまいります。
 市町村における会議の運営等についてお尋ねがありました。
 バリアフリー施策の検討及び評価に当たりましては、高齢者、障害者等が自ら参画をし、その視点を施策に反映させることが重要であることから、市町村における協議会等について適切な運営がなされることが必要と考えております。
 特に障害者については、障害種別が多岐にわたることから、様々な障害特性に応じた御意見を反映することが重要であること、さらに、継続的な評価が行えるよう定期的に会議を開催することが重要であることなどについて基本方針に明記するとともに、適切な対応を行うよう市町村を指導してまいります。
 バス、鉄道におけるバリアフリー整備についてお尋ねがありました。
 バスにつきましては、本法におきまして貸切りバスをバリアフリー化の対象に追加するほか、高速乗り合いバスについて、特に利用者ニーズの高い空港と都心部を結ぶ直行路線において新型リフト付きバスの導入等を推進をしております。
 新幹線につきましては、新造車両における車椅子スペースの基準をこれまでの原則一編成一か所以上から二か所以上と改めたところでありますが、車椅子使用者等の利用が多い場合には更なる増設を行うようガイドラインにより促すこととしているとともに、大型荷物の収納場所につきましても、順次拡大を図るよう働きかけているところであります。
 二〇二〇年東京パラリンピック競技大会は、全国において更にバリアフリー化を推進する大変良い契機であることから、バス、鉄道につきましても一層のバリアフリー化が図られるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(林芳正君) 高瀬議員から、災害時に避難所となる学校施設のバリアフリー化についてお尋ねがありました。
 学校施設は、子供たちの学習、生活の場であるのみならず、その多くが災害時の避難所としての役割も果たすことから、避難所となる学校施設のバリアフリー化は重要であると考えております。
 そのため、文部科学省としては、避難所となる学校施設におけるバリアフリー化の重要性や整備における留意事項、事例集等を取りまとめ通知し、学校設置者の取組を促しております。
 また、新築時はもとより、既存施設においても、現行の国庫補助制度による財政支援を行うなど、バリアフリー化を推進しているところです。
 今後とも、地域の実情に応じた取組が進められるよう、関係府省庁と連携しつつ、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(伊達忠一君) 伊藤孝恵君。
   〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕
#15
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 質疑に先立ち、政府・与党にお願い申し上げます。
 我々は、この議場からたくさんの法案を送り出しています。言うまでもなく、これらの立法は、政府と国会、国民と国会との信頼関係の上にしか成り立ち得ません。しかしながら、昨今の森友学園問題を始め加計学園問題、自衛隊の日報隠しや裁量労働制虚偽データ、教育現場への介入、そして、この国の行政の品性がいまだ問われ続けているセクハラ辞任劇など、政治不信さもありなんという事件が後を絶ちません。
 国民民主党は、対決でなく解決を重んじる政策実現政党を志し、結党いたしました。我々も努力いたします。なるほどと言われるような視点を探してきます。だから、どうか議論の前提となる事実をねじ曲げたり隠したり不誠実な答弁はおやめいただき、今の制度や仕組みで守り切れない人たちに熟議を尽くして応える国会運営を強く求めます。
 今、私は、六段の階段を上ってここに立っています。私は歩くことができるので、本当の意味でこの法案のどこを直すべきなのか分かっていないのではないかという不安から、車椅子の友人にバリアフリー法について聞いてみました。彼は言いました。あの法律は日本を劇的に変えてくれた、車椅子に乗るとどこにも行けなかった国が僅か四半世紀でどこにでも行ける国に生まれ変わった、こんなに短期間で劇的に社会が変わる姿を目の当たりにして感動でいっぱいだ。
 法律というこの国の当たり前をつくる立法府の責任と可能性を感じると同時に、法は結局人が作るものだから、我々は、彼らの声が聞こえる心を持ち、もっといいものにしなければ、そんな思いで、以下、石井国土交通大臣に伺います。
 本改正案には基本理念が新たに盛り込まれましたが、障害者基本法や障害者総合支援法にはある「等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、」という文言が丸ごと抜け落ちています。本改正案第一条の二の基本理念、障害者基本法第一条の目的、障害者総合支援法第一条の二の基本理念は共有されるべきであり、本改正案にも人権の享有主体の明記が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。
 また、本改正案では、障害者の定義は日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者となっておりますが、障害者基本法では心身のと書かれています。つまり、身体ではなく心身とすることによって、知的障害、精神障害、発達障害、難病等を含む、より広範囲の障害者を包含する内容になっています。
 そこで、大臣に伺います。
 本改正案には、身体のみで知的障害等は含まれないのでしょうか。もし含まれるというのであれば、障害者基本法、障害者総合支援法、障害者差別解消法の三法とバリアフリー法とで異なる障害者の定義が存在するのを、心身の機能上の制限を受ける者に統一してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、評価会議について伺います。
 本改正案では、障害者等の参画の下、施策内容の評価を行う会議を開催する旨が明記されました。まさに、障害者権利条約の精神である私たち抜きに私たちのことを決めないでを実践する組織であると期待します。しかし、障害といっても身体や知的など多様であり、身体でも視覚、聴覚、歩行障害など、さらには、同じ車椅子でも手動、電動、ストレッチャー型と、それぞれが持っている課題感はそれぞれで大きく異なります。
 そこで、評価会議の構成員については、障害の多様性に配慮した上で、比率についても当事者を過半数以上とすることが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。この評価会議の権能、すなわち基準やガイドラインについて具体的な改善提案ができるのか否かも含めて御答弁ください。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取組について伺います。
 昨年、IPC、国際パラリンピック委員会は、日本はホテル客室のバリアフリー化が遅れている、我々の国際基準に合致しないと指摘しました。日本でバリアフリールームがあるホテルは全体のおよそ三割という現状を残り二年でどう克服していくのか。
 国内でおよそ八千台走っている空港アクセスバス、長距離バスの中でリフト付きのバリアフリー車両は東京近郊に僅か四台という状態をどう改善していくのか。
 駅のホームドア設置について、実際に事故があったり、転落したら危ないところから始めるのではなく、乗降客数の多いところから優先的に整備するという方針で本当にいいのか。
 ホームと車両の隙間や段差の解消が一向に進まないため、車椅子の単独乗降ができないという状況を把握しているのか。
 新幹線や鉄道の車椅子スペースが圧倒的に足らず、ずっとデッキ部分で過ごしている車椅子の方がいることを御存じなのか。また、一般予約システムで購入できるようにする情報のバリアフリー化のためにできることはないのか。
 地域における重点的、一体的なバリアフリー化の推進、特に県をまたいだ場合の移動の連続性には留意しているのか。
 また、十二年間も見直しがされなかったことで国内外の法制や生活スタイルの変化に対応できなかった今回の反省をどう生かすのか。
 大臣のお考えを、具体的な解決策や数値目標を明示した上でお聞かせください。
 飲食店などの小規模店舗のバリアフリー化は、世界に大きく後れを取っています。ハートビル法以来、床面積二千平米以上の建物に対してバリアフリー整備を義務付けてはいますが、東京都が二〇一七年に実施した飲食店調査によれば、百五十平米以下の店舗が八五・九%、つまり、ほとんどの店はバリアフリー化されていません。また、入口はバリアフリーでも、店内には法律が及ばないため、段差があったり椅子が固定化されているなど、なんちゃってバリアフリーな店も多いと聞きます。
 新規開店の店に限って整備を義務付けるだけでも、二〇二〇年にはかなりの改善が見込まれると思うのですが、御所見をお聞かせください。
 一九九〇年、東京には四百七十六の駅がありましたが、エレベーターがあり車椅子で利用できる駅は、何とゼロでした。二〇一七年三月現在の東京では、七百五十七の駅があり、その八四%が車椅子で利用できます。
 喜ばしい一方で、地方は全く進んでおりません。バリアフリー法の基本方針において、整備目標は一日の乗降客数三千人以上の駅について定められているなど、結果として都市部を重視した運用になっているためです。地方では年々無人駅が増え、車椅子で利用できる駅は減っています。
 二〇一四年に批准した障害者権利条約では、都市及び農村の双方においてバリアフリー整備を求めており、地域格差をつくらないようくぎを刺しています。権利の実現なのだから当然差を付けてはならないというのが権利条約の立場であり、バリアフリー法の姿勢と根本的に異なる点です。
 また、バリアフリー法に決定的に欠落しているのは、利用の実質、つまり、ちゃんと利用できることを担保するという視点です。ハードの整備は利用の実質を担保するための手段であり、幾らハードが整っても、そこに利用の拒否が起これば意味がありません。UDタクシーの乗車拒否や歩けない人は乗れないと搭乗を拒否したバニラエアの事件に対しバリアフリー法が無力だったのは、法が利用の実質を何ら規定していないからです。
 ハード整備の数値目標の達成状況と併せて、利用の実態がどうなっているのかの調査、加えて、利用の実質の担保について法に書き込むことを検討すべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 最後に、心のバリアフリー推進について伺います。
 命を授かると、人はなぜか我が子が健康で生まれてくることを無条件に想像します。私もそうでした。だから、娘の障害の可能性を知ったときは、落ち込むと同時に、自分の心に潜んでいた偏見や優生思想に愕然としました。
 内閣府が昨年秋に公表した世論調査では、日本社会に障害を理由にした差別があると答えた人は八割を超えています。相当数の人が障害者に対するある種の嫌悪を持っているのは事実であり、それを責めることも恐らく違うのだろうと思います。
 障害者がかわいそうな人に見えたり、どう関わっていいのか分からないのが一般的です。しかし、それでも、障害の有無にかかわらず、同じ場所で学び、生きていく人たちがいます。
 障害がある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育は偉大です。子供とは何とも不思議なもので、障害に一瞬戸惑っても、三時間もすればすっかりお友達になっています。親はといえば、三時間は無理でも、三か月もすれば仲間になります。
 どんなに法律ができても、偏見はなくなりません。しかし、幼い頃から一緒にいるのが当たり前で、逆上がりができた、ニンジンが食べられた、そんな小さな成功を日々共に喜ぶ積み重ねがあれば、障害者を排除する壁など生まれる余地はありません。
 今回のバリアフリー法改正においては、この法案が障害者のための福祉的な環境づくりという旧態の発想はもはや拭い去らなくてはいけません。公共空間を安全かつスムーズに移動できる。食べたいものを食べ、行きたいところに行って、会いたい人に会う。心身にどんな障害があっても、その権利が等しく守られる。それは結果として、高齢者や子供たち、ベビーカーを押すお母さんやお父さん、外国人観光客にだって役立つものになります。大臣はどのようにお考えですか。
 インクルーシブ教育の推進については、林文部科学大臣にも見解を伺います。
 当たり前のノーマライゼーションを実現する、国会はそのてこになる場所です。今回の改正がその一端となり得るすばらしいものとなることを願い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(石井啓一君) 伊藤議員にお答えをいたします。
 障害者基本法等にある基本的人権の尊重の文言を法律上明記することについてお尋ねがありました。
 障害者基本法や障害者総合支援法は、障害者の権利を守る必要性から障害者そのものを対象として定められたものでありますが、バリアフリー法は、障害者のみならず、高齢者や健常者についても広く対象として移動等の円滑化を図るものであります。
 同様に、対象者をより広く捉えている交通政策基本法等では基本的人権について改めて規定していないことから、これらの法律との整合性を図ることとしているものであります。
 障害の定義についてお尋ねがありました。
 旧バリアフリー法におきましては身体障害者と限定しておりましたが、現行法では、これを障害者と改め、知的障害者、発達障害者、精神障害者も含めて対象としているところであります。
 一方、本法では、法律上の措置の対象となる者について高齢者、障害者等と規定をしておりますが、これは、障害者そのものについて新たに定義を置くものではございません。
 評価会議につきましてお尋ねがありました。
 本会議の具体的な構成員につきましては、今後、法律の成立後に決定をしてまいりますが、特に障害者について、障害の種別等が多岐にわたるとの御指摘を踏まえつつ、様々な障害特性等に応じた御意見を適切に反映することができるよう、その割合等について適切に対応してまいります。
 また、本会議における具体的な検討内容や提案など、会議の在り方につきましては、今後、障害者等関係者の御意見も伺いながら、会議において適切に決めてまいりたいと考えております。
 ホテル、バス、ホームドア等の具体的な課題への対応についてお尋ねがありました。
 東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、ホテルにつきましては、既存施設の改修に関するバリアフリー設計のガイドラインの普及や助成措置等によりバリアフリー化を推進してまいります。
 リフト付きバスにつきましては、助成措置等によりまして、特に利用者ニーズの高い空港と都心部を結ぶ直行路線において導入を推進しております。
 駅のホームドアにつきましては、事故発生件数が多い利用者十万人以上の駅に加え、それ以外の駅につきましても必要に応じて整備を行っているところであり、二〇二〇年度に約八百駅としている整備目標について、できる限りの前倒しを図ってまいります。
 駅ホームと車両の段差、隙間の解消につきましては、今年度、実態調査を行い、単独乗降と安全確保を両立し得る方策について検討を進めてまいります。
 新幹線等の車椅子スペースにつきましては、新造車両における車椅子スペースの基準を原則一編成一か所以上から二か所以上に改めたところでありますが、車椅子使用者等の利用が多い場合には更なる増設を行うようガイドラインにより促しているところであります。鉄道の車椅子用座席の予約方法の改善につきましては、実務的な検討を進めており、早急に結論を得ることとしております。
 移動の連続性の確保につきましては、今般創設するマスタープラン制度や現行法に基づく基本構想制度におきまして、県境にかかわらず市町村が共同して作成できることとしております。
 法律の見直しにつきましては、今回新設をいたします評価会議を適切に活用することによりまして、状況の変化に的確に対応してまいります。
 飲食店などの小規模店舗のバリアフリー化についてお尋ねがありました。
 小規模店舗につきましては、スペース上の制約や費用負担の問題を考慮いたしますと、新設の場合であっても、全国一律にバリアフリー基準への適合を義務付けるのではなく、地域の実情に応じて条例により対応することが適当と考えております。
 引き続き、地域の実情を踏まえた条例を制定することを地方公共団体に働きかけてまいります。
 利用の実態の調査や利用の実質の担保を法律に位置付けることについてお尋ねがありました。
 今般の改正では、評価会議を設けまして、定期的に移動等円滑化の進展の状況を把握することや、マスタープランや基本構想に係る地域の協議会におきまして、実施の状況についての調査、分析及び評価を行うことを法律上明記することとしたところであります。
 また、公共交通事業者等に対しまして、必要となる乗降についての支援を行うよう努めるべき旨を法律上義務付けるとともに、その具体的な実施を担保するため、ソフト対策も含めた事業者の計画制度を新たに法律上創設することとしております。
 心のバリアフリーの推進等についてお尋ねがありました。
 高齢者、障害者を含む全ての人が住みやすい社会を実現する観点から、心のバリアフリーを推進していくことは大変重要であります。こうした観点から、本法案では、全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情によって分け隔てられることなく共生する社会の実現等を内容とする基本理念を設けることといたしました。また、国及び国民の責務に高齢者、障害者等に対する支援を明記し、心のバリアフリーをより一層推進することとしております。
 全ての関係者がこうした心のバリアフリーに取り組むことによりまして、ユニバーサルデザインやインクルーシブな社会づくりにつながっていくものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(林芳正君) 伊藤議員から、インクルーシブ教育の推進についてお尋ねがありました。
 障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念の実現に向け、文部科学省としては、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられるように条件整備を行うとともに、障害のある子供の自立と社会参加を見据えて、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場の整備を行っております。
 また、学校教育を通じて子供たちが心のバリアフリーについて学び、多様性を受け入れて互いに協働する力を身に付けることは極めて重要であることから、障害者への理解を深める教育を児童生徒の発達の段階に応じて指導することとしており、次期学習指導要領におきましても、障害のある児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることを規定し、指導の充実を図ることとしております。
 さらに、学校における交流及び共同学習がより活性化されるよう、心のバリアフリー学習推進会議の提言を踏まえ、モデル事業の成果を全国に普及するなど、更なる施策の充実を図ってまいります。
 引き続き、心のバリアフリーの教育も含めて、特別支援教育の更なる充実を図ってまいります。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(伊達忠一君) 川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
#19
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 その前に、今この国が置かれている危機について一言申し上げたいと思います。
 今国会、立憲民主党を始めとする私たち野党の徹底追及により、財務省の文書改ざん、防衛省の日報隠し、厚労省の過労死隠しが出てきた後で、ついに加計学園の獣医学部新設問題の首相秘書官による虚偽答弁も明らかになりました。どれも、単に与野党の政局争いで済まされるレベルをはるかに超えた、この国の議会制民主主義を根底から崩す深刻なものばかりです。まるで腐ったモグラたたきのようです。これ、どこまで続くんでしょうか。
 さらに、トップ官庁と言われる財務省事務次官のセクハラ辞職について、上司である財務大臣は、セクハラは犯罪ではないなどと発言していますが、社会の規範は刑法だけではありません。公職にある大人が、刑法にないからと、いじめやパワハラやセクハラをするんでしょうか。財務大臣、お答えください。
 そして、昨日、自民党の加藤寛治衆議院議員が、女性は三人以上子供を産むように、子供が生まれないと人様の子供の税金で老人ホームに行くことになると公言しましたが、麻生大臣のセクハラ罪はないと併せ、安倍内閣の掲げる女性活躍との整合性を教えてください。官房長官に伺います。
 また、官房長官には、この国の議会制民主主義の在り方を根底から崩すこの間の一連の不祥事の数々について、国民に対しその責任をどのように取るおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
 それでは、法案の質問に移ります。
 国連障害者権利条約では、障害者の移動の権利について、アクセスの権利を本質的な権利とみなす前例が確立されてきたと明確に認められており、国際パラリンピック委員会、IPCのアクセシビリティーガイドでも、アクセスは基本的人権と明記されています。障害者を含めた全ての人の移動の権利を保障することは、今や国際基準です。したがって、本法又は別法によって移動の権利を法制化すべきと考えますが、国土交通大臣並びに厚生労働大臣、いかがでしょうか。
 障害者の定義については、既に障害者基本法や障害者差別解消法で、かつての医療モデルから社会モデルの考え方に転換されています。しかしながら、本法では今も、身体の機能上の制限を受けるものという医療モデルのままです。身体上の機能ではない、例えば知的、精神、発達、難病などは除外されており、障害者全体の移動を円滑化する内容としては不十分です。取り残される人が出てしまうことを防ぐために、本法でも身体を心身と改めるべきだと考えます。国土交通大臣、厚生労働大臣に伺います。
 改正案一条の二で社会的障壁の除去に資すると明記されていますが、言葉だけで終わらせないためには、社会的障壁を除去するための環境整備とバリアフリー施策を連携させる条文も設け、障害者差別解消法との連携を明確にすべきと考えますが、国土交通大臣、いかがでしょうか。
 本法では、床面積二千平米以上の店舗にしか基準適合義務がありません。高齢者や車椅子利用者、ベビーカーを利用する家族連れのために、小規模でも新設店舗には基準適合を義務付けるべきではないでしょうか。また、自治体任せにするのではなく、国として特定建築物も基準適合義務対象とし、床面積基準を見直すべきではないでしょうか。
 もう一つ、これも非常に重要なことですが、東日本大震災の際に障害者や高齢者が各地の避難場所で多くの困難な状況に見舞われたことからも、自然災害大国である我が国で、今後ますます進む高齢化に対応した災害時のインフラ整備は国主導であるべきです。災害時に避難所となる学校施設も基準適合義務対象とすべきと考えますが、国土交通大臣、お答えください。
 鉄道駅の無人化が進む中、車椅子利用者等が移動に支障を来す事例が散見され、踏切などで車椅子が線路に挟まるなどの悲惨な事故も増えています。利用者数三千人未満の駅のホームドア設置や段差、隙間の解消を含め、今後こうした安全問題をどのように解消していく予定なのか、国土交通大臣に伺います。
 パラリンピックに向け、鉄道車両やバスのバリアフリー化も待ったなしです。在来線における一編成二か所のフリースペースでは足りないのではないでしょうか。また、空港や長距離路線におけるリフト付きバス導入を進める助成制度を創設すべきですし、開催前に、車椅子利用者数と競技会場、最寄り駅のエレベーターのキャパシティーなどを検証すべきと考えますが、この現状に対する認識と対処について国土交通大臣に伺います。
 精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引もなかなか進んでいません。また、航空機において、例えば大型車椅子を使用するALS患者などは、移動するだけで大きな負担を強いられています。彼らは介助者も含め六、七人分の座席を購入しなければならず、人工呼吸器の持込みに事前申請が求められ、当日は空港で長時間待たされ、余りの負担に搭乗を断念せざるを得なくなったり、中には搭乗を拒否された事例まであるのです。
 障害種別による差別や移動の円滑化を妨げる事象は、即刻解消すべく国が主導して整備すべきと考えます。国土交通大臣の見解を伺います。
 二〇一六年、盲導犬を連れた男性が線路に落ちて亡くなった事故を受け国交省がつくった検討会は、そのメンバーが事業者や業界団体だけで構成されていました。ほかの多くの審議会、検討委員会でも、メンバーの人選はその結果を大きく左右する重要な要素です。当事者の声が反映されない改正は、本来の目的から外れて本末転倒になるからです。
 改正案で明記された施策内容の評価等を行う会議は、その構成員の過半数を、高齢者、障害者、妊産婦や子育て中の保護者などの当事者とし、議論や評価内容を定期的に公表すべきと考えますが、国土交通大臣、いかがでしょうか。
 今週月曜日、十九人が殺された相模原の障害者施設の取壊し工事が始まりました。旧優生保護法下での不妊手術を強制された障害者の救済法案提出に向けた超党派の取組も進んでいます。一九九六年に母体保護法に改正された後も、優生思想はまだ私たちの社会のあちこちに存在しています。弱い立場の国民を政府が率先して切り捨てていくことで、生産性の低いものは無駄だという空気が国民の間で広がっています。
 障害者は社会のお荷物でしょうか。それとも、障害に限らず、病気でも、貧しくても、どんな弱い立場にいても安心して生きることができる、寛容で、他者の痛みに共感し、支え合える社会を私たちが必ずつくるからと国が先頭に立ってつくっていくような、そんな社会を目指すのでしょうか。
 私たちのことを私たち抜きで決めないでほしい、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスという障害者の言葉は、今、一部の大企業の側に立ち、限られたメンバーで物事を決めている政府にこそ思い出していただきたい。バリアフリーだけでなく、インクルーシブ教育、情報コミュニケーションを保障する法制度、聾者のアイデンティティーの確立と聾文化の育成のための手話言語法制など、まだまだやるべきことが山ほどある中で、立法過程には必ず当事者を参加させるべきです。高齢化先進国のトップランナーでもある日本が、誰も置き去りにしない社会をつくり、世界に誇れる国になれるかどうか。
 やまゆり園事件が残したものを無駄にしないためにも、私たちは、今、優生思想を乗り越える決意をし、行動に移すべきときではないでしょうか。
 障害を持つ当事者としての私自身のこの思いをお伝えし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(石井啓一君) 川田議員にお答えをいたします。
 移動の権利の法制化についてお尋ねがありました。
 移動の権利を法制化することにつきましては、平成十九年の障害者権利条約の署名や平成二十三年の障害者基本法の改正などと時期を同じくして平成二十五年に交通政策基本法が制定された際、関係審議会において議論が行われたところであります。
 この際には、保障する権利の内容や保障する責務を有する主体、権利を保障する仕組みや財源の確保について、実定法上の権利として規定できるだけの国民のコンセンサスが得られているとは言えないとして、移動権を法定化することは時期尚早とされたところであります。こうした状況は、現在においてもなお変わっていないと考えております。
 障害者の定義についてお尋ねがありました。
 旧バリアフリー法におきましては身体障害者と限定しておりましたが、現行法では、これを障害者と改め、知的障害者、発達障害者、精神障害者も含めて対象としているところであります。
 一方、本法では、法律上の措置の対象となる者について高齢者、障害者等と規定をしておりますが、これは、障害者そのものについて新たに定義を置くものではありません。
 障害者差別解消法とバリアフリー法との連携についてお尋ねがありました。
 バリアフリー法は、障害者について、障害者差別解消法が求める必要な環境の整備を公共交通機関等における移動等の円滑化を図ることにより具現化するものであると考えております。
 今回、バリアフリー法に基本理念の規定を設け、社会的障壁の除去に資することを旨として、事業者等がバリアフリーの取組を進めるべきことを明文化することとしております。これによりまして、バリアフリー法と障害者差別解消法との連携が従来よりも一層明確になるものと考えております。
 小規模店舗、特定建築物及び学校のバリアフリー化についてお尋ねがありました。
 各施設につきましては、小規模店舗は、スペース上の制約や費用負担の問題があること、特定建築物は、工場、事務所、共同住宅など、事業形態等により多様なものが含まれていること、災害時に避難所となる学校は、建築後に避難所として指定されることが一般的であり、また、学校には、私立や公立、幼稚園から大学や専門学校まで様々なものがあることから、いずれも全国一律にバリアフリー基準への適合を義務付けるのではなく、地域の実情に応じて条例により義務付け対象を追加することが適当と考えており、こうした条例に基づく取組を全国的に広げていくため、地方公共団体に働きかけてまいります。
 駅の無人化への対策についてお尋ねがありました。
 利用者数三千人未満の駅では、高齢者、障害者等の利用実態等を踏まえ、必要に応じ内方線付き点状ブロック等のバリアフリー化を支援をしております。中でも、全国の鉄道駅の五割近くを占める無人駅でバリアフリーをどう実現するかが重要な課題と認識をしております。
 駅の無人化に当たり、一部の事業者では、エレベーターや内方線付き点状ブロックの整備、ITを活用した遠隔監視による見守り等の取組を進めております。さらに、無人駅では事前連絡による介助要員の派遣等を行っております。
 国土交通省といたしましては、今後も必要な支援等を行うとともに、先行事例を他の鉄道事業者に広く横展開する等によりまして、無人駅を含めた形でバリアフリー化の推進を図ってまいります。
 鉄道車両やバス等のバリアフリーについてお尋ねがありました。
 在来線の新型車両につきましては、ガイドラインを改正をいたしまして、利用の状況に応じて、一車両に一以上の車椅子スペースを設置することを標準的な内容としたところであります。
 リフト付きバスの導入につきましては、車両購入費への補助や自動車重量税等の軽減措置により支援を行っております。
 パラリンピック競技会場の最寄り駅のエレベーターにつきましては、国際パラリンピック委員会の承認を受けたアクセシビリティ・ガイドラインに沿って、想定される観客数と観客流動を踏まえ、組織委員会と鉄道事業者が協議をし、大型エレベーターの整備などの所要の準備を進めているものと伺っております。
 公共交通機関の運賃割引等についてお尋ねがありました。
 精神障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の自主的な判断の中で理解と協力を求めてきたところであり、引き続き取組を進めてまいります。
 ALS患者の航空機の利用に関し、航空運賃及び料金は、届出制の下、航空会社の経営判断により設定されておりますが、各社において、身体障害者割引を適用の上、占有席数に応じてストレッチャー料金を設定していると承知をしております。また、人工呼吸器の持込みにつきましては、航空法では医療用の場合は可能となっておりますが、航空会社において、気圧の変化等による健康上の支障の有無を確認するため、診断書等の提出を求めていることが多いと承知をしております。
 このような状況を踏まえ、さらにどのような対応が可能であるか、航空会社に検討を依頼をしてまいります。
 バリアフリーの評価等を行う会議につきましてお尋ねがありました。
 会議の構成員につきましては、高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設置管理者その他の多様な関係者が一堂に会し、活発に議論し、適切な評価を行うことができるよう、今後、障害者等関係者の意見も踏まえながら適切に選定してまいりたいと考えております。
 また、議事の公表など、会議の運営につきましては、会議の構成員の意見等を踏まえ、適切に対応してまいります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(麻生太郎君) 川田議員から、決裁文書の書換えやセクハラ問題について、一問お尋ねがあっております。
 決裁文書の書換えは極めてゆゆしきことであって、誠に遺憾の極みでありまして、今後、調査を尽くした上で、関係者の処分を含めた必要な対応を行った上で、二度とこのような事態が起こらないよう再発防止に努め、かつ信頼回復に向けて全力を取り組んでまいりたいと考えております。
 また、前事務次官のセクハラ問題について、これは甚だ遺憾なことなんであって、今後、セクハラ、パワハラは許さない組織文化を徹底、信頼回復に取り組んでまいらねばならぬと考えております。
 なお、議員の御指摘のありました私の発言というのがありましたけれども、セクハラは一般に捜査機関が捜査を行うことではないということであって、双方の主張が異なる場合には事実関係を断定するのはなかなか難しいという問題意識から申し上げた発言の一部を切り取られたものだと思っております。
 私は、セクハラは被害女性の尊厳や人権を侵害する行為であり、決して許されるものではないと考えており、議員の御指摘のように、刑法にないからセクハラをしてもよいというような趣旨の発言では全くありません。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(菅義偉君) 安倍内閣の掲げる女性活躍についてお尋ねがありました。
 まず、個々の議員の発言に政府としてコメントは控えさせていただきます。
 麻生大臣の発言については、ただいま答弁にあったとおりであります。
 安倍内閣は、政権発足以来一貫して女性活躍の旗を高く掲げて取組を進めてまいりました。その結果として、この五年間で就業者数二百五十一万人増加しました。そのうち二百一万人が、約八割が女性が占めております。子育て世代の女性の就業率は七四・三%まで上昇しております。今後、さらに、ヨーロッパのトップ水準であります八〇%に達することなども想定して、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿整備を進めていくなど、取組を強力に進めてまいります。
 また、一方で、我が国の女性を取り巻く状況に目を向けますと、依然として女性には様々な困難や制約が抱えてあります。これらの課題の解決に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 我が国の行政に関する一連の問題についてお尋ねがありました。
 行政をめぐる様々な問題については、行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態となっており、大変遺憾であります。
 政府としては、国民の皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止めながら、国会の要請に対してはできる限り丁寧に対応するとともに、各省庁において、国民の信頼回復に向けて必要な対応を徹底して行ってまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、政府全体としても、国家公務員は、「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」、このようにされております。国家公務員が改めて自らの職務を認識し、国民の信頼を得られるよう、緊張感を持って職務を遂行していく必要があるというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(加藤勝信君) 川田龍平議員より、二問質問をいただきました。
 障害のある方の移動の権利についてのお尋ねがありました。
 障害のある方も含めて国民一人一人が行きたいところへ自由に移動できるようにすることは、その思いや能力を社会的障壁なく実現する観点からも、社会参加を広げていく観点からも重要であると考えております。
 このため、厚生労働省では、現在、障害者総合支援法に基づき、障害により移動に困難がある方に必要な支援を行うなど、障害のある方の移動を支援をしております。
 また、一昨年四月に施行されました障害者差別解消法においても、合理的配慮の規定が設けられており、民間事業者も含め社会におけるバリアを取り除いていくことが求められているところであります。
 厚生労働省としては、こうした取組を通じて、障害のある方が希望に応じて移動ができるよう、引き続き取り組んでまいります。
 障害者の定義についてのお尋ねがありました。
 個別法における障害者の定義は、各法律の趣旨、目的、内容等に応じ、それぞれ定められるものと考えております。
 例えば、障害者基本法では包括的な定義とされておりますが、所管の障害者総合支援法においては、同法がサービス給付法という性質を有していることから、制度の対象となる方の範囲が客観的に明確になるよう障害者の定義を定めているところであります。
 今後も引き続き、全ての国民が障害の有無にかかわらずひとしく尊重される共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(伊達忠一君) 山添拓君。
   〔山添拓君登壇、拍手〕
#25
○山添拓君 日本共産党を代表して、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問します。
 公文書の改ざん、森友、加計疑惑、働き方改革をめぐるデータ捏造、自衛隊日報隠蔽にセクハラ。安倍政権の底なしの異常さと開き直り、真相解明に背を向け続ける姿勢に、多くの国民が心底うんざりしています。民主主義の根幹を揺るがし、国会審議の前提を崩してきた責任は政府・与党にあることをまず指摘しなければなりません。
 法案に先立ち、麻生財務大臣に伺います。
 大臣は、セクハラ罪という罪はないと繰り返し、財務省がセクハラ行為を認定した福田前財務省事務次官をなおもかばい続けています。被害者に名のり出よと求めた調査方法、はめられたという発言、人権感覚を欠落した言動が、被害者やセクハラに悩む多くの人を更に傷つけ、政府に対する国民の信頼を失墜させているという自覚をお持ちですか。
 また、大臣は、どの組織でも改ざんはあり得る話、個人の問題などと述べ、前代未聞の公文書改ざんを個人の責任に矮小化しようとしています。国会の国政調査権をじゅうりんし、国民を欺いた事態の重大さをいまだに理解されないのですか。
 森友学園への国有地売却をめぐって、佐川前国税庁長官がないと言っていた財務省と学園側との交渉記録が五百ページ分も出てきたと報じられています。大臣は記録の存在をいつから知っていたのですか。直ちに開示すべきではありませんか。答弁を求めます。
 近畿財務局が当初から約八億円の値引きを前提とし、大阪航空局にごみの積算量を増やすよう依頼していたという報道から一月がたちます。いまだにごみ増量の依頼があったかどうかすら明らかにできないのですか。麻生大臣、石井国交大臣、お答えください。
 ごまかし、だまし、隠蔽し、発覚すれば調査中だと盾に取って言い逃れる、国民と国会を愚弄する政治に未来はないということを厳しく指摘し、以下、法案について石井大臣に質問をいたします。
 高齢者や障害者、病気やけがを負った人も、全ての個人を尊重し、その自由な人格形成と発展を支えるのが憲法の保障する基本的人権です。どんな人も排除されない社会を実現するため、自由で安全な移動や利用を保障することは、憲法に基づく政治の当然の役割です。
 障害者団体や高齢者団体の粘り強い運動が実を結び、二〇〇〇年の交通バリアフリー法、二〇〇六年の新バリアフリー法の下、様々な努力が進められてきました。その後十年を経て、更なるバリアフリー化をという市民、国民の要求はますます拡大しています。この声に応えていくことが政治に求められています。
 本法案は、新たに理念規定を設け、共生社会の実現、社会的障壁の除去を明確化するとしています。障害者権利条約や障害者基本法と歩調を合わせた、当然の措置です。
 障害者権利条約は、障害のある人に移動の自由を保障し、都市でも地方でも、建物や交通機関を利用する機会を確保するよう求めています。本法案にも移動の自由を明記するべきではありませんか。
 ハンセン病国家賠償訴訟の熊本地裁判決は、次のように述べます。憲法二十二条一項に定める居住、移転の自由は、経済的自由や人身の自由としての側面のみならず、自己の選択するところに従い社会の様々な事物に触れ、人と接しコミュニケートすることは、人が人として生存する上で決定的重要性を有する、居住、移転の自由は、これに不可欠の前提というべきものである。
 高齢者、障害者等の移動を制約する社会的障壁を取り除き、自由で安全に移動できる社会を築くことは、憲法の要請であり、基本的人権の問題であると言うべきではありませんか。
 鉄道駅などでエレベーターやエスカレーターの設置が進められてきました。しかし、内閣府の調査では、鉄道駅のバリアフリー化が進んだという回答は三七・一%にとどまります。車椅子を使うある方に伺いますと、町に出ても多目的トイレが少なく、結局は駅まで戻るしかない、しかも汚くていらいらすると言います。コンサートで一番前の席を購入できたのに、会場に行ってみると、車椅子スペースは一番後ろや端の方にしかなく、舞台が見えにくい。
 こうした現状をどう認識していますか。高齢化が一層進み、バリアフリー化のニーズも多様化をする中で、一定程度進展したと満足するのではなく、小規模施設を含めた建築物のバリアフリー化や複数ルートの確保など、一層の拡充が求められると考えますが、御答弁ください。
 更なるバリアフリー化は、事業者任せでは進みません。移動の自由を明記してこそ、国や自治体の義務が明らかになり、財源を確保すべきことも明確になります。この立場が示されない下で、本法案には二つの懸念があります。
 第一に、国民の責務に新たな文言を追加し、利用者に対し、高齢者や障害者の移動に必要な協力を行う努力義務を課していることです。
 一人一人が自発的に協力することに異存はありません。しかし、バリアフリー化に本来責任を負うのは、交通事業者や施設管理者、国や自治体です。声掛けなどを心のバリアフリーと呼び、国民の責務として法律に書き込むことは、事業者や国の責任を曖昧にするものではありませんか。
 第二に、交通事業者や施設管理者の果たすべき義務、特に既存の施設や設備のバリアフリー化が努力義務のままとされている点です。
 赤字を理由に、地方の鉄道、バスで廃止や撤退が続いています。列車のワンマン化、駅の無人化が進められ、駅の段差解消も遅れています。中小事業者のバリアフリー経費への財政的補助など、支援を抜本的に強めるべきではありませんか。
 政府は、バリアフリー化のために、運賃の上乗せなど利用者負担を求める議論を進めています。しかし、それでは、地方の赤字路線などで運賃の更なる値上げをもたらし、ますます利用しづらくなりかねません。バリアフリー化の費用は、事業者と国や自治体による補助を原則とし、利用者負担に求めるべきではないと考えます。答弁を求めます。
 鉄道ホームからの転落事故が後を絶ちません。視覚障害者の方からは、欄干のない橋を目隠しをして歩いているようなものだという声が寄せられます。転落件数は年間三千件近くに上り、悲惨な死亡事故も相次ぐ中、安全対策は緊急の課題です。
 ところが、転落防止に有効なホームドアが設置されたのは、全国約九千五百駅のうち六百八十六駅、一日十万人以上が利用する駅でも約三割にとどまっています。政府は二〇二〇年度までに八百駅でのホームドア設置を目標としていますが、利用者や障害者の要望があり、必要とされる駅には直ちに設置すべきではありませんか。
 そもそも、駅ホームからの転落防止は、生命の危険に関わる問題です。サービスの一環として鉄道事業者任せにするのではなく、安全対策としてホームドアの設置を義務付けるべきではありませんか。同時に、ホームドアが整備されるまでの間は、ホームに要員を配置するなど、人の目による対策を求めるべきです。
 以上、石井国交大臣の答弁を求めます。
 憲法と障害者権利条約の理念を地域の隅々に広げ、誰もが安全で安心できる社会の実現を目指すべきことを強調し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(石井啓一君) 山添議員にお答えをいたします。
 森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
 報道されております、見積額を当初から約八億円とすることが前提とされていたという点等につきましては、私からの指示に基づき調査を進めているところであります。
 現在、大臣官房の立会いの下、本省航空局によって、当時、本件見積作業に関わったと考えられる大阪航空局の職員を中心に聞き取りなどを行っているところであります。調査結果につきましては、できるだけ早期に御説明したいと考えております。
 移動の自由の保障についてお尋ねがありました。
 移動の自由の保障、すなわち移動権を法律上規定することにつきましては、平成十九年の障害者権利条約の署名や平成二十三年の障害者基本法の改正などと時期を同じくして平成二十五年に交通政策基本法が制定された際、関係審議会において議論が行われたところであります。
 この際には、保障する権利の内容や保障する責務を有する主体、権利を保障する仕組みや財源の確保について、実定法上の権利として規定できるだけの国民のコンセンサスが得られているとは言えないとして、移動権を法定化することは時期尚早とされたところであります。こうした状況は、現在においてもなお変わっていないと考えております。
 高齢者、障害者等の移動の自由と基本的人権の関係についてお尋ねがありました。
 バリアフリー法の依拠する考え方は、遡れば、憲法の基本的人権に関する規定、例えば、第十三条の個人の尊重、第十四条の法の下の平等といった規定、さらには、移動によって行動が自由に円滑になることにより実現できる自分自身の発揮などを考えれば第二十一条の表現の自由などの規定にも根差しているものと考えており、その考え方は従来より変わりがございません。
 今般の改正におきましては、基本理念の規定を設け、社会的障壁の除去等に資することを旨といたしまして、バリアフリーの取組を進めるべきことを明文化しているところであります。
 建築物等のバリアフリー化の推進についてお尋ねがありました。
 バリアフリー化につきましては、これまでの取組により、旅客施設や道路、公園等において一定程度進展してきていると認識をしております。
 多機能トイレにつきましては、多くの方が利用するため車椅子使用者が利用できない等の意見があったところであります。このため、多機能トイレの機能分散を図ることとし、建築物については昨年三月にバリアフリー設計のガイドラインを改正をし、公共交通機関につきましては本年三月に交通バリアフリー基準等を改正をいたしました。
 コンサート会場等の車椅子スペースにつきましては、車椅子使用者用の客席の配置や視野の確保等に関する留意点をまとめたバリアフリー設計のガイドラインを平成二十七年七月に公表したところでありまして、その普及を図ってまいります。
 また、バリアフリールートにつきましては、交通バリアフリー基準等の改正によりまして、大規模駅において複数ルートの確保を義務付けることとしたところであります。
 本法案における国及び事業者の責任についてお尋ねがありました。
 現行法においては、国の責務といたしまして、移動等円滑化について関係者と協力して適切に促進する責務や国民の理解と協力を求める責務を規定をしております。
 本法案では、関係者の参画の下で、定期的にバリアフリー化の状況を把握の上、評価する会議を設置することとし、その評価等を踏まえ、適切に検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを国の責務規定に定めたところであります。
 また、公共交通事業者等につきましては、基準適合義務に加え、本法案では、乗降等の支援を適切に行う努力義務を新たに課すとともに、ハード、ソフト対策を一体的に推進するための新たな計画の作成等を義務付けることとしております。
 したがいまして、国や事業者の責任を曖昧にするとの御指摘は当たらないものと考えております。
 中小企業者のバリアフリー化への支援についてお尋ねがありました。
 公共交通のバリアフリー化を推進するために、公共交通事業者等への補助制度によりまして、鉄道駅のバリアフリー化、ノンステップバスの導入等への支援を行っております。
 これらの支援は、中小事業者か否かという観点ではなく、利用の実態を踏まえ、バリアフリー化設備等の整備を進めるという観点で行っているものであります。
 引き続き、このような考え方の下、公共交通事業者等によるバリアフリー化の取組を推進するため、必要な支援に努めてまいります。
 バリアフリー化の費用負担についてお尋ねがありました。
 鉄道駅のバリアフリー化は着実に進捗をしておりますが、利用者ニーズの高度化等を受け、複数のバリアフリールートの確保等、より高い水準のバリアフリー化が求められております。
 こうした施設整備は必ずしも収益につながらないため、これを迅速、確実に行えるよう、有識者等から成る検討会を設置をし、新たな費用負担の在り方を検討してまいりました。
 この検討会の中間取りまとめでは、従前の補助制度に加え、利用者に一定の負担を求める仕組みの検討が必要とされた一方で、利用者等に幅広く意見聴取を行うとともに、技術的な課題等についても検討することが必要とされました。
 今後は、中間取りまとめにおける指摘事項や利用者等の関係者の意見を十分に踏まえつつ、更に検討を深めてまいります。
 ホームドアの設置等についてお尋ねがありました。
 ホームドアは、利用者数十万人以上の駅を優先して整備をしておりますが、それ以外の駅につきましても、転落事故の発生状況や障害者、高齢者の利用状況等を勘案の上、必要に応じて整備を行っております。
 また、設置義務付けに関しましては、乗降口の位置が一定等の条件を満たす場合は、本法律に基づき、駅の新設又は大規模改良を行う際に整備を義務付けております。
 一方、ホームドアが未設置の駅において駅員等が果たす役割は重要であり、各駅の利用実態等に鑑み、必要に応じて配置を見直すことを含め、指導を行ってまいります。
 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じまして、ハード、ソフト両面における総合的な転落防止対策を着実に進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(麻生太郎君) 山添議員から、セクハラ問題及び森友学園問題について計四問お尋ねがあっております。
 まず、セクハラ問題に関する私の言動についてのお尋ねがありました。
 私の発言の一部が切り取られてクローズアップされ、報道に取り上げられている現状は、誠に残念であります。
 私自身、セクハラは被害女性の尊厳や人権を侵害する行為であって決して許されるものではないと考えておりまして、被害女性を傷つけるとか加害者を擁護するという意図は全くありません。
 また、四月十九日に局長クラスを大臣室に呼び、セクハラやパワハラは決して許されないことなどを改めて申し渡したところでもあります。
 今後、セクハラ、パワハラは許さない組織文化を徹底し、信頼回復に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、文書の書換え問題に関する私の認識についてのお尋ねがありました。
 決裁を経た行政文書を書き換えるというようなことは極めてゆゆしきことであって、誠に遺憾であって、深くおわびを申し上げねばならないということは度々申し上げているとおりであります。
 その上で、議員御指摘の私の発言は、財務省において今回のような問題が全省的かつ日常的に行われていたわけではないということ、今回の件につきましては、現在進めている調査の結果を踏まえ、書換えに関与した職員に対し厳正な処分を行っていく必要があること、その上で、個々の職員の手による問題が生じないよう、財務省の組織として再発防止を取り組んでいくべきことといった問題意識から申し上げたものであり、問題を矮小化するといったような意図は全くありません。
 次に、財務省と森友学園との交渉記録に関する報道についてお尋ねがありました。
 森友学園への国有地売却につきましては、財務省として決裁文書の書換えに関して調査を進めているところであります。
 森友学園との交渉につきましては、これまでも記録が残っているのではないかという様々な報道があり、まずは書換えについての調査を優先しつつ、交渉記録についても調査をしてまいりたいと考えております。
 最後に、近畿財務局から大阪航空局に対して、地下埋設物の積算書を増やすよう依頼していたとの報道についてのお尋ねがあっております。
 議員御指摘の報道につきましては、事実関係について調査を進めているところであります。進行中の捜査にも留意をいたしつつ、できる限り速やかに報告できるよう努力をしてまいります。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(伊達忠一君) 室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
#29
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 急速な高齢化とグローバル化が進展する現代にあって、共生社会の実現を目指し、国、地方自治体だけでなく、民間事業者や国民等が一体となった取組が求められています。今回の法改正は、ユニバーサル社会の実現と社会的障壁の改善に焦点を置くものであり、政府において積極的な取組が進められることに期待が掛かります。
 まず、バリアフリーの考え方について質問をいたします。
 公共交通機関におけるバリアフリー化が年々進んでいるほか、貸切りバスや遊覧船等についてもバリアフリー基準適合が求められるなど、移動のバリアフリー化が推進されていることに一定の評価をしています。
 高齢者、障害者、子育て世代など、全ての人々が安心して生活、移動できる環境の実現が改正法の目標とされていますが、従来の基準適合の対象拡大だけでなく、子育て世代を支援するための視点やグローバルな視点についても考慮した取組が必要と考えております。
 バリアフリーについて、ハード整備等にとどまらず、社会情勢の変化に応じ、バリアフリーで捉えるべき新しい理念を社会に浸透させることも必要ではないでしょうか。石井国交大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、観光立国実現を目指し、観光地エリア全体の面的なバリアフリーを推進する取組が進められていますが、今回の法改正において、観光庁の具体的施策にどう連携させ、取組の効果を高めていくのでしょうか。石井国交大臣、お答えください。
 次に、障害分類とバリアフリーについて質問いたします。
 世界保健機構、WHOでは、障害とは、機能障害、活動制限、参加制約の包括用語と位置付けています。WHOにおいて採用される障害分類として、国際生活機能分類、ICFという概念があります。これは、生活機能と障害について、心身機能・身体構造、活動、参加の三つの次元及び環境因子等の影響を及ぼす因子で構成され、それらを用いて評価を行うものです。
 我が国においては、ICFの普及を厚生労働省が中心となり推進しているところです。バリアフリー化に係る取組の視点を物理的、定量的に捉えるだけでなく、ICFの概念を用いた社会システムの在り方の検討やバリアフリーの環境整備の評価が必要ではないでしょうか。石井国交大臣及び加藤厚労大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、公共交通機関におけるバリアフリー化の地域格差についてお伺いいたします。
 一日当たりの平均的な利用者数が三千人以上の全ての旅客施設における平成二十八年度末のバリアフリー化の整備状況を見ますと、段差の解消、視覚障害者用誘導ブロックの設置、障害者用トイレの設置、いずれもが八〇%あるいは九〇%を超え、ハード面の整備は順調に進んでいます。諸外国と比べ、日本の都市ほどバリアフリー化が進んでいる国はないとも言われていますが、ハード、ソフト一体的な取組が非常に重要であり、基本理念に心のバリアフリーが規定されていることを評価しております。
 地域によってはバリアフリー化の進捗にばらつきが見られる現状である中、国等の責務として、都市部と地域と、バリアフリー格差の解消に向けてどのような目標を設定し、具体的な取組をどう進めていくのか、石井国交大臣、お答えください。
 過疎化や少子高齢化の進行に伴い、地域における公共交通機関の維持確保が困難な状況である中、ライドシェアや自動運転の実証実験等が進められています。移動の円滑化を促進する上で、交通の不便な地域における移動手段の確保についても、新しい技術の導入を進め、更なる規制緩和や関連法制の整備等をスピードアップして取り組んでいく必要があると考えます。
 今回の法改正において、こうした課題についてはどのように位置付け、課題解決に取り組むのでしょうか。石井国交大臣、お答えください。
 また、本改正法においては、国民の責務として、公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援等が重視されていますが、移動の権利については、石井国交大臣、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、公共交通事業者等による計画等の策定について質問をいたします。
 事業者がハード、ソフト計画を作成、取組状況の報告、公表を行う制度が創設されます。事業主体の経営規模や路線事情が異なる中、計画策定を義務付けることは大きな負担にもなりかねません。負担に対してどの程度の効果が期待できると見込まれているのでしょうか。石井国交大臣、お答えください。
 避難所になる施設のバリアフリー化について質問をいたします。
 東日本大震災や熊本大地震において避難所とされた学校などでは、段差解消の対策がなされておらず、車椅子利用者を始め高齢者、障害者等が不便を強いられました。
 バリアフリー法では、一般の学校はバリアフリー基準の適合義務がないために、バリアフリー化されているとは限りません。しかし、近年、集中豪雨や大型台風等、激甚化する自然災害による被害が増え、また、南海トラフ地震や首都直下型地震などの大規模自然災害が想定されています。自然災害時には高齢者や障害者などの弱者にしわ寄せが来ます。災害に備えて、避難所になる学校などの施設においてはバリアフリー化を進めるべきではないでしょうか。
 災害時に避難所となる学校などの施設をバリアフリー基準の適合義務の対象とすることについてどのようにお考えでしょうか。石井国交大臣、お答えください。
 高齢者、障害者等が施設を利用するために必要となる情報の提供について質問をいたします。
 本法案では、新設特定道路、新設特定路外駐車場、新設特定公園施設、新築特別特定建築物について、高齢者、障害者等に対し、円滑に利用するために必要な情報を適切に提供するよう努めなくてはならないとしています。しかし、新設に限定していては、現状の不便さは改善されません。社会のバリアフリー化を進めるのであれば、既存の施設の利用についての改善が盛り込まれるべきであると考えます。
 道路管理者、路外駐車場管理者等に課される情報提供に関わる努力義務を新設の施設に限定している理由について、石井国交大臣、お答え願います。
 高齢化が進展し、二〇二五年問題となっている課題の解決を図るため、日本が、社会のバリアフリー化を先進的に取り組み、世界に範を示すことができる、まさに二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックがそのような場となるよう、日本維新の会は国会審議を通じ努力していくことをお約束して、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(石井啓一君) 室井議員にお答えをいたします。
 バリアフリーの新しい理念についてお尋ねがありました。
 今回の法改正におきましては、障害者権利条約の締結等のグローバルな視点も踏まえ、共生社会の実現や社会的障壁の除去を基本理念として定めることとしております。
 また、子育て世代については、ベビーカーの安全な使用や周囲への理解、配慮を求めるベビーカーキャンペーンなど、心のバリアフリーの取組を進めております。
 社会経済情勢の変化に応じ、バリアフリーに関する新たな視点について社会に対する啓発等を行うことは重要な取組であると考えております。
 観光庁の具体的施策との連携等についてお尋ねがありました。
 観光庁では、観光地のバリアフリー化に向けて、宿泊施設における客室や共用部のバリアフリー化の支援や、リフト付きバス、ユニバーサルデザインタクシーの導入等、公共交通事業者等に対する様々な支援を行っております。
 一方、今回の法改正によりまして、市町村によるマスタープラン制度の創設による地域における面的な取組の促進、貸切りバス等の適用対象の拡大、公共交通事業者等によるハード、ソフト一体的な取組の推進等を行うこととしております。
 こうした施策に基づく事業者の取組につきまして、観光庁の様々な支援を的確に活用することによりまして、観光地の一層のバリアフリー化につながるものと考えております。
 ICFの概念を用いたバリアフリー施策の推進についてお尋ねがありました。
 御指摘のICFは、世界保健機関が作成する国際統計分類であり、厚生労働省においては、その視点を踏まえながら、障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向けた取組が進められているものと承知をしております。
 今回の改正におきましては、共生社会の実現等を新たに基本理念として規定をし、その理念の下で全国のバリアフリー施策を一層推進することとしております。
 国土交通省といたしましては、厚生労働省が中心となって推進をしておりますICFの普及について、その取組を見守ってまいりたいと考えております。
 バリアフリー化の地域格差についてお尋ねがありました。
 高齢者、障害者等を含む全ての人が住みよいまちづくりを進める上で、都市のみならず地方におけるバリアフリーを推進していくことは大変重要であると認識をしております。
 利用者数三千人以上の駅における段差の解消等を二〇二〇年度までに原則として全ての駅で実現することを目標としており、まずはこの目標の実現に全力で取り組んでまいります。
 一方、それ以外の駅につきましても、地域の実情に鑑み、利用の実態等を踏まえてバリアフリー化を進めることを基本方針として取り組んでおります。
 今後、二〇二一年度以降のバリアフリーの整備の目標について検討してまいる考えでありまして、その際には、都市部、地方部それぞれにおける課題等に適切に対応することとし、小規模な駅などのバリアフリー化につきましても、ハード、ソフト両面からしっかりと検討してまいります。
 交通不便地域における移動の円滑化についてお尋ねがありました。
 交通の不便な地域における公共交通機関の確保につきましては、高齢者、障害者等に限らず、地域住民全体の問題として課題に取り組んでいく必要があると考えております。
 その際、自動運転やICTを活用した乗り合いタクシーの配車システムなどの新しい技術の活用や自家用有償旅客運送の導入円滑化を図ること等により、地域における円滑な移動の確保が期待をされているところであります。
 今後、国土交通省といたしましては、今回の法改正によるバリアフリー化の一層の推進と併せて、こうした新たな取組について、実証実験の実施や導入支援を行うなど、積極的に推進をしてまいります。
 移動の権利についてお尋ねがありました。
 移動権を法律上規定することにつきましては、平成十九年の障害者権利条約の署名や平成二十三年の障害者基本法の改正などと時期を同じくして平成二十五年に交通政策基本法が制定された際、関係審議会において議論が行われたところであります。
 この際には、保障する権利の内容や保障する責務を有する主体、権利を保障する仕組みや財源の確保について、実定法上の権利として規定できるだけの国民のコンセンサスが得られているとは言えないとして、移動権を法定化することは時期尚早とされたところであります。こうした状況は、現在においてもなお変わっていないと考えております。
 公共交通事業者等に計画策定を義務付けることの負担と効果についてお尋ねがありました。
 今回創設をいたします計画制度におきまして、計画作成等の対象事業者は、旅客が相当数であること等の要件に該当する事業者に限定をし、零細な事業者にとって過度な負担とならないように配慮しつつも、実効性の上がる制度とすることとしております。
 この制度によりまして、公共交通事業者等は、新設のみならず既設施設等も対象として、ハード面とソフト面の取組が一体となった計画を作成し、それを公表することとなります。これにより、各事業者のバリアフリーの取組が促進され、バリアフリーの水準の向上が期待できるものと考えております。
 災害時に避難所となる学校などの施設のバリアフリー化についてお尋ねがありました。
 避難所は、地方公共団体が作成する地域防災計画において、施設の建築後に指定することが一般的であり、建築時に基準適合義務を課す規制にはなじみにくい側面があります。また、学校には、私立や公立、幼稚園から大学や専門学校まで様々なものがあり、全ての学校が避難所として使用されるとは限られない面もあります。
 このため、避難所となる学校などの全ての施設について、全国一律にバリアフリー基準への適合を義務付けるのではなく、地域の実情に応じて条例により対応することが適当と考えております。
 引き続き、地域の実情を踏まえた条例を制定することを地方公共団体に働きかけてまいります。
 情報提供努力義務の対象となる施設についてお尋ねがありました。
 ハード面の基準適合義務が課されている施設は、利用者にとって一定の水準が確保されているものであることが明らかであることから、今回の改正では、これを対象として情報提供の努力義務を課すこととしております。
 したがって、この適合義務の課されない既存の施設についてはその対象から除かれておりますが、市町村がバリアフリーマップを作成する際には、市町村の求めに応じて既存のものを含め情報提供の義務等が課されることとなることから、これによる市町村の情報提供を促進してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(加藤勝信君) 室井邦彦議員より、ICFの概念を用いた施策の推進についてのお尋ねがありました。
 ICFは、人間が生きている状態そのものを生活機能と捉え、あらゆる健康状態に関係した生活機能からその人を取り巻く社会制度や社会資源までを分類し、記述、表現しようとする世界保健機関、WHOが作成する国際統計分類であり、現在、厚生労働省では、このICFの考え方を尊重しながら障害福祉施策を進めております。
 例えば、相談支援専門員が障害福祉サービスの利用計画を作成する際に、ICFの視点を基に、御本人の実際の活動や社会参加の状況、地域で活用可能な支援などの環境といった側面を考慮し、支援していくことを促進をしております。
 また、一昨年四月に施行されました障害者差別解消法における合理的配慮の取組や心のバリアフリーの推進により、障害のある方の社会参加を進めているところであります。
 引き続き、シンポジウムの開催などを通じてICFの普及啓発に努めるとともに、ICFの視点を踏まえながら、障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に取り組んでまいります。(拍手)
#32
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#33
○議長(伊達忠一君) 日程第一 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長岩井茂樹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岩井茂樹君登壇、拍手〕
#34
○岩井茂樹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、農地の利用の効率化及び高度化の促進を図るため、共有者の一部が不明な農地について、農地中間管理機構に二十年以内の賃借権等を設定することができることとするほか、床面がコンクリート等で覆われた農作物栽培高度化施設を農地に設置しても農地転用に当たらないこととする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、農作物栽培高度化施設の適正管理と責任の所在、共有者が不明の農地における不確知共有者の探索の方法、本法律案の決定過程の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会を代表して徳永委員より反対、日本共産党を代表して紙理事より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            百九十一  
  反対             四十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#38
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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