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2018/05/18 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第20号
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2018/05/18 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第20号

#1
第196回国会 本会議 第20号
平成三十年五月十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十号
  平成三十年五月十八日
   午前十時開議
 第一 税源浸食及び利益移転を防止するための
  租税条約関連措置を実施するための多数国間
  条約の締結について承認を求めるの件(衆議
  院送付)
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の除
  去並びに脱税及び租税回避の防止のための日
  本国とデンマーク王国との間の条約の締結に
  ついて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 所得に対する租税に関する二重課税の除
  去並びに脱税及び租税回避の防止のための日
  本国とアイスランドとの間の条約の締結につ
  いて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第四 医療法及び医師法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第五 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員
  共済組合制度の統合を図るための農林漁業団
  体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第六 商法及び国際海上物品運送法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 著作権法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第八 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促
  進に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、生活困窮者等の自立を促進するための生活
  困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。厚生労働大臣加藤勝信君。
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。
 こうした状況を踏まえ、生活保護に至る前の段階における支援を含め、生活に困窮する方等の一層の自立の促進を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、生活困窮者自立支援制度における自立支援を強化します。
 具体的には、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化を図るため、福祉事務所設置自治体による就労準備支援事業や家計改善支援事業の実施を努力義務とするとともに、福祉事務所設置自治体の各部局が生活困窮者を把握したときは、自立相談支援事業等の利用勧奨を行うよう努めることとします。また、生活困窮世帯の子どもの学習支援事業において、生活習慣や育成環境の改善に関する助言等を行うとともに、一時生活支援事業において、その事業を利用していた方や居住に困難を抱える方であって地域社会から孤立している方に対し、訪問等による日常生活支援を行うことにより、これらの事業の強化を図ります。
 第二に、生活保護制度における自立支援の強化と制度の適正な運営の確保を図ります。
 具体的には、生活保護世帯の子供の貧困の連鎖を断ち切るため、大学等への進学の際に進学準備給付金を支給するとともに、健康管理支援事業を創設し、データに基づいた生活習慣病の予防など、生活保護受給者の健康管理支援の取組を推進します。また、医療扶助について、医師等が医学的知見から後発医薬品の使用を問題ないと判断する場合、その使用を原則化します。
 加えて、一定の要件に該当する無料低額宿泊所等において、単独での居住が困難な生活保護受給者に対する日常生活支援を行う仕組みを創設するとともに、無料低額宿泊所の最低基準を設けること等により、貧困ビジネス対策を強化します。
 第三に、一人親家庭の生活の安定と自立の促進を図るため、児童扶養手当の支払回数を年三回から年六回に増加します。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年十月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。馬場成志君。
   〔馬場成志君登壇、拍手〕
#7
○馬場成志君 自由民主党の馬場成志です。
 私は、自由民主党・こころを代表し、ただいま議題となりました生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について、加藤厚生労働大臣に質問いたします。
 生活困窮者自立支援法が創設された平成二十五年は、バブル経済の崩壊以降、デフレからの脱却がなかなか実現できない上に、リーマン・ショックの影響も加わり、雇用や所得が厳しい状況にありました。同時に、少子高齢化の進行や、単身世帯、一人親世帯の増加などの世帯構造の変化、家族、職場、地域社会におけるつながりの希薄化が進み、貧困の世代間連鎖といった問題も深刻化していました。
 そこで、最後のセーフティーネットである生活保護制度の手前で、第二のセーフティーネットの充実強化を図ることを目的として、制度のはざまに置かれてきた生活保護受給者以外の生活困窮者に対する支援を強化するために創設されたのが、生活困窮者自立支援制度であります。
 現在、アベノミクスによる経済・雇用環境の改善などを背景に、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、高齢の生活保護受給者や引きこもり状態にある方々への支援など、困窮者支援へのニーズは多様化しつつあると言われております。
 そのような中、政府は、今回、五年ぶりに生活困窮者自立支援法を改正するわけですが、その背景として、生活困窮者を取り巻く昨今の経済状況や社会状況をどのように捉えているのでしょうか。また、なぜ法を改正しなければならないという決断に至ったのでしょうか。まずこの点をお伺いします。
 生活困窮者の方々は、心身の状況の低下、借金、家庭、人間関係の問題など、多様で複合的な課題を抱えています。また、地域から孤立している場合も多く、支援が必要な人ほど自らSOSを発することができないという状況に陥っていることも少なくありません。
 生活困窮者自立支援法では、生活困窮者それぞれの事情と状況に応じた支援プランを策定し、日常生活での自立、社会参加、そして就労まで、様々な行政分野に携わる関係者が密に協力しながら支援を進めていくことを求めてまいりました。
 法施行から三年が経過し、地域によっては、生活困窮者からの声を待つのではなく、各関係者が情報を共有して積極的な早期把握等に努めるといったレベルにまで達しております。
 一方、各関係者は行政分野ごとに分かれていることから、それぞれの分野の中で取組が閉じてしまいがちで、就労支援や家計再建支援などの施策を包括的に展開し、第二のセーフティーネットの充実強化を図るという法の趣旨が浸透していないという声がいまだにあります。また、地方自治体では、事業の実施状況にばらつきがある、小さい自治体ほど事業の実施ができていない、事業を委託できる適切な事業者が少ないなどといった懸念があります。
 実際に施策を実行に移す現場がうまく回らなくては、どんなに良い政策であっても絵に描いた餅となってしまいます。
 そこで、生活困窮者への包括的な支援体制の実現のために、現在の実施状況を踏まえてどのような工夫を講ずることにしているのか、特に、現場でうまく施策が回るようにどのような工夫を講ずることとしているのかという点についてお尋ねをします。
 近年、安定した仕事に就けない現役世代が親の年金に依存する形で同居し、さらにその子供が貧困に陥るなど、世帯の中で高齢者、現役世代、子供の困窮が連鎖するような例も見られます。こうした状況を受けて、貧困の連鎖を断ち切るためには、窓口を訪れる一人一人への支援だけではなく、生活に困窮している世帯の子供たちへの対応を強めることも大切であります。
 考え得る対応の一つとして、生活保護世帯の子供たちの大学進学に向けた実質的な支援があります。大学進学に必要な経費は入学金や授業料だけではありません。自宅通学が難しい大学への進学には住宅費が掛かります。専門書にもお金が掛かるからです。
 また、生活困窮世帯の子供たちの中には、自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情、いわゆる自尊感情や、他人と良い関係を築き、社会に適応するために必要なソーシャルスキルなどで課題を抱えている場合も少なくありません。
 今回の法改正により、生活保護世帯や生活困窮世帯の子供たちの学習や生活を支えるために、実態に対して十分目を配った上で考えられた措置が組み込まれるものと期待をしておるところであります。
 そこで、文部科学省との緊密な連携も通じた教育支援、学習支援の充実により、貧困を連鎖させないための決意と具体的な取組についてお尋ねします。
 生活保護受給者の生活習慣病の罹患状況は、医療保険加入者よりその割合は高くなっている一方、健診受診率は約一〇%にとどまっています。健診を受けていないので健診データがそもそもない、健診を受けていても健診データ等が集約されていないことから、生活習慣病の予防や重症化予防の取組が十分に実施できていないことが要因ではないかと考えられます。
 また、経済的な暮らし向きにゆとりがない家庭の子供は、適切な食習慣や運動習慣、生活習慣の確立がされておらず、虫歯や肥満など健康への影響が出ていることが指摘されています。貧困の連鎖が健康面にも悪い影響を与えている側面は否定できません。
 一方、生活保護受給者については、生活習慣病の罹患状況が公的医療保険加入者よりその割合は高くなっていること、入院医療費に占める精神、行動の障害が多いこと、頻回受診者も存在することなど、様々問題があります。
 医療扶助費は、生活保護費全体の約五割の約一・八兆円を占め、生活保護受給者の高齢化等に伴い、増加傾向にあります。医療扶助費の適正化の観点から、後発医薬品の原則化に加えて、生活習慣病の予防等も重要であります。
 そこで、本改正案により、どのように生活保護の受給者の生活習慣病の罹患状況を改善していくのか、さらに、生活保護受給者の皆さんの健康を守ると同時に、医療扶助費を適正化するためにどのような改善策を講ずるつもりなのかという点についてお尋ねをいたします。
 本年一月末、北海道札幌市において、自立支援を掲げる共同住宅で火災が発生し、十一人が犠牲になりました。高齢者や生活困窮者の受皿となっている施設には、老朽化した木造家屋も多く、スプリンクラーも整備されていないなど、防火対策が万全でないと言われております。
 いわゆる無料低額宿泊所は第二種社会福祉事業に当たり、開始日から一か月以内に都道府県等に届け出ることで事業が実施されますが、届出がなく、事実上、無料低額宿泊所として利用されている場合となると、市区町村による安全の確認も難しくなります。しかも、無届け施設の中には、著しく狭く、設備も十分でないのに、サービスに見合わない利用料を徴収するような問題あるケースも見られております。
 そこで、無料低額宿泊所の事前届出、最低基準の整備、改善命令の創設等の規制強化や、事前届出の徹底としっかりとした指導監督を行うことに加えて、居住空間の質や安全性の高さ、施設において行う生活支援の内容に応じた公的な支援を行うことが重要であります。
 今回の改正法案において、無料低額宿泊事業の安全性を実質的に改善していくためにどのような措置を講じるのか、大臣のお考えはいかがでしょうか。この点をお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(加藤勝信君) 馬場成志議員より、五問質問をいただきました。
 生活困窮者を取り巻く経済状況等の認識や法の改正趣旨についてお尋ねがありました。
 雇用環境を大きく改善する一方、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化などの状況の変化が見られ、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。
 こうした状況や法律の施行三年後を目途とした検討規定に基づき、法律の施行状況等を踏まえた検討を行った結果、自立相談、就労準備、家計改善に関する支援の一体的な実施の促進などを通じて、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化を図るため、本法案を提出することとしたものであります。
 生活困窮者への包括的な支援体制についてお尋ねがありました。
 本法案では、自立相談支援事業として、就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的実施の推進を図ることとしており、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施の努力義務化や指針の策定、自立相談支援事業に加え、両事業が一体的に行われている場合の家計改善支援事業の補助率の引上げなどの措置を講ずることとしています。
 あわせて、現場の自治体でこれらの事業に取り組みやすくなるよう、複数自治体による広域的実施など、事業実施上の工夫を図るとともに、都道府県による支援体制の構築などを行うこととしています。
 こうした方策により、自治体の実情に留意しながら、今後三年間を集中実施期間として包括的な支援体制を構築してまいります。
 貧困の連鎖の防止についてお尋ねがありました。
 本法案では、生活保護世帯の子供に対する支援として、大学等への進学準備のための一時金を創設するとともに、運用で本年四月から、自宅から大学等に通学する場合に住宅扶助費の減額を取りやめたところであります。
 また、新しい経済政策パッケージにおいては、給付型奨学金の支給額を大幅に増やすことも含めて、高等教育の無償化の取組を実現するとされており、文部科学省とも連携して、生活保護世帯の子供の大学等への進学支援に取り組んでまいります。
 このほか、本法案においては、子供の学習支援事業について、生活習慣、環境の改善や進路選択に関する支援を加えるとともに、教育部門における学習支援との連携をより一層進めることとしております。
 これらの支援施策などを通じ、生活保護世帯や生活困窮世帯の子供たちも含め、全ての子供たちが希望する進路に進むことができるようにしてまいります。
 生活保護受給者の健康の保持増進と医療扶助の適正化についてお尋ねがありました。
 生活保護受給者の多くは何らかの疾病により医療機関を受診しており、いわゆるメタボリックシンドロームなど、健康上の課題を抱える者が多いことから、その特性に応じて健康の保持増進を図る取組を進めることが重要であります。
 このため、今般の改正法案では、生活習慣病の予防や重症化予防を推進する健康管理支援事業を創設し、治療中断者などに医療機関の受診を促したり、健康な生活習慣に向けた支援などを行うこととしております。
 また、後発医薬品の使用促進については、使用割合は上昇しているものの、近年、伸び率は鈍化をしております。このため、後発医薬品の使用を更に進めるため、医師等が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認める場合に、原則として後発医薬品を給付することとしております。
 加えて、頻回受診対策についても、今年度から、福祉事務所の指導員が頻回受診者の受診に付き添うことで、医師による病状の聴取や治療方針の説明などを受給者とともに受け、医師と連携しながら適正受診指導などを行う事業を行うこととしております。
 これらの取組を通じて、生活保護受給者の健康の保持増進に努めるとともに、必要な医療の給付を確保しつつ、医療扶助の適正化に取り組んでまいります。
 無料低額宿泊事業についてお尋ねがありました。
 無料低額宿泊所の制度見直しに当たっては、規制の強化と、単独での居住が困難な生活保護受給者を支える事業者に対する支援の充実の両面から対応することが重要と考えております。
 このため、今回の法案では、規制の強化として、事前の届出の義務付け、法律に根拠のある最低基準の創設、改善命令の創設を行うこととしております。
 さらに、単独での居住が困難な生活保護受給者への日常生活上の支援については、福祉事務所が一定の要件を満たす良質な無料低額宿泊所等に委託できる仕組みを創設することとしています。
 これらの取組を進めることにより、無料低額宿泊事業の質の向上を図り、生活困窮者が安心して生活できる場所づくりを推進してまいります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(伊達忠一君) 伊藤孝江君。
   〔伊藤孝江君登壇、拍手〕
#10
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について、加藤厚生労働大臣に質問をいたします。
 生活困窮者等自立支援法の施行により、様々な課題を抱える生活困窮者に対して新たな支援体制が構築されました。
 この二年の間に四十五万人の新規相談を受けるなど、生活困窮の深刻化への予防効果は着実に現れています。一方で、高齢の生活保護世帯が増加傾向にある中で、高齢化や単身世帯の増加が進んでいることからすると、生活保護世帯ないしは経済的に困窮する世帯が増えていくと見られます。まだ適切な支援を受けることができていない生活困窮者も多数存在すると思われます。特に、生活保護を受けずに生活保護以下の生活をしている人々に対しては、より積極的かつ迅速に適切な支援を行うべきと考えます。
 これらの生活困窮者ないしは生活困窮に陥るおそれのある人が相談に来るのを待っているだけではなく、支援を必要とする者に積極的に支援を届けることが必要だと考えますが、大臣の御所見を伺います。
 本法案には、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化として、都道府県等に対し、就労準備支援事業と家計改善支援事業を実施することを努力義務化することが盛り込まれています。
 ただ、現在まで、就労準備支援事業、家計相談支援事業とも、実施率は全体で半数に満たず、一割にも満たない都道府県もあるなど、地域間格差が大きいのが現状です。そこで、本法案では、両事業が効果的かつ効率的に行われている場合には、国は、家計改善支援事業の実施に要する費用の補助率を引き上げることができるとして、両事業の推進を図ることとしています。
 ここに言う両事業が効果的かつ効率的に行われている場合というのは、どのような状況を指すのでしょうか。両事業とも、取り組めば即効果が現れるものでもありませんし、自治体の財政的事情で事業への取組が左右されることのないよう、積極的に実施する自治体に対しては、効果を問わずに国は更なる支援を行うべきと考えますが、大臣の御見解を伺います。
 生活困窮者の自立支援において、就労支援は極めて重要です。就労によって、収入面、心身の状況、地域社会との関わりなどに良い影響が生じることが期待できます。
 先日、複数の更生保護施設に伺った際も、入所者の生活再建に何よりも大切なのは就労だとお聞きをしました。
 特に、女性専用の更生保護施設では、入所者のほとんどが以前は生活保護を受給し、就労経験が全くない人も珍しくないけれども、職員が、生活習慣や人としての基本を身に付けるところから寄り添って、毎日毎日、褒めたり励ましたり、なだめたり叱ったりしながら対応する中で、就労自立できる人も多いと伺いました。仕事をすることで、感謝されてうれしい気持ちや自分への自信など、お金以上のものがたくさん得られるとおっしゃっていました。ただ、退所後も孤立させることなく支援し続けることが大切とのことです。
 引きこもりなど、直ちに一般就労することが難しい人への支援にも通じる話です。就労準備支援事業だけでなく、就労後の定着支援も併せて推進することが必要ではないでしょうか。また、将来的には必須化することが必要と考えますが、どのように実施自治体の数を一〇〇%にしようとしているのか、大臣の御所見を伺います。
 生活困窮者自立支援制度においては、必要な支援を行うに当たり、生活習慣を身に付けること、家計管理など、相談者ごとに異なる一つ一つの課題に寄り添い、粘り強く関わっていく場合が多いと思われます。日常生活に困難を抱えた人への対応は専門性を要し、従事者にとっても負担の大きい業務です。
 各支援事業に従事するには、国が行う研修を修了する必要があります。しかし、平成二十九年度における修了者数は、相談支援員養成研修は四百二十九名、就労準備支援担当者養成研修は百三十二名、家計相談支援員養成研修は百四十一名にしかすぎません。
 当面は未修了でも従事可能とはいえ、このペースで自立支援事業の実施を促進していくことが可能なのでしょうか。国は、生活困窮者自立支援制度を実施するための人材確保をどのように考えているのでしょうか。人数や配置基準など、想定している相談体制について御答弁ください。
 また、支援の質の向上を図るには、支援員の質を確保しなければなりません。支援員が相談者に寄り添い、相談者の持つ力を発揮させるお手伝いができるかどうかが自立支援の鍵になります。支援員の質をどのように向上させ、確保していくのかについて、国の取組や支援策を伺います。
 子供の貧困も深刻な問題です。貧困の連鎖を断ち切るためにも、積極的な子供の学習支援が重要であることは言うまでもありません。
 現在、子供の学習支援事業は、高校進学、中退防止の支援を行うことを主眼に置いて実施をされていますが、人格形成や学習面などへの影響が少ないうちに、早い段階で支援を行うためにも、自治体、福祉関係者、教育関係者などが連携を取る体制を構築すべきと考えます。
 困難を抱えた子供が学習支援事業に参加するには、親への関与を要する場合も少なくありません。大人に対する以上に細やかな対応をするためにも、子供の学習支援事業の強化について、大臣の御見解を伺います。
 私は、弁護士としてホームレス支援に関わってきました。当初は、自治体の巡回相談員と一緒に河川や公園、橋の下に行って、また、ホームレス自立支援センターやシェルターにも出向いて法律相談を受けてきました。
 当時からすると、法整備がなされ、対策が講じられてきたことなどから、ホームレスの数が着実に減ってきていることはうれしく思います。ただ、その分、ホームレス状態が長期化している人が残っているのではないかとも思えます。
 今後、ホームレス対策をどのように進展させていくのか、大臣の御見解を伺います。
 今、公明党は、全国三千人の議員が百万人訪問・調査運動を実施しています。地域の皆様の声をお聞きし、それを政策に生かしていく。私自身も多くの人と対話をしながら、改めて議員としての活動の根本がここにあることを感じています。
 社会全体で家族、親族のつながりが乏しくなる中にあって、家族でなくても助け合える社会をどう築くかが重要な課題です。困難を抱える人も地域で安心して生活できる、そういう社会の実現に向けた大臣の決意を伺って、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 伊藤孝江議員より、七問御質問いただきました。
 生活困窮者に対し支援を届ける必要性についてのお尋ねがありました。
 生活に困窮する方には、日々の生活に追われ気力を失い、また自尊感情の低下等により、自ら相談や申請を行うことが難しい方も少なくないため、相談に来られるのを待つのみではなく、その方に支援を積極的に届けていくことが重要であります。
 このため、本法案においては、自治体の福祉、就労、教育、税務、住宅等の関係部局において生活困窮者を把握した場合に、生活困窮者自立支援制度の利用勧奨を行う努力義務、生活困窮者支援に関わる関係者間で支援を必要とする方について情報共有を行うための支援会議の創設を行っており、これらの取組を通じて、生活困窮者に対するアウトリーチによる支援の強化を図ってまいります。
 家計改善支援事業の補助率の引上げ要件についてお尋ねがありました。
 家計改善支援事業の補助率を引き上げる場合の具体的な要件については、今後政令において定めることとなりますが、自立相談支援事業と併せて、就労準備支援事業と家計改善支援事業の両方を実施していることに加え、生活困窮者に対する個別支援計画の協議に両事業の実施者も参画することなどを要件とすることを想定をしております。
 なお、このような実施体制面の要件に加えて、補助率引上げの要件として事業の具体的な実績を勘案することは想定はしておりません。
 就労支援についてお尋ねがありました。
 生活困窮者の就労支援においては、就労につなげるための支援だけでなく、就労後の定着に向けた支援を行うことは重要と認識をしております。そのため、就労準備支援事業と連携して、自立相談支援事業において、就労支援員による就労後の定着支援を実施しております。
 また、就労準備支援事業については、実施率は約四割にとどまっているため、本法案では、事業の努力義務化や適切な推進を図るための指針の策定などを行うほか、定員要件の緩和を行うなど、自治体が取り組みやすくするとともに、都道府県による支援体制の構築などを進めることとしており、自治体の実情に留意しながら、今後三年間を集中実施期間として計画的に進め、全ての福祉事務所設置自治体で実施できることを目指してまいります。
 生活困窮者支援を担う人材の確保及び支援の質の向上についてお尋ねがありました。
 生活困窮者自立支援制度の支援事業等においては、人員配置基準や人数に関する目標は設けておりませんが、全国的な相談体制の確保を図るため、新たに、自治体に対する人員配置の努力義務を規定するとともに、人員の手薄い自治体の底上げを促すため、人員配置の状況を全国との比較で客観的に把握できる仕組みを設けることとしております。
 また、生活困窮者支援の質を向上させるため、平成二十六年度から人材養成研修を行っており、これまで累計で三千八百七十八人が研修を修了しました。特に、必須事業である自立相談支援事業については、研修修了者がいる自治体が、九百二の事業実施自治体のうち九割を超える状況になっております。
 今後、より効果的に人材の確保、育成を進めるため、基本的には研修の実施主体を都道府県に移行していくこととしており、本法案において従事者の研修を都道府県事業の一つとして位置付け、その費用に対する補助を行うこととしております。
 引き続き、人材の確保及び支援の質の向上に向けて取り組ませていただきます。
 子供の学習支援事業の強化についてお尋ねがありました。
 子供の将来が、その生まれ育った環境により左右されることのないようにすることは極めて重要であります。子供の学習支援事業については、現在でも、学習支援に加え、学校や家庭以外の居場所の提供、親を対象とした養育支援など、自治体ごとに創意工夫のある取組が行われております。
 このような自治体における実態も踏まえ、本法案では、子供の学習支援事業について、従来の学習支援に加え、子供の生活習慣、環境の改善に向けた支援、高校中退の子供等の進路選択に関する相談支援等、事業内容の拡充を行うとともに、教育部門における学習支援との連携規定を創設しております。
 このように、学習支援の充実を図るとともに、関係者との連携を促進することで、子供の状況に合わせた支援を進めてまいります。
 ホームレスの支援策についてお尋ねがありました。
 全国のホームレスの数は、平成二十九年の調査結果では五千五百三十四人と、初めて全国調査を行った平成十五年と比べ五分の一まで減少する一方で、ホームレスの高齢化や路上生活の長期化といった課題があると認識しております。
 このため、本法案において、シェルターなどを利用する一時生活支援事業を拡充し、シェルター等の利用後のフォローとして、一定期間、訪問等による見守りや生活支援を行う事業を法律上位置付けることにしております。また、本年度からは、ホームレスの方に対し、医療職が巡回相談するなどの取組を開始することとしております。
 あわせて、本年夏を目途に、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法に基づく基本方針の見直しを行うこととしております。
 これらの取組を通じて、今後とも、ホームレスの支援に向けた施策を計画的かつ着実に推進してまいります。
 誰もが地域で安心して生活できる社会の実現に関してお尋ねがありました。
 人口減少、地域社会の脆弱化等の変化の中で、人々が課題を抱えながらも地域で暮らしていくためには、住民や地域の多様な主体がそれぞれ役割を持ち、支え合う、地域共生社会の実現が重要であると考えております。
 こうした地域共生社会の実現に向けては、人々が抱える様々な課題に対して、関係機関が協働して包括的に支援し、解決につなげていく体制が必要であり、生活困窮者自立支援制度はその中核的な役割を果たすものと考えております。
 本年四月から、改正社会福祉法に基づき、各自治体においては包括的な相談支援体制の整備を推進していくこととしております。また、本法案により、自立相談、就労準備、家計改善など、生活困窮者自立支援制度の相談支援機能の充実を図ることともしております。
 これらの取組が相まって、今後も地域の方々が支え合う地域共生社会を実現できるよう取り組んでまいります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(伊達忠一君) 浜口誠君。
   〔浜口誠君登壇、拍手〕
#13
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 生活困窮者自立支援法等改正案に関して、会派を代表して質問いたします。
 四月二十七日、衆議院本会議において、国会が不正常の中、働き方改革関連法案の審議が強行されました。今国会の最重要法案を、冒頭から野党不在の強引な審議は極めて異例であり、言語道断です。ましてや、今後、働き方改革法案を強行採決することは絶対にあってはなりません。
 また、森友事件、加計疑惑、労働時間の異常データ、日報隠蔽、セクハラ等々、余りにも問題が多過ぎて全て申し上げませんが、安倍総理は、全容を明らかにし、うみを出し切ると述べています。しかしながら、公文書改ざん調査はいまだ終わっていない。改ざん前の文書の公表期限は今日です。なぜ公表が遅れるのでしょうか。また、柳瀬審議官の参考人質疑で加計疑惑は更に深まるばかり。こうした状況に、真相究明やうみを出し切るという総理の言葉をむなしく感じている国民は私一人だけではないはずです。
 国民や国会を欺いた一連の不祥事の真相究明や再発防止に取り組み、国民の信頼回復を図ることが、政府、国会の責務です。このことを冒頭強く申し上げ、以下、加藤厚生労働大臣に質問させていただきます。
 安倍政権の下で、生活保護費は繰り返し切り捨てられてきました。二〇一三年度からは、生活扶助が過去最大の約六百七十億円削減、影響は全受給世帯の約九六%に及びました。さらに、今回の見直しにより、二〇一八年度からは、過去二番目となる生活扶助約百六十億円の削減、母子加算も月平均約二割の削減となります。こうした大幅な削減が繰り返し実施されているにもかかわらず、政府の報告書では、生活扶助基準の見直しによる家計への影響を評価するまでには至らなかったとあります。
 生活保護の引下げが実際の生活保護世帯にどのような影響を及ぼしたのか、実態把握と検証なくして連続した大幅削減は判断できないし、してはならないと強く感じます。所見を求めます。
 生活扶助基準の検証方法に関して伺います。
 現行の水準均衡方式は、低所得世帯の消費水準が低下すると、生活保護世帯が最低限の生活を送るための絶対的な水準を割ってしまうとの懸念が指摘されています。政府の報告書には、最低限の生活を送るために必要な水準とは何か、単に消費の実態に合わせるのではなく、論理的根拠に基づいたシンプルな検証方法の開発が求められています。
 新たな検証方法の一つであるMIS、ミニマム・インカム・スタンダード手法で生活扶助に当たる支出額を算出したところ、現行の水準均衡方式による支出額を大きく上回る結果となりました。これは、検証方法によって最低生活費は変わることを示唆しています。新たな検証方法の開発に向けた対応を答弁願います。
 生活保護世帯の世帯分離についてお伺いします。
 現在、大学等への進学率は七割を超えていますが、生活保護世帯の進学率は約三五%と極めて低い状況です。生活保護を受給しながら大学などに通うことは認められておらず、子供を進学させるためには受給対象から外す世帯分離が必要となります。一方で、世帯分離すると生活保護費の受給額が減額となり、進学を選べない子供たちがいるとも指摘されています。
 子供たちは生まれる家庭を選ぶことはできません。進学を希望する子供たちのために世帯分離を見直すべきと考えます。所見を求めます。
 後発医薬品の使用原則化について伺います。
 後発医薬品の使用割合は、二〇一七年度では、医療全体で約六六%、生活保護受給者は約七二%と高くなっています。こうした中で、生活保護受給者だけをターゲットに法制化するのは不平等だとの声も上がっています。
 医療費抑制は国全体の大きな課題であり、後発医薬品の使用割合の目標八〇%に向けては、全ての国民に対して積極的に働きかけていくことが重要だと考えます。なぜ使用原則化を生活保護受給者に限定するのでしょうか、お答えください。
 生活扶助額の増減実施時期について伺います。
 生活扶助が減額される世帯に対しては、激変緩和の観点から、三年掛けて減額が行われます。一方で、生活扶助が増額される世帯に対しては、現時点で必要な生活扶助額を下回っていることから、一年目に見直し後の基準額に増額すべきと考えますが、対応方法をお答えください。
 生活困窮者自立支援制度についてお伺いします。
 この事業の実施主体は都道府県などですが、任意事業における地域間のばらつきが大きいことが課題です。例えば、二〇一七年度の自治体での任意事業の実施状況は、就労準備支援は約四四%、家計相談支援は約四〇%です。どのようにして地域ごとのばらつきを解消していくのでしょうか。
 また、生活困窮者は孤立しがちで、支援の情報が届きにくい実態があります。支援が必要な対象者を把握するには、福祉事務所や自治体だけではなく、町内会や学校、民生委員など、地域に根差した皆さんとの連携や情報収集が極めて重要だと考えます。各関係者の連携強化に向けた具体的な対応をお伺いします。
 あわせて、生活困窮者自立支援を行うためには、福祉分野だけではなく、幅広い知識や専門的なノウハウを持つ人材の育成が不可欠です。こうした人材育成に向けて、どのように取り組んでいくのでしょうか。
 全国的な中高年の引きこもり対策についてお伺いします。
 政府の二〇一五年調査では、十五歳から三十九歳の引きこもりは約五十四万人と推計しています。しかしながら、中高年の引きこもり調査はこれまで行われておらず、政府は今年度初めて四十歳から六十四歳を対象とした調査を実施します。
 中高年の引きこもりでは、親の介護が必要になったり収入が途絶えたりして、親子で生活に困窮する事態が生じています。八十代の親と未婚で無職の五十代の子が同居しているケースは、八〇五〇問題とも呼ばれています。
 中高年の引きこもり調査の狙いと、それに基づく対応に関してお聞かせください。
 子どもの学習・生活支援事業についてお伺いします。
 子供の貧困対策として始まった子供食堂は、民間の調査によると、直近二年間で約三百か所から二千三百か所に急増しています。しかし、寄附や自治体からの補助金などがあっても、厳しい運営のところが多いと言われています。
 政府の報告書には、子供食堂の取組自体を事業の対象とすることは困難とする一方で、子供たちへの食事の提供は必要な支援であり、こうした支出は事業の中で認めるべきとの意見もあります。
 政府として子供たちへの食事提供に関して積極的支援を行うべきと考えますが、見解をお聞かせください。
 貧困ビジネス対策に関してお伺いします。
 今回の無料低額宿泊所の規制強化によって、悪質事業者の締め出しや宿泊所の安全性向上が期待されます。一方で、規制強化後もやむなく悪質な施設を利用せざるを得ない人への対応も不可欠だと考えます。この点に関する所見を求めます。
 また、規制強化によって、新たな投資や人員増に対応できず、制度の隙間に潜っていくような施設が増えては、本末転倒です。こうした事態を生じさせないために、施設等に対して最低基準を満たすための改修費用を補助するなど、国や自治体による支援も必要ではないでしょうか。見解を求めます。
 最後に、憲法二十五条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」として、生存権が保障されています。生活困窮者など、弱い立場の人々に寄り添うのが政治です。
#14
○議長(伊達忠一君) 浜口君、時間が超過しております。
#15
○浜口誠君(続) 国民民主党は、この国に暮らす全ての人々が、かけがえのない個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め合いながら、共に生きていく国を育んでいきます。このことを国民の皆さんにお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(加藤勝信君) 浜口誠議員より、十一問質問をいただきました。
 過去の生活保護基準の見直しについてお尋ねがありました。
 生活保護受給世帯の家計状況に関する調査を実施しており、その調査結果を活用して、生活扶助基準の見直しが家計に与える影響について検証いたしました。この点に関しては、生活保護基準部会の報告書において、「生活保護受給世帯と一般世帯における平成二十四年度から平成二十六年度にかけての各支出費目の比較については、支出割合が生活保護受給世帯と一般世帯との間では異なるものの、経年の支出割合の推移は大きな差が見られず、」とされた上で、「生活扶助基準の見直しによる家計への影響を評価するまでには至らなかった。」とされているところであります。
 その上で、今回、全国消費実態調査等のデータを用いて専門的かつ科学的な見地から行った検証結果を踏まえ、生活保護基準の見直しを行ったものであります。
 生活扶助基準の検証方法についてお尋ねがありました。
 生活保護において保障すべき最低生活の水準については、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定しており、生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか定期的に検証しております。
 今回の検証では、一般低所得世帯、すなわち夫婦子一人世帯の年収階級の下位一〇%に当たる世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、生活扶助基準を全体として引き下げるものではありません。
 今回の検証手法については、社会保障審議会の報告書において、透明性の高い一つの妥当な手法とされている一方で、今後の課題も指摘されており、次回の検証に向けて、指摘された課題への対応も含め、データの収集、分析や、新たな検証手法の検討を継続的に行う体制を整え、計画的に検証方法の改善、開発に取り組んでまいります。
 生活保護を受給しながら大学等に就学することについてのお尋ねがありました。
 生活保護を受給しながら大学等に就学することについては、高校卒業後就職する方や生活保護を受給されていない方とのバランスを考慮して、慎重に検討すべき課題と認識しております。
 一方、生活保護世帯の子供の大学等への進学を支援するため、本法案において進学準備給付金を創設する等の措置を講ずるとともに、文部科学省とも連携して、新しい経済政策パッケージに盛り込まれた高等教育の無償化などに取り組んでまいります。
 生活保護受給者への後発医薬品の使用の原則化についてお尋ねがありました。
 後発医薬品については、医療全体においても生活保護の医療扶助においても使用割合を八〇%にするという目標を設定しており、生活保護においては、平成二十五年の生活保護法の改正で法律上の定めを設けること等により、その使用促進に取り組んでいます。
 しかしながら、この使用割合の伸びが鈍化しており、地方自治体からも、運用ではなく制度的な対応として後発医薬品の原則化が必要との意見もあることから、今般、審議会の報告書も踏まえ、医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認める場合に、原則として後発医薬品を給付することとしたものであります。
 生活扶助基準の見直しの実施時期についてお尋ねがありました。
 現行の生活扶助基準については、平成二十四年の検証結果などを踏まえて適切に設定したものであり、最低限度の生活として必要な水準を満たしているものと考えております。
 その上で、今回の見直しは、現行の基準額における年齢、世帯構成、地域のそれぞれに応じたバランスと、一般低所得世帯の消費実態におけるそれぞれのバランスの乖離を是正するものであります。前回の平成二十五年からの見直しでは、基準額が上がる世帯、下がる世帯、いずれも三段階に分けて施行しており、今回の見直しにおいても前回同様に段階的に施行することとしております。
 なお、児童扶養加算については、今回の見直しにより減額となる対象者は段階的に見直しを行う一方、新たに支給対象となる高校生に対しては、本年十月から月額一万円を支給することとしております。
 生活困窮者自立支援制度の任意事業の実施促進についてお尋ねがありました。
 生活困窮者自立支援法に基づく任意事業については、全国的にその実施率を引き上げていくことが課題となっております。
 このため、自立相談支援と併せて、任意事業である就労準備支援、家計改善支援の一体的な実施を図ることとし、これら任意事業の実施を努力義務化し、適切な実施を図るための指針の策定を行うとともに、自立相談支援事業に加え、両事業が一体的に行われている一定の場合には、家計改善支援事業の補助率を引き上げる等の措置を講ずることとしております。
 あわせて、各自治体において任意事業に取り組みやすくなるよう、都道府県が市町村に対し事業実施体制の構築の支援などを行う事業を創設することとしております。
 生活困窮者支援における関係者との連携強化についてお尋ねがありました。
 生活に困窮する方の中には、日々の生活に追われ気力を失い、また自尊感情の劣化などにより、自ら相談を行うことが難しい方も少なくないと考えております。
 この観点からは、人々が抱える様々な課題に対して、関係機関が協働して包括的に支援し、解決につなげていく地域共生社会の実現に向けた取組を関係者とともに進めていくことが重要であると考えております。
 この地域共生社会において生活困窮者自立支援制度は中核的な役割を果たすものと考えており、本法案において、生活困窮者支援に関わる関係者間の情報共有を行うための支援会議の創設を行うとともに、自立相談、就労準備、家計改善の事業の一体的実施の促進など、生活困窮者自立支援制度の相談支援機能の充実を図るなどの包括的な支援体制の強化を行うこととしております。
 生活困窮者支援を担う人材の育成についてお尋ねがありました。
 生活困窮者自立支援制度による支援がしっかりと機能するためには、相談に来られる方の多様な課題に関する相談に対し包括的に対応できる人材を確保、育成していくことが重要であります。
 厚生労働省では、こうした人材の確保、育成を図るため、平成二十六年度から人材養成研修を行っており、福祉分野に限らず、就労支援や多重債務者対策、他分野との連携した地域づくりの方法など、生活困窮者支援に関係する様々な制度、施策などに関する講義、演習を行い、幅広い知識やノウハウを持つ人材の養成を図っております。
 今後、より効果的に人材の確保、育成を進めるため、基本的には研修の実施主体を都道府県に移行していくこととしておりますが、多様な相談支援ニーズに対応する支援員の育成が図られるよう、厚生労働省としても都道府県に対する支援を行ってまいります。
 引きこもり状態にある方への支援についてお尋ねがありました。
 今年度、内閣府において、四十歳から六十四歳までの方々を対象とした引きこもりに関する調査を実施することとしていますが、これは、平成二十一年度と平成二十七年度に実施した十五歳から三十九歳までの方々を対象とした調査の結果、引きこもりの状態の長期化傾向が見られたことから、これを防ぐために必要な施策などの検討に資することを目的とするものであります。
 厚生労働省においては、中高年の方も含めて、引きこもりの状態にある方に対し、都道府県、政令市に設置されたひきこもり地域支援センターにおける相談支援のほか、生活困窮者自立支援制度による相談窓口での本人の状況に応じた包括的な支援や直ちに就労が困難な方への就労に向けた支援などを行っております。
 今後、調査の結果も踏まえ、内閣府を始めとした関係省庁とも連携を図りながら、引きこもり対策を進めてまいります。
 子供食堂への支援についてお尋ねがありました。
 子供食堂は、地域のボランティアなどが無料や安価で温かな食事と団らんを通じ子供たちに安心して過ごせる居場所を提供する場として、大変有意義な活動であると考えております。
 子供食堂の中には、一人親家庭の子供に対する生活・学習支援事業や子供の未来応援基金などの施策を活用して活動しているものもあると承知をしております。
 多くは民間の自発的な活動として行われている子供食堂に対し、国としてどのような支援や助言が適切か、関係者の意見も聞きながら、今後とも考えてまいりたいと思っております。
 無料低額宿泊所の制度見直しについてお尋ねがありました。
 無料低額宿泊所の制度見直しに当たっては、規制の強化と、単独での居住が困難な生活保護受給者を支える事業者に対する支援の充実の両面から対応することが重要と考えております。
 このため、今回の法案では、法律に根拠のある最低基準の創設など規制の強化を図るとともに、福祉事務所が一定の要件を満たす良質な無料低額宿泊所などに対し単独での居住が困難な生活保護受給者への日常生活上の支援を委託できる仕組みを創設し、支援に必要な費用を交付できることとしております。また、規制強化の対象となり得る劣悪な居住環境に置かれている生活保護受給者に対しては、必要に応じて、転居支援も含め適切な支援を行ってまいります。
 この規制強化と支援の仕組みについては、地方自治体や事業者など関係者の意見も聞きながら、施行に向けて検討してまいります。
 以上であります。(拍手)
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#17
○議長(伊達忠一君) 難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#18
○難波奨二君 立憲民主党・民友会の難波奨二でございます。
 ただいま議題となっております政府提出の生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について、加藤厚生労働大臣に質問いたします。
 質問に先立ちまして、働き方改革関連法案の基礎資料となった二〇一三年度の労働時間等総合実態調査から多数の異常値が発見されたことについて、一言申し上げます。
 全体の約二割ものデータエラーがあったにもかかわらず、加藤厚労大臣は、あと九千を超えるサンプルがあるから統計として一定の姿になっているとして、データ全体の撤回を行っていません。しかし、加藤大臣が幾らこのデータに正当性があると強弁しても、労政審では誤ったデータで審議が行われたことになります。偏ったデータによる法案では、真に国民の期待に沿うものにはなり得ません。客観的で信頼に足るデータに基づいた法案が求められています。
 もはや立法事実は崩れました。与党は今国会での成立を図るとしていますが、約七割近い国民が今国会で成立させるべきではないとしていることを謙虚に受け入れるべきです。法案を撤回し、新たな調査を基に労政審で審議し直し、高度プロフェッショナル制度の導入を断念した形で再び法案を提出するか、立憲民主党提出のディーセントワークを尊重した対案の成立を図るか、加藤厚労大臣の英断を求めます。
 我が国の社会保障制度は、昭和三十六年に国民皆保険、皆年金の制度が確立されて以来、経済の成長や社会の成熟とともに発展してきました。
 生活保護制度は、国民の最低限度の生活を保障するとともに、積極的に自立の助長を図る最後のセーフティーネットの役割を果たしてきましたが、時代とともに、これまでの社会保障制度や労働保険制度だけでは十分な対応ができなくなってきました。このため、生活保護に至る前の段階での自立を支援するため、平成二十七年に生活困窮者自立支援制度が創設されました。今回の改正では、時代の趨勢に鑑み、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の重層的かつ有機的な連携が求められております。
 安倍総理は、今国会の施政方針演説で、格差の固定化は決してあってはならない、貧困の連鎖を断ち切らなければなりませんと述べました。家庭の所得と学力、学歴が比例することはあってはならないと考えますが、生活困窮者等に対する国民所得や雇用状況の根本的な改善策について、大臣の御所見をお聞かせください。
 また、近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係の希薄化などの中で、高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する人たち、例えば一人親世帯や高齢者単身世帯などへの多様な支援の必要性が高まっています。大臣、こうした多様性へのきめ細やかな対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 今回の改正では、自治体における生活困窮者に対する包括的な支援体制強化について、自立、就労、家計改善に関する支援を一体的に実施する自治体への支援強化などが盛り込まれています。しかし、これら三事業の一体的実施が家計改善支援事業の補助率引上げの要件となっており、自治体にとっては高いハードルとなり得るのではありませんか。自治体ごとの体力に応じた弾力的な運用を可能とすべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
 政府は、本年十月から実施される予定の生活保護基準の見直しを行い、生活保護費を総額で百六十億円カットし、生活保護を受けている子育て家庭のうち四割以上で生活扶助が減額されることになります。まさに子供の貧困対策に逆行するものであります。生活保護は、憲法二十五条で規定されている健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障し、自立を助ける制度ですが、このような減額は憲法の理念にも反します。大臣の御認識を伺います。
 今回の引下げは、厚労省の生活保護基準部会の報告書でも懸念が示された水準均衡方式を前提としたものです。現在の水準均衡方式では、例えば夫婦子一人世帯については、現行の生活扶助基準額と年収階級第一・十分位の生活扶助相当支出額との比較が行われています。このため、貧困層の拡大に伴い保護基準が下がるという負のスパイラルが生じています。
 こうした状況の中で、専門的かつ科学的に検証を行い、その結果に基づき最低限の生活を保障する適切な生活扶助基準となるよう、新たな検証方法を開発することは当然です。政府における検討状況について、大臣の答弁を求めます。
 生活保護基準の見直しに伴い、保護基準を参考とするなど、影響が生じる可能性のある他の制度は合計で四十七項目となっています。引下げによって他の制度にできる限りその影響が及ばないように配意すべきと考えますが、大臣、政府の検討状況をお聞かせください。
 さらに、個人住民税の課税、非課税の別を活用している国の制度は約四十項目あるとのことですが、来年度以降の税制改正においてどのような対応が図られるのでしょうか。厚労大臣に伺います。
 平成二十六年四月の消費税増税時には、生活保護費が二・九%引き上げられましたが、来年十月に予定されている消費税増税時の水準見直しについても併せてお答えください。
 教育扶助における学習支援費を実費払いすることが検討されているとのことですが、子供たちに領収書を下さいと言わせることは、心理的負担が大きく、子供の人権を侵害することにもなりかねません。そこで、領収書がなくても金額が確認できる書類等で支給が可能となるようにすべきと考えますが、厚労大臣の所見はいかがですか。
 現行制度では、生活保護世帯の子供が高校を卒業して大学等に進学すると世帯分離が行われ、生活保護費の支給額が下がってしまいます。生活保護世帯の子供の大学・専門学校進学率は三三・一%で全世帯平均七三・二%の半分以下であるのは、世帯分離が一因ではないでしょうか。
 今回の法案における進学時新生活立ち上げ費用の支給や、大学進学後も生活保護世帯と同居通学時の住宅扶助額への措置等ではまだ不十分であり、これで進学率が向上するとは到底思えません。加藤大臣は、高校卒業後就職する方や生活保護を受給されていない方とのバランスを考慮して、慎重に検討すべき課題としていますが、総理は、どんなに貧しい家庭に育った子供たちでも、高校、高専にも、専修学校、大学にも進学できるチャンスを確保すると述べているのですから、この際、世帯分離を廃止し、生活保護を受けていても進学できる制度にすべきです。さらに、生活保護世帯や生活困窮者に対しては率先して教育の無償化を進めるべきと考えますが、併せてお答えください。
 生活保護受給者に対してのみ後発医薬品の使用を原則化することは、明らかな差別であり、人権侵害であるとの批判を免れません。まず取り組むべきは、OECD諸国の中でも高い水準にある薬剤費全体の水準を引き下げることではないでしょうか。そのためには、薬価差益に頼らずに済む医業経営の在り方、保険者機能を高めてレセプト審査などの充実を図ることなどによって、薬剤費全体の抑制に努めることが先決であります。
 なお、既に、生活保護受給者における後発医薬品の使用は七二・二%で、医療全体の平均値の六五・八%を上回っていることを申し添えておきます。
 一般の患者に対する後発医薬品の使用が原則化されていない中で、生活保護に限って原則化する合理性はないと考えますが、大臣の御見識を伺います。
 現在の政府の言うところの景気回復の実感は全国民に共有されておらず、所得の二極化が進んでいます。格差社会を根絶し、誰もが再チャレンジできる社会、すなわち一人一人に居場所と出番のある社会を実現していくのは政治の役割です。
 自己責任の恐怖におびえる国から、公助、共助、自助の適切な組合せで人生百年時代に適応した制度を築いていくべきと申し述べて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(加藤勝信君) 難波奨二議員から十一問の御質問をいただきました。
 労働時間等総合実態調査についてお尋ねがありました。
 今回の精査は、統計としてより精度を高める観点から、異常値である蓋然性が高いものを削除した上で再集計したものであります。
 こうした方法で精査を行っても、なお九千を超えるサンプル数があり、また、精査前と比べて集計結果に大きな傾向の変化は見られません。
 また、労働政策審議会では、労働時間等総合実態調査のデータに限らず様々な資料を確認し、また、現場の実情に精通した労使各側の委員の御意見も踏まえ、御議論いただいたものと承知しております。
 いずれにしても、長時間労働の是正は待ったなしの課題であり、労働政策審議会でおまとめいただいた中小企業における割増し賃金率の猶予の廃止、時間外労働の上限規制が必要だとの結論は変わるものではなく、労働政策審議会での議論をやり直す必要はないと考えております。
 世論調査についての御指摘がありました。
 今回の精査する事態を深く反省し、今後に生かしていくとともに、働き方改革関連法案の趣旨について引き続き丁寧に説明してまいります。
 生活困窮者に対する所得や雇用状況の改善策についてお尋ねがありました。
 生活に困窮する方に対しては、疾病や失業等に対する社会保険制度や労働保険制度、最後のセーフティーネットである生活保護制度に加え、生活保護に至る前の段階での自立を支援する生活困窮者自立支援制度が平成二十七年度から施行されており、これらの重層的なセーフティーネットにより、様々な生活上のリスクに対する生活保障を行っております。
 今後とも、適時必要な見直しを行いながら、これらの取組を確実に進めることで生活困窮者に対する生活支援や就労自立支援を図ってまいります。
 生活困窮者の特性を踏まえた対応の必要性についてお尋ねがありました。
 本法案では、生活困窮者の定義について、生活困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を明示し、関係者間における意識の共有を図るとともに、自立相談支援、就労準備支援、家計改善支援の一体的な実施を促進することで、包括的な支援体制の強化を行うこととしており、これらの取組により、生活困窮者の多様な状態像に合わせた支援を進めてまいります。
 三事業の一体的実施についてお尋ねがありました。
 本法案は、自立相談支援事業と併せて、就労準備支援事業と家計改善支援事業が一体的に行われている一定の場合に、家計改善支援事業の補助率の引上げを行うこととしております。
 また、現場の自治体でこれらの事業に取り組みやすくなるよう、複数自治体による広域的実施など、事業実施上の工夫を図るとともに、都道府県による支援体制の構築などを行うこととしており、こうした方策により、自治体の実情に留意しながら、今後三年間を集中実施期間として包括的な支援体制を構築してまいります。
 生活保護基準の見直しについてお尋ねがありました。
 生活保護において保障すべき最低生活の水準については、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定しております。
 今回の検証では、モデル世帯において、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡していることが確認されており、その水準を基に、現行の基準額における年齢、世帯構成、地域のそれぞれに応じたバランスと、一般低所得世帯の消費実態におけるそれぞれのバランスの乖離を是正するものであり、憲法二十五条に規定する健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできる適切な水準になっていると考えております。
 生活扶助基準の検証方法についてお尋ねがありました。
 今回の検証手法については、社会保障審議会の報告書において、透明性の高い一つの妥当な手法とされている一方、今後の課題も指摘をされており、次回の検証に向けて、指摘された課題への対応も含め、データの収集、分析や、新たな検証方法の検討を継続的に行う体制を整え、計画的に検証手法の改善、開発に取り組んでまいります。
 生活保護基準見直しによる他の制度への影響についてお尋ねがありました。
 生活保護基準の見直しに伴う他制度への影響については、一月十九日の閣僚懇談会において政府の対応方針を確認しており、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら、できる限りその影響が及ばないようにするなど、対応してまいります。
 また、個人住民税の課税、非課税の別を活用している国の制度に関し、個人住民税の非課税限度額については、平成三十年度の影響はなく、平成三十一年度以降の税制改正において、与党の税制調査会における議論も踏まえ、対応を検討することとしております。
 消費税率引上げ時の生活保護基準の見直しについてお尋ねがありました。
 生活保護基準の毎年度の改定については、その都度、社会経済情勢などを総合的に勘案して検討しているところであり、御指摘の来年十月に予定されている消費税率の引上げ時についても、最低生活を保障する適切な水準とする観点も踏まえつつ、こうした検討を行っていくものと考えております。
 学習支援費の実費払いについてお尋ねがありました。
 学習支援費については、本年十月より実費で支給することとしております。
 実費支給に当たっては、領収書以外の資料を基に支給できるようにすることも含め、子供の気持ちに配慮しつつ、必要な費用を適切に支給できるよう、地方自治体などの関係機関と協議しながら、施行までの間に具体的な支給手続について検討してまいります。
 生活保護を受給しながら大学等に就学すること等についてお尋ねがありました。
 生活保護費を受給しながら大学等に就学することについては、高校卒業後就職する方や生活保護を受給されていない方とのバランスを考慮して、慎重に検討すべき課題と認識をしております。
 一方、本法案において、生活保護世帯の子供の大学等への進学を支援するため、進学準備給付金の創設等の措置を講ずるとともに、文部科学省とも連携して、新しい経済政策パッケージに盛り込まれた高等教育の無償化などに取り組んでまいります。
 生活保護受給者への後発医薬品の使用の原則についてお尋ねがありました。
 後発医薬品については、医療全体においても生活保護の医療扶助においても使用割合を八〇%にするという目標を設定しており、生活保護においては、平成二十五年の生活保護法の改正で法律上の定めを設けること等により、その使用促進に取り組んできたところであります。
 しかしながら、その使用割合の伸びが鈍化しており、地方自治体からも、運用ではなく制度的な対応として後発医薬品の原則化が必要との意見もあることから、今般、審議会の報告書も踏まえ、医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認める場合に、原則として後発医薬品を給付することとしたものであります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(伊達忠一君) 倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#21
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 ただいま議題となりました生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について、日本共産党を代表して質問いたします。
 平成二十五年度労働時間等総合実態調査は、データ捏造により、働き方改革一括法案から企画業務型裁量労働制拡大を削除する原因となりました。さらに、一般労働者のデータの中にも分かっているだけで九百六十六件の誤りが判明し、もはやデータそのものの信憑性は完全に失われております。働き方改革一括法案を撤回し、労働政策審議会に差し戻すことを強く求めます。
 本年十月からの生活扶助基準引下げに、利用者から、子供の人生に不安と絶望をもたらしたなど、悲痛な訴えが届いています。
 生活保護基準は、二〇〇四年からの老齢加算廃止、一三年には生活扶助基準が最大一〇%も引き下げられ、一五年には住宅扶助、冬季加算が削減されました。それに続く今回の引下げは、利用者を更に追い詰める過酷な仕打ちと言うほかありません。
 生活保護法第八条二項は、生活保護基準を、必要な事情を考慮した最低限度の需要を満たすに十分なものとしています。今回の引下げは、この規定を全く無視するものです。
 低所得者との比較が理由とされた今回の基準引下げ、母子加算、児童養育加算等の削減は、子供を持つ世帯ほど大きな打撃となっています。子供二人の母子家庭の生活扶助基準は、一九九〇年前後とほぼ同じ水準であり、ナショナルミニマムの水準が四半世紀分後退することとなります。子供の貧困の解決に逆行するものではありませんか。
 シングルマザーを支援する団体は、生活保護以下の生活を余儀なくされ、命さえ危うい状況に置かれている親子も少なくないと指摘しています。これら困窮世帯との均衡のみをもって、どうして健康で文化的な最低限度の生活を保障することになるのか、その根拠の説明を求めます。
 昨年十二月に行われた緊急ホットラインには、食事の回数を減らしている、暖房も冷房も付けない、夕方には布団に入り寒さをしのいでいる、下着も買えないなど、深刻な実態が寄せられました。これが、必要な事情を考慮した最低限度の需要を満たすと言えるのですか。
 生活保護利用当事者を審議会に参加させ、意見を聴取するとともに、具体的な家計状況の大規模調査を実施すべきです。答弁を求めます。
 生活保護基準は、最低賃金、住民税非課税基準、就学援助など、様々な制度と連動しています。基準引下げの他制度への影響について、どう認識していますか。
 生活保護基準は、低所得者対策と連動し、ナショナルミニマムとして生活を下支えする重要な機能を果たしています。生活保護基準の引下げスパイラルは、市民全般の生活水準の引下げスパイラルにつながるのではありませんか。
 だからこそ、生活保護基準部会長の駒村康平氏は、生活保護水準は全ての最低生活保障を下支えするために、安易に水準を引き下げることができない岩盤と指摘しているのです。基準引下げは撤回すべきです。答弁を求めます。
 生活保護法案は、生活保護利用者が医療を受ける場合、より安価な後発医薬品の使用を原則とし、保護利用を理由に、本人の意思による先発薬の選択を認めないというものです。生活保護利用者の後発薬の使用割合は七二・二%で、国民全体の六五・八%より高いのに、なぜ生活保護利用者にのみ義務付けるのですか。保護利用者は、税金の世話になりながら高額な先発医薬品を使うのはぜいたく、安い薬で我慢すべき、制限されて当然ということですか。
 保護利用者のみ選択権を奪い薬剤アクセスを制限することは、差別であり、劣等処遇そのものです。厚労省は、制度に対する国民の信頼性を確保するためと説明していますが、差別と偏見を拡大することがなぜ制度の信頼を高めることになるのですか。お答えください。
 生活保護に対する強い偏見のために、困窮しても保護を受けず、医療費が払えず命を落とす人が毎年多数報告されています。制度への信頼を高めるためには、生活保護への偏見をなくし、必要なときに安心して利用できる制度にすることこそ必要です。答弁を求めます。
 本法案は、払い過ぎた保護費について、現在の返還規定に加え、国税徴収法によるとし、保護費からの天引き等、強制的に徴収することを可能にするものです。最近、福祉事務所の誤りによる保護費の過誤払が多発しています。これも六十三条を基に返還が求められますが、利用者に落ち度が全くないにもかかわらず、故意による不正受給と同等に強制徴収、天引きされることがあってはなりません。大臣の答弁を求めます。
 国税徴収法によるとされれば、自己破産しても免責されなくなり、支払義務が残ることとなります。天引きは、本人同意を前提にするものの、保護決定の権限を持つ福祉事務所に対し、利用者は対等な関係ではなく、同意を拒むことができるでしょうか。これ以上削りようがない限界の生活を強いられる中で、分割して支払う二千円、三千円の額であっても、数日分の食費に当たるのです。
 保護費から返還金の天引きを可能とすれば、手取りは最低生活水準を割ることになるのは明らかです。最低生活を下回る生活を強いることはあってはなりません。答弁を求めます。
 無料低額宿泊所は、住宅確保が困難な生活保護利用者を劣悪な環境で入居させ、高額の家賃、費用を徴収、保護費を事業者が管理するなど、悪質業者の人権侵害が重大な問題となってきました。
 本法案は、無料低額宿泊所に最低基準を設け、要件を満たしたものは生活保護利用者のついの住みかとなります。最低基準、要件、入居対象はどのように考えられていますか。
 一時利用を前提とした現在の指針の居室面積は、生活保護基準と比べても半分程度です。それを踏襲するのでは、利用者の人権を保障する質が担保されていることにはなりません。適切な福祉サービス等の支援があれば一般住宅での生活が可能な人たちが、居宅保護の原則に反し、低質な住環境に固定化されることがあってはなりません。答弁を求めます。
 生活困窮者自立支援法について伺います。
 生活困窮者の定義の見直しにより、各事業の支援対象は拡大するのでしょうか。
 現在の生活困窮者支援制度は就労支援が基本で、就労し収入を増やさなければ生活困窮状態から脱することは困難です。居住保障の機能も弱く、唯一の経済給付である住宅確保給付は、資産、所得要件が厳しく、期間も短いなどの問題点も多く指摘されています。
 貧困は個人責任にしないという社会的合意を基につくられた制度でありながら、現場の献身的な努力にもかかわらず、自助努力への支援にとどまらざるを得ません。事業内容、対象要件を抜本的に改め、真に困窮し社会的孤立を強いられる人たちの支援となるよう見直すべきです。
 今行うべきは、生活保護制度の名称を生活保障法に変更し、全ての国民に生存権が保障され、使いやすい制度にすることです。国民への周知義務付けなど緊急の法改正の実現を強く求めまして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(加藤勝信君) 倉林明子議員より、十問の御質問をいただきました。
 生活保護基準の見直しと子供の貧困対策との関係についてお尋ねがありました。
 今回の生活保護基準の検証においては、子供がいる世帯に対する加算や教育に関する給付について、全国消費実態調査などのデータに基づき、子供の貧困対策の観点も踏まえ検証を行っております。
 その結果、子供のいる世帯については、母子加算の見直しを行う一方で、児童養育加算の給付対象者を高校生に拡大することなどにより、その約六割では基準額が増額となる見込みであります。子供の貧困対策の視点も踏まえて適切な見直しと考えております。
 生活保護基準と最低限度の生活保障との関係についてお尋ねがありました。
 生活保護において保障すべき最低生活の水準については、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定しております。
 今回の検証では、いわゆる変曲点の理論を用いた分析や家計支出に占める固定的経費の割合が急激に変わる水準の検証など、様々な分析を行った上で、生活扶助基準の水準の検証に当たり比較対象となる一般低所得世帯の選定を行いました。
 その上で、モデル世帯において、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とを比較し、おおむね均衡していることが確認されており、健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできる適切な水準になっていると考えております。
 生活保護受給者の意見の聴取と家計状況の調査についてお尋ねがありました。
 家計の、生活保護基準の見直しは、審議会において、全国消費実態調査などのデータを用いて専門的かつ科学的見地からの検証作業を行い、その結果を踏まえ、生活保護の基準が、最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものとなるよう行うものであります。
 その際、生活保護受給世帯の生活実態及び意識に関する調査や、生活保護受給世帯の家計の状況に関する調査を実施し、参照しております。また、生活保護受給者やその関係者から直接御要望を伺うなど、様々な機会を通じて御意見などをいただいているところであります。
 生活保護基準の見直しと他制度の関係についてお尋ねがありました。
 生活保護基準の見直しに伴う他制度への影響については、直接影響を受け得る国の制度が四十七項目あると認識をしております。一月十九日の閣僚懇談会において確認した政府の対応方針に沿って、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら、できる限りその影響が及ばないようにするなど、各府省、地方自治体と協力して対応してまいります。
 また、今回の生活保護基準の見直しは、適切に行われているものであり、撤回することは考えておりません。
 生活保護受給者への後発医薬品の使用原則化についてお尋ねがありました。
 後発医薬品については、医療全体においても生活保護の医療扶助においても使用割合を八〇%にするという目標を設定しており、生活保護においては、平成二十五年の生活保護法の改正で法律上の定めを設けることなどにより、その使用促進に取り組んでいるところであります。
 しかしながら、その使用割合の伸びが鈍化しており、地方自治体からも、運用ではなく制度的な対応として後発医薬品の原則化が必要との意見もあることから、今般、審議会の報告書も踏まえ、医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認める場合に、原則として後発医薬品を給付することとしたものであります。
 生活保護制度への信頼の確保についてお尋ねがありました。
 生活保護制度は、生活に困窮する方に最低限の生活を保障する最後のセーフティーネットであり、住民に対する制度の周知や、民生委員などと連携して生活に困窮している者の発見等に努めるよう福祉事務所の取組を促すなど、生活保護が必要な方が適切に支援を受けられるよう取り組んでいるところであります。
 生活保護を受給することへの偏見をなくし、保護を必要とする方には確実に保護を適用するという方針の下、制度の適正な運用に取り組んでまいります。
 保護費の返還金についてお尋ねがありました。
 生活保護費は公費を財源としており、国民の制度に対する信頼を確保するためにも、生活保護費に係る返還金債権について確実に徴収することが重要であります。このため、改正案では、資力などがある場合に受けた生活保護費に係る返還金について、国税徴収の例により徴収することができることとしております。
 ただし、福祉事務所の算定誤りにより生活保護費が多く支給された場合の返還金については、省令において、国税徴収の例によることのできる徴収金から除外する方向で検討をしております。
 また、返還金と保護費との調整については、被保護者の申出に基づき、保護の実施機関が生活の維持に支障がないと認めた場合に限り保護費等からの徴収を可能とするものであり、丁寧な運用がなされるよう、地方自治体に対する周知を図ってまいります。
 無料低額宿泊所の制度見直しについてお尋ねがありました。
 今回の法案では、法律に根拠のある最低基準の創設などの規制強化とともに、福祉事務所が一定の要件を満たす良質な無料低額宿泊所等に対し単独での居住が困難な生活保護受給者への日常生活上の支援を委託できる仕組みを創設することとしております。
 現行の無料低額宿泊所のガイドラインでは、一時的な利用を念頭に、居室の面積を原則として七・四三平方メートル以上と定めておりますが、法改正施行後の居住面積などの具体的な最低水準や要件、対象者などについては、その利用者が安全、安心して暮らせる環境づくりを進める観点から、地方自治体や事業者など関係者の意見も聞きながら、今後検討していきたいと考えております。
 生活困窮者の定義の見直しについてお尋ねがありました。
 生活困窮者の定義は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者となっていますが、本法案では、経済的困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を新たに明示することとしております。
 この見直しについては、支援対象者自体を変更するものではありませんが、これまでの生活困窮者自立支援の実践を踏まえ、生活困窮に至る背景事情を入念的に明示し、関係者間において共有を進めるためのものであり、これにより、早期的、予防的な観点からの支援を含め、適切かつ効果的な支援の展開につなげてまいります。
 生活困窮者自立支援制度の事業内容や対象要件の見直しについてお尋ねがありました。
 今回の制度改正では、自立相談支援、就労準備支援、家計改善支援の一体的な実施の促進、一時生活支援事業における訪問などにより見守りや生活支援を行う事業の拡充、子供の学習支援事業における生活習慣の改善や進路選択に関する助言の取組強化、今後予定している省令事項として、就労準備支援事業の年齢要件の撤廃など対象者の見直しなどの事業内容や対象要件に係る見直しを行い、包括的な支援体制の強化を図っております。
 なお、住宅確保給付金については、その趣旨が離職者の再就職を支援するものであることに鑑みれば、単に低収入の世帯に対する家賃の支給となってしまうような支給要件や期間の見直しは制度の趣旨にそぐわないものと考えております。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(伊達忠一君) 東徹君。
   〔東徹君登壇、拍手〕
#24
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 法案に入る前に、厚生労働省の在り方について伺います。
 本法案は、医療扶助費の適正化や貧困ビジネス対策など、重要な内容を含むものでありながら、裁量労働制のデータの誤りに始まり、東京労働局長の問題発言や日本年金機構の年金支給漏れに対する集中審議など、ほかに議論するべき問題が生じ、衆参共に厚生労働委員会の審議が遅れてしまいました。これは、厚生労働省は所管が広過ぎてガバナンスが利いておらず、もはや一つの組織として担える範囲を超えてしまっていることに原因があります。
 業務範囲の適正化を図るため、厚生労働省を厚生と労働に分割するべきではないかと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
 生活保護制度や生活困窮者支援制度については、我が国の財政状況が厳しい中、国民の制度への信頼を守るため、厳格な運用をしつつ、本当に支援を必要とする人をしっかりと支えていくものにしなければなりません。
 そこで、まず医療扶助費の適正化について伺います。
 医療扶助費は、事業費ベースの生活保護費負担金三・八兆円の約半分を占めていますが、生活保護受給者の高齢化により今後も増えていくことが予想され、その適正化は重要です。
 ジェネリック医薬品は、既に承認されたものであり、安全性や有効性に問題はなく、決して安価な薬を強いるものではありません。ジェネリックの使用の原則化は当然です。一般の方が少しでも負担を抑えるためジェネリックを選んでいるにもかかわらず、医療費を税金で賄われている生活保護受給者が自由に選べるのは、国民の納得感が得られません。
 ジェネリック使用の目標八〇%を達成するため、服薬指導を行っても、なおどうしても自己都合でジェネリックを選ばない場合には、その差額について自己負担を求めることも考えてはどうかと思いますが、加藤大臣の見解を伺います。
 また、医療扶助の適正化のためには、必要以上の頻回受診など、モラルハザードをなくす必要があり、一回の受診で五十円程度でも負担してもらうという対策は重要です。一部自己負担は必要な受診まで抑制するという意見もありますが、償還払いにして負担を抑えることで、受診抑制を抑えることができます。
 あわせて、いまだレセプト請求件数の大多数が生活保護受給者であるという医療機関や、生活保護受給者の通院日数がそれ以外の方よりも多い医療機関もあり、個別の対策が必要です。早急にこれらの対策を行うべきと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
 生活保護受給者の約半分を占める高齢者の貧困について伺います。
 平成三十年二月の生活保護の被保護者調査によると、被保護人員は約二百十一万人と、対前年同月比で二万六千人程度減少しており、被保護世帯も全体では減少しておりますが、高齢の生活保護世帯は約八十六万世帯と、二万五千世帯程度増えています。更に高齢化の進む我が国において、高齢者の貧困の状況についてどのように認識しているのか、生活保護に至らない高齢者が困窮状態を抜け出すためにどのような対策が必要か、大臣の見解を伺います。
 また、生活保護制度の維持に係る負担が将来どのようになるのか国民に示すことは、制度への信頼を確保するために必要です。厚生労働省は、年金の財政検証は行う一方、生活保護は将来推計ができないとばかり言いますが、これでは国民の信頼を得られません。生活保護費負担金の将来推計は、できないではなくやるべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
 高齢者にとって、生活保護は、実質的に年金制度を補完するケースワーカー付きの経済給付となっており、一般の高齢者よりも手厚い支援が行われていると言われています。そもそも生活保護は、最低限度の生活を保障するとともに自立を助長する仕組みですが、自立が難しく長期の支援が必要な高齢者を支えるものにはなっていません。
 ケースワーカー等の現場の負担も大きくなっている一方、高齢者を支える介護保険制度の整備も進んでいることから、ケースワーカーの支援を伴わない、生活保護に代わる高齢者向けの新たな生活保障制度を検討すべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
 給付付き税額控除について伺います。
 税の所得再分配機能を強化し、格差を是正しようとするならば、所得税を税額控除方式に転換していくべきと考えます。政府は、低所得者対策全体の議論の中で、生活保護制度など同様の政策目的を持つ制度との関係の整理や、所得や資産の把握、過誤、正受給対策などの課題について慎重な検討が必要としていますが、マイナンバーの活用などにより、このような課題は解決できます。
 今の生活保護制度と、給付付き税額控除の導入と、どちらが低所得者対策として有効か、早急に検討し、その結果を国民に示すべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
 貧困の連鎖について伺います。
 我が国では、学歴が就労先や雇用形態に大きく影響し、それが所得格差につながっているとされ、いわゆる貧困の連鎖を断ち切ることは大きな課題であります。我が会派は、貧困の連鎖をなくすためには教育が重要であり、教育の格差を是正しなければならないと考えています。そのため、日本維新の会は、高等教育まで含めた教育無償化を提案しており、政権が替わっても教育無償化が適切に実施されるよう、教育無償化のための憲法改正を主張しております。
 自民党は四つの具体的な憲法改正案をまとめられ、その中には教育無償化がありますが、我が会派から見れば不十分です。大学など高等教育まで含めた教育無償化の実現についてどのようにお考えか、大臣の見解を伺います。
 生活保護の不正対策について伺います。
 生活保護を受けることのできない人が、収入や資産などを隠し、不正に生活保護を受けることは、国民の生活保護制度に対する信頼をなくし、本当に必要な人が生活保護を受けられなくなることにつながります。就労による収入の無申告や過少申告といった不正受給件数は、平成二十八年度において四万四千四百六十六件あり、金額にして約百六十八億円にも上っています。
 なぜこのような多くの不正受給が行われてしまっているのか、その理由について、加藤大臣に伺います。
 不正受給については、受給者の隠し口座などの情報が住民から市町村に対し提供されることも多いと言われています。しかし、現在の制度では、情報提供を受けた市町村は隠し口座の有無について確認する権限がありません。預金通帳を見ればどういう収入があるかを把握でき、不正の防止につながることはもちろんのこと、家計の指導にもつながることになります。
 そこで、市町村に生活保護受給者の口座情報について金融機関に対する調査権限を与えてはどうかと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
 我が会派は、現在の生活保護、生活困窮者支援制度を本当に支援が必要な人にサポートが行われるとともに、国民の信頼を確保し、将来世代のために貧困の連鎖を防止していくものへと変えていくことをお約束し、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(加藤勝信君) 東徹議員の御質問にお答えする前に、先ほどの倉林明子議員からの御質問の中で、生活保護受給者への後発医薬品の使用原則化の理由についての答弁に漏れがありましたので、補足をさせていただきます。
 生活保護受給者においては、全額公費により医療扶助が行われ、一般の医療保険の加入者が窓口での一部負担金を求められることと異なり、通常、医療機関での窓口負担が発生せず、後発医薬品を選択する動機付けが働きにくい状況にあります。国民の理解を得て制度を運営していくためにも、後発医薬品の使用原則化が必要と考えているところでございます。
 東徹議員より、九問の御質問をいただきました。
 厚生労働省の分割についてのお尋ねがありました。
 平成十三年の発足以降、厚生労働省では、統合のメリットを生かして、例えば仕事と家庭の両立や子育て支援の充実、障害者の就労支援と雇用促進、介護福祉人材の確保などを一体的に推進してきたところであります。
 一方、厚生労働省が担う業務は、医療、介護、年金、子育て、労働など、幅広く多岐にわたるものとなっているのも事実であります。
 引き続き、関連業務を一体的に推進することによって国民生活に密着した業務が適切に行われるよう、その責任と自覚を持って取り組んでまいります。
 生活保護受給者における後発医薬品の使用促進についてお尋ねがありました。
 今般の改正案においては、医療扶助について、医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認める場合に、原則として後発医薬品を給付することとしております。
 本法律案の施行後は、医師等が先発医薬品を必要と判断する場合や薬局等に在庫がない場合を除き、原則として後発医薬品が給付されることとなります。患者の希望のみを理由として先発医薬品が給付されることはないことから、御指摘のような先発医薬品と後発医薬品の差額を自己負担するとの観点からの議論が必要となり得る場面は想定しにくいものと考えております。
 医療扶助における自己負担の導入と医療機関への対策についてお尋ねがありました。
 生活保護を受給する頻回受診者に対する窓口負担については、社会保障審議会においても様々な御意見があったところであり、頻回受診対策に向けた更なる取組の必要性、最低生活保障との両立の観点なども踏まえつつ、いわゆる償還払いの試行も含めた方策の在り方について引き続き検討してまいります。
 また、指定医療機関に対する個別指導については、都道府県等に対して、診療件数に占める生活保護受給者の割合が高い医療機関や、受給者以外の通院日数に比べて受給者の通院日数が多い医療機関などの情報を提供し、こうした情報も勘案した上で、個別指導の対象とする医療機関を選定するよう求めており、適切な指導がなされるよう引き続き取り組んでまいります。
 高齢者の貧困に係る状況認識とその対策に関するお尋ねがありました。
 高齢者の方々の中には、低所得、低年金などにより厳しい生活を送られている方がおられることも認識しております。
 このため、低所得の高齢者の方への対策については、社会保障と税の一体改革において、年金受給資格の二十五年から十年への短縮、年最大六万円の年金生活者支援給付金の創設、医療、介護の保険料負担軽減など、社会保障全体で総合的に講じることとしております。
 さらに、本法案により、生活困窮者に対する包括的支援体制を強化することにより、現在困窮状態にある方へのきめ細かな対応を図るとともに、将来困窮状態に陥らないようにするため、早期かつ予防的な対応を行ってまいります。
 生活保護費負担金の将来推計についてお尋ねがありました。
 生活保護費の将来推計については、生活保護受給者数が、世帯構成の変化、経済情勢や資産の状況など、様々な要素の影響を受けるものであることから、正確に見通すことは難しいものと考えております。
 高齢者向けの新たな生活保障制度についてお尋ねがありました。
 生活保護制度は、ケースワークにより自立の助長を行うとともに、生活保護受給世帯の状況を継続的に確認し、利用できる資産その他あらゆるものを活用してもなお生活に困窮すると認める者に対して補足的に給付を行う制度であります。
 このような継続的な状況確認を行うことなく公費を財源とする金銭給付を行うことについては、国民の理解や既存の給付制度の関係など多くの課題があり、慎重な検討が必要と考えております。
 一方、高齢の被保護者を含めたケースワーク業務全体の重点化などについては、今後、関係者と議論を深めてまいりたいと考えております。
 生活保護制度と給付付き税額控除との関係についてのお尋ねがありました。
 給付付き税額控除を導入すべきとの御提案については、低所得者対策全体の議論の中で、生活保護制度との関係のみならず、社会保険制度など同様の政策目的を持つ制度との関係を十分に整理することがまず必要と考えております。
 加えて、給付付き税額控除には、所得や資産の把握が難しいといった問題や、過誤、不正受給といった支給の適正性の確保など、多岐にわたる課題があり、マイナンバーを活用してもなお、課税最低限以下の所得の方々については、申告義務がなく、その所得を把握できないなどの点も考慮する必要があり、慎重な検討が必要と考えております。
 貧困連鎖と教育無償化についてのお尋ねがありました。
 貧困の連鎖を断ち切り、子供の将来が、その生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策に取り組むことは極めて重要であります。
 厚生労働省としては、生活保護世帯を含む生活困窮者世帯の子供に対する学習支援の強化などや、生活保護世帯の子供の大学などへの進学準備のための一時金の創設を本法案と平成三十年度予算に盛り込んでおり、こうした施策を通じて子供の教育格差の解消に全力で取り組んでまいります。
 また、政府としては、昨年十二月八日に閣議決定いたしました新しい経済政策パッケージに基づき、少子化対策として子育て世帯の経済的負担を軽減するため、幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減を推進してまいります。
 生活保護の不正受給についてお尋ねがありました。
 生活保護の不正受給の内容としては、稼働収入の無申告や過少申告、各種年金等の無申告が全体の約四分の三を占めております。
 また、金融機関に対する調査については、生活保護法第二十九条第一項に基づき、福祉事務所から口座の有無や残高を照会し、確認しているところであります。
 金融機関に対して回答義務を設けることについては慎重な検討が必要と考えておりますが、照会手続の整備などに取り組んできており、今後とも、課税調査などの取組の徹底により、不正受給の防止と早期発見に取り組んでまいります。(拍手)
#26
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#27
○議長(伊達忠一君) 日程第一 税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長三宅伸吾君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔三宅伸吾君登壇、拍手〕
#28
○三宅伸吾君 ただいま議題となりました条約三件について、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、BEPS防止措置実施条約は、国際的な租税回避行為に対処するための租税条約関連措置を迅速に、協調して実施するための法的な枠組みを定めるものです。
 次に、デンマークとの租税条約は、現行の租税条約を全面的に改正し、投資所得に対する源泉地国課税の更なる減免、税務当局間の徴収共助の手続の整備等を定めるものです。
 最後に、アイスランドとの租税条約は、二重課税の除去を目的とした課税権の調整を行うほか、配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の限度税率等を定めるものです。
 委員会においては、三件を一括して議題とし、BEPS防止措置実施条約については、条約締結の意義と効果、我が国企業に与える影響、適用対象となる我が国の租税条約の見通し、多国籍企業の恒久的施設認定の人為的回避による課税逃れへの対処、米国など未署名国への働きかけ等について質疑を行いました。また、デンマークとの租税条約については、条約を全面改正する背景と意義、両国関係に及ぼす効果、アイスランドとの租税条約については、条約を新規に締結する背景と意義等について質疑を行いました。その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員が、BEPS防止措置実施条約に賛成、デンマーク及びアイスランドとの租税条約に反対する旨の意見を述べられました。
 次いで、順次採決の結果、BEPS防止措置実施条約は全会一致をもって、デンマーク及びアイスランドとの租税条約はいずれも多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 まず、日程第一の条約の採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(伊達忠一君) 次に、日程第二及び第三の条約を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            二百十九  
  反対              十四  
 よって、両件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#35
○議長(伊達忠一君) 日程第四 医療法及び医師法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長島村大君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔島村大君登壇、拍手〕
#36
○島村大君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域間の医師偏在の解消等を通じ、地域における医療提供体制を確保するため、都道府県の医療計画における医師の確保に関する事項の策定、臨床研修病院の指定権限及び研修医定員の決定権限の都道府県への移譲等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、地域の実情を反映した医師偏在指標を定める必要性、医師少数区域等で勤務した医師の認定制度の実効性、医師養成過程を通じた医師確保対策の在り方等について質疑を行うとともに、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対の旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            二百十九  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#40
○議長(伊達忠一君) 日程第五 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長岩井茂樹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔岩井茂樹君登壇、拍手〕
#41
○岩井茂樹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、厚生年金保険との統合後もなお経過的に存続する農林漁業団体職員共済組合が行う特例年金給付事務の合理化を図るため、当該特例年金給付に代えて、その現価に相当する額の特例一時金を支給する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、一時金の義務化による特例年金給付の早期完了の意義、特例一時金の支給対象者への周知徹底、特例一時金の支給に要する財源の確保等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#42
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#43
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#44
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#45
○議長(伊達忠一君) 日程第六 商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長石川博崇君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔石川博崇君登壇、拍手〕
#46
○石川博崇君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、社会経済情勢の変化に鑑み、航空運送及び複合運送に関する規定の新設、危険物についての荷送り人の通知義務に関する規定の新設、船舶の衝突、海難救助、船舶先取特権等に関する規定の整備等を行うとともに、商法の表記を現代用語化しようとするものであります。
 委員会におきましては、商法を分かりやすいものとする必要性、定期傭船契約に関する規定を設ける理由、危険物についての通知義務に関する課題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#47
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#48
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#49
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#50
○議長(伊達忠一君) 日程第七 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長高階恵美子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔高階恵美子君登壇、拍手〕
#51
○高階恵美子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年の情報通信技術の一層の進展に伴う著作物等の利用をめぐる環境の変化を踏まえ、情報通信関連事業、教育、障害者福祉又は美術館等に関わる著作物等の利用に係る社会の要請に対応し、著作物等の利用の円滑化を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため、必要な改正を行うほか、いわゆる視覚障害者等による著作物の利用機会促進マラケシュ条約の締結のため必要な措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、権利制限規定の柔軟性を高めることによる効果と影響、教育現場と権利者双方に配慮した授業目的での著作物利用に係る補償金制度の在り方、障害者の情報アクセス機会の充実に向けた支援の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉良理事より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#52
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#53
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#54
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            二百十八  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#55
○議長(伊達忠一君) 日程第八 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長長浜博行君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔長浜博行君登壇、拍手〕
#56
○長浜博行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の一層の促進を図るため、公共交通移動等円滑化基準等の適用対象となる事業者の範囲の拡大、事業者等への計画作成の義務付け、市町村による移動等円滑化の促進等に関する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、バリアフリー化の現状と事業者等によるハード、ソフト対策、市町村マスタープランの作成及び地方に対する国の支援、東京オリンピック・パラリンピックに向けた課題と対応策、心のバリアフリーの取組の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#57
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#58
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#59
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#60
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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