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2018/05/30 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第23号
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2018/05/30 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第23号

#1
第196回国会 本会議 第23号
平成三十年五月三十日(水曜日)
   午前十時六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
    ─────────────
  平成三十年五月三十日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 民法の一部を改正する法律案(趣旨説明
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 民法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。法務大臣上川陽子君。
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(上川陽子君) 民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、公職選挙法の定める選挙権年齢が満二十年以上から満十八年以上に改められたことなどの社会経済情勢の変化に鑑み、民法が定める成年となる年齢の引下げ等を行うものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、現在二十歳とされている成年となる年齢を十八歳に引き下げることとしております。
 第二に、現在男性が十八歳、女性が十六歳とされている婚姻開始年齢について、男女とも十八歳にそろえることとしております。
 第三に、民法が定める成年となる年齢の十八歳への引下げに伴い、関係法律について所要の整備をすることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。若松謙維君。
   〔若松謙維君登壇、拍手〕
#6
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 自民・公明を代表して、ただいま議題となりました民法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まず、日本の未来を託す若者に大きな期待と、健全に成長するための環境整備を行うには、教育費の負担軽減が重要と考えます。そのため、自公政権では、重要政策に掲げ、推進しているところです。本法律改正案が成立し、成年年齢が引き下げられると、十八歳から成年となる若者は、大学、短期大学、専門学校の進学率が八〇・六%と多くの若者が学生生活を送る環境の中で、成年としての責任と自立が求められることになります。
 本法律案をめぐっては、懸念や慎重な意見も示されています。
 第一に、成年年齢引下げの立法事実は何か、引き下げる必要が本当にあるのか。
 第二に、法制審議会の答申では、消費者被害の拡大を防止する施策及び若者の自立を支援するための施策を実現することの必要性が指摘され、その対策として、消費者庁が徳島県の高校生を対象に「社会への扉」という教材を用いた消費者教育、又は学習指導要領の改訂等を行ってきました。その上で、現時点で消費者被害の拡大を防止する施策の実現や効果の発揮という条件は満たされているのか、また、その効果の検証は行われたのか。
 第三に、平成二十年、二十五年の内閣府の世論調査では、一人で高額な商品を購入する契約ができることに反対と答えた人が八割に上り、反対意見が多いにもかかわらず成年年齢を引き下げるのはなぜか、このような課題が指摘されています。
 改めて、今改正を行うべき意義と、百四十年ぶりの歴史的な見直しに取り組む法務大臣の御決意を伺います。
 法制審議会民法成年年齢部会の最終報告書には、国民投票法が成立して十八歳となったという政治的な契機との意見があった一方で、法制審議会最終報告書では、成年年齢の引下げにより、十八歳、十九歳の若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すことにつながるとの記述もありました。
 また、今回の法案を賛成する立場の意見を私なりに整理すると、十八歳の若者は成熟した大人ではなく、大人の入口にすぎません。そこで、成年となった若者の自己決定権を尊重しながら、必要に応じた支援や保護を行い、民法改正のこの機にしっかり自立できるような社会の仕組みを構築する必要があると考えます。
 そのような視点に立ち、公明党は、成年年齢引下げに関する環境整備を着実に進めるため、省庁横断的な検討会議の設置を主張しました。その結果、去る四月十六日、第一回目の成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議が開催されました。
 この連絡会議は大変重要な会議であり、今後対応が必要とされる個別の施策と達成目標に向けた進捗状況をしっかり管理することが重要です。そのためには、この会議で確認された工程表を着実に実施し、新たな課題が生じた場合にも適切に対応していくことが求められ、法務大臣の力強いリーダーシップが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 先ほどの世論調査は、成年年齢引下げに対する国民の意見を聞くため、五千人を対象に実施されました。成年年齢引下げ議論の関心度では、議論の存在、内容とも知っているが、平成二十年は二五・七%が平成二十五年には二二・五%に減少し、議論の存在は聞いたことがあるが内容は知らないと答えた人が、平成二十年五七・一%が平成二十五年には五五・四%と共に減少しました。さらに、議論されていることを聞いたことがないが平成二十五年は二二・一%に上り、内容を知っているの二二・五%とほぼ拮抗していることは無視することができません。
 成年年齢引下げ議論の認知が広がらない理由をどのように認識し、今後どのように対応していくか。特に、成年年齢引下げに伴う影響を個々人にしっかり伝えるためには、地方自治体の協力も得ながら、一人も漏れなく今回の民法改正を国民に伝えるため、あらゆる努力を尽くすべきと考えますが、法務大臣の今後の対応と決意を伺います。
 十八歳、十九歳の多くは、大学等の進学、就職、転居等の人生の大きな節目を迎え、高額な支払を伴う様々な契約を締結するなど、社会と接触する機会が一気に増える時期であります。このような時期に現行の未成年者取消し権を失えば、消費者被害に巻き込まれる可能性は格段に高まります。実際、今まで、二十歳になると消費者被害の相談件数が急増するという特徴があり、新たに成年となる者の消費者被害が拡大しないための施策が必要となります。
 政府は、若年消費者保護のため、社会経験が乏しい若者などへの就職や結婚などの社会生活上の願望、恋愛に付け込んだ契約や、契約締結前に債務の実施を伴うものを加えたなどの契約取消し権の範囲を拡大する消費者契約法改正を国会に提出し、二十四日、衆議院で採決されました。
 今回の成年年齢引下げに伴い、社会経験の乏しい若者の消費者被害を防止するため、消費者ホットライン一八八などの相談窓口を周知徹底し、十八歳以上の若者をしっかりサポートする社会の構築を更に進めるべきと考えますが、その取組に向けた御決意と具体的にどのような施策を講じるか、消費者担当大臣にお尋ねします。
 高学歴社会の我が国では、二十歳で成年となった若者が経済的に自立するまでは、親などのサポートなしに生きていくことは困難であると言えます。さらに、両親のいない若者が二十歳になった瞬間に法律的には未成年後見人がいなくなり、進学、就職などの際の身元保証人がいない、賃貸借契約の保証人がいない環境となります。そして、未成年後見人の代わりとなる保証会社へ多額の費用を負担しなければならないなど、不安を抱きながら社会生活を送っている人たちがいます。それが、成年年齢引下げにより、進学、就職、独り暮らしのための賃貸借契約などを行う時期に十八歳の誕生日で後見人がいなくなり、大変困る若者が現在より多くなることが懸念されています。
 このような家庭環境に課題がある若者に対して、新たな身元保証等のサポート体制を拡充していくことは不可欠であると考えますが、法務大臣の明快な答弁を求めます。
 十八歳以上の若者が成熟した成年として自立するためには、衆議院での参考人から意見としてあった、高校生の間に消費者教育を徹底するとともに、消費者保護の法律を充実させることで、取引経験が不足した若者であっても回復不可能な財産被害が起きないような環境を整えるのが政策論の本筋との御指摘は、全くそのとおりであります。
 そのために、今後、現在の高校生に、法教育の充実、消費者教育の充実、金融経済教育の充実をどのように進めていくか、文部科学大臣に伺います。
 最後になりますが、成年年齢を十八歳に引き下げることを決断した我が国は、自己責任の考えが強い欧米社会と比べ相互依存性が強い我が国の社会性を考慮すると、今後スムーズに成年年齢引下げを定着するためには、改めて、関係府省庁連絡会議を充実させ、省庁間の連携を密にし、今後生じる様々な課題に全力で対応することを要望し、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(上川陽子君) 若松謙維議員にお答え申し上げます。
 まず、法改正の意義と見直しに向けた決意についてお尋ねがありました。
 成年年齢の引下げについては、御指摘のような幾つかの課題が提起されてきました。
 選挙権年齢と成年年齢とが一致していないことや、現行の成年年齢が若年者の経済活動の実態を反映していないという現状は、成年年齢の引下げの立法事実になるものと考えております。また、これまで、環境整備のために、消費者教育のように若年者に対して直接的に働きかける施策を含め、様々な施策を実施してきたところであり、その効果は着実に上がってきたものと考えております。さらに、世論調査の結果によれば、消費者教育の充実といった前提が整えば成年年齢を引き下げてもよいという意見が多数あり、この段階で成年年齢を引き下げることは国民の意識に反するものではないと考えています。
 若年年齢の引下げは、新たに成年として扱われる若年者の自己決定権を尊重するものであり、若年者にとって大きな意義があると考えております。
 また、参政権の面に加えて経済取引の面でも、十八歳、十九歳の者を言わば一人前の大人として扱うことは、これらの者の積極的な社会参加を促し、我が国の将来を活力あるものにすることにつながると考えております。
 また、このような社会を築くためには、若年者が安心して経済取引を行い、社会の中で自立することができるように継続して支援していくことが重要であると考えております。
 政府としては、これまでも成年年齢の引下げに向け各種の環境整備のための施策に取り組んできましたが、今後も引き続き、これらの施策を推進していきたいと考えております。
 次に、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、成年年齢の引下げに向けた環境を整備することは極めて重要であり、この連絡会議に課せられた責任は大きいものと認識しております。
 連絡会議においては、個別の施策ごとの工程表を作成した上で、その実施状況を連絡会議の構成員である関係府省庁が相互に確認し、施策の進捗状況を管理することを予定しております。
 また、連絡会議を継続的に開催していく中で、新たな課題が発生した場合には、必要に応じて工程表に追加、修正するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
 成年年齢の引下げは、国の在り方に関わるテーマであり、その環境整備は政府全体で取り組む必要がありますが、法務大臣としても、連絡会議の議長として、覚悟を持ってこれらの施策に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、成年年齢引下げに関する認知度が低い理由や、認知度を高めるための取組についてお尋ねがありました。
 過去の世論調査において成年年齢の引下げに関する認知度が低かった要因としては、その引下げに向けた議論の内容や環境整備の施策等についての周知が不十分であったことが挙げられると認識しております。
 成年年齢の引下げは、国の在り方に関わる重大なテーマですから、御指摘のように、各地方自治体の協力も得ながら政府全体で取り組んでいく必要があると考えております。
 最後に、家庭環境にハンディがある若者に対するサポート体制の整備についてお尋ねがありました。
 御指摘のように、成年年齢の引下げによる、父母や後見人のサポートを受けることができない若年者が困難に直面するおそれがあります。このため、政府においても、子供・若者育成支援推進大綱に基づき、若者の自立支援を含む各種の子供・若者施策に取り組んできたところです。
 政府としては、こうした若年者の自立を支援する取組を着実に進めていく必要があると考えており、御指摘のようなサポート体制の拡充についても、成年年齢の引下げを見据えた関係府省庁連絡会議において検討してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(福井照君) 若松議員にお答えをいたします。
 十八歳、十九歳成年の消費者被害対策についてお尋ねがございました。
 消費者庁は、新たに成年となる十八歳、十九歳の消費者被害の拡大を防止すべく、困ったらまずは消費者ホットライン一八八に電話し、最寄りの消費生活センター等に相談するよう周知徹底に努めてまいります。全国の消費生活センター等では合計約三千五百名の消費生活相談員が相談を受け付けておりますけれども、相談体制の更なる充実にも取り組んでまいりたいと存じております。
 これに加えまして、若年者への消費者教育の充実も大変重要な課題でありますことから、文部科学省等の関係省庁と連携をいたしまして、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間とするアクションプログラムを決定したところでございます。
 こうした取組によりまして、成年年齢の引下げを見据えた環境整備に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(林芳正君) 若松議員から、消費者教育についてお尋ねがありました。
 成年年齢の引下げに向けて、法教育、消費者教育、金融経済教育を一層充実していくことが重要だと考えております。
 文部科学省では、本年二月に、消費者庁、法務省、金融庁と連携して、若年者への消費者教育に関するアクションプログラムを決定し、二〇二〇年度までの三か年を集中強化期間とするなど、取組を推進しております。
 具体的には、高等学校等において、社会科や家庭科など関連する教科の学習指導要領の趣旨の徹底を図ること、消費者庁作成の高校生向け消費者教育教材の活用を促進すること、実務経験者の外部講師としての活用を推進すること、教員養成、教員研修等の充実を図ること等を進めることとしております。また、大学等においても消費生活センターとの連携の促進などを行うこととしております。
 今後とも、関係省庁と連携いたしまして、法教育、消費者教育、金融経済教育の充実に向けて取組を加速してまいります。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) 石上俊雄君。
   〔石上俊雄君登壇、拍手〕
#11
○石上俊雄君 国民民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 会派を代表して、ただいま議題となっております民法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、欧米の政治では当たり前の、ある言葉を紹介します。
 客観的証拠、エビデンスに基づく政策立案、英語ではエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングと言うそうです。どこの国も、増大する財政負担など厳しい制約の中、より効果のある、より効率の高い政策を選ぶ必要性に迫られて、この言葉が注目されています。我が国も同じはずです。それなのに、国会では連日、記憶にない、記録がない、挙げ句の果てにエビデンスである公文書を隠す、改ざんする、破棄する。安倍政権にエビデンスに基づく政策立案はみじんも見当たりません。今こそ、真の意味で国民のための政策立案、政治の検証を断行し、信頼回復の新しい政治を我が国民民主党を中心につくり直そうではありませんか。
 官房長官は、御自身の著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」の中で、政治家が責任を取る覚悟の大切さ、そして政治家にその覚悟があれば官僚はおのずと実直に振る舞う、当たり前の道理を言いたかったと推察します。
 しかし、安倍政権はそうなっていません。政治家には覚悟がなく、官僚にはエビデンスがありません。特に、安倍総理には覚悟もエビデンスも両方欠けています。それはなぜなのか。「政治家の覚悟」をお書きになり、政権の要である官房長官に、総理を含め、政府要人が発言に際して持つべき覚悟とエビデンスの必要性についてどう説いているのか、答弁を求めます。
 それでは、本題の民法改正案について質問します。
 まず、法務大臣にお尋ねします。
 平成二十一年の法制審議会では、選挙年齢と民法の成年年齢とは必ずしも一致する必要がないとの結論でしたが、今回はそれを一致させる法改正の立法事実は何ですか。成年年齢を引き下げないとどのような不都合や支障が生じるのですか。また、民法の成年年齢、選挙権年齢、それに国民の意識における一人前の大人との関係、その一致の必要性はどうなっていますか。
 これらがしっかり腹に落ちないと、法改正の目的は曖昧なまま、世論調査を行えば反対多数、結果、熱なき民法改正という言わば政策漂流に陥りかねません。法務大臣に明確な説明を求めます。
 次に、法改正で生じると言われている五つの大変深刻な懸念について質問します。
 一つ目は、未成年者取消し権の喪失となる十八歳、十九歳で消費者被害が拡大するとの懸念です。内閣府特命担当大臣と文部科学大臣にお尋ねします。
 また、これまで実施された対策や消費者教育の中身は衆議院の審議でお聞きしましたが、その効果は十分に出たのかよく分かりません。効果が出たのならば、そのエビデンスを示してください。定量的な効果測定を行っていないならば、正直にそうお答えください。
 二つ目は、自立に困難を抱える十八歳、十九歳が、法改正で親権対象外となり、ますます困窮を深めるとの懸念です。厚生労働大臣に見解と対応をお伺いします。
 また、前の質問と同様、衆議院の議論においてこれまでの自立支援の中身はお聞きしましたが、その効果は十分に出たのかよく分かりません。効果が出たのならば、そのエビデンスを示してください。定量的な効果測定を行っていないならば、正直にそうお答えください。
 三つ目は、離婚後の養育費支払の終期が成年年齢の引下げに影響され、結果として早まってしまうのではないかという懸念です。この懸念は多方面から表明されていますが、法務大臣、懸念は一切ないと明言できますか。
 また、そもそも裁判所の養育費の請求のひな形に未成年者と書いてあるのが問題で、未成熟子に改めるべきとの声も聞きますが、併せて所見をお伺いします。
 四つ目、五つ目の懸念を文部科学大臣にお伺いします。
 成年年齢が十八歳に引き下げられると、高校で成年と未成年の混在が発生し、生徒指導が困難になるのではないか、これが四つ目の懸念です。
 例えば、高校三年で成年に達した生徒には親権者を介しての指導が困難となり、大学進学や就職などの重要な時期に、教師は生徒と直接対峙せざるを得なくなり、従来の進路相談は変わってしまうのでしょうか。
 懸念五つ目は、国民的に関心の高い成人式についてです。
 仮に、成年年齢の引下げで成人式が十八歳参加に変更となると、一月の第二月曜日は大学の受験シーズンと重なり、出席者が大幅に減るのではないかと懸念されています。文部科学大臣に見解と対応をお伺いします。
 ここまでは成年年齢引下げに伴う懸念についてお伺いしましたが、国民の適用年齢引下げに対する反応は懸念一辺倒ではありません。先月行われた読売新聞の世論調査では、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正案に賛成四二%、反対五六%と、反対が賛成を上回りました。しかし、逆に、少年法の適用年齢を二十歳未満から十八歳未満に引き下げることには賛成が八五%と、圧倒的多数となっています。
 この違いに対して、法務大臣はどうお考えになりますか。あわせて、少年法適用年齢と成年年齢の関係性、連動性についても見解を求めます。
 続く二問は、諸外国の制度との比較において、我が国の法改正の立ち位置を明らかにするため、法務大臣にお尋ねします。
 一つ目は、婚姻適齢を男女とも十八歳にそろえることについてです。
 今回の改正で、十八歳未満の婚姻は不可能となりますが、婚姻適齢に至らない者の同棲や妊娠を禁止できるわけもなく、女性が妊娠した場合、例外的に未成年の婚姻を認める制度を検討すべきではないかとの指摘があります。
 実際、諸外国では、本人の意思のみで婚姻できる年齢に達していなくても、一定の年齢に達すれば親の同意等の条件を満たせば婚姻できる、条件付婚姻年齢の制度を持つ国は数多く存在しますが、そのような例外規定を我が国では不要とした判断の根拠、エビデンスを、法務大臣、お示しください。
 二つ目は、養子を取ることができる年齢、養親年齢についてです。
 現行法では、成年に達した者は、養子をすることができると規定されていますが、法改正ではこの成年を二十歳に改めることで、養親年齢を二十歳に据え置くこととしています。他人の子を法的に自分の子として育てるには相当な覚悟が必要なのは自明ですが、成年年齢同様の扱いができない根拠は何ですか。
 一方、諸外国の例を見ますと、養親年齢を成年年齢より高く設定する国は多いのですが、ただし、その年齢は二十歳よりも上の二十五歳であることが比較的多いと聞きます。
 これらの観点から、養親年齢の引下げ、引上げを行わない判断の根拠、エビデンスを、法務大臣、お示しください。
 最後に、今回の法改正全体の手順について質問します。
 法制審議会では、フルメンバーシップを取得する年齢は一致している方が法制度としてシンプルとしていますが、問題は、そのシンプルさを、どこまで、どの程度のコストで追求するかにあると考えます。
 法制審議会の、民法の成年年齢を引き下げ、十八歳をもって大人として扱うことは、若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すとの方向性に賛同できる国民もいるとは思いますが、消費者被害の拡大を含め、様々な懸念が解消されないうちに見切り発車するのであれば、それはまさに本末転倒です。
 この点、法務大臣はどう考えるのか、覚悟とエビデンスのある真摯な答弁を求めます。
 明治九年の太政官布告以来、二十歳と定められてきた我が国の成年年齢を約百四十年ぶりに引き下げるという歴史的な大改革を進めるに当たり、まず行うべきは、民法の成年年齢と選挙年齢、そして国民の意識における一人前の大人との関係性やその一致の必要性をぎりぎりと突き詰めることであり、その結果、どういう性格のものを十八歳から外すのか、基準や考え方を整理、明示した上で国民へ浸透を図ることが今回の改正の進め方の正解だったのではないでしょうか。
 それを怠ったがゆえに、世論調査を行えばいまだに反対が賛成を上回るという、熱なき民法改正へと国民を漂流させてしまった真の原因がそこにあると、私も覚悟とエビデンスを持って指摘させていただき、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(上川陽子君) 石上俊雄議員にお答え申し上げます。
 まず、民法の成年年齢と選挙権年齢を一致させる必要性等についてお尋ねがございました。
 近時の公職選挙法の改正等により、十八歳以上二十歳未満の方に選挙権を与え、言わば一人前の大人として扱うという国政上の判断が示されたことに鑑みますと、市民生活の基本法である民法の成年年齢も、できる限り選挙権年齢と一致させることが望ましいと考えられます。
 また、十八歳、十九歳の方の中には、大学入学等を機に独立して生活したり、働いたりしている方が多くいるにもかかわらず、これらの方が単独で有効な取引をすることができないというのは、その経済活動の実態を適切に反映しておらず、相当でないと考えられます。
 このように、民法の成年年齢と選挙権年齢とが一致していないことや、現行の成年年齢が若年者の経済活動を反映していないという問題点などは、民法の成年年齢を引き下げる立法事実になるものと考えております。
 次に、成年年齢の引下げが養育費の支払期間に及ぼす影響の有無等についてお尋ねがありました。
 養育費は、子が未成熟で経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるべきものであり、必ずしも子が未成年である場合に限定されるものではありません。したがって、成年年齢の引下げが直ちに養育費の支払期間の終期を早めるものではないと考えております。
 また、既にされている養育費に関する合意や審判に影響が及ぶかどうかは、最終的には裁判所の判断に委ねられる問題でありますが、基本的には、成年年齢の引下げがこれらの合意や審判に影響を及ぼすことはないと考えております。
 また、裁判所が作成しているひな形の記載に関しましては、衆議院での審議において、最高裁判所から必要な検討をする旨の答弁がされたものと承知しております。
 次に、少年法の少年の上限年齢に関し、世論調査及び成年年齢との関係についてお尋ねがありました。
 お尋ねの世論調査については、調査方法の詳細等を承知しておらず、個別の調査結果について所感を申し上げることは差し控えたいと思います。
 少年法の少年の上限年齢の在り方は、刑事司法全般において、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題に関わるものであり、民法の成年年齢が引き下げられた場合においても、論理必然的にこれを引き下げなければならないこととなるものではないと考えております。
 少年の上限年齢については、若年者を含む犯罪者に対する刑事政策的措置の在り方とともに、現在、法制審議会において調査審議を行っていただいているところであり、まずは、その議論を見守りたいと考えております。
 次に、婚姻開始年齢の引上げに関し、例外的な要件を設けなかった根拠等についてお尋ねがありました。
 女性の婚姻開始年齢について例外を設けることについては、法制審議会においても検討を行いましたが、健全な婚姻をする能力を欠くと考えられる若年者の婚姻を禁じ、若年者を保護するという婚姻開始年齢の趣旨にそぐわないことから、採用されないこととされました。
 本法律案においても、同様の考え方に基づき、婚姻開始年齢について例外を設けるという考え方は取らないこととしております。
 次に、養子を取ることができる年齢を二十歳のまま維持する根拠についてお尋ねがありました。
 成年年齢は、若年者が親の監督や保護を離れて自ら単独で契約等の法律行為をするのに適した年齢を定めているのに対し、養親となることができる年齢、養親年齢は、他人の子を法律上自己の子とし、これを育てるのに適した年齢を定めているものであり、その趣旨が異なることから、必ずしもこれらを一致させる必要はないと考えられます。
 その上で、養親になることは、他人の子を法律上自己の子として育てるという重い責任を伴うものであることや、諸外国においても、私法上の成年年齢よりも養親年齢を高く設定している国が多く見られること、他方で、現状の二十歳とする制度で特段不都合が生じているとの指摘もないこと等を考慮し、養親年齢については、二十歳とする現状を維持することとしたものです。
 最後に、消費者被害の拡大などの様々な懸念が解消されていないのではないかとのお尋ねがありました。
 政府としては、これまで、成年年齢の引下げによって生じ得る弊害に対応するため、若年者の自立を促すような施策や、消費者被害の拡大の防止に資する施策など、環境整備の施策に取り組んできており、これらの施策は着実に効果を上げてきたと判断しております。
 また、平成二十七年の公職選挙法改正により、実際に十八歳、十九歳の若年者が選挙権を行使するようになったことは、若年者に社会の一員としての自覚をもたらすものであると考えております。
 法務省としては、以上の諸事情を踏まえ、現時点において成年年齢の引下げについての国会の御判断を仰ぐ前提となる環境は整ったものと考えております。
 最後でございますが、先ほど、若松議員の御質問に対しまして、一か所、成年年齢の引下げと申し上げるべきところを若年年齢の引下げと申し上げたこと、訂正し、おわびを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(菅義偉君) 政治家の覚悟と行政のエビデンスについてお尋ねがありました。
 私は、かねてより、政治主導によって、官僚のやる気を引き出し、その潜在能力を発揮させながら、国民の声をしっかりと国政に反映させ、国益を最大限増大させることが重要であると申し上げております。
 安倍政権においては、閣僚が責任を持って政策の方向付けを行い、その中で公務員が最大の能力で職務を遂行し、経済の再生や北朝鮮問題などの内外の諸課題に全力で取り組んでおります。
 また、国民への説明責任を全うするための公文書については、様々な御指摘を重く受け止め、適正な管理を徹底することにより、行政への信頼回復を努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣福井照君登壇〕
#14
○国務大臣(福井照君) 石上議員にお答えをいたします。
 未成年者取消し権を喪失する十八歳、十九歳に消費者被害が拡大する懸念への見解と対応、これまでの施策効果に関するエビデンスについてお尋ねがございました。
 成年年齢が十八歳に引き下げられた場合、仮に適切な対策が講じられなければ、十八歳、十九歳の消費者被害が拡大するおそれがあると考えられます。このため、消費者庁としては、消費者教育の充実、制度整備や厳正な法執行、消費生活相談窓口の充実、周知など、総合的な対応に全力で取り組んでまいります。
 消費者教育については、定量的に効果を測ることは困難でありますけれども、社会人として自立した消費生活を送るためには、実践的な消費者教育を受ける機会が与えられることが重要であり、「社会への扉」を活用した授業が全ての都道府県の全高校で行われることを目指して取り組んでいるところでございます。
 また、相談窓口の充実、周知にも取り組んだ結果、全国の消費生活センターの数は八百二十九にまで増加したほか、土日祝日も含めまして、消費者ホットライン一八八に電話すれば、全国どこからでも最寄りの相談窓口につながるようになったところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(林芳正君) 石上議員から、未成年者取消し権の喪失についてお尋ねがございました。
 成年年齢が十八歳に引き下げられた場合には、十八歳及び十九歳が行った契約につきましては、保護者等の取消し権がなくなることとなります。そのため、消費者被害を防止する観点からも、消費者教育の充実が重要であると考えております。
 文部科学省においては、平成二十、二十一年度の学習指導要領の改訂の際に、主に社会科や家庭科など関係する教科において消費者教育に関する内容を充実したところでございます。
 具体的には、例えば、小学校では、地域の社会生活を営む上で大切な法や決まり、中学校では、消費者の基本的な権利と責任、高等学校においては、消費者信用及びそれらをめぐる問題などについて指導をしているところでございます。
 文部科学省としては、例えば、消費者教育による消費者被害の減少といった定量的な効果については把握をしておるわけではございませんけれども、学習指導要領の充実により、消費者教育に関する教材等の充実もなされておりまして、学校における消費者教育は一定の進展が図られたものと考えておるところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携し、消費者教育の充実に向けて取組を加速してまいります。
 次に、成年年齢引下げによる生徒指導や進路指導への影響のお尋ねでございました。
 高校における生徒指導や進路指導については、当該生徒が成年年齢に達したか否かにかかわらず、父母等と連携して行うことが重要でございまして、例えば、在学中の指導等は成人後も父母等と協力して行う旨、高校入学時に父母等から誓約書を得ておくなどの措置を講ずることも考えられるところでございます。
 文部科学省としては、成年年齢に達した生徒に対する指導等に当たって留意すべき点について、関係団体の意見も聞きながら、法務省と連携しつつ、必要な指導、助言に努めてまいります。
 次に、成人式についてお尋ねがございました。
 成人式の実施につきましては、法律による規定はなく、実施時期や対象年齢等その在り方については、各市町村が主体となって検討を行い、地域の実情に応じて企画、実施していただくものと考えております。
 しかしながら、成年年齢の引下げに伴い各市町村が成人式の対象年齢の引下げを行う場合には、開催時期によっては高校生の大学進学準備等との関連で出席者が減少するなど、考慮すべき事項が出てくることも考えられます。
 政府においては、成年年齢引下げを見据えた環境整備につきましては、関係府省庁連絡会議、これを設置いたしまして検討することとしております。このため、成人式の時期や在り方等についても、改正法案が成立した後は、この連絡会議等において自治体等の関係者との意見交換を行いまして必要な情報を発信するなど、関係府省庁と連携協力して取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇〕
#16
○国務大臣(加藤勝信君) 石上俊雄議員より、若年者の自立支援についてのお尋ねがありました。
 厚生労働省としては、成年年齢引下げに伴う懸念も踏まえ、若年者の自立を支援することは重要と考えており、キャリア形成支援や困難を有する子供、若者への支援などを推進しております。
 具体的には、ニート、フリーター等の若者の社会的、経済的自立に向けた支援、学生アルバイトの労働条件確保対策、労働法に関する教育、周知啓発、社会的養護については、児童養護施設などを退所した児童等に対する二十二歳の年度末までの必要に応じた自立支援、一人親家庭については、子供の居場所づくりなど、総合的な子育て・生活支援、学習支援などを進めております。
 その結果、例えば平成二十九年度には、わかものハローワークなどでの就職支援を通じ、約一・七万人の二十五歳未満のフリーター等の正社員就職が実現をいたしました。また、児童養護施設入所者について見ると、就職、進学により九割を超える方々が自立への道を歩んでおられますが、そうした中で、大学等への進学率は、平成二十四年度調査では二二・〇%だったものが、平成二十九年度調査では二七・一%に上がっております。さらに、一人親家庭の子供について見ますと、就職、進学により八割を超える方々が自立への道を歩むようになっており、また、そうした中で、大学等への進学率は、平成二十三年度調査では四一・六%だったものが、平成二十八年度調査では五八・五%に上昇しているところであります。
 このように一定の効果は出てきており、今後とも、これらの施策の効果検証を行いつつ、より一層の推進を通じて若年者の自立を支援してまいります。(拍手)
#17
○議長(伊達忠一君) 少々お待ちください。
    ─────────────
#18
○議長(伊達忠一君) 有田芳生君。
   〔有田芳生君登壇、拍手〕
#19
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。
 成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案について質問する前に、まず加計学園問題についてお聞きします。
 加計孝太郎理事長と総理が二〇一五年二月二十五日に面会して獣医学部創設について十五分間話し合ったとする愛媛県文書について、真相はいまだ明らかではありません。
 加計学園は、報道機関に宛てて、総理と理事長との面会はなかったとするファクスを二度流しました。しかし、このファクスが真実であるとの確認は取れておりません。まさに怪文書レベルです。このファクスが真実であるというのなら、責任者である加計孝太郎理事長が堂々と記者会見をして事実経過を明らかにするのが真っ当な対応ではないでしょうか。愛媛県知事は、普通はまず関係者に謝罪し説明すると、いまだ学園から連絡がないことに強い怒りを表明しています。
 面会があったのかなかったのか、総理の言葉と加計学園の紙っぺらたった一枚、たった六行、二百字程度の一方的弁明はあっても、それが事実であるかの確定はいまだできておりません。
 五月二十六日、七日に毎日新聞が行った世論調査では、総理が加計学園の獣医学部新設の構想を初めて知ったのが二〇一七年一月だったとする説明を信用できないが七〇%、信用できるは僅か一四%でした。加計学園理事長と愛媛県知事の証人喚問を是非とも実現しようではありませんか。
 公文書の捏造、改ざん、破棄、隠蔽、法務大臣はこうした問題をどう認識されているのか、率直にお答えください。
 さらに、森友学園問題。
 安倍総理は、昨年二月十七日、国有地売却について、私や妻が関係したということになれば首相も国会議員も辞めると答弁いたしました。ところが、今月二十三日に財務省が国会に提出した森友学園との交渉記録には、昭恵夫人付けの政府職員が、国有地取引について優遇が受けられないかと総理夫人に照会があり、財務省に問い合わせたことを示す文書がありました。
 官房長官は、昭恵夫人付きの政府職員が勝手にやったことと語りましたが、ならば、この政府職員は、籠池夫人とのやり取りがあった昭恵夫人の携帯電話のメールを勝手に盗み見し、あるいは留守番電話を勝手に聞いたとでも言うのでしょうか。あり得ないことです。夫人は明らかに関係したのです。
 総理が豪語したように、首相も国会議員も辞めるとした答弁を有言実行していただこうではありませんか。今更関係を贈収賄に引き上げるのは余りにも往生際が悪い、そう言わざるを得ません。
 二〇一四年四月二十八日、この日は、籠池氏が近畿財務局に昭恵夫人とのスリーショット写真を提示し、いい土地ですから前に進めてという昭恵夫人の言葉を伝えています。暗礁に乗り上げていた契約交渉はここから大きく進み出しました。ところが、なぜか約九百五十ページの交渉記録にこの日のものはありません。
 麻生大臣は、衆議院の予算委員会で、探せばまだ出てくるかもしれませんと答弁しました。更に隠蔽が行われていると疑わざるを得ません。財務大臣、記録を全て出してください。
 民法改正案に移ります。
 成年年齢を二十歳としたのは一八七六年、明治九年ですから、それを十八歳に引き下げるというのは百四十二年ぶりの抜本的な改革です。
 法務大臣にお聞きします。
 成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げることについて、国民投票法や選挙権年齢を十八歳に引き下げたからそれに合わせるという理由ではなく、人間の成熟という視点からどのような検討が行われ、いかなる結論が出されたのですか。その時代認識をお答えください。
 現状では、成年年齢引下げに伴う弊害への対応が十分だとは言えません。今から御紹介する数字をしっかりと記憶に刻んでください。闇金融事犯に対する相談件数です。
 直近の平成二十九年の年齢別内訳は、二十歳未満三十一件、二十歳代千三百九十九件、三十歳代千七百四十三件、四十歳代が一番多くて二千四百四件です。これは警察庁によるまとめで、サラ金や闇金についての被害統計はありません。数字が問題なのではありません。一人一人の暮らしと人生に深い傷を与える被害を少しでも防止しなければなりません。
 闇金の手口は極めて巧妙で深化しております。トイチは十日で一割の返済、ひどいケースでは、トゴといって十日で五割の返済を求められるケースさえあります。悪徳商法の加害者は、常に勧誘方法を最新のものに更新し、特定個人に狙いを定めたなら、集団で検討を加えるなど、まさにアリ地獄に引き込み、その結果、自己破産どころか自ら命を絶つ場合もあります。福井大臣、こうした事実をどれだけ認識していますか。
 成年年齢が下げられると何が問題なのでしょうか。民法第五条第二項では、未成年者取消し権、つまり、成人に達していない者が契約をしたとき、親権者がその契約を取り消すことができます。しかし、これが十八歳にまで引き下げられれば、サラ金だけではなく、闇金の被害も更に拡大するでしょう。
 国家公安委員長にお聞きします。
 サラ金被害や闇金被害の実態をどう把握していますか。また、今の未成年者及び若い世代の消費者被害を防ぐためにどんな対応が取られているのでしょうか。福井大臣、課題とともに具体的にお答えください。
 国民生活センターによると、二十歳を境にして、消費者被害の相談件数は急増します。日本弁護士連合会が国民生活センターのデータに基づいて分析した結果では、相談件数を二十歳前後で比較すると、マルチ取引の相談は約十二・三倍、ローン、サラ金の相談は約十一・三倍と、二十歳を境に急増です。これは、悪徳業者の側からすれば、未成年者取消し権の対象にならない若者が格好のターゲットになることを示しています。
 政府は、それが分かっているから、内閣府大臣官房政府広報室のオンラインで、「新成人の皆さん、二十歳になると、未成年のころより消費者トラブルに巻き込まれることが大きく増えます。」と注意を喚起し、「未成年者の場合、親権者の同意なく結んだ契約は、原則、取り消すことができますが、成人になるとそうした保護はありません。」と通告しております。これだけでは消費者被害対策は不十分ではないかと思いますが、福井大臣、いかがでしょうか。
 平成二十一年、二〇〇九年の法制審議会が大臣に答申した民法の成年年齢の引下げについての意見では、成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当であるとあります。しかし、この文言の後に三つの条件が述べられております。まとめると、消費者被害の解決に資する施策の実現が必要であり、その効果が十分に発揮され、国民の意識でも一般化することです。
 法制審の答申から九年、サラ金被害や闇金被害はより深刻に推移しております。法制審三条件は満たされていません。法務大臣は説得力ある説明ができるでしょうか。大切なことは、干物のような言葉ではなく、生ものとしての現実です。
 衆議院本会議で民法改正案が審議に入る前のことです。読売新聞の世論調査では、賛成四二%、反対五六%と、賛成より反対が多い結果が出ています。
 内閣府は、二〇一三年十月を最後に、成年年齢に関する世論調査を行っておりません。その調査では、十八歳、十九歳の者が親などの同意がなくても一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすることに対して、反対四七・二%、どちらかといえば反対三二・二%、反対の合計は七九・四%、約八割です。その一方で、賛成七・四%、どちらかといえば賛成一一・二%と、賛成の合計は一八・六%で、圧倒的に反対が多いんです。
 法案をまとめるには最新の世論調査が必要だと思いますが、なぜ五年間行わなかったのでしょうか。また、この世論調査の結果をどう受け止めているのでしょうか。法務大臣にお伺いし、質問を終わります。
 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(上川陽子君) 有田芳生議員にお答え申し上げます。
 まず、公文書の捏造、改ざん、破棄、隠蔽といった公文書をめぐる問題についてお尋ねがありました。
 行政文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものです。
 行政機関においては、行政文書の適正な作成、整理、保存等を通じ、行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国の諸活動を現在及び将来の国民に説明していく責務があるものと承知しています。
 国民の皆様が必要なときに本来主体的に利用できるはずの公文書を利用できないことは、ゆゆしき事態であると認識しています。
 公文書や行政全体に対する国民の皆様の信頼を確保するため、各省庁ごとの特性を踏まえ、絶えず点検を実施し、公文書管理の在り方について不断の見直しをするなど、行政文書の管理を適切に行うことは非常に重要であると考えています。
 次に、人間の成熟という視点からの検討状況についてお尋ねがありました。
 近時の若者については、例えば、精神的、社会的自立が遅れているなどといった指摘があるものと承知しております。
 もっとも、公職選挙法が改正され、十八歳、十九歳の若者が国政選挙において実際に選挙権を行使したことは、このような若者に社会の一員としての自覚をもたらし、大人としての自覚を強く促す効果があったものと考えております。
 また、九八%を超える高校等の進学率や、消費者教育、法教育及び金融経済教育等の充実により、今日の十八歳、十九歳の若者は自らの判断で契約を締結するのに必要な判断能力を備えるようになってきているという実態があるものと考えております。
 これらの事情からすると、十八歳、十九歳の若者は、一般に、大人の入口に立ったと言えるだけの成熟度を備えているものと考えております。
 次に、法制審議会の最終報告に掲げられた条件の充足についてお尋ねがありました。
 これまで、政府としては、消費者被害の拡大の防止に資する施策や若年者の自立を促すような施策など、環境整備の施策に取り組んできており、これらの環境整備の施策は着実に効果を上げてきたと判断しております。
 そして、このような環境整備の施策は、国民にも浸透してきていると考えており、法制審議会の最終報告で掲げられた条件を満たしているものと考えております。
 もっとも、政府としては、御指摘のような懸念を払拭するために、今後も環境整備のための施策の更なる充実強化を図る必要があると考えており、国民の一層の理解が得られるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
 次に、世論調査を五年間実施していない理由についてお尋ねがありました。
 成年年齢の引下げの是非及びその時期を判断するに当たっては、世論調査の結果も一つの考慮要素ではあるものの、最終的には、各種の環境整備の施策の効果等を総合的に考慮して、これを判断すべきものと考えております。
 そして、選挙権年齢が引き下げられ、現実に十八歳、十九歳の若者が選挙権を行使しているといった社会経済情勢の変化や、各種の環境整備のための施策が一定の効果を上げてきたことを踏まえ、この時点で成年年齢の引下げについて国会の判断を仰ぐのが相当であると判断したため、平成二十五年以降に改めて世論調査は実施しておりません。
 最後に、世論調査の結果をどのように受け止めているか、お尋ねがありました。
 御指摘のように、反対意見が賛成意見よりも多いという報道もありますが、平成二十五年の世論調査では、反対した方の中にも、一定の環境が整備されれば成年年齢の引下げを容認するという意見の方が相当程度含まれていました。
 政府としては、これまでも消費者被害の拡大防止など環境整備のための施策の充実に努めてきましたが、これらの周知が不十分であったことがこのような世論調査の結果につながったものと考えております。
 法務省としては、今後も、平成三十四年四月一日の施行日までの期間を用いて、更なる環境整備の施策の充実やその周知の徹底に努め、成年年齢の引下げについて国民の十分な理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(麻生太郎君) 有田議員から、森友学園との交渉記録について一問お尋ねがあっております。
 森友学園との交渉記録について調査を行いました結果、職員の手控えとして残されていたことが判明し、検察当局の協力もいただきまして、押収されておりました書類というものを私どもの方で拝見をさせていただくということになり、国会に提出をさせていただいたところであります。
 これまで国会に交渉記録は残っていないとして事実と異なる説明をしてきたことは、大変申し訳なく、おわびを申し上げる次第です。
 森友学園との交渉記録について、平成二十六年四月二十八日の記録は見付かっておりませんが、見付かっているものは全て今回提出をさせていただいております。(拍手)
   〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(福井照君) 有田議員にお答えをいたします。
 闇金の手口の巧妙化による自己破産等の増加に関する認識についてお尋ねがございました。
 議員御指摘のとおり、警察庁の統計では、闇金融事犯の被害者が相当おられまして、深刻な課題と認識をしております。
 このため、政府としては、貸金業規制法及び出資法の一部改正によりまして闇金融対策を図ったところではございますけれども、消費者庁としては、消費者ホットライン一八八を設けて相談を受け付けており、お一人で悩まず、最寄りの警察や財務局、弁護士会等を含め、まず相談していただきますよう、引き続き、関係省庁と連携しながら周知を進めてまいります。
 次に、未成年者及び若い世代の消費者被害の対策についてお尋ねがございました。
 若年者を含めたマルチ取引や多重債務問題に関する相談対応や被害の発生防止の取組は、極めて重要と認識をしております。
 そのため、被害に遭われた方への対応として、消費者ホットライン一八八で消費生活相談に乗って、その充実と周知を進めているところでございます。また、新たに多額の借金を抱える方を出さないことが大事なため、生活管理、家計運営に必要な内容を盛り込んだ教材を活用した消費者教育が全都道府県の全高校等で実施されますよう取り組んでおります。
 次に、消費者被害対策は不十分ではないかという御指摘に対する認識についてお尋ねがございました。
 消費者庁は、成年年齢の引下げに伴う消費者被害の拡大を防止するため、消費者教育の充実、制度整備や厳正な法執行、消費生活相談窓口の充実、周知などに全力で取り組んでまいります。
 その中でも、若年者への消費者教育の充実は重要であることから、文部科学省等の関係省庁と連携し、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間とするアクションプログラムを決定したところでございます。
 また、制度整備につきましては、取消しの対象となる不当な勧誘行為の追加等を内容とする消費者契約法改正法案を今国会に提出をしているところでございます。
 これらのほか、消費者ホットライン一八八の周知徹底なども含めまして、総合的な対応を講じることにより、消費者被害の拡大防止を図ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣小此木八郎君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(小此木八郎君) 有田芳生議員にお答え申し上げます。
 サラ金被害や闇金被害の実態についてのお尋ねがありました。
 貸金業に係る無登録事犯や高金利事犯の平成二十九年中の検挙事件数は百三十五事件で、最近十年間は減少傾向にあります。また、警察では、平成二十九年中に闇金融事犯に係る相談を一万百九件受理しております。
 闇金融事犯につきましては、国民生活の安全を脅かす重要な問題と認識しており、被害者からの相談に当たってその心情に十分配慮するとともに、厳正な取締りを実施するよう警察を指導してまいります。(拍手)
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#24
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
#25
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、民法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 本法案は、民法が定める成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げようとするものです。
 大人も子供も、一人の人として基本的人権、自己決定権が尊重されなければなりません。成年年齢の引下げは、現在未成年者とされている十八歳、十九歳の若者の自己決定権を拡大する積極的な意義を持ち、欧米諸国を始め国際社会の趨勢にも合致するものです。
 一方、我が国において今成年年齢の引下げを行うことについては、それに伴う大きな問題が存在し、国民的な合意が成立しているとは言えない状況にあります。
 今日の成年年齢引下げ法案提出へとつながる契機は、二〇〇七年の第一次安倍政権による改憲手続法の強行でした。これを動かそうとすれば、十八歳とされた国民投票権年齢と選挙権年齢を一致させなければならず、以来、選挙権年齢、さらには民法上の成年年齢を始め様々な法律が定める年齢区分の引下げが政府と与党の課題とされるようになりました。
 二〇一五年九月、自民党は、成年年齢を速やかに十八歳へ引き下げる旨提言し、その中で、大人と子供の分水嶺を示す各種法令には国法上の統一性が必要であるとして、年来重大問題となってきた少年法適用年齢も十八歳未満に引き下げるのが適当としています。
 そこで、法務大臣に伺います。
 少年法はもちろん、法律による年齢区分は、それぞれの立法目的や保護法益によって定められるものであって、国法上の統一性や分かりやすさだけで決することはできないのではありませんか。
 本法案による成年年齢の引下げは、民法上、十八歳、十九歳の若者に未成年者取消し権の保護がなくなること及び親権者の子に対する親権や監護義務がなくなることが大きな焦点になります。十八歳でそれらの保護を外すこととした理由は何ですか。具体的にお示しいただきたい。
 民法の定める成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当であると答申した二〇〇九年十月の法制審最終報告書は、ただし、現時点で引下げを行うと消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要である、民法の定める成年年齢を十八歳に引き下げる法整備を行う具体的時期については、関係施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度や、それについての国民の意識を踏まえた国会の判断に委ねるのが相当であるとして、被害拡大を解決する施策の実現、施策の効果の浸透、国民の意識という三つのハードルを課しました。
 法務大臣、このハードルはクリアできたのですか。
 大臣は、クリアしているものと考え、国会の判断を仰ぐために法案を提出したと述べました。しかし、道半ば、達成できていないというのが、衆議院で招かれた参考人の大方の意見です。
 内閣府が二〇一三年に行った成年年齢に関する世論調査によれば、十八歳、十九歳の者が親などの同意がなくても一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすることに反対、どちらかといえば反対は七九・四%に上りました。先月二十五日、読売新聞の世論調査でも、十八歳成人に反対が五六%に上っています。にもかかわらず、クリアできたとする具体的な根拠は何ですか。
 また、二〇〇九年に法制審の最終報告がなされた後、研究者や日弁連、消費者関係団体が参画した検討の会議を行ったことはありますか。
 法制審は、国民の意識を踏まえた国会の判断に委ねるとしました。
 紹介した内閣府の世論調査は、二〇〇八年、二〇一三年と五年ごとに行われ、今年、その年に当たります。今年の調査さえ待たずに法案を推し進めるのは、何歳で大人かという日本社会のありように関わり、とりわけ国民的合意が求められる法改正において、やってはならないのではありませんか。
 とりわけ、契約や取引に関する若者保護規定である未成年者取消し権が、高校生を含む十八歳に引き下げられることの影響は大きいものがあります。
 未成年者も売買や貸し借りなど法律行為ができますが、それに親権者など法定代理人の同意がないときは後から取り消すことができるというのが未成年者取消し権です。
 例えば、高額のローンを組んで高級車を買ってしまったり、返せないサラ金を借りてしまったり、どんな失敗をしても、二十歳になっていなかったと証明するだけで、だまされたとか脅されたと立証するまでもなく取り消せます。この言わば鉄壁の防波堤があるため、悪質業者も二十歳未満の若者たちには手を出せずに来ました。
 法務大臣、こうした未成年者取消し権の意義と果たしている役割についてどのように考えますか。
 また、消費者契約法改正案により新設される取消し権の対象は、不当な勧誘行為による契約などに限られます。未成年者取消し権のそれは全く異なるにもかかわらず、消費者被害への対策として十分とされた答弁の意味を御説明ください。
 法制審最終報告書には、成年年齢を引き下げる場合の消費者保護の具体策として、若年者の特性に応じて事業者に重い説明義務を課すこと、若年者の社会経験の乏しさによる判断不足に乗じた契約の取消し権を付与することが挙げられています。
 消費者担当大臣、今般の消費者契約法改正案はこれに程遠く、余りにも不十分です。いつまでに改正を進めるのですか。
 国民生活センターなどのデータによれば、二十歳を境界線として消費者被害が増加しています。相談件数で見ると、マルチ商法の被害相談は十二倍、フリーローン、サラ金の相談は十一倍というのです。
 法案によれば、高校生も含む十八歳にも、こうした被害を防ぐ未成年者取消し権を外すことになりますが、法務大臣、本当に大丈夫だと考えますか。
 婚姻年齢を男女とも十八歳に統一する改正は、家庭における個人の尊厳と両性の平等を保障する憲法十四条、二十四条に照らし、当然のものです。
 法務大臣、これは、成年年齢の引下げのいかんにかかわらず、統一されるべきものだったのではありませんか。
 これで、一九九六年の法制審答申にもかかわらず政府が法案を提出しないのは、選択的別姓制度だけです。今や我が国だけとなった夫婦同姓の強制をあくまで解消しない不作為が、別姓を選択するという生き方、信条を法律婚から排除することになっています。これをどうお考えですか。
 二〇一六年に実現した十八歳選挙権は、若者の政治参加、国民主権を実現する重要なものです。しかし、成年年齢の引下げは、若い世代の貧困や閉塞感も大きな問題となる中で、どのように若者の自立を保障していくのか、確立した保護を今外していいのかが問われる全く別の問題です。
 本法案の審議に当たる国会の役割は、極めて重いと言うべきです。政府・与党が決めたからといって、押し付けることは絶対に許されません。広範な国民の皆さんの声、若者世代の声、有識者の意見を聞き、若者たちが置かれている実態をしっかり検証しながら、国民的議論を慎重に行おうではございませんか。
 徹底審議を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(上川陽子君) 仁比聡平議員にお答え申し上げます。
 まず、法律による年齢区分を定めるに当たって考慮すべき事由についてお尋ねがありました。
 法律で定められている年齢要件は、それぞれの法律の趣旨や立法目的に基づいて定められていることから、その変更の可否を検討するに当たっても、それぞれの法律の立法目的等を考慮する必要があると考えられます。
 本法律案で民法の成年年齢を引き下げることとした理由の一つとしては、成年年齢を選挙権年齢と一致させることが、法制度としての一貫性や簡明性という観点から望ましいという点が挙げられます。もっとも、それのみを理由とするものではなく、十八歳、十九歳の若者の自己決定権を尊重し、成年年齢を現在の若者の経済取引の実態に合わせるといった観点なども考慮した上で、成年年齢を引き下げるのが適当であると判断したものです。
 次に、十八歳、十九歳の若者を未成年者取消し権及び親権の対象から外す理由についてお尋ねがありました。
 今般の成年年齢の引下げは、公職選挙法の定める選挙権年齢が満十八歳以上に改められたことや、今日の十八歳、十九歳の若者には独立した主体として生活している者も多いといった社会的な実態等を考慮し、若者の自己決定権を尊重するとともに、その積極的な社会参加を促すことにより、社会を活力あるものにすることを目的とするものです。
 このような理由から、十八歳、十九歳の若者を独立した大人として扱うこととしたため、結果として、これらの若者が未成年者取消し権や親権者の保護の対象から外れることになったものです。
 次に、法制審議会の最終報告に掲げられた条件の充足についてお尋ねがありました。
 政府としては、法制審議会の最終報告で掲げられた条件を満たしているものと考えております。もっとも、政府としては、成年年齢の引下げに伴う懸念を払拭するために、今後も環境整備のための施策の更なる充実強化を図る必要があると考えており、国民の一層の理解が得られるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
 次に、法制審議会の最終報告書の条件が充足されたと判断する具体的な根拠についてお尋ねがありました。
 これまで、政府としては、消費者被害の拡大の防止に資する施策や若年者の自立を促すような施策など、環境整備の施策に取り組んできており、これらの施策は着実に効果を上げてきたと判断しております。
 したがって、法制審議会の最終報告で掲げられた条件を満たしているものと考えております。
 世論調査の結果は、国民の意識を確認する手段ではあるものの、唯一の手段ではなく、環境整備に向けた諸施策の実施状況等の事情もその手段となるものと考えております。政府としては、環境整備に向けた施策の実施状況等に鑑み、これらの施策も国民に浸透してきているものと考えております。
 また、今後も、平成三十四年四月一日の施行日までの期間を用いて、更なる環境整備の施策の充実やその周知の徹底に努め、成年年齢の引下げについて国民の十分な理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、研究者等が参加する検討会議を行ったかどうかについてお尋ねがありました。
 法務省としては、環境整備に向けて実施された施策が着実に効果を上げていると考えられることや、今後の施策の充実について具体的な計画があることなどから、成年年齢の引下げについて国会の判断を仰ぐことが適切であると判断いたしました。
 したがって、引下げの条件が満たされたかどうかを判断するために、日本弁護士連合会や消費者関係団体などが参加した会議を開催したことはありません。
 次に、成年年齢引下げに関する世論調査の実施についてお尋ねがありました。
 成年年齢の引下げの是非及びその時期を判断するに当たっては、世論調査の結果も一つの考慮要素ではあるものの、最終的には、各種の環境整備の施策の効果等を総合的に考慮して、これを判断すべきものと考えております。
 そして、選挙権年齢が引き下げられ、現実に十八歳、十九歳の若者が選挙権を行使しているといった社会経済情勢の変化や、各種の環境整備のための施策が一定の成果を上げてきたことを踏まえ、この時点で成年年齢の引下げについて国会の判断を仰ぐのが相当であると判断して、本法律案を提出したものです。
 次に、未成年者取消し権の意義とその果たしている役割についてお尋ねがありました。
 民法第五条が規定する未成年者取消し権は、未成年者が法定代理人の同意を得ないで行った法律行為については、原則としてこれを取り消すことができるとするものです。
 この未成年者取消し権は、未成年者の保護を図るためのものであり、未成年者の消費者被害を防ぐ役割を果たしているものと認識しております。
 次に、消費者契約法の改正が未成年者取消し権の代償措置として十分であるかについてお尋ねがありました。
 若年者の消費者被害への対策としては、消費者教育により自立した判断力を育てることが重要であり、その上で、悪質な勧誘行為が行われた場合等を対象として、取消し権等の制度的な保護を与えることが適切であると考えております。
 今般の消費者契約法の改正により、不安をあおる告知や人間関係の濫用等によって締結された消費者契約に関する取消し権が追加されますが、これは、若年者を中心に発生している消費者被害事例等を念頭に置いたものであり、消費者教育の充実等の他の施策と相まって、十分な消費者被害への対策となるものと考えております。
 次に、十八歳の若者を未成年者取消し権の保護の対象から外すことの是非についてお尋ねがありました。
 消費者教育については、平成三十二年度までを集中強化期間として、更なる充実強化を図る取組が進められていると承知しております。
 また、今国会には、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消し権を追加すること等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されております。
 さらに、本法律案の施行後は、多くの若年者は高校三年生の途中で成年に達することになるため、自らの問題であることをより強く意識して高等学校等における消費者教育を受けることになると考えられます。
 法務省としては、以上のような施策を通じて、民法の成年年齢の引下げにより新たに成年と取り扱われることになる十八歳、十九歳の若者の消費者被害の拡大を防止することは可能であると考えておりますが、引き続きその対策に万全を期したいと考えております。
 次に、婚姻開始年齢の引上げを行うべき時期についてお尋ねがありました。
 現行法において女性の婚姻開始年齢が男性のそれよりも低い理由については、一般に女性の方が身体の発達が早いこと等が挙げられており、現行の規定が憲法に違反するものとは考えておりませんが、婚姻生活を営むに当たり、社会的、経済的成熟度を重視すべき現在においては、男女の差を維持することは相当ではありません。
 御指摘のとおり、成年年齢を十八歳に引き下げることと婚姻開始年齢を男女とも十八歳に合わせることに論理的な必然性があるわけではないと考えておりますが、成年年齢を十八歳に引き下げることとしながら女性の婚姻開始年齢を現行法のままとした場合には、女性のみ成年年齢と婚姻開始年齢が一致しないことになり、男女の取扱いの差異がより際立つことになって、相当ではないと考えられます。
 このため、今般の成年年齢の引下げに伴い、女性の婚姻開始年齢を引き上げるとしたものです。
 最後に、選択的夫婦別氏制度の導入についてお尋ねがありました。
 選択的夫婦別氏制度の導入の是非は、単に婚姻時の氏の選択にとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子の氏の問題など、我が国の家族の在り方に深く関わる重要な問題であると考えており、平成二十九年十二月に内閣府が実施した世論調査の結果をきめ細やかに分析などした上で、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣福井照君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(福井照君) 仁比議員にお答えを申し上げます。
 法制審最終報告書と今般の消費者契約法改正案との関係につきましてお尋ねがございました。
 本改正案は、法制審最終報告書が指摘する、成年年齢引下げに対応した消費者保護施策ともなっているものでございます。
 具体的には、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上での情報提供を事業者の努力義務として明示をしております。また、社会生活上の経験の乏しさに着目して、不安をあおる告知や恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用を、取消しの対象となる不当な勧誘行為として追加をしております。
 更なる消費者保護政策につきましては、消費者被害の状況等を勘案しつつ、必要に応じて検討してまいる所存でございます。(拍手)
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#28
○議長(伊達忠一君) 石井苗子君。
   〔石井苗子君登壇、拍手〕
#29
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 党を代表して、民法の一部を改正する法律案について七つ質問いたします。
 日本維新の会は、かねてより、若い世代の政治参加の促進を図るために、被選挙権を十八歳に引き下げることを議員立法で提案してまいりました。私たちは、被選挙権年齢を下げることで若年層の政治参加意識を高め、同時に、供託金の引下げやインターネット投票を導入するなどの選挙の環境の改革を行うことで、若年層が政治家を目指すキャリアパスを構築していくことが重要だと考えています。
 今回の民法改正で成人年齢が十八歳に引き下げられますが、法律の改正のみにとどまらず、新成年の皆さんに対し、成人としての意識をどう身に付けてもらうかの教育の場を用意することが重要と考えます。
 その意味で、二〇二〇年度に小学校からスタートする新学習指導要領は画期的な計画です。二〇二二年度からは公共教育が高校の必修科目として、授業中に安全保障問題や領土問題、国際貢献について生徒が学ぶ機会を得ることになり、個々の主権者意識が高まることを期待しています。
 かねてより、地方自治体では、人口減少の現状を直視し、若年層の意見を積極的に社会に取り入れていくという点で主権者教育に取り組んでまいりましたけれども、若年層が政治に関心を持ってくれないという問題が続いています。しかし、若者は政治に無関心だと決め付けずに、権利意識と義務意識を育て、社会に対する責任意識を持つように育てることも、民主主義教育の基盤だと考えます。
 そこで、文部科学大臣にお伺いします。
 教育課程における政治参加教育にどのような具体的な計画があるか、内容について御説明をしていただきます。
 次に、本改正による成人年齢十八歳への引下げは、まだ国民への浸透度が低く、今後は周知徹底の広報活動が必要と考えます。
 四月二十五日の読売新聞の調査は、年齢引下げ反対が五六%とありました。これは、十八歳に引き下げられることについての国民の不安の表れだと思います。
 また、平成二十八年に行われましたパブリックコメントは、引下げに伴う支障について多くの意見が寄せられました。例えば、ローン契約を締結することで、多重債務者となる危険性がある、あるいは消費者被害に遭う危険性が高まるといった指摘が出てきています。
 こうした懸念についての対応も急務ですが、どのような対策がおありなのか、法務大臣の御答弁をお願いいたします。
 次に、本法案で、女性の婚姻年齢が十六歳から十八歳に引き上げられます。男女の婚姻年齢を同じくすることは、権利の一致という点で好ましいことではありますが、法律が変わっても、生物的な妊娠可能年齢が上がるわけではありません。婚姻年齢の法律を変えれば未婚の母親も減少するとは限りません。十八歳未満で母親になるケースも増えるのではないでしょうか。
 諸外国では、未成年のまま母親になる現実を直視し、校舎に子供を預ける施設を整備する高校もあります。こうした現実問題に対しての配慮も必要だと考えますが、政府として、女性の婚姻年齢を引き上げるに当たり、十八歳未満で母親になる場合の対応をどのようにお考えでしょうか。事実婚でよいというお考えでしょうか。法務大臣にお答えをお願いいたします。
 次に、本法案において、性同一性障害における性別の取扱いを変更する審判を受ける年齢を二十歳から十八歳に引き下げます。一方で、飲酒、喫煙、ギャンブルは二十歳に据置きといたしました。これは、健康や精神の発達に関係する年齢であることを鑑みての据置きとなっていますが、それであれば、性の同一性についても精神の発達という意味ではデリケートであり、当人の人生を左右することにも思われます。
 ここはなぜ十八歳に引き下げたのでしょう。そこに科学的な根拠があればお示しください。審判取扱い年齢を下げても問題が生じないというエビデンスがあれば、出していただきたいと思います。同時に、法律的な措置だけで諸問題を解決できるとお考えかどうか、法務大臣のお答えをお聞かせください。
 次に、猟銃の所持の許可年齢については二十歳据置きとなります。所持とは、保管、運搬、猟銃の使用と理解していますが、ここを十八歳に下げないと決めたことについては評価をしております。
 銃刀法も猟銃の所持について厳しい法律になっていますが、警察官職務執行法は、拳銃の使用については厳しい制限を設けているものの、年齢制限については明記していません。
 先般、滋賀県で未成年の警察官が同僚を銃殺するという事件がありました。拳銃の使用規定は厳しいのでしょうが、年齢制限についてなぜ明記していないのかという点に疑問を持ちました。考慮が必要なのではないでしょうか。明記しない根拠はどこにあるのか、国家公安委員長にお答えをお聞きいたします。
 次に、IR法案に関連してギャンブル依存症対策の議論が高まっておりますが、今回の民法改正で、ギャンブルができる年齢は二十歳からとなります。一方で、パチンコはギャンブルには当てはまらないという理由で、十八歳からできることになっています。
 ギャンブルができる年齢を十八歳に下げなかった理由はギャンブル依存症を考慮してのことですが、パチンコは依存性が高いと言われています。なぜパチンコだけ十八歳でやってもよいのでしょうか。バランスを欠く措置であったと思われますが、依存症の観点からいえば、パチンコも同時に二十歳に引き上げてもよかったのではないかと思います。
 パチンコを二十歳からに引き上げることを検討されたのか、引き上げなかった理由はどこにあり、今後、引き上げることを検討する可能性はあるのか、国家公安委員長にお答えをお願いいたします。
 最後に、少年法における少年の定義についてお伺いいたします。
 少年は、十八歳未満に引き下げられず、二十歳のままとなる理由について、法務大臣にお伺いいたします。成人として認められることと社会的に成人並みの処遇を受けることは切り離せないものと考える社会通念も一方ではあります。少年の上限年齢が二十歳に据置きとなった理由を御説明ください。
 日本維新の会は、若い世代の政治意識を高めていくことに賛同をしております。そのやり方をどうしていくかについて、引き続き議論してまいりたいと考えております。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(上川陽子君) 石井苗子議員にお答え申し上げます。
 まず、若年者が多重債務者となる危険性や消費者被害に遭う危険性への対策についてお尋ねがありました。
 多重債務者の発生防止に関しては、消費者ローン契約等による過剰な与信を防止するため、貸金業法や割賦販売法上の制度的な対応に加え、業界団体等による自主的な取組や啓発活動等が行われています。
 政府としても、このような業界団体等による自主的な取組等の状況を把握し、これを推進していく必要があると考えています。
 また、消費者被害の拡大防止のための施策としては、これまで、平成二十年及び二十一年の学習指導要領の改訂により、消費者教育、法教育、金融経済教育の充実が図られています。消費生活相談窓口の拡充、周知等の施策も実施されてきました。
 このほか、今国会には、若年者を中心に発生する被害事例を念頭に置いた取消し権を追加すること等を内容とする消費者契約法の一部を改正する法律案が提出されたところです。
 政府としては、これらの施策について、今後も引き続き、関係府省庁と連携しつつ、その充実強化を図ることが重要であると考えております。
 次に、婚姻開始年齢の引上げに関し、十八歳未満で母親になった者への対応等についてお尋ねがありました。
 政府としては、十八歳未満で母親になった者を含む全ての女性が安心して出産、育児をすることができるよう切れ目のない支援を行っているところであり、本法律案による改正後も、引き続き、関係省庁と連携して、これらの施策に取り組んでまいりたいと考えています。
 女性の婚姻開始年齢について例外を設けることについては、法制審議会においても検討を行いましたが、健全な婚姻をする能力を欠くと考えられる若年者の婚姻を禁じ、若年者を保護するという婚姻開始年齢の趣旨にそぐわないことから、採用されないこととされました。
 本法律案においても、同様の考え方に基づき、婚姻開始年齢について例外を設けるという考え方は取らないこととしております。
 次に、性別変更が可能となる年齢を十八歳に引き下げた理由及び科学的根拠は何か、また、法律的な措置だけで性同一性障害に係る諸問題を解決できると考えているのかとのお尋ねがありました。
 本改正法案においては、性同一性障害者特例法が定める性別の取扱いの変更の年齢要件を二十歳以上から十八歳以上に引き下げていますが、これは、当該年齢要件が民法の成年年齢を考慮して定められていること及び性別適合手術に関する日本精神神経学会のガイドラインにおいても民法の成年年齢が引き下げられれば十八歳以上から手術が可能とされることを考慮したものであり、専門家による医学的知見をも踏まえたものです。
 もとより、性同一性障害者に関する諸問題については、極めて大切な問題と認識しており、法務省として適切に対応するよう努めてまいりたいと考えております。
 最後に、本法律案において少年法における少年の上限年齢を改正しない理由についてお尋ねがありました。
 少年の上限年齢の在り方は、刑事司法全般において、成長過程にある若年者をどのように取り扱うか、また、どのように改善更生、再犯防止を図るかという問題に関わるものであり、民法の成年年齢が引き下げられた場合においても、論理必然的にこれを引き下げなければならないこととなるものではないと考えております。
 また、少年の上限年齢については、若年者を含む犯罪者に対する刑事政策的措置の在り方とともに、現在、法制審議会において調査審議を行っていただいているところであり、結論を得ていないことから、本法律案による改正の対象とはしていません。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(林芳正君) 最初に、教育課程における政治参加教育についてお尋ねがございました。
 学校教育においては、これまでも、政治参加の重要性や選挙の意義、その前提となる社会や経済の仕組みなどについて、小中高等学校を通じて指導が行われてきたところでございます。
 新しい小中学校の学習指導要領では、例えば、小学校社会科で、国民としての政治への関わり方について多面的に考えること、中学校社会科で、我が国における男女普通選挙の確立を扱うことを明記するなど、政治参加に関わる内容の充実を図ったところでございます。
 また、高等学校の新学習指導要領では、自立した主体としてより良い社会の形成に参画することに向けて、現実の具体的な事象を扱ったり、模擬的な活動を行ったりする必履修科目、公共を設けるなど、その充実を図ったところでございます。
 文部科学省としては、今後、様々な機会を通じて学習指導要領の趣旨の周知を図るとともに、総務省とも連携いたしまして、全ての高校生に配付している主権者教育用の副教材を活用して実践的な学習活動を推進するなど、児童生徒の政治への参加意識を高めるための指導の充実に努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣小此木八郎君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(小此木八郎君) 石井苗子議員にお答え申し上げます。
 警察官の拳銃所持についてのお尋ねがありました。
 警察官には、犯罪の制止、犯人の逮捕等の様々な強制措置をとる権限が与えられているところ、その職務の性質上、相手方を制圧したり、自己又は他人の安全を確保したりするため、その年齢にかかわらず武器を使用せざるを得ない場合があります。
 そこで、警察法第六十七条は「警察官は、その職務の遂行のため小型武器を所持することができる。」と規定しているものの、所持に関する年齢制限は設けておりません。
 他方、人に危害を与えることができるという拳銃の性格から、職務上特に支障がある場合等においては、警察官による拳銃携帯を制限することとしています。
 いずれにせよ、国民の方々に若年警察官の拳銃携帯にいささかの不安や懸念も抱かれてはならないと考えております。特に、採用間もない若年警察官においても拳銃の適正な取扱いが徹底されるよう、警察学校における研修等の教育訓練にも創意工夫を凝らすなど、必要な取組を十分に推進していくことが重要と認識しております。
 もう一つ、パチンコ営業における客の年齢制限についてお尋ねがありました。
 公営競技については、刑法上、賭博行為等が処罰の対象とされていることを前提とした上で、関係する法律の規定により、その実施が認められているものです。
 これに対し、風営適正化法に基づく規制の範囲内で営まれるパチンコ営業において行われる遊技については、賭博罪に該当しないものと認識しており、そもそも公営競技とは性格を異にしております。
 その上で、同法は、パチンコ営業を含む風俗営業が少年の健全な育成に障害を及ぼすことを防止する目的で、風俗営業を営む者に対し、十八歳未満の者については営業所に客として立ち入らせることを禁止しております。
 このように、公営競技とパチンコ営業とではその性格及び規制の趣旨を異にすることから、現時点においてはパチンコ営業における客の年齢制限を見直す必要はないと認識しておりますが、いずれにしても、パチンコへの依存防止については、今後とも、関係行政機関と連携しつつ、しっかりと対策を推進してまいります。(拍手)
#33
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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