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2018/06/08 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第27号
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2018/06/08 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第27号

#1
第196回国会 本会議 第27号
平成三十年六月八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十七号
  平成三十年六月八日
   午前十時開議
 第一 災害救助法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第二 消費者契約法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第三 文部科学省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 農薬取締法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 日本放送協会平成二十五年度財産目録、
  貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書
  及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれら
  に関する説明書
 第六 日本放送協会平成二十六年度財産目録、
  貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書
  及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれら
  に関する説明書
 第七 日本放送協会平成二十七年度財産目録、
  貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書
  及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれら
  に関する説明書
 第八 日本放送協会平成二十八年度財産目録、
  貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書
  及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれら
  に関する説明書
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の
  一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、日程第一より第八まで
 一、国際経済・外交に関する調査の中間報告
 一、国民生活・経済に関する調査の中間報告
 一、原子力等エネルギー・資源に関する調査の
  中間報告
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。農林水産大臣齋藤健君。
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(齋藤健君) 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 食品流通におきましては、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、通信販売、産地直売等の流通の多様化が進んでおります。
 こうした状況の変化に対応して、生産者の所得の向上と消費者ニーズへの的確な対応を図るためには、卸売市場につきまして、その実態に応じて創意工夫を生かした取組を促進するとともに、食品流通全体につきまして、物流コストの削減や品質・衛生管理の強化などの流通の合理化と、その取引の適正化を図ることが必要であります。
 このため、公正な取引環境の確保と卸売市場を含む食品流通の合理化とを一体的に促進する観点から、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、卸売市場法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、卸売市場が食品等の流通において生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしていることに鑑み、卸売市場の認定に関する措置等を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、卸売市場の業務の運営、施設等に関する基本的な事項を明らかにするため、卸売市場に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣又は都道府県知事は、生鮮食料品等の公正な取引の場として、差別的取扱いの禁止、売買取引の条件や結果の公表等の取引ルールを遵守し、適正かつ健全な運営を行うことができる卸売市場を、基本方針等に即して中央卸売市場又は地方卸売市場として認定することとしております。
 第四に、国は、食品等の流通の合理化に取り組む中央卸売市場の開設者に対し、予算の範囲内において、その施設の整備に要する費用の十分の四以内を補助することができることとしております。
 次に、食品流通構造改善促進法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、食品等の流通が農林漁業者と一般消費者とをつなぐ重要な役割を果たしていることに鑑み、食品等の流通の合理化及び取引の適正化を図るための措置を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、食品等の流通の合理化を図る事業を実施しようとする者が講ずべき食品等の流通の効率化、品質・衛生管理の高度化等の措置を明らかにするため、食品等の流通の合理化に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣は、基本方針等に即して食品等流通合理化事業に関する計画を認定することとし、認定を受けた者は、その計画の実施に当たり、株式会社農林漁業成長産業化支援機構による出資等の支援措置を受けることができることとしております。
 第四に、農林水産大臣は、食品等の取引の適正化を図るため、食品等の取引の状況等に関する調査を行い、当該調査の結果に基づき、指導、助言等の措置を講ずるとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を通知することとしております。
 第五に、これらの改正に伴い、法律の題名を食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律に改めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。舞立昇治君。
   〔舞立昇治君登壇、拍手〕
#7
○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について、齋藤農林水産大臣に質問します。
 我が国は、起伏に富んだ東西南北に広がる国土を有し、四方を海に囲まれ、様々な農林水産物に恵まれた国です。また、農林水産物の生産に併せて様々な加工製造業も発展し、私たちの食卓は多種多品目の野菜、魚介類、食肉、果物等に満たされてきました。こうした私たちの豊かな食生活は、平成二十五年には和食がユネスコ文化遺産として認められるなど、世界に誇るべきものです。思えば、このすばらしい食文化はどのように受け継がれ、どのように支えられてきたのでしょうか。
 全国各地の気候風土にかかわらず、例えば、野菜を安定して届けるためには、全国各地の産地から切れ目のない出荷が必要です。こうした産地リレーは、生産者の安定出荷の努力を基礎とし、その出荷を受ける卸売市場が適切にコーディネートするからこそ構築できるものです。生鮮食料品等の円滑かつ安定的な供給に重要な機能を発揮している卸売市場等の重要性は論をまちません。
 一方で、現在、食品流通は大きく変化し、この流れは今後も続くことが予想される中、私は、我が国の豊かな食卓を支える食品流通を今後とも維持発展させる立場から質問したいと思います。
 近年、国民の食料需要や消費は大きく変わり、生鮮食料品の消費の縮小、加工食品や外食での消費の拡大、直売所やインターネット通販といった購入流通ルートの多様化等、卸売市場法制定時の昭和四十年代と比較し、食品流通を取り巻く環境は大きく変化しています。
 この変化を受けて、平成二十八年十月六日、規制改革推進会議農業ワーキング・グループ等が、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立に関して提言を行いました。この中の卸売市場に関する箇所、特に、卸売市場法という特別の法制度に基づく時代遅れの規制は廃止するという提言は、その後、全国の市場関係者の不安や懸念を招くこととなりました。私自身、関係者の皆様から、卸売市場を廃止するつもりなのか、実態と乖離した議論だ、市場流通が弱体化し混乱が生じるなど、多くの意見をいただきました。
 自民・公明は、こうした懸念や厳しい意見を受け止め、昨年秋以降、迅速に議論を開始し、卸売業者、仲卸業者といった市場関係者のほか、卸売市場に出荷する生産者、卸売市場で調達する小売業者等からも直接御意見を伺いつつ、濃密な検討を重ねました。その結果、時代の変化に伴う卸売市場制度の見直しの必要性は否定しないものの、卸売市場がこれまで果たしてきた役割、機能が今後も一層発揮されるような改革をすべきとの結論に至りました。
 そこで、まずは、卸売市場に対する現状認識と、今回の卸売市場を含めた食品流通構造改革の基本的な考え方について、答弁を求めます。
 大正の米騒動以降、先人が築き上げてきた卸売市場というシステムは、昭和四十年代の物価高騰期を経て現在の形に構築されました。現行法では、卸売市場の開設に当たり、中央卸売市場では農林水産大臣の認可が、地方卸売市場では都道府県知事の許可がそれぞれ必要であり、この許認可がなければ開設が認められない、言わば原則禁止という厳格な規制が課されています。
 今回の法案では、卸売市場を開設すること自体は自由にしつつ、その卸売市場が、様々な流通ルートがある中で公平な取引の場かどうかということを農林水産大臣と知事が認定する仕組み、いわゆる認定制へと見直され、これまでの原則禁止から原則自由へと大きな制度変更がなされます。しかし、多くの関係者は、許認可と認定の違いを始め何がどう変わるのかよく分からないというのが正直な感想です。
 そこで、今回、なぜ許認可制から認定制に見直すのか、その違いや政策的な狙いと併せ、明快な答弁を求めます。
 中央卸売市場の開設についても、様々な臆測が不安を招いています。
 現状では、中央卸売市場の開設者は、国による卸売市場の計画的な整備を推進する観点から、都道府県と人口二十万人以上の市といった地方公共団体に限定され、地方公共団体の下で、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の卸売市場の調整機能が発揮されています。
 しかし、今回の法案では、誰が中央卸売市場を開設するか自体は自由として、開設者の要件とは別に、公正な取引の場として必要な要件を審査し、農林水産大臣が認定の判断をすることとしています。
 この点について、開設者は誰でもいいこととなるので、地方公共団体への国の補助金や地方財政措置が縮減され、地方公共団体が市場から手を引いていくのではないか、また、大規模な商業資本や外国資本が新たに市場開設者として参入し、自分たちに有利な取引を行う場としてしまうのではないかといった不安の声もいまだ多くあります。
 与党においても、そうした不安に十分配慮した議論を行ってきましたが、改めて、今回、地方公共団体以外でも中央卸売市場を開設できることとした理由や、国の補助金を含め今後の地方公共団体への財政措置はどのようになるのかを伺うとともに、仮に民間企業が中央卸売市場を開設したとしても、卸売市場における公正な取引や市場の公共性は十分維持できる点について不安が払拭されるよう、明快な答弁を求めます。
 私のふるさと鳥取県には、境港という一大水産漁港があります。水産物を水揚げするいわゆる産地市場は、都道府県知事の許可を得て、地方卸売市場として日々取引が行われるものが多くあります。
 こうした地方卸売市場では、現状でも取引上の規制が比較的緩やかなこともあり、創意工夫を生かした様々な取引が行われています。例えば、現在の中央卸売市場では、卸売業者が自ら買い占めて大規模な価格操作を行うことを防止するため、卸売業者による自己買い付けを禁止していますが、地方卸売市場では、自己買い付けを禁止するかどうかは各卸売市場の判断に委ねられています。このため、地方卸売市場の卸売業者でもある漁業協同組合が、水揚げのあった水産物を自己買い付けし、うろこや内蔵除去等の一次加工を施した上で量販店に販売することにより浜の取り分を増やす、つまり所得の向上に寄与しています。
 今回の法案では、差別的取扱いや受託許否の禁止など、必要不可欠な規制は残しながら、自己買い付けの禁止や第三者販売の原則禁止などの取引ルールは卸売市場ごとに判断し、創意工夫を生かした取組を助長するとしていますが、具体的にどのような創意工夫が想定され、出荷者、消費者、市場関係者にどのようなメリットがあるのか、地方創生の推進にも資することと併せ、関係者が期待を持てるような答弁を求めます。
 最後に、今回の卸売市場を含む食品流通構造の改革に関わってきた者の一人として、一点要望します。
 今回の改革は、消費者の需要の変化、流通ルートの多様化など、卸売市場制度の構築当時からの時代の変化や今後の将来予測などを勘案すると、必要なものと思います。一方で、長年、卸売市場に出荷し、早朝から働いて新鮮な食品を調達してきた関係者の皆様にとっては非常に大きな変革でもあります。
 政府には、この改革に対する理解の促進に最大限の努力を払い、開設者を始め、卸売業者や仲卸業者はもちろん、出荷者や八百屋、魚屋といった小売業者など、できる限り多くの方々の理解を得ていただきたいと思います。
 特に、地方公共団体からは、今回の見直しにより開設者の責任と権限が大きくなる中で、今後どうすればよいかといった不安もいまだ多くあると伺っています。こうした点に細心の注意と努力を払い、適切かつ丁寧な対応をお願いします。
 この度の見直しにより、卸売市場が生き生きと一層活力に満ちた取引の場となり、全国各地で生活する方々に少しでも元気が、そして地域ににぎわいが取り戻せるよう心からお祈りして、代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(齋藤健君) 舞立議員の御質問にお答えをいたします。
 卸売市場に対する認識と食品流通構造改革の基本的な考え方についてのお尋ねがありました。
 卸売市場については、生産者から農水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、代金を早期に決済するなどの機能を果たしており、今後も食品流通の核として堅持すべきと考えております。
 食品流通につきましては、近年、生鮮品の需要が減少をし、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、価格面のみならず品質や衛生面などへの関心が高まっているため、創意工夫を生かして消費者ニーズに合った食品を供給する環境を整備するとともに、物流コストの削減や品質・衛生管理の強化等を進め、生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応を促進する必要があると考えています。
 許認可制と認定制の違いや、認定制へ見直す理由についてのお尋ねがございました。
 現行の卸売市場法では、農林水産大臣や都道府県知事の許認可を受けなければ、卸売市場の開設が認められません。
 他方、本法案では、卸売市場の開設は許認可を受けなくとも行い得ることとしつつ、生鮮品の公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定をし、その振興を図ることとしています。
 また、現行法では、卸売市場の運営等の細部にわたり国が一律に規制を課しておりますが、本法案により認定制に見直すことによりまして、公正な取引の場としての要件は確保した上で、創意工夫の発揮などによる卸売市場の活性化を促進してまいります。
 民間事業者による中央卸売市場の開設と、地方公共団体への財政支援措置、民設市場の公共性の確保についてのお尋ねがございました。
 本法案では、開設者が、卸売業者等に対し、公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させ、厳格な監督を行う場合に限って認定することとしているため、中央卸売市場の開設者についても、特に地方公共団体に限定しないこととしたところであります。
 卸売市場の施設整備につきましては、認定を受けた卸売市場に対して、予算措置として補助率三分の一以内で助成するとともに、中央卸売市場が食品等流通合理化計画の認定を受けた場合には、法律補助として補助率十分の四以内で助成することとしているほか、地方財政措置の継続について調整を行っているところであります。
 また、民設の中央卸売市場においても、開設者が卸売業者等に対する指導、検査、監督を怠ったり、特定の出荷者や買受人を差別的に取り扱う場合に、農林水産大臣が是正命令を発出し、命令に従わないときには認定を取り消すことができることとすることにより、公共性を確保することといたしております。
 取引ルールの柔軟化によるメリットについてのお尋ねがありました。
 本法案では、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることとしております。
 例えば、豊漁等の場合に、卸売業者が自ら買い付け、加工業者や小売業者等に販売することによりまして、漁業者は出荷した水産物を全て売り切ることができるとともに、加工や小分けを志向する消費者のニーズに一層応えられるほか、市場取引でありながら物流は直送するということによりまして、出荷者の物流コストを削減するとともに、食品の鮮度を保って消費者まで届けることができるといったメリットがあり、地域産業の活性化等、地方創生にも資するものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(伊達忠一君) 田名部匡代君。
   〔田名部匡代君登壇、拍手〕
#10
○田名部匡代君 国民民主党・新緑風会の田名部匡代です。
 会派を代表し、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、以下、農林水産大臣に対し質問いたします。
 本法律案は、農業競争力プログラムに基づく農業改革の積み残しを実現するためのものです。これは、またしても規制改革推進会議の提案であります。
 この一連の改革を実施、推進するための農業競争力強化支援法は昨年の常会で成立をしていますが、その審議の冒頭、私はこの壇上で、現場の声を全く無視した政策が次々と提言されている、誰のためか分からない法律はこれ以上作るべきではないという趣旨の訴えをしました。
 同じく昨年、本院の決算委員会で、規制改革推進会議の動きを牽制する措置要求決議が行われました。しかし、彼らに全く反省の色はないようであります。
 卸売市場に関する規制改革推進会議の提言には、受託拒否の禁止を一律に適用することはやめるべき、これがあると、品質の劣るものを安易に出荷するという生産者の不適切な活動を助長しかねないとの記述があります。しかし、卸売業者が正当な理由がない限り出荷者からの申込みを拒否できないという受託拒否禁止のルールは、まさに生産量の増減等を始め、自然相手の農林水産業の特性を踏まえたものであり、提言は一次産業に対する理解のなさを露呈するどころか、生産者を一方的に見下す姿勢がうかがえ、非常に強い怒りを感じます。
 コスト面における体質強化や過度の競争、合理化を推進する余り、現在の卸売市場が食料安定供給の公的機能や公共性を持つ重要な社会インフラであることをお忘れではないでしょうか。改めて、卸売市場についてどのように御認識しておられるか、大臣に答弁を求めます。
 卸売市場では、取引する数量の大小などで出荷を不当に差別する差別的取扱いが禁止されており、公正な取引の場となっている上、労力の要する販売活動ができない方や、契約の有無、また小規模な生産者や小売にとって、いつでも誰にでも利用可能なオープンシステムとなっています。加えて、生産者は売れ残りや代金回収の心配をせず生産活動ができます。地域ごとに産地の出荷計画を作成し、バランスよく出荷していることで、全国どこでも販売量も価格も安定し、満遍なく物が並んでいるのです。私たちが豊かな食生活を享受でき、そして世界に誇る食文化が育まれてきた背景の一つに、この卸売市場制度があるのです。
 規制改革推進会議農業ワーキング・グループが平成二十八年に未来投資会議構造改革徹底推進会合と連名で取りまとめた提言書では、農業者が自らの責任で販売先と価格を決定できる多様な選択肢が用意されるべきと記されています。これらは、いずれも卸売市場を通さない直接販売の推進を強調するものと思われます。
 直接販売は、中間コストの削減などによる生産者所得の向上や、価格の低廉化という消費者のメリットがあると思われがちでありますけれど、複数の販売先に出荷する場合、小ロットの作物ごとに流通経費が掛かるため、結果的にコスト増となるおそれがあります。輸送コストは輸送単位が大きければ大きいほど安くなるのです。加えて、直接販売にアクセスできる生産者や消費者が限定されていることも無視できません。
 食品流通に関する政府の一連の改革は、卸売市場の持つオープン性を著しく軽視しているように思えるのですが、いかがでしょうか、答弁を求めます。
 次に、卸売市場の開設について、許認可制から認定制に変える必要性について伺います。
 現行制度では、中央卸売市場を開設することができるのは自治体に限られ、農林水産大臣の認可を必要としています。地方卸売市場を開設することは民間事業者も可能ですが、都道府県知事の許可を必要としています。この許認可は、適正配置が考慮されていますが、本法律案は、市場の開設を原則禁止から原則自由へと大きく転換させるものであります。自治体が開設者であるからこそ、公平、公正な運営がなされ、卸や仲卸の市場使用料が低く抑えられていると考えられますが、開設者が民間事業者に替わることで、量販店等が強大な権限を持ち、使用料や生鮮品の価格、委託手数料の上昇にもつながるのではないかという心配の声があります。
 なぜ許認可制の下で取引行為の自由度を高めるような手法を取らないのでしょうか、認可制を廃止しなければならないほどの理由がどこにあるのでしょうか、具体的な説明を求めます。
 そもそも、卸売市場の一番のメリットは、それぞれ異なる立場に立つ卸と仲卸が相対することによって、適切な価格形成と良好な品質を保持する機能を発揮できるという点にあります。
 本法案では、これまで一律に定められていた第三者販売の禁止、直荷引きの禁止、商物一致の原則について、今後は実態に応じ、卸売市場ごとに判断、設定ができる内容となっています。
 このことにより、例えば大手小売業者などがバイイングパワーに任せて商品を囲い込むなど、優越的地位を濫用して価格形成に影響力を及ぼすおそれが指摘されています。本法案では、不公正な取引についての規定が設けられていますが、農林水産大臣が行う調査、是正もどれだけの実効性があるのか疑問であります。
 調査、是正はどのような方針で行うのかについて、答弁を求めます。
 公共性を支える大きな要素である受託拒否の禁止は、卸売業者の営業の自由度を縛るものであるため、開設者が自治体でなくなると、引き続き採用されるか分かりません。そこで、本法案では、一定規模以上のもの、かつ受託拒否の禁止を遵守するものについて中央卸売市場の認定を申請することができるとしております。
 認定中央卸売市場の規模要件はどの程度の面積とする方針なのか、どのような者が開設者となることを想定し、どの程度の民間参入を見込んでいるのか、お答えください。
 なお、受託拒否の禁止を遵守するのであれば、公共性を有する市場として、また地域の第一次産業や経済を支える重要なインフラとして、規模の大小にかかわらず、施設整備等への支援を厚くするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 国による適正配置を考慮した整備方針、整備計画が廃止されると、全国の需給調整や流通に責任を持って目を配る者がいなくなります。現在、地方の市場の中には、大都市の市場から転送品に頼っているところもあり、市場間格差が広がり、中央卸売市場から地方卸売市場への転換を含む再編も進められています。開設や取引の規制緩和が市場流通の活性化へ動けばいいのですが、自由競争の結果として、ただでさえ財政負担を感じている一部の地方自治体では撤退を考えるところも出てくるのではないでしょうか。
 少数の大規模卸売市場が残り、生産者の身近な出荷先や地域住民の地産地消を担うマーケットがなくなる懸念はないのか、御見解をお聞かせください。
 私には、本法律が本当に生産者、消費者にメリットをもたらすものなのか、不安と疑問だらけであります。この法案には、卸売市場の将来像が全く見えません。
 そもそも、規制改革推進会議の議論から始まる農政改革は、官邸から丸投げされ、そして全く現場の実態を見ないまま議論し、しかも彼らは結果に責任を負いません。無責任な政策決定にはもううんざりです。官邸主導の農政は現場を分かっていないと感じている与党議員の皆さんも多いのではないでしょうか。
 私たち国会議員には、それぞれの現場や地域から託された思いと未来への責任があります。私たち国民民主党は、これからも未来への責任ある農業政策実現のために全力を尽くしてまいりたいと思います。
 そして、もう一言。
 六月四日、財務省から森友問題の文書改ざんに関する調査報告書が発表されました。まさに財務省の財務省による財務省を守るための調査と言わざるを得ません。麻生大臣は閣僚給与の十二か月分を自主返納されたとのことですが、返納すべきは給与よりも先に大臣の椅子であります。
 何度も申し上げますけれども、全容解明のために与党の皆さんにも御協力をいただくことを心からお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(齋藤健君) 田名部議員の御質問にお答えいたします。
 卸売市場に対する認識についてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の重要な調整機能を果たしてきたものと認識をしております。
 このため、今後も卸売市場を食品流通の核として堅持した上で、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定するとともに、このような高い公共性を有する卸売市場に対して施設整備への助成を行うなど、その振興を図ってまいりたいと考えております。
 直接販売と卸売市場のオープン性に対する見解についてのお尋ねがございました。
 消費者への直接販売につきましては、生産者が自ら販売価格を決定でき、販売手数料等も要しない一方、少量輸送のため物流コストが高くなることがあり、また生産者が自ら売れ残りリスクを負います。
 他方、卸売市場への出荷につきましては、販売価格は市場における需給等により決定され、卸売業者に対して販売委託手数料を支払う必要がある一方、産地からの大量輸送により物流コストを安くできる面があるほか、卸売業者が市場で多数の買手にオープンに販売するため、生産者は売れ残りリスクを負うことがありません。
 このように、直接販売も市場出荷もそれぞれメリット、デメリットがあるため、生産者にとっては、いずれか一方が有利ということではなく、自らの判断で販売ルートを選択できる環境を整備することが重要であると考えております。
 許認可制等を維持した改正案とならなかった理由についてのお尋ねがございました。
 現行の許認可制の下でも、民間の卸売センターやインターネット通販など、許認可を受けた卸売市場以外に多様な流通ルートが存在し、様々な事業展開が行われております。この傾向は今後も加速すると思われます。
 このような現状を踏まえ、本法案では、卸売市場の開設は許認可を受けなくとも行い得ることとしつつ、開設主体のいかんを問わず、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場について、今後ともその機能を発揮できるよう振興を図るとの考え方に立って、農林水産大臣等が認定するとともに、卸売市場が実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることとしたところでございます。
 農林水産大臣が行う調査、是正の実効性についてのお尋ねがありました。
 まず、第三者販売等の取引ルールの設定に当たりましては、仲卸業者を始めとする取引参加者の意見を聴くこととしており、特定の事業者に一方的に有利になる取引ルールが設定されることにはならないと考えております。
 その上で、農林水産大臣が行う食品等の取引状況の調査につきましては、例えば、特に賞味期限が短く、取引上買手が優位になりやすい食品等を選定し、取引当事者からヒアリング等を行うほか、農林水産省に通報窓口を設け、取引に関する通報を踏まえ個別の調査を行うなど、取引の実態をしっかり把握する手法について検討してまいります。
 また、こうした実態把握を踏まえ、事業者に対し指導、助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に通知をすることといたしております。
 中央卸売市場の規模要件と民間企業による参入の見込みについてのお尋ねがございました。
 中央卸売市場につきましては、受託拒否の禁止が共通の取引ルールとなるため、相当程度の規模を有する比較的大きな消費地への流通拠点を想定しております。卸売場、仲卸売場等の施設の面積が一定規模以上であることなどを省令で定めることとし、具体的な面積等は今後検討を行ってまいります。
 また、どのような民間事業者がどの程度中央卸売市場の開設者となるかの見込みにつきましては、現時点で予断を持ってお答えするのは難しいのですが、開設者が地方自治体であるか民間事業者であるかを問わず、公正な取引の場として必要な共通の取引ルールの遵守を求めることといたしております。
 受託拒否の禁止を遵守する卸売市場への施設整備等の支援についてのお尋ねがございました。
 認定を受けた卸売市場につきましては、公正な取引の場として高い公共性を有するため、中央卸売市場、地方卸売市場を問わず、予算措置として、その施設整備に対して補助率三分の一以内で助成を行うことといたしております。
 地方卸売市場が受託拒否の禁止を取引ルールとして設定した場合には一層の支援をすべきとの御指摘につきましては、中央卸売市場が、一定規模以上の施設であり、受託拒否の禁止を一律に義務付けられるといった、より一層高い公共性を有するものであるから、中央卸売市場が食品等流通合理化計画の認定を受けた場合に限り、法律補助として補助率十分の四で助成を行うこととしているものでございます。
 地方自治体の市場経営からの撤退のおそれについてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、現行法の下でも、取扱金額の減少等の実態変化を背景に、統合、廃止するものや、中央卸売市場が地方卸売市場に転換をして、さらに民営化するものも出てきています。
 こうした中、地方の卸売市場が今後とも食品流通の核としてその機能を発揮できるよう、本法案では、公正な取引の場として一定の要件は確保した上で、地域や取扱品目など、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることとするとともに、認定を受けた卸売市場に対して、中央卸売市場、地方卸売市場を問わず、施設整備への助成を行うこととし、活性化を図りたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(伊達忠一君) 小川勝也君。
   〔小川勝也君登壇、拍手〕
#13
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也です。
 ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案に対し、会派を代表し、質問いたします。
 昨年から今年にかけて、国会では森友、加計問題が注目され、いよいよ安倍総理の進退の段階まで来ました。世界で最も優秀とされる霞が関の官僚が、公文書を破棄、改ざんしたり、誰かをかばうために国会で虚偽の答弁をしたり、国民の政治、行政に対する信頼はまさに地に落ちています。財務省の決裁文書改ざん問題も、国有地の大幅値下げ問題も、加計学園の獣医学部設置の認可も、なぜなされたのか、全容は少しも解明されていません。多くの国民が政府を信頼できなくなっている今こそ、国会が全てを明らかにする責務を背負っていることを与野党問わず厳しく自覚するべきであります。
 さて、そんな中で、どうしても理解できない法案が昨年成立してしまいました。それは、主要農作物種子法の廃止法案であります。国民の命の源である食料、その源が種子です。種子こそが戦略物資化される世界の潮流の中での廃止法案、びっくりいたしました。今、野党各党で衆議院に復活法案を提案しているところでございます。
 そして、いま一つ理解し難い法案が、ただいま議題となっております卸売市場法の改正案です。
 食料の供給、分配は、まさに生命の存続に関わることであり、そのルール作りは、洋の東西を問わず大変重要な歴史上の政治課題でした。飢饉があったり、強力なリーダーが誕生したりと、人類は紆余曲折を経て、文化、地域の違いはあるとはいえ、それぞれの卸売市場制度を持ち、今も食料の供給、売買のルールは大事にされています。
 本法律案は、平成二十九年十一月二十四日に未来投資会議等が出した卸売市場の抜本的見直しの提言がベースとなったものであり、事実上の卸売市場法廃止を求める声が反映されたものと承知をいたしております。JAグループなども廃止ありきに反対し、与党審査で大きく押し戻したと報道されていました。しかし、実際はどうだったでしょうか。
 結論から申し上げますと、この法改正の肝は、中央、地方卸売市場の開設を許認可制から認定制へというところであり、裏を返せば、今年五月二十四日の井上食料産業局長の衆議院農林水産委員会での大串委員に対する答弁のとおりであります。その内容は、認定制に移行した場合には、認定を受けずに開設する卸売市場が制度上は存在をし得る、このことに尽きるのではないでしょうか。
 齋藤農水大臣にお伺いいたします。
 本法律案は、各種会議の委員が望むような新たな食料の流通システム、すなわち規制の極めて少ない産地と消費者を結ぶ市場、すなわち非認定の卸売市場、別名食品物流センターを容認することにあるのではないでしょうか。お答えください。
 昨今の中央、地方の卸売市場のありようは大変厳しい状況であると聞いています。その要因は幾つもあります。国民の食生活の変化、小売店の減少、大規模小売店の展開、加工食品の増加、食品の市場経由率の減少などです。ちなみに、水産物の市場経由率は、昭和六十年におおむね七七%だったものが現在では五〇%程度、青果では、同じく八五%が六〇%程度まで下がっております。複数の市場の仲買人の方から、物が少ない、物がないという話も伺ってまいりました。
 現在の中央、地方の卸売市場のままで万々歳とは考えていませんが、公設、許認可制の下で取引規制の緩和を盛り込むことや、独自の工夫がしやすくなるような改正案に至らなかった理由を農林水産大臣に伺います。
 この改正を契機に、地方都市などで自治体が運営から撤退する可能性が高くなるという指摘があります。農林水産大臣の受け止めはいかがでしょうか。
 また、認定市場から非認定市場への転換にはどのような手続が考えられますか。国から受けた施設整備補助はどうなるんでありましょうか、併せてお伺いいたします。
 経営の自由度が高い大資本による非認定の卸売市場が誕生すれば、海外からの輸入食品、国内の農林水産物、加工食品など、大型量販店との取引を中心に、未来投資会議なる会議体の方々がもくろむような経営の優位な物流センターに発展する可能性が高くなります。そうなれば、食品流通の大部分が非認定の卸売市場に流れ、公設の認定卸売市場の経営は、荷物、売り先の減少などにより一層厳しくなり、撤退することも予想されます。
 将来的に公設の卸売市場の経営がどうなると予測しておられるのか、農林水産大臣の見通しをお答えください。また、公設市場が存続の危機に瀕したときには国はどういう関与をするのでしょうか、農林水産大臣、お答えをいただきたいと思います。
 今、私たちの国には買物難民が増えています。買物にアクセスできる小売店が一つだけという方も増えています。このような小売店の仕入先としても、公設市場は大きな存在です。
 食料・農業・農村基本法には、食料の安定供給が国の責務として明記されています。私は、国民がどこに住んでいても、安全でおいしい食料を適正な価格で手にすることができる、このような食料アクセス権を保障するのも国の大きな責務の一つだと考えますが、いかがでしょうか。アクセスできる範囲に公設市場を経由した食品流通がなくなることを、国は容認するのでしょうか。
 国民の食料にアクセスする権利に対する国の責務について、農水大臣のお考えをお伺いいたします。
 民間企業には、当然、倒産、経営判断による撤退、海外企業に買収されてしまう、そんなリスクさえあります。農林水産大臣は、国民の台所がそのようなリスクにさらされることを許容しますか。
 大資本による非認定の卸売市場は、大型量販店と結託して地域の食品流通を支配することによって、公設の認定卸売市場が撤退した後、自己に有利な取引と価格、生産者、消費者に押し付けるような事態も起こりかねません。国が公設市場の適正配置に責任を持つ仕組みを撤廃してしまう本法律案は、その第一歩に思えてなりません。
 国は責任を放棄したと考えてよいかどうか、農林水産大臣にお尋ねいたします。
 そして、大事な点があります。生産者がよりどころとして安心して農作物を生産できたのは、価格に上下変動はあるにせよ、認可市場に受託拒否の禁止規定があるからです。認可、認定の市場が減少すれば、生産者の立場はおのずから弱いものになっていきます。
 消費者の立場からも生産者の立場も危うくする本法律案は一体誰のための法案なのでしょうか。農林水産大臣にお尋ねいたします。
 公設市場の卸売、仲卸の存在や手数料も無駄なものと決め付ける人たちに、命と食料の制度改正を任せていいのでしょうか。生産者の利益を守る卸、消費者の利益を守る仲卸、日本の市場制度はうまく機能してきました。さきに述べたように、市場をめぐる情勢は必ずしも明るいものではありませんが、仲卸会社も減少の一途をたどり、競りに掛かる物品も減ってきています。競り場に、それぞれの市場で独特のあの味のある掛け声も、過去の風物詩となってしまうのでしょうか。
 今だけ、金だけ、自分だけ。安倍総理の率いる審議会政治に対する尊称です。現代は、資本主義社会、ビジネス社会ですが、生命を人質に取るようなビジネスと食料を独占するビジネスはタブーとされてきました。さきに述べた種子法廃止法案と本法律案は、明らかに将来に禍根を残すであろう格別の悪法です。衆議院では、問題が明らかになったにもかかわらず、すぐ採決になってしまったようです。
 参議院では、将来に向けての想像力を豊かにして、廃案も視野に入れ、徹底的に審議してまいりましょう。
 終わります。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(齋藤健君) 小川議員の御質問にお答えをいたします。
 本法案の趣旨が食品物流センターの容認にあるのではないかというお尋ねがございました。
 本法案は、新たな需要の開拓や付加価値の向上につながる食品流通構造を確立することを基本的な考え方として、創意工夫を生かして消費者ニーズに合った食品を供給する環境を整備するとともに、物流コストの削減や品質・衛生管理の強化等を進めるほか、公正な取引環境の確保を図ることといたしております。
 卸売市場につきましては、現在でも許認可を受けた卸売市場以外にも多様な流通ルートが存在し、様々な事業展開が行われていることも踏まえまして、卸売市場の開設は許認可を受けなくとも行い得ることとしつつ、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定することにより、こうした卸売市場の振興を図ることを目的といたしております。
 許認可制等を維持した改正案とならなかった理由についてのお尋ねがございました。
 現行の許認可制の下でも、民間の卸売センターやインターネット通販など、許認可を受けた卸売市場以外に多様な流通ルートが存在し、様々な事業展開が行われています。
 このような現状を踏まえ、本法案では、卸売市場の開設は許認可を受けなくとも行い得ることとしつつ、開設主体のいかんを問わず、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場について、今後ともその機能を発揮できるよう振興を図るとの考え方に立って、農林水産大臣等が認定するとともに、各卸売市場の実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることといたしたところでございます。
 地方公共団体の市場運営からの撤退と、認定卸売市場から非認定卸売市場への転換についてのお尋ねがありました。
 地方公共団体は、地域住民への生鮮品の安定供給等、地域のニーズを踏まえて卸売市場運営をしておりまして、今後も継続して運営に当たっていただけることを期待しております。国としても、生鮮品の公正な取引の場として、その振興を図ることとしたいと思います。
 仮に、認定を受けた卸売市場が非認定の卸売市場に転換する場合には、開設者は、認定卸売市場の業務の廃止を取引参加者に通知をするとともに、農林水産大臣等に届け出る必要があるほか、開設者が地方公共団体の場合には、条例である業務規程の改正等が必要になります。
 また、非認定に転換する卸売市場が施設整備の助成を受けていた場合で、助成の目的が消滅するときは、補助金適正化法等に基づき、所要額の返納を求めることもあります。
 公設の卸売市場の経営と国の関与についてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、取扱金額の減少等を背景に、統合、廃止や、中央卸売市場が地方卸売市場に転換をし、さらに民営化するものも実態として出てきております。
 こうした中、卸売市場が今後ともその機能を発揮することができるように、創意工夫の発揮などによる卸売市場の活性化を図ることが重要になってきていると考えています。
 今回の改正により、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定をし、当該市場が取引ルールを柔軟に設定できるようにすることによりまして創意工夫の発揮を促進し、また、認定を受けた卸売市場に対して施設整備への助成を行うなどにより、卸売市場の活性化を図ることができると考えております。
 農林水産省としては、卸売市場の業務が適正かつ健全に行われるよう、今後も開設者に対し必要な指導、助言を行うことといたしております。
 公設市場を経由した食品へのアクセス、国の責務についてのお尋ねがございました。
 食品流通につきましては、統合、廃止や民営化される卸売市場も出てきている一方で、卸売市場以外の多様な流通ルートも存在し、様々な事業展開が行われている、そういう現状にあります。
 本法案は、このような食品流通の変化を踏まえ、将来にわたり国民に対する食料の安定供給を担い得る卸売市場を含む食品流通の構造を構築するものであり、創意工夫を生かして消費者の需要に合った食品を供給する環境を整備するとともに、物流コストの削減や品質・衛生管理の強化等を進め、消費者ニーズへの的確な対応と生産者の所得向上を促進する、そういう法律になっております。
 民間企業による卸売市場の運営についてのお尋ねがございました。
 現行の卸売市場法の下におきましても、地方卸売市場の開設者に限定はなく、実際に、その約九割は民間企業により適正に運営されています。
 本法案では、いずれの開設者についても、卸売業者等に対し、公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させ、厳格な監督を行う場合に限って認定することとしており、中央卸売市場でも開設者を特に限定しないこととしております。
 なお、認定を受けた民設の卸売市場に対しましても、各卸売市場の創意工夫を発揮できるよう取引ルールの柔軟性は確保しつつ、卸売市場の施設整備への助成を行うなど、卸売市場の活性化を図るとともに、卸売市場の業務が適正かつ健全に行われるよう、農林水産大臣等は開設者に対し必要な指導、助言、監督を行うことといたしております。
 卸売市場の適正配置についてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、整備計画等に基づいて全国的に整備は進んでまいりましたが、むしろ近年は、取扱量の減少等により、その数は減少傾向にあります。
 こうした中、公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場が今後ともその機能を発揮することができるよう、こうした卸売市場を認定をし、施設整備への助成を行うとともに、取引ルールの柔軟な設定を可能とすることにより、その創意工夫の発揮を促進するなど、卸売市場の活性化を図ることとしており、国が責任を放棄したという認識はございません。
 また、認定を受けた卸売市場以外の流通も含めまして、改正食品流通構造改善促進法に基づき、農林水産大臣が、食品等の取引状況等の調査を行い、調査結果に基づき事業者に対して指導、助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に通知することにより、公正な取引環境を確保してまいります。
 本法案の趣旨、誰のための法案かについてのお尋ねがございました。
 今般の法改正は、食品流通の状況変化を踏まえ、卸売市場も市場外も含めて、創意工夫を生かし、消費者や生産者のニーズに対応した食品流通を実現する環境を整備するとともに、物流コストの削減や品質・衛生管理の強化等を進めるほか、公正な取引環境の確保を図る、こういったことを目的としており、これにより生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応、これを促して卸売市場の活性化を目指すものでございます。
 卸売市場につきましては、公正な取引の場として一定の要件を満たす市場を農林水産大臣等が認定をし、これに施設整備への助成を行うこと等により、振興を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(伊達忠一君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#16
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部改正案について質問いたします。
 本改正案は、卸売市場の認可制を認定制に変えることを始め、八十三条の条文を十九条まで減らす大幅な改正です。それなのに衆議院の質疑は、参考人を含めて、五月二十三日、二十四日、連続二日間のみで採決をされました。余りにも早い採決に驚くばかりです。これで審議が尽くされたと考えますか。参議院では慎重、丁寧、充実した審議を求めるものです。
 卸売市場は、生産者が出荷する野菜、青果物、食肉、水産物、花卉などを集荷、分荷、値決めをし、効率的に流通させています。商品は、卸売業者、仲卸業者、小売業者を通じて料理店や消費者に届けられ、日本の農業、漁業生産と豊かな食分化を支える役割を果たしています。
 衆議院において中澤誠参考人は、卸売市場法で大事なところは品質競争することだ、競争することで生産者は品質のいい生産物を作ろうとする、卸は生産物を高く売ろうとする、それが生産者の再生産を保障することになると言われました。また、仲卸は、品質を見極める目利きの力で品質のいい商品を求める消費者の利益を守ろうと努力する、立場の違う卸と仲卸が生産者、消費者の立場に立って価格形成を行うのが卸売市場だと言われました。
 卸売市場が果たしている役割をどう認識していますか。目利きの力でブランド力を高め、消費者にも観光客にも愛されている築地市場を始め、各地の卸売市場を誰のために見直すのですか。
 未来投資会議、規制改革推進会議は、二〇一六年十月、総合的なTPP関連政策大綱に基づく改革の課題として、卸売市場の抜本的見直し又は卸売市場法という特別の法制度に基づく時代遅れの規制は廃止を提言しました。
 これを受け入れた政府は、卸売市場法を抜本的に見直し、合理的理由のなくなっている規制は廃止すると決めました。また、卸売市場関係業界の抜本的な合理化、流通加工業界、中間流通の業界再編、全農の農産物の売り方の見直しが必要であるとして、業界再編並びに全農改革としてセットで改革を迫ったのです。
 改正案は、TPP、環太平洋経済連携協定の推進に合わせた改革ではありませんか。改正案は、卸売市場の開設者に民間企業が参入することを認めています。卸売市場を軸にした生鮮食品のサプライチェーンを、多国籍企業を含む大手流通と食品企業のために見直すのではありませんか。
 以上、農林水産大臣、お答えください。
 改正案は、中央と地方の卸売市場の許認可制度を認定制に変えるものです。同時に、地方自治体に限定していた中央卸売市場の開設制限をなくし、大都市に食料を安定供給するために設けられた開設区域も廃止するものです。
 中央卸売市場は、地方公共団体が開設者になり、税金を投じて整備したからこそ、卸売会社や仲卸会社は自前の土地や建物を持つ必要がなく、安心して生鮮食料品の取引に専念することができたのです。安全な食品を供給するために、衛生検査機関を設置し、常時検査、公表する体制整備を取っています。
 札幌中央卸売市場では、夕張メロンを保管する定温施設を整備し、ブランド化を図っています。住民の代表である地方議会は、条例で中央卸売市場の施設使用料など業務規定を定め、必要な予算を付けることで、住民への食料の安定供給に責任を持ってきました。
 認定制になれば、中央卸売市場に民間企業の参入が可能になります。採算が合わず撤退したら、食料の安定供給に誰が責任を持つのですか。国と地方公共団体が果たしてきた公的役割が後退するのではありませんか。総務大臣と農林水産大臣に答弁を求めます。
 卸売市場は、生産者、消費者の立場に立って公平公正な価格形成が行われています。改正案は、取引規制の緩和に反対する世論の高まりを受けて、一部の規制は残すことになりました。しかし、卸売業者が仲卸や売買参加者以外に売ってはいけないとする第三者販売の禁止等の規制をかぶせるかどうかは、開設者の判断に委ねました。この規制が自由化されれば、卸が仲卸を通さず、直接取引を行い、値決めする。大手流通小売業界の販売力が強まり、公平公正な価格形成が損なわれるのではありませんか。
 政府は、農業等の生産者の所得を向上させるとともに、消費者のニーズに的確に対応するために、食品の流通構造を改革すると言っています。生産者が卸に支払う手数料を減らすことができれば、その分、生産者の実入りは増えるでしょう。しかし、利益率が低い卸にとって、手数料を下げることは至難の業です。
 衆議院で藤島廣二参考人は、卸業者、仲卸業者の利益率は〇・五%前後だ、トヨタ自動車の利益率の二十分の一か三十分の一でしかない、脆弱な経営体質を支えているのが公設市場だ、業者と地方自治体が組むことで低コスト供給システムをつくることが可能になったと言われました。食品の流通構造の改革は、結局、卸売業者、仲卸業者に再編、リストラを迫るものではありませんか。
 第三者販売の禁止、直荷引き禁止、商物一致の自由化も重大です。
 資本力のある卸は、大手スーパーや外食産業への直接販売が可能になります。一方、大手スーパー等の仕入れを代行している大手の仲卸も、生産物を直接買い付けて販売することが可能になります。卸売市場内で取引するという商物一致が廃止されれば、市場外取引が可能になります。
 これでは、中小の仲卸が卸売市場内で生鮮食品を扱うことが困難になり、目利きの力に依存してきた専門小売店、料理店、すし店などの仕入れも困難になります。札幌中央卸売市場は、量販店で手に入らない生マグロを扱うことで、小売店に安心できる食材を提供しています。取引規制の自由化は、仲卸業者を淘汰するものではありませんか。
 東日本大震災の後に仙台市中央卸売市場を訪問し、仙台市や業者から話を聞きました。私たちは震災時もずっと市場を開けていた、入るものがあれば出せるものもある、それが中央卸売市場の役割だと言われました。仲卸の社長さんは、家は被害を受けたけれども流通は止められないと営業を続けた、スーパーやコンビニの配送センターはデータ処理ができないのでストップしたが、アナログの世界は処理できる、いざというときに役に立つのが公設市場だと言われました。公設市場の役割を強化することこそ必要です。
 最後に、一言申し上げたい。
 安倍政権は、規制改革推進会議に主導させて、TPPに反対した農協に改革を迫り、森林所有者が誰も求めていないのに、林家から山を奪い取る林政改悪を行い、地域ブランド米を育てた主要農作物種子法を廃止するとともに、今年から米の所得補償を廃止しました。さらには、企業に漁業権を与える漁業改革を行おうとしています。現場が求めてもいない官邸農政はやめるべきではありませんか。農林水産大臣の答弁を求めて、質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(齋藤健君) 紙議員の御質問にお答えをいたします。
 本法案の衆議院における審議についてのお尋ねがございました。
 衆議院における本法案の審議について政府としてコメントを申し述べる立場にありませんが、真摯に説明等をさせていただき、御可決に至ったものと考えております。
 卸売市場が果たしている役割についてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、生産者から農水産物を集めて小売店等に小分けをして供給をし、卸売業者と仲卸業者等との間で適正な価格を形成するなどの機能を果たしております。
 このため、今後も卸売市場を食品流通の核として堅持した上で、公正な取引の場としての一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定するとともに、このような高い公共性を有する卸売市場に対して施設整備への助成を行うなど、その振興を図ってまいりたいと考えております。
 本法案はTPP等の推進に合わせた改革ではないかとのお尋ねがございました。
 卸売市場を含む食品流通構造改革については、平成二十七年十一月の総合的なTPP関連政策大綱におきまして、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立が検討項目とされたことに端を発しますが、基本的な考え方は、生産者、消費者双方にメリットのある食品流通構造の実現であります。
 卸売市場の開設者につきましては、現行の卸売市場法の下でも、地方卸売市場は特に限定することなく、実際に約九割の地方卸売市場が民間企業により適正に運営されております。
 本法案では、中央卸売市場、地方卸売市場のいずれにつきましても、開設者が卸売業者等に対し、公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させ、厳格な監督を行う場合に限って認定することとした上で、開設者の属性は問わないこととしたところでございます。
 民間企業の市場運営からの撤退と、国等の公的役割についてのお尋ねがございました。
 卸売市場につきましては、取扱金額の減少等を背景に、統合、廃止するものや、中央卸売市場が地方卸売市場に転換をし、さらに民営化するものも出てきております。
 こうした中、卸売市場が今後ともその機能を発揮することができるよう、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定をし、各卸売市場が取引ルールを柔軟に設定できるようにすることにより創意工夫の発揮を促進し、また、認定を受けた卸売市場に対しては、施設整備への助成を行うこと等により、卸売市場の活性化を図ることとしております。
 また、卸売市場の業務が適正かつ健全に行われるよう、農林水産大臣等が開設者に対し厳格な監督を行うことといたしております。
 第三者販売等の取引ルールの柔軟化の影響についてお尋ねがありました。
 現行の卸売市場法では、特に中央卸売市場における運営等の細部にわたり国が一律に規制をしているため、卸売事業者等が、生産者、消費者のニーズに対応するため、やむを得ず別会社を設立をして市場外で取引を行っている実態がございます。
 このため、本法案では、卸売市場が各々の実情に即して柔軟に取引ルールを設定できることとしつつ、その場合には、仲卸業者、卸売業者等の取引参加者の意見を十分に聴くこととするとともに、特定の買受人を卸売業者が不当に差別的に取り扱うことを禁止し、公正な取引を確保しております。
 さらに、市場外で行われた取引が市場における第三者販売等の取引として行われることになれば、取引結果の公表等が義務付けられるため、価格形成の透明性はむしろ高まるものと考えております。
 食品流通構造の改革と卸売業者、仲卸業者への影響についてのお尋ねがありました。
 食品流通においては、加工食品や外食の需要が拡大をするとともに、価格面のみならず品質や衛生面などへの関心が高まっています。
 このため、創意工夫を生かして消費者の需要に合った食品を供給する環境を整備するため、卸売市場における食品の加工、小分けや海外への輸出等、国内外への需要に対応する取組のほか、品質・衛生管理の強化等の取組も支援することとしていますが、こうした取組には卸売業者、仲卸業者がその役割を十分に発揮していただくことが必要と考えております。
 なお、本法案では、卸売業者の手数料について一律に削減することを定めているわけではございません。
 取引ルールの柔軟化による仲卸業者への影響についてのお尋ねがございました。
 現行の卸売市場法では、特に中央卸売市場における運営等の細部にわたり国が一律に規制しているため、食品流通の変化に対応できない面が出てきています。
 このため、本法案では、卸売市場が各々の実情に即して柔軟に取引ルールを設定できることとしつつ、その場合には、仲卸業者、卸売業者等の関係者の意見を十分に聴くこととするとともに、特定の買受人を卸売業者が不当に差別的に取り扱うことを禁止し、大手の小売業者ばかり優遇されることのないよう、公正な取引を確保してまいります。
 農林水産政策改革についてお尋ねがありました。
 我が国の農林水産業は、人口減少に伴うマーケットの縮小や、農林漁業者の減少、高齢化の進行、耕作放棄地の増大など、大きな曲がり角に立っていると認識しています。
 このような中、我が国の農林水産業に活力を取り戻し、若者たちが創意工夫を存分に発揮できる魅力ある成長産業にしていくためには、消費者ニーズに応えた付加価値の高い農林水産物の生産、販売や成長著しい海外マーケットの開拓を進めるとともに、農林水産業の構造改革を進めていく必要があります。
 このため、安倍内閣においては、米政策改革や輸出促進、農地集積バンクの創設、六十年ぶりの農協改革、生産資材価格の引下げや流通加工構造の改革など、農政全般にわたる改革を精力的に進めるとともに、今般、適切な資源管理と成長産業化を両立させるため、林業と水産業の抜本的な改革に着手いたしました。
 今後とも、現場の意見を受け止めながら、農林水産政策改革を積極的に進め、若者が夢や希望を託すことができる農林水産業を実現をしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(野田聖子君) 紙議員にお答えいたします。
 中央卸売市場の開設者である地方公共団体が食料の安定供給に果たす役割についてお尋ねがありました。
 地方公共団体は、生鮮食料品等の広域的な流通の中核的拠点である中央卸売市場を開設してきました。
 今回の改正法案においても、中央卸売市場が生鮮食料品等の公正な取引の場として、国民へ食料を安定的に供給する重要な役割を担うことに変わりはなく、地方公共団体が開設する中央卸売市場も、引き続き同様の役割を果たすことになるものと考えています。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(伊達忠一君) 儀間光男君。
   〔儀間光男君登壇、拍手〕
#20
○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男でございます。
 我が党を代表いたしまして、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 中央卸売市場法が一九二三年に制定されて以降、集荷面では、卸売市場経由率が最も高い国産青果を見ると、現在でも約八五%が市場を経由するなど、卸売市場の機能とされる集荷、分荷、価格形成、代金決済、情報受発信を担う等、重要な役割を担ってきました。しかし、食品流通構造の変化により市場外流通の比率が高まってきており、卸売市場への依存度が年々低下をしてきております。
 今回の改正案は、卸売市場を含めた食品流通の適正化と生鮮食料品等の公正な取引環境の確保が目的と理解しております。こうした取組を通じて、消費者ニーズに的確に応え、新たな需要の開拓、付加価値の向上に向けた食品流通の効率性と生産性の向上を図ることで、農林水産漁業者の所得の向上にもつながる重要な取組であると考えております。
 一方、商取引が多様化する中、今回の改正案では、第三者販売の原則禁止については、一律の規制ではなく、卸売市場ごとに定めるとしています。
 卸売市場が廃止を決定した場合、市場と大手量販店との直接取引が拡大し、仲卸を介した取引が行われなくなる懸念があります。価格についても大手量販店側の言い値となるおそれがあり、相場の乱高下が起こる可能性もあります。
 現在でも第三者販売によって産地から大手量販店への直接取引も行われておりますが、こういった取引形態が更に拡大することにより、大手量販店が有利になるため、中小スーパー、八百屋など、経営の事業の継続が心配されます。取扱いのルールが自由化されることが、大手量販店への荷量の集中を招き、ブランド産地の囲い込み等が起こることによって産地間の格差が広がる懸念もあります。
 流通の自由化が進むことによって起こり得る弊害について、農林水産省としてどのような対策等が必要とお考えでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 また、現在、千市場を上回る地方卸売市場ですが、これらの淘汰が進むことによって巨大な小売業が流通を握るおそれもあり、産地側としては、どこに卸すのか、販売戦略が極めて重要となると想定されます。
 産地に対する経営支援や販売戦略について、政府としてどのような支援が必要とお考えでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 卸売市場の物流を見ていますと、標準化や機械化が遅れ、効率が悪いのが実態です。青果物については、トラック運転者が細かく積卸ししており、手待ちを含めると荷降ろしに時間と手間が掛かっているという実情があります。
 荷役や手待ち時間の短縮はドライバーの長時間労働削減のためにも喫緊の課題でありますが、今後、働き方改革関連法案における改善に向けた取組において、農林水産省だけではなく、厚生労働省も含めた連携の必要性についてどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣、農林水産大臣、それぞれお答えください。
 卸売市場法の改正案では、地方公共団体以外の者が中央卸売市場の開設者になるということが可能になります。民間としてできることは民間が行う、そのような取組は好ましいことであり、新しい規制改革の取組になると考えています。
 今回の改正によって、民間事業者による参入数がどの程度になると見込んでいるのでしょうか。また、民間が参入することによる経済的効果、そして市場の動向をどのように見込んでいるのか。その反面、民間事業者が利益を追求する余り、卸売市場の役割、例えば価格形成機能など、本来果たすべき役割が果たせなくなるケースを想定した対策が取られているのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 現行法においては卸売業者の純資産基準額が定められておりますが、この基準額を下回る申請者には許可が与えられませんでした。これは、卸売業者に対し、卸売業を行うために必要な一定の資力を維持するための規定でした。今回の改正案では、卸売業者の純資産額について明記がされておりません。大きな規制緩和となりますが、思い切った変更と言えます。純資産基準額に関する規制をなくす根拠を具体的にお答えください。農林水産大臣に伺います。
 東京都中央卸売市場が公表している二〇一七年の仲卸業者の経営状況において、財務基準に抵触する業者の数は四百五十九業者あり、全体の五二・一%と半数以上を占めております。抵触者の基準は都条例で定められているものですが、仲卸業者は厳しい経営状況に置かれていると思います。東京都中央卸売市場の例を挙げましたが、全国的にも同じような状況と言えます。仲卸業者の営業利益は非常に低い水準にあると考えざるを得ません。
 今回、卸売市場法を改正するに当たり、仲卸業を維持するための対策や支援強化といった検討はなされているのか、卸売市場の機能を維持する上で欠かせない視点であると考えますが、農林水産大臣、御見解を伺います。
 食品流通構造改善促進法改正案について伺います。
 本法律は、これまで、食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化を目的としていました。これらは国民の生活に直接的に関わる課題ですが、改正前の法律ではどの程度改善が図られてきた実績があったのでしょうか。目的は達せられたと評価できるのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 また、本改正法案では、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律と名称が変更され、食品等の流通の合理化と取引の適正化を目的とする法律に変わります。この合理化、適正化は何を意味するものなのか。法律の名称を変えてまで実現したい目的は何なのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 本法案では、農林水産大臣は、食品等の取引に関し、不公正な取引方法に該当する事実があると思料されるときは、公正取引委員会に対し、その事実を通知するものとすることとしております。この不公正の中には、優越的地位の濫用などが含まれていると思われます。そして、これまでも優越的地位を利用した弱い立場の業者に対する圧力が外部の目には触れない形で行使されてきた実態がございます。
 ここで規制しようとしている食品流通分野における不公正な取引方法というのはどのようなものを想定しているのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 我が日本維新の会は、今後も国民のためにより良い政策を実現していくことのみを考え、責任ある態度で今後も国会審議に臨んでいくことを国民の皆様にお約束をいたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴、誠にもってありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(齋藤健君) 儀間議員の御質問にお答えいたします。
 第三者販売の原則禁止規定の廃止による影響についてのお尋ねがございました。
 現行の卸売市場法では、卸売市場における運営等の細部にわたり国が一律に規制しておりまして、食品流通の変化に対応できない面が生じているため、本法案では、認定を受ける卸売市場については、公正な取引の場としての要件は確保した上で、卸売市場ごとの実態に合わせて、第三者販売の禁止など、その他の取引ルールを柔軟に設定できることとしています。
 第三者販売等の取引ルールを定める場合でも、大規模小売業者や小規模専門小売業者などに差別的な取扱いをしないなどを共通の遵守すべきルールとするとともに、仲卸業者を始めとする取引参加者の意見を聴いて定めることとしており、内容、手続面で公正さを求めております。
 産地に対する経営支援や販売戦略についてのお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、産地、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通構造を確立することが重要と考えております。
 このため、産地、生産者が円滑に販売ルートを選択できるように、本法案において、認定を受けた卸売市場ごとに取引ルールを設定する場合には、その内容と当該ルールを設定した理由を公表するほか、委託手数料を始めとする取引条件や取引結果を公表することとしています。また、卸売市場を含む多様な流通ルートの取引条件を見える化し、比較検討できるインターネットサイトを開設をしております。
 食品流通における働き方改革についてのお尋ねがございました。
 食品流通はトラック輸送に大きく依存をしておりますが、荷役、手待ち時間が長いことなどから、物流の効率化が課題となっております。
 このため、政府の自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議の下で、農林水産省といたしましては、関係省庁と連携しつつ、情報通信技術を活用したトラック予約受付システムの導入、大量の段ボール等を機械で一度に運ぶための台、いわゆるパレットの導入等を推進し、食品の物流の効率化に取り組んでまいります。
 民間事業者による中央卸売市場への参入についてのお尋ねがありました。
 法改正によりましてどの程度の民間事業者が中央卸売市場開設者となるか、その経済的効果はどうなるかの見込みについては、現時点で予断を持ってお答えするのは困難であります。
 中央卸売市場が本来果たすべき役割を維持するため、民間が開設者となる場合も含めまして、集荷、分荷、価格形成、代金決済等の機能が発揮されるよう、差別的取扱いの禁止、売買取引の方法や代金決済方法の策定、公表、売買取引の条件や取引結果等の公表を共通の遵守すべき事項といたしております。
 卸売業者の純資産基準額に関する規制についてのお尋ねがありました。
 近年、消費者ニーズの変化に伴い流通ルートが多様化するとともに、買手と売手の情報格差がなくなり、売惜しみなどによる価格のつり上げがしにくい環境になっています。
 このため、本法案では、卸売市場の開設は許認可を受けなくとも行い得ることとするとともに、卸売業者の営業も許可制を廃止し、許可基準である純資産基準額も廃止したところです。
 なお、農林水産大臣又は都道府県知事は、卸売業者の業務を含め、卸売市場において健全な業務運営が行われるよう、開設者に対して監督を行うとともに、出荷者による卸売業者の財務状況の閲覧、これを卸売市場の認定要件としているところでございます。
 仲卸業を維持するための対策についてのお尋ねがありました。
 本法案では、各卸売市場がその実態に合わせて、仲卸業者を始めとする取引参加者の意見を聴いた上で、取引ルールを設定できることとしております。
 例えば、仲卸業者が産地から直接集荷できるという取引ルールを設定した場合には、仲卸業者が小ロットでも有機農産物や地場野菜等を直接仕入れることが可能となり、消費者ニーズに合った品ぞろえを充実し、販路を拡大できるようになります。
 また、仲卸業者による品質・衛生管理の高度化や、加工、輸出といった国内外の需要への対応など、流通の合理化に向けた取組も支援をすることとしております。
 食品流通構造改善促進法の実績と改正の目的についてのお尋ねがございました。
 この法律は、制定以来、千件以上の計画認定と支援を通じて、農林漁業者と食品販売業者等との連携や、食品販売業の近代化を図り、食品流通の構造改善に一定の役割を果たしてまいりました。
 他方、近年、食品流通におきましては、物流の効率化、情報通信技術の活用、品質・衛生管理の高度化、国内外の需要への対応といった流通の合理化が課題となるとともに、食品が短期間で品質が低下しやすく、取引上の立場に格差が生じやすいことを踏まえ、公正な取引環境の確保による取引の適正化が求められております。
 本法案では、食品流通構造改善促進法を改正し、これらに資する措置を講じ、これに合わせて法律の名称も改めることとしたところでございます。
 食品流通分野における不公正な取引方法についてのお尋ねがございました。
 食品流通分野における不公正な取引方法としては、例えば、小売業者がこれに商品を納入する仲卸業者や加工業者等に対し不当な値下げを要請する買いたたき、あるいは、小売業者が商品の取扱いや販売促進のための諸経費等に充当する名目で徴収する使用料あるいは協賛金等の算出根拠が不明朗であったり過度に高い場合、こういうケースを想定をいたしております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(加藤勝信君) 儀間光男議員より、トラック運転者の長時間労働削減についてお尋ねがありました。
 トラックの運転を始めとする自動車の運転業務については、現に他の産業に比べて労働時間が長い実態があり、その背景には、取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題があります。
 今国会に提出した働き方改革関連法案においては、自動車の運転業務について、こうした取引慣行上の課題も含めて解決しながら、実態に即した形で時間外労働の上限規制を適用するため、施行期日の五年後に、年九百六十時間の規制を適用することとしております。
 御指摘のとおり、トラック運転者の長時間労働削減のためには、荷役や手待ち時間の短縮が喫緊の課題であります。そのため、本年五月三十日に関係省庁連絡会議において策定をいたしました自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画に沿って、荷主を含めた業界ごとの取組を進めることとしており、機械荷役への転換促進による荷役時間の短縮やトラック予約受付システムの導入促進による荷待ち時間短縮などに取り組みます。
 このように、猶予期間においても、関係省庁と連携しつつ、長時間労働を是正するための環境整備にしっかりと取り組ませていただきます。(拍手)
#23
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(伊達忠一君) 日程第一 災害救助法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長河野義博君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔河野義博君登壇、拍手〕
#25
○河野義博君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、災害救助の円滑かつ迅速な実施を図るため、内閣総理大臣の指定する救助実施市の長による救助の実施に係る制度を創設する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案の意義及び期待される効果、救助実施市の指定に際しての基準及び手続、制度の見直しに係る都道府県の懸念への対応、都道府県知事による連絡調整機能の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(伊達忠一君) 日程第二 消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。消費者問題に関する特別委員長三原じゅん子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔三原じゅん子君登壇、拍手〕
#30
○三原じゅん子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、消費者契約に関する消費者と事業者との間の交渉力等の格差に鑑み、消費者の利益の擁護を図るため、事業者の行為により消費者が困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる類型として、社会生活上の経験が乏しい消費者の不安をあおり、契約の目的となるものがその願望の実現に必要である旨を告げること等を追加する等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、事業者の行為により消費者が困惑した場合について意思表示を取り消すことができる類型として、加齢又は心身の故障により判断力が著しく低下している消費者の不安をあおり、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げることを追加すること等を内容とする修正が行われております。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、社会生活上の経験が乏しいとの要件の解釈、衆議院修正により追加された困惑類型の意義、法の解釈の周知徹底、民法の成年年齢引下げと消費者被害の防止、救済策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#34
○議長(伊達忠一君) 日程第三 文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長高階恵美子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔高階恵美子君登壇、拍手〕
#35
○高階恵美子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、文化に関する施策を総合的に推進するため、文化に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関する事務等を文部科学省及び文化庁の所掌事務に追加するとともに、学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務を文化庁に移管する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、文化庁の機能強化の在り方、文化庁の京都移転が文化施策に与える影響、芸術教育の充実の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉良理事より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#36
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#37
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#38
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十七  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#39
○議長(伊達忠一君) 日程第四 農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長岩井茂樹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔岩井茂樹君登壇、拍手〕
#40
○岩井茂樹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、農薬の安全性の一層の向上を図るため、農薬の規制に関する国際的動向等を踏まえ、同一の有効成分を含む農薬について、一括して定期的に安全性等の再評価を行う制度を導入するとともに、農薬の登録事項を追加する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、再評価制度の運用の在り方、農薬の安全審査の充実に向けた取組、農薬規制の国際動向への調和等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#41
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#42
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#43
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#44
○議長(伊達忠一君) 日程第五 日本放送協会平成二十五年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書
 日程第六 日本放送協会平成二十六年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書
 日程第七 日本放送協会平成二十七年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書
 日程第八 日本放送協会平成二十八年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書
 以上四件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長竹谷とし子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔竹谷とし子君登壇、拍手〕
#45
○竹谷とし子君 ただいま議題となりました四件につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 四件は、日本放送協会の平成二十五年度、二十六年度、二十七年度及び二十八年度の決算について、放送法の定めにより、会計検査院の検査を経て、内閣から提出されたものであります。
 まず、平成二十五年度の貸借対照表の一般勘定については、資産合計は九千三百四十二億円、負債合計は三千七十三億円、純資産合計は六千二百六十九億円となっております。また、損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千五百五十二億円、経常事業支出は六千四百九十六億円、経常事業収支差金は五十六億円となっております。
 次に、平成二十六年度の貸借対照表の一般勘定については、資産合計は九千九百七十一億円、負債合計は三千三百五億円、純資産合計は六千六百六十五億円となっております。また、損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千七百三十億円、経常事業支出は六千五百六十一億円、経常事業収支差金は百六十九億円となっております。
 次に、平成二十七年度の貸借対照表の一般勘定については、資産合計は一兆四百三十二億円、負債合計は三千四百七十八億円、純資産合計は六千九百五十四億円となっております。また、損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千八百五十九億円、経常事業支出は六千六百七十億円、経常事業収支差金は百八十八億円となっております。
 次に、平成二十八年度の貸借対照表の一般勘定については、資産合計は一兆九百十五億円、負債合計は三千六百八十億円、純資産合計は七千二百三十五億円となっております。また、損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は七千十九億円、経常事業支出は六千八百八十五億円、経常事業収支差金は百三十三億円となっております。
 委員会におきましては、四件を一括して議題とし、公共放送としての協会の業務等の在り方、協会の働き方改革の具体的内容と検証、前会長の下でのガバナンス上の諸問題と改善状況、受信料水準や負担軽減の在り方、インターネット常時同時配信等の放送と通信の融合についての見解、視聴覚障害者への対応の充実等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会を代表して礒崎哲史委員より、平成二十五年度決算に賛成、平成二十六年度、二十七年度及び二十八年度決算に反対、立憲民主党・民友会を代表して吉川沙織理事より、平成二十六年度、二十七年度及び二十八年度決算に反対、日本共産党を代表して山下芳生委員より、平成二十五年度、二十六年度、二十七年度及び二十八年度決算に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、四件はいずれも多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#46
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 まず、日程第五の日本放送協会財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書の採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#47
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#48
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            二百十八  
  反対              十四  
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#49
○議長(伊達忠一君) 次に、日程第六ないし第八の日本放送協会財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書を一括して採決いたします。
 三件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#50
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#51
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            百六十四  
  反対             六十八  
 よって、三件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#52
○議長(伊達忠一君) この際、国際経済・外交に関する調査会長から、国際経済・外交に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国際経済・外交に関する調査会理事三木亨君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔三木亨君登壇、拍手〕
#54
○三木亨君 敬愛する鴻池調査会長に代わりまして、国際経済・外交に関する調査会における中間報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、国際経済・外交に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、平成二十八年九月二十六日に設置され、三年間の調査テーマを「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」と決定し、調査を進めております。
 二年目の調査では、五つの調査項目のうち、「国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題」及び「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について計十五名の参考人の方から意見を聴取し、質疑を行ったほか、海外派遣議員からの報告聴取、委員間の意見交換並びに都内及び横浜市における関連機関の視察を行いました。この度、七つの柱から成る提言を含む中間報告を取りまとめ、去る六月六日、議長に提出いたしました。
 以下、提言部分について、主な内容を御報告いたします。
 まず、国際公共財、いわゆるグローバルコモンズにおける平和と自由の確保について、自由で安全な海洋の実現のため、地域各国との間で法の支配などの重要性に関し認識の共有を図るべきこと、また、宇宙空間のガバナンスについて、宇宙利用に関するルール作りの枠組み構築と協力の実績により、その必要性についてロシア、中国などの理解が得られるようにすべきこと、さらに、サイバーセキュリティーについて、攻撃の監視、分析等に関する国際協力の推進に取り組むべきことなどを指摘しております。
 次に、核軍縮・不拡散について、北朝鮮の核・ミサイル問題に関し、関係国と連携しながら解決に向けた外交努力を行うべきことなどを指摘しております。
 また、テロ対策について、我が国が東京オリンピック・パラリンピックを控える中、アジア諸国へのテロ対策支援を継続し、人的協力をより積極的に行うことを検討すべきことなどを指摘しております。
 また、環境問題、防災などを通じた地域協力について、我が国の気候変動問題への取組を強化し、そのノウハウを開発途上国などに広めるべきこと、多様な主体との連携の下、人材育成支援などの防災協力を引き続き強化するとともに、防災の主流化を効果的に進めるべきこと、越境海洋ごみ問題への国の更なる関与のほか、各国NGOなどの取組に対し、より積極的に支援すべきことなどを指摘しております。
 また、対ロシア外交について、米ロ関係改善に向けた外交を推進するほか、安全保障面でのロシア側の懸念を踏まえた適切な協力により日ロ関係の進展を図るべきこと、対インド外交について、我が国の自由で開かれたインド太平洋戦略と中国の一帯一路戦略とで補完する連携の在り方を検討すべきことなどを指摘しております。
 さらに、多国間協力の在り方について、ASEANを対等なパートナーとして重視し十分な支援を行うとともに、政策目的に沿った国際援助ツールの効果的な組合せについての新たな仕組みを検討すべきことなどを指摘しております。
 そのほか、外交における議会の役割について、参議院が議員外交の戦略性を高め、ある程度の自主性を持って外交活動を行うために必要な条件について議論を行うべきことなどを指摘しております。
 以上が、提言の主な内容でございます。
 本調査会としましては、最終年におきましても更に調査を進めてまいる所存であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#55
○議長(伊達忠一君) この際、国民生活・経済に関する調査会長から、国民生活・経済に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済に関する調査会長増子輝彦君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔増子輝彦君登壇、拍手〕
#57
○増子輝彦君 国民生活・経済に関する調査会における中間報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、平成二十八年九月、第百九十二回国会において設置され、三年間の調査テーマを「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」と決定し、鋭意調査を進めてまいりました。
 二年目は、調査テーマのうち、「豊かな国民生活の実現」について調査を行うこととし、子どもをめぐる格差への取組、若年者をめぐる格差への取組、高齢者をめぐる格差への取組、ユニバーサルサービスへの取組及び子ども・若年者をめぐる格差への取組について参考人から意見を聴取し、質疑を行ったほか、格差及びその是正策に関する実情調査のため海外に派遣された議員から報告を聴取いたしました。その後、委員間の意見交換を行い、今般、参考人の意見を基にした主要論点の整理を含む報告書を取りまとめ、去る六月六日、これを議長に提出いたしました。
 以下、主要論点を中心に御報告申し上げます。
 子供をめぐる格差への取組に関しては、子供全般に対する施策の充実と課題のある子供へのきめ細かい支援、小中学校から学力格差を生じさせない方策、地方自治体において子供の貧困率を算定する方法の確立、公立中学校や定時制高校における学校給食の拡充などについて意見がありました。
 若年者をめぐる格差への取組に関しては、安定した住まいの確保、労働に関する教育の充実と相談窓口の整備、引きこもり支援における学習支援と中間就労の場の確保などについて意見がありました。
 高齢者をめぐる格差への取組に関しては、高齢期までの生活を保障するための制度の組合せ、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすための支援、働きやすい環境づくりなどについて意見がありました。
 ユニバーサルサービスへの取組に関しては、障害特性に合った希望する仕事を長期に安定して続けるための支援、障害者への差別や偏見をなくす上での行政用語の適正化、駅のホームからの転落防止対策などについて意見がありました。
 以上は調査項目ごとの主要論点でございますが、格差への取組全般を通じては、子供の貧困や若年者の生活困窮、高齢者の孤立等についての十分な実態把握と、支援策の評価検証、支援が必要な人を支援につなぐための取組などの必要性が共通して指摘されたところです。
 また、委員間の意見交換においても、これらの主要論点を踏まえて格差等への対応を求めるとともに、今後の議論の進め方についても様々な提起がなされました。
 本調査会といたしましては、これまでの論点を踏まえつつ、引き続き有識者の意見や第一線の現場の実情を調査するとともに、委員間の議論を深め、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のため、最終報告に向けて引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#58
○議長(伊達忠一君) この際、資源エネルギーに関する調査会長から、原子力等エネルギー・資源に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。資源エネルギーに関する調査会長鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#60
○鶴保庸介君 資源エネルギーに関する調査会の中間報告について、その概要を御報告申し上げます。
 本調査会は、三年間の調査テーマである「新たな時代に向けた我が国の資源エネルギー像」のうち、二年目は「我が国の資源エネルギー戦略」について調査を行い、中間報告書として取りまとめ、去る六月六日、議長に提出いたしました。
 その内容は、資源エネルギーの安全保障、再生可能エネルギー、資源エネルギーをめぐる諸問題についての参考人からの意見聴取とそれに対する質疑、政府説明に対する質疑、委員間の意見交換、そしてこれらの議論の主要論点別の整理でございます。
 主要論点の主な内容は、次のとおりです。
 第一に、エネルギー政策の方向性については、エネルギー資源の安定確保の重要性、エネルギー基本計画の策定において留意すべき事項、社会構造変革への対応の在り方を取り上げております。
 第二に、エネルギーミックスについては、3EプラスSの観点からのバランスの取れた供給体制構築の重要性を取り上げております。
 第三に、地球温暖化対策とエネルギー政策については、CO2排出量の削減と着実な経済成長を両立させることの重要性を取り上げております。
 第四に、産油国情勢については、確実なエネルギー調達の在り方を取り上げております。
 第五に、火力発電については、石炭火力の世界的動向と我が国の施策の在り方を取り上げております。
 第六に、原子力発電については、原発に係る十分な情報提供の重要性、原発をめぐる課題、放射性廃棄物等のバックエンド対策を取り上げております。
 第七に、再生可能エネルギーについては、系統接続問題、高コスト問題、地域の取組、水力発電の更なる活用について、それぞれ整理して取り上げております。
 そして第八に、海洋資源については、海底熱水鉱床等の鉱物資源開発、メタンハイドレート等を取り上げております。
 本調査会といたしましては、以上を踏まえ、更に調査を進めてまいりたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#61
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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