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2018/07/19 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第36号
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2018/07/19 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第36号

#1
第196回国会 本会議 第36号
平成三十年七月十九日(木曜日)
   午後一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十七号
    ─────────────
  平成三十年七月十九日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 議長不信任決議案(大塚耕平君外五名発
  議)(委員会審査省略要求)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○副議長(郡司彰君) これより会議を開きます。
 日程第一 議長不信任決議案(大塚耕平君外五名発議)(委員会審査省略要求)
 本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(郡司彰君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。大塚耕平君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大塚耕平君登壇、拍手〕
#5
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 初めに、西日本を中心とした豪雨災害で犠牲となった皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われた皆様、避難を余儀なくされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 さらに、今この時間も安否不明者の捜索や被災地の復旧復興に取り組んでいる警察、自衛隊、消防、行政関係者を始め、水道、電力等のライフライン関係事業者、ボランティアを含め、全ての皆様の御尽力に感謝と敬意を表します。
 政府に対して、早期の激甚災害の適用を含むあらゆる手段と工夫を講じて、全力で被災者救済と復旧復興に当たることを求めます。
 こうした中で、議長の不信任決議案を本会議にかけなければならないことは極めて遺憾です。
 国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、希望の会、沖縄の風の各提出会派を代表し、ただいま議題となりました議長伊達忠一君の不信任決議案について、提案理由を説明いたします。
 決議の案文を朗読いたします。
    議長不信任決議案
  本院は、議長伊達忠一君を信任しない。
   右決議する。
 以下、その趣旨を説明いたします。
 伊達忠一君は、平成二十八年八月一日に議長に選任されました。その後の議長としての差配を顧みると、多くの場面で不信任に値する所作が見受けられますが、今国会における対応はもはや看過できません。その理由を三点に絞って説明いたします。
 第一は、今回の豪雨災害への対応です。
 言うまでもなく、国会はIR法案の審議などしている場合ではなく、伊達忠一君は指導力を発揮し、議院運営委員会、内閣委員会、国土交通委員会等関係委員会の委員長や理事並びに総理大臣や国土交通大臣等に適切な対応を勧奨すべきでした。残念ながら、そうした対応を促すことはなく、不要不急かつ多くの問題を含む法案の審議に時間を費やすことを傍観し、かつ強引な委員会運営まで看過しました。
 日本国憲法は、四十一条において、国会を国権の最高機関と定めています。国権の最高機関の長たる議長にとって、今回の未曽有の豪雨災害に際し、国会を構成する委員長や理事に対してはもちろんのこと、政府に対しても人命救助や災害対応に全力を傾注するように促すことは、当然の責務と言えます。
 国会法十九条には、「議長は、」「議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。」と定められています。その上で、国会法十二章及び参議院規則十三章に「国民及び官庁との関係」という章を設けています。国会法十二章百三条は、「国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる。」と定め、参議院規則十三章百八十条は、「緊急を要する場合」「にあつては、議長において議員の派遣を決定することができる。」としています。
 豪雨災害発生直前に総理大臣や関係閣僚等が宴会に興じ、豪雨災害発生後も所管大臣や関係委員会の委員長が不要不急の法案審議に時間を費やしているようであれば、ただいま申し述べた諸規定に基づき、議長が率先してその権能を行使し、大臣や委員長に対応を促すと同時に、政府に先立って被災地への議員派遣を自ら決めることもできたのです。
 議会が率先して動けば、不見識な政府に対して、国権の最高機関としての立法府の行動によって対応を促し、大いに戒めることも可能であったのです。
 さらには、国会法二十条には、「議長は、委員会に出席し発言することができる。」と定めています。豪雨災害対応に全力を傾注しない関係大臣、委員長、理事等に対し、委員会に出席し、自ら発言して対応を促し、いさめることもできたのです。
 そうしなかったことは大いに問題である上、そもそもそういう規定等を知らなかった、あるいはその気がなかったのであれば、なお一層問題であります。
 議長選任時の本会議において、伊達忠一君は、公平無私を旨として、議院の正常かつ円滑な運営を図り、我が国二院制の下で参議院がその使命と役割をしっかりと果たしていけるよう、全力を尽くすとの決意を述べましたが、今回の豪雨災害時における議会運営の経過を鑑みると、その決意は空疎なものであり、議長に求められる使命感と指導力が欠如していると判断せざるを得ません。
 第二は、第一のとおり、災害対応への専心を促すことを怠り、議長としての責務を果たさなかった一方で、不要不急かつ問題の極めて多いIR法案の審議強行を看過したことです。
 この法案については、内閣委員会や本会議で多くの同僚議員が言及しているように、国民の間で反対が賛成を大きく上回っている状況です。災害対応が急務の局面で、審議強行を許すことなど到底考えられない法案です。
 どのような法律や政策にも、必ずプラス面とマイナス面があります。プラス面ばかりを喧伝することは、不正直、不誠実であります。プラス面、マイナス面の双方を勘案し、ネットマイナスであれば、そうした法律や政策は断念することが賢明な判断と言えます。
 IR法案は、賛成派が喧伝する所期の経済効果が上げられるか否かが疑わしい上、利用者がギャンブル依存症に陥る危険性等を勘案すると、少なくとも急いで審議する必要性は全く認められない法案であります。
 政府は、週三回かつ二十八日間で十回という利用制限を設けることがギャンブル依存症対策になると言っていますが、正気の沙汰とは思えません。二十八日間で十回の利用は、既にギャンブル依存症ではないですか。これでは、ギャンブル依存症促進法案と言えます。
 国民の平均休日日数が月十日程度という状況を踏まえた回数制限という説明も理解不能であります。休日全てをカジノに通える設定が、どうして制限と言えるのでしょうか。さらに、滞在二十四時間を一回とカウントするため、日をまたいでカジノに行くと、週三回の入場で丸々週六日間のカジノ通いが可能となる設定であり、これを制限と強弁することは常軌を逸しています。
 法案がこのような内容である以上、議長として慎重審議を促すのが当然の責務でありますが、伊達忠一君には一切そのような姿勢は見られません。国民の過半以上が反対している問題法案の審議に対し、拙速を戒め、場合によっては継続審議にするなど、適切な指導力を発揮することもなく、今まさに強行採決を看過しようとしている姿勢では、伊達忠一君に議長を任せておくわけにはいきません。
 このような資質と姿勢の議長を放置することは、国民と国会にとってギャンブルのようなものです。国民と国会がギャンブル依存症とならないように、伊達忠一君を不信任とすることが適当と考えます。議場各位の賛同を期待するものであります。
 第三は、参議院選挙制度改革に関する対応です。
 参議院選挙制度改革の発端は、平成二十七年に伊達忠一君自身が参議院自民党幹事長時代に発議し、成立させた改正公職選挙法です。附則には、平成三十一年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとすることと記されました。
 その後、参議院改革協議会の下に置かれた専門委員会が十七回にわたり開催され、本年五月七日に報告書を取りまとめ、議論の舞台は専門委員会から協議会に移りました。
 そうした中、会期末が迫った六月一日の協議会において、自民党から突如、専門委員会で全く議論されなかった定数六増、比例代表の一部を拘束式特別枠とするという奇想天外な珍案が提示されました。
 六月十三日に招集された各会派代表者懇談会において、公正中立であるはずの議長が、自民党案が提出されるので、他に意見のある会派は今週中に法案を提出することを求める、懇談会はもう開かないと発言したことは、驚きを通り越してあきれるばかりでありました。私は、議長あっせんを行うべき、もう一度懇談会を開くべきと申し上げ、翌十四日、再度の懇談会開催となりました。野党各党が、全会派で構成する協議会等で改めて議論すべきと主張するとともに、議長あっせんの努力を求めましたが、議長は再度、案があるなら今週中に提出すべしと強弁し、一方的に懇談会を打ち切りました。議長のなせる所業とは到底思えない、無責任、不見識な姿勢に終始しました。
 会期延長後の六月二十五日、私は議長の招請に応じて議長室に出向き、個別に面談しました。その際、二つのことを進言しました。
 一つは、参議院における法の下の平等とは、区割りを弾力的に調整できる衆議院とは異なることを、参議院の長として明確に問題提起してはどうかという点です。自分の居住する都道府県代表を少なくとも一人は参議院に送り込めることが、参議院における国民の法の下の平等であり、一票の価値だけでは測れない視点かもしれません。日本国憲法は、三権分立を定め、かつ国権の最高機関は立法府としています。立法府の自治という視点と最高裁の判決という視点を虚心坦懐に再考する意義はあると思います。少なくとも、抜本改革の成案を得ることに失敗した議長として、原点に戻って議論を整理し、司法と向き合うことが必要ではないかと申し上げました。
 もう一つは、国民民主党を含め各党から複数の案が出ることが予想された中、今こそ議長あっせんに取り組むべきと進言しました。残り僅かな会期の中で拙速な対応をすることなく、閉会中審査も含め、焦らずに合意形成を目指すべきであり、そのために議長が汗をかいてはどうかと申し上げました。
 しかしながら、こうした進言も伊達忠一君には無意味でした。各党案がまとまりつつあった七月四日に開かれた懇談会でも、公明党や野党が繰り返し議長によるあっせん要請をしたものの一顧だにせず、前回と同様に議論を打ち切りました。
 以上のとおり、伊達忠一君は、決定的に指導力が欠如しており、議長の任は務まりません。
 さらに、国民に対する説明責任についても付言します。安倍首相の臨時的な措置発言は、モリカケ問題における詭弁に比べると妙に正直なのが不気味な感じがしますが、詭弁も弄せないほど明々白々な党利党略ということでしょう。
 伊達忠一君は、自ら主導した改正公選法の附則に定めた責務を果たせなかったことについて、記者会見等を開き、今回は臨時的な措置であることを国民に説明する責任がありましたが、そうした対応に全く思いが及んでいません。自ら発議者となって成立させた法律の規定すら守ることができず、国民に対する説明責任も果たせない伊達忠一君に、立法府の議長が務まるとは思えません。
 民主主義の土台を担う選挙制度について、これまでも先達たちが並々ならぬ努力を積み重ねてまいりました。
 第二十一代、二十二代の斎藤十朗議長は、平成十二年十月十九日、選挙制度改革をめぐる与野党調停の失敗の責任を取って議長を辞任し、しばらくは無所属を貫きました。まさしく議長たる身の処し方であったと、当時を知る与野党の諸先輩から伺っております。
 七月九日の倫選特に参考人として出席された脇雅史元参議院自民党幹事長も、在職当時、選挙制度改革の調整に尽力され、職を辞し、会派を離脱までして筋を通されました。
 第二十八代の西岡武夫議長は、自ら独自案を提起され、議論の進捗に応じて修正案も示しました。西岡議長案で合意するには至りませんでしたが、参議院選挙制度改革に強いリーダーシップを発揮されました。
 こうした先達と比べ、伊達忠一君は見る影もありません。代表者会議において用意された発言案を読み上げ、一方的に席を立つという、およそ議長とは思えない所作が続きました。このような議長の下で、参議院の権威を保ち、円滑な議事を行うことは不可能であります。
 以上、三点に絞って伊達忠一君の議長不信任決議案の理由を説明いたしました。議長就任時に語った公平無私の決意とは余りにも懸け離れた議会運営はもはや看過できず、出身会派の方針に唯々諾々と従って議事を進める伊達忠一君の対応は、公正中立を旨とする議長の権威を著しく失墜されるものであり、解任に値します。
 私は、真摯に伊達忠一君の不信任を問題提起させていただきますので、与党、各会派の皆様方にも広く御賛同をお願い申し上げまして、議長不信任決議案に関する趣旨説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#6
○副議長(郡司彰君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。北村経夫君。
   〔北村経夫君登壇、拍手〕
#7
○北村経夫君 自由民主党の北村経夫です。
 私は、自民・公明を代表して、伊達忠一議長不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論いたします。
 まず冒頭、この度、西日本を中心とした記録的な豪雨により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りしますとともに、御遺族に対しまして、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷されました方々、避難生活を余儀なくされている方々を始め、被害に遭われました皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 政府・与党一体となって、被災者の皆様が一日も早く生活を取り戻せるよう、復旧復興のために全力で取り組んでいるところであります。引き続き、できることは何でもやるとの覚悟で取り組んでまいります。
 以下、この議長不信任決議案に反対する理由について説明してまいります。
 各会派で意見を出し合い、議論を重ね、その上で、最終的に態度を決め、賛否を明確にすること、これが議会制民主主義の基本であります。それにもかかわらず、今回の議長不信任決議案は、内閣委員会にて審議されている特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるIR整備法案を止めるだけのものであります。まさに、単なる日程を遅らせるためだけの一部会派による旧態依然とした手段の一つであることは明白であります。法案に反対なのであれば、審議を踏まえ、賛否の意思を示すべきときが来れば示すべきであります。示すべき場を自ら遅らせるという意図があるならば、国会議員の職務放棄と言わざるを得ません。
 IR整備法案についての審議では、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するという重要な政策目的を達成すると同時に、世界最高水準のカジノ規制等によって様々な懸念に万全の対策を講じるものとなっていることが明らかになっています。
 法案を所管する石井啓一国土交通大臣に対して一部の野党諸君により問責決議案が提出され、平成三十年七月豪雨への対応について、足りないとの指摘がありました。しかし、実際には、石井大臣は災害対応に全力で取り組んでおられます。委員会出席中でも、秘書官を通じて適時報告を受け、適切に指示、命令ができる連絡体制を確保しており、被災地の復旧復興に向けて万全を期しておられます。このように、大臣としての職務を全うされており、問責に値するようなことはなく、決議案も否決されたところであります。
 また、柘植芳文内閣委員長に対しても解任決議案が提出されましたが、これも圧倒的多数で否決されたところであります。
 どの委員会においても、慎重、丁寧に法案を審議しなければなりません。同時に、審議が尽くされれば、それに基づき結果を出していかなければなりません。IR整備法案の参議院内閣委員会における質疑時間は衆議院を超え、必要な論点も議論が尽くされています。これまでの議論を踏まえ、賛否を明らかにするときが来ているのではないでしょうか。
 さらに、参議院改革においても、議長の下の参議院改革協議会で行政監視機能の充実強化が取りまとめられました。今まさに、その方向で様々な意欲的な取組が実現されようとしています。
 また、参議院選挙制度改革でも、参議院改革協議会からの報告に注意深く目を配り、各党の意見の隔たりが大きい中で、各派代表者懇談会を三度開催しました。代表者懇談会では、各派の意見を聴取し、その上で政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会への提案を求めたところであります。また、代表者懇談会の前後にも各派の代表者から意見を聞いていたところです。
 このような議長の努力を全く顧みない今回の議長不信任決議案、その事実認識からして誤りがあると指摘せざるを得ない。円滑な国会運営を止めることだけを目的とする伊達議長不信任決議案には応じるわけにはいきません。伊達議長は、参議院に期待される役割や与えられた使命を果たすべく、誠意を尽くし、真摯に向き合ってこられました。引き続きその責務を果たしていただくことを望んでおります。
 公平中立に、正当な手続にのっとり議事運営を行ってきた伊達議長に対し、不信任決議案提出は断じて応じられないと改めて申し上げて、私の反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#8
○副議長(郡司彰君) 榛葉賀津也君。
   〔榛葉賀津也君登壇、拍手〕
#9
○榛葉賀津也君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました議長不信任決議案につきまして、賛成の立場から討論いたします。
 冒頭、西日本各地を襲った豪雨でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、大きな被害に見舞われた方々、避難を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。
 また、政府に対しましても、早期の激甚災害指定や補正予算措置等のあらゆる手段を講じて、全力で災害対応、復旧活動に当たることを強く求めます。
 現在、我が国の政治、行政に関する全ての者たちの最優先課題は、この度の平成三十年七月豪雨に関する対応であるべきであります。しかし、政府・与党においては、平成最大とも言われる豪雨災害の被災者、被災地における生命、財産を守るための審議よりも、国民の間に不安が根強いカジノ解禁を含むIR整備法の審議を最優先させています。
 三十五度を超える記録的猛暑の中、体育館などで苦しい避難生活を余儀なくされている被災者が大勢いらっしゃいます。炎天下で必死になって行方不明者の捜索や復旧活動に従事している市民の皆様、消防や警察、自衛隊などの関係者、行政担当者、ボランティアの方々などには衷心より敬意と感謝を申し上げます。
 政府の初動対応の遅れなどについては、改めて徹底的な検証が必要だと思いますが、今、国会議員がやるべきことは、いかに被災地、被災者に寄り添い、自分に何ができるのかを最大限考え、実行することであるはずです。国民の生命、財産を守ること以上に、カジノを解禁してギャンブルを振興させようとする政府・与党の対応は到底理解できません。
 今月十一日の参議院本会議では、平成三十年七月豪雨の災害対策に対する決議を全会一致で可決しました。この決議では、政府に対して、避難所の環境整備やインフラの早期復旧などに全力で取り組むように要請をしています。
 本院を代表する議長ならば、この決議を最優先するべく、政府・与党に強く働きかけるべきであったにもかかわらず、伊達忠一議長は何のその労を取りませんでした。なぜ人命を優先するよう働きかけをできなかったのか、しなかったのか。伊達議長は、被災地の方々の流した百万分の一の汗すらもかいていないではないですか。
 国民の生命、被災地の人命救助よりもカジノ解禁を優先することが、良識の府の議長、伊達忠一君の良識なのですか。何よりも、カジノを優先する与党の動きを何らいさめることができず、漫然と政府・与党の方針に従うだけの議長なら、伊達議長、即刻参議院議長の職を自ら辞するべきであります。
 さらに、参議院選挙制度改革に関する伊達議長の一連の対応にも不適切極まりないものがございました。
 そもそも、選挙制度改革に関する議論は、民主主義の土台をつくる重要な問題であり、少数会派を含めて慎重かつ丁寧に合意形成を図らなければならないのは当然であります。これまでも、全会一致には至らなくとも、最後の最後まで各党各会派間で合意を得るための最大限の努力が払われてまいりました。それが参議院の文化であり、伝統でありました。
 選挙制度改革については、参議院改革協議会の下に置かれた選挙制度に関する専門委員会で十七回にわたる真摯な議論が交わされました。専門委員会は本年五月七日に報告書を提出し、選挙制度改革に関する議論は親会である参議院改革協議会に舞台が移りました。
 ところが、自民党は、突如、専門委員会でも全く議論がされなかった、参議院の定数を六増し、比例代表の一部を拘束特別枠とする公職選挙法改正に関する自民党の考え方と称するものを提示し、六月十四日に公職選挙法改正案を国会に提出しました。
 六月十四日に開かれた各派代表者懇談会では、我々は、このような案について、専門委員会などの全会派で構成する協議会で改めて議論すべきと考えるとともに、各会派の隔たりを少しでも縮めるべく、本院の長たる伊達議長による調整に期待をしました。しかし、伊達議長は、自ら汗をかくことを一切拒否し、案があるなら今週中に提出を願うとして一方的に協議を打ち切り、そそくさと議長室に逃げ込んでしまいました。ただただ、各会派が法案を出して、現場の委員会で審議せよとの無責任な姿勢に終始をしたのであります。
 七月四日に再開された代表者懇談会でも、公明党や野党は、あっせん、仲裁を要請しましたが、伊達議長は、前回と同様に、またも議論を打ち切ってしまいました。
 先ほど大塚代表もおっしゃったように、かつての斎藤十朗議長は、まさに自らや一部の政党の利益を顧みず選挙制度改革の調整に御尽力され、結果としてその職を辞することになりました。伊達議長、そのくらい選挙制度改革の議論は重たいものなのです。
 また、西岡武夫議長は、自ら独自の抜本的改革案を提起され、更に議論が進むにつれて修正案も示されました。最終的に西岡議長案で合意するには至りませんでしたが、投票価値の平等性を高めるために強いリーダーシップを発揮されました。
 残念ながら、伊達議長には、このお二人のような気概は全く見られませんし、実際、紙を読み上げるだけで一方的に席を立つという、およそ議長の振る舞いとは思えない態度に終始されました。結局、伊達議長のなさったことは、議院運営委員会と倫理選挙特別委員会への単なる丸投げだったのであります。こんな差配なら子供にでもできます。責任感もリーダーシップのかけらもない伊達議長の下では、参議院の権威を保つことはおよそ不可能なのであります。
 伊達議長、くしくも、あなたと私は十七年前の二〇〇一年初当選の同期です。当時、あなたは六十二歳、私は三十四歳で野党最年少議員でした。昭和十四年生まれ、北海道の芦別出身で、党派を超えて忠さんの愛称で親しまれていた伊達議長は、私にとっては特別な存在でありました。
 誰よりも私が国会議員になるのを楽しみにしてくれていた私の父は、私が参議院選挙に当選する半年前に腎臓がんで他界しました。父は議長と同じ昭和十四年生まれ。しかも、出生地は、伊達議長のお生まれになった芦別の隣の北海道は富良野でありました。戦争遺児の私の父はぜいたくが苦手で、食事のときは、空腹は最大の調味料だが口癖でした。私は、父と同い年で同郷の伊達議長のお姿に亡き父を重ね合わせ、議長と酒を酌み交わしたときは、おやじが生きていればこんな感じかなと思ったりもしました。
 そんな議長と私の距離が更に急接近したのが、五年前の第百八十四国会です。伊達議長が参議院自民党の国会対策委員長で、私が野党第一党の民主党の国会対策委員長になったときでした。しかし、それは同時に、私にとって試練の始まりでありました。国会対策委員長会談をやっても会話がかみ合わないのです。同じ日本語を話し、理解し合って与野党合意を得たはずなのに、十分後には合意内容が変わっているのです。以来、国対委員長会談には委員長代理が陪席するようになりました。
 その後、私は、吉田国対委員長、松山国対委員長と三年間で三人の自民党の国会対策委員長とお仕事をさせていただきましたが、国対委員長会談にそごがないよう委員長代理が陪席するなどという珍事は、後にも先にもあのときだけでした。おかげさまで、私は随分と鍛えられ、その件につきましては伊達議長に感謝を申し上げます。その節は本当にお世話になりました。
 夏のゴーヤと伊達忠は成長が早いは、今や永田町の格言であります。与党の先生方がそれぞれのお立場で四苦八苦されているときに、なぜか伊達忠一君だけはすいすいと出世をされ、ついに三権の長である議長にまでなられました。
 しかし、問題はこれからであります。
 就任早々に、伊達議長の政治団体による支援者へのゴルフコンペ代負担疑惑が発覚する。議長席から、隣の郷原事務総長を全議員の前で叱責する。与党議員の山陰や四国にも新幹線のネットワークをという質問に、事もあろうか議長席から、北海道が入っていないじゃないかと不規則発言をする。投票結果の投票数を言い間違えるなどなど、議長の不適切な振る舞いは枚挙にいとまがございません。
 そんな伊達議長でございますから、与野党から敬愛されている白眞勲先生を白クンシン君と二度も三度も呼び間違えたり、矢田わか子先生をヤダわか子君と言い間違えたりするのは朝飯前であります。加えて、伊達議長は、三十一代目にして初めての北海道から誕生した議長でありますが、議長就任以来、毎年、議長不信任決議案を突き付けられている極めて希有な議長であるということも忘れてはなりません。
 最後に、改めて自民党の皆さんに問いたいと思います。
 そもそも、二年前に、なぜ伊達忠一君を議長候補に御推挙されたのでしょうか。当選三期目で三権の長の座に就くのは極めて異例であります。本会議場の与党席の最後列を見れば分かるように、伊達議長よりも経験豊富ではるかに議長にふさわしい与党の先輩議員はたくさんいらっしゃるではありませんか。今からでも遅くはありません。与野党が協力して、より良い議長を選出し、共に参議院に良識を取り戻そうではありませんか。
 伊達議長の言動は、本院議長の権威を著しく失墜させるものであり、断じて容認できません。民主主義を守り、また良識の府である参議院の権威を守るためにも、議長不信任決議への御賛同を心からお願い申し上げて、私の賛成討論といたします。(拍手)
#10
○副議長(郡司彰君) 有田芳生君。
   〔有田芳生君登壇、拍手〕
#11
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。
 会派を代表して、ダテチュウこと伊達忠一議長の不信任決議案に賛成する討論を行います。
 ちなみに、ダテチュウとは、大流行していたポケットモンスターのピカチュウにあやかって、伊達陣営が選挙のときに宣伝に使っていた呼び方です。事は、ピカチュウのようにかわいいキャラクターの問題ではありません。ダテチュウこと伊達議長は、民主主義制度をゆがめ、破壊する水先案内人の役割を自ら率先して果たしたのです。
 なぜ不信任なのか、その理由を述べさせていただきます。
 今から二年前、あるブログにこんな書き込みがありました。議場の皆さん、耳を澄ませてよくお聞きください。
 三権の長であり、良識の府のシンボルである参院議長を誰でもできるポストにすることは、参議院の存在感を大きく低下させることになります。そのことをよく考えてみてください。
 こんな批判を一体誰が書いたのでしょうか。実は、この議場にいらっしゃいます。お名前を伏せますが、自民党の大臣経験者です。議長は、そもそも就任の前から、御自身が所属する党内からも批判の声が公然と上がっていたのです。最大派閥細田派幹部が、花道だからとなだめたと聞いております。当選三回で未入閣でしたから、口さがない議員からは、嫉妬も交えて、二階級特進と言われたものです。
 しかし、私のような部外者から見れば、派閥の論理など関係ありません。自民党も多士済々、群れることをよしとせず、信念に従って我が道を行く議員もいらっしゃることでしょう。そう信じたい。伊達議長がそうした政治哲学をお持ちになり、参議院の存在価値を高めるための仕事を進めてくれるなら、悪口雑言、罵詈雑言、罵詈ざんぼう、どんな批判を言われようと、何も恐れることなどありませんでした。今、でしたと過去形で語りました。なぜか。もうお分かりでしょう。議長としての職責を放棄したからです。
 皆さん、議長とはそもそもどんな責任を負っているのでしょうか。国会法十九条には、参議院において秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、参議院を代表する役職と定められています。つまり、参議院を代表し、議事を整理しなければならないのが議長の職責です。これは国民に対する責任でもあります。伊達議長がなぜそれを放棄したと言わなければならないのか、まずは世間の声を直視してみましょう。
 参議院の定数を六増やし、比例区に特定枠を設ける公職選挙法改正案について、新聞各紙は、こぞって自民党による党利党略だと厳しい批判を下しました。どんな世論調査結果が出ているでしょうか。
 朝日新聞が七月十四日、十五日に行った調査では、反対五六%、賛成二六%。前回調査で反対は四九%ですから、七%も増えているのです。自民党支持層でも、反対が四六%、賛成は三六%と反対が上回っています。公明党支持層でも反対が賛成を上回っています。これが国会の空間とは違った世間の一断面なのです。
 衆議院で各会派の質問僅か十五分、ここでも強行に採決が行われ、この法案は成立してしまいました。しかし、世論は変わりません。この現実を直視しようではありませんか。ここにおいて伊達議長の責任は極めて重いものがあると言わざるを得ません。
 私たち立憲民主党は、結党から一年にも満たない新しい政党です。したがって、参議院に設けられた改革協議会、そして専門部会の十七回の協議にも途中から出席しました。私たちは、制度改革について発言した中で、最高裁判決に基づいて、政権与党である自民党が責任ある抜本的改革案を提示するよう求めました。ところが、それも示されないまま専門部会は終結し、伊達議長を責任者とする改革協議会に報告書が提出されました。
 その後、伊達議長からは各党に改革案を示すよう求められ、それぞれの提案がなされたことは御承知のとおりです。
 その協議の最終盤、伊達議長の口から驚くべき発言が飛び出しました。橋本会長からも是非そうさせていただきます、そのことを報告させていただきたいと、何と、自民党の立場を代弁するかのような発言を行ったのです。言語道断という言葉はこうしたときに使います。伊達議長の発言は言語道断、その立場を逸脱、放棄した無責任なものとのそしりを免れません。
 議長は公正中立でなければならず、特定の党派の立場に立つことは許されません。七十にして心の欲するところに従ってのりを越えず。論語の教えです。その意味は、七十歳になったら自分の心のままに行動しても人道を踏み外すことがなくなったということです。来年一月で御身八十歳になられる賢明なる伊達議長に分からないはずがないでしょう。不可解千万、一体どうされたのでしょうか。
 それだけではありません。更に愕然とすることがありました。立憲民主党の福山哲郎幹事長を始め野党から議長あっせん案を提出することを求められた議長は、できないと答えると席を立って退出してしまったのです。突然の行動に出席者は唖然、茫然、愕然から、かんかん、ぷんぷん、憤然やる方ない気持ちになるのは至って自然でありました。これが国権の最高機関である国会を象徴する議長のなすべきことでしょうか。仕事を放棄したと断じて間違いはありません。
 そして、いきなり姿を現したのが、専門委員会でそのかけらを見たこともない定数六増、比例区に一部拘束制を導入するという、まさに党利党略の公選法改正案でした。委員会での質疑時間は僅か六時間、一会派当たりたった四十五分で採決が強行されたのです。しかも、立憲民主党が希望の党と共同提出した法案は採決さえされませんでした。
 伊達議長、ここに至る異様、異常な経過の出発点に厳然としてあるのが、あなたの信じられない判断と行動だったのです。
 どうしても邪推してしまいます。その背景には個人的事情があったのではないでしょうか。伊達議長、あなたは来年七月の参議院選挙で北海道選挙区から四選を果たされようとしているのでしょうか。候補者に道議や市議二人の名前が挙がる一方で、伊達後援会は自民党本部への推薦を決定し、高齢かつ多選反対の声を押し切って四選への道を切り開こうとしています。それを実現するために、議長の職責を投げ捨てて、自民党の選挙制度改悪に率先して協力したのではないですか。
 私たちの誰もが、自分の後ろ姿、人生の軌跡を取り消せません。元に戻ることはできないのです。晩節を汚すという言葉があります。議長自ら誤った選択をしたことを憂うばかりです。問題は、選挙制度という国民にとって基本的な民主主義を破壊するかどうかという重大問題です。公平公正を目指す政治の歴史の尺度に照らしてみても、議長の判断は全く間違っています。
 伊達忠一議長不信任決議案の賛成討論に立った理由は以上です。
 与党の議員の皆さん、組織の呪縛にいつまで縛られているんでしょうか。皆さんも、組織人であると同時に独立した自由な個人であることができるかどうかが問われています。衆議院の船田元議員は、定数増は国民に理解されないという理由で投票を棄権しました。与党の議員の皆さんが賢明な判断をされることを願って、伊達忠一議長の不信任決議案に賛成する討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#12
○副議長(郡司彰君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#13
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、伊達忠一議長不信任決議案に対する賛成の討論を行います。
 議長にとって最も重要な役割は、選挙によって選ばれた全国民の代表者によって構成される参議院を公平かつ円満に運営することであります。
 前回選挙直後の二〇一六年八月一日に行われた本会議での議長選挙において、投票総数二百四十二票中二百四十一票を得て当選したのが伊達忠一君でありました。
 当選した伊達新議長は就任の挨拶で、もとより微力ではございますが、公平無私を旨として、議院の正常かつ円満な運営を図り、我が国二院制の下で参議院がその使命と役割をしっかりと果たしていけるよう、全力を尽くす決意でございますと表明をされました。
 あれから二年、残念ながら、伊達議長による本院の運営は、公平無私、正常かつ円満とは程遠く、与党に偏った異常かつ強引な運営に終始したと言わなければなりません。
 以下、具体的に議長不信任に賛成する理由を述べます。
 賛成理由の第一は、伊達議長が、議会制民主主義の土台である選挙制度を改革するに当たり、本院を構成する全ての会派による協議を重ね、できるだけ多くの会派の合意を得る努力を尽くすという議長にとって最大の使命を放棄し、最大会派自民党の党利党略にくみしたからであります。
 昨年二月一日、伊達議長の下での初の各派代表者懇談会が招集され、そこで議長から、選挙制度改革を含む参議院改革について取り組みたい、ついては各派代表から成る協議会をつくりたい旨の発言がありました。
 我が党は、投票価値の平等を実現するために都道府県単位で選挙区定数を配分する現行方式の抜本見直しを行うことを求めた最高裁判決にのっとり、参議院選挙制度の抜本改革を実現することはかねてよりの懸案であり、それを含む各派協議会の設置に賛成であると表明しました。
 同時に、我が党は、自民党が従来から主張している憲法改定については、各党会派間で意見の隔たりが大きく、各会派の合意を得る必要のある選挙制度改革の前提としないことを確認するよう伊達議長に求めました。
 その際、山崎正昭前議長が各派代表者懇談会において、憲法改定を選挙制度改革の前提にしないことを表明し、確認していることも紹介しました。他の会派からは、複数の野党に加え、与党である公明党の代表者からも、憲法改定と選挙制度改革を切り離すよう求める意見が表明されたのであります。
 こうした意見は、単に憲法改定に反対あるいは消極的立場からのものではなく、第一に、選挙制度という民主主義の土俵づくりに各会派合意の障害となる問題を持ち込むべきではない、第二に、自民党の主張する憲法改定を前提とした選挙制度改定には、都道府県代表の選出を投票価値の平等よりも上位に置くという重大な問題が含まれているとの指摘であり、我が国における民主主義の到達点に立脚した、まさに理性と良識のある見解でありました。
 ところが、伊達議長は、こうした与野党の意見に一切耳を傾けず、山崎前議長の下での見識ある確認もほごにして、自民党の意のままに参議院選挙制度改革に憲法改定の議論を持ち込むことを容認したのであります。
 伊達議長のこの判断が、その後、参議院選挙制度改革をめぐる協議に混迷と混乱をもたらす一因となりました。参議院改革協議会の下に設置された各派代表から成る選挙制度専門委員会において、案の定、自民党が憲法改定を前提とする改定案を提案し、それに固執し続けたために、一年間十七回に及ぶ各派協議が重ねられたにもかかわらず合意を得ることができず、専門委員会は、今年五月、各論併記の報告書をまとめざるを得なかったのであります。最初にボタンを掛け違えた伊達議長の責任は、改憲前提案に固執した自民党とともに、極めて重いと言わなければなりません。
 こうした事態を踏まえ、六月十三日、議長が招集した各派代表者懇談会で、野党はそろって、専門委員会など各派協議の場で議論をやり直すべきと提案しましたが、伊達議長は、自民党が突然持ち出した、抜本改革とは到底言えない、比例代表に特定枠を設ける党利党略むき出しの選挙制度改定案を前提に、各党も案があれば法案として提出してもらいたいと驚くべき仕切りを行い、席を立とうとしたのであります。
 野党各党代表者が猛烈に抗議するとともに、自民党案の問題点を七点具体的に指摘し、回答を求めたために、議長の仕切りは不発に終わり、翌日、再度の各派代表者懇談会が持たれることとなりましたが、これは伊達議長のイニシアチブではなく、野党の結束した抗議と提案の結果でありました。
 翌十四日の各派代表者懇談会では、自民党から七項目の質問に対する回答が文書で行われ、野党各党から、賛否はともかく自民党案の説明がなされたので、改めて各派協議の場で議論をやり直し、合意を得る努力を尽くそう、議長あっせんも検討してはどうか等の提案がなされましたが、伊達議長は、またもや聞く耳を持たず、各党も案があれば法案として提出してもらいたいと仕切り、野党が抗議する中、席を立ってしまったのであります。直後、自民党は、党利党略の選挙制度改定案を法案として提出したのであります。
 伊達議長がこの局面で行うべきは、各派合意に背を向け続けた挙げ句、一度も議論していない党利党略の案を突然持ち出した自民党の態度を諭し、改めさせ、議会制民主主義の土台である選挙制度の改革を、各派の協議と合意に基づいて進めるよう最後まで努力を尽くすことでありました。その役割を完全に放棄し、公平無私、正常かつ円満な運営という自らの約束も踏みにじって、自民党の党利党略に進んで手を貸した伊達議長の振る舞いは、当然、不信任に値すると言わなければなりません。
 賛成理由の第二は、伊達議長が、記録的豪雨による被害が現在進行形で拡大する中、国権の最高機関である本院が、行政府とともに救命救助、被災者支援、復興など災害対応を優先させるよう求めた野党各党代表の要請、そして本院の決議にもかかわらず、議長としてのイニシアチブをみじんも発揮しなかったからであります。
 七月九日、参議院野党各派代表は、伊達議長宛てに、平成三十年七月豪雨災害についての緊急申入れを行いました。そこには次のようにあります。
 台風七号及び前線等により全国各地で発生した平成三十年七月豪雨による災害については、既に明らかになっている状況からも、最大級の災害である。
 今なお安否不明で、救命救助を待っておられる方が多い状況であり、天候によっては更に事態が深刻化する可能性もある。また、全国各地に被害が及んでおり、行政府にとどまらず、国会も含めて非常に深刻な事態であると受け止め、対応しなければならない状況である。よって、行政府、立法府が一体となって取り組む態勢を整えることは当然である。
 立法府はこの災害対応を最優先に取り組むべきであり、災害対策特別委員会など災害対応に専念されることを望む。
 参院議長におかれましても、こうした我々の提案を重く受け止め、御対応いただきたい。
 全国民の代表者たる国会議員であるならば、与野党、党派の別なく当然共感されるべき内容であり、本院を代表する議長は正面から受け止め、ふさわしいイニシアチブを発揮すべき内容であります。
 さらに、七月十一日、同趣旨の内容の決議が本会議で全会一致で採択されました。全会一致の決議に立って、いよいよ行使すべきイニシアチブを一切発揮しないまま、カジノ実施法案の委員会審議を延々と続けさせたことは、十分不信任に値すると言わねばなりません。
 最後に、与党諸君に申し上げます。
 今述べた伊達議長の責任はもとより免れませんが、議長のこうした態度の背景には、政府・与党、とりわけ伊達議長の出身会派である自民党の、国民の声を恐れぬ、数におごった姿勢があることを指摘しなければなりません。
 三権の長を党利党略の道具として使うがごとき振る舞いを謙虚に反省し、悔い改めるためにも、与党諸君が伊達議長不信任案に賛成するよう進言するものであります。さもなければ、首相のうそと疑惑の解明に背を向け続け、選挙制度を数の力で弄び、災害対応よりも賭博解禁を優先する勢力は、必ず主権者国民によって、市民と野党の共闘によって厳しい審判を受けるであろうことを忠告し、賛成討論を終わります。(拍手)
#14
○副議長(郡司彰君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#15
○副議長(郡司彰君) これより採決をいたします。
 足立信也君外六十五名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#16
○副議長(郡司彰君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#17
○副議長(郡司彰君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#18
○副議長(郡司彰君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十三票  
  白色票           六十九票  
  青色票          百五十四票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#19
○副議長(郡司彰君) これにて休憩いたします。
   午後二時十五分休憩
   〔休憩後開議に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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