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2018/07/20 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第37号
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2018/07/20 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 本会議 第37号

#1
第196回国会 本会議 第37号
平成三十年七月二十日(金曜日)
   午後八時二十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十八号
  平成三十年七月二十日
   午前十一時三十分開議
 第一 特定複合観光施設区域整備法案(内閣提
  出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、平成三十年特定災害関連義援金に係る差押
  禁止等に関する法律案(衆議院提出)
 一、参議院規則の一部を改正する規則案(山本
  順三君外九名発議)(委員会審査省略要求)
 一、法務局、更生保護官署、入国管理官署及び
  少年院施設の増員に関する請願外二百八十一
  件の請願
 一、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中
  も継続するの件
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 特定複合観光施設区域整備法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長柘植芳文君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柘植芳文君登壇、拍手〕
#4
○柘植芳文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律に基づく措置として、健全なカジノ事業の収益を活用して特定複合観光施設区域の一体的な整備を推進することにより、我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するため、都道府県等による区域整備計画の作成及び国土交通大臣による当該区域整備計画の認定の制度、カジノ事業の免許その他のカジノ事業者の業務に関する規制措置等について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取したほか、内閣総理大臣の出席を求め、質疑を行いました。
 委員会における主な質疑の内容は、特定複合観光施設区域の整備の意義及び経済効果、立地自治体での合意形成の在り方、区域整備計画の認定に係る手続、カジノ施設への入場回数制限等の依存防止対策の妥当性、特定金融業務の必要性、カジノ管理委員会の体制の在り方、カジノ事業と刑法の賭博に関する法制との整合性等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会の矢田理事より反対、立憲民主党・民友会の白委員より反対、日本共産党の田村委員より反対、希望の会(自由・社民)の山本委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。田名部匡代君。
   〔田名部匡代君登壇、拍手〕
#6
○田名部匡代君 国民民主党・新緑風会の田名部匡代です。
 会派を代表し、特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるカジノ法案に反対の立場で討論を行います。
 初めに、西日本豪雨災害で犠牲になられた皆様に心から御冥福をお祈りを申し上げますとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。また、酷暑の中、被災地で活動されておられる全ての皆様に、心からの敬意と、そして感謝を申し上げます。
 私は、七年四か月前に発生した東日本大震災の被災地である青森県八戸市の出身です。あの東日本大震災のときも多くの尊い命が失われました。深い悲しみの中、生きる希望を失いかけた東北を中心とする被災地に、全国そして世界中からいろいろな形で御支援をいただきました。今もまだ元の生活に戻ることのできない方々が大勢いらっしゃいますが、被災地に寄り添ってくださる皆様が被災地に力を与えてくださいました。
 そして、この度の西日本における豪雨災害、今はまだ大きな苦しみと悲しみの中におられる被災者の皆様も、現場で活動されておられるボランティア、自衛隊、消防、警察、行政関係者や、全国各地からの励ましの声を力に、一歩ずつ前に進もうとされておられることと思います。
 一方、誰よりも全力で命を守り、全力で被災者の支えとなり、復旧への対応をしなければならないはずの国会では、賭博推進のカジノ法案の成立に躍起になり、この間、災害対応に集中すべき石井国交大臣はずっと委員会に出席。石井大臣は、災害対応は万全の対応で行っていると答弁されておられましたが、刻一刻と変化する現場の状況に瞬時の判断や対応が求められる中で、陣頭指揮を執る国土交通大臣がカジノ法案の審議に出ていることが万全の体制との御認識であること、全く理解できません。
 ようやく被災地を訪問されたときには、現場の方から、地域につながる道路の渋滞が解消されず復旧の妨げになっていることや、水やスコップなどの必要な物資の支援が不十分であると詰め寄られていました。支援も不十分、そういう切実な声がある中、カジノ法案を審議していることを被災地の方々はどんな気持ちでおられたのか、どう感じておられたことでしょうか。
 石井大臣だけではありません。総理や他の閣僚にも言えます。十一万人もの住民に避難指示が出され、被害の拡大が予測され危機迫る状況の五日の夜、赤坂自民亭なる酒席で酒盛り。飲み会などやっている状況ではないとの当然の判断も下せない総理や防衛大臣。そして、多くの議員が集まりながら、誰一人声を上げることがなかったのでしょう、宴会が中止されることはありませんでした。一瞬でも豪雨災害の被害の状況は大丈夫だろうかと心配をする議員がいなかったのかと、本当に情けない思いでいっぱいです。
 これで被災者に寄り添うことなどできるんでしょうか。現場で必死に対応が進む中、政治が指導力を発揮しなかったことの責任は重大であります。
 本日、衆議院で内閣不信任案が提出され、残念ながら否決されましたが、これまでの森友、加計問題、公文書改ざん問題、これらにも全く真摯な対応をせず、命よりもカジノ法案を優先する安倍内閣には、誰かに言われるまでもなく、自らの責任で辞めていただきたいと、そのように思います。
 法案がいかに悪法かということは、昨日、一昨日の本会議でも触れられましたし、これまでの委員会でも指摘されてきました。また、多くの国民は、明治時代の旧刑法から禁止され続けられてきた賭博を合法化し、民間事業者に開放することに対し、大きな不安、不信感を持っています。カジノを解禁するために必要とされる法務省が挙げた八項目の賭博罪の違法性阻却についても十分な議論も説明もないわけですから、立法府としてこんな無責任なことが許されるはずはありません。また、経済効果の試算も、シンガポールの実情を紹介されるのみで、具体的には何にも示されていません。ギャンブル依存症対策の費用についても明らかにされていません。
 特に、ギャンブル依存症の問題については、対策が徹底して行われるのかどうか明確ではありません。何らまともな答弁がなされていないのであります。政府の示す週三回かつ二十八日間で十回も利用できることが依存症対策になるとは到底思えません。また、滞在二十四時間を一回とカウントし、週三回の入場で最大週六日間カジノに通えることを可能とすることのどこが入場制限になるのか。昨日の我が党の大塚代表の言葉をお借りすれば、とても正気の沙汰とは思えません。
 政府は、自ら示した依存症対策は対策にならないと分かっていながら、ごまかせるとでもお考えでしょうか。逆に、本気でこれで十分な対策だと思っているとしたら、それこそ正気の沙汰とは思えません。ギャンブル依存症や、その御家族、関係者が、これまでどれだけ苦しみ、悩み、真剣に取り組んでこられたか。本気でそのことを思えば、こんな対策を対策と言うことはできないはずであります。
 また、政府は、当初、カジノは海外の富裕層などを対象にする施設だと説明されてきましたが、現時点ではカジノの入場者は日本人が多数になると見込まれています。カジノ場内では、一定の金額を預託しておけば賭け金を無利子で借りることができます。これでは、自己破産に至るケースを食い止められないのではないでしょうか。誰が責任を取るんですか。
 このように、問題だらけでありますが、更に問題なのは、本法案には多くの事項が政省令、規則に委任されていることです。
 法案では、カジノの設置や事業運営に関して様々な規制が加えられていますが、その詳細のほとんどは政省令やカジノ管理委員会の規則に委ねられており、その数は三百三十一項目にも及んでいます。例えば、カジノ施設の面積制限についても政省令や規則で決められることになっていますが、その予定されている上限規制は全く緩く、IR敷地内に大きく目立ったカジノ施設が出現することも予想されます。様々な事業規制が政省令、規則に委ねられている本法案においては、今後、カジノ事業者が有利に、自由に営業できる環境づくりが行われることが懸念されます。
 審議を急ぐ必要性も全く見当たらない、そして経済効果や必要な対策費など具体的な試算もしていない、それなのに、なぜ成長戦略と言えるのか、全く不明であります。なぜギャンブルが合法化されるのか、違法性阻却についてはどうなのか、ギャンブル依存症が増加するのではないかなど、何ら明確になっておらず、詳細を確認すべき事項が多く残ったままであります。
 しかし、昨日、委員会の審議が打ち切られ、採決が行われました。これまでも、豪雨災害の対応を優先すべきと野党は一貫して与党に訴えてきましたが、委員長職権で委員会は開かれ続けました。被災地を置き去りにし、法案の内容も問題だらけ、依存症で苦しむ人を増やしかねないこの法案を本会議で成立させることには断固反対の意を表します。
 最後に、この法案の審議において我が党の矢田わか子議員は、委員会の理事としてこれまでも与野党超えて被災者のために行動すべきと訴え続けてきました。与党の強い採決要求に対しても断固反対と主張し、現場で与党の説得に努めましたが、与党が採決方針を変えることはありませんでした。依存症被害を少しでも食い止めたいという議員の努力により、最終手段として三十一項目の附帯決議を要求し、そこで改めて問題点を浮き彫りにし、附帯決議を成立させました。その努力は、早速、ギャンブル依存症問題を考える会の代表者のブログで取り上げられ、一ミリでも進展させようとした勇気への感謝が記されていました。
 その思いを受け止め、今後もギャンブル依存症問題に取り組まれている全国の皆様と共に私たちもしっかりと取り組んでいくことをお伝えをし、改めてこんな法案を通すことに断固反対の姿勢を表明し、私の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○議長(伊達忠一君) 江島潔君。
   〔江島潔君登壇、拍手〕
#8
○江島潔君 自由民主党の江島潔です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案について、賛成の立場から討論いたします。
 まず冒頭、この度の平成三十年七月豪雨により、非常に多くの方が亡くなられ、広範囲で甚大な被害が生じました。心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた全ての方々にお見舞いを申し上げます。また、酷暑の中、復興復旧に尽力されている多くのボランティアの皆様、自治体職員、自衛隊、警察、消防ほか、汗をかいておられる皆様に敬意と感謝を表します。
 今後とも、政府・与党一体となって、できることは全てやるという方針の下、被害者の皆様が一日も早く安心して暮らせる、一日でも早く生活を取り戻せるよう全力を尽くしていくということをお誓い申し上げたいと存じます。
 災害現場で救命や復旧復興が速やかに進むように、現場に迅速な指示を出し、的確な支援を送っていると同時に、国会での法案審議にも真摯に対応いただいている石井国務大臣へのいわれなき問責決議案も圧倒的多数で否決され、また、中立公平に委員会運営に当たっている柘植内閣委員長への解任決議案も、これまた否決されたところであります。さらに、その上、内閣委員会は、可能な限りの質疑時間を確保し、衆議院以上の審議時間となり、審議に審議を重ねてまいりました。
 以下、本法案に賛成する主な理由を申し述べます。
 賛成する第一の理由は、少子高齢化に直面する我が国において更なる経済成長を達成するためには、IR整備法によって国際競争力のある観光地を形成し、インバウンド観光をより一層振興することが不可欠なことであります。
 既に、安倍政権の下で我が国を訪れる外国人旅行者は昨年二千八百六十九万人まで増加し、経済効果は四・四兆円まで上がりますが、本格的な観光先進国の実現には、更なる高みを目指さなければなりません。
 現在、世界では、大規模な国際的イベントを自国に誘致し、さらに、イベント目的で訪れた外国人観光客を多様な施設でもてなす動きが盛んです。しかし、我が国は、このような動きに適した環境の整備がいま一つ進んでおりません。イベントを開催する展示場の面積だけに注目しても、各国で環境整備競争が繰り広げられた結果、我が国最大の展示場、東京ビッグサイトですら七十位台にまで後退をする結果となっております。このような状況を放置しておけば、大規模な展示場を次々と建設し、戦略的に環境整備を進めるアジア諸国とのイベント誘致合戦で後れを取り、大きな経済成長のチャンスを逃しかねません。
 今回の法案を契機に、国際的なビジネス会議を世界中から招致し、様々な施設が集まり、世界に類を見ない高いクオリティーのおもてなしをもって催しが繰り広げられることで、家族連れで日本を訪問してもらえる、まさに総合的な施設が展開されれば、新たな成長とビジネスの原動力となります。
 賛成する第二の理由、それは、IR整備の一環としてカジノ施設を設置するに当たって、しっかりとしたギャンブル依存症等の防止措置が講じられることであります。IR推進法の審議において付された附帯決議を十分に踏まえた内容ともなっております。
 具体的には、IR区域数の限定とその中におけるカジノ数を一つとする制限、カジノ施設自体の規模制限、日本人等を対象とした短期、長期入場回数制限、一回につき六千円の入場料賦課、依存防止規程に基づく本人又は家族の申出等による利用制限措置や相談窓口設置といった利用者個別の事情に即した措置、日本人等を対象とした貸付業務の規制、広告、勧誘などの規制等が多段階的になされております。また、二十歳未満の入場禁止と二十歳未満の者への一切の勧誘禁止など、青少年の健全育成の観点に基づく措置も講じられております。
 さらに、先に成立したギャンブル等依存症対策基本法を受けて取り組まれる対策、同時に、今回のIR整備法案での対策、これらが一体となって、ギャンブル等依存症に陥る人を生じさせないよう、予防から治療、社会復帰に至るまでの必要な対策が徹底的に講じられていくことが期待されます。
 そのほか、暴力団員等の関与や治安の悪化などに対する懸念の声に対しても、事業免許審査時の社会的信用の調査、暴力団員等の入場禁止、犯罪収益移転防止法に基づく措置に上乗せしたマネーロンダリング防止措置等の対策が講じられております。これらの確実な実行を担保する措置も講じられることとなっております。
 賛成の第三の理由、これは、このIR整備法が地域経済の振興に寄与し、我が国の喫緊の課題である地方創生に資するものである点であります。
 本法案では、IR区域の整備を推進することにより、観光及び地域経済の振興に寄与すること、これを法案の目的として明確に定めた上で、具体的な措置として、各IR内には各地域の観光の魅力に関する情報を適切に提供し、各地域への観光旅行に必要なサービスの手配を一元的に行うなど、国内観光旅行の促進に資する施設が必置であると義務付けられております。
 IR区域整備計画の認定の基準にも、観光及び地域経済の振興に寄与すると認められるものであることと明記をされており、IR区域の整備による効果がIR内にとどまらず、地域に広がる仕組みとなっております。さらに、IRの来訪者が全国各地を訪れることで、効果が全国に波及することも見込まれます。
 IR成功の鍵は、我が国固有の歴史、文化、自然、食などの魅力を生かし、これまでにないスケールとクオリティーの高い日本型IR施設を整備できるかに懸かっています。政府におかれましては、区域認定において、我が国が観光先進国に成長するためのツールにふさわしい計画となっているかという点についてしっかりと見ていただき、日本型のIR施設とはこういうものであるという具体的な姿を国民の皆様に示してほしいと思います。また、日本型IRの展開に向けて地域と一体となって推進していただき、地域にとって誇りにできるものをつくり上げてほしいと思っています。
 以上、カジノ解禁に伴う各種の懸念に対して万全の対策を講じつつ、戦略的観光政策を更に推し進め、地域経済をより活性化させるというこの法案を速やかに成立させるべく、議員各位の御賛同を強くお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
#9
○議長(伊達忠一君) 白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#10
○白眞勲君 立憲民主党・民友会の白眞勲です。
 私は、会派を代表しまして、特定複合観光施設区域整備法案、いわゆるカジノ法案に反対の立場から討論をいたします。
 その前に、西日本を中心とする豪雨災害において多くの亡くなられた方々に対し、心より追悼の意を表します。また、被災された方々に対し、お見舞い申し上げます。政府におかれては、全力を挙げて救助活動、災害復興対策に取り組んでいただきたいと思います。
 そういう中において、私は政府・与党の皆さんにお聞きしたい。私たちは、与野党を問わず、人命を第一に政治をしていかなければならないことは当たり前のことだと思います。また、国民の大多数も世論調査で、このカジノ法案の今国会成立は不要とされています。しかるに、なぜこの賭博ができる法律を今通そうとするのか、その理由を教えてもらいたい。
 これだけ大きな災害が生じているさなか、私たち野党は、このカジノ法案の審議は先延ばしして被災者の救助に全力を注ぐべきだ、そう再三にわたって申し上げておりました。しかし、結局、与党が主張するとおり、まだ被害がどれくらいか分からない段階、すなわち、政府が八日に災害対策本部を設置してからまだ七十二時間もたっていない今月の十日から委員会を始めて、五回にわたって委員長職権で開いているのです。自民党と公明党は、完全に人命よりもカジノ、要は賭博優先だとしか言いようがないのです。厳しく抗議したいと思います。
 この猛烈な暑さの中にいる被災者の方々のことを考えれば、国会でカジノ、幾らもうかりますか、こんなことはあり得ない、そういうふうに思います。
 では、そこまで通そうとしているこのカジノ法案は、穴ぼこだらけの法案じゃありませんか。本則二百五十一条の法案は、何と条文よりも多い三百三十一の政省令、規則への委任があるのです。この政省令、規則の内容を理事会に出してきたのが質疑最終局面、どうやって精査しろというんですか。それをその日の理事会で提起したら、私の大好きな藤川政人理事が、それは私も感じますとおっしゃっていたじゃありませんか。
 そもそも我々は、参議院における行政監視機能を強化しようと与野党で議論している中で、カジノでは与党が全て政府に丸投げしている。矛盾していませんか。
 要するに、条文等にも書かれないルールを忍び込ませ、極めて不透明な中で、カジノ事業者に大きな自由を委ねるためと取られかねない内容ではありませんか。
 特に、当初、カジノゲーミング区域の面積上限値一万五千平米又はIR施設全域の延べ床面積の三%のいずれか小さい数字とされていましたが、一万五千平米の規制がなぜか削除されて、結局カジノ業者が好き勝手にもうかる仕組みになっているのではありませんか。
 そもそも政府は、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として世界中から観光客を集め、日本各地の豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を紹介し、IR区域の来訪客をチケット手配などを通じて全国各地に送り出すことにより、IRが世界と日本の各地をつなぐ交流のハブとなっていくことが期待されますと胸を張っていますが、そんなに外人がカジノに来ますか。実際、政府の答弁で、浅草の浅草寺でさえ外国人の訪問率は三〇%だという現状を認めているじゃありませんか。つまり、外人が来る来ると言っていながら、このIR自体が日本人をターゲットにしていることが政府も認めているんじゃないんですか。
 そういう中、海外のカジノ企業は百億ドル規模の投資をするようなことを主張していますが、投資をするというのは、それ以上に日本でもうかるということ、つまり、一兆円以上の回収が数年でできるという見込みを立てていることにほかなりません。ということは、十万円負ける客が一千万人必要なんですよ。で、その大部分が日本人であるということになるわけです。
 それに併せて刑法の賭博罪の違法性阻却だって怪しい。つまり、カジノ収益の粗利が七〇%カジノ事業者の収益となって、事業者が外国企業なら、日本人の財布から海外にお金がどんどん持っていかれているということじゃありませんか。これ、どこが公益性なんですか。
 それに、本当に問題なのが賭け金が不足した客に施設内で融資できる特定金融業務、これ、カジノ業者がもらっちゃうわけですよ。とんでもない制度じゃありませんか。貸金業法にとらわれない、つまり、総量規制もないのに、この制度はカジノ事業者が客に融資をちらつかせ、巨額の賭け金を使うよう促すおそれを排除できません。ギャンブルで負けが込んだ人が陥るのは、あともう一回、あともう一回やれば取り返せるのではないかという気持ちで、業者は顧客ごとに自分たちで決めた限度額まで金を貸し、二か月以内に返せなかったら一四・六%の遅延金を付けて、場合によってはその債権を第三者に委ねる取立てもできるという、これ恐るべき貸金業務ですよ。
 先日の参考人質疑について、この件に関し、二つ以上の業者への転売が認められているわけだから、実際そういう関係でいうと、各種の転売が次々と行われて、いわゆる闇金であるとかあるいは反社会勢力のやっぱり格好の仕事場といいますか、彼らに格好の仕事を与えると発言されています。
 また、このカジノができることによって、間違いなくギャンブル依存症が増えるということです。参考人のお一人はこう説明されています。アメリカでは、要するに、ギャンブラーが健全だったらカジノは全部潰れると、で、依存症状態になっていてくれるからその収益が確保できるんだとして、カジノはその破壊力が強いものであるとされています。
 それで、入場料二十四時間で六千円、週で七十二時間ですか。
 私自身が委員会で質問したんですけど、マイナンバーカードまず見せるでしょう。それから六千円払ってカジノに入場します、二十四時間まで、二十四時間。もう二十五時間とか何か続けていたら出るときには残りのまた六千円、あるいは四十八時間以上たったら一万二千円を払わなきゃいけない。でもね、皆さん、カジノですってんてんになっちゃったら、これどうするのよ、お金どうやるのと聞いたんです。そうしたら、満足な答弁は得られない。要は、カジノ事業者が請求するということで法律はなっているので、つまり、事業者任せ。ということは、その場で支払えなくなって、カードを持っていなければですよ、極端な話、すってんてんになった客は出口で本当にすっぽんぽんになっちゃう。いや、そうなるとほかの法律に触れるからとかの説明でしたから、要は身に着けている時計とか、要するに身ぐるみ剥がされるとか、さもなくばそこで働くしかなくなるじゃありませんか。
 さらに、我が党の小川敏夫議員が説明したとおり、一週間七十二時間ですよ、十二時間、ずっといれば週六日カジノにいられる。さらに、週の最後の一日を競馬などほかのギャンブルをすればですよ、毎日、月月火水木金金、ギャンブル三昧じゃありませんか。これでどうやってギャンブル依存症を防げるんですか。分からない、さっぱり。
 このカジノ法案の審議に出ていて感じることは、政府はシンガポールなどの例を成功例として取り上げるわけ。そして、逆に野党は、韓国の江原ランドなどを失敗例として取り上げている。これは議論が、こうなんですよね、こう、こう。これ何ていうの、これ。
 だから、だから、リスクを考慮しながら判断するんです、やっぱりこういう場合は。幾ら入場を制限しても、これ同じく朝日新聞によりますと、西日本の暴力団関係者が言っていますよ。一度カジノの楽しみを知れば、制限なく入れる店に絶対に行きたくなる、地方でも違法カジノが増えると予想しているんですね。だから、実際、韓国のマスコミによりますと、江原ランドができた後、ソウル市内でも違法カジノが蔓延して、一町内、一つの町で一カジノ時代だと皮肉られているんですね。
 そして最後に、皆さん、カジノというと、ほら、ルーレットとかスロットマシンとか、要は、よく出てくる、何ていうの、007がボンドガールと戯れるような「カジノ・ロワイヤル」みたいなものを想像するじゃありませんか。そうではなくて、これ説明では、日本の伝統、文化、芸術を生かした日本らしい国際競争力の高い魅力ある観光資源を整備すること。そうなると、何と驚くべきことに、これ映画で、ほら、着物姿で入れ墨をした女優さんが、よござんすか、入りますなんて、丁か半かのばくちもできる、入る可能性あるんですよ。いいですか、今まで御用だ御用だと言っていたわけですよ。これ、御用だ御用だ、できなくなるじゃありませんか。
 もちろん、総理は答弁でこう言ったんです。総理こう言ったんですよ、私自身もやったことはないわけでございます。当たり前じゃありませんか。総理がしたら大変ですよ。私は、丁半ばくちをしたことがありますかなんて聞いていませんよ。こんなばくちができるような法案はやめさせた方がいいと聞いたんですよ。そうして、皆さん、こんな丁か半かができるばくち、こんな法案、やめさせようじゃありませんか。
 先週の参考人質疑で、カジノが今回できるようになることにより、ばくちに頼らなければ事業活動ができないのかという、これが蔓延することが怖いと参考人は断言されました。本当にそうだと思います。日本のすばらしい物づくりの文化が崩れていく。そして、政府は、依存症防止対策などに万全を期すと説明していますが、でも、増えることは間違いないんだ。この依存症になってしまった方々の御家族は大変な思いをされるんですよ。
 私が皆さんに僣越ですが申し上げたいのは、これ本当に与野党を問わず、一人でも多くの人々を我々政治家は幸せにしようと頑張っているんじゃないんですか。家族まで不幸にさせるような法律を作ってはいけないと思います。場内の参議院議員の皆さんの良心に私は本当に訴えたい。この法案を皆さんで廃案にしていこうじゃありませんか。
 以上で私の反対討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(伊達忠一君) 清水貴之君。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕
#12
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域整備法案について、賛成の立場から討論を行います。
 冒頭、私からも、今回の西日本豪雨災害によって亡くなられた皆様に心からの御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様の一刻も早い復旧復興、生活の再建に向け、私どもも精いっぱい努力することをお誓い申し上げたいと思います。
 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案は一昨年の十二月に可決、成立し、それに基づいて、統合型リゾート施設の設置に向けて議論を進めてまいりました。
 今、訪日外国人客数の増加が追い風となって、地方経済にも大きな影響を与えています。東京一極集中が加速する中、インバウンドの増加を好機として捉え、地方の活性化、地方創生の手段の一つとして活用、推進することが必要です。その鍵となるのが観光地としての魅力を高めるためのIRの活用と考えます。
 魅力ある観光地の整備は、外国人観光客数の更なる伸びにつながり、観光産業を成長させるだけでなく、日本の国際的地位を高める効果も期待できます。
 政府からは、立地場所や事業者のビジネスモデルなどの不確定要素が多いという理由で具体的な経済効果の試算は発表されていませんが、大和総研は、北海道、横浜、大阪の三か所にIRをつくると仮定した場合、全国への経済効果は、建設に関わるおよそ五兆円のほか、運営に伴って毎年およそ二兆円と試算。みずほ総研は、東京一か所につくるという仮定での数字ではありますが、建設でおよそ八千億円、運営でおよそ三兆円と経済効果を試算しています。また、大阪府は、大阪市の夢洲地区にIRを設置した場合、建設で約一・三兆円、運営で約五千八百億円の経済効果があり、国内外から最大二千二百万人が訪れると見込んでいます。北海道でも、苫小牧市にIRを設置した場合、およそ六百万から八百万人が訪れるのではとのことで、各種調査の前提条件などは異なりますが、いずれにしても、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれることは間違いありません。
 IR事業は、二〇二〇年の東京オリンピックの開催とオリンピック後の切れ目ない経済成長の大きなポイントとなることが期待されます。委員会における総理の答弁でも、観光先進国という新たな国づくりのために、政府一丸となって、できるだけ早期に日本型IRを実現していきたいとありましたように、基本方針の策定やカジノ管理委員会の設置など、必要な準備作業をできるだけ早く進めていただき、その効果を日本全体の経済成長へとつなげてほしいと思います。
 一方、IR施設を訪れる人のうち日本人の割合が、大阪府の試算ではおよそ七割、北海道の試算では、苫小牧市に建設された場合はおよそ八割、釧路市ではおよそ九割となっています。ショッピングモールなどもあるため近隣住民が行く回数が多いと仮定された結果とのことですが、政府の目指す世界中から観光客を集める滞在型観光施設であるならば、多くの外国人が日本に来訪したいと思えるような日本型IR施設を整備していくことが重要であると考えます。
 また、先週末に行われた朝日新聞の世論調査によりますと、今国会でのIR整備法案成立不要という声が七六%と、多くの国民の理解が得られている状況でないことは事実であると思います。これはやはりカジノにばかり焦点が当たりがちなことが理由ではないかと思いますが、これも、総理の答弁にありますとおり、依存防止や犯罪、治安維持のために講じられている対策の内容や、日本の成長戦略に資する経済効果が期待されることも含め、国民に日本型IRのイメージを具体的に共有してもらうため、全国キャラバンを実施するなど、広報の取組を積極的に推進していくことが重要であると考えます。
 内閣委員会で私何度か質問をしましたが、都道府県等による区域整備計画の五年ごとの更新の際に、都道府県議会の議決が必要となります。その理由は、地元の理解や協力が得られる施設であるべきだという政府の説明には当然理解をいたすんですが、幾ら集客や経営的に順調で地元に愛される施設であろうと、議会における賛否というのは、皆さんよく御存じのとおり、その他様々な要因で決まることがあり、率直に言いますと、IR施設の存続が政局に使われてしまう可能性があります。
 IR施設への投資は、額も大きいですし、期間も長期間になります。地元自治体からしても、長期間の安定した事業として地域の理解と協力を得て、地域と共に発展するIR事業の開業が必要ではないかということを改めてここで言及させていただきたいと思います。
 日本型IRにおいては、訪日外国人観光客の人数を増やすだけでなく、滞在日数を延ばしてもらうためにも、国際的な会議ビジネスを展開するためのMICE施設が重要になります。
 国際会議の開催件数では、日本は世界七位というポジションにいますが、誘致競争が激化する中で、そのシェアは徐々に低下しているのが現状です。国内には、展示会と大規模な会議を同時開催できるような施設がほとんどありません。IRの中にそのような会場を整備し、官民を挙げての海外での積極的なプロモーション活動などを行うことにより、多くの国際会議を誘致し、都市の国際的な地位を引き上げる効果を狙うことも、統合型リゾートの設置によって得られる大きな効果であると考えられます。
 IR実施法案の審議に先立ち、我々日本維新の会も共同提案者となりましたギャンブル等依存症対策基本法案が今国会で成立いたしました。
 厚生労働省の調査によりますと、二〇一七年時点でギャンブル依存症が疑われる人は国内で約三百二十万人と言われています。その中でも、パチンコ、パチスロ依存症が九二%と最も高い割合です。
 カジノができることでギャンブル依存症の人が増えるのではないかという懸念が示されてきました。その懸念は理解をするところではあるんですが、今回のギャンブル等依存症対策基本法案ができたことで、これまで抜本的かつ具体的な対策がなかなか取られてこなかったギャンブル依存に正面から取り組み、国や都道府県でしっかり対策を立て、パチンコを中心とした全体の依存症患者を減らしていく、これが実現すれば、今回、ギャンブル等依存症対策基本法案とともにIR法案を審議した大きな効果の一つでもあると考えます。
 以上申し述べましたように、日本型IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設とが一体的に運営される総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれます。その一方で、まだ国民の間でのIRやカジノに対する理解が十分に進んでいないことや、外国人の訪問者が本当に多くやってきて滞在してくれるのかなど、懸念事項があるのも事実かと思います。
 今後、国民の皆様の声に耳を傾けながら、理解を深めてもらえる努力をし、日本型IRを核とした地方創生、そして日本全体の経済成長につながるよう取り組んでいくことを申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#13
○議長(伊達忠一君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
#14
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、本法案に断固反対の討論を行います。
 日本は既に、パチンコと公営ギャンブルを合わせ、市場規模が二十七兆円にも上るギャンブル大国です。ギャンブル依存症も三百万人を超え、多重債務や自己破産など、深刻な社会問題を引き起こしています。今回のカジノ実施法は、それに加えて、刑法で禁じられてきた犯罪行為である民営賭博まで解禁し、ギャンブル依存症を更に増やすものです。幾らIRという言葉でごまかそうとしても、その反社会性を覆い隠すことはできません。
 西日本豪雨による深刻な被害が広がる中、本来なら政府の対応も国会の審議も被災者支援の一点に全力を集中すべきときに、かくもおぞましい法案の審議に時間を割き、強行することは、被災者の方々の願いに背くだけでなく、国会全体の権威を著しくおとしめるものであり、厳重に抗議をするものであります。
 本法案に反対する第一の理由は、立法の動機が不純で、害悪だけをまき散らすただの売国法案だからです。
 本法案の基になる議員立法、すなわちカジノ解禁推進法の提案者だった自民党や維新の会の衆議院議員が、アメリカのカジノ企業関係者からパーティー券購入の形で資金提供を受けていたことがマスコミに報じられ、その一人である西村官房副長官は参議院の内閣委員会で資金提供の事実を認めました。
 観光振興だの経済活性化だのと言いながら、実際にはカジノ解禁で利益を得るアメリカ企業からお金をもらい、そのために議員立法を立案していたとしたら、受託収賄にもつながる重大疑惑であり、本法案の立法事実にも関わります。疑惑の解明に蓋をしたまま本法案を強行するなど、絶対に許されません。
 安倍内閣はカジノを成長戦略の目玉と位置付けていますが、いつから日本は、賭博に頼らなければならない、そんな情けない国になってしまったんでしょうか。
 政府・与党は、つくるのはIRで、カジノはその一部だと言い続けてきましたが、それは違います。諸外国のIRの実態を見ると、カジノに併設している宿泊、娯楽、会議施設などは、カジノに人を集めるための集客装置としてつくられています。つまり、IR全体がカジノのために存在しているのです。これが世界の現実であり、今回の法案がつくろうとしているのも、IRという附属施設を備えたカジノそのものにほかなりません。
 カジノは、人のお金を巻き上げるだけで、付加価値を生みません。元々、経済効果を云々するような代物ではないのです。大体、ギャンブル依存症を増やせば増やすほどもうかるビジネスなど、まともな人間のやることではありません。
 カジノのターゲットも、外国人ではなく日本人です。カジノを実際に運営するのは、経験、ノウハウを持つ海外カジノ企業になるのは確実です。したがって、日本人から吸い上げたお金を海外企業に提供する、これがこの法案の本質です。事実、アメリカのあるカジノ企業は、日本人が持っている個人金融資産が狙いだとあからさまに語っています。
 さらに、カジノ面積の上限規制も、アメリカのカジノ企業の要求により緩和されました。また、法案の詳細を三百三十一もの政省令に委ねている理由は、後でカジノ企業がやりやすいような規則を作るためにほかなりません。海外カジノ企業にこれほど配慮した露骨な売国法案は、今まで見たことがありません。
 反対する第二の理由は、本法案が歴史上初めて民営賭博を解禁しようとするものであり、極めて違法性が高いからです。
 本法案は、内閣府に設置されたIR推進会議の取りまとめに基づいて作成されました。今まで違法だった民営賭博がなぜ合法化されるのか、違法性が阻却されるのかを検討、判断したのもこの推進会議です。
 ところが、この推進会議のメンバーには、刑法の専門家が一人もおらず、事もあろうにカジノ業界から報酬を受けている人物まで入っておりました。しかも、違法性の阻却について議論したのはたった一回だけ。経済振興などという曖昧な理由だけで、民営賭博も合法であるという結論を下しました。
 刑法は国民を処罰する重要な法律であり、その解釈は厳格性を求められます。にもかかわらず、短時間の中身のない議論だけで結論を出したIR推進会議の無責任さはあきれるばかりであります。このような会議ですから、出した結論も的外れで、本法案において民営賭博の違法性は全く阻却されていません。
 法務省は、従来、賭博が違法性を阻却するための第一の要件として、目的の公益性を挙げてきました。目的の公益性とは、具体的には、賭博による収益の使途、すなわち使い道を公益性のあるものに限るということです。この要件に照らして、競馬、競輪などの公営ギャンブルは、賭博という違法行為を行うけれども、その収益を住民サービスなど公益性のあるものに限定して使うから、違法性が減じられ合法であると認めてきたのです。
 この刑法解釈には歴史的な経緯があります。江戸時代後期に実在した窃盗犯、鼠小僧次郎吉は、大名屋敷から盗んだお金を貧しい庶民にばらまき、義賊と呼ばれました。盗んだお金をそのまま自分の懐に入れるとただの窃盗犯ですが、鼠小僧は、人々に分け与えたことから、その公益性を評価され、義賊と呼ばれたのです。
 たとえ違法行為でも、その収益の使い道に公益性があれば違法性が減じられるという考え方は、法務省の言う目的の公益性にも引き継がれてきました。
 しかし、一九六七年、この鼠小僧の論理に異を唱える人が現れました。公営ギャンブル廃止を掲げ東京都知事になった美濃部亮吉さんです。美濃部さんは、使い道が良ければ違法行為が許されるというものではない、鼠小僧も犯罪者に変わりはないと主張し、公営ギャンブルを倫理の観点から厳しく批判されました。
 美濃部さんの主張は、公営ギャンブル全体を廃止させるまでには至りませんでしたが、目的の公益性についてより厳格な解釈を要求するものとなり、司法当局にも大きな影響を与えました。
 当時、公営ギャンブルだけに賭博を認めるのはおかしい、民営賭博も認めよという裁判が東京、大阪などで争われていましたが、収益の使途を公益性のあるものに限定することや、射幸性、ギャンブル性をコントロールするには地方公共団体などの公的な主体が行う必要があるとの判断から、どの裁判においても民営賭博を退ける判決が下されたのです。
 こういう歴史的な経緯を踏まえれば、賭博のもうけの大半を自分の懐に入れる民営賭博が今更違法性を阻却できる余地など、全くありません。しかも、海外カジノ企業が日本人からお金を巻き上げる本法案は、公益性の一かけらもなく、鼠小僧以下の極めて違法性の高い法案であり、きっぱり廃案にすべきです。
 私たちは公営ギャンブルにも反対の立場ですが、従来の刑法解釈を崩壊させる本法案は、公営どころか、将来、パチンコ換金の合法化や公営ギャンブルの民営化など、民営賭博の際限ない拡大に道を開くものです。まさに地獄の蓋を開けるものとなり、日本社会に深刻な弊害をもたらすことは間違いありません。
 このことを強く強く警告して、反対討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
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#16
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 足立信也君外六十五名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
   〔発言する者あり〕
#17
○議長(伊達忠一君) 議場内での横断幕を掲げる行為は、議場の秩序を乱し、議院の品位を傷つける行為として認めざるを得ません。お控えください。
 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#18
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#19
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百六十六票  
  青色票           七十二票  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#20
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長河野義博君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔河野義博君登壇、拍手〕
#22
○河野義博君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、大阪府北部を震源とする地震及び平成三十年七月豪雨の災害関連義援金に係る拠出の趣旨に鑑み、被災者等が自ら義援金を使用することができるようにするため、大阪府北部を震源とする地震及び平成三十年七月豪雨に関する義援金について、差押えの禁止等をしようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院災害対策特別委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#23
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#26
○議長(伊達忠一君) この際、お諮りいたします。
 山本順三君外九名発議に係る参議院規則の一部を改正する規則案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、本規則案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。山本順三君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
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   〔山本順三君登壇、拍手〕
#28
○山本順三君 ただいま議題となりました参議院規則の一部を改正する規則案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 本案は、先般、参議院改革協議会が議長に報告し、各会派代表者懇談会の了承を得ました報告書に基づくもので、行政の適正な執行を監視し、監督することを本院の活動の柱の一つとし、行政監視機能の強化に議院全体として取り組むことによって、参議院における行政監視機能の強化を図るため、必要な規定の整備を行おうとするものであります。
 以下、その内容を申し上げます。
 まず第一に、行政監視委員会について、その委員の数を三十五人とし、行政監視にはこれに基づく勧告を含むものとしております。
 第二に、行政監視委員会は、計画的、継続的かつ効果的な行政監視に資するため、少なくとも毎年一回、その実施の状況等を議院に報告するものとし、勧告を行う必要がある場合には、その旨を併せて議院に報告するものとしております。
 なお、附則におきまして、本改正は、平成三十一年に行われる通常選挙により選出される参議院議員の任期が始まる日以後最初に召集される国会の召集の日から施行するとともに、所要の経過措置を定めております。
 以上が本規則案の提案の趣旨及び内容でございます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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#29
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本規則案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本規則案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#32
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 本日法務委員長及び厚生労働委員長から報告書が提出されました法務局、更生保護官署、入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願外二百八十一件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
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   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
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#34
○議長(伊達忠一君) これらの請願は、委員長の報告を省略して、両委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、これらの請願は両委員会決定のとおり採択することに決しました。
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#36
○議長(伊達忠一君) この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
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#37
○議長(伊達忠一君) まず、厚生労働委員長要求に係る水道法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(伊達忠一君) 過半数と認めます。
 よって、本案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、各委員長及び各調査会長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
 これらの案件は、いずれも委員会及び調査会の審査又は調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも委員会及び調査会の審査又は調査を閉会中も継続することに決しました。
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#40
○議長(伊達忠一君) 議事を閉じるに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 今国会では、国民生活に深く関わる諸課題について熱心な審議が行われました。
 ここに、議員各位の御尽力に対し、心から敬意と謝意を表する次第でございます。
 内外の時局ますます多端な折、皆様におかれましては、御自愛の上、一層御活躍くださいますようお祈りを申し上げて、御挨拶といたします。(拍手)
 これにて散会いたします。
   午後九時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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