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2018/05/18 第196回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第196回国会 国土交通委員会 第15号
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2018/05/18 第196回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第196回国会 国土交通委員会 第15号

#1
第196回国会 国土交通委員会 第15号
平成三十年五月十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 西村 明宏君
   理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君
   理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君
   理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君
   理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君
      秋本 真利君    井林 辰憲君
      岩田 和親君    大塚 高司君
      大西 英男君    加藤 鮎子君
      門  博文君    神谷  昇君
      鈴木 憲和君    田中 英之君
      高木  毅君    谷川 とむ君
      中谷 真一君    中村 裕之君
      根本 幸典君    鳩山 二郎君
      三谷 英弘君    宮内 秀樹君
      望月 義夫君    簗  和生君
      初鹿 明博君    道下 大樹君
      森山 浩行君    早稲田夕季君
      伊藤 俊輔君    大島  敦君
      森田 俊和君    北側 一雄君
      高木 陽介君    広田  一君
      もとむら賢太郎君    宮本 岳志君
      井上 英孝君
    …………………………………
   国土交通大臣       石井 啓一君
   国土交通副大臣      牧野たかお君
   国土交通大臣政務官    秋本 真利君
   国土交通大臣政務官    簗  和生君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 筒井 健夫君
   政府参考人
   (国土交通省土地・建設産業局長)         田村  計君
   国土交通委員会専門員   山崎  治君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十八日
 辞任         補欠選任
  藤井比早之君     井林 辰憲君
同日
 辞任         補欠選任
  井林 辰憲君     藤井比早之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案(内閣提出第五二号)
     ――――◇―――――
#2
○西村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省土地・建設産業局長田村計君及び法務省大臣官房審議官筒井健夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○西村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。門博文君。
#5
○門委員 おはようございます。自由民主党の門博文でございます。
 本日、質問の機会をいただきましてまことにありがとうございます。
 限られた時間でありますけれども、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に関して質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、私の故郷は和歌山県であります。昨年、私の生まれ故郷御出身の先輩からこのような御依頼をいただきました。ちなみに私の生まれ故郷は、紀の川という川の上流にあります和歌山県のかつらぎ町という、人口一万七千余りの町であります。そこの駅前に、その先輩が所有される不動産、いわゆる住居と土地を持っておられまして、その物件を地元の町に寄附をしたいということでありました。親御さんが亡くなられて相続をされたんですけれども、御自身のお住まいや仕事の拠点は既にほかの町に移っておりまして、その町にはありません。今後の活用方法がないということでのお申出でありました。
 私は、寄附するまでもなく、何か転売をされたらどうかと思いましたが、そういうお申出でありましたので地元の町長さんに御相談申し上げましたところ、町長さんいわく、最近は、ふるさとを離れて暮らしている方々から、不動産、土地の寄附の申出が随分あるということでありました。不動産会社に頼んでもなかなか売買が実現しないということが現実なようで、その駅前にも私が子供のころは随分建物があったところであるんですけれども、もう既に空き地になって、既に何筆も町に寄附されているということでありました。昔は相当にぎやかな駅前であったんですけれども、残念ながら、今は寂れています。
 しかし、この駅前はJR和歌山線というローカル線の駅前で、今でも一時間に一、二本、上り下りの列車が往来するところでもあるんですけれども、そんなところでもこのような土地を寄附したいというような現実を見るにつけ、地方の各都道府県の、ましてやその中でも地方における不動産のあり方というものが、私の想像を超えて随分と変遷を来していると感じた次第であります。
 また、加えて、その町長さんがおっしゃるには、駅前の土地でさえそういう状況であるので、周辺の山林などの場合は、相続の時点で町に寄附を申し出られるケースもふえてきているとのことでありました。確かに、木材需要がこのような状況ですので、所有していても管理をしていくこともできないとのことなんだと思いますけれども、私も少しだけでありますけれども山林を所有し、そして今後も相続することがあると思いますが、なかなか山林を財産として考えるには難しい状況のように思います。
 残していただいた御先祖様には大変申しわけないんですけれども、そのような状況が我々の目の前に来ているということだと思います。
 そういうときに、今回提出されました所有者不明土地の法案審議に際し、所有者不明土地が発生する背景が、このように、わからなくもないなというふうに思います。
 そこで、最初に質問に入る前に、改めて、所有者不明土地の定義について国交省の方から御答弁を賜りたいと思います。
#6
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明の定義でございますけれども、この法律案におきましては、対象となる所有者不明土地につきまして、「相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地」と定義をしております。
 具体の探索の方法でございますけれども、一つは、登記事項証明書の交付を請求すること、住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の書類に記載された情報の提供を求めること、さらに、一定範囲の親族等に照会すること等を想定をしております。
 なお、このような所有者探索を行わず、単に不動産登記簿上の住所に連絡して所有者が判明しなかった土地も、広い意味におきまして所有者不明土地と呼ばれる場合もございます。
#7
○門委員 ありがとうございました。
 先ほど、私の郷里の話もさせていただきましたけれども、まさに、地方から都市への人口移動を背景とした土地所有意識の希薄化が進んで、今お話しいただいたような、いわゆる所有者不明土地が発生しているんだというふうに思います。都市部で生活をされたり都市部で暮らしている方々にはなかなか実感しづらい状況かと思いますが、地方では、今後もますますこの所有者不明土地というものが深刻化していくのではないかと思われます。
 そこで、次に、この所有者不明土地について全国的な発生の状況というものを、国土交通省の方から続けてお話しをいただきたいと思います。
#8
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地につきましてその総量を網羅的に把握したものは、現時点では持ち合わせておりません。
 部分的な調査といたしましては、平成二十八年度の地籍調査を行った約六十二万筆におきまして、不動産登記簿により所有者の所在が判明しなかった土地、すなわち、先ほどのお答えで、広い意味での所有者不明土地の割合は、筆数のベースで約二〇%となっております。
 また、同調査におきまして、市町村による所有者探索の結果、最終的に所有者の所在が判明しなかった土地の割合は、筆数ベースで約〇・四%です。これが、この本法案の定義による所有者不明土地の割合に近いものと考えております。
#9
○門委員 ありがとうございました。
 今お示しいただいたその数字、パーセンテージの部分をまとめてというか、そういうことで一部報道では、日本列島の中に所有者不明土地は九州と同じぐらいの面積があるというような報道もされておって、皆さん方もその報道はごらんになったことがあると思いますけれども、もしそういうことであれば、本当に随分と大きな面積が今現在も所有者不明土地になっているんだというふうに思います。
 これだけのボリュームの不明土地が日本列島に横たわっていると思いますと、公共的な面だけではなく、さまざまな問題が発生していると想像しますけれども、今回の立法事実となった点をお尋ねしたいと思います。
 この所有者不明土地が発生することによって、具体的にどのようなふぐあい、どのような問題が発生しているのかという点についてお尋ねをしたいと思います。
 我々もよく聞く話ですけれども、新しく道路をつくろうということで用地買収を進めていくと、その用地買収の途中で、相続が完了していなかったり、また、そもそも現在の所有者がどなたかわからないという土地に出くわして、用地買収が円滑に進まないというようなことも実際耳にしておりますけれども、このような課題を、事例を含めて具体的に御説明をいただきたいと思います。
#10
○田村政府参考人 お答えいたします。
 具体的な支障事例ということでございますが、所有者不明土地につきましては、公共事業用地の取得などさまざまな面で所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面をしております。
 例えばということでございますが、道路事業におきまして、明治時代の登記のまま相続登記がその後されておらず、相続人が多数となりまして、かつ一部の相続人が特定できなかったため、事業の用地取得に多大な時間と労力を要した事例もあります。
 また、土地に家電製品等が大量に投棄をされておりますが、土地の所有者の所在が把握できないため、そもそも、不法投棄なのか保管をしているのかということも確認ができず、自治体で処分ができないというふうな、周囲に迷惑をかけているような事例も多く見られるところでございます。
#11
○門委員 ありがとうございます。
 今御説明いただいたのはもう本当に一部の事例かと思いますけれども、町中に、そして山林にさまざまな支障が発生をしているということは私たちもよくわかりました。
 この法案の中でいろいろな対策ということが織り込まれていますけれども、今まで、さっき申し上げたように、道路をつけていく場合、用地を買収しようと思えば、対象の不動産が確定しないとなかなか買収というかその作業に入っていけなくて、入っていって初めてその所有者不明土地にぶつかって、それから手続を始めるということを、今回の法案では、あらかじめそういう準備も含めて前倒しでやっていただくということなので、事業が完成するまでの期間を少しでも短縮していただけるということと、それから、それに携わっていただくそれぞれの役所の方々の労力の問題についても、随分とこの法律の中で改善がされていくものだというふうに私たちも期待をさせていただきたいと思います。
 そこで、改めまして所有者不明土地でありますけれども、今回の法案では、既に発生しているものや、そして、これから所有者不明土地が発生した場合に、その活用についてどう円滑に対応していくのかということがうたわれています。
 しかし、これはもっともなことだと思いますし、この法律を早く対応しますけれども、冒頭申し上げましたように、一方、この所有者不明土地については、今後発生をさせない、そのためにはどうするかという視点での対応も更に求められるのではないかというふうに思います。今回の法案そのものから少し論点が外れるかもしれませんが、あえて質問をさせていただきたいと思います。
 その中で、ちょっと地籍調査についてお話をさせていただきたいと思います。
 自治体において実施されている地籍調査があります。私たちも、地元で土地家屋調査士さんの方々からこの地籍調査の重要性とか大切さ、そしてまた大変さを話を聞かせていただく機会があるんですけれども、この地籍調査を徹底して行っていくことが、私は、この所有者不明土地を早く発見をして解決をしていく一つの端緒になるように思います。
 私の地元でも、地域の偏りはありますけれども、地籍調査がどんどんと進められておるのを目の当たりにしておりますけれども、この地籍調査は全国的にどのように進捗をしているのか。そしてまた、今後、国交省としてこの地籍調査をどのように精力的に進めていこうというお気持ちをお持ちであるか。その点をお聞かせいただきたいと思います。
#12
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地籍調査でございますけれども、地籍調査の実施によりまして土地の境界を明確にしておくことは、災害後の迅速な復旧復興、社会資本整備、まちづくり、土地取引の円滑化等に資するものとして大変重要でありまして、所有者不明土地の発生抑制という観点からも重要であろうと考えております。
 現在、地籍調査は、平成二十二年に閣議決定をされました第六次国土調査事業十カ年計画に基づいて進められております。平成二十九年三月末時点で、全国の面積ベースでの進捗率は約五二%である一方、その中で、都市部の進捗率は約二四%、林地の進捗率は四五%と低くなっております。
 課題を見てみますと、一つは、土地の境界等を明確にするため、関係する土地所有者全員の立会いによる境界確認などに多大な時間や経費を要しております。特に近年、所有者不明土地の増加がこのような傾向に拍車をかけているものと考えております。
 また、災害想定地域等の重要性、緊急性が高い地域での調査がまだおくれているところがございます。
 さらには、地籍調査等の過程で得られた情報の利活用が不十分であること等が課題として挙げられると考えております。
 国土交通省といたしましては、平成三十二年度から始まる次期の第七次国土調査事業十カ年計画の策定に向けまして、所有者が不明な場合も含めました立会い等の手続の合理化、官民の境界情報の迅速な整備、新技術による測量の効率化、民間の測量成果等の有効活用、災害想定地域の優先地域での重点的な実施の促進といった事項につきまして検討することによりまして、引き続き地方公共団体と連携し、地籍調査の迅速化を図ってまいりたいと考えております。
 また、地籍調査等の過程で得られた情報の利活用の促進についても、あわせて検討してまいります。
#13
○門委員 ありがとうございました。
 面積ベースで大体ほぼ半分ということでありますけれども、これからも精力的に自治体と協力をしていただいて、進めていただきたいと思います。
 測量技術は、もう私が申し上げるまでもなく、デジタル化されていまして、座標を決めれば永遠にそこは残るというような技術になっておりますので、ぜひこの地籍調査を進めていただきたいと思います。
 そして、根本的な質問をさせていただきたいんですけれども、所有者不明土地自身がなぜ発生するかというその原因を、国交省、きょうは法務省の方にも来ていただいていますけれども、そのあたり、それぞれお考えをいただいているというかお気づきをいただいている点、なぜ発生するかということを簡単に御説明をいただきたいと思います。
#14
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地は、典型的には、相続発生時に相続登記がなされないこと等により発生することが多いと考えております。
 相続登記がなされない背景といたしましては、人口減少などに伴う土地利用ニーズの低下や、地方から都市への人口移動を背景としました土地の所有意識の希薄化などが挙げられるのではないかと考えております。
 例えばということでございますが、国土交通省で実施しております土地問題に関する国民の意識調査というのがございます。その中で、土地は預貯金や株式に比べて有利な資産かという設問がございますが、これに対して「そう思う」と回答した者の割合は、調査を開始いたしました平成五年度で六一・八%ということでございましたが、平成十年度以降は三〇%台で推移し、最近の一番新しい数字で申しますと、二十九年度の三〇・二%ということでございまして、こういったところにもそのような意識の変化というものがあらわれているものと考えております。
#15
○筒井政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地が生ずる要因の一つとして、相続登記が未了のまま放置されていることが指摘されていると思います。
 その原因といたしましては、相続登記を行うことの必要性や重要性の認識が必ずしもないことや、相続登記の手続を行うことへの負担感があること、相続登記に要するコストの問題などが指摘されていると承知しております。
#16
○門委員 今御説明をいただいたように、相続の時点をうまく相続手続ができていないということがほとんどの原因だと思いますけれども、資料一でお配りをしました、今後の死亡者数推移と出生数推移という資料をお配りしたんですけれども、縦に点線を入れさせていただいたのが大体二〇一五年、現在のところですけれども、ここからどんどん死亡者数というのは予測のとおり増加をしていく。ということは、相続をしていただく機会がどんどんふえていくということですので、ここをうまく協力をして、この手続を円滑にしていただかなければいけないというふうに思います。
 私の身内にも先日不幸がありまして、葬儀が終わった後そのおうちを訪ねましたら、御遺族が通帳を目の前にして、いろいろな手続が煩雑で大変だということで困っておられました。
 確かに、今御説明ありました中にもありましたけれども、現金とか預貯金というのは、手続をしないと預金なんかは今は引き出せないということで、きちんと早くその手続をやろうということで一生懸命なんですけれども、不動産ということになると、期限が決まっていなかったり、それで、期限が決まっていないということはペナルティーがないということですので、放置されたままになる現実を私も目の当たりにしたところであります。
 そこで、もう時間も少なくなってきたんですけれども、御提案というかお話なんですが、大体、人が亡くなられたときに、まず、死亡届というのは最寄りの市役所であったり町役場であったり区役所へ出していきます。ところが、相続の手続となりますと、役場の窓口ではできません。ふだん余りかかわりのない地方法務局に行ったりとか、それから税務署へ行ってみたりとか、そして、お願いするお仕事の専門職の方でも、司法書士さんとか行政書士さんとか弁護士さんとか、ふだん、一般の市民生活の中ではなかなかかかわりの少ない方々のところに行かなきゃいけないというこの隔たりも、私は、この所有者不明土地が発生している相続の手続のところの問題の一つだというふうに思います。
 パンフレットを資料二で配付させていただきましたけれども、そういうことを少しでも啓蒙していこうということで、これは私の地元の和歌山のバージョンを印刷して持ってきましたけれども、法務省にお伺いしますと、全国の市町村の窓口に、相続登記をちゃんとやってくださいねというこのパンフレットを配っていただいているそうです。先生方も、皆さん御地元で多分ほとんどごらんになったことがないと思うんですけれども、この啓蒙されている状態、それから、法務省がこの相続手続をもっと円滑にしていこうということについて、最後にお話を聞かせていただきたいと思います。
#17
○筒井政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地問題の拡大を防ぐ観点から、法務省におきましても相続登記の促進に取り組んでおります。
 具体的には、登記の専門家団体である日本司法書士会連合会及び日本土地家屋調査士会連合会と連携の上、相続登記の促進のための、ただいま御指摘がありましたような広報用リーフレットを作成し、死亡届の受理時にこれを配布していただくように、各法務局、地方法務局から全国の市町村に対して協力依頼を行っております。
 現在、全国の七割を超える市町村におきまして、死亡届を受理する際に、相続登記の促進のための広報用リーフレットを当該届出人に配布していただいております。また、全国の三割の市町村におきましては、市町村が作成している、死亡に伴う各種手続一覧表の中に相続登記の申請についての記述を加えてもらっております。
 このような取組を通じて、相続登記の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
#18
○門委員 ありがとうございました。
 それぞれの役目の中でぜひこの相続手続をきちんとするということを進めていただいて、できれば、この所有者不明土地というそのものがなくなるように取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#19
○西村委員長 次に、谷川とむ君。
#20
○谷川(と)委員 おはようございます。自由民主党の谷川とむです。
 本日は、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案の質疑ということで質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 さて、人口減少や少子高齢化、人口の都心部への集中を背景に、事実上放棄された土地、空き家が増加しています。
 また、資産としての土地に関する国民の意識の希薄化が見られ、土地や建物に財産価値がなく、土地や建物を保有することの方がかえって負担が大きいため、土地や建物が事実上放棄されている現状があります。
 放棄された土地には、相続が繰り返される中で登記の移転がなされないため、土地の所有権が誰に帰属するかを確認することが困難な土地も増加しています。
 こうした所有者不明土地については、公共事業等において土地を取得、利用しようとする際に、公共部門や私的部門による所有者等の探索に多大な時間、費用、労力を費やすことが強いられており、その結果として、公共事業等の長期化や、状況によっては事業を断念せざるを得ない場合もあります。
 所有者不明土地の存在が支障を来している事例も生じています。先ほど門議員も御紹介がありましたけれども、道路事業の例もあります。そして、東日本大震災後、津波被害者の高台移転のために市町村にて土地を取得しようにも、土地の登記がなされないまま相続が繰り返された土地が数多く存在していたために、所有者を把握するのに大変な時間と手間がかかったことは記憶に新しいと思います。
 所有者不明土地が生まれる主要因は、土地にかかわる情報基盤が整っていないことだと考えます。ある土地が誰のものなのか、データベースで管理されて、そのデータベースを見れば所有者にアクセスできるようになっていれば不明にはならない。
 しかし、我が国では、不動産登記、固定資産課税台帳、農地台帳、林地台帳など、公的な台帳がさまざま存在しているにもかかわらず、これらを見ても正確な土地所有者情報はわからないのが現状です。本来、不動産登記が最も基盤となる台帳のはずですが、既に実態とは大きく乖離しています。
 先ほど局長の答弁からも少しありましたけれども、国土交通省が平成二十六年度に、最後に所有権に関する登記をされたのがいつかというサンプル調査、所有者不明化による国土の利用困難化に関する基礎的調査を行い、五十年以上前に登記をされたままという不動産登記が一九・八%、三十から四十九年経過しているものが二六・三%という結果であり、また、平成二十八年度地籍調査における不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は約二〇%、探索の結果、最終的に所有者の所在が不明な土地は〇・四一%となっています。
 法務省でも調査を行い、平成二十九年六月に不動産登記簿における相続登記未了土地調査の結果を公表して、最後に所有権の登記がされてから五十年以上経過しているものが、大都市では六・六%、中小都市、中山間地域では二六・六%という結果でありました。
 農林水産省でも、平成二十八年度に、全農地について、台帳上の名義人が死亡している農地がどれくらいあるかを調査し、面積にして約二割が相続未登記又はそのおそれがあるとしています。
 また、増田寛也元総務大臣が座長を務める所有者不明土地問題研究会の推計では、先ほども門議員からも御紹介がありましたけれども、二〇一六年の時点で、全国に約四百十万ヘクタールの所有者不明土地があるとし、これは九州よりも広い計算になります。また、二〇四〇年には約七百二十万ヘクタールになるとも予測されています。
 さらに、所有者不明土地による経済的損失は、二〇一六年の単年で約一千八百億円、二〇四〇年単年では約三千百億円になると予測されています。二〇一七年から二〇四〇年の累計では、約六兆円に及ぶと見込まれています。
 このように、所有者不明土地の増加は大きな社会経済問題になりつつあり、今回の法案の提出に至ったのだと思います。
 そこで、所有者不明土地問題について、さかのぼるといつごろから認識され始めていたのか。また、これまでどのような対策を講じていたのか。答弁を求めます。
    〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
#21
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地によって公共事業の円滑な執行が妨げられるといった問題につきましては、東日本大震災からの復興に際しまして、所有者の探索に多大な時間、労力等を要したことが一つの大きな契機となって認識されたものと考えております。
 また、全国的に見ましても、国土交通省の直轄事業におきましては、平成二十年ごろから用地取得を困難とする要因として所有者不明土地が第一位になるというふうなことで、所有者不明土地の問題が認識されております。今後、高齢化や人口減少が進み、相続の機会が増加すれば、更にこの所有者不明土地が拡大していくと見込まれ、その対策は喫緊の課題であろうと考えております。
 まず、東日本大震災の復興に当たりまして、用地取得対策として、事業認定手続期間の短縮など、被災地に特化した用地取得の加速化のための措置を行っております。
 また、全国的な問題といたしましては、平成二十八年三月に、所有者の所在の把握が難しい土地に関しまして、所有者探索の円滑化等に資するガイドラインというものを取りまとめております。
 さらに、昨年六月には、いわゆる政府の骨太方針におきまして、所有者不明土地の公共的利用の円滑化について、「必要となる法案の次期通常国会への提出を目指す。」と位置づけられたところでございまして、今般、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案の審議をお願いをしているというところでございます。
#22
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
 先ほど門議員から所有者不明土地の法律上の定義について御質問がありましたのでこれは省かせていただきますけれども、では、特定所有者不明土地の定義についてお教えください。
#23
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地の定義につきましては先ほど述べたとおりでございますが、その中でも、特定所有者不明土地というものを定義づけております。
 これは、所有者不明土地のうち、簡易なものを除き建築物が存在せず、かつ、業務の用など特別な用途に供されていない土地と定義しております。
#24
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
 では次に、所有者不明土地として、所有者の全てが確知できない場合だけではなく、その一部が確知できない土地も対象としています。
 一部の所有者が判明している土地についても所有者不明土地と定義した理由はなぜですか。答弁を求めます。
#25
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地は、共有地であることが多く、その共有地の一部の共有者がわからないという場合も数多く見られるところであります。
 一方で、土地の売却や長期の賃貸借につきましては、民法上、これらを行うためには土地所有者全員の同意が必要とされているところであります。
 このため、共有者の一部がわからない土地につきましても、公共事業等に用いることが可能となるよう、本法案において対象としているということでございます。
#26
○谷川(と)委員 ありがとうございます。民法上、全ての所有者が確定しないといけないということで、一部の所有者が判明している土地についても所有者不明土地と定義したと理解をいたしました。
 では次に、所有者の探索において、所有者が海外を含め遠方にいる場合、探索にかなりの時間と労力が要ると思っています。国土審議会土地政策分科会特別部会の中間取りまとめにおいても、この点について、「合理的な探索の範囲について明確化することが求められる。」としていると思いますが、どのような合理化が図られるのか、お答えいただきたいと思います。
#27
○田村政府参考人 お答えいたします。
 土地収用法等におきます所有者の探索につきましては、これまで、過失なく行うとされていたところであります。本法案におきましてもこの基本的な考え方は変更せず、公簿に基づく調査と関係者からの聞き取り調査による所有者探索を行うことといたします。
 具体的には、公簿に基づく調査につきましては、これまで利用することができなかった固定資産課税台帳、地籍調査票等につきまして、個人情報の保護に配慮をした上で、所有者探索に利用できるよう措置しております。
 また、聞き取り調査につきましては、これまで行われてきた、いわゆる地元の精通者や海外の県人会等への聞き取りが、多大な労力を要するにもかかわらず、地縁の希薄化等を背景に情報を得られにくくなっていることや、個人情報保護の観点を踏まえ、親族等の合理的な範囲に対して行うこととしております。
 これによりまして、所有者探索に関する従来の基本的な考え方を変更することなく、社会経済情勢の変化を踏まえ、より効果的な探索を行うこととしております。
#28
○谷川(と)委員 いろいろと対策を講じていただいておると思いますけれども、本当に、この所有者を探すということは大変な時間と労力、また、お金もかかってくると思いますので、今の方針で進めていただきながら、また、合理化を図っていただければなというふうに思っています。
 次に、土地収用法では独立性を有する収用委員会が裁決を行っていますが、本法律案においては、第三者機関ではなくて都道府県知事が裁定することとなっておりますけれども、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
#29
○田村政府参考人 お答えいたします。
 収用委員会は、土地収用法上、収用しようとする土地について、適切な補償内容を判断するということとされております。このための専門的知見や高度な中立性、公平性を有する機関として、都道府県知事のもとに置かれているものであります。
 新制度は、簡易なものを除き建築物が存在せず、現に利用されていない土地に限って対象とするものであることから、個別性の強い建築物の補償や移転料、営業補償の算定は不要となります。また、補償金額等につきまして、明示的な反対者がいないことを公告縦覧により確認することから、意見聴取手続も不要でございます。
 このため、収用委員会並みの補償算定に関する専門的知見や高度な中立性、公平性は不要であると考えられます。
 他方、収用委員会は七名の合議体であり、日程調整等に時間を要するなど機動的な対応が難しい面もございます。また、多くの事案を抱えているケースもございます。
 そこで、本法案では、適切な事務配分の観点も踏まえ、都道府県知事が裁定をすることとしております。これは、収用委員会の事務局も置かれており、都道府県が土地の評価など簡易な補償額の算定を行う能力を十分に有していると判断をしたものでございます。
 これによりまして、手続の合理化、円滑化を図ることとしております。
#30
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
 次にでは、都道府県知事が裁定を行うこととなるのですが、事業実施主体と裁定主体が同じになる場合も想定されると思います。このような場合は、裁定申請事項の確認や裁定において適切な判断が行われるためにはどのような措置が講じられることになるのか、答弁を求めます。
#31
○田村政府参考人 お答えいたします。
 新制度では、事業が地域住民等の共同の福祉又は利便の増進に資するものかどうかといった要件に該当することの確認や、補償金額の算定等を行う裁定につきましては、都道府県知事に事務を担っていただくこととしております。
 御指摘のような、都道府県知事が事業を実施する場合につきましては、直接事業を担当する部局とは別の部局が確認や裁定を担当することをこの法律の基本方針等におきまして定めることとしております。
 また、地域住民等の共同の福祉又は利便の増進の観点については、地域の実情を把握する関係市町村長の意見を聞くこととしております。また、補償金額につきましては、収用委員会の意見を聞くこととしております。
 これらの措置によりまして一定の中立性が担保されるものと考えております。
#32
○谷川(と)委員 ありがとうございます。事業を行うときに別の部局がいろいろと考えたり、また、地域、自治体がいろいろとみんな協力し合いながら進んでいくということで、ぜひ、中正、中立のところはしっかりと担保していただきたいなと思います。
 地域福利増進事業にかかわる土地等使用権は、十年を限度としなければならないとされています。国土審議会特別部会の中間取りまとめでは、この期間において、五年程度、一定の期間とされていましたが、十年を上限とした理由はなぜですか。お答えください。
#33
○田村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、国土審議会の特別部会の中間取りまとめにおきましては、使用権の存続期間について、最低五年程度の一定期間とされていたところであります。
 この点、処分の権限がない者が設定する民法の短期賃貸借の期間の上限が五年間となっておりますので、それを一つ勘案したというところでございますが、地域福利増進事業の使用権につきましては、地域福利増進事業は一定の公益性を認められた事業であること、それから、所有者を探索するための措置を尽くすことから、不明所有者が事後的にあらわれる蓋然性が低いこと、現に利用されていない土地であり、不明者が積極的な利用意向を持っている可能性が低いこと、不明者は賃料相当の補償金を受け取り、原状回復された状態で土地の返還を受けることができることから、不明所有者の財産的な損失は生じないこと、そういったことを勘案いたしまして、より長期の存続期間とすることが許容され得るものと考えたところであります。
 また、一方で、実際にその土地を使う事業者の使い勝手にも配慮をいたしまして、借地借家法における事業用定期借地権の下限の期間が十年とされていることも踏まえ、存続期間の上限を十年としたものでございます。
#34
○谷川(と)委員 ありがとうございます。存続期間の延長については、回数制限を設けていないため、事業者による特定所有者不明土地の使用期間が長期間にわたることも想定されます。
 中間取りまとめにおいても、延長により事業が長期間に及んだ場合の措置を講ずる必要があるかについても検討が必要とされていますが、このような場合の措置についてどのようにお考えですか。
#35
○田村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、使用権が繰り返し延長され、使用期間が長期にわたることとなった場合には、長期間にわたり不明所有者があらわれず、事業者による平穏な利用がなされていることが想定されます。
 このような不明所有者があらわれる可能性が低い場合における所有権の帰属や利用方法の拡大などの措置につきましては、引き続き検討が必要と認識をしております。
 特に、不明所有者の持分である所有権の帰属につきましては、今後の実際の制度運用の状況や、法務省において現在検討されております土地所有権のあり方の議論と整合を図りながら検討することが必要と考えております。
#36
○谷川(と)委員 ありがとうございます。
 時間もなくなってまいりましたので、地籍調査の件は門議員が質問しましたのでこれは省かせていただきまして、最後に質問をさせていただきます。
 より抜本的に所有者不明土地の発生を抑制したり解消するためには、各関係省庁との連携、また、不動産登記簿や戸籍など関連データをマイナンバーで一括管理することを検討し、登記漏れを防止することも考えられます。さらに、土地を適切に管理する責務を所有者に課すことや、相続登記の義務化、土地所有権を放棄できる仕組みも考えられますが、いかがお考えでしょうか。
 現状と今後の取組について、石井大臣のお考えをお聞かせください。
#37
○石井国務大臣 所有者不明土地の発生抑制や解消に向けた抜本的な対策につきましては、登記制度や土地所有のあり方等と深く関連するため、政府一体となって検討することが必要であります。
 このため政府におきましても、所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議を開催をいたしまして、その中でも、「土地所有権や登記制度の在り方など財産権の基本的な在り方に立ち返って、土地に関する基本制度についての根本的な検討を行う」こととしているところであります。
 国土交通省といたしましても、登記制度を所管する法務省など関係省と連携をしつつ、引き続き、土地所有者の責務のあり方や登記の義務化の是非等、土地所有に関する基本制度の見直しについて検討を深めてまいりたいと考えております。
    〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
#38
○谷川(と)委員 ありがとうございました。
#39
○西村委員長 次に、鳩山二郎君。
#40
○鳩山委員 皆様、おはようございます。自由民主党の鳩山二郎でございます。
 本日は大変貴重な質問の機会をいただきましたこと、私からも感謝を申し上げます。
 二十分間という短い時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。
 私からも、ただいま議題となりました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案について質問をさせていただきます。
 まずは本法案でございますが、今よりも、より、所有者が見つからない土地を円滑に利用することができるようになるということと、さらには、スピード感を持って土地の所有者を探し出すことができるようになるということで、大変私自身も本法案については大いに期待をいたしておりますし、私の選挙区の首長さん方とお話をさせていただいても、この法案が施行されることによって、よりまちづくりが進みやすくなるという歓迎の声をいただいております。
 いただいておりますが、ある試算によると、今すぐ所有者の特定をすることができない土地が、二〇一六年時点ではおよそ四百十万ヘクタールあるものが、二〇四〇年には七百二十万ヘクタールにもふえるだろうというそういう試算がございます。
 この七百二十万ヘクタールというのは北海道のおよそ九割の面積に相当するわけでありますから、所有者が簡単には見つからない土地がどんどんふえ続けていくということでありますので、やはり我々といたしましては、この問題にしっかりと意識を持って取り組んでいかなければいけないのかな、そのような思いでございます。
 まずそこで、最初の質問でありますが、本法案において、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みの要件として、いわゆる上に建築物がない土地に限っておりますが、それはなぜでしょうか。御答弁をお願いいたします。
#41
○田村政府参考人 今回対象としております、事業の対象でございます特定の所有者不明土地につきましては、不明とはいえ所有者はいるということでございまして、その財産権の強い侵害にならないよう、土地が現に利用されている場合や、簡易なものを除き建築物が存在する土地については対象としていないというところでございます。
#42
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 質問を聞きに来られたときに役人の方に説明をいただきましたけれども、いわゆる建築物は所有者がいるということであります。もちろん、その建築物については、空き家対策特別措置法でしっかりと粛々と仕事をしていくというそういうことなんだろうと思っておりますが、私がここであえて申し上げたいのは、より厳しい自治体、いわゆる人口の減り方が激しい自治体、あるいは高齢化率の激しい自治体、中山間地域をたくさん抱えている自治体は、本当に今でも倒壊しそうな老朽危険家屋をたくさん抱えております。
 そういった中で、老朽危険家屋は空き家対策特別措置法で粛々とやっていく。最終的には、代執行、略式執行ということになるんでしょうけれども、その後に、更地になった後に、いわゆる本法案にのっとって土地の手続をするということになると、今でも倒壊しそうな老朽危険家屋、しかも持ち物が誰かわからない土地を自治体が利用しようと思っても、やはり時間ばかりがかかってしまうのではないか、そういう心配する声も上がっておりますので、ぜひ、この両法案の一体的な運用といいますか、両法案の緊密な連携をとってくださいますように、これは私からお願いでございます。
 次の質問に入らせていただきます。
 本法案においては、いわゆる公共事業における収用においても、あるいは地域福利増進事業においても、一定期間の公告をするということになっております。公共事業の収用の場合は二週間で、地域福利増進事業の場合は六カ月、そういうふうに伺っておりますが、私がここで少し心配なのは、いわゆる公告期間には私が権利者ですという方が名乗り出ない中でいわゆる事業が完了した、すなわち、公共事業では新しい道路ができた、あるいは地域福利増進事業においては新たな公園ができた、あるいは直売所ができたという後に、私こそが権利者ですという方が出てきたときにどう対処をするのかというのが私は心配であります。
 特に、公園ができたり直売所ができて、いわゆるそういったものをお使いになっていただいている地域住民の方と、我こそは権利者だという方々の間でトラブルが起きたりすることは本当にないと言い切れるのか。私自身、そこが心配でございます。
 そういった意味でも、この法案は大変使い勝手のいい有意義な、すばらしい法案だと思っておりますので、まず大事なことは、スタートとして、いかに皆様方にこの法案の意義も含めて周知をして、啓発をしていくことが大事かな、私はそのように思っておりますが、政府としてはどのようにお考えか、御答弁願います。
#43
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地域福利増進事業についてお答えをいたします。
 この事業については、使用権が設定されますと、最長で十年間、権利者の私権が制限されることになりますので、御指摘のとおり、権利者からの申出の機会をまず十分に確保することが必要でございます。
 このため、都道府県知事は、探索が適切に行われたことを確認する、判明している権利者には、事前に通知をした上で、裁定申請があったことを現地に掲示するなどにより公告をいたしまして、裁定申請書等を六カ月間縦覧するという手続を踏むこととしております。
 これらによりましても権利者が判明せず、使用権が設定された後に初めて権利者があらわれた場合につきましては、使用権の存続期間中は当該土地の返還を求めることはできませんが、供託された補償金を受け取ることができるということになりますし、当該期間が終了した後には、返還を求めれば原状回復して返還をするというそういった措置をとるということになると考えております。
#44
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。しっかりと公告も含めて周知徹底をしてくださいますようにお願いをさせていただきます。
 次の質問でございますが、門先生からも地籍調査の件がございました。門先生とは少し違った角度で御質問をさせていただきます。
 地籍調査は、先ほど門先生が言ったように、所有者不明土地の解決の当然これは糸口になり得るという観点から、着実に進めなければいけないものと私も思っております。
 今、いわゆる基礎自治体が全体の地籍調査にかかる費用、おおむね費用は五%程度と私は聞いておりますが、私が市長をさせていただいた大川市の役所の方にこの間お話をさせていただいたら、全体の地籍調査にかかる費用が五%の費用負担であっても、大川市ぐらいに小さい面積の自治体でも、やはり全体で二十五年ぐらいかかってしまう。大川市は恐らく四年ほど前から地籍調査を始めましたので、あと二十一年もかかってしまうということであります。
 この二十年という年月は、やはり私はばかにすることができないのかなと思っていて、いわゆる厳しい自治体であればあるこそ、人口が減りますし高齢化率も高くなっていきますから、当然、この二十年間で新たな所有者不明土地がふえ続けてしまうという懸念があります。ですから、私としては、ぜひこの地籍調査の制度というのを、もっと基礎自治体が使い勝手のいいものにすべきではないかなというふうに思っております。
 この場合の使い勝手のいいということは、当然、基礎自治体が負担する費用が減れば減るほどいいというわけでありますが、自治体の費用負担を減らすお考えがないか、御答弁をお願いいたします。
#45
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地籍調査につきましては、市町村等が調査を実施する場合には、国が五〇%、都道府県が二五%、市町村等が二五%ずつ負担ということが規定されておりますし、それに加えまして、都道府県及び市町村等の負担分の八割は特別交付税が交付されることになっておりますので、都道府県及び市町村等の実質負担割合は、先ほどお話しのありましたように、五%となっております。
 また、もう一つの問題としまして、地籍調査が実施されている市町村等におきまして担当職員の状況でございますが、兼任職員も含めた担当職員が一市町村等当たり約三・三人であるなど、実施体制が十分でないことも進捗を妨げる課題であると認識をしております。
 国土交通省におきましては、毎年予算の確保に努めますとともに、地籍調査の専門家による技術的な助言の実施や、進捗がおくれている地域におきまして、公共団体等が行う地籍調査に先行して、地籍調査に必要な基礎的な情報を国が整備する基本調査の実施、さらには、計画準備や工程管理も含めた地籍調査実施につきましての民間法人に対する委託の導入等によって、地籍調査の促進を図っております。
 引き続き、国土交通省といたしましては、予算の確保に努めるとともに、平成三十二年度から始まる次期の第七次国土調査事業十カ年計画の策定に向けまして、所有者が不明な場合を含めた立会い等の手続の合理化、官民境界情報の迅速な整備方策、新技術による測量の効率化、民間測量成果等の有効活用、災害想定地域等の重点的実施の促進等につきまして検討を進めることによりまして、引き続き公共団体等と連携し、地籍調査の促進を図っていく考えでございます。
#46
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 ぜひ、財政の厳しい自治体が少しでも早く地籍調査が完了するように、これからも連携をお願いをいたします。
 次の質問に移らせていただきますが、次は登記について御質問をさせていただきます。
 先ほども、すぐに所有者が特定できない試算を申し上げましたけれども、今後ふえ続けていくことが予想される所有者不明土地の発生をいかに予防していくかということが、今後大きな課題だろうというふうに私は思っております。
 先ほどもお話があったかもしれませんが、登記がなされないまま世代がどんどん進んでいってしまう。孫やひ孫の代まで登記されないまま進んでいってしまえば、対象者がどんどんふえていってしまって、その結果、何か事業をしようと思っても反対をする方がふえていってしまう。そういった可能性がありますので、そうはならないようには、まずはそのためにも相続登記というのをしっかりと推進する必要があると思いますが、その推進するための施策、何かございましたら、御答弁をお願いいたします。
#47
○筒井政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地問題の拡大を防ぐために相続登記の促進に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、今後の相続未登記の土地の発生を可能な限り防止するための取組として、市町村の窓口で相続登記の促進のための広報用リーフレットを配布することを依頼し、多くの市町村に御協力いただいているほか、平成二十九年五月から、相続人の相続手続の負担を軽減し、相続登記の促進を図るため、法定相続情報証明制度を開始いたしまして、現在まで多くの方に御利用いただいているところでございます。
 また、本年四月から平成三十三年三月三十一日までの期間、既に発生している相続とこれから発生する相続のおそれに対応するために、一定の要件を満たす土地について、相続登記に関する登録免許税を免除する特例が設けられたところでございます。
 さらに、今回の法案におきましては、登記官が、長期間相続登記がされていない土地について、その旨を登記簿に記録するとともに、相続人等の所有権の登記名義人となり得る者に対して登記手続を直接的に促す不動産登記法の特例を設けることとしております。
 さらに、相続登記の義務化の是非や土地所有権の放棄の可否等、登記制度、土地所有権のあり方などにつきましては、本年度中の法制審議会への諮問を目指して、研究会において現在検討を進めているところでございます。
#48
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 私はある学者の方の論文を読ませていただいて、大変おもしろいなと思った部分がございます。それは、なぜ皆さんは登記しないのか。それは、土地に価値がないと判断されているから登記をしないわけで、東京の一等地だったら間違いなく登記をするんだ、そういうことでございます。
 ですから、利用価値がない、土地自体に価値がないと思われる方が今後ますます登記をしない可能性もあるわけでありますが、そういった中で、さまざまな団体から、やはり登記は義務化すべきではないか、そういう声が上がっております。しかも、厳しい意見は、登記をしない場合はしっかりと罰則規定を設けるべきだ、そういった議論もありますが、政府としては、今後、登記の義務化、進めていくお考えがあるかどうか、御答弁をお願いします。
#49
○筒井政府参考人 所有者不明土地が生ずる要因の一つとして相続登記がされないことがありまして、それに対する対応策として、相続登記を義務化すべきであるとの指摘、ただいま御指摘ありましたように、そういった御意見が寄せられているところでございます。
 そこで、法務省におきましては、相続登記の義務化の是非を含む登記制度、土地所有権のあり方について、研究会において検討を進めているところでございます。
 研究会におけるこれまでの検討におきましては、相続登記を義務化することの是非について、仮に義務化をするとした場合には、御指摘がありましたように、過料などの罰則を科すことなど、その実効性をどのように確保するのかという点が重要な課題の一つとされているところであります。
 法務省といたしましては、相続登記の義務化の是非につきまして、相続等が生じた場合に、これを登記に反映させる仕組みのあり方という観点から今後も検討を進めてまいりたいと考えております。
#50
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 もう時間もなくなってまいりましたので次に移らせていただきますが、次に、土地所有権の放棄についてお伺いをさせていただきます。
 私がよく地元でお話を伺うのは、とりわけ高齢者の方々でありますが、いわゆる利用価値の少ない土地、これを本当に維持管理することが大変だ、そういうお話を伺っております。何せ利用価値の少ない土地ですから、高齢者の方々が市役所に行って、この私の土地を放棄したいと言っても全く取り扱っていただけない、そういうことでございます。
 ですから、私が今ここでお伺いをしたいのは、ただいま現状として、土地の所有権の放棄ということができるかどうか、御答弁をお願いいたします。
#51
○筒井政府参考人 お尋ねがありました、不動産の所有権を放棄することができるかどうかにつきましては、現状といたしましては、民法上明文の規定がありませんで、確立した最高裁判所の判例も存在いたしませんことから、一概にお答えすることが困難でございます。
 仮に一般論として放棄が可能と解するといたしましても、放棄を認めますと、一方的に不動産の管理コストや固定資産税の負担を免れ、これらを国の負担とすることになりかねませんため、個別の事案において土地の放棄が認められるか否かについては、当該事案における具体的事情に照らして極めて慎重な検討が求められるものと考えております。
#52
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 時間が本当になくなってきましたので少し飛ばしますが、国交省さんからいただいた資料でありますが、先ほども少しお話しさせていただきましたが、いわゆる地域福利増進事業、本法律が施行をした後に十年間で百件程度を想定しているということでありますが、十年間で百件というのは、私の感覚からすると非常に少ないのではないか、そういうふうに思っておりますが、これは目標をもうちょっとふやすようなお考えはないか、御答弁をお願いいたします。
#53
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地域福利増進事業による利活用の見込みにつきましては、利用が容易に想定されるケースを念頭に市町村に対してアンケートを実施しましたけれども、その実施したアンケートの結果に基づき推計を行ったものでございます。
 利用が容易に想定されるケースとは、例えば、既にその時点において現実に発生しているということでございますが、ごみが不法投棄されているなど適切に管理されていない土地を公園、広場等に整備するとか、特定空き家を代執行で除却した後の空き地を公園、広場等に整備するというふうなそういったケースを念頭にアンケートを行ったものでございますが、それに基づきまして、施行後十年間で百件の利用権の設定を目標としたものでございます。
 地域福利増進事業は全く新しい制度でございますので、周知啓発が重要と考えてございます。今後、委員から御指摘がありましたような民間主体による取組を含めまして、地域福利増進事業が適切に活用されるよう、ガイドライン等を整備するとともに、公共団体とも連携し、周知啓発を図ってまいりまして、地域福利増進事業の利用拡大に努めてまいりたいと考えております。
#54
○鳩山委員 御答弁ありがとうございます。
 最後に、大臣の本法案に対する意気込みを聞こうと思っておりましたけれども、質疑時間が終了してしまいましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#55
○西村委員長 次に、高木陽介君。
#56
○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 久しぶりの国土交通委員会での質問でございますので、よろしくお願いします。
 また、石井大臣が就任してもう間もなく三年になりますが、私も重複して三年間、経産省の副大臣で政府の方に入っておりましたので石井大臣に質問するのは初めてということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 本日は、所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法案の質疑でございますが、これまで三人の自民党の委員の先生方が質問されましたが、かなり重複する部分もございますので、その点は御容赦をいただきたいと思います。
 まずこの問題につきましては、東日本大震災、これが発災しまして、特に高台移転の問題で、これで土地所有の不明者が多いということで大変苦労いたしました。私の先代の赤羽議員が、経産省の副大臣で、原子力災害の現地対策本部長で福島の被災地の担当をしておりました。私も引き続いて三年間やらさせていただいて、その間、特に放射性廃棄物の中間貯蔵の問題で、これもまた不明者が多いということで大変苦労した、そういう経験がございました。
 そういった中で今回この法案の提出となったわけでございますけれども、特にこれが更に拡大していくだろうと。増田委員会では、これも先ほどの自民党の先生方の御質問にも出ておりましたけれども、四百十万ヘクタール、これが所有者不明だ、九州の大きさと同じ、また、今後更にそれが拡大して二〇四〇年に七百二十万ヘクタールで、北海道と同じぐらいになる。
 これだけの土地がある意味でいうと活用されないという形になってしまいますので、今回の法案は、まさにそれをしっかりと対応していこうということでは賛成でもございますし、しっかりと進めていきたいと思います。
 その上で幾つかやはり問題点がございますので、その点について確認をさせていただきますと、これまでも、この所有者不明土地がなぜ起きるか。これはやはり相続の問題です。登記がしっかりされないから、登記していれば不明じゃないわけですから。
 そういった中で、この登記の促進というのはどのようにしていくのか。この根源的な問題というのをやはり問いかけていかないと、場当たり的なことはできたとしても根源的な解決にはつながらないということで、まず、この問題につきまして法務省の見解をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
#57
○筒井政府参考人 御指摘がありました相続登記の促進という課題でございますけれども、法務省といたしましては、今後の相続未登記の土地の発生を可能な限り防止するための取組として、市町村の窓口での広報用リーフレットの配布の依頼でありますとか、それから、平成二十九年五月から開始いたしました法定相続情報証明制度を通じて、相続人の相続手続の負担軽減という取組を進めていくこと。
 そして、本年四月から平成三十三年三月三十一日までの期間、既に発生している相続と、これから発生する相続のそれぞれに対応するため、一定の要件を満たす土地について、相続登記に関する登録免許税を免除する特例が設けられた。
 こういった措置の活用などによって、相続登記の促進に取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、今回の法案におきましては、登記官が、長期間相続登記がされていない土地について、その旨を登記簿に記録するとともに、相続人等の所有権の登記名義人となり得る者に対して登記手続を直接的に促す、不動産登記法の特例を設けることとしております。
 法務省といたしましては、今後の相続未登記の土地の発生の防止に努めるとともに、民事基本法制及び民事法務行政を所管する立場から、所有者不明土地問題の解決に向けて、登記制度、土地所有権のあり方等について、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
#58
○高木(陽)委員 啓蒙活動、これも大切ですし、登免税の問題もインセンティブを働かせる、そういった形でやっていくんですが、先ほど鳩山委員の方からもありました、例えば所有権の放棄ですとか、今すぐに結論はつかない問題かもしれません。しかしながら、やはり根源的な部分を追求していかないと、永遠にこの問題というのは続くのであろうな、こういうことも思いますので、今後の検討を期待したいと思います。
 さらに、個別具体的な問題に入ってまいりますと、例えば、土地の情報の一元化という問題が重要ではないかなと思うんです。御存じのように、不動産登記簿、これは法務局、固定資産税の台帳、これは市町村、あと地籍調査票、これも市町村ということで、保管している主体が違うわけです。
 いろいろ探索をしていく上において、それぞれがやらなければいけない。そういった中での情報をとれるようにはする、見れるようにはする、これはこれでいいと思うんですけれども、やはり、更にそれを促進するための一元化といった考え方、これを図る必要があるのではないかとも考えますが、その点についてはいかがでしょうか。
    〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
#59
○田村政府参考人 お答えいたします。
 所有者不明土地問題の解決を図るためには、登記簿と戸籍簿、各種台帳の連携を図り、不動産登記簿を中心に土地所有者情報を円滑に把握できるようにすることが重要であると認識をしております。
 これらの土地所有者情報に関する各制度は、御指摘のように各省にまたがっておりまして、関係省庁で連携することが必要です。政府一体となって、土地所有者情報を円滑に把握する仕組みについて検討を深めてまいります。
#60
○高木(陽)委員 先ほど、門委員、谷川委員、どちらかだったかな、最後の方に質問していた。死亡届はそれぞれの役所にする。しかしながら、相続登記に関してはまた別の場所になる。そういうことで啓蒙を司法書士会がやっている。門さんでしたね、というようなことを指摘をしておられました。
 まさにこれから探索をしなければいけないという状況下の中にあって、もっと言えば、もともとこういうのをもっと簡便にできるようにしていく、これが一番大切ではないかなと。役所というのは縦割りですから、それぞれが持っている。それを、一番問題なのは、相続をされる方々、今この問題は、探索をする自治体だとかそういうような形になると思うんですけれども、いかにしてそこら辺の情報を共有していくのかということがこれからの大きな課題であろうなということは指摘をさせていただきたいと思います。
 さらに、地籍調査の問題でございますが、私も、議員になってからこの地籍調査のこと、いろいろとレクチャーを受けたりしてまいりました。一生懸命やっているなとは思うんです。思うんですが、現在の進捗率というのは五二%。そういった部分では、この地籍調査の推進を図るため、どのように取り組んでいくのか、これも大変重要な問題だと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
#61
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地籍調査の実施によりまして土地の境界を明確にしておくことは、災害後の迅速な復旧復興、社会資本整備、まちづくり、土地取引の円滑化等に資するものとして大変重要であると認識をしております。
 現在、地籍調査は、平成二十二年に閣議決定されました第六次国土調査事業十カ年計画に基づいて進められております。平成二十九年三月末時点での全国の面積ベースの進捗率は約五二%であります。都市部の進捗率は二四%、林地の進捗率は四五%と低くなっております。
 地籍調査における主な課題といたしましては、土地の境界等を明確にするため、関係する土地所有者全員の立会いによる境界確認などに多大な時間や経費を要しており、特に近年、所有者不明土地の増加がこのような傾向に拍車をかけていること、災害想定地域等の緊急性、重要性が高い地域での調査がおくれていること、地籍調査等の過程で得られた情報の利活用が不十分であることが挙げられます。
 国土交通省といたしましては、平成三十二年度から始まる次期の第七次国土調査事業十カ年計画の策定に向けまして、所有者が不明な場合も含めた立会い等の手続の合理化、官民境界情報の迅速な整備方策、新技術による測量の効率化、民間測量成果等の有効活用、災害想定地域等の優先地域での重点的実施の促進等につきまして検討することにより、引き続き地方公共団体等と連携し、地籍調査の迅速を図ってまいります。
 また、地籍調査等の過程で得られた情報の利活用の促進につきましても検討してまいります。
#62
○高木(陽)委員 十カ年計画、頑張っているなとは思うんです。これも予算と人の問題だと思うんです。これにどれだけかけるか。ただ、どうしても予算ですから、その分、そこにふやした場合にはほかの部局が減るというジレンマがあると思うんです。
 ただ、これってある意味でいうと、インフラ情報というか、本当の基盤の情報、これを整備しなければ、次の手を打つときになかなかできない。地籍調査というのは地味な事業であるので、なかなか光も当たりませんし。
 ただ、ここのところは計画どおりやっていくんですけれども、やはり、今まで六次、そして、これから七次の十カ年計画ということでやりますと、一体何次までかかるんだろうか、こういうような懸念もあるわけです。
 先ほど冒頭にも申し上げました、二〇四〇年を考えると、これが北海道と同じぐらいの不明土地が出てきてしまう。それを更に先手を打ってやっていくためにも、この地籍調査というのが大変重要な役割であろうなというのは誰もがわかっているんだろうけれども、なかなかそこの予算に結びつかないという、ここのところはこうしたらいい、お金をふやせばいいと単純に言いたいんですが、この厳しい財政状況の中でどうするか、又は人をどうするか、これについては、本当に知恵を絞りながらやっていくしかないんだろうなと。
 この地籍調査以外でもそうなんですけれども、国交省、またほかの役所もそうですが、やらなきゃいけないことは山ほどあって、それをどうやってやるのかということをいつも悩んでいて、ただ、こうやって一つの法律案ができたときに、これをきっかけにして更にもう一歩進めていくといった発想を持っていただければな、こういうことを要望しておきたいと思います。
 さらに、この所有者不明土地の問題で、法案によって探索を行っていくわけです。そして特例措置の対象となる。その中でどのような探索を行うかによって、特例措置の対象となる土地に違いが出てきます。条文には相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法による探索としておりますけれども、この政令、どのように定めていくのか。その考え方等を含めてお聞かせ願いたいと思います。
#63
○田村政府参考人 お答えいたします。
 この法案におきましては、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法によりまして探索を行ってもなおその所有者の全部また一部を確知できない一筆の土地を所有者不明土地と定義をしております。
 所有者不明土地と認められるために行うべき探索の具体的な方法につきましては、一つには、登記事項証明書の交付を請求すること、それから、住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の書類に記載された情報の提供を求めること、それから、一定範囲の親族等に照会をすること等を政令におきまして定めることを想定しております。
#64
○高木(陽)委員 そのとおりだと思うんです。まさに、いろいろな探索の仕方でこれが本当にガイドラインをしっかりしておかないと、ここの市ではこれでもう決め打ちしちゃう、一方で、ここはもう少しやっている、そうやって差ができないように、ここのところをしっかりと取り組んでいただければと、このようにも思います。
 続きまして、地域福利増進事業についてお伺いをしたいと思います。
 この地域福利増進事業、都道府県知事が公益性を確認して決めていく、こういう流れなんですけれども、その中で、購買施設、資料には直売所みたいなところが書かれていますけれども、その購買施設、購買施設ですから営利を目的としたものも含まれると思います。
 公益性と利潤追求というこういった問題、ここが一応ぶつかる部分もあるかなと思うんですけれども、公益性を認めて地域福利増進事業として新たに定めた理由についてお伺いをしたいと思います。
#65
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地域福利増進事業では、周辺地域で同種の施設が著しく不足している購買施設等を整備する事業を対象としております。
 これは、住民等が必要な物品を購入することができる施設が当該地域内に著しく不足している場合には、このような施設を整備することが地域住民の共同の福祉又は利便の増進に資するものであるためということを考え合わせたものでございます。
#66
○高木(陽)委員 この「著しく不足している」、これはなかなか難しい概念なんですよ。
 例えば、一つの集落におきましていろいろなお店がある、余りないところもあるんですけれども。そういったときに、では、そういう直売所、購買施設をつくって、地域住民にはプラスになるねと。一方で、例えばスーパーですとかそういったものはすごく便利なんでしょうけれども、単品で売っている商店なんかもあるわけです。そういったときに、多くの住民は便利だなと思うんですけれども、そこの地域で商売をしている方々に影響も与えかねない部分も出てくるのかな、こんなことも考えられると思うんです。
 その上で、「その周辺の地域において当該施設と同種の施設が著しく不足している区域」とありますけれども、「周辺地域」って、なかなかエリアを指定するって難しいんですよ。
 買物するときのエリアって、いろいろと商圏という考え方があるんですけれども、それはそれである中で、例えば私も今多摩地域に住んでおりまして、郊外型の地域ですから、そうなりますと、いろいろなお店がある中で、結局車で行くというパターンが多いんです。都心の場合には歩いていく。又は、かなり地方都市において、地方の市町村、過疎地域においても、車を使う場合の周辺地域と歩いていく場合の周辺地域って結構ありまして、そこら辺のところの基準、「著しく不足している」、こういう基準ってどういう考え方なのかなというのをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#67
○田村政府参考人 お答えいたします。
 地域福利増進事業では、周辺地域で同種の施設が著しく不足している購買施設、教養文化施設等を整備する事業を対象としております。
 「地域」の具体的な範囲につきましては、基本方針や本法の運用に係りますガイドライン等におきまして、整備される施設の種類に応じまして「地域」の範囲の考え方を示すことを考えております。
 具体的な判断は、整備される施設の種類、規模、地理的条件等に応じて、裁定の申請を受けた都道府県知事が、関係市町村長の意見を聴取した上で個別に行うこととなります。
 このため、例えば、日用品の購買施設であれば小学校の学区程度、耐久消費財等の買い回り品の購買施設であれば市町村の区域程度となる場合もあるものと考えております。
 また、「著しく不足している」の基準につきましては、基本方針や本法の運用に係るガイドライン等におきまして、原則として、その地域の中に整備しようとする施設と同質の施設が存在しないことを定めることを考えております。
#68
○高木(陽)委員 いずれにしても、そんな数は多くないと思うんです、この法律に基づいて特定福利増進事業というのが指定されるのは。
 ただ、やはりこの不明土地の問題というのを解決するために、これを利活用ということで更に促進していくと、将来的にはこういう問題ってどんどん出てくるんだろうなと。そのときに、先ほどちらっと申し上げました、多くの住民にとってみれば便利だねというものが、逆にそれによって自分の事業が厳しくなるというのもあって、往々にして反対がある。
 こういったところの関係性というものも、余りトラブルをつくらないように、だからまさに市町村長の意見も聞くということもありますし、ただ、この市町村長が本当にその住民の意向というのを把握しているかというこういった問題もあるので、ここら辺のところのガイドラインの表現の仕方、又はその後の取り組み方、これを丁寧にやっていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、続いて裁定の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 これも先ほど自民党の先生方からも質問も出ましたけれども、土地収用法、独立性を有する収用委員会が裁決を行ってまいりました。今回の場合には、都道府県知事が裁定する。ある意味でいうと第三者委員会ではないのではないか、こういった指摘もある中で、この点について、都道府県知事が裁定する理由について伺いたいと思います。
#69
○田村政府参考人 お答えいたします。
 収用委員会は、土地収用法上、収用しようとする土地について適切な補償内容を判断することとされています。このため、専門的知見や高度な中立性、公平性を有する機関として都道府県知事のもとに置かれているものです。
 新制度は、簡易なものを除き建築物が存在せず、現に利用されていない土地に限って対象とするものであることから、個別性の強い建築物の補償や移転料、営業補償の算定は不要となります。また、補償金額等につきまして明示的な反対者がいないことを公告縦覧により確認することから、意見聴取手続も不要となります。
 このため、収用委員会並みの補償算定に関する専門的知見や高度な中立性、公平性は不要であると考えられます。
 他方、収用委員会は七名の合議体であり、日程調整等に時間を要するなど、機動的な対応が難しい面があります。また、多くの事案を抱えているケースもあります。
 そこで、本法案では、適切な事務配分の観点も踏まえ、都道府県知事が裁定をすることとしております。
 これは、収用委員会の事務局も置かれており、都道府県が土地の評価など簡易な補償額の算定を行う能力を十分に有するという判断に基づくものでございます。
#70
○高木(陽)委員 能力とスピード感、そういった部分での都道府県知事のこの裁定ということ、それはそれで理解をさせていただきます。
 その上で、これも先ほどの質疑でも指摘をされました。事業を実施する主体、これは公的な部分がなると思うんですが、市町村の場合にはいいんですけれども、都道府県がなる場合もある。そういったときの、都道府県知事がその主体となった、県がですね、その上でそれが裁定する、ここら辺のところの矛盾ということも指摘をされかねないといったことについてお伺いをしたいと思います。
#71
○田村政府参考人 お答えいたします。
 新制度は、簡易なものを除き建築物が存在せず、現に利用されていない土地に限って対象とするものであるため、収用委員会並みの補償算定に関する高度な専門的知見は不要であることから、土地の評価など簡易な補償額の算定を行う能力を有する都道府県知事に裁定の事務を担っていただくこととしております。
 御指摘のような、都道府県知事が事業を実施する場合につきましては、直接事業を担当する部局とは別の部局が裁定を担当することを、基本方針や本法にかかわるガイドラインにおいて定めることといたします。
 また、本法におきましては、都道府県知事は、裁定に当たりまして、あらかじめ補償金額につきまして収用委員会の意見を聞くこととしております。
 これらによりまして一定の中立性が担保されるものと考えております。
#72
○高木(陽)委員 部局が違うということで、まさに縦割りの行政だとそれが可能なんだろうなというふうに思う反面、お手盛りと言われないように、もっと言いますと、今、行政の透明化、見える化、そういうのが必要な中で、こういった一つ一つの、裁定を含めて事業については、ある意味でお手盛りと言われないような、そういったことが大変重要であろうな、そのようにも考えておりますので、その点も留意しながらよろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後になりましたので大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほど冒頭で法務省の方にも伺いました。根源的に解決しなければいけないのではないかな、こういった意見も申し上げましたが、この法案というのは喫緊の対応として期待はできますけれども、今後、相続機会がふえる中で所有者不明土地も増加すると思われますし、そういうふうに指摘もされています。根本的な解決に向けた取組が必要だ。これは、必要だというか、必要なんです。
 所有者不明土地の発生を抑制し解消するためにどのように取り組むか。また、所有者への適切な利活用、管理を行う責務を所有者に課していく、又は所有権を手放すこと、先ほどもちょっと指摘をさせていただきましたが、こういう仕組みづくりをどう考えるか。
 増田委員会でも、所有者不明土地を増加させない社会ということでさまざまな問題提起をされました。これが今後大きな課題になっていくだろうなと思いますので、大臣の御所見をお伺いできればと思います。
#73
○石井国務大臣 所有者不明土地の発生抑制や解消に向けました抜本的な対策につきましては、登記制度や土地所有のあり方等と深く関連するため、政府一体となって検討することが必要であります。
 このため政府におきましても、所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議を開催をいたしまして、その中で、「土地所有権や登記制度の在り方など財産権の基本的な在り方に立ち返って、土地に関する基本制度についての根本的な検討を行う」こととしているところであります。
 国土交通省といたしましても、登記制度を所管する法務省など関係省と連携をしつつ、引き続き、土地所有者の責務のあり方や所有者が土地を手放すための仕組み等、土地所有に関する基本制度の見直しにつきまして検討を深めてまいりたいと考えております。
#74
○高木(陽)委員 しっかりとやっていただきたいと思うんですが、先ほど法務省の答弁の中に、これは鳩山先生の質問の最後のときに述べられていた、例えば放棄した場合の固定資産税はどうなるのかだとか、そういった問題というのは現実論としてあると思います。まさに、そんな簡単に解決する問題ではないなと。
 日本の場合には、土地神話というか、土地に対するかなりの、執着と言ったらいけないんでしょうけれども、そういった考え方があります。その所有権についてどうしていくのか。
 ただ、これは本当に、二〇四〇年、増田委員会が指摘した、北海道ぐらいの面積の土地がそうやってわからなくなっていくということは大変大きな問題ですし、それを解決するためにも、今回はこの法案でまず第一歩を踏み出しますけれども、その次に、抜本的な問題、これをしっかりと検討するだけではなくて、最終結論を出していただきたいということを要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#75
○西村委員長 次回は、来る二十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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