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2018/04/24 第196回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第12号
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2018/04/24 第196回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第196回国会 厚生労働委員会 第12号

#1
第196回国会 厚生労働委員会 第12号
平成三十年四月二十四日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 高鳥 修一君
   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君
   理事 渡辺 孝一君 理事 桝屋 敬悟君
      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君
      穴見 陽一君    安藤 高夫君
      井野 俊郎君    大岡 敏孝君
      木村 哲也君    木村 弥生君
      国光あやの君    小泉進次郎君
      小林 鷹之君    後藤田正純君
      佐藤 明男君    塩崎 恭久君
      繁本  護君    白須賀貴樹君
      田畑 裕明君    高橋ひなこ君
      長尾  敬君    船橋 利実君
      三ッ林裕巳君    山田 美樹君
      伊佐 進一君    中野 洋昌君
      浦野 靖人君
    …………………………………
   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君
   参考人
   (早稲田大学大学院法学研究科長)         菊池 馨実君
   参考人
   (高知市健康福祉部長)  村岡  晃君
   参考人
   (大阪市長)       吉村 洋文君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  足立 康史君     浦野 靖人君
同日
 辞任         補欠選任
  浦野 靖人君     足立 康史君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
 生活保護法等の一部を改正する法律案(池田真紀君外九名提出、衆法第九号)
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 内閣提出、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案及び池田真紀君外九名提出、生活保護法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、早稲田大学大学院法学研究科長菊池馨実君、高知市健康福祉部長村岡晃君、大阪市長吉村洋文君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただきまして、審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分程度でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず菊池参考人にお願いいたします。
#3
○菊池参考人 早稲田大学の菊池でございます。
 私は、社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会委員として、今般の法案のもとになった審議会での議論を踏まえ、生活困窮者自立支援法を中心に、若干の意見を述べさせていただきます。
 生活困窮者自立支援法は、平成二十五年、増加する生活困窮者に対し、生活保護受給に至るまでの段階で早期に支援することにより困窮状態からの脱却を図ることを狙いとして成立いたしました。相談支援を事業化し、いわゆるソーシャルワークを法的に位置づけたことが重要であります。こうした仕組みは、以下述べますように、日本の社会保障制度の歴史的展開過程の延長線上に位置づけられるものであります。
 一九四二年にイギリスで発表され、イギリスのみならず日本の社会保障制度の発展にも影響を与えたいわゆるベバリッジ報告書によれば、社会保障という用語は、失業、疾病若しくは災害によって収入が中断された場合にこれにかわるための、また老齢による退職や本人以外の者の死亡による扶養の喪失に備えるための、更にまた出生及び結婚などに関連する特別の出費を賄うための、所得の保障と捉えられました。伝統的に社会保障は、一つには困窮の原因となるべき一定の社会的事故ないし要保障事由の発生に際してなされる、二つ目に所得の保障ないし経済保障を中核として捉えられてきたわけであります。
 その後の発展過程において、社会保障の捉え方も変化し、予防、治療、リハビリテーションから成る一連の過程を捉えた医療保障の理念が一般化しております。また、所得水準にかかわりなく、生活上のハンディキャップに対し、所得水準にかかわらず普遍的なサービスを提供する社会福祉の概念も一般的となってございます。ただし、現在でも医療や社会福祉サービスと費用負担の問題とを切り離すことはできませんし、社会的事故あるいは要保障事由の発現を契機とする社会保障という捉え方は、現在でも基本的に維持されております。
 こうした社会保障の伝統的な理解に対して、その限界が明らかになってまいりました。
 第一に、要保障事由の発生に際しての公的給付という社会保障の捉え方の限界が明らかになっております。こうした事故ないしリスクに着目した捉え方は、貧困や生活困窮をもたらし得るリスクの発生という、いわばマイナスの事態に対する保障という側面に着目した捉え方であります。しかし、こうした捉え方では、人々の発達や成長に向けた支援、サポートといった積極的な意味での保障を規範的に支える論理となりがたいわけです。しかし、今日的に求められているのは、貧困に陥らないという意味でのセーフティーネットの確保にとどまらず、人々が能動的かつ主体的に生きていくための積極的な公的、社会的支援でもあると思われるわけです。
 第二に、所得保障やサービス保障といった従来の社会保障の保障方法の限界も明らかになってきております。こうしたいわば実体的な社会保障の捉え方は、所得再分配を通じた経済的貧困への対応や、医療、介護などのニーズへの対応を念頭に置くものでありますが、こうした物質的なニーズの充足では対応できないいわゆる社会的排除に対処する必要性を十分に説明することができないわけであります。
 これに対して、最近では、社会的排除に対する社会的包摂が重要であることが広く認識されるに至っております。こうした社会的包摂策により、稼働能力がある場合には、最終的に雇用労働につくことを通じて、生計の維持とともに自己実現を図るための基盤を確保することが可能となってまいります。また、雇用労働に至らなくとも、中間的就労などを含む社会的活動を通じて社会とのつながりを確保し、社会の一員であることの自尊の感覚を持つことが可能となってまいります。
 このように、社会保障を年金や手当などの所得保障や医療、介護などのサービス保障といった実体的な給付、いわば所得再分配的な二十世紀型社会保障で捉え切ることの不十分性が明らかになってまいりました。すなわち、定型的な要保障事由の発生に際しての国の所得再分配機構を通じての物質的な給付だけでは、さまざまな生活上の困難を抱えた個々人の自立に向けた積極的な支援とは必ずしもなり得ないわけであります。そこで、個別的かつ包括的な福祉的相談支援の重要性が認められるに至ったわけです。
 こうした相談支援を、金銭やサービスなどの従来型の社会保障給付と有機的に関連づけて、あるいはそれ自体、単体として本格的に展開していくことが、二十一世紀福祉社会の目指すべき方向性であると考えられます。
 生活困窮者自立支援法による相談支援は、従来の社会保障制度の所得再分配メカニズムを通じて、経済的貧困への対応が一定程度図られた後、そうした国家レベルでの対応の網の目からこぼれ落ちた人々の困窮に対し、地方レベルで、個々人のニーズに合わせてオーダーメードで支援していくための画期的な仕組みとして評価でき、それは戦後日本の社会保障の歴史的到達点と位置づけられるものであります。
 今回改正は、生活困窮者の自立支援という観点から相当の前進を図るものと評価できるものと考えております。
 まず、基本理念、定義の明確化が図られました。
 注目されるのは、第一に、法三条の定義規定において、「生活困窮者」を、従来の「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」という文言の前に、「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、」という文言を置いたことであります。
 依然として経済的困窮が前提ではありますが、それをもたらす要因と関連づけることにより、法解釈上、経済的困窮の度合いが相対化される余地を生じたと言えます。問題の背景事情を踏まえた早期の予防的な支援も法の枠組みの中で行いやすくなると考えられ、このことは、生活困窮が経済的困窮との関連でのみ捉えられるものではないという社会的排除の本来的な捉え方からは一歩前進と評価することができます。
 第二に、基本理念をうたう新設の二条二項で、生活困窮者に対する自立の支援は、地域における関係機関及び民間団体との緊密な連携その他必要な支援体制の整備に配慮して行わなければならないと規定した点であります。必ずしも文言上は明確ではありませんが、この点は、生活困窮者への自立の支援と並んで、この法律のもう一つの狙いである地域づくりを法文化したものであるということを強調したいと思います。
 次に、生活保護法との連携が図られた点も重要であります。審議会でも、生活保護に至る手前で困窮者制度が支援を行い、支え切れない場合は生活保護を受給するという従来のイメージではなく、生活困窮者支援制度から生活保護受給につながった後、生活保護受給により生活を整えて、保護から脱却する場合もしばらくの間生活困窮者支援による支援をするなど、切れ目のない一体的な支援の必要性が強く主張されております。
 今回改正でも、生活保護法八十一条の三、自立支援法二十三条に情報提供、助言等に係る連携規定を置いてございます。
 生活保護受給に陥るのを食いとめ、その前の段階で早期に支援することにより、困窮状態からの脱却を図るだけでなく、生活保護との連携による一体的な支援という方向性を打ち出すことにより、実施主体である自治体の取組がより一層促進されることが期待されるわけであります。
 このほかの改正事項を含め、審議会での各委員の建設的かつ熱い議論を前向きに受けとめた上での相談支援の包括的基本法に向けた一歩として、今回の改正法案を積極的に支持したいと考えてございます。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
#4
○高鳥委員長 ありがとうございました。
 次に、村岡参考人にお願いいたします。
#5
○村岡参考人 高知市の村岡でございます。よろしくお願いをいたします。
 自治体の立場から、改正法案に賛成の立場で意見を申し上げます。
 自治体の現場におきましては、制度を利用する方々は、家族、地域との関係など、人や社会とのつながりが薄く、社会的に孤立をしていること、就労、収入の問題に加え、御自身や御家族の健康上の問題、住まいなど、複合的課題を抱えていることがわかっております。
 改正案の重要な点として、生活困窮者自立支援法において、先ほど菊池参考人からも御意見がございましたが、基本理念を定め、生活困窮者の尊厳の保持や包括的、早期的支援の必要性、関係機関の連携など、支援を通じた地域づくりという考え方が盛り込まれていることがあります。
 また、困窮者の定義では、経済的な困窮に限らず、その背景に就労、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情が追加をされ、より幅広く対象者を捉え、社会全体として支援をしていくことの重要性を明確にしたことが重要なポイントです。
 これによりまして関係機関や団体などが理念や定義を共有することで、行政はもとより幅広い分野の社会資源がかかわり、複合的な課題を包括的に受けとめる体制を構築することができ、課題の重症化を防ぎ、早期の自立支援につながるものと考えています。
 また、生活保護と困窮制度が一体となった取組を強化していく点では、保護制度において、経済的に自立し保護廃止となったとしても、生活改善や社会的自立の支援が必要な方は再び困窮状態になり、再申請を繰り返すケースも少なからずあります。こういった状況を踏まえれば、真に自立を助長する保護制度の目的を達成するためにも重要と考えています。
 この点でも、経済的な自立だけではなく、日常生活や社会的な自立を含めた包括的な支援を行っていく仕組みとして意義があり、早期の法案成立を望むものです。
 次に、改正の具体的な効果について、まず一点目として、生活困窮者自立支援制度、任意事業の一体的実施により、自治体の事業参加率の向上が期待をできることです。
 法が施行して三年がたちましたが、対象自治体の就労準備や家計相談の実施率は五〇%弱で、こうした状況を改善をする必要があります。特に、生活困窮者の課題は家計と就労に関するものが多く、今回、自立相談支援と家計改善と就労準備支援事業を一体的に実施をすれば、補助率が上がることなどインセンティブが与えられ、実施自治体の増加につながるものと考えています。
 また、今回の改正では、都道府県の役割を明確にすることも重要なポイントです。
 福祉事務所設置自治体だけではなく、都道府県が事業を実施をしたり、管内市町村に対する支援を主体的に行うことにもつながることから、地域における事業実施のばらつきも改善をされるものと期待をしています。全国どの地域でも支援を受けられるよう、多くの自治体が事業を実施する必要がありますので、法改正の意義は大きいものと考えています。
 また、自治体によっては、受皿となる社会資源が少なかったり、人材の確保が難しいという課題もあります。
 人材の育成、社会資源の開発や管内での事業実施を広域化をするために、都道府県がこの事業に主体的に関与していくこと、また、国がその財政的支援をしていくという仕組みが重要ですので、積極的に進めていただきたいと思います。
 二点目は、子供の学習支援事業の強化と居住支援において、支援の質を高め、生活支援や日常生活における支援の充実を図っていこうとすることについてです。
 学歴が就労先や雇用形態に大きく影響し、所得格差が生まれることが明らかになっており、いわゆる貧困の連鎖を断ち切ることは日本における喫緊の課題となっています。
 本市では、こうした子供たちへの学習支援として、平成二十三年より教育委員会と福祉事務所が連携をし、高知チャレンジ塾を開始をいたしました。運営は教員OBが母体となったNPO法人に委託をし、大学生や地域の方などボランティアの協力も得て、個々の状況に応じた寄り添い型支援を行っています。
 困窮世帯の子供の多くに、世帯の生活習慣に大きな課題があり、昼夜逆転の生活をしている、食事も十分とれていない状況があることや、知的障害や発達障害などにより、学習以前の問題で学校に行けない、なじめない、友人や教職員とのコミュニケーションも十分にとれないなどの傾向も見られています。
 そうした子供たちに対し、ケースワーカーを始め、就学促進員や学校関係者、児童相談所の職員など、関係者がチームを組んで支援を行っていますが、チャレンジ塾は、学校や家庭、地域でも孤立しがちな子供たちの居場所としての大きな役割も果たしています。
 改正案では、進学促進に加え、中退防止のためのきめ細やかなフォローの体制の必要性や、生活習慣、育成環境の改善として、学校や家庭以外の居場所づくりや、小学生など就学前後の児童を持つ親に対する養育支援の必要性も盛り込まれているところであり、よりきめ細やかな支援が期待をされるところです。
 また、居住支援の強化では、住居を確保したとしても、利用者自身が日常生活や社会的自立ができないままであることが起因をし、家賃の滞納を再発する方や失踪するケースなどもありますので、住居確保後も一定期間、訪問、見守りの支援を強化していく取組は評価をできるものです。
 三点目として、今回の改正案では、大学等への進学において、進学準備給付金制度が創設をされ、新生活の立ち上げ費用として一時金が給付されるとともに、住宅扶助の減額がなくなり、保護制度において初めて、子供の大学等への進学支援の仕組みが構築されることにあります。
 貧困の連鎖防止、学歴によってその子供の将来に所得格差を生じさせない施策として、一歩前進したものと評価をしています。ただ、まだまだ課題はありますので、生活保護に限らず、子供の学習支援については今後も充実をしていただきますようお願いをいたします。
 四点目は、生活習慣病の予防などの取組の強化、医療扶助の適正化についてです。
 生活困窮者の方の健康状態として、ぎりぎりの生活によって医療機関での受診や治療ができず、生活保護になった時点で多数の健康上の問題を抱えている方がおり、適正な受診、治療を行うことが自立に向かうための重要な要素となっています。
 健康管理支援事業では、医学的な見地でデータを分析し、重症化を防ぐことや、病気の予防をするための必要な助言ができるという点で効果が大きく、予防的福祉の推進に資するものと考えています。
 一方で、病気が一旦治癒したとしても、保護受給者には、生活習慣の改善、特に健康な食生活を送ることについて十分留意できない方もおり、病気を再発するケースも見受けられるところです。
 生活改善の指導助言には、医療や栄養に関する専門知識、生活に密着をした伴走型支援が必要となることから、ケースワーカーが不足する中で、効率的かつ効果的な支援の方法や体制の構築については、今後更に検討していただきたいと考えています。
 また、ジェネリックの使用促進では、全国的にもその伸びは鈍化傾向です。医療扶助費が増加する中で、ジェネリックの使用原則化は、さらなる取組を進めていくために有効な選択肢と考えます。ただ、実施に当たっては、医師等がその使用を可能と認めていることや、薬局の在庫不足など、すぐに必要な薬剤の取り寄せができないなどの問題がないことなど、必要な条件を満たすことに配慮すべきと考えています。
 最後に、いわゆる法六十三条の資力がある場合の返還金について、保護費との調整が可能になることがあります。現状においては、振り込みの手間や納入を忘れたりすることで返還金回収の漏れが生じるなど、生活保護受給者と福祉事務所の双方に負担が生じています。
 今回、生活に支障が生じないよう配慮した上で、本人の同意が必要ですが保護費との調整ができるようになり、手間の解消と保護費の債権管理が適正になされることは、生活保護制度への信頼性を高める点でも有用と考えます。
 以上、今回の法改正には、生活困窮や社会的孤立に陥っている、陥る可能性のある方々に対し、早期に包括的、伴走型支援を行うことで、社会とのかかわりを持ち自立を助長する、今後の地域共生社会の実現にも資する重要なものとして、速やかな成立を求めるという意見を述べさせていただきまして、参考人の意見陳述といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#6
○高鳥委員長 ありがとうございました。
 次に、吉村参考人にお願いいたします。
#7
○吉村参考人 大阪市長の吉村です。
 本日は、こういった機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 大阪市は、全国の自治体の中で生活保護者の数が圧倒的に多いという現状でありまして、そして保護の比率も圧倒的に高いという現状であります。いわば生活保護における諸課題も山積しておりまして、それに先進的に取り組んでいるという、ある意味、生活保護に関しては最先端を行っているエリアだというふうに私は思っています。
 そんな中で、生活保護に関する、生活困窮者等の自立支援のための一部法改正、生活保護関連法案と呼ばさせていただきますけれども、この審議の参考人にお呼びいただいたことについては、まず感謝申し上げたいと思います。
 一方で、国民にとってこれだけ重要な法案にもかかわらず、この場において維新以外の野党の皆さんがいらっしゃらないということは非常に残念に思いますし、異議を申し立てたいというふうに思います。
 まさに、今、国民の立場で見ていますと、国会において、あるいは政府において、さまざまな不祥事が生じ、その不祥事を責任追及するというのは、それは大切なことだと思いますけれども、一方で、こういった重要な法案審議は別の話だというふうに思っています。
 この法案審議において出席されないというのは、僕は職務放棄だというふうに思っている。そして、まさに私自身は、この法案審議を深めたいという思いで、さまざま大阪市役所の業務もある中、大阪市から参っているわけであります。私が参考人として参っているのに、何で国会議員の皆さんがいないんですか。おかしいじゃないですか。こんなことを許しているということ自体が僕は許されないというふうに思います。
 国会は、憲法四十一条でこう書いてあります。国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関であると書いてある。つまり、法案の審議をできるのは、まさに国会議員の皆さんしかいないわけであります。ですので、この場にいないということが非常に残念だということをまず申し上げたいと思います。
 まず、大阪市の現状ですけれども、実態ですが、生活保護の受給世帯は、現在、十一万五千世帯の方が生活保護で、全国最多であります。次に多いのが、二番目、三番目が札幌市や横浜市でありますが、では、どのぐらい数がいるのといえば、大体五万ちょっとぐらいです。つまり、二番手、三番手である札幌市や横浜市の倍ぐらいの数が大阪市の生活保護の受給世帯になっているという状況です。
 それから、保護率ですけれども、全国では大体一・六七%ですが、大阪市における保護率は五・二%という形になっています。生活保護における大阪市の当初予算ですけれども、二千八百二十三億円、これは大阪市の一般会計に占めます一五・九%、約一六%を占めるという状況です。
 これについて、やはり看過できないということで、さまざまな課題に取り組んでまいりました。大阪市において、平成三年ぐらいから数えても二十年間以上ずっと、生活保護は右肩上がりの状態でした。そういった中で、平成二十三年度から前橋下市長、そして私の時代において生活保護に取り組んできたわけであります。生活保護制度を考える上でやはり重要なのは、制度に対する国民の信頼だと思います。
 これから少子高齢化を迎える中で、国民の皆さんに負担を求めていかなければなりません。これは国会の皆さんの役割でも僕は思っています。自治体の役割でも思っていますが。いいことばかり言っている時代ではなくなるわけです。負担を求めていかなきゃいけない。
 そして、生活保護においては、全て税で賄われているというような状況ですから、そういった中で生活保護制度そのものの制度の信用を守ること、厳格に運用を図って国民の皆さんの信用を図るということが、本当に生活保護を必要とする方を守ることにつながるんだろうというふうに思っています。そういった観点が政策の背骨になる理念として今進めているわけであります。
 特に、就労の自立支援、それから不正受給対策、医療費の適正化の取組について強化してまいりました。その強化することで、二十年以上増加してきました右肩上がりの生活保護については、ここ六年間は、常に減少しているという状況にあります。こういった取組を進めてくる中で、さまざまな課題も明らかになってきています。
 今回の制度改正案についてですけれども、大学への進学する際の準備金の支給であったり、あるいは就労インセンティブの強化、ジェネリックの原則の義務化、それから法六十三条返還金の保護費との調整が可能になる、さまざまありますが、これは生活保護の適正化に向けた方向性としては感謝申し上げたい、一定評価する部分だというふうに認識しています。
 ただ、加えまして、これだけではやはり抜本的な解決にはならないと思っています。特に申し上げたいのは、医療費の一部自己負担、これをぜひ実現していただきたいと思っています。それから、あわせて、不正受給に対する監督権限の強化、これをぜひやっていただきたいと思っています。
 まず、一点目の医療扶助ですけれども、これは実は国民の皆さんのほとんどは知らないと思うんですが、生活保護費の約半分を占める、これが医療扶助になっています。これから医療の高度化とかあるいは高齢者の皆さんがふえていく中で、これは更にふえる。今、完全に無料になっていますから、全く負担することがない。つまり、負担の感覚がないというのが今の生活保護の実態であります。
 では、どういうことが起きるのかというと、これは窓口において自己負担がありませんから、総医療費についての認識というのが持たれない。そして、それが頻回受診であったり重複処方につながってくる、これが一つの大きな課題であります。
 これに対して大阪市においては、レセプトの点検強化、分析、これを徹底的に行っています。頻回受診であったり重複処方、それに対応する指導、それからジェネリック医薬品についての使用促進というのは、先進的にもう既に取り組んでいるところであります。
 ただ、それでもなかなか、全体の生活保護を考えますと、適正化には至らない。その適正化に至る抜本的な解決には、医療費の一部自己負担が必要だというふうに思っています。
 それから、不正受給対策についてですけれども、これも先ほど申し上げました、いわゆる生活保護制度そのものの信用性に対するものとして非常に重要だというふうに思っています。しかしながら、一方で、生活保護受給者とかあるいはその扶養義務者に対する調査権限、指導権限が自治体にとって不十分だという状況であります。
 大阪市においては、平成二十四年から、大阪市は二十四区、行政区があるんですけれども、二十四行政区の全てに生活保護の不正受給調査の専任チームを置いて、警察のOBであったり専任官というのを全二十四区に置くというのを、橋下市長時代、そして僕の時代で続けていっています。それによって不正受給への対応を実施しているというところであります。
 そんな中で、この六年間に限っては、二十年以上伸びてきた生活保護費も、この六年間に限っては減っているという状況でありますが、ただ、調査についてはなかなか限界がある。平成二十五年の法改正で、二十九条調査によって官公庁の回答というのは義務化はされましたけれども、一方で、民間事業者に対する回答の義務化というのが認められていないという現状であります。ぜひこれを実現いただきたいというふうに思っています。
 それから、生活保護のいわゆる生活扶助についてですけれども、これは現物支給であったり、あるいはプリペイドカード方式でできないのかという問題意識があります。
 これは法三十一条において自由意思に任せるというのが原則ですから、なかなか難しいところではありますが、ただ、大阪市においては、これを先進的にまず実施しました。平成二十五年以降、いわゆる自由意思ですから同意いただいた方に限ってですけれども、プリペイドカード方式というのを実施した。そうすると、やはりさまざまな、いわゆるパチンコとかギャンブルに使うんじゃないかとか、そういった懸念は払拭されますし、そして、家計の管理というのもしっかりできるようになる、指導もできるようになるということで導入しましたが、結果、ただ、あくまでもこれは自由だということで、なかなか賛同してもらうのも難しくなりまして、今はできていないという状況であります。これもぜひ実施していただきたいと思います。
 生活保護においては、国民の信頼を守るために、そのために、やはり厳格に運用することが大事だと思っています。それによって本当に支援を必要とする人をしっかり支えていくということが、本当の意味での支援を必要とする人の支えになるというふうに思っていますので、ぜひ深い議論をしていただきたいというふうに思います。
 以上です。(拍手)
#8
○高鳥委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○高鳥委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山田美樹君。
#10
○山田(美)委員 自由民主党の山田美樹でございます。質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。
 そして、今、三人の参考人の方々から貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。
 短い時間ですので、早速質問に移らせていただきます。
 菊池参考人からは、現在のさまざまな社会的な問題の中には、従来型の経済的給付や医療、介護のサービス給付だけでは解決できないものがあるということ、そして、生活困窮者自立支援制度は、従来の社会保障の概念を変える二十一世紀型の福祉であるというお話を伺いました。非常に明快に学問的、体系的な御説明をいただきましたので、生活困窮者自立支援制度や今回の法改正の意義について、大変共感をいたしました。
 私自身も、日ごろから地元の方々とお話をさせていただく中で、まさに生活困窮者自立支援制度のような寄り添い型、オーダーメードの相談支援を行う福祉制度に対する期待が大変大きいということを実感しておりますが、引きこもりやホームレスなどで見られる地域社会からの孤立の状態や経済的困窮などの問題は、全国的な課題ではありますが、地域によって実態や対応策も異なるのではないかと考えております。
 本日は、大阪市と高知市から参考人として御出席をいただいておりますので、それぞれの地域において、生活困窮者を取り巻く状況をどのように御認識されていらっしゃるのか、また、地域社会からの孤立の問題や経済的困窮に対応するために、自治体独自でどのような工夫をなされているのか、実情を教えていただけないでしょうか。自治体の立場からの御意見を、村岡参考人と吉村参考人にお伺いいたします。
#11
○村岡参考人 自治体独自の取組ということでお尋ねをいただきました。
 高知市では、平成二十五年十一月に、国のモデル事業で生活困窮者自立支援の取組を開始をしています。その際に、特に高知県は少子高齢化が全県的に進行しておりまして、高知市はそれほどではございませんが、高知県、県下の高齢化という問題が非常に大きな現状でございます。
 そうした中で、生活困窮者の自立支援につきましては、やはり地域づくりということを一つはきちんと据えておかなくてはならないというふうに考えまして、地域づくりのためには、それまで取り組んでおりました本市における地域福祉の取組と一体的に進めていくということで、社協と一体的に進める必要性があるということで、高知市の社会福祉協議会と生活支援相談センターの事務所を同じフロアに置きまして、社協の方の日常生活自立支援や、例えば社会福祉資金の貸付事業と連携をとりながら進めていくということで開始をしたところです。
 あわせて、二点目といたしまして、運営主体として、行政だけではなかなかこれはできないだろうということで、社会福祉協議会と連携をしながら、さらに、就労支援の必要性も考えまして、ハローワークとそれからこうち若者サポートステーションの四者で、少し全国的には形態としては珍しいんですが、運営協議会方式で事業を開始をしたところです。
 運営協議会で運営をすることによって、今回の法律改正の中でも関係者間の連携というところが言われておりますけれども、そうした連携につながって、現在は、こうちセーフティネット連絡会ということで、さまざまな支援を受けながら取組を進めているというところでございます。
 それと、三点目としては、窓口におきまして三つの原則というのを設けました。総合相談として相談を断らない、そして支援を諦めない、解決につながるまで投げ出さないということで、今日的に言われております、いわゆる断らない相談、断らない福祉ということを、全国的には先駆けて取り組めたのかなと思っています。
 まだまだ、自立相談の取組等が不十分なところはございますけれども、地域特性を踏まえた取組を進めていきたいというふうに考えております。
#12
○吉村参考人 まず、大阪市の現状ですけれども、都市化、成熟の度合いがもともと早かったということで、高齢化というのが非常に進んでおります。先ほど生活保護の世帯が少なくなったと申し上げましたけれども、これは、全体としてはこの六年間で減ってきましたが、いわゆる現役世代の就労支援というのをしっかりやって減らしてきているという側面もありますが、高齢者世帯についてはふえてきているという内訳、詳細に見るとそういう現状にあります。今後、更にこの高齢者世帯が全国的には恐らくふえてくるんだろうというふうに思っています。
 そんな中で、先ほど高知市さんの事例をお聞きしましたけれども、非常にやはり似たことを取り組みをしているなというふうに思っていますけれども、やはり地域の皆さんとの連携、それから社協との連携、それから自立相談支援事業というのを強化していくということを積極的にやる、いわゆるネットワークで対応するということ、自立相談の支援機関と区役所それから地域、これがそれぞれ連帯しながら、アウトリーチをまず大切な基本理念として進めていっている。
 具体的に、総合就職サポート支援事業であったり就労チャレンジ事業であったり、細かな事業はさまざま行っていますけれども、大事なのは、やはり大きな傾向として、高齢者の皆さんがこれから確実にふえてくるというところ、生活保護あるいは自立支援を必要とする方が確実にふえてくるという中で、行政だけではなかなか対応できないところをどう対応していくのかということが非常に重要な課題になっていると思いますが、そこに取り組んでいるところであります。
#13
○山田(美)委員 御説明ありがとうございました。
 地域によって生活困窮者を取り巻く状況がさまざまで、各自治体で大変な御苦労をされながら、地域密着でさまざまな工夫をなされているようにお伺いをいたしました。
 特に今、村岡参考人、そして吉村参考人からお伺いしました、行政同士の連携ですとか、また協議会の設置ですとか、アウトリーチなどを含めて、こうした取組をお伺いしていますと、生活困窮者自立支援制度は、まさに地域づくりの中核として大きな役割を発揮することが期待できるかと思います。
 今回の法律案の中にも、この地域づくりの視点を持つ制度であることを基本理念に埋め込んでいるということを菊池参考人からもお伺いいたしましたが、改めて、地域づくりの視点で生活困窮者自立支援制度に期待するところをお話しいただけないでしょうか。菊池参考人にお伺いいたします。
#14
○菊池参考人 御質問ありがとうございます。
 本制度、困窮者支援制度は、相談支援を事業化したものでございます。先ほど申し上げましたように、金銭やサービスといった実体的な給付とは異なり、定型化になじまない、つまり、量的にはかれない面のある制度でございます。
 生活保護制度が、保護基準を国が策定して、全国一律に憲法二十五条一項に言う健康で文化的な最低限度の生活を保障する仕組みであるのと異なり、この相談支援事業の具体的内容については、おのずと事業実施主体である自治体の取組に委ねざるを得ない面が大きいわけであります。
 ただし、この相談支援の充実を通じてのきめ細かな個々の住民に対する支援を通じて、生活困窮者の社会的包摂が図られることに加えて、それらの人々の就労若しくは社会参加を通じて、支えられる側が支える側になって、支える側にも回ることで、医療、介護、福祉を支える人材の枯渇、さらに、生活支え合いのための人的資源の枯渇という二つの意味合いにおいて、脆弱化し、希薄化している地域社会を持続可能なものに再構築していくための一助となすことができるのではないかと期待をしているところでございます。
 そして、こうした方向性は、平成二十三年、障害者基本法改正以降の障害分野の一連の法改正ですとか、あるいは、高齢者医療、介護の分野における地域包括ケアシステムの構築に向けた一連の法改正とも符合するものであり、包括的な地域の基盤づくりに向けた大きな流れの一環として位置づけることができるのではないかと考えてございます。
#15
○山田(美)委員 ありがとうございます。
 今回の法改正の意義というものを、大きな政策の流れの中で改めて捉え直させていただいたところであります。
 次に、後発医薬品の原則化についてお伺いをいたします。
 改正法案では、医師や歯科医師が適当と認める場合には後発医薬品の使用を原則とすることを定めることにしていますけれども、この後発医薬品の原則化については、指定都市市長会として厚生労働省に対して御要望されたと伺っております。
 現在は、後発医薬品の使用を推進するために、先発医薬品を希望する理由に妥当性がないと考えられる生活保護受給者に対しては、福祉事務所が指導することになっており、地方自治体の役割が大きい仕組みとなっております。
 こうした現状も踏まえて、今回の改正法案に盛り込まれたような原則化を政令指定都市として要望された理由を御説明いただければと思いまして、吉村参考人にお伺いをしたいと思います。
#16
○吉村参考人 まず、この薬剤の部分につきましても、生活保護費の中に非常に重要な割合を占めているという現状にあります。これがやはり財政においても大きな負担になっているのも、これは事実です。
 そんな中で、医者が専門的な見地からこれは効能として使用可だよと要は認める、いわゆる効能において差異がそれほどないというような状況の中で、生活保護の受給者の皆さんが、いわゆる費用を負担することなく、後発医薬品それから先発医薬品、自由に決めるということができるというのは、これはおかしいんではないかというところであります。
 これがまさに、非常に財政の負担にもなっているわけでもありますし、一定の効能も認められるわけですから、これを後発医薬品として、やはり医師が認めるのであれば原則化するというのは、至極妥当な、当然の制度だというふうに、これまではそれができてこなかったことの方がむしろおかしいんではないかというふうに思っています。
 だから、いわゆる指定都市においても生活保護全般において非常に大きな課題が生じていますけれども、この部分については、後発医薬品を原則化させるべきだという今回の法案について、市長会としても、これはありがたいというふうに考えています。
#17
○山田(美)委員 ありがとうございます。
 時間が迫ってまいりまして、あと二問お伺いしたいところなんですが、大丈夫でしょうか。頑張ってみます。
 今回の改正法案では、児童扶養手当の支払い回数、年三回から六回にふやす改正が盛り込まれていますが、この六回という支払い回数は、政府が自治体の事務負担を考慮するためにアンケートやヒアリングを実施して、地方三団体とも調整した上で設定したと聞いておりますけれども、実務を担っていらっしゃるお立場からどのような御意見か、村岡参考人にお伺いします。
#18
○村岡参考人 児童扶養手当の支給回数につきましては、自治体の立場から申しますと、いわゆる申請について、適正な申請であるかどうかということを確認する必要がございます。国の方からは、基本的に対面での申請を受け付けるということと、あわせて、現地調査も行いながら給付についての確認を行うということにされておりますので、現状でもそれなりの事務負担というのは生じております。
 そういった現状から考えますと、給付回数をふやすことによって生活の安定と自立の促進につながるということでは評価をできるところですけれども、現状の法律の改正にあります六回というのが、自治体の現場からすると限度ではないかな、現状の中では限度ではないかというふうに考えているところでございます。
#19
○山田(美)委員 まさに現場の実務の観点からの貴重な御意見、ありがとうございます。
 それでは、最後の質問になりますが、これまでの質疑では余り触れられてこなかった、実務的な改正事項について確認をさせていただければと思います。
 今回の改正法案の中で、生活が立ち行かない急迫事態において、資力はあるけれどもすぐに換金できない場合は、一旦生活保護を受けて、その後に返還するという仕組みについて、返還金を保護費と調整できるよう改正することが盛り込まれていますけれども、この改正は、受給者にとってもその都度振り込む手間が省けるというメリットもありますが、受給者保護の観点から慎重に運用することも必要であるかと思います。
 法律学の立場から、どのようなことに留意すべきか、菊池参考人にお伺いいたします。
#20
○菊池参考人 ありがとうございます。
 私が参加させていただきました生活保護部会報告書では、本人の同意を前提とし、また生活保護受給者の生活に支障がないよう配慮した上でという条件が付されてございます。さらに、福祉事務所の算定誤りに係る返還金を保護費の調整対象とすることについては、慎重に検討すべきであるとも述べられてございます。
 この点、とりわけ後者の算定誤りにつきましては、私、従来の下級審裁判例の分析を踏まえて、この部会でも、慎重に検討すべきだと発言をいたしました。
 法律上も、今回新設予定の七十七条の二第一項で、徴収することが適当でないときとして省令で定めるときを除くとされてございます。
 ぜひ、この部会報告書の趣旨を具体化し、省令において、明文で、算定誤り等については徴収の対象外としていただきたいとお願い申し上げたいと存じます。
#21
○山田(美)委員 ありがとうございます。
 三人の参考人の方々からの貴重な御意見、本当にありがとうございました。
 これにて質問を終わらせていただきます。
#22
○高鳥委員長 次に、中野洋昌君。
#23
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。
 きょうは、三人の参考人の先生の皆様方、大変にお忙しいところ貴重な御意見を頂戴をいたしまして、心から感謝を申し上げます。
 菊池先生の方からは、主に生活困窮者自立支援法の制度の位置づけから、社会的包摂というのが非常に重要なんだというふうな、大変に大きな視点からの御意見をいただきましたし、高知市の村岡部長からも、実際に実務を携わられているという立場からも御意見を頂戴をいたしましたし、そして、吉村大阪市長から、主に生活保護の問題につきましてさまざま御意見を頂戴をしたところでございます。
 早速質問をさせていただきたいんですけれども、私から、まず、三人の参考人の皆様に、貧困の連鎖を防ぐための取組ということでそれぞれお伺いをしたいというふうに思うんです。私、今回の生活困窮者自立支援法あるいは生活保護法の改正も含めまして、貧困の連鎖を防ぐというのが一つの非常に大事なテーマになっているというふうに感じております。
 政府全体としましても、こうした厚生労働委員会の中での議論に加えまして、給付型の奨学金でございますとか教育費の負担の軽減ということで、またあわせてさまざまな取組もしていくということで、今回、生活困窮者自立支援法の改正あるいは生活保護法の改正、それぞれの中で貧困の連鎖を防ぐ取組というものがさまざま盛り込まれているというふうに私は思っているところでございます。もちろん、それだけでは十分ではないといういろいろな御意見もございまして、それはしっかり受けとめないといけないと思っております。
 また、今回、生活保護基準の改正もございまして、いろいろな制度の改正がそれぞれあるものでございますから、一部のところを捉まえて、非常に政府はそういった取組に冷たいんじゃないか、こういう御指摘もあったりも、委員会の中でもあったやに記憶をしておりますけれども、私自身は、トータルとして、今、貧困の連鎖を防ぐ取組というのをまさに政府としては前に大きく進めていこうとしているところなのかなという認識をしております。
 ですので、三人の参考人の皆様に、今回の法改正を含めまして、また政府全体の取組も含めまして、こうした貧困の連鎖を防ぐ取組というものがどのように進んでいくと評価をされておられるのか。あるいは、自治体の実務の経験から、今回、さまざま制度の改正を受けて、具体的にどういう点が改善をされていくのか。あるいは、今後更に求められていく支援としてどういったものが必要なのか。こうした点につきまして、まずは参考人の皆様から御意見を頂戴できればと思います。
#24
○菊池参考人 ありがとうございます。
 私は、全体として、現在、社会保障給付費が我が国で高齢者中心に大きく偏っているという現状、この日本の社会保障制度におきまして、子供や子育て世帯に重点を置くという方向性は積極的に支持したいと考えてございます。
 貧困の連鎖を防ぐための取組についても同様でございます。
 この点で、今回の法改正による進学準備給付金の支給は積極的に評価したいと考えてございます。単なる給付のみならず、私、先ほど申し述べさせていただきましたように、困窮者支援法の相談支援の枠組みも活用して、保護受給家庭も含め、生活習慣や育成環境の改善が図られるように、トータルでの支援になることを期待したいと考えてございます。
 また、大きな視点としては、やはり、社会保障の問題ではなく、先生先ほど述べられましたけれども、教育ですとかあるいは雇用ですとか、そういう広い視点からという支援も大切であろうと考えてございます。
#25
○村岡参考人 貧困の連鎖の防止という視点では、やはり教育の格差を是正をしていくということが一番の基本だろうというふうに考えています。
 そういった意味では、生活困窮者自立支援法ができまして、いわゆる子供たちへの学習支援の仕組みが構築をされたということにつきましては、非常に大きな前進であったというふうに考えています。
 本市では、先ほど意見陳述の中でも申し上げましたように、平成二十三年から、学習支援でチャレンジ塾ということをやっておりましたけれども、自主財源で取り組んでおりましたが、国の支援を受けられるようになったということで、更に拡充も図れるということになったところです。
 それと、二つ目として、やはり、子供たちの現状を考えますと、非常に、先ほどの陳述の中でも申しましたように、家庭の環境であったり子供たち自身の問題でなかなかやはり学校にもなじめないというところがございますので、学校の教育現場における支援の仕組み、スクールソーシャルワーカーであったりとか、そういうふうな支援を充実をしていくということも必要ではないかと考えています。
 教職員の多忙化という中でなかなか寄り添った支援ができないという現状の中で、そこに対する支援をより強化をしていくということは、子供たちの成長にとっても非常に重要ではないかと思っています。
 それと、菊池参考人からも御意見ありましたように、今回の生活保護者の子供たちの大学進学を支援をする仕組みということは、これまでになかった新たな取組ということで、大変重要な課題ではないかと思います。
 まだまだ課題としてはありますけれども、特に、一般家庭の中でも大学進学等をしないという方が三割ほどおりますので、制度設計の問題というのは非常に難しいかと思いますけれども、教育全般、また子供たちの全体に対する支援の仕組みの中で、教育環境の改善という施策をより充実をさせていただければというふうに考えております。
#26
○吉村参考人 子供の貧困に対して必要なものは、僕は教育だと思っています。最終的には、やはり教育です。
 大阪市においても、子供の貧困層というのはどのくらいあるのかということで、大々的な調査をいたしました。全国よりも少し多いというような結果が出ています。
 そんな中で、ではどうしていくのかということで、学校が終わった後のいわゆる放課後塾であったり、あるいは子供食堂、そういったところを積極的に支援していけるような仕組みを構築しています。
 これは、行政単体でやるんじゃなくて、社会全体で支えていく、そしてそれは社会全体の投資だという考えでやっています。いわゆる幼児教育にしても、子供の時代に積極的に投資をすることによって、その投資効果というのは非常に大きい。将来の犯罪率であったり所得の割合であったり、非常に大きな成果が出る。これは社会全体の投資として、社会全体で支えるものだという考え方のもとで進めています。ですので、これは行政それから経済界に入ってもらって、それから大阪教育大学という大学にも入ってもらって、子供を支えるというネットワークを今つくっています。
 それから、学校において、いわゆる要保護児童になる前の、いわゆるグレーゾーンと言われている子供たち、ちょっと課題があるんじゃないかという子供たちをスクリーニングして、いわゆるアウトリーチして、スクールソーシャルワーカーを配置してそういうネットワーク事業というのを進めているところです。
 ですので、最終的には、貧困の連鎖を断ち切るには、お勉強という意味だけの教育じゃなくて、自己肯定感、僕でも、私でも、やったらできるやんかというふうに思ってもらえた瞬間が、貧困の連鎖が断ち切れる非常に重要なポイントだと思っています。
 それから、一人親、特に母子家庭における貧困世帯が非常に多いですから、母子家庭そのものが自立する仕組みを支えていこうという、言い出したら切りがないですけれども、小さな事業はさまざまやっています。
 ただ、国会議員の皆さんには、これまで高齢者重視だったものを、子供たち、あるいは非常に経済的に厳しい子供たちを支えるという、大きな方向性をぜひ持っていただきたいと思います。
#27
○中野委員 ありがとうございます。
 それぞれのお立場から非常に貴重な御意見も頂戴をいたしました。また、教育環境も含めて、やはりこういうものも取り組んでいかないとという指摘もいただきまして、そうした貴重な御意見も頂戴しながら、しっかりと前に進めていきたいと改めて決意をした次第でございます。
 続きまして、村岡部長の方に一点、現場の実務ということでお伺いをしたいんですけれども。
 今回、制度改正の一つの大きな柱としまして、家計の相談事業でございますとか、あるいは就労準備支援でございますとか、さまざまな、効果が高いんじゃないかということで考えておる事業を、なるべく一体的に、しっかりと運営をしていただこうといったような取組も進めていこうということでやっております。
 私も、生活困窮者自立支援事業、いろいろな事業がございまして、それぞれの自治体で恐らく課題も違いますし、あるいは地域資源というものもさまざまでございますので、国としては、いろいろなメニューを準備して、なるべくこういう取組をしてもらったらいいなということで準備をしておるわけでございますけれども、なかなか自治体によってこの取組に差があるというのが割と現状としてはあるのではないかなというふうなことも感じております。
 そうしますと、今回、いろいろな制度や補助事業みたいなのを、メニューとしては準備をしたわけでございますけれども、実際、実施をしていくに当たって、なかなかうまくできるところとできないところと出てくるんじゃないかというふうに思っておりまして、これをなるべく全国いろいろなところでできるようになればというふうに思っておるんですけれども。
 自治体の立場から、国や、あるいは都道府県も役割が非常に大きいとは思うんですけれども、なるべく自治体によって差が出ないようにというか、いろいろな自治体で効果のある取組をしていくためには、どういう形で支援をしていくのがいいのか、こういう点について、ぜひ現場の御意見をお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
#28
○村岡参考人 都道府県や国の関与についての御質問をいただきました。
 今回の法改正の中で都道府県の関与の仕組みを設けていくということは、非常に我々としても、現場としても歓迎をしているところでございます。
 例えば、例を申し上げますと、高知県の場合は、特に地域特性として、県人口が七十万人ちょっとなんですけれども、高知市に一極集中で、人口の半分が集中をする、また、第二の都市がないということで、全て高知市で課題解決を図っていくというようなことが求められるところもございます。
 例えば一時生活支援事業という取組については、県内で二カ所しか実施をしていないんですが、高知市で利用される方は、例えば県外の方であったり市外の利用者の方が大半を占めるというふうな現状がありますので、先ほど御質問にもありましたように、それぞれの地域でサービスを適切に受けられる環境をつくっていくということがこの生活困窮者自立支援の取組では非常に重要でございますので、そういった意味で、都道府県が積極的に関与していく仕組みというのは大変期待をしているところです。
 特に、今回の法改正にありますような基本的な理念であったり取組の趣旨ということを都道府県においてしっかりと共有をしていただきまして、それぞれの地域における不足をするサービスについてどのように構築をしていくのかということを市町村と連携をしながら取り組んでいくということが非常に重要ではないかというふうに考えておりますので、地元においても県との協議等を進めていきながら、国においては都道府県に対してのしっかりとした啓発とか、そういう取組を進めていただきたいなと考えているところです。
#29
○中野委員 ありがとうございます。
 続きまして、吉村市長の方に、生活保護法についてもちょっと一点御質問させていただければと思うんですけれども。
 先ほどお話を伺いまして、大阪市さんの方で先進的な取組をかなりされている状況なんだろうというふうに思います。私も、お隣の尼崎市でございますので、生活保護の率も結構高いということで、大変大阪市さんも御苦労されながらやられているんだろうというふうに非常に感じるところでございます。
 市長のお話の中でも、今後更にやってほしいことということで何点かもう既に御指摘はあるんですけれども、今回の法改正を受けまして、今後市として主に取り組んでいかれる取組や、あるいは、国に、この制度について、さらなる課題というか、こうした点の改正も今後大事なのではないかという点ですとか、御指摘ございましたらいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
#30
○吉村参考人 ジェネリックの、お医者さんが認めた場合には原則それを義務化するというのは大きな前進だというふうに思っています。これは、大阪市においてはまずそれを先進的に取り組んでいますけれども、これを全国で実施するというのは僕は大きな前進だというふうに思っていますが、やはりそれではまだまだ不十分だと思っています。
 先ほど申し上げました医療費のやはり一部自己負担、少ない金額だったとしても、一部自己負担をしてもらうということが非常に重要だというふうにも思っていますし、あるいは、調査権限をもう少し自治体に強いものを与えていただければ不正というのももっとなくしていくことができる、それによって市民の皆さんの制度に対する信頼感を高めることが保護受給者の支援につながるというふうに思っていますので、更に突っ込んだ改正に取り組んでいただきたいというふうに思っています。ほっておけば必ず増加します、これは。
#31
○中野委員 ありがとうございます。
 三人の参考人の皆様、貴重な御意見を頂戴をしまして本当にありがとうございました。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
#32
○高鳥委員長 次に、浦野靖人君。
#33
○浦野委員 日本維新の会の浦野です。よろしくお願いいたします。
 きょうは、まず冒頭に、皆さんがごらんになっているとおり、半分は欠席をされているという中で、無責任な野党は金曜日から審議を拒否されていますので、恐らく十七連休になるんじゃないかと思います。そんな中で、本当に日ごろからお忙しい中、時間を割いていただいてこの法案のために参考人として来ていただいた三名の皆様、本当にありがとうございます。
 この法案、やはり、政局でいろいろといつものパフォーマンスをするのは仕方がないと私も思うんですけれども、それ以上に重要な内容を含んでいる法案をわざわざ子供のように審議を拒否をするということが果たして国民のためになるのかというふうに私どもも思っていますので、しっかりと審議をしていきたいと思っております。参考人質疑は、特に、やはり、机上の空論ではない、現場の声をしっかりと聞くことができる本当に数少ないものですので、本当にこういった機会を委員会でやっていくというのは非常に重要だと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 まず最初ですけれども、時間が限られておりますので、やっていきますけれども、まず、菊池参考人に一つ。市町村が行ういろいろな事業があります。審議会の中でもいろいろな議論があったと思いますけれども、これは全国展開した方がいいんじゃないかというような何か好事例というのがもしありましたらちょっと挙げていただきたいなというのが一点。
 そして、これはお三方全員にですけれども、貧困の連鎖を断ち切るために教育が重要だというのは皆さん同じ考えだと思うんですけれども、この国会でも今、政府も教育無償化について非常に前向きな議論がなされております。その点について皆さんの立場からのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#34
○菊池参考人 好事例ということですが、私も地方の方に出向かせていただいて、生活困窮者の就労準備支援をやっておられる釧路、石巻、それから学習支援をやっておられる東京、さまざまな例を見させていただきましたが、これがという、済みません、私は現場の人間ではございませんので、特定のこれが全国展開だというのを申し上げられない、大変申しわけないのですけれども。
 少なくとも今回、義務化されているのは自立相談支援事業のみで、できれば就労準備支援、家計相談支援、その他の事業も必須化して、全国全ての自治体でやっていただきたいという思いはあったんですが、ただ、今回はそこまでいきませんでしたけれども、それを国としてバックアップする仕組みはできましたので、そこは一歩前進かと思ってございます。ちゃんとしたお答えになっていなくて申しわけございません。
 それから、教育に関しましては、子供の貧困につきましては、所得の保障も重要ですけれども、やはり教育が何より重要だというのは私も同感でございます。その意味で、教育の無償化を含めた大きな今流れになっているということは、そこに目が向けられ財源がつけられるという意味では、積極的に評価させていただきたいと思うのですが。
 ただ、私は大学の人間ですので、高等教育に関しましては、支援の仕方については、大学の自治との関係で、どこまでどういう形で大学の学生をバックアップするのかという点に関しましては、できましたら大学関係者等のよく意見を聞いていただけますとありがたい。特に、私立大学の関係者としましてはそのように申し上げたいと存じます。
 以上です。
#35
○村岡参考人 貧困の連鎖の防止でいいますと、先ほども教育格差を是正をしていくということが重要ということで申し上げましたけれども、教育の無償化については、施策的には、生まれた子供たちの環境によって教育格差が生じないという仕組みとして大変重要な施策ではないかというふうに考えています。
 ただ、その場合に、地方としてはやはり財源がしっかりと確保されるということが重要でございますので、特に子ども・子育ての関係になりますと、地方負担が二分の一というところもございますので、そういう中で、自治体の状況によっては大変財政的にも厳しいというところがありますので、国の施策として支援をすることで教育の無償化ということを実現を図っていただきたいというふうに考えております。
#36
○吉村参考人 生まれた環境は人それぞれ違うんですけれども、できるだけ親の所得格差を教育格差にしないということが非常に重要だというふうに思っています。
 教育の無償化については、幼児教育の無償化を僕が市長になってからやりました。五歳児の幼児教育の無償化を最初にやり、四歳児の幼児教育の無償化をやりました。来年度は三歳児の無償化に取り組みたいというふうに思っています。これは、一人目から所得制限なしで今実施しています。なぜそうしているかというと、これは権利だと思っているからです。まさに、日本人として生まれたら幼児期においても教育を受ける権利がある。その中で幼児教育の無償化というのを実施しています。
 先ほど高知市の方がおっしゃっていましたけれども、課題になっているのはやはり財源です。財源ですけれども、その施策の重要性が最も高いというふうに私は位置づけて、市単費、いわゆる国の補助を得ることなくやっています。
 でも、これは、さきの衆議院の総選挙でしたか、与党の皆さんが教育の無償化というのを掲げられて、消費税を増税し、そして五歳児の幼児教育の無償化はもう三十一年度からかな、やるというふうにおっしゃっていますけれども、ここをぜひ、非常に重要なところですし、選挙の争点でも争われたところですので、ひよることなく実現していただきたいと思います。
#37
○浦野委員 ありがとうございます。
 続きまして、吉村参考人がいろいろと現場のお話をしていただきましたけれども、医療費の自己負担、これは、医療費の自己負担を一部すると診療控えが起きるんじゃないかとかいろいろ言われます。
 要は、最低生活を保障できなくなるんじゃないかというふうな指摘をされる方もいらっしゃいますけれども、現場としてそういったことになるとお考えでしょうか。
#38
○吉村参考人 医療費の一部自己負担は、これは大阪市だけじゃなくて、指定都市市長会においても要望していることであります。
 そして、一部自己負担ですけれども、よく三割とか二割とか一割とか、そういったものを負担すべきというふうなことまで僕は考えていなくて、本当に一部でいいんです。ワンコイン、五百円であったり、あるいは同じ病院であれば最大千円までとか、子供医療費はそうしていますけれども。非常に少ない金額、少額の金額でもいいから、ここには医療費がかかっているんだという認識が必要だというふうに思います。
 お医者さんの側も、医療費がゼロだということであると、頻回受診であったり、あるいは重複処方であったり、そういったことが起きがちになってしまいますので、やはり、本当に必要な医療を受けるという意味でも、少額でもいいですから一部の自己負担をしてもらうということが生活保護の適正な運用になってくる。それが最後誰が救われるかといえば、生活保護を受給している方が僕は救われることになるんだというふうに思います。
#39
○浦野委員 先ほどの意見陳述の中でも、吉村参考人から、生活保護の不正対策について、民間への権限ということもおっしゃっておりましたけれども、具体的にどういった権限が必要かということをお聞かせください。
#40
○吉村参考人 特にお願いしたいのは金融機関への調査権限ですね。行政に対する調査権限は認められましたが、一方で、金融機関の調査権限が認められていません。
 これはよく相談で受けるんですけれども、ここに隠し口座がありますよとか、ここにほかにお金を持っていますよ、いろいろな相談を受けますけれども、あるいは隠し資産、隠し口座、あるいは預金通帳を見ればどういう収入があるのかというのも、これはつぶさにわかることになります。それで家計の指導もできることになります。ですので、やはり金融機関に対する調査権限というのをぜひ認めさせていただきたいなというふうに思います。
#41
○浦野委員 きょうは、大阪市は全国で一番生活保護の数が多い、高知市が二番目、三番目でしたかね、結構、ああ、もっと下ですか、全国でも多い方の市町村の方々がきょうは来られています。
 やはり、今あったように、何のために不正受給をしっかりと取り締まるかというと、参考人の方の意見の中にもありましたけれども、本当に必要な人に生活保護がちゃんと、そういう生活困窮の方々に手が差し伸べれなくなる可能性があるからこそ、そういったことはしっかりとやらないといけないと思うんです。
 それで、大阪市、先ほども話ありましたように、プリペイドカードをやって、人数が少なかったですよね、できた人数が。これは私は、例えばパチンコに生活保護費を使うということとかも、本来は、これはなかなか議論がありますけれども、しっかりとやるべきだと思うんですね。
 そういう意味でも、プリペイドカードというのは、その人が何に使っているかというのを非常に分析もできますし、後々いろいろなことに、制度設計について使えるデータも集まると思うので、ぜひやっていただきたいなと思うんですけれども、導入の効果と問題点というのを吉村参考人からと、あと村岡さんと菊池さんから、不正受給対策、そういったことについて一言いただければと思います。
#42
○吉村参考人 プリペイドカード方式については、やはり本人の自由意思じゃないとだめだという法律がありますから、それに基づいてやりました。もともと二千世帯やる予定でしたけれども、結果六十世帯しかできなかった。現実的な運用は、これはその法律の改正がないともう無理です。ですけれども、それを実施することで、やはり家計の管理が非常にやりやすくなったとか、これは行政の側も利用された方もそういうふうにおっしゃっている。そういった意味での効果があると思っています。
 それから、僕はきょうぜひ維新以外の野党の方とやりたかったんですけれども、先ほどのジェネリックの分についても、要は、自由に選べる、お医者さんがいいと言った場合を除いても、今はそういう法案なのに、自由にできるということ自体、本当にそれで制度の信頼というのを維持できるんですか。一生懸命仕事をして、所得で、しんどい中で医療費を少しでも少なくしようとしてジェネリックを選んでいる方がいる一方で、何で税で生活保護を受けている方が完全自由なんですか。僕はそういうことを野党の皆さんと議論したかったんですよ。
 それから、回数ですか。毎月毎月やるでしょう。あれは現場で、僕、野党の皆さんに来てもらいたいんですけれども、現場で毎月毎月やったらどうなるか想像できるんですかね。あれをやると、要は、半月後に例えば生活保護の受給がなくなったときに、いわゆる過払いが生じるんです。毎月、事務というのはそんな難しくないんですけれども、過払いが必ず生じてくる。過払いが生じると、これは回収しなきゃいけません。その回収事務がどれだけ大変なのかというのを議論したかったけれども、いないじゃないですか。
 おかしいですよ、野党の皆さん、維新の会以外の皆さんがこの重要法案にいないって。与党も責任追及されるのは、それはもうやってもらったらいいと思うんですけれども、ちょっと法案審議には出てくるように何とかやってくださいよ。おかしいです、こんなの。
#43
○村岡参考人 不正受給対策についてのお尋ねをいただきました。
 不正受給は、基本的に、やはり制度の信頼性を高めていくためにも適正にしていかなくてはならないというふうに考えています。
 特に、法的にはやはり七十八条で返還を求める部分に対しては適正に実施をしていくということと、あわせて、不正受給とは言われておりますけれども、多くは六十三条の返還金ということになっておりますので、基本的には、なかなかやはり家計管理が、そもそもお金の管理自体ができないという方が受給者の中には多くて、また収入申告等も適正になされないという方がいますので、そういったものを適正に実施をしながら、できるだけ不正とならない仕組みを構築をしていくということと、ギャンブル等課題がある方に対しては、例えば本人が同意をしなくても金銭管理ができるとか、そういうふうな仕組みも構築をしていく必要があるのではないかというふうには考えております。
#44
○菊池参考人 私も、生活保護制度は公費で成り立っている仕組みですので、制度の信頼性を高めるための、不正な受給があるとすればそれをきちんと対応するということは重要なことだと思っております。その意味では、前回改正でここは一定程度進展を見たのではないかと思っております。
 更に必要な部分があれば対応していくということは必要になってくるとは思いますが、ただ、留意したいのは、ある意味では給付ではあるんですけれども、一方で指導、指示という公権力の行使と一体になっている面がございますので、ともすると、国家の国民生活に対する介入という、よく言えばパターナリスティックということにもなりますが、介入という面もあるということは念頭に置きながら御対応をお願いしたいと考えてございます。
#45
○浦野委員 どうもありがとうございました。
#46
○高鳥委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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