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2018/05/10 第196回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第196回国会 本会議 第24号
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2018/05/10 第196回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第196回国会 本会議 第24号

#1
第196回国会 本会議 第24号
平成三十年五月十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十九号
  平成三十年五月十日
    午後一時開議
 第一 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(大島理森君) 日程第一、厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長伊東良孝君。
    ―――――――――――――
 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔伊東良孝君登壇〕
#4
○伊東良孝君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、旧農林共済組合員期間を有する者に対し支給する特例年金の給付事務の合理化を図るため、当該特例年金給付にかえて、その現価に相当する額の特例一時金を支給することとする等の措置を講ずるものであります。
 本案は、去る四月十八日本委員会に付託され、同日齋藤農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨五月九日質疑を行いました。質疑終局後、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#7
○議長(大島理森君) 日程第二、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長冨岡勉君。
    ―――――――――――――
 学校教育法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔冨岡勉君登壇〕
#8
○冨岡勉君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、近年の情報通信技術の進展等に鑑み、教育における情報化に対応する観点から所要の措置を講ずるものであり、その主な内容は、
 第一に、紙の教科書の内容を記録した電磁的記録であるデジタル教科書を、教育課程の一部において、紙の教科書にかえて使用することができること、また、障害のある児童生徒等については、教育課程の全部又は一部において使用することができることとすること、
 第二に、デジタル教科書についても、紙の教科書と同様に、著作物を権利者の許諾を得ずに掲載し、必要な利用を行うことができることとすること
などであります。
 本案は、去る四月十二日本委員会に付託され、翌十三日林文部科学大臣から提案理由の説明を聴取した後、二十五日に質疑に入り、昨五月九日質疑を終局いたしました。質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#11
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。農林水産大臣齋藤健君。
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#12
○国務大臣(齋藤健君) 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 食品流通におきましては、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、通信販売、産地直売等の流通の多様化が進んでおります。
 こうした状況の変化に対応して、生産者の所得の向上と消費者ニーズへの的確な対応を図るためには、卸売市場につきまして、その実態に応じて創意工夫を生かした取組を促進するとともに、食品流通全体につきまして、物流コストの削減や品質、衛生管理の強化などの流通の合理化と、その取引の適正化を図ることが必要であります。
 このため、公正な取引環境の確保と卸売市場を含む食品流通の合理化とを一体的に促進する観点から、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、卸売市場法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、卸売市場が食品等の流通において生鮮食料品等の公正な取引の場として重要な役割を果たしていることに鑑み、卸売市場の認定に関する措置等を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、卸売市場の業務の運営、施設等に関する基本的な事項を明らかにするため、卸売市場に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣又は都道府県知事は、生鮮食料品等の公正な取引の場として、差別的取扱いの禁止、売買取引の条件や結果の公表等の取引ルールを遵守し、適正かつ健全な運営を行うことができる卸売市場を、基本方針等に即して中央卸売市場又は地方卸売市場として認定することとしております。
 第四に、国は、食品等の流通の合理化に取り組む中央卸売市場の開設者に対し、予算の範囲内において、その施設の整備に要する費用の十分の四以内を補助することができることとしております。
 次に、食品流通構造改善促進法の一部改正であります。
 第一に、目的規定において、食品等の流通が農林漁業者と一般消費者とをつなぐ重要な役割を果たしていることに鑑み、食品等の流通の合理化及び取引の適正化を図るための措置を講ずることを定めることとしております。
 第二に、農林水産大臣は、食品等の流通の合理化を図る事業を実施しようとする者が講ずべき食品等の流通の効率化、品質、衛生管理の高度化等の措置を明らかにするため、食品等の流通の合理化に関する基本方針を定めることとしております。
 第三に、農林水産大臣は、基本方針等に即して食品等流通合理化事業に関する計画を認定することとし、認定を受けた者は、その計画の実施に当たり、株式会社農林漁業成長産業化支援機構による出資等の支援措置を受けることができることとしております。
 第四に、農林水産大臣は、食品等の取引の適正化を図るため、食品等の取引の状況等に関する調査を行い、当該調査の結果に基づき、指導助言等の措置を講ずるとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を通知することとしております。
 第五に、これらの改正に伴い、法律の題名を食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律に改めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#13
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。佐々木隆博君。
    〔佐々木隆博君登壇〕
#14
○佐々木隆博君 立憲民主党・市民クラブの佐々木隆博でございます。
 私は、ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 国会をめぐる状況を見ますと、これほどまでにひどい状況が次々と発覚していることはかつてありません。異常な事態であります。
 財務省の森友文書改ざん、防衛省のイラク日報隠蔽、文科関係議員による教育現場への不当介入、厚労省の働き方改革データ捏造、そして、財務省のセクハラ疑惑、国家戦略特区を利用した加計学園における首相案件等々、国と国民の信頼関係は地に落ちたと言わざるを得ません。
 政権の長期化が首相案件を生み、官邸の御意向を生み、政権の腐敗を招いた象徴的な状況が我が国を覆っている証左ではないでしょうか。
 政府は、これらの疑惑を解明する責任があります。納得のいく処分をすべきであります。そして、みずからを処分し、辞任すべきであることを冒頭申し上げます。
 さて、官邸が進める規制改革は、近年、度が過ぎています。業界保護的な規制を改革しようとする当初の取組は、一定程度、国民的理解を得てきたと思いますが、第二次安倍政権発足以降、命、暮らし、ふるさとを守ってきた、決して緩めてはならない規制にまで拡大をされています。
 総理は、六十年ぶりの農協改革とか、戦後以来の大改革などと言って、岩盤規制にドリルで穴をあけると豪語しておりますが、むしろ、私たちを支えてきた岩盤そのものが、総理の胸先三寸で崩壊していっているのではないでしょうか。
 農政も同様です。
 政府の未来投資会議や規制改革会議が次々と提言してくる農政改革について、農業関係者の間では、官邸農政と表現をしています。農業協同組合法、農業委員会法及び農地法の改正を内容とする、二〇一五年の通常国会に提出され成立した農業協同組合法等の一部を改正する等の法律や、昨年の通常国会に提出され成立した農業競争力強化支援法等のいわゆる農業改革八法は、その象徴です。
 農協改革では、農協を経済事業に集中させ、准組合員の利用を制限するなど、農協を地域貢献から排除し、農村地域の衰退を加速化させております。
 もう一つは、農地を単に生産手段としてのみ捉え、農地の賃借を容易にする仕組みを構築し、企業の参入に向けて次々と規制を緩和しております。
 農地は国土であり、地域であります。その国土と地域を守る営みこそ農業であります。その営みそのものを、ふるさとそのものを、改革だ岩盤だと騒いでは破壊していく。官邸農政はふるさと破壊政策そのものであり、地域の実態に立脚した農業政策を一から立ち上げるべきと考えますが、農林水産大臣の見解をお伺いいたします。
 卸売市場法、食品流通構造改善促進法について伺います。
 二〇一六年十一月十一日に、未来投資会議構造改革徹底推進会合、「ローカルアベノミクスの深化」会合と規制改革推進会議農業ワーキング・グループが連名でまとめた意見書、「総合的なTPP関連政策大綱に基づく「生産者の所得向上につながる生産資材価格形成の仕組みの見直し」及び「生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立」に向けた施策の具体化の方向」において、中間流通については、国は、抜本的な整理合理化を推進する、卸売市場法という特別の法制度に基づく時代おくれの規制は廃止すると言及されたことから始まっています。その後取りまとめられた農業競争力強化プログラムにおいても同様のことが述べられております。
 食品の流通過程において、中間マージンを取得する中間段階は簡素化する、こうした発想により今回の改正案の提出に至る議論が始まったわけであります。
 議論の始まりが、時代おくれの規制は廃止するという、何ら実態に基づかない、決めつけた視点に立脚するため、今回の改正案には、生産者、消費者はどのように考えるかという視点が全く抜け落ちています。
 そもそも、生産者や消費者から、生鮮食料品の流通はこうあるべきだ、卸売市場はこうあるべきだという制度改正のニーズがあったのでしょうか。改正案を提出するに当たって、卸売市場関係者や流通業者はもとより、農業者や漁業者、消費者の意見をどのように把握されたのでしょうか。その中で、どのような弊害や問題点が浮き彫りになったのでしょうか。その弊害や問題点の解決のためにはこの法案しか解決手段はなかったのでしょうか。農林水産大臣の明快な答弁を求めます。
 我が国の卸売市場は極めてオープンな取引であります。出荷者は、国内の生産者あるいは契約者に限られることなく、産地仲買人、他市場の仲卸業者の誰もが出荷することができるし、天候、収穫量に応じて出荷量が増減しても、卸売市場において、価格が形成され、全量が販売されております。一方、仕入れの側も、小売業者や業務用需要者は、卸売市場において、いつでも必要な品目を、必要な規格のものを必要な量だけ仕入れ、商売をすることができます。
 今回の改正案では、公正、安定的に業務運営を行える卸売市場を、中央卸売市場又は地方卸売市場として、農林水産大臣又は都道府県知事が、これまでの認可、許可から、認定することとしておりますが、卸売市場における取引ルールの策定は市場開設者に任せてしまっています。今までは法律で定められていた第三者販売の原則禁止、直荷引きの原則禁止、商物一致の原則を市場の取引ルールとして採用するかどうかは、卸売市場の開設者の判断となってしまいます。
 しかし、第三者販売の原則禁止の規定こそが、複雑化する食品流通において必要なルールではないでしょうか。第三者販売の原則禁止といったこれまでの卸売市場の取引の根幹のルールがなくなれば、卸売市場外の流通が更にふえることになるのではないでしょうか。
 市場外取引の増加に更に大きく道を開くような今回の改革が何ゆえ必要だったのか、農林水産大臣にその理由を伺います。
 卸売市場では、生産者や農業者団体などから荷を受ける卸売業者と、卸売業者から仕入れたものを小分けするなどして買い出し人や小売業者に販売する仲卸業者の間で厳格な価値評価が行われ、それに基づく価格形成が行われています。
 仲卸業者は、生鮮食料品に対して十分な価値評価ができなければ務まりません。仲卸業者の生鮮食料品に対する評価能力は、日本全国の産地のみならず、海外からも集まる同種の商品を見て取引する、いわゆる目ききを長年にわたって継続することで培われてきたものです。
 第三者取引の原則禁止のルールがなくなり、大手小売業のバイイングパワーが強まり、仲卸業者を介在しない取引が拡大をすれば、仲卸業者の経営に打撃を招くことも想定されます。
 仲卸業者への打撃は、仲卸業者が担ってきた役割に鑑みると、食品のサプライチェーンの川下の実需者や消費者にとってもマイナスとなるのではないかとの懸念があります。法改正に伴う仲卸業者への影響について、認識を農林水産大臣にお伺いいたします。
 さて、今回の改正案により、地方にある中央卸売市場や地方卸売市場では、荷が集まりにくくなり、荷が集まらないから更に売れなくなるという負のスパイラルに陥り、衰退する市場が出てきたり、卸売市場同士の競争が激化する可能性があります。
 卸売市場の集荷力が弱まったところに、物流センターを持つことができる大手小売業チェーンが進出し、従来の卸売市場に取ってかわる懸念もあります。
 中央卸売市場や地方卸売市場の存在意義や開設主体のあり方について、どのような検討がなされ、どのように対処しようとしているのか、農林水産大臣の見解を伺います。
 今回は、食品流通構造改善促進法の改定も提案されています。改正案では、農林水産大臣が食品等の取引状況について定期的な調査を行い、調査結果に基づき必要な措置を講ずることとしております。
 農産物については、大口需要者との取引拡大から、公正な価格形成の手段とされてきた競りによる取引の割合は低下している状況にあります。農業生産の不安定さなどにより弱い立場に置かれていることの多い生産者にとって、公正な価格形成に対する国の役割は大きいと言えます。
 農林水産省が行う食品等流通調査の実効性をどのように確保していこうとしているのか、農林水産大臣に見解をお伺いいたします。
 今回の卸売市場法の改定は、市場の再編や流通の合理化に重点が置かれ、農業者、漁業者にとっては農林水産物が適切に評価され、消費者にとっては安全性が確保された多種多様な食品が必要なときに購入できる、そういった食品流通の仕組みを維持していく視点に欠けています。
 アドバイザリーグループである規制改革推進会議や未来投資会議等が、各省の審議会を飛び越えた政策決定を行っています。行政府の最高意思決定機関は官邸ではありません。閣議です。
 農林水産省のみならず、各省はもっと現場の声に寄り添うべきであることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#15
○国務大臣(齋藤健君) 佐々木議員の御質問にお答えいたします。
 農業政策についてのお尋ねがありました。
 我が国の農業は、人口減少に伴うマーケットの縮小や農業者の減少、高齢化の進行などにより、大きな曲がり角に立っています。我が国の農業に活力を取り戻し、魅力ある成長産業にしていくことは、待ったなしの課題です。
 このような認識のもと、安倍内閣においては、これまで、農地集積バンクによる農地の集積、集約化、米政策改革、六十年ぶりの農協改革、農林水産物・食品の輸出促進、生産資材価格の引下げや流通、加工構造の改革など、農政全般にわたる改革を進めてきました。引き続き、農業を産業として強くするための施策を積極的に進めていきます。
 加えて、農村に活力を取り戻すための施策を積極的に講じており、地域の農業者が取り組む共同活動への支援などを行う日本型直接支払制度の創設、中山間地域については、地域の特色を生かした多様な取組を総合的、優先的に支援する中山間地農業ルネッサンス事業の創設など、多様な施策を展開しております。
 これにより、四十代以下の若手新規就農者が、統計開始以来、初めて三年連続で二万人を超え、農林水産物・食品の輸出額が平成二十九年には八千億円を超え、五年連続で過去最高を更新し、農業生産所得も過去二年で約九千億円伸び、直近で三兆八千億円になるなど、着実に成果があらわれ始めています。
 今後とも、農業を産業として強くするための施策と農村に活力を取り戻すための施策を車の両輪として総合的に実行していくことにより、強くて豊かな農業と美しく活力ある農村をつくり上げていく決意であり、現在の農業政策がふるさと破壊政策であるとの指摘は全く当たりません。
 卸売市場関係者等の意見把握や、意見を反映した法案なのかについてのお尋ねがありました。
 農林水産省におきましては、食品流通構造改革の検討に当たり、全国の卸売市場関係者、生産者、小売業者等から幅広く意見把握を行ったところです。
 把握した意見といたしましては、食品流通における卸売市場の機能は重要であり、今後も食品流通の核として堅持すべきである、差別的取扱いの禁止等、卸売市場の公共性を維持するためのルールは堅持すべきである、品目や地域ごとに多様な実態にあることを踏まえつつ、生産者や消費者のニーズに一層応えるべきであるなどでありました。
 このため、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定して振興を図るとともに、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できることとしたところです。
 第三者販売の原則禁止と市場外取引の増加についてのお尋ねがありました。
 生鮮品のままでの需要が減少し、加工食品や外食の需要が拡大する中で、現行の卸売市場法では第三者販売が原則禁止されているため、加工原材料の供給等に十分に対応できないとの判断から、やむを得ず卸売業者が市場外に別会社を設立し、市場外流通としている事例が多く見られます。
 本法案では、卸売市場ごとの実態に合わせて第三者販売の禁止等の取引ルールを柔軟に設定できることとしており、市場関係者にとっては、やむを得ず市場外流通としてきた取引を市場取引に戻すことができるほか、出荷者にとっては、市場取引のメリットである早期の代金決済の恩恵を受けることができるようになると考えています。
 法改正に伴う仲卸業者への影響についてのお尋ねがありました。
 仲卸業者からは、卸売業者による第三者販売の原則禁止が緩和された場合、取引先である小売業者等に直接販売することへの懸念の声を伺っています。
 他方、取引の実態を見ると、これまで仲卸業者が行ってきた食品の小分けや代金回収、欠品、事故等のクレームへの対応等は容易な業務ではなく、仲卸業者を介した取引に頼らざるを得ないとの意見も聞かれます。
 また、卸売市場については、さまざまな取引規制が設けられている一方、卸売市場外ではある程度自由に流通が行われている状況にあります。
 これらを踏まえ、本法案では、卸売業者、仲卸業者等の関係者の意見を十分に聞いて、卸売市場がおのおのの実情に即して柔軟に取引ルールを設定できることとしているものであります。
 中央卸売市場、地方卸売市場の存在意義や開設主体のあり方についてのお尋ねがありました。
 中央卸売市場、地方卸売市場につきましては、生産者から農林水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、代金を早期に決済するなどの機能を果たしております。
 このため、これまでの議論の過程における市場関係者の御意見も踏まえ、卸売市場を食品流通の核として堅持した上で、公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定して振興することとしたところです。
 また、現行法のもとでも、中央卸売市場から地方卸売市場への転換を通じて民営化する事例が出てきていることも踏まえ、本法案では、中央卸売市場についても開設者は地方公共団体に限定しないこととする一方、差別的取扱いの禁止、取引条件、取引結果の公表等、卸売業者に公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させるなど、高い公共性を有する卸売市場を認定することとしております。
 食品等流通調査の実効性の確保についてのお尋ねがありました。
 食品は日もちがしないことなどから、不公正な取引が発生しやすい面があることを踏まえ、本法案では、農林水産大臣が食品等の取引状況の調査を行うこととしたところです。
 農林水産省におきましては、こうした実態把握を踏まえ、事業者に対し指導助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に通知することとしており、これらの措置を通じて調査の実効性を確保してまいります。
 なお、調査の実施方法等につきましては、例えば、特に賞味期限が短く、取引上、買い手が優位になりやすい食品等を選定し、売り手、買い手からのヒアリング等を行う、農林水産省に通報窓口を設け、取引に関する通報を踏まえ、個別の調査を行うなど、取引の実態を把握する手法を検討してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(大島理森君) 関健一郎君。
    〔関健一郎君登壇〕
#17
○関健一郎君 国民民主党の関健一郎です。
 このほど農林水産省が取りまとめた、二〇一六年の市町村別農業産出額ランキングで全国一位に輝いた愛知県田原市、全国九位に輝いた愛知県豊橋市から参りました。
 国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 冒頭、申し上げます。
 卸売市場法が制定されたのは、昭和四十六年。当時と現在を比べれば、生鮮食品の消費の落ち込みなど食生活が変化する一方、外食産業が劇的に成長するなど、流通構造は大きく変化をしています。食べ物が生産地から私たちの食卓に届くまでの道のりが多様化している現在、制度と実態が乖離している部分があることも事実であり、その部分を改善することに全く異論はありません。
 しかし、国家の根幹である農業に対して、経済合理性を過度に優先し、行き過ぎた自由化路線を突き進めば、日本が誇る食の安全や多様性が損なわれるおそれがあります。文化の根幹にかかわる食については、合理性を超えて、守るべき多様性があることを強く申し上げ、具体的な質問に移らせていただきます。
 まず初めに、卸売市場の果たしてきた役割についてお尋ねします。
 卸売市場は、これまで我が国の食品流通の中核として、価格形成や需給調整、それに全国各地の八百屋、魚屋、地元の小さなスーパーなどの多様で豊富な品ぞろえの実現など、重要な役割を果たしてきました。我が国が誇る多様で豊かな食生活は、卸売市場が大きく貢献していることは疑いようがありません。
 まずは、卸売市場がこれまで果たしてきた役割をどのように評価しているのか、農林水産大臣のお考えを伺います。
 次に、卸売市場の取引を規制するルールについてお尋ねします。
 これまで中央卸売市場では、卸売業者に対して、差別的取扱いの禁止や受託拒否の禁止、第三者販売の禁止など、さまざまな規制がかけられてきました。今回の改正により、商物一致の原則など、現状と乖離する規制については必須の取引ルールとはしないこととしており、これは一定の合理性があると言えます。
 その一方で、これらの規制があるからこそ、全国各地の生産者は、地元の卸売市場に自慢の生産物を安心して出荷できるという側面があります。
 今回の改正により、これらの取引ルールはどのように改正されるのか、その改正は、生産者、市場関係者、そして消費者にとって本当にメリットがあるものと言えるのか、農林水産大臣にお聞きします。
 次に、卸売市場の認可制から認定制への変更についてお尋ねします。
 中央卸売市場はこれまで国による認可制度がとられており、そのことで卸売市場が全国にバランスよく配置され、全国の農業者が安心して農産物を市場に出荷できる体制が整備されました。また、市場の中では、国や自治体などの公的関与のもと、卸売業者は生産者の立場から商品をより高い値段で売ろうと、仲卸や買参人は消費者の立場から商品をより安く買おうと、それぞれが商いをすることで、価格形成の重要な役割を担ってきました。
 しかしながら、認可制がなくなれば、卸売市場がこれまで果たしてきた、価格形成、需給調整、品ぞろえなど、非常に重要な役割を果たすことができなくなるおそれがあります。
 卸売市場の事業者について、第三者販売の禁止という原則が撤廃されれば、消費者の利益を代表する仲卸、買参人を介さないことで、価格形成のメカニズムが崩壊します。大手スーパーの資本による卸売業者が登場すれば、みずからの経営するスーパーに利益が出るように、仲卸を経由せず販売することができるようになり、価格操作、誘導が容易にできるようになります。
 また、不公平な行為を厳重に監視してきた国や自治体などの公的関与をゼロに等しいレベルへと弱めることに対しても、市場関係者は強い懸念を抱いています。仮に、大手の小売又は大手小売などの資本が入った企業が卸売市場の開設者になれば、事実上、市場全体を税金投与つきの一民間企業の物流センターにすることもできます。
 また、これまで禁止してきた規制を存続させるかは、卸売市場ごとに関係者の意見を聞くなど公正な手続を踏みとありますが、資金力が大きい関係者の意見が通りやすいのは自明の理で、実情に合った規制になるのではなく、資金力のある声の大きい企業の意見が通るだけだと市場関係者の方は懸念を口にしています。
 この認定制への変更によって卸売市場がどのように活性化するのか、また、市場関係者の皆様の急激な規制の緩和に対する懸念にどうお応えになるのか、農林水産大臣に伺います。
 次に、現在の食品流通全体の目指すべき将来像についてお伺いします。
 今回、卸売市場法とあわせて食品流通構造改善促進法の改正案が提出されていますが、政府の食品流通に関する現状認識は、流通経路が複雑化、多様化して不要なコストが発生し、農業者の所得向上を阻んでいる、このため、流通構造を簡素化して、農業者が直接実需者や消費者に販売し、生産者の所得を向上させる必要があるという論旨と存じます。
 その簡素化を進めている欧米諸国の中には、我が国と比較して、食品小売業で寡占化が進み、価格競争力が強まり、農業者はより厳しい立場に置かれ、農業者の立場を守るための施策を講じなければならない国もあります。
 これに対して、我が国の食品小売業の状況はどうなのか。経済的には、合併をして効率化を進めるべきという専門家の指摘もあります。しかし、日本は、全国各地に八百屋、魚屋、地元の小さなスーパーがあります。それぞれの地域の人の味の好み、文化的な背景、風土に合わせて、細かく売る商品が変わるからです。
 かつて、海外の大手小売企業の幾つかは、日本の流通業界に参入をしましたが、日本全国の無数の地元の小さなスーパーの細やかな多様性に順応することができず、吸収合併に失敗し、我が国から撤退をした過去があります。
 地元の小さなスーパーに象徴される現在の我が国の食品流通システムは、時代に合わせて変化をしながら、世界に誇るべき仕組みとして確立され、多様性を持つ豊かな食生活を実現しています。しかしながら、政府はこの仕組みを廃し、効率化に重心を移そうとしています。
 我が国も、欧米と同様に食品小売業の寡占化を進めることを目指しているのか。そうであれば、欧米と同様、農業者の取引条件の悪化が強く懸念されます。このような懸念にどう対処していくのか、農林水産大臣の御所感を伺います。
 農業分野における規制改革の進め方について、規制改革担当大臣へ伺います。
 総理の御著書「新しい国へ」、拝読をさせていただきました。その一部を引用させていただきます。
 瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい資本主義があるのだろうと思います。自由な競争と開かれた経済を重視しつつ、しかし、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には瑞穂の国にふさわしい市場主義の形がありますと記されています。多様性を重んじた、貴重な御指摘と存じます。
 しかし、今回の卸売市場法の改正、そして、ことし四月に、米、麦、大豆の種子を政府が責任を持って供給するという目的の主要農作物種子法の廃止、これらの規制改革推進会議から出された提案は、総理の目指す瑞穂の国とは逆の、強欲を原動力とする資本主義まっしぐらの提言と断じざるを得ません。
 日本全国の個性ある八百屋、魚屋、そして地元の小さなスーパーが、効率性の名のもと、画一的な郊外型の大型ショッピングモールに取ってかわられてもよいとお考えなのか、規制改革担当大臣の認識を伺います。
 最後に、一言申し上げます。
 地元の有権者の方に話を聞くと、政府・与党の傲慢な政権運営への厳しい批判を多く聞きます。その一方で、野党もだらしがない、国会に緊張感がないのは野党が弱過ぎるからだという、野党への、国民民主党への、そして私への厳しい批判をいただきます。
 与党の支持率が下がっても、私がこれまで所属をさせていただいていた希望の党の支持率が上がっていなかったのは、客観的な事実です。
 声高に政権与党を批判しなくても、朝から晩まで仕事をして、育児や介護をして、声を出さずに毎日を生きている声なき多数派は、政権運営が乱暴かどうか、じっと見ています。同時に、野党がどういう日本の国家像を描いて選択肢を示そうとしているのか、じっと見ています。
 私たちは、まず、国民の皆様に政権交代の選択肢を示すことができていないという厳しい現実に真摯に向き合い、謙虚に、愚直に考えていくしかありません。本当に厳しい現実ですが、私は、必ず政権交代の選択肢として国民の皆様に見ていただけることを確信しています。仲間とスクラムを組み、尊厳ある生活保障の実現と農林水産業の持続的な発展に向け、謙虚に、愚直に。国民の皆様に政権の選択肢と認めてもらうため、ゼロからの出発をお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#18
○国務大臣(齋藤健君) 関議員の御質問にお答えいたします。
 卸売市場が果たしてきた役割の評価についてのお尋ねがありました。
 卸売市場は、生産者から農林水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、代金を早期に決済するなどの機能を果たしております。こうした卸売市場の機能は重要であるため、今後とも食品流通の核として堅持すべきと考えています。
 卸売市場の取引ルールの改正内容とそのメリットについてのお尋ねがありました。
 本法案では、差別的取扱いの禁止や受託拒否の禁止など、公正な取引の場として必要な取引ルールは確保しつつ、第三者販売の禁止や商物一致の原則など、その他の取引ルールは、卸売市場ごとの実態に合わせて柔軟に設定できるよう改正しております。
 この改正により、例えば、市場取引でありながら物流は直送することが可能となることなどにより、生産者の物流コストを削減しつつ、食品の鮮度を保って消費者まで届けることができるようになるほか、仲卸業者が、産地から小口でも有機野菜等を直接仕入れ、品ぞろえを充実させることが可能となることなどにより、消費者のニーズに合った食品を提供し、販路を拡大することができるといったメリットがあると考えています。
 認定制への変更による卸売市場の活性化と規制緩和に対する市場関係者の懸念への対応についてのお尋ねがありました。
 本法案では、卸売市場が食品流通において公正な取引の場として重要な役割を果たしていることを明確化するとともに、公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定し、その振興を図る、そういうふうにさせていただいたところです。
 認定制のもとでは、創意工夫の発揮を行いやすくして卸売市場の活性化を図るため、取引の規制の一部を柔軟化することとしておりますが、卸売業者が出荷者や買受人に対して差別的な取扱いをしないなどの取引ルールの遵守を求め、厳格な審査と監督を行うことにより、公共性を確保しております。
 食品小売業の寡占化に対する姿勢と、農業者の取引条件の悪化に対する懸念についてのお尋ねがありました。
 本法案では、新たな需要の開拓や付加価値の向上につながる食品流通構造を確立することを基本的な考え方としております。
 このため、物流コストの削減や品質、衛生管理の強化等の取組のほか、食品の加工、小分けや海外への輸出等、国内外への需要に対応する取組を支援することにより、生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応を促進することとしておりますが、これは食品小売業の寡占化を進めることを目指しているものではありません。
 また、農業者の取引条件の悪化に対する懸念に対しましては、公正な取引環境を確保するため、農林水産大臣が、食品等の取引状況の調査を行い、事業者に対し指導助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に通知することといたしております。(拍手)
    〔国務大臣梶山弘志君登壇〕
#19
○国務大臣(梶山弘志君) 関議員にお答えをいたします。
 規制改革推進会議から出された提案によって、全国の小売店が画一的なものに取ってかわられるのではないかとの御懸念がございました。
 これまで農業分野の規制改革が進められてきましたが、その目的は、高齢化と後継者不足といった深刻な状況から脱却し、意欲ある生産者が活躍できる環境づくりを行うことや、生産性向上や地域特性に応じた農産物の付加価値を高めるための創意工夫を行いやすくすることなどを通じて、農業を成長産業としていくことであります。
 そのため、規制改革推進会議において、議員御指摘のような、単に寡占化、大規模化を進めることを目的とした改革が議論、提言されているのではなく、ニーズの変化、ICTなどの技術革新の変化等を踏まえて、分野や課題に応じた真に農業者のメリットとなるような具体的改革が提言され、これを踏まえながら、政府の責任において改革事項を決定し、推進しているものと認識をしております。
 卸売市場制度については、生産者の所得を向上させるとともに、消費者ニーズに的確に応えていくために、卸売市場を含めて、新たな需要の開拓や付加価値の向上につながる食品流通構造を確立していくことが重要である等の趣旨から、規制改革推進会議の提言を踏まえつつ、今般の改正に至ったものと承知をしております。
 規制改革は、強い農業を実現し、夢や情熱を持って農業の未来に挑戦する皆さんを全力で応援していくためのものであり、規制改革推進会議による提言を含め、政府として推進している規制改革は、議員御指摘のような趣旨を目的としたものではないと認識をしております。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(大島理森君) 江田康幸君。
    〔江田康幸君登壇〕
#21
○江田康幸君 公明党の江田康幸です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 食品流通は、安全で良質な食品を生産者から消費者まで、そのニーズに応じて安定的に供給する役割を担っております。中でも卸売市場は、野菜、魚介類、食肉、果物など、日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品を円滑に安定的に供給するため、重要な機能を有しております。
 近年、国民の食料需要や消費は大きく変化しております。生鮮食料品の消費の縮小、加工食品や外食での消費の拡大、直売所やインターネット通販といった購入流通ルートの多様化など、卸売市場法が制定された昭和四十年代と比較し、食品流通を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。
 まずは、こうした時代の変化を踏まえ、食品流通がこれまで果たしてきた役割と現在抱える課題についてどのように考えているのか、齋藤農林水産大臣に答弁を求めます。
 政府では、昨年七月から規制改革推進会議での議論が始まり、我が党においても、卸売市場を含む食品流通構造の改革について、卸売業者、仲卸業者といった卸売市場関係者のほか、卸売市場に出荷する生産者、卸売市場で調達する小売業者の皆様からも直接意見を伺い、精力的に議論を重ねてまいりました。
 今回の食品流通構造改革の議論において、食品流通にかかわる皆様からいただいた意見の多くは、食品流通の安定的な供給を担ってきた卸売市場そのものの存在がないがしろにされるのではないかとの懸念でありました。
 また、昨年十一月下旬には、政府の規制改革推進会議の農林ワーキング・グループにおいて、卸売市場を含めた流通構造の改革を推進するための提言が取りまとめられました。その内容について、市場関係者から、市場が廃止されるのではないかといった懸念や、実態と乖離している、市場流通の弱体化、混乱を招くなど、厳しい意見が相次ぎました。
 時代の変化に伴う制度の改革、見直しの必要性は否定しませんが、食品流通の中で卸売市場が果たしてきた調整機能や、卸売業者、仲卸業者の役割、機能は重要であり、今後も、卸売市場は食品流通の核として堅持していくべきであります。
 消費者のニーズに応じられるようにするのはもちろんでありますが、生産者、消費者双方がメリットを受けられ、卸売市場関係者がその役割、機能をより発揮できる食品流通構造改革の実現に向けて取り組むべきだと考えます。
 今般の食品流通構造改革に向けて、どのような基本的な考え方を持って取り組むのか、また、市場関係者の意見や懸念についてどのように対処されているのか、齋藤農林水産大臣に答弁を求めます。
 我が党は、食品流通改革について、大きく三つの点を申し上げてまいりました。
 第一には、ICTの活用、物流の効率化、コールドチェーンの促進、情報技術の進展などによる食品流通全体の改革の必要性についてです。
 第二には、受託拒否の禁止や差別的取扱いの禁止などの卸売市場に関する規制については、市場機能の発揮に必要な規制を維持するとともに、第三者販売の原則禁止や直荷引きの原則禁止、商物一致の原則などについては、取扱品目や地域の実情を踏まえて、卸売市場ごとに柔軟に見直すべきという点であります。
 第三には、大規模小売店などのバイイングパワーが非常に大きい中で、公正な取引環境を確保すべきという点です。
 こうした基本的な考え方を踏まえ、以下、法案の内容に沿って具体的に質問をいたします。
 本法案は、昨年十二月八日に農林水産業・地域の活力創造本部で決定された改訂活力創造プランの「生産者・消費者双方のメリット向上のための卸売市場を含めた食品流通構造の改革について」に基づいたものと承知しております。その取りまとめに当たっては、我が党の考え方も十分に取り入れられており、今後、本法案の意義を生産者、消費者にしっかりと認識していただくことが非常に重要です。
 本法案により、生産者、消費者はもちろん、市場関係者を含め、どのようなメリットが想定されるのか、今後、その理解促進にどのように取り組んでいくのか、齋藤農林水産大臣に伺います。
 次に、卸売市場の開設の認定制への移行について伺います。
 卸売市場の開設は、現在、中央卸売市場では農林水産大臣の認可が、地方卸売市場では都道府県知事の認可がそれぞれ必要であり、こうした許認可を得なければ、開設自体が認められません。
 本法案では、許認可制から認定制へ移行することにしていますが、当初、関係者の中には、誰にでも開設できるようになることにより、卸売市場の公共性が損なわれるのではないかとの懸念もありました。
 生鮮食料品の集荷、分荷、価格形成や代金決済など、卸売市場に期待される役割は依然大きい中で、これまでの許認可制と認定制との違いや、認定制のメリットはどのようなものなのか、特に、認定制のもとでも卸売市場の公共性が保たれるのか、農林水産大臣に伺います。
 次に、卸売市場の認定申請手続の負担軽減について伺います。
 平成三十年三月現在で、全国に、中央卸売市場が六十四カ所、地方卸売市場が一千カ所以上存在しており、これらの卸売市場は、農林水産大臣や都道府県知事による許認可を得て開設されています。
 本法案では、現在の中央卸売市場や地方卸売市場も、認定を受けようとする場合は改めて認定申請手続を行う必要がありますが、既に許認可の審査を受けた事項を含めて手続を行うことは、大きな負担になると想定されます。
 今後、円滑に新たな仕組みに移行するためにも、開設者の認定申請手続の負担を軽減することが大変重要かと考えますが、どのような負担軽減措置を講ずる考えか、齋藤農林水産大臣に伺います。
 最後に、食品流通の公正な取引環境の確保について伺います。
 生鮮食料品は、短期間で品質が低下しやすく、取引の当事者間で取引上の地位に格差が生じやすいといった性格があります。
 近年、小売店が大規模化する中で、バイイングパワーによる買いたたきや不当な協力金の要求といった切実な声も聞こえるところです。今後、食品のサプライチェーンが安定して機能していくためには、公正な取引が継続的に行われる環境を確保することが大変重要ですが、食品流通の公正な取引環境の確保にどのように取り組むか、齋藤農林水産大臣に伺います。
 食は命を支える源であり、一日たりとも欠かすことができない生活の基本であります。食の安全、安心と安定供給の確保は、国民共通の願いであり、政府の重要な責務であります。そうした視点を十分に踏まえつつ、食に係る政策をより一層推進されるよう強く申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#22
○国務大臣(齋藤健君) 江田議員の御質問にお答えいたします。
 食品流通の役割と課題についてのお尋ねがありました。
 食品流通は、食品の品質を保ち、安定的に消費者のニーズに合った形で供給する役割を果たしており、また、卸売市場は、生産者から農林水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、代金を早期に決済するなどの機能を果たしております。
 近年、食品流通の状況は変化しており、消費の面では、生鮮品のままでの需要が減少し、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、流通の面では、インターネットでの通信販売や産地直売の拡大等、多様化が進んでいます。
 このため、創意工夫を生かして消費者の需要に合った食品を供給する環境を整備するとともに、物流コストの削減や品質、衛生管理の強化等を進めることにより、生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応を促進する必要があると考えております。
 食品流通構造改革に向けた基本的考え方及び市場関係者の御意見等への対処についてのお尋ねがありました。
 食品流通構造改革に当たりましては、食品流通全体について、新たな需要の開拓や付加価値の向上につながる食品流通構造を確立すること、これを基本的な考え方としております。
 また、これまでの議論の過程における市場関係者の御意見を踏まえ、卸売市場を食品流通の核として堅持した上で、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを柔軟に設定できるよう、卸売市場法を改正することとしたところであります。
 本法案による生産者、消費者、市場関係者のメリットと、その理解促進についてのお尋ねがありました。
 今回の改正により、例えば食品の物流につきまして、食品流通構造改善促進法の改正により、共同輸送等による物流の効率化の取組を支援するとともに、卸売市場法の改正により、卸売市場の取引ルールを柔軟化し、例えば、市場取引でありながら物流は直送することが可能となることなどにより、生産者の物流コストを削減しつつ、食品の鮮度を保って消費者まで届けることができるようになります。
 また、加工、業務用需要など、消費者のニーズに対応するため、食品流通構造改善促進法の改正により、食品の加工、小分けや海外への輸出等、国内外の需要に対応する取組を支援するとともに、卸売市場法の改正により、例えば、産地から直接仕入れが原則禁止である仲卸業者が、産地から小口でも有機野菜等を直接仕入れ、品ぞろえを充実させることが可能となることなどにより、消費者のニーズに合った食品を提供し、販路を拡大することができるようになります。
 こうしたメリットについては、関係者向けの説明会等を通じて、理解の促進に努めてまいります。
 許認可制と認定制との違いや、認定制のメリット、卸売市場の公共性の確保についてのお尋ねがありました。
 現行の卸売市場法では、農林水産大臣や都道府県知事の許認可を受けなければ、卸売市場の開設が認められません。他方、本法案では、卸売市場の開設は、許認可を受けずとも行い得ることとする一方で、生鮮品の公正な取引の場として一定の要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定することにより、その振興を図ることとしたところです。
 現行法では、卸売市場の運営等の細部にわたり国が一律に規制を課しておりますが、認定制のもとで、公正な取引の場としての要件は確保しつつ、創意工夫の発揮が促されることがメリットと考えております。
 また、認定制のもとでも、卸売業者が出荷者や買受人に対して差別的な取扱いをしない、取引条件や結果を公表する等の取引ルールを遵守することを求め、厳格な審査と監督を行うことにより、卸売市場の公共性を確保してまいります。
 卸売市場の認定申請手続の負担軽減についてのお尋ねがありました。
 現行の中央卸売市場や地方卸売市場の開設者が今後認定の申請を行う場合には、手続等の負担を軽減するため、本法案では、申請書の記載事項の一部を省略することができることとし、円滑な移行を図ることとしております。
 食品流通の公正な取引環境の確保についてのお尋ねがございました。
 食品は日もちがしないことなどから、不公正な取引が発生しやすい面がありまして、公正な取引環境の確保がとりわけ重要であります。
 このため、本法案では、農林水産大臣が、食品等の取引状況の調査を行い、事業者に対し指導助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは公正取引委員会に通知をすることといたしております。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(大島理森君) 金子恵美君。
    〔金子恵美君登壇〕
#24
○金子恵美君 無所属の会の金子恵美です。
 ただいま議題となりました卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 我が国の卸売市場は、生鮮食料品や花卉の流通において非常に重要な社会的役割を果たしていますが、今回の改正では、その公共性の高い、重要な社会的役割が形骸化するのではないかと強く危惧されます。
 第一に、本法律案では、「卸売市場の整備を計画的に促進する」という文言が削除されるなど、需給の長期見通しに即した卸売市場の適正な配置が考慮されなくなるおそれが強いと考えます。今後は、国は、認定した個別の卸売市場の運営内容には留意するが、卸売市場の流通システム全体の将来ビジョンには関与しないと受けとめられます。
 そうなれば、今後の各卸売市場のあり方、例えば、市場間の統合や合併、さらには廃止などがそれぞれの判断に委ねられる可能性が想定され、市場間、業者間においての競合が激化し、卸売市場の機能、役割を十分に発揮できなくなる可能性が高まるのではないでしょうか。
 第二に、中央卸売市場の開設を公設に限り認めている現在の認可制を廃止し、一定の要件を満たせば民間企業も開設者になり得る認定制に移行することにより、民間企業、とりわけ大手企業が開設者となる可能性が極めて高くなります。
 大手の流通資本による寡占化が進み、多くの卸売業者や生産者が行き場をなくし、結果として、小売部門の寡占化により、消費者が店舗や商品を選択することが困難になったり、価格の上昇も受け入れざるを得ない事態も考えられます。
 卸売市場の機能及び開設主体のあり方について、農林水産大臣の答弁を求めます。
 また、第三者販売の原則禁止の規定を削除することとしています。第三者販売の原則禁止の規定がなくなり、仲卸業者を介在しない取引がふえることで、淘汰される業者も出てくるのではないでしょうか。
 仲卸業者が、地域の小売、外食、消費者の需要を踏まえながら、卸売市場に出荷されている生鮮食料品をしっかり判断して価値評価してきた、そういった仲卸の役割は、卸売市場の価格形成機能の観点から、今後も維持していく必要があります。卸売市場に多様な仲卸業者、売買参加者がいるからこそ、卸売市場としての価値が高まるのではないでしょうか。
 仲卸業者の役割について、農林水産大臣の答弁を求めます。
 次に、卸売市場のルールである業務規程の策定主体と策定手続についてお尋ねします。
 第三者販売の原則禁止のほかにも、卸売市場における売買取引の主要なルールである直荷引きの原則禁止、商物一致の原則は、法律上は廃止されます。
 本法律案では、こうしたルールは卸売市場の開設者の判断で業務規程に定めることとしています。取引参加者の意見を聞いて業務規程を定めることとしておりますが、意見を聞くべき取引参加者の範囲や、どのような手続を踏んで聞くのか、必ずしも明らかになっておりません。比較的規模の大きな取引参加者の意見だけを取り入れて業務規程が策定されるおそれはないのでしょうか。
 業務規程の策定主体を開設者に任せた趣旨についてお伺いします。また、ルールの策定手続が十分なものとなるよう、政府は、業務規程の策定手続について指針を示すべきではないでしょうか。農林水産大臣に答弁を求めます。
 最後に、現在、回復の途上にある私の地元福島県の農林水産物にとって、卸売市場における価格形成や情報が指標となっております。卸売市場を始めとした食品流通システムが引き続き十分な機能を発揮し、福島県産農林水産物が震災、原発事故発災前以上の評価を得ることを期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#25
○国務大臣(齋藤健君) 金子議員の御質問にお答えをいたします。
 卸売市場の機能及び開設主体のあり方についてのお尋ねがありました。
 卸売市場につきましては、生産者から農林水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、代金を早期に決済するなどの機能を果たしており、今後も食品流通の核として堅持すべきと考えております。
 このため、本法案では、公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定して振興するとともに、卸売市場ごとの実態に合わせて取引ルールを設定できることとし、創意工夫の発揮と卸売市場の活性化を促進することとしています。
 開設主体のあり方につきましては、本法案では、中央卸売市場についても開設者は地方公共団体に限定しないこととする一方、差別的取扱いの禁止、取引条件、取引結果の公表等、卸売業者に公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させるなど、高い公共性を有する卸売市場を認定することとしております。
 仲卸業者の役割についてのお尋ねがありました。
 仲卸業者につきましては、消費者の立場に立って生鮮品等を評価し、小分け、加工、包装等のきめ細かなサービスを提供しております。
 また、これまで仲卸業者が行ってきました代金の回収や欠品、事故等のクレームへの対応等は容易な業務ではなく、第三者販売の原則禁止が緩和されたとしても、仲卸業者を介した取引に頼らざるを得ないとの意見も聞かれます。
 これらを踏まえ、本法案では、仲卸業者等の取引参加者の意見を十分に聞いて、卸売業者による第三者への販売のみならず、仲卸業者が卸売業者を介さず出荷者から直接荷を買い付ける直荷引きを含め、卸売市場がおのおのの実情に即した取引ルールを設定できることとしており、仲卸業者を始め、卸売市場において、一層、生産者、消費者のニーズに応じた事業展開が行われることを期待しております。
 業務規程の策定主体及び策定手続についてのお尋ねがございました。
 卸売市場における業務につきましては、公正な取引の場として適正に実施される必要があるため、本法案では、卸売市場の業務の方法、卸売業者、仲卸業者等が業務に関し遵守すべき事項、これを定めた業務規程を、現行法と同様、卸売市場の業務運営に責任を持つ開設者が策定することとしています。
 また、業務規程の策定手続につきましては、現行法には、開設者が策定すること以外に明確な規定はありませんでしたが、本法案では、第三者販売の禁止等の取引ルールを卸売市場ごとに定める場合には、その内容が法定の取引ルールに反するものでないこと、卸売業者のほか、仲卸業者、市場へ出荷する生産者、市場取引に参加する小売業者等の意見を聞くことなどの手続を法律上定めております。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(大島理森君) 田村貴昭君。
    〔田村貴昭君登壇〕
#27
○田村貴昭君 日本共産党の田村貴昭です。
 私は、日本共産党を代表して、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について質問します。(拍手)
 まず、この法案は誰の要望なのでしょうか。市場関係者ですか。生産者ですか。それとも消費者ですか。
 卸売市場では、生産者の立場に立って少しでも高く売りたい卸売業者と、消費者の立場に立って品質、鮮度のいいものを少しでも安く買いたい仲卸業者の明確な役割分担のもと、競りを原則とした公正な価格形成が行われています。
 そこでは、売り手と買い手の力関係や投機的要素は介在せず、純粋に需要と供給の中での商品価値のみが評価されています。こうして決まった価格の適正さに対する信頼は、相対や直接販売がふえた今なお、揺らいでいません。関係者から高く評価されるこの仕組みを大きく変える必要がどこにあるのでしょうか。
 にもかかわらず、市場の関係者や専門家が一人もいない規制改革推進会議が、この仕組みを全てなくす案を突然持ち出しました。これは一体誰の要求ですか。明確な答弁を求めます。
 卸売市場には、第三者販売の禁止という重要な原則があります。これは、卸売業者と仲卸業者を正面から向き合わせて適正な価格形成をするため、卸売業者が仲卸業者以外の者と取引することを禁止するものです。法案は、この原則をなくそうとしています。
 そうなれば、大手スーパーが都合のいいものを買い占め、仲卸と小売業者は残りを買うしかなくなるのではありませんか。また、卸売業者の第三者販売が進めば、品質と需給だけではなく、仕入れ力、販売力の高い大手との力関係で価格が決まります。特売日などに合わせた買いたたきで、生産者が被害を受けるのではありませんか。
 政府は、規制改革推進会議が持ち出した、現行の原則やルールを全廃する案を取り下げ、受託拒否の禁止、差別的取扱いの禁止の原則は残したから大丈夫だと説明しています。しかし、資本力に物を言わせた恣意的取引を厳密に規制するルールを廃止しておきながら、どうして大丈夫と言えるのですか。
 また、法案は、卸売市場の整備計画に関する規定を全て削除しています。これは、全国に市場を配置していく国の責任を放棄するものではありませんか。
 認可、許可制を認定制に格下げすることは、卸売市場への国や自治体の公的関与を後退させます。これでは、市場会計の赤字を抱える自治体で、地方市場の外部化や閉鎖が進むのではありませんか。
 ある卸売会社の社長は、農水大臣の認可は金看板です、なくなると困るとおっしゃいました。認定制により開設者からの使用許可にしてしまう本法案では、卸売業者のブランドに対する生産者の信頼を損なうのではありませんか。
 その上、これまで自治体が担ってきた卸売市場を、民間企業にも開設できるとしています。これまで条例に基づき自治体が行ってきた指導、検査、監督などの権限を民間企業に投げ渡して、どうして公正公平さが担保されるというのですか。大ロットの生産者、小売だけを優遇することになるのではありませんか。
 私たちは、季節ごと、地域ごとに鮮度の高い多様な食材を、毎日買物に行って食べています。この食文化を支えてきたのが、多様な生産者から供給されるさまざまな生鮮食料品を多様な志向を持つ消費者とマッチングさせる卸売市場なのであります。
 この機能を縮小し、公正な値決めを担ってきた競りと仲卸業者を駆逐するなら、規格化された大量の商品を消費地に流すだけの、市場とは似ても似つかぬ物流センターになってしまうではありませんか。
 卸売市場は、家族経営の小規模な生産者でも荷を受け入れ、仲卸業者の鋭い目ききで公正な価格を提示し、大小問わず、さまざまな小売、消費者の要求に応えてきました。日本の食文化の多様性を支えるこの機能は、維持し、発展させることこそ必要だと主張し、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕
#28
○国務大臣(齋藤健君) 田村議員の御質問にお答えをいたします。
 競り売りによる売買取引と規制改革推進会議の提言についてのお尋ねがございました。
 卸売市場法における売買取引の方法につきましては、昭和四十六年の卸売市場法の制定当初、競り売り、入札の方法によらなければならないとしておりましたが、平成十一年の法改正により、競り売り、入札と相対取引とを選択できることとしており、本法案でも、この考え方を踏襲しております。
 規制改革推進会議の提言の経緯につきましては、農林水産省としてお答えする立場にはありませんが、関係者の意見を聞いた上で取りまとめられたと承知をしております。
 第三者販売の原則禁止の緩和による影響についてのお尋ねがありました。
 仲卸業者からは、卸売業者による第三者販売の原則禁止が緩和された場合、仲卸業者の取引先である大手の小売業者等へ直接販売したり、大手の小売業者ばかり優遇されるのではないかといった懸念の声を伺っています。
 このため、本法案では、卸売業者、仲卸業者等の関係者の意見を十分に聞いて、卸売市場がおのおのの実情に即して柔軟に取引ルールを設定できることとするとともに、特定の買受人を卸売業者が不当に差別的に取り扱うことを禁止し、公正な取引を確保することとしております。
 また、買いたたき等に対する懸念につきましても、公正な取引環境を確保するため、農林水産大臣が、食品等の取引状況の調査を行い、事業者に対し指導助言等を行うとともに、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に通知することとしております。
 卸売市場の取引ルールの見直しについてのお尋ねがありました。
 本法案では、受託拒否の禁止や差別的取扱いの禁止など、公正な取引の場として必要な取引ルールを確保しつつ、第三者販売の禁止や商物一致の原則など、その他の取引ルールは、単に廃止するのではなく、取引市場ごとの実態に合わせて柔軟に設定できるよう改正しております。
 また、開設者が卸売業者等に公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させ、厳格な監督を行うとともに、農林水産大臣が開設者に指導監督することにより、卸売市場の高い公共性を確保することとしております。
 卸売市場の整備計画や許認可制の見直しについてのお尋ねがありました。
 卸売市場の整備計画につきましては、卸売市場の計画的な整備を進めてきた結果、全国に整備が行き渡ってきた状況を踏まえ、その仕組みは今回廃止をすることとしております。
 卸売市場の許認可制から認定制への見直しにつきましては、現行法では、農林水産大臣や都道府県知事の許認可を受けなければ卸売市場の開設が認められませんが、本法案では、許認可を受けずとも卸売市場を開設することができることとする一方で、生鮮品の公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場を農林水産大臣が認定をし、中央卸売市場、地方卸売市場の名称を使用させ、施設整備への助成を行う等により、その振興を図ることとしたところであります。
 認定制のもとでも、開設者が卸売業者等に公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させ、厳格な監督を行うとともに、農林水産大臣が開設者に指導監督することにより、卸売市場の高い公共性を確保することとしております。
 民間企業が卸売市場の開設者となった場合についてのお尋ねがございました。
 卸売市場の開設主体のあり方につきましては、現行法のもとでも、中央卸売市場から地方卸売市場への転換を通じて民営化する事例が出てきていることも踏まえ、本法案では、中央卸売市場についても開設者は地方公共団体に限定しないこととする一方、開設者が卸売業者等に公正な取引の場として必要な取引ルールを遵守させるとともに、厳格な監督を行うこととしております。
 また、開設者が、卸売業者等に対する指導、検査、監督を怠ったり、特定の出荷者や買受人を差別的に取り扱う、こういった場合には、農林水産大臣が、措置命令を発出して是正を求めるほか、命令に従わないときには認定を取り消し、公共性を確保することとしております。
 卸売市場が有する機能についてのお尋ねがございました。
 卸売市場は、生産者から農林水産物を集めて小売店等に小分けして供給し、需給に応じた価格形成を行うなどの機能を果たしており、今後も食品流通の核として堅持すべきと考えております。
 このため、本法案では、公正な取引の場としての要件を満たす卸売市場を農林水産大臣等が認定して振興するとともに、仲卸業者等の取引参加者の意見を十分に聞いて、卸売市場がおのおのの実情に即して柔軟に取引ルールを設定できることとしており、一層、生産者、消費者のニーズに応じた事業展開を行うことを可能としております。(拍手)
#29
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
       農林水産大臣   齋藤  健君
       国務大臣     梶山 弘志君
 出席副大臣
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
ソース: 国立国会図書館
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