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2018/07/05 第196回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第196回国会 本会議 第41号
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2018/07/05 第196回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第196回国会 本会議 第41号

#1
第196回国会 本会議 第41号
平成三十年七月五日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十三号
  平成三十年七月五日
    午後一時開議
 第一 水道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 水道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時二分開議
#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 水道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(大島理森君) 日程第一、水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長高鳥修一君。
    ―――――――――――――
 水道法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔高鳥修一君登壇〕
#4
○高鳥修一君 ただいま議題となりました水道法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化等に対応し、水道の基盤の強化を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、厚生労働大臣は、水道の基盤を強化するための基本方針を定めるとともに、都道府県は、その方針に基づき、水道基盤強化計画を定めることができることとすること、
 第二に、水道事業者等は、水道施設を良好な状態に保つため、これを維持し、修繕しなければならないこととすること、
 第三に、地方公共団体である水道事業者等は、厚生労働大臣の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できることとすること、
 第四に、指定給水装置工事事業者の指定について、五年の更新制を導入すること
等であります。
 本案は、去る六月二十七日本委員会に付託され、同日加藤厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、二十九日から質疑に入り、昨日質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、立憲民主党・市民クラブ及び国民民主党・無所属クラブより、水道施設運営権の設定の許可に関する規定を削除すること等を内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。
 次いで、原案及び修正案について討論、採決を行った結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。武内則男君。
    〔武内則男君登壇〕
#6
○武内則男君 立憲民主党・市民クラブの武内則男です。
 冒頭、一言申し上げます。
 昨日、文部科学省の官房長も務めた現役の局長が受託収賄の容疑で逮捕されるという大事件が起こりました。事実とすれば、行政の私物化そのものであり、看過することはできません。
 そして、この事件が如実に物語るのは、行政の私物化が、まさに安倍政権の体質そのものであり、うみを出し切るどころか、うみがまた次から次へと出てくるという事実であります。大臣が謝って済む問題ではありません。
 直ちに国会の場での説明も必要ですし、与党の諸君は逃げないでいただきたい。この件も含め、徹底的な集中審議の開催を改めて強く求めます。
 それでは、ただいま議題となりました水道法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず初めに、この改正案は、人口減少に伴う需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の直面する課題に対し、水道の基盤強化を図るため所要の措置を講ずるとして提出されたものです。
 その大きな柱は、一つには国、都道府県、市町村の責務の明確化であり、二つ目は広域連携の推進、三つ目は適切な資産管理の推進、五つ目が指定給水装置工事事業者制度の改善であります。この四つの柱で法案が組み立てられたなら、国民のための水道事業のあるべき姿に向けた第一歩として評価ができます。
 しかしながら、立法過程において、なぜか四番目の柱として運営権を売り飛ばすことができる条文が加わったことにより、本来の趣旨を、あるべき水道事業の姿をねじ曲げてしまった法案であり、断じて認めることはできません。
 過去に、PPP、PFI、コンセッション方式を導入したフランス・パリ市では、市民生活に大きな影響が出て、社会問題化する事態となり、二〇一一年、再公営化されるという結果になっています。
 同時に、ことしになって、イギリスの会計検査院から、PPP、PFIを問題視するレポートが出されています。あの民営化大国イギリスでは、PPP、PFIの手法を二十五年経験し、その結果、PPP、PFIのスキームを痛烈に批判をしている公式なレポートです。
 レポートでは、通常の公共入札より、PPP、PFIが四〇%も割高であるというエビデンスが提示され、今後も、このPPP、そしてPFIが続くなら、膨大な市民のお金が企業のトップや株主に流れると批判、警笛を鳴らしています。そして、水道に至っては、もはや規制も監督も機能していないことを明らかにしているんです。
 こうした現実を直視せず、政権にとって都合の悪いことにはふたをして、市民や国民生活に大きな影響を及ぼしかねない現状からは目をそらし、命の水を売り飛ばす、ましてや外資に。到底容認することはできません。
 今を生きる私たちは、阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震など、数々の自然災害を経験してきました。
 そこに人がいれば水を届けるという使命と責任を背負い、全国の自治体水道関係者は、現地に駆けつけ、一分一秒を争う命の水を届けてきました。こうした経験のもとに、災害時における連携協定が結ばれるなど、危機管理体制の整備が進んでいます。
 まさに、各地域や各自治体事業体及び広域水道企業団の間で連携を図り、いわゆる公公連携を軸としたライフラインとしての命を守る取組が本来求められている姿です。
 水道は、国民のみならず、外国からの定住者や観光客、この国にいる全ての人々にかかわる重要なインフラです。水道のこれからのあり方を議論し、持続可能な水道へと導いていく政治の責任は重大です。
 電気やガスなどのインフラは、どう生きるかの選択という問題としての観点がありますが、水は、水問題は、生きられるかどうかの問題です。だからこそ、水道事業のあるべき姿は、そもそも法律改正の趣旨にあった純粋な事業の基盤強化であります。
 運営権などという海外で失敗をしているものをたてつけるのではなく、何よりも人材育成、技術の継承という観点で、事業推進を国がサポートすべきです。
 戦後七十年、市民の共有の財産としての公共水道の強化こそが、持続可能な水道のあるべき姿だと言えます。
 戦後七十年、水道法と地方公営企業法のもと、命の水に公が責任を持ち、蛇口をひねれば水が出る、安全、安心、安定供給という社会的責任を果たしてきました。その歴史に、命の水でもうけようなんという精神や概念は存在をしてこなかったのです。
 TPP、そしてPFI、IR、最後に水。ここに、ある特定の意図や狙いを持って手をつけ、国民生活を壊していこうというのが今の安倍政権です。
 岩盤規制に穴をあけるんだ。言っていることは立派でも、あいた穴をのぞけば、お友達ばかりじゃありませんか。多くの国民はそのことを見抜いています。
 これ以上、安倍政権によって行政がねじ曲げられることは許されないことを申し上げ、反対の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○議長(大島理森君) 柚木道義君。
    〔柚木道義君登壇〕
#8
○柚木道義君 国民民主党の柚木道義です。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の水道法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 討論に先立ちまして、六月十八日に発生した大阪北部地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、昨日、文部科学省の現職の局長が裏口入学への見返りとしての受託収賄容疑で逮捕されるという前代未聞の事件が発生しました。事実なら、入試をつかさどる文部科学省全体、ひいては安倍政権自体の信頼も大きく損なわれます。安倍政権による権力や税金の私物化が問題視される中、まさに政権の内閣人事局で任命した局長による不祥事であり、安倍総理や菅官房長官、林文部科学大臣ら、予算委員会での集中審議の中等で国民への説明責任を果たしていただきたいと考えます。
 そして、与野党超えて切にお願い申し上げます。
 あしたで、東京都目黒区の五歳女児、船戸結愛ちゃんが虐待死をし、両親が逮捕の報道があって一カ月になります。
 この間、厚生労働委員会では、児童虐待対策の集中審議、現地視察等を強く求めてまいりました。さらに、水道法審議よりも前に、緊急的、人道的観点からも、野党五党一会派で衆議院に提出をした児童福祉法・児童虐待防止法改正案の委員会での審議を、強く、重ねて求めてまいりました。
 安倍総理、自民党総裁は、野党にいつも対案提出を求めておられるわけです。ぜひとも、党総裁として、野党案に御賛同いただき、そして審議をいただけるように、自民党に御指示いただけませんでしょうか。そして、外遊に行かれるよりも前に、結愛ちゃんの悲痛な叫び声を、どうか児童虐待法改正案を審議、成立させるために御協力をいただけませんでしょうか。
 この改正法案は、結愛ちゃんの対応を行っていた香川県の児童相談所に野党議員でヒアリングに伺った際に、児相の所長さんから、現在の国の強化プラン基準である人口四万人に一人の児童福祉司では到底数が足りず、国の基準改正を含めて、児童福祉司を大幅に増員をしてほしいとの、児童虐待の対応に日夜向き合っておられる現場からの切なる声に応える法案となっています。
 つまり、欧米に比して二倍以上ともされる児童福祉司一人当たりの虐待相談対応件数を大幅に軽減するもので、例えば、東京都の五十一件が二十六件に半減、大阪府の六十二件が三十一件に半減と、いずれも、いわば五十人学級が二十五人学級、六十人学級が三十人学級に、結愛ちゃんの転居前在住であった香川県においても、児童千人当たりの都道府県別警察への通告児童数並びに児童虐待事件の検挙件数がいずれも全国四番目に多い、その香川県でも、児童福祉司一人当たりの相談件数は四十一件から二十六件へと軽減、転居先の東京都とともにまさに欧米に近い水準にまで軽減をされ、結愛ちゃんのような事案へのきめ細やかな対応が可能となる内容となっており、その他、ここでは述べませんが、野党改正案は、まさに、政府・与党が検討され、七月中下旬にまとめようとしている緊急対策も包括した内容になっています。
 小児科学会の試算では、一年に約三百五十人、毎日一人、最愛の親等に子供たちが虐待死させられてしまっている現状も踏まえ、国会が会期延長された中で、カジノ法案など政府・与党が通したい法案だけでなく、内容的にも与野党で十分合意できる児童虐待防止法改正法案を何とぞ、緊急的、人道的観点からも優先的に審議いただきたいのです。これは、立法府である国会、行政府の安倍政権、そしてこの議場におられる与野党全ての議員の良識が問われており、また思いは与野党超えて一緒であると強く信じております。
 我々は、閣法審議も否定しません。しかし、水道法より前に児童虐待防止法改正案の審議を強く求めてきた中で、それが受け入れられず、本日に至っております。閣法審議の間には一般審議が通例行われる中で、本日この水道法改正案が採決された暁には、次回はぜひとも児童虐待防止法改正案審議を切に、心よりお願い申し上げ、水道法改正案に対しての討論をいたします。
 まず、水道法改正案の審議入りは厚生労働委員長の職権で決まりました。報道によれば、与党は、大阪北部地震を受けて、本法案の成立を急いでおられるようです。
 確かに、本法案には、震災への備えとなる、水道事業者等に施設の維持修繕を行うことを義務づけるといった規定が盛り込まれています。高度経済成長期に整備された水道管の老朽化によって破断が起きないよう維持修繕を行うことが求められており、必要な改正であるとは考えます。厚労省によれば、大阪府の主要水道管に占める老朽管の割合は全国平均を大きく上回っており、大阪北部地震を受けて成立を急ごうという考えは理解できます。
 本法案には、ほかにも、都道府県に水道事業者等の広域的な連携の推進役としての責務を規定し、都道府県が水道基盤強化計画を定めたり、広域的連携等推進協議会を設置できるようにして、水道の基盤を強化する内容が盛り込まれています。私たちも、こうした改正は必要不可欠であると考えます。
 他方で、本法案には、大阪北部地震のような災害時対応を考えると、反対せざるを得ない内容が含まれています。地方公共団体が、水道事業者等として位置づけを維持しつつ、厚労大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みの導入、いわゆるコンセッション方式に関する規定です。この方式では、災害時の責任の所在、役割分担については、自治体が策定する枠組みに委ねられてしまっています。
 また、この方式のもとでは、自治体の職員の転籍についても自治体が策定する枠組みに委ねられており、そのため、水道事業の技術継承を困難にし、地方公営企業の技術力、人的基盤の喪失につながるおそれがあります。運営のほぼ全てを民間事業者が行う中で、モニタリングできるだけの知識、経験も自治体に蓄積されることがなくなると懸念をされます。自治体にノウハウがなくなり、災害時に対応できなくなるのではないかとの疑念を払拭できません。
 さらに、この方式では、事業者が水道事業の認可を得る必要がないため、水道法上の責任の所在が不明確であるという問題点も指摘されます。
 国民民主党は、今申し上げたコンセッション方式に関する規定に問題があることから、それを導入した自治体に対し、旧資金運用部資金等の繰上償還に係る補償金を免除することを盛り込んでいるPFI法改正案にも反対しました。
 コンセッション方式に関する規定は本法案から削除すべきであり、国民民主党は、厚労委員会で立憲民主党とともにコンセッション方式に関する規定を削除する修正案を提出いたしましたが、残念ながら、否決されてしまいました。重大な問題を抱えているコンセッション方式に関する規定が削除されないのであれば、政府提出法案に反対せざるを得ません。
 水は命の源であり、水道は命と生活を支える重要な基盤であります。国民民主党は、生活者の立場から、命と生活を支える水の安全、安心を守っていく所存であることを申し述べ、反対の討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(大島理森君) 高橋千鶴子君。
    〔高橋千鶴子君登壇〕
#10
○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、水道法改正案に反対の討論を行います。(拍手)
 水道事業は、あまねく国民に安全、安心、安定的な水供給によって、憲法の生存権を保障するものです。新水道ビジョンは、基準に適合した水が、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって持続的に受け取ることができるとうたっています。現状は、管路の老朽化、四割に満たない耐震化率、小規模で脆弱な経営基盤などが実態であります。
 与党は、大阪北部地震を口実に法案成立を急ぎましたが、この法案は、今回の災害に対応できるものではありません。海外で進んでいる再公営化の調査や参考人質疑など、徹底審議をするべきであり、会期末ぎりぎりに委員長職権で委員会採決を行ったことに断固抗議をするものです。
 反対する第一の理由は、事実上の広域化押しつけになるからです。
 国が基本方針を策定し、都道府県は、その方針にのっとり基盤強化計画をつくり、広域化の推進役を担います。先行する広域化計画では自己水源の放棄や余剰になったダム水の押しつけなどが問題になっており、住民負担やサービスの後退を招いているのです。それなのに、都道府県議会の議決も不要で、国の助言、勧告などの権限もなくしたことは重大です。
 第二は、水道事業にコンセッション方式を導入することです。
 利益優先の民間事業者の参入は、経営効率化の名のもとに、事業の安全性、安定性の後退、料金値上げなどの住民負担増につながります。
 厚労省は、水道事業者である地方公共団体がモニタリングを行うから大丈夫と答える一方、そのモニタリングは第三者機関に任せてもよいと明言しました。技術の継承、後継者不足を国が認めたようなものであり、これで安全、安心の水道事業が維持できるとは到底考えられません。
 厚労省は、世界に名立たる水メジャーに対抗できる国産企業を育てたいと答弁しました。その代表格である企業は、国内、海外に数百の拠点を持ち、水ビジネスは二〇二五年には百兆円の市場になると強調しています。命の源である水道事業をビジネスの対象にすべきではありません。人員確保、必要な財政支援を行うこと、過大な需要予測によるダム開発ではなく、渇水時や災害であっても対応できる身近な水源を残し、住民参加の水道事業を応援するべきです。
 以上述べて、反対討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#12
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#14
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       厚生労働大臣  加藤 勝信君
ソース: 国立国会図書館
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