くにさくロゴ
2017/12/07 第195回国会 参議院 参議院会議録情報 第195回国会 環境委員会 第2号
姉妹サイト
 
2017/12/07 第195回国会 参議院

参議院会議録情報 第195回国会 環境委員会 第2号

#1
第195回国会 環境委員会 第2号
平成二十九年十二月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     こやり隆史君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君    渡辺美知太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柘植 芳文君
    理 事
                滝沢  求君
                森 まさこ君
                長浜 博行君
                片山 大介君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                関口 昌一君
                二之湯武史君
               渡辺美知太郎君
                礒崎 哲史君
                芝  博一君
                柳田  稔君
                河野 義博君
                浜田 昌良君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   国務大臣
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     中川 雅治君
   副大臣
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
       環境副大臣  とかしきなおみ君
       環境副大臣    伊藤 忠彦君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  笹川 博義君
       環境大臣政務官  武部  新君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      荒木 真一君
       復興庁統括官   小糸 正樹君
       農林水産大臣官
       房生産振興審議
       官        鈴木 良典君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小澤 典明君
       環境大臣官房環
       境保健部長    梅田 珠実君
       環境省地球環境
       局長       森下  哲君
       環境省水・大気
       環境局長     早水 輝好君
       環境省環境再生
       ・資源循環局長  縄田  正君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        山本 昌宏君
       環境省総合環境
       政策統括官    中井徳太郎君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  山田 知穂君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       副社長      文挾 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (中間貯蔵施設の整備及び搬入状況に関する件
 )
 (自動車部門における地球温暖化対策に関する
 件)
 (食品ロスの削減に向けた環境省の今後の取組
 方針に関する件)
 (東京電力の原子力事業者としての適格性に関
 する件)
 (我が国の温室効果ガス削減目標の在り方に関
 する件)
○水俣病の全貌解明のため、不知火海沿岸及び阿
 賀野川流域住民(出身者を含む)の健康調査及
 び環境調査を行い、今後の水俣病対策にいかす
 ことに関する請願(第三四号外一三件)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律の改正に関する請願(第一三四号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(柘植芳文君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官荒木真一君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(柘植芳文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(柘植芳文君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 本日、自民党を代表して、中川環境大臣の大臣所信的御挨拶に対する質疑をさせていただきます。
 この参議院環境委員会におきましては、与野党の皆様の環境行政に対する真摯な質疑が行われてまいりました。私は、臨時国会そして昨年から通常国会と二国会、この参議院環境委員会で委員長を務めさせていただきましたけれども、与野党の理事そして委員の皆様の御協力の下、昨国会でございますが、環境省史上最も多い数の法案を審議し、採決がすることができました。この委員会において、本当に環境行政に対する真摯な質疑が行われたことを感謝しております。
 そして加えて、東日本大震災、原発事故からの復興のために、福島環境再生事務所を福島地方環境事務所に格上げする承認もこの委員会でいただきました。中川大臣の所信の中には東日本大震災からの復興というお言葉もございますので、その点も含めて、本日は質問をさせていただきたいと思っております。
 中川大臣、御就任おめでとうございます。中川大臣は、事務次官時代、環境庁から環境省になった翌年の平成十四年に事務次官に御就任をなさったということでございます。そして、その年の六月に日本が京都議定書を締結いたしました。その京都議定書を締結したときの当時の事務次官としての思い、そして、そのほか事務次官時代の御実績を踏まえて、今後の環境行政にどのように取り組むかという御決意を伺えればと思います。
 よろしくお願いします。
#8
○国務大臣(中川雅治君) 私が環境省の事務次官を務めましたのは、今お話しいただきましたように、平成十四年一月から平成十五年の七月でございます。
 当時に比べまして、現在の環境省は被災地の復興、創生が新たな任務として加わり、また独立性の高い機関でございます原子力規制委員会ができまして、この原子力規制委員会は環境省の外局という位置付けになっております。私が事務次官をしておりました当時と比べまして、人員も予算も格段に増えております。それだけに責任の重さというものを感じる次第でございます。
 今お話がございました京都議定書、当時いろいろな意見がございましたが、地球温暖化対策のために京都議定書を批准をするということはもう何よりも重要なことだという思いで、当時の大木大臣始め環境省一丸となって京都議定書の締結に向けて努力をしたのを思い出します。国会で全会一致で批准の御承認をいただいたときの感激というものを忘れるわけにはいかないわけでございます。
 地球温暖化対策につきましては、参議院議員になりましてからも大きな柱の一つとして活動を続けてまいりました。先月も、気候変動枠組条約第二十三回締約国会議に出席をいたしまして国際的な発信をしてきたところでございますが、今後は、国内対策はもちろん、世界の気候変動対策にも貢献すべく、しっかりリードしてまいりたいと思っております。
 引き続き、これからも環境大臣として環境政策を新たな成長の牽引力とすべく、今お話ございました次官在任中の経験や、その後の参議院議員になってからの活動の経験、知識なども生かしながら、しっかりと環境行政を担ってまいる決意でございます。
#9
○森まさこ君 大臣、ありがとうございます。環境行政、熱心に取り組まれてこられた中川環境大臣の今後の取組に期待したいと思います。
 今お述べいただいた先月のCOP23での御活動でございますが、大臣所信的挨拶にもありましたけれども、その中でも特に企業や自治体などの非政府主体を巻き込んだ世界的な行動を促進する積極的な取組が数多く示されたというふうにございましたけれども、この辺りを具体的に御説明をいただき、その中で日本政府がどのような活動をしていくのか、お示しいただければと思います。
#10
○国務大臣(中川雅治君) 今回のCOPは、米国がパリ協定の脱退を表明してから初めてのCOPでございましたが、各国の首脳、閣僚に加え、民間企業や自治体、NGOなど、本当に多くの方が参加をされまして、二万人以上の方が参加をされたというふうに伺っておるわけでございます。参加されましたあらゆる主体がパリ協定の実施を約束し、パリ協定を後戻りさせないという強固な意思を示したということは大変大きな意義があったと考えております。サイドイベントも大変盛況でございまして、私もそうしたイベントにも参加をいたしまして、いろいろな方と意見交換をさせていただきまして大変有意義なCOPであったと考えております。
 本会合では、パリ協定が二〇二〇年から着実に実施されるよう全ての国の取組を促進し透明性を高めるための実施指針の交渉が行われ、日本としても積極的に参画をいたしました。先進国と途上国の間で意見の隔たりが見られましたけれども、最終的に来年のCOP24での合意に向けた実施指針の土台ができたというふうに考えております。一定の進捗を得ることができたというように評価をしているところでございます。
 COP23では、私から国内対策の着実な実施に加え気候変動対策に係る様々な情報の透明性を向上させるためのパートナーシップの設立を表明いたしました。このほか、透明性のための能力開発イニシアティブへの五百万ドルの拠出、全世界の温室効果ガス排出量を観測する人工衛星「いぶき二号」を来年度に打ち上げるということ、二〇一九年のIPCCの総会を日本へ誘致したいということなどを発信いたしまして、途上国を含め各国から高く評価をいただいたところでございます。現地におきまして九か国・機関の代表とバイの会談を行いまして、交渉における我が国の方針を伝えるとともに、今後の協力について意見交換を行いました。
 米国は今回のCOP23にも代表団を送って交渉に参加しており、同国の代表とも会談を行いました。パリ協定脱退表明が残念であるということをお伝えするとともに、米国のスタンスを確認をいたしました。米国は、米国民にとって望ましい条件が整わない限りパリ協定には関与しないという従来からの立場を表明をいたしましたが、一方で、アメリカの代表がステートメントにおきまして、米国に有利な条件が満たされれば後日復帰する可能性を引き続き残しているという言い方もされたところでございます。この会談を通じて、日本と米国両国は気候変動対策を実施していくことの重要性についても確認をさせていただいたところでございます。
 また、今回の会合では、カナダ、英国主導により石炭火力発電所の廃止を目指す連合が発足する等の動きがございました。私としても、火力発電の問題に対しては厳しい姿勢で臨んでいく必要があると改めて実感をしたところでございます。
 来年十二月にはCOP24がポーランドで開催されます。いよいよパリ協定の実施指針が作成される重要なCOPとなりますので、日本の強みをアピールしつつ建設的な議論ができるよう、しっかり準備していきたいと考えております。
 御指摘の非政府主体との関係、皆様方と一緒にどのようにこれからやっていくかという課題につきましては、例えば、国民お一人お一人に低炭素型の製品、サービス等の賢い選択を促す国民運動、クールチョイスの推進、企業版二度目標など企業の削減目標の策定支援、地方自治体の地方公共団体実行計画の策定、実施の支援、これらのステークホルダーとの定期的な意見交換の実施などに引き続き取り組んでまいります。
 我が国としては、こうした取組を通じ、国民、企業、自治体等も含めた全ての主体が一丸となって気候変動対策に取り組んでいけるよう、しっかりとリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
#11
○森まさこ君 ありがとうございます。
 今、米国の代表と会談した内容も示されまして、専門家である中川環境大臣のリーダーシップにより、日本のリーダーシップがますます強固に世界に示されるものと期待をしております。
 次に、東日本大震災からの復興に関わることを質問したいと思いますけれども、ため池の除染について質問したいと思います。
 本日は、礒崎農水副大臣にお越しをいただいて、ありがとうございます。
 このため池ですけれども、周辺の公園、それから住宅もございますが、何よりも農業者の皆様がこのため池の除染について非常に心配をしている状況でございます。現在のため池の除染の進捗状況とそれから今後の計画、予算措置について御答弁いただければと思います。よろしくお願いいたします。
#12
○副大臣(礒崎陽輔君) お答え申し上げます。
 農林水産省におきましても、ため池の除染も重要な課題であると考えているところでございます。
 特に、定期的に実施されるため池のしゅんせつの作業の際に作業員が被曝するおそれがあることから、原子力災害によりため池に堆積した高濃度放射性物質、これが八千ベクレル・パー・キログラム超の除去を推進しているところでございます。具体的には、放射性物質対策を行う市町村に対し、技術マニュアルの策定等の技術的な支援を行うとともに、福島再生加速化交付金により調査や対策工事の実施を支援しているところでございます。
 これまでの調査によりまして、福島県の浜通り及び中通りにはため池が約三千三百か所ありますが、先ほどの基準によりますと約一千か所で放射性物質対策が必要と見込んでおります。このうち、現在約二百か所で対策工事の実施に着手しており、うち四十四か所で作業が完了しているところでございます。
 農林水産省といたしましては、引き続き、福島県及び関係市町村と連携して、ため池における放射性物質対策の推進に努力してまいりたいと考えております。
#13
○政府参考人(小糸正樹君) ただいま予算措置についての御質問がございました。
 今の副大臣の御答弁にもございましたように、ため池の放射性物質に係る予算につきましては、福島再生加速化交付金にて措置をしておりまして、平成二十六年の対策開始以来、平成二十九年九月時点までで、国費ベースで約百四十億円を措置をしているところでございます。
 今後の予算につきましても、対策の進捗状況及び自治体の御要望を踏まえつつ、農林水産省とも連携をしながら必要額の確保に努めてまいりたいと考えております。
#14
○森まさこ君 是非、しっかりと予算を確保して、ため池の除染を加速化していただきたいと思います。
 礒崎農林水産副大臣におかれましては、退席をされて結構でございます。ありがとうございました。
#15
○委員長(柘植芳文君) 礒崎農林水産副大臣は御退席いただいて結構でございます。
#16
○森まさこ君 さて、ため池の除染の話をしましたが、除染をしたそこから出てきた土壌、この汚染土壌を持っていく先、それは中間貯蔵施設予定地でございます。この中間貯蔵施設ができませんとそこに除染されたものが入らないわけでございますが、その予定地を確保していったことによって、まだ施設が建っていない空き地の部分に除染した土壌を今運んでいるわけでございます。
 そこで、環境省に御質問いたしますけれども、中間貯蔵施設の建設状況についてお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 福島県内の除去土壌等の中間貯蔵施設につきましては、中間貯蔵施設に係る当面五年間の見通しに沿って用地取得それから施設の整備等を進めてございます。
 用地取得につきましては、地権者の皆様方の多大なる御協力をいただきまして着実に進捗しております。先月末の速報値で全体面積の約四六%に相当いたします約七百三十五ヘクタールを取得済みでございます。施設整備につきましては、本年十月二十八日に大熊工区において除去土壌の貯蔵を開始しております。それ以外にも六つの施設整備を既に工事を進めているところでございます。
 今後とも、地元の方々に丁寧に御説明しながら、更なる用地取得に全力を挙げてまいります。また、安全、安心にも十分配慮して確実に土壌貯蔵を進めてまいります。
#18
○森まさこ君 今、縄田さんから説明があったんですが、実は私、環境委員長を務める前は自民党で環境部会長をしていたんです。部会長に就任したとき、同意してくださっている地権者の数は五名でございました。たった五名でございました。
 そこで、私は、環境部会の中に中間貯蔵施設のための特別なプロジェクトチームを立ち上げて、そこから、環境省の縄田さんも来ていただいて、地権者の皆様に寄り添って、そして大切な土地、今避難をしている土地、それを御提供いただくということをしてきたんです。それをするのには、やはり福島県の皆様の御協力があったんです。ですから今加速度的に増えているんです。
 すなわち、地権者の皆様の元を訪れるときに、福島県の皆様と一緒に行く。福島県の司法書士協会、そして宅建業界などの専門家集団が、あの津波があったときも高台の移転などで実績がございますので、そして当時のことを何よりもよく知っている、当時命からがら避難した皆様のお気持ちをよく分かっている、そういったことで進めてきたということがございます。
 どうか、これからまだまだ地権者とのお話も進んでいくと思います。今、民有地と公有地の割合で全体の約九割以上が進んでいるとはいえ、これから締結に至るまでの話も是非福島県の皆様と力を合わせて、この東京の官庁の机の上だけでやるのではなく進めていただきたいということを御指摘させていただきたいと思います。
 そして、今お話がございました中間貯蔵予定の土地が面的に確保されてきた中で、そこに先ほどのため池などから取り出した土壌を輸送する、その輸送の状況が今どうなっているかを御説明ください。
#19
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 中間貯蔵施設への除去土壌等の搬入につきましては、今年度は先月末までに約三十万立方メートルを輸送しております。これまでに累計で約五十三万立方メートルの輸送を完了してございます。
 今後の輸送の計画につきましては、今年度は五十万立方メートル程度、来年度は百八十万立方メートル程度と、当面五年間の見通しでお示しした最大限の量を輸送することとしております。
 今後も、地元の皆様の御理解をいただきながら、中間貯蔵施設への輸送について安全かつ確実に進めてまいります。
#20
○森まさこ君 どんどん輸送されているという、そういう御答弁がございました。
 中間貯蔵施設の着工が行われまして、大熊工区、そして双葉工区ももうすぐ着工に至るということで、ようやく福島県民もあそこが進んできたんだなということが目に見えたところでございますが、実質的に、最大の量を運ぶと今おっしゃいました、どうやって運ぶんですかということが私は心配なのでございます。
 前から質問をしていること、今から質問いたしますけれども、トラックで運んでおります。しかし、トラックの量が足りなくなるんじゃないかと思われます。今現在も既にいっぱいいっぱいでございます。その中でトラックは、今ダンプで運んでいるんですけれども、六袋しか載りませんよね。それをもう少し大型の九袋が載るもの、それから十二袋が載るもの、そういったトレーラーなども活用していけないか、これは福島県のトラック協会から従前から御提案があることだと思います。
 この委員会でも質問が出ておりました。それに対しては毎回、いやいや、現場の状況がそれに合わないんですというような答弁がなされてきたと思いますけれども、この中間貯蔵施設に運ぶ前の仮置場の現状というのは、様々な土地がありまして、農地を借りて仮置場にしているところもありますし、それから住民の方々の空き地をお願いして置いてあるところもございますけれども、それは、そのような様々な状況に合わせれば、トラックの形態も常にダンプだけとは限らないんです。ダンプだけでありますと六袋しか載らない、ダンプの今言った最大量に合わせると、計算すればすぐ分かります。ダンプの量が多くなるということは、CO2だってたくさん排出するんです。そして、人件費だって掛かるんです。ですので、そういった観点からしても、福島県トラック協会の要望は決しておかしくないということだと思います。
 そしてもう一点、トラック協会からだけではなく、福島県の住民からしても、トラックの数がずっと増えていくということは安全性の面でも非常に懸念がある、そして今既にこういった中間貯蔵施設の建設や廃炉の作業車によって福島県内の道路は非常に渋滞している状況にございます。
 これ以上のことはなかなか難しい状況にあるという中で、この輸送の方法をもう少し工夫するお考えはないのか、お聞きしたいと思います。
#21
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、除去土壌等の輸送に当たりましては、安全かつ確実に輸送するというのが使命でございます。この点で、地元業者を積極的に活用するということは福島復興への貢献の観点から重要であるというふうに認識してございます。このため、総合評価落札方式による工事発注に際しまして、地元業者の活用方策を評価対象として取り組んでいるところでございます。
 また、仮設焼却施設から中間貯蔵施設への焼却灰の輸送において、御指摘のように、新たにダンプだけではなく平ボディー車というものを使用いたしまして、より多くの廃棄物を輸送するなど、地元業者の活用も進めているところでございます。
 引き続き、地元の業者の方々の活用を促しつつ、安全かつ確実に除去土壌の輸送を進めてまいる所存でございます。
#22
○森まさこ君 しつこくて申し訳ございませんが、地元業者の活用というのがそれでは数として増えているのかと申しますと、最大数の輸送量のたった十分の一しか行っていないということでございます。
 これは、住民の方からも指摘されるのは、さっき簡単に安全と申し上げましたけれど、雨が降ったとき、雪が降ったとき、福島県内全域の地域から除染土壌が狭隘な道を通って、山を通って、そして浜通りの海の近くのあの原発があったところの近くの中間貯蔵予定地に行くんです。これを、道をよく知っている、ここは崖崩れがしやすい、そういったことを知っているのは地元の業者です。住んでいて、ちょっと遠くのナンバーのトラックがばんばん目の前を走っていく、こういったことに対して住民からも不安の声が出ております。
 また、地元業者に仕事が行っても、そこまで行くまでの間に二次、三次と間に入って、非常にこれは労働条件としても厳しいものになる。そうしますと、やはり安全に輸送するということが確保されないと思います。
 現状のお取組は今御説明いただきましたけれども、どうか更なる工夫をしていただきたくお願いを申し上げます。
 次に、エコテックへの搬入、これが本当に環境省の皆様の熱心な御努力により様々な課題を乗り越えてやっと最初の搬入がなされ、福島県内のテレビでは本当に大きく報道をされたわけでございますけれども、これも、搬入、どのようにこれから進んでいくのか御説明をいただければと思います。
#23
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 既存の管理型処分場を活用し、福島県内の指定廃棄物等を最終処分する特定廃棄物埋立処分事業、いわゆるエコテック事業でございますが、こちらにつきましては、今先生御指摘のとおり、本年十一月十七日に廃棄物の搬入を開始いたしました。本事業は、指定廃棄物等は約六年間を掛け、双葉郡の生活ごみについては約十年間を掛けて埋立処分をする計画でございます。現在は、地元である富岡町及び楢葉町を中心に安全性を確認しながら廃棄物の搬入を進めているところでございます。
 今後も、安全確保を大前提として着実に事業を進めます。また、地元広報紙や環境省のウエブサイトを通じて事業の進捗状況、環境モニタリング結果を分かりやすく発信するなどにより、地元の住民の皆様との信頼関係の構築に全力で努めてまいります。
#24
○森まさこ君 富岡町、楢葉町の皆様は、このエコテックの活用、搬入に関して本当に御理解、御協力をいただきました。先ほどの大熊町、双葉町、中間貯蔵施設建設予定地も同様でございます。双葉郡の町村、そしてその周辺の市町村の皆様は、もう二重、三重の苦痛を強いられているわけです。まず最初に避難をして、そして土地を追われ、その土地をまたこの放射能の汚染物質の置場に提供する、そして、今、帰還して戻った方も、その御近所をその汚染物質を積んだトラックが通っていくということです。
 何とぞ、環境省におかれましては、こういった住民の皆様の御事情、よく理解をして、寄り添った対応をしていただけるようにお願いをしたいと思います。
 次に、環境創造センターにおける研究について御質問をしたいと思います。
 環境創造センターができまして、ここに対する県民の期待も高まっているところでございます。福島大学とも連携を図りながら、実証、開発、行っていただきたいなと思います。それにいたしましても、このセンターにおける人材の確保、そして必要な予算、これをどのように長期にわたり措置していくのかということについて御質問をしたいと思います。お願いいたします。
#25
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、除染、また汚染土壌の再利用等の研究開発に様々な主体が連携することが重要でございまして、この環境創造センターにおきまして、具体的に福島大学、また国立環境研究所、JAEA、福島県の研究機能、IAEAなど、多様な主体と連携させていただいて研究開発を推進しているところでございます。
 この環境創造センターの整備、運営につきましては、環境省と文部科学省の補助金により設置されました福島県原子力災害等復興基金により行われております。また、国立環境研究所及びJAEAが行う研究開発につきましては、両省の運営費交付金により推進しておるところでございます。
 今後とも、環境創造センターにおける多様な主体の連携、研究開発がしっかりと推進するよう、環境省におきましても、人員、予算の確保に努めてまいります。
#26
○森まさこ君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、農地の除染についてお伺いをしたいというふうに思います。
 放射性物質に汚染された農地の除染、これについては、除染をした後、さらに予防的措置又はその吸収抑制のために、カリ肥料、これを使った対策を実施してまいりましたけれども、今後、吸収抑制対策事業をどのように継続されていくのか、農業者が負担を心配することがないような予算について御質問をしたいと思います。
#27
○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 農林水産省は、福島第一原発事故により被害を受けた福島県農産物の信頼回復を図るため、福島県に基金として設置をした福島県営農再開支援事業により、土壌中の放射性物質の農作物への吸収抑制に効果のあるカリ質肥料の施用への支援を行っているところであります。
 この福島県営農再開支援事業については、平成三十年度までの事業として措置されたものでありますが、福島県関係者の方々の強い要望を受けまして、事業実施期間を平成三十二年度まで延長することとして基金の積み増しに係る予算要求を行っているところであり、必要な予算が確保されるよう努めてまいります。
#28
○森まさこ君 次に、重要な質問をしたいと思っております。
 東日本大震災原発事故からもう六年八か月が過ぎましたけれども、あの原発、爆発したときに汚染された牧草を丸めてサイレージにした、そのものが分からずに各地に販売されたということがございました。それを受け取ってしまった農家の方は持っていくこともできない、非常に高い放射線がございますが、今もそれが除染されずに置かれているという現状がございます。
 これまでの環境省のお取組と、それから、どのようにそれを除去していくのかということを御説明いただければと思います。
#29
○副大臣(伊藤忠彦君) お答えをします。
 環境省では、汚染廃棄物対策地域内で発生をいたしました廃棄物につきましては、農林業系廃棄物を含め一括で処理を行っており、そのうち可燃性の廃棄物につきましては、仮設焼却施設において焼却処理を着実に進めさせていただいているところでございます。
 また、汚染廃棄物対策地域外の廃棄物についても、仮設焼却施設における処理を着実に進めさせていただいておりまして、農林業系廃棄物につきましては、平成二十七年末時点で約十一・八万トンが保管をされておりましたが、本年十月末時点で約三・三万トンの焼却処理が終了をいたしたところでございます。この焼却処理につきましては、地元市町村の意向をしっかりと踏まえつつ実施をさせていただいているところでございます。
 これに加えまして、焼却処理以外にも、これまで各市町村において農林地還元などが行われており、保管されている農林業系廃棄物の量は着実に減少してきているところでございます。さらに、農家の一時保管者の負担軽減に向けまして、仮設焼却施設の敷地内において農林業系廃棄物の集約を進めるなどの更なる負担軽減策について、地元市町村の要望を踏まえつつ検討してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
#30
○森まさこ君 今、伊藤副大臣から、更なるという、更なる負担軽減対策というお言葉ありましたので御期待を申し上げたいと思います。もちろん少しずつは減ってきておりますが、六年八か月たってまだ残っているという現実もあります。先ほど牧草の例を申し上げましたが、牧草以外にもふん尿でありますとかいろんな農業系の廃棄物がございます。
 一つの地域では、その仮設焼却場さえもずっと造られなかった。それはそうです。住民の皆様にとっては、焼却すること自体に反対の方もおられます、不安な方もおられます。その中で、先般ようやく最後の自治体にも仮設焼却場ができるということが決まったという、それだけの段階でございますが、とにかくお庭先にある農業系廃棄物、汚染物質については、今、伊藤副大臣がおっしゃったように、その建設予定地の方に集積するなどの更なる工夫をしていただいて、農業者の皆様、御負担を強いることがないようにお願いをしたいと思います。
 そして、次の質問をしたいと思いますけれども、こういった農業者の皆様、実はそういった御負担以外に自分の農地を仮置場に提供をしているということもあるんです。そういった仮置場、ほんの少しだからということで、少しの期間ですということで提供したけれども、長引いております。早くやはり仮置場が農地へ返されるということもお願いしたいと思います。
 そして、その仮置場を戻してもらったとしても、そこを除染をして農地として使えるようにするための原状回復、これについてどういう措置がとられていくのか、御説明をお願いしたいと思います。
#31
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 農地に設置されている仮置場につきましては、除染特別地域の中におきましても面積割合で仮置場全体の約八割を占める状況でございます。
 現在、来年度に営農再開を目指している農地の仮置場について市町村の要望を踏まえ原状回復の工事を行っておりますが、本年度三か所で行っているという状況でございます。来年度以降、これが加速度的に増えてまいるというふうに認識しておりまして、これらの事例によって得られた知見や経験に基づきまして、農水省、それから福島県とも調整しつつ、仮置場を農地として復旧する方法を含む原状回復に関するガイドライン、これを作成してまいる所存でございます。
#32
○森まさこ君 是非積極的なお取組をお願いしたいと思います。
 次に最後の質問をして、その後、最後に大臣の御決意を伺いたいと思いますが、最後の質問は除染後のモニタリングでございます。
 農地もそうです、その他の土地もそうですが、除染をしましたと、しかし、その後、それでも雨が降ったりいろんなことがあって放射線量が低下しなかったり再び上昇することもございます。そのようなことがないように継続したモニタリングを行っていただきたい、耕作者や住民に安心を与えていただきたいと思いますが、この取組は現在どうなっておりますでしょうか。
#33
○政府参考人(縄田正君) お答えいたします。
 農家の皆様からは、除染後のモニタリングを含め様々な御意見、御要望を私どももいただいております。
 除染後のモニタリングにつきましては、除染の直後、それから必要な事後のモニタリング、これを実施しておりまして、除染の効果については維持されているということを確認してございます。また、除染やモニタリングの結果は住民説明会などを通じて地元の皆様に丁寧に周知をするように努めております。
 引き続き、地元の声を丁寧に伺いながら、個別に問題のある箇所については個別に適切な対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
#34
○森まさこ君 ありがとうございます。
 モニタリングを一回やってその後はやりませんということがないように、継続したモニタリングをお願いしたいと思います。
 大臣、最後に、今までの質疑を聞いていて、決意をいただきたいと思いますが、農地のことについて今日は主に質問しましたけど、農地なんですけれども、農水省じゃなくて環境省にお願いすることがとっても多いんです。農家の皆様は、今までお付き合いをしている農水省じゃなくて環境省さんにお願いするのに非常に様々戸惑ったり御苦労もございます。
 そのような中で、冒頭も申し述べさせていただいたように、福島には新たに福島地方環境事務所、格上げしたものができまして、土居所長がいらっしゃいますけれども、そちらの方に大臣からもしっかりと御指示をいただいて、地域の農業者、そして住民の皆様の声をしっかり環境省が聞いて、福島県の復興、原子力発電所の事故からの復旧に向けた御努力をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(中川雅治君) 東日本大震災から六年半以上が経過をいたしましたが、引き続き、福島を始めとする被災地の復興を最優先の課題として取り組んでいかなければならない、そういう決意を新たにしているところでございます。
 今、森先生からお話がありました福島地方環境事務所の機構も、そして人員も、大変な御配慮をいただいて充実したものにさせていただいております。また、本省におきましては、環境再生・資源循環局を今年から新たに設置をいたしまして、統一的に一つの局で福島の復興再生に関連する事務を行う、そういう体制もつくっていただいたところでございます。予算も、まあ十分とは思っておりませんけれども、厳しい財政事情の中で大変な御配慮をいただいております。それだけに、私自身といたしましては、この福島復興という環境省の任務をしっかりと果たしていく責任の重さを痛感しているところでございます。
 私も、大臣に就任してから福島県には既に何度もお邪魔をいたしまして、知事や関係の市町村長さん、そしてまた議会の議長さん始め関係の先生方、そして多くの住民の皆様方ともいろいろ意見交換をさせていただきました。福島第一原発の現在の状況も視察をさせていただいて、そこで働く皆様方の御苦労を十分に認識をいたしたところでございますし、この状況、改善されているとはいえ、まだまだ多くの課題があるということも身をもって認識をいたしたところでございます。
 環境省といたしましては、除染、中間貯蔵施設の整備、汚染廃棄物の処理、放射線に係る住民の皆様方の健康管理、健康不安などの対策に取り組んできたところでございます。
 もう既にこの今の審議の中でも申し上げたところでございますけれども、除染については、除染実施計画に基づき面的除染を進め、本年三月までにおおむね完了をいたしました。中間貯蔵施設事業については、本年十月に大熊工区において除去土壌の貯蔵を開始するなど、着実に進捗いたしております。今後も、昨年三月に公表した当面五年間の見通しに沿って、用地取得や施設の整備、除去土壌等の輸送を安全かつ確実に進めてまいります。
 既存の管理型処分場を活用した特定廃棄物の埋立処分事業につきましても、必要な安全対策を行った上で、本年十一月に施設への廃棄物の搬入を開始したところでございます。放射性物質に汚染された廃棄物の着実な処理のため、今後も、安全確保を大前提として適切に事業を進めるとともに、地元住民の皆様方との更なる信頼関係の構築に努めてまいります。
 住民の健康不安対策として、平成二十四年度よりリスクコミュニケーション事業を実施しております。平成二十九年三月末までに、福島県、福島近隣県等で自治体職員等を対象にした研修を百六十五回、住民向けのセミナー等を百七十七回実施してきたところでございます。引き続き、放射線に係る住民の健康管理、健康不安対策につきまして、被災された方々に寄り添いながら取組を進めてまいります。
 さらに、帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備につきましても、福島復興再生特措法に基づいて市町村が策定し、国が認定する計画に沿って家屋等の解体除染を行ってまいります。既に双葉町、大熊町については両町が策定した計画が国の認定を受けております。これを受け、環境省としても、双葉町においては九月に事業の発注公告を行い、落札者が決定されたところでございます。大熊町においても十一月に事業の発注公告を行っております。
 今後、関係者との調整を進め、速やかに解体除染工事を実施できるよう取り組んでまいります。住民の皆様方が安心して帰還することができるよう、計画に従って、関係省庁と一体となって特定復興再生拠点の整備を進めてまいります。
 今後とも、福島を始めとする被災地の復興に全力で取り組む決意でございます。
#36
○森まさこ君 大臣、ありがとうございます。
 中川大臣は、御就任後すぐに福島県に来てくださいました。その後も来てくださっています。その目で御覧になったことを今お述べいただいて、本当にうれしく思います。また今後も、今、復興拠点のお話もございましたけれども、福島特措法が改正されて、この復興拠点、非常に大きな期待があります。ここも環境省の仕事に懸かっているところがございます。今も丁寧に説明をいただいて、本当に期待できるという思いを強くいたしました。何とぞよろしくお願いをいたします。
 時間よりも早いですけれども、質問を終了したいと思います。ありがとうございました。
#37
○長浜博行君 民進党の長浜博行でございます。
 大臣、御就任おめでとうございます。大臣の印象は、あれ安保特ですか、芝さんとの真摯でかつ激烈な議論の風景が強烈に脳裏にあるわけでございますけれども、私からしますと、今日は二回目の大臣との質疑ということでございます。一回目は、約十六年と六か月ほど前に環境委員会で大臣と、正確に言えば大臣ではありませんが、質疑をさせていただきましたので、今日が二回目ということになるわけであります。
 森委員の質問とダブらないような形でやらせていただければというふうに思っておりますが、環境庁とかあるいは環境省で事務次官から大臣になられた方はおられますでしょうか。
#38
○国務大臣(中川雅治君) 環境庁時代も含め、事務次官経験者が大臣に就任したのは私が初めてのことだと承知しております。
#39
○長浜博行君 次官であられるときと、また大臣であられるときと、多分やることはというか、見ている風景は一緒だと思いますけれども、唯一の御経験者として、一体何が違うんでしょうか。
#40
○国務大臣(中川雅治君) 事務次官というのは事務方のトップということで、大変当時も大きな責任を感じていたところでございますが、やはり大臣の御指示の下に大臣をしっかりお支えをするということで、上には大臣がおられるわけでございます。そういう意味では、事務方として大きな責任がございますけれども、正直言いまして、いろいろ大臣に御相談をできますし、御指示を仰ぐということもできる。ところが、やはり大臣になりますと自分で決めなければならない、そういう責任の重さを更に痛感をしているところでございます。
 それと、事務次官を務めておりましたときの環境省と現在では、東日本大震災があって、被災地の復興再生ということが新たな任務として加わり、予算も人員も格段に増えておりますが、それに伴って責任も更に重くなっているということを痛感いたしております。
#41
○長浜博行君 先般、本会議で総理大臣に対する代表質問の機会をいただきましたものですからやらせていただきましたけれども、私、総理の所信表明の中において、中間貯蔵施設に言及される部分はありましたけれども、そのほかに環境省所管の部分はございましたでしょうか。
#42
○国務大臣(中川雅治君) 総理の所信表明演説で、環境省所管の部分につきましては、災害からの復旧復興において、中間貯蔵施設の稼働、除染土壌の搬入、そして二〇二〇年には身近な場所から仮置場をなくす、そういった部分がございました。
 総理の所信につきましては、会期も限られる特別国会の冒頭において喫緊の課題について演説をされたものと理解しております。
#43
○長浜博行君 それはやはり、どちらかというと、大変恐縮ですが、事務次官的答弁といいますか、環境省を所管されている大臣とすれば、私は、大臣が今回、御挨拶でしたっけ、御挨拶の中で述べられた、やはり気候変動という問題が大変日本においても世界においても大きな問題であるということで、森さんの質問の中においても冒頭そこから入られたというふうに思っておりますけれども、政治家として、大臣として、この気候変動に言及がないことはどのようにお感じになりますか。
#44
○国務大臣(中川雅治君) この総理の所信については、国会の会期が限られているということで喫緊の課題について演説をされたということだというふうに理解をしております。
 それで、地球温暖化対策につきましては、先日の長浜先生の本会議での総理の御答弁に、答弁にもございましたが、引き続き、内閣の最重要課題の一つというふうに認識をいたしております。
#45
○長浜博行君 政府に地球温暖化対策推進本部というものがあると思いますが、この設置根拠及び役割は何ですか。
#46
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。
 地球温暖化対策推進本部でございますけれども、地球温暖化対策の推進に関する法律第十条の規定に基づき設置されてございます。また、同法第十一条におきまして、本部は、地球温暖化対策計画の案の作成及び実施の推進に関すること、そのほか長期的展望に立った地球温暖化対策の実施の推進に関する総合調整に関することの事務をつかさどると規定されてございます。環境大臣はその副本部長であり、内閣総理大臣が務める本部長の職務を助けることが役割とされてございます。
 以上です。
#47
○長浜博行君 ですから、政府の地球温暖化対策の責任者は総理、そしてその副責任者は環境大臣というところで、トランプ大統領との会談において、これも私の質問の中に入れましたけれども、総理はトランプ大統領と地球温暖化に関して話をしていないようでありますが、総理に、トランプ大統領とこの問題について話をするようにと、パリ協定からの離脱を思いとどまるように等々について助言をするということは環境大臣としてなかったんですか。
#48
○国務大臣(中川雅治君) 私が八月三日に環境大臣を拝命したわけでございますが、そのときに総理から、世界有数の日本の環境技術を生かし地球温暖化対策を推進すること、また、関係大臣と協力して温室効果ガス削減の国民運動の展開などに取り組むこと、エネルギー政策の検討を踏まえつつ、関係大臣と協力して地球温暖化対策を推進することという御指示を真っ先に、最初にいただいた御指示に今のようなことがございました。
 総理から、そういう意味で、地球温暖化対策にしっかりと取り組むよう御指示をいただいたということでございまして、総理はパリ協定や米国の関与の重要性について強く認識されておられるというように承知をいたしております。(発言する者あり)総理の方から御指示をいただいたわけでございますので、私から総理に申し上げるまでもなく、総理が非常に強くその点は御認識されているというように理解をいたしております。
#49
○長浜博行君 まあ初回でありますから、これはこれとして、要するに、総理からの指示ではなくて、お立場とすれば、先ほど、この対策本部の根拠は法律に基づいておりまして、第十四条の二に本部長の職務を助けるということが副本部長の役割として法律に書いてあるわけでありますから、地球温暖化対策に関しては必要あれば総理に助言をしなければいけないというふうに私は思っております。
 来週、国連のグテーレス事務総長が来日をして、都内の大学で地球規模の課題に関する会合に出席されると聞いておりますし、総理との会談も予定されていると伺っておりますが、この際には、国連事務総長と地球温暖化対策の日本の対策について話すようにと進言するつもりはありますか。
#50
○国務大臣(中川雅治君) 国連のグテーレス事務総長と総理が会談予定であるということは承知しております。この点について、地球温暖化対策に関して会談で触れるかどうかということは、総理がこの問題について強く認識されているわけでございますので、総理が状況に応じて総合的に判断されるものと理解をいたしております。
#51
○長浜博行君 せっかく環境大臣になられたんですから、積極的に総理にお話をされた方が私はいいのではないかなというふうに思っております。
 局長に就任をされて、そして事務次官になられた。局長になられたときが二〇〇一年でありまして、平成十三年で環境庁が環境省になった、その記念すべきときに大臣は局長、事務次官としておられたわけでございます。私もそのとき環境委員会におりましたから、そのときの記憶の中にフロンの対策というものがあります。あのオゾン層を破壊をするフロン物質の話でありまして、大体高層十キロから五十キロぐらいの成層圏に存在をし、オゾンホールができると、そこから有害な紫外線が入ってきてがんになったり病気になったりするという、こういう厄介な物質でございます。
 二〇〇一年にいわゆるフロン回収・破壊法が制定をされて、そして十二年後の二〇一三年に国会でフロン排出抑制法が議論をされたこのフロンの問題、特定フロンの回収、破壊が適正に行われたかどうか。クロロフルオロカーボンとハイドロクロロフルオロカーボンが代替されてハイドロフルオロカーボンになったという状況の中において、後ほどの冷媒代替まで進んだかどうかを別にしまして、この特定フロンから代替フロンへの代替は進んだのでしょうか。
#52
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。
 フロン類につきましては、フロン排出抑制法に基づきまして、業務用のフロン類使用機器の整備又は廃棄時にフロン類が回収され、破壊又は再生されてございます。
 御質問の特定フロンから代替フロンへの転換につきましては、モントリオール議定書に基づきまして二〇二〇年に特定フロンの生産が全廃をされるということもございまして、現状では、使用されている機器に充填されております冷媒の約八割が代替フロンに転換されているというふうに考えてございます。
#53
○長浜博行君 このフロンの温室効果はCO2に比してどのぐらいでしょうか。
#54
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。
 代替フロンでございますハイドロフルオロカーボン類、HFCというふうに略称されてございますけれども、これらにつきましては二酸化炭素の百倍から一万倍以上の大きな温室効果があるということでございます。
#55
○長浜博行君 オゾンホールが歴年見てきてかなり一番小さくなったというのが直近で流れておりましたけれども、このHFCの排出量はそれじゃ減少しているんですか。
#56
○政府参考人(森下哲君) お答え申し上げます。
 代替フロンにつきましては、その代替が進展したに伴いまして、この排出量は増大の一途をたどっておる状況でございます。
 ちなみに、二〇〇五年度と比べますと、二〇一五年度には、これCO2換算で三倍以上の排出量ということになっている状況でございます。
#57
○長浜博行君 これほど二酸化炭素に比して温室効果があるといいますか増進をされている物質が増加をしているという状況が、私は大変危機的な状況だというふうにも思っておりますが、国際条約と、それから日本国も批准をしなければならないやつでありますけれども、フロンにおけるウィーン条約とモントリオール議定書、そして気候変動枠組条約における京都議定書とパリ協定、これにおいてのフロンにおける関係をちょっと説明していただけますか。
#58
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。
 まず、ウィーン条約でございますけれども、こちらはオゾン層の保護のための国際協力の枠組みについて規定してございます。このウィーン条約に基づきますモントリオール議定書でございますが、この条約の下でオゾン層を破壊する物質の生産量及び消費量を規制するものという内容になってございます。一方で、気候変動枠組条約、そして京都議定書、それからパリ協定でございますが、こちらは地球温暖化防止の観点から温室効果ガスの排出の抑制を目的とするものでございます。
 これらの国際約束の実施を通じまして、オゾン層の保護とそれから地球温暖化の防止、これらが図られているところでございます。
 以上です。
#59
○長浜博行君 ノンフロン化の状況はどうですか。
#60
○政府参考人(森下哲君) お答えします。
 我が国の地球温暖化対策計画では、フロン類使用製品等につきましてノンフロン化、これを後押しするための措置を講ずることとしてございまして、着実にノンフロン化を進めることが重要でございます。
 ノンフロン化につきましては、家庭用の冷蔵庫、それから自動販売機、給湯器等の分野で進んでおりまして、近年はそれに加えまして業務用の冷凍冷蔵機器についても自然冷媒を用いたノンフロン製品が開発され、販売がされているというところでございます。
 私ども環境省では、現在、業務用冷凍冷蔵機器に対する省エネ型ノンフロン機器導入を助成、支援をしておりまして、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、スーパーやコンビニエンスストアなどにおきまして、昨年までの三年間で約一千五百事業所にノンフロン機器が導入されたところでございます。今後も引き続き支援をしていく予定でございます。
#61
○長浜博行君 ですから、CO2のみならず、このフロンの問題というのも是非地球温暖化の観点からも捉えていただきたいというふうに思っております。
 昨年、モントリオール議定書の改正といいますか、ルワンダのキガリで第二十八回の締約国会議が開催をされたわけでありますが、HFCの生産規制等についてかなり踏み込んだ改定が行われたようでございますが、我が国はどのように対応していかれるのでしょうか。
#62
○国務大臣(中川雅治君) 昨年十月に採択されましたキガリ改正につきましては、本年初めより産業構造審議会及び中央環境審議会において、この改正を踏まえた国内対応の在り方について議論が行われてきたところでございまして、今般、両審議会の合同会議において報告書が取りまとめられたところでございます。この報告書におきましては、オゾン層保護法の規制対象物質に代替フロンを追加し、オゾン層破壊物質と同様の制度とすることが適当とされておりまして、この報告書を踏まえて関係省庁と連携しつつ検討を進めているところでございます。
 我が国のキガリ改正の締結につきましては、この報告書に基づく国内対応を実現するための法改正の検討作業と併せて、関係省庁と連携しつつ、必要な準備を進めているところでございます。
#63
○長浜博行君 条約批准というか、国会が絡んでくるのはいつ頃の予定をされているんでしょうか。
#64
○国務大臣(中川雅治君) この締約の時期につきましては、キガリ改正が二〇一九年一月一日に発効することを念頭に検討を進めているところでございます。
#65
○長浜博行君 この種の国際条約の批准に関しては、おっしゃられたとおり各省庁、特に経産ですね、との問題がいろいろあると思いますけれども、今申し上げた危機意識に立って、是非積極的に取り組んでいただければというふうに思っております。
 次に、車についてちょっと伺いたいなというふうに思っております。
 運輸部門のCO2の排出量は全体の中での約二割ぐらい、そのうちの自動車が約九割ぐらいかという状況というふうに思っておりますけれども、呼び名が今、エコカーとか、この間もモーターショーがあったようでありますけれども、低公害車とか次世代自動車とか、様々な呼び方があります。後で質疑をしますけれども、大臣というか局長とやった平成十三年五月十八日の質疑もこのエコカーのことでありましたので、もう十数年たちますけれども、似たような議論を今でもやっているんだというふうに認識しておりますが、このいわゆるエコカー、低公害車、あるいは次世代自動車とか、この一つ一つの言葉に何か定義があるんでしょうか。
#66
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 エコカー、それから低公害車、次世代自動車は、いずれも環境性能に優れた自動車を示す呼び名として幅広く使用されているものと認識をしております。
 このうち次世代自動車でございますけれども、これは平成二十年に閣議決定されました低炭素社会づくり行動計画の中で、CO2排出低減性能、すなわち燃費性能に優れているとの観点から、ハイブリッド自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車、それにCNG自動車、すなわち天然ガス自動車等と定義をされております。
 また、低公害車でございますけれども、これは一般的に大気汚染の原因でありますNOxあるいはPMなどの排出ガスが少ない、又は全くない自動車を指しますけれども、その対象となる車というのは技術の進展とともに変わっている状況でございます。
 最後に、エコカーでございますけれども、これは自動車の環境性能に応じて減税をする、いわゆるエコカー減税の対象となる車を自動車メーカーがエコカーと呼んでいることが多いようでございます。ちなみに、エコカー減税対象車の要件というのは、CO2排出低減性能、すなわち燃費性能と、それからNOx、PM等の汚染物質の排出低減に関する性能の、この両方の要件によって決まっているということでございます。
#67
○長浜博行君 なかなか分かりづらい言葉でありますけれども、簡単に、その種の自動車、環境に優しいその種の自動車、イギリス、フランスが二〇四〇年代までにガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止するとか、中国が二〇一九年から電気自動車などの一定割合以上の販売を義務付けるとか等々、様々報道がなされておりますけれども、環境大臣としては、この急激な世界の自動車に対するある種の規制をどのように認識しておられますでしょうか。
#68
○国務大臣(中川雅治君) イギリス、フランスにおける二〇四〇年までのガソリン車、ディーゼル車販売禁止の方針や、それから中国におきましても一定比率以上の電気自動車等の販売義務付け、いわゆるNEV規制と言っているようでございますが、こういった各国が相次いで将来の電動化シフトを表明していることは承知しております。これらの取組は非常に野心的なものでありまして、パリ協定以降の脱炭素社会に向けた世界的な潮流にも沿った動きであると捉えております。
 我が国といたしましては、温室効果ガスの二〇三〇年度二六%削減の達成はもとより、二〇五〇年八〇%削減、これを目指した長期戦略というものをこれからしっかり打ち立てていかなければならない。現在のところは環境省、経産省両省の審議会等の場で議論をしておりますが、来年度の早い時期に政府としての長期戦略の策定を検討開始いたします。その中で、運輸部門における大胆な低炭素化に向けた取組は不可欠だと思っておりますので、ここでしっかりと議論して、方向性を打ち出していきたいというように考えております。
#69
○長浜博行君 この次世代自動車ガイドブック二〇一六―二〇一七というのは大変よくできていると思って勉強させていただいたんですが、(資料提示)下に環境省・経済産業省・国土交通省と、こう書いてあるんですが、これは環境省が先頭と、一番最初に書いてありますが、環境省がリーダーシップを発揮してこの車の問題をやっているという理解でいいんでしょうね。これ、あいうえお順に並んでいるとかそんなことじゃないんでしょうね。環境省がしっかりやっているということでよろしいんでしょうか。
#70
○政府参考人(早水輝好君) 次世代自動車ガイドブックについてお答えいたします。
 今御指摘のありましたガイドブックでございますけれども、これは平成八年度から、我が国で入手可能な全ての低公害車について性能、価格等の関連情報を自動車メーカー等より取り寄せまして、環境省で請負事業を発注しながら取りまとめまして、環境省それから経済産業省、国土交通省の三省連名で毎年発表していると、こういうものでございます。
#71
○長浜博行君 そこで、十六年前に一体何の質疑をやったんだというふうに思われるかもしれませんけれども、私の質問は要するに、官庁とか国会の車、十六年前、公用車を低公害車に替えていかれるという問題に関して、積極的に環境省から、環境庁から環境省になったばかりの年ですから、積極的に他省庁へ働きかけるのかと、そういうような質問をしたわけでございます。
 中川政府参考人、局長の答弁でありますが、政府は原則として全ての公用車を低公害車に切り替えると。日本自動車工業会の会長に対して必要な自動車の供給が円滑になされるよう協力を要請したと。そして、環境省の担当部局の方から、私が担当部局でございますけれども、各府省等の会計責任者を集めまして総理の指示の内容を伝達いたしまして、低公害車の導入促進を徹底しましたと。環境省といたしましては、各府省における低公害車への切替えが円滑に行えるように今後とも徹底してまいりたいと考えておりますと。
 大変リーダーシップのあるすばらしい局長の答弁が展開をされているわけでございますが、まさに大臣となられて、今御説明あったような形で環境省が主導してこういうガイドブックも作られている状況の中で、このときにはなかった言葉、次世代自動車という言葉が今出ているということでありますが、次世代自動車に各省庁あるいは国会の車を切り替えていくという状況の中でリーダーシップを発揮されるのかということが一点と、それから、もうカリフォルニアではハイブリッド自動車は次世代自動車には属さないと、もう古い車なんだというぐらいのところもあるようでありますが、この認識はいかがですか。
#72
○国務大臣(中川雅治君) 長浜先生から御指摘いただきました当時の状況を思い出しますと、平成十三年五月当時、小泉総理から公用車を低公害車に転換するようにという御指示をいただきまして、環境省がまさに前面に立って各省庁に大きな旗を振ったと。まさに、環境省が大きな役割を果たして低公害車に公用車をどんどん替えていく、そういう役割を果たしたということでございました。
 現在の政府の公用車につきましては、地球温暖化対策推進法に基づく計画において、二〇三〇年度までにほぼ全てを次世代自動車にすることに向けて努めると、こういう目標を掲げておりまして、その達成に向けて政府一丸となって取り組んでいるところでございます。
 具体的には、現在国が新規に購入している公用車、一般公用車、これは次世代自動車及び低公害車に該当しない自動車はほぼない。ほぼないという意味は、例えば環境省でいいますと、レンジャーが使っている山の中に入っていく自動車などは、まだそういった仕様になっていないものもあるということでやむを得ず次世代自動車という範疇に入らない車になっておりますけれども、一般の公用車におきましては基本的には全て次世代自動車、低公害車に該当しない自動車はもうないと、こういう認識でございます。引き続き、この方向でしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、今御指摘いただきましたハイブリッド車でございますけれども、これは今お話しいただきました米国のカリフォルニア州におきましては、ハイブリッド自動車は、いわゆる電気自動車などのゼロエミッションビークルズ、ZEVと呼ばれる規制が二〇一八年から強化されるわけですが、その中には入っていない、外れているということになっております。
 他方、ハイブリッド自動車の取扱いについては、明確な方針を打ち出していない国もございます。このハイブリッド自動車の技術というのは、我が国のメーカーが強みを持つ分野の一つでもございまして、温室効果ガスの一層の削減に向けた技術の進展も見込まれるということで、現時点においては、このハイブリッド自動車というのは引き続き重要な役割を果たしているというように考えております。
#73
○長浜博行君 次に、大臣の御挨拶の中で、大臣は大蔵省御出身でありますからまさにお得意の分野かもしれませんが、「今後の中長期的な排出の大幅な削減のための有効な手段の一つであるカーボンプライシングについて、精力的に検討を進めてまいります。」というふうに述べられたところでございます。
 このいわゆる先進国における状況と日本の状況について、どのように感じておられるんでしょうか。
#74
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 温室効果ガスの長期大幅削減に向けまして、技術や経済社会システムなどのイノベーションを生み出す国内での取組を加速するために、あらゆる主体の創意工夫を促しながら削減に向けた行動を誘発してまいりますカーボンプライシングは有効な手法の一つだと考えております。
 EUにおきましては、EUの中長期の削減目標に向けた主要な施策として、域内の温室効果ガス排出量の約四五%をカバーする世界最大の排出量取引制度でありますEUETSが二〇〇五年から導入され、炭素税もスウェーデンやフランスなど多くの国で導入されてございます。
 我が国におきましては、CO2排出量一トン当たり二百八十九円、例えばガソリンですと一リットル当たり〇・七六円を課税いたします地球温暖化対策のための税を導入しておりますほか、東京都と埼玉県では排出量取引を導入してございます。
 また、今後の中長期の大幅削減に向けましては、本年六月に立ち上げました検討会におきまして、大局的な見地から論点を整理し、様々な方向性について現在検討を行っていただいているところでございます。
#75
○長浜博行君 精力的に検討しているということがどういう意味ですかと伺っております。
#76
○政府参考人(中井徳太郎君) 本年六月に立ち上げました検討会におきまして、大局的な見地からの論点整理、今後の方向性について専門家からの意見をいただくという今状況でございますけれども、環境省といたしましては、大臣の御指示も踏まえまして前向きに検討していくということでございます。
#77
○長浜博行君 次に、ESGというこの概念ですね。この頃新聞でも随分出てくるようになりました。これは、企業活動において、特に投資において、ESGを配慮しないとどういうことになるか、つまり時代に付いていけないという状況になっていると思います。Eはエンバイロメントですね、地球温暖化、水資源、生物多様性。Sはソサエティーとかソシアルで、女性の活躍とか従業員の健康とか地域社会への貢献。Gはコーポレートガバナンス、取締役会の構成とか公正な競争とかこういったもの。これを全て企業の情報を開示し、それが機関投資家によって判断をされて投資を左右するということでありますので、大変重要。
 これは、二〇一五年に、これはパリ協定が結ばれた年でもあるんですが、九月に国連で採択されたSDGsに持続可能な開発目標に基づいてという、その前の二〇〇六年四月の時点で国連で責任投資原則、PRIが確立をされて、こういった流れになっているんだというふうに思います。もちろん、世界でも最大というか有数の機関投資家であります年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFも二〇一五年に署名をしているという状況でございます。
 このESGに関してでございます。八月二十九日に環境省が、環境情報開示基盤整備事業、キックオフカンファレンスというんでしょうかね、ESG投資に向けての情報開示をどういうふうにしていくかということを環境省が説明会を開かれたようでもあります。また、これはもう既に二〇一三年からオンラインベースで、企業と投資家に関して、このSとGではなくて、環境省ですからEの部分における情報開示で積極的に努力をされているというふうに思っておりますが、この点について御説明をいただければと思います。
#78
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 ESG投資におきましては、環境、社会、企業統治といった財務諸表から見えにくい情報を投資判断に組み入れていく必要がございます。
 環境省におきましては、このESG投資を一層促進するため、企業の環境マネジメントの在り方やCO2排出量などの環境情報などを投資家との間で共有するとともに、両者がシステム上で直接対話ができる環境情報開示のシステムを整備し、現在約七百を超える企業や投資家に参画をいただいて運用の実証を進めておるところでございます。この環境情報開示のシステムは、政府による実用的なシステムといたしましては世界初の取組でございます。
 今後も、環境情報開示のシステムの運用実施を通じまして、ESG投資を促進してまいります。
#79
○長浜博行君 今おっしゃられたような状況、このESGというのはもう既に世界の中でも、さっき御説明をしたように、既に行き渡っている概念だというふうに思っておりますが、この指数、ある意味での環境とかあるいはSとかGを指数化する算出会社というのも存在をしておりますし、アメリカでいえばMSCIとか、イギリスのFTSEラッセルとか、こういったところと環境省は何か連絡を取り合ったりされているんでしょうか。
#80
○政府参考人(中井徳太郎君) ESG投資につきましては、環境情報整備という、この情報の整備が極めて大事でありまして、現在各方面とのいろんな形での意見交換もしておりますが、特に日本におきまして、年金積立自主運用機構、GPIFにおきましても、日本において初めてESGの指数というものをそのような知見のある機関と連携してこれを導入したところでございまして、そういうものを進めるという趣旨で、我々常に意見交換をしながら、この情報基盤の整備を通じてESG投資の促進を図ってまいるということをやってございます。
#81
○長浜博行君 環境関係は特に、この問題に限らず、NPOの存在というのが非常に大きいわけでございます。ですから、このESGの分野においても、環境評価NPO、例えば英国のCDPとかも存在をしているわけでありますが、NPOの存在とのコネクションというか、それはいかがですか。
#82
○政府参考人(中井徳太郎君) 委員御指摘のように、実は、世界で非常にこのESGが大きな潮流になってございますのも、パリ協定またSDGsの動きの中で、世界的なNGO、NPO的な、今委員御指摘のCDPというような、補完の形でまさしく民間の非政府セクターが大きく投資の世界でいろんな働きを掛けてESGの潮流をつくってございます。
 そういう動きを受けまして、日本におきましてもまさしく今その動きが非常に活発になってきておりまして、CDP始めそういうような主体との連携の中で、この金融という枠組みの中で、低炭素化を図る、気候変動、環境リスクへの対応を図ると、こういうところを今やっておるところでございます。
#83
○長浜博行君 金融庁の方もスチュワードシップ・コードを整備したりしておりますので、是非、連絡を取り合いながら、こういった新しい投資の概念というか必要な投資の概念について、機関投資家を始め一般投資家に情報開示をしていっていただければというふうに思うわけでございます。
 次に、グリーンボンドガイドライン二〇一七年版ということについて伺いたいというふうに思いますが、グリーンボンドという債券ですね、この債券の分野において、これも今年三月に環境省が出されたと聞いておりますが、なぜ担当が金融庁ではなくて環境省なんでしょうか。
#84
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 グリーンボンドとは、環境改善効果を有する事業、いわゆるグリーンプロジェクトに資金の使途を限定して調達する債券のことでございます。国際的にはこの発行額が急増しておりまして、温室効果ガス長期大幅削減には民間資金の大量導入が必要でありますことから、環境省が今年の三月にグリーンボンドガイドライン二〇一七版を策定したところでございます。これは、この資金使途のグリーン性に焦点を当てて取りまとめたものでございます。グリーン性に知見を有する環境省が策定したものでございます。
#85
○長浜博行君 まさにこの集めた金は環境に使うという、こういう使途を明確化しているということでありますから、民間金融機関等も共同でグリーンボンドの要件を既に標準化していると思うんですね、世界でも。グリーンボンドプリンシプル、これ二〇一四年に作られて、世界五百以上の金融機関でもう国際資本市場協会が事務局となって作られている。
 これ、失礼ですが、これの和訳と考えていいんですか。
#86
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 今般三月に公表いたしましたガイドライン、和訳ではございませんで、グリーンボンドガイドラインは、国際的に認知されておりますグリーンボンド原則、この内容をしっかりと整合性を配慮して作ってございます。そして、我が国の市場の実務担当者が参考とし得るような具体例を盛り込むなどの工夫をして作ったところでございます。
#87
○長浜博行君 日本版の標準原則というふうに理解をしたいというふうに思っております。
 そこで、既にこのグリーンボンド、日本における発行例というのはございますんですか。
#88
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 我が国におけるグリーンボンドの発行数はまだ十分とは言い難い状況でございますが、徐々に増加しておりまして、今年は約二千億円の発行額となりました。具体的には、大手銀行のほか、本年十月には自治体として初めて東京都が発行いたしまして、また十一月には独立行政法人としては初めて鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発行したところでございます。
#89
○長浜博行君 今議論をしてきたように、環境でCO2を減らすための努力としてお金が動くという状況の中でのカーボンプライシングと、それからESG、あるいはグリーンボンドの話をしました。こういった底流に流れる概念といったらいいんですか、哲学といったらいいのか、今の議論をお聞きになって大臣はどのようにお感じになりますか。
#90
○国務大臣(中川雅治君) 我が国の目標であります二〇五〇年八〇%削減、そしてパリ協定の二度目標、そして今世紀後半には実質排出ゼロと、こういった大幅な削減を実現していくためにはいろんな政策を組み合わせて強力に推進していかなければなりません。
 その一つとして、経済的手法としてカーボンプライシングというのが有効な手段としてあると私は考えております。EUにも実例がありますし、諸外国でもいろんな形で実施をしております。このカーボンプライシングにつきまして、様々ないろんな問題点の指摘がありますが、それを乗り越えていくような、そういう積極的な検討をして、是非我が国にも導入をしていきたいと、これが環境省の強い気持ちでございます。
 そして、ESG投資、グリーンボンドといった、まさに経済の血流である金融の側から後押しをする政策、こういった様々な政策を組み合わせて大幅削減を実現していかなければならないというように考えております。
#91
○長浜博行君 今申し上げたように、今日は気候変動を中心にやりましたけれども、SDGsのまさに国連の概念というのは、環境問題は企業とか経済の発展の制約要因ではなくて、環境をきっちり守ることによって、あるいはもう常識を守ることによって経済は限りなく発展をし、そして企業もそういった企業は発展をしていくということだというふうに私も大臣の言葉を理解したいというふうに思っております。御活躍を御期待申し上げます。
 終わります。
#92
○委員長(柘植芳文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#93
○委員長(柘植芳文君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#94
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 各地で豪雨災害が発生しております。また、大型の台風が列島を襲うなど、地球温暖化が原因と思われる被害が近年深刻化をしております。
 大臣の御挨拶の中では、「気候変動の影響が顕在化しつつある中、適応策の充実強化に向けて取り組んでまいります。」と力強い御発言があったところですけれども、地球温暖化対策は環境省が推進役となって早期に対策を進めていかなければなりません。温室効果ガス排出量を二〇三〇年度に二〇一三年度対比二六%削減目標、またさらには、二〇五〇年までに八〇%削減に向けた取組が現に進められていると承知しておりますけれども、その中でも、大臣は、抜本的な再生可能エネルギーの導入に取り組むというふうに述べられております。
 その具体的な方策についてお聞かせいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(中川雅治君) 再エネにつきましては、我が国の二六%削減目標達成、そしてそれを超えて更なる大幅削減の鍵を握るエネルギーであるとともに、経済成長や地方創生にも資するものでございます。
 環境省としても、再エネ導入の最大化、加速化のために、自治体や企業において費用対効果の高い再エネ設備を導入する際の検討支援や設備補助、ポテンシャルの大きい洋上風力の低コスト化、風力発電等の環境アセスの迅速化、導入を促進すべきエリアや環境保全を優先すべきエリア等のゾーニングの手法の検討などに取り組んでまいります。
 こうした施策を通じ、将来的に再エネが我が国の基幹エネルギーとなり、CO2の大幅削減が実現できるよう引き続き各省とも連携して取り組んでまいります。とりわけ二〇五〇年八〇%削減ということになりますと更なる抜本的な取組が必要だと考えておりまして、長期低排出発展戦略、いわゆる長期戦略の検討の中でこうした点も検討してまいりたいと考えております。
#96
○河野義博君 二〇一二年にいわゆるFIT法が施行されまして、以来、再生可能エネルギーは増えてはまいりました。ほとんど普及していなかったところからでございますので、数の上では二・五倍になったというふうに言っておりまして、FIT法施行以来、三千五百四十万キロワットの実際に導入が進んでおります。一方で、まだ、発電ベースで申しますと、二〇一六年度時点では一五・三%にとどまっております。また、先ほど申し上げた三千五百四十万キロワットのうち九五%は太陽光発電なんですね。ほかの発電はほとんど増えていないというのが現状であります。
 この太陽光偏重の結果が招かれているんですが、大きな原因の一つは、法律で定められた義務的な環境アセスメントにあると私は思います。今の御答弁の中で、アセスの迅速化、またゾーニングを進めていただいている、このことは承知をしておりますけれども、アセスの期間の短縮化、それから規模要件の見直しというのが私は喫緊な課題ではないかというふうに思っております。
 アセスメントで、地熱、風力の場合ですと、少なくとも三、四年は掛かるということであります。FIT法施行が一二年ですので、まだ環境アセスが終わっていなくて発電できていないという状況にあるというのは容易に理解できるわけですけれども。
 アセスは要らないと私申しませんで、アセスは要ると思います。どんな発電所でも、自然環境の中に巨大な構造物を建てるわけですので、環境影響がないわけはありませんので、私は、アセスというのは、何らかのアセスというのはやるべきだろうと思っております。周りの住民の理解を得る手続も必要だと私は思います。
 アセスの短縮化については既に取り組んでいただいておりますので、これは早く結論を出していただきたい。もう三年前から実証事業をやっております。まだこの手法を用いて運開した案件がないから考えられないということでありますけれども、これは、もう早く結論を出さなければ進めることができませんので、早く結論をお願いしたい。
 一方で、規模要件の見直しというのも是非とも進めていただきたい。アセス要件の規模というのは、火力発電所でいいますと十五万キロワット、水力発電ですと三万キロワット、地熱一万キロ、風力一万キロ、これより大きい施設を建てるときにはこの法アセスの対象になるということでありますが、太陽光発電はそもそもこの法アセスの対象にはなっておりませんで、幾ら大きな太陽光発電所を造ろうとも土地造成を伴おうとも、環境省のこの法律の下ではアセスの対象にはならないわけであります。
 条例アセスがあるじゃないかという御意見もございますが、条例アセスでも、もっとも、これ条例アセスといっても太陽光発電を規制するアセスではなくて、大規模の土地の改変に伴って十ヘクタール以上変えますと県の認可が必要というところはございますが、十ヘクタールというとかなり大きな規模の太陽光発電所でございますので、実質的には太陽光のアセスというのは行われていないのが現状でありまして、各地で様々な問題を引き起こしているというのは御承知の向きだと思っております。
 また、火力発電十五万キロというこのバーを利用して、アセス逃れとも思われるような石炭火力発電所がたくさん計画をされておりまして、その数は十四件、約百五十万キロの石炭火力発電所が計画をされておりまして、これはそもそものやっぱり規模要件がおかしいんじゃないかと私は思うわけであります。
 石炭火力発電所の高効率化を求める向きがありまして、大きな石炭火力発電所ですと超臨界、超超臨界といった技術も使えるんでしょうけれども、この十五万キロ未満の小型の石炭火力発電所というのは、排出係数も非常に高い、二酸化炭素をたくさん出す石炭火力発電所でございます。しかも、一旦建ってしまえば四十年間その排出係数というのは固定されてしまって、改変することはなかなか困難でございます。
 二〇五〇年度に八〇%削減すると言っているのにもかかわらず、こういったアセス逃れの案件がたくさん、百五十万キロも計画されているというのは、やはり一つの原因として、このアセスの規模要件というのが私はおかしいんじゃないかなというふうに思うところでございまして、累次にわたっていろんな場面で御提案を申し上げてまいりました。本会議でも総理に申し上げまして、総理は検討すると答えていただきましたし、決算委員会では、前環境大臣もしっかり勉強しますと御答弁いただきました。
 また、党内でつくっております再エネ推進委員会、私、委員長を仰せ付かっておりまして、先日も官邸に要望書を持っていきましてこの点お話ししたところ、官房長官からも早速取り組みますというようなコメントも寄せられたわけでございまして、規模要件、是非とも、大臣、見直していただきたいんですけれども、具体的にいかがでしょうか。
#97
○国務大臣(中川雅治君) 規模要件につきまして、御指摘の風力発電の規模要件について申し上げますと、本年四月の再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議にて決定されましたアクションプランに基づき、今年度はデータ収集を行い、来年度以降必要な検討を行うことといたしております。
 また、これも今御指摘いただきましたが、現在法アセス対象外となっております太陽光発電につきましては、条例アセス等の適用事例の収集に努めるとともに、太陽光発電施設の設置で生じる環境影響について実態を把握しているところでございます。
 先生御指摘の問題につきましては、様々な課題がございますが、引き続き検討してまいります。
#98
○河野義博君 ようやく再エネ・水素閣僚会議の議題にのせていただきました。これ一歩前進と感謝を申し上げるところでございます。四月の議題でございますので、やはり早急に結論を出して、やっぱり改めるべきところはすぐに改めるということが大事なのではないかなと思っております。引き続き、繰り返しお願いしてまいりますので、どうぞ早急なる御検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、食品ロス削減に向けた取組でございます。
 日本の食料自給率、約四割にとどまります。一方で、まだ食べられるけれども捨てられているといういわゆる食品ロス、年間六百二十一万トン余りの食べられる食品が捨てられると推計されておりまして、その削減は喫緊の課題でございます。六百二十一万トンといいますと、世界全体の食糧援助、国連の食糧援助の量の二倍でございます。日本の米総生産量八百万トンというふうに考えますと、非常に大きな量の食べられる食品が捨てられているという状況にございます。
 食品ロスの削減は、SDGsのアジェンダにも掲げられております国際的な大事な課題でもあります。食品ロスは、食品事業者、消費者、行政それぞれにメリットがあるものでありまして、過剰生産の抑制による生産、物流コストの削減や廃棄コストの削減、食費の軽減、燃焼時のCO2削減による環境負荷の軽減につながります。さらに、未利用食品の有効活用は、食品ロスの削減といった観点のみならず生活困窮者支援等にも資するものでありまして、まさに政府が今進めようとしております生産性の向上にも大きく貢献する事案でございます。
 公明党におきましては、一昨年に食品ロス削減プロジェクトチームを設置をいたしました。私、事務局長を仰せ付かっておりまして、国民運動として食品ロス削減を推進していきたい、そういう向きで議員立法での法整備を今進めているところでございます。食品ロス削減に向けた環境省のこれまでの取組並びに今後の方針を伺いますとともに、私どもが進めております法整備、これに対しまして激励のお言葉をいただきたいと思います。
#99
○副大臣(伊藤忠彦君) お答えを申し上げます。
 私たちは食事の前に、食事を提供してくれた方々や食材となった動植物に感謝の気持ちを込めまして、いただきますという言葉を使っていると思います。近年、この言葉のベースにあったはずのもったいないの精神が廃れてきているのではないかと私たちは感じております。食品ロス削減をしていく上で、このもったいないの精神を重視して政策をつくり込んでいくことは極めて重要な運動であるというふうに考えておりまして、大変先生方の御活躍、御活動には評価をさせていただきたいと思います。
 環境省といたしまして、食品ロス削減のため、関係省庁や自治体と連携をしつつ、食品ロス量の把握のための自治体の調査に対する財政的、技術的支援、学校給食から発生する食品ロス量の削減のためのモデル事業、消費者に対する普及啓発等を実施をしてまいったところでございます。さらに、食品ロス量削減に関する目標の設定についても検討を進めさせていただいているところでございます。
 食品ロスの削減のためには、国、自治体、事業者、消費者等の関係が一体となって、まさに先生がおっしゃいましたとおり、国民運動として取り組んでいく必要があると認識をいたしております。このため、先般、食ロス三〇一〇運動の発祥の地でもある長野県松本市で開催をされました第一回目の食品ロス削減全国大会に私も出席をしてまいったところでございます。
 現在議論が行われている食品ロス削減に向けた議員立法について、政府の立場からコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、環境省としては、食品ロス削減に向けた取組が前進していくことは極めて重要であると考えております。今後、関係省庁とも情報交換をしながら、食品ロスを少しでも減らすことのできる日本の国づくりをしっかりと考え、そして実行に向けて歩んでまいりたいと、こう考えているところでございます。
 以上です。
#100
○河野義博君 御答弁いただきました実態把握、そして目標をどうやって設定していくか、大変重要な点でございますので、引き続きの御支援をお願いしたいと思います。
 続きまして、国内の資源循環に関して何点か伺います。
 まず、建設物のインフラが更新時期を迎えておりまして、オリンピック開催に向けてインフラ整備が進められております。首都圏を中心として、コンクリート塊、コンクリート殻と呼ばれたりもしますけれども、コンクリート塊や建設汚泥など、発生量が増大を見込まれております。再生砕石や建設物汚泥再生品の適正な再利用に係る環境省の対応方針はいかがでしょうか。
 さらに、こうした再生利用をより一層推進し、広域的な流通を実現するために、再生利用指定制度などの制度を積極的に活用すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。
#101
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のありました建設汚泥やコンクリート塊につきましては、御指摘のとおり、今後発生量の増大が見込まれておりますことから、その再生利用を一層推進することが求められていると認識しております。
 一方で、例えば建設汚泥処理物等については、土地造成に用いる建設資材等と称して不法投棄されるなどの不適正処理のおそれがありますので、これらの課題解決のためには、不適正処理をしっかりと防止しつつ、広域的な流通を実現することが重要と考えております。
 御指摘ありましたように、廃棄物処理法に基づきまして、再生利用指定制度がございまして、この指定を受けた者が扱う建設汚泥処理物は有償譲渡されるものでなくとも取引価値を有するものとして取り扱うことができるため、都道府県市において当該制度の活用が進めば、建設汚泥の再生利用が促進されると考えております。
 そこで、環境省では、再生利用指定制度を活用した適正な再生利用の促進を図るため、その周知に努めているところでありまして、今年六月に行われました全国廃棄物・リサイクル行政主管課長会議におきましても、当該制度を積極的に活用するよう周知したところです。また、今後、廃棄物関係団体、自治体、関係省庁等と連携し、建設汚泥等の適正な再生利用に係るモデル事業の実施を検討してまいります。
#102
○河野義博君 現場ではやっぱり不適切な処理が行われているようでございますので、これもやっぱり厳しく監督をしていただきたいと思います。
 次に、フロンに関しまして、地球温暖化対策の中で、省エネ、再エネ進めてまいりました。エネルギー起源のCO2削減というのは進んできているわけでありますが、フロンが逆にそれを打ち消してしまっている側面がございます。
 フロンについては、オゾン層保護のためオゾン層を破壊しない代替フロンへの転換が進んでまいりましたけれども、温暖化といった観点から申し上げるならば、CO2の数千倍、また数万倍以上の強烈な温室効果を持つ物質でありまして、近年排出量が増加をしております。今後も増えるという見通しだと聞いておりますが、フロン類の対策については重要性を増しているというのは言うまでもありませんけれども、一方で、フロンに関しても廃棄時の回収率というのが低迷を続けております。
 法律の義務を守らず回収作業を行わない事業者が一部いるという声も届いているわけでございまして、フロン類の対策、とりわけ廃棄時の回収対策について、現状認識と今後の対応策を教えてください。
#103
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 フロン類につきましては、特定フロンから代替フロンへの転換が今現在進んでおりまして、代替フロンの排出量はこの十年で約三倍に増加しております。今後も、委員おっしゃるように、増加が見込まれることから、この排出量の抑制を推し進めることが大変重要であると、このように考えております。
 フロン類の対策といたしましては、生産規制のみならず、これは使用時漏えい量や廃棄時の回収量を定量的に把握すること、さらに適正な管理を行う必要があり、我が国では、ここは世界に先駆けて、漏えい量などを定量的に把握する制度、仕組みを確立させていただいたところであります。これは、我が国の自慢の一つでもございます。
 しかしながら、フロン類の廃棄時の回収率については、一定量の向上は見られるものの、十年以上にわたって三割台で低迷しているというのも事実でございます。地球温暖化対策計画で定める二〇二〇年度五〇%、二〇三〇年度は七〇%の目標達成に向け、更なる対策の強化が必要であると、このように考えております。
 そこで、現在、中央環境審議会及び産業構造審議会におきまして、フロン対策のフォローアップを進めているところでございます。今後、現状と課題、これをしっかりちゃんと分析をして、その結果も踏まえて、今後必要な措置を講じ、フロン類の更なる排出抑制に力を尽くしていきたいと、このように考えております。
#104
○河野義博君 フロンの回収には非常に手間暇が掛かるようでありまして、専用の機械も必要となります。ちゃんとやっていただいている業者はやっているんだけれども、やっていない事業者はそのまま出してしまっているという状況もありますので、しっかりと御指導いただけたらというふうに思います。
 続いて、浄化槽でございますけれども、浄化槽の普及を進めるという、大臣御挨拶の中にも一文ございました。浄化槽は下水道の六分の一のコストで整備できると言われておりますけれども、下水道の助成率は二分の一である一方で、浄化槽は三分の一という状況でございます。今年度から実施された省エネ型大型浄化槽システムモデル事業というので利用いたしますと助成率は二分の一ということになりますけれども、これは三十三年までの期限付の事業となっております。
 単独浄化槽からの合併浄化槽への転換も進まないという状況も並行して進めていかなければならないと考えますけれども、当局としての認識を教えてください。
#105
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 御指摘の単独処理浄化槽の転換も含めて、合併処理浄化槽の整備を進めることは、水環境保全の観点に加えまして、省エネの観点、あるいは防災・減災対策を進める上でも大変重要と認識しております。
 このため、環境省では、委員御指摘のありました事業以外にも、平成二十八年度に環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業という事業を創設いたしまして、省エネ浄化槽や単独処理浄化槽の転換等を総合的に進める市町村に対して通常の助成率三分の一から二分の一にかさ上げるという形で支援してございます。
 それから、特に御指摘のありました単独処理浄化槽からの転換につきましては、まず、浄化槽の整備事業の中で単独処理浄化槽の撤去費に対する助成を行うということが一つございます。それから、先ほど申し上げました環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業におきまして、この中で、単独転換を進めることを要件に定めまして、これを二分の一にかさ上げすることで積極的に進めているというところでございます。
 それからあと、市町村等の公共がお持ちの浄化槽の中にも単独処理浄化槽がまだ多く残っておりまして、全国にまだ約四・六万基あるということで、これを積極的に転換を進める事業といたしまして、公的施設単独処理浄化槽集中転換事業、これを平成二十八年度に創設して取組を進めております。
 それからあと、省エネ対策につきましては、委員御指摘のありました省エネ型大型浄化槽システム導入推進事業というのを創設しまして、今年度から、老朽化した浄化槽のブロワーやポンプ等の機材を交換することで電力削減を行う取組を進めてございます。さらに、この事業につきましては、より積極的に御活用いただけるよう、来年度の概算要求におきまして、老朽化した大型浄化槽の本体そのものを交換するようなものも対象にできないかということで、今要求を行ってございます。
 環境省といたしましては、これらの事業や補助制度を最大限効果的に活用していくことで、単独処理浄化槽の転換と併せて浄化槽システム全体の低炭素化を進めてまいります。
#106
○河野義博君 一旦単独浄化槽を入れた御家庭が合併浄化槽に切り替えるというインセンティブがなかなか見付からないというところが大きな問題だと思います。もう一歩踏み込んだ対応というのがないとなかなか進まないんではないかと思いますけれども、大臣、簡単に御所見を頂戴できますでしょうか。
#107
○国務大臣(中川雅治君) 単独処理浄化槽は、平成二十七年度において全国で約四百十二万基も存在しております。単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換促進が水質改善や防災対策のためにも重要であると認識しております。
 既に単独処理浄化槽を導入し、水洗化を行った住民の方が合併処理浄化槽へ転換を進めようとする場合には、宅内の配管工事等の個人負担が大きいことが課題となっております。
 私も、今までも自民党の中で浄化槽を推進する議員連盟の事務局長をやり、今も幹事長代理としていろいろ議論しているところでございますけれども、今次長が申し上げましたように、まずは予算をしっかり確保するということ、そして、いろいろな課題を踏まえつつ単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換を更に進めるための方策についてしっかりと検討して進めてまいりたいと思っております。
#108
○河野義博君 大臣の思いを聞かせていただきました。私も党内の推進議連に所属しておりますので、与党の方からもしっかりサポートしてまいりたいというふうに思います。
 続きまして、PM二・五の対策でございます。
 私、今福岡市に住んでおりますけれども、福岡市を始めとして九州に暮らす人たちが警戒する飛散が三つあると言われていまして、一つは花粉、もう一つは黄砂、そしてPM二・五と。熊本より南に行きますと火山灰も加わるわけでございますが、いわゆるPM二・五、御挨拶の中でも、科学的知見の充実を図りつつ、国内の排出源対策を進めるとともに、中国を始めとするアジア各国と越境汚染対策に関する協力を推進するということでございました。
 削減に向けた国内対策というのは、着実に今までどおり進めていくということが重要であることは論を待ちませんけれども、最大の課題はやはり隣国、特に中国にどうやって減らしてもらうかということだろうと思います。日中韓の三か国環境大臣会合を契機といたしまして、中国もこの問題に真剣に取り組み始めたというところでございますけれども、依然として、我が国の基準からすると相当高い水準で中国国内でPM二・五の量が推移しているというのは事実であります。
 環境省として、中国に対してどのようなアプローチで更なる削減を求め、実施させようとしているのか、方針をお聞かせください。
#109
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 PM二・五などの大気汚染につきましては、平成二十五年の日中韓三か国環境大臣会合の合意に基づきまして、毎年三か国で大気汚染に関する政策対話を開催しまして、政策や技術に関する情報共有を進めております。それから、中国との二国間協力でございますけれども、平成二十六年から我が国の地方自治体や産業界の知見、ノウハウを中国の主要都市における人材育成、能力構築に活用する大気汚染に関する日中都市間連携協力事業というものを実施しております。モデル的な技術の導入や共同研究なども含めまして総合的な協力を進めておりまして、現在の参加自治体数は日本側が十一、それから中国側が十七となっております。
 本年八月の日中韓三か国環境大臣会合におきましては、大気環境改善のための三か国間の協力を推進するということが再確認されておりますし、また、その際に行われました中川大臣と中国環境保護部の李部長とのバイ会談におきましては、PM二・五を始めとする大気汚染に関する二国間の協力関係を今後も強化していくということが確認をされたところでございます。
 近年、我が国と中国のPM二・五の年平均濃度はどちらも減少傾向にはありますけれども、更なる削減に向けまして、引き続きこれらの取組を進めてまいります。
#110
○河野義博君 残り一問あったんですが、あと一分になりましたので、最後お願いで終わろうと思いますが、福島の原子力発電所事故によりまして甲状腺の検査の結果が出て、様々な報道がなされております。必ずしも十分な説明がなされていないために、報道ベースで甲状腺がんが見付かったということだけが独り歩きしたかのような報道がございますので、しっかりと国民の誤解や不安を解消していくというのが環境省にお願いしたいことでございます。
 ほかの地域と比べてどうなんだということもしっかりと十分な説明を報道の側ができるように、ちゃんと環境省がそういったところに説明をやっていくということが大事だろうかと思いますので、よろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#111
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今、全国各地で原発の再稼働、また運転開始から四十年超えた老朽原発の二十年運転延長など問題がありまして、国民の中で不安が広がっております。今日は、新潟県にあります東京電力柏崎刈羽原発について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 規制委員会は、この柏崎刈羽原発のいわゆる再稼働申請の調査に関わって東電に適格性ありとする判断を下しました。しかし、これは非常に重大だと思います。東京電力は福島第一原発事故の当事者でありますし、もし再稼働となればこれは沸騰水型では初めてのケースということにもなりますので、この再稼働はそういった面で他の原発の再稼働とは質的に違う意味合いがあるというふうに思います。
 問題は、東京電力は福島の原発事故の根本的な原因の究明はいまだにできていないということだと思います。福島第一の廃炉も見通しはまだ立っていない。しかも、被災者の皆さんへの賠償は打ち切っていくということになっていく。これは許せないという福島の皆さんの思いは当然だというふうに思います。
 それから、新潟県の皆さんからしても、東京電力はこれまでも、データの捏造と隠蔽だとか、メルトダウン隠しだとか、免震重要棟が基準地震動に耐えられない、そういうデータがあったにもかかわらず隠していた、こういうこともありました。先日も、防火壁の貫通部が塞がれていない箇所が六十か所も見付かったということもありました。新潟の皆さんは、その都度反省や再発防止ということを言われてきたけれども、まさに裏切られてきた、だまされ続けてきたと、そういう思いをお持ちだというふうに思います。
 こういう東京電力の実態を見たら、東京電力に原発を運転する適格性はない、これは明らかだというふうに思いますが、規制委員会、いかがでしょうか。
#112
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、東京電力が福島第一原子力発電所事故を起こした当事者であることを踏まえ、審査会合における技術的審査に加え、東京電力に柏崎刈羽原子力発電所を設置し及び運転をすることにつき必要な安全文化その他の原子炉設置者としての適格性を有するかどうかについても特に審査することといたしました。この審査は、原子炉等規制法に定める許可の基準のうち、発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力、運転を適確に遂行するに足りる技術的能力に係る審査の一環として行ったものでありまして、通常より深掘りをして調査をしたものであります。
 具体的には、本年七月と八月に東京電力の経営陣と意見交換を行い、同社の原子力発電事業に取り組む姿勢を確認をいたしました。また、本年七月に田中前委員長と委員一名が柏崎刈羽原子力発電所を訪れ、発電所長や現場の職員から安全確保に関する考え方などについて聞き取りを行いました。
 これらの確認の結果、原子力規制委員会は、東京電力については、柏崎刈羽原子力発電所の運転主体としての適格性の観点から、原子炉を設置し、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はないと判断をいたしたものであります。
#113
○武田良介君 それでは国民の皆さんが納得していないということだと思うんです。
 もうちょっと具体的に聞きます。
 東京電力、二〇〇二年にデータの捏造、隠蔽という問題がありまして、その後、その対応策として、言い出す仕組みというものを含めた幾つか対策案、取り上げております。資料にも付けてあります。
 しかし、問題は、そうした言い出す仕組みだとかこういったものも含めて、そうした対応がその後に生かされたのかどうかということだと思うんです。福島第一の事故の際にはメルトダウンの隠蔽の問題というのが起こりました。メルトダウンという判断をすることができたのに誰も言い出さなかったということがあったわけです。
 これも資料の二枚目に付けておりますが、新潟県に設置されています検討委員会の一つである技術委員会とそれから東京電力、合同検証委員会というのが行ったアンケート結果があります。ここでは、メルトダウンの判定基準があると知っていたというふうに四・九%の方が答えている。しかし、結果は現実のとおりですので、メルトダウンという判断はされない、炉心溶融に至って、基準があったことも隠蔽されたということになっているわけです。
 言い出す仕組み、これは反省の上につくられたはずですが、これ生かされていないというふうに思いますが、東京電力、いかがでしょうか。
#114
○参考人(文挾誠一君) 東京電力ホールディングスの文挾でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 福島第一原子力発電所の事故から六年九か月が経過いたしましたが、今なお発電所周辺の地域の皆様、広く社会の皆様に多大な御負担そして多大な御心配をお掛けしておりますことを改めて深くおわび申し上げます。
 それでは、今御質問のありました、教訓が生かされているのかということに関しましてお答えを申し上げたいと思います。
 当社は、二〇〇二年の原子力不祥事以降、再発防止を図り、信頼の回復に向けまして全社を挙げて、しない風土、させない仕組み、言い出す仕組みの取組を継続してきております。しない風土といたしましては、企業倫理遵守に向けまして研修を実施し、社員の意識改革を図るとともに、させない仕組みとしましては、規程、マニュアルの整備、それと内部監査機能の充実、そして言い出す仕組みといたしましては、個人、職場が悩みを抱え込まないように社内のコミュニケーション活動を充実させる取組を実施してまいりました。
 それらの取組により企業風土は着実に改善してきているものと考えておりますが、引き続き、これらの取組につきましては、マンネリ化せぬよう、陳腐化しないよう、工夫を重ねまして、企業倫理遵守を徹底してまいりたいというふうに考えております。
 なお、新潟県の皆様を始めとする社会の皆様に御心配と御迷惑をお掛けしてしまいました免震重要棟の問題につきましては、隠蔽や改ざんの意図はございませんでしたが、審査会の場におきまして解析の目的、それと前提条件を十分に説明せずに審査に混乱を招いてしまったことは、改めておわびを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#115
○武田良介君 実態がもう全て物語っていると思うんです、繰り返されてきたわけだから。だから私は、これ対応全然できていないというふうに思います。
 規制委員会にお聞きしたいと思いますが、なぜ他の原発と違って今回、適格性ありという判断をするのか。やっぱりこれ当事者だから、福島の事故の当事者だからだと思いますし、何より国民が納得できないからだというふうに思います。
 しかし、逆に言うと、今回、規制委員会が適格性ありという判断をすることが再稼働に向けてお墨付きを与えることになっているんじゃないか。そういう自覚はあるのかどうか、端的にお答えください。
#116
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、原子炉等規制法に基づき、原子力発電所の基準適合性などを科学的、技術的に厳格に確認することを役割としておりまして、再稼働について申し上げる立場にはございません。
 適格性の確認については、原子炉等規制法に基づき、発電用原子炉を設置、運転するに足りる技術的能力に係る審査の一環として行ったものでありまして、先ほどお答えしましたとおり、東京電力については、柏崎刈羽原子力発電所の運転主体としての適格性の観点から、原子炉を設置し、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はないと判断したものであります。
#117
○武田良介君 認識がないということが私非常に問題だと思います。
 規制委員会が出しました適格性についての確認結果というものですか、あの文書を私も見ましたが、入口は確かに適格性を審査すると書いてありますけど、出口のところは、結果のところは技術的能力ありという結果になっています。技術的能力ありというのは、今お話があったとおり、炉規制法の関係でどの原発でも審査することですから、その同じ結論を適格性ありという文書でわざわざ出しているわけだから、これはお墨付きを与えることにやっぱりなるというふうに私は思います。規制委員会の姿勢を厳しく批判させていただきたいというふうに思います。
 緊急時対策所についても伺っていきたいというふうに思います。
 私も以前、この環境委員会でもお聞きをさせていただきました。結局、シビアアクシデントが起こった際に、対策本部、百四十平米で八十六人が作業するということに計画になっています。一人当たりにしたら一・六平米ほど、縦横一・二六メートルほどのスペースしかないところで作業する、そういう計画、これは何ら変わっていない、そういう審査書案が出ておりました。
 こんな狭い部屋しか用意できずに、これで事故対応すると。これ、やっぱり大問題じゃないかと思いますが、規制委員会、いかがでしょうか。
#118
○政府特別補佐人(更田豊志君) 五号炉原子炉建屋内にある緊急時対策所につきましては、作業卓や情報通信設備などの緊急時対応に必要な資機材を全て設置した状態で、緊急時に対応要員が重大事故等に対処するために必要な作業を行うことができる十分な広さを有する設計であることを確認しております。ちなみに、私も現地に赴きまして実地で確認をしております。
#119
○武田良介君 私も現地へ行きました。狭いと思いました。十分これ認識持っていただかないと大問題だというふうに思います。
 これ東電にお聞きしますが、東電もこの緊対所については問題ありというふうに考えていると思うんですね。少し振り返りますけれども、この六号機、七号機の再稼働、今議論している再稼働、元々どこに緊対所を置くのか、免震重要棟に置こうという話があった。でも、これ基準地震動に耐えられないという話になって、三号炉建屋内の緊対所を設けようとした。でも、これも液状化で駄目だという話になって今の五号炉です。
 この五号炉、これまで二度も計画変更してきたから、もうこの五号炉建屋内で何とか審査通したいというふうに思っておられるのかもしれませんが、これも狭いだとかいろいろ問題を指摘されている。だから、今東電は、審査にかけている五号機建屋内の緊対所、これとは別に、七、六、五号機の陸側にある高台の上に別の緊対所を造る、そういう計画を持っている。
 昨年の十二月十五日の審査会合の議事録、今日の資料にも付けました。これ見ましても、川崎課長補佐、この方が、「やはり三号緊対に比べて五号緊対が大分、気密、ボンベ加圧するのを除いて、大分見劣りすると言わざるを得ない。」と。五号機の緊対所がこれまでの計画より見劣りするということを言って、これまでの東電の資料は、たしかそういう大湊側、大湊側というのは七、六、五号機が設置されている側ですが、そこの高台に設置予定というふうにされていたねと、平成三十年七月竣工予定と、資料にはたしかあったなということを照会して、東電が特に変更はございませんということで言っております。平成三十年、来年の七月の竣工予定だと。
 この高台に新しい緊対所を造るという計画は東電自身が五号建屋内の緊対所では十分対応できないと認識しているからじゃないでしょうか。東電、端的にお答えいただきたい。
#120
○参考人(文挾誠一君) ただいま五号建屋内に造る緊急時対策内では不十分ではないかという御質問をいただきましたのでお答えさせていただきます。
 今般、柏崎刈羽原子力発電所の緊急対策所といたしまして五号炉建屋内に設置をいたします緊急時対策所は、規制基準への適合のために遮蔽とか空調、そういう居住性設備、それとプラント情報把握のための設備、それと通信連絡のための設備、それと電源設備といった緊急時対応に必要な設備を設置するため、安全面で劣るということは考えておりません。高台に設置を予定しております大湊側の緊急時対策所は、より確実な災害対策を行うために新たに設置するものでございます。
 以上でございます。
#121
○武田良介君 私は、結局早く再稼働したいという思いが東京電力にあるというふうに思います。
 高台の上に造るということになれば、今建物何もないところですね。そこに建てるというわけですから、一から工事しなければいけない、更に時間が掛かる。その緊対所で今回の審査パスしようなんということは、再稼働早くやりたいということからはもう待てないと、結局そういうことだというふうに思います。
 そういう、さっきも紹介しましたけれども、三号炉の緊対所より見劣りするともう審査会合でも言われているわけだから、そんなことで審査通すなんというのは、世界最高水準の安全基準なんということは絶対に言えないと思うし、そんな審査は絶対通してはならないということを言っておきたいというふうに思います。
 緊対所が五号建屋内に造られること自体、大問題だというふうに思います。七、六、五、この三つの原子炉が隣接しているわけです。今回の審査は七、六号機での再稼働を審査しているものですが、もし事故が起こったとすれば、すぐ隣の五号機建屋内、ここの緊急時対策所を本当に使えるのかどうか、この基本的な懸念は拭えないというふうに思います。東京電力、いかがですか。
#122
○参考人(文挾誠一君) ただいま五号緊対の場所、立地につきまして御質問をいただきました。お答えさせていただきたいと思います。
 五号炉の緊急時対策所は、六、七号炉に近いため、事故が発生した場合は確かに放射線の環境が厳しくなります。ただし、その際にも、事故への対応に支障を来すことのないよう、防護対策を講じる設計といたしております。
 具体的には、六、七号機で同時に事故が発生し放射性物質の拡散を伴う事態に至った場合におきましても必要な居住性を確保することができるよう、緊急時対策所内を清浄空気で加圧をいたしまして放射性物質の侵入を防止する装置、これを陽圧化装置と申しますが、これを設置するということとともに、遮蔽についても増強する計画としてございます。
 一方、五号機の緊急時対策所が六、七号機に近いということは、事故が発生した場合の現場対応を迅速に実施することができるということでもございます。事故への即応性が高まるという点ではメリットがあるというふうに考えております。
 以上でございます。
#123
○武田良介君 メリットを強調されましたけど、しかし、放射線量が高いということがあるということも前段におっしゃいました。結局デメリットだってあるわけです。そういうデメリットもあるけれどもこれで大丈夫ということであれば、それはやっぱり安全神話の復活ということになりますから、やっぱりこの問題は本当に正面から認識していただかなければいけない。
 規制委員会にもお伺いしたいと思うんですが、福島第一の事故の原因、これ明らかになっておりませんが、一号機から四号機まで、それぞれ大きな被害を受けました。地震によるものかどうかも津波によるものなのかも、水素爆発なのか何なのか、まだ全て明らかになっていないわけです。こういう現実見ても、七、六、五、隣接してそのまま再稼働するものとすぐ隣の緊対所、これでいいのかどうか、規制委員会、どうですか。
#124
○政府特別補佐人(更田豊志君) 当該審査におきまして、この五号炉に設置する緊対所の審査に当たりましては、六号炉及び七号炉が同時に東京電力福島第一原子力発電所事故と同等の規模の放射性物質を放出すると仮定をしまして、五号炉の原子炉建屋内にある緊急時対策所について居住性の評価を行いました。
 この際、五号炉については、その炉心に燃料が装荷されておらず、一方、使用済燃料プールにはその最大貯蔵量の使用済燃料が貯蔵されているものと仮定し、さらに、使用済燃料プールの水位が十分に確保できない場合も考慮して、プールの水による遮蔽効果には期待せずに五号炉緊対所で活動する要員等の被曝評価を行っております。要するに、六号炉、七号炉は1F事故並みの事故を発災し、五号炉の使用済燃料プールは水が抜けた状態です。
 こうした厳しい条件下で五号炉緊対所の居住性評価を行った場合でも、同緊対所で活動する要員等の実効線量が事故発生後七日間で百ミリシーベルトを超えないことを確認しております。
#125
○武田良介君 線量が高いということの話はありましたけれども、しかし、事故原因究明されていませんから、何がどうなるか分からない、それ以外の事態だって幾らでも想定されるものがたくさんある。今の答弁では国民の皆さん全然納得できないというふうに言っておきたいと思います。
 事故となれば避難もしなければなりません。私、先日、新潟県に行きまして、県当局の方にもお会いをしてお話を伺ってまいりました。新潟県では、本当にきちんとした避難計画作ろうと思ったら、どうしても市町村や県だけでは対応できない、国に対応してもらわないと避難計画を作れない、幾つかの問題を指摘されておりました。
 その一つに、避難時に使用するバスの運転手さんをどうやって確保するのかという話もありました。もちろん、そもそもバスの運転手さんが足りないという話があります。千三百台必要だという推計されているそうですが、千三百人いない。さらに、労働安全衛生法があるので、シビアアクシデントが起こった際、線量の高い地域にバスの運転手さんを派遣することができない、こういう話もありました。
 こういう新潟県の声にどう応えていくおつもりか、大臣、いかがですか。
#126
○国務大臣(中川雅治君) 原子力災害時の住民避難に必要な輸送手段の確保につきましては、各自治体とバス会社等による緊急時の協力協定の締結や、その実効性向上等に向け、内閣府としても支援を行っているところでございます。労働安全衛生法等の改正という形ではなく、内閣府としては実質的に様々な対応をしているところでございます。
 具体的には、バス運転者等の防災活動に協力してもらう者の線量管理の目安として一ミリシーベルトを基本とすることや、被曝線量の管理方法を取り決めておくこと等、協力協定で定めておくべき内容についてのマニュアルの作成や、自治体が行うバス運転者等向けの防護服や個人線量計等の防災資機材の整備の支援、原発立地地域等において、原子力災害時の住民防護活動に携わるバス運転者等向けの研修を実施しております。
 今後とも、原子力災害時の住民避難に当たってバス会社等の協力がしっかり得られるよう、地域原子力防災協議会の枠組みの下、関係自治体とも連携しながら取り組んでまいります。
#127
○武田良介君 これ、全国知事会からも繰り返し要望も上がっているというふうに思います。今日、資料の方にも付けておきましたけれども、例えば、資料のエというところに項目があります高線量下での災害対応に係る法整備だとか、それから、私も聞きましたけれども、カ、行政区を越える広域避難、これを円滑に実施するために国が主体的に取り組むことなどが全国知事会からも求められております。
 そういう関係からも非常に大事な問題だと思いますが、避難計画の策定というのは、全国の自治体そして住民が直面している大問題だというふうに思います。それだけに、立地自治体だけではなくて、事故の際には風向きで大きな影響が出ることが予想される地域、せめて三十キロ圏内の自治体の声を聞いてほしいという声もあるというふうに思いますけれども、大臣、こうした声にどうお応えになりますか。
#128
○国務大臣(中川雅治君) 避難計画の策定に当たりましては、内閣府が地域ごとに設置いたしました地域原子力防災協議会の枠組みの下で、これは立地自治体のみならず、今御指摘のおおむね三十キロメートル圏内の関係自治体と国とが一体となって検討を進めているところでございます。ですから、三十キロメートル圏内の自治体の声を聞くというか、もう一緒に一体となって検討を進める、そういう形でやっております。
 今後とも、立地自治体以外も含め、地域の声をしっかりお聞きし、住民の皆様の安全、安心を第一に、避難計画の具体化、充実化に政府一丸となって取り組んでまいります。
#129
○武田良介君 きちんとした避難計画が作れるかどうか、国が対応しなければならない課題ということも具体的に声が上がってきているわけですので、そういう避難計画ができなければ、これはやっぱり再稼働どうなのか、認められないと、そういう強い立場で取り組む必要があるということを言っておきたいと思います。
 最後に、時間の限りですが、新潟の柏崎刈羽原発の地層について若干お伺いしたいと思います。
 まず、規制委員会に確認したいと思いますが、そもそもこの新潟の柏崎刈羽原発の地域、海の浸食なんかによってできる海成段丘、海岸段丘といいますが、そういう段丘が広く分布している地域ということで間違いないか、規制委員会、どうでしょう。
#130
○政府特別補佐人(更田豊志君) 柏崎刈羽原子力発電所近傍の内陸側にかけて広く海岸段丘が分布していますが、発電所敷地内には海岸段丘は確認できないものと承知をしております。
#131
○武田良介君 周りに分布しているということでした。
 資料に付けましたけれども、海成段丘というのはその堆積年代によって地層がつくられています。最も古い年代が高位段丘、大体二十万年から二十四万年前、それから中位段丘、十二万年から十三万年前に堆積した層、これ安田層というふうに言います。東京電力もこういう状況だということをこれ認識されている。原発周辺のこの中位段丘の上に柏崎刈羽原発が建っているということなんですね。その上で、断層のお話です。
 柏崎刈羽原発の敷地内には断層が二十三本あると。今回の審査に係る断層は十二本あるというふうなことです。問題は、この断層が将来活動する可能性のある断層かどうかということです。平成二十五年の六月、新安全設計基準、将来活動する可能性のある断層として十二万年前から十三万年前の地層を挙げて、活動が否定できない断層がそれに当たるというふうにしている。十二万年から十三万年前というのは、全国どこでもその地層が広く見られるのでそこを基準にしているということでしたが、先ほどの海成段丘、この中位段丘が十二万年から十三万年前。審査書案ではこれは活動する可能性はないと評価したというふうに書いていますが、柏崎刈羽原発は十二万年から十三万年前の中位段丘の上にあって、そこに断層が見付かっているということになれば、これは断層が将来活動する可能性が否定できない断層だというふうになるというふうに思いますけど、いかがですか、規制委員会、端的に。
#132
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御質問の中にもありましたように、断層の活動性評価は、評価対象の断層が十二から十三万年前以降に活動したか否かを確認するものであります。柏崎刈羽原子力発電所の敷地内断層の活動性評価では、断層が活動した後に堆積した地層の年代を二十四万年前のアタトイフラテフラなどにより確認するとともに、その地層に変位、変形がないことも確認し、敷地内断層が十二から十三万年前以降に活動していないことを確認しております。
#133
○武田良介君 簡単に言えば、古い層だから大丈夫という話だったというふうに思いますが、本当にそうなのかということが今問題だというふうに思います。
 新潟の方からもお話を伺ってきましたが、東京電力が新潟県の地元研究者の皆さんでつくる研究グループからこの問題を指摘されています、断層の問題。それに反論するチラシを資料の六に付けておりますけれども、東京電力が配付している、これ新潟県内に新聞折り込みなんかで七十五万部配付されているものだそうです。この資料にも付けましたが、チラシに書いてあるところ、活断層の可能性があるという御指摘がされています。研究会の皆様が発電所近くの柏崎市藤橋で調査したところ、約十二万年前から十三万年前に出てきた地面の下から発電所の火山灰と同じ主成分の火山灰が検出されたためというふうになっているというんですね。
 この柏崎の研究グループが藤橋で見付けた火山灰層、これ藤橋40というふうに呼ばれている。原発の敷地内で見付かってきた火山灰層、刈羽テフラというものがある。東京電力は研究グループとともにそれらのサンプル、試料を互いに交換もして互いに分析し合って、それは同じ主成分持っているということを確認をしています。住民グループの皆さんは、藤橋40見付かったのは十二万年から十三万年前の層から見付かっているから、刈羽テフラも十二万年から十三万年前の可能性があるではないかというふうに指摘をされているわけです。
 規制委員会に最後確認したいと思いますが、こういう重大な問題が今疑問として明らかになってきている。これまでの審査というのは基本的に東京電力からの説明、出された資料、それを基に審査しているというふうに思いますが、規制委員会自身がしっかり調査していく、それがやっぱり必要だと思うんです。この藤橋の地域へ行って一緒に見てくる、自分たちでも調査する、そういう再検証が必要だというふうに思いますが、いかがですか。
#134
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、先ほど私、お答えする中で、アタトイフラと申し上げてしまいましたけど、阿多鳥浜でしたので、これは訂正させていただきたいと思います。
 お尋ねの刈羽テフラにつきましては、審査会合等において東京電力から説明は受けておりますけれども、敷地内断層の活動性評価の指標としましては、広域に分布するテフラである約二十四万年前の阿多鳥浜テフラなど、より適切な火山灰を指標として用いております。
 したがいまして、現地調査においても、御指摘の藤橋40地点の露頭といった刈羽テフラに係る確認の必要はなく、活動性の指標に用いた阿多鳥浜テフラに係るボーリングコアなどを確認したと承知をしております。
#135
○武田良介君 時間ですので終わりにしますが、東電の言うことだけをうのみにしていたらやっぱり駄目だと思うんですね。再検証していくということが本当に必要だと思います。
 繰り返しになりますが、福島の原発事故の原因究明というのはまだ終わっていないわけです。その上で作られてきた新規制基準、それに照らしてこの原発は安全だろうということを幾ら言ってみても、誰も納得しないということになっていると思うんです。新潟県でも、原発の安全管理に関する技術委員会、それから健康と生活への影響に関する検証委員会、避難方法に関する検証委員会、三つの検証委員会が立ち上げられて、検証が終わらなかったら原発の再稼働の議論できないというふうに言っているわけです。これ新潟県の皆さんの思いだと思うし、全国の皆さんの思いだというふうに思います。
 検証もなく原発の再稼働にひた走ることは許されないということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。
#136
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、環境委員会になって今日初めての質問となります。私も、先ほどから委員が質問されている、まずCOPについてお伺いをしたいと思います。
 今回のCOP23、進展もあった一方で、改めて様々な課題も浮き彫りになったと思います。そうした中で、大臣は会場で演説をして、声明でしたが、国際社会の中で先頭に立つと、こういうふうに世界に向けて約束をされました。そう言うのであれば、私は、日本自身がまず取り組むべき課題というのが三つあると思っています。まず一つ目が二〇二〇年代までの行動の引上げ、そして二つ目が二〇三〇年の目標の引上げ、そして三つ目が長期的な計画に当たって石炭火力をどうしていくのか、この三つをちょっと順を追って聞いていきたい、このように思います。
 まず最初の二〇二〇年までの行動について。
 日本は、この二〇二〇年の目標、これを原発事故の後大幅に引き下げました。それで、今日は配付資料を用意してきているんですが、配付資料の一枚目の左側、これ、日本は二〇〇五年度比で三%削減なんです。この三%削減というのは実はもう二〇一五年度に達成しているんです。だから、日本は今は言うなれば中だるみの状態になっている。そして、COPの今回の23では、途上国による先進国の現状の取組に対して不満というのが噴出した、だから会議では現状の取組に対していま一度確認すること、これが合意をされたんです。
 そうした中で、日本のこの三・八%、元々はこれは暫定的な目標数値であった上に、現状ではもう意味付けを成していない数値になっている。これで途上国に納得してもらえるのか、そして大臣が世界に約束した先頭に立つということがこれで本当にできるのかどうか、まずそれについてお伺いしたいと思いますが。
#137
○国務大臣(中川雅治君) 今御指摘いただきました二〇二〇年度の三・八%減という削減目標は、二〇一三年においてパリ協定成立前のカンクン合意に基づき策定されたものでございまして、これ自身は当然達成すべきものであると認識しております。そして、昨年五月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画では、さらに、二〇三〇年度二六%削減、これは二〇〇五年度比にしますと二五・四%削減ということになります。そしてまた、この二〇二〇年度の三・八%削減を三・八%以上削減するというようにしておりまして、またさらに、二〇五〇年に八〇%削減ということについても定めまして、これらの目標達成に向けた対策を現在進めているところでございます。
 私はCOP23に参加してまいりましたが、おっしゃるように先進国に対して更なる取組を求める声はあったわけでございますが、日本の目標についての特段の指摘はございませんでした。日本からは、日本の気候変動対策イニシアティブ二〇一七の下で我が国の途上国支援等に対する取組を発信いたしまして、他国からも評価をいただきました。
 今後も、我が国の削減に向けての取組、途上国支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#138
○片山大介君 大臣、だからそれが、これからタラノア対話でこれ検討していくことになるわけですよね。だから、これから来年の、一年後のポーランドでのCOPに向けてそういう話になっていくんだと思いますよ。
 それで、今、二〇三〇年の目標だけをターゲットにするんじゃなくて、やはり二〇二〇年の今の目標だって、もう達成したから終わったわけじゃなくて、これは見直した方がいいと思いますよ。それがステップになるんだし、今のこの私の一枚目の資料で見ると、やっぱり、二〇年度まで三・八でいって、それから二〇三〇年にいきなり二六%に上がるので、こんな感じで上がるんですから。それだったら、ステップとして今の二〇二〇年の行動だって、例えば現状追認する形だっていいと思いますよ、それはしっかりやった方がいいと思いますけれども。これ、簡潔にお願いいたします。
#139
○国務大臣(中川雅治君) この三・八%以上減というところは、二〇一五年度の実績でいいますと五・三%減ということになって達成されている。ただ、二〇二〇年度の数字がどうなるかまだ分からないわけでございますけれども。
 そういう意味では、この二〇二〇年度の三・八%という目標は、以上と、こうなっておりますけれども、もっと大きな数字にすべきだという御指摘は、おっしゃるとおり、二〇三〇年度二六%減というところで言わば上書きされたような形になっておりまして、目指すべきは二〇三〇年度二六%減、これをまずはしっかり実現をしていく、その上で、二〇五〇年八〇%減という長期的な目標に向かって努力をしていくということだと考えております。
#140
○片山大介君 時間がないので、じゃ、二〇三〇年の二六%の方に行きたいと思います。
 これは、配付の一枚目の資料の真ん中にある二〇一三年度比で二六%減なんですが、これで今各国が数値目標を出し合っていて、ただ、これを足し上げてもパリ協定の目標である産業革命以前に比べてプラス二度未満に抑えるというのは無理なんですよね。だから、全然不足しているんです。
 ですから、先ほども言ったタラノア対話を通して、一年後にはこの二六%の更に上積みを求められる可能性も十分にあると思うんですけれども、それに備えた検討というのはどうなっているのか、これを教えていただけますか。
#141
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。
 委員の御質問に出てまいりましたタラノア対話でございますけれども、まず世界各国の様々な取組の情報を集めて、みんなで開かれた対話を行うものというふうに承知をしております。
 それで、我が国が地球温暖化対策計画で掲げてございます二〇三〇年度で二六%の削減というこの目標の達成でございますけれども、これは決して容易なものではないというふうに私ども考えてございます。再エネ、省エネの一層の普及拡大など更なる努力を継続することが必要でございまして、関係省庁とも連携しながら、この計画に基づく取組、一層推進していくことが重要と考えてございます。
 また、この地球温暖化対策計画におきましては、対策、施策の進捗状況につきまして毎年厳格に点検を行うとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すとされてございます。これを踏まえましてしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
#142
○片山大介君 いや、私はその上積みになることを今のうちから考えておいた方がいいかなと思っていまして、それで、今の二六%も法を適用しながら算出はしているんだけれども、かなり、何というのか、ガラス細工というか、危ういものがあると思いますし、実際にそれに上乗せをするということになるとやはり私は達成は結構かなり難しくなってくるんじゃないかと思っています。
 先ほど、午前中の審議でも、長浜委員がカーボンプライシングの話をしましたけれども、これ、先ほどの答弁ではたしか前向きにという言い方をしたんだけれども、私はこれ、本気で必要になってくるんじゃないかなというふうにも思っているんです。
 それで、カーボンプライシングは何かというので一応簡単な資料を二枚目に用意したんですが、それが炭素税と排出量取引から成ると。炭素税については、御存じのように、午前中の答弁であったように、日本は二〇一二年に地球温暖化対策税として導入した。だけれども、二酸化炭素排出一トン当たりたしか二百八十九円ですよね。
 じゃ、この二百八十九円がどのくらいかというと、これ、世界各国と比べたのがこれ三枚目の資料なんですけど、これすごく日本はやっぱり低いんです。だから、スウェーデンが一トン当たり一万六千円なのに比べて、日本は二百八十九円で物すごく低い。これは、当時の議論いろいろあったのを私も知っているんだけれども。
 そして、今カーボンプライシングに対しては、その検討会議というのが行われています。それで、十月にはヒアリングで、経済界からやっぱりカーボンプライシング反対という意見も出ました。
 それで、確かにその経済界の意見を尊重すべきところはあるのかもしれないんだけれども、今、安倍内閣というのは経済再生を目指しています。そうすると、どんどんどんどんこうした二酸化炭素の排出というのは出てくるかもしれない。それなのに、排出しても誰も文句言われないような社会のままだったら、私は絶対にこれをきちんとやろうという人は出てこないと思うんですよね。
 やはり、中国だって今月からカーボンプライシングを全国的に導入すると言っているんですから、だから日本だってこうした対策に取り組むことが報われるような制度をやっぱりつくるべきだと思っています。つくらないと絶対温暖化対策というのは前に行かないと思います。それで、経済論理からいっても、こうした制度を導入した方が将来的には経済原理にかなっているというような論文だって出ている。
 だから、そうした中で、これはとても難しい話だと思いますけれども、これ最後はやっぱり政治がきちんと決めていかなきゃいけないと思うんですが、そこは大臣、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。
#143
○国務大臣(中川雅治君) 御指摘のカーボンプライシングにつきましては、経済的手法として極めて有効な政策手段だというふうに考えております。現実にEU諸国では排出量取引が行われておりますし、大幅な炭素税というものも導入されているところでございます。
 今御指摘のように、環境省で検討会を立ち上げて、専門家の先生方からいろいろな御意見をいただいて問題点について検討しているところでございますが、経済界の方からはいろいろな御批判や課題を指摘いただいているところでございます。
 ただ、そういった課題は、諸外国の例を見ますと、一つ一つ乗り越えていくことが可能だというふうに思っておりまして、環境省としては、是非、このカーボンプライシングという政策手段を導入することによって環境政策と経済の成長も両立できる、そして大幅な削減が可能になる、そういった社会を目指して真剣に検討を更に進めていきたいというふうに思っているところでございます。
#144
○片山大介君 この問題難しいですから、やっぱり政治がきちんと動かしていくしかなくて、それはやっぱりもう環境大臣だと思いますから頑張っていただきたいと思います。
 それで、時間がないので、ちょっと石炭火力について話をさせていただきます。石炭火力は既存に加えて、御存じのように、今四十基の増設、新設計画というのがあります。COP23でも、日本が石炭火力の建設計画を国内外で進めていることに対して、やっぱり非難だとか戸惑いの声もあったというふうにあります。
 でもそうすると、だからさっきの大臣の演説の話に戻っちゃうんですけれども、大臣は、だけれども、石炭火力については一切言及しなかったんですね。でも、私、これ何で言わなかったのかと思いまして、言わなければ日本に対する批判というのはどんどん高まってくると思うんです。それで、先頭に立つというふうに言っているのであれば、日本がこうやって批判を招いていることに対しても日本の考え方というのをしっかり発信すべきだったと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#145
○国務大臣(中川雅治君) 私のステートメントは、大幅な削減に取り組むという我が国の決意を示すと同時に、国際協力、途上国に対する支援といった国際的な発信に中心を置いたものでございます。そして、それに対しましては多くの国から評価をいただきました。
 一方で、石炭の問題につきましては、会場でも日本に対する大きな非難が起こったということは承知いたしておりますし、現地で日本のNGOの方と意見交換をさせていただく中でそうした批判というものをいただきました。
 今お話がございましたように、現在四十基という石炭火力発電所の新増設の今計画がある、これを全て認めるということになれば、当然のことながら二六%削減の目標は達成できません。CO2の排出量ということに関しましても、石炭火力は天然ガスの二倍以上あるということで、経済効率性、経営の観点からのみこうした新増設を認めるということは絶対に許されないということでございます。
 また、途上国に対する石炭火力発電所の技術支援、輸出等につきましては、総合的な判断として、途上国が、エネルギーにアクセスできていない多くの方がいる、そこにどうしていくのかということで、石炭火力を造るという、そういう計画を持っているところに我が国がより高効率の石炭火力発電所を支援するということで、結果としてCO2の排出量が削減できると、こういう判断が一方であるということで、エネルギー安全保障等の見地を含めて総合的な判断で行ったものと思っておりますが、環境省としては、今の世界の潮流というものを十分に理解しておりますし、こうしたことを積極的に進めるという考えは全く持っておりません。
#146
○片山大介君 いや、世界を見ると、フランスのマクロン大統領は、何よりも優先されるべきは二酸化炭素の排出削減だと言って原発を活用していく方針なんです。ドイツの方は、温暖化対策は原発に頼るべきじゃないというふうに言っているんですね。だから、そんな中で日本がどっち付かずなのかなというふうに思っているんですけど、これについてはどうお考えですか。簡単にちょっと教えていただきたい。
#147
○国務大臣(中川雅治君) 我が国は、この再生可能エネルギーの導入、これを優先的に考えていく。そして、火力発電所につきましても高効率のものを、石炭火力はもうこれは私としては厳しく対応していかなければならないと考えておりますけれども、その他の火力発電所を更に高効率にしていく。そういったエネルギーの分野でのCO2削減を目指すと同時に、運輸部門、産業部門、家庭部門、そういったそれぞれの部門においてCO2を削減するような、そういう努力を総合的にやっていく。その国民運動の先頭に立っていく。そういった形で、全体的にいろんな部門を総合的にその削減の方向に持っていくということが大事だというふうに考えております。
#148
○片山大介君 ちょっと時間ないので、そうするとエネルギーミックスの話になってくるんですけど、ちょっと今日はエネ庁の方も来ていただいているので。
 ミックスについては、今見直し作業が行われて、年度内にまとめるとなっているんだけれども、世耕大臣の答弁では、答弁というか、もう骨格は変えないと。だから、今の現状でどうやって達成できるかをちょっと検討していくとなっているんですよね。だけど、今でも、その二〇三〇年度のミックスを考えると、とても今の現状とは私懸け離れていると思うんですよね。
 それで、今大臣がいろんな分野でとおっしゃったけれども、その下に、電力部門というのはやっぱりそのミックスを基にいろいろやっていかなきゃいけないと思っているんだけれども、どうもこれを変えないでいいというのはおかしいような気がしていて、そこで、今後、ミックスの見直し作業において、環境省はどうもオブザーバー参加だとかというふうに言われているんだけれども、オブザーバーでどこまでその意見を反映してもらえるのか。
 改めて経産省に聞きたいのは、環境省の意見を取り入れて、温暖化対策もきちんと含めてミックスの議論をしていくということでいいのかどうか、それをちょっときちんと聞きたいと思いますが。
#149
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
 片山委員御指摘のとおり、エネルギー基本計画の検討に当たりましては、環境省を始めとする関係者、あるいは有識者の御意見をしっかりお聞きしながら進めていくことが重要というように考えてございます。このため、片山委員御指摘のように、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の議論には環境省や外務省にも参画いただいているところでございます。
 こうした中で、環境省の御意見をしっかりと聞いていくことは我々としても大事だというように思っていますので、この基本政策分科会におきまして、審議会の委員と御相談し、環境省とも調整をした上で、環境省からのヒアリングあるいは意見聴取などの機会を設けることを検討したいというように考えてございます。
#150
○片山大介君 しっかり反映させていただきたいと思います。
 それで、環境省側もどのように関与していくおつもりなのか聞きたいですけれども、大臣でしょうか、どなたでしょうか。
#151
○国務大臣(中川雅治君) エネルギーミックスはCO2削減のまさに要を握っているというふうに思います。環境省としましても、しっかり申し上げるべきことは申し上げて、経済産業省と連携をして対応してまいりたいと考えております。
#152
○片山大介君 是非しっかりやっていただきたいと思います。
 それで、その先にはやはり大臣が言っているその長期計画というのがあるんですよね。これ、大臣今日何度も言われていますけど、二〇五〇年で八〇%というふうに言っています。これは、私思うんだけれども、これ必達の目標なのか、それとも努力義務なのか、これどうお考えなのか、教えていただけますか。
#153
○国務大臣(中川雅治君) 形の上では必達の目標というふうにはなっておりませんけれども、現実には、パリ協定の二度目標を達成するためには、これは達成して更に次のステージに進んでいくというふうに思っておりまして、いわゆる国際的に約束したという意味ではないけれども、是非、どうしても達成していかなければならない目標だというふうに思っております。
#154
○片山大介君 環境省の皆さん、これ必達の目標のつもりでみんな頑張っていると思いますから、是非そこは先頭に立って大臣、頑張っていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#155
○委員長(柘植芳文君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 政府側は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#156
○委員長(柘植芳文君) これより請願の審査を行います。
 第三四号水俣病の全貌解明のため、不知火海沿岸及び阿賀野川流域住民(出身者を含む)の健康調査及び環境調査を行い、今後の水俣病対策にいかすことに関する請願外十四件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の資料のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることになりました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#157
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#158
○委員長(柘植芳文君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#161
○委員長(柘植芳文君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト