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2017/12/07 第195回国会 参議院 参議院会議録情報 第195回国会 国土交通委員会 第2号
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2017/12/07 第195回国会 参議院

参議院会議録情報 第195回国会 国土交通委員会 第2号

#1
第195回国会 国土交通委員会 第2号
平成二十九年十二月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     増子 輝彦君
     竹内 真二君     三浦 信祐君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     三浦 信祐君     竹内 真二君
 十二月七日
    辞任         補欠選任
     中野 正志君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野田 国義君
    理 事
                阿達 雅志君
                井上 義行君
                酒井 庸行君
                羽田雄一郎君
                山本 博司君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                石井 正弘君
                金子原二郎君
                進藤金日子君
                末松 信介君
                高橋 克法君
                中野 正志君
                牧野たかお君
                吉田 博美君
                鉢呂 吉雄君
                増子 輝彦君
                竹内 真二君
                山添  拓君
                室井 邦彦君
                青木  愛君
                行田 邦子君
                平山佐知子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
       国土交通副大臣  牧野たかお君
       国土交通副大臣  あきもと司君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       新妻 秀規君
       国土交通大臣政
       務官       秋本 真利君
       国土交通大臣政
       務官       高橋 克法君
       国土交通大臣政
       務官       簗  和生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        大鹿 行宏君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       国土交通省総合
       政策局長     由木 文彦君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  田村  計君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        山田 邦博君
       国土交通省道路
       局長       石川 雄一君
       国土交通省鉄道
       局長       藤井 直樹君
       国土交通省自動
       車局長      奥田 哲也君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       蝦名 邦晴君
       観光庁長官    田村明比古君
       海上保安庁長官  中島  敏君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (防災・減災対策における国土交通省の取組に
 関する件)
 (国際バルク戦略港湾の整備に関する件)
 (森友学園への国有地売却問題に関する件)
 (訪日外国人観光客の急増を踏まえた政府の取
 組に関する件)
 (海上保安体制の強化に関する件)
 (建設業における長時間労働の是正等に関する
 件)
 (型式指定自動車の完成検査に係る不適切事案
 に関する件)
 (JRにおける運行ダイヤの改善に関する件)
 (無電柱化の推進に関する件)
 (既設ダムの再生及び海岸侵食対策に関する件
 )
○精神障害者の交通運賃に関する請願(第一〇号
 外一件)
○気象事業の整備拡充を求めることに関する請願
 (第五一九号)
○震災復興、国民の安全・安心の実現への建設産
 業の再生に関する請願(第五六〇号)
○国土交通省の機構拡充・職員の確保に関する請
 願(第五六一号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(野田国義君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として増子輝彦君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(野田国義君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主計局次長大鹿行宏君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野田国義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(野田国義君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。今日はダブルアダチで質問させていただきますが、そのトップバッターを務めさせていただきます。野田委員長始め各理事の皆様方には、質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 私は、国土交通省で、水管理・国土保全局長あるいは技監として地球温暖化対策、こういったことに長らく取り組んでまいりました。特に、気候変化に伴う水害、土砂災害の頻発、激甚化への対応、こういったことに重点的に取り組んでまいりました。今日もそういう観点から御質問をさせていただきたいと思います。
 さて、今年一年も、九州北部豪雨を始め、災害の多い年でありました。亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
 私は、災害が発生するたびに現地に足を運ばせていただきました。この一年、九州北部の福岡県及び大分県、長崎県の壱岐、秋田県、大分県、大阪府及び和歌山県、京都府北部など被災現場を訪れまして、災害対策の課題について調査を進めてまいりました。本日はその結果を踏まえまして質問をさせていただきます。
 地球温暖化によると考えられる気候変化に伴いまして、これまで経験したことがないような激甚な豪雨災害が頻発しております。お手元の配付資料一を御覧いただければと思います。秋田県の雄物川なんですけれども、出水時の写真でございます。この雄物川や京都府の由良川などを見ますと、しっかりと河川整備を行ってきた箇所や過去に災害を受けて災害復旧事業を行ってきたところでは、大きな被害は発生していませんでした。しかし、施工の順序の関係で整備が遅れていた箇所や用地問題などで堤防の整備が遅れていたところは、越水氾濫して大規模な浸水被害が発生しています。この右の方の写真がそうですけれども、堤防が整備の途中でございます。
 次に、資料の二、三を御覧ください。福岡県の寺内ダムや、実は私が若い頃に現場で建設工事に携わりました秋田県の玉川ダム、こういったダムのように、洪水をほとんど貯水池にため込みまして、大きな洪水調節効果を発揮してダム下流の浸水被害を大きく軽減した例が今年もありました。こうしたことからすると、ダムの整備も含めまして地道に着実に河川整備を進めていくことが必要というふうに考えています。
 一方、中小河川あるいは大河川の支川におきまして、その川の流下能力を大きく超える出水で深刻な被害が発生しているところが見られました。次の資料の四でございますけれども、福岡県の筑後川水系の赤谷川、それから大分県の佐伯市の番匠川水系の井崎川などがそうなんですけれども、資料四の災害前と災害後を比較すると、川の幅が大きく変化していることに驚かれると思います。
 このように地球温暖化に伴いまして豪雨災害が激化している状況下では、災害前の状況に戻す原形復旧では十分な対応とならないということは明らかだと思います。したがいまして、災害復旧に当たりましては、再度災害防止など改良復旧を行うことが必要であるというふうに考えられます。
 また、九州北部豪雨を始め、流木による激甚な被害が各地で顕著でした。その際、先ほどの資料二の寺内ダムを御覧いただければ、たくさんの流木を貯水池にため込んでいるということが分かりますし、資料の五、そこに示しました砂防ダムのような施設が流木を捕捉して下流の被害を大きく軽減するという効果を発揮しています。このため、河川の上流部におきまして事前の流木対策を工夫して、その措置を講じることが大事だというふうに考えました。
 そこで、質問をさせていただきます。
 地球温暖化に伴いまして今後豪雨災害が増加することを考えますと、災害復旧に当たって、原形復旧では不十分で、再度災害防止など改良復旧を行うことが必要であると考えられますが、どのように考えておられるのか、見解を伺います。また、九州北部豪雨を始め、上流部からの土砂や流木による被害が大きかったのですが、今後の対策をどのように考えるのか、併せて伺います。
#7
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 甚大な被害を受けた被災地におきましては、早期復旧を図るとともに、より災害に強い地域をつくっていくことが求められるために、原形復旧のみならず、再度災害防止を図ることができるよう、川幅を広げる等の機能を強化する改良復旧事業の活用を図ることが重要と思っております。このために、九州北部豪雨災害では、改良復旧事業等の活用を進めるための災害復旧事業の適用拡充を二点行いました。
 まず、大量の土砂、流木により埋まっている河川で、公共土木施設を全て壊れているものとして扱うことで迅速に災害査定を実施し、事業採択をいたしました。これにより、改良復旧事業の事業計画の策定など早期に取りかかることができるようになりました。さらに、著しく埋まっている河川につきましては、川幅を広げるなど一定の計画に基づいて行う改良的な復旧事業を、国庫負担率が三分の二以上の災害復旧事業により初めて事業採択をいたしました。この結果、地方負担の軽減と改良復旧としての資料作成の効率化を図ったところでございます。
 また、土砂、流木による甚大な被害が発生したことを踏まえまして、九月より、全国の中小河川の上流域における土砂、流木による被害の危険性を点検いたしました。その結果、全国で抽出された約七百渓流におきましては、今後三年間で流木の捕捉効果の高い透過型の砂防堰堤の設置等を重点的に整備するなど、全国の安全、安心の確保に向けて土砂・流木対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
#8
○足立敏之君 今御説明のありました中小河川の緊急点検は、とても大事なことだと高く評価しております。しっかりと対応していただければ有り難いというふうに思います。
 次に、道路について伺います。
 九州北部豪雨の際には、資料六の写真を御覧いただきたいんですけれども、被害の大きかった福岡県の朝倉市や大分県の日田市、これに対する交通アクセスなんですけれども、ここを走っております大分自動車道が、道路の下の方は大変な被害が出ているんですけれども、アクセスをしっかりと支えました。また、私が伺いました大分県の佐伯市や津久見市の水害の際にも、東九州自動車道がそういうアクセスを支えておりました。そうした高速道路の大切な役割を考えますと、高速道路のミッシングリンクの解消、そして四車線化を全国的に急ぐべきだと考えますが、見解を伺います。
 また、九州北部では、資料の六の右側の方に孤立集落の図がございますけれども、おびただしい数の孤立集落が発生しました。山間部の道路が河岸侵食により被災したり、渓流からの土砂の流出や流木で通行が妨げられたりしたためでございますけれども、地域の孤立化を防ぐための道路の強靱化策、これが必要だというふうに考えますが、今後の進め方について伺います。
#9
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 高規格幹線道路は、つながってこそ本来の機能を発揮するものでございます。早期にミッシングリンクを解消することで拠点を結ぶ広域的なネットワークが形成され、企業立地、観光交流が進むほか、リダンダンシーが確保されることにより被災地への迅速な支援活動等に大きく貢献いたします。
 例えば、委員御指摘のとおり、昨年の七月に発生いたしました九州北部豪雨におきましては、被害の大きかった朝倉市や東峰村に対し大分自動車道を活用して食料、衣類等を輸送するなど、高規格幹線道路が被災地への円滑な物資輸送に大きな役割を果たしました。
 国土交通省といたしましては、今後とも、重点化や効率化を図りつつ、一日も早くネットワークがつながることを目指し、高規格幹線道路ネットワークの整備を着実に進めてまいります。あわせまして、高規格幹線道路の暫定二車線区間につきましては、走行速度の低下や対面交通による安全性の課題に加えまして、大規模災害時の復旧等に課題があるため、四車線化や付加車線の設置等の機動的な対策に取り組んでまいります。
 また、台風や豪雨等による道路寸断による地域の孤立化を防ぐという観点から、道路の防災対策は大変重要であると認識をしております。このため、豪雨等による道路のり面の崩壊を防止するためののり面保護や、危険なのり面を回避するためのバイパス整備等を行っているところでございます。
 今後とも、地域の孤立化を防ぐため、災害に強い道路整備に努めてまいります。
#10
○足立敏之君 高速道路は、定時性の確保などから物流面での働き方改革にも大きく寄与するものだというふうに考えておりますので、しっかりと進めていただければ有り難いというふうに思います。
 次に、災害時の入札契約の在り方について伺います。
 資料七を御覧ください。大規模な災害が発生しますと、警察や消防、自衛隊だけでなくて、資料七に示すとおり、地域の建設産業の皆様方が真っ先に現場に駆け付けて、崩れた土砂の除去、アクセス道路の確保、決壊した堤防の復旧、河岸侵食で被災した道路の復旧など、様々な緊急対応やその後の復旧復興の担い手として本当に厳しい環境の中で全力で頑張っていただいています。そして、地域にとって大変大きな役割を果たしていただいております。
 災害発生後の応急対応や復旧に当たりましては、現地の状況に応じて確実な施工が可能な地域の建設産業の皆様にスピード感を持って契約をして施工を図る必要があると考えます。
 国土交通省においては、基本的な手続のガイドラインを取りまとめて入札契約の改善に努めているというふうに聞いておりますけれども、発注者における入札等の運用実態、そして今後の取組について伺います。
#11
○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。
 被災地の早期の復旧復興のため、災害復旧工事の発注に当たっては、早期かつ確実な施工が可能な者を短期間で選定することが重要であります。このため、国土交通省では、本年七月に、工事の緊急度や実施する企業の体制等を勘案し、適切な入札契約方式等を選定する基本的な考え方を示した災害復旧における入札契約方式の適用ガイドラインを策定したところでございます。
 昨年の熊本地震、また本年の九州北部豪雨の災害復旧に当たり、国土交通省直轄工事において緊急度の高い復旧工事合計約百二十件に随意契約を適用したほか、熊本地震では、一般競争入札における手続日数の短縮や施工者が設計段階から関与することで早期の工事着手が可能となる技術提案・交渉方式の導入等により、早期の復旧に努めてきたところでございます。
 今後とも、直轄工事において本ガイドラインの適用の徹底を図るとともに、都道府県や市町村まで浸透するよう、土木部長等会議や全ての市町村が参画する地域発注者協議会等の場を活用して周知に努めてまいります。
#12
○足立敏之君 先ほども申しました、警察や消防、自衛隊の皆さんが災害対応の準備をする際には本来の公務として活動されているんですけれども、建設産業は、日頃建設工事を行う中で利益を上げて、それによりまして準備態勢を整えなきゃいけません。いざというときに、そういう態勢を基に国や都道府県、市町村の要請を受けて蓄積したポテンシャルを発揮して対応しているわけでありますが、したがいまして、建設産業が将来にわたってしっかり活躍できる環境を保持することが大事でありまして、一定の工事量の計画的な確保、そして、仕事をすればちゃんとそこで利潤が生まれるそういう環境づくり、この二点は国の重要な責務だというふうに思っております。
 入札契約の改善も、そのために必要なことです。随意契約や指名競争入札の活用など、スピーディーな工事発注のために是非とも御尽力をいただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、必要な予算の確保について財務省に伺います。
 地球温暖化に伴う災害の激甚化に対応するためには、あらかじめ事前の防災・減災対策を進めることが大事であります。昨年は公共事業について一・六兆円規模の補正予算が確保され、防災・減災対策などにも充当されました。今年度の激甚な災害の状況を踏まえますと、同様の大型補正予算を確保する必要があるというふうに考えます。今朝の新聞を見ますと、補正予算の規模についての記事がございましたが、建設国債を充てるということですので財政への影響も軽減できるのではないかというふうに考えております。
 やらなくてはならないインフラ整備は幾らでもあります。治水施設の整備や老朽化対策、河川の河道内の土砂の除去、流木対策、道路の強靱化等、予防措置を含めて全国で緊急的に進める必要があります。平成三十年度予算の大幅な増額と大規模な補正予算が必要と考えますが、財務省の見解を伺います。
#13
○政府参考人(大鹿行宏君) お答えいたします。
 公共事業予算につきましては、まず当初予算におきまして、経済・財政再生計画における目安を踏まえて安定的な予算額の確保を図る中におきまして、日本経済の成長力あるいは生産性を高めるための事業のほかに、今委員御指摘の自然災害が頻発化、激甚化していることを踏まえまして防災・減災対策への重点化を進めてきているところでございます。
 また、災害等による追加財政需要に対しましては補正予算により機動的に対応してきておりますけれども、この二十九年度の補正予算におきましても、災害復旧事業に加えまして、防災・減災対策に万全を期すという観点から編成するということとしております。
 財政事情が依然として極めて厳しい状況ではありますけれども、こうした点をしっかりと踏まえながら、引き続き予算編成作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○足立敏之君 ありがとうございます。
 公共事業予算につきましては、平成十年度には補正予算と合わせて十五兆円近くありました。その後、徐々に減少しまして、平成二十一年度の当初予算は七・一兆円、その後、民主党政権下で更に削減が続きまして、平成二十四年度の当初予算は四・六兆円まで減少してしまいました。その後、自公政権に戻り、当初予算はここのところ四年連続で六兆円規模まで戻っております。しかし、最近の災害の状況等を見ますと、幾ら何でも少な過ぎる、そういうふうに考えています。
 プライマリーバランスの撤廃を訴える方々もいらっしゃいますけれども、そういう議論もございますが、是非ともアベノミクスでうたっている財政出動をしっかり取り組んでいただきまして、先ほども申し上げましたけれども、建設国債を充当することによりまして財政への影響も少なくそういったことが可能になるというふうに考えておりますので、公共事業予算をしっかりと増額するようにお願いしたいというふうに思います。
 最後の質問に移ります。
 地球温暖化による気候変化の影響は待ったなしでありまして、毎年頻発する洪水、土砂災害に対しまして、ソフト対策も大事ですけれども、やはりハード対策も大事であります。中でも、事前の防災・減災対策がとても重要だというふうに思っております。
 最後に、石井国土交通大臣に御決意を伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(石井啓一君) 本年も九州北部豪雨など各地で甚大な被害が発生をしておりまして、今後、気候変動の影響により更に大雨の頻度や降水量が増大をし、水害が頻発化、激甚化することが懸念をされております。このような災害に対しましては、施設では防ぎ切れない大洪水は発生するものとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築の取組をハード、ソフト一体となって進めることが重要であると考えております。
 このため、堤防整備等のハード整備を着実に推進する取組、ダムのかさ上げ等の既存ストックを最大限に活用する取組など、氾濫被害を未然に防ぐハード対策を進めるとともに、関係者が総合的かつ一体的に取り組むための協議会の設立、避難勧告の発令に資する水害対応タイムラインの作成など、氾濫被害の軽減を図る取組を進めているところであります。
 また、九州北部豪雨等の課題を踏まえて今般取りまとめました中小河川緊急治水対策プロジェクトに基づきまして、全国の中小河川において、今後おおむね三年間で緊急的に、流木の捕捉効果の高い透過型の砂防堰堤の設置、多数の家屋や重要な施設の浸水被害を解消するための河道の掘削、洪水に特化した低コストの水位計の設置などのハード・ソフト対策を推進してまいります。
 今後とも、国土交通省の現場力を最大限活用いたしまして、水害から国民の生命と財産を守るため、全力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいりたいと存じます。
#16
○足立敏之君 御答弁ありがとうございました。
 冒頭にも申し上げましたけれども、事前にしっかりと整備をしている河川では大きな被害は出ておりません。また、整備が遅れていた河川では残念ながら浸水による大きな被害が出ています。そういった現状を考えますと、やはりあらかじめしっかりとした事前に防災対策を行っておくということが大事だというふうに思います。
 予防に勝る治療なしというふうに言うんですけれども、例えば平成十七年にアメリカで発生しましたハリケーン・カトリーナの被害では、被害額は約二千億に上っております。しかし、事前にいろんな治水対策を約二十億ドル投資しておけばこの被害は防げたのではないかというふうに言われております。また、日本におきましても、東海豪雨というのが平成十二年、名古屋を襲いましたけれども、この災害のときに、あらかじめ庄内川、新川という川に七百十六億円の治水投資をしておけば約五千五百億円の被害が軽減できたというふうに言われています。
 予防に勝る治療なし、そういった事前のしっかりとした治水対策を進めていくことが今後とも大事でありまして、そのためには財務省にもしっかり治水予算を確保していただきまして、地球温暖化に伴います様々な影響を未然に防ぐようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 以上です。
#17
○政府参考人(石川雄一君) 済みません、先ほどの答弁の中で一点、おわびして訂正をさせていただきたいと思います。
 九州北部豪雨に際しまして、今年七月と申し上げるところを昨年七月と言い間違えました。
 誠に申し訳ございませんでした。
#18
○足立敏之君 ありがとうございました。
#19
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。
 一年ぶりに国土交通委員会に戻ってまいりました。今後ともよろしくお願いをいたします。
 二年前からもうずっと話題になっていたテーマの一つに、ライドシェア問題というのがございました。このライドシェアというのは、二種免許を持たないドライバーがいわゆるマッチングサービスを経由してサービスを提供する、こういうもので、例えば新経連さんなんかが提案をしていたわけでございます。これについては、私はやはりこういう公共輸送の安心、安全の観点から絶対反対ということでずっと来たわけでございます。
 そういう中で、やはり有償で旅客運送をする場合のこの安心、安全の問題、これは極めて大事であり、慎重に検討をすべきだというふうに昨年も国土交通大臣答弁をされておられます。国土交通省のそういった揺るぎない姿勢を受けて、最近では中国の滴滴あるいはアメリカのウーバー、こういったところが、もうはっきりとタクシーとの協働を考えていく、こういうビジネスに転換をすると。ですから、今までのような二種免許を持たないドライバーが有償で旅客運送をするということではなくて、二種免許を持ったドライバーを使った、その上での配車アプリという中で新しいサービスを提供していくんだ、こういうふうにはっきり方針転換をし始めたライドシェアの業者というのが、もう明らかに出てきているわけでございます。
 そういう中で、今後もしっかりとこういうライドシェアが白タク化しないようにしていっていただきたいというふうに思うんですが、それと同時に、最近一つ新しい問題が出てきているというふうに思います。それは、訪日中国人向け白タク行為と言われるものでございます。
 最近、新聞等でも報道をされておりますけれども、沖縄、羽田空港、成田空港、関西国際空港などの空港において、在住の中国人による訪日中国人への白タク行為、これを中国国内の配車アプリ会社がそのサービスを提供していると、こういった事案が実際に出てきているわけです。支払はこのアプリを通じて中国で決済まで行っていると。
 こういう事案なものですから、非常に対応が難しいということではないかと思うんですが、これについて、現状、またこの摘発強化をどのようにして進めていくのか、またこの刑罰の厳格化についての国土交通省としてのお考え、また決意と具体策ということでお伺いをしたいと思います。
#20
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 御指摘の訪日中国人に対します白タク行為、これは申すまでもなく道路運送法違反でございまして、運転者が二種免を有しない、運行管理が行われない、事故時の責任が運転者のみにあることなどから、利用者の安全、安心の観点から大きな問題があるというふうに考えております。
 一方、先生から今お話ありましたように、訪日中国人に対しますこれらの行為につきましては、中国国内の会社が運営する配車アプリ上に日本在住の中国人が運転者として登録をされまして、配車アプリを介して訪日中国人観光客とマッチングの上運送行為が行われますが、その対価の支払がアプリ内で決済されるために日本国内での運賃収受がなく、行為の現認、検挙が難しいという問題もございます。
 国土交通省では、このような白タクへの対策につきまして、警察庁、法務省、業界団体などとの連携によりまして羽田空港、成田空港、関西国際空港における対策会議を設置をいたしまして、取締りを強化いたしますとともに、中国語などでの注意喚起のチラシ作成、配布を行いまして、訪日旅行者、訪日旅行を取り扱う旅行社への注意喚起を行っているというところでございます。
 また、十一月十七日に開催されました日中両政府によります日中経済パートナーシップ協議におきまして、中国政府に対しましてそういったルールの周知でありますとか配車マッチング事業者への指導等について申入れを行ったところでございます。
 こういった対策を行う中で、今年の六月に沖縄で二名、十月に大阪で四名、道路運送法違反等の疑いで逮捕されております。
 御指摘の取締りの強化、それから処分の厳格化でございますけれども、これにつきましては警察庁から各都道府県警察に対し摘発徹底の指示が出されるとともに、ノウハウの共有というものが行われるというふうに伺っております。また、沖縄の逮捕者につきましては、いずれも刑事手続後に入管法違反により退去強制手続が取られたところでございます。
 このように、白タク行為に対して厳正に対処するためには警察庁、法務省と連携することが不可欠であるというふうに考えておりまして、引き続き両省庁と連携してしっかり対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 一方で、観光先進国の実現に向けましては、訪日外国人旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できるよう、タクシーを利用する際の言葉や決済面での不安を解消いたしましてサービスを向上させることが不可欠でございます。国土交通省といたしましては、外国人旅行者の移動円滑化等につきましてもしっかり支援してまいりたいというふうに考えております。
 なお、御指摘いただきました白タク行為に対する罰則の強化等でありますけれども、他の業法における無許可営業の罰則とのバランスでありますとか、国籍による差別的な取扱いの是非でありますとか、入管法におきまして特定の業法違反に関して特別な取扱いをしていないといったような現状も踏まえた検討が必要と考えますけれども、今回、先生からの御指摘でございますので、関係省庁ともそういった御指摘を共有しながら、しっかり連携をしながら今後の対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#21
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やっぱりこの厳格化ということで考えたときに、現在の罰則というのが、道路運送法の罰則というのが三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又は併科ということで、通常これだと大体初犯だと執行猶予が付く。そうすると国外退去というところまでは行かないということで、やっぱりこれ、やっている人たちからすると、日本というのはどうもノーリスク・ハイリターンと思われてしまう。
 実際に、実はこのサービス提供している人たち、決して安いお金で提供しているわけじゃなくて、ほぼタクシー並みの料金を取っているということで極めてハイリターンを得ているということがありますので、先ほど入国管理法と連携してというお話もありましたが、それと同時に、やはりこれ収入というところで、所得税法も含めてやっぱり合わせ技で、とにかくやっぱり日本でこういう法律違反をやるとハイリスク・ハイリターンなんだというところがしっかり出していけるように、取締りの強化に向けても各省との連携を是非お願いをしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 今回の大臣の所信の中でも、人口減少社会を見据え、コンパクト・プラス・ネットワークの具体化というお話がございました。そしてまた、そういう中で、具体的には既存ストックの活用ということで、都市のスポンジ化への対応ということを今国土交通省で検討をされているというふうに思いますが、この都市のスポンジ化への対処方策、また、これを具体的に今後どのように進めていこうとされているのかについて御所見をお伺いします。
#22
○政府参考人(栗田卓也君) 本格的に人口減少が進む中、全国的に空き地等が増加しております。統計によりますと、個人所有の空き地の面積は過去十年間で四四%増えていると、こういった状況にございます。このような空き地、低未利用地の増加は、景観、治安の悪化等を引き起こします。また、地域の魅力、活力を大きく損なうということで、地方団体共通の悩みの一つだというように認識をしております。
 こうした課題につきまして、社会資本整備審議会で御検討をお願いしてまいりました。低未利用地が時間的にも場所的にも不規則に発生する、こういった現象を捉えて都市のスポンジ化というようにネーミングいただきまして、その対応の方向もこの八月に取りまとめをいただいたところでございます。
 スポンジ化というのは、土地や建物を使わないということで生じる問題でございます。これまでの従来の都市計画に関しまして申しますと、土地を開発したいとか建物を大きく建てたいとか、そういったことに対して抑制作用を働かせると、こういったことが中心的な手法でありますけれども、これは使われるようにするという意味で、能動的、積極的に働きかけを行う新たな政策手法が必要という御提言を頂戴しています。その際、散在している土地、低未利用地をまとめる、土地を利用する意思のない人から利用する意欲のある人へと権利を移す、こういった観点が重要であるという御指摘を頂戴しております。
 こういったことを踏まえまして、現在、市町村が土地所有者と利用希望者のマッチングを行いまして、必要な権利の設定、移転を促す制度などについて具体的に検討を進めておるところでございます。委員も御案内のとおりでございますが、例えば山形県の鶴岡市などでは、官民が連携してこういった取組の実績を上げておられるという例も見られます。こうした事例も参考にしながら、まちづくりの現場で有効なツールとなるように検討を深めてまいりたいと考えております。
#23
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やはり、土地等の媒介やそういう所有と利用の分離を通じた空き地の利用という、これから一層重要になってくると思いますし、やっぱりこういう既存ストックを生かして更に生産性を上げていくということになるかと思います。
 そういう中で、今お話がありました山形県鶴岡市のランドバンク事業、これなんかもやはり行政がしっかりと媒介、仲介機能を発揮できるかどうかというところに一つ鍵があると思いますし、なかなか民間と行政というのが今までそういうところでしっかり連動してこなかった、これが連動して初めてうまいこといっているというケースだと思いますので、是非これ国土交通省としてもいろんなモデルをしっかり各地方自治体にも提示をして進めていただきたいというふうに思います。
 では、次の質問に移らせていただきます。
 今、国土交通省港湾局の方で国際バルク戦略港湾という取組を進められているわけですが、その中で徳山下松国際物流ターミナル事業というのがございます。これ、私もちょっと山口県、実際にこの着工式のときに行かせていただいて、いろいろお話を聞かせてもいただいたんですけれども、この事業、非常にいわゆるBバイCが高い事業であるというふうに感じたところです。
 この徳山下松国際物流ターミナル事業の事業費、それから想定したBバイC、そしてそれが一体どういう経済効果を及ぼしているのか、それについて国土交通省の説明をいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 徳山下松港は、西日本一円に立地をいたします火力発電所や化学工業等で発電用の燃料として利用されます石炭の供給拠点として、大変重要な役割を果たしております。また、近年は、港湾背後に立地をする企業間の連携によりまして、大型の石炭輸送船を活用した共同輸送の取組も進展しております。このような状況を踏まえまして、国土交通省では、平成二十八年度から十四万トン級の、いわゆるケープサイズの大型石炭輸送船に対応した国際物流ターミナルの整備を進めているところでございます。
 御質問のございましたこの事業の総事業費でございますが、三百二億円を見込んでおります。また、BバイCとしては四・三、年間の輸送コストの削減額としては約六十六億円を見込んでおるところであります。なお、徳山下松港と宇部港を併せた国際バルク戦略港湾としての指定については、両港合わせた輸送コストの削減額として約年間百億円というのを見込んでおります。
 この事業に併せまして、民間企業による設備投資も進展をしております。民間投資を誘発し生産性向上に寄与するプロジェクトとして、産業競争力の強化あるいは地域の活性化に大きく貢献できる事業と考えてございます。
#25
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 今の数字をもう一度整理すると、これ三百二億円の事業コストに対してこういう経済効果、海上輸送コストの削減、ここからくる直接的な効果ということで年間百億円ということになるかと思います。そうすると大体三年で元が取れてしまう、こういう事業なわけですけれども、じゃ、この元が取れるというのは一体誰がそのメリットを得ているかというと、やはり石炭の輸送コストが下がったことによって、この石炭を利用している西日本の化学会社、あるいは鉄鋼メーカー、あるいは電力会社、そういったところになってくるんじゃないかというふうに思います。
 これだけやはり日本の国際競争力を上げることにも役立っている。また、実際にこの周辺の民間投資、聞くところによりますと数十億入っているわけですから、これやはり港湾のもたらす経済効果、ストック効果というのは非常に大きいものがあるんだと思うんです。
 ただ、この国際バルク戦略港湾の取組というのは、今、それ以外にも小名浜、釧路、そして水島、志布志というふうに行われていますけれども、このそれぞれの地域でいろんな形で国際競争力を上げる、あるいは民間の輸送コストを下げる、こういったことでやってきているわけですけれども、やっぱりこれ国土交通省港湾局として、これだけの経済効果があるという話が今までなかなかちゃんと伝わってきていないんじゃないかというふうにも思います。
 やはり、この港湾整備をやった場合に、単に実際にその工事をやることによる経済効果だけじゃなくて、それによって民間企業がいかに輸送コストが下がってその分がプラスになっているか、やはりこういったものをもう少し体系的に全国でも調査をするべきなんじゃないだろうか、それによって初めてその港湾が、海洋国家日本で果たしている港湾の役割というのがはっきり分かるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#26
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 港湾の経済波及効果につきましては、港湾所在の地方公共団体が独自に調査をいたしまして、例えば横浜市が公表しております横浜港の経済波及効果といたしましては約四兆円、あるいは福岡市が公表しています博多港の経済波及効果としては一・九兆円といったようなものが試算をされております。しかしながら、今委員からも御指摘がありましたように、港湾の経済波及効果について、その算定手法が必ずしも統一されていないというようなこともございまして、こうしたそれぞれの自治体が行っている結果を相互に比較するというようなこともなかなか難しい状況になっております。
 こうしたようなことから、国土交通省におきましては、今年度から、港湾における産業連関表を使用した経済波及効果、あるいは民間投資の誘発、雇用の創出などのストック効果につきまして統一的な算定手法の検討に着手したところでございます。
 引き続き、港湾整備による経済効果の調査分析にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#27
○阿達雅志君 やはりこのインフラのストック効果というのを、今ストック効果の高いインフラへの投資をしっかり政府として進めるということですので、是非そういったまとまった研究というのをお願いをしたいと思います。
 また、それとともに、先ほど足立敏之先生の方からも御指摘がありましたけれども、やはりこういうストック効果の高いインフラ整備について、建設国債、財投債というのを使っていくということで財政への負担をなるべく小さい形でやっていけるんじゃないかという、こういう御指摘もあったわけですけれども、ただ、これは今非常に、建設国債であっても国債は国債だというような議論もある中で進めていくとしたら、やはり今言ったように、民間企業がこれだけいろんな形で利益を得ている、そういうものについて、実際の動きを早めるために、やはりこの民間資金の活用ということなどを含めて、もっといろんな形でのインフラ投資への財政の付け方、ファイナンスの仕方というのを考えていった方がいいのではないか、そういう時期に来ているのではないかと思いますが、この点について、大臣、何かお考えがありましたらお願いいたします。
#28
○国務大臣(石井啓一君) 社会資本は、生産性の向上や安全、安心の確保といったストック効果を通じまして我が国の経済成長に貢献するとともに、頻発する災害から国民の命と財産を守るものでございまして、こうしたストック効果の高い社会資本の整備を計画的、重点的に進めているところでございます。そのためにも、厳しい財政状況の中ではありますが、まずは必要な公共事業予算を安定的、持続的に確保することが重要でありまして、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
 さらに、その上で、関西国際空港及び大阪国際空港におけるコンセッションなど、民間の資金、ノウハウを活用することが効果的な分野におきましてはPPP、PFI等を積極的に推進してまいりたいと存じます。さらに、現下の低金利状況を生かしまして、リニア中央新幹線の全線開業前倒しのため財政投融資の枠組みを活用したほか、今般、大都市圏環状道路等への重点投資を加速するために財政融資の追加要求をしたところでございます。
 今後とも、様々な手法を総合的に活用しながら、ストック効果の高い社会資本の整備に精力的に取り組んでまいりたいと考えております。
#29
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 やはりこういうストック効果の高いインフラ整備、これ老朽インフラの整備も含めてですけれども、今後一層必要になってまいりますので、是非ともそういう資金面での手当て、これも是非御検討をいただきたいと思います。
 最後の質問に移らせていただきます。
 国鉄改革から三十年がたちました。そういう中で、上場したJR各社とまた違って、今、JR北海道、JR四国、JR貨物、こういったところが上場せずに残っているわけでございますけれども、今後のこういったところの経営というのをどういうふうに考えていくのか。今までは、こういう経営安定基金だとか、貨物の場合はアボイダブルコストルールというようなものがございました。ただ、これがやはり大分限界に来ているのではないかという中で、やはり今後いろいろ考えていかないといけないんであろうと。
 そういう中で、ちょうど昨日でございますが、JR北海道の再生推進会議の方から、北海道民の皆様、北海道知事、道内市町村長、国土交通大臣、JR北海道社長宛てに声明が出されております。この内容、非常に厳しい内容も含んでおります。これは、鉄道事業の選択と集中という厳しい経営判断をJR北海道が今後進めていかないといけないけれども、それが十分スピーディーになされていないんじゃないか、また、国としても、JR北海道の唯一の株主であるということで、国に対して事業体としてのJR北海道に具体的行動を開始させるための適切な指導が必要なんじゃないかと、こういう指摘をされているところでございます。
 ここについて、やはりもうJR北海道の問題というのはこのまま放っておくわけにはいかないところに来つつある、あるいは来ているというふうに思いますが、鉄道局としてのお考えをお聞かせください。
#30
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 JR北海道は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴い、大量高速輸送という鉄道特性を生かすことができない路線が増加するという厳しい状況に置かれております。今委員御指摘の中の上場していないJRの中でもとりわけ厳しい状況にあると考えております。
 こうした中で、JR北海道は、昨年十一月に単独では維持困難な線区を公表し、各線の置かれた状況や地域にとってより効率的で利便性の高い交通サービスの在り方などについて、地域の関係者の方々への説明、協議を開始をしているところでございます。
 この点につきまして、先ほど委員御指摘のとおり、JR北海道におかれまして、第三者委員会、JR北海道再生推進会議の有志という形でございますけれども、声明が発出されたということでございます。これにつきましては、中身、詳細にわたりますけれども、特に、今申し上げました単独では維持困難な線区、これにつきましての関係者の議論というのを加速すべきである、そのために国としてJR北海道に具体的な行動を開始するための適切な指導を行うべしと、そういったことを主な内容にするものであると考えているところでございます。
 国土交通省としましては、この声明の趣旨も踏まえまして、北海道庁とも密接に連携をしながら、地域の協議に積極的に参画をし、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた取組に対する支援を行うとともに、JR北海道に対しても適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
 なお、国土交通省は、これまでJR北海道に対しまして経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付けなど、累次にわたって支援を行ってきているところでございます。引き続きこれらの支援を着実に実施すること等により、JR北海道の安定的な経営基盤の確保、確立に努めてまいりたいと考えております。
#31
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 今申し上げたJR北海道、JR四国、JR貨物、やはり構造的になかなか黒字が出せない部分があると思います。JR貨物の場合は昨年度何とか鉄道事業で収益を黒にしていますが、今後の成長ということを考えると、やはりいろんな構造的な問題がある。
 そういう中で、やはり未来志向の総合的な交通システムということで、人流、物流、これをどう考えていくか。これは、鉄道局の枠にはめずに、やはりもっと広い観点で考えていく必要があるのではないかというふうに思いますので、今後とも、是非国土交通省一体となっての御検討をお願いして、質問を終わらせていただきます。
#32
○鉢呂吉雄君 おはようございます。民進党の鉢呂吉雄でございます。石井大臣の所信表明に対する、演説に対する御質問をさせていただきたいと思います。
 最初の質問は、森友学園の国有地売却問題、これについて十一月二十二日に会計検査院から御報告がございますので、この間、石井大臣は国会で様々な御答弁をしておりますので、この会計検査院の指摘について、その整合性について、大臣の御答弁の整合性について御質問をさせていただきたいと。安倍内閣はこの問題についても真摯に、そして丁寧に答弁すると、こういうふうに言われております。石井大臣におかれては、清潔で平和な政党、公明党の唯一の大臣でありますから、この問題についても清潔さというものを打ち出すためにも、過去の答弁の誤りがあれば、それはきちんと誤りだったと、こういう御答弁を期待して中身に入らさせていただきます。
 まず、この問題についての一番の問題点は、廃棄物のごみの量、これをどのように算定したのか、これがこの間ずっと問題でありました。とりわけ、この算定に当たって、対象面積、あるいはその深さ、あるいは混入率、あるいはその処分費の妥当性、こういったものがずっと国会でも論議になってきたわけでありますけれども、まず、石井大臣は、この春の五月十九日の衆議院国交委員会、玉木雄一郎委員の質問。
 大臣は、この三・八メートル、これはごみの深度を測る三・八メートルのメジャーで示した写真について、大臣自身は御確認になっていますか、見ていますかと、こういう質問に対して、私は見ておりますと、けれども、この写真については、写真を提供している民間の事業者が慎重で、残念ながらいまだ国会に出せる状況になっておらないということでございますと、こういうふうに御答弁をされております。
 さて、この深度の問題について、会計検査院の指摘。深度三・八メートルにおいて、廃棄物混合土の確認について新たに試掘した五か所のうち一か所について、大阪航空局では三・八メートルの深度を工事写真で確認したと、こういうふうに会計検査で述べておるんですが、会計検査院はこれに対してどのような指摘をされたのか、御答弁を願います。
#33
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 今回の報告書において、当該工事写真は、深度を計測するために標尺と呼ばれる目盛りの付いた測定機材を試掘した穴に立てかけている様子が写っているものであるが、三・八メーターを正確に指し示していることを確認することができる状況は写っていない、また、二十八年三月三十日に近畿財務局の職員が現地で確認し、同年四月五日に近畿財務局及び大阪航空局の職員が現地で確認した際等に、別途、廃棄物混合土の深度を計測した記録はないことも踏まえると、廃棄物混合土を三・八メーターの深度において確認したとしていることの裏付けは確認することができなかったと記述してございます。
#34
○鉢呂吉雄君 この会計検査院の指摘に対して大臣は、写真を見ておると、こういうふうに先ほど言いましたように答弁しておりますが、この指摘についてどういうふうに御答弁されますか。
#35
○国務大臣(石井啓一君) 三・八メートルの深度におけるごみにつきましては、平成二十八年四月五日の現地確認時に、工事関係者より工事の写真を提示をされ、大阪航空局の職員が、工事関係者の説明を受けながら、工事の写真と実際の試掘の穴の状況を確認したと聞いております。後日、試掘の位置図や説明が記載された報告書の形のものを改めて紙で入手をしておりまして、それを本年の八月の三十日に公開をさせていただいているところでございます。
 この報告書におきましては、試掘の穴の中に一メートルごとに黄色と白色で塗り分けたメジャーが穴に差し込まれまして、数字は読みにくいところもございますけれども、目盛りの様子から、この穴自体は大体四メートルぐらいの穴であると、更に深いところに廃材等のごみがあることが確認をできます。また、その報告書の説明書きでは、試掘の深さが四メートル、ごみが存在する深さが一メートルから三・八メートルと明記をされてございます。
 したがいまして、ごみの範囲といたしまして深さ三・八メートルと設定したことにつきましては、工事写真、後日提出された報告書、職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて確認、検証作業を行ったものと考えてございます。
#36
○鉢呂吉雄君 私の質問は、大臣が春の玉木雄一郎の質問に対して、工事写真を見ておる、確認しておると、こういう御答弁、このとおりでよろしいんですか。
#37
○国務大臣(石井啓一君) 三・八メートルの試掘の写真でございますね。試掘の写真は見ているというのはそのとおりでございます。
#38
○鉢呂吉雄君 皆さんのお手元に写真を配付をさせていただきました。
 これは、先ほど会計検査院からもお話あったとおり、五か所のうちの一か所、これが三・八メートルの深度ということで国の方にも提出をされたと。私もこれを見させていただきました。春の段階では、先ほど言ったように工事業者が慎重で提出をできなかったと、こういうふうに言っておるわけでありますけれども、今大臣がお話しされたような形では、客観的に見て三・八の深さの写真には見えないと、こう言わざるを得ません。会計検査院の検証に堪え得るような資料と、こういうふうにはとても言えません。
 私も、末端の補助事業を受ける立場で三回ほど会計検査院の検証、現地調査を受けましたけれども、とてもこういうような、これは基本中の基本です。深度が三・八であれば、この標尺といいますか、これが三・八と分かるような、あるいはこの看板についても、これは誰かがぐじゃぐじゃにしたのではなくて、写真そのものがこういうふうな形で、何の写真なのか、こういうきちっとした表示がない形であります。下には水がたまった状態で写しておりますから、果たしてその水面下何センチあったのかも定かではありません。
 私の字で三メートル、二メートル、クエスチョンマーク付いていますけれども、これは国交省の航空局の職員がこういうふうに私に言っただけでありまして、まさにこれは、国民の共有財産であります国有地の売却に関わるもう基本中の基本です。この三・八というものが変わることによって大幅に値引き額は変わるわけであります。ほとんどの面積、五千四百平米の面積にこの深度を掛けて、そして混入率を掛けてごみの量を積算しておるわけでありますから、まさにこの深さ三・八というのは、もう基本中の基本であります。
 大臣に再度、これで確認できるのかどうか、御答弁願います。
#39
○国務大臣(石井啓一君) 委員御提出いただいた資料のナンバー1、ナンバー2を見ていただきますと、試掘の穴の中に一メーターごとに黄色と白で塗り分けられたメジャーがあります。一番下が黄色でございまして、その次が白、黄色で、ナンバー1を見ると一番上に白ということですから、穴の深さとしては四メーター程度ということが判明をいたしますし、確かに、厳密に一センチ単位で分かるような精度にはなってはいないと思いますけれども、目盛りの深さから、様子から、かなり深いところに廃材等のごみがあることが確認をできます。また、この報告書の説明書きでは、試掘の深さが四メーター、ごみが存在する深さが一メーターから三・八メーターと明記をされてございます。
 こういった工事写真、それから職員による現地確認など、職員も現地で確認してこの穴を見ているわけでございますので、当時検証可能なあらゆる材料を用いて確認、検証作業を行ったものと考えております。
 しかしながら、今般の会計検査院の御指摘は重く受け止めまして、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えてございます。
#40
○鉢呂吉雄君 今、大臣は時間の許す限り丁寧なと、こういう表現でありますが、これはもう会計検査院に再度お聞きいたしますけれども、とても会計検査院の検証に堪え得る、一般的に言っても、様々な国の機関あるいは自治体の機関でも、こういった基本的な基本についてこんな不鮮明な、ずさんな写真、そういったものは私はあり得ないと。こんなものは、きちっとこういうふうな形で写真を撮っておるわけですから、国有地の売却に関わる基本中の基本をやっぱり踏まえておらない写真だと、こういうふうに大臣はきちっと認めるべきではありませんか。
#41
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど申し上げたとおり、現地確認をしたときに業者から提出があった工事写真、それから、今御説明、御提出いただいた報告書に添付されている写真とその記述、それから、それだけでなく、職員が現地で確認を、現場を見ております。そういった当時検証可能なあらゆる材料を用いて確認、検証作業を行ったものでございます。
#42
○鉢呂吉雄君 職員による現地の確認、あるいは当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたと。
 これは会計検査院に聞きますが、これで検証に堪え得ますか、あるいはその書類がありましたか。職員が確認したという、何かきちっと個人名の責任者を書いて、こういう形であったか。
 例えば、皆さん、今の写真見ても、三・八まで、どこまでごみがあったか定かではありません。この右側に書いてあるように、地中GLマイナス一メーターから三・八メーターの間というふうに書いていますけれども、写真によってはなかなか判別付きません。その中間の部分にあったことは事実でありますけれども、その水面下を含めて、どういったごみの状態なのか分からない状態であります。
 これらも含めて、写真以外でそういった資料というものは提示されましたか、会計検査院に御答弁願います。
#43
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 近畿財務局及び大阪航空局の職員が現地で確認した際等に、別途、廃棄物混合土の深度を計測した記録はないことを含めますと、廃棄物混合土を三・八メーターの深度において確認したこととしていることの裏付けは確認することができなかったというふうに報告書は記述しておるところでございます。
#44
○鉢呂吉雄君 次に進みますけれども、本年の四月六日、参議院の国交委員会で、我が党の小川敏夫さんの質問。昨年、平成二十八年の三月十四日に、財務局と航空局がごみが出たとの通報で現地を訪問し写真を撮った資料、これは私も四月六日に見させていただきました。しかし、掘った残土がたくさん積み上がっているかというと、これを見ると積み上がっているのは一か所しかありません、二番だけで、六番は積み上がっているかよく分からないと、こういう小川敏夫氏の質問があるわけであります。
 これは、いわゆるごみが深度九・九メートルまであったかの質問をされておりますが、会計検査院にまずお聞かせをいただきます。この地下九・九メーターからの掘り上がったごみ、これについてどのように検証して指摘をしておるのか、御答弁願いたいと思います。
#45
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 今回の報告書におきまして、本件土地に埋設している廃棄物混合土は、森友学園が行った対策工事において撤去されていないため、近畿財務局及び大阪航空局が確認した廃棄物混合土が既知の地下三メートル程度までの深度のものなのか、くい先端部の地下九・九メーターの深度のものなのかについては確認することができなかったと記述しております。
 そして、くい工事において新たに確認されたとする廃棄物混合土は、仮称M学園小学校新築工事地盤調査報告書等によれば、おおむね地下三メーター以深は沖積層等が分布しているとされていることなどから、既知の地下三メーター程度までに存在するものであることも考えられる、これを踏まえると、新たに確認されたとする廃棄物混合土がどの程度の深度に埋まっていたかについては、十分な確認を行う必要があったと認められると記述しておるところでございます。
#46
○鉢呂吉雄君 今、会計検査院の前段の方は、その前の年に、この有益費に関わるんですが、この森友学園が行った対策工事、一億三千万、有益費で払ったんですが、その廃棄物混合土がそのところに撤去されずに置いてあるために、今回、いわゆる九・九メーター掘ったものとの区分けが付かないと、こういう指摘をされておるわけであります。
 これに対して、その当時の佐藤航空局長は、航空局が現地に赴いて、その際、既に掘削工事を全て終わっておる状況で、この写真等において、工事業者により撮影されたものでこの工事を確認しておる、残土を確認しておると、こういう答弁をされておるわけであります。
 小川敏夫氏は、二月九日から三月一日にかけてこのくい掘削工事が全て行われた後の三月十四日に現地に行っておるわけであります、最初に疑問を投げかけておるのは、なぜその二月九日から三月一日まで約一か月の工事中に通報がされて現地を確認をしなかったのか、ここに森友学園側の作為があるのではないかと、こういうことも指摘をされております。
 いずれにしても、この九・九メートルから掘り上がったものについて、確認できない、区分けが付かないと、こういうふうに言っておるわけでありますけれども、石井大臣、どのようにお答えになりますか。
#47
○国務大臣(石井啓一君) 恐縮ですが、何と何が区分けが付かないのでございましょうか。
#48
○鉢呂吉雄君 先ほども申し上げましたけれども、森友学園が行った対策工事、最初の段階で、殻とかコンクリート片が出たという形を含めて、有益費につながる対策工事をやっておるわけですけれども、これの残土処分が撤去されずにそのままその場所に残っておる、これとの区分けが付かないと、こういう形であります。
#49
○国務大臣(石井啓一君) 事前に詳細な通告がなかったものですから、的確にお答えできるかどうか必ずしも自信のないところがありますが、有益費の工事といいますのは、地下の汚染土、汚染されていた土壌の撤去と、地下に埋まっていました、元々住宅地だったものですから、マンホールだとかあるいはコンクリートの、いわゆる上下水道等が埋まっていた、そのコンクリート殻を撤去する工事であったというふうに思っております。
 一般的に考えてみましても、くいを工事する際に土が埋まっていたところを何も、いや、土が盛り上がっているところに更にくい工事をするというのはちょっと考えにくいところでありまして、有益費の工事では残土が盛り上がっていたということは私はないんではないかなというふうに理解をしております。
#50
○鉢呂吉雄君 会計検査院、その点についてもう一度御答弁願います。
#51
○説明員(戸田直行君) 繰り返しになり恐縮でございますが、今回の報告書において、本件土地に埋設されている廃棄物混合土は、森友学園が行った対策工事において撤去されていないため、近畿財務局及び大阪航空局が確認した廃棄物混合土が既知の地下三メートル程度までの深度のものなのか、くい先端部の地下九・九メーターの深度のものなのかについては確認することができなかったと記述してございます。
#52
○鉢呂吉雄君 いわゆるそういうことでありますから、まさにこの区分けが付かない形で、これが九・九メーター地下から掘り上がったものであると、こういうものについては会計検査院は指摘をして、区分けが付かないと、こういうふうに述べておるわけであります。
 同時に……(発言する者あり)大臣、答えてください。
#53
○国務大臣(石井啓一君) 私、今会計検査院の方の答弁を伺って理解しましたのは、有益費の工事というのはあくまでも汚染土壌とコンクリート殻の撤去でありまして、コンクリート殻に付着していたごみが若干、数トンですか、処分をしたという実績はあったと思いますけれども、ごみは撤去していないわけですね、有益費の工事。そのことを、森友学園が行った対策工事においてごみは撤去されていないというふうに会計検査院はおっしゃったんじゃないかなというふうに理解をいたしました。
#54
○鉢呂吉雄君 これは廃棄物混合土であって、殻、コンクリート片等については撤去をしたと思いますけれども、その際、同時に出てきた廃棄物混合土、その場に撤去されずに堆積をしておったと、こういうふうに私は認識しております。
 同時に、九・九メーター関係で、後段の方の会計検査院の御答弁、M学園新築工事の地盤調査報告書、これによれば、おおむね地下三メートルより深いところ、以深では沖積土が分布しており、これを超えるどの程度の深度に廃棄物、ごみがあったかどうか確認することができなかったということでございます。
 それで、皆さんのお手元に、二枚目、三枚目、ボーリング柱状図というのをお付けしました。これも国交省からの資料に基づきまして私の数字がちょっと書いて、言葉が書いてありますけれども、非常に見にくい言葉でありますけれども、例えば、確かに一メートルから三メートルのところには様々な塩ビ片、木片、ビニール等、記事というところです、左から真ん中寄りに寄ったところの記事という欄に、左側が深さ、一、二、三、これは五十メーターぐらい調査をしているんですけれども、三メーターぐらいまでにはそういったごみ片があるということを示しております。
 五・四メーターのところには貝殻片少量という形で、これは多分、生活ごみではなくて、自然界の貝殻片かと思います。そこで、八メーターから九メーターのところ、八・二〇メーター付近に木片混入というのがあるばかりで、そのほかは全部水を含む粘土質系とか自然の形になっておるわけでございます。その次の二枚目のボーリング柱状図は、九メーター付近には一切そういった生活ごみ的なものの表示はないわけでございます。まさに、そういった意味からいきますと、本当に九・九メーターのところから廃棄物混合土が出てきたかどうか、極めて不明な点でございます。
 四月六日の小川敏夫氏の質問に対して、大臣はこのように答弁をされております。
 まず、その前に、今の九・九メーターの深さで、会計検査院にお伺いいたしますけれども、どういったこの九・九メーターの確認ができるのかどうか、もう一度お答えを願いたいというふうに思います。
#55
○説明員(戸田直行君) 繰り返しの答弁になり恐縮でございますが、今回の報告書におきましては、本件土地に埋設されている廃棄物混合土は森友学園が行った対策工事によって撤去されていないため、近畿財務局及び大阪航空局が確認した廃棄物混合土が既知の地下三メートル程度までの深度のものなのか、くい先端部の地下九・九メーターの深度のものなのかについては確認することができなかったというふうに記述してございます。
#56
○鉢呂吉雄君 四月二十日のこれも小川敏夫氏の質問でありますけれども、この工法は、土を全部掘り出すものではなくて、ほぐして軟らかくするだけ、一番底からセメントミルクを注入するという工法で、九・九メーター付近の土は上の土を追い越して地上にはみ出てくることができないのではないかと、こういう質問をしております。これに対して大臣の答弁は、ドリルを引き上げるとき羽根状のものにくっついてくる、九・九メートルのところにくっついていることも当然考えられる、職員はこのプロペラにごみがくっついている状況を写真で見ていることから、九・九メーター付近にごみが存在することもあり得る、こういう判断をしておりますと、こういう答弁をしております。
 もう一度会計検査院に聞きますけれども、下の土を追い越して上の方に土が掘り上がってくる、こういった状況は考えられるのかどうか、これも会計検査院が指摘をしておりますので、御答弁を願いたいと思います。
#57
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 今回の報告書におきまして、このような施工方法であれば、地表に押し出された廃棄物混合土は施工深度の浅い部分に存在していたものであると考えられると記述してございます。
#58
○鉢呂吉雄君 大臣、これについてはどういうふうに御答弁しますか。
#59
○国務大臣(石井啓一君) まず、委員がお示しいただいたボーリングでございますけれども、これは平成二十六年に森友学園が実施したボーリング調査でございますが、これは地盤の強度等を確認することを目的に、今回の八千七百七十平米の土地のうち二か所において直径十センチ前後の掘削調査を実施したものでございますが、いわゆるごみの確認をする地下構造物調査とは規模や目的が全く異なっております。
 ごみの分布というのは、垂直方向にも水平方向にも一律に分布をしているわけじゃなくて、ランダムに分布をしているということでありますから、極めて小規模な掘削を限定的な箇所で行ったその結果をもって深いところにごみの存在がないと断定することは、私は無理であるというふうに考えております。
 それで、今の御質問でありますけれども、これはこれまでも御答弁させていただいておりますが、今回のこのくい掘削工事の工法は、プロペラの羽根のようなものが付いた掘削機を地中に回転させながら貫入させることによって、土をかき混ぜ軟らかくしながら、同時にセメントミルクを流し込むことで地中の土とセメントミルクを一体化させてくいを形成していく、ある意味でくいと土壌改良等を同時にやるような、そういう特殊な工法であります。
 この工法を使用した場合、九・九メーターまで掘っていくわけですから、回転させながら掘っていくわけですから、そこのくい掘削機先端部に絡み付いた廃材等のごみが地下九・九メーターの位置に存在するものである可能性は当然あるわけでございます。
 会計検査院の報告書におきましても、くい掘削機の先端部に、深い部分に存在する廃材等が絡み付き、地表に排出される可能性があることを否定できないという大阪航空局の主張も掲載をされているところでございます。
 また、先日、十一月三十日の参議院予算委員会におきまして、これは会計検査院長さんが答弁されていらっしゃいますが、このような施工方法の場合、深い部分に廃材等があれば、それが掘削機の先端部に絡み付き、地表に排出する可能性があることを否定できませんがと、こういうふうに答弁があったものと承知をしてございます。
#60
○鉢呂吉雄君 今の大臣の答弁は、可能性とか否定できないと、九・九メートル下、一番最先端。否定できないとか可能性があることで、この国有地の売却に係る貴重な国民の財産、これに関する説得性のある資料には、あるいは答弁には私はならないと。こんなことでやれるんであれば、世の中の様々な補助事業をやっている事業者喜びますよ。
 先ほど、ボーリングの形について二か所ではどうかと言いました。しかし、先ほどの工法からいけば、下の土が上を越していくことはないという形でいけば、どういう断層にどういうごみがあるかないか、これは一定程度このボーリング調査示しておると私は確信します。沖積土が三メートル下にあるという中で、三メートル下には生活ごみ、廃棄物は投棄できないという形からいけば、この三メーターから九メーターの間には一切、この二か所ともそういった生活ごみ的なものは入っておりません。多分、九・二メーターというのは、自然界の木、これがそのまま湿気の強い中であったと、こういうふうに推定できるわけであります。
 それから、大臣は、プロペラによっての工法という形でそういうことが可能性としてあると、こういうふうに言われました。しかし、可能性だけで、プロペラのそのごみが付いていることを確認しただけで、その三・八メーター以下、九メートル下にあったかということには私は確証にならないと。こんな曖昧な形で、九・九メーターにごみが混在し混入率四七%で算定する、このこと自体は極めて無理があると、こういうふうに思うわけであります。
 再度、真摯な説得性のある答弁を求めます。
#61
○国務大臣(石井啓一君) まず、沖積層でございますが、これは約一万年前から自然に積み上がった地層のことでありまして、場所により、特に河川や池、沼の分布によりその厚さが変わるものと承知をしております。
 豊中市周辺で公表されている様々な公的なボーリングデータにおきましても、実際に場所によって地層の構成や厚さ、支持地盤の深さなどが大きく異なる状況が示されております。また、地層の状況と地下埋設物の分布状況は必ずしも一致するとは限らず、地下埋設物の分布はその場その場の状況によって異なるものと承知をしております。
 本件土地はかつて池、沼でありまして、水分が高く、深い層までぬかるんだ泥や細かい砂のような軟らかい地層が形成をされております。また、この池、沼はかつて河川と隣接して形成されておりまして、地層が深くえぐられた結果、その底部は複雑な地形になっていることも想定をされます。また、緩い地層の底部が乱され、深いところまでごみが混入している可能性もあると考えているところでございます。
 また、九・九メーターまでごみを見積もったということでありますが、この本件土地の売買契約におきましては、売主の責任が一切免除されるとの特約を付けることを前提に地下埋設物の撤去処分費用の見積りを行ったところでございます。最近の裁判例を踏まえますと、このような特約付きの売買契約の実効性を担保するためには、瑕疵の存在について売主としてできる限りの調査、説明を行うとともに、売買当事者間の公平を確保する観点から地下埋設物の撤去処分費用を見積もることが必要となります。
 そのような中、買主側の工事関係者から、九・九メートルのくい掘削工事を実施する過程においてごみを多量に含む新たな土砂が発生したと聞き、その後、工事関係者から提出された工事写真におきまして、くい掘削工事の過程で校舎予定地全体にわたり廃材等のごみを含む土が出ている様子や、掘削機の先端部に廃材等のごみが絡み付いている様子を確認をしたところでございます。
 加えて、職員による本件土地の現地確認、かつて池、沼だったという本件土地の地歴も踏まえまして、大阪航空局の見積りにおきましては、当時検証可能なあらゆる材料を用いて、くいの掘削箇所に限定をして深さを九・九メーターと設定したものでございます。
#62
○鉢呂吉雄君 先ほど会計検査院の報告の中でも、航空局の、先端部分に廃材等が絡み、地表に排出されると。これは、大臣、大阪航空局がそういうふうに述べておると、可能性ありと述べておるというだけで、会計検査院の評価はこれに入っておりませんので、何でもかんでも認められたようなことを言ってもらっては事実を曲げることになります。
 そうではありませんか、検査院。
#63
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 報告書におきまして、大阪航空局は、深層混合処理工法では、くい掘削機の先端部に深い部分に存在する廃材等が絡み付き、地表に排出される可能性があることを否定できないというふうにしております。
#64
○鉢呂吉雄君 大臣は、四月六日の小川敏夫氏への答弁で、将来のリスクも含めて算出する、木片なんかは残って腐っていく、腐敗してくいを劣化させる可能性もあるわけで、その分を含めて将来のリスクを免除するために判断したと、こう言って答弁しておるわけですが、会計検査院、この木片の腐敗リスク、これに対してどういうふうに報告はされていますか。
#65
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 今回の報告書におきまして、大阪航空局は、本件くい工事は柱状にセメント系固化材を土壌と混合してくいを築造するものであることから、混合する土壌に廃材等が混入していると、将来、経年劣化によりくいの強度に影響するおそれがあると考えたと記述しております。
 以上でございます。
#66
○鉢呂吉雄君 会計検査院は、この腐敗リスクはないと、こういうふうに述べています。廃棄物混合土がくいの品質に影響を及ぼすおそれがないと、こういうふうに述べて、大臣がこの四月六日に答弁されていることと全く食い違うわけです。御答弁願います。
#67
○国務大臣(石井啓一君) 会計検査院の報告書は、会計検査院自身の判断を示したというよりも、建設工事業者の主張を述べているものと承知をしております。
 どのような工事が本件土地で行われるかにかかわらず、廃材等のごみにより本件土地の価値は下がると考えられます。このため、職員による現地確認や工事関係者からのヒアリングなど、限られた時間の中で、当時検証可能なあらゆる材料を用いた結果、深さ、くいの部分について深さを九・九メーターと設定して見積りを行ったところでございます。
 なお、このくいの設計は、新たなごみが発見される以前に行われたものと考えられまして、深さ九・九メーターまでの深度にもごみが存在する可能性があることを前提としたものではないというふうに考えられます。
 また、一般論といたしまして、くい掘削工事の過程でくいの中に木くず等が混入した場合やくいの周囲に木くず等が存在する場合、仮に工事実施時点では一定の強度があっても、時間を経る中で木くずが腐食することにより、くいの強度が低下することはあり得るところと考えてございます。
#68
○鉢呂吉雄君 会計検査院にお答え願います。
 今の大臣の御答弁と私は食い違うと思うんです。そのことをきちっと見越して、確かに工事業者の見解というものを、会計検査院はこれを採択して述べておりますから、その御見解を伺いたいと思います。
#69
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 お尋ねの件につきましては、土中に混入している廃材等の種類や量、くいの設計や施工の方法等の様々な要因に左右されるものと考えられますところ、一般的にくいが劣化する可能性の有無につきましては、会計検査院としてこの場でお答えすることは困難であるというふうに考えてございます。
#70
○鉢呂吉雄君 大臣はこの廃材の腐敗に関しても述べておりますけれども、将来リスクを含んで、その将来リスクを排除するために判断をすると、いわゆる瑕疵担保条項、瑕疵担保の免責条項、これをさきの通常国会では多用して答弁をされております。
 この瑕疵担保免責特約について、会計検査院、どのように御指摘をしているか、御答弁願います。
#71
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 今回の報告書におきましては、国有財産売買契約書において、本件土地に関する一切の瑕疵について国の瑕疵担保責任を免除する特約条項が付されていることを前提に地下埋設物撤去・処分費用が算定されている、このような前提があったとしても、大阪航空局が算定した本件土地における処分量一万九千五百二十トン及び地下埋設物撤去・処分概算額八億千九百七十四万余円は、算定に用いている深度、混入率について十分な根拠が確認できないものとなっていたり、本件処分費の単価の詳細な内容を確認することができなかったりなどしており、既存資料だけでは地下埋設物の範囲について十分に精緻に見積もることができず、また、仮定の仕方によっては処分量の推計値は大きく変動する状況にあることなどを踏まえると、大阪航空局において、地下埋設物撤去・処分概算額を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていたと認められると記述してございます。
#72
○鉢呂吉雄君 要約をすれば、この瑕疵担保特約があったとしても、その前提があったとしても、このごみの算定をする場合に、例えば深さですとか面積ですとか混入率ですとか、こういうものに対する航空局の算定方法、慎重さを欠いておると、こういうふうに指摘をしたというふうに思います。
 私は、ずっとこの国会の状況を議事録で精査をさせていただいて、一番大事なところになれば大臣のこの瑕疵担保条項が持ち出されます。
 しかし、大前提として、基本中の基本のごみの混入量、これをどうするかというのは、先ほど言ったように、深さですとか面積ですとか混入率、これは時間のぎりぎりの制約の問題ではなくて貴重な国有地に関わる問題で、こういったものが基本として明確な形で世間に、会計検査院ということは国民に対してきちんと示せるかどうかを私は示しておると思うんです。その上に立って瑕疵担保を、その上に立ってどのぐらいのものを価格に上乗せをするのか、ごみの算定量に、値引きに上乗せをするのか、こういった問題としてあると思うんです。
 曖昧な形で、こういった算定に関わる基礎的な数字、曖昧な形を瑕疵担保条項に逃れて答弁するというのは、私は基本の基本がなっていないと、こういうふうに思いますけれども、大臣はどうですか。認めるものは認めていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去処分費用の見積りは、今委員御指摘のとおり、瑕疵担保責任を外す、売主の責任が一切免除されるという特約を付すことを前提に行われたものでございます。最近の裁判例を踏まえますと、このような特約付きの売買契約の実効性を担保するためには、瑕疵の存在について売主としてできる限りの調査、説明を行うとともに、売買契約における売買当事者間の公平確保の観点から、地下埋設物の撤去処分費用を見積もることが必要となります。
 このため、大阪航空局におきましては、地下埋設物の見積範囲としていろんな仮定が考えられる中、既存の調査で明らかとなっていた範囲のみならず、買主たる森友学園や工事関係者から新たなごみが排出されたとの報告も受け、これらの追加の材料も含め、当時検証可能な材料の範囲を限度といたしまして見積範囲の設定を行ったところでございます。
 このような前提において大阪航空局が行った見積りは、限られた時間の中で、実際に約二週間という時間で見積りの依頼を受けて報告を行ったわけでありますが、限られた時間の中で新たなごみの検証や見積りを報告しなければいけないという当時の制約条件の中で行われたぎりぎりの対応であったと認識をしてございます。
 しかしながら、今般の会計検査院の御指摘は重く受け止めまして、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと存じます。
 なお、参考でありますが、地下埋設物に関しまして、本件土地に近接をし同程度の面積を有する他の移転補償跡地、これは豊中市の給食センター用地でございますが、これが平成二十七年六月に新関西国際空港株式会社から豊中市に売却をされております。現在そこに給食センターが設置されておりますが、本件土地のような特約が付されていない中、売却後に地下埋設物が発見された例がございます。この場合の売却額は、土地売却額は約七・七億円でありますけれども、現在、この土地売却額の二倍程度と見込まれる撤去費用約十四・三億円について、買主である豊中市と売主である新関西国際空港株式会社の間で協議をしているといった状況もございます。
#74
○鉢呂吉雄君 今の最後のところは言い訳に付けた形でありますけれども、それによって、瑕疵担保特約が全てのところで、時間のぎりぎりの中で、逃れる便法で答弁されておる。私が言っているのは、時間の制約ではなくて、きちんと検証に堪え得る、会計検査院の検証に堪え得る、大臣、基本的な数字というものを示すことができないようなずさんな対応をしてきた、そこに大きな原因がある。
 同時に、この間、国会でも財務省の理財局長が、三度の音声データについて、昨日も国交委員会、衆議院の段階で、三つ目の音声データについてこれを認めておるわけであります。
 これらに対して、国交省の大阪航空局の職員は、いつ、誰が、そしてどんな内容で同席したのか、これについてお答え願いたいと思います。
#75
○国務大臣(石井啓一君) 今委員がおっしゃったのは、三月下旬から四月と思われるということでしょうか。(発言する者あり)三月二十四日ですか。
 三月二十四日ですが、森友側から買取り要望が伝えられた会合については、大阪航空局の職員は出席をしているというふうに記憶をしておりますが、詳細は記憶をしていないということでございます。ただし、三月二十四日でも、この具体的な一・六億円とか一・三億円とかいう金額がやり取りされている会合には出席した記憶がないと大阪航空局の職員は申しているところでございます。
#76
○鉢呂吉雄君 これは、財務局の理財局次長は、航空局も同席しておったと、三月二十四日のものについてはこういうふうに明瞭に答弁をされておる。
 少し、委員の皆さんには、昨日の議事録でありますから見ておらない方もいらっしゃるかと思いますが、昨日の関係は、国土交通省の職員、そして理財局、大阪理財事務所の職員が、学園との間、森友学園との間で協議が行われて、三月二十四日ですね、およそ一億三千二百万から一億六千万円の範囲内で双方が折り合えることが確認されたと、こういう森山委員の質問に対して、富山政府参考人、理財局次長は、事実でございますと、こういうふうに答弁をされておるわけであります。
 この間、私は航空局に何度も、これら一連の三度にわたるやり取り、音声データ、財務省はこれらについて、航空局が同席した、あるいはこれを事実として認めておるのでありますけれども、一貫して国交省は記憶になくて分からないと。三月下旬から四月頃というふうに言っておるわけでありますけれども、先ほどのやつは三月二十四日、いわゆる皆さんがこの算定のために現地に調査に入った、先ほど大臣から話がありました二週間、その前段でこういうやり取りに大阪航空局が同席をしておる。
 まさに、算定する前にこういったことのやり取りがあると。もう一億三千万から一億、もっと詳しい数字でありましたけれども、一億六千万、こういう中で収めましょうと、こんなやり取りが行われておる。こういうものがあるから、きちんとした算定行為をやっておらなかったのではないかと。これは、誰が、国民の皆さん見てもそういうふうに思うわけでありまして、明快に御答弁できますか。
#77
○国務大臣(石井啓一君) 今委員が昨日の衆議院の国土交通委員会の議事録を御紹介いただきましたが、理財局の次長が最後に答弁を修正をしておりまして、どういうふうに答弁されているかというと、先生の御質問は、三月十六日と三月二十四日と両方あったわけでございますが、二十四日の方については同席していなかったと担当者が申しておりますと、このように答弁を修正をして、明確にしているところでございます。
 三月二十四日、その一・三億円、一・六億円といったような金額がやり取りをされた会合には大阪航空局の職員は出席した記憶がないというふうに申し上げているところであります。
#78
○鉢呂吉雄君 三月十六日、これは同席をしておったんですか。
 先ほど、この音声のもう一つのデータで、太田理財局長は認めたもので、三月下旬から四月頃同席したと。これはいつ行われ、誰が出席をしておったのか、航空局ですよ、その内容について明確に示してください。
#79
○国務大臣(石井啓一君) 三月下旬から四月に行われた会合、打合せの件でございますね。
 これについて大阪航空局職員に確認をいたしましたところ、担当課長外一名が出席しておりましたが、詳細は記憶をしていないということでございました。
#80
○鉢呂吉雄君 担当課長外一名が出席しておったということだと思います。
 時間がなくなりましたから進めますけれども、いずれにしても、大臣、この中身は記憶しておらないということでありますけれども、極めて重要です。したがって、大臣として、きちんとこの問題についても調査を進めて明らかにしていかなければなりません。
 昨日までの私のこの航空局の事務段階の話は、出席した者が分からないと。今日初めて課長外一名というのが示されたわけでありますけれども、やっぱりこの内容について、先ほど、もう繰り返しませんけれども、初めからその価格の提示があって、それに基づいて算定がされたのではないか、こういうふうな疑念がますます膨らむわけでありまして、この調査をきちんと大臣の責任で行う、御答弁願います。
#81
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、売主の責任が一切免除されるとの特約を付すことを前提に、その実効性を担保するために、既存の調査に加え、工事関係者からの新たなごみの報告や職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであると御説明してきたところでございます。
 打合せの内容について当時の大阪航空局職員に確認したところ、詳細は記憶をしていないということでございました。
#82
○鉢呂吉雄君 ですから、記憶をしておらないというだけで済ます形ですか。あるいは、今も大臣は瑕疵担保免責条項に逃げ込んだという表現はおかしいですけれども、そういう形の答弁をされました。しかし、大臣としての、最高責任者としてもっと真摯な対応があってしかるべきではありませんか。瑕疵担保条項の問題についても、会計検査院は、それがあったとしても算定基礎というものにきちっとこだわってやらなければ大変なことになると。普通ならこれ補助金返還ですよ。こんなずさんな、標尺の表示もきちんと見えないような、こんな会計検査に堪えないような形で、皆さん様々な予算執行で事業をやっておると思いますが、これで認められますか。
#83
○国務大臣(石井啓一君) 森友学園の国有地売却に関します今般の会計検査院の報告は、政府から独立した機関である会計検査院が、国土交通省を始めとする関係機関に対し、延べ百十四人日を要する会計実地検査を実施して作成されたものと承知をしております。また、国土交通省といたしましても、本年三月の検査開始以来、検査に全面的に協力するとともに、これまでも国会における審議等の場を通じて説明を行ってきたところでございます。
 今般、会計検査院の検査報告が国会に提出され、地下埋設物の撤去処分費用の見積り等について様々な指摘がなされていることから、国土交通省としては重く受け止めなければならないと考えております。
 国土交通省といたしましては、今般の検査結果を踏まえた今後の対応といたしまして、第一に、今後、同様の事務を遂行するに際しては、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保すること、第二に、見積りに係る手続等の明確化を図ること、第三に、行政文書のより適切な管理を図ることなどの取組を通じまして、より丁寧な事務の遂行に努めていくことに尽きると考えております。
#84
○鉢呂吉雄君 大臣、重大に受け止めるという言葉は何度でも言えます、聞いています。しかし、このような算定のやり方、これは大臣は認めておるんですか、明確に答えてください。
#85
○国務大臣(石井啓一君) 先ほどからるる答弁しておりますとおり、当時、限られた時間の中で、新たなごみの検証も含めて見積りをやらなければならない、可能な限りの材料を前提に見積りを行ったぎりぎりの対応であったと考えてございます。
 ただ、今般の会計検査院の報告は重く受け止めなければならないと考えておりまして、先ほども申し上げましたように、今般の検査結果を踏まえた今後の対応といたしまして、今後、同様の事務を遂行するに際しては、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保すること、見積りに係る手続等の明確化を図ること、行政文書のより適切な管理を図ることなどの取組を通じまして、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
#86
○鉢呂吉雄君 大臣、私は何点かの曖昧さ、ずさんさと言ってもいいんですが、こういう指摘をさせていただいてまいりました。大臣は、この一時間で通常国会で述べたとおりの繰り返しであります。本当にそれで国民の皆さんに、会計検査院が指摘をした上に立って、言葉としては重大な責任とか重大なものということを言いますけれども、本当にそれで国民に納得し得るものとして胸を張って言える、こういうことでいいんですか。
 私は、不確定な要素が非常に大きい中で、三・八メートルの穴自体は、会計検査院が述べておるように、航空局が現地に行ってその穴自体は確認しております。ああいう写真で本当にいいのかどうか。ぎりぎりの時間の制約の中でということで盛んに記者会見でも繰り返しておりますけれども、時間の制約ではありません。この三・八メートルの混合土の確認、廃棄物の確認は、やっぱりずさんと言われても仕方がないのではないですか。この点について答えてください。
#87
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局の見積りは、限られた時間の中、新たなごみが発見されたという森友関係者からの指摘も受けて、新たなごみの検証も含めて見積りを報告をしなければならないという状況下で行われたぎりぎりの対応であったと認識をしてございます。
 ただ、いずれにいたしましても、会計検査院の御指摘は重く受け止め、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
#88
○鉢呂吉雄君 時間が来たわけでありますけれども、重く受け止めておるという言葉どおり、今後の問題としてではなくて、大臣の責任あるいは国交省内での処分、こういったものに対して明確に示す必要もあると、私はこういうふうに思います。
 他の質問も大変用意しましたけれども、今日はできません。その点は御容赦いただいて、質問を終わらせていただきます。終わります。
#89
○委員長(野田国義君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#90
○委員長(野田国義君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。
 十月十三日に比例の繰上げ当選にて参院議員となりました。本日の国土交通委員会が初質問となります。(発言する者あり)頑張ります。委員会御出席の先輩議員の皆様、そして石井大臣始め副大臣、政務官の皆様、不慣れな面もあるかと思いますが、これからどうぞよろしくお願い申し上げます。
 では、質問に移らせていただきます。
 初めに、国土強靱化についてお聞きします。
 東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、平成二十五年に国土強靱化基本法が制定されました。災害への備えを万全にする、そして、いざ災害が発生したときには迅速な復旧復興を進める、そのための施策を総合的かつ計画的に実施していく、こういうためのものです。
 翌平成二十六年には、この基本法に基づいて国土強靱化基本計画が閣議決定されております。政府のこの基本計画は他の計画の指針となるものですが、国土強靱化基本法では、都道府県、市町村に対しても、他の計画等の指針となるべきものとして、今度、国土強靱化地域計画を定めることができるとしております。
 都道府県の地域計画については来年にも全ての都道府県で策定が完了する見込みと聞いておりますが、一方、市町村の方は、策定済みが四十六、策定中が四十五、まだ全市町村の一割にも達しておりません。報道によれば、この策定が進まない理由として、地域防災計画との、そういう既存のものとの違いが分かりにくい、また策定は義務ではないといったことが言われておりますけれども、内閣官房の資料によりますと、この地域計画に基づき実施される取組というのは九府省が所管する二十九の交付金、補助金による支援が講じられることになっております。しかし、支援の具体的な内容は、いずれの交付金、補助金においても交付の判断に当たって一定程度配慮すると、このように書かれているだけです。策定のためのガイドラインに活用事例なども新たに載っていますけれども、自治体がこれはよく分かるというもう一段の配慮をお願いできればと思います。
 そこで、お伺いします。市町村の国土強靱化地域計画の策定をより促進するための方策について、内閣官房としてどのようにお考えでしょうか。あわせて、政府による支援内容を明確にし、市町村に地域計画を策定するメリットを更に分かりやすく伝えていくことに関してどのようにお考えか、お伺いします。
#92
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 国土強靱化地域計画についてでございますけれども、委員の御指摘のとおり、今後、特に市町村での取組、これを加速していかなければならないというふうに認識をいたしております。
 平成二十九年十一月一日現在でございますけれども、全ての都道府県で地域計画を策定済み又は策定中でございますけれども、市町村においては、一千七百十八団体のうち、策定済みが四十六団体、策定中が四十五団体にとどまっている現状でございます。今後、できる限り多くの市町村に作成していただきたいというふうに考えております。そのため、国としては、地域計画策定ガイドラインの作成、さらには専門家の派遣を含む出前講座などにより、計画の必要性や策定手法の周知、これを図っておるところでございます。
 加えて、地域計画の実施に当たってでございますけれども、関係府省において関連する交付金、補助金で支援をしているところでございます。また、自治体からの分かりにくいという指摘、これを踏まえ、交付金、補助金の活用事例を今年度より地域計画策定ガイドラインに掲載をし、さらに支援内容の見える化を図るなど地域計画を策定するメリットの周知に努めております。
 それぞれの地域において強靱化に取り組むことは、住民の生命や財産を守るとともに、地域の経済成長に資するものであると考えております。更に積極的に支援をしてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。
#93
○竹内真二君 ありがとうございます。積極的に取り組まれていくということですので、是非よろしくお願いいたします。
 あと、続いて、東日本大震災の後も、伊豆大島、広島の土砂災害、それから関東・東北豪雨と、それから熊本地震、九州北部豪雨と、全国で様々な自然災害が猛威を振るっております。災害の激甚化が非常に懸念されているわけですけれども、加えて、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、こういったものへの備えを考えれば、やはり国民の生命と財産を守る防災・減災対策の役割というのはかつてなく高まっていると思います。
 十一月二十二日の参議院本会議では、我が党の山口代表が所信表明に対する本会議質疑の中で、公明党が提唱し推進してきた防災・減災ニューディールの考え方に触れた上で、こう述べています。単に災害が発生したときの復旧にとどまるのではなく、災害を教訓として、様々な大規模自然災害のリスクを踏まえた予防型の防災・減災対策を大きく前進させていくべきだと、このように訴えております。
 そこで、改めてお伺いします。近年頻発する災害を教訓として、平成二十九年度補正予算及び平成三十年度本予算における対応も含めて様々な災害のリスクを踏まえた防災・減災対策を前進させていくべきと考えますが、石井大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#94
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、全国各地で様々な災害が発生をしております。被災地の方々が一日でも早く日常の生活に戻れるよう、早期の復旧復興に向け、国土交通省として全力で取り組んでまいります。
 このような災害の教訓を踏まえまして、災害リスクに関する知識と心構えを社会全体で共有し、地震、洪水、土砂災害等の様々な災害に備える防災意識社会へと転換をし、整備効果の高いハード対策と住民目線のソフト対策を総動員していく必要があると考えております。
 まず、切迫する南海トラフ巨大地震や首都直下地震につきましては、それぞれ想定されます具体的な被害の特性に合わせまして、避難路、避難場所の整備、ゼロメートル地帯の堤防の耐震化等、実効性のある対策を推進いたします。
 また、頻発、激甚化する水災害につきましては、水防災意識社会再構築ビジョンに基づきまして、堤防の強化やタイムラインの作成等を進めるとともに、九州北部豪雨等で明らかとなった課題につきまして、中小河川緊急対策プロジェクトを推進をいたしまして、事前に災害に備える、ハード、ソフト一体となった取組を強力に進めてまいります。厳しい財政状況の中でありますが、当初予算については、防災・減災対策のための必要な予算が確保できるようしっかりと取り組んでまいります。
 また、平成二十九年度補正予算につきましては、災害対応を始めとする追加的財政需要に適切に対処する等の総理指示を踏まえ、年末に向けて具体的な内容を検討してまいりたいと存じます。
#95
○竹内真二君 石井大臣、ありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。
 続いて、開催まで千日を切った二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた道路整備についてお伺いします。
 まず、首都圏の幹線道路の整備については、既に中央環状線が全線開通しておりますけれども、外環道と圏央道についてはまだ未整備区間が残っております。東京都などとも連携して、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 その上で、取り組まなければならないのは生活道路のユニバーサルデザイン化です。公明党も力を入れていますけれども、どこでも、誰でも、自由に、使いやすく、このユニバーサルデザインの考え方を踏まえて、やはり生活道路についても、障害者の方はもちろん子供や高齢者、それからどの国の外国人が日本に来られても、心配りされた道路整備、これを進めていく必要があると思います。
 本年八月には、国交省の社会資本整備審議会道路分科会が道路・交通イノベーションとの建議を取りまとめております。この中で、生活道路についても地域の安全対策と一体となったユニバーサルデザインを推進をすべきと、それから、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、主要鉄道駅と周辺の生活関連施設を結ぶ生活関連経路についても重点的に推進すべきと、こう提言しております。
 生活道路の管理者は各地方自治体ではありますが、ユニバーサルデザイン化の推進は国がリードすべき課題であるとも言えます。特に東京オリパラでは、移動に支障を抱える方々も積極的に足を運んでいただく、それから競技大会や各地の観光を楽しんでいただく、それを可能にする生活道路のユニバーサル化、これは地域の安全対策にもつながりますので、まさに一石二鳥の効果があると思います。
 そこで、観光立国を目指すとともに、高齢化の進展が進む我が国においては、生活道路のユニバーサルデザイン化をこれまで以上に急ピッチで進めていく必要があると考えます。東京オリパラの開催に当たって、国として更に各自治体への支援体制の充実が必要と考えますが、今後の事業の推進に当たって御所見をお伺いします。
#96
○副大臣(あきもと司君) お答えします。
 委員御指摘のように、道路のユニバーサルデザイン化は、障害のある人や高齢者に対する歩行空間のバリアの解消のみならず、国内外から訪れる観光客に対して、おもてなしとしても重要な役割を果たすと考えております。
 一方、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、国内外から多くの観光客を呼び、高齢者、障害者等が訪れることが予想されます。
 国土交通省としては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づき、競技会場周辺等の道路について、段差の解消や視覚障害者誘導用ブロックの設置など、ユニバーサルデザイン化を連続的、面的に実施しているところであります。
 また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を機に、全国の主要鉄道駅や観光地周辺における道路についても、防災・安全交付金等による支援やノウハウの共有等技術的な協力を行うなどにより、ユニバーサルデザイン化を推進していくこととしております。
 引き続き、全国の自治体の取り組むユニバーサルデザイン化に対し、自治体の要望を踏まえ、支援してまいりたいと思っております。
#97
○竹内真二君 ありがとうございます。
 次に、駅ホームにおける転落、接触防止対策について伺います。
 平成二十八年度発生したホームからの転落件数というのは二千八百九十件に上ります。このうち視覚障害者の方の転落件数というのは六十九件にも上っているんですね。
 そこで、転落防止対策として重要になるのがホームドアなんですけれども、特にやはり混雑している駅とかの危険性の高い場所への整備はまさに待ったなしの課題となっております。昨年八月には、東京メトロ銀座線青山一丁目駅ホームにおいて、盲導犬を連れた視覚障害者の男性の死亡事故が発生しました。その後も大阪や埼玉、三人の視覚障害者の方が事故で亡くなられております。ホームドアが整備されていればというふうに思われた国民も多かったと思います。
 東京メトロでの事故を受けて、国交省には駅ホームの安全性向上のための検討会が設置されて、ホームドアと内方線付きの点状ブロックの整備などの加速化を図っていただいていることは承知しております。また、ホームドアの整備を進めていく上で、コストの面や列車の扉の開閉位置の違いなどに伴う技術面での課題が存在しており、その解消に向けて新たな技術開発が進められています。その導入促進によって整備コストの低減などを図り、整備の前倒しに効果を発揮することが期待されております。
 新型ホームドアのうち工事費用が安価なロープやバーみたいなものを使った昇降式のものは、開くところが大きくて、視覚障害者の方々からドアの位置を把握しづらいといった意見も出ています。こうした課題を解消すべく、国土交通省でも、カメラで盲導犬や白いつえを検知して、スピーカーからの声で、今度は音声で乗車位置まで誘導するシステムなどの開発も進めていると聞いております。ソフト面の対策では、駅員らによる対応の強化、声掛け、誘導案内といった取組が行われていますと。
 それから、昨年十二月、駅ホームにおける安全向上のための検討会、この中間取りまとめでは、ホームドアについては利用者十万人以上の駅について優先的に整備し、車両の扉の位置が一定であるとかホーム幅を確保できるといった整備条件を満たしている場合は原則として平成三十二年度までに整備するとの目標を掲げています。
 そこで、石井大臣にお伺いします。
 利用者十万人以上の駅でもいまだホームドアのない駅の整備に向けて、技術上の改善方法や財政的な支援措置などについてどのようにお考えか、よろしくお願いいたします。
#98
○国務大臣(石井啓一君) ホームドアは列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことが重要であると認識をしております。
 国土交通省におきましては、昨年八月の視覚障害者の方の転落死亡事故を受けて設置をいたしました駅ホームにおける安全性向上のための検討会におきまして、昨年末にハード、ソフト両面における総合的な転落防止対策の取りまとめを行ったところであります。
 その中で、ホームドアにつきましては、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅のうち、車両の扉位置が一定などによりホームドアが整備可能な駅については原則として平成三十二年度までに整備を行うとともに、車両の扉位置のふぞろいなどの課題に対応可能な新型ホームドアの技術開発を推進し、その導入を促進することとしております。
 国土交通省といたしましては、この取りまとめを踏まえまして、ホームドアの整備費用に対する助成や新型ホームドアの技術開発への支援を行ってまいります。さらに、技術開発の過程で蓄積されました知見、ノウハウをまとめました新型ホームドア導入の検討の手引を作成をいたしまして鉄道事業者に周知を図るとともに、国土交通省と鉄道事業者等によるワーキンググループを設置をいたしまして、新型ホームドアの普及促進に向けた取組を進めているところであります。
 今後とも、こうした取組を進めることによりまして、ホームドア整備の加速化を図ってまいりたいと考えております。
#99
○竹内真二君 コスト面の課題とか技術的な面とか諸課題あると思いますけれども、混雑している駅では待望しておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、観光分野についてお伺いします。
 昨年我が国を訪れた外国人旅行者数は二千万人を突破して、過去最高の二千四百四万人を記録しております。本年も十一月四日の時点で既に昨年の旅行者数を超えたとの発表がありました。
 政府においては、昨年三月に明日の日本を支える観光ビジョンを取りまとめ、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人にするとの新たな目標も掲げております。その実現に向けて、観光資源の再整備、訪日プロモーションの強化など、様々な施策に取り組んでおります。
 一方で、訪日外国人の急増に伴って、一部の地域では地域住民の生活にかなり影響が出ている事態も生じております。例えば、京都や鎌倉、こういった人気の観光地では、観光客の車やバスが押し寄せて道路渋滞が発生すると。公共交通機関もしかりで、京都駅前のバスターミナル、もう長蛇の列ができており、一般の利用者からはなかなかバスに乗れない、バスの運行も遅れると、こういった声が上がっています。
 マナー面でも非常に摩擦が生じて、特に民泊については、近隣住民との間でルールを守らないごみ出しの問題であるとか騒音といったトラブルも起きております。また、私有地に入っての写真撮影を行ったりとかそういったケースも見られて、ホームや電車内でのマナーといったところでのトラブルも起きていると聞いております。
 観光は裾野が広い分野であって、経済効果や地方創生の観点からは非常に重要な役割を担っています。それは十分承知しておりますけれども、今後は、この訪日外国人の急増に伴う地域住民への様々な影響も踏まえての取組というのが同時に求められてくると考えております。
 このような考え方も踏まえて、訪日外国人旅行者数四千万人への目標に向けての観光庁長官の御所見、御決意をお伺いします。
#100
○政府参考人(田村明比古君) お答えします。
 昨年三月、政府は明日の日本を支える観光ビジョンを策定いたしまして、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年四千万人にすること等を新たに目標に掲げまして、政府一丸、官民一体となって取り組んでいるところでございます。
 観光は地方創生の切り札でございまして、今後の目標達成のためには、我が国の豊富な観光資源を開花させ、裾野の広い観光を実現することによりまして、日本の隅々に至るまで外国人旅行者の来訪、滞在を促進することが必要不可欠であります。
 一方で、急速な外国人旅行者の増加に伴い、地域住民の生活環境との共存が課題となりつつあることから、今後、訪日外国人旅行者数が更に増加する状況においても、持続可能な形で質の高い観光立国を実現していくことが重要であると認識しております。
 このため、観光庁といたしましては、観光資源の磨き上げ、受入れ環境の整備、海外へのプロモーション等により地方への誘客を促進するとともに、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業者に対する苦情対応等の義務付け、訪日外国人旅行者へのマナーの周知徹底等の対策に取り組んでまいります。
 また、観光ビジョンに掲げられた施策を各地域において具体的な取組として推進するため、関係省庁の地方機関、地方自治体、民間事業者等を構成員とする観光ビジョン推進地方ブロック戦略会議、これ各ブロックごとに今年度に設置したところでございまして、受入れ環境の整備など各地域の課題解決に向け、関係省庁等と密接に連携し、取組を加速してまいりたいと考えております。
#101
○竹内真二君 続いて、またお聞きしますけれども、観光で、今度は東北なんですけれども、昨年の東北六県における外国人の延べ宿泊者数の方ですけれども、これは震災前の平成二十二年の数字を一〇〇とすると一二八・三%、このようになっておって、震災前の水準を上回ったものの、全国平均は二十二年比で二四六・二%。こう考えると、やはりまだ東北は全国的なインバウンドの流れからは大変後れを取っていると。
 政府は、平成三十二年に東北六県の外国人延べ宿泊者数を平成二十七年の三倍に当たる百五十万人泊とすることを目標としており、東北の観光復興に向けた取組を更に進め、インバウンド急増の効果を東北へ波及させていかなければならないと思います。
 私も先日、国会議員として初めて福島を訪問して、飯舘村の道の駅、までい館といいますけれども、訪問しましたけれども、大変にすばらしい施設で、地元でも外からも大変人気を博しているというふうに聞いておりますけれども、しかし、福島全体においては、昨年の外国人延べ宿泊者数というのは震災前と比べて八一・八%、ここにとどまっておって、やはり原発事故の影響による風評被害からは必ずしも抜け出しておりません。
 そこで、政府は、今年も東北観光復興の予算をしっかりと確保して、いろんな施策を講じて東北への誘客を支援していますけれども、また、本年七月には、復興大臣の下、関係府省庁から成る風評被害を含む影響への対策タスクフォースを開催して、これまでの風評対策の検証、課題の洗い出し、風評対策の強化等についても検討していると伺っております。このタスクフォースにおいては、復興大臣の方から、東北の魅力発信の強化、福島への教育旅行回復への対策など、被災地への観光誘客の一層の促進に努めるということも指示されております。
 そこで、お伺いします。政府がこうした取組を進めていることは承知しているものの、やはり風評被害対策を含め、インバウンド増加の効果を十分に享受できるように、どのように福島を始めとする東北地方への誘客を進めていくのか、お考えをお伺いします。
#102
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘のように、東北地方における外国人の延べ宿泊者数は、一昨年に震災前の水準に戻ったものの、全国の水準に比較すると伸び率は必ずしも高くない状況でございます。
 このため、昨年を東北観光復興元年として、二〇二〇年に東北六県の外国人延べ宿泊者数を百五十万人泊とする目標実現に向けて、東北観光復興対策交付金を昨年度に創設しております。この中では、レンタカーを活用した東北周遊観光を促進するための多言語ホームページの作成でございますとか、雪景色の観賞や体験などを盛り込んだ冬の観光コンテンツの商品化支援、あるいは日本三景の一つである松島における多言語観光案内看板の設置などの地域が実施する取組を支援しているところでございます。
 また、政府観光局による全世界を対象としたデスティネーションキャンペーンとして、海外の著名人を活用した知名度向上、それからメディアや旅行会社の招請、オンライン旅行会社等と連携した送客促進などを行いまして、東北の魅力を海外に発信し集中的なプロモーションを実施しているところでございます。
 こうした効果もあって、昨年、東北地方への外国人宿泊者数は、一昨年から二割以上、約六十五万人泊に上っておりまして、特に福島県に関しては一昨年から五割近く増加しているところではございます。
 それから、国内でございますけれども、福島県における風評被害対策及び震災復興に資する観光関連事業として、イベント開催等による国内プロモーションや、関係者を福島に招待して実態を見ていただく教育旅行再生事業等に対する支援を行っているところでございまして、この結果、昨年の福島県への観光入れ込み客数、これは震災前の九二・三%まで回復してきているところではございます。
 今後、二〇一九年に開催されるラグビーワールドカップや復興五輪と位置付けられる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機会も十分活用しながら、福島県を始めとする東北の観光復興を加速させてまいりたいと考えております。
#103
○竹内真二君 もう一点、観光についてですけれども、近年、訪日旅行者の増加に伴って宿泊先のニーズも多様化していまして、快適な高級ホテルを求める方もいれば、安価で最低限度の設備があればいいというふうに考える旅行者もいます。今後は様々なニーズに合った宿泊施設の提供がされるべきと考えます。
 報道によれば、訪日旅行者の中には、車中で寝泊まりができる夜行バス、それからレンタルキャンピングカーといったものの人気が高いといいます。キャンピングカーの場合、車中泊ができる駐車スペースとしてオートキャンプ場やRVパークを利用する方も増えています。RVパークというのはキャンピングカー利用者の車中泊施設で、充電用の有料AC電源や二十四時間利用可能なトイレなどを完備しているんですが、社団法人日本RV協会が認定を行っており、現在百二件が認定されているといいます。ちなみに、休憩施設である道の駅や高速道路のサービスエリア、パーキングエリアでは宿泊目的の利用ができないこととなっているようで、最近では道の駅にRVパークを併設、整備することで利用者数の増加を図る動きも出てきているといいます。
 RVパークを増やすなどの支援というのは、訪日旅行者の受入れ環境整備になって日本人旅行者の利用増、国内観光の活性化にもつながると思いますが、ここでお聞きします。
 宿泊ニーズの多様化が進む中で、ホテル、旅館や民泊に限られず、こういったキャンピングカーによる車中泊といった旅行者のニーズへの対応も含めた多様な環境整備についての支援が必要となってくると思いますが、御所見をお伺いします。
#104
○政府参考人(田村明比古君) 現在、訪日外国人観光客の急増に伴いまして、東京、大阪を中心とした都市部のホテルの稼働率が高い水準で推移をしていますとともに、特に訪日外国人観光旅客の間では、日本人と交流しその生活を体験したいというニーズや、それから、できるだけシンプルでリーズナブルなもの、それから、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズなど、多様なニーズが存在しているところでございます。
 こうした宿泊需要の増大、ニーズの多様化への対応のため、まずは健全な民泊の普及を図ることを目的とした住宅宿泊事業法が本年六月に成立し、今後は適切な規制の下で健全な民泊サービスの普及が期待されます。また、委員御指摘のとおり、キャンピングカーの利用といった車中泊などのニーズがあることについても承知をいたしております。
 観光庁といたしましても、引き続き関係省庁及び関係局とともに多様な宿泊サービスの提供も含めた受入れ環境の整備を推進して、明日の日本を支える観光ビジョンに掲げられた目標の達成を後押しし、真に世界に開かれた観光先進国日本の実現を図ってまいりたいと考えております。
#105
○竹内真二君 最後の質問になります。
 厳しさが増している最近の我が国の周辺海域をめぐる状況についてお伺いをします。
 沖縄県の尖閣諸島周辺地域では、中国公船の大型化、武装化が確認されているというふうな報道もされておりますが、毎月のように中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入が続いております。また、もう連日今テレビでやっておりますけれども、石川県の能登半島沖の約三百キロの海域に広がる大和堆、我が国の排他的経済水域でありますが、この周辺海域においては、北朝鮮漁船による違法操業が繰り返されています。しかも、先月からは、北海道から北陸方面にかけての日本海沿岸に北朝鮮からと見られる木造船が相次いで漂流、漂着し、十一月だけでもこの漂流、漂着の確認件数というのは二十八件に上ると、こうなっております。こうした様々な事態が発生し、漁業関係者からも不安の声が上がっている現在、海上保安庁の任務、役割はますます重要となっています。
 海上保安庁の体制を強化し、適切に対処していく必要があると考えますが、緊張感が高まる我が国周辺海域における海上保安庁の今後の対応についてお伺いします。
#106
○政府参考人(中島敏君) お答えをいたします。
 海上保安庁の体制強化につきましては、昨年十二月、尖閣諸島周辺海域を始めとする我が国周辺海域の厳しい状況を踏まえまして、関係閣僚会議において海上保安体制強化に関する方針が決定をされ、同方針に基づき体制の整備に着手をしてまいっております。
 一方で、依然として尖閣諸島周辺海域では中国公船が荒天を除きほぼ毎日接続水域に入域している状況や、日本海の広い海域では多数の北朝鮮漁船を視認しており、さらには、北朝鮮船籍の漁船の漂流、漂着など、我が国周辺海域を取り巻く状況はますます激しさを増しております。
 このため、同方針に基づきまして、三十年度概算要求におきまして、こうした状況に対応できるヘリ搭載型の巡視船を含む大型巡視船二隻、新型のジェット機一機の増強、必要な要員の確保などを盛り込んでおります。
 今後とも、その時々の情勢の変化を踏まえまして、尖閣諸島周辺海域の警備と大規模事案の同時発生に対応できる体制の整備など体制強化を着実に進め、領土、領海の堅守、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいりたいと思います。
#107
○竹内真二君 初質問、清聴ありがとうございました。終わります。
#108
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 学校法人森友学園への国有地の売却に関わって会計検査院が報告書を参議院に提出し、政府による八億二千万円の値引きが根拠が不十分、ごみがあるとした面積も深さも混入率も十分な根拠が確認できないと指摘をされています。大臣は、繰り返し重く受け止めると述べています。
 ところが、この場でも伺った大臣所信では一言も触れておりませんし、それどころか、先日の予算委員会では、我が党の辰巳孝太郎議員の質問に対し、九・九メートルまでごみがあった可能性はあると言い張り、まるで検査院の指摘を否定するかのような答弁でした。
 大臣は、今後改めるということはいろいろおっしゃるんですけれども、本件については検証する必要はないと、こう考えているということなんでしょうか。
#109
○国務大臣(石井啓一君) 森友学園の国有地売却に関しまして、参議院からの要請に基づき、独立した行政機関である会計検査院による検査が行われてきておりまして、これまで国土交通省としても最大限の協力をしてきたところでございます。
 今回、会計検査院からは、仮定の仕方によっては処分量の推定値は大きく変動する状況にあることなどを踏まえれば、撤去処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていた、文書の一部が保存されておらず、詳細な内容を確認することができないなどについて指摘されているところでありまして、国土交通省として、その結果については重く受け止めなければならないと考えております。
 国土交通省といたしましては、この検査結果や国会等での御議論も踏まえまして、今後、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
#110
○山添拓君 やっぱり、やるとも、その検証、検討するともおっしゃらないんですね。
 大臣は記者会見では、第三者的な検査院の調査は十分な調査であって、それ以上の細かい調査を国交省でできるとは思わないと、こう述べております。そうであれば、ずさんな算定で不適切だったということを認めて、まず国民に対して謝罪をするべきじゃないですか。大臣、どうですか。
#111
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、売主の責任が一切免除されるとの特約を付けることを前提にいたしまして、その実効性を担保するため、既存の調査、大阪航空局等が実施をいたしました既存の調査に加えまして、工事関係者からの新たなごみの報告や職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであります。こういった当時の前提や経緯を踏まえまして、さきの通常国会では、事実関係の整理を基に、適切な見積りであると御説明をしてきたところでございます。
 会計検査院の報告書では様々御指摘をされておりますけれども、大阪航空局の見積りは、売主の責任が一切免除されるとの特約を付すことを前提に、限られた時間の中、検証、見積りを報告をしなければならないという状況下で行われたぎりぎりの対応であったと認識をしてございます。
 しかしながら、今般の会計検査院の御指摘は重く受け止め、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
#112
○山添拓君 全く反省ないんですよね、重く受け止めたと言いながら。これ、国民は決して納得しておりませんので、よくそれは受け止めていただくべきだと思います。
 この不適切な事態が国側と森友側の口裏合わせの末に行われたという事実が明らかにされています。二〇一六年三月下旬から四月、財務省、航空局、森友学園が協議をし、三メートルより深いところにごみがあったことにしようと談合する模様を示した音声データについて、財務省はその存在を認め、昨日、衆議院国土交通委員会で我が党の宮本岳志議員が質問したのに対し、大阪航空局補償課長外一名が同席したと認めています、鉢呂議員からの質問にもあったとおりです。この補償課長は何という方ですか。
#113
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 議員の御指摘の打合せは三月から四月にかけての森友学園との打合せと思われますけれども、この打合せに出席していましたのは、昨日私から答弁いたしましたとおり、大阪航空局の補償課長と担当一名でございまして、その補償課長の名前は永尾課長という者でございます。
#114
○山添拓君 ようやく名前を明らかにされたんですね、航空局側の人間でこの場所に同席した方。この永尾さんですが、今も同じ役職ですか。
#115
○政府参考人(蝦名邦晴君) はい、引き続き在籍をしております。
#116
○山添拓君 ストーリーだとか、そんなところでつくりたいとか、そういった発言の場に居合わせた方です。
 委員長、口裏合わせの実態を明らかにするためには出てきていただく必要があると思います。この場でも証人喚問して話を聞けるようにしていただきたい。
#117
○委員長(野田国義君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#118
○山添拓君 我が党はこの問題を引き続き追及いたしますけれども、全く反省がないという姿勢をまず改めていただくということは最低限必要だと考えます。
 さて、今日は、それとは別のテーマで、建設業界の働き方に関わって質問をさせていただきます。
 資料をお配りしております。一枚目、今年の三月、新国立競技場建設工事の現場監督だった二十三歳の男性が失踪し、四月に遺体で発見された問題で、十月六日に新宿労基署が労災認定をいたしました。労基署の調査で確認されただけでも、失踪前一か月の時間外労働約百九十時間。過労死ラインを大幅に超える残業の末に精神疾患を発症し、入社して一年もたたずに命を落としました。
 政府は、工事の発注者として、この事態どう考えていますか。
#119
○大臣政務官(新妻秀規君) 山添委員に御答弁いたします。
 新国立競技場の整備事業におきまして、本年三月、下請事業者の従業員が過労により自殺するという事案がありました。亡くなられた方に対して心より哀悼の意を表するとともに、御遺族に謹んでお悔やみを申し上げます。
 発注者である日本スポーツ振興センターでは、元請事業者である大成JVに対し、かねてより適切な労務管理を要請してまいりました。また、本年九月までに労働基準監督署から元請及び下請の一部事業者に対し、時間外労働が一か月八十時間を超えたケースがあること、そして労働時間の把握が不十分であることなどが指導されました。これらを踏まえ、大成JVにおきまして、全従業者の健康管理に係る取組として、一つ、現場内に健康相談室を設置し医師や看護師を配置すること、二つ、原則二十時閉所を徹底するなど時間外労働を短縮化することなどに取り組むとしております。
 あわせて、先日開催されました新国立競技場の関係閣僚会議におきまして、日本スポーツ振興センターからこれら大成JVの取組について説明するとともに、このようなことが二度と起こらないよう大成JVに法令遵守の徹底を求めていく旨の発言があったところです。
 文部科学省といたしましても、今回の健康管理に係る取組が着実に実施されるよう、厚労省、国交省など関係省庁と連携しつつ、しっかりと指導してまいります。
#120
○山添拓君 工事計画の白紙撤回で、一年余り遅れて着工をしています。工期が圧迫されているというのが共通認識だという現場監督の声もございます。ずさんな工事費の膨張と計画変更が大本にある。オリンピックを理由に労働者が犠牲になることはあってはならないということを強調したいと思います。
 厚労省は、この件を受けて、新国立競技場建設現場に対する監督指導を行っています。資料の二ページに、監督指導がされた百二十八事業場のうち三十七で違法な時間外労働があった、このうち一か月八十時間を超える違法残業が指摘されたのは十八事業場とあります。一方、過重労働による健康障害防止のためとして、一か月八十時間を超える時間外労働を理由に指導したのは三十七事業場となっています。
 三十七のうち十八は違法だと、残りの十九事業場は八十時間を超える時間外労働でも違法ではないということなんでしょうか、指導はどういう趣旨のものか、お願いします。
#121
○政府参考人(田中誠二君) 今回の新国立競技場建設現場に対する監督指導において、御指摘の十九事業場につきましては時間外労働がいわゆる三六協定の範囲内でございまして、違法な時間外労働とは認められなかったものでございます。
 なお、違法な時間外労働が認められたか否かにかかわらず、一か月八十時間を超える時間外・休日労働が行われていることを認めた場合には、過重労働による健康障害を防止するという観点から、労働基準局長通達に基づきまして、これを一か月八十時間以内に削減するように指導をさせていただいているところでございます。
#122
○山添拓君 亡くなった男性が勤務しておりました大成建設の一次下請の三信建設ですが、ここも月八十時間まで残業を認める三六協定が締結をされていました。しかも、会社は当初、残業時間は労使協定の範囲内だと、こう主張し、過労死ラインをはるかに超える残業をしながら過少申告をさせて、実態を隠していました。
 今ありましたとおり、八十時間を超える三六協定も結ばれている。かつ、建設業では、現在の月四十五時間、年間三百六十時間という三六協定の限度基準、厚労大臣告示は適用除外とされてきました。この結果、資料の三枚目ですが、新国立競技場の建設を受注した大成建設は月百五十時間、年間千二百時間もの三六協定を結んでいます。厚労省の調査でも、今ありましたとおり、新国立の現場で八十時間を超える残業を認める事業場が多数存在していたと。その中でこの過労自死事件が起きています。
 大臣、建設業を所管する大臣として、今回の事態どう認識されているか、お願いします。
#123
○国務大臣(石井啓一君) 新国立競技場の建設現場におきまして、入社一年目の男性が、長時間労働による過酷な状況の中、自ら命を絶つという痛ましい事案が発生したことは大変に遺憾であります。改めて御冥福をお祈りするとともに、遺族の方々に対し心よりお悔やみを申し上げます。
 建設業におきましては、週休二日の確保が十分でないなど、就業者の長時間労働が生じておりまして、その是正に向けた働き方改革の必要性を改めて痛感しているところでございます。
#124
○山添拓君 政府の働き方改革実行計画、ここでは、時間外労働の罰則付き上限規制を建設業については改正法施行の五年後まで適用除外としています。もっとも、政府案は、これ繁忙期であれば一か月最長百時間、あるいは二か月から六か月の平均で八十時間の時間外・休日労働を可能とする、これは過労死ラインの合法化にほかなりません。繁忙期だからといって過労死するほど働かせてよいことにはなりません。
 安倍首相は少子高齢化は国難だとおっしゃっていますけれども、若者が仕事を理由に命を絶つ、過労死や過労自殺なくすということは最優先であるにもかかわらず、不十分どころか抜け穴だらけの計画だと言わなければなりません。
 資料の四ページを御覧ください。精神障害で労災認定された件数に占める自殺の割合は、建設業が全産業の中で最も高いんですね。にもかかわらず、資料の三枚目にございますが、大成だけでなく、大林組月百五十時間、清水建設百時間、積水ハウス八十時間、鹿島建設三か月三百二十時間、大和ハウス八十時間。大臣、こういう実態を放置するおつもりなんでしょうか。
#125
○国務大臣(石井啓一君) 本年三月の働き方改革実行計画では、建設業につきまして、改正労働基準法の施行から五年後に時間外労働の上限規制が適用されることというようになってございます。建設業におきましては、就業者の長時間労働が生じている実態がございますことから、この猶予期間中におきましても、五年を待たず、その是正に向けた取組を強力に推進していく必要があります。
 このため、政府におきましては、本年八月に、発注者、受注者の双方が守るべきルールといたしまして適正な工期設定等のためのガイドラインを策定したところであります。このガイドラインが公共工事のみならず民間工事にも浸透するよう、これまで、鉄道、住宅・不動産、電力など業態別の連絡会議を順次開催するなど取組を進めているところであります。
 また、日本建設業連合会が時間外労働の適正化に向け自主規制の試行を始めとする働き方改革四点セットを策定するなど、建設業界を挙げた取組も進みつつあります。
 引き続き、この五年の猶予期間中においても、建設業における長時間労働の是正に向けましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#126
○山添拓君 先ほど申しましたとおり、五年後に過労死ラインの合法化では大問題だと思います。原則はあくまで一日八時間、一週四十時間であり、例外は大臣告示にある月四十五時間、年三百六十時間のみとすべきだ、これは健康障害の防止のためだということを強調しておきたいと思います。
 今大臣がおっしゃったガイドラインですが、ここでは、上限規制の導入に向けて、週休二日の確保のために適正な工期の設定を進めるとしています。資料の五ページにございます。
 ところで、建設業では日給月給、日給月払が当たり前で、一日仕事に出て初めて賃金が出る。週休二日は賃金に直接影響することになります。
 先日、私は都内で、大工七年目の二十代後半の男性からお話を聞きました。戸建て住宅を扱う工務店に勤務されていて、日曜以外は休みはない、毎日七時半、八時から夕方六時頃まで、月二十六日働いて給与二十七万円、そこから社会保険、年金、道具代、ガソリン代、これ出していきますので、手元に残るのは六、七万円だ、昼食代引きますと自由に使えるお金は三、四万円だ、こうすると、独り暮らしの余裕は全くなく、実家から通うしかないというお話でした。これが週休二日になって、その分働けない、給料入らないとなりますと月四万とか五万減ると。もう暮らしていけないという状況になってしまいます。
 ガイドラインの十ページには、建設業における週休二日の確保等に当たっては、日給制の技能労働者の処遇水準の確保に十分留意するとあります。週休一日が週休二日になっても現在の月当たりの収入、これ確保するという意味でしょうか。大臣、御答弁お願いします。
#127
○国務大臣(石井啓一君) 一般論といたしまして、日給月給制の場合、週休二日の導入により労働者の勤労日数が減少し、収入が減る可能性があることを懸念する声があることは承知をしてございます。
 このため、ガイドラインにおきましては、そのような懸念に応えるため、週休二日の確保等に当たっては、日給制の技能労働者等の処遇水準の確保に十分留意すると記載をいたしまして、受注者、発注者に対してそれぞれ取組を促すこととしたものであります。
#128
○山添拓君 これ、はっきりさせるべきだと思うんですね。
 公共でも民間でも、週休二日を推奨するにもかかわらず賃金が大きく下がるということでは実効性期待できないと思います。
 日建連からも、日給月給の技能者の総収入を減らさないということが方針として示されているところです。
 今、国交省が公共工事の設計労務単価を算出する際には、標本となっている工事、実際の公共工事の現場の実態、これは四週五休だと、おおむね週休一日の状況だと伺います。ですから、公共事業で今後週休二日を確保した上で日給制の技能労働者の処遇水準を確保するということは、これ設計労務単価上げるしかない。上げるということか、大臣、お答えいただけますか。
#129
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。
 公共工事の設計労務単価についての御質問でございますけれども、公共工事の設計労務単価は、国等が発注する公共工事の予定価格における労務費の積算に用いることを目的とするものでございます。このため、全国における国交省、農林水産省等の公共工事から一定の基準で選びまして、建設労働者等の賃金支払実態について調べまして、その実勢を反映した水準となるように改定をしております。
 本年度の労務費調査につきましては、週休二日の導入等の休日拡大に伴う賃金支払の実態について、適切に公共工事設計労務単価に反映できるようにするため、休日拡大に伴う手当の支払状況等の調査項目の追加を行っております。
 今後、この調査結果を踏まえまして必要に応じて検討いたしまして、年度末に向けて取りまとめ、設計労務単価の改定を行ってまいりたいと考えております。
#130
○山添拓君 重層下請構造の下で、この問題、更に深刻だと思います。
 資料の六ページにございますが、全建総連東京都連の賃金実態調査です。設計労務単価と常用雇用の金額の差、大工でいえば、二〇一六年六千九百二十八円が、二〇一七年の速報値では七千二百三十六円と、設計労務単価は上がっても、現場には十分に行き渡らず、むしろあるべき金額との差が広がっていると……
#131
○委員長(野田国義君) 時間が来ましたので、まとめてください。
#132
○山添拓君 はい。
 最後に、大臣にお願いしたいんですが、昨年十二月六日、当委員会で私は、下請各層の賃金実態調査すべきだと、こうお願いをしまして、先ほどもありましたとおり、今、賃金の実態を調査しながら適切に対応していくと、こういうお話になっていると伺っています。
 大臣に最後にお願いしたいのですが、調査結果を踏まえて、下請や再下請で働く技能労働者一人一人にまで賃金や単価、きちんと行き渡るよう指導していくということをお約束いただきたいと思います。
#133
○委員長(野田国義君) 答弁は簡素にお願いいたします。
#134
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましても、設計労務単価の上昇が現場の技能者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、建設業団体に対し繰り返し適切な賃金水準の確保を要請してきたところでございます。
 引き続き、適切な賃金水準を確保し、現場の技能者の処遇改善につながるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
#135
○山添拓君 終わります。
#136
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 早速質問に入りますが、日産、そしてスバル、神戸製鋼、この事件といいますか、質問をさせていただきたいと思いますが、御承知のとおり、日産の場合、任命されていない検査員が合否を判定するという、ちょっと想像できないようなことであります。そしてまた、国交省も自動車メーカーに対して、このようなことが他社で行われていないのか調べるために二十四社に対して通知を出したようでありますけれども、スバルが同じような不正な取扱いがあったと、そういう報告があったようであります。また、それに準じてというか、神戸製鋼所が過去一年間に出荷した製品を対象に、自主点検ということになっておりますけれども、緊急の品質調査、ここででたらめな証明書の改ざんがあったという、これは日本を代表する一流企業でありまして、日本の製造業、またこの品質管理というのは世界が認めるところで、高い評価をされているということであります。
 それをおとしめるような不祥事が続いたということで、非常に私もこれから先といいますか、不安を感じておりますが、ここで大臣にお尋ねをさせていただきますが、この国の抜き打ち調査、国が動くことになった発端、これをまずお聞きしたいことと、続けて、今回のこの不祥事、不正の事案を大臣がどのように受け止められているのか、そして、この実態解明にどう取り組んでいき指導していこうとされておるのか、大臣のお考え、御所見をお聞きをしたいと思います。
#137
○国務大臣(石井啓一君) 型式指定車の完成検査におけます一連の不適切事案につきましては、国土交通省が九月の十八日に実施をいたしました日産車体湘南への立入検査をきっかけに発覚をしたものでございます。ただ、この立入検査をすることとなった発端、経緯につきましては、事柄の性質上、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。国土交通省では、先般の三菱自動車燃費不正事案を踏まえました道路運送車両法改正によりまして、立入検査の具体的な手法を継続的に見直し改善しているところ、今回の不適切事案の発見はその結果であると考えております。
 日産自動車及びスバルにおけます完成検査における不適切な取扱いは、自動車ユーザー等に不安を与え、かつ自動車型式指定制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾であります。両社に対しましては、事案の徹底的かつ詳細な調査を実施し、事実を包み隠さず明らかにするとともに、報告するよう指示しておりまして、日産自動車からは十一月の十七日に事実関係の調査結果及び再発防止策に関する報告があり、スバルに関しましても今後同社から報告がなされますが、この両社には再発防止策の着実な実施を強く指導するとともに、一連の事案につき必要となる対応については厳正に対処してまいりたいと考えております。
#138
○室井邦彦君 くどいようでありますけれども、日本のいわゆるトップクラスの企業であります。ひとつしっかりとした御指導をよろしくお願いをしたいと思います。
 また、何が原因でこのような調査に入られたのかということは、もちろん大臣の口からはお答えはできないでしょうけれども、次の質問の中で関連で触れさせていただきますけれども、自動車局長がお答えいただけるようでありますけれども、内部通報制度の充実というのも、これは非常に大切なことではないのかなというふうに思います。
 非常に難しいことでありますけれども、やはり企業コンプライアンス確立や企業のガバナンスの機能の強化が最も重要であるというふうに思っておりますし、今大臣にも同じようなお答えをいただきましたけれども、この不正の温床となる企業の風土、過去にも幾つかこういうことがございました。いまだにこのような、まさかこれが日本人の体質とは私は申し上げませんけれども、やはりしっかりと、物づくりは世界に冠たるものもございます。この辺はしっかりと強い姿勢でやはり指導をしていただきたいと思いますが。
 ところで、この完成車両の検査体制の見直し、これは、無資格の従業員が完成車両を検査できる制度の欠陥、これが長年にわたって放置していたという結果については、私は、行政、国土交通省も少なからず責任があるんじゃないのかなと、このように思っております。今後の取組、どういう指導をされていくのか、局長、お答えいただけますか。
#139
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 自動車を運行の用に供しようとするときは、道路運送車両法上、国土交通大臣に現車を提示をいたしまして新規検査を受けて、その構造や装置が保安基準に適合することの確認を受けなければならないということとされております。
 いわゆる型式指定を受けた自動車につきましても、その構造や装置が安全性、環境面に関する保安基準に適合するものでなければ運行の用に供してはならない点は同様でありますが、新規検査に関しましては、大量生産車に対する手続の合理化といった観点から、型式指定を受けた者が完成検査を行うことにより保安基準適合性を確認することとしたものでありまして、型式指定車の完成検査は、国が行う新規検査に代わるものとして確実に実施される必要があるものでございます。
 なお、自動車メーカー等が行います完成検査におきましては、一定割合の基準不適合車が検出もされておりまして、その実施は自動車の安全確保のために必要不可欠なものと考えております。また、完成検査時に発見した不具合を発端としてリコール届出に至る事例も報告をされております。
 このような中、複数の自動車メーカーにおきまして完成検査の不適切な取扱いがあったことを踏まえまして、十一月二十一日、自動車局において、自動車工学、生産管理、法制度などにお詳しい学識経験者にも参画していただきまして、適切な完成検査を確保するためのタスクフォースというものを設置をいたしました。
 このタスクフォースにおきまして、日産自動車からの報告内容でありますとか今後報告されるスバルの調査内容、立入検査、また、他の自動車メーカー等の完成検査手法を精査しながら、完成検査について自動車メーカーにおける確実な実施と不正の防止、また、私どもの立入検査の在り方について見直すべき点がないか、しっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
 このタスクフォースにつきましては、十一月二十八日に第一回を開催いたしましたけれども、今後、自動車工業会でありますとか日本自動車輸入組合などの関係団体へのヒアリング等も踏まえながら議論を深めまして、合計四回程度タスクフォースを開催し、年度内には一定の取りまとめが行えるよう進めてまいる予定でございまして、その際には、新たな検査方法の開発でありますとか、自動化の状況なども踏まえて検討を行う必要があるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今後タスクフォースにおける検討を進めまして、不適切事案の再発防止を徹底すべくしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#140
○室井邦彦君 局長、くれぐれもよろしくお願いを申し上げます。内部通報制度の拡充、この充実をしっかりとお願いをしていきたいと思います。
 次に、航空経路の見直しについて御質問をいたします。
 先ほど来出ておりますけれども、二〇二〇年の東京パラ・オリンピックの対応、そしてまた更にその先を見据えて、観光立国を国策として今頑張っておられますけれども、その中で、何とこの発着枠が七十五万回から八十三万回、その先を見据えて今度は八十三万回から百万回の航空の需要というか、処理をしていこうという、こういう拡大をするということで、非常に頼もしく、すばらしく感じております。
 しかしながら、ハードの面においてもソフトの面においてもこれは大変なことであって、滑走路の延長や増設、これはハードの面でありますけれども、また、ソフトの面では飛行経路管制運営方式の見直し、また、管制空域の再編成などを考えるとソフトの面でも大変な作業をしていかなくちゃいけない、こういうふうに感じておりますが。
 こういう状況下の中で、この飛行経路の見直しについては、時々報道関係でも、東京都、またその自治体、また地域住民の、ぶら下がりでいろいろと感想を聞かれている中で、やはり地域住民はいい顔をしていないと。そういう不服、心配、最近特に飛行機からの落下物も、かなり多く落下物があるようでありますけれども。
 そういうところで、これだけの膨大な計画を、百万回、地域住民との話がうまく進んでいるのか、これは非常に難しいことで、とんとんとんといくようなことはないと思いますけれども、現状の進捗状況をお知らせいただければ有り難く思います。
#141
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 国土交通省といたしましては、観光ビジョンの目標である二〇二〇年訪日外国人旅行者四千万人の達成、首都圏の国際競争力の強化、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な実施のためには羽田空港の発着枠の拡大が必要不可欠と考えております。
 飛行経路の見直しの実現のためには、今先生御指摘のとおり、住民や関係自治体の方などに丁寧な御説明を行い、できる限り多くの方々に御理解をいただくことが重要であります。住民の皆様に対しましては、一昨年の七月より、これまで三巡、延べ百十一日間にわたりまして延べ五十会場においてオープンハウス型の説明会を開催し、一万三千人を超える方々に御参加をいただくなど、丁寧な情報提供に努めてまいりました。
 先月十一月一日からは、新たに四巡目となる住民説明会を開催をいたしております。四巡目となる説明会では、これまでに御説明をしてまいりました羽田空港の機能強化の必要性や方策に加えまして、これまでの説明会における住民の方々からの御意見なども踏まえた丁寧な説明を行っております。
 具体的には、滑走路の着地点を海側にずらすことなどによる飛行高度の引上げや低騒音機の導入促進など騒音の低減策、落下物の未然防止策の強化や事案発生時の対応強化などの総合的な落下物対策、また詳細な経路図など、丁寧に御説明をしているところでございます。これまで開催いたしました六か所の説明会では、千四百名を超える住民の方々の御参加をいただいております。
 説明会の中では、騒音や落下物などの不安の声が上がる一方で、羽田空港の利便性の向上に対する期待の声もございます。いただいた御意見は真摯に受け止め、更に多くの住民の方々から御理解をいただけますよう丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。
 また、こうした住民の説明と並行いたしまして、東京都を始めといたします関係自治体への説明や情報提供も行っておりまして、昨年七月に開催されました関係自治体により構成される協議会におきまして、機能強化に必要となる施設整備への予算措置を行うことについて御理解をいただいた上で、今年度から施設の整備にも着手をしております。また、機能強化の取組の進捗や落下物の事案発生など、随時丁寧な情報提供を行っております。
 今後も住民や関係自治体の御理解を更にいただきながら、羽田空港の機能強化の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
#142
○室井邦彦君 御苦労さまです。
 大変な仕事でありますけれども、丁寧なお答えを、また五十回ですか、これからあと何回になるのか分かりませんが、ひとつよろしく、地域住民が納得いくように、ひとつ話を進めていっていただきたいと思います。
 ところで、これ答弁は要りませんが、その落下物を調べるために九か月間、三百六十機を対象に、飛行機の底側を見るんでしょうね、点検する予定でいたものが四十二機しか点検できなかったと。こういう検査をするのは日本の国だけだということで海外の企業とか航空会社は驚いているというか、余り対応に協力していないというようなところもあるようで、当初の計画の三百六十機を対象にしたのが四十二機しかそういう検査ができなかったという、この辺も十分にこれから対応していただきたい、このように思っております。
 続いて、大臣所信にもありましたけれども、観光財源についてお聞きをしたいと思います。三問ほど質問をそろえておったわけでありますけれども、一括して質問をさせていただきたい、お答えをいただきたいと思いますが。
 受益者負担による出入国税、二〇一九年度から導入したいというようなことをおっしゃっておられました。また、新たな新税を導入するということ、これは観光資源を確保するため、また財源確保の手段としてその規模、それを具体的にまたどう検討を進めているのかお聞きしたいことが一点と、そして、先ほど来出ておりますけれども、二〇三〇年ですか、四千万人二〇二〇年、二〇三〇年は六千万人という高みを目指して頑張っておられます。是非、観光立国の成功を我々も応援したい、このように思っておりますが、国が更に推進しようとする取組は何なのかということと、最後の、空港、港湾、CIQ、これは非常に大切なこと、また保安体制の強化を迅速にしていかなくちゃいけないと。
 ここで、検査のときに長い列が、並んで三十分も一時間も二時間も待たされている、難しい顔をして外人の皆さん方がおられると。そういう風景、そういうところを見ると、我々も身を削られるような思いで、日本に来たのはいいけれども、この検査は何だというような嫌な顔、疲れたような顔をされている。そういうことが極力ないようにしっかりと、もちろん新税をそういうところに投入されると思いますけれども、その出入国の環境整備のための具体的なCIQの目標設定などお聞かせいただければというふうに思います。
#143
○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。
 今般の新たな観光財源でございますけれども、観光が成長戦略の柱、そして地方創生の柱となる状況を踏まえまして、昨年三月の観光ビジョンに掲げられた訪日外国人旅行者数二〇二〇年四千万人などの目標達成に向けまして、今後更に増加する観光需要に対して、日本の隅々までストレスのない旅行環境を整備するでございますとか、いろいろなところにある観光資源を開花させるとか、そういうことを始めとして、高次元の観光施策を実行するための財源確保を目的としてお願いしているものでございます。
 本年夏以降、観光庁の下に設置された有識者会議におきまして、関係事業者等のヒアリングを行いながら、本財源の制度設計の検討を行ってまいりました。有識者会議の中間取りまとめでは、本財源について、国際社会における内外無差別原則を踏まえて、税方式により全ての出国旅客から薄く広く負担を求めるべきとされており、近隣アジア諸国との競争環境等に配慮するとともに、財政需要の規模も勘案しつつ徴収すべきとされ、また使途についても、受益と負担の関係から負担者の納得感が得られるようにすべきとされているところでございます。これらに基づきまして要望をさせていただいているところでございまして、現在、与党税調プロセスにおいて御議論をいただいているところでございます。
 御指摘のCIQ体制等につきましては、訪日客が急増する中で、空港での入国審査待ち時間二十分以内を目指しているわけでございますけれども、これらを踏まえて円滑かつ厳格な出入国審査を高度な次元で確保することが課題となっておりまして、これまでも関係省庁連携の下、空港、港湾における数次にわたる要員の緊急増員やバイオカートの導入空港の拡大、あるいは顔認証ゲートの本格導入の検討等、体制整備に取り組んでいるところでございます。
 こうした現状に鑑み、具体的な財源の使途の一つとして、広く出国者全てに裨益する最先端技術を活用したCIQ体制、保安体制、チェックイン手続による安全、安心な出入国手続の円滑化等、空港、港湾の出入国環境の利便性向上を一層進める施策に充てることも検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、仮に財源が確保されることとなった場合におきましては、予算編成過程を通じて、観光を取り巻く各種課題の解決に向けまして、本財源により適切な観光施策が実施できるよう対応してまいりたいと考えております。
#144
○室井邦彦君 済みません、中島長官に御質問をする予定でありました北朝鮮の木造船に対する海上保安庁の対応ということでありますけれども、全く公明党の竹内真二議員が同じことを質問されましたので、私、十二分ということで時間が限られておりますので、長官には大変失礼しますけれども、質問はこれで終わらせていただきます。御理解をしてください。お願いします。
#145
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。
 今回、臨時国会で一回きりの質問時間でありますので、今日はこの間、地元からいただきました様々な要望を中心にまず質問をさせていただきたいと思います。
 まず、JRのダイヤ改正についてでございますけれども、以前質疑でも取り上げさせていただいた経過があります。
 JR東日本になりますが、今年の三月にダイヤ改正で、南房総地域を運行します内房線のダイヤ、これを地元の利用者の十分な理解を得ることなく大幅に削減をした経緯がございます。そのため、この間、地元の市民グループの方々が大変御苦労なさって、JR東日本内房線の利便性及び安全性の向上を求める署名活動を地元で行いまして、五千四百六十七筆を集められ、この度、国交省とそしてJR東日本の方に提出をさせていただきました。国交省におかれましては、大変忙しい中、鉄道局の審議官にこの署名を受け取っていただきまして、またJRにもしっかりと皆様の声を伝えていくという力強いメッセージを賜り、市民グループの方々も大変心強く、感謝をしておりました。そのことをまずお伝えをさせていただきたいと思います。
 この地元のグループの方々がこの署名活動とともに、利用客にアンケートも同時に行っております。二、三御紹介をさせていただきたいと思います。
 幾ら田舎であっても一時間に一本の電車、一時間に一本もない時間帯もある、都会との格差が開き過ぎではないか。また、多数の高校生からは、十五時台の電車がない、テスト期間で早く終わっても乗る電車がなく時間の無駄であるという不満の声も多く聞かれます。また、意地悪なダイヤ編成でありまして、館山に十三時五十八分に着きますと、既に十三時四十六分に発車した後であり、乗換えのためには次の十四時三十八分まで四十分も待たなければならない、そうした声もございます。また、急用があり、タクシーで千倉まで帰ったら料金が四千円掛かったなどなど、こうした生活者の声をいただいておりますので、これもまた併せてJRの方にもお伝えしていきたいというふうに思っております。
 JR東日本、そのスローガン、理念を拝見しますと、そこには変わらぬ使命、地域と共に生きると大きく掲げておられます。しかしながら、実際はこのように地元の利用者をやはり困らせるようなダイヤ改正が行われているという現実がございます。
 この十二月にもまたダイヤ改正が検討されるやに伺っておりますけれども、やはり今御紹介したようなこうした地元の声は反映されるべきであり、またJRの公共性という部分を考えましても、また国交省におかれましては、こうした地元の意見を是非JRの方に耳を傾けるように行政指導を強くしていただきたいというふうに思っております。
 この点について、まずお伺いをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
#146
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 内房線の今年三月の運行ダイヤ改正におきましては、輸送需要の減少を背景に、千葉―君津間におきましては上り、下り合わせて従来の百二十三本から百十五本に、また、君津から館山間におきましては四十八本から四十一本にそれぞれ運行本数が削減をされているところでございます。この結果、主に昼間帯において列車間隔の拡大あるいは乗換待ち時間の増加等が発生をしているというふうに認識をしているところでございます。
 鉄道の運行ダイヤにつきましては、鉄道事業者の自主性、主体性を尊重する観点から、一義的には沿線の輸送需要を踏まえつつ鉄道事業者が適切に設定すべきものと考えております。一方で、運行ダイヤの改正は利用者の利便に直結する事項であり、改正内容について地元の関係者の皆様に丁寧な御説明を行った上で実施すべきものであると認識をしております。また、鉄道事業者においては、ダイヤ改正による影響について、利用者の声を把握し、可能な限り改善方策を講ずることが望まれるものと考えております。
 このような観点から、国土交通省としましては、JR東日本とも意見交換を行い、必要に応じ適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
 なお、先ほど委員の御指摘のありましたいろいろな利用者の御不便、その中で乗換待ち時間が増加したと、そういった問題がございましたけれども、これにつきましてはJR東においても今改善の検討を進めておりまして、次回のダイヤから改善を図る予定であると聞いているところでございます。
#147
○青木愛君 ありがとうございます。
 市民グループの皆様のこうした活動が少しでも前進できたということだと思いますので、本当にありがとうございます。また、今後とも、まず第一歩だとは思いますけれども、また様々地元の声も是非聞いていただきたい、またJRにも指導をしていただきたい、重ねてお願いをいたします。
 この鉄道というのは、大量の旅客を高速かつ定時に輸送できる、そしてエネルギー消費もほかの交通手段に比べて少ないという利点がございます。加えて、子供や高齢者、また身障者など、誰もが安心して利用できる交通機関であります。航空機やまた高速バスは、出発と到着、その二点を結ぶ交通機関であります。それに比べてこの鉄道というのは、複数の地域を結ぶ交通機関であるということが一番の特色だというふうに思います。
 地域は鉄道とともに形成をされてきたという歴史があり、その歴史を軽んじてはならないというふうに考えますし、町の中で市役所とか学校、あるいは病院、こうした施設が消えると町の機能がなくなる。これと同様に、やはり駅とか鉄道というものはその町をつくっている中核的な要素である、そういう機能を果たしているんだという、そういう視点から是非国交省には取り組んでいただきたいというふうに思うのであります。
 ですので、JRが一民間企業であるとか鉄道は一つの輸送手段にすぎないとか、そういった発想にとどまっている以上、地域の衰退はどんどん進んでいくというふうに思いますので、鉄道はJRがやることと、とかくそういう考え方も見受けられるんですけれども、そうではなくて、やはり鉄道、駅というものをそのまちづくりの中でどのように位置付けていくのかということをもう一度再定義をしていただいて、国交省こそがその先頭に立っていただきたいというふうに思っておりますけれども、大臣のお考えを是非お聞かせをいただきたいと存じます。
#148
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道は、地域内及び地域間の交流を促進をし、我が国の産業の発展、国民生活の利便性の向上などに大きな役割を果たす重要な公共交通機関であります。このような鉄道の多面的な役割を十二分に発揮させるために、鉄道に関する施策につきましては、まちづくり、観光立国の実現などの観点も踏まえながら、地方公共団体、住民、その他の関係者とも連携、協働しつつ推進していく必要があると考えております。
 先ほど委員からお話がございましたJR内房線におきましても、自転車をそのまま持ち込める専用車両、サイクルトレインの運行が来年一月から開始される等、新たな動きが見られるところでありまして、私は今、政府の自転車活用推進本部長という立場でございますが、この自転車活用を推進する立場からも注目をしているところでございます。
 鉄道が地域の活性化にしっかりと役割を果たすべく、それぞれの地域の特性を踏まえつつ、鉄道事業者に対しまして必要な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
#149
○青木愛君 ありがとうございます。自転車を持ち込める車両ということで、新しいそういう試みにも大変期待をしたいというふうに思います。是非引き続きよろしくお願いいたします。
 JRの問題は、北海道、また四国、貨物と、午前中も質疑がございましたけれども、あわせて、東日本の黒字の中にもそういった採算に合わない部分は削減されるという地域もあるということも考え合わせていただきまして、今後ともの取組に期待をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、これも千葉県の地元の課題でございます。
 去る十月三十日に、袖ケ浦というところがあるんですが、袖ケ浦の市長さんのお取り計らいによりまして、袖ケ浦にあります東京電力、また東京ガスの火力発電所、そしてLNGの基地を視察をさせていただきました。地上百八十七メートルという大変高い煙突から東京湾を見下ろしまして、数々のLNGタンクでありますとか、また今はLNGの輸入船が発着をする桟橋であったりだとか、そうした施設を拝見をさせていただきまして、その規模の大きさに大変圧倒されたわけでございます。
 そのときの視察と、そしてそのときにいただきました要望を踏まえて、何点か御質問させていただきたいと思います。
 この船舶の排出ガスの国際的な規制が二〇二〇年に開始をされます。それに伴いまして、現在、主流である重油に比べて環境負荷の少ない、そして硫黄分の少ないクリーンなLNG、液化天然ガスを燃料とする船舶の建造、利用が始まっています。しかしながら、現在、日本には、船舶にLNG燃料を供給する、いわゆるLNGバンカリング拠点というのが存在していません。
 政府は、世界の動向も見据えて、この袖ケ浦にある、これは仁川に続いて二位だという、世界二位のその貯蔵タンクを持っているという袖ケ浦基地ですが、この袖ケ浦にあるLNGのインフラを活用しながら、横浜港をシンガポール港とともにアジアの二大LNGバンカリング拠点とする計画を進めているというふうに伺っております。石井大臣もそのような活動をされていることも聞き及んでおります。シンガポールはヨーロッパに向けた航路、そして横浜港は北米に向かう航路の最初あるいは最後の供給スタンドという意味合いがあるやに伺っています。
 しかしながら、このLNGバンカリング拠点の形成には、LNG燃料船にLNGを供給するLNGのバンカリング船の建造がまず必要であるということでございます。そこにまず初期投資が、多額の費用が必要だということが大きな課題になっているというふうに聞いています。
 LNGバンカリング拠点の形成は、港湾の国際競争力の強化にも効果があると考えられますことから、港湾政策としてきちんとこの初期投資の部分にも支援をするべきなのではないかというふうに考えますけれども、まずは国交省に現状の取組状況についてお伺いをしたいと思います。
#150
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 国際海事機関による二〇二〇年からの船舶の排出ガス規制の強化を背景といたしましてLNG燃料船の増加が見込まれている中、アジア地域で先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することは、我が国港湾の国際競争力の強化につながるものと認識しております。
 このため、昨年六月に横浜港をモデルケースといたしまして官民の関係者による検討会を設置し、LNGバンカリング拠点の整備方策を昨年十二月に策定いたしました。この方策におきましては、三つのフェーズに分けて推進することとしており、大型船への対応を開始する第二フェーズでは、既存ストックを有効活用する観点から、袖ケ浦LNG基地を活用いたしまして二〇二〇年にシップ・ツー・シップによるLNGバンカリングを実現することとしております。
 一方、規制開始当初は船舶燃料としてのLNG需要が限られることから、御指摘のとおり、LNGバンカリング船の建造など、LNGバンカリング拠点の整備に必要となる初期投資に係る負担が相対的に大きくなることが見込まれております。このため、国土交通省では、LNGバンカリング拠点として必要となる施設整備に対する支援制度の創設を平成三十年度予算概算要求に盛り込んだところでございます。
 国土交通省といたしましては、シンガポールと連携し、我が国がアジア地域で先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することで港湾の国際競争力の強化を図りたいと考えております。
#151
○青木愛君 国土交通省として、港湾対策としてこのバンカリング拠点の支援、これについての概算要求をしているというふうに聞き及んでおります。建造費を含めて、第二フェーズ、六十億というふうにも聞いておりますけれども、国際競争力、また国際貢献の観点からも、やはり日本の場合、港湾の果たす役割は大変大きいというふうに思いますので、是非、石井大臣におかれましても、その予算を確保できるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、今日は資源エネルギー庁にもお越しいただいております。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。エネ庁さんにもお伺いをしたいと思います。
 このエネルギー供給という部分においては、やはり安全性、安定供給、経済効率性、環境適合の観点から、化石エネルギー、また再生可能エネルギー、原子力、これをミックスをしている状況だと思います。私どもは、原子力はやはり危険性が大きいということと、あと使用済核燃料の処分の観点から望ましくないと考えています。また、再生可能エネルギーの普及についてはこれは促進するべきですけれども、安定供給という部分にはやはり限界があります。化石エネルギーにつきましては、環境負荷を考えると、今後はでき得る限り二酸化炭素あるいは硫黄分、こうしたものが少ないものに移行していかなければならないと思います。
 そこで、絞られてくるのがやはり自然再生エネルギーと、そして環境負荷の少ない、化石エネルギーの中ではやはり天然ガス、LNGということになってくるんだろうと思っています。
 日本は世界一のLNGの輸入国であります。石油は、かつては中東の政治的不安定などから備蓄政策なども行ってきたというふうに伺っております。しかし、幸いこのLNGについては、オーストラリアであったりマレーシア、またカタール、これは中東ですけれども、さらにはアメリカ、ロシア、こうした輸入先が多元化しておりますので、安定的に確保できるのだろうというふうに思います。
 そこで資源エネルギー庁にお伺いしますけれども、この日本の今後のLNG戦略についてまずお聞かせいただきたいと思います。
#152
○政府参考人(小野洋太君) お答えいたします。
 LNGは、調達に当たっての地政学リスクが相対的に低く、化石燃料の中で温室効果ガスの排出量が最も少ないという特性を持つものでございます。したがいまして、今後、世界において役割は拡大していく可能性がある重要な燃料の一つと認識しております。
 しかしながら、従来LNGは、産ガス国との長期固定の、かつ原油価格にリンクした契約形態に基づくという構造がございまして、原油価格変動の影響を受けやすい、あるいは電力・ガス市場が自由化され需要が不透明化する中で、その需要に応じた柔軟かつ競争力のある調達をすることが難しいという問題がございます。
 こうした認識の下、経済産業省では、産ガス国との長期固定の契約ではなくて、多様な供給国と需要国により構成され、合理的で透明な取引が行われる国際LNG市場を構築するということを目指し、昨年五月にLNG市場戦略を取りまとめたところでございます。
 この戦略では、世界のLNG需要の拡大を含むLNG取引の容易性向上、LNGの需要を反映した価格指標の構築、オープンかつ十分なLNG関連インフラの実現に取り組むこととしております。
 特にアジア地域においてLNG需要を拡大する観点から、今年十月に開催したLNG産消会議におきまして、世耕大臣より、官民で百億ドル規模のLNGインフラに整備するファイナンスを我が国が用意すること及び今後五年間で五百人規模のLNGに関する人材育成の機会を提供することを発表するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後ともLNG市場戦略に基づく施策を着実に進め、LNGの安定供給の実現に努めてまいりたいと考えております。
#153
○青木愛君 最後の質問になりますけれども、これが地元からの要望にも関わることなんですけれども、これからLNGの需要が高まっていくという流れの中で、これまで発電所には電源立地地域対策交付金、あるいは石油に対してはその貯蔵施設の立地対策等交付金などの制度もありますけれども、旧来の枠組みを利用するというよりも、これからまたLNGに対しても新しい枠組みでの補助制度あるいは政策というものを企業に対して、あるいはLNG基地を持つ自治体に対しても対応していく必要があろうかと思うのですけれども、その点について一点御答弁いただければ有り難いと存じます。
#154
○委員長(野田国義君) 簡潔にお願いいたします。
#155
○政府参考人(村瀬佳史君) はい。
 エネルギーミックスというものを二〇一五年に政府として策定させていただいております。あらゆる面で優れたエネルギー源がない中で、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の削減といった三つの政策目標をバランスよく達成するために様々な政策を展開していきたいと、このように考えてございます。
 今御指摘のありました立地地域の交付金につきましては、安定的かつ地球環境への負荷の小さい電力供給源である長期固定電源に限定することとしておりますが、今御指摘にあった天然ガスにつきましてはその役割を拡大していくことが重要なエネルギー源と位置付けておりまして、産業分野などにおける天然ガスシフトを着実に促進するという方向で対応させていただきたいと考えてございます。
 具体的には、このような方針の中で、例えばエネファームを含むコージェネレーションについて二〇三〇年時点で現在の二倍以上となる規模の導入を見込んでおりまして、この中で、例えばエネファームの導入、高効率の天然ガスボイラー、工業炉、ガス空調の入替え等に対しまして補助金等の支援を行っているところでございます。また、今年四月からは、自由化の中で多様なサービスが提供され始めております。
 今後も、こういった支援策又は市場の整備を通じまして更なる天然ガスの利用拡大を図ってまいりたいと、このように考えてございます。
#156
○委員長(野田国義君) 時間が来ておりますので。
#157
○青木愛君 はい、済みません。
 ありがとうございます。是非、自治体に対しましても新しい枠組みでの制度構築をお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございます。
#158
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 先ほどから竹内委員また室井委員からも寄せられていましたけれども、私からも、まず初めに海上保安体制について伺いたいと思います。
 先月二十八日に、漁船と思われる国籍不明の木造船が北海道松前町の南西沖にある松前小島という無人島に着岸していることが確認されました。そして、その後の海上保安庁の立入検査や、また乗組員への事情聴取によりまして、この船が北朝鮮籍であることが判明しました。
 本件に対する海上保安庁の対応について、まずお聞かせいただけますでしょうか。
#159
○政府参考人(中島敏君) お答え申し上げます。
 本件は、十一月二十八日、北海道警察からの通報に基づきまして海上保安庁が巡視船、航空機を派遣して確認したところ、当該船舶を発見したものであります。
 十一月二十九日以降、関係機関と合同で立入検査、事情聴取を行ったところ、本年九月に北朝鮮を出港したが、故障により漂流をした、松前小島には荒天避泊のために入港をした、北朝鮮への帰国を希望している旨述べておりまして、かじの一部に折損、それと船内に食料、飲料水、イカ等を認めております。
 また、十二月三日及び四日に松前小島の状況を確認したところ、松前小島灯台の太陽電池パネル、これが取り外されているなどの状況が確認をされましたが、同灯台の機能に支障は生じておらず、付近航行船舶への影響も確認をされておりません。
 現在、本件につきましては、警察と連携し、船員などから事情聴取をしているほか、松前小島の状況を確認するなど必要な調査を行っております。
#160
○行田邦子君 先月は例年以上に北朝鮮の船の漂流、漂泊が増えているということでありました。しけが続いていて、また雪も降ったりと、今日も恐らく大変寒波が押し寄せているということでございますので、海上における任務に当たられている海上保安庁の職員は大変厳しい環境の中で任務に当たられていると思います。是非、海上の安全、そしてまた治安の確保のために、職員の皆さんがモチベーションを高く持って任務に遂行されるように統率をお願いしたいと思います。
 それでは、大臣に伺いたいと思います。
 海上保安体制としましては、近年、尖閣諸島周辺海域の警備体制の強化の必要に迫られています。そして、尖閣領海、第十一管区に重点配備をせざるを得ないという状況になっているかと思います。ただ、しかしながら、それによってその他の管区の基幹業務が手薄になってしまうということはあってはならないと思っておりますし、そしてまた、海洋調査とかあるいは監視体制も更に強化をする必要もあるというふうに思っております。
 海上保安体制強化の重要性について、大臣の御認識と、そしてまた特に強化すべき点について御所見を伺いたいと思います。
#161
○国務大臣(石井啓一君) 海上保安庁の体制強化につきましては、昨年の十二月、尖閣諸島周辺海域を始めといたします我が国周辺海域の厳しい状況を踏まえまして、関係閣僚会議におきまして海上保安体制強化に関する方針が決定をされ、この方針に基づき体制の整備に着手をしたところでございます。
 一方で、日本海の広い海域では多数の北朝鮮漁船等を確認をしており、さらには、北朝鮮船籍の漁船の漂流、漂着、外国船による海洋調査活動の活発化など、尖閣のみならず、我が国周辺海域を取り巻く状況はますます厳しさを増しております。このため、三十年度の概算要求におきましても、特にこうした情勢に対応できるように、ヘリ搭載型巡視船を含む大型巡視船、新型のジェット機、大型測量船の増強等を盛り込んでいるところでございます。
 今後とも、領土、領海の堅守、国民の安全、安心確保に万全を期すべく、着実に戦略的海上保安体制を構築してまいりたいと存じます。
#162
○行田邦子君 平成二十九年度の海上保安庁の予算は前年度に比べて一・一倍になっている、一割以上増えているのではないかなと思いますけれども、これは画期的なことだと思います。ただ、それで足りているかというと、私はまだまだ足りていないと思いますので、是非また来年度の予算もしっかりと確保していただいて、そしてまた、ここのところ定員も純増していますけれども、定員も足りないという認識を私自身はしておりますので、大臣、頑張っていただきたいと思います。
 それでは、無電柱化について伺いたいと思います。
 昨年の、ちょうど一年前ですね、十二月に、議員立法として無電柱化推進法が全会一致で成立をいたしました。ちょうど一年たちましたので、その法の運用体制、そして推進体制がどのように進みつつあるのか、確認をしていきたいと思っております。
 この無電柱化推進法にもうたわれていますけれども、無電柱化は、まず防災、それから交通安全、安全かつ円滑な交通の確保、それから良好な景観形成という観点から推進するというふうになっております。
 無電柱化を進めるには、まず新たに電柱を設置しないということが一つ、それから既設の電柱を撤去するということ、この二つをやればなくなるということですけれども、ただ、既設の電柱を撤去するというのは、義務占用を許可してしまっているものに対して撤去をするというのはそれなりのハードルがあると思いますので、まずやるべきこととしては、新たに電柱を設置しないということをいかに徹底していくかということだと思っております。
 それで、お配りしています配付資料の裏面ですけれども、道路法三十七条におきましては、道路管理者が区域を指定しまして電柱の新設禁止をできるというようなことになっております。じゃ、それがどれだけ進んでいるかということなんですけれども、全体で三万一千キロ、三・二万キロぐらいでしょうか、全道路が百二十万キロあるので、まだまだ指定が進んでいないということです。そしてまた、緊急輸送道路に限って言いますと、九万キロ全体でありますけれども、約三万キロは指定されていますけれども六万キロがまだ指定されていないという状況であります。
 まず、優先順位としましては、私は緊急輸送道路に対して電柱を新たに設置しないということを徹底するべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(石井啓一君) 緊急輸送道路におけます電柱の占用制限措置は、電柱の倒壊によって救急救援活動等に支障を来すことを防ぐ観点から、防災上大変重要であると考えております。
 このため、平成二十八年の四月には、直轄国道の緊急輸送道路約二万キロメートルにおいて電柱の新設を禁止する措置を講じたところでございます。一方、地方公共団体におきましては、地方公共団体自ら禁止措置を講じることとなりますが、現在までに埼玉県を始め十一都府県三市、約一万二千キロメートルにおいて同様の措置が講じられているところでございます。
 国土交通省といたしましては、地方公共団体に対しまして、法の趣旨や運用方法等を定めた国の通知を送付するとともに、様々な機会を捉えて説明するなど、地方公共団体に対しまして禁止措置の導入を促しております。さらに、道路管理者や電線管理者等で構成をされます地方ブロック推進協議会等を通じまして地方公共団体へ禁止措置の普及を図るなど、今後とも国土交通省としてこの促進に取り組んでまいりたいと考えております。
#164
○行田邦子君 ありがとうございます。それで是非よろしくお願いいたします。
 そして、この道路法三十七条なんですけれども、どういうときに電柱の新設を禁止できるかなんですけど、一つは、先ほどからお話があります防災の目的ということです。もう一つは、安全、円滑な交通の確保ということを目的に電柱の新設を禁止できるということになっていますけれども、それでは伺いたいと思うんですが、安全、円滑な交通の確保のための電柱新設禁止の指定状況をお聞かせいただけますか。
#165
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 道路法第三十七条におきましては、災害が発生した場合の被害の拡大を防止する、交通が著しくふくそうする道路若しくは幅員が著しく狭い道路について車両の能率的な運行を図るために、必要に応じて占用の禁止、又は制限の措置を講ずることができるとされております。
 お尋ねのいわゆる安全、円滑な交通の確保を目的とした電柱の占用制限は、直轄国道におきましてはこれまで行われておりません。また、地方公共団体におきましても実施した例は承知をしておりません。
#166
○行田邦子君 安全、円滑な交通の確保を目的とした電柱の新設の禁止は実績は今のところないと、ゼロということであります。これはどうしてなんでしょうか。
 続けて伺いたいと思うんですけれども、その指定実績がない、これまでない理由と、そしてまた、国土交通省として、今後指定がしやすくするためにどのような対策を講じる予定があるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
#167
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 安全、円滑な道路交通の確保が必要な道路、これは委員の資料の配付にありますように、やはりどうしても幅員の狭い道路というところがまず想定をされるわけでございます。幅員の狭い道路におきましては、トランスの設置場所の確保や、既存の地下占用物件がある場合にはその移設が困難なことなどから、占用制限を適用して地中化の工事を行うことが技術的に困難な状況にありました。そのため、幅員の狭い道路での地中化に関する技術開発を進めてきたところでございます。
 具体的には、平成二十八年九月の電力ケーブルと通信ケーブルの離隔距離、どれだけ離せばいいかということなんですけれども、これの改定等を踏まえまして、側溝のようなコンパクトな空間にケーブルをまとめて収容する小型ボックス活用埋設方式を開発いたしまして、現在モデル工事を実施しているところでございます。さらに、省スペースとなるような直接埋設方式についても技術開発を進めております。
 今後、幅員の狭い道路における電線類の地中化に向けて更なる技術開発を進めるとともに、それを踏まえまして、安全で円滑な交通の確保のための占用制限の導入についても検討を進めてまいります。
#168
○行田邦子君 特に市町村道などはそうだと思うんですけれども、緊急輸送道路であったとしても、狭いので技術的にそもそも地中化は困難であるという問題があろうかと思います。是非、そうした技術的な問題をクリアするように国土交通省としても進めていただきたいと思います。
 そして次に、無電柱化を進める観点の三つ目なんですけれども、良好な景観形成の観点から無電柱化を進めるとなっていますけど、これについて伺いたいと思います。
 道路法の三十七条、これを条文を読んでみますと、先ほども申し上げているとおり、防災の目的とそれから安全、円滑な交通の確保の目的によって電柱の新設を禁止はできると、こういうふうに読めるんですけれども、ただ、この条文を読みますと、良好な景観形成を目的とした電柱の新設禁止というのは条文をどう読んでも読めないということになっております。このままですと、良好な景観形成を目的とした電柱の新設の禁止ということができなくなってしまうと思うんですね。
 そこで伺いたいんですけれども、景観形成のために電柱の新設を禁止することを可能とする法改正を今検討されていますでしょうか。
#169
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 電柱、電線は景観を阻害する大きな要因の一つでございまして、良好な景観の形成が必要な地域で無電柱化を進めることは極めて重要であると認識をしております。このため、重要伝統建造物群保存地区や、観光地等を始め良好な景観の形成が必要な道路につきましては、電線管理者、自治体、沿道住民等の関係者間での合意形成を図りながら、電線共同溝の整備や、建物が長期にわたって保存される特性を生かした軒下配線方式、裏配線方式などにより無電柱化を進めているところでございます。
 一方、委員御指摘の道路法第三十七条につきましては、電気、通信等の公益的な事業に供されるいわゆる義務占用物件についても占用制限を課すものでございます。そのため、道路法第三十七条の制限につきましては、国民の生命、安全に直結する防災の観点や、安全、円滑な交通の確保の観点から、特に必要な道路に限って占用制限が認められているところでございます。まずは現行制度を十分活用し、防災の観点から占用制限を優先的に進めていくとしたところでございます。
 国土交通省といたしましては、委員御指摘の無電柱化の目的の柱の一つであります良好な景観形成は重要な課題であると認識をしておりますので、良好な景観形成のための無電柱化の推進につきましては、関係者間の合意形成を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#170
○行田邦子君 良好な景観形成のための電柱の新設禁止というのが、これが道路法の趣旨にちょっとそぐわないということだろうと思いますけれども、それならば、また別の何か法制度で手当てをするということを検討していただきたいと思います。ただ、まずは防災目的の緊急輸送道路で電柱の新設を禁止するということを徹底していくことが優先順位としては高いのかなとは思っております。
 次に、また続けて伺いたいと思うんですけれども、無電柱化が進まない、これ何が原因なんだろうかというと、最大の原因というのはコストが高いということが言われています。一キロメートル当たりの道路を無電柱化するのに五・三億円掛かるというふうに言われています。こんなに掛かるんだったらやめてしまおうという声も聞こえてきますけれども、そして今、低コストの手法として、ヨーロッパではもうこれ一般的にやられているのが直接埋設、直接埋めるということですけど、直接埋設というものがあります。
 今、我が国におきましてもこのモデル施工が行われているということですけれども、このモデル施工の現状と、それから今後の直接埋設の汎用化への道筋について伺いたいと思います。
#171
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 無電柱化を進める上で、従来の電線共同溝方式の整備ではコストが高いことなどが課題となっております。昨年十二月に成立、施行された無電柱化の推進に関する法律第十三条におきましては、国、地方公共団体及び関係事業者は、電線を地下に埋設する簡便な方法等について調査研究の推進及びその成果の普及等の必要な措置を講ずることとされております。このため、国土交通省では、関係者と連携をいたしまして、低コスト手法の導入に向けて取り組んでいるところでございます。
 具体的には、浅層埋設方式、浅く埋めるという意味でございますけれども、及び小型ボックス活用埋設方式について、関係する技術基準を改定し、それを反映させた低コスト手法導入の手引を平成二十九年三月に策定いたしまして普及促進を図っているところでございます。
 また、委員御指摘の直接埋設方式、これにつきましては、これまで関係省庁の連携によりまして、直接埋設用のケーブル開発に向け、耐久性などの技術的な検証を行ってきたところでございまして、今年度は実際の道路において実証実験を行っているところでございます。既に京都市道において実験が始まっているところでございます。今後は直接埋設方式につきましても調査研究を進め、更なる低コスト化を図り、早期に汎用化できるよう努めてまいります。
#172
○行田邦子君 無電柱化の推進には、とにかく低コスト、低コスト化を進めるということが大切だと思っておりますので、是非よろしくお願いします。
 最後、大臣に伺いたいと思います。
 そもそもなんですけれども、地域住民、また国民の中には、電柱があるのが当たり前という意識が根強くあるように感じております。これではなかなか無電柱化が進めにくいんですけれども、無電柱化に対する国民の意識改革について、大臣の御所見を最後伺いたいと思います。
#173
○国務大臣(石井啓一君) 長年にわたりまして電柱、電線に囲まれて生活してきました我が国におきましては、電柱、電線があるのが当たり前と感じている国民も少なくないと思われます。
 このため、昨年十二月に成立、施行された無電柱化の推進に関する法律第二条において、無電柱化の推進は、無電柱化の重要性に関する国民の理解と関心を深めつつ行われるものとすると基本理念が定められ、また、同第六条において、国民自らも理解と関心を深めるとともに、無電柱化に協力するよう努めなければならないとされております。これを受けまして、十一月十日が無電柱化の日とされまして、無電柱化の日シンポジウムの開催や、テレビ、ラジオを通じた政府広報等、様々な媒体を通じた広報により、理解、関心の増進に努めているところであります。
 引き続き、十一月十日に限りませず、国民の無電柱化に対する様々な御意見、御期待の声をお聞きしながら、広報啓発活動など国民の理解と関心を深め、無電柱化の推進に努めてまいりたいと存じます。
    ─────────────
#174
○委員長(野田国義君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中野正志君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────
#175
○平山佐知子君 お願いいたします。国民の声の平山佐知子です。
 早速質問に移らせていただきます。
 大臣は所信の中で、既設ダムを徹底的に活用してダムの再生に取り組むとおっしゃっていましたので、今日はこのダムについて、そして海岸にスポットを当てて質問をさせていただきます。
 まず、日本に数あるダムの中で、利水ダムを含めまして、現在国交省で堆砂を把握しているダムは幾つあり、またそのダムの平均的な経過年数と堆砂の割合、これはどのくらいであるのか、お答えをいただきます。
#176
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 国それから水資源機構及び道府県管理の国土交通省所管ダム、それから国及び道府県が許可をいたします利水ダムで堆砂の割合を把握しているダムは、平成二十九年三月時点で千五十五ございます。また、経過年数の、これは平均でございますけれども、三十七年でございまして、ダム機能に支障を与えない容量に対する堆砂量の割合は平均で三八%でございます。
#177
○平山佐知子君 ありがとうございます。平均で三八%というお答えをいただきました。
 ダムの容量には、大体この百年の堆砂容量を見積もってその分を確保しているということなんですけれども、ダムの中には、平均で三八%ですが、その予想を下回るもの、それから予想を今の時点で上回っているものもあると。国内には、中には予想を超える堆砂が発生するという問題を抱えているダムもあるというふうに伺っております。
 私、先日、地元静岡県の浜松市天竜区の佐久間町というところに訪れたときに、地元の方々が、地元が抱える佐久間ダムの堆砂問題について問合せがありました。長年この堆砂問題について検討をしているんだけれども今の現状はどうなっているのかという問合せでありましたので、ここからは地元のちょっとお話をさせていただきたいなというふうに思います。
 天竜川の流域においては、急峻な地形、それから中央構造線などが通っているので脆弱な地質によって大量の土砂が発生する、その大部分がダムの貯水池に堆積する傾向にあると言われています。このダムの再編事業の概要について、ここで簡単に説明をしていただきたいと思います。お願いいたします。
#178
○副大臣(牧野たかお君) 平山委員にお答えいたします。
 天竜川ダム再編事業でありますけれども、天竜川中下流部の洪水被害の軽減を図ることを目的として、平成十六年度より直轄事業として実施をしているダム再生事業であります。
 具体的には、天竜川中流部に位置する今おっしゃった電源開発株式会社が六十年前の昭和三十二年から運用している発電専用の佐久間ダムにおいて、発電容量の一部、およそ五千四百万立米でありますが、これを発電容量から洪水調節容量に振り替えます。その上で、放流トンネルの新設や放流ゲートの改造など、放流設備の改築を行う予定であります。
 また、ダム湖のしゅんせつを行って洪水調節容量を確保するとともに、土砂をベルトコンベヤーでダムの下まで運び放流するなど、堆砂対策施設を整備することによって下流河川への土砂移動の連続性を確保すると、そういう事業であります。
#179
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 同じ静岡県の牧野副大臣にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 今説明にもありましたけれども、お配りした皆様のお手元の資料を御覧いただきまして、概要がそれぞれ示されております。裏面の右下の恒久堆砂対策という図も御覧いただきたいんですけれども、今説明をしていただいたように、佐久間ダムは、恒久的な堆砂対策として、平時に掘削、しゅんせつを行って、ダム下流のストックヤードというところに運搬、そして集積をして、そのダムの放流時に河川へ還元するといった工法が検討されているということでございます。
 一方、同じ天竜川の上流になりますけど、美和ダムでは排砂バイパスによって堆砂対策を講じているというふうに伺っております。ですので、私、同じ天竜川ということもありまして、同じく排砂バイパスを施すというふうに思っていたんですが、今回違う工法を検討されているということで、なぜこの排砂バイパスではなくて今検討されている工法なのか、そしてまた、現在どのような状況であるのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
#180
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 以前は、土砂の堆砂対策でございますけれども、排砂バイパスによる手法も検討いたしまして現地の実証実験を行いましたけれども、貯水池の土砂の連続的な吸引に課題があったことから、それらの改善に多くの対策を講じるよりも、ダム貯水池に堆積した土砂のしゅんせつ船等のしゅんせつとベルトコンベヤー等の運搬を組み合わせた手法が確実性あるいは継続性において優位と考えたところでございます。
#181
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 吸引に課題があったというふうに教えていただきましたが、それはやっぱり砂の質というか、そういうことでしょうか。
#182
○政府参考人(山田邦博君) おっしゃるとおりでございまして、粘土質の土砂が多いことから、その吸引等の確実性という面から、現在考えておりますしゅんせつ船によるしゅんせつとベルトコンベヤーによる運搬という手法を現在採用する予定にしているところでございます。
#183
○平山佐知子君 課題を踏まえてということで理解をするんですけれども、ただ一方で、図にもありますように、この工法ですとどうしても人手が必要になる、船、そしてダンプで運んでということになりますので、どうしても恒久的な工法というふうに考えますと、人手を介していくというのが本当に恒久的な工法になるのかどうかという、ちょっと心配もどうしても出てきてしまうのですが、その辺りはどうでしょうか。
#184
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 工法の詳細につきましては、有識者から成る委員会の御意見等を聞きながら、やはり省力化あるいはコスト縮減という観点から、しゅんせつの湖内運搬の自動化ですとか、あるいは陸上運搬の効率化などの検討を行うこととしておりまして、そういう面についても検討をしている、工夫をしているということでございます。
#185
○平山佐知子君 コスト縮減とか省力化、様々な方面からやはりしっかりと調べるべきだとは思います。しっかりとこの後も検討を進めていただきたいと思います。
 ただ一方で、やはりこの構想が発表されてからもう十六年という時間が経過しておりまして、地元の方々がやはり早くしてほしいというその思いも私は受け止めるべきだと思いますので、しっかりとした方向性を是非スピード感を持って進めていただきたいなというふうにお願いを申し上げます。
 次に、この工法、今検討されている工法によって考えられる懸念についても伺ってまいりたいと思います。
 ストックヤード、この下流の大体六キロぐらいというふうに聞いているんですが、しばらくうねうねと蛇行するような部分があるというふうに、地図を見てもそういうふうに見られます。例えば、そうした蛇行する部分でうまく土砂が流れずにそのままたまってしまった場合、ダムの下流の支流との例えば合流地点などで支流の方が氾濫するといった危険性はあるのかないのか、これもやはり地元の方にとっては大変重要な課題だと思いますので、その周辺、支流河川に与える影響についても伺いたいと思います。
#186
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように、現在検討中の堆砂対策では、ダムの貯水池に堆積した土砂をダムの下流に運搬して置き土をするという工法を今検討しているところでございます。置き土した土砂は洪水時など流量が比較的大きいときに下流に流れることとなりますが、その置き土の結果といたしまして、ダム下流に土砂が移動して、河床形状ですとかあるいは河川環境に変化が生じる可能性があることから、現在、置き土実験を行いまして、置き土の場所ですとかあるいは量といったような詳細について検討を進めているところでございます。
 今後、この実験結果を踏まえまして、支川や下流河川の河床あるいは河川環境等にとって最適な土砂還元方法について引き続き調査検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#187
○平山佐知子君 是非、住む方々にとっても安心して暮らせるような環境になるような配慮をしていただきたいというふうに思います。
 それから、特に今も申し上げていますように、水害の近年危険性が高まっているということからも、とりわけ地域周辺の住民、それから下流に広がる浜松市の皆様、天竜川の再編、ダム再編事業の早期完成をやはり望まれていらっしゃいます。当初の目標では二〇二一年度末の事業完了であったというふうに伺っているんですが、現在のダム再編事業はいつ頃の完了を見込んでいるのか、教えていただきたいと思います。
#188
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 天竜川ダム再編事業につきましては、発電容量の一部を治水容量に振り替えるために、発電事業者であります電源開発株式会社との調整を進めているところでございます。また、ダム下流域の、先ほど申しました河床形状ですとかあるいは河川環境への影響を検討するための置き土実験につきましても、地元との調整を図りながら今実施をしているところでございます。
 これら様々な調整が必要なことから、現時点で事業完了時期を明らかにすることはできませんけれども、早期の完成に向けてこれからも取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#189
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 確かに、この置き土実験も含めて実証実験をしっかりと進めていただくということ、それから民間業者さんとの細かなやり取りが必要ということも理解はできるんですけれども、やはり先ほど申し上げましたが、この計画が発表されてからもう十六年たっていて、地元の元地方議員の方々にも伺ったんですけれども、もう二十年ぐらい前からこのことをずっと取り組んでいるんだよというお話も伺っております。
 元々の基本的な考え方として、この堆砂を増やさないようにということが基本的な考え方でありましたので、まだいまだにゴールが見えないというふうになりますとやはり地元の方々にとっては不安になると思いますので、是非、新たな完工目標だけでも早期に掲げられるように心からお願いをしたいと思います。
 さて、このダムにおける堆砂対策ですが、治水の面のみならず、環境の面でも喫緊の課題だと捉えています。今回ダムの再編事業を行う天竜川の下流には広大な砂丘を有する遠州灘があります。遠州灘のみならず、全国の海岸で砂浜が減少する海岸侵食、これが問題となっています。
 砂浜、皆さんも利用されると思いますけれども、レクリエーションはもちろんのこと、防災の観点から見ても重要な役割があります。この今回のダム再編事業により河川へ還元される土砂が増えることで、海岸侵食対策にも一定の効果が期待されていると聞いています。
 この海岸侵食軽減の効果及び天竜川河口部における県による海岸侵食対策の取組状況について伺います。
#190
○副大臣(牧野たかお君) お答えをいたします。
 今御質問があった天竜川ダム再編事業によって、海岸侵食への軽減の効果と、そしてまた県の取組状況でありますが、まず天竜川ダム再編事業によって佐久間ダムからダム下流に供給される土砂は年間およそ二十万立米と見積もっております。これは、有識者から成る天竜川流砂系総合土砂管理計画検討委員会の下流部会というところでも、この海岸侵食を抑制する効果が期待できるという推論を出しております。
 このほか、直轄事業として、これまで天竜川河口部における海岸侵食対策として、右岸側の浜松五島海岸において離岸堤の整備などを行ったことにより、おおむね百二十メートルの砂浜の幅を確保しております。さらに、現在、静岡県において天竜川の掘削土砂を活用した養浜などを右岸、左岸で実施しております。
 国土交通省としては、引き続き、防災・安全交付金や天竜川の掘削土砂の提供により、静岡県が実施する海岸侵食対策に対して支援を行ってまいります。
#191
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 県でもしっかり対策を取っているということですので、これからも国と県としっかり連携を取って続けていただきたいと、そのようにお願いを申し上げます。遠州灘、南海トラフの北側に位置しておりますし、大地震の際の津波対策として現在も様々な事業が行われていますけれども、そのような中でもこの砂丘の復元というのは大変重要であると考えておりますので、引き続き、先ほども申し上げましたように、国と県、連携を取ってやっていただきたいと思います。
 それでは最後に、様々ダムの課題も申し上げてきましたけれども、このような課題を有するダムそれから海岸など、全国各地に存在しています。全国的にダム再生、それから海岸侵食対策を講じていく必要があると思いますが、最後に大臣の見解をお願いいたします。
#192
○国務大臣(石井啓一君) ソフト、ハードの両面から、既設ダムを有効活用いたしますダム再生につきましては、賢く柔軟な運用、賢く整備を行うものとして積極的に推進すべきと考えておりまして、土砂移動の連続性の改善や治水、利水機能の向上など、既設ダムを有効活用するための各種取組を推進しているところであります。
 また、海岸の侵食は、供給される土砂の減少や沿岸域での土砂収支の不均衡等の様々な要因により発生をしておりまして、その対策は我が国の国土そのものを保全する上で極めて重要であると認識をしております。このため、離岸堤の設置や養浜などの取組を行っているところでございます。
 天竜川でも課題とされているような土砂移動に関する様々な課題を解決するために、今後とも関係機関と連携、調整を図りながら、ダムにおける堆砂対策、海岸侵食対策を含めまして、山地から海岸まで一貫した総合的な土砂管理に寄与する施策に取り組んでまいりたいと考えております。
#193
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 安全、安心の暮らしのため、この既設ダムを徹底的に活用してダム再生に取り組むという、しっかり進めていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
#194
○委員長(野田国義君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 石井国土交通大臣は御退席いただいて結構です。
    ─────────────
#195
○委員長(野田国義君) これより請願の審査を行います。
 第一〇号精神障害者の交通運賃に関する請願外四件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(野田国義君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#197
○委員長(野田国義君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(野田国義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(野田国義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#200
○委員長(野田国義君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(野田国義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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