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2017/05/10 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国際経済・外交に関する調査会 第7号
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2017/05/10 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国際経済・外交に関する調査会 第7号

#1
第193回国会 国際経済・外交に関する調査会 第7号
平成二十九年五月十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鴻池 祥肇君
    理 事
                酒井 庸行君
                柘植 芳文君
                宮本 周司君
                藤田 幸久君
               佐々木さやか君
                武田 良介君
                東   徹君
    委 員
                今井絵理子君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                大野 泰正君
                三木  亨君
                宮島 喜文君
                吉川ゆうみ君
                大塚 耕平君
                古賀 之士君
                杉尾 秀哉君
                真山 勇一君
                高瀬 弘美君
                横山 信一君
                木戸口英司君
                伊波 洋一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際経済・外交に関する調査
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、外交能力及
 び戦略を向上させるための取組の課題並びに信
 頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題
 について)
    ─────────────
#2
○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、中間報告書取りまとめに当たり、これまでの調査を踏まえ、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、初めに「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」について、次に「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について委員間の意見交換を行います。
 意見交換は、あらかじめ発言者を定めずに行います。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言をいただくようお願いをいたします。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。
 また、時間が限られておりますので、委員の一回の発言時間は三分程度となるよう御協力をお願いを申し上げます。
 それでは、初めに「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」について、発言を希望される方は挙手を願います。
 酒井君。
#3
○酒井庸行君 自由民主党・こころの酒井庸行でございます。
 本調査会の一年目の調査のうち、「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」につきまして意見を申し述べたいと存じます。
 論点ごとに意見を述べます。
 まず、政府の外交実施体制、発信力の強化では、外務省の問題として、相手国との交渉や情報収集、在留邦人保護等に関する在外公館の実効性確保を挙げたいと存じます。
 近年、政府が在外公館の増設に尽力しているのは評価をいたしますが、参考人から指摘があったように、小規模公館について体制の在り方や能力強化の方策などが課題になっております。今後、具体的な方策なども議論を深めていく必要があると考えます。
 また、オールジャパンとして外交を進めていくため、省庁間の連携や政府と外部との人材交流の在り方についても、TPP交渉での教訓なども参考にして検討していくべきではないかというふうに思います。
 発信力の強化では、日本のソフトパワーの強みでもあるコンテンツ産業の厳しい現状も踏まえて、民間の自主性を尊重しつつ、戦略的に支援をしていくべきではないかと思います。
 次に、NGOなど多様な主体との連携でありますが、NGOが相手国の国民だけではなく日本国民にとっても顔の見える活動を行っていることを踏まえ、こうした主体と連携を深めることが日本の外交力の強化や裾野の拡大につながると考えます。
 一方、現在、国際社会では国際テロリズムなどが広がりを見せておりますけれども、開発途上国などで活動するNGO等の安全確保が以前にも増して求められることから、彼らの活動の自主性にも十分に留意した上で、国としての責任をどう果たしていくのかも議論をする必要があると思います。
 また、NGOは、国民の皆さん、特に若者が国際問題に関心を持つきっかけを提供するという役割も果たしておりますが、様々な種類のNGOがあるのも事実でございます。皆さんが安心してNGOの活動に参加できるように、更なる情報公開や第三者評価など信頼性向上に向けた取組を期待するとともに、国としてもどういった支援が可能なのか議論をしたいというふうに思います。
 最後に、外交と議会の役割であります。
 外交が一義的には政府の役割とされている中で、多様な価値観が存在し、国境を越えた相互の依存関係がますます深まる国際社会においては、実効性のある外交を展開していくためには、国民の代表である議会がこれを補完し共働していく必要性が高まっているというふうに実感をいたしました。そうした観点からすれば、まず議会自身が自ら持っている潜在的な外交力についてもっと自覚する必要があるように思います。
 その上で、国際会議への議員派遣の在り方や、例えば議員派遣を長期的に、少なくとも一年間派遣するなどして、その国の政府、議会を始め国民と親交を深めることにより実効性のある外交を展開をできるという考え方もあります。そのためには、より議員外交を行いやすい環境づくりについて議論を深め、率先して実施していくことが参議院らしさの実現にもつながっていくというふうに思います。
 また、ドイツの政治財団のような制度は大変興味深いものであります。政党との関係や公費の支出問題など分かりにくい部分も多くありますけれども、引き続き調査をしてみてはどうかというふうに考えます。
 以上で私の意見表明を終わります。
#4
○会長(鴻池祥肇君) 藤田君。
#5
○藤田幸久君 民進党の藤田幸久でございます。
 まず、今日の外交におきまして、先進国を中心としたグローバルスタンダードに日本の外交を引き上げることが重要だろうと思っております。その際に、国民の代表である立法府、議員の参画というものが先進国においてはもう不可欠なものになっておりますので、それを日本も賄う必要があろうというふうに思っております。
 また、最近の複雑な国際情勢の中では、政府以外の様々なステークホルダーとの交流が不可欠であり、これも、議員外交というものがむしろ政府よりも優位性を持っているというふうに思っております。
 そして、先進国におきましては、議会、政党がしっかり国家予算を取ることによって、予算の権限がある議会の人間が直接関わるということがこれは不可欠でございますので、これを何としても実現をさせていただきたいというふうに思っております。
 もう一つは、NGOの関係でございますが、参考人の方々が明らかにしましたように、NGOの日本の財政規模は全体で、ODAを含めても約五百億円であり、海外の主要NGOの一団体にも満たないということでございます。そうした財政的な支援も必要であると同時に、DACの、つまりOECDの加盟国の中でも日本のODAの比率というものが実質的には日本が一番下にいるということでございます。これも、多様な国民の支援がある外交というものが不可欠でございますので、そういった点からも、これは不可欠のプレーヤーとしてこれもグローバルスタンダードに上げていく必要があるかというふうに思っております。
 政党及び議会が国会の決によって国の予算を取るということがスタンダードでございますので、これは立法府として当然のことながら実現をしていくということを是非この参議院の調査会をもって提言をしていただきたいというふうに思っております。
 加えまして、外交手法に関しましては、やはり外交の一元化ということを更に支援するための外交の多元化、そして長期化、戦略化ということがこれは外交を更に充実をさせる上で不可欠と思っておりますので、そういった意味での手法及びアプローチについて、参考人の方々からいただいた意見を反映をし、視察等にも反映をさせていただきたいということを申し上げたいと思っております。
 ありがとうございました。
#6
○会長(鴻池祥肇君) 次に、佐々木君。
#7
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」について意見を申し上げます。
 まず、政府の外交実施体制、発信力強化の取組についてです。
 在外公館の整備、これは着実に進展はしておりますけれども、主要国の在外公館数に比べますと、日本はいまだ低い水準にあります。在外公館の新設は外交力強化に直結いたしますので、引き続き増設並びに強化に取り組む必要があります。加えて、本省を含めた定員増、研修強化等の外交実施体制の強化を行うべきであると考えます。
 国際機関で日本人職員の占める割合が低い問題につきましては、日本の意思を広く世界に発信する陣容を強化する観点からも、増員に向けて取り組むべきであります。日本人職員が増えない原因の一つには語学の問題もありますけれども、各国は国際機関の重要ポストを獲得するために戦略的に取組を行っており、国家的な戦略性を高めていくということも重要ではないかと考えております。各機関で若い日本人職員を増やし、幹部職員へと育成をすべきです。外務省の派遣制度の充実強化を始めとして、国際機関で働きたい若者の挑戦を支えていくということも重要ではないでしょうか。
 日本の魅力である文化や技術力の発信といったソフトパワーを活用し、広報文化外交を強化することも重要です。ジャパン・ハウス等の広報文化拠点を効果的に活用して日本の魅力を発信をしていく、日本への正しい理解を推進する親日派、知日派の育成、また青少年の人的交流の活発化を進めていくべきであります。
 二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されますけれども、これは各国の首脳始め海外から多くの方が日本を訪れる外交チャンスでもあります。この機会を生かしていくということも考えるべきではないでしょうか。
 次に、NGOなど多様な主体との連携であります。
 日本は、二十一世紀の国際協調の理念として人間の安全保障を掲げてまいりました。持続可能な開発目標、SDGsも誰一人取り残されないとの人間の安全保障の理念に基づいた目標となっており、その採択に貢献した日本は国際社会の目に見える形で途上国支援を先導していくべきです。そのためにも、今後もODAを積極的、戦略的に活用すべきであります。
 NGO、NPOは、人道支援、国際貢献などを通じて人間の安全保障のための活動の最前線におります。NGO、NPOの活動の質が担保され活躍できるということは、外交上も大きな利点となると考えます。NGO、NPOを政府の戦略的パートナーと位置付け、積極的に連携していくべきであると考えます。
 最後に、外交と議会の役割についてです。
 国際政治経済の相互依存が進み、市民社会が直接国際問題に関わるようになった今の時代においては、国際社会の各層に日本に対する理解を深めてもらうということが必要であります。その取組は、政府だけでなく日本社会の様々な主体が行う必要があるわけでありまして、国会議員もその重要な主体として大きな役割を果たすことが期待されているのではないでしょうか。とりわけ任期が長く解散がない参議院においては、その特徴を生かして、議員の海外派遣の充実など議員外交の推進を今後も行っていくべきであると考えます。
 以上です。
#8
○会長(鴻池祥肇君) 武田君。
#9
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今回のテーマであります「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」について意見を述べさせていただきます。
 まず、国際社会の現状について述べます。
 米国がシリアへのミサイル攻撃を行い、北朝鮮問題についてはトランプ大統領が全ての選択肢がテーブルの上にあると述べ、北朝鮮情勢をめぐって緊張が一気に高まる状況にありました。一方で、四月二十八日に国連安保理で開かれた北朝鮮の核兵器開発問題を協議する閣僚級会合では、国連のグテレス事務総長が、国際社会は緊張関係を管理し、緩和する取組を強めなければならないと各国に自制を求めました。北朝鮮問題の外交交渉による解決を求める発言も各国で相次ぐ状況です。
 こうした情勢を念頭に、以下、二点に絞って意見を述べます。
 第一に、日本は、世界に先駆けた憲法九条を持つ国として、日本国憲法の立場での外交が求められていると考えます。
 参考人からは、日本の憲法の平等や正義、人権が国際的に理解された日本の普遍的な価値で、これを全面的に打ち出すことが日本にしかできない外交であるという意見や、また、海外でのNGOの活動について、日本ならではの支援というブランドがある、日本には多様な価値観を体現できる国であることが求められているという意見も寄せられたとおりです。
 第二に、こうした外交を進める上で、各国が自国主義を強める中、NGO、議員の役割が重要だということです。
 NGOについて、参考人からは、ドイツに一部で広がった排外主義を啓蒙活動で落ち着かせた取組だとか、米国で政治家の誤りに積極的に声を上げていく活動などが紹介されました。
 議員の外交については、参考人から、政府だけでは国の政策がしみ渡らない、議員間の話合いは結果につながりやすく、広く理解が涵養されるという意見も寄せられました。
 政府による外交はもちろん、市民やNGO、国会議員の外交、国際交流も含めた取組がその国の多様な理解につながると考えます。こうしたことを踏まえ、日本政府自身がNGO、議員とも連携をして、国際問題での武力によらない解決、非核化、対話促進など積極的な役割を果たすことが今、日本の外交に求められていると考えます。
 以上です。
#10
○会長(鴻池祥肇君) 木戸口君。
#11
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 意見を申し述べたいと思います。各参考人からの印象に残る意見を紹介しながら、私の意見をまとめたいと思います。
 日本の外交能力と戦略を向上させるためということで、まずは多元外交ということが大きなキーワードであったのではないかと感じております。
 川口参考人からは、議員外交の意義、重要性について、国民の意識がそろい、税金がもっと使われるようになるという好循環に持っていくことが議員の務めであるという大変貴重な指摘がございました。まずは、議員外交ということ、大きなテーマであろうと思います。
 それから、NGOについてでありますが、長参考人から、外交は一義的には日本政府が担うものであるが、外交は多義的なものであり、多様な主体があって初めて自国の安全が確保される、その意味でNGOは必要不可欠なセクターである。また、大西参考人からは、海外での活動を基に日本国内の大規模災害に対応する国内版プラットフォームをつくったということが紹介されております。また、そのモデルを海外に紹介している活動が紹介されたところであります。
 こういったNGOについて、大橋参考人から、NGOへの資金提供の柔軟化、また国際協力基本法や国際協力省を設けることが必要ではないかという提言もあったところであり、NGOを育成し、また連携、協働していくことの大切さ、このことを大きく検討していくべきではないかと感じております。
 また、民主化支援財団、政治財団について、このことは大変印象深いものがありました。サーラ参考人からドイツでの活動、また、菅原参考人からは、日本にも民主化支援財団があれば多角的な外交ができるようになるということ、是非実現をお願いしたいという提言もあったところであります。
 一方、日本の政治風土の中でこういった財団が可能かどうか、国民と政治、国民と政党、国民の国際貢献の意識、外務省の在り方、財源の問題、民主主義のこれから成熟を考える上でということ、大きな議論が必要だと思っております。このことは引き続きまた議論をしていくこと、このことを要望したいと思います。
 以上です。
#12
○会長(鴻池祥肇君) 伊波君。
#13
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 従来、二元外交や多元外交は否定的な意味で使われてきました。冷戦期やその後の国際関係においては、日本政府、外務省による対米協調重視の一元外交に一定の合理性があったかもしれません。しかし、米国の後退と世界の多極化により、外務省による一元的な外交だけでは機能不全になる場合もあります。例えば、トランプ・安倍会談の調整役となったのが経産省に依頼されたトランプ・タワーに所在する日本企業であったことなどが象徴的です。
 また、外交・安全保障に関して、沖縄県民の民意と日本政府の政策にはそごが生じています。こうした傾向は、民主主義や地方分権の深化により、他の地方においても生じ得るものです。外務省以外にも、国の取組を多角的に捉える視野を培うために、多元的な交流、外交ルートを積極的に支援していくべきではないでしょうか。
 かつて四百五十年続いた琉球王国は、当時、中国福州に琉球館という出先機関を有し、現在も、沖縄県はワシントンに事務所を置いています。このような自治体外交、あるいは自治体独自の人材の交流、相互の研修などの意義と課題を調査し、国として積極的に支援する措置を講ずるべきではないでしょうか。
 さらに、国会が各国の議会と公式の交流を拡充していくのみならず、議員個々人による日常的な国際的な発信や交流、相互訪問などの議員外交を国会としても積極的に支援していくべきです。そのための参議院規則等の柔軟な見直しを提起すべきと考えます。
 以上です。
#14
○会長(鴻池祥肇君) 以上で各会派一巡をいたしました。
 他に発言を希望される方は挙手を願います。
 宮本君。
#15
○宮本周司君 自民党・こころの宮本周司でございます。
 これまで、参考人の先生方の御意見、御発言、またこの調査会委員の皆様方の質疑を通して、私なりの意見を申し述べさせていただければと思います。
 昨今の現象からいたしましても、北朝鮮による世界の秩序を乱すようないろいろな行動があり、また、韓国で新たな大統領が誕生する、また、アメリカの方においてはこれまでの流れと変わるいろいろな発信がなされております。現在、このアジア太平洋地域は極めて不安定な様相を見せていると思っております。
 そんな中、今週末に、例えば中国北京において一帯一路のフォーラムが開催をされます。我が国も含めまして、各国の元首、閣僚、また経済界要人を集めた初めての国際フォーラムが開催される予定であります。一帯一路構想に基づいたインフラ開発等、こういった経済協力を通じて各国の関係強化が期待される、こういった現状において、我が国は改めてこれまで以上に質の高いインフラ投資を推進していくこと、そして、その中でやはり国際スタンダードの遵守の重要性を示す機会をしっかりと得ていく、このことが必要なんじゃないかなと思っております。
 特に、日本は加工貿易立国でありますので、そんな中、アメリカを中心として今発信されております自由貿易への懐疑であったり、また保護主義の台頭、こういったものが進む状況においては、やはり保護主義に対抗していく、そして、アジア太平洋地域の自由貿易であったり、また、場合によっては手段としてメガFTAを力強く主張するなど、そういった牽引役を担っていく、そういった気概も今の日本の外交の中では必要なんじゃないかなと思っております。
 また、別の事象で、中国がどちらかといいますと行動第一、また外交第二といったような主義の下でいろいろな立ち振る舞いをしております。アジア太平洋地域におきましても、そういったことが不透明感であったり、また不確実性を強めてきている、このように考えております。
 例えば今、RCEP交渉において、再来週、世耕大臣が向かわれますが、関税やルール分野など高いレベルでの合意を目指すべきと、こういったことを日本が主張しているのに対しまして、中国とかASEANの一部の国で、合意のレベルは犠牲にしてでも早期に妥結を目指すべきと、こういった国際協調間の中で、若しくはその現場であったり取り巻く環境、ここにひずみを発生させるような動きというものも見受けられるようになってきていると思います。ここに来て改めて、日米同盟を基本軸とするのは変わらずに、ここは守りながらも、やはり国際市場、国際社会において二国間、そして多国間の様々な機会を組み合わせていく、このことを更に強化していかなければいけないと思っています。
 改めてになりますが、日本の平和であったり社会生活、また経済力も含めた国力、これはやはりグローバリゼーションによって確立している、このことを鑑みますと、やはりどの国とも平和に交流して自由に貿易をできる体制、これを堅持していかなければいけない。様々な機会、様々な曲面、様々なステージ、そういったところで所管官庁がしっかりと連携し、安定、そしてかつ質の高い状態を保っていかなければいけないと思いますし、それを持続させるためのPDCAも仕組みとして回していくことが必須であると思っています。国際社会において日本がしっかりと立ち振る舞っていく、それをマネジメントしていく上でも、日本の国内において縦割りを排除していく、そしてチーム日本を実現するような、そういった横連携のスキームを明確に構築をすべきだと思います。
 当然、官邸を主として官民が一体となったいろいろなプロジェクトが動いていること、これはしっかりと理解をしているところでございますが、改めて、現場を守り、つくる各省庁が本質的なレベルで連携協力していくことが最重要課題である、その体制を構築していくことこそが今後の外交であったり様々な戦略を機能させていく、このように考えておりますので、このことを重ねて訴えまして、私の意見とさせていただきます。
#16
○会長(鴻池祥肇君) 古賀君。
#17
○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。
 時間の関係もございますので、早速申し述べさせていただきます。
 二月の十五日、藤崎参考人から外務省の人材育成についてお話がございました。外務省の外交官試験とそれから国家公務員の試験、これは一本化されておりますけれども、その功罪を見直すべき時期に今来ているのではないかと考えております。国際法や外交史、これが試験科目にないまま、研修だけで外交官になっていいものだろうかと、こういうことをしっかりと検証していく時期にも入っているかと思いますし、また同様に、各省庁や民間会社からの在外公館への出向についても、外務省にはないビジネスの専門的知識を活用できる利点というものもありますが、先ほど述べました国際法や外交史の知識、こういったものをどう準備していくのか、民間の活力を更に高めるためにもこういったことも必要だと思っております。
 二つ目は、国民の英語能力向上について参考人からお話がございました。中国語や韓国語、タイ、インドネシアなどアジア各国の言語を身に付けた人材をどう育成していくか。現状ではほぼ大学からとなりますが、それでいいんだろうかという提言でございました。
 長崎県の離島に壱岐というところがございます。この壱岐の公立の長崎県立壱岐高校では、中国語学科というのが実は普通高校にもかかわらずございまして、実際に上海から中国語の先生を呼んで、そのまま壱岐高校を卒業いたしますと上海外国語大学に留学ができるというシステムがございます。
 こういったことをしっかりとほかのエリアでも、ほかのそれぞれの地域で、御縁のある外国あるいは直行便のあるところ、友好都市を結んでいる国、こういったところとしっかりと連携して、中学や高校からもそういった外国語能力の向上を目指した早くからの教育システムというのを検討していく必要もあるかと思います。
 それから三番目に、クールジャパンについてでございます。河東参考人からお話がございましたが、韓流と比べまして、アジア各国での地位がまだ日本は弱いのではないかという御指摘でした。
 私の知り合いも、補助金をいただいてクールジャパンの様々なフードを実践して、ヨーロッパでイベントを行いましたけれども、結局、主体となったその知人は手出しで数千万円自腹を出すことになりました。こういうことがないように、しっかりとクールジャパンの予算、出すべきところはしっかり出していく、検討もしていく必要があるんじゃないかと思っております。
 四番目、国連外交についてですが、川端参考人からお話がございましたとおり、二国間協議が中心ではあるものの、もはや限界も見えるところもございます。国連での外交、これをしっかり二国間協議の補完ができるように、これから私たちも、少なくとも私は勉強をさせていただきたいと思っております。
 それから五番目に、NGO法人についてでございますが、二月の二十二日、それぞれの参考人からお話がございました。それを受けまして、NGO活動を支援するための税制をどう具体的に構築していくか、これが課題かと思われます。
 また、NGOと公務員、そして民間企業を行き来するキャリア、こういった方々の中で仕事に恵まれない方もいらっしゃるのも事実でございます。これは働き方改革にもなるかと思いますけれども、民間企業での兼業制度、こういったものを構築していく上において、NGOで活躍された人材方をどう受け入れていくのか、あるいは、民間の企業にいらっしゃる方々がNGOで頑張りたいというものを民間企業がどうやって積極的に支援をしていくのか、働き方改革の中でも是非御意見の交換をしていく必要はあるかと思います。
 それから、国際NGOにつきましては、議員立法で昨年成立いたしました休眠預金活用法、これをしっかりと具体化していく方向の一環として使える手だてはないものだろうかと御提案をさせていただきまして、私の意見とさせていただきます。
#18
○会長(鴻池祥肇君) 次に、「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について、御発言を希望される方は挙手を願います。
 武田君。
#19
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について、三点意見を述べます。
 第一に、日本政府として、先ほども述べましたように、憲法九条を持ち核兵器を持たない国として、日本国憲法の立場に立った外交こそ、国際社会での信頼を得ることができるし北東アジア始め世界の永続的平和に寄与することができるというふうに考えます。
 今、国連で核兵器廃止の議論が始まっています。被爆者の皆さんや国際社会が求めてきたのが核兵器の廃絶です。これは、北朝鮮の核開発を許さない上でも大変重要な国際社会の動きだというふうに考えています。
 この核兵器の廃絶、北朝鮮の非核化に対して日本政府がどのような役割を果たすかについて、参考人からも、日本は核を持っていない国ですので、その発信するメッセージとして核を持っている国が発するメッセージとまた違うメッセージになるし、また具体的にも日朝平壌宣言の実現という観点から積極的な役割を果たしていくことができるという意見が寄せられておりました。これは国際社会の流れとも一致した大変重要な方向性だと考えます。
 第二に、そのためにも各国間の連携を強めていくことが非常に大事だということです。
 参考人からは、北朝鮮で壊滅的なことが起きないようにしなければいけない、力と力の対決ではいい結果を生まないという意見も寄せられました。もし朝鮮半島で武力衝突が発生するという事態になれば、日本も含めて関係各国が巻き込まれていくことになってしまいます。そうした事態を回避するための粘り強い交渉の努力と各国の連携を強めることが必要と考えます。
 第三に、日中韓の連携を強める上で、私は日本の侵略戦争の歴史に正面から向き合うことが必要だと考えています。そのためにも、歴史的事実に基づく共同の歴史研究と、それに基づく歴史認識は重要だと考えます。
 参考人からも、専門家による共同研究はやるべきだという意見、それから、戦後史に関わる部分での共同研究には難しさがあるが、実際、近代史については相当日本の研究者と中国の研究者が交流をやっている、最初はクローズドでやらなければしようがないと考えているということも率直に話されました。
 既に始まっている専門家による共同研究は、市民やNGOなども含めた外交、それによるそれぞれの国への多様な理解にも通じるものとして、私は大変注目をしていきたいというふうに思っております。
 こうした相互対話を通じて互いの認識を深めながら、今直面しています北朝鮮問題の解決のためにも、外交、対話による努力、非核化に向けた努力を強めることが大切だというふうに考えております。
 以上です。
#20
○会長(鴻池祥肇君) 柘植君。
#21
○柘植芳文君 自由民主党・こころの柘植芳文でございます。
 本調査会の一年目の調査のうち、「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 地域内での相互関係が深まる一方で、中国の活発な海洋進出や北朝鮮の脅威が新たな段階に達している現状を見ると、アジア太平洋の平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方を三年間の調査テーマとした本調査会の判断はまさに時宜を得たものであり、実現可能で実効性のある方策の取りまとめに向けた今後も調査を進めていくことが期待されていると思います。
 そうした中で、一年目は、地域の平和や地域協力を実現する上で鍵を握る大国である米国と中国、緊張の最前線である朝鮮半島に位置する韓国と北朝鮮という日本の同盟国や近隣国である四か国との関係について、信頼醸成と永続的平和を実現していく上での課題を調査したことは、今後の調査を進める上で基礎となるものとして妥当だと思います。
 そこで、順次各国との関係について意見を述べますと、まず日米関係では、トランプ政権の先行きが見通せない中で、日米同盟を更に実効あるものにする努力が重要であると思います。また、それを下支えする意味でも、自由貿易が米国の利益にもなっている事実への理解を求めつつ、日本の国益を守る通商関係の構築が重要であり、TPPの今後の進め方も含め具体的な取組について議論を深める必要があると思います。また、北朝鮮問題との関係では、日本は北朝鮮に関するトランプ政権の経験不足を補い、誤解に基づく軍事衝突が起こらないように同盟国として米国をしっかりサポートしていく必要があると思います。
 次に、日中関係では、アジア太平洋において平和を実現するためには、中国が力による現状変更ではなく国際ルールを遵守する方向に変わっていくことが重要でありますが、中国が富国強兵という発想に縛られている中では、知識人交流や留学生の受入れなどを通じて、個人レベルから理解を積み上げ国全体を動かしていく取組を強化していくことが遠回りに見えても重要だと考えます。
 次に、日韓関係では、韓国政府が慰安婦像に関する政府間合意を履行できないことなど課題が山積する中で、関係改善を図るためには、貿易や人的交流など両国関係の強靱な面に着目することが重要でありますが、韓国社会における道徳的志向、メンタリティーの高まりとどう折り合うかを付けることも含めて、日韓関係の意義については根本から議論していく必要があると思います。その際、参考人が提起した二十周年を迎える日韓共同宣言のリニューアルは一つのきっかけになるのではないかと思います。
 最後に、日朝関係ですが、現在の北朝鮮危機とも言える状況の中で、米国が日米同盟に基づく力強いコミットメントを発している点は歓迎したいと思いますが、軍事的なオプションはあくまで最終手段であり、可能な限り外交など非軍事的な努力が必要であると考えます。北朝鮮の態度が改まらない中での外交交渉は、北朝鮮に安全地帯を与え時間稼ぎに利用される可能性がある点を踏まえ、圧力として経済制裁の抜け穴を防いでいくため、日米韓が連携し、中国やロシアなどから実効性ある協力を引き出し、その上で日本は北朝鮮に対して何ができるかを議論していく必要があると思います。
 以上で私の意見表明を終わります。
#22
○会長(鴻池祥肇君) 真山君。
#23
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。
 今回のこの調査会のテーマでありますアジア太平洋における平和の実現、そして地域協力及び日本外交の在り方というこのテーマは、まさに私は時宜に合ったテーマだというふうに思っております。そして、その後半で、特にその課題を実現するための信頼の醸成それから平和の実現に向けた取組と課題ということについて、専門家の方をお呼びしてこの場で意見を伺いました。
 私は、こうした調査会の運営の在り方、大変有益だというふうに考えております。まさに、専門家、そして現場の第一線で活躍をしている人たちをお呼びしてその考え方、意見を伺うということは、まさにこの参議院の議論の在り方としてとても大事な重要なことではないかということを実感いたしました。この中で、専門家の方に意見を聞いて、やはり国会あるいは議員という仕事、視点を広めて考えを深めるという、これについて大変有意義であるという印象を受けました。
 今回のこの調査会では、大変広いテーマでお話を伺うことができたというふうに思っております。隣国といっても、日米関係から始まって、日中、そして日ロ、あるいは遠く今ヨーロッパも大きく変わっている、世界がまさに今大きく変わっているということを今回のこの調査会で実感をさせていただきました。そして、お隣の国である日韓、日朝関係についても様々な課題、難しい点があるということを専門家の方から御意見を伺いました。
 そして、私は、特にやはり自分として印象的だったのは、実はこの年の年初、トランプ政権が誕生して大統領に就任する直前のアメリカを訪問したわけですけれども、現地のアメリカですらトランプ政権、トランプ大統領の誕生ということを予想もしていない衝撃的な出来事というふうに捉えていて、一体アメリカがどうなるか分からないというような、そうした意見を、現地のアメリカですらそういうふうな意見を私たちは伺ってきたわけですけれども、今回のこの調査会の参考人のお話では、やっぱりトランプ大統領を評価するという意見もありまして、やはりそうした多面的な見方をしていかなければいけないのだということも実感をさせられました。
 それから、大事な日韓、日朝関係ですけれども、特に北朝鮮、聞く耳を持たない大変危険な国というふうに言われていますし、経済制裁をやってもなかなかその効果が出ないんだから、いっそのこともっと強硬手段に出たらいいんじゃないか、どうだというような、そうした意見もありましたけれども、私は、この北朝鮮との関係というのは一体どういうふうにすれば改善ができるのか、特に私は気になっているのは、自分がメディアで働いていたときから、やはり拉致問題ということ、これを解決しなくてはいけないのではないかという考え方を持っていました。これも行き詰まったまま、こうしたことも踏まえて、一体どうしたら解決ができるのか、いい関係を築けるのか、そんなことを考えながら意見を伺っていた中で、やはり参考人の方から、北朝鮮との関係というのは難しいけれども、基本はやっぱり圧力と対話である、やっぱりこれしかないのだなという思いも強くしました。やはり、外交というのは忍耐強く我慢強くやっていく、それが大事であるということを教えていただいたという気がしております。
 そして、韓国との関係も今ぎくしゃくしています。お隣の国です、お隣の国だということは、やはりほかに何物にも代え難いお隣ということであります。ですから、そのためにはやはりいい関係をどうやって保っていくかということを考えると、これはやはり外交、外交力が非常に大事ではないかというふうに思っております。そのためにも国会の力、そして私たち議員の力を高めていく、これも大変必要なことではないかというふうに思っています。
 そういう意味で、今回のこの調査会を通して感じたことは、こうした場で幅広く様々な考え方、意見を伺うということは私たちの力を付けていくという意味で重要であり、こうしたことで視野を広げていく、これは大事なことなので、この調査会の今回の私は本当に大変有意義なテーマでの研究をさせていただいたというふうに評価をさせていただいております。
 ありがとうございました。
#24
○会長(鴻池祥肇君) 高瀬君。
#25
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美でございます。
 議題となっております「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について意見を述べたいと思います。
 四月十九日の調査会において、日中、日米関係という論点から三名の参考人の先生方に御意見を聴取いたしました。それぞれ専門的な観点からお話をいただきましたが、私にとって印象に残っておりますことは、東京大学の高原参考人のお話の中にありましたけれども、日中のより良い関係構築のためには広報外交が重要であるという点、特に中国においては日本の学者による発信の機会を増やしていくことが重要という点でございます。民間交流が日中関係の更なる深化のために重要であることは言うまでもありませんけれども、多層的な関係構築のためには、特に外交分野において、専門家である研究者の方々の力もお借りをして、日本から見る中国観というのを正しく発信していくことも今後更に検討していく必要があると改めて感じたところであります。
 近年、外務省は、内外の有識者による学識的観点からの歴史問題や領土問題についての日本の見解の発信ということを取り組んでおりますけれども、引き続きこうした取組も重要であり、後押しの必要があるということを改めて感じました。
 また、四月二十六日の調査会におきましては、日韓、日朝関係という論点からお話を伺いました。参考人の小針教授から御説明のあった日韓関係の構造的変化という点が大変に印象に残りまして、日韓の間には様々な困難もありますが、今、北朝鮮という大きな共通の脅威を抱える中で、日韓間の各界のパイプが先細りしているという御指摘、これは真摯に捉えて、政府による外交だけでなく、青少年交流を始めとしまして議員外交の面でも改善をしていく必要がある点ではないかと強く感じた次第でございます。
 調査会の後半におきましては、北朝鮮と米国の緊張が高まる中で、改めて日米、日中、日韓という日本外交にとって大変重要な二国間関係の在り方について考える機会を頂戴いたしました。韓国では新しい大統領も誕生しまして、日韓関係もまた新たな局面を迎えてまいります。このような中で、参考人から御指摘をいただいた数々をこれからの日本外交、また政策に生かすべく、引き続き私個人としても勉強してまいりたいと思っております。
 以上です。
#26
○会長(鴻池祥肇君) 木戸口君。
#27
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。
 また参考人の意見を参照しながら、自分の意見をまとめたいと思います。
 今回のキーワードですが、私なりに考えるのは、アメリカ、アジア太平洋地域の不確実性が高まっている中で、日本の主体的外交、そして二国間と多国間との外交、これをうまく組み合わせていくこと、これがキーワードであったのではないかと考えております。
 伊藤参考人からありましたグローバリゼーション・パラドックス、今日、グローバリゼーション、民主主義、国民主権の三つを並列的に成功させることが難しくなってきていること、これが不確実性の高まりということで、この構造変化に対し早急な対応が必要となってきていること、この指摘をまずは踏まえなければいけないと、そのように思っております。その中で、米国の相対的地位が低下する中、アジア太平洋地域の国際環境は極めて不確実性を増しているという伊藤参考人の指摘も大きいと思っております。
 また、高原参考人から、中国が大きく発展し影響力を高めている状況では、中国の力の自制及び日中関係の安定化が東アジアの平和にとっての大きな課題であるという指摘。そして、李英和参考人からの指摘でありますが、北朝鮮危機、あらゆる分野で韓国と日本との共同により解決していくことが強く求められていること、両国が役割を果たせず、米中が仕切る形で解決されれば、アジアで米中共同支配が確立し、韓国、日本共にアジア外交、特に北東アジア外交での主体性をなくしてしまうという指摘。
 こういう中で、日本の主体的外交ということを先ほど前半でも述べましたが、議員外交、あとは多元外交、この役割をもう一度見詰め直しながら、こういった不確実性の時代に日本の主体的外交を立て直していくことということが大事であろうと考えます。
 また、初日の総論的調査での指摘でありましたけれども、白石参考人から、日本が地域戦略で米国に追従すると日本の存在感が希薄化するということ、これは非常に重い指摘であったと思います。また、日本の外交は、日米同盟を基軸にしつつも、二国間と多国間を組み合わせ、アジア外交では独自の取組を行っていくべきであるということ。
 その点で、これは前半の参考人になりますけれども、川端参考人から、国連、ここを大事にするべきだと、多国間外交の利点ということが述べられたところであります。国連の発展、また国連を中心にという日本外交の在り方をまたこの参議院の場でしっかりと議論をしていくこと、重要であろうと思います。
 またもう一点、川端参考人からPKOについてお話があったところであります。南スーダンのこともあります。また、PKOが大きく質が変容してきていること、その指摘もあるところであります。国連で唯一の安全保障のための手段ということでもありますので、このPKOについても、参議院の場でこの機会に議論を深めていくべきだということを提案したいと思います。
 以上です。
#28
○会長(鴻池祥肇君) 伊波君。
#29
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 米国の後退と世界の多極化により、アジア太平洋においては中国やインドが台頭しています。こうした国際関係に対応する新たな外交戦略が求められています。
 安倍政権は、これまでどおりの対米協調重視を日本の国益と考え、総理自らが対中国包囲網を構築するという硬直的で誤った外交戦略に基づき、地球儀を俯瞰する外交を展開してきました。しかし、結果的に対中国包囲網はできておらず、何ら成果を上げていません。安倍政権の安全保障政策は、中国を仮想敵国として、最悪の場合、沖縄や日本本土が戦場になるとしても、米国に追随すべく自衛隊独自の軍拡も進めるというものです。
 日中は、現在、偶発的な衝突を回避するための日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの協議を続けています。言うまでもなく、首脳同士を含め、様々なレベルでの危機管理メカニズム、信頼醸成措置の整備は急務です。
 十二万人余の住民が犠牲になった沖縄戦を経験した沖縄県民にとって、現在の米国や安倍政権の現状の取組では再び戦場にされかねないという考えの中で、安倍政権や米国とは異なる安全保障政策を今求めています。米国の軍事的なリバランスやオフショアコントロール、あるいはオフショアバランシングなどの戦略変更により、沖縄に集中してきた在沖海兵隊もオーストラリアやグアム以東に後退していくことが予定されています。
 日本と中国が友好関係を築くことができれば沖縄の非軍事化が進展します。沖縄県の翁長県政は、こうした沖縄における米軍基地の希薄化を受けて、人間の安全保障の考えを基礎に、沖縄を日本とアジアの懸け橋、平和の緩衝地帯として、沖縄がアジアや日本の平和に貢献することを中心とする二十一世紀ビジョンを取り組んでいます。
 こうした信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組を政府及び国会としても支援していくことが日本の平和に結び付くと考えています。
 以上です。
#30
○会長(鴻池祥肇君) 東君。
#31
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず最初に、遅れてきましたことに御理解をいただきましたことに御礼を申し上げます。
 そしてまた、今回、この国際経済・外交に関する調査会におきまして、大変広いテーマではありましたけれども、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」という広いテーマにおきまして、先生方に来ていただきまして大変貴重な参考人の御意見をお聞かせいただいたことにまず感謝申し上げたいというふうに思います。
 その中で、五点ほど意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 今の日本の状況を見ておりまして、一番喫緊の課題はやっぱり北朝鮮の問題であるというふうに考えます。これほど北朝鮮の脅威が緊迫した状況というのはこれまでになかったというふうに考えておりまして、北朝鮮の核の開発、ミサイルの開発、こういったことに対してどう日本として取り組んでいくのかという問題、また、拉致問題が解決されていない中でこの問題をどう対応していくのかということも改めて検討すべきだというふうに思っております。
 参考人の方からは、北朝鮮の脅威を除去する永続的な対処方法として、経済制裁の強化であったり軍事的圧力の強化であったり、また亡命政権樹立構想を含む政権交代の準備とか、そういった御提案というか、そういったこともお聞かせいただきましたけれども、しっかりと、日本としてどういうところを対処方法としてやっていくのかというところをしっかりとやっぱり議論をしていかなければならないと思います。経済制裁におきましても、やっぱり中国とかロシアとか、そういったところの協力も大変大事になってきますので、そういったところについても検討していくべきというふうに考えております。
 それから二点目につきましては、日韓関係、これも大変重要だというふうに考えておりまして、韓国が日本にとって隣国であることにはやっぱり違いないわけであります。その中で、今回の北朝鮮の脅威に対してもやっぱり協力して取り組んでいく、対応していくべきでありますし、また、日韓関係をより良くしていくためにも、新しく韓国の大統領が誕生いたしましたけれども、これまでと同様に、例えば日韓合意につきましてもきちっとやっていっていただく、そういった取組もやっぱり必要だというふうに考えております。
 それからもう一点、移民、難民についてであります。今回のフランスの大統領選挙を見ておりましても、難民、移民対策というのが大変大きなテーマとなりました。これは日本にとりましても全く他人事ではないわけでありまして、移民、難民対策についてどう取り組んでいくのかということもしっかりと検討していかなければならないというふうに思います。
 それから、TPP対策についてでありますけれども、経済の分野でTPP是非やるべきだという参考人の御意見もありましたが、残念ながらアメリカが離脱したわけでありまして、それでは十一か国でしっかりともう一度やってはどうかということも含めて検討していくべきだというふうに考えております。
 それから最後に、外交をしっかりとやっぱりやっていくべきということで、大臣、総理を含めて、総理とか大臣の海外渡航をもっとやりやすくというふうな御意見もありました。今の制度だと議運に一回諮らなくてはなかなか行けないというふうな状況もあります。そういったところの点も含めて考え直していくべきではないかなというふうに思います。
 以上です。
#32
○会長(鴻池祥肇君) これより二巡目と相なりますが、御発言の御希望の方は挙手願います。
 杉尾君。
#33
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。
 これまで外交の最前線で活躍されてこられた方を始め、これだけそうそうたる学者、研究者の皆さんから体系的にお話を伺う機会、これは本当にめったになくて、その意味でも、本調査会に所属させていただいたことを非常に光栄に感じております。ありがとうございます。
 さて、今回の調査のテーマを考えますときに、この東アジア地域においては、とりわけ最近の北朝鮮による核・ミサイル開発エスカレートに加えて、アメリカ・トランプ政権の誕生による不確実性の外交によってかつてなく緊張が高まっている、こういうふうによく言われるわけでございます。しかし、今回の参考人の皆さんはそうした状況を冷静かつ客観的に分析されておられまして、私もそうした考え方に全面的に賛同するものであります。
 まず考えるべきこと、私ども日本としては、これまで同様、良好な日米のバイの関係を基軸としつつ、日中、日韓など近隣国との関係を改善するため、日中韓三か国の首脳会談の定期的開催はもとより、私ども議会としても、日中、日韓議連の取組を更に強化すべきというふうに考えます。さらには、これから世界経済の中でますます存在感を増すであろうインド、そしてオーストラリアなどアジア太平洋地域の重要なプレーヤーとのマルチの関係を深めて、我々議会も政府とともに重層的な外交を進めることが必要だというふうに考えます。
 中でも、わけても重要なのが日中関係でありまして、先ほど来話が出ておりますけれども、本調査会の参考人でもいらっしゃいました東京大学大学院の高原教授指摘されたとおり、日本としては、中国との相互利益の共有を通じた共生、共に生きる、この共生の実現を戦略目標としつつ、日中関係の脆弱な面、とりわけ歴史認識、そして尖閣問題での関係改善に取り組み、印象的な言葉が三つございました、リアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズム、この三つの考え方を総動員して中国にアプローチしていかなければならないと改めて痛感しました。北朝鮮への対話と圧力の政策も、この中国の存在なくしては前に進めることができません。
 また、今回の調査で聴取いたしましたアメリカ、ドイツなど欧米諸国で盛んな政党によるシンクタンクや民主化支援団体などの活動も重要だと改めて指摘させていただきます。本調査会の意見聴取でもあったように、この点で我が国議会は大きく後れを取っており、再び真剣に取り組むべき課題というふうに考えます。
 最後になりますが、とかく最近の日本人は内向きであるというふうに言われますけれども、国民の語学力、社交力を含めて、課題は山積しております。外交力とは、すなわち国民の力であり国力そのものでもございます。その当たり前のことを改めて本調査会において認識しまして、北朝鮮問題を始めとしたアジア太平洋地域の平和と安定のために、本参議院としても取り組むべき課題はまだまだ数多くあるというふうに思いました。
 以上でございます。ありがとうございました。
#34
○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 委員間の意見交換はこの程度といたします。
 委員各位には、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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