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2017/04/06 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
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2017/04/06 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号

#1
第193回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
平成二十九年四月六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   経済産業委員会
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                岩井 茂樹君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                石上 俊雄君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                北村 経夫君
                林  芳正君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                伊藤 孝江君
                石川 博崇君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   環境委員会
    委員長         森 まさこ君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                高橋 克法君
                芝  博一君
                石井 苗子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                二之湯武史君
                松山 政司君
               渡辺美知太郎君
                榛葉賀津也君
                浜野 喜史君
                柳田  稔君
                三浦 信祐君
                若松 謙維君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
       環境大臣     山本 公一君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     森  和彦君
       経済産業大臣官
       房長       高橋 泰三君
       経済産業大臣官
       房審議官     佐藤 文一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   末松 広行君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       環境大臣官房審
       議官       早水 輝好君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       梅田 珠実君
       環境省地球環境
       局長       鎌形 浩史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
   〔経済産業委員長小林正夫君委員長席に着く〕
#2
○委員長(小林正夫君) これより経済産業委員会、環境委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○渡辺美知太郎君 自由民主党の渡辺美知太郎です。
 まず、質問に入ります前に、私の地元でもある栃木県那須町で起きました雪崩事故により犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様には心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 では、質問に入ります。まず、化学物質開発、製造能力向上に関する質問をいたします。
 我が国の化学物質の製造比率というのは年々下がってきております。化学物質の開発、製造能力の向上のためには、開発コストの削減と開発のスピードを速めるような体制づくりが必要であります。しかし一方で、人類が生み出してきた化学物質、その恐ろしさというのは多大なものがあります。そもそもこの化審法の制定の契機となったカネミ油症事件では、今でも被害に遭われた方々が苦しんでおられる現状であります。症状で苦しんでおられる方、偏見などで苦しんでおられる方、今でもいらっしゃいます。
 このようにこの化審法というのは両者のバランスが非常に重要なものであるわけでありまして、二〇〇三年の改正で、事前審査の特例という形で、毒性については不明であるものの、少数のものについては手続を省いた形で製造、輸入できる形となりました。そして、今回の改正でも、制度の趣旨にのっとりながら、より合理化がされるというものであります。
 そこで、質問に入ります。
 経産省としては、我が国の化学物質開発能力の向上についてはどのような方針があるのか、また、この化学物質の開発能力の向上の観点から今回の化審法の改正はどのような影響があるのかということと、環境省については、今回特例制度を合理化することによりまして、これまでも審査の手続を一部あるいは免除をされている化学物質の製造、輸入が今後増加することが予測されますが、環境省としても化学物質から国内の環境をどのように守るのか、世耕経済産業大臣と山本環境大臣に伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、国民の健康をしっかり守る、あるいは生物の生態系に影響を与えない、そのことを前提にしながら、一方で化学産業の振興をどう図っていくか、これがまさに今回の化審法改正の一番大きな根源的な考え方だというふうに思っています。
 我が国の化学産業は、これ縁の下の力持ちで余り目立たないんですけれども、やはり液晶ディスプレーですとかリチウムイオン電池といったものの材料といった面で、これ高機能化学品といいますが、非常に強い国際競争力を持っています。
 例えばリチウムイオン電池の材料でいきますと、このセパレーターというところですね、ここは日本メーカーが五七%のシェアを持っています。また、電極の負の方ですね、負極の材料については三一%という形になっています。
 ただ、今この分野というのは非常に国際競争も激しくなってきていまして、先ほどのリチウムイオン電池の材料でいいますと、電極の正極の方は、二〇〇八年にはシェア七七%持っていたのが、今では一五%ぐらいになっています。あるいは、リチウムイオン電池の電解液でいいますと、二〇〇八年には六八%持っていたシェアが今二〇%ぐらいになっているということで、やはり非常に激しい、厳しい国際競争に巻き込まれているという面もあるわけであります。
 経産省としては、こういった日本の化学産業が国際競争にしっかりと立ち向かっていくために、まず新しい高機能化学品をAIなどを活用してスピーディーに開発するための研究開発プロジェクトを実施をしていくということ、あるいはオープンイノベーションを促進をするために研究開発促進税制の見直しですとかあるいは産業革新機構による出資、最近でも幾つか化学関係に出資をしておりますけれども、こういったことにも取り組んでいく、そして開発能力向上をもたらす事業の再編、新陳代謝の促進などに取り組んできているわけであります。
 先ほども申し上げた健康や生態系に影響を与えないという趣旨を変えることなく、今回の法改正によって制度の合理化を目指していきたいというふうに思っています。
 具体的には、事業者が、当然新しい化学物質というのはそれはいきなり大量に作りませんので、ごくごく少量を作る、あるいは海外から輸入して別の化学物質と何か研究とか実験を行うというようなときに、今でもこの審査を簡素化する特例制度というのがあるんですが、そのときに、製造、輸入の量で今までは縛っておりました。それをもう少し本当の環境への影響ということで、環境に排出される量に着目をして見直しを行おうというのが今回の法改正の狙いであります。
 今までの製造・輸入量全体で枠を掛けていますと、割とすぐ上限に来て、複数の社が輸入したいとか製造したいというときになかなか柔軟に対応できなかったわけでありますけれども、総量が上限を超えないように国が数量調整も今まで行ったりとかいうこともやっていたわけですが、そういったことがなくなるということで産業が機動的に対応できるということになってくる、事業者の予見可能性が高まって、そして事業のチャンスを失うことが少なくなって我が国の化学物質の開発能力の向上が促進されると考えています。
 ただ、あくまでも環境に排出されるという点に着目をしておりますので、当然健康や生態系には影響を与えないということが大前提になるわけでございます。
#5
○国務大臣(山本公一君) 特例制度の合理化の対象となる化学物質について、環境排出量が全国上限を超えることがないよう、安全側に立った排出係数等の設定や制度の運用を行ってまいりたいと思っております。
 また、既に得られている知見から判断して人の健康や動植物の生息等に被害を生ずるおそれのある化学物質が特例制度で申出された場合に、国はその製造、輸入を認めないとする措置を活用してまいりたいと思っております。
 こうした措置によりまして、引き続き化学物質による環境への影響を未然に防ぎ、環境保全が図られるよう取り組んでまいりたいと思っています。
#6
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁をいただきました。
 予見可能性という言葉をお使いになられていましたが、この予見可能性、今までは数量調整されるか否か分からないということで、やはりビジネスのチャンスを失ってしまうかもしれないということは、これは製造者にとっても大きな負担となってきたわけであります。
 また、早く申請を出さなければならないということで、ややもすると社内での検証が少し犠牲になってきた部分はあるかもしれないので、この予見可能性を高めるという観点については、ビジネスチャンスの確保と環境面の安全性の担保に資するのではないかなと私も考えております。
 現在、先ほども申し上げましたが、特例制度がございます。少量新規、低生産量新規の審査特例として、少量の化学物質の製造、輸入であれば審査を免除又は一部省略することができます。おととしのデータでありますが、二〇一五年で少量新規の申請数が三万五千三百六十件、そして低生産量新規の申請数が千六百四十八件ありまして、ちょっと数字を見ると、かなり多いなというのが私の実感ではあります。
 この内訳をお聞きしたいのですが、申請が重複する物質や用途にまず傾向があるのか、そして、特に申請の重なる場合は大体何社ぐらいが重複するのか、伺いたいと思います。
#7
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました申出を用途別に見ますと、液晶や半導体等の電気・電子用途と医薬品の材料などの中間物質で約半分を占めておりまして、また数量調整の件数も、この二つで全体の六割近くを占めるということでございます。
 申請の重なる場合についてですが、その多くは数社程度でございますけれども、最大でいいますと、平成二十七年実績で十八社、平成二十八年の実績では最大二十四社の申請が重複する事例がございました。
#8
○渡辺美知太郎君 限られた化学物質、一トンなり十トンなりありますが、最大で二十四社が重複するということは、当然数量調整になる可能性が高くなると思っていますし、また御答弁いただきました化学製品や中間物、それから写真版材料などは、これは芳香剤のように直接排出されるわけではありませんので、こうした直接排出されるわけではないものについては、今回環境排出係数という知見を取り入れて、環境を守りつつ製造もできる仕組みになるかと私も思っております。
 今、申請数について質問をいたしましたので、今度は数量調整自体についてちょっとお尋ねしたいなと思いますが、制度の合理化に伴いまして数量調整の件数が減る見込みであります。同じく二〇一五年で、少量新規の数量調整は四千二百七十六件、それから低生産新規の数量調整は二百四十八件と聞いておりまして、これ、割合でいうと、申請したもののうちどのぐらい数量調整になったかというと一二%から一五%程度のもので、低くはないなというのが私の実感ではありますが、今回の法改正によりましてどの程度数量調整が減る見込みか、お尋ねしたいと思います。
#9
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、同じ化学物質を申出した企業の重複数が最も大きかったのは平成二十八年で二十四社でありましたので、今般の改正案を適用した場合、二十五社以上の重複は想定されないと仮定をいたしますと、排出係数が二十五分の一、すなわち〇・〇四以下であれば数量調整は生じないと考えてございます。仮に現在の係数を前提とすれば、これに該当しますのが全体の八割でございまして、少量新規制度では御指摘いただきました四千二百七十六件のうちの約三千三百件ほど、低生産量新規制度では二百四十八件のうち約二百件ほどについては数量調整がなくなるのではないかなと考えてございます。
 例えばでいいますと、液晶用途、燃料電池、半導体の素子、医薬品の材料など、現在の係数は比較的小さくなっておりますので、改めて設定する係数が〇・〇四を下回れば、これらの化学物質については基本的には数量調整がなくなるのではないかなと期待しておるところでございます。
#10
○渡辺美知太郎君 数量調整が八割程度なくなるということで、ちょっと今度は審査の受付回数についてもお尋ねしたいなと思っています。
 現状、少量新規特例の場合は年に四回、それから低生産新規の場合は年一回の受付があります。当然これ上限に達してしまった時点で許可が下りないということで、少量新規の受付に関しては年四回あると申しましても、いつその上限に達するか分からないということで、ほとんどの申請が一月に殺到するという現状であると聞いております。今回の合理化で、用途によっては実質的に数量調整がなくなる可能性がある化学物質もあるわけでありますので、当然行政側のコストも減るかと思います。
 そこで、合理化を機に、例えば今後受付回数をより柔軟に、回数を増やすあるいは申請に応じて行うといった審査の受付の体制について、今後どのような見込みになるか、お尋ねしたいと思います。
#11
○政府参考人(糟谷敏秀君) 審査の受付回数を増やしてほしいという御要望は事業者の皆さんからいただいております。
 そのための工夫といたしまして、例えば申請で用いられている画像データによる化学構造式に変えまして、国際的に用いられている化学構造のコード化手法であるSMILESという手法がございますけれども、これを導入することができないかということを検討いたしております。これができますと、完全なコンピューター上での申請作業ができます。また、物とそれからコードとの突き合わせ作業も相当簡略化できることになります。
 このような取組を進めることによりまして、現在年四回の申請回数でありますけれども、この回数を増やせないかということを目指していきたいと考えております。
#12
○渡辺美知太郎君 前向きな御答弁いただきまして、この審査は何をするかといえば、当然これは化学物質が人体や環境にどのような影響を与えるかという、ここをしっかり審査をしてほしいんですが、現状では、法の趣旨とは関係のない部分で大分手間が掛かっているということを聞いております。例えば、審査の場では、申請のあった化学物質が同一のものであっても名称や構造式の記載の方法が統一をされていないということで、そもそも申請のあった化学物質が同一かどうか、突き合わせの作業で大分労力が掛かっている現状だと聞いております。
 そこで、今後そういった書式の統一など、どのような工夫をされているか伺いますとともに、これは審査特例の申請に限らず、化学物質の審査の短縮の取組についても併せて伺いたいと思っております。
 今日は配付物を持ってきておりますが、これは先ほどから答弁もいただいておりますが、AIを使って化学物質の審査を短縮するという取組を紹介した記事でありまして、こうした書式の統一、それからAIを使った化学物質の審査の短縮といった審査期間の短縮について今後どのように取組をされるか、伺いたいと思います。
#13
○政府参考人(糟谷敏秀君) 御指摘のように、新しい化学物質が同じ物質であるかどうかということを申請された構造式を基に目視で確認する作業に非常に時間と手間が掛かっておるところであります。
 先ほど御答弁申し上げました国際的な化学構造のコード化手法であるSMILESという手法を用いることによって、個々の物質とコード名を一対一でひも付けることができるようになります。今回の制度改正に合わせて、このSMILESのコード名による申出をいただくようにしたいというふうに考えておりまして、これが実現いたしますと突き合わせ作業の迅速化に大いに貢献するのではないかというふうに期待をしておるところでございます。
 また、お配りいただきましたAIの活用につきましても、やや中長期的な取組になろうかとは思いますけれども、化審法、これまで四十年間の運用によって蓄積された様々なデータがございます。このデータを活用いたしまして、AIによる最先端の有害性予測手法を開発することができないだろうかということで、そのためのプロジェクトを今年度から始めたいというふうに考えているところでございます。
#14
○渡辺美知太郎君 今御答弁いただきまして、最終的にはこれ人の手でチェックをすることになるかと思いますが、自動化できる部分もいろいろと余地があると思いますので是非議論をしていただきたいと思いますし、また、動物実験、試験についても今いろんな議論がある分野でありますので、是非、AIなどを使って代替できる方法も考えていただければなと思っております。
 続きまして、今回の法改正の肝と言えるような部分でありますが、環境排出係数の設定のための用途情報の把握について伺いたいと思います。
 今回の法改正では、特例制度の国内数量の上限が環境排出量ベースとなります。この排出量の算定には用途ごとの環境排出係数が用いられることになりますので、当然この設定が非常に重要になるわけであります。
 環境排出係数は、当然のことでありますが、できる限り本来の環境排出量に近いものでなければならないです。現状、スクリーニング評価やリスク評価などでも用いられておりますし、ヨーロッパでも運用されて研究が進んでいるかと思いますが、この用途情報の把握についてはどのように行うおつもりか、現状でも届出などで把握をしていると聞いてはいますが、今後、この用途情報によって係数は変わるわけでありますので、どのように信頼できる用途の把握ができるか、ちょっと伺いたいと思います。
#15
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の改正で御提案申し上げております方法に移行することによりまして、用途情報の重要性が増すわけでございます。この用途情報の正確性を担保するために、具体的には、事業者から追加情報を求めることとしております。すなわち、事業者から、化学物質の提供先の川下の事業者と交わした例えば売買契約書のコピーなど、用途情報を把握するために必要な書類を提出いただくことができないかということを検討をいたしております。
 他方で、事業者にとって過度な負担とならないようにしなきゃいけないという点もございます。こうした点にも留意をしながら、国が用途情報をしっかり把握できる方策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#16
○渡辺美知太郎君 是非、正確性の担保、これはしっかりと行っていただきたいと思っております。
 係数というのは、これ化学物質そのものではなくて、何に使われるかによって大きく左右されるわけであります。芳香剤であればそのまま排出されるわけでありますので一と、ただ一方で、液晶パネルに使うのであればより低い数字になると思いますが、この用途情報が正確でなければ意味を成さないわけでありますので、しっかりと正確性の担保、それからチェックについても今後しっかり議論を重ねていただければなと思っております。
 次に、審査特例を利用して作られた製品の廃棄時の取扱いについて伺いたいと思います。
 そもそも化審法というのは、これは廃棄の段階についてはそれは規定をされていないわけでありまして、廃棄する場合、これ廃掃法の分野になってくるわけでありますので、当然、今回の法改正でも環境排出係数というのは廃棄段階については想定をされていません。しかし、今回の特例制度のルールの変更に伴いまして化学物質の量が、全国での製造・輸入量が増えるわけでありますので、当然これらの廃棄についてはどのように考えているか、ちょっと環境省に伺いたいと思っております。
#17
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 廃棄段階における環境汚染の防止は廃棄物処理法等により対応がなされております。また、現在、化審法のリスク評価におきまして活用しております排出係数ですが、これは製造段階、調合段階、使用段階を考慮している一方、化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関する情報が乏しいことから、廃棄段階につきましては数値の設定に含めておらず、現在、調査検討を進めているところでございます。
 また、今回の審査特例制度の合理化に伴い用いる排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定運用を行うことにより、安全の確保に万全を期してまいります。
#18
○渡辺美知太郎君 この化学物質というのは非常に法律をまたぐといいますか、同じ物質でも使い方によって全然法律が異なるわけであって、当然、食品や農薬、医薬品を用途とする場合はこれは化審法の対象外でもありますし、また、物質の、天然物や放射性物質、それから特定毒物も化審法の対象外であります。今後は、テクノロジーの発展によってより多くの化学物質ができると思いますので、今回の法改正は本当に経産省と環境省の関係者の方々が連携に多大な御尽力をしていただいたものと思っておりますので、こうした連携をより深めていただければなと思っております。
 ちょっと時間になりましたので私の質問は終えたいんですけど、最後に、私の地元の偉人であります田中正造の言葉を紹介して終えたいなと思っております。真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべしという言葉がありまして、非常に重い言葉だなと思っております。真の文明とはどういうものかというのをしっかり考えながら、今後も活動していきたいと思っております。
 御清聴ありがとうございました。
#19
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 本日は、主には化審法の改正についてお伺いをいたします。そして、後段には、今日は経産大臣、環境大臣、来ていただいておりますので、地球温暖化対策について見解をお伺いしたいと思います。
 その前に、まずは世耕大臣にお伺いをいたします。
 一般論として、官民を問わず自らの財産を市中価格より安く売却するということになれば、それぞれの組織内において十分な理由、根拠、これをしっかり立てて決裁をすると、そして、その決裁をした文書については内外の今後の説明に堪えれるように保存しておくということ、これが常識的な対応だというふうに私は考えるんですけれども、世耕大臣はどのようにこの常識的な対応ということについてお考えか、見解をお願いいたします。
#20
○国務大臣(世耕弘成君) 全くそのとおり、常識のとおりだというふうに思います。
#21
○浜野喜史君 そのとおりということ、私も同感でございます。
 その上でお伺いいたしますけれども、今回の大阪の森友学園の対応についても、当然ながらそのような対応がなされたものというふうに私は推察をいたしております。関係されたと言われております近畿財務局そして大阪航空局においてもこのような対応がなされたものというふうに私は推察するんですけれども、世耕大臣はどのように推察されておられるか、お伺いします。
#22
○国務大臣(世耕弘成君) 森友問題でしたらもっとお詳しい方がそちらにいらっしゃるのかなと思いますけれども、国有財産の売却について、私はコメントする立場にはございません。
 これは、国有財産の売却については、もう理財局が予算委員会などでるる答弁をしているわけでありますから、もうその答弁に尽きるんだろうというふうに思っております。
#23
○浜野喜史君 そのような御答弁にならざるを得ないのかも分かりませんけれども、この関係、最後にもう一問だけ質問させていただきます。
 この関係について、適切に国有地の売却がされたということを政府が説明し切れているというふうに世耕大臣は考えておられるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(世耕弘成君) 私は、予算委員会で財務省理財局が十分に説明していると思いますし、それに本当に問題があるのであれば、これは参議院の要請で、今、会計検査院が検査をされているはずですから、そこで指摘が出てくるんだろうというふうに思います。
#25
○浜野喜史君 ありがとうございました。
 大臣は、内心は説明し切れていないんじゃないかというふうに私は思っておられるというふうに拝察をいたします。そういう苦しい大臣のお気持ちを私はそんたくしつつ、本題の質問に移らさせていただきたいと思います。
 化学物質審査特例制度の見直しについてお伺いをいたします。
 今回の法改正の背景には、平成二十五年六月に閣議決定されました規制改革実施計画におきまして、国民の利便性の確保や事業の効率化、低コスト化による最適なビジネス環境の整備の観点から化学物質審査制度の見直しが提言されたことがあると承知をいたしております。この背景からも分かりますように、今回の改正は言わば規制緩和の一環であるというふうに言えようかと思います。
 私自身は、変えることが全て良いことだと言わんばかりの規制緩和には疑念を持つ立場であります。その上で、今回の規制につきましては、しっかりとした科学的根拠に基づいて行われていくことが大前提であるというふうに考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。
#26
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
 今般の審査特例制度の見直しということで、科学的根拠はいかにということでありますけれども、新規の化学物質を少量製造とか輸入する場合に審査を簡素化しているのが今回の特例制度ということでありますけれども、今回、この改正のポイントは、先ほど大臣もおっしゃいましたように、化学物質を製造、輸入するその総量ではなくて、実際に環境に排出される量によるという実態に合わせて改正しようというものでありまして、規制の趣旨を変えるものではまずございません。その中で、事業者のビジネス機会の喪失を少なくしようという、そういう考え方でございます。
 そして、その科学的根拠ということでありますけれども、今回のこの法案の改正の中では、全国数量上限というのは維持しようということになっておりまして、これは世界で、アメリカとか韓国とかEUと比較しても唯一この数量制限が残るわけでありますけれども、これを残しつつ、排出係数というものを設けて実際の環境への影響を出そうということになっております。その用いていくのが、EUの産業分類という排出係数がございます、それを基に我が国の独立行政法人製品評価技術基盤機構における専門的な分析結果を反映した科学的根拠に基づいたものでございまして、現実には、現行においても、リスク評価となる化学物質を特定の用途に用いた際にどの程度環境に排出されているのかを簡易に算出をするために、試行的にもう既にこの排出係数を活用してきているところでございます。
 今後、この法律案が成立した場合、この試行的に活用してきた排出係数を基に、規制合理化の際に使用する目的で排出係数を見直しすることといたしておりますし、加えまして、この知見を前提としつつ、手続上も、公開の、厚労省、環境省、経産省、この三者の合同審議会とパブリックコメントをしっかりと経て決定しようと、このように考えております。
#27
○浜野喜史君 そもそもこの全国数量上限につきましては、先ほど御説明もありましたように、諸外国には見られない制度ということでございます。我が国におきましてこの全国数量上限を導入をした経緯と、今回の改正案でも制度の骨格自体は維持をするとしたこの理由につきまして、御説明を願いたいと思います。
#28
○政府参考人(糟谷敏秀君) 我が国の化審法は、諸外国の中でも先駆けて制定をされたものでございます。昭和四十八年に制定されたわけでございますけれども、この全国数量上限の制度は、昭和四十八年の化審法制定当時から導入をされているものでございます。複数の汚染源を原因とする化学物質による人の健康や生態への影響を防止するために、化学物質の環境排出総量を管理をするという目的で設けられているものでございます。
 今回の改正に当たりましては、この全国数量上限による数量調整という制度自体を維持するということによりまして、健康や生態への影響を防止するという規制の趣旨は変えることはないと、その上で、事業者の予見可能性を高めたり事業機会の喪失を減らすための制度の合理化を図りたいというものでございます。
#29
○浜野喜史君 全国のこの数量上限が維持される以上、数量調整は残るということになると理解をいたします。先ほどの質疑でも、平成二十七年度の少量新規の数量調整四千二百七十六件、同じく低生産量新規の二百四十八件が八割程度減少する見込みとの御説明でございましたが、それでもなお二割の数量調整が残ってしまいます。
 今後とも、制約を受ける事業者に対しまして、国際競争力の向上や公平性の観点から、国が何らかの支援策を講じる必要があるとも考えますけれども、いかがでしょうか。
#30
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 今回の御指摘の制度は、審査特例制度でございますけれども、製造・輸入量が一トン、十トン以下の化学物質の審査を簡素化する、これはあくまでも特例的な制度であると考えてございます。逆に、通常の審査を経れば、個社、全国の上限値にかかわらず計画的な事業展開を図ることが可能となっておりまして、したがいまして、数量調整が残る事業者を含めまして、化学物質の審査の際の負担をできるだけ軽減していくことが非常に重要ではないかなと思っております。
 このため、経済産業省では、先ほどから御説明しておりますとおり、化学構造から物質の毒性を予測するいわゆるQSARの研究開発を実施しているとともに、化審法四十年の運用によって蓄積された毒性データを用いたAIによる最先端の有害予測手法の研究開発を本年度より開始することとしてございます。
 このようなツールをできるだけ早く活用できるようにすることによって、事業者の支援を行ってまいりたいと思ってございます。
#31
○浜野喜史君 今回の法改正では、全国数量上限が環境排出量換算に変更されるのに対しまして、個社数量上限は製造・輸入量上限のままとなっております。なぜこのような扱いの違いが残るのか、御説明を願います。
#32
○政府参考人(糟谷敏秀君) 現在、個社の数量上限も一トンあるいは十トンという上限を設定をしております。もし仮に、この個社の数量上限も環境排出係数を用いて一トンあるいは十トンを超えてできるように変更した場合を考えますと、仮にある特定の一社が事故などを起こした場合に、予定していた環境排出量よりも多い量が環境中に放出されるリスクがなしとはいたしません。
 そのため、今回の改正では、個社数量上限は製造・輸入数量として一トンあるいは十トンという上限を維持することにより、このような事故などによる環境へのリスクも防止することとしたものでございます。
#33
○浜野喜史君 そもそも、現在の制度におきまして国内総量上限を少量新規では一トン、低生産量新規では十トンと定めた理由は何なのでしょうか。数量の根拠を御説明願います。
#34
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 少量新規制度において全国数量上限を一トンと設けている根拠は、化審法上最も強い規制が掛かる第一種特定化学物質に分類されるディルドリンと呼ばれる殺虫剤を使って、それが毎年一トン日本全国にくまなく拡散された場合においても人健康や生態に影響がないということに基づくものでございます。
 また、低生産新規制度において全国数量上限を十トンと設けている根拠は、同制度が対象とする性状を有する化学物質の事例といたしまして、第二種特定化学物質に分類されるテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンと呼ばれる金属の洗浄剤を使って、これが毎年十トン放出したとしても人健康や生態に影響がないということに基づくものでございます。
#35
○浜野喜史君 今回の改正によりまして環境排出量換算の全国数量上限へと制度が変わりますけれども、少量新規では一トン、低生産量新規では十トンという上限の数量の見直し自体の問題提起はなかったのかという疑問もございます。論議経過を御説明願います。
#36
○政府参考人(佐藤文一君) 全国数量上限は、一トン又は十トンが環境中に排出されたとしても人健康や生態に影響を生じないという結果に基づくものとして設定したということは御説明したとおりでございます。
 今般の改正は、人健康や生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、事業者の規制対応コストを減らす、制度の合理化を目指すものとして提案していただいておるものでございますので、一トン又は十トンの見直しは検討してございません。
 以上でございます。
#37
○浜野喜史君 今回の法改正で、関連する事業者の製造・輸入量は増加することが予想されます。であれば、現行の規制は過剰過ぎたものであったということになるのではないかとも考えます。
 そうではなくして、化学物質を取り巻く情勢変化が何かあったということになるのか、見解をお伺いをいたします。
#38
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 今般の規制合理化は、排出係数を基に化学物質の排出量を合理的に算出することができるようになったことから提案をさせていただいたものでございます。
 化学物質の排出量を用途によらず製造・輸入量をもって一律に捉えている、これが現行制度でございますけれども、この現行制度は、用途ごとに環境に排出される割合を科学的合理性をもって算出する手法がなかった状況においては唯一の妥当性のある手法であったものと認識してございます。
#39
○浜野喜史君 現状では、数量調整の結果、事業者の予見可能性が低下し、生産拠点の海外移転を図る動きもあるとのことでありますけれども、具体的にはどのような影響が出ているのか、また、今回の改正によりましてそれがどの程度改善するというふうに見通しておられるのか、御説明を願います。
#40
○政府参考人(佐藤文一君) 幾つか例を申し上げさせていただきたいと思います。
 例えば、ある最先端の機能性化学品の製造メーカーでありますけれども、これが国による数量調整を受けて、予定量を川下事業者に引き渡すことができなかったという事例がございます。この川下事業者が液晶ディスプレーの事業者でございますけど、この事業者の事業が機会を失ったという例があると聞いております。また、あるインクカートリッジを使う新規化学物質の事業者の例でございますけれども、数量調整を受けた計画的な製造、調達を可能とするために、今の制度のままでは海外に製造拠点を移す計画があるというようなことも聞いてございます。
 経済産業省の試算でございますけれども、現行制度の数量調整によって化学メーカーが得るはずであった利益が年間で約七十億円、化学物質を用いた製品を含めて、サプライチェーン全体で得ることができたと考えられる利益が約四百億円に上ると考えておりまして、今回の規制の合理化を図ることにより、これらが解消されることを期待しておるところでございます。
#41
○浜野喜史君 今回の法改正では、施行が公布の三年以内とされております。現実に厳しい規制でビジネス機会を喪失する事業者が多いということであれば、施行をもっと早くすることが必要ではとも考えますけれども、見解を伺います。
#42
○政府参考人(糟谷敏秀君) 審査特例制度の合理化の施行までの間に、用途情報に応じた排出係数の見直しをする必要がございます。このために、三省の合同審議会とパブコメを行って排出係数を新たに設定をする、見直すということが必要になります。また、排出係数を用いて環境排出量を算出するシステムに変更するといった仕組みづくりが必要になります。
 こうした国や事業者によるシステム面での対応や排出係数の見直し、それから事業者への周知など、国民に混乱を生じさせないように、施行に向けて一定期間を確保し、準備を確実に行う必要があることから、三年以内ということで余裕を持った期間をお願いをしているところでございます。
 他方で、早期履行を要望する事業者もおられますので、なるべく早く、可能な範囲でなるべく早く施行できるように三省で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#43
○浜野喜史君 先ほどの質疑でも取り上げられましたけれども、環境排出量につきましては、製造・輸入数量に用途別の排出係数を乗じて算出することになるため、国が用途情報を厳密に把握することが重要になります。
 川下の事業者が実際にどのような用途で化学物質を使用しているかといった用途情報の正確性を担保するためには情報管理の体制を早急に整備することが必要と考えておりますけれども、今後の対応を改めて御説明願います。
#44
○政府参考人(糟谷敏秀君) 用途情報の正確性を担保するために、事業者から追加情報を求めたいというふうに考えております。
 具体的には、事業者から、化学物質の提供先の川下事業者と交わした売買契約書のコピーなど、用途情報を把握するために必要な書類の提出をいただくことなどを検討をいたしております。また、必要に応じまして川下事業者に対して任意で報告を求めるといったことも考えられるところでございます。
#45
○浜野喜史君 先ほども御説明いただきましたけれども、用途情報を把握するために事業者に過度な負担が生じることのないよう取り組まれるということでありますけれども、効率的に把握できるような制度設計が必要と考えますけれども、具体的に何か現時点でお考えがありましたら御説明願います。
#46
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今般の合理化に伴いまして、追加で用途情報の提供を求めることにつきましては、譲渡先に対する交渉力の弱い中小企業などにとって追加情報を得ることが難しいのではないか、そんな指摘も他方でいただいているところでございます。
 事業者にとって過度な負担を課すことになれば、合理化された制度が十分に活用されないおそれも懸念されるところでございまして、例えば売買契約書のコピーなどというふうに申し上げましたけれども、売買契約書に限らず用途を確認できる書類について幅広く対象とできるような形で、今後具体的な制度設計を行ってまいりたいというふうに考えております。
#47
○浜野喜史君 先ほども質疑がございましたけれども、排出係数につきましては、環境への影響を過小評価することのないよう安全の観点に立った設定を行い、不断の見直しを行うべきであるというふうに考えますけれども、基本的な考え方をお伺いいたします。
#48
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 本改正案が成立した場合、これまで試行的に活用してきました排出係数を基に、規制の合理化の際に使用する目的で排出係数を設定し直すということになってございます。これまで得てきた知見を前提としつつ環境への影響を過小評価することのないよう、安全の観点に立った、安全側に立った係数を決定していきたいと考えております。
 また、手続的にも合同審議会やパブリックコメントを経て決定したいと考えておりますし、見直しについても事業所の排出の実態等を踏まえて必要に応じて行っていきたいと考えておるところでございます。
#49
○浜野喜史君 現行の審査特例制度では、毒性についての試験は不要とされております。主務大臣が、既に得られている知見等に基づいて、新規化学物質の構造からの類推等によって人の健康や動植物等への被害がないことを確認することとなっております。
 なぜ毒性試験が不要なのでしょうか。毒性の情報を入手し、その結果を見て審査をすべきではないかと考えますけれども、見解をお伺いします。
#50
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 先ほど私からも御説明しましたとおり、審査特例制度の全国数量の上限である一トン及び十トンは、その量が日本全体に放出されたとしても人健康や生態に影響が生じないという評価に基づくものでございます。
 ただし、既に得られた知見により、人の健康又は生態に被害が生じるおそれがあると判明した場合には、この審査特例制度の適用を認めてございません。したがいまして、審査特例制度では毒性試験の実施は不要ではありますが、設けられている数量上限や既知見による判断によって化審法の法目的を維持し、適切な化学物質管理が実施できるものと考えてございます。
#51
○浜野喜史君 次に、毒性が特に強い新規化学物質規制の見直しについてお伺いをいたします。
 まず、今回の改正の対象であります特定新規化学物質とはどのような物質なのか、御説明を願います。
#52
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 近年では、新規化学物質の審査におきまして、毒性が強いものの環境への排出量が少ないことから、一般化学物質に分類される化学物質が存在しておりました。このような毒性が強いものの優先評価化学物質に指定できない物質につきまして、今回の法改正において特定新規化学物質及び特定一般化学物質として所要の措置を講ずるものでございます。
#53
○浜野喜史君 特定新規化学物質に相当するような化学物質は、既に一般化学物質として市場に流通しているということになると考えます。既に市場に出ているこれらの物質についても同様の規制を行う必要があるのではとも考えますけれども、見解をお伺いします。
#54
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 既に市場に出ている既存化学物質につきましては、有害性と暴露情報を用いて行うリスク評価や事業者からの有害性情報報告により毒性が強いことが判明しても、環境排出量が小さい場合は優先評価化学物質に指定されません。しかしながら、そのような物質につきましても、事業者に適切な取扱いを促すための措置は必要と考えております。
 こうした物質につきましては、毒性等の所要の情報をホームページなどで広く周知した上で、業界団体に事業者の取組の周知徹底を呼びかけるよう求めるなどの措置を行ってまいります。あらゆる事業者が製造や輸入することができる既存化学物質につきましては、このような措置がより効果を発揮するものと考えております。
#55
○浜野喜史君 この法改正の内容は、既に行政指導で事実上行っていると聞いております。今回、法律に明記する必要性が何なのか、御説明を願います。
#56
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 これまでは、新規化学物質の審査におきまして一般化学物質であるが毒性が強い物質が見付かった場合は、届出事業者に対して取扱いの注意喚起を行ってまいりました。しかしながら、これは法に基づく措置ではございませんので、事業者における対応状況を把握することが困難という課題がありました。
 現段階でそのような毒性が強い新規化学物質に起因する被害は発生していないものと認識しておりますが、今回、予防的な措置として今般の制度改正で追加の規制措置を設けるという考えでございます。
#57
○浜野喜史君 今回の法改正によりまして、特定新規化学物質を取り扱う事業者につきまして、その情報を伝達することを義務ではなく努力義務とした理由は何なのでしょうか。最大限環境に配慮するということであれば、義務化ということも考えられたのではないかというふうに思いますけれども、見解を伺います。
#58
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 特定新規化学物質についての情報伝達は、化審法において、有害性や使用状況等を詳細に把握する物質として指定されている優先評価化学物質に対する措置に準じて努力義務としております。
 今回の法改正によりまして、国は、特定新規化学物質の取扱事業者に対し当該物質の取扱状況の報告を求めることができることから、仮に報告を求めた結果、情報伝達が実施されていないことが判明した場合などには、事業者に対し措置の徹底などを指導、助言してまいります。
 法律上にこういった措置が位置付けられることから、事業者に対する情報伝達の努力義務は実効性を持って果たされていくものと考えております。
#59
○浜野喜史君 特定新規化学物質につきまして、事業者間の情報伝達は努力義務化されますけれども、そのような物質が含まれる製品を使用する消費者への情報伝達については定められておりません。
 前回の化審法改正の際には、「消費者への理解を促進するため、化学物質に関する安全性情報の製品表示等について検討する」とする附帯決議がなされておりましたけれども、この決議に基づく検討はなされたのか、説明をお願いいたします。
#60
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 今般の制度改正では、化学物質を取り扱う事業者に対して注意を喚起するため、化学物質の毒性が強いことを川下の事業者へ伝達することとしております。これによりまして消費者向けの製品を製造する川下事業者に毒性が強い物質の情報が伝わることになり、物質の適切な管理がより徹底されることを通じて、結果的に消費者から見てこうした製品の安全性が高まることにつながると考えております。
 また、前回改正時の御指摘の附帯決議への対応につきましては、国連で制定された化学品の分類及び表示に関する世界調和システム、GHSと呼ばれておりますが、このシステムに基づいた絵表示を製品に付けて人の健康に対する有害性等の情報伝達に取り組んでいる事業者もございます。
 環境省としても、各化学物質がこのGHS分類のどこに該当するかを示していくことなどにより、消費者製品を製造する事業者の取組を促進してまいりたいと考えております。
#61
○浜野喜史君 特定新規化学物質につきまして、環境への影響を排除するため、国が事業者に対しまして積極的に指導や助言を行うなどの対応を取る必要があると考えますけれども、見解をお伺いいたします。
#62
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 御指摘のように、特定新規化学物質、特定一般化学物質を取り扱う事業者に対して、国が取扱いの方法について必要に応じて指導、助言していくこととしております。
 具体的には、取扱いの状況に応じて、安全データシート、SDSと呼んでおりますこのデータシートを活用した情報伝達を実施すること、また大気放出に当たってはフィルターに通すこと、貯蔵、運搬する際は完全に密閉し運搬機器に固定すること、特定新規化学物質に関する情報を文書として保存することなど、当該物質が不用意に環境中へ排出されないための自主的な取組を行うよう指導、助言を行うことを想定しております。
#63
○浜野喜史君 もう一問だけ化審法改正の関係をお伺いいたします。
 これまでの御説明の中で、今回の法改正によって事業者のビジネス機会が増え、競争力も上昇するのだという御説明をいただきました。そもそも、これまで我が国独自の規制で国際競争力をそがれてきた事業者に対して、国がどのような支援を行ってこられたのか、御説明を願います。
#64
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
 確かに先生御指摘のとおり、これまでの厳しい規制というのは国際競争力でいかがだったのかということだろうと思います。一つには、私の地元は瀬戸内海に面する工業地帯ですけれども、世界一環境基準の厳しい瀬戸内海の中で、しかし、その環境の中で育まれた企業というのは、結果的に今現在国際社会で非常に活躍もされていると、こういうこともございます。
 そういうことも認識しながら、厳しい環境基準を守って、これまでは、先ほども御紹介ありましたように、高機能の化学品をAI等を活用してスピーディーに開発するようなプロジェクトとか、あるいはオープンイノベーションの促進とか、あるいは省エネルギー投資を支援するとか、もう一つは、国際的なイコールフッティングという意味でいうと、原料用石油製品等に係る免税とか還付措置等を講じてきたところでありますが、確かに足らざるところもあったんだろうと、このように思っております。
 今後とも、関係者と議論をさせていただきながら、国際競争力強化に資する政策を実施してまいりたいと、このように思っております。
#65
○浜野喜史君 残りの時間、地球温暖化対策について質問をさせていただきます。
 長期戦略、策定をしていく必要があるというふうに考えます。世耕大臣、山本大臣、お二人が非常に重要な役割を果たされるものというふうに理解をいたしますけれども、それぞれ策定に向けてどのようなスタンスで臨まれるのか、世耕大臣からお願い申し上げます。
#66
○国務大臣(世耕弘成君) 昨年五月に閣議決定しました地球温暖化対策計画では、地球温暖化対策と経済成長を両立させながら二〇五〇年までに八〇%の排出削減を目指すこととなっております。地球温暖化問題には、気候科学、将来の産業構造、国際協調など様々な不確実性があり、一つの解決法に依拠した硬直的な戦略では対処は難しいと思っています。したがって、様々な不確実性と共存しながらも自らイノベーションを起こすなど、将来の展望を先取りするとともに、国内外の情勢変化に合わせて行動を柔軟に変化させる戦略が重要だと思っています。
 経産省としては、まず日本の優れた技術による国際的貢献、そして製造段階だけではなく使用段階でも排出の少ない素材や製品の供給、そして革新的技術の開発、実用化といった取組を通じて国内の排出量を上回る排出削減に貢献をして、日本の排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指していくことが重要だと考えています。
 地球温暖化対策は世界に大きなマーケットをつくり出すことが期待をされておりまして、国内の投資を促して国際競争力を高めながら、地球温暖化対策と経済成長を両立して、我が国の成長戦略にもつなげていきたいと思っています。
#67
○国務大臣(山本公一君) パリ協定の下、世界は今世紀後半に実質排出ゼロにするという長期目標に向かって大きく動き始めており、この潮流はもはや変わらないと考えております。
 我が国としても、パリ協定を踏まえまして、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すこととしており、気候変動対策をきっかけにしたイノベーションを創出することで、国内での大幅削減と経済成長や地方創生等を同時に実現するとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献していくことが重要と認識をいたしております。このような考えの下、環境省としては、長期大幅削減に向けた基本的な方針として、本年三月に長期低炭素ビジョンを取りまとめたところでございます。
 御指摘の長期戦略については、こうした点に加えて、伊勢志摩サミットで二〇二〇年の期限に十分先立って策定、提出することにコミットしたことを踏まえまして、関係省庁とも連携しながら検討作業を進めてまいりたいと思っております。
#68
○浜野喜史君 引き続き、両大臣に二つのことをお伺いしたいと思います。
 私は、長期の大幅削減を果たせるかどうかということにつきましては、鍵はイノベーション、革新的な技術開発だというふうに考えております。そのことについて両大臣はどのようにお考えか。加えて、そのイノベーションのために何をやるべきかというこの方程式、これは必ずしも私は決定的、明確なものがあるとは考えませんけれども、必要不可欠なことは経済の安定そして成長であるというふうに認識をしております。
 イノベーションが鍵であるというふうにお考えかどうか、そしてイノベーションのためには経済の安定、成長が必要不可欠であるというふうに認識されているのかどうか、両大臣にお伺いします。
#69
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、温室効果ガスの抜本的な排出削減のためにはイノベーションが不可欠だというふうに考えています。そのため、政府としては、昨年四月にエネルギー・環境イノベーション戦略というのを策定をいたしまして、有望な革新技術を特定したところでありまして、経産省としても、次世代地熱発電ですとか二酸化炭素の回収・貯留技術の開発など、この戦略に基づいた研究開発に取り組んでいるところであります。
 今御指摘のように、イノベーションを実現するためには、その担い手である産業界の貢献が必要であります。そして、産業界が継続的に革新的な技術開発に取り組むためにも、安定した経済成長を継続することが重要だと考えております。経産省としては、地球温暖化対策と経済成長を両立させながら、イノベーションを促すための取組を引き続き進めてまいりたいと考えています。
#70
○国務大臣(山本公一君) 長期の大幅削減のためには、あらゆる面でのイノベーションの創出が必要だと思っております。
 気候変動対策は累積排出量を抑えることが重要であることから、徹底した省エネと再エネの最大限の導入を始め、我が国の優れた技術やノウハウ等を最大限活用することにより速やかに削減していくことも重要であります。既存の技術やノウハウ等の最大限の活用とあらゆるイノベーションの創出による大幅削減に向けた取組や、新たな市場の創出、地方創生や国土強靱化にも貢献すると考えております。
 大幅削減と我が国の抱える経済社会的諸課題を同時に解決していくためにも、気候変動対策をきっかけにしたイノベーションの創出等が必要と認識をいたしておりまして、効果的な施策の実施にしっかりと取り組んでまいります。
#71
○浜野喜史君 これを最後の質問とさせていただきたいと思いますけれども、手法の一つとしてカーボンプライシングと言われるものが検討されているというふうに思います。この有効性について、両大臣それぞれどのようにお考えか、お願いいたします。
#72
○国務大臣(世耕弘成君) カーボンプライシングには炭素税と排出量取引があるわけでありますが、先ほど申し上げた、閣議決定した地球温暖化対策計画では、これは総合的、体系的に調査、分析をして、慎重に検討を行うという形になっております。
 特に税制については、日本では、二酸化炭素一トン当たり二百八十九円を課す地球温暖化対策税というのが入っているわけです。これが炭素税導入している国に比べて低いと指摘されることもあると承知していますが、一方で、石油石炭税など化石燃料に係るエネルギー税を全体として見れば二酸化炭素一トン当たり四千円程度となっておりまして、既に国民、企業の皆さんには相当程度の負担をお願いしていることに留意をする必要があると思っています。
 また、排出権取引については、景気変動や産業間の公平性を配慮した排出枠の設定が難しいとの指摘もあります。実際に制度を導入しているEUでは、排出枠が大量に余って二酸化炭素が一トン当たり六百円程度に低迷をしているということも起こっております。
 経産省の有識者会議では、炭素税や排出量取引といった追加的措置は現時点では必要な状況にはないとの議論が行われていますが、こういう議論も踏まえて、引き続き慎重に検討してまいりたいと思います。
#73
○国務大臣(山本公一君) 長期低炭素ビジョンでは、カーボンプライシングは、環境問題のみならず、経済社会的課題の同時解決に重要な役割を果たす可能性があると指摘をされております。その理由としては、特に、投資やイノベーションが伸び悩んでいる現下の日本経済において、企業の設備投資や研究開発を誘発するなど新たな投資機会を生み出すこと、諸外国においては、カーボンプライシングの収入が競争力強化のための法人税減税や社会保障など環境以外の多様な政策に活用されていることなどが挙げられております。
 また、先般、ノーベル経済学賞を受賞されたスティグリッツ教授が、長期低炭素ビジョンと同様の趣旨について、先日、経済財政諮問会議や中央環境審議会の場において言及をされていたことも承知をいたしています。
 環境省としては、このような指摘を踏まえつつ、カーボンプライシングの検討を進めてまいります。
#74
○浜野喜史君 国内的にも世界的にも、実効ある施策を打ち出していただきますようにお願いをいたします。
 終わります。ありがとうございました。
#75
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 先ほど、渡辺先生は大所高所からの御質問をされ、浜野先生は理路整然と質問され、私は初級コースで行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、この法改正の背景でありますけれども、世耕大臣、お聞きしたいんですが、結局、規制強化なのか規制緩和なのか、また、ビジネス重視なのか安全性重視なのか、抑制的に考えているのか、議論を聞いていて何か非常に整理しにくい法律だと思うんですが、それについてどのようにお考えですか。
#76
○国務大臣(世耕弘成君) これはまさにその両面をバランスをさせている。やはり化学産業というのが非常に日本にとって重要な産業でありますから、その産業のイノベーションを促していく、しかし一方で、当然、環境への影響、人間の健康への影響、あるいは生態系への影響といったものはこれは当然防ぐということを大前提にしなければいけない、そのバランスの中で考えられたのが今回の法改正ではないかというふうに考えております。
#77
○若松謙維君 今、両面大事ということで、ある意味で難しい目標を今負っていると、そういうことだと思うんですが、じゃ、その一トン規制というのがありますが、そもそもなぜ環境排出量が一トンとされているのか、その意味を教えてください。
#78
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 審査特例制度の上限の一トンについてでございますけれども、これ高蓄積、難分解かつ長期毒性を有するということで、化審法で最も強い規制の掛かっております第一種特定化学物質、その中でも最も有害と言われておりますディルドリン、先ほど申し上げたように殺虫剤等に使われておりますけれども、これが日本全体にくまなく拡散した場合を想定した上でも、人健康及び生態に及ぼす影響についての評価をして大丈夫だということになったものでございます。この結果、単一又は複数の事業者から合計年間一トン放出されたとしても、一日の許容摂取量、すなわち人健康及び生態に被害が生じないと考えられる最大摂取量、これが下回ると推計されたということで、一トンという数字を採用しております。
 このように、この評価は、生産・輸入量ではなくて環境への放出量が年間一トンであるということを仮定しまして、人健康及び生態に及ぼす影響を見たということが注意点でございます。
 以上でございます。
#79
○若松謙維君 一番毒性が強い今の化学物質でも全国で一トンということであれば大丈夫ということでございますが、例えば、その一トンであっても、地域的に何かの理由で集中的に使われた場合には当然リスクが高まると思うんですけど、そういった懸念についてはどうですか。
#80
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 この化審法の法目的が長期的あるいは環境全体に及ぼす影響ということでございますので、地域的ということよりも全体に対してどのような影響を及ぼすかという評価をさせていただいたということで、一トンという上限を定めたものでございます。
#81
○若松謙維君 そうすると、私の懸念、そういう全体じゃなくて地域的にそういうリスクがあるかどうかという観点だとどうなりますか。
#82
○政府参考人(糟谷敏秀君) EUがREACHという制度を導入をしております。これは、各社一トンまではそもそも申出も要らないという制度でございます。日本のような全国の数量上限一トンというのはございません。
 すなわち、EUにおいては、一社一トンが仮に環境に漏れ出たとして、それで有害性の観点で問題がないという判断をしているものだというふうに理解をしておりまして、そういう観点からも、この一トンという上限というのは妥当性のあるものではないかというふうに考えているところでございます。
#83
○若松謙維君 そうすると、EUは一社一トン以下ということで、日本は全体ということで数量調整があるんでしょうけど、それが、ですからなぜ日本だけがこの一トン規制というんですか、数量調整含めてですね、これやったかというのは、更に厳しくするためという、そういう理解でよろしいんですか。
#84
○政府参考人(糟谷敏秀君) 実は、この化審法は、ほかの国の法律に先駆けて一九七三年、昭和四十八年に制定をされたものでございます。その段階で、日本においては全国での数量上限として一トンというものを採用することとしたものでございまして、この考え方は、仮に複数の社が作ったり若しくは輸入をした化学物質が環境に出たとしても、そうであれば、一トンという上限までであれば問題がないということをより確かにするという観点から導入をされた上限であるというふうに理解をしております。
#85
○若松謙維君 先ほどの委員の御質問にもあったんですが、結局、生産、この化学物質ですか、規制対象の化学物質が減っているというのはやはりその日本独自の一トン規制が影響しているというふうに理解されているんですか。
#86
○政府参考人(糟谷敏秀君) ちょっと御質問がよく理解できなかったので、もう一度お願い申し上げます。申し訳ございません。
#87
○若松謙維君 いわゆるこの化学物質の生産量ですか、恐らく規制対象が、量としては減っていると思うんですけれども、これは、日本がある意味で他国よりも厳しい規制が行われることによって生産量が減ってきたのか。ただ、少量であって、かつ多品種になっていると思うんですけれども、結局、この規制の在り方というのを全体的に総括すると、やはり厳しいがゆえに減ってきた、いわゆる生産量が減ってきた、そういう理解でいいんですか。
#88
○政府参考人(糟谷敏秀君) 一年間に一トンというのは、物質ごとに評価をするものでございます。したがって、物質の数が増えますと化学物質の製造量、輸入量というのは増えることもございます。
 他方で、全国の数量上限一トンというものがあるために、予見可能性が失われたり、若しくは事業機会が喪失をされるというような問題点も指摘をされてきたところでございます。
#89
○若松謙維君 それと、この一トン規制ですけど、例えばこれは、この法律では極めていわゆる事前審査をしっかりする、事後チェックはどちらかというと行政指導的にやっているということなんですけど、そうすると、じゃ、一トン規制がしっかり守られているかどうか、もしかしたらそれを増やしているかもしれないというやっぱりリスクは素人的には考えるんですけど、そのリスクに対しては、その懸念に対してどういうふうに対応してくれますか。
#90
○政府参考人(糟谷敏秀君) 仮にその一トンの上限を超えて製造されたり輸入をされているということが明らかになります場合には、国からの確認を取り消すということになるわけでございます。確認を取り消した後に確認を受けないままに製造、輸入した場合には処罰の対象となるということでございまして、こうした形で、法律上この上限内に収まるような形で確保をしてきているということでございます。
#91
○若松謙維君 ですから、その一トンがきちんと守られているかどうかというのを今確認されているということなんですけど、確認する今すべというか、例えば製造を報告するとかそういう義務化がないので、どうやって確認するかというところが私の懸念なんですけど。
#92
○政府参考人(糟谷敏秀君) 年間、必要に応じて立入検査を行って、報告された、申出された内容が確かかどうかということの確認をしているところでございます。
#93
○若松謙維君 その立入り、ちょっと通告していないんですけど、今、一トンというのは何種類ぐらい、一トン規制って何種類ぐらいあるんですか。
#94
○政府参考人(糟谷敏秀君) 申請数が全体で三万五千ぐらいであります。
 大体数件の、数社が申請をしているということが多いわけであります。最大は二十四社というのもございますけれども、大体数社ということを考えますと、ちょっと今手元に正確な数字は持ち合わせておりませんが、三万五千件のうちの、数社ごとに出てきているということを考えますと、大体一万件、一万物質超ではないかというふうに考えております。
#95
○若松謙維君 数社で一万物質で、一つ一トンというのが大体国内に出回っているという話ですね。
 見えない今話しているんで、なかなかどのくらいリスクがあるか、この法律によってどれだけ国民の懸念が最小化できるかというのを、ちょっとそういう問題意識で聞いているんですけれども、じゃ、そうしますと、今度は審査特例制度の用途確認の関係について質問移らせていただきたいんですが、先ほど二十数社、一万件という、この一トンという厳しい化学物質についてもですけれども、今、この規制をやっている役所の方が、厚労省、経産省、環境省、合わせて五十一名ですかね。この体制で十分なんでしょうか。それはどんな具合ですかね。
#96
○政府参考人(糟谷敏秀君) 経済産業省の場合、この化審法の運用に当たっております人間、担当課と、それから独立行政法人のNITEの専門家と合わせまして、たしか七十名余りだったと思います。こうした人間によって、しっかりとこの法律の施行を進めているところでございます。
 先ほど御質問がありました立入検査につきましても、例えば平成二十八年度においては合計で四十六件ほど立入検査を行って、用途が正しいかどうかということを確認をしているところでございます。
 申し訳ありません、七十名程度と申し上げましたが、七十三名、化審法の担当者がございます。経産省で二十一名、NITEで五十二名でございます。このほか、厚労省、それから環境省でそれぞれ化審法の運用を担当する専門家、それから担当者により行っているところでございます。
#97
○若松謙維君 あと、先ほど、その追加情報ですか、求めるという場合という話なんですが、大体年何件ぐらい追加情報というのは求めるんですか、分かればで結構ですけど。
#98
○政府参考人(糟谷敏秀君) 制度の合理化後の追加情報を求めるというお話についての御質問だと理解をして御回答申し上げます。
 追加情報は、全ての申請について追加情報を求めることとしたいと考えております。例えば、化学物質の提供先の川下事業者と交わした売買契約書のコピー若しくはそれに準ずるものといった形で、用途情報を把握するために必要な書類の提出をいただくということを考えているところでございます。
#99
○若松謙維君 それと、ちょっと意地悪な質問になるかもしれないんですが、今後、AIですか、化学物質審査でAIを活用するといろいろと時間の短縮とかできると。そうすると、反対に今の七十三名体制というのは、ある意味で、何といいますか、合理化できると、そういうこともあるということですか。
#100
○政府参考人(糟谷敏秀君) AIの活用は、今実際に人が見るのに比べましてまだ精度が落ちているのが現状ではございます。したがって、AIがちゃんと活用できるようになるためにはやっぱり中長期的な時間が必要にはなろうかと思いますけれども、もしそれが活用できるようになった暁には、今よりもより効率的な体制で実施が、運用ができるということになるものと考えております。
#101
○若松謙維君 それと、先ほど特定一般化学物質ですか、これが新しい、何ですかね、規制対象になるんですが、年間何件ぐらい出て、どんなものが想定されるんですか。
#102
○政府参考人(梅田珠実君) 新たに定義をいたします特定新規化学物質、特定一般化学物質につきましては、これからその基準等、専門家による検討を行うこととしておりまして、現時点では幾つぐらいという数値については申し上げることはできませんが、内容としては、医薬中間体やゴムの添加剤といったようなものが該当することになると想定をしているところでございます。
#103
○若松謙維君 何か、事前にレクを受けたときには本当に一、二件とかという話で聞いたんですけれども、そうしますと、今度は、国に申し出た用途と異なる使い方というんですか、用途でこの化学物質が使用された場合の罰則ですか、まず、年間にこういう罰則規定を適用されたのは何例ぐらいあるのか、その際の罰則、いわゆる罰金等はどのような規定があるのか、教えてください。
#104
○政府参考人(糟谷敏秀君) これまでの化審法の運用において、実際に罰則規定が適用された事例はございません。
#105
○若松謙維君 じゃ、ないということは、ある意味できちんと事前審査で回っていると、そういうことになりますね。ということは、規制強化過ぎるということはないんですか。ちょっと意地悪な質問ですけど。
#106
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 これまで、このような新規化学物質の審査において、毒性が強い物質について届出事業者に対して取扱いの注意喚起を行っていた、それが浸透しているということがあるかと思いますが、しかしながら、事業者においてこれが対応されているかどうかという状況を把握するということが困難という課題がございましたので、現時点でこのような毒性が強い新規化学物質に起因する被害は発生していないものとも認識しておりますが、今回、予防的な措置として今般の制度改正で追加の規制措置を設けるものでございます。事業者において物質の管理が促進されて、不用意に環境中への排出がされるおそれが今まで以上に低減することになると考えております。
#107
○若松謙維君 それで、この制度は事前審査で、事後審査というんですか、そういうものはない、しかし、いろいろな形で行政指導とか追加情報を求めるとかで対応して、結果的に罰則事例はないと、そういう総括的な話になると思うんですが、それで、先ほど、今委員からも質問がありましたが、廃棄ですか、いわゆる廃棄の際についてのまだ規定がない、だけれども、今検討中ということなんですけれども、これいつ頃結論が出てくるんですか。
#108
○政府参考人(梅田珠実君) 化学物質のライフサイクル全体を考慮をして排出係数を考えるということに当たりましては、現在、鋭意調査研究中でございます。ちょっといつまでということは今日の時点では申し上げられませんが、速やかに検討を行ってまいりたいと考えております。
#109
○若松謙維君 今、排出係数の言葉が出たんですけど、これ非常にまた素人が分かりにくい話なんですが、今、その排出係数というのは何種類というんですかね、幾つぐらいあるんですか。
#110
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 現在試行的に使用している排出係数の数でございますけれども、おおよそ五十種類程度ございます。
#111
○若松謙維君 五十種類ということであれば、かなり、何というんですか、見える範囲というイメージを受けたんですけれども、じゃ、これからこの排出係数のやり方も法律改正によって変わってくるんですが、従来の今化審法で行ってきた排出係数、これはやはり妥当なものであると、更にそれに信頼性を加えるための改善、そういう理解でよろしいんですか。
#112
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 現在の排出係数は、平成二十三年度以降、化審法の運用に試行的に使っておるものでございますが、これ平成十三年に化学物質管理促進法という法律が施行されまして、事業者からの化学物質が環境へどれだけ排出されたかなどを届けることが義務付けられまして、これを一定期間運用してきて排出量データが安定的に取れるようになったことから作成が可能になったものでございまして、さらに、EUの排出係数を基に、またNITE、製品評価技術基盤機構における専門的な分析、さらには三省庁合同の審議会、有識者の意見、パブリックコメント等いろいろな手続を経て、適切なデータの活用、そして専門家の十分な分析、議論を経て作ったものでございますので、十分信頼性の置けるものと考えてございます。
#113
○若松謙維君 やはりこの化審法案のデータですか、これを非常に利用するというかデータ化する、大事だと思いますので、是非運用の改善を進めながら、国民の信頼できる制度へと期待して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#114
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 化審法の改正について質問をさせていただきたいと思います。
 この化審法は、人の健康を損なうおそれのある化学物質、動植物の生息や生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質、それらによる環境汚染を防止するという目的の法律だというふうに思います。
 現在どれだけの化学物質があるのかと、環境省の資料も見ましたが、世界で一億二千五百万件の化学物質が登録されていて、その中で工業的に製造されて世の中に流通している化学物質、これは十万種類あるというふうにも言われております。身近にもたくさんあって、今日、資料の一に付けておりますが、食品類だとか自動車、家電製品、いろいろありますが、洗剤だとか化粧品などなど多種に及んで私たちの身の回りにあります。
 化学物質の影響というのは、非常に国民的な関心にもなっているというふうに思います。科学的な根拠が必ずしも全て明らかになっていないにしても、花粉症だとかアレルギーを持つ方が大変増えている、こういう状況もあるというふうに思います。
 今回の化審法の改正のポイントの一つですが、先ほど来お話がありますように、事前審査の特例制度の見直し、これは大きなポイントだというふうに思います。これは、新規化学物質の製造又は輸入する量が一トン以下であれば、本来、分解性、蓄積性、毒性、三つを調べるところ、事前審査の全ての項目、これを免除する、十トン以下であれば毒性のデータの提出を免除するという、こういう特例制度になっています。
 今回の法改定は、一トン、十トンという国内総量上限について、現行の総量規制から環境排出係数を掛けた環境排出量換算基準の合計に見直すものになっています。つまり、毒性のあるそういう化学物質も使用される用途によって環境に出る量が違うので、たくさん作ることができるようになる、製造・輸入量を増やそうというものだというふうに思います。
 まず、山本環境大臣にお伺いをしたいと思っております。現行の化審法による事前審査特例制度についてお聞きしたいと思うんです。
 全ての審査が免除される少量新規、それから十トン以下で毒性調査が免除される低生産量新規についても新たな化学物質の数は今増えているというふうに思います。今回の法改定の資料の中でも、二〇一五年度の実績で、五年前と比較して、少量新規三七%増の三万五千三百六十件、低生産量新規も六一%の増の一千六百四十八件と、環境負荷は増大していると思いますが、山本環境大臣に御認識をお伺いしたいと思うんですが、現行の化審法による事前審査特例制度、これで少量新規、低生産量新規、共に化学物質は増えているという事実、これは大臣も増えているという認識でよろしいでしょうか。
#115
○国務大臣(山本公一君) 御指摘のとおり、化審法の審査特例制度に基づいて新規化学物質を製造、輸入しようとする件数は増加傾向にあると認識をいたしております。
#116
○武田良介君 増加しているということだと思うんです。何の検査もしないでどんどんと新たな化学物質が出ていく、その量が増えているということ、これは、やっぱり国の基本姿勢が少量だったら影響なしという姿勢であるがために、新規化学物質が何ら事前検査されることなく排出されているという現実だと思うんです。先ほど来も、法改定でもその趣旨は変えないということをおっしゃっておりましたが、現行法でもこういう問題があるということをしっかりと認識すべきだというふうに思っております。
 経済産業省の化学物質安全室とそれから環境省の化学物質審査室というところが、新規化学物質の審査特例制度の合理化についてという資料を昨年の十一月二十八日に出しております。これ読みましたら、少量新規、低生産量新規、共に申出・確認件数は毎年増加をしていると。資料の四番にも付けました。
 資料の二番と三番では、少量、低生産量、それぞれの主な使用用途、これは平成二十七年度の数字で出ておりますが、この用途の中で多いのは、先ほど答弁もありましたが、電気・電子材料、中間物などなど多種にわたっております。この平成二十七年度の実績がこうなので、これから特例制度が見直されたらこれらの用途に化学物質を使うことが予想されると、こういう資料だというふうに思います。
 この用途の中に着色剤というものがありまして、その中にも幾つかありますが、化粧品の原材料になる顔料というものも含まれております。
 そこで、化粧品に含まれる化学物質がどのような影響を与えるのか。カネボウ化粧品の美白化粧品による白斑が出てしまったという被害が二〇一三年にありました。カネボウ化粧品が開発したロドデノールという化学物質が含まれている化粧品を使用した方、顔や首、手などに白斑、白い斑紋ですね、それが出てしまったと。カネボウは、開発の過程で成人女性約三百三十人を対象に試験を実施し、安全性を確認したというふうにしておりましたが、実際にはそういう白斑が出てしまったということです。
 山本環境大臣にお伺いしたいと思うんですが、このカネボウの事件も踏まえて、化学物質の人への影響というのは当然個人差があるというふうに考えておりますが、大臣も同じ認識でよろしいでしょうか。
#117
○国務大臣(山本公一君) 一般的に、化学物質による人への健康影響については、御指摘のとおり個人差はあろうかと思います。
#118
○武田良介君 常識的な質問をしたかなというふうに思っておりますが、当然個人差があるというふうにやっぱり思うわけです。そうであれば、個人差についても加味した、そういう検査を行うことが必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#119
○政府参考人(森和彦君) お答えをいたします。
 まず、ロドデノール配合薬用化粧品によります白斑問題、これを踏まえまして、平成二十六年に、医薬品医療機器法上の再発防止策として、新規の成分等を配合した医薬部外品を対象に、承認申請のときに長期の人安全性に関する試験成績の提出を義務付けを行うとともに、医薬部外品、化粧品をより注意して使用してもらうように、添付文書等の使用上の注意の改訂や、市販後に迅速な対応が可能となるよう、個別に重篤な副作用情報というのを医薬品医療機器総合機構に報告することを製造販売業者に義務付けるなどの対応を行ってきております。
 御質問の、その化粧品の対応を化学物質の方にも応用できないかという観点かというふうに思いますが、化粧品は肌に付けるなど人体に直接使用されることを前提として規制がなされております一方で、化審法は様々な用途と経路からの化学物質の暴露を評価するという体系になっておりまして、化粧品における事案への対応をそのまま反映させるということは難しいのではないかというふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、化学物質の暴露から国民の健康を守るということは大変重要なことだというふうに考えておりまして、科学的な知見、それから健康被害の情報収集ということに努めて、しっかり対応してまいりたいというふうに考えてございます。
#120
○武田良介君 カネボウ化粧品の事件で見ますと、白斑が現れたその後にカネボウ化粧品自身が調査をして、使用した方の二%の方からその結果が出たということを言われております。事前に三百三十人の方に安全性の確認をしたと言って、その時点でもし二%出ていれば、六人、七人の方がもうその症状出ていたわけですが、そこの段階では安全だというふうに言ったわけです。やっぱり個人差があるということもあるかと思いますが、カネボウの検査自身がどうだったのかということを疑問に感じざるを得ませんし、更に厳正な検査が必要だということはもう言うまでもないというふうに思います。
 化学物質と生物の関わりについて研究されている私の地元の研究者の方にも少しお話をお聞きしました。この先生は、化学物質の暴露についてはこういうふうにおっしゃっておりまして、地域や職業、嗜好などで、趣味嗜好の嗜好ですが、より高濃度の化学物質に暴露される方もいますし、一方で化学物質に敏感な方もいるので、そのような個人差の実態を把握し、規制に反映していただきたいというふうに話されております。それから、事前の検査についても、試験項目以外の影響については未知な部分が多く、万全とは言えません、試験の種類を増やすなどして安全性を高める工夫が必要かと思いますということもおっしゃっておりました。
 現在、国は、新規の化学物質について分解、蓄積、毒性それぞれについて検査するというふうに言っておりますが、やっぱり個人差もあるし、またあわせて、一つの化学物質による人の健康被害、これ調査をしても、日常生活の中では同時に複数の化学物質から暴露されるということもあろうかというふうに思います。そうした総合的、複合的な事前の検査ということも必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#121
○政府参考人(森和彦君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、単体での評価だけではなくて、複数の化学物質の相互作用を勘案しまして人への毒性の評価をするということにつきましては、例えばダイオキシン類につきましてはその暴露を合算して評価が行われていると承知しております。しかしながら、異なる複数の化学物質の相互作用を科学的に評価をするため、そのために適切な条件の設定をするというところが難しい問題がございまして、広く一般にこれを行うということは難しい、困難であるというふうに考えております。
 このため、化審法におきましては、国際的な動向も踏まえつつ単体の化学物質の評価を行っておりますが、この評価に際しましては、毒性を厳しく評価するために安全係数を設けて行っているところでございます。
 いずれにしましても、化学物質の暴露から国民の健康を守るということは非常に重要でございます。科学的な知見と健康被害の情報収集に努めるということをしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。
#122
○武田良介君 例えば、服を洗濯して、服に洗剤、化学物質が残っていると、併せて化粧品を使ったとか清涼スプレーを使ったとか、そういうことというのは当然想定されると思うんですね。そのときに、複数の化学物質が同時に肌に触れてどうなるのか。例えばそういうケース、幾らでも考え得るというふうに思うわけであります。
 カネボウの例を紹介しましたが、この白斑が出てしまったというのは、薬事法で厚労省が認可を与える医薬部外品の使用によってこれが出てしまったと。これ、私、重大だというふうに思います。薬事法の医薬部外品の認可を受ければ、例えば美白だとか保湿だとかそういった、より効果があるというそういう宣伝文句をうたって商品を販売することができるようになると。ですから、言わば国がお墨付きを与えたような形で被害を広げてしまったというふうになるというふうに思います。
 その問題を指摘した上で、薬事法の認可外にあるいわゆる一般の化粧品だとか、それから芳香剤だとか洗剤だとか、こういった家庭用品、こういうものも人への健康被害を検査すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#123
○政府参考人(森和彦君) お答えいたします。
 御指摘のような芳香剤や消臭剤、洗剤といった家庭用品につきましては、医薬品等とは異なり、直接人体に摂取されると、そういうものではございません。そういうこともございまして、事前の検査というのは現状行っていないわけでございます。
 しかしながら、家庭用品規制法という法律では有害物質の含有量等に対して厳しい基準を設定した上で、自治体の買上げ調査等を通じて、基準に違反がないか、そういったことの対応を行って製品の安全性の確認を確保をしているということでございます。
 なお、化粧品につきましては、医薬品医療機器法に基づく化粧品の基準で、含有する成分を人体に対する安全性が確認されたものに限定をして、行政による監視や市販後の安全対策を行うということによって製品の安全性を確保するようにしてきているものでございます。
#124
○武田良介君 直接触れないから大丈夫という、やっぱりそういう発想ではカネボウの事件から十分学んだということにならないんじゃないかというふうに思うんです。
 今答弁もありましたが、一般の化粧品、家庭用品、そこに含まれている成分は大丈夫だということですが、それが使われて実際に人への健康被害が出ないのかどうか、やっぱりその検査をきちっとすべきだというふうに思いますし、こういう法律がある、こういう法律があるというお話もきっとあろうかと思うんですが、人への健康被害を本当に防止するということでいえば、もう何法だどうだということではなくて、しっかりとそのための手だてを取ることが今求められているということだというふうに思います。
 カネボウの話を例にお話ししましたけれども、この問題、決して今も終わっている問題ではなくて、今も裁判が闘われている状況にあろうかというふうに思います。この背景にあったのは、いわゆる美白ブームなんかに乗って美白成分の開発競争が起こったということがやはりあろうかと思うんです。化粧品会社が美白効果の高い化学物質を製造、輸入して、美白効果だけを見て、その副作用だとか悪影響を十分見なかったと、そういう結果だということを指摘しておきたいと思うんです。
 改めて山本環境大臣にお伺いしたいと思うんですが、今回の法改正の資料を見ても、先ほど来の話のある特例制度の見直しですね、これは産業界からの要望で盛り込まれたものだろうというふうに思っておりますが、大臣も同じ認識でよろしいでしょうか。
#125
○国務大臣(山本公一君) 今回の改正内容のうち、新規化学物質の審査特例制度の合理化は、平成二十五年五月の規制改革会議創業等ワーキング・グループにおける日本化学工業会の要望、平成二十五年六月に閣議決定された規制改革実施計画及び平成二十七年度経団連の規制改革要望を受けて、化学物質による環境汚染防止という目的を維持しながら、より科学的合理性のある規制手法に変更する観点から見直したものであります。
 一方、毒性が強い新規化学物質の管理の強化については、新規化学物質の審査において近年、強い毒性を有する化学物質が確認されていることを踏まえまして措置を講ずるものでございますが、これは業界の要望により行うものではありません。これらは、科学的知見に基づいて、より実態に沿った精緻な化学物質管理を行うための改正であると考えております。
#126
○武田良介君 実際に財界が求めているわけですね。二〇一五年度経団連の規制改革要望というものを見ますと、この化審法の総量規制等の見直しという項目が確かに書かれております。先ほど資料でもちょっと紹介しました、経産省と環境省の資料ですね、この中にはそれがしっかりと反映されて、特例制度の合理化案ということで、特例制度の全国数量上限について環境排出量に変更すると、財界の求めそのままに応じた形になっております。
 私は、やっぱりカネボウのこの美白化粧品の問題から学ぶべきだというふうに思うんです。当然、事業者の方、また経産省からすればビジネスチャンスを失ってはならないということになろうかと思いますが、しかし、環境省には環境省の役割があるんだろうというふうに思うんです。
 そもそも、化審法、これも、PCBによる環境汚染が社会問題化をして、そしてPCB類似の化学物質による健康被害の発生を未然に防止するために作られたものだというふうに思います。化審法のそもそもの精神、そもそもの目的からしたら、規制緩和をしていくということは許されないんじゃないかというふうに思いますが、山本大臣、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(山本公一君) 審査特例制度の合理化は、事業者が抱える予見可能性の低下という課題を解決するために、全国数量上限を維持したまま製造・輸入数量を環境排出量に変更するものでありまして、人の健康や生態系への安全は引き続き維持されるものであります。また、毒性が特に強い新規化学物質の管理を見直すことで、そうした化学物質が不用意に取り扱われないよう措置を講じることにより、予防的な取組が図られることとなっております。
 こうしたことから、今回の改正は科学的知見に基づいて規制合理化及び追加の規制措置を設けるものです。これらの措置により、化学物質による環境汚染を未然に防止するため、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、その上で、委員御指摘のように、環境省はこの化審法の成立の原点を忘れることなく頑張っていきたいと思っております。
#128
○武田良介君 原点を忘れることなくということであれば規制緩和はやっぱり許されないというふうに思いますし、冒頭確認しましたけど、現行の化審法の特例制度でも、既に何の検査もしないで新しい化学物質がどんどんどんどん出されて、今それが増えているということでありますから、規制緩和は絶対に許されないということを述べて、質問を終わりたいと思います。
#129
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 残り時間が少なくなってきましたので、出尽くした質問もございますのでダブらないようにやっていきたいと思います。
 化学物質ですけれども、商品の中にどう使われているのかというのは見て分かりません。これは、人体にどう影響しているのかというと、アレルギー体質でもないと分かりません。先ほどカネボウの例が出ていましたけど、私、大学で薬の生存率と統計解析の研究ばっかりやらされていたんですが、自分の体質と見るのか、これは一般的に良くないと見るのかという、その生存の意味における計算というのはすごく難しいと思います。
 人が素早く自分にどう影響しているのかというのをキャッチできないのが化学物質です。しかし、浴びる量の大小によっては、すべからく生きている人たちの生き死にに関係して影響を及ぼすのが化学物質でもあります。なので、環境と人の生き死にということに最も深く関係していると私は思うんですが、審査と規制、法案が改正されるたびに、どういうわけか経済との綱引きが出てくるというのも化学物質の特徴です。
   〔委員長退席、経済産業委員会理事石上俊雄君着席〕
 歴史を振り返りますと、六〇年代のカネミオイル事件、八〇年代のテトラクロロエチレンの規制、九〇年代の環境ホルモンですが、これはまだ解明できていません。二〇〇〇年に入りますと、海外、OECDから勧告されまして、人間じゃなくて動物にも化学物質の影響を考えろと言われておりまして、そういう時代において、日本は公害行政を所管してきた環境省が化学物質の規制に関してのリーダーシップを取っていくと、二〇〇一年からそうなりました。この度の改正も環境の安全を守る強化なんですが、例外なくビジネスの影響が懸念されています。国際競争力の低下だとか企業の海外流出だとかといった問題です。
 そこで、最初に、先ほどから出ておりますけれども、上限の基準が製造・輸入量から環境排出量の換算になった、果たしてこの排出量の換算が環境という安全性に立った設定になっているかどうか、ここは大変重要だと私は思っております。
 環境排出量は製造などの数量に用途別の排出係数を乗せて計算することになっておりますので、係数というのは、例えばどのくらい作るかという数量の最後にプラス二だったら、そのプラス二が係数になるんですけれども、係数が非常に重要な肝になってくると思います。用途ごとの最大限の環境排出量を想定するなので、安全性に立った設定ができているかどうかなんですが、私は、化学物質というものが用途ごとの何に使うのかということをはっきりしておかないと、より経済側に流されていってしまう危険性があると思っております。
 例えば、液晶パネル、蓄電池などの原料に使う化学物質ですが、生産規制を緩めるというこの改正が三月七日に閣議決定した途端に、光学ガラスを手掛ける世界的に有名な日本企業の株価がもうすごく上がりました。一方で、国内メーカーの生産・輸入量が全企業の合計で十トンを超えると生産を止めて安全性のデータをそろえて検証しなければならず、検証が一年以上を要すると、その上限を超える原料の供給が減ってしまいまして、製品を作らなくなってしまうというおそれがあります。そうなると、これが海外の工場移転の一因になってしまう。ところが、一方では、先ほどの成長の余地があるとされている液晶パネルなどに使う化学物質であれば約一千倍使えることに、これ係数になると一千倍使えるということになってしまうわけですね。こうした駆け引きがあって、もう大変係数というのが大事になってくると思います。
 環境排出量の換算は数量掛ける用途別の排出係数ということですが、これを環境への排出量を過小評価することにならないように、廃棄段階も考慮に入れたライフサイクル、先ほど今からやるのだという御返答がありましたが、ライフサイクル全体に配慮した上で安全性側に立った設定と運用、これをリスク評価の予見というものが果たしてできないだろうかと。
 私、マイクロプラスチックの研究にすごく注目しているのは、これも化学物質なんですね。そうすると、廃棄段階も考慮に入れて、ライフサイクル全体に配慮した上でのリスク評価、これを厳密な手法を用いてやることは無理なのでしょうかという質問をしたいんです。例えば、プラスチックに使えるならオーケーだけれどもという物質があります、化学物質が。ところが、それが殺虫効果もあるからといって加湿器にちょっと入れてしまったら、韓国で加湿器を使った方がお亡くなりになってしまいました。こういうのが恐ろしさなんですね、経済寄りに流れる恐ろしさなんですが、ほかのものに流用しないように用途の情報をつかんでおくべきだと思います。
 そうして経済性に流されてしまわないように、人体への影響を及ぼすということをしっかり把握しておくべきだと思うんですが、これは、そこまで突っ込んで環境省としては物が言えないとしてでも、まず経産省の方から、こうした企業で係数によって右寄り左寄りになってしまうということをこれからどう考えて対処していくのかということを一つと、それから、環境の方では、例えば独立したエビデンス・ベースド・データみたいなもので、このまま行くと、排出していくとこういう状態になっていくおそれがあるとき、予見の化学というようなものを環境省としてリーダーシップを取って出していけるものなのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#130
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 排出係数についてでございますけれども、先ほどから御説明しているとおり、現在も試行的に使用しておるわけですが、本改正案が成立した場合、この試行的に活用してきた排出係数をこの規制の合理化の際に使用する目的で設定し直すということになってございまして、特に、今御指摘がありました安全性に立った係数にするという観点で見直そうということにしておる次第でございます。
   〔委員長代理石上俊雄君退席、委員長着席〕
 これは、これまで得てきた知見、それから事業者からの排出データ、あるいはEUの係数、こういったものを参考に、さらには専門家の意見も十分に聞きながら、厚生労働省さん、それから環境省さんとしっかり連携をして、合同審議会、パブリックコメントもしっかりやって、見直しを安全性に立ったものになるようにしていきたいと考えてございます。
#131
○石井苗子君 ありがとうございます。
 やはり、廃棄段階を考慮して、人体に影響をどう及ぼしていくかというライフサイクル全体に配慮するというのはこれから化学物質に関しては大変重要な観点になってくると思いますので、それを踏まえた係数を考えていくというのは大変難しいと思うんですが。
 次に、毒性の強い新規化学物質の管理の強化ということに関しまして、毒性が強い一般化学物質の情報伝達が消費者まで行き渡っていないと、これは努力目標であってということがありましたけど、先ほどのカネボウの例もそうですし、私、抗生物質に関しては、これは中間剤で使う抗生物質のものはめったに体に影響はないんですけど、でも、私は、管理の方法とかそういうことをちゃんとしっかりしていないと、高齢者の方が、抗生物質をどう使うかでこれ、これから先の社会には影響を及ぼしてくると思うんですね。
 ゴム手袋なんかもそうですけれども、中間の安定剤というのが、ゴム手袋を使っている間は問題ないんですけど、これがどこまで古くなったら駄目かとか、温まる温度によっては危ないかもしれないんです、手に。そういったものなんですが、消費者に対して製品に含まれている化学物質に関する情報提供を行うことを義務付ければ、これが、国が行政指導として義務付ければ、かえって消費者からの文句が少なくなってくると私は思うんです。
 いいことをやっているという、法の改正でと思うんですが、これ、消費者センターの仕事で環境の仕事ではないとおっしゃるかもしれませんが、是非こうしたことも含めて国が行政指導することをお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
#132
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 今般の制度改正では、化学物質を取り扱う事業者に対して注意を喚起するため、化学物質の毒性が強いことを川下の事業者へ伝達する努力義務を課し、必要に応じて国からも指導、助言を行うということとしております。これによりまして、消費者向けの製品を製造する川下事業者に毒性が強い物質の情報が伝わることになりますので、物質の適切な管理がより徹底されるということに寄与し、結果的に消費者から見てこうした製品の安全性が高まることにつながるというふうに考えております。
 また、先ほども御説明申し上げましたが、国連で制定された化学品の分類及び表示に関する世界調和システム、GHSに基づいた絵表示を製品に付けるというような取組もされておりますので、環境省といたしましては、各化学物質がそのGHS分類のどこに該当するか、どのような表示ラベルがいいかということをお示ししていくということによって、消費者製品を製造する事業者の取組を促進してまいりたいと思っております。
 このような措置の徹底、助言によって事業者に対する情報伝達、努力義務ではございますが、実効性を持って果たされていくものと考えております。
#133
○石井苗子君 ありがとうございます。
 最後の質問になりますけれども、九〇年代後半にありました環境ホルモンですけれども、社会に与えた影響というのは非常に大きかったと思います。これが化学物質とどのように関連しているのかというようなことについてはまだ解明に至っておりません。
 環境省、経済産業省共に、評価方法の試験実施、それから水環境中の環境ホルモンに有すると疑われている化学物質ですけれども、この状況調査、科学的な試験の実績などを集積していることに取り組んでいらっしゃると聞いてはおりますけれども、環境省と経済産業省からそれぞれどのぐらい化学物質についての進展があったのかを教えていただきたいと思います。
#134
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 内分泌系を攪乱する作用を有する化学物質、いわゆる環境ホルモンでございますが、これが人の健康や野生生物に及ぼす影響につきましては、いまだ、今もなお科学的に未解明な点が多いものの、世代を超えた影響をもたらすおそれがある課題として関心を集めてきたところです。
 環境省といたしましては、これまで化学物質の内分泌攪乱作用が環境中の生物に与える影響を評価するための枠組みを構築し、その下で知見の収集や試験を進めるとともに、未確立の試験法について諸外国と連携をして開発を進めてまいったところです。また、昨年の六月には、化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応、EXTEND二〇一六という名称の報告書でございますが、これを取りまとめまして、また、米国と協力して開発した魚類の長期繁殖試験法の検証、これを開始しました。
 引き続き、化学物質の内分泌攪乱作用に関するリスク評価等の取組を進めてまいりたいと考えております。
#135
○政府参考人(佐藤文一君) お答え申し上げます。
 経済産業省は、ホルモンにつきまして、内分泌攪乱作用をスクリーニングする方法の研究開発、試験方法の開発を行ってきたところでございます。例えば、女性ホルモン受容体への結合試験だとか、あるいは男性ホルモン受容体の転写活性化試験など、こういった試験の方法の開発を行ってまいりまして、これまで国際標準化、OECDのテストガイドライン化、こういったことを行ってきたところでございます。
#136
○石井苗子君 ありがとうございます。
 追加で、環境大臣と経済産業大臣にお伺いします。
 化学物質の規制は、人の健康被害や生態系への影響、密接な関係の中にあると申し上げてきましたが、こういう関係で取り組まれていらっしゃると思います。今回の改正が、ビジネスとしての国際競争の低下という経済性というものだけが優先されることがないよう、カネミオイルの症状で苦しんだ方々の思いなどを代弁しているわけではありませんが、ああいったことが繰り返されないような方法に行ってほしいと思うんですけれども、そういう結果になっていくのかどうか、大変心配しております。
 そのためにも、関係省庁の連携というのを強く望んでおりますが、経済と環境の綱引きと申しましたけれども、関係省庁の連携について、最後にお二人の大臣にお伺いしたいと思います。
#137
○国務大臣(世耕弘成君) この法律の運用に当たっては、イノベーションの促進と環境汚染の防止、この両立が非常に重要だと思っています。そういう意味でも、環境省と緊密に連携してまいりたいと思います。
#138
○国務大臣(山本公一君) 先生御指摘のとおり、私ども、先ほども申し上げましたけれども、この法がなぜできたのかという原点に立ち戻って、法改正に立ち向かっていきたいと思います。
#139
○石井苗子君 ありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
#140
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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