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2017/06/06 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 環境委員会 第17号
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2017/06/06 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 環境委員会 第17号

#1
第193回国会 環境委員会 第17号
平成二十九年六月六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     徳茂 雅之君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君    渡辺美知太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森 まさこ君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                高橋 克法君
                芝  博一君
                石井 苗子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                二之湯武史君
                松山 政司君
               渡辺美知太郎君
                浜野 喜史君
                柳田  稔君
                長沢 広明君
                若松 謙維君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   参考人
       国立研究開発法
       人国立環境研究
       所資源循環・廃
       棄物研究センタ
       ー副センター長  寺園  淳君
       弁護士
       福島原発被害弁
       護団共同代表   広田 次男君
       愛知県環境部長  菅沼 綾子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき
 、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件、以上三案件を一括して議題といたします。
 本日は、三案件の審査のため、参考人として国立研究開発法人国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター副センター長寺園淳君、弁護士・福島原発被害弁護団共同代表広田次男君及び愛知県環境部長菅沼綾子君の三名に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜り、三案件の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、寺園参考人、広田参考人、菅沼参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず寺園参考人にお願いいたします。寺園参考人。
#3
○参考人(寺園淳君) 国立環境研究所の寺園と申します。
 本日は、意見陳述の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、廃棄物等の輸出入や電気・電子機器のリサイクルについて研究をしております。本日の議題の二つの法律について、廃棄物処理法とバーゼル法と呼ばせていただきます。
 私は、昨年度、中央環境審議会のバーゼル法改正に関する専門委員会の委員として議論をしておりました。私は、バーゼル法と廃棄物処理法の今回の改正案を支持しておりますが、自分がより専門的に関わっていました雑品スクラップの問題を中心にお話しすることで、二法の改正の必要性を述べたいと存じます。
 資料を御参考にいただきたいと思いますが、二枚目から御説明いたします。
 雑品スクラップというのは、実は環境省の造語であると理解しております。金属スクラップ、雑品、ミックスメタルというような名前が関係業者の中ではよく使われており、私は金属スクラップと呼んでおりましたが、いわゆる金属だけのきれいなスクラップを含んでしまうという欠点がありました。主に中国で使われる雑多なものという意味の雑品という言葉に、分かりやすくスクラップという言葉を加えたものと理解しております。
 雑品スクラップの正式な定義はありませんが、解体業者、工場や一般家庭、事業所などから使用済みになって排出されたもので、鉄、非鉄、プラスチックなどを含む雑多な未解体、未選別のスクラップのことを言います。主に輸出者による事前相談で廃棄物処理法、バーゼル法共に規制対象外と判断されて輸出される場合が多いです。
 これらは、一部を除きほとんどがばら積み船で中国の上海に近い浙江省へ輸出されて、現地で解体されて金属にリサイクルされます。量にして、二〇〇〇年代後半は百数十万トン、年間輸出量があると推計しておりました。現在は、中国の景気の落ち込みと輸入規制強化の影響がありますが、それでも年間百万トン程度がまだ輸出されていると考えております。
 三枚目を御覧ください。
 この雑品スクラップについては大きく工業系雑品と家庭系雑品に分類でき、これらがミックスされたものもあります。工業系雑品は配電盤、モーター、ケーブルが多く含まれています。家庭系雑品は使用済みの家電製品が多く含まれており、より問題であるのはこちらの方であると考えています。
 四枚目を御覧ください。
 家庭系雑品の家電は、不要品回収業者から集まるものがそれなりに多いと考えております。不要品回収業者は、基本的にリユース目的で中古家電を海外へ輸出する業者に売ろうとして集めますが、売れなかったものについて雑品スクラップを取り扱う業者に安く買い取ってもらっていると考えています。
 五枚目を御覧ください。
 雑品スクラップの中には、エアコン、洗濯機のような家電四品目がある場合がありますが、自治体の粗大ごみなどで収集されるような掃除機、扇風機、炊飯器などの小型家電が多く見られます。これらは小型家電リサイクル法の対象でもありますが、大きさ的には中型と言える家電が多いと感じております。なお、携帯電話のように本当に小型の電子機器につきましては、フレコンバッグ等に入ってコンテナで輸出されているようでありまして、こういう雑品スクラップの中には見付かりません。
 六枚目を御覧ください。
 港湾と港湾以外のヤードでこうした雑品スクラップが保管されている事例を示しております。いずれも高い塀で囲われており、なかなか内部を確認することができません。右の東京の例では、環境省の方々と一緒に入った際、家電リサイクル法対象の洗濯機が大量に積み上がっているのが確認できました。このまま中国で輸入すると中国の輸入規制違反にもなりますので、輸出前に破砕していたようです。左の大阪の事例では、遠くから塀越しに冷蔵庫が破壊されている様子が見れました。フロンも大気に排出されていると考えられます。自治体の方もなかなか手を焼いているようで、有価で買っているという業者が主張をされるために、廃棄物処理法などで規制が難しいと言われていました。
 雑品スクラップについて何が問題かと申しますと、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法がありながら、その回収ルートに入らずに、不用品回収業者などを通じて集めた無許可の業者が不適切な作業をすることが問題ですし、自治体の廃棄物部局の規制が及ばないことも問題だと考えております。その結果、フロンや有害物質が不適正に処理されたり、廃棄物を輸出しているとして中国などからシップバックされたり、あるいは責任を問われたりするおそれがいつでもあるというのも問題と考えます。
 七枚目を御覧ください。
 そして本日は、特に雑品スクラップの火災が頻発しており、これがいかにややこしい問題であるかということを委員の先生方に御理解願いたく存じます。先月も兵庫県の尼崎港、宮城県の仙台港などで雑品スクラップ火災がありました。
 尼崎の火災の様子を写真でお示しします。八枚目を御覧ください。
 五月十九日午後五時頃、尼崎港のスクラップヤードで保管されていた雑品スクラップから火災が発生しました。数日後に輸出予定であったそうですが、まだ事前相談や輸出申告の前であったということで、関係機関にはスクラップに関する情報はありませんでした。業者の話では、作業終了後で何もしていなかったときに発火したということですが、そういういわゆる自然発火のケースも多くあります。
 今回のケースでは、作業者がまだいる時間での火災でしたので、中国人のためにやや手間取ったようですが、すぐに消防を呼ぶことができました。これが夜間であればもっと火災が拡大していたと思われます。それでも、雑品スクラップの火災は消火に時間が掛かることが特徴で、結局、翌日の鎮火まで二十二時間燃え続けました。
 九枚目を御覧ください。
 周辺の工場もそうですが、周囲に黒煙を長時間発生させ、阪神高速湾岸線も一時通行止めになりました。大阪の方でもこの煙は確認できたそうです。同様の大規模な火災は、二〇一三年四月の北九州、二〇一五年十二月の船橋など、全国各地で発生しており、煙害で苦情が多発したり、周辺の学校から子供が帰れないなどの影響も出ました。
 十枚目を御覧ください。
 二〇一二年一月の同じ尼崎港の火災ですが、このときはヤードの場所が少し違っていて、鎮火まで四十三時間燃え続けた事例です。写真のように隣に石油化学のタンクがあり、これに燃え移らないようにということで消防の皆さんも大変な思いをされたということでした。一歩間違えれば大規模災害につながっていた可能性があります。消火後に確認に行きましたら、石油のポリタンク、掃除機、洗濯機、コピー機など様々なものがありました。これだけ大規模な火災になってしまうと発生源はどこか特定できません。
 一方、小規模な火災ですと、十分な調査もされず、輸出業者がすぐに輸出したがって、そのまま輸出されることが多いです。そのため、調査や対策も十分できず、結局同じことの繰り返しが続いているような状態です。
 十一枚目の火災発生件数を御覧ください。
 私が環境省予算で海上保安庁と消防庁の研究機関の方々と一緒に本格的にこの雑品スクラップ火災の調査研究をしたのは、実は平成二十年度、二〇〇八年度からの三年間でした。その後は関係省庁の御協力を得ながら、ほぼ一人で情報収集を続けており、今年で延べ約十年になります。報道では雑品スクラップという言葉は用いられず、鉄くず、廃材、廃棄物の置場の火災などと言われます。
 火災の発生を港湾、船舶航行中と港湾以外の陸上とに分けておりますが、以前は港湾などでの火災は年に五件程度でしたが、最近は十件程度になっております。港湾以外の陸上での火災は、消防庁に該当する集計データがないために正確に把握できておりませんが、港湾と同数かそれ以上あると考えられます。
 十二枚目に、発生場所を示しております。
 港湾、船舶航行中の火災は、主に関東から九州で広く発生しております。特に多いのが千葉港船橋埠頭、川崎港、三河港、博多港となります。港湾以外の陸上火災も、分かる範囲では関東から九州での発生となっております。
 十三枚目に、雑品スクラップ火災の典型的な特徴を示しております。
 まず、死傷者がないということ、人災がないということで、火が消えたら余り問題視されずに済んでしまうことが多いです。また、ほとんどは直接的な経済影響もなく、燃えたスクラップですらそのまま売れますので、輸出業者などに防火のインセンティブが働きません。
 しかし、既に多数の影響やリスクが顕在化しつつあると考えております。高速道路が通行止めになったり、周囲に引火して大災害につながるおそれもあります。煙害も発生していて、生活環境保全上の支障や苦情などが発生しております。停電もありますし、泡消火剤を使った場合は数百万円以上の税金が掛かり、大阪府内では自治体が補正予算を組む必要が生じたという例もありました。
 火災原因は、調査しても通常不明で終わってしまいます。金属の衝撃やバッテリーのショートが判明する場合もありますが、私のこれまでの調べでは大体六割から七割くらいが原因不明となっております。一度発火すると簡単に延焼し、長時間燃え続けます。消火は消防や海上保安庁が努力されますが、非常に消えにくくて時間が掛かるという問題があります。
 十四枚目に、考えられる火災原因を示しております。
 発火と延焼に分けて考えることができますが、発火原因としてバッテリーや金属同士の衝撃があるものの、これが確認されたのは全体の二、三割程度です。また、自然発火の原因はよく分かっておりません。延焼はオイルやプラスチックなどの可燃分が多いので非常に容易です。
 十五枚目に、当面の火災防止対策を載せています。
 発火しやすいものや延焼しやすいものを入れないこと、山の高さを五メートル以下にすることなど保管の方法を決めること、消火設備の設置などが考えられます。これらの幾つかは、廃棄物処理法改正で予定されております有害使用済機器の保管基準でも期待できるかと思います。消防法で対処できないかという議論も大分したのですけれども、件数と被害から見て難しいらしいです。私からすれば、死傷者はいないけれども火災が発生する可能性が非常に高く、調査や対策が打てない理不尽な状態が続いております。
 十六枚目で、現在の廃棄物処理法とバーゼル法における雑品スクラップの位置付けを示しております。
 バーゼル法は有害物、廃棄物処理法は廃棄物を対象としております。雑品スクラップは多様な品目を含む不均一な組成のため、中に有害物、廃棄物を含むものがあったとしても、輸出者はどちらの法律でも規制対象に当たらないという判断をして輸出をしております。
 平成二十四年の三月十九日に環境省が出されたいわゆる三・一九通知では、廃棄物の疑いがあれば、特に家電などがあれば積極的に廃棄物と判断してほしい旨、自治体に求めていました。しかし、自治体によってはこの受入れに温度差があり、業者に訴えられる可能性などもあるとして、通知ではなく法規制を求める声も出ていました。
 十七枚目が、法改正で期待される対象範囲の拡大、明確化です。
 今回のバーゼル法改正では、雑品スクラップも対象とすることができるような対象範囲の明確化を予定しています。具体的には今後の検討となりますが、家電や有害な部品のリストアップができるかどうかがポイントと考えています。廃棄物処理法の改正では、廃棄物以外も対象とした有害使用済機器が創設されるというのは非常に意義が大きいと考えております。
 最後に、十八枚目です。
 有害使用済機器の創設で家電などがその対象に入れば、不要品回収業者の集積場や雑品スクラップを置いている港湾のヤードも多くが規制対象となり、都道府県に届出がなされることと理解しております。保管基準、処分基準が設定され、何より都道府県による立入検査、措置命令、改善命令などもできます。
 火災原因は多くの場合不明と申しましたが、火災が起きたところでは家電はよく見付かりますし、プラスチックやオイルの混入を含めて、業者によってほとんど適切でない管理がされているのは事実です。今回の法改正で雑品スクラップなどに対して適正な管理が行えるようになることを期待しております。
 以上で私からの意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
#4
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 次に、広田参考人にお願いいたします。広田参考人。
#5
○参考人(広田次男君) 私は、福島県いわき市から参りました弁護士の広田でございます。
 私は、被災住民に寄り添う立場から様々な裁判に関わってまいりました。この経験を基に意見を陳述いたします。
 最初に、失われたふるさとに対する人々の思い、これは非常に強いものがあります。私が聞き取りを行いました帰還困難区域である浪江町津島地区のある原告住民は、家に帰りたくて帰りたくて、その思いだけで頭がいっぱいの日々だった、こんな子供みたいなことを思い続けても仕方がない、新しい家を買えばこんな思いも消えるかもしれないと思い、大枚を投じて自宅を購入した、引っ越して初めての夜、布団に入って天井を見て、ああ、自分はこの天井を見て死ぬのかと思った途端に駄目だと叫びながら跳ね起きた、自分が死ぬときに見る天井はあの川沿いのおやじの造った津島の家の天井でなければ駄目だとの思いだったと、その心境を語っております。
 また、私が法廷で尋問を行いました楢葉町の原告住民は、生活の安定のためにいわき市に家を買わざるを得なかった、しかし楢葉の家には毎週のように掃除のために通っていると、失われた生活に対する強い思いを語っております。
 これらの人々に共通する思いは、社会的倫理として、一方的に放射能汚染をしておきながら、金だけやるからいいだろうで済まされるわけがないということです。そんな事態を黙認することは、先祖、子孫に対して、さらには自分の人生としても許すわけにはいかないということです。
 除染の徹底、拡大を求める人々の思いは強く、汚染物質の増量は必至であり、仮置場、仮仮置場の問題はますます混迷の度を深めていくと思われます。一方、これに対して中間貯蔵施設の建設は遅々として進んでおりません。建設予定地の地権者が、度々私の事務所に相談に訪れます。大半の相談のポイントは、三十年後にはきれいな土地にして返却するという点です。東電の安全神話その他の原発に関する情報に裏切られ続けてきた人々です。ほとんどの人が、三十年後に貯蔵された汚染物質の全てを引き受けるほかの県があるとは思えないと口にします。
 ある老人は、三十年後にはもちろん自分は生きていないが、東電にさんざんにだまされ続けてきたじい様が最後までだまされていたんだと子孫には言われたくない、その旨を強い口調で語っておりました。
 地元住民は、東電も国も全く信用していないと言って過言ではありません。安倍政権は二〇二〇年のオリンピックまでには福島の問題は全て解決する方向と聞いておりますが、それは臭い物には蓋の福島切捨ての方針としか地元住民には聞こえません。
 また、この度、除染費用について東電を免責し、税金で負担する方向とも聞き及びますが、仮にそのような方針が実施されるとすれば、現在ですら非常に根深い不信感を国、東電に対して有する地元住民の不満はより根深いものとなり、切り捨てることもできないほどに大きく膨らむことは必定であります。
 私が担当する裁判の中で特に東電の加害者意識の欠落を感じるのが原発労働者に対する裁判であります。
 一つは、平成二十三年の三月二十四日に、三号タービン建屋で被曝した下請労働者の裁判です。最終爆発から僅か九日後の事故でしたから、現場の指揮命令系統は崩壊しており、動ける人間を動けるだけ労働させるという状況でした。
 そのような状況にもかかわらず、東電代理人弁護士は、下請労働者に対する東電の安全配慮義務は一切ない、したがって、立証責任は全て労働者側にあるから東電は資料は一切出さないと法廷で言明いたしました。これに対し裁判長は、手元にある資料は出してくださいとの指示を出しておりました。東電代理人は、この裁判長の指示に対しては、では探してみますと応じ、次回の裁判期日では、探したけどありませんでした、この繰り返しでした。
 原告弁護団は必死になって資料の収集に努め、三月十八日、本件事故の六日前でございますけれども、三月十八日に一号タービン建屋で高濃度汚染水が存在していた事実、この事実を東電が記者会見で発表していた新聞記事を証拠として提出いたしました。すなわち、三月十八日に一号タービン建屋で高濃度汚染水が存在しているのであるから、三月二十四日に三号タービン建屋で発見された水も汚染されていると予見することができたはずだとの趣旨での証拠の提出でした。
 これに対して東電代理人弁護士は、新聞記事の真実性を証明するために、記者会見の状況を撮影した動画を証拠として提出せよという対応でした。私は思わず、東電が自分でやった記者会見だ、その内容の真偽は自分で判断できるだろうと口走っておりました。
 二つには、原発の現場で働く労働者への危険手当の支払の問題です。
 国会でもいわき市議会でも、また度々の記者会見でも、東電担当者は、線量に応じて一万円から二万円、全面マスクを使用した場合には二万円、かっぱないしアノラックなどを使用した場合は三万円、タングステンベストを着用した場合には四万円を労働者の手に直接渡るようにすると言明してまいりました。しかるに、大半の労働者の手には一銭も渡っておりません。一部の労働者に僅か数千円が支払われているのみの現状であります。
 現在、四十七名の労働者が危険手当の支払を求めて裁判中です。この裁判において東電は、雇用契約書において支払を約束していないのだから支払義務はないと答弁しています。一方で、国会、いわき市議会、記者会見などで、具体的金額まで明示して支払う旨を言ったことは認めているのです。すなわち、国会、いわき市議会、記者会見での発言は単なる社会的PRにすぎず、何らの法的効力もないという主張であります。
 これに対して裁判長は、それでは被告企業の請負契約書を提出するようにとの指示でした。この指示に従えば、実現されれば、どの企業が中間で幾らのピンをはねているかが明らかになるはずでした。これに対して東電代理人弁護士は、そのようなものはあるかないか分からないと、まさに耳を疑う応答でした。
 これらの東電の応訴態度は、訴訟に対して真摯に向き合い真実を明らかにしようとする姿勢が全く欠落しており、加害者としての意識、事故に対する反省が全く見られないと言われてもやむを得ないものであります。なお、このような姿勢は、程度の差はあれ、全ての東電に対する訴訟において共通するものであります。
 その結果として言えることは、事故前から原発の無責任体制の象徴の一つとして指摘されてきた多重下請構造に対する反省が全く見られないことです。原発管理の無責任さの元凶ともブラックマネーの温床とも指摘されてきた多重下請構造を事故後も東電は維持し続けようとしていることに、東電の無反省ぶりをまた一つ指摘することができると思います。
 一方、このような東電の対応は、現場労働者の質の低下を招いています。私が聞き取りを行った原告労働者の多くの前職、飲食店店員であったりハウスメーカーの社員などなど、原発労働には全く無縁の人々で、機械であるとか工具の名前すら分からないような人々がたくさんおりました。結果として、福島第一原発の現場からは熟年労働者の姿は消え、素人集団とやゆされる状況にあると言われます。
 これが住民が帰還できない理由の一つになっております。例えば、事故前の楢葉の住民の大半は昼間の外出時に家に鍵を掛ける人はほとんどいませんでした。しかし、今の楢葉住民は短時間の外出時にも鍵は欠かせません。累々と連なる原発作業員宿舎は住民にとって不気味な存在にほかならないのです。
 そして、多くの住民は今の福島第一原発の状況を仮設原発と呼んでおります。仮設住宅と同じくらい粗末な造りだという意味です。今度再び三・一一と同じような地震、津波や、あんな大きなものでなくともちょっとした地震、津波にも耐えられないだろうという意味でした。もう二度と三・一一のときのような思いはしたくないという危機感を仮設原発は住民にもたらしているのです。
 福島復興の最大の鍵は、国、東電に対する地元住民の信頼の回復だと思います。これまでの原発安全神話、SPEEDI情報の隠蔽、七年を迎えてもめどの立てられない帰還、廃炉作業、さらには、福島事故の原因も未解明なままに、全国の原発の再稼働、原発の輸出などなど、地元住民の不信感を深める行為ばかりを国と東電は繰り返してきたと言って過言ではありません。
 去る三月十七日の前橋地裁判決も、国と東電の原発事故に対する責任を厳しく指摘しておりました。国、東電が原発事故に正面から向き合い、具体的な施策として福島切捨てではなく福島の全面救済にかじを切り替えない限り、地元住民の信頼の回復はないと言えます。そして、地元住民の信頼の回復なくして福島復興はあり得ない、このことを強調いたしまして、私の意見陳述といたします。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 次に、菅沼参考人にお願いいたします。菅沼参考人。
#7
○参考人(菅沼綾子君) 愛知県環境部長の菅沼と申します。
 この度は意見陳述の機会をいただき、感謝申し上げます。ありがとうございます。
 本日は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、以降廃棄物処理法と述べさせていただきますが、この改正案につきまして愛知県の立場から意見を述べさせていただきます。
 最初に、今回の法改正のきっかけとなりました、あの昨年一月に発覚いたしましたダイコーによる廃棄物の不適正処理の事案について、御説明させていただきます。お手元に資料をお配りしておりますので、それを御覧いただきたいと思います。
 本事案は、廃棄物処理への信頼性、食の安全性を脅かす非常に重大な問題だと認識しているところでございます。
 それでは、まず、本事案の経緯から説明させていただきます。表紙をめくっていただきまして、裏面でございます、一ページ目を御覧ください。
 昨年一月十二日に壱番屋の方から、本来店舗外に出ることのない冷凍ビーフカツが県内のスーパーで売られているが、これはダイコーに産業廃棄物として処理委託したものであるとの通報が県の方にございました。そこで、県は翌日、十三日でございますが、ダイコーと壱番屋に立入検査を行い、廃棄物処理法第十八条に基づく報告徴収を行いました。
 その結果、ダイコーは六か所、うち愛知県内では四か所に廃棄物を保管していることが判明いたしました。このうち、廃棄物処理法の許可を受けていたのは本社工場の一か所のみでありまして、残りは県外も含め無許可若しくは無届けといった保管場所でございました。
 保管量につきましても調査を行ったところ、愛知県内の四か所には合計八千九百八十一立米、岐阜県と三重県の二か所に合わせて約四千立米、全体で約一万二千九百立米という大量の廃棄物が保管されておりました。
 その後、昨年二月の末でございますけれども、保管されている廃棄物の撤去等を五月十七日までに行うよう廃棄物処理法に基づく改善命令を県として発出いたしました。
 なお、この命令を発出した時点で、ダイコーは既に事実上の倒産状態でありました。廃棄物を自力で処理することができないという回答がございましたので、県ではダイコーに対しまして廃棄物処理法に基づき廃棄物の排出事業者に処理困難通知を発出するよう指導を行い、同社はそれに従って処理困難通知を発出いたしました。
 廃棄物処理法では、処理困難通知を受けた排出事業者には廃棄物の撤去などの適切な措置を講ずる義務が生じることとなりますことから、県としても、契約書、マニフェスト等の書類の確認により排出事業者の特定を進め、新たに判明する都度ダイコーに処理困難通知を発出させ、排出事業者による排出物の撤去を進めました。結果といたしまして、ダイコーは、許可を取り消される六月二十七日までの間に合計七十八の排出事業者に対して処理困難通知を出しております。
 また、排出事業者が特定できない廃棄物についても、容器や包装にある製造者名ですとか廃棄物の性状等から排出事業者を調査し、排出事業者と思われる者に対し県から自主撤去を指導し、実際に回収がなされたところでございます。
 こうした中、四月十八日に、岐阜県と三重県は、ダイコーが両県で有していた産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分を行いました。
 本来であれば、これらの取消処分により廃棄物処理法上の許可の欠格要件に該当いたしますので、本県も許可を取り消す必要が生じます。本県でもこの時点で既に許可取消しに必要な聴聞等の手続を済ませておりましたが、この時点で許可を取り消しますと、二月末に発しました改善命令が履行期間中であるのにもかかわらず、その効力が失われ、履行に支障が生ずることとなります。また、ダイコーが廃棄物処理法に基づく処理困難通知を出せなくなることで、新たに判明した排出事業者に対する廃棄物の撤去指導が困難となることへの懸念がございました。
 このため、ダイコーがこの時点で営業実態がなく、許可を取り消さなくとも新たな処理を受託することがないことも考慮し、当面は廃棄物処理業の許可を取り消さずに、廃棄物の撤去を優先させるという判断をいたしました。この結果、産業廃棄物処理業の許可の取消処分を行いましたのは、同社の処分許可の有効期限の一日前に当たる六月二十七日ということになっております。
 次に、県による廃棄物の撤去について御説明申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、ダイコーに保管されている廃棄物につきましては、排出事業者による撤去指導を行うことで撤去を進めてまいりましたが、ドラム缶に入っている液状物や腐敗等により原形をとどめないものなど、排出事業者が特定できない食品廃棄物も多くあり、これらの廃棄物は撤去の見込みが立たない状況でございました。一方で、夏の時期を控え、気温上昇により腐敗が進むことで悪臭の発生や害虫の異常発生など周辺の生活環境保全上の支障が生じることが懸念され、早急に撤去が必要な状況にありました。
 このため、まずは廃棄物処理法に基づく行政代執行により撤去することを検討いたしましたが、そのためには同法に基づく措置命令の発出が必要となり、不適正に保管された廃棄物の種類と排出者の特定が必要となるなど、事務手続等で実際に廃棄物の撤去に着手できるまで数か月の期間を要するということが判明いたしまして、早急に撤去することが困難な状況にございました。
 また、同法では、緊急に支障の除去等の措置を講ずる必要があり措置命令を行ういとまがないときは、措置命令を発出しなくても法に基づく代執行が可能であるとされていますが、国にも確認させていただいた結果、いとまがないときとは、直ちに支障の除去等の措置を講じなければ回復困難な生活環境の保全上の支障を生ずるおそれがある場合をいうとの考えが示され、本県においては、悪臭の発生や食品廃棄物の腐敗による汚水の流出、害虫の発生が推測されることのみでは法に規定するいとまがないときには当たらないとの判断をいたしました。
 これらのことから、本県では、法律上の義務はありませんが、他人の事務を処理するという民法第六百九十七条に規定します事務管理によって、生活環境保全上の支障が生ずるおそれのある廃棄物を県として撤去することといたしました。この撤去に当たっては、県内の処理業者や業界団体、稲沢市等、四十二事業者団体の無償協力を得まして、昨年六月八日から撤去を開始したものでございます。
 県では、分別、積込みのためのフォークリフト等のリース代や作業委託費等として、必要最小限の約四千万円の予算措置を行っております。廃棄物の保管状況が非常に悪く、当初の見込みを大幅に上回る時間が掛かり、最終的には今年の二月二十七日に撤去が完了いたしました。
 この間、排出事業者等によって二千九十一トンの廃棄物が回収されており、県の事務管理による撤去九百四十五トンと合わせ、合計三千三十六トン、容積では当初確認いたしました八千九百八十一立米の約八四%に当たる七千五百四十立米となりました。
 なお、残りにつきましては、パレットや空のフレコンバッグなどの安定物等であり、周辺環境に影響を及ぼさないことから、現場に残置いたしました。
 今回の事案では、ダイコーによるマニフェストの虚偽記載や立入検査時の偽りの説明など悪質な隠蔽行為が行われており、これにより本県の職員も不適正行為を見抜くことができなかったものでございます。しかしながら、立入検査を重ねながら本事案を見抜けなかった点、また問題の発生を未然に防げなかった点は反省に値するものと考えております。その立入検査に当たっては、事業者の説明に疑問を感じ、うそを見破るための立入検査を行う者にとっての十分な知識や経験がないと難しいものでございます。
 また、今回の事案では、排出事業者による排出者責任の理解、認識が不足していると感じました。例えば、ガムやみそといった廃棄物、これらは発酵処理は不可能と言ってもいいでしょうが、発酵するということで処理委託されておりました。さらに、排出事業者による処理状況の確認についても、現地に来て建物の写真だけ撮って帰ってしまったりと十分な確認がされておらず、また料金についても、今回は相当に安い料金で処理委託されていたというふうに聞いております。
 したがいまして、本県では、この反省を踏まえまして、次のページでございますが、掲げさせていただいております再発防止策の一つとして、まずは具体的な立入検査用マニュアルの作成や、新たに保健所の食品衛生監視員に廃棄物処理法上の立入検査の権限を与えまして、関係部局が連携して立入検査を実施するなどの監視体制の整備強化を行ってまいります。
 さらに、最後のページでございます。その次のページを御覧ください。
 廃棄物処理業者はもちろんのこと、排出事業者の現地確認等も不十分でありましたことから、排出事業者に対しましては、契約の締結、マニフェストの交付、処理状況の確認といった廃棄物処理法における責務をしっかりと確認させるため手引書を作成し周知を図ることや、関係団体とも連携して処理施設場所での現地研修会を実施し処理状況確認能力の向上を図るなど、法令遵守の徹底について指導強化を行ってまいります。
 また、これらの対策に加えまして、その下のBに記載しておりますように、そもそも廃棄物として発生させない、やむを得ず廃棄物となった場合にも適正なリサイクルを推進させるといった食品ロス削減の対策を総合的に進めていくこととしております。
 本県では、こうした取組により、廃棄物処理業者及び排出事業者における廃棄物の適正処理を図り、県民の皆様の安心、安全を確保してまいります。
 そのほか、この事案を通じまして感じました問題点について少し説明をさせていただきます。
 まず、マニフェストについてであります。
 マニフェストによるチェックを行う際には、記載されております内容と廃棄物の照合が重要となりますが、マニフェストには実際に処理した方法や具体的な廃棄物の内容が記載されないなど照合に必要な情報が十分でなく、実際に搬入された廃棄物と処理後のものと関連付けが十分できないといった問題がございました。
 また、食品廃棄物は腐敗したり混合されることでその性状及び外見が大きく変化するため、本事案では保管状況が悪かったことも重なり、廃棄物とマニフェストを突き合わせようとしても、廃棄物から追えないし、マニフェストからも追えないという状態となっておりました。
 これらは、今回の事案で廃棄物の排出事業者の特定がなかなかできなかった理由の一つでもありました。
 ダイコーが不適正保管をしていた食品廃棄物の多くは動植物性残渣に該当する性状のものでありましたが、廃棄物処理法施行令の規定では、食料品製造業等において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物が産業廃棄物であり、それ以外は一般廃棄物に該当することになります。
 廃棄物処理法に基づき知事が命令できる対象は産業廃棄物のみであるため、今回のように一般廃棄物が混ざっている場合については、本来であれば、産業廃棄物について監督権限を有する愛知県と一般廃棄物について総括的責任を有する稲沢市が協議をして、それぞれ措置命令等を行うこととなりますが、早急に撤去が必要な状況であり、また排出事業者や産業廃棄物の量や内容も判明しないため、愛知県としては、確実に産業廃棄物として特定できた汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリの約三千六百立米のみを対象として改善命令を発出いたしております。
 今回の法改正では、まず、マニフェスト制度の強化として、多量排出事業者に電子マニフェストの使用を義務付けるとか、マニフェストの虚偽記載等に関する罰則が強化されており、さらに、許可を取り消した者に対しても必要な措置を命ずることができるようになるなど、今後、事業者指導を一層強化できる改正が行われており、大変有り難く思っております。
 その上ででございますが、最後に、今後に向けまして幾つかお願いをさせていただきたいと思います。
 一つ目は、電子マニフェストについてでございまして、記載事項に不自然な点があったときに自動的に不正を検出できるような機能を検討していただければ大変有り難いと考えております。
 二つ目は、一般廃棄物と産業廃棄物が混ざっている場合の取扱いを明確化していただきたいと思います。本事案のように、不適正な状態を改善するため、どのように改善命令等を行えるのかを明らかにしていただければと考えます。
 三つ目は、廃棄物の処理を委託された廃棄物処理業者に対し、廃棄物の転売を含め、委託された処理以外の行為は防止するような対策をしていただきたいと思います。
 最後に、緊急時の対応の在り方について御検討いただければと考えます。
 今回の事案では、緊急に代執行を行うためのいとまがないときの要件が限られていることで、措置命令を発出することが求められ、迅速な対応が取れませんでした。緊急な対応が必要な場合であり、不適正処理の行為者等による支障の防止措置が行われないときには、速やかに代執行が可能となるよう御検討をお願いしたいと思います。
 以上で私からの意見を終わらさせていただきます。
 私どもは、今後とも全力で地域の環境行政を推進してまいります。何とぞ御支援、御指導を頂戴できますよう、よろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございます。
#8
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 まず、今日、三人の参考人の皆様方、いろいろお忙しい中かと思いますけれども、この参議院の環境委員会にお越しをいただきまして貴重な意見をいただきましたこと、まずは御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 それぞれの参考人それぞれの専門の御立場から、まず、寺園参考人からは、廃棄物処理法、バーゼル法、この改正についての御意見だったというふうに思っております。それから菅沼参考人からは、廃棄物処理法の改正についての主な意見陳述だったというように思っております。広田参考人からは、これまで様々な裁判に関与をされたということで、福島に関するお話だったと思いますので、今回議題となっております三つの案件の中では最後の福島地方環境事務所の設置ということについての大きな意味での意見陳述ではなかったかというように思っておりますけれども。
 まず、広田参考人に、今回のこの恐らく事案からすれば、三つ目の福島地方環境事務所を設置することということの意見陳述というふうに理解をしておりますが、この件についての賛否といいますか、についての御意見を賜れればというふうに思っております。
#10
○参考人(広田次男君) 実質的な中身、結局、何をやるかというところじゃないかと思っております。役所の格といいましょうか、位置付けをどうするかという問題ではなくして中身の問題、ここが被災者住民の信頼を勝ち取れるかどうかということのポイントなんだろうと思っております。
 これまでも地元住民に対しては様々な政府の施策なるものが発表されてきておりますけれども、いずれも中身において果たして十分に信頼を勝ち得ているものになっているか否か、ここが大いに疑問の点だというのが私の意見でございまして、形ではなくしてどのような実際的な施策を実行していただけるか、この点が最も重要な点だろうと考えております。
#11
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 その点からすれば、先ほど陳述でいただきましたように、様々な裁判に関与をされて、失われたふるさとに対する人の思いであるとか、あるいは東電の姿勢であるとか、あるいは今回除染費用について国が負担をする等々についていろんな御意見を賜りました。
 今回、この福島地方環境事務所については、環境省の本省において、中間貯蔵の話であるとか指定廃棄物の処理であるとか除染であるとか、いろんなやはり課題、それぞれリンクする問題ですので、これを本省の方で一元化する、それの観点からすれば、この地方の環境事務所においてもそういう位置付けをした方がいいんではないかということが今回の承認案件の趣旨になっているかと思いますけれども、確かに内容が重要だということはおっしゃるとおりかと思いますけれども、やはり体制を強化をしていく、きちんと、それぞれ分離をして行っていくのではなくて、それぞれが連携したものとして取扱いを行っていくというそういう体制も、やはりきちんとした仕事をしていくためには必要ではないかというように思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#12
○参考人(広田次男君) 体制としてそういう形で整えていただけるということ自体は、県民としては歓迎するところだろうと思っております。問題は中身であるということを強調しておきたいと思います。
#13
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 中身が重要だということはおっしゃるとおりだというふうに思っております。
 それでは、続きまして菅沼参考人にお伺いをしたいと思います。
 まさに今回の廃棄物処理法の改正の一つの契機になったのがお話をされましたダイコー事件、これでやはりなかなか食品廃棄物の不適正な転売事案があって適正な処理が行われなかった、このことが今回の法案の改正の一つの大きな契機になっているのはそのとおりだろうというふうに思っております。
 参考人の方からは、今回、電子マニフェストの話が改正内容になっておりますし、また、取り消した後もきちんと対応ができるんだというこの二点について、やはり不十分な点があったということで、これについては評価をしていただいているんだろうというふうに思っておりますが、ただ、今後に向けてということで四点ほど課題ということもいただきました。これは、まさに現場の中で、対応している中で、やはりこれでもまだ不十分な点があるんだということで、私どもこれから審議をしていく上で真剣に受け止めなければいけないなというふうに思いました。
 それに関連をしまして、今回のダイコー事件につきましては、まさにおっしゃいましたように、事務管理という民法上の手法で処理をしていったということかと思います。もちろん、今回の法改正等々を通じてこういった事案を防止をしていくということは、これはもちろん重要なことでございますけれども、万一問題が発生をした場合に処理をどうしていくのかということはやはり問題になるわけでございますので、その処理を行っていくという観点で、言ってみれば代執行というのはこれからの課題の一つとしておっしゃっていましたけれども、ただ、事務管理という手法を取らざるを得なかったというのは恐らく課題としてはお持ちではないかなというふうに思っておりますけれども、この処理の在り方ということについて、こういう点をもう少し改善してもらった方がいいんではないかということについて何か御意見はおありでしょうか。
#14
○参考人(菅沼綾子君) 今回、行政代執行ができなかったというところにつきましては、いわゆる期間が掛かってしまうと。つまり、今回もうかなり腐敗が激しい食品廃棄物でございましたので、まずは梅雨になる前に、できれば夏前にとにかく処理をしたかったということがありまして、まずは時間の関係でございました。時間の関係で、かなり数か月を要してしまう代執行でなくて、今回は事務管理というような形で取ったわけでございます。
 先ほども述べさせていただきましたけれども、いわゆる緊急時においては、廃棄物処理法でもいとまがないときというような形で、いわゆる、何というんですか、時間的に速やかに対応ができるというような形ができるものですから、できればいわゆるいとまのないときの解釈につきまして、もう少し柔軟的に行っていただければ大変有り難いというふうに思っております。
 以上でございます。
#15
○磯崎仁彦君 そういう意味では、まさに四点目で言われた緊急の対応、いとまがないというこの解釈等々について、やはり住民の皆様に腐敗であるとかいろんな問題が生じるということがあるのであれば、代執行を含めて対応できれば有り難いなという、そういう趣旨でございましょうか。
#16
○参考人(菅沼綾子君) はい、そうでございます。
#17
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 それでは、寺園参考人にお伺いをしたいと思います。
 バーゼル法と廃棄物処理法という二つの法律についての御意見をいただいて、寺園参考人の御意見としては、支持をするという、そういう基本的な考え方があるというふうに承知をしております。
 いただきましたこのペーパーを拝見しますと、まず、やはり雑品スクラップについては、廃棄物処理法とバーゼル法共に規制対象外、いわゆる隙間ということが、従来から参考人おっしゃっていると思いますけれども、今回の法改正によって、このまさに十六ページから十七ページについてのこの表かと思いますけれども、この対応によってこの隙間というものは基本的に埋まるというふうにお考えでしょうか。それとも、今回の法律改正をもってしても、まだやはり隙間というものは十分に解消されないというふうにお考えでございましょうか。
#18
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 結論を申し上げれば、両方とも隙間を埋めるのには寄与すると考えております。
 ただし、バーゼル法の方では、規制対象範囲の明確化というところの具体的な中身がまだよく詰まっておりませんことと、あと十八枚目を御覧いただきまして、バーゼル法の場合にはどうしても輸出申告後の輸出が既遂となってからの対応でないと、バーゼル法には未遂罪、予備罪がないものですから、そこでの輸出業者がやめると言ったらもう対応が基本的にはできないということになってしまいますので、その点では隙間を埋めるのに十分かと言われると、やや弱い点はあります。
 そうした意味では、私が個人的に期待しているのは、廃棄物処理法の改正で有害使用済機器が創設されるということでありまして、そこで家電などがきっちり入って、廃棄物ではなくても都道府県に届出とか保管基準等が設定されることによって、雑品スクラップを取り扱っている業者はかなりそういった規制を守らねばならなくなるという意味で期待しているものであります。
#19
○磯崎仁彦君 今まさに寺園参考人言われたように、今回法改正をするわけでございますけれども、政令であるとか省令であるとか、これからやはりそちらの方をどう規定をしていくかということが重要だということではないかと思いますけれども、そういった意味では、これから政省令を作っていくに当たって、こういう点を是非留意をしてもらいたいとか、こういう点については是非書き込んでもらいたいとか、そういう政省令を作るに当たっての何か御意見がありましたら、参考までにお伺いをしたいというふうに思います。
#20
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 バーゼル法の方は環境省、経済産業省両省共管でありますし、廃棄物処理法は環境省ということで、今回の法改正に伴った政省令をこれから議論していくことになると思いますが、私は、本日御説明しましたような家電については、是非どちらの方でもできるだけ入る方向で検討していただいて、税関あるいはこれから都道府県の方々が入っていったときに、これは明らかに対象ですよと言いやすいようなものになること、分かりやすさということを重視して検討がなされるべきだというふうに考えております。
#21
○磯崎仁彦君 法律の名称等々からすれば、廃棄物処理法ということで、廃棄物ということを対象にするというのが恐らく趣旨なんだと思いますけれども、今回のいわゆる新たに設けられる有害使用済機器、これは言ってみれば廃棄物ではないものですよね。
 そういった意味では、私は、従来から、いわゆる廃棄物の法体系を見た場合に、廃棄物があって有価物があって、例えばごみがあって中古品があってということで、なかなか、やはり統一的な何か定義というか物の取扱いというか、これが本当にされているのかどうかということをなかなか私自身混乱をしているところがあって、そういう意味では、今回、有害使用済機器を創設をするというものは、やはり廃棄物でないものについても法律のきちんとした保管なり処分の対象にしていきましょうということだと思いますので、言ってみれば、その法体系全体でもう少し定義とかそういうものを含めて整理が必要なんではないかなというふうに個人的に思ったりするんですが、その辺について何か御意見があればお伺いをしたいと思います。
#22
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 非常に重要な観点を御指摘いただいたと思います。ちょっとなかなか申し上げにくい点もありますけれども、基本的にこの両方の法律共通しますが、やはり縦割りがあるというのは否めません。先ほどの愛知県の部長様からありましたけれども、一般廃棄物と産業廃棄物、これが両方あったときどうするのかという規制の責任の問題もあります。
 それから、今回有害使用済機器を創設するということで、実は私、この法改正の議論には、バーゼル法の方はタッチしておりましたけれども、廃棄物処理法の方は関係しておりませんでした。閣議決定が終えてからこういったお話を見させていただいて、これは是非やっていただくべきものだとは考えておりますけれども、有害使用済機器、気になるのが、廃棄物ではないもの、廃棄物は除くというふうになっているところでして、そうすると、またその間で廃棄物、廃棄物でないものというところの隙間が存在しやしないかということを若干心配しております。
 ですから、ちょっと今回の例では余り良くないんですけれども、使用済みバッテリーの絵とかも描いておりまして、こういったものが例えば国際会議に行きますと、日本では有価だったら廃棄物ではないんですよというふうに説明すると、欧米の方からは何でだというふうにとても驚かれたりするんですね。有価か無価というのは我々普通に生活するときにはとても大事なんですけれども、それが輸出された場合に外国では価値基準が違っていたり、あるいは市況によって変わったりしますので、そこを余り厳密に廃棄物、廃棄物でないということを分ける基準にするのはどうかということで、三・一九通知ですとかいろいろな形での廃棄物と考えられるものの拡大ということになってきたわけですけれども、今回有害使用済機器が創設されることで、それが隙間が生じないようにするということは留意するべき課題の一つだと思っております。
 あともう一点だけ、ちょっと手短に申し上げますけれども、少し懸念していますのが、有害の軸の方で、有害使用済機器という名前が付きまして、これが特定有害廃棄物等というものと、あるいは特別管理産業廃棄物というものがあります。日本の中で有害と類するものがちょっと三つの基準ができてしまうというところで、それも若干懸念しているところなんですけれども、これは中長期的にはできるだけ合わせて統合していくのがよろしいかなというふうには考えております。
#23
○磯崎仁彦君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#24
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 本日は、参考人の皆様方、誠にありがとうございます。
 まず、寺園参考人にお伺いをいたします。
 御説明いただきました資料の三ページ目のところでありますけれども、雑品スクラップと言われるものの起源について御説明をいただきました。工業系の雑品、それから家庭系の雑品というふうに分類ができるという御説明でございました。御説明の中では、より問題が多いのは家庭系の雑品であるという御説明がありましたが、その辺りを少し押し広げて御説明をいただければというふうに思います。
#25
○参考人(寺園淳君) ありがとうございました。
 工業系雑品の方ももちろん問題点はございます。ただ、有価性という観点では工業系雑品の方が値段が高く、あと、有害物がどちらがどうかというのは、基板はどちらの中にも入っておりますし、その中の鉛の量ですとかあるいは電池が入っている割合ですとか、どちらがどうだということはなかなか申し上げづらいです。
 ただし、家庭系の方は家電が入っているということで、消費者が出したときに、自分はこれは例えばリユース目的で海外に輸出されるのではないか、あるいは適正に処理されるのではないかというふうに考えているにもかかわらず、こういった山の中に入っていってしまって、しかも燃えたときにプラスチック分が多いということで、取れる金属というのは実はその家庭系雑品の中の家電の中からは余り多くなくて、よりごみに近いというふうなことが言えるというふうに思っております。
#26
○浜野喜史君 ありがとうございます。
 その御説明を踏まえて考えますと、私なりには、その対策をどう講じていくのかということを考えましたときに、やはりその排出者、これは家庭も含めてですけれども、家庭も含めた排出者にしっかりと、何といいますか、適正な業者に処理をお願いするということ、これを徹底していくということ、それから取扱業者の監督、これを的確に行っていくということに尽きるのではないかなというふうに考えるんですけれども、対策についての基本的な考え方を御説明いただければ幸いでございます。
#27
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 今委員おっしゃられたように、排出者としての家庭への対策として、無許可の業者といいますか、その素性が明らかでない、チラシだけをまいてくる、携帯電話の番号だけが書かれているというような業者に不用意に出してはいけませんということを、これは環境省もやっているんですけれども、自治体も含めてより徹底する必要があるというふうに思っています。
 それから、その流通の過程といいますか、その運搬とか保管の過程で、今回その有害使用済機器については届出と保管基準等が作られる予定ですので、そこで都道府県の関与ということができるようになればかなり効果があるんではないかなというふうには考えております。
#28
○浜野喜史君 引き続き寺園参考人にお伺いいたしますけれども、御説明をいただきました十一ページ、雑品スクラップ火災の発生件数、寺園参考人調べということについて御説明をいただきました。実際問題、このような実態の把握ということがどの程度しっかり行われているのかという状況、全国的にはほぼ実情の把握はできているということであるのか、いや、やはりそれはもう、先ほどもお一人で十年間継続してやっておられるというような説明もありましたけれども、まだまだ不十分なんだということなのか、その実態把握の現状について解説をいただければと思います。
#29
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 御説明のところでも少し申し上げましたけれども、港湾、船舶航行中と陸上とに分けております。それで、その港湾、船舶航行中というのは主に海上保安庁様の調べを参考にしております。といいますのは、港湾の中でも、船舶に積載しているときですとかあるいはその船舶が航行しているときの消火は海上保安庁で行われていまして、それはいろんな管区で消されると、こういった火事があったというときには本庁に必ずすぐ連絡があって、私がこの問題を関係するようになってから、環境省の方にもそういった連絡をしていただけるようになりました。それで、全国大体どこで火事があったとしても、海上保安庁が消火に関係するような場合には、全国的に大体この件数は網羅されています。
 一方で、港湾といっても、港湾以外の各地の地域の消防署が消される場合は、これは実は消防庁の中で火災のデータベースはあるんですけれども、雑品スクラップという区分がないものですから、一体どれだけあるかというのが分かりません。それで、私が大体、報道とか、いろんな環境省の地方事務所の方との連絡とか、いろいろな手段を使って、最低限これぐらいあるというのを赤でお示ししておりますけれども、実際には青と同じぐらい、あるいはそれ以上の件数があるのではないかなというふうに考えております。
#30
○浜野喜史君 寺園参考人に、最後の質問させていただきます。
 説明をいただきました十七ページですね、今回の廃棄物処理法とバーゼル法改正で期待されるものという御説明でございます。
 バーゼル法、先ほども御説明ありましたように、バーゼル法において規制対象範囲がどのように明確化されるのかということがまだ明らかではないという御説明でございました。どのように明確化されることが望ましいというふうにお考えか、加えまして、この保管基準の義務付けについてもどのような保管基準が設定されるべきというふうにお考えか、説明をいただければと思います。
#31
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 一点目のバーゼル法改正での雑品スクラップを念頭に置いた規制対象範囲の明確化ということにつきまして、まだ環境省の御担当の方等も含めて十分な議論ができておりませんので、これは私個人の意見にはなるんですけれども、十七ページのところで、バーゼル法の対象になっているところで、有害物のところに家庭廃棄物を含むというふうに書かれています。実は、これはバーゼル条約の中で、条約上の有害廃棄物というのは家庭から出てきたものも含むということになっておりまして、日本のバーゼル法でもそれは一応担保はされているんですけれども、十分運用できているとは言えない状態かなと考えております。
 実は、他国におきましても家庭廃棄物が全て入っているかといいますと、そういうわけではないので、ここは運用次第なのかなと思っておりますけれども、分かりやすさという点を考えれば、例えば、もう掃除機とか家庭から出てきたであろうとすぐ分かるような家電については、これは規制対象というふうにどんどんしていっていいのではないかなというふうに考えております。
 それから、二点目の保管基準につきましてもまだ十分な検討ができていないわけですけれども、十五枚目に火災防止の観点からの保管基準を出させていただきました。この中で、真ん中から下の方にありますが、延焼の防止の中で、スクラップの山の高さを五メートル以下にして離間距離を十分取るというのが、これは消防法の中でも再生資源燃料、要するにごみ固形燃料に対して適用されております。高くし過ぎると燃えたときに火災が広がりやすくて、しかも離間距離がないと消火がしにくいということで、離間距離二メートル取る、高さは五メートル以下ということで、まあ、これでもどうかなとは思うんですけれども、せめてそれぐらいの保管基準等は作る必要があるかなというふうに考えております。
 以上です。
#32
○浜野喜史君 ありがとうございました。
 続きまして、菅沼参考人にお伺いをいたします。
 まず一つ目は、端的にお伺いをいたしますけれども、今回予定されております法改正が行われればダイコーのような事件はなかったというふうにお考えかどうか、まず一つ目、お願いいたします。
#33
○参考人(菅沼綾子君) 今回の法改正で、いわゆる整備的なものは十分できているだろうというふうに思います。ただ、少し先ほど最後の方に述べさせていただきましたように、例えば電子マニフェストで自動的に不正が検知できるようなシステムですとか、今後政省令等でどういうような形になっていくか分かりませんけれども、その辺りにつきまして若干国の方に期待する部分はございます。
 国に期待する部分と併せまして、やはりこれ、いわゆる一般廃棄物、産業廃棄物というのは市町村ですとか都道府県が監督権限を持っておりますので、我々、先ほども申し上げましたように、反省点がかなりございます。例えば、立入検査に行きながらきちんと見抜くことができなかったことですとか、排出事業者に対してなかなかきちんと指導ができなかったことですとか、そういったことがございますので、法律だけでは駄目だというふうに思っておりまして、これはいわゆる我々地方自治体としてきちんと対応することは対応していきたいというふうに思っております。
#34
○浜野喜史君 ありがとうございます。
 引き続き菅沼参考人にお伺いをいたしますけれども、昨年の十一月の七日、中部圏の知事会議が国への緊急提言というものを行っておられます。参議院の環境委員会の調査室の資料で拝見をさせていただきました。
 廃棄物と管理票との突き合わせにより排出事業者が処理を委託した廃棄物を特定できるようにすることなど、それから処理能力を超える産業廃棄物の処理の受託禁止など、三つ目には排出事業者による委託先の処理状況の確認を義務化するなどといったことで緊急提言が行われておるわけですけれども、この緊急提言は反映されたというふうに理解をされておられるのかどうか、お願いをいたします。
#35
○参考人(菅沼綾子君) マニフェストの虚偽記載に対する罰則の強化ですとか、一部のものにつきましては法の方に反映されているというふうに思っております。一点、排出事業者による委託先の処理状況の確認の義務化というところが法改正の方では反映がされていないというふうに考えておりますので、反映されたものとそうではないというところがあると思っております。
#36
○浜野喜史君 これで質問最後にさせていただきたいと思いますけれども、引き続き菅沼参考人にお伺いをいたします。
 先ほど、最後に四つ、提言というか御意見がなされました。そのうちの一つに電子マニフェストの虚偽記載を自動検出する制度があればいいのではないかということをおっしゃいましたけれども、私もそのとおりだなとは思うんですけれども、なかなかそれも難しいのではないかなというふうに、実情を知らない立場でありますけれども、想像もいたします。具体的に何かそういうものを、こういう方式なんだということを御説明いただけるものであれば、最後にそれをお願いいたします。
#37
○参考人(菅沼綾子君) ありがとうございます。
 この電子マニフェストでございますけれども、入力時のエラーチェック機能ですとか、遠隔地からその状況が分かるですとか、いろいろと優れたところがあろうかというふうに思っております。
 ただ、実際に、まあ電子マニフェストでも紙のマニフェストでもそうなんですけれども、いわゆる、先ほどダイコーの問題でちょっとお話しさせていただきましたけれども、動植物性残渣といってもいろいろなものがあるわけなんですね。そういう具体的なものが動植物性残渣という一つのくくりで記載されておりまして、それが実際の廃棄物として保管されているものとの突合というのがなかなか難しかったというふうな点もございますので、若干、これからでございますけれども、いわゆる運用の部分で少し我々地方の方の御意見を聞いていただけると有り難いなというふうに思っていますとともに、先ほどの不正の検出の話でございますけれども、例えば、何かが入ってくる、どれだけ何トン入ってくる、それがどのように今度はいわゆる例えば堆肥だとか最終処分場とかに要は出ていったというような量とが自動的に突合できるような、そんなような仕組み、具体的にはちょっとよく私も分かりませんけれども、このような仕組みが電子マニフェストの中で実現できれば大変有り難いと。いわゆる収、出ですね、入ってくるところと出てくるところ、そういったものがきちんと対応できるような形が取れれば有り難いなというふうに思っております。
#38
○浜野喜史君 ありがとうございました。
#39
○若松謙維君 公明党の若松謙維でございます。
 寺園参考人、広田参考人、菅沼参考人、本日はお忙しいところありがとうございます。
 まず初めに、広田参考人にお伺いさせていただきますが、私も福島県人でございまして、先生の御高名と御活躍、大変評価している一人でございますが、特に福島地方環境事務所、これをしっかり明記したということの先ほどの評価をされたと併せて、中身が大事であるという御指摘もありました。
 私も去年までは復興副大臣、今、隣に現復興副大臣おりますけれども、やはり環境事務所も試行錯誤しながら改善を図っているわけでありますけれども、もう本当に、去年、おととしぐらいですか、まさに中間貯蔵施設の土地取得のための人材、なかなか少ないということで、国交省から人を派遣していただいたりとか、あと、現在も仮置場の様々なそれぞれの、いわゆる区単位というんですかね、自治会会長さんとのやり取りなんかをきめ細やかにやっているという、日々改善している。一方、ああいう起きてはいけない不祥事も起きたわけでありますけれども。
 いずれにしても、この環境事務所の、数百人を超えるわけですから、大事な、今後これを、しっかりとこの法の趣旨を受けるためにもどんなところを改善というか内容の充実のために検討すべきか、それについての御意見あればいただきたいと思います。
#40
○参考人(広田次男君) ただいまの点でございますが、私としては、そういった事務所の構成を、どうなっていくかという中身につきまして全く知らされていない、県民に対して今の点の説明はほとんどなされていないというのが現状かと思っております。今回こちらに出るに当たりまして資料を読ませていただきまして初めて、事務所の統合といいましょうか、格上げというんでしょうか、その問題を初めて知らされたという状況でございまして、地元住民に対して、先ほど磯崎先生からも御質問ございましたけれども、その点についての説明というのは地元住民に対して極めて不十分であるというふうに痛感しております。
#41
○若松謙維君 そういう御提案ありましたので、明後日、委員会でまずは政府に対してのそこら辺の対応等について聞いてまいりますので、また引き続き御指導よろしくお願い申し上げます。
 次に、寺園参考人に行く前に菅沼参考人にちょっとお話聞きたいんですが、この法律改正ですか、いわゆる都道府県にそういう監視体制の強化というある意味で御負担をお掛けするわけでありますけど、現実にそれぞれ人員的な限界もあるんですけれども、今回の法律改正に当たっての県としての、何というか、マンパワーですか、そこはどんな状況になっていますか。
#42
○参考人(菅沼綾子君) マンパワーでございますけれども、いわゆる量も質も非常に重要だというふうに思っておりまして、なかなか現在のところ、現時点では人数を増やすということは難しい部分がございます。
 ですので、我々、今回やろうとしておりますのは質を要は高めていきたいということでございまして、ちょうど愛知県の場合、技術の職員の年齢構成のひずみ等もございまして、割と若い人たちが多くて上の方の人たちが少なくなっているというようなことがございますので、十分経験を積んでいる人から若い人たちに技術ですとか知識ですとか、また立入検査等のノウハウ、そうしたものを伝授するような、そうした研修会、それから実際の指導等を重ねてまいるしかないだろうというふうに思っております。
#43
○若松謙維君 同じような観点から、寺園参考人に、いわゆる、全国的に見ていらっしゃると思いますけれども、そういう現場の検査体制についてどんな御意見をお持ちですか。
#44
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 有害使用済機器が設定された場合には都道府県の方ということになりますけれども、バーゼル法と廃棄物処理法で両方とも重なるのが特に輸出の水際ということになりまして、現行法ではここが、特に税関の方でこれは大丈夫かということで最終的に輸出の検査をしてから輸出されていて、水際への監視体制というのが期待されているんですけれども、税関さんもなかなか人数が少なく、それで、環境省の地方事務所にこれはどうなのかということで検査への同行を求められるようですけれども、それも、環境省の地方環境事務所はなかなか人員が足りなくて応援に行くのがなかなか難しいということで、全部に対応できるというわけではないようです。
 今回、有害使用済機器というものができまして、都道府県が新たに有害使用済機器の保管場所に対していろんな指導が行われることが期待されるわけですけれども、当然、環境省の地方環境事務所にも応援を求められたり、いろいろと相談されたりすることも多くなると思います。そのときに現在の地方事務所の人員で大丈夫かということについては、私はかなりちょっとネガティブな印象を持っておりますので、そこは、人員増というのは難しいかもしれませんけれども、何らかの形で環境省がそういった体制をつくりやすくするような方向に持っていっていただければというふうに考えております。
#45
○若松謙維君 先ほどの菅沼参考人の、質を高める、当然国の支援も大事だと思いますので、そこもしっかり政府にちょっと聞いてみたいと思いますし、あわせて、水際、税関対策、人手不足ですか、それも併せて聞いてみたいと思っております。
 次に、寺園参考人にお聞きしたいんですが、雑品スクラップ、いわゆる産廃と一般ですか、これ、大体合わせて四・四―五億トンと、これが日本のいわゆる廃棄物だと思うんですが、この雑品スクラップって、いろいろ見たんですけど、どのくらいあるものなんですか。定義自体難しいんでしょうけど、あえて、もし分かればお願いします。
#46
○参考人(寺園淳君) 申し上げます。
 雑品スクラップは、そうですね、ちょっと数字は書かなかったのですけれども、三枚目のところで申し上げたのは、年間で、二〇〇〇年代後半には年間百数十万トンですね。私、論文に書きましたのは、百二十万トンから二百万トンぐらいというふうに当時としては書いたことがあります。いろんな形の推計をしておりました。最近はそれが少し落ちておりまして、今は百万トンぐらい、百万トンを切っているかもしれませんが、それぐらいの規模で輸出されております。
 すごく大ざっぱに言いますと、ばら積み船は一隻千トンですね。千トンの船が千隻で百万トンです。その千隻ある中で十か所ぐらい燃えるわけですから、百分の一ですね。一%燃えていればこれは大変な確率だと私は思っているんですけれども、なかなか消防の関係者の中では、まだ被害が大きくないからということで、ちょっと置き去りにされた問題かなと考えております。
#47
○若松謙維君 私、実は防災士、昨年取りまして、改めて、一%は高いと思いますので、これもちょっと政府の対応等、情報等について聞いてまいります。
 それで、その原因ですね、バッテリーというところが寺園参考人の資料の中に触れられておりましたが、特に、私も家庭でバッテリーを捨てるんですけれども、なかなか捨てる方法、カテゴリーがあるようなないような、それで、結果的に発火要因の非常に重要な要素になっていると。そこをどういうふうにしたらいいか、もし御意見があればお話聞きたいと思います。
#48
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 雑品スクラップの火災の中では、十四ページに挙げております。ここでのバッテリーというのは鉛蓄電池、特に自動車用に限らず、右の写真にありますのはUPSといってパソコン等のバックアップ電源ですね、こういったところでも鉛蓄電池が使われております。これは、破損すると中の希硫酸が出てきたり、金属と当たるとショートしてそこで熱を持って発火ということが考えられて、実際に火災の原因となったこともあります。
 こういった鉛蓄電池以外にも、リチウム電池というのはコイン型が多いんですけれども、すごく小さくて薄くて、ただし圧縮したりプレスすると爆発する可能性があるのと、あと、パソコン、携帯電話に入っていますのはリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は、中に電解液があったり、それ自体やはり圧縮すると爆発するおそれもあります。二〇一四年十一月、名古屋でそういった圧縮、重機でつまんで火災が起きた事例がありました。
 実は、これはそれぞれ排出ルートが違っていて、鉛蓄電池は例えば自動車屋さんに持っていってくださいとか言われたり、リチウム電池は市町村に出してください、リチウムイオン電池は小型二次電池の回収ルート、JBRCというのがあります、そちらに出してくださいということがあります。
 要するに、すごく縦割りで市民にとっては分かりにくい、しかも一般からのルートと産業からのルートで違っている場合もありますし、この電池の問題については、ヨーロッパは電池指令という法律を持っていて、どんな電池でもここに入れたらいいですよというのがあるんです。日本はちょっと縦割りが強いので、もう少し分かりやすい排出の仕組みを持つべきだと考えております。
 これは、ちょっと雑品スクラップの問題と直接関係あるかというとあれなんですけれども、そういった電池類の混入を防ぐという意味では、やはり電池の回収をちゃんと考えていく必要はあるというふうに考えております。
#49
○若松謙維君 大変貴重な意見をありがとうございます。これも是非聞いてみたいと思います。
 それと、先ほどフロンですか、これも寺園参考人に聞きたいんですが、フロンの実際の破砕でオゾン層、今はCO2、地球温暖化にかなり強烈な悪影響を及ぼすということで、これをどう対応するかという何か御意見というか方策ございますか。
#50
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 フロンについても実は縦割りがありまして、家庭用エアコンの場合は家電リサイクル法の対象、産業用のエアコンの場合はフロン排出抑制法の対象であるということで、その規制当局というか、その担当者から、ルールとかモニタリングの体制とか、いろいろと違う状況にあります。
 今回、実は冷蔵庫の破砕に関連しましてフロンの話を申し上げましたけれども、実はフロンの放出の点でもっと問題なのはエアコンの方だと考えております。今、家庭用のエアコンの何割かというのはちょっと忘れてしまったんですけれども、三割か四割か、かなり多い割合が家電リサイクル法のルートに入らずに中国等に金属として雑品スクラップの中に入っていたり、そうでなかったりして輸出されているということになります。そうすると、家庭から取り外すときには確実にフロン出ています、ほぼ。そういった問題につきまして、今フロンの代替が進んでいますので、オゾン層破壊という観点では大分影響は小さくはなっているんですけれども、温室効果ガスという点ではまだまだこれは対応が必要だというふうに考えております。
#51
○若松謙維君 ありがとうございます。是非、今も貴重な意見をいただきましたので、先ほどの三人の参考人の御意見をいただいて、またあさっての委員会の審議に取り入れていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございます。
#52
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。今日は、三人の参考人の皆さん、大変貴重な御意見をありがとうございました。
 広田参考人にお伺いしたいんですが、先ほどの他の委員とのやり取りの中で、機構改革や組織改革一般の是非じゃなくて、問われているのはその中身が問われているとおっしゃいました。
 今度、福島環境再生事務所が福島地方環境事務所に格上げされるわけですけれども、なぜそうなるかという点で、昨年十二月の閣議決定で、原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針というのがございます。以下、基本方針と略しますけれども、この基本方針に基づいて組織改革が行われるわけですけれども、基本方針読んでみますと、放射性物質汚染対策については、推進体制の一元化、充実を図り、柔軟かつ突破力に満ちた解決力の向上を目指した組織改革を行うと、こう書かれています。
 この基本方針、細かく読んでみますと、帰還困難区域内の特定復興拠点を整備するための除染や汚染廃棄物の処理、これに関する費用については、汚染原因者である東電の賠償責任は免罪して、汚染者負担の原則に反して国が負担するということを掲げています。
 これまでの福島環境再生事務所は、東京電力の汚染者負担原則に基づいて、その業務、すなわち除染や中間貯蔵や汚染廃棄物の処理の仕事を行ってきたわけですけれども、この国の原発事故の責任を認めないままで国費で除染などを行うということになれば、原発事故被害者の賠償の一端を担う組織の性格が損なわれることになると我が党は考えています。
 例えば浪江町の町長さんなんかは、帰還困難区域が面積の八割を占めている、国費を投じる公共事業ということになると必ず費用対効果の議論が持ち上がって、戻る人数が少ないと事業を行えないということになって、全エリアの除染が行われない可能性が高いという心配を述べていらっしゃいます。
 先ほど中身が問題だとおっしゃいましたが、こういう基本方針に基づいた福島地方環境事務所の設置というのは、住民が求める全エリアの除染に応える組織となる保証はないというふうに考えるんですが、参考人の冒頭の陳述の中でも述べられましたが、東京電力の賠償責任の免罪、国費ということになれば国民の税金の投入ということになるわけです。あるいは、全エリアの除染が行われない可能性、いわゆる公共事業の名の下に必要なところだけやって全エリアを除染するということが行われない、もしそういうことになるとすれば機構改革の意味がなくなると思いますが、その辺りについて御意見お伺いしたいと思います。
#53
○参考人(広田次男君) 冒頭に、私が先ほど御紹介いたしました数々の裁判、いずれも金目を問題にした裁判ではないということであります。一番基本的には、このような取り返しの付かないような事故を引き起こしてしまった東電の社会的なないしは倫理的な責任、それを社会的ルールとしてどのように追及されるべきなのか、あくまでも東電の企業責任、それが問題とされる、このような事故に対して企業というのはどのような責任を取らなければならないのか、この点を問うた裁判であったということがまず最初に言えるかと思います。
 そして、私の観点からいたしますと、今回の東電の事故、今回の原発事故というのは、東電の営利追求の結果としての事故にほかならないと。これは過日の前橋地裁判決も厳しく指摘している点ではございますが、そういった営利企業の結果として出されてきた今回の汚染、これを再び営利企業に任せる、ないしはその責任を免じてしまうということになってしまうと、言うならば、世の中の基本的な秩序、そういうものに対しての歯止めがなくなってしまうということになるんだろうと思っております。
 まず、そこまでお答えしておきたいと思います。
#54
○市田忠義君 引き続き広田参考人にお伺いしますが、この間、私自身、この委員会でゼネコン丸投げの除染問題、何度も質問してまいりましたが、手抜き除染、危険手当のピンはね、過酷な労働環境等々、下請除染作業員や地元住民から厳しくそういう問題について批判が上がってきました。また、不徹底な除染の下でも避難指示が解除されていることや、森林全体の除染を回避している問題など、避難者が安心して帰還できる徹底した除染となっていないという現状がございます。最近では、福島環境再生事務所の職員が除染事業で収賄罪で逮捕、起訴されるという事件も起こりました。あるいは、共同企業体の一次下請の偽装除染、これが告発されながら隠蔽したということも明らかになって、これ、除染に対する信頼性が著しく損なわれているという現状があると思います。
 こういうことに手を打たずに福島環境再生事務所を福島地方環境事務所に格上げされたとしても、こういう問題は改善されないんじゃないかと。そういう点について、先ほど多重下請構造の問題点とかいろいろおっしゃいましたが、そういう除染に当たっている労働者の実態とか、裁判でそういう問題もたくさん扱われていると思うんですけど、その辺の実態、リアルに更にお聞かせいただければ有り難いなと。
#55
○参考人(広田次男君) 私は、当然、行政の問題につきましては素人でございますので、機構改革がどのように行われていくか、ないしはその効果はどういうふうになっていくかということにつきましては、ちょっと答えるだけの材料を持っておりませんが、要は、先ほど来強調しておりますように、内容の問題である。除染の問題としても、ないしは原発の先ほど指摘いたしました仮設原発というふうに言われているような状況からどう脱却していくのか、ないしは廃炉への道筋、これをどう確立したものとして、ないしは国民に納得したものとして、中身の問題として説明できるのかということが一番大きな問題なんだろうと考えております。
 そういった意味では、今、福島の地元においては沖縄以外のナンバーは全て見られると。すなわち、日本全国から、あらゆるところから言わば除染ないしは廃炉の仕事を求めて人々が参集してきている。しかも、全く全てが単身の壮年であると。これが巨大な寮を造って住むわけでありますから、当然住民にとっては大きな脅威となっていると。
 それに対して、今御指摘のように、危険手当であるとか、ないしはピンはねであるとかという形で十分な社会的な待遇を与えていない。当然、良質な労働者、労働力というのがもうどんどんいなくなってしまうということになってまいりますので、そういった意味では、まさに内容の問題、ここをどう評価するかであって、どのような行政の仕組みをつくるかというのは私どもにとりましてはちょっと全く関与できないところと。是非、中身でお示しいただきたいというのが今の私の気持ちでございます。
#56
○市田忠義君 広田参考人に最後お聞きしますが、中間貯蔵施設の問題なんですけれども、先ほど言った政府の閣議決定された基本方針ですけれども、平成三十二年、二〇二〇年までに用地取得等を最大限進める、こういう基本方針に基づいた推進体制の強化になっているわけですが、中間貯蔵施設地権者等への十分な説明と合意もなく、地権者が強く求めている原状回復責任、これを認めないまま用地買収等を強硬に進めてきたことに、私も直接お会いしましたが、地権者会の皆さんから厳しい批判が出ております。
 今回の推進体制の強化によって、期限を切った用地買収というのが一層私熾烈になるというふうに思うんです。ふるさとに戻りたい地権者に苦悩を強いることになるわけで、やっぱり福島復興のためには除染や汚染廃棄物対策は不可欠だけれども、政府の原子力災害での福島切捨ての線引きと、期限に合わせて被災住民の声を無視して強引に加速化させるための推進体制の強化と言わざるを得ない側面が私あると思うんですが、この中間貯蔵施設問題についての地権者に対するきちんとした説明と合意の問題、あるいは期限を区切っていつまでにとせき立てると。先ほど、三十年後に返ってくる保証はないじゃないかという点で地権者の相談が広田参考人のところにたくさん寄せられているというお話もありました。その辺りについて、地権者に対する用地買収等のやり取りの中で、こういう点は改善すべきであるとか問題だという点がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#57
○参考人(広田次男君) ふるさとへ帰りたい、ないしは双葉、大熊に帰りたいというふうに強く望んでいる住民にとりましては、この中間貯蔵施設自体の存在が極めて帰還を妨げる大きな要因になっております。
 一つには、先ほど申しました三十年後に土地を返してくれるなんという言葉は信用できないよということと同時に、中間貯蔵施設自体が果たしてどこまで安心できるものなのか、安全施設と言えるのかと。先ほども申し上げましたけど、自分たちはもう原発の安全神話でさんざんだまされてきた人生だったと。中間貯蔵施設の建設に協力したことによって再び、自分の郷里が再度汚染されてしまう、そういうことにはならないのかと。
 そういった意味では、強調いたしますが、中身の問題として、この施設は安全なんだ、そして福島復興のためにどうしても必須のものなんだ、そういうふうな信頼感を地元住民から得られるような中身、それを説明できるかどうか、ここが福島復興のポイントではなかろうかと考えております。
#58
○市田忠義君 菅沼参考人に一問だけお聞きします。
 私も、ダイコー問題、現地に調査へ行きまして、この委員会でも問題点取り上げたことがあるんですが、ダイコーが非常に悪質だったというのはそのとおりなんですけど、同時に、壱番屋ですね、いわゆる排出業者である食品関連事業者の責任、これを法律上明記しないと、たしかあれはビーフカツに合成樹脂の異物が混入していたおそれがあるということでダイコーに処分を委託した。万一にも消費者の口に入っていたら、これは健康被害のおそれがあったわけで、壱番屋には委託した食品廃棄物であるビーフカツが確実にしかも完全に最終処分されるまでダイコーの処分を確認する責任があったはずだと思うんですが、その辺りの、今度、廃棄物処理業の許可を取り消された者に対しても必要な措置を講ずることができるとあるんですが、この排出業者に対する規制とかいう問題についての御意見がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
#59
○参考人(菅沼綾子君) 私も、排出事業者責任というものは非常に重要だというふうに認識しております。したがいまして、今回の県が行います再発防止策の中にもかなり排出事業者に対しての指導等を入れさせていただいているところでございまして、例えば排出事業者向けの手引書というのを作って、これを我々のいわゆる衛生関係の担当部局と一緒になって、例えば食品製造業を立入検査に行くときに、一緒になってその手引書を渡しながら説明をするですとか、そういった、排出事業者はきちんと自分が出した廃棄物については最後まで責任を持って見なくちゃいけないんだよと、どのように処分されるのかを見なくてはいけないということをきちんと指導してまいりたいというふうに思っております。
#60
○市田忠義君 時間が来ましたので、終わります。
#61
○石井苗子君 ありがとうございます。日本維新の会の石井苗子です。
 参考人の方、今日はありがとうございます。
 参考人の方はそれぞれがお一つお一つ専門をお持ちだということで、これまでの参考人の方は三人が同じところでいろいろな参考人としての御意見をお持ちだという、ちょっと違いますので、私も一つ一つ丁寧に質問させていただきます。
 私、福島県の医療支援活動を六年やっておりますので、広田参考人に教えていただきたいと思います。
 この福島地方環境事務所の設立でございますが、私は、現場の実態をよく知っているという現場の声を拾っていくというのが、これからの折り返しターンのあと四、五年の中で最も大切になっていく、このときに、じゃ、どこでそれをするのだと、大変ここが重要だと思っております。今までのように霞が関でやっていたのでは、これは幾ら陳情していても本当に遠くて分からない。また、先ほど広田参考人がおっしゃっていましたように、私どもには何も知らされていなかったのだと、こういうことがこれから先ずっと起こっていたのでは問題解決にならないと思います。
 お聞きしておりますように、仮設原発と言われているような問題、廃炉の道筋が付いていないということ、改革と言うならその中身は何なのかと、安全神話にずっとだまされてきたということ、この気持ちをどう解決してくれるのだ、東電は企業として営利の追求をしてきたじゃないか、その責任をどう取るのだというようなもの、あるいは、危険な作業にはピンはねをしているとか、手抜きであるとか、除染事業をやっていても信頼性に欠くとか、それから多重の下請構造というのはこれから解決されていくのかというような、こういった中身に関して、やっぱり遠隔操作のようなことをしていたんじゃまた同じような感じだと、一歩踏み込んでもう少し責任を取ってやっていかなきゃいけないんじゃないかという、これは考え方の一つとして、今まで東北地方環境事務所なんというようなことでやっていたところを、やっぱり福島という名前を前に付けて、責任を取れというような態度でまず一歩踏み出して、この福島は福島という名前を付けて福島地方環境事務所ということにするんだという、言い方が格上げだというようなことを言うと、ちょっと言葉にそごがありまして、そこを突いていくと何も解決できないと思うんですね。
 私は、福島に復興庁を本来なら持っていくべきだったという実感を持って福島で働いてきたんですが、それがかなわないのであれば、せめても局長ぐらいの人間が現場に行き、そこで判断を下せるというポジションで責任を持って仕事をしていくと。今、広田参考人がおっしゃられたようなことを一々東京に上げなくてもここでやっていけるんだという、その権限を下ろしていったということについては一歩踏み込んだのではないかと思っているんです。
 後でお答えいただきたいと思いますが、中間貯蔵施設というのも、ごみをそこに持っていくというような考え方じゃなくて、次の環境省としての循環ステージはどうしていくのかという、その内容を話していく、福島は未来永劫ちゃんと応援していくことにするんだと決めて、それは特措法の改正を改めながらやっていくと。しかし、この中間貯蔵というものを、今後五十年目指して里山の水質の検査までやるぞというような事務所になっていけば、スピード感というのも、ちゃんと計画を立てて、何月までに何をするのかと。私、パリ協定のときも聞いたんですけれども、たとえ計画でいいから何月何日までに何するのかというようなことを出してくれと言うと、努力いたしますという返事しか返ってこないんですよ。返ってこなかった。
 ですから、広田参考人にお願いしたいのは、現場の声というのを今度は彼らに向かって、ここで判断を下せるんじゃなかったのか、こういう話をというふうに持っていっていただきたいと思うんですが、そういうことは住民の地元の方はおやりになるおつもりがあるでしょうか。
#62
○参考人(広田次男君) ただいまの点の福島に直接にと、お話だけは大いに結構なのかなというふうに思うのでありますけれども、問題は姿勢の問題かと思います。すなわち、住民に寄り添う姿勢をその中できちんと示すことができるのかどうか、住民の気持ちを十分に納得するまで説明し得るようなシステムができるのかどうか。それができないのであれば、形だけつくっても余り意味がない。
 何しろ、先ほど市田先生の方からお話ありましたように、その代わりに東電の除染責任は免責してしまうというふうな事態が仮にあるとすれば、これは地元住民としてはなかなか、中身の問題として、距離が近くに来たからいいだろうということで、じゃ納得するかというと、そうはいかないのではないか。内容の問題として、俺たち住民の立場に立って、そしてまた住民の生活がより良い方向に向かう、本当に向かうような方向で今の行政機構が機能するか否か。そういった意味では、ある意味では形の問題ではなくて中身の問題だということを強調しておきたいと思います。
#63
○石井苗子君 ありがとうございました。
 福島環境事務所については、そこに局長が座って行政判断はここでするのだという、肝に銘じてそういう覚悟で、全ての陳情は霞が関に持っていかなくても、ここに座って私が聞いて、住民に寄り添ってちゃんとした判断を下すというような、そういうシステムが機能することでなければ意味がないというのがよく分かりました。
 続いて、寺園参考人にお伺いします。
 今回の二つの法改正ですけれども、これまで手を着けてこなかった、廃棄物処理法とバーゼル法というのがありまして、先ほどから国際的な問題として、例えば有価であれば廃棄物でないと言うと、なぜなんだと諸外国が驚くというのもあります。あるいは、雑品スクラップというのが、これ英語で何と言うんだか分からないんですけれども、造語であるということで、日本独特なもの、雑品スクラップ問題というふうにしてきたと。しかし、そこにアプローチを試みようとするということで私は評価してもいいのではないかと思うんですが、有害物質を含むこの雑品スクラップですね、先進国から途上国へ不適正に輸出されている、あるいはシップバックされているというような問題があります。アフリカにEUの諸国がごみを捨てていたり、東南アジアで深刻な環境保全の問題が発生しているというふうに理解しているんですが。
 寺園参考人にお伺いしたいのは、最後なので、ちょっともう一回、私が頭まとめるという意味で、この雑品スクラップ問題の対策が進まなかった、今まで放置されてきたという、これは、ずばり言って原因はどこにあったと思われますでしょうか。それと、海外、国内における健康の影響とか環境保全の上の問題があった、こういった事案について、縦割り行政が問題であるというのがありましたけれども、そのほかに解決に必要なことが何だというのが、あと二つぐらい教えていただきたい。
#64
○参考人(寺園淳君) ありがとうございます。
 これまで手を着けられなかった理由は、もう何度も申し上げている、有価であるという理由でもう廃棄物ではないというふうにその所有者から言われてしまった場合に、自治体等が手を出せないというのが一番だと考えております。
 それから、海外に輸出された後でのその現地での環境汚染、健康被害ということにつきまして、若干この雑品スクラップの問題とそれ以外の、もう少しパソコン、携帯電話等々が混ざっているEウエーストがヨーロッパからアフリカに行っているという問題と、少し違った点があるかなとは思っております。
 もちろん、日本からも携帯電話、パソコン等がよく分からない形で香港あるいは中国の南部あるいは東南アジアの方に行って現地で環境汚染を起こしているという問題は、それは私も否定しませんが、なかなかこれは見えにくい部分で、コンテナで輸出されて、例えば中国の南部の方に行っても、たまに日本語がある平仮名のキーボードとかが見付かることはあるんですけれども、量からいうとアメリカからが多いかなとか、日本の部分だけをどうやって考えたらいいのかなというのは難しいということはありますが、もちろん、そういった問題についても環境省は、不適正輸出の防止ということで水際の対策は取られているところです。
 今回の二法で主に取り上げていますのはやはり雑品スクラップというもので、これは、コンテナ船ではなくてばら積み船で、もうヤードでも山がそのまま見えて、それを隠しもせず、ばら積み船に載っかって輸出されています。その中にいろんなものがあるというもので、ごみに近いんじゃないかというふうに私も感じるんですけれども、でも、一隻数千万円、載せたら千トンでそれぐらいのお金がするということで、中国ではよく売れると。現地では分解するんだけれども、その後はよく分からないということで、環境汚染の問題ということを結び付けると、手解体でリサイクルはされていますけれど、いろんな危険な行為はしていますねと。
 というのは、これは現地でもう少し調査しないと分からないんですけれども、何分中国の方でそういった調査をするのが、私自身、昔はできましたけど、最近はなかなかちょっと難しくなっております。それは正直、なかなか現地でも協力を得にくいという点があります。
 日本の輸出の水際でこういった火災が起きるというのは、これは明らかに環境汚染である、生活環境上の、保全上の支障があるということで、この問題について、今回の二法の改正で何とか改善をお願いしたいということであります。
#65
○石井苗子君 ありがとうございました。
 それでは、最後に菅沼参考人にお聞きいたします。
 いろいろとダイコーのこと詳しく教えていただきまして、ありがとうございます。電子マニフェスト、これが自動的に怪しい人まで分かるといいという御提案がありましたが、私も電子マニフェストというのを見てみたんですけど、昔はあれ紙でやっていたんですね。それを電子マニフェストにしますと、誰がどうしたというのがすぐ分かるようになったという、その辺は改善されたんですが、この防止にまではなかなかつながるソフトをつくるのは難しいのではないかと思うんですけれども、自動的に検索が出てくるということ以外にもシステムに望むことというのがありましたら教えていただけますか。
#66
○参考人(菅沼綾子君) 電子マニフェストについてでございますけれども、電子マニフェストにつきましては、使用するに当たりまして、いわゆる排出事業者も、それから運搬業者も、そして廃棄物の処理業者も、全てが加入している必要があるというようなことがございまして、実際に稼働していくためには、いわゆる特に小規模な事業者にとっては、インターネットの環境ですとか、それから若干経費的な部分ですとか、そういったもので困難な部分もあろうかというふうにも思っております。これをより普及していくためにということで、例えばスマートフォンですとかタブレットというような、少しそれの利便性の向上を考えていただけると有り難いなというふうに思っております。
 もう一つ、電子マニフェストにつきましては、先ほど来も不正検知ができるようなシステムになるといいというふうに申し上げましたけれども、委員も言われましたように、今後それがどのような形でシステム化していくのかというようなことはこれからの課題だというふうに思っておりますので、是非、そういったものが事業者にとって使いやすいような、また、我々も見ることができますので、見てきちんとチェックができるような、そんなようなシステムになっていくことを願っております。
 以上でございます。
#67
○石井苗子君 ありがとうございました。質問を終了いたします。
#68
○委員長(森まさこ君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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