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2017/03/09 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第2号
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2017/03/09 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第2号

#1
第193回国会 国土交通委員会 第2号
平成二十九年三月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                井上 義行君
                石井 正弘君
                酒井 庸行君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                中野 正志君
                福岡 資麿君
                吉田 博美君
                野田 国義君
                羽田雄一郎君
                鉢呂 吉雄君
                魚住裕一郎君
                高瀬 弘美君
                山添  拓君
                室井 邦彦君
                青木  愛君
                行田 邦子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       総務副大臣    原田 憲治君
       国土交通副大臣  田中 良生君
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       藤井比早之君
       国土交通大臣政
       務官       大野 泰正君
       国土交通大臣政
       務官       根本 幸典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣官房総合海
       洋政策本部事務
       局長       甲斐 正彰君
       財務省理財局次
       長        中尾  睦君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       林野庁森林整備
       部長       織田  央君
       国土交通大臣官
       房長       吉田 光市君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       国土交通省総合
       政策局長     藤田 耕三君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        山田 邦博君
       国土交通省道路
       局長       石川 雄一君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       奥田 哲也君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省海事
       局長       羽尾 一郎君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       国土交通省政策
       統括官      舘  逸志君
       観光庁長官    田村明比古君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房総合海洋政策本部事務局長甲斐正彰君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(増子輝彦君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。
 私は、三年前まで国土交通省で建設分野の技術屋をしておりまして、昨年七月に初当選をした新人でございます。私は、国土交通委員会では参考人質疑という形で質問をさせていただきましたけれども、今回二度目の質問でございまして、増子委員長を始め理事の皆様方にチャンスを与えていただきまして、心から御礼を申し上げます。
 それでは質問に入らせていただきます。
 まず、八ツ場ダムについてお伺いをいたします。
 先日の土曜日、三月の四日でしたけれども、八ツ場ダムは定礎式という大変大きな節目を迎えました。私も数多くの地権者の皆様や関係の皆様と一緒に出席をさせていただきました。現場では、本体コンクリートの打設工事が進んでございました。建設省、国土交通省で係員、係長、課長補佐、専門官、課長、局長、技監というそれぞれのポジションで何度も何度もこの八ツ場ダムの事業を担当させていただいた私としましても、大変感慨深い式典でございました。
 八ツ場ダムは、御承知のとおり、群馬県の長野原町に建設中の多目的ダムでございます。昭和四十二年に事業着手以来約五十年、様々な紆余曲折を繰り返しながら今日まで至りました。特に、本体工事に着手しようとしていた平成二十一年九月に民主党政権に替わりまして事業にストップが掛かりまして、その後の事業の再検証という手続を経まして、当時の前田武志大臣そして羽田雄一郎大臣、このお二人の決断で平成二十三年十二月に事業継続が決定し、その後粛々と手続が進められました。
 自公政権に戻った後に、私が水管理・国土保全局長そして技監の際に工事発注の手続が整い、工事に着手し、先日の定礎に至ったものでございます。本日御出席の羽田委員には、大臣在任中に大変な御尽力と御指導をいただきました。心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 お手元に最近の八ツ場ダムの写真を配付させていただきました。既に付け替え鉄道や付け替え道路が完成しまして、移転を余儀なくされた皆様方、大変御苦労いただいた地権者の皆様方もダム湖予定地の周りに設けられました代替移転地で新たな生活を始めておられます。ダム本体も既に一割近いコンクリートの施工を終え、着々と工事は進んでおります。この事業が首都圏の治水対策、渇水対策に寄与するという大きな役割を考えますと、何としても東京オリンピック・パラリンピックまでに完成させなければならないというふうに考えております。
 御存じの方はおられるかもしれませんが、一九六四年の東京オリンピックの年は大変な渇水の年でありまして、オリンピック渇水というふうにも言われました。オリンピック自体の開催も大変心配されました。夏に少し雨が降りまして、何とか取水制限ぐらいの状態で開会式を迎えたというようなことでございます。
 また、一昨年の利根川水系の鬼怒川の決壊のようなことが起こっても困ります。首都圏の治水対策、渇水対策に大きく貢献する八ツ場ダムの早期完成に向けまして、石井大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。大臣よろしくお願いいたします。
#6
○国務大臣(石井啓一君) 八ツ場ダムは我が国の社会経済活動の中枢であります首都圏を支える利根川水系の治水、利水において大きな役割を担う極めて重要な事業でございます。委員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピックの際には機能を発揮できるよう、その開催の前年度である平成三十一年度末までの完成に向け、事業を推進しているところでございます。現在、ダム本体のコンクリート打設を本格化させておりまして、今月四日には、約二百五十名の関係者の方に御列席をいただき、現地において定礎式を開催をいたしました。
 引き続き、安全、安心の確保に向けまして、地元の方々や関係する一都五県等と緊密に連携をいたしまして、一日も早く八ツ場ダムが完成するよう万全を期してまいりたいと存じます。
#7
○足立敏之君 ありがとうございました。
#8
○委員長(増子輝彦君) 足立敏之君。
#9
○足立敏之君 失礼しました。済みません、緊張をいたしておりました。
 ありがとうございました。何としても東京オリンピック・パラリンピックまでにこのダムを完成していただきますよう、重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、私が長年関わってまいりました建設産業について御質問をいたします。
 建設産業は、言うまでもありませんが、地域づくりの担い手、そして災害など地域の守り手でもございます。最近では、あらかじめ協定などを締結して災害時に円滑に活動できるような取組も活発に行われています。現に、熊本の震災でも、岩手、北海道の洪水被害でも、地域の建設業がしっかりと頑張りまして応急対応が行われ、復旧復興の道筋が付けられたというふうに思っております。
 熊本の地震や岩手、北海道の水害で、住宅産業、トラックなどの物流産業も含めまして、建設関連産業、こういった産業がどのような役割を果たしたのか、御説明をお願いいたします。
#10
○政府参考人(谷脇暁君) お答えいたします。
 昨年の熊本地震、あるいは岩手県、北海道での水害におきましては、多数の家屋が被災をいたしまして、多くの住民の方々が避難生活を余儀なくされる、そういうことと併せまして、道路、河川の被害、土砂災害も発生をいたしまして、物流にも大きな被害が生じたところでございます。こうした中で、国土交通省の所管産業におきましては、一刻も早い復旧復興に向けてそれぞれ役割を果たしてきたところでございます。
 まず、建設業につきましては、今先生からも御指摘がございましたように、建設業界は、災害の発生に備えまして、あらかじめ地方整備局でございますとか地元の地方公共団体などと災害協定を締結をいたしまして、いざというときに備えているというところでございます。災害が発生いたしました際には、最前線で安全、安心の確保を担う地域の守り手として、道路啓開、堤防修理などの応急復旧に当たるとともに、瓦れき処理、基幹インフラの復旧復興などにも携わっております。例えば、熊本地震の災害復旧活動、これは熊本県の建設業協会に加盟する建設企業についての数字でございますが、九月末までに延べ約五万七千人の方々と約一万四千台の機械が熊本地震では活躍をしたというところでございます。
 また、住宅産業につきましても、被災者の御自宅の再建、取得までの応急的な住まいの確保のために、応急仮設住宅の迅速な建設に貢献しております。熊本地震では四千三百三戸、岩手県の水害では百七十一戸が提供されております。
 このほか、トラック運送業におきましても避難所への生活物資の輸送等に携わっております。熊本地震では、国からの要請に基づきまして、約二百三十台のトラックが活躍したところでございます。
 このように、建設業を始めとする国土交通省の所管産業は、災害発生時に国民の安全、安心を守る上で不可欠な産業であり、今後もその役割を担い続けることができるよう、様々な施策にしっかりと取り組んでまいります。
#11
○足立敏之君 ありがとうございました。建設産業の皆様が災害対応で日夜しっかり頑張っていただいているということがよく分かりました。心から敬意を表したいというふうに思います。
 こうした役割の大切さを考えますと、建設産業が未来に向けて持続的に活躍できる環境をしっかり維持し、先の見える計画の下で一定量の工事量を確保すること、それがまず一つ大変大事なことではないかというふうに思います。また、二つ目に、若者が夢と希望を持って入ってきていただけるような、そんな魅力のある職場として今後とも発展していくこと、すなわち給与や休暇などの職場環境を整えること。今申しました二つがとても大切なことだというふうに考えております。
 しかし、建設産業では、高齢化が進みますとともに新規の入職者が減少しており、担い手の確保が大変重要な課題となっております。政府全体で働き方改革の議論も進んでございますけれども、建設分野においても就業環境の改善が不可欠でございます。中でも、まず最優先で取り組まなければならないのが給与と休暇の改善でございます。
 給与につきましては、公共事業予算の削減等に伴いましてどんどん下がってしまいまして、最近ようやく数度にわたる設計労務単価のアップなどで一時に比べましてかなり改善はされてきておりまして、ピーク時の九五%程度には戻ってまいりました。
 しかし、建設産業の果たしている先ほどから申しておりますような大切な役割からしますと、何とか他の産業を超えるような水準の確保が大事ではないかというふうに思っております。また、週休二日制の推進など、一般の産業並みの休暇の改善も大事な課題であり、発注者と経営者挙げて取組を進める必要があるというふうに考えております。
 建設産業がより魅力のある職場となるための担い手確保の取組について、国土交通省の御所見をお伺いいたします。
#12
○副大臣(末松信介君) 常日頃から足立先生には建設産業の育成に当たりましていろんな御意見を伺うことが多く、心より敬意を表したいと思います。ありがとうございます。
 先生御承知のとおり、建設産業では、長く続きました建設投資の減少や競争の激化、これに伴う技能労働者の賃金の低下等の処遇の悪化が進んできました。その結果、若年者の入職者が少なくなりまして、他産業と比べても高齢者の割合が高い産業構造となっております。技能労働者約三百三十万人のうち、五十五歳以上の技能労働者数は約百十万人と、三割以上を占めているのが実態でございます。したがいまして、近い将来これらの高齢者の大量離職が見込まれることから、中長期的な人材の確保、育成が急務となってございます。
 このような状況を踏まえまして、関係業界と連携を図りつつ技能労働者の入職を促進するための取組を進めております。具体的には、技能労働者の賃金水準の向上の観点から、公共工事設計労務単価の五度にわたる引上げ、全国で平成二十四年度比で三九・三%でありまして、業界からはそれなりの一定の評価を頂戴をいたしてございます。
 次に、将来への安心の観点から社会保険への加入の促進、また働きやすい職場づくりの観点から週休二日のモデル工事の実施、それと女性も働きやすい現場の職場環境の改善、トイレの問題もそうでございます。また、効率的な技能の習得の観点から、業界団体が運営する教育訓練センターの充実強化への支援、また、年間を通じまして安定した仕事の確保の観点から施工時期の平準化、建設産業の魅力発信の観点から、業界団体と協力して大学、高校等におきまして説明会を開催するなど、取り組んでおるところであります。
 それと、今思い浮かびましたけれども、石井大臣が進めておられます、国交省が進めておりますドローンとか、GPSを活用しましたi―Constructionも、こういった取組も必ず建設産業の育成に資するものと確信をいたしてございます。
 このような取組もありまして建設業への若年者の入職者数は近年回復傾向にありますが、今後とも技能労働者の確保、育成にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 現在、政府において議論が進められております働き方改革につきましても、将来の担い手を確保する観点から、建設業の実態も踏まえ、大臣を中心に我々引き続きしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
#13
○足立敏之君 ありがとうございました。何としても建設産業の大切な担い手の確保のために国土交通省頑張っていただければというふうに思います。
 我が国の公共事業予算の話をさせていただきますが、削減が続いておりまして、二十年前のピーク時の半分以下、四七%まで今減少してしまっています。四年前に政権が自公に戻りまして、何とか減少傾向から横ばい、微増に転じてきております。
 しかし、世界各国と比較をいたしますと、この二十年間で公共事業予算を減らした先進国は日本だけです。諸外国はみんな伸ばしておりまして、アメリカは二倍、イギリスは三倍に伸ばしております。アメリカのトランプ大統領は、更にインフラ投資を増加させる、一兆ドルのインフラ投資などと主張されておられまして、インフラ投資の拡大は今や世界の趨勢だというふうに思われます。
 特に、公共事業予算は税金を原資としているわけではなくて、建設国債という借入金で実施をいたしております。これは、公共事業予算で整備されたインフラを使う後世の世代にも負担をしていただこうという考え方でございまして、借入金を六十年掛けて償還する制度でございます。税収不足を補うための赤字国債とは異なりまして、財政面の圧迫を心配する必要もございません。また、最近の金利の状態を考えますと、より効果があるんではないかというふうに考えます。そうしたことを正しく理解していただく必要があるというふうに考えます。
 ところで、この二十年間、公共投資をおろそかにしてきた間に、日本のインフラは先進国の座を滑り落ちて二流、三流、そういったレベルに転落してしまったというふうに考えております。地方を回っていて感じたことでございますけれども、国道、それも一桁国道の舗装の状態が悪かったり、構造物の老朽化がとても進んでいたり、世界的に見てもとても恥ずかしい状況ではないかというふうに思いました。
 また、高速道路も、日本のような対面交通、先進国にはほとんどございません。対面交通の場合、ほかの国では多分高速道路と言わないんではないかなというふうに思いますけれども、日本の高速道路の約三割が片側一車線の対面交通であるのに対しまして、イギリスの場合は片側三車線以上が全体の七割を占めております。驚くべき差だというふうに思います。また、河川を見ましても、土砂が堆積して川底が上がってしまって、樹木も繁茂して危険な状態の川もたくさんあります。これでは国土の保全も経済の再生もおぼつかない状態だというふうに思います。
 こうした課題を克服して日本が力強く発展していくには、改めて公共事業予算の拡大が必要と考えます。インフラが二流、三流で経済だけが一流になれるはずはないというふうに思います。今後の公共事業予算の拡大に向けて、国土交通省の御所見をお願い申し上げます。
#14
○副大臣(末松信介君) 国土交通省としまして、先生の今の重たい意見を重く受け止めております。
 東日本大震災や熊本地震等の発生によりまして、大規模自然災害等からの国民の生命と財産を守り、国土強靱化を推進することの重要性が改めて強く認識をされました。激甚化する水害、土砂災害や切迫する巨大地震等に備えるための防災・減災対策は喫緊の課題となっています。さらに、高度経済成長期以降に整備されましたインフラが今後一斉に老朽化していくことから、これらのインフラの戦略的な維持管理、更新についても取り組んでいく必要があります。
 また、人口減少、高齢化社会の下で我が国が経済成長を続けていくためには、社会全体の生産性を高めていく必要がございます。民間投資の誘発等のストック効果の高い公共投資によりまして経済の成長を図り、経済再生と財政健全化の双方を実現することが重要な課題であると考えております。
 このような認識の下、国土交通省としましては、必要な公共事業予算の安定的な、持続的な確保に向けましてしっかりと取り組んでまいります。よろしくお願い申し上げます。
#15
○足立敏之君 ありがとうございました。公共事業予算の確保、何よりも大事だというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。
 建設産業は、公共事業予算の大幅な削減の影響を受けまして、ダンピングや安値受注が横行して、仕事をしても利益の出ない時代が続き、倒産に至る企業も続出しました。給与もどんどん下がっていきました。そうしたことではいけないということで、仕事をすれば必ず利益が生まれるような、そういう当たり前の環境に戻していこうということで、私の大先輩の脇雅史先生、佐藤信秋先生を始めたくさんの先生方の御尽力で、受注者の適正な利潤の確保を重要な理念とした品確法の改正が平成二十六年、全党賛成の下に行われました。
 私も、国土交通省の技監の折に、品確法の改正、運用指針の策定にも携わりました。適正な予定価格の設定、歩切りの根絶、最低制限価格の適切な運用、設計変更の適正な実施などの大事な取組が進められていますが、特に、市町村レベルにはしっかり浸透できておらず、技術者不足もありまして、必ずしも十分な対応ができていないところがたくさんあります。
 私自身、国土交通省の技監としてやり残したことでもありまして、大変反省もいたしておりますけれども、建設産業の適正な利潤の確保のために品確法の更なる徹底が必要というふうに考えますけれども、国土交通省の御所見をお願いしたいと思います。
#16
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
 公共工事の品質確保を始め、担い手の中長期的な確保、育成、施工者の適正な利潤の確保などの品確法の理念の実現のためには、運用指針の趣旨を市町村レベルまで浸透させることが重要であります。先生御指摘のとおりであります。このため、全ての市町村等が参画する地域発注者協議会などの場を通じまして運用指針の周知を図ってきたところであります。
 運用指針の策定から約二年が経過しまして、歩切りの廃止やダンピング対策の取組拡大など、着実に成果が上がってきており、今後も更に運用指針の徹底を図る必要がございます。
 各地の地域発注者協議会では、今年度、平成二十八年度でありますが、運用指針に示されている項目のうち、適正な予定価格の設定、適切な設計変更、施工時期等の平準化の三点について特に重点的に取り組んでいるところであります。具体的には、これら三点に関する統一的な指標による自己点検に加えまして、ゼロ債務負担行為の活用などの施工時期等の平準化の取組事例の共有、建設企業が年間を通じた工事見通しを立てるための国や地方公共団体の発注見通しの統合、公表など、発注関係事務の改善を進めておるところであります。
 今後も、運用指針の趣旨が市町村レベルまで浸透するよう、国土交通省が公共工事の発注者の先頭に立って、地方公共団体等と連携しながらしっかりと取り組んでまいる決意であります。
#17
○足立敏之君 どうもありがとうございます。是非力強く進めていただければ有り難いというふうに思います。
 最後の質問に入ります。
 大規模な災害が発生しますと、警察、消防、自衛隊の活躍が目立ちます。しかし、建設産業の皆様も、真っ先に現場に駆け付けて、崩れた土砂の除去、アクセス道路の確保、決壊した堤防や崩れた斜面の復旧など、様々な緊急対応やその後の復旧復興の担い手として大切な役割を果たしています。
 しかし、警察や消防、自衛隊の皆さんが災害対応の準備について日頃から本来の仕事として活動をされているのに対しまして、建設産業は、日頃の建設工事を行う中で利益を上げて、それにより体制を整え、いざというときに蓄積したポテンシャルを発揮して対応しなければならないという宿命にございます。
 このように、災害現場で活躍する建設産業は、警察、消防、自衛隊などと同様、決してなくなってはいけない、なくすわけにはいかない大事な産業だと言えますが、今日、大変厳しい状況を迎えています。
 したがいまして、建設産業が未来永劫活躍できる環境を持続的に確保すること、すなわち、一定量の工事量を計画的に確保すること、そして仕事をすれば利潤が生まれる環境を作り上げていくこと、この二つの点が国の重要な責務だというふうに考えております。
 建設産業の今後について石井大臣の力強い御決意を伺って、質問を終えたいと思います。
#18
○国務大臣(石井啓一君) 建設産業は、社会資本の整備や管理にはなくてはならないと同時に、委員御指摘のとおり、地域の守りとして重要な存在であります。
 こうした位置付けを踏まえまして、国土交通省といたしましては、公共事業予算の安定的、持続的確保に取り組むとともに、年間を通じて一定の工事量を確保できるよう、施工時期の平準化に努めてまいりました。
 また、施工者が適正な利潤を確保できるよう、品確法に基づきまして予定価格や工期の適正な設定、ダンピング対策、設計変更の徹底等に取り組んでおります。特に、工事の品質に関わる低入札の基準や積算基準の改定に当たりましては、最新の工事実績を踏まえ、適切に反映したいと考えております。
 国土交通省では本年を生産性革命前進の年と位置付けておりまして、生産性向上を図るi―Constructionについて、来年度より、土工に加え舗装や橋梁等の分野にも取組を広げ、更なる生産性向上に取り組んでまいります。
 また、近年の目覚ましいICT、IoTの進展は、建設産業従事者の働き方を大きく変える可能性がございます。担い手を確保し建設産業が将来にわたって役割を果たしていくためには、こうしたi―Constructionの取組などを進めることによりまして、発注者の立場から長時間労働の是正や休日確保などの働き方改革につながる取組を進めていく必要があると考えております。
 建設産業が、給料が良く、休暇が取得でき、将来に希望が持てる、給料、休暇、希望の新しい三Kの魅力ある産業となるよう、将来にわたって建設産業が持続的に活躍できるよう、更に取組を進めていきたいと考えております。
#19
○足立敏之君 どうもありがとうございました。
 建設産業の再生なくして日本の再生なしというふうに考えております。そのためにも、私自身も建設業の持続的発展、これをライフワークとしてしっかり国政で頑張っていきたいというふうに思っております。国土交通省の御指導よろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
#20
○朝日健太郎君 自由民主党、朝日健太郎です。本日初めて国土交通委員会で質問に立たせていただきます。
 私、足立先生同様、昨年、参議院に初当選をさせていただきました。元スポーツ選手、その中でもビーチバレーボールという海岸に近いところで競技を続けておりまして、世界中の海岸そして港湾に少しだけ近かったのかなと。そうした意味においても、国土交通委員会でこうやって質問に立たせていただくことに感謝を申し上げます。
 今週土曜日、三月十一日は、東日本大震災から六年を迎えます。まず、被災された方々、そして避難所生活を送られている方々へ心よりお見舞いを申し上げるとともに、復興へ向けた責務をしっかりと果たしてまいる所存です。
 まず、熊本地震について質問をしたいと思います。
 皆様御承知のように、日本は大災害の脅威に常にさらされています。特に、首都直下地震や南海トラフ地震がいずれも今後三十年以内に七〇%程度の確率で発生すると言われており、大規模地震の発生が危惧されております。
 私は、熊本県出身です。昨年四月に熊本地震が発生し、震度七の地震が二回、震度六強の地震に二回見舞われるなど、大きな被害が生じ、まだ復興への道のりは長いと感じています。熊本県民からすると、特にあの阿蘇大橋の崩落は壮絶な光景でした。赤橋といいまして、まさに熊本から阿蘇へ向かうときの玄関口で、非常に思い出深い橋でもあります。阿蘇といえば熊本の重要な観光地でもあり、震災後、当然のように客足が遠のきました。一年たってもまだ客足の戻りは鈍い状況でもあります。また、九州地方の中心に位置する熊本は、比較的地盤が安定しているとの見方から、半導体や輸送機器等を中心とした産業集積地域でもあり、企業誘致に積極的な地域であったため、地場産業の被害も甚大なものでありました。
 来月で熊本地震から一年を迎えるわけですが、先日の世論調査では、熊本地震の復興が全体的に進んでいるとの回答が五〇%強だったものに対して、余り進んでいないというのが四五%程度と、意見は二つに分かれている印象を受けました。
 そこで、お伺いをします。熊本地震からのインフラの復旧復興状況及び今後の対応について国土交通省にお伺いしたいと思います。
#21
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
 平成二十八年熊本地震によりまして、道路、鉄道、空港、港湾、河川等の災害、先生今お話がありました阿蘇大橋地区における大規模な斜面崩壊を始めとした多数の土砂災害が発生をいたしました。
 高速道路、新幹線、空港等の主要交通インフラの応急復旧はおおむね一か月程度で完了し、河川につきましても、平成二十八年度の本格的な梅雨期までに堤防等の変状の応急対策、緊急復旧工事を完了いたしました。港湾においては、被災直後より応急復旧を行い、発災当日から緊急物資の受入れ等も行ってきたところでございます。
 一方、国道五十七号、国道三百二十五号の阿蘇大橋が通行止めとなっているとともに、JR豊肥線と南阿蘇鉄道のそれぞれ一部区間で運転休止が続いていますが、大規模な斜面崩壊のあった阿蘇大橋地区につきましては、昨年までに斜面上部の不安定土砂の撤去を終えました。一月以降は、地質調査等も行いながら、早期復旧に向けた対策を進めているところでございます。
 国土交通省といたしましては、大規模な被災箇所を始め、災害復旧事業等に全力で取り組みまして、被災地の復旧復興を全力で支援をいたしてまいります。よろしくお願い申し上げます。
#22
○朝日健太郎君 力強いお言葉、ありがとうございます。政府一丸となって熊本地震の復興に努めていただきたいと思います。熊本の皆さんも、日々復興が進む手応えを感じていただくことが活力になると思います。
 熊本地震発生時、九州を横断している九州自動車道など、先ほどありましたけれども、比較的復旧は早かったと思いますが、やはり震災発生時は陸路による支援活動に非常に時間を有しているというふうに認識をしております。私の知人も、九州外から被災地に入ろうとするんですけれども、なかなかうまくいかなかったと、そういう話を多く聞きました。
 一方で、熊本県は有明海に面しており、多くの港を有しています。インフラの中でも、特に港湾の被災は物流や背後地域の経済に与える影響が非常に大きいため、十分な備えが必要だと考えています。
 先日、私は名古屋港を視察しました。国土交通省の船舶清龍丸に乗船するとともに、船長からお話を伺いました。熊本地震の際に、清龍丸が緊急物資輸送や、また被災者の方々への入浴支援を行ったという話を伺いまして、熊本県民として大変感謝するところでもありました。その中でも、特に子供たちと船員の皆様との交流が非常に印象的だったというところが特徴だと私は思っております。このように、災害時において港湾が様々な形で被災地支援の拠点として機能していることを実感しているところでもあります。
 その上で、今回の熊本地震での経験を踏まえて、国土交通省として、港湾を活用した海からの被災地支援が円滑に行われるよう新たな制度の検討を行っていると聞いています。熊本地震において港湾が果たした役割と課題及びそれらを踏まえた新たな制度の概要についてお聞きします。
#23
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 平成二十八年熊本地震におきましては、被災した港湾施設の迅速な応急復旧の結果、熊本港、八代港等が、発災当日の四月十六日から緊急物資や部隊輸送等の受入れ拠点として重要な役割を果たしたところであります。
 具体的には、国土交通省港湾局が名古屋港に配備しております清龍丸、それから関門航路に配船しております海翔丸、これらの船舶によりまして、熊本港において延べ三千五百名の方々に十一万リットルの飲料水を提供するとともに、三角港におきましては延べ三百名の方々に船の中での入浴支援や温かいお食事の提供などを行いました。また、八代港におきましては、海上保安庁の巡視船による緊急物資や給水・入浴支援、また自衛隊の輸送船による緊急物資、救援部隊の輸送、さらにはホテルシップによる被災者の方々への宿泊場所の提供、こういった支援も行ったところであります。
 一方、これらの支援船舶が入港するとともに、貨物船の利用も行われておりましたので、これらの港が大変混雑をしたという状況が発生しました。このような状況に鑑みまして、国交省におきましては、熊本県からの要請を踏まえまして、直接自衛隊あるいは海上保安庁と岸壁の利用調整を行いまして、被災地支援を円滑に行ったところであります。
 今回の熊本地震の教訓、また熊本県知事からの要請を踏まえまして、国土交通省におきましては、非常災害時において港湾管理者からの要請に基づき国が港湾施設の管理を行う新しい制度を創設するため、今国会に港湾法の改正法案を提出する準備を進めているところでございます。
#24
○朝日健太郎君 ありがとうございます。大規模災害に備え、しっかりと制度を整えていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 先日、阪神・淡路大震災のあった一月十七日に神戸港を視察いたしました。震災発生時刻の五時四十六分に黙祷をささげ、追悼式典にも参列をいたしました。今年で阪神・淡路大震災から二十二年目を迎えるわけですが、その視察の中で、阪神・淡路大震災時の港湾の状況や神戸港の復旧復興の経過等を伺ったところでもあります。
 その中で特に印象に残っているのは、百十六キロに及ぶ神戸港全てが被害を受け、その一部は壊滅をし、震災直後の使用可能バースは全二百三十九のうち僅か九バースと、ほぼ壊滅状態であったそうです。そんな状況の中、全国からの支援と、関係者一丸となって復旧復興に取り組まれ、およそ二年で神戸港は完全復旧したと伺いました。私は、その関係者の皆様の御努力に感銘を受けた次第です。
 我が国としては、阪神・淡路大震災レベルの地震に対しても主要な機能が維持できる港湾が必須と考えます。これから阪神・淡路大震災や東日本大震災といった未曽有の大災害の経験を踏まえ、今後想定される首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模災害に備えることが重要だと考えます。
 国土交通省において様々な防災・減災対策をされていると思いますが、港湾における対策状況についてお聞きします。
#25
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓を生かし、切迫する首都直下地震あるいは南海トラフ地震に対する防災・減災対策を講じることは極めて重要な課題だと認識しております。このため、港湾におきましては、ハード、ソフト両面から防災・減災対策に取り組んでおります。
 ハード面では、地震・津波被害から港湾及び背後地を防護するための粘り強い構造を導入した防波堤や防潮堤の整備、また非常災害時にも海上物流ネットワークを維持するための耐震強化岸壁や基幹的広域防災拠点の整備に取り組んでおります。
 ソフト面におきましては、港湾における津波避難対策や港湾の事業継続計画、いわゆる港湾BCP、これらの策定の推進、さらには地元自治体、港湾利用者などにも参加をいただく津波避難訓練の実施、こうしたものに取り組んでおります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、災害に強い港湾の実現に向け、ハード、ソフト両面から防災・減災対策に取り組んでまいります。
#26
○朝日健太郎君 ありがとうございます。災害時における応急復旧を迅速かつ円滑に行うために、港湾行政における港湾BCPは大変有効だというふうに認識をしておりますので、しっかりと進めていただきたいと思います。
 他方、応急復旧を迅速化するに当たっては、建設資機材を有し、災害発生直後から復旧作業に取り組むことができる建設業界の協力が不可欠であると思います。先ほど来、足立先生もおっしゃっていたように、しっかりとこの事業量というものを常日頃から担保する必要があると考えております。運送機器や船舶等、また建設資材といった復旧に関わる業界の体力も重要だと思います。そういった意味において、平時より災害に備えた建設業界との連携体制の構築が重要であると考えています。
 災害時における建設業界との連携に係る港湾の取組についてお聞きしたいと思います。
#27
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 海上からの被災地支援を円滑に行うためには、災害発生直後から航路の警戒や港湾施設の応急復旧等の災害応急対策を行うことが極めて重要であります。このため、災害発生後の応急対策を迅速かつ円滑に行うことができるよう、各地方整備局におきましては、建設業界を含む港湾関係団体や港湾管理者との間で、災害発生時における緊急的な応急対策業務に関する包括的協定を締結しているところであります。
 この協定の中では、地方整備局からの要請に応じまして、港湾関係団体が人員や資機材を整え、港湾施設の被災状況調査や応急対策を実施することなどが定められております。
 熊本地震の際には、この協定に基づきまして、迅速な災害応急対応が可能となりました。具体的には、協定を結んでおります港湾コンサルタンツ協会によりまして橋梁の点検が行われ、また、日本埋立浚渫協会九州支部や九州港湾空港建設協会連合会によりまして道路の段差解消等の災害応急対策が行われ、海上からの円滑な被災地支援に大きく貢献したところでございます。
 今後想定される大規模災害に対しましても、迅速かつ円滑な対応が可能となるよう、訓練実施を共同で行うといったことも含めまして、引き続き港湾関係団体との連携強化に努めてまいります。
#28
○朝日健太郎君 ありがとうございます。連携をしっかりと取っていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 一九六四年東京オリンピックのレガシーである社会インフラ等の対応についてお聞きしたいと思います。
 前回の一九六四年東京オリンピックから五十年以上が経過をしました。当時、高度経済成長の中で集中的に整備された首都高や東海道新幹線等の社会インフラが今後一斉に老朽化、高齢化すると認識をしています。特に東京においては、一九六四年の東京大会を機に、公共投資が他の地域より先行して推進をされました。これによって東京の都市機能が大きく成長したと認識をしております。
 一方、これらの都市インフラは、一九六四年の東京オリンピックのレガシーとして大会以降も引き継がれ、五輪大会の社会的意義を示すものであり、東京オリンピックがスポーツの祭典だけではないということを表す象徴であると私は思っています。
 当時建設されたこの都市のレガシーでありますけれども、社会インフラ耐用年数の五十年をちょうど迎える時期に二〇二〇年の二回目の東京オリンピックの開催が決定をいたしました。この二〇二〇年東京大会の開催を東京及び日本の長期的インフラ再構築にいかに結び付けていくか、それと併せて、約八百兆円に及ぶと言われているインフラストックの高齢化そして老朽化に的確に対応していくことが二〇二〇年大会には求められる要素だと思っております。
 こういった意味でも、これからの社会インフラの老朽化対策の状況についてお聞きしたいと思います。
#29
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、首都高速道路や東海道新幹線含めまして、高度経済成長期以降に整備したインフラが今後一斉に老朽化してまいります。このため、インフラにつきまして計画的な維持管理、更新を行い、費用の縮減、平準化を図りながらインフラの機能を適切に維持することが大変重要な課題であると考えております。
 国土交通省では、平成二十六年度にインフラ長寿命化計画(行動計画)を策定するとともに、維持管理の統一的な基準、マニュアルの策定などを順次進めてきたところでございます。現在、これらにのっとりまして、各施設の管理者による計画的な維持管理、更新への取組が進められております。
 また、インフラの大部分は地方公共団体が管理しております。この地方公共団体に対しましても、防災・安全交付金等による財政支援、あるいは研修等の人的支援を行っております。さらに、産学官民が一丸となって、技術や知恵を総動員して戦略的にメンテナンスに取り組むプラットフォームとしまして、昨年十一月にインフラメンテナンス国民会議を設立いたしました。この会議を通じて、社会全体として取組を加速させてまいります。
 老朽化対策は喫緊の課題でございまして、こうした取組を通じて、引き続きインフラ老朽化対策に取り組んでまいります。
#30
○朝日健太郎君 ありがとうございます。国土交通省が進める老朽化対策については認識をいたしました。
 次に、二〇二〇年大会以降の二回目のオリンピックのレガシーについて質問をしていきたいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとしては、今週の予算委員会において丸川五輪担当大臣から、この東京大会のレガシーとして、ユニバーサルデザイン、心のバリアフリーに取り組んでいくとの熱い決意を伺いました。大会以降のレガシーとして残していく上では、丸川五輪担当大臣リーダーシップの下、官民が連携して推進していかなければならないと思っております。その中で、幅広い社会インフラや鉄道などの交通事業を所管し、地方整備局や地方運輸局など多くの出先を有している国土交通省の取組が重要だと認識しております。
 東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年までに、世界に誇れる水準のユニバーサルデザイン化された公共施設、交通インフラを整備していくことが必要だと思います。パラリンピック大会に関していえば、世界中から車椅子のアスリートなどもたくさんおいでになられると思いますので、しっかりとした準備が必要だと思います。また、ハード的な取組だけではなく、多くの方が障害者の方の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、その社会参加に積極的に協力する心のバリアフリーなどのソフト施策も重要だと考えております。
 ユニバーサルデザインのまちづくりや心のバリアフリーについて、国土交通省の取組状況について伺います。
#31
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 高齢者、障害者を含む全ての人が住みよいまちづくりを進めるために、国土交通省では、バリアフリー法に基づきまして公共交通、道路、建築物等のバリアフリー化に取り組んでまいりましたけれども、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、更にバリアフリーの水準を高めていくことが重要と考えております。
 国土交通省としましては、先月決定されましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づきまして、東京大会に向けた重点的なバリアフリー化と全国各地における高い水準のバリアフリー化、さらには心のバリアフリーの推進に取り組んでまいります。
 東京大会に向けた取組としましては、競技会場へのアクセス道路や主要都市公園における段差解消などの改修、大会関連駅のエレベーター増設やホームドアの整備などを進めていくこととしております。それから、東京大会を契機に全国のバリアフリー水準の底上げを図るために、公共交通機関や建築物のバリアフリー化のための基準やガイドラインの見直しを行います。さらに、心のバリアフリーを積極的に推進するため、交通、観光分野における接遇ガイドライン等の策定など、ソフト面の取組を進めてまいります。これらに加えまして、バリアフリー法や関連施策の在り方につきまして、その見直しも視野に入れつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
#32
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
 二〇二〇年東京大会オリンピック・パラリンピックは、スポーツ選手だけのものではなく、幅広い国民の皆さんと一緒になって成功を迎えるべきだと考えております。これからもしっかりと私も汗をかいていきたいと思います。
 質問を終わります。
#33
○野田国義君 おはようございます。民進党・新緑風会の野田国義であります。
 今、国民の関心が最も高く、そして先日からも鴻池自民党の先生より野党頑張れの声援をいただきましたので、私からは、今日は森友学園の私立小学校建設のための国有地売却について質問を絞ってさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、行政文書の情報公開についてでありますけれども、私も、この行政文書の管理、そして情報公開、行政をやっていく上で最も大切なことだと思っております。
 御承知かと思いますが、この情報公開につきましては、地方から情報公開のうねりが出て、そして国においても情報公開の法律ができたということでありまして、この情報公開なしには国民の信頼は得ることができないと私は思っているところであります。
 私も、市長時代、情報公開条例作らせていただきました。情報公開をされますと、何か真っ黒、のり弁とか今言われておりますけれども、そういうものばかりが出てくるわけでありますけれども、私、当時指示いたしました、なるべく公表しなさい、それが市民への説明責任につながると。
 まさしく国の方もそうじゃないでしょうか。国から、情報公開を求めれば、真っ黒ののり弁と言われるものしか出てこないというような今状況に、私はまた古い政治に戻ったと言わざるを得ないと思っているところであります。
 そしてまた、身内をいろいろなところのポストに就けるとか、また昭恵夫人がこういった森友学園の名誉校長になるとか、こういうことも、リーダーとして、長として慎んでいかなくてはならないと、非常に私は憤りを感じているところであります。
 そこで、この行政文書の情報公開でありますけれども、私もここの会場に来る前に我が党の公文書の勉強会に出てまいりました。いろいろな事情はあろうかと思いますけれども、この公文書管理、そして情報をしっかりと国民に明らかにしていく、このことについて、今回の流れをずっと見ております。衆議院の予算委員会等でも私見てまいりましたけれども、本当に情報公開がなされていない。あの南スーダンの日報の問題もそうじゃないでしょうか。私は、恐らく我々議員だけじゃなくて国民も憤りを感じていると思いますが、このことについてお答えいただきたいと思います。
#34
○委員長(増子輝彦君) どなたですか。
#35
○野田国義君 大臣、お願いいたします。
#36
○国務大臣(石井啓一君) 恐縮ですが、南スーダンの日報問題は私どもの所管ではございませんので、御答弁は控えさせていただきたいと存じます。
#37
○野田国義君 いやいや、今回の一連の森友学園の問題で、廃棄をしたと、メモを、あるいは交渉内容を、このことについてお答えいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(石井啓一君) 私ども国土交通省といたしましては、この森友学園の土地の問題につきまして、国会から、あるいは各政党から御要請をいただきまして、できる範囲で様々な資料は提出をさせていただいているところでございます。
 委員御指摘なのは、恐らく森友学園の方の工事事業者と近畿財務局、また大阪航空局とのやり取りの文書かと存じますが、これにつきましては、私ども、文書管理規則にのっとって適切に文書管理を行っているというところでございまして、出せる資料はきちんと出しているという認識でございます。
#39
○野田国義君 いや、誰もこんなの出しているとは国民も思っていないと思いますが、じゃ、どういう法律あるいは規則等によって出せないのか、お答えいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 空港外用地の売却手続を含めまして、一般に、関係者との確認、調整を行った場合、その全てにおいて記録を作成する必要があるわけではございません。
 また、こうした記録が作成された場合でありましても、国土交通省行政文書管理規則によりまして、文書管理者が事務及び事業の性質、内容等に応じて保存を判断することとされており、本件についての記録は、既に事案が終了しているため残っておらず、確認できないということでございます。
#41
○野田国義君 それじゃ、もう一年たったから廃棄していいという文言がどこかあるんですか。
#42
○政府参考人(佐藤善信君) 国土交通省行政文書管理規則に基づきまして大阪航空局の文書管理者が定めた保存期間基準におきまして、こうした関係者とのやり取りについての記録につきましては保存期間が明示されておりません。保存期間が明示されていないということから、保存期間一年未満の行政文書と解釈をし、文書管理者の判断により事案終了後廃棄したとしても文書管理上問題はないと考えてございます。
#43
○野田国義君 今言われたように、都合いいように解釈しているんじゃないですか。国民の知る権利というのが非常にこれは大切なんですよ。そのことによって、国への信頼、行政機関への信頼が、国土交通省への信頼が高まっていくと私は思っております。
 私、ここに、文書管理法第一条ですか、目的ということで書かれておりますけれども、ここには、「公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」と。大変崇高な目的が掲げられているんですよ。
 そうでしょう。違いますか。
#44
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、公文書等の管理に関する法律第一条目的にはそのように記されているところでございます。
#45
○野田国義君 それを都合よく解釈をする、あるいは歴史公文書等に当たらないから自由気ままに廃棄していいということでやっているんでしょう。どうですか。
#46
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁をいたしましたが、国土交通省の行政文書管理規則に基づきまして大阪航空局の文書管理者が定めた保存期間基準におきまして、こうした関係者とのやり取りの記録については保存期間が明示されていないということから、保存期間一年未満の行政文書と解釈をし、文書管理者の判断により事案終了後破棄したとしても問題はないというふうに考えているということでございます。
#47
○野田国義君 そうだとすれば、私は、これ隠蔽をしていると言っても過言じゃないと思うんです。都合よく解釈しているだけじゃないですか。破棄をしていいとか全然書いていないわけだから、先ほどから質問いたしましたように。
 ですから、当然今後、この公文書管理法、既に民進党は法案も出しているところでありますけれども、もっともっとそれをいいものにして出し直すとか、そういうことをやっていかなくちゃいけないと思いますし、情報公開に至っては、非常に国、今の政権、後退しているんじゃないかと思います。
 その中で、大臣、先ほど私も申し上げましたように、これはリーダーシップなんです。リーダーシップで、これは出しなさい、国民にもっともっと説明をしなさいということを言っていただければ、もっともっとこれが説明をされて、ちゃんと本当に疑義があるかどうか、そういった問題等も晴れていくんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、これまでも出せる資料は適切に提出をしておりますし、今後もその方針でございます。
#49
○野田国義君 私は、昨年、甘利大臣の問題ですが、このことについてもいろいろ質問させていただいたと思いますけれども、それからまた南スーダンの日報の問題しかり、今回の森友学園の問題しかり、本当に全然出てこないじゃないですか。私は、是非ともこれは猛省をしていただいて、もっと国民に分かりやすいように情報公開をしていただくことを求めまして、次に移らせていただきたいと思います。
 私、今日朝、船田元先生のブログですか、読ませていただきました。恐らく読まれた方もいらっしゃるかと思いますが、御承知のとおり、船田先生、作新学院ですよね。もう百三十何年続いているそうです。恐らくこんなことを船田先生も書きたくはなかったと思うんですよ。
 短くちょっと読ませていただきますと、森友学園の異常さということで、多くの私立学校が森友学園と同類項と受け止められることは耐えられず、異常な事案として徹底的に事実関係を明らかにしなければならないということです。かつ、大学をつくられたそうです。そのときの苦労がここに書かれております。当時、関東財務局からの提示された価格をそのまま受け入れた価格だったそうです。そして、今回の価格の問題、あるいは認可、短時間でこの認可が出そうになったということ、これはもう特別の力学が働いたとしか思えない、そういうブログを自民党の船田先生があえて書かれている。
 そしてまた、最初に御紹介いたしましたように、鴻池先生も野党頑張れと言っていただいているんです。どうでしょうか、皆さん、国交省の皆さん、それから財務省の皆さんもしっかりとこのことを説明をする、何もやましいことがなければ説明すればいいじゃないですか。そうでしょう。(発言する者あり)
#50
○委員長(増子輝彦君) 不規則発言をおやめください。
#51
○野田国義君 現在、校舎は建設中でありますけれども、今後、不認可の場合、どうも雲行きが不認可の方に、十六日ですか、審議会を開くというようなことも聞いておりますけれども、当該土地はどうなるのか。原状復旧し、更地にして、売却額の一億三千四百万円で買い戻すのか、このことが非常に大きな今問題になっているところでありますけれども、契約書等どのようになっているのか、説明を求めたいと思います。
#52
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 国と森友学園との売買契約の規定を申し上げますと、本件土地につきましては、森友学園に対しまして、期間を定めた上で小学校の用途に供することを求めており、その用途に供することができなかった場合には国において買戻しをすることができることとなっております。また、買戻しを行う場合には、国は支払われた売買代金を返還し、森友学園は本件土地を原状に回復して返還することとなっております。
 いずれにいたしましても、今月中に開催予定と伺っている大阪府の私学審議会において森友学園が設置する予定の小学校に関して議論が行われる見込みであると承知をいたしておりまして、財務省といたしましては、私学審議会の議論を踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
#53
○野田国義君 ちょっと確認をさせていただきますが、先ほど言いましたように、更地にして戻してもらうということでいいんですね。そして、じゃ、今校舎が建っておりますけれども、校舎等いろいろな設備も今なされていると思いますけれども、それはどうなっていくのか、お答えいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 売買契約上は、買戻し権を国が行使するとき、森友学園は、国の指定する期日までに建物の取壊し等、土地を原状に回復して返還しなければならない、ただし、国が原状に回復することが適当でないと認めた場合には、現状のまま返還することができるという契約条項になっております。
#55
○野田国義君 数日後にはこの結論が出てくるということでございまして、またそこで大変な問題になっていく、また泥沼化していくというようなことになりはしないのかなと思います。だから、私は、その前にいろいろなことをちゃんと対応していくことが、説明をしていくことが大切なことであろうと思います。
 それから、次に質問を移らさせていただきたいと思いますが、大阪航空局が算定したごみの撤去費用が八億一千九百万とされておりますけれども、これも再三予算委員会等で説明をされておりますが、私も聞いても何もどうも納得いかないんですね。もう一度この説明をお願いしたいと思います。
#56
○大臣政務官(藤井比早之君) お答えいたします。
 本件土地における地下埋設物の撤去処理費用につきましては、公共事業に係る一般的、標準的な方法を採用させていただいているところです。具体的には、国土交通省が空港土木工事の統一基準として定めた空港土木請負工事積算基準に基づきまして、本件土地に係る数量、すなわち面積掛ける深さ掛ける埋設物混入率、これに単価を掛け合わせて撤去処理費用を見積もっております。
 詳細を申し上げますと、面積につきましては、平成二十二年に大阪航空局が実施した地下構造物状況調査を踏まえまして、廃材、廃プラスチック等のごみが確認された五千百九十平米、本件土地全体の約六〇%に限定して設定しております。深さにつきましては、現場確認、そして工事関係者からの聞き取り、さらに工事写真等を踏まえまして、くい掘削工事箇所は九・九メートル、その他の部分は三・八メートルと設定しております。ちなみに、深さを九・九メートルと設定して見積りを行っている箇所につきましては、実際にくいが掘削される部分に限定して面積をカウントしておりまして、その面積は本件土地全体の約三%程度にすぎません。埋設物混入率につきましては、平成二十二年に大阪航空局が実施した地下構造物状況調査等を踏まえまして、四七・一%と設定しております。単価につきましては、先ほど申し上げました空港土木請負工事積算基準に基づき設定しております。このうち、処分費につきましては、現場状況に精通した工事事業者からヒアリングを行い、他の事業者の価格情報と比較検証の上、単価を設定したところです。
 したがいまして、地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、空港土木工事の統一基準である空港土木請負工事積算基準に基づき、一般的、標準的な方法により見積もったものでありまして、適正な積算がなされているものと考えております。
 なお、地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、本件土地の売買契約において、将来にわたって本件土地が抱える一切の瑕疵について売主である国の責任を免除する特約が付されていることを勘案しております。
#57
○野田国義君 そこで、委員の皆さんにも資料を配らさせていただいておりますけれども、いわゆるここの赤線ですよね、この枠内が入っているわけですね。ここの赤字の枠内にしたというのが私理解できないんですけれども、ほかのところ何でこれ入っていないんですか。ここに絞り込んだというのは、恐らくライトブルーのところがくいを打ったところですよね。しかし、この突き出たちょっと赤のところもあります。ほかのところとどう違うのか。これちょっとずさんじゃないですかね。
#58
○大臣政務官(藤井比早之君) こちらの土地につきましては、平成二十二年に大阪航空局が地下構造物状況調査を行っております。その際に出ましたところというところを中心に枠を決めておるというところでございまして、また、更に申し上げますと、この土地、かつてはため池とかそういうような土地でございました。そのような土地と大体かぶるというようなところもあり、また全体にするには広過ぎるということで、あえて六〇%、限定しておるということでございます。
#59
○野田国義君 全く理解できません。何か中心にですか、どういう意味かね。
 それで、これ航空局として何か立ち会ったとか予算委員会では言っていましたけれども、昨日、ちょっとあるニュースに出ておりましたけれども、結局、現場立会いしていなかったということですか。このくい打ちのところですね。
#60
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 本件土地につきまして、地下埋設物の撤去処分費用を八・二億円と見積もるに当たりまして、大阪航空局は、平成二十八年三月十四日と四月五日に現地確認を行っております。
 三月十四日につきましては、平成二十七年十二月に小学校建設が着工されて、九・九メートルに及ぶくい掘削工事を実施する過程において、学校法人森友学園から地下埋設物が発見されたとの連絡を三月の十一日、平成二十八年の三月の十一日でございますが、これを受けまして、大阪航空局の職員二名が現地に赴きまして、実際に現場を直接確認をしております。
 この現地確認におきましては、その前年の平成二十七年十一月末の時点で確認をされていなかったにもかかわらず、九・九メートルのくいを掘削する過程で出てきた廃材、廃プラスチック等のごみを大量に含む土が本件土地の広い範囲にわたって散在し、積み上がっていたことを確認しております。
#61
○野田国義君 それじゃ、私が見たそのニュースはうそだったということでしょうかね。昨日、夕刊だったと思いますが、日経か朝日だったと思いますけれども、見ましたけれども、うそだったということですね。それ、ちょっとしっかりした答えをお願いしたいと思います。
#62
○大臣政務官(藤井比早之君) 平成二十八年三月十一日に学校法人森友学園から地下埋設物が発見されたとの連絡を受け、平成二十八年三月十四日に大阪航空局の職員が近畿財務局の職員とともに現地に赴いて、実際に現場を直接確認いたしております。あわせて、現場写真を撮影いたしております。
 事実としてはそのようになります。
#63
○野田国義君 くい打ちの九・九メーターのところを掘っていて出てきたということでありますけれども、じゃ、他のところはどういう状態になっているのか。あるいは、この八億一千九百万円で撤去をしなさいということの金額になるわけでありますけれども、この撤去費用は、じゃ、どこから森友さんは出すんでしょうかね、八億。そして、どういう撤去作業を皆さんは想定されているんですか。
 だから、全部これを、土を入れ替えるというか、産廃を取り出してですよ、そうしますと、衆議院の予算委員会等で言っていたのは、いわゆるトラックの四千台分だということ。当然、これは、産廃というのはマニフェストが伴いますから、どこに捨てたというのが明らかになっていくわけですけれども、そういう確認されているんですか。
#64
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 まず先に、九・九メートルのくい掘進工事箇所以外のところについてまずお答えを申し上げます。
 こちらにつきましては、平成二十八年の四月五日に、工事関係者が試掘を行ったところ、三・八メートルの深さで地下埋設物、廃材、廃プラスチック等でございますけれども、これが発見されたということで、大阪航空局の職員が近畿財務局の職員とともに現地に赴きまして、工事関係者から、工事写真を踏まえつつ、地下の埋設層や試掘された埋設物など試掘現場の状況について聴取をし、小学校舎建設用地の深さ三・八メートルまでの層に地下埋設物があることを確認をいたしております。
#65
○政府参考人(中尾睦君) お答え申し上げます。
 国有地の売却に当たりましては、財政法に基づきまして時価で売却することとなっております。本件土地につきまして、不動産鑑定士に不動産の価格鑑定を依頼いたしまして、更地価格といたしましては九億五千六百万円という鑑定結果でございます。そこに、先ほど来国土交通省から御説明を申し上げております約八億二千万円部分が地下埋設撤去に必要な費用と見積もりまして、それを控除して一億三千四百万円というふうなことをまさに時価として売却をいたしたわけでございます。
 売却後に実際に売却相手先におきましてどのような工事をされるかにつきましては、当方として確認をいたしておらないところでございます。
#66
○野田国義君 それがおかしいんじゃないですか。
 いわゆる四千台ですか、トラック。要するに、土を入れ替えなさいと、ある意味では、その産廃を除去しなさいということで八億一千九百万の算定をしたということですよね。だったら、だから、どういうやり方を想定されたのかと。恐らくそうだと思うんですよ。四千台分ぐらいになるんですよ、そうすると。そうすると、かなりの金額になろうかと思います。
 だから、どういうことを想定されたのか、その産廃を取り出すための。
#67
○政府参考人(中尾睦君) お答え申し上げます。
 地下埋設撤去に必要な費用として大阪航空局で見積もられた八億二千万円というものの考え方につきましては、先ほど来国土交通省が御説明されているとおりでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、本件国有地につきましては、不動産鑑定評価から地下埋設物を考慮して評価された時価で既に売却済みのものでございまして、実際の撤去費については確認をいたしておりません。
 もとより、森友学園側は建設工事に伴い生じた産業廃棄物の処理を法令に従って適切に行うべきであり、この点については指導監督権限を有する地方公共団体において適切な対応がなされるものと考えております。
#68
○野田国義君 それが私全く理解できません。
 それで、このいわゆる園内ですか、敷地内に埋めたというような、皆さんのお手元に資料を出していると思いますが、これ朝日新聞ですか、工事関係者が証言をしたと、場内処分を求めたんで埋めたと。これ、恐らく産廃法辺りの法律に違反するというようなことになろうかと思います。
 そのことも聞きたいし、そして、財務局が埋め戻し提案をしたと。これは事実なんでしょうか。
#69
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 委員配付されました報道に引用されているメモというものにつきまして、このメモがどのような方が作成をされ、どのような目的で作成をされたか、またその内容の真偽について、私どもは承知をしておらないところでございます。
 もとより、森友学園は国有地の処分の相手方でございますので、近畿財務局及び財務省との間で様々なやり取りが行われております。
 報道にございます平成二十七年九月四日という時期について御説明申し上げますと、平成二十七年七月から十二月にかけて、既に発見されておりました土壌汚染の除去や地下埋設物の撤去工事が行われておりました時期でございます。貸付契約上、これらの費用については、国が検証の上で有益費として償還することとしておりましたことから、その関係の打合せが行われていたことはあるとは思います。
 国といたしましては、貸付契約に基づき、有益費について支払う必要はございますが、一方で、建設工事に伴い生じた産業廃棄物については工事を行う事業者が法令に基づき適切に処理する必要があります。
 本件の産業廃棄物の処理方法については、建設工事を行う事業者が発注者である森友学園と協議して適切に検討、実施すべきものであり、工事の発注者でない財務局は具体的に処理方法を指示する立場にはなく、御指摘のようなことをいたすことはございません。
#70
○野田国義君 ですから、この新聞記事が、これ証言があったということ。恐らく、これからぼろぼろ証言が出てきますよ。そのときにまた大変なことになっていくんじゃないかと私は思います。ここに書かれているように、産廃は仕分処分費が高く、膨大な金額になるんですよ、撤去していくと。このところでこんな案を提案をしたということになったら大変なことですので、また改めて質問させていただきたいと思います。
 それから、時間も参りましたので最後になりますが、これも大ごとがちょっと起こっているようでございます。
 いわゆる契約書ですか、校舎の建築費を七億五千六百万、府に対してですね、国に対しては二十一億八千万ですか。
 そうしたら、昨日の夕方、今日のニュースでもやっておりましたけれども、もう一枚契約書があったと、十五億五千万ですか。関西エアポートか何か、いわゆるこれは空調とか窓とか、騒音の対策で補助金をもらおうという申請書だと思いますけれども。
 これ、虚偽の申請をしたらこれはどうなるんでしょうか。そのことも併せてお答えいただきたいと思います。
#71
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 お尋ねいただいた国に対します工事費の件でございますけれども、サステナブル建築物等先導事業という住宅局の補助事業ございます。これは、建築物の先導的な木造、木質化を図りますプロジェクトを公募いたしまして、学識経験者等による評価委員会を経て補助を行うという仕組みのものでございます。
 この森友学園の案件は、平成二十七年度の公募によりまして学識経験者による評価委員会を経て採択をされたものでございます。そのときのまず応募時に提出をされました建築設計事務所の算定による事業費は、設計費が八千万、工事費が二十一億となっておりました。
 補助金を交付いたします際には、当然その前提となります工事費についても確認をいたしております。この場合、詳細設計を経て締結をされました工事請負契約書の写しによりまして、補助対象外の消費税とか外構工事とかこういったものを除きまして、工事費は約二十一億円であることを確認をいたしております。
 また、その後、今御指摘がございましたような本事業において申請をされました建築費と、それから、例えば大阪府教育庁に対して提出をされた建築費に違いがあるといったような情報がございましたので、これを踏まえまして森友学園の申請代理人でございます建築設計事務所に改めて確認をいたしましたところ、工事請負契約額は既に国土交通省に提出した工事請負契約書の写しのとおりであるという回答を得ているところでございます。
 さらに、石井大臣の方から事実関係を更に早急に調査をするようにと御指示を受けたところでございますので、今後早急に、工事請負契約の経緯やその履行状況などにつきまして早急な調査を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 なお、仮に虚偽の申請であった場合ということでございますけれども、現段階で仮定の議論についてお答えをするということは差し控えさせていただきたいと思います。
#72
○野田国義君 しっかりとこれやっていただきたいと思います。もっともっと、隠蔽するんじゃなくて情報を公開をして国民に対する説明責任を果たしていただきたいと思いますし、我々民進党を始め野党で要求しております籠池理事長、あるいは当時の財務局長ですか、迫田、今の国税庁長官の参考人招致を強く求めまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#73
○鉢呂吉雄君 民進党の鉢呂吉雄です。
 参議院議員となりまして三回目の質問を石井啓一国土交通大臣にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 一昨日、石井国交大臣の所信表明を私も聞かさせていただきました。大変分野の広い国土交通行政でありますから、なかなか、様々な個別の課題、施策というものの羅列が多かったのでありますけれども、石井国交大臣として、現下の国土交通の現状に照らしてどういった、大きな方向付けとして、また政治家としてこの国土交通行政を推進していくのか、いま一つ分かりにくいという感じがいたしました。
 この数年、災害が頻発いたしました。それに対する復旧復興、これはもちろん大きな課題です。そして、国民生活に安全、安心をという形も冒頭述べられました。そして、人口減の中で生産力を何とか向上させて、国民の皆さんに豊かさ、これを実感していくという形も私も受け止めました。同時にまた、国際的な競争力、昨年のリニア新幹線、こういった中で日本の国力を高めると、こういった話も私も承知をしたところでございます。
 私は、全道各地、衆議院の場合は非常に守備範囲が狭かった、北海道中回る機会をこの一年やらさせていただき、また全国も、例えば能登半島、北陸やあるいは九州や京都府の日本海側を回る中で、今の日本の現状で非常に地域間の格差というものが大きくなってきておる、あるいは地域の経済というものが非常に停滞、ある面では疲弊しておると、こういうものも肌で実感をさせていただいてきました。東京に来れば、あるいは大都市に来れば時代が違ったところに迷い込んだのかなと、あるいは別の国に来たのかなと、そういう感じさえも受け取っておるわけであります。
 一昨日の大臣の、いわゆるこういった山間、中山間地域、離島、豪雪地帯、これに対する所信は、一番最後尾に本当に数行述べられただけであります。大臣として、こういった日本の現状、こういったものを踏まえて、特に地方のインフラ整備、国土交通上のお考えと、こういったものをまずは述べていただきたい、こう思います。
#74
○国務大臣(石井啓一君) 先般の所信でも述べさせていただいたところでございますが、頻発する災害等に対応し、国民生活の安全、安心を守ることを最優先に、人口が減少する中でも、生産性の向上等により国民が豊かさや成長を実感できるよう施策を前に進めることが国土交通省としての大きな課題であると認識をしてございます。
 こうした課題に対応する取組は多岐にわたりますが、特に委員が御指摘いただいた地方における主要なものを挙げさせていただければ、まず国民生活の安全、安心につきましては、東日本大震災や熊本地震からの復旧復興や、昨年、北海道、東北地方を襲いました台風による甚大な被害を踏まえた防災・減災対策がございます。このうち、頻発する水災害に対しましては、社会全体で洪水に備えるため、ハード、ソフト一体となった水防災意識社会再構築ビジョンの取組を、国が管理している河川のみならず都道府県が管理している河川にも拡大をいたしまして、その取組を更に加速する必要がございます。
 豊かさや成長の実感につきましては、人流、物流を支える交通ネットワークの整備などの国際競争力強化に資する基幹的インフラの整備を進めるとともに、増加する訪日外国人旅行者の方に、いわゆるゴールデンルートのみならず全国各地域を訪れていただく取組を進めるなど、地域の観光振興や観光資源の魅力向上等によりまして観光先進国を実現することが重要でございます。
 加えまして、歩いて暮らせる健康なまちづくりなどの市町村の取組を支援すること、地域公共交通ネットワークの形成、中山間地域等における小さな拠点づくりなど、コンパクト・プラス・ネットワークの具体化を更に進め、持続可能な地域社会を形成することも必要でございます。
 さらに、将来の担い手を確保いたしまして、地域の安全、安心や地域経済を支える観点からも、建設業、運輸業を始め各産業における生産性の向上や働き方改革を進めることも重要でございます。
 こういった取組を、国土交通省の強みでございます現場力を生かしまして、引き続き全力で推進してまいりたいと考えております。
#75
○鉢呂吉雄君 私は、今年の一月、柳本団長を責任者として、自民党さん三名、私、そして公明党さんと五名でヨーロッパを回ってきました。二院制の在り方が中心でありましたけれども、四か国回る中で、スウェーデン、日本の商社の皆さんが出先で奮闘しておる、その中でも商社の方が、日本ぐらい地域間格差、地方というものがどんどんどんどん疲弊していくと、どういうことなんだろうと向こう側から問題提起されました。
 私も、全国、先ほど言ったように回る中で、今大臣は網羅的にお話をされましたが、やはり大都市は民間活力でどんどん進んでいける。しかし、国の行政として、やっぱり民間活力だけではいかないところに対する、自民党政権、安倍政権で地方創生という話も出たわけでありますけれども、何か総花的に、地方創生から今は一億総活躍、そして働き方、大きなスローガンだけが躍ってそのまましぼんでという形が強いのではないか。日本ほど、やはり地方の経済や地方の生活者の立場、こういったものに対して、国土交通という視点でどのように支援するのか、あるいは自立化をしていけるのか、やっぱり変わらず今の大きな命題になっておると、こういうふうに思います。
 今大臣言われたいわゆる過疎地の関係についても、例えば予算的にも地方交通のネットワークをつくる、昨年対比で九六%の、減額のたったの二百四十五億です。これは、例えばバスに転換をしてバスのネットワークをつくるとか、地方の鉄道、こういったものに対する支援、非常に予算的には本当に微々たるもの、二百四十五億。確かに、大臣の所信表明の中にも、そういう小さな拠点づくりと、先ほどもお話しされました、入っていますけれども、現実にはどんどんどんどん国際競争力を付けるとかいうことで莫大な国の税金は大都市に集中している。私は、公明党の石井啓一大臣でありますから、弱い立場というものに配慮した国土交通政治というものがやっぱり必要ではないか、こういうふうに思うわけであります。
 そういった中で、今日は三十五分しかありませんから手短にお話をさせていただきます。
 衆参でも予算委員会等で、北海道の地域問題としてJR北海道の路線維持の問題、端的に言えば、昨年の十二月にJR北海道は今の北海道の路線距離の半分を単独では経営していけないと、こういう表明をされ、三つ、二年前から停止をしておる日高線を入れれば四つについては鉄道としてやっていけないと、こういう表明。半分です。関連沿線自治体は三割の六十自治体に関わる問題が提起されて、大変道民の皆さんは今苦悩しておる状況です。
 手短にお話しします。国交大臣は二月六日、衆議院の予算委員会、公明党の稲津久さんの質問に対して、三十年前になりますが、国鉄から民営化されて、JR六と貨物も入れて七社が発足いたしました。三島、九州と四国と北海道は、経営が持続可能なものにならないということで、一兆円を超える安定基金制度、これを導入して、その基金運用、金利で経営を補填すると、こういうスキームが出されたわけであります。これに対して、国交大臣は、経営安定基金の運用益を金利によって変動することは国鉄改革の当初から想定されたものであり、運用益の減少はJR北海道の経営努力によって対処すべきと、こういうふうに御答弁されました。これは、奥田鉄道局長も、あるいは北海道新聞に掲載されておる鉄道局の課長も、判で押したように同じような答弁でございました。
 そこで、資料がお手元に行っておるかと思いますので、ちょっと大臣に見ていただきたいんです。
 私、三十年前の一九八六年、昭和六十一年の国鉄改革の特別委員会あるいは本会議、この関係する質問者、答弁者の資料を読ませていただいて、ここに提示をさせていただきました。衆議院が六名、参議院議員が八名、この関係で質問をされております。裏表六枚のページであります。若干お話をさせていただきます。
 一ページ目の村山富市、後に総理大臣になった方でありますけれども、この三島の会社の経営について黒字でやっていけるという確信を持って明言できるのかと。あるいは、公明党の西中さん、一番心配なのは三島の経営である、仮に収益が悪化した場合、基金の積み増しを考えておられるのか。あるいは関山さんも、責任の所在は一体そういったリスクの場合どうなんだと。上田卓三さんも、次のページでありますけれども、三島でやっていけるんだという過大な見積りをしておるのではないか。あるいは、同じ上田さんも、利子を受けなければならないような会社が民間会社と言えるのかどうか。
 あるいは、参議院の本会議で、赤桐さんという方は、率直に言ってこの経営は無理ではありませんか、三島地域内の幹線、地方交通を問わず、その多くが鉄道廃止に至るであろうということは明らかではないでしょうかと、こういうことを述べています。次のページの公明党の鶴岡さん、赤字を埋めるための経営安定基金は、実は監理委員会ということで答申したのでありますけれども、それを更に上積みして一兆一千八百億、しかし、その経営の見通しは厳しいということを政府自ら認めておるのではないかと、こういう表現であります。
 以下、私は説明していきませんが、そして、次のページの公明党の三木忠雄さん、この当時は安定基金の金利は七・五%、これで回すと言っているけれども、これは財テクのやり方もいろいろ難しい問題がある、果たしてこの三島の収支は提出されているような経営をたどるのかどうか、問題点は何が出てくるんだろうかということを私はいろいろ考えてみますと、最終的にはローカル線の切捨てになっていくのではないかと。こういったことが当初から異口同音、当時の衆参の議員から出ております。
 答弁もここに書いてありますから、要約して言えば、中曽根総理は、この経営は長期にわたり安定的な経営を図っていくことができると考えておる。橋本龍太郎運輸大臣、当時の運輸大臣も、安定的な経営が行われる見通しが得られたものと考えますと。これは、提出している政府側ですから、当然そういう答弁になると思います。
 当時、大臣、衆参の議員はみんな、この三島会社はこのままいかぬぞと。金利は七・五です、今から比べたら膨大な金利でありますけれども、これでもいかぬぞという中で、大臣はあのような答弁をされるわけですか。これは、あくまでもJR北海道の経営としてこの金利低下を見る必要があると、こういう言い方かどうか、御答弁願います。
#76
○国務大臣(石井啓一君) 経営安定基金につきましては、元本をJR北海道に渡した後はJR北海道において自主運用をされるものでありまして、その運用益が金利によって変動し得ることは当初から想定された仕組みであると考えられます。したがいまして、金利情勢には様々な変化がある中で、長期的な情勢の変化に伴って運用益が減少していることにつきましては、基本的にはJR北海道の経営努力によって対処をすることが求められるものであると考えております。
 しかしながら、こうした考え方に立ちつつも、国はこれまでJR北海道に対して、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付けなど、累次にわたって支援を行ってきているところでございます。
#77
○鉢呂吉雄君 その後の後ろ二枚の資料を見ていただきたいと思います。
 これは、JR発足をして十年後、平成八年の、当時は運輸省でした、運輸省の白書の、政府のこのJR北海道を含める十年間の総括、あるいは今後の在り方、これを記載したものであります。後ろからの二枚目のもので、色刷りのところを見ていただきたいわけであります。
 JR北海道等で、このちょうど真ん中ぐらいのJR北海道の欄、昭和六十二年営業利益、これは損失で、五百三十八億円マイナスです。そして、小さい二欄目に括弧書きして四百九十八億、これが経営安定基金の運用益。当時は七・三%に下がったが、五百億、ちょうど営業損失を穴埋めするような形。したがって、経常利益はマイナス二十二億。こういう形で、六年目、平成四年でありますけれども、徐々に下がって、運用益四百六十九億。したがって、経常利益も十三億というふうにだんだん下がってきました。そして、一九九五年、平成七年、四百六億の経常の損失。運用基金は三百七十八億というふうに、大きく、百二十億、一年目よりも下がるという状態になってきております。したがって、最後の利益も十四億のマイナスと、こういう形であります。
 しかし、この右のグラフを見ていただきたい。JR北海道、生産性の推移ということで、これは鉄道部門の職員一人当たりのいわゆる車両走行の推移ということで、ほかの各社に比べても、九州や四国と一緒に、大変な生産性の向上に努めております。六十二年発足当時に比べますと、一・八倍の努力をしておるという姿でございます。
 次のページ、見ていただきたいんです。
 最後のページでありますけれども、これは同じ白書の、国鉄改革の評価と残された政策課題という形で運輸省が示されたものであります。大きな五節の2の(2)のところに書いています。(ア)と、それから(ア)の中で小さな(a)と(b)という形で、政策課題は運輸省としてこうあると。一つは、設備投資資金の確保という形で、三社とも高速道路の整備とか、他の交通モードの競争の激化で、やっぱり鉄道として更なる高速化等の輸送サービスの向上が求められておる。あるいは、二番目に、都市圏輸送についても、単線区間の改良、複線化等が必要としておる。しかしながら、三社の経営状況では、自己資金のみでは円滑に投資が実施できない。これをどのように対応するかが課題であると。
 そして、(b)の方を見ていただきたい。先ほど大臣が言われた、自分でこれは運用益を出すべきだと。この中でどう言っているかというと、近年の低金利によって急激に減少している、経営状況が悪化してきており、当面この状況が続くと見込まれることから、早期に完全民営化の実現が可能となる経営基盤の強化が図られるように、三社の経営状況の悪化の要因である経営安定基金の運用益をいかにして確保するかが問題である、こう運輸省自体が問題意識を持っておるわけであります。
 先ほど大臣が言われた様々な形は最近行われました。この十年、最近であります。しかし、二十年前のこの時点で、運用益の低下をどうするか、大きな課題でありましたけれども、その後の運輸行政の中で、これを大胆にはっきり民営化をするために行っていく、一つは設備投資、一つはこの安定基金の運用益をいかに出すかということについてのやっぱり具体化がなかったと。このことは、大臣、認めなければならないと思います。いかがですか。
#78
○国務大臣(石井啓一君) 先ほども申し上げましたとおり、長期的な情勢の変化に伴って経営安定基金の運用益が減少していることにつきましては、基本的にはJR北海道の経営努力によって対処することが求められるというふうに考えておりますが、ただ、とはいえ、国としてJR北海道に何ら支援の手を差し伸べなかったというわけではございません。こういった考え方に立ちつつも、国はこれまでJR北海道に対して累次の支援を行ってきたところでございます。
 具体的に申し上げれば、平成九年度から、経営安定基金を鉄道・運輸機構が借り入れることによりまして運用益の下支え措置を行ってございます。平成九年度から平成十三年度分につきましては四・九九%の金利、平成十四年度から平成二十三年度分につきましては三・七%の金利を払いまして、平成九年度からこれは二十七年度までの実績でございますが、累計支払利子額は二千七百八十億円に及んでございます。
 また、平成二十三年度からは、JR北海道に対する実質的な経営安定基金の積み増し措置を行っておりまして、年間五十五億円の利息収入を提供しているところでございます。
 また、平成二十三年度から二十八年度にかけましては、JR北海道の老朽化した施設の更新等の設備投資への支援を行っておりまして、これが総額六百億円、助成金が二分の一、無利子貸付けが二分の一、この返済は十年据置きの十年元金均等償還であります。
 また、平成二十八年度から平成三十年度にかけましては、JR北海道の安全投資と修繕に関する五年間の計画に基づき行う設備投資及び修繕に対する追加支援を行っておりまして、これが総額一千二百億円。設備投資分で六百億円。これが助成が二分の一、無利子貸付けが二分の一であります。そして、修繕費六百億円。これは無利子貸付けでございます。
 このように、国といたしましては、JR北海道に対しまして累次にわたる支援を行ってきているところでございます。
#79
○鉢呂吉雄君 今数字並べられましたけれども、四百九十八億円、現状は二百二十億円程度の運用益です。この差の二百七十億円を生み出したと、こういうことには全くならなかったと。様々な対策、私は否定しません、そのとおりです。しかし、その結果として、四百九十八億円、最初から国会でも論議になって、これだけのものでやっていけるのかと、こういうものを否定して大胆な国としての支援がこの間できなかったと、こういうことであると私は思います。
 大臣、再度答弁を願います。
#80
○国務大臣(石井啓一君) 繰り返しの御答弁になりますが、長期的な金利情勢の変化に伴いまして経営安定基金の運用益が減少していることについては、基本的にはJR北海道の経営努力によって対処することが求められていると考えておりますが、こうした考え方に立ちつつも、国はこれまでJR北海道に対しまして累次の支援を行ってきているところでございます。
#81
○鉢呂吉雄君 私ども、JR北海道のこの関係について、民進党北海道で過日アンケート調査、これは郵送によるアンケート調査、予想外にこの返事が来まして、二月いっぱいで調査を終えたんですが、三月三日付けで二千二百七十通の回答がございました。これは、手渡しで沿線住民、あるいは全道各地に郵送して回答していただいた形であります。
 JR北海道の見直しについて、存続をすべきだと、こういう回答は、道民の皆さん、私どもの調査で八一%になっております。廃止してもいいというのは一二%でした。また、この存続すべきだという方に限って国の支援の在り方についてお聞きいたしましたら、八九%、大臣、八九%の方が国の支援を必要とすると、こういう形でありました。
 少し道民の皆さんから書いていただいたこの回答を聞きますと、民営化というのは容認する声が多かったんですが、やっぱり分割化というのは初めから間違いであったと。それから、経営安定基金の不足、これは国がきちんと補填をすべきだ。確かに、平成二十三年に二千二百億、そして平成二十八年、今年度一千二百億、それぞれ安定基金と真水、これは大臣が言われるとおりです。しかし、先ほどの運用益には到底及ばない形であります。それから、責任はやっぱり国にもあったのではないかと、この声が非常に強いんです。
 そういう中で大臣のその発言というのは、道民の皆さんから非常に否定的に見られておる。国は一定のものをやったんだから、あとは、その金利運用はJR北海道でやるべきだと、この声は道民の皆さんに届いておりません、下りておりません。だからみんな不信感もだんだん多くなってくる。
 大臣は、さきの質問でこういうふうに答弁されております。国としての考え方、これも二月六日の衆議院の予算委員会、稲津久さんの御答弁です。先ほど言ったようなことが、大臣、述べられております。そして、その後に、今、北海道庁がワーキングチームの答申を得て北海道としての考え、そして沿線住民との協議、それに対して国の出先の北海道運輸局の方が入っていることも事実です。国としては、これは大臣の答弁です、北海道庁と連携しながら、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた対応の検討をしてまいりたいと、こういう答弁をほかの委員にも繰り返しております。
 私は、必ずしも大臣が支援をするということを明言しておらない、これも分かりにくい、分かりにくい。支援をするんですか、どうですか、端的に答えてください。
#82
○国務大臣(石井啓一君) 先ほどから答弁させていただいておりますとおり、これまで、国はJR北海道に対しまして累次にわたって支援を行ってきております。また、平成二十八年度からの三年間は総額一千二百億円の支援を行うこととしてございまして、これにより、当面は必要な安全投資や修繕を行いながら事業を続けていくことができる見通しであります。
 その一方で、JR北海道は、これは国鉄民営化以降の大きな環境変化でありますが、北海道自体が全国に先駆けて地域の人口減少が進んでいると。また、マイカー等の他の交通手段が発展し、また高速道路網が極めて順調に北海道においては延長を延ばしてございます。こういったことに伴いまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況にございます。
 このため、今後、地域における持続可能な交通体系の在り方について関係者が共に考えていく必要がございます。国といたしましても、北海道庁と連携をしながらこういった協議に自ら参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた対応につきまして検討してまいりたいと考えております。
#83
○鉢呂吉雄君 大臣、端的に答えていただきたい。支援をするんですか、しないんですか、今後、新たな支援を。
#84
○国務大臣(石井啓一君) 今御答弁申し上げたとおり、地域における持続可能な交通体系の構築に向けてどういったことが関係者でできるのか、こういった議論をしっかりと進めていく必要がございます。この議論の中に国としても参画をいたしまして、どういったことが国として必要なのか検討してまいりたいと考えております。
#85
○鉢呂吉雄君 安倍総理は、二月十七日の衆議院の予算委員会、御答弁で、国としても地域において鉄道の存続を支える取組に対して必要な支援を行っていきたいと。総理はそういうふうに言っておるんです。大臣はいかがですか。これは私は議事録から取っておりますから事実です。あるいは、麻生大臣も様々なことをお話ししています。
 今、国交大臣は北海道の特殊性のような話をしました。私はそうではないと。今日は時間がなくなりました。高速化、あるいはモータリーゼーション。しかし、これは四国であっても九州であっても同じ形で来ています。むしろ、私は、必要なことは、北海道のこのJRの取組も非常に、これはもう国交省が認めて奥田鉄道局長が国会でも答弁していますから今日は繰り返しません。あるいは人件費の削減、あるいは様々な事業運営の効率化、こういうこともしています。赤字転落を避けるために鉄道外の収益も盛んにやってきた。しかし、それでも北海道としての例えば設備投資、やっぱり高速性を行うための設備投資、決定的に遅れました。あるいは安全対策、赤字に転落してはならぬということで、一番大事な安全対策の設備投資、これを怠ってきた結果が、大臣、まあこっちに、そんな書類見なくても大丈夫です、ああいう事故を数年前から勃発している。今年も、貨車だったからよかったけれども、函館から札幌間の一番の動脈のあの室蘭線の洞爺湖町の脱線事故起きて、その原因もまだ分からないという状況。これは安全設備投資というものができなかった結果ではありませんか。
 あるいは、新幹線がようやく函館まで来たけれども、昨日偶然、週刊現代、酒井順子さんが新幹線乗りたくて、東京から、あの東京駅に、北海道新幹線のところに北海道と書いてあるのが本当にうれしかったと。函館まで四時間ちょっと、それから札幌まで四時間半掛かって、そして次の日、網走までまた五時間掛かって、本当に北海道は広いというよりも疲れたと。それは高速性が非常に遅れているんです、新幹線のみならず。だから新幹線も、一日も早くというふうに大臣は答弁されました。私は、二、三年、あの八千四百億の財投資金を使えば新たな建設資金に投資することができる、このことを前回も言いました。早く、麻生大臣が言うように、抜本的な北海道における基幹鉄道の改革に踏み出さなければならないんです。今大臣が言われたようなことでは希望がなくなっちゃって、誰も道民の皆さん、大臣はこんなことを言っている、総理も麻生大臣も支援すると言っているのに、支援という言葉が一つも出てこないんです。
 もう二分しかありません。ですから、是非大臣、そこに問題があるわけではありません。JR九州の問題も、鉄道部門では赤字であってもああいうふうに民営化できたんです。北海道だってできるんです。今一兆円の安定基金が、北海道だけで三次にわたって安定基金は行っています。JR九州は、民営化によってその安定基金は全部JR九州に渡しました。きちっとしたスキームを作れば十年後あるいは二十年後にJR北海道はきちっと高速性を保って、今、枝葉のものを全部切って黒字にするということでなくて、赤字のところはあっていいんです、一本のレールでつながっているんですから。そこによって利用客は動いているんですから。安易に私は赤字路線を廃止するということに踏み出さない、三十年間の歴史の経緯を見て大臣に決断をしていただきたい、そういうふうに思います。
 以上です。終わります。
#86
○委員長(増子輝彦君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#87
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○新妻秀規君 まず冒頭、我々公明党からも、東日本大震災発災六年を迎えるに当たり、犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げ、また、今なお仮設住宅にお住まいの方々始め避難生活を営まれる方々、そして全ての被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 本委員会におきましても、復旧復興の役に立ち、そして防災・減災を前に進める議論に取り組んでいきたいと思います。
 まず、インフラ老朽化について取り上げたいと思います。この件については先ほど自民党の朝日先生からも御質問がありましたが、私からも改めて確認をさせていただこうと思います。
 大臣は、所信演説におきましてインフラ老朽化対策への決意を述べられました。我が党といたしましても、防災・減災という最重点政策の柱としてインフラ老朽化対策を掲げ、政府の取組を後押しをしていく所存です。
 その上で、具体的な質問に入ります。まず、インフラメンテナンス国民会議に関して伺いたいと思います。
 大臣は所信でこう述べられました。ちょっと引用します。急速に進行するインフラの老朽化に対しては、昨年十一月に設立されたインフラメンテナンス国民会議において、産官学民が一体となって理念の普及や課題の解決を図るとともに、ロボットの開発、導入の促進や自治体への支援等を通じて計画的に対策を推進します、このようにおっしゃいました。
 ここで、インフラメンテナンス会議を設置するに至った経緯を教えていただきたいと思います。また、この取組の中でインフラメンテナンス大賞を新たに実施することとなったと伺っておりますけれども、これはどのようなもので、そしてなぜこうした新しい賞を設立するに至ったのでしょうか。御答弁をお願いします。
#89
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 インフラ老朽化への取組としまして、国土交通省では、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付け、二十六年度にはインフラ長寿命化計画(行動計画)を定めるなど、各種の取組を進めてまいりました。
 その一環といたしまして、社会資本整備審議会・交通政策審議会の技術部会におきましても専門的な見地からインフラメンテナンスの在り方について御審議をいただいておりましたけれども、平成二十七年二月にこの技術部会からの提言を頂戴しました。社会資本のメンテナンス情報に関わる三つのミッションと推進方策という提言でございます。この中で、行政と国民、民間企業や大学等の研究機関、NPO等の多様な主体が社会資本のメンテナンスに向け理念を共有し、力を結集し一丸となって取り組むための場としてインフラメンテナンス国民会議の設置が提言されたところでございます。
 これを受けまして、国土交通省では、民間企業との意見交換や、それから延べ十一回にわたる準備会合を重ねまして、設立に向けた準備を進めてまいりました。また、その間、昨年七月には、関係府省の政務官勉強会からも関係府省が連携してこれに取り組むべきであるという提言をいただいたところでございます。
 こうした経過を経て、昨年十一月二十八日にインフラメンテナンス国民会議の設立に至ったという次第でございます。
 それから、大賞でございますけれども、これも先ほど申し上げた技術部会の提言の中で示されたものでございまして、ベストプラクティスの普及を図ること、それから国民にインフラメンテナンスの意識を高めてもらうこと、これを目的に、表彰制度を創設すべきという提言をいただいております。
 これを受けまして、国土交通省では、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、防衛省とともにインフラメンテナンス大賞を創設いたしました。この中で、いろいろな工夫を凝らしたとか、そういった優れた取組の関係者に対して大臣賞等を授与することにしております。第一回目、昨年十一月から十二月にかけて募集をいたしまして、七月中にも受賞者を発表したいと思っております。
 表彰を励みとしていただくとともに、より良い取組が全国に知られ、普及拡大することを期待しております。
#90
○新妻秀規君 今、藤田さんがおっしゃったように、やはり国民の意識を啓発するのはすごい大事だと思うんですね。ただ、このインフラメンテナンス国民会議というのは、我々はやはりそういう仕事をしている人間ですから知っていますけれども、国民の方々、大多数なかなかまだ御存じないんじゃないかなと思うんです。
 広報に是非とも励んでいただきたいと思うんですけれども、それはどういうふうに取り組まれていかれますでしょうか。
#91
○政府参考人(藤田耕三君) 広報、大変一つの重要な課題でございまして、この国民会議の中にも広報を専ら議論をする広報部会というのを設けておりまして、そこで広報戦略を検討しております。
 具体的な活動としては、シンポジウム等も開催しておりますし、それからメンテナンス大賞というものも広報の一助になるのではないかと考えております。
#92
○新妻秀規君 今おっしゃったような取組を是非とも更に前に進めていただきたいと思います。
 次に、インフラ長寿命化計画のフォローアップについて伺いたいと思います。ちょっとかなり具体的に、専門的に伺いたいと思います。
 国土交通省は、平成二十六年の五月の二十一日に定めましたインフラ長寿命化計画について、平成二十七年度の取組状況を取りまとめて、昨年の十二月二十八日にフォローアップの結果を発表をいたしました。点検と修繕の進捗状況、また基準の整備、個別施設計画の策定、推進、維持管理、更新に係るコストの算定、新技術の開発、導入、法令等の整備、そして地方公共団体への支援と、様々なそうした分野を網羅して現状と課題を分かりやすく示しており、高く評価をしたいと思うんです。
 しかし、このフォローアップ結果で浮き彫りになったのが、分野別の進捗のばらつきなんですね。具体的に四点挙げますと、まず一点目、点検対象の数に占める完了した数、完了数については、三割を切っているのが、道路の中でも橋梁、橋ですね、あとトンネル。あと、港湾は成績悪くて、係留施設以外は全て駄目。あと、航路標識。
 二点目、修繕対象数における完了数。ここで三割を切っているのが、道路のうち橋梁、橋ですね、トンネル、大型構造物。海岸のカテゴリーでは堤防、護岸、胸壁等。そして、港湾では、これ成績悪くて、廃棄物埋立護岸以外全施設駄目。官庁施設のうち庁舎等、下水道では管路施設、あと空港土木施設、これが駄目と。
 三点目、個別施設計画の策定、推進については、これまた計画策定率が三割切っているのが、海岸、下水道、港湾では廃棄物埋立護岸、その他水域施設など、また空港では空港土木施設、そして自動車道では橋、トンネル、大型構造物が駄目。
 四点目、維持管理、更新のコスト算定では、このコスト算定率三割切っているのが、海岸、下水道、港湾、自動車道、このような結果になっています。
 この進捗の遅れの原因、また今後の取組について御答弁お願いします。
#93
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、各施設等によりまして、維持管理、更新への取組、進捗に差が見られるところでございます。
 その理由幾つか考えられますけれども、一つ目には、特に点検に関して申しますと、維持管理の基準、マニュアルの策定後まだ比較的日が浅いということもありまして、特に、例えば点検頻度が五年に一度とされた分野においてはまだ点検が一巡していないという状況があろうかと思います。これにつきましては、今後その基準に従った点検等の取組を着実に促すことが必要だと考えております。
 それからもう一つには、特に市町村が多くの施設を管理する分野、ここにおきましては、体制などの問題もありまして、取組が必ずしも十分に進んでいない場合があるというふうに考えております。
 したがって、この点につきましては、地方公共団体に対して各種の支援をしてまいりたいと考えております。現に、研修の充実強化などの技術的支援、あるいは民間資格の登録制度による民間技術者の活用の促進、それから防災・安全交付金等による財政的支援、各種の取組を行っておりますし、それから先ほど御答弁申し上げましたインフラメンテナンス国民会議を通じまして、民間企業の技術や知恵を活用しながら、地方公共団体の課題解決を促進するといった取組も進めてまいりたいと思っております。
 こうした取組を通じまして老朽化対策に取り組んでまいりたいと思っております。
#94
○新妻秀規君 今、藤田さんがおっしゃったような様々な取組を是非とも積極的に進めていただきたいと思います。
 次に、分野ごとに老朽化の課題について伺いたいと思います。
 まず、河川関連施設の老朽化なんですけれども、河川施設の老朽化については、国交省の資料によれば、施設の整備年度が古くて、データいつ作ったか分からないという施設が六千七百二十もあるよという、そういう記述がありました。こういういつ造ったか分からないような施設については今後どのようにこの老朽化対策取り組んでいかれるのか、御答弁お願いします。
#95
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 河川管理施設につきましては、経年的に劣化するだけではなくて、不定期に発生いたします洪水によっても大きなダメージを受けるという、そういう他の施設とは少し異なった特徴があるというふうに考えております。このため、これまでも御指摘の施設設置年度が古くてデータが確認できなかった施設も含めまして、河川管理施設については定期的な点検などを行うことによりまして必要な維持、修繕に取り組んでまいりました。
 さらに、平成二十五年の河川法改正におきまして、河川管理施設等の維持又は修繕に関する技術的基準を創設をいたしまして、堤防あるいは樋門等の重要な施設については、目視その他適切な方法によりまして一年に一回以上の適切な頻度で点検を行うということを定めたところでございます。また、標準的な点検方法を示すものといたしまして、平成二十四年の五月には、これは国のまず河川管理施設を対象とした点検要領、それから樋門等の構造物や周辺の堤防の詳細点検要領を作成し、さらに平成二十六年三月には、今度は都道府県の河川管理施設を対象とした点検要領を作成したところでございます。
 あわせて、実際の点検に当たりましては、目に見えないところもございますので、目視による点検に加えまして、必要に応じて樋門等の管路内に水中ロボットカメラあるいはファイバースコープなどを用いる点検ですとか、あるいは堤防と構造物の間に空洞が生じている場合がございます。このときは、水を注入しまして水圧の変化によって連続的に確認をいたします連通試験などの詳細点検も、古い施設なども対象といたしまして実施をしているところでございます。
 引き続き、定期的に実施されます河川管理施設の点検結果や詳細な点検結果を踏まえまして、施設の設置年度が確認できなかった古い施設も含めて、河川管理施設の効率的かつ計画的な維持又は修繕に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#96
○新妻秀規君 今の局長がおっしゃった、こうした新しい装置を使ったようなこういう点検というのは、国管理のやつは多分大丈夫だろうなと思うんですが、都道府県についてもこういう技術の伝承というのはしっかり行われているんでしょうか。
#97
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 こういうような新技術の活用ですとか、あるいは様々な管理、点検の仕方というものにつきましては、我々、技術的指導を様々な場面、いろんな会議ですとかあるいは研修の場を通じまして、都道府県等と一緒にこういうような情報を共有して、新しい技術を使ったような維持管理に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#98
○新妻秀規君 今局長がおっしゃったような取組をしっかり前に進めていただいて、とにかくこういう河川施設が人の命を奪うようなことがないように、是非とも万全のチェックをお願いをしたいと思います。
 次に、道路の老朽化について伺いたいと思います。
 これも似たようなお話なんですけれども、道を渡る橋、跨道橋、これは道路法以外の施設もあるんですね、鉄道橋だったり水管橋だったり農道だったり。こういう道路法以外の施設については点検が義務付けられていないと。点検未実施のそうした鉄道橋だったり水管橋だったり農道だったりというのがかつては二割にも上っていたというふうに伺っています。
 現状と、今後どのように取り組んでいくのか、御答弁お願いします。
#99
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 跨道橋につきましては、特に高速道路を始めとする緊急輸送道路におきまして、それをまたぐ橋が落橋等した場合、幹線の物流が遮断されるなど甚大な被害が想定されることからも、道路法に基づかない橋も含めまして老朽化に関する点検を実施する必要性は高いと考えております。このため、道路法以外の跨道橋の点検や修繕を進めるに当たりまして、都道府県ごとの道路メンテナンス会議の下に関係する施設管理者で構成された跨道橋連絡会議等を設置いたしまして、計画的な点検や修繕の実施について調整を行ってきているところでございます。
 委員御指摘のとおり、高速道路をまたぐ跨道橋のうち道路法以外のものにつきましては、過去に一度も点検していない橋の割合は二年前、平成二十六年度末の時点では約二割の一八%でございましたが、平成二十七年度末時点では四%まで減少し、点検が進められてきているところでございます。
 今後とも、これらの会議の場等を通じまして、道路管理者以外の関係者の協力を得つつ、道路法以外の橋も含めた跨道橋の点検の充実や適切な補修の実施に向けて取り組んでまいります。
#100
○新妻秀規君 今、かつては点検未実施は二割だったのが今は四%まで減ったと、一安心はしておるんで、まず、これゼロ%を目指してほしいんですね。
 その上で、適切な補修とおっしゃいましたけれども、これはどのように具体的に進めていくのか、これについて御答弁お願いします。
#101
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 これは、先ほど申し上げましたとおり、跨道橋連絡会議という関係者の場がございますので、そういう場を通じまして、点検の方法、補修の方法等情報提供をさせていただいて、補修の手法等について充実を図ってまいりたいと考えております。
#102
○新妻秀規君 分かりました。
 次に、下水道の老朽化について伺いたいと思います。
 ここで皆さん、お手元の資料一を御覧ください。この資料一は下水道施設の老朽化の現状について示した国交省の資料なんですけれども、この左上の図に示すとおり、棒がその年に造られた下水の長さ、単位は千キロメートルなんですけれども、これがどれぐらい積み上がって、その総延長がこの線で示されているわけなんです。これ御覧になって分かるように、五十年を経過したのが今ではもう一・三万キロあります。でも、これがどんどんどんどん老朽が進んでいきまして、この右下にあるように、二十年たったときには約十三万キロは五十年を経過した管になるぞと、三割近くがそういう五十年経過した管になるぞということが分かっているわけなんですね。
 この管路の老朽化を原因とする道路の陥没事故も既に起こっていまして、どんな事故かというと、この右上の写真を御覧ください。管路の老朽化に起因する道路陥没、トラックが埋まっちゃっていますね、半分、タイヤが。こういう事故がどれぐらい起こっているかというと、左下御覧ください。この左下の棒グラフですね、下水管路に起因する道路陥没件数。最近右肩下がり傾向ではあるものの、平成二十七年度で三千三百件起こっています。これから、この左上のグラフでいうと、どんどんどんどんこの赤矢印が右の方に行くわけですよね。そうすると、この道路陥没の件数も増えることは当然想定されるわけなんです。
 こうした管路がどんどん老朽化していくんですけれども、特に問題なのは、人口十万人未満の都市では二十年後に一万キロを超えると。やはり人口が少ない都市ではメンテナンスをできるそういう人材もなかなかいないものですから、これは非常に大きな問題なわけなんです。民間のインフラ点検会社ジオ・サーチさんの調査結果によれば、これちょっと昔のデータなんですけど、平成二十五年度、国内の道路二万キロを調査をしたところ、下水道老朽化などによる空洞が約七千か所もあるという、そういう報道もございます。
 こうしたどんどんどんどん老朽化していく下水道、そして陥没事故なんということが起こっている状況がある一方で、この下水の施設の維持管理の実態、非常に厳しいわけなんです。
 ちょっと長文ですけど、国立国会図書館の調査を引用します。
 平成二十四年度末の管路一メートル当たりの年間維持管理費は平成十三年度に比べて約二割減少している。同じ年度において、テレビカメラなどによる管路施設の点検、調査を実施している自治体の比率は、政令指定都市、大きな都市では一〇〇%でありますが、人口規模が小さい自治体ほど実施率が低くなって、人口一万人未満の自治体においては一〇%にすぎない。全自治体平均しても二九%なんですね、やっているのは、ちゃんと。他方、管路施設の維持管理情報を含むデータベース化の実施比率について、政令指定都市は七六%ですが、人口一万人以上五万人未満の自治体においては一三%。人口一万人未満の自治体では一〇%というデータも公表されており、自治体の規模によって差異はあるものの、現状においては老朽化の進行を視野に入れた施設の維持管理が必ずしも十分ではない。このような調査結果があるわけなんです。
 こういう実態を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか、御答弁お願いします。
#103
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 下水道の老朽化につきましては、ただいまの現状は議員の御指摘のとおりでございます。
 このため、平成二十七年の下水道法改正におきまして維持修繕基準を創設して、腐食のおそれの大きい下水管の定期的な点検を地方公共団体に義務付けるなどの措置を講じたところでございます。
 特に中小の市町村では、一般的に執行体制ですとかあるいは財政基盤が脆弱であるために、国土交通省ではこうした市町村におきましても計画的な老朽化対策に取り組むことができるように、財政面、それから体制面及び人材育成の面で支援を行っているところでございます。
 具体的には、財政面におきましては、本年度に下水道ストックマネジメント支援制度というものを創設をいたしまして、計画的な点検、調査ですとか、あるいはその結果のデータベース化ですとか、あるいは改築に要するような費用、これを支援をしていくというふうにしております。
 体制面におきましては、これも平成二十七年に改正されました下水道法に基づき設置をされました市町村間の協議会に国も参画をする等、広域的な維持管理の検討を進めている地方公共団体に技術的助言等の支援をしているというところでございます。
 さらに、人材育成面におきましては、地方公共団体職員を対象といたしまして、下水管の点検、調査を含めた下水道の施設管理に関する研修、これを実施をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、こういった施策を進めることによりまして、中小の市町村を始め、全国の地方公共団体の老朽化対策が推進されるよう積極的に支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
#104
○新妻秀規君 今局長から、財政、そして体制、そして人材の面で支援をしていくという御答弁ありましたけれども、これがちゃんと、こうした最も支援を必要としている特に規模が小さい自治体にちゃんと効き目があるかどうかをしっかりPDCA、検証しながら前に進めていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 次に、今の質問にも若干絡むんですが、自治体への支援について取り上げたいと思います。
 まず、道路ストックのメンテナンスについて伺いたいと思います。
 まず、お手元の資料の二を御覧ください。これは道路ストックのメンテナンスで、橋とトンネルについて特に取り上げているんですけれども、まず橋について、この資料二の左上の棒グラフが連続しているようなグラフを御覧ください。
 これ、建設年度別の橋の数で、これで一番下のちょっと見えない水色が高速道路会社、その上の青が国土交通省、その上が都道府県、政令市、一番上が市町村なんですね。橋がどれぐらい建てられたかというのを縦積みで表しています。
 ここで分かるように、この二六%と矢印引っ張ってありますけれども、一九五五年から一九七五年にかけて建設された橋梁が約四分の一、二六%なんですね。ここで、よく御覧になれば分かるように、赤がすごい多いということが分かります。つまり、市町村ですね。
 この下、左下の絵を見ていただければ分かるように、これ、アメリカと日本の比較なんです。
 アメリカでは、一九二五年以降一九四〇年くらいまでわあって橋が造られまして、これが一九八〇年代に多く高齢化をして、橋が落ちるなんて事故が多発したわけなんです。荒廃するアメリカとも言われました。
 それと同じような状況がこの日本でも、この一番下のグラフを御覧になれば分かるように、三十年遅れて同じような状況が発生するということはもう既に分かっているわけなんですよね。二〇一〇年代から高齢化を迎えると。これは今、日本が直面している恐ろしい状況なわけなんです。
 右上が、橋、トンネル、道路附属物の管理誰がやっているのかという棒グラフなんですけれども、まず橋で見ますと、六六%が市町村、この赤い点点点で囲ってあるところですね。その下、トンネル、この赤いところ、二〇%が市町村。
 一番右下、これが問題なんです。建設後五十年を経過した施設でいうと、橋だと何と五一%市町村なんです、この赤いやつですね。トンネルは三八%。この管理している施設の数では、トンネルとかそんなに問題ないかなと思ってしまいがちなんですけれども、五十年超えたやつでくくると、市町村の管理がここまで多いということが大問題なわけなんです。
 一方で、資料三を御覧ください。橋を例として取り上げたいと思います。
 この右上の棒グラフ、赤い点点点で囲っているところなんですけれども、この点検の結果、これやばいぞと、Wが一番やばくて、Vがその次やばいという。Wが真っ赤っかなので、ちょびっと、〇・一%ありますね、これが危険度Wです。その次に、ちょっと薄い赤、これがVなんですけれども、これどういう状況かというと、その下に凡例が載っています。ちょっと読みますね。一番下のW。Wは、構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態、もう駄目だぞということですよね。その上、V、構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態とあります。
 左下の表に行きます。診断V、Wの発生状況なんですけれども、この市町村のところを御覧ください。赤枠で囲ってあるところですね。橋でいいますと、二百三十一の橋はこれもうやばいぞという状況なわけなんです。一万橋があったらどれくらいあるかというのに直したのが一万当たり十八なわけなんですけど、これは何と国交省所管の橋の約八倍、都道府県、政令市の橋の約七倍にも上るわけなんです。結果、どうなっているかというと、この右下の絵ですね、通行規制等が加わっている橋梁の増加ということで、地方公共団体の管理する橋梁では近年通行規制の数が大幅に増加をしているわけなんです。
 こういう厳しい状況にありまして、一方、じゃこれ、特に財政が厳しい市町村、回るのかというと、その次の資料四を御覧ください。
 この資料四の右下に、市町村の施設管理に関するアンケートとありますね。これでこの問い、円グラフの問いですね、定期点検により判定Vの橋梁について、現在の予算状況を踏まえると五年以内の措置は可能でしょうか。いいえが五八%を占めているという、そういう絶望的な状況にあって、しかも、財政力指数ごとに見ると、その右の棒グラフです、一・〇未満、本当にやばいところだと、もうそのいいえが更に五九%で、いいところ、財政指数が一・〇以上のところは三五まで下がると。要は、財政がこうしたメンテをできるかどうかを分けているということが分かるわけなんです。
 この資料というのは、国土交通省の下の社会資本整備審議会の道路分科会の第五十七回基本政策部会での、道路分科会での資料だと伺っているんですけれども、これ去年の十一月十六日の資料です。この報告書の結論としてこのようにあります。地方における維持管理の費用負担について支援する仕組みを検討すべきではないか、地方において必要な技術職員を確保すべきではないか、こういう提言がなされているわけなんです。
 この提言を副大臣、どのように受け止められるでしょうか。御答弁お願いします。
#105
○副大臣(田中良生君) 議員御指摘のように、市町村がこの全橋梁の約七割に当たる約四十八万橋を管理している状況にあります。したがって、道路の老朽化対策の推進に当たっては、財政力ですとか技術力、人員等の面で大変厳しい状況にあります。
 このため、国土交通省といたしましては、市町村に対する支援が重要であるということを考えております。財政面では、防災・安全交付金により道路の老朽化対策を支援するとともに、大規模な修繕、更新を複数年にわたり集中的に支援していこうということで、平成二十七年度から個別補助制度による支援、これを実施しているところであります。また、平成二十九年度から新たな財政支援として、大規模修繕、更新の補助制度において集約化、撤去を支援対象とするとともに、総務省と連携して補助事業や交付金事業と一体的に実施する地方の単独事業に対する地方の財政措置、これを拡充することとしております。
 一方におきまして、この技術力、人員の面でありますが、市町村の点検業務を当該都道府県が一括して発注する、こういう取組ですとか、地方公共団体向けの研修、あるいは橋梁の診断、修繕工事における国の職員による支援、こうしたものを実施しているところであります。
 今後とも、インフラメンテナンス国民会議ですとか、都道府県単位で各道路管理者によって構成されます道路メンテナンス会議、こうした枠組みを活用しながら、自治体への更なる支援策、これについて検討していきたいと思っております。
#106
○新妻秀規君 副大臣が今おっしゃったような取組を是非とも総務省と連携を密に取りながら、また、その実際の成果を確認しながら前に進めていっていただきたいと思います。
 次に、庁舎の耐震化について伺いたいと思います。
 熊本地震では、宇土市役所の四階部分が潰れて、事務作業の滞りから復旧復興が遅れるという結果になってしまいました。総務省消防庁さんが実施した結果では、庁舎で耐震化が完了していないのは全都道府県の庁舎の一一%、そして全市町村の庁舎の約二五%にも上るという結果も出ております。
 いざというときに市民を守る司令塔となる庁舎の耐震化は喫緊の課題だと思います。今後どのように進めていくのか、御答弁お願いします。
#107
○副大臣(原田憲治君) お答えを申し上げます。
 平成二十八年三月時点で、地方公共団体が所有又は管理をする防災拠点となる庁舎の耐震率につきましては、委員お示しのように、都道府県で八八・九%、市町村で七五・五%となっております。
 地方公共団体の庁舎は、災害発生直後から様々な支援活動や行政サービスを展開する拠点となることから、その耐震性は極めて重要であると認識をいたしておるところでございます。
 災害時に災害対策の拠点となる庁舎の耐震改修については、緊急防災・減災事業債の対象とすることにより取り組んできたところでございますけれども、平成二十八年度までとしていた当該事業の実施期間につきましては、地方公共団体が引き続き防災・減災対策に取り組んでいけるように、平成三十二年度まで延長することといたしております。また、耐震化が未実施の市町村本庁舎の建て替えを緊急に実施できるよう、市町村役場機能緊急保全事業を創設し、平成二十九年度から地方財政措置を講じることといたしたところでございます。
 こうした財政措置を活用して全ての市町村において耐震改修、建て替えなど、それぞれの状況に応じた最適な方策によりまして、防災拠点となる庁舎の耐震化が進むよう働きかけてまいりたいと思います。
#108
○新妻秀規君 是非ともこの政策を前に進めていただきたいと思います。
 次に、鉄道について伺いたいと思うんですが、ちょっと順番を変えて伺います。
 精神障害者への運賃割引の周知について質問をしたいと思います。
 これまで私自身が受けてきた市民相談の中で、精神障害者の親御さんからの要望でこういう御要望が大変多かったんです。何かといいますと、知的障害の方とか身体障害のお子さんには鉄道の運賃割引がある、でも精神障害を患っている私の子供には運賃割引がない、何とかしてほしい、何件も寄せられました。
 そんな中、福岡に拠点を置きます西日本鉄道さん、この西鉄さんの鉄道部門とバス路線で精神障害者への運賃割引がこの四月から始まるという報道がありました。実は、公明党の国会議員、福岡県のそうした県会議員、こうした地方議員としても要望を受けて、行政に、また西鉄さんにも要望させていただきまして、そんな声も届いたのかなとも思っております。また、障害者団体からも数々要望が寄せられているとも伺っております。こうした大手私鉄では初めてとなるこの西鉄さんの英断に本当に心から感謝をし、敬意を表したいと思います。
 ここで鉄道局に伺います。この西鉄さんの取組を是非ともJR始め鉄道事業者に周知をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 障害のある全ての方々が鉄道をスムーズに御利用いただけるようにすることは大変重要な課題であるというふうに認識いたしております。障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の自主的な判断の中で理解と協力を求めてきたところでございます。
 こうした取組の結果、精神障害者の方々への割引を実施している鉄軌道事業者は、十年前の平成十八年四月では四十二社であったのに対しまして、平成二十八年四月現在では七十一社となりまして、着実に増加してきているところでございます。
 これまでも、機会を捉えまして、鉄軌道事業者に対しまして、精神障害者の方々に対する運賃割引について理解と協力を求めてきたところでございますけれども、今後も、JRを始め各鉄軌道事業者に対して、西鉄による今回の取組を含め、鉄軌道事業者による精神障害者割引の実施状況を周知し、引き続き理解と協力を求めてまいりたいというふうに考えております。
#110
○新妻秀規君 申し遅れました。本日参加をしている高瀬議員もこの要望活動にこれまで取り組んでまいりましたので、付言させていただきます。
 次に、他の交通事業者への周知について伺いたいと思います。次は総合政策局さんに伺いたいと思います。
 今回の西鉄の措置は、鉄道のみならずバスも含まれております。鉄道以外のバス、船舶、航空機など、他の交通事業者にも西鉄の取組を是非とも周知をすることを検討いただきたいんですが、どうでしょうか。
#111
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 実際の障害のある方々の移動ということを考えますと、これはいろいろな交通機関を利用されるわけでありますので、鉄道のみならず全ての公共交通機関をスムーズに御利用いただけるようにすることが重要であると考えております。
 これまでも、鉄道以外の交通事業者に対しましても、機会を捉えて精神障害者に対する運賃割引についての理解と協力を求めてまいりました。今回の西鉄による取組を含めまして、精神障害者割引の実施状況につきまして、各交通事業者や事業者団体等の関係者に幅広く周知し、引き続きこの割引に対する理解と協力を求めてまいります。
#112
○新妻秀規君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 鉄道についてもう一問伺いたいと思います。鉄道駅のホーム転落事故の防止についてです。
 大臣は所信におきまして、駅ホームにおける転落事故防止について、駅ホームの安全性向上に向けた対策をハード、ソフト両面から積極的に進めます、このように述べられました。この点については先日の予算委員会でも、大臣からホームドアそして内方線付き点状ブロックについて前向きな推進に向けた答弁をいただきまして感謝をしております。
 本日はそれ以外の対策について伺いたいと思います。
 ホームと列車の隙間が大きいときに結構おっこってしまったりする場合があるんですね。その隙間を埋める転落防止ゴムというのがあります。万が一ホームから転落してしまったとしても、カメラでその転落を検知して列車の緊急停止を促す転落検知カメラ、また同様に、ホーム下に人が転落してしまったときに、マットが下に敷いてあって人の重みで落下を検知する転落検知マット。このような対策についても、先進事例などの紹介を通じて鉄道事業者の取組を促し、転落事故防止、そして、ひいては最悪でも列車との接触事故の回避を図っていただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#113
○副大臣(田中良生君) 駅ホームにおけますこの転落事故防止、これは視覚障害者の方を始め全ての旅客にとって大変重要な課題であります。
 残念ながら、本年の一月十四日にも、JR東日本の京浜東北線蕨駅において、盲導犬を連れた視覚障害者の方が転落して亡くなるという痛ましい事故が発生いたしました。こうした事故を踏まえて、私からJR東日本に対しても対策を要請したところでありますが、ホームドア整備の前倒しですとかCPラインの設置等、これが実施することとなりました。
 こうした駅ホームにおけます転落事故防止対策のうちホームドア、これは非常に効果が高い。必要な技術開発も含めてその整備を推進していくこと、これはもう大変重要だと思っております。一方において、車両の扉の位置がそろわないことによって技術的にホームドアの整備ができない、こういう場合もあります。やはりソフト面での対策、これも重点的に実施することが重要で、これを進めていきたいとも思っております。
 また、その際、ホームの状況に応じて、委員が今御指摘いただいたとおり、転落防止ゴムの活用ですとか、さらにはホームの端に近づいた乗降客などをセンサーが検知して駅員等に注意を促す、転落事故を防止する転落検知カメラ等のこうした新技術を活用することも検討していくことは私は必要だと考えております。
 国交省では、従来から安全対策といたしまして非常停止押しボタン、また転落検知マット、こうした設置等も推進してきたところであります。これに加えて、転落検知カメラ等の新技術に関する情報の共有、これを進めることによって転落事故防止を図るとともに、万一ホームに転落してしまった場合でも、列車との接触事故、これを回避するように、鉄道事業者の取組、これを強く促進していきたいと考えております。
#114
○新妻秀規君 事故の根絶の実現のため、前向きな取組をお願いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#115
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 学校法人森友学園への国有地売却に関わって質問をいたします。
 不動産鑑定で九億五千六百万円と評価された土地が八億一千九百万円も値引きされて森友学園がただ同然で土地を取得したと。こんなことが許されてよいのかと世論の関心も強く、メディアが大きく報じまして、国会で連日質疑が行われています。
 この疑問点の一つは、言うまでもなく、航空局が行いました廃棄物の撤去費用八億一千九百万円の問題です。大阪航空局が不動産鑑定の前提として見積りを行うのは初めてのことだったとされています。撤去費用の算定は、今日午前中にもこの委員会で話題になりましたが、簡単に言えば、廃棄物の量掛ける撤去処分費用だと。廃棄物の量というのは面積とそれから深さと混入率で算出をされたわけです。
 二〇一〇年に航空局が調査をした際に、廃棄物がある面積は全体の六割、五千百九十平米だと。混入率は四七・一%だと把握をされていたと。ただし、当時は三メートルまでしか調査をされていません。で、二〇一六年三月に森友側から、より深い部分に新たなごみが見付かったと報告を受けて、財務局の依頼により航空局が撤去費用を見積もることになったと。この算定の際に、廃棄物が埋まっている面積やあるいは混入率、これは二〇一〇年の調査結果をそのまま用いたということで正しいかどうか。
 また併せて、くい打ちを行う九・九メートルの深さ、あるいは三・八メートルの建物部分の深さ、この部分で新たにごみが見付かったということについては、関係者からのヒアリング、あるいは廃棄物を含む残土があるのを確認して、それで見積りに反映させたんだと、こういうことでよろしいかどうか、併せて答弁をお願いします。
#116
○政府参考人(佐藤善信君) それでは、地下埋設物の除去処分費用の見積りに当たってどのような考え方で行ったかということについて御説明を差し上げたいと存じます。
 まず面積でございますけれども、この地下埋設物が存在すると想定する範囲、五千百九十平米と設定してございますけれども、これは、今委員御指摘の地下構造物状況調査等によりまして、廃材、廃プラスチック等のごみが確認された箇所であること、それから、九・九メートルまでの深さのくい掘削工事の工事写真により、掘削を終えた掘削機の先端部に絡み付くほどの廃材、廃プラスチック等のごみが発生しているということや、全長十メートルのドリルで掘進している最中に廃材等のごみを含む土が発生している様子などが確認されていること、それから、新たに地下埋設物が発見されたことを受けまして、工事関係者が試掘を行って、三・八メートルの深さから廃材、廃プラスチック等のごみが発見され、これを四月五日に現場確認を行い、試掘場所周辺に廃材等と混じった砂が積み上げられていることを確認したこと、こういったことを総合的に勘案をいたしまして、面積につきましては五千百九十平米、本件土地の総面積の六〇%程度を見積りの対象範囲とまず設定をしてございます。
 それから、次に埋設物の混入率四七・一%でございますけれども、これにつきましては、やはり委員御指摘の、平成二十二年、大阪航空局が実施をいたしました地下構造物状況調査におきまして、おおむね三メートルの範囲を対象に地下レーダー探査及び試掘を行ったところ、廃材、廃プラスチック等のごみの混入率が四七・一%であったことを踏まえて見積もっております。
 本件土地においては、平成二十八年三月十四日に現地で確認をいたしました九・九メートルのくい掘削工事から出てきたごみと平成二十八年四月五日に現地で確認をいたしました工事関係者による試掘で三・八メートルの深さから出てきたごみは、いずれも平成二十二年の調査にある廃材、廃プラスチック等のごみと同じ種類のものと確認をしております。したがって、地下埋設物の撤去処分費用の見積りに当たっては、くい掘削場所については九・九メートル、それ以外の場所については三・八メートルまでこの埋設物混入率四七・一%を使用してございます。
 それから、今ちょっと先に申し上げてしまいましたが、深さについてでございます。まず、くい掘削箇所についてでございます。平成二十八年三月十四日の現地確認におきまして……
#117
○山添拓君 もうお答えいただいているからいいです。
#118
○政府参考人(佐藤善信君) よろしゅうございますか。
 それから、あと残り三・八メートルにつきましても、先ほど申しましたが、事業者の試掘により確認を行ったということでございます。
#119
○山添拓君 少なくとも、航空局が二〇一〇年、平成二十二年に自ら行ったような調査を経ることはなく、廃棄物の量を一万九千五百トンだと算出したわけです。八億一千九百万円、これを算定する基礎となる重大な部分について、第三者による確認はおろか、自らも確認することなく数字を当てはめたんだと。ごみ処分の費用の見積りについては初めて航空局が行うことであるにもかかわらず、異例のことであるにもかかわらずこういうやり方をした、だから根拠がないんではないかと批判されているところです。
 こんなに急いで見積りを行うに至ったのはなぜなのか。この間の国会審議では、理財局は次のように説明をされています。三月に新たに廃棄物が発見されたが、当時、国は森友学園に土地を貸している立場だったと。国が撤去する必要がある、学園の開設が遅れると損害賠償を請求される、だから国において廃棄物の撤去費用を見積もり時価から控除することにしたんだと。これは間違いないでしょうか。
#120
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 平成二十八年三月の時点でございますけれども、それに先立ちまして、平成二十七年五月に近畿財務局と学校法人森友学園との間で有償貸付契約を締結しております。
#121
○山添拓君 済みません。そういう答弁をされているかどうかということの確認ですから、そこだけお答えください。
#122
○委員長(増子輝彦君) 委員長の許可を得てから御発言をください。
#123
○政府参考人(中尾睦君) 当時、契約相手方である森友学園は、学校開設が迫る中、工事建設を進め、生徒の募集をしようとしておりましたが、仮に国による地下埋設物の撤去に時間が掛かり、これが原因で開校が遅れる、あるいは開校できないような事態ともなれば、国は契約の相手方である森友学園から損害賠償の訴訟を起こされるおそれがあったと考えております。
 したがって、国において地下埋設物の撤去費用を見積もり、土地の売買価格に反映させることで時価による売却を行いました。
#124
○山添拓君 財務局が廃棄物を確認したのが三月十四日だと。それ以降、損害賠償の請求を考えていると森友側から指摘を受けたことはありましたか。
#125
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 三月十一日にくい打ち工事で新たな地下埋設物が見付かり、三月十四日に近畿財務局と大阪航空局において埋設物の状況を確認しております。その後、近畿財務局は、新たに発見された地下埋設物への対応につきまして、森友学園側との打合せを通じ、損害賠償請求の可能性を認識し、検討をいたしておりました。
#126
○山添拓君 そこははっきりしません。森友は損害賠償請求するぞと言ったんですか。もう一度お答えください。
#127
○政府参考人(中尾睦君) 繰り返しでございますけれども、近畿財務局の認識として、損害賠償請求の可能性がある、これを森友学園側との打合せを通じて認識しておったところでございます。
#128
○山添拓君 つまり、森友側からは具体的に指摘がないのに、先回りをして勝手に、訴訟になったらどうしようかと不安がっていたということなんです。
 損害賠償を請求されるおそれがあったとおっしゃるんですけど、近畿財務局はそれでどこか相談されたんですか。
#129
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 近畿財務局には、管財部に訴訟対応部門があるほか、財務局の業務に関する法律相談を専門的に受け付けている部門もあり、いずれの部門も法曹資格者を有しておるところでございます。このような体制の中で、地下埋設物への対応につきまして、訴訟リスクの可能性も認識し、検討を行っておりました。
#130
○山添拓君 過去に類似した事案があるのかどうか、どういう請求がされ得るのかどうか、その請求は妥当なのかどうか、どう対応すべきなのか、そういう法的見解について依頼をして、照会を掛けて、回答を受けたと、こういうことですか。
#131
○政府参考人(中尾睦君) 財務局部内の検討について詳細な記録が残っておるわけでもございませんけれども、損害賠償の内容につきまして一概に申し上げることは困難でございますが、工事の遅れに伴う追加費用など直接的なもののほか、開校の遅れによる様々な被害や、生徒、父兄への対応などが考えられるところでございます。
#132
○山添拓君 今、工事の遅れによる開校の遅れ、こういうことをおっしゃいました。国による埋設物の撤去が遅れると開校が遅れる、こういうことをこの間、予算委員会でも答弁をされているかと思います。
 そもそもこのごみは撤去しなければ学校は建てられないと考えていたということなんでしょうか。くい打ちの過程でごみが見付かったんだと。くい打ちの箇所のごみはくいを打てば外へ出ちゃうわけです。校舎や体育館を建設する上で何か問題があるんでしょうか。そのことを確認されましたか。
#133
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 国は、平成二十七年に締結した有償貸付契約の下で本件土地の貸主として使用収益に適した用地を提供する義務を負っておりまして、何かしらの方法で地下埋設物に対応しなければならない立場でございます。学校建設用地ということも前提としながら検討を進めさせていただきまして、先ほど来申し上げた対応を行っておるところでございます。
#134
○山添拓君 お答えになっていないです。校舎や体育館の建設に、深いところのもの、新たに見付かったと言われた、ごみが影響があったのかどうか、これを聞いているんです。どう確認されたのか。
#135
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 学校建設に支障があるという認識の下で、先ほど申しておりますとおり、貸主としての何らかの対応をする義務を負っておったということでございます。
#136
○山添拓君 学校建設に支障があるということなんですけれども、少なくともくいを打つ九・九メートルの深さの分、これはくいを打てば当然その中身は外へ出てくるわけです。ですから、元々入っているものにごみが混在していようが、抜いてしまうわけですから問題ないはずです。それから、少なくとも深さ三メートルまでの部分ですね、これは二〇一〇年の調査の段階でごみが入っていることは判明していた、借地契約上も明記されています。森友側ももちろん把握をしている。撤去する必要があるんだったらとっくの昔に撤去しているはずなんです。現に、コンクリート殻などは一億三千百万を掛けて既に工事をして取り除いている。そのとき、ほかのごみはそのままにしておいたんです。
 このほかのごみをそのままにしておいたことについて財務局が埋め戻しを指示したのかどうか問題になっていますけれども、それがどちらであるかはともかく、そのままでも工事の支障にはならない、こういう前提だったんじゃないでしょうか。森友側もまたそういう前提だったんじゃありませんか。
#137
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 新たに見付かりました埋設物についてでございますけれども、まず、森友学園側からは、学校工事を急ぐ中で何とかしてほしいという、そういうお声でございます。
 それから、コンクリートくいを打ちまして、木材なんかが、古いものが混じって腐ってしまうと支障があるといったようなこともあったのではないかというふうに承知をいたしております。
#138
○山添拓君 何とかしてほしいって何ですか。具体的にそのごみを撤去しなければ工事ができないと言われたのかどうか、明確にお答えください。
#139
○政府参考人(中尾睦君) お答え申し上げます。
 国として適切な対応をしてほしいということを森友学園側から要請を受けておったところでございます。
#140
○山添拓君 結局、具体的にこのごみを撤去しなければ校舎は建てられないんだ、体育館は建たないんだ、こういう話ではないということではないかと思います。
 それから、くいを打つ部分についてもごみがあったら困るんだとおっしゃいましたけど、何度も言いますが、くいを打つからにはその部分については外へ出してしまうわけですから問題はないはずだと。大体、この間、大阪航空局において見積りをしたごみを撤去する必要があると言っている部分についても、九・九メートルまで全域について撤去するというわけじゃありませんね。くいを打つその穴の部分だけ撤去すると言っているんですよ。だけど、穴の部分はくいを打てば当然外へ出てくるわけです。ですから、今の御説明では、このごみを撤去しなければ建物は建たない、学校開設ができない、この理由には全くならないと思います。そもそも、この時点では、既に学校建設の、学校の開校は一年先延ばしにされていました。開校が遅れるような問題はなかったんじゃありませんか。
#141
○政府参考人(中尾睦君) まず、今委員御指摘の、当初の開校予定が一年遅れました原因につきましては、当時、北側の阪神高速道路から多量の土砂が流入したでございますとか、そういった事情によって一年延期といった経緯はございました。それから、繰り返しでございますけれども、仮に国による埋設物の撤去に時間が掛かって、これが原因で学校が遅れるような事態となりました場合には、先ほど申し上げたような法律上の責めを負うというリスクがあったわけでございます。
 こうした中、当時の貸付契約には、貸付期間中いつでも学園側が買受けできるということになっておりましたことも踏まえて、それからあと、これ以外の瑕疵につきまして国が将来の一切のリスクを断ち切るということを前提に、瑕疵担保免責条項を設けることで時価で売却することといたしたものでございます。
#142
○山添拓君 そんな話は特に聞いているところではありません。
 森友学園が国に損害賠償を請求するその理由は、今の御説明では、国が廃棄物を撤去するのに時間が掛かる、それによって開校が遅れる、こういうことだと思いますが、国が埋設物を撤去するのに時間が掛かるなんてことは、そんなことは具体的に検討したんですか。どれぐらいここからやったら掛かるなということを検討されたんですか。
#143
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 仮に国が直接撤去工事を行おうとする場合には、入札手続を経る必要があると考えております。入札手続につきましては、仕様書等ができておりましても、最短でも一か月、通常の場合は三、四か月ほど掛かるということも含めて検討いたしたところでございます。
#144
○山添拓君 いや、現にこの校舎の基礎工事は四月に入ってから始まっていますから、十分時間はあったんですよ。それぐらいの時間は十分確保することができたし、校舎は建設を始めて、完成したのは昨年の八月ですから、三か月以上掛かっているわけです。それぐらいの時間は元々掛かるものだったと。何もここで慌てて急いでやる必要はなかったと。訴訟のリスクなど実際にはまともに検討したことはないというのが事実ではないかと思います。損害賠償請求のおそれを考慮して見積りを急いだなどという答弁は撤回すべきだと。見積りを急ぐ理由にはならないではないかと思います。
 改めて答弁をお願いします。
#145
○政府参考人(中尾睦君) お答えいたします。
 国は、本件土地の貸主として使用収益に適した用地を提供する義務を負っており、何かしらの方法で地下埋設物に対応しなければならない立場でございます。
 それから、平成二十八年三月当時、開校をおよそ一年後に控えて、既に設計を終わらせて工程が進められておるところでございます。そういう森友学園側の進めようとしている工事に新たな地下埋設物に対応する国の工事を別途切り分けて行うという場合には、予定している学校の建設工事と地下埋設物工事、様々な調整も必要になってまいりますし、先ほど申し上げましたとおり、国の地下埋設物撤去作業自体も入札等によって相当時間が掛かるということで、開校が遅れるというリスクを想定しておったところでございます。
#146
○山添拓君 全体として森友の側に極めて有利になるように優遇をしてきた、こういうことではないかと思います。
 元々売買予約付きの賃貸借契約を結んできました。売却することが前提だとすれば、ごみの撤去は国の側でやるのが原則になるはずです。ところが、この賃貸借契約に当たっては森友側の求めに応じて賃料を下げてきて、そして、航空局としては前例のないごみの処分費の見積りを行い、その見積りでは森友側の言いなりでごみの量を決めると。大幅な減額をした上で実際にごみの撤去をするかどうかも分からない相手に丸投げをする、言わば国の責任を回避するために異例の待遇で便宜を図ったものだと。
 ですから、国民の多くが疑念と、それから怒りを持つのは当然のことだと思います。籠池氏の参考人招致を含めて、引き続きこの問題は徹底して追及したいと思います。
 時間が余りありませんので、予定していましたもう一つの話題に行かせていただきます。
 今年、国鉄分割・民営化から三十年を迎えます。この間、JR北海道問題などを背景に国会でも議論がされてきました。分割・民営化の在り方自体に関する質問もされており、麻生財務大臣は、商売の分からない人が考えたものだ、びほう策を取っても完全に黒字にはならないだろう、あるいはJR北海道をどうするという話は根本的なところを触らずしてやるのは無理だろう、こういうことも述べています。
 こうした財務大臣の発言も踏まえて、石井大臣は分割・民営化の在り方そのものについてどのようにお考えか、答弁をお願いします。
#147
○国務大臣(石井啓一君) 御質問にお答えする前に、先ほど委員から、ごみ処理費用を初めて大阪航空局として見積もったという趣旨の御発言がございましたが、大阪航空局といたしましては、近畿財務局から依頼をされて地下埋設物の処分の費用を見積もったのは初めてでございますが、大阪航空局が自ら発注した工事においては、地下埋設物の処分を含む工事の発注件数は多数あるということでございます。正確に私の方から補足をさせていただきたいと思っております。
 今のお尋ねでございますが、国鉄の分割・民営化によりまして効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体としてサービスの信頼性や快適性が格段に向上いたしました。国民の皆様からもおおむね国鉄の分割・民営化に対しては高い評価がいただいているというふうに理解をしてございます。経営面におきましても、JR本州三社に続きましてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。
 一方、JR北海道は、地域における人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達によりまして、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれておりますが、様々な経営努力を重ねるとともに、国といたしましても、これまで、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付けなどの支援を行っているところでございます。
 引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえまして、完全民営化に向けた取組を進めるとともに、JR各社による鉄道サービスが各地域において求められる役割を果たしていくことができるよう努めてまいりたいと考えております。
#148
○山添拓君 いまだにJR北海道の完全民営化を目指してやっていくんだという発言。今、JR北海道の問題を考える際に分割・民営化に遡って検証が必要だということは、麻生大臣はもちろんですが、多くの方に共有される考え方です。大臣もその姿勢に少なくとも立つべきだと私は思います。
 JR北海道がそういう国の姿勢の下で黒字化、民営化のために何を行ってきたのか。お手元に資料の三というのがありますけれども、この間、JR北海道は、経営安定基金の運用益が下がってくる、赤字は続く、しかし黒字化を迫られる、こういう中で、人件費を減らし、あるいは設備投資費を減らす、老朽化した施設についてもその更新を後回しにしてきた。こういう中で、二〇一一年の石勝線の事故以降、安全に重大な影響を及ぼすような事故やトラブルが相次ぐという事態に陥っています。赤字の会社を基金の運用益で救済するというスキームが崩れてなおも黒字化、民営化を迫ってきた、この分割・民営化とその後の国の無策自体が問題の根本にあると考えます。
 JR北海道、この間、安全が維持できない経営状況のために、単独では路線を維持できないのだと、約半分の路線を鉄道では続けられないと白旗を上げるに至っています。国は、地域との協議を見守るんだと、沿線自治体の負担についても今後の議論で検討される、こう言っていますが、JRが現に行っている対応は、廃止とバス転換の押し付けです。地域の声を聞く意思すら疑わしい状況となっています。
 日高本線、私も昨年の暮れに訪れましたけれども、地域の自治体協議会では復旧を目指すと一致しているにもかかわらず、JRが一方的に沿線自治体に対して復旧断念と伝えてきたと。しかし、バス転換ではなく鉄道での復旧が必要だという住民の声があります。
 この終点の様似から苫小牧まで行こうと思えば、今、朝六時前の代行バス、そして列車を乗り継いで、苫小牧に着くのは十二時になるんだと。かつてのダイヤでは九時過ぎには到着していた、病院の午前の受付に間に合わない状況だと。子供が函館や札幌に住んでいるが、六十代、七十代になって長距離の車の運転はできないんだ。こういう声が聞かれています。
#149
○委員長(増子輝彦君) 時間が過ぎておりますのでおまとめください、御発言を。
#150
○山添拓君 はい。
 沿線の皆さんの鉄道を必要とする具体的な声を大臣も聞くべきではないでしょうか。自治体に対して財政的な負担を求めて、応じられなければ切り捨てる、こういうやり方を国は認めるんでしょうか。認めるべきではないと思いますが、大臣の答弁をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#151
○委員長(増子輝彦君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えを願います。
#152
○国務大臣(石井啓一君) JR北海道は、路線によっては大変厳しい状況に置かれてございまして、今後、地域の意見を謙虚に聞きながら持続可能な交通体系の構築に取り組んでいく方針というふうに聞いておりまして、私どももその地域との協議に国としても参画をし、国としてどういったことができるか検討していきたいと思っております。
#153
○山添拓君 終わります。
#154
○室井邦彦君 維新の会の室井でございます。
 先日、質問をさせていただく前にお願いをしておきたいんですが、長野県の山中で消防防災ヘリコプターが墜落をいたしまして、いや、見ていると、三十代、四十代の方々、勇気を持って消防防災に配属され、また意思を持ってそういうところに希望して職を求めたという、記事を読んでおりましても目頭が熱くなるようなことであります。この九人の方々の、心から哀悼の意を表したいと思っております。
 そこで、この同型のヘリがこの国内に、ベル社ですか、412、二十機ほど、県も保有しているようでありますけれども、形が非常に古いような機種だと聞いております。それぞれ、機体に欠陥があったのか、また操縦ミスだったのか、今、運輸安全委員会が検査をしているところでありますけれども、ひとつしっかりと検査をしていただき、原因を究明していただいて、このような悲惨な事故が二度と起きないように、ひとつよろしく御指導というか、運輸安全委員会の関係者の皆さん方に大臣から一言よろしく御指導していただきたい、このようにお願いをしておきます。
 早速質問ですが、この大臣所信を読ませていただき、また大臣も自分の、国土交通省のこれからの計画を述べられました。非常に多岐にわたって範囲の広いこの国土交通省でありますけれども、ざっとかいつまんで過去を振り返ってみますと、平成二十六年のタカタ製のエアバッグ、大きな社会問題になり、リコールがありました。そしてまた、平成二十七年三月には東洋ゴム工業による免震ゴム、これの不正事案がございました。また、平成二十七年の十月には横浜市の分譲マンションにおける基礎ぐい、これの不正、こういうものも、施工データの流用問題も発覚をいたしました。また、法令遵守、また監査の実効性に起因する軽井沢のバスの事故、さらには、平成二十八年の四月には三菱自動車が燃費をより良く見せるための不正事案など、いろいろと取り上げると多くこういう不正事案がございました。
 いよいよこれから事案の原因が究明ができ、再発防止が図られようと、実行段階に今移ってきたわけであります。
 さらにまた、日本の国は自然災害大国ということで、熊本の地震また復旧復興、年々激甚化するこの自然災害の対応、大臣、非常に御苦労、大変な国土交通大臣の任務でありますが、国土交通大臣、国土交通省は、やはり最終的なお話としては現場力なんだと、これ一言に尽きるんだというような言葉はよく聞いておりますし、私も政務官の経験をさせていただいて、まさにそういうことだなというふうに感じております。
 そこで、この度の百九十三回の通常国会においても九本というまた新たな法案も出されて、ますます大変な状況で、我々委員も、そして国民も全ても、国民が安心、安全に暮らすことのできるこの国土交通行政を、いかに大臣、これからどういうふうに指揮して指導していくのか、また、大臣の個人の気構え、覚悟のほどをまずお聞きをさせてください。
#155
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省は、委員に御指摘いただいたとおり、約六万人弱の職員のうち約九割が地方整備局や地方運輸局など地域の現場で働いておりまして、国民生活に密着した組織でございます。
 昨年も、熊本地震や北海道、東北の台風被害、糸魚川市での大規模火災などの災害に際しましては、地方支分部局等が地方公共団体と連携をしながら迅速に対応をしてまいりました。また、海上保安庁や気象庁におきましては、日夜領海の警備や気象の観測、予測に取り組んでいるところでございます。
 このように、国土交通行政の推進は、現場の機関の活躍により支えられていると認識をしてございます。私も事あるごとに現場に足を運びまして、自らの目で状況を確認し、また職員になるべく声を掛けるよう心掛けておりますが、こういったことにより現場の職員の士気を高め、職員が誇りを持って職務に当たるようにすることが重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、国土交通行政の強みである現場力を今後とも最大限に生かせるよう努めてまいりたいと存じます。
#156
○室井邦彦君 ありがとうございます。ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ところで、先ほど、新妻秀規先生の御質問と多少重なるわけでありますけれども、答弁される方が藤田さんじゃなくて副大臣がさせていただけるということなので、ですから、また副大臣からのコメントも違ってくるかと思いますので、このインフラメンテナンス国民会議についての質問でありますが、六つほど私、これに対して質問を用意しております。詳細に質問をしていきたいと思っております。これ、非常にいい発想といいますか、すばらしい、去年の十一月にこれが、会議が位置付けられたというかスタートしたということでありますので、私自身もまだまだ理解のできていない、分からないところもありますので、その点はお許しいただいて、丁寧に御質問にお答えいただければ有り難く思う次第であります。
 まずは、このインフラメンテナンス国民会議の設立の背景、またその位置付けについて御質問いたしますが、インフラの老朽化に急速に進む中、こういう会議が設立されたわけでありますけれども、この設立の背景とその会議のまず位置付けについて御説明をしていただけませんか。
#157
○副大臣(末松信介君) 新妻先生にお答えした内容とは異なりませんので、お答えさせていただきます。
 インフラは、豊かな国民生活、社会経済を支える基盤であり、今後急速にインフラ老朽化が進む中で、そのメンテナンスを効率的、効果的に行うことが喫緊の課題でございます。
 このため、国土交通省におきましては、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付けまして、インフラ長寿命化計画の策定など様々な取組を行ってきたところであります。
 その一環として、平成二十七年二月には、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会におきまして、社会資本のメンテナンス情報に関わる三つのミッションとその推進方策に関する提言が取りまとめられたところであります。その中で、インフラメンテナンスは国民一人一人にとりまして重要であり、産学官民が力を結集して一丸となって取り組むための場としてインフラメンテナンス国民会議を設置することが提案をされました。その後、インフラメンテナンス国民会議の設立につきましては、日本再興戦略、そして政務官勉強会提言にも位置付けられ、昨年十一月の設立に至ったところであります。
 今後、インフラメンテナンス国民会議の活動を通じまして新技術の開発や社会実装を後押しするなど、メンテナンスの産業の育成、活性化を図りながら、産学官民が一丸となって技術や知恵を総動員いたしましてインフラメンテナンスに取り組んでまいりたいと思います。
#158
○室井邦彦君 全く一緒の御説明ありがとうございます。もうこの質問はやめておこうかと思ったんだけれども。
 それでは、このインフラメンテナンス国民会議の、今多少触れておられましたけれども、組織体制、これは産学官民の技術、知恵を総動員する一つのプラットフォームとしての役割が大いに期待をされておるわけでありますが、どのような組織体制といいますか、今後の活動内容をどのような組織体制でいかれるのか、御説明をお願いします。
#159
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 インフラメンテナンス国民会議の組織体制でございますけれども、会長、副会長の下に、まず活動の重要事項を審議する実行委員会、それから具体的な活動内容を議論する企画部会と広報戦略を議論する広報部会が設置されております。
 具体的な活動の場といたしましては、テーマごとに設置する公認フォーラムが中心となっておりまして、これに産学官民の会員が自主的に参加するという形を取っております。現在設置しております公認フォーラム、名称を申し上げますと、革新的技術フォーラム、自治体支援フォーラム、技術者育成フォーラム、市民参画フォーラム、海外市場展開フォーラム、それに加えまして、地方フォーラムといたしまして近畿本部フォーラムと、こういったフォーラムが設けられております。
 今後、この近畿本部フォーラムのような地方フォーラムを各地域に設置することを予定してございます。
#160
○室井邦彦君 このインフラメンテナンス国民会議の会員でありますが、意欲的な企業また個人であればこのインフラメンテナンス国民会議の会員になれるのか、可能なのか、そしてまた、会員になるための条件やその審査内容、こういうものが存在しているのか、あるのかどうか、その辺をちょっと教えてください。
#161
○政府参考人(藤田耕三君) この国民会議の会員でございますけれども、四つの区分がございます。民間企業等の企業会員、それから地方自治体等の行政機関の行政会員、それから一般社団法人、NPO等の団体である団体会員、それから個人で参画する個人会員、この四つの区分でございますが、いずれも十分な意欲を持って活動に参画をしていただける方であれば、特段の条件は設けておりませんので、どなたでも参画をいただくことは可能でございます。
 なお、昨年十一月の設立時の会員数百九十九者でございましたけれども、本年三月七日時点では設立時の二倍以上の四百六十九者となっておりまして、着実に会員数は増加してございます。
#162
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 これを準備するのに約十一回の試行錯誤、またいろんな会合を重ねてきたというふうに聞いております。そういう中で、これから効果というか、実践的に、まだ設立されて大して日にち、時間掛かっておりませんから、どういう成果を上げられているのか、上げつつあるのか、できればその点もお聞きをしておきたいわけでありますが、特に一番大きな問題として、地方自治体がインフラ老朽化対策を推進していく上でこれが一番大きな肝であると思いますが、各自治体は、財政上、あらゆるいろんな弊害、問題ございまして、技術系の職員の不足が大きな課題になっている中で、このインフラメンテナンス国民会議における自治体支援の仕方並びに技術者養成を実際どのように行っていくのか、是非御説明をしてください。
#163
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 まず、自治体支援でございますけれども、今御指摘ありましたとおり、地方自治体、特に小規模な市町村におきましては、体制面、財政面、様々なインフラメンテナンスを実施する上での課題を抱えております。
 国土交通省では、従来から、例えば研修等の人的支援、あるいは防災・安全交付金等の財政支援、こういった支援を地方公共団体に対して行っております。
 この自治体支援フォーラム、国民会議のフォーラムにおきましては、これに加え、これを前提としまして、自治体相互の情報交換あるいは民間企業のノウハウやアイデアの活用による課題解決、こういったことを目指してまいりたいと考えております。具体的には、例えば包括的民間委託等の試行事例のベストプラクティスを水平展開する、あるいは民間企業のノウハウやアイデアについて官民で情報交換や議論を行う、こういったことを行う場としてこの自治体支援フォーラムを活用していきたいと思っております。
 それから、技術者育成に関しましても、例えば実際にその点検に携わる技術者につきましてはこれまでも様々な機関の研修プログラムなどによって人材育成の取組が進められております。今後、特に求められますのは、各自治体の課題解決に向けて様々な技術や制度等を適切にコーディネートして実践できるような人材ではないかということが考えられますので、この国民会議の技術者育成フォーラムにおきましてはこうした人材の育成に取り組んでいくこととしております。
#164
○室井邦彦君 このインフラメンテナンス国民会議、これは幾らか予算は確保されておられるんですか。
#165
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 これは、この会議の運営経費でございますけれども、一千四百万円ほど計上してございます。(発言する者あり)一千四百万円でございます。
#166
○室井邦彦君 私もこれ全てが網羅して理解をしているわけじゃないですが、インフラというこれからの問題については非常に、情報を集める、そして自治体がまだまだ非常に力がない、そういうところで、国民が安心、安全に暮らせる、橋梁にしても事故が起きてから検査をするというかそういう建て替えを行うということでは非常に、行政として指導力がない、こういうふうな結果にならないように、千四百万程度の予算だと、大臣、もう少し予算を確保されて、何億、何百億という予算じゃないので、しっかりと、この辺は非常に大切なところだと私は思っております。またよろしく、力を入れていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。(発言する者あり)えっ、またあなたやな。
 それでは、続いて、国……(発言する者あり)ちょっと黙っておいてくれる。国、地方合わせて、この維持管理・更新費、二十五年度は約三・六兆円、十年後には約四・三から五・一兆円、また二十年後になると、これ四・六兆円から五・五兆円という膨大な費用が掛かると、こういう計算がされているわけでありますが、この計画的なインフラメンテナンスのためには、費用の標準化そして縮減や作業の省人化ですか、効率化も不可欠である、こういうことが言えるわけでありますが、このインフラメンテナンス国民会議における生産性の向上に資する革新的技術開発、これをどう支援していくのか。私も知識不足で申し訳ありませんが、この支援の方法、革新的技術開発をどう支援していくのか、具体的に教えてください。
#167
○政府参考人(藤田耕三君) お答え申し上げます。
 インフラメンテナンスを効率的、効果的に行うためには、建設技術はもちろんでありますけれども、情報通信技術、ビッグデータ解析、最先端の材料等の革新的な技術を発掘しまして、その技術の融合を進めるとともに、社会実装を進める必要があります。
 このため、インフラメンテナンス国民会議では、オープンイノベーションの手法を用いまして、施設管理者のニーズや技術的な課題を明らかにして、その解決の技術を持つ企業の参入、あるいは企業との連携等を図る革新的技術フォーラムを開催しております。このフォーラムでは、具体的には、施設管理者と民間企業の間での情報交換の促進、あるいは開発された技術の現場試行等を促す、こういったことによりまして技術開発の加速化を支援しているところでございます。
 具体的な例、一例申し上げますと、昨年末から革新的な河川管理ということをテーマにしたフォーラムを開いておりまして、この中で、例えば陸上・水中レーザードローン、これは、例えば水面下の状況も測量ができるレーザー測量システムを搭載したドローンでございますけれども、こういったもの、あるいは長期間メンテナンスが不要な危機管理型水位計、こういった新しい技術開発を実施しまして、早期の現場への実装を目指しているところでございます。
 今後、施設管理者の具体的なニーズや技術的な課題を踏まえまして、新しいテーマを取り上げ、革新的技術の発掘と融合、社会実装を進めてまいりたいと考えております。
#168
○室井邦彦君 局長、申し訳ないです。時間がないので一つ飛ばさせていただきます。
 それでは、大深度地下、これについて御質問をしたいと思います。
 日本の国は面積が非常に狭く、山、川、平野が非常に少ない、そういう面積が少ないということで、大都市の地下に目を向けながら、地下の開発というようなことで、この東京に乗り入れている地下鉄が十三本、十三線というのか、あります。
 そして、今日もちょっと少し資料、これはインターネットから引き出した資料でありますので、この飯田橋駅で四本の地下鉄が、地下鉄の下に地下鉄が走って、その下に地下鉄が走って、またその下に地下鉄が走っていると、これはもう最高の芸術品というか傑作というか、これは観光資源にしたら結構いけるんじゃないのかなという、そういう発想ができるぐらい、中国や他国からこの現状を見学に来れば、日本のこの技術、掘削技術は世界に冠たるものだと絶賛するんじゃないのかなと、このように私は思っているんですが。
 事災害になったときに、私も震災のことで、大洪水とか水災害とか、そういう発想をしたときにハザードマップとか地上のことばかり考えていたんだが、今度地下に、こういうところに浸水すると一体どういうことになるのかなという、非常に恐ろしいことも想像できますし、大臣が所信に、何だったかな、逃げ遅れ対策だったかな、そういう表現をされていましたよね。これ四層の地下に、その電車が満員になって今度逃げ遅れということを考えたときに、これ、どうして避難を誘導して、どうされるのかなと、そんなことが非常に私は気になっていて、国土交通省に幾つかお尋ねしたんだけれども、まだなかなか、すかっとした答えとか資料が出てこなかったのが残念であります。
 自分でインターネットでこういう資料を出してきたんですけれども、これからいっても、素人から考えても、この丸ノ内線は地下十七メートル、そしていろいろと、京葉線とか三十二メートル、地下、そして大江戸線が地下四十九メートルとか、南北線が地下四十三メートルに走っているとか、いろいろとあるわけでありますけれども、先生方には資料として配付させていただいたけれども、こんなものは当然御承知だと思いますが、これだけ、こういうところで一つ災害が起きたらどうなるのかなと。
 こういう観点から、もう時間もありませんので一点御質問しますけれども、この地下空間の利活用に関する安全技術の確立に関する小委員会が設立されたと聞いておりますが、この地下空間の利活用に関する安全技術の確立に関して、どのような論点でこれから検討を進めていこうとしておられるのか、お聞かせいただきたい。
#169
○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。
 国土交通省においては、博多駅前の道路陥没事故等を踏まえ、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会の下に学識者委員から成る地下空間の利活用に関する安全技術の確立に関する小委員会を設立し、二月六日に第一回を開催いたしました。
 小委員会では、官民が所有する地盤等に関する情報の共有化等によって地下工事の安全技術の確立、また、地下埋設物の正確な位置の把握と共有によるライフラインの埋設工事の安全対策、ライフライン等の管理者による老朽化の状況の把握と対策の実施等による地下空間における適切な維持管理への誘導、連携、地下空間の安全に係る技術開発等の論点について御議論いただいているところでございます。
 今後、小委員会において幅広く議論いただき、地下空間の利活用に関する安全技術の確立に向けて検討を行ってまいります。
#170
○室井邦彦君 終わります。
#171
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。
 先日の大臣所信を伺いまして、様々取り上げたいテーマがあったのですけれども、本日はまず森友学園の問題について質問をいたします。
 この間、様々な国会質疑、また連日のメディアの報道、また党としてもレクの場なども設置をしましていろいろとヒアリングを進めてきたんですけれども、この問題に関しては極めて不透明で不可解でありまして、聞けば聞くほど、どこに焦点を当てたらいいのか、問題点があり過ぎてなかなか頭が整理できない状況であるというのが正直なところであります。やはり関係者、当事者からの直接の話を聞きませんと、いつまでたってもこの国民の疑念というものは解消されないのではないかというふうに思っております。
 そして、特にこの参議院においては、参議院改革協議会というものがせんだって立ち上がりまして、その中でこの参議院改革協議会の経緯とまた実績を伺いましたところ、行政監視委員会というのがこの協議会の成果として設置をされたというふうに伺いました。まさに、こうした問題はこの行政監視委員会で取り上げるべきことではないかなと思いますし、またそういう声も多数聞いているところであります。
 今日は、ここは国土交通委員会ですので、国交省に関する何点かについて質問をさせていただきたいと思いますが、是非政府・与党挙げてこの問題に積極的に取り組んでいただきますことをまずお願いをいたします。
 それでは、まず質問の一つ目でありますけれども、国有地は国民の財産でありますので、その取扱いについては透明性と公正性が必要であることは言うまでもありません。まず、土地のこの売却に関しまして、ごみ撤去費用の算定についてお伺いをいたします。
 通常であれば複数の産廃業者に撤去費用を積算していただいて相みつを取るというふうに思いますけれども、なぜ今回、大阪航空局が航空局自身で算定されたのか、このことを誰が、どこが判断し決裁したのか、また、そのことについて国交省本省の方に事前に相談があったのかどうか、また算定した後に報告があったのか、この撤去費用八億円について本省はどのように知り得たのか、その辺りのことをまずお伺いをいたします。
#172
○大臣政務官(藤井比早之君) お答えいたします。
 大阪航空局におきましては、平成二十二年に同じ土地において地下構造物調査を行うなど本件土地に詳しい立場にあるとともに、公共事業の一般的、標準的な積算等に能力を有する専門の技術職職員を多数擁するなど十分な知見、経験を有することから、本件土地の地下埋設物の撤去処分費用の見積りを行いました。
 ちなみに、航空局長が撤去費について算定したことがないと述べた趣旨につきましては、近畿財務局の依頼により土地の売却に当たって産業廃棄物の撤去処分費用の積算を大阪航空局が行った実績はないという趣旨でありまして、廃棄物の撤去処分費用の見積りの経験がないという意味ではございません。
 大阪航空局は、土木、建築等に関する技術職の職員を擁する組織であり、空港土木、建築工事の発注において自ら工事積算基準等に基づき積算を行っております。大阪航空局において発注した空港土木、建築工事のうち、産業廃棄物の撤去処分を含むものは、平成二十七年度は四十八件全件、平成二十八年度は五十三件のうち四十九件となっており、ほとんどの工事契約において産業廃棄物の撤去処分を含んでおりまして、これらの積算に関する知見を十分に有しております。したがいまして、大阪航空局においては、本件土地の地下埋設物の撤去処分費用を大阪航空局単独で見積もることが可能であったというところでございます。
 そこで、本省との関係でございますけれども、国有財産法上、各省各庁の長は、その所管に属する国有財産に関する事務の一部を部局等の長に分掌させることができ、また、国土交通省所管国有財産取扱規則により、部局所属の国有財産に関する事務は大阪航空局長が全て担当しております。したがいまして、本件土地の地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては大阪航空局で実施しておりますが、撤去処分費用の見積りにつきましては、国土交通省本省への事前相談や算定した後の報告は必要とされておりません。
#173
○青木愛君 ありがとうございます。
 それでは、報告の必要はないとされているということなんですが、本省としてはこの事実についてはいつ頃、どのように知り得たのでしょうか。
#174
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 本件土地の地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては大阪航空局で実施をしておりますが、これについて国土交通省本省への事前相談や算定した後の報告は必要とされていないということでございます。
#175
○委員長(増子輝彦君) 局長、質問の中身と答弁違いますよ。しっかり聞いておいてください。
 どなた答えます。石井国土交通大臣。
#176
○国務大臣(石井啓一君) 私自身が知りましたのは、この森友学園の案件が浮上してからでございます。
#177
○青木愛君 ありがとうございます。
 報告の必要がないということ、またこの決裁についてのその範囲は地方の部局にあるということなんですが、これは国民の財産でありまして、九億円相当という多額のこの国有地の売却に関して、そのトップにあられる大臣が知り得ていないということは、やはりそのシステム上おかしいのではないかと率直に思うわけでございます。
 是非今後、この決裁範囲というものの見直しも含めて、やはりこういった事案が出てきますと検討せざるを得ないのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#178
○大臣政務官(藤井比早之君) この度の件につきましてはあくまでも見積りでございます。実際に予算等が必要となればまたこれは話は別かもしれませんけれども、見積りでございますので、先ほど申し上げましたとおり、国有財産法上、各省各庁の長は、その所管に属する国有財産に関する事務の一部を部局等の長に分掌させることができるとなっておりまして、国土交通省所管国有財産取扱規則により、部局所属の国有財産に関する事務は大阪航空局長が全て担当しておるというところでございまして、この見積りにつきましては、国土交通省本省への事前相談や算定した後の報告は必要とされておりません。
#179
○青木愛君 今までは必要とされていないということなんですが、これから、これほどまでのいろいろな問題が今テーマになっているわけですから、是非また今後の対応として、検討の一つとして私は加えなければなかなか納得を得られないのではないかというふうに考えております。
 もう一点お伺いさせていただきます。
 ちょっと今までの質疑を伺って、通告していなくて大変恐縮なんですけれども、一点お伺いしたい点がございます。
 この森友学園が取得しました土地、この土地は大阪航空局が買収した土地を区画整理事業を行ったものでございます。ですので、その同じ区域内にある土地、お隣の、豊中市が隣の土地を公園の用地として取得した経緯がありますけれども、この土地には廃棄物がなかったのかあったのか、その点をお聞かせください。
#180
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 隣の豊中市の土地も含めまして、平成二十二年に、私どもの方で売却を近畿財務局に依頼する前に、商品化調査と申しますけれども、その調査を行っておりまして、それによって土壌汚染、それから廃材、コンクリート殻等の地下埋設物があるという結果になってございます。
#181
○青木愛君 ごみは同様にあるということなんですが、それでは、そちらの方のごみについてはどのように処理をして、そして鑑定をして売却をしたのか、その辺の経緯を教えていただけませんでしょうか。
#182
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 当該土地につきましては、売却を、近畿財務局の方に土地の処分を依頼をいたしまして、近畿財務局におきまして売買契約が締結されておりますので、その内容につきましては私どもちょっと詳細を承知してございませんが、最終的には、豊中市がこの廃棄物層の調査を更に実施をしたところ、また基準値を超える鉛が検出をされまして、それに基づいて豊中市に措置費用、それを除去するための費用が発生をしたというふうに聞いてございます。
#183
○青木愛君 ありがとうございます。
 そちらは豊中市自身が措置費用を算定したということでありますが、その金額は分かりますでしょうか。済みません、恐縮です。
#184
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 誠に申し訳ありませんが、事前に通告をいただいておりませんし、基本的にこれは近畿財務局の所掌でございますので、今手元に数字がございません。申し訳ございません。
#185
○青木愛君 額は今手元にないということですので、後でまた資料の方をいただきたいと思いますが、額はともあれ、この廃棄物処理費用というものが生じたはずなんですけれども、この費用については森友学園と同じように支払がされたのでしょうか。
#186
○国務大臣(石井啓一君) ちょっと補足して申し上げますが、この当該土地は、元々伊丹空港の騒音対策といたしまして、法律に基づき、土地を持っていた方から買取りの請求に応じて大阪航空局が所有していた土地でございます。
 ただ、その後、航空機の騒音対策が済みまして当該土地が騒音対策区域から外れたということで、元々行政財産だったものが普通財産になったわけですね、普通財産になりました。普通財産の売却は、これは財務局、地方財務局が担当することになります。したがいまして、大阪航空局は、この当該土地の売却をするに当たっては、事前の調査をやりましたけれども、具体的な売却手続は近畿財務局に依頼をして、近畿財務局の方でその売却の手続は全て行うということでございますので、その売却の手続に関する件については、私ども詳細なデータはないということでございます。
#187
○青木愛君 大臣、御答弁いただいてありがとうございます。
 売却の手続は近畿財務局にあるということでありますが、そうしますと、ごみ費用を算定せよと言われたときに、やはり大阪航空局の方でそのときに考えるべきではなかったのかなというふうに、ここで大阪航空局のことを申し上げてもあれですけれども、そう思わざるを得ない。
 といいますのと、あと、今質問した点は、森友学園と同じように、何でしょう、廃棄物処理費用が払戻しがされたのかどうかという確認をしたかったんですけれども。額はともかくですね。
#188
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣から説明がありましたように、近畿財務局の方でやられたことでございますので、私ども詳細を承知しておりませんが、恐らく豊中市の方で行った除去の費用については国から支払がなされたと考えております、と思います。
#189
○青木愛君 ありがとうございます。
 支払がなされているという御答弁をいただきまして、またその辺の資料を後ほどいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 質問通告なくて大変恐縮でございました。ありがとうございます。
 この問題について、もう一点ございます。これも国交省が絡むことでありますので質問させていただきますが、木材を活用した小学校の建築ということで、その補助金の交付を決めたことについて伺わせていただきます。
 森友学園が国交省に申請した建築費が約二十一億円ということで、国交省はそのうちの補助対象事業を十五億円と計算をして、それに見合う補助金を六千百九十四万円と決めて、既にそのうちの五千六百四十五万円が支給されたということであります。他方、同じ日付で大阪府に提出をした書類については、建築費が七億五千六百万とあります。三倍の差があるわけで、誰が見ても不自然だということであります。
 これに対し、森友学園側の弁護士さんになるんですかね、実際に掛かった費用は大阪府に提出した七億五千万円だと言っているようでありますけれども、また防音対策効果の補助の申請には十五億五千万ほどの申請をしているということで、いずれにしても、どの数字が本当に正しいのかということが全く分からないということで、明らかにこれは不正の申請をしたということになろうかと思います。
 この質問も午前中ありましたけれども、仮定の話は控えたいという御答弁ありましたけれども、今後、この疑惑の解明を求めるとともに、いずれにしても国交省が過剰にこの助成金を交付している可能性が高いというふうに思うんですが、それがはっきりした場合、どのような手続を経て返還されるのか、またさらには、この小学校の建設許可が結局下りずにまた土地を更地にして返還するとなったときに、この建築物を取り壊さなければならない場合、既に助成した交付金の額、これは全額返還することになるのかどうなのか、その辺の見通しを教えていただきたいと思います。
#190
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 事実関係につきましては午前中の答弁でも御説明を申し上げましたが、かいつまんで申し上げますと、まず森友学園の案件、二十七年度の公募案件でございます。この応募時においては、事業費は、設計費が八千万、それから工事費は二十一億ということでございます。補助金の交付の際に前提となる工事費、これも確認をいたしております。これは詳細設計を経て締結をされた工事請負契約書の写しを提出していただいて確認をしておりますが、この金額は補助対象外の工事を除きまして約二十一億であることを確認をいたしております。
 その後、今委員からお話ございましたように、大阪府の教育庁に対して提出をされた建築費と違いがあるというような情報がございましたので、改めてこの申請代理人でございます建築設計事務所に確認をいたしましたところ、請負金額、請負契約額は既に国交省に提出した工事請負契約書の写しのとおりとの回答をいただきました。さらに、大臣からは事実関係を早急に調査をするようにと御指示をいただいておりますので、今後早急に調査をしてまいる所存でございます。
 それから、お尋ねの、工事費が少額であった場合、あるいは不認可といったような事態が生じた場合の取扱いでございますが、恐縮ですが、午前中申し上げましたように、現段階で仮定の議論についてお答えすることは差し控えたいと思います。ただ、一般論で申し上げますと、建設工事はあくまで現場がございますので、実際に工事に入って、いろいろ現場の状況等で当時予定していた設計内容が変更されるということによりまして補助の対象額が変わるということは間々生じる現象でございます。このうち、補助の対象額が減額となるような場合であって、実際の補助金を工事費を対象にその一定の補助率で支援を行うような場合、こういうような場合にはその支援と対象となる金額に応じて補助額も変わってくるということになるものでございます。
 補助金の適正化法におきましても、支払うべき補助金の額を超える補助金が既に交付されているというときは、期限を定めてその返還を命じなければならないという旨が規定をされております。またさらに、同様に補助金適化法におきましては、補助金の交付の目的に従って補助事業が行われないような場合につきましては、補助金の交付の決定を取り消して返還を求めることができることとされております。補助対象でございます建物が除却されるような場合には、これに該当することになるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今後早急に事実関係の調査を進めてまいりたいと考えております。
#191
○青木愛君 ありがとうございます。
 建築費は約二十一億、二十一億が正しいということなんでしょうか、今の御答弁は。先ほど、報道もいろいろあるものですから。
#192
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 先ほどお答えいたしましたように、二十一億として私どもは工事費を確認をいたしておりますけれども、いろいろございますので、さらに大臣から事実関係を調査せよという御指示もいただいておりますので、早急に事実関係の調査をしてまいりたいというふうに考えております。
#193
○青木愛君 いずれにしましても、この森友学園への土地売却の問題は、ごみ撤去費用の問題、木造、木質構造物への助成に関する申請額の問題、これらは国交省に関連する問題ですけれども、ほかにも疑念がたくさん残っております。
 園児に対して、安保法制、国会通過良かったですという選手宣誓をさせていたり、これは教育基本法に抵触するのではないかという疑いもございます。また、三年前には、安倍晋三記念小学校という名前で寄附金を募っていた事実もあり、首相が許可をしていないと発言をしているわけですから、これもまた詐欺に当たる可能性もございます。また、鴻池議員に面会をして、これでお願いしますと言いながら商品券なるものを渡そうとしたということは賄賂申込罪に該当するのではないか。既に様々指摘をされているところでございます。
 いずれにしましても、安倍昭恵夫人が名誉校長に就任したのが二〇一四年の十二月でありますが、それ以降、二〇一五年に入りまして森友学園のペースでとんとん拍子に進んでいるのは事実だと思います。しかしながら、この間、様々な国会質疑を見ましても、疑惑は解消されるどころか、説明の不透明さ、不可解さが深まるばかりで、また新たな問題も指摘されているところでございます。
 こういう状況を見て、石井国土交通大臣におかれまして、先ほど本省にはこの経緯の問合せはまずなかったということでありましたけれども、やはりトップに立つ大臣として、こうした問題が大臣のあずかり知らないところで、九億もの国有財産が勝手に取り扱われているということ、こういう不可解な状況に対しての御所見といいますか感想と、今後の疑惑解明への取組に対する御姿勢、決意を是非お聞かせいただきたいと思います。
#194
○国務大臣(石井啓一君) 今回の森友学園に関する問題といいますか、課題につきましては、論点が多岐にわたるものですから非常に分かりにくい面もあろうかと思います。私ども、これまで丁寧に説明をしてきたところでございますが、引き続き国民の皆様に御理解いただけるように丁寧な説明に努めてまいりたいと存じます。
#195
○青木愛君 質問を終わります。ありがとうございました。
#196
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いします。
 私は、まず初めに駅ホームからの転落事故防止について伺いたいと思います。
 一月十四日に、埼玉県内のJR蕨駅におきまして、視覚障害の方がホームから転落して命を落としてしまうという大変に悲しい事故が起きてしまいました。蕨駅は田中良生副大臣の御地元でもありますけれども、私も今朝、蕨駅からこちら永田町、国会に参りましたけれども、この事故が起きたことに対して大臣がどのように受け止めていらっしゃるのか、そしてまた国土交通省としての対応についてまずお聞かせいただけますでしょうか。
#197
○国務大臣(石井啓一君) 駅ホームにおける転落事故防止は、視覚障害者の方を始め全ての旅客にとりまして大変重要な課題であると認識をしております。
 本年一月の十四日、JR東日本京浜東北線の蕨駅におきまして、視覚障害者の方が転落して亡くなる事故が発生したことに関しましては、私といたしまして重く受け止めているところでございます。
 国土交通省におきましては、昨年八月の東京メトロ銀座線青山一丁目駅における視覚障害者の方の転落死亡事故を受けまして、駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置をし、昨年末にハード、ソフト両面にわたる対策を取りまとめたところでございます。
 まず、ハード面といたしましては、ホームドアについては、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅のうち、車両の扉位置が一定などによりホームドア整備が可能な駅については原則として平成三十二年度までに整備を行うとともに、車両の扉位置がそろっていないなど整備条件を満たしていない駅についても、扉位置のふぞろいに対応可能な新型ホームドアの導入等の方策を検討することとしております。
 また、利用者十万人未満の駅につきましても、駅の状況等を勘案した上で、必要と認められる場合には整備することとしておりまして、これらの取組によりホームドアの整備の加速化を図ることとしております。
 車両の扉位置のふぞろいに対応可能な新型ホームドアにつきましては、引き続き技術開発を推進するとともに、国土交通省と鉄道事業者等によります新型ホームドアに関する技術ワーキンググループを設置をいたしまして、新型ホームドアの普及促進に向けた取組を進めているところでございます。
 ソフト面におきましては、申出があった視覚障害者の方に対する駅員による誘導案内や、転落の危険時に視覚障害者が明確に気付く声かけの実施など、駅員による対応の強化を図ることとしております。また、旅客による声かけや誘導案内の促進、いわゆる歩きスマホ等の迷惑行為を行わないようにするための啓発活動を行っていくこととしております。これらにつきましては、今般の蕨駅におけます転落死亡事故を踏まえまして、国土交通省から各鉄道事業者に対し、改めて現場への周知徹底を要請をしたところでございます。
 こうした転落防止対策の実効性を確保するために、国土交通省におきまして検討会を活用した進捗管理を行い、鉄道事業者の積極的な取組を促すこととしておりまして、引き続き駅ホームの安全性確保に向けて最大限の取組を進めてまいりたいと存じます。
#198
○行田邦子君 いつまでにという目標もしっかりと示していただいたわけでありますけれども、利用者が一日十万人以上の駅であるけれども、これはホームドアの設置を急がなければいけないんですが、ただ、整備状況を満たしていない駅については新しいタイプのホームドアの設置を検討することになろうかと思います。
 その中で、昇降ロープ式、これは一部関西の駅で既に設置されていると聞いておりますけれども、この昇降ロープ式のホームドアにつきまして、視覚障害の団体の皆さんから不安の声、例えばドアの位置が分からないとか、それからスライドではなくて上から下りてくるので恐怖感があるとか、あるいは白杖でたたくとセンサーが感知して音が、かなり警報が鳴るというような不安のお声が聞こえてきております。こうしたお声に対しましてどのような対策を取る予定でしょうか。
#199
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
 ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことが重要であるというふうに認識をいたしております。
 今御指摘いただきましたとおり、昇降ロープ式のホームドアに対しましては、駅ホームにおける安全性向上のための検討会における視覚障害者団体などからのヒアリングにおいて御指摘のような不安の声や改善に関する意見が出ていることは承知をいたしておりますけれども、他方、同時に、従来型のホームドアが設置できないホームにおける安全性の確保や設置コストの低廉化により整備の加速化が図られるなどの理由で、新しいタイプのホームドアの導入に期待する意見も寄せられております。
 こうした状況を踏まえまして、昨年末に取りまとめました駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間とりまとめにおきましては、利用者への配慮を踏まえながら新型ホームドアの普及を促進するとさせていただいたところでございます。
 加えまして、国土交通省が昨年十二月に作成をいたしました新型ホームドア導入検討の手引きにおきましても、視覚障害者等を含む全ての利用者が安全で安心して利用できるよう、その意向に十分配慮しながら必要な検討を行うことが重要である旨明記するとともに、今年の一月に立ち上げました新型ホームドアに関する技術ワーキンググループにおきましても視覚障害者等への配慮に関する検討を行うなど、様々な機会を捉えまして開発メーカーや鉄道事業者に必要な検討を行うよう指導を行っているところでございます。
 こうした取組によりまして、開発メーカーや鉄道事業者では視覚障害者団体との直接意見交換をさせていただきまして、例えば、つえがロープに触れても瞬時に警報を発しない対策でありますとか、昇降ロープの配色を視認性の高いものに変更するなど、様々な取組を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、昇降ロープ式を含む新しいタイプのホームドアは車両の扉位置のふぞろいやコスト面の課題に対応可能なものであるため、利用者の声に十分配慮しつつその技術開発を推進するとともに、導入を促進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#200
○行田邦子君 視覚障害者の皆さんが安心して利用できるように十分な配慮をしていただきたいと思います。
 そして、ソフト面についての対策も必要だと思っております。駅員の皆さんも本当にいろんなお客さんに対応しなければいけなくて、視覚障害者の方に直ちに対応できないという状況も発生します。そういうときに、一般の駅利用者が自然に視覚障害の方に声掛けができるような、そのような駅、社会であってほしいなと思うんですけれども、ただ、私も、実際、じゃ声を掛けようと思っても、何か声を掛けたら逆に迷惑がられるんじゃないかとか、ちゅうちょしてしまうことが大変多いです。
 大臣御自身が視覚障害の方に声掛けをされた経験があるかどうか、まずちょっとお聞かせいただいて、そのときの感想も踏まえて、今後、国土交通省としてどのような啓発活動に力を入れていくべきか、お聞かせいただけますでしょうか。
#201
○国務大臣(石井啓一君) 駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間とりまとめでは、先ほど申し上げたとおり、ソフト面の対策として、駅員による対応の強化と併せて、旅客による視覚障害者に対する配慮を促進する取組を行うこととしております。
 具体的には、鉄道事業者とともに、旅客による声掛けを促進するための啓発活動を行うこととしておりまして、その際、視覚障害者に対する具体的な誘導案内の方法について旅客の理解を促すこととしてございます。
 国土交通省では、毎年、駅におけるポスターの掲示や車内放送などを通じた啓発を行います鉄道利用マナーアップキャンペーンを鉄道事業者と共同して実施をしております。本年は、特にその実施に当たりましては、単に声掛けを促すことにとどまらず、視覚障害者に対してどのような声掛けや誘導案内をすればよいのかといった内容をポスターに具体的に例示をするとともに、歩きスマホ等の迷惑行為を行わないように構内放送で呼びかけることとしておりまして、視覚障害者や有識者からの御意見も踏まえつつ実効性のあるものにしていきたいと考えております。
 また、国土交通省では、自治体とも連携をしつつ、学校教育等を中心といたしまして、高齢者、障害者の疑似体験や介護体験ができるバリアフリー教室を全国の地方運輸局等により年間二百件から二百五十件程度開催をしているところでありますが、新たに盲導犬使用者への介助を体験メニューに追加するなど、内容の充実を図ることとしております。
 さらに、自治体及び鉄道事業者におきましても旅客に対する啓発活動が実施されておりまして、こうした取組が更に進むよう支援等をしてまいりたいと考えております。
 視覚障害者に対して声掛けをした経験が私にあるかというお問合せでありますが、残念ながら私自身はそういった経験はございませんけれども、今後、そういう機会があれば、これは積極的に進めていきたいと思っております。
 国土交通省では、引き続き、駅ホームの安全性確保に向けて最大限の取組を進めてまいりたいと存じます。
#202
○行田邦子君 これはやってみると結構難しいというか勇気が要るもので、是非大臣、一度やっていただけると分かると思います。是非実践的な啓発活動に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、所有者不明の土地について伺いたいと思います。
 お手元にお配りをしている資料一を御覧いただきたいと思うんですけれども、国土交通省が平成二十六年度の大変興味深い調査をしているのを見付けました。どういう調査かといいますと、不動産登記簿約四百サンプルをピックアップいたしまして調べたところ、最後に不動産登記簿の所有権の部分が変更されたのが五十年以上前というものが約二割に及んでいるということです。それゆえ、国土交通省としては、これらの土地は所有者の所在の把握が困難であるというふうに位置付けている大変興味深い調査レポートでございます。
 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、所有者の所在の把握が難しい土地があることによってどういった問題が起こしているのか。そしてまた、それに対する国土交通省の取組をお聞かせいただけますでしょうか。
#203
○国務大臣(石井啓一君) 所有者の所在の把握が難しい土地は、公共事業用地の取得、農地の集約化、森林の適正な管理を始め様々な場面で多くの地方公共団体等が直面する喫緊の課題となっているとともに、土地の放棄や国土の荒廃にもつながる重要な問題であると認識をしております。
 このため、国土交通省におきまして、御指摘のような実態把握の調査を行うとともに、平成二十七年の四月より関係府省と協力をいたしまして、所有者の所在の把握が難しい土地の所有者探索と利活用、またその発生を予防するための対応方策について検討会を開催をしてまいりました。
 この検討会におきまして昨年三月に取りまとめを行いましたが、一つには、所有者の探索に必要な住民票や戸籍などの情報を円滑に活用するための環境整備、二つ目には、市区町村が財産管理制度等を活用する際の専門家によるサポート体制の構築、三つ目には、死亡届があったときに併せて相続登記等を促す取組の促進といった対策等の提言をいただいたところでございます。また、提言に基づきまして、土地所有者を把握できなかった場合の所有者の探索手順や土地を利活用するために用いることができる制度などをまとめたガイドラインを策定をいたしました。
 本年度は、これらの取組の状況についてフォローアップを行い、昨年策定したガイドラインを改定をいたしまして、その後の関係法令等の制度改正の内容、市町村の現場での制度活用の事例、現場で活用している専門家からの意見を反映させるとともに、来年度以降必要な取組について取りまとめまして、この三月中をめどに公表することを予定しているところでございます。
#204
○行田邦子君 ありがとうございます。
 土地の所有者の把握をしないとどうしても土地の利活用が進められないといった土地があります。その一つが森林の土地かというふうに理解をしておりますけれども、林野庁にお越しいただいていますけれども、お聞きしたいと思います。
 林野庁では、森林の土地の所有者の把握ということを様々な取組をしていますけれども、平成二十三年に森林法が改正されまして、森林の土地の所有権移転の届出制が導入されました。今から五年前の導入です。そして、それとともに、不動産登記簿の情報を地番単位ではなくて大字単位で、しかもデータで市町村の林務担当が入手できるというような法改正もし、また、新たな森林所有者に関してなんですけれども、固定資産課税台帳の情報も入手できるといった、こういった法改正をいたしました。
 法改正から六年、また届出制から五年たちましたけれども、この制度の効果をどのように分析していますでしょうか。
#205
○政府参考人(織田央君) お答え申し上げます。
 森林の施業の集約化ですとか、あるいは森林計画制度に基づく適切な森林施業の確保を図るためには、森林所有者の情報を的確に把握するということが重要でございます。このため、委員御指摘のとおり、平成二十三年、森林法改正によりまして、新たに森林の土地所有者となった者の市町村長への届出制度、それから他の行政機関が有する森林所有者情報の共有の仕組み、これらが措置されたところでございます。
 これら制度の平成二十七年度の実績につきましては、森林の土地所有者に係る届出が全国で約二万五千件、登記所から登記情報の提供を受けた都道府県が三十九都道府県、林務部局が他部局から情報を受けて内部利用を行った市町村、これが三百三十六市町村などとなっておりまして、森林所有者情報の把握が進むなど、一定の制度創設の効果があったものと認識をしてございます。
 今後とも、森林所有者や市町村等に対しましてこれらの制度の周知を図ることによりまして、森林所有者情報の的確な把握に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
#206
○行田邦子君 一定の成果があったという分析ですけれども、今の数字をお伺いしますと、もう少し利用は進んでもいいのかなというふうに率直なところ思っております。新しい制度というのはなかなか浸透するのは時間が掛かるのかなというふうにも思っております。
 そこで、もう一問聞きたいんですけれども、昨年の通常国会で森林法の改正をいたしまして、そこで市町村による林地台帳の作成、公表を義務付けましたけれども、これを行った背景とそして目的をお聞かせいただけますでしょうか。
#207
○政府参考人(織田央君) お答えいたします。
 木材価格の低迷などによりまして森林所有者の経営意欲が低下している中で、所有者や境界が不明確な森林が増加しておりまして、本格的な利用期を迎えているにもかかわらず資源の利用ができない、あるいは必要な手入れがなされないために公益的機能の発揮への支障が及ぶ、こういったことが懸念されているところでございます。
 一方、森林所有者に関する情報につきましては、先ほどの話もありましたように、平成二十三年に森林法を改正し、新たに森林の土地の所有者となった者が市町村長に届け出ることとされたわけでございますけれども、都道府県が作成をしておる森林簿ですとかあるいは法務局の不動産登記簿など、そういったものもいろいろございまして、森林所有者に関する情報は様々な主体によって管理され、統一的にまとまった形で整理されていないという、現在そういう状況でございます。
 このため、昨年の森林法等の一部改正によりまして林地台帳制度を創設したわけでございますけれども、これは、市町村が森林所有者や境界等の情報を一元的に取りまとめまして、森林組合ですとか林業事業体等の森林整備の担い手に提供することによりまして施業の集約化や適切な森林の整備のために活用すると、こういったことを目的としたものでございます。
 今後、この制度を活用して森林所有者情報の効率的な把握を進め、適切な森林整備を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
#208
○行田邦子君 土地の所有者の情報というのは、一番大きなものは不動産登記簿ですけれども、様々な行政機関に分散されているという、それをうまく何とかして必要なものは情報共有できないかということを引き続き考えてみたいと思っております。
 今日は総合海洋政策本部にも来ていただいていますので、伺いたいと思います。
 お手元の資料二なんですけれども、我が国の領海、EEZを根拠付ける、国境離島と呼ばせていただきます、四百九十一の島があるということは分かりました。そのうち、無主の島が二百七十七島あるということも分かりました。これらは無主の島ですから国庫に帰属しなければいけないんですけれども、国有財産台帳を作っていませんでした。不動産登記簿にも載せていませんでした。これを載せるということで方針を政府は決定いたしましたが、その進捗状況をお聞かせいただきたいと思います。
#209
○政府参考人(甲斐正彰君) お答えいたします。
 先生御指摘の持ち主のいない離島の国有財産化につきましては、私どもの方で、このため必要となる離島の測量図等の整理を終えまして、これらを当該離島を所管することとなります省庁に既に提供させていただいております。
 現在、当該省庁におきまして、国有財産台帳への登載及び不動産登記の準備が進められているところでございます。
#210
○行田邦子君 今年度中に終わらせるということでしたが、いかがでしょうか。
#211
○政府参考人(甲斐正彰君) 今後の見通しでございますけれども、関係省庁によりますと、国有財産台帳への登載は今月中にも終了予定というふうに聞いております。
 不動産登記に関しましては、更に詳細な住所の確認が必要な一部の離島など除きまして、これも今月中に登記の申請が行われるものと聞いております。
#212
○行田邦子君 是非今年度中にお願いします。また、国境離島の遠く離れた島などの所有者の所在を把握するという、これ本当に大変な作業だろうと思っております。
 引き続き伺いたいんですけれども、四百九十一の島のうち二百七十七は無主の土地と分かったのでこれは速やかに国有財産化ということですが、それ以外の島についてなんですけれども、総合海洋政策本部として所有者の所在を把握する予定はありますでしょうか。
#213
○政府参考人(甲斐正彰君) お答えいたします。
 現在、先生も御指摘のように、四百九十一離島の所有者につきましては、無人離島は島内の土地について、また有人離島につきましては領海等の基点から近傍の土地につきまして、それぞれ不動産登記簿等により当該所有者を確認しているところでございますが、この不動産登記簿で確認した所有者が実際にその土地を所有しているかにつきましては、今のところ確認ができておりません。非常にこれは国境離島内の土地の取引などによりまして場合によりましてはいろんな問題を生ずる可能性もございますので、先生御指摘のように、所有者の所在まで確認する必要があろうかと考えております。
#214
○行田邦子君 今のところは不動産登記簿を確認しているというだけで、それ以上のことはやっていないということでしょうか。
#215
○政府参考人(甲斐正彰君) それぞれの土地ごとに、一筆ごとに登記簿に記載された所有者に対して連絡を取るなどして、その所在を確認しているところはやっていないということであります。
#216
○行田邦子君 先ほど大臣が御答弁されましたけれども、土地の所有者の所在を把握するというのはこれは大変な作業で、それでてこずっているのは地方自治体だけではないと思うんですね。国の行政機関といいますか、府省庁でも大変に四苦八苦しているという部署があろうかと思います。その一つが総合海洋政策本部だろうと私は思っておりますが。
 そこで、最後に大臣に伺いたいと思うんですけれども、人口減少社会におきまして、日本の国土の全ての土地において所有者の所在を把握するというのは、これはそこまでやる必要はないと思いますし、また現実的ではないと思いますし、また実質不可能だと思っております。
 ただ、先ほどの林野庁や森林の土地、そしてまた国境離島など、やはり国土の保全、そしてまた土地の利活用、そして安全保障上どうしても所有者の所在を把握すべき土地というのが存在をしていますが、なかなかこれが難しいということであります。
 そこで、国土行政を所管する国土交通省として、土地の所有者の所在を把握するノウハウ、そして情報提供、そしてまた支援といったことを更に進めていくべきと思いますが、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(石井啓一君) 国土の荒廃を防ぎ、適切に管理し、安全、安心で持続的な国土を形成していくためには、土地所有者の把握について長期的な視点からの検討が今後更に必要となってくるものと考えております。
 先ほど申し上げたとおり、昨年三月には、土地所有者を把握できない場合の所有者の探索手順や土地を利活用するために用いることができる制度等につきまして、市町村などの現場において実務に携わる担当者向けにまとめたガイドラインを策定をいたしまして、ノウハウの共有を進め、普及に努めてまいりました。また、市町村が所有者の探索や関連制度を活用する際の専門家によるサポート体制の構築も進めてきたところでございます。
 引き続き、所有者の所在の把握が難しい土地の更なる実態把握に努めるとともに、国、地方公共団体及び関係団体の取組状況についてフォローアップをいたしまして、必要に応じて更なる取組を行ってまいりたいと考えております。
#218
○行田邦子君 是非待ちの態勢ではなくて積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#219
○委員長(増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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