くにさくロゴ
2017/05/11 第193回国会 参議院 参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第13号
姉妹サイト
 
2017/05/11 第193回国会 参議院

参議院会議録情報 第193回国会 国土交通委員会 第13号

#1
第193回国会 国土交通委員会 第13号
平成二十九年五月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     丸川 珠代君
     古賀友一郎君     吉田 博美君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     足立 敏之君
     羽田雄一郎君     伊藤 孝恵君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                井上 義行君
                石井 正弘君
                酒井 庸行君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
    委 員
                足立 敏之君
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                中野 正志君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                吉田 博美君
                伊藤 孝恵君
                野田 国義君
                鉢呂 吉雄君
                魚住裕一郎君
                高瀬 弘美君
                山添  拓君
                室井 邦彦君
                青木  愛君
                行田 邦子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  末松 信介君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       大野 泰正君
       国土交通大臣政
       務官       根本 幸典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       消防庁国民保護
       ・防災部長    杉本 達治君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        山田 邦博君
       国土交通省海事
       局長       羽尾 一郎君
       気象庁次長    渡邊  良君
       環境省地球環境
       局長       鎌形 浩史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水防法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、古賀友一郎君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として吉田博美君及び伊藤孝恵君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水防法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省水管理・国土保全局長山田邦博君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 水防法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。水防法等の一部改正案について質問をさせていただきます。
 私は、御承知のとおり、国土交通省で長らく勤務をさせていただきまして、治水事業、災害対策に携わってまいりました。実は、前回、平成二十五年の水防法及び河川法の一部改正は、担当局長として関わらせていただきました。本日は、その経験と反省を踏まえまして質問をさせていただきたいと思います。
 昨年、平成二十八年は、北海道に一週間に続けて三つも台風が上陸し、また観測史上初めて東北の太平洋側に台風十号が直接上陸し、岩手県や北海道に甚大な被害を与えました。亡くなられた皆様に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 お手元に配付した資料一を御覧ください。こうして見ますと、我が国は毎年必ず大規模な水害、土砂災害に見舞われています。このような最近の厳しい水害の状況を見ますと、地球温暖化に伴って生じた気候変化の影響ではないかとの懸念が生じます。
 気象庁では、三月三十日に地球温暖化予測情報第九巻を取りまとめ、公表しました。配付資料二、三のとおりでございまして、最も高濃度の温室効果ガス排出が続くと想定した場合に、今世紀末には気温は四・五度、豪雨の発生頻度も二倍以上になるというふうに予測されています。
 まずは、地球温暖化により豪雨災害が拡大しているのではないか、そして今後更に拡大していくのではないかとの懸念に対しまして、気象庁の見解をお願いを申し上げます。
#7
○政府参考人(渡邊良君) 御答弁申し上げます。
 気象庁が観測を行っている全国約千三百か所の地域気象観測所、アメダスの観測データでは、ここ三十年余りで見ると、豪雨災害をもたらすような雨の年間発生回数は、例えば一時間五十ミリ以上の短時間強雨が約一・三倍、一日当たり四百ミリ以上の大雨が約一・七倍と、明瞭な増加傾向が現れております。個々の豪雨災害について地球温暖化の影響に言及することは困難ではありますけれども、このような短時間強雨や大雨の増加傾向は地球温暖化が影響している可能性があると考えております。
 また、気象庁が三月三十日に公表しました地球温暖化予測情報第九巻では、温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合、二十一世紀末における一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨の発生頻度は全国平均で二十世紀末の二倍以上になると予測しており、今後、豪雨災害の拡大が懸念されるところでございます。
 気象庁では、今後とも、最新の技術を取り入れながら気候変動の監視、予測に努めてまいります。
#8
○足立敏之君 ありがとうございます。
 気象庁におきまして引き続きしっかりとモニタリングをしていただいて、気候変化の動向を把握していただくとともに、必要に応じて警鐘を鳴らしていただきたい、そういうふうに思っております。
 次に、地球温暖化の適応策について伺いたいと思います。
 地球温暖化に伴う降雨の予測につきましては、配付資料の四でございますけれども、国土交通省で以前行ったシミュレーションでは、今世紀末には日最大降水量が日本の北部で二〇%から二五%程度、中南部でも一〇%から一五%程度増加すると見込まれております。
 顕在化する気候変化に対しまして、地球温暖化対策としての緩和策、CO2の削減などを進めていくことも重要ではありますけれども、一方で、こうして具体的に進行していく水害、土砂災害などにあらかじめしっかり備える適応策を事前防災という形で進めていくことが大事だというふうに考えております。アメリカでは最近こうした議論に逆行する動きがありまして、私自身はとても困ったことだというふうに思っておりますけれども、こうして水害、土砂災害が頻発している日本の状況を踏まえますと、今すぐしっかり事前防災を進める適応策に取り組む必要がある、そういうふうに思っております。
 温暖化の適応策につきましては、地球温暖化対策を所管する環境省が中心となりまして、気候変動の影響への適応計画を平成二十七年十一月に閣議決定しています。また、気象庁の気候変動影響評価委員会の中間取りまとめ、これが三月に出されましたが、配付資料の五でございますけれども、気候変動の影響と適応の基本的な施策が例示されてございまして、事前の施設整備、すなわち事前防災にも言及しておられます。
 改めて、地球温暖化対策を所管する環境省に適応策としての事前防災の重要性について伺いますとともに、今後の取組の方向について伺います。
#9
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 中央環境審議会の気候変動影響評価報告書によりますと、温室効果ガスの増加によりまして、今世紀末には、二十世紀末と比較して国内では最大で平均四・四度気温が上昇いたしまして、降水量につきましても、大雨や短時間強雨の頻度、大雨による降水量の増加などが将来的に予測されています。
 こうした予測結果を踏まえて、将来の災害リスク等に備えるために、御指摘ございましたように、一昨年十一月に気候変動への適応計画を閣議決定して、関係府省庁において適応の取組を進めているところでございます。
 この適応計画におきましては、政府施策への適応の組み込みが基本戦略として示されております。水害に関する適応策の基本的な考え方としては、例えば災害リスク評価を踏まえた施設整備、できるだけ手戻りのない施設の設計、避難、応急活動、事業継続などのための備えの充実など、事前防災の重要性が示されているところでございます。
 環境省といたしましては、災害リスクに備えるための材料となる予測データなどの科学的知見の充実に努め、気候変動の影響や適応に関する情報基盤の整備などを進めることで、関係府省庁による適応策としての事前防災の取組を後押ししてまいりたいと考えてございます。
#10
○足立敏之君 ありがとうございました。
 環境省には是非とも適応策の旗振り役としての役割、特に事前防災の推進役としてしっかり取り組んでいただきますようお願いを申し上げたいと思います。地球温暖化は待ったなしだというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 続きまして、今回の法改正でどのような点が改善されるのか、順次伺ってまいります。
 まず、水防法第十五条の九、十の大規模氾濫減災協議会に関連して伺いたいと思います。
 私が水管理・国土保全局長の際に、アメリカでハリケーン・サンディによる大災害が発生しました。その被害調査に、国土交通省が土木学会に呼びかけまして調査団を派遣しました。そこで、ニューヨーク市であらかじめ作成したタイムラインに基づいて災害対応を行って効果を上げたというような情報を入手いたしまして、国交省内で検討を経て、私の後任の水管理・国土保全局長、森北局長が導入を進めてきたものだというふうに認識してございます。
 配付資料の六でございますが、これがタイムラインを簡略化して示したものでございます。災害対応に関わる様々な主体が連携して、あらかじめ災害対応について手順を定めておくということはとても大事なことだというふうに思います。また、水害以外の分野でも応用が可能なものだというふうに考えておりますけれども、この水害対応タイムラインの効果について実例を挙げて示していただくとともに、今後どのように普及していく考えか伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 今委員の方から御指摘ございましたとおり、平成二十四年のハリケーン・サンディの際のアメリカでの取組ですとか、あるいは国土交通省の水災害に関する防災・減災対策本部におけます検討を踏まえまして、荒川下流地域におきまして、荒川下流の堤防が決壊した場合に備えて、沿川自治体、それから鉄道事業者、通信事業者等とともに検討会を設置して水害対応タイムラインの検討を進めているところでございます。
 現在は、平成二十八年三月に策定をいたしました荒川氾濫に対するタイムライン試行版を運用するとともに、対象地域を拡大したタイムラインの検討を進めているところでございます。また、昨年八月の常呂川における洪水では、作成されました水害対応タイムラインを活用いたしまして河川事務所長から北見市長へのホットラインが実施をされて、通常より早い段階で避難勧告が発令されたところでありまして、北見市からは円滑な避難が実施できたという声もいただいているところでございます。
 タイムラインの普及に当たりましては、本年四月末現在、国管理河川沿川の六百八十市町村で策定されている避難勧告着目型のタイムラインの策定を引き続き進めますとともに、荒川下流地域のタイムラインの経験も踏まえまして、全国二十地域において荒川同様の多機関連携型の水害対応タイムラインの取組を進めてまいりたいと思っております。さらに、これらの先行的な取組を参考といたしまして、各河川において設置されます大規模氾濫減災協議会の場等を活用して、水害対応タイムラインの取組を更に促進していきたいと考えているところでございます。
#12
○足立敏之君 ありがとうございました。
 とても大事な施策であるというふうに認識しておりますので、しっかり普及に努めていただきたいというふうに思います。
 次に、水防法第十五条の三、要配慮者の利用施設の避難計画の策定に関連して伺いたいと思います。
 私が局長の平成二十五年に水防法改正を行いまして、この要配慮者利用施設の避難計画策定を新たに努力義務化をいたしました。その当時はそれで意義があるというふうに思っておりましたけれども、昨年の台風十号による豪雨によって岩手県岩泉町の小本川が大氾濫して、皆さん御承知の高齢者のグループホームで九人の犠牲者が出ました。昨年九月に被災地を調査させていただきましたけれども、この施設についてはあらかじめ避難計画が作成されていなかったというふうにも伺いました。前回、平成二十五年の法改正のときに義務化をしておけばというふうに悔やまれますし、私自身、責任を痛感をいたしております。
 要配慮者利用施設の避難計画策定を努力義務から義務化に変更することはとても大事なことだというふうに思っています。避難計画の策定状況について伺いますとともに、今後義務化することによる効果の見通しについて伺いたいと思います。
#13
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 水防法に基づく避難確保計画作成の対象となる要配慮者利用施設は、平成二十八年三月末時点で三万一千二百八施設ありました。うち七百十六施設で計画が作成されているというところでございます。
 これらの施設の計画作成を促進するため、今回の水防法改正におきまして、計画作成の義務化に併せて、まず簡易な入力フォームを通じて避難確保計画を作成できるようにする等の手引の充実、それから地方公共団体が適切に計画作成を指導できるよう関係機関と連携した点検用マニュアルの作成、さらにモデルとなる地区におきまして、関係機関と施設管理者等が連携して避難確保計画を検討、作成して、そこで得られた効果的な避難等に関する知見を市町村に提供する等の支援を進めてまいりたいと考えております。
 また、これらの取組によりまして、要配慮者利用施設における避難確保計画の作成を促進して、利用者の円滑かつ迅速な避難の確保が図られるものと考えているところでございます。
#14
○足立敏之君 ありがとうございます。
 何としても一日も早く避難計画策定の徹底をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 次に、河川法十六条の四、そして水資源機構法第十九条の二の国、水資源機構の技術力の活用について伺いたいと思います。
 昨年の北海道の水害では、石狩川水系の空知川の金山ダム、このダムで大量の洪水をダム湖にため切りまして、下流の基準点の水位を二・三メーターも下げるという大きな洪水調節効果を発揮いたしました。お手元に配付資料七というのをお配りしてございますが、今年の二月にダム管理所にも伺いましたけれども、この写真を見ても金山ダムの役割の大きさを感じていただけるのではないでしょうか。
 今後、温暖化が進行して豪雨災害が激化することを考えますと、流域の上流部に洪水をため込む施設があるということは非常に大事なことだというふうに認識しております。このため、ダムの新設のみならず、再開発による既存ダムのかさ上げや放流能力の拡大など、いわゆるダム再開発プロジェクト、この必要性が高まるというふうに認識をいたしております。
 なお、ダムの再開発など技術的に難しいプロジェクトについては、県や市町村では対応できません。国土交通省で最後のダム屋と言われました私が対応してもいいんですけれども、そういうわけにはいかなくなりましたものですから、是非ともダム技術の専門家を有する国や水資源機構の支援を受けられるように措置することが大事だというふうに思っております。
 ダムの再開発などの重要性について伺いますとともに、その分野において、国、水資源機構の技術力の活用の見込みについて伺いたいと思います。
#15
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 ダム開発は、堤体の少しのかさ上げによりまして貯水容量を大きく増加させたり、あるいは容量再編によりまして水没地などの社会的コストを抑制しつつ機能向上を図ったり、また短い期間で経済的に完成させて、早期に治水、利水機能を強化する等の効果が期待されるものでございます。このため、既存ストックを有効活用するダム再開発を今後より一層推進することが重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 他方、ダムの再開発は既存のダムを運用しながら行われるものでございまして、その実施には高度な技術力を要するものであります。近年、人員の不足ですとかあるいは技術力の低下が顕在化しております都道府県等では、今後、工事を的確に実施できなくなるおそれがあります。これに対しまして、全国で継続的にダム事業を実施している国土交通省やあるいは水資源機構は、このような工事について専門的知見や経験等を有しております。例えば、国土交通省が実施をしております鶴田ダム再開発事業では、大水深での水中施工技術等の最新技術を活用しまして新たな放流設備の増設等を行って、これまで使用していなかった容量を有効に活用することにより、早期に治水機能の強化を図ったところでございます。
 今回、このような知見等を活用して都道府県等を技術的に支援するため、河川法等の改正によりまして、これらの工事を国及び水資源機構が代わって実施することができる権限代行制度を創設し、都道府県等におけるダム再開発を更に推進してまいりたいと考えているところでございます。
#16
○足立敏之君 ありがとうございました。できるだけ早期にそうした取組に着手していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 次に、水防法第十九条及び二十八条の民間を活用した水防活動について伺いたいと思います。
 災害対応の大切な担い手の一員である建設産業に水防活動を委託して活動していただくというのは、彼らが有する技術力や重機を保有している機械力、そして地域の事情に精通していることなどを考えると大変大事なことであるというふうに思いますし、是非進めていただきたいというふうに思います。
 大規模な災害が発生しますと、警察、消防、自衛隊の活躍が目立つんですけれども、実は、建設産業の皆様が真っ先に現場に駆け付けて、資料八、お手元に配っておりますけれども、ここに示したとおり、崩れた土砂の除去をしたり、アクセス道路を確保したり、決壊した堤防の復旧をしたり、様々なそうした緊急対応、そしてその後の復旧復興の担い手として大切な役割を献身的に果たされているということでございます。
 しかし、建設産業の皆様は、警察や消防、自衛隊の皆さんとは違いまして、日頃建設工事を行う中で利益を上げて、それを元に準備態勢を整えて、いざというときに蓄積したポテンシャルを発揮して対応しなければならないという宿命にあります。このため、建設産業の皆さんが継続的に活躍できる環境を維持するということが大事でありまして、そのためには一定量の工事量の計画的確保、そして仕事をすればちゃんと利潤が生まれる環境をつくり上げること、この二点が大事だというふうに考えております。
 水防活動の担い手としての建設産業にどのような役割を期待するのか、そしてその役割を継続的に果たしていくために国としてどのような取組が必要と考えるのか、伺います。
#17
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 多くの地域で水防団員が減少あるいは高齢化等する中で、重機を所有して応急復旧の技術等を有しております建設業者は、委員御指摘のとおり、水防活動等を担う地域の守り手として非常に重要な役割を果たしているというふうに認識をしているところでございます。このため、今回の水防法改正では、建設業者が水防活動を円滑に行われるよう、水防活動を行う建設業者が緊急時に他人の土地を通過すること等を認めることとしているところでございます。
 また、建設業者にこのような役割を継続的に担っていただくためには、安定的な経営が必要不可欠でございます。このため、国土交通省では、必要な公共事業予算の安定的、持続的な確保に努めるとともに、建設業者が適正な利潤を確保できるように、改正品確法に基づき、予定価格の適正な設定や、あるいは効果的なダンピング対策の実施等に取り組んでいるところでございます。
 さらに、国土交通省や多くの都道府県の公共工事の発注におきまして、水防活動を含めた災害活動の実績や災害協定の締結を総合評価落札方式の評価対象としておりまして、建設業者の水防活動への参画に寄与していると考えております。
 これらの取組を通じまして、引き続き建設業者に持続的に水防活動に参画していただき、地域の守り手としての役割を担っていただけるよう環境整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#18
○足立敏之君 ありがとうございました。
 建設産業は決してなくなってはいけない、なくしてはいけない大事な産業だというふうに思います。その持続的な発展に向けまして、重ねて申し上げますが、一定量の工事量の計画的確保、そして、仕事をすれば必ず利潤が生まれる、品確法を徹底したそういった環境をつくり上げていくこと、この二点が大変大事だというふうに思っておりまして、国土交通省としても全力を尽くしていただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 最後の質問に移ります。
 冒頭でも申しましたとおり、過去に経験したことがなかったような気象現象が全国各地で頻繁に起こっております。このため、地球温暖化による気候変化の影響を真剣に考えないといけない、そういうふうに思います。そのためには、今回の法改正で実施される事項をしっかり進めるとともに、事前の防災対策を着実に進めていくことがとても重要だというふうに認識しております。
 そのような認識の下、石井国土交通大臣の御決意を伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(石井啓一君) 地球温暖化による気候変動等の影響によりまして、水害の頻発化、激甚化が懸念されております。委員御指摘の洪水に備えた事前の防災対策は、被害軽減上極めて重要と考えております。
 そのため、堤防整備や河道掘削等のハード整備を着実に推進する取組や、ダムの再開発等の既存ストックを最大限に活用する取組等を強力に進めてまいります。
 また、今回の水防法等の改正によりまして、関係者が密接に連携し減災対策を総合的かつ一体的に推進するための協議会制度の創設や、要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等の義務化等を図りまして、ハード、ソフト一体となった取組を進めてまいります。
 今後とも、国土交通省の現場力を最大限活用いたしまして、水害から国民の生命と財産を守るため、全力を挙げまして防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
#20
○足立敏之君 ありがとうございました。
 予防に勝る治療なしというふうに言います。平成十七年にアメリカで発生したハリケーン・カトリーナの被害は約二千億ドルに上りますけれども、事前に二十億ドルの投資をしておけばこの被害が防げたというふうに言われています。また、平成十二年の東海豪雨の際にも、事前に庄内川、新川に七百十六億円の治水投資をしていれば約五千五百億円の被害が軽減できたというふうに見込まれています。しっかり治水対策の予算を確保して事前防災に努めることが大事だというふうに思っております。
 先ほども申しましたけれども、地球温暖化対策はもう待ったなし、そういう時点に来ていると思います。是非とも、国土交通省に、温暖化対策、尽力いただくようにお願いを申し上げまして、私の方の質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#21
○鉢呂吉雄君 おはようございます。民進党の鉢呂吉雄です。今日は、水防法の審議ということで四十分質疑させていただきます。
 三月の九日に当委員会で、石井国交大臣の所信表明に対する私、地方の疲弊、地方経済あるいは暮らし、生活の大変な状況について大臣のお考えをお聞かせ願いたいと、抽象的な答弁でしかありませんでした。
 そこで、六年半前、野党時代でありましたけれども、公明党の政調会長に就任された直後の臨時国会、補正予算案の審議で、石井当時の政調会長の質疑を議事録から見させていただきました。当時、私は与党側の国対委員長という形で、この議事録を懐かしく見させていただいたわけであります。地方の関係について、当時、旧民主党政権、地域活性化交付金というものを創設して三千五百億、政調会長の舌鋒鋭い形は、公明党でさえ一兆二千億の形を計画をしたと、三千五百億円というのは極めて少ないと片山当時の総務大臣に迫った議事録を見させていただきました。
 石井国交大臣の地方に対する熱い思いというものが伝わってきたんですけれども、当時のことはもう忘れているかも分かりませんが、地方に対するお考え、改めて、前回は非常に抽象的な文言でありましたので、聞かせていただきたいと思います。
#22
○国務大臣(石井啓一君) 今委員御紹介いただいた質疑は、ちょっと私、すぐに記憶が戻ってきておりませんけれども、国土交通省といたしましては、全国様々な現場を抱えているところでございます。また、安倍政権におきましても、地方創生は政権としての非常に重要な課題の一つでございまして、御案内のとおり、今東京圏に社会増、年間二十万人ぐらいの社会増、これを流れを反転をさせて、それぞれの地方で人口がきちんと確保できるように、また全国津々浦々で経済が活性化していくように、今政権を挙げて取り組んでいるところでございます。
 国土交通省といたしましても、この地方活性化の役割を担う省庁として全力で地方の活性化に取り組んでいきたいと考えております。
#23
○鉢呂吉雄君 当時、平成二十二年十一月九日は、先ほど言った地域活性化交付金三千五百億円について、片山大臣は冷たいと、地方に冷たいと、もっと熱い目線でやれと、こういう趣旨の質問でありました。
 そこで、今日の水防法も、昨年の被害の実態から見れば、いわゆる河口口の一級河川ではなくて中小河川、いわゆる上流部の形で、先ほどもお話ありました、短時間のうちにかつてない降水量、気候変動の影響もあるでしょう、局地的な降水量で一気に増水をして氾濫をすると、こういう事例でありました。その中で、私は、地方の問題としてもう一つは、地方公共交通機関、この維持の関係で、昨年も問題になりましたいわゆる赤字バス路線の問題について、水防法に関わる前に一問だけ質問をしておきたいと思います。
 この地域公共交通確保維持事業、これは、その路線ごとのバス事業者の費用における四五%を国が、あるいはその他地方公共団体も含めて持つという中でありましたが、私も三月の十日と十五日に国交省から説明をいただきました。この補助事業の見直しをしたいということでありまして、平成三十年度、来年度の予算に関わりますが、実質は今年の平成二十九年十月から来年の九月までのこの補助事業を見直しをして、先ほど言った補助対象経費の算定方式を見直しをして補助対象経費の上限額を引き下げる、四五%から四〇%にすると、こういう形であります。
 三月の九日にも私お話ししましたけれども、この関係の地域公共交通確保維持改善事業に関わる問題は、もちろん離島の航路、航空路の運航や地域内のバスの交通、あるいは大都市のホームの、何といいますか、形を近代化する、こういうものにも使われますが、七年前、これは民主党政権のときの平成二十三年度は三百五億でした。これが平成二十八年度、去年度は二百二十九億円、そして今年度は二百十四億円と、本年度だけ見ても対前年比九三%、二十三年度比で見ますと七〇%として減額をされております。
 この中に、地域間の先ほど言った事業者に対する四五%分の補助金が入っておるわけでありますけれども、これがまさに、五%といえども切り下げる、この見直しを検討しておるということでありますけれども、これは大臣、余りにもやっぱり冷たい仕打ちではないかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#24
○国務大臣(石井啓一君) 路線バスにつきましては、地域の足を守る観点から、路線ごとの赤字額の一定割合を国が補助をしているところでございます。路線バスは地域の公共交通機関におけます中心的な役割を果たしていることを踏まえまして、その赤字の補填のための助成につきましては最優先で必要額を確保してきているところでございまして、平成二十八年度には前年度比で八億二千万円増の九十一億六千万円を交付をしたところでございます。
 一方、今後の人口減少が見込まれる中で、地方部を中心に路線バスの赤字は拡大をしておりまして、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成のためには路線バス事業の生産性向上の取組が不可欠であると考えております。このため、国土交通省といたしましては、今後、関係者と密接な意見交換を行いつつ、各バス事業者に対し、地域の特性を十分踏まえた生産性向上のための取組の推進を促し、これにより赤字幅の縮小を図ることとしてございます。
 この路線バス事業の生産性向上と申し上げますのは、例えば、もう一部地域で実施しておりますけれども、貨客混載、お客様のみならず貨物を一緒に載せて運ぶといったような取組の推進ですとか、あるいはICTの活用等により運行管理を効率化していく等々、こういった取組をイメージをしてございますが、こういった取組を行った上で、赤字路線の補助については必要額を確保すべく引き続き最大限の努力を行ってまいりたいと存じます。
 また、今補助率の御指摘がございました。この補助制度の在り方に関しましては、生産性向上の取組の状況を踏まえつつ引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、今委員の方から、地域公共交通確保維持改善事業は減っているじゃないかという御指摘がございました。確かに、この事業、予算は減額されておりますが、別途、訪日外国人旅行者の移動の円滑化に資するバリアフリー設備や交通系ICカードの導入などについては訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業によりまして、また地域鉄道の安全性向上に資する設備の更新等の一部につきましては鉄道施設総合安全対策事業により支援をすることとしておりまして、これらの予算を合わせた地域公共交通関係予算につきましてはこれまでと同程度の予算を確保しているところでございまして、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
#25
○鉢呂吉雄君 先ほど、私、言葉が出なかったんですけれども、ホームドア、ホームドアの予算もこの中に入っていて、非常に重要性はあるにもかかわらず、もちろん別途の予算上の項目もありますけれども、必ずしも、過疎地あるいは地方に対する地域公共交通予算は減額をしておると、私はそう見ておるところであります。
 今大臣は、四五%の補助率については今後も検討というような表現でありました。
 私は、昨年も、参議院選挙の直前でありましたけれども、この問題が出て、北海道運輸局は、これは現地の間違いでという形で、この補助金の減額の文書が出ておったにもかかわらず、その後、反対の声が強いということで北海道運輸局の幹部が陳謝をして撤回をすると、こういう形でありました。
 今回は、またぞろこういう形で、北海道知事も四月十三日、記者会見で、道民の暮らしに深刻な影響が出ると。あるいは、北海道バス協会も、四月十七日に引下げ方針の撤回を求める要望書を北海道に提出をするという形で、今JR北海道も大きな問題になっておりますけれども、今日は詳しく話せませんけれども、例えば、最近の新幹線によってバス転換になったJR江差線の木古内―江差間も、四十二キロでありますけれども、代替バスで今七千二百万円の運行経費、そのうち四千八百万円が赤字ということで、現行の補助金は三千二百万円、しかしこれが五%減になれば三百六十万円の減額になると。
 北海道は、JR北海道の鉄道が代替バスに転換したところが多いんです。去年の暮れに廃止になってバス転換した留萌―増毛間もそのとおり。そういったところが、まさにJR北海道の今半分を自力では経営できないという中で、大変道民の皆さんが心配しておるにもかかわらず、その代替になるようなバスが、こういう補助率を下げることには大きな心配、不安を持っておるわけでありまして、簡単に、大臣、四五%を四〇にすると、これは既に現地の、地元のバス協会なり事業者にも文書で出ているんですよ。それを検討するなんという、そんな安易な形で出されたら、ますます地域は心配が増幅すると、こういうふうに思いますので、簡単にこういったものを導入しないように、六年半前の熱い地方に対する政調会長の思いを持続してほしいと、こういうふうに思いますが、もう一度答弁願います。
#26
○国務大臣(石井啓一君) 今回の地域バス路線の補助事業の見直しのポイントは、地方部を中心とする路線バスの赤字の拡大を、このまま拡大が続くようではこれは持続可能な地域公共交通のネットワークの維持というのが難しくなってくるということで、路線バス事業の生産性向上を取り組んでいこうということが最大の眼目でございます。この地方バス路線の補助事業の補助額自体は必要額をしっかりと確保していきたいと、このように考えてございます。
#27
○鉢呂吉雄君 それでは、水防法の方に行きます。
 私は、先週、ゴールデンウイーク中の五月の二日に、先ほどもお話がございました南富良野町、石狩川上流の空知川の決壊した現地、それから住民の皆さん、いろいろお話を聞いてまいりました。
 非常に今は復旧のピッチが上がっておると、こういう感じを見て、堤防の改修も順次行われておると。あるいは、農家に参りますと、大臣も行ったかと思いますけれども、一番被害が大きかった農地も修復がされて、ミニトマトが今定植をして栽培をされておると。しかし、土がどういうふうな形なのか、あるいは運転資金、あるいは生活資金、この不安感は非常に強いというふうに思いました。
 そこで、大臣にお伺いします。事前にお話をしておりますから、今年の四月、この南富良野町で、国の機関、道の機関あるいは町の機関、合わせて百名近くの住民の集会があって、説明会があったと聞いております。その中で主に出た住民のお声について、大臣の方からお聞かせをいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(石井啓一君) 四月の二十七日に南富良野町が主催をいたしました平成二十八年八月台風による豪雨災害に関する住民説明会におきまして、北海道開発局等より、空知川の被害状況、復旧事業計画概要及び今後の防災・減災対策の課題等について説明を実施をしたところでございます。
 住民の方からは、今回の堤防決壊の原因は何か、金山ダムの水位及び洪水調節が今回の堤防決壊に関係していないか、河道内の中州が今回の堤防決壊につながったのではないか、開発局から早い段階で南富良野町に浸水想定区域図を提供していれば避難所が被災することはなかったのではないか、なぜ昨年の洪水時点で水位周知河川の指定や浸水想定区域図が作成されていなかった等の御質問をいただいたと伺っているところでございます。
#29
○鉢呂吉雄君 大臣も、行政が一方的にやるのではなくて、当初から住民との対話の中で水防災の意識高揚も含めて行うべしと。そういう面では、行政も大変厳しいかも分かりませんけれども、こういう住民集会をやっていただいておること、これは非常に私はいい方向だろうと、こういうふうに思います。
 その中で、今もお話ございましたこの法案の趣旨説明で、大臣はこういうふうに一昨日言っております。一昨年来の施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものと、こういう考えに立ち、ハード、ソフト一体となった対策によって社会全体で洪水に備えると、水防災意識社会の取組を進めてきたが、これはこれまでです、更に加速して、洪水からの逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化の実現の抜本的な対策を講ずると、こういうふうにお述べになっております。
 私は、若干違和感があるのは、ハード、ソフト一体の対策と、すうっといけば何か分かったかなと思うんですが、これは一体どんなことなのかなと。南富良野町に行けば逃げ遅れゼロ、やっぱり、死亡者はあそこにはいませんでしたが、もう首のところまで水につかった状態でヘリコプターが出動して救助をすると、こういう形で本当に一瞬の差で助かったと、こういう方もいらっしゃる中で、逃げ遅れゼロというのはよく分かりますが、しかし、ハードに対する対策というものをおろそかにしてはならないと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、洪水対策として、堤防の設置あるいは河道の掘削あるいはダムの開発等々、ハードを着実にやるということは、これはもう大前提であるかと思っております。
 ただ、このハード整備に関しましては、やはり多額の予算が必要になってくる、あるいは、上下流のバランスというのがありますから順次やっていかざるを得ない、そういう時間が掛かるという実態もございます。したがって、ハードをしっかりとやった上で、やはり被害を最小化するソフト対策も併せて実施をしていくということが重要だというふうに認識してございます。
#31
○鉢呂吉雄君 衆議院の国土交通委員会でも末松副大臣も同じような形で、ただ、国直轄の千二百キロの改修は五年できちっと行うとか、こういう形は出ておるんですが、昨年は、大臣御承知のとおり、先ほど言ったように上流部の中小河川であのように大きな被害、人の命を奪うような被害になっておると。ですから、私は、中小河川についてもおろそかにできないと。
 四月十九日の衆議院の国交委員会でも、これも末松副大臣が、この中小河川で氾濫になり、多数の死者、甚大な経済損失を出したが、今の大臣と同じように、中小河川では人的にも財政的にも制約がある中、直ちにはハード対策を取れないというようにお話をしているんです。ですけれども、そこに住んでいる住民からいけば、大河川であろうと中小河川であろうと同じ形だと私は思うんですね。
 大臣、中小河川は主に都道府県河川、市町村河川だと思いますが、どのぐらい河川改修に、そして維持管理費に使われているか、国交省は把握しておりますか。事前には私、事務段階に聞いているんですが、大臣としてどうですか。いや、聞いていないなら聞いていないでいいです。
#32
○国務大臣(石井啓一君) 中小河川につきましては交付金事業で支援をしてございますが、交付金につきましては社会資本整備総合計画ごとに配分額を定めておりまして、計画に含まれている河川事業を始めとする事業ごとの配分は各県の裁量によるものでありますことから、配分の段階では河川事業の予算のみを把握することはできません。
 しかしながら、各都道府県から決算額を聞き取った結果を集計をいたしましたところ、防災・安全交付金で実施している河川事業の事業費につきましては、防災・安全交付金が創設された平成二十五年度以降、当初予算の決算額でおおむね一千七百億円程度であると把握をしているところでございます。
#33
○鉢呂吉雄君 私も大分聞いたんですけれども、それはもう地方の裁量、地方の交付金という制度で、ミシン目は付いているけれどもどこに使われても仕方ないところで、把握していない形だと、こういうお話でした。
 私はもう必死に探しました、うちの秘書と。そうしたら、どこにありましたか、総務省の白書、これに毎年のようにちゃんと出ていました。例えば平成二十七年、二十三年から全部調べましたけれども、これは都道府県と市町村を合わせております、普通建設事業費一兆一千百九十一億円、これは補助事業、単独事業、国直轄の負担金等々が入って一兆一千億です。維持補修費というのが六百一億円です、六百一億円。ちなみに、これは国の方も若干はっきり言えないんです。国直轄事業は、一級河川が一万五百八十一キロの河川延長距離で、先ほど言った改修費が二千億程度、それから維持補修費が九百億程度と、こういう形であります。
 ですから、地方自治体の所管する河川延長は十一万三千キロであります。国、一級、直轄の約十倍です、十倍です。これから見ると、維持補修費はもう極端に少ない、市町村河川になるともっと少ない。しかも、なかなか国は都道府県の中小河川についてはそういった実態を捉えるに至っていないと。
 しかし、大臣、いいんです、大臣、こっちの方を聞いてください。今年一月に、時間もなくなりますので、中小河川に関する諮問に対する答申、これありましたね。もう詳細に私も見させていただきました。今大臣も言ったように、上下流一体、どうせ中小河川は一級河川に入っていくわけです、水は。そういう中で、予算が伴えないということもよく分かります。
 私は、昨年の十月の二十日に国交委員会で大臣に、河川について緊急調査をやってほしい、道路もやったようにと、御記憶あると思いますけれども。道路が豊浜トンネルの崩落で、その以降、トンネル周辺の危険地帯を十年以降きちっとやった。それと同じように、中小河川について言ったら、大臣は、県管理河川についてはきちんと点検、調査をしていると、したがってやれるんだと、こういうおおむね答弁だったんです。
 私は、予算の内容を見ても、必ずしも国交省は捉えていないと。もちろん、地方分権の自主性はよく分かります。分かりますが、河川上下一体であれば、やっぱり中小河川についても捉える段階、きちっと把握する段階にあるんではないかと。
 私は、北海道庁の審議会、今三回やった、答申も見させていただきました。北海道庁辺りは真剣にやっています、去年ああいう災害があったから。先ほど委員の質問に、気象台は、一・三倍の降水量があるということを捉まえて、かなり綿密に、北海道の考え方を変えようと、こういう考えでやっているんです。
 ですから、私は、中小河川であってもやっぱり国の治水の対策として全体的な把握をする必要があるんではないかと。事務段階に聞いても、それはもう地方分権で、交付金はやっていることはミシン目で言えるけれども、それは強制するものではないというような形で、国土全体の治水のどうあるべきかという方向性がなかなか出ないんではないですか、そういう考えでは。どうですか。大臣の政治家としての発言でいいんです。
#34
○国務大臣(石井啓一君) これは、各公共施設それぞれの管理者が適切に管理をするということが大前提かと存じますけれども、いろんな国と地方との意見交換の場等もございますから、それぞれどういうことをやっているのか、あるいは工夫だとか、そういったことをよく情報交換をしながらそれぞれの管理レベルを上げていくということも重要かなと、こういうふうに考えてございます。
#35
○鉢呂吉雄君 今回の水防法の改正案で、水位周知河川、これは水位を住民にも周知するという指定する河川等に指定されない中小河川についても、過去の浸水実績等を市町村長が把握したとき、水害リスク情報として住民等に周知することを市町村長に義務付ける制度を創設しています。
 ですけれども、先ほどの質問にもあったように、過去の浸水実績等を把握したとき、私は、これでは北海道のような事例、あるいは地球温暖化に伴う気候変動の関係、降水量の把握、こういう形では適切な対応にならないと、こういうふうに思うんです。
 大臣、例えば、これは皆さんから出された資料でなくて北海道庁の資料で、先ほど言ったように降水量はこれから一・三倍に増えると。そして、外国の例を勉強しています。ドイツの例、オランダの例、アメリカの例。先ほどアメリカの例挙げました。ドイツの事例は、将来かさ上げするために堤防を事前に用地を確保するとか、これは降水量が増えるから、当面は一気にかさ上げできなくても用地自体を確保するとか、護岸等についてもかさ上げを容易に対応できる、かさ上げは上げたら護岸は増設しなきゃならない、そのために容易に対応できるような設計とか、あるいは橋梁についても流木等が引っかかるわけですから、当初から割増しによって流れを設計する、こういった方法をドイツは取っています。
 しかし、日本では、南富良野町で一番言われたのは、今やっていることで二度と同じような水量で河川が決壊しないのかと。よく聞いたら、図面でも見たら分かります、二か所決壊しているんです。この最初の決壊したところは、直角に川が流れてくるような、そして流れが直角に入るような旧河川があったんです。どういうわけか歴史的にはよく分かりませんが、それを迂回するような形で膨らんで新しい川を造ったものですから、旧河川に流れが入ってくる。これは、いろいろな事例を見ました。直しても、旧河川は覚えていて、そこに水が入ってくるんです。そして、二か所目の決壊は、その堤敷内に流れた川が旧河川を伝わって元に戻っていくという珍しい決壊を二か所目はしているんです。
 僕が何を言いたいかというと、同じような形で来ないのかねと、こういうふうに言われました。事例を調べますと、日本にも、例えば決壊までの時間を引き延ばすための危機管理型ハード対策、これは国土交通省も言っています。例えば、二線堤、堤防をもう一つ造るとか、あるいは霞堤、堤防を一旦切って、そこに貯水をする膨らみあるいは水を逃がす膨らみ、こういうものを持つとか、そういったものをやっぱりやるべきでないかと。
 南富良野町のを見て、これも改良型だと国土交通省は言っています。例えば、川の底をしゅんせつをして、あるいは川の側を削って、掘削をして河床を広げて水流を良くする、こういう形を取っておると言っておるんですけれども、昨年のようなあの急激に水量を増したときに、それを時間的に引き延ばす方法になるのかどうか。これは、本当の意味で、あのような水量で決壊をしないという、決壊をさせるにしても、決壊するにしても時間を引き延ばすようなことというのはやっぱり戦略的に考えていく必要があるのではないか。
 同時に、空知川の南富良野町は今やってくれています。しかし、そのほかの中小河川はいっぱいあるんです。これを、やっぱり全体像を最低限、財政上の制約もよく分かりますけれども、最低限全体像を把握するということを国土交通省は私はやるべきだと思うんですね。いかがですか。
#36
○国務大臣(石井啓一君) 今回の水防法改正案の中にも、大規模減災協議会をつくってハード、ソフト一体となった対策を講じていこうと、こういう取組を開始いたします。その中には国も積極的に参画をいたしまして、都道府県あるいは市町村、自治体の方々と一緒になりまして、逃げ遅れゼロあるいは社会経済被害の最小化、そういうものを目指しまして一緒に協議をしていきたいというふうに考えてございます。
#37
○鉢呂吉雄君 先ほどに戻りますけれども、今回の法案の、中小河川については、過去の浸水実績を市町村長が把握したときはと、これは、過去の実績ではなくて、今の気候変動の関係に照らして、やっぱり一つの関係機関、気象庁等含めて関係機関を糾合して、そういう中で降水量の把握、予測を私はすべきだと思いますが、この法案はそういう面ではちょっと未熟ではないですか。
#38
○国務大臣(石井啓一君) 水防法では、洪水により大きな被害が発生するおそれがある河川につきまして、国土交通大臣等が水位周知河川等と指定をいたしまして、想定最大規模の洪水浸水想定区域を水害リスク情報として提供することとしております。
 昨年の台風十号等で甚大な人的被害が発生をいたしました岩手県の小本川が水位周知河川等に指定されていなかったことを踏まえまして、小本川のような市町村の役場等の所在地に係る中小河川につきましても水位周知河川等に指定をし、想定最大規模の洪水浸水想定区域の指定を拡大していくこととしたところでございます。しかし、氾濫シミュレーションに必要な河川の基本データがない等の技術的な課題や解析に要する財政的負担が大きいといった課題により、全ての中小河川で想定最大規模の洪水浸水想定区域図を策定することは難しいと考えてございます。
 このことから、今回の水防法改正では、可能な限り過去の浸水実績等を活用するといった簡易な方法で水害リスク情報を周知することとしたところでございます。ただ、この浸水実績等の周知に当たりましては、激甚化する水害へ備えていただくことが重要であることから、浸水実績以上の洪水も発生し得ることを明記をし、注意喚起するよう自治体に周知をしてまいります。
 いずれにいたしましても、活用可能な情報を最大限に活用いたしまして、的確な避難に資する情報が住民等に提供されるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#39
○鉢呂吉雄君 時間がありませんので。
 今年の一月の中小河川等の水防災意識社会の再構築の社会資本整備審議会の答申の中でこういうふうに言っています。
 平成二十七年八月に閣議決定した新たな国土形成計画、この中では、中小河川等の流れる中山間地域においては土地利用を制限するという取組を進めて地域の安全性を向上を図ると、こういうふうに、これは国土交通省が作っておる新たな国土形成計画です、土地利用を制限するという取組を進めてと、こういうふうになっておるわけであります。
 あの甚大な岩手県の九名の亡くなられた方、そういうものを含めますと、やはり相当危険地域に該当するような施設等があるのではないかと想定されます。やっぱり、ここになぜ踏み切らなかったのか。情報周知のところまでは言っています。しかし、土地利用の規制、こういうところまで、日本はその場しのぎの形はよくやるんですが、いつも後々になってしまうと。こういう水害、災害の多いところであれば、もう少し先んじて新たな取組ということについてやっぱり大臣として取り組む必要があるのではないか、この点については御答弁願います。
#40
○国務大臣(石井啓一君) 水害のリスクを踏まえた適切な土地利用の推進のためには水害のリスク情報の共有が重要でございますことから、浸水想定区域図や家屋倒壊等氾濫想定区域の公表等を進めているところでございます。また、国土交通省では、災害リスク情報を一元的に集約し、住民や事業者が簡単に参照できるようハザードマップポータルサイトを運用しておりますが、このような情報源の周知等を含め、不動産関連事業者等に対し土地の取引の際に顧客に災害リスク情報を提供すること等を求めておりまして、引き続きこのような取組に努めてまいります。
 他方、洪水等のリスクに基づく立地規制や移転勧告制度を法律で措置することは財産権に対する重大な制約になることから、慎重な検討が必要であると認識をしております。
 国土交通省といたしましては、今回の水防法等の改正による避難確保計画の作成等の義務化や水害リスク情報の共有を通じた適切な土地利用の推進等に取り組みまして、特に要配慮者利用施設の安全の確保等を図ってまいりたいと考えてございます。
#41
○鉢呂吉雄君 せっかく一月の答申でここまで踏み込んで答申をしたわけですから、やっぱりもう少し、財産権の侵害というような形でなくて、一度災害があれば財産権をも徹底的に侵害されるわけですから、そういった取組を私は先んじてやっていくべきだろうと。
 最後になりましたけれども、もう一つ。
 先ほど言った都道府県、市町村の維持管理費、まさに六百一億という本当に少ない額です。今回も、私もよく見ました。橋梁が破壊されているのは、流木が表面を覆って、水が横に揺れたり下に潜ったりして大変な被害を出す。あるいは河畔林が繁茂して、上流の農地を一気に浸水して大きな被害と。まさに、維持管理費がきちんとなされておらないというところに大きな問題があることははっきりしたわけであります。この答申でもそういうふうに言っております。流木や土砂の影響への対策という形で、関係者間での適切な役割分担の下、阻害解消の取組が急務だと言っておるんです。しかし、これに対する国土交通省の取組はあくまでも地方自治体の交付金だと、こういう形であります。
 もう一度、大臣は、やっぱり局地的な雨の影響が大きいわけですから、甚大な橋等の被害、農地の浸水、なされるわけですから、人によっては、農家に河畔林の管理を自主的に任せてくれればもっと小さい段階で管理できると。柳が大きくならない前にできるとか、あるいは、流木を処理するために北海道庁は従来十一億円のやつを三十三億円に今年から増やすという形で、これを木質バイオマスのような形で利用するというような取組もあるわけですから、もっとこの点は大臣として国としての関わりを明確にすべきだと、こう思いますが、最後の質問をさせていただきます。
#42
○国務大臣(石井啓一君) 国と地方の関係の見直しの中で、小規模な補助金の廃止、見直しを重ねてきたという経緯がございまして、河川関係につきましては、平成十六年のいわゆる三位一体改革におきまして修繕関係の補助金を廃止したのを最後に、維持管理に係る補助制度はございません。このような経緯から、現在、維持管理に係る財政的支援を行う制度はございません。
 一方、豪雨による出水で流出した大量の土砂が河道断面を三割程度以上埋塞する場合や、下流の狭窄部では更に被害を発生させるおそれのある場合には、その除去に係る費用の一部は災害復旧事業として国が負担することとなっております。また、洪水の流下能力を計画的に高める観点から実施する堆積土砂の掘削等につきましては、防災・安全交付金により支援が可能となっております。
 国土交通省といたしましては、これらの施策によりまして、都道府県河川における樹木伐採や土砂掘削が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。
#43
○鉢呂吉雄君 以上で終わります。
#44
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の法案は水防法の改正案ですが、改正案の中身に入る前に、同じ水害対策また地下街の浸水対策として、昨年十月のこの委員会の中で新妻秀規理事が取り上げました、地下街における避難確保計画及び浸水防止計画の作成状況、及びそれを促すための支援の状況についてお伺いをいたしたいと思います。
 大都市特有の課題としまして、水害対策として地下街の浸水対策が必要であります。私の地元福岡は、昨年、博多駅前の陥没事故がありまして、皆様の記憶も新しいところでございますが、あの博多駅前のように、地下鉄があり、また中心部には地下街も多くございます。こうした中で、博多駅の周辺に、地下街に水が流入をして大きな被害が生じたことも過去にございます。
 先週、ゴールデンウイークでございましたが、福岡では博多どんたくという有名なお祭りがありまして、大変多くの方に来ていただいてにぎわったんですけれども、午後に激しい雨が降りましてパレードが中止されるというような事態となりました。こうしたゲリラ豪雨というのが福岡でも頻繁に見られるようになりましたし、福岡のみならず、全国的にもこういう激しい雨、増えている気がしておりまして、こうした浸水被害をより身近に感じることが大変多くなっているなというふうに感じております。
 そうした中で、地下街の浸水被害を防ぐために、水防法の改正によりまして避難確保計画また浸水防止計画の作成というものがもう既に義務化をされておりますが、その作成状況は、昨年十月のこの委員会の中で質問させていただいた時点におきまして、避難確保計画で約六六%、避難確保計画と浸水防止計画共に作成しているところは五三・八%であるということを新妻理事より指摘をさせていただきました。
 また、こうした計画の作成というのは大変な作業でありまして、技術的にも非常に高度な作業でありまして、国交省として支援すべきではないかという点も御指摘をさせていただきましたところ、国土交通省よりお答えとしまして、更なる作成を促していくために説明会ですとか市町村への働きかけを行っていくということでございましたが、あれから半年たちまして、その後の進捗状況をお伺いしたいと思います。
#45
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 地下街等におけます避難確保・浸水防止計画の作成状況につきましては、平成二十九年三月末時点の状況については、現在、地方公共団体を通じまして各施設に対して調査を行っているところでございます。平成二十八年三月末の時点につきましては、新妻委員への答弁でもお答えをいたしましたとおり、水防法に基づいて地域防災計画に位置付けられました千百十七の地下街等における避難確保・浸水防止計画は六百一施設で作成されているというところでございます。
 国土交通省では、計画作成を促進するために、今年に入ってからも、都道府県河川担当課長の参加をいたします会議等を通じまして計画作成を働きかけているところでございます。また、地下街等に対する定期的な実態調査におきましては、今年度から調査内容を充実をいたしまして、計画が未作成の施設について、その理由と今後の作成の予定、それから未作成の施設に対する市町村における指示等の取組状況の確認をすることとしておりまして、本年二月末に都道府県に依頼をしたところでございます。
 こうした調査等を通じまして、計画作成が促進されるように働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#46
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 三月に質問票を各市町村に配られたということで、これから上がってくると思いますけれども、その作成できない理由と、また作成予定があるかないか等回答が来ると思いますので、その点も是非一つ一つフォローをしていただければなと思っております。
 昨年十月の同じ質問の中で、地下街は、地下街のみならず、それに接続する地下鉄ですとか、またそれにつながっているビルなど、関係者が一丸となって浸水防止に取り組まないと意味が余りない、どこか一か所でも水が入ってしまうと結果的に地下街が水浸しになってしまうということがありますので、こうした関係者の連携をどうやって促していくのかということも質問をさせていただきました。国交省からのお答えとしては、地下街、接続ビル等の関係者が参加する協議会を設置をして、連携した対応ができるように市町村へ働きかけを行っているということでしたが、この点につきましても進捗状況をお聞かせ願えればと思います。
#47
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 大規模な地下街等におきましては、接続ビル等と連携した浸水対策を図ることが有効でありまして、このために、関係者が参画をした協議会を設置して一体として取り組むことが重要と考えているところでございます。
 このような複数の地下街等の施設関係者が参画した協議会につきましては、国土交通省によります平成二十八年三月末の調査では、東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、京都府、大阪府、広島県、福岡県において、全国で二十の協議会が設置をされていることを把握をしております。
 委員御指摘の福岡県におきましては、博多駅の地下街等、天神地下街におきまして協議会が設置をされているところでございまして、それぞれで避難確保・浸水防止計画が作成されております。また、これらの地下街におきましては、接続ビルとも連携して通報、連絡ですとかあるいは止水板設置等の訓練が実施されておりまして、過去の水害の教訓を踏まえた取組が進められているところでございます。
#48
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、各都道府県において様々進んでいるということでございますが、この地下街の浸水対策も国がしっかりと支援をしていかないと、民間だけにお任せをしているとなかなか進んでいかない状況もあるかと思います。どうかこの点につきましても前向きな支援をお願いしたいと思っております。
 それでは、法案の中身に入らせていただきたいと思います。
 今回の法案では、水害からの逃げ遅れゼロのために関係者の連携体制を構築するということで、大規模氾濫減災協議会というものを新しく設立するというふうになっております。
 この協議会というもの、最近の法案の中では大変よく聞く言葉でございまして、都道府県ですとか市町村のお力、地元のそれぞれの現状もございますので、その協議会を基に進めていくとなっているわけですが、こうした水害対策の協議会というのは、そもそも今の時点でどれくらい既存のものがあるのでしょうか。また、今回の法案で新規につくっていくことになると思いますけれども、どれくらいの数の協議会を創設していくということを促していく御予定でしょうか。
#49
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 今回の水防法改正によって創設をいたします大規模氾濫減災協議会、これは、氾濫被害の軽減対策を推進するために、これに関連いたします多様な関係者の取組を横断的、総合的に検討いたしまして、関係者の役割分担や連携体制等を構築するための場でございます。
 水害対策としての既存の協議会につきましては、平成二十七年の関東・東北豪雨を踏まえまして、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会再構築ビジョンの取組として、地方公共団体、河川管理者、気象台等から成る協議会というものがございます。この協議会は、平成二十八年度末までに国管理河川では全百二十九地区で設置済みでございまして、都道府県管理河川では六十七地区で協議会が設置をされているという状況でございます。
 水防法改正後は、この今申しました水防災意識社会再構築ビジョンに基づく協議会、これを速やかに法律上の大規模氾濫減災協議会へ移行するとともに、都道府県管理河川では新たに約百八十地区で協議会が設置される見込みというふうに考えているところでございます。
#50
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 新たに百八十できるということで、大変数としては多いと思いますけれども、それだけ協議会が必要な場所が多いということでございますので、この点も是非とも御支援をいただきたいと思っております。
 今回のこの大規模氾濫減災協議会において、要配慮者利用の施設の避難確保ということが一つ大きな論点となっておりますけれども、この要配慮者利用施設の避難確保のための取組はどのようにこの協議会の中で取り扱われる御予定でしょうか。
#51
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 昨年の台風十号等の一連の台風によりまして、要配慮者利用施設において逃げ遅れによりまして死者が発生するという被害が発生をいたしたところでございます。そのために、今回の水防法等の改正によりまして、水害等のリスクの高い区域に所在します要配慮者利用施設における避難確保計画の作成を義務化するとともに、計画作成を促進するために地方公共団体向けの点検用マニュアルの作成等の支援策を講じることとしているところでございます。
 これらの取組につきましては、大規模氾濫減災協議会の場において、計画作成状況のフォローアップですとか、あるいはモデルとなる地区で得られた効果的な避難等に関する知見の共有などを行うことによって、福祉部局等との関連機関と連携をしつつ、要配慮者利用施設における避難の実効性を高めていきたいと思っております。
 なお、関係者と一体となって避難確保のための取組を検討することも有効でありますので、地域の実情に応じまして要配慮者利用施設の管理者等をこの大規模氾濫減災協議会の構成員にするということも可能ということでございます。
#52
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 また、この協議会の創設というのを目指していくわけですけれども、冒頭の質問で取り上げさせていただきました地下街における避難確保ですとか浸水防止のための協議会というものもありまして、同じ水害対策で幾つも協議会を立ち上げていくことになるのかなという印象を受けますけれども、これを立ち上げていく地方自治体として大変な負担になるのではないかなと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#53
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 先ほどもお答えいたしましたけれども、大規模氾濫減災協議会というのは、地方公共団体ですとかあるいは河川管理者、水防管理者等の多様な関係者が協力して水災被害の軽減に資する取組を横断的、総合的に検討、推進するため、連携体制等を構築することを目的としたものでございます。
 地下街を対象とした協議会は、これは地下街管理者を主たる構成員といたしまして、地下街の避難確保ですとかあるいは浸水防止のための計画作成等を目的としたものでございまして、大規模氾濫減災協議会とは設置の趣旨及び構成員が異なるものでございます。そのため、それぞれの目的に応じ協議会が設置されることが必要だというふうに考えているところでございます。
 また、大規模氾濫減災協議会は、これまでは個別に調整されてきたような取組、これは関係者が一堂に会することによりまして効率的かつ効果的に推進できるということもございまして、必ずしも負担が増えるものではないというふうに認識をしているところでございます。
 さらには、都道府県による大規模氾濫減災協議会の設置に際しましては、各地方整備局に相談窓口の設置ですとか、あるいは都道府県協議会を国の協議会との合同開催にするですとか、あるいは都道府県協議会への国のアドバイザー等の参画ですとか、そういうようなことを行いまして都道府県の取組を支援をいたしまして、地方公共団体等の負担を軽減するように取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#54
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 是非、効率化という視点からも、一つの協議会の中で様々なことが議論でき、また関係者が同じ情報を持てるように取組を進めていただきたいと思います。
 次に、この法案におきまして、水害が起こったときにICTツールを使ってプッシュ型のアラートを行うというふうに聞いておりますけれども、この逃げ遅れゼロのためにプッシュ型のアラートを出すICTツールというのは具体的にどのようなものを想定されていますでしょうか。私がこのプッシュ型アラートと聞くと、どうしても緊急地震速報のように携帯電話がビービーと鳴るものなのかなというふうにイメージをいたしますが、そうしたものなのでしょうか。
#55
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 国土交通省では、平成二十七年九月の関東・東北豪雨を踏まえまして、洪水時に住民の主体的な避難を促進できるよう、住民目線のソフト対策に重点的に取り組んでいるところでございます。
 委員御指摘の洪水情報のプッシュ型配信は、この取組の一環といたしまして、緊急地震速報と同じく、携帯電話事業者が提供いたします緊急速報メールサービスを活用いたしまして、洪水氾濫のおそれが高い地域の住民や旅行者等の滞在者に対しまして洪水氾濫の危険性を示す洪水情報を直接一斉に流す、そういう通知するという、そういうものでございます。
 今後とも、本取組を順次拡大をいたしまして、住民の円滑かつ迅速な避難によって逃げ遅れゼロの達成に全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
#56
○高瀬弘美君 アラートで携帯が鳴ってお知らせをしていただけるというのは非常に有り難いなと思いますけれども、近年の雨はゲリラ豪雨のように急激に水量が増すということもありまして、水害の予測も非常に難しくなってきているのではないかと思います。
 ちょっと激しい雨が降るたびに携帯が鳴るというようになってしまいますと、あるいは携帯鳴ったけれども実際の雨はそんなに大したことなかったということになると、またそのアラートに慣れてしまって、本当に避難が必要なときに避難ができないというような事態も起こり得るのではないかと心配しますけれども、このアラートを出す基準というのはどのようになっていますでしょうか。また、こうした懸念も踏まえまして、プッシュ型アラートに期待をする効果というものがもしあれば教えていただければと思います。
#57
○副大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
 洪水情報につきましては、これまでより、国土交通省から市町村に通知をしまして市町村から住民に伝達をする、若しくはテレビ等を通じまして住民に周知をしてきたところでありますが、平成二十七年の九月の関東・東北豪雨では、鬼怒川流域におきまして多数の逃げ遅れが発生をいたしました。
 このため、国土交通省におきましては、従来の手法に加えまして、新たに、洪水氾濫を想定される市町村内の住民や旅行者等の滞在者に直接一斉にアラートを通知する洪水情報のプッシュ型配信に取り組んでおります。本取組によりまして、洪水時における住民等の主体的な避難をより一層促進できるものと期待をいたしております。
 先生御指摘のとおり、洪水情報のプッシュ型配信を行うに当たっては、住民等がアラートに慣れてしまい、真に避難が必要なときに避難してもらえないような事態にならないようにすることが一番重要であると思います。
 このため、アラートの発出につきましては、洪水の水位が既に洪水氾濫に差し迫った状態であって避難行動が必要となる氾濫危険水位に達した場合、さらに、事態の進展に応じまして、堤防から水があふれ始める等、危険な状態が生じた場合に限ることとしております。
 この取組は、平成二十八年九月から全国に先駆けまして鬼怒川流域の常総市、肱川流域の大洲市を対象に運用を開始しまして、本年五月から六十三水系のエリアに拡大をいたしております。今後、平成三十二年度までに国管理の百九水系に取組を拡大し、逃げ遅れゼロの達成を目指してまいりたいと思います。
 先生御指摘の、従来はテレビ等のメディアを活用していたものから、気象庁と、今回、地方整備局が中心となりまして、洪水情報や緊急速報メールを更に活用しまして、重層的、つまりあらゆる手段を講じまして安全の確保に努めてまいりたいと思っております。先生の不安は少なからず私も感じておりましたので、しっかり取り組んでいきたいと思います。
#58
○高瀬弘美君 副大臣、ありがとうございます。本当に危険な場合のみにこのアラートが鳴るということで、大変安心をいたしました。ありがとうございます。
 それでは次に、水害発生時の対策本部ですとか避難場所となり得る市役所の、いわゆる役場の非常用電源についてお伺いをいたしたいと思います。
 内閣府防災担当が作成をしました資料によりますと、水害被害というのはずっと増えておりまして、おととしに発生した鬼怒川の大規模氾濫の際には、その地元の市役所が浸水被害に遭ってしまいまして、非常用の電源装置が一階部分に設置をされていたために、それが水没をしてしまって災害対応機能が失われてしまい、庁舎が機能不全となるという大きな問題が生じました。
 過去にも同様な事例がほかの自治体でも発生をしておりまして、水害の多い我が国の地形を考えますと十分な備えが必要となりますが、こうした浸水のおそれのある役場というのは全国でどのくらい割合としてありますでしょうか。さらには、そうした庁舎における非常用電源確保の対策の現状はどのようになっていますでしょうか。
#59
○政府参考人(杉本達治君) お答えをいたします。
 昨年四月時点の調査では、災害対策本部を設置いたします庁舎が洪水等の浸水想定区域内に位置する団体は都道府県では十六団体、三四%、市町村では六百六十一団体、三八%となっているところでございます。
 これらの団体のうち非常用電源を整備している団体は、都道府県では九三・七%、市町村では八六・七%でございまして、さらに、これを上層階に設置するなどの浸水対策を講じております団体の割合は都道府県で九三・七%、市町村で五七・二%となっているところでございます。
 委員御指摘のとおり、一昨年の関東・東北豪雨におきましては、浸水により非常用電源が使えませんで災害対応に支障を来すという事例がありましたことから、消防庁といたしましても、各地方公共団体に対しまして、非常用電源の整備、さらには浸水対策を要請してきておりまして、引き続きフォローアップしてまいりたいと考えているところでございます。
#60
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 一階部分にあると、本当に浸水してしまうと全く使えなくなる、意味がなくなってしまいますので、是非ともこの移設について支援していただきたいと思います。
 この非常用電源装置の設置というのは、どれくらいの時間使用できるかというのは自治体によってかなりばらつきがあるようでございます。今回の法改正の中で作られるハザードマップの中にある役場、先ほどおっしゃられた浸水のおそれのある役場における非常用電源装置の使用可能時間として望ましい時間というのはどれくらいと考えられていますでしょうか。また、国として、この使用可能時間の指針となる基準等があるのであれば教えていただければと思います。
#61
○政府参考人(杉本達治君) お尋ねの非常用電源の使用可能時間につきましては、内閣府の手引ですとか消防庁の通知におきまして、人命救助の観点から特に重要とされております七十二時間につきましては、外部からの供給なしに非常用電源を稼働できるよう燃料等を備蓄していくことについて言っております。
 さらに、停電の長期化に備えまして、一週間程度は災害対応に支障が出ないよう準備をすることが望ましいと申し上げておりまして、そのために、備蓄のほか、燃料販売事業者から優先供給を受けられるよう、あらかじめ協定を締結しておくなどの対応を求めているところでございます。
#62
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 最低でも七十二時間は使えるように、そして本当は一週間程度が望ましいということでありますけれども、新聞報道によりますと、地方自治体においては、なかなか一週間使えるような大きな非常用電源装置の確保が難しいというところもありますので、今後検討していく必要があるのかなと思っております。
 この非常用の電源装置というのは各自治体が一義的に設置の責任を負っておりますので、強い意識を持ってこの電源確保への対応、不備がないように各自治体で取り組んでいただく必要がありますけれども、国としても、ここ近年の記録的な豪雨ですとか台風被害を教訓としまして、災害時の速やかな情報把握や伝達が極めて重要でありますので、対策の中で、自治体任せにせずに、自治体によってはもう予算が大変厳しいところもありますので、助成金なども今後検討していってもいいのではないかと思いますけれども、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(杉本達治君) お答え申し上げます。
 このような非常用電源の整備につきましては、財政的に大変有利な地方債でございます緊急防災・減災事業債の活用が可能となっております。この緊急防災・減災事業債と申しますのは、事業年度、当該年度は一般財源なしの充当率一〇〇%の起債でございまして、償還の際には七〇%を地方交付税で措置するということでございますので、大変有利な起債となっております。これを活用することが可能でございますし、また、昨年の十月からは、上層階への移設など浸水対策などにつきましてもこの緊防債の活用が可能ということにしたところでございます。
 引き続き、このような財政支援措置につきましても周知を行いまして、発災時における自治体庁舎の使用可能性を高められるよう働きかけを強めてまいりたいと思っております。
#64
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 もう大変、そういう財政面でも支援のスキームが既にあるということでございますので、今後、いろんな協議会立ち上げていく中で市町村が集まる機会も多いと思いますので、是非そういう財政措置があるということも市町村に対して周知をしていただきたいなというふうに思っております。
 質問を終わります。
#65
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 私は、先日、茨城県の常総市を訪れてまいりました。二〇一五年九月の水害で鬼怒川の堤防が決壊したり、あるいは溢水をして、そのために市の面積の三分の一、四十平方キロ、人口の四割、二万五千人が被害を受け、一年半がたちましたが、五十七世帯が避難生活を余儀なくされているということでした。
 資料の一ページに水害前に作成されていたハザードマップを付けておりますが、御覧いただいてお分かりのとおり、市内のほとんどで洪水時には一メートルを超える浸水が想定されており、現に、市役所や避難所に指定されていた場所も被害を受けたと。
 市の担当者に伺いますと、今後、広域の避難計画をどう作るかが課題だと。障害者や高齢者などに対応する避難先が被災地の中にあるのでは用を成さないわけです。隣のつくば市などへの搬送を考えているが、そのためには複数の市町村との事前の協定が必要になるというお話でした。
 今度の法改正では、社会福祉施設や学校あるいは医療施設など要配慮者利用施設について避難確保計画の策定を義務付けられることになりますが、義務付ける以上は、こうした市町村間の協定など事前の条件整備が必要になるのではないかと思いますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(石井啓一君) 要配慮者利用施設の避難確保計画は、地域における避難の在り方を踏まえまして、施設の管理者が市町村と相談しつつ作成することが重要でございます。一方、市町村による水害時の広域的な避難の検討に当たりましては、近隣市町村などと一体となった地域全体での取組が必要と考えてございます。このため、要配慮者利用施設の避難確保計画におきまして、広域的な避難が必要となる場合には、流域の複数の市町村や河川管理者等が参画をいたしました大規模氾濫減災協議会での検討が有効と考えております。
 国土交通省といたしましては、協議会におきまして、近隣市町村間の連携が深まるよう助言をするとともに、要配慮者利用施設の計画の作成状況をフォローアップすることによりまして、要配慮者の広域的な避難につきましても実効性のある計画となるよう、関係機関と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
#67
○山添拓君 義務化をして、作っていなければ指示をし、そしてさらに、作らなければ施設の名称も公表すると、こういう仕組みをつくるわけですから、施設任せというわけにはいかないということであろうと思います。
 常総市のある避難所では最大で一千百人が避難をしてきて、来る人来る人みんなパニック状態だったと伺いました。避難所内の動線確保を最優先し、障害者や高齢者には畳のある部屋に誘導するなど工夫をしたと伺いました。今、その経験とそれから市民の声を反映させた避難所対応マニュアルを作り、あるいは自らアンケートを取って防災マニュアルを提案してこられる障害者団体などもあると伺いました。甚大な被害に遭った常総市の皆さんの声は大変貴重だと思います。常総市に限らず、河川の防災対策は流域の特性を踏まえる必要があります。歴史や現状をよく把握する地域住民の積極的な参加が不可欠だろうと考えます。
 今後、設置が義務付けられる大規模氾濫減災協議会の議論では、こういう住民の意思はどのように反映されることになるでしょうか。
#68
○大臣政務官(根本幸典君) 災害リスク情報の提供や避難体制の構築など洪水氾濫からの減災対策を検討するに当たっては、住民の意思を取り入れることが重要であるというふうに考えております。
 大規模氾濫減災協議会は、大規模氾濫による被害の軽減に資する取組を総合的かつ一体的に推進するために必要な協議を行う場であるため、これを推進するために不可欠な責任を有している、現地において河川を管理する河川管理者や、住民の避難等の事務を担う市町村の長などを必須構成員としています。これらの構成員は、それぞれの役割を果たすに当たり、日頃より住民と接していることに加え、とりわけ市町村は住民による身近な行政組織でありその機会が多いことから、当該必須構成員の参画により住民の意思がおのずと反映されることが期待されております。また、協議会には、当該地域の実情に応じて自治会長など住民の代表者に参加いただくことも可能であります。
 引き続き、水害から国民の生命と財産を守るため、住民の意思を踏まえ、全力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいります。
#69
○山添拓君 実は、昨日も常総市の水害被害者の会の皆さんが国交省を含む政府への要請を行っておられます。茨城県、大臣の御地元でもありますが、是非、大臣自身も、一年半たってもなお苦しんでおられる実態や要求をお聞きになってはいかがかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(石井啓一君) 私は、この常総市の隣のつくば市に住んでございます。今、閣僚となりまして、なかなか地元に戻る機会はございませんけれども、地域の首長さん、あるいは議員の皆様等々、御要請いただくこともございますし、あるいは機会があればそういった住民の方々からの御意見も伺いたいと存じております。
#71
○山添拓君 是非お願いしたいと思います。
 資料の二枚目に、堤防が決壊した三坂地区の様子を付けております。この決壊の原因についてですが、鬼怒川堤防調査委員会はどのように結論付けたでしょうか。
#72
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 平成二十七年九月の関東・東北豪雨によりまして、鬼怒川では流域平均の二十四時間雨量が観測史上最も多い四百十ミリを記録いたしまして、鬼怒川下流の水海道地点等におきまして観測史上最高水位を記録いたしました。三坂町地先の堤防決壊の原因につきましては、関東地方整備局が学識者等により構成されます鬼怒川堤防調査委員会を設置をいたしまして究明を行いました。
 委員会の報告書によりますと、記録的な大雨により鬼怒川の水位が大きく上昇して堤防高を上回り越水が発生をし、越水により川裏側で洗掘が生じ、川裏側の堤防のり面の付け根に当たりますのり尻、この洗掘が進行、拡大等をして決壊に至った旨の報告がなされております。また、越水発生前に河川の水が堤防に浸透いたしまして、この浸透流によって堤防や基礎地盤の土が徐々に洗い流されるいわゆるパイピングが発生したおそれがあって、主要因ではないものの決壊を助長した可能性は否定できない旨も報告をされているところでございます。
#73
○山添拓君 資料の三枚目に、堤防を越えた流水が堤防を裏からえぐり取ったと、こういうことが解明されています。
 三坂地区の堤防を整備するに当たって、この今回崩壊した裏のり面、あるいはのり尻と呼ばれる堤防と表土が接する部分というんでしょうか、この部分の強化は行ったのでしょうか。
#74
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 三坂町地先を含みます鬼怒川におきましては、鬼怒川堤防調査委員会における堤防決壊原因の検討結果等を踏まえまして、水位を低下させるために必要な河道掘削と計画上必要な断面を確保する堤防の整備を行っているところでございます。また、三坂町地先におきましては、堤防への浸透あるいは基礎地盤のパイピングへの対策といたしまして、堤防の川表側に護岸、そして遮水矢板を設置するとともに、川裏側に水抜きをするドレーン工を設置をしているところでございます。
 氾濫リスクが高いにもかかわらず、当面、上下流バランス等の観点から堤防整備に至らない区間などにおきましては、決壊までの時間を少しでも延ばす対策を実施しておりますけれども、三坂町地先では、まずは確実に地域の安全度を高め、越水の発生頻度を低減することができる堤防整備や河道掘削等のハード対策を着実に推進することとしているところでございます。
#75
○山添拓君 今回の決壊の原因と指摘されているのに、やらないということなんですね。
 計画高水位に抑えるんだ、そのために堤防の高さを確保する、あるいは河道の深さを確保して流量を確保するんだと、ここは当然なんですよ、元々求められていたことですから。それをやった上で、かつ、今度の水防法の考え方というのは、それでもなお防ぎ切れない水害があるだろう、洪水があるだろうということで対策を必要としているわけですから、今回、川裏側の堤防が洗掘された、崩壊が進んだ、この地域については是非対策を取るべきだと思います。
 私も現地を訪れましたけれども、決壊した区間というのはいまだに更地の状態で、家々戻っていないところがございます。現に、越水して堤防が裏から削られた箇所であり、住民の皆さんからは、壊れにくい堤防にしてほしい、資産価値も下がっているんだ、こういう要求があります。浸水実績以上の水位はあり得ると今日の議論の中でも御答弁ありました。是非、いま一度検討すべきだということを指摘したいと思います。
 次に、資料の五ページを御覧いただきたいのですが、これは、若宮戸地区というところの農家をされていた小林さんという方についての記事です。
 堤防がこう掘削されたんですね。この堤防が掘削されて、それに不安を感じて要望もされてきたんですが、被害を受けたと。購入したばかりの田植機やコンバイン、農機具などが被水をして、六割の補助を受けましたが、一千二百万円の自己負担が残ったと。同時に、自宅の再建も重くのしかかりましたので、結局、離農を決断されました。
 昨年九月に自宅の方は完成したんですが、その後、十一月に突然倒れてお亡くなりになったということでした。代々続いてきた農業を手放すストレスを大変に感じていたと小林さんのお母さんもおっしゃっております。
 この区間、約一キロにわたって無堤防区間で、砂が堆積した自然堤防があるだけでした。確保すべき流下能力の半分程度の流量で溢水する、あふれてしまう状態が放置をされて、少なくとも二〇〇一年以降は、毎年継続して地元から関東地方整備局に築堤の要望もされていたと。ところが、二〇一四年の三月頃から、ソーラーパネルを設置するために自然堤防が幅二百メートルにわたって掘削をされて、土のうを積む程度の対策でしかなかったために溢水が起きて甚大な被害を招きました。
 資料六ページですが、この土のうは緊急的な措置として設置されたものだと国交省も書いています。しかも、自然堤防の、元あった堤防の最も低い高さに合わせて土のうを積み上げたにすぎなかったわけです。緊急の対応の必要性を意識していたんであれば堤防整備を急ぐべきだったんではないでしょうか。大臣、お答えいただけますか。
#76
○国務大臣(石井啓一君) 鬼怒川の茨城県内区間の整備は、上下流のバランスを勘案しながら、流下能力が大きく不足する箇所を優先をいたしまして、下流から順次実施してきたところであります。
 若宮戸地区を含みます約六キロの一連の区間におきましては、堤防等の整備に向けまして平成二十六年度から順次用地調査を進めていたところ、関東・東北豪雨による洪水で浸水被害が発生をしたところでございます。
 若宮戸地区を含む鬼怒川におきましては、現在、平成三十二年度をめどに、河川激甚災害対策特別緊急事業等によりまして、計画上必要な断面を確保した堤防等の整備を進めているところでございます。
 地域の安全、安心の確保のため、引き続き早期完成に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
#77
○山添拓君 今、平成二十六年から、二〇一四年から整備をという話だったんですが、もう二〇〇一年からは少なくとも毎年毎年要望がされていたんです。地元の皆さんは人災だと言っています。計画堤防より二・六メートルも低い高さにしかなかったと。この水が土のうの七十センチ上を溢水していった、七十センチ上回って溢水していったと。堤防がきちんと造られていれば十分に防ぐことができたと。長年要望がされ、掘削による危険も指摘されていたと。改修を計画していました、だから過渡的な安全性で足りると、こういう話では済まされないと私は考えます。そもそも、堤防整備のこの遅れの問題があります。
 そこで伺いますけれども、今度の法案は、施設整備により洪水の発生を防止するものから、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものへと意識を根本的に転換する、こういうものだと説明されています。協議会を設置したり避難計画を作る、この対策は必要性があると考えますが、しかし、だからといって施設整備の必要性が後退するわけではないと考えます。鬼怒川でも、決壊した三坂地区は堤防の高さが一メートル以上不足していたんですね。計画どおり進められていれば決壊を防ぎ、被害を小さくできた。
 大臣に確認したいんですが、水防災意識社会の再構築と言っています。しかし、その中でも水害対策における施設整備の重要性は変わらない、こう伺ってよいでしょうか。
#78
○国務大臣(石井啓一君) 気候変動等の要因によりまして、集中的な豪雨が増加するとともに、施設の能力を上回る洪水の発生も懸念されております。そのために、施設では防ぎ切れない洪水にも備えることはもちろんですが、まずはハード対策を着実に推進することが重要でございます。
 具体的には、洪水氾濫を未然に防ぐ対策といたしまして、優先的に対策が必要な全国約千二百キロの区間におきまして、平成三十二年度までに堤防整備などを実施することとしております。また、既存ストックを最大限活用する取組といたしまして、既設ダムを有効活用して治水機能等を強化するダムの再開発等の取組を進めているところでございます。
 国民の生命と財産を守るハード対策は極めて重要であると考えておりまして、今後もソフト対策と一体となって引き続き着実に推進してまいりたいと考えております。
#79
○山添拓君 時間ですので終わりますが、やるべき整備をやらずに住民の自助、共助を強調するべきではなく、洪水を起こさない対策、施設整備をきちんと進めることが河川管理の基本であるということを改めて強調させていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#80
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 それでは、質問に入りますが、通告の順番を少し変えたいと思っております。一番最後に大臣に御質問ということでありますけれども、最初にさせていただきたいと思いますので、御準備の方、よろしくお願いいたします。
 今回のこの法案の一部改正、水防法の、兵庫県に住んでいる者にとりましても末松信介副大臣にとりましても、非常に、兵庫県民五百四十万人、そして、特に御承知のとおり、神戸は百五十万、六十万、政令都市でありまして、海からそそり上るように町がつくられているということで、一旦土砂災害が起きるとひどい被害が起きると。また、我々、阪神間、百六十万人口がありますけれども、その中心に流れている武庫川という川がございますけれども、この両端に西宮、尼崎、五十万近い人口を抱えた町、そしてその上流側には宝塚、そして伊丹、川西という、このようなところでありますから、そこにはやはり要介護者の利用施設がかなりございますので、この法案に対しては非常に期待をしておりますし、通れば、是非通したいなと思っておりますが、非常にそれぞれの住民の方々が枕を高くして少しでも生活できる、寝れるんじゃないのかなという、こんな思いで少し、一部感じているところをまた質問したいと思いますけれども。
 大臣、その前に、大臣に水防団員の確保、ここは大臣のお答えした後でまた私も自分なりの考えを申し上げたいんですけれども、取組を始め、この水防団の強化に向けた水防活動に対して、大臣の決意をまずはお聞かせをいただきたい。
#81
○国務大臣(石井啓一君) 水防団員の皆さんは、平時に職を持ちながらも水害時には高い使命感を持って水防活動に従事していただいておりまして、地域の安全の確保に重要な役割を担っていただいております。
 国土交通省では、水防団員を確保するために、公務災害補償の充実や退職報奨金の制度の創設等、処遇改善に努めるとともに、毎年各地域において様々な水防広報や情報伝達訓練を行う水防演習を開催する等、水防活動の重要性の普及、啓発等に努めているところでございます。このほか、地域の水防に対する意識を高くするために、水防演習に地元の大学生や自治会、婦人会、建設業界等に参画いただく取組や、水防団員の士気高揚のための表彰や叙勲等の取組を行っているところでございます。
 また、多くの地域で水防団員が減少、高齢化する中、迅速な水防活動や重機を用いた大型土のう設置などを行う建設業者は、地域の水防活動において非常に重要な役割を担っていると考えております。今回の水防法改正では、水防活動を行う建設業者が緊急時に他人の土地を通過することを認める等、建設業者の水防活動の円滑化を図ることとしております。
 今後も、これらの取組を通じまして水防団員の確保に努めるとともに、民間の建設業者が円滑に水防活動を行える環境づくりを進めまして、地域の水防体制の充実や水防力の向上に努めてまいりたいと考えております。
#82
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 そこで、通告しておりませんので、突如このような事件というのか、愛知県の一宮市の消防団の五十代の分団長がポンプ操法に使うポンプ車で、昼飯を、うどんを、そばを食べたということがえらい大きな問題になったようでありまして、しかしこれ、私も昭和五十八年に市会議員に当選させていただいて一番最初に配属された委員会が環境消防常任委員会というところで、それからずっと、尼崎は、こういうことが起きましたので、尼崎どうなっておるんだと、水防団あります、消防団と水防団どうなっているのと、兼ねていますと。隣の神戸に聞きますと、消防団はありますけれども水防団がありませんと。隣の大阪どうなっているのと、消防団はないけれども水防団があると。まあ何か分かったような分からぬような。
 大臣に、これどう思うということを私聞きたかったんだけれども、大臣は水防団の担当ですから、消防団になると総務大臣が来なくちゃいけないと。だけど一緒なんだと。大臣は別々だと。
 これ、数字を調べると、今、消防団はピークのときはどうだったんだというと、昭和四十六年で百十八万九千六百七十五人と。じゃ水防団どうだったのと、百二十万弱ですとか。こんな数字は全くもって、消防団と水防団が兼務しているという、まさにそういうことなんで、本来なら大臣に、本当に大事にして、消防団も水防団も人員を確保して大事に育てて、命と財産を、体を張って市民や県民の生命、財産を守る、そんな人が休憩の間に昼御飯も食べずにやれというようなことを言わんとしているように私は取れるんですが、せめて昼食ぐらいの段取りぐらいしてあげないと、これ一体ここらの運営、地方自治体はどう考えられておられるのか、その点は私、今後確認をしていきたいなと。最終的にこれ文書で通達するというふうになっておりますので、その文書をどのように通達されるのか、その文書をちょっと入手したいなと、こんなことを思っております。
 大臣、ちょっと心のどこかにそれを入れておいていただいて、ひとつ是非、私は消防団の応援団でもありますし、イコール水防団の応援団ということも言えると思いますので、その点、私だけがこういう認識で知識不足だったのかなと思って反省しておりますけれども、是非この点をもう一度しっかりと表現するというか線引きというか、その辺をしっかりしていかないと、本当に消防団、水防団がこれからどんどんどんどん数が少ないということで、大事に協力して育て上げる、もっともっと拡大したいということにはつながっていかないと、私はこう思っておりますので、一言自分の私見を申し上げて、次の質問に入らせていただきます。
 それでは、山田局長、お待たせしました。今回のこの法改正によって要配慮者利用施設における避難確保計画を作成、義務付けられておりますけれども、現在、計画の作成の状況は、進捗状況ですか、どのようになっているのかお知らせ願えませんか。
#83
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
   〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
 避難確保計画の作成は、要配慮者利用施設の災害対策のためには非常に重要だというふうに考えています。
 要配慮者利用施設におけます避難確保計画の作成につきましては、水防法等に基づく市町村地域防災計画、これに位置付けられている施設が対象となります。水防法に基づき対象となります施設は、平成二十八年三月末現在で三万一千二百八施設ありまして、うち七百十六施設で計画が作成されております。また、土砂災害防止法に基づき対象となる施設は、平成二十八年三月末現在で七千三百二十五施設ありまして、うち千二百九十二施設で計画が作成されているという状況でございます。
#84
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 今、説明聞きました。しかし、計画が、進捗状況、進んでいるとは言えない、このように思っておりますけれども、五年後までに計画作成等のその実施率を一〇〇%にすると。目標は高いのはいいんだけれども、しかしこれを本当に実際実現するのか、また、いわゆる実効性を確保するということがこれ一番重要なことじゃないのかなというふうに私は思っておりまして、その辺、どのように対応を取り組もうとしておられるのか、聞かせてください。
#85
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 平成二十八年三月末現在で避難確保計画作成の対象となっている施設について、平成三十三年度末までに一〇〇%の実現を目標とするということにしているところでございます。
 国土交通省では、全国の要配慮者利用施設の管理者に対して、水害の危険性について理解を深めていただくための説明会を今開催をしているところでございまして、その中で計画の作成についても働きかけているところでございます。
 今後、要配慮者利用施設におけます避難確保計画の作成率一〇〇%達成に向けまして、最初、一つの簡易な入力フォームを通じて避難確保計画を作成できるようにする等の手引を充実していく、それから、地方公共団体が計画内容を確実にチェックできるように関係機関と連携して点検用マニュアルを作成する、そして、モデルとなる地区におきまして、関係機関と施設管理者等が連携して避難確保計画を検討、作成し、そこで得られた効果的な避難等に関する知見を市町村に提供していく等の支援を進めていきたいと思っております。
 さらに、大規模氾濫減災協議会の場で要配慮者利用施設の避難確保計画の作成状況をフォローアップしていくなど、施設においてできるだけ早く計画が作成されるよう努めていきたいと考えているところでございます。
#86
○室井邦彦君 絵に描いた餅という言葉がありますけど、終わらないように、しっかりと各行政の方にも徹底した行政指導の方をお願いをしたいと思います。
 引き続き、土砂災害は避難のリードタイムも非常に取りにくいといいますか、多くの死傷者を発生させたという、こういう問題も抱えておりますけれども、その対策は特に重要。土砂災害警戒区域内の要配慮者施設における避難確保計画の作成が義務化をされるということであるわけでありますけれども、その現在の土砂災害警戒区域の指定状況と指定に向けたその取組、これをお聞きをしたいと思います。
   〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
#87
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 土砂災害から住民の生命それから身体、これを守るため、土砂災害警戒区域の指定を進めて住民に土砂災害の危険性を認識していただくとともに、警戒避難体制を整備することが重要だというふうに考えております。
 土砂災害警戒区域の全国総区域数の推計値は約六十七万区域となっておりますけれども、平成二十九年三月末現在、約四十八万八千区域、約七三%の指定が完了しております。
 今後の見通しでございますけれども、土砂災害警戒区域につきましては、平成三十一年度末までに全ての都道府県におきまして基礎調査を完了させて、できるだけ早期に指定を完了させる予定でございます。
 また、今後指定を見込まれる区域の要配慮者利用施設の管理者に対しても、説明会等を通じて土砂災害の危険性について理解を深めていただき、避難確保計画を作成し、避難訓練が実施されるよう促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#88
○室井邦彦君 最後の質問になりますけれども、あってはならないことが起きましたよね、小本川の水位が上昇して河川の状況が全く町長に伝わっていなかったという、このことがありました。
 そのような事態を踏まえて、今後、都道府県、また河川管理事務所、そういうところについてのホットラインの構築の予定はあるのかどうか、あればどのような方法を取られるのか、お聞かせください。
#89
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 これまでの水害におきまして、河川の水位や降雨状況があらかじめ定められていた避難勧告の発令基準に達したことが市町村の幹部までに伝わらずに避難勧告等が発令されない状況の下で被害が発生するということがございました。このような事態を繰り返すことなく水害時に避難判断が適切になされるためには、市町村長に河川の情報や水害の危険性について的確に把握していただくことが必要だと思っています。
 このために、今年の二月六日付けで国土交通省から都道府県に対しまして、洪水時に市町村長が行う避難勧告等の発令の判断を支援するために、洪水時に都道府県から市町村長に対して直接河川の状況等を伝えるホットラインの構築について依頼をしたところでございます。
 都道府県管理河川の多くは短時間で水位が上昇するなどの課題もありますので、都道府県に参考にしていただく中小河川におけるホットライン活用ガイドラインを作成もいたしました。これによりまして、洪水予報河川、水位周知河川などを対象に速やかにホットラインが構築されることを期待しております。
 都道府県には各河川に設置される減災協議会の場等を活用して対象となる市町村を検討、調整いただき、人口、資産の多い主要な河川等から段階的にホットラインの構築を進めて、遅くとも来年の梅雨期を目途にホットラインの構築をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#90
○室井邦彦君 終わります。
#91
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。
 水防法の一部を改正する法律案について質問をいたしますが、質問が重なっておりますので端的な御答弁をお願いできたらというふうに思います。
 まず、この度の改正で新たに大規模氾濫減災協議会が創設をされますけれども、この効果をまず教えてください。
#92
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 一昨年の関東・東北豪雨による被害を受けまして、水防災意識社会再構築ビジョン、これを作りまして、これに基づく協議会の取組を進めてまいりました。今回の水防法の改正におきまして、この制度を法定化して施策の実効性、継続性の向上、あるいはなかなか進んでいない都道府県のこの協議会の設置の推進が図られるというふうに思っているところでございます。
 効果でございますけれども、例えば北海道北見市の常呂川におきましては、協議会におきまして水害対応タイムラインを早期に作成したことによりまして、昨年の台風十一号豪雨時に円滑な避難が実施できたこと等非常に効果的であることから、水防災意識社会再構築に向けた施策の実施も加速化されることになりました。
 今後とも、この協議会の制度を通じまして、大規模氾濫からの被害軽減に向けて関係者一体となって努力していきたいと考えております。
#93
○青木愛君 先行して行われてきました国の直轄管理河川における取組を今後都道府県が管理する河川にも拡大をするということだと思いますが、こうなりますと、対象となる河川数が一千九百九十一河川と増えることや、また河川が複数の自治体を流れているためにほかの自治体との連携を図る必要性が生じるなど、都道府県には相当の負担も生じるのではないかという懸念もございますけれども、国はどのような支援を行ってまいりますでしょうか。
#94
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 大規模氾濫減災協議会の設置に当たりましては、その対象となる洪水予報河川、あるいは水位周知河川の指定数に鑑みまして、協議会の構成員となる地方公共団体等の負担を軽減するために、圏域あるいは行政界などを考慮して複数河川をまとめて協議会を設置するということとしているところでございます。また、都道府県による大規模氾濫減災協議会の設置に際しましては、各地方整備局に相談窓口を設置し、また都道府県協議会を国の協議会との合同開催にしたり、あるいは都道府県協議会への国のアドバイザー等参画するなど、都道府県の取組を支援してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、大規模氾濫減災協議会の運用に当たりましては、地域の実情も考慮いたしまして、より効率的な取組の実施に努めるとともに、都道府県の負担を軽減するように取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#95
○青木愛君 ありがとうございます。
 とりわけ災害時に配慮が必要となりますのが高齢者、また障害者、乳幼児などが安全に避難できるという取組が重要となると思います。今回の改正でリスクの高い区域にある各種要配慮者利用施設に対して避難計画と避難訓練、努力義務が義務化されるということになっておりますけれども、現時点、平成二十八年の三月の時点で、三万一千二百八施設あるうちの避難確保計画を作成しているのが七百十六施設ということで、二%にすぎないということであります。
 この二%を一〇〇%につなげていくというのは大変なことだというふうに思いますけれども、国はどのようなタイムスケジュールでこの目標を達成するおつもりなのか、お伺いをいたします。
#96
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、平成二十八年三月末現在で、避難確保計画の作成の対象になっている施設についてこれから避難確保計画を作っていくわけでございますけれども、平成三十三年度末までに一〇〇%の実現を目標としているというところでございます。
 このため、今回の水防法改正によります避難確保計画の作成義務化に併せまして、より分かりやすい解説を加えるなど手引を充実していくこと、それから地方公共団体が適切に計画作成を指導できるよう関係機関と連携した点検用マニュアルを作成していき、そしてモデルとなる地区において関係機関と施設管理者等が連携して避難確保計画を検討、作成し、そこで得られた効果的な避難等に関する知見を市町村に提供等支援をしていきたいと考えております。
 さらに、大規模氾濫減災協議会の場で要配慮者利用施設の避難確保計画の作成状況をフォローアップしていくなど、施設において計画が着実に作成されるよう努めていきたいというふうにも考えているところでございます。
#97
○青木愛君 ありがとうございます。
 是非それぞれの地域、またそれぞれの施設、特に高齢者施設、また医療施設などは訓練を行うことも大変な面もあろうかと思いますので、よりきめ細やかなフォローアップのほどよろしくお願いをいたします。
 そして、最も決壊の危険をはらんだ川の一つに荒川がございますけれども、明後日の十三日に地元東京都北区で総合水防訓練が行われます。荒川が氾濫危険水位に迫るという想定の下で行われるわけですけれども、北区内百八十二町会、自治会の会長さんや防災担当者、また消防署、消防団、下水道局、地下鉄の事業者、河川事務所、またボランティア団体などが参加をいたします。これまでもヘリコプターのホバリングなどかなり大掛かりな、北区においては最大規模の訓練になっております。太田前大臣がいらっしゃることもあるかもしれませんけれども、北区では大変防災意識が高いという状況があろうかと思います。
 こういった取組もありながら、住民、区民にとって身近なツールとして重要なのはハザードマップだというふうに思います。北区の場合は、京浜東北線の東側のほとんどが浸水することが予想されておりまして、場所によっては浸水の深さが二メートルから五メートルにも及ぶところがございます。住民一人一人がこうした現状を平時から理解しておくことが大事だというふうに思いますけれども、このハザードマップの周知徹底について国はどのような御指導をされていますでしょうか。
#98
○政府参考人(山田邦博君) ハザードマップの周知につきましては、各自治体によりまして、印刷物の配付に加えて、インターネットですとかあるいは自治会の掲示板の活用、それから説明会の実施、避難訓練での活用等、多様な手段で行われているところでございます。
 東京都北区におきましては、日頃から住民に水害の危険性を認識してもらうために町中に想定浸水深の標識を掲示するという、いわゆるまるごとまちごとハザードマップといいますか、この取組も進められているところでございます。
 国土交通省といたしましても、ハザードマップに関する広報を行うとともに、全国のハザードマップを閲覧できるポータルサイトを設けるなど、認知度向上に努めてまいりました。また、昨年改訂をいたしました市町村向けの水害ハザードマップ作成の手引きでは、避難訓練あるいは防災教育等におけますハザードマップの利活用事例をまとめまして、住民の理解を深める取組を促しているところでございます。
 今後は、大規模氾濫減災協議会の場を活用いたしまして、市町村とも連携しつつ、ハザードマップの活用も含めて、的確な避難に関する住民の理解が進むよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
#99
○青木愛君 ありがとうございます。
 また、こうした平時の取組に加えまして、まさに高水時に迫りくる危険情報を住民に知らせることが肝要でありますが、この荒川流域におきまして洪水情報をスマートフォン等へ直接知らせる取組、今年の五月から開始をしたと聞いておりますが、取組状況と、また、この方式を全国各地にまた展開することにも意味があると思いますけれども、全国展開の御計画などはありますでしょうか。
#100
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、国土交通省では、洪水時に住民の主体的な避難を促進するために、携帯電話事業者の緊急速報メールサービスを活用して、洪水情報のプッシュ型配信に取り組んでいるところでございます。
 この取組は、平成二十七年九月の関東・東北豪雨を踏まえまして、平成二十八年九月から、全国に先駆けて鬼怒川流域の常総市とそれから肱川流域の大洲市、これを対象に運用を開始をいたしまして、本年五月からは、荒川水系を含みます六十三水系にエリアを拡大して運用しているところでございます。
 洪水情報のプッシュ型配信は、個々の住民の方々に洪水氾濫の危険性を迅速かつ確実に伝達する上で非常に有用でありまして、平成三十二年度までに国が管理をする全国百九水系へ取組を順次拡大していくこととしているところでございます。
 今後も引き続き、できる限り早期に多くの水系で運用開始ができるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。
#101
○青木愛君 よろしくお願いいたします。
 続いての質問に移りますが、こうした異常気象による激甚災害を極小化するためには、正確な気象予測が極めて重要であろうと思います。気象衛星は大変大きな役割を果たしておりまして、今、世界最高水準にあるひまわり八号と九号が現在相互に補完し合いながら、宇宙から日本周辺の気象に関する情報提供を行っています。
 気象衛星は以前に比べて格段に精度が向上したというふうに伺っておりますけれども、このようなデータを活用しながらどのように予報精度が向上しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(渡邊良君) 御答弁申し上げます。
 世界最先端の気象観測機能を有するひまわり八号、九号は、従来と比べまして、画像の解像度が二倍に、また観測頻度が六倍となっております。
 この高解像度、高頻度な観測データを用いることで、平成二十八年六月から、台風進路の予報円、予報円といいますのは台風進路予報で台風の中心が七〇%の確率で入る範囲でございますけれども、それを二〇から四〇%小さくするなどの精度向上を図っております。さらに、平成三十年からは、現在の十倍の計算能力を持つスーパーコンピューターの運用を開始する予定です。これにより、「ひまわり」の観測データをより高度に利用するとともに、気象の予測技術を改善し、降雨の予測精度の向上などを図っていく計画です。
 気象庁では、これら最先端の「ひまわり」の観測データやスーパーコンピューターシステムの技術を十分に活用し、引き続き予測精度の向上に努めてまいります。
#103
○青木愛君 ありがとうございます。
 現在、地球全体が異常気象に襲われております。日本は、この「ひまわり」とともに、スーパーコンピューターによる気象予報、これが世界最高水準にあると伺っておりまして、この日本が所有する気象データと気象解析技術によって世界の気象被害軽減に貢献するということは大変意義深いものと考えます。今、この気象分野においても国際協力を進めているように伺っておりますけれども、是非、この分野におきまして日本がイニシアチブを取って、また今以上に世界に貢献することを期待したいというふうに思います。
 それでは最後に、石井大臣に御質問をさせていただきます。
 この度のこの法案改正の趣旨であります逃げ遅れゼロ、これに向けた石井大臣のリーダーシップに期待し、意気込みをお伺いをさせていただきたいと思います。
#104
○国務大臣(石井啓一君) 近年、全国各地で水害が頻発化、激甚化する中、施設では防ぎ切れない大洪水は発生するものとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備えるため、これまで進めてきた防災対策を着実に実施することに加えまして、河川管理者、都道府県、市町村等の関係者が連携して、ハード、ソフト一体となった減災対策を総合的かつ一体的に推進する必要があると認識をしております。
 特に、平成二十七年の関東・東北豪雨や昨年の台風十号の被害を踏まえまして、まず、防災対策として、施設により安全を確保しとする規模の洪水に対して、氾濫被害を未然に防ぐため、堤防整備や河道掘削等のハード整備を着実に推進する取組やダムの再開発等の既存ストックを最大限に活用する取組等を進めるとともに、減災ということで、現況施設能力を上回るあらゆる規模の洪水から氾濫被害の軽減を図るため、関係者が総合的かつ一体的に取り組むための協議会の設立や、避難勧告の発令に資する水害対応タイムラインの作成等を進めてまいります。
 さらに、今回の水防法等の改正によりましてこれらの取組を加速化し、逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化の実現を目指します。
 今後とも、国土交通省の現場力を最大限活用いたしまして、水害から国民の生命と財産を守るため、全力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいりたいと存じます。
#105
○青木愛君 御期待申し上げます。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#106
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 昨年の八月の台風による豪雨におきましては、北海道や東北地方で堤防が決壊したり、河川の氾濫によって大きな被害がもたらされてしまったわけであります。こうした一連の台風による豪雨で甚大な被害を受けた河川というのは、一級水系の支川であったり、また中小の河川であるということでありました。こうした中小の河川におきましては河川整備が遅れていることが多くて、また水位周知河川の指定も進んでいないという状況であります。そのため、地域の住民に対する浸水想定区域図や、また水害リスク情報の提供というのがなされていないということも多いわけであります。
 そこで、この度の改正法案におきましては、中小河川の水防対策として、これ十五条の十一ですけれども、市町村長に対して、浸水実績等の把握の努力義務と、それから水害リスク情報の周知の義務を課しているわけでありますけれども、これで法律に規定をすればもう大丈夫、オーケーということではないと思うんですね。
 水害リスク情報が地域住民に的確に周知されるように、市町村長に対して、私は国土交通省としてもしっかりと支援やまた働きかけを行っていくべきだと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#107
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 今回の水防法改正では、水位周知河川等以外の中小河川におきましても、可能な限り過去の浸水実績等を活用するといった簡易な方法で水害リスク情報を把握、周知するということとしておるところでございます。
 市町村長のみでは過去の浸水実績等を十分に把握できないといった場合がございますので、河川管理の観点から、過去の水害記録等を保有している国あるいは都道府県の河川管理者が市町村長に対して情報提供等の技術的な支援をすることとしているところでございます。
 また、把握した情報の周知方法といたしましては、先ほどもありましたが、町中に浸水深等の情報を標識として掲示するまるごとまちごとハザードマップ実施の手引きというものを取りまとめまして市町村に提供するとともに、防災・安全交付金によりまして、浸水実績等を示した図面の配布ですとか、あるいは災害関連標識の設置等に対して財政的支援を行うこととしているところでございます。
 さらに、市町村が浸水実績等の把握、周知をする際に、都道府県からも支援ができるように、本年三月に地域の水害危険性の周知に関するガイドラインというものをこれも公表したところでございます。
 今後、大規模氾濫減災協議会の場も活用いたしまして、市町村による水害リスク情報の把握、周知を支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#108
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、消防団における水防活動について伺いたいと思います。
 地域住民で行われる水防活動というのは、これは実際、ほとんどの場合が、多くの場合が消防団が行うというふうに認識をしています。もちろん、水防団と呼ばれるもの、専任水防団は全国に七十二団あるということなんですけれども、消防団はそれに対して二千百九十二と、圧倒的に多いような状況であります。
 ただ、実際に地域で水防活動を行う消防団というののその根拠法は何かといいますと、総務省、消防庁が所管する消防組織法であります。そしてまた、この法律に基づいた条例によって消防団員の服務や公務災害補償などが規定をされていると、このような仕組みになっております。
 水防団員やまた消防団員のなり手が減少しているという中におきまして消防団員が水防活動を行うということは、私は、これは合理的だというふうに思ってはいるんですけれども、ただ、やはり消防団ですので、組織の名称は消防団で、そしてまた組織の根拠法も消防組織法であるというふうになりますと、どうしても消防団としては水防活動よりも消防活動の方に意識が優先されがちだというふうに考えております。
 そこで、やはり国土交通省として、消防団における水防活動の重要性を明確にする何か手だてを講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 消防組織法第一条におきまして、水災等の災害を防除し、これらの災害による被害を軽減することが消防の任務として規定をされておりまして、水害発生時には、多くの地域で消防団による水防活動が行われているところでございます。一方、委員御指摘のとおり、水防活動に従事する方のほとんどが消防と水防のいずれもその任務といたします消防団員である現状におきましては、こうした消防団員の方々に水防活動の重要性を認識していただくことは重要だというふうに思っております。
 毎年行われます各種の水防演習には、関係をいたします消防団の方々にも参加をしていただいておりますし、また様々な水防工法や情報伝達訓練を実施する等、実践的な訓練を行っているということでございます。また、毎年、出水前に地方整備局あるいは都道府県等が開催をいたします水防技術講習会というものがございますが、このようなところ等におきまして、水防を担う消防団の方々を対象として、水防技術の向上を図るための基礎技術及び工法の講習も行っているところでございます。
 今後もこうした取組を一層推進をいたしまして、消防団に対しても水防活動の重要性を認識していただくよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
#110
○行田邦子君 確かに、今局長の御答弁にありましたように、消防組織法の第一条には水害を防除しという文言がしっかりと入っております。厳密に言いますと水火災となっていますけれども、これは水害という意味だと思いますけれども、ですので、ここにもしっかりと規定されているわけでありますので、消防団による水防活動の重要性ということを国土交通省としても広めていただきたいというふうに思います。
 それでは次に、不法係留船対策、プレジャーボートなどの放置艇対策について伺いたいと思います。
 東日本大震災におきましては、放置船による二次被害が起きたわけであります。私が住んでおります埼玉県というのは、県土に占める川の面積の割合が日本一ということであります。海はないんですけれども川はたくさんあるということなんですけれども、河川におきましても、河川の洪水時においても橋脚の損傷など、放置艇による被害が懸念をされるわけであります。
 国土交通省と水産庁が共同で実施した調査を見てみました。どのぐらい放置艇というのがあるのかなんですけれども、実はプレジャーボートの半分が、お手元にお配りしているように、半分が放置艇であるということで、ちょっとこれびっくりしたんですけれども、そこで、まず大臣に伺いたいと思うんですけれども、政府における放置艇対策の実施状況と、それから今後の取組について伺いたいと思います。
#111
○国務大臣(石井啓一君) 放置艇対策につきましては、平成二十五年五月に、国土交通省と水産庁が連携をいたしまして今後十年間の対策を取りまとめております。
 その内容は、係留保管施設の整備、放置等禁止区域の指定等による規制措置を実施するとともに、関係者が連携をいたしまして、平成三十四年度までに放置艇ゼロを目指すものでございます。これを踏まえまして、国及び地方自治体が連携をし放置艇対策を進めておりまして、この結果、港湾、河川、漁港における放置艇は、平成二十二年の約九万九千隻が平成二十六年には約八万八千隻と約一万一千隻減少をしている状況でございます。
 今後とも、関係者が連携協力をいたしまして、係留保管能力の向上と規制措置を両輪といたしました放置艇対策を進めてまいりたいと考えております。
#112
○行田邦子君 よろしくお願いします。
 続いて、局長に伺いたいと思うんですけれども、河川から放置艇を所有者が排除しない場合なんですけれども、その場合は都道府県など水域管理者が行政代執行法に基づいて取り除くというか、どかすということになると思います。ただ、この行政代執行法に基づく処置というのは非常に手続が手間が掛かるということであります。
 そして、災害等の緊急時においては、ここで伺いたいんですけれども、行政代執行法の手続を省略をして放置船、放置艇の排除を行うことは可能なんでしょうか。
#113
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 行政代執行法に基づきまして代執行を行うためには、通常、相当の履行期限を定めまして、その期限までに履行がなされないときは代執行を行う旨をあらかじめ文書で戒告すると。そして、この戒告を受けまして、指定の期限までにその義務を履行しないときには代執行令書を発行して、代執行をなすべき時期、それから派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積書を義務者に通知するという手続を経る必要がございます。
 他方、行政代執行法第三条第三項では、非常の場合又は危険切迫の場合で、代執行の急速な実施について緊急の必要があるためこれらの手続を取るいとまがないときは手続を省略することができることとされております。
 一般的には、災害の発生時等がこの場合に当たるものと考えられておりますけれども、具体的にどのような場合に手続を簡素化できるかは各現場において個別具体的に判断されることになるというふうに考えております。
#114
○行田邦子君 災害等の緊急時には手続を省略することができるという規定があるということを確認させていただきました。
 続いてなんですけれども、都道府県など水域管理者が放置艇対策を行う場合は、まずその放置された船の所有者を把握をすることになります。
 お手元にお配りしている資料の下の部分なんですけれども、放置艇のうちどのぐらい所有者が不明な船があるのかというところなんですが、約四分の一、二三%が所有者が分からないという状況で、水域管理者もいろんな苦労をしているようであります。
 こうした放置船の所有者把握については、まず小型船舶の登録事務を行っている日本小型船舶検査機構が発行する登録事項証明書を申請することによって行われることになると思いますが、これが実際には一部事項証明で所有者が分かると思うんですけれども、有料であります。一隻当たり千百円ということでして、何隻かまとめれば安くなるようなんですけれども、一隻当たり千百円ということであります。これが、国が申請する場合は無料ということなのに、都道府県などの水域管理者が申請する場合はしっかりお金を取られると、有料ということであります。
 私は、河川の管理、また放置艇対策というのは、これは水防にも資する重要な行政の事務でありますので、それを行うために必要なことをなぜお金を取らなければいけないのか、おかしいんではないかというふうに思いますけれども、無料にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
#115
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、船舶所有者の氏名、住所や船舶の長さなど小型船舶に関わります情報は、小型船舶の登録等に関する法律に基づきまして、小型船舶の登録事務を行っている日本小型船舶検査機構に対して申請することによりまして登録事項証明書等を入手することが可能でございます。それに係ります手数料につきましては、実費を勘案して国土交通省令で定めているところでございます。
 具体的には、先ほど御指摘のとおり、一部事項証明書は一隻につき千百円となっております。また、二隻以上の登録情報をまとめた登録事項要約書は二千六百五十円となっており、仮に三十隻まとめた場合は一隻当たりおよそ八十八円と、こうなります。
 これらの手数料は適正な小型船舶の登録事務を執行するために必要な額となっているところでございまして、水域管理者たる地方自治体からの申請に対しても必要な事務経費として徴収してございます。なお、法令に基づく情報提供の中には、これと同様に地方自治体から必要な事務経費が徴収されている事例もあることを申し添えさせていただきます。
#116
○行田邦子君 国が水域管理者の場合に同じことを行うと無料、お金は取らないけれども、水域管理者が都道府県だとお金はしっかり取るというのは、これは私はちょっと納得できないというか、おかしいと思いますので、ちょっと今の御答弁だと余りいい回答ではなかったと思うんですけれども、是非検討していただきたいと思っております。
 そして、最後の質問なんですけれども、小型船舶は小型船舶登録法によりまして登録が義務付けられています。ただ、その際なんですけれども、どこに係留するか、保管するかという保管場所の登録は求められていません。
 私、放置艇をなくすためには、自動車登録のように、船舶登録時にどこにその船を係留するのか、保管するのかという保管場所をあらかじめしっかり確保することを義務付けることが有効だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(羽尾一郎君) まず、放置艇への取組につきましては、先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、平成二十五年に定めました推進計画によりまして放置艇をゼロ隻とすることを目標として取り組んでおります。
 このための対策として、御指摘のように、プレジャーボートの所有者に対しましてその保管場所の確保を義務付けるということは、放置艇の発生を未然に防ぐという観点において有効な対策の一つとは考えられますが、一方で、保管場所の確保を義務付けるためには、需要に応じた適切な係留保管場所が不可欠でございますとともに、義務付けに伴う行政コストの増加や法令違反等のモラルハザード誘発の懸念といった様々な課題への対応等も必要でございます。
 このため、まずは既存施設の有効活用や施設整備など、係留保管能力の向上を始めとします環境整備の取組を関係省庁や自治体などと連携して進めることとし、係留保管場所の十分な確保を行った上で、放置艇の発生を防止するための仕組みについても検討してまいりたいと考えてございます。
#118
○行田邦子君 水防に資する放置艇対策、これやることたくさんあると思いますので、しっかりと取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#119
○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水防法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(増子輝彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト